ハイスクールD×B (紅優也)
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跳躍校門のフールズ
プロローグ


始まり


雄二side

 

「あれから一週間......か。」

俺『坂本雄二』は『ある一点』を除いて何時もの面子が集まっている教室を見渡す。

 

「............一週間の間に街中の網を見て回ったが『明久』は何処にもいなかった。」

俺の悪友である『土屋康太』が面目なさそうに首を左右に振りながら俺に報告した。

 

 

「そうか......」

「儂も時間があれば探し回ってたんじゃが......見つからんかったわ。」

康太と同じく悪友である『木下秀吉』が残念そうに溜め息を吐く。

 

「俺もだ鉄人と走り回ったんだが明久は毛髪一本も見つからなかった。」

俺もまた同じく成果のなかった探索結果を告げ男三人で揃って溜め息を吐いた。

 

「姫路と島田は......聞くまでも無いか。」

落ち込みようからみてわかる。

 

何故こんなことを話し合ってるかというと一週間前に悪友の一人である『吉井明久』が蒸発したからだ。

俺は一瞬ババアの実験の失敗かもと思ったが明久がいなくなったのは『街中』だったからだ。

目撃者の証言によると明久の足下がいきなり光り気が付いたら消えていたとの事らしい。

 

 

それから一週間俺達は駆け回ったんだが......まるで見つからん。

 

「アキ......」

「明久君......」

明久に(暴力付きの)好意を向けていた『姫路瑞希』と『島田美波』が泣きそうな顔になる。

 

たく......気付かなかったがあいつは俺達にとってムードメーカーみたいな存在だったみたいだ。

 

 

「本当に何処に行ったんだ......?」

俺がそんなことを呟いた瞬間......

 

ピンポンパンポン

『坂本雄二、土屋康太、木下秀吉、島田美波、姫路瑞希はすぐに学園長室に来るさね。』

ババアからの放送が入った。

 

「「「「「....................」」」」」

俺達は呆然としながらもババアの根城に行くことにした。

 

....................

「入るぞババア。」

「遅いよクソジャリ。」

「何故入って早々に売り言葉に買い言葉なのじゃ......?」

秀吉が何か呟いたが俺はババアに相対する。

 

「で?何のようで呼び出した?」

「ああ、吉井の居場所がわかったよ。」

っ!何だと!?

 

「あいつは今......『異世界』にいるみたいなんだよ。」

..........は?

 

「ババア、妄想も休み休み言え。」

「正気だよ。これを見な。」

ババアが取り出したパソコンに映っていたのは......

 

「明久の召喚記録だと......?」

「そうさね。吉井は文月学園にいない、なのに試験召喚システムは動いている......気になったあたしは逆探知してみたんだよ。

そしたら......」

そしたら?

 

「『駒王学園』、『レーティングフィールド』とかいう知らない場所で使われた形跡があったのさね。」

......成る程。

 

「つまり明久は俺達が全く知らない場所に入るって事だな?」

「そういう事さね。そして......吉井の召喚記録から弾き出した座標へあんた達を送ることも可能にしたよ。」

「?どうやってですか?」

「試験召喚システムの応用さね。」

......腐っても科学者と言うわけか。

 

「まあ、行かせる前に確認さね。......あんたらは吉井の為に世界を越える覚悟はあるかい?」

......愚問だぜババア。

 

「友の危機に行かぬ訳にはいくまい!」

「............俺も行くぞ。」

「アキにはたっぷり聞きたい事があるんだから!ウチも行くわ!」

「わ、私も行きます!」

「行くに決まってるだろ。」

「......そうかい。取り敢えず坂本。あんたにこれを渡すよ。」

これは......『白銀の腕輪』か?

 

「白銀の腕輪の改良品さね。文月学園の外でも使えるように改良したよ。」

そうか......

 

「あんがとな。」

「ふん、行きはあたしが送ってやるよ。」

......ん?ちょっと待て!

 

「帰りは......「逝ってくるさね。」字が違......」

俺はそこで意識が途絶えた。

あのババア.....!行き当たりばったりで計画考えやがったな......!

俺は帰ったら絶対ぶん殴ると誓った。




如何でしたか?
次回は明久が登場です!
次回もお楽しみに!


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第一話

明久が登場します。


明久side

 

「......また、あの夢.....か。」

僕『吉井明久』は目を開けながらそう呟いた。

 

夢の内容は僕が通っている『駒王学園』とは違う制服を着ていて顔がわからない人達と話しているという単純なものだ。

 

 

「ふう......僕の『記憶』に関係しているのかな?」

僕は考えながら横を向いて........絶句した。

そこには金髪の女の子が寝ていた。

 

「..............『レイヴェル』、何で君が僕の家で寝てるの?」

彼女の名前は『レイヴェル・フェニックス』。

僕や僕の親友である『兵藤一誠』、そして僕と一誠が所属している『オカルト研究部』と死闘を繰り広げた『ライザー・フェニックス』の妹で彼の眷属だったはずだ。

 

 

「ふあ......今日から私は駒王学園に通うので明久の家にホームステイするんですの。」

そっかそっか....................は?

 

 

「ち、ちょっと待って。いきなりでなんだけど今日から駒王学園に通うの?」

「さっきからそういってますわよ?」

................さようなら、僕の平穏な通学路。

 

 

「明久、ご飯が......何で悪魔が此処に居るのよ!?」

「な!?何故堕天使が!?」

うわぁ......一番見つかって欲しくない人まで見つかっちゃったよ......

今僕の部屋に入ってきたのは堕天使の『レイナーレ』。

一誠を殺して悪魔になる原因を作ったり『アーシア』を利用しようとした張本人だけど仲間を虐殺されてレイナーレ自身も瀕死の重傷を負わされていたから『僕が可能な限り見張る』って条件付きで保護したんだ。

 

「あ~~~~~~その......色々あって僕が保護したんだよ......」

「そう......ですの。」

「......一応言っておくけど戦えないわよ。傷が癒えていないから。」

......凄く......気まずいです。

僕はこれからの生活をどうしようかと思って頭痛がしてきた。

 

....................

「おはよー一誠。」

「おっす明久......何でライザーの妹がいるんだ?」

「......今日から駒王学園に通うんだって。」

「マジか......」

僕の親友である兵藤一誠がレイヴェルが今日から通うことに苦笑いをする。

まあ、そうだよね。少し前に死闘を繰り広げた相手の妹が同じ学舎に通うんだから戸惑うのも当然だ。

 

「明久に一誠、レイヴェルは客分としてオカルト研究部(ウチ)に所属するわよ。」

そう言ったのはオカルト研究部の部長にして一誠の『王』である『リアス・グレモリー』先輩だ。

因みに一誠の家に居候していて一誠に好意を持っているんだ。(十中八九ライザーの時の騒動が原因だろうけど......)

 

「ところでもしかしてあの......レイヴェルさんて吉井さんの家に住むんですか?」

「既にホームステイしてる。」

僕に質問をしてきたのは『アーシア・アルジェント』。

リアス先輩の『僧侶』で『神器(セイグリット・ギア)』の力をレイナーレに狙われたんだけど今は僕らの頼もしい仲間だ。

因みに彼女も一誠に好意を持っていたりする。

 

「..........何か考えたら腹がたってきた。爆発しろリア充。」

「いや、明久もだろ......」

僕らがそんな他愛もない話をしていたら......

 

グシャ。

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!顔がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「あ、明久!?誰か踏んだぞ!?」

「ああ!?だ、大丈夫ですか!?」

「あ、ああ......大丈......明久?」

「ほえ?」

何で僕の名前を知っているんだろう?

 

「おい、俺の顔を忘れたのか馬鹿。」

「何だとてめえ!」

なんて失礼な奴なんだ!

 

「............雄二、明久の様子が可笑しい。」

「あん?明久の様子が可笑しいのは何時もの事だろ?」

「......召喚(サモン)。『淫欲の(アスモディウス)......「止めなさい馬鹿!」あいたあ!?」

あまりの言いぐさにキレた僕が僕の神器『大罪の英霊(グリモワールサーヴァント)』の武器の一つを使おうとしたらリアス先輩に叩かれた。

 

「(何考えてんのよ!?一般人に神器使うんじゃないわよ!)」

「(う......すいません......)」

本当にどうしたんだろ僕......

 

「うむ......あ、明久!?無事だったのじゃな!」

今度は美少女と見間違えるほど女の子っぽい男の子だ。(ギャスパーという筋金入りの前例がある)

しかもまた名前を知ってるし......

 

「あのよ......少し聞きた......明久後ろだ!!」

「へ......?っていだだだだだだだだだだだ!!!!!!」

誰!?僕の関節を捻りあげているのは!?

 

「アキ!誰よそいつらは!」

「そうです!誰ですかその女の子達は!」

「え!?一誠の事は無......」

僕の意識はそこで途絶えた。

因みに女の子達の背後に阿修羅がいたのは気のせいだと信じたかった......




如何でしたか?
尚、本文にあったレイナーレの仲間の虐殺は複数いる踏み台転生者の一人の仕業です。(最も神器が覚醒した明久と一誠の敵ではありませんでしたが。)
それからレイヴェルはライザー戦に一悶着あり明久に惚れています。
次回もお楽しみに!


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第二話

雄二達の考察です。


雄二side

 

「さっきの島田と姫路が悪い例だ。」

「............(こく)」

「そうじゃな。」

俺達は今リアス・グレモリーという女に保護......もとい放置されていた。

因みに原因の島田と姫路は二人揃って気絶していて縄でぐるぐる巻きにされていた。

 

あの後明久が気絶しているのに気付かずなお攻撃を加えようとした二人はいつの間にか後ろにいた茶髪をツインテールにした女にスタンガンを押し付けられて気絶した後で俺達はグレモリーに連れられて駒王学園の旧校舎のオカルト研究部の部室に放り込まれそのまま放置された。

 

 

「で、だ。ムッツリーニ。明久が可笑しいってどういうことだ?」

因みにムッツリーニというのは康太の異名だ。

 

「............明久は俺達の事を覚えていないと思う。」

「......何?」

「ムッツリーニよ、どういうことじゃ?明久が儂らの事を覚えておらんとは?」

「............明久は雄二と秀吉に名前を呼ばれた時に眉を潜めていた。

それから姫路と島田に痛めつけられたときに二人の名前を呼ぼうとしなかった。」

「ああ、そう言えばあの......『一誠』とか呼ばれてた奴の事を言おうとしていたな。」

普通なら明久は姫路と島田に弁明をするはずだ。

 

「............そして一誠と呼ばれた男は俺達に何故明久の名前を知っているのかと聞こうとしていた。

明久が俺達の事を覚えているなら話しているはず。」

「......成る程な。」

俺はムッツリーニの推測に頭痛を感じた。

これは明久を連れ戻すだけじゃダメだな。

 

「つまり儂らがやるべき事は明久の記憶を取り戻しつつ文月学園に帰る方法を探す......というわけじゃな?」

「............そういう事になる。」

「たく......あの馬鹿面倒な事に巻き込まれ..........いでででででで!?」

俺が頭を掻きながら明久に突っ込みを入れたら後ろから足を噛まれた。

 

「誰だ!」

俺が後ろを振り向いたら......地獄の番犬である『ケルベロス』が燃えるような瞳で俺を見上げていた。(頭の一つは俺の脛に噛みついていた)

 

....................

明久side

 

「たく......何なんだよあいつらは......」

「そうですね......」

「あはは......ありがとう二人とも、僕を心配してくれて。」

昼休み、僕と一誠、アーシアの三人は保健室で談笑していた。

因みに何故僕らが保健室にいるかというと単純に僕が女の子達の攻撃に堪えきれず今の今まで気絶していたからだ。

 

「で、でも良かったでしゅね、折角記憶の一部が戻ったのにまた消えたら大変でしゅから。」

「お嬢様、噛みすぎです。」

「『ミーナ』ちゃん、噛みすぎ。」

そう言ったのは『ミーナ・ハルファス』さん、『ミリシャ・リディス』さん、『宮内霊』先輩の三人だ。

ハルファスさんはレイヴェルとライザーの家である『フェニックス家』の親戚で人見知りを治すために親に強制的に駒王学園に転校させられたらしい。

リディスさんはハルファスさん専属のメイド兼ハルファスさんの『女王(クイーン)』でよく噛むハルファスさんに注意している。

宮内先輩はライザーとリアス先輩の会合があったときにそれを盗聴していたのを見つかってハルファスさんの『僧侶(ビショップ)』になったんだ。

因みに宮内先輩は新聞部のエースでしかも神器持ちでそれを使って数々の記事を書いてきたのだと言うから驚きだよ......まあ、そのお陰でギャスパーは神器を使いこなせるようになってライザー戦の切り札になったんだから良しとしよう。

 

 

「ところで吉井君、君襲われる心当たりある?」

「記事にしなければ答えますけど?」

とりあえず手に持っている手帳とペンはしまってください。

 

「ち、残念だけどしょうがないか(記事にできると思ったのに)。」

「先輩、本音がだだ漏れです。」

「でだ、明久。お前本当に襲われる心当たりが無いのか?」

一誠の言葉に僕は首を左右に振る。

 

「そっか......でよ、午後の授業は出るのか?」

「うん、午前の授業は休んじゃったからね......せめて午後の授業にはでないとね。

あ、午前分の授業は今日の放課後に先生に頼んで勉強するからリアス先輩には遅れるって伝えといて。」

「わかった。......それにしてもよ明久......お前本当に真面目だよな。」

「うん......せめて勉強だけでもできないとさ、僕を此処に入れてくれた蒼那会長やリアス先輩に申し訳がたたないからね。」

あれ?何故だ?今僕らの教室で『馬鹿な!?明久が真面目に勉強しているだと!?』って馬鹿にされたような気がする。

 

「明久さん......」

「たく......それが明久の武器なんだよな。」

二人が僕の言葉に苦笑いしハルファスさん達も微笑ましそうに僕を見ている。

むう......真面目に言ったつもりなのに......!?

 

「リディスさん、ちょっとケルを止めてきてください。赤髪の男の子に噛みついています。」

僕は神器の影響で使い魔とリンク出来るようになった視界を見て緊急事態に気付き慌ててリディスさんに注文をした。

 

「わかりました。......赤髪の人の自業自得でしょうが。」

リディスさんがそんなことをボソッと言いながら保健室から出ていった。

 

「あ、そろそろ昼休みが終わりそうです。」

「マジか!?さっさと教室に帰ろうぜ。」

「うん、わかったよ。」

僕らが保健室から出ようとしたとき......

 

「あ、吉井君。ちょっと待って。」

何故か宮内先輩に呼び止められた。

 

「あ、はい。何ですか?」

「制服の胸ポッケ、盗聴器が入ってるよ。」

「え!?」

僕が慌てて胸ポッケを探るとそこには見覚えのないカードが入っていた。

 

「かなり形が弄くってあるけど盗聴器だよ。私がデータを排除するから此方に渡して。」

「あ、はい。......誰が仕掛けたんだろ?」

「どうせバ神崎でしょ。」

バ神崎って......

因みに神崎君......『神崎イルム』君は僕や一誠、『木場』君を毛嫌いしていて何かとオカルト研究部に突っ掛かってくる男の子で何でもリアス先輩達は『(おれ)(もの)だから手を出すな』とか言い触らしているらしい。

......まあ、リアス先輩達に言い寄るたびに返り討ちにあって宮内先輩の記事のネタになってるけど。

 

「取り合えず盗聴器を見付けてくれたことありがとうございます。」

「ん。それじゃ。」

「あ、はい。」

僕は宮内先輩に背を向けて保健室から出ていった。




如何でしたか?
因みに今作の明久は真面目に勉強しています。(学力は只今Dクラス中間)
因みに神崎イルムは典型的な踏み台転生者です。
次回は雄二達とオカルト研究部、生徒会、そしてオリキャラのミーナ達と邂逅します。
次回もお楽しみに!


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第三話

雄二達がリアス達と話をします。


一誠side

 

「部長、本当に明久を連れてきて良かったんですか?」

俺『兵藤一誠』は何故か明久を名前呼びしていた男子及び明久を痛めつけた女子の尋問をするために旧校舎にあるオカルト研究部の部室に向かっていた。

..........明久が一年生のアイドルであり部長の『戦車(ルーク)』である『塔城小猫』に殴られてノックアウトされた状態で。

 

「良いのよ、先生に許可は取ったしね。

......正直、あの馬鹿が明久を盾にしてなければもっと早かったんでしょうけど。」

「........すいません。」

小猫ちゃんが申し訳なさそうに謝る。

いや、小猫ちゃんのせいじゃねえから。悪いのは嫌がってるのに無理矢理デートに連れていこうとした神崎のせいだからな?

因みに神崎の野郎は生徒指導の先生に暑い暑い説教を食らっている。

 

「それにしても神崎君はどうして部長達に積極的なんでしょうか?」

「知らないわよ。一年の時だって気持ち悪い笑みを浮かべながら無理矢理眷属になろうとしていたし。」

「まあ、部長に迎撃されて宮内さんの記事の一面を飾りましたけどね。」

部長の『騎士(ナイト)』である『木場裕斗』の質問に部長が顔をしかめオカルト研究部の副部長であり部長の女王(クイーン)である『姫島朱乃』さんがクスクスと笑う。

 

 

「よ、吉井先輩~~~~~だ、大丈夫っすか?」

「あの......明久は大丈夫ですの?」

さっきからピクリとも動かない明久を心配したのか俺が抱えているダンボールの中から部長のもう一人の僧侶(ビショップ)であり宮内先輩に鍛えられライザー戦の逆転の一手になった『ギャスパー・ブラディ』とレイヴェルが明久に声をかける。

因みに明久は木場におんぶされている。

 

「大丈夫じゃないかな?塔城さんも手加減をしたろうし吉井君も頑丈だから。」

この学園の生徒会長である『支取蒼那』......悪魔の名前は『ソーナ・シトリー』先輩の言葉に俺達は無意識に頷いてしまう。

何せライザーが放った本人すら心配するほどの炎を体に受けたのに突撃出来る奴だからな明久は.......

 

「あれは俺も愕然としましたからね......」

そう言ったのは俺と同じ『兵士(ポーン)』である『匙元士郎』だ。

夢はシトリー先輩とのできちゃった婚という素晴らしい親友だ。(明久は『最低だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』って突っ込んだが......)

因みに生徒会は仕事(球技大会)が近いからこの二人しか行けなかったらしい。

 

「.....吉井様を急襲した女達は格闘術でも学んでいたのでしょうか?」

「な、何でですか?」

ミーナの女王であるリディス先生が何故か唸る。

 

「ええ、吉井様が保健室に運び込まれた時の関節技による傷が最も技を外しにくくかつ関節を外しやすい位置だったからです。」

あ~~~~そう言えば明久物凄く痛がってたな。

 

 

「う~~~~ん......そう言えばライザー戦の前に吉井君がアーシアに治療された時も大半の傷が脱臼とかで関節がボロボロだったよね?」

「はい......」

アーシアが暗くなりながら宮内先輩の言葉に頷く。

 

「まあ、その答えは彼等に聞いてみましょ。」

どうやら話しているうちに着いたらしいオカルト研究部の部室に俺達は入った。

 

....................

雄二side

 

「あ、アキ.......あんたとうとうそこまで穢れたの!?」

「何を言ってるの貴方は!?」

島田が金髪の男におんぶされている明久を見てそんなことを言った瞬間グレモリーに突っ込まれた。

 

「あ、明久君......まさかその男の子と......」

姫路も明久と金髪の男が絡み合ってるシーンを想像したのか顔を赤くする。

..........おえ。

 

「......霊さん。やってください。」

「はいよ。『創造(クリエイション)』。」

水色髪の女に指示された茶髪のツインテールの女はそんなことを言うと手に二丁のスタンガンが現れ姫路と島田を夢の世界に追放した。

 

「全く......何を想像したのよあいつらは......」

「恐らく明久とそこの金髪が絡み合ってるシーンを想像したんだろ。」

俺が真実を言うと金髪ドリルツインテールの女は口をひくつかせ金髪ロングの女は顔を真っ赤にし金髪の男は硬直し黒髪の男二名は吐き気を我慢しておりダンボールからは実際にゲロが出ており白髪の女は冷たい目で姫路達を睨み水色髪の女は銀髪の女に耳を塞がれ眼鏡をかけた女は不快そうな顔になり茶髪の女はため息を吐きグレモリーは......

 

「決めたわ朱乃。こいつらをケルの餌にするわ。」

「落ち着いてください部長。」

黒髪をポニーテールにした女に押さえ込まれていた。

 

因みにムッツリーニはと言うと......

 

「............シャッターチャンス。」

女のスカートの中を撮りまくっていた。

......早速カオスになってきやがった。

 

....................

「さ、さてと。自己紹介もしたし。そっちの目的も話して貰うわよ。」

あの後なんとか落ち着いた後で俺達は話し合いに入っていた。

 

因みにムッツリーニは......

 

「一枚四百円!?」

「高すぎるぜ!」

「もっとまけてくれ......!」

「............こっちも商売。」

男三人(内一名は明久)と写真の売買をしていた。

何をやってんだお前は......

 

「ああ、俺達の目的は明久を探しだし文月学園に帰還することだ。」

「あら、その割りには明久を痛めつけたみたいだけど?」

グレモリーの言葉に俺は舌打ちをしたくなった。

姫路に島田、お前達のせいで交渉が難しくなったぞ......!

 

「それに明久には恩もあるしやることもある。正直記憶が復活するまで帰せないと言うのが本音ね。」

「あんたが決めることじゃないでしょ!」

「そうです!横暴です!」

「あらあら......黙っていてくれません?」

姫島先輩からの殺気に姫路達が黙る。

 

「さて......あんた達は何者だ?」

「......どういう意味かしら?」

「ああ、簡単な事だ。宮内先輩が何処からともなくスタンガンを出したからだ。

普通なら驚くところがあんた達は何の反応もなかった。

次に神話の存在であるケルベロスがいることだ。この二つがあんた達がただ者じゃないって事を示しているんだが......どうだ?」

「......はあ、ミーナ。あなたが不用意に霊に神器を使わせたのも原因よ。」

「あう......ごめんなさい......」

「良いのよ。どのみち言わなきゃいけないことだし。

ねえ、あなた達......『悪魔』が実在するって言ったら......どうするのかしら?」

......は?

俺達はこの後のグレモリーの説明を聞いて予想以上にとんでもない世界に来たことを痛感するはめになった。




如何でしたか?
次回は説明回......の前に今作の明久の設定を書きます。
次回もお楽しみに!


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明久の設定

明久の設定です。
各魔王の名前と容姿を追加しました。
明久が悪魔になったので現在の眷属と転生悪魔を付け加えました。


名前『吉井明久』

種族『人間→転生悪魔(王)』

容姿『原作通り』

性格『バカ(一誠目下駒王学園の知り合い全員に言わせると馬鹿正直)』

成績『Fクラス(駒王学園に入学してからは一生懸命勉強しDクラス中間)』

神器『大罪の英霊(グリモワールサーヴァント)

使い魔『ケルベロス』のケル

眷属

女王『雨崎奏』

騎士『アリア・アルジェント』

  『アーサー・ペンドラゴン』

僧侶『レイヴェル・フェニックス』

  『ルフェイ・ペンドラゴン』

 

設定

本作の主人公。

突如ハイスクールD×Dの世界に世界に飛ばされた明久。

何が原因かはわからないが記憶を失っており自分が違う世界から来たことしかわからくなっている。

そこでリアス&蒼那の提案で駒王学園に編入+オカルト研究部への入部となった。(因みに第一話の明久の家は蒼那が姉に頼んで買ってもらった家である。)

生来の自身を省みない優しさは相変わらずでアーシアがレイナーレ一党に拐われた時にも『自分は悪魔ではなく人間だから』という理由で木場の制止を振り切りレイナーレ達の拠点である廃教会に突入した(結果的にこれがレイナーレを救うことになる。)

神器である大罪の英霊が覚醒したのは転生者がレイナーレを『居てはいけない屑』呼ばわりし更にレイナーレを庇って死んだアーシアを『無駄死』と言ったため。(因みに大罪の英霊に宿る者達曰く『欲の多い人間がこの神器を他人のための怒りで覚醒させるのは非常に珍しい』とのこと)

ライザーとの邂逅では焔が出たのを見て慌てて転移魔方陣に水をぶっかけライザーをびしょ濡れにした(その後冷や汗を大量にかいた)

因みに盗聴していた宮内霊をミーナの眷属にしたのは明久の提案。

ライザー戦に向けての特訓で今の今まで姉やFクラスから受けた攻撃が一気に悪化し生死の境をさ迷う。(この際大罪の英霊の根本とも言える存在と出逢い『禁手(バランスブレイカー)』への道筋に至る)

因みに明久の傷は関節は磨耗してボロボロであり肋骨は多数の亀裂骨折、頭蓋骨にも皹が入っており内蔵の内胃と肝臓は致命的なまでに傷ついているという最早何時死んでもおかしくないという状態だった。(霊曰く『今まで生きてこれたのが奇跡』)

ライザー戦ではライザーの女王である『ユーベルーナ』を単独で撃破し更に残った眷属も壊滅させるという活躍を見せるが神器の制御が甘く危うくトラウマを残してしまう殺されかたをされそうだったレイヴェルを救い重傷を負う(この時にレイヴェルに惚れられる。)そしてライザーとの決戦では大罪の英霊の亜種の禁手『英霊混合(クロスサーヴァント)』を使い同じく禁手に至った一誠、更に霊が呼び出したギャスパーの援護もありライザーを見事撃破する。(最もライザーに止めを刺したのは一誠だが)

因みに今まで取り戻した記憶は『明久の家族が母、父、姉の三人と言うこと』と『ご飯を作るのが一番地位の低い人』、『ほぼ毎日を塩水と砂糖水のみで生活していた』ということ(三番目は驚かれた後全員に呆れられている)

 

神器

大罪の英霊(グリモワールサーヴァント)

初代魔王達の魂を七つの武器に封じ込めた神器。

七つの(クラス)に分けられておりそれぞれに特殊な力がある。

七つの武器は所有者が任意で出せるが魔王達の意識が拒否をすると出せなくなる。

禁手(バランスブレイカー)は亜種でその力どうしを掛け合わせる『英霊混合(クロスサーヴァント)

正規の禁手は封印されている魔王を召喚する『魔王君臨』。

傲慢の剣士(ルシファーセイバー)』、武器は白黒の剣:本来天使(及び堕天使)にしか使えない光と悪魔にしか使えない闇の力を両立して使える。(初代ルシファーは堕天使と悪魔の子というとんでもない存在のため)

魔王『ルルーシュ・ルシファー』

容姿『ルルーシュ・ランペルージ』

悲哀の槍兵(レヴィアタンランサー)』、武器は水色の槍:水を自由自在に操り戦う事が出来る。(一見するとソーナのパクリだが此方は水を伝説上の武器の能力をそのままコピーして使えたり水で出来た幻獣を作り思うがままに使役する事が出来る。)

魔王『ウィン・レヴィアタン』

容姿『風鳴翼』

暴食の弓兵(ベルゼブブアーチャー)』、武器は蠅の紋章が入った弓:矢が当たった相手から魔力を際限無く吸収し己の物に出来る(しかも所有者の魔力保有量の限界を超えたらそれに合わせるように保有量を増やす。)

魔王『シン・ベルゼブブ』

容姿『シン・アスカ』

怠惰の騎乗兵(ベルフェゴールライダー)』、武器は数多の獣を従わせる手綱:様々な召喚獣を召喚し共に戦う事が出来る(限定的だが全盛期の二天龍すら呼び出すことが出来る)

魔王『シルバー・ベルフェゴール』

容姿『坂田銀時』

淫欲の魔術師(アスモディウスキャスター)』、武器は宝玉の埋め込んである杖:全ての系統の魔術を使える様になり更にそれを独自にアレンジすることも可能である(明久はしていないが......)

魔王『フィーア・アスモディウス』

容姿『フィア』

強欲の暗殺者(マンモンアサシン)』、武器は蒼い宝玉の埋め込まれた金色の籠手:敵の攻撃を吸収しそのまま打ち返す事が出来る。(明久は暴食の弓兵を併用して極太のレーザーを放った)

魔王『ルーガ・マンモン』

容姿『アリー・アル・サーシェス』

憤怒の狂戦士(サタンバーサーカー)』、武器は焔を纏った身の丈ほどもある斧:地獄の業火を身に纏い殆どの攻撃が効かなくなる。が、同時に理性も消滅し眼前の動くものを『敵も味方も関係なく』消し飛ばすまで暴れまわるため明久はあまり使いたがらない。

魔王『ザン・サタン』

容姿『スクアーロ』

尚、封じ込まれた初代魔王達は霊魂として実体化することもできる。

 

使い魔

『ケルベロス』のケル

明久がたまたま家の前に倒れていたケルベロスの子供を助けたところなつかれてしまい以降明久の使い魔として共に行動している。

明久に対しては絶対の信頼を寄せており明久をバカにするものは誰であろうと(例えそれが冗談であろうとも)許さない性格である。(実際オカルト研究部員全員がケルの勘違いなどで噛みつかれている)

但し明久が信頼していると判断した場合は噛みついた場所をなめる。

因みにアーシアの使い魔であるラッセーとは喧嘩友達(端から見ればじゃれあっているだけである。)




如何でしたか?
次回は説明回です。
次回もお楽しみに!


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第四話

説明回です。


雄二side

 

「悪魔?そんな存在がいるわけ......」

バサッ←グレモリーの背中に悪魔の翼が生えた音。

 

「わかった。目の前で証拠を見せられたらどうしようもねえ。」

「わかってくれたようで嬉しいわ。」

俺が観念して認めるとグレモリーは満足そうに翼をしまった。

 

「信じたところで言うけど何処から聞きたいのかしら?」

「そうだな......こっちの悪魔の歴史を知りたい。」

俺がそう言うとグレモリーは「わかったわ。」と言って説明し始めた。

原作(何を言ってんだ俺は?)を読んで知ってる人がいるかもしれんが要約するとこうだ。

 

悪魔は同じ冥界に住む堕天使、天界に住む天使と十世紀にも渡る死闘を繰り広げていたがとある大戦で悪魔の王たる魔王が軒並み戦死し幹部級も大半が戦死、堕天使も幹部級の大半が戦死し天使側も大打撃を受けた為に三勢力は現在にらみ合いの状態らしい。(因みに現魔王の内二人はグレモリーの兄と支取先輩の姉が勤めているらしい。)

 

「まあ、こんなところかしらね。他に聞きたい事はないかしら?」

「じゃあ......宮内先輩が使ったあれは何だ?」

神器(セイグリッド・ギア)よ。」

「神器?」

「聖書の神が作った神の奇跡の一部......とでも言えば良いのかしら。中には神すらも滅ぼす『神滅具(ロンギヌス)』もあるわ。

実際に一誠の神器は神滅具だしね。」

「そうか......ところで宮内先輩が使った神器は何だ?」

「あ~~~『魔具創造(アイテムクリエイション)』。

能力は単純で『所有者が望んだ道具を生み出す』だよ。」

単純処の騒ぎじゃない。ムッツリーニが手に入れればとんでもない盗撮道具を作り出すぞ。

 

「............そんなことはしない。俺は紳士だ。」

「地の文を読むな!」

「と言うより勝手に女子の写真を撮ってそれを売る人を紳士とは言わないわ。」

いつの間にか俺の後ろにいたムッツリーニに俺とグレモリーの突っ込みがはいる。

 

「まあ、宮内先輩は『禁手(バランスブレイカー)』......それも亜種ですからそんな単純な話じゃあないんですけどね。」

木場がまた新しい単語を言ったが今は無視する。

 

「まあ、新聞部でオカルト研究部の記事を作ろうとして盗聴してたらばれてミーナの眷属にされたんだけどね。」

「そういやあんた達は今はどうやって数を増やしてんだ?昔みたいに軍団は築けなくなったと言っていたが......」

「ああ、それはこれを使うのよ。」

そういってグレモリーが置いたのは......赤いチェスの駒?

 

「これは『悪魔の駒(イーヴィルピース)』よ。

これを使えば人間とかを悪魔に変えられるわ。それから......」

「待ちなさいよ!もしかしてアキはもうあんた達が悪魔に変えたってこと!?

だったらすぐに戻しなさいよ!」

「そうです!すぐに明久君を元に戻して下さい!」

島田と姫路の言葉にグレモリーが溜め息を吐く。

 

「君達ね......それから吉井君は悪魔になってないよ。駒の消費や魔力の消費が桁外れだもの。

それから悪魔から人間に戻る術は無いしね。」

「そうね。どの駒も全て消費+その駒の持ち主の王の魔力を限界ギリギリまで削ってようやく眷属にできるなんて前代未聞だもの。」

「前にミーナが眷属にしようとして死にかけたしね。」

「その節はお世話になりました。」

宮内先輩と支取先輩の言葉に俺は戦慄してしまった。明久......お前一体何を手に入れたんだ?

 

「さてと......悪魔の駒にはそれぞれ特性があってね......」

「ああ......これは推論だが兵士はどんな駒にでもなれ戦車はとんでもなく頑丈で騎士は恐ろしく速く、僧侶は魔法を得意とし女王は兵士以外の駒全ての能力を持つ......こんなところか?」

「あらその通りよ。付け加えるなら戦車は怪力も身に付くわ。なぜわかったのかしら?」

「兵士はチェスでの能力、騎士は動き、戦車は兵器としての面から、僧侶は名前から、女王はチェスにおいては最強の駒だからなだな。」

俺が理由を述べると明久は『凄い......』と言った。

バカに誉められても嬉しく......

 

「イデデデデデデデデデデ!?」

俺の足に再びケルベロスが噛みつく。

 

「ああ、一応言っておくけど明久の使い魔であるケルベロスのケルよ。

明久に絶対の忠誠を誓っているから冗談でも明久をバカにする発言は控えた方が身のためよ?」

「実際冗談で言ったのにアーシアとギャスパーは追いかけ回された上に噛まれたからな......」

「そういうのは早めに言え!」

「って今度はウチと瑞希!?」

「い、痛いです!止めてください!」

グレモリーと兵藤の言葉に俺は突っ込みを入れる。

姫路と島田がなにか言っているがスルーだ。

 

「ところであなた達これからどうする気?何の準備も無く来たから家もお金も無いんだよね?」

支取先輩の言葉に俺はそうだったと頭を抱える。

いっそのこと此処に住まわせてもらうか......?

 

「あ、じゃあ僕の家に......」

「「「「「却下。」」」」」

「何でさ!?」

明久の提案は即座に駒王学園の全メンバーに却下された。

 

「明久......お前に襲い掛かった女子を明久の側にいさせるかよ。」

「そ、そうですわ!(只でさえ堕天使が居るのに彼女達まで加わったら明久の側にいられませんわ......!)」

兵藤の言葉にフェニックスも賛同する。

......成る程フェニックスは明久に惚れてるのか。

 

「ん~~~~~~なら木下君と土屋君、それから坂本君は家に連れていっても良いですか?」

「そうね......それくらいなら......」

「あ、土屋君は私に任せて新聞部に所属させるから。(彼の盗撮技術......女の子の写真を撮るために浪費させるなんて勿体ないしね♪)」

何故だ宮内先輩がムッツリーニを更に強化しそうな気がする。

 

「なら坂本君は僕が引き受けます。ギャスパー君もいますが一人くらい増えても大丈夫です。」

「そう、なら坂本は裕斗に任せるわ。」

「あら、なら女子の二人は私が引き受けますわ。」

「そうね、姫路と島田は朱乃に任せるわ。」

......姫島先輩の笑顔が怖いと感じるのは何故だ?

 

「じゃあ、家に行こうか。」

「うむ。」

「そ、そうですわね......」

......ちょっと待て。

 

「お前らもしかして同居......くぺ!?」

「木場様。気絶している内に坂本様を連れて帰ってください。」

「ありがとうございますリディス先生。」

俺が同居について聞こうとしたらリディス先生に絞め落とされ俺の意識はそこで途絶えた。

 

 

 

 




如何でしたか?
次回は秀吉視点からお送りします。
次回もお楽しみに!


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第五話

秀吉回です。


秀吉side

 

「ふあ......」

儂『木下秀吉』は何時もの時間に起き上がったのじゃ。

 

「うむ......?此処は......?」

儂は見慣れぬ部屋に首を傾げ......すぐに思い出したのじゃ。

 

「そう言えば現在明久が住んでいる家に来たんじゃったの。」

あの後『木下君』と明久が儂を男扱いしたのに気付いた儂は明久に抱き付きそれで慌てられた後で明久とレイナーレさんが作ったご飯を食べた儂はすぐにこの部屋で寝たんじゃったな。

 

「むう......どうしたものかのう......」

少しばかり悩んだ後儂は何時もの様に(明久に外出することを伝えた書き置きを残して)ランニングに出掛けたのじゃ。

 

 

....................

で......

 

「迷ったのじゃ......」

此処は何処なのじゃ?儂は確かに明久の家の回りを回った後で少しばかり離れたが......それでも道に迷うような場所には行かんかったぞ?

 

「あ、あわわ......また関係ない人を迷わせちゃった......速く術を解かなきゃ......」

儂が声に振り向くとそこには狐耳に狐の尻尾を付けた女性(大体儂と同い年じゃ)が慌てていたのじゃ。

 

「あのう......」

「は、はわ!?す、すいませぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!術はもう解けたはずですからすぐに帰れますぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

儂が声をかけると女性は凄い勢いで逃げて行ったのじゃった。

儂は首を傾げながら振り向くと......明久の家がすぐ側にあったのじゃ。

 

....................

 

「と、言うような事があったのじゃ。」

「それは大変だったね。(レイナーレ、ちょっと変じゃない?)」

「木下さん、次からは気をつけて下さいね?(そうね......妖孤がこんな所にいて妖術を使うなんて......しかも複数にかけてた様な事を言うなんて変ね。)」

儂がランニングで起きたことを話したら明久達は苦笑いをしながらアイコンタクトをしていたのじゃ。

むう......隠し事は悲しいのじゃ。

因みにフェニックスは......

 

「(ぷくう)」

頬を可愛く膨らませながら明久の隣に座る銀髪の女性を..........?

 

「誰じゃ!?」

「む?妾の事か?妾の名は『フィーア・アスモディウス』......明久の神器に宿る初代魔王の一人じゃ。

本来は霊体じゃが妾は少しばかりなら魔術で実体化出来るのでのこれから宜しく頼むのじゃ。」

「う、うむ......」

儂は明久の神器はなんじゃろうと思いながらご飯を食べ始め......

 

「あ、木下君達駒王学園に通うことになったから食べたら一緒に行こうかを」

明久の言葉で転けそうになったのじゃ。

 

「何故それを先に言わんのじゃ!?」

「ご、ゴメン。昨日木下君が寝たときに蒼那先輩から電話が来て......明日伝えれば良いやって思っちゃって......」

「むう......それなら良いのじゃ......」

儂は溜め息を吐きながらご飯を食べるのじゃった。

 

....................

「はあ......明久と一緒に登校できると思いましたのに......」

「レイヴェル、落ち着いて。」

「明久......そういうところは相変わらずなんじゃな......」

儂は溜め息を吐くフェニックスに苦笑いをした明久を見て女性の好意に鈍いところは相変わらずじゃなと確認したのじゃ。

 

「「吉井ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」」

む!?ま、まさかFFF団かの!?

 

「あ、明久!逃げるのじゃ!」

「はあ......よっと。」

「「べぶし!?」」

明久が屈んだ途端に丸刈りの男子と眼鏡をかけた男子が互いにラリアットをかけあけあって吹っ飛んだのじゃ。

 

「おはよう、元浜君に松田君。」

「いや、いきなり襲撃をかけた相手に何故平然と挨拶をしとるのじゃ!?」

「おう、吉井......じゃない!」

「何故貴様は昨日転校してきたレイヴェル・フェニックスちゃんと仲良く登校しているんだ!

そして傍にいる翁言葉の『美少女』は誰だ!」

..........鬱じゃ。

 

「え~~~~~と......レイヴェルは僕の家にホームステイしていて木下君は男だよ?」

「「......へ?」」

元浜と松田と呼ばれた二人は儂の顔を見て硬直したのじゃ。(序でに周囲の登校している学生もなのじゃ。)

 

「「『『馬鹿な!?こんな可憐な美少女が男だと!?信じられない!』』」」

『『今流行りの男の娘ってやつよね!吉井君の受けなのかしら?』』

『『よ、世の中って理不尽よね......』』

......儂はこの世界でも女扱いされるんじゃな......それから悪寒がしてきたのじゃ。(主に尻に)

 

「......取り敢えず学園に行こう。」

明久は頭を押さえながら儂とフェニックスを連れて学園に向かったのじゃ。

 

....................

「お、おはようございます、木下君......」

「お、おはよう、木下......」

儂が職員室前に着くと姫路と島田が何故か震えていたのじゃ。

 

「雄二よ......二人に何があったのじゃ?」

「......姫島先輩は......『究極のS』らしいな。」

???雄二が何を言ってるのか解らんのじゃが......?

 

「ううう......雷が雷が雷が雷が......」

「鞭......物凄い痛かったですけどちょっと快感が......」

......本当に昨夜二人に何があったのじゃ?

 

「............おはよう。」

「む、ムッツリーニ!おはようなのじゃ!昨夜はどうじゃった!?」

「............宮内先輩率いる新聞部は最高だ。」

ムッツリーニが爽やかな笑顔で言った途端儂は生きて帰れるのか本気で心配になってきたのじゃった......




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第六話

『あの』料理が登場します。
序でに不穏な気配が......


明久side

 

「坂本雄二だ、今日から宜しく頼む。」

「............土屋康太。宜しく。」

「木下秀吉じゃ。こんな顔じゃが儂はれっきとした男じゃ。宜しく頼むのじゃ。」

今日のホームルームでクラスメイトが三人増えた。(女子の二人は木場君のクラスみたいだ。)

 

『木下は吉井、坂本は兵藤、土屋は松田の隣に座れ。』

「む、明久。今日からクラスメイトとして宜しく頼むのじゃ。」

「ん、今日から宜しくね木下君。」

「むう......『秀吉』で良いのじゃが......」

「あはは、会ったばかりの人を呼び捨てに出来るわけないじゃないか。」

あ、木下君が目に見えて複雑そうな顔になった。

......ちょっと罪悪感が沸いてきた。

 

....................

「明久、お前、頭大丈夫か?」

「どういう意味だてめえ!!」

昼休みに僕は坂本君にいきなり罵倒された。

因みに土屋君は宮内先輩に連れていかれた。

......また、スクープを探して回ってるんだろうな。

 

「いや、俺の知る限りではお前は授業は寝るかゲームしてるかのどちらかだったろ?

お前、本当にどうしたんだ?」

「はあ......そんなことをしたら僕の為に家まで用意してくれたリアス先輩や蒼那先輩に悪いじゃん。

それに世話になっているから勉強だって手は抜けないしね。」

「明久......お前ひ......『寄生虫』って言葉を知ってるか?」

「今、『ヒモ』って言おうとしたよね?しかも言い直しても意味全然変わってないし。」

寧ろ悪化しているような気がする。

 

「お~~~~~い、明久!坂本を相手にしてないで飯を食おうぜ。」

「あ、うん。解ったよ。じゃ、坂本君これから一誠達とお昼ご飯食べるから。」

「あ、ああ......」

僕が坂本君から離れるとすぐに一誠達を追いかけた。

 

....................

雄二side

 

「明久......お前どんだけ変わったんだ?」

俺は授業中から文月では珍回答を連発していた明久がまともに答えているのを見て呆然としていたがその理由を知って更に俺の知っている明久とは程遠くなったのを実感してしまった。

 

「くそ!考えても仕方ねえ......俺も飯を食う......」

『明久ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

俺が飯を食おうとしたら兵藤の悲鳴が轟いた。

 

俺が慌てて屋上に行くと(途中でムッツリーニ及び宮内先輩合流した)......そこには頬を押さえて呆然としている姫路と黒い笑みを見せる姫島先輩、そして泡を吹く明久を必死に心肺蘇生している秀吉と島田、兵藤達がいた。

 

....................

一誠side

 

俺達オカルト研究部の面々は最近楽しみになっている明久の飯を食いに屋上に来ていた。(因みに待ち伏せていた神崎は昨日のストレス発散と言わんばかりに小猫ちゃんに殴り飛ばされて壁にめり込んでいる)

いないメンバーは対人恐怖症を治すためにミーナちゃんやレイヴェル、ミーナちゃんの友人と飯を食っているギャスパーだ。

なのに......

 

「何で姫路と島田がいるんだ木場?」

「ゴメン、強引に着いてきて......」

木下は兎も角こいつらは本当に邪魔だしな。(姫路のおっぱいかなり大きいから目の保養になるけど)

 

「一誠、何かいやらしい事を考えなかった?」

「う......はい。」

明久の言葉に肯定した瞬間アーシアと部長が両側から俺の頬を引っ張る。

 

「あはは......はい、今日のお昼ご飯。」

お、今日はシュウマイに酢豚......中華風か?相変わらず美味そうだな。

 

「では......お、美味い美味い。」

「本当に美味しいよね。参考にもなるし。」

そういや木場はギャスパー(昨日から坂本も)と暮らしてんだっけ?

 

「美味しいんですけど......」

「相変わらず料理好きの女子にダメージを与える美味しさよね......」

「はあ......敗北感があります......」

「............美味しい、美味しいけど何か理不尽です。」

アーシアや部長、朱乃さんに小猫ちゃんも溜め息を吐きながら食べていた。

 

「く......何これ......物凄い敗北感が......」

「ううう......美味しいです......あ、そういえば......」

ん?何だ?物凄い死の影が......

 

「あ、明久君!お弁当を作ったんです!食べてくれませんか!?」

「え?良いけど......」

そう言って明久が姫路の弁当を一口食ったら......

 

ブバ!

明久が吐血してぶっ倒れた。

 

「......え?」

「明久ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

俺が明久に駆け寄ると慌てて抱き起こす。不味い!虫の息だ!

 

「み、瑞希......?これ......何か悪臭がするんだけど......?」

「あ、は、はい......隠し味に『塩酸』と『硝酸』を三対一で......」

......は?

 

「瑞希......」

「あ、はい。何ですか美波ちゃ......」

バチン!

次の瞬間島田が姫路の頬を叩いた。

 

「それで自分が何をいれたのか知りなさい。

木場!あんたはAEDを持ってきなさい!塔城は病院に連絡!アルジェントは警察に!残りの面子は交代しながらアキの心肺蘇生!急いで!」

「あらあら、昨日の調きょ......教育が良い方向に向いたみたいですね。」

朱乃さん、何をしたんですか?俺も受けた......げふんげふん。

 

「それに比べて姫路さんは......お仕置きが必要のようですね♪」

俺も朱乃さんのお仕置きを受けた......げふんげふん。

 

その後、合流した坂本、師匠(ムッツリーニ)、宮内先輩と共に明久の心肺蘇生を続けて救急車に明久が運ばれた後姫路は警察の方々と部長を中心とする女性陣にこれでもかと怒られ料理禁止令をしかれた事は言うまでも無い。(因みに明久は放課後にけろっとした表情で帰ってきた。病院も『素晴らしい回復力だ』と呆れたらしい)

 

....................

第三者side

 

羽田空港......そこに金髪の女性が地図を見ながら歩いていた。

 

「やれやれ......漸く着いた。後は駒王学園に行くだけだが......教会からも追手が来るからな。急がねば。」

女性は荷物に閉まってある一振りの剣......正教会から強奪し自身の持つ聖剣と融合させた『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』を思い出しながら呟く。

 

「さて......信頼できる仲間に会えたか知りに行くぞ?『アーシア』、『裕斗』。」

女性はそう言うと背中から『炎の翼』を二対広げ『風を操り』自身を見えなくさせて飛翔を開始した。

事件は......すぐそこまで迫っていた。




如何でしたか?
今回登場したオリキャラは誰ともくっつきませんが大事な役割があります。
楽しみにしてください。
次回は球技大会です。
次回もお楽しみに!


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月光校庭のエクスカリバー
第七話


月光校庭のエクスカリバー......開幕です。


明久side

 

ただいま僕らは球技大会の部活対抗種目であるドッジボールをしてるんだけど......

 

『兵藤を殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」』

『この野郎!急にモテやがってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

『兵藤に死をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

『小猫ちゃんを寄越せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

『リアスお姉さまを救うのよ!殺りなさい!』

「な、何で俺だけ集中砲火なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

何故か一誠にだけ攻撃が集中していた。

 

「あの......リアス部長。何で一誠にだけしか攻撃が来ないんでしょうか?」

「当てられないんじゃ無いかしら?」

「???」

「はあ......考えてみなさい。」

え~~~~~と......

 

リアス部長......学園の二大お姉さまの一人。=当てられない

朱乃先輩......リアス部長と同じ学園の二大お姉さまの一人。=当てられない

木場君......イケメン。当てたら女子が敵になる。=当てられない

アーシア......癒し成分いっぱい。=当てたら可哀想

小猫ちゃん......一年生のアイドル。=当てられない

ギャスパー......木場君と同じく当てたら女子が敵になる。=当てられない

ミーナちゃん......保護欲が沸く。=アーシアと同じく当てたら可哀想

レイヴェル......前日にライザーが来て脅しをかけたらしい。=当てたらライザーに殺される

一誠......汚名がたっぷり。最近モテている。=当てて良し

 

「あれ?僕は?」

「下手に当てて記憶がまた無くなったら顰蹙をかうからじゃないかしら?」

そういうものなのかなぁ......?

 

「ま、そういうものよ。良し!イッセーをスケープゴートにして確実に当てていくわよ!」

「「「はい!」」」

「は、はあ......」

「い、良いんでしょうかこれで......?」

多分良いんじゃないかな......?

 

「..........」

「......木場君?」

「ん?あ、ああゴメン。ちょっと考え事をね......」

その木場君の様子に僕は一抹の不安を感じた。

 

因みに相手チームはリアス部長と朱乃先輩がボールを持っていたら自ら当たりに行き子猫ちゃんの投げたボールに吹き飛ばされ、アーシアとミーナちゃんとギャスパーを微笑ましく見ていたりと......あれ?最後の一つ関係無くない?

まあ、そんなこんなで決勝戦。

相手は......

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!イッセーぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「兎に角死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「死ね兵藤一誠!」

助っ人として神崎君、松田君、元浜君を加えた野球部だった。

因みに相手は今の今まで全部一誠のみを集中砲火したのは言うまでも無い。

 

まあ、決勝戦までの相手と同じ末路を送りそうだけど......

因みに一誠は決勝戦までの間一発も当たっていない。

まるでメ○ルスラ○ムみたいだ。

 

「そこまで弱くね......へぶし!」

あ......

 

「ま、良いわ。イッセー今までご苦労様。ゆっくり休んで。」

「そ、そうさせていただきます......」

一誠はふらふらになりながら外野に下がった。

 

「(木場に投げられる前に兵藤が下がった......?原作と違うぞ?)」

む!神崎君が隙だらけ......チャンスだ!

 

「食らえ!」

キーン!コーン!

「「ギャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

..........あ。

あ、ありのままに起こったことを話すよ!僕が渾身の力を込めて投げたボールはすっぽ抜けた上に下方修正されて元浜君の股間に直撃した後バウンドして松田君の股間に炸裂したんだ!

 

「え、えい!」

「げぼ!?」

股間を押さえてのたうち回る松田君にミーナちゃんの投げたボールが当たり二人は股間を押さえながら外野に下がった。

 

『く、くそ!こうなりゃ自棄だ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!イケメン!』

っ!?な、何て勇気なんだ!まさか木場君に投げるなんて!

 

「..........」

しかも木場君気づいてないし!

 

「危ない木場君!」

僕が慌てて木場君のフォローに回ったら......

くく。

へ、変化球!?無駄に器用......

 

「(やれやれ......馬鹿が......)」

何処からか声が聴こえたかと思うとボールが地面に落ちた。

 

『な......』

「勝機!」

僕はボールを拾いそのまま投げつけた。

ゴキーン!

「ギャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

......そして神崎君の股間に炸裂した。

 

....................

一誠side

 

パン!

校庭にビンタの音が響く。

アーシアの救出と明久の援護に固執した俺が部長にされたのと同じだが......されたのは俺ではなく木場だということだ。

球技大会の練習には身が入ってなかったしそれに本番でも明久に庇われる始末だった。

あの時にいきなりボールが地面に落ちなかったら明久の玉に球が当たったろうな。

 

「もう良いですか?球技大会も終わりましたし、夜の時間まで休んでも良いですよね?昼間は申し訳ありませんでした。体調が悪かったようです。」

木場の顔が無表情から何時ものニコニコ顔になるけど......傍目から見てもおかしすぎるだろ。

 

「おい、木場......」

「おっと、足が滑った。」

俺が木場に聞こうとしたら坂本に足を踏まれた。

 

「何すんだよ!?」

「本人に聞いても無駄だろ。こういうのはお偉いさんに聞くもんだぜ?」

坂本が部長を見ながらそう言う。

 

「はあ......賢いのね。」

「まあ......な。聞かせてもらおうか?木場の秘密をな。」

木場がに何が起こったのかの話を聞いた後アーシアが急に青ざめ『そんな......お姉ちゃん......』と言ったのを俺は聴き逃さなかった。

 

....................

???side

 

「ちとでしゃばり過ぎたか?」

私は雨が降り始めたので傘をさしながら自問する。

今日の駒王学園の球技大会に来たのは成長したアーシアと裕斗を見に来ただけで介入するつもりは無かったが......裕斗の友人の玉に危機が起きたためについ叩き落としてしまった。

 

「......そう言えばちょうどこんな日だったな。私が無様に生き延びたのは。」

仲間が一人また一人と死ぬなかでただ生きたいという思いのみで神器を覚醒させガス室の扉を蹴り破き脱出したのはこんな雨の日だった。

 

「ん?剣撃......?」

私は興味を抱きながら駒王学園を覗きこむ。

そこには神父の死体と白髪の神父(十中八九こいつが殺したんだろう)そして裕斗がいた。

む......?神父が持っているのは......!?

 

「『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』だと!?何故あれがここにある!?」

確か数日前に保管されていた場所から強奪......強奪?

 

「そうか......奴か、奴の上司が強奪したんだな?」

私が頷いていると......

バキッ!

 

「あ......」

音に振り向くとそこには茶髪をポニーテールにした女が立っていた。

 

「島田さん!?何故ここに!?」

「おおっと!目撃者は......サヨウナラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

神父はポニーテールに天閃の聖剣の力で接近し斬りかかるが.....

 

「やらせるか馬鹿が!」

私は剣で天閃の聖剣を弾き飛ばす。

裕斗が愕然とした表情を浮かべたのは恐らく私の剣筋だからだな。

独特だからな私の剣は。

 

「ちぃ!援軍かよ!あばよ!」

神父はダッシュで逃げていった。

私も立ち去るか......

 

「待て!何故......何故彼女の剣筋を知っている!」

「......明日にでも会うだろう。その時言おう。」

私は神器の力で一気に逃走した。




如何でしたか?
次回は謎(?)女性の正体がわかります。


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第八話

謎の女性の正体がわかります


明久side

 

今部屋には二人の聖剣使いがいた。

それから木場君の殺気が怖いです......

 

「先日カトリック教会本部のヴァチカン、プロテスタント側及び正教会が管理、保存していた聖剣エクスカリバーが強奪されました。」

茶髪の人......一誠の幼馴染みである『紫藤イリナ』さんがそう言う。

因みに顔が若干赤いのは対面時に真っ正面から『可愛い......』と言ってしまったからだろう。

 

「あの......質問。」

「な、何かしら?」

その服とても色っぽいですね(エクスカリバーって複数あるんですか)?」

「本音と建前が真逆だぞ明久ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「な......な......な......」

 

「......話が進まんから私が言うが大昔の戦争でエクスカリバーは七つの破片に分裂してしまってね。

錬金術師に直されて今はこの様な姿さ。」

そう言って青髪に緑のメッシュの人......『ゼノヴィア』さんがエクスカリバーを取り出す。

これに一誠達の顔が若干強ばった。

 

「これは破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)。カトリックが管理している。」

ゼノヴィアさんに応じて紫藤さんが懐から紐を取り出すと......それが日本刀に変化した。

 

「わ、私のは『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』。自由自在に姿を変えることが出来るわ。

これはプロテスタント側が管理しているわ。」

「イリナ......わざわざ悪魔に能力を教えなくても良いだろう?」

「ゼノヴィア。いくら悪魔でもこの場では信頼関係を築かなければ意味が無いでしょう?

それに能力を知られても此処の悪魔には遅れをとらないわ。」

む......なかなか強気な発言だ。

 

「それで?こんな極東の島国の地方都市に何でエクスカリバーがあるのかしら?」

「リアス先輩、日本人が多いこの中でその発言はどうですか?」

「ああ、奪われたエクスカリバーがこの街に運び込まれたんだ。」

「......私の縄張りには出来事が豊富ね。」

スルーされた......だと?あと出来事は厄介事と=だと思います。

レイナーレ然り、ライザー然りです。

 

「それで?何処が盗んだのかしら?」

「奪ったのは『神の子を見張る者(グリゴリ)』だ。」

「あの......奪った人は?」

僕は手を挙げて聞いてみる。

 

「グリゴリの幹部の堕天使『コカビエル』だ。」

『よりによって一対一なら妾達とも対等に渡り合えるクラスの堕天使か。』

『『アザゼル』じゃないだけ増しだと思おうぜ。』

因みにフィーアと一緒に喋ったのは『ルーガ・マンモン』だ。

 

 

「私達の依頼......いや、注文だな。私達と堕天使の争いに一切関わらないでほしい。」

「つまり......ゼノヴィアさん達の上司は悪魔も堕天使も信頼してないの?」

「その通りだ。私自身も信頼してない。それに本部は堕天使と悪魔が組む可能性も......!?」

次の瞬間リアス先輩の魔力が限界ギリギリまで跳ね上がった。

 

「私は......いいえ!私達は!堕天使とは組まない!グレモリーの娘として!魔王の妹として!その顔に泥を塗るような真似はしないわ!」

「わ、私もでしゅ!私を留学させてくれたお父様に泥を塗るような真似はしません!」

今まで震えていたミーナちゃんの啖呵に二人は驚いたような顔になったけどゼノヴィアさんはふっと笑ってこう言った。

 

「その答えを聞けただけでも満足さ。この街に聖剣エクスカリバーが三本も運び込まれた事を言いに来ただけだしね。」

「あれ?正教会からは?」

宮内先輩が訝しげに聞く。

 

「あ~~~~~最後のエクスカリバーが三日前に強奪されてね。正教会の老人達が全員ひっくり返ってしまったから援軍は出せんと言ってきたのだ。」

「ありゃりゃ......そりゃ大変だ。」

って事は......!?

 

「え!?じゃあ二人だけで堕天使と戦うの!?危ないよ!」

「私からも言わせてもらうはバカなの?死ぬつもり?」

「そうよ。」

「私も同意見だが出来るなら死にたくないな。」

 

「相変わらず貴方達の信仰は常軌を逸してるわね。」

「我らの信仰を愚弄する気か。」

「愚弄する気なんか無いよ!信者の命を省みない神様なんて最低だ!」

「貴様......!主を虚仮にするか!」

その言葉にリアス先輩が頭を抱える。

やっちまった......

 

「......吉井さん。」

う......アーシアからも非難めいた目だし......

 

「む?君は......もしやと思ったが『魔女』アーシア・アルジェントか。悪魔になるとは......堕ちるとこまで堕ちたな。」

「っ......!」

魔女。それはアーシアにとって忌むべき言葉だ。

 

「何言ってるんだよ!そっちが勝手に祭り上げて!そっちが勝手に捨てただけだろ!何でアーシアが魔女って言われなきゃいけないんだよ!」

「同感だ!お前らはアーシアを救いを求めていた彼女を誰も助けなかっただろ!」

「ふん、聖女に救いなど無用だ......と言いたいところだがアーシア・アルジェントはまだ主を信仰しているようだな。」

っ......!?

 

「ゼノヴィア、悪魔が主を信仰し続けるわけが無いでしょう?」

「いや、彼女からは背信行為をしても主を捨てきれず、尚主を信じ続ける輩と同じ気配を感じるんだよ。」

......この人ってバカっぽいけど意外と鋭い人かもしれない。

 

「捨てきれないだけです。ずっと信じてきたもので、いなくなったお姉ちゃんとの唯一残った絆だから......」

「そうか。なら私に斬られると良い。罪深くとも、我らの神は君を救うだろう。」

ゼノヴィアさんがアーシアを切り裂かんと襲い掛かり......

 

「図に乗るなよ......狂信者が!」

突如聞こえた声と共に蹴り飛ばされた。

 

「な......」

「え......」

アーシアの目の前にはアーシアに良く似た容姿......唯一違うのは目が紅いことぐらいだの女性が立っていた。

 

「何で......」

「そんな......でも......」

「あの......貴方は......?」

「私か?私は......」

アーシアが涙目になり木場君が呆然となる。

 

「私は『アリア・アルジェント』。アーシアの姉にして裕斗と同じ『聖剣計画』の犠牲者さ。」

「お姉ちゃん!」

「アリア......さん。」

歯車が......ゆっくりと回り始めた。




如何でしたか?
次回は謎の女性......アリアとの戦闘です。
そして衝撃の事態が......!
次回もお楽しみに!


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第九話

衝撃の事態が発生します(笑)


明久side

 

「あ、アーシアのお姉さん!?」

「ああ、私は正真正銘アーシアの姉だが?」

何を言ってるんだという顔で僕を見るアリアさんに僕は呆然としていた。

 

「お姉ちゃん......お姉ちゃん!」

「うわっと。」

アーシアが泣きながらアリアさんに抱きつく。

 

「ひっく......えぐ......いきなりいなくなって......本当に心配したんですよ?」

「う......す、すまん。教会では既に私は死者扱いでな。帰るに帰れなかったんだ。」

「それでも妹には無事を伝えるものでしょうが!」

島田さんの言葉に僕らはちょっと驚いてしまう。

島田さんって妹がいるのかな?

 

「ふん、茶番だな。」

「「「あ?」」」

ゼノヴィアさんの見下したような言葉に僕、一誠、島田さんの額に青筋が出来る。

 

「行方不明の姉が妹を助ける......三流の新聞が記事にしそうな展開だが私には茶番にしか見えんな。」

「ほう......狂信者の癖に姉妹の絆にはけちをつけるか雑魚共が。」

「「何(何ですって)?」」

「ふん、見たとこ青髪は破壊の聖剣に振り回されているし茶髪は擬態の聖剣を使いこなせてはいるだろが達人には完全に見切られるだろうな。」

「そうか......だったら貴様の身で試してみろ!」

そう言って紫藤さんとゼノヴィアさんは同時に斬りかかり......紫藤さんの擬態の聖剣はアリアさんの蹴りで弾き飛ばされ、ゼノヴィアさんの破壊の聖剣は剣で『受け止められた』。

 

「「な......」」

「ほらな。破壊の聖剣は確かに強力だが同じ『聖剣(エクスカリバー)』を砕けんようではまだまだだな。」

え?エクスカリバー?

 

「何故......何故貴様が盗まれた『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』を持っている!」

「ああ......あの『地獄(聖剣計画)』に関わるまでは私は正教会所属だったもんでね。惰弱な馬鹿共に活を入れてやったんだよ。

それから裕斗......殺気を仕舞え、耐性が無い奴等が怯えてる。」

確かにギャスパー気絶しちゃってるし......

 

「とりあえず......そこの黒髪と茶髪、聖剣使いの狂信者共、裕斗。

......庭に出ろ。」

 

....................

 

で......

 

「何でイリナと戦う事になるんだ?」

「僕は聖剣を壊せるなら何でも良いよ。」

「あ、あはは......」

「ふん、悪魔共と模擬戦か。滅してくれる。」

「貴方が審判かしら?」

「は?何をトチ狂った事を言っている。『全員』どっからでもかかってこい。」

「「「「「は?」」」」」

「ああ、私が全員を相手にして勝ったら同盟を組んでコカビエルに当たれ。でなきゃ死ぬ。

私が負ければ好きにすれば良い。」

「そうですか......だったら『魔剣創造(ソード・バース)』!」

そう言うなり木場君は神器で剣を造りアリアさんに切りかかる。

 

「おいおい、いきなりだな裕斗。相も変わらずクールな心の下は激情の塊か。

だが......憎しみだけでは憎しみさえも越えた私には勝てん。」

アリアさんは木場君の剣を一瞬で破壊しそのまま蹴り飛ばした。

 

「が......!?」

「な......明久!木場の援護の回れ!俺が相手をする!」

「わかったよ!ところで一誠、もしかして......」

「おう、『洋服崩壊(ドレスブレイク)』は勿論使うぞ。」

「ですよね~~~~~。」

僕は一誠の煩悩に呆れながら木場君の元に向かった。

 

....................

一誠side

 

俺は明久が木場に向かったのを確認して向き直ると......

 

「ほらほら、どうした後輩共?そんなんだとコカビエルに勝つ......いや、エクスカリバーの破壊なんて一億年経っても無理だな。」

「くそ!くそ!くそ!何故当たらん!?」

「っ......!認めたく無い、認めたく無いけど次元が違う......!」

イリナとゼノヴィアがアリアさんに『片腕だけで』あしらわれているところだった。

......見てて思うけどイリナとゼノヴィアの服って色っぽいな。アリアさんもアーシア以上に体の凹凸が......うし......やるか。

 

『explosion!!!!!』

「やってやるぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

唸れ!俺の煩悩!

 

「『赤龍帝の籠手(ブースデッドギア)』だと!?何て神器を所有しているんだお前は!?」

アリアさんが驚いているけどスルーだ!

 

『Boost!!』

「ちい!二倍になっただけでこのパワーか......!」

アリアさんが剣で受け止めるけど苦々しい顔になる。

だけど......まだまだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

『Boost!!!』

「ち!下がらせて......って、何をやってるんだお前らは!?同士討ちをしている場合じゃ無いだろ!?」

俺がアリアさんの視線の方向に目を向けるとそこにはゼノヴィアに斬りかかっている木場とイリナの放つ変幻自在の刃から逃げ回りながら『傲慢の剣士』で戦っている明久がいた。

 

「仲間?アリアさんは何を言ってるんですか?彼女達は敵です。」

「珍しく同意見だ。貴様らは我らの敵だ。」

「.....頭痛がしてきた。」

アリアさんが頭を抱えるけどそれでも俺の攻撃を避け続けられるのは凄いと思う。

 

「(だけどこれで......!)」

『Boost!!!』

 

「ち、六回目か?少し不味いな。」

いける!食らえ!渾身の......!

 

洋服崩壊(ドレスブレイク)!!!!!」

「大技か。そういうわけだ。後輩共に押し付ける。」

「へ?」

俺の渾身の一撃は見事に回避され俺の手がイリナとゼノヴィアの服に完全に触れ......

 

パァァァァァン!

二人の服が一斉に弾けた。

 

「......え?い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「な......な......な......」

「............我が人生に一片の悔いは無し......!」

「「ムッツリーニぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」」

「ひ~~~~~!ひ~~~~~!何て笑わせる技なんだそれは!?面白すぎるぞお前!」

イリナが悲鳴を挙げて胸を隠しながら地面に座り込みゼノヴィアは硬直し師匠が天高く鼻血を吹き出しながら倒れそれを木下と坂本が支えアリアさんは大爆笑する。

 

そして......他の皆からは......冷たい眼差しが降り注いだ。

 

「し、紫藤さん大丈夫!?」

「大丈夫じゃ無いわよ!」

イリナが明久に『もうお嫁にいけない!』と言って抱きつき明久の顔が真っ赤に染まる。

そしてミーナちゃんとレイヴェルが明久の頬を両側から引っ張る。

 

「なにやってんのよあんたは......?」

「兵藤君......卑猥すぎます......」

姫路と島田の冷たい視線にさらされグロッキーな俺は二人が差し出したタオルに触れ......

 

パァァァァァン!

あ、魔力残ってたのか。

俺は全裸にされた姫路のおっぱいのでかさに惚れ惚れとしながら島田の蹴りで空中に吹き飛ばされた後の踵落としで地面に叩きつけられて気絶した。

 




如何でしたか?
尚、今回の事で朱乃お仕置きはありませんでした。(完全に一誠が原因のため。)
因みにアリアの神器はコカビエルとの決戦ででてきます。
次回もお楽しみに!


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第十話

いよいよクライマックスに突入します。


明久side

 

「「..........」」

凄く......気まずいです。

結局アリアさんに負けた僕らと紫藤さん達は同盟を組むことになって匙君、蒼那先輩も巻き込んでの大捜索になったんだけど......まさかカソックを着て回ることになるとは思わなかった。

因みに物凄く木場君とアリアさんの雰囲気が険悪です。

 

「あ~~~~~今日で回り初めて三日だが本当にエクスカリバーがあるのか?」

「ある。......あって欲しい。」

なんせゼノヴィアさんも紫藤さんも偽物掴まされて軍資金全部無くしたもんね。

 

「む......これは......『九楊』の妖術じゃな。」

「九楊?誰だそいつ?」

あれ?木下君は何時の間に妖狐と仲良くなったの?

 

「うむ。儂がランニングしていると必ずあっての。良く話すんじゃ。(そ、それに儂の好みのど真ん中じゃしな......)」

木下君、何で顔が赤いの?

 

「ふ~~~~~ん......そこだ。」

ギン!

音に振り向くと何も無い空間でアリアさんのエクスカリバーが何かとぶつかり合っていた。

 

「ち、『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』か?剣どころか使い手まで透明に出来るほど使いこなしているとはな......」

「そ、そんな......」

アリアさんの視線の先には狐耳の女性がいた。

 

「はい、神父の一団ご案内ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「させるか!」

「フリード!」

木場君が押さえたのはフリード。レイナーレに雇われたくせにあっさりレイナーレの仲間を虐殺した奴に寝返った奴だ。

 

「今度は退魔師崩れか!」

「く、九楊......?何故......」

「私もこんなことしたくありません。でも......支配から逃れて御母様達の元に戻るにはこれしかなかったんですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

九楊さんが悲鳴を挙げてアリアさんと打ち合う。

支配......?

 

「......何時発見したのか知らんが随分外道な使い方をするな。『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』使い?」

「は!原作と違って最初からリアス達がいるが......関係ねえ!皆まとめてこの『神谷刃』様の奴隷にしてやるぜ!」

っ......!こいつ......!レイナーレの仲間を虐殺した奴と同じ雰囲気だ!

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!あの人怖いっす!」

「く......明久!あんたはギャスパーとアーシア、ミーナと戦闘能力が無い坂本達を守って!

一誠達は妖狐を除いた二人を叩き潰しなさい!」

「匙君は兵藤君達の援護を!」

「「「了解!」」」

リアス先輩と蒼那先輩の指揮の下僕らは戦闘を開始する。

 

「支配の聖剣には気を付けろ!あの聖剣は神器だろうが魔法だろうが支配するぞ!」

何それ!?反則級じゃないか!

 

「..........」

「島田さん?」

「あ、ううん。何でもない。(何でだろ......あんな風に使われているエクスカリバーを見ていると胸が切なくなる......最近見る夢のせいなの?)」

 

「食らえ!『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』!」

「げぇ!?」

「きゃ!?」

匙君が繰り出した黒い紐がフリードと九楊さんの足に巻き付くけど......

 

「ふん、『黒い龍脈よ女に巻き付け』。」

「くそ!随分使いこなしているじゃないか!」

「ふん、当然だ。女性を全員俺の奴隷にするんだからな。」

「下衆が!」

神谷君に向かった紐は見事に操られアリアさんに巻き付かんとしつこく追い縋る。

 

「お前達、何をしている。」

膠着していた戦場におじいさんの声が入る。

......誰?

 

「貴様は..........!」

「お前は..........!」

「「『バルパー・ガリレイ』!!!!」」

アリアさんと木場君が怒号を挙げる。ってことはあの人が......!

 

「あの人が......お姉ちゃんが行方不明になる原因を作った人......」

つまり聖剣計画の主犯か!

 

「このベロちゃんが俺を放してくれないんだよ。」

「わ、私もです......」

「ふん、お前達の聖なる因子を高めれば斬れる。」

フリードに聖なる因子とか......笑えない。

そして二人はあっさり黒い紐を切り裂くとフリードの閃光弾で逃げ出しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?

 

「九楊!」

「き、木下!?待ちなさい!」

「木下君!?」

「秀吉落ち着け!」

「............待て。」

「「「「待て!(待ちなさい!)」」」」

聖剣使い組&坂本君達と木場君が走って追いかけてしまう。

 

「っ!吉井明久、追跡します!」

「気を付けて!」

「了解!」

僕は九人を走って追いかけた。

 

....................

でっ!着いたのは......

 

「何で此処なのさ。」

レイナーレ達の隠れ家だった廃教会だった。

 

「と、取り敢えず入んないと。」

僕は教会に突入し地下に降りる。

そこでは......七本のエクスカリバーがぶつかり合う戦争だった。

フリードは凄いスピードで木場君に斬りかかり木場君は騎士のスピードで応戦する。

神谷君の支配の聖剣とアリアさんの祝福の聖剣が火花を散らせ紫藤さんの変幻自在の刃と九楊さんの透明になった体と剣がぶつかり合い、ゼノヴィアさんともう一人の人の剣が唸りを挙げる。

 

『もう一本は『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』だな。』

傲慢の剣士の人格である『ルルーシュ・ルシファー』が聖剣の名を看破する。

 

「九楊......!」

「落ち着けって言ってんだろうが!」

一方木下君は坂本君に押さえられている。

 

だけど......夢幻の聖剣を持っている人が血を吐いて倒れ伏した。

 

「..........因子に耐えきれなくなったか。」

え......!?

 

「紫藤さん危ない!」

僕は咄嗟に紫藤さんを突き飛ばし淫欲の魔術師の最大出力で壁を作る。

その瞬間無数の光の柱が降り注いだ。

何とか防いだけど......キツイ。

紫藤さんは......無事だ!

 

「っ!コカビエルか!」

アリアさんの言葉に僕は上を向く。

そこには十枚の翼を持った男の人が浮かんでいた。

 

「ふん、久しぶりだなアリア・アルジェント。」

「......三年前にグリゴリに殴り込んだ時以来か?」

「「何をしてんだあんたは!?」」

僕と坂本君の突っ込みが炸裂する。

 

「......一端退くぞ。流石にコカビエルにこの戦力では勝てん。」

「ち、貴様は何時からそんなに弱くなった?」

「ふん、妹と会えたのに死んでたまるか。」

僕は紫藤さんの手を引いてダッシュで逃げるけど......

 

「!?擬態の聖剣が!」

良く見ると日本刀はよりによって神谷君の足元に転がっていた。

 

「命あっての物種!」

紫藤さんが戻らないようにお姫様抱っこをして逃走した。

因みに紫藤さんが声になら無い悲鳴を挙げたけど無視した。

それから木下君は坂本君に米俵のように担ぎ上げられていた。




如何でしたか?
美波に宿ったものも正体がすぐにわかります。
ヒントは......青セイバーの宝具の一つです。
それでは次回もお楽しみに!


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第十一話

美波の神器が明らかになります。


明久side

 

コカビエルから逃げたのは良いけど木場君、アリアさん、ゼノヴィアさん、島田さんとははぐれてしまった。

で、僕らは一誠の家に来た。

 

「一誠開けて!皆を連れてきた。」

「!?おう!」

一誠が窓を開けるとアーシアとリアス先輩も出てくる。

 

「......おい、アイツら同居してんのか?」

「うん......」

「............妬まいや、妬まいや、妬ましい。」

「結局妬ましいんじゃないか......もしかしてお邪魔だった?」

「んなわけねえだろ!?つうか、イリナ気絶してるけど大丈夫か?」

......あれ?

僕が下を見ると紫藤さんは顔を真っ赤にして気絶していた。

 

「......何て言うか......ごめん。」

「!?明久君!」

「うわっとお!?」

僕は姫路さんの悲鳴で降ってきた光の槍に気付きなんとか横っ飛びで避けた。

 

「は!?よ、吉井さん!?何で私はお姫様抱っこされて......」

「今は黙って!」

「はい......(こ、これじゃその、バカップルみたいじゃない......)」

紫藤さんが何か言ってるけど今はコカビエルに......

 

「隙ありぃ!」

「させるか馬鹿。」

「べうら!?」

集中していた僕に斬りかかったフリードは坂本君に蹴り飛ばされた。

 

「何しに来たのかしら?」

「何、魔王の妹に宣戦布告をしようと思ってな。」

コカビエルは僕らが驚くような事を言った。

 

「駒王学園を中心に暴れさせてもらおうと思う。膝元で暴れられればサーゼクスが出てくるだろう?」

「そうなれば堕天使と悪魔の間で戦争になるわよ?」

「願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗んだのもミカエルが戦争を仕掛けると踏んだんだがな。」

「戦争狂め......!」

コカビエルはその言葉に笑う。

 

「そうだ、俺は戦争が終わってから退屈で仕方なかった。だからお前達のお膝元でエクスカリバーを巡る争いをさせてもらう。」

「待て!エクスカリバーをどうする気だ!」

「ふん、戦争をしよう!かつての魔王を宿した者と今代の魔王の妹よ!」

コカビエルはそう言って去っていった。

 

....................

美波side

 

「ウチは......どうしたら良いんだろ?」

ウチ『島田美波』は(多分)神器であろう鞘を見ながら駒王学園に向けて突っ走っていた。

 

「こんなウチが何で『これ』に選ばれたんだろ?」

ウチは端的に言わせてもらうなら『最低』。この一言だと思う。

だって一年生の頃にアキに助けてもらいながら瑞希とかウチ以外の女子と話していたくらいで関節技をかけて怪我をさせて......アキに許されたからってまた暴力を振るって......

しかも二年の時も(アキの自業自得もあったとは言え)暴力に暴力を重ねてた。ウチは......ウチは何時もアキに助けられながらその思いをふいにしてた。

 

「なら......ウチには『聖剣の鞘』を使えるはず無いのに......」

何で最低なウチにこれを授けたんだろ?

 

「......着いた。」

ウチは漸く駒王学園の裏門に着いた。

 

「速くしないと......」

ウチが学園に入ると......そこには死闘が繰り広げられていた。

 

木場とゼノヴィアが神谷から放たれる無数の刃を弾きアキがケルベロスに魔力の弾丸を叩き込みその隙にリアス先輩と朱乃先輩が渾身の一撃を叩き込む。

アリアさんの剣と九楊の尾から放たれた炎が火花を散らし兵藤と匙の拳がフリードの手にした剣とぶつかり合う。

一方バルパーは五本のエクスカリバーで何かの準備をしていた。

なら......ウチは......!今のウチに出来ることは......!

 

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「な、何!?うわ!?」

ウチはバルパーに体当たりをかけ準備を無理矢理中断させる。

 

「島田!?」

「美波ちゃん!?」

「島田さん!?何時の間に!?」

アキや坂本が何か言ってるけどウチはそれらを全て無視して全力でバルパーを押さえ込む。

 

「く、くそ!小娘め!よくもエクスカリバーの合成を......!」

「ふざけないで......!合成した瞬間に何か起きるんでしょ!?例えばこの街が消し飛ぶ術式が完成するとか!」

「てめぇ......何で知ってやがる!」

神谷の一言でウチのあてずっぽうの推測が裏付けされちゃった!?

 

「......その様子だとあてずっぽうのようだな。だが......だからと言って貴様を生かす訳にはいかん。」

そう言ってコカビエルはウチに手を向けそこから光の槍が放たれて......

 

ドス!

「あ......うあ......」

ウチの胸を刺し貫いた。

 

「島田さん!!!!!」

妙にアキの声が遠く聞こえる......

「美波ちゃん!」

「近寄っちゃダメ!」

瑞希が泣きながら近寄ろうとして紫藤に止められる。

「島田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「島田!」

「............島田!」

坂本と木下、土屋の声がもっと遠くなる。

 

ウチは......死ぬの?アキに謝ってすらいないのに?戦争がしたいなんて言う馬鹿げた理由で戦う人に?

 

「いや......」

「ふん、今更命乞いを......!?」

死ねない......死にたくない。

アキに謝らないで、この鞘に籠った願いが遂げられないなんて、もう......『葉月』に会えないのは......絶対にいや!

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「馬鹿な......!この鮮烈な輝きは一体......!?」

「『妖精郷の鞘(アヴァロン)』......禁手(バランスブレイカー)!」

ウチの手の中のアヴァロンが光輝き一本の剣になるそして......

 

「!?エクスカリバーが!」

全部のエクスカリバーがウチの回りに集まり始める。(アリアさんの祝福の聖剣は別の剣と分離して)

 

そしてウチに......ううん、皆の耳に何かが聞こえる。

 

「皆......」

木場の言葉に何時の間にかウチ達を取り囲んでいた子供達が微笑む。

確か木場とアリアさんは聖剣計画から逃げたんだから......まさかこの子達は死んじゃった木場とアリアさんの仲間!?

 

支配(ルーラー)祝福(ブレッシング)天閃(ラピッドリィ)破壊(デストラクション)擬態(ミミック)夢幻(ナイトメア)透明(トランスペアレンシー)、七つに別れし聖剣の力は妖精が授けし鞘の下に集い今一つとなりて完全な力を取り戻す!」

でもウチは今は無視して言葉を紡ぐ。

 

「僕はずっと迷ってたんだ。あの時……皆やアリアさんを見捨てておいて生きてて良いのかって。」

その言葉にアリアさんは苦笑いをしながら......

 

「馬鹿野郎。私は……お前を恨んだ事は一度もない。

ましてや……此処に居る皆もだ。」

と言った。

 

「我、騎士王の意思を継ぎ聖剣を継ぐものなり!我、妖精の鞘を担い皆を護るものなり!」

ウチの詠唱によりエクスカリバーは光輝きながら一つになり始める.....

 

『聖剣を恐れちゃダメだ。』

『僕らは聖剣を使えなかった。だけど......君なら。』

「ああ......行こう!皆!」

「此処に契約はなり至高の聖剣は今蘇らん!」

「魔剣創造......禁手!」

そして......

 

「これが妖精郷の鞘の禁手......『妖精郷の聖剣(エクスカリバー・アヴァロン)』よ!!!」

「『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビストレイヤー)』!!!」

さあ......覚悟しなさい!

 

「......私も本気をだすか。」

アリアさんがぼそりと呟いた声は誰にも聞こえなかった。




如何でしたか?
次回はアリアの神器が明らかになります。
ヒントは......遊戯王の時戒神の元ネタです。
次回もお楽しみに!
PS
新しいアンケートを作ったので活動報告を見て下さい。


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第十二話

コカビエル戦が終結。
そして美波に少し魔の手が迫ります。


明久side

 

島田さんと木場君が発現した神器の禁手......それは敵にも味方にも驚愕をもたらした。

 

「馬鹿な......こんな展開が原作にあるわけが......」

「妖精郷の聖剣......」

「綺麗......」

皆がみとれていたけど島田さんと木場君は違った。

 

「行くわよ!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

木場君がフリードに島田さんが神谷君に斬りかかる。

 

「く、くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!『偽・螺旋剣Ⅱ(カラドボルグ)』!」

神谷君がネジ曲がった剣を射る。

けど......

 

「破刃一閃!消し飛びなさい!」

島田さんの振るった妖精郷の聖剣は一瞬で剣を消し去った。

 

「く、くそ!剣の群れの中で死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

神谷君が無数の剣を作り出し島田さんに向けて次々と撃ち始めた。

 

「ふう......切り刻め『風刃の咆(ミカエル)』!」

「穿て......『デュランダル』!」

アリアさんの方向から飛んできた風とゼノヴィアの振るった剣に全て切り刻まれ消滅した。

 

「何......!?」

「そのまま吹き飛びなさいこの外道!『風王鉄槌(ストライク・エア)』!!!」

「な......ギャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

その風を纏った島田さんのエクスカリバーによって神谷君は地面に叩き付けられた。

一方木場君は......

 

「皆、僕らの気持ちは聖剣を越えたよ......」

既にフリードを倒していた。

 

「お姉ちゃん......それ......」

僕はアーシアの言いたいことがわかった。

何故ならアリアさんの背中には......

 

「ああ、これか?これは私の神器『生命の翼(セフィラス・ウィング)』だ。」

紅、蒼、翠、黄、白の十枚の天使の翼を背中から生やしていたからだ。

 

「綺麗......」

「まあ......な。」

アリアさんが少しばかり悲しそうな顔になったのを僕は見逃さなかった。

 

「......そうか!わかったぞ!聖魔剣の生まれた理由......それは即ち聖と魔、相反する力のバランスが崩れたと言うこと。

つまり魔王だけでなく神も......」

ドス!

「な......」

僕はコカビエルがバルパーを刺し殺したのを信じられない目で見た。

 

「バルパー......独力でその事実までたどり着いたのは流石だと誉めよう。しかし頭が良すぎたな。」

「お前......!」

僕はコカビエルに本気で殺意が沸いてきた。

 

「赤龍帝、限界まで溜めて誰かに譲渡しろ。」

「な、何......!?」

こいつ......遊んでやがる!

 

「一誠!此処は......」

「ウチがやるわ!」

僕が名乗り出ようとしたら島田さんに先を越された。

 

「兵藤、御願い。」

「......応!」

一誠の赤龍帝の籠手が限界までブーストする。

 

「来た!行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!島田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

『Transfer!!!!!!』

 

「行ける!『約束されし勝利の剣(エクスカリバー)』!!!!」

島田さんのエクスカリバーから迸る光の剣がコカビエルに迫り......拮抗した。

 

「ふ、ははは!素晴らしい!素晴らしいぞ!」

コカビエルは大笑いし......

 

「そしてそのまま......」

「『起動(アウエイクン)』!やれ姫路!!!」

「はい!『試獣召喚(サモン)』!『熱線』!」

「何!?グアァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

次の瞬間姫路さんが召喚したそれがコカビエルに熱線を叩き込みコカビエルが怯んだその時に島田さんのエクスカリバーの渾身の一撃が炸裂した。

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「取り敢えず勝った......」

「まさか不意を突かれるとはな......」

まさか......生きてた?

 

「あんたの好きな戦争(何でもあり)に乗っただけだが?」

「くくく......確かに。」

坂本君の言葉にコカビエルが苦笑いをする。

 

「コカビエル......まだやる気か?」

「当たり前だ!漸く戦争らしくなったのだ!楽しまなくてどうする!」

「これ以上は消耗戦だ。悪魔も天使も堕天使でさえ纏めて滅びるぞ。」

「知ったことか!あのままやっていれば我々は勝てたのだ!」

「そりゃそうだ、魔王も神も死んだんだからな。」

「......え?」

僕はアリアさんの言ったことに硬直した。

 

「お、お姉ちゃん......それは......本当なんですか?」

「......ああ、何時かは知らんが死んだらしい。」

「そ、そんな......」

「嘘だ......」

ゼノヴィアさんと紫藤さんがこの世の終わりの様な顔で座り込む。

 

「ち、話すタイミングを間違えたか?取り敢えずコカビエル......」

「何だ?」

「精神的に死ね。『炎盾の哮(ラツィエル)』、禁手。『知識が告げし死の宴(エンドレスヨッドコクマー)』。」

「な......ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

アリアさんの手がコカビエルの頭に触れるとコカビエルが悲鳴と共に倒れ伏す。

 

「知識を司るセフィラの中で溺れ死ね。」

アリアさんがそんな事を事も無げにそう言う。

 

「それから......『白龍皇(アルビオン)』。いるんだろ?」

「む......気付いていたか。」

そう言いながら出てきたのは純白の鎧をつけたイケメンだった。

 

『......目覚めていたか白いの。』

『ああ、久々だな、赤いの。』

多分話してんだろうけど......敵意を持って話しているんじゃないってのはわかる。

 

『どうした?敵意が予想以上に少ないようだが?』

『ふ、貴様とてそうだろう?』

『お互い闘い以外に興味が沸いてきた......と言うことか。』

『違いない。』

二匹はくつくつと笑うとそのまま黙り混む。

 

「さてと......アザゼルの所に帰るか?『ヴァーリ』?」

「ふん、そうだな。『アリア』。」

......はい?

 

「ああ、言い忘れたな。私は今三勢力全てに平等に手を貸す傭兵なんだ。

今回はアザゼルに頼まれてコカビエルを捕まえるのに協力した......それだけだ。」

「おい、転移の準備が完了したぞ。」

ヴァーリに言われたのを聞いてアリアさんは転移陣に向かう。

 

「お姉ちゃん!!」

「......アーシア。お前にもう私は必要無いだろ。

それに......ひょっとしたら私達はすぐに再開するかもしれんぞ?」

アリアさんはそれからと言って......

 

「今回の事は『どんな手を使っても』アザゼルに謝罪させてやる。」

爆弾発言をした。

そして二人は転移陣に消えていった。

 

....................

第三者side

 

「エクスカリバーが甦ったですって?」

腰に剣を吊るした眼鏡の青年が同じく眼鏡をかけた青年にそう言う。

 

「ああ、しかも鞘の禁手による完全な復活だ。先の大戦で割れた七つの欠片を無理矢理寄り合わせた紛い物では無い。」

「そうですか。『ルフェイ』を拐おうとした人間が使ったのとは桁が違うと......」

「その通りだ。どうする気だ?『アーサー』?」

「当然、戦いますよ『ゲオルク』。」

剣を吊るした青年......『アーサー・ペンドラゴン』が話していた青年......『ゲオルク』にそう言う。

 

「『曹操』が言っていたが可能なら『魔王』と一緒に勧誘若しくは誘拐してこいだそうだ。」

「そうですか。所でエクスカリバーの所有者の名は?」

「......『島田美波』だそうだ。」

少しずつ......(カオス)は迫っていた。




如何でしたか?
次回はこの章の最終話です。
次回もお楽しみに!


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第十三話

これにて月光校庭のエクスカリバーは終結!


明久side

 

コカビエルとの戦いから数日が経った僕は部室の扉を開けて......中に居た二人を見て転けた。

 

「む?吉井。何故転けるんだ?」

「ゼノヴィア、帰った筈の人をみたら普通は転けるわよ?」

「えへへ......秀吉さ~~~~~ん!」

「九楊は本当に可愛いのう。」

そこには教会に帰った筈のゼノヴィアさんと紫藤さんがいた。

因みに九楊さんが木下君とイチャイチャしているのは事件が終わった後木下君が九楊さんに告白して九楊さんがそれを承諾したからだ。

 

......まあ条件としてミーナちゃんの眷属(僧侶)になったんだけどね。

 

「あの......リアス先輩、ホクホク顔ですけどどうしたんですか?」

「ええ、ゼノヴィアが私のもう一人の騎士になったのよ♪」

......何ですと?

 

「ああ、私は何故か破門されてしまってね。リアス先輩に誘われたから悪魔になったんだ。」

「私は島田さんの監視をしろと言われただけで何も無かったのに......」

「それは......災難だったね。」

「いや、教会に所属してなかったら私はエクスカリバー復活の場面に立ち会えなかったろうな。

良い思い出になったよ。」

そうか、それは良かった。

 

「あ、あの......吉井君......」

紫藤さんが顔を真っ赤にしてモゴモゴと動かす。

 

「あの......私、貴方をその......」

「だ、ダメでしゅ!」

「だ、ダメですわ!」

紫藤さんの言葉をレイヴェルとミーナちゃんが遮るけど......

 

「貴方をす、す......」

「リアス先輩、アキを少し借ります!!!」

僕は入ってきた島田さんに首根っこを掴まれ引き摺られていった。

す......何だったんだろう?

 

....................

一誠side

 

「そ、そんなぁ......」

明久が島田に引き摺られていくとイリナがガクリと落ち込みレイヴェルとミーナちゃんがほっと息を吐く。

......だけど心配だ。

 

「部長......明久大丈夫なんでしょうか?」

俺の心配は島田が明久に何をするかわからないところだ。

 

「......イッセー、貴方には話しといた方が良いわね。」

そう言って部長は俺の頬に触れそうな位に唇を寄せ......

 

「島田さんはね、明久にフラれに行くのよ。」

「フラれに......?」

どういう意味だ?

 

「島田さん最初に明久に暴力を振るっていたわよね?島田さん......明久の事を好きだったみたいなの。」

「はい!?」

それが何で暴力に繋がるんだ!?

 

「うん、島田さんもその事を悔やんでるみたいなの。だから......明久に告白してフラれて......自分の思いに決着をつけるみたい。」

「そうですか......」

島田......格好いいじゃねえか。

 

「そうね......私達は彼女の思いを邪魔しないでおきましょ。」

「はい。」

俺は島田の為に何か慰めを用意しようと思った。

 

....................

美波side

 

ウチはアキの首根っこを旧校舎の屋上で放す。

 

「げほ、ごほ!?い、いったいどうしたの?」

アキは咳き込みながらウチに聞いてくる。

 

「ねえ、アキ......初めて会った時暴力を振るって......ごめんね?」

「あ、ううん。良いよ気にしてないし。」

アキはにこりと笑ってウチを見る。

そっか......ウチはこんなアキを好きになったんだよね。

 

「あのね......ウチ、文月学園に入学した頃ドイツから来たから日本語がわからなくて孤立してたんだ。」

「え?そうだったんだ。」

アキが驚いた様な顔になる。

 

「でもね、ウチに『友達になろう』って言ってくれた人がいるんだ。......何故かフランス語で。」

「ドイツから来た女の子なのにフランス語.......ん?島田さん、まさかその人って......」

「うん。ウチの目の前にいる人よ。」

アキが呆然とした表情でウチを見る。

 

「アキ......ううん。吉井明久さん。ウチ......島田美波は貴方の事が好きです。付き合って下さい。」

アキが硬直する。だけどすぐに意を決した様にこう言った。

 

「ごめんなさい。僕は貴女とは付き合えません。」

「そっか、そうだよね......」

ウチの目に涙が溜まる......

 

「でも......」

「でも......?」

「友達としてだったらずっと一緒にいるよ。」

「~~~~~~!」

ウチはアキの言葉に体中が暖かくなる。

 

「アキ......ウチの事......名前で呼んで?」

「うん......美波。」

「ウチら......ずっと友達だよね?」

「あったり前じゃないか!」

「うん......うん!!!」

こうして......ウチの初恋は終わりを告げました。

 

....................

「あ~~~~~あ、終わっちゃった。ウチの初恋......」

アキが立ち去った後でウチは旧校舎の屋上に一人でいた。

何故なら......

 

「見せたく......無いよね?今さら涙なんて......」

ウチの目に更に涙が溜まってついに......

 

ポタ......ポタポタ......

「う、ううう.......うう。」

ウチの目から涙がドンドン流れる。

流れてそのまま泣いていると思ったんだけど......

 

「島田さん......大丈夫?」

「木......場......?」

そこには木場が立っていた。

 

「ごめん、吉井君に島田さんに『一人にしてと言われた』って聞いてね。」

「もう......アキの馬鹿。」

ウチの気持ちも知らないで......

 

「行こう、イッセー君が遊びに行こうって言ってるみたいだから。」

......どう考えてもウチを慰めるためよね?

 

「バレバレよ?」

「やっぱり......」

木場が呆れている辺りバレる事前提だったみたいね。

 

「ふんだ。アイツ後で関節外してやるんだから。」

「あはは......痛そうだね......」

木場が頬を掻くけどウチは構わず歩き始める。

 

「また......新しい思いを探さないとね......」

サヨナラ......ウチの初恋。




如何でしたか?
次回は閑話を入れて第四巻に参ります。
次回もお楽しみに!


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閑話1

閑話です。
神崎が終わります。


神崎side

 

「何だ......何なんだあれは!」

俺『神崎イルム』は今起きている事態が信じられなかった。

アーシアに姉がいたのは良い。俺のハーレムが増えるだけだ。

だがバカテスの暴力ヒロインである島田美波が神器に覚醒した挙げ句禁手でエクスカリバーを復活させやがった!

 

「くそ!くそ!くそ!此処は俺の世界なんだ!モブキャラどもに邪魔をされてたまるか!」

七巻の設定が崩れる前に島田を殺って支配の聖剣を......

 

「確保!」

『『『『『ストラグルバインド!!!』』』』』

「な、何!」

俺に無数の捕縛の魔法がかけられ一瞬で拘束される。

 

「残念だったね神崎君。君はもう主人公になれないよ。」

『やれやれだぜ......』

『やっと尻尾を見せやがって......』

「俺が主人公になれないだと!?どういう意味だ!」

「うん、だって君は強制的に記憶を無くして病院にお世話になるし。」

は......?次の瞬間俺の意識は途切れ気が付いたらベッドの上で横になっていた。

全ての記憶を失って......

 

....................

第三者side

 

「はい、皆昨日はお疲れ様。」

何処にでもいて三番目に格好良さそうな青年......『宮内天馬』が教室に集まった傍観系転生者達の集まり......通称『傍観者の会』のメンバーにそう言う。

 

「昨日は神崎君が油断してたから捕まえられたけど次はそうはいかないかもね......じゃあ探知係の皆宜しく。」

『はい、トンでもないチート能力を持つ『神の五人(ゴッデスファイブ)』の内、原作破壊を目的とした神崎イルムは昨日俺達が捕縛して強制的に記憶喪失にさせて病院に放り込みました。』

「うん、そうだね。『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』が使われる前で良かったよ......神谷刃は?」

『支配の聖剣を使ってこの世界の女性全てを奴隷にしようとした神谷刃は島田美波に敗れましたが逃走......現在『禍の団(カオス・ブリケード)』入った模様っす。』

『禍の団だと!あいつ『オーフィス』を奴隷にする気かよ!?』

『まあ、投影した支配の聖剣じゃあオーフィスは奴隷に出来なかった上にオーフィス好きな転生者が禍の団にいたせいで発言力は極端に低いみたいっす。』

「それなら良かった。他の三人は?」

『逆ハーレム狙いの『神尾七菜』は今はグリゴリで機会を伺っている模様です。

禍の団による世界の崩壊を目的にしたダーク系の『神闇紫音』は英雄派と行動中、オーフィスを助け様としている自称『オーフィスの夫』である『神龍仁也』はオーフィスを奪い返す為の策を練ってる様です。』

天馬は探知系の能力を持つ転生者の話を聞いて溜め息を吐いた。

 

「相変わらず好き勝手やってるよなぁ......じゃあ次はオリキャラ達の事だけど......」

「あの......俺、オリキャラのミーナ・ハルファスに眷属にならないかって誘われたんですけど......」

そう言ったのは眼鏡をかけた男子『野上翔』だった。

 

「う~~~~~ん......駒は?」

「あ、それなら相性の良いのは兵士でした。」

「そっか......下手に断って怪しまれても何だし受けちゃおう。」

「了解。それから......転生者やオリキャラを狩ろうとしている原作派はどうします?」

「それについては襲撃されたら能力で応戦しても良いよ。オリキャラは......僕らではどうしようも無いね。

他には何か無い?」

『バカテスキャラの神器についてわかった事なんですけど島田美波の神器はどうにも『Fate』に出てくる青セイバーの宝具の『全て遠き理想郷(アヴァロン)』から不老不死を抜いただけで後はそっくりな能力の様です。』

「そうだったんだ。吉井君のは?」

『......わかりません。』

転生者の言葉に天馬は仕方ないよねと言いその日の集まりを解散にした。

 

....................

「これより会議を開始します。」

天馬達が話し合っていた頃風紀委員......を隠れ蓑にした原作派転生者達の会議が始まっていた。

 

「司会は何時も通り私で良いわね?」

クールな目付きをしている少女......表向きは風紀委員長である『雨崎奏』が部屋に集まっていたメンバーにそう告げる。

 

『『『『『へ~い.....』』』』』

『『『『『はい!』』』』』

「はあ......男子連中は相変わらず気の抜けた返事ね。」

奏は溜め息を吐きながら会議を開始する。

 

「まず三巻......『月光校庭のエクスカリバー』の進行だけどどうだった?」

『思いっきり原作とかけ離れてた。アーシアに姉がいてしかも模擬戦でイッセー達を軽く捻り潰しやがった。』

「またオリキャラ......他には?」

『異分子の島田美波がセイバーの全て遠き理想郷のパクりを神器として持っていてその禁手を使ってエクスカリバーを完全に復活させてました。』

「な......何で止めなかったの!?」

『す、すいません......傍観者達が神崎イルムを捕縛している場面に行きあっちゃって......』

そう答えた少女に奏は頭を抱える。

 

「何て事......これじゃ『エクスデュランダル』が作成されない......」

「だから言っただろう?先に異分子たるオリキャラやバカテスメンバーを潰すべきだって。

ハーレムだの逆ハーレムだの考えている転生者は後回しにしてさ。」

副風紀委員長である『レオン・シュツバルド』が物騒な事を言う。

 

「......そうですね。こと此処に至っては仕方ありません。『禍の団』にいるメンバーに連絡、連携して異分子達を排除します。」

「決行は和平交渉の時で良いね?」

「......ええ、それならどさくさに紛れて殺せますしね。」

「わかった。それでは解散、各自訓練をするように。」

レオンの言葉で去っていく風紀委員の転生者達。

そして転生者達が立ち去った部屋で奏は一冊の本......この世界には無い筈の『バカとテストと召喚獣』を取り出す。

 

「吉井君......私は、私は......」

誰もいない部屋で奏は声を押し殺して泣いた......




如何でしたか?
次回は『停止教室のヴァンパイア』に突入します。
次回もお楽しみに!


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停止教室のヴァンパイア
第十四話


停止教室のヴァンパイア......開幕です!


明久side

 

「一誠、ところでさ。今回の依頼人って何なんだろうね?」

「知るかよ......でも依頼なんだからしょうが無いだろ?」

「だからって何でウチやアキまで......」

只今僕らは依頼人の下に向かっていた。

でも......とんでもなくろくでもない依頼が多いんだよね......お使いとかパシリとか悪魔を使ってやることじゃ無いでしょ......と、言うか何で僕と美波まで......

 

「お~~~~~~お前ら良く来たな。」

家から出てきたのは悪系が好きな女子なら一発で堕ちそうなイケメンと......!?

 

「何だ、こいつが依頼した悪魔とはお前達の事だったのか。」

一緒に出てきた人に僕らは腰を抜かしかけた。

 

「「「アリアさん!?」」」

アーシアのお姉さんで白龍皇のヴァーリと共にグリゴリに帰還した筈のアリアさんだった。

 

「おいおい......驚きすぎだろ......」

「いやいやいや、驚きますから!」

「何時此方に戻ったんですか!?」

「帰るならアーシアに一言ぐらい言ってください!」

「ん?昨日。それから授業参観の時に会いに行こうと思ったからな、内緒にしているんだ。」

アリアさんの言葉に僕らは驚く。

 

「もしかしてアリアさんってその人の愛じ......」

「殺すぞ。」

次の瞬間僕の首に剣が突き付けられる。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい......」

「アキ......格好悪いわよ......」

僕は恥も外聞も捨てて土下座をする。

 

「私はこいつとは殺しあいをした仲だぞ、こいつの愛人とかどんなに狂っててもなるか。」

「お前辛辣過ぎるだろ......まあ上がってけ悪魔君達。」

僕らが家に上がると依頼人は有名なレースゲームを取り出す。

 

「今回はこいつで遊ぼうぜ。」

「だから何であんたの依頼はろくでもないのが多いのよ!?」

「こいつがろくでもないのは何時もの事だ。」

「だから何でお前は俺に辛辣なんだよ!?」

「仕様だ。」

依頼人とアリアさんってなんだか漫才コンビみたいだ。

 

で......

『Win!』

「んなアホな......」

「さ、三対一で負けた......?」

「つ、強すぎる......」

僕らは依頼人に呆気なく負けた。

 

「ふう......私目から見ても容赦無いな、お前。」

「は、良いじゃねえか。」

「黙れ滓。」

「だから何でお前はそんなに辛辣なんだよ!?

たく......もう一戦......するか?」

「「します!!」」

美波と一誠は了承するけど僕はアリアさんに聞きたいことがあったので止めておく。

 

「アリアさん、今回の仕事はあの人の護衛ですか?」

「まあ、そんなところだ。より正確に言うと三勢力全てからのな。」

???どういう意味だろう?

 

「ああ、今回三勢力の間で会談を開く事になってな。私は三勢力に依頼されて一日毎にお偉いさん......大天使に魔王に堕天使総督の護衛だ。私がこの稼業を初めて以来の大仕事だ。」

「そうそう。で、今日は俺の護衛のわけだよ魔王君に赤龍帝君にエクスカリバー使い君」

な......!?僕らの事を知っている?

 

「アリアさん......この人誰ですか?」

「こいつか?こいつは堕天使達の親玉......堕天使総督『アザゼル』だ。」

「おう、宜しくな。」

バサッと堕天使の翼が広げられた。

 

....................

「まさか超ビッグの依頼を受けていたなんてね......」

「でもウチだってそうは思わなかったわよ?」

「同感。」

僕らは帰り道が途中まで同じなので一緒に帰っていた。

 

『......明久、赤龍帝、聖剣使い。』

「ん?どうしたのルルーシュ?」

『敵だ。』

 

「撃ち抜け......『BILLIONMADEN』!!!」

僕らが身の危険を感じて飛び退くと無数の弾丸が地面を抉りに抉った。

 

『上じゃ!』

フィーアの言葉で僕が上を向くとそこには四門の三連ガトリング砲を構えた女の子(多分)がいた。

 

「お前、何者だ!?」

『explosion!!!』

「......お前に付き合っている暇は無い。『影縫い』。」

「!?う、動けねえ......」

女の子(?)から放たれた小太刀が一誠の影に刺さると......一誠の動きが停止した。

 

「一誠!?」

「他人の心配をしている場合か?死ね。『千ノ落涙』。」

次の瞬間大量の剣が僕の前に現れ降り注ぐ。

 

「嘘でしょ!?」

「アキ!危ない!破擬一閃!!!」

美波が直撃コースの剣の群れを破壊の聖剣と擬態の聖剣の複合技で吹き飛ばす。

 

「っ......!まだだ!『MAGADETHPARTY』!!!」

今度はミサイル!?

 

「く......淫欲の魔術師!ぶち抜け!」

僕は淫欲の魔術師で全てのミサイルを破壊する。

 

「くそ、まだだ......足止めは壊滅か......退かせてもらう!」

「待て!」

僕は追いかけようとするけど転移でさっさと逃げてしまった。

 

「何だったんだろ......あいつ。」

「知らないわよ。兵藤を助けて......」

「だ、大丈夫ぅ?」

鼻持ちならない声が聞こえたので振り向くと......そこには男に媚びるような笑みを浮かべた堕天使の女の子がいた。

 

僕はこの時に直感で知った。

コカビエル戦が終わったときの平穏は終わり......新たな戦いが始まったんだって......




如何でしたか?
明久達を襲撃した女の子は誰でしょう?(笑)
そして明久達を助けにきたぶりっ娘は誰でしょうか(爆笑)
次回もお楽しみに!


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第十五話

奏について一つの謎ができます。


明久side

 

翌日、僕はアリアさんの事を隠して昨日の事を報告していた。

 

「てな事がありました。」

「堕天使総督にその依頼の直後に妙な神器を使う人間の襲来......三勢力の会談の事は聞いていたけどどうして私の縄張りには厄介事が来るのかしら?」

「それについては何とも言えません......」

この街って闘争の渦でもあるんだろうか?

 

「ん?何か校庭が騒がしいですけど......ってギャスパー君が虐められてる!?」

「何ですって!?すぐに行くわよ!」

リアス先輩が凄いスピードで駆け出して行き僕らはそれに慌てて着いていった。

 

「木場君、もしかしてリアス先輩って眷属に手を出されたら怒るタイプ?」

「部長が......と言うよりもグレモリー家自体がかな?眷属に手を出されると凄く怒るらしいよ?」

『私達の時代のグレモリー卿は部下を大事にしていたからな、これは当然か。』

『ウィン・レヴィアタン』がウンウンと頷いているけど......それって物凄く怖いんじゃないかな?

 

「あ、着いた。」

僕らが現場に着くと......

 

「ヒィィィィィィィィィィィィィィィ!?ぼ、僕はお金持って無いっすよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

『うっせーんだよ男女が!!!』

『何でてめえが外に出てんだ!』

『さっさと開かずの教室に帰れ!』

怯えに怯えたギャスパー君と訳のわからない事を言う不良達だった。

まあ、男女の部分は否定出来ないけど......

 

「っ......!あいつらまたギャー助を一人ぼっちにさせる気!?ふざけんな!!!」

宮内先輩が加速してリアス先輩を追い越し不良達を飛び越えギャスパー君の前に降り立つ。

 

「れ、霊先輩ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!怖かったっすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

ギャスパー君が宮内先輩に泣きながら抱き付く。

慕われてるなあ......

 

『おい!退けよお前!』

「退かないよ。ギャー助は私の大切な友達......あんた達みたいな薄汚い奴のの身勝手でまた一人ぼっちにさせるわけにはいかない!」

『て、てめえ......!此方が下手に出てりゃ付け上がりやがってぇ!!!』

「あら、そのわりには高圧的だったみたいだけど?」

宮内先輩に拳を振り上げた不良の腕をにこやかに笑いながら(目は笑って無いけど)掴むリアス先輩。

 

『っ!?て、てめえ!離しやがれ!』

「離すわけ無いでしょ?そっちが先に殴ろうとしたんだから。」

「さ~~~~~て......ギャー助虐めてくれた落とし前は確りつけさせて貰おうか?」

「その必要は無いわ。確保!!!」

次の瞬間不良達は風紀委員の腕章を着けた人達に取り押さえられる。

 

「ヴラディ君、大丈夫だった?」

「あ、はい。大丈夫っす雨崎先輩。」

ギャスパーの安堵を心配したのは二年生でありながら風紀委員長になった『雨崎奏』さんだ。

新聞部関連では過激な記事を書く新聞部とそれを取り締まる風紀委員って関係で宮内先輩とは犬猿の仲だけどそれ以外では先輩と後輩の間を越えた仲の良い友人だ。

 

「霊先輩、無茶をし過ぎです。今回はグレモリー先輩がいたから良いものの下手をすれば殴られてましたよ!?」

「や~~~~~ごめんごめん。ギャー助の友達第一号の私としてはどうしても許容出来ないんだよねぇああいうのは。

奏ちゃん、あいつらの事記事にしても良い?」

「ダメです。霊先輩が記事を書いたら彼らは社会的に消滅してしまいます。それから『ちゃん』付けは止めろと何度も言いました。」

「......明久、あの人は何をやらかしたんだ?」

「坂本君......世の中には知らなくても良いことがあるんだよ?」

「知ろうとしたら俺の身に一体何が起きるんだ!?」

ふう......破滅だよ。

 

「それでは、彼らは風紀委員室で反省文を百枚書かせますので。それから次こそは新聞部を潰してみせます。」

「くくく......出来るかな?」

挑戦的な視線の雨崎さんと挑発をする宮内先輩。

二人は本当に友達としてお似合いに違いない。

 

....................

奏side

 

「それで?彼らは何か吐きましたか?」

私『雨崎奏』は風紀委員室で先ほど捕縛した彼らの尋問を担当した風紀委員に聞きました。

彼らは確かに不良でしたが転生者ではなくまたギャスパー・ヴラディ君の様な気の弱い人間に対する虐め等をしない事で有名な三人組でした。

この事から導き出せる答えは何らかの洗脳系......例えば『絶対尊守のギアス』等で無理矢理やらされたという事です。

 

『はい、『黒い翼を持った女の声を聞いたら何時の間にか虐めていた』だ、そうです。』

「......聴覚を利用した洗脳......『聴覚版の絶対尊守のギアス』辺りでしょうか?」

「黒い翼......堕天使だね。そして堕天使で転生者というと......」

副風紀委員長である『レオン・シュツバルド』君も思い当たった様です。

つまり今回の犯人は......

 

「『神の五人(ゴッデスファイブ)』の一人『神尾七菜』ですね。」

「やれやれ......よりによってギアスか。誰と契約したのかな?」

「恐らく『V.V.』でしょう。逆ハーレムを目指す彼女が『C.C.』を選ぶわけがありませんから。」

「それもそうか......だけど何らかの方法でギアスを作り出した可能性もあるよ?」

「その可能性もありますけど今は彼女の目的です。何をしたかったんでしょうか?」

『あの......索敵班からの報告ではあの不良達の上空に堕天使の反応があったそうです。』

その言葉に私もレオン君も彼女のしたいことがわかりました。

 

「ギャスパーに対するフラグ建てですね。」

「同感だ。不良に襲われるギャスパーを助けてフラグを建てそれを足掛かりにして一誠達リアス・グレモリー眷属の男子を全員自分の物にする腹積もりだったんだろう。」

「ついでに会談に参加するサーゼクスやアザゼル......ミカエルもでしょうね。彼女はグレイフィア何かにサーゼクスは勿体ないと言っていたみたいですから。」

「向こうの狙いがわかったし此方も対策を立てるとしよう。」

私達は対策会議を開き方針が固まった所で今日は解散にしました。

さて......今日もバカテスと『響』達の活躍を読みましょう。

 

...................

???side

 

「何で!何であんな女がギャスパー君の側にいるのよ!」

私『神尾七菜』は今日見た光景が信じられなかった。

今日は何故か開かずの教室から出ていたギャスパー君にフラグを建てるために不良達をけしかけたのに......!

何であんながさつなパパラッチみたいな女が助けに来てしかもギャスパー君がなついているのよ!?

 

「しかも昨日会ったイッセーと明久君は私に靡かなかったし......!」

私は吉井明久君を中心とするバカテスの男子が此処に来たのは私が『姫路瑞希(毒物巨乳)』、『島田美波(暴力貧乳)』、『霧島翔子(束縛女)』から助ける為だと思ったのに!

 

「何で島田美波何かが木場君と仲が良いのよ!」

木場君と島田みたいな暴力女が釣り合うなんて絶対にあり得ない!

 

「ああ、皆!今すぐそんな自分勝手な奴らから私が助けてあげるわ!」

なんたって私は......皆のお姫様なんだから!




如何でしたか?
因みに神尾七菜のキャラは自分も書いててイライラしました(笑)
次回もお楽しみに!


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第十六話

ヴァーリが再登場します。


明久side

 

「明久......俺は今猛烈にこの世に生まれた事を感謝している......!」

「............シャッターチャンス......!!!」

一誠が涙を流し、土屋君が鼻血を出しながら指の残像が残るくらいの速度でカメラのシャッターをきっていた。

因みに僕らは今......蒼那先輩に頼まれてプール掃除をする事になったんだけどリアス先輩が対価として一番最初にプールを使わせる事を提案したから水着に着替えたんだけど......うん。

 

「目の保養が六。微笑ましいのが四。可笑しいのが二。泳ぐ気満々なのが二。」

因みに目の保養がリアス先輩、朱乃先輩、九楊さん、リディスさん、姫路さん、紫藤さんだ。

微笑ましいのは学校指定の水着を来たアーシア、小猫ちゃん、レイヴェル、ミーナちゃんだ。

可笑しいのは何故か女物の水着を来ている木下君とギャスパー君だ。

しかも二人とも以外と似合っているという......

泳ぐ気満々なのは競泳用水着を来た美波と宮内先輩だ。

 

「それでイッセー、明久、島田さんの三人に頼みたい事があるんだけど......」

 

....................

「はい、ギャスパー君。一、二、一、二。はい、そこで息継ぎ。」

「は、はいっす。」

現在僕はギャスパー君にばた足を教えていた。

何でも小猫ちゃん、アーシア、ギャスパー君は水泳が苦手だから教えて欲しいというのがリアス先輩からの頼みだった。

因みに僕がギャスパー君、美波が小猫ちゃん、一誠がアーシアだ。

 

「す、すいませんっす、吉井先輩。僕のせいで......」

「良いの良いの、ギャスパー君が泳げる様になったら皆で楽しめるんだからね?」

「......はいっす!」

それからギャスパー君は少し泳げる様になりリアス先輩達と一緒に泳がせる事で上達させた。

 

「ふう......ちょっと疲れちゃった。」

僕はプールから上がって一息吐く。

 

「あ、アキも休みなんだ。」

僕と同じく上がった美波が話しかけてくる。

 

「うん。美波も?」

「そうよ。小猫の訓練も一段落したことだしね。」

僕らはそれから他愛もない話をしながら休む。

 

「ふあ......眠くなっちゃった......」

「疲れたんじゃないの?昼寝したら?」

「うん。そうさせてもらうよ......」

暖かい日差しが気持ちいい......

 

....................

これは......夢......?

 

追われる母と子、追う何人もの男の人達。

そして二人は追い詰められて男達の攻撃が......届く前に全て消し飛んだ。

 

『姉さん!?』

『よう、無事か?○○に姪っ娘よ。』

『え、ええ!私も○○も大丈夫よ!でも何で姉さんが此処に......』

『虫の知らせ.......いや、魔王の勘じゃダメか?』

そう言ったのは傲慢の剣士を肩に担いだ一人の女の人だった。

......まさかこの人が前の担い手!?

 

『○○、此処は私が抑える。だからお前は逃げろ。』

『でもそれじゃあ姉さんが......』

『大丈夫だ!必ず生き残るさ!』

そう言って前の担い手さんは淫欲の魔術師を起動させて親子を逃がすと男達に向き直る。

 

『さて、○○朱菜......いざ魔王と共に参る!』

そう言って朱菜さんは男達に躍りかかった......

 

....................

夢から覚めた僕が見たのは......

 

半壊したプール。

リディスさんに正座させられているリアス先輩、朱乃先輩、ゼノヴィアさん、ミーナちゃん、レイヴェル、紫藤さんの六人。

半壊したプールを溜め息を吐きながら直している宮内先輩。

プールサイドで鼻血まみれになって倒れている土屋君と必死に輸血している坂本君だった。

 

「これは一体何があったの!?」

僕は叫ばずにはいられなかった。

後になって美波に聞いた話だけど発端は一誠の所有権を巡ってリアス先輩と朱乃先輩が戦い始めてそれに危機感を感じた一誠が逃げ込んだ場所にゼノヴィアさんがいて一誠に子作りをしようと言ったらしい。

で、土屋君が鼻血を吹き出しながらノックアウトされて、何故か僕を膝枕する権利を掛けて言い争いをしていた紫藤さん、レイヴェル、ミーナちゃんもついには戦闘に発展して......ついにぶちキレたリディスさんに喧嘩していた全員が纏めて怒られる事になり半壊したプールを作り出す事に特化した宮内先輩が直す事になったらしい。

敢えて言おう......なんでさ。

 

「ふう......今日はプール掃除とプール開き(個人)だった筈なのに普段と同じくらい疲れた......」

「あはは......あの人達といると毎日が新鮮になっちゃうわ......」

疲れた僕と美波は溜め息を吐きながら......

 

「切り裂け......『蒼ノ一閃』!」

この前の女の子(?)の攻撃を受けていた。

 

「だあ、もう!何でこいつは僕らを目の敵にしてんのさ!?」

「知らないわよ!愚痴る暇があったら応戦するわよ!」

今の陣形は僕が淫欲の魔術師で女の子(?)を牽制し美波がその隙に切りかかるというのを行っていた。

 

「!?此処で来るか......白龍皇に赤龍帝......!」

女の子(?)は悔しそうに言うとそのままダッシュで逃げていった。

 

「明久に島田、大丈夫か!?」

「無事か?俺の先祖を使う者よ。」

僕はやって来た二人に安堵して......

 

「先祖?」

「ん?ああ、俺の名は『ヴァーリ・ルシファー』。君の使う傲慢の剣士を司る魔王......『ルルーシュ・ルシファー』の子孫だ。」

「..........え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

本日で一番の事実に僕は絶叫した。

 

そして......

 

「あ、姉上!?儂の腕はそっちに曲がらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

同時に木下君の悲鳴も轟いた。

 




如何でしたか?
次回はAクラスの貴腐人とボーイッシュが登場します。
次回もお楽しみに!


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第十七話

活動報告で新しくアンケート作ったのでどしどし投稿してください。


ナレーションside

 

明久と美波が襲撃者に会い一誠とヴァーリが駆け付ける少し前......

 

.....................

秀吉side

 

散々な(?)結果に終わったプール開き(オカルト研究部version)を終え儂と九楊は明久と合流すべく歩いていたのじゃが......

 

「ひ~~~~~で~~~~~よ~~~~~し~~~~~?」

聞き慣れた声にガタガタ震えながら振り返ると......そこには般若を宿した姉上......『木下優子』がいたのじゃ。

 

「いきなり学園長の命令で観察処分者の吉井君を探しに行かせたって学園長に言われてあたしも『修哉』も心配していたのに......!」

いかん、完璧に怒っとる。

 

「よりにもよって彼女を作ってイチャイチャしているって......どういう了見よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

そして目にも止まらぬ速さで儂の後ろに回り込むとそのまま儂の背中にのし掛かり関節技を掛けてきたのじゃ。

 

「あ、姉上!?儂の腕はそっちに曲がらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ひ、久々に受けたが猛烈にいたいのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「ひ、秀吉さん!?あ、貴女何で弟の秀吉さんにこんな事をするんですか!」

「何よ!姉に心配をかけた弟を制裁しちゃいけないって言うの!」

「それは制裁じゃなくて虐待ですよ!秀吉さんが貴女に何をしたって言うんですか!?」

「ぐぅ......!それは......」

姉上が九楊の訴えに怯む。

 

「答えられないなら秀吉さんに関節技を掛けないでください!それに......!秀吉さんが私を恋人にしてイチャイチャしてたからって......そんな理不尽な理由で理由なんかで......!」

そう言えば九楊は神谷に支配の聖剣の実験台にされて此処に来たんじゃったな......

 

「木下君大丈......夫?」

明久がやって来たが儂と瓜二つの姉上に物凄く困惑しているようじゃった。

 

「あら、吉井君じゃない?秀吉、見つかってたならさっさと帰ってきなさいよ。」

「いやあ......それがのう......」

「あの......貴女誰ですか?木下君のドッペルゲンガーの女性版ですか?」

「......は?」

明久の言葉に姉上は呆けた顔になる。

 

「え~~~~~と......あたしは秀吉の姉の木下優子だけど......吉井君、あなたもしかして記憶喪失なの?」

「え?あ、はい。何が原因かはわかりませんけどそんな感じです。」

「成る程......これはさっさと連れ帰るわけにはいかないわよね......」

儂は姉上の言葉に頷きながら溜め息を吐く。

 

「ところでどれだけ思い出しているの?」

「え~~~~~と......家族構成とかなら......でも根本的な部分......文月学園での生活などは......」

「そう......辛いわね友達も覚えてないのって......」

「......はい。」

「じゃあ、また友達になればいいじゃん!僕は『工藤愛子』、好きな食べ物はシュークリームで特技はパンチラだよ♪」

「ちょっと!?今女子が口にしちゃいけないような単語が特技として聞こえたような!?」

なんと!工藤も来ておったのか!

 

「......楽しそうだな明久の元の学校って。」

「俺は普通に学校に通った事が無いからわからないが多分楽しいんじゃないか?」

「......ところで木下のお姉さん。」

「何よ?」

兵藤とヴァーリの言葉に続き島田が姉上にこう言う。

 

「何時まで......木下の上に乗ってんの?」

「「「あ......」」」

儂と九楊と姉上の言葉が重なったのじゃった......

 

....................

第三者side

 

その日の深夜......一人の黒髪の青年がもう一人の青年の前に降り立つ。

 

「待たせたか?我が曾孫......『ヴァーリ・ルシファー』よ。」

「そんなに待っちゃいないさ。『ルルーシュ・ルシファー』。」

ルルーシュがそこにいた青年......ヴァーリに笑いながら近寄り......

 

「で?これは挨拶代わりか?」

「そのつもりだ。」

放たれた魔法を一つ残らず消滅させた。

 

「で?何の用でこんな夜中に呼び出した?」

「ふん、私が言いたいことはただ一つ......私達の仲間になれ。」

「ほう?」

「お前が......いや、お前がアザゼルを裏切って所属しようとしている組織か。が何をしようとしているかは解らんが悪魔にとって不利益になることをしようとしているのは確かだ。

それに......お前は強者との戦いがしたいから入ったのだろう?」

ルルーシュの問いにヴァーリは「そうだ。」と事も無げに言った。

 

「ならば話は容易い。お前が私達の仲間になれば私や他の初代魔王の力を持っている明久とも戦える、アルビオンにとって因縁の相手である赤龍帝の兵藤一誠とも戦える、聖魔剣使いの木場祐斗とも戦える、エクスカリバーを蘇らせた島田美波とも戦える、そして何より......お前が望みさえすれば『グレートレッド』や『オーフィス』とも戦わせてやる。」

「ほう......」

ヴァーリはルルーシュの言葉を聴き薄く笑う。

 

「......興味が沸いてきた。返事は何時が良い?」

「そうだな......もうすぐ駒王学園の授業参観がある。そこでお前の答えを聞かせてくれ。」

「わかった。」

そう言ってヴァーリは転移して消えていった。

一人ルルーシュは考え込みながら剣を振るい......そこにいた原作派の転生者達を一瞬で細切れにした後で霊体化し消えていった。

 




如何でしたか?
次回は授業参観です。
そして衝撃の血縁関係が明らかに......!
次回もお楽しみに!


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第十八話

衝撃の血縁関係が明らかになります。
そしてオーフィスも登場します。


明久side

 

「あの.....お姉ちゃん、授業の後に何をしたんですか?何で先生の悲鳴が聴こえたんですか?そしてその返り血は一体何ですか!?」

「ん?ああ、これはただのトマトジュースだ。それから英語なのに粘土をさせたバカは怪我をしない程度に関節技を極めただけだ。」

それ以上の攻撃しましたよね?絶対に。

只今駒王学園は授業参観なんだけど......何故かレイナーレと実体化したフィーア、ルーガの三人が来ていた。

 

「(で、本当の事は?)」

「(あの教師に『雷刃の咆(サンダルフォン)』の禁手『王国を破壊せし雷神の罰(ブレイクマルクトアドナイ・メレク)』を叩き込んだ。)」

「(それ死んだんじゃないんですか!?)」

「(当然の罰だ......?)」

アリアさんが少し呆けた表情になったので視線の先を見ると......そこにはゴスロリを着た黒一色の少女が僕とアーシアと一誠を見て震えながら立っていた。

 

「......『オーフィス』。大丈夫だ。こいつらはあの『神龍仁也』みたいに『オーフィスを守っているだけだ!』とか言ってお前を監禁したり、その姿を保たせる為に呪いをかけたりしない。」

「わ、わかってる。でも......我、アリア以外の人間、まだ恐い。ドライグみたいな龍も恐い......」

お、オーフィス!?『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』の!?

でも......オーフィスの震える姿を見て僕と一誠は怒りに震えていた。

ふざけんなよ......!そんなことの為に監禁したり呪いをかけたりしたのかよ......そいつは!

 

「明久......ドライグ、そいつにあったら絶対に倒すぞ。」

「ああ!」

『同じく。同じ龍であるオーフィスが此処まで震えているのを見たら俺もキレたようだ。』

僕らは神龍仁也を絶対に倒す事を心に誓った。

 

「げ......オーフィス、屋上に行くぞ。」

「お姉ちゃん、ダメですよ?」

向こうから来る魔法少女の格好(コスプレ)をした女の子を見た途端にオーフィスと一緒に逃げ出そうとしたアリアさんはにこやかに笑ったアーシアに手を掴まれ逃げ出せなくなった。

 

「お?ヤッホーアリアちゃん!久しぶり~~~~~♪」

「やかましい!ちゃん付けをするな!此処は学校なんだからそんな格好をするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「も~~~~~相変わらずツンデレだなあアリアちゃんは♪」

「誰がツンデレだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「アリア......ど、どうしたの?」

「ぜぇ......ぜぇ......ホントにお前と話していると疲れる......」

アリアさんは溜め息を吐くと......

 

「と、いうわけでお前に押し付けるぞ?『レヴィアタン』の妹?」

そこにはこっそりと逃げ出そうとしていた蒼那会長がいた。

 

「あ、ソーナちゃん。お姉ちゃんが来てあげたよ♪も~~~~~授業参観があることを言われなかったものだからお姉ちゃんショックで天使に戦争を申し込もうかと思っちゃった♪」

「「そんな簡単に戦争をするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

僕と一誠は女の子に同時に......ん?

 

「「お姉ちゃんに......『レヴィアタン』?」」

「ええ......吉井君、兵藤君。紹介します現魔王の一人『レヴィアタン』の......」

「そしてソーナちゃんの姉の『セラフォルー・レヴィアタン』だよ♪宜しくね!」

『れ、レヴィアタンがこんなノリの軽い女に......』

『大丈夫だ。現魔王は全員がこんな感じみたいだぜ?』

落ち込んだウィンを『シン・ベルゼブブ』がフォローする。

 

「相変わらずだねセラフォルー。」

「あ、サーゼクスちゃん。この子達が?」

サーゼクスさんにもちゃん付け!?

 

「ええ、初代魔王の力を持つ吉井明久君、赤龍帝の兵藤一誠君です。」

そして華麗にスルー!?フレンドリーすぎるよ!?

 

「そっか♪宜しくね二人とも!(特に吉井君は......)」

ん?小声で何か言ってたような......?

 

「(い、イッセーさん!ま、まさか......!?)」

「(ああ、明久の奴、現魔王の一人を一目惚れさせちゃったよ!?そしてアリアさんは何処に行った!?)」

あ、アリアさんがいない。

その後リアス先輩のお父さんがやってきてセラフォルーさんに間違った知識を刷り込まれたりセラフォルーさんが逃走した蒼那会長を『ソーナたん』と言って追いかけたりサーゼクスさんがリアス先輩を『リーアたん』と言って赤面させたりなどえらい事態になって......

 

「で、何で僕も朱乃先輩の両親と会わせられるんですか?普通は一誠だけでしょう?」

「普通はそうなんだけど......何故か吉井君とも会いたいってお母さんもお父さんも言っていて。」

放課後、僕と一誠は朱乃先輩に集められていた。

そして目の前には......凄い威圧感を持つ堕天使と......朱乃さんに似た雰囲気(つまりS)を持つ女性がいた。

 

「朱乃の父の『バラキエル』だ。宜しく頼む。」

「朱乃の母の『姫島朱璃』よ。娘が何時もお世話になっています。」

「い、いえ!僕らが何時もお世話になりっぱなしですよ!」

「お、同じくそうです!」

僕らは礼儀正しく頭を下げた朱璃さんに慌ててそう言った。

 

「あの......吉井君に聞きたいんだけど......貴方のお母さんの名前は?」

「え?え~~~~~と......」

どうしよう、まだ思い出していない。

 

「......『朱菜』。『吉井朱菜』じゃ。」

「そして旧姓は......『姫島朱菜』。姫島朱璃の姉だ。」

「そっか、そっか......え?」

確か朱菜さんって前の大罪の英霊の所有者だったよね?

それが僕の母さんでしかも朱乃先輩のお母さんのお姉さんって事は......?

 

「あの......お母さんまさか......」

「ええ、吉井君は朱乃の......従弟よ。」

「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」

僕らの絶叫が校舎に響き渡った。




如何でしたか?
次回は閑話を入れます。
次回もお楽しみに!


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閑話2

奏の前世が解ります。
それからアンケートも宜しくお願いします。



ルルーシュside

 

「さて......ヴァーリと話す前に貴様に話を聞きに来たのは何故だと思う?『雨崎奏』。」

「......正直わかりません。何のようですか?」

俺『ルルーシュ・ルシファー』は明久とエクスカリバー使い島田美波に突っ掛かってくる謎の女......いや、この学園の風紀委員長雨崎奏と対峙していた。

 

「惚けるな。貴様の側近に俺の十八番の魔術......『ギアス』をかけてみたらこういうものが出てきたぞ。」

俺は懐から奴の側近.......『レオン・シュツバルト』だったか?が雨崎奏の部屋から盗みだし風紀委員を意のままに操っていた原因の物......『バカとテストと召喚獣』と『戦姫絶唱シンフォギア』と書かれているアニメのDVD、そして砕けた二つの槍の穂先を取り出す。

 

「な......何故それを......」

「次いでに口を割らせてみたが中々に外道な事をやらされていたらしいな?こいつを壊さない代わりに自分のハーレム作りの邪魔になる転生者やオリキャラの排除、更に最近は明久達の排除まで加わっていたらしいじゃないか?」

「..........」

俺が畳み掛けると雨崎は唇を噛みしめ拳を震わせる。

 

「話してみろ。力になれるかもしれないぞ?」

「初代ルシファー......この世界が本のううん、作り物の世界だって言ったら......どうする?」

「ほう?」

そこから先はこいつの一人語りとさせていただこう。

 

.....................

奏side

 

私、雨崎奏。ううん『宮代楓』はルルーシュ・ルシファーが取り返した私の前世である『戦姫絶唱シンフォギア』の世界で恐ろしいが着くほどその世界の脅威『ノイズ』とそれに対抗する『シンフォギア』を憎んでいた。

何でって?そりゃシンフォギアの装着者がノイズをわざと見逃したせいで私の両親が死んだから。

 

この時小学三年生......私は主人公で親友だった『立花響』から私は逃げるように親戚に取られたわ。

だけど皮肉よね、私は四つのシンフォギア(しかも戦闘用の二つは完全聖遺物)『エクスカリバー』、『草薙の剣』、『イカロスの翼』、『アイアスの盾』を私の体に宿していたんだから。

私は発狂したわ憎むべきシンフォギアを四つも体に宿していたんだから当然の結末よね?

 

私は廃人一歩手前になって生活していたわ。大好きだった歌も喉を潰そうとしたり学校も登校を拒否したわね。

私が廃人にならなかったのは読んでいた本『バカとテストと召喚獣』と『ハイスクールD×D』の主人公である『吉井明久』と『兵藤一誠』のどんな困難でも諦めない強い心を学んでいたお陰だから。

だけど......高校一年生の時に無理矢理通わされた学校......しかも音楽学校で私は響とその幼馴染みである『小日向未来』と再開したことで徐々に笑顔を......音楽を好きだって事も取り戻していったわ。

 

でも、響がノイズとの戦いに巻き込まれた事で私は完全に理解したの「ああ......ノイズもシンフォギアも消さなきゃダメだ。」って。

私は響をそしてシンフォギアの奏者達を戦いから解放するために戦ったわ。

ノイズを消し飛ばしシンフォギアを破壊するために響達を完膚なきまで叩きのめしたりもしたわ。

響の心を完全に折るために顔をさらけ出して面と向かって「貴女なんて嫌いよ」って言ったら......響はそれでもこう言うの「貴女と解り合いたい!」って。

理想論だと思う、それでも彼女の言葉は心に響いたわ。そしたら涙を流して手を取り合っていた。

 

だけど......ダーク系を好む転生者この世界では『神闇紫音』向こうでは『神原闇夜』と呼ばれていたあいつはこの世界をダーク系の世界にするために響達の上司を殺し未来を瀕死の重症に追いやり響の友人の両親を殺したのは自分だと言ったわ。

そして......私の両親を殺したのもこいつだった。

 

最終的にはあいつと決着をつけたのは私だったわ。

死闘の末奴を打ち砕いた私は響......そして私が関わった全ての人に人々に看取られて私は死んだ......

 

......................

ルルーシュside

 

「そして気が付いたらこの世界......ハイスクールD×Dの世界に転生していたわ。」

「そしてお前はこのDVDと穂先を人質に取られ奴の言いなりにされていた訳か......」

「ええ、レオン君の言うことは何でも聞くようにしつけられたわ。」

雨崎奏が吐き捨てるように言う。

ふむ......これは利用出来るかもな。

 

「ルルーシュ・ルシファーが命じる『お前は反レオン派を集め俺が『    』を召喚したら直ぐ様反旗を翻せ。更にその間吉井明久達に一切の攻撃をするな!』」

「!?......イエス、マイ、ロード。」

雨崎奏の目が赤くなったのを確認し私はほくそ笑む。

さて......明久には転生者の話は隠しつつこのレオン・シュツバルトに話させた襲撃計画、更に雨崎奏の大切にしていた物を人質(この場合物質か?)にとり操っていた事を告げれば燃え上がるだろう。

それだけ我々初代七魔王の復活の舞台が整うというもの。

 

「む.......?朱菜の妹と明久が接触したか。私も急がねばな。なぁ.......ヴァーリ?」

「ふむ.......気が付いていたか。」

「ああ。それで?答えは?」

「ふ......俺とアルビオンの答えは決まっている。その代わり......」

俺はヴァーリの言ったことに苦笑いをしながら了承しこれから起こることへ柄にも無く楽しみになっていた。

 

「さて......道化の戦を楽しませてもらおうか?レオン・シュツバルト......」

他人を撃つからには......その他人に撃たれる覚悟も当然あるよな?

屋上に俺の笑い声が響いた......




如何でしたか?
次回はかなりすっ飛ばして三勢力会談です。
ヴァーリの決断は......今は秘密です♪
次回もお楽しみに!


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第十九話

一気に話が飛びます。


明久side

 

「暇だね坂本君。」

「......だな。」

「............だがどの勢力の配下では無い俺達があの場にいるのは不自然だ。」

「ムッツリーニ君前より冷静になってない?」

「で、でもギャスパー君を守るのは私達の立派な役割ですよ!?」

「ウチも瑞希と同じ意見かな?」

「う~~~~~む......ルシファーの言葉ではそろそろじゃが......」

「秀吉、気負わずにいきましょう。」

僕らは旧校舎の開かずの教室......ギャスパーの元の部屋でギャスパーの護衛にあたっていた。

理由はギャスパー君の神器を利用して会談中に攻撃を加えようとする連中が出てくるとルルーシュに言われたからだ。

その結果僕達文月学園のメンバーがギャスパーの護衛を任せられたのだ。

 

「にしてもお前と姫島先輩が従姉弟だったとわなぁ......」

「ち、ちょっと驚きっす......」

「あはは......あれには僕も驚きだったよ......」

因みにこの時の会話を宮内先輩は録音していたらしく翌日にはでかでかと記事になっていて嫉妬に狂った男子達に追いかけ回された。

 

「ま......嘘の場合も......」

「嘘では無いんですよこれが。」

後ろからの声に僕らが慌てて振り向こうとしたら美波は強烈な一撃を喰らって外に吹き飛ばされていった。

 

「おや......咄嗟にバックステップをして威力を減らしましたか......逃がしませんよ。」

男の子はそのまま美波を追って外に出た。

そして魔法陣が大量に表れて黒フードの大軍が出てくる。

 

「くそ!起動!!!」

坂本君が腕輪を起動させて臨戦態勢に入る。

 

「「「「「試獣召喚!!!」」」」」

「召喚!『強欲の暗殺者』!」

僕も強欲の暗殺者を起動させて乱入者達に躍りかかった。

 

.....................

美波side

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

ウチは地面を転がりながら立ち上がりエクスカリバーを構える。

その間に眼鏡の男が舞い降りて来たその瞬間を狙って破壊の聖剣の力で吹き飛ばそうとするけど......そいつの出した神々しい剣に防がれた。

 

「な......エクスカリバーと同じクラスの聖剣!?」

「気付きましたか。この剣は『聖王剣コールブランド』......ペンドラゴン家に代々受け継がれる宝剣です。」

って事はこいつは......

 

「ええ、貴女の想像通り僕の名前は『アーサー・ペンドラゴン』。

アーサー王の子孫でありコールブランドの担い手です。」

「へ~~~~~騎士王の子孫が何の用?『エクスカリバーを返せ』とかかしら?」

うちらは鍔迫り合いをしながら話すけど......やっぱり押されてる......!

 

「いえいえ、ペンドラゴン家はそう言うでしょうが僕は違いますよ。」

「なら何!?」

「『最強の聖剣使い』を目指している僕にとってはエクスカリバーを打倒してこそ最も近づくものなので.......」

アーサーはそう言いながらウチを受け流し......ヤバい!

 

「貴女を倒すだけですよ。」

ウチは天閃の聖剣の力でアーサーから離れる。

瞬間......さっきまでウチがいた場所が『空間ごと』斬られた。

 

「嘘でしょ!?どんな桁外れな聖剣よ!?」

「何せ地上最強の聖剣と言われていますからね。この程度は簡単ですよ。」

ウチはエクスカリバーを構えながら悔しさで胸が一杯だった。

ウチはまだ破壊の聖剣と天閃の聖剣、擬態の聖剣しか使いなれていない。

こいつは完璧に使いこなしてるのに......ん?使いこなしてる......?

 

「そっか、なら......擬態!ウチが使えるギリギリの長さと大きさにして!」

アーサーが怪訝そうな顔になるけどその顔がすぐにひきつる。

 

「こ、これは......!?」

「破天......一閃!!」

ウチは長くて太い金属バットみたいな姿になったエクスカリバーを横凪ぎに振るう。

それは回りの木を凪ぎ払ってアーサーの真横に食い込む。

 

「ぐ..........!?」

アーサーはコールブランドで防ぐけどウチは無視してそのまま振るう。

 

「にゃ!?危ないにゃ!?」

「のわ!?な、何でいこれ!?」

『『『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』』』

途中で他の敵にぶち当たったけど無視!!!

 

 

「でぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ウチの横凪ぎと共に吹っ飛んでいくアーサー。

それを見たウチは息を吐こうとして凍り付いた。

 

「うそ......でしょ?」

「危なかった......流石に焦りましたよあれは。」

そこには血をだらだら流している脇腹を押さえながら歩いてくるアーサーがいた。

 

「とは言え流石にこれ以上は戦闘が不可能なので......これで合流とさせていただきますね。」

「は?」

「兄さん大丈夫!?」

ウチが何がなんだかわからないでいるとアーサーに『魔法使い!』って感じの女の子が走り寄ってくる。

って兄さんて事は......

 

「あ、こんばんは。『ルフェイ・ペンドラゴン』って言います。宜しくお願いします。」

「あ、はい宜しく......って待ちなさい。何がどうなってるの?」

ウチはさっき疑問に思った事を言う。

 

「ああ、僕らは所属している組織......『禍の団』を抜けるんですよ。」

「は?」

ウチが呆けているとアーサーがコールブランドで駒王学園の方向を指す。

ウチは怪しみながら見ると......ヴァーリが踵落としで女の悪魔を真っ二つにし黒い猫耳を生やした女の人が走ってきた塔城さんにドロップキックで吹っ飛ばされて猿が黒フード達を凪ぎ払い黒髪が綺麗な翡翠色の龍の上に偉そうに座っていて風紀委員長の雨崎が副委員長のシュツバルトに斬りかかっている光景だった。

 

「え?ウチがいない間に何が起きたの!?」

ウチは訳がわからずそんな事を叫んだ。

 




如何でしたか?
次回は美波がアーサーと戦っていた間のを書きます。
次回もお楽しみに!


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第二十話

魔王復活します。


明久side

 

「............っ!『加速』!!」

「いっけ~~~~~!」

「熱線!」

僕らは黒フード達と死闘を繰り広げていたけど......

 

「くそ!数に差がありすぎる!このままじゃもたねえぞ!」

そう、僕らは数の差で段々と追い込まれていた腕輪を持っている姫路さん、土屋君、工藤さんを中心に据えて踏ん張っているけどそろそろ限界......!

 

「ぶっ飛べ!『ドラゴンショット』!!!」

次の瞬間扉から飛んできた赤い魔力弾を叩き込まれて吹き飛ばされた。

 

「明久、ギャスパー!無事か!?」

「二人とも大丈夫!?」

「ギャー助、吉井君大丈夫だよね!?」

「せ、先輩ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ部長ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ霊先輩ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!怖かったすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

「一誠に宮内先輩!それにリアス先輩も!」

「当たり前だ!俺達親友だろ?」

「明久もギャスパーも立派なオカルト研究部の部員だもの当然でしょ?」

「あっはは吉井君はついでだよ♪」

僕が一誠と握手をすると坂本君達が全員苦い顔つきになる。どうしたんだろう?

 

「僕達は大丈夫だけどそっちはどう?」

「どうもこうもアザゼルさんから同盟が提案された瞬間に攻撃されてな。

アザゼルさんとサーゼクス様、それからミカエルさんが攻撃を押さえて俺と部長がルークの『キャスリング』を使って此処に来たんだ。」

「キャスリング......ルークとキングを入れ換える能力だったか?リアス先輩はもう一つルークを持ってたな。」

「ええ、そうよ。急いで脱出......」

リアス先輩が窓の外を見て口をひくつかせる。僕らが振り向くと......そこには大量の魔法陣が窓の外を覆い尽くしていた。

 

....................

奏side

 

「......やったかな?」

「レオン君、それはフラグです。」

私達は今吉井君達を殲滅するために行動しているのですが......何故でしょう?吉井君達に直接的な攻撃を出来ないようになっています。

 

「で、結果は?」

『......生きてます。』

「「ですよね~~~~~」」

私達が溜め息を吐いた瞬間......報告した禍の団の原作派の転生者が貫かれました。

 

「え......?」

何でこの人が此処に......

 

「ふむ......久々の体ではこんなものか。」

いや、違う。翼さんじゃない。翼さんは人間だしそもそも得物は『天羽々斬(あめのはばきり)』......即ち刀だ。海を思わせるような深い蒼の槍じゃない。

 

「む?ああ、申し遅れたな。私は『ウィン・レヴィアタン』。吉井明久の神器『大罪の英霊』の根幹をなす初代魔王の一人だ。」

そしてウィンさんは槍を構え......

 

「明久の敵になるなら......貫かれる準備は大丈夫か?」

狂暴な笑みを見せながらそう言いました。

 

....................

明久side

 

「っ......!」

不味い。本当に不味い。

あんな量の魔法を止められないしまた飲み込みきれない。

僕は大罪の英霊を使いこなしてはいるけど完璧には使えない。

どうする......どうする吉井明久!

 

『禁手だ!』

ルルーシュの声に僕は頭がおかしくなったんじゃないかと思った。

いまさら英霊混合でどうしろと!?

 

『馬鹿!正規の禁手に決まっているだろう!今のお前なら使えるし全員を召喚できるはずだ!』

僕はルルーシュの言葉に驚きながら大罪の英霊を広げる。

 

「......大罪の英霊、禁手!」

「明久!?」

僕の中から何かが這い上がってくる。その感覚はとても暖かくて綺麗でそして......力強かった。

 

「『魔王君臨(コール・オブ・キング)』!!!」

僕の声に呼応して七つの影が僕の足元から現れる。

そしてその内の一つはその卓越した魔術で魔法陣を消し飛ばし一つは外へと躍りで残りの五つは僕の前に立った。

 

「遅いんだよお前は!あの神器の中って結構狭いんだぞ!」

「まあまあ、落ち着けってシン。今はもう出れたんだからこれでチャラだろ?」

「さっさと片付けて現魔王達と戦おうぜ。」

「ザン、お主は相変わらず戦闘狂じゃな。」

「ルルーシュ、さっさとしようぜ。」

それぞれ自分勝手な事を言うシン、『シルバー・ベルフェゴール』、『ザン・サタン』、フィーア、ルーガにルルーシュは苦笑いをしながらこう言う。

 

「お前達......行くぞ。」

「「「「「おう!」」」」」

皆は力強くそう言った。

 

数分後........

 

「射ぬけ!!」

「おらよっと!」

「ティアマット!踏み潰せ!」

『喧しいのよあんたは!』

「降り注げ、雷の槍よ!」

「おらおらおらおら!」

『『『『『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』』』』』

何かの準備をしているルルーシュを除いた五人は敵を相手に正しく無双をしていた。

外では猿と黒髪に黒い猫耳を生やした女の人と女の悪魔の人を中心に粘ってるけど破られるのは時間の問題だと思う。

実際外ではアザゼルさんにミカエルさん、サーゼクスさん、セラフォルーさん、ヴァーリまで出ていて正に圧倒的な戦力差だ。

 

「手持ちぶさただね。」

「......え?嘘でしょ?」

「ん?」

僕が宮内先輩の声に疑問に思って振り向くと......そこには僕と美波に散々襲いかかってきた女の子の武器を振るう雨崎さんと大剣を振り回すシュツバルト君、そして風紀委員達を蹴散らすウィンがいた。

 

「ウィン!何を......」

「こいつがお前を散々襲撃していた女の正体だ。まあ、脅されていたのだが......」

「「へ?」」

「ルルーシュ!メインイベントだぞ!」

ウィンが悪戯っ子のように笑いながらルルーシュに促す。

 

「わかっている。来い!『レイン』!!」

そしてルルーシュの足元から綺麗な翡翠色の龍が現れてルルーシュはその上で偉そうに座る。

 

『......何だ。ルルーシュか。お前が死んで久しいが蘇生の術でもフィーアが覚えたのか?』

「そんなわけないだろ禁手だ。」

さて......とルルーシュは前置きを置き高らかに宣言する。

 

「諸君!此処に新たな主により我らは此処に蘇った!平和を求める現魔王達を『偽りの魔王』などと言う愚かな魔王の末裔達を滅ぼすが良い!」

そしてルルーシュの宣言が終わった瞬間。

 

「口が回る事だな。ルルーシュ?」

ヴァーリが踵落としで女の悪魔を真っ二つにし......

 

「..........吹っ飛べ!」

「ヘブニャ!?」

小猫ちゃんが黒い猫耳を生やした女の人をドロップキックで吹っ飛ばし......

 

「それじゃいくぜぃ!伸びろ如意棒!」

猿が黒フード達を凪ぎ払い......

 

「今がその時です!全員レオン・シュツバルトを打ち取れ!」

『『『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』』』』』

雨崎さんがシュツバルト君に斬りかかったのを皮切りに風紀委員の大半が一斉に他の風紀委員に襲いかかった。

 

「「「「「どういうことですか!?」」」」」

その場にいた全悪魔、堕天使、天使がそんな突っ込みをしたのは言うまでもない。




如何でしたか?
次回は奏とレオンとの戦いです。
そして奏のシンフォギアも登場!
次回もお楽しみに!


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第二十一話

戦いが終結します。


奏side

 

「アハハハハハ!どうしたんだい?全然僕を倒せて無いじゃないか!」

「く......!」

私はレオン君に翼さ......じゃなかったウィンさんと反旗を翻したのは良いんですが......押されっぱなしでした。

何故かと言うと......

 

「くくく......やはり英霊『ランスロット』と『ギルガメッシュ』の能力を持つこの僕『獅子神(ししがみ)レオ』には君達では敵わないということだね。」

レオン君......ではなく『獅子神レオ』が特典として受け取っていた能力......ランスロットの宝具『騎士は徒手にて死なず(ナイト・オブ・オーナー)』とギルガメッシュの宝具『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』が凶悪過ぎるほどマッチしているからです。

 

「ええい!何なんだあいつは!?さっきから強力な武器をポンポン出すとは......!」

ウィンさんも悔しそうに歯噛みをします。

 

「くくくくく......君達を利用してオリキャラとバカテスキャラを排除した後で原作の男性キャラを皆殺しにしてハーレムを築こうとしてたんだけど......予定変更だ!

このまま男性キャラを皆殺しにしてそのままエクスカリバーを奪って全員僕の奴隷にしてやる!」

やっぱりそれですか......偽名を使ってたくせに良くもまあそう言えますね。

 

「ふん、僕は君の武器に何か凶悪な能力が有るんじゃないかと踏んで脅迫したんだけどね......君から取り上げたDVDを見てわかったよ。

あんなわかりあえるなんて愚かな事を言う女達の武器を持つなんて......君もよっぽど愚か者なんだね。」

..........何ですって?

 

「響が......愚か者?」

「ああ、そうさ!あんな愚かで馬鹿な女や屑の吉井明久、変質者の兵藤一誠より僕の方がよっぽど......」

「......その口を閉じろ。外道。」

......確かに私は愚か者です。勝手に両親の死にショックを受けて、勝手に引きこもって、勝手に親友と敵対して、そして勝手に死にました。

だけど......私達転生者のように借り物ではなく自分の自分が持っている力だけで無く色んな人の思いを背負って戦っている響を吉井君を兵藤君を......!

 

「あなたなんかが馬鹿にする資格なんて......無い!」

そして......私の視界が光に包まれました。

 

.....................

第三者side

 

始め誰もが何が起きたかを理解できなかった。

『それ』は一撃で獅子神レオを吹き飛ばすと全身を切り刻みそのまま蹴り飛ばす。

 

「げふぉ!?」

レオが地面を三回バウンドすると『それ』はレオを蹴りあげ空中に回り込むと......

 

「『玄武爆流』!」

そのまま大量の水を放出しながらレオに突撃し地面に叩きつける。

 

「何だよ......何なんだよお前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

レオはドリルのような剣を取りだし......

 

「死ね......死んでしまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!」

そこから全てを切り刻む赤い断層が出現し『それ』......太陽を思わせるような暖かい金色の鎧を身に纏い背中から白いメカニカルな翼を生やし両手に空色の刀と黄金色の騎士剣を持った奏に向かう。

 

「......無駄です。借り物の力では、本当の力を振るう私には勝てません。」

そして奏が「『絶唱』。」と告げると鎧......『アイギスの盾』の前に深紅のバリアーが現れ断層を弾き飛ばす。

 

「は......?」

レオが茫然としていると奏は巨大になった翼......『イカロスの翼』を羽ばたかせると同時にレオの前に転移し蹴り飛ばす。

 

「ぐあ......ひ!?」

レオが奏を見るとそこには弓となった刀......『草薙の剣』に騎士剣......『エクスカリバー』を矢としようとする奏の姿があった。

 

「ま、待ってくれ委員長!僕が......僕が悪かったから......」

「ふう......遅すぎです。『黄龍聖剣牙』!」

そのまま奏が放ったエクスカリバーの矢は一撃で獅子神レオをこの世から消し去った。

 

....................

奏side

 

「ふう......」

私がシンフォギアを外すとどっと疲れが押し寄せます。

相変わらず燃費が悪すぎ......

 

「か~なでちゃん♪」

私が今最も会いたくない人物が現れました。

 

「み、宮内先輩......」

「はっはっはっ!ルルーシュ君から聞かせて貰ったよ~~~~~大切な物を人質......物質に捕らわれてたんだって?

どうして言わないのかな~~~~~?」

「いや......その......宮内先輩を煩わせたくないと思って......それに風紀委員の恥ですし......」

「あっはは......なめてんの?」

私は始めて宮内先輩が泣いている事に気が付きました。

 

「どうして言わなかったの?私がそんなに頼りなかった?そんなに巻き込みたくなかったの!?」

私は下を向きながら宮内先輩の声を聞いていました。

 

「ごめんなさい......」

「何......?」

「ごめんなさい......言わなくてごめんなさい......」

「......宜しい!お陰でレアな奏ちゃんの泣き顔も撮れたし♪」

......え?

 

「天馬~~~~~撮れた~~~~~?」

「撮れた撮れた、堅物な風紀委員長の泣き顔をね♪」

茂みから宮内先輩の弟であり新聞部の副部長であり傍観転生者のリーダーである宮内天馬君が現れました。

 

「えっと......宮内先輩......まさか......」

「うん、転生者の事も知ってるよ。」

や、やられたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

「それじゃあばっはは~~~~~い♪」

「れ、霊しゃん!?勝手に帰らないで下さい~~~~~!」

「ま、待ちなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

私は宮内姉弟が逃げ出すのと同時に追いかけ始めました......




如何でしたか?
次回は『停止教室のヴァンパイア』の最終話です。
次回もお楽しみに!


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第二十二話

これにて『停止教室のヴァンパイア』は終結!
そして明久に何やら不穏な気配が......


明久side

 

あのテロから数日後......

 

ピンポーン!

 

「あ、は~~~~~い!」

僕がドアを開けるとそこには思ったとおりの面子がそこにいた。

 

「お、お邪魔しましゅ!?」

「お嬢様、噛んでます。」

「やっほ~~~~~来たよ吉井君♪」

「オッス!おら天馬!」

「秀吉さ~~~~~ん!」

「お、お邪魔します。」

『きゅくる~~~~~♪』

「こんにちは!」

「お邪魔します!」

ミーナちゃん率いるハルファス眷属だった。

因みに宮内先輩の弟である天馬君はミーナちゃんの騎士になったんだ。

それから僕に挨拶した二人は偶々ミーナちゃんが見付けた龍使いの子で兵士になった『キャロ・ル・ルシエ』ちゃんとその相棒で戦車になった『フリードリヒ』、そして同じ理由で見付け天馬君に続いて騎士になった『エリオ・モンディアル』君、そして結構前にミーナちゃんの眷属(駒は兵士)になった『野上翔』君だ。

つまりミーナちゃんはこの短い間に兵士を二人、僧侶を二人、騎士を二人、戦車を一人(正確には一匹)見つけた事になる。

 

そして......

「お邪魔しますね、吉井君♪」

「邪魔をするぞ。」

「お邪魔します。あ、これはお土産のお菓子です。(こ、今度はリリカルなのはstsの子供コンビ!?)」

紫藤さんとアリアさん、そして雨崎さんの三人も入ってくる。

 

「うううう......あ、明久との生活が......」

「最初は二人だったのに......どんどん増えていくわね。(でも......明久を好きな女子も......ううん。兵藤君を騙した私なんかに明久を愛する資格なんて無いわ。)」

「九楊~~~~~!」

レイヴェルが両手両膝を着き、レイナーレが寂しそうな顔になり、木下君は九楊さんといちゃつく。

レイヴェルとレイナーレはどうしたんだろ......ってあれ?

 

「アリアさん、どうしてそんなに不満と不安が入り交じった顔をしてるんですか?」

「ああ......こいつを見てくれ......」

アリアさんが横に避けるとそこには......

 

「やっほ~~~~~♪吉井君こんにちは~~~~~♪」

「え~~~~~と......お邪魔します。」

魔法少女の格好をしたセラフォルーさんと藍色の髪を短く切り揃えた男の子がいた。

 

「セラフォルーさん!?何で此処に!?そして君は誰!?」

「えっへへ~~~~~吉井君のそばにいたかったからだよ♪」

「えっと......『小森純平(こもりじゅんぺい)』って言います。宜しくお願いします。」

「禍の団から逃げ出してきたようだから保護してきた。(全く......奴等にオーフィスを預けたのは間違いだったか?しかし......あの時の私には余裕は......)」

「(天馬、天馬。)」

「(何、姉さん?)」

「(あの子転生者?)」

「(多分そう。僕と同じ傍観系転生者だろうね。)」

アリアさんは何か迷っているみたいだし宮内先輩と天馬君は何か秘密の話をしているし......

 

「て、皆入りなよ。流石に暑いでしょ?」

僕は皆を慌てて入れる。

 

....................

「で?何しに来たセラフォルー?」

「も~~~~~酷いなアリアちゃんは、私が来たのは吉井君を冥界に招こうって会議で決まったのと......」

「決まったのと?」

「よ、吉井君の側にいたかったからかな?」

セラフォルーさんが顔を赤らめながら僕を見る。

 

「(こ、これは......!?修羅場(スクープ)だ!)」

「(な......!?)」

「(そ、そんな......嘘ですわ!?)」

「(ううう......勝てる気がしないでしゅ......)」

「(あ~~~~~~とんでもない強敵だわ......)」

「(..........例え相手が魔王だろうとお嬢様の思いだけは......!)」

様々な反応をする女性陣に首を傾げながら......あれ?

 

 

「おい、セラフォルー。冥界に招待だと?」

「うん、大罪の英霊を持ってるからだって。あ、夏休みの頃に来てだって。」

「それもそうですね。」

悪魔にとっては祖先とも言える存在なのだから当然かもしれない。

僕はそう思いながら夏休みの予定を考えた......

 

....................

第三者side

 

「『アジュカ』、駒の設定はどうだい?」

サーゼクス・ルシファーは友人にして同じ魔王である『アジュカ・ベルゼブブ』に話しかける。

 

「ギリギリまで調節してるけど......正直厳しいね。何せ吉井君の元の魔力は君とグレイフィアに劣るとは言え初代魔王達の魔力が加わっている時点で厳しくなっているんだ。

でも......やるしかないだろうね。」

「そうだね。悪魔内にも堕天使内にも吉井君を強引に自分達の所に置こうという人までいるらしいからね。」

「それに天使......特に前の所有者と因縁があるガブリエルも狙っているという話があるんだろ?」

「うん......吉井君......君の行こうとする道は茨の道だよ......」

そう言ったサーゼクスの視線の先にはチェスの駒があった......

 




如何でしたか?
次回は『冥界合宿のヘルキャット』編!
そして明久が......!?
次回&次章もお楽しみに!
PS
アンケートも宜しくお願いします。


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冥界合宿のヘルキャット
第二十三話


冥界合宿のヘルキャット編開幕!


明久side

 

「う、う~~~~~ん......?」

僕が寝苦しさを感じたので起きたら僕は見知らぬ教室で何故か卓袱台に突っ伏して寝ていた。

 

「漸く起きたか明久......」

そこには何時も通り......?

あれ?靄がかかってるのが一人しかいない?

残りは坂本君、木下君、土屋君、姫路さん、美波がいた。

つまりこれは僕の記憶......?

 

「ごめんごめん......」

「はあ......最近疲れているみたいだけど大丈夫なのか?」

「あ、それは最近バイトを始めたからかな?」

「え!?アキが!?」

「ええ!?明久君が!?」

多分行方不明(坂本君からの話)になる前の僕は不真面目だったんだろう。

 

「うん、何時までも水と塩と砂糖の生活は避けたいし......」

「明久......それ普通は一年生の頃に気付くものじゃないか?」

「気にしてるんだから言わないでよ○○!」

ダメだ靄がかかっている男の子の名前を思い出そうとすると頭がガンガンする......

 

「ところで明久......お前何処で働いてるんだ?」

「あ、それは前に雄二と行ったあの喫茶店だよ。」

「あ~~~~~結構前に開いた彼処か。広いしまだ開店したばかりだから人手が必要だったんだな?

......可愛いウェイトレスも多かったしな。」

「おい、坂本......それから姫路に島田、止まれ。」

どう考えてもわざととしか考えられない坂本君の言葉に今では考えられないくらいの速度で二人が襲い掛かろうとするのを男の子が止める。

 

「離しなさい○○!アキにはお仕置きの必要があるのよ!」

「そうです!明久君にはお仕置きが必要なんです!」

待って!?何でそれだけで僕の腕がネジ曲がる様に痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?

 

『諸君!此処は何処だ!?』

『『『『『異端者を裁く審問会だ!!!!!』』』』』

『裏切り者には?』

『『『『『死の鉄槌を!!!!!』』』』』

『男は?』

『『『『『愛を捨て哀に生きるべし!!!!!』』』』』

『宜しい!これより異端審問会を開始する!』

待って!何この儀式みたいなノリは!?

 

「......雄二、何故妻に黙って吉井と可愛いウェイトレスがいる所に行ったのかを教えて欲しい。」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何故顔にアイアンクローを極める○○!大体俺とお前は結婚どころか付き合ってすらいねえだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

原因の坂本君は何処からともなく現れた女の子に理不尽なアイアンクローを極められる。

 

「くぅ......!このまま死んでたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

僕は拘束している覆面の内一人の股間を蹴り飛ばした。

 

『ごきゅふ!?』

「さらばだ!」

僕はアイアンクローを極められている坂本君を見捨てて窓から脱出した。

 

....................

場面は変わって道路に移る。

あの後黒魔術の儀式場になった教室から逃げ出した僕は追い回されていたら授業をサボってしまった為に筋骨粒々とした先生に鉄拳付きの指導を食らい家への帰路についていた。

 

「あいたたたたたた......今日も散々な目にあったなあ......」

僕は痛む体を引きずりながら歩く。

 

「明久。」

僕が声に振り向くとそこには朱菜さんがいた。

 

「か、母さん!?ど、どうして此処に!?」

「何だ?私がいちゃいけなかったのか?」

朱菜さん......ううん。母さんは狼狽える僕を見て面白そうに笑いながら......寂しそうな顔になった。

 

「......今日でお前とも......お別れになるんだな。」

「え?どういうこと......」

「......大罪の英霊、禁手。『魔王の贈り物(キングギフト)』。」

禁手が発動した瞬間僕の中に何かが生まれる。

 

「!?か、母さん......?何......これ......?」

僕の足元が光徐々に僕の意識が途切れていく......そして......

 

......................

ゲシ!

「げぼぁ!?」

僕はミーナちゃんにベッドから......ベッド?僕は布団に入った筈だけど?

 

「あ、明久ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!大変じゃ!この家が豪邸になっておって隣も豪邸になっていてしかも表札が『兵藤』なのじゃ!」

.........僕はその言葉を聞いて確信した。

 

「何してくれちゃってんですかリアス先輩ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」

こうして僕は夢の内容すら忘れそうな程のショックを受けた。

 

....................

「冥界に......合宿ですか......」

「ええ、そうよ。オカルト研究部全体のレベルアップをするためにね。」

只今僕は豪邸になった一誠の家の最上階にある一誠の部屋にいた。

 

「霊の......というか風紀委員と天馬のお陰で私達は明久と一誠、美波とヴァーリ達を除いたメンバーでは強力な力を持つ転生者に勝てないことを知ったわ。

それを補う為の合宿よ。」

は~~~~~~リアス先輩は良く考えているなぁ......

因みに転生者の情報は雨崎さんと天馬君によってもたらされた情報で転生者で逆ハーレム狙いだった神尾七菜はアザゼルさんに同盟の手間賃代わりに差し出されそうになって逃走。

現在夫を寝取ろうとしようとしたことに激怒したグレイフィアさん、朱璃さんを中心に据えた堕天使、悪魔、天使の連合捜索隊に捜索されている。

 

「因みに俺とヴァーリ達もついて行くぜ。」

「あ、アザゼルさん達もですか......美波は?」

「ミカエルに呼ばれて天界に行くんだとよ。ゼノヴィアのデュランダルとアリアの聖剣......『アロンダイト』も持っていかせるつもりだ。」

「......美波は残念でしたね。所でゼノヴィアの剣はどうするんですか?」

「ミカエルが美波に持って帰らせるつもりらしい。」

そうなんだ。

 

「あ、そうそう。お兄様から重大な発表があるらしいから明久はちゃんと来なさいよ?」

「はい。」

僕はこれから始まる合宿にわくわくしながら待つことにした。

 

......それが僕の初恋と後の伝説を作る切っ掛けも知らずに。




如何でしたか?
次回は冥界に逝きます(字が違う!)
次回もお楽しみに!


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第二十四話

明久がちょっと偉いことに......


明久side

 

「まさか悪魔専用のホームが地下にあったなんて......」

只今僕らはリアス先輩の家に向けて電車で向かっていた。

 

 

「お、驚く事はありませんよ。悪魔は隠れた存在ですから。あ、でもリーアちゃんの家に着くのは遅いですよ。領土が広いですから......」

「?何でミーナちゃんがリアス先輩の幼い頃に呼ばれてた名前を知ってるの?」

「はう!?そ、それは......」

「お嬢様がリアス様、ソーナ様の幼馴染みだからです。」

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」

ミーナちゃんの眷属、僕ら、朱乃先輩と何故か無口の小猫ちゃんを除いたグレモリー眷属全員が驚いた。

 

 

「はうぅぅぅぅぅ......私は二人と違って自信に出来るものが何一つ無いから黙ってたのに......」

自分で自分を貶すミーナちゃんの頭を僕は撫でる。

 

「ひ、ひゃわ!?」

「そんな事は無いよ。ミーナちゃんに人望があったからこんなに良い眷属が集まったじゃん。自分を卑下しなくて良いんだよ。」

「よ、吉井さん......」

ミーナちゃんの顔が赤く染まって僕から目を反らす。

むう......僕ってそんなに不細工なんだろうか?

 

 

「む.......ちょっとトイレに行ってくる。」

「おう、早めに帰って来いよ。」

「ん。」

僕は隣に座っていた坂本君にそう言って席を立った。

 

....................

「ふう......一杯出たなあ......」

トイレを終えた僕は手を洗って外に出る。

 

ドン!

「うわっと!?す、すいませ......」

「あ、いえ。此方こそ。」

僕は目の前の人に魅了された。

腰まで伸ばした銀髪、まるでルビーの様な真紅の瞳、そして雪の様に白い肌......

僕の胸が高鳴り顔が熱くなる。どうしたんだろ?病気かな?

 

 

「あの......どうかしたんですか?」

「あ、い、いえ!僕は此処で!」

僕は慌てて女性から離れて皆の所に戻って行った。

 

....................

???side

 

「......彼は一体どうしたんだ?」

私は凄い勢いで去っていった彼に首を傾げながら我が主と私が『女王』として支える仲間達の元にたどり着く。

 

「只今帰りました主。」

「お帰り。」

主は魔導書を読みながら座っていた。

他のメンバーは......

 

「ふむ......冥界と言うのも地上と変わらないのですね。」

「当たり前だよ......地上と違ったら大変だって......」

「あら?私がお父様に放り込まれた地獄は正に絵に書いたような地獄だったけど?」

「..........ぐ~~~~~~~~~~」

「もうすぐ俺達の王の親父の領土に着くぞ。起きろ。」

「おお~~~~~~王様~~~~~冥界に着いたよ~~~~~!」

「やかましい!黙ってろ!」

「相変わらずレヴィはうるさいですね......」

主......『ラウナ・アスタロト』の眷属達はそれぞれがマイペースな会話をしながら降りる準備を(一人は器用なことに寝ながら準備している。)する。

 

 

「主......そう言えば何故『ディオドラ』様に帰還の事を伝えなかったのですか?」

「..........最近、ディオ兄には黒い噂が絶えないから......僕は出来る限りお家騒動とかしたくないからね。」

主は切なそうに笑いながら降りる準備を終える。

 

「さてと......電車を降りて家に荷物を置いたら家族に皆を紹介するから!部屋にいてね特にレヴィは。」

「何で僕だけ念入りなのさ!?」

何時も何時も約束をすっぽかして遊びに行くからだろ。

 

 

「それじゃ......降りよっか。」

「はい。」

主『はやて』......私は新たなる主の所で幸せになります。

貴女がくれた『祝福の風(リィンフォース)』の名のように......

 

....................

明久side

 

「まさかリアス先輩のお母さんが若作りをするとは思わなかった。」

『危うくお主はグレモリー卿を通報しそうになったしな。』

僕は今悪魔の勉強をしている一誠を残してグレモリー卿の領地の首都を歩き回っていた。

因みに着いた途端に遭遇したリアス先輩のお母さんにびっくりして危うくグレモリー卿をロとついてンで終わる変質者として通報しそうになってしまった。

 

その後でリアス先輩の甥のミリキャス君と遊んだり土屋君が工藤さんとのエロトークで鼻血を吹いたり(僕はミリキャス君の耳を塞いでいた)木下君が九楊さんに寝室に引きずり込まれたり姫路さんが作ったお弁当が死ぬほど美味くて坂本君が卒倒したり(その後「し、翔子!?来るな!俺はまだ自由を......!」とうなされていたけど......)と着いて早々に色々あったけどね......

 

「所で『黒歌』さん。どうして僕に引っ付くんですか?」

「にゃはははは......ちょっとしたスキンシップだにゃ。」

いやいや、普通は引っ付いたりしないでしょ。

 

「と、言うのは冗談で。」

『む......こやつさては妾の力で......』

黒歌さんは人通りの無い場所で僕に抱き付くとそのまま僕の力が抜ける。

 

『!?仙術じゃと!?明久!退避を......遅かったか......』

力が抜けた僕に黒歌さんはそのまま着ている着物を脱ぎのし掛かる。

 

「にゃはは......体が火照ってるから吉井君に冷やして欲しいのにゃ......」

ちょちょちょちょちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?

 

『......すまぬ。どうやらこの猫又......いや、猫魈は妾の魔力に触れて発情したらしい。』

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 

 

「ちょ、誰か......助け......」

ドゴン!

音に振り向くとそこには呆然としている一誠とリアス先輩、そしてパンチを放った姿勢で止まっている小猫ちゃんだった。

 

「..........何やってるんですか姉様。」

..........え?

 

 




如何でしたか?
小猫の問題は原作より複雑になります(黒歌がいますし。)
次回もお楽しみに!


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第二十五話

サイオラーグが登場します。


明久side

 

「..........何してるんですか姉様?」

..........え?

僕は小猫ちゃんの言葉を聴いて黒歌さんと小猫ちゃんを交互に見つめる。

......うん。

 

 

「似てなさすぎない?」

「それは言わない約束にゃ。」

だって似てなさすぎだもん。顔とか背丈とか髪の色とか胸が......へぶし!?

 

 

「..........いやらしい事を想像しないでください。」

......はい。

 

『すまん。妾の司る罪の影響で発情したらしい。すぐに戻るので安心するのじゃ。』

「発情って......」

「フィーア様はアスモディウス......『淫欲』を司る悪魔だから発情はしても仕方ないわね。」

「え?何でですか?」

「うん......『白音』と私は『猫又』だからね。猫と同じだから発情期もあるんだにゃ。

白音はまだ未成熟だけどね。」

???白音って誰?

 

「..........その名前は捨てました。姉様の尻拭いをされて、リアス先輩に拾われてリアス先輩の戦車になった時に。

今の私は『塔城小猫』です。」

そう言って小猫ちゃんはふいっと去っていった。

小猫ちゃんが去っていくと黒歌さんは僕の上から退きながら「......まだ......許してくれないんだね。」と言って寂しそうな顔で立ち去っていった。

 

「......リアス先輩、話してくれませんか?黒歌さんと小猫ちゃんの間に何が起こったのかを。」

「俺からもお願いします部長。」

僕と一誠は同時にリアス先輩に頭を下げた。

リアス先輩は戸惑う様な顔をしたけどすぐに決意したように笑う。

 

 

「そうね......夕食を食べたら私の部屋に来なさい。話をするわ。」

そう言ったので僕らはリアス先輩の家(城)に帰った。

 

..........因みに木下君が疲れていても夢心地の顔をしていて九楊さんの顔が艶々していたのは気にしない事にした。

それから坂本君はうなされていたのに何故かげっそりしていてのも気にしない事にした。

 

 

「いや、気にしろよ!」(by望まずに結婚を約束された男(坂本雄二)

 

...................

フィーアside

 

「..........」

妾......『フィーア・アスモディウス』は城の上で月を見ながら明久と赤龍帝がグレモリーから聴いた話について考えていた。

因みに明久達は風呂で話していたグレモリー達の話題を聴いて鼻血を吹き出して気絶した土屋の看病をしておる。

..........何故輸血パックを常備しているのじゃあのむっつりスケベは?

 

 

「何、悩んでんだよフィーア?」

声に振り向くとそこには妾と同じ魔王であった『シン・ベルゼブブ』がいたのじゃ。

 

「うむ......塔城......いや、白音が何故姉を毛嫌いするかの理由について考えていての。」

「ああ、あれか。」

妾達が話しているのは夕食の後で明久達がグレモリーから聴いた塔城がどうやってグレモリーの眷属になったかの話じゃ。

何でも塔城......白音と姉の黒歌は別の悪魔の眷属だったらしいが黒歌が仙術の使いすぎで暴走。

そのまま主を殺し逃走したためにその尻拭いとして白音は捕らえられそのまま処刑されそうになったのをグレモリーが止めて『塔城小猫』と名を改めて眷属にしたらしいんじゃが......何やら腑に落ちぬ所がある。

 

 

「俺も腑に落ちないんだよ。あんだけ『自由奔放』って言葉が似合う奴がそう簡単に仙術の副作用って言える悪意に飲み込まれて暴走させると思うかか?」

「うむ。妾もそう思うのじゃ。」

どうやらシンも同じことを考えていたらしいの。

 

 

「つまりじゃ......考えられる可能性は一つ。」

「黒歌と白音の主が実は悪い奴で白音に何かしようとしたんだけど......」

「それを知った黒歌に殺害されて真相を知らせる前に逃げるはめになったんだろうな。」

妾達は真相を(恐らく)突いているであろう仮説をたてるが結局は仮説でしかないので決め手無いのじゃ。

 

「直接本人に口を割らせれば良いんじゃが......」

「あの様子じゃなあ......」

妾達は溜め息を吐きながら追求をのらりくらりとかわす黒歌を想像したのじゃった。

 

 

「む......?」

「どうしたんだフィーア?」

これは......木下と九尾の狐か?ほうほう......これはこれは、夕食の時に木下と狐の様子がおかしかったわけじゃな。

 

「若いっていいのう......」

「うっわ、良い笑顔......」

妾はこういう男と女の激しい愛は大好物じゃ。(笑)

 

....................

明久side

 

「木下君、目の下の隈はどうしたの?」

「気にしないでほしいのじゃ。......それから明久もじゃぞ。」

僕は昨日の夜から一誠と『どうすれば小猫ちゃんと黒歌さんが仲良く出来るか』を夜遅くまで話し合っていた為にかなり疲労している。

 

「それにしても......リアス先輩って人気者なんですね。」

「貴方も尊敬と畏怖の眼差しで見られてたわよ明久。」

......何で?

 

「初代魔王を全員召喚したからだろうが。」

それもそうか。

 

「久し振りだな、リアス。」

通路を進んでいくとそこには筋骨粒々とした黒髪短髪の人がいた。

 

「サイオラーグ!」

リアス先輩がサイオラーグさんと握手をかわす。

 

「ええ、懐かしいわね。変わりないようで何よりよ。」

『......極端に少ないが魔力の質からして......七十二柱の悪魔の一柱目『バアル家』の者か。』

 

「ほう......君か初代魔王の神器を持っているのは。俺は『サイオラーグ・バアル』。

バアル家の次期当主だ。」

「彼は私の従兄弟でもあるのよ。」

あ~~~~~どうりでサーゼクスさんと似てると思った。

 

 

 

「所でこんな通路で何をしてたの?」

「下らないから出てきた。」

下らないって......

 

「......下らない?他のメンバーも来てるの?」

「ああ、ハルファス、『アガレス』、『アスタロト』兄弟は既に来ている。

あげく『ゼファードル』もだ。

だがゼファードルがアスタロトの弟の眷属に絡んで.....」

 

ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

 

轟音とともに不良チックな男が黒焦げになって壁に叩きつけられた。

 

「..........え?」

 

「ふははははは!見たか!これが我らが主『ラウナ・アスタロト』の槍にして焔!そして我らが友!」

僕が呆然としていると灰色の髪の女の子の笑い声が響く。

 

「人呼んで『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』!」

同時に水色の髪の女の子が恥ずかしい呼び名を言う。

そしてそこには昨日僕の胸が熱くなった女性と......

 

「い、幾らなんでもやり過ぎだよシュテル!」

「......申し訳ありませんでした。」

茶髪の女の子を叱る僕の生涯の好敵手(ライバル)ラウナ・アスタロトがいた。




如何でしたか?
次回は明久がえらいことに......
次回もお楽しみに!


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第二十六話

遅れましたが投稿です。


明久side

 

 

「くくく......アスタロトの弟の眷属は中々に豪快な性格らしいな......」

「笑い事じゃ無いですよサイオラーグさん!下手をすれば大問題ですよ!?」

しかも黒焦げになった相手はピクリとも......

 

 

「邪魔だ退いてろ。」

今度は黒焦げになった男の人を担いだ黒髪の人が黒焦げになった人を蹴り飛ばした。

 

 

「『ウルキオラ』さん!?蹴っちゃダメだよ蹴っちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ラウナ君の悲鳴が聴こえるけど取り敢えず僕らは会場に入る。

 

 

 

「ううううう......どうして僕の眷属はリィンとアスナとサチ以外はこんなに自由奔放なんだろ......」

「あ、主!しっかりしてください!それからウルキオラ!何故『ライナ』が黒焦げになっているんだ!?」

「......本来眷属が全員いなければならないのを一人だけ昼寝を決め込んで寝ていたからだ。」

「それはライナが悪いな。」

「リィン!?お願いだから即答をしないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

......ラウナ君は苦労してるんだね。

 

 

その後、修復作業も終わりテーブルが用意される。

僕は人間なので隅っこで大人しくしてよう。

因みに会場で匙君とソーナ会長に会ったから挨拶したら......何故かソーナ会長が元気が無くて匙君に至っては僕に敵意を向けてきた。

何故だろう?

 

「..........匙に聞いた話だがお前の家にセラフォルーさんが住んでからソーナ会長がお前を気にしているからだそうだ。」

「え!?何で!?」

「(お前に落ちかけてんだよボケ久!)」

「(相も変わらず鈍感じゃのう......)」

「(............明久君がどんどん離れていっちゃいます。)」

 

 

「私は『シーグヴァイラ・アガレス』。大公アガレス家の次期当主です。」

「み、ミーナ・ハルファスでしゅ......。ハルファス家の次期当主です。」

「俺はサイオラーグ・バアル。大王バアル家の次期当主だ。」

「私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です。」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です。」

自己紹介した全員が既に当主として最適だと思うのは立ち振舞いを見ているからだろう。

 

 

「僕は『ディオドラ・アスタロト』。アスタロト家の次期当主です。」

「......ラウナ・アスタロトです。ディオドラ兄さんの補佐です。」

......?何故かディオドラとラウナ君の間の空気が悪いような......?

 

「(む、不味いですね。)」

「(レヴィ!)」

「(了かーい!)おーい!『吉之明宏』!僕と遊ぼーよ!」

「僕は『吉井明久』だからね!?てか吉之明宏って誰!?」

「明宏?」

「明久!」

何て物覚えの悪い子なんだ!

 

 

『..........?この女は何者じゃ?魔力が体の中央にまるで心臓のように集まっておる......いや、あの黒焦げの男を担いできた男に至っては魂魄がそのまま歩いているかのような......』

どうにもフィーアには思う所があるらしい。

 

 

『皆様、大変長らくお待ちいただきました。

皆様がお待ちでございます。』

僕らが通されたのは異様な場所だった。高い場所にはグレモリー卿やサーゼクスさんが座っていた。

 

 

『..........ふん。今代の魔王以外は上級悪魔で我等と対等に戦えそうなのはグレモリー卿とハルファス卿とシトリー卿......それからフェニックス卿位か。』

『他は地位にふんぞり返ってるだけだなこりゃ。』

うん、ルルーシュ達の強さを知っている僕からすれば弱いなこりゃ。

 

 

「良く集まってくれた。

次世代を担う貴殿らに集まって貰ったのは貴殿らの顔を改めて確認するためだ。

これは一定周期毎に行う若き悪魔を見定める会合でもある。」

『さっそくやってくれたようだが......』

そしてラウナ君に対して怒る失笑の嵐に僕は少し苛立ち始めた。

 

 

その後でサイオラーグさんが勇ましく禍の団(アリアさんがオーフィスを匿ったところ。)の討伐に駆り出されるのかサーゼクスさんに聴いたりサーゼクスさんがそれを理路整然とした口調で言いくるめたりサイオラーグさんとリアス先輩の目標を聴いてらしいなと思ったりしたけど......その後にぶちきれた。

 

 

「私の夢は冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です。」

それはソーナ会長の目標の話だった。

その言葉にサーゼクスさんとセラフォルーさん、そして二人の同僚(つまり魔王)と思われる五人以外は眉を潜める。

 

『レーティングゲームを学ぶところなら既にある筈だが?』

「それは上級悪魔や一部の特権悪魔しか通えない学校です。

私が目指しているのは下級悪魔、転生悪魔が分け隔てなく通える学校です。」

ソーナ会長......

 

 

『『『ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!』』』

次の瞬間起こった笑いの渦に血管がぶちきれそうになる。

 

『それは無理だ!』

『これは傑作だな!』

『なるほど夢見る乙女と言うわけですな?』

!?こいつら..........!

 

 

「..........何で?僕達の王様みたいにどっかの『色情魔(ちちおや)』が下級悪魔に孕ませた子が僕達っていう優秀な眷属もってるじゃん?

別に良いんじゃない?許可しても?」

水色の髪の女の子......『レヴィ・ラッセル』の言葉が場を凍らせた。

 

 

「ふん。確かにな。どっかの『(ディオドラ)』の様に女の気持ちも弄ばんしな。」

今度は灰色の髪の女の子『ディアーチェ・クローディア』がそう言う。

 

 

『っ!穢れた血の悪魔の眷属風情が......』

ブチン!

うん......堪忍袋の尾が切れた。

 

 

「いい加減にしやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

僕の怒声に全員が愕然とする。

 

 

「さっきから黙って聞いてりゃ人の夢を馬鹿にしたり人を穢れた悪魔呼ばわりしたりしやがって......!

それ以上言うなら僕と大罪の英霊の全魔王が相手になってやるからかかってこい!」

僕が大罪の英霊の禁手を発動させると......既に臨戦態勢のルルーシュ達が出てくる。

 

 

『ひ!?』

「ふん......この程度で萎縮するような雑魚が良く人の夢をこけに出来たものじゃな。」

「さっさと潰......」

ルルーシュ達が物騒な事を言い始めた時に......

 

 

「そこまでですよ大爺様。」

「!?おいおい......『エド』の子孫かよ......」

「あ、あの......杖をお納め下さい大婆様。」

「む......お主は......『レミナ』の孫か。」

「け、権力はありませんけど......」

恐らくザンとフィーアの家系の人間が二人を止める。

 

 

「......そこまでだ。吉井君と初代の魔王達には私やグレイフィアでなければこの場に要るもの達は束にならなければ敵わないだろうね。」

サーゼクスさんの言葉で僕らは戦闘体制を解除する。

 

「そこでだ。我等は我等の英雄とも言うべき初代の魔王達とその主である吉井君を特例で王にしようと思うのだろうが......どうだろうか?」

............え?

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

僕の驚きが会場中に響き渡った。




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第二十七話

遅れながら投稿です。


明久side

 

 

僕が特例で王......つまり上級悪魔に任命された事に場は少しの間静まり返り......そして大騒動になった。

 

 

 

『さ、サーゼクス様!冗談が過ぎますぞ!』

『その通りだ!人間が駒を経ずにいきなり上級悪魔になるなど......』

「では貴方達が進めていた私の妹や吉井君の友人を盾にする事による強制的な転生についてはどうですか?

明らかに吉井君の思いを無視しているだろうに!」

..........そんな外道な事が進行していたんですか!?

 

 

「ほほう......貴様らは余程妾達を怒らせたいようじゃな......?」

怖い......怖いよフィーア......

 

 

 

「さてと......吉井君。この提案を受け入れてくれるかな?」

フィーア達の殺気に大半の悪魔達が黙らされたのをみてサーゼクスさんは僕に微笑みながら答えを促す。

 

 

「えっと......」

僕は回りを見渡してみる。

 

リアス先輩は苦笑いをしながら微笑んでいる。

朱乃従姉(ねえ)さんはにこにこと笑っている。

一誠は呆然としているけどすぐに僕に親指を立てる。

木場君は冷静だけど若干驚いているように見える。

アーシアとギャスパーは素直に喜んでいる。

小猫ちゃんはいつも通りだ。

 

「僕は......」

ルルーシュ達やアザゼル先生はにやにや笑っているし、ソーナ会長達も驚いているけど歓迎しているように見える。

 

 

坂本君達は諦めたように溜め息を吐いている。

 

 

「僕は......慎んでお受けしようと思います。」

「そうか。それは良かった。」

こうして僕は......『眷属を経ずに上級悪魔になった人間』として悪魔界で伝説になった。

 

 

......................

雄二side

 

 

「何てこった......」

俺達文月学園組はリアス先輩の家(城)に戻った後で頭を抱えていた。

 

 

「まさか明久が悪魔になってしまうとはのう......」

「どうすれば良いんでしょうか......?」

「..........明久は一度決めた事は頑として変えない性格だから無理矢理意見を変えることも出来ない。」

「その前にオカルト研究部がいるから先ず無理矢理変えるのは無理じゃないかしら......」

「あはははは......これは八方塞がりだね......」

俺達は対策を練ろうとするんだが......駄目だ。何も浮かばねえ......

 

 

「くそ!こうなりゃ一旦風呂に入るぞ!」

俺は一旦解散を宣言し風呂に向かった。

 

 

..........これが大騒動の切っ掛けになるとも知らずにな!

序でにこの時「島田まで人外になるんじゃ無いだろうな......?」と思っていたんだがこれは見事に現実になった。

 

 

....................

明久side

 

唐突だけど僕と一誠は只今人生最大の危機に立たされていた。

何故なら......

 

 

「..........ミーナって意外と着痩せするタイプ何だね。」

「ひゃわあ!?ど、何処触ってるんですか小猫ちゃん!」

「......私もアーシアやイリナのような果実をつけたいものだ。」

「ゼノヴィア、見ていてもお裾分けは出来ないわよ?」

僕らの目の前で卑猥な会話が繰り広げられていることからわかるように僕と一誠は女子風呂に入る。

原因は......アザゼル先生が術で男子風呂の更衣室と女子風呂を繋げたからだ。

 

 

「(一誠!此処からどうやって逃げよう!?)」

「(馬鹿か!?こんな楽園(エデン)から逃げるわけねえだろ!)」

「(何馬鹿なことをを言っているのさ!?早く逃げなきゃ僕らは揃って失血死しちゃうよ!?)」

事実僕の鼻は決壊寸前だし一誠に至っては少し鼻血が出ている。

 

 

ガラガラ

..........え?

 

「ん?誰か既に入っ......て......?」

坂本君......君の事は忘れないよ。

 

 

「き、」

「..........我が人生に一片の悔いなし!」

ブシャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

 

「キャアァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 

 

「つ、土屋君んんんんん!?」

「し、師匠!?大丈夫ですか!?」

あ......

 

「よ、吉井さん......」

「あらあら......そんなに私達の裸を見たいなら直接言えば良かったのでは?」

「ね、従姉さん!?そんなことを言ったら更に......ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?既に手遅れ!」

もうこれ致死量を越えてるんじゃないの!?

 

 

「こ、これは一体何事じゃ!?何故更衣室が女子風呂に繋がっとるのじゃ!?」

「木下君!入ってきちゃ......」

「..........感無量......!」

更に悪化したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

 

「くそ!秀吉!AEDと輸血パックを持ってこい!ムッツリーニの鞄に入っているはずだ!

明久!人工呼吸!女子は全員風呂から出ろ!」

「「「「り、了解!」」」」

こうして坂本君の活躍で土屋君は一命をとり止めた。

 

尚、この数分後にアザゼル先生はグレイフィアさんに石抱きの刑にされた。

 

 

そして......一誠達は約三週間後に行われるソーナ会長とのレーティングゲームの為に特訓を開始し僕は眷属を集めることにした。

 

因みに......ソーナ会長が顔を赤らめながら感謝された時に匙君の顔が凄い怖かった。




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第二十八話

遅ればせながら投稿です。


明久side

 

 

『で、アキは悪魔になったわけ?』

「うん。因みに眷属の一人目はレイヴェルだった。」

『ああ、あの子なの。(アキの事を好きっぽいしね。向こうにとっては渡りに船ね。)』

僕は美波と電話で話していた。

因みに一誠達は蒼那会長とのレーティングゲームに備えて特訓をしているから城には木場君(美波は何故か『祐......木場』って言ってたけど)と話せなくて残念そうだった。

 

 

 

『ところで兵藤の訓練だけど......正直同情するわね。』

「同感だよ。」

何せドライグ、アルビオンに次ぐ力を持つドラゴン『魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)』タンニーンさんの下でタンニーンさんの吐く炎に追いかけ回されているんだから。(しかも山の中で)

 

 

『あ、ウチはミカエルさんに『転生天使にならないか?』って誘われてるわ。』

「転生天使......?」

『うん。トランプを使って転生するみたいよ。』

つまりそのトランプは悪魔の駒みたいなものか。

 

 

「ふ~~~~~ん......美波はどうするの?」

『一応、なろうかなって思ってる。折角の誘いだしね。』

......最近美波は木場君と仲が良いみたいだし......天使と悪魔のカップルか。

 

 

「あ、意外と絵になる。」

『何を想像したのよあんたは......』

美波はスレンダーな美少女だし木場君は普通に美男子だ。

 

 

「あ、ううん。此方の話。じゃあね。」

『ん。じゃあまたね。』

そう言って美波との電話は切れた。

 

 

「......眷属、早めに集めようかな。」

あれ以来僕を目の敵にしている悪魔も多いって聞くし.....それにラウナ君とレーティングゲームで戦う約束をしちゃったしね。

 

 

....................

 

只今僕は鼻歌を歌っているレイヴェルと一緒に歩いていた。

 

 

何故こうなったかと言うとライザーとのレーティングゲームで無茶をした罰に朱乃従姉さんに何でも言うことを一回だけ聞くって約束をしたんだけど......何故かそれが今になってレイヴェルと一緒に出かけるという命令になった。

 

 

てか従姉さん今更すぎだよ......

 

 

「レイヴェル、ご機嫌だね?」

「ええ!今まで私が明久と出掛けようとしたら明久が他にも人を呼ぶものですから......」

う......それを出されると辛い......

 

何せ今まで坂本君を連れてきて『馬鹿か』と言われたり木下君と九楊さん、木下さんと一緒に出掛けた時は三人に呆れられたり一誠達と一緒に出掛けた時は全員(特にリアス先輩と朱乃従姉さん)に白い目で見られたりとかしたからな~~~~~

 

「し、しかも最近はセラフォルー様やハルファスさんも家に来る始末ですし......正直姫島先輩には感謝していますわ。」

「あはは......すいませんでした。」

ぷくりと可愛らしく頬を膨らませたレイヴェルに僕は素直に謝る。

 

 

..........そう言えば少しわからないことがある。

 

 

「あのさ......」

「な、何ですの?」

「何で僕の眷属になってくれたの?」

僕がわからないこと。それはレイヴェルが僕の眷属になってくれた理由が全然わからないことなんだ。

 

 

「その事ですの?それは......その......あ、貴方の事が......」

「僕の事が......? !?危ないレイヴェル!」

僕はレイヴェルを抱えて横っ飛びに飛ぶ。

そして......数分前まで僕らがいた場所はどっかで見た男の子と紫色の髪で顔を隠した女の子が振るった剣で大きく抉れていた。

 

 

「!?君は......」

「ははははは!オリ主ってのはヒロインが忘れた頃に帰ってくるんだ!」

......ああ、うん。神谷君だ。

 

 

「そうだねつー事で死んでよ。」

女の子はそう言うと神谷君のお腹に刀を突き立てた。

 

 

「な......!?」

「あ......?何......で...だ?俺......は......」

「あっははは!バカじゃないの?此処はあんたみたいな勘違い達の知ってる『ハイスクールD×D』の世界じゃ無い。

吉井明久と兵藤一誠のダブルヒーローの二次創作の世界よ。

あんたみたいな踏み台転生者の代表が主人公になれるわけないじゃない。」

そう言って女の子は刀を横凪に振るい神谷君を両断した。

 

「......ふん、投影に『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』......しかも訓練してないから『衛宮士郎』の劣化品になってるじゃない。

良くこれでオリ主を名乗れるわね。真にオリ主になりたいなら......」

女の子は手にエクスカリバーを作り出すとそれを振るってきた。

 

 

「な......禁手!」

僕が咄嗟に禁手を発動するのと......エクスカリバーの光の斬撃が炸裂するのが同時だった。

 

 

....................

第三者side

 

「これくらいは出来なきゃね。まあ......吉井君は死んじゃったかもしれないけどそれはそれで私の目指しているダーク系二次創作に近付くから......!?」

少女『神闇紫音』は笑いながら立ち去ろうとして......煙の向こうから飛んできた魔力を伴った水の槍を振り向き様に弾き飛ばした。

 

 

「ち、禁手の一つ『英霊混合(クロスサーヴァント)』かな?」

「正解だよ。」

煙の中から出てきたのはレイヴェルの前に立ち更に柄に宝玉の埋め込まれた槍を持つ明久であった。

 

 

「槍の様子からすると淫欲の魔術師と悲哀の槍兵を混合させたもの......確か『悲欲の魔槍兵(レヴィディウスランスター)』だったかな?」

「っ......それも正解。」

明久は苦虫を噛み潰した顔になると槍を構え......紫音は逃げ出した。

 

 

「な......!?逃げるな!」

「禁手を使った君と真正面から戦うほど私は愚かじゃ無いよ!それから私の名前は神闇紫音!君達に滅びを与えるものさ!」

紫音は転移の魔術を使うとその場から消えた。

明久は溜め息を吐きながら前途多難だなぁ......と考えていた。

 




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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閑話3

ちょっと短いです。
ついでに奏と紫音の因縁もわかります。


奏side

 

 

「神闇紫音が!?」

私は心ない悪魔に誘拐(される可能性は限り無く低いですが......)されないように吉井君を見張っていた風紀委員の報告を受けて思わず叫んでしまった。

 

 

 

『は、はい。神の五人の内の神谷刃は死にました、と言うか神闇紫音に殺されました神闇紫音は逃走。禍の団に帰還したようです。』

「っ......!」

私はその報告にいますぐ禍の団に殴り込みをかけてやろうかと思いましたがすぐに冷静になり今後の対策を練るために風紀委員の人達と合流することにしました。

 

 

「神原闇夜、貴女とは殺しあう因縁があるみたいね。」

私は響達を守るために、そして世界の未来を切り開く為に断ち切った筈の因縁に苦笑しながら城を出て合流地点に走っていった。

 

 

..........

紫音side

 

 

「へえ......へえへえへえ!あいつもこの世界に転生してんだ!私のダーク系二次創作計画を躓かせる原因になった女がさ!」

私『神闇紫音』はどっかの世界で『奪い取った』能力で雨崎奏......いや、『宮代楓』が私に対して

対策会議を開いているのを見て狂喜乱舞していた。

 

 

前世......と言うか最初の世界での私は平凡な一家に産まれてそのまま成長した。

 

 

そして高校生になった段階で私は他の人間とは思考が違うことがわかった。

 

感動的な話がまるで理解できなくてその登場人物が苦しむような話をたくさん書いた。

いやあ、凄く気味悪がられたものだよ。

なんせ私が書いたものは全部が全部私だけが楽をして後は全員が苦しむんだから。

 

 

 

お陰さまで小学生の頃から村八分されていた理由がわかって逆にせいせいしたよ。

同時に僕はダーク系二次創作にはまり二次創作サイトでどす黒いダーク系二次創作を書いていたらあら不思議、あっちゃこっちゃからアカウントを消されて私は怒り狂ったものだよ。

 

 

そして......私は死んだ。私を不気味だと思った『両親』に殺されて死んだんだ。

 

 

だけど私は自称邪神に会って取引を持ち掛けられた。

 

 

『退屈なテンプレ転生をして世界をダーク系二次創作の世界にしないかい?』ってね。

私は一も二もなく即答した「やろうじゃない!」とね。

 

 

私は手始めに『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生してダーク系に染め上げた後で登場人物の一人一人にたっぷりと絶望を味あわせながら殺したわ。

ええ、もう最高だったわ!今までの鬱憤が嘘みたいに晴れていって逆に爽快だったのよ!

 

 

私は邪神に頼んで他にも転生者を呼び込んで戦ったりもしたわ、でも私を誰も倒せない。

そりゃそうよ。私は倒した相手の能力を奪うんですものテンプレ構成の雑魚じゃ勝てるわけないじゃない。

 

 

だけど......私が一番大嫌いな世界『戦姫絶唱シンフォギア』の世界で私の計画に齟齬が生じ始めたのよ。

 

 

手始めに主人公の回りから余計な人をいなくしてやろうとノイズを操って立花響の友人の家に業と突入させてそいつの家族を皆殺しにしてやったわ。

それが宮代楓だったのよ。

 

そいつは程よいダーク系の登場人物になって私が埋め込んだシンフォギアや立花響の友人っていう立場を使って立花響の精神に大打撃を与えたわ。

思わず私は宮代楓も転生させてやろうと思ったもの。

 

 

だけど......結局破れて私が両親を殺した雪音クリスや立花響達と共に協力して感動的な話を作り出した......と言うか原作よりも良いエンディングになってしまったのよ。

 

 

って言うか何よあれ!一度絶交した友達に手を差し出して名前を言い合うって馬鹿じゃないの!?

私が望んだのはもっとどす黒い世界なのよ!

 

 

しかも、私が本格的に動き出した『戦姫絶唱シンフォギアG』では月読調を殺そうとした時には横から割り込んできたり、小日向未来を殺そうとした時には私に手傷を負わせたのよ!

 

 

更に......更に屈辱的な事にあのアバズレは私のチート全てを見切って私を殺したのよ!

その時の台詞は覚えているわ!自分の命を全部使って放つ技だって言うのにあいつは......『響、クリス、未来、翼さん、皆、聴いて。これがこいつの絶望()を消し去る私の希望()!』なんてほざいたのよ!?

あの腐れ偽善者が!

 

 

そしてそこからは転げ落ちるようだった。

どんな世界に転生しても私に立ち向かうオリキャラが現れて最終的に原作キャラとそのオリキャラに私は打ち倒されてハッピーエンドになったのよ。

 

 

私は苛立ちながらこの世界にやって来たんだけど......漸くこいつに絶望を味あわせられるみたいね......!

 

 

「待ってなさい。必ず死にたいと思わせるほどの絶望を味あわせてあげるわ......!」

私はけたけた笑いながら映像を眺めていた。




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第二十九話

ちょっと飛びます。
そして新章への最終段階に入ります。


明久side

 

 

神闇紫音の襲撃から三週間後………つまりリアス部長とソーナ会長がそれぞれの眷属を率いて戦う日なんだけど………変わった事が幾つかある。

 

 

先ず小猫ちゃんと黒歌さんが少しだけど和解したこと。

これは僕にも関わりがあることだけど………小猫ちゃんが修行していた場所に神闇紫音が襲ってきて小猫ちゃんを殺そうとした時に黒歌さんがそれを庇ったんだ。

だから小猫ちゃんはほんの少しだけどお姉さんに対して警戒を解いたわけ。

 

 

 

 

次に僕の女王ともう一人の僧侶、そして(一人は暫定だけど)騎士が決まったことだ。

女王は駒王学園の風紀委員長である雨宮奏さんだ。

雨宮さんは僕が神闇紫音に襲われたと聴いてすぐに眷属になることを承諾した。

雨宮さん曰く『大切な人が傷付くのをもう見たくない』からだそうだ。

もう一人の僧侶は、ちょっとした紆余曲折があってアーサーの妹であるルフェイ・ペンドラゴンさんがなった。

で、騎士の内の一人は………アーシアのお姉さんのアリア・アルジェントさんだ。

アリアさんは天使の方が良いんじゃないかと思ったんだけど………アリアさんは僕の脚が小鹿のように震えるほどの笑顔で『アーシアに邪な視線を向けていた変た………ディオドラ・アスタロトを合法的に(主に顔と男の大事な部分を)ぼこぼこに出来るからだ』と言って自分から志願してきた。

因みにその時の男性陣は殆ど(ヴァーリ、アーサー、アザゼル先生を除く)が内股になった。

二人目は暫定だけどアーサー王の末裔であるアーサー・ペンドラゴンだ。

 

 

 

そして三つ目それは………

 

 

「お馬鹿なお兄ちゃん!そろそろ赤髪のお姉ちゃん達の戦いが始まるみたいです!」

僕を知る女の子が来たことだ。

この子の名前は『島田葉月』ちゃん。

名字からわかるように美波の妹だ。

 

此方に連れてきてくれたラウナ君とリィンフォースさん(リィンフォースさんの名前は連れてきてくれた時に聞いた物凄いドキドキしたことは内緒だ)曰く『ライナ・リュート』さん(ラウナ君の僧侶の二人目)の知り合いの剣士さんと槍(?)使いさんと一緒にいたらしい。

因みに葉月ちゃん曰く記憶を失う前の僕は将来のお婿さんらしくキスまでしたらしい。

それを聴かれた瞬間小猫ちゃんに「ロリコン先輩。」と無表情で言われて落ち込んだのは記憶に新しい。

 

 

と、それは置いといて。

いよいよソーナ会長とリアス部長のレーティングゲームが始まる。

悪魔の後輩として、後輩の王としてしっかり目に焼き付けておかないと。

 

 

 

………………

 

 

「一誠………『乳語翻訳(パイリンガル)』って………」

「相変わらずあいつの原動力はエロか………」

「と、言うかあやつが仲間の為以外に進化しそうな原動力はエロだけじゃ。」

「へ、変態だわ!」

「…………兵藤君。」

「兵藤君………卑猥です。」

「???」

僕らは洋服崩壊の他に一誠が身につけた変態技(姫路さんは葉月ちゃんの耳を僕は葉月ちゃんの目を塞ぎながら)に呆れていた。

 

 

おっぱいから知りたいことを聴くって………何処までおっぱい馬鹿なの………一誠。

でも同時に匙君がトリッキーな神器の使い方を見せ、更に小猫ちゃんが今まで封印していた仙術を使って相手を倒した事に驚いた。

 

 

 

「僕も負けないように大罪の英霊を極めないと………」

「如何、既に悪魔の方向になってるのじゃ。」

「今の明久を見たら天城が驚きそうだな………」

「そう言えば何時になったら帰れるんでしょうか?」

「ん?あの~~~~姫島先輩が何か一対翼生やしたんだけど………」

「へ?あれって堕天使の翼じゃない!?」

「わ~~~~~綺麗な羽です~~~~~!」

え………!?僕が慌てて見直すとそこには堕天使の翼と悪魔の翼、両方を羽ばたかせる朱乃従姉さんが雷光で一瞬でソーナ会長の眷属達をを吹き飛ばすところだった。

 

 

………………

 

 

あの後、ソーナ会長が倒された為にレーティングゲームはリアス部長の勝ちとなった。

僕はソーナ会長を慰めようと会場を歩き回っていたんだけど………迷った。

 

 

 

「此処何処だろ?」

僕は適当に歩きながら周囲を見渡し………とんでもない光景が目に入った。

 

 

 

「全く………兄に逆らうなんて。馬鹿な弟だね?」

「ぐ………ううう………」

そこにはボロボロのラウナ君の頭を足で踏むディオドラ・アスタロトがいた。

 

 

「もう、良いじゃないか……兄さんは……色んな聖女を堕落させたじゃないか………何、で……他の悪魔の眷属になった人まで……手を出すんだよ………」

「ふん………君は馬鹿かい?そんなの………アーシアを堕落させそこねたからに決まっているだろう?」

…………え?

 

 

「全く、僕の計画では僕を助けたアーシアが聖女から魔女にされて教会を放り出された所を僕が拾おうとしていたのに……まさか君がアーシアと堕天使を会わせて日本に逃がしたなんて知らなかったよ。

この薄汚い穢れた血が。」

「ぐう………!?」

………僕の中で何かが切れそうなのを必死に抑え込んでいた。

つまり………だ。ディオドラはラウナ君をバカにしていてそしてアーシアが教会から追放される切っ掛けを作ったと。

だけどラウナ君はアーシアとレイナーレを会わせて日本に逃してアーシアとレイナーレが僕らに会う切っ掛けを作ったと………

そして今、それがばれてぼこぼこにされていると………そういうわけか。

 

 

「………ディオドラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ん………ぐはあ!?」

だから僕はディオドラの下衆野郎をぶっ飛ばした。

 

 

「吉…井さん………?」

「ラウナ君大丈夫!?」

僕は魔王君臨でフィーアを呼び出すと口から血を出す下衆野郎(ディオドラ)に向き直る。(何故だかマッシュルームヘアーの女装姿の変態が脳内に出てきてそれを慌てて消したのは内緒だ。)

 

 

 

「き、貴様ぁ………」

「アーシアは………僕らの仲間はお前みたいな外道には渡さない!」

だからと僕は一息吐いて………

 

 

「僕は………お前を僕がお前に挑むレーティングゲームで叩き潰す!!!!!」

そうディオドラの前で宣言した………




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第三十話

冥界合宿のヘルキャット……此にて閉幕!

そして驚きの展開が………!


明久side

 

 

「何をやってるのかしら貴方は?」

「何をやってるんですの明久?」

「いや、ほんますんませんでした。」

現在僕はリアス部長と朱乃従姉さんに土下座中でした。

え?前回の格好よさはどうしたんだって?

…………君達は後ろに般若のいる従姉と怒りの四つ角を浮かべた部長に逆らえるかい?

 

 

「全く………アスタロト家の長男の顔を殴り飛ばした挙げ句レーティングゲームを挑むなんて前代未聞よ?」

「最も…………ディオドラ・アスタロトのしていた事を聴けば殴り飛ばすのも当然でしょうけどね。」

「それもそうね。」

「あ、そこは理解してくれるんですね。」

「ええ。当然よ。」

それにとリアス部長は付け加えて………

 

 

「貴方が挑まなかったら私が挑んでいたわ。」

「ですよね~~~~~」

眷属を慈しむ事で有名な悪魔が自分の眷属を狙う下衆野郎に怒りを抱かないはずが無い。

 

 

 

「あ、この話はアーシアには内密にお願いします。」

「もとよりそのつもりよ。」

「ええ、イッセー君と………アリアさんには話しても良いですわ。」

……………僕は生きて帰れるだろうか?

 

 

………………

 

「ほほう?アーシアはそのくそったれな下衆野郎が原因で教会を追い出された訳か。」

「はい、その通りですアリア閣下。」

「情けねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

ふっ、情けないだって?一誠、僕は生きるためにはプライドだって捨てるよ。

 

 

 

「だからって眷属に正座して『閣下』は無いと思うよ?」

「え?じゃあ、アリア『様』の方が良いかな?」

「それも無いと思うんだ………」

って………あれ?

 

 

「木場君!?」

「あはは……偶々吉井君達が話しているのを目にしちゃってね。」

「ううう………この話はアーシアには内緒ね?」

「わかってるよ。」

僕が木場君にアーシアには下衆野郎の話を内緒にしてと言った後……

 

 

「お馬鹿なお兄ちゃん!銀髪の綺麗なお姉ちゃんが玄関に来てるです!」

「全力で直行だ!」

僕は猛スピードで玄関に疾走した。

 

 

 

 

「………………あいつに何があったんだ?」

「イッセー君、もしかして………」

「ああ、明久の奴……ラウナの女王に惚れたのか?」

「お兄ちゃんの馬鹿!」

そんな会話が聴こえたけど無視した。

 

 

…………………………

 

「り、リィンフォースさん!こんにちわ!?」

「あ、ああ………」

って、僕は何をしてるんだ?

 

 

「す、すいません。テンションが勝手に上がっちゃってました。」

「いや、良い。主ラウナから聴いているよ、ありがとう。君のお陰で主に更なる重荷を背負わせずに済んだ。」

「え?更なる重荷?」

「ああ、どうにもディオドラ・アスタロトは自身の眷属だけで勝とうとは微塵も思っていなかったらしい。

私達を予備戦力としてグレモリーとのレーティングゲームで使おうとしていたらしい。」

………何処まで外道なんだあの野郎。

 

 

「だがお前に殴られてキレたらしくてな穢れた血の弟……即ち主だな、の手を借りなくても勝つつもりらしい。」

ふう………キレてるのは此方の方だゲロ野郎。

 

 

「まあ、私からも少し頼まれて良いか?」

「喜んで!(この間僅か0・2秒)」

ゲロ野郎で怒ってる分リィンフォースさんの頼みを聴いてクールダウンしとかないとね。

リィンフォースさんは声のトーンを下げて………

 

「ディオドラ・アスタロトの眷属達を救ってくれ。」

こう言った。

 

 

「何で………あ!?」

僕はラウナ君の言葉を思い出した。

そうだ、あのゲロ野郎は色んな聖女と呼ばれる女の子達を堕として自分の眷属にしてるんだった。

アーシアも危うくそうなりそうだったんだっけ。

 

 

「ああ、私は彼女達が哀れでならないんだ。信じていたものには裏切られ、残されたのは何処までも続く無限獄だ。

だから……吉井、お前と兵藤なら彼女達に新たな道を示す事が出来ると思ってな。」

リィンフォースさんが笑いながら僕を見る。

ううう………物凄いドキドキするんですが………

 

 

「わかりました。………全力でディオド……世界のゴミをぶっ潰します。」

「最早人間としてすら見られて無いのか………」

当然です。あいつはライザーみたいな奴だと思ってたけど……ライザー以下のゴミ野郎だ。

 

 

「では、また会おう。」

「はい。」

リィンフォースさんは笑いながら手を振ると転移してそのまま帰っていった。

 

 

「さて………無事でいられると思うなよあのゴミ野郎……!」

ぶち殺す。

 

 

『『『『『『『同感だ(なのじゃ)。』』』』』』』

ルルーシュ達の同意を得られた所で特訓と行くか。

 

 

…………………………

 

あれから数日後、ついに僕らが地獄から帰る日が来た。

 

「ふ~~~~~驚きの連続だったぜ。」

「まあ、一番の驚きはアザゼル先生から疑似神器を貰えた事じゃの。」

そう、坂本君達は禍の団に狙われても大丈夫な様にとアザゼル先生作の疑似神器を貰っていたんだ。

詳細はまた今度ね。

 

 

「あ、あの~~~~~………」

「ん……?ラウナ君!」

僕はラウナ君に近寄りその手を握る。

 

 

「あ、あの吉井さん!?」

「無事でよかった!」

「何でですか………」

「え?だってあの宇宙一のゴミ野郎(ディオドラ・アスタロト)の家に居るからさ。」

「世界から宇宙一ですか………」

あれ?ラウナ君が呆れてる。

 

 

「あの………アーシアさん………居ます?」

「え?居るけど………アーシア!」

「あ、はい。何でしょうか?」

アーシアの登場にラウナ君は顔を赤らめながら……信じられない事を言った。

 

 

「僕は………あの………アーシアさんの事が好きです!結婚して下さい!」

…………はい?

 

 

ビシ!

そんな音と共にラウナ君の告白を聴いたアリアさんが氷像になった。

 

 

「え?え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

状況を飲み込めずに呆然としていたアーシアが顔を真っ赤にしてそう叫んだ。

 

 

これ今まで一番の危機なんじゃないのかな………?

僕はこれから巻き起こるであろう嵐に溜め息を吐きたくなって来た。




如何でしたか?
次回はアリア視点ですが……かなり大暴走します。
次回もお楽しみに!


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体育館裏のホーリー
第三十一話


アリアがこっから第六巻終わりまで大暴走します。
少し短めです。


アリアside

 

 

「う………む?」

私『アリア・アルジェント』は寝苦しさから目を覚ますと何故か結婚式場の中にいた。

 

 

 

「あ、アリアさん起きました?」

吉井が苦笑いしながら聞いてくる。

 

 

「吉井……誰と誰の結婚式が行われたんだ?」

「え?え~~~~~と……アーシアとラウナ君……ですけど?」

「ラウナ……ラウナ・アスタロトか!?」

まさか……あの下衆野郎の弟とアーシアは結婚したのか!?

 

 

「え!?もしかしてアリアさん、アーシアが結婚したショックでアスタロト家嫌いの頃に意識が逆行してませんか!?

レーティングゲームを通してラウナ君を認めてアーシアとラウナ君が結婚するのを認めたのはアリアさんでしょう!?」

何………だと?

 

 

「あ、お姉ちゃん!」

声に振り向くとそこにはウエディングドレスを身に纏った最愛の妹アーシアがラウナ・アスタロトと笑顔を浮かべて立っていた。

 

 

「あの……その……これから義理ですけど家族として……宜しくお願いします。」

プツン。

ああ……どうやら堪忍袋の尾が切れたらしい。

 

「み……」

「「み?」」

「アリアさん………はあ………」

 

 

…………………………

 

「アリアさん、起きてくださ……」

「認めんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

炎刃の咆(メタトロン)』!禁手!『王冠に集いし民の声(オーバー・ザ・ケテルエヘイエー)』ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

跳ね起きるとそこは見慣れた豪邸に改築された吉井の家の私の部屋だった。

………吉井が黒焦げになって壁にめり込んでいるがな。

 

 

 

「おはよう、吉井。」

「お、おはようございます、アリアさん。

禁手をぶっぱなすなんて一体どんな夢を見たんですか………?」

ふ、愚問だな吉井。

そして一応天使の焔の一撃なのによく耐えたな吉井。

 

 

「アーシアとあの下衆野郎の弟が結婚するという史上最低の悪夢だ。」

「ラウナ君はあの下衆野郎とは違うんだけどなあ………」

ふん、残念ながら私にとってはあの下衆野郎と同じ家だと言うだけで吐き気がするんだ。

 

 

 

 

「あ、そうそうまた一誠の家の玄関に下衆野郎からのプレゼントが………」

「コノヨカラケス。」

私は生命の翼を広げて兵藤の家の庭に降り立つ。

 

 

 

「凍てつけ!『水刃の咆(ザフキエル)』!禁手!『理解速き乙女の歌(ブリザードエロヒムビナー)』!

砕けて消えろ!『光盾の哮(ラファエル)』!禁手!『栄光告げし光の裁き(ジャッジメントホドエロヒム・ツァバオト)』ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ふう………下衆野郎のプレゼントは全て消え………ん?

 

 

「これは………ラウナ・アスタロトからか。」

ふん、あの下衆野郎のプレゼントとは違ってなんともこじんまりしたものだ………

 

 

「そしてアーシア………何故それを手に取っている?」

「あれ?お姉ちゃん早起きですね?」

「ああ、下……ディオドラからの荷物が多いからな、兵藤の家に入りきらなそうだから処分してたんだ。」

実際は略八つ当たりに近いがな。

 

 

「って、一番大事な事を聞き忘れてた。アーシア、何故ラウナ・アスタロトのプレゼントを持ってるんだ?」

「あ、はい。ラウナ君のは……その……贈り物が魔法で作った鳥だったりだから……開けてみたくて。」

「ほお………」

魔法で作った鳥なあ………アーシア、お前が嘘をつくときの癖は見抜いているぞ。

 

 

「本音は?」

「…………」

……………チンモクハコウテイ(プレゼントが満更でもない)トミナス。

 

 

「くくく………楽しみにしてろよアスタロト兄弟………!」

ピーをズキューンで叩き潰した後でピーをピーしてプーした後で背骨をガキンして顔面をへにょろろした後で爪を剥ぎ取りながら泣き叫ばせて………(余りにも残虐な想像の為伏せ字をし更にその後の想像を省略しました。by作者)

 

 

「イッセーさん、最近お姉ちゃんが物凄く怖くなるときが有ります………」

「あ、アーシア、一過性の風邪みたいなものだから。

ストレスを発散すれば戻る………筈だ。(そして災難だな、ラウナ…………)」

何か言ってるが無視だ無視。

 

…………………………

 

因みに後に知った話なんだが………ラウナ・アスタロトの贈り物は奴の眷属が作った菓子だったらしく黙っていたのはアーシアを除くグレモリーの眷属達が(摘まみ食いのつもりで)私達に回る前に食べてしまったかららしい。

ああ、恥ずかしい。

 

 




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第三十二話

体育祭への準備段階です。


明久side

 

 

「うあ~~~~~………」

「大丈夫か明久?」

「大丈夫だったら呻いてないよ……」

僕は朝から大暴走したアリアさんに対して頭を抱えていた。

 

 

これからこんなことが続くんだろうなあ……

 

 

「おはよ、アキ!」

あ、美波の声だ。

 

 

「おはよ、美波……!?」

「し、島田!?お前どうしたその髪!?」

そこには髪をうなじの辺りで切り揃えた美波がいた。

 

 

「ん?これ?ちょっとしたけじめよ、けじめ。天使になったし、今までのウチにお別れって所ね。」

「そ、そうなんだ……」

今までの髪型がポニーテールだっただけに新鮮な気分だ。

 

 

「ふえ……?お姉ちゃん天使さんになったんですか?」

「は、葉月!?どうして此処に!?」

「お姉ちゃんを探してたら何時の間にか此処にいたです!」

「そっか、今はアキの家にいるの?」

「はいです!お馬鹿なお兄ちゃんの家はとっても広いです!」

美波と葉月ちゃんは仲睦まじく話すのを見て僕はとても仲の良い姉妹だなと思った。

 

 

 

………………………

 

『今日は転校生と教育実習生を紹介する。』

『『『また転校生かよ!?』』』

うん……今回で六回目(僕、ミーナちゃん、アーシア、坂本君達、ゼノヴィアさんと紫藤さん、今回)だしねこのクラス。

 

 

『入って……』

「む……吉井ではないか。」

「おや……貴殿方と同じクラスですか。」

「わーい!明久達だ~~~~~!」

「こ、怖いです、ディアーチェ……」

「み、皆!先生の話を遮っちゃ駄目だよ!」

…………え?

 

 

「はあ…………教育実習生の『八神』リィンだ。今日から宜しく頼む。」

…………楽しくなりそうだ!

 

 

…………………………

 

 

「それにしてもラウナ君達が転校生だなんてね……」

「おまけにリィンフォースが教育実習生かよ……」

「僕もこうして皆とご飯を食べるなんて思いもしなかったよ。」

僕達は屋上でお昼御飯を食べながらラウナ君と話していた。

因みに坂本君は美波が天使になった事を話したら頭を抱えて文月学園組(美波と秀吉除く)と一緒に何処かに行ってしまった。

 

 

「あむあむ……美~~~味~~~い~~~ぞ~~~!」

「レヴィ、食べながら喋らないでください。汚いです。」

「とは言えこれ程美味いのは我も初めてだ。」

「それはわかります。」

「味付けも確りしてるし……正直屋台で出せば売れるわね。」

「うんうん、味付けとか聴きたい位にね。」

「でも……女の子としてはちょっと複雑……」

「それは言わない約束よ。」

「同感ね……」

「あ、ディアーチェ。あ~~~ん……」

「む……あ~~~ん……むぐむぐ……」

レヴィ、シュテル、ディアーチェの他に喋ったのはラウナ君の騎士の『アスナ』さん、兵士の『闇』さん、『シノン』さん、『サチ』さん、『リーファ』さんだ。

そしてディアーチェに『あ~~~ん』をしたのは(頭の中で僕とリィンフォースさんに置き換えたのは内緒だ。)戦車の『ユーリ・エーベルヴァイン』さんだ。

因みにあと一人女の子がいるみたいだけどその子は葉月ちゃんと同じ学校にいるみたいだ。

…………って、あれ?ラウナ君の眷属って女の子が多くない?

 

 

「僕も良くはわからないんですけど皆死にかけで……それで眷属にしたんです。(どうにもシュテル達とリィンフォース以外の女の子のメンバーは転生者に殺されたみたいで……)」

……転生者って本当になんの為にいるんだろう?どう考えても世界に良くない事しかしてないような気がする。

 

 

 

 

「ま、いいや。所でラウナ君達がこの街で住む場所って決まってる?」

「あ、アジュカ兄……ベルゼブブ様の命で兵藤君の家に住む事になってるんだけど……」

「「…………え?」」

何故だか僕と一誠の頭に浮かんだのは怪獣王の体に天使の羽を羽ばたかせながら放射火炎を放つアリアさんの姿だった。

 

…………………………

 

雄二side

 

「なんてこった……」

まさか明久に続いて島田まで人外になるとは……

 

 

「このままじゃ俺達が変える頃には更に増えてる可能性があるぞ……」

実際秀吉と九楊は真面目に子供でも産まれそうな程熱々だからな。

 

 

「あら、学生結婚なんてさせないように見張ってるわよ?」

そうか、所で……

 

「秀吉は何処行った?」

「…………昼休みが、始まっ……て、すぐに……体育、倉庫で……!?」

ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

ムッツリーニが鼻血を吹き出した事で秀吉が九楊と何をしているのかを知った。

 

 

「……学校で事に及ぶなんてね……秀吉、今夜は(物理的に)眠らせないわよ……!」

木下が殺気を出しながら拳を鳴らしているので取り敢えず離れる。

 

秀吉……無事でいろよ。

 

 

「って、体育って言えばもうすぐ体育祭があったな。」

ムッツリーニや宮内先輩が裏で暗躍してるから気を付けろと生徒会から注意されるわ二人三脚での仁義なきパートナー争いが起きるわ(また起こりそうだが……)で俺達のクラスは大騒ぎだったな。

 

 

「体育祭ですか……一体どうなっちゃうんでしょうか……」

「さあな……取り敢えず、体育祭が始まる前にアザゼル先生から貰った疑似神器の特訓に行くぞ。」

いざというときに明久(あの馬鹿)の足手まといなんぞごめん……!?

 

 

「ガウ!」

ガブ!←ケルが俺の腕に噛みついた音。

 

 

「こいつの事を忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

俺の悲鳴が快晴の空に轟いた。




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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第三十三話

少しずつ加速します。


明久side

 

 

五時間目……僕らのクラスは異様な静寂に包まれていた……

 

 

「「『『『…………。』』』」」

僕らはその一瞬を待ちながら机の上にある二枚のトランプを見つめる。

僕のペアは一体誰になるんだ………?

 

 

 

どきどきしながら捲られたカードは……

 

 

 

「クラブのキング……僕だ!」

「ハートのエース……あ、私だ!」

「『『『ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』』』」

「いや、何ですかこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

僕と紫藤さんが立ち上がり皆が悔しがる中ラウナ君の突っ込みが炸裂した。

 

 

 

「え?何って……只の二人三脚のパートナー決めだけど?」

「いや、わかります。わかりますけど……何でこんなシリアスな空気に……」

ふ、愚問だね、それは……

 

 

「男子は可愛い女子と女子は意中のあんちくしょうと走りたいからに決まってるからじゃないか。」

「吉井さんが言うと説得力が有りすぎです。」

ラウナ君、何を言ってるんだい?

 

 

「僕は見ての通り不細工だよ?僕を好きになる女子なんて美波とか位だよ。」

「……その言葉で吉井さんは世の中の不細工な男性全員に謝らなきゃいけないような気がします。」

え?何で?

 

 

「はあ……もう良いです。」

ラウナ君は呆れたように席に座り直す。

むう……ちょっと不満だ……

 

 

その後…………

 

 

「……ダイヤの八……松田さんとですか……」

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

シュテルさんが嫌そうに立ち上がり松田君が狂喜する。

 

 

「あう……ハートの九です……」

「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ユーリが怖がりながら立ち上がったのをみて元浜君も狂喜したけど……

 

 

「ああ、ラウナ。少しこいつらと(忠告)があるから席を外すぞ。」

そう言って既にペア(木下君)の決まったディアーチェが松田君や元浜君と一緒に外に出て……外で聴こえる二人の悲鳴からどう考えても物理的な話であることはわかった。

 

 

「む、俺はラッセルとか。」

「お~~~~僕と坂本結城なのか~~~~!」

「俺の名前は『雄二』だ。」

坂本君はレヴィとペアになった。

 

 

「…………俺は桐生とか。」

「よろしくね……(ぼそっ)性的にも」

ぶしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

土屋君がペアを組むことになった『桐生藍華』さんによって鼻血を吹き出したりなど色々あったけど……

 

 

「遂に後二組か……」

「しかし……アルジェントとラウナの二人が残っとるのに何やら作為を感じるんじゃが……」

因みにもう二人はクラスメイトでもそんなに付き合いが無い方だ。(因みに一誠はゼノヴィアさんとだ)

 

 

「…………ハートの三とクラブのジャック。」

て、事は………………

 

 

「ぼ、僕とアーシアさんの組み合わせですか……?」

「え、え~~~~~と……宜しくお願いします!」

どうしよう…………

 

 

「「「「「(<…………>一番ヤバイペアが出来てしまった<のじゃ>)」」」」」

僕、坂本君、一誠、土屋君、木下君の心はこの言葉で繋がった。

これ……アリアさんには絶対隠さなきゃヤバイよ……

 

 

…………………………

 

 

「ほほう?ラウナ・アスタロトが駒王学園に転校してきた上に兵藤の家に居候だと?」

はい、僕はアリアさんに正座させられて尋問されていました。

 

まあ、ラウナ君が来たことはどっち道すぐにばれるし黙っていたら苛烈な報復が来そうだからすぐに話そうって一誠に言われたんだけどね……

 

 

「ち、冥界まで行って兄弟揃って暗殺という策は無理か……」

…………この人は本当に大丈夫なのかな?

 

 

 

「ああ、ところでアザゼルからお前に生ゴミ野郎とアガレスのレーティングゲームのデータが送られてきたぞ。」

…………何ですと?

 

 

「すぐに観ましょう、相手の弱点や欠点がわかるかもしれません。」

「ちょうどお前と同じことを思っていたところだ。」

僕とアリアさんは揃って頷いた後僕の眷属達を集めて観賞会を開くことにした。

 

 

 

…………………………

 

 

「……何これ?」

僕は物凄くが付くほど困惑していた。何故なら……

 

 

「あ、余りにも一方的すぎます明らかに普通のレーティングゲームじゃありません。」

そう、一緒に観ることになったミーナちゃんの言う通りアガレスさん達が眷属のサポートを受けたとはいえ一方的に生ゴミ野郎一人に蹂躙されていたからだ。

 

 

「…………」

アリアさんは何やら考え事をしてるみたいだけど僕は黙ってゲームを観賞する。

そして…………

 

 

 

「生ゴミ野郎の圧勝……か。」

アガレスさんが一矢も報いることが出来ずに負けた。

 

 

 

 

 

「吉井……少し良いか?」

僕らが対策会議を始めようと言うところでアリアさんが僕を呼び出す。

 

 

「あ、はい。何ですか?」

僕がアリアさんに近付くと……アリアさんはとんでもないことを言った。

 

 

 

「恐らくだが生ゴミ野郎は……禍の団のリーダーであるオーフィス(無限龍)の力を借りている可能性がある。」

「…………え!?」

僕が遅れて反応するとアリアさんは苦い顔で言う。

 

 

「私はとある転生者からオーフィスを奪還した……その時にオーフィスの力を借りてそいつから逃げ延びたんだ。

で、今回気付いたのはそのお陰だな。彼処までの強さは努力でもなれるがあの生ゴミ野郎が普通の努力などするはずも無い。

後はドーピングをすることだが……まさか考えうる限りで最高最悪のドーピングを敢行してくるとは思わなかった。」

アリアさんは溜め息を吐きながら頭を掻く。

 

 

「で、だ。今回はオーフィスに力……『蛇』を回収させるから力の限りで吹っ飛ばせ。」

アリアさんの言葉に僕は有無を言わさず即答する。

 

 

「当然です。序でに二度とアーシアに手を出せないようにピーを切り落とします。」

「ふ……頼んだぞ。」

「はい。」

僕らはガッチリと手を握りあうとそのまま対策会議に移った。

 

 

 

……その頃生ゴミ野郎が胸糞悪くなる提案を一誠達にしていたなんて思いもしなかったけど、ね。




如何でしたか?
次回もお楽しみに!


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