バイオハザードリベーションズ 〜真夏の真実〜 (sss-aaa)
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序章
プロローグ


 2020年 7月3日。

 国際組織BSAAに、重要な一報があった。この一報が後に世界を揺るがす一報になるとは、この時まだ誰も知らなかった。

 

 

「クイーン・ゼノビア号でバイオテロが起こる?」

 俺ー綾波 零ーはお茶を飲み干して言う。

「そうだ。7月24日に東京オリンピックが開催されることは知ってるいるだろう?」

 俺の父親ー綾波 浩介ーが言う。

「知ってるよ。で、そのクイーン・ゼノビア号っていうのは?」

「クイーン・ゼノビア号っていうのは、各国の大統領やお偉いさんが東京オリンピックのために乗ってくる豪華客船だ」

「豪華客船ねえ、、、。で、俺に何をしろと?」

「零、お前の周りにいる友達がいるだろ?」

「ああ、あいつらね、、、」

 俺はあいつら の顔を思い浮かべる。

「その友達と一緒に、クイーン・ゼノビア号に潜入して欲しいんだ」

「はい?」

 思わず声が裏返る。

「それ、危なく無いか?まだ俺たち中学二年生なんだけど。」

「そう言うと思って、BSAAのエージェント高坂 英治に護衛を頼んでおいた」

「そう、それならまあ安心か。俺は行くよ。多分あいつらも行くと思うから明日学校で言っておくよ」

「おっ、そうか、ありがとな」

 

 

 俺はこの時気楽な気持ちで引き受けた。だが、この先想像したことがない絶望に立ち向かうのであった。

 

 

「えっ、クイーン・ゼノビア号に潜入!?」

5人同時に声をあげる

「そうだよ。俺の父親綾波浩介 って知ってるだろ?頼まれたんだよ」

「危なくないか?誰か護衛とかいないのか?」

この発言をしたのが、近藤 雅也。大抵のポーツはできて保健体育はずっと5。

「うん、護衛はいる。BSAAのエージェント高坂 英治っていう人が護衛につく」

「護衛はいるんだね。日程っていつなの?」

この発言をしたのが、上条 真奈。可愛くて、クラスのアイドル的存在。頭も良くて俺が密かに思いを寄せてる女の子だ。

「日程は、というかバイオテロが起こるのが7月24日。

朝聞いてきたんだけど、7月21日にハワイ島から出発するらしい。」

「ハワイ島!?パスポートはどうするんだ?」

この発言をしたのが、稲川 蓮。スマホやパソコンに詳しくて、自作パソコンを作って使用するほど。俺がパソコン欲しいなあ ってふと呟いたらその次の日には、蓮一押しのパソコンの性能を説明して、もともとは15万するパソコンを5万でくれるほど。

「パスポートはBSAA側が作ってくれるらしい。ただ、作る書類には親の承諾がいるんだ。こんな危ない事件に関わるのなら当然親はオーケーしないだろう。そこが問題だ」

「つまり、適当に親に理由をついて書類にサインか何かを書かせろってわけね?」

なんか強そうなオーラを出している。この女の子は 高杉 夏美と言って、一見近づきがたいが、女子にも男子にもテンション上げて振舞ってくれるクラスのムードメーカー的な存在。

「クイーン・ゼノビア号には、各国の大統領たちがいるんだよね。そこに私たちが入り込んでも大丈夫なの?」

この女の子が、桜井 あやめ。クラスでも比較的おとなしい子。だが、歌が上手で音楽の授業の時にその才能を発揮する。風の噂によると、なんやら俺が好き という情報もあるが定かではない

「それは、BSAA側が、俺たちは超お金持ちの家 カトゥルー家から招待を受けている と設定してくれるらしい。そのカトゥルー家ってBSAAの設立者マイケル・カトゥルー の家だけどな。そのことは言わないらしい」

俺は5人を見渡し、

「質問は終わりか?。で、本題だがこのクイーン・ゼノビア号に潜入する気はあるか?」

「そりゃあもちろん行くぜ(行くよ)!」

5人全員ともいってくれるらしい。

「うん、わかった。親父を通してBSAAに伝えておくよ。じゃ、サンキューな」

 

 

さあ、これから悪夢の始まりだ



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第1章 悪夢の始まり
第1話 乗船、そして出航


 2020年 7月21日ハワイ島

 

 雲ひとつない快晴、鮮やかな青色の海。

 アメリカハワイ島のハワイ港に、1つの豪華客船が着水していた。名は「クイーン・ゼノビア」号。24日に開催される東京オリンピックへ向けて、たくさんの大統領やお偉いさんが乗船し、東京湾に向かって出発する。

 

 俺たちは豪華客船クイーン・ゼノビア号の入り口前にいた。

「うわっ〜、デケェ〜」

 口を大きくあけ、雅也が叫ぶ。

「でかくないか?ネットで調べたのと現実では大きく違うな。」

 蓮がスマホをいじりながら言う。どうやら、クイーン・ゼノビア号のホームページを見ているみたいだ。

「てか、ここでネットつかえるの?スマホ家に置いてきたし」

 夏美が、スマホを操作する蓮を見て言う。

「これは外国でも使える無線LANを内蔵してるからな、何処へでも使えるぞ。ちなみに自作だ」

「へ〜、自作、、、。お前将来電子機器に関するすごいものを作るんじゃねーのか?」

 苦笑いしながら、俺は言った。

「蓮くんらしいね。でも充電はどうするの?」

 あやめが不思議そうに言う。それを聞いて蓮は

「あっ!やべ!そのこと考えてなかった!。これ、バッテリー食うんだよな、充電器家に忘れた!」

「なにやってんだお前、、、」

 雅也が呆れた声でいう。このやり取りを見て笑っていると突然

「零くん、話があるんだけど、、、」

 と、真奈が俺だけに聞こえるような小声で言ってきた。

「ん?なんだ?」

「ここじゃ、話しづらいから、、、」

 と言って、俺の手を握り雅也たちから離れた場所へ行く。何か用事でもあるのか? と思っていると

「あのね。私零くんのことが、、、、、」

 真奈がそこまで言いかけた時、黒いスーツをきたふつーそうな男性が

「そこの坊やとお嬢ちゃん。ちょっといいかい?」

 と、話しかけてきた。

「え?何の用ですか?」

 俺はそっちに反応する。横目で、真奈がふくれっ面を、しているのがわかった。

「すまないが、君の名前は綾波 零 であってるかな?」

「あってますけど、、、」

 なんで、俺の名前を知ってるんだ と思っていると今度は真奈の方に

「お嬢ちゃん、君は上条 真奈であってるかい?」

 と言った。真奈は元気がない声で

「あってますけど、、、。」と言った。

 男性はそれを聞いて、安心したのか一息ついて

「そうか、それは良かった。もう聞いていると思うが君たちがクイーン・ゼノビア号に潜入するにあたり護衛をつくことになったBSAAのエージェント高坂 英治 というものだ。あちらにいる4人は今さっき確認させてもらった。出航の時間が近づいているんだ。そのため、今すぐ乗船して欲しいんだ」

 と、早めに言った。

「あなたが今回護衛につく高坂さんですか。これからよろしくお願いします。」

 俺はそう言って頭を下げた。それにつられて真奈も頭を下げる。そこで、雅也が

「おーーーい。早くこっちにきてくれ、早く乗船しないと出航してしまうぞ!

 高坂さんも早くきてください!」

 と、大きな声で叫んだ。

「わかった!今すぐ行く!」

 俺は雅也に負けないくらい大きな声で返事をした。そして、真奈の手を握って「さあ、行こう」と言った。真奈は何か言いたそうだったが、渋々あとをついてきた。そんな俺たちを見て、高坂さんも後から続いた。

 

 

 

 

 乗船の手続きが終わり、俺たちは船内に入る。船内はやはり広くて映画で見るようなシャンデリアが高く吊るしてあった。入ってすぐのところに、ロビーみたいなところがあったので高坂さんはそこにみんなを集めて

「もう目的はわかっていると思うが、今回この船内でバイオテロが起こるかもしれない。いつ、どこで起きるかもわからない。1分足りとも気を抜くな」

 と、言った。みんなはそれにはい と返事をする。高坂さんは全員が返事したのをみて

「よし、まず船内よ部屋だが男子は4階の401号室、女子は4階の402号室だ。さきに部屋の鍵をわたしておく」

 と言って、俺と夏美に鍵をわたした。

「ちなみに私は船内を監視しておく。もし何かあったらこの通信機で連絡してくれ」

 そう言って全員に通信機を渡す。通信機は青色でシンプルなものであった。

「じゃあ、各自解散!」

 高坂さんはそう言って早くも1階を探索し始めた。俺たちは4階へとあがり、男子と女子に別れ部屋に入った。

 部屋は、これまたゴージャスでベッドが4台、バスルームは広くて、中も綺麗。庶民では体験できないような待遇であった。

「すげえな。これ全部使っていいんだろ?」

 俺は部屋を見渡しながら言う。そして、荷物をそばにあったロッカーの中に置いた。蓮、雅也も後を続けてそうする。

「とりあえず、休もうぜ。これからさき体力使うと思うし」

 雅也はそう言ってベッドに寝転がった。

「そうだな。俺はスマホをいじっておくよ」

 蓮がそう言ってスマホを弄り出す。

「おいおい、充電器忘れたんじゃなかったのか、、、」

「大丈夫だ。低電力モードに切り替えた。フルで使ってもあと6時間は持つ」

 蓮はきっぱりと言って、なにやらプログラミング画面を開いて文字を打ち出した。

 呑気だな、と思いながら俺もベッドに横たわることにした。それと同時に、アナウンスが流れ始める。英語なので解読不能だ。なにを言ってるんだろう そう思ってると、蓮が持ってるスマホから

「ただいまより、クイーン・ゼノビア号は東京湾に向かって出発しました。長旅となりますので、ゆっくり休んでください」

 と、女の人の声が聞こえた。ああ、スマホの翻訳機を通したのね。制度高いな。雅也はもう寝てしまっている。こんな状態で大丈夫なのだろうか?俺は早くも心配になってきた



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第2話 奇妙な化け物

「ん、、、」

俺はふと目を覚ます。いつの間にかベッドにすがって眠っていたようだ。時計をみると、あれから1時間程進んでいる。何かあったんじゃないだろうな!?

と心配になったが、横では蓮がスマホをいじってるし、そのまた横では雅也が気持ちよさそうに寝ている。なにもなかったのだろう と俺は安心した。

 

トントントン

「ん?扉?」

誰かが扉をノックしたようだ。俺は立ち上がり、扉を開く。

「あっ、零くん!」

そこには、真奈がいた。若干 と言うよりほとんどかな?さっき見た時と服が変わっていた。なんか露出度高くなってないか?俺がそう思っていると真奈が

「どう?この服似合う?」

と言ってきた。そして、ファッション誌などでみるモデルのポーズをとった。

「似合うって、、、。似合うっちゃ似合うけど、これかバイオテロが起こるかもしれないんだぞ?何か虫が大量発生するかもしれないし、あまり露出度が高くないほうがいいんじゃないのか?」

と、俺は注意と少し感想をまぜて言った。

「う、、、。そうかなあ?」

真奈は首をかしげて言った。そして

「零くん喜ぶと思ったんだけどなあ。」

とぼっそり呟いた。それを聞いていた俺は

「ん?今誰が喜ぶって?」と、聞き返した。

「え?何も言ってないよ私!」

明らかに動揺していたから、絶対言っただろ?何やってんだか、、、。

今思えばこの時間が永遠に続けば良かったのかもしれない。

 

 

それは突然起こった。

「きゃあーーー!」

と、悲鳴が聞こえた。数秒後、「うわあああああ!」という声を聞こえてきた。

「なんだ!?どこから聞こえてきた?」

俺は辺りを見回す。また、

「きゃあーーー!」という悲鳴が聞こえてきたので場所はわかった。そ、の悲鳴で起きたのか、蓮、雅也、夏美、あやめが部屋から出てきた。

「なんだよ、この悲鳴は、、、」

雅也が眠そうな声で言う。それに対し俺は

「何言ってんだよ!バイオテロが起きたんだよバイオテロが!」

と、大きな声で言う。その声で目が覚めたのか、

「なんだって!?よし、高坂さんに連絡する!」

と言って無線機使い始めた。だがしかし、

「つながらない、、、。くそっ、どうなってるんだ!?」

と言って無線機を床に投げつけた。

「誰かに無線を妨害されてるんだろう。それは後にしよう。高坂さんも悲鳴で気付いているだろう。それより零、悲鳴が聞こえた場所はどこなんだ?」

と、蓮が言う。こう言うことはやっぱり蓮だな。

「悲鳴の場所は3階の、廊下からだ!」

俺はそう言って階段を駆け下りる。みんなも後に続く。

 

 

 

 

3階につくと、男性が血まみれで倒れていて、女性が何かに襲われそうになっていた。

何か は身体は半ば溶け崩れつつあり、水死体のように白くふやけ、視覚はあるものの眼球が存在しない頭部、トゲ付き鉄球のように変質した手 という奇妙ー気持ち悪いー外観だった。

「何?あれ、気持ち悪い、、、」

夏美が言う。続けて蓮が

「あいつら人間じゃないな。人工的につくりだされたものか、人間が変異したものだろう」

と、言った。一応どちらの線でも考えられる。そう話している間に女性は化け物に襲われていた。なにやら、たこつぼのような口?で、女性の首元をひっつけていた。

「しまった!!」

俺は思わず声をあげる。だが、その時もう女性は死んでいた。

 

この化け物との出会いが最悪の悪夢を引き起こすのであった。



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