悲しみのモルテ (tutimikad)
しおりを挟む

第0章 ----おはよう----

皆さんはじめまして!つちみかどと申します!
小説家になろうのサイトから来た者ですけど、どうせならこっちにも載せようかなと思いながら載せてます!



僕はこの小説の主人公の山本 亮。

高校二年生の夏頃でもうとっくに高校の生活には馴染んできた。

 

流石に東京の夏は蒸し暑いなと僕は思い、少し重い身体を起こした。

 

僕は陸上部だ。

なので朝練があるため僕は多分部活に入っていない子に比べて早く起きた。

そして、制服ではなく、学校指定の黒色のジャージを着て、学校の準備は前の日にしてある。

だから、僕は服の着替えだけで、2階から1階に降り、洗面所で顔を洗い流し、寝癖でボサボサになってしまった髪を整えた。

 

そして、お母さんに

「おはよー」と言って、お母さんは

「おはよう、今日も部活頑張って」とニッコリ笑い、朝ごはんを出してくれた。

今日の朝ごはんはご飯に味噌汁、そして昨日の夜の残りの物の唐揚げと目玉焼きだ。朝からこの量は流石に多いなとは思うが、部活もやってるし、お母さんに悪いと思うため全部食べた。

 

「ごちそうさまぁ」と言い、僕は歯磨きをして早速学校へと向かった。

僕の学校は家から割と近い。

走って10分だ。

 

まあ家から近いからこの学校を選んだんだけどね。

僕は10分走り、学校の校門に着き、とりあえず校門近くの先輩3人に挨拶をして、荷物を1回置きに行った。

荷物を置きに行くことで、朝練終わりに重いとカバンを校舎の2階まで持って行かなくて良くなり、荷物はそこまで重くない部活専用のエナメル素材のリュックだけになるのだ。

 

カバンを置き終わり今度は部室に行くことにした。

 

部室に行くと、後輩の三島 夢(女)がいて、僕を見つけるとすぐに椅子から立ち上がり挨拶をしてきた。

「先輩! おはようございます!」

「うん、おはよ」と僕は軽い挨拶したら、急に顔を近づけて来て

「もうすぐ大会ですので、頑張って行きましょーね!」と笑顔で言われた。

僕は今まで女性とお付き合いをした事が無いため、急に顔を近づけられると流石にドキッとしてしまうが、ここは冷静に…。

「うん、頑張ろーな」と笑い返した。

「はい! 私先に行ってますね!」と言って、ポニーテールを元気に揺らして部室から出ていってしまった。

 

僕も行かなきゃと思い、リュックを自分のロッカーに入れて、部室を出た。

 

外に出る前も暑かったが、外に出るともっと暑かった。

地面から湯気の様な物が出ている。あれ? この湯気みたいなのなんていうんだっけ? そんなどうでもいい事を思ったが、そんな事を考えてる暇は無い。とりあえず顧問に集められたので、僕は顧問の元へ行った。

 

「もうすぐ大会だな! 去年は惜しい所で負けてしまったな! 今年は絶対勝とう!」と顧問は声を張り上げた。

皆が一斉に返事をする。もちろん僕もだ。

 

――――――――

あーやばい。1時間も走ったら汗だくだ。

 

人間の身体は子供だと70%水で出来てるんだっけ? でも、僕もう大人かな? 60%?

 

それよりこれ以上、水分を無くしてしまったら、死んでしまう。とりあえず朝練終わったし、部室に戻ろう…。

 

部室に戻ると流石に汗臭いな、もわぁっとしてる。男も女も汗だくだ。

 

とりあえず自分のロッカーから自分のリュックを取り、ポ〇リを飲んだ。

あぁ美味い…。乾いた喉を潤してくれる。回復するぅ。有難い…!

 

着替えなくてはいけないので、男子更衣室に向かった。

 

中に入ると数人の先輩と後輩が居た。

こっちはもっと汗臭かった。嫌だなぁと思いながら着替えてると、急に山田先輩が来て、僕に言う

「よう! 調子はどうだよ!」

「まあぼちぼちですね」正直これは返答に困った。

なんて言えば良いのか分からなかったし、先輩の最後の大会だし。最高とも言えないし、最低とも言えない。

山田先輩が急に肩を叩いて、

「まあ、安心しろな。俺がいるからな!」山田先輩はへへっ! 鼻を高くして言った。たしかに山田先輩は速いし信頼、尊敬している。

この人なら大丈夫だなと思い、はいと返事だけして、時間も無いため速攻着替えて、更衣室を出た。

僕は部活専用のリュックだけを持ち、教室に行った。

そういえば、今日こそ優梨華ちゃん言うんだ。

あー優梨華ちゃんとは僕が大好きな女の子だ。黒色のミディアムぐらいの髪で、とても可愛い子だ。正直クラスでは目立つ子ではないけど、僕は好きだ。なんで好きになったかは、いつか話そうと思う。

 

そして、今日僕は優梨華ちゃんをお出かけに誘おうと思っている!

僕なら出来る! 急に自信が湧いてきたため、無くならない内に言えるように僕は教室へと駆け込んだ。

 

いた! 優梨華ちゃんがいる! 幸運な事に優梨華ちゃんと僕は隣だ。教室のドアから1番近い端に席があるため、すぐにいることは分かった。

とりあえず僕は優梨華ちゃんに挨拶をした。

「おはよう! 優梨華」と軽い感じにしといた。もちろん優梨華ちゃんも

「おはようなのです。亮くん。」優梨華ちゃんは読んでいた本から目を離し、こっちを向いてくれた。

僕はチャンスだと思いここで誘うことにした。

 

「えーと、優梨華。土曜日お出かけに行かない?明日部活無いからさ。」僕は、ちゃんと優梨華ちゃんの目を見つめて言えた。優梨華ちゃんは急に顔が真っ赤になった。髪の毛をいじりながら頷いてくれた。

 

僕はマジか…。って思ってしまった。だって、2人でですよ!しかし、OKを貰えてしまった。ここは嬉しい感じを出しとこう。

 

「まじで!?やったー!じゃ、じゃあさ!明日の11時に駅前で良い?」目を離しちゃいけないと思いずっと見つめながら言った。

優梨華ちゃんはもう一度頷いてくれた。これ来たわ!

そこで話は終わってしまった。しかし、僕は幸せで気持ちがふわふわしていて、もう何も考えられなかった。

 

――――――――

学校がいつの間にか終わっていた。今日の授業も部活も全然集中出来なかった。とりあえず、部活も終わったし、家に帰った。

 

僕はお風呂に入り、夜ご飯を食べて、明日に備えて早く寝ることにした。

しかし、全く寝付けなかった。多分2時間ぐらい経っただろう。僕は眠る事が出来た。

 

 

急に目が覚めた…。しかし、目は開けていない。だるかったからだ。

手が妙に暖かい。しかし、手以外は少し寒かった。しかも、布団が固くなっていた。何故だ? まあいっか。寝よう。明日に備えて。あれ? 明日って何かあったっけ?

あぁどうでもいいや、おやすみ。

 

 

――――――――

「起きてください」という優しい声が聞こえた気がする。肩をトントンと叩かれた。

まだ眠いが、僕は目を開けた。

 

そこには、見知らぬ少女と見知らぬ天井。そして、少女は背が低いほうなのにもっと低いおじさん? みたいなのがいる。

しかも、耳が少し尖ってるのかな?

そして、白いヒゲが生えていて、頭に髪の毛は無い。あと、服の様子がおかしい。黒い布みたいなのを羽織っている。

「おはよう。あのー記憶あります?」少女はベットに寝ていた僕と視線が合うように、腰を下げてくれた。

って言うか、記憶? 何言ってるんだ。僕はリョウだろ。

あれっ? 漢字と名字が分からないぞ。そして自分の名前しか思い出せない。

なんか脳みそがごちゃごちゃしていて、色んなことを思い出そうとすると、頭が…頭痛がすごい。頭が爆発するかちぎれそうだ。

 

「やはりお主も記憶がないんじゃな。名前しか思い出せんじゃろ」小さいおじさんはこっちを真剣な眼差しで見ながら言った。

「僕は誰だ…。そして、ここは?」周りを見渡して見た。

天井は木で床はほんとに石みたいだ。

ゴツゴツはしていないみたいだ。ベットから出て、その床に触れてみた。

冷たいっ。

 

部屋の奥にある棚の上には、見たこともない青い花とチョウチョ? それに近い感じのが花に何かしている。

 

棚の中には、よく分からない文字が書いてある本が隙間なく突っ込まれている。

 

窓からは白の壁と青色の屋根が目立つ巨大な城があり、ここは城下町なんだろうなと思った。遠くからでも、わかるくらい人がたくさんいた。

民家と思われる屋根もあり、綺麗で活気に溢れていた。

直感で僕が前にいた世界とは違うものだとそう感じることが出来た。

小さいおじさんはベットから離れ、クルッと振り返り言った。

「ここはシャトーという街じゃよ。ここはワシらの家じゃ。そしてワシらは『アンヘルコッロ(天使の首)』というギルド名じゃ」

僕の冒険はここから始まってしまった。

 

 




読んでいただきありがとうございます!
次回は明日というか、第1章は毎日出す予定です!
次もお楽しみに!

「第1章(1話) ----自己紹介----」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章 (1話) ----自己紹介----

第0章のあらすじ
山本 亮と水瀬 優梨華は異世界へ来てしまう。

第1章第1話
今回で、メインとなるキャラは大半出ます。


〜今日を生きて、明日を生きる〜

第1章 (1話)

 

 

小さいおじさんはフラビオだと名乗った。

そして、少女はユリカという名前だと教えてもらった。可愛い。正直この娘マジでタイプだ。ニコッとした時の笑顔が半端なく可愛い。

 

フラビオさんは、部屋のドアを開けて、ギルドのメンバーへ向けてだろう。

「おーい!起きたぞ」

大きい声だった。部屋の外に叫んだのに僕達がいた部屋にも響いてきた。

 

フラビオさん合わせて6人の男女が入ってきた。

ものすごいメンツだ。髪が赤色だったり、金髪だったりだ。

いや、これおかしいだろと僕は思ったが、これがこの世界の常識、普通なのだろう。

とりあえず全員が自己紹介をした。

 

・赤色の髪でオールバックの高身長のロストさん(男)

ガタイが良いし、怖い。見た目めっちゃ怖い。

 

・髪の毛がボサボサで正直ラフ過ぎる服装のセルジオさん(男)

帽子も被っているし、髪の毛が長いし、目元が見えない。

 

・金髪のポニーテールで顔立ちも美しい、ごつい鎧を着ており、後ろにはめちゃくちゃ大きいランスと盾を持っているアルバニアさん(女)

男だと、美しい顔とその大きい胸を見てしまう。これは仕方ないことだと思うんだよ。

 

・美しい白髪編み込みを入れていてサイドでまとめていて、部屋に入ってきた時にジャンプで「やっほー!」で笑顔で入ってこようとしたが、杖が長過ぎて壁に引っかかり1発では入れなかったエレノアさん(女)

エレノアさんは綺麗系ではなく、これは可憐という感じだ

 

・黒髪パッツンで眼鏡をかけているディサラさん(女)

手に分厚い本を持っており、外見は頭が良さそうな感じだ。本とかで見たことあるような魔法使いみたいな服装をしている。

 

アルバニアさんを見たあとに、エレノアさんとディサラさんを見るとどうしても胸部分に目が言ってしまう。

エレノアさんは12歳ぐらいだからまだ無いのは分かるが。ディサラさんは18歳ぐらいだと思う。自分よりは年上そうだ。

 

フラビオさんはギルドについて説明をしてくれた。

 

まず、ギルドというのはクエストを受けて、モンスターを狩ったり、ダンジョンに潜って宝を回収したりするものらしい。

 

そして、ギルドのメンバーはそれぞれなりたい職業につくらしい。

ギルドのたった一つの決まりは、ひとつ正式に職業になっていることらしい

ロストさんとアルバニアさんは戦士だし、

セルジオさんは銃士でエレノアさんは聖魔道士だし、ディサラさんは魔道士だ。

聖魔道士ってなんだろう? と思い、聞いてみた。聖魔道士は普通の魔道士とは違い、人体の回復や状態異常になった時に治すことが出来るらしい。

 

「まず、お主らはギルドに入るのか聞くぞ。正直ワシはお前らが入るか入らないかはどうでもいいんじゃ。ワシはお前らみたいに異世界から来たのは、一応迎えるつもりだったんじゃ。まぁ本当に異世界から来た人を見たのは初めてじゃよ。時々噂で聞く程度だったんじゃ。」フラビオさんはそう俺達に聞いてきた。

「まあ、安心しろ。正直このギルドに入らなくても最初は辛いかもしれないが、どっかのお店で働きながら、勉強してお店でも開けばいいさ」髪の毛のボサボサなセルジオさんは笑顔で言ってきた。

 

僕は、どうするのが正解なんだろう…。正直分からない。

横にいるユリカちゃんを見た。

ユリカちゃんはどうなんだろ?

 

ユリカちゃんは迷ってはいないみたいだ。

「私はやらせて…入らせていただきます」

え…。

「僕もお願いします!」

 

女子が入るのに男が入らないわけにはいかない。よね?

 

「わかったぞ!とりあえずお主らは自分の魔法属性を調べにいくんじゃ!バニア! エレノア!お主らでいつもの占い師へ連れていくんじゃ」

 

フラビオさんはそう言って、僕達4人を家の外に出した。

 

 

――――――――

僕とユリカちゃんはアルバニアさんとエレノアさんの後をトコトコ付いて行った。

僕は気になる事を聞いてみた。

「あの、アルバニアさん魔法属性ってのはなんですか?あんまり意味が分からないんですが…。」

 

「あぁ、魔法属性っていうのは、なんの魔法が使えるか大体調べられるんだ。それと私のことはバニアと呼べ。そっちの方が慣れてるんだ。」バニアさんがこっちをキリッと見た。

 

「ねーねー! 聞いてよ! エレノアはね! 聖魔道士だし、魔法使えるんだよ! だけどね! バニアってねー! 魔法属性がないからね! 魔法使えないんだよ!」エレノアさんはニッコニコしながら、なんの悪気も無く言った。

 

「バ、バカ! うるさい! それは今言わなくてもいいだろ!」バニアさんはキリッとした後に言われたため、めちゃくちゃ恥ずかしかっただろう。焦りまくってる。

 

「だ、大丈夫ですよ。私達もまだ魔法属性無いかも知れませんし…。」ここでユリカちゃんの優しいフォローだ。僕も入れとく。

「そーですよ!大丈夫です!僕なんかダメそうですし…。」

バニアさんはうぅとか言いながら泣きかけていた。

 

僕はさっきの事があり、気不味いので街の風景を見渡してみた。木組みの街で、青の屋根で、お洒落だと思う。道路にゴミなど全く無く、看板とかも帽子かな? というデザインやコーヒーカップの看板はカフェだよね?

木が生えてたり、花壇とかもたくさんあって落ち着く雰囲気もあった。

 

正直急に知らない世界に来てしまったらしいくて、気持ちはどうしてと明るくはならなかったが、ここを歩くだけで気持ちは明るくなっていく。

ここなら上手くやっていけそうな気がする!どんどんとランラン気分になって行き、ハイテンションで歩いていた。

 

急に真っ直ぐ表通りを歩いていたら、急にエレノアさんが

「こっちだよぉー!!!」と左に曲がろ! って指を指していた。

 

そこを覗いて見たら、人気もなく、真っ暗な道だ。どう見ても、怪しい雰囲気だ。

あれ?やっぱり駄目な気がするなぁ…。




読んでいただきありがとうございます!
今回で少しでもキャラクター分かって頂ければ嬉しいです!

小説家になろうでは続きを読めますよ!↓↓↓

http://ncode.syosetu.com/n4875dx/


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章(2話) ----ようこそ----

前話のあらすじ
現在のギルドメンバーが自己紹介をして、ギルドのメンバーになるため占い師のところへ向かった。

第1章第2話
主人公はどんな魔法を使えるか調べます。


〜今日を生きて、明日を生きる〜

 

 

 

表通りを左に曲がると、そこには怪しげなお店がいくつもあった。

字が分からないため確証は出来ないが、あのドクロのマークのお店は絶対にやばいお店だ。

 

僕とユリカちゃんは急に心配になってきた。

 

この道であっているのか?

僕達はこのまま進んでも良いのか?

 

こんな疑問が出たが、消した。

というか、消すしか無かった。

ここで逃げるともっと大変なことになりそうだし、行く宛も無い。

 

左に曲がってから、またずっと直進かと思っていたら、急に右に曲がった。そしたら、すぐに左へ曲がった。

 

正直もうこの道を照らしてくれているものは、壁に設置するタイプの弱々しい光を放つランプだけだ。

 

歩いてから30分ぐらい経ったところでエレノアさんは急に止まり、看板も無い黒いドアを開けた。

 

自分達も続こうとするためドアを開けようとしたら、ドアは開かなかった。

 

このドアめちゃくちゃ重いのだ。ユリカちゃんは僕が開けられずに、悪戦苦闘している姿を見て、ふざけているんだなと思ったのか、ユリカちゃんが自分でドアを開けようとしてみた。

 

まあ普通にドアは開かなかった。

そして、どうしようかねと二人で顔を見合いながら話していたら急にエレノアさんがドアを反対側からフツーにひょいと開けてきた。

 

僕達は流石に驚いた。自分達が重くて少しも動かせなかったのに、エレノアさんは片手で動かしたのだ。

 

そして、ドアの奥は真っ暗な下へ続いている階段だけだ。

さっきまでの道も暗かったが、こっちの道はもっと暗くて、もはや何も見えないと言っても過言ではない気がした。

 

ユリカちゃんは正直怯えていた。

いやこれは男でも怖い。

 

しかし、エレノアさんとバニアさんはなんの躊躇も無く下へ降りていった。

 

ずっと無言のままだった。

この空気は不味いなぁ。

ユリカちゃんは下を歩いたままだ。話す気配は全く無かった。

ここは自分の疑問でも解決させとくか。

 

「エレノアさん、さっき僕ドアを開けようとしたんですよ。だけど全く動がなかったんですが、エレノアさんは普通に開けましたよね? あれは何かの魔法とかで決まった人しか開けられないようになってるんですか?」

僕は重さで開けられなかったんではなく、最初から開けられなかったと思い込んでいた。

 

それはエレノアさんのあんな重いドアを開けられる人ではないと、見た目からそう判断していたからだ。

 

エレノアさん後ろを向き

「そんな訳ないじゃーん! あれに魔法とかがかかってたら、自分の魔法属性を知りたい人はどうするのー?」

エレノアさんはなんで僕がそんなことを聞いたかは理解出来なかったが、バニアさんは理解出来たらしい。

 

「お前達。エレノアが小さい体型だからって甘く見てるだろ。こいつの腕を触ってみろ。」バニアさんは真剣な眼差しでこっちを見ていた。

 

「し、失礼します…。」ユリカちゃんはそう言ってエレノアさんの二の腕を揉んでみた。

いや、これは揉むという表現は間違いかもしれない。

 

ユリカちゃんは揉もうとしたが、揉めなかったんだ。

それは、エレノアさんの二の腕は硬すぎたのだ。筋肉の塊と言っても、嘘ではないだろう。

 

「え? エレノアさん、これ腕になにか入れてるんです…か…?」ユリカちゃんは自分のぷにっとした二の腕を揉みながら聞いた。

 

「これで分かっただろ。これが私達とお前達の違いだ。これから、魔法属性を調べお前達は、何かの職業になるが、正直軽い気持ちでは出来ないからな。」

分かっている。そんなことは分かっている。

 

だか、これ意外に選択肢は無いだろ。

いや、あったのか。まあいいや、もう前に進むしかないんだ。。

 

 

――――――――

とりあえず一番下の所までには着いたと思う。

一番最後の階段を降りた先にはまたドアがあって、案の定僕達はそのドアを開くことはできなかった。

 

ドアを開けると、エレノアさんが

 

「デオさんおっはよぉー!!!」と元気よく部屋の中に入っていった。

そこには部屋の真ん中に1人の男が椅子に座っていた。耳と花と涙袋ら辺にピアスをしており、髪の毛は根元が黒色で毛先は紫という感じだ。

目の下に傷のタトゥーが3本入っており、手には、矢が連なってるようなタトゥーだ。

 

目は鋭いし、右目は隠れていて怖い。肘を机に乗せていて、手元にはよく分からない粉が入っているビンが4個ある。

 

「おはよぉ〜ん〜新人さぁーん? そいつら?じゃあさっさと仕事しちゃった方が良いよね♡」一瞬オカマかな?思ったが

「あら? 今あなた俺様のこと『オカマ』だと思ったぁ? 残念。俺様はオカマじゃないよぉ」

口に指先を入れてくちゃくちゃさせながら言ってきた。

オカマじゃないそうだ。

 

 

――――――――

魔法属性を測る方法は簡単だ。自分のどこでもいいが血を出して、それをデオさんが調合した白い粉に入れて、混ぜてその色の変化によってわかるらしい。

 

「じゃあお前らのどっちかやってみろ」バニアさんは調合した白い粉を指さして言う。

それを聞いたユリカちゃんは前に出て、借りたナイフで手先に少し刺して血を出して、粉に入れた。

それ痛くね? とか自分は思ったわけだが、ユリカちゃんは普通だった。痛みも無さそうだった。

 

ユリカちゃんは自分の血を白い粉に入れた。

 

血が落ちた瞬間に、白色は黒に染まっていった。

 

それを見たデオさんは

「黒だねぇ…。君の属性は闇だぁ。珍しいよぉ。凄いねぇ。光と闇は珍しいねぇ。」

ユリカちゃんは一応魔法属性があったことに安堵したのか、ホッとしてた。

 

「次は僕がやりますね」そう言って、自分はユリカちゃんと同じ手先にナイフを指した。

痛っ!…。 よくこんなこと平気で出来たな…。ユリカちゃんが杏奈感じだし、痛くないのかと思っていた。

 

とりあえず手先から出た血を粉に入れた。

 

そしたら、赤色に染まっていった。

「あぁ…君は火だね」

そう言った瞬間、急に粉を中心に黒い竜巻が発生した。

 

『ようこそ…我が息子よ』

 

野太い枯れていてガラガラの声だ。

その声聞こえた後、竜巻はすぐに無くなったが、粉は真っ黒に変わっていた。

黒色ではない、もっと黒い真っ黒だ。

 

 

――――――――

デオさんはこんな例は始めてだと言っていた。

僕は何が原因でこうなったのかは、さっぱり分からない。

 

デオさんみたいなあの道のプロでさえ分からなかったのだ。

礼を言った僕達は、また暗い階段を登っていった。

バニアさんは急にこっちを見て言った。

「おい、リョウ! おまえ! なんであんな自体が起きたんだ!私にはさっぱり分からんぞ」

「僕にも分かりません。あれが誰の声なのかも…。」

「え!? あれってリョウちゃんの声じゃないのー!?」とエレノアさんは少し空気が読めていないみたいだ。だが、少し空気が和んだ。ありがたい。

 

「まあいいぞ、お前達は今からなりたい職業になるために、その職業のプロを見つけて、弟子にしてもらい。そのプロに認められたらその職業に正式になることが出来るんだからな」バニアさんそう教えてくれた。

 

「だけど、弟子入りするにはお金が必要なんだよー! だから、君たちはバイトをしなきゃいけないのー!」エレノアさんはずっと笑顔だな。

 

「てなわけで、お前達には仕事をしてお金を得るんだ」

 

えぇ…当たり前のことかもしれないけど、弟子になるのにお金いるの?

 

 




皆様!読んでいただきありがとうございます!
書くの楽しいですね!
主人公の事も少しわかりましたね!

小説家になろうで先が読めます!↓↓↓↓
http://ncode.syosetu.com/n4875dx/

第1章第3話
「ご褒美」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章(4話) ----少しだけあるプライド----

第1章第3話のあらすじ
ユリカちゃんとリョウがいちゃつく。

第1章第4話
師匠と修行をする。


〜今日を生きて、明日を生きる〜

第1章(4話) ----少しだけあるプライド----

 

やばっ!キンッという、剣と剣が当たった時の音が部屋の中に鋭く走った。

 

石で出来た床と壁。どうやって、酸素を補給してるんだよと思ってしまうほど、この部屋から出られる場所は部屋の扉ぐらいだ。

 

そんな事を1秒以内で考えていたら、次の攻撃が来て、剣で受け止めたら、剣はどっかへ飛んで行った。

 

死ぬ死ぬ死ぬ。

 

あれ? この人は、僕の師匠じゃないの? これは、修行じゃないの?

何故か僕の事を殺しに来てるぞ?

 

 

――――――――

まず、師匠に会って弟子入りをお願いしたら、考えもせずに師匠は了承してくれた。

お金さえあれば誰彼構わず弟子入りさせるそうだ。

師匠はゴドーと名乗った

 

修行は剣の持ち方から始まった。

そして、振り方をある程度覚えたら、1日目はそれで終わり、この寒い部屋に寝かされた。

 

そして、2日目でもう師匠の剣を30分間受け止めろと言われました…おかしいよね?

 

 

――――――――

「ヴォォオオオオオ!」と師匠は叫びながら、僕の腕を斬ろうとして来た。

それをなんとか避けたが、脚が限界なのか、縺れて転んでしまったっ!

 

師匠は、急に飛躍して、上から振りかぶってきた。

もう無理だ。止められない。

 

いや! 諦める訳には行かない! もう一度会うんだ!生きて、今日も明日も、この修行が終わるまで生きる!

そして、会うんだ。

ユリカちゃんにもう一度!

 

僕は、なんとか剣を受け止めたが、勢いは止められず、少し額にカスった。

師匠は、一旦僕から離れて、そっから突っ込んできた

 

僕もやるしか…ないんだ!

 

僕は震えてる足を無理やり立たせた。

受け止めるだけじゃダメだ。

 

「うわぁぁあああ!!!」

「グガァァァァァア!!!」僕と師匠は同時に叫んだ。

 

僕は刺すような感じで、腕を伸ばして剣を師匠の胸元に刺そうとした。

しかし、師匠は何事も無かったように、止めて反撃して来た。

 

そっからは師匠の猛攻撃だ。

右左どちらにも攻撃してきた。

 

もう止めるしかない。耐えるしかない。

師匠は急に攻撃方法を変えて、足を攻撃して来た。

 

やばっ! キンッという、剣と剣が当たった時の音が部屋の中に鋭く走った。

 

なんとか防げたが、また次の攻撃が来る!

剣で受け止めたら、どっかに飛んで行った。

 

「このザァコがぁ!!」師匠はさけんだ。

僕を罵ってきた。

 

そんなの仕方なくない?

多分前の世界では、僕は剣を持って戦いはしていなかったと思う。

だから、戦いは初めてだし、仕方ない。

絶望して下を向いていたが、急に鐘の音が鳴った。

天井にあったものだ。

 

師匠はニヤッと笑い

「よく耐えたな。おめでとう! しゃー休憩だ」

え?何が起きた?なんで僕いきてるの?

 

あぁ30分経ったのか。

「ありがとうございました。」

僕は急に生き返った気がした。

拳を天井に上げて、喜びを感じ、そのまま石の床で寝てしまった。

 

 

――――――――

起きた。何時間経ったのだろうか?

いや、まずそんなに寝てたのかな?

 

起きて見ると、自分に毛布みたいなのがかかっていた。正直ここは動かないと寒いし、有難い。

師匠がかけてくれたんだろう。

 

「おい、お前何時間寝てるんだよ。6時間は寝てたぞ」師匠はまだ立ち上がっていない僕のために腰を下げてくれた。

 

「6時間!? 僕そんなに寝てたんですか!?」

正直そこまで寝てるとは思わなかった。

「す…すみません!」

僕は疲れてるとは言え、申し訳なくなり頭を下げた。

 

「じゃあ今から魔法の使い方と何種類か魔法を覚えてもらうぞ」

「は、はい!」

僕は急いで立ち上がった。

 

 

――――――――

「燃えろ! 我が剣よ」と言って、僕は言われたとうりに剣が燃えるイメージをして、魔力を剣に流し込めるようにした。

 

そうすると、剣から火が燃え盛った。

これをするだけで、動物達は僕を攻撃しにくくなるそうだ。

 

「お前、物覚えは割といいんだな。まあまず、戦闘が駄目駄目だけどな」

「うるさいですよ」僕は、師匠を睨みつけた。

「はいはい、すいません」

 

 

――――――――

僕は3週間ぐらい修行を始めてから経った。

 

割と剣の扱いは上手くなったと思う。

 

そう言えば、自分はフェイントが得意らしい。

フェイントとは、敵が攻撃して来たのを、受け止めるフリをして、首を狙ったりして、一撃で仕留める技だ。

 

フェイントは何度も出来ないらしいので、ほんとに1発勝負だ。

 

「よし、今日で最後だ。」

「あぁ、今日で最後なんですか」

もうそれ位経ったのか。1日1日の感覚を無くしてしまっていた。

 

修行は基本的に30日間らしい。っていうことは、多分今日師匠から合格貰えなくては、ダメなのか。

 

今日もおそらく戦うと思う。今日こそ師匠を倒すぞ…。やれる…僕ならやれる。

 

その後、すぐ戦いが始まった。

僕は自分の剣を思いっきり降った。自分の剣の長さは、1m30cmぐらいだ。細長い感じで、 軽めの両手剣だ。

正直初心者でも扱い易いタイプなんだと思う。

 

それに比べて、師匠も勿論両手剣だが、デカすぎる。師匠は身長180cmぐらいだと思うが、剣は2mは超えてると思う。両手剣というよりも、大剣だ。

師匠がその剣を振るだけで、音が凄い。

 

剣を振って攻撃したが、全く効かなかった。すぐに止められてしまったし、正直力技じゃ負けてしまう。

 

先手はもらったが、その後は全然駄目だ。師匠の攻撃を避けることと防ぐことで精一杯だ。

 

まだフェイントを使う時ではないと思い、しかしこのまま負けるのも嫌だ。

 

僕は頭を狙って右から来たのを、しゃがんで避けて、師匠の足元を思いっきりすくい上げあように蹴った。

 

師匠は不意を付かれたのか、膝を床に付いてしまった。

 

今だ! ここしかない!

僕は下から、師匠の首を刺そうとした。

 

しかし、師匠はそれを避けて、僕の顎を下からぶん殴った。

豪快なアッパーだ。

僕はそこで意識が飛んでしまった。

 

 

――――――――

「ん…。」

僕は激しい痛みと共に起きた。

顎が触っていなくても、ズキズキする。

「おはよ。顎は大丈夫か?」

「あ…まあ大丈夫です。」大丈夫ではないが、大丈夫と言うしかない。心配させたくない。

「僕は不合格ですか?」

「大丈夫だ、お前は合格だ」

!?マジで!?

前に師匠の攻撃を30分耐えた時と同じように、拳を天井に突き上げた。

 

「おめでとうな。だけどこれからはもっと辛くなっていくぞ。本当の戦いが始まるし、殺しもしなきゃいけないし、殺される時もあるんだ」師匠は僕の頭の髪の毛をぐちゃぐちゃにして、笑ったが、目は笑ってはいなかった。

僕の事が心配なんだろう。だけど、僕なら大丈夫な気がする。こんなにツラい修行に耐えたのだ。

 

僕の手のひらの上に数滴の涙が落ちていた。本当にツラかったからだと思う。

師匠は、今度は頭を撫でてくれた。

 

 

――――――――

その後、ギルドに戻ったら、ユリカちゃんとほかの人達は既に揃っていた。

「おかえり!」と皆言ってくれた。ここに帰ってくるのは、ほんとに久しぶりだ。

とても懐かしい気がする。

 

またしても、僕は少し泣いてしまった。

修行を生きて耐えた事と会いたかったユリカちゃんに会えたからだ。

 

そこで、ロストさんとセルジオさんが肩を組んできて、

「さぁー!今日は飲むぞぉ!」と酒瓶片手に笑った。

 

 

――――――――

今日の夜、部屋では、久しぶりに会ったし、話がしたかった。

「ユリカちゃんは何時頃帰ってきたの?」

「えーと、実は12日ぐらい前に帰ってきたの。なんか私の師匠から「お前は優秀だー」とか言われて、「もう教えることない」つて言われて修行終わっちゃったの」

…。マジで?

ユリカちゃんって運動出来ないんじゃないの?!

仕事してる時、よく転んだりしてたのに…。

「それは凄いね!なんで!ユリカちゃん実は運動得意なの!?」

「いやぁ…なんか盗賊って、こそこそばっかりしてて、めちゃくちゃ運動する方じゃないから、運動神経悪くても出来るみたいなの…だからだよ。運動が得意じゃなくて、たまたま、偶然自分にあったのを選べただけだよ! 多分この職業の修行、リョウくんなら7日ぐらいで終わるよ」嬉しいけど、ユリカちゃんの慰めが、グサグサ心に刺さってくる。

 

パジャマは足がほぼもろ出しなのでわかるよ。ユリカちゃんの足、傷だらけだもん。

僕なんかよりさ…。

 

ちょっと悔しいなぁ…。女の子に負けるなんて。

「それよりね! 明日はごぶりん?とかいうモンスター?を倒しに行くらしいよ! だから、それに向けて頑張ろ! おやすみ」ユリカちゃんはそう言って、布団に入った。

正直気まずかったのだろう。

「おやすみ」僕はそれだけ呟いて、壁側を見て、布団に入った。

 

明日は、ユリカちゃんに勝つぞ。

 

分かってる。これは、勝ち負けなんて無いことに。

ただ少しだけあるプライドのせいだ。




今回も読んでいただきありがとうございます!



皆様!読んでいただきありがとうございます!
毎度毎度遅れてしまってすいません!

小説家になろうで先が読めます!↓↓↓↓
http://ncode.syosetu.com/n4875dx/

第2章第1話
「初戦闘」


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。