バカとテストと恐怖心 (愚龍)
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キャラ設定&ep.0

キャラ設定です!


・吉井明久

 ・ほぼ原作通り

 ・美波、姫路、FFF団に過激な暴行を加えられたことにより、記憶を失ってしまう。

 ・『もう1人の自分』の声が聞こえるようになる。

 

・坂本雄二

 ・原作通り

 ・明久に暴行を加えた美波、姫路、FFF団のことを嫌っている。

 

・土屋康太

 ・原作通り

 ・雄二と同じ理由で美波、姫路、FFF団のことを嫌っている。

 ・FFF団には属していない。

・木下優子

 ・原作通り

 ・明久のことが気になってる

 ・雄二同様美波、姫路、FFF団のことを嫌っている。

・木下秀吉

 ・原作通り

 ・美波、姫路、FFF団のことを嫌っている。

・島田美波

 ・ほぼ原作通り

 ・明久のことが好きなのだが、まがった愛情で明久のことを壊してしまった。

  しかし、自分は間違っていないと思っている。

・姫路瑞希

 ・美波と同じで明久のことが好き。

  以前はただ明久のことを思うだけだったが、美波とつるむようになってからは、美波寄りの思想となり、明久に暴行を加えている。

  自分は悪くないと思っている。

・FFF団

 ・原作通り

 ・明久に暴行を加えることを悪いとは思っていない。

 

 

 

 

.狼鬼

 .オリキャラ

 .明久のもう一つの人格。明久の《記憶》を媒体として存在する。およそ明久とはかけ離れた行動、言動をしており、非常に凶悪・・・なはずなのだが、全くそんな様子は見られない。むしろ信頼できる良きパートナーとなっている。

 

 

 

 

 

 

Ep.0

 

―――その部屋で片手に手帳を持ち静かに座っていた老人は、静かな口調で語り始めました。

 

 「・・・君にお話をしてあげよう。遠い遠い昔の記憶のことを・・・」

 

 

 

――その日、二人は出会いました。その日は最悪な一日でした。〈彼〉にとっての最大の凶運は今日、ここに来てしまったことだったのでしょう。

 

 〈彼〉は自由の利かない体を懸命に動かしながら必死に逃げ惑います。更に運が悪いことにその日は雨でした。雨は〈彼〉の体温を奪い去り、服にしみ込んだ雨は動きを鈍くさせました。

 

 

 ≪○○はどこだぁ!!≫

 

 ≪見つけ次第学校に連れ戻せ!--に献上するのだ!!≫

 

 ≪≪≪サー・イエッサー!!≫≫≫

 

 という声が校舎から聞こえて来ました。どこか懐かしい級友たちの声に・・〈彼〉は泣きそうになりました。

 

――もちろん、恐怖で。

 

 ≪クソ、なんでだよ・・皆・・。普通に話して、バカやって・・最高の【友達】だと思っていたのは僕だけだったの・・?本当は僕の事なんてどうでもいい・・そう思ってたってことなの?≫

 

 痛みで感覚のなくなってしまった体をひきずり、恐怖に嘔吐しそうになりながら。

 

 

 

 〈彼〉は思いました。

 

―――僕が悪いんだ、と。

 

 優しい優しい少年は、この状況をすべて自分の所為にしようとしました。

 

 ≪僕が大人しく捕まれば皆幸せになれるのかな≫

 

 そして〈彼〉は捕まることに決めました。・・・しかし、そこからが本当の災厄の始まりだったのです。

 

 

 彼らは彼らの気が済むまでいたぶり続けます。そして気絶寸前でやめるのです。が、その日は違いました。もう息も絶え絶えでうつろな目になっていた〈彼〉を見やり、〈彼女〉はこう言いました。

 

 ――≪・・バケツに水を汲んできてください≫と。

 

 

 

――そこで老人は言葉を区切ると、もう幾分かぬるくなっているお茶を口に含みました。〈私〉はたまらず老人に言葉を投げかけました。

 

 「何で自分の所為にしたの!?どう考えても・・」

 

 「僕はね、最後まで仲間だと思っていたかったんだ。悪いことをする人も物語では決まって良い人になるから・・信じていたかった。物語の様になることを」

 

 「たとえ最後が幸せになったとしても、幸せになる前に死んじゃったらどうするの・・っ」

 

 「あの時はそんなことも考えられないほどに混乱してたんだ。・・・でもね、嬉しかったこともあるんだよ」

 

 「嬉しかった・・こと?」

 

 「そう。――じゃあ、話の続きを話そうか・・・少し長くなるけれど、大丈夫かい?」

 

 「全然大丈夫だよ。・・・それより〈お父さん〉は疲れない?」

 

 「はは、大丈夫。ありがとうね」

 

 「―――――」

 

 「と、続きはご飯食べてからだね」

 

 「あ、〈お母さん〉!今日は私が作るって言ったじゃない!ちょっと手伝ってくるね・・・

ちょっと、お母さん無理しちゃだめだよ、あとは私がやるからお母さんは座ってて?」

 

 さあて、僕もそろそろ行かなくちゃ。これから長い物語が始まる。それに何を見出すかは君次第だ。僕の人生は文字通り波乱万丈の日々だったけれど、悪いことだけじゃなく良いこともたくさんあったから。語るにしてはとても拙いものだけれども聴いてくれたら嬉しいかなって思ってるんだ。

 

 

―――ep.0終了―――




キャラ設定&ep.0でした!

今後もよろしくお願いします!


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第2話

 姫路さんや美波に”お仕置き”と言う名の「暴力」を受けていた日々・・・

 

 でもいつからか日常だと思っていた・・・

 

 だから気づけなかった、

 

 僕は自分の心が、肉体が崩壊しかけていることに・・・

 

 

 

 吉井side

 

 今日はいつもよりはやくおきたのでFクラスには一番乗り、のハズだったのだが・・・

 

 「吉井ぃぃぃぃお前は何故満面の笑みで遅刻してるんだぁぁ!!」

 

 「げ、鉄じ・・じゃないや西村先生、っていうか僕今日はすごく早くおきたんですけど?」

 

 「そうか・・・じゃあ時計を見てみろ。」

 

 「え?   っうわぁぁぁぁぁぁぁ!?なんでこんな時間なんですか!?」

 

 うわぁ もう9時過ぎちゃってるよー

 

 「じゃあ、鉄人先生僕急ぐんで!」

 

 

 僕はFクラスを覗く。ふむ、自習か・・・

ガラッ

 

 「やぁ皆!おは「遅ぇよ!」」

 

 「そうよ(ですよ)! 遅れたひとにはお仕置きよ(です)!」

 

 「え、ちょっと待ってよ!なんでお仕置きされなきゃいけないの!?」

 

 「うるさい!アキが悪いんでしょ!おとなしく腕を差し出しなさい!!」

 

 「美波ちゃんの言うとおりです!吉井君が悪いんですよ!」

 

やられる、と思ったその時、

 

 「まぁまぁお前ら落ち着け。」

 

雄二が助け舟を出してくれた。 僕はホッとした。

 

 「っと、メンバーがそろったところで試召戦争の話をするぞ」

 

 「アキ、後で覚えていなさい・・・!」

 

美波はまだ僕を懲らしめようとしているらしい・・・

 

 雄二の話はろくに聞かずに僕は美波や姫路さんのことを考えていた。

 

 美波は帰国女子だった。 クラスから浮いていたけど僕は話しかけた。

 

最初は友達になれたらと思っていた。だが、月日がたつほど、僕への暴力がエスカレートしているような気がするのだ。

 

 最初は軽く頭などをはたく程度だった。だから僕はいいやと思っていた。FFF団に日常的に暴力を受けていたから。だが、日に日に暴力の程度があがっていった。今では、ともすれば死にそうになることもある。

 

 だからいつからか僕は美波のことを避けるようになった。

 

 姫路さんも美波と仲良くなってから僕に暴力を加えるようになった。

 

 そんな日々を送るうちに心が、肉体が崩壊しかけていることにこの時の明久はまだ知らない・・・

 

 

to be next・・・

 

 

 

 

 「なあ、明久。明日海に行こうか」

 

 「え?うんいいけど・・でもどうして急に?」

 

 「あー・・まあ、俺のためでもありお前のためでもある、かな?」

 

 「僕のため・・?」

 

 「ああ。なんか最近疲れているように見えてな・・俺の気のせいだったらそれに越したことはないが」

 

 「・・・・」

 

 

 

 

 

 




どうも、愚龍と言います。


ep.0とは書き方が異なりますが次回からもこんな感じで書いていきます。よろしくお願いします


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第2話

続き(見てくれる人いるのかな?)


明久side

 

 

 「なぁ、遊びに行こうぜ」

 

 その雄二の言葉で、僕たちは海に行くことになった。

 

 最初はダルそうにしていたFクラスの皆は、

 

 「女子たちの水着を拝みたくはないのか!」

 

 という雄二の一言で

 

 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 という雄たけびをあげ、舞い上がっっていた。

 

 もちろん、僕も海に行くのはうれしい。けど・・・

 

 「ねぇ、どういう風の吹き回しさ?」

 

 そう、雄二が自ら遊びに行こうなんて言う筈がないのだ。

 

 「・・・リ、リフレッシュだ。」

 

 ふと、違和感がして雄二を見ると、

 

 目が虚ろだった。 あれ?どうしたんだろう。

 

 小さく何かを呟いているようで、

 

 分かってしまった。

 

 「ねぇ、雄二。もしかして霧し「うわぁぁぁ!」

 

 「な、なにさ!?いきなり叫ばないでよ!」

 

 まったく・・・。 でもどうやら当たっていたようだ。

 

 「明久、頼む!あいつらと一緒に行かないと翔子に婚約届だされちまう!」

 

ほらやっぱり。うらやましいなぁ。

 

 「・・・しょうがないね。行ってあげるよ」

 

 「ほんとか!恩に着る!」

 

というわけで、今僕たちは霧島さんの別荘にいる。

 

 「・・・自由に使ってくれていいから。」

 

 といって霧島さんは雄二をひきずっていった。

 

 「さて僕は泳いでこようかな。姫路さんたちはどうする?」

 

 「私たちは着替えてきますね。」

 

 と言って出て行ったので、僕は久保君たちと海へ行った。

 

 海にはたくさんの人がいた。 僕たちは、おねぇさんたちをみて、誰がきれいだとかいうはなしをしていた。

 

 「アキィィィィィィッ」

 「明久君っ」

「「お仕置きよ(です)!」」

 

 その話がこの2人の嫉妬をたきつけたこともしらずに・・・

 

明久side out

 

姫路&美波side

 

 やっぱりアキは・・・女の人を見てあんなこと言ってるのね!許せない!

 

 「ねぇ、瑞希もそう思うでしょ?」

 

 「はい、明久君にはもっと強いお仕置きが必要だと思います!」

 

 「じゃあ・・・・」

 

 「はい・・・・・」

 

姫路&美波side out

 

明久side

 

 僕たちは特に問題もなく海から上がった。

 

 遊び疲れてくたくたになって別荘に戻ると、夕食が用意されていた。

 

 とても高級そうなご飯に、僕のおなかはぎゅるるるとなった。

 

 「・・・食べていい。」

 

 と霧島さんが言ったので、皆でごはんをたべた。

 

 「皆、これからどうする?」

 

 「俺等は部屋でだべろうぜ」

 

 僕もまざろっかなぁと思っていると、

 

 「アキ、ちょっと来なさい」

 

 と美波に呼ばれた。ついていくと、何やら厳重な部屋の中に入れられた。

 

 「ちょっと!なにするのさ!?」

 

 「「アキ(明久君)へのお仕置きよ(です)。」」

 

 「え、僕何もしてないのに!?」

 

 「ウチらはきいたのよ!アキが女の人のはなしをしてるのを!!」

 

 「そんなん僕の勝手でしょ!?」

 

 「うるさいうるさいうるさい!アキはウチらのものなの!」

 

 「そんなの勝手すぎるよ!」

だが・・・

 

 「「全然反省してないのね、きついお仕置きをしましょうか。」」

 

 姫路さんたちはどこからか鉄パイプを持ってきた。

 

 僕は危機感を覚え、逃げようとした。が・・・

 

 「FFF団!逃げ道をなくしなさい!」

 

 「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

 っまさかそう来るとは思わなかった。そのままスタンガンを当てられ僕の意識は闇へと落ちた・・・

 

 




 やぁ、どうも!愚龍です。
 

 
 評価、感想おまちしております!


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第3話

 今日は筆が進む∩(`・ω・´)∩ ワチョーイ!!


明久side

 

 あれ、ここ何処だ・・・?

 

 うっすらと目を開く。床に寝かされているようだ。立ち上がろうとしたが、

ガクンっ

 

 「っあいた!?」

 

 何かに引っ張られて倒れてしまった。

 

 何事かと自分の体を見てみると、両手足を鎖でつながれていた。

 

 そうだ。僕はFFF団にスタンガンを浴びせられたんだっけ。

 

 考えているうちに、

 

 「アキは起きてるのかしら?はやくお仕置きしないと・・・」

 

 「そうです、体に教え込んでおかないと・・・」

 

 などという声が聞こえた。 あの人たちは僕に何をする気なんだろう・・・

ガチャ・・・

 

 「アキ、よく眠れた?♪」

 「明久君、寝心地はどうでしたか?」

 

 寝心地なんて言い訳ないだろ!と言いそうになるのを必死で抑え、

 

 「うーん。僕寝ちゃったんだ?」

 

 といった。

 

 「ねぇ、アキ。自分がどんな悪いことしたのか知ってる?」

 

 「なんのことかな?」

 

 美波たちはきっと海でのことを言ってるんだと思うけど悪いことじゃないからそういった。

 

 「やっぱりアキはわかってないのね。」

 「そうです。ガッカリしましたよ。」

 

 「やっぱりキツイお仕置きがいるみたいね(ですね)!!」

 

 美波たちはそういうと、鉄パイプを取出し、

 

 「FFF団もアキにお仕置きしていいわよ!」

 

 といった。

 

 「なっ!?FFF団関係ないでしょ!?」

 

 という僕の叫びも虚しく・・・

 

 「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

 とFFF団が向かってくる。手にはカッターやスタンガンを持っていた。

 

 そして、そこからは地獄だった。

 

 僕は大量の電流を流され動けなくされた。

 

 そして・・・

 

 「反逆者は・・「「「死刑!!!」」」」

 

 FFF団の皆は僕にバットを振り下ろした。

メキャッ

 

 僕の骨から変な音がした。

 

 「やめて!!」

 

 僕の悲鳴は皆には届かず、

 

 「「もっときついお仕置きを!」」

 

 と、さらに振り下ろされた。

 

 そして・・・

 

 「瑞希、ウチらもやるわよ!!」

 「はい!!」

 

 美波たちは鉄パイプを手に僕の前へとやってきた。

 

 「マズイって!それで殴られたら僕死んじゃう!」

 

 「アキは毎日やられてるでしょ!いいからおとなしくしなさい!」

 

 「そうです!お仕置きなんですから!」

 

 必死に抵抗したが・・・

「「ガンッ」」

 

 ボグリ・・・・

 

 あ・・・?

 

 僕の体は、血だらけで、それをみて満足そうにしているヒト・・・

 

 そして、意識が闇に落ちる前に見たのは・・・

 

 「貴様ら何をしている!?」

 

 という声と

 

 「よ、吉井君!?しっかりして!!!」

 

 という女の子の声だった・・・

 

明久side out

 

 雄二、木下秀吉、優子、康太、愛子side

 

 俺等は3階の部屋にいた。

 

 他愛もない話をしていたが、

 

 「なんじゃ?やけに下が騒がしいのう?」

 

 「たしか明久が美波らに連れていかれてたよな?」

 

 「誰か見に行ってきましょうよ」

 

 「ではワシが見に行くとするかのう」

 

「「「いってらっしゃい」」」

 

 暇だったので俺等はトランプをして遊んでいた。その時、

 

 「た、大変じゃ!!!」

 

秀吉が血相を変えて駆け込んできた。

 

 「どうした(の)!?」

 

 「あ、明久がFFF団や島田らに暴力を振るわれておるのじゃ!!」

 

 「なに(なんですって)!?」

 

 俺等は急いで下へ向かった。

 

 「ここなのじゃ!」

 

 扉を開ける

バンっ

 

 そこには・・・

 

 血だまりをつくって動かない明久と、その周りを囲んでいるFFF団、美波、姫路の姿があった。

 

 俺は堪らず

 

 「貴様ら何をやっているんだぁ!!!」

 

 と吠えてしまった。

 

 後から来た皆は俺同様怒りをあらわにしていた。

 

 そして真っ先に駆け寄ったのは・・・優子だった。

 

 「よ、吉井君!?しっかりして!!!」

 

 と必死に呼びかけていた。

 

 ようやく俺たちの怒りに気付いたのか、奴らは動揺していた。

 

 「な、何よ!?ウチらはアキにちょっとしたお仕置きをしただけじゃない!?」

 

 「そ、そうです!明久君が悪いんです!」

 

「「「「「「そうだ!!!!」」」」」

 

 「「「黙れ(りなさい)!」」」

 

 「あんたたちは自分が何をしたかわかってるの!?」

 

 「今後明久には近づかないでほしいのじゃ!!」

 

 「おい、病院連れて行くぞ!」

 

 「・・・・分かった。」

 

 俺等は美波たちの叫び声を無視して病院へと向かった。

 

side out

 

 [な、なんなのよあの態度!」

 「そうです!明久君が悪いのに・・・!」

 「「「「そうだそうだ!!!」」」」

 

 自分のしたことが世間ではどういう目で見られるのかわかっていない人たち・・・

 

 自分の首を絞めることになるとは、このときの彼(彼女)たちは知る由もなかった・・・。




 ちっす愚龍です!

 今回も1000字越え!*。.+;゚oキタ―ヾ(o・∀・o)人(o・∀・o)ノ゙―ッ!!!o゚;+.。*

 この小説を見た後は目を洗浄することをお勧めいたします・・・

 では、次回もお楽しみに!!!


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第4話

明久君は記憶喪失らしいです・・・


 

明久side

 

 ・・・うぁっ?

 

 ここ、何処だ?

 

 僕は・・・? 僕はダレダ???

 

 「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 いたい、いたいイタイイタイ 頭が割れるような感じがする。

ガラっ

 

 「おい、起きてるk・・・おいっ!☓☓!?大丈夫か!?」

 

 と、倒れた僕を起こしてくれたのは、赤髪の男の子だった。

 

 っていうかこの人は?誰かの名前を叫んでいたような・・・?

 

 「っあの・・・貴方はダレ、ですか?」

 

 「・・・おい、ふざけるのも大概にし「ダレですか?」」

 

 助けてくれたこの人は・・・

 

 僕の知らない人だった。

ガラっ

 

 「「「明久(君)大丈夫(かのう)?」」」

 

まただ・・・

 

 僕の知らない人たちが、

 

 僕の名前を呼んでいる。

 

 「あの、貴方たちはいったい・・・?」

 

 僕がそう尋ねると、

 

 「あ、明久よ、まさか覚えておらんのかの?」

 

 何のことだろうと思っていると、

 

 「・・・お前ら、ちょっと来い」

 

 と赤髪の人が皆を連れて行ってしまった。

パタン・・・

 

 扉が閉まり静寂に包まれる。

 

 僕はいったい・・・?と考えていると、

 

 〝おい、聞こえるかよ?〟

 

 え・・・?

 

 途端、頭が割れるような激痛に見舞われ、とてつもない吐き気がした。

 

 〝お前はそうやってすべてを忘れるのかよ?〟

 

 なんなんだ・・・?誰なんだいったい!?

 

 〝俺はもう1人の『お前』だ。〟

 

 うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

僕の意識は途絶えた。

 

 明久side out

 

 雄二side

 

 俺は今医者に説明を受けている。

 

 「明久君は重度の骨折、それに内臓をやられてしまっています。正直彼は生死が危うい状態でしたよ。生き延びたことがほんとに奇跡だった程に!

  あなたたちは明久君にいったい何をしたのですか!? いえ、何故あんな状態にされるまで放っておいたのですか!

 私は医者として、いや、人としてあなた方がやってきたことを許せません!」

 

 まさか、これほどまでに明久がひどい状態だったなんて・・・

 

 クソッ

 

 もっと、もっと早くに気づいていれば・・・

 

 皆も医者の言ったことに衝撃を受けたようだ。だったら・・・

 

 「先生。俺らが明久の支えになれませんか?」

 

 「・・・彼は記憶を失っています。しかし、ふとした時にフラッシュバックが起こり、暴走してしまうかもしれません。

 そんな時、あなた方が彼を止めてあげてください。私から言えることはたったそれだけです。」

 

 そういって医者は待合室をでていった。

 

 「兎に角、今は俺らがアイツの支えになってやろう・・・」

 

 「「「そうね(じゃな)」」」

 

side out

 

 明久side

 

 いたたたた・・・

 

 また気を失ってしまったようだ。

 

 あの不思議な声はもうしない。

ガラっ

 

 あ、さっきの赤髪の人たちだ・・・

 

 「すまなかったなさっきは。記憶がないのか?」

 

 「う、うん。自分の名前もわからないんだ・・・」

 

 というと、

 

 「じゃあ、自己紹介しよう。

  まず、お前の名前は吉井明久だ。」

 

 ふぅん。僕は明久っていうのか・・・

 

 「っで、俺は坂本雄二だ。お前とは悪友だった。」

 

 「そうなんだ。よろしくね坂本君。」

 

 と僕が言うと、

 

 「雄二でいい」

 

 と言われた。

 

 「じゃあよろしくね、雄二。」

 

 次は、

 

 「ワシの名前は木下秀吉じゃ。よろしく頼むぞい。

  ワシも秀吉と呼んでくれるとありがたいのじゃ。」

 

 「よろしく、秀吉。」

 

 「私は木下優子よ。よろしく吉井君。」

 

 なんか似てると思ったら兄妹だったのか・・・

 

 「よろしくね、木下さん。」

 

 霧島さんと康太君も自己紹介をしてくれた。

 

 部屋には穏やかな空気が流れていた。

 

 と、その時、

 

 「「アキ(明久君)をだしなさい(てください)!!」」

 

 という叫びと、

 

 「まだお前らは明久を!!」

 

 という怒声が聞こえた。

 

 皆は僕をかばうように前へ出る。

ガラっっ

 

 扉が開く。

 

 でてきたのは・・・

 

 2人の女の子だった。

 

 しかし・・・

 

 頭が激痛に襲われる。

 

 ダレだ?ダレダダレダダレダ?嫌だ嫌だ嫌だ僕は・・・あの人たちが何故かとても怖かった。

 

 そしてそのまま記憶がシャットアウトする・・・。

 

 

 

 〝お前がムリなら俺が代わってやるよ〟

 

 やめろ!僕はそんなの望んでなんか・・・!

 

 世界は廻りだす。

 

 





 愚龍ですW

 今回も駄作で申し訳ありません|壁|’Д’lll)ァ゛。。ゴメンナサィ・・。

 さて、次回(?)はキャラ設定を書くつもりです!

 ではでは!


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第5話

本文です!


 

雄二side

 

「アキ!起きて腕を差し出しなさい!」

 

「そうです!早く起きてください!お仕置きしてあげますから!」

 

 おまえらはぁっ!!!!!

 

 「お前らぁ!!!また明久を壊すつもりなのかぁっ!!!!」

 

 「な、なによ!?坂本には関係ないでしょ!?」

 

 「美波ちゃんの言うとおりです!坂本君には関係のないことです!」

 

 関係ない、だと?

 

 「俺はこいつのダチだ!またお前らが明久に近づくというのなら俺はそれを阻止する!」

 

 「私もよ」

 

 と、木下姉も賛同する。

 

 「ワシも阻止するぞい!」

 

 「・・・・私(俺)も。」

 

 と皆が賛同した。

 

 「なんなのよ!いつもいつもあんたたちはウチらの邪魔ばかり!アキはウチらのものなの!

 ウチらがアキのことをどうしようとあんたたちには関係ないじゃない!」

 

 「そうですよ。明久君は私たちのものなんです!」

ブチっ

 

 俺の中の何かが切れた。

 

 「お前ら!明久のことをモノ扱いしやがって!!!!明久は誰のものでもないんだよ!!それがどうしてわからないんだ!!!」

 

 「そうよ。吉井君はあなたたちのものじゃないの!勝手に吉井君をモノ扱いしないで!」

 

 「うるさいうるさいうるさい!アキ!早く起きなさい!」

 

 と、その時・・・

 

 明久が目を覚ました。

 

 うつろな表情で此方を見ている。

 

 そして、明久が言葉を発する。

 

 『俺のことを呼んだか?-美波。』

 

雄二side out

 

 明久side

 

 とても頭が痛い・・・

 

 此処は・・・?

 

 〝お前の心の中だよ・・・〟

 

 ・・・え?

 

 〝お前はあの2人を見て殻に閉じこもってしまったんだよ・・・〟

 

 そうだったのか・・・もう・・出たくないな・・

 

 〝ダメだ。お前は生きるべきなんだよ。そういう風に運命は決まっている・・・〟

 

 でも、もう僕は・・・

 

 〝では、お前の心が治るまで俺が代わりになってやろう・・・〟

 

 あ、ちょっと!?

ドクン・・・

 

 明久side out

 

 明久(仮 side

 

 ふぅ、まったく世話のかかる・・・

 

 「アキ、起きなさい!」と声がしたので指示通りに起きてやる。

 

 声を出す。

 

 『俺のことを呼んだか?-美波。』

 

 「やっと起きたのn・・・え?」

 

 おぉ、皆揃って同じ顔しやがって

 

 よし、

 

 『おい、用もないのに呼ぶなよ。ほんとにウザいんだよなぁ』

 

 しばらく呆けたような表情をしていたが、意味を理解したのか、

 

 「アキぃぃぃぃぃぃ!!!よくも、よくもウチをバカにしてくれたわね!覚悟しなさい!」

 

 といってこっちに突っ込んでくる。

 

 驚いた顔をしていた雄二が我に返り俺との間に立ちはだかろうとした。

 

 が、俺は

 

 『雄二、退いてろ』

 

 といい、雄二を押しのけた。

 

 それから、真っ直ぐに突っ込んできた美波の腕をつかむと、

 

 思い切りベッドにたたきつけた。

 

 「っっっ!? アキ、ウチに暴力をふるうなんて許さn『黙れ』い?」

 

 『俺はお前が思っているより弱くないんだよ?』

 

 「明久君、覚悟してください!」

 

 っと、姫路は鉄パイプを持っている。

 

 やばいな・・・と思ったその時・・・

 

 「貴様らは何をしている!」

 

 という声と、

 

 鉄人だ!という声。

 

 そして、

 

 「っちっ 逃げるわよ瑞希!アキ、覚えていなさい!」

 

 「はい!明久君、次はお仕置きですからね!」

 

 と言い残して2人は去って行った。

 

 よっと言ってベッドから立ち上がる。

 

 周りを見ると、警戒心むき出しで此方を見る皆。

 

 最初に口を開いたのは雄二だった。

 

 「おい、おまえ誰だ?」

 

 俺はベッドの上に立ち、言った。

 

 『俺の名は・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 「なんでアキは分かってくれないの!?」

 

 「なぜ私たちがあんな風に言われなきゃいけないんですか!?」

 

 2人の悪意は止まることを知らず・・・・





愚龍です!

 今回も駄作ですね(汗

 感想等々お待ちしております!!


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第6話

『俺の名は明久。つまりもう1人の自分ってワケ。』

 

 俺は今の現状を説明している。が、

 

 「吉井君を返しなさい!」

 

 「明久を元に戻すのじゃ!」

 

 などと奴らは好き勝手に言ってくれる。

 

 元々広くない俺の心は簡単に折れた。

 

 『お前らなんか大嫌いだぁぁぁ』

 

 俺はそういうと心の中に意識をとばした。

 

 『おい!明久出てこい!!』

 

 「え・・・でも・・・」

 

 と戸惑ったような声が聞こえたが、

 

 『さっさと代われ!』

 

 と俺は強制的に交代させた。

 

明久(仮 side out

 

 明久side

 

 皆がこっちをみている。うぅぅぅ、皆の視線が怖い・・・

 

 「や、やぁ、あっちの僕が迷惑かけたみたいだね・・・?」

 

 その途端

 

 「本物の吉井君なのね!?」

 

 「明久心配したんだぞ!?」

 

 と涙を流さんばかりの歓迎(?)をされた。

 

 「ご、ごめんよ皆。」

 

 といってから、

 

 「そういえばあの2人は?」

 

 「ん?美波と姫路のことか?」

 

 「あ、そんな名前だったんだ」

 

 「あいつらは鉄人に連れて行かれたぞ。明久、あいつらには近づかない方がいい。」

 

 「わかったよ。僕あの2人を見てると頭が痛くなるんだ。どうしてだろう?」

 

 「まぁ、あ奴らにされていたことを考えると無理もないことじゃろう。」

 

 「まぁ、とりあえず学校行こうぜ」

 

 「「「「ОK」」」」

 

学校では・・・

 

 何とも運の悪いことに姫路と美波、FFF団のメンバーが学校にそろっていた。

 

 「ねぇ、最近アキってウチら以外の人と一緒にいるでしょ?それって許せないよね?アキはウチらのものなのに・・・!」

 

 「そうです!私たち以外の友達なんてありえません!明久君は一生私たちと居るんですから・・・」

 

 日に日に姫路たちは暗い表情を見せるようになった。

 

 目はうつろで、うわ言のような言葉だけが漏れている。

 

 「「ねぇ、あんた(あなた)たちもそうおもうでしょ?」」

 

 だがそれに気づかないFFF団たちは

 

 「「「「「「イェェェェェェェェッ!!!」」」」」」

 

 と姫路たちに賛同していた。

 

 「「「明久の不幸は我らの幸せ!!!」」」

 

 それに満足したような笑みを浮かべると

 

 「ねぇ、アキにお仕置きが必要ね♪」

 

 そんな計画が立てられていることを明久たちは知らない・・・

 

 明久side

 

 僕は雄二たちに連れられて霧島さんが主席だというAクラスに来ていた。

 

 「・・・・自由にしていいから。」

 

 そういわれて僕はAクラスを見まわした。

 

 すごいなぁ・・・

 

 とても気持ちよさそうなソファに、タッチスクリーンが設備してある。

 

 ふと、廊下を見やる。

 

 すると・・・

 

 「アキィ!いるんでしょ!?出てきなさい!!!」

 

 「っ!まさか学校にいたとは!!」

 

 「・・・吉井かくれて。」

 

 霧島さんに連れられて椅子の下に隠れた。

 

 「あっ!あんたたちアキをどこへやったのよ!?早くアキを差し出しなさい!」

 

 「お前に明久を渡すものか!」

 

 そこへ、

 

 「あんたら何してるさね?」

 

 「「「が、学園長!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あんたらが吉井にやったことは許されることじゃないよ!」

 

 更に学園長までも姫路たちは敵にまわし・・・!?

 

 

 




どうも愚龍です(*´ I `*)ノ

 今回は短め&駄文です゚(。ノω\。)

ほんと見てくれた人ありがとうございます!

 では、これからもよろしくお願いします!!


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第7話

 

「何やってるさね?」

 

「学園長!?どうして此処に!?」

 

「何、ちょっとあんたらを見に来たんだよ」

 

「学園長!アキをみませんでしt「黙りな」」

 

「が、学園長・・・?」

 

「あんたが吉井に暴力を振っていたのが分かったのさ。何故わかったのかって?-それはこいつが教えてくれたからさ。」

 

 と、学園長の後ろから出てきたのは・・・・

 

 「み、美春!?」

 

 そう、美春だったのだ・・・・。

 

 美春side

 

 美春はお姉様のことが大好きです。もちろん性的な意味でですが。

 

 ですが、ですが聞いてしまったのです!お姉様が・・

 

 「アキはいつも女の人ばかり!ウチのものなのに、そうよウチのモノウチのウチのウチの・・・・・」

 

 と言っていたのを!

 

 美春はショックを受けました。

 

 何でですか!?あの豚野郎のどこがいいんですか!?

 

 美春はお姉様の行動を少し観察してみることにしました。

 

 そして目にしたのは・・・

 

 「アキィィィィ!大人しく殴られなさい!!」

 

 「そうです!美波ちゃんの言うとおりですよ!大人しくお仕置きを受けてください!」

 

 「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」」」」」

 

 という声と、豚野郎を囲んだお姉様、姫路さん、FFF団の皆さんでした。

 

 美春は扉の陰に隠れてその現場を見ていました。

 

 それはもうお仕置き、という次元ではありませんでした。

 

 いくらお姉様が好きだといっても美春は善悪を考えることぐらいできます!

 

 美春は、美春はもう・・・っ

 

 ひとまずその場を離れ、Cクラスに向かいました。

 

 そして教室で考えて考えた結果・・・・

 

 「お姉様が悪い道へ行こうとしているのなら、美春はお姉様を全力で引き止めます・・・!それが、お姉様への美春の愛情です・・・・・。」

 

 美春は小さくそうつぶやくと、確かな足取りで学園長のもとへと向かった・・・・。

 

 美春side out

 

 そして今に至る。

 

 「お姉様、美春はお姉様がこれ以上壊れていくのは耐えきれないんです!お願いだからもう終わりにしてください!」

 

 が、その願いもむなしく・・・

 

 「はぁ・・・。美春、アンタもそう言うのね。ウチは悪くない!ぜんぶアキのせいなのよ!アキが、アキがうちじゃない女の人にへらへらしてるから・・・!ウチがアキを躾けてあげようと思っただけよ!それの何が悪いっていうのよ!!」

 

 「お姉様・・・・・美春は幻滅しました・・・もう、お姉様のおそばにはいられません・・・。」

 

 

 

 少し前、姫路とFFF団たちは・・・

 

 「美波ちゃん遅いですねぇ・・・ちょっと見に行きましょうか?」

 

 「「「「サーイエッサー!!!」」」

 

 奇しくも暴行を加えた人たちが集結することになる・・・

 

 

 明久side

 

 うーん・・・いつまで待てばいいんだろう?

 

 何か・・騒がしいような?

 

 イスのしたからでは様子が見えない。

 

 ・・・・霧島さんには隠れててっていわれたけど、でも・・

ガタッ

 バッ

 

 うぇ?何かものすごく見られてるような・・・

 

 「吉井、此処にいたのかい!?」

 

 あれ、誰だろう?知らないおばさんが僕を見ていた。

 

 「アキィィィィィ!!居たのね!?大人しく殴られなさい!」

 

 「えぇぇ!?いきなり何言いだすの!?」

 

 何で僕殴られなきゃ・・・

ズキンッ

 

 「痛ったぁ・・・っ」

 

 頭がズキズキする何、なんなんだ?

 

 僕は堪らず崩れ落ちた。

       ・・・・・・・

 ・・・・僕、前にもやられたことが・・・?

 

 

 明久side out

 

 雄二side

 

 「おいっ!?明久!?」

 

 俺は突然頭を抱えて倒れた明久を見て、慌てた。

 

 秀吉たちはもうすでに駆け寄っている。

 

 一同が心配する中・・・・

 

 「ちょっと!アキ!まだ殴ってないわよ!」

 

 そんな美波のことを皆は白い目で見ている。

 

 俺は一発殴ってやろうかと拳に力をためた。その時・・・・

 

 「美波ちゃん何してるんですかぁ?」

 

 と姫路たちとFFF団の姿が見えた・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 善と悪が衝突し、更に学園をも巻き込んでゆく・・・・・・

 

 

 





 どうも愚龍です(*´ノД`)

 今回はいかがでしたでしょうか?
 いやぁ~自分で読み返して『駄作だ・・Σ(Д゚;/)/』
 と思いましたね~ww 

 ふと見てみるとお気に入り件数40越え!一人で舞い上がってましたよ。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。 ヤッターン♪
 UAも2000越えでした。(人気ないですね・・・・(ノД`。)ホロリ

 感想等々、お待ちしております゚。(*´ω`人)。oO(待ってマス♪)・゚☆


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第8話

 

 「美波ちゃん何してるんですかぁ?」

 

 という姫路の声が聞こえた。

 

 クソッ・・お前も来たのか・・・。

 

 「あっ、瑞希!FFF団も来たのね!ちょうど良かったわ。アキを見つけたのよ!!」

 

 「ホントですか美波ちゃん!どこにいるんですか!?早くお仕置きをしましょう!!」

 

 「「「「裏切り者には死を!!!!」」」

 

 まだこいつらは・・・・!

 

 またしても俺の堪忍袋の緒が切れそうになった、その時。

 

 「アンタらは少し黙りな!!」

 

 「が、学園長!?いつからそこにいたんですか!?」

 

 「アンタらより前にいたよ!アンタらが吉井に対してやったことも知ってるよ!」

 

 「わ、私たちはただ吉井君に躾けをしようと思っただけで・・・そうですよね?美波ちゃん」

 

 「そ、そうよ!ウチらはアキの悪行を止めようとしただけで・・・」

 

 はぁ・・・やっぱりお前らは自分に非がないと思っているんだな・・・。

 

 「吉井の状態を見たのかい!?アイツは下手したら死んでたかもしれないんだよ!?」

 

 「なっ・・・!?う、嘘よ!アキがあれぐらいで死ぬわけないじゃない!」

 

 「そうです!FFF団の皆さんにいつもやられてるじゃないですか!」

 

 「・・・・はぁ。アンタらには幻滅したよ。学園長として情けないったらないさね!アンタらの罰については話し合うから覚悟してな!」

 

 「ちょ、ちょっと待ってください!親とか呼ばれたら困るんです!」

 

 「知らないよ!自分がやったことがどれだけ愚かなことか思い知るがいいよ!」

 

 そうして、学園長からの『宣告』を受けて島田たちは去って行った・・・・。

 

 

 藤堂カヲルside

 

 はぁ・・・・

 

 アイツらも困ったもんだね・・・・

 

 まさか、吉井に殺人まがいのことをしていたなんてね・・・・

 

 「・・・学園長。」

 

 「なにさね?」

 

 アタシに声をかけてきたのは西村教諭だった。

 

 「明日、19時より親への説明会を開こうと思いますが・・・」

 

 「・・・分かったよ。世間にはどうみられるのか、思い知らせてやろうじゃないか。」

 

 吉井、少なくともアタシはアンタの味方だよ・・・・。

 

 藤堂カヲルside out

 

 姫路side

 

 どうしましょう・・・。

 

 親に知られてしまったらほんとにここにはいられなくなるかもしれません・・・。

 

 「瑞希ちゃん。どうしたの?青い顔して・・・?」

 

 「お母さん・・・なんでもないですよ。」

 

 「そう?-そういえば瑞希ちゃん。さっき学校から電話があってね、『明日説明会を行います』って言われたんだけど・・・瑞希ちゃん悪いことしてないわよね?」

 

 私は心臓が飛び出すかと思いました。動揺で変な声になってないことを祈りつつ、

 

 「わたしは何もしていません!信じてください」

 

といいました。お母さんは

 

 「そうよね?瑞希ちゃんが悪い事するはずないものね。」

 

 どうやら信じてくれたようです。私はホッとしました。

 

この異様な信頼関係は説明会で壊されることとなる・・・・。

 

 瑞希side out

 

同時刻 島田家では・・・・

 

 「パパ、ママ、ウチは何もしてないわよ?」

 

 「美波には関係ないんだね?」

 

 こちらも説明会のことについて尋ねられていた。

 

 「嘘をついても明日分かることなんですからね?」

 

 「だ、大丈夫だってば!何度言えば分るのよ!?」

 

 

 

 

この2人は自分の犯した罪に気付かないまま・・・・・・

 

 

 

 「瑞希ちゃん!!貴方はなんてことを・・・・!」

 

 「美波、僕たちは家族として情けないよ・・・・。」

 

 

 だが・・・

 

 「アキ・・・・アキのせいで・・アキのせいでぇぇ!」

 

 「明久君が大人しくしていれば・・・・こんなことにはならなかったのに・・・」

 

 「「「「吉井ぃぃぃ!殺してやる・・・・!」」」」

 

 

 更に悪意は増幅し・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 





 最近、自分には小説書けないんじゃないか、と思い始めた愚龍です!。

 なんか、どんどん面白くなくなっていってますね・・・w
 だれかフォローしてー。゚(゚´ω`゚)゚。ピー

それはさておき! 今回も読んで下さりありがとうございます!
 これからも懲りずに作品だしてくので、応援よろしくお願いします!


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第9話

 

 藤堂カヲルside

 

 ついにこの時が来たようだね・・・・。

 

 アタシは親にどれだけ子供が犯罪まがいのことをしているのか、それが世間ではどんな目で見られるのか分からせるためににこの説明会を全員参加(A,B,C,D,E,Fクラス)という形にした。

 

 ゾロゾロと親たちは集まってくる。その中にはFクラスの親どもも交じっていた。

 

~19:00~ ≪説明会開始≫

 キィィィィィン・・・・・・

 

 「あ~、お集まりの皆様方本日は緊急にもかかわらず参加していただき、誠にありがとうございます。では、早速藤堂学園長より説明をしたいと思います。」

 

 さぁ、報いの時だ。

 

 「では、率直に言いたいと思う。-先日、姫路、島田、及びにFクラスのメンバーが吉井への暴力を日常的にしていたことが発覚した。」

ザワリ・・・

 

 「なんだって?」「それは不味いだろう」「親は来ているのか!?」

 

 親たちはその一言でザワついた。が、まだこれからだよ・・・。

 

 「お静かに!」

 

 教師はそんな親たちを鎮める。

 

 「そして・・・この前、吉井は生死をさまよったんだよ!!」

 

  アタシの一言に更にざわめく親ども・・・

 

 「姫路、島田、Fクラスのメンバーは『お仕置き』と称して吉井へ過度な暴行をしたんだよ!そのせいで吉井は重度の骨折、それに内臓をやられてしまったんだよ!アンタらは自分の子供がしたことがどれだけ罪の深いものか知っているのかい!?」

 

 もうこれで誰が悪いのかは明白だった。が、しかし・・・

 

 「う、嘘よ!瑞希ちゃんがそんなことするわけないじゃない!」

バッ

 

 親も教師も声がした方を振り返った。そこには・・・

 

 青い顔をして立っている姫路の母親の姿があった。

 

 「そんなことをしたっていう証拠はあるの!?無いんでしょ!?」

 

 そんな親を他の親たちは冷めた顔で見つめていた。それに気づいたのか、

 

 「しょ、証拠を見せなさい!なんで私がこんな目で見られなきゃいけないの!」と喚いた。

 

 ・・・・はぁ、親があんなだから子供もあぁなるのかねぇ。

 

 証拠・・・かい?そんなに見たいのなら見せてやろうかね・・・。

 

 「ではご用意いたしますのでしばらくお待ちください」

 

 教師がそう言った後何かを操作した。そして出てきたのは・・・巨大なスクリーンだった。

 

 そう、これは数時間ほど前のことである・・・・

 

 「・・・学園長。」

 

 「おや清水じゃないかい。いったいどうしたんだね?」

 

 「説明会はお姉様のこと、ですよね?」

 

 「そうだが・・・?」

 

 「では、どうかこれを持って行ってください。」

 

 そういって清水が取り出したのは・・・

 

 ビデオカメラだった。あの日に撮影したものらしい。

 

 「今の美春にできるのはこれぐらいですから・・・・」

 

 そう言って清水は去って行った。

 

 清水・・・アンタは・・・

 

 

 

 そして今に至る。

 

 巨大なスクリーンに映し出されるのは『あの日』の映像。

 

『「反逆者は・・「「「死刑!!!」」」」

 

 メキャッ

 

 「「ガンッ」」

 

 ボグリ・・・・』

 

 

 そして血だまりを作り倒れ伏す吉井。

 

 親どもは声を失っていた。無理もないさね。こんな映像を見せられれば・・・

 

 「美波はっなんてことを・・・」

 

 「瑞希ちゃん・・・まさか貴方がこんなことをするなんて・・・」

 

 暴行を加えた子の親からはそんな声が聞こえた。

 

 「・・・・アンタらの子供がやったことだよ。これからの対応をどうするかはアンタらしだいさね。」

 

 アタシの言葉で説明会は終了した。

 

 

 

 

 to be next・・・・・

 

 

 

 





 どもー愚龍ですw

 まだこんな駄作を読んでくれてる人、感謝しています!!

次回、お楽しみにっw


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第10話

 親side

 

 ~姫路家~

ガチャ・・・

 

 私は扉を開ける。今日は夫は帰ってこない。

 

 「お母さんお帰りなさい。」

 

 瑞希ちゃんが出てくる。私はさっきの説明会のこともあり、瑞希ちゃんと話をしたかった。

 

 「・・・はぁ。瑞希ちゃん、ちょっとこっちに来なさい。」

 

 「は、はい・・・」

 

 少しおびえたような顔で私の後をついて席に座った瑞希ちゃんは

 

 「な、なんでしょうか・・・?」と聞いてきた。

 

 「今日説明会あったでしょう?瑞希ちゃん何も悪いことしてないって言ったわよね?」

 

 「は、はい!わたしはなにもしてn「黙りなさい!」」

 

 「え・・・?」

 

 「私は見たのよ!貴方が明久君に暴行を加えている映像を!どれほど、どれほど私が情けない思いをしたか知ってるの!?恥ずかしくて、恐ろしくて・・・・!!-もう、もうあなたのことは信用できそうにないわ。退学届けを出しますからね!」

 

 「ちょ、ちょっと待ってくださいお母さん!まだ私はこの学校を離れたくないです!」

 

 「だめよ!明日、学校に行ってきちんと明久君に謝ってきなさい!話はそれからです!」

 

 私はそう言い残すとリビングを去った・・・・。だから気づかなかった、

 

 「明久君・・・・全部あなたの所為ですよ・・・私と同じ苦しみを味わってください・・・」

 

 と虚ろな表情でつぶやいていたことを・・・・・。

 

一方・・・

 

 ~島田家~

 

 「美波!こっちに来なさい!!」

 

 「お姉ちゃ、こっちにくるです!」

 

 「な、何よ・・・?」

 

 両親と妹の怒気をはらんだ声と瞳が美波を射抜く。

 

 「美波、僕たちは正直幻滅したよ。吉井君をあそこまで傷つけておいてよく何もしてないなんて言えたもんだね!」

 

 「美波、私たちがどれほど惨めな思いをしたかわかってるの!?皆には白い目で見られるし・・・もうサイアクよ!!!」

 

 さらに・・・

 

 「お姉ちゃ、なんでバカなお兄ちゃんを苛めたですか!」

 

 妹までが美波に牙をむき・・・

 

 「な、何よ!?元はと言えばアキが悪いのよ!アキがウチ以外と一緒にいるなんて許せないのよ!」

 

 「吉井君は美波の『モノ』じゃないんだ!立派な人間なんだよ!」

 

 「なんでよ!どうして分かってくれないのよ!?ウチはアキと居たいだけなのに!!」

 

 「居たいだけでどうしてあんなひどいことができるんだ!?-今後吉井君に近づくことを禁止するよ。わかったね?」

 

 「バカなお兄ちゃんに近づくなです!!」

 

 「アキ・・・!アンタが幸せになることは許さない・・・・!」

 

 姫路と美波の思いは混ざり合い・・・・・さらに強大な悪へと・・・

 

 

 そして教師の間では・・・

 

 「本日より吉井明久を『保護対象』とする・・・」

 

 

 姫路たちはまだ気づかない・・・自分たちの愚かな行為に・・

 

 

 

 to be next・・・・




ども愚龍です!

 今回は少なかったかな?

 次回お楽しみに!!!

 感想楽しみにしてますっ


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第11話

最初に≪自称もう一人の明久≫について紹介しておきます!

 

 ・明久が記憶をなくした際に造られた≪記憶≫。なので、記憶を覚えている。

 

 ・明久の中にいるため、実体はない。

 

 ・明久とは全く別の【存在】。だがしゃべるときは明久を媒体とするため第三者には明久の人格が変わったように見える。

 

 ・明久と違い、点数が異常に高い。だが本人はそのことを内緒にしている。

 

 ・明久が純白とするとこの明久は漆黒。だが決して悪い奴ではない。

 

 明久side

 

 あれ・・・ここは・・・?

 

 目を開く。どうやらまた気絶してしまったようだ。

 

 『目ぇ覚めたかよ?』

 

 「うわっ!?びっくりするから急にしゃべらないでよ・・・」

 

 まだこの声に慣れていない僕は自称≪もう一人の僕≫に文句を言った。

 

 『悪りぃ悪りぃ。明久が起きないと活動できないものでね。』

 

 そう悪びれた様子もなく言う≪僕≫を僕は睨んだ。・・・まぁ、こいつ実体ないんだけどね・・・。

 

 「・・・はぁ。・・ねぇ、僕どれくらい寝てたの?」

 

 『そうだな・・・5時間ぐらいか・・・?』

 

 そんなに寝てたのか・・・

 

 『お前がのんきに寝ている間面白いことになってたぞ?」

 

 「何があったの?」

 

 『・・・聞きたいのかぁ?』

 

 その笑みを含んだ声に嫌な予感がした。が、

 

 『保護者会があってな・・・島田らはひどくたたかれたらしい。-それに・・・明久喜べよ、お前には保護対象という地位が決まったぞ!』

 

 「・・・・ほぇ?」

 

 僕は間抜けな声を出してしまった。

 

 「保護対象って?え?」

 

 『いや、俺も詳しくは知らんのだがな・・・色々有利になるらしい。』

 

 「・・・僕はそんな特別扱いされたくないんだけど・・・?」

 

 『まぁ、そう言うなって。-っと、誰か来たな。』

ガラ・・・

 

 「明久、目覚めたか?」

 

 そういい入ってきたのは雄二だった。

 

 「うん。すっかり良くなったよ。」

 

 『おかげで俺もしゃべれるようになったぜ。』

 

 「それはよかっt・・・明久、お前今≪俺≫って言わなかったか・・・?」

 

 訝しげにこっちを見る雄二。

 

 「い、言ってないよ!やだなぁ雄二ったら!」

 

 僕は必死に言いつくろった。

 

 貴様後で覚えていやがれ!-見えない僕に向かいそうつぶやく。

 

 ≪おぉ怖いですねぇ≫

 

 頭の中で声がする。くそ野郎がっ・・・

 

「なぁ、ほんとに大丈夫なのかよ?一人でぶつぶつつぶやいて・・・?」

 

 あぁもうっ!見えないことが恨めしい。

 

 「大丈夫だって!僕頭痛いからもうちょっと寝てるね!」

 

 そういって僕は雄二を追い出した。

 

 それから、

 

 「なんで喋るんだよ!?」

 

 『はいはいすいませんでしたねぇwww』

 

 そんな話し合い(?)をしたのはまた別の話である・・・・

 

 

 

 

 

 此処で切らせていただきます。




 

 今回は短めでした。

 では、また後程・・・


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第12話

 

 姫路&美波side

 

 「ねぇねぇ瑞希。ウチいいこと思いついたのよ。」

 

 「なんですか?美波ちゃん。」

 

 「アキを懲らしめるための作戦よ。」

 

 「ほんとですか美波ちゃん!」

 

 「ほんとよ。知りたいでしょ?」

 

 「はい!ぜひ教えてください!!」

 

 「・・・・瑞希、アンタの手料理を食べさすのよ。」

 

 そう、瑞希の料理は即死可能なほど危険なものだった。瑞希の手料理を食べた人は翌日に体調不良で必ず休んでいた。もちろん、アキもその魔の手にかかったことがある。・・・が、今のアキはそんなこと覚えていないはず・・・ウチは人知れず笑みを張り付けていた。

 

 「ねぇ、瑞希も気づいてるんでしょ?-瑞希の手料理は人を殺せるってことに・・・」

 

 「・・・・!!それは、そうですけど・・・いえ、明久君を懲らしめるため、ですよね・・・」

 

 「ね、これで仲直りのそぶりも見せれて一石二鳥じゃない?」

 

 「美波ちゃん・・・!いいアイディアですねっ!」

 

 「じゃあ早速作るわよ!」

 

 「はい!」

 

 side out

 

明久side

 

 うぅぅぅぅ・・・退屈・・

 

 保険医にはしばらく安静にしていろ、といわれたので僕は保健室で大人しくしていた・・・のだが・・・

 

  ね、眠れない・・・!まったく眠気がやってこないのだ。そうこうしている間に放下のチャイムが鳴った。

ガラっ

 

 「よう明久ー、大人しくしてたか?」

 

 そういってやってきたのは雄二と秀吉だった。

 

 「僕はペットじゃないよ!?」

 

 大人しくしてたか、なんて。失礼な。

 

 僕が憮然としていると

 

 「まぁまぁ許してやってほしいのじゃ。雄二はずっとお主のことを心配してたんじゃからのう」

 

 「ばっ、余計なことを言うな木下!」

 

 おぉ雄二が慌てている。ちょっとからかってやろうかな。

 

 「へぇ?僕のこと気にかけてくれてたんだ?」

 

 「べ、別にお前の心配なんかしてねぇよ!」

 

 お、意外と面白い。あんまりやると拗ねそうだったのでここらでやめておく。

 

 「そういえばお主、二重人格なのかのう?」

 

 ギクリとした。どうしようかと視線をさまよわせる。

 

 『もういいだろう。』

 

 「ちょ!?」

 

 しまった。と思ったがすでにおそく・・・

 

 「だれじゃ!?」

 

 『秀吉はやっぱり分かるんだなぁ。感心感心。』

 

 「やはりあの時の・・・!」

 

 『あまねく俺はこいつの記憶なんでね。実体なんてないんだが、こいつを媒体としてならこうして喋ることができるんだよ。』

 

 はぁ、・・・もう好きにしなよ・・・僕はそういって譲ってやった。

 

 『大丈夫だ、記憶なんてものは器がないと生きられないもんでね。明久をどうこうしようという気はないよ。』

 

 「・・・信じていいんだな?」

 

 『全然大丈夫だ。それにお前らをだまそうもんなら明久に殺されかねんしな』

 

 「ちょっと!?余計なこと言わなくていいからね!?」

 

 まぁ、打ち解けたようで何より・・・

ガラ・・・

 

 「明久君」

 

 「アキ」

 

 そんな中突然やってきた二人に・・・

 

 

 

 

 「何をしに来た(のじゃ)!」

 

 

 「ふふふふ・・・これを食べてくださいね・・」

 

 さらに明久に降りかかる災難が・・・

 

 

 to be next・・・





 ども愚龍です!

 読んで下さり感謝感謝です!

 感想まってます!


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第13話

 

 「何をしに来た(のじゃ)!」

 

 警戒心をむき出しにして叫ぶ秀吉たちに、思いもよらない発言が美波と姫路さんの口から飛び出した。

 

 「アキ。ウチらは保護者会を通じて、自分の愚かさを思い知ったのよ。」

 

 「そうです。私たちはあんなひどいことを明久君にしていたなんて・・・謝っても謝りきれないぐらいですよ・・・」

 

 訝しげに眉をひそめる僕たち。

 

 「ほんとにお主らは反省しておるのか!?」

 

 「ほんとよ!」

 

 「本当です!-お詫びに、これを持ってきました。」

 

 そういって姫路さんが取り出したのは・・・・

 

 「弁当?」

 

 そう、姫路さんがバックから取り出したのは弁当だった。

 

 「何のつもりだ?」

 

 僕の代わりにそう尋ねたのは雄二だった。

 

 「いえ?私たちは明久君に差し入れがしたいと思っただけで・・・」

 

 更に言いつのろうとした雄二と秀吉を僕はおしとどめ、

 

 「まぁまぁ。せっかく持ってきてくれたんだし、ありがとね、二人とも。」

 

 「な、明久、そんなものもらう必要はない!」

 

 「そうじゃぞ!何が入ってるかもわからないんじゃぞ!?」

 

 「・・・・ねぇ、秀吉と雄二。いつからそんな人に疑いを持つような人になってしまったんだい?せっかく用意してくれた弁当を【そんなもの】なんて。ちょっとひどいんじゃない?」

 

 僕は悲しかった。まさか雄二と秀吉があんなことを言うなんて・・・。

 

 「っ!?まさかお前この記憶も忘れているのか!?」

 

 「姫路ら、覚えておらんと知って持ってきおったのか!?」

 

 「いいえ?ただの差し入れですよね、美波ちゃん♪」

 

 「そうよ。坂本たちはひどいことを言うのね。」

 

 「嬉しいよ。食べておくからね。」

 

 「食べてねアキ♪」

 

 あぁ、いい匂いがするなぁ・・・

 

 「じゃあアキ、ウチらはこれで」

 

 雄二たちは少しシュンとしていた。ちょっと言い過ぎちゃったかな?

 

 姫路さんたちが去り際、

 

 「明久君、お弁当、ちゃぁんと食べて、くださいね?」

 

 と念を押すように言っていたのが少し引っかかった。けど、

 

 「さ、おなかも空いたし早速食べようかな?」

 

 「明久、ほんとにやめておいた方が・・・・」

 

 そんな雄二を無視して、食べようとした、そのとき・・・

ガラっ

 

 「・・・遅くなったな。」

 

 「あ、ムッツリーニ!遅かったね。」

 

 ムッツリーニは僕の前へ来ると、

 

 「・・・弁当分けてもらうぞ。」

 

 そういって弁当を

ヒョイ、パクっ

 

 と口に運んだ。しばらく咀嚼をしていたが・・・・・

ガタガタガタ・・・・

 

 と震えだした。

 

 「ちょ!?ムッツリーニ大丈夫!?」

 

 「ぐっ・・・俺は大丈夫だ・・・明久、その弁当を食うな・・・」

 

 そういうとムッツリーニは動かなくなってしまった。

 

 「やはり姫路らは毒を盛っていたのじゃな!?」

 

 「あぁ、そのようだな。-しかもあの様子だとあいつらは気づいていたようだな。自分たちが毒の入った弁当を明久に渡したことを・・・!」

 

 「やはり、やはり許せん奴等じゃ!」

 

 僕は毒を盛られそうになったらしい。

 

 ムッツリーニ・・・犠牲になってしまったんだね・・・

 

 「でも、姫路さんって料理上手そうなのにね?」

  

 僕が何気にそうつぶやくと、

 

 『お前あの姫路の料理の不味さを知らないのか!』

 

 そう言う僕の声がした・・・・。

 

 

 

 

 

 「アキ、食べたかしら?」

 

 「もう少ししたら様子を見に行きましょう。」

 

 だがこの二人は知らなかった。自分たちが≪監視≫されていることに・・・・

 

 to be next・・・・

 

 

 

 

 

 





 どうも愚龍です!

 最近「小説書く力ないんじゃないか」って思います。

 書ける人がうらやましいっ!!


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第14話


 裏久君の名前が『狼鬼』になりました!


 

 「え?姫路さんって料理出来ないの!?」

 

 『出来ないなんて可愛いもんじゃねぇ。あいつは料理を作らせたら最後猛毒に変えるという恐ろしい能力を持っている。-まぁ、あいつも最初はただただお前に手料理を食べさせたい一心だったから無自覚だったんだろうが・・・・美波とつるむようになってからは・・・姫路も随分と変わってしまったな・・』

 

 そうだったのか・・・床に散らばった弁当を見て、なんだか無性に悲しかった。

 

 ずっとトモダチだと思っていたのに・・・

 

 感慨にふけっていたとき・・

ガラ・・・

 

 「明久君♪遊びに来ました・・きゃぁぁ!?つ、土屋君!?」

 

 「どうしたの・・・って土屋!?大丈夫!?」

 

 どこか芝居がかったその仕草に僕ははっきりとした怒りを覚えた。

 

 いや、僕じゃなくて狼鬼のほうの、か。

 

 『おい・・・さっきからぎゃぁぎゃぁうるせぇんだよ・・・下手な芝居までしやがって・・』

 

 「明久君・・・?こ、これは芝居なんかじゃないですよ?それに、明久君、じゃないですよね?」

 

 「アキをだしなさい!今すぐ!」

 

 『ハハハハハッ そうさ、俺は明久じゃない。』

 

 「だれなんですか!明久君から出てください!」

 

 『俺は明久の記憶。よく覚えておきな、俺の名は狼鬼。お前らを喰らうために住み着いたのさ。』

 

 「い、いいかげんにしなさい!アキにそんなことできるわけ・・」

ダンっ

 

 俺は美波の言葉をさえぎって真っ直ぐに美波の方へと跳躍した。

 

 美波の一歩手前のところで停止し、

 

 『だからぁ、言ったろ?俺は明久であって明久ではないの。明久は出来なくても俺にはできる。』

 

 「ふ、ふざけないでください!明久君は私たちにヒドイことはできないんです!」

 

 「そ、そうよ!アキは私たちのおもty」

ミシ・・・

 

 『俺は明久が侮辱されんのが一番嫌いなんだよなぁ?だから、お仕置き、な?』

 

 俺は美波の頭を掴んで力を込める。

 

 「い、いやぁぁぁぁぁ!?あ、誰か、助けて・・・っ」

 

 ハハハッ楽しいねぇ・・

 

 ”うわっ!?何やってんのさ!?早く放してあげてよ!?”

 

 おぉ、やっと目が覚めたか、と返す。と同時に頭を放してやる。

 

 「アキィっ許さないわよっ!!!」

 

 『あぁ・・・まだ居たの?お前らさっさと帰れよ。』

 

 俺は鬱陶しくて仕方ない二人にそう命じる。

 

 あぁ、鬱陶しくて仕方がない。明久との語らいを邪魔するなっての。

 

 あ、いいこと考えたぜ。

 

 『おい、お前ら、俺等と試召戦争しろ。』

 

 

 

 

 

 

 雄二に頼んだ俺は楽しみで楽しみで仕方なかった。

 

 『さぁ、ショー開催と行きますか・・・舞台は・・・学園祭、だ。

 

 

 





 どうも、長らくお待たせしました!

 次回もお楽しみに!


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第15話

最近IN率低下中です・・・


 

 「試召戦争なんて僕勝てる気しないよ・・・」

 

 『大丈夫だって。清涼祭だから1対1だって言ってたし、それに俺もついてるからな』

 

 そう言ってにやりと笑う狼鬼に僕は軽くめまいがした。

 

 「あのね、1対1っていっても姫路さんだったら即KOされちゃうでしょ!?」

 

 『まぁまぁそう心配するなって。学園長が言ってたが、あいつらにはフィードバックがつくんだってよ』

 

 「え、そうなの?」

 

 初耳だった。でも、フィードバックってかなり痛いんだよね・・・

 

 『良かったじゃないか。これであいつらにも痛みを分からせられるじゃないか?』

 

 多分今の狼鬼はすごく悪い顔をしていると思う。

 

 「はぁ・・・。僕は別に痛みを分からせようとかそういうことは思ってないんだけどね・・・」

 

 ちなみに清涼祭は3日後。それまでに勉強しておかなくちゃ・・・

 

 『その必要はないぜ。清涼祭は俺が出る。』

 

 「えぇっ!?だ、ダメだよ!狼鬼は何しでかすかわからないから!」

 

 『大丈夫だって。さすがに祭りでは何もしないって。」

 

 いまだに信用できずにいる僕に、

 

 『今回だけだって、な?いいだろ?』

 

 そう言って何度も頼んでくる狼鬼にとうとう折れてしまった。

 

 「ほんとに、今回だけだからね?」

 

 そう念押しして了承した僕に

 

 『よっしゃぁぁ!』

 

 叫ぶ狼鬼。なんか敗北感が・・・

 

 

 

 そんなこんなで迎えた清涼祭当日。いろいろな屋台が並んでいる。

 

 ちなみに姫路さんや美波、FFF団との接触を避けるため、僕らを守るようにSP(?)のような人たちが周りを見張っていた。

 

 試召戦争は12時30からで、今時計を見てみると10時30ぐらいだった。

 

 『そろそろ入れ替わるぞ。』

 

 「分かった。何もしでかしちゃダメだよ?」

 

 そういって入れ替わる。ふぅ。ちょっと一休みしようっと・・・。

 

 

 入れ替わったのは久々だな・・・

 

 その場で少しストレッチをして体を慣らす。

 

 さて、何か食べておかないと試召戦争に支障がでそうだな。というわけでとりあえず屋台を見て回る。

 

 「明久~」

 

 名前を呼ばれた気がして振り返る。案の定走ってきたのは秀吉だった。

 

 『すまんがお前の呼んだ明久は今眠っているぞ?』

 

 「その喋り方・・・・狼鬼じゃな?』

 

 こいつもだいぶ慣れてきたようで前のように騒ぐことはなくなった。

 

 「なぜ狼鬼なのじゃ?」

 

 『あぁ、清涼祭で試召戦争があるだろ?そこで姫路らと対決するんだよ』

 

 「ならば、わざわざ変わらんでもよいじゃろ?」

 

 不思議そうにそういう秀吉に

 

 『俺の方があいつより頭いいからな。それにあいつらにフィードバックがかかってる事教えちまったから、手加減するかもしれねぇだろ?』

 

 「なるほど・・・冷酷なお主の方が向いている、ということじゃな?」

 

 『そういうことだ。-まぁ、見ていてくれよ、あいつらの惨めな姿を。』

 

 若干不安そうな顔をする秀吉にそう言ってやる。今は11時、か。

 

 『そういえば劇の練習はいいのか?もうちょっとだろ?』

 

 「そうじゃった!すまん、また後での!」

 

 ははっ、あれは完全に忘れてたな。慌てて走っていく後姿を見ながらそんなことを考える。

 

 -さぁ、あと1時間半。真っ黒な感情が己を支配するのが分かった。

 

 

 

 

 to be next・・・・

 

 






 うぁぁぁぁぁぁっ 駄作だよっ


 最近イン率低下してるけど、これからもよろしくお願いしますっ


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第16話

 

 清涼祭は初めてだが、中々に面白かった。昼食を終えた俺はバトルをする会場を見に行くことにした。

 

 「よぉ明久、いや、今は狼鬼か?」

 

 声のした方を見てみると雄二の姿があった。

 

 『よぅ。よく俺の方だってわかったな?』

 

 「まぁな。気配と・・長年の勘だな。」

 

 『おいおい、そんなに生きてねぇだろうが』

 

 軽口をたたきあいながら会場へと向かう。

 

 『此処か・・・』

 

 「・・・緊張するか?」

 

 そう聞いてくる雄二に

 

 『八ッ、緊張なんかするかよ。ー逆に血が騒いできたぜ』

 

 「はぁ・・・まぁ、無茶はするなよ?」

 

 何かをあきらめた様子で釘を刺してくる雄二に

 

 『あぁ』

 

 とだけ返事をする。と、

 

 ≪これより試召戦争のテストを行います・・・出場者は会場入り口までお越しください・・・≫

 

 『・・・じゃぁ、行ってくるぜ』

 

 「おぅ、ガンバレよ」

 

 テスト会場には姫路と美波の姿があった。

 

 こちらに気付くと睨んできた。何か言っているようだ。

 

 《 お ぼ え て な さ い 》・・・か?

 

 それはこっちのセリフだ、と俺は獰猛な笑みを浮かべた。

 

 甘く見てると後悔するぞ・・・と胸中で思い、

 

 テストを受けに向かった・・・・・。

 

 

 

 

 テストが終了し、今は教師どもが採点をしている。

 

 「狼鬼、どうだった?」

 

 『まぁ、そこそこだったな』

           ・・・

 「そうか・・・試召、見てるからな」

 

 見てる、を強調していう雄二に肩をすくめて見せる。

 

 『大丈夫だって。無茶はしないし手荒なこともしない』

 

 

 

 

 試召戦争本番。

 

 《さぁ!いよいよやってきました!この熱気はすさまじいですね!》

 

 司会の元気な声に観客の歓声が混じり反響する。

 

 《では、1ペア目!》

 

 ・・・・・・・・・。

 

 そんなこんなで俺の番が回ってきた。

 

 《おぉっと!姫路、美波ペアだ!対するは・・・な、なんと吉井明久だー!》

 

 《し、しかも一人です!これは死亡グラフ成立か!?》

 

 そんな司会の言葉と、

 

 ≪≪ヤレーっヤッちまえ!≫≫

 

 とどちらの味方かわからないヤジが飛ぶ。

 

 「アキ・・・覚悟しなさい・・あの時の恨み倍にして返してあげるわ・・・!」

 

 怨嗟のこもった声。俺は獰猛な笑みを浮かべて

 

 『さぁ、始めようぜ・・・!』

 

 

 《サモンっ》  

 

 ほぼ同時に召喚する。

 

 姫路たちの召喚獣は・・・まぁ、いつも道理か。だが・・・

 

 

 

 総合 二年Fクラス姫路瑞希 5890点 

 

    二年Fクラス島田美波 3765点

 

 ほぅ・・・なかなか・・・

 

 《おぉぉ!?明久君の点数が素晴らしいです!?》

 

 司会の声で自分の点数を見てみる

 

    二年Aクラス吉井明久 15000点

 

 まぁ、これで上等だろう、と姫路たちに向き直る。

 

 そして・・・俺の召喚獣は・・・

 

 黄金の鎧に身を包み、牙の生えた獰猛な顔。そして、手には大剣が握られていた。もちろん金の腕輪もはめている。

 

 中々俺好みの格好だ。

 

 「アキ・・どんな汚い手を使ったの!許さない!」

 

 『使ってねぇよ、俺の実力だ。さぁ、ショーを始めようぜ』

 

 「「覚悟しなさい!!」」

 

 姫路と美波が同時に襲い掛かってくる。

 

 さぁ、どう料理してやろうか・・・・・!!

 

 

 

 to be next・・・・

 

 





 清涼祭でバトルするとだいぶ前から言っていたのにかかわらずこんなにひっぱてしまってすみません(汗


 次回は白熱のバトルをお送りします!お楽しみに!


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第17話

開始の合図とともに姫路たちはこちらに一直線に向かってきた。

 

 

 「卑怯者は死になさい!」

 

 こいつらバカなのか・・・?

 

 一撃で終わってしまうのも面白くないので2人の攻撃をギリギリ避けた・・・・様に見せかけてやった。

 

 「・・・っち!?惜しかったわね・・・!さっさとくたばりなさいよ!」

 

 「そうです・・・私たちにあんな屈辱的なことをしておいて、ただではすましませんよ?」

 

 『・・・はっ、まだそんな戯言を言ってるのか?・・・くたばるのはお前らだッ!!』

 

 「・・・瑞希、挟み撃ちするわよ!」

 

 「はい!」

 

 少しは頭を使ったか・・・だが、

 

 『遅いッ』

 

 美波の攻撃を避け、その場で反転して姫路の召喚獣を大剣で斬る。

 

 「はぁっはぁっ」

 

 体力を消耗したのか、肩で息をしている。

 

 『おいおい、もっと楽しませろよ・・・』

 

 「アキ・・・!調子に乗って・・・!コロス・・絶対にコロシテヤル・・・!」

 

 『まだ開始から全然時間たってないんだが?どうする?【試合放棄】してもいいんだぞ?』

 

 「バカにしないで!」

 

 俺の言葉に逆上したのか、突っ込んでくる美波。

 

 「ヤァッ!」

 

 『・・・遅い。』

 

 美波の召喚獣を【軽く】大剣で弾き飛ばしてやる。

 

 だが、それでも激しいラグが起こった。そして・・・

 

 「イタイ!?身体が、ズキズキするっ!?」

 

 『ふぅん・・・【処分者】としての機能は健全、か』

 

 「っ!アキ、アンタのせいでッこんな痛みを味わうことに・・・!」

 

 まだそんなことを・・・興ざめだな。

 

 『美波・・・もういい、死ね。』

 

 タン、と床を蹴り、一瞬で美波に肉薄すると渾身の一撃で召喚獣を真っ二つにした。

 

 「きゃぁぁぁ!?」

 

 激しいラグとともに美波の召喚獣ははじけて消え、

 

 「痛い痛い痛いっ」

 

 と床に崩れ落ちて痛がる美波だけが残った。

 

 《・・・おぉっと!?一撃で脱落者を出しました!すさまじい!これは本当に明久なのか!?》

 

 はははっ、大分力こめたからな・・・相当痛いはずだ。ザマァ・・・と心中で思う。

 

 『さぁ、決着、つけようぜ?』

 

 「よくも・・よくも美波ちゃんを・・・!許しません!」

 

 同時に腕輪の能力を使うためか、スペルを詠唱し始めた。

 

 確か・・【熱線】だったか?

 

 「これで終わりです・・・死んでください!」

 

 勝ち誇ったように嗤い、

 

 「熱せ『キャンセル』

 

 と、これまで光っていた姫路の腕輪が急速に光をなくしていった。

 

 《こ、これはもしや【無効化】の能力か!?》

 

 ・・・ご名答。

 

 ニヤリ、と笑みを浮かべて姫路を見る。

 

 「なっ・・・!?卑怯ですよ!?」

 

 『悪いが、こういう能力なんだよ、卑怯でもなんでもねぇな』

 

 姫路に近づき、

 

 『・・・終わりだ』

 

 姫路の召喚獣を貫いた。

 

 「きゃぁぁぁぁぁぁ!?痛い、痛いですっ・・」

 

 《し、勝者吉井明久!か、快勝です!もはや人間ではないぐらいの強さです!》

 

 司会の声、そして

 

 ≪ウォォォォォッ≫

 

 ≪やったな明久ぁぁぁっ≫

 

 という割れんばかりの歓声。

 

 俺は一礼して会場から出た・・・・・・・・。

 

 

 

 

 外では秀吉と雄二が待っていた。

 

 「あそこまで強いとは思わなかったぞい。見ていて溜飲がさがったのう。」

 

 「・・・よくやった明久、いや狼鬼!」

 

 2人とも満足げな表情を浮かべていた。

 

 『もうちょっと楽しませてほしかったぜ』

 

 「次は決勝戦じゃな・・・フム、常夏コンビのようじゃの・・頑張るがよい」

 

 「あいつ等は手ごわいからな・・・気をつけろ」

 

 『応よ』

 

 楽しませてくれよ、先輩方・・・!

 

 

 

 

 

 常夏side

 

 「あいつ・・・明久じゃねぇよな」

 

 「そうだな・・あいつがあんなに強いわけがねぇ」

 

 「アキ・・・絶対に許せない!」

 

 「そうですね・・・どうやって苦しめましょうか・・・」

 

 

 

 

 常「アイツらも苦労してるな・・・」

 

 夏「さわらぬ神に祟りなし、だ」

 

  「まぁ、明久を殺さねぇと黒金の腕輪もらえねぇしな・・・」

 

  「頑張るとするか・・・。」

 

 

 to be next ・・・・

 

 

 

 




 次は常夏コンビとの対決!

 お楽しみに! 対決自体は短めにする予定なのでご了承ください

 ではではまた次回お会いしましょう!


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第18話

 《さぁ!間もなく決勝戦です!勝つのは明久か!?常夏コンビなのかぁ!?》

 

 『フム・・・先輩?楽しませてくれるんですよね?』

 

 俺は決勝戦まで上り詰めていた。

 

 「ハッ、バカにするなよ明久?-俺たちは強いぜ?」

 

 『じゃあさっさと始めようぜ』

 

 《開始!》

 

 どう出てくるか・・・そう思い観察していると、

 

 「頑張ってくれ」「応よ」

 

 『ほぅ・・・一人は体力温存しとくってか?中々知恵が働くじゃねぇか』

 

 やや嫌味っぽくそう言ってやる。

 

 「ふん・・・無駄口叩いてると痛い目見るぜ?」

 

 静かに構えの姿をとりそういう先輩。

 

 『はっ、痛い目見るのは先輩のほうっすよ?』

 

 「・・・いくぞ!」

 

 常(?)先輩はこちらにむかって一直線に向かってくる。それを阻止しようと大剣を持ち上げたその瞬間、

 

 「甘いぞ明久ぁ!」

 

 『・・・なっ!?』

 

 常先輩の召喚獣が攻撃範囲内に入ってきた・・直後召喚獣が大きく横に跳び、わき腹に剣を突き出された。

 

 『クッ』

 

 ギリギリで攻撃を避け、大きく後ろに後退する。

 

 「おいおい明久クンよぉ・・・!言動の割には防御がなってねぇじゃんかよぉ!」

 

 『クッ・・・!?先輩?それ以上バカにするんだったら・・・本気でヤりに行きますよ?』

 

 「ハハハッーそういや、点数見てなかったなぁ?」

 

 

 

 総合 三年Aクラス常村勇作&夏川俊平 18763点

 

    二年Aクラス吉井明久      15000点

 

 

 「どうだ?中々【楽しめる】だろう?」

 

 『・・・二人でそれぐらいか・・・なんなら同時にかかってきます?』

 

 「こっちが下手に出てやれば偉そうにしやがって・・・!おい!明久をボコボコにするぞ」

 

 「あぁ、俺ももう我慢なんねぇからな・・・本気を見せてやる!」

 

 

 ・・・・10分後・・・・

 

 

 「クソッ!?強えぇ・・ま、待て明久・・降参するからもうやめ・・・」

 

 『残念でしたね、先輩方?』

 

 結果を言うと俺の圧勝だった。というのも先輩の発言で逆上してしまった俺が【本気】でヤってしまったからだ。

 

 

 《勝者!吉井明久!景品として≪黒金の腕輪≫が贈られます!-それにしても明久のこの強さは尋常ではない!彼は〈バカ〉から離脱してしまったのか・・・!?》

 

 そんなアナウンスを聞きながら会場を後にした俺は

 

 「最後の最後で本気出しちまったのか狼鬼?明久に怒られっぞ?」

 

 『平気平気、うまく言いくるめるよ』

 

 雄二と合流した。

 

 「まぁ、これほど興奮したのは久しぶりだな」さすが狼鬼、と目線で言われる。

 

 『兎に角、ダレたし休みてぇ・・」

 

 「そうか、俺はこの後用事あるからまた後で会おうぜ」

 

 『そのときは〈明久〉としてな』

 

 「・・・あぁ。」

 

 

 

 

 ・・・教室にて・・・

 

 「おめでとう吉井。」

 

 「よくやったわね吉井君♪」

 

 『ありがとう、皆』

 

 『室内のお店見てくるね!』

 

 速攻で出た。明久に代わってない今奴らと居るのはマズかった。

 

ブラブラとうろついていると・・・

 

 「あ、明久君・・・」

 

 『・・・!?瑞希・・』

 

 「あ、あの、今日は強かったですね」

 

 『何の用だッさっさと消え失せろ!』

 

 「ごめんなさいっ、これを渡したくて・・よければ食べてください」

 

 なにやらしおらしいな・・まぁ演技だろうが。

 

 『お前の手作りじゃなければ食っておくよ』

 

 -だから

 

 『さっさと失せろ!』

 

 そう怒鳴ると何も言わずに走って行ってしまった。

 

 

 姫路&美波side

 

 「成功した?」

 

 「はい・・フフフッしおらしい態度をとればあっさり受け取ってくれましたよ」

 

 「なんて言ってた?」

 

 「手作りじゃなければ食っておく、そうですよ♪」

 

 「手作りにしなくて正解だったわね・・・まぁ、【毒】は仕込ませてあるけどw」

 

 「フフフ・・・苦しんでくださいね、明久君?」

 

 

 

 明久side

 

 「一日交代しただけでも結構退屈だったよ」

 

 『俺は楽しかったぜ?っと、疲れたから寝るわーお休みー』

 

 「まったく狼鬼は・・・あれ?なんだろこれ」

 

 ・・・テーブルに放られていたのは・・あのプレゼント。

 

 だが、

 

 「お腹すいてたんだよねー・・・食べちゃおっと♪」

パクッ

 

 「うん、おいしい・・御馳走様でした」

 

 この時、明久の体には異変が起こっていたが・・・本人は気づかない・・・・・・。

 

 

 

 

 「手前ぇらぁッ!明久に何をした!」

 

 「いえ?別に何もしてないですけど?」

 

 

 -もういやだ苦しい、痛い・・・死にたい。

 

 『明久・・・絶対にお前を助けてみせる!』

 

 

 

 

 to be next・・・・

 

 




どうもっ

 予想外にバトルが長引いてしまいました・・・

 では次回もお楽しみに・・・・

 っていうか、1対1にする予定でしたが、2対1に代わってしまい、すみません(汗


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第19話

 

 明久side

 

『どうした?何かフラフラしてねぇか?』

 

 「・・・うーん・・何か熱っぽい、かも・・・」

 

 昨日は元気だったんだけどね・・とまわらない頭で考える。

 

 「具合悪くなるようなものは食べたりしてないんだけどなぁ・・・ただの風邪かも。」

 

 -あぁ、

 

 「学校、行かなくちゃ・・」

 

 フラリとベットから起き上がった瞬間

 

 「いったぁ!?」

 

 激しい頭痛と立ちくらみに見舞われた。

 

 『おい!大丈夫か!?』

 

 「・・・うー・・大丈夫じゃないかも・・狼鬼、代わりに学校にいって・・」

 

 明久side out

 

狼鬼side

 

おいおい大丈夫かよ・・こりゃ気絶してしまったな・・・

 

 『・・・学校、行くか・・』

 

 

 ・・・・学校(放課後)にて・・・・

 

 

 「今日も明久じゃなかったのかのう?」

 

 『・・・あぁ、これこれこういうことがあってな・・・』

 

 と、仲間たちに説明していた。

 

 「そうか・・・心配じゃのう・・早く良くなれば良いのじゃが・・」

 

 「・・・明久なら死なない」

 

 「今明久に意識はあるか?」

 

 『聞いてみるか・・・おい、明久?起きてるか?』

 

 《うー・・?-いてててて、起きてるよ?》

 

 『意識はあるみてぇだな・・だいぶ頭痛がしてるようだが』

 

 「ようだが、って他人事みたいに言ってるがお前に痛みはないのか?」

 

 『俺は明久の体を使っているが、痛みとか腹減ったとかは感じねぇんだ。』

 

 「そうなのか」

 

 「便利じゃのう」

 

 『まぁ、学校じゃなんだから俺んち来いよ』

 

 「そうじゃな・・お主らはどうする?」

 

 「俺は邪魔させてもらうぜ」

 

 「・・・俺は病院だからいけない・・」

 

 『病院でナースの写真でも撮りまくるつもりか?』

 

 「・・・っ!?(ブンブン」

 

 『ハハハッ、冗談だよ、気を付けてな』

 

 「じゃあ、わしらは行くとするかの・・」

 

 《家までの間僕と変わってよ!》

 

 『はいはい・・・明久と変わるからな』

 

 やれやれ・・・

 

 狼鬼side out

 

 明久side

 

「やぁ、雄二と秀吉!久しぶりだね」

 

 笑みを浮かべてそういった僕に、

 

 「ほんとに明久なのか!久しぶりじゃのう」

 

 「久しいな、明久」

 

 2人は笑顔で歓迎してくれた。

 

 「具合は大丈夫かのう?」

 

 「うん、だいぶ良くなったよ」

 

 「じゃあ行こうぜ」

 

 他愛もない話をしながら廊下を歩いていた、その時

 

 「明久君じゃないですか?」

 

 「あらアキ、清涼祭ぶりね」

 

 その声を聴いた・・その瞬間だった。

 

 「うぁっ!?-頭が、痛い・・・」

 

 「おい、大丈夫か!?」

 

 『どうした!?』

 

 雄二たちの声も半ば聞こえず、床にうずくまった。

 

 「どうしたんですか、明久君?」

 

 現れたその姿に、

 

 「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 知らず知らずのうちに、悲鳴を上げてしまっていた。

 

 体が勝手に反応してしまっている。その声に心臓を鷲掴みにされたような恐怖と苦しみが這い上がる。

 

 そして、思考はそのままシャットアウトした・・・・・

 

 

 明久side out

 

狼鬼side

 

『おいっ明久!?』

 

 姫路と美波の姿を見た瞬間、明久は苦しみだし、そのまま気絶してしまった。

 

 「手前ぇらぁッ!明久に何をした!」

 

 隣では雄二と秀吉が姫路たちを睨みつけている。

 

 「私たちは明久君に【体裁】を加えただけですよ・・・それに、その反応は・・ちゃんとアレを食べてくれたみたいですね?」

 

 「アキはそうやってずぅーっと苦しんでるといいわ・・」

 

 「やっぱり貴様らかぁッ!ぜってぇに許さねぇ・・・・!」

 

 「雄二よ、口惜しいが今は明久が優先じゃ・・!」

 

 「クソッ!覚えていろよ」

 

 姫路たちが見ている今、俺がうかつに動くのは危険だった。

 

 『すまんが家まで運んでってくれねぇか・・』

 

 姫路たちは満足そうな顔で去っていった。

 

 『クソがッー俺はあいつらを許さねぇ・・・明久・・・絶対にお前を助けてみせる・・』

 

 

 狼鬼side out

 

 姫路&美波side

 

 「ウフフ・・・うまくいきましたね♪」

 

 「そうね・・・でもまだ満足できないわね・・・」

 

 「そうですね・・間接ではなく直接明久君を苦しめたいですね・・」

 

 不気味な光を瞳に宿しながら、

 

 「次の苦しめ方は・・・」

 

 

 

 更なる策略を立てる姫路たち。それを阻止しようと狼鬼たちも奮闘するのだが・・・!?

 

 

 

 to be next・・・・

 

 

 

 

 





 どうも!ついに明久君がやられてしまいました・・・

 次回も見てくれればうれしいです!

 ではではまたお会いしましょう・・・・


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第20話

 今回ちょっとシリアス?

 あといろいろキャラ崩壊しちゃってるかも・・・

 それでもいいという方はどうぞ!


 明久side

 

「・・・ひさ・・・あきひさ・・!」

 

 僕の名前を呼ぶ声がする・・・

 

 ゆっくりと瞼を上げると目の前に顔があった・・えぇと・・雄二だ。

 

 「ゆ・・・うじ・・?」

 

 まだ覚醒していない意識の中何とか名前を呼ぶ。

 

 「明久!-ほんとに、心配したんだぞ?また記憶を失ったらって」

 

 一瞬、雄二の顔が泣きそうに歪んだ。

 

 「ごめん・・・もうあの二人に近づいたりしない・・から」

 

 「ったりまえだろ!-もうお前を、仲間を失いたくねぇんだよ・・・」

 

 「ほんとにごめんーところで、秀吉は?」

 

 「あぁ、あいつなら今医者と話してるよ」

 

 「なんか、前にも同じことがあったよね・・・あの時は怖かったなぁ・・だって起きたら知らない人ばかり周りにいて、自分の名前も思い出せなかったし」

 

 「でも今はそうじゃない。だろ?」

 

 その、わずかに茶化す雰囲気をもった声に自然と笑みが出た。

 

 「そうだねーあの二人がいなかったら苦しまずに済んだかも」

 

 と、頭をくしゃりと撫でられた。

 

 「そうだな・・あいつら許せねぇ・・あいつらがいなかったらあの日々を失うことはなかったのに・・・・」

 

 最後の方は聞き取れなかったけど、雄二が僕のために怒ってくれることは分かった。

 

 思わず笑ってしまった。雄二は眉間にしわを寄せて

 

 「どうした?」

 

 と聞いてくる。

 

 「ううん・・・僕は幸せ者だなぁって。こんなにも僕のことを思ってくれる仲間がいて」

 

 雄二も笑みを浮かべる。

コンコンっ

 

 「どうぞ」

 

 僕がそう言うとがらりと扉が開いて女子の制服が見えた。

 

 それだけでビクリと僕の体は震えてしまう。

 

 雄二が安心させるように僕の頭をなで、

 

 「大丈夫だ。翔子と木下(姉)だ」

 

 そういわれて顔を見て、あの二人じゃないと気づいた僕は、体から力が抜けた。

 

 「・・・明久、大丈夫?」

 

 「吉井君、大丈夫!?」

 

 あの二人じゃない、それだけでひどく安心する。

 

 「うん、大丈夫だよ」

 

 そう言って笑顔を作る。

 

 「・・・よかった」

 

 「大丈夫そうでなによりだわ」

 

 心配してくれてたんだな・・と思うと嬉しかった。

ガラっ

 

 「明久よ!盛られた薬の名前がわかったぞい!」

 

 そういって駆け込んできたのは、秀吉。

 

 「「「なんだった!?」」」

 

 と異口同音に聞く3人に、

 

 「お、落ちつけい・・」

 

 と若干引き気味でそういう秀吉。

 

 「えぇとじゃな・・・hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを入れられておったらしい」

 

 僕と雄二が疑問を浮かべるなか、

 

 「それって・・・!」

 

 と分かったのか木下さんが驚愕の表情を浮かべる。

 

 「ねぇねぇ、そのエイチ・・なんとかってなんなの?」

 

 「・・・ホルモンの名前よ。これを大量に摂取すると拒否反応の症状が出るのよ」

 

 「へぇ・・・僕はそれを仕込まされたのか・・」

 

 「まだいろいろな副作用があるらしいけど・・」

 

 「あいつら、絶対ぇに許さねぇ・・・・!」

 

 「ねぇ、狼鬼?ー僕の記憶も、戻ってくれるかな?」

 

 と、関係のないことを言ってみる。

 

 『・・・・あぁ、そうだな』

 

 「記憶が戻ったら、今までの狼鬼の記憶とかも話してよ?ー約束だからね?」

 

 『・・・あぁ、約束、だ』

 

 どことなく歯切れの悪い返事だったが、満足していた明久は気づかなかった。

 

 明久side out

 

 狼鬼side

 

明久・・・お前は分かっていないんだな・・・・

 

 俺はお前の記憶だ・・

 

 お前が記憶を取り戻してしまったら

 

 俺は・・消えてしまうんだよ・・・・。

 

 【記憶】であることをこんなにも後悔したのはきっと初めてだろう。

 

 〈悔しいか?悲しいか?〉

 

 この声は・・きっと俺にこの生き方を強いた神の声だ。

 

 『・・決まってるだろ・・明久のそばにいるだけで楽しいんだ・・消えるのが嬉しいわけないじゃねぇか』

 

 〈だが・・生きて、どうするというのだ?お前では触れることすら出来ないというのに?〉

 

 『わかってるよ!喋ることはできる』

 

 〈限りなく制限されている、がな・・お前はぼろを出さないように喋り、取り繕わなければならない・・それでも、楽しいといえるのか?〉

 

 『っ!-あぁ、楽しいさ。あいつと喋っているだけで、十分だ』

 

 〈あの人間の何がそんなにもお前を縛り付ける?〉

 

 『縛り付けられなんかしちゃいねぇさ。もういい、とっとと失せろ』

 

 そう言って牙をむく俺に、

 

 〈フフフっ・・まぁ、闇の世界で待っているぞ☓☓よ・・・〉

 

 -!?なぜ俺の本当の名を!?

 

 『お前っ!誰だ!なぜ俺の名を!?』

 

 そう叫んでみるが、すでに気配はなかった。

 

 『くそっーなんなんだよ・・・』

 

 一人、呟いてみるが、胸騒ぎが収まることはなかった。

 

 狼鬼side out

 

明久side

 

 「それじゃあまた明日」

 

 そう言って帰っていく皆に手を振って見送る。

 

 今日は狼鬼が静かだ・・・

 

 そっとしておこうと思い、そっと瞳を閉じた・・・。

 

 

 to be next ・・・

 

 




更新遅くてすいません

 次回もお楽しみに!


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第21話

 

 よし・・・・できたわ・・

 

 「できたわよ!瑞樹!」

 

 「やっと完成しましたか・・・」

 

 「これで今度こそアキを地獄へ墜とせるわ・・・」

 

 「フフ・・・そうですね。-でも、どうやって渡すんですかソレ?」

 

 「これを市販の食べ物か何かに入れて渡せばいいのよ」

 

 「そうですね・・・私たちからじゃ絶対食べないんじゃないですか?」

 

 「大丈夫よ・・あの人に頼めばいいわ・・・」

 

 「?誰ですか?」

 

 「アキの・・お姉さんよ。あの人ならまだ何も知らないはずだわ・・」

 

 「その手がありましたか!-明久君、苦しんでくださいね・・」

カシャリ・・・

 

 その時、どこからかシャッターを切る音が聞こえてきたのだが、話に夢中だった2人は気づいていなかった・・・。

 

 明久side

 

「いったぁぁぁぁぁ!!」

 

 『おいおい・・大丈夫かよ?』

 

 そう気遣ってくれる声にこたえる余裕もなく、ベッドに倒れこむ。

 

 またか・・とぼんやりと思った。

 

 最初は、学校に行った時だった。

 

 なぜか、自分の記憶になかった物がおぼろげだが流れ込んできたのだ。

 

 その時は軽い頭痛だけで済んだだけどなぁ・・・と考える。これがデジャヴってやつかなぁ?

 

 「ねぇ、これって記憶が戻ってきてるのかなぁ?」

 

 『・・・わかんねぇけど・・そうなんじゃねぇか?』

 

 「やっぱり!?嬉しいなぁ」

 

 『あぁ・・そうだな』

ガラっ

 

 「よぉ明久。調子はどうだ?」

 

 「具合はどうかの?明久」

 

 「雄二に秀吉!ーうん、大丈夫だよ・・寝てただけだし」

 

 「そりゃよかった」

 

 そういって僕の頭をくしゃりとかき混ぜる雄二。

 

 「-と、もうこんな時間か」

 

 「あ、ほんとだ。ちょっと待っててね。すぐ用意するから」

 

 「あー・・そのことじゃがな明久よ。支障が出てはいかんから今日一日は安静にしておけ、と医者が言っていての」

 

 「-そっか・・・分かったよ、2人ともがんばってね」

 

 「じゃあな明久。」

 

 「安静にの」

 

 そう言って出ていく2人を見送って、

 

 「狼鬼。僕寝るけどいい?-安静にしとかなきゃいけないらしいから」

 

 『あぁーおやすみ』

 

 その声を聴きながら、ゆっくりとまどろみに身を任せた・・・。

 

 明久side out

 

 狼鬼side

 

ーあぁ・・何もかもを吐いてしまいたい。記憶を失う前に何があったのか・・・

 

 けれど、一気に情報を流してしまえば俺は消えてしまうし、お前は混乱とショックから立ち直れなくなってしまうだろう・・・。

 

 するりと明久の体から抜け出し、寝顔を見る。

 

 笑っている・・ようなその顔で、いい夢を見てるのか・・と想像する。

 

 その顔を見ていると、無意識に笑みをこぼしてしまった。

 

 『だいぶ腑抜けたな、俺も』

 

 少なくとも初めて会ったときは≪消えたくない≫などとは考えたこともなかったのだが。

 

 そっと、明久に手を伸ばしてみる。

 

 触れる、と思った瞬間、俺の手は明久をすり抜けてしまった。

 

 『やはり触れることは出来ない・・か』

 

 俺はため息をつくと思考を切り替えた。

 

 -こうなったのも全てはあいつらのせいだ・・・

 

 明久はもう近づくつもりはないらしいからその心配はいらないだろう。

 

 問題はあいつらが次の苦しめ方としてどんな手を使ってくるか、ということだ。

 

 『明久・・あいつらからお前を救ってやるからな・・・』

 

 狼鬼side out

 

 教員side

 

「理事長!これを見てください!」

 

 「なんだい?」

 

 ー示された数枚の写真。そこには・・

 

 「これは・・!」

 

 写っていたのは、ある2人の写真だった。

 

 「これはだれが撮ったものだい?」

 

 「・・・俺だ」

 

 「アンタは・・土屋康太じゃないかい」

 

 「・・・現場も見てきている」

 

 その写真には・・・

 

 怪しげな薬品を手に持った島田の姿と・・悦びに満ちた顔の姫路の姿だった・・・

 

 「・・全く・・あの2人は全然反省していないようだね・・少し痛い目にあってもらおうかね」

 

 そして・・・

 

 「さぁ、何をぼさっとしている!早く準備に取り掛かるよ!」

 

 と姫路と島田を懲らしめるための準備に取り掛かっていった・・・。

 

 一方姫路たちは・・・

 

 「明日、頼んでみるわ」

 

 「はい、明日が楽しみですね!」

 

 何も知らなかった・・・・・

 

 

 

 

 

 「あ、吉井のお姉さんですか?-アキにこれを渡してもらいたいんですけど・・・」

 

 「あら、アキ君に渡しておけばいいのですね?」

 

 「よろしくお願いします」

 

 受け取る、と思ったその時。

 

 「待ちなさい!」

 

 -え?

 

 「その食べ物をこちらに渡すんだ!」

 

 -なんで、

 

 「それを、明久君に渡してはいけない!」

 

 -いや、これをアキに食べさせないと・・・

 

 「邪魔を、するなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 to be next・・・・

 





 なんというか・・gdgdですね・・・

 次回も、おたのしみに!


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第22話


 長らく更新しなくてほんとスミマセンでした(汗


 

  美波side

 

 そのまま・・・・ソレを渡して自分の弟が苦しむのをただ見てたらいいのよ・・・

 

 ウチは会心の微笑を浮かべある食べ物を渡した。

 

 「あら、アキ君に渡しておけばいいのですね?」

 

 と言いながら受け取るアキのお姉さんに内心馬鹿な奴・・・と思いながら

 

 「よろしくお願いしますね♪」

 

 そう言って踵を返した。が、

 

 「待ちなさい!」

 

 「「え・・・?」」

 

 そんな声とともに乱入してきたのは・・・

 

 「先、生・・・?」

 

 「そこの君!確か明久君のお姉さんでしたよね!」

 

 「そうですが・・・?」

 

 「今もらった食べ物を明久君に渡してはいけない!その食べ物をこちらに渡すんだ!」

 

ーなんで・・・

 

 「・・・ま・・・ないで・・」

 

 「美波ちゃん・・・?それに先生・・なにがあったんですか?」

 

 「美波さんは・・・」

 

 「邪魔、するなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 「美波ちゃん!?」

 

 「危険だ!下がっていてください!」

 

 ウチの邪魔をするなんて・・・ユルセナイ・・・!

 

 ウチはいつも持ち歩いているスタンガンを取出し、先生に向かって突進する。

 

 あと少し・・・

 

 その瞬間、後ろから鈍い衝撃が走った。

 

 「う・・・ぁ・・?」

 

 「危ないところでしたね、先生」

 

 「助かりました・・駆けつけてくれたのがあなたでよかった」

 

 薄れゆく視界のなかで見たのは・・鉄人の姿だった・・

 

 

 先生side

 

 「大丈夫でしたか?」

 

 明久君のお姉さんに声をかける。

 

 「はい・・美波ちゃんは・・一体・・・?」

 

 「あぁ・・実はね・・・」

 

 「そんなことがあったんですか・・・」

 

 「うん。何も知らない君なら、と思ったんだろうね」

 

 「その食べ物、押収してもいいかな?」

 

 「どうぞ。」

 

 「西村先生、これを職員室まで持って行ってもらえますか?」

 

 「分かりました」

 

 「君も、明久君は心配いらないから、早く帰ってゆっくり休むといいよ」

 

 「・・・では、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

 ふぅ・・・疲れたなぁ・・・

 

 

 明久side

 

 「う・・・ぅーん・・」

 

 『目が覚めたか』

 

 ・・・?

 

 「・・・って、うわ!?」

 

 僕は間抜けな悲鳴を上げてベッドからずり落ちてしまった。

 

 『・・・何やってんだ?』

 

 訝しげに見下ろしてくる狼鬼に、

 

 「普通目ぇ開けたとき目の前に顔があったらびっくりするでしょ!?」

 

 『すまんすまん、いつ起きるんだと思ってたら、つい・・・』

 

 「ついじゃないよ全く・・・僕の寿命返してよー・・・」

 

 いつもと変わらないやり取りに小さく噴き出した僕に

 

 『何笑ってやがんだ・・』

 

 と不貞腐れたように顔をゆがめる狼鬼を宥めながら

 

 「僕、これからどうしたらいいんだろうなぁ・・・」

 

 と聞いてみた。

 

 『ったく・・お前は起きたそばから・・・』

 

 そんな声が聞こえた・・瞬間

 

 「・・・へ?」

 

 僕はベッドに逆戻りしていた。

 

 『いいか?お前はそこで安静にしていればいいんだよ・・俺がそばにいる限り、お前は死なせたりしない』

 

 僕を見下ろしながら楽しげに口元をゆがませてそう言った狼鬼に、

 

 「狼鬼って実体化できるの?」

 

 『・・・できねぇよ・・・風で転ばしただけだ』

 

 「そっか・・・ねぇ、狼鬼。僕の記憶が君で良かったって思うんだ」

 

 『・・いきなりだな・・』

 

 「僕、このまま記憶失ったままでいいかもなぁ・・そしたら狼鬼とずっと一緒にいられるし」

 

 『夢物語はおしまいにしてさっさと寝ろ』

 

 「僕、今起きたばっか・・」

 

 『い い か ら 寝ろ』

 

 「・・・はい」

 

 いまだ覚醒している意識の中で狼鬼の意識が薄れていくのが分かった。

 

 狼鬼も疲れてたんだな・・・と思い、

 

 「お休み・・・」

 

 と意識を手放した・・・・。

 

 美波&姫路side

 

 「この、この、このぉぉぉぉ!!!」

 

 「お、落ち着いてください、美波ちゃん」

 

 「瑞樹!アンタは悔しくないの!?あと少しだったのに・・・!」

 

 「・・・それは、そうですけど・・・っ」

 

 「・・・・・そうだわ・・仲間を集めるのよ・・・」

 

 「え・・・?」

 

 「そうよ・・それがいいわ・・」

 

 「何かアイデアが浮かんだんですか?」

 

 「サークルを作るのよ・・FFF団なんか目じゃないほど大規模な、ね」

 

 「でも、この学校だけじゃ人は集まりませんよ?」

 

 「ええ。だから・・・全国から集めるのよ」

 

 「っ!?そんな、ことが・・?」

 

 「やるのよ・・どんな汚い手を使ってでもね・・」

 

 to be next・・・・

 

 





 ほんとに久し振りです!

  こんな稚拙な物語ですが、楽しめていただけると幸いです!



 





 作者は感想をいただいたらそれはもう泣き出してしまうほどに大喜びします!

 ぜひご感想のほどよろしくお願いいたします(ry


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第23話


やっと更新できました・・・!


 

教員side

 

 「これから職員会議を始めます―――」

 

 「今回の会議内容は、言うまでもなく姫路、及び島田についてだ。何か情報のある先生は報告してください。」

 

 「・・・はい。私の教え子その周辺の生徒から有力な情報がありましたので報告を。」

 

 「どうぞ。」

 

 「実は・・あの二人は新たに大規模なサークルを作るという情報が流れてきまして・・」

 

 「何と!」「そんな・・まさか」「ありえません」

 

 「お静かに!―――証拠としてこんなものが」

 

 と、教員がスクリーンに映し出したものは・・・

 

 「こんな・・酷すぎます・・・・」

 

 今まで二人がやってきたことをまるで明久がやっていたかのように捏造した数十枚の写真だった。

 

 「これが掲載されていたのは、とあるブログでした。そこには、明久君を中傷する言葉、及びサークルへの呼びかけが行われていました。」

 

 「姫路と島田がここまで性根が腐っていたとは・・・」

 

 「教員生活で初めてですよ、こんな生徒に出会ったのは。」

 

 「・・・どうしましょうか、先生方」

 

 「・・・・今回、理事長は判断を我々に任せた。我々は厳正に対処しなければいけない。」

 

 「では、まず・・サークルに侵入するというのはいかがでしょうか?」

 

 「そうだな・・サークル名は分かるのか?」

 

 「はい。それについては調べておきました―――サークル名は・・

 

 『Serial Killer』

 

 というそうです。」

 

 「『殺人鬼』・・か。物騒な名前ですね・・」

 

 「では、侵入する手順を――――」

 

 教員side out

 

 

 美波&姫路side

 

 「サークルへの加入者はいる?瑞樹。」

 

 「すごい・・すごいです美波ちゃん!・・こんなにも私たちに共感してくれる人がいるなんて・・」

 

 「当たり前じゃない。全部アキが悪いんだから」

 

 「そう、ですね・・これで、学校なんて目じゃないですね」

 

 「そうね・・あ、瑞樹、コメントが来たわよ」

 

 「あ、はい・・ええと・・」

 

 『初めましてKと申します。初めてこのブログを拝見させていただきました。この明久というやつはほんとに最低ですね。人間のクズです。こんなやつ、消えてしまっても問題ないと思いますよ。

 つきましては、このサークルに加盟させていただきたいのですが、このサークルはどのようなことを行う場所なんでしょうか?できれば詳しく教えていただきたく存じます。それでは、返信楽しみにお待ちしております。』

 

 「ふふふ・・この人も私たちと同じ考えの持ち主ね。瑞樹、活動内容を教えてやりなさい」

 

 「はい、わかりました美波ちゃん」

 

 実はこの〈K〉という人は教員なのだが、もちろん二人は知る由もなく・・・。

 

 美波&姫路side out

 

 

 明久side

 

 「うう・・寝すぎて頭痛い・・・」

 

 『起きたか明久。寝すぎるなんて普段はできない体験だ(笑)』

 

 「狼鬼のせいでしょ、全く・・」

 

 『その調子ならもう大丈夫だろ。飯でも食ってこい、最近全然食べてなかっただろう』

 

 「あー・・そういえば」

 

 『ちゃんとバランス考えて食べろよー』

 

 「・・なんか狼鬼って何でも知ってるよね」

 

 『まぁ、お前よりは博識だが・・』

 

 「あぁはいはいどうせ僕の脳何てこんだけしかありませんよ」

 

 『まぁそう怒るなって、冗談だよ冗談』

 

 「あれ、姉さんから手紙だ・・風邪が直ったらちゃんと学校へ行ってくださいね、アキ君♡」

 

 「・・・最後のハートの意味が分からないよ、姉さん・・」

 

 『何というか、弟思いだな、お前の姉貴は』

 

 

 

 明久side out

 

 

 

 

 

 「これで終わりよ・・アキの生活も・・」

 

 「アキ・・あなたのお姉さんが苦しめられてる気分はどう?」

 

 「なんで、何でこんなことするんだよ・・・!!」

 

 「吉井君、しっかりして!!」

 

 

 

 

 

 to be next・・・・

 

 





 長らく更新できなくて申し訳ありませんでした。

 久方ぶりに文章を組み立てたので至らないところばかりだと思いますが、読んでくださってありがとうございました。

 これからも不定期更新になるとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。


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第24話


やっと投稿できました・・・!
それではどうぞっ


 

明久side

 

『なあ明久。そろそろ学校に行ってみてもいいころじゃないか?』

 

 『うえ!?い、いいの!?』

 

 『・・まあ、ホントは家から出るなと言いたいところだが・・あれから学校に行ってないだろ?毎日退屈だろうしな・・それにクラスメイトがお前のこと忘れてるかもしれんしな』

 

 『ホント優しいね、狼鬼!・・あと最後のは余計だよっ』

 

 『すまんすまん冗談だ(笑)』

 

 『・・・でも、大丈夫かな・・?』

 

 『大丈夫だ。いざとなれば俺もいるし教師もいる』

 

 『・・え?・・・・・ああ!そっちか!僕はてっきりクラスメイトが僕のこと忘れてたらどうしようって話だと・・』

 

 『・・・はあ。お前はもう少し危機感を持った方が良いと思うがな・・』

 

 『オーケーオーケー。じゃあ僕は明日に備えてもう寝るよ』

 

 『・・なんかもういいか・・お休み・・』

 

 「昨日はびっくりしたよ!まさか狼鬼が学校に行って良いって言い出すなんて」

 

 『そうか・・?まあ、十分気をつけろよ。あいつ等に会わないとは限らないからな』

 

 「あの二人か・・嫌だなあ・・」

 

 『あいつらが反省しているそぶりを見せても絶対に口をきくな、許すな、すぐに逃げろ。いいな?』

 

 「うん。分かったよ、十分気を付ける」

 

 『その調子だ・・・っと、もうそろそろ行くか?』

 

 「お、もうそんな時間か・・楽しみだなあ」

 

 

――――教室前にて――――

 

 「ああどうしよう緊張するな・・大丈夫かな?」

 

 『ま、とりあえず入ればわかるさ』

 

 「そ、そうだね・・じゃ、入りまーす」

ガラッ・・・

 

 「やあ皆!久し振り!」

 

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 

 何故かその瞬間騒がしかった教室が一瞬で静まり返った。

 

 「あ、あれ?どうしたの皆?」

 

 「なあ、あれって・・」

 

 「明久来たのかよ・・サイアク」

 

 「何で来るんだよ・・ありえねえ」

 

 そんな声が聞こえてきて唖然となっている明久に突如大きな声が聞こえた。

 

 「おいおい明久かよ!よくのうのうと来れたもんだよなぁ。」

 

 「君は・・FFF団の・・のうのうとってどういうこと・・?」

 

 「しらばっくれてんじゃねえぞオイ!俺らの姫路さんにあんな酷いことしておいてよく言えたもんだな」

 

 「そうだそうだ!それに島田にも手を出しやがって・・許せねえ!」

 

 「え・・ぼ、僕はあの二人に何もしてないよ!」

 

 「ハ。こっちには証拠があんだよ」

 

 そう言って彼は携帯を操作すると画面をこちらに向けた。そこには・・

 

 「何・・この写真・・」

 

 「言葉もねえみたいだな。これはとあるブログに載せてあったものだ。これを見てから・・お前への憎しみは殺意へ変わった!・・ちなみにここに居る奴らは俺と同じ考えだ」

 

 「違う・・これは僕がやられたことだ!」

 

 「まだとぼけるつもりか・・まあいい。おまえら明久を囲め。」

 

 「「「おお!」」」

 

 「な・・!?」

 

 「俺はな・・姫路さんに気に入ってもらうにはどうすればいいか日頃考えてた。そこで見つけたのが・・あのブログだった。・・お前には感謝してるよ。お前を苦しめれば姫路さんに気に入ってもらえるんだからな!!」

 

 『明久逃げろっ!!』

ガラッ

 

 「明久!大丈夫か!!」

 

 「・・ゆう、じ・・」

 

 「おいおい雄二、折角いいとこだったんだからよお・・邪魔してくれてんじゃねえぞ」

 

 「・・イカレているとはこのことだな・・おまえら、何しようとしてる?」

 

 「あ?明久を半殺しにするに決まってるだろ」

 

 「・・・・だとよ、先生?こいつらどうします?」

 

 「あなたたちまでですか・・皆さんそこから動かないでください!」

 

 明久sideout

 

 姫路&美波side

 

 ―――ブログにて―――

 

 《やっぱり明久が傷つくのは自分の身内に何かあったときだと思うわ。・・そこで皆に明久のお姉さんを痛めつけてほしいの。顔写真は一番下に載せてあるから、この人を見かけたら迷わず殴るなりして頂戴。あ、殺しちゃだめよ(笑)

 協力してくれた人には・・何でもし・ちゃ・う・♪よろしくねっ》

 

 「アキ・・あなたのお姉さんが苦しめられるのよ・・アンタのせいでね・・」

 

 「ふふふ・・楽しみですね、美波ちゃん」

 

 姫路&美波sideout

 

 教職員side

 

 「近況報告をします・・我々はついに島田、及び姫路の【考え】について知ることができました」

 

 「それがこちらです。これは当ブログと我々のやり取りのスクリーンショットです。」

 

 「なるほど・・・」

 

 「これはもう学園だけでは対処できない大規模なものになるかも知れませんね・・・。」

 

 「みなさんは各々しっかりとブログの見張り及びに島田、姫路の行動を監視するように」

 

 「「「はい」」」

 

 「ではこれで終了いたし「大変です!」」

 

 「ついさっき島田らがブログを更新しましたが、その内容が・・・!」

 

 「何・・!?明久君だけでは飽き足らず・・」

 

 「これからの対処のについて考えていく必要がありそうですね・・」

 

 教職員sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





やっと更新することができました!

長らくお待たせさせてしまい申し訳ないです;;

楽しんでくれたら幸いです!!


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第25話


今回早めの更新!

スレッドでのやり取りうまく書けなかった・・
次回はまた更新遅くなるかもです・・;;


 

――――とあるインターネット掲示板にて――――

 

 【Serial Killer】を応援するスレ

 

1 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:20:45 ID:y7e8whe

最近のブログ観たやついるか?

 

2 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:23:47 ID:husi7hu

>>1 

  見たぞ!!

 

3 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:26:51 ID:hdes8d3

>>1

  俺も見たw

 

4 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:29:59 ID:iq3YKiJw

あの女の人殴れば何でもしてくれるってやつ?

 

5 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:34:04 ID:jif8r8jd

俺瑞樹ちゃんの方が好みだわw

 

6 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:39:45 ID:hu7uwwh

面白そうだから来てみた。

  そのブログのURL貼ってくれ

 

7 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:54:36 ID:hud7ei3e

>>6

  ほい

  http://serialkiller.blog.jp/

 

8 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 19:59:03 ID:hu7uwwh

サンクス!

 

9 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:04:27 ID:jie4esj

この内容ちょっと嘘臭くねえか?

  実は釣りでしたとかいう落ちじゃねえだろうな

 

10 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:20:33 ID:hu8whs

>>9

  それなwマジ嘘くさいんだけど

  ガチだったらこいつらイカレてんな

 

11 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:20:33 ID:jid9e3d

このスレで初めてブログのこと知ったんだが・・

  まだ学生じゃねえかwこれ通報とかしなくて大丈夫なのか?

 

12 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:28:07 ID:ju8uw9v

>>11

  まだ犯罪には手を出してないみたいだが・・まあ、サツを呼んだところでいたずらで済まされるかもな

  >>9

  釣りはないと思う。釣りだったらわざわざ顔公開とかしないだろ

 

13 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:41:13 ID:hu8whs

  それなw

  俺やってみるわ

  ・・よく考えれば女の人ナイスバディじゃね?

  めっちゃ俺好みなんだけど

 

14 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:47:06 ID:hue93iw

俺も参加したかった・・

  住んでるとこめっちゃ遠いんですけど

 

15 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 20:50:22 ID:ju8uw9v

>>14

  それな(´・ω・`)

  俺も遠いわw近くの奴ら頑張ってくれw

 

16 名前:名無しさん:2014/06/21(土) 21:17:57 ID:hu8whs

  じゃあ、俺計画たてるから

  進展あったらまた書き込みしまする

 

17 名前:名無しさん:

   >>16

   乙!健闘祈るビシッ

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

明久side

 

 「雄二!来てくれたんだね」

 

 「危なかったな明久ーお前ら、ただで済むと思うんじゃねえぞ!」

 

 「ち、違う!俺はあいつが脅してきたから仕方なく・・」

 

 「うるせえ。なんにせよ暴行を加えようとしたのは変わりようない事実だ」

 

 「明久君に暴行を加えようとした生徒には厳正な処罰を与えます!今日は親を呼んで話し合いを行うのでそのつもりでいるように」

 

 「明久、行くぞ。ここは先生に任せておけ」

 

 「・・・うん」

 

 「Aクラスで木下(姉)と翔子が待ってる・・・っと、着いたな」

ガラッ

 

 「吉井君大丈夫だった!?」

 

 「・・大丈夫?」

 

 「二人とも久し振り。僕は雄二のおかげで大丈夫だったよ」

 

 「そう。安心したわ。」

 

 「でも、楽しみにしてたのになあ・・トラウマが一つ増えちゃったや」

 

 「明日からは必ずAクラスに来い。Aクラスだったら安全だろう」

 

 「そうだね。明日はAクラスに来るよ」

 

 「先生には私たちが話しつけておくわ」

 

 「ああ、よろしく頼む」

 

 『・・すまなかった、明久。俺もいるなどと言っておきながら予想外のことで反応できなかった』

 

 「狼鬼は悪くないよ・・Fクラスにはもう行きたくなくなったけど」

 

 『・・腹が立つぜ・・あいつ等を気が済むまで殴ったらどんなに気分がいいだろうな』

 

 「だめだよ狼鬼。狼鬼が気のすむまで殴ったら絶対死んじゃうでしょ」

 

 『・・・・・冗談だ、忘れてくれ」

 

 「狼鬼か?何て言ってる?」

 

 「あいつ等を気のすむまで殴りたいだって」

 

 「まさにあいつのいいそうなことだな」

 

 「今は教室に私たちしかいないからそこのソファで寝てもいいわよ」

 

 「うーん・・じゃあお言葉に甘えて少しだけ」

 

 「この教室は俺たちが見張っててやるからお前は安心して寝てろ」

 

 「頼もしいね(笑)じゃあ、お休みー」

 

 ・・・・・・明久sideout

 

 「こりゃ悠長に構えてるヒマはねえな」

 

 「吉井君ものすごく疲れた顔してたわね・・」

 

 「ブログを探ってみるか・・お前たちも何かあったら連絡してくれ」

 

 「・・分かった」

 

 「分かったわ」

 

 

 教職員side

 

 「ネット住民が某ブログの掲示板を建てているのを発見しました」

 

 「うーむ・・われらもその一員のフリをしましょうか」

 

 「彼女たちは大変危険です。もし感づかれでもしたら明久君の命が危ぶまれます!」

 

 「ではやはり・・」

 

 「・・こうなった以上そうするしかないでしょうね・・・」

 

 教職員sideout

 

 

 





スレッド書くの意外と楽しかったです
・・・スレッドだけで1000文字いってしまった・・・申し訳ない

連日投稿って結構疲れますね^^;

後、今回姫路&美波sideがありませんでしたね・・
次回はもっと頑張って書きますっ(フラグじゃないよ・・多分)
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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第26話



え、何でハイスクールD×D一冊も売ってないんですか宮脇さん!?




 

 

――――ああ、やりすぎなんじゃないか・・でも、あの人のためならば・・あれ?私は、私は・・あの人の疲れ切った笑顔じゃなくて楽しそうに笑う顔が好きだったんだっけ・・?違う?あの人が苦しむ姿が愛おしくて・・?あれれ?――――もう、本当はどうだったか忘れてしまった

 

 『ねえ・・明久君・・一緒に――――死 に ま しょ う ? アハハッ』

 

姫路side

 

「――っ!?・・・ああ、夢ですか・・」

 

最近、悪夢を頻繁にみるようになりました。それは明久君と私しかいない夢で・・最後は決まって私が明久君をハンマーのようなもので何度も何度も殴りつけて終わるんです。広がっていく血の海と頭部が陥没した明久君の姿・・。いつか〈本当に〉なってしまいそうで怖いんです・・

 

 

 

――でも、明久君ならきっと・・・・

 

 

 

 

 

 許してくれますよね?

 

 

――side out――

 

 

???side

 

「ふむ・・ここの辺りだったと思うのですが・・どこでしょう――文月学園は」

 

 「あ、俺が誰かはまだ聞かないでくださいね?そのうち本格的に登場しますので・・・あ、あとスライム、あなたたちはちょっと人目を引くから私が呼ぶまでは出てこないでくださいね?」

 

 「それでは俺は学園を探すので。それではまたお会いしましょう――」

 

???side out

 

 

明久&狼鬼side

 

 「あー・・シンドイなあ・・」

 

 『すまなかった・・・俺がもっとしっかりしていれば・・こんなことには・・っ』

 

 「ううん・・狼鬼のせいじゃないよ・・」

 

 何であの二人はあんなにも僕を狙うのだろうか?過去に僕が何かしてしまったのだろうか・・

 

 ズキリ・・・。思い出したいのに思い出そうとするたびに頭が痛む。

 

 「僕が記憶をなくしたせいで狼鬼や雄二たちにも迷惑かけて・・ホントダメだなあ・・」

 

 ――――そういえば、姉さんは大丈夫だろうか・・?

 

 

 

 意識が途切れつつある明久になるほど、と納得する。コイツは・・明久は【優しすぎる】のだ。もともと俺は明久の《裏》から生まれた存在・・・ならばもっと本能のままに動くのが《普通》だろう。だが俺には――理性、がある。この衝動を抑えている理性が。明久の裏までも優しさがあることを痛感させる。

 

 『この理性をどけて本能のままに動けたらどれだけ良いことか・・でも、そうしたらお前がひどく悲しむことは分かってる・・。だから俺が願うことはただ一つ。どうか』

 

 ――生きていて欲しい。どれだけ辛い目に会おうが生きててくれれば・・この存在()がなくなってしまっても・・俺は構わないから。

 

 

――side out――

 

 

島田side

 

 「アキ・・・アキ・・」

 

 あいつら教師のせいでここ最近アキにあっていない・・イライラする。

 

 「ウチはただ楽しく話してただけなのに・・ねえ、アキ?」

 

 といって視線を向けたのは――手に持っていた人形だった。

 

 「アキ、最近会いに来てくれないから寂しいのよ?ウチのこと全然見てくれないし・・」

 

 そう言って。

 

 「ウチのことだけを見てくれるように・・こうやって」

 

ジョキリ・・

 

 「頭を外して、そうね・・壁にでも飾ろうかしら?」

 

ジョキリ・・

 

 「身体はウチを抱きしめられるようにそのままにして・・」

 

ジョキリ・・

 

「アキのアレはいつでもイれれるように切り取って・・あ、萎えたままじゃ意味ないわね・・脹らます方法調べなきゃ・・」

 

 

 ―――美波の去った部屋は無残な人形(したい)で埋め尽くされていた。

 

島田side out

 

 

 

???side

 

 ああ・・道に迷ってしまいました・・仕方がない、誰か知ってそうな人はいませんかね・・?

 

――お、あの女性とかどうでしょう・・

 

 「あの、すいません・・お尋ねしたいことがあるんですが」

 

 「・・?はい、なんでしょう?」

 

 「(優しそうな人だ・・良かった)あの、文月学園ってどこにあるんですか?」

 

 「文月学園ですか・・ちょうどよいです。私もそこに用があるので一緒に行きましょうか?」

 

 「そうなんですか?どうぞよろしくお願いします」

 

 

 

 「ここまでは分かっていたのですが・・道に迷ってしまいまして・・申し訳ないです」

 

 「いえいえ、ここは複雑ですから・・アキ君もはじめの頃はよく迷っていたものです」

 

 「アキ君・・いきなりで申し訳ないのですが名前を教えてはいただけないでしょうか?」

 

 「あ、そういえば名前を教えていませんでしたね―――吉井玲です」

 

吉井玲・・?あの《資料》にあった少年の姉・・?とすればまさか――!

 

 「少し周りに警戒しないといけませんね・・」

 

???side out

 

 

 

教師side

 

 「先日、われらの最後の手・・あの方をお呼びしました・・と言っても、明久君を守ってもらうだけですので、警察沙汰になることに変わりはありませんが。――あの不思議な力を持つ――八草信玄さんならばきっと大丈夫でしょう」

 

 「今度こそ・・もう吉井君を苦しめないようにしなくては」

 

 「総員!しっかり身を引き締めて――」

 

 ――吉井君をこの地獄から救い出しましょう――

 

――side out――

 

 

to be next・・・・

 

 




お楽しみいただけたでしょうか? 愚龍です。

あ、美波さんが救いようがないことになってるんですが・・カムバーック・・
先日のコラボ企画、ご参加していただきありがとうございました!どれも素敵なキャラでなかなか決まらなかったのであみだクジで決めさせていただきました。

今回はコクトーさんの『ハイスクールDQM』より八草信玄(やーさん)とスライムです!
今後、数話出演させていただく予定です。

日々皆様の感想で書く元気をもらっております。本当にうれしいです!
今回は重い感じになりましたが、次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。それでは、次回お会いしましょう。ここまで読んでくださりありがとうございました!


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閑話休題〈あの二人が退学になったら・・・〉

退学にしないんですか?というコメントが多かったのであのお二人方を退学させてみました!

※ものすごくライトな感じになりますので肩の力を抜いてお読みくださいませ。緩めのアンチになっております。本編とは繋がっておりません。


 

教師「あなた方の吉井君への数々の嫌がらせ・・これからを考慮した結果、あなた方には退学していただくことになりました。」

 

 「「・・・はい。今まで本当に迷惑をおかけしました」

 

教師(ん・・?やたら殊勝だが・・まあ退学になるんだしこんなものか。)

 

 ((これでやっと自由になれる・・っ))

 

それぞれの自宅にて

 

 《あ、もしもし美波ちゃん?やっと自由になれましたね(笑)これからどうしますか?》

 

 《うーん・・ウチの家にk・・いや、瑞樹の家に行ってもいい?》

 (この人形が散らばってる部屋はさすがに見せれないわ・・というか何でこんなことになってるのかしら・・覚えてないんだけど・・)

 

 《え?私の家ですか?・・いいですよ~、》

 

 《じゃあ、今からいくわね》

 

姫路の家にて

 

 「・・・なかなかすごいわねこの写真の数」

 (壁と言わず天井にまでびっしりとアキの写真が・・流石瑞樹ね・・)

 

 「え?そうですか?」

 (軽く2万円は逝きましたけど・ω・)

 

 「・・・ま、まあいいわ。それより瑞樹、ちょっとパソコン借りてもいいかしら?」

 (自覚なしかよ!って突っ込みたくなったのはウチだけじゃないはずだわ・・)

 

 「あ、どうぞどうぞ~。わたしはちょっと料理の研究してきますね!」

 

 「アキには食べさせてもいいけど、ウチには食べさせないでよ?」

 

 「分かってますよ~。・・ええと、洗剤と小麦粉ありましったっけ・・」

 

 「・・・・・。聞かなかったことにするとして・・パソコンパソコンっと」

ポチッ

 

 「パソコンって起動するの遅いわよね・・早くつかないかしら」

ヴィーン・・

 

 「お、起動したわね・・ヤホーサイトを開いて・・」

カタカタ

 「あの後結局調べてなかったから、おちピ---------(以下の文は自主規制させていただきました。)」

 

 「ふむ・・どれどれ?」

ポチポチ

 

 「・・・・・・」

ポチポチポチ

 

 「・・・・・・・・」

ポチポチポチポチ

 

 「何で出てこないのよ!?このポンコツ!」

 

PC「エ・・・オレノセイニスンナヨナー」

 

 「まあいいわ・・ブログでも見ようかしら?――お、コメントも見に来てる人も増えてるわね」

 

 ○自分ネタにして犯罪させようとかこいつら馬鹿じゃねえの?

 ○自分の顔載せといて「可愛いでしょ?」とか痛い痛いww

 ○2chに晒せワロス

 

イラァ・・・

 

 「ウチらはわかってくれる人しか欲しくないのよっこいつら全員ブロックしてやる!」

 

 「さて・・ブロックもし終わったしアキと遊ぶときの準備をしてもいいけど、どうせもう学校行かなくていいんだからとりあえずひと眠りしようかしら」

 

 

 

その頃の姫路

 

 「ええと、材料は牛乳、洗剤、小麦粉、卵と砂糖、あとは・・アルカリとかあってもいいですね」

 

 「今日はパンケーキを作ってみようと思います。この材料だったら絶対おいしく作れるでしょう」

 

 「料理サイトなんて頼らないですよ!何も見ずに作ることによって自分らしさが出てくるんですから。・・じゃあさっそく作りましょうか!」

 

 「まずは卵を割って・・それから牛乳を・・あ・・入れすぎてしまいました・・で、まぜましょう」

シャカシャカシャカ

 

 「・・よし。次は小麦粉を振り掛けて・・ああっ!?手が滑・・あー、まあ大丈夫でしょう。ちょっと一袋分入ってしまいましたが混ぜれば問題ないです――そうです、どうせなら洗剤とアルカリも一緒に入れてしまいましょう」

 

 「ふー・・結構ねばねばしてて混ぜにくかったですが何とか混ざりました。後は焼くだけなので」

 

 ――――――――――――割愛させていただきます――――――――――――

 

 「ちょっと焦げましたしヘンな匂いもしていますが明久君なら喜んで食べてくれるはずです・・あとはラッピングして切手を貼って・・郵便局へ」

 

 「退学とは良いものですねぇ、料理ができる時間が増えますし。レベルがどんどん上がっていきそうです(殺人的な)」

 

 

   

 

 

ピンポーン・・・

 

 

 「宅配便でーす」

 

 「あ、ご苦労様です、ハンコハンコ」

 

 「ありがとうございましたー」

 

 「何かな・・?――これは・・」

 

 ○異臭を放つプレゼント箱

 ○小さな袋

 

 「開けてみよう・・」

 中身:タベモノ

 中身:小指

 

 ・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 「うわあああああああああ!?」

ハッ

 

 「こ、ここは・・?(ベッドの上)ゆ、夢か・・よかった」

 

 『どうした?うなされていたようだが・・』

 

 「い、いや・・さっき・・」

ピンポーン・・・

 

 「宅配便でーす」

ビクゥ

 

 「ひっ・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 『ねーねー瑞樹、ウチの小指切り落としてくれない?』

 

 『いいですよー(笑)』

ザシュッ

 

 『はい、どうぞ』

 

 『ありがとね瑞樹!』

 

 『結構血が出るもんですね・・あとで拭いとかないとですね・・』 

 

 




昨日はホラーな話になってしまいましたので、そのお詫びと、次にいつ更新できるか分からないことのお詫びとして、読者様の「退学にしてしまえ!」というコメントを見てふと脳内に流れた妄想を書いてみました。

こんなん書く余裕があれば本編かけよといわれるかもしれませんが、どうかもうしばらくお待ちください!
本編の美波ちゃんのところの下り、更新した直後にああああ余計なことを書いてしまったと言うか考えただけでものすごく痛そうなんだけど!?と後悔していました(笑)
シリアスな感じにしましたが、ちゃんと伝わるだろうかと不安で仕方なかったのですが、
今回はホラーでしたね。や、シリアスでしたねというコメントを見た瞬間、ものすごく安心しました(笑)

いつも皆様の感想に励まされています。本当にありがとうございます。
これからも面白いと思っていただけるように頑張りますので、よろしくお願いいたします!


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第27話



※えーと、閲覧注意です。なお、先日から続いている美波さんの暴言はスルーしてください(涙目




 

 

――《明久くんは友達でもなんでもない》――

 

 

明久&狼鬼side

 

 「っ――!?」

 

 『お、おい!どうした明久!?』

 

 「・・・こ、こは?姫路さんは・・・なんで――」

 

 『明久っ落ち着け!ここはお前の家で、お前は今ベッドで寝ていたんだ』

 

 「あれは・・夢、だったのか・・良かった」

 

 『なあ、どんな夢を・・・』

 

 「・・・・多分、小っちゃかったから小学生だった頃だと思うんだけど―――」

 

 

 

 ―――ん・・ここは?っていうか、あれは・・僕?ここ、僕の小学校?全然記憶にないや。

 

 《瑞樹ちゃん!おはよう!》

 

 へえ・・瑞樹ちゃんって呼んでたんだ・・僕

 

 《あ、明久君。おはようございます》

 

 普通に笑ってる・・初めて見たな。

 

 

 

 「そのあともいろいろ話してたんだけど、そしたら今までのにぎやかだった教室からいきなり場面が変わって・・

 

 ――《明久くんは友達でもなんでもない》――

 

 そう言われたよ。そこで目が覚めたんだ」

 

 『夢の中でも姫路に――』

 

 「あれって僕の記憶だよね?やっぱりずっと昔から嫌われてたんだね」

 

 『それはちが――』

 

 「いいんだ、狼鬼。僕は大丈夫(・・・)だから。・・そうだ、今日は学校に行こうよ!久し振りに秀吉たちと話したいし」

 

 

 ―――ああ、明久・・《ソコ》しか思い出せなかったのか・・俺は薄れかけている記憶の断片を再生させる。

 

 その記憶には続きがあるんだぞ、明久?お前が思い出せなかった最後の言葉。

 

 

 

 

 ――《別に瑞希ちゃんが僕のことが嫌いでも、僕は瑞希ちゃんが好きだから》――

 

 

 

明久&狼鬼side out

 

 

八草信玄side

 

 「ここが・・学園ですか」

 

 「そうですが・・どうかしましたか?」

 

 「あ、いえ・・何でもありません」

 

 「お待ちしておりました、八草さん、吉井さん。どうぞ職員室へ」

 

 

 

 

 「八草さんこちらへ」

 

 そう言って通されたのは職員室とは別の部屋だった。

 

 「玲さんはどうするんですか?」

 

 「吉井さんには何かと不便をかけてしまいますが学園で保護した方が一番安全かと」

 

 「やはりそうですか・・」

 

 「・・・・頼みますよ、八草さん。あなたが最後の希望ですから」

 

 「―――任せてください」

 

 

 

 「スライム、姫路さんと島田さんを見張りなさい。あと明久君にもついてあげてください。何かあったらすぐ報告するんですよ?」

 

 「さあ・・守り通して見せますよ、明久君を」

 

 

八草信玄side out

 

 

 

 

 

 「そろそろいいかしら」

 

 「私も、もう限界です・・」

 

 「放課後なんて待ってられないわね・・今すぐ会いに行くわよ―――Aクラスにいる・・アキに」

 

 

 

明久&狼鬼side

 

 「久し振りだなぁAクラス」

 

 『本当に大丈夫か?学校に来て』

 

 「大丈夫大丈夫、って、まだだれも来てないのか」

 

 『さっき連絡したばかりだからな・・ソファで横になってろ。また体調崩したら喋れなくなるぞ』

 

 「うーん・・それもそうだね」

コンコン

 

 「え、もう来たの!?誰かな?」

 

 『っ!?明久、そこから動くなッ』

ガラガラッ

 

 

 

 「元気だったかしら―――アキ?」

 

 「やっと会えましたね――明久君♪」

 

 

 「う・・・ああ・・っ!!」

 

 「ここに来るまで何人かコレで軽く殴ってきたけど・・生きてるわよね?」

 

 「ええ・・少しストレスがたまってたのでやりすぎましたが・・たかが20発ぐらいでは・・ねえ?」

 

 「さあ、遊びましょう――アキ」

 

その2人の手に握られていたのは・・

 

 血まみれになったハンマーだった。

 

 「ああ、そうそう。ウチら、アキのお姉さんにも遊んでもらってるの」

 

 「っ!?姉さんに何をしたんだ!」

 

 「ウチらは何もしてないわよ?ただぁ、今頃仲間がアキのお姉さんとなかよぉく遊んでるかもしれないわねぇ」

 

 「姉さんは関係ないだろ!?大事な家族に手を出すな!!」

 

 「うふふふっ、明久君ってば可笑しなことを言いますねぇ・・明久君が悪いんですよ?いつまでも私のものになってくれませんから・・大事な家族を失ってしまえばこっちに来てくれるでしょう?」

 

 「・・・・・・さない・・」

 

 

 

突如狼鬼・・いや、【裏】の明久に流れ込んできたどす黒い感情。

 

 『明久!?落ち着いてくれッこのままじゃ・・!』

 

 「あぁそうそう・・どうせならヤってから殺っちゃえばって仲間に言っておいたから」

 

 

――その言葉で――

 

・・・・最後に残っていた理性が完全に砕け散った。

 

 

 「お前ら、許さない』

 

 

 

 

・・・to be next・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、シリアスな話から抜け出せなくなった愚龍です。

 どうでしょう、お楽しみいただけたでしょうか。前書きにも書いた通り、先日から美波が暴走してしまい、美波のファンの方には大変ご迷惑おかけしております。

っていうかあれだけ豪語していたのに簡単に明久と対面させるなよとか展開早くないと思っている方、僕もそう思います・・ホント文才なくて申し訳ないです。精進してまいります。



これからしばらくお休みに入るので、次回は早めに更新できそうです!そこだけが唯一の救いですね。皆様に楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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第28話


※キャラ設定の枠に新しくep.0を加えました。短いですが興味のある方はお読みください。


 

 「あはは、許さないですって?アキごときがそんな口叩けると思ってるのかしら?」

 

 「さあ、遊びましょう明久君。久し振りだから加減を忘れてしまいましたが・・・楽しければそれでいいでしょう?」

 

 『・・・本当に遊ぶんだな?』 

 

 「ええもちろん。ま、アキにとっては遊びにならないかもしれないけれどアハハッ」

 

 『・・・・クソ餓鬼ども・・遊ぶ前にひとつ言っておいてやろう――【俺】はお前らの事大嫌いだ、死ぬほどな』

 

 「アァキィィ?本当に自分の立場が分かってないみたいねぇ?大人しく【遊ばれて】いたら両腕で我慢してあげたのに・・ウチらのことを嫌いと言ったこと後悔させてあげるわ・・っ」

 

 「うふ、うふふふっ明久君が私を嫌うわけないでしょう?だってこんなにも・・優しく接してあげてるじゃないですかぁ。前言撤回してください・・いえさせてあげます。無理やりにでも」

 

 『死ね。餓鬼どもが・・俺がお前らを地獄に叩き落としてくれる』

 

 「このッ・・!行くわよ姫路!」

 

 

 ―――結果としては圧勝だった・・・明久の。

 

 床にうずくまる二人。

 

 『次は何して遊ぼうか・・ああ、そうだ。今までお前らに受けた【遊び】をやるか・・お前らに対して』

 

 『最初は・・鈍器で殴られたっけか?――ちょうどここにハンマーもあるし、【人を殴る遊び】から始めようか。まずは美波、お前からだ』

 

 「や・・待って、そんなんで殴ったりしたら死んじゃうでしょ!?」 

ピクッ

 

 『お前がそれを言うのか?俺が何をされてきたと思っている・・・!?―――ああ、大丈夫だよ、美波。だってさぁ、これ遊びなんだし。自分さえ楽しければそれでいいんでしょう?じゃあ何も問題ないよね。ボク、今とっても楽しんでるから』

 

 「お、お願い・・ッウチが悪かったk」

 

 『は?絶対許さないから。そうやって言えば許してくれると思ってるわけ?何度その言葉で・・まあいい。反省してるなら大人しく遊ばれてろよ』

 

 「い、いやぁぁああああっ」

ガラガラッ

 

 「明久!!」

 

 「スライム、明久君を抑えてください!」

 

 明久がハンマーを振り上げた瞬間、教室に飛び込んできたのは雄二と見知らぬ男だった。

 

 それを認識すると同時にまとわりつくぶよっとした感触に思わず眉をひそめる。

 

 『誰だお前は?俺の邪魔をするな』

 

 「間に合って良かったです。もう少しで犯罪になるところでしたね・・・ああ、明久君のお姉さん

ですが」

 

 『・・・・間に合った、だと?お前も・・お前もこの女の味方か!許さねえ・・コイツの味方は全員殺してやるッ』

 

 「明久落ち着け!コイツはお前の・・っ」

 

 「雄二君。今の彼には何を言っても無駄でしょう・・先生、彼を押さえていてくれますか?」

 

 彼がそういうと同時に入ってきた教師の数はざっと数えても十数名程度はいた。

 

 「吉井君・・!少しだけですから大人しくしてください!」

 

 『何をする!離せ人間ども!!あいつが俺に何をしてきたかッ知らないわけではないだろう!!』

 

 「だからこそ、ですよ。今は大人しく眠っていてください・・狼鬼さん」

 

 『――――っ貴様何を嗅がせ・・た・・』

ガク・・ン

 

 「・・やはり即効性の睡眠薬を持ってきたのは正解だったようですね。で、美波さん?でしたか、貴方は・・ああ、気絶してしまいましたか・・仕方ありませんね」

 

 「おい・・八草、まずいぞ!」

 

 「どうしました?雄二さん」

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・姫路がいない―――ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「うふ、うふふふっ、本当にお馬鹿さんですねえ・・美波ちゃんに執着するから私が逃げたことにも気付けないんですよ・・。さぁ、今日の仕返しは何にシマショウカ――ウフフフッ♪」

 

 

 

 to be next・・・

 

 

 





どうも、愚龍です。楽しんでいただけたでしょうか?

どうやらうちの美波ちゃんはハンマー振り上げられた程度で気絶しちゃうような弱っちい子だったようです。庇護欲わきました?・・・(笑)

感想、コメントいつも励みになっております。今後ともよろしくお願いいたします!!



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第29話


遅くなってしまい申し訳ありませんでした!


 

――嗚呼、殺してやる殺して殺してコロシテ・・何になる・・?――

 

 『-―キミも、報われない主を持ったね――やっと見つけたのにもうそこまで落ちてしまってたんだね』

 

 誰だ・・・?何を言ってる?

 

 『・・・。キミも。ホントは気づいてるんじゃないの?―――もう、自分一人だけじゃ、声。出せないんじゃない?』

 

 「―――――――ッ!!」

 

 『負の感情に憑かれて君も変わり果てた姿になってる・・・これ以上本能のままに動けばキミは今度こそ【飲まれて】しまうよ』

 

 「―――ソ、デモ――オレ・・ハ――ッ」

 

 『・・・キミの主はキミに人を殺してほしいと願っていたかい?暴力を振るってほしいと――そんな人間だったかい?――明久君は。』

 

 「――――!!チ、ガ――ッ」

 

 

 『今の明久君を救ってあげられるのはキミくらいなんだから――さあ、キミの大好きな主のもとへ・・・【感情】に飲まれてしまわないように。』

 

その姿の見えない【誰か】にありがとうと声に出す間もなく、意識が遠のいた――。

 

 

 

姫路side

 

 「~♪ふふっ、今回は特別に手の込んだモノでも作りましょうか。うーん・・アップルパイとか作ってみましょうか♪」

 

 「それにしても美波ちゃんってダメダメですね~wwあの程度で気絶するなんて・・弱っちいですよね~」

 

 「私の方がもっと可愛いし、頭もいいし、スタイルだって格段に上ですし、まああの女に負けるって言う心配は皆無ですね♪―――それより、アップルパイの材料揃えないと・・・今回はいつもより刺激を与えてあげますから―――楽しみに待っててくださいね、明久君♪」

 

 

 

狼鬼side

 

 『-―――――。』

 

・・ここは職員室・・か?体が重い。とにかく今の状態を確認しようと瞼を持ち上げた。

 

 「あ、狼鬼さん起きましたか?」

 

 『-――お前、は・・』

 

 そう無意識に言葉にして・・小さく笑った。

 

 ――成程、明久を介してなら喋れるんだな、俺は、と。

 

 「―――?夢見が良かったですか?・・・どうです?落ち着きましたか?」

 

 『・・・まあ、お前の睡眠薬の所為で多少は、な。』

 

 「それは良かったです。あのままだと人を殺めてしまいそうでしたし。」

 

 「たとえ過ちを犯したのがあなたであったとしても、罪を被るのは――明久君の方ですからね」

 

 ――いつからだろうか。明久の体を使うことに抵抗を覚えなくなったのは。

 

 ――いつからだろうか。当然のように明久の体を操るようになったのは。

 

 

 ――いつからだろうか。俺が人を殺めれば明久の罪になると―――考えなくなったのは―――。

 

 『ああ、そうだったな・・俺は・・明久に苦しい思いをさせたくないと思っていたのに・・俺自身が・・とんだ嗤い者だな、これは』

 

 しかし。と狼鬼は考える。こんな事態に陥った元凶は――。

 

 『明久の姉貴、死んだんだろ・・?』

 

 そう。姉が殺された。これはどうしようもない事実であり――

 

 「・・・?何を言ってるんですか、狼鬼さん。明久君のお姉さん――玲さんは」

 

 「生きてますよ―――?」

 

 

side out&to be next・・・・。

 





皆様大変遅くなりました、愚龍と申します。
私のことはどうぞサンドバックにでもしてください。散々詰ってやってください・・!

今回短いです!いやいつもですけど!
あと美波ちゃんに庇護欲わいた?っていう謎の質問に丁寧に答えてくださりありがとうございました(笑)まあほとんどが怒りのメッセージでしたが・・(笑)いつもコメントありがとうございます!作者の動力はほぼコメントによって賄われております(笑)



皆様もうすぐハロウィンですね!ハロウィンの日に投稿するかも・・!しないかも!?


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第30話

主人公登場しない回


 

「明久君のお姉さん――玲さんは、生きてますよ?」

 

は・・?と、狼鬼の口から間抜けな声が漏れ出る。この、目の前にいるこの男は、一体何を言い出すのだろうか。

 

『生きてる・・?そんな訳があるか!俺はこの耳で聞いたんだ――ッ』

 

「いえいえ、ちゃんと生きてますよ。」

 

『何でそう言い切れる?お前は――』

 

「だって、玲さんを学園まで連れてきたの俺ですし。」

 

――開いた口が塞がらないと言うのは、正にこのようなことを言うのだろう。動揺で言葉が詰まる。

 

『なっ――じゃ、じゃあ、明久の姉は今ここにいるのか!?』

 

「ええ。職員室に匿っていますよ」

 

『何で言ってくれなかったんだ!俺はまた明久に過ちを――』

 

「落ち着いてください。俺が伝えようとしたとき、貴方はすでに我を失っていましたから、伝えようがなかったんです。」

 

『俺はまた先走って――明久の手を汚したのか』

 

己の短絡さに狼鬼は唇をきつく噛み締める。

 

「確かに、貴方の行動は彼を汚させるには十分だったでしょう」

 

やはり、俺が出しゃばるべきではなかったのか。グッと拳を握りしめた時だった。

 

「ですが―――ですが、貴方が居なければ明久君の身が危うかったことも、まごうことなき事実なのですよ」

 

不意にそんな声が聞こえた。その言葉に、呆然と彼の顔を見つめる。

 

「何て顔してるんです。貴方だからこそ、武器を持った彼女たちにも太刀打ちできたんですよ?」

 

だからそんなに気を落とす必要ありませんよ、とにこりと笑いながら彼は言う。

 

『・・・俺は、本当に役に立っていたのか?明久は俺を恨んではしていないだろうか?』

 

考えれば考えるほど、マイナスの方向に思考が傾いていく。

 

「あなた方がどのような関係にあるかまだ完全に調べきれていませんが・・・今、貴方が出てこられているのも”信頼”の証ではないでしょうか?」

 

違いますか?と問いたげに首をかしげる男に、頭を振る。

 

『分からない・・・同じ意識を共有しているからと言って明久の志向が読めるわけでもないし、何気なく入れ替わったりしていたが、その間明久の意識はどうなっているのかも・・。よく考えたら俺は何もわかっちゃいないんだよ・・』

 

「ふむ・・とても興味深い。つまり、この会話を明久君が聞いている、と言う可能性もあるのですか?」

 

『ないとは言い切れないが・・限りなく可能性は低いだろうな。』

 

「ほう・・何故?」

 

『明久が起きていれば、俺は話しかけることができる。――だが、今は返事が返ってこないから起きていないということになる。』

 

「起きている・・?」

 

『俺や明久の意識があるときの状態を”起きている”と表すようにしている』

 

「なるほど・・」

 

そう言いながら手帳のようなものに何かを書き込んでゆく。俺の視線に気づいたのか、男は手帳をひらひらとさせながら言った。

 

「今後貴方と協力することも増えるでしょうし、貴方について出来る限り知っておきたいですから」

 

『お前は――俺を見ても二重人格者だ、とか思ったりしないのか・・?』

 

「まあ・・・かくいう俺も所謂”普通の人間”の分類からは外れていますから。俺はスライム――モンスターと言えば分かりやすいでしょうか?を使役することができるんです。ですから、他者の意識が潜在している人が居ても頭ごなしにソレを否定するなんてことは絶対にありえません」

 

こちらを真っ向から見据えて断言する男に直感する。こいつは信頼できる、と。

 

『ああ・・お前のような奴に会うのは久しぶりだ・・気持ち悪がる奴、精神異常者だと言う目で見てくる奴は腐るほどいたがな』

 

「人前で交代したことあるんですか」

 

『初めの頃はな。まだ全く理解できていなかったから・・・』

 

話しているうちに悔しさと怒りが込み上げてきて、俺は押し黙る。辺りに沈黙が起きた、その時だった。重い空気を追いやるように、男が柏手を打つように手をパンッと打ち合わせた。

 

「さあ、重たい話はここまでにしましょう。ひとまず、貴方――と言うより明久君の体は休養が必要です。逃げた姫路さんから保護するためにもここで安静にしていていただきたいのですが・・よろしいですね?」

 

『逃げたのか・・あの女』

 

「ええ・・・片割れに注意がいっている間に・・やられましたよ、ほんと」

 

苦虫を噛み潰したような顔をしてそう言う男。

 

『大丈夫、なのか?』

 

「まあ、アレも馬鹿ではないでしょうししばらくここには寄り付かないでしょう。――しかし、大事を取ってしばらくここにいてもらいたいのです」

 

『ああ。明久のためならな』

 

「これからも明久君の良きパートナーで居続けてあげてくださいね。――それでは」

 

小さく会釈をして部屋を出て行こうとする彼を狼鬼は呼び止める。

 

『なあ、お前の名前はなんだ?』

 

「申し遅れました。私は八草信玄、と申します」

 

以後お見知りおきを。そういって、彼は今度こそ扉の向こうへ姿を消したのだった。

 

 

 

 

八草信玄。そう口の中でつぶやいてみる。中々いい奴だったな、と眠い頭で考える。ああいうやつに早く会うことができていたら・・・そこまで考えたところで狼鬼の意識は急速な眠気とともに闇へと消えた。

 

 

 

 

 

一方姫路は・・・

こちらもまた、懐かしい”夢”を見ていた―――。

 




あとがきまで読んで下さりありがとうございます。お久しぶりです。

今回も短めですみません。区切りがよかったので、一旦ここで区切らせていただきます。次回もよろしくお願いいたします。


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