炎?あ、それ豪炎寺違いだから (アーアーキコエナイー)
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ネタバレ注意?設定集ですか?

驚異の侵略者編の一部ネタバレを含みます。



時系列
幼少時代
・サッカーと出会う。

小学生時代
・エイリア組の数人と知り合う。
・地元サッカーチームに入団。
・豪炎寺修也と共にファイアトルネード完成。
・前世の記憶が蘇る(原作知識の殆どが欠けている、というか皆無)。
・転校、北海道へ。

北海道
・アツヤ、士郎と知り合い、地元サッカーチームに入団。
・雪崩事故に巻き込まれ、士郎共々助かる。
・事故の影響か、昔の真人はゲームとは違い、昔の事の一部を忘れる(本人は気づいていない)。
・自身の必殺技を完成させ、太陽のストライカーと呼ばれ始める。

白恋中1年
・白恋中サッカー部に入部。

現在
・白恋中サッカー部の副キャプテン。

豪炎寺 真人
本作の主人公で、ゲーム2の隠しキャラ。
小学生の頃に前世の記憶が蘇り、ここがイナイレの世界と知る。
本人は憑依転生したと思っているが、厳密に言うと、前世の記憶が蘇っただけなので、憑依転生とは別物。
無自覚に豪炎寺修也に劣等感を抱いているので、ファイアトルネードや一部の豪炎寺修也が使う技にアレンジを加えたりしている。
おひさま園の人達とは知り合い。(ただし、事故の影響で一部忘れているが。)
小学生の頃には、ファイアトルネードを使えるほどに、身体能力が高い。
北海道で、士郎とコンビを組み、無敗を誇っていた(公式戦には出ていないが。)。
前世の記憶が蘇ったせいか、属性が山に変貌し、技の全てが山属性になった。

必殺技
ファイアトルネード(山)
修也とともに編み出した、必殺シュート。
オリジナリティーを出す為と、利き足が右なので、右回転で撃つ。
本家より少し威力が落ちる。

太陽ショット
北海道に転校後、編み出した山属性の必殺シュート。
エネルギーを溜めた右足で蹴り上げたボールに、飛び蹴りを放つ。
エターナルブリザードと同等の威力。

エターナル・トルネード
吹雪(アツヤ)のエターナルブリザードに合わせてファイアトルネードを放つという、風属性のツインシュート。
ワイバーンブリザードと同等、クロスファイアの下位互換。

???・??・??????
驚異の侵略者編での真人の最強シュート、所謂究極奥義。
威力は流星ブレードより強いが、足に負担がかかるので連発は不可能。

烈風ダッシュ
山属性に変わっているぐらいで、特筆することは無い。

バーニングダイナマイト
北海道で編み出した山属性のオフェンス技。
エネルギーを溜め、自身の周りに放出することで、敵を吹き飛ばす。

クレイジーサンライト
北海道で編み出したディフェンス技。
イナイレGOから無自覚に先取りした。



大阪まで、主人公の究極奥義は使いません。


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番外編 番外編?アレスの天秤 永世学園

本編との主な違い。

①主人公が北海道に転校しない。
②その為、太陽ショットが完成せず、太陽のストライカーとも呼ばれていない。
③永世学園は一般の生徒も入学可。(主人公も永世学園の生徒)。
④オサーム様は主人公の同級生。
⑤タツヤは最初からサッカー部に乗り気。
⑥クララが永世学園サッカー部に参加。


side三人称

そこはサッカーのグラウンド。前半戦が終わり、両チーム陣がそれぞれのベンチで、寛いだり、作戦を見直ししたりしている。
その中に、青いユニフォームを着た少年が携帯を耳に当てていた。


「今すぐ来い?後半戦が始まるんだが。
………分かったよ玲名、終わったら直ぐに行くから」


少年は電話を切り、溜息をつく。そんな少年にチームメイトが皮肉気に話しかける。


「次も期待してんぜ。『炎のエースストライカー』さんよ!」

「だから、それは豪炎寺違いだ。
それに俺は炎じゃなくて………いや、なんでもない」


少年、豪炎寺真人は自嘲気味に笑う。
こうなったのも、全部自分の責任だと。

これは、あり得たかもしれないIFの物語。

***
side真人

俺は試合が終わると、直ぐにおひさま園で待つ、玲奈達の元へ向かった。


「来たか、真人」


赤髪の少年、南雲晴矢と、白髪の少年、涼野風介は玄関の前で腕ん組んで立っていた。


「玲名に呼ばれたんだが、その様子だと永世学園のメンバーが俺に用って感じだな」


玲名だけだと、また買い物に付き合えとかだろうが。
また、フットボールフロンティア全国大会決勝ごっこかな?


「ああ、取り敢えず中で、みんなが待ってる」


風介はそう言うと、踵を返して、中に入って行く。晴矢と俺もそれに着いて行く。
園の中で、親しくしている永世学園のメンバーが揃っていた。
晴矢とはまた違った赤い髪をした少年、基山タツヤは俺の姿を見て口を開く。


「来たね、真人」

「ああ、それでこんな大人数で俺に何の用だ?」


やっぱり、フットボールフロンティア全国大会決勝ごっこか?
前は呆れたような目で俺達を見ていたが、結局皆んなやりたかったんじゃん。


「真人が考えてるような事はない」


あの、玲名さん?ナチュラルに人の心を読まないでください。
考えてる事が顔に出ず、常に真顔な筈なんだがな。


「真人の考えてる事位簡単に分かる」


呆れたように溜息をつかれましても。てか、また読まれたし。


「それよりも!真人!!」


中学生に見られない事が密かな悩みの、砂木沼治が俺に詰め寄る。


「永世学園にサッカー部が設立されるんだ!!しかも、夢にまで見た、フットボールフロンティアに参加できる!」


え、マジですか?
全員の顔を見るが、どうやら本当の事らしい。


「迷惑かもしれないが、頼みがある」


治は躊躇いがあるのか、口をつぐむ。まぁ、大体察したわ。
ここにいるメンバーはタツヤ、玲名、晴矢、風介、治、抹茶ソフトこと緑川リュウジ、大柄な本場激、バンダナマン熱波夏彦、クール系ドS倉掛クララの計9名。


「私達のチームに入ってほしい」


玲名が治の言葉を引き継ぐ。どうやら、俺が学外のサッカーチームに入っている事を気にしているらしい。
皆んな俺の答えを待っている。だが、最初から答えなんて決まってる。


「分かった」

「よし、これで11人揃った」


リュウジの言葉に首を傾げる。
ここに居るのは俺を含めて10人、ならあと1人は……ッ、マジか。
突然飛んで来たボールを、飛んで来た方に蹴り返す。


「へぇ、やるじゃん」


ボールが飛んで来た方から、DQN風の男が現れる。
その男の登場に場が一気に険悪な雰囲気になる。


「危ねぇだろ!」


晴矢が声を荒げて、その男を睨む。
だが、男はどこ吹く風。


「おいおい、俺はお前達が信頼を置く男がどういう奴か、見極めようとしただけだぜ?」

「随分と上からだな?誰だお前?」


どうやらこのDQNが11人目らしい。


「俺はゴッドストライカー、吉良ヒロトだ。
精々足を引っ張るなよ、炎のストライカーのパチモンさんよ」


見下した様な目で、嘲笑いながら言った。
どうやら、面倒な奴がチームメイトの様だ。



アレスの天秤ルートの真人
全体的なスペックは、本編より劣っている。ただし、本編で編み出した究極奥義は使えるが、エイリア勢から使用禁止令が出ているために、封印。
アレスの天秤ルートが一番主人公が幸せになれるルート。

必殺技
ファイアトルネード(山)
烈風ダッシュ
バーニング・ダイナマイト
???・??・??????

アレスルートのみ出るオリ技
フレイム・ハリケーン
ボールを蹴り上げて、自身はボールより高く飛び上がる。
上空でドリルの様に回転しながら、炎を纏い、蹴る。

太陽ショットと同等の威力。


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番外編?賭け事 前編

若干の胸糞注意です。




side八神玲名

本来なら3時間目の授業が始まる時間に、私は校庭の隅っこの木の下で雨宿りしていた。
雨は嫌いだ。何でと聞かれたら、答えられないけどとにかく雨は嫌いだ。


「こんな所にいたら風邪引くぞ」


いきなり後ろから掛けられた声に、びっくりして振り返る。そこには同じクラスの豪炎寺真人君が、ずぶ濡れになりながらも、何時もと変わらない無表情で立っていた。

私はこの人が苦手だ。いつも無表情でまるで心の中を覗かれているみたいだからだ。


「……戻らないのか?」

「やだ」


だって、教室になんて戻ったら──。


『やーい、親無し子やーい!!』

『お前達親いねぇんだろ?』

『ねぇ知ってる?2組の八神さんや基山君3組の緑川君達って親が居ないんだって〜』

『知ってる知ってる。他にも色んな親が居ない子がいるんでしょう』

『皆さん、八神さんや基山君はご両親がいない可哀想(・・・)な子供なんだから、イジメたりしたら駄目でしょう!!』


本当の親が居ない私達を馬鹿にするクラスメイト、悪意のない担任の一言。

普段なら、ヒロトも居るから耐えられる。休み時間になれば、おひさま園の皆も居る。けど今日は、ヒロトが休みで何故かクラスメイトの揶揄いは激しさを増し、私は教室を飛び出したのだ。


「……そうか」


豪炎寺君はそう言って、立ち去ると思いきや、その場で腰を下ろしていた。
しばらく無言が続き、ふと豪炎寺君の顔を見ると頰が少し腫れているのが分かった。


「どうしたのその怪我?」

「……まあ、色々あってな」


豪炎寺君は誤魔化すように薄く笑い、突然立ち上がり、歩き出す。
そして、雨の中に野晒しになっているサッカーボールを拾い上げ、再び戻って来た。


「なあ、このままじゃ2人とも風邪を引くだけだ。だから、賭けをしないか?」

「賭け?」

「ああ。八神は体育の授業でサッカー上手かっただろ?」


私達おひさま園のみんなは、とある理由で幼い頃から、サッカーをしている。だから、そこら辺の子供達に負ける事はない。


「ボールを奪いあって、奪えたら八神の、守り切れたら俺の勝ち。勝った方が負けた方に出来る範囲で言うことを聞かせる。
……と、いうのはどうだろうか?」


豪炎寺君の提案に少し考える。
私が負ける事はまず無い、勝ったら豪炎寺君には教室に帰るようにお願いしよう。私の為にずぶ濡れになってまで探しに来てくれたのに、風邪を引かれたら、申し訳ない。


「分かった」

「そうか。時間は五分、あの時計が12時をさしたらスタートだ」


12時まで残り10秒。豪炎寺君は右足でサッカーボールを踏みつける。
ーーそして、賭けがスタートした。





















































***
五分後、私は息を切らしながら座り込んでいた。


「ハァ、ハァ、俺の勝ちだな」


言葉の通り、賭けは豪炎寺君の勝ちで終わった。私は思わず俯いてしまう。


「じゃあ、教室に戻るぞ」


予想通りの要求だった。負けたとしても、当初の目的通り豪炎寺君は教室に戻る。
……ただ。


「大丈夫だって、八神が心配してる様な事は絶対に起きないから」


そう言って、座り込む私に手を差し出す。豪炎寺君なら、信用してもいい様な気がして、その手を掴む為に、手を伸ばすのだった。



この賭けが、未来の真人の首を絞める(大嘘)。


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番外編?賭け事 後編

前話の続きです。


side八神

豪炎寺君に手を引かれて教室に戻ると、中は大変な事になっていた。私が出て行く前は、きちんと整列していた机は、グチャグチャになっていて、わたしをからかっったっていた男の子達は殴られた様な痕が顔に残っていたのだ。


「豪炎寺君!!」


担任の先生が凄く怖い顔で、豪炎寺君に迫る。
豪炎寺君は呆れた様な目で先生を見ながら、肩をすくめる。


「何度言ったって、俺は謝りませんよ。
寄ってたかって、か弱い女子をイジメる様な男の風上にも置けない屑共にくれてやる言葉なんてありませんよ」

「いいから来なさいッ!!」


先生は豪炎寺君を強引に連れて行った。残された私に、からかってきた男子達がやってきて、思わず身構える。
全身ボロボロだったり、顔が腫れていたり、涙でぐしょぐしょだった男子達の口が開かれる。


「八神、今までごめんな」

「ご、豪炎寺に殴られて、説教されて最低な事してるって分かったんだ」

「う、ぐすっ、ほんとに、ごめんなぁ、うっ、うっ」


複数から飛んでくる謝罪の言葉に思わず戸惑っていると、クラスメイトの女の子が説明してくれた。

私教室を飛び出した後に、豪炎寺君はゲラゲラ笑っていた男子達に近づき謝るように言った。当然、素直に言う事を聞くはずがなく、言い合いになった。豪炎寺君に本当の事を言われ続けて、頭に来た男子は豪炎寺君に殴りかかって返り討ちにあった。
それを先生が発見、豪炎寺君を叱るも、全て無視して私を探しに行って、今に至ると。


「本当、最低」


思わず、思った事を呟くと、男子達は固まってしまった。
そんな男子達を無視して、私は豪炎寺君と先生がいそうな校長室へと向かうのだった。

***
side真人

1時間程、担任と校長を交えて話しをして、やっとこさその不出来なオツムに俺の正当性を理解させる事が出来た。一時は親を呼ばれそうになったが、まあ何とかなった。大体、病院勤務の父さんと母さんをそう簡単に呼び出そうとすんじゃねぇよ!

最後に校長と担任を睨む事を忘れずに、校長室を出ると、見覚えのある青髪が廊下の壁の出っ張りから、少しはみ出していた。
……これで隠れているつもりなのだろうか?


「何やってんだ?」


声を掛けると、八神がビクビクしながら出てくる。
さて、八神がここに居るということは……


「まさか、まだあいつら懲りてないのか?」


あれだけ、自分達がやってる事がどれだけ恥ずかしい事かを教えてやったのに、まだ分からないと。


「ッ!いや、違う!!ちゃんと謝って、反省してくれた」


ん?思わず首を傾げて考える。なら何で八神がここに居るんだ?


「じゃあ何で?」

「その……、なんで助けようとしてくれたの?」

「……男が寄ってたかって女の子を虐めるなんて情けない。ただそう思っただけだよ」


学校はまだ終わってないが、授業を受けるって気分でもねぇし帰るか。
何やら黙って居る八神の横を通り抜けて、靴箱がある方へと向かう。ランドセルは放置でいいか。

***
side八神


「ーーただそう思っただけだよ」


ぶっきらぼうに言い、豪炎寺君は歩き出す。
今日1日で彼の色々な一面を見た。サッカーが上手くて、正義感が強くて、不器用で、そして何より優しい。

靴箱に消えていく後ろ姿を見て、ある事に気付き、慌てて追いかける。
既に靴箱に姿はなく、私も急いで靴を履き替えて、外に飛び出し、辺りを見渡す。ーー居た!


「待って!!」


豪炎寺君は立ち止まって振り返る。


「ありがとう!!真人!!!」


急に下の名前で呼ばれた事に驚いたのか、一瞬ギョッとした顔をしたが、すぐに無表情に戻る。
真人は背を向けて歩き出す。さ、流石に馴れ馴れしかったかな?
そんな事を一瞬考えたが直ぐに彼の肩越しに見える、親指を突き出した握り拳を見て、安堵する。

いつの間にやら雨がやんで居て、雲の切れ間からはおひさまが顔をのぞかせていた。



可愛い女の子って、よく男子からちょっかいかけられるよねって話し(違う)。


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番外編?メリー苦しみます 前編

今番外編の世界観
1 本編から4年後、18歳
2 真人と吹雪は中学卒業と同時にイギリスのプロチームに入団
3 中3の時にフットボールフロンティアのルールが改定されて、女子も参加可能となり、アレスの天秤のキャラクターである、白兎屋 なえ がチームに入る。


side 真人

「──楽しかった出来事を消し去るように♪」

「なあ、不吉な歌を歌うのやめてくれないか?」


クリスマス、俺と士郎はカフェでお茶していた。
はいそこ、勘違いしちゃいけないよ、クリスマスにデートする相手が男しか居ないとか、俺達がホモに堕ちたとか、そういうアレじゃないんだ。むしろ今日俺は女の子と予定があるんだ(死んだ目)。


「そりゃ不吉な歌を歌うよ、君これから女の子四人にバレない様に、それぞれとデートするんだからね」

「……そうだな」


そう、士郎が今言った事は本当だ。
俺は今日、玲名、クララ、音無、なえとデートする。


「本当、何でこうなったんだよ」


遡る事数週間前。

***
side 三人称

数週間前、イギリス。
真人は日本に帰る準備をしていた。


「ん?メール、しかも4通?」


着信した時間も人もバラバラだ。しかし──


「皆んな遊びの誘いか、OKと……返信早くね?」


真人はふと、日時の確認をしてなかった事を思い出して、メールを見返す。


「えーと、音無は25日、なえは25日、クララは25日、玲名は25日と……ファッ!?」


マジですか!!と叫び、慌てて断るメールを入れようとするが、その前に返信されたメールに目を通す。目を通してしまう。


『送信者:音無 春奈
題名:ありがとうございます!!
本文
それじゃあ、18時に雷門シネマの前で待ってます!
デート楽しみにしてますね♪』

『送信者:白兎屋 なえ
題名:楽しみにしてるよ!
本文
東京に行くの初めてだから、ちゃんとエスコートしてよ!
18時30分にハチ公前で待ち合わせね……来るまで待ってるよ』


『送信者:倉掛 クララ
題名:待ってる
本文
園の子供達も、真人が来るのを楽しみにしてるから、必ず来てね。
……来なかったら殺̸』


『送信者:八神 玲名
題名:楽しみにしてる
本文
遅れない様に、気をつけて来なさいよ』


「……こ、断れる雰囲気じゃねえよ。特にクララの奴怖すぎんだろ!!」


断るなら全員断らないと相手に悪いし、断るにしても、罪悪感が有る。
そして、真人は──


「や、やってやんよ」


──考えるのをやめた。

***
side 真人


「さて、予定を確認するぞ。
17時30分から、クララとおひさま園のクリスマスパーティー。
18時から、音無と映画を見る。
18時30分から、なえとホテルでディナー。
19時30分から、玲名とイルミネーションを見に行く」

「……普通に無理じゃないかな?」

「確かに普通にやっていたら不可能だな。だから、作戦を考えた」


そう、日本に帰るまでの間に作戦を考えたのだ。


「まず、普通におひさま園のパーティーに出席する。
次に、音無との映画の途中に、腹痛だと言って抜け出し、その足でなえとの待ち合わせ場所に行ってレストランへ、そこでも途中で腹痛を言い訳にして、抜け出し、一旦音無に顔を見せる。また腹痛で抜け出して、玲名とイルミネーションを見てフィニッシュだ」

「ん?音無さんとなえがそのままだけど」

「ああ、適当なタイミングで腹痛が酷いから病院に行くってメールする」

「……やってる事最低だって気づいてる?」


知ってるよ。
でもな、士郎──


「──誰も傷つけない様にするには、これが一番だ」


デート開始まであと1時間。



後編に続く。


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番外編?メリー苦しみます 後編

ぎ、ギリギリセーフ。


side 真人


「あーっ!真人にぃーちゃんだ!!」

「ひさしぶりー!」


約束の時間に園に着くと、子供達に出迎えられる。園はクリスマスらしい飾りが飾り付けられており、キラキラしている。


「ああ、皆んな久しぶりだな」


やっぱり子供達は癒しだな、イギリスのおじさん達(チームメイト)は意地悪だったり、紳士()だったりしたから余計にそう思う。


「クララはどむにゅ」


台詞の途中で肩を叩かれ、振り返ると何かが頬を指した。
…これは指か?


「メリークリスマス、真人」

「…あ、ああ、メリークリスマス」


不覚にもドキッとしてしまった。忘れるな奴は超が付くSだという事を。


「皆んな中に入るよ、ほら、真人も」


手を引かれて、中に入りながら考える。こいつ、マジでどうしちまったの?いつもより3割り増しでかわい……訂正、平常運転だこの子。


「真人兄ちゃんの分はクララねぇが、一生懸命作ってたんだよ」

「そ、そうか」


俺の名前が書かれた席には、赤々しい料理が並んでいる。真ん中に鎮座するフライドチキンに至っては、どうやって赤くしたんだよ!デスソースか?デスソースなのか!


「さあ皆んな席に着きなさい、いただきますの音頭は真人にお願いするね?」

「それじゃあ、素敵なパーティーに呼んでくれてありがとう。
それでは、メリークリスマス!!」

『メリークリスマス!!』


***

以外に辛くなく、むしろ美味しい料理を食べ終え、子供達にプレゼントをあげてお開きにしてきた。
別れ際のクララの目が少し怖かったが……兎に角音無は……いた。


「悪い、待ったか?」

「私もさっき着いたばかりですよ、さあ行きましょう!」


あの、自然に腕を組んでくるのやめない?おじさん勘違いしちゃうよ?
腕を組んだまま、チケットは有るらしいので、ドリンクとポップコーンだけ買って指定されて座席に座る。

さて、あと10分はゆっくりとしてていいな。


「……以外でした、真人さんって高倍率だから、先約があるとばかり思ってました」


せ、せやな(白目)。


「だから今日はご一緒できて凄く嬉しいです!」


罪悪感がががががが!!し、しかし此処で辞めれば、クララを裏切った意味が無くなる。
だから──


「……クッ、すまないお手洗いに行ってくる」

「えっ?!もう映画始まっちゃいますよ?」

「すまない、すぐ戻る!」


── 一時撤退だ。

***

ホテルでの食事にはドレスコードがあるらしく、トイレで正装に着替えて来た。


「あ、まー君こっちこっち!」


なえは既に待ち合わせ場所に来ていた。というか、偵察班の士郎曰く、1時間前からスタンバッテいたみたいだ。


「悪いな、それにしてもわざわざ北海道からだと遠かっただろ?」

「大丈夫やっぺ、東京は人が多くてびっくりだわ」

「それは重畳。さて、行こうか」

「だな」


なえもナチュラルに腕を組むが、この子は中坊の頃からこんなだったから、問題ない。
──その前に言っとかないと。


「その格好、綺麗だよ」

「ーーッ!!い、いきなりは卑怯やっぺ!」


あら?外した?前に玲名と遊んだ時は褒めるまで不機嫌で、褒めた途端に機嫌が良くなったから、てっきり……まあ、事実だからいいか。
ホテルは音無の居る、映画館の隣にあった。ニアミスしないように気をつけなければ。


「──お客様、招待券を……これは失礼いたしました白兎屋様、席にご案内いたします」


唐突だが、なえはご令嬢で今回の豪華な食事も、彼女の親の取引先のご厚意によるものらしい。……これはかなりのVIP待遇なのでは?


「楽しみやっぺな?」

「ああ」


とりとめのない話をしてるうちに、食事が運ばれて来た。


「それじゃあ、メリークリスマス」


オレンジジュースが入ったグラスで乾杯して、飲む。
玲名との約束まで、あと40分。途中で映画館に戻るのも考えて、あと15分は余裕がある。


「それにしても、ウチらがこうやってご飯食べる事になるなんて思わんかったな〜」

「ああ、本当だな」


なえはお嬢様、俺達は庶民。見えないけど、存在する壁があった、だがサッカーがそんな壁を打ち破ってくれた。


「ウチね、FFIでのイナズマジャパンでの活躍を見てサッカー始めようと思ったって言ったでしょ?……ちょっと違うんよ。……ウチねFFIで活躍するまー君を見て、ウチもサッカーしてみとうなったの」

「そうか」

「思えば、あの時からウチは……」


ん?なんか不穏な雰囲気が。
何故だろうか、最後まで聞くと将来刺される予感が。時間的にもちょうどいい。


「まー君がす「悪い、腹を下したからお手洗いに」」


言ってすぐ席を立って、ダッシュでその場を後にした。


***

あの後、一旦音無の元に戻ると正装のことを指摘され、すぐさまトイレを理由にして逃げ出した。
そして、現在は私服に戻し、玲名との待ち合わせ場所まで向う。


「真人、こっちだ」

「おっ、玲……名?」


背後からの声に振り返ると、目の前に広がる光景に思わず口を閉じる。


「──綺麗だ」


玲名のバックに広がる、イルミネーションもそうだが、玲名自身も普段はしないお洒落をしているせいか、その無性にドキドキする。


「ば、馬鹿。兎に角行くわよ」


そっぽを向くが、付き合いが長いせいか照れ隠しだと分かり、頬が緩む。


「じゃあ、行こうか」


玲名の手を取り、イルミネーションの中を歩く。
赤青緑白黄といった、イルミネーションが辺りをきらびやかに照らし……周りでイチャつくカップルがよく目立った。


「……美しいな」

「ああ」


一歩足を踏み出すたびに、感じる胸の高まりを無視して歩く。イルミネーションってこんなに心臓に悪かったっけ?
歩いていると、大きなツリーがある場所に出る。


「……真人」


突然玲名が手を離して、俺の前に躍り出てくる。
顔は真っ赤に染まっており、何処か緊張してるみたいだ。


「あの、その……私はずっと前からお前が──」

「真人さん?!」「まー君?」「真人?」


背後から聞こえた声に、恐る恐る振り返る。
そこには、クララ、音無、なえ、が勢揃いしている。凄い仮面ライダーの劇場版を見に来たみたいだ(白目)


「お前達、何故ここに」

「それはこっちのセリフよ玲名」

「そうですよ、何で真人さんといるんですか?!」

「んだ!」

「何でって、真人は今日は──

『私とデートする約束|です|だ|ぺ|よ』

『……どういうこと?!真人!!』

「ホラ、アレだ!サプライズ的な、これからみんな一緒に……嘘ですごめんなさい」


日本古来より伝わる伝統的な謝罪方法を使い、地に頭をつけ、洗いざらい今回の出来事を話す。しかし、怒りのボルテージは下がるどころか上がり続けている。


「──真人の」

「──真人の」

「──真人さんの」

「──まー君の」

『馬鹿ァッ!!』


ごめんなさぁぁぁぁい!!!!






















































***
side三人称

数年後


「──これが第一次正妻戦争の顛末だよ」


暖房が入った部屋の中、吹雪は女の子を膝に乗せて、話を聞かせていた。


「へえ、パパってモテたんだね」

「うん。この後も第二次正妻戦争が起こるんだけど、聞くかい?」

「うん!」

「オイ、人の娘に何聞かせてんだよ」

「あ、真人お帰り」

「パパおかえり〜!!」

「ただいま、士郎、真奈」


真人は駆け寄って来た娘を抱き上げ、母親に似た青い頭を撫でて笑顔を浮かべるのだった。



1時間で書いたので変な所があるかも。


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原作前 憑依転生?マジですか?

何故か消えてたので再投稿。


side真人


「……え、マジですか?」


冒頭からこの様なセリフを吐いたのには訳がある。俺は唐突に前世の記憶を思い出したのだ。


「マサト?おい、ボケっとするな!」


急に立ち止まった俺に、本来なら年下の子供。だが、今は同級生の仲間に叱責され、我にかえる。


「ああ、すまない!」


一言謝って、ピッチを駆ける。現在はサッカーの試合中。
ボールを持った仲間が、器用に相手ディフェンスを突破して、俺にパスをする。


「決めろ!マサト!!」


俺は受け取ったボールを高く蹴り上げて、自身も回転しながらジャンプする………体に炎を纏いながら。


「ハァァァァァ!!!ファイアトルネード!!!」


体に纏った炎は右足に集まり、そのタイミングでボールを蹴りだす!ボールは炎を纏い相手ゴールを突き破り、得点となる。

ーーさて、皆さんもうお気づきだろう。今のシュート技は『イナズマイレブン』に出てくる、キャラクターである、『豪炎寺 修也』の代名詞である『ファイアトルネード』。
そして、皆さんは知っているだろうか?『イナズマイレブン2 脅威の侵略者ブリザード』に出てくる、豪炎寺 修也の従兄弟である、『豪炎寺 真人』を。

結論を言おう。
どうやら俺は、豪炎寺 真人として、イナズマイレブンの世界に憑依転生した様だ。

***

「マサトの必殺シュート凄かったよ!」


隣を歩く、青い髪に白いもみあげの少女、八神 玲名が嬉しそうに言うが、生憎俺は現状を整理するのでやっとだった。
取り敢えず、当たり障りのない様な事を言っとくか。


「ん?そうか?」


どうやら、前世の俺と、豪炎寺真人の魂が何の因果か融合してしまったらしい。
なので、真人としての記憶や、体の使い方もしっかりと分かっている。


「じゃあ、私はこっちだから。マサト、また明日ね!」


玲名が家である『おひさま園』の方へ走っていく。


「また明日、か」


申し訳ない気持ちで一杯になる。俺は今日限りでこの街とはさよならだからだ。


「市民病院潰すとか、市長マジパネェな」


俺のこの世界の父は市民病院に勤務していた内科医で、その病院が潰れるのを機に、北海道に診療所を開く事になったのだ。当然、俺も北海道にお引越しである。


「今俺も修也も小学生だから、原作開始までまだ暫く時間があるな」


現状の問題点が二つ、此処がイナイレの世界なのは分かるけど、本来知っているはずの原作知識が思い出せないのが一つ。
このままだと、修也のパチモンみたいになるので二つ。


「さて、どうすっかな?」


不意に空を見上げると、真赤な太陽が西に消えていこうとしていた。


「太陽?……太陽!」


よし、俺は炎のストライカーじゃなく、太陽のストライカーを目指そう!そうと決まれば、早速練習……もう遅いし、明日からだな!


「おひさま園?何か忘れてるような?まぁ、いいか」




その内、細かい設定を書きます。


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驚異の侵略者編?マジですか? あれから数年?マジですか?

閲覧、コメント、評価、お気に入り、ありがとうございます。


side真人

あれから数年の月日が過ぎた。
北海道の白恋小学校に転校した俺は、すぐさま地域のサッカーチームに入団して、日々練習に明け暮れた。
北の大地はトレーニングに適しており、おかげで中学に上がる頃には、俺自身の必殺技と、太陽のストライカーの異名を手に入れることができた。
現在は白恋中の二大エースストライカーの一角にして、副キャプテンを務めていて、未だ試合には負けた事はない!…………公式戦に出た事ないけど。


『生徒の呼び出しをします。2年5組豪炎寺、2年5組豪炎寺、至急職員室高山の所まで来なさい』


ん?監督が俺に用事?


「豪炎寺くん、何かやったの?」


隣の席の女の子が話しかけてくる。


「いや、何で何かした前提?多分サッカー部の事だろうけど、士郎(キャプテン)じゃなくて俺の方を呼びつけるってどういう事だろう?とにかく行ってくる」


士郎とは、白恋中サッカー部のキャプテン吹雪士郎の事だ。普段はDFで、FWになった時はブリザードの吹雪や熊殺しと呼ばれる程の実力を持つ。
弁当の残りをかきこみ、席を立つ。今日は午前授業で、昼から部活がある生徒がまばらに残って飯を食っている。それを尻目に、教室を出て職員室へ向かった。


***

「雷門中がうちに?」

「何でも、君と吹雪に会いたいらしくて、もう直ぐ訪ねてくるそうだ」


監督の話では、今日の午後に今年度フットボールフロンティアの優勝校の雷門中が訪ねてくるらしい。
雷門中はこの世界の主人公円堂守がキーパーを、俺の従兄弟である豪炎寺修也がエースストライカーを張るチームである。
試合したら最高に楽しいんだろうな。


「で、何で士郎じゃなくて俺を呼び出したんですか?」

「何度か呼び出したんだが、吹雪の奴何処かに行ったみたいなんだ。
午後練を休むとは聞いてないから、何処かにいるはずなんだがな………そうだ、探して来てくれないか?」

「分かりました、要件は以上ですか?」


少し面倒だけど、大体の居場所の検討はついている。


「ああ、頼んだ」

「それじゃ、失礼しました」


職員室を出て、そのまま下足室で靴を履き替え外に出る。というのも、士郎は時々姿を消して、ある場所に行く。
それは士郎にとっては思い出の場所であり、家族を亡くした因縁の場所。──大雪原。


「おーい!しーろーやーい!」


大雪原についた俺は、士郎の名を大声で叫ぶ。つか寒い!


「……上着持ってくるべきだったか」


もう一度叫ぼうと息を吸ったタイミングで、前方にクマに襲われる青いバスが見えた。


「山親爺の奴、また悪さしてんのかよ」


襲ってる熊はこの辺では有名な山親爺と呼ばれる熊である。
背負っていたカバンからボールを取り出し、足元に落とす。


「オラァッ!」


右足でボールを蹴って、やまおやじの足にぶち当てる。
二つ(・・)のボールが宙を舞い、山親爺が倒れる。目を凝らし、もう一つのボールを蹴った主を見ると、目的の人物だった。


「おーい!真人ー!」


吹雪士郎は手を振って、俺の名を呼んだ。

***


「なんかすいません、俺まで乗せてもらっちゃって」


俺は山親爺に襲われていた、バスに士郎共々乗せてもらっていた。


「良いんだよ坊主。我々もこっちに用があるからな」


運転手のおじさんが、気さくに答えてくれた。
……それにしても。


「うーん?」


オレンジのバンダナを巻いた子が俺の顔をさっきから見て唸っている。


「何だ?」

「いや、誰かに似てるんだよな?ん?」


バンダナ君が俺の抱えるボールを見て目を輝かせる。


「お前もサッカーやるのか?」

「ああ、子供の頃からずっとやってる」

「そうか!」


それから、あれこれ話し、気づいたら白恋中はすぐそこだった。


「士郎」

「分かってる。
おじさん、ここで降ろしてください」

「ここで?何もないが」


バスはゆっくり停車する。


「乗せてくれてありがとうございます」


感謝の気持ちを伝えて、俺たちはバスを降りる。
バンダナ君が入り口まで見送りに来てくれた。


「本当にここでいいのか?」

「うん、直ぐそこだから」


士郎は白恋中がある方を指差す。


「そうか、じゃあ」


バンダナ君は納得してくれた。


「うん、ありがとね」

「次があったら何か礼をする」


バスは走り出し、俺と士郎だけが取り残される。
バンダナ君達の名前、聞くの忘れたけど、縁があればまた会えるし、その時でいいや。


「それで?真人は何であそこにいたの?」

「お前こそ、何であのバスに乗って……は、ハクション!」


雪は止んで来たが、まだまだ寒い。


「帰りながら話そうか」


士郎は雪が俺たちの腰元まで積もった地面を見ながら、マフラーに手を当てる。一瞬で雰囲気が変わり、士郎は手に持っていたボールを蹴り、積もった雪を蹴散らし、道を作った。


「さて、今日は客が来るから、急いで帰ろう。
走れば、体もあったまるだろ」


ランニング程度のスピードで駆け出す。
士郎も数歩遅れたが、直ぐに追いついて来た。


「客?あぁ、成る程。
僕を探しにあそこまで来たのか」


態々ごめんと、謝る士郎に。


「相棒だろ、気にすんなよ」


そう言ってスピードを上げるのだった。



本日は2話投稿。


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雷門中?マジですか?

閲覧、感想、評価、お気に入り、ありがとうございます。


side真人


「あー寒い」

「大して体もあったまらなかったからね」


やっと校舎に着いた俺たちはサッカー部の部室に続く廊下に入る。


「ああ、吹雪くんに、豪炎寺くんだ!」


部室の扉から顔をひょっこり覗かせて、麦わら帽子を被った小柄な女の子、荒谷が出迎えてくれる。


「早く早く、お客さんが来てるんだよ」


やっぱり、もう来てたか。
荒谷は俺たちの手を掴み、部室へと引っ張る。さてさて、どんな奴らだ……は?


「あれ?君たち!」


俺たちの目の前にいたのは。


「さっきの、吹雪士郎と豪炎寺の従兄弟って、お前達だったのか?」


さっきまで乗っていたバスにいたメンバーだった。


「お前達が雷門中か!」


俺は出遅れ気味に気づくのだった。

***

「私達はエイリア学園を倒す為に仲間を集めてるの」


かまくらの中、他の連中が雪合戦してる中、俺と士郎は雷門中の監督の吉良瞳子さん、、雷門中キャプテンの円堂守、雷門中マネージャー音無春香から、話を聞いていた。


「仲間、ねぇ」


焼かれている餅に醤油を垂らしながら呟く。
監督さんの話は、端的に言えば、エイリア学園を倒す為に俺たちをチームにスカウトしたいそうだ。てか、この監督さん何処かであったような?


「音無さん」

「はい、これを」


監督さんの指示で音無は俺たちにパソコンの画面を見せる。


「こう言うことが起こってるの、知ってるだろ?」


画面には、破壊された校舎、地面にめり込んだ黒いボール、宇宙人と思わしき集団の写真があった。


「数日前から、エイリア学園はこの北海道で学校を破壊しているわ」


その話は最近ニュースになっていて、うちの学校もその話で持ちきりだ。


「でも、うちは大丈夫さ。
やっとサッカー部として活動できるぐらいの弱小チームだから」

「まあ、来ても返り討ちだな」

「頼もしいわね」


実際。エイリア学園の動きを見た所、目に追えない速さではないし。
そこまで極まって強いようには見えなかった。


「俺たちは地上最強のサッカーチームを作ろうとしている、だから、吹雪、ごう……真人、俺たちと一緒に戦ってくれないか?」


まぁ、修也もいるなら必然的にそうなるわな。
てか、修也は何処だ?


「あなたたち2人が噂通りの実力なら、チームに参加してほしい。
………あなたたちのプレー、見せてくれる?」


士郎は焼きあがった餅の膨らみに、器用に海苔を貼りサッカーボールみたいにしてから、円堂に差し出す。


「俺は構わないが、士郎はどうだ?」

「うん、僕もいいですよ」

「なら決まりね、私達雷門中はあなたたち白恋中に練習試合を申し込みます」


ビシッと俺たちに指を指す。


「ヤッタ!試合だ!」


円堂はガッツポーズをし、喜びを露わにする。
日本一のチームと試合か、なかなか楽しめそうだ。



一気に進みたかった、後悔している。


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VS雷門中?マジですか?

私は他所の二次創作をあまり読まないので、技名がかぶったり、モーションが一緒だったりするかもしれません。
その時は、指摘してください。


side真人


「相手は日本一のチームだ。何処までやれるか分からないけど頑張ろう!」


試合前にベンチに集まった、白恋イレブンは、士郎の言葉に意識を高める。俺もなんか言っとこ。


「勝ち負けは気にせずに楽しもう」

「「「おう!」」」


***

「何!あの野郎DFにいやがる。」

「吹雪はFWじゃないのか?!」


染岡と鬼道が俺達の布陣を見て驚く。
俺たちの布陣はこんな感じだ。

FW 俺 真都路
MF 雪野 氷上 居屋
DF 空野 士郎 荒谷 目深
GK 函田


そりゃ、FWだと思った奴がDFだったら驚くわな。それにFWは今の士郎じゃない。

バスの運転手のおじさんが笛を吹き、試合がスタートする。
鬼道から染岡にボールが渡り、染岡がこちらに突っ込んでくる。ふむ、ここは。


「何?」


俺は立ち止まったまま動かず、染岡を見送る。


「どいつもこいつも、ふざけてんじゃねぇ!退けぇぇぇ!!」


荒谷と氷上が止めに入るが、染岡の迫力に怯み突破されるが、士郎が染岡の前に立ちふさがる。


「そういう強引なプレー嫌いじゃないよ。
──アイスグランド!」


士郎はスケートで、一回転するようにまわり、右足を前に出して着地する。
すると、地面が凍りつき、それが正面に居た染岡をも巻き込み凍らせ、胸をそらし、滑るようにボールを確保する。


「真人!」


士郎のパスを受け取り、走り出す。
相手の陣地には殆どが攻撃に参加していた為に、あまりにも攻めやすい。


「通さない!」


相手DFの風丸が立ち塞がるが、遅い!


「烈風ダッシュ!」


自身のドリブル技を発動し、風丸を突破し、ゴール目の前まで攻め込む。


「通さないっス!ザ・ウォール!」


壁山の背後からでかい岩の壁が現れ、俺に迫る。
気にせずに、右足に力を溜めながら走る。


「ありがとな、これで意表をつける」


エネルギーを溜めた右足で、ボールを蹴り上げ、自身はボールより高く飛び上がる。
俺を阻むには高さが足りない。


「え?」


ボールは太陽の様に赤く、激しく輝く!


「ハァァァ!太陽ショットォォォォ!」


技名を叫び、ボールにエネルギーを溜めていた右足で、飛び蹴りの要領で強く、蹴り込む。


「ゴッドハンド!オォォォォ!」


円堂はシュートを止めようと、必殺技を繰り出す。
目の前の壁が邪魔で見えない状況で、咄嗟に技を出せたのは凄いがな。


「この技を止めるには、パワーが足りないな」


ゴッドハンドが砕け散り、ボールがゴールネットに突き刺さる。
着地した俺は宣言する様に言い放つ。


「俺が白恋中太陽のストライカー、豪炎寺真人だ!」


気分が昂ぶって、つい口走っちゃった。
…………黒歴史確定だなこりゃ。



太陽ショット
威力:エターナルブリザードと同等。

さて、次は士郎(アツヤ)か。


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キャラバン参加?マジですか?

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side真人


再び雷門中側からスタートする。
さて、今度は率先してボール取りに行くか。


「邪魔させはしないよ。」


一ノ瀬が俺をマークし、動きを制限する。
まぁ、だいたい予想はしてたけど。これじゃあいつに点取ってもらうしかないか。
そうこうしてるうちに、染岡がゴール前で、士郎と睨みあってる。


「防げるもんなら、防いでみやがれ!ドラゴンクラッシュ!!」


竜とボールが士郎に迫るが、士郎は足一本で止めて見せる。


「そうか!吹雪はFWじゃなくて、凄いDFだったんだ!」


円堂よ、大体合ってるけどそうじゃないんだ。


「ラァァァア!」


染岡は諦めずに、士郎にスライディングを仕掛ける。
これは、来るな。


「出番だよ。」


暴風が巻き起こり、染岡の体が吹き飛ぶ。


「この程度かよ?甘っちょろい奴らだ!」


士郎の瞳はオレンジ色となり、雰囲気も荒々しくなる。


「あいつ」

「雰囲気がかわった?」


そう、いまのあいつは士郎であって、士郎でない。


「いつもみたいにバンバン点を取ってやっからよ!行くぞ真人!」

「ああ!行くぞアツヤ!」


一ノ瀬はアツヤの方に対処に行ったせいで、俺もフリーになる。
アツヤは猛スピードで敵陣に突っ込み、一ノ瀬のショルダーチャージを強引に突破する。


「真人!」


アツヤは俺にパスを出し、自身もジャンプする事でスライディングをしてきた鬼道、風丸をかわす。
財前が俺に突っ込んできたので、アツヤにボールを返す。


「決めろ!アツヤ!」

「おう!!吹き荒れろ!!エタァァナルブリザァァァード!!!」


まさに、暴雪(そんな言葉ない。)。
氷を纏ったシュートは円堂に向かって行く!


「ゴッドハンド!!」


円堂も必殺技で対抗する。
しかし、ゴッドハンドは凍って砕け散り、ボールはゴールに入る。


「いいかよく聞け!」


うん?この流れまさか?


「俺がエースストライカー、吹雪士郎だ!」


あの、アツヤ君?俺を差し置いてエースストライカー名乗らないでください。


「吹雪、真人!お前達のシュートをどうしても止めたくなった!」


流石は主人公。
今までのキーパーだと、戦意喪失するのがオチだったのに。


「出来るもんならやってみな!」


アツヤはそれだけ言うと歩き出す。
俺も何か言うべきなんだろうが、自陣に戻ろう。
さて、これで2ー0だ。


「そこまで、試合終了よ」


え、マジですか?


「このまま終わらせてたまるか。オラッ!!」


染岡はボールを蹴り、俺の方に飛んで来る。
て、俺の方かよ!右足を振り上げ、ボールを蹴り上げる。


「お前達に負けるわけにはいかねぇんだ!」


染岡はこっちに走る。
いや、お前そういうことすると。


「やる気か?面白ぇ!」


ほら、アツヤがマジになっちゃったよ。
落ちてきたボールに、アツヤと染岡が同時に蹴り込む。


「グアッ!」


パワーの差で染岡が吹き飛び、ボールがアツヤに渡る。


「そんなもんじゃ話にならねぇ!もっと俺を楽しませろ!」


あっ(察し)、完全にスイッチ入っちゃってる。


「やるぞ!真人!」


アツヤはエターナルブリザードの体制に入る。


「仕方ないか」


俺も飛び上がり、左回転しながら炎を纏う。


「エターナル!!」

「トルネード!!!」


放たれる。爆炎と冷氷を纏ったツインシュート。
それを阻むために、壁山と財前が立ち塞がる。


「うおおお!ザ・タワー!」

「ザ・ウォール!」


残念だが、それじゃまだ足りないな。


「「グァァァァ!!!」」


二つの壁を粉砕し、少し威力が衰えたが、ゴッドハンドじゃ止められない。
円堂は何を思ったのか、背中をこっちに見せてから、正面を向きながら、右手を上げる。
すると、円堂の背後にオレンジ色の人のような何かが現れる。


「マジン・ザ・ハンドォォォォオ!!!」


円堂が右手を突き出すと、マジンも合わせて動き、その手でボールを止めようとする。
しかし、ボールを止めることができないが。


「マジですか?」


ボールはフワッと上がり、ゴールバーを直撃して、後ろに飛んでいった。


「さっきのでコースが変わったか」

「みたいだな」

「ハイそこまで!!」


監督が手を叩く。やっぱどっかでみたような気がするんだよな?


「フゥ」


アツヤが士郎に戻ると、同時に円堂がこっちに走り寄って来る。


「凄いぜ、吹雪、真人!あんなビリビリ来るシュート、俺感動した。」

「僕もだよ。
僕達のシュートに触れることができたのは、君が初めてさ」


今までやった試合じゃ、キーパーは反応できなかったかならな。


「咄嗟の判断でよく技が出せるなと感心した」

「おう!吹雪、真人、俺お前達と一緒にサッカーやりたい!」


俺も士郎も答えは決まっている。


「僕もさ」

「よろしく頼む」

「吹雪君、真人君あなた達2人にイナズマキャラバンへの正式な加入を要請するわ。
一緒に戦ってくれるわね?」

「「はい!」」

「雷門の新しいストライカーの誕生よ!」

「みんなよろしくね?」


こうして、俺たちとエイリア学園の戦いが幕を開けた。



エターナル・トルネード
威力:ワイバーンブリザードと同等。
ぶっちゃけるとクロス・ファイアの下位互換。

今回は、主人公を動かさないでも話は進みました。
しかし、動かさないと主人公が居る意味がなくなるので、こういった形になりました。



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自分勝手?マジですか?

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side真人

夜空を見上げながら、今日のことをぼんやり思い出す。
雷門中と会って、一緒にサッカーして、イナズマキャラバンに参加することにした。
染岡が走り出して、円堂が追いかけてそして。


「エイリア学園か」


夕食の雑煮をみんなで作っていた時に、音無がパソコンで、予告状が来たことを知らせてくれた。
内容は、白恋中への挑戦。士郎のあの言葉はフラグだった訳だ。


「宇宙人に知り合いなんて、居ないはずなんだよな」


何故か予告状の動画の中にいた、宇宙人達に見覚えがあるのだ。一瞬原作知識が復活した、もしくは断片的に覚えていることなのかと思ったが、本能的に違うと感じる。


「あぁ、本当ムシャクシャするな」


明日からは雷門中のメンバーと特訓だというのに。とにかく、気持ちを切り替えないとな。

***

俺は白恋のユニフォームを身に纏い、コートに立つ。
なんでも、今回の練習は2チームに分けてコンビネーションを磨きたいらしい。俺も雷門中のユニフォームを着てみたかったが、まぁ次があるだろ。
それにしても、さっきから染岡がこっちを睨んでくるんだが、はっきり言ってちょっと怖いです。


「何か用か?」

「別に、始まるぜ」


なら、睨むのやめてくれませんかね。
取り敢えず、練習だ。心配なのは相手側のFWが今は士郎だけど、始まったら多分アツヤに変わる事なんだよな。あいつ、俺以外の奴にボール回さないし。


「疾風ダッシュ!」


風丸が鬼道を抜き去り、敵陣に上がって行く。そんな風丸に吹雪が走り寄り、あっという間にボールを奪う。


「何してやがる風丸!こっちも行くぞ!」


染岡の叱責を受けて、風丸は吹雪に向かって行く。


「吹雪、無理をするなこっちに回せ」


鬼道や一ノ瀬がパスを要求するが、士郎はそのまま走る。
これじゃ、コンビネーションも何もないな。


「スピードはお前だけのものじゃない!」


スライディングを仕掛けるが、士郎はボールごとジャンプして避ける。取るなら今此処だな。
俺もジャンプして、ボールを奪う。


「やるじゃねぇか真人!」


こいつ、アツヤに変わったのかよ。
アツヤは強引にボールを奪おうとするが、みすみす渡す訳がない。
ボールをキープしながら、体にエネルギーを溜める!


「ちょっと待った!」


突然、染岡が制止の声を掛けたので、俺もアツヤも動きを止める。アツヤは士郎に戻り、染岡の方を見る。


「お前らな、一ノ瀬も鬼道も、俺も風丸も、こっちに回せって声かけてるじゃねぇか!」


マジですか、熱中しすぎて聞こえなかった。取り敢えず謝ろう。


「すまない」

「だって、いつも僕こうしてたし」


そういえば、俺もそうだったわ。士郎やアツヤの事を言えないや。


「白恋じゃ通用しても、ウチじゃ通用しねぇんだよ!お前は雷門イレブンに入ったんだ、俺達のやり方に合わせろ!」

「善処す「そんな事急に言われても、そういう汗臭いの、疲れるな」


人の台詞にかぶせるな!てか、火に油を注ぐんじゃねぇよ!


「誰が臭いって!誰が!」

「まぁまぁ」


怒る染岡、なだめる一ノ瀬。


「士郎、謝るんだ。
今ならまだ間に合う、多分」

「いや、だって」


だって、じゃねえよ。


「世界トップクラスのチームの中には、個人技を活かしたチームもあります。
吹雪君や豪炎寺君はまさにそのタイプでは?」

「うるせぇ!ウチはウチだ!」


染岡の迫力に言った目金や、壁山達が怯える。


「どんなにスピードがあろうと、どんなに強力なシュートが打てても、こんな自分勝手な奴らとやれるか!無理なんだよ、こいつらに豪炎寺の代わりなんて!」


ああ、染岡が俺達を睨んだり、目の敵にするのはこういう理由か。
修也の事情は昨日、目金に聞いた。


「それはどうかな?」


そう言ったのは、風丸だった。


「俺は吹雪や真人に合わせてもいい。
………俺にはあのスピードが必要なんだ」


風丸の表情は心なしか暗い。
それにしても、スピードが必要か、成る程な。


「それなら、風になれば良いんだよ」


士郎も同じ事を考えていたようだ。
雷門中はハテナを浮かべ、首をかしげる。


「おいで。見せてあげるから」


取り敢えず、スノボの準備をしないと。



現在真人はスピード面で吹雪に少し劣っており、パワー面では優っています。


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勝負?マジですか?

副題
リス岡さん?マジですか?


side真人

士郎が言う、風になるための特訓。それはスノーボードを使って、速さに身を、目を慣らすものだ。
初日は皆んなぎこちなく、転けてばかりだった。染岡は遊びと決めつけて、何処かに行くし。
そんな染岡は早朝から、ひっそりとスノーボード特訓をしてるのを見ると、なんだかホッとした。


「懐かしいな、士郎」


いつの間にやら、円堂や風丸が加わり、下で繰り広げられる、雪合戦を見ながら昔を懐かしむ。


「そうだね。
僕達も昔はあんな感じだったもんね」


思い出すのは、アツヤがまだ生きていた頃。よく三人で雪合戦やスノーボードで遊んだものだ。


「さて、そろそろ飯の時間だ戻ろうぜ」

「うん」


エイリア学園が来るまで、あと少し。

***

「お前達、上達早くね?」


3日目にして、もうボードを乗りこなしている。
円堂にいたっては、2日目で雪玉を一瞬で手に溜めたエネルギーで粉砕した。
そんな彼らの様子を上から眺めていると、染岡がボードに乗りながら器用にジャンプして、俺の隣に来た。


「真人、俺と勝負しようぜ」

「急にどうした?」


ここで、士郎じゃなく俺を指名したのはアレのせいかな?


「あぁ、俺の特訓の成果をお前相手に試そうと思ってな」

「それは、修也の代わりの俺じゃなくて、純粋に俺と勝負したいって事か?」


この三日間の間に俺と染岡と円堂で、一度話し合いをしている。その時に、俺と士郎は修也の代わりじゃない事を認めさせた。


「あぁ」

「分かった、なら勝負だ」

***

「ルールは、センターからボールを奪い合って、先にゴールを決めた方が勝ちだ」


円堂の説明を聞き、スタートラインに着く。


「よーい、始め!」


全速力で駆け出すが、先手は染岡に奪われる。しかしな──


「甘い!」


スライディングでボールを奪い走る。直ぐに染岡も追いかけて来る。
こいつ、こないだまでは俺より遅くなかったか?


「雷門のストライカーを舐めるなァッ!」


ボールごとジャンプして、染岡のスライディングを避ける。


「まだだ!」


染岡はボールを奪おうと、俺はボールをキープしながら、突破しようとするが、ついにボールを奪われてしまう。


「どうだ!」


直ぐに追いかけるが、染岡は既にシュートを打っていた。
しかし、ボールはポストに当たり、跳ね返り、俺はそれを受け止める。


「よし、勝った!」


シュートの体制に入り、固まる。


「マジですカァッ!」


染岡にボールを奪われ、体勢を崩して転ぶ。


「もらった!ラァッ!」


染岡のシュートは青いエネルギーを纏いながら、ゴールに入り、俺の負けが確定する。


「どうだ!真人!」


雷門メンバーが染岡に集まる中、俺は木の上を見る。


「負けちゃったね」


いつの間にやら、士郎も俺の隣に立ち、木の上を見る。
木の上には、先程コートに迷い込み、ゴールの前にいたリスがいた。


「リスがいたから負けたんだって言わないの?」

「言い訳とか格好悪いだろ?それに勝ち負けより、楽しめたかどうかだろ?」

「ハハハ、真人らしいや」


染岡が俺達の方に歩いて来て、手を差し出す。


「その、今まで悪かったな。
これからも一緒に戦ってくれないか?」

「うん、いいよ」

「ああ、いいぞ」


夕日をバックに俺達はガッチリ握手するのであった。

***
特徴的なユニフォームを見に纏った、エイリア学園が俺達の目の前に立つ。
やっぱり、あいつらと何処かであったような気がする。


「待ってたぜ、エイリア学園。勝負だ!」


円堂はボールを蹴り、エイリア学園ジェミニストームのキャプテンである、レーゼが片手でやすやすと止める。


「これ以上、サッカーを破壊の道具にはさせない!」


悩んでる時間はない、このモヤモヤの答えは試合の中で見つけるしかないようだ。



真人と円堂と染岡の話し合いは番外編で書きます。


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VSジェミニストーム?マジですか?その1

今回は前半戦です。
真人はゲームとは違い、前世の記憶を思い出した所為で、属性が山に変化しています。
彼が使う技は全て山属性です。


side真人

白恋の代わりに戦うと宣言した円堂をレーゼが嘲笑う。


「地球人の学習能力は想像以上に低いな。二度も我々に負けたのに、まだ分からないか?我々には勝てないと」


あらら、随分余裕があるようで。


「宇宙人の想像力も大したことないね。私達がパワーアップしたとは思わないの?」


財前がウインクして煽る。それ程までに、彼達には自信も実力もあった。


「ほう?」


レーゼは俺達を見渡し、俺と目が会うと、一瞬驚いたような顔をする。


「……なぜ、あいつが」


その言葉を何とか拾うことができた俺は確信する。
やはり、こいつらと何処かであった事があると。


「……地球にはこんな言葉がある。二度あることは三度あると!」


レーゼはボールを円堂に蹴り返し、円堂はそれをキャッチし、特訓の手応えに笑うのだった。


***
テレビの人が見守る中、試合がスタートしようとしていた。

FW 染岡 俺
MF 風丸 鬼道 財前 一ノ瀬
DF 土門 壁山 士郎 栗松
GK 円堂

この布陣でエイリア学園に挑む。士郎がDFなのは監督がエターナルブリザード禁止令を出したからだ。
一ノ瀬は反対したが、俺は監督のこの判断を正しいと思っている。


「本気で我々に勝とうとしているなら、愚かとしか言いようがない」

「何だと!」

「言わせておけ。
俺達のサッカーで黙らせればいい」


キレる染岡を鬼道はクールに宥める。


「さぁ、風になろう!」

「ああ、皆んなファイトだ!」


円堂と士郎の掛け声とともに、試合がスタートする。
染岡からパスを貰った俺は、ドリブルして上がろうとするが、ディアムに道を塞がれたので、大人しくバックパスで鬼道に渡す。
鬼道は再び染岡にパスし、染岡はレーゼを抜き去り、相手DFに切り込が、ボールを取られてしまう。そこから一進一退の攻防が続いた。
しかし、何故か俺だけ徹底的にマークをつけられたので、何もできなかったが。


「アイスグランド!」


何度も士郎がボールを奪うが、すぐに奪い返されてしまう。


「地球人も最低限の学習能力を持っているようだ」


レーゼはバックパスでリームにボールを渡し、リームはすぐ様パスを出し、最終的にはレーゼにボールが渡る。
おい、まさか?


「アストロブレイク!!」


レーゼはセンターラインからシュートを撃った。
俺は油断しているディアムのマークを抜けて走る。


「ザ・タワー!!」

「ザ・ウォール!!」


財前と壁山がシュートブロックに入るが、アストロ・ブレイクは止められない。
だが、おかげで


「間に合ったぜ」


シュートの真ん前で立ち止まり、低空で炎を纏いながら右回転する。


「ファイアトルネード!!!」


炎を纏った右足でシュートブロックをかける。


「オォォラァァァ!!」


シュートを完全に弾き返して、着地すると同時に前半が終了する。


「助かったぜ真人!」

「ああ、財前も壁山もナイスだおかげで間に合った」


本当にあれがなかったら間に合わなかった。
レーゼの様子をチラ見する。


「……豪…寺真…何故……は」


レーゼはおそらく俺の事を呟いている。この距離では聞き取れないが。
やはり、奴は俺の事を知っているようだ。



レーゼは転校前の真人とサッカーをして、軽いコンプレックスがあるため、真人を警戒しています。


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VSジェミニストーム?マジですか?その2

決着。
7月13日にワームホールをブラックホールに修正。


side真人


「真人さんも、ファイアトルネードを撃てたでやんすか!?」


ベンチで水を飲んでると、栗松が話しかけてきた。


「エターナルトルネードはファイアトルネードとエターナルブリザードを同時に撃つ事を前提としたシュート。真人がファイアトルネードを撃てたとしてもおかしくはない」

「そういう事だ。
それにしても、後半は点を取っていかないと不味いな」


俺は徹底マークをされているから、シュートは撃ちにくい。


「吹雪君シュートは解禁よ。後半はFWに回って」


監督の指示に一同戸惑う。


「で、でもDFはどうするでやんすか?」


栗松の心配はもっともだ。
だが、さっきの感じからして問題は無いはずだ。


「大丈夫だ。皆んな奴らの動きに対抗できている」


鬼道は監督の意図である、エイリア学園のスピードに目を慣らさせる為に士郎をDFに置いて、序盤は点を取られない様にする。
そして、慣れてきた今なら士郎をFWにしても問題は無い。


「最初から説明してくれるといいのに」


鬼道の説明を聞き終え、音無はポツリと呟く。


「でも、自分達で答えを見つける方が絶対に力になるわ」

「そうさ、知りたければまず、汗をかけばいい!」


確かに知りたければ、汗をかけばいいな。
相手ベンチを見ると、レーゼと目が合い、一瞬誰かが頭に浮かぶ。


「吹雪、どんどんシュートを狙っていけ!」

「うん、やってみるよ」


監督は俺の方を見て口を開く。


「それともう一つ、真人君」

「はい」

「後半、あなたは囮になってもらうわ。
でも、さっきみたいな隙があったら、シュートを撃ちなさい」


まあ、そうなるか。


「任せてください」


そして後半が始まる。

***
後半は風丸を後ろに下げて、俺と士郎と染岡のスリートップでスタートする。


「アイスグランド!」


開始早々、士郎はボールを奪い、アツヤに変わる。
アツヤは荒々しく敵陣を突破するが、DFに阻まれてしまう。


「染岡!」


アツヤはフリーの染岡にボールをパスし、染岡は受け取ると同時にボールを蹴り上げる。
地面から、青い翼竜が現れボールを追いかける。ボールは染岡の足元に落ち、それを全力で蹴った!


「行け!」

「何?!」


相手キーパーのゴルレオは対処できずに、ゴールを奪われる。
これで1ー0、先制だ。


「やったー!遂にエイリア学園からゴールを奪ったぜ!」

「よーし、やったぜ染岡!」

「どうだ、決めてやったぜ!」


雷門メンバーが染岡を讃え、
染岡の新必殺技はワイバーンクラッシュと名付けられる。

***
side三人称

再び、相手ボールからスタートするが、一ノ瀬がパンドラのパスを出す方向に舌を出すという癖を見抜き、フレイムダンスでボールを奪う。
一ノ瀬は染岡にパスを出し、染岡は相手DFを引きつけた後に、アツヤにボールを渡す。


「吹き荒れろ!!エタァァァァナルブリザァァァァド!!」

「ブラックホール!グァ!!」


アツヤの必殺シュートが、ゴールを割り。
2ー0で雷門が優勢となる。


「我々が負けるだと、ありえん、ありえてはならない!」


レーゼとディアムが開始早々に猛スピードで雷門陣内を駆け抜け、あっという間にゴール前に立つ。


「「ユニバースブラスト!!」」


レーゼとディアムが放ったツインシュートを止める為に、財前と壁山が立ち塞がる。


「ザ・タワー!!」

「ザ・ウォール!!」


2人とも、1秒でも長く止めようと踏ん張るが、二つの壁は破られる。
しかし、稼いだ時間は無駄ではなかった。


「マジン・ザ・ハンド!!うおぉぉぉぉぉ!!!」


円堂はマジン・ザ・ハンドで完璧にシュートを止めてみせた。


「行くぞ!皆んな!」


円堂は染岡にパスを出し、染岡は上がって行く。


(さっきのシュートで、俺と吹雪はシュートを撃とうとすれば邪魔される。なら!)


「真人!」


マークを外し、上がっていた真人にボールが渡る。


「そいつを、そいつだけは止めろ!」


レーゼの指示を受けた相手DF陣は、4人がかりで真人を抑えにかかる。


「バーニング・ダイナマイト!」


それを読んでいた真人は体に溜めていたエネルギーを一気に爆発させて、DF陣を吹き飛ばし、完全にフリーになる。
真人はボールを蹴り上げ、自身も飛び上がる。


「ハァァァァァ‼︎太陽ショット!!!」


ボールに飛び蹴りを入れて、自身の必殺シュートを発動させる。


「ブラックホール!」


太陽ショットはブラックホールを、燃え上がらせてから、ゴールに突き刺さる。
その瞬間、試合が終了した。結果は3ー0で雷門中の完全勝利で幕を閉じた。



バーニング・ダイナマイト
体に溜めたエネルギーを、爆発させて敵を吹き飛ばす、オフェンス技。
烈風ダッシュとは使い分けている。

前半はいつもの真人視点。
後半は三人称視点。


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イプシロン?マジですか?

北海道編、完結。


side真人


「やった?やったぞぉぉぉぉぉ!!!」


円堂の叫びを耳にしながら、ホッと一息つく。
最後4人がかりって、マジで焦ったんだが。対複数の技作っといて良かった。


「勝った、宇宙人に勝ったんだ!」

「おう!」

「私達は勝ったんだ!」


全員で勝利を喜び合う。


「こんな馬鹿な、我々がただの人間ごときに」


レーゼ達はただただ、立ち尽くすことしかできない。そんな中、雷門が近づいて行く。


「地球にはこんな言葉があるわ、──三度目の正直」


おお、煽る煽る。
それを尻目に、白恋メンバーが俺と士郎を囲う。


「学校を守ってくれたね!」

「うん、皆んなとの約束だからね」

「俺殆ど何もしてないけどな」


あいつら、俺を警戒しすぎだろ。おかげで体力が有り余ってしまっている。


「ありがとう、豪炎寺君、吹雪君!」


まあ、感謝されるのは悪くないな。


「……お前達は知らないのだ、本当のエイリア学園の恐怖を」


レーゼがポツリと呟く。
このヒーロー物でよくあるパターンはまさか。


「我々はセカンドランクに過ぎない。
……我々の力など、イプシロンに比べれば」

「無様だぞレーゼ」


あっ(察し)。
黒い煙が立ち込め、男の声が響き、岩の上に11人の影が現れる。


「デザーム様!」

「覚悟は出来ているな?お前達を追放する」


は?ちょい待て。其奴らには聞きたいことがあるんだ。
デザームと呼ばれた男は、手に持つボールを蹴ろうとする。距離が遠い、間に合うか?


「豪炎寺真人!」


レーゼが俺の名を呼び、思わず立ち止まる。


「貴様は後悔することになる!我々エイリア学園に敵対した事にな!」


それだけ叫ぶど、レーゼ達は黒いサッカーボールの光に呑まれて、姿を消した。
俺はデザーム達を睨む。


「我々はエイリア学園ファーストランクチーム、イプシロン!」


ファーストランク?つまり、一番上か?


「地球の民達よ貴様らはやがて、エイリア学園の真の力を知るだろう」


そう言うと、奴らは姿を消した。


「イプシロン、宇宙人との戦いはまだ終わってないんだ」


円堂の呟きが、虚しく響いた。

***

「本当に来てくれるのか?」


円堂は嬉しそうに言う。


「うん、僕もまだ君達とサッカーしていたいしね」

「エイリア学園を倒すまで、俺はキャラバンに参加するさ」


イプシロンが来たその日に、荷物をまとめた俺と士郎は、これからキャラバンに乗って、エイリア学園との戦いに身を投じるつもりだ。


「豪炎寺君、吹雪君」


白恋メンバーが不安そうに俺たちを見つめる。


「安心して、必ず勝って帰ってくるから」

「そん時はパーティーでも開いて、盛大に盛り上がろうぜ?」

「うん!」


キャラバンに乗った俺は、何時迄も手を振ってくれる彼達を背に、闘志を燃やすのだった



次は京都の前に番外編だな。


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迷子?マジですか?

更新遅れた上に、番外編じゃなくてごめんなさい。


side真人

キャラバンの中で、頬杖をつきながら窓の外を眺める。
現在の行き先は京都、イプシロンは京都の漫遊寺中に予告状を出した為である。


「イプシロンか」


エイリア学園の最強チームと思われる、イプシロン。
ジェミニストーム相手なら、白恋中メンバーでもギリギリ勝てたと思うが、今度の敵はどうだろうか。
最悪、あのシュートを解禁しなければならないかもしれない。


「皆んな、10分間休憩よ。今のうちにお手洗いを済ましてきなさい」


パーキングエリアで、キャラバンが止まり、監督の号令でトイレ休憩となる。


「ちょっといいか?」


トイレを済ました後に、鬼道に呼び止められた。


「何だ?」

「レーゼの事だ。
あの時、彼奴が言った言葉がどうにも引っかかってな」

『豪炎寺真人、貴様は後悔する事になる、我々エイリア学園に敵対した事にな!』


頭を過るあの最後の台詞。


「お前は、レーゼのエイリア学園の元メンバーか、関係者じゃないのか?」


え、マジですか?


「何でそうなる?」

「可笑しいだろ。ジェミニストームはやたらとお前を警戒していた。
そして、レーゼは最後に雷門じゃなくて、お前にだけ警告した」


成る程、あの野郎は最後に爆弾を落としていったわけだ。
え、てか、これ結構不味いんじゃないか?チームの士気的に。


「……確かにそう疑われても仕方いな。
俺は過去にジェミニストームのメンバーと会ったような気がする」


下手に嘘を交えるより本当のことを言ったほうがいいような気がする。


「気がする?」

「ああ、思い出せないんだ。
だから、信用できないならそれでもいい。俺は俺のプレーで信用を勝ち取るさ」


それだけ言うと、早々に立ち去る。
それにしても、信頼ってプレーで勝ち取れるもんなのか?イプシロンをボコればワンチャン?

***

「やれやれ、京都に着いたと思ったらこれだ」


俺と士郎迷子in京都の市街地。
さて、こうなった経緯を説明しよう。

士郎が車に酔う

俺「介抱するから、先行っててくれ」
円堂「おう!」

士郎復活

俺「さあ、行くか!」
士郎「そういえば、漫遊寺の場所って何処?」
俺「あっ」

今に至る。


「ごめん、僕のせいで」


「気にするな、漫遊寺中の場所を聞かなかった俺も悪い」


こういう時は、それっぽい制服を着た人に話しかけて、場所を聞くのが正解か。


「あの、どうかしましたか?」

「うん?」


後ろを振り返ると、何処かの学校の女生徒さん達がいた。
ふむ、探す手間が省けたな。


「漫遊寺中に行こうとしてたんだが、道に迷ってね」


我ながら白々しいが、これはチャンスだ。こんなあからさまに困ってる人を、見過ごすはずがあるだろうか?いやない(反語)。
こっちには我らがイケメン士郎君が居るしな(白目)。


「私達場所知ってるんで、案内しましょうか?」


よし、掛かった!あとは釣り上げるだけだ。


「すまない、頼めるか?」

「ごめんね?」

「いえ、ぜひ!」

「困った時はお互い様だもんね〜」


やれやれ、頬染めてるよ(死んだ目)。
何やら、こっちも見てるような気がするが、妄想は良くないな。


「それじゃあ、こっちです」


人の良心を利用する形になったが、これで無事に漫遊寺中に行くことができるようだ。




イプシロンをボコればワンチャン?(出来るとは言ってない。)


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悪戯小僧?マジですか?

話が進まない。


side真人

漫遊寺中に着き、案内してくれた子たちに礼を言い別れる。
遠くで円堂達が山積みになって倒れて居るのを見ると、何か事件があったようだ。


「キャプテン達、何してるのかな?」

「さあ?」


取り敢えず合流すると、彼達は床に塗られたワックスが原因で、転んでしまったらしい。


「引っかかったね!うっしっしっ!」


何奴!
声がした方を見ると、道着を着た小柄な少年がワックスのボトルを持って笑っていた。主犯はあの子のようだ。


「お前、よくもやったな!待て……キャア!」


財前は怒り、逃げた少年を追いかけ様とした所、あらかじめ掘ってあったと思われる、落とし穴にはまる。
少年は落ちた財前の真上でケツを振って煽る煽る。


「何なんだあいつ?」


風丸の呟きに誰も答えることができない。
それにしても、あいつ出来るな。


「コラー!小暮ェェェッ!」


何奴!(二度目)
その声が響くと共に、小暮?は走り去って行く。


「全く困ったやつだ」


バンダナで頭全体を覆ったお坊さんっぽい人が現れた。どうやら声の主らしい。


「全くしょうがない奴だ、ちょっと目を離したら」


お坊さんっぽい人は、穴から這い出て来た財前に気づき、駆け寄る。


「大丈夫ですか!?」

「大丈夫、大丈夫!これくらい!」


お坊さんっぽい人は、握り拳に掌を押し当て、頭を下げる。


「申し訳ありません。
うちの部員が、この様なことをしてしまって」


お坊さんっぽい人の台詞から、察するに小暮?はこの人の関係者らしい。
どうやら、訳ありの様だ。

***
お坊さんっぽい人、もとい垣田は漫遊寺中サッカー部のキャプテンだそうだ。
その垣田に案内してもらっている間に、先程聞いた話を思い出す。
小暮は親に置き去りにされた事が原因で人を信じられなくなり、サッカー部員達と揉め事を起こした事が原因で、一人精神修行をやらされた仕返しに、イタズラを繰り返しているそうだ。


「うん?ほう」


ふと視線を外すと、件の小暮が器用に雑巾を蹴り上げて、天井やら柱といった、手が届かない所を掃除していた。
てか、垣田の話じゃロクに練習してねぇんだよな?なにあの身のこなし、体のしなやかさだけなら下手すれば俺以上じゃん。


「音無さん!真人君!」


小暮の動きに見入っていたら、名前を呼ばれた。
チラリと横を見ると、音無も小暮の動きを見ていたのか、慌てて前を向き、列について行く。
それにしても、どうも小暮の事が気になってしまう。まさか、これが恋(違う)。
おふざけは無しにしよう。原因ははっきりしている。彼の境遇が、俺が北海道に転校する前に連んでいた連中と似ているのだ。ん?連んでいた連中?それって……


「真人?皆んな先行っちゃうよ?」


士郎の呼びかけで我に帰る。


「あ、ああ、すぐ行く」


何か思い出せそうだったが、駄目だ。
とにかく、今は士郎達を追いかけないと。



あと2話くらいでイプシロン戦に行きたい(願望)。


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戦わない?マジですか?

話が進まない。


side真人


「私達は戦うつもりはありません」


イプシロンのいや、エイリア学園の脅威を話した俺達は漫遊寺中サッカー部の意外な反応に、思わず固まる。


「戦うつもりはない?」


風丸が代表して、疑問を口にする。


「はい。私達はあくまで心身の鍛錬のために、サッカーをしています。ですから、争う気はありません彼達には私達に戦う意思がないことを話して、お引き取り願います。」

「おい!お前達話を聞いてたのか!そんなのが通用する相手じゃねぇんだよ!」

「不戦敗で学校が潰されるぞ?」


立ち上がった染岡に便乗して言う。
円堂達の話では傘美野中は棄権しようとしたら、学校を壊されそうになったらしい。結局壊されたが。


「それは貴方の心に邪念があるからです」

「じゃ、邪念だと」


影田は真っ直ぐに染岡を見つめて言った。あ、俺は違うんですね。


「では、失礼します。修行の時間ですので」


彼達は一斉に立ち上がり、部屋から出て行こうとする。


「ちょっと待てよ!」


円堂が呼び止めるが、彼達は足を止めずに出て行った。


「本当に大丈夫か、アレ?」


俺の疑問には誰も答えてはくれない様だ。

***
その夜、トイレに起きた俺は前方に音無と、音無の前にある建物の窓をぼんやりとした明かりが動くのを見て足を止める。
………幽霊、怖い。


「あ、真人さん!」


背を向けて、逃げ去る前に呼び止められ、大人しく音無の方に向かう。


「何で此処に?」


女の子相手にトイレは不味いか。


「眠れなくてな。それより、アレだ」


建物を指差すと、音無は頷く。


「確認してみましょう」


え、マジですか?普通怖がらない?そういえば元新聞部かこの娘。
し、仕方ないにゃあ。ゆ、幽霊なんているわけねぇし。女の子を一人で行かせるわけにもいかねぇから、行くけども。


「誰だ!」


ドアを勢い良く引き、中に転がり込む。中にいたのは、幽霊でも妖怪でもない。


「小暮君!?」


あの悪戯小僧だった。
小暮は一瞬びっくりした様にこちらを見る。びっくりしたのはこっちだよ。ビビらせやがって。


「何だ、雷門中の奴か。脅かすなよ」

「こんな時間に何やってるの?」


俺はそっと部屋を見回す。天井には沢山のタライが吊るされており、どうやら悪戯の下準備をしていたらしい。


「ちょっと!何やってるの!!」


音無も気づいたのか、小暮に詰め寄る。


「何って仕返しさ。俺だけボール蹴らせないで雑用ばっかり押し付けやがって」

「皆んなが小暮君に色々やらせてるのは、小暮君のことを思ってるからこそ!小暮君にもっと強くなってほしいからこそ、一から練習させた方がいいからって」


その言葉を受けても、小暮は態度を変えない。
いよいよ、音無も怒ったらしく、足をドンと踏み降ろす!


「いい加減にしなさいよ!!」

「な、何だよいきなり!」


こ、怖い。あまりの迫力に小暮も俺も驚く。俺の方は表情にも態度にも出ないが。


「だってそうじゃない!ちょっと練習させてくれないだけで、コソコソ隠れてこんな事して!!」

「う、うるさいな!俺は決めたんだ、俺の声を馬鹿にした奴らを全員見返してやるって!」

「なら、サッカーで見返したらどうだ?」


いい加減、空気は嫌なので口を出す。


「別にいいだろ、俺がどうやって仕返ししようと」


別にいい?なら、なんで。


「なら、なんで、シュートの練習をしてたんだ?


俺は練習ができそうな場所を探していた時に、小暮が一人でボールを蹴る練習をしていたのを見た。
その時に、確信した事がある。


「関係ないだろ!」

「サッカーに自信がないから、そんな事をしてるんでしょ」


再び、音無のターンがやって来る。


「ち、ちがうわい!俺だって本気だしゃ、あんな奴らだって!」

「言ったわね?だったら見せて見なさいよ、あんたの本気のサッカーを!」


ああ、さっきの煽りはこうなる事を見越してか。やるな。


「いいだろう!」


小暮は誘導されたことに気づかないまま、音無の話に乗ってしまった。

***
で、どうしてこうなった?



うちの真人は内心はふざけてても、表には全く出さない。
そういうキャラを目指しています。


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初心者?マジですか?

話が前に進まない。


side真人

早朝、俺はユニフォームを着てグランドに立っていた。


「ごめんなさい、こんな事になっちゃって」


音無がすまなそうに言う。
すまないさん?……星4?……ウッ、頭が(ソシャゲ感)。


「気にするな。俺もあいつの実力が気になっていたしな」


アップを終えて、準備万端の小暮を見る。昨日の掃除で見せた身体能力、あれが見間違いじゃないんなら。


「さあ、来い!」


俺に見せてみろ!!

***
このゲームは小暮からボールを奪われなければいいという単純な物だ。
スライディングを仕掛けて来た、小暮をサッと避ける。


「もう一回だ!」


フェイントをかけて躱す。


「もう一回だ!」


ボールを足で挟んで、ジャンプして避ける。


「そんなんじゃ、ボールは取れないぞ」

「分かってるよ!!………かかったな!」


突っ込んでくる小暮を避けると、奴は避ける位置を予想していたのか、間髪入れずにスライディングを仕掛けてくる。
上手い手だけどね。


「無駄だ!」


ボールを軽く上げて、胸でトラップしながら、身を翻す。


「くぅ、もう一回だ!」


いいぞ、その意気だ!

***
その後も小暮は一向にボールを取れずに2時間後が経過した。
流石に疲れたので、現在は少し休憩を挟んでいる。


「あの子、本当にサッカーやった事があるのかしら?」


音無さん、辛辣過ぎない?
取り敢えずフォローしとかないと、小暮の沽券にかかわる。


「確かにそう思っても無理はない。
けど、あいつはこの2時間で少しずつだが、俺の動きについてき始めてる」


事実、さっきまでのやり取りで、少しヒヤッとする場面が何回かあった。


「おい、いつまで水飲んでんだよ!」


いやー、若いって凄いわ。


「それに、あいつは2時間もやってんのに息一つ上がってない。
そして、あのしなやかな動きだ。奴はいいディフェンダーになる」


あんまり待たせるのもアレだし、さっさと続きしよ……ん?


「おい!どうかしたのかよ?」

「どうかしましたか?」

「………何でもない」


何か視線の様なものを感じた気がしたんだが。
まあ、気にしないでおくか。


「これは?」

「黒い霧?」


黒い霧が辺りを包み、11人の影が現れる。
どう考えてもこのタイミングの登場はイプシロンしかあり得ない。


「一旦円堂達と合流す……って早いなあいつら」


遠くから円堂達がこっちに駆けつけてくるのを見て、少しホッとする。
さて、これからどうなるのやら。

***
side三人称

小暮と真人がボールを奪い合っていた時に、それを見下ろしている二人組がいた。
1人は赤い髪をした少年、もう1人は青い髪に白いもみあげの少女。


「レーゼ達の言っていたことは本当だったんだ」


少年の台詞から、彼もエイリア学園の関係者である事が伺える。
真人を一心不乱に見つめる少年達は歓喜の表情を浮かべていた。


「良かった、真人は死んでなんかなかったんだ(・・・・・・・・・・・・・・・)


果たして、少年の言葉にはどういう意図があるのか。


「真人なら、俺達の仲間になってくれるんじゃないか?」

「ぬるま湯に浸かってたあいつが、私達と肩を並べられる筈がないわ」


少女の言葉に、少年は一瞬驚いたような顔をするが、直ぐに笑みを浮かべる。


「まだ怒ってるのかい?俺達に何も言わずに引っ越した事」

「煩い」

「まあ、見てれば分かるんじゃないかな?真人が僕達と今も肩を並べられているかどうかをさ」


本人の知らない所で、話がややこしくなろうとしていた。



2人の少年達、一体誰なんだ(すっとぼけ)。


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イプシロン戦の前?マジですか?

連投!


side真人


「何度言われても答えは変わりません」


イプシロンの挑戦を拒む漫遊寺に、イプシロンキャプテンのデザームは不敵に笑う。


「そうか、なら」


おい、まさか。
デザームはボールを上に掲げて、ゼルが飛び上がると同時に俺も飛ぶ。何とか間に合いそうだ。


「ハァッ!」


校舎を壊そうと蹴られたボールを蹴り返すために右足を蹴り出す。


「クッ!!」

「真人!」「真人さん!」


重ッ、蹴り返せそうにないぐらい重い。なら!!


「オォォラァッ!!!」


強引に体制を変えて、力の向きを下にし、ボールを地面に叩きつける。すると、地面に大きな穴が開いた。


「ほう」


地面に着地すると、デザームが感心したような目で俺を見る。


「やむおえません。その勝負お受けしましょう」


どうやら、漫遊寺中もエイリア学園のやり方が理解出来たようだ。これは、頑張った甲斐があったかな?

***
さて、漫遊寺中とイプシロンの試合だが、結論を言おう。たったの六分で漫遊寺中が負けた。
そして、何とか学校を破壊する前に、俺達と試合するようにこぎつけた。


FW 俺 士郎 染岡
MF 一ノ瀬 鬼道 風丸
DF 土門 壁山 財前 小暮(・・)
GK 円堂

小暮がワックスのいたずらをした時に、栗松と目金が怪我をした為にメンバーが足りなかったが、音無の強い推薦が有って、小暮が今回の試合に出る事になった。


「……あ?」


一瞬右足に違和感を感じ、強く足踏みする。ちょっと痛むが試合に支障はないか。
しかし、奥の手を使うのは少し難しそうだ。


「楽しんでいこうよ!」

「お前そればっかりだな」

「小暮!楽しんでいこうぜ!!」


小暮は複雑そうな顔をして俯く。いきなりだもん仕方ないよな。
各々、アップを始め体をほぐす。


「諸君、キックオフと行こうか」

「暴れたりねぇな。レーゼに勝ったなら少しは手応えあるんじゃねぇの?」

「お手並み拝見といきましょう」

「ぶっ潰す」

「命知らずってマキュア大好き」


あの、怖いんで野獣の眼光を向けるのやめてくれません?やっぱ、どっかで会ったことあんだろ。


「聞けぇ雷門中!!破壊されるは漫遊寺中にあらず。
我らエイリア学園に歯向い続ける、雷門イレブンと決まった!」

「勝手に決めちゃってるよ」


一ノ瀬、同感だが言っちゃいけない。


「漫遊寺中は六分で倒した。だが、お前達はジェミニストームを倒した。よって三分で決着とする」

「三分?」

「マジですか?」

「だから、何で勝手に決めちゃうかな」

「本当腹立つな。私そういうの大嫌い」

「だったら、僕達も三分で片付けちゃおうよ!」

「面白え!」


円堂、俺、土門、財前、士郎、染岡が口々に呟く。
士郎、それをフラグって言うんだ。


「エイリア学園ファーストランクチームイプシロンの力を思い知るがいい」


古株さんの笛が鳴り、試合が始まった。



次回、イプシロン戦


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VSイプシロン?マジですか?

京都編もあと一話。


side真人

キックオフと同時に、染岡から鬼道、鬼道から風丸へとボールが回る。


「戦闘、開始」


デザームの言葉と共に、クリプトが染岡を、メトロンとスオームが士郎を、ゼルとファドラが俺をマークし、動きを封じようとする。
だがな、甘いよ。


「なっ。」


ジェミニストームでこっちは散々マークされたんだ、マークを外す練習ぐらいしとるわ。


「鬼道!」


強引にマークを抜け、鬼道にパスを貰おうと声を上げるが、鬼道は土門にパスする。………聞こえなかったのかな?
土門は一瞬戸惑うがそのまま、ゴール付近の一ノ瀬にパス。


「スピニングシュート!!」


一ノ瀬渾身のシュートはデザームが止めるまでもなく、DF2人に弾かれ……いや、弾かれる何処かすげぇ勢いでこっち側のゴールに来てない?


「ザ・ウォール!!」

「ザ・タワー!!!」


壁山と財前のダブルブロックで、何とかシュートを跳ね返す。
跳ね返されたボールは空高く上がり、それを士郎が取るために、ジャンプする。


「貰ったぜ!」


士郎はアツヤに変わり、アツヤは同じくボールを取ろうしたイプシロン2人を踏み台にする。
今のファウルだろ。


「エタァァァァナル!!」


アツヤはエターナルブリザードの体制に、いや違うこれは。


「真人ォォ!!」


やっぱりな。雷門のゴール前から撃っても威力が落ちる。なら、これはシュートチェインを見越したパスだ!
ジャンプし、炎を纏いながら回転する。そして、ジャストタイミングで飛んで来たエターナルブリザードに


「ナイスだアツヤ!!トルネード!!!」


ファイアトルネードをチェインする。……即席でやったから、ちょっとタイミングずれたけど。
まあ、多少条件は悪いが、エターナルトルネードは現時点での雷門中最強のシュート技だ、これならーー。


「ワームホール」


デザームは俺達の渾身のシュートを簡単に止めてみせた。


「エターナルトルネードを?!」

「止めやがった?」

「ありえねえ」


アツヤは自身の技に絶対な自信を持っている、止められたのはショックだろう。
そういう俺も結構グサリときてる。


「敵ながら見事なシュートを撃つ。気に入ったぞ」

「ク、褒めてくれてありがとよ」


アツヤは全く嬉しくなさそうに言った。
エターナルトルネードで駄目なら、もうあのシュート技しかない。

***
イプシロンの猛攻が始まり、あっという間にゼルがゴール前にたどり着く。


「ハァァァァァ!ガニメデプロトン!」


かめは○波に酷似した、一見ハンドに見える技は雷門のゴールをやすやすと奪い取った。
0ー1奴らに勝つにはあのシュートを二回撃つ必要がある、けど一点でも取ったら奴らはさらに厳重にマークしてくるだろう、さらにあの技は連発は不可能。
………なら、この試合は捨てるしかないか。


「間も無く三分、我らはこの一撃を持ってこのゲームを終了とする」

「何?!」

「また決めてるし」

「聞け、人間共。我らは10日の後にもう一度勝負をしてやろう!
だが、お前達は勝負のその日まで、果たして生き残れるかな?」


不吉なのやめろ!怖えよ!


「何?どういう意味だ?」


鬼道の疑問に、デザームはボールを蹴って答える。その威力はGKが出していいものではなかった。
こんなのまともに受けたら、今のボロボロの円堂じゃどうなるか分からないぞ。


「フザケルナァァァァ!!」


アツヤが俺より先に、シュートに突っ込み、吹き飛ばされる。……俺を巻き込んで。
シュートの勢いは弱まること無く、円堂に向かって行く。って、不味い。


「小暮!!今すぐ逃げろ!!!」


小暮は急いで逃げようとして、躓いて逆立ちのような体制になり、そこにボールが当たり、グルグルと回る。
小暮の周りで暴風が巻き起こり、シュートは勢いを無くし、最後には止まった。そうだ、イプシロンの連中は?


「いない?」


いつの間にかイプシロンは姿も形も無くなっていた。



もし、ゴール前からエターナルトルネードを撃っていたら、ワームホールでは止められなかった。
つまり、同じ威力のワイバーンブリザードは、ワームホールを破れるというのが今作の設定。



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真夏の夜の夢?マジですか?

淫夢ではありません。


side真人

イプシロンと戦ったその日の夜、俺は誰にも見られないように抜け出した。ジャージからユニフォームに着替えて、林の中に立つ。
イプシロンにエターナルトルネードは通用しなかった。なら、必然的に太陽ショットも通用することは無いだろう。


「あれしかないのか」


開発したての時に、あの技を使ったら、足が痺れ腫れあがった。
使わないに越したことはないんだろうが、そんな事言って勝てる相手じゃない。

ボールを足元に置いて、右足に炎のエネルギーを溜めて、渾身の力でボールを蹴り上げる。ボールは赤い輝きを放ち、今は夜なのに、あたりを昼のように照らす。
再び右足にエネルギーを溜めて、ゆっくり落ちてきたボールを蹴りだすために、右足を後ろに引く。


「ソード・オ……誰だ!!」


背後から強烈な視線を感じ、技を中断し、振り返る。
ボールは地面にぶつかり、行き場所のないエネルギーを発散して大人しくなる。


「元気そうだな、真人」


青色の髪に白い揉み上げの少女が立っていた。
その少女を見た瞬間、軽い頭痛が起こるが、気にしない。


「久しぶり、そっちも元気そうだな、玲名」


八神玲名はまだ転校する前の頃、よく遊んでいた仲間の内の1人だ。


「取り敢えず、真人。………歯を食いしばりなさい!!」

「え、何ブェ!!?」


イッタァ!!え、なんで平手打ち?って、玲名さん?何で両手を挙げてるんです?え、ちょ、マジですかァァァァ!!!
仕方なく、やってくる衝撃を覚悟して目を閉じる。


「ん?」


確かに衝撃を感じたが、頰じゃなくて体全身に感じた。
そして、やたらといい匂いに、柔らかい感触。


「あの、玲名?」


恐る恐る目を開けると、玲名が俺を抱きしめていた。
さて、落ち着くんだ俺よ。士郎のあまりのモテっぷりに、嫌気がさして、遂に女の子に抱きつかれる幻覚でも見始めたか?
いや、でもこの感触は本物だよ?て、事は夢か?うわー、しばらく会ってない幼馴染の成長した姿を夢に見て、尚且つ、ハグされる夢ってどんだけ女々しいんだよ!!


「……何で、何で私達に何も言わずに居なくなったんだ。
真人が死んだって聞いて、皆んなが、私がどんな思いだったか」


……俺は馬鹿か?何くだらない現実逃避してんだよ。


「ごめん。ごめんな」


何で死んだ事になってるのかは分からないが、俺は生きてる、ちゃんとここに、お前の目の前に居る。
そういう意味を込めて、抱きしめる。


「くうっ、まさと、ぐすっ、真人ぉ!」


嗚咽交じりに俺の名を呼ぶ彼女を抱く強さを、少し強めるのだった。

***
眼が覚めると、寝袋の中だった。……まさかの夢オチ!?


「あ、真人さん起きたっすか?」

「もう直ぐ朝飯でやんすよ?」

「ああ、ありがとう。壁山、栗松」


寝袋から抜け出して、立ち上がる。……なんか寝た気がしないんだよな。


「あれ?真人君、ユニフォームで寝たんですか?」


あら?目金君の言った通りだわ。


「それに何だか、いい匂いがするでやんすよ?」


いや、男の匂いを嗅ぐなよ。
後ろから肩を叩かれて、振り返る。


「何だ鬼道?」

「昨日の夜、何処かに行ってたようだな?」


鬼道が何かを摘んで、俺に言う。何で髪の毛摘んでるの?


「お前の肩についてたぞ?」

「俺の肩に?」


よく見ると、その髪の毛は青くて長かった。


「この長くて青い髪、女の人のじゃないっすか!!」


壁山のその一言がきっかけで、ひたすら弄られる中、確信する。
あれは、夢じゃなかったと。



少しだけチラ見せする、主人公の究極奥義。


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悪戯小僧の仲間入り?マジですか?

京都編完結。


side真人

朝から弄りと質問責めにあったが、なんとか京都を立つ準備を終えて、漫遊寺中の面々とはさよならだ。
そんな中坊でラブコメ()な展開起こるわけ無いんだよ!彼女いない歴史=年齢+前世の俺が言うんだから間違いない!


「色々ご迷惑をお掛けしました。我々のために戦ってくれた事感謝しています」


垣田は円堂の手を握り言う。


「こっちも、色々ありがとう」

「それに、真人さん」

「ん?」


今度は俺に?


「我々の学校を守ってくれて、ありがとうございます」

「気にするな」


見て見ぬ振りは胸糞悪いからな。それに右足の痛みもすっかり引いたし。
音無が前に出て、垣田に話しかける。


「あの、小暮君は?」

「………そう言えば姿が?」

「あいつからうちのユニフォーム返してもらってないでやんすよ」

「いいわ。記念のプレゼントという事にしておきましょう」


流石雷門さん、太っ腹。


「漫遊寺のこれからが、思いやられますね」


目金、漫遊寺を心配する前に自分達の心配をした方がいい。


「小暮にサッカー頑張れって言っておいてください」

「ハハハ!」


円堂の言葉に思わず笑みが漏れる。


「何がおかしいんだ?」


円堂は眉をひそめて言う。


「いや、何でもない」


ただ、これから入る問題児にどう言った反応をするか楽しみなだけだよ。

***
京都から去るキャラバンの中、土門が唐突に口を開く。


「それにしても、小暮って面白い奴だったよな〜」

「本当にチームに入れなくて良かったのか?」


おっ、流石風丸。同じDFの小暮の才能を分かってるようだ。


「いやいや、それでいいのです。あんな奴がいたら宇宙人との試合で、勝てるものも勝てなくなります」


目金、お前が言うな。そろそろ、ネタばらしするか。


「だってさ。出てきていいぞ小暮」

「うっしっしっし!」


キャラバンの一番後ろの、荷物置きの物陰から小暮が現れる。


「「「ええええぇッッッ!!!」

「マジかよ?!」

「真人は知ってたの?」


士郎は呆れたようにこちらを見てくる。


「ああ。一緒に来るのを迷ってたから、背中を押した」


さて、これから賑やかになるぞ!















































***
side三人称

トレーニングルームと思わしき部屋のベンチに、玲名は腰をかけていた。
その表情は明るく、今にも鼻歌を歌いそうな程ご機嫌な様子だ。


「えらくご機嫌じゃないかウルビダ?」


赤髪の少年が、玲名(ウルビダ)に話しかける。


「グランか」

「真人と仲直りでも出来たのかい?」


赤髪の少年、グランは微笑みながら尋ねる。


「まあな。
お前の方こそ、楽しそうだな」

「面白い奴と会ってね」


トレーニングルームの扉が開き、デザームが現れ、一礼する。


「グラン様、エイリア皇帝陛下がお呼びです」


上司に頭を下げるサラリーマンの様だ。


「分かった、すぐ行くよ」

「では」


デザームとグランが退室して、1人になった玲名(ウルビダ)は考える。


(真人が蹴り上げたサッカーボールの、夜なのに昼と錯覚する程の光。……まさか、イプシロンとの試合では本気を出していなかったのか?
もしそうなら、真人はマスターランクチームに、私達ガイアの仲間になれるのではないか?)

「もう少し見極める必要があるな」


そう呟いて玲名(ウルビダ)はベンチから立ち上がり、部屋から出るのであった。



現時点では、真人は究極奥義だけ、マスターランクチームと渡り合えます。
ただし、他が釣り合ってないので、総合的に見たら、マスターランクチームより弱いです。


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愛媛へGO?マジですか?

愛媛編は色々端折る部分があります。


side真人

一度雷門中に戻ろうとするキャラバンの中で、小暮を巡って軽い論争が起こった位で、特に何もなかった。
そんな中、瞳子監督がメールを見て声を上げた。


「影山が脱走して、愛媛に真・帝国学園を設立した?!」

「何だって!!」


純雷門産の雷門中メンバーが反応するが、俺たち後から入ったメンバーにとっては何言ってるのか分からなかった。
しかし、何か面倒事の予感がするのははっきりと分かるのだった。

***
影山、かつて中学サッカー協会の副会長であり、帝国学園の監督?総帥?だった人物。
しかし、勝つ為には手段は選ばず、脅威に感じる選手は排除し、多くの選手が被害を受けた。最後には選手に軍用のドーピング剤を使わせ、今は入っていた、刑務所から脱走した。

そんな奴を放っておく事が出来る訳が無く、俺達は愛媛県にやって来た。

結論を言おう、やっぱ愛媛はみかんが美味い。


「──だから、帝国だろうが、真・帝国だろうが、俺達は負けない。それに、今は俺達最強トリオがいるんだからな」


染岡はそう言って、おにぎりを齧る。話を聞いていた、俺と士郎は頷く。


「そうだね」

「ああ、皆んなで真・帝国学園を……ん?」

「何だ?」


窓から外を見ると、キャラバンの周りで雷門メンバーが集まって、不良っぽい格好の少年と話している。
取り敢えず、俺達も外に出て、皆んなが注目する、不良に目を向ける。


「あなた、真・帝国学園の生徒ね。
あれは、響さんの名を騙って、私達を誘導する為に出したのね?何故、そんなすぐにバレる嘘をついたの?」

「俺、不動明王ってんだけど。俺の名前でメールしたら、ここまで来たのかよ?響の名前を語ったから、色々調べて、態々愛媛まで来たんだろうが?」


こっちが響さんに確認を取る事まで織り込み済みと言うことは、見た目不良だが、馬鹿と言うわけでは無いようだ。
それで、態々出待ちしてるくらいだから、要件は一つ。


「不動とやら、遊びは無しにしたいんだ。……早く、真・帝国学園まで連れてってくれないか?そっちも案内する為に来たんだろ?」


あの、露骨に不機嫌そうな顔しないでくれませんかね。
あっ、こいつ、舌打ちしやがった!!


「そいつの言う通りお前達を真・帝国学園にご招待してやる。……あんた、鬼道有人だろ?うちにはあんたの為のスペシャルゲストがいるぜ」

「スペシャルゲスト?」

「帝国学園のお仲間さんだ」

「そんな筈ない!影山の汚さを知っている帝国イレブンが奴に従う筈がない!!誰が、誰がいるって言うんだ!!」

「おいおい、それを教えちまったら、楽しみがなくなるだろ?着いてからのお楽しみだ」


上手いな。ここで万が一に備えて、俺達が奴について行かないという選択肢を潰しやがった。
まあ、奴にそんな意図は無いかもしれないし、こっちも行かないなんて選択肢、はなから無いからな。

奴は我が物顔でキャラバンに乗り込み、シートベルトをする。
そんな姿を見て思った、こいつ、実は根は素直なんじゃ?と。



愛媛編は一番短いかも?


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VS真・帝国学園?マジですか?その1

愛媛編を乗り越えたら、徐々に……ハハッ(ネズミ感)


side真人

不動の案内の下、埠頭にやって来た俺達を海から現れた真・帝国学園が出迎えてくれた。
そして、不動は鬼道と円堂を連れて、スペシャルゲストに会いに行った。俺達はおそらく始まる試合の為に、準備しながら待機だ。

10分もせずに戻って来た、2人の顔は沈んでいた。鬼道の話では、待っていたのは帝国学園時代の、いや、今も仲間の源田と佐久間。
彼達は鬼道への嫉妬心や何やらが原因で力?を欲し、俺達と試合をする為に、もう一度影山の下に降ったようだ。


「本当、馬鹿馬鹿しい」


勝ちたいとか、強くなりたいとか、そう思うのは全然良い。けど、力や勝利は自分自身で手にいれるもんだ。現にここにいる雷門メンバーはそうして強くなってきた。
だから、この試合は負けられない!!

***
side三人称

FW 染岡 吹雪 真人
MF 一ノ瀬 鬼道 財前
DF 風丸 壁山 栗松 土門
GK 円堂

雷門中はこの布陣で、位置につき、キックオフを待つ。
ホイッスルが鳴り、試合が開始されると同時に、不動と佐久間が駆け抜け、一気に雷門ゴールに迫る。


「佐久間!見せてやれよ、お前の()を!!」


不動は佐久間にパスを出し、佐久間はボールをキープして立ち止まる。


「うああああ!!」


佐久間は雄叫びをあげて、指笛を鳴らす。


「やめろ!!佐久間!!!」


鬼道はその技に心当たりがあるのか、必死に佐久間の所に走る。
地面から赤いペンギンが生え出し、宙を舞う。


「それは、禁断の技だァッ!!!」

「皇帝ペンギ「オラァッ!!」何!?」


佐久間の足にペンギンが纏わりつく、寸前に真人がボールをコート外へと蹴り出し、技を邪魔した。


「おいおい、邪魔すんなよ?せっかく佐久間が力を見せようとしてんのに」


真人は無視を決め込み、ゆっくりと息を整え。


「……気にいらねぇな。気にいらねぇよ」


そう、ポツリと漏らすのだった。

***
side真人

元々、シュートを邪魔する為に佐久間を追いかけていた、でも序盤から体力を使う訳にもいかないし、最後は円堂に任せるつもりだった。けど、鬼道の『禁断の技』と聞いた時に体が勝手に邪魔しに行っていた。
それに、ああ、糞ッ!!何でこんなにイライラしてるんだ?とにかく冷静にならないと。


「佐久間、あれは禁断の技だ!!絶対に使うな!!」

「怖いのか?俺に追い抜かれるのが?」


鬼道の焦りようから見て、かなり危険なシュート技のようだ。


「鬼道、禁断の技ってどういう意味だ?それに絶対に撃つなって?」


円堂や、皆んなが話を聞く為に鬼道の元へと向かう。


「佐久間が撃とうとしたシュート、皇帝ペンギン1号は影山が考案したシュート技だ。
恐ろしい威力を持つ反面、全身の筋肉に負担が掛かり、激痛が走る」


なんか、耳が痛いな。
いや、俺の技はそこまで酷くないけど


「それで封印された。あの技を撃つのは、一試合二回が限界。……三回目は」

「二度とサッカーができなくなるということか」


止めといて、正解だったか。ナイス俺の本能!


「あの技を受けたら、お前もタダではすまないぞ円堂。この試合の作戦が決まった、佐久間にボールを渡さない事だ」

「その作戦、俺も大賛成だ。目の前でそんな最悪な光景は見たくないよ」

「うん、僕もディフェンスに入るよ」


一ノ瀬や士郎を筆頭に、全員が賛成する。


「なら、俺と染岡は点を取りに行くぞ」

「ああ!」


配置につく為に、動こうとした時に、鬼道に呼び止められる。


「佐久間が撃つ前に止めてくれてありがとう。……俺はお前の事を誤解してたみたいだ」

「まぁ、気にするなよ」


相手のスローイングで試合が再開される。
佐久間に渡ろうとしたボールを士郎がカットして、鬼道に繋ぐ。


「思い出せ!これが本当の皇帝ペンギンだ!!」


鬼道は指笛を吹くと、地面から黒いペンギンが生えでて、宙を舞う。


「皇帝ペンギン!!」


鬼道が蹴ったボールに、並び立つ俺と染岡でツインシュートを叩き込む!!


「「2号!!!」」


3人の蹴りで威力が増したボールの周りをペンギンが飛ぶ。この火力なら、並みのキーパーでは止められない筈だ!!
しかし、キーパー源田は余裕の表情で、両手の付け根を合わせる。


「ビーストファング!!」


完全にシュートを止めてしまった。
ん?源田の様子が変だ。


「ぐう、ガァァァァァァァァッ!!」


源田は両手を抑えて蹲る。
おい、おい、まさか?鬼道を振り返り見る。


「まさか、ビーストファングまで?!」

「鬼道、あの技も?」


何となく分かるが一応聞いておく。


「あ、ああ、ビーストファングも皇帝ペンギン1号と共に封印された技だ」

「な、なら。ビーストファングも体を破壊する技?」

「源田にあの技を出させるな」


鬼道の言った言葉が、染岡の問いへの肯定を意味していた。

どうやら、本格的に不味くなってきた。



主人公がいるせいで、小暮がスタメンから外れるという。


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VS真・帝国学園?マジですか?その2

まさか、書き直す羽目になるなんて(死んだ目)。


side三人称

源田は何とか立ち上がり、郷院にパスを出し、ボールは最終的に不動に渡る。
真人は不動の進行方向に立ち、妨害にかかる。


「オラ、邪魔だ!!」

「行かせない!クレイジ……何っ?」


不動は真人が技を出す前に、佐久間にパスを出す。


「やらせないよ!アイスグランド!!!」


しかし、士郎は佐久間を氷漬けにして、ボールを奪い染岡にパスを出す。
受け取った染岡は、絶好のシュートチャンスがあるが、シュートを撃つ事ができずに真人にパスを出す。


(俺に渡されても………そうだ!!)

「壁山ッ!!上がれ!!!」

「えっ、俺っスか?」

「早くしてくれ!!」

「は、ハイっす!」


ワラワラ集まる、真・帝国のディフェンス陣から、ボールを死守する。


「何をしようが源田のビーストファングは破れねぇぜ?」


不動の言葉に真人は不敵に笑う。


「そいつはどうかな?
……バーニング・ダイナマイトォォッ!!!」


真人はディフェンス陣を一気に吹き飛ばし、ゴール前に来た壁山に指示を出す。


「ザ・ウォールを使ってくれ」

「は、ハイ!ザ・ウォール!!!」


壁山のザ・ウォールによって、源田の前に壁が出来て視界が塞がる。
しかし、源田は笑う。


(壁が出来たのは向こうも同じ、なら必然と上から奇襲でシュートを撃つ筈だ。)


源田は壁の上を警戒する。


「壁山、技はストップだ!!ファイアトルネード!!!」


源田は知らなかった、真人はファイアトルネードを低空で撃つことができることを。


「な、ビ──」

「遅えよ!!」


気付いた時には既に遅く、ボールはゴールネットを揺らしていた。

***
side真人

真・帝国側から試合が再開される。


「お前ら、分かってんな?」


不動の掛け声と共に、真・帝国学園のメンバーが、俺達をマークする。
そうか、そういうことか。


「ヤバイぞ、佐久間がフリーだ!!」


佐久間をマークしていた、士郎と一ノ瀬も邪魔されて動けない。他のメンバーじゃ遠すぎる。
強引にマークを外そうとするが、糞ッ、間に合わない。

不動は佐久間にボールを渡す。


「皇帝ペンギン1号!!!うあああああ!!!」


遂に佐久間は皇帝ペンギン1号を撃ってしまった。


「ゴッドハンド!!!クゥ……うわぁッ!!」


円堂はゴッドハンドを使うも、たやすく破られてしまう。
これで1ー1、佐久間、源田共に技の使用回数は1ずつ、あと一回は使えるが、使わせる訳にはいかない。
それに、さっきの手がもう一度通用するような相手ではない。


「目を覚ませ!自分の体を犠牲にした勝利に何の意味がある!佐久間、源田!!」


鬼道が説得にかかる。


「分かってないのはお前だよ、鬼道」

「俺達はどんな犠牲を払っても勝つ」


しかし、鬼道の叫びは届かない。
禁断の技を使って、激痛が走っている筈なのに………もう、こいつらに何を言っても無駄なのかもしれない。

そんな事を考えている間に、鬼道と不動が激しくボールを奪い合っている。
両者が同時にボールに蹴りを入れた時に、ボールは上空に弾かれて、前半が終了した。


「何だあれ?」


鬼道つぶつかった影響か、不動の胸元に紫に輝く石がついたネックレスが露わになっている。
何故だろう、俺はあれが無性に………。




主人公はエイリア石を見て、何を思ったんでしょうね?(すっとぼけ)。


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VS真・帝国学園?マジですか?その3

side〜を付けました。
これで少しは読みやすくなったかも?


side真人

地面に座り込み、水を飲む。さっきは疲れてるせいか、変な事を考えていたがもう大丈夫。

雷門全体に重苦しい雰囲気が流れている中、木野が口を開く。


「2人の為には試合を中止した方が良いんじゃ……」

「そうだな。そうすれば禁断の技を使わせずにすむ」


試合を中止した方が良いんじゃ的なムードが流れ始める。


「試合中止は認めないわよ」


瞳子監督が水を差す様にそう言った。


「監督?」

「後半は私の指示に従ってもらうわ。吹雪君はFWに戻って、皆んなには勝つ為のプレイをしてもらうわ」

「それじゃあ、佐久間君達は……」

「これは監督命令よ!私の目的はエイリア学園に勝つ事、この試合にも負ける訳にはいかないわ!」


皆んなには悪いが、俺は──


「──俺は監督の指示に従う。
試合を中止にしても根本的な解決にはならないからな」


さっきみたいに、上手くできれば禁断の技を使わせずにすむ。……できるかどうかは別として。


「確かにそうだな、試合を続けよう」


以外にも鬼道が俺の言葉に乗っかった。
視界の端で、士郎がアツヤに変化するのが見え、そちらに目をやる。


「なら、源田って奴は俺に任せな!あいつがあの技を出す暇も無いくらい、凄えシュートをぶちかましてやるよ」

「俺も協力するぜ!」


源田は染岡とアツヤに任せるとして、俺は完全に警戒されてるっぽいから、囮だな。


「サッカーが好きな奴に敵も味方もない、やろうぜ!!2人を守って、試合にも勝つんだ!!!」

「「「おう!!!」」」


やっぱり円堂(原作主人公)には敵わないな。

***
side三人称

後半が開始されて、アツヤは真人にパスを出し走り出し、真人もドリブルで上がっていく。
そんな、真人を不動は不敵な目で見つめる。


(こいつ、邪魔だな。………潰しとくか。)


不動は考えた事を実行すべく、走り出す。


「染お「喰らえエェェ!!!」なっ?!」


真人は染岡にパスを出そうとする直前、不動がスライディングを仕掛ける。
不動のスライディングはボールをスルーして、真人の右足にぶつかる。

当然、試合は中断されて、イエローカードが挙げられる。


「ぐっ、ァァァァ!!!」


真人はその場に倒れこみ、右足を抱える。


「悪い、悪い、まさかこんなんも避けられないとは」


不動は悪びれる様子もなく、真人を見下ろす。


「テメェッ、今のわざとだろ!!!」


チームメイト、それも親友と呼べるほど付き合いが長い吹雪は頭に血が上り、腕を振り上げる。


「やめろ、アツヤ!!!」


振り上がったアツヤの腕を真人が掴む。


「真人?大丈夫なのか?!」


吹雪はつい数瞬前まで痛みで地面を転がっていた、真人がケロッとしてるのを見て、驚く。


「ああ。スポーツに事故はつきものだ、お前も気をつけろよ、不動」


そう言って、真人は試合を再開させるために、位置に着く。
吹雪と不動は怪訝そうに真人を見るが、直ぐに元に戻るのだった。

***
side真人


「上手く騙せたみたいだな」


あまりの激痛に歩く度に痛みが走る。
もともと、意図しなくても表情があまり変わらないんだ、意図して表情を取り繕えば、痛みなんて感じてないように見えるだろう。
それにしても、ヒビは入って無いだろうけど、もう俺この試合何も出来な……いや、違うな。

ボールを後ろに蹴り、鬼道にパスを出して、試合を再開させる。
鬼道は直ぐに染岡にパスを出す。染岡はゴール前まで行くも、ディフェンス陣に阻まれてしまうが


「撃たせろ、シュートは源田が止める」


不動の一言で、ディフェンス陣は道を開ける。
染岡は数瞬躊躇うが、何かを察したのか、シュート体制に入る。


「ワイバーンクラァァァァッシュ!!」


染岡が撃ったワイバーンクラッシュは大きく右に逸れて行く。源田はシュートを撃ち損じだと判断したのか、構えを解く。
だが、それは撃ち損じなどでは断じてない。ボールの先にアツヤが回り込んでいる。なら、これはミスではなくパス。


「エタァァァナルブリザァァァード!!!」


アツヤはワイバーンクラッシュにエターナルブリザードをチェインする。
もともと、スピード重視の二つの技が合わさり、尚且つ、源田は完全に油断して構えを説いていたのだ、当然、反応できる訳がなく。
そのシュートは真・帝国のゴールを打ち破るのだった。

やっぱり俺が何かしなくても、あの2人ならやってくれると思ったぜ。
さあ、これで2ー1だ。



次話の更新は明日の予定。
染岡さんの怪我フラグが消えましたね。


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VS真・帝国学園?マジですか?その4

使用頻度が少なくなってきた太陽ショット。


side三人称

残り時間はあと僅か、真・帝国側から再開される。
再開されると同時に、アツヤはボールを奪い、染岡、真人へとボールが渡る。


「通さない!」

「チッ、栗松!」


小鳥遊が真人の行く手を阻み、真人は後ろの栗松にパスを出す。


「オオオラァァ!!」


そこに不動がスライディングでボールを掻っさらう。


「佐久間にシュートは撃たせない!」


一ノ瀬が佐久間と不動の間に立ち塞がるが、強引に突破されて、佐久間にボールが渡る。


「……皇帝ペンギン………」

「やめろーー!!!」


鬼道は佐久間を止める為に走る。


「うぁぁぁぁぁ!!!」」


激痛のあまり絶叫を上げながら、放たれた皇帝ペンギン1号。


「逃げる訳にはいかない!!」


それを止める為に、円堂はマジン・ザ・ハンドの体制に入る。
シュートと円堂の間に立った鬼道はボールを蹴り、シュートの威力を削ぐ。これのおかげで、円堂はシュートを完全に止めた。

しかし、直ぐにボールが不動の元へと渡る。


「チッ、仕方ねぇ」


不動は佐久間についているマークを見て、溜息をつくと、渾身の力でボールを蹴る。


「へ?この距離で?」


円堂はセンターラインからシュートを撃った不動に首をかしげるも、ゴッドハンドの体制に入る。
当然シュートは遠くから撃てばゴール前までには威力が落ちる。

しかし、そのシュートの威力が落ちる直前に比得がチェインする。
それでも、ゴールまでは遠い。

更に不動達のシュートに気を取られたマークを外し、佐久間がシュートコースに立つ。


「そういう事か!」


鬼道はこれが3人の連携シュートだということに気づく。


「「「トリプルブースト!!!」」」


気づいた時にはもう遅く、佐久間はボールを蹴ると同時にうつ伏せに倒れる。
どうやら、皇帝ペンギン1号で酷使した体では、普通のシュートを撃ってもダメージが入るようだ。

3人で放ったトリプルブーストは既にゴッドハンドで止められる威力ではなく、円堂はマジン・ザ・ハンドに切り替えようとする。
このままでは、間に合わない。──そう、このままでは(・・・・・・)


「ファイアァァァァ!!!トルネェェェド!!!」

「ウオォォォ!!!」


ゴール前まで戻って来た真人がファイアトルネードで染岡が右足でシュートブロックを掛ける。
しかし、完全には止めらずに、2人は吹き飛ばされる。

だが──


「マジン・ザ・ハンド!!」


円堂が技を出すのには十分だった。
トリプルブーストはマジン・ザ・ハンドに敗れると共に、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
2ー1雷門の勝利で幕を閉じた。

***
side真人


「佐久間、佐久間!!」


源田は倒れた佐久間を抱えて名を呼ぶ。
源田だって体がボロボロなはずだ、けどそれ以上に仲間が大事なんだろう。


「影山ァァァァァァァァ!!!」


仲間を利用され、傷つけられた怒りを露わにする様に鬼道は叫ぶ。
ーー影山零治、一体何が奴をこうさせたのか。

そんな事を考えながら、一歩踏み出す。
怪我した足から、軋む様な音がきこえて、溜息をつくのだった。



あ、この作品にダークエンペラーズは登場します(唐突)。
今回真人は怪我をしましたが、離脱はしません。


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事後報告?マジですか?

リアルでゴタついていて、更新が遅れました。




side真人

真・帝国学園という名の潜水艦が沈んで行く。と言うのも、試合が終わり少しすると、潜水艦が自爆を始めたのだ。
俺達は直ぐに救命ボートに乗り込み、脱出出来たので無事だが、影山が潜水艦と共に海に消えたのだそうだ。

佐久間と源田は救急車で運ばれ、俺も足のことで一緒に救急車に乗った。
あの2人は完全に目を覚まし、今度はちゃんとしたサッカーをしたいと言ってくれたので、もう大丈夫だろう。
2人の怪我は少しの間入院すれば、完治するそうだ。

ん?俺の方の怪我?……ま、多少はね?

***
side三人称


「そう、1日あれば治る程度の怪我なのね」


真人は病院から貰ってきた診断書を瞳子に見せ、その内容を見た瞳子は無表情ながら安堵の溜息をつく。


「はい。だから、直ぐに復帰できると思います」

「そう」


瞳子が頷いたのを確認して、真人は立ち去ろうと背を向ける。その背中に瞳子は声をかける。


「どうして、あなたは黙っているの?」


真人は立ち止まり、首をかしげる。


「黙ってる?」

「……私の事、エイリア学園の事、おひさま園の事。」

「監督の事?おひさま園は昔住んでた場所の近くにあり、友達もいましたが?」

「まさか、あなた昔の記憶が……」

「そうみたいなんですけど、具体的に何を忘れているかが………すいません、頭が痛くなってきたので先に戻ります」


真人は無表情のまま、頭を抑えて、立ち去っていった。
1人残された瞳子はその場で考えを巡らせる。


(真人君はおひさま園の事は覚えている。しかし、リュウジや治の様な子達の事は忘れている。それに彼は雪崩の事故に巻き込まれて、死んだ事になっていた。恐らくその時に軽い記憶障害がおっこったんだわ)


そこで一度、考えを中断し、瞳子は手に持つ診断書の紙に目を落とす。少し違和感を感じたのか、じっと見つめ、自分の気のせいと結論付けるのだった。

***
真人が瞳子に会う数時間前。
病院の自動ドアが開き、中から真人が出てくる。
そして、迷いなく近くにあるコンビニに入ると、修正テープとボールペンを買い、一度コンビニを出て、鞄から一枚の紙を取り出す。


「ほんと、マジですか」


そう呟き、紙の一部に修正テープを貼り付け、上から文字を書きだす。それが終わると、もう一度コンビニに入り、今しがた修正した紙をコピーすると、元の紙をグチャグチャに丸めてゴミ箱に放り込み、店から出る。

真人が店を出ると直ぐに、真人が捨てた紙がポロっとゴミ箱から落ちる。落ちた衝撃から、紙の一部が見え、その紙には『診断書』の文字と『治二週』の文字が見えていた。



短い上に手抜きだな(人ごとのような感想)。


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ア、アイデンティティが?マジですか?

早く大阪編に行きたいのに、筆が進まない。


side真人

愛媛にさよならして、俺達は円堂達雷門勢の地元、稲妻町に向かっていた。


「ほら見えるだろあの鉄塔、稲妻町のシンボルなんだ!」


円堂が興奮気味に窓の外に見える、稲妻マークが付いた鉄塔を指差した。円堂だけでなく、地元民達は皆んな久しぶりの帰郷に浮き足立っている。


「イプシロンとの試合まで一週間だ!皆んなバッチリ練習してレベルアップしていこうぜ!!」

「「「おう!!!」」」


僅かにずきりと痛んだ頭を無視しながら、現在進行形で負傷中の右足を撫でる。……確実に点を取るには、あの技しかない。だから右足(こいつ)には頑張ってもらわないとな。

バスが河川敷のグランド付近に止まる。目的の場所はここの様だ。
グランドでは2人の男がPK方式の練習をしていた。
シュートを撃つのは雷門中のジャージを着た、雷門中の生徒?、キーパーはトゲトゲ頭に他校のユニフォームを着た男。

雷門生?はボールを蹴り上げて、回転をしながら暗炎を纏い飛び上がる。……ん?まさか?


『ダークトルネード!!!』

「おっふ」


微かにダークトルネードと聞こえ、思わず声を上げる。どう見ても、ファイアトルネードの派生技です!ありがとうございました!
それも修也のやる左回転じゃなく、俺が使う右回転のだ。…あ、アイデンティティが崩れていく。


「すげぇなあいつのシュート!」

「何だ?あいつ、雷門のジャージを着てるぞ?」


風丸の呟きから、例の怪我をして留守番しているメンバーではない様だ。


「杉森!!」


円堂と風丸がトゲトゲ頭のキーパーに向かって行った。
雷門ジャージは知らなくて、他中の生徒の方は知り合いと。普通逆じゃね?そこの所はちょうど話し始めた一ノ瀬と鬼道から盗み聞きしないと。


「誰だあの2人?」

「キーパーの方は御影専農中のキャプテン杉森威。フットボールフロンティアの予選で雷門と対戦した」


……そういえば白恋(うち)がフットボールフロンティアに出れなかったのは、影山が裏で手を回していたからだそうだ。
そんな事しなくても今年のは出る気なかったのにな。


「うしし、変な頭」

「隣の人相が悪い方は誰だ?」


財前も木暮も失礼すぎだろ!キャラバンの中だから、外の彼達には聞こえないけど。

***

暫くして、円堂達がキャラバンに戻って来て、ファイアトルネード擬きこと闇野カゲト、通称シャドウの事を教えてくれた。
シャドウは円堂達が旅立ったと同時に雷門に転校してきて、今は杉森達と共に対エイリア学園のバックアップチームに加入しているらしい。

さて、それは兎も角。


「どうしてこうなった?」


手に持ったサッカーボールを見て呟くのだった。



いつもとは違い、次話の投稿は少し間が空きます。


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強引すぎ?マジですか?

久しぶりに書いたので、期待はNG。


side真人

雷門中に存在する地下訓練施設、通称"イナビカリ修練場"でガトリングの様にサッカーボールを撃ち出す機械にボールをセットしながら呟く。


「どうしてこうなった?」


***

遡ること数十分前。
河川敷を後にし雷門中にやって来た俺達を、マネージャーの雷門夏美の父で、雷門中の理事長の雷門さんが待っていた。


「諸君、よく戻って来てくれた。夏美から報告を受けたが、真・帝国学園には正直驚いたよ」


鬼道が少し、複雑そうな顔をして俯く。
まあ、そう簡単に気持ちを整理なんて出来ないわな。


「苦しい戦いが続くが、君達なら必ず成し遂げられる。これからも頑張ってくれ。
……とは言え、休みも大切だ。短い時間だがゆっくり体を休めてくれたまえ」


そう言って、理事長は話を終えた。
さて、やる事ないし、取り敢えずシャドウとどっちのトルネードが上か試しにいかないと。


「木暮君、ちょっと付いて来て!」

「なんだよ」


木暮が音無に連れて行かれる。
ああ、そういえば雷門に帰ったら木暮にイプシロン戦で見せた技を完全習得させるって息巻いてたな。


「木暮、強く生きろよ」


さて、シャドウとやらと白黒はっきりつけに行こう。
肩を叩かれて後ろを振り返る。そこには音無が居て俺の腕をガッチリと掴む。


「真人さんも手伝ってください!」


え、何故?ちょっ、鬼道さん!?あんたの妹よ?助け……あの野郎、目を逸らしやがった!!分かった、分かったから引っ張らないで!!あぁ、もうマジですか?!

***

そういう訳で、俺は木暮強化プロジェクトに参加することになったのだ。
そして、今に至る。
ここは雷門中サッカー部の訓練施設、通称イナビカリ修練場。
俺は本来キーパー用のマシンにボールを入れて、木暮の方に照準を向ける。


「真人さーん、いつでも大丈夫ですよ!」


ちゃっかり遠くに離れている、音無が声をかけてくる。……ん?普通今の台詞は木暮が言うんじゃ?いや、考えても無駄か。


「それじゃ、始めるぞー!!……イッチマイナ。」

「えっ、グゥッ!!」


レバーを引いて、その場から離れる。すまんな木暮、強く生きろよ。
そのまま、イナビカリ修練場から出て、入り口横の壁に背中を預けて腕を組む。音無はタオルを取りにキャラバンの方に行った。

恐らく、先程の様子を見る限り木暮は新技を完成させることは出来ないだろう。
だって……


「やめだ、やめだ、やめやめ!!」


木暮が修練場を飛び出して、俺に気づいたのか立ち止まる。丁度いいタイミングで音無がタオルを持って戻って来た。
木暮はタオルを奪い取り、歩き去ろうとする。


「木暮君、どこに行くの?」

「どこでもいいだろ」


冷たく返す木暮に、音無は食い下がる。


「特訓は?あの技は完成したの?」

「あんなの偶然だよ」

「本当にそうか?偶然でイプシロンのシュートを止められると思うのか?」


じゃないと、壁山や財前、円堂達の立つ瀬がない。
木暮には間違いなく、潜在的な才能が眠っているはずだ。


「そうですよ、真人さんの言う通りです。私達も付き合うから一緒に頑張りましょう?」


木暮の顔から表情が消える。
こんな表情に何故か既視感を感じる。


「一緒だって?母ちゃんと同じ事言うな!!」


嗚呼、そうか。
この表情、あの雨の日の玲名と、昔の士郎にそっくりなんだ。
人には何かしら地雷がある。これは、それを的確に踏み抜かれた時の表情だ。


「一緒になんか言える奴なんて、信じられるか!!」


玲名の時は、クラスメイトの罵詈雑言や、担任の無神経な一言。木暮の場合は一緒に(・・・)と言う人間。
何とかしたいけど、こればっかりはどうにも出来ない。

木暮はその場に座り込み。タオルを頭に被る。
そして、ポツリ、ポツリと話してくれた。母親と一緒に(・・・)旅行に行った時に、置き去りにされた話を。


「──だから、俺は誰も信じないようにしてるんだ」


俺も音無は何も言えない。いや、音無は掛ける言葉を必死に探してるようだ。


「なんてな!
……あんたがやれって言うから、もうちょい頑張ってやるよ」


木暮はそう言って、修練場に向かって駆け出した。奴が無理してるのは重々承知してる。でも、これは木暮個人の問題だ。口を出すわけにいかない。
音無は投げ渡されたタオルから飛び出したカエルを見て短く悲鳴を上げた。


「うっしっし!」


やっぱり、あいつの仕業か。
さて、少しアドバイスをしてやるか。


「木暮ー!!あの技は逆立ちからの回転が肝だ!!突っ立ってても技はできないぞー!!」


さっきの段階じゃ、木暮は突っ立って、ボールを受けていた。そりゃ、技は完成しない。

そんなアドバイスや、音無の応援があったためか、木暮は新必殺技、旋風陣を完成させることができたのだった。



次話から大阪編。
投稿は今日の夕方頃です。


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夢、あるいは罪の……

珍しくシリアス(当社比)。


side真人

眼前に広がるのはかつての情景。

──嗚呼、これは夢か。


『何で皆んな僕を置いていったの?』


士郎は虚ろな目をして、虚空を見つめる。
情けない事にこの時の俺は、何も言えなかった。


『どうして、真人と僕が■■■■■■■たの?」


いや、今もそうだ。
俺は士郎に対して、今も言わなきゃいけない事を言えないでいる。























士郎、■■■はとっくの昔に──。

***

えらく懐かしい夢を見た気がする。


「あ、真人起きた?もうすぐ着くって監督が」


軽くあくびをして隣に目をやる。


「相変わらず、君は呑気だね」


隣には士郎が、何時もの様に微笑んでいた。
現在、俺達はエイリア学園の基地があると思われる、大阪のナニワランドへと向かっていた。


「そうか?
………なあ、士郎」

「何?」

「イプシロンから、いや、デザームからゴールを奪う自信があるか?」


漫遊寺でのイプシロンとの一戦から、士郎はどこか焦っていた。
だから、ずっと心配だったのだ。また、昔の士郎に戻ってしまわないかと。


「……あるよ」


士郎はマフラーに手を当てると、アツヤに変わる。


「あんな奴俺のエターナルブリザードで、今度こそ吹き飛ばしてやるぜ!それより、そんな事言うのは、まさか自信ねえのか?」

「フッ、まさかな。
俺がシュートを決めたのにお前が決めれないんじゃ、話にならないから、確認しただけだよ」


俺は肩を竦めながら答えた。
アツヤは呆れた様に俺を見る。ん?呆れられる要素があったか?


「まったく、父さんも言ってたろ。俺達は三人で完璧になるんだってな」

「……いや、親父さんはお前(シロウ)が守って、お前(アツヤ)のスピードシュートでゴールを奪う。
もし、スピードシュートで駄目なら、俺のパワーシュートでゴールを奪う。これで完璧って言ってたじゃないか。
お前が決めてくれるなら、俺はサポートに回るよ」


一瞬固まりそうになって、慌てて取り繕ったから、言ってる事がよく分からなくなった。
それにしても、完璧(・・)か。


「……真人?」


俺はまた、士郎に言ってやれないでいるんだな。

負傷中の右足がズキりと痛んだ気がした。

***
さて、色々あってナニワランドに着いたけど……何で吹雪君は速攻で逆ナンパされるんですかね?


「ほら、アッチとか怪しない?」

「行きましょ、吹雪君、豪炎寺君」


2人の女の子がそれぞれ俺と士郎の腕を掴む。多分、並び的に、女の子 俺 士郎 女の子の一列だから、仕方なく俺の腕を掴んでんだろうな。
まぁ、そんな訳で、円堂達とは別々に行動しているんだけど、一つ言っていい?

お化け屋敷は勘弁して下さい。



次話の投稿はいつになるか未定です。
なるべく早く書けるように頑張ります。


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お化け?マジですか?

あと少し、あと少しなんだ。(イプシロン戦まで)


side真人


「し、死ぬかと思った」


お化け屋敷を抜けて、何とか一息つく。
言っちゃあれだが、本当に遊園地にエイリアのアジトなんてあるのか?


「あはは、そう言えば怖いもの苦手だったね」

「真人君以外に可愛い所あるやん!」

「ハハ、アハハハ……ハ?」


ふと、時計を見ると集合時間まで後5分もないことに気づき、士郎の眼前に時計を出す。


「僕達、もう行かないと」

「今日はありがとう、おかげで楽しかったです」


俺と士郎はベンチから立ち上がり、集合場所まで駆け出すのだった。

***
side三人称

さて、この作品で真人と吹雪の2人が揃った時を思い出してみよう。
大雪原では、士郎が迷子。
京都では、2人揃って迷子。

さて、もうお察しだろう。


「ええと、こっちだっけ?」

「こっちじゃなかったか?」


真人と吹雪はパンフレットを見て、立ち止まっていた。そう、2人は現在進行形で道に迷っていたのである。
そんな2人の背中に、1人の少女が接近して声を掛ける。


「何かお困り?」


少女は真人達と同じくらいの年齢で、おとなしそうな容姿に、無表情で氷の様な冷たい目をしていた。


「ええと、友達と待ち合わせしてるんだけど、どうやって行くのか分からなくなっちゃって」


吹雪はそんな目に一瞬戸惑うが、パンフレットに載っている地図を見せながら言う。
真人は少し眉間に皺を寄せながら、頭を抑える。


「真人?」


そんな真人の様子に吹雪は気がつき、呼びかけた。


「……あ、ああ。ちょっと、頭痛が痛くてな」


大丈夫?と吹雪は心配そうに眉を寄せる。


「フフ、頭痛が痛いって、迷子だって、君はまだそんな小学生みたいなミスをしてるの?」


少女は可笑しそうに笑い、歩き出す。


「お前、俺の事を──」

少女は真人とのすれ違いざまに、小声で耳打ちする。


「私は、倉掛クララ。
──早く本気を出さないと、負けるよ?」


少女、倉掛クララはそのまま歩き去ると思いきや、立ち止まる。


「君達の目的地はあっちで、そのジャージを着た男の子が遊園地から出て行ったよ。
……今度こそ、またね真人」


そのまま倉掛クララは歩き去って行った。


「今の人、真人の知り合い?」

「さあな?これから確かめる。先に集合場所に行ってくれ、後で落ち合う!」


真人は倉掛クララが去っていった方に走りだした。
残された士郎は、真人の指示通り集合場所に向かうのだった。

***
side 真人


「見つけた!!待ってくれ!!」


クララと名乗った少女は俺の顔を見ると、ニコリと微笑んだ。
待ってくれるのか、よか……って、マジですか?!


「速い、ちょっ、追いつかない!!」


クララは一瞬立ち止まったが、直ぐに走りだした。
あの笑顔、あの子絶対ドSだよ!というか、雷門では士郎、風丸、俺の順番で足が速いのに、全然追いつけない!下手すれば、イプシロンより……イプシロンより速い?


「……まさかあの子、エイリア学園か?」


だとしたら、イプシロンより更に上があるという事になるぞ。そんな事あってたまるかよ!!

そんな事を考えているうちに、奴は右に曲がる。


「しめた!!」


確か、あの先は行き止まりだ。もろたで工藤!!
俺も最速で曲がり角を曲がる。


「観念するんだ……え?」


そこには誰も居なかった。
辺りを見渡すが、隠れられるような所も無い。


「ま、まさか、お、お、お化けだった?」

急に辺りが肌寒く感じ、唐突に音がなる。


「ヒィ!!!」


……何だ、携帯かよびっくりさせるなよ!!
携帯を取り出して、耳に当てる。


「もしもし?目金か……一ノ瀬が婿入りでサッカーの試合?よく分からんが、直ぐにそっちに向かう」


目金からのよく分からない電話を切り、急いで回れ右して、その場を走り去る。

いくつになっても、お化けは嫌いなんだよ!!



倉掛クララ?その正体はいったい、何ヤモンドダストの DFなのか?(すっとぼけ)。


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VS大阪ギャルズC C C?マジですか?

軽くメタ発言入りまーす。


side真人

グラウンドでアップをしながら、鬼道に俺が居なかった間の状況を確認していた。


「つまり、強引に婿入りされそうな、一ノ瀬を巡ってサッカーで勝負すると」

「ああ、端的に言うとそうなる」


本当、俺が居なかった間に何があったよ?
自分で言ってて訳が分からないが、俺達は一ノ瀬を巡って大阪ギャルズC C Cと試合をしないといけないらしい。

今回の布陣は。
FW 目金 染岡 士郎
MF 一ノ瀬 鬼道 財前
DF 木暮 壁山 栗松 土門
GK 円堂

ベンチ 俺

目金曰く、「今回は言い出しっぺの僕が出ますので(ry」だそうなので、今回は涙を飲んで俺がベンチに引き下がった。


「締まっていこうぜ!!」

「決めるぞ、旋風陣!!」

「僕達に勝とうなんて200万年早いんですよ」


グラウンドから聞こえる明るい声に思わず溜息をつく。


「やっぱり出たかったんですか?」


そんな俺を見かねてか、音無が話しかけてくれた。


「出たいか、出たく無いかで言ったら、出たいよ。
けど、人の色恋を邪魔すると、馬に蹴られるしね」


それに今はイプシロン戦を控えた大事な時期だ。
下手に参加して、怪我を悪化させてしまったら笑えない。

そうこうしているうちに、試合が開始される。
言い方はアレだが、相手は女の子の集まりだ、負ける事はないだろう。

***


「……そう思ってた時期が俺にもありました」


俺の予想を裏切り、大阪ギャルズC C Cはアクロバティックな動きと、巧みな話術で雷門をピンチに追い込んでしまったのだ。
後半からは監督が俺と目金を交代した。現在0ー1、早い内に同点に持ち込まないと、下手すれば負ける。

試合が再開され、士郎にパスして敵陣に上がる。
雷門が不利になったのは、女子に対する耐性の無さが大きい。


「真人!」


鬼道からパスを受け取り、俺の前に立ち塞がり、ウインクして誘惑しようとする相手を烈風ダッシュで突破する。


「女の子を無視するなんて最低!!」


後ろでそんな声がするが知るか!!こっちはその女の子を無視しなかったせいで、心霊体験をする羽目になったんだよ!!

さあ、行くぜ!超久しぶりに撃つ、必殺シュート!!


「ハァァァ、太陽ショットォッ!!!」


使う機会が減りそうな技の筆頭格、太陽ショットを全力で蹴り込む。


「花吹雪!!ちょっとおお〜!!」


これで同点……マジですか?
入ったと思ったボールはポストに弾かれてしまう。まだ、本調子じゃねぇのか。


「色目なんて使ってんじゃねえぞ!!」


溢れたボールを拾った染岡が DFを突破して、ゴール前に立つ。


「ワイバーンクラァァッシュ!!」


相手キーパーは技を出す暇なく、ゴールを破られた。


「どうした?らしくねえじゃねえか」


自陣に戻る途中、染岡に問われる。


「少しタイミングがズレたみたいだ、次からは気をつける」


さて、ちゃんとしないと。
瞳子監督は鋭いから、怪我の事バレないようにしないと。

***

side三人称

試合が再開されるてと、両陣営互角の勝負を繰り広げた。


「ザ・タワー!!」

「疾風ダッシュ!!」


風丸は吹雪にボールをパスし、吹雪の雰囲気が変化する。


「同じ手が二度も通じるかよ!!
吹き荒れろ!!エターナルブリザード!!!」


吹雪のエターナルブリザードが決まり、これで2ー1。


「バタフライドリーム!!」


浦部と御堂の必殺シュートが雷門に迫る。


「ゴッドハンド!!」


だが、それは円堂がキッチリ止める。
後半は残り僅か、ボールは真人に渡るが、センターライン付近で御堂が立ち塞がる。


「フッ。」


真人は何かを確認して、不敵に笑うとボール蹴り上げ、自身は炎を纏いながら上昇する。


「ファイアトルネード!!」


炎を纏ったボールは途中で威力が落ち、完全にフリーな状態の一ノ瀬に渡る。
真人は地面に着地して、口を開く。


「最後は決めろ、一ノ瀬!!!」


一ノ瀬は頷くと、シュートモーションに入る。


「スパイラルショット!!!」

「花吹雪!!ウワァァ!!」


一ノ瀬渾身のシュートは大阪ギャルズC C Cのゴールを奪い、その瞬間試合終了のホイッスルが鳴る。
結果は3ー1で雷門の勝利で幕を閉じるのだった。



後半はdieジェスト。


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特訓は地下施設?マジですか?

少し遅くなりました。


試合終了のホイッスルを聞きながら、何となく立ち尽くす。点差を見ればこっちが圧倒しているが、何度もヒヤヒヤさせられた。


「やっぱりダーリン最高やわ!!あんな凄いサッカーできるやなんて、もう一生離さへん!!」

「え?!」


向こうで浦部と一ノ瀬の微笑ましい、やりとりが行われているが、この際無視しよう。
皆んなの目が一ノ瀬たちの方に向いてる隙に、右足の靴下を下ろす。すると、靴下の中から足首を覆う様に巻かれた包帯、更に包帯の下にある、湿布も剥がす。


「うわあ」


青黒く変色している右足を見て、思わず声を上げてしまう。医者は完治まで三週間。それも絶対安静とまで言っていた。
けど──


「イプシロンを倒すまでは、もってもらわないと」


鈍くて重い痛みの所為で顔が歪みそうになる。
湿布は後で張り替えるとして、処方して貰った痛み止めがキャラバンのカバンに置いてきてしまったんだよな。
どうしたも……気配!!


「真人さん?」


慌てて靴下を上にあげ、振り返る。
そこには音無が立っている。


「皆んな移動しますよ?何でも浦部さんが何処かに案内してくれるみたいです」

「分かった、直ぐに行く」


外した湿布やら包帯をポケットに押し込み、皆んなのあとに続いた。

***
【目金は】ナニワランドの地下はトレーニング施設だった?!【犠牲となったのだ】
……何かのタイトルみたいだな。

俺たちが、大阪ギャ、長いからCCCでいいか。
そのCCCに連れてこられたのは、明らかにハイテクな特訓施設だった。
一ノ瀬の頼みにより、何とかこの施設を借りる事になった俺達は、イプシロンが来るまでの3日をここでの練習で過ごす事となる。

しかし、今俺の頭を悩ませている事がいくつもある。
一つは、足の事。
二つは、この施設の本来の持ち主の事。
最後に……


「オラッ!!」


ある程度威力を削ぎ、ボールを蹴る。
放たれたボールはゴール前にある、何重にも重なった板を数枚破って止まる。
……これは来たんじゃないだろうか?


『突破枚数9枚、指定された枚数より1枚少ないです』


機械がそう告げる。
これは、ゴール前に設置された板を指定枚数シュートで破るという、力のコントロールをする為の機械だ。
指定された枚数にいかなくても、越しても駄目。失敗すると──。


『ププっ、もう一回、もう一回!!』

「……はぁ、マジですか」


失敗すると、このうぜえ台詞がきこえる。やたら綺麗な女の子の声が更にイライラを増す。
しかも最近聞いたような声なんだが、思い出せない。これが頭を悩ませてくる原因の一つだ。

突然後ろのドアが開き、染岡と風丸が姿を現わす。


「真人、皆んなでディフェンス練習するんだってよ」

「お前も来てくれ」

「分かった、すぐに行く」


コンピューターの画面にある、終了ボタンを押して染岡達に着いて行く。
特訓場所に着くと、何やら様子がおかしかった。


「……アツヤ?」


何でディフェンス特訓なのに、士郎の奴アツヤに変わってるんだ?
もしかして、あいつが原因か?


「こんなトロい事やってられるか!!」


アツヤが駆け出そうとし、染岡が立ち塞がる。
やはり、原因はアツヤか。


「どうしたんだ吹雪?」

「テメエには関係ねえだろ!!俺は、俺達はデザームの野郎をぶっ飛ばさねえといけないんだよ!!!」


アツヤはそのまま、シュート特訓マシーンがある部屋まで走っていった。


「吹雪の奴、急にどうしたんだ?」

「……アツヤの奴、何焦ってんだよ」


ディフェンス練習する流れでもないし、少しあいつと話してくるか。
踵を返して、アツヤを追いかけようと歩き出す。


「待て、真人」


鬼道に呼び止められて、立ち止まり振り返る。


「お前は偶に吹雪の事をアツヤと呼ぶが、何故なんだ?」


……聞かれてたのか。
でも、士郎(アツヤ)が抱えてるもんを俺が勝手に話す訳にはいかないな。


「すまない。これは俺と士郎とアツヤの問題だ、いつか必ず話すから、まだ待ってくれ」


それだけ言うと、逃げる為に走りだすのだった。



次話の投稿は明日の昼頃です。


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焦り、不安

主人公がやっている、オリジナルの特訓にはちゃんと意味があります。



side真人

アツヤと染岡がよく使う、シュートの練習施設の自動ドアをくぐると色んな所にボールが散らばっていた。
この施設のマシーンはシュートを撃つと、実際のゴールキーパーの様に跳ね返してくるのだ。つまり、散らばってるボールの数は、跳ね返されたボールの数だ。


「──デザームゥゥゥッ!!!」


うわ、アツヤの奴随分と荒れてんな。
あんなに熱くなってんだ、普通に話し掛けても無駄だな……成る程。

落ちてるボールを足で扱い、軽く上げる。


「オラッ!!!」


アツヤがシュートを撃つよりツーテンポ早めに、ボールを蹴り出す。
放たれたボールが、アツヤの蹴り出したボールにぶつかり、見当違いの方向に飛んでいった。


「誰だ!!……何だお前か、邪魔すんじゃねえよ。」


そう言って、再びマシンに向かおうとするので、近づいて肩を掴む。


「……そんなに、シュートを止められたのが悔しいか?」

「……テメエは悔しくねえのかよ、止められたのはお前もだろ?」

「そうだな、けど悔しくなんかないぜ。」


そう、多分アツヤはエターナルトルネードを完璧に撃って止められたと勘違いしている。
だが、それは間違いだ。


「はぁ?何でだよ。」

「言い訳みたいであんまり言いたくないんだがな、あの時俺がシュートをチェインさせるタイミングをミスったんだ。」


だが、あの威力でもデザームは必殺技を発動させた。
あの後確認したが、ゴール前には踵の跡があった、ならば──。


「だからさ、そんなに焦んなくてもいいんじゃないか?
俺とお前達が居て、勝てない相手なんていないだろ?」

「……とっとと、こんなマシンクリアしてやるから、お前も早くクリアして来いよ。」


そう言って、練習に戻ろうと背を向ける。
一瞬見えた顔は少し晴れていて、これなら安心できそうだ。

さて、俺の方も特訓に戻るか。




***
イプシロンが来るのは明日。
良い意味で真剣になったアツヤに触発されてか、皆んなの特訓の努力と成果は、徐々に噛み合っていったんだ。


「オラっ!!」


蹴り出されたボールは確かな、精度とパワーを持って、板を貫く。

『指定枚数40枚中37枚。突破枚数、37枚。クリアです。』

「最終関門、クリア。」

『お前がNo.1だ。』


煽る声がどっかの野菜星の王子みたいな事を言うので、思わず肩をすくめる。ここは、同じ龍玉ネタで返すか。


「俺の戦闘力は53万だからな。」


さて、この後は明日に向けて円堂が喝入れするらしいし、行くか。

***

side三人称

それぞれ、あの特訓施設での最高難易度をクリアした雷門イレブンはキャラバンの前で集合している。


「よし、明日は頑張るぞ!!」

「「「オオーー!!!」


イプシロンとの戦いまで、後数時間。



終わらせ方が適当になってしまった……。

次回からはイプシロン戦です。


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再戦イプシロン?マジですか?その1

あまり焦らしても、アレなので早めに投稿。


side真人

正午になろうかという時間帯に、イプシロンは現れた。


「時は来た。10日もやったのだ、どれだけ強くなったか見せてみろ。」


俺達が使っていた場所より、更に下から現れたグラウンドから、やはりこの施設はエイリア学園の物と判明する。
奴らはどれだけ強くなったか見せてみろと言った。上等だ、今のこのチームなら負ける事は無い!……筈だ。


「本人の意思もあって、チームに浦部リカさん迎える事にしたわ。」

「任せとき!」


頼りになる、フォワードが増えたのはいいが、君の定位置は相変わらず、そこ(一ノ瀬の隣)なのね。
この試合は全国生放送されてるらしいので、情けない姿は晒せない。


「この一戦で全てが決まる。これを最後に戦いにするのよ、絶対に勝ちなさい!」

「「「はい!!」」」

「行くぞ、俺達のサッカーを見せるんだ!!」

「「「おう!!」」」


監督と円堂の喝入れが終わり、それぞれポジションに着く。

FW 染岡 真人 浦部
MF 財前 鬼道 一ノ瀬
DF 風丸 士郎 壁山 土門
GK 円堂

ベンチ 目金 栗松 木暮

さあ、目にものを見せてやる!!

***

side 三人称

イプシロンから試合がスタートし、マキュアがドリブルで上がる。それを阻止するために三人が立ち塞がるが、マキュアは飛び上がる。


「メテオシャワー!!」


三人は、空から落ちてくるエネルギー波に、吹き飛ばされてしまう。
ボールはマキュアからゼルに渡り──


「ガニメデプロトン!!」

「マジン・ザ・ハンド!!」


かめはめ……手から放たれたエネルギー波を纏ったボールは、円堂に止められる。それを見たデザームはニヤリと笑う。


「いっけぇぇ!!」

「ダーリン!」

「鬼道!」


円堂から、浦部に、浦部から一ノ瀬に、最後に鬼道にボールが渡る。


「行くぞ、新必殺だ!!」


鬼道はボールを上に蹴り上げる。上には既に爆炎を纏って、回転する真人がスタンバっていて、ボールを鬼道がいる真下に蹴り落とす。それを、鬼道がゴール向けて蹴り込む。


「「ツインブースト(ファイア)!!」」


爆炎を纏ったツインブーストはゴールに向かう。


「ワームホール!」


デザームはそれを止めて見せた。しかし、イプシロンの面々は驚愕の表情を浮かべる。


「奴達のシュートに此処までの威力が!」

「以前より、一人一人のパワーが格段に上がっている?!」

「まさか、10日間の猶予を与えたのは、奴達が強くなるのを待つため?!イプシロンを率いる貴方がなぜ!」


デザームは今しがた止めて見せた、シュートの感触に笑みを浮かべる。
試合が再開され、今一度ゼルにボールが渡ってしまう。


「ガニメデプロトン!!」

「マジン・ザ・ハンド!!」

「ローズスプラッシュ!」

「烈風ダッ「グラビテイション!」」

「フレイムダンス!!」

「バーニングダイナ「グラビテイション!」」


両者一歩も譲らない。
そこで、染岡にボールが渡る。


「行くぜ、吹雪!!ワイバァァァァン!!!」


染岡のシュートコースに立った吹雪が、アツヤに変わる。


「ブリザァァァァッド!!!」

「ワームホール!!ッ、何?!!」


氷の飛龍は、デザームのワームホールを貫き、ネットを揺らした。
点数は1ー0と雷門が優勢で前半は残りわずか。


「ウオオオオオオオ!!!」


アツヤは遂にイプシロンから、ゴールを奪えた事に感極まって、雄叫びをあげるのだった。



因みに、グラビテイション二回食らってるお馬鹿さんは、真人です。


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再戦イプシロン?マジですか?その2

いつのまにか、この小説のお気に入りが300を超えていました。
読者の皆さん、ありがとうございます。

記念に匿名を解除するか、番外編を書くか迷っていますが……現在どちらも、やるか未定です。


side三人称

真人は、氷の飛龍がゴールを破るのを見届け、呟く。


「……やったな、士郎(アツヤ)。」

「面白い、まさかこの技を破るとはな。」

(1ー0、このまま守り抜くか、もう一回ワイバーンブリザードか、エターナルトルネードをぶち込むかすればカード(切り札)をきらなくても済む。)

「……無事に終わると良いんだがな。」


試合が再開される。

ゼルがドリブルしながら、雷門オフェンス陣を抜き去り、ディフェンス陣に迫る。


「ザ・タワー!」

「クリプト。」

「メテオシャワー!」


財前が必殺技を発動させる前にクリプトに、ボールが渡り。
クリプトが必殺技で財前を抜き去る。


「行かせない!ボルケイノカット!!」


ボールが弾かれ、吹雪がそれを拾う。


「風丸く──ッ?!もう一度決めてやるぜ!!」


アツヤに変わった吹雪は強引にイプシロンディフェンス陣を突破して行く。


「オーロラドリブル!」


最後のディフェンスをも抜き去り、デザームと一騎打ちになる。


「俺達の力で完璧にならなきゃならねぇんだ!だから、吹き飛べ!!エターナルブリザァァァド!!」

「ワームホール。」


勢いをなくしたボールが地面に落ち、前半が終了した。

***

side真人


「点を取るんだ、僕が取らなければ。」

「そう気負わなくてもいいんじゃないか?」


ハーフタイムに、何処か思いつめた表情をした士郎を追いかけて、やって来たトイレ。
前半終了間近のあのプレイから、様子がおかしいとは思っていたが──。


「お前の親父さんが言ったこと、覚えてるか?」

「……うん。僕がディフェンスでボールを奪って、アツヤに繋いで点を取る。二人なら完璧になれるって。」

「ああ、そうだな。
でも、アツヤでも得点できない時は──。」


あの事故の日、士郎(アツヤ)の親父さんが、同乗して話を聞いていた俺を仲間外れにしないために言った台詞。もし、俺があの場に居なければ、彼達だけで完結していた言葉。

ごめんなさい、親父さん。都合良く使わせてもらいます。


「──その時は、俺の出番だ。
だから、一人で背負いこむなよ、相棒だろ?」

「……うん、分かったよ。もうすぐ後半戦が始まるから戻ろうか。」

「おう。と言いたいんだけど、先戻っててくれ。催した。」


それだけ言うと、小便器に立つ。
士郎は半笑いすると、トイレから出て行く。


「一人で背負いこむなよ、か。俺が言えた台詞かよ。」


皮肉げに笑い、靴下をずり下げ、包帯を外す。
足首から泣き所迄の所が、腫れて、変色している。


「まあ、この三日間無茶しすぎたし、仕方ないか。
……でも、これで最後だから。」


──絶対に勝つ。



イプシロン戦終了まで、あと2話。


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再戦イプシロン?マジですか?その3

筆が、筆が進まない。


side真人

後半が始まり、ドリブルでマキュア、ゼルを抜き去る。


「烈風ダッシュ!」


一気に、イプシロンディフェンス陣まで攻め上がる。
よし、太陽ショットで。


「無駄だ、グラビテイション!」


チッ、またこいつかタイタン!!
この野郎、ボールじゃなく、俺に直接重力をかけて動けなくするからタチが悪い。

タイタンは俺から悠々とボールを奪い取る。


「駄目だアツヤ、ディフェンスに集中するんだ「今度は決めてやっから俺に変われ!」


アツヤ君!?さっきの話聞いてた?テレビのチャンネル争いする、兄弟か!やってる事はそんな可愛い物じゃないけどな!


「アイスグランド!」


何とか立て直した士郎が、ボールを奪い取る。
しかし、直ぐにアツヤが現れる。


「今度こそ、ぶっ飛ばす!!」


ああ、そうか。アツヤは自分のみの力でデザームからゴールを奪いたいのか。


「エターナルブリザァァァァッド!!」

「ワームホール。む?」

「エターナルブリザァァァァッド!!」

「ワームホール!ッッ!!」


アツヤは狂ったようにエターナルブリザードを乱発し、撃つごとに威力が上がりだす。
今のデザームの感じから、次に撃てば確実に入るだろう。


「ウオオ!!エタァァァナル!!ブリザァァァド!!」


この威力なら、ワームホールでは止められない。


「ドリルスマッシャー!!!」

「え?」


デザームの片手から巨大なドリルが現れ、最大火力のエターナルブリザードを──


「フンッ!」


──弾き返した。
宙を舞うボールはセンターラインを超えて、ゼルに渡る。


「コンマ3.2秒、レーヴァテイン・ストライク。」

「「ハッ!!」」


メトロンとゼルが並び立ち回転する。
二人の足に、魔法の杖のようなオーラが現れ。


「「レーヴァテイン・ストライク!!!」」


ボールに同時に蹴り込んだ。


「マジン・ザ・ハンド!!くっ、ウアア!!!」


放たれたシュートは、マジン・ザ・ハンドを貫通し、得点を許してしまった。
1ー1ただ、同点にされただけではない。


「何て威力なんだ。」


相手は1対1に持ち込めば、確実にシュートを打ち込めるシュート技を持ち。


「あの野郎、まだあんな技を隠し持ってやがったか!」


染岡はデザームを睨む。
恐らく、ワイバーンブリザード、エターナルトルネードでも破れない、アレはそれ程の力がある。


「クソッ、クソオオオオッ!!!」


持ち直したプライドはズタズタにされた。

今必要なのは決定力、デザームのドリルスマッシャーを破り得点出来る、超高火力シュート。
だが、雷門にそれは無い。

──この試合、負けてしまうのか?

──希望は無いのか?

否、断じて否だ、まだ──


「──俺がいる。」


エイリアとの戦いは、これで終わりだ。
なら、思う存分に暴れてやるよ。


side三人称

後半戦が半分程終わり、現在得点は1ー1。
雷門にとっては最悪の状況で、瞳子が動く。


「ポジションを変えるわ、浦部さんを下げて、吹雪君をフォワードに。木暮君を開いた吹雪君のポジションに」

「お、俺?!」

「ちょっ、ウチを下げんの?!」


木暮は急に自分に出ろと言われた事に、浦部は下げられる事に驚く。


「確かに、火力を上げつつ、ディフェンスを強化するにはそれが一番だ。だが……」


鬼道はその後に続く言葉を飲み込む。
吹雪をフォワードに上げても、ドリルスマッシャーを破れる確証が無いからだ。


「アツ……士郎をフォワードに上げる必要はない」


そこに真人が口を挟む。
何を言ってるんだ?みたいな目を向けるが、真人はポーカーフェイスを崩さない。


「何故かしら?」

「点を取るなら、俺一人いれば十分だ。士郎を完全にフォワードに回すと、守りが甘くなる」

「どこからそんな自信が湧いてくるんだ?」

「そうでやんすよ!吹雪さんでも破れなかったあの技を一人でなんて無理でやんす!!」


風丸と栗松の言葉に円堂が待ったをかける。


「何か勝算があるのか?」

「ある。奥の手がな」


真人はしゃがみ込み、右足の靴下を下げ、包帯を外す。
外された包帯が、風に攫われ宙を舞う。


「………信じてくれ」


立ち上がった、真人の顔には微笑みが浮かんでいた。

───その微笑みは、人を安心させる様な。

───誰もが無条件で信頼してしまう様な。

───暖かな笑みだった。


『何があっても、俺は約束を破りませんよ』


瞳子は遠い日の幼い子供の面影を幻視する。


「分かったわ。その代わり、必ず点を取りなさい」


不思議と普通ならあり得ない判断に、誰も異議を唱える事は無かった。



レーヴァテインストライク
威力はグングニルに少し劣る。

木暮が居ないから、円堂が点を取られる理由が無いので、新しく作った技。


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再戦イプシロン?マジですか?その4

おそらく、過去最高の長さ。


side真人

何とか、説得に成功する事が出来た。
………後半は信じろのごり押しだったけどな!


「みんな、真人にボールを繋げるんだ!!」

「「「オウ!!」」」


士郎(アツヤ)の奴、ボーっとしてたけど、大丈夫なのか?

試合が再開され、ボールを鬼道にパスして、上がる。


「イリュージョンボール」


ゼルを突破した鬼道は、風丸にボールを回す。


「疾風ダッシュ!!真人!!!」


よっしゃ!!最高のタイミ……ファッ?!
パスは俺に届く前に、アツヤにカットされる。


「ウオオオオオッ、ドケエエッ!!」


アツヤは今一度デザームと対決する為に強引に突破しようとする。


「メテオインパクト!!」


降り注ぐ隕石がアツヤを吹き飛ばし、ボールが外に出る。

いつも思うんだけど、どうして、ボールに触れた訳でもないのに、ディフェンス技でボールがラインを出たら、必殺技を受けた側のボールになるのかね?……超次元だからか。

まあ、そんな事はどうでも良いか。


「オラッ!!」


ボールを蹴り、アツヤにぶち当てる。
ボールはアツヤの顔に当たり、後ろにぶっ飛ぶ。


「ッッ!!何しやがんだ!!!」

「周りを見ろ、アツヤ。意地になって掛かってもデザームから点を取れない」

「点を取れないのはお前もだろうが!」


確かに、今まで秘密にしてきたし、最近単独得点を決めた覚えが無い、点を取れないと思われても仕方ない。……というか、なんで皆んなは信頼してくれるんだ?
おっと、脱線した。
兎に角、アツヤを説得しなければ不味い。


「何をしてるんだい、早くしなさい」

「すいません!すぐ終わるんで」


仕方がないか。
靴下をずり下げて、明らかに大丈夫では無い、足を見せて戻す。


「……ッ、お前それ」

「ああ、この試合でエイリアとの戦いを終わりにして、ゆっくり治療したいんだ。だから、協力してくれ」

「な、なら!一緒にあの野郎から点を「無理だ!」


アツヤの言葉を強引に遮る。
感覚的にも、時間的にも、あと一回シュートを撃てるかどうかだ。


「エターナルトルネードでは、ドリルスマッシャーを破れない」

「じゃあどうやって、点を取るんだよ?」

「……信じてくれ」


ただ、頭を下げる。下手にあの技の事を話して説得するよりも、こうした方がいいと思うから。


「……分かったよ、真人が()に嘘をついたことなんて無いからね。ただ、絶対に点を取りなよ、じゃないとボールを当てた事をずっと根に持つよ?」

「……アツヤ、士郎、お前達の信頼は絶対に裏切らない」


さあ、準備は整った。あとはぶちかますだけだ!

***

side 三人称
プレーが再開され、士郎はボールを鬼道にパスするも、カットされてしまう。


「メテオシャワー!!ゼル!!!」


ゼルにボールが渡り、メトロンが並走する。


「やらせるもんか!旋風……うわぁ!!」


木暮は止めようとするが、突破されてしまう。


「レーヴァテインストライク!!」


再び、強烈なツインシュートが放たれるが、先ほどとは違う。


「ボルケイノカット!!」

「ザ・ウォール!!」

「ザ・タワー!!」


三つのシュートブロックに阻まれ、ボールはマキュアの足元に転がる。


「旋風陣!!真人さん!!!」


だが、そのボールを木暮が掠め取り、真人にパスを出す。
真人はそのままドリブルで上がっていく。


「行かせない、メテオインパクト!!!」


空から、隕石が真人に降り注ぐ。
地面に逃げ場がないと判断し、飛ぶ。


「ウゥゥゥゥゥッ!!オォォォォォォッ!!!!」


メテオインパクトを強引に突破して、突き進む。


「グラビテイション!!」


だが、無情にもその歩みは止められ様とするが。


「いい加減、その技は見飽きたよ──」


真人の体を紅のオーラが包み、姿がぶれる。


「──道を譲れ……イプシロン!!!」


後に、クリムゾンアクセルと名付けられる、オフェンス技を使い、瞬間的な超加速でクリプトを突破する。
これで、本丸(デザーム)を守るものが無くなった。


「この瞬間を待っていた!!さあ、来い!!」


デザームは歓喜の表情を浮かべる。

真人は、自身の右足に今出せる最大限のパワーを溜めて、ボールを右足で蹴り上げる。
空中に打ち上がったボールは、太陽の様に赤く、激しく輝き、ゆっくりと落ちてくる。


「ソード・オブ………」


真人は、再び右足に最大限のパワーを溜め、後ろに引き、落ちてくるボールを──


「……ガラディィィィッッッンーーー!!!」


──渾身の力を持って、蹴り出す。
蹴り出されたボールを、炎でできた剣を模したオーラが包む。


「ドリルスマッシャーァァァァッ!!」


対するデザームは、鋼鉄のドリルを持って、対抗する。
剣とドリルが激しくぶつかり合い、そして──


「クッ、なんてパワーだ!!グァァァッ!!」


──ドリルスマッシャーをデザームごと、ゴールに押し込んだ。

試合終了のホイッスルが鳴り響く。
結果は2ー1で、雷門の勝利で幕を閉じるのだった。



メテオインパクト
大量の隕石を落とす、ディフェンス技

クリムゾンアクセル
瞬間的な超高速移動を可能にする技。
烈風ダッシュの上位互換だが、距離が短い。

太陽の聖剣(ソード・オブ・ガラディーン)
真人がずっと隠してきた、切り札にして、究極奥義。
まだ、未完成(本人自覚無し)な為、右足に負担がかかり、1日での連発は不可能。
威力はゲーム2内の単体シュート技中最強。


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G?マジですか?

これで大阪編は終了です。


side 三人称

試合終了のホイッスルが鳴り響く中、雷門もイプシロンも、真人とデザームの攻防に呆気に取られたままだった。


「勝った……勝ったぞ!!!」


円堂はいち早く、我に帰ると、周りの人間も現実に帰ってくる。


「やったスッ!イプシロンに勝ったッスよ!」

「やったな!」


雷門が勝利に酔う中、イプシロンは不気味に沈黙していた。
だが、その沈黙は破られる。


「フハハ、フハハハハハハハ!!!面白い、此処まで楽しませてくれたのは、お前達が初めてだ!」


デザームを中心にイプシロンのメンバーが集まり、黒いサッカーボールが輝く。


「まさか、逃げるつもりか!?」

「安心するがいい。再び戦う時は遠くない、我達は真の力を示しに現れる」


デザームがそう言い残し、イプシロンは消え、場は沈黙する。


「今のはどういう意味だ?」

「さあ?まあ兎に角勝ったんだぜ、俺達!!」


円堂達は最後に点を取り、そのままの状態で立ち尽くす真人を労うために、歩み寄る。


「やったな!真人!!」

「あんなすげえシュート技を隠し持ってやがったのか!」

「ソード・オブ・ガラディーン、凄いシュートだったでやんす!」


各々、真人を労うが真人は何も答えない。


「……?真人?」


円堂は真人の肩に触れ様とし──

バタッ!

──真人は地面に倒れた。

***

side真人

福岡へと向かうキャラバンの中、ぼんやりと今まであったことを整理する。

目が覚めたら、 病院のベッドの上で、あの後のあった事の一部始終を監督から聞いて、怪我の事をコッテリ絞られた。
最悪な事に、なにわランドの地下訓練施設のデータには、イプシロンの上にGと書かれたチームが存在していたらしい。つまりは、イプシロンより上のチームが存在する……かもしれないという事だ。

そんな中、福岡に円堂の祖父が書いたノートが発見され、今はそれを回収する為に福岡に向かっている。
本来なら俺は負傷のためキャラバンから外されるのだが、気絶している間にある夢を見て、それをネタに監督を脅……話し合ったら、同行を許可されたのだ。


「……にしても」


右足はあの試合の後、怪我は悪化し、包帯を巻き巻きされた挙句、絶対安静、松葉杖での歩行を義務付けられた。だが、そこまでの怪我なのに、何故か痛みを全く感じなくなっていた。
触覚は機能してるのに、痛覚は感じない。


「まったく、不思議なこともあるもんだな」


何が俺をこうさせているのかは分からない。
けど、これだけは言える。

──俺達の旅はまだ終わらない。



なんか打ち切り漫画の最終回みたい。



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ハゲ頭?マジですか?

友情が友情を引き裂く、福岡編。


side 真人

福岡の陽花戸中学に、円堂のお爺さんが残したノートがあると聞いてやって来た俺達は、そこでノートの預かり主である校長と出会った。
円堂と監督と校長の知り合いの雷門マネージャーが、代表して話を聞きに行った為、現在は自由行動である。


「──豪炎寺 真人だな」

「ん?」


コンビニにおでんを買いに行く途中、背後から声を掛けられて振り向くと、ハゲ頭のグラサンスーツの3人衆が立っていた。……え、マジですか?


「人違いだ」


やべえよ、どう見ても組みの者だよ、イカツすぎるよ。
兎に角、逃げの一手だ。


「ほう、勘のいいガキだな」


勘のいい?何の話だ?


「流石はエイリア皇帝陛下が死んだ事にしてまで、世間に存在を知られ無いようにした男だ」

「ッ!エイリアだと!!」


こいつらヤがつく自由業じゃなくて、エイリア学園の人間か。それに、玲名が言っていた俺の死亡説はこいつらの親分が流したのか?!
……なんとか情報を引き出せないか。


「私達はエイリア学園に賛同する者でしてね」

「単刀直入に言う、我々エイリア学園の仲間となれ」

「……断ったら?」

「これは君の従兄弟の豪炎寺 修也にも言ったがね……豪炎寺 夕香は既に我々の監視下にある」

「その意味がわかりますね?」

「……クッ」


夕香、修也の妹で俺の従姉妹。
不慮の事故で、植物状態だったが最近になって意識が回復したと聞いている。そんな夕香は今度は人質になっている、下手には逆らえない。


「……成る程な、どうりで修也が雷門から去った訳だ」

「ええ、彼には逃げられましたが、貴方は逃がしませんよ」

「力尽くか?」


松葉杖をチラつかせるが、夕香が人質になっている今、俺はこいつらを倒す訳にはいかない。


「当然……と言いたいんだが」

「Gからの命令で手荒な事は出来ないのですよ、だから今日は挨拶のようなものです」

「まあ、貴様は人質などなくても、我々と共に来る運命にある」

「……どういう意味だ?」

「近いうちに分かりますよ、貴方にとってはいささか懐かしいサプライズと共にね」


黒いサッカーボール?!不味い逃げられる。


「ではさようなら」

「ま……消えたか」


奴らは煙のように姿を消した。
懐かしいサプライズ、Gの命令、G……ジェネシス──


「──まさかな」


一瞬頭をよぎった単語を、頭を振る事で追い出す。
取り敢えず、陽花戸中に戻ろう。


***

妖怪ハゲスーツとの遭遇後、この事は黙っている事に決めて、陽花戸中に戻ると、円堂達も話し合いを終えて帰って来たようだ。
その円堂は、ゴール前で見知らぬ少年と掌をつき合わせている。てか、アイツ何やってんの?


「ーーー」

「ーーーーーー」


こっからじゃ良く聞こえんな、取り敢えずしろ……鬼道に話を聞くか。



最近、話の区切り方が適当になってる気がする。


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傷に塩を塗る

番外編の続きは明日なんだ。


side 真人

円堂と手をつき合わせていた少年は立向居といい、円堂に憧れてキーパーに転職して、ゴッドハンドまで体得したらしい。
そして、陽花戸中との練習が終わり、夜眠れなくてキャラバンの上に出たら先客が居た。


「……眠れないのか士郎」

「別に、ただ空が見たかったんだ」

「そうか」


寝袋を引き、隣に寝転がる。
イプシロン戦の後から、士郎との間に距離ができた様な気がして話しかけずらかったが、いい機械だな。……言いたい事もあったし。


「真人のあの技って、最近完成したんじゃないよね」

「S・O・Gのことか?」

「S・O・G?…ああ、頭文字か。それで?」

「そうだな、中学に上がる前には使える様にはなってたな」


あの技を見た鬼道の話を聞くと、まだ完成には至ってない事が分かったから、あくまでも使える様にだ。


「……じゃあ、なんで黙ってたの」

「士郎?」


士郎の雰囲気が変わると同時に、背筋が凍る感覚を覚える。


「京都での戦いの時から、僕が点を奪えない事を(俺が点を取れねぇ事を)陰で笑ってたの?」

「そんな事──」

「……ッ!ごめん、真人はそんな人間じゃ無いのに、当たっちゃって」


そう言って、俺に背中を向けて寝転ぶ。
元々士郎のメンタルはあまり強く無い、イプシロン戦での悔しさと屈辱が傷となり、対等の実力だと思っていた俺があんな高火力技を隠し持っていたのを、知ってしまった事が、その傷を抉り出す。この二つの出来事が合わさって、まさに傷に塩を塗る形になったと……えっ、マジですか?これ、結構ヤバくない?


「なあ、俺は別に「アレ、吹雪に真人?どうしたんだ?」


円堂ォォォッ!!タイミング悪すぎねえか?円堂の後ろには、ガチム……立向居も居るし。
話ができる雰囲気でも無くなったので立ち上がる。タイミングを見てカウンセリングするとして、最悪またボールをゲフンゲフン!!


「あれ、戻るのか?」

「ああ、今なら眠れそうなんだ」


キャラバンの屋根から降りて、中に入る。寝袋を敷いて包まる。結局、昼間のハゲ共の事て、もしかしたらチームを抜けるかもしれない事を言えなかった。

兎に角早く寝よう、明日は陽花戸中との練習試合だ……俺は出れないけど。


***


練習試合当日、多少ゴネたがやはり試合には出してもらえなかったので、観戦のためにベンチに座りながら、思う。


「吹雪、決めろ!!」

「どうしたんだ、何時ものお前らしく無いぞ?」

「何時ものお前なら、もう点を奪ってるだろ?」


──皆んな的確に士郎のハートを抉りすぎじゃね?と。



福岡編は色々端折ります。


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苦悩あるいは

このペースで行くと、4月までにはエイリア編を終われそう。


side 真人

円堂の祖父、円堂大介が残した究極奥義が一つ『正義の鉄拳』、円堂は陽花戸中とね練習試合中にずっとその技を習得しようとし、相手キーパーの立向居は『マジン・ザ・ハンド』を習得しようとしていた。両チーム共、そんなキーパーを支える為に全力を尽くす。願わくば俺もあの場に居たかった。

もし、あの場に居たならば──


「──士郎の負担も少しはマシになったのかな?」


多分、もうこのチームに居られる時間は少ない。
近いうちに現れるエイリア学園のGは、俺を欲しがっているみたいだ。夕香が人質にされている今、下手に抵抗することは出来ない。しかし奴らの仲間になるのも嫌だ。なら、チームに迷惑かける前に抜ける必要がある。

その前に、士郎の過去をみんなに話すべきなのではないだろうか?


「はぁ……本当、マジですか」


もう直ぐ夕飯だし、戻るか。


***

side 三人称

薄暗い手洗い場で、吹雪は顔を濡らし、鏡に映る自分を見つめる。


「……何とかアツヤを押さえたけど、もっと完璧じゃなくちゃいけない」


ハイライトのない目で、自分に言い聞かせる様に独り言を呟く。


「真人が戦えないんだ、僕がシュートを決めないと。
……そうだ、次は僕がシュートを決めるよ。いい考えだろう、アツヤ?」


鏡に映る吹雪の顔は、アツヤと士郎で真っ二つに割れている。
もはや、吹雪を動かしているのは『完璧』と言う呪いに対する執着心だけなのかもしれない。


***

何処かのオフィス、顔色の悪い男が手にした書類を読んでいる。


「──豪炎寺真人、ファーストランクのデザームからゴールを奪い、マスターランクチームから一目置かれる男。
確かに使えるな」


男の前には、膝をつきこうべを垂れるフードが五人、そして先日真人を脅したハゲ三人衆がいる。


「石の力を与えれば我々と同等以上の実力が発揮されると思います」

「我々のメンバーに相当強いと思いますが?」


フードの二人が言う。


「……今はガイアが接触中だ、次の機会に豪炎寺真人と接触しろ」


男、研崎竜一は笑うのだった。


***

side 真人

お昼前に、円堂の知り合いと試合をするらしく、俺達はアップをしていた。


「円堂君、その男の子は本当にヒロトと名乗ったの?」

「はい」

「そう」


円堂と監督の会話を盗み聞きする。
前に倒れた時に、断片的に思い出した記憶の中に、幼い頃のデザームやレーゼといった子供達が、監督を囲んでいた記憶があった。そこから分かる事は、監督とエイリア学園と俺は過去に繋がりがあった事だ。

監督はやたらとヒロトという名を気にしている。そして、俺の過去にもヒロトという名の少年がいる。


『貴方にとってはいささか懐かしいサプライズと共にね』


ハゲの言葉が頭によぎる。
まさか……いや、思い違いだ、思い違いに決まっている!!あいつらが、あいつらがそんな事をする筈がない。


「12時になりました!」


音無の言葉と共に、黒い靄が湧き出す。
この演出は奴らしかいない。


「これって、イプシロン?!」

「来た!」


黒い靄が濃い場所に、11人の影が現れ閃光が辺りを照らし、思わず目を瞑る。
光が弱まり、目を開けた先には──


「──やあ、円堂君……それに、迎えに来たよ真人」


頭が痛くなり──俺は全てを思い出した。



次回から、ガイア(ジェネシス)戦です。


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たとえそれが悪だとしても

新年、あけましておめでとうございます。


side 真人

──全てを思い出した。
眼前にはかつての旧友達が敵としていて。


「ヒロト、お前宇宙人だったのか!?」

「さあ、円堂君サッカーやろうよ」

「どういう事なんだ?どうして円堂の友達がエイリア学園に……それにアイツ、真人を迎えに来たって」

「……じゃあ、真人は?」

「んな訳ねえだろ!真人もなんか言えよ!……真人?」


土門の言葉から、疑惑の視線が突き刺さり、ありがたい事に染岡が否定してくれるが何も答えられない。というか、答えたくない。


「まんまと騙されたみたいですね」

「騙された?」

「奴らの目的は友達になったフリをして円堂君を動揺させる事。僕達のチームにスパイを送り込んだと思わせる事。
宇宙人の考えそうな事ですよ」


──気分が悪い。


「それは違うよ、僕は君たちとサッカーをしたくて来たのさ。それに、彼は昔からの僕達の友達さ」


──信じたくない。


「君達のサッカーを見せてよ。
……その前に、真人はこっちね」


一瞬で周りの景色が変わり、雷門イレブンと対峙する位置に立たされる。
俺を取り囲むのはかつての姿より成長してるが、どれも見知った顔。


「いいのかよ、真人の意思も聞かずにこんな手段をとって」

「グランやウルビダ、とう……エイリア皇帝陛下がいいと言ったんだ構わないよ」

「オイ!!真人に何する気だ!!」


グラン?ヒロトの事か?

円堂がこっちに駆け寄ろうとするが、阻まれる。


「さっきグランが言った通り迎えに来た。さあ、この手を取って」


ああ、頭がおかしくなりそうだ。
俺が過ごした時間は全部嘘だったのか?


「……ん?仕方がない、少し強引な手段を使うよ」


反応が無い俺に業を煮やしたのか、真・帝国戦の時に見た紫に光る石を取り出す。これを受け入れたら、致命的な何かを失うような……いや、もうどうでもいいか。


「さあ真人、本当のキミの居場所を思い出すんだ」


俺に石を翳し、それは怪しく光り、唐突に現れた巨大な鞘入りの刀に斬り裂かれた。


「何!?」

「ッッゥ!!」


グラ……敢えてヒロトと呼ぼう、ヒロト達は未だに宙に浮いている刀を警戒して飛び退く。
俺は今まで感じなかったのに、右足に痛みが生じて、固まる。だが──


「──おかげで踏みとどまれた」


いつの間にか、刀は消えて痛みも無くなっていた。
俺はヒロト達と向き合って、問いかける。


「……今までお前達がしてきた所業は自分達の意思でやったのか?」


──返ってくるのは肯定の言葉。


「俺と過ごした時間は全部嘘だったのか?」


──返ってくるのは否定の言葉。


「………辞める気は無いのか?」


──返ってくるのは肯定の言葉。


「そうか。
………………なら、俺はお前達と共には行けない」


踏み出した一歩はとても重く。
彼らを裏切る事が、彼らを救う事になるのなら──


「──俺は裏切り者でいい」


現在(いま)過去(むかし)両方の友を裏切る事になっても、この道を進もう。
それが、友達として俺ができる事だから。




巨大な刀、一体何なんだ(すっとぼけ)


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VSザ・ジェネシス その1

おかしいな、お気に入り数300突破記念の番外編『俺は奈良最強()のサッカープレイヤー中谷くん』を書き終わったと思ったら、400人になってた。

いつも読んでくれる皆さん本当にありがとうございます。


side 真人

雷門のみんなの所に戻ると、すぐさま囲まれる。


「大丈夫か?」

「何もされてないですか!!」

「答えて貰うぞ、お前とエイリア学園の関係を」

「おい、鬼道そんな言い方は……」

「いいんだ」


そう思われても仕方がない。


「……あいつらは、俺が北海道に引っ越す前の友達だ」

「そんなに前から宇宙人は地球にいたのか?!」


多分ヒロト達は人間だ、でないと色々辻褄が合わない。
だが、ここでは言わない。


「何故言わなかったんだ?」

「事故った時に頭をぶつけたせいで、記憶が飛んでたんだ。さっきあいつらを見て全部思い出した」

「お前は俺たちの味方という認識でいいんだな?」

「ああ」


覚悟はもう出来ている。
あいつらを止める為に、あいつらを倒す。


***

side 三人称

アップを終えた雷門はそれぞれ位置に着く、ポジションは以下の通りだ。


FW 吹雪 真人 染岡
MF 風丸 鬼道 一ノ瀬
DF 栗松 財前 壁山 土門
GK 円堂


試合開始の笛が鳴り、真人は染岡にボールをパスして、敵陣へと走り出す。しかし、染岡は速攻でボールを奪われてしまう。

此処からは一方的だった。


「マジン・ザ・ハンドォォォォ!!グアァッ!!」

「……入っちゃった」


0ー1


「マジン・ザ・ハンド!!ッッッ!!」


そこからもジェネシスの一方的な攻めは続き、得点は10を越そうとしていた。


「何とかして奴らからボールを奪わないと、このままじゃ円堂が!」


風丸がコーマとクィールの行く手を遮るが、クィールは高速で風丸の背後に回る。


「風丸!股を閉じろ!!」


風丸は咄嗟に、真人に言われた事に対応して、本来なら股を抜いたパスをカットする事に成功する。


「真人!」

「よし、鬼道上げてくれ!!」


風丸から真人に渡ったボールは鬼道へと回る。
鬼道は真人が見ている方向を確認して、頷くとボールを高く蹴り上げ、それを既に炎を纏って回転している真人が蹴り込む。


「「ツインブースト F(ファイア)」」


イプシロン相手に通用せず、しかも、センターラインから放たれた、ツインブースト F(ファイア)。当然ジェネシスのキーパーネロには通用しない。そう、このままでは。


「決めろ、染岡!!」

「まかせろ!!」


シュートの先にいた染岡が、シュートチェインの体勢に入る。


「そんな事だろうと思った」

「何?!」


いつの間にかゴール前まで戻って来ていた、ウルビダがカットし、素早いドリブルですぐにセンターラインまで差し掛かる。それを止めるために真人が立ち塞がる。


「真人、今ならまだこっちに来れる」

「何度言われようと答えは同じだ!」


初めは、ジェネシスの速さに翻弄された真人も、次第に動きに慣れ始める。


「お前の本当の居場所は雷門中(そこ)じゃない!!」

「……ああ、そうかもな!だけどな!!」


ウルビダの仕掛けるフェイントに騙されずに動き、真人の足は遂にボールに触れる。


「間違った事を止めずに一緒にやる奴は友達じゃねえんだよ!!」

「ッ!!」

「士郎!!………あ」


真人は攻め勝ち、いつもの癖で本調子じゃない吹雪にボールをパスしてしまう。
案の定、吹雪は単身で上がって行き、真人はコーマに阻まれて追いかけられなくなる。


「僕がシュートを決めるんだ……僕が」

『よし、士郎俺に変われ』

「うるさい!出てくるな!!」

吹雪はゴール前まで行くも、胸を抑えて立ち止まってしまいボールを奪われてしまう。


(………さて、さっきの動きを見る限り、隙の多いS・O・Gは撃たせてはくれない。
宙で撃つファイアトルネードと太陽ショットなら、いけるかもだが威力が足りない………空で撃つ?)


真人はある事を思いつき、実行する為に動きだした。



真人が思いついた秘策とは?
次回『この距離でかめはめ波を(ry)』

嘘ですごめんなさい。


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VSザ・ジェネシス その2

沖縄編を今月中に終わらせたいな。


side真人

あいつらの目を覚まさせる為にも、何とかして一点取らないと。
よし、鬼道がボールを取った!


「こっちだ!」

「よし、まさ……くっ、吹雪!」


鬼道は俺へのパスコースを塞がれた事により、士郎へとパスを出してしまう。


「『今度こそ俺が決めてやるぜ!』やめろォォ!!」


マズイ、今のアイツにシュートを撃たせたらダメだ。
ちょっ、グラン(ヒロト)そこどけよ!!


「行け吹雪!」

「吹雪さん!」

「よし、一点だ!」


ッッ!!何で誰も分からないんだよ!!
…….いや、彼らには罪は無い。


「エターナルブリザード!!」


士郎の状態で放たれたシュートは、キーパーのネロ(根室)に軽々と止められてしまい、士郎は膝をつく。


「大丈夫か吹雪?」

「うん、ちょっと失敗しちゃって」

「気にすんな!次は決めていこうぜ!」


何か言葉をかけようとするが立ち止まる。
….…もしかしたらこれで、良いのかもしれない。



***

side三人称

ジェネシスは更なる加速を見せ、雷門との点差は20を越す。
対する雷門は特に目立った事は出来ずに、やられる一方だった。

そんな中、再びゴール前でグランにボールが渡る。


「来いッ!!」

「好きだよ円堂くん。君のその目!」


グランはさっきまでとは違い、ジャンプしてからシュートモーションに入る。


「流星ブレード!!」


グランはエネルギーが集まり輝くボールを蹴りだす。


「ウアアアアアアア!!!」

「吹雪!?」


吹雪は自身の中にいるアツヤとの会話、焦り、不安、恐怖によって我を忘れて叫び、シュートをに突っ込む。

本当の歴史なら、この後吹雪はボールに突っ込んで試合が途中で終わり、吹雪は病院に担ぎ込まれる。
しかし──


「クリムゾンアクセル!!」


吹雪を紅い閃光が追い抜き、すれ違いざまに肩を掴み、吹雪は強引に動きを止められる。


「後は任せて休んでろ。
………予定とは少し違うがな」

「真人?」


真人はシュートコースに割り込むように飛び上がり、最大限まで溜めたエネルギーを纏った右足を引く。

『ソード・オブ・ガラディーン』、真人の全力を10としたら、5の力で蹴り上げて、残った5の力で落ちてきたボールを蹴りだす技。理論上、放たれる威力は合計値の10。

しかし実際は、ボールが落下する際に発生する運動エネルギーが加算される為に、蹴り出す時に少しパワー負けをしてしまい、足に負担が掛かる上に、本来出せる威力が落ちてしまう。

そこで真人が考えた2通りのやり方の一つが、ボールが落下する前に自身も飛んで、5:5で蹴り出すやり方。
自分で蹴った訳ではないが、宙にエネルギーを纏ったボールがある事に変わりはない。


「ハァァァァァァァァァ!!」

「真っ向からぶつけるつもりかい?」


蹴り出す渾身の右足、ぶつかり合うパワーとパワー。
一見互角に見えるが、若干真人の方が押されている。


(俺が負けたら誰がアイツらを止めるんだ!!絶対に──
──負けない!!!)


真人の強い想いに呼応する様に、真人の背中から黒い靄のような何かが現れ、真人の勢いが増す。
しかし、同時に激しい痛みが真人を襲う。


「ーーッ!!負けるかァァァァ!!」


爆炎がボールを飲み込み、炎は剣を形作り放たれる。
グランのシュートのエネルギーをも飲み込んで放たれたその技は、キーパーのネロが反応できないスピードで、ジェネシスのゴールネットを揺らす。


「ソード・オブ・ガラディーン………エア」


真人は地に落ちながら、技名を呟く。
いつのまにか背中の黒い靄は消え、襲っていた痛みも消え失せた。


「……入った?!」

「アイツらから一点とっちゃったよあの人」


土門と木暮の一言が端を発し、雷門は歓喜の声を上げる。

絶望しかない状況に、一筋の光が射した瞬間だった。



エセ物理、適当理論、御都合主義のゴリ押し。


空中で放つ太陽の聖剣(ソード・オブ・ガラディーン・エア)
足にかかる負担を減らし、本来の火力を出すシュート。

未完成S・O・Gが9の力なら、エアは10の力で放つ技。



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