俺と君とみんなが織りなす物語 (カズ2415)
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夢の始まり編
第1話 これまでとこれから


初投稿作品です
言葉が変だったりしますがよろしくお願いいたします


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝だ・・・・・・・

気持ちのいい朝だ・・・・・

そう、自分の右側に感じる違和感がなければ

本当にいい朝なのだ・・・・・

 

「おい、なんで俺の隣で寝ているんだ?」

 

「う〜ん、ゆうくんが気持ちよさそうに寝ているから、つい・・えへへ」

 

そう、俺の部屋で俺のベットに俺の隣で

幼馴染の香澄が寝ていたのだ・・・・

というか、えへへじゃねえよ

 

「てかなんで、俺の家にいるんだよ・・・・」

 

「お母さんが朝ごはんが出来たからゆうくんのこと呼んできてって言ってたんだ〜」

 

寝ぼけて目をこすりながら言う香澄

てか寝癖がひどいな・・・

 

「だから、朝ごはんは自分でなんとかするっていつも言ってるだろ?あと、寝癖がひどいぞ」

 

「え〜じゃあ、ゆうくん家で朝ごはん食べないの?ゆうくんと朝ごはん食べたかったのに・・」

 

寝癖を直しながら途端に涙目になる香澄

 

「なんで、俺とそんなに朝ごはんが食べたいんだよ、別にいいだろ俺がいなくたって」

 

俺がそう言うと今にも泣きそうになる香澄

そんな顔すんなよ・・罪悪感にかられるだろ。

 

「ぐ・・・わ・・わかった、わかったよ

朝ごはん一緒に食べればいいんだろ・・」

 

何を隠そう俺は香澄の涙にものすごく弱いのだ

でも、本当に香澄の両親には迷惑をかけたくないのだ、

というのも俺は小学生の頃両親を病気で亡くした。

 

二人とも子供頃から体が悪く、いつも具合が悪そうにしていたらしい、大人になってもその体の具合は変わらず、ついに俺が小学生の頃に

両親共に他界してしまった。

 

俺は両親以外身寄りがいなく、このまま俺は一人で生きていくのかと思った・・・

だがその頃から仲の良かった香澄と香澄の両親が「うちに来ないか?」と言ってくれたおかげで今もこうして生きていられる、だからこそ高校生になった今は迷惑をかけまいとこうして一人で暮らしているのだ。

 

まぁ、香澄の両親の必死の説得で家の隣に住むことと家賃は香澄の両親払うという条件で暮らしているから結局ところ迷惑をかけているのだが、だからちょっとでも迷惑をかけまいと自分でできることはしようと思っているのだ・・・

例えばご飯とか・・ね

 

「えへへ、なんだかんだいって一緒に食べてくれるゆうくんは優しいな〜」

 

屈託の無い満面の笑みで言いながら抱きついてくる香澄

 

「お、おい抱きついてくるな!!!」

 

ベットの上で若い男女が抱き合っている、この状況を誰かに見られたら完全に勘違いされるだろう、まあこの家には誰もいないんだけどな

 

「全く・・おい香澄、朝飯食べるんだろ?ほら、行くぞ」

 

そう言いながら香澄の頭を撫で背中を優しく叩く

 

「うん、行こう!ゆうくん!」

 

ベットから立ち上がり俺に手を差し伸べる香澄

俺は突然、不安を覚えこう香澄に問う

 

「なあ、香澄・・・俺の存在が重荷になってないか?迷惑じゃないか?」

 

そう言うと香澄はさっきの屈託のない笑顔で

 

「全然!ゆうくんは家族なんだから

もっとも〜と私たちに甘えていいんだよ!」

 

そう言われ、俺は涙目になりながら

香澄の手を取った。こうして俺の、俺たち二人の一日が始まる、そして今日から高校生活が始まる。

 

2話目

「星の鼓動と入学式とあいさつと」に続く

 




いかがでしたか?
評価をいただけると励みになるのでお願いいたします


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第2話 星の鼓動と入学式とあいさつと

第2話になります。
少し長いですが、よろしくお願いいたします。


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朝飯を食べ終え香澄の両親にお礼をいい

今は、俺らが今日から通う学校に向けて登校している。

 

俺らが通う高校は花咲川学園という中高一貫校で去年まで、女子校だったのだが入学者数が低下したために共学になったらしい。

 

「というか、弁当まで作ってもらって・・

本当に迷惑をかけてばっかりだな」

 

スクールバックの中の弁当を見ながら

うなだれて肩を落とす。

 

「大丈夫だよ〜お母さんも好きで作ってるんだから〜そんなことより!!」

 

そんなことよりって、とつっこむ間も無く

香澄が俺の目の前に来て、くるりと回りながら

 

「ねぇねぇ!私の制服姿どう?似合ってる?ねぇねぇ〜」

 

うむ、すごく似合っている。

やはり香澄は可愛い。近くにいることが多いので忘れがちだが、香澄は本当に可愛い。

だから俺は、素直に思った事を伝えた。

 

「あぁ似合ってるよ、すごく可愛い」

 

「本当に!?やったぁ〜」

 

そう言いながら俺の隣に戻り、一緒に歩き始める。この光景は小学生から変わらないな・・・

高校生になってから何か変わるかと思ったんだが案外変わらないものなんだな…

 

「どうしたの?ゆうくん?」

 

俺の視線に気がついた香澄がこちらを見る。

 

「いや、なんでもない、さぁ早く行こうぜ

入学式に遅刻してしまうぞ」

 

「うん!そうだね!行こう!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなで、学校に到着した俺たちは、早速クラス表を見ることにした。

ちなみに小学生から香澄とは、いつも同じクラスで、違うクラスになったことはない。

なので、今回も同じクラスだろうな。

 

「ねぇねぇ!ゆうくんは何クラスだった?」

 

「A組だったよ、香澄は?」

 

「私もA組!やった!また一緒だね〜」

 

そう言いながらいきなり抱きついてきた香澄

いきなりだった為に体制を崩し隣にいた女の子にぶつかってしまう。

 

「おっと、すまない大丈夫か?」

 

「あ、うん大丈夫!こちらこそごめんね」

 

そう言った女の子はいい香りがした。

香水とかではなく、小麦粉が焼けた匂い…

パンの匂いがした。

 

「あ〜すごくいい匂い!パンの匂いだぁ〜」

 

俺に抱きつきながら、香澄が言う。

そんな、香澄と俺を見て少し笑う

 

「すまないな、朝からうるさくて・・・えっと」

 

「ううん、大丈夫!私は、山吹沙綾よろしくね

君は?」

 

「俺は、佐久間結絆だ、そして俺に抱きついてるこいつが戸山香澄だ。よろしくな山吹さん」

 

俺がそう言うと香澄も続けてよろしくと言う

てか、いい加減離れろよ。

そう思い俺は、香澄を引き剥がす。

それを見ながら山吹沙綾と名乗った女の子がもう一度笑う

 

「二人って仲良いんだね?もしかして、付き合ってるの?」

 

「ちげぇよ、こいつとは小学生の頃からの知り合いで幼馴染なんだ」

 

「そうなんだ、いいね幼馴染ってちょっと憧れるな」

 

「そんないいもんじゃないぞ、毎回こいつには振り回されっぱなしだしさ」

 

それを聞いてふくれっ面になる香澄

そんな香澄を無視し俺はこう続ける。

 

「てか、こんな話をしてる場合じゃないな

体育館に行かなきゃ、そういえば山吹さんは何クラス?」

 

「A組だよ、そっちは?」

 

「俺もA組だ、同じクラスだな。これもなにかの縁だ改めてこれからよろしくな」

 

それを聞いて頷く山吹さん

そしてふくれっ面になっていた香澄は、慌てて俺たちに付いてくる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そのまま3人で体育館に行き、入学式を終えてからA組の教室に行く。一通り担任の先生の説明と学校案内のプリントを渡されてから、それぞれの自己紹介という形になった。

 

高校生になっても最初のクラスの自己紹介は緊張するもので、何を言おうかと考えていたがいつのまにか自分の番が来てしまっていた。

考えていたがために、先生の呼びかけに少し遅れて、周りに笑われてしまう。

 

少し恥ずかしさを覚えながら、自分の自己紹介を始める。

 

「えっと、佐久間結絆です。これからみなさんと頑張っていきたいと思っていますので、1年間よろしくお願いします。」

 

そう言って頭をさげる。我ながら完璧の自己紹介だ。そう思いながら着席する。

 

「もう〜ゆうくん挨拶が硬いよ〜それじゃ、会社の挨拶だよ〜」

 

俺の自己紹介を聞いて笑いながら香澄がそう言うと、クラスのみんなが笑う。

は、恥ずかしい・・・正直言って、今すぐここから帰りたい。

てか、クラスのみんなの前で「ゆうくん」はやめろぉぉぉ

 

「ゆうくんだって、あだ名で呼んでるって事は二人って付き合ってるのかな?」

 

そんな会話が周りから聞こえる。

俺はすぐさまもう一度立ち上がり、今ゆうくんと言ったのは幼馴染だと説明し、決して付き合ってない事を念を押して伝える。

 

そんな笑いが多い俺の自己紹介が終わり

次は香澄の番になる。ちなみにA組はなぜか、

サ行が俺しかおらずタ行が香澄しかいないため

俺の後ろの席は香澄になっている。

 

あと、今年から共学になったので、新入生の男子がかなり少ない、しかもA組の男子は俺しかいないので、出席番号は男女で分けられていないだから、後ろには女子の香澄がいるという事だ。

 

そんな香澄の自己紹介が始まる。

頼むから、変な事は言わないでくれよ。

 

「みなさんこんにちは!戸山香澄15歳です。

私がここに来たのは楽しそうだったからです。

中学は地元の学校だったんですけど、妹がここに通ってて、文化祭に来てみたらみんな楽しそうで、キラキラしててここしかないって決めました。だから今すっごくドキドキしてます」

 

おお、意外と普通な自己紹介だ。

香澄も高校生になったんだし成長したんだな。

と感心していたら。

 

「あの私、小さい頃星の鼓動を聞いた事があって、キラキラドキドキってそいうのを見つけたくて、キラキラドキドキしたいです。」

 

その言葉を聞いた瞬間、クラスがシーンとなった。俺は、さっき思った事を撤回した。

そうこいつは、中学生の頃にも同じ自己紹介したのだ。まあ中学生なので、その時は周りからの反響も大きかったのだが、いかんせん高校生なので考え方や捉え方は人それぞれ成長している。そりゃ、みんな唖然としますわ・・・

すると、女子が「星の鼓動って?」と香澄に疑問を投げかけた。

 

「えっと、星がキラキラって・・・」

 

それを聞いて周りの女子が「可愛い」とつぶやく、香澄は首を傾げながら、静かに着席した。そんなこんなで、A組の自己紹介は終わり

HRは続いていくのだった。

 

3話目

「初めてのバイトとオーナーと花園さんと」に続く




第2話も見てくださりありがとうます。
そして、感想やお気に入り登録ありがとうございます。
今後も頑張っていきたいので、ご指摘などよろしくお願い致します。


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第3話 初めてのバイトとオーナーと花園さんと

話をどう続けようかと迷っていたら
更新がたいぶ遅れてしまいました。やはり小説は難しいですね。

今回はオーナーと花園たえちゃんが初登場です。


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初めての授業も無事に終わり、今は山吹さん入れて3人で、下校をしている。

昇降口で靴に履き替えて、校門に向けて歩き出すと、香澄が突然こんな事を言い出した。

 

「うーん何か変だったかな〜」

 

「なんの事だ?」

 

「自己紹介だよ〜クラスのみんな笑ってたし、なんか変な事言ったかなって」

 

「あぁ〜あれね」

 

「あぁ〜ってやっぱり何処かおかしかった?」

 

俺の肩を掴みながら涙目になり、俺に詰め寄る

 

「何処かというより、全部がおかしかったかな」

 

「ええ〜そうなの〜」

 

「まあ、変な自己紹介のおかげで、友達もいっぱいできてたじゃないか」

 

「でも、変な自己紹介をしたってだけで、気分が変になるんだよ〜」

 

「あはは〜」

 

俺たちの会話を聞きながら苦笑いをする山吹さん。山吹さんも変だと思ってるよな。

 

「さーやも私の自己紹介変だと思うの?」

 

今度は山吹さんに詰め寄る。

 

「私は、変じゃなかったと思うよ。すごくよかったよ」

 

それを聞いて香澄は目を輝かせる

 

「本当?やったあ〜えへへ〜」

 

マジで?本当に?いや、多分お世辞で言ってるんだよなあれは、そうに違いない。

 

「あ、じゃあさーや!明日の部活体験一緒に行ってくれる?」

 

「あ、私部活はちょっと・・・ごめんね?」

 

そう言うとバツが悪そうに、あやまる

そんな風に、会話を続けていると、校門にたどり着く。

 

「じゃあ、私がこっちだから、二人は反対だよね?」

 

「うん、また明日ね!さーや」

 

「うん、じゃあまた明日、佐久間くんも」

 

「あぁ、またな山吹さん」

 

そうやって、俺たちは分かれる

俺たちは登下校の際に、電車を使っているので、駅に向けて歩き出す。

 

「そういえば、ゆうくんは部活どうするの?

部活体験私と一緒に行く?」

 

「いや、俺は明日バイトの面接があるんだよ

だから、ごめんな」

 

「あそういえば、バイト始めるんだったね〜

そう考えるとゆうくんがバイトの時は、早く行かなきゃだから、こうやって一緒に下校できなくなるんだね。」

 

そう言うと香澄は途端にシュンとなる。

なんで、そんなに俺と登下校したいんだよ。

まぁ、シュンとする幼馴染を見るのも心が痛いので、励ましますかな。

 

「バイトっていっても週2だけだし、学校の後に行くんだから、毎日一緒に登校はできるだろう?だから、それでいいじゃねぇか」

 

そう言いながら俺は香澄の頭を撫でる。

 

「うん・・・そうだね!じゃ、これからも一緒に毎日登校しようねゆうくん!」

 

頭を撫でられて少しくすぐったそうにしながら

笑顔で言うと抱きついてくる香澄

そのいつも笑顔に少しだけ、ドキッとしてしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

色々あった登校初日が過ぎ、高校生活2日目が始まる。

いつものように俺の部屋で寝ていた香澄を起こし、制服に着替え登校の準備をする。

今日から本格的な授業が始まるので、少し不安になるが、大丈夫と自分に言い聞かせ家を幼馴染と一緒にでる。

 

学校に到着すると、山吹さんに遭遇し、昨日見たドラマが面白かったなどと談笑して、教室に向かい、到着すると、チャイムが鳴り授業が始まる。

 

そんなこんなで、学校生活を忙しく過ごしていると、早いもので、すぐに放課後になる。

放課後になると、すぐに帰宅するものや、部活に行くもので、学校全体が騒がしくなる。

俺は俺で今日はバイトの面接があるので、すぐさま下校の準備をして、教室を出ようとすると香澄が話しかけてきた。

 

「ゆうくん、今日はバイトの面接だよね!

頑張ってね!」

 

「おう、香澄も部活体験頑張れよ

いい部活見つかるといいな。」

 

「うん、じゃあねゆうくん!」

 

そう言うと香澄は、元気に走って廊下から出て体育館に向かう。

 

「あいつは、いつも元気だな・・・よし!俺も香澄に負けないようにバイトの面接頑張りますか!」

 

そう呟くと俺は、バイト先に向けて教室をでる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺がこれから向かうバイト先というのは、「SPACE」というライブハウスでそこのスタッフとして、バイトを募集していたので応募した。

 

ライブハウスには、行ったことがないので不安だが、そんなことでは、バイトができずにずっと香澄の両親に迷惑をかけてしまう。

 

というのも、バイトを始める理由は自分で払えるものは払うため。迷惑をこれ以上かけないために、バイトをするのだ。

 

そんな考え事をしているうちに、目的の場所に着く。

少々緊張しながら、ライブハウスのドアを開け元気に挨拶をする。

 

「すいません!今日バイトの面接をしにきました。佐久間です。」

 

そう言うと、カウンターの奥の椅子に座っていた、いかにも店長という風格のおばあさんが、

俺に目を向けずに、持っていた雑誌を見ながら

 

「あぁ、そういえば今日は、そうだったね。

面接の時間にはまだ早い、そこの椅子に座っと

きな。」

 

「あ、はいわかりました!店長さん!」

 

「店長じゃないよ、私の事はオーナーと呼びな」

 

「す、すみませんオーナー」

 

なんだこの人めちゃくちゃ怖いじゃないか、

いきなり帰りたくなった。

俺は、言われた通りカウンターとは少し離れたに椅子に座る。

そうすると、ライブハウスのスタッフだと思われる人がお冷を持ってきた。

 

「ごめんね、うちのオーナーぶっきらぼうだから」

 

と小声で、苦笑いをしながらいってきた。

俺はお礼を言い、水を飲む。

 

「ぶっきらぼうとは、失礼だね。お前は早く控え室の掃除をしな!」

 

 

聞こえてたんかい、結構小さい声で言っていたぞ、てか本当に怖い・・・・

 

「すみませんオーナー、今すぐやります。」

 

その怖いオーナーに怒られた、スタッフさんは、笑顔で返しライブハウスの奥の部屋に行く

 

あのスタッフさんメンタル強いな〜あのメンタルの強さが今の俺に欲しい。

 

そう思いながら、オーナーがいる方に目をやると、それと同時にオーナーがこっちに向き目が合うと、こう言った。

 

「お前は高校生かい?」

 

「はい、ここの近くの花咲川高校に通っています」

 

「そうかい、ん?お前・・・ちょっとこっちに来な」

 

え、何か俺やった?まさか、しょっぱなから怒られるの?怖い怖い・・・・・

そう思いながら、オーナーがいるカウンターに行く。

 

カウンターに行くと、オーナーは俺の顔をマジマジと見つめながらこう言った。

 

「お前、名前は?」

 

「佐久間です、佐久間結絆です。」

 

そう言うと突然オーナーは、憂いを帯びた表情になった。

 

「そうか、あいつらの息子が私のライブハウスの面接に来るなんて、これはなんの因果かねぇ」

 

「え?オーナー、今なんて言いました?」

 

オーナーが今発した言葉は俺には聞こえなかった。

 

「なんでもないさ、それより結絆!」

 

「は、はい」

 

いきなり名前を大声で呼ばれたため、無意識に気をつけの体制になる。

てか、いきなり名前呼び?

 

「お前はなんで、バイトをしたいんだい?」

 

そうオーナーは問いかける。

 

「俺は、小学生の頃から迷惑をかけている方々がいるんです。その方々に迷惑をかけない為にも、バイトをして自立したいです。」

 

「そうかい、なら採用だ。今から仕事を教える。この服に着替えな!」

 

そう言うと、俺にはスタッフ用の制服を投げて渡してくる。

え?今採用って言った?まだ面接もしてないのに?

 

「いいんですか?まだ面接もしてないのに」

 

「嫌なのかい?」

 

「いえ!むしろ嬉しいです。ありがとうございます。今すぐ着替えてきます。更衣室は何処ですか?」

 

「真次!こいつを更衣室に案内しな」

 

そう叫ぶと、さっきお冷をくれたスタッフさんが奥の部屋から出てきて、更衣室に案内してくれた。

 

いきなり採用された事をその真次さんと呼ばれた人に言うと、

 

「うーん私もその事には驚いたけど、まあいいんじゃない?オーナーが決める事が間違った事なんて今までに一度もないし、じゃあここで着替えたらオーナーのところに行ってね!」

 

と言って、去って行った。

うーむオーナーって何者なんだろう・・・

でもなんかオーナーの顔何処かで見た事があるんだよな。

そう思いながら俺はスタッフ用の制服に着替える。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

制服に着替え終えた俺は、オーナーが居るカウンターの方に向かった。

そうすると、カウンターの所にオーナーと話す女の子の姿があった。

 

「来たか…花園、こいつが今日から入る新人だ。

仕事を教えてやりな」

 

花園と言われた女の子と俺は挨拶を交わした。

よく見たらこの子確かうちのクラスにいた子だな。

 

「よろしく、確か同じクラスの佐久間くんだよね?あの戸山さんと付き合ってるっていう」

 

「いや、だから付き合ってないから、ただの幼馴染だから…」

 

「え?そうなの?」

 

「そうだよ・・・」

 

なんだこの子は、なんとなく香澄に似ているような・・・

 

「まあいいか、とりあえず仕事を教えてくれ」

 

「うん、わかった!」

 

こうした会話の後、花園さんに掃除の仕方、音響の機材の操作の仕方など、一通りの仕事を教わった。

 

最初は不安だらけだったが、やってみると意外に楽しく、いつの間にかその不安は消えていた。

花園さんは、意外にと言っては失礼だが、教え方がかなり上手くそのおかげで、すぐに仕事を覚えることができた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は、俺の研修で仕事が終わった。

オーナーの話を聞くに、本番は明日と言っていた。というのも、明日のライブは、今現在人気沸騰中のGlitter*Greenというバンドが出演する。

なので、そのバンドを見ようとする人でこのライブハウスが溢れかえる。

その対応で、めちゃくちゃ忙しくなるらしい

 

「はぁ、明日は忙しくなるのか・・・不安だな。」

 

「私がいるから大丈夫だよ。困ったことがあったらなんでも言ってね!」

 

今は、仕事がおわり花園さんと一緒に帰宅している最中だ。

 

「そうか、ありがとうな、お言葉に甘えて

困ったら頼らせてもらうよ。」

 

「うん!任せてね!」

 

そう言って胸を張る花園さん。

そんな話をしているとそれぞれの家の分かれ道に着く

 

「じゃあ、明日頑張ろうな。」

 

「うん、また明日ね、佐久間くん!」

 

花園さんは、笑顔で手を振り自分の家に帰った。

 

「よし明日頑張ろう!」

 

不安を振り払うために、自分に気合を入れ

俺は自分の家へと歩き出した。

 

 

次回

「キラキラとドキドキと夢の始まりと」

 




次回で夢の始まり編は終わりです。
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