IS-復讐を誓う仮面の戦士たち (甘々胡麻ざらし)
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プロローグ
仮面戦士


原作を読んできて復活しました!
パラドクスのリメイク版はまだ先になります。


20XX年…

 

白騎士事件…10年前、篠ノ之 束(しののの たばね)によってIS インフィニット・ストラトスという宇宙での活動を目的としたマルチスーツの存在が発表されてから1カ月後に起きた事件。日本を射程距離内とするミサイルの配備されたすべての軍事基地のコンピュータが一斉にハッキングされ、2341発以上のミサイルが日本へ向けて発射されるも、その約半数を搭乗者不明のIS《白騎士》が迎撃した上、それを見て《白騎士》を捕獲もしくは撃破しようと各国が送り込んだ大量の戦闘機や戦闘艦などの軍事兵器の大半を無力化した事件。そしてこの事件での犠牲者は皆無であり、篠ノ之 束の「ISはISでしか倒せない」という発言により、世界はその力を認めた。だが、ISには欠陥がひとつあり、《女性にしか動かせない》という事実があった。その事からISを動かせる女=男より上という認識が生まれ、女尊男卑の世界へと向かっていった。

 

そして10年後…。

 

-とある戦場-

 

そこでは武装した兵士達が重火器を使い争いを繰り広げていた。この戦争をしているのはこの世界では珍しく男女平等を掲げ、平和に暮らしているA国と、それをよく思わぬ女尊男卑のB国である。

 

「おらおらおら!」

 

「死んじゃえ!!」

 

「クソッ!」

 

しかし、人数では勝っているはずのA国はB国に押され始めていた。その理由は。

 

「ISを所持しているだなんて聴いてませんよ!?」

 

そう。B国はISを所持していたのだ。しかも三機も。ISが出現してからは全世界の軍事バランスが傾き、ありとあらゆる兵器がISより劣ることになっていた。しかし、ISはあれからアラスカ条約と呼ばれるもので軍事利用は禁止されている。恐らく密入でもしたのだろう。

 

「国王様!このままでは我々の国は滅んでしまいます!」

 

「ぐぬぬ…どうすれば…。」

 

A国の国王が諦めかけたその時。

 

『お前ら!A国を援護しろ!DNR班は相手兵力の無力化をただし殺すなよ。骨とか折って戦えなくしろ。DNB班は女子供を保護、DNY班は負傷者の手当てを急げ!』

 

『『『ラジャー!』』』

 

「な、なんじゃ?あの仮面の兵士は?」

 

「わ、わかりません…。しかし、どうやらこちらを援護してくれるみたいです。」

 

「なんとありがたきこと…。日頃の行いなのかも知れぬな。」

 

その後、謎の仮面集団によりA国の負傷者などは保護、手当てをされ、B国の兵力は残るは三機のISのみとなっていた。

 

「何?あの変な仮面の集団。あんなのにやられたの?」

 

「まぁいいじゃない。どうせISには勝てないんだからさ。」

 

「それもそうね。さっさとこいつら片付けて男女平等とか掲げてるゴミ共を始末しよっか。」

 

明らかに女尊男否に染まっている3人の女は大笑いしていたが。

 

『その余裕。いつまで持つかな?』

 

「「「は?」」」

 

気がつけば何故か自分達が地面に倒れていた。

 

「な、なに!?」

 

「何が起こったの!?」

 

「あれ見て!」

 

女たちは吹き飛ばされた方を見るとそこには紫のベルトを巻いた、まるでゾンビの様な真っ白の姿をした仮面の戦士が居た。

 

「な、なにあれ…?」

 

「全身装甲のIS…?」

 

「向こうも持ってたの?」

 

「ふん!どうせただのこけおどしよ!」

 

女たちは上空に飛び上がり仮面の戦士に銃弾を浴びせる。

 

「ほらほらほら!」

 

「さっさと死ねぇぇぇぇぇ!」

 

だんだんと土煙が舞い上がり仮面の戦士の姿を隠す。そして球切れとなり、土煙が晴れるのを待つと。

 

『その程度か?』

 

「う、嘘でしょ…?」

 

「とっくにSEは尽きてるはず!」

 

そこには無傷の仮面の戦士が居た。いや、正確に言えば所々装甲に傷があるが紫の粒子により修復されていた。

 

『これはISではない。ISを越える新たな兵器だ!』

 

「嘘を言うな!」

 

「ISは最強なのよ!」

 

「どうせなんかのトリックを使ったのよ!」

 

三人の内一人が近接用ブレードを出現させ斬りかかるが。

 

『無駄だ。』

 

仮面の戦士はそのブレードを掴みへし折った。

 

「は…?」

 

『ふん!』

 

そしてへし折ったブレードの破片を投げ捨て拳を叩き込む。

 

「がはっ!」

 

ISにはSE シールドエネルギーと呼ばれるものが存在しており、使用者を守る絶対防御というものが発動したときに消費され、0になればISは強制解除される。しかし、先ほどの攻撃によりほぼ半分まで減っていた。

 

『この程度とは笑えるな。』

 

《ガシャコンスパロー!》

 

仮面の戦士は独特の形をした弓のような物を出現させ、トリガーを引くとエネルギー状の矢が放たれ他の二人を撃ち落とす。

 

『冥土の土産に教えてやる。我が名はゲンム!この仮面の集団を束ねる者だ!』

 

仮面の戦士はそう言い、紫のベルトに付いているAボタンとBボタンを同時に押し、今度はBボタンのみを押す。

 

《クリティカルデッド!》

 

すると仮面の戦士 ゲンムの足元から無数の黒い人影が現れ、女たちにまとわりつく。

 

「この!離れなさい!」

 

「気持ち悪い!」

 

「ねぇ…なんかこいつら赤色に光ってない?」

 

「「え?」」

 

次の瞬間黒い人影が大爆発を起こし、女たちのISが強制解除された。

 

「「「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」」」

 

ゲンムは女たちからISのコアと呼ばれる核を抜き出し、粉々に砕いた。

 

「な…!」

 

「ISのコアを!?」

 

「砕いた…?」

 

『女尊男卑のやつらは生かしておく価値はない。』

 

ゲンムがそう言うとどこからともなくトンボや蟹の姿をした異形の化け物が現れる。

 

「な…なに…こいつら…?」

 

「化け物!?」

 

「こ、来ないで! 」

 

『さぁ。たっぷりと喰え。』

 

「「「い、いやああああああああ!」」」

 

異形の化け物たちは女どもの腕を喰らい、目玉を抉り、血肉を貪り、残ったのは見るのも無惨な死体だけとなった。

 

『久しぶりの新鮮なご飯だったな。腹は膨れたか?』 

 

ゲンムがそう聞くと異形の化け物たちは嬉しそうに頷き、顔を隠した人間の姿に変わった。そして大きめの風呂敷に遺体を包み背負った。

 

『よし…全員撤収!』

 

ゲンムがそう叫ぶと仮面の戦士たちはバイクに跨がり次々と姿を消した。そして仮面の戦士たちが去っていく光景を国王はただ眺めていた。

 

「我々は神の力を目にしたのか…?」

 

「そうかもしれませんね…。」

 

これが後に伝えられる《仮面戦士事件》の始まりであった。



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彼の過去

彼の過去へんでーす。
字がぐちゃぐちゃでーす。
ちゃんと伝わるか心配です。


君たちは転生というものを知っているか?よくあるのは人を守って死ぬor神様の気まぐれのどちらかで、大体が特典をもらって転生する。しかし彼は違った。彼はある日眼が覚めたら赤子になっており、なんの特別な力を持たずに生まれ変わった人間だ。彼はなんの不便もなくその世界で両親と暮らし、恋人を作り、幸せに成長していた。ならば何故そんな普通の彼がテロリストに墜ちたのか…。

 

-とある会社-

 

「ふぅ…。」

 

一息吐き、社長室の椅子に座ったのはこの会社の社長であり、仮面の戦士たちのリーダーを務める仮面ライダーゲンムこと壇 黎斗(だん くろと)である。

 

「なんだ?そんなに強敵だったのか?」

 

「違う。それより収穫はどうだ、ネガタロス?」

 

「そのアダ名はあまり好きではないのだが…。B国の無力化した兵士たちにも女尊男否の奴等はいたぜ。ざっと13人程な。」

 

ネガタロスと呼ばれた黒髪の青年はパラパラと資料を捲りながら伝える。

 

「そうか。なかなかの収穫だな。これで二週間はアマゾンズの食事には困らないな。」

 

「つーかお前さ。敵は殺さないのに女尊男否の連中は殺すとか矛盾してないか?」

 

「…確かに矛盾してるな。でもそんなやつらがいる限り、この世界は歪んだままになる。」

 

「はぁ…。やっぱり五年前のこと引きずってるのか?」

 

「…。」

 

そのとき黎斗は思い出していた。あのときの悲劇を…。

 

10年前…

 

当時黎斗は13歳であり中学を入学したばかりだった。

 

「黎斗君!きゃあ!」

 

「あ、■■ちゃん!」

 

■■と呼ばれた少女は思いっきり黎斗の前でずっこけた。この子は黎斗の幼馴染みであり、そして彼女でもある。小さい頃から変わらずドジっ子なのだがそれが可愛いらしい。そしてしばらく月日が流れ白騎士事件が起こった。結果として女尊男否の風潮が生まれたが、■■はいつもと変わらず、黎斗の側にいてくれた。それは中学を卒業しても変わらなかった。

 

「またね黎斗君!」

 

「またね■■!」

 

16歳となった黎斗は■■と別れ、自分の家に帰ると父親の壇 正宗(だん まさむね)にある提案をした。それはISを越えるパワードスーツを造り、この風潮を変え、ISを宇宙に連れていくことだった。無論正宗もそれに賛成し、そして17歳のときに父親が学会に発表し認められた。が…。

 

一年後…

 

黎斗は学校の通学路を一人ゲームをしながら歩いていた。

 

「黎斗くーん!」

 

「…あ。■■。」

 

■■は肩を上下させながら息を切らしていた。

 

「もう!黎斗君ったらまたゲームして。眼が悪くなりますよ!」

 

「メガネかけてる君に言われたくはないけど…。」

 

「そ、それは置いといてください!あと、彼女を置いていくなんてどうかしてますよ。」

 

「いや~新作のゲームを作るにあたってテストプレイを…。」

 

「駄目です!お父さんの仕事を手伝うのは良いですけどたまには息抜きもしてください!目の下に隈が出来てますよ!」

 

「ご、ごめん…。」

 

「では罰として手を繋いで登校しますよ!」

 

「ええ…。」

 

こうして■■にお説教を貰った黎斗は渋々ゲーム機を鞄に仕舞い、手を繋いだまま学校へ向かった。そして時間が流れ放課後。

 

「それにしてももう受験シーズンですねぇ。」

 

「■■は確かISの代表候補生になるんだよね?」

 

「はい!努力の結晶です!そっちはお父さんの仕事を手伝うのですよね?」

 

「ああ。お互い会える時間は少なくなるけど頑張ろうね。」

 

「はい!」

 

■■との幸せな会話をしていたとき、突然黎斗の携帯がなった。

 

「母さん?もしもし?」

 

『黎斗!大変なの!お父さんが!』

 

「わかった!すぐに向かう!」

 

「どうしたの黎斗君?」

 

「すまない■■。急な用事が入ったため先に帰らせてもらうよ。」

 

「う、うん…。」

 

黎斗は急いで父親の会社 ゲンムコーポレーションに向かうと数台のパトカーが停まっており、自分の母親の姿を確認し声をかける。

 

「母さん!」

 

「黎斗!」

 

「何があったんだ!?どうして父さんが"逮捕されないといけないんだ"!?」

 

「私にもわからないの…。」

 

すると会社の方から正宗が女性警官に連れられていた。

 

「父さん!何があったの!?」

 

「黎斗か…。どうやら私の容疑はテロを企てたとして逮捕だそうだ。」

 

「な、なんだって!?」

 

父親の正宗はそんなことをする人ではない。いつも社員たちを心から愛し、商品を愛し、自社で製作したゲームをプレイする人たちを愛する。そんな優しい父親だった。黎斗はあまりの出来事に悩ませていると。

 

「これが私に出来る親としての最後の手助けだ。あとのことはお前に任せる。(ボソッ」

 

「…!」

 

こうして正宗は連行され刑務所行きとなった。しかし、黎斗はそのときわかってしまったのだ。正宗が何故自分の名前で学会に発表したのか。それは黎斗を逮捕させないためだ。女尊男否の連中からすればこのパワードスーツは自分達にとって都合が悪くなる。ならばその設計者を逮捕すれば良いと。パワードスーツのすべての設計、システムなどは黎斗が考えたため、自分が逮捕されれば間違いなく完成しない。下手をすれば悪用されてしまう。だから正宗は自分を庇い、逮捕されたのだと…。

 

その後、正宗の冤罪は認められることなく結果は"死刑"となってしまった。明らかにおかしい判決だが女尊男否の影響より簡単に可能になってしまうのだ。そして母親も後を追うように病気で亡くなってしまった。黎斗は会社を継ぎ、社長として支えていったが、その心にはどす黒い怨念が渦巻いていた。

 

「このパワードスーツを完成させ、女尊男否の世の中をぶち壊す!そのためなら手段は選ばない!例え悪魔になろうとも!」

 

そして現在…

 

「私はこの世界を変える。例えそれが間違ったやり方だとしてもだ。」

 

「あっそ。だけど無理するなよ。何だかんだ言ってお前はまだ誰も自分の手で殺してない。やめようと思えばいつでも止めれるぞ。」

 

そう言いネガタロスは社長室を出ていった。

 

「まだ殺してないか…。どうなんだろうな…。なぁ■■。」

 

黎斗は引き出しから写真を一枚取り出した。そこには正宗が逮捕される前に撮った恋人との写真だった。

 

「頑張ってるか…■■…?」

 

黎斗はそう言いながら写真に写るメガネの女性を撫でた。




黎斗の恋人とはいったい…。


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異形の怪物

はい、久しぶりに投稿しました!
あと名前を少しだけ変えることにしました。
以後は甘々胡麻ざらしとして頑張ります!


よく晴れたある日、黎斗は会社のパソコンを操作しながらある物にデータを打ち込んでいた。

 

「こんなものかな…。」

 

「お疲れ様です社長。」

 

コトンと置かれた珈琲を口に含み、黎斗は一息付く。

 

「ふぅ。ありがとうメディック君。また一段と味が良くなったね。これならハート君も喜ぶだろう。」

 

「まぁ、本当ですか?」

 

メディックと呼ばれた黒いナース風のドレスを着た女性は嬉しそうに顔を綻ばせる。

 

「それでいったい何をしておりますの?」

 

「108君用のベルトを作っていたのさ。」

 

「108のをですか?」

 

「そう嫌そうな顔をしないでくれ。まぁ気持ちはわからなくもないが。」

 

「でしたら何故、一番失敗作の108にベルトを?」

 

そう、メディックや108と呼ばれた者は人間ではない。黎斗が造り出した人工知能を搭載したアンドロイド《ロイミュード》なのだ。人の記憶などをコピーしてその姿を得ることが可能であり、人間以上の力を持っている。写真などでも姿を得ることが出来るが、その際は記憶を持つことが出来ない。そして中には進化をするものがおり、それぞれのイメージした姿となる。そして108とは最後に造られたロイミュードであり、狂暴な性格なのだ。

 

「彼を地下に閉じ込めておくのもそろそろ限界でね。他のロイミュード達みたいにこっちに攻撃されたら、たまったものじゃないよ。だから解放と同時に制御装置としてベルトを渡すのさ。」

 

黎斗は以前108体のロイミュードを造り、人間社会に解き放ったが、中には犯罪者をコピーした数体がおり、攻撃されたことがあるのだ。その際肉体を破壊し、コアを回収したため反乱をした数体は、今はコアをリセットされ再び人間社会に溶け込んでいる。そしてメディックはロイミュード達の連絡係としてこの幻夢コーポレーションで働いている。

 

『おい、黎斗。』

 

通信機から声が聴こえ、黎斗は画面を見るとネガタロスが鬱陶しそうな顔をしていた。

 

「どうかしたのか?」

 

『女権の奴等がお前に話だってよ。』

 

「はぁ…。またか…。」

 

ネガタロスが言う女権とはISの出現により女尊男卑を掲げる女性権力団体のことだ。男女平等を掲げる幻夢コーポレーションにとって、鬱陶しい相手だ。大方この会社の不正などを暴き、潰すという魂胆なのだろう。

 

「丁重に帰ってもらうように言ってくれ。」

 

『もう言ったが、しつこくてピーピー五月蝿いんだよ。私たちに意見するなとかさ。』

 

「…わかった。じゃあ応接室へ案内してくれ。あれを試す良い機会だ。」

 

『了解。』

 

 

応接室に案内された女権の女達は偉そうな態度で黎斗を待っていた。

 

「ねぇ、まだ来ないの?私達を誰だと思っているわけ!」

 

「申し訳ございません。社長はお忙しい身でして。」

 

「だからって私達を待たせて良いの?その気になればこんな会社潰せるわよ?」

 

女達の対応に眼鏡をかけた青年が顔をしかめ、汗をハンカチで拭いていると、ドアが開き黎斗が入ってきた。

 

「お待たせしました。社長の檀黎斗です。」

 

「あなたが社長?随分と若いわねぇ。」

 

「ええ。まだ20代なので。それでご用件とは?」

 

「あなた達の会社が造っているライダーシステムだっけ?それのデータを渡しなさい。」

 

ライダーシステムとは黎斗が開発した新たなパワードスーツのことだ。主に災害救助などの為に使い、男女平等を掲げる企業に提供もしている。ただし軍事利用などをすれば停止するよう設定しているため、今のところは軍事利用されてはいない。自分たち以外は。

 

「ほほう。それは何故?」

 

「あんなISを真似した兵器なんて、神聖なISを侮辱しているような物よ。だから今すぐ渡しなさい。」

 

「兵器とは失礼ですね。あれは災害救助などに使ってますよ。

 

「いいから渡しなさい!」

 

「断れば?」

 

黎斗が興味深そうな顔で聞くと女性の横にいた女達が灰色の猫に似た怪物と、ステンドグラスのような体をした犬に似た怪物になった。

 

「殺すわ。」

 

《Giraffe》

 

そして黎斗と話していた女も懐から独特な形をしたUSBメモリを取りだし、右腕に挿すとキリンに似た怪物となった。

 

「ほう、オルフェノクにファンガイアにドーパントか。丁度よかった。」

 

『さぁ、好きな方を選びなさい。大人しく渡すか、じわじわ拷問させれ死ぬか。まぁ渡したところでこの会社もろとも殺すけどね。』

 

キリンに似た怪物《ジラフドーパント》は余裕な態度で黎斗に近づくが、黎斗はニヤリと笑み浮かべる。

 

「では第三の選択肢、あなた達が死ぬで。」

 

『はぁ?』

 

ジラフドーパントが首を傾げると眼鏡をかけた青年が怪物に変身した女達を殴り飛ばした。

 

『…え?』

 

「まったく…。どうして女尊男卑の人間は愚かで、浅はかで、醜いのでしょうか。」

 

青年はボロボロのマントを着て、頭に脳味噌のような姿をした不気味な姿になった。

 

「ブレン君。彼女達を外に案内してくれ。」

 

『ええ。』

 

ブレンと呼ばれた怪物《ブレン・ロイミュード》は手から液体を垂らし、怪物に変身した女達に浴びせると、女達はバタリと倒れる。

 

『私特性の毒ですよ。まぁ少ししたら治りますよ。』

 

ブレンは女達を応接室の窓を開け、外に放り出した。

 

「さて、実験を始めるか。」

 

黎斗は不気味な笑みを浮かべて応接室の窓を閉めた。



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ブレンによって外に放り出された女権の女達が痺れた体をなんとか動かそうとしていた。

 

『最悪!』

 

『でもあの会社の裏を見れたのだから収穫はあったわ。』

 

『そろそろ痺れも取れてきたし、早く逃げるわよ。』

 

女達がようやく動けるようになった体で逃げようとしたが、目の前から白い服を着て、腕輪を巻いた青年が歩いてきた。

 

『何あんた?』

 

『そこを退きなさいよ。じゃないと殺すわよ?』

 

しかし青年は何も言わず腰に銀色のベルトを巻き付ける。

 

「Start our Mission。」

 

《OK。》

 

青年の巻いているベルトから渋い声が鳴り、青年はベルトの右側に付いている赤いエンジンキーのような物を捻るとベルトから待機音声が流れる。

 

「変身…!」

 

《ドライブ!タイプネクスト!》

 

青年は腕輪に黒と黄色のミニカーを填めると、ベルトから音が鳴り、青年の体を黒い装甲が包み込む。そして何処からか黄色い模様が入った黒いタイヤが飛んできて、たすき掛けのように体に装着された。

 

『何あれ…?』

 

女達は不思議な顔で黒い戦士をみる。

 

『仮面ライダー…ダークドライブ。』

 

青年はそう言い、女達に襲いかかった。

 

『まずはお前からだ。』

 

ダークドライブは先に灰色の猫の怪物《キャットオルフェノク》を刃の付いた銃《ブレードガンナー》で斬りつける。

 

『きゃぁ!』

 

『なっ!この!』

 

ステンドグラスの犬の怪物《ドッグファンガイア》はダークドライブに噛みつきに来るが、ダークドライブはキャットオルフェノクを盾にしてかわし、ドッグファンガイアの牙がキャットオルフェノクの肩を深々と噛みつくことになってしまった。。

 

『ひ、卑怯よ!』

 

『知らないな。』

 

ダークドライブは無慈悲にも深手を負ったキャットオルフェノクを踏みつけ、ブレードガンナーのトリガーを引き、弾丸を浴びせる。すると突然、キャットオルフェノクから青い炎が吹き出し、ただの灰となった。

 

『よ、よくもぉぉぉぉ!』

 

ドッグファンガイアは怒りを露にし、ダークドライブに飛び掛かるが、ダークドライブは静かに自分の腰に巻いているベルト《ドライブドライバー》のキーを捻り、左腕に巻いている腕輪《シフトブレス》の赤いボタンを押す。

 

《ネクスト!》

 

ベルトから音声が鳴り、ブレードガンナーの刀身が光りそのまま横に凪ぎ払う。凪ぎ払った刃から水色の斬撃が飛び、そのままドッグファンガイアの体を貫通した。するとドッグファンガイアの全身がステンドグラスのようになり、そのまま砕け散った。

 

『残りはお前だ。』

 

『あ、あ、ああ…。いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

ダークドライブの圧倒的な強さを目の当たりにし、ジラフドーパントは一目散に逃げ出した。ダークドライブはベルトのキーを捻り、シフトブレスに装着されていたミニカー《シフトネクストスペシャル》を抜き、赤いボタンを押した。

 

《Nice Drive。》

 

ベルトから労いの言葉のような音声と同時に、黒い装甲が解除され、元の青年の姿に戻った。

 

 

「実験は無事成功だね。」

 

黎斗はモニター先程の光景を観察し、満足した笑みを浮かべた。

 

「では各班はダークドライブこと108を回収とオルフェノクの灰とファンガイアの欠片を回収並びに解析を頼む。」

 

黎斗は通信機で部下に指示を送るがその内の一人が恐る恐る声を上げた。

 

『あの、逃げたドーパントはよろしいのですか?それに民間人も…。』

 

「その点は抜かりない。近くに居た人達も怪我は無かったし、ライダーシステムも、怪人から守ってくれた存在として語られるさ。それに女権のやつらもまさか怪物を匿っていたなんて知られては不味いからね。下手には動けないよ。それに今頃は…。」

 

 

「はぁ…はぁ…。」

 

逃げた女権の女は何かに怯えるように走っていた。

 

「な、何なの…。誰なの…!?」

 

女権の女は他の仲間に連絡を入れようと携帯を取り出した。

 

「そ、そうだわ。怪物の証拠も掴んだしこれを知らせれば…。」

 

だが連絡を入れようとした途端、地面に倒れてしまった。

 

「…え?」

 

近くにあった鏡と眼があった瞬間、そこに映っていたのは黒い仮面の戦士と、"下半身が無い自分の姿だった"。

 

「う…そ…。なんで…鏡の…中…に…。」

 

そのまま女は絶命し、現場に残されたのは下半身の無い死体と、携帯と女が使っていたUSBメモリが落ちていた。

 

『これで完了だ。』

 

鏡の中から出てきた黒い仮面の戦士は携帯とUSBメモリを拾い、残った遺体を黒い龍に喰わせ、共に鏡の中へと消えた。

 

 

黎斗は通信を切り、誰もいない部屋の中でモニターのある画像を見る。

 

「もうすぐだ。もうすぐ始められる。私の計画が!」

 

そこには世界初の男性IS操縦者現るというニュースの記事があった。



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困惑

今回は短めです


「くそっ!IS委員会め、勝手なことを!このままでは計画が…!あ"あ"っ!」

 

黎斗は社長室の机を叩き、辺りに何かの設計図を大量に撒き散らしていた。黎斗の眼は充血しており、目の下には隈が出来ていた。

 

「…檀黎斗は何故あんなに怒りをだしているのだ?」

 

社長室のドアの隙間からその様子を見ていた赤いロングコートの男はメディックに問いかける。

 

「なにやら昨日IS委員会から連絡があってずっとあの調子なのですわ、ハート様…。」

 

「IS委員会からだと?」

 

《どうやら織斑一夏の専用機を造る件が勝手に白紙にされたそうだ。》

 

ハートとメディックが話していると、後ろから低めの声が聴こえ、振り替えると黒い機械のコウモリが飛んでいた。

 

「あら、コウモリさん。ごきげんよう。」

 

「詳しく話を聴かせてくれないか?キバットバット二世よ。」

 

《よかろう。》

 

 

一週間前、黎斗は織斑一夏がISを動かしたことにより、IS学園に是非、彼の専用機を造りたいと言いその許可を得て、幻夢コーポレーションの力を注いだISを設計していたのだが…。

 

「…え?倉持が織斑一夏のISを開発することになった…?ではわが社のISはどうなるのですか!?」

 

昨日IS委員会から連絡があり、倉持技研が織斑一夏のISを造ることが決定したのだ。しかも織斑一夏の姉、世界最強のIS操縦者である織斑千冬の後継機を造るそうだ。

 

「ふざけるのも大概にしてください!わが社の力を使えば最強のISが完成するのですよ!?しかも倉持は今、日本代表候補生の専用機を造っているはず!その専用機はどうするつもりですか!?」

 

そう、倉持技研は今黎斗が言った通り他の専用機を造っているのだ。そこにもう一つ専用機を造るとなると莫大な時間とコストがかかる。だが非常にも返ってきた言葉は…。

 

「なっ…!?人員を全て織斑一夏の専用機開発に使い、日本代表候補生の専用機は開発を中止!?何を考えているのですか!?もう少し考え直してください!その代表候補生の努力はいったいどうな…っ!」

 

電話は途中で切られ、黎斗は受話器を叩きつけた。女尊男卑に染まっているIS委員会からすれば、男女平等を掲げ、得体の知らないパワードスーツを造る幻夢コーポレーションにISを造らせたくはないのだろう。だが一週間も不眠、不休で試行錯誤し、やっとの思いで完成した設計図をなんの相談も無しに捨てられたのであれば、黎斗の努力は無駄となってしまう。黎斗にとってそれは一番の侮辱であった。

 

 

《と言う訳だ。》

 

「それはあまりにも酷いな…。」

 

「ええ。ISは嫌いですが、その日本代表候補生もなんだか可哀想ですわ…。」

 

《それよりもだ。》

 

キバットバット二世がドアの隙間から見ると、黎斗は先程より発狂していた。

 

「そうだぁ!この際IS委員会もろとも全てのISを滅ぼしてくれよぅ!私に歯向かった事を思い知らせてやろぉう!ブァァァァァァァハハハハハハハハ!」

 

《これは重症だな。仕方がない…。》

 

キバットバット二世はスィ~っと空中を浮遊し、黎斗の頭に突進した。

 

「あ…。」

 

何処かでゲームオーバーの様な残念な音楽が流れ、黎斗はバタリと倒れた。

 

《このまま過労で死なれても困るからな。ありがたく思え。》

 

その後黎斗はハートに担がれ、医務室でメディックの治療を受けることとなった。そして三日間は目を覚ます事がなかった。



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襲撃

黎斗が目覚めてから数週間後…。

 

ここはIS学園…。IS操縦者を育成する学校だ。そして今アリーナと呼ばれる場所で二機のISが戦っていた。片方はツインテールをした少女が乗っているピンク色のIS、もう片方は黒髪の"少年"が乗った白いISだ。

 

そう、今IS学園では一年一組のクラス代表である世界初の男性操縦者の"織斑一夏"と、一年二組のクラス代表である中国代表候補生の"凰鈴音"がISを使ったクラス代表のトーナメント戦、クラス対抗戦をしていた。

 

「くそっ!なんだあいつ!」

 

だがその戦いの最中、突如現れた黒い全身装甲のISに苦戦していた。しかし黒いISの動きを見ていると、一夏はあることに気づいた。それはもしかすると無人機の可能性があるということだ。そこで一夏は鈴とある作戦を立て、実行に移そうとした途端。

 

「一夏ぁ!男ならそのくらい勝てなくてどうする!」

 

一夏の幼なじみであり、篠ノ之束の妹である箒がマイクで一夏にエールを送ってきた。だがそれは敵に存在を知らしめる行為となり、黒いISは箒にレーザーの照準を向ける。

 

「箒ぃ!」

 

レーザーのチャージが完了し、箒は目をつぶるが、レーザーはいつまでも届くことは無かった。何故なら…。

 

「な、なんだ…。あのIS…。」

 

黒いISがレーザーを撃つ直前、空から白い全身装甲が降りてきて、黒いISの腕を切り落としたからだ。黒いISは残った腕で白い戦士を撃とうとするが。

 

《ガシャット!キメワザ!デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》

 

ゲンムのガシャコンソードの必殺技によって、胴体を真っ二つにされ、コアを引き抜かれ機能を停止した。それは一夏の予想通り無人機であることの証明だった。

 

「た、助かったのか…?」

 

「そうみたいね…。」

 

一夏と鈴はホッと胸を撫で下ろして、白い戦士に礼をした瞬間、二人のISに通信が届いた。

 

『一夏!凰!今すぐそいつから離れろ!』

 

「え、千冬姉?」

 

アナウンスからは千冬の声が聴こえ、一夏は不思議そうな顔をして言葉を返す。

 

『いいからさっさと逃げろ!』

 

「一夏!危ない!」

 

鈴の声が聴こえ白い戦士を見ると、紫色の斬撃が飛ばされ、一夏はギリギリの所でかわした。

 

「な、何すんだよ!」

 

『我名はゲンム。革命を起こすものだ。』

 

「ゲンム…?」

 

「ゲンムって数ヶ月前の仮面戦士事件の首謀者じゃないの!」

 

鈴の言葉に一夏はあることを思い出す。それは数ヶ月前に新聞で、A国とB国の戦争の最中、ゲンムと名乗る白い戦士が突然現れ、B国の三機のISを破壊し、異形の怪物を従えB国のIS操縦者を殺害したという記事だった。そしてうろ覚えだが、写っていた記事の画像は目の前に居る者と酷似していた。

 

「つまりテロリストか…。」

 

『そうだ。他にも奴は様々な国に出現し、その強さは代表候補生以上…。いや、国家代表にも及ぶとされている。』

 

「国家代表って…。」

 

代表候補生の自分より遥かに上の存在である国家代表と同等ということに、鈴はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

『教師陣が直ぐに向かうからお前達は避難しろ。』

 

「…いやだ。」

 

「は!?あんたバカじゃないの!?勝てるわけないじゃない!」

 

「それでも先生達が到着するまでの時間は稼がないと!俺は行く!鈴は先に逃げてくれ!」

 

「ちょ、ちょっと一夏!」

 

一夏はスラスターを噴かせてゲンムに剣を振りかざすが、簡単にかわされる。

 

『ほう、勇ましいな。だが、別に逃げても良いんだぞ?』

 

「俺は逃げない!うぉぉぉぉぉぉ!」

 

一夏は専用武器の《雪片弐型》を振るうが全てゲンムのガシャコンソードで防がれる。

 

「くそ!当たらねぇ…!」

 

『動きが単純だな。』

 

ゲンムがガシャコンソードで一夏を斬ろうとしたとき、何かを察知し横に飛ぶと、突風が飛んできた。

 

『なるほど。あの中国代表候補生の衝撃砲か。』

 

「う、嘘でしょ…。衝撃砲を初見で、しかも死角から狙ったのにかわされるなんて…。」

 

ゲンムが空を見上げると鈴が驚いた表情をしていた。

 

『衝撃砲は厄介だな。先にあの女から片付けるか。』

 

「そうはさせませんわ!」

 

一夏や鈴とは別の声が聴こえると、ゲンムの体に青いレーザーが当たり、少しのけぞった。

 

『…イギリス代表候補生か。』

 

「このセシリア・オルコットとブルー・ティアーズの前にひれ伏しなさい!」

 

セシリアはレーザービットを使いゲンムにレーザーを浴びせる。それと同時に鈴も衝撃砲を放ち、逃げ道を塞ぐ。

 

『クッ。』

 

「今です一夏さん!」

 

「うぉぉぉぉぉ!零落白夜!」

 

そしてセシリア達の遠距離攻撃が止んだ途端、一夏が突撃し、光を纏った雪片がゲンムに当たり、アリーナの壁まで吹き飛ばした。




まさかのゲンム敗北か!?
どうなる次回!
あ、あとお気に入り100人突破!
ありがとうございます!


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ゾンビ

前回一夏にやられたゲンム
さて、どうなる?


「はぁ…はぁ…。」

 

一夏達がゲンムを倒したのと同時に、アリーナにISを纏った教師陣がやって来た。

 

「まさかお前達が倒したのか?」

 

ISを纏った千冬は壁に倒れているゲンムを見て、驚いた顔をした。

 

「へへっ。なんとか勝てたよ。」

 

「そうか。よし、襲撃したISとゲンムを回収しろ!」

 

「「「はい!」」」

 

千冬の言葉に教師陣は警戒しながらもゲンムに近づく。

 

「それにしてもよく倒せたものだな。」

 

「セシリアや鈴、箒の応援のお陰だよ。」

 

一夏は照れたように笑い、それにつられて千冬も顔を綻ばせた。

 

『ほう、あれで勝ったと思ったのか。おめでたい奴だな。』

 

「えっ?」

 

一夏達が一斉に振り替えると、そこにはゲンムが一人の教師の首を掴んで持ち上げていた。

 

「な、なんで!」

 

『ふん、あんなショボい技で殺られるかよ。』

 

「そ、そんな…。」

 

『さぁ、第二ラウンド行こうじゃないか。』

 

ゲンムが教師を投げ捨て、一夏達に近づくと教師陣に銃を向けられ包囲される。

 

『この我に歯向かうのか。良いだろう!』

 

《ガシャコンマグナム!》

 

ゲンムは紺色の銃《ガシャコンマグナム》を呼び出し、ベルトから白いゲームカセット《デンジャラスゾンビガシャット》を抜き、ガシャコンマグナムのスロットに挿す。

 

《ガシャット!キメワザ!》

 

すると銃口から紫色の禍々しいエネルギーがチャージされ始める。

 

「っ!撃てー!」

 

千冬は直ぐに察し、一斉射撃を命令するが、デンジャラスゾンビの力を持つゲンムの不死身の能力により、全て無力化される。

 

『散れぇ!』

 

《デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》

 

ゲンムがトリガーを引くと、禍々しいエネルギー弾が射出され、教師陣のISを半分ほどを倒してしまった。

 

「な、なんだと…。一撃でここまでとは…。」

 

千冬は目の前で起こった光景に驚愕を露にする。誰もが圧倒的な力を前に動けずにいたが、そんな中、一人のIS操縦者がゲンムに向かう者が居た。

 

「ハァァァァァァァ!」

 

「えっ!や、山田先生!?」

 

『クッ!なんだ貴様!』

 

そう、ラファール・リヴァイブを纏った一年一組の副担、つまり一夏達の副担の山田真耶だった。いつも笑顔で温厚でドジっ子な先生だが、今の顔は怒りに満ち溢れていた。

 

「あなたみたいな人が!ゲンムを語らないでください!」

 

『グァ!』

 

真耶の剣がゲンムを切り裂き、ゲンムは少しだけ下がる。

 

『ええい!邪魔な女だ!』

 

ゲンムはガシャコンマグナムのBボタンを押し、トリガーを引くと散弾が射出され、真耶に直撃し地面を転がった。

 

「キャア!」

 

「真耶!」

 

千冬は真耶の元に行こうとするが、足元に銃弾が当たり足を止める。

 

『動くな!そう焦らなくても後でお前も葬ってやるさ。』

 

《ズ・キューン!》

 

ゲンムはガシャコンマグナムのAボタンを押し、ハンドガンからライフルへと変形し、ガシャットを再装填する。

 

《ガシャット!キメワザ!》

 

『死ねぇ!』

 

《デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》

 

ガシャコンマグナムからエネルギー弾が射出され、真耶は思わず目をつぶった。

 

「真耶!」

 

「山田先生!」

 

しかし真耶にエネルギー弾が当たる直前、何故かエネルギー弾が爆発し、辺りを砂煙が覆った。

 

『な、なんだ!?』

 

砂煙が晴れていくとそこに居たのは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクショ~ンX!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い姿に紫のラインが入ったゲンムに似た戦士だった。




ゲンムが二人!?
これは一体…。


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ゲンム

「だ、誰だ…?」

 

『な、なんで貴様がここに!?』

 

一夏達は目の前に登場現れたゲンムに似た戦士に驚愕を露にする。

 

『私の名は仮面ライダーゲンム。』

 

「ゲ、ゲンム!?」

 

「もう一人居たのか!?」

 

『そこに居るIS学園の方々は早く逃げてください。さて、私の怒りを買ったそのバカには、お仕置きが必要だね。』

 

《ガシャコンバグヴァイザー!》

 

そう言い黒いゲンムは、白いゲンムが腰に付けているのと同じゲームパッドに似たアイテム《ガシャコンバグヴァイザー》を出現させ、右手に持ったグリップに取り付ける。

 

《チュ・ドーン!》

 

低めの電子音と共にバグヴァイザーの砲門が伸び、ビームガンとなる。そしてグリップに力を込めると砲門からビームが発射され、白いゲンムに被弾する。

 

『ギャッ!』

 

「え…。効いてる…?」

 

ISの攻撃に対しては不死身の能力を誇っていたはずの白いゲンムはビームが当たった場所を押さえる。

 

『何で!?デンジャラスゾンビは全部の攻撃を無効にするのに!』

 

『ハァ!』

 

黒いゲンムは白いゲンムにビームを連射し、着々とダメージを与える。

 

『くそ~!こうなったら!』

 

《ガシャコンマグナム!》

 

『そうはさせないよ。』

 

《高速化!》

 

白いゲンムはガシャコンマグナムで黒いゲンムを撃とうとするが、黒いゲンムは近くにあった黄色いメダルの様な物《エナジーアイテム 高速化》を取り、一瞬で白いゲンムに近づき、ガシャコンマグナムを奪いトリガーを引く。

 

『ギャァァァァァ!だ、だったら!』

 

《ガシャコンソード!》

 

《ガシャット!キメワザ!デンジャラスクリティカルフィニッシュ!》

 

白いゲンムはガシャコンソードを出現させ、必殺技を放つ。放たれた斬撃は黒いゲンムに向かい、そして大爆発を起こした。

 

『はーはっはっは!どうだ!ホンモノのゲンムの力を見たか!』

 

《ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクションX!アガッチャ!ぶっ叩け!突撃!モウレツパンチ!ゲキトツロボッツ!》

 

煙の向こうから変身音が鳴り、突然黒いロケットアームが飛んできて、白いゲンムを殴り飛ばす。

 

『え?え?』

 

白いゲンムが驚いていると、ロケットアームは煙を吹き消し、姿の変わったゲンムが現れる。

 

「姿が変わった…。」

 

「まさか二次移行したのか?」

 

『少し違う。これはフォームチェンジだ。ロボット同士で戦うガチンコゲーム、ゲキトツロボッツの力を得た姿。その名も仮面ライダーゲンム ロボットアクションゲーマーレベル0』

 

ゲンムの姿は腕には先程の黒いロケットアームが装着され、胸部アーマーや肩アーマーが変わっていた。

 

『さて、君の正体を暴くとするか。』

 

《ガシャット!キメワザ!》

 

黒いゲンムはベルトのスロットから《プロトゲキトツロボッツガシャット》を抜き、左腰に下げている《キメワザスロットホルダー》にセットしボタンを押すと、音声が鳴り、もう一度押す。

 

《ゲキトツクリティカルストライク!》

 

『ハァ!』

 

黒いゲンムはロケットアームを飛ばし、白いゲンムを壁に押さえつけると、そのまま左腕をロケットアームに勢いよく突っ込み、追撃のパンチを繰り出す。ロケットアームは白いゲンムのベルトを捕らえており、二度目のパンチでベルトが砕け散った。

 

『うわぁぁぁぁぁ!』

 

ゴロゴロと地面を転がると白いゲンムは突然蜘蛛を模した見た目に、胸にナンバーが書かれた機械の怪物になった。

 

「「「え?」」」

 

突然何が起きたのかわからない一夏達は目を白黒させ、変身が解けた蜘蛛型の機械生命体は慌て始める。

 

『これが奴の正体だ。触れたものを自在にコピー出来る機械生命体、ロイミュード027だ。だが全部中途半端だからデンジャラスゾンビの力を最大限に生かせなかったのだろうな。』

 

そう言いながら黒いゲンム、いや、本物のゲンムは地面に落ちたガシャコンソードとデンジャラスゾンビガシャットを回収する。

 

『く、くそぅ…。』

 

『少し泳がせていたが勝手なことするのなら、制裁が必要だ。』

 

そう言いゲンムは腰に巻いているベルト《ゲーマドライバー》を外し、黒いバックル《バグスターバックル》を巻き付ける。

 

『あと、このガシャットはこうやって使うんだよ。』

 

《ガッチョーン!》

 

ゲンムはバグヴァイザーのグリップを外し、バックルに装着する。すると低い声が聴こえ、不気味な待機音声が流れる。

 

《デンジャラスゾンビ!》

 

デンジャラスゾンビのガシャットを起動させると、周囲にゲームエリアが展開される。

 

『グレードX。』

 

《ガシャット!バグルアップ!》

 

《デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!Wooo!》

 

ガシャットを装着したバグヴァイザーもとい、《バグルドライバー》にガシャットをセットし、ボタンを押すと目の前にゲートの様な物が出現し、音声に合わせ、まるでマリオネットのようにゲートの中のゾンビが踊る。そしてゲートの中から右手が突き出され、さらに左手が突き出されると、両腕を開き、ゲートを粉砕する。そこから現れたのはロイミュード027が擬態していた白いゲンムそのものだった。

 

『私は仮面ライダーゲンム レベルX。』

 

「あ、あいつがゲンムだったのかよ…。」

 

『027君、君のお陰で少しはデータが録れた。お礼に苦しみを与えず、一撃で倒そう。』

 

そう言いゲンムはバグルドライバーのABボタンを同時に押し、再びAボタンを押す。

 

《クリティカルエンド!》

 

辺りが薄気味悪くなり、ゲンムは空高く飛び、回転しながらロイミュード027にオーバーヘッドキックを叩き込む。するとロイミュード027は大爆発し、027と書かれた数字のロイミュードのコアが浮遊する。そしてバグルドライバーからバグヴァイザーを外し、コアを収納する。そしてゲンムは千冬の方を向き、ペコリと頭を下げる。

 

『この度は私の部下が失礼なことをしてしまい、申し訳ありませんでした。それでは。』

 

ゲンムは立ち去ろうとするが、周りをISを纏った教師陣に囲まれる。

 

「そんなので騙せると思ったか?貴様が今回を仕組んだ可能性もある。それに貴様はテロリストだ。よって拘束させてもらう。」

 

『…先程まで何も出来ず突っ立っていた雑魚が私に歯向かう気か。』

 

「随分と余裕だな。いけ!」

 

千冬の合図で教師陣は銃を構え、剣を握る。

 

『良いだろう。かかってくるがいい。』

 

教師陣は陣形を組みゲンムに攻撃するが、ゲンムは最小限の動きでかわし、接近してくる者にはガシャコンソードで斬りつけ、空を飛ぶ者にはガシャコンマグナムで撃ち落とす。あまりの圧倒的な強さに千冬は苛立ちを感じた。

 

「な、なんて強さなの…。」

 

「こんなのにISが負けるはずないわ!」

 

中にはゲンムの強さに怯える者、ISを最強と思い無謀な攻撃を仕掛ける者も居たが、全員ゲンムに倒される。そして残ったのは千冬と、戦いに参加しなかった一夏、セシリア、鈴のみとなった。

 

『これで私の強さがわかったはずだ。君達は勝てない。』

 

「ほぅ、私をあまり見くびるな!」

 

そう言い千冬は纏っていたIS《打鉄》の武器、《葵》をゲンムに振り下ろし、ゲンムはガシャコンソードでガードする。

 

『やれやれ…。』

 

今ここに世界最強のIS操縦者VSゲンムとの戦いが始まった。




仮面ライダーゲンム ロボットアクションゲーマーレベル0(プロト)
ゲンムがプロトマイティアクションXとプロトゲキトツロボッツで変身するフォーム。見た目は仮面ライダーゲンムにプロトロボットゲーマー(ガンバライジング参考)を装着させた姿(ただし頭部はそのまま)。
必殺技はゲキトツクリティカルストライク。簡単に言えばエグゼイドのロボットアクションゲーマーのゲキトツクリティカルストライクと同じ。


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世界最強VSゲンム

『フン!』

 

ゲンムはガードした千冬の剣を弾き、一旦距離を取る。

 

『もう一度警告してやろう。ISではこの私を倒すことは不可能だ。』

 

「それはどうだろうな。先程貴様は同じ力を持った偽物を倒した。それも何度も攻撃を与えることでな。つまりその不死身の能力も限界があるはずだ。」

 

『ほう、ならば試してみるといい。』

 

「手加減はせん!ハァァァァァ!」

 

千冬はスラスターを噴かせてゲンムに近づき、葵で華麗な攻撃を繰り出すが、ゲンムはガシャコンソードでなんとか防ぐ。だが流石は世界最強のIS操縦者。ゲンムも全て防ぐことは出来ず、いくつか攻撃が当たる。

 

 

「す、すげぇ。流石千冬姉だ。」

 

千冬の戦いを見ていた一夏はゲンムに対して互角かそれ以上の強さを誇る千冬に感心していた。

 

「凄いわね、千冬さん…。」

 

「ええ、流石は世界最強のIS操縦者ですわ。ですが…。」

 

「ん?なに?まさか千冬さんが負けるかもって思ってるの?」

 

「大丈夫だって!千冬姉が負けるはずはないんだからさ!」

 

不安そうな顔をするセシリアに一夏は励ますが、セシリアは「いえ」と答え、目を少し擦り、口を開いた。

 

「あのゲンムと言う人、先程から"少し姿が揺らいでおりませんか?"」

 

「「え?」」

 

そう言いゲンムを見ると、少しだけゲンムがぶれた様な気がした。

 

 

「クッ!何故だんだん攻撃が当たりにくくなっていく…。」

 

千冬は目を擦り集中するが、戦いが長引けば長引くほど、ゲンムに攻撃が当たりにくくなり、そして遂には完全に当たらなくなってしまった。まるで居るはずのない幻影を斬っているような感じがした。

 

「…貴様いったい何をした!何故ハイパーセンサーが誤作動を起こしている!」

 

『この形態の特殊能力のひとつさ。この形態は相手のセンサーを誤作動させ、幻影を見せる。ハイパーセンサーに頼ろうとするISにはかなり有効な力を発揮する。』

 

「っ!対IS用装備ということか…。」

 

『まぁ、その通りだ。さぁ、そろそろ終わりにしよう。』

 

《ガシャコンスパロー!》

 

ゲンムはガシャコンソードを戻し、ガシャコンスパローを出現させ、スロットに黒いガシャット《プロトギリギリチャンバラガシャット》を挿す。

 

《ガシャット!キメワザ!ギリギリクリティカルフィニッシュ!》

 

ガシャコンスパローから矢が射出され、千冬は葵でガードするが、矢が当たった直前葵が砕け散り、矢はそのまま千冬に当たり、爆発した。

 

「ガハッ…!」

 

そして千冬のISが解除され、そのまま地面に倒れ付した。

 

「え…?ち、千冬姉…?」

 

一夏は目の前で起きた光景に言葉を失い、そして理解したと同時に雪片を握りしめ、ゲンムに突撃する。

 

「よくも!よくも千冬姉を!」

 

「あ、一夏!」

 

「うぉぉぉぉぉぉ!」

 

一夏は雪片をゲンムに叩きのもうとするが、ゲンムのジャミング機能により、思うように攻撃が当たらない。

 

『まるで獣のようだな。ハァ!』

 

ゲンムはガシャコンスパローを戻し、雪片を掴んで一夏の腹に拳を喰らわせる。

 

「グッ!」

 

その衝撃に一夏は地面に膝をつくが、ゲンムはしゃがんめ一夏の顔を見るように髪を掴んで持ち上げる。

 

「痛っ!…お前だけは、絶対に許さない!!」

 

『ハァ…。安心するといい。彼女は殺していない。たださっきの必殺技のショックで気絶しているだけだ。』

 

「それでも千冬姉を傷つけたお前を俺は倒す!」

 

『…俺が倒す、か。ならばやってみたまえ。ただし少しハンデをやろう。』

 

そう言ってゲンムは一夏から手を離し、バグルドライバーからゲーマドライバーに変え、紫のガシャット《プロトマイティアクションX》をベルトに挿し、先程の黒いゲンム《アクションゲーマーレベル2》に変身する。そしてキメワザスロットホルダーから黒いガシャット《プロトシャカリキスポーツ》を取りだし、起動させる。

 

《シャカリキスポーツ!》

 

《ガシャット!》

 

それをキメワザスロットホルダーのスロットに挿すと目の前に黒い自転車《プロトスポーツゲーマ》が現れ、それに乗る。

 

『さぁ、かかってくるがいい。』

 

「っ!ふざけんなぁ!」

 

一夏はあまりにもふざけたことを言ったゲンムに怒り、雪片を振り回す。だがゲンムは自転車を漕ぎ、アクロバットに攻撃をかわす。

 

「くそっ!」

 

『フン!』

 

ゲンムは自転車の前輪を上げ、ウィリーの体勢で一夏に前輪を当てる。すると自転車がぶつかったとは思えない威力で一夏は吹き飛ばされた。

 

「な、なんだよこの威力…。」

 

『これがシャカリキスポーツの力だ。そしてこれにはもうひとつ使い方がある。』

 

《ガッチョーン!》

 

そう言ってゲンムはプロトスポーツゲーマから降り、ベルトのレバーを閉じる。そしてスロットに挿したプロトシャカリキスポーツのガシャットを今度はベルトのもうひとつのスロットに挿し、レバーを開く。

 

『グレード0!』

 

《ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクションX!アガッチャ!シャカリキ!メチャコギ!ホット!ホット!シャカ!シャカ!コギ!コギ!シャカリキスポーツ!》

 

プロトスポーツゲーマが宙を舞い、ゲンムに装着される。

 

「また変わった…!」

 

『ひとつ良いことを教えてやろう。勇敢と無謀は違う。君がしたことは実力を考えない無謀なことだ。』

 

「なっ!俺は弱くない!この力で千冬姉や皆を守るんだ!」

 

『ならば守ってみると良い。守れるものならね。』

 

《ガシャット!キメワザ!》

 

ゲンムは右肩にあるスポーツゲーマの後輪部分を外し、ベルトからプロトシャカリキスポーツのガシャットを抜き、キメワザスロットホルダーに挿し、ボタンを押す。すると後輪が高速で回転し始める。そして再びボタンを押す。

 

《シャカリキクリティカルストライク!》

 

『ハァァァァァ…ハァ!』

 

ゲンムは後輪を一夏に向かって投げ、一夏は防御の構えを取るが、後輪は一夏から反れ、いつの間にかゲンムの背後でライフルと衝撃砲を構えていたセシリアと鈴に向かう。

 

「「えっ?キャアアアアアア!」」

 

《会心の一発!》

 

そのまま後輪が当たり、二人は地面に落ち、ISが強制解除された。

 

「てめぇ!セシリアや鈴は関係ないだろ!」

 

『言ったはずだ。守れるもの守ってみろと。』

 

「皆の敵は俺が取る!」

 

すると一夏の雪片の刀身が再び光る。つまり零落白夜の発動だ。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!零落白夜ぁ!」

 

一夏は瞬間加速(イグニッション・ブースト)で急接近し必殺の一太刀をゲンムに喰らわせた。

 

「どうだ!」

 

『それで?』

 

「き、効いてない…!?」

 

『フン!』

 

ゲンムは一夏を蹴り飛ばし、一夏は何故だかわからない顔をする。

 

『零落白夜とは相手のエネルギーを貫通する効果がある。それはSEなどのエネルギーバリアで守られている機体には強力な一撃となる。だが、この盗んだライダーシステムはそもそもエネルギーバリアではなくこの全身にある装甲で守られている。つまり零落白夜はただの斬撃はなのさ。』

 

「そ、そんな…。」

 

『私を倒したければ強くなれ。そんな誰かから譲り受けた力ではなく、自分自身の力で戦え。君には期待している。』

 

「ま、待って!」

 

ゲンムはそう言い立ち去ろうとしたが、呼び止められ、振り向くとそこには真耶が不安そうな顔でゲンムを見ていた。だがゲンムは目を伏せ歩き出す。

 

「あ!待って!…キャッ!」

 

真耶がゲンムを追いかけようとするとゲンムはバグヴァイザーを装備し、真耶の足元にビームを撃った。

 

《透明化!》

 

そのままゲンムは透明化のエナジーアイテムを取り、姿を消した。




仮面ライダーゲンム スポーツアクションゲーマーレベル0
見た目はてれびくんのハイパーバトルDVDに登場した仮面ライダーゲンムそのもの。


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それぞれの思惑

今回は少し長めです


「はぁ…はぁ…。」

 

人気のない場所で壁にもたれかかったゲンムはベルトのレバーを閉じ、ガシャットを抜く。すると変身が解け、黎斗の姿に戻る。しかし黎斗の額には汗が吹き出し、息づかいもかなり荒くなっている。

 

「グッ…!やはりデンジャラスゾンビとプロトガシャットの連続使用は負担が大きすぎる…。」

 

黎斗は自分の心臓辺りを押さえ、呼吸を整える。

 

「ひとまず会社に戻るとするか…。」

 

黎斗は少しふらつきながら幻夢コーポレーションに戻っていった。戻ってくるとネガタロスが出迎えたが、黎斗のあまりの様子に思わず駆け寄った。

 

「どうした!何があった!」

 

「無事に027が盗んだガシャットとガシャコンウエポンは回収できた。だが、途中で思わぬ邪魔が入ってね。織斑千冬と、その弟や教師達と戦うことになってしまったよ…。それに確かめたかったとは言え、プロトガシャットとデンジャラスゾンビの連続使用もしてしまった…。」

 

「大丈夫なのか!?」

 

「ああ。教師達は簡単だったが、織斑千冬は危なかった…。デンジャラスゾンビじゃなかったら、完全に負けていた…。」

 

「とにかく少し休んだ方が良いな。」

 

ネガタロスは黎斗を医務室まで連れていき、ベッドに寝かせる。

 

「じゃあ俺は他のやつらに解析などを頼んでくる。」

 

「待て、ネガタロス…。」

 

「なんだ?」

 

「君の体の方は大丈夫なのか?そろそろメンテナンスをしないと…。」

 

そう、ネガタロスは人間ではない。イマジンと呼ばれる未来からやって来た人類の精神が、人間のイメージなどによって誕生する怪人だ。イマジンは、本来人間に憑依し、契約した者の願いを叶え、時の流れを壊す者達だ。しかしネガタロスは黎斗と手を組み、こうして力を貸してくれる。

黎斗とはある契約を交わし、実体化することは出来るが、実体化した姿では見た目のせいで外を歩けないため、黎斗がロイミュードを応用して造った人工の体に憑依している。だが機械の体であるため、時々メンテナンスが必要であり、ちょうどその時期に差し掛かっていた。

 

「お前は自分の心配をしていろ。メンテナンスなど他のやつにも出来る。」

 

「そうか…。では少し休むとするか…。」

 

そう言って黎斗は瞼を閉じ、ネガタロスが去った後、黎斗はパソコンを取りだし、またしてもデータを打ち込み始めた。

 

「すまないね、ネガタロス君…。ゴホッ!っ!」

 

思わず咳き込み口を手で押さえたが、その手には血がベットリと付いていた。

 

「私に残された時間はあまりない…。早く完成させなければ…!」

 

 

一方その頃IS学園では。

 

「千冬姉…。」

 

一夏がIS学園の医務室で項垂れていた。目の前には千冬が眠っていた。

 

「俺がもっと強かったら…。」

 

一夏は自分の不甲斐なさに涙を流すが、その頭を優しく撫でられる。顔を上げると千冬が起きており、優しい笑みで頭を撫でていた。

 

「千冬姉!目が覚めたんだな!」

 

「ああ。少し気絶していただけだ。心配かけたな。」

 

「千冬姉…。ごめん…、俺が弱かったから…。」

 

「いや、お前の様子を見ればわかる。よく"あれ"を使わなかったな。それだけで十分だ。」

 

「でも!"あれ"を使えば勝てたかも…っ痛!」

 

一夏が拳を握りしめると千冬に頭を殴られ、半分涙目になりながら頭を押さえた。

 

「バカモン!お前はそんなのを使わなくても強くなれる。焦らなくて良い。少しずつ強くなれ。あんなのはただの紛い物だ。」

 

「うん…。」

 

 

ここはとある場所。そこではある人がモニターを見てイライラしていた。

 

「何アイツ!急に束さんの邪魔してー!せっかくのいっくんの晴れ舞台が台無しだよ!」

 

モニターを見ていたのはISの産みの親であり、現在世界中で捜索されている篠ノ之束だ。今回IS学園に無人機を送り込んだ犯人であり、目的は一夏の晴れ舞台を用意することだった。しかし突如現れたゲンムにより、それは阻止されてしまった。おまけに一夏や千冬すらも圧倒してしまったのだ。

 

「あーもう!調べても正体わかんないし、なんなのこいつら!」

 

「束様。珈琲でも飲んで落ち着かれてはどうでしょうか?」

 

「あーうん。そうするよ。ありがとクーちゃん。」

 

クーちゃんと呼ばれた少女、クロエ・クロニクルは束に珈琲を差し出した。

 

「うん!クーちゃんの珈琲は美味しい!」

 

『だったら僕にも頂戴よ。』

 

「…チッ!」

 

突然男の声が聴こえると、後ろの方から黄色い布が降りてきて、そこからライオンのような頭、虎のような腕、そして黒い包帯で巻かれた足を持った怪物が現れる。

 

「飲んでも味なんてわかるわけないだろ。ただのメダルの塊の癖に。」

 

『酷い言い方してくれるね。まぁ実際そうだけどさ。』

 

そう言って猫の怪物は金髪に黄色のチェックのシャツを着たチャラそうな青年の姿になった。

 

「カザリ様、いつお戻りに?」

 

「ついさっきだよ。」

 

カザリと呼ばれた青年は近くにあったソファーに座る。

 

「クーちゃん、そんなやつ呼び捨てで十分だよ。」

 

『さっきから随分と偉そうだな。』

 

今度は緑色の布が降りてきて、クワガタの頭、カマキリの腕、そしてカザリと同じく黒い包帯で巻かれた足を持った怪物が現れ、オールバックに緑のジャケットを羽織った青年の姿になる。

 

「ウヴァ様もお帰りですか。」

 

「ああ。それにしてもクロエは丁寧な癖にお前は本当に偉そうだな、束。」

 

「そもそもお前達をここに置くことすら私は嫌なんだよ。」

 

「いいの?僕達が居なくなったら例のシステムは完成しないよ?」

 

「本当にうるさいなぁ。コアを抜き取って黙らせるよ?」

 

「皆さん落ち着いてください。ここで戦っても意味はありません。」

 

束が懐からあるものを取り出そうとしたが、クロエに止められ戻した。カザリ達もクロエの言葉に戦闘体勢を止めた。

 

「束様は彼らからのセルメダルの提供。そしてカザリ様達は束様にコアメダルの捜索。今争っても互いに利はありません。」

 

「今回はクーちゃんに免じて見逃してあげる。」

 

「はっ!それはこっちの台詞だ。」

 

 

「随分と面白いものが見れたわね。」

 

とある場所で黎斗達の戦いを見ていた女性、スコール・ミューゼルは興味深い顔をしていた。

 

「織斑一夏…。檀黎斗…。人類の未来を決めるのはいったちどちらか…。はたまた別の誰かか…。楽しみね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギラ・リントン・リサギゾ・バベダ・ゲゲルグ・ザジラスパ。」

 

そう言い残しスコールは薔薇と共に消えた。



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人物&ライダー設定集

ライダーが集まり次第更新予定。
怪人等は別で分けます。
若干ネタバレ含みますのでご注意を


檀 黎斗(だん くろと)

本作品のライダーサイドの主人公。転生者であるが、死因などは不明で、目覚めたらこの世界に赤ん坊として産まれた。前世の記憶は無く、代わりに天才な知能を持つ。幻夢コーポレーションの現社長であり、幼い頃に起きた白騎士事件の後、ISを宇宙に戻し、女尊男卑を変えるため、登場社長だった父、正宗(まさむね)に相談を持ちかけ、ライダーシステムを完成、並びに父の名前で学会に発表した。しかし、女尊男卑の策略により、父が代わりに逮捕され(学会に正宗の名前で発表したのは黎斗を逮捕させないための正宗の策略)、死刑になった。その後、母、櫻子(さくらこ)もあとを追うように病気で亡くなり、黎斗は女尊男卑とISを憎しみを抱き、復讐を誓う。

 

仮面ライダーゲンム

黎斗が変身する仮面ライダー。見た目は仮面ライダーゲンムそのもの。レベルアップ用のガシャットを使うことで様々なフォームにレベルアップする。また、武器であるガシャコンバグヴァイザーをバグスターバックルと合体させ、デンジャラスゾンビガシャットを使って、ゾンビゲーマーレベルX(テン)に変身することも出来る。

 

各フォーム

仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル2

ゲンムの基本フォーム。プロトマイティアクションXガシャットで変身。必殺技は相手にエネルギーを纏ったキックを放つマイティクリティカルストライク。

 

仮面ライダーゲンム プロトロボットアクションゲーマーレベル0

プロトマイティアクションXガシャットと、プロトゲキトツロボッツガシャットを組み合わせて変身するフォーム。左腕に装着されたロケットアームを飛ばすことが出来る。必殺技はロケットアームで相手を壁に等に押さえつけ、左腕をロケットアームに突っ込み、追撃を与えるゲキトツクリティカルストライク。

 

仮面ライダーゲンム プロトスポーツアクションゲーマーレベル0

プロトマイティアクションXガシャットと、プロトシャカリキスポーツガシャットを組み合わせて変身するフォーム。右肩にある車輪は取り外し可能で、ブーメランのように投げることが出来る。必殺技は高速回転した車輪を相手にぶつけるシャカリキクリティカルストライク。

 

仮面ライダーゲンム ゾンビゲーマーレベルX(テン)

デンジャラスゾンビガシャットで変身するフォーム。不死身の能力を持ち、どんな攻撃も効かない。ただし、致死量のダメージを喰らえば変身は解除される。必殺技は体を回転させ、上空から相手にオーバーヘッドキックを喰らわせるクリティカルエンドと、爆発するゾンビを呼び出して、相手を爆発させるクリティカルデッドの二種類がある。

 

関連アイテム

 

ゲーマドライバー

黎斗が変身するために使用するベルト。

 

バグスターバックル

黎斗がゾンビゲーマーに変身するときに使用するバックル。ガシャコンバグヴァイザーと組み合わせることで真の力を発揮する。

 

プロトマイティアクションXガシャット

アクションゲーム、マイティアクションXのデータが入ったプロトガシャット。変身用。

 

プロトゲキトツロボッツガシャット

ロボット対戦ゲーム、ゲキトツロボッツのデータが入ったプロトガシャット。レベルアップ用。

 

プロトシャカリキスポーツガシャット

自転車レースゲーム、シャカリキスポーツのデータが入ったプロトガシャット。キメワザスロットホルダーに挿すことで、プロトスポーツゲーマを呼び出し、アクロバットな動きで相手を翻弄しながら戦える。レベルアップ用。

 

デンジャラスゾンビガシャット

ゾンビゲーム、デンジャラスゾンビのデータが入ったガシャット。何者かの死のデータが入っており、致死量レベルのダメージを受ければ受けるほど強くなる特殊なガシャット。プロトガシャットよりも体への負担が大きい。変身用。

 

ガシャコンバグヴァイザー

黎斗がゲンムの時に使う武器であり、ゾンビゲーマーのベルトにもなるアイテム。ゲームパッドの様な見た目で、グリップを取り付けることでビームガンとチェーンソーに切り替えることが出来る。まだ、バグスターバックルに装着することでバグルドライバーにもなる。



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ライダーシステム

なんか今回うまくかけてる自信がない…。
変なところがあったら指摘してください


ゲンム襲撃から数日後、一夏達は千冬に呼ばれIS学園の来客者用の部屋に向かっていた。

 

「なぁ、俺達に用があるってなんだろうな。」

 

「そうですね。しかも呼ばれているのは一夏さん、私、箒さん、鈴さんだけ。」

 

「どう考えてもあのゲンムと言う奴が襲撃した時に、近くに居たメンバーだな。」

 

「ほんと何の用なのよ…。」

 

一夏達は来客者用の部屋の前に着くと、そのドアをノックする。すると中から入れと千冬の声が聴こえ、ドアを開けるとそこには黒髪の若い青年がが座っていて、その近くに千冬と真耶が立っていた。

 

「やぁ、君たちが織斑一夏君達だね。」

 

「え、えっと、誰ですか?」

 

一夏は青年に質問するが、箒達は嘘だろ?と言う目で一夏を見ていた。

 

「ど、どうしたんだよ皆?」

 

「い、一夏。あんたこの人知らないの!?」

 

「知らないけど…。」

 

「幻夢コーポレーションの社長、檀黎斗さんですわよ!?」

 

「え!?幻夢コーポレーション!?」

 

一夏はその会社名に聞き覚えがあった。幻夢コーポレーションとは、様々なジャンルのゲームを販売するゲーム会社だ。しかもそのゲーム全てに外れはなく、発売すれば即日完売するほどの人気だ。特に名作中の名作、マイティアクションXは今でも人気であり、近々新作が出るそうだ。一夏もプレイしたことがあり、徹夜でしていて千冬に怒られたこともあった。そしてそんな超有名会社の社長が今目の前に居るのだ。

 

「マ、マジかよ…。あの、さっきはすみません…。」

 

「いやいや、あまりメディアなどでは出ないから知らなくても無理はない。」

 

「それでその社長さんが俺達に何か用ですか?」

 

「ああ、そうだったね。まず一言、すまなかった。」

 

そう言って黎斗は頭を下げ、一夏達は慌て始める。

 

「え!?あの!ど、どういうことですか!?」

 

「数日前ゲンムと名乗る者がここを襲撃したという情報が入ってね。あれはわが社で開発したパワードスーツの一つなんだ。実は数ヵ月前、わが社が何者かに襲撃され、その時にゲンムや他のパワードスーツが盗まれてしまったのだ…。」

 

黎斗は顔をあげ、悔しそうに拳を握りしめる。

 

「そういえばあのゲンムも盗んだって言ってたな…。」

 

「あ!パワードスーツって言えば、最近都市伝説とかで仮面ライダーとか言われてるけど、あれも幻夢のパワードスーツなの?」

 

鈴はふと思いだし黎斗に聞く。

 

「ああ。わが社のパワードスーツ、別名ライダーシステムは怪人と戦うために造られた物なんだ。」

 

「怪人って…。」

 

鈴達は顔を見合せ先日襲撃したロイミュードを思い出す。

 

「ああ。君たちが会ったロイミュード027のことだ。だが他にも怪人は存在していて、種類で数えるとその種類は10は越えている。」

 

「ですがわざわざライダーシステムでしたっけ?を作らずISで対抗すればよろしいのでは?」

 

今度はセシリアが黎斗に質問する。だが黎斗は首を横に振り口を開く。

 

「いや、確かに弱い怪人なら倒せるだろう。だがそれより上のクラスとなると倒すのは難しい。例え絶対防御があっても簡単に削りきられる…。そこでだ。」

 

そう言って黎斗はアタッシュケースを一夏達の前に置く。

 

「これをわが社から君たちに送ろうと思う。」

 

黎斗がアタッシュケースを開けると、金色のバックルと蜘蛛の絵が描かれたトランプのクラブのエースが入っていた。

 

「バックルと…トランプ?」

 

「これはレンゲルバックルと呼ばれるものだ。そしてそのトランプは5番目の怪人、アンデッドが封印されたカードだ。アンデッドは様々な生き物の祖先であり、そして不死でもある。だからこいつを使ってアンデッドの封印と、他の怪人の排除を頼みたい。本来ならわが社から誰かを派遣したいところだが、今回の騒動でわが社はIS委員会に不信感を持たれているから、あまり動けないんだ。そこで若い君たちに任せるのは悪いが、このレンゲルの適合者を探して、その者に託してもらいたい。」

 

「適合者…?誰でも使えないのですか?」

 

「ああ。このライダーシステムはカテゴリーエース、つまりこのクラブのエースと適合率が高いものにしか変身することができない。」

 

「でも探すと言いましてもこの学園には沢山の生徒が居ますわ。」

 

「そこは心配しなくてもいい。このカテゴリーエースは適合者を探すと自動的にその者に向かうのさ。だから常に持っていてくれればいつか反応する者が現れる。」

 

「…ほう、随分と自信があるようだな。」

 

突然今まで口を開かなかった千冬が声をあげ、黎斗を見る。

 

「さっきから話を聞いていれば色々と出来すぎている。他のライダーシステムを渡せば良いのに何故これを選んだ?聞き方によればこの学園に適合者が居ると言っているようなものだ。しかもそいつがお前達と関係がないとも言えないぞ?」

 

「つまりあなたは私があのゲンムと関係があるかもと言うことですか?」

 

「ああ。もっと言えばゲンム本人ではないのか?」

 

千冬は黎斗を睨み付けるが、黎斗は口を押さえ笑いだした。

 

「何がおかしい!」

 

「いやぁ良くできた話ですね。もし私がゲンムだとしたらこんなことしませんよ。メリットがありませんからね。むしろデメリットの方が大きい。」

 

そう言って黎斗は分厚い本を取りだし、一夏達の前に置く。

 

「それともうひとつ。ここにはわが社で調べた全ての怪人のデータが記されてます。この学園で怪人が現れた時に参考にしてください。あと怪人等の件はここに居る君たちだけの秘密にしてほしい。下手なパニックを起こしたくはないからね。あともしわからないことがあれば名刺を置いておくから電話してくれ。それでは。」

 

そう言って黎斗は部屋を出ていき、外に止めてあった車に乗ろうとすると後ろから声をかけられる。振り向くとそこには真耶が居た。だがその顔はとても不安な顔をしていた。

 

「ねぇ黎斗君…。本当に黎斗君がゲンムじゃないよね?」

 

「…ああ。私は何も変わらないよ。」

 

「うん、そうだよね!また時間が空いたらメールして。久しぶりにデートしたいし…。」

 

真耶は顔を赤らめモジモジする。黎斗はそんな真耶を抱きしめる。

 

「もちろんだ。ここ数年の近況も聴きたいからね。」

 

そう言って黎斗は真耶から離れ、車に乗りIS学園を去っていった。

 

「…助けてくれてありがとう…。黎斗君…。」

 

真耶は誰も居ない校門の前で小さく呟いた。




はい、という訳で黎斗の彼女は山田先生でした~。
え?知ってた?マジで!?
そしてレンゲルの適合者は誰なのか…。
こうご期待!


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金と銀

更新が遅くなってすみません!


「えー、みなさん!今日は転校生を紹介します!しかも二人です!」

 

真耶の発言にクラスはざわつく。そしてドアが開き、入ってきたのは金と銀の男女だった。

 

「フランスから来ましたシャルル・デュノアです。」

 

「え…、男?」

 

「はい。」

 

金髪の美少年、シャルル・デュノアがそう言うと、一年一組の女子は一斉に歓喜の声をあげた。

 

「静かにしろ!」

 

千冬の声でクラスは静まり、真耶がもう一人の銀髪の少女に挨拶してもらおうとするが、その少女は黙っていた。

 

「えっと…、ボーデヴィッヒさん?」

 

「ボーデヴィッヒ、挨拶しろ。」

 

「はい、教官!」

 

「ここでは教官ではない。先生と呼べ…。」

 

「はっ!」

 

千冬は頭を少し抱えたが、ボーデヴィッヒは気にせず自己紹介をした。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

 

「…え?い、以上ですか?」

 

「ああ。」

 

「はぁ…。」

 

ラウラの簡潔すぎる自己紹介に千冬はさらに頭を抱えた。そしてラウラは一夏を見つけると、ツカツカと歩いていく。

 

「貴様が織斑一夏か。」

 

「え?そうだけ…っぶね!いきなり何しやがる!」

 

一夏は突然飛んできたラウラの張り手を掴み、互いに睨み合う。

 

「そこまでにしろ!織斑!ボーデヴィッヒ!朝から騒ぎを起こすな。」

 

「私は認めない!貴様があの人の弟など!」

 

ラウラの言葉に一夏は疑問を浮かべ、ラウラはそのまま自分の席に座った。

 

 

「何?IS学園に二人目の男性操縦者?」

 

社長室で新作ゲームの開発をしていた黎斗は、渡された資料の中からその項目を見つけ驚いたような顔をした。

 

「フランス代表候補生のシャルル・デュノアか…。ん?デュノア?ああ。そういうことか。」

 

黎斗は一人で納得した顔をし、社長室からある場所へ電話をかけた。

 

 

一方その頃一夏達は、一目もう一人の男性操縦者を見ようと押し寄せてきた女子生徒達から逃げていた。

 

「急げデュノア!」

 

「う、うん!」

 

「そっちに行ったわよ!」

 

「何としてでも捕まえるわよー!」

 

しかし突然何処かで爆発が発生し、全員が窓の外を見ると蛍のような怪物が炎を出して暴れていた。

 

「あれって!」

 

一夏はすかさず何処かからでっかい辞書サイズの本《これで万全!怪人図鑑(幻夢コーポレーション製作)》を取り出す。

 

「何処から出したの!?」

 

そんなシャルルの言葉を無視して一夏はある項目を見つける。そこには外に居る怪物と同じ姿の絵が描かれていた。

 

「あれはファイアフライアンデッド…。蛍の祖先の怪物らしい。」

 

「あれのどこに蛍の要素が!?炎出してるよ!?」

 

「とりあえずデュノアは皆を避難させてくれ!」

 

「え!?織斑君はどうするの!?」

 

「とにかく頼んだ!」

 

そう言って一夏はシャルルに避難させるのを託し、自分はファイアフライアンデッドの元に行く。

 

「おいアンデッド!」

 

「ンナ?」

 

一夏が叫ぶとファイアフライアンデッドは一夏の方を見る。

 

「俺が相手だ!」

 

そう言って一夏は懐からレンゲルバックルを取りだし、トレイを引き出して蜘蛛の絵が描かれたトランプのクラブのACE《チェンジスパイダー》をトレイに乗せてバックルの中に入れる。そして腰に当てると紫色のカードが腰を一周するように射出され、ベルトの帯となって固定される。そしてベルトから禍々しい待機音が鳴り始める。

 

「ふぅ…、変身!」

 

《OPEN UP!》

 

一夏がバックルを開くと紫色のゲートが現れ、一夏に向かっていく。しかしゲートが当てると同時に一夏は吹き飛ばされ、ベルトも地面に転がる。

 

「なっ!なんで変身できないんだ!?」

 

《このライダーシステムはカテゴリーエース、つまりこのクラブのエースと適合率が高いものにしか変身することができない。》

 

一夏は先日黎斗に言われた言葉を思い出していた。だが数日経っても適合者が現れることがなかったため、自分がそうかもしれないと思っていた。しかし現実は甘くはなく自分は適合者ではないことを知ってしまった。

 

「クソっ!」

 

一夏は白式を展開して攻撃するが、雪片を掴まれて壁に投げ飛ばされる。しかしファイアフライアンデッドはそれだけでは終わらず、炎を吐き出して白式のSEを削っていく。

 

「熱っ!このぉぉぉぉ!」

 

しかし一夏は炎を振り払い雪片で攻撃をいくつか当てる。

 

「エアルク!」

 

「え?うわっ!」

 

突然怒りだしたファイアフライアンデッドは一夏に接近して至近距離から炎を吐き出す。一夏は逃げようとするが両腕を掴まれて逃げられず、SEが削られ0になろうとした途端、ファイアフライアンデッドは炎を吐くのを止め、一夏からフラフラと離れる。その胸には赤い鞭の様なものが貫かれていた。鞭が引き抜かれるとそこには青い複眼に銀色の鎧を着た戦士が居た。

 

『アドノミナナマシク!』

 

ファイアフライアンデッドは胸から緑色の血を流しながら銀色の戦士を睨む。だが銀色の戦士は言葉がわからないのか首をかしげて、緑色の血を振り払うように鞭をしならせ、ロッド剣状にした。

 

「仮面ライダー…?」

 

『仮面ライダー?ふーん。じゃあ私は仮面ライダーサガかな?君は下がってて。ここは私が相手をするよ。ハァッ!』

 

サガと名乗ったライダーはファイアフライアンデッドに突進し、一夏から離れていった。




はい!と言うわけでサガ参戦です!


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運命の鎧

サガ参戦!
もちろん挿入歌はRoots of the Kingです!
と、言いたいけど挿入歌流しながら見てても読みにくいのでなしでw

あとよく読んでいる作品の作者さんにお気に入りやコメントもらえると嬉しくなるのは私だけでしょうか?


『ハァ!』

 

『アフグ!』

 

サガは専用武器《ジャコーダー》をロッド剣状から鞭へ変え、ファイアフライアンデッドを痛め付けていく。

 

『思っているよりタフだね…。それに私から逃げないし、ファンガイアとは別みたいだね。』

 

サガは顎に手を当て少し考える。しかしファイアフライアンデッドはその隙を見て逃げ始めた。

 

『逃がさないよ!』

 

サガはジャコーダーをファイアフライアンデッドの足に巻き付けて転ばせる。そしてそのまま勢いよくジャコーダーを振り、壁に叩きつけた。しかし煙が晴れるとファイアフライアンデッドは姿を消していた。

 

『あ、しまった!校舎の中に逃げられた!』

 

サガはすぐに後を追うように校舎の中に入っていった。しかし校舎に入ったのと同時に何者かに首を掴まれ、投げ飛ばされる。顔をあげるとそこには派手な服装をしてサングラスをかけた青年が居た。

 

『…誰?そこを退いてくれる?』

 

「野暮なことはしないの。今あの子があそんでるんだからさ。」

 

『え?』

 

「フォォォォォォォオウ!」

 

青年は突然叫ぶと口から青い衝撃波を出してサガを吹き飛ばす。

 

『何この衝撃…。さては人間じゃないね。』

 

「おお。おお~あたりぃ!フォォォォォォォォォォォォォォオウ!」

 

青年がまた叫ぶと今度はヤギの姿をした怪物になった。その腰にはファイアフライアンデッドの巻いていたウロボロスの装飾がされたベルトではなく、金の骨の装飾がされたベルトが巻かれていた。

 

『もしかしてさっきの化け物の仲間?』

 

『まぁそんな所かな?』

 

ヤギの怪物《カプリコーンアンデッド》は廊下の壁などを利用してトリッキーに動き周り、サガを攻撃する。しかしサガはジャコーダーをロッド剣状に戻していくつかは攻撃を弾いてかわした。

 

『なかなかやるねぇ。』

 

『そりゃどうも!』

 

サガはジャコーダーを鞭に変えてカプリコーンアンデッドを縛る。

 

『お?』

 

『ハァ!』

 

サガはカプリコーンアンデッドを窓の外に放り投る。

 

『あなたに"王女"の判決を言い渡します。死です!』

 

そう言ってサガは白い笛を取りだし、ベルトに挿す。

 

《WAKE UP!》

 

ベルトから音が鳴り、待機音が流れ始める。そして朝だったはずの空は夜になり、月が新月へと変わる。そしてジャコーダーの下側をベルトの右側に挿すと、ベルトからジャコーダーに向けてエネルギーが渡る。

 

『ハァ!』

 

『グッ!』

 

サガはジャコーダーをカプリコーンアンデッドに突き刺し、必殺技を行おうとしたが。

 

『人間ごときに負けるかよ!』

 

『うわっ!』

 

カプリコーンアンデッドはブーメランを投げてサガに当てる。その隙にジャコーダーを抜き、地面に降りる。しかしその傷は深く、胸から緑色の血を流していた。

 

『しまった!』

 

カプリコーンアンデッドはそのまま逃げようとしたが、騒ぎを聞きつけやって来たISを纏った教師達から弾丸を浴びせられる。

 

『グッ!ガハッ!…人間ごときがぁ!』

 

カプリコーンアンデッドは角から青い炎を出して教師達に当てると、そのまま何処かへ姿を消した。

 

『そうだ!もう一人のやつは!』

 

サガがファイアフライアンデッドの行方を探そうとすると、何処からか悲鳴が聞こえ、急いでそこに向かった。悲鳴が聞こえた場所に着くとファイアフライアンデッドが立っていた。

 

『見つけた!君にも判決を…?』

 

だがファイアフライアンデッドは動く様子がなく、地面に倒れ伏した。それと同時にファイアフライアンデッドのベルトが開き、♦と6のマークが見える。だがサガが驚いたのはそこではなく、目の前にいた緑色のトカゲの様な怪物に驚きを露にしていた。

 

『君が倒したの?』

 

『…。』

 

トカゲは何も答えずコクリと頷いた。そしてその近くには壁にもたれて気絶している女子生徒が居た。だがその腕には傷があり、血を流していた。サガは思わずジャコーダーを構えたが、それを気にせずトカゲの怪物は何処からかハンカチを取り出して、女子生徒の怪我の所に巻き付けた。そしてそのまま何処かへ逃げていった。

 

『あ、ちょっと!』

 

サガはトカゲの怪物を追いかけようとしたが、向こうから足音が聞こえ、その方角を見ると鈴が走ってきて。

 

「え?仮面ライダー!?あんたがこのアンデッド倒したの?」

 

『え?違うよ。さっきトカゲの怪物が。』

 

「ふーん。あ、それより封印しないと。」

 

『封印?』

 

鈴は懐から鎖の絵が描かれたトランプのようなカードを取りだし、ファイアフライアンデッドに投げる。するとカードが刺さり、ファイアフライアンデッドはカードの中に吸い込まれて鈴の元へ帰ってくる。

 

『へぇ。ファンガイアとかと違うんだね。』

 

「そう。このアンデッドって怪物は死なないからこうして封印するんだってさ。で、あんた誰よ?」

 

『ああ、私は仮面ライダーサガ。』

 

「あ、一夏が言ってた仮面ライダーか。」

 

『じゃあ私は帰るね。またどこかで会えるかも。』

 

「え?ちょっと!」

 

サガは窓から飛び降りてそのまま何処かへ行ってしまった。

 

「なんなのよぉ…。ん?電話?もしもし?…はぁ!?レンゲルバックルが消えた!?」

 

ちなみにその日IS学園は休校となった。

 

 

騒動が収まった夜。人間の姿になったカプリコーンアンデッドは人気の無い所をフラフラしていた。

 

「クソっ!あの王女とか言った人間が!この俺に恥かかせやがって!ヌォォォォォォォォォ!」

 

カプリコーンアンデッドは暴れながら周りにあった廃材などを蹴り飛ばしていく。しかしどこからかコツンコツンと歩く音が聞こえ、カプリコーンアンデッドは辺りを見渡す。

 

「あ?なんだ?」

 

足跡のする方から人影が見えるが、夜の街灯に照らされて姿がよく見えない。

 

「誰だ?」

 

「…。」

 

人影は何も答えず、右手に持っていた何かを腰にあてる。すると何かが射出される音と、禍々しい待機音が流れ始める。

 

「…変身。」

 

《OPEN UP!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発が聞こえ、騒ぎを聞きつけた警察が駆けつけると、そこにはヤギの絵が描かれた♠Qを持った、蜘蛛のような仮面ライダーが立っていた。そしてその腰にはレンゲルバックルが巻かれていた。




次回もお楽しみに!


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交わる世界

今回は初の挑戦をしました!
あとプチ告知ですけどかなり前に書いて消した作品、仮面ライダーストラトスを現在執筆中。原作に沿ってますがいくつかオリジナルがあります。というよりISの原作をベースにしたほぼオリジナルストーリーですね。いつになるかは未定ですけど投稿したらそちらも是非読んでみてください。


「何?新たな仮面ライダーの情報だと?」

 

「はい、てっきり社長が造ったのかと…。」

 

サガが出現した翌日、黎斗は社員からの報告に驚きを露にしていた。だがその驚きはサガに向けてではない。黎斗ですら知らないライダーが街で目撃されたことに対してだ。

 

「私の知らないところで勝手にライダーを造るとは…!どんな奴か一度会わないとね。」

 

「社長…。お顔が…。」

 

「うん?ああ、すまない。」

 

黎斗が怪しい笑みを浮かべているとパソコンの画面に怪人出現と表示される。

 

「…よし、私が直接行こう。」

 

「お、お気をつけて。」

 

 

黎斗が着く数分前、街では男が女尊男卑の連中にカツアゲされていた。

 

「ほらおっさん。さっさと金だしなよ。」

 

「いいの?出さなかったら警察にあることないこと言って逮捕してもらうよ?」

 

「ほら出しなさいよ!」

 

女尊男卑の女たちの内の一人が男に殴りかかるが、 男はその手を掴んだ。

 

「ちょっ!放しなさいよ!」

 

男はニヤリと笑みを浮かべるとその姿をカマキリの様な姿に変える。

 

「ひっ!」

 

「ば、化け物!」

 

『キシシシシシシ!』

 

カマキリの怪物《マンティスワーム》は腕に付いた鎌で掴んでいた女の首を切り落とした。

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!」

 

「きゃああああああああ!」

 

マンティスワームは残った二人に狙いを定めようとする。そして鎌を振り上げた瞬間、マンティスワームに一台のバイクがぶつかる。マンティスワームはそのまま吹き飛ばされ、地面を転がった。

 

『キシャ!?』

 

マンティスワームはバイクの運転手を睨み付ける。しかし運転手はそんなマンティスワームをまったく恐れず、ヘルメットを外してバイクから降りた。

 

「見つけたぞ。」

 

『キシャアアアアアアア!』

 

マンティスワームはヘルメットを外した青年を鎌で切り裂こうとしたが、あっさりとかわされて回し蹴りを喰らう。青年は懐からボタンの付いたベルトを取りだし、腰に巻き、赤と青のボタンを同時に押した。するとベルトからプラットホームで流れるような低いメロディが鳴り、ベルトにパスをかざす。

 

《ネガフォーム!》

 

青年の体が白と黒を基調とした姿に変わり、紫色のアーマーが上半身を鎧のように包み込んだ。そして頭から紫色の桃の様な仮面が降りてきて、顔の正面で展開される。青年は悪の電王《仮面ライダーネガ電王》へと変身した。

 

『キシャ!?』

 

突然目の前で起こったことにマンティスワームは驚くが、すぐさま切り替えてネガ電王に攻撃する。だがネガ電王は専用武器《ネガデンガッシャー》を連結させ、ソードモードにしてマンティスワームを切り裂く。

 

『キシャア!』

 

『その程度か?』

 

『キシャアアアアアアア!』

 

挑発されたマンティスワームはネガ電王に突進するがヒラリとかわされてまた攻撃を喰らった。

 

『キシャ!』

 

ネガ電王から距離を取ったマンティスワームは突然姿を消す。

 

『クロックアップか。』

 

ネガ電王はふぅと息を吐きネガデンガッシャーを静かに構えた。

 

『ハァ!』

 

『ギシャ!?』

 

そのまま剣を振り抜くとネガデンガッシャーの刃がマンティスワームに深く食い込み、マンティスワームは火花を散らす。マンティスワームは何故自分が攻撃されたのかがわからず、呆然としていた。

 

『感覚を研ぎ澄ませば簡単なことだ。まぁ普通はクロックアップを使って戦うのがセオリーだがな。』

 

そう言ってネガ電王は自身のベルト《デンオウベルト》に黒いパス《ライダーパス》をかざす。

 

《フルチャージ!》

 

ベルトから低い音声が鳴るとエネルギーが剣へと渡る。マンティスワームは雄叫びをあげながらネガ電王に向かって行き、ネガ電王もマンティスワームに向かう。そしてすれ違い様にネガ電王はエネルギーを帯びた刀身をマンティスワームの腹に当て、切り裂いた。マンティスワームはそのまま断末魔をあげ、爆発と共に消え去った。

 

『さっさと次を探すか。』

 

ネガ電王はそのまま自身が乗っていたバイク《ネガデンバード》に跨がろうとするが、足元を撃たれその足を止めた。

 

『誰だ?』

 

ネガ電王は歩いてくる人物を見る。それは手にガシャコンバグヴァイザーを持った黎斗だった。

 

「君こそ誰かな?何故私の設計中のデンオウベルトを巻いている。どこで手にいれた?」

 

『なるほど、こっちの世界ではこれはまだ完成してないのか。』

 

「何を訳のわからないことを言っている?とりあえず君を拘束させてもらうよ。」

 

《マイティアクションX!》

 

「グレード2 変身!」

 

《ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクション~X!》

 

黎斗はゲンムに変身してネガ電王に襲いかかった。ゲンムはガシャコンバグヴァイザーをチェーンソーモードにしてネガ電王に斬りかかるが、ネガ電王はネガデンガッシャーをアックスモードにしてそれを防ぐ。

 

『ほう、私の攻撃を防ぐとは。』

 

『いきなり襲いかかるなよ。こっちはそっちに協力してほしいことがあるんだからよ。』

 

『協力だと?あまり信じられないね!』

 

『だと思ったよ!』

 

黎斗とネガ電王はつばぜり合いをした後、互いに距離を取る。

 

『パワーはそちらの方が上か…。ならばこれを使おう。』

 

《ギリギリチャンバラ!》

 

ゲンムはキメワザスロットホルダーから黒いガシャット《プロトギリギリチャンバラガシャット》を取り出して起動させ、ベルトに挿す。

 

《ガッチョーン!ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクション~X!アガッチャ!ギリ・ギリ・バリ・バリ・チャンバラ!》

 

レバーを開くとゲンムに《プロトチャンバラゲーマ》が分離、武装され、レベルアップした。

 

《ガシャコンスパロー!》

 

『ハァ!』

 

黎斗はガシャコンスパローを鎌モードにしてネガ電王に接近し、攻撃を仕掛ける。ネガ電王はネガデンガッシャーで受け止めようとしたが何かを察知して慌てて避ける。すると避けた所の地面にガシャコンスパローが刺さり、地面を大きく抉った。

 

『どんなパワーだよ…。』

 

ネガ電王はもしこれを喰らっていればと思い、少しゾッとした。

 

『ほう、避けたか。このギリギリチャンバラは一撃一撃が必殺の威力を持つゲーム。初見だから受け止めると思ったが、良い勘をしているね。』

 

『そりゃどうも。』

 

『なら次はこれだ。』

 

《ズ・ドーン!》

 

黎斗はガシャコンスパローを弓モードに変え、トリガー引く。するとガシャコンスパローから紫色の矢が射出される。ネガ電王はそれをネガデンガッシャーで弾き、アックスモードからアローモードへ変え、互いに撃ち合い始める。

 

『中々やるね!正直侮っていたよ!君はあのクズの様なIS集団よりも強い!私が戦ってきた中ではトップクラスだ!』

 

『お前も中々強いな。俺の契約イマジンも軍団に欲しいって言ってるぜ!』

 

『それはどうも!』

 

長く撃ち合い続けていたが、黎斗はガシャコンスパローを落とし、急に胸を押さえ始める。ネガ電王はその様子に疑問を持ち撃つのをやめた。

 

『ぐ、がぁぁぁぁぁ!』

 

『おい!大丈夫か!?』

 

黎斗は苦しみながらもフラフラと立ち上がりガシャコンスパローを持つ。

 

『はぁ…はぁ…。』

 

《ガシャット!キメワザ!ギリギリクリティカルフィニッシュ!》

 

黎斗はプロトギリギリチャンバラガシャットをガシャコンスパローのスロットに入れ、エネルギーをチャージする。そして必殺技を撃とうとした途端、ガシャコンスパローを地面に落とし、地面に倒れた。

 

『おい!』

 

ネガ電王はすぐさま駆け寄り黎斗の変身を解く。そのまま気を失った黎斗を背中に抱える。

 

『ネガタロス、今すぐネガデンライナーでこっちに来てくれ。とりあえずこいつをネガデンライナーに運ぶ。』

 

そう言いネガ電王は変身を解除して、黎斗を背中に抱え、空からやって来た電車《ネガデンライナー》に乗る。

 

『修羅、そいつに何があった!?』

 

「わからない。とりあえず椅子に寝かせよう。」

 

車両の中から黒い鬼の姿をしたイマジン《ネガタロスイマジン》が現れて黎斗を食堂車に運び、椅子に寝かせる。

 

「ネガタロス、今すぐ箒たちを呼び戻してくれ。」

 

『ああ。』

 

そう言ってネガタロスは食堂車を出ていく。

 

「さっきあんたは言ってたな。クズの様なIS集団って。あんたもISで人生をメチャクチャにされたのか?」

 

修羅はそう言って黎斗が目覚めるのを待った。




最後に登場した二人にうん?と思ったそこのあなた!
そうです!

最後に出てきた修羅とネガタロスは神羅の霊廟さんのインフィニット・ストラトス 絶空の写真(ネガ)の二人です!
要するにコラボです!
数話にかけてコラボストーリーを書くのでお楽しみに!

コラボした作品→https://syosetu.org/novel/135385/


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集結するもうひとつの世界のライダー

どーも甘々胡麻ざらしです!
ふっかぁぁぁぁぁぁつ!
読者の皆さん、長らくお待たせしました!
復活したてなので文は短めですし、文章がおかしくなってるかもしれません!
ではどーぞ!
あ、あと亀更新ですけど仮面ライダーリミットを連載します!
ただし原作開始前までのストーリー。つまりエピソード0といった所ですかね?
良ければそちらもどうぞ!


「う、ううん…」

 

黎斗が目を覚ますと何故か自分は電車の椅子で寝ていた。ここはどこかと窓の外をみるが、地面は砂で覆われ所々に岩があり、空は虹色に輝いていた。

 

「目が覚めたか?」

 

黎斗が目をパチクリさせてるとドアが開き修羅が入ってきた。

 

「君は?」

 

「俺は修羅。またの名をネガ電王」

 

「君がネガ電王だと?」

 

「ああ」

 

そう言って修羅はデンオウベルトを黎斗に見せる。

 

「これで信じたか?」

 

「ああ。それでここは?」

 

「ここは時の列車ネガデンライナーだ」

 

「時の列車?」

 

「簡単に言えば過去や未来を旅する列車だ」

 

「な、なんだと!?なんと言う素晴らしい列車だ!どういったメカニズムで動いているのだ!?どんなシステムを使っているんだ!?是非詳しく!」

 

「ま、まてまて!俺にもこの列車のことはよくわかんねぇよ」

 

興奮した黎斗に詰め寄られ修羅は慌てながら回答した。答えを聴くと黎斗はそうかと呟いて椅子に座った。

 

「で、あんた名前は?」

 

「ああ、名乗ってなかったね。私は檀黎斗。私を助けてくれてありがとう」

 

「助けたじゃなくて人質になったとか思わないのか?」

 

「君は私に協力を求めていた。それにもし人質にするならこんな所には連れて来るはずがない。それに抵抗を恐れてベルトを回収するはずだ。だが私の手元にはベルトがある。つまり君は私を人質に捕ったわけではない」

 

「なるほど」

 

「それで協力してほしいこととは何だ?私にもあまり時間が残されてないから出来る範囲でだが…」

 

「ああ。簡単に説明すると、俺たちと一緒にある怪人を探してほしい」

 

「ある怪人?」

 

黎斗が首をかしげているとドアが開いてネガタロスが現れる。

 

「ネガタロス!?何故君がここに!それにどうして実体化しているのだ?」

 

『お、おい。何の話だ?』

 

「何を惚けたことを。君は私が造った人工の体に憑依しているじゃないか」

 

「はあ?お前何か勘違いしていないか?」

 

「うん?」

 

黎斗とネガタロスがお互いに訳がわからず頭に?を浮かべていると、修羅が口を開いた。

 

「そいつはネガタロス。俺の仲間だ。恐らくあんたの言っているネガタロスはそっちの世界のネガタロスだろう」

 

「つまり君たちは…」

 

「ああ。そっちの世界とは別のISの世界から来たのさ」

 

「うーん…。この列車を見たから信憑性は高いのだが…」

 

黎斗は少し頭を抱える。それもそうだ。黎斗は過去や未来についてはイマジンの存在から理解しているが、並行世界となると話は別だ。

 

「何か証拠というか証明できる物はあるかい?」

 

「証拠か…」

 

「なら私でどうだ?」

 

黎斗たちは声が聴こえた方を振り向くと、そこには篠ノ之箒が居た。

 

「何故篠ノ之箒がここに?今は授業中のはずだが?」

 

「私はこの世界の篠ノ之箒ではない。これが証拠だ」

 

そう言って箒は目をつぶると体に変化が生じ、灰色の怪人《キュウビオルフェノク》へと変身した。

 

『これでどうだ?』

 

「…ふむ。まだ少し頭の整理が追い付いていないが、君たちの目は嘘をついてはいない。それに君もわざわざ怪人の姿を見せてくれたんだ。これで信じないと言えば私が悪者だ」

 

『感謝する』

 

そう言って箒は怪人態を解いた。

 

「さて、そこで隠れている二人も紹介してくれないかな?」

 

黎斗がそう言うとドアから更に二人の少年が入ってくる。

 

「やれやれ、どうやらバレていたみたいですね」

 

そう言って茶髪の少年は肩をすくめる。

 

「だが、交渉は成立したらしいな」

 

今度は黒髪の少年が椅子に座って言った。

 

「では改めて自己紹介を。私は檀黎斗。幻夢コーポレーションの社長であり、仮面ライダーゲンムだ」

 

「僕の名前は永遠原克己です」

 

そう言って克己は握手を求め黎斗もそれに応じる。そして黒髪の少年は右手の人差し指を高く掲げ、口を開く。

 

「父が言っていた……その名は、天の道を行き、星を司る者を示す……俺の名は…………天道……星司……」

 

星司の独特すぎる自己紹介に黎斗は苦笑いをする。

 

「…君の仲間は随分と個性的だね」

 

「まぁな。だが皆大切な仲間だ」

 

「そうか」

 

黎斗は思わず微笑むが、ハッと思い出した顔をして緊張感のある顔で口を開いた。

 

「それで話の続きだが協力とは?」

 

「ああ、そうだったな。うすうす感づいているとは思うが、俺たちはある作戦を行っていた。だが思わぬ事態が発生し、あんたの世界にこっちの世界の怪人が流れ込んだんだ。そしてその犯人を追ってこの世界に来た」

 

「なるほど。それでその犯人とは?」

 

「顔は隠していてわからなかったが、その犯人は自分のことをパラレルと呼んでいた」

 

「パラレルか。わかった。何かわかったら連絡しよう。」

 

「ああ。それとこれを」

 

そう言って修羅は黎斗に黒色のパスを渡す。

 

「これは?」

 

「ライダーパスだ。それがあればネガデンライナーに乗車出来るし、俺と同じく電王ベルトが使える。もしなんかあったときにそっちの世界のネガタロスにでも渡してくれ。あとこの空間に入るならゾロ目の時間の時にどこでもいいからドアを開けろ。そうすればここと繋がる」

 

「わかった」

 

そう言って黎斗はネガデンライナーを降り、会社へ戻ったあとパラレルと名乗った人物について調べ始めた。




さて、次回もがんばるぞー!
あとインフィニット・ストラトス アーキタイプブレイカープレイしました!
なんか…もう少しどうにかならなかったのかな…?
まぁ不具合解消されるまで気長に待つか!
あとコンセレオーズドライバー発売!多分買います!


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驚愕

遅くなりましてすみません!
またしても色々と忙しくて…。
コラボは後数話で終わります。
年内には頑張ってコラボは終わらせます!


「やはり見つからないな…」

 

会社に戻った黎斗はキーボードを叩きながらパラレルと言うものについて調べていた。だが該当する物がなく黎斗はため息を吐き椅子にもたれかかる。

 

『私の事をお探しですか?』

「っ!」

 

黎斗が振り替えるとそこにはツギハギろような姿をした怪人が居た。

 

「…君がパラレルかい?」

『ええ、そうです』

「…ひとつ質問がある。君の目的はなんだ?」

『私の目的ですか?簡単なことですよ。貴方とその仲間、そしてこの世界の怪人たちに私の世界に来てもらいたいのです。そして私たちショッカーと手を組んでもらいたいのです』

「なんだと?」

『実は私たちの世界も貴方たちの世界と同じで酷く悲惨な状態なのです…。女尊男卑が起こりそして鉄修羅たち仮面ライダーによって多くの人が殺されてます…』

「そんな話は聴いていないぞ!?」

『当たり前ですよ。そんな話をすれば貴方に協力してもらえないじゃないですか。大方私たちの世界の怪人が流れ込み、それを追ってきたと言われたのでは?』

「…!」

『今からでも遅くはありません。私たちの協力してください。協力してくだされば貴方たちの協力もしてさしあげましょう』

「…1日待ってほしい」

『…わかりました。いい返事を期待してますよ』

 

そう言ってパラレルは姿を消し、残った黎斗の表情は暗くてよく見えなかった。

 

 

翌日黎斗は修羅たちが居るネガデンライナーに乗車してきた。

 

「黎斗か。何かわかったことはあるか?」

「…ああ。」

 

黎斗はそう言って懐から"デンオウベルト"を取り出して腰に巻き付けた。

 

「…君たちが敵であると言うことがな!ネガタロス!」

 

黎斗が叫ぶと黎斗の世界のネガタロスが黎斗に憑依して黒目が赤色に変わる。そしてデンオウベルトのスイッチを押すと修羅のデンオウベルトと同じ待機音声が鳴り始める。

 

『「変身!」』

 

《ネガフォーム!》

 

黎斗に憑依したネガタロスがパスをベルトにかざすと修羅と同じネガ電王に変身した。

 

 

「クソッ!パラレルのやつに何か言われたか!」

 

修羅たちはネガデンライナーから降り近くのドアから脱出した。そしてそれを追うように黎斗もドアから出てくる。そして修羅たちが目の前を見るとハート、ブレン、メディック、そして108が居た。

 

「こっちの世界のロイミュードか…」

「黎斗から聴かせてもらった。俺の友を騙したことを後悔させてやろう!いくぞブレン!メディック!」

「ええ。狡猾で、愚かで、無粋な彼らに私たちの力を!」

「ブレンはどうでもいいですが、ハート様のと共に戦いますわ!」

 

そう言ってブレンとメディックは数字に変化し、ハートの中に入り込む。

 

「そこの女と黒髪は俺がもらう。お前は茶髪の相手だ」

 

108はそう言って腰にドライブドライバーを腰に巻き付ける。

 

「はぁ…。友の頼みだ。いいだろう」

 

ハートは少しため息を吐き、108と同じくドライブドライバーを腰に巻き付けた。そして二人同時にイグニッションキーを回し、ハートは右手に持った《シフトハートロン》のスイッチを押す。

 

《ファイヤーオールコア!》

 

シフトハートロンから渋めの声が聞こえ、シフトブレスに挿す。

 

「変身!」

 

「Start our mission。変身…」

 

《ドライブ!タイプミラクル!ハート・ザ・カメンライダー!》

 

《ドライブ!タイプネクスト!》

 

ベルトからメロディが流れハートは仮面ライダーハートに、108はダークドライブに変身した。

 

「チッ!そっちがその気ならやってやるよ。いくぞ!」

 

「ああ(はい)(おう)!」

 

修羅はデンオウベルト、箒はオーガドライバー、克己はロストドライバー、星司はライダーベルトを腰に巻き付ける。

 

《0・0・0 Standing by!》

 

《ETERNAL!》

 

修羅はベルトのスイッチを押し、箒はオーガフォンに0を三回押しENTERを押す。そして克己はエターナルメモリのスイッチを押し、星司は腕を空へ上げ飛翔してきたダークカブトゼクターをキャッチする。

 

「「「「変身!」」」」

 

《ネガフォーム!》

 

《Complete!》

 

《ETERNAL!》

 

《HENSHIN!》

 

四人は仮面ライダーネガ電王、仮面ライダーオーガ、仮面ライダーエターナル、仮面ライダーダークカブトに変身した。そして戦いの火蓋が切って落とされた。




次回!
ネガ電王VSネガ電王!


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黎斗軍VS修羅軍

タイトルなんの捻りもねぇー!


『ブゥア!』

『ハァ!』

 

黎斗と修羅は互いにネガデンガッシャー ソードモードをぶつけ合っていた。

 

『お前…パラレルから俺たちのことを聴いたのか?』

『ああそうさ!君たちのしていることを全てな!』

『そうか』

 

修羅はネガデンガッシャーをソードモードからガンモードに連結し直し、黎斗の腹部に連射する。火花が飛び散り黎斗は後ずさりする。そして黎斗もガンモードに変えるが使い慣れていないため修羅よりも被弾する。

 

『ぐぅぅぅ』

『やめておけ。こいつの使い方なら俺の方が理解している』

『だまれぇぇぇぇぇ!』

 

黎斗が叫ぶとゲームのセレクト画面が現れ、そこからガシャコンマグナムを選ぶ。そして出現したガシャコンマグナムとネガデンガッシャーの2丁拳銃で修羅を撃ちまくる。

 

『チッ!思った以上に弾幕が多いな…』

『ブァァァァハァァァァァ!どうだぁ!』

『だったらこいつだ』

 

修羅はネガデンガッシャーをロッドモードに連結し直し、巧みに操りながら黎斗の弾丸を全てはじく。そして間合いに詰め寄り黎斗を吹き飛ばす。

 

『ヌゥゥゥゥゥ!まだまだぁ!』

 

《ガシャコンブレイカー!》

 

黎斗はガシャコンブレイカーを呼び出しハンマーモードで殴るが、修羅の華麗な杖捌きでガシャコンブレイカーを吹き飛ばされる。

 

『チィ!ここは交代だ…。ネガタロス、任せた』

『おい修羅、俺と交代してくれ』

『…わかった』

 

黎斗と修羅は互いのネガタロスと意識を交代し、そしてお互いにネガデンガッシャーをソードモードに連結し直しつばぜり合いになる。しかし修羅側のネガタロスの方がパワーが上であり、押しきられてしまう。

 

『ぐっ!同じイマジンだというのにこうも違うとはな…』

『俺はお前…お前は俺だ。だが全てが同じとは限らない』

『…そのようだな』

『言っておくがショッカーに付けばボロ雑巾のように使われて結果殺されるぞ?』

『それを決めるのは俺ではなく黎斗だ』

 

そう言って黎斗側のネガタロスはベルトにパスをかざし必殺技を発動させる。そして修羅側のネガタロスも同じように必殺技を発動させる。

 

『『ハァァァァァァ!』』

 

互いが走りだしそしてすれ違い様に斬る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺の勝ちだな』

『グハッ!』

 

勝ったのは修羅側のネガタロスであり、黎斗側のネガタロスは地面に倒れ伏し変身が解除される。

 

『これが経験の差だ』

 

《マイティクリティカルフィニッシュ!》

 

『なっ!ぐぁ!』

『ふふふ…油断…大敵だな…』

 

突然修羅側のネガタロスの頭に衝撃が走り、地面に倒れる。そしてそこには黒い龍のライダーがガシャコンブレイカーを握っていた。

 

『リュ…ウ…ガ…』

 

そう呟きネガタロスは意識を失い変身が解除された。

 

『あとは…任せた…』

 

そう言って憑依が解けた黎斗は気を失った。そしてリュウガと呼ばれた仮面ライダーは修羅を担ぎ鏡の中へ消えていった。

 

 

一方その頃ハートたちは克己と戦っていた。だがある意味三対一の状況であるにも関わらずお互いに互角であった。

 

『なかなかやるじゃないか!』

『そちらこそ!』

 

ハートと克己は互いに一歩も譲らぬ攻防をするが、ハートはシフトハートロンを操作する。

 

《カモン!メディック!バイラル・カキマゼール!》

 

『いくぞ、メディック!』

『はい、ハート様!』

 

するとエネルギーを纏った触手が伸び克己を拘束する。そして再びシフトハートロンを操作する。

 

《カモン!ブレン!バイラル・カキマゼール!》

 

『頼むぞブレン!』

『ええ!』

 

今度は緑色の液体が飛び、克己に当たると突然強烈な痛みが克己を襲う。

 

『ぐっ!毒ですか…!でも!』

 

克己は一本のメモリを取りだし腰のスロットにセットする。

 

《Recovery!》

 

《Recovery!Maximum Drive!》

 

克己はマキシマムドライブを発動させると毒が消え去る。そして力任せに触手を引きちぎると今度は赤いメモリを取りだしリカバリーメモリと交換する。

 

《Accel!》

 

《Accel!Maximum Drive!》

 

『ハァ!』

『グハッ!』

 

克己はアクセルメモリの力を使い加速し、エターナルエッジでハートを連続で切りつける。

 

『なかなか速いな…。だが!』

 

今度はハートをカウンターを喰らわせ克己は地面を転がる。しかしハートも膝をつくとベルトに亀裂が入る。

 

『ぐっ!やはり試作型のドライブドライバーでは限界がある…。一気に終わらせら!』

 

《ヒッサーツ!フルスロットル!ハート!》

 

『ではこちらも終わらせますよ!』

 

《Eternal!Maximum Drive!》

 

『『はぁぁぁぁぁ…』』

 

互いに必殺技の構えを取り、高く飛び上がると必殺のキックを互いにぶつけ合う。そして爆発が起こり煙が晴れるとそこには倒れ付した四人が居た。

 

『ご、互角…か…。いや…俺たち三人と互角とはな…』

『貴方たちも…中々ですね…』

 

 

『『ハァ!』』

『っ!』

 

108と星司&箒は互いの武器をぶつけ合いながら戦っていた。

 

『くっ!なかなかしぶとい!』

『俺に任せろ』

 

《Clock up!》

 

星司はベルトの横のスイッチを押すと姿を消した。すると突然108を斬撃の嵐が襲う。

 

『クロックアップか…』

『余所見をしている暇など与えないぞ!』

『ならこれを使うか…』

 

108が指を鳴らすと108の周りから波動のようなものが飛び出し箒の動きがまるでスローモーションにでもなったかのようにゆっくりになる。

 

『重加速か!』

『正解だ』

 

《ネクスト!》

 

108はシフトブレスのイグナイターを押し、光る刃を箒の腹に当て引き抜く。すると火花が散りそれすらもゆっくりになる。だが突如背後から衝撃が走り重加速が解除され、箒は火花を散らし地面を転がり変身が解除された。

 

『ここまで、か。後は頼むぞ、天道…』

 

箒はそのまま眼を閉じるとその言葉に応じるかのように108が吹き飛ばされる。

 

『…なるほど。クロックアップはただの高速移動ではないのか。だから重加速を発動しても見えなかったというわけか』

 

108が冷静に思考を巡らすが、そうはさせまいと星司は斬撃を叩き込む。しかししばらくするとクロックアップの時間が過ぎて解除された。すると少し離れた場所から爆発が起こり地面を揺らした。

 

『どうやら向こうでは決着がついたようだな』

『ああ。俺たちもこれで終わりにしよう』

 

《ネクスト!》

《1!2!3!》

 

『ライダー…キック!』

 

《ライダーキック!》

 

『ハァ!』

『ハァァァァァァ!』

 

108の刃と星司のキックがぶつかり合い激しい衝撃波を起こす。そして108の刃が折れ、星司の蹴りが108の胸に命中する。

 

『うぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

そのまま108は変身を解除された。

 

『ふぅ…』

 

星司は一息つくと突然何処からか銃声が鳴り星司は即座にかわした。そして周りを見ると様々な怪人が自分達の周りを囲んでいた。

 

『ふふふふふふ!ここまで消耗してくれたのは好都合だ!パラレル様の目的のため!そして我らがショッカーのため!お前たちには消えてもらおう!』

 

亀のような怪人がそう言うと星司は手を高く掲げ、いつものポーズをとる。

 

『俺は天の道を行き、星を司る者…天道…星司』

『はぁ?まぁいい!他の消耗したライダーたちにも仲間を送ったからなぁ。つまりお前たちの敗けだ!やれ!』

 

亀のような怪人ことタートルオルフェノクがそう言うと部下と思われる怪人が一斉に星司を襲った。




黎斗たちと修羅たちはどうなってしまうのか!
次回、コラボは最終回!
まぁ明日公開なんだけどねぇw


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交わる力

年末最後の投稿だぁぁぁぁぁぁぁ!
ふぅ…きちんと宣言守れたぁ…

神羅の霊廟様!コラボさせていただき本当にありがとうございました!

それではどうぞ!

20:18に少しだけ訂正しました


パラレルは先程の黎斗と修羅の戦いをとある建物の屋上から確認して愉快に笑っていた。

 

『ははははははは!まさかこの世界に仮面ライダーリュウガ居たのは驚いたわね。一応超小型カメラで監視していたけど二人が作戦を立てているのは見れなかった。つまりこれで憎き鉄修羅たちは滅んだ!これからはショッカーの時代よぁぁぁぁぁぁ!』

 

「ほぅ、それはよかったね」

「まぁそんなことは一切起きないけどな」

『っ!』

 

パラレルが振り替えると何者から突然蹴りが飛んで来てビルの屋上から落っこちた。そして落下した先ではネガデンライナーがやって来て思いっきり吹き飛ばした。そしてネガデンライナーが去ると先程パラレルを蹴り飛ばした犯人である"黎斗"と"修羅"が立っていた。

 

『な、何故生きている!?いや、何故"ここ"にいる!』

 

そう、リュウガによって拐われた修羅が居るのは納得できる。だが現在近くで倒れている黎斗がここに居るのはおかしいのだ。すると倒れていたはずの黎斗が起き上がると蜘蛛型のロイミュードの姿になった。そしてその胸には027と刻まれていた。

 

『いたたたた…。うー酷いじゃないですか…』

「この間私に化けてIS学園を襲撃したのを忘れたのかい?」

 

黎斗がニッコリと笑みを浮かべると027はガタガタと震える。

 

『い、いえ!リセットをせず私を使っていただきありがとうございました!』

「よろしい。君は先に帰っていいよ」

 

そう言うと027はスタコラと去っていった。

 

『私を騙したのか!』

「ふははははははは!君のような屑に言われたくはないねぇ!」

「俺たちはお前が黎斗に接触するのを考え一芝居うったんだよ」

『そんな馬鹿な!私はお前たちをずっと監視していた!打ち合わせをする素振りなど!』

 

パラレルは万が一のことを考えこの世界に来てから黎斗たちを全員監視していたのだ。もちろん修羅たちとの会話も。

 

「まったく…。だから君は私たちの策にまんまと踊らされたのだよ…。居るじゃないか。ただ一人、これが出来る人物が」

『ま、まさか!』

「そう、鏡の世界を行き来する仮面ライダーリュウガがね!」

 

そう、先程パラレルはリュウガの存在を知っていなかった。つまりリュウガには監視の眼がなかったのだ。そしてリュウガは現実世界には出ず、ずっと黎斗たちの伝達係として動いていたのだ。

 

『だがそれなら鉄修羅もリュウガの存在を知らないはず!』

「俺の世界にもリュウガは存在している。それにどうやらこっちのリュウガは一般人にも見えるようだな」

『く、くそぉぉぉぉぉ!』

 

自分が彼らの手のひらの上で踊らされていたと知ったパラレルは怒りを露にし地面を踏みつける。

 

『だがそんな作戦を立てたところで無駄だ!もうお前たちの仲間は全員死んで』

「俺たちがなんだって?」

 

パラレルの後ろから声がするとそこにはハートや克己たちが居た。

 

『ば、馬鹿な!こんな短時間で!』

「俺たちは演技で戦っていたと同時に、お互いの戦い方や癖を教えあっていたのさ」

「そして漁夫の利を狙ってやってきた貴方たちを返り討ちにしたというわけです」

 

『おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

 

パラレルが地面を叩くとそこから大量のショッカーの戦闘員と数名の怪人が現れる。

 

「修羅!ここは私たちに任せてお前たちはパラレルを倒せ!」

「ああ、いくぞ!黎斗!」

「まったく…。今更だが年上にはきちんと"さん"を付けたまえ…」

 

《マイティアクションX!》

 

「グレード2」

「「変身!」」

 

《ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクション~X!》

《ネガフォーム!》

 

黎斗はゲンムに、修羅はネガ電王に変身すると二人はパラレルに攻撃する。

 

『私は負けないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!ガァァァァァァァァァ!』

『これはまるで獣だ』

『獣なら狩りをするだけさ』

 

黎斗は黒い龍の頭が付いたガシャットを取りだし起動させる。

 

《ドラゴナイトハンター!Z!》

《ガッチョーン!ガシャット!》

 

ゲーム画面から灰色のドラゴン"プロトハンターゲーマ"が飛び出し黎斗はガシャットを空いているスロットに挿す。

 

『グレード5!』

 

《ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック!マイティ~アクション~X!アガッチャ!ド・ド・ド・ド・ド!黒龍剣!ドラ!ドラ!ドラゴナイトハンター!Z!》

 

レバーを開くとプロトハンターゲーマが分裂し、黎斗に顔パーツ、そして何故か修羅に肩パーツと腕パーツ、そして足パーツが装着された。

 

『…何故俺にも?』

『ドラゴナイトハンターZは協力プレイのガシャットだ。そして今回は特別バージョンということだ。そうだな…。仮面ライダーネガ電王 ハンターフォームと名付けよう!』

『名前はどうでもいい。協力プレーでクリアするぞ!』

『任せろ!』

 

パラレルは手から光弾を放つが黎斗の装備しているドラゴナイトファングの咆哮でかき消される。そして修羅は左腕に装備されたドラゴナイトガンでパラレルを撃ち、右腕に装備されたドラゴナイトブレードで斬りつける。さらに怯んだところをドラゴナイトファングの後ろにある尻尾で地面に叩きつける。

 

『なぁめぇるなぁぁぁぁぁぁぁ!』

『修羅君!』

『ああ!』

 

《ガシャット!キメワザ!》

《フルチャージ!》

 

黎斗はキメワザスロットホラダーにガシャットを挿し、修羅はベルトにパスをかざす。

 

『『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…』』

 

《ドラゴナイト!クリティカルストライク!》

 

『『ハァァァァァァァァァ!』』

 

二人はハンターゲーマーから放出されるエネルギーを飛ばしパラレルに当てるとそのまま大爆発を起こし消滅した。

 

『…やったのか?』

『それやってないフラグだぞ?』

 

すると突然目の前の空間が裂け、中から一人の女が現れる。その人物に修羅は驚愕をあらわにする。

 

『…お前はマリエル・デュノア!?何故生きている!?』

『知り合いかい?』

『ああ、あいつは俺たちの世界のデュノア社の社長婦人だ。だがあのとき箒が殺したはず!』

 

パラレルの正体は修羅の世界に存在したデュノア社の社長婦人、マリエル・デュノアであった。マリエルはハイライトの無い眼で懐からいびつな形をしたメモリを取り出し起動させた。

 

《PARALLEL!》

 

そのまま腕に挿すと先程のパラレルと同じ姿になる。

 

『死者がドーパントになるとはねぇ…』

『とにかく倒すぞ!』

 

二人は再びパラレルドーパントことマリエルに攻撃を仕掛け再び倒したが、またしても復活した。

 

『無駄よ!何度倒してもこのパラレルメモリの力で私の死はねじ曲げられる!』

『チッ!厄介にも程があるな…』

『まるでゾンビだね』

『私は絶対に倒せないのよ!』

 

マリエルは空間を切り裂くとそこに腕を入れ、引き抜くと金色のガイアメモリが握られていた。

 

《QUETZALCOATLUS!》

 

『ふん!』

 

マリエルがケツァルコアトルスメモリを腕に突き刺すと体が膨張し、巨大な翼竜に変わる。

 

『おいおい…』

『あ、あんな巨大なドーパントが存在するのか!?』

『ゴアァァァァァァァァァァァァ!』

『ぐぁ!』

『ブァ!』

 

二人は攻撃を仕掛けようとしたが翼竜となったマリエル、"パラレルケツァルコアトルスドーパント"の力により吹き飛ばさせる。その衝撃でハンターゲーマーが解除されてしまう。

 

『くっ!どうするのだ修羅君…』

『克己のエターナルを使えばメモリは停止できるがあれば出来るが…』

『無駄よぉぉぉぉぉ!私はメモリとひとつになっているぅぅぅぅ!それにショッカーがそんな対策もないと思ってるのぉぉぉぉ?さっさと死ねぇぇぇぇぇぇ!』

 

マリエルは巨大な足で二人を踏みつけようとした瞬間ネガデンライナーがやって来てマリエルを吹き飛ばす。二人の前で停車するとドアからネガタロスが顔を出し、黎斗にあるものを渡す。

 

『うん?時空…特急…?なんだこのガシャットは?』

『俺の記憶を元に勝手にお前の部屋から作ったガシャットだ。そいつを使え』

『色々言いたいことはあるが今は置いておくとしよう』

 

《時空特急電王!》

 

黎斗がガシャットを起動するとゲームエリアが展開されそこからネガデンライナーのは少し違うデンライナーゴウカが現れる。そして黎斗はプロトマイティアクションXガシャットと交換する。

 

『グレード2!』

 

《ガッチャーン!レベルアップ!デンデン電王!電車で参上!時空特急!行くぜクライマックスジャンプ!》

 

黎斗がレバーを開くと姿が変わり、ネガ電王とは違う赤い電王、仮面ライダー電王 ソードフォームに酷似した姿になる。

 

『私ぃ!あ、参上ぅ!』

『『…お前何してんだ?』』

『いや、何故か勝手に口と体が動いてしまったのだよ』

『なぁにをふざけたことをぉぉぉぉぉ!』

 

明らかに狂っているマリエルの攻撃をかわし、黎斗はいつの間にか握られていたデンガッシャー ソードモードで斬る。

 

『ふむ、なかなか面白いね』

『援護は俺に任せろ』

 

そう言ってネガタロスはネガデンライナーを操縦してマリエルにビームなどの攻撃をする。すると黎斗は一つあることを思い付く。

 

『修羅君、一つ試してみたいことがある』

『なんだ?』

 

黎斗の作戦を伝えると修羅は納得したように頷いた。

 

『やってみる価値はあるな』

 

そう言って修羅は何処かへ走っていった。

 

『さて、時間稼ぎをしようか』

 

黎斗は高くジャンプし空中でデンガッシャーをアックスモードにすると、重力に任せて思い切り叩きつける。

 

『ぎゃぁぁぁぁぁ!おのれぇ!』

 

マリエルは黎斗を食おうと口を開けて突っ込むが、ネガデンライナーはその隙を見て口の中に砲弾などを撃ち込む。すると口の中で爆発し、地面に落ちた。

 

『流石こっちのネガタロスだね』

『あんまり無茶するなよ』

『大丈夫さ。そろそろかな?』

『この私をここまでコケにして…。あれ?体が、思うように動かない?』

 

マリエルは倒れた体を起こそうとするが、何故か体が重く、遂には元のパラレルドーパントの姿に戻ってしまった。

 

『ど、どういうこと!?』

『どうやら作戦成功だな』

『どういうことよ!エターナルの能力はパラレルメモリには効かないのに!』

 

後ろから現れた修羅にマリエルは怒りの声をあげる。

 

『残念だったな。パラレルメモリには効かなくてもケツァルコアトルスメモリには効いたみたいだな』

『君がケツァルコアトルスメモリを使ったときに思い付いたのさ。君はメモリと融合している。つまり今君の中にはパラレルメモリの力とケツァルコアトルスメモリの力が混ざっている。ということはもしかしたら純粋なパラレルメモリの力がケツァルコアトルスメモリと混じって半減しているのでは?とね。正直この仮説が違っていたらお手上げだったけどね』

『メモリを併用したことが仇になったな』

『おぉぉぉぉぉぉのぉぉぉぉぉれぇぇぇぇぇぇ!お前たちにこの私がぁぁぁぁぁぁぁ!』

『パラレル。お前に一つ言っておこう。"お前の刃は、俺達には届かない"!』

 

《ガシャット!キメワザ!》

《フルチャージ!》

 

二人の剣にエネルギーがチャージされ、マリエルの左右に電車のレールが現れる。

 

《時空特急!クリティカルストライク!》

 

二人はレールに飛び乗るとそのまま電車が対向するようにマリエルに近づく。

 

『『ハァァァァァァァァァァァ!』』

『こ、この私が…イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!』

 

そしてそのまま剣で切り裂くとマリエルは断末魔をあげて爆発し、それと同時にマリエルから抜けたパラレルメモリとケツァルコアトルスメモリが砕け散った。

 

『ゲームクリアだな』

『おい!それは私の台詞だぞ!』

 

 

「もう行くのかい?」

「ああ、俺たちには俺たちの役目があるからな」

「そうか…」

 

あれからマリエルが復活することはなくこの世界に来たショッカーたちは全て片付けたため、修羅たちは元の世界へ帰ることになった。それぞれ戦った者同士思い思いに話していた。中でもメディックが箒の胸を恨めしそうに見ていた。そしてそれを指摘したブレンをボコボコにしていた。

 

「なぁ、一つ聞かせてくれ。あんたはどうして女尊男卑を憎むんだ?」

「…私の両親は女尊男卑の影響で死んだ。だがそれはあくまで切っ掛けに過ぎない。私の本当の目的はこの腐った世の中を変えることだ」

「そうか。あと自分の命は大事にしろよ?」

「はぁ…死人の君に言われたくないね…」

「気づいていたのか?」

「ああ。大方君も女尊男卑の影響だろう?」

「あー、少し違うな」

「そうかい?あまり深くは聴かないでおくよ。まぁ何にせよ、君は君自身の道を行きたまえ。くれぐれも後悔の無いようにね?」

「ああ」

『おい、そろそろ行くぞ?』

「じゃあな、黎斗」

「また君に会えるのを楽しみにしておくよ」

 

ドアが閉まると食堂車から箒たちが顔を出し手を降っていた。そしてネガデンライナーが出発すると黎斗は思い出したかのように口を開いた。

 

「ああ、そうだ!私を呼び捨てにした罰として、君たちのデータはじっくり取らせて貰ったよ!」

 

そう言うと黎斗の手には修羅たちのベルトのコピーが握られていた。

 

「あのやろう…。こっちの檀黎斗といい勝負だよ…」

 

「ぶぅあぁぁぁぁぁぁはははははははは!私の才能に不可能はないのだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

こうして黎斗と修羅の時空を越えた戦いは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…油断したわね…」

 

誰も居ない街の中でパラレルメモリの欠片が淡い光を放つと、マリエルは体にノイズを走らせゆらりと立ち上がった。

 

「今すぐ連絡してメモリを修復しないと…。こっちの世界を乗っ取って鉄修羅たちに復讐を!」

『残念だけどそれは駄目ですよ?』

「誰だ!」

 

マリエルが空を見上げると空からガンメタリックの装甲の腕と黒いスーツに白銀の装甲、そして真ん中がひし形のベルトを巻いた謎の全身装甲(フルスキン)が機械の羽を出し降りてきた。

 

「IS?いや、ライダーか!」

『ライダー?俺バイクの免許持っていませんよ?』

「まぁいいわ!貴方も殺してあげる!」

 

マリエルはパラレルドーパントに変身すると謎の全身装甲(フルスキン)に殴ろうとしたが簡単に受け止められてしまう。

 

『くっ!この!』

『おっとっと…』

『これでも喰らいなさい!』

 

マリエルは手から巨大なエネルギー玉を投げると謎の全身装甲(フルスキン)は爆発した煙に包み込まれる。

 

『あはははは!私に歯向かった罰よ!』

 

《クロスアップ!ソード!ライノス!》

 

煙の中から音声が聴こえるとそこから斬撃が飛び、油断していたマリエルは直撃した。そして煙が晴れると。

 

《リミット ナイト!》

 

両腕が銀色に変化し、右手に剣、左手にサイ顔の形をした盾を持っていた。

 

『たかが腕の色が変わったくらい!』

 

《ライノスアタック!》

 

謎の全身装甲(フルスキン)は剣の切っ先をマリエルに向けるとまるでサイのように突進し、マリエルを人気の無い広い場所に吹き飛ばした。そしてマリエルが体を起こすと謎の全身装甲(フルスキン)は先程のガンメタリックの両腕に戻っていた。

 

『どうやらあなたのリミットはここまでですね』

 

《リミットエンド!》

 

謎の全身装甲(フルスキン)はベルトを操作すると背中から機械の羽を出現させ、空高く飛翔するとそのまま右足を伸ばして上空からマリエルに向かっていく。

 

『こんな変なやつに私の復讐が邪魔されてたまるものかぁ!』

 

マリエルも反撃しようとしたが胸元にキックが直撃してそのまま数メートル飛ばされると爆発し、遂には残っていた欠片も塵となり消えてしまった。そして謎の全身装甲(フルスキン)は完全に消滅したのを確認するとため息をついて変身を解除した。そして現れたのは箒と同じ年くらいのIS学園の制服を着た"少年"だった。

 

「まったく…変なのってこれはリミットって名前があるのに…。本当に変じゃないよね…?まぁいいや。問題も解決したし、かーえろっと!」

 

そう言って少年"天地海"は腕時計を操作すると目の前にワープゲートを出現させその中に消えていった。




はい、こんな感じでコラボは終了です
最後はMOVIE大戦にしてみましたw
いや、このコラボもMOVIE大戦みたいなものかw

改めて神羅の霊廟様にコラボの件について感謝します!本当にありがとうございました!
そして読者の皆様!これからも私の作品をよろしくおねがいします!
それではよいお年を~!


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