火影が斬る! (白だるま)
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プロローグ 原作前
プロローグ 1


取りあえず…やってみたい話の一つを公開しました…白だるまです…

結構、見苦しい所あると思いますが…誤字報告と感想で指摘お願いします。

7/4

誤字報告と適用しました。

2018/4.25

魔導具の説明がスマホだと見ずらいと思いましたので修正しました


さて…どうしようこの状態…

 

今、人生最大のピンチとなっている…

何故かと言えば

 

「GAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

見た事もないデカい熊の化け物に襲われているんだけど!!

 

 

ここまでの経緯を話そう…

 

 

俺は俗に言う「神様転生によって生まれ変わった転生者」

世界を一人でぶらり旅の途中で運悪くテロに巻き込まれ……死亡した…

 

こうして転生する事が出来たが…

 

年老いた爺さんの神様に、転生して新たな人生をまたスタート出来ると言われ、天界で暮らすよりそっちの方が楽しそうだったのでぜひお願いした所その爺さんから言われたのは……

 

「おぬしは不幸な事故で死んではおるが人生を楽しんで生きていたようじゃの?残念じゃがおぬしのランクはEランクとなる」

 

わかりやすく言えば転生の時に自由に出来る特典が4つとランダムに2つペナルティが付くそうだ

 

あらかじめそのペナルティのくじを引いてからの特典選びになるそうだがペナルティは転生後にどうにかすれば良い事だと思いあえて聞かなかったが爺さんは「面白い奴じゃ」と大笑いし独断らしいがこの後の能力の申請を緩和してくれた。

 

ちなみに俺の特典はこうだ。

 

俺の特典は

 

1.『烈火の炎のキャラクターの全スキル』

 

2.『魔導具のすべての所有(天堂地獄は除く)』

 

3.『身体能力を上記のモノに耐えられるようにする』

 

4.『他の転生者の特典の無効化』

 

 

それと2の魔導具の天堂地獄は「これっていらないよね?」で削除

後、烈火の炎のヒロインである柳の能力の『癒しの力』があると魔導具が壊れてしまう設定があるのでそれを無くした。

 

それと1の『烈火の炎のキャラクターの全スキル』…これはアウトだと思っていたけど意外にOKが出た。

理由は[アカメが斬る!]の世界観で必要になるだろうと爺さんが判断してくれた。

俺的には、水鏡凍季也が使う〈氷紋剣〉が楽しみだ。

魔導具のすべての所有も、OKにしてくれたのも嬉しい事だ。

 

4の『他の転生者の特典の無効化』も、爺さんに万が一の事を言われ取っておいた…まあ他に特典いらんかったのが理由だが、それと俺はペナルティはあるが、俗に言う犯罪者ではないのでこの特典の効果はAランクと同等になっているらしい…(実の所、爺さんに気に入れられこの対応となったのは後で聞いた)

 

爺さんは元死神らしくだったら転生先でも困らないように鍛えてもらったけど……やめときゃよかった

 

手加減はしていたらしいが……ある意味本当に昇天しそうだった(死んでるけど)

 

そのおかげで強くなったけど確か転生したら意味ない事になるんじゃないかと思ったが

 

「転生しても儂の教えた武術基本や勘などは体に染みついておるから転生後に体を鍛えれば良い事じゃ…無論サボっておればそのまま錆びるだけとなるがの」

 

と笑いながら言ってくれたが爺さんを信じる事にしよう

 

転生する世界も決まり[アカメが斬る!]の世界に決まって爺さんに礼を言っておれは転生した

 

 

転生先は…大雪原のど真ん中だった!!

 

どうやらペナルティの影響らしいが……こんな場所からスタートとはなったけど、体がおかしいと思い確認すると色々とちっちゃくなっていた。

これは転生前に爺さんから聞いていたけど……まだ一桁の子供がここからスタートってどんだけハードモードだよと思ったが文句言っても仕方がない…

 

近くに山小屋らしいものがあったので行って誰かいるか確認してみたが人はいないようだった

 

家主の方には申し訳ないと思ったが薄着で明らかに凍え死ぬので山小屋を使わしてもらいどうするか考えていた。

 

そういえば爺さんが魔導具の蔵王に手紙を入れとくと言ってくれたがどんな内容か確認する為転生時に手元にあった蔵王から爺さんの手紙を取り出し読んで見る

 

「ゆっくり出来る所で読んでると思うがペナルティの一つである『最悪の環境でスタート』じゃったので理解してほしい

あと、あまりにも不憫だと思ったからおぬしの生前のリュックサックを送って置いたので有効に使って切り抜けてくれ

2つ目のペナルティは『性別が逆になる』じゃからおぬしは女になっているはずじゃ

儂は楽しい転生生活が始められると信じとるよ

 

おまけで付近の地図を渡しておくので活用してほしい

 

PS

 

容姿は烈火の炎の風子と柳を合わせたので成長したらないすばぢぃになっているはずじゃ!!わしの独断で替えたのでゴメンネ!     神より」

 

 

 

……………………は???

 

試しに股間を触ってみるが確かにあれがない……

 

鏡が無いので顔は確認は出来ないがあのじじい!!そっち行くことあったら一発入れてやろう…無理だろうな…だってあのじじい…ドラ〇ンボールの亀仙人みたいなカ〇ハメ波を、無限に撃つほどの強さを持っているからな…あれで手加減したってよく五体満足だったと思う(俺の修行を見に来ていた女神さんが爺さんの強さを言ってくれたけど…しかしあの爺さんは、かなりの女好きのスケベジジイで…女神にセクハラして殴られてたな…)

 

しかし女になるとはな…胸がおっきくなったら自分の胸揉んどくか!!その自分のやっている事を、想像するとなんか切ないしむなしい…

 

さて!アホな事はそれまでとして…俺は生前に使っていたリュックサックを、蔵王を使い取り出してみると、明らかに量が多過ぎるので確認してみると缶詰が大量に入っておりよく見ると「餞別じゃ」と書かれた手紙があった…ありがとう爺さん!!マジで感謝しておこう。

 

確かに地図が入っていたのでここが何所だか確認をする

 

爺さんにはあと何年後に原作に入るかを教えてもらっているのでその時まで修行することにした

この家を暫く借りる事にしよう

まず原作能力の確認だ。

 

俺は試しに炎術士としての能力を試したが手から炎が出せたけど、やっぱり腕に纏ったり放射する事しか出来なかったが、確か炎術士の炎の源って決まっているんだよな?

俺の型は何のだろう?右腕に付けている手甲を外せば分かるけど…もうちょい成長したら確認してみるかな?

そういえば…幻獣朗が心霊医術を使って魔導具と融合させていた事があったけど…試してみよう。

 

俺は考えた事は、蔵王の紛失が一番最悪の事態になると判断した…全ての魔導具を入れてある為、もし敵対転生者や敵対組織に奪われた時、最悪の事態になると思ったからだ。

俺は蔵王を心霊医術で使おうとしたけど…使い方わかりません!!

どうしようかと考えていたが、蔵王を掴んだ手が自分の体に入っていくが…どうやら心霊医術やりたいと思えば出来るみたいだ。

 

気持ち悪いのを我慢して無事に蔵王を体内に取り込めたけど、試しに魔導具の一つの鋼金暗器を取り出そうとすると、手の平から鋼金暗器が出てきたけどちょっとキモイ…

一応、爺さんの修行のおかげで魔道具の扱いはマスターしているので自在に扱えるが爺さんには勝てなかったよ…

鋼金暗器を戻す時も、収納するイメージをすれば体の何所でも回収できるみたいだが…見た目がホラーだな…

そういえば…もう一つ収納出来る魔導具があったな…たしか、次元界玉だったな…

次元界玉も試しに使ってみると蔵王と同じようで少し違った…

 

この次元界玉は、魔次元という、異次元空間に通じる穴を開ける事が出来る魔導具で、敵を吸い込んで閉じ込めたりすることが出来る事と、後は自分が魔次元に入って人形みたいな依代を使って攻撃したりできるんだが…

後に実験で分かった事だが…食料の保存には向いていないのが理由だ。

蔵王は、収納時のまま保存されるタイプで次元界玉は収納後も同じ時間が流れる…つまり攻撃向けなのだ。

分かりやすく言えば…生きた人間を餓死させる事を可能としている事だ…まあしないと思うけど…

使い方によっては便利なので…実験の後に、蔵王に放り込んでいた。

 

俺は取りあえずリュックを取り出しで餞別で貰ったの缶詰で腹ごしらえをした後、外の様子を確認した所、吹雪もやんでいたので、リュックから前世で愛用していたジャケットを取り出し着た。

流石に今の服(ほぼ下着に近い薄着)で外出たら凍え死ぬ…ジャケットだけでも辛いけどね。…小屋の外に出て、今の体でどれだけの事が出来るかを試してみた。

まずは試しに思いっきり大木をぶん殴ってみたが…とんでもない事になった…

一言で言えば…一発で木が倒れました…

思いっきり大木を握ってみた所、どこぞのグラップラーに出て来る握力自慢の喧嘩師の如く握った部分だけ無くなっていたけど…オイオイ…一桁の歳の女の子の力じゃないだろ!!もうサ〇ヤ人だよ!!

倒した木は後で活用しよう…木炭づくりでも出来ればいいんだが…

 

他にも確認しないといけない事もあった…

 

まずは飲み水の確保…これは近くに綺麗な湖があった事で解決した。ついでに魚も食えそうだ…

小屋の近くには畑に出来そうな土地もあったので野菜も食えそうだな…

爺さんに貰った地図を確認すると近くに村があるらしい…暇があったら挨拶ぐらいしてくるか…

 

そんな感じで探索を楽しんで…調子に乗って森の中を走っていたら…

 

「GAAAAAAAAAAA!!!!!」

 

そして冒頭に戻る…

 

って事なのだがどうするよこれ?

熊の化け物が俺に爪で攻撃してきたが…アレ?簡単に見切れるんだが?

その攻撃を避けた後、考えるより先に体が動いていたが…貫手で胸貫くってどんだけ化け物じみてるんだ?

 

よく見ると指に魔導具の「土星の輪」がはめられていた…力が強くなっていたのはそのせいか?

試しに外して適当な木を殴ってみたけど…あんまり変わっていなかった…これだと只の綺麗な指環で意味無いよ…

 

取りあえず刃物の魔導具もあるから、解体して毛皮で防寒具作ろうかね?

因みに俺は、全世界放浪の旅で現地の人に色々教えてもらったので爺さんにも「原作終わっても職は選べそうじゃな…特典は無くても良かった?」と言われ褒められたが…こんな化け物いるのに特典なしはきつい…っていうか確実に死ぬ…

 

俺は熊の化け物を蔵王に入るかを確認したら…入りました…便利だねコレ…

 

「早速、帰って熊鍋でもして温まりますか!!」

 

俺は拠点の小屋まで向かった…今思うと…俺の声って可愛らしいな…

 

この後、俺はこの時気にしてなかったが…それは年月が経つうちに、性格が女性となっていき自然に「俺」から「私」に変化…転生前と性格は変わらなかった事は良いが…爺さん…その事を説明しておいてくれ…

 

 

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面白い若造で良かったのう…

 

一年以上の修行を耐えきった事は見込みがあったという事じゃな…

特典はかなり融通してやったから簡単に死ぬ事は無いじゃろう…

 

心配事と言えば…違反転生者の事ぐらいかの?

 

儂の部下達は被害が多いが、儂にはちょっかいは出さんところを見ると…上層部のバカ共がやんちゃしているようじゃ…

この前上層部から異動となった女神も発展途上で見込みアリの将来性が有って楽しみじゃて…

それに、この女神も真面目が過ぎて疎ましくなった事での異動はバレバレじゃ…

 

あの若造の死に方も同情はするが…Eランクと判断されたのになんも疑問もなく転生しよったが、本来であればクレーム付ける奴は多いのにな…

 

「死んだのは自分の不注意だしな。あの場所にいたのはしょうがない…それにあそこに居た事に後悔はしてないぜ。最後の最後まで楽しく生きられたかが重要だぜ!!爺さん」

 

何も曇りもない笑顔で返されたら面白い奴と思わないのはおかしいかの…

 

まあ、あのテロで他に死亡した者達も行先は決まったようじゃが…その内一人は精神的に重症と聞いた…

若造のような考え方は珍しいケースじゃからのう…こんな世界に飛ばされてもクレームをださなかったんじゃろう…

経歴を見て見ると、良家の息子で当主争いでのストレスでブチ切れて家出をしたんじゃから凄い男じゃ…今は女じゃが…

かなり気に入ったのでサービスしすぎたせいで上層部からクレームがあったが「知らん!!」の一言で無視したわ!!

あのボンクラ共のせいで、違反者の侵略事件の尻拭いを儂たちがしたんじゃ!!仕事せい!!バカ者が!!

 

…死神と転生課を切り盛りしてはおるが…あの計画を真剣に考えなくてはいかないかの?

同感してくれた部下と、その他の部署の神々には感謝せんといかん…

その一員…あの若造を使おうと思っているが…どう返事するか楽しみだのう…

 

「その時にどれぐらい育っておるか楽しみじゃのう…その時に確認しようかの…」

 

儂はあの若造の成長を楽しみにしながら業務に戻った…

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不幸特典

 

不幸特典は理不尽な死を体験したものが得る事が出来る。その他にも病気やけがで暗い人生を、送った者も対象となるが大体は「理不尽な殺人事件の被害者」か「事故死」や「病死」が多い。

A~Bまでが不幸特典として追加される。

 

転生者の不幸特典ランクについて

 

Aランク  特典が3つ増える  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和

 

Bランク  特典が2つ増える  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和

 

Cランク  家庭環境と身体の状態の安定 他のアニメやラノベの能力の申請の緩和 

 

Dランク  他のアニメやラノベの能力の申請の緩和  ペナルティが付く

 

Eランク  ペナルティが2つに増加 

 

Fランク  ペナルティが3つに増加 

 

Gランク  ペナルティが4つに増加 特典なし(転生者の懲罰用のランク)

 

家族環境はAからCまで選択可能(いる、いない設定や好みの両親など)それ以外は無効(特典で変更可)

 

ペナルティの種類(一部)

 

「天涯孤独で無一文でスタート」

 

「身体の一部に障害あり」

 

「特典能力が一つ消滅」

 

「性別が逆になる」

 

「家庭環境と生活状況が最悪」

 

「転生前の記憶をすべて失う」

 

「特典能力がランダムで変わる」

 

「その転生先のメインキャラやサブキャラと恋仲及び親密になれない」

 

「転生先の固有スキルの習得無効及び武装使用の不可」

 

「特典能力の数回使用の消滅」

 

「寿命があらかじめ設定されている」

 

「転生者とばれたら即死亡か特典のロック」

 

「ランダムに特典能力が使えない時間がある(事前に通達あり)」

 

これらのペナルティは特典で無効化が可能

 

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魔導具の説明(烈火の炎より)

 

蔵王

 

なんでも収納できる宝玉 石島土門が嘴王を収納していた。

分かりやすく言えば四次元ポケット…

 

土星の輪 

 

原作の石島土門が使用した魔導具

指環型で、力を増幅する効果がある(土門はある理由で鼻ピアスで付けていた)

 

鋼金暗器

 

原作の小金井薫が使用した魔導具

6つの形態に変形させることのできる武器

薙刀、鎖鎌、大鋏、ブーメラン、弓

奥の手のような物でバラバラの状態を利用した攻撃が出来る無の型がある。

 

次元界玉

 

原作で魔元紗が使用した魔導具

魔次元という異次元空間に通じる穴を開けたり、応用で瞬間移動したり敵を吸引する事も可能で自分自身が中に入り人形等で依代を使って戦う事も可能。

     




違和感あったら指摘お願いします…


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プロローグ 2

少し強引な解釈が入ります…
(キャラの年齢設定がアバウトな事が理由です)

ご都合的な進みになりますがご了承ください…

7/4

誤字報告を適用しました。
ありがとうございます


此処に転生して数年経った…

 

私もやっと十代になったし…此処とお別れできそうね…

 

数年間世話になった小屋を綺麗に片付け小屋に向かって今までの事を思い出し感謝の意味を込めて礼をする…

 

さて…今日は旅立ちの日だ…

 

私はこの数年間は修行と実戦をして鍛えたし(危険種狩り)危険種の素材を売ってお金もいい具合に溜まったのでこの大陸を見て回ろうと決意した。

危険種の素材は高く売れたし、食べられそうな肉は蔵王に保管している。

まあ、素材を換金する為にふもとの村まで行った時に、どう見ても子供で狩りなんて無理だろうと思っていた大人が、一級危険種を倒すところを見た事で信じてくれた(まあその後化け物扱いされて凹んだけどね…今は逆にマスコット扱いされているぐらい良好だ)

 

原作に参加するつもりはないので帝都には行かずに、この北の辺境(地図で確認した)からその辺をブラブラしようと考えている。まあ…一回ぐらいは帝都は立ち寄ってみようかな?

 

この事は村の皆も知っており中には「ずっといて欲しい」と同年代の子から泣かれたけど、私はまた旅をしたかった…

私の決意は固いと思ったのか…その子達の両親達はなだめている時に、族長さんが「いつでも帰って来なさい」と言われ嬉しく思ってしまう…

その時だった。

 

「ホカゲ!!行ってしまうのか?」

 

「ええ…私は元々この村の出身じゃないし…それに旅に出るのは追い出されるのじゃないから…この村に用があったら帰って来るわ」

 

美しい蒼髪の美少女が私に話しかけてきた…因みに私はこの世界では「ホカゲ」と名乗る事にした。

 

この少女の付き合いは転生してから数か月後になった時に、あの小屋に私が一人暮らしをしているのを族長さんと一緒に訪れたこの娘と出会った事で、友達になったけど…

この娘は私からすればかなり異常な性格をしていた…

 

まず…危険種の解体を楽しんでやっていること…これは部族の仕事って事でいいんだけど…問題は…

危険種狩りの時に犠牲になった人の事を弔って無かった事だ。

この事を聞いた時…

 

「弱いのが死んだだけだ」

 

とドライな回答をされた事…

それと私は対等にしてくれるけど、他の子には明らかに自分に都合のいい道具としか思っていない行動をしたことが多かった

つまりは、超が付くほど弱肉強食の理論を信条としている事だ…

私は、今はこの娘とは幸い互角に戦えるけど負ければ、どうなっていたか分からない…

実はこの旅に出ようとした数日前に…

 

「なんでだ!!ホカゲ…私と一緒にいてくれないのか?」

 

「ごめんなさい…私は前々から決めていた事なの…世界を見て回りたい…一生の別れじゃないから…」

 

「お前は私のものだ!!離れる事なんて許さん!!私といる事がそんなに不満か?」

 

「そうじゃないけど…私は世界を見て回りたいから此処で実力をつけて万全の状態で行く予定だったのよ…それは貴方にも前々から言ってたじゃない…ねえ…どうしたら旅に行く事を許してくれるの?」

 

「なら、勝負だ!!私が勝ったら私の傍にずっといろ!!」

 

こんな感じで…決闘をした結果…何とか引き分けに終わったけど…

 

女の子同士の喧嘩じゃないわよね…族長さんもここまで泥沼の大喧嘩になるなんて思っていなかったみたいだし…その後お互いに死にかけた…(因みにこの時、私は炎術士の能力と魔導具は使わずに戦っていたけど…ギリギリだった)

おかげで、一か月以上足止めされたわ…治癒能力が自分に使えたのが幸いしたけどね…

 

負けた訳じゃないので旅には出られるけど…すっきりしないあの娘もそれなりに心配してくれたから引き留めてくれたみたいだけど…このまま此処に居たら確実にあの娘は私を…

 

いや…最悪の考えはやめよう…あの娘だって分かっているはずだ…

 

族長さんも、あの娘が私との出会いで、かなり変わったと言ってたけど…

私と出会う前の事を聞いた時に言った一言は…

 

()()()()()()()()()()…だった…

 

どんだけバイオレンスなのよ…

 

確かに…あの時の大喧嘩だって…笑いながら貫手で目玉えぐり出そうとしてきたし…腕をためらいもなく折ったり…私の流した血を舐めながら

 

「もっと血を見せてくれ!!もっと良い声で泣いてくれ!!ここで屈服するなら爪はがしぐらいで許してやる」

 

なんて言いながら殺す気で攻撃してくるし!!子供の喧嘩では済まないわ!!軽いトラウマよ…

 

え?こんなぐらいが軽いトラウマ?

 

爺ちゃんとの修行の方が最悪だったから…ホントに思いだしたら漏ら(失禁)しそう…

 

まあ…自分の認めた友達を引き留める為の行動としては微笑ましく?思うが…こんな死ぬ気の大喧嘩は二度とやりたくない……どっかのヤンデレ展開はこりごりだから…

 

気持ちを切り替えて、私は幼馴染と別れを告げる。

 

「心配しないで!!絶対帰って来るから!!あの時みたいな大喧嘩は嫌だけど…危険種狩りはいい勉強になったし…それにあなたのお父さんには家族みたいに接してくれたのは嬉しかったわ…もちろんあなたとも過ごした事も含めてだから此処に帰ろうと思えるの…お願いがあるの…」

 

幼馴染は「ホカゲの頼みなら…」と渋々と聞いてくれた。

 

「族長さんやみんなの事大切にしてあげないとだめよ…危険種狩りは出来ない人もいるけど、その他の事でサポートしてくれる人を弱者として見ないで欲しいな…貴方に出来ない事を出来る人を認めて欲しいの…そうしないとこの先あなた本当に一人になりそうだから…」

 

納得出来たかは分からないけど…

 

「わかった…だが約束しろ!!此処に帰ってくると!!」

 

と言ってきた幼馴染に私はこう答えた。

 

「もちろん!!約束は守るわ…また会いましょう!()()()()!!」

 

私は手を振って皆と幼馴染の友人エスデスと笑顔で別れた…

 

この時、私は知らなかった…

 

数年後にエスデスと関わった事で、原作に大きく関わる事になるなんて…夢にも思っていなかった…

 

 

___________________________________________

 

私は旅をして1年ぐらい経った…

 

ぶっちゃけ楽しくて仕方ない!!

 

立ち寄った町や村などでの人の交流や、遺跡巡りなど…ほぼ観光みたいなものだ…

 

偶に盗賊に襲われたりしたけど…返り討ちにしたし…危険種もよほどの事が無い限りは大怪我する事もないしね…

立ち寄った先の町や村で素材を売って生活するって…どこぞの冒険者かって話になるわね…

この時、ド〇クエやモン〇ンのような世界観でも良かったんじゃないかと思ったが、楽しいからいいや!!と思っていた。

 

まあ…トラブルがなかった訳でもなく…一番ヤバかったのは、観光するつもりで入った遺跡でその遺跡の守り手に殺されそうになった事ぐらいだ。

その遺跡の守り手のリーダーとは、死闘の後に誤解を解いた後は意気投合して、歳は離れていたけど友達になった…

敵意が無いのと財宝に興味ないのが幸いしたみたいだけど、私は人が見た事もない景色や現地の人との出会いの方が楽しいのでそっちには興味ないんだよね…

 

大陸全土を回った訳でもないけど…帝都に寄ってみようかな?

 

それは…帝都東部で広く信仰されている、安寧道の教主さんに会ったからだ…

 

どうやって会ったかは、本当に普通に街をぶらついていた所に声を掛けられた事と、不思議な事を言われた…

 

「帝都に行くと、すごく良い出会いが有りますよ…貴方の人生を変える大きな出会いが…」

 

教主さんは笑顔で優しく言ってくれたけど…護衛の人に聞いてみると…恋愛成就が多いって聞いたけど…

何?私の運命の人が帝都に居るの?う~ん…どうでもいいんだけど…楽しくなりそうだし…行ってみるか!!

こうしてみると…私ってよく考えてみると…元男なのに運命の出会いを信じるって…年頃の女の子になちゃったよね。

 

そんなノリで行ってみる事にしました!!

 

やっぱり大都会だ…活気も良いし人も多い…そしてバカ(バカスリや恐喝してくる奴)も多い…(無論、ボコった)

でも、思っていたよりは治安がいいや…活気も人々には不満はなさそうだけど…おかしいな?原作はちょびっと聞いたけど(爺ちゃんが口を滑らして言ったのが正解だけど…)汚職や重税が酷いと聞いたけど…別の転生者が変えちゃったのかな?

 

そんな事を考えながら、屋台で買った串焼きを食べながら探索していると…何か空気が張りつめた感じになった…私は気にせず歩いていたが…急に「何やってんだ!!」とマッチョなお兄さんに、首根っこ引っ張られ注意された…その時に、食いかけ串焼きを落としてしまい、少しブチ切れそうなったけど理由を聞くと納得した…

 

「今日は皇帝陛下が軍事視察からお戻りになるんだ…そこで突っ立て居たらまずい事になるぞ…」

 

お兄さん…ホントにありがと…そんな大物がここに来るなんて知らなかった…

 

お兄さんの隣で厳重な警護をされながら、馬車が通り過ぎるのを待っていたが…そんな時に強い殺気を感じた。

狙いは皇帝だろう…まあ…周りの護衛もその殺意に気がついたのか顔が険しいものに換わってる…

その緊張を破るように数十人の襲撃者達が一斉に襲い掛かるが…この人たち…バカでしょ?

何で真っ正面から突撃するのか…そんなの無駄な事だ…せめて気配を感じさせない暗殺者でもいたらよかったのに…

あっ…背後に襲撃犯に気がつかない護衛兵がいたので、食べきった串焼きの串を指ではじいて攻撃しておいた。

襲撃犯の腕にに刺さり剣を落として悶絶していた所を、取り押さえられ無傷で済んだみたい…

 

筋骨隆々とした軍人の人が殆ど一人で片を付けていた…どんだけ強いの?それにあの人…両手の武器って何?

どうやら襲撃犯が電気ショックみたいな攻撃で無力化されているけど、私の持ってる魔導具の〈雷神〉に似てるけど…あれが爺ちゃんから聞いた帝具なのかな?

どうやら、本来の力を出さずに使ってるみたいだけど…この人の本気を見て見たいのはダメな所かな…

そう思っていたけど…数分で鎮圧させていたので戦闘は無いだろう…残念!

襲撃犯が拘束され連行されていき、周りが落ち着いたので面倒な事に巻き込まれないように、此処から立ち去ろうとした時、見えてしまったのだ!

 

皇帝の後ろで殺気を無くして襲い掛かろうとしている護衛兵の姿が!!

 

私は魔導具〈式髪〉を取り出し、急いで抜いた髪を〈式髪〉を使って硬質化させて針に替えて兵士に投擲した。

襲撃犯を取り押さえていた護衛兵は、私が暗殺者に見えたのか、取り押さえようとするが反応が遅い…

暗殺しようとしている兵士の顔面に、命中し運よく眼に刺さったのだろう…剣を落とし痛みで悲鳴を上げて転げまわってた。

この時、護衛兵は逆に皇帝を助けられた事に気が付けたみたいだけど…厄介事に首を突っ込んでしまった事は自覚しているので、捕まったら面倒なので…私はとっととおさらばしようとした。

手の空いていた護衛兵が私を拘束しようとしてきたが、すべてかわして逃走出来ると確信した時に背後から羽交い締めにされ拘束された…

 

「いい動きだが…逃げ切れると思ったか?」

 

…帝具らしい物を持ってる一番強い軍人さんに捕まりました…

抵抗しないと分かってくれたのか。割とあっさり自由にしてくれたけど不審者である事には変わらないので帝都守備隊の詰め所まで連行された。

 

今思えば…襲撃犯の事馬鹿にしたけど…本当のバカは私だね…

 

その後、一旦は事情聴取を受けるために牢屋に入れられたが…仕方ないよね~自分で自慢を言うのはいけないけど、あの時いた護衛兵を全て倒せる自信はあったからね…

 

食事も出されたが、食べる事はしなかった。

 

変な薬でも混ぜられていたら嫌だしね…

その次の日に、あの軍人さんが来て私の警戒を解く為か、私に出された食事を食べた後、

 

「毒など入っておらん…少し話がしたい」

 

と牢屋で二人で食事をしていた…看守さんも、少し戸惑っているけど…

牢屋で強面の軍人と少女がご飯を食べてる所を見たら大体看守さんのリアクションをするだろうね…

 

食事の後に、本来の話をしてもらったけど…

どうやら今回の事に関係ないと進言してくれたようで、此処から出られるらしい…

軍人さん改めブドー大将軍が言うには、最近皇帝の暗殺を狙う者が多く神経質になっているそうで、本来であれば私は拷問部屋での取り調べだったらしい…ブドー大将軍ホントありがとう…(その前に逃げ出せるけどね…)

 

私がそうならなかったのは、ブドー大将軍の進言だけではなく…皇帝が私に興味を持ったらしい…

 

その為か…皇帝との謁見してからの釈放となるらしい…本当に釈放されるのかな…

 

このパターンってどう考えても、帝国のスカウトだよね…

悪い考えは浮かばなかったので、ブドー将軍に断る理由が無い事と言った後に謁見する事にした…

この時…まさか予想外のことが起こるとは思わなかった。

 

………そしてブドー大将軍が会いに来た当日に謁見となりました…

 

ブドー大将軍?即日に謁見なんて聞いてないんですけど!!

しかも、今の私の身なりはホームレスの浮浪児並の完全に見た目がアウトな服装だ…

逆に失礼にならないかな?

一応、ブドー大将軍に服装をどうにかしたい事を言ったが、緊急的に組んだ謁見なので無理な事を言われた…

その理由を聞く前に皇帝との謁見となってしまいました…

 

皇帝の容姿を一言で言えば…

何?この美少年…一部の腐女子が好みのタイプかも…

私が転生した時の年齢と変わらないぐらいだけど…この国大丈夫なの?

 

「このようなみすぼらしい姿での謁見を申し訳なく思います…陛下…」

 

「よい…余の命の恩人を牢屋へ閉じ込め、そちらの都合も聞かずに謁見を命じたのだ…気にしなくてもよい」

 

機嫌を損ねていないのは良かったかも…今思えば、皇帝と私とブドー大将軍しかいないんだけど平気なのかな?

 

後で聞いたけど、この宮殿内の警護は固く、私でも侵入は難しい…人材も精鋭なので暗殺は不可能と言っていいくらいだった…魔導具使えば問題なくできそうだけど…

 

皇帝から話を聞くと、どうやら命を救った礼とその褒美を与える事を言われ何がいいかと聞かれたが…

 

何もいらないんだよね…

 

お金はあるし…旅暮らしも好きでやっているので不満はない。

本来であれば、どこぞのの一般人がこうして謁見しているのが奇跡なほどだ…

私が出した答えは…

 

「褒美はいりません…陛下の身を案じた為に勝手にやった事です…」

 

私の返答に皇帝からは意外そうな顔されたけど、確かに褒美を断ったのは初めての事じゃなかったのかな?

 

私の返答の後にブドー大将軍が発言の許可をとった後に言った言葉に私は絶句した。

 

「陛下…この者は私の部下として雇いたいと思っています…配属としては、陛下の護衛となりますが…」

 

……………………は?

 

とっとと逃げときゃよかった!!教主さん!!確かにすごく大きな出会いはあったけど…面倒事に巻き込まれるのは勘弁してほしんだけど!!!

 

その後はトントン拍子でブドー大将軍の推薦で皇帝の護衛として就職が決まりました…

 

でも…何か裏がありそうね…

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魔導具の説明

 

雷神

 

雷覇が使用した自我を持つ魔導具

雷を操る事が出来るが魔道具の自我に支配される危険な特性がある

具現化した姿は角の生えたイノシシ(風子談)

今作では性格改変をする予定…

 

 

式髪

 

砂倉瑪瑙が使用した魔導具

髪を硬質化させる事が可能で原作では特殊な方法で使用した

瑪瑙は、心霊医術による影響で某吸血鬼に出て来る妹キャラや

ラッキースケベのラブコメに出て来る金髪の美少女暗殺者みたいな

髪を自在に操り攻撃する事が可能となっている。

 




後、数回で本編入ります…(1~2回ぐらい)





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プロローグ 3

少し短めです。

本編にはあと一回か二回でいこうかと思っています

17.12/13

白面についての説明を追加しました。


私は期限付きで陛下の護衛を引き受ける事にした。

 

理由は、あの謁見の後ブドー大将軍と二人っきりになった時に、詳しく話を聞いたけど…かなり深刻な問題だった。

 

まず、私が陛下の暗殺を阻止したあの事件は、内部の裏切りの可能性が高い事…

あとはブドー大将軍は、本来は宮殿の警護を任されているが、あの時だけ陛下の警護をする事が決定していた…

そして…あの護衛兵に扮した暗殺者の襲撃の手際の良さから考えると、その後誰が責任を負うかを考えれば、ブドー大将軍の失脚が目的と見るのが妥当だ。

 

犯人の目処は立っていないらしいが、現在の反皇帝派の仕業とするのは妥当な所だけど…

そこで、私の出番となる。

 

ブドー大将軍は宮殿の警護の責任者以外の軍事系の仕事がある。

私が付きっきりで護衛をすればいいと判断したらしいけど…

 

自分で言うのは何だけど…私は身元不明の怪しい旅人だ。

私の事をなぜ信じようとしたのかを聞いた所…

 

私が式髪を使う前に、串焼きの串を指ではじいて攻撃していたのを偶然見ていた…

その後、陛下を守る行動をとったので敵ではない事を確信した事と、本来の実力を隠している事もバレバレだった。

拘束された時に自力で逃げ出せる事も出来たのに逃げなかった事と、牢屋での食事を警戒していたのにも関わらず、ブドー大将軍が毒見をした後に警戒を解いた事が信用できると判断したらしい…

 

もっとも、別の理由もあった。

 

それは、護衛が男の場合、まだ幼い陛下が気疲れをしてしまう精神的な面もあった為、実力のある女性の護衛が欲しかった事と、陛下は、あの襲撃事件の際に私に興味を持ったみたいだった…

何でも、護衛兵を怪我されること無く逃げ切れそうな身のこなしと、あの時使った〈式髪〉を失われた帝具か臣具を使用したと思ったらしいけど…コレ魔導具なんだよね…

(後で知った事だけど…奥の手がある以外は似ていたのにびっくりした…まあ上級の魔導具になると似たような事出来るから間違われても仕方ないかな?)

 

話を聞けば、前皇帝が病気で亡くなった後に後を追うように皇妃が毒薬で自殺した事を知ったけど…

……何か怪しくない?私的には二人とも殺されたんじゃないのかな?

そう思っていたけど、私は口には出さなかったけどね…ブドー大将軍は帝国の軍部の混乱や、異民族の紛争による混乱で全体指揮をしていた為に、皇妃の自殺を阻止出来なかった事を悔いているみたいだった…

 

その後、後継者争いに今の陛下が勝ち今に至る…なるほどね。

 

私が言うのは何だけど、陛下は子供だ…周りの文官たちが支えるにしても、政治関連や経済関連の知識は皆無に等しい…

そんな陛下を補佐する大臣や文官が良識が無ければ…数年後にこの国…終わるわね。

ブドー大将軍は良識な人だとは思うけど…どうやら王家の存続を強く求めている為、他の政権になる事を頑固拒否しているみたい…そこで私が護衛をするのと同時に、正しい認識力を教え込めばいいとの事だ…

 

……つまり…子守しろ…って事らしいけど条件を出した。

 

1・二年後にきっぱり護衛を辞める事を約束する事(その二年間の報酬は貰わない)

2・皇帝とブドー大将軍以外の人の命令は聞かない。

3・護衛任務の時、皇帝とブドー大将軍以外には素顔を見せない

 

この条件を吞んでくれなければやらない事を言ったけど…以外にOKが出た。

 

何でこんな条件を出したかって?

 

私は旅がしたいの!!!

 

七割はそんな理由だが…その他にも顔が知られてしまうと後々面倒な事になりそうだしね…

反皇帝の暗殺者に襲われるとか、第三勢力に、襲われるなどリスクがあるし…

 

この条件は、陛下からも許しが出たので誰も覆す事は出来ない。

陛下には残念がられたけど、原作展開に巻き込まれたくないしね…

 

その中で私が護衛に就く事を、大反対した文官が数人いたけど…ちょっこと調べておくかな…

 

簡単な仕事と思っていたが…思っていたよりも深刻だった。

 

陛下には、歳の近い友人がいない為、公務は基本各担当の文官や大臣に任せっきりだ。

お付きのメイドさんもいるけど、あくまで仕事だしね…親身になって意見を言えば暗躍しているって密告されて拷問室行きなんて嫌だろう…私もその可能性が有るけどブドー大将軍の発言力もあるので安心だ…

 

私の実力を知りたいという事で、ブドー大将軍を手加減なしで戦った事で信用を得られた…

 

ホント勘弁して…エスデスとの大喧嘩並みにきつかった…

ブドー大将軍も、ここまでの実力を持っていると予想してなかったんだろう…

 

「私もまだまだだな…暇があれば鍛錬に付き合ってくれ」

 

って言われたけど…得られるものはあるからいいけどね…こりゃ炎術士の能力の解放しないと、この先不安になってきたわね…

実は、まだ炎の型を知らない…

確か、右手の腕輪を外す事で解放されるけど、自身の炎の力をセーブするストッパーとしての役割があるから外した事はないけど…炎の型が分からないので見て見たい気がする…

その内でいいかなと思っていたけど…近い内に私は自分の炎の型に絶句する事になる…

「八竜」では無かったけど、こんなすごい事になるなんて思わなかった…

 

そんな事もあったけど、宮殿では陛下の護衛と遊び相手もして、近衛兵のや他の文官さん達の付き合いもよくしたりしてから高い信頼を得た私だけど…顔面を全て隠すような仮面をしている為、ちょっと怪しく見えるかもしれないけど、監視されている気配を感じるのは気のせいではないだろう。

どっちかと言うと私を監視してるわね…何となく気配を感じる方向に手を振ってみると気配が無くなるので目的は私だろうと思う…こりゃ誰に命令されてるか調査しとかないといけないかな?

 

そういえば、陛下の側近と言えるオネスト大臣が政治関連や経済関連の仕切り役をしてる…たしか後継者争いで勝利まで導いたのは彼だって聞いたけど…私の監視者の雇い主ってこの人かな?

 

私は本人の前でそれとなく言ってみたけど、見覚えが無いとばっさりと否定されたけど、陛下の事を思っての行動だろうと思ったけど…この人は信用できないね…あとその他の文官で、信用できない人は数人いたけどここを出るまで黙っておこう。

 

私が護衛として着任して数ヶ月経った頃には、陛下は私と二人っきりの時はすごく甘えてくれるが、護衛に就いた初めの頃は甘える事を恥と思っていたのか、甘えてくれなかった。

 

前皇帝から帝国の未来を背負った重圧が理由だと思うけど、私は少しでも笑顔になってくれればと思い、雑談を多くした。

前世で知っていた昔話やおとぎ話…私が旅をして出会った人たちの事を話したけど、陛下は真剣に聞いた後に、子供らしい笑顔で楽しんでくれたのは嬉しかったし…楽しかった。

 

勿論仕事もしてたけど、宮殿内で襲撃してくるアホはいなかったし、陛下の所までたどり着くのは無理だしね…

その為、公務中以外は、陛下との雑談と体が鈍るのは嫌だったので適当に鍛錬していた…ブドー大将軍と模擬戦をした時は本気で疲れたけどね…

 

それと私は、内部勢力の事も調べた結果…有能な文官が地方に飛ばされているのが分かった…

 

殆どが自主的に故郷の治安の安定を理由にしているけど、誰かしらの圧力があったのは確かだ。

さっきも陛下に意見した文官が、その直後に急死していたけど…帝国の闇は深そうね…

 

私は政治関連や経済関連の事には口を出さなかったが、オネスト大臣のやっている事は、帝国の維持には問題は無いだろう…地方の町や村を除けばね……それに便乗している文官も何人かいるみたいで巧妙に誤魔化しているわね…

いっそのことオネスト大臣殺っとくか?と思ったけど…

 

この人隙が無いんだよね…警戒心が半端なく強いし、ああ見えて体力も凄い…

あんな肥満体の体で健康って別の意味で感心するわ…

 

それと、お付きの護衛も厄介だ…なんでも何かの格闘技の達人で4人も付いてるのが厄介だ。

だけど…歳の近い女の子がいたので色々と話していたら、何故か知らないけど仲良くなった…

面白い子だから旅に誘ってみようかなっと思ったけど、今はやめておいた…ここで誘っても断られる事は間違いないし、私の暗殺を命じられたら敵になるのは分かり切っていた事だけど…なんか悲しい…

 

この二年間は、陛下にとって今後方向に行くようにしないといけない…下手すりゃ最悪の暴君になりそうだしね。

 

そうならないように頑張っていきましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

1年後に、私は陛下とブドー大将軍に外出の許可をもらい帝都を出た。

その理由は、私の炎の型の確認の為だった。

 

本当は二年経ってから陛下の元を離れた時に、確認しようと思ったけど…事情が変わってきた…

ここ最近、地方民族と帝国との情勢が悪化してきている…明らかに帝国の圧政が招いた事だ。

帝国内の将軍や一部将校が脱走の形跡もあったので深刻な問題となっていいたけど、中でも古代の超兵器でもある〈帝具〉や〈臣具〉の紛失は大問題となった。

私でも〈帝具〉や〈臣具〉の効果は私が持つ魔導具と同等かそれ以上に破壊力持っていると思った。

 

帝都の正門から出た時には、私を狙った暗殺者の気配がしたので魔導具〈韋駄天〉を使い猛スピードで移動し距離を稼いだ所で魔導具〈朧〉を使い姿を消したまま誰もいなそうな森の中を移動した後、丁度いい広さの草原に出られた。

 

魔導具以外の切り札として、本当の意味での炎術士としての力を得るために私は覚悟を決めた。

 

「さて…どうやればいいのかな…外した方が手っ取り早いかな?」

 

私が右腕の腕輪を外そうとした時、頭に直接響くように誰かが話しかけてきた…それは明らかに、私の炎の型の意思だった…

 

「外す必要はない…宿主よ。今からそちらへ向かおう…ただ、腰を抜かすなよ」

 

低く冷静な声と共に、出て来た私の炎の化身の形は…その姿に絶句しかなかった…

 

「我の名は白面…其方の神の命により、炎の化身として共に戦おう…」

 

目の前の超巨大な狐に思考が少し止まった…

ちょっとツッコんでいいかな?

 

オイオイ!!ちょっと待って!!……なんでこんな究極の九尾の妖狐って、しかも超ラスボスの名前で出てくんのよ!!!!

爺ちゃんやり過ぎ!!!私てっきり八竜だと思っていたから、予想超えて沈黙したわ!!

 

九尾の妖狐の白面は、〈うしおととら〉で出て来る最強最悪のラスボスで知略も戦闘力も高く、原作主人公の潮ととらとの最終決戦の熱い展開は、すごく興奮したのを覚えている。(正確には白面ではなく白面の者なんだけどね)

 

私が唖然として話そうとしなかった事に痺れを切らすしたのか

 

「どうした主?我が力を欲しているのだろう…此処に出て来た理由は…分かっているのだろう?」

 

「…そうね。予想外の事で頭がついていけないわ…でも、貴方が『はいそうですか、力を貸そう』なんていうタイプではないでしょうね…つまり…実力を見せろ…と言いたいのかしら?」

 

「話が早くて助かる…ここまで鍛錬した主の実力…今、此処で見せてもらおう!!」

 

「上等よ!!ただほっつき歩いて適当に旅してない事を証明してやるわ!!」

 

私は白面に啖呵を切って勝負を挑んだ…

 

…………後に、この山の麓には超級危険種が出現したと報告が出たと聞いた。

その姿は炎を纏った巨大な白銀の九尾の狐で…何者かと戦闘の後が確認され森林の一部が焦土となっていた事で、戦っていた者は死亡したのではと報告されていた…

 

…白面とやり過ぎた事を反省した私だった…

その代わり、きっちり合格をしましたよ…炎術士としての鍛錬しないといけないな…

 

_______________________________________________________________________

 

魔導具の説明

 

韋駄天

 

魅希が使用した魔導具

靴型の魔導具で、高速移動が可能となる。

 

 朧

 

月白が使用した魔導具

光の屈折率を下げ透明にすることが出来るマント状の魔導具

弱点は、付いた汚れは透明に出来ない事。

核となる玉は裏地に縫い付けてある。

 




ホカゲの炎の型は迷いました…






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プロローグ 4

また、少し短めです。

この先どうしようかな…

8/3

番外と順番を入れ替えました。


約束の二年までもう数日と迫っていた…

 

私の出来る限りの事はしたと思うけど…事実上のオネスト大臣の独裁政治は防がれなかったのが現実だ。

 

脱走した将軍と一部の異民族が革命軍を立ち上げたせいで、その事後処理を担当した文官が陛下に意見を言えなかった事…軍が鎮圧の為に動いたことが原因だ…

オネスト大臣は、あえて革命軍の問題と地方民族の情勢を、善良な文官に押し付けている…

ブドー大将軍の見解は正しかったのかな?私が陛下にアドバイスしていたので、オネスト大臣がその対応に失敗した良識な文官を、監獄送りにしようとしていたが、地方送りまででとどめていたのだから…そん時のオネスト大臣が私を見る時の眼が怖いのなんの…心の中で「計画通り!!」とガッツポーズしてたわね。

 

こんな事をしていたから、オネスト大臣と手を組んでいる役人の作った暗殺部隊に、目を付けられ拉致られる計画もあったみたいだけど…何か洗脳じみた戦闘教育がされていたので、全員ボコってやった…徹底的にね…

 

私の事を「重罪犯罪者だから殺せ」と教官から言われたと聞いたので、その教官にはお礼参りしようかと思ったけど、帝具持ちで最も厄介な物を持っていたので、直接文句言いに行っただけにした。

この帝具…〔一斬必殺  村雨〕…これってチートじゃない?だって擦り傷で呪毒で死ぬって…対抗策は考えられるだけで二つあるけど…あんまり使いたくない…

この一件で、私の中のある計画を実行する事にした。

 

本当だったら、帝国離れて放浪の旅を満喫してのんびりしようと思ったけど、こんな時に旅なんてしていたら厄介事に絡まれることが多くなるだろう…

各地方の内乱や山賊の襲来…それに対応しない軍部…下手をすれば世界戦争になってもおかしくないわ…

それ以上に、私を重罪犯罪者で殺そうとした事に疑問を思わなかった暗殺部隊の子供(年齢的には同い年だけどね)の事もあって腹が立ったのだ…

 

前世の時もそうだ…

 

世界を旅していた時にテロリストに襲撃された事があった…その時に見た物は前線で戦闘しているのは年若い子供だった…

非武装地区で泊まっていた私を拘束し日本人だと分かると、日本に対して身代金を要求しようとしたテロリストの上官が前線にいた子供に命令違反をしたとしてその子供に撃ち殺されたのだ…

その時言ったその子供の一言は今でも覚えている…

 

「悪の国の使者をなんで生かすのだ?」

 

その時の子供の眼も…言葉も恐怖でしかなかった…私は死の覚悟もしたが…その後すぐに軍の鎮圧が始まりその子供は…目の前で銃殺された…

後で知った事だが…その前線の子供たちは…生まれついた時から、人を殺すだけの教育されていた…もう普通の生活が出来ない事を知った…

 

そのせいで、一時帰国もしたが…すぐに旅に戻った…

理由は…この国(日本)に居てもやりたい事が無いなら旅をした方がマシだと思ったからだ…

 

そんな時に、ある二人に出会った…

 

自衛隊の高官のおっさんと、孤児院のスタッフをしている日本人の女の人だった…

その二人には旅先であった事を話したり、孤児院の子供の遊び相手をしてやったり色々と世話になっていた。

 

「俺たちもそのテロリストの鎮圧援助で此処に駐屯しているが…そこまで酷いとはね…ここの園長さんは優秀だったと言うべきだな…君も大変だったな…」

 

「私も子供たちがそんな事になってる現実を理解しなければいけない事を…残念に思います…この孤児院にいる子にも戦っていた子もいます…私はこの子達に何が出来るのか…そう思いながら教師をしていますけど難しいですね…」

 

悲しげに言われ少し救われたような気がしたのは感謝したい所だ。

因みにこの二人…孤児院のスタッフが認める仲良い二人で、何時くっ付いても良いような仲だった。

私は孤児院を出て行く時に、冷やかしで「結婚式は呼んでくれよ」と言って女性の方は赤面して何も言えず、おっさんの方は「余計なお世話だ!!」と怒鳴られたが、まんざらでもなかったらしい…

私は二人の幸せを願った…

 

ふと、その時に一時帰国した際に会った弟夫婦の事を思い出した。

そういえば子供が出来たと聞いていたので一度帰国してみる事にした時に、ついでにおっさんと彼女の家族にビデオレターを作り私が届ける事にした。

他のスタッフとの会話など日常と子供達と遊ぶところや勉強を教えている彼女の元気な姿など、面白可笑しく編集した。

二人はあと個別に渡して欲しいと言って別に編集したビデオレターを受け取り私は帰国した…

 

しかし…この後の最悪の事実を知る事になる…

 

その孤児院が…爆破テロにあった…子供は全員死亡…生き残ったのは…園長さんを含めた数人の大人のみ…

生存者の名前に…あの二人の名前は無かった…

 

あの後、犯行声明で言っていた事は…最悪の理由だった…

 

自衛隊のおっさんがいた事で、テロリストの幹部を殺した報復としてやった事と、侵略者を援助した国に対する警告としてやったと言ったが…バカげている!!!!

 

おっさんも彼女も、なんで殺されなければいけない!!

子供達もそうだ…ただ勉強して友達と過ごして楽しそうだった…それをぶち壊した奴らを許すことは出来なかった…

私はテロのあった孤児院を訪ねた時に、院長さんとおっさんの部下にもっと残酷な事実を知った…

 

二人は日本に戻り結婚した後に、此処で働く予定だった事…

そして、一端のお別れ会をやる際に集められたお菓子の差入の中に…爆弾が仕掛けられていた事だ…

それを受け取った彼女が嬉しそうにしていた時に…爆破され殺されたのだ…

彼女の遺体は残っていない…おっさんの方も酷かったそうだ…

これが…正義?この二人と子供たちが…悪?

そんなの私は否定する…力があったなら…この人達を守りたいとそう思った…

 

孤児院の跡地に花を手向けた後、私は旅を再開した…

まさか、数年後…普通に飯を歩きながらで食っていた時に、爆発物による自爆テロに巻き込まれ死亡して転生する事になるなんてね…

今なら、あの時とは違って力もある…あんな悔しい思いはもうしたくはない…

 

オネスト大臣…私に喧嘩を売った事を後悔させてやるわ…

 

 

 

ついに約束の日になった…

 

今日の深夜にここを出て行く事にしていたので、ブドー大将軍には別れの挨拶をしておいた。

 

「ブドー大将軍…今までお世話になりました…暗殺者の事もありますので今日旅立ちます」

 

「そうか…今まで陛下に仕えた事、感謝する…この先どうするつもりだ…」

 

「私は…陛下の影としての役割をいたしましょう…陛下を頼みます…」

 

「お前に言われなくとも、陛下は私が守る…早く行け…」

 

その後、会話をする事は無かったが、私が何をするのかを分かっていたのか…ブドー大将軍が笑っていたような気がした。

本来なら失礼な行為となってしまうが…別れの挨拶を陛下にしなければいけない…

深夜の遅い時間帯で会いに行った時に、陛下は就寝せず起きていたのだ…私が出て行くのを知っていて待っていた…

 

「陛下…夜分遅くに申し訳ありません…実は…」

 

「分かっている…ブドー大将軍からは話は聞いている…そうか…もう二年経ってしまったのか…」

 

陛下は私と出会った時の事から今までの事を思い出しているのか…私も寂しい気分になった…

私も、もう少し傍にいた方がいいのではないかと考えたけど、政治や経済に関しては学も無い私は力になれない…

もし、傍にいたとしても帝国はオネスト大臣による独裁が続き…その結末は分かり切っている…

 

「約束の二年となってしまいましたが…陛下と過ごした日々は楽しかったですよ…このような流れ者をここまで信頼してくれた事を感謝いたします。」

 

「余も同じだ… 影法師…いや今はもうホカゲか…余も楽しかった…ホカゲの話してくれる異国の伝承や物語は退屈する事は無かった…あの時の襲撃から守りこうして今まで職務を果たした事…感謝しよう…」

 

私は…陛下の悲しそうな顔に、少し決意が揺らいでしまう…

その為に私は、暇な時間を使って狐のぬいぐるみを作っていた…ある意味特性のぬいぐるみだ。

その、ぬいぐるみを渡した時に陛下は「余はもう人形遊びなどしないぞ」と不機嫌そうに言ったけど私の狙いは…

 

「陛下…私の信頼の礼としてお受け取りください…もちろん只のぬいぐるみではありません…」

 

私がぬいぐるみに、()()()()を付けた時に、そのぬいぐるみは自我を持ったように動き出し陛下に敬礼した。

 

「ホカゲ…これはどのような仕掛けなのだ…まるで生きているようにしか見えないが…」

 

「そのぬいぐるみの右腕に付けられた宝玉の効果で動いています…それと、見た目は可愛いぬいぐるみですが材料に危険種の毛皮や骨を使っていますので頑丈に出来ています…私がいなくなっても陛下をお守り出来る様にしました…大事にしてくださいね…」

 

私が「陛下を守ってあげてね」とぬいぐるみに言うと敬礼して答えた…思った以上に性能がいい。

 

それは魔導具〈形傀儡〉…人形に意思を持たせる事が出来る…最悪オネスト大臣が陛下を暗殺しようとした時の防衛策と、味方は多い方がいいと思って伏兵に作ったのだ…

 

「私は此処を離れますが、陛下…私は臣下では無くなりますが…友人として力となりましょう…では…またいつか会いましょう…その時は、陛下の我が儘を聞いてあげますよ…」

 

私は笑顔で言うと、陛下も笑顔でこう答えた。

 

「ならば、余は海が見て見たい…帝都から離れた事があまりないので、海を聞いたことがあっても見た事は無いのだ…いや…そうではないな…余はこの世界を見て回りたい…ホカゲの話した伝承や物語で聞いた景色が見て見たい…だが…そんな我が儘は…」

 

「わかりました…私は出来ない約束はしません…暫くお別れですが、またお会いになった時に、その我が儘を叶えましょう…陛下、お元気で…またお会いしましょう」

 

陛下に笑顔で答えた後に、仮面を付け窓から外へ飛び出した…

空気の読めないバカはいたようで、襲ってくる奴がいるけど…ここは宮殿の敷地内だ。

ブドー大将軍は狼藉者がいると判断し、空に雷雲が見え始め落雷が私を含めた襲撃者達を襲い掛かる…って!!私も無礼者扱いですか?ブドー大将軍!!

私は落雷をどうにか避け敷地外に逃げられた…回避している時にブドー大将軍が私を狙う時だけ活き活きしていたのは、「こんなものに当たるぐらいじゃ陛下は守れないぞ…小娘」って言いたいのかしら…

ちょっとムカついたので挑発したらレーザーみたいな落雷落としてきましたよ…殺す気か!!

 

しかし、そのおかげで追手は無かった…まあ、当たり前よね…

 

一応念のために、暫く帝都から距離を稼ぐと仮面を外した後に蔵王から着替えを取り出して正体がばれないように着替えた。

 

さて…この先どうしようかな?

 

 

一応、人材の確保に行こうかな?…ついでに村に戻ってみよう!

村の皆とエスデス元気かな…

 

その後…私は村が壊滅的な被害を受けていた事と、エスデスが入れ違いで帝国軍に入っていた事を知った…

 

 

_______________________________________

 

 

魔導具の説明

 

 形傀儡

 

形代零蘭(森川 願子)の所有する魔導具

人形にとりつけることで、意思をもたせる事が可能となる

原作では本来マネキンである形代零蘭を人間と見せかけた攻撃も可

     




次から本編になると思います…



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番外 1(プロローグ 2.1話)

本当の番外です…(超短いです)




エスデスの父は笑顔で村を旅だった少女の事を思い出していた。

 

初めて会ったきっかけは、危険種が多く住む雪山で暮らす幼い少女がいる事を聞いたために、娘を連れて確認に言った事で出会った。

 

小屋にたどり着いた時に丁度狩りに行こうとしていたのか、髪の長い薄い茶髪の少女が出合い頭に会ってしまった。

穏やかに笑い「こんにちは!!おれに何か用ですか?」とここを訪ねて来た理由を聞いてきたが、こんな少女が一人で暮らしている事が意外で仕方なかった。

 

取りあえずホカゲと名乗った少女は小屋に入れてくれたが…此処で暮らしている理由を聞けば、天涯孤独の捨て子らしく運よく此処に流れ着きて暮らしていると言ったが…

この雪山で暮らしていくのは自殺行為だと思ったが、部屋に置いてある危険種の毛皮や骨細工などを見ると、かなりの実力者と見た。少女に聞いてみた時の返答は…

 

「趣味で骨細工は作っていますけど毛皮や肉は売りに行ってます…おれ一人だと食いきれないんで…」

 

と笑顔で答えてくれたが…実力も見て見たくなったので狩りを見せてもらったが…

その狩り方に驚く事しか出来なかった…その少女は、特別な道具を使って危険種を狩っていた…

 

見た目は只の棍棒のように思えたが、地面に突き立てた時に地面の岩石が腕となり危険種を殴り倒し狩っていた…

その道具は噂にでしか聞いていない帝具なのかを聞いてみたが、

 

「わかんないです…ここの奴ら狩るのに便利だから使っていただけだし」

 

とホカゲはにっこり笑って話したのだ。

 

その後、ホカゲとの交流は続き、娘であるエスデスとは、お互い認め合う親友となっていたが…

エスデスの性格が少し変わったように思えた事があった。

 

それは、狩りの時に傷を付けすぎてしまった為状態が悪く売り物にならない危険種を、エスデスが解体の練習をしたいと言って生きたまま痛めつける様に解体していた時に、それを見たホカゲが頭を潰しとどめを刺した後に怒りをあらわにして

 

「エスデス!!もう二度とこんな事しないで!!」

 

と言った時に、エスデスはどうすればよかったのかを聞いた時に、ホカゲがしたのは、埋葬だった…

 

「おれは、生きるために狩りをしてる…毛皮も骨も肉も明日を生きる為に使ってる…そんな狩りをして奪った命を冒涜するような生き方をしたくない…ただ強者だからって理由でこんな事をするのは…おれは納得できない」

 

ホカゲの言葉の意味を、エスデスは理解できていたのかは分からなかったが…その後、状態が悪く売り物にならない危険種を痛めつけるような解体をする事が少なくなった事は確かな事だった…

ホカゲも歳を十代になった頃には、乱暴な口調がなくなり好奇心の強い少女となっていた…

危険種を狩った後の宴の時に、近い内に長年の夢であった大陸の横断の旅に出る事をホカゲは報告した…

その事を一番に反対したのはエスデスだった…

ホカゲの決意は固くどんな言葉を言っても旅に出る…そう思ったエスデスがとった行動は…

 

決闘と言う名の…大喧嘩だった…

 

ホカゲもそこまで大きく拗れていたと思わなかったのだろう…

只、殴り合って納得したら終わりだと信じてホカゲだったが、エスデスは本性を表し痛めつける様に急所狙い始めたが、ホカゲも攻撃を捌きギリギリの負傷を避けており、貫手による目つぶしにも対応していたが…ホカゲはエスデスの足払いで転ばされその隙をつかれ…右腕を蹴りで折ったのだ…

ホカゲは苦悶の表情を出し後退したが、もう戦える状態ではなかった…

ここまでで終わりかと思った時…エスデスが戦闘中に傷つけ流したホカゲの血を舐めながら言った一言で…ホカゲの表情が変わった…

 

「もっと血を見せてくれ!!もっと良い声で泣いてくれ!!ここで屈服するなら爪はがしぐらいで許してやる」

 

「………っめんなよ…」

 

「ホカゲ…なんと言ったんだ?聞こえる様に…」

 

「なめんなって言ったんだ…こんなもんで屈服する俺じゃねーんだよ!!腕折ったくらいで調子に乗ってんじゃねーよこの戦闘狂が!!屈服させたいんだったら殺す気で来い!!」

 

目つきがいつもの明るさが消え、凶悪な目つきに換わった時、エスデスの父はホカゲの印象をこう思っていた…

 

この少女も…とんでもない化け物なんだと…

 

エスデスは、その言葉が弱体化による虚勢だと思っていたのだろう…それが命取りとなった…

 

ホカゲの折れた腕を再度拳で攻撃した時、その行動を見切っていたホカゲはギリギリで避け背後に回ってやったことは…折れた腕を使っての首絞めだった…

エスデスに肘で腹を殴られようがホカゲが力を緩めることは無く、そのままエスデスは崩れる様に倒れた…

決闘の後見人としてエスデスの父は二人の元に向かった時…この時ある事を知った…

 

ホカゲは首絞め攻撃をしていた時には、すでに気を失って戦闘不能となっていた事だ…

 

それを意味するのは…口調が変わった時には、自分自身が死のうともエスデスを倒そうとしていた事だった…

 

幸いにも、二人とも命を落とすことなく相打ちとなり、治療の為数ヶ月を待ってホカゲは旅だったのだ…

今まで世話になった礼として、ホカゲは三日月型の曲刀と、初めて会った時に使用していた棍棒をエスデスの父に預けた。

 

「これは狩りの時にでも使用してください…投げても使えますし便利ですよ!この棍棒も地面に突き立てた時に、自分が考えた物に自由に変形させて操作できます。」

 

出会った時と変わらない笑顔で答え、そして旅立っていったホカゲ…

エスデスの父は、娘に大きな影響を与えた少女に感謝した…そしてこの魔導具〈海月〉は後にエスデスの父の命を救う事になるのは…後の話…

 

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魔導具の説明

 

 海月

 

月白が使用した魔導具

三日月形の刀でブーメランにもなる。

 

 石棍

 

牙王が使用した魔導具

六尺棒の魔導具で大地に突き立てて岩石を自在に操る事が出来る

弱点は、核を壊されると能力が消失する事

     



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アカメが斬る!本編
本編1


原作一話のちょっと前あたりですが本編にさせていただきます。




「久しぶりの帝都ね…家でゆっくりしたいわ…」

 

私は仕事を終わらせ自宅に帰る為に、帝都の門の前で少しぐったりしながら行列の中待っていた…

 

全く…私が帝都からいなくなった途端に、一気に治安が悪くなったけど…オネスト大臣の手回しの良さも脱帽ものよね…

理由は簡単だ…官僚や貴族の汚職が激増したのは、陛下がオネスト大臣に政権を任してしまっている状態で他の文官もうかつに意見を出せなかった事も大きかった…

私がいた時は、陛下は意見を聞いていたけど…オネスト大臣は意見など言わせないで牢獄か拷問所行きだろう…

 

それと大問題はあの戦闘狂の幼馴染の影響もあるわね…

 

村に戻った時に、敵と勘違いした村の皆に襲われたけど…私だと気がついて再会を喜んでくれた。

少し話を聞いてみると、北の異民族に襲撃された時に、私があげた〈石棍〉のおかげで重傷者ぐらいで済んだらしいがその場所は住めなくなったので私が住んでいた小屋の近くに集落を作ったそうだ…

何でも岩石の巨人を作って戦っていたみたいで…敵もパニック状態で逃げ出したみたいだったが…

族長さんは右腕と右足を失う重傷だったが、私が会いに行った時に「ホカゲか?このとおり惨めな体で再会ですまない…俺が弱者だったみたいだ…」と苦笑しながらも生きて会えた事を嬉しいと思った私だったけど…問題はエスデスだ。

 

どうやらその襲撃の後に、近辺の危険種を一人で狩っていたが村の皆に一言も言わずに立ち去ってしまった。

 

その後、武術大会に出場したり危険種狩りをしていたらしいが帝国軍に士官し入り、今では最も恐れられている将軍となっていた事もそうだけど、その後帝都の近くの町や村でエスデスの評判も聞いたけど…敵に対して容赦ない性格は治らなかったみたいね…拷問好きも相変わらずだしね…その代わりエスデスの部下の1人で里帰りしていた村の青年に会って詳しく聞いたけど自分を慕う人間に対しては優しいみたい…私の事も探してたようで…

 

「あの時の決着を付けたい…勝ち逃げは許さん…」

 

凄い良い笑顔で言ったそうだけど…またあんな喧嘩すんの?もう嫌なんだけど…

 

その青年には一応…「近い内に会えると思うけど…会った時は穏便にお願いね」と伝言を頼んだ…

実の所…黙ってくれた方がいいのだけど…この人が酷い目に遭いそうなので言った時に、青年はホッとした表情をしたので、多分私の判断は正解だったのだろう…エスデス…どんだけ酷い目に遭わせるのよアンタ…

 

人材集めをしたかったけど村の皆に頼るのは無理と判断した…

第二の策で私は革命軍に属さない元大臣や将軍に会って話してみようと考えた…

早速実行したけど…帝国を立て直そうとしていた大臣や将軍の殆どが革命軍と繋がっていた事実だった事に少しガッカリしてしまった。

幸いにもある辺境で元帝国の大臣であるチョウリさんと会う事が出来た事は幸いだった…

影法師として護衛していた時に会っていた事もあり協力もしてくれる事も約束してくれた…(元々戻るつもりだったらしいけどね…)

帝都に戻る時には護衛をしてもらいたいと頼まれたので、快く引き受けたけど娘さんが納得しなかったようなので実力を見せるために彼女と模擬戦をしたけど、なかなか強かったけど彼女の槍を見切って避けて疲労してきた時に首を掴んで降参させた事で実力を認めてもらった…

娘さん…いやスピアさんとは仲良くなったけど、滞在中に何回も模擬戦を頼まれた事は勘弁してほしかった…

何で私の周りの女の子は武闘派脳しかいないの?

 

ついでに革命軍の事も探っては見たけど…皇帝を倒すのではなくオネスト大臣を倒す事になってる事は理解できたけど、正規の革命軍ではない只の盗賊達が勝手にしていたので殲滅した事が多く、本部まで行って直接文句言った事もあったけどね…(この時、また仮面を付けていたので素顔はばれていないけどね)

革命軍にも誘われたけど…私は誘いを断った。少し大きな問題もあったしね…

この時、陛下の護衛をしていた影法師という事が知られたけど、立ち会った数人の幹部が怪しい動きをしていたので数日間調べたら…帝国のスパイでした…中には戦況状況で裏切る可能性が高い人もいたのでまとめて総司令の元で徹底的に白状させた。

この事がきっかけで革命軍に関係を持てたけど、私はあくまでも第三者として穏便に解決したいので、やんわり断った。

この時に私はある条件を言った。

 

「オネスト大臣は貴方たちに任せます…その後は帝国がどうなろうが知った事ありませんので…バカげた圧政が終わって安心してこの辺りがのんびりと旅が出来れば文句は言いません…ただ私は陛下と大事な約束をしています…もし陛下に危害が及ぶようであれば…分かっていますね…ついでにエスデス将軍の事ですが近い内に私が対応しておきましょう…」

 

その時にかなり警戒されたけど…殺気出し過ぎたかな?

代わりに帝都の悪徳貴族や不良将軍の暗殺を引き受ける事にした事で警戒を緩めてくれたみたいだけど、要注意人物扱いはされたかな?

 

そんな事もあり、私はホカゲとして帝都に戻り住む事にした。

 

幸いにも危険種の素材と各地方の特産品などを売りさばきお金はあったので、自宅兼拠点を手に入れる事が出来たのは運が良かった…

 

だが、そのせいで金が底を尽きました…

 

考えなしでこんな事した私がアホだったのは分かるのだけど白面にも呆れられ散々だったが…ここで私は本来の目的でもある仕事を始めた…

私は白面が実体化して人間に変化出来る事を知っていたので、依頼の請負人を頼んだ。

因みに白面の人に化けた容姿は…ぶっちゃけ某ホラー映画で有名な黒髪ロングの女性だ…それと顔は意外に美人なので助かったけど…初めの内は気に入らない依頼人を半殺しにしたりして前途多難になりそうだって思ったわ…

 

その後、今はそれなりの成果も出ていて依頼も多く取れるようになった…

白面もかなり優秀で私に足が付かないようにしてくれているので助かっている…その代わり問題もあるのだけど…

実は彼女が実体化している時は、白面の型の炎が使えない…つまり火炎放射するぐらいの能力まで低下する事がデメリットとなっているけど、魔導具でカバーしているので問題ない…

 

今回も革命軍の依頼で、悪徳領主の暗殺を終えて帰って来たのだけど…早い所家に帰ってゴロゴロしたいのが本音だ。

 

因みに白面は「並ぶのが面倒だから」と言って仕事に必要と思って渡しておいた影界玉を使って家に帰りました…

私もそうしようと思ったけど、万が一調べられた時に、不法侵入した事がばれると厄介なので渋々待つことに…

 

 

「あの子達は家の事しっかりやってくれてるかしら…帰ってきたら汚部屋になっていた(あの子達の自室)なんてことあったら懲らしめてあげないと…」

 

自宅の同居人たちの事がしっかりと留守をしているのか心配しながら自宅へ帰ろうとすると、帝国軍の兵舎の所で何か騒ぎになってるけど…

普段だったら気にしなかったのけど…何か興味が湧いたので見に行ってみると…どうやら雇用の問題らしく地方での任官しかない事に抗議しているみたいで、少年の方が「実力見せるからおっちゃんかかってこい!!」と実力をアピールしたかったのか挑発しているしているけど…「出て行け!!!」と言われ叩き出されていた。

 

どうやら少年と少女の二人組みたいで地方の出身者みたいね…

「なんで余計な事してるのよ!!」と黒髪ロングの少女にバンダナを巻いた少年が怒られているけど…君たち注目の的だよ…何か見てて面白かったので詳しく話を聞いてみようかな?

そうしようとした時に…何か嫌な視線を感じた。

私ではなく…あの二人にだ…これは少しヤバめかな?

 

そう思った時、私は二人に話しかけていた。

 

「えっと…目立ってるから二人とも落ち着いたら?」

 

私は少女の方に話しかけると周りの視線が分かったのか口論をやめていたけど恥ずかしかったみたいで顔を赤くしていた。

少年の方は私の顔よりも胸を見ているのは気のせいか?確かに育ってきちゃったけどね…気持ちは分かるから軽蔑はしないけど、色仕掛けされて命取りにならないといいけどね…

取りあえずさっきの視線の事もあるので場所を移動して事情を聴くことにした…

 

適当な料理屋に入り、二人におごりという事でご馳走したけど…

この二人…サヨとイエヤスは故郷の村を救うために帝都に出稼ぎに来たのはいいけど…軍は思った以上に待遇が悪かったらしく面接官と口論になったらしい…

それで「実力を見てくれ」と言った所で叩き出されて今に至る…どうやら帝都に来る前にもう一人いたみたいだけど盗賊に襲われ別れてしまったらしいけど、大丈夫なの?

二人に聞くとかなり強いらしく危険種狩りもこなせるみたい。

残念だけど…この二人にはこの帝都の現実を知ってもらわないと…

 

「話は分かったけど…軍に入らない事は正解かも…今こんな情勢だから採用されても、地方に飛ばされるから名を売る事なんて出来ないと思うわよ…それに貴方たちと同じような人も多いからもうここで稼ぐのは難しいわよ」

 

「そんな!!じゃあ私たちはどうしたら…」

 

「そうだ!俺もタツミも村をどうにかしたくて帝都に来たんだこんな所で…」

 

二人とも本当に故郷を大事にしている事は分かったけど、この帝都で職を探すのはやめた方がいいだろう…

私は二人の食事代を置いた後に警告の意味で私は言った…

 

「余計なお節介かもしれないけど、早く帝都から去りなさい…厳しくても故郷の村で暮らした方が幸せよ…死にたくなければね…貴方たちが思っているほど帝都は良い所じゃないわ…」

 

二人は私の言った事の意味が理解出来ていたのだろうか…答えは…()()()()()()()()()

 

少し前の嫌な視線の事もあったので、私が店を出た後の数分後にあの二人は貴族らしい親子に拾われ雇われたみたいだけど…あの貴族は確か…

 

「やれやれ…明日にでもあの二人は私の言葉の意味が分かるかしらね…白面にも手伝ってもらわないと」

 

私はこれから起こる厄介事を解決させる事を考えながら自宅に帰った…

 

 

 

____________________________________________

 

 

私はある貴族の屋敷の離れにある倉庫に来ていた…

隣には相棒の白面が私に合わせて忍装束を着ていた…

倉庫内に誰もいない事を確認し、警備兵を無力化させた後に鍵を壊し準備を整える…

今回は、現地調査で可能であれば標的を消す事も依頼されていたが別の組織が狙っている事を知っていたので情報を売る事にした。

 

「白面…準備はいいかしら…」

 

「ああ…我はいつでも動ける…ただ…残念なのは主は我を余り使ってくれぬ事だ…いつ使ってくれるのだ…」

 

「近い内に考えているわ…それにこんなザコ共に使うほどの安い力じゃないでしょ…」

 

倉庫の侵入前に白面と話した後…倉庫に潜入した後でそこでみた物は…地獄のような惨劇だった…

 

そこで見た物は…拷問途中で息絶えた無数の死体と精肉された家畜のように吊るされてある人間だったモノ…毒物のせいで肌が変色したゾンビのような元人間…そして未だ裸で吊るされ体中に傷だらけとなって拷問を受け気絶している少女だった…

それは…昨日忠告をして別れたサヨだった…

近くの牢獄には全身に痣だらけでぐったりしているイエヤスの姿を見た時に、此処でどんなやり取りがされたのかが予想でき…白面に私は思っていた以上に不機嫌な声で自然のこう言っていた。

 

「やっぱりここは思ったよりブラックだったって事ね…白面…前言撤回してこの屋敷の敷地全部を火の海にしてみる?」

 

「良い笑顔で言ってくれるな主…それは魅力的な提案だが、本来の目的を忘れてはいないか?」

 

白面に少し呆れられたけど(白面はやる気満々だったけど…)私は「それもそうね」と怒りを鎮めて白面にイエヤスの救助を私はサヨに近づいて拘束を解こうとした時に、「サヨから離れろ!!クソ女!!」と罵声を浴びせられたけど…イエヤスはどうやらギリギリで意識があったみたいだ…

そういえば仮面で顔を隠してるから誰だか分からないか?

 

「私よ…昨日会ったばっかりじゃないの?ご飯奢ってあげたのに忘れるなんてひどいんじゃない?」

 

「アンタは…あの時の…確かホカゲさん…」

 

私は仮面を少しずらし正体を明かすと昨日の知った顔を見て安堵してしまったのかイエヤスはその場で泣き出してしまっていた…

やはりサヨが目の前で拷問され自分が何も出来なかった事…しかもその拷問していた相手は途方に暮れた自分たちを快く相談に乗ってくれた人のよさそうな貴族の女の子だった事もあったみたいだけど…私は助けに来たわけじゃなくて、あくまでもここの調査だ。

イエヤスは自分の事よりサヨの事を助けてほしいと言ってきたけど…なんで食事奢ったぐらいで信用してくれるの?

 

「私の事は信用するのはどうしてなの?裏切られるかもしれないのに…」

 

私はその疑問をイエヤスに聞いた時に、イエヤスはこう答えた…

 

「俺たちがホカゲさんの()()言葉の意味を分かっていなかったのがいけなかったんだ…帝都に来るまでに護衛した行商のおっちゃんにも『帝都にはバケモノがいる』って…それと同じ警告をした人が裏切るなんて事はしない…そう思いたくないんだ!!」

 

…全く本当は助けに来たわけじゃないのに…まあ今回の依頼は調査が目的だから、仕事は終わり…っと!

…残念だけどこの二人以外は…手遅れよね…

 

イエヤスを牢屋から出した後に吊り上げられたサヨを助け出したけど…鞭による拷問の出血と打撲が酷い…本当は余り使いたくはないのだけど治癒の力を使い応急処置をしておいて自宅に帰り次第治療をしてあげよう…

二人とも裸でここから脱出させるのはちょっとアレなので、蔵王から大き目の布を取り出して服代わりに纏わせた…

 

「白面…男と女どっちがいい?」

 

「無論、女子だ…運ぶだけなら次元界玉か魂吸いの壷を使ってみたらどうだ?」

 

「あれを使うなんて酷い事言うわね…じゃサヨの事よろしくね。イエヤスは私が抱えていくわ」

 

「了解した…小僧…運がいいな…主に背負ってもらえるとは…ただしっかりと掴まっていないといないと地獄をみるぞ…」

 

私が背負った時にイエヤスは胸に触れた時に少し顔を赤くしたけど、ただ照れ臭かったみたいだけど…まあ弟としてならOKだけど好みのタイプじゃないのよね…元男だけどね

 

私は何で後悔するのか理解はしてなかったけど…この後に自宅まで向かっていた時の感想を聞いたら終始無言だったのは何で?

 

ただ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

____________________________________________

 

私と白面は自宅まで急ぎたどり着こうとした時に、自宅門の前で三人の少女が待っていた…

それは事前に魔導具〈声〉で連絡しておいたので治療の準備も出来ている。

背負っているイエヤスに話しかけてみるけど返事が無いので顔を見てみると…なんで泡拭いて気絶してんの?

白面は何故か良い笑顔だ…サヨを私に抱きかかえさせると私が背負っていたイエヤスを肩に担ぎ上げて先に客室に連れて行ってしまった。

 

「この小僧は我に任せてその女子を治療を優先させろ…手遅れになっても知らんぞ…」

 

白面は去り際に表情を真剣なものに変えて忠告してくれた…

確かに、サヨはまだ応急処置しかしていないので、本格的な治療をしなければいけないとね…

私は治療がすぐに出来る様に客室にサヨを連れて行きベットに寝かした後で治癒の力で体中の怪我を治療していく…

 

実は治癒の力を倉庫で使わなかったのは体力の消費が激しいので、自宅で治療した方がいいと判断したからだ。

前の時にある仕事中に助けた重傷者に使った時に、治す事は出来たけどその場でとんでもない疲労で白面に次元界玉を使ってもらって運んでもらったのでどうにかなったけど…あの娘達に軽いトラウマ植えつけちゃったのは反省よね…(後に便利そうだから次元界玉内に隠れ家を作っておいたけど…本当の緊急時しか使わないかな…)

 

サヨの体の傷を治療して一時間ぐらい経っただろうか…顔色も良くなったのでもう平気だろう…

やはり、治癒の力を使い過ぎたせいか、何とか自室で寝ようと思うけど…思ったより酷くもう限界が近い…

面倒なのでリビングのソファーに寝っ転がり今後の事を考えていた…

 

「助けちゃったけど…二人の事どうしようかしらね…」

 

この先の事を考えている内に、いつの間にか私は眠っていた…

 

 

___________________________________________

 

 

魔導具の説明

 

  影界玉

 

原作烈火の母である陽炎の所有する魔導具

影を媒体として監視とワープが出来る

      

 魂吸いの壷

 

双角斎が所有する魔道具

専用の粉を浴びせた対象を壺に閉じ込める

時間の流れが壺の中の方が早い




イエヤスとサヨの役割も決定しています。

同居人の正体は、わかりますよね?


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本編2

遅くなりました
少し強引ですかね?

一応投稿しておきます…

違和感・誤字脱字等の指摘お願いします。

12/17

文章少し修正しました。


何か騒々しいので目を覚ますと、どうやらサヨが気がついたみたいで様子を見に行った三人の内の誰かと揉めてるみたいなので大あくびをしながら私はノックをした後に入ると…警戒しているサヨが同居人であるエアを人質にしているけど…

全く…今この状況でこんな事が出来るなんて…

 

「イエヤスと同じでちょっと酷いんじゃないの?その子を離してあげて」

 

私が笑顔で対応すると「貴方は…確かホカゲさん…」と言った後、警戒はしてはいるけど私が敵意が無い事を理解してくれたみたいでエアに謝罪をしてから離してくれたけど…私は一回しか会っていないのに、どうしてここまで信用してくれるのかな?

 

「イエヤスもそうだけど…簡単に人を信用し過ぎよ…もしあいつ等と同じだったらどうすんのよ…」

 

呆れながらサヨに聞いたけど帰ってきた答えは…

 

「確かにそうかもしれません…貴方の言う通りに簡単に人を信じた結果ああなりました…ですが今こうして此処に居る事はあんな状況を助けてくれたホカゲさんが…アイツらと同じだなんて思いたくないんです…」

 

…全くいい人材を拾えたかもしれないわね…まあ選択肢はあげるけどね…

 

「サヨ…早速で悪いんだけど…怪我の状態を見たいから服脱いでくれない?」

 

少し恥ずかしそうだったけどまあしょうがないよね…いつまでも全裸を見てるのはかわいそうだし、とっとと済ませようと思った時、勢いよくドアが開けられ「大丈夫か!サヨ!」と息を切れせたイエヤスきたけど…タイミングが悪すぎる…

まあ…うん…眼福だろうね…裸だしね…

 

あ…本当に時間って止まるんだね…サヨとイエヤスはそのままの状態で止まっている。

 

「イエヤス……回れ右!!逃げて!!」

 

私はイエヤスに慌てて言った時には手遅れだった…

 

声にならない悲鳴を上げた後にサヨの拳がイエヤスの顔面を直撃し気絶させられたのはオチは当然だろうね…

白面が「小僧がそっちに行ったが…すまん手遅れか…」とすまなそうにしている事から本当の事故だったのだろう…

 

イエヤスが起きるまでサヨには今の状況を話しておいたけど…サヨはやはり今の帝国の状況がここまで腐りきっている事にショックだったみたいだ…

白面からはイエヤスの治療中に腕に妙な斑点があったのに気が付き、毒物の可能性を窺ったので保険として解毒丸を使ってみたらしいけど…この様子だど完治したのだろう…(一応…毒魔針の解毒薬なんだけど…万能解毒剤になったみたいだ…)

その事を知るとサヨは改めて感謝とエアに対して深く謝罪した…

 

「私に対しての謝罪と感謝は不要よ…私は貴方たちを見捨てようとしたからね…」

 

「どういう意味ですか?」

 

「あの時の警告した事で、たとえ警戒心があったとしてもこの帝都の闇は容赦なく弱者からすべてを奪うわ…例えば…ただ道を歩いて財布を拾って持ち主に届けただけでも…それをワザとしていて拾った奴が罪人扱いにされて奴隷にされた事もあったわね…それと同じよ…私は『貴方たちが今こうなる事を知っていて仕事の為に捕まってもらったのよ』助ける気なんて無かったしね…」

 

「ではなんでここまで治療して助けてくれたんですか?危険な事をしてまで…こんな事する意味なんてないじゃないですか!!」

 

「それは貴方たちが私の所有物になったって考えたっていいんじゃない?あそこで死ぬよりも、何かに役立って死ぬ方が有意義じゃない?」

 

私の言葉にサヨは絶句していた…すごく怖い顔で睨んでいるが、私は気にしないでいた…

まあ…所有物なんて言われたら普通はそんな反応するわね…それか殴りかかって来るか…

本音を言っとけば奴隷にしてこき使うなんて、私の趣味でもないのでここから本音を言っておこうかな…

 

「貴方たちに選択肢をあげる…『私に雇われ仕事を手伝うか』か『故郷に帰る』…それ以外の選択はないと思いなさい」

 

この言葉の意味にサヨは安堵したのか警戒を解いてしまうけど…私の事そんなに信用しない方がいいと思うんだけどな…どちらを選択するかはイエヤスと相談してからでも遅くはないのでいいけど、再度警告しておくかな…

 

「サヨ…私の事を信用してくれるのは嬉しいけどね…こんな時でも周りを警戒する癖をつけた方がいいわよ…隙を見せたら…殺されるわよ。どんなに信用出来そうな人でも、ためらいもなく切り捨てる事が出来る人がいるという事を…私にそのようにされてもいい覚悟があるのなら…私が雇って強くしてあげる…」

 

私はサヨに強めの殺気を込めて言ったけど、怯むことなく「イエヤスと相談したいので少し時間をください…」と声が恐怖で震えそうになるのを堪えて言っていた…

私は「好きにしなさい。後…逃げても追わないから安心して…」とそっけないように言って部屋を離れた…

 

エアが何か言いたそうにしていたけど…何を言うのかは予想で来ていたので「好きに話せばいい」と目で合図をしておいたけど…エア?なんでそんなに嬉しそうな顔するの?

 

部屋を離れてリビングでのんびりしようと思った時に、白面が今回の依頼された調査の件を別の暗殺者に報告していたみたいで…あの貴族一家の暗殺が数日後の夜に執行されるらしい…

白面が言うには帝都の指名手配されている同業者の〈ナイトレイド〉がやるらしい…

私は気になったので白面に聞いてみた。

 

「白面…仲介役の人と会ったのよね?どんな感じだった?」

 

「ふむ…なかなかの手練れだな…初めはノリの軽い小娘かと思ったが我が格上に強いと判断したようでな…少し警戒しておったよ。なぜ偵察のみで終わらせたか疑問に思っておったので、主の気まぐれで生存者を助けたと言ったぐらいか…失敗したわけじゃないので気にしてはいないみたいだったが、その小娘笑っておったが馬鹿にしてる様子ではなかったか。そうそう…主に直接会ってみたいと言っておったな…確かボスであるナジェンダと会ってほしいと言っておったか?」

 

「ナジェンダさんね…確か元帝国将軍であの戦闘狂(エスデス)に離反する時に片腕と片目を失ったって聞いたけど…会ったらスカウトされそうで面倒ね…でも挨拶はしておきたいわね…白面…『近い内に必ず約束する…でも仲間にならない』とその仲介の人に言っておいて」

 

「了解した…それと主…あの小僧と小娘をスカウトするのはいいが…もう一人のタツミという仲間はどうするつもりだ?」

 

「そうねえ…運が良ければ会えると思うけど、あの子達みたいな事になったら終わるわね…白面、悪いけど今日だけ情報収集と今日の分の依頼の実行を一人で頼めるかしら?」

 

「了解した…ゆっくり休んでくれ主。魔導具を持っていくが毒魔針と影界玉を持っていくが許可をしてほしい…」

 

「その二つなら問題ないわね…派手にやり過ぎないでね…」

 

白面は「了解した…派手にはしないさ」と不敵な笑みを浮かべる…でもアンタ、この前〈砲魔神〉使いまくって大惨事寸前になった事もあるので自重してくれるといいんだけど…無理だろうね。

(まあ…犯罪組織のアジト殲滅が目的だったからいいけど…人目が無い山奥で助かったのは言うまでもない)

 

さて、疲れたので寝よう…

 

私は本当に疲れていたのだろう…目が覚めたのは夜の遅い時間だった…

お腹もしたので何か作ろうと台所に行こうとするけど、いい匂いがするのでエア達が何か作ってくれたのだろうと思ってリビングに行くと白面とエア達…そしてイエヤスとサヨがご飯を食べていた。

私が来た事でサヨは警戒をしてきたみたいだけど…警告しすぎたかな?

それに比べて…イエヤス…貴方死にかけてたよね?警戒心もなく次々に料理を食べ尽していってるけど…毒でも盛られてたらどうすんの?

私もお腹が空いていたので席に着いた後にファルとルナが料理を持ってきてくれたけど、やっぱり自分が作った以外の手作り料理っていいわね…この三人を雇ったのは正解だったわ…まあ…料理のレパートリーは少ないけどね。

白面に仕事の事を聞くと「問題ない…他の組織に任せてもよかったかもしれん」と言ったので気にしなかった。

そんな時にサヨが真剣な顔で私に言った…

 

「ホカゲさん…貴方の仕事は…暗殺者と聞きました。なぜ私たちをスカウトするのか…理由を知りたいです」

 

サヨの疑問に思った事は確かだろうね。

あんな所で死にかけてたのに気まぐれで助けただけなんて納得しないだろうし、エアもあの事を話したのなら助けた理由もはっきりしてるけど、私がその考えなおすきっかけを言ってほしいのね…

 

「エアから聞いたのね。それなら先に言っておくわ…理由は簡単、あんな所で優良な人材を死なせたくないから助けて私の同業者としての必要な人材確保…って所かしら…この頃帝国の腐敗政治が酷い事になっているから革命軍の依頼が多くて困っていた所なのよ」

 

「革命軍の依頼が多いって事は、ホカゲさんは革命軍側の暗殺者なのか?」

 

「いえ…私はあくまでフリーの暗殺者、帝国でも革命軍でも、この先世界の害にならないと判断したら仕事を受理しているから、ある意味同業者からは嫌われているわね…私の事を『中途半端なイカレ暗殺者』と言ったバカもいたしね」

 

サヨの問いにも答えた後にイエヤスの疑問にも答えたけど、二人は納得はしていないみたいだった…

沈黙破るように私は本当の目的を言った。

 

「私の目的は『ある人との約束を守る』…コレだけは言っておくけど、私はこの国がどうなろうとも知った事ないわ。ただ平和になってゆっくり旅が出来ればそれでいいの」

 

「その『ある人』って誰ですか?」

 

「それは言えないわ…その約束はその人と世界を旅をする事、私はこの帝国が安定さえしてくれれば、別の皇帝が国治めてても革命軍が治めてても良いと考えているわ」

 

「そうですか…」

 

サヨは少し納得していないようだけど、イエヤスは割り切った様だったので私に雇われた際の仕事の事を聞いてきたけど、暗殺や護衛や侵入調査をやらせるのはまだ早いかな?

 

「悪いけど、今のあなたたちは実力不足ね…危険種と戦うぐらいなら問題はないわ…だけど人間は違うわよ?」

 

二人は疑問に思ったような目で私は見た時、理解したのだろう…

 

「もう二人は出会ってると思うわ…確か『帝都にはバケモノがいる』って」

 

二人は…私をバケモノと認識したようだったけど…イエヤスは冷や汗を掻きながらも慎重に言葉を選んで言った。

 

「その『帝都のバケモノ』に対抗できる力を持った人に強くしてもらえるなら…俺はホカゲさんの話に乗ってもいい…この狂った帝国を住みやすく出来るのであれば…村の皆の為になるなら俺は…なんだってやってやる!!」

 

イエヤスのこの言葉にサヨは明らかに決意に迷っていたみたいだけど、今日では決められないわね…

 

「わかったわ…責任もって強くしてあげるわ…サヨ迷っているなら明日の朝からイエヤスの修行を開始するから、それを見学か参加してみて判断するのもいいと思うわ…」

 

「わかりました…正直ホカゲさんの実力を見て見たいのもあります。数日間お世話になります…」

 

サヨも実力不足だという事は分かっていたから、訓練だけ付き合い私の本質を見極めようとしている所は流石ね…

 

それよりも…明日の訓練どうしようかしら?

 

___________________________________________

 

 

魔導具の説明

 

 解毒丸

 

命が所有する魔導具

毒魔針の毒を唯一消せる丸薬タイプの魔導具

今回は万能の解毒剤として使用可能となっている

      

 毒魔針

 

命が所有する魔道具

指先にはめる爪型の魔導具で傷つけた相手を毒殺させる

解毒方法は解毒丸のみ

 

 砲魔神

 

魔元紗が所有する魔導具

バズーカ型で人の死体をセットして魂を砲弾をする

威力は絶大

弱点は死体が無いとダメな点

 

 




補足しておきます…

ホカゲは前世での両親の確執と知り合いのテロ事件などで、自分を慕う人間は面倒みますが、それ以外はバッサリ切り捨てる性格があります。

イエヤスとサヨは良い人材と見てスカウトしたかったので保護しただけで、この先の訓練で逃げ出すようであればそこまでの人材だったと思っています…
それと三人娘を助けた理由も「雑用出来る人手が欲しい」と思った時に、偶然に拾っただけですが、今は家族のように大切に接しています。


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本編3

遅くなって申し訳ない…

しかもそんなに進んでいない…
書きたいエピソードは番外で補足する予定です

(エア達の出会い、タツミがどうなっているか…など)

17/12.7

少し修正しました…


私達は修行の地として危険種の多い森をチョイスしてみたけど一日目は、二人の実力を知りたくて本気で戦ったけど…フルボッコでした…

二人とも連携は良かったんだけどね…

イエヤスが私にステゴロ(素手喧嘩)で挑んできたけど、すべてを見切って避け捨て身の一撃を入れようとした所を顔面パンチで気絶させた後、サヨは背後に回っており殺す気で弓を放とうとしていたけど、殺気が消せていないので私にはバレバレでイエヤスを矢を守るための盾にし、動揺したサヨにイエヤスを投げつけ攻撃してサヨは気絶で終わり…

 

私も手加減せずに殺す気でやると言ったけど…大人げないかな?

 

イエヤスとサヨが私の元で修行を受けて三日が過ぎたけど…

二人にとっては地獄の日々だったかな?

 

「まだ三時間しか訓練していないんだから…とっとと起きなさい!!」

 

私は怒鳴り声をあげていたけど二人は何も話さなかった…

 

イエヤスは泡拭いて白目むいて気絶…サヨもさっき私の蹴りが急所に当たり痙攣してる…

 

………アレ?爺ちゃんと同じ訓練やってるんだけど…間違っていたかな?

 

爺ちゃんの修行はこんな感じだったのを私なりに改良したけどハードだったかな…

そう言えばあの人は転生先で元気でやっているかしら?

 

実は爺ちゃんの修行中に、飛び入りで他の転生者と共に修行した事があったけど、辛かったけど楽しかったね…

銃と近接戦闘用のブレードを展開する面白い武装を持っていて、彼と修行したのはいい思い出だわ…

あの武装が欲しいと行った時に爺ちゃんからは「特典の一つを変えれば可能にするがどうする?」と言われ断念した事は今でも悔しく思っているわ…

彼も「面白ぇ武器見れてこっちも欲しくなっちまったけど使いこなせそうだな…」と言って苦笑していた。

彼はBランクの転生者で行先も決まっていたので、神様の権限で私と修行する事が許されたみたいだったけど

彼も呼べたらイエヤスとサヨに連携や戦術のいいアドバイスが出来そうよね…一度許可降りるかしら?

 

ひとまず二人が正気を取り戻すまで待ったけど、向上心と根性はあるみたいで文句も言わず私の訓練に付き合ってくれているのは…自分たちの実力不足と向き合ったからだろう…

 

この三日の修行、で多分ここら辺の危険種ぐらいなら一人で狩りに行っても生きていけるだろう…

次の段階に進んでいいかしらね…

 

二人の戦い方を見た時に思った事は、イエヤスは単純な性格な事もあり剣でも拳でも基本に応じた戦術が出来るけど、避けるより攻撃を受けてのカウンターを得意としているので、一撃必殺を狙う変則的な攻撃する相手には相性は最悪ね。

サヨは後方支援が抜群に上手いわね…イエヤスが攻撃してきた時に彼の側頭部に当たらないギリギリを狙っての狙撃は大した目を持っていると感心したけど、格闘戦や剣技は並の兵士よりは上だけど敵に囲まれたら対応は出来なくなるわね…

 

そんな弱点を二人には克服する為に私は二人に提案を出した。

 

「二人とも三日前よりも確実に強くなったと思うけど、せめて私に怪我をさせるぐらいにならないとこの先苦労すると思うわ…私が言うのもなんだけど、私より強いと思うのはブドー大将軍ぐらいだと思ってる…同等の実力だと思っているのは…今最強と言われてる女将軍のエスデス…

今の二人の実力は…帝国と革命軍の精鋭部隊であればどうにかなるレベル…ただし二人で連携すればの限定よ…

後、帝具使い…私は戦った事は無いけど、何も出来ずに終わると思うわ…

この先の修行は私の提案なんだけど、私の秘密道具である魔導具を二人に使ってもらうわ…」

 

「あの…魔導具ってホカゲさんが白面さんに渡していた道具の事ですよね?」

 

そっか…二人には、まだ詳しく説明していなかったわね…

 

「ええ…魔導具は扱いによっては今とは比べ物にならない程強くなれる武器だと思ってくれればいいわ」

 

私は蔵王から魔導具を取り出し始めたけど…二人がドン引きしていた…

体の中から武器が生えてくるように出て来るんだから始めて観たら驚くか…

一応その説明は後にする事にして、イエヤスとサヨに使えそうな魔導具を多めに出して置いて選んでもらった。

 

二人とも興味津々で選んでいた時に、イエヤスは黒い宝玉をじっと見ていた…それに目を付けるなんて分かっててみてるんじゃないかしら…サヨも宝玉を見ていたけど、なるほどね…だけどある処理をしておけばもっと効率良くなりそうね…

二人とも同じような物を選んでいたので「ケチって選んだんじゃないのか」と口喧嘩しているけど、私は二人の直感は間違っていない事は確かだと思っていた。

私は二人の選んだ魔導具の説明を始める…

 

「イエヤスが選んだ魔導具は〈鉄丸〉自分の体を鉄のように固く出来る様にする能力があるわ…

攻撃面でも防御面にも優れているのと精神攻撃の耐性もある私的には自分で使おうと思っていた高位ランクの魔導具よ」

 

イエヤスはすっごい喜んでくれたけど使用法がね…特殊だし…

 

「イエヤス使用法は…それ飲んで」

 

イエヤスは私を「何言ってんだアンタ?」みたいな眼で見てるけど使用法は間違っていないので仕方ない…

飲み込んで体内に入れる事で発動するのでこれをしないと意味がない…

恐る恐る飲み込んだイエヤスだったけどまだ発動の効果は見当たらない…

確か原作キャラの土門も結構遅く発動したよね?ほっとけばいいかな?

サヨは少し引き攣った目で私を見ているけど…

 

「まさか…私のこれも?」

 

「砕いて食べたいんだったら止めないわ…お腹壊すだけよ」

 

その言葉にサヨはホッとしているみたいだけど…あの後でこれを食べるんかと思えば、気持ちは分かるけど…使用のランクアップの為ちょっと相談してみようかね?

 

「サヨの選んだ魔導具は〈式髪〉髪の毛を硬質化させる事が可能で針のように刺して攻撃出るわ…

主に暗殺の時便利ね…後、体のツボをを知っていれば足止めも出来るし応用次第ではかなり使える魔導具だと思うわ」

 

サヨは、早速髪を数本抜き〈式髪〉を使ってを硬質化して近くの岩に投擲した時に深く刺さっている事に驚いていたサヨだったけど…

 

「なぁ…この魔導具…使うたびに髪抜いていったら…その内禿げないか?」

 

イエヤスが疑問そうに言ったけどそうなんだよね…

なので私はサヨに本当の相談をする事にした…

 

「イエヤスの言う通りだけど、そのまま使うと髪の毛が全部無くなるといけないし…戦闘力も微妙だから、私的にはこの方法をお勧めしたいのよね」

 

これははっきり言えば、心霊医術で私が蔵王を体内に取り込んでいるのと同じでサヨにも同じことをしようとしたのだ…

これは、自分自身で実験はしているので平気な事は実証しているが、サヨは少し戸惑っているが付け加えで嫌なら後で元に戻す事も出来ると言った時、それで強くなれるならと了承してくれた。

 

「服は脱がなくていいからじっとしててね…すぐに終わるから」

 

私は心霊医術で〈式髪〉をサヨの体に取り込ませようとしているけど…サヨ…艶っぽい声出すから何かいけない事しているみたいな気分になるわね…イエヤス…前かがみでこっち見ない!!

取り込みが終了した時に、頬を赤くなっていて可愛らしく思えてしまうので手を出しそうになるけど…イエヤスがガン見してるからそんな気が起きなかったのは幸運よね…私ってそっちの趣味は無いと思ったのだけど…元男のせいかしら?

因みにこの後、イエヤスはサヨに…(見なかった事にしました)

 

私の直感だけどこの二人は私が予想していたよりも強くなれるかもしれない…私もうかうかしてられないわね。

 

まずはイエヤスの方だけどもういいかな…

私は適当に拾った鉄棒を蔵王から取り出して殺気を込めて言った。

 

「イエヤス…今から殺す気で殴りにいくから…〈鉄丸〉を発動させないと死ぬから…殺しちゃったらゴメンネ…」

 

イエヤスは冗談なのだろうと思っていたみたいだけど、私の目を見て本気だと理解し逃げようとした時にはもう遅い…サヨは止めようにも私の殺気による威圧で動けなかったみたい…私の鉄棒による顔面に直撃は必須の一撃が撃ち込まれそうになった時、イエヤスが額を抑え痛がっているが、私はそれを見て安堵した…

 

金属同士がぶつかり合うような音が鳴りサヨは、いきなりの事で言葉が出ないのか唖然としているけど、すぐに気を取り直したようでイエヤスの安否を確かめに行こうとしたけど…

 

「…じぬがとおもっだ…ほがげざん…マジなんだもん…」

 

涙を流しながら生きていた事を喜んでいるイエヤスがいた…私が殴りつけた鉄棒は顔面に叩きつけられた形に曲がっていたけど…ここまで固くなるなんて…実験しちゃってごめんね…

本来の肌の色が変わっていて日焼けしたようになっているけど、額に鉄の文字が浮かんでいたのでどうやら無事に発動出来ていたみたいだ。

 

「ごめんね…このぐらいの気持ちじゃないと発動しないと思ったから…でも、それが〈鉄丸〉の効果よ。

言っとくけど手加減なしの殺す気の一撃を全くの無害にしたのだから…適性はかなり高かったと思うわ」

 

その言葉にイエヤスは歓喜したのか、調子に乗って行動か木や大きな岩を拳で壊し始めていたけどお灸をすえておかないといけないかしらね…

 

「…それと発動出来たからって調子に乗らない事…弱点があるとすれば発動時間が制限があること…あとね、いくら鉄のように固くなっても傷は出来る…その事を頭に入れとかないと死ぬわよ…」

 

「だってホカゲさん…発動時間はともかく…傷つけられた程度で死ぬ事なんて…」

 

「そこが貴方の命取りよ…帝具使いを忘れたの?」

 

私が言った言葉にイエヤスは黙ってしまう…自分がいかに調子に乗っていたのかが分かり反省している顔だ…

イエヤスはこういう点は良い所だからまだ強くなれると思うのよね…

 

「でも、安心してもいいわ…私がその〈鉄丸〉の弱点となる帝具は…革命軍の暗殺者が持っているから問題ないと思うわ…ただ敵対する事になったら注意する事…かな?」

 

私が警戒していた帝具は二つ…

 

〔一斬必殺 村雨〕と〔万物両断(ばんぶつりょうだん)エクスタス〕の二つの帝具が障害になると思っていたけど、村雨は帝都の養成機関で暗殺者として育てられた少女アカメが所持して、今は革命軍の暗殺部隊であるナイトレイドに所属しており…実は私とは顔見知りでもある。

仮面で素顔は知られていないけどオネストの命令で襲ってきた一人で、仲間を含めて全員相手してあげたのはいい思い出だわ…色々事情があったみたいで、妹のクロメとはすごく仲の良いのに、一緒にいないのが不思議だけど、村雨を所持してるのは何らかの理由でゴズキを殺したのは間違いないわね…

離反した理由と関係あると思うけど、全て終わったら旅に誘ってみようかしら?楽しそうだし…

 

エクスタスも確かナイトレイドの誰かが使っていると帝国軍にいた頃に聞いたけど…

恐らく万物両断の名の通りなんでも切り裂く刃の帝具と見ているのだけど、実物を見た訳でもないので予想でしかない…鉄でも切れるなら発動してもバッサリ切られてあの世行きなんて最悪よね…

 

「以前、臣具に桐一文字と言う刀があったのだけど…それは切りつけた傷が治癒不能になる効果があったわ。

私が襲われた時、かすり傷でも治癒の能力で傷は無くならなかったから自分でかすり傷の部分をむしり取って治療したらどうにかなったけど、帝具使いはそれを上回るものだと自覚しなさい…」

 

「ホカゲさん…忠告ありがとうございます…ですけど…治療でむしり取ったって…」

 

二人は何故かドン引きしてるけどなんで?

 

「サヨも注意して…貴方は今、髪の毛を自在に操る事が出来る…工夫次第では帝具使いにも匹敵するほどに成長する事も出来るわ…

でも、硬質化させた髪でも剣の達人クラスでもなれば、硬質化した髪での攻撃を切り刻まれて追い詰められてやられる事もあるから、式髪の効果が只の飾りとしての効果しかならない事も注意して…」

 

サヨは私の忠告を真剣に聞いてくれるけど、イエヤス程の心配はないわね…真面目でしっかり者だしね。

 

さてと…訓練を始めましょうか…

 

サヨは自分の能力の確認をしていて、イエヤスもサヨと相談した作戦に自信があるのだろうか?すっごく何か悪だくみをしている顔でそれが泣き声になるのは時間の問題かな…調子に乗ってるとロクな事が無い事を体に叩き込んでおかないとね…

 

模擬戦が始まり、イエヤスがまたいつものように私にステゴロ(素手喧嘩)で挑んできたけど、鉄丸を発動させないのね…

サヨもどこからか分からないけど弓でイエヤスを援護してるので、さっきの戦術のままで私に挑んで来てるけど…何か企んでいるわね…

その違和感は的中する…

サヨの放つ矢が数本私の服に掠っているからだ…

 

イエヤスと接近戦をしながらサヨの放つ矢を躱しているが…サヨは何か細工をしていたみたいだったが、暫くするうちにわかった…

 

「サヨ!!凄いじゃない!!まさか〈式髪〉で弓を使うなんて…」

 

サヨは私が褒めた事に笑みを浮かべていたに違いない…イエヤスも得意げに笑っているけど私には一撃にも入ってはいないが…今まで掠り傷一つ負わせられなかったのだから、嬉しいに決まってるわよね…私も爺ちゃんの修行の時も同じだしね…

 

でも私はステゴロ(素手喧嘩)でイエヤスに負ける程ではないので、隙が出来た時に腹に蹴りを入れた時に、激痛が私を襲った…

 

「ホカゲさん!!一本取らせてもらうぜ!!」

 

イエヤスは〈鉄丸〉を発動させて蹴りによるダメージを無かった事にしたのだ…

でも甘いわね…〈鉄丸〉の弱点は他にもあるのに…

 

私は拳ではなく掌での攻撃に切り替える…

イエヤスも少し油断していたのか胸に一度くらった後に表情を変え私の攻撃を全て躱すか捌き始めた…

掌での攻撃…手のひらを使った攻撃は、当たった時の衝撃を効率良く与える事が出来るがその中で爺ちゃんから教わった技がある…

 

「この『鎧崩し』は名の通り鎧を着た兵士を素手で倒す事を目的にした技よ…技を当てた相手の表面に衝撃を伝え破壊する技…一発でも良く耐えられたわね…感心したわ…」

 

「規格外すぎるだろ!!全く…サヨ奥の手行くぞ!!」

 

イエヤスが私から距離をとった時…なぜなの?〈鉄丸〉を一度解除した?

サヨが髪を束ねて大きな拳のようにした…私はサヨを無力化する為に、跳躍した時自分の判断を間違えていた事に気が付いたのだ…

イエヤスが考えなしの突撃をしようとした時…私はイエヤスの足に巻き付いたサヨの髪の毛に気がついていなかったのだ…

私の蹴りをまともにくらっているが、不気味な笑みを浮かべていた。

 

二人がやろうとした事は…

 

「イエヤス!!〈鉄丸〉発動!!ホカゲさんコレが私の奥の手です!!」

 

私は考えなしにイエヤスを蹴った事の加速と〈鉄丸〉を発動させサヨは〈式髪〉で伸ばし硬質化させた髪でイエヤスを振り回し私にぶつけたのだ…

 

その結果は言うまでもなく、見事私はふっ飛ばされたけど…体が頑丈だったのは幸いだったわ…本当だったら使わないと思っていたのに…〈石冑〉使っちゃたじゃない!!

でも、たった数時間でここまで使いこなせるなんて…特にイエヤスは〈鉄丸〉を使いこなしてる…短期間に発動時間の調整出来るなんて大したものね…

二人ともすっごくはしゃいで喜んでいて、どうやら今日から訓練は無いと思っているみたいだけど…ちょっとイラついたので…

 

「二人とも凄いわね…私に一撃しかも致命的なものだったから合格ね……第一試験の訓練が」

 

二人とも両手を繋いだまま壊れたブリキ人形みたいに私の方へ向いてみた後に…

 

「へ?第一試験?」

 

「え…これで修行って終わりじゃ?」

 

私はすっごく良い笑顔でこう言った。

 

「今度は私と一対一での訓練になるわよ…みっちりしごいてあげるから覚悟してね…魔導具あってここまで強くなれたんだし…覚悟しなさい」

 

私が訓練を始めると言った時に二人の悲鳴が響き渡った…

 

 

 

その後…二人はこの後の事をこう語っている…

 

 

「もうこの人の特訓は嫌だ…本当の化け物は此処に居た…」と…

 

 

_______________________________________

 

 

魔導具の説明

 

 鉄丸

 

石島土門が所有する魔導具

体を鉄のように固く出来る様にする能力を持ち

防御系では最高クラス

弱点は、体重の増加(鉄の塊になる為)と制限時間がある事

わかりやすく言えば…〇クエのアスト〇ンの状態で動ける…(雑な説明ですいません)

 

 

 

 石冑

 

石王の所有する魔導具で宝玉タイプ

周囲の石を集め自分の鎧として纏う事が出来る。

      

      

 

 

 

 




イエヤスとサヨの扱う魔導具は初めから決定してました。
戦闘描写が雑ですいません…
あと鉄の塊をぶん回してサヨの首が負担で折れるなんてツッコミは無しでお願いします…

ネタバレですが、この二人には後、もう一つ魔導具を使う事になります…

本編キャラも扱う魔導具は大体決定していますが…迷っているキャラもいます。

追加補足…ブドーと戦った事はありますが帝具は無しの模擬戦で戦っていたので事実上は戦った事はありません



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番外2(本編3.8)

少し長めの外伝です…

やってみたかったお風呂回ですが…そんなエッチくないです…
(それやったらアウトですけどね…)

今回はサヨの視点です。




ホカゲさんは本当にお世話になっている…

 

私は今日も地獄のような訓練の後、温泉に入りながら今日の疲れを癒していた…

 

この温泉もホカゲさんが見つけ療養として入って欲しいと言ってくれたのはありがたい事だった…

 

昨日、第一試験が終わったという事で一対一の訓練をしていたけど数分しか持たないのが悔しく思う…

ホカゲさんからもらったこの力は本当に凄いもので、それをハンデとしても勝てない事は本当の化け物だと感じたが、ホカゲさんは基本的にその道具を一切使わず体術だけで私たちに勝っている事だ…

 

イエヤスに対してもそうだ…

〈鉄丸〉の弱点を指摘しながらその上をいく対応法で戦っていくのに、その技術を基礎から教え、ついに試験の時にイエヤスにくらわせた鎧崩しを超厳しく教えられて涙目だったが…そのおかげで強くなれている実感があるとイエヤスも言っていた…

 

そんなイエヤスも〈鉄丸〉を使用してもホカゲさんに鎧通しと言われる、好きな位置だけに衝撃を伝えることができる技で腹を殴られ数分間悶絶していたのを思いだしてみると…本当に容赦のない特訓だけどこの人だけで帝国を滅ぼせるんじゃないかと思うほどだった…

 

そんな考えをしている時に、視線を感じたけど…まさかとは思うけどイエヤスが覗きをしてるんじゃ…

 

「どうしたの?怖い顔しちゃって…あの訓練の後で私の顔が見たくないのは分かるけど…ちょっとショックだわ…」

 

ごめんなさい…ホカゲさん…いつも気配消して襲いかかるから想定外だったわ…

こうした入浴中にも警戒を怠らないように、気配を隠して背後から襲われる事が多いから本当に困るけど…

背後から胸を触られたり…お尻を触るなどで済んでいるけど、その内私の初めてを奪われるんじゃないかと恐怖している…

 

「違いますよ!!ただイエヤスが覗きをしてるんじゃないかと思って…」

 

「あら?いいじゃない見られても減るもんじゃないし…それに…こんな事言いたくないけど、昔こんなふうに入浴中にバカな男共に襲撃された事もあったわ…何もかも無い状態での戦闘は怖いわよ…その前に気分よく入浴中の事だから本気出しちゃって鮮血風呂にしちゃったのはやり過ぎちゃって反省してるわ…」

 

気に障ったこと無く笑顔で話してくれるけど、ホカゲさん…何かとんでもない発言したけど…冗談ですよね?

 

ホカゲさんは私の体を見ると今日の訓練で大きな怪我がない事と、あの時の拷問の傷痕が無い事を確認してくれているみたいだけど…

本当に面倒見が良い人だと思う…あの時の酷い言葉が嘘みたいに思える。

 

「それにサヨも容姿もいいんだし…色仕掛けで油断させてのだまし討ちは可能よ…私も以前そうした事もあるけど一部しか効果が無いのは立証済みだけどね…幼女趣味の奴には気をつけてね…本当に外道だから…」

 

色仕掛けって…私が言うのは何だけどホカゲさんはかなりの美人と言える…

長い少し色素の薄い茶髪はすごく綺麗だし…悔しいけどお湯に浮かぶ私以上に立派な物が印象的…

そして、強い…何が目的に帝国を変えようとしているのか分からない…

白面さんとも話す事があるけど、少し不気味な点もあるのでどうゆう経緯でホカゲさんと行動を共にしているのかを聞けなかったけど…

 

「その疑問なら主に聞けばいい…我は主のおかげで此処いる…」

 

二人にどのような過去があるのかは知らないが、白面さんは意外に色々とホカゲさんの事を教えてくれた…

 

本来はこんな事はしないで放浪の旅をしたい事や、お金や名声に全く興味が無い事…

絶対的な自由を愛し束縛される事を嫌うと聞いた時に、ある疑問があった…

 

「ホカゲさん…聴きたい事があります…」

 

「何?コイバナとかだったら無理だけど?私まだ処女だし…参考にならないわよ?」

 

この人分かって言ってるのかな?

っていうか!!この前、性的に襲われた時に凄い手慣れてたから…その手の経験は豊富かと思っ…って違うでしょ!!私が聴きたいのはそんな事じゃなくて…

 

「ホカゲさんの目的って何なんですか?名誉や莫大な富にも興味が無いと白面さんから聞きました…束縛を嫌うとも聞きましたけど…帝国に留まり暗殺者として活動しているのは前に話してくれた約束の為ですか?」

 

ホカゲさんは少し沈黙した後に「つまらない話をしてあげる」と少し不機嫌そうに言った後に話してくれた…

 

「私は前にも言ったと思うけど、今すぐでもこの土地を離れてのんびり放浪の旅に行きたいと思っている…だけどね…このまま帝国の闇をほっとけば全世界に及ぶ大戦争につながると思ったから留まった事もあるけど、本当の理由はサヨの言っていた約束を守る事が私が此処に居る理由よ」

 

「なんでその約束を守ろうと?」

 

「私の昔話になるけどね…ある国に気のいい知り合いがいたの…小さい子供たちの教師をしている人と、そこで治安維持を手伝っていた軍人の偉い人がいてね…この二人には本当にお世話になっていたの…」

 

ホカゲさんは、少し表情が曇っているのでいい話ではないだろうと思っていた…

 

「教師をしていた人は綺麗な人で優しい笑顔があう美人だったわ…軍人さんも真面目で部下からも慕われるほどの信頼の厚い人でその二人はお互いに意識しあっていて、理想の恋人と言ってもいいほどだったわ…

そんな二人を見ていたら故郷に戻りたくなったから…戻るついでに手紙を預かったのよ…お互いの家族に対してね

私も二人がくっつくのも時間の問題と思っていたし、部隊の人達と学校の同僚も応援してたしね…幸せになるなって思っていたわ」

 

「思っていた…って!!まさか!!」

 

「…その学校が地元の反乱軍によって襲撃されて二人は殺されたわ…子供達も見せしめに殺されたそうよ…」

 

思っていた以上の気分の悪い話に怒りが湧いてくるが…

 

「先に言っておくけど、帝国と革命軍は関係ないわ…私の遠い故郷での話よ…

この時、なぜその学校が襲撃されたかの理由は分かる?」

 

私は分からないと言った時に、ホカゲさんが言った理由は本当にバカげていた…

敵国の知識と援助を受けたからの警告と要人を殺された報復の為にやった…それが理由で他国の介入があり殲滅されたと言ったけど、ホカゲさんの話は続いた。

 

「本当にバカげてるわ…二人から受け取った手紙を渡した時に皆、泣いていたわ…

軍人のおじさんは娘さんがショックで一時期大変だったみたいだったわ…教師の方の彼女の遺族も大変だったわ…彼女の妹さんが泣き崩れちゃって困ったわ…本当に…」

 

ホカゲさんは悔しそうに言った。

 

「私はこんなに無力だと思った事は無かった…現実から逃げただけの私を迎えてくれて、再び現実に向かい合えるように立ち直れるまで見守ってくれた二人に…何も出来なかったわ

この力があれば何でも出来るんじゃ…と思ったら何も出来なかったけどね…」

 

苦笑しながら話してくれたけど、今のホカゲさんだったらどうにかなるんじゃないかと聞いてみたけど返した返事は意外だった。

 

「結局、力なんてあっても守れるのは小手先の物しか守れないのよ…それを理解しちゃって他人なんてどうでもいいなんて考えは嫌だったから…大切なその小手先の物を守る為なら、なんだってやってやろうと思ったのが私の戦う理由かな」

 

ホカゲさんは…優しい笑顔を見せてくれた事に私は少しホッとしてしまう。

 

「それに私1人じゃ帝国をどうにか出来る力は無いわ…

経済を動かす才は自信ないし、武力だけの私に出来る事は、穏便に帝国と革命軍との戦争を終われせ…そして今の帝国を治安を安定させ、今の状態を終わらせる事…それがあの人との約束を果たせる…そう確信してるわ」

 

ホカゲさんと約束をした人に関しては気になるけど…私は詳しく理由を聞いた時思った事は帝国軍の事だった。

 

その事を詳しく説明してくれたけど、私が思っていた以上に帝国内部は難航不落だった事だ。

ブドー大将軍が動かない理由は、革命軍の対応と皇帝を守るために、あえてオネスト大臣と牽制しているのが理由なのと、あくまでブドー大将軍は現皇帝の味方で、それ以外の統治者は認めない為に革命軍と意見が合わずに対立する事になっているらしい。

元凶であるオネストも警戒心が強く暗殺しようにも直属の暗殺機関によって返り討ちとなるので実行は不可らしい…ホカゲさんなら可能だろうと聞いてみたけど…

 

「あのクソデブ…意外にも体鍛えているのよね…言っとくけど多分今の実力でもイエヤスとサヨが二人掛かりでも相手にならないわよ…まあその前に大臣直属の4人の戦闘集団…『羅刹四鬼』に殺されるのがオチね…皇拳寺の最強クラスと言ったら分かるかしら…」

 

帝国最高の拳法寺の出身と聞いただけで理解した…

 

帝国を滅ぼせるんじゃないかと思っていけどそう簡単にいかないかと自分の浅はかな考えに自己嫌悪してしまった時に、それを分かっていたのか私にこう言ってくれた…

 

「サヨ…私といつか敵対した時に、自分の中の信念を貫き通す覚悟を持ちなさい…

今は恩人であっても、絶対の味方ではない事を頭に入れときなさい…

もし私が敵として現れたなら…自分で判断して私を殺しなさい…」

 

ホカゲさん…

そんな覚悟したくはありません…

貴方のような…優しいバケモノはもう会う事はありません…

だから私はこう言います…

 

「そんな事は無いと思います…だって私はホカゲさんの事を信じていますから!

貴方にも言いました『切り捨てられる覚悟があるなら雇ってくれる』と…

ここまで強くなれたのは貴方のおかげなのですから!!」

 

その言葉にホカゲさんは嬉しそうな笑顔を見せた後…私の背後に回り背中から抱き着いて来た。

 

少し意外なリアクションで困った…それに背中に当たっている物に少し不機嫌になりそうになった時に…ホカゲさんは恐ろしい事を言いだした!!

 

「私どうやら…女の子方が好きかもしれない…貴方の初めて貰っていい?」

 

そう言った後に私は…

この後の事は言いたくない…

言っておくけど初めては奪われていないけど…私も何か大切な物を失う寸前だったかもしれない…

でも…その行為の後、温泉でのぼせてしまって、気絶してしまいそうになった私を介抱してくれた時のあの言葉は…本当に嬉しかった事を覚えてる…

 

 

「ありがとね…私を信用してくれて…」

 

 

照れくさそうに声も小さかったけど…優しい感謝の言葉だった…

 

 

 




この時のイエヤス…

冒頭にて

「おっサヨの奴勘が鋭いな…ホカゲさんのせいで覗きにくくなったじゃねえか…
前に覗いた時にホカゲさんにボコられて死ぬかと思ったけど、アレを見ないと男が廃るってもんだ!!でもホカゲさんのおかげでどうにかなったぜ…二人とも見ごたえあっていいぜ…時に(エロトークの為削除)」

中盤にて

「アレ?ホカゲさんサヨと何話してんだろう…真剣に話しているけど…覗いてるのが悪くなってきたから此処でおさらばしようかな?」

終盤

「(ポタポタ…鼻血出しながら)良いモノ見せていただきました…夜のお共にちょう…」

「イエヤス…本当の地獄は此処から始まるわよ…覚悟してね」(良い笑顔で指を鳴らしている)

その後の事は憶えていない…ただ言える事は…覗きはほどほどにしないと死が待っている事が分かった事だ…




補足としてホカゲはなぜ夜の扱いに慣れているかの説明です…

特典である『烈火の炎のキャラクターの全スキル』で烈火の火竜の内の一つの塁の影響でそっちの方もこなせるようになったからです…
アカメ零が完結していたら、メラとそっちの対決で勝ち仲間になる設定も考えていました…(アナザーかリメイクで書いていこうかと考えています)

最後のあれは、ホカゲなりの愛情表現で、イエヤスの覗きも初めから気がついていましたが、日頃の辛さを忘れさせる為のご褒美として許していましたが…
流石にサヨとの絡みを見た事は許せなかった…と言う話です。










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番外3 其の頃のタツミ(本編2.8~3.5)

番外で超短いです。

補足みたいなもので書いたので、今後追加するかもしれません…

あとがきのネタは少し不快に思うかもしれません
あてがきネタは思い付きで書きますのでこの先は少ないと思います。



「俺が斬る」

 

タツミは、恩人であった少女アリアを一太刀で斬殺した。

 

軍の兵舎でのトラブルと、この場にいる女性に騙され全財産を失い途方に暮れていた所を助けてくれた恩人であったが、今ナイトレイドと呼ばれる殺し屋に警備兵はすべて殺され、残っているのはアリア1人だけとなり、彼女を助ける為にアカメと戦っていたが、全財産を奪った女でもあるレオーネに戦いを止められ逃げ込もうとした倉庫で、真実を知った時実際は自分が騙され離れの倉庫で拷問されていてもおかしくない状態だった事を知ったからだ。

何も罪もないと思っていただけにショックは大きかった…

 

その真実を知り帝国の闇を知ったタツミであったが、アリアは気になることを言っていた。

 

「使えない見張りのせいでサヨとイエヤスとかいう田舎者は逃げ出していないわよ!!あの二人を虐めながらアンタがどう反応するのか楽しみにしてたのに!!」

 

その言葉で、斬るに十分の理由だった。

 

 

アリアが言った事から、タツミは二人は生きていると思っていたが、どこに居るかは分からない…

 

その時だった。

 

「多分、あいつがしってるかもしれないねえ…そこでのぞき見してる女狐がさ!」

 

レオーネは倉庫の陰に隠れた女性に向かって言った。

 

「やれやれ…勘の鋭い女だ。我も修行が足らないという事か」

 

長い黒髪の着物を着た女性が観念したように出てきたが、全く気配を感じさせない隠形に全員が警戒したが、その女性は構わずに話を続けた。

 

「敵対する理由がないから警戒を解いてはくれないか?我は主の命令を実行していただけだ『タツミと呼ばれる少年を保護しろ』とな…しかし先を越されたようだ。まあいい…サヨとイエヤスにはいい報告ができそうだ」

 

その言葉にタツミは二人が生きていると確信したが、ナイトレイド全員は警戒を解く事は無かった。

その事を不思議に思ったタツミだったが、二人を助けた事に礼を言ったが白面の返事に絶句する。

 

「何…ちょうどいい人材が欲しかったところだったから助けてやっただけだ。本来この依頼は主と我でこなすつもりだった事を言っておこう。主の気まぐれで助けたが本来は見捨てると言っておったからのう」

 

めんどくさそうに話す彼女に敵意をむき出しにしたが、彼女は意外な返答をした。

 

「勘違いするな小僧…二人は自分の意思でこの屋敷で起こった地獄を体験し生き残った。

その生命力と意志の強さに感心した主は、此処で生涯を終わるのが惜しいと判断し『本来はこの屋敷全員の暗殺』を取りやめナイトレイドに譲ったのだ…

まさか、二人を拷問したこの貴族に引っ掛るとは運命とは面白いことかな」

 

クスクスと笑ってはいるが、警戒しているタツミにとっては良い情報だったが、信用は出来なかった…

 

「その調子では我と共に来る気はないらしい…主には怒られるがしかたないかのう。

主から言付けを預かっていた…『近い内に必ず約束する…でも仲間にならない』

我も口が悪い事は分かってはいるのだが治せんのでな。我の名は白面と言う…また会う時まで死ぬな小僧」

 

影に包み込まれるように消えていった白面に不気味さを感じていたが、二人が生きている情報はタツミにとっては朗報だった。

 

何か騒がしくなってきたので聞いてみれば、この騒ぎを聞きつけた警備隊が此処に向かってきているので早く逃げた方がいいと言われレオーネに拉致に近い形でアジトに持っていかれナイトレイドに就職が決定したのは言うまでもない。

 

その後、アジトでレオーネに全てのメンバーを紹介された後、ボスであるナジェンダに紹介していた時に白面と名乗った女性の事を聴くと、険しい顔になって言った。

 

「白面…最近帝都で名を売り出した暗殺者の1人だな。仲間がもう一人いたが不気味な仮面を付けている為、顔無しと言われている女だ…腕は確かだが、帝国の依頼も受けている為完全な味方と言うわけでもないので最重要警戒人物になってはいたが、革命軍の裏切り者や帝国のクズ共を確実に狙っているが、元皇帝の護衛がこんな事をしているのは謎だがな」

 

その言葉に、メンバー全員が沈黙する…

 

「アカメなら分かる。影法師と言えばな…」

 

その時、アカメの表情が険しくなったがタツミはどんな意味を持つのかは知らなかった。

メンバーの中でも、プラートも表情を険しくしていたので、興味が湧いたので聞いてみた。

 

「その影法師ってどんな奴なんだ?」

 

「数年前にブドー大将軍の進言で、二年間皇帝の護衛をしていた少女だ。

仮面をいつも付け不気味ではあったが、皇帝の傍を離れず発言力は大臣より上で、影法師の影響もあって現在も生きている良識な文官も多いが、護衛を辞めた後に大臣の圧政が始まり今の状態となった…

なぜ護衛を辞めたのかは、アカメに聞けば分かるだろう…」

 

ナジェンダに話を振られ戸惑っているアカメだったが、その当時の事を話し出した。

 

「私がまだ暗殺者の訓練生の時に、事故と見せかけて暗殺を命じられたが隙が全く無く、千メートルの狙撃手の気配も感知し手を振って余裕に挨拶したほどの手慣れだった…その後、わざと誘いに乗って私を含めた訓練生達と戦い…私たちは敗北した。

その後、数時間の説教の後、影法師が「ストレス発散になったからまたよろしくね」と言われまだ余裕があったのを覚えている…

辞めた理由は、事前にブドー大将軍と皇帝との契約で二年間護衛をしていたみたいだが、宮殿から立ち去る際に私達とは別の部隊の暗殺部隊が彼女と交戦したが、逃走に成功している。

 

現状では最も警戒した方がいい」

 

アリアの件で事情を知らずに戦った事があるとは言え、真剣勝負をしたタツミは、アカメが警戒した方がいいと言う言葉に二人の安否が気になったが…

 

「大丈夫でしょ?重傷者二人を救助しておいて、仲間にしたってんならよっぽどのお人好しだと私は思うけどね?

あ!!ボスその白面から伝言あったんだ…『近い内に約束する。でも仲間にはならない』ってさ」

 

「そうか…その返答だけでも十分だ。私たちに敵対の意思はないのが分かっただけでもいい」

 

ナジェンダは少し安堵した様子だったが、タツミは白面の名と影法師の名を心にとめておいた。

 

 




帰った後の白面…

「主帰ったぞ…タツミとかいう小僧はナイトレイドに保護されていた」

「そう…まあ生きてれば二人も喜ぶでしょ…白面の事だからどうせ誤解される言い方で警戒されて連れて来れなかったんでしょ?」

「すまぬ…主が対応しても同じだと思ったが?」

「なんで?」

「影法師で活動の事を忘れたか?」

「アカメの事ね…ナジェンダさんも知ってはいるみたいだし警戒されても当然かな?」

「あの『ストレス発散』で警戒されたのではないか?我はもう少し血を見たかったような気がするが?」

「…今思えばやり過ぎたわね。リーダーらしい少年を軽くボコって(全身打撲全治一か月)変な小手を付けた金髪ロングの女の子を肩の関節外して軽く痛めつけて命乞いさせて、ガタイの良い少年は足を掴んで地面に何回も叩きつけて、鞭使いのメガネ君は鞭を逆に使ってあちこちに叩きつけて気絶させて、ポニーテールの子は確か銃使ってきた胸のおっきい子の狙撃を躱す盾にして動揺させた後に投げつけて二人同時に気絶させたのよね…
アカメは確か腕を切りつけられて、ブチギレた私に顔面パンチで伸びちゃったんだっけ?
あの時は私も若かったわ…あははははは!!」

「笑って誤魔化しても、主もそんなに我と変わらんぞ?」

補足

ホカゲは敵対者には容赦ない…

本来はアカメ零のキャラも救済し第三勢力として戦う事も考えましたが…原作が終わっていない事と、キャラの取り扱いに困ったのが原因でやめました…






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本編4

大変遅くなりました…

それにあんまり進まないうえに長い…
一万字近くになってすいません。
本当はもっと先まで書く予定だったのですが、なかなかうまく書けなかった自分の力量不足だと思ってくれれば…


違和感あったら指摘お願いします

2018/4.23

魔導具説明が無かったので追加


修行は一か月となり、なかなか強くなってきた…

 

その証拠に今まで私との模擬戦は、せいぜい攻撃を受けまくって、私の勝ちか何も出来ずに終わるかの二択だったけど、やはり魔導具を渡してから格段に強くなったのは、元々の才能があってここまで強くなれたと思う…それでもまだまだ甘いのよね。

イエヤスも私が教えた鎧崩しをしようと仕掛けるけど、タイミングは見切って分かっているので打点を微妙に外し衝撃を緩和している。

サヨも髪の使い方に磨きがかかって変則的な攻撃に苦戦したけど、私も今回から魔導具を使っているので対処は簡単にできる…

時間切れとなり休憩となった時に二人ともその場に倒れ込んでしまったが、この短い期間でここまでの成長は大したものだと思う。

これだと、もう一人の仲間であったタツミは同じスペックかそれ以上だと思うと少し勿体無い事したかな?

 

二人が息が整ってきたことを確認した私は二人に話があると言って聞いてもらった。

 

「きつい訓練の後でこの事を言うのは少し悪いと思っているけど、大事な話だから言っておくわ。タツミだったけ?数日前に白面が発見したわ」

 

「マジですか!!やっぱアイツ悪運強いぜ全く!!」

 

「一人でここまで来られたなんて…本当の疫病神はイエヤスだったのかしら?」

 

微妙にイエヤスの不満を漏らしたサヨの言いたい事は分かるわね…

だって、方向音痴にも程があるけどあそこまで酷いのは初めてだったわ。

 

「少し残念だけど問題が発生したわ…白面の性格を知ってるとは思うけど、余計な事言ったみたいでスカウトは出来ずに、今ナイトレイドに保護されてるわ。

でも、帝国の現状とその腐敗の根源の事は聴かされたと思うから敵対する事は無いと思うけど、注意点としては貴方たちのこの先の事なのよね…」

 

「ホカゲさんどういう意味ですか?」

 

「私は少し思った事なんだけど…暗殺者とやっていくのであれば二人にはある程度の依頼をこなしてもらわないといけないと思うけど、この一か月間でわかった事を正直に言えば二人とも暗殺者には向いてないわ」

 

二人は私の言葉に真剣に受け止めていた。

実は暗殺依頼に同行してもらった事があったのだけど…

イエヤスのせいでとんでもない事になりそうだった…

理由は簡単で、イエヤスが迷子となりその捜索で依頼が達成出来なくなる所だった事もあるが、問題はターゲットの殺害に二人とも躊躇してしまった事だ。

 

単純に言えば命乞いで隙が出来て二人とも危ない所だったけどその依頼をこなせない事は致命的で理由は…

 

「あの仕事で請け負った悪徳役人については私の話で聴いてたはずよ。善良な父親をしていた所を見てしまったからなんて理由は許されない…貴方たちが捕まり拷問され私の事を言った時に、最悪私は平気だけど戦闘力の無いエア達が犠牲になる事を分かっての行動なの?」

 

その時にイエヤスは私がエア達を守ればいいと言ったけど、エア達も雇った時に万が一の時には見捨てると言っている事を伝えた時の二人の怒った表情は久々だけど…

 

「初めに言ったはずよ『切り捨てられる覚悟を持つなら強くして雇う』って…それを忘れたのかな?」

 

私の怒気の籠った声に二人は恐怖で顔を蒼くさせたけど、初めからこの二人は別の事を頼もうと思っていたのでそんなに不機嫌にはなってないのだけど、こんな言い方したらこれじゃ白面と変わらないわね。

初めに怒っていないことを言った後に二人に前々から思っていたことを伝えた。

 

「私も考えたのだけど…二人の今後を考えると、帝国の戦乱を無くす事が出来たのなら暗殺者はその内廃業に近くなるって言ったわね?それを考えるとその後の事を考えた時に、二人はどうするつもりなのかな?」

 

「俺は…そん時に考えます。今村をどうにかしなくちゃいけないにそんな事考えてる時間なんてないし…」

 

「私もです。今も大変なのにこの先を考える余裕なんてないです」

 

二人とも大丈夫かしら?私は目標があるからどうでもなるけど…やっぱり考えといてよかったわ。

 

私はある事を提案した時の二人の顔は忘れられないわね。

 

私の提案は…

 

「貴方たちに頼みたい事があって、帝国警備隊に入って欲しいの。丁度知り合いの愚痴で人手不足だって聞いたから、今の二人だったら問題ないし、それに革命後でも続けられる職だから損は無いと思うわ」

 

本当に運が良かったと思うわ。

実はイエヤス達と出会う前の事で、エア達の事件の後の数日後に、悪徳商人や役人を調べていた時に帝国警備隊の裏事情を知ってしまった時に、ある人物を利用して当時の隊長であったオーガとガマルそしてそのおこぼれを頂戴していた隊員を全員殺害させた。

 

その殺害後に自分の恩師が不正を働いていた事、同僚にも同じ事をしていた者がいた事に絶望し精神が崩壊しかけてしまったので丁度いいので洗脳させてもらった。

神慮思考〈しんりょしこう〉で細工をして精神崩壊前までに戻し歪んでいた正義感を一から直した事は凄い労力があって疲れたわ…

この魔導具は使う対象の過去を知らないとうまくいかないので、情報習得はかなり慎重にして使用したけどね…

 

分かりやすく言えば変装してカウンセラーと偽り、数ヶ月間を使っていく地味な作業をしていたけど少しでも間違えるとやり直しなので繊細に使ったけど…もう二度と使いたくない!

でも、その労力は無駄にはならず、現在では隊長代理として活躍していて元々人当たりの良い子だったし今では友達だ。(本当の事知った時の反応が怖いけどね)

後、独特な人とも知り合ったけど、この人とは友人にはなれないと直感的に思ったわね。会う機会はもう会いだろうけど…

 

それは後にして…

 

「セリューが私に警備隊に入れってしつこくて…仕方ないから貴方たちに入って欲しいのだけど、勿論厄介払いの為でなく私に情報をくれればいいのよ」

 

実は今の警備隊はかなり優秀で私も白面も追い詰められた事もあり問題視していた。

元々優勝な隊員だったので見つかる確率が高く困っていたが、どうにか朧の透明化で逃げてるけどね。

 

「俺達に巡回と捜査網の情報をホカゲさんに渡すという事ですか?」

 

「ええ…それと私の仕事中に鉢合わせしたら、本気で捕まえに来なさい。言っておくけど殺さない程度に私も遠慮なしで行くから安心なさい」

 

「ホカゲさん…『殺さない程度』がすごく気になりますけど」

 

サヨは少し引き気味だったけど割と良い話だった事に驚いていたし、どうやら二人とも乗る気満々みたいで良かったけど、修行はまだ完了ではないので当分先だ。

話はここまでにしてイエヤスとサヨには私自身の問題を話していた。

一つ目の問題は、仕事で少し帝都を留守にする事になりその間の修業は自主練となったけど課題を出しておいた。

 

イエヤスに教えていた『鎧崩し』と『鎧通し』を完璧に使えるようにする事と、あと他の技も使えるようにできることを宿題と出したときにイエヤスからは「そんなのいきなりやれって言われても出来ねえよ!!」と言われたのでその理由を言った。

 

「私が技かけてあんたの体に染みつくほどボコボコにしたでしょ?口で教えるよりもその技を喰らって学び取ったほうが早いし回避対策も考える事も出来るから、いざとなれば本能的に動けて絶対的に成功すると思うけど?」

 

私がそう言った時に、イエヤスはこれまでの修業を思い出した…

 

(鎧通しの場合)

 

「イエヤス、鎧崩しが出来るならこれも覚えとくと便利かもしれないから教えるわね」

 

「嫌な予感するんですけど…(そうだ鉄丸使えばいいんだ)」

 

「そうだ!鉄丸使ってもいいけど意味無いから警告しとくね」

 

「え?(ドン)」

 

「この技って衝撃を内部で炸裂させる技だから、鉄丸のような強固な鎧も意味無く上手く使えば体内にダメージを与える事出来るから意味無いわよ」

 

「おえっ…それはやく言ってください…マジで痛いです」

 

「一応、出来るまで私が見てあげるから」

 

この後模擬戦での実技試験で何回も喰らい本気で逃走を考えたイエヤスだった…

 

(剛体術の場合)

 

「この技もイエヤスにとって切り札になりそうだから教えとくね」

 

「どうゆう技なんですか?」

 

「攻撃するタイミングを合わせて打撃部位を自体重と同じ重さの鉄球と化す技術って所かしら。鉄丸で体重も増加するから、威力はとんでもなくなるわね」

 

「一応イエヤス鉄丸使って、…私が威力がどんなものか分からないの。最悪私の手が痛くなるぐらいだから安心して」

 

「わかりました。ばっちこい!!」

 

「いくわよ!!一応万が一の為に受け身も考慮してね!!」

 

「はい?」

 

ドン!!!!!

 

「ホカゲさん…痛くはないけど凄い衝撃ですけど」

 

「初めて本気でやったけど、ここまで凄いなんて…イエヤス平気そうで良かったわ」

 

「確かこの技って自体重と同じ重さの鉄球と化す技術でしたよね?ホカゲさんって体重って…」

 

「イエヤス…一応私も気にしてるんだからその先を言わない事。サヨに言ったら式髪で酷い目に遭うから肝に銘じなさい」

 

その後、模擬戦での実技試験は最悪と言ってもいい地獄となったのは言うまでもない。

どうやら気にしていたらしい。

 

 

その他の回想が終わり私の方を向いて数秒後、目から光が無くなりその場に膝を抱え込んで座り「俺…よく生きてたな」泣き出してしまった。

こんな特訓させてるけど一応は爺ちゃんの特訓より遥かにマシと言ってもいいのだけど、やり過ぎた事は認めるけどね。

うん…気持ちはわかるよ。

爺ちゃんの修業がそれだったから…思い出しただけでゾッとする体験で、数年間拷問をされた気分だしね。

 

因みに私の場合は思い出すだけで鬱になる…

それは転生前の爺ちゃんの修行の時基礎作りを一か月間みっちりやってから本格的な修行として徒手空拳で相手の攻撃を捌いてかわす修行の時の卒業試験は最悪の思い出だ…

 

「儂が石を投げるからすべて捌いて回避するんじゃぞ」

 

「わかったけど…爺さんそれ石じゃなくて鉄球じゃね?俺死ぬと思うんだけど!!」

 

「細かいツッコミは無しでいくぞ!!五体満足で一時間耐えられたら合格とする!いくぞい!!」

 

「ちょ!!まっ!!!」

 

爺ちゃんの全力の投げられた鉄球は…無論捌く事は出来ず…私の体は真っ二つになりスプラッターな殺人事件のような大惨事となりました。(ご想像に任せます)

その後、その惨劇を見ていた女神様に再生治療されている時に「すまん力入れ過ぎた。ごめんねテヘペロ」と愛嬌よく言ったけど、その惨劇を見ていた修行仲間はガチで命乞いしてたわね…

私も本気でこの糞ジジイと思ったわね。

再生された後に鉄球が当たった壁を見たけど…うんこの先マジで嫌になったわ。

修行仲間がいなければ本当に精神的にまずかった。あんな修行もう嫌だ…

 

それと無く本気でイエヤスに謝っておく。

 

そしたら少し元気になったみたいで安心したけど、私が「爺ちゃんの修行と比べたら遥かにマシ」と言った時の二人が絶望した顔は忘れられない…それと恐怖からか震える声で爺ちゃん呼んでいないかを言われたけど、来ていたら本気で逃げるから!!本気で!!(無理だろうけど…)まあ…二人は死なない程度に鍛えてくれそうだけど、サヨにとっては地獄になるでしょうね…エロジジイだし私も被害に遭いそうだ。

イエヤスは……うん「男なんだからこのぐらい出来る様にならんといかんのう」とか言って死んだ方がマシってくらいの特訓になりそうね。

 

爺ちゃんの事は暫く忘れよう…

この後会うフラグが立たないと良いけどね。

 

サヨは、ある魔導具の使用の為の課題を出して置いた。

 

一応息抜きとして帝都に行く事も許可したけど、白面の同行する事を条件にした。

本来だったら二人に卒業試験代わりに仕事に行ってもらおうと思ったのだけど相手が問題だったし…遠出の件が終わり次第この仕事に就く予定となっている。

あらかじめ二人には警告として夜間の出歩きは禁止と伝えた。無論エア達にも同じ事を伝え命の保証もしない事を伝えておいた。

 

その理由は、今現在帝都で連続殺人が多発していて私は帝国及び革命軍の依頼を受けていたのだ…

 

「あらかじめ言っておくけど、本来は二人の卒業試験と手柄としての仕事として受けてもらいたかったのだけど、分が悪そうだからやめたわ。少し特殊な例だし、私も慎重にならないといけないと思った事だしね。

相手は首切りザンク…元は帝国最大の監獄で首斬り役人だったみたいで、何十年も毎日のように命乞いをする人の首を斬っている内に、それが快感変わったのか監獄で斬っているだけでは物足りなくなり辻斬りをしているみたいね。監獄の署長を殺し、持っていた帝具を盗んだことで討伐隊が組織されたけど、直後に行方をくらましていたようだけどね」

 

「俺達に任せられないのは…帝具使いだからですか?」

 

「それもあるわ。今回帝具は情報通りだったら少し厄介だと思う」

 

〔五視万能(ごしばんのう)スペクテッド〕…おそらく視力強化の帝具だと思うけど、奥の手が未知数なのよね。

この特性が十分に分かってさえいれば、二人に行ってもらって警備隊の地位を固められたらと思ったのだけど今回は私が対応する事にした。

 

「そういえばホカゲさん。暫く留守にするのは何でですか?」

 

「まあ理由は言ってもいいかな?前にあえて帝国に属して帝国を内部から変えようとしている人がいる事を話した事があると思うけど、その知り合いが帝都に戻る事を計画しているのだけど、嫌な言い方するけど暗殺される可能性があるから私に護衛に来てほしいみたいだからその打ち合わせに行くのよ」

 

辺境で元帝国の大臣であるチョウリさんが近い内に戻ると手紙で知り、事前の話し合いに参加してほしいと言う事で辺境の領地まで急ぎで行く事になっていた。

手紙にはスピアさんも会いたがっていてこの前の雪辱を晴らしたいと書いてあったけど、チョウリさんはおそらくこの件の解決をしてほしくて手紙を出したと思うのよね。

 

最後の文章に…

 

「娘を少し止めてくれんか?兵士がきつい訓練で耐え切れなくなっておって…その分強くなれたのは良い事なのだが、いい加減にしないと部下が精神的に病んでやめてしまうかもしれんから早く来てほしい」

 

スピアさん…本当に私に負けた事が悔しかったのね。

でも、実力はあったし、味方として取り入れてもいいわね…考えておこう。

 

二人には打合せが終わり次第に帝都に戻る事とその護衛の仕事を手伝う事を言っておいた。

これが二人の試験として合格したら警備隊に入ってもらう予定だ。

 

「全速力で行って帰ってくるからそんなにかからないと思うけど、課題の方は出来るだけ多く出来る様にしておく事。

イエヤス…今教えてる武術は応用が利くから帰ってきたらそれを教えるからね。自分で考えてみるのも良いけど基礎を固めないと思いがけない大怪我するからほどほどにね。

サヨはあの魔導具を自在に扱うには、その修行が必要と感じたからだという事を忘れずにね。

それは少しでも失敗すると大きな隙になるんだから…それをしながら白面の攻撃を避けながら完成させたら合格…後はアレを使いながら私と戦う事…それで致命的なミスが無ければそのまま使ってくれていいわ」

 

サヨは「使いこなして見せます」と威勢良く言ったけど相性は良いみたいだから大丈夫かしらね。

 

二人には新たな魔導具をもう一つ与えていた…

それを使いこなすのに必死なのはサヨの方で、イエヤスは使いこなしていた。

確かに〈土星の輪〉は力を増幅する効果があるけど、サヨと同じ心霊医術を使って体内に入れてくれと言われた時に理由を聞いた時に言った事は…

 

「サヨと同じ体になる事で対等になりたい…あの時は守れなかったけど今度は守ってやりたいんだ」

 

そう言われたらやらないわけにはいかなかったけど、もっと良い魔導具もあるのに使いこなす自信がないという事で〈土星の輪〉にした事はイエヤスらしい考えかな?

 

旅の準備はエア達のおかげで既に完了しているので、すぐにでも出られるので今すぐに行く事にした。

 

「二人とも私の警告は破らない事、後は帝都でもしタツミに会っても私と家の事は言わないでね。

もう私の正体はタツミが保護されたナイトレイドには、ばれてはいるけど素顔を知ってるのはエア達を含めてサヨとイエヤスしかいないんだから、ばれても良いけど面倒な事になりそうだからが本当の理由だけど、少し前に革命軍に説教しに行った時に少しやり過ぎちゃって寝込みを襲撃されるのも嫌だしね」

 

「ホカゲさん…本当に何したんですか?」

 

イエヤスはドン引きしていたが、少し昔にある事件の真実を隠しそれを利用して帝国の悪評として広めて反感を買う様な事をして革命軍に人員を取り入れようとしていた事に腹を立てた私がお話に行っただけなんだけどね…

 

「ただお話をしただけよ?『次は無い』と言ってきただけだけど?」

 

二人は私の言葉に納得していたみたいだけど…なんで?

 

無駄話も多くなったので魔導具〈韋駄天〉を取り出し穿いた後に、いつの間にか私の近くで待機して「主…雑談はすんだのか?」と言ってきた白面に少し驚き、留守中の訓練の事を頼み、チョウリさんのいる辺境に向かった。

 

 

___________________________________________

 

 

「全くもう!!スピアさんのせいで仕事に遅れちゃったじゃない!!」

 

私は数日前まで模擬訓練と理由付けた試合を三日間ずっとしていた事で、首切りザンクの掃討作戦に遅れてしまい焦っていた。

本当にしつこかったわね…全勝した私もいけないと思うけど最後は気絶させた後に、チョウリさんに別れの挨拶して出て行ったことで次何言われるか分からないわね。

打合せは数時間で終わった事は良い事だし、帝都に着いた後はブドー大将軍が後ろ盾になるので道中で何もなければどうって事は無いだろう。

 

帝都に戻ってきた時にはもう夜も遅く門も閉まっていたので、しょうがないのでばれないように侵入した後に、長年愛用している仮面を付け事前に白面と約束した合流場所まで急いだ。

 

かなり時間も経っているのでこのまま帰ってもいいかしらね?

一応、遅刻はしたけど白面がいた事と、何故か知らない少年と長い黒髪の少女もいたけど、もしかして待っていたの?

 

「主…珍しく遅刻だな。だがおかげで良い情報も得られた」

 

「ええ…待っているとは思わなかったわ。そこの少年は知らないけど…

久しぶりねアカメ…何年振りかしら?」

 

アカメは私から視線をそらして何も言わないけど、私に良い感情は無いでしょうね…

 

そんな中さっきまで白面と話していた少年が私に話しかけてきた。

その時にこの少年がタツミだと知り、イエヤスとサヨの事の礼らしいけど、こんな時でその事の礼を言ってくるのは律儀だと思うけどアカメが凄い警戒してるわよ。

少し気になったのは私の事を警戒しないで話しかけてきたのは、どうやら帝都でイエヤスとサヨと再会して色々と修行の事を話していたらしい。

その事で私に興味を持った事を言ってくれた事と二人の命を救った礼を言われ、少し照れくさい…

なんか無垢っていうか…純粋な感謝の気持ちを目と目を合わせて言われるのが苦手らしいことに今更ながら気が付いた。

 

雑談もそこまでにして、作戦を開始する事にする。

 

全員散り散りとなりザンクを探しだそうとしてはいるがなかなか見つからなかった…

そんな時に背後に殺気を感じてはいたがそれは知っている少女のものだった。

 

「今は味方よ?警戒するのは勝手だけど恨みでもあるのかしら?」

 

帝具である〔一斬必殺 村雨〕を鞘から抜き隙があれば切りつけようとしていたみたいだけど不可能と判断したようで鞘に納め警戒を解かずに私に自身の疑問を言っていた。

 

「何が目的で戻った…帝国にも革命軍にも属さない暗殺者としてなぜ戻った?」

 

「理由はシンプルよ。『約束を守る為』その為には帝国も革命軍もこの下らない戦いを終わらせてその約束を果たす事…その為に戻っただけよ」

 

アカメは私の言葉を自分なりに納得のいく形で整理していたが納得は出来なかったみたいだけど…

 

「貴方の仲間の事はそれとなく聞いたわ…帝国の闇を察してナジェンダさんに接触した時に本当の事を知ったため帝国から離反したした事と、気休めな言葉だけど貴方たちの当時の仲間たちの中で真実を知ってまで離反できたのはいないでしょうね…

失礼な事聞くけど可愛がっていた妹はどうしたの?予想は出来るけど拒絶されたのね」

 

「ああ…クロメはまだ暗殺部隊にいる。

次に会った時に敵なら私が葬るつもりだ…最優先で」

 

…苦虫を噛み潰したような表情をしているからよほどの後悔があるのだろうけど、この事には踏み込まない方は良いだろう。

誰だって思い出したくない事も一生悔いに残る後悔もある…

それを赤の他人である私が言う事ではないと思ったけどアドバイスついでに言っておいた。

 

「革命軍に強化部隊で使われていた薬剤のレシピを渡して置いたわ。

もし、敵で無くなったのであれば緩和させるぐらいの治療が可能となっていると思うからその医師に頼ってみるといいわ」

 

革命軍である死病の特効薬に使われる危険種の狩りの依頼を受けた時に、信用出来そうな人がいたので帝都にいた頃に盗んだ強化薬のレシピをその医師に託したのだ。

前に革命軍にお話に行った時に偶々会う事が出来て話をした時に、治療が可能になった事を知った。

確証は出来ており捕縛した暗殺部隊に所属していた隊員に使用して治療が出来た事を私は喜んだ…

 

アカメも私の言葉に半信半疑だったがその医師の名を告げた時に知っていた人だったみたいで真実だと知った時に私にある疑問を言ってきた…

 

「なぜそんな事をした?暗殺部隊を良く思わなかった事とは知っていたが」

 

「只の自己満足よ。革命が起これば汚れ作業の人員は職を失って口封じか今回のザンクのような快楽殺人も多くなると思っただけ、それに薬漬けになって本当にやりたい事も出来ずに死ぬ暗殺部隊の子供が哀れに思っただけよ。

…生きてさえいれば何か生きがいが見つかる事もやりたい事もあるって思いたい…

 

まあ…人殺しをした事に耐え切れなくて残念な事になる事もあるでしょうけど、その先がある事を知って欲しいと思っただけ…私がそうだったからね」

 

アカメはその後何も言っては来なかった…

 

私も何も言う気はなかったし、自分でもここまで本音を言ってしまうの意外だった。

前世での後悔もあったのかしらね…全く私らしくない。

 

それから長い時間経ったけどザンクは見つからない。

 

その為、白面とタツミと合流しようと思っていた時に魔道具<声>で白面から連絡があり合流する事になったけど…

 

 

白面…なんでタツミも連れて来なかったの?

これって絶対狙われているよね?

 

_______________________________________

 

魔導具の説明

 

神慮思考(しんりょしこう)

 

原作で葵が魔導具(袖に着ける3対の宝玉)

対象の記憶を操作することができる。ただし「その記憶を術者も知っていなければならない」「操作許容に限界値が存在する」「距離的な能力範囲限定」などの制限はあるが、集中的に操作を行えば、一人の人間の思考を根本から歪曲することも可能

 

原作で葵は記憶の改ざんをして学園の生徒の自身の記憶を消し立ち去ったり、水鏡との戦闘の記憶を消したりしている

 

 

 

 




次はタツミ視線となります。


おまけ「爺ちゃんの地獄修行」


「爺さん…その物騒な武器は…何?」

「いやおぬしの後に来た若造が行先で扱う武器なんじゃが、その扱い方を見てみたいというのでな…」

「まさか…俺を実験台にするんじゃないよね?」

「何…少し演習だと思ってくれればいいのじゃよ」

「あの野郎!!!後で憶えてやがれ!!!」

その後、俺は近接武器で切り刻まれ…遠距離モードで蜂の巣か爆散された事は言うまでもない…(まあ土下座で泣きながら謝っていたから予想外だったのだろう)

因みに原因を作った彼も魔導具の使用で実験だ…いや訓練となり地獄をみたのは言うまでもない…

補足…ホカゲは元男です。

次回はタツミ視点となります。




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番外4タツミ視点とその他(本編4~5.1)

…本当にすみませんでした。

番外となっていますがほぼタツミ視点の本編と思って頂ければと…
次回はホカゲの過去(転生前)との話のなります。

誤字脱字あれば報告お願いします。


ナイトレイドに入って色々な仕事をこなしていく事で、帝国の闇を深く知るようになりタツミはプラートと訓練場で模擬戦をしていた。

 

初めの内はレオーネにゲイだと警告さえた時に貞操を奪われないように警戒をしていたが、今では兄貴と慕うほどの仲となったが…時折視線がゾッと感じるのは気のせいだと思いたい。

訓練が終わり休憩していた時に、背後から話しかけられたので振り返るとアカメが話しかけてきたので、要件を聞くと買い出しに行ってほしいと言われたのだ。

 

手配書が出ていないメンバーは別の仕事で留守にしている為、今動けるのは自分だけで、前にマインの買い物の手伝いで帝都での店の場所を憶えている事と、もし万が一トラブルに巻き込まれた時はラバックの隠れ家としている本屋に逃げ込めばいいと思い快く引き受けたが日が沈む前には戻るよう言われた。

 

この頃帝都では辻斬り事件が多発し、市民にも警備隊にも被害が相次ぎ、犯人を捕まえるために警戒網が厳重に敷かれていた。

近い内にナイトレイドで討伐予定だが、相手は帝具持ちの為油断はできない。

タツミとアカメが出る事が決定し不安しかないが、気分転換にも帝都に外出できるのはありがたいと思っていた。

 

タツミは頼まれた買い物は終わり、運良くスラム街から仕事を終えて帰ろうとするレオーネと会い雑談をしていた時に、急に声を掛けられ警戒したが、その警戒はすぐに無くなり懐かしさと変わった。

 

イエヤスとサヨに奇跡的に再会する事が出来たのだが、二人の同行者に白面と名乗った女性もいた事は気がついていなかったので、その事で後々泣きを見る事になってしまったは言うまでもないだろう。

 

立ち話では終わらない程の話があるので飲食店で話す事になったが、レオーネは白面に用があるみたいで同席はしないで別々になった。

 

お互いに生きていた事を喜び合い、今現在の状況を報告しあっていたのは良いが、お互いに修行中と分かりその愚痴で盛り上がった時にタツミが影法師がどんな人なのかを言った時に…イエヤスとサヨの眼が徐々に死んでいく事に気が付き理由を聞いた時、少し同情してしまった。

 

「うん…本当の化け物ってあんな感じなんだって思ったわ。何度逃げようと思った事だか…」

 

「俺も風呂覗いた時に記憶無くなるぐらいボコられたのはいい思い出だぜ…」

 

イエヤスはともかくサヨがそこまでして強くなろうと思ったのは、帝国の闇を知った事と影法師に助けられた恩を返す事もあった事を話してた。

イエヤスも、何も出来ずにサヨが拷問されている所を見る事しか出来なかった事を悔やみ強くなろうと思い影法師が強くしてくれる事を条件に雇ってくれた事は今でも感謝したいと笑って言った。

その時、二人が白面に顔色を窺っていたのにタツミは気が付き理由を聞くと、影法師の本名を言ってもいいのかの確認だったが、白面は「好きにすればいい」とそっけない一言で許可をされたが…名前は言わなかった。

 

「あの人の事だから直接会いに行って仮面外すだろうし、あえて言わない方が後で面白そうだし」

 

「そうね。革命軍に色々警戒されているみたいだけど、タツミ達の事は信用できるって言っていたから平気だと思うけど…注意してね」

 

サヨの注意してという言葉の意味を聞いた時、二人は声を合わせこう言った。

 

「「あの人は本当の化け物だから」」

 

その言葉を理解するのは少し後の話だ。

 

___________________________________________

 

白面とレオーネは食事をしながら話してはしたが警戒を解く事は無かった。

 

(なるほどね~隙が無いや…)

 

(ほう…この小娘隙あらば軽く一撃入れようとしているが、我も舐められないようにせんといかんのう…)

 

少し雑談をしながら相手の真意を探ろうとしていたのが、いつの間にか一撃入れたら主導権を得るといったゲームとなっていた。

そのゲームを止めたのはイエヤスとサヨの視線だったが白面は「好きにすればいいと」素っ気なく言った事に興味を持ったレオーネは理由を聞くと、影法師の正体についての事の発言だったが、その先の事で正体を明かすだろうと苦笑気味に言っていたが、レオーネは二人を助けた事の理由を聞いたが

 

「前にも言ったが主の気まぐれ…いや、有能な人材を確保したかったと思うが、我が見ても実力はかなり付いたから収穫は大きかったと言ってもよかったかのう。

それに奴らは主の計画には不可欠な人員となったのは主の判断は良い方に行ったという事じゃ」

 

イエヤスとサヨの事を笑顔で話す白面に敵意は無いと判断したレオーネは最大の疑問を聞いた…

何故、帝国と革命軍に属さない暗殺者になったのかを。

 

「主が言うには約束を果たす為のゴミ掃除と、この大陸の安定させる計画を実行しているだけらしい」

 

「へ~その計画ってのはどんな事だい?帝国を潰すための計画かい?」

 

「これだけは言っておくが、主は帝国か革命軍のどっちが統治する事に全く興味はない…

主の目的は『この下らない戦争や汚職を無くす事』その為の下準備らしい」

 

「戦争を無くすか…どのような策かは知らないけど、影法師がどん位強いのか興味が出たね…アンタもなかなかだけど…」

 

「主の強さか…下らん冗談は言わないが、やめておいた方がいい。

我もここまで強くなるとは予想もしなかった事は確かだ。挑もうなどとしたら後悔する事は目に見えているが…主は訓練と割り切ってやるから死ぬ事は無いとは思うがあの小僧の修行話の様に泣きを見る事になるかもしれんぞ?それと…怒らせた時は死を覚悟した方がいいかのう」

 

影法師の目的を飄々として真実かどうか分からない言い方をしていた白面の言葉に、影法師の話題になった時に真面目な話し方になった事にレオーネは聞き返す。

 

「怒らせた場合どうなっちまうんだい?アタシ達は…」

 

白面は一言で答える。

 

「塵も残らん」と。

 

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タツミとアカメはザンク討伐の当日の時に、ナジェンダから共に仕事をすることになった白面と影法師を待っていた。

何故か、アカメの表情が強張っているのに気が付きタツミは理由を聞けば影法師の事を信用してはいない、言った後に「隙あらばここで…」と物騒な言葉を言っていた。

 

理由を聞けば、どんなにとんでもない事をしていたかが分かる人物ではあったが、アカメは当時帝国の洗脳教育を受けていたのもありそうされても当然と言ったが、何故そんな考えを持った理由を話し出した。

 

「あの強さは異常だ…私達が臣具を使用しても、影法師は何も使わずただ素手で私達は負けた。

初めての恐怖だった…どんな事をしても攻撃は捌かれ返され一撃で仕留められていく…

殺される事よりも恐ろしい事がある事を知った」

 

そんな話を聞いた後で、警戒しないのは自分だけかもしれないと思っていた時に、

 

「待たせたのう…はて?主はまだ来てはおらぬのか?」

 

と白面の声で瞬時に剣を抜こうとしてしまい「なんじゃ?急に声かけた事はすまぬとは思うがあまりいい気分ではないのう」と悪戯がばれた子供の様に笑う白面に二人は謝罪し白面自身も「良い心がけじゃ…我は味方ではないからのう。いつ殺されるか分からない…それが親しい者でも排除の対象となるはわかっておるから気にせんでよい…」と言ったがタツミは謝罪をし影法師の遅刻の理由を白面に聞いてみれば、ある人物の護衛の打ち合わせで遅れているらしいが、守秘義務の為詳しい事は話さなかったが悪い話ではないと言った。

 

その後、予定時間を過ぎ、影法師抜きでザンク討伐を実行しようとした時に「ゴメンね。遅刻しちゃって」と気が付かない内に現れた薄茶髪の女性に警戒をしたが白面が遅刻をした事に軽く文句を言った為、影法師本人と断定した。仮面で表情は分からないが、穏やかな声で全く敵意を感じさせない声で警戒を怠ってしまうがアカメは更に警戒心を強くさせた。

アカメの緊張感を無視するように、そんな中タツミはイエヤス達を助けてくれた事を感謝し礼を言ったが、「ただ気まぐれで助けただけよ…気にしなくていいわ」とそっけなく言ったが、タツミはアリアのやった事を知っていた為に、本当に感謝していたのだ。

 

「死んでたかもしれない仲間がどんな理由でも助けた事は本当に嬉しかったんです…ありがとうございました!!」

 

その言葉に…影法師は誰が見ても分かるような狼狽えていたが、落ち着きを取り戻した時に、誰にも聞こえないように「全く…警戒心なくあんな事言われたの初めてだわ…」言っていたがタツミにもばれていた。

 

そして、ザンク討伐為に二手に別れ探索したのは良いが全く見つからない事で、白面と組んでいたタツミは一旦アカメ達との合流する事を言い白面もそれに賛成し此処で数分待つように言い影に取り込まれるように消えていった。

 

しかし、それが罠だったのだ…

 

タツミは偶々影法師のサポートする為行動していたサヨに出会い、合流地点と言われた場所まで移動した時に、殺気を感じ取り回避行動をとったが、その襲撃者はサヨだった。

 

訳も分からず攻撃され説得しても戦いやめさせようとしたその時、「タツミ!!あれはサヨじゃない!!」と影法師がナイフを投げタツミに後退する時間を作りアカメは躊躇なく攻撃した。

 

サヨだったものが正体を現しタツミは驚愕する。

それは討伐対象だったザンクだったからだ。

だがザンクは知らなかったであろう…此処が自分の終焉の地になる事を…

 

 

 

ザンクにとっては誤算だったのはタツミ意外が強者であった事と、アカメを始末しようとした時の幻惑を見せた後の対処だった。

それは五視万能スペクテッドの幻視は自分が最も大切にしていた人物に似せていた事だったが、アカメにとっては、最も殺したいほど愛した妹だった事で意味がなかった…

 

だが、チャンスはあった。

 

もう一人の影法師に同じ事をすれば隙が出来ると確信していたが、「残念だけど私に大切な人なんてこの世界には無いわよ」と先読みをしたように言われたが、ザンクはためらいもなく幻視を使った。

 

その時…影法師が明らかに動揺していたのを確認したザンクは剣で切ろうとした時だった…

影法師がザンクの剣よりも早く胴体に蹴りを入れたのだ…

ボールの様に吹っ飛び血を吐くザンクは何が起こったのか分からなかったが、此処で大きな自分の過ちに気が付いたのだ。

 

先ほど殺そうとしていた影法師から夥しい殺気を感じ取った…アカメですらその場から動けず村雨をザンクではなく影法師に向け、タツミも動く事は出来ず冷汗を掻きながら正気を保つ事しか出来なかった。

そして、影法師はブツブツ何かを呟いていたが怒気の籠った声でザンクに言った。

 

「テメエ…よりによって俺が最も汚したくない恩人に化けやがって!!!!!」

 

その後は蹂躙だった…

 

蹴り飛ばし宙に浮いた後に拳で両肩を砕き腕を原型もなく粉砕し両足は骨が折れ皮膚から飛び出し胴体を殴り度に吐血させていたが、怒りが収まり、さっきとは明らかに違う言葉で優しく言った。

 

「懐かしい奴に会わせたくれた礼として、次の一撃で殺してあげる…八つ当たりしてごめんなさい」

 

ザンクは「もう声が聞こえない…」と穏やかに言い影法師はザンクの心臓に剣を刺し絶命させた…

 

影法師はザンクの額からスペクテッドを外しそれをアカメに投げ渡した。

アカメはまだ警戒は解いてはおらず、影法師もその事には納得していた。

 

「全く…私もまだまだね。こんな事でキレるとは思わなかったわ…

今回の件は貸にしておくわ。二人とも今日はごめんなさい…それは詫びとしてあげるわ」

 

そう言って白面と共に影に飲み込まれていくように消えていったが、タツミはサヨとイエヤスの言葉を理解した…

 

彼女が危険種よりも恐ろしい化け物だとここで知った…

 

 

アジトでの報告の後、アカメからは妹がまだ暗殺部隊にいる事や、助け出せないなら自分で決着をつける事を知ったタツミだったが、気になった事があった。

 

それは、影法師の大切な人とは誰なのか?

アカメにその事を聞くが分かるわけがない…と思ったがアカメは影法師が幻視に掛かった時に言った名前を聞いていた…

 

その名前は…「ユウトと言ったような気がする」とアカメは言った。

 

 




次回はホカゲ視点となります。

コレ、やり過ぎましたかね?


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本編5

長い事沈黙すいませんでした。


全く…今の気分は最悪で早く拠点に戻って寝たほどに機嫌は最低だった。

 

白面も私が不機嫌な事が分かっているのか何も言わなかった。

拠点に戻った時にエアが出迎えてくれたけど、やはり相当不機嫌だった事が分かっていたみたいで顔を見ただけで徐々に顔が青ざめていて、私が「数日間部屋に閉じ籠るから食事は部屋の前に置く事…それと部屋に入ったら侵入者とみなして殺しちゃうかもしれないから絶対に部屋に入らないで」と普通に言っただけだったけど、エア達は冷や汗かきながら必死に私の事を接してくれた。

 

布団に潜り込むように寝ようとしてザンクに見せられた大切な人の事を思い出して…

 

「…大事な人か。まさか、貴方がそんなに大事な存在になっていたなんて思ってなかったわ…夕斗」

 

あの時、ザンクの幻影で見た人物は、私の生涯で最も尊敬し敬愛した前世での双子の実の兄だった。

 

私の前世は最低の家庭環境だと言えるようなものだった…

 

格式の高い家柄で幼い頃から英才教育をされ、親に甘える事は恥とされ弱音を言った時には暴力なんて当たり前にあったほどだ。

そんな家で味方なんて誰一人もいない事で、その時の私ははっきり言ってクズだった。

使用人に一生消えない怪我もさせた事もあるし、大体の事は金と暴力で解決させていたほどの最低のクズ野郎だった私を矯正したのは兄に暴力を振るった時の事だった。

 

兄は病弱で寝たきりだった事もあったので本来は家系を継ぐのは長男である夕斗だったけど双子で生まれた為に私が長男として家督を継ぐ事が決定した事で夕斗は私の予備扱いとして育てられることに決定した…

その事を私は恨んでいた…

 

毎日が苦痛なのに夕斗が笑って暮らしている事で殺意を憶える程に憎むほどになっていた頃に、学校のテストで凡ミスを両親に説教されその後に、拷問ともいえるような勉強をされたと事で誰もいない筈の自室で泣いていた所を夕斗に見られ心配さえた事で私は…暴力を振るった。

 

「役立たずに何が分かる!!」とか「無能者が俺に同情するな!!」や今まで溜めていた物を全て吐き出すように殴っていたが…夕斗は抵抗もせずに殴られ続けていた。

何でやり返さないのかと聞いた時に、夕斗の言葉に私は自分がどれだけクズだったのかが分かったからだ。

 

「僕はこれぐらいしか出来ないから…本当は僕がやらなくちゃいけないのを全部押し付けちゃった無能者だから、僕はこんな事しか出来ない…でも、辛い事があったら僕に言ってよ。

 

解決は出来ないかもしれないけど悩みを聞いてあげる事で少しは負担にならないようにしたいから…

 

こんな頼りない僕だけど、辛いときはどうしてもいいから一人で泣かないで」

 

始めの内は信じられず暴力の対象としていた時期があったけど、夕斗は私と比べて遥かに頭が良かった事や、人当たりも良く、その後、その能力だけは認められ、私の世話役となった。

でも、両親からも親族からも認めない意味での世話役として採用とした事を知った私は、せめて私と二人っきりになれる時は自由に話せたり自分のやりたい事をしてもらおうと努力した事もあり、夕斗を守れたことは本当に運が良かったと思っている。

この頃から、私は当主に相応しいのは夕斗だったと確信していたけど、両親を含めた親族はそれを認めようとせず只、家畜の様な扱いを受けていた事と、権力争いの道具にされ自分の人生を台無しにされそうだった事もあり私にある誓いが出来た。

 

「俺は…この家を崩壊させる!!夕斗を認めない奴らに復讐する」と…

 

本来であれば夕斗を当主にする事も出来たが、あんな家に縛られるよりもいつかできるであろう恋人とひっそりと平和に暮らしてほしいと思っていた。

それに嬉しい事に自分の婚約者として付き合っていた琴乃が夕斗を好きになってくれていた事と彼女の両親も夕斗の事情を話し同情してくれ私の味方となってくれた。

実は私に対する琴乃の第一印象は最低のクズ野郎…だったそうな。

しかし、夕斗と二人っきりでいる時に仲良くしている所を観られ、脅迫まがいに聞かれ真実を話し共犯者となってくれた事と、三人で過ごした日々は本当に楽しく琴乃は何かと世話をしてくれたのは本当に嬉しかった。

 

家督を継ごうとした日に私は海外に逃亡し自由気ままの生活をした。

 

後で聞いた話で、私の行動は夕斗に大きな迷惑が掛かりそうだったけど私を止めなかった事で家を追いだされ琴乃と結婚した。

 

琴乃の両親は本当に感謝しかなく、私の事も気遣ってくれた事。本当の両親だったらどんなに良かったかと思えるほどの人格者だった事が幸いして海外で一時的に就職も出来た時は死に物狂いで働き恩を返した。

 

その後は世界各国の放浪の旅だ…

 

その際に忌々しい事件で一時帰国はしたけど、夕斗との再会が嬉しかったのは今でも覚えている…

 

だが…あの両親がそれを許さなかった。

 

私がいなくなった事で分家の長男が当主になった結果は、好き勝手やっていて浪費させ家の衰退の原因を作った両親を追放され極貧生活していた事での逆恨みで…私を庇って夕斗が一生歩けない体にさせてしまった事だ。

 

その責任から私は一生出て行く覚悟で海外を旅した。

 

琴乃も義両親も気にしなくていいと言ったけど…親戚の一言で此処に居てはいけないと感じたからだ。

 

それは病室で見舞いに行って琴乃と会った時に今回の事を詫びて一生かけて償うと言った時に「気にしてないし…それに家族なんだから気にしちゃだめよ」と逆に慰められて謝罪して病室に入ろうとした時に私の事を快く思っていない琴乃の親戚が夕斗こう言ったからだ。

 

「あの子を寝取られて、子供が出来た事の腹いせであの男たちと共謀して殺そうなんて信じられない!!」

 

…なんて言った?

 

私は談話室まで移動して真相を琴乃に聞くと妊娠している事、今でも琴乃の親戚たちは私が夕斗を脅迫して家に居座っていると思っていると悪意を持った言葉で言われを本当の私の事を理解されないと悔し涙を流しながら答えてくれたが…そこまでが限界だった。

 

私は自分が知らない内に大切な家族を…苦しめ殺そうとしていたのだ…

 

その日のうちに荷物を纏め海外に出て行った…

琴乃の両親にもう戻らない事と本当は二人の家族になりたかった事を言い、親戚の心無い言葉を謝り私を見送ってくれた…

 

その後は本当の放浪の旅だ…

 

前に世話になった自衛官のおっさんと児童保護施設の先生が無差別テロで殺された場所に行き二人を弔った後に少し報告があった。

 

「…おっさん。アンタの娘さんはいい友達と楽しくやってるぜ。

 

あのせいで少し引きこもっていたようだけど、二人の友達に励まされてやっと立ち直ったみたいだ…それとこれはその二人と娘の手紙だ…中身は読んでねえから安心しな…

 

それと…先生にも手紙あるんだが、まさか子供が三人もいるとは思わなかったぜ…

アンタの妹さんも一時期は自分が殺したようなものだって荒れたみたいだけどさ…今は大丈夫だ。

寧ろ、あの映像のおかげで立ち直れたみたいだしおっさんとの結婚式見たかって言ってたぜ…

 

俺も…随分世話になったし、二人には恩があったのに…正直それが返せないのが辛い」

 

そうつぶやいた後に手紙を天国なんてものがあるのかは知らないが届けばいいと思い線香の代わりとして燃やした…

 

燃やしたのは此処に置いていても誰もみる事は無いだろうし赤の他人に見られたくないと思った事と、二人に対しての私はある約束をしていたのだが…守る事は出来なかったので二人の思いの決別の意志として燃やしたのだ…

 

先生…アンタとの約束は守れなかったよ。

 

「どんな事があろうかと、『本当の家族』として認めた人の傍には一緒にいてあげて…」

 

私は…無理だったよ。

 

この後、私は偶々屋台で買って食べ歩いている時に暴走車の爆弾による自爆テロに遭い死亡し転生した…

 

そんな事を思い出しながらすっきりと目を覚ました私は懐かしい人達に礼を言った後に、リビングに行けば若干を怯えているエア達と会い、自室に籠る前の日の事を謝罪すれば笑顔で対応してくれて本当に良い子達を雇えて良かった事と今こうして自分がやっている事は無駄ではないと確認できただけでも大きな収穫だった。

 

その時、白面がいいタイミングで会えたので此処暫くで依頼があるのかを聞けば、結構あったのを白面が代わりに引き受けるか、他の暗殺者に代理を立てていたやっていたらしい。

 

そんなわけで仕事が無い事になったのでふらふら出歩く事にしたけど、その途中でイエヤスとサヨと…一番会いたくないセリューと会ってしまった…

 

何で会いたくないかって言えば、ほぼ洗脳したっていう事実もあるけど、帝都警備隊へのラブコール(隊員の引き抜きだよ)が酷くて逃げまくっていたけど、今回はそんなことは無く日常会話程度で済んだのだけど…理由を聞けばイエヤスとサヨが優秀過ぎる事と、別の私がいなくても暗殺される奴が殆ど悪人と言う事でその後かえって治安が良くなってむしろ暇なんだとか…無論セリューはどんな理由があるにしても、暗殺者は悪でしかないと見つけ次第天誅下すなんて言ってたけど…目の前にその犯人いますよ?みたいなコントをしていたけど元気そうで何よりだよ。

 

そんな警備隊の三人との別れ、最近お気に入りとなった本屋に行きある本を立ち読みした。

 

この世界凄いわ…漫画があるなんて感動ものだよ!!

 

此処の店主のラバック君とも仲良くなって色々面白い小説や漫画を紹介してもらってるけど、ラバック君のお勧めの漫画家さんにドはまりして、つい夜遅くまで立ち読みとその感想を言い合って白熱したらこんな時間になってしまった…そういやエア達にはご飯家だ食べるって言ってあったけ?

 

ラバック君もどうやら女性の夜道は大変だから送ろうかと紳士対応されたけど「こう見えて強いから平気よ」と笑顔で断り気に入った漫画や小説やこの辺の地理などの書物を後々で引き取りに来ることを伝えた後に別れた…

 

でもね…まさかこんな事になろうとはね。

 

外の警備隊が騒がしくなってきたので、常備している仮面を付けた後に住宅の屋根伝いに移動して騒動の元の公園にに行ってみればセリューといつも引き連れている犬もどきの帝具がいて、中華服のロングヘアーのメガネさんとツインテールの銃使いとバトル中だった。

 

遠目で視てるけど、戦況的にはセリューが有利だ。

犬もどきがどうにか頑張ってはいるけど、あれ確か体の何処かにある核潰さないと死なないんだっけ…多分帝具だろう大きな大鋏で刻んでも再生してるしあのツインテールの銃型の帝具のビームも防いでる事から見てかなりタフだし、援軍を求める笛も吹いたし、多分イエヤス達も合流すれば勝ち目無いね…

と思ってはいたけど、武器タイプの帝具使いと生物型の帝具使いは相性悪かったのかセリューがあっという間にピンチになっていて犬もどきが奥の手でさらに気持ち悪いマッシブボディになって攻撃しだすわで何だかそのまま家に帰っていた方が良かったんじゃないかと思っていた。

 

実は本音を言えば、ほっとくのが吉かなと思った時に、何となくで思い出したけどロングヘアーの人はナイトレイドの一員のシェーレだっけ?手配書見て何となくわかった。

 

私はナイトレイドに借りがあるのでここで二人をピンチになったら救出して逃がせばいいと思ったからだ。

 

でも、そんなことしなくてもいいかな…と思った時に戦況が変わった。

 

犬もどきの雄たけびで行動をとめていた隙をつかれついテールの子が捕まり握りつぶされそうになった所をシェーレが帝具で腕を切断した事で救出した後…セリューの口内に仕掛けられた銃による攻撃でシェーレが胸を撃たれた事で動けなくなった所を犬もどきに食い殺されそうになったからだ。

 

私は全速力で咬みつこうとしている犬もどきを土星の輪を付けた腕力で思いっきりぶん殴り公園の森の木々なぎ倒しながら吹っ飛んでいった。

 

セリューは激怒して私に攻撃しろとあの犬もどきに命令するが、私の元々の筋力でも人の胴体に風穴開ける程の威力を土星の輪で思いっきり殴り飛ばしたのだから威力も凄まじく公園の森が一瞬で更地になってるから少しの時間稼ぎにはなるだろう…

 

なんかツインテールの子が「アンタ何者!!」とか色々と文句言うけど「黙って私に従え…死にたくないならね」と脅しをかけると黙ったので両脇に二人を抱える持ちまたツインテールの子が五月蠅いので置いてこうかと思ったけど、我慢してその場から全力で逃亡した…この時、失敗したのはシェーレの帝具である大鋏をそのまま置いて行ってしまった事だ。

 

ある程度距離を稼いだ所で私はシェーレの胸の傷の治療の為にマイン(逃げる途中で軽く自己紹介していた)に追手の警戒を頼みシェーレに治癒の力を使って治していた。

始めは警戒していたマインだったが傷口が塞がり意識は失ってはいても呼吸が落ち着いていた事に安堵の涙を流していた。

マインは私に礼を言ったけど「この前の借りをかえしただけよ…」と言い治癒の力は疲労が激しい事を理由にシェーレは自分のアジトで本格的な治療する事を約束してマインには言付けをお願いしてアジトに帰還していった。

 

…その後、シェーレを私の家で匿っていたのだけどこの子の扱いにすっごい困ったのは言うまでもない…

 

この後、完全回復させた後でエア達の手伝いをしようと努力は認めるけど、あっという間に悲惨な事になっていたので何もしないでくれと私が頼むって言うカオスな空間となったからだ…

 

悪気の無いドジっ子は一番厄介だと思い知った瞬間でした…

 

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魔導具の紹介

 

土星の輪 

 

 

 

原作の石島土門が使用した魔導具

 

指環型で、力を増幅する効果がある(土門はある理由で鼻ピアスで付けていた)

 

 

 

 

 




補足です…

土星の輪はイエヤスに心霊手術で体内に取り込まれた事になっていますが、あの後イエヤスが「体を鍛えたいのだけど土星の輪のせいで力が倍増して筋トレやりづらくなったから修行時は取り除いてくれ」と言われ戻すのを忘れていたからあの場で使えた…

土星の輪が無ければ石冑を使って戦おうとしていました。

後、ホカゲは元男です


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