天龍の改変者 ()
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1話

アカウントを消してしまい、データがないと思ってたんですが、あったので再投稿します。

1~16話までなら残っています。
違う作品も始めてしまったので、続けるかは評価や感想欄の反応を見て決めたいと思います。




〜天界side〜

 

 

〜天界side〜

 

 

「ん?ここはどこだ?」

 

俺は立ち上がり周りはを見渡す。辺りは真っ白としか言いようがない空間。どこまで続いているのかわからない平行空間。ここにきた覚えはないし、来ようとも思ったことがない。

 

 

 

 

『ここは人間界でいう天界じゃよ』

 

突然後ろから声が聞こえたので振り返ると、白いダボダボの服を着た自分の長い白いひげを丁寧に撫でている爺さんがいた。神っぽそうな爺さんは今なんて言った?天界?あ、天国か…

 

 

 

「そなのか〜教えてくれてありがとな」

 

そっか天界なのか……ん?ってことはおれ死んんだのか?そういえば、通り魔と揉み合いになって包丁で刺されたんだったな、思い出したら腹に痛みが…でもこの状況的に転生かぁ〜、来世は虫と魚は『ちょっと待つのじゃ!!』…ん?

 

 

 

「ん?どうかしたの?」

 

来世も人間に生まれ変わりたいな。流石に虫と魚は不憫すぎる。食物連鎖も激しいし、すぐ死にそうだ。

 

 

 

『お主冷静すぎぎゃないか?普通はもっと泣き喚いたり、叫んだりするんじゃぞ?』

 

こやつ。冷静すぎやしないか?一体どんな生活を送ってきたんじゃ?少し記憶を拝見させてもらうかの。…あぁ、高校生じゃけど、人助けの回数が多いの。犯罪者は特に嫌いのようじゃ。だから、最後はあんな事になったのじゃな。

 

 

 

「泣いても叫んでも、この状況が変わるわけじゃないだろ?それにもう高校生にもなったんだ。それぐらいじゃ泣かないよ」

 

俺はもう高校生だ。それにこんなよく分からない状況は前から多かった。慣れって怖いな……

 

 

 

『大人でも普通は泣くんじゃが…まぁいいか。それはそうと、いきなりで悪いが、お主は地球人全員を救ったことで転生できるんじゃが、転生するか?』

 

こやつは正義感が強いようじゃが、仲間想いでもあるみたいじゃな。まるで主人公気質じゃ。その考え方が楽観的すぎるがの。しかも…

 

 

 

「うーん、人違いじゃないか?俺は誰も助けてないし救ってもないぞ?」

 

俺はそんな大層な事はしていない。最後は通り魔に殺されただけで誰の命も救ってないぞ、それに守る人も人生で1人も…やめよう。考えてて悲しくなってきたわ…

 

 

 

『本当は、1人の学者が通り魔に殺されることが運命になっておったのじゃ。じゃが、お主が通り魔を止めたことで救われ、その学者が後に地球上の生命を滅ぼすウイルスに対抗する新薬を開発したんんじゃ。だから、学者ではなく運命を捻じ曲げたお主が転生することになったのじゃ。わしが神になってから転生させる事例は初めてじゃよ。星一つ救わないと権利が得られんからのぉ。というか、運命を捻じ曲げるのなんて普通はできんのじゃよ。』

 

まじかよ…俺すげーじゃん。やっぱり、このじいさん神なのかよ。容姿だけで雰囲気なさすぎだろ…あ、そういえば転生といえば…

 

 

 

「行く世界とか、特典的なのは決められるのか⁉︎」

 

俺tueeeeとかしてみたいな。ラノベとかでよく読んだけどかっこいいし。世界に行けるならONE PIECEの世界にいって原作を改変したいな。

 

 

 

『できるぞ、お主が全て決めて良いぞ』

 

こやつが何を決めるのか少し楽しみじゃの。わし自身この制度を使う事自体が初めてだから、サービスしとくかの。

 

 

 

「ほんとか!ありがとう‼︎ONE PIECEの世界にはいけるか?」

 

頼む‼︎原作改変して、エースを助けたいし、他の奴らも極力助けたい‼︎…黒ひげは会ったら倒そう。…

 

 

 

「可能じゃよ」

 

まじかよ!俺tueeeeeできるし、最強になれんじゃん!もちろん世界は…大好きなONE PIECEの世界だな!原作変えたい‼︎エースとか救いたい!となると特典は……

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「決めたよ。」

 

 

 

『やっと決まったか。それでどうすればいいんじゃ?』

 

こやつは何を決めたんじゃ?とりあえず拝見させてもらうかの。

 

 

 

「こんな感じでどうかな?

 

1.3種類の覇気の潜在能力(覇気に目覚めたところから)

 

2.悪魔の実 アブアブの実 (触れた生物の戦いの経験値、悪魔の実などの能力の吸収する) ※自分の力に加算されるだけで、相手の力はそのまま。能力発動が相手に気付かれることはない。

 

3.完全記憶能力

4.無限の成長

5.経験値50倍

 

6.天運(幸運の上位種)

 

7.天賦の才能

 

8.天竜人 最高位の家系

 

9.絶世の美男子 髪:白銀 眼:碧眼(顔と髪型のイメージ的には、エヴァのカオルくん)

 

10.左肩の紋章(イメージ的には、七つの大罪のメリオダスの紋章)※他者に与えることも可能

効果

1:不老化(1番かっこいい、美しい容姿で止まるまたは戻る)

2:命の危険or所持者が念じることで自分の元への転移or強制転移

3: 潜在能力の強制開花

こんな感じだけどできる?」

 

少し多すぎた気もするけど、原作を改変するためには必要な事だから頼む。

 

 

 

『可能じゃよ。というよりも少し少ない気もするが…まぁ、いいじゃろ。修行せずにも最強になれるがいいのか?』

 

ほんとか?これで少ないのかよ。あ、初めてとかいってたし、限度がわからないのかな?

 

 

 

「最初から最強だとつまらないじゃないか。強くなる過程も少しぐらいは楽しみたいんだよ。」

 

最強は最強でも、最初から最強だとつまらなすぎる。強くなっていく過程も楽しみたいし。

 

 

 

『変わったやつじゃな。まぁ、わかった。生まれる時代は決めるかの?』

 

うーん。時代か、原作開始から遠すぎるのもなんだしな。空白の100年は知りたいけど、ポーネグリフを探して解く方が面白そうだな。だとすると…あの人たちを助けよう。

 

 

 

「大航海時代開始の15年前に誕生するように頼む。」

 

 

 

『わかった。お主の新しい人生に幸多からんことを』

 

こやつ。すごい微妙な所から始めるんじゃの。よくわからんが、こやつが指定するんだ。無駄な事ではあるまい。

 

 

 

「あぁ…短い間だあったけどありがとな。」

 

原作改変のためには力を早くつけないといけないのか。原作では救われなかったキャラを救って行くぞ。そして、ONE PIECEの世界を改変して俺の物語にしていってやる!

 



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2話

〜主人公side〜

 

起きると、俺は辺りが黒で埋め尽くされた世界にいた。気のせいか、体の辺りが生暖かく少し気持ち悪い。…ん?真っ暗で何も見えないし、すごく動きづらい。なんだよこれ‼︎やばい動けない‼︎あの爺さん転生失敗したのか?俺は転生そうそう、もう死ぬのか‼︎⁇

 

 

うおっ。引っ張られる引っ張られる!すると、真っ暗な世界に少しの光が差し込んでくる。…なんか少量だけど、光が見えてきた。この光の方に向かえば、この暗闇の中から出れるかもしれない‼︎いけぇぇぇつ‼︎

 

 

 

まだだ‼︎本当あと少しで出れるのに‼︎もうちょい!あと、一踏ん張り!ファイトー!!いっぱーーつ!

 

 

 

でれたっ‼︎って、明る過ぎて何も見えないよ。目をつぶらないとキツイ。それになんだか泣きたくなってきた!

 

 

 

「オギャー!!オギャー!!」

 

あぁー。やばい。やばい。倦怠感と眠気がきて、もう寝ちゃ.....

 

 

 

〜産婦人科医達side〜

 

産婦人科医達「ディアノス宮殿、ディアノス聖様無事産まれましたよ!さすが、ディアノス聖様ディアノス宮様のお子様すね。素晴らしい泣き声です。こんな赤ちゃん見たことがありません。これなら将来も安泰ですね。」

 

どこにでもある赤ちゃんの泣き声だけど、褒めとかないと。変に気に触ると殺される。でも、顔は綺麗な顔で目は碧眼髪。親の顔はひどいのになんでだろう?そういえば、左肩に痣?みたいのがあるけど平気といっておかないと、そんなんで殺されたらたまったものじゃないよ!

 

とりあえず....

 

 

 

「こういう痣は産まれたら、ある子がたまにいるから平気ですよ。」

 

 

 

〜父親(ディアノス聖)side〜

 

父「当たり前だえ。俺様の血が入ってるえ。お前達下々人民の 血とは格が違うえ。将来は大物になるのが目に見えてるえ。名前をレオンと名付けようかえ。」

 

ふんっ。これが我の子供かえ?我に似てイケメンだえ。我の血に感謝するえ。まぁ、興味もない女との子供え。勝手に育って我に迷惑をかかないようにしてほしいえ。髪の毛の色が違うが、まぁ、いいえ。暇だし奴隷を数人遊んでやって後は殺すかえ。あ、よく見ると左肩に痣?見たいのがあるえ。まぁ、下々人民達も平気と言ってるし気にしなくていいかえ。それにどうでもいいえ。

 

 

 

〜母親(ディアノス宮)side〜

 

母「あらかじめ買っておいた乳母の奴隷達に産まれたから育てさせるように伝えるあます。わたちは疲れたので休むあます。後は頼んだあますよ。」

 

やっと産まれたあます。少しは痛みを抑えたりする工夫をしないなんて使えない子あます。髪の毛の色は誰に似たあます?まぁ、後は乳母の奴隷達に任せて育てさせて、わたちは奴隷の決闘でも見て楽しもうあます。けど、今日は疲れたから寝るあます。左肩の痣?みたいのがあるあますが、どうでもいいあます。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【産まれてから3ヶ月後】

 

〜主人公side〜

 

 

 

産まれてから3ヶ月経った。初めて親を見て最初に思ったことは、容姿についての特典を取っておいて良かったということだった。産まれてからは両親は1度しか見ていない。俺は今、親がいる本館とは別の別館に乳母の奴隷達といる。かなりの放任主義のようだ。まぁ、親がいない方がやりたいことができるからいいけど。しかし、俺のおじいちゃんがよく別館に来て俺の世話をしてくれる。なんでだろう?5年後には目的のために人と戦わないといけないから、強くならないと。三種の覇気はすでに目覚めてるから後は強化だ。

 

最初の目標は見聞色で館の人数を確認できるようにすること、武装色で片腕だけでも変化させること、覇王色は比べられないから、なんとなくの練習になるけど仕方ないか。とりあえず、この状態でできる修業をしよう。

 

 

と、その前に早くこの羞恥プレイを終わらせたいです。乳母の皆さんすごく美人さんで役得なんですけど、さすがに恥ずかしすぎです。もう婿に行けません。

 

 

 

〜乳母の奴隷達〜

 

産まれてから3ヶ月が経ちましたが、授乳の時も、とても静かにお飲みになられて、普段は泣くこともないディアノス聖様。もうすでにとても可愛らしく、授乳の一連の動作でも優美に感じられる。あの親からこの子が産まれるなんて不思議ですね。しかも、あの両親子供のことはほったらかしにして、自分達は好きなことし放題!ほんとに腐ってます!あったのなんて出産から今まで1回ですよ!親じゃないです!しかし、祖父様は1日中おそばにいることもある!見ていて素晴らしいし、私たち奴隷達への対応も丁寧!あんな天竜人見たことありません。なんであんな素晴らしい方からあんな子供が産まれたのでしょうか?

 

 

 

〜祖父(ディアノス聖)side〜

 

孫が産まれてから3ヶ月が経った。とても可愛いくて、見ていて癒されるの。親に似なくて本当に良かったぞ。親といえば、あのバカ息子とあのバカ妻。レオンが産まれてから一度しか来ておらん!本当になんであんなになってしまったのかの……。とりあえず、孫が他の天竜人のやつらのようにならないように乳母達と教育していことから始めようかの。そうすれば、あのバカ息子には教えなかったが、この子にあの事を教えられるかもしれんの。そういえば乳母達は気づいてないが、左肩の痣が最近はっきりとした形になって来とるの。一体なんなんじゃろうの?

 



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3話

〜レオンside〜

 

俺が産まれてから三年が経った。覇気は家の中なら人数がわかるようになったのと片腕だけだけど纏うことができるようになったよ。覇王色の覇気は使用人を気絶されることができたけど1番修行しづらい。良かったことは両親は相変わらずの奴隷任せなことだ。滅多に会うことはない。その代わり、おじいちゃんがよく来てくれて一緒に話したりしてくれる。そういえば、話したり歩けるようになったからこの間初めて奴隷達と行ったんだけど、ここはマリージョアの中心みたいだ。まぁ、最高位の家系なんだからあたりまえなのかな? あ、それと家が無駄に大きかったよ。

 

 

 

【レオンの部屋にて】

 

 

 

「おじいちゃん。そういえばなんで父上と母上は他の天竜人と口調や奴隷の扱い方が同じなのに、おじいちゃんだけは違うの?」

 

 

 

「それはの。本来天竜人は下々人民と呼ばれる人たちと同じなんじゃよ。」

 

 

 

「そうなんだー。何で父上と母上と言っていることが違うの?下々人民達とは違うんじゃなの?」

 

ん?何でそんな考え方をしているんだ?原作ではドフラミンゴの父親のドンキホーテ・ホーミング聖だけじゃないのか?

 

 

 

「そうじゃの〜。少し早いが、もう伝えても良い頃かのまず、その考え方は我らディアノスの家系が作ってしまった一族最大の恥なのじゃよ。」

 

レオンはこの歳では、とても賢い。将来もしかしたらこの状況を、変えてくれるかもしれないの。真実もきっとわかってくれることを信じるしかないの。

 

 

 

「ど、どういうことなの?」

 

原作と何かが違う。まだ出て来ていない裏設定みたいなものがあったのか!?

 

 

 

「今から800年前世界政府が設立されたのは聞いておるの?その時20カ国の王達が協力して作り上げた末裔が天竜人じゃ。でもこれには真実とは少し違っとるのじゃ。正確には1ヶ国の王が先導して19ヶ国の王達を纏め上げて世界政府を作ったのじゃ。その1ヶ国の王の末裔が“ディアノス聖”なのじゃよ。ともかく、わしら一族がもっと徹底的に纏め上げることができたのなら今の全現状はなかったのじゃよ。じゃからレオンは下々人民と天竜人に違いはないことを心に刻んでおいて欲しいのじゃ」

 

そんなことがあったのか。俺の家系は何気にすごいんだな。まぁ、最高位だから当たり前か。

 

 

 

「わかった!でも何で父上と母上はそのことを教えてくれなかったの?それに何で世界政府は違う情報を世界に伝えているの?」

 

おじいちゃんがこんな考え方をしているのになんでだ?喋り方も他の天竜人と同じだし。どういうことだ?。

 

 

「それはの。真実をバカ息子とバカ妻には教えておらんからの。世界政府は違うほうが都合が良いからじゃろうの。最上位の天竜人以外にさらに上がいたと世界に伝われば天竜人達の立場がひっくり返る可能性があるからの。この真実を知る世界政府の上層部はわしらディアノスの一族のことを天竜人じゃなく、“天龍人”と呼んでおるの。そういうこともあって、世界的には、ディアノス一族は立場上最高位の天竜人としてマリージョアの中心のここに住んでおるのじゃよ」

 

天龍人‼︎⁈すごくかっこいい‼︎…あ、おじいちゃんが心配そうな顔してる…あ、この事について心配なのか。

 

 

 

「そうなんだ。わかった。天竜人と下々人民の差別は絶対にしない事と、この事を誰にも言わない事を誓うよ。」

 

これで安心してくれたと思う。とりあえず今は覇気の練習を第一に筋トレも始めて行こうかな。あ、悪魔の実を集めよう‼︎もしかしたら、使う時が来るかもしれない‼︎

 

 

 

「おじいちゃん!この間、読んだ本で出てきた悪魔の実を集めたいんだけどダメかな‼︎⁉︎」

 

頼む‼︎了承してくれ‼︎‼︎

 

 

 

「わかった。知り合いの天竜人のコレクターに頼んでみよう。せっかくの可愛い孫の頼『大変です‼︎‼︎‼︎レオン聖様の父上様、母上様のディノアス聖様とディノアス宮様を乗せた船が嵐による津波に飲まれて沈みました‼︎‼︎』・・・なんじゃと‼︎⁉︎」

 

 

 

……早速災難に飲まれそうです。

 



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4話

〜???side〜

 

いつものように朝4時に目が覚めた。外はまだ季節が冬だからなのか、窓から見える世界は朝陽はまだなく外は真っ黒な世界だ。慣れた手つきで鍛錬に行くために着替え、洗顔を済ませ玄関に立てかけてある1本の刀を手に取り外に出るためドアを開ける。

 

 

 

???「さ、寒ぅー。この2年間で起きるのには慣れたけど、この冬の寒さだけは慣れないよー。早く体を温めるために走ろう。」

 

真っ黒な世界にただ1人少年が走っている。前は一寸の先も見えない。なのに少年は転ぶこともなく風のような走りで目的地へ向かう走っている際の足音は聞こえない。3分もすると目的地へ着き、少年は刀を鞘から抜く、現れた刀身は純白で誰が見ても業物であることはわかるだろう。その刀を少年は無心で振りつずける。一連の動作が終わると毎回周りに人工的な風が起こる。その回数10万回。鍛錬が終わりあたりが明るくなった所で少年は刀を鞘に戻そうと鞘の元へ歩き始める。

 

 

 

「レオン様〜。朝食の準備が整いましたのでお屋敷戻ってくださーい。」

 

メイド服を着た少女が屋敷の方から大声で叫びながらこっちに走って来る。レオンはその微笑ましい光景を見て癒される。1年前に天龍人の奴隷として裏路地で他の使用人にストレス解消として殴られているところを助けた。その時の少女の顔は絶望に染まっていたけれど、今は眩

ゆいほどの笑顔をできるようになっている。

 

 

 

「わかった。今行くよー。」

 

レオンは刀を鞘に戻し屋敷に向けて向けて歩き始める。

 

 

 

〜使用人side〜

 

窓から注ぐ朝陽で使用人である私の日常は始まります。レオン様に朝食の連絡をしませんといけません。なぜかレオン様は屋敷から1時間もかかる場所で鍛錬をしています。伝えに行くのは大変ですが、レオン様のためなら苦ではありません。私の日常は1年前まで絶望に染まっていました。自分の運命を何度呪ったかは数え切れませんでした。

その日はいつも通り私は路地裏で他の使用人達の鬱憤ばらしで殴られていました。助けてくれる人なんて誰もいませんでした。泣き方なんてとうの昔に忘れていました。あとは、次々と来る蹴りや拳にただ殴られ、それが終わるまで耐えるだけです。最近はどこに殴られたり蹴られたりするかがわかるようになり当たる箇所を調整できるようになったので少し余裕ができました。あと少しで終わる時にレオン様は現れて私を助け出し、幸せを教えてくださいました。感謝してもしきれません。レオン様の家の使用人はほとんどが私と同じ境遇の方ばかりでした。そんなこともありすぐ馴染むことができました。あ、レオン様が見えてきました。

 

 

 

「レオン様〜。朝食の準備が整いましたのでお屋敷に戻ってくださーい。」

 

レオン様は天竜人とは思えないほど美しいです。白銀の髪についている汗が朝陽を反射して輝いて見えます。何度見ても飽きることはありません。

 

 

 

「わかった。今行くよー。」

 

レオン様の声は澄んでいて、聞いていて気持ちいです。屋敷までの1時間はお話しすることができるので楽しみです。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【屋敷のリビング】

 

 

 

「もう船の準備はととのっとるぞ。レオンも準備してくるんじゃ」

 

じいちゃんはこの2年間で髪の毛が黒髪から白髪になった。原因は……まぁ……ね

 

 

 

「わかった。準備してくる。おじいちゃんは先に玄関で待ってて」

 

そういい僕は長い渡り廊下を歩く。2年前渡り廊下は趣味の悪い金ピカの彫刻や絵画が至る所にあり歩きづらかったが、今は以前と違う。彫刻や絵画がバランスよく並べられて美しくなった。それも2年前に両親の乗った船が嵐によって沈み死んでしまったからだ。僕は一度しか会っていないので何も感じなかったが、おじいちゃんは違ったのだろう。そう考えているうちに部屋についた。部屋に入り、まず風呂に入る。風呂から上がって天竜人の独特の服に着替えて壁に掛けられているペストマスクをつけ上から球状のマスクをつける。壁に立てかけてある刀を取り、手ぶらで部屋を出て渡り廊下を歩き玄関へ向かう。ペストマスクは名目上火傷の傷を隠すためだが、真実は原作を改変するためにマリージョアから出たあと手配書が出ると思うから、それの顔写真が載せられないためだ。これは、おじいちゃんにも話してある。理由は世界を自由に見て回りたいに変えたんだけど……おそらく違うとバレてる。本当になんであんな父親が産まれたのか不思議なんだよなー。それと、今手ぶらなのはおじいちゃんが知り合いから買った悪魔の実の能力で 超人系 ハコハコの実 の能力で自分自身を収納空間にすることができ、刀を収納したからだ。

 

 

 

ハコハコの実をアブアブの実で吸収した際嬉しい誤算が生じた。

 

1つ目は能力を吸収したらハコハコの実はそのまま存在していたことだ。だから、ハコハコの実は体内に収納されている。

 

2つ目は吸収した実の強制覚醒化だ。特典の1つ 紋章の効果の1つ潜在能力の強制開花によるものだと思う。本来ハコハコの実の能力は自分自身を収納空間に変えることではなく、箱を出現させる事だけだ。しかし、覚醒する事で自分自身を収納空間にすることができるようになったのた。

 

 

 

他にも、おじいちゃんが悪魔の実を買ってきてくれた。

スケスケの実・メロメロの実・ヘビヘビの実x2(アナコンダとキングコブラ)

※スケスケ・メロメロは吸収済み

 

おそらく、ハンコック達がマリージョアから逃げる時に見つけ食べた実を僕がおじいちゃんに頼んだことで僕の元にきたのだろう。奴隷になるのは15年後だから買って渡そう。スケスケの実も奴隷解放のあと、アブサロムが見つけ食べたのだろう。絶対にあいつには渡さない。ナミの裸見れるのは僕だけで…んんっ。とりあえず永久封印だ。

と、ここでじいちゃんが見えてきた。

 

 

 

「レオン。遅いぞ。何してたのじゃ。まぁ、よい早くいくぞ。所で、なぜマリンフォードに行きたいのじゃ?」

 

 

 

「ごめんね。遅くなっちゃって。正義を掲げる海兵達の本部を見学したいんだ。早くいこっ!!」

 

今は僕は5歳になった。大航海時代10年前。つまり、ゼファーの奥さんと子供が殺されるのはおよそ1週間後だ。僕は初めて大幅な原作改変をこれから行おうとしている。初めての大幅改変ということもあって、もうすでに期待と緊張で胸が張り裂けそうだ。でも、今までこの為に鍛錬してきたんだ全力で改変してやる‼︎

 



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5話

 

 

【マリンフォードにある海軍本部元帥室にて】

 

ゴリラのような顔をし、髪は頭に4本の棘のように生えている男がいた。そして、鍛え上げられた肉体と戦闘でできたと思われる傷は寄せ付けない貫禄を醸し出し、背中には正義の2文字が存在している。

 

 

 

「あと少しで来る頃かの、ガープとセンゴク以外の大将は新世界でいないが、大将センゴクと今いる全ての中将で迎え入れ……『コング元帥!ディアノス聖様を乗せた船が後3時間後に到着されるとの連絡が入りました!』……わかった。センゴクと今いる中将全員に港への集合命令をだしといてくれ。」

 

 

 

「わかりました。失礼しました。」ーーガチャッ

 

 

 

「天竜人がなんでマリンフォードに来るんかの。しかも、よりによって天龍人とは下手なことはできんぞ。」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

〜レオンside〜

 

マリンフォードへの船旅は1週間という短くとも長く感じる充実した船旅だった。マリージョアから出たことのない俺は外の広大な大海原を満点の青空を途切れることのない水平線を見たときに改めてONE PIECEの世界へと来た事を実感し、前世では見ることのない景色に感動した。また、今回の船旅で自分の知識の無さに驚愕し、将来マリージョアから出るために知識を集める事を今回のマリンフォードでの生活での目標にすることにした。マリンフォードでは3日間過ごす予定なので充実した日々にしたい。

 

 

 

「マリンフォードまで、あと3時間くらいらしいから外に出るか」

 

僕の部屋は天竜人専用なのか、家具や雑貨などはとても豪華だ。なぜか金ピカの家具や雑貨が多い。・・・・天竜人は金ピカならなんでもいいのか。父上と母上もそうだったが他の天竜人の感性を疑うよ。

 

 

 

ドアを開けると服と球状のマスクのせいで感じられないが、こちらに潮風が吹いているのだろう。開けづらい。こちらに気がついた海兵達が作業を止め、一斉にこちらに敬礼してくる。

 

 

 

「「おはようございます。ディアノス聖様!!」」

 

そう一言言うと、すぐ元の作業に戻る。海兵達は天竜人にはなるべく関わりたくないのか、なるべくこちらを見ようとしない。

 

 

 

小声「まぁ、僕は天竜人の中でも異質に見えるだろうからさらに関わりたくはないのだろう。」

 

僕は今ペストマスクに天竜人の格好だ。どこからどう見ても“異質”の2文字しか出てこない。

 

 

 

「レオンおはよう。」

 

後ろからおじいちゃんが出て来た。少し眠そうだから、さっき起きたばかりなのだろう。

 

 

 

「おはよう、おじいちゃん。もうそろそろつくよ。」

 

僕はそう言うと。海兵達の動作や掛け声を聞くために近くの天竜人専用の椅子に座った。おじいちゃんは外は辛いのか、中に戻っていった。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

【2時間後、マリンフォード港にて】

 

 

〜レオンside〜

 

船が港に止まり、下船できるようになり下船すると船の前には、中将そして元大将のセンゴクが敬礼しながら並んでいた。そして、今僕の目の前にはコング元帥がいる。やはり、ゼファーはいないか。しかも、ガープの姿もない。後ろにはMARINE大きく書かれた壮大で厳格な白い建物がそびえ立っている。

 

 

 

「コング元帥。大将センゴク。そして、中将の皆様方こんにちは。この度はこちらの要望に対応していただき誠にありがとうございます。」

 

と僕が一言言うと。全員の目が点になった。歴戦の猛者コング元帥でも目が点になったが、すぐに持ち直した。この対応の早さは、さすがとしか言いようがない。

 

 

 

「いえいえ。ディアノス聖様方のご要望ですので断る理由などございません。ちなみになぜマリンフォードへ?天竜人の方々は普通は面白みもないこちらへは来ることはないのですが。」

 

確かにマリンフォードへ来る天竜人はいないだろう。あいつらは奴隷を苦しめるのが趣味のような奴らばかりだからな。同じくくりにされるのでも胸糞悪い。まぁ、おじいちゃんの時と同じような回答でいいか。

 

 

 

「正義を掲げる人たちがどんな人たちで本部はどのような感じなのか。そして、その正義とはどんなのか気になりましてね。」

 

今の言葉には、自分の想いも混ざっている。なぜ世界政府の犬になっているのか。守るべき市民を天竜人の時だけ見捨てるのかなど、正義とは反対の行動に憤りを感じるからだ。

 

 

 

「そうですか。長い間外にいるのもなんですので、建物の中へ入りましょう。」

 

聞いていた海兵達とコング元帥は少し驚いたような顔をして中へ入ることを促して来るので本部内へと向かう。

 

 

 

〜海軍side〜

 

「コング元帥。大将センゴク。そして、中将の皆様方こんにちは。この度はこちらの要望に対応していただき誠にありがとうございます。」

 

この言葉を聞いた時驚愕して一瞬言葉が出てこなかった。これが秘密にはされているが天龍人なのか?目の前の天龍人の子供の父親と母親は公の場によく出て来たが、他は一切と言っていいほど、出てこなかった。しかも、ペストマスクを中にかぶっていて表情はわからない。なんのために来たんだ?とりあえず…

 

 

 

「いえいえ。ディアノス聖様方のご要望ですので断る理由などございません。ちなみになぜマリンフォードへ?天竜人の方々は普通は面白みもないこちらへは来ることはないのですが。」

 

普通の天龍人含め、天竜人は普通マリンフォードへは来ることがない。この光景ですら異様なのに、さらに敬語を使うなんて。後ろの大将含め中将達はすでに動揺しきっている。

 

 

 

「正義を掲げる人たちがどんな人たちで本部はどのような感じなのか。そして、その正義とはどんなのか気になりましてね。」

 

この少年は本当に子供か?まさか、天龍人の家系は皆こうなのか?いや、この子の父親は他の天竜人と同じ行動だったと聞く。後ろのディアノス聖の祖父の方は何も言わないからこれが普通なのだろうか。天龍人を外にいさせるのもなんだな。

 

 

 

「そうですか。長い間外にいるのもなんですので、建物の中へ入りましょう。」

 



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6話

【海軍本部の会議室】

 

海軍本部の一室である会議室。そこにはコング元帥を筆頭にセンゴク大将、将来の三大将含めた中将20人が座っており、戦闘に長けた人であっても後ずさるほどの威圧感を放っていた。彼らの正面には5歳の子供であるレオンと祖父のディアノス聖が座っていて、子供が大人の中にいる異様な光景を作っていた。会議室になったのも理由があり、本来は天竜人は専用の部屋で挨拶をするのだが、レオンが中将以上を連れてこさせるようにコング元帥に言ったため、入りきらないとのことで海兵達が会議をするために使う部屋の会議室で行うことに急遽変更になった。

 

 

 

「では、改めましてディアノス=レオンです。おじいさまがいるので、レオン聖と呼んでください。コング元帥、センゴク大将、中将の皆様方こんにちは。この度は僕の急な要望に対応していただかありがとうございます。3日間という短い間ですが、実りのある時間をマリンフォードで過ごせたらと思っています。よろしくお願いします。」

 

凄い威圧感で後ずさりしそうだけど、ここからが勝負だ!僕のこれからを左右する!引くことはできない!

 

 

 

「レオン聖様。遥々遠いマリージョアからお越しくださいましてありがとうございます。長旅で疲れていると思いますので、専用の部屋をご案内させ……『大丈夫です。3日間と短い期間なので充実した時間を過ごしたいので、おじいさまだけ案内してください。僕はあまり休憩をとるつもりはありません。なので、まず皆様の一人一人の正義のあり方を聞きたいので応接室に一人ずつ入るようにしてください。』……わかりました。」

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【応接室】

 

「ではコング元帥の掲げる正義について教えてください。」

 

 

 

「わしの掲げる正義、そしてあり方はーーーーーーーーーーーーー。」

 

 

 

「ありがとうございました。これからも世界の民の守護をよろしくお願いします。」

 

ここでさりげなく握手を求める。よし‼︎‼︎握手に応じた‼︎アブアブの実発動‼︎す…すごい戦闘経験値だ。覇気の使い方・大勢の人数での指揮の仕方…僕が習得していないものばかりだ。やはり、この方法は正解だった。悪魔の実はないみたいだな。とりあえず、全員の経験値と能力を貰おう!

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

「こんにちは。センゴク大将。あなたの掲げる正義について教えてください。」

 

 

「私の掲げる正義は“仁義という名の正義です”あり方についてはーーーーーー。」

 

 

「ありがとうございました。これからも世界の民の守護をよろしくお願いします。」

 

ここで握手。アブアブの実発動‼︎おぉ…すごい。コングは[武]についての戦闘経験値・覇気の使い方が多かったが、さすが知将と言われるだけあってセンゴクは軍事に関しての知識・今の海賊の情勢について些細なことまで入って来る‼︎まさしく[知]だ‼︎能力は動物系だから吸収はしない。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

「こんにちは。サカズキ中将。あなたの掲げる正義について教えてください。」

 

 

「わしの掲げる正義は“徹底した正義”ですけ。あり方についてはーーーーーーー。」

 

 

「ありがとうございました。これからも世界の民の守護をよろしくお願いします。」

 

ここで握手。アブアブの実発動‼︎お、この時には覇気は扱えるようになっていたのか。嬉しい誤算だな。当初の目的のマグマグの実も吸収終了。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

「こんにちは。クザン中将。あなたの掲げる正義について教えてください。」

 

 

「う〜ん。俺の正義は“ダラけきった正義”ですね。あり方についてはーーーーーー。」

 

 

「ありがとうございました。これからも世界の民の守護をよろしくお願いします。」

 

ここで握手。アブアブの実発動‼︎お、青雉も覇気は使えるのか。こりゃ、他の中将にも期待できるな。ヒエヒエの実も吸収終了。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

「こんにちは。ボルサリーノ中将。あなたの掲げる正義について教えてください。」

 

 

「ワッシの掲げる正義は“どっちつかずの正義”ですねぇ〜。あり方についてはーーーーーー。」

 

 

「ありがとうございました。これからも世界の民の守護をよろしくお願いします。」

 

握手‼︎やはり、覇気は扱えるのか、ピカピカの実も吸収終了。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

そして、他の中将の知識・戦闘経験値・覇気の扱い方も吸収した。そのおかげもあり、見聞色ではマリンフォード全体の人の人数、心の声を造作もなく聞こえるようになった。後、20キロぐらいは拡大することができらようになった。武装色ではやっていないが、全身は瞬時にできるだろう。覇王色が新たに得た経験と知識からすると、これが1番強いようだ。これなら世界も取れるかもしれない。…んっ?覇気のいきなりの向上に肉体が追いついてきていないようだ。成人の肉体になったら、後10倍は出るだろう。想像以上だ。これなら守りたいものを守り切れるし、原作改変の成功確率も飛躍した。とりあえず会議室に戻ろう。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【会議室】

 

「コング元帥。センゴク大将。そして、中将の皆様方本当にありがとうございました。一人一人の掲げる正義と正義のあり方について詳しく知ることができました。皆様には、この世界の民を引き続き守っていってほしいと思っています。今日はもう夕陽になっていますので、お開きにしましょう。明日からは訓練の様子などを明後日は海軍の船の作りを見て学んでいきたいと思っています。その際の警護はいりません。1人で自由に見ていこうと思います。今日は本当にありがとうございました。明日からもよろしくお願いします。」

 

そう言い残して僕は自分の専用の部屋に案内されていった。僕のいなくなった会議室は威圧感が薄れ、楽になったそうだ。中将以上でも緊張はするのだと思った。部屋につき、周りを見ると金ピカの家具がおいてあった。天竜人って本当に金が好なイメージが強いのかな?。まぁ、今日は襲撃はないようだし、寝るか。

 



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7話

【海軍本部 マリンフォード】

 

MARINEと書かれた白く壮大な建物がある海軍本部マリンフォード。昼間は海兵達の訓練の音で騒がしいマリンフォードだが今は太陽が沈み、疲労した海兵達は夢の中。そして、今マリンフォードには濃霧が立ち込み妙な静けさだけがマリンフォードを支配していた。並みの動体視力では進むことはおろか、前の確認することが難しい。そんな中、一人の白銀の髪をした碧眼の少年が海兵の服を着て巡回する海兵のモノマネをしていた。

 

 

 

「みぎー。ひだりー。そして、まえー。以上なーし。」

 

掛け声をかけてい少年。レオンは今、絶賛遊び中である。天竜人である事を隠すためペストマスクと天竜人独特の服は着ず、見習い海兵の服を着て巡回している。海兵の服は本当の巡回をしていた海兵のを奪い取ったため全身の服はダボダボ、帽子はブカブカで片目でしか前方を確認できていない。おそらく、誰かが見たら少年が憧れの海兵のモノマネしている微笑ましい光景だろう。しかし、誰も少年の姿に気づくことはない。仮に近くに海兵が来た時はレオンがスケスケの実の能力で自身の姿を消し、見えなくするからだ。

 

 

 

「スケスケの実って応用が効いて隠密の時に本当に便利だよね。マリンフォードを出た後はどうしよう。おじいちゃんはマリージョアに帰るらしいから一緒にマリージョアに帰ろうかな。新しい力のコントロールをできるようにしたい。…んんっ?…あ、やっと海賊達がゼファーの家族と接触したか。」

 

まさか、海賊が海兵になってまで復讐するとは。復讐心すごすぎだろ。まぁ、僕のせいで失敗することになるけど。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

マリンフォードの海軍本部近くにある。他の家よりも少し大きい家の前に海兵の服を着た男達十数人の男達が短髪で青い色の髪の女性と紫色の髪をしたレオンと同じくらいの男の子を囲んでいた。しかし、周りに家がないのと濃霧のせいか、その光景に気づくものはだれもいない。

 

 

 

「うちの夫が危ないって本当ですか!?早く場所を教えてください!」

 

「お母さん。お父さん危ないの?この海兵さん達はお父さんの友達?」

 

 

 

「あぁ。危ねぇぜ。ゼファーのクソ野郎じゃなくて。お前とガキがだけどな!!安心しろ。俺の悪魔の実の能力で濃霧を発生させているから視界が悪いから助けなんてこないぜ。しかもこの周辺の警備は俺らの仲間がやっている。ぎゃははは!!」

 

 

「くぅぅ〜〜!やっと、あいつらの仇が打てるぜ!」

 

 

「かっかっか。お頭どうします?顔もいいし。輪姦しちまいやしょうぜ。今は憎きゼファーの野郎もいやせんし。あぁ!そうだ!輪姦した後、この女の前で子供もころ…『あぁ!!前方に以上あーり!!!ナイフ持ったおじちゃん達が女の人と子供を襲ってる!正義の名の元に助けないと!』…だれだっ‼︎?…ってガキかよ。焦らせんなよ。へっへっへっ。お頭、あのガキはどうします?」

 

 

「そうだな。助けを呼ばれたらかなわん。捕まえて早く殺しておけ。俺は今、ゼファーのやろうに復讐したくてたまらねーんだよ。さっそく女の方を犯し…『頭!ゼファーの女とガキが消えやがった‼︎‼︎』…消えるなんて、そんなわけあるか‼︎どこ行ったのか探せ‼︎‼︎そう遠くまでは逃げては…『その女の人ってこの人?』。…あぁぁぁん?って、なんでお前の前にゼファーの女とガキがいんだよ!!?お前ら‼︎ガキからゼファーの女とガキを奪いとって殺せ!」

 

頭がそう言うと部下達は一斉にレオンの元へと剣を振るいに向かう。だが、突如半数の男達が白目を剥き、気絶し倒れていった。もう半数の男達は何が起こったがわからず動揺し、辺りを警戒し始めた。一部の海賊の部下たちは見えない襲撃という恐怖から逃げ出そうとする者もいた。そして、その様子を見かねた海賊の頭が前に出てきた。

 

 

 

「これはガキ。てめぇがやったのか?」

 

 

 

「うん。そうだよ。ってか僕以外だれができるの?足りない頭で考えてみよう!」

 

 

 

「ガキだからって、甘く接しといてみりゃぁ!大人を舐めんじゃ、ねぇぇーーぞ!お前ら!俺ら全員であのガキをぶち殺すぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

数十分後、濃霧は跡形もなく消え同じ場所には騒ぎを聞きつけた新たな海兵達が二十数人とセンゴク大将、そしてコング元帥がいた。側には、綺麗すぎる太刀筋により切られた死体が数人と、白目を剥き、気絶して縛られている海兵が数人。合計十数人の海兵達がいた。しかし、少年の姿は霧と共に存在しなかったかのように消えていた。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

【数十分前 ゼファーの家前にて】

 

 

 

〜レオside〜

 

「ガキだからって、甘く接しといてみりゃぁ!大人を舐めんじゃ、ねぇぇーーぞ!お前ら!俺ら全員であのガキをぶち殺すぞ!」

 

なんでこんな海賊がいるのだろう。…はぁ…僕は“海賊"がとても好きだし、憧れる。しかし、それは麦わら海賊団や赤髪海賊団、白髭海賊団などの“海賊”という2文字に誇りを持ち、自由に生きるために海賊をし、誇りであるジョリー・ロジャーを掲げている“海賊”だ。こいつらのような、戦闘経験のない弱い人々から略奪、強姦などを目的とし、平和な生活を崩していく腐った“海賊”は大嫌いだ‼︎第一、こういうやつらは海賊じゃない!犯罪者なだけだ!…くそっ。考えてきただけで、腑が煮え繰り返ってくる‼︎‼︎ヤバイ!抑えないと。さっき、数人に覇王色の覇気を使ってみたが、予想以上の出来だ。人数コントロール。範囲指定。後は攻撃に使うだけだが、この犯罪者達の中には使えるやつがいないから、また今度だ。こいつらでアブアブの実によって強化された三種の覇気を試してみるか。覇王色は使ったから、 後は2つだな。まずは見聞色を使ってみよう。

 

 

 

「屑ども、こいよ。僕が相手してやる。1分だ。1分間僕はお前達には何をされても手を出さない。その代わり、1分すぎたら覚えておけ!許しをこいても手加減はしない。殺すぞ。」

 

数人が僕の漏れ出した覇気に恐怖を感じて後ずさったな。

 

 

 

「く、くそっ!生意気なガキが!お前ら!怯むな!たかがガキ1人だ!!全員でガキを囲んで串刺しにするぞ!」

 

「「わ、わかりやした!」」

 

そういうと犯罪者達は僕を取り囲んだ。1人ずつ犯罪者達は僕を殺すため剣を僕に向けて斬りつけてくる。僕はそれを目を瞑り、見聞色の覇気を使って当たる寸前で避けていく。…予想以上だ!!相手の思考。相手の一人一人の立ち位置。360度何があるのか、何が動いているのかまでわかる。

 

40秒が経ち、犯罪者達はだんだんと焦り始め、動きが単調になっていく。

 

 

 

「「な、なんであたらねぇ!!くそっくそっ!!」」

 

「おい!お前ら!一人一人じゃ、らちがあかねぇ!全員で一斉に突きをして串刺しにするぞ!」

 

「わ、わかりやした!」

 

犯罪者達の頭だけあって、周りが見えているようだ。部下たちは僕を取り囲み、一斉に四方八方から突きを繰り出してくる。…これは、少量の動きでは、さすがにかわせないか。そして、僕はその場から真上に2メートルほど跳躍する。下では犯罪者達の剣先が交錯する。僕はその剣先の中心、重心に静かに降り立ち、子供の声とは思えないほどの冷酷な声で告げる。

 

 

 

「お前ら。約束の1分がたった。今から僕は攻撃を始める。僕から逃げ切れると思うなよ。」

 

僕は周りにいる海賊達を見下しそう告げると、愛用している刀を収納空間から取り出し、鞘から刀を抜き鞘をしまう。

 

鞘から抜き出された純白の刀身は月の光が少ししか入らない濃霧の中でも、悠然と輝いている。その光景は少年の容姿と合わり、このような状況でも優美と思えてしまうほどだ。そう思っているのも束の間、突如、刀身が黒く染まる。

 

うーん…武装色はもっといけるはずなんだよなー。もっとだ。もっとだ。もっと、もっと、もっとお‼︎‼︎

 

黒く、輝きを失った刀身は次第に黒いまま輝きを増していく、3秒後漆黒の輝きを持った刀に変化する。その美しくも信じられない光景をただ周りは唖然として見ることがしかできなかった。

 

おそらくだけど、いつもの切れ味の10倍はあがったな。武装色を刀に纏わせる技術はおそらく、将来の七武海ジュラキュール=ミホークをも超えたかな。これなら、あの技が完成したな。じゃぁ、まずは下の邪魔な剣を斬るか。

 

 

 

「まずは剣からだ。刀技 闇月(やみづき)」

 

僕は刀を自分を中心に円形になるように振る。犯罪者達の剣の剣身達は豆腐のように音もなく切れ、重力によって真下に落ち、音を奏でる。そして黒い刀による円形の残像は数秒間残り続け黒い円の形を作り出す。真上から見ると、その光景は明るい光を出す満月とは対極に位置する暗い光を出す満月のように見える。犯罪者達は自分達の剣が切られ使い物になくなった事を理解し、目の前の少年との力量の差に気づき、顔を蒼ざめる。

 

 

 

「「た、たすけてくれっ!!俺たちはもう何もしねぇ!!大人しく帰…」」

 

僕は犯罪者達の言葉を最後まで聞かずに犯罪者達の首を無慈悲に一振りで切り落とす。剣筋は目では追うことができず、見聞色の覇気を扱えるものしか認知できないほどの剣速で繰り出した。

 

 

 

「お前らは今までそう言ってきた人々をどうしてきた。天界へ行って神にでもあってこい。意外と気さくだぞ。来世は善人になって幸せに生きろよ。」

 

はぁ…予想以上に疲れたな。取り敢えずこれでゼファーの家族は死なず、ゼファーは海軍を出ないですむのか。無事原作改変成功だ。よかったぁー。あっ、やばい。誰がしたかはバレてないけど、コング元帥が僕の覇王色の覇気を察知したみたいだ。すぐに部屋へ戻ろ『お兄ちゃん!たすけてくれてありがとう!!すごいかっこよかった!!!』…ん?紫色の髪の毛の子供?あぁ、この子はゼファーの息子かな?…

 

 

 

「どういたしまして。」

 

 

 

「あ、あの?私と息子のゼノを助けていただきありがとうございます!この恩は一生忘れません。何をして返せばいいでしょうか?」

 

 

 

「別に返さなくて結構ですよ。…あ、そうだゼノ君。」

 

部屋に戻る前にこれだけはこの子に伝えとこう。

 

 

 

「ん?お兄ちゃんなにー?」

 

 

 

「ゼノ君。ゼノ君には大切な人、物があるよね?その大切な守りたいものを守るために強くなるんだよ。そして、守るんだ。英雄であるお父さんのようにね。わかった?」

 

 

 

「うん!僕はお父さん、お母さんが大切だよ!お兄ちゃん!!僕強くなってお兄ちゃんもお父さんも超えてみせるよ‼︎‼︎」

 

 

 

そ、そうか。お父さんはともかく、僕を超えるのは流石に無理だと思うけど。まぁ、決意した目をしてるから大丈夫だろう。…おっと、流石にそろそろまずいな。

 

 

 

「この海軍の帽子をゼノ君に託すから、海軍大将になったら僕に返しにきてよ。その時、僕は有名になってるはずだからさ。それじゃあ、バイバイ!」

 

この帽子は先の戦闘で頭の剣先が少しかすってしまって、つばの先の部分が少し切れている。また会ったときにかぶってくれてれば、一目でわかる。そして、僕は帽子をゼノ君にかぶせる。

 

 

 

「お兄ちゃん。名前おしえてよ。じゃないと僕が気づいても誰かわからないよ」

 

んー。名前か。ディアノスは天竜人とバレる恐れがあるけど、あまり名前は変えたくない。少し変えて…

 

 

 

「僕の名前はディノス=T=レオだよ。次会うときを楽しみにしてるよゼノ君。」

 

僕はそう言い残してスケスケの実を使い、姿を消して自分の部屋へと戻って行った。戻るときに大勢の海兵達とすれ違った。危なかったぁ。

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

〜ゼノside〜

 

レオお兄ちゃん、僕と歳が近いのにものすごく強くてかっこよかったなぁ。僕も将来あんな強くなれるのかなぁ。いや!なるんだ!お母さんや大切なものを守るために!そして、将来大将になって帽子を返してやる!

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

〜ゼファーの妻side〜

 

あのレオという少年は言ったい何者なのでしょうか?正直あの歳であの強さは素人の私から見ても異常です。どのような環境で、どれくらいの鍛錬を重ねてきたのでしょうか?それはそうと、彼はとても綺麗な顔をしていました。髪は白銀で目は青空のように澄んだ目でした。…おっと、海軍の方々が来てくださいました。少年が逃げるように去って言ったのを見ると見つかりたくはないのでしょう。これは、息子のゼノにあのレオ君について言わないよう言っとかないといけませんね。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【現在 ゼファーの家前にて】

 

〜コング元帥side〜

 

「おい。センゴク。これは一体何が起こったんだ?覇王色の覇気を感じられたから、急いで来てみれば数人の海兵の姿をした海賊の首が落ちた死体があって、全員一太刀で綺麗に切られている。しかも、切られた箇所の血が周りに吹き出していないないところを見ると世界でも上位にくい込むほどの剣士だぞ?しかも、斬った当人は消え、消息不明。これだけでもやばいのに、この死んだ海兵と気絶し縄で縛られている海兵はゼファー大将の家を襲撃しにきた海賊ときた。危なかった。大将の家族が殺されたりでもしたら世界中にこの事が広まるっていたぞ。そして、今は天竜人のディアノス聖とレオン聖がマリンフォードにいるんだ。このことについては内密にするよう手配しておけ。」

 

 

 

「わかりましたコング元帥。至急始めたいと思います。」

 

そうセンゴクは言うと本部の方へ戻っていった。

 

 

 

「くそっ。」

 

ゼファーの家族を守った人物を調べようとしたが、唯一人物を見た家族は「濃霧の影響で分からなかった」の一点張りだ。この様子だと探しだすことはむりだろうな。こんな事はができるやつ、海軍になってくれれば即戦力だろうから入隊を勧めたいところだったんだが。無理か。一体何が起こって、そして、誰が起こしたんだ?…

 



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8話

【マリンフォードの港】

 

日が昇り丁度日が真上になった頃、マリンフォードの港にはディアノス聖とレオン聖がマリージョア行きの船に乗のろうとしていた。コング元帥、センゴク大将、中将20人はその光景を敬礼しながら見ていた。

 

 

 

「レオン。海軍本部のあるマリンフォードはどうじゃった?来た甲斐はあったかの?楽しめたかの?」

 

わしには船と海兵の訓練風景を見て、何が面白かったのかわからないが今の表情からするに、無駄ではなかったんじゃろうな。

 

 

 

「うん。すごく楽しかったよ。海兵はかっこいいね。訓練してる姿も一生懸命で人々を守る為には予想以上の努力が必要なことがわかったよ。海軍の船の構造や帆の張り方まで見ることができて凄く新鮮だったよ。ありがとうね!おじいちゃん!」

 

この3日間は本当に充実してた。ゼファーの家族も助けることができたし、なにより元帥、大将、中将20人の経験値と悪魔の実の吸収による能力向上は僕の予想を越えて凄まじかった。中将達の六式の訓練も見学することができた。マリージョアへ帰ったら、六式の鍛錬をしよう。使えて損はないからな。

 

 

 

「それは良かったの。わしも連れて来た甲斐があった。」

 

そうレオン聖とディアノス聖は会話をし、港に着いている天竜人専用の船に乗り込んでいった。その姿はまるで普通の孫と祖父そのものだった。海兵達は会話の内容に驚嘆し、船が出航してもその口をあんぐりと開け続けていた。しかし、当人達はその珍妙な光景に気づくことなくマリンフォードを後にした。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

マリンフォードの事件から4年の歳月が経った。

帰って来てからの僕の生活は鍛錬一色だった。帰って来てからわかったことだが、急激な覇気の成長により悪魔の実との技の兼ね合いの難易度が増していたので、コントロールするのに時間がかかってしまった。そして現在、僕は9歳になりった。体つきが四年前とは変わり、筋肉質になったが、細マッチョになったので服を脱がないとわからない。今日も庭で無心に刀を振る鍛錬をしている。もちろん刀と全身は武装色で覆っている。

 

 

 

「レオン様。その全身真っ黒けっけになるのやめてくださいっていつも言ってますよね!せっかく肌が白くて綺麗なのに勿体無いですよー。」

 

 

 

「だから、これは鍛錬のために仕方なくやってるって、いつも言ってるでしょ。それよりもカレンは使用人の仕事はもう終わったの?」

 

そういうと、メイド服を着た少女は頰を膨らませながら上目遣いで僕を睨め付けてくる。はっきり言って可愛い。」

 

 

 

「んにゃ‼︎か、かわいいにゃんてそんにゃ〜ダメですよぉ〜主人と使用人の危ない関係なんて!メッですよ!」

 

 

 

「あ、また声に出してた?」

 

 

 

「バリバリ出てました。それはそうと、屋敷の方からお爺様が物凄い速さでこっちに走って来てますよ?」

 

 

 

「えっ?ほん『レオン〜‼︎大変じゃ〜‼︎』…おじいちゃんの様子を見るこっちの方が大変だよ。」

 

おじいちゃんは僕とカレンの元まで来ると…

 

 

 

「大変なんじゃ‼︎」

 

 

 

「だからどうしたの?そんな息切れして。はい深呼吸。深呼吸。」

 

おじいちゃんは3回深呼吸すると。

 

 

 

「1週間後のシャボンディー諸島のオークションに自然系の悪魔の実2つが同時に出品されることになったらし『本当にじいちゃん‼︎⁇早く言ってよ‼︎カレンも急いで屋敷に戻って使用人達に僕たちが行くことを伝えて‼︎』…はっはっは、はぁ…わしはいつもレオンに振り回されているような気がするの。」

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

〜1週間後 オークション当日〜

 

【シャボンディー諸島】

 

シャボンディー諸島。偉大なる航路の前半にある島だが、実際はヤルキマングローブと呼ばれる巨大な樹木の集合体だ。その樹木から出るシャボン玉によって、幻想的な光景が生み出される。その中を十数人の海兵達と天竜人2人が

オークション会場に向けて歩を進めていた。

 

 

 

「おじいちゃん。他にも天竜人が来てるみたいだね。街自体がピリピリしているよ。それに、僕たちも警戒されているみたいだし。」

 

まぁ、僕は今ペストマスクを被っているからそれも注目される理由だろうけど。

 

 

 

「それもそうじゃろうの。自然系の悪魔の実なんてなかなか世に出回らないというのにそれが2つもいきなり出るんじゃ。来ない方がおかしいの。」

 

それもそうか、自然系が2つも出るんだ。天竜人のコレクターはこぞって欲しがるだろうな。それはそうとやはり、街人々が僕たちを避けているな。ここまで来ると心が折れそうだ。…ん?100メートル前の天竜人に人形を取りに来た少女が当たったな。ありゃ、やばいやつだな!もう銃を構えやがった!

 

 

 

【100メートル先では】

 

「リナ!戻って来なさい!後で人形は買うから!!」

「リナお願いだから、早く戻って来て!はやくこっちに来なさい!」

 

 

 

「やだ!私はペコちゃんがいいの!他の…キャッ『リナ!‼︎』いったぁーい。えぇぇぇん。」

 

 

 

「下々民がボクちゃんの服に触れやがったえ‼︎しかも、うるさいえ。……カチャッ……はやくボクちゃんの前から消えろえ。…パン‼︎!『剃』…何するえ。ボクちゃんはチョルコフ聖だえ同じ天竜人のお前が何するえ。」

 

僕は右手に武装色を纏い、銃弾を握り潰す。そして、覇王色の覇気を少量出しながら問う。

 

 

 

「僕はディアノス=レオン。ディアノス聖だけど、僕に文句あるの?一介の天竜人風情が?ふざけるのも大概にしてね。君はオークションに用があるんだろ?」

 

 

 

「くっ…わかったえ‼︎ボクちゃんはオークションに用があるから下々民になど興味ないえ‼︎」

 

そういい。チョルコフ聖はオークション会場へと歩いていく。

 

 

 

「大丈夫だった?怖かったよね?」

 

少女は恐怖からか腰が抜けて動かないようなので、手を差し出す。

 

 

 

「ひっ‼︎‼︎」

 

ん?なんで怖がられるんだ?…あ、今ペストマスク被ってるんだった。そりゃ怖いよね。

 

 

 

「じゃあ、この右手を見ててね。1…2…3……ポン!」

 

ポン!と何かがはじけるような音がすると右手には薔薇や百合など多種多様な花が氷で些細な所まで綺麗に造形された花束が握られていた。これが四年の歳月をかけて鍛錬し続けた成果だ。所持している全ての能力は将来の大将達と同等またはそれ以上へと発展していた。

 

 

 

「はい。君にあげるよ。」

 

そして、少女に花束を渡すと。

 

 

 

「わぁ〜〜!すごく綺麗な花束‼︎ありがと‼︎」

 

満面の笑みでお礼をされた。なんか少しむず痒い。しかし、少女は動けないため。お姫様抱っこをして両親の元へと連れて行き渡す。

 

 

娘を無事渡された両親は涙を流しながら少女を強くもう離すまいと抱きしめる。

 

 

 

さて、オークションにむか「「「パチ…パチパチパチパチ」」」…え?なんで?

 

周りにいた人々は少女を救った天竜人に最初は小さかったが、徐々に大きくなっていきしばらくすると盛大な拍手を送っていた。しかし、ところどころで、「もっと、こういう天竜人がいれば…」といい涙を流す人、目の前の光景を信じることができないのか唖然とする人がいる。これが今の僕の一族が作ってしまった現状か。人を一人助けただけでこれほどの多くの人々が一人一人様々な表情をする。こんなのは、間違ってる。もっと、みんなが笑い合える筈だ。たとえ欺瞞と言われようとも、いずれ必ず変えてみせる。誰も気づくことはないが、密かに少年は心に刻み、遅れてきた祖父とオークション会場へと静かに歩み始める。

 

 




今回はここまで。


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9話

【オークション会場】

 

シャボンディー諸島で1番の大きさを誇るオークション会場内では天竜人が十数人座りオークションが開催されるのを待っていた。ここまでの天竜人が入るのは極めて少なく、歴史上でも稀にしか見ることが叶わない。もう少しで開催する時に突如入口のドアが開き天竜人の少年と老人が会場内に入ってきた。そして、ドアが閉まるとステージに光が照らされる。照らされたステージには中央に1人のスーツを着てマイクを持った男性が立っていた。男性は一度礼をすると…

 

 

 

「みなさま!本日はオークション会場へお越し来ていただき誠にありがとうございます。今回の目玉は何と言っても悪魔の実、最強種と呼ばれる自然系の実でございます。最後に出すことになりますので、何が出て来るかは楽しみに待っていてください!それではオークションスタート!」

 

そう言うと、男性は一度礼をしてオークションの品々を次々に出し、出された品々は買われていく。ほとんどを天竜人が買うため原価よりも10倍以上の金額が入って来るのか司会者の顔には自然と笑みがうまれている。

 

 

 

「さぁぁぁて!ついに最後の品!悪魔の実です!どぉ〜ぞ!」

 

赤い布をかぶせた箱が2つステージ脇から出て来る。

 

「さぁ〜〜て、1つ目の悪魔の実は…」

 

ダラダラダラダラとドラムロールが会場に鳴り響く。会場に座っている客たちは一斉に唾を飲む。それは天竜人の少年と老人も同じだ。

 

 

 

 

ドラムロールが止まり赤い布がとられ、赤色の悪魔の実があらわになる‼︎

 

 

 

 

 

 

 

「こちらの悪魔の実は自然系 メラメ『10億だ‼︎』…へ?…よろしいのでしょうか?この悪魔の実は名前が確認されているだけで、能力や効果までは確認されていませんが?」

 

突然出てきた少年の言葉に司会者は驚き、一瞬だが戸惑うがすぐ立て直す。その対応は天竜人相手にもオークションを行なってきた彼だからこそできることかもしれない。

 

それもそうだ。普通悪魔の実は最低で一億ベリーであり、10倍の値段なんて、あまり聞くことがない。周りの天竜人もなにかを悟って、さらに金額を上乗せしようとするが、相手が天竜人最高位のディアノス聖だと気付くと、上乗せすることができずにいた。周りの人も天竜人が金額を出したので、上乗せができない。必然的に..

 

 

 

 

「他にはいませんね?……悪魔の実 自然系メラメラの実は10億ベリーでディアノス聖様が落札‼︎ディアノス聖様、まだオークションはお続けになられますか?」

 

「うん。まだ続ける予定だよ。」

 

なぜメラメラの実がオークションに…?これだけでもオークションにきた甲斐はあったな。もう原作は少しずつだけど始まってきているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、2つのうちの最後の実は一体なんなのか?それではいきましょう!ドラムロールスタート!!」

 

 

 

 

 

司会者が開始宣言をすると再びドラムロールが鳴り始める。鳴り終わると…静寂が訪れ、赤い布がとられる。そして、黄色の悪魔の実があらわになる。

 

 

 

黄色...?あれは一体何の……!!!??あれは買わないとまずい‼︎あいつの手に渡ったら面倒な事になる‼︎

 

 

 

「自然系『10億‼︎』……!!!良いのですか?この悪魔の実に至っては詳細な情報がございません。この実の形状から自然系ということのみ判明しておりますが。」

 

司会者は買った後の天竜人からの文句が怖いのか必要以上に忠告して来る。先と同様に他の客は天竜人が発言したので上乗せはせず、天竜人も最高位のディアノス聖の発言なので上乗せをしない。

 

 

 

「別にいいよ。安心してね。後で文句を言うつもりもないから。」

 

 

 

少年がそう言うと司会者は満面の笑みを浮かべ、

 

 

 

「もう上乗せはございませんね。正体不明の悪魔の実はディアノス聖様が10億ベリーで落札いたしました‼︎これにて悪魔の実などの物品のオークションを終了いたします!これからは人身のオークシ…『ドカァン‼︎…ん?あぁ…少し出て来るのが早かったかな?まぁいい。全員少しだけ寝てもらおうか…』…。」

 

司会者が人身オークションの開始宣言をしようとすると、ステージ後ろの壁が壊され、中から白髪が多くの割合を占める。老人とはまだ言い難い人物がでてくる。その人物は覇王色の覇気を使い、オークションにいる客、司会者全員を気絶させる。しかし、2人だけ気絶しなかった人物がいた。

 

 

 

一連の光景を見た少年は小さくだが呟く。

 

「冥王シルバーズ・レイリー。」

 

 

 

「ん?あぁ、誰か気絶してないと思ったら天龍人の2人か。……はっはっは。これは大変だ。多分だが私では少年の方には勝てないぞ。」

 

その呼び方は確信的で天竜人とは言わず、天龍人とはっきりとした意志を持って発言していた。そして、自分と少年との力量をはっきりと理解し、降伏宣言をした。

 

 

 

「えっ?…2人…⁉︎いや、だれも…っておじいちゃん‼︎⁇何で起きちゃってるの!」

 

 

 

「なんか起きちゃったんじゃ!わしも説明してほしいわい!」

 

 

 

「も〜。ビックリさせないでよ〜。あ、シルバーズ・レイリー。僕は別に何もする気は無いよ。どうせ脱出と同時に奴隷を逃がしてくれたんでしょう?」

 

 

 

「あぁ。逃がした。でもいいのか?せっかくオークションにきたのに奴隷を買えないぞ?」

 

 

 

「別にいいよ。奴隷なんて興味はあまり無いし。目当ての悪魔の実は買うことができたからね。それに、今日はあなたに会えたことができた。何もしないよ。」

 

 

 

「それはありがたい。…さすが何百年もの間後悔し、守り続ける一族だな。…ん?悪魔の実か。1つはメラメラともう1つは…これは何だ?見たことがない。」

 

やはりシルバーズ・レイリーでも知らなかったのか。まぁ、その方が都合が良かった。途中小さすぎて聞こえない部分があったな。別にいいか。それよりも…

 

 

 

「シルバーズ・レイリー。そろそろ全員起きちゃうよ?逃げた方がいいんじゃない?」

 

 

 

「んっ?あぁ…そうみたいだな。それじゃあ、またいつかどこかで会おう。」

 

そう言うと冥王と呼ばれる男はオークション会場を後にした。男が会場を去ると気絶していた客が次々に起き出し、司会者が奴隷が脱走していることに気がつくと、急いでオークションの終了を宣言した。

 

 

 

 

 

【天竜人専用の船にて】

 

 

 

 

 

 

僕とおじいちゃんは終了宣言の後、落札した悪魔の実を受け取りマリージョアへと船で帰還しようとしていた。

 

 

 

 

「ところで、レオン。この悪魔の実を知っているようじゃったが、どのような能力なのじゃ?」

 

 

 

「あぁ。そういえば、話してなかったね。1つ目悪魔の実は自然系の悪魔の実。メラメラの実だよ。全身が炎人間になるんだ。2つ目の悪魔の実は自然系の悪魔の実。ゴロゴロの実だよ。全身が雷人間になるんだ。どちらも強力な悪魔の実だよ。」

 

 

 

 

「そうなのか。まぁ、可愛い孫の頼みじゃ。それは誕生日プレゼントにしといてあげるのじゃ。」

 

 

 

「えっ!ちょっと待ってよ!誕生日プレゼントは他のを考えてたんだけど!ねぇ!おじいちゃんってば!おじいちゃん〜‼︎」

 

はぁ、仕方ない。今年の誕生日プレゼントは諦めよう。…でも、よく考えれば、メラメラの実とゴロゴロの実が手に入ったんだからいいか。

 

 



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10話

 

シャボンディー諸島のオークションの件から5ヶ月が過ぎた。あの後、少女を助けた件で珍しかったのかニュースクーが持って来た新聞に大々的に載ってしまった。まさか、見出しにまでなるとは……まぁ、顔が載らずにペストマスクが載ったからまだ良かったけど……今度から気をつけないと。でも、人は助ける。見えないように助けよう。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

さらに、2ヶ月後。マリージョアから20km離れた半径200m程の無人島では少年が1人、島の中央であぐらをかき、瞑想をしていた。しかし、もし誰かがその修行風景を見ていたとしたらその人物は驚愕し自分の目を疑うだろう。なぜなら島には木々が一本も生えてなく、動物も存在しない。そもそも、生命の気配を少年以外見られず、感じられないからだ。少年は瞑想が終わったのか、ゆっくりわと目を開けて立ち上がる。少年の左手にはいつの間にか取り出された刀が握られていた。少年は刀を腰に当てる。右手を刀の柄にそっと置く。置かれた瞬間、少年を中心に暴風が吹き荒れ砂が舞う。刀は衝撃波をつくり、衝撃波は海面に当たった瞬間30m程の水柱をつくる。

 

 

 

「ふっ〜。これぞ一刀入魂だね。半年前よりも抜刀術が上手くなったな。もう刀術に至ってはやることがないかな。」

 

んー。体術は最初にやったからもう十分だし…んんっ?海賊船だ。船か。大きいな…ん?なんかあの船怪しいぞ。帆は破れていて、船の所々に欠損が見える。あれでよく沈まないな……少し見に行ってみるか。…月歩‼︎…一応、姿は消して行くか。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【海賊船にて】

 

透明になった少年は島から船まで空中を走り、静かに船に降り立つ。

 

 

 

「うっ…これ一体、どういう事だ‼︎何が起きたんだ⁉︎」

 

少年の目の前には30人ほどの海賊の死体が転がっていた。そして、全ての死体には綺麗な直径1m程の穴が空いていた。

 

 

 

「どういうことだ?海賊の宝の取り合いか?いや、こんな傷は人間ではつけられないか…!!!!ザシュ。…!!!!」

 

先程まで少年が立っていた床には直径1m程の穴あいていた。

 

この穴は‼︎これは死体の穴と同じ…‼︎

 

 

 

ガキン!!!

 

いきなり飛んで来たものをとっさに刀を取り出して弾く。

 

 

 

ん…⁇いったい何が飛んで来たんだ?

 

少年は渡りを見渡すが、弾いたものはどこかへと消えていた。少年は見聞色の覇気で半径500mの球状の円をつくり弾いたものを探す。

 

 

…いたっ!上か!……‼︎

 

 

そして、少年の上、20m上空には3m程のカジキの形状をした魚が20匹いた。しかし、背中からは二体の翼が生えていえてそれを使い飛んでいた。

 

 

そして、魚たちは少年に鋭利な嘴を向け突進して来た。その速度は150キロほど。少年は刀を使い敵を斬り捨てようとするが…

 

 

ーーガキン‼︎

 

 

 

「くそっ!武装色の覇気が使えるのか‼︎こいつらは一体…とにかく、これだと船がもたないよ。空中で戦うしかないか。それに、新技も試したいからね。…氷の階段(アイスステア)」

 

少年が片足を踏み出すと六角形の氷の板が足下に造られ少年は階段を上がるかのように上空へと向かって行く。少年の顔には笑みが浮かんでいた。

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

【上空にて】

 

20匹の魚達は羽を使い飛んでいる。そして、その反対には少年が氷の板の上に立っていた。

 

 

 

「よし、武装色の硬化‼︎付加(エンチャント)(ボルト)

 

少年の刀は黒く染まり漆黒になる。そして、雷を纏う。

 

 

 

「よし、斬れ味がさらに2倍になったな。これなら余裕を持って斬れる。…行くぞ…刀技 雷光(ライコウ)

 

少年の身体は光になり、光速で魚達の間を移動する。少年が移動した後には一筋の光が現れ。魚達は斬られたことにも気付かずに元の場所にいる。刀を鞘にしまう音が鳴ると身体から血が吹き出し絶命する。

 

 

 

「悪魔の実の同時使用には慣れてきたな。それよりこの船はどうしよう?死体だけでも埋葬するか。」

 

少年はそう言うと死体を埋葬するため船に戻る。

 

 

 

 

「ふぅ。これで全部の死体を集めれたかな。それにしても、相変わらず死体の匂いが酷いね。鼻がひんまがりそうだよ。あ、船内を探してなかった。もう少しだし、耐えられそうかな。」

 

船内に向かう為のドアを開けリビングへ向かう。

 

リビングに入ると海賊達は宴をしようとしていたのか、テーブルや床には大皿に盛られた料理が並んでいる。もちろん全て腐っている。

 

 

 

「鍛錬後だからお腹が減ってきちゃった。でも全て腐っているからなー。ある意味生き地獄だね……んんっ?あれは……」

 

テーブルの真ん中には見せつけるようにエメラルド色の不思議な模様の実が皿に盛り付けてある。

 

 

 

「……うーん。これって悪魔の実だよなぁ。これを見つけた宴をしようとしていたのか。ってか、エメラルドってどんな実だよ。検討もつかないや。僕は実の能力と名前を知らないと使えないしなぁ。とりあえず、収納して置いて調べてから吸収しよう。早く埋葬してあげないと可哀想だ。」

 

僕はなるべく早く船内にもあった死体も集めて、鍛錬していた島に墓を建てる。

 

 

「よし。そろそろ家に帰らないと、カレンに叱られる‼︎」

 

僕は急いでマリージョアにある自分の家へと走る。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【マリージョアの家にて】

 

ーーガチャッ。

 

 

 

「ただいまー。」

 

 

 

「レオン様遅い‼︎お爺様はもう席について朝食を食べてますよ!」

 

 

 

「ごめん。ごめん。今行くから先に朝食の準備をしてて。」

 

 

「わかりました。ちなみに早く来ないと……わかってますよね?」

 

 

 

「は、はい!わかってますから、足を踏みつけないで!痛いから!」

 

カレンが足をどかしたところで、全力で部屋まで走る。廊下は走るなって?そんなのカレンの前じゃ無意味になっちゃうんだ。昔は後ろによくついてきて可愛かったのに……部屋に入ると、シャワーを浴びて着替え、急いでリビングに向かう。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

【リビングにて】

 

ーーガチャッ。

 

 

 

「おじいちゃん!おはよ!」

 

 

 

「おはよう。レオンは朝から元気じゃの。ところで、朝の鍛錬で何かあったのかい?」

 

 

 

「うん。さすが、じいちゃん。言わなくてもわかっちゃうんだ。」

 

僕は朝起きたことを全て話した。

 

 

 

「そんなことがあったのか。うーん……そうじゃ。レオン。お主オハラへ行ってみんか?」

 

 

 

「オハラって、あの全知の樹があるところ?」

 

 

 

「そうじゃ。あの島は知識の宝庫。レオンが知らないことがたくさんあるぞ。まぁ、ここから一カ月ほどかかるんじゃがの。」

 

 

 

「僕が行っても護衛とかが邪魔にならない?」

 

 

 

「護衛なんぞつけなくても良い。わしら一族は基本外へ出ないからの。どうせ、ばれん。それに、わしも昔、ここを1人で飛び出しておったからの。オハラには旧友がおる。頭がクローバーの形じゃからすぐわかる。そいつに手紙を書いておくから、渡していてくれ」

 

 

 

「わかった。一年間ぐらいの滞在になっちゃうかもしれないね。オハラは本が多いって聞くし、おじいちゃんは来ないの?」

 

 

 

「それぐらいになるじゃろうな。わしはもう歳じゃ。船旅はキツイ。それに1ヶ月も乗るのはめんどくさいんじゃよ。」

 

 

 

「わかった。最後のが本当の理由だよね。一年間ぐらいしたら戻ってくるから。あと、電伝虫を持って行くから何かあったら伝えてね。」

 

 

 

「了解じゃ。それじゃあ、わしは使用人達に用意させるように言ってくるからの。おそらく2日後に出航じゃな。」

 

 

 

「わかった。朝ごはん食べ終わったら僕も用意し始めるから、よろしくね。」

 

そして、おじいちゃんは先に席から立ち上がり、部屋を出て使用人達の元へと歩いて行った。

 

 

 

「……オハラか。……あそこなら僕の知らないことがたくさんある。……それにバスターコールの事も伝えないといけない。オリビアとロビンを助けてあげたいな。……よし!出航の準備をしよう!それにしても、1ヶ月は流石に長いな。…絶対にオハラは地図から消滅させない‼︎」

 

 

 

 

2日後に僕はマリージョアからオハラ行きの船にスケスケの実を使い乗り込んで、オハラへと向かった。

 



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11話

全知の樹がある島、オハラ。全知の樹の中には世界中から集められた大量の本が置いてある図書館が存在する。また、世界各国から考古学者達が集まり、日々歴史について学習しあっている場所でもある。しかし、裏では世界政府より禁じられている空白の100年の解析、及びポーネグリフの解読を進めている島でもある。そんな島に1人の少年が船から降り、島の土地に足をつけ、大きく背伸びをする。

 

 

 

「やっと着いたー!1ヶ月は流石に長すぎるでしょ。前回はそんなに船旅が長くなかったからなー。はぁ。腰が痛い。早く、おじいちゃんの友人に手紙を渡さないと夜になって野宿になっちゃうよ。」

 

僕は早速、おじいちゃんの旧友であるクローバー博士を捜すため歩き出す。

 

 

 

「それにしても自然が多くて空気が綺麗だ。中央の巨大な樹が全知の樹かな。迫力があってすごいなぁ。」

 

全知の樹を見てそんな事を口ずさんでいると。いきなり後ろから少女に話しかけられる。

 

 

 

「あなたはだれ?ここでは見たことがない顔だね。ここの島の人じゃないでしょ?今日の船で来たの?……あ!もしかして、あなたも考古学者の人?」

 

黒髪の綺麗な髪の毛をしているミディアムぐらいの髪型の少女は笑顔で話しかけてくる。

 

あぁ、この子将来、すごい美人になるんだろうな。将来が楽しみだ。

 

 

 

「まぁ、そんなところかな。クローバー博士って人を探してるんだけど見つからないんだ。…あ、僕の名前はレオン。君の名前は何?」

 

 

 

「私の名前はニコ=ロビン!…レオン君はクローバー博士に用があるの?それなら、いる場所知ってるよ!そこまで案内してあげる!」

 

あ、バリバリ綺麗になる人じゃないか。そりゃ、少女の時にこんなに可愛いわけだ。

 

 

 

「それじゃあ、ロビン。博士の場所まで案内お願いできる?」

 

 

 

「うん!任せて!」

 

そうして、ロビンと僕は全知の樹の麓まで趣味や好物などの自己紹介をしながら歩き続けた。そして、麓まで来ると樹の幹に作られた扉があった。

 

 

 

「へー。ここから中に入れるんだね。樹の中に図書館を作るなんて、これを作った人はすごい発想の持ち主だなぁ。」

 

 

 

「図書館を作った人は私たちオハラの人々でも知らないんだ。…さ!あと少しでクローバー博士に会えるよ!」

 

ロビンは早く会いたいのか小走りで図書館内へと入っていく。

 

 

 

「ちょっと、ロビン。待ってよ!」

 

僕もロビンを追いかけ、図書館内へと入っていく。

 

 

========================================

 

【図書館内】

 

全知の樹の中にある図書館内では、今、髪の毛がクローバーの形になっている老人が少女と見たことのない少年と話している。

 

 

 

「レオン!この人がクローバー博士!髪の毛が特徴的でしょ!ふふふふっ。」

 

ロビンは微笑みながら、老人について紹介する。

 

 

 

「あぁ、ロビン。そういえば、さっき学者達が呼んでおったぞ。なんか手伝って欲しいそうじゃ。」

 

 

 

「え!ほんと!わかった!すぐ行く!レオン君またね!」

 

ロビンは笑顔になりながら、すごい勢いで学者達の元へと走っていく。ロビンの姿が見えなくなり……

 

 

 

「初めまして、クローバー博士。僕の名前はレオンです。祖父から手紙をもらっていますので、まずこの手紙を読んでください。そしたら、ほとんど僕の事がわかるはずですから。」

 

僕はクローバー博士におじいちゃんからの手紙を渡すと、手紙を読みながらクローバー博士は驚き、時には落胆し、涙を流し、また驚ろく、そんな表情を繰り返しながら読み進めていく。手紙を読み終えると…

 

 

 

「そういうことかの。新聞などでは“顔の火傷”でペストマスクを被っとると書いておったから記事通りかと思ったら、こういうことだったんじゃな。まぁ、天竜人でここまで顔がよければニュースクーの新聞の写真にも載るじゃろうな。いづれマリージョアを出て旅をする時には障害になりうる。賢明な判断じゃと思うぞ。天竜人であることは秘密にしておくから、マスクは被らずに過ごして平気じゃぞ。」

 

 

 

「ありがとうございます。6ヶ月、7ヶ月お世話になると思いますが、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

…それと……ポーネグリフ解読。及び、空白の100年の解析はもうやめた方がいい。」

 

これだけは、これだけは伝えなければならない。バスターコール。あれだけは起こしてはならない。島民、島、図書館、全知の樹。全てが消滅する。博士はものすごく、驚愕した顔になっている。そして険しい顔がになる。博士は顔を天井に向け、天井をずっと眺め話し始める。

 

 

 

「なぜその事をお主が知っておる。情報操作などはうまくしておったはずじゃ。」

 

 

 

「人の口に戸は立てられないというでしょう。政府も少しずつですが勘づき始めています。そして、このまま続けていけば………………バスターコールが実行されるそうです。これは確かな情報です。博士も博識と伺っておりますので、これの存在は知ってるはずです。」

 

 

 

「…確かに知っておる。……バスターコール。その情報は確かなのじゃな?」

 

 

 

「はい。うちの一族の情報網ですので確かことです。」

 

 

 

「わかった。ありがとう。レオン君はすまないが時間をくれないか。学者たちと話してくる。それと、町の外れに空き家があるからそこで過ごしてくれ、足りないものがあれば言ってもらえれば渡すようにする。」

 

 

 

「はい。今日はありがとうございました。今日は空き家こ状況を見て、休みたいと思います。そして、明日から本を読み進めていくことにします。………学者の方々の件はよろしくお願いします。」

 

おそらくこれで、バスターコールの件は回避できただろう。家を見て、家の件を済ましてから知識をつけるために本を読み進めていこう。

 



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12話

オハラへ来て2週間が過ぎた。オハラへ来た僕は最初に空き家の改築から始めた。借りる空き家を見に来てみると…空き家は二階建てで、僕1人で住むには広過ぎる大きさだった。なんでも、オハラに来る学者はこの島で一生を終えるものが多く、このような家がオハラには多いようだ。僕が借りた空き家は庭には草が生い茂り、柵には蔓が巻きついていた。これを見るだけで何年間も放置していることがわかる。そこで、僕は庭の草刈りから始め、綺麗になった畑を作り、最後に家を掃除した。ロビンが手伝ってくれたが全ての工程を終えるには5日間が過ぎてしまっていた。そして、今僕はロビンと図書館で本を読んでいる。オハラに到着して以降は、家の件以外は基本図書館にいる。

 

 

【図書館にて】

 

「レオン〜。レオンは何でそんなに読むのが早いの?しかも、ほとんど覚えてる。ずるぃ〜‼︎」

 

ロビンは少し朱色に染まった頰を膨らまし、僕を睨んで来る。やばい。めちゃくちゃかわいい。

 

 

 

「あははは。僕のこれは一種の病気なんだよ。サヴァン症候群って病気なんだ。この病気は全て暗記することができる便利な病気でね。それで、この記憶を家に帰ったら整理してるんだよ。一種の便利道具だね。」

 

さすがに、転生特典とは教えられないよな。これで誤魔化されてくれたならいいんだけど…

 

 

 

「ぶー。レオンだけずるい。私もその病気欲しい。そしたら、あっという間に考古学者になれて、学者のみんなを驚かすことができるのに。」

 

ロビンは頰を膨らましながら不貞腐れている。けれど、直ぐ諦めてくれたのか本を読み始める。というか、ロビン可愛すぎる。

 

 

あの日、バスターコールのことを伝えられた学者達は、最初はその現実に諦めきれず渋っていた。しかし、この知識の島オハラが消滅する事を考えた時に膨大な歴史資料がなくなる事の方が学者達には大きな損害だったらしい。今では若干数名諦めていない学者もいるが、大半は諦めて次の研究に取り掛かろうとしているようだ。

 

 

 

「ロビンの夢は確か考古学者だもんね。そういえば、ロビンは考古学者になれたらどうするの?」

 

 

 

「うーんとね!私は世界中の遺跡を見てみたいの‼︎それで、空白の100年を解明してみたい‼︎ダメだって博士達には言われたけど、博士達も私に内緒でやってるし…それに過去の人たちが残したものを私の手で解明して見たい‼︎」

 

 

 

「いい目標だね。そのためにも、知識を蓄えないとね‼︎そして、はやく考古学者にならないと‼︎」

 

 

 

「うん‼︎はやく考古学者になって、世界を旅するんだ‼︎……あ‼︎レオンも一緒に世界を旅しようよ‼︎絶対楽しいよ‼︎」

 

ロビンは嬉々とした表情で僕を旅へ連れて行こうと提案する。……その提案の答えは既に決まってる。

 

 

 

「そうだね‼︎一緒に旅しよう。仲間も少なくていいから集めて自由に楽しく世界を旅をしようよ‼︎」

 

 

 

「うん‼︎レオン。約束だよ‼︎絶対に一緒に旅をしようね‼︎」

 

黒髪の少女と白髪の少年は満面の笑顔で笑い合いながら将来を約束し合う。この約束が彼らの未来をどう動かすか、そして、この世界の常識を覆していくことは誰も知らない。

 

 

========================================

 

知恵の樹にある無数の葉の隙間から溢れる木洩れ陽が幻想的な光景を創り出す島、オハラ島の朝。

 

 

木洩れ陽が静かに照らす僕の家の周辺に人々の気配はない。博士の配慮で人気のない所の家にしてもらえたからだ。おかげで騒音で目が覚める事なく朝を迎える事ができる。

 

ロビンとあの約束してから1週間が過ぎた。長くも短く感じる日々を過ごしている。この生活をくれた、おじいちゃんには本当に頭が上がらない。マリージョアではこんな静かな生活は送れない。

 

 

 

「今日もいい朝だな〜。ロビンも起きなよ。朝だよ。」

 

 

 

「うーん。まだぁ…あと五分寝かせて。」

 

 

 

「ロビン…それ五分後も同じこと言うじゃん。はやく起きないとお仕置きするよ。」

 

 

 

「急に目が覚めてきたよ。だからレオン。お仕置きはしないでください。お願いします。」

 

 

 

「さすがロビンだね。下に降りて、ご飯にしようか。」

 

先の会話でわかると思うが、今僕はロビンと家で住んでいる。元々ロビンが住んでいた親戚の家でのロビンに対する扱いが酷かったから、この家に連れてきたんだ。……決して、やましい考えがあったわけじゃないし起こってもない。何事もなく、健全な生活を送ってる。……まぁ、この話については時間があったら説明するよ。

 

 

========================================

 

【図書館にて】

 

僕とロビンは普段通りに図書館で本を読んで、知識を増やしたいる。最近は科学の本を中心に読んでいる。ロビンは考古学についての本だ。

 

 

 

「ロビン。そろそろ昼食にしよ『みんな‼︎オルビアが帰ってきたぞ‼︎オリビアは港に着いたみたいだ‼︎』……???ロビン。オルビアってどんな人かわかる?」

 

僕はオルビアを知ってるが、ロビンは知っているのだろうか。

 

 

 

「うーん。だれだろう。私は知らないよ。みんな騒いでるみたいだし有名人かも、見に行ってみる?」

 

きっとオルビアを見たら自分の親だと気付くはず、その時は…その時決めよう。今考えても無駄だ。

 

 

 

「じゃあ、港に行ってみようか。オルビアって人が僕も気になるし。」

 

僕達は周りにある本を本棚に片付けてから港へ走って向かう。

 

 

========================================

 

【港にて】

 

僕とロビンが港に着くと、港にはオハラの学者達が集まっていた。その中心には長い髪で白髪の綺麗な女性がいた。

 

やはり、住民はオルビアの存在を認知してる人は少ないのか。考古学者達は旅の成果を知りたくて来ているのか。オルビアの周りには住民はおらず、学者達が群がっている。確か原作では次の航海で海軍に捕まり、オハラを知られるんだよな……でも、人が集まり過ぎていてオルビアが全く見えない。これじゃロビンも見えないか…

 

 

 

「ロビン。みんなが集まり過ぎて全然オルビアって人が見えな……」

 

僕はロビンに顔を向け声をかけると、ロビンは声にも出さず、涙を流していた。最初はロビンの両頰には一筋の線ができていたが、次第にそれは大きくなっていく。そして…

 

 

 

「あのじど。ばぁだじぃのおがぁざんがもじれない。なんが、みでぇると、ごごろがあだだがいの。ばじめであっだのにあだだがいぎぼちにになるの…」

 

僕はそっと周りにロビンの顔が見えないように、ロビンを包み込むように抱きしめる。

 

 

 

「ロビン。とりあえず落ち着こう。こんな顔でお母さんかもしれない人に会っても驚かれちゃうよ。一旦、家に戻って出直そう。そして、本物かどうか聞こう。」

 

 

 

「ゔんっ。」

 

そう言い僕らは家へと歩き始めた。それに気付いたものは誰もいないかった。

 

 

 

「あの子。…まさか……………ロビン?」

 

白髪の女性を除いて。



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13話

港の一件から1時間が過ぎた。あの後、ロビンは家へ帰っても泣き続けて疲れたのか寝てしまった。だから今はベットで熟睡中だ。

 

 

僕はというと……

 

 

オハラ島から25km離れた沖合に停泊している一隻の船の上空にいた。

 

 

 

「まさか、海軍がこの時に勘付き始めていたとはね。普通に考えれば優秀なオルビアが海軍に捕まって情報を吐くはずがないよね。そうなると、バスターコールの前から気づかれていた事になる。まさか今とはね………一旦船の上に降りてみるか。」

 

身体を透明化してから船の上に降りる。海軍の船は通常の海軍の船よりもふた回りぐらい程小さい。おそらく、中佐や大佐が船長を務めている船だろう。

 

 

 

「とりあえず船長室に行ってみるか。」

 

歩いて行くと奥から船長室が見えてくる。

 

 

 

「すごい趣味の悪い扉だな〜。天竜人専用の船でもこんな扉見た事ないよ。」

 

船長室と書かれた札がつけられている扉は金で豪華に装飾されていた。

 

 

 

「さて、中に入ってみるか。戦闘になったら…」

 

僕は最悪の想定を考えながら、金で装飾された重い扉を開ける。

 

船長室には船長が1人豪華な椅子に座っていた。赤ワインの入ったグラスを片手に持ち気味の悪い笑みを浮かべていた。

 

 

 

「チチチチチチ………ようやくオハラの秘密を知る事ができた。これを海軍本部に連絡すれば、私も中佐から大佐に昇進する事ができる。そしたら、東の海に配属させてもらうか………チチチチチチ」

 

 

 

「あ、ねずみ大佐じゃん。」

 

あ、原作で知ってる人すぎて声出ちゃった。確かナミの貯金を取り上げた海軍だよな。……やっぱり腐ってる人だな

 

 

 

「誰だっ!?」

 

やっぱり声出ちゃってたか…まぁ、いいか。

 

僕は透明化をとき、視覚できるようにする。

 

 

 

「ねぇ。なんの秘密をつかんだの?」

 

 

 

「うおっ!…チチチ…知りたいか?今は気分がいいんだ。だから教えてやろう。これは世界を揺るがす秘密だぞ!…オハラがポーネグリフの解読を行なっていたんだ!これを海軍本部に伝えれば、私は昇進できる…チチチ」

 

 

 

「ってことは、まだ船の乗船員にも伝えてないの?」

 

 

 

「当たり前だろ!こんな金になるようなこと逃すはずがないだろう!それにあいつらにはいつも女も金も少し分けてやってるんだ!……凡人な君にはわからないかね…チチチ…君はもう少し世渡りをうまくした方がいいよ」

 

 

 

「って事は、この船にいる乗船員はみんなお前の手下って事か?」

 

 

 

「チチチ…そうだな。使えない奴らだが秘密は守ってくれる。まぁ、自分らが得をしたいという欲望のためだけが言わない理由だけどな!チチチチチチ!」

 

 

 

「うーん。勝手に情報漏らしてるような“あんた”よりは世渡りうまいと思うんだけどなぁ……それに、この船の存在自体が腐ってるのかよ………よく堂々と正義を掲げられたな。」

 

 

 

「気づかれてなきゃ何をやってもいいんだよ!ガキはこれだから困る。あ、そうだ。成長したら昇進した私の船に乗せてやってもいいぞ!まぁ、土下座で頼み込んだらの話だがな!チチチチ」

 

 

 

「クズが…」

 

僕は嫌悪感とイラつきを抑えながら船長室を出て船の上空に飛ぶ。後ろから怒声が聞こえたような気がしたけどいいか。オハラまでは大分離れているから、ここからオハラは見えない。

 

 

 

「はぁ……ねずみ大佐は原作でナミを悲しませるし、汚職はするし、悪いことしかしてないね。…というか、今回はすぐ気がつけて良かったけど、もし船に気がつけなかったら大変なことになってたよ。もっと用心して過ごさないと大変なことになるかもしれない………まぁ、今回はもう考えても遅いよね。そろそろ終わりにしよう。」

 

僕は右手に炎を左手に雷を纏わせる。そして、右手を前に出して10mの球状の炎を出す。次に左手を右手の上に添えて炎に雷を纏わせる。最後に、球状の炎を凝縮し槍の形にする。

 

そして、槍の先端を海上に浮かぶ船に向ける。

 

…船の上の乗船員も気付いてきたみたいだね。みんながこっちを見てるよ。…まぁ、クズどもしかいないんだ。心置き無くヤレる。

 

 

 

雷炎技(らいえんぎ) 一の型 雷炎槍 」

 

雷を纏った7mにも及ぶ炎槍は時速60kmほどの速さで船へと突き進む。そして、船に当たると…一瞬の閃光が視界を遮る。音が遅れてやってきて…

 

 

ーードガァァァァァァアアアン!

 

 

元々船のあった場所には半径10mほどの黒い穴が空き、周辺には死んだ魚が数え切れないほど浮かんでいた。

 

 

 

「炎によって水が蒸発して綺麗な穴が空いたのかな。…魚達は雷による感電死か…使う場所を考えないととんでもないことになるね。考えとこう。」

 

それよりも、何もしてない魚を殺してしまった。これは今、1番反省しなければいけないことだ。この世界は命の重さが軽すぎる。ならないようにしないといけない。だから、今回の事は深く心に刻んでおかないと…

 

 

 

「とりあえず家に帰ろう。そろそろロビンが起きてるかもしれない。」

 

僕は空中を蹴り、今回の反省をしながらオハラ島の家へと戻った。

 

 

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【家にて】

 

5分後、家の玄関に降り立つと…

 

 

 

「何であなたがここに来るのよ!ここは私とレオンの家よ!あなたの家は違うところじゃないの!?帰って!」

 

 

 

「いいえ。ここは私の家です。クローバー博士に管理を頼んどいたはずです。何であなたが私の家に住んでいるんですか。」

 

 

短髪で黒髪の美少女と長髪で白髪の美人が口論していた。

 

 

 

「え……どうゆう事…」

 

何でさっきまで泣いて寝てた理由の母親かもしれない人と口論してるの………これっていつ止めるのかな。

 



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