スネイプの逆行転生紀 (セブルス・ツンデーレ・スネイプ)
しおりを挟む

第1話

よろしくお願いします


私が唯一愛した女性の子ハリーを見送った後、人生を振り返っていた。

そして、何ともつまらない人生であったと思った。

愛した女性は別の男を愛した。

そして、彼女は死んだ。

彼女の子も、なかなかに生意気であの忌々しい奴らを思い出してしまうほどだ。

時には闇の帝王に仕え、またある時はダンブルドアに忠誠を誓った。

我ながらよくもまぁ上手く立ち回れていたものだと思う。

だが、結局私は死ぬ。

ダンブルドアは生前、死に対して前向きに捉えていた気があった。

当時の私はそんなものだろうと、半ば適当に同調していたが、いざ死に直面するとわかる。

"死にたくない"

やっておけばよかったと思うことが無数に溢れてくる。

また、後悔の念も同様だ。

ダンブルドアは全てに折り合いをつけ、逝ったが、あれはダンブルドアだから出来たことだろう。

闇の帝王でさえ、唯一死を恐れていた。それ故分霊箱の呪文を習得したのだから。

もう、時間のようだ。

願わくばハリー・ポッターに幸あらんことを…

 

 

 

 

私は目を閉じる。

 

 

目を閉じる前はあんなに怖かったのに、いざ目を閉じると不思議と安心感を抱いた。

何処と無く懐かしくて、気持ちいい温もり。

もう少しこの温もりに浸っていたい。

 

 

 

 

 

 

 

「セブ!いい加減起きなさい!」

突如とした金切り声で思わず目を開ける。

私はイラついた。折角人が気持ちよく死のうと…??

 

傷がない。当然痛みもない。

体が軽い。

身長が縮んでいる…?

そして、ここはベッド。

目の前には若き日の母親。

 

「ようやく起きたのね?早く朝ごはん食べなさい。今日はホグワーツの入学式の日なのよ?」

 

とりあえず母親の言う通りに動く。

生前?の無機質な食事ではなく、温かみのある家庭的な食事。

未だ、私に起こった状況が飲み込めないが、今までのことを考えるとセブルス・スネイプの魂は若き日のセブルス・スネイプの身に憑依したということであろうか。

 

!!!

 

私は一抹の可能性を考えた。

リリー。リリー・エバンズが生きているという事。

 

だが、同時に忌々しい奴らまで生きているという事もあり得る。

それでも私はリリーに会いたい。たとえ、ジェームズを愛していたとしてもリリーが生きていればそれでいい。

 

 

 

 

朝食を食べ、身なりを整えた私は、キングスクロス駅9と4分の3番線に向かう。

活気ある駅のホームに居た。

大量の人の中で、不思議とすぐに見つかった。

リリーが居たのだ。

 

「おはよう。セブ。これから7年間よろしくね。」

彼女は笑みを浮かべた。

何年も前に、二度と見ることが出来ないと悟ったリリーの笑顔だ。

「おはよう。リリー。こちらこそよろしく。」

リリーと握手をした。

暖かかな柔らかい手だ。

やはり、そこに生きている。それが途方もなく嬉しい。

 

「さ、電車に乗りましょ」

「ああ」

電車に乗ると、不思議と目の前に空いているコンパートメントがあった。普通、扉の近くから埋まっていき、最悪立ちっぱとなってしまう電車なのに、珍しい。

「ラッキーね。座りましょう。

あ、車内販売の人だ!すいませーん!かぼちゃパイとかぼちゃのジュースをくださーい!」

「はいはい、これとこれね。お嬢ちゃん可愛いからかぼちゃパイ1個サービスして上げるわ。」

「ありがとうございます!」

リリーはお金を支払い、かぼちゃパイをサービスの分も合わせて3個も買った。

「あー、ちょっと多いかも…セブ、かぼちゃパイ1個食べる?」

「いいのか?」

「もちろん。」

彼女は笑顔で言った。

何度見ても、これは良いものだ。

二人はかぼちゃパイを食べ終わった後、気ままに談笑して居たが、ここに新たな人間が現れた。

 

「ごめん、コンパートメントがいっぱいなんだ。相席お願いしてもいい?」

ジェームズ(とシリウス)だ。

「もちろんいいわよ。」

長年、思春期の生徒を見ていたから不思議とわかる。

ジェームズはこの時からリリーを意識し始めたのだろう。

そう思うと、腹の底に不思議な感情が起こる。

"彼女を取られたくない"と。

理性ではいけないと分かっているのに、本能的にリリーを取られたくないと意識をしてしま

 

「僕の名前はジェームズ・ポッター。こっちがシリウス・ブラックだ。君たちの名前は?」

 

危ない、堂々巡りの自問自答を繰り返す所だった。今日ばかりは此奴に感謝しよう。

 

「私はリリー。こっちがセブ…セブルスよ。」

 

「なるほど。よろしく。所で話は変わるけど、君たちは何処の寮に入るつもり?僕らは断然グリフィンドールだけど。」

「んー、私は何処でもいいかなーって感じね。そう言えば、セブは?」

「…スリザリンかレイブンクロー。」

 

「「何だって!? レイブンクローは兎も角、スリザリン!?」」

 

「ごめんなさい。私は、その…マグルだからよく分からないけど、スリザリンで何でそんなに反応してるの??」

 

「聞けよリリー。スリザリンっていうのは邪悪な魔法使いばかりを輩出する諸悪の根源だ。純血主義者しか居ないクソみたいな所だ。」

「そう、それでこいつはよりにもよってスリザリンだ。リリー、君はマグル生まれと言ったな?ならこいつと付き合うのは止した方がいい。自分からスリザリンに入ろうとする奴らは純血主義者に決まっているからな。」

全く、短慮なものだ。

スリザリン=純血主義者=悪

浅はかとしか言いようがない。

「スリザリンとレイブンクローは他の二つの寮と比べて優秀な人が集まる傾向があると聞く。それから、閉鎖的な魔法界において、強い権力を持つ家系の人間が集まるスリザリンは、今後、将来に向けてのことを考えた時に必ず役に立つ。」

 

これは、私の人生の経験上から出した結論だ。

現にスリザリンとレイブンクローは優秀な生徒が多く集まった。

例外として、ハーマイオニーやセドリックなどが居たが、あれは特別というもので、誤差の範囲の一つだろう。

 

「「なるほど。ようは腰巾着ってわけだ。」」

「なあ、ジェームズ?今こいつに対してセンスあるあだ名を考えたぜ。」

「何かね?シリウス。」

「スニベルス!泣きみそ!ってのはどうだい!?いかにも尻尾を振りそうな弱いこいつにぴったりだ!ほれ、ワンワンと鳴いてみろよ。あ、泣いてもいいぜ!スニベルス!どうだいジェームズ?」

「なるほど!それはいい!所でシリウスよ?」

「何かね?ジェームズ。」

「こんな泣きみその所に居ると、それが移っちまう。こんなコンパートメントに居るくらいなら立ちっぱでホグワーツに行く方がマシじゃないか?」

「おお、友よ。その通りさ。というわけでここからは出て行くね。」

「リリーも、こんな奴と付き合うくらいならもっと別の友人を持った方がいいよ。なんなら僕が誰と付き合えばいいか教えてあげようか?」

 

「最っ低!私が誰と付き合うかは私が決めます!はやく出て行って!!」

 

そして、二人は出て行った。

正直、闇の帝王とかの方がよっぽど怖かったのでなんとも思わないが…

あの二人、あんなに屑だったけ?

いかんせん、記憶が美化されているようだ。

 

「ねぇ、セブ。私、あの二人を見て分かった事が1つあるわ。

グリフィンドールには入りたくない…」

 

え?

 

 

 




一応、セブルス・スネイプは生前行えていた事は大概何でも出来ます。(出来ないのは体格を利用した物くらい。)
原作の中でも割と上位の実力者なので、正直1年生はもちろん、既に学校中のどの生徒よりも強いです。
勝てないのはすごく実力のある教師位。(ダンブルドアとかダンブルドアとか)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話

エタってるわけではないですが…
ふと原作キャラの年齢を調べると、親達が予想以上に年齢差等があり、当初予定してた流れたを組めないと思い、悶々としていたからです。(言い訳

結局、私の文才では、どうすることもできず、タグとして原作キャラ年齢改変と加え、開き直ることといたしました…




忌々しい二人が嵐のように過ぎ去った後、セブルスとリリーの居るコンパートメントは暫し静かな空気がただよっていた。

 

 

「ねぇ、セブ?私思うのよ。

どの寮に入ってもそこで頑張ればいいだけ。頑張ったら何とかなるってね。」

 

「だけど、性根が合わない寮に7年間居るのはなかなかに苦痛だぞ?」

 

「…」

 

 

((気不味い…))

 

基本的に、リリーが何とかして話題を作ろうとするが、セブルスは思わず、一言二言でそれを蹂躙している。

だが、リリーはそれでもめげない。なんていい子だ。

 

「ねぇ、セブ?貴方は純血主義者ではないのよね…?私とこうして会話してるんだし…」

「ああ…といっても、純血とマグル…きつい言い方をすれば"穢れた血"か。それに対してあまり関心が無いというだけかもしれないが。」

これはセブルスの本心である。

愛さえあれば関係ないのだ。生前、この事に気がついた時にはもう遅かった。

「関心が無い…」

「まあ、どうでもいいって事だ。

そんな事気にするくらいなら呪文の一個でも覚える方がよっぽど有意義だ。」

「なんだかんだでずっと悩んでたことなのに、こうもあっさり返されるとね…ふふ、私も何だかどうでもよくなってしまったわ。

 

それでもさっきのジェームズは許せないけど。」

「まあ、人の思想信条なんて其々自由だし、あまり目くじら立ててもストレスが溜まるだけだよ。」

怒ってるリリーも可愛いが、笑っているリリーの方が数倍好みだ。と思っているセブルスは、リリーの笑顔を見る為に、一応のフォローを入れて見る。

「まあ、そうだけど…セブルスをあんな風に言うのが許せないのよ…

 

上手く聞き取れなかったセブルスであったが、自分の事を悪く言っていないのを祈って、放置しておく。

 

まあ、なんだかんだで再び談笑し始めた二人であったが、お互いに今日の事が楽しみ過ぎて昨晩あまり寝てなかったことより着くまで寝ることになった。最も、セブルスは特に眠たくないが、リリーの寝顔を見たいため、彼女に同調したのである。

最初こそ寝顔を眺めていたセブルスであったが、彼女の気持ち良さそうな寝顔に釣られ、どうやらセブルスも眠ってしまったようだ。

(存外、この世界は悪くない…)

 

 

「セブ、セブ起きて。もう直ぐ着くからローブ着ないとだよ。」

「ああ」

彼女に体を揺すられて起きたセブルス。

眠っていた時間こそ短いが、目覚めは最高である。

理由は言うまでもない。

 

ローブを着て、荷物を降ろすなどの準備をし終わったところで丁度列車はホグワーツに着いたようだ。

 

「一年生はみなさんこちらに来てください!!」

先生の先導によって一年生は動き始める。

リリーは遠目にジェームズたちを見かけ、嫌な顔をし、セブルスは先導の先生の名前や特徴を忘れていたため、必死に思い出している。

 

そのままあれよあれよと進んでいき、舞台は組み分けの儀式へ。

 

「では、生徒の名前を呼びますので呼ばれた生徒は前に出て、この帽子をかぶりなさい。呼ぶ順番はファミリーネームについてのアルファベット順とします。」

「アリー・アベントン!」

「レイブンクロー!!」

「アーバン・バベッジ!」

「ハッフルパフ!」

着々と組み分けがなされる中、

「リリー・エバンス!」

「グリフィンドール!」

リリーの組み分けが行われた。どうやらグリフィンドールらしい。最も、先にシリウス・ブラックがグリフィンドールに組み分けされたのを見ていたためか、何処か嫌そうだが。

 

「ジェームズ・ポッター!」

「ううむ…こいつは難しい。気質で言えばスリザリンだが、知恵もある…」

(スリザリン!?冗談じゃない!!スリザリンに入るくらいなら退学になった方がマシだ!グリフィンドール以外に入りたくない!)

「む?グリフィンドールがいいのかね。では、グリフィンドール!!」

リリーは更に嫌そうな顔をした。

 

「セブルス・スネイプ!」

「ううむ…こいつはさっきの子より難しい…知恵もあるし勇気もある。優しさもあれば狡猾さもある…ううむ…

所で君は何処の寮に入りたい?」

「…スリザリンかレイブンクローを希望する…妥協点として、ハッフルパフでも構わないが、グリフィンドールは避けてほしい。」

「うむ、了解した。スリザリン!」

リリーと違う寮になってしまったが、寮の違いなんて些細なものだ。

 

「ようこそスリザリンへ。ミスタースネイプ。私はスリザリンの監督生のルシウス・マルフォイだ。組み分け困難者は珍しいからね。歓迎させてもらうよ。時にミスタースネイプ、君は純血かね?」

およそ、学生の喋り口調とは思えないのはルシウス・マルフォイ。

死喰い人として、帝王の側近であった奴だ。

「私は純血の魔法使いとマグルの間に生まれた混血です。

それから、私は純血主義者に理解は示すものの同調はしませんので予めご了承を。」

「ふむ。あいわかった。いずれ君にも純血の素晴らしさがわかる事になるだろう。」

 

 

 

 

 

所変わってリリーは。

「ようこそ、グリフィンドールへ!!君はマグルの出身なんだってね?もしよかったらマグルの製品とかについて教えてくれないかい?

そうそう、申し遅れたね。私の名前はアーサー・ウィーズリー。グリフィンドールの監督生さ!」

 

マグルオタクの対処に困っていた。

 




アーサーさんはよくよく考えると、ロン入学時には既に魔法学校卒業している兄達も居たのに…なんで2.3個上程度と思っていたのだろう…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話

ネタが本当に思いつかない…

注意:呪文にオリ設定等打ち込んでいます。


昨日、組み分けの儀式が終わった後、私はスリザリンの寮に向かった。監督生であるルシウスが先導をしているが、私にとっては通い慣れた道。

もっとも、怪しまれないように集団についていったが。

寮に入り、部屋割りをされた後自己紹介も早々に、みんな寝るため、各自のベッドルームに入っていった。

私のルームメイトは居ない。

人数の関係上、一人部屋が出来てしまい、それに当たってしまったのだ。いや、当たってくれたとも考えられるか。

所詮私はぼっちという部類に属していた人間だ。

一時期こそ闇の魔術に傾倒し、それを通じて同僚の仲間も出来たが、今更ながらそれをやろうとは思えないし、そもそも、"今の"私は"過去"の私が使うことが出来ていた魔法やそれに準ずる技術もどうやら引き継いでいるらしい。それ故、所詮学生が探求する程度のものは児戯に等しいと考える。

 

「……リリー……」

 

ふと口から出るのはリリーという言葉。

 

そして、思い浮かぶのはリリーの笑顔。

 

前世のリリーの笑顔の横には、ジェームズが居着いてしまった。

 

しかし、この世界のリリーはまだ誰のものでもない。

 

私は、リリーを手に入れたい。

 

…前世の死に際、全てに折り合いをつけて逝ったつもりであったが、目の前に彼女がいると、その折り合いすらも吹き飛ばすらしい。

ジェームズなんかにはリリーはもう2度と渡さない…

 

決意し、気付けば寝て、朝が来ていた。

 

食事をとるため大広間へと向かう。

 

「やぁ、セブおはよう。昨日は眠れた?」

「ああ、結構深く眠れたと思う。」

「そーなんだ…羨ましいな。」

「リリーは眠れなかったのか?」

「うん…あんまり眠れなかったかな。」

「ホームシックにでもなったのか?それとも、初めての夜に興奮でもして、寝付けなかったのか?」

「うーん、その選択肢だと後者かな?同室の子と話が盛り上がっちゃって、気付けば日付が回ってから3時間もたっていたのよ!」

 

「ちょっとー!リリー酷くない!?その言葉だと、私が寝かさなかったみたいじゃない!」

話に割り込んで来たのは…確か…

「あ、私はアリス・アボットよ。アリスって呼んでね。

そして、君が噂のセブ君ですか…」

「噂?」

「ああ、グリフィンドールの女子達で恋バナというほどではないけど、ぱっと見誰がかっこいいか話してたんだけど、そのなかでリリーg「わーわーわー!!! 朝食美味しそーう!食べちゃっていいかな!?」

「いいと思うぞ…」

確か、朝食は自由に来て自由に食べていいはずだ。

しかし、リリーが私の事をどう噂してくれたかの方が気になるが…

「うん?その顔は気になるって顔だね?よし、はなs……フンゴゴゴ」

リリーはアリスの口に近くにあったパンをとって詰め込んでいる。そして、

「セブー私、ちょっとアリスとOHANASHIがあるから、自分の寮の所に行ってご飯を食べに行って来て。」

リリーの目が笑っていないため、頷くしかない。

 

後に、ホグワーツに入学してから早々に、女子トイレから悲鳴が聞こえたと噂が立った……嘆きのマートルだよな!?っと思ったが、証言とマートルのいるトイレとが一致しない為、まだまだホグワーツには謎が隠されていると暫くの間生徒間の話題のタネとなったりならなかったりしたとか。

 

また、「真に恐ろしいのは呪文ではなく物理」とはアリスの談

 

朝食を美味しく食べ終わり午前の授業に入る。

初めは呪文学で、グリフィンドールと合同だ。

この頃は何故かグリフィンドールとスリザリンの合同授業が多かったのだ。私が教師として、ホグワーツに勤め始めた時には必死に訴えて、この組み合わせを外してものだと回想する。

 

「はい、今日は早速呪文について説明します。そうそう、私はメアリーブラウン。気軽にメアリー先生と呼んでね。」

呪文学の教師はブラウン氏だ。

「この呪文学の授業では、主に呪文の理論と実践を学びます。

この呪文学は他の授業の基礎となる部分も非常に多く、いずれ、あなた達もしっかりと勉強をすれば、自然と他の教科の実力も上がることに気づくでしょう。まず、今回のはじめの授業は光を出す呪文について学びましょう。まずは見本を見せます。<ルーモス、光よ。>」

ブラウン氏の杖先が白く光る。

なるほど、そういえば、1年生の一番最初にやった…け?

「そして、こちらがこの呪文を理論的に説明したものと、呪文式と呼ばれる呪文の構成を表す式です。まだ1年生の貴方達には難しいかもしれませんが、いずれはこれらを理解して貰いたいと考えてい「せんせーい!こんなの理論や式なんていらないぜ!<ルーモス光よ>」

先生の話の腰を折ってドヤ顔で呪文を使ったのはジェームズポッターとシリウスブラックだ。

「まあ、綺麗に光らせていますね。グリフィンドールに1点。しかし、私の話の途中に割り込んできたので2点減点します。

さて、確かにこの呪文はただ唱えるだけで光る簡単な呪文です。しかし、さきの理論や式について理解してないと出来ないこともあります。それが何だか、分かる人はいますか?」

ブラウン氏はこのような生徒は毎年居るのだ。と軽く流している。

 

私はジェームズの事が気に入らない。どうせなら恥をかかせてやろうと手をあげる。

「お、ではスネイプ君」

「まずは、理論より実践であろう。これが普通の呪文。<ルーモス光よ>そこのジェームズと変わらない程度の光だ。だが、これの呪文式を理解するとこのようなこともできる。」

私は光を強めたり弱めたりとを繰り返す。

「このように呪文に変化を加える事が出来る。ただの光の呪文なら、せいぜい夜道に便利な程度だが、光を最大限に強めると、相手の目くらましになる。一方、弱めると暗い中での移動について、相手に気付かれることを僅かながらも低く抑えることも可能だ。

このような事も知らず、ただ、ガムシャラに杖を振って、呪文を唱えても、所詮それなり程度となってしまう。そしてそれは、成長を諦めた愚か者とも言えるだろう。」

私は一息に喋りきる。

教師としての感覚が蘇り、何処か偉そうな言葉に聞こえたかも…聞こえたのかな、ジェームズが凄く睨んでいる。だが、それ以上に周りの目がジェームズを嘲笑した感じに見ている。うむ、満足だ。

「素晴らしい!スリザリンに10点!私は長く教師をやっていますが、1年生の初回の授業でここまで完璧に説明し、実践した生徒を初めて見ました!

基本はスネイプ君の言った通りです。

それから、まだこの式を理解できないからと言って落ち込むことはしないでくださいね。スネイプ君の方が稀なのですから。

では、今日の授業はここまで、分からないところがあったら質問に来てくださいね。」

 

今日はこの授業位しか特筆すべきことは起きなかった。

また、今朝に会ったアリス・アボットは一つ年上のフランク・ロングボトムと並んで歩いていたのを見て、彼女。いや彼女らがネビル・ロングボトムの両親であったことを思い出した。

 

リリーを救うことは確定事項だ。

この世界では意地でも救ってみせる。

そして、その上で他の人達も救うべきなのだろうか。

ネビルは入学当初は明らかな劣等生だった。しかし彼のたゆまぬ努力によって、ついには闇の帝王にも立ち向かった真のグリフィンドール生にまで上り詰めた。恐らく彼が劣等生であったのは明らかに両親の心が壊れたのが関係している。

彼らを救うことは間接的にだがネビルの事を救うことにも繋がるだろう。

いや、ネビルだけではない。闇の帝王によって屠られた人達は数多くいる。

私が、今から努力して、来るべき時に闇の帝王に対抗できる力をつける事が出来るだろうか?

出来るかもしれない。しかし、自信はない。

だが、ダンブルドアを信用できるのか?

確かに前世では忠誠を誓った。

しかし、彼はきな臭いことが多すぎる。

 

私はどうすればいいのだ……

 




セブルス君この先どう動こうかと悩む回でした
また、この先もちょくちょくジェームズアンチを進めていこうと思います。
ちなみにアリスの性のアボットは確か未来のネビルの奥さんの旧姓からとりました。(調べたけど出てこなかったので苦肉の策)
私はネビル君が好きなので今後も出てくると思います。

……後このまま行けばセブルスは鈍感系主人公となってしまいます。
不名誉を与えられる前にリリーとくっつけて砂糖を吐かせていいですか?

*追記 アリスの名字を修正しました。イギリスのファーストネーム・ファミリーネームの順番の癖に、アボット・ハンナ!のイメージがつよくて、やらかしてしまった。ご指摘ありがとうございましたm(__)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話

感想等より誤りを指摘していただきました。
ご報告ありがとうございましたm(__)m



若き身となってそれなりの月日が経ち、気づけばハロウィンの手前あたりの日付となった。

私はリリーやアリス、その他の多数の生徒達とそれなりに仲良くやっていけていると思う。

スリザリンはもちろん、他寮の生徒からも授業内容でわからない所を先生の代わりに答えていったら、特にパッフルパフとレイブンクローを中心に"スリザリンの中で珍しくマトモな人"という名誉か不名誉か分からない評価を受けている。

だが、グリフィンドールの一部は長い歴史の中で培われた嫌スリザリンの感情のため、スリザリンは他寮と仲良くする行為が気に入らないらしい。

 

まあ、リリーと仲良くやっていけるなら他人の評価の価値など鼻くそにも満たないが。

 

「「おはようセブ(ルス)」」

挨拶してくれたのはリリーとアリスだ。

「ああ、おはよ「「そーれ!!」」…っち」

突然、ジェームズとシリウスがまたちょっかいをかけてきた。

といっても、よく分からないものを投げてきただけだが。

本来なら無視をする所だが、リリーとの朝の挨拶を邪魔をするのは罪深い。応じてやろう。

 

「【浮遊せよ】」

あえて、最近習ったばかりの呪文を、投げられたものにかける。フワフワと浮いた物はジェームズ達の頭の上にまで戻り、呪文を解く。

二人にぶつかった衝撃で中に入っていた液体が飛び出る。

 

「何これ…クサイ…」

アリスはあからさまに顔をしかめる。リリーも同様に言葉にはしないが辛そうだ。

「しかし、この独特の刺激臭…トロールの尿か?だが……」

魔法薬学の教授として、トロールの尿を扱った事がある。その臭いと酷似している。だが、一介の1年生が手に入れる事が出来るのだろうか?

「さすがセブルス。ご名答。これはトロールの尿だ。その広い知識にスリザリンに3点。ジェームズ達は悪質なイタズラにより、5点ずつ減点。それから、二人にはトロールの尿の入手方法について聞かせてもらおう。ついて来なさい。」

臭い消しの呪文を使い場を収拾したのはスラグホーン教諭だ。

前世では私の後釜として復帰し、魔法薬学の教鞭をとった。

今の時期はまだ、教師として働いている。

 

「朝から嫌な臭いを嗅いたわ…食欲なくなっちゃった。」

リリーとアリスは迷惑そうな顔をしながら、連れていかれる二人を見ていた。その目には侮蔑も含まれているようだ。

「食欲が湧かなくても直に腹は減る。今は食べにくいだろうから、パンとかを貰っておいて、食べれそうになったら食べたらいい。」

「そうね、そうするわ。」

「んー、私は今食べても多分大丈夫だけど、リリーに合わせようかしら。美味しくは食べれそうにないし。」

「アリス…あなた凄いわね…あれを嗅いだ後食べ物食べれるなんて。」

「そうかしら?」

アリスはサバサバしていてリリーとは正反対の人間だ。

だからこそ、二人は仲良くなったのかもしれない。

「自分は…果物だけ食べてこよう。」

「そう、それじゃまたね。今日は合同授業スリザリンとないから今晩に」

「ああ」

 

果物を食べた後、授業を受ける。

特筆すべきことは何もない。今日も私一人でスリザリンに5点の点数を手に入れた位だろう。

 

夕食前の自由時間。その辺を散歩していた私に声がかけられる。

「あ!おーい!セブー!!」

声をかけながら走ってきたのはアリス。後ろにはリリーを連れている。

「はぁはぁ…アリス、急に走らないでよ…」

「まぁまぁ。セブに教えてもらい所あったじゃない。」

汗をかいて息をきらしてるリリーも可愛い。いけない、邪念が入った。

「あ、そうだった。ねぇセブ。ここのこの部分なんだけど…」

「ああ、そこは、ここをこうしてこうやってこうすれば…」

リリーとアリスはよく私に質問に来てくれる。

二人とも優秀で教えていると彼女らの成長を直ぐに感じることができて、教えるのが楽しい。

リリーと二人で会話をするだけでも楽しいが、アリスを交えて魔法を教えるのも悪くない。

 

「ふむふむ…うー、なんか納得は出来るけど、理解は出来ないというか…うーん難しい…」

「アリス、私は何とか分かったから夕食後寮の部屋で教えてあげるわ。お腹も空いてきたし、夕食を食べに行きましょう。」

 

これはアリスが優秀ではない。というわけではない。内容的には4年生あたりに相当するレベルだ。分からなくても無理はない。教えるのが楽しくて、ついつい発展的な所も教えてしまったのだ。だが、それを理解してしまうリリーはやはり優秀だ。

 

「晩ご飯!カボチャパイが私を待っている!

……あ、おしっこ行きたくなってきた……」

 

…こんなセリフを聞いているとアリスが本当に優秀なのか時たま疑ってしまうが。

 

「もー、アリスったら……嫌だわ。私も行きたくなってきた……。

今の時間、大広間手前のトイレは混んでるだろうからちょっと離れた所に行きましょう。セブ、悪いけど先に行ってていいわよ。」

「分かった。」

流石にトイレにまで着いて行くとは言えない。

大広間に向かおう。

「セブ!ちょっと待って!

…何時もの道が何故か閉まっているの!万が一迷子になったら嫌だし着いて来てくれない…?セブはこの学校の地図頭の中に入ってそうだし…」

いかに優秀なリリーといえど広い学校内の経路はまだ覚えきれてないらしい。

「もちろん、それから女子トイレならこっちの方が近い。」

 

「「ありがとうセブ。」」

 

〜美少女達が用を足しています〜

 

二人のトイレを待っている間、後ろから生暖かく、臭い風が吹いて来た。

…もの凄く嫌な予感がする。

恐る恐る後ろを振り返ると…

「トロール…」

 

「あー、スッキリスッキリ。待たせてごめんね。せぇ……」

流石のアリスも言葉を詰まらせたみたいだ。

 

何ともタイミングが悪い。

「二人とも…もう少しトイレに入ってていいぞ…」

何とか対処しよう。

「何言ってるの!?セブ!貴方もトイレに逃げましょう!」

しかし、リリーに首根っこ掴まれて強引に女子トイレの中に入らされた。

「このまま通り過ぎて貰うしかないわね…」

私はトロール程度には遅れはとらない。だけど、リリーはそうは思っていないみたいだ。

 

 

しかしふと考えると、おかしい。よくよく考えたら、この時期にトロールが学校内に侵入したという記憶は私にはない。いくらホグワーツといえど、トロールが学校内に入ったのは片手で数えるほどしかなく、その全てがなかなかに印象的なものであったし、忘れてるということも無いだろう…

ということは

「前世と一緒。というわけではないのか…」

 

「セブ!セブ!ぼーっとしないで戻って来て!」

リリーに声をかけられ、自分を取り戻す。

よくよく考えたら少し先が見えなくなったというだけだ。

この程度の事で取り乱すとは情けない。

 

「二人とも、私がトロールの相手をするからそのうちに逃げるんだ。」

私はトロールなら簡単にやれる。

「ダメよ!死んでしまうわ!」

リリーは強気に反対している。

アリスは…普段とは逆に怯えて声が出せないようだ。だが、目に涙を浮かべながら首を振っている。

1年生の身でトロールと相対しているのだ。怯えるのも無理はない。

 

ドバァン!!

 

しかし、トロールがよりにもよってトイレの扉をぶち破って中に侵入して来た。

 

こうなれば、もう手段は選んでられない。二人のために前に出る。

 

「ふん!」

ふりかかるトロールの棍棒を防御の呪文で振り払う。

トロールは弾き返された反動で棍棒を落とした。

「『浮遊せよ】」

そして、棍棒に浮遊呪文をかけ、頭に叩き落とす。

トロールは脳震盪を起こし、倒れた。

これは、前世でロナウドウィーズリーがやった対トロールへの攻撃方法だ。悪霊の火などでもいいが、二人を万が一にも巻き込むわけにはいかない。その点この方法は二人を巻き込まず、かつ強烈な一撃を叩き込める。物理的攻撃は時に魔法より便利だ。

「【縛れ】」

一応念の為に束縛の呪文をかける。

 

 

「二人とも、もう大丈夫だよ。」

二人を安心させるため声をかける。

パシィ-ン!

「セブ!ふざけないで!

私、知ってるのよ!トロールがどんなに危険な生物か!それに一人で立ち向かうなんて、死ぬ気なの!?貴方が死んだら私はとっても悲しむのよ!お願いだから無茶をしないで!

ねぇ、そんなに、私が頼りないの?私がマグルだから?やっぱりセブはマグルを下に見てるの??」

 

返ってきたのは彼女の平手打ちと怒号。そして涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「私、怯えていただけで、さらに最終盤では空気?」

 

 

 

 




セブルスのキャラがうまく定まらない…
それから致命的な戦闘描写。
私の拙い国語力。
ごめんなさい。
今後三人称視点にした方が分かりやすくなるのかなーっと視点変更悩み中です。グダグダしていて、読者の皆さんに混乱を与えるかも。
もう一度ごめんなさい。

それから、呪文を調べるのが大変(本当は面倒なだけ)になってきたので、アブラケタブラクラスの有名な呪文以外、【】書きで日本語表記しています。
また、原作との矛盾が大きくなっていくと思いますが、お許しを…


次回予告!
セブルスとリリーがくっつくきます!
第5話 「アリス空気化」
デュエルスタンバイ!(やって見たかっただけです。許してください。)



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。