戦姫絶唱シンフォギア~歌姫たちと仮面の強者~ (ルオン)
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プロローグ:強者の終わりと始まり

無数にある世界の1つ

その世界で戦いあう仮面の戦士と異形の存在。

互いに一歩も引かず剣をぶつけあう。

 

「お前の力はこの程度か‼」

 

「まだまだぁああ‼」

 

2人は再び剣をぶつけあう。

やがて2人は剣を捨て拳をぶつけあう。

 

「こんなこと、もうやめろ‼」

 

「断る‼こんな世界…………壊して当然だ‼」

 

「でも‼」

 

「ならばお前が俺を倒せばいい‼お前が俺を倒し、この世界を救えばいい‼」

 

「くっ‼…………うおぉおおおお‼」

 

「はぁああああ‼」

 

その後も戦いは続いた。

何度も剣をぶつけあう中、とうとう異形の存在が持つ剣が折れ、異形の存在は仮面の戦士に斬られその場に倒れた。

そして倒れた異形の存在は、人間の男の姿へと変わった。

 

「ゴフッ‼…………お前の……勝ちか…………」

 

「…………ああ」

 

「何故だ?何故お前は…………そこまで強いんだ?」

 

「守りたいという願い…………見捨てないという誓い…………それが……俺の強さだ」

 

「……何故泣く?」

 

「泣いていいんだ…………それが俺の……弱さだとしても…………拒まない……俺は……泣きながら進む‼」

 

「………お前は……本当に強い」

 

「……戒斗」

 

「…………守れよ」

 

仮面の戦士は、男──戒斗の言葉に耳を疑った。

 

「……今…………なんて」

 

「守れよ……と言ったんだ。お前はこの俺に……勝って……世界の運命を勝ち取った……ならば…………必ずこの世界を守り抜け……それが……勝者の義務だ」

 

「…………戒斗」

 

「………………葛葉……お前は…………俺のように……なるなよ……」

 

「戒斗…………」

 

「俺の屍をこえて、強く生きろ‼葛葉紘太‼」

 

「……ああ‼」

 

「ふ…………それで……い…………い……」

 

「…………戒斗?」

 

「……………………」

 

「戒斗…………かいとぉおおおお‼」

 

この日、1つの世界から1人の戦士が消えた。

誇り高く、厳しく優しい強者。

弱者が虐げられる世界を壊し、強者だけの世界を作ろうとした男、『戒斗』の物語は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、戒斗の物語は新たに始まろうとしていた。

 

「ん…………ここは」

 

戒斗が目を覚ましたそこは、先程まで戒斗が戦っていた場所ではなく、周りが白一色で何もない空間にいた。

 

「…………“またか”」

 

「またかとはなんだい。またかとは」

 

戒斗が一人言を言った途端、戒斗の後ろに白い服装の男性が立っていた。

 

「……アルマか」

 

「久しぶりだね戒斗。本当に君は“何度も”死ぬね」

 

「うるさい」

 

「まぁ今回は違う死に方だったけどね」

 

「……………………」

 

「しかし君は、色々とするね。今回はダンサー、前回はドクター、前々回は研究員、その前も色々な仕事するよね?もしかして君って、飽きやすいタイプ?」

 

「アルマ……」

 

「分かった分かった、これ以上は言わないよ。さて、次はどこの世界に行く?」

 

「お前に任せる」

 

「まったく……君は……」

 

戒斗に呆れながら、アルマと呼ばれた男は、目の前に画面のような物を出現させ、戒斗にあった世界を探す。

 

「…………この世界にしようか」

 

「決まったのか?」

 

「うん…………だけど、大変な世界だよ?人類共通の脅威とされる認定特異災害『ノイズ』と呼ばれる奴等がいるんだけど?」

 

「構わん」

 

「分かったよ」

 

アルマと呼ばれた男は、戒斗の方に手を向ける。

すると戒斗の目の前に、1つの扉が現れた。

 

「いつも通り通れば、転生できるよ」

 

「分かった……世話になった」

 

戒斗はそう言って扉をくぐり、その場から消えた。

 

「戒斗…………どうか……今度の世界で幸せを…………必ず掴んでくれよ」

 

アルマと呼ばれた男は、その場から姿を消した。

こうして、戒斗の新たな物語が動きだしたのであった。




と、いうことでバロンとシンフォギアのコラボ小説です‼

次回は戒斗があの元気な子と出会い、あの人の運命を変えます‼

次回も是非読んでください‼


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Song1:歌姫たちと仮面の戦士

や、やっと第1話が完成した。

今回の話では、戒斗が転生し、あの元気な女の子と出会い、あの人の運命を変えちゃいます‼

それでは本編スタートです‼


「ん…………ここは?」

 

扉をくぐって転生した戒斗は、気がつくとどこかの駐車場にいた。

 

「ここが……新たな世界か。しかし、……ん?」

 

戒斗が辺りを見渡していると、一台のバイクが視界に入った。

そのバイクに見覚えがあり、バイクに近づいていく戒斗。

 

「ローズアタッカー…………」

 

そこにあったバイクは、生前戒斗がよく使用していたロックビークルと呼ばれる物の1つ、〈ローズアタッカー〉であった。

そしてローズアタッカーの上には、黒いアタッシュケースが置いてあった。

戒斗は何の迷いもなく、ケースをあける。

その中身は

 

「戦極ドライバーにバナナとマンゴー、オーズのロックシードか」

 

戒斗が生前使っていた、〈戦極ドライバー〉と〈ロックシード〉が入っていた。

すると戒斗はあることに気づく。

 

「コレは…………二重底になっているのか?」

 

二重底になっていることに気づき、底の部分をよける。

 

「スマホに何かのチケットにサイフ…………」

 

下に入っていたのは、スマホとチケット、サイフであった。

 

「とりあえず、このチケットに書いてある『ツヴァイウィング』とやらの、コンサート会場にでも行ってみるか」

 

戒斗はケースにあった物をポケットにしまっていく。

全てしまい終わると、ケースは粒子となって消えた。それと同時にヘルメットが現れた。

 

「最初から何故置いとかないんだ」

 

そう言いながら戒斗は、ヘルメットを被ってローズアタッカーに乗り、コンサート会場へ向かった。

数分後、戒斗は会場の駐車場に着き、ローズアタッカーを待機状態にしてポケットにしまい、会場の出入口はすでに大勢の人がいて、長い列ができていた。

 

「随分と人気があるみたいだな。ここまでの人数を呼び寄せるとは、結構な実力の持ち主か。さて、俺も並ぶとするか」

 

戒斗は列の最後尾に並び、入場できるのを待つ。

数十分後、ようやく入場できた戒斗。

戒斗は入場すると、とりあえずペンライトを購入し、観客席に移動する。

観客席にはすでに多くの人が座っており、会場は盛り上がっていた。

 

「これほどとはな…………さて、空いてる席は……」

 

空いてる席を探し歩く戒斗。

すると、戒斗は空いてる席を見つけ、隣にいた少女に声をかける。

 

「すまない、隣いいか?」

 

「えっ?あ、どうぞどうぞ‼」

 

少女に許可をもらい、隣に座る戒斗。

 

「恩にきる」

 

「いえいえ、気にしないでください♪こんなにいっぱいだと、なかなか席あいてませんから」

 

「そうか」

 

「あっ‼私、立花響(たちばなひびき)っていいます‼」

 

「戒斗……駆紋戒斗だ。好きに呼んでくれ」

 

「じゃあ戒斗さんで‼あの、戒斗さん、いきなり失礼かもしれないんですけど、戒斗さんも友だちにすっぽかされた感じですか?」

 

「そういうことではないが、立花はすっぽかされたのか?」

 

「すっぽかされたというか……急に友だちが行けなくなってしまって、もったいないから1人で見ることにしたんです」

 

「そうだったか。俺の場合は、知人がチケットを渡してきてな、ためしに見に来てみただけだ」

 

「そうだったんですか。……あれ?」

 

「ん?」

 

戒斗と響が話していると、会場内が暗くなった。

そして、音楽が流れだし、ステージに明かりが点る。

そこから2人の少女が出てきた。

観客席に人々は、一気にテンションが上がり、会場内は熱気に包まれる。

そして2人の少女、天羽奏(あもうかなで)と風鳴翼(かざなりつばさ)が歌い始める。

 

(これがツヴァイウィングとやらの歌…………心にビシバシ伝わってくる)

 

2人の歌に魅了される戒斗。

ふと、戒斗が隣を見ると、響が楽しそうにペンライトを掲げていた。

そんな響を見た戒斗は、口元を緩ませる。

 

(落ち込んでいたわりには、楽しんでいるじゃないか。しかし分からん。何故アルマは、俺をここのチケットを渡した?それになんだ?この、なんとも言えん不安は?)

 

何故アルマが自分にコンサートのチケットを渡したのか、この不安は何なのか、疑問を持つ戒斗。

するといつのまにか歌が終わってしまっており、周りからアンコールのかけ声が会場に鳴り響く。

 

「もっと盛り上がっていくぞー‼」

 

『『『『『オォオオオオオ‼』』』』』

 

会場内は盛り上がり、歌が再び始まろうとしたその時

 

ドガァアアアアアアアン‼

 

「な、なに?」

 

「爆発だと⁉」

 

突然ステージの一部が爆発した。

それからすぐ、上空から正体不明の物体が会場内に降りてきた。

 

「の、ノイズ⁉」

 

「ノイズ……あれがか」

 

人類共通の認定特異災害ノイズが会場内に現れ、次々と

人々を襲っていった。

襲われていた人々は灰となって消えていった。

 

「人が………‼」

 

「くっ‼立花‼お前も逃げろ‼俺は逃げ遅れて奴を避難させる‼」

 

「えっ?か、戒斗さん⁉」

 

戒斗はその場から立ちあがって駆け出す。

すると、1人の男の子が泣きながら立っていた。

そして、その男の子にノイズが迫っていた。

 

「くそっ‼」

 

男の子に向かって駆け出す戒斗。

ノイズが男の子に近づき、男の子に触れようとした瞬間、戒斗が男の子に抱きつき、転がりながらノイズを回避した。

 

「坊主、大丈夫か?」

 

「あ、ありが……ヒグ……とう……ヒグ……お兄ちゃん」

 

「坊や‼」

 

「ママ‼」

 

戒斗に助けられた男の子は、母親の元に駆け寄り母親に抱き締められる。

そして母親は戒斗に顔を向ける。

 

「ありがとうございます‼ありがとうございます‼」

 

「礼はいい‼早く逃げろ‼」

 

「はい‼」

 

母親は戒斗に礼を言って、その場から離れる。

そして戒斗は後ろを振り返った。

そこには、先程までいたノイズはいなくなっており、戒斗ではなく、響に向かっていた。

 

「立花‼逃げろ‼」

 

「あ……いたっ……‼」

 

逃げようとする響だったが、足を痛めて逃げられないでいた。

そしてノイズは段々と響に近づいて行く。

だがその時

 

「はぁあああ‼」

 

『『『ッ⁉』』』

 

奏が聖遺物の欠片からできた鎧型武装〈シンフォギア〉の1つ〈ガングニール〉でノイズを薙ぎ払い、響を守った。

だが今度は、奏を狙ってノイズが攻撃する。

 

「早く逃げろ‼」

 

「くっ‼」

 

響は痛めた足を引摺りながら逃げようとする。

奏はノイズの攻撃を必死に防ぐが、段々と押されていくにつれ、ガングニールに亀裂が入る。

やがて亀裂が入った部分が砕け、後方に飛んでいく。

そして、その砕けた破片が響に突き刺さってしまった。

 

「しまった‼」

 

「立花‼」

 

響の元に駆け寄る奏と戒斗。

 

「立花‼しっかりしろ‼」

 

「おい‼しっかりしろ‼目を開けてくれ‼生きることを、諦めるな‼」

 

すると、奏の必死の呼びかけに答えるかのように、響がうっすらと目を開ける。

 

「…………体の中、全部空っぽにして、おもいっきり歌ってみたかったんだ」

 

奏はそう言いながら立ちあがり、ノイズがいる方をむく。

 

「今日はこんなに聞いてくれる奴等がいるんだ…………あたしも全力で歌うよ」

 

「お前……何をする気だ?」

 

「あんたはその子を連れて逃げてくれ。今からどでかいのをするか「自滅技を使って、奴等を道連れにする気か?」ッ⁉」

 

戒斗に言われた奏は、後ろを振り返り戒斗を見る。

 

「…………なんで」

 

「なんで気づいたのか……か?簡単だ。お前のその目と漂わせている雰囲気が覚悟を決めた戦士のそれだからだ。だが、それは奴等の思うつぼだぞ。確かにこの場はなんとかできるだろうが、この先のことを考えたら、メリットは奴等にしかない」

 

「じゃあどうするんだよ⁉今やらなきゃ、大勢の人が‼」

 

「俺が、奴等を倒す」

 

「えっ?」

 

そう言った戒斗は、響を壁に寄りかかせノイズに向かって歩き出す。

それを遠くで戦いながら見ていた翼は、ノイズを切り払い、奏の元に駆け寄り、戒斗に声をかける。

 

「ち、ちょっとあなた⁉」

 

「お、おいあんた‼普通の人間じゃ奴等には‼」

 

「安心しろ。俺は普通じゃない」

 

「「えっ?」」

 

戒斗の言ってることを理解できない奏と翼。

言った戒斗は、戦極ドライバーを取り出し腰に装着する。

 

「それは……?」

 

「……こういう奴等を倒すために作られた、力の1つだ」

 

《バナナ‼》

 

戒斗はバナナロックシードを取り出し、スイッチを押す。

すると、戒斗の真上に〈クラック〉と呼ばれるゲートが出現し、そこから機械的なバナナが出てくる。

 

「えっ?あれって……」

 

「変身‼」

 

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「ふん‼」

 

「「えぇええええ⁉」」

 

戒斗は戦極ドライバーにロックシードを取り付け、ドライバーについている〈カッティングブレード〉をたおす。

すると、ロックシードのカバーが展開し、戒斗の頭の上に機械的なバナナが覆い被さるのと同時に、戒斗の体にライダースーツが装着される。

そして機械的なバナナが展開され、アーマーとなり、戒斗は〈仮面ライダーバロン〉へと変身した。

それを見ていた奏と翼は、大声を出して驚いた。

戒斗は2人を気にかけることはせず、バナナアームズの専用武器〈バナスピアー〉を構えて、ノイズに向かって駆け出す。

 

「「バナナ⁉バナ、バナナ⁉」」

 

「バナナではない‼バロンだ‼」

 

『『『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』』』

 

戒斗は前の世界でも言われた『バナナ⁉バナ、バナナ⁉』を奏と翼に言われる。

戒斗はそれを否定しながらノイズに近づき、バナスピアーで横一閃に薙ぎ払う。

攻撃を受けたノイズは、灰と化して消えた。

 

「この程度か」

 

「そ、そんな⁉」

 

「シンフォギアじゃないのに、ノイズを倒した⁉」

 

戒斗がノイズを倒したことに驚く奏と翼。

一方戒斗は、次々とノイズを蹴散らしていく。

その時、1体のノイズが、戒斗を後ろから襲おうとしていた。

 

「ま、まずい‼」

 

「バロン‼」

 

奏と翼は戒斗に危険を知らせようとした時には、ノイズは戒斗に攻撃を仕掛けていた。

だが

 

『⁉⁉⁉⁉⁉⁉』

 

「後ろから襲う弱者に……俺は負けん‼」

 

戒斗は、ノイズの攻撃が当たる寸前で、バナスピアーをノイズに突き刺し、攻撃を回避した。

 

「す、すげぇ……」

 

「相手を見ずに……攻撃を……」

 

「……………………」

 

戒斗の対応に驚きを隠せない奏と翼。

その戒斗は、無言でノイズがいる方を見る。

 

「まだこんなにもいるか…………ならば」

 

《カモン‼バナナオーレ‼》

 

「ハアァァ…………セイイイイイィ‼」

 

『『『『『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』』』』』

 

戒斗はカッティングブレードを2回たおし、音声が鳴ると同時にバナスピアーを真上にあげる。

するとバナスピアーの先端に巨大なバナナ状のエネルギーが生成され、戒斗は横一閃にノイズごと薙ぎ払う。

 

「た、たった一撃で……」

 

「あんなにいたノイズを……」

 

「あとは、あのノイズだけか」

 

またも戒斗に驚く奏と翼。

そして戒斗は、最後の1体となった巨大なノイズの方を向く。

その時

 

『‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼』

 

「ぐっ⁉」

 

「「バロン‼」」

 

巨大なノイズが液体のような物を口から出し、バロンに攻撃する。

モロに喰らった戒斗は、観客席に突っ込む。

心配になり、奏と翼は、戒斗の元に駆け寄る。

 

「バロン‼大丈夫か⁉」

 

「これくらい、なんともない」

 

「良かった……」

 

「まさかここまでの奴がいたのは正直驚いた。だが‼」

 

立ち上がった戒斗は、ノイズに向かって駆け出す。

 

「「バロン⁉」」

 

「俺の方が強い‼」

 

『‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼』

 

ノイズは再び、戒斗を狙って液体を放出する。

しかし、戒斗はその場で空中に跳び、攻撃を回避した。

そして

 

《カモン‼バナナスカッシュ‼》

 

「こいつで終いだぁあああ‼」

 

『⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉』

 

空中に跳んだ戒斗は、カッティングブレードを1回たおし、足にエネルギーを蓄積させて、ノイズに向かって蹴りを喰らわせる。

喰らったノイズは、悲鳴のようなものをあげながら灰となって消えた。

 

「……終わったな」

 

「あんた凄いな‼」

 

「ん?」

 

終わったのを確認した戒斗は変身を解こうとしたが、後ろから奏の声が聞こえたので、解くのをやめた。

 

「まさか、ノイズをあんなあっさりと片づけちまうなんてビックリだよ」

 

「……そうか」

 

「バロン……あなたのその力はいったい何なの?私たちが使っている物とは違うようだし」

 

「………………(コイツらなら話しても問題なさそうだが、コイツらの上がどう動くか分からん。最悪の場合、ドライバーを無理矢理取られ、人体実験されかねん)」

 

戒斗は警戒し、翼の質問に答えるかどうか悩んだ。

その時

 

「な、なんだアレ⁉」

 

「ん?」

 

奏がある方向に指をさす。

その方向を見ると、1つの光る扉があった。

 

「コレは…………」

 

(聞こえるかい?戒斗)

 

(アルマ⁉)

 

(戒斗、今すぐ1人でその扉に入って‼)

 

(何故だ?)

 

(いいから‼早く入って‼)

 

(しかし、コイツらが)

 

(ああ、もう‼いいからさっさと入れ‼このバナナ‼)

 

ブチ

 

アルマの言葉で、戒斗の中の何かが切れた。

 

「なぁバロン、コレって「…………だ……」えっ?」

 

「バロン?」

 

「俺は……バロンだぁあああ‼」

 

「「バロン⁉」」

 

戒斗はバナスピアーを構えて、扉にダイブする。

そして扉は、戒斗が入ったと同時に、消えてしまった。

 

「バロンが……」

 

「……消えた」

 

戒斗と扉が消え、唖然とする奏と翼。

この後、2人の仲間である特異災害対策機動部がきて、響を病院に運び、会場の瓦礫撤去をした。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗が扉をくぐった後の話となります。

次回も是非読んでください‼


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Song2:説教と力と報告

や、やっと第2話が完成した。

リアルが忙しくてなかなか書けなかったデス。

今回は、前回戒斗が消えた後の話になります。
それと、今回は短めです。

それでは本編スタートです‼


天界

 

そこは神々が存在する世界。

そこでは、神々があらゆる世界を管理している。

その1人である、魂の神アルマは、先程まで戒斗がいた会場を画面のような物で見ていた。

 

「ふぅ、とりあえず、彼女たちとの関わりは阻止できた」

 

アルマがそう言ったその時、戒斗が入った光る扉が現れた。

 

「おっ‼帰ってきたね。おかえり戒「アルマぁあああ⁉」とぉおおお⁉」

 

扉から出てきたバロンに変身したままの戒斗は、バナスピアーでアルマに襲いかかった。

驚いたアルマは、攻撃を回避した。

 

「ち、ちょっと⁉いきなり何するの⁉」

 

「誰がバナナだ‼俺はバロンだぁあああ‼」

 

「そんなこと気にしてた「死ねぇえええええ‼」のぉおおおおおお⁉」

 

「いい加減当たれ‼このバカ神‼」

 

「当たったら怪我するでしょうが⁉」

 

「知るかぁあああ‼」

 

「うわぁあああああ⁉」

 

「待てぇえええええ‼」

 

この後、アルマは戒斗に数時間の間、追いかけ続けられた。

 

 

 

数時間後

 

「2度と俺をバナナと呼ぶなよバカ神」

 

「君こそ僕のことをバカ神と呼ば「あ゛?」いえ‼なんでもございません‼」

 

追いかけ続けられたアルマ、とうとう戒斗に捕まり、説教をくらっていた。

 

「それで、何故俺をここに来させた?」

 

「ん~とね、あのままいさせたら、彼女らの組織が大変なことになりそうだったから」

 

「大変だと?」

 

「ほら、あんな騒ぎが起きてから、君が現れたら、政府はあの騒ぎが彼女たちの仕業ではないかと疑いかねない。最悪の場合、君を捕らえて、ドライバーとか取上げられる可能性があったから」

 

「……そうか」

 

「とりあえず、君を1年後のミライに行かせるよ。そして1年間は彼女らと接触せずノイズを倒して」

 

「何故1年間も接触を避けなければならない?」

 

「物語が動き出さないからさ」

 

「どういう意味だ?」

 

「いいから、1年後に行って‼」

 

「……分かった」

 

渋々了承した 戒斗は、光る扉に足を進めた。

 

「あっ‼そうそう‼君に渡す物があったんだ‼」

 

そう言ったアルマは、テーブルをその場に出現させる。

すると、テーブルの上には3つのアタッシュケースが置かれていた。

 

「それは?」

 

「ふふん♪君へのプレゼントさ♪さぁさぁ開けてみて♪」

 

「……分かった」

 

戒斗はテーブルにいき、3つの内1つを開ける。

 

「コレは……ロックシード」

 

「そうだよ。君がバロンの力を手にした世界にあったロックシードを全部集めたよ」

 

ケースに入っていたのは、戒斗が生前いた世界にあったロックシードとライダーロックシードが全種入っていた。

 

「よく、集めたな」

 

「集めたっていうより、生み出したが正解かな?」

 

「おい」

 

「怒らないでよ?それと、残りの2つには新しい、というより、懐かしい力かな?」

 

「懐かしい?」

 

「まぁ、百聞は一見にしかずってことで」

 

アルマがそう言うと、残りの2つのアタッシュケースがひとりでに開いた。

その中身を見た戒斗は、驚いた表情をする。

 

「コレは⁉何故コレが⁉」

 

「恐らくバロンの力だけじゃもたない気がしてね?用意したんだよ」

 

「……………………」

 

「まぁ、使わないなら、この指輪にしまっておいて」

 

そう言ってアルマは、1つの指輪を戒斗に渡した。

渡された戒斗は、指輪を右手にはめる。

すると、指輪の中心に埋め込まれている緑色のクリスタルが光り、3つのアタッシュケースを照らし吸い込んだ。

 

「出したい時は、君の意志で出てくるから」

 

「分かった」

 

返事した戒斗に、光る扉の方に行く。

そして扉をくぐった戒斗は、光る扉と一緒にその場から消えた。

 

 

 

 

 

その頃、特異災害対策機動部2課の本部では、天羽奏(あもうかなで)と風鳴翼(かざなりつばさ)が司令官、風鳴 弦十郎(げんじゅうろう)から、会場でのことを聞かれていた。

 

「では2人とも、あの会場で何があったのか詳しく教えてくれないか?」

 

「あいよ。まずあたしと翼は観客を守ろうとシンフォギアを纏ってノイズと戦ってたんだ」

 

「ですが、途中で奏の“LiNKER”の効果きれて、ガングニールが機能を停止しました」

 

LiNKER…………それは聖遺物やシンフォギアを使用する際、適合率が基準値に満たない者が体に投与して適合率をあげる物である。

 

「その時、あたしの後ろにいた女の子を守るため、機能を停止したガングニールでノイズの攻撃を防いでいたんだ。でもその時、ガングニールに亀裂がはいって砕けた」

 

「そして、その砕けた破片が少女に突き刺さってしまい重症を負いました。ですが、奏の呼びかけで意識を保つことに成功」

 

「そんで覚悟を決めたあたしがノイズに絶唱を「絶唱だと⁉」あちゃー」

 

絶唱とは、装者への負荷を省みずシンフォギアの力を限界以上に解放する歌。

しかし強力な分、装者への負荷が大きく最悪の場合死んでしまう歌。

 

「奏‼お前はLiNKERがきれた状態で絶唱を使ったらどうなるか、分かってるのか⁉最悪の場合死んでしまうんだぞ⁉」

 

「分かってるって‼大丈夫、歌ってないから」

 

「……なに?」

 

「話には続きがあって、歌う前にあいつ………バロンに止められたんだ」

 

「バロン?」

 

「はい。先程の話した少女に、駆け寄る男性がいまして、その男性が奏を止めて、変身して戦ったんです」

 

「へ、変身だと⁉」

 

「まぁ驚くよな?でも本当なんだ。なんかベルトのバックルみたいなのを腰につけて、バナナが描かれた錠前を取り出してから、錠前についてるスイッチを押したら、上空に丸いファスナーみたいなのが現れて、そこからバナナが出てきた」

 

「ファスナーにバナナ?」

 

先程からありえない現象を聞き、頭が混乱してきた弦十郎。

 

「そして、そのバナナが男性の頭に被さり、姿を変えノイズをあっというまに倒してしまいました」

 

「ノイズを倒しただと⁉まさか、シンフォギアか⁉」

 

「違うみたいだよ?歌を歌わず普通に戦ってたし」

 

「そうか…………それで、その男性は?」

 

「それが…………ノイズを倒した後消えました」

 

「消えた?」

 

「なんか、ノイズを倒した後に扉が現れて、怒りながら入っていって、扉ごと消えたんだ」

 

「そうか…………とりあえず今日は帰って休め」

 

「「はい」」

 

弦十郎に言われ、部屋を出ていく奏と翼。

1人残った弦十郎は、テーブルに置いてあったコーヒーを口にする。

 

「バロン…………シンフォギアではない力を持つ男か」

 

弦十郎はコーヒーを飲み終え、戒斗について考えながら、部屋を後にした。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は原作に突入します‼

次回も是非読んでください‼


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Song3:戦いと再会

今回から予告通り、原作に入ります‼
ですが、今回は短めにできてます。

それでは本編スタートです‼


コンサート会場での事件が起きてから2年の月日が流れた。

一度天界に行き、事件から1年がたった世界へと戻ってきた戒斗は、1年の間1人でノイズを撃退し続けていた。

そして今現在、戒斗はある廃工場の前にきていた。

 

「やはりいたか」

 

『『『℃$@*′●○○▲▼◇※〒』』』

 

戒斗が廃工場の中に入ると、そこには大漁のノイズがいた。

ノイズがいることを確認した戒斗は、戦極ドライバーを腰に装着し、バナナロックシードのスイッチを押す。

 

《バナナ》

《ロック・オン》

 

「変身‼」

 

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー》

 

ロックシードをドライバーにセットして、カッティングブレードを倒し仮面ライダーバロンへと変身した。

そして戒斗は、バナスピアーを構えてノイズの大軍に突っ込んだ。

 

 

 

 

 

一方その頃、特異災害対策起動部二課では

 

「司令‼ノイズが現れたポイントに、別の反応を確認‼」

 

「別の反応……まさか」

 

「パターン確認‼バロンです‼」

 

「奏‼翼‼お前たちが向かっているポイントで、バロンがノイズと戦闘している‼」

 

『マジか‼』

 

「毎度の事だが、バロンと接触したら此方に来るよう説得してくれ‼」

 

『了解しました叔父様‼』

 

『任せときな‼』

 

奏と翼との通信を切り、再び画面に目を向ける弦十郎。

そこに、シンフォギアをはじめとする異端技術〈聖遺物〉を動作させる〈櫻井理論〉を提唱する天才研究員で、聖遺物に加えて本部及び防衛システムの管理や、シンフォギア適合者達のメディカルチェックなど、2課の主要技術を一手に担当している女性、櫻井了子(さくらいりょうこ)が、弦十郎に話しかけてきた。

 

「何者なのかしらね?バロンって?」

 

「分からん。だが、敵ではないだろうな」

 

そう断言した弦十郎は、近くにあったコーヒーを口にした。

 

場所は戻り廃工場

 

「ふん‼」

 

『『『∞℃¥¥@#%%&&⁉』』』

 

戒斗は、バナスピアーで次々とノイズを蹴散らしていく。

だが、ノイズは消えるどころか、増える一方であった。

 

「……このままじゃ埒があかんな。ならば」

 

《オーズ‼》

 

戒斗はオーズのロックシード取りだし、スイッチを押す。

するとクラックから、オーズの顔が出てきた。

 

《ロック・オン》

《カモン‼オーズアームズ‼》

《タトバ・タートバー‼》

 

戦極ドライバーにオーズのロックシードを取りつけ、カッティングブレードを倒す。

すると、オーズの顔が戒斗の頭に被さる。

そしてバナナアームズの時と同じように、オーズの顔が展開されバロンの体にアーマーとして装着され、戒斗の手にオーズの武器であるメダジャリバーが握られる。

 

「ふん‼セイッ‼ヤッ‼ハァ‼」

 

『『『『@◇&#¢£☆#%@⁉』』』』

 

戒斗は駆け出し、メダジャリバーで次々とノイズを斬りさいていく。

 

「そろそろ決めるか」

 

そう言うと戒斗は、オーズが使っていた〈セルメダル〉を3枚メダジャリバーに挿入する。

するとメダジャリバーに、エネルギーが蓄積される。

 

「セイヤー‼」

 

『『『『『#%*℃¥@§¢$℃&#⁉』』』』』

 

メダジャリバーから放った必殺技〈オーズバッシュ〉を放ち、ノイズを一掃した。

 

「…………これで終わりだな。…………ん?」

 

ノイズがいないことを確認する戒斗だったが、遠くからバイクのエンジン音が聞こえてきた。

 

「奴等か…………」

 

誰が来たのか察した戒斗は変身を解除し、その場を後にした。

その1分後、バイクに乗った奏と翼、車に乗った2課の職員が到着した。

 

「バロン‼どこだバロン‼」

 

「…………どうやら、バロンはいなくなったみたいね。ノイズもいないみたいだし」

 

「あ~クソッ‼また会えなかった~‼」

 

「司令、バロンの反応はありますか?」

 

『いや、お前たちが来る1分前に反応が消えた。恐らく勘づいて離れたのだろう。バロンの捜索は此方で、やっておく。お前たちは戻ってこい』

 

「分かりました」

 

「りょうか~い」

 

弦十郎の指示に従い、本部に戻っていく奏と翼。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、コンサート会場での事件で重傷をおった少女、立花響は海を臨む高台に建てられた音楽学校、私立リディアン音楽院高等科に通っているのだが、食堂で項垂れていた。

 

「うう……朝からクライマックスな気分だよ~。私呪われてるのかな~」

 

「元気だして、響。確かに響は授業に遅れたけど、人としてはいいことしたんだから」

 

「……うん♪ありがとう未来‼」

 

「ふふ♪どういたしまして♪」

 

幼馴染みでルームメートである少女、小日向未来(こひなたみく)の励ましで、元気になる響。

 

「そういえば、今日だっけ?翼さんの新曲の発売日」

 

「うん‼学校が終わったらすぐに買いに行くんだ‼未来も一緒に行かない?晩ごはんはおばちゃんのお好み焼きで‼」

 

「ごめんね響。明日まで出さないといけないレポートがあるから、今日は無理なの」

 

「そっか~。じゃあまた今度ね‼」

 

「うん♪」

 

その後響は、昼食をとり、午後の授業を受けた。

それから数時間後、午後の授業を受け終え、放課後のHRが終わった響は、未来に「行ってくるね‼」と言って、

学校を後にした。

CDショップに向かう道中、響はふと2年前の事を思い出していた。

 

(私が見た、奏さんと翼さんは、ノイズと戦う戦士だった。だけど、ニュースや新聞では軍の人たちがノイズを鎮圧したってなってる。私が見た奏さんたちは……幻だったのかな?それに…………)

 

響は足を止めて立ち止まる。

 

(戒斗さん…………どこ行っちゃったんだろ……病院にもいなかったし、被害者の名前にもなかった…………どこにいるの……戒斗さん)

 

戒斗の事が心配になり、暗い表情をして顔を附せる響。

と、その時

 

「道の真ん中で立ち止まるな。危ないぞ」

 

「えっ?ああ‼す、すみませ……ん…………ッ‼」

 

注意され、謝りながら後ろを振り返った響は、注意した人物を見て驚いた。

 

「ん?…………お前は……立花か?」

 

「戒斗…………さん……」

 

そう、響に注意したのは戒斗であった。

響は戒斗だと分かると、戒斗に抱きついた。

 

「……どうした?」

 

「やっと……やっと会えた。私……戒斗さんが心配で……どうなってしまったのか、ずっと……ずっと……」

 

「……心配をかけたようだな」

 

戒斗は響の頭に手をおき、優しく撫でた。

撫でられた響は、顔を赤くしながらも、戒斗から離れることはなかった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は響が覚醒します‼

次回も是非読んでください‼


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Song4:CDと覚醒の歌姫

今回は前回の響と戒斗が再会してからの話から始まり、響が目覚めます‼

それでは本編スタートです‼



響と再会をはたした戒斗は、響と共に近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいた。

 

「すみません、久しぶりに会ったのにコーヒーご馳走になってしまって」

 

「気にするな。俺が好きでしていることだ」

 

「ありがとうございます」

 

「………………」

 

「………………」

 

話すことがなくなり、黙ってしまう2人。

しばらくの沈黙が続く。

そしてその沈黙を、戒斗が口を開いて破った。

 

「……立花」

 

「は、はい‼」

 

「あの時は…………すまなかった」

 

「えっ?」

 

「あの時、お前を先に避難させれば、お前は怪我をすることはなかった…………俺の責任だ。すまない」

 

戒斗は響に頭を下げて謝った。

謝られた響は、戒斗の行動に慌てふためく。

 

「あ、頭を上げてください戒斗さん‼あの時のことは、さっさと避難しなかった私が悪いんです‼」

 

「……しかし」

 

「ホントに大丈夫ですから‼」

 

「……分かった」

 

「ふぅ……あっ‼そういえば戒斗さん‼今までどこで何をしていたんですか?」

 

「俺か?」

 

「はい‼」

 

響の質問にどう答えればいいか悩む戒斗。

悩む戒斗を見て響は、悲しそうな顔をして戒斗に話しかける。

 

「あの、もしかして私聞いちゃまずいこと聞いちゃいました?」

 

「いや、そうじゃない。ただ、外部に漏らしてはいけない内容でな」

 

「もしかして、スパイのような‼」

 

「……まぁ、似たようなもんだ」

 

「おお‼ワクワクものですね‼」

 

「……そういうお前はどうなんだ?」

 

「私ですか?ふふん‼私は今年リディアンに入学したんですよ‼」

 

戒斗の質問に元気よく答える響。

 

「リディアン……確か、有名な音楽学校だったか?」

 

「そうです‼しかもリディアンには、あのツヴァイウィングである奏さんが通っていた学校であり、翼さんが現在通っている学校なのです‼」

 

「そうか(まさかあの2人に関わりがある学校に行くとはな…………しかし)……ふっ」

 

ふと響の顔を見た戒斗は、ニコニコしている響の顔を見て少し笑う。

自分を見て戒斗が笑っていることに気づいた響は、何かしたかと思い慌ててしまう。

 

「えっ?私、なんか変ですか⁉」

 

「いやすまない。あのコンサートでツヴァイウィングにあまり興味がなかった立花が、ここまで自慢そうに言うぐらいのファンになっているとはな」

 

「うぅ、言わないでくださいよ~」

 

「ふっ。……そういえば立花、何か買い物があってこっちにきたのか?リディアンは確か全寮制だったと思ったが?」

 

「そうなんです‼今日発売される翼さんの新曲のCDを買いに、外出して来たんです‼」

 

「風鳴の?それは予約してあるのか?」

 

「いえ、していませんが」

 

「ああいう物で、有名歌手のCDは予約していない限り、ファンが朝から並んで買うものだぞ」

 

「えぇええええええ⁉そうなんですか⁉どうしよう⁉」

 

戒斗から言われ、慌て出す響。

そんな響に、戒斗が救いの手をさしのべた。

 

「立花、一度落ちつけ」

 

「で、でも‼」

 

「俺が今から、知り合いが経営しているCDショップに連れていってやる」

 

「えっ?でも……そこのお店も」

 

「安心しろ。そこの店長は変り者だ。必ずある」

 

「……分かりました。お願いします」

 

戒斗についていくと決めた響は、残っていたコーヒーを全部飲みほし、行く準備をする。

そして戒斗は、響の分の代金を支払い、響を連れて知り合いのCDショップに向かった。

数分後、そのCDショップに到着した。

 

「ここだ」

 

「えっと…………【CDショップ ONE】?」

 

「とりあえず、中に入るぞ」

 

「は、はい‼」

 

中に入る戒斗と響。

そして2人を出迎えたのは

 

「いらっしゃ~い♪戒斗ちゃん♪」

 

「はぁ…………久しぶりだな店長」

 

体は男で心は女の【CDショップ ONE】の店長、鈴森秋水(すずもりしゅうすい)という俗に言うオネェが2人を出迎えた。

 

「あら?その子は?戒斗ちゃんの彼女?」

 

「え……えぇええええええ⁉」

 

「あら?違うの?」

 

「ち、ちち、違います‼//////私なんか戒斗さんと釣り合わないですし‼//////」

 

「あらそう?私はお似合いだと思うわよ?」

 

「そ、そう……ですか?」

 

「ええ♪」

 

「え、えへ、えへへへへへ♪//////」

 

「そういえば、まだ自己紹介がまだだったわね?私は鈴森秋水。このCDショップの店長よ♪」

 

「あっ、私は立花響っていいます‼よろしくお願いします‼店長さん‼」

 

「よろしくね響ちゃん♪それで戒斗ちゃん、今日はどうかしたの?」

 

「ああ。風鳴翼の新曲のCDはあるか?」

 

「翼ちゃんの新曲ね?ちょっと待ってて?」

 

戒斗に聞かれ、店の奥に探しに行く秋水。

数秒後、1つの段ボールを持ってきてテーブルに置いた。

中には、翼の新曲のCDが沢山入っていた。

 

「わぁ‼こんなに沢山‼」

 

「好きなの選んで♪プレゼントしてあげる♪」

 

「えっ⁉そ、そんな悪いですよ⁉」

 

「いいのいいの♪響ちゃん、とってもいいこだから。サービスしちゃう♪その代わり、このお店、友達に紹介してね♪」

 

「分かりました‼それでは、お言葉に甘えて」

 

「うんうん♪女の子は甘えなくちゃね♪特別に特典もつけちゃう♪」

 

「わぁ♪ありがとうございます‼」

 

「ふふ♪どういたしまして♪はい、戒斗ちゃん」

 

秋水は響にCDと特典を渡すと、戒斗に中に何か入った袋を渡してきた。

 

「なんだコレは?」

 

「戒斗ちゃんにも、予約特典付きの翼ちゃんの新曲CDをプレゼントよ♪」

 

「俺は予約してないんだが?」

 

「私がしておいたのよ♪戒斗ちゃん、翼ちゃんや奏ちゃんのCDとか買っていくから、私がサービスでしておいたの♪お代はいいから♪」

 

「……なら、ありがたく受け取っておく」

 

秋水からCDを受けとる戒斗。

その時、なにやら視線を感じ隣を見る戒斗。そこには、ニヤニヤしながら戒斗を見る響がいた。

 

「……なんだ?」

 

「いや~、戒斗さんも翼さんのファンだったんですね~♪」

 

「ファンって程ではない。ただ、歌がいいだけだ」

 

「へ~♪」(ニヤニヤ)

 

「……用はすんだ。帰るぞ」

 

「あっ‼ま、待ってくださ~い‼」

 

「また来てね~♪」

 

店から出ていく戒斗を、慌てて追いかける響。

それから帰る道中、響は貰ったCDを大事そうに抱えながら歩いていた。

 

「ありがとうございます戒斗さん‼」

 

「気にするな」

 

「フフ~ン♪フッフフ~ン♪」

 

鼻歌歌いながら歩く響と、響を見ながら微笑む戒斗。

だがすぐに戒斗の顔は、微笑みから厳しい顔へと変わった。

そして響は、戒斗が止まったことに気づき、戒斗の方に顔を向ける。

 

「あの、戒斗さん?」

 

「コレは……」

 

戒斗が向ける視線の先に目を向ける響。

そこには、大量のチリのような物があった。

 

「コレは⁉」

 

「ノイズ…………」

 

「きゃぁあああああ⁉」

 

「ッ⁉悲鳴⁉」

 

「あっちか‼」

 

悲鳴が聞こえた方に走り出す戒斗と響。

駆けつけると、1人の少女が地面に怯えながら座っていた。

そして少女の視線の先には、大量のノイズがいた。

戒斗と響は、すぐに駆け出し、少女を抱き抱えて奥の路地へと入っていく。

 

「大丈夫か?」

 

「うん‼ありがとう‼お兄ちゃん‼お姉ちゃん‼」

 

「良かった~」

 

「……………………」

 

少女がなんともないことを知り、安心する響。

戒斗は無事を確認すると、無言のまま後ろを振り返る。

振り返るとそこには、大量のノイズが迫っていた。

 

「……立花、走れるか?」

 

「えっ?は、はい。走れますけど」

 

「俺が奴等の気を引く。その間にお前はその娘を連れて走れ」

 

「で、でも‼」

 

「いいから行け‼」

 

「…………ッ‼」

 

響は納得はしなかったが、戒斗に言われた通り、少女を連れて奥へと走っていった。

行ったのを確認した戒斗は、戦極ドライバーを取り出して腰に装着する。

 

「貴様ら……この先を進めると思うなよ」

 

《バナナ‼》

 

「変身‼」

 

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「はぁああああ‼」

 

バナナロックシードを装着し、【仮面ライダーバロン バナナアームズ】へと変身した戒斗は、ノイズの大軍に突っ込んでいく。

 

 

 

数時間が過ぎた。

戒斗と別れた響は、少女を連れて工場地帯に逃げていた。

 

「はぁ…………はぁ……わぁっ‼」

 

足がもつれて少女と一緒に倒れてしまう響。

立ち上がる響であったが、周りには大量のノイズがいた。

 

「そんな……⁉こんなに逃げたのに⁉」

 

「お姉ちゃん……あたしたち、死んじゃうの?」

 

絶望する響に、怯えながら響の袖を掴む少女。

そんな少女を見て響は、少女を抱き寄せ、コンサート会場で奏に言われたことを思い出す。

 

『生きることを、諦めるな‼』

 

(そうだ。あの日、あの時、私は間違いなくあの人に救われた――)

 

(私を助けてくれたあの人は、とても優しく、力強い歌を口ずさんでいた―――)

 

―ドクン―

 

あの時の事を思い出す響の体に、変化が起こり始める。

 

(私にできること…………できること、きっとあるはずだ‼)

 

(――歌が)

 

「お姉ちゃん?」

 

「生きるのを、諦めないで‼」

 

少女に力強く言い放つ響。

すると、響の体が光だす。

 

(―――とても、優しく、力強い、歌がッ‼)

 

「BalwIsyall Nescell gungnir tron」

 

まるで歌のようなものを呟く響。

すると響を包むかのように、響の体から光が放出される。

やがて光がおさまると、響の姿が変わっていた。

その姿は、奏や翼と同じ装者の姿であった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は覚醒した響が、戒斗に加えあの2人と共闘します‼

次回も是非読んでください‼


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Song5:再会する強者と両翼

や、やっと完成した。

今回は戒斗が響…………というより、あの2人と共闘します。

それでは本編スタートです‼




響に異変が起こり始めた同時刻、特異災害対策機動部二課では、司令である風鳴弦十郎を始め、櫻井了子と二課のスタッフ、シンフォギア装者である翼と奏は驚きを隠せない事に直面していた。

 

「パターンを確認‼コレは……⁉」

 

「アウフヴァッヘン波形⁉」

 

「ガングニールだと⁉」

 

「なっ⁉」

 

「えぇええええ⁉」

 

響から発生したエネルギーの波形が、奏の纏うガングニールと同一のものであった事に、弦十郎たちは驚きを隠せなかった。

 

「どういうことだコレは⁉何故ガングニールの反応がある⁉」

 

「分かりません‼再度確認しましたが、やはり奏さんの纏うガングニールと同じ反応です‼」

 

「どうなってるんだ……」

 

「司令‼先程出現したガングニールの元に、ノイズとは違う反応が近づいてます‼」

 

「なにっ⁉」

 

「パターン確認、バロンです‼」

 

「司令‼」

 

「ッ‼翼と奏は現場に急げ‼ノイズを撃退した後、ガングニールを纏う者の保護及びバロンの説得をしろ‼」

 

「「了解‼」」

 

弦十郎に言われ、翼と奏は現場へと向かう。

2人が司令室から出ていくのを確認した弦十郎は再び画面へと視線を向け、腕を組ながらずっと見ていた。

 

 

 

 

 

そして現在、響はというと

 

「えっ?なにコレ⁉」

 

「お姉ちゃん、格好いい‼」

 

聖詠を唱えた事により覚醒し、シンフォギアを纏った響は、突然の事に戸惑っていた。

だがその戸惑いも、目の前にいるノイズを見て頭を切り替える。

 

「(なんだか分からない……けど‼)今なら、何でもできそうな気がする‼」

 

そう言った響は少女の手を握り、頭に浮かんだ歌詞を歌いながらノイズの攻撃を回避した。

 

「(凄い……ノイズの攻撃を私、避けてる。コレなら)「お姉ちゃん‼」えっ?」

 

次々とノイズの攻撃を回避していた響であったが、少し慢心が仇となり、ノイズに背後をとられた。

 

(ま、まずい⁉)

 

ノイズに背後をとられ、もう駄目だと思ってしまう響。

だがその時

 

「はぁああああ‼」

 

『#&¢$@§¥%*⁉』

 

「「えっ?」」

 

バロンへと変身した戒斗が、響の背後をとったノイズを、バナスピアーで貫いた。

貫かれたノイズは灰となって消え、戒斗と響は背中合わせになるような形で着地した。

 

「あ、あの、あなたは「何故だ」えっ?」

 

「何故貴様が、それを纏っている?」

 

戒斗は背中越しに響に質問した。

冷静でいるように見える戒斗だが、内心混乱していた。

 

「え、えっと、分からないんですけど、何か頭に歌詞?って言えば良いのかな?歌詞みたいなのが思い浮かんで、それを呟いたらコレが体に」

 

「…………そうか」

 

「あの、あなたはコレが何か知ってるんですか?」

 

「詳しい事は知らん。だが、それを使えばノイズを倒せる事は知っている」

 

「ノイズを⁉な、なら‼」

 

「だが、貴様は戦うな」

 

「な、なんでですか⁉」

 

「今の自分の状態を見ろ」

 

「状態?……あっ」

 

戒斗に言われ自分の状態を確認した響は、戒斗の言ってる意味を理解した。

響の腕の中には少女がいることに気がついたのだ。

 

「その娘を抱えながらでは、戦いなれてない貴様では守れん。貴様はその娘を守ることだけを考えろ。いいな?」

 

「わ、分かりました‼えっと……」

 

「バロン……仮面ライダーバロンだ」

 

「バロン……さんですね。私は立花響です‼」

 

「では立花、俺が合図したら全力で…………ん?」

 

「えっ?」

 

戒斗は響に言うのを途中でやめ、ある方向に視線を向ける。

戒斗につられ、同じ方向に視線を向けると、光を放つ何かが、此方に向かって来るのが見えた。

 

「あれって…………」

 

「もしや……バイクか?」

 

近づいて来るのがバイクだと分かった戒斗と響。

そして2台のバイクとその操縦者は戒斗たちを横切り、ノイズに向かって加速していく。

 

「ちょっ⁉あのままじゃ⁉」

 

「……いや、心配はいらないようだ」

 

「えっ?」

 

バイクの操縦者を心配して慌てる響と、冷静に大丈夫だと言う戒斗。

響は何故戒斗が大丈夫だと言い切れるのか不思議に思いながら戒斗の顔を見て、再びバイクの方に視線を戻す。

その時、操縦者たちは空に高く跳び上がり、2台のバイクだけがノイズにぶつかって爆発した。

そして

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

2人の操縦者、翼と奏は聖詠を唱えそれぞれシンフォギア【天羽々斬】と【ガングニール】を纏って、戒斗と響の前に着地した。

 

「え…………えぇえええええ⁉翼さん⁉それに奏さん⁉」

 

「…………やはりな」

 

「よぉ‼大丈夫か2人……じゃなかったな、3人とも‼」

 

「は、はい‼」

 

「うん‼」

 

「問題ない」

 

「なんだよバロン。久しぶりに会ったってのに、その反応は?」

 

「奏、今は戦闘中なんだから集中して‼それと、久しぶりだなバロン。あの時は助かった」

 

「気にするな。好きでやっただけにすぎん」

 

「なんだよ~‼あたしの時と反応違いすきだろ~‼」

 

「………………」

 

「ちぇっ…………無視かよ」

 

戒斗が無視した事に不貞腐れる奏。

それを見て呆れて頭をおさえる翼と、話に追いつけず頭が混乱する響。

 

「まぁいいや‼さっさとノイズども倒しちまおうぜ‼」

 

「そうね。えっと……」

 

「ひ、響です‼立花響」

 

「では立花、あなたはその子を守りながら、とにかくノイズの攻撃を避けることだけに集中して。いいわね?」

 

「は、はい‼」

 

「バロン‼あなたには色々話を聞きたいけど、今はノイズを倒すのに協力してくれ‼」

 

「もとよりそのつもりだ。だがその前に」

 

戒斗はバナスピアーを地面に突き刺し、1つのロックシードを取り出した。

 

「えっ?錠前?」

 

「おいおい、それって⁉」

 

「まさか⁉」

 

「武器を変えさせてもらう」

 

《キウイ》

《ロック・オフ ロック・オン》

《カモン‼キウイアームズ‼撃・輪・セイヤッハッ‼》

 

戒斗が【キウイロックシード】のスイッチを押すと、上空にバナナアームズと同じアームズである【キウイアームズ】がクラックから現れる。

そして戒斗が戦極ドライバーのカッティングブレードを倒すと、戒斗の頭に被さるように落ち、アーマーとしてバロンのボディに装着され、両手に専用武器【キウイ撃輪】が握られていた。

 

「え……えぇええええええ⁉」

 

「まさか……他にもあったとは…………」

 

「今度はキウイかよ。他にもあんのか?」

 

「ああ…………行くぞ‼」

 

「おう‼」

 

「風鳴翼、推して参る‼」

 

バロンを先頭に、奏と翼がそれぞれ武器【アームドギア】を構えて、ノイズの大軍に突っ込んだ。

 

「フッ‼ハッ‼セイ‼ハァ‼」

 

『『『『『@¥§%*¢$&⁉』』』』』

 

「はぁああああああああ‼」

 

『『『『『$&%*@¥§¢⁉』』』』』

 

「てりゃぁああああああ‼」

 

『『『『『@%¥§¢$#℃⁉』』』』』

 

「ほぇええ…………皆さん凄い」

 

戒斗はキウイ撃輪で、奏はアームドギアの槍で、翼はアームドギアの刀で次々とノイズを斬り裂いていく。

それを見ていた響は驚くことしかできなかった。

やがて3人は、背中を合わせる形で1ヶ所に集まる。

そして周りにはまだ、ノイズが大量にいた。

 

「くっ‼まだいるのか」

 

「どうする?でかいのまで出てきたぞ?」

 

「……天羽、風鳴、でかいノイズは倒せるか?」

 

「当然‼」

 

「問題ない‼」

 

「ならば、雑魚は俺に任せろ。お前たちはでかいのを頼む」

 

「1人で大丈夫かよ?」

 

「愚問だ」

 

「なら頼んだぜ‼」

 

「行くぞ‼」

 

戒斗に小型のノイズを任せた奏と翼は、大型のノイズに向かって跳んだ。

 

「こいつはちょっとヘビーだぞ?はぁああああああ‼」

『LAST∞METEOR』

 

『%&¢$§#℃@*⁉』

 

「はぁああああああああ‼」

『天ノ逆鱗』

 

奏はアームドギアである槍の先端を至近距離で回転させ、竜巻を起こしてノイズを破壊した。

そして翼は、アームドギアである刀を投擲した後巨大化させ、それをノイズ目掛けて蹴り貫き破壊した。

 

「流石……といったところか。俺も終わりにするとしよう」

 

《カモン‼キウイオーレ‼》

 

「はぁああああああああ‼」

 

『『『『『$#@&¢§*℃¥⁉』』』』』

 

戒斗はカッティングブレードを二回倒し、キウイ撃輪を円を描くように振るい、キウイ撃輪から放たれたエネルギー刃で小型のノイズを全て破壊した。

その光景に、目を奪われてしまう響、翼、奏の3人。

 

「す、すご~い‼」

 

「まさか……あんなにいたノイズを一瞬で倒すとは……」

 

「やっぱスゲーな‼バロン‼」

 

ノイズを全て倒した戒斗たちは、響と少女の元に歩いていく。

すると、急に奥から黒塗りの車が何台も出てきて、響たちを囲むように止まり、黒服の人が何人も出てきた。

 

「……コイツらは」

 

「大丈夫だ。この連中はあたしらの仲間だ。心配しなくてもいい」

 

「……そうか」

 

「ママ‼」

 

奏に説明され戒斗が納得したその時、響が抱き抱えていた少女が、響の腕の中から抜け出し、母親がいる元に走っていった。

 

「あの子、お母さんと再会できて良かった」

 

母親と抱き合い、笑顔になった少女を見て安心する響。

その時、響が纏っていたシンフォギアが突然光だし、光が収まると、シンフォギアは解除され響の姿は制服を着ていた時の状態に戻った。

何が起きてるのか分からない響の元に、コップを持った女性が近づいてきた。

 

「あったかい物どうぞ」

 

「あったかい物、ありがとうございます。…………はぁ、美味しい」

 

「よく頑張ったな立花?」

 

「あそこで怯えずあの子を守るとは、大した物だ」

 

「あ、ありがとうございます‼奏さん‼翼さん‼先程は助けてくれて。実は私、奏さんと翼さんに助けてもらうのは2回目なんです」

 

「2回目?」

 

「……もしかして」

 

奏がなんのことか分かり、響に言おうとしたその時、奏の通信機に通信が入った。

 

「こちら奏…………うん、ノイズはバロンと共闘して倒したぜ。……ああ、ガングニールを纏った装者とバロンもここにいるよ。…………了解」

 

通信を終えた奏は通信機をしまい、響に近づく。

 

「悪いんだけどさ、今からあたしらが所属する組織の本部に一緒に来てくれないか」

 

「あ、いいですよ」

 

「サンキュー♪じゃあ念のために」

 

「へっ?」

 

響から了解を得た奏は、どこから取り出したのか分からないが、でかい手錠を取り出して響の腕にはめた。

 

「えぇええええええ⁉な、何ですかコレ⁉」

 

「悪いな。念のための処置なんだ。我慢してくれ」

 

「そんな~‼」

 

「ごめんな?…………それから」

 

響に謝った奏は、今度は戒斗に近づいて行った。

 

「バロン、あんたもあたしらの組織の本部に来てくれないか?司令があんたに会いたがってるんだ」

 

「……………………」

 

「頼む。あたしを信じてくれ‼」

 

「…………分かった」

 

「ッ‼信じてくれるのか⁉」

 

「ああ……ただし、手錠は無しだ」

 

「分かった‼だけど、その姿は解除してくれよ」

 

「…………いいだろう」

 

《ロック・オフ》

 

戒斗は奏の指示に従い、キウイロックシードを取り外し、変身を解除する。

変身を解除した戒斗を見て響が驚く。

 

「えぇええええええ⁉か、戒斗さん⁉戒斗さんが、バロンさんだったんですか⁉」

 

「ああ。それも含め、後で説明してやるから落ちつけ」

 

「は、はい」

 

慌てる響を落ち着かせた戒斗は、この後、奏たちと共に車に乗り込み、特異災害対策機動部二課へと向かった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗が2課本部で自分の事を話します‼

使ってほしいロックシードや、出してほしいライダーなどがありましたら、活動報告にのせてるアンケートに書いてください。

次回も是非読んでください‼


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Song6:戒斗と二課の出会い

今回は短めです。

今回は戒斗たちが二課の皆に迎えられ、戒斗が自分の事を説明します‼

それでは本編スタートです‼


ノイズを撃退し、響たちに正体を明かした戒斗は、奏の頼みで特異災害対策本部機動二課に向かう車の中で、腕を組ながら目を閉じていた。

その戒斗に、奏が話しかける。

 

「なぁなぁバロン」

 

「……なんだ?」

 

「本当の名前ってなんて言うんだ?教えてくれよ」

 

「断る」

 

「即答かよ⁉」

 

「当たり前だ。俺は貴様らを完全に信用した訳ではない」

 

「なんだよケチ」

 

戒斗が名前を教えないと答えると、奏は頬を膨らませて拗ねた。

それから数分後、車が止まり、戒斗たちは車から出る。

すると響は、着いた場所を見て驚いた。

 

「ここって…………私が通ってる学校⁉」

 

「ということは、ここがリディアンか」

 

連れてこられた場所は、響が通う私立リディアン音楽院であった。

降りた戒斗と響は、奏と翼のマネージャー兼二課のメンバーである緒川慎次(おがわしんじ)を先頭に、リディアンの中へと入っていく。

だんだん歩き進めて行くと、本来は教師たちがいる中央棟までくる。

そしてその中にあるエレベーターの扉が開き、全員中へと入る。

 

「危ないですから、手すりに捕まってください」

 

緒川にそう言われ、翼と奏、緒川は手すりに捕まり、習うように響も手すりに捕まるが、戒斗は手すりに捕まらず、壁に背中をつけ腕組みをする。

そして次の瞬間

 

―ギュイイイイイイイイイン―

 

「うわぁあああああああああ⁉」

 

突然、もの凄い勢いで急降下するエレベーターに、大声を出しながら驚く響。

それを見て、奏と緒川は苦笑いする。

 

「な、なんなんですか今の⁉」

 

「そりゃあ驚くよな?」

 

「僕たちの本拠地は地下にあるので」

 

「地下……ですか?」

 

「ええ。だけど、ここからは気を引き締めることよ。これから向かう所には、微笑みなど必要なくなるから」

 

「は、はい‼」

 

翼に言われ、気を引き締める響。

その時奏が戒斗のことを思い出す。

 

「そういえばバロン、あんたは大丈夫……か…………」

 

「「「?」」」

 

急に黙ってしまった奏を不思議に思い、戒斗を除いた3人が奏の方に顔を向け、奏が視線を向ける方を見る。

そこには、何事もなかったかのように、壁に背中を預けスマホを操作する戒斗がいた。

 

「ば、バロン?」

 

「ん?なんだ?」

 

「あんた……ずっとスマホ弄ってたの?手すりに捕まらず」

 

「ああ。それがどうかしたか?」

 

「どうかしたか?って、あんたあの急降下にびっくりしなかったの?」

 

「別に。大したこと無いだろう」

 

「そ、そうか…………」

 

「あの急降下を大したことないと言うとは…………」

 

「彼、肝が座ってますね」

 

「肝が座ってるってレベルですか?」

 

戒斗の言葉に、その場にいた全員が苦笑いを浮かべる。

その数分後、エレベーターが止まり扉が開く。

すると

 

―パン‼パンパンッ‼パン‼―

 

「ようこそ‼人類最後の砦、特異災害対策機動部二課へ‼」

 

エレベーターの扉が開いたのと同時に、クラッカーの音が大量に鳴り響き、まるでパーティーでも開いたかのような雰囲気で、弦十郎と二課のメンバーが戒斗と響を迎えた。

しかも、垂れ幕が用意されており、垂れ幕には『熱烈歓迎‼立花響さま&仮面ライダーバロンさま』と書かれていた。

迎えられた響は目をパチクリさせ、戒斗は無言で緒川を見る。

視線を向けられた緒川と奏は苦笑いし、翼は頭を抱える。

すると二課の中から白衣を着た女性、櫻井了子が携帯のカメラを構えて響に近づく。

 

「さぁさぁ、笑って笑って‼お近づきの印にツーショット写真♪」

 

「えぇ、嫌ですよ‼手錠したままの写真だなんて、きっと悲しい思い出になりますよ‼」

 

「え~、ならバロンくん一緒に写真撮りましょう♪」

 

「断る」

 

「即答⁉いいじゃない、こんな美人と写真を撮れるなんて滅多にないわよ?だから一緒に撮りましょう♪」

 

「断る」

 

「もう頑固ね」

 

あきらめた了子は、響の手錠を外して一緒に写真を撮り始めた。

そんな2人をほっといて、戒斗は弦十郎に質問した。

 

「貴様がここの司令官か?」

 

「そうだ。君は?」

 

「貴様たちがバロンと呼ぶ者だ」

 

「なにっ⁉君がバロンだと⁉」

 

「そんなに驚くような事か?」

 

「いや、もう少し歳をとっている人間を想像していたのでな」

 

「ある意味そうだがな」

 

「どういう意味だ?」

 

「気にするな。こちらの話だ」

 

「そ、そうか。君に色々と聞きたい事があるんだが」

 

「その前に、立花のことについて説明しろ。何故奴が天羽と風鳴と同じ物を纏っているのか」

 

「分かった。では、改めて自己紹介するとするか。みんな集まってくれ」

 

弦十郎がそう言うと、奏と翼、響と了子、緒川と二課のメンバーが集まってくる。

 

「それでは、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここ特異災害対策機動部二課の責任者だ」

 

「そして、私ができる女と評判の櫻井了子よ♪」

 

「僕は緒川慎次といいます。奏さんと翼さんのマネージャーです」

 

「知ってると思うけど、あたしは天羽奏。ツヴァイウイングの1人で、【ガングニール】っていうシンフォギアってやつの装者やってんだ。そんでこっちが」

 

「風鳴翼、ツヴァイウイングの1人で、【天羽々斬】を纏う装者だ」

 

「えっと、立花響です。私立リディアン音楽院高等科に通ってます」

 

「バロンだ」

 

「あの、できれば本名を」

 

「貴様らが信用できそうな時に教える。それよりも、何故立花が天羽や風鳴と同じ物を纏ったのか聞かせろ」

 

「それです。私が変身しちゃったアレ、いったいなんなんですか?」

 

「そうね。あなたたちの質問に答える前に2つお願いがあるの。1つ目は今日の事は誰にも内緒。そして2つ目は…………」

 

「2つ目は……?」

 

「…………」

 

ゴクリと唾を飲む響と、無言のまま了子を見る戒斗。

 

「取り敢えず、脱いでもらいましょうか」

 

「はいぃぃぃいいいいい⁉」

 

「…………なに?」

 

了子のぶっとんだ発言に響は絶叫し、戒斗は目を細めて睨む。

 

「了子くん、ちゃんと説明してくれ。我々も何故響くんがシンフォギアを纏えるのか分からないんだ。だからまず、響くんの体を検査しなくてはいけないんだ」

 

「なるほど」

 

弦十郎の話に納得する響。

 

「とりあえず、この後響くんには検査を受けてもらって、後日またここで検査の結果を話す。ということでいいかな?」

 

「はい‼分かりました‼」

 

「さて、響くんについては検査が終わった翌日にするとして……」

 

全員の視線が戒斗に集中する。

 

「バロン……すまないが君のことを説明してくれないだろうか?」

 

「…………いいだろう」

 

「ありがとう‼ではまず、君のことを教えてくれないか?できれば名前を教えてくれないか?頼む‼」

 

弦十郎は戒斗に頭を下げて頼み込む。

 

「…………駆紋戒斗だ」

 

「えっ?」

 

「俺の名だ」

 

「俺たちを…………信用してくれたのか?」

 

「少なくとも、貴様と天羽、風鳴は信用できる。そう思っただけだ」

 

「そうか‼ありがとう‼では早速、君のことを教えてくれないか?」

 

「そうだな…………まず最初に、俺はこの世界の人間ではない」

 

『『『『『……………………はい?』』』』』

 

戒斗の言葉を聞いて、その場にいた全員が戒斗に聞き返す。

 

「か、戒斗くん?この世界の人間ではないとは……どういうことだ?」

 

「言葉の通りだ。俺は異世界……パラレルワールドと呼ばれる並行世界から俺はこの世界に来た」

 

「……証拠はあるのか?」

 

「コレだ」

 

弦十郎に聞かれた戒斗は、1枚の写真を取り出しそれを弦十郎に渡す。

その写真には、戒斗と仮面ライダー鎧武こと葛葉紘汰、チーム鎧武の高司舞(たかつかまい)と仮面ライダーマリカこと湊耀子(みなとようこ)、チームバロンで仮面ライダーナックルことザックとペコ、仮面ライダーブラーボこと凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(おうれん)と仮面ライダーグリドンこと城乃内秀保(じょうのうちひでやす)、ライダーたちが利用していた喫茶店ドルーパーズの店長阪東清次郎(ばんどうきよじろう)が写った写真である。後ろには垂れ幕があり『沢芽市復興‼インベス討伐‼』と書かれていた。

 

「コレは……」

 

「今すぐ沢芽市を検索してみろ」

 

「おい‼今すぐ調べろ‼」

 

「は、はい‼」

 

弦十郎に言われ、沢芽市を調べる二課のメンバー。

 

「調べましたが、沢芽市という場所はどこにもありません‼」

 

「ということは…………君は」

 

「先程も言ったように、別の世界から来たということだ」

 

「なるほど…………しかし、何故この世界に?」

 

「ある奴に送られたというのもあるが、俺のいた世界とどことなく似ていたからな」

 

「似ていた?」

 

「俺の世界では、インベスと呼ばれる奴等と戦っていた」

 

「あの、インベスってなんですか?」

 

「インベスとは、外宇宙から来た生物だ。そいつらの上位種【オーバーロード】が俺たちの世界に踏み入り、俺たちは戦っていた。そいつらと戦うのに使っていたのが、この戦極ドライバーとロックシードだ」

 

戒斗は戦極ドライバーとロックシードを取り出し、弦十郎たちに見せる。

 

「もしやコレで君はバロンに変身するのか?」

 

「そうだ。この2つを使って俺はバロンへと変身する」

 

「そうか……駆紋戒斗くん」

 

戒斗から話を聞いた弦十郎は、真剣な顔で戒斗を見る。

 

「君に、ノイズを撃滅するのに協力してほしい‼」

 

「……………………」

 

「もちろん、君のことやそのドライバーについては決して口外しない‼だから頼む‼協力してくれ‼」

 

「…………分かった。協力しよう」

 

「いいのか⁉」

 

「ああ…………だが、絶対に口外するなよ」

 

「ああ‼絶対に口外しない‼ありがとう‼」

 

戒斗は弦十郎に協力することを約束する。

その後戒斗は、弦十郎から通信機を受け取り、戒斗は自宅へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃天界では

 

「ふ~ん…………戒斗の心を動かしたか……面白いね彼」

 

アルマが特異災害対策機動部二課を観察していた。

 

「彼なら……“アレ”を使えるかもしれないね」

 

「アルマさま」

 

「おや?どうしたんだい?」

 

「戒斗さまの“2つのドライバー”の調整が終わりました」

 

アルマの部屋に入ってきた白いスーツを着た男が、2つのアタッシュケースを置いていった。

アルマがケースを開けると、中には黄緑色のドライバーと銀色のドライバーが入っていた。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は響のことについて説明があり、争いが起こります。

次回も是非読んでください‼


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Song7:結果と決断

楽しみにしていてくださった皆さま、大変長らくお待たせいたしました‼
やっと最新話が完成しました‼

今回の話では、響の纏ったガングニールについての説明と、響とあの人が戦います‼

それでは本編スタートです‼


戒斗が特異災害対策機動部二課へ来た翌日の夕方、戒斗は弦十郎に呼ばれ、ローズアタッカーに乗ってリディアンに向かっていた。

内容は、響が纏ったガングニールの正体が分かったということだ。

しばらくして、リディアンの校門前に到着した戒斗。

到着すると、奏や翼のマネージャーである緒川が出てきた。

 

「お待ちしていました、駆紋さん」

 

「立花が纏っていたアレの正体が分かったと聞いてきたんだが?」

 

「そうなんです。そのことについて二課で説明しますので、僕に付いてきてください」

 

「…………分かった」

 

戒斗は緒川の指示に従い、緒川に着いていく。

先日同様、エレベーターに乗り地下へと下り、メディカルルームへ行くと、すでに響と弦十郎、奏と翼、オペレーターの友里あおい(ともさ)と藤尭朔也(ふじたかさくや)、了子の計7人がいた。

 

「司令、駆紋さんを連れてきました」

 

「ご苦労。わざわざ来てもらってすまないな戒斗くん。本来なら此方から出向くのが礼儀なのだが」

 

「気にするな。それで、立花が纏ったアレの正体はなんだ?」

 

「ああ。アレは…………シンフォギアだ」

 

「シンフォギア?」

 

「……………………」

 

弦十郎の言った言葉に首を傾げる響と、弦十郎を鋭い目付きで睨む戒斗。

それから戒斗と響は、了子からシンフォギアについて説明を受けた。

 

・シンフォギアとは、聖遺物と呼ばれる超古代の異端技術の結晶たる武具の欠片が歌によって活性化し、鎧となった物であること。

・シンフォギアの適合者と呼ばれる者たちが【装者】と呼ばれていること。

・ギアの特性の1つである【バリアコーティング機能】によってノイズの侵食を防護していること。

・シンフォギアは待機状態になると、赤いペンダントに変わること。

計4つを了子が簡単にまとめて、戒斗と響に説明した。

しかし、その説明を聞いても戒斗の疑問は晴れなかった。

 

「櫻井了子………」

 

「何かしら?」

 

「先程の話を聞く限り、シンフォギアは風鳴と天羽が持つペンダントであること。ならば、何故立花は纏えた?」

 

「そ、そうですよね‼なんであたし、シンフォギアを纏えたんですか?」

 

「いい質問ね♪じゃあ、コレを見て」

 

戒斗と響の疑問の声を聞いた了子は、1枚のレントゲン写真を映像に出した。

そのレントゲン写真は響のものであった。

 

「心臓付近に複雑に食い込んでいるため、手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、第3号聖遺物【ガングニール】の破片だと判明したわ」

 

了子の言葉に、戒斗以外のメンバーが目を見開き、戒斗は「やはりそうか」と呟き目を閉じた。

 

「……あの、この力のこと、やっぱり誰かに話しちゃいけないんでしょうか?」

 

弦十郎に聞く響であったが、弦十郎は首を横にふる。

 

「君がシンフォギアの力を持っている事を何者かに知られた場合、君の家族や友人、周りの人間に危害が及びかねない。命に関わる危険すらある」

 

「命に……関わる……‼」

 

弦十郎の話を聞いて、衝撃を受けたように固まる響。

 

「俺たちが守りたいのは機密などではない。人の命だ。そのために力の事は隠し通してもらえないだろうか?」

 

「あなた達に秘められた力は、それ程大きな物であることを分かってほしいの」

 

弦十郎と了子に言われ、自分の周りにどんな影響をもたらすか理解する響。

その響に、弦十郎は頼み込んだ。

 

「日本政府特別災害対策機動部二課として、改めて頼みたい。立花響くん。君の宿した力を対ノイズ戦に役立ててくれないだろうか?」

 

「……はい‼分かりました‼」

 

弦十郎の頼みに、躊躇なく返事する響。

その響に対し、戒斗が口を挟む。

 

「立花……貴様はその決断が何を意味するのか分かっているのか?」

 

「誰かを自分の力で助けられるってことですよね?これって凄い人助けですよね‼私にしかできない人助けができるんですよね‼」

 

「……………………」

 

響の発言になにも言えなくなってしまった戒斗。

その時

 

―ヴィーンヴィーン―

 

「ッ⁉警報⁉」

 

「こちら友里‼…………はい……はい……分かりました‼司令‼ノイズが出現したそうです‼」

 

「分かった‼翼‼奏‼現場に急行してくれ‼」

 

「「了解‼」」

 

警報が鳴り、ノイズが現れたことを聞いた弦十郎は翼と奏に現場へ行くよう指示を出す。

そして弦十郎は戒斗に視線を向ける。

 

「戒斗くん、すまないが」

 

「分かっている」

 

そう言った戒斗は、翼と奏の後を追ってメディカルルームを出ていった。

出ていく戒斗を見送る弦十郎。

その時

 

「あの、私も行きます‼」

 

突然響が、自分も行くと言い出した。

 

「しかし」

 

「私の力が誰かの助けになるんですよね‼シンフォギアか戒斗さんの仮面ライダーの力でしかノイズを倒せないんですよね‼だから行きます‼」

 

響は弦十郎の許可を聞くことなく、メディカルルームを出ていき、現場へと向かった。

 

 

数分後、 先に向かった翼と奏はシンフォギアを纏ってノイズと戦っていた。

 

「今日はやけに多い…………な‼」

 

『『『$∞&%¢#§℃』』』

 

「ああ‼そうだ……な‼」

 

『『『%§¢℃$∞#』』』

 

次々とノイズを倒していく翼と奏の2人。

その2人に、背後から大型のノイズが近づいてきていた。

しかし

 

「セイー‼」

 

『¢&§%℃$∞#』

 

「「戒斗⁉」」

 

バロンバナナアームズへと変身した戒斗が、大型のノイズを貫き、翼と奏の元に着地した。

 

「戒斗、サンキュー‼」

 

「すまない、助かった‼」

 

「礼など不要だ。速攻で倒すぞ‼」

 

「「おう‼」」

 

戒斗の言葉に返事をした奏と翼は、戒斗と共に駆け出そうとしたその時

 

『§℃∞$¢&%#』

 

「ちっ‼」

 

もう一体大型のノイズが現れ、3人に襲いかかろうとしていた。

しかし

 

「はぁああああ‼」

 

『℃$&¢§∞%#』

 

「ッ⁉」

 

「あいつは⁉」

 

「立花⁉」

 

戒斗たちの後に出てきた響が、ガングニールを纏って大型のノイズに蹴りを入れ、大型のノイズを倒した。

大型のノイズを倒した響はそのまま戒斗たちのそばに着地した。

 

「立花、何故来た⁉」

 

「私も一緒に戦います‼はぁああああ‼」

 

「お、おい‼たくしょうがねぇなぁ‼翼フォローするぞ‼」

 

「あ、ああ‼」

 

「……………………」

 

1人突っ込む響のフォローをするために奏と翼が続く。

残った戒斗は、1人周りにいたノイズを撃退していく。

 

その数分後、4人はノイズを全て撃退することに成功した。

 

「いや~何とか倒せましたね~」

 

「まったく、無茶をする」

 

「今後はあたしらの指示を聞けよ?」

 

「は~い‼」

 

「そんじゃ本部に戻るか。行くぞ戒斗」

 

「……………………」

 

戦いを終え、談笑するシンフォギア装者たち。

奏が本部に戻ろうと戒斗に言うが、戒斗は動こうとしない。

 

「戒斗?」

 

「戒斗さん?」

 

「どうしたんだよ戒斗?」

 

戒斗が動かないことを不思議に思った3人。

気になった響が、戒斗に近づく。

 

「戒斗さん?どうしたんですか?」

 

「…………ふん‼」

 

「うわっ⁉」

 

「「なっ⁉」」

 

近づいてきた響に、戒斗はいきなりバナスピアーで攻撃を仕掛ける。

その攻撃を響はギリギリで交わし、見ていた奏と翼は驚きを隠せなかった。

 

「な、なにするんですか⁉戒斗さん⁉」

 

「戒斗、なんのつもりだ⁉いきなり立花を攻撃するなど⁉」

 

「貴様ら2人は黙っていろ。ハァッ‼」

 

「わわっ⁉」

 

「ふん‼」

 

「がっ⁉」

 

「ダァッ‼ハッ‼」

 

「ぐっ⁉がはっ⁉」

 

戒斗による攻撃で地面へと転がる響。

その響に追い討ちをかけようと響に近づいていく戒斗の前に、奏が響を守るように立つ。

 

「もうやめろよ戒斗‼なんであいつを攻撃するんだよ‼」

 

「言ったろ、貴様らは黙ってろと」

 

「いいや黙らない‼目の前で傷つく奴を見て、黙ってられるか‼」

 

そう言った奏はアームドギアである槍を構える。

 

「やめてくれ戒斗。あたしはあんたを攻撃したくない‼だから頼む‼」

 

「……断る」

 

「…………なら‼」

 

戒斗の返事を聞いた奏は、戒斗に向かって駆け出し槍を振り下ろそうとしたが

 

―ガギン‼―

 

「なっ⁉」

 

「奏‼」

 

「……………………」

 

戒斗は奏の槍を弾き飛ばした。

武器を失った奏を押し退け、いつの間にか立ち上がっていた響に向かって歩き出す戒斗。

 

「か、戒斗さん‼どうしたんですか⁉なんでこんなことするんですか⁉」

 

「………………ふん‼」

 

「うわっ⁉」

 

響への返事の代わりに攻撃する戒斗。

その戒斗の攻撃をまたもギリギリで避ける響。

しかし

 

「ハァッ‼」

 

「がっ⁉」

 

戒斗の左足による蹴りをくらい地面へと転がる響。

その時、響のシンフォギアが解除され制服姿へと戻ってしまう。

その状態の響の真上に立つ戒斗。

 

「か、戒斗さん……?」

 

「……………………」

 

響の呼び掛けに答えず、ゆっくりとバナスピアーを構える。

そして

 

「ふん‼」

 

「ッ⁉」

 

「「響(立花)⁉」」

 

戒斗はおもいっきり、バナスピアーを真下へ突き刺した。

暫くの沈黙が続き、戒斗はバナスピアーを引抜き、変身を解除した後、ローズアタッカーを展開しまたがる。

 

「おい戒斗‼お前自分が何をしたのか分かってるのか⁉」

 

「……………………」

 

「なんとか言えよ‼人殺し‼」

 

「……………………」

 

戒斗は奏の言葉を無視して、ローズアタッカーに乗ってその場から立ち去った。

その戒斗に見損なった奏は、直ぐ様響に駆け寄る。

 

「おい響‼しっかりし……ろ…………」

 

「か、奏…………さん」

 

響に駆け寄った奏は、響の顔に傷がないのを見て驚いた。

 

「お前……どこも刺されてないのか?」

 

「は、はい。戒斗さん、私じゃなくて、地面に突き刺したようで」

 

「えっ?」

 

響に言われ、地面に目を向ける奏。

するとそこには、バナスピアーでつけられた穴があった。

 

「なんで…………」

 

「恐らく、戒斗には立花を最初から殺すつもりはなかったのだろう」

 

「翼……」

 

何故戒斗が、響にバナスピアーを突き刺さなかったのか疑問に思っている奏に、翼が駆け寄ってくる。

 

「翼…………今のはどういう」

 

「話は後にしましょう奏。先ずは立花を本部に連れて行きましょう」

 

「あ、ああ。響、立てるか?」

 

「は、はい」

 

ふらふらと立ち上がる響を支えながら、奏と翼は本部へと戻っていった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗が何故、響に攻撃したのか明らかになり、オリジナルロックシードが出ます。

次回も是非読んでください‼

また、アンケートの方もよろしくお願いします‼


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Song8:戒斗と奏の力

大変長らくお待たせしました‼

今回の話では、戒斗が新たな力を使います‼
そして、二課の前に奴が現れます‼

それでは本編スタートです‼


ノイズが出現した現場から戻ってきた響は、戒斗による攻撃でどこも異常がないか検査していた。

 

「うん。どこにも異常はないわね」

 

「ホントか了子さん⁉良かったな響‼」

 

「…………はい」

 

異常がないことを聞いて喜ぶ奏であったが、戒斗に攻撃された響は元気がなかった。

 

「あいつのこと気にしてるのか?気にすることなんてないよ。あんな奴のことなんか」

 

「しかし、彼が理由もなく響くんを攻撃するとは思えん」

 

「ただたんに響が気に入らなかっただけだろ?」

 

『そんな理由じゃないよ、天羽奏くん?』

 

「「「「「「ッ⁉」」」」」」

 

突然聞こえた声に驚き、警戒する奏たち。

すると、奏たちの目の前に光る扉が現れ、そこから一人の男――アルマが出てきた。

 

「な、何者だ⁉」

 

「初めまして特異災害対策機動部二課の皆さん。僕の名前はアルマ。彼を……戒斗をこの世界に送り込んだ張本人さ」

 

「ッ⁉あなたが戒斗くんを⁉」

 

「そうだよ、風鳴弦十郎くん」

 

「おいあんた‼」

 

「ん?」

 

アルマが弦十郎に自分のことを説明していると、奏がアルマに食って掛かった。

 

「なんであんな奴をこの世界に送ったんだよ⁉あいつのせいで響は痛い思いをしたんだよ‼」

 

「彼があんなことをしたのは、全部立花響くんのためだよ」

 

「えっ?」

 

「はぁ⁉どういう意味だよ⁉」

 

「簡単なことなんだけどな~。君は理解してるよね?風鳴翼くん」

 

「……………………」

 

アルマに聞かれた翼は、無言のまま響に近寄る。

 

「立花」

 

「は、はい‼」

 

「戒斗と戦って、何を感じた?」

 

「えっ?」

 

「何を感じた?戒斗に攻撃され、お前は何を感じた?」

 

「……………………」

 

「お、おい翼「奏は黙ってて」…………」

 

しばらくの沈黙が続き、ようやく響が口を開いた。

 

「怖かった…………です。もしかしたらこのまま死んじゃうんじゃないかって」

 

「そう。戒斗が立花を攻撃したのは、それを分からせるため」

 

「えっ?」

 

「ッ⁉まさか⁉」

 

「奏も気づいた?彼は、立花に分かってほしかったのよ。戦うということが、どういうことを意味するのか」

 

「どういうことを…………意味するのか?」

 

翼の言ってる意味が理解できなかった響。

その響に、今度はアルマが説明する。

 

「立花響くん。戒斗は君に、戦うとは命を亡くし、相手の命を奪いかねないことを伝えたかったんだよ」

 

「命を亡くす?奪う?」

 

「君のその力は確かに誰かを守れる力だ。だが同時に、君の力は相手の命を奪いかねないし、その力を恐れて誰かが君や君の友人の命を奪う可能性を持ってるんだ」

 

「ッ⁉じゃあ戒斗さんは、私にそれを分からせるために⁉」

 

「じゃあ戒斗は、最初から響を殺すつもりは⁉」

 

「もちろんなかったよ。あったら、とっくに死んでるよ」

 

「「「「「「……………………」」」」」」

 

アルマに言われ、顔を俯かせる二課のメンバーたち。

すると奏が顔を上げ、アルマに聞いた。

 

「じゃあなんで、戒斗はあんなことしたんだよ⁉話せば分かるだろ⁉」

 

「確かに、話せば分かることだ。だけど彼は不器用だし、彼の過去が、そうしてしまったんだよ」

 

「過去?」

 

「では語ろうか。駆紋戒斗という一人の物語を」

 

そう言ったアルマは、奏たちに戒斗の過去を話した。

話を聞いた物たちは、ある者は泣き、ある者は顔を俯かせた。

 

「ひぐっ…………ひぐっ…………」

 

「まさか、彼にそんな過去があったなんてね」

 

「我々は思い違いをしていたな。彼の背負う物が、こんなにも大きい物だとは」

 

「ッ⁉」

 

「奏⁉」

 

話を聞いた奏はその部屋から出ていき、外に置いてあったバイクに乗って、戒斗を探しに向かった。

 

(戒斗…………ごめん‼あたしあんたに酷いことを言った‼謝りたい‼謝らないとあたし……一生後悔する‼)

 

そう思いながらバイクのスピードを上げる奏。

だがその時

 

『『『『『§∞☆¢&$%#℃』』』』』

 

「ッ⁉ノイズ⁉」

 

道路にノイズが大量に出現した。

奏はノイズを避けながら突き進むが

 

『$#☆¢§∞℃』

 

「しま――⁉」

―ドガァアアアアアアアン‼―

 

「うわぁああああああ⁉」

 

ノイズの攻撃がバイクに命中し、バイクの爆発と共に上空に吹き飛ばされてしまう奏。

すぐにガングニールを纏おうとした奏だったが、ノイズが奏に襲いかかる。

 

(ま、まずい⁉間に合わない⁉)

 

もう駄目だと、奏が諦めたその時

 

「ハァッ‼」

 

「∞§#$℃¢〒¥⁉」

 

「えっ?…………か、戒斗⁉」

 

バロン バナナアームズへと変身した戒斗が、バナスピアーでノイズを倒し、地面に着地してから落ちてきた奏をキャッチした。

 

「怪我はないな?」

 

「…………えっ?あ、ああ」

 

「まったく…………貴様それでも戦士か?本来なら、バイクに乗ってる際にシンフォギアを纏うのが普通だろ?」

 

「…………て」

 

「ん?」

 

「だって、戒斗に早く会いたいと…………謝りたいと思ったから」

 

「俺に謝る…………だと?……ッ⁉ちぃっ‼」

 

「§%#$℃¢〒⁉」

 

奏の言葉に、首を傾げる戒斗。

その時、ノイズが2人に襲いかかってきた。それに気づいた戒斗はバナスピアーでノイズを凪ぎ払う。

 

「天羽、話は後だ‼今はコイツらを「あたし、あんたのこと何も分かってなかった‼」だから話は後だと…………ん?」

 

戒斗は奏に話をやめさせようとしていた時、急にノイズたちが動かなくなった。

 

「(コイツら…………何故急に動かなくなった?まさか……)「戒斗」なんだ天羽?」

 

「あんたの過去に何があったのか、アルマって奴から聞いた」

 

「ちっ‼アルマの奴、余計なことを」

 

「あんたの過去を聞いてあたし、自分が情けなくなっちまった。なんも知らないあたしが、あんたのことを人殺しって言って…………情けなすぎるよ」

 

「……………………」

 

「戒斗…………あんたのことを何も知らずあんなこと言って、ごめ「気にしていない」……えっ?」

 

「気にしていない、と言ったんだ。二度も言わせるな」

 

奏は戒斗の「気にしていない」という発言に、耳を疑った。

 

「な、なんでだ⁉あたしは戒斗に酷いことを⁉」

 

「あの程度のことを気にしていたら、戦うことなどできん」

 

「あ、あははは…………なんだ……気にしてたのあたしだけか」

 

「そうだ。気にしなくていいことを、貴様は気にしてノイズに殺されかけた」

 

「あはは…………ストレートに言うな……」

 

「だが、そこが貴様の長所なのだろうな」

 

「えっ?」

 

またも戒斗の意外な発言に耳を疑う奏。

対して戒斗は、ノイズに向けていた体を奏に向けた。

 

「貴様のそういった、思ったことを実行に移し、言う。これは誰もができるわけではない。その貴様の行動力で救われた命がある。そこは、誇ってもいいと……俺は思う」

 

「戒斗…………」

 

戒斗の言葉を聞いて、嬉しくなり瞳から涙が出てくる奏。

 

「まぁ、多少じゃじゃ馬だがな」

 

「おまっ⁉人がせっかく感動してる時にそういう事言うか⁉」

 

「知るか。感動してる貴様が悪い」

 

「なんだよそれ⁉…………たく……まぁでも、おかげでスッキリした」

 

涙を拭った奏は戒斗の隣までいき、何かを決意したような顔をする。

 

「あたしはこれからも、思ったことを言うし、思ったら行動する‼それで誰かを傷つけて恨まれたりしても、誰かを救えるなら、あたしはあたしを貫く‼戒斗、あんたみたいにな‼」

 

「…………ふん」

 

「ただ、あたしが暴走したり、間違った道を進もうとしたそん時は、あたしの手綱を引っ張ってくれよ?戒斗♪」

 

「ふっ…………いいだろう」

 

「ああ‼」

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

そう言って、詠唱を唱えてガングニールを纏い、アームドギアを構える奏。

すると、突然アームドギアが光だした。

 

「な、なんだ⁉」

 

「これは⁉」

 

アームドギアが光り、驚く奏と戒斗。

すると、アームドギアから放たれる光が一か所に収束され、小さな光となって戒斗の手に収まり、ロックシードへと変わった。

 

「コレは⁉」

 

「あたしとアームドギアが描かれたロックシード?」

 

アームドギアから出てきたのは、奏と奏が使うアームドギアが描かれたロックシードであった。

 

「使ってみるか」

 

《ガングニール‼奏‼》

 

戒斗がロックシードのスイッチを押す。

が、クラックが開きアームズが出てくることはなかった。

 

「あれ?失敗か?」

 

「いや……違う」

 

《ロック・オン》

《カモン‼ガングニール・奏アームズ‼》

《ソング・オブ・ガングニール‼スピアー‼》

 

戒斗がロックシードをはめ、カッティングブレードを倒すと、ロックシードから無数の光が放出される。

すると、無数の光が奏が纏うガングニールのアーマーへと変わり、戒斗の体に装着されバロンの赤い部分が橙色へと変わる。

そして最後の光が奏が持つアームドギアへと変わり、戒斗はアームドギアを手に取り、戒斗は【仮面ライダーバロン ガングニールアームズ】へと変わった。

 

「おお‼あたしと同じガングニール‼」

 

「おもしろい。行くぞ…………奏」

 

「ッ⁉……ああ‼」

 

戒斗が奏の名を呼んだこと事に一瞬驚く奏だったが、直ぐ様返事をし、ノイズへと向かっていった。

それを確認したノイズは再び動き出した。

 

「はぁああああああ‼」

 

『『『『『§¥℃¢〒$#⁉』』』』』

 

「~~♪~~~♪~~♪」

 

『『『『『¢$#〒¥§℃⁉』』』』』

 

奏は歌を歌いながら、戒斗と共にノイズを倒していく。

その動きは、長年共に戦ってきた戦友のような、互いにフォローしあうナイスなコンビネーションだった。

 

『$〒¢#¥§℃』

 

「ッ⁉奏、跳べ‼」

 

「ッ⁉よっと‼」

 

巨大なノイズが2人に向かって液体を放出するが、攻撃に気づいた戒斗の掛け声で、奏は戒斗と共に上空に跳んで、攻撃を回避した。

 

「奏、決めるぞ‼」

《カモン‼ガングニールスカッシュ‼》

 

「ああ‼いくぜ‼」

 

『『LAST∞METEOR』』

 

「「はぁああああああああ‼」」

 

『℃¢#¥〒§$⁉』

 

戒斗と奏は、巨大ノイズに『LAST∞METEOR』を同時に放ち、巨大ノイズを撃破した。

地面に着地し、辺りを見渡してノイズがいないことを確認した戒斗は変身を、奏はシンフォギアを解除した。

 

「やったな戒斗♪」

 

「……ああ」

 

「なんだよ~。もっと喜べよ~‼」

 

奏はノイズを撃退できたことに喜んでいたが、戒斗だけは素直に喜べていなかった。

 

(あのノイズ、普段とは違い俺たちが話している時は動きを止め、動き出した瞬間にまた動き出した。今回のノイズ、やはり誰かが操っていたとしか考えられん。だとすると、今までのノイズは…………)

 

戒斗は先程までのノイズの行動に、違和感を感じていた。

その時

 

―ギュルルルルル―

 

「ん?」

 

「あ、あははは////悪い////安心したら腹減っちまった////」

 

「貴様という奴は…………」

 

「し、しょうがないだろ⁉////腹が減るのは人間として普通「受けとれ」おっとっと」

 

奏のお腹が鳴り、戒斗は考えるのをやめ、呆れながら奏を見てローズアタッカーを展開し、落ちていた奏が着けていたヘルメットを投げ渡した。

そして戒斗は、自分のヘルメットを被りローズアタッカーにまたがる。

 

「……早く乗れ」

 

「えっ?」

 

「腹が減ったんだろ?奢ってやる」

 

「マジか⁉ありがとう戒斗♪」

 

奏は直ぐ様、戒斗の後ろに乗り、必要以上に戒斗に密着する。

 

「密着しすぎではないか?」

 

「いいんだよ♪あたしはあんたにくっつきたいんだからさ♪」

 

「意味が分からん…………行くぞ」

 

「おう♪」

 

戒斗は奏に密着されたまま、ファミレスへと向かった。

 

 

 

 

 

 

同時刻、崖の上で戒斗と奏がローズアタッカーで走り去って行くのを見ていた者がいた。

 

「まさか、あの男がこの世界にいたとはな。あの女と組んで正解だったな。駆紋戒斗、貴様には私のためにいずれ礎になってもらう」

 

そう言った謎の人物は、その場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、特異災害対策機動部二課では

 

「それで、話というのは?」

 

「まぁまぁそんな警戒しないで」

 

アルマが弦十郎を通路に呼び出していた。

 

「実は、戒斗の心を動かした君に興味を持ってね」

 

「戒斗くんの心を動かした?俺がですか?」

 

「うん。本来の戒斗なら、君に頼まれても名前を教えなかったはずだからね。その彼が、君たちに名前を教えた。これは、君が戒斗の心を動かした証拠さ」

 

「はぁ」

 

「そんな君にプレゼントを用意したんだよ♪」

 

「プレゼント?」

 

「コレさ」

 

そう言ったアルマはどこからともなくアタッシュケースを取り出し、ケースを開いて弦十郎に見せた。

それを見た弦十郎は、目を見開く程に驚いた。

 

「こ、コレは⁉」

 

「いずれ君も戦う時が来る。その時に、コレを使ってほしい」

 

「……何故、俺に?」

 

「正直、この世界で戒斗を助けてくれそうなのが君だけだからかな?」

 

「俺が?」

 

「そういうこと♪まぁ、使うかどうか君に任せるよ♪じゃあね♪」

 

そう言ってアルマは光に包まれて、その場から消えた。

残された弦十郎は、しばらくの間その場で棒立ちとなり、通りすぎかかった緒川に声をかけられてから、ケースを持って自宅へ帰った。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回はいよいよ、あの娘と戒斗を殺しそうとする者が現れます‼
そして、戒斗がある力を使います‼

次回も是非読んでください‼


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Song9:現れるネフシュタインと黒き果実

大変長らくお待たせしました‼

今回は戒斗たちがある2人と遭遇します‼

それでは本編スタートです‼


戒斗が新たな力を手にしてから1ヶ月の月日が流れた。

あれ以降、奏は戒斗に必要以上に接触したり、戒斗の家に押しかけるなどしていた。

そして響は、やはり二課に入ることを選び、訓練の日々を送っていた。

 

そしてある日、戒斗は変装した奏と街の中を歩いていた。

 

「何故俺が、貴様の買い物に付き合わなくてはならないんだ?」

 

「いいじゃないか♪あたしは戒斗と一緒に買い物できて楽しいよ♪」

 

「……果たして、俺なんかといて、何が楽しいんだか」

 

「何がって、あたしは戒斗といるだけで楽しいよ♪それに……」

 

 

「それに?」

 

「それに……好きな人と一緒にいたいと思うのは当たり前だろ♪」

 

そう、奏は戒斗に助けられて以降、戒斗に惚れてしまっている。

あの日の帰りに、戒斗に家まで送ってもらった奏は、思いきって戒斗に告白し、戒斗の唇にキスしたのだ。

だが戒斗は、その告白の答えを保留にしていた。

 

「…………奏……俺は……」

 

「待った‼言ったろ?いつまでも待ってるって。だから、じっくり考えてから答えを聞かせてくれ」

 

「…………分かった」

 

「よし‼んじゃ次はあそこに行こう♪」

 

奏は戒斗と無理やり腕を組み、戒斗を引っ張っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、空はオレンジ色に染まり、戒斗と奏は公園のベンチに座っていた。

あの後、戒斗は奏と共に服を見たり、ゲームセンターで遊んだり、昼食にハンバーガーを食べたりなど、奏と一日中、街を回った。

そして戒斗たちは、休憩をかねて、公園に来てベンチに座っていたのだ。

 

「ん~~‼楽しかった~‼」

 

「そうか」

 

「なんだよその反応は?あたしといて楽しくなかったか?」

 

「…………まぁ、退屈はしなかったな」

 

「くぅううう‼なんだよそれ‼今度は絶対楽しかったって言わせてやる‼」

 

奏はベンチから立ち上り、戒斗を指さしながら言った。

するとその時

 

―pipipipipipi―

 

「ッ⁉この音は⁉」

 

「…………現れたか」

 

戒斗と奏が持つ、二課から渡された通信機の緊急事態を知らせる音が鳴り響いた。

戒斗と奏は同時に通信機を取り出し、通話状態にする。

 

『聞こえるか戒斗くん⁉奏⁉』

 

「聞こえている」

 

「弦十郎の旦那、ノイズが現れたのか⁉」

 

『ああ‼2人がいる場所の付近と、駅の付近の2ヶ所に現れた‼直ちに現場に向かってくれ‼』

 

「2ヶ所同時にかよ⁉どうする戒斗?」

 

「……奏、LINKERは打ってるか?」

 

「一応打ってるけど?」

 

「なら貴様は、この付近のノイズを倒せ。俺は今から駅に向かう」

 

戒斗はそう言うと、待機状態のローズアタッカーを展開し跨がった。

 

「片づいたら、すぐに援護に向かう」

 

「バ~カ‼逆にあたしが助けに行くよ‼」

 

「ふっ…………楽しみにしてる」

 

そう言って戒斗がヘルメットを被ろうとしたその時

 

「戒斗‼」

 

「ん?なんd「ん…………」―――ッ⁉」

 

奏が戒斗を呼んで、戒斗にキスをした。

 

「……奏」

 

「えへへ♪お守りだ♪」

 

そう言った奏は、ノイズが現れたポイントへと向かい、戒斗もヘルメットを被って、もう1つのポイントに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、戒斗はノイズが現れたもう1つのポイントに来ていた。

 

「こちら戒斗、ノイズの姿が見えないが」

 

『連絡が遅くなってすまない‼先程響くんが現場に到着し、地下鉄内で戦っている‼』

 

「了解した」

《バナナ‼》

 

「変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

弦十郎から話を聞いた戒斗は、戦極ドライバーを装着し、バナナロックシードで、仮面ライダーバロン バナナアームズへと変身し、地下鉄内へと入っていく。

すると、中では響が必死にノイズと戦っていた。

 

「立花‼」

 

「えっ?戒斗さん⁉」

 

「しゃがめ‼」

 

「えっ?うわわ⁉」

 

「ハァッ‼」

 

『#&*〒℃∞¢§¥⁉』

 

戒斗は響にしゃがむように言い、響がしゃがむのと同時に響の後ろにいたノイズを撃退した。

 

「戒斗さん、来てくれたんですね‼ありがとうございます‼」

 

「礼は後だ‼コイツらを倒した後だ‼」

 

「はい‼お前たちの……お前たちのせいで‼未来との約束がぁあああ⁉」

 

『『『『『$γ℃∞¢§&〒〒℃⁉』』』』』

 

「ッ⁉立花⁉」

 

急に響の様子が変わり、まるで獣のようにノイズを撃退していく。

戒斗は響の変わりように、驚きを隠せなかった。

そして響は、一体のノイズを追いかけていった。

 

「待て立花⁉」

 

『『『『『#∞%§¢$¥*&〒℃』』』』』

 

「くっ⁉邪魔だ‼」

 

響を追いかけようとする戒斗だったが、ノイズたちに妨害される。

 

「地下じゃバナナアームズは使いづらいか……ならば‼」

 

すると戒斗は、1つのロックシードを取り出した。

 

「葛葉…………貴様の力……使わせてもらうぞ‼」

《オレンジ‼》

《ロック・オフ ロック・オン》

《カモン‼オレンジアームズ‼》

《花道・オン・ステージ‼》

 

戒斗はオレンジロックシードを起動させ、戦極ドライバーにはめカッティングブレードを倒した。

それにより、クラックから現れた【オレンジアームズ】が戒斗に被さり、アーマーに展開され、戒斗の手には専用武器である【大橙丸】が握れて、戒斗は【仮面ライダーバロン オレンジアームズ】へと変わった。

 

「ふん‼ハァッ‼タァッ‼」

 

『『『『『&$¥#%∞$§¢¥⁉』』』』』

 

「ハァアアアアア‼」

 

『『『『『*¢&℃〒$§∞#%¥⁉』』』』』

 

戒斗は大橙丸で、次々と斬りさいていく。

そして

 

「コレで終いだ‼」

《カモン‼オレンジスカッシュ‼》

 

「セイー‼」

 

『『『『『#℃$*&¢〒#¥∞%⁉』』』』』

 

戒斗はカッティングブレードを倒し、大橙丸にエネルギーを蓄積させ、ノイズに放ち撃退した。

 

「今ので最後か。司令部、立花の位置は?」

 

『戒斗さん、友里です‼今すぐ2番通路から地上に上がってください‼緊急事態です‼』

 

「分かった」

 

戒斗はあおいの指示に従い、地上に向かった。

地上に着くと辺りは暗くなっており、響と翼がいた。

そして翼は、対峙するように1人の少女と向かいあい、相手の少女を見て驚いていた。

 

「ネフシュタインの鎧⁉」

 

「へぇ……てことは、この鎧の出自知ってんだ?」

 

「2年前、私の不始末で奪われた物を忘れるものか‼」

 

(2年前……まさかあのライブに関係しているのか?)

 

翼の言葉を聞いて、戒斗は2年前のライブのことを考える。

すると翼は、アームドギアである刀を構えた。

 

「やめてください‼翼さん‼相手は人です‼人間です‼」

 

「「戦場で何をバカなことを⁉」」

 

響が翼と少女の戦いを止めようとするが、2人は同じ言葉を言い放ち、やめようとしなかった。

 

「……ッ⁉どうやら、あなたとは気が合いそうね?」

 

「だったら、仲良くじゃれあうかい‼」

 

そう言って少女が翼に向かって飛び出す。

だが

 

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「ッ⁉ちぃっ⁉」

 

「ッ⁉戒斗か⁉」

 

「邪魔をしてすまなかったな」

 

戒斗がバナナアームズへとアームズチェンジを行い、外れて元の形に戻ったオレンジアームズを、少女に向かって蹴り飛ばした。

それに気づいた少女は後ろへ後退し、オレンジアームズを避けた。

 

「ちっ‼テメェがバロンか」

 

「ほぅ……俺のことを知ってるのか?」

 

「まぁな」

 

「戒斗‼あの者は私が相手する‼」

 

「分かっている。だが用心しろ。あの女もだが、あの纏っている鎧……相当な物だ」

 

「心得た‼」

 

「はんっ‼2人まとめてぶっ飛ばしてやる‼」

 

そう言って、少女は戒斗と翼に向かって飛び出した。

その時

 

「ッ⁉ちぃ‼立花伏せろ‼」

 

「えっ?うわわ⁉」

 

「なっ⁉」

 

「うわっ⁉」

 

―ドガァアアアアアン―

 

戒斗は自分たちに何かが向かって来ていることに気づくと、響にしゃがむように指示をし、翼を抱き寄せた後、向かってきた少女を突き飛ばし、その場から上空にジャンプした。

すると、戒斗たち4人を同時に攻撃できるようなエネルギーの刃が、戒斗たちがいた所を通りすぎ、後方にあった木に当たって爆発した。

 

「大丈夫か風鳴?」

 

「あ、ああ。ありがとう戒斗」

 

「立花、怪我はないな?」

 

「は、はい‼大丈夫です‼」

 

「貴様も、怪我はないな?」

 

「な、なんであたしまで助けた‼」

 

「ただの気まぐれだ。だが、放った奴は気まぐれではなさそうだがな」

 

「「「えっ?」」」

 

―ザッザッ―

 

戒斗がそう言うと、暗闇の中から、段々と戒斗たちに近づいてくる足音が聞こえてくる。

すると月を被っていた雲が晴れ、月の光によってその近づいてくる人物が照らされた。

 

「なっ⁉テメェは⁉」

 

「えっ⁉なんで⁉」

 

「仮面……ライダー…………」

 

月に照らされた人物は、戒斗と同じ戦極ドライバーを着け、黒い鎧を身につけた仮面ライダーであった。

そしてその仮面ライダーは、翼たちを気にもせず、真っ直ぐに戒斗を見た。

 

「流石だ、駆紋戒斗。流石は黄金の果実を手にした男、葛葉紘太と渡り合った、オーバーロードの力を手にした男だけのことはある」

 

「貴様…………何者だ?」

 

「ふふ‼教えてやろう‼我が名はコウガネ‼またの名を仮面ライダー邪武‼黄金の果実だった者だ‼」

 

現れたのは、葛葉紘太こと仮面ライダー鎧武と呉島光実こと仮面ライダー龍玄に倒され、消えたはずのコウガネこと仮面ライダー邪武ダークネスアームズであった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は、戒斗が邪武と戦い、戒斗がアルマからもらった物を使います‼

次回も是非読んでください‼


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Song10:戒斗vsコウガネ バロンの新たな力

お待たせいたしました‼

今回は戒斗とコウガネが戦い、バロンに新たな力が混ざります。

それでは本編スタートです‼


「黄金の果実だった者だと?」

 

戒斗は、コウガネの言っている意味が分からなかった。

 

「そうか、そういえば、元の世界の貴様は、私の事を知らなかったな」

 

「……貴様が何を言っているのか分からんが、少なくとも、貴様を野放しにしてはいけないのは確かだな」

 

戒斗はそう言ってバナスピアーを構えた。

だがその時

 

「オラッ‼」

 

「なっ⁉」

 

「えっ⁉」

 

「ちっ‼」

―ガギン―

 

ネフシュタインの鎧を纏った少女が、装備してある鞭のような武器で、コウガネに攻撃した。

コウガネはその攻撃を【ダーク大橙丸】で防いだ。

 

「……どういうつもりだネフシュタイン?」

 

「どうもこうもあるか‼テメェ、あのエネルギーの刃、こいつが気まぐれで押さなかったら、あたしに当たってたんだぞ⁉」

 

「それはすまなかったな。以後気をつける。それより、貴様の目的を果たさなくて良いのか?」

 

「うるせぇ‼テメェに言われなくても分かってんだよ‼」

 

そう言った少女は、戒斗たちに体を向けて構えた。

 

「戒斗、奴は私が倒す」

 

「分かった…………1つ言っておくぞ」

 

「なんだ?」

 

「…………信じてるぞ……翼」

 

「ッ⁉……ああ‼」

 

「立花、貴様はどこかに隠れていろ」

 

「で、でも‼」

 

「おおっと‼そうはさせねぇよ‼」

 

そう言った少女は、杖のような物を取り出した。

そしてその杖から光が放たれ、その光がノイズへと変わった。

 

「なっ⁉ノイズを生み出した⁉」

 

「…………立花、貴様はノイズを相手しろ」

 

「は、はい‼」

 

「では私は、駆紋戒斗、貴様と戦うとするか」

 

「無論、そのつもりだ」

 

「では…………行かせてもらおう‼」

 

「ッ‼」

 

そう言ったコウガネは、ダーク大橙丸を構えて戒斗に向かって走り出す。

戒斗も続くかのように、バナスピアーを構えて走り出した。

翼たちも、戒斗が走り出したと同時に走り出した。

 

「ハァアアアア‼」

 

「ふん‼」

 

―ガギン‼ガギン‼―

 

戒斗とコウガネは互いの武器をぶつけ合う。

 

「流石だ駆紋戒斗。オーバーロードの力を手にした男だけのことはある‼」

 

「貴様…………黄金の果実だった者と言っていたが、どういう意味だ?」

 

「ハッ‼」

 

「ちぃッ⁉」

 

質問する戒斗を、コウガネは弾き飛ばす。

 

「教えてやろう…………私に勝てたらな」

《ソイヤ‼ダークネスオーレ‼》

 

「ふん…………シンプルでいい」

《カモン‼バナナオーレ‼》

 

「「はぁあああ…………」」

 

互いにカッティングブレードを2回倒し、互いの武器にエネルギーを蓄積する戒斗とコウガネ。

そして

 

「ハァアアアア‼」

 

「セイー‼」

 

エネルギーが蓄積された互いの武器をぶつけ合う。

すると

 

「ハァアアアア‼」

 

「がぁあああああ⁉」

 

まさかの戒斗が、コウガネとのぶつかり合いに負け、吹き飛ばされてしまった。

 

「ば、ハカ……な……‼」

 

「ふふふ……もう終りか?」

 

「くっ‼まだだ‼」

《ガングニール‼奏‼》

《ロック・オフ ロック・オン》

《カモン‼ガングニール・奏アームズ‼》

《ソング・オブ・ガングニール‼スピアー‼》

 

戒斗はバナナロックシードを取りはずし、前回手に入れた新たなロックシードである【ガングニールロックシード・槍】を取りつけ、ガングニールアームズを纏った。

 

「ハァアアアア‼」

 

ガングニールアームズを纏った戒斗は、アームドギアでコウガネに斬りかかる。

だが

 

―ガギン―

 

「なっ⁉」

 

「ハァッ⁉」

 

「がっ⁉」

 

コウガネに簡単に受け止められ、はじき飛ばされた。

 

「くっ……何故だ⁉何故こんなに強い⁉」

 

「ふっ……ある物を利用しているだけだ」

 

「なに?」

 

「コレで終わりにしてやろう」

《ダークネススカッシュ》

 

「ハァッ‼」

 

「がぁっ⁉」

 

コウガネはカッティングブレードを倒し、エネルギーが蓄積されたダーク大橙丸で、斬撃を飛ばし戒斗に当てた。

喰らった戒斗は地面を転がり、うつ伏せに倒れた。

 

「ふっ…………予想通り、オーバーロードに覚醒しても、この程度だったな」

 

そう言ったコウガネは、戒斗に背を向けて歩き出す。

だが

 

「どこに…………行くつもりだ……‼」

 

「ッ⁉ば、バカなっ⁉」

 

コウガネは、戒斗の声が聞こえた事に驚き、後ろを振り返る。

するとそこには、アームドギアを杖のようにして立つ、戒斗の姿があった。

 

「貴様……あの攻撃を喰らって何故立てる⁉」

 

「確かに……貴様の一撃は重かった…………だが‼奴の…………葛葉の攻撃と比べたら、どうってことない‼」

 

「くっ‼」

 

戒斗の言葉に、悔しがるコウガネ。

すると戒斗は、どこからともなく黄緑色のドライバー―――【ゲーマドライバー】を取り出した。

 

「ッ⁉なんだそれは⁉」

 

「コウガネ……貴様は俺を知っているみたいだが、俺は、貴様が知りえない経験をしている」

 

「知りえない経験だと?」

 

「見せてやる…………コレが、俺が駆紋戒斗として生きる前に、手にした力だ‼」

 

そう言った戒斗は、戦極ドライバーを取りはずし、変わりにゲーマドライバーを装着した。

それにより、装着されていたガングニールアームズが消えた。

そして戒斗は、片手にカード状の薄いカセットのような物を取り出し、カセットについているスイッチを押した。

 

《タドルクエスト‼》

 

「ッ⁉な、なんだコレは⁉」

 

カセット―――【タドルクエストガシャット】のスイッチを押した事により、特殊空間【ゲームエリア】が展開され、スイッチを押したと同時に出てきたゲーム画面から、無数の宝箱が出てきた。

その現象に、コウガネは驚くことしかできなかった。

 

「小姫……力を貸してくれ。術式レベル2‼変身‼」

《ガシャット‼》

《ガッチャーン‼レベルアップ‼》

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼》

 

戒斗はそう言うと、ゲーマドライバーにガシャットを挿入し、レバーを引く。

すると、バロンの赤く染まっていた部分が青く変色していき、胸の部分に自分のHPを表示するライダーゲージが装着され、両肩に小さな丸い物が、左手には水色の盾【リヴァーサルシールド】が装着、バロンの頭部に騎士の兜についているとさかをイメージした物が装着され、戒斗は【仮面ライダーバロン クエストゲーマーレベル2】へと変身した。

 

「な、なんだその姿は⁉」

 

「貴様に教える必要はない。これより、仮面ライダー邪武を切除する」

《ガシャコンソード》

 

戒斗はそう言うと、クエストゲーマー時に使用可能となる【ガシャコンウェポン】の1つ、【ガシャコンソード】を展開し構え、コウガネに向かって駆け出す。

 

と、思いきや

 

「俺に盾など不要だ‼」

―ブォン―

 

『%*#∞〒§¢&℃¥⁉』

 

「えぇええ⁉」

 

戒斗はそう言うと、リヴァーサルシールドを取りはずし、乱暴に投げ捨てた。

すると、リヴァーサルシールドは、響に襲いかかろうとしていたノイズに突き刺さり、ノイズは炭素化し消え、響は驚いていた。

 

「ハァアアアア‼」

 

そして戒斗は、今度こそガシャコンソードを構えてコウガネに向かって駆け出した。

 

「ハァッ‼」

 

「くっ⁉(な、なんだこの力は⁉これが奴の真の強さとでも言うのか⁉)」

 

「フッ‼ハッ‼」

 

「ぐっ⁉ぐぅっ⁉」

 

「セイー‼」

 

「がぁっ⁉」

 

戒斗はガシャコンソードをコウガネを押していき、コウガネが怯んだところで、コウガネを斬り飛ばした。

斬り飛ばされたコウガネは地面を転がるが、すぐに体制を立て直した。

 

「くぅうう…………‼」

 

「どうした?貴様の力はこんな物ではないだろ?」

 

「ならば‼コレでも喰らえ‼」

 

戒斗の挑発に乗ったコウガネは、黒いりんごの形をしたエネルギーを4つ作り出し、戒斗に向かって放った。

だが

 

「フッ‼ハッ‼タァッ‼セイッ‼」

―ドガァアアアアン―

 

「なん…………だと……⁉」

 

戒斗はガシャコンソードでエネルギーを全て斬り裂いた。

コウガネはその光景に、驚くしかなかった。

 

「こうなれば‼コレで終わらせてやる‼」

《ダークネススパーキング‼》

 

「ならば、こちらもコレで決めさせてもらう」

《ガッシューン》

《ガシャット‼キメワザ‼》

《TADDLE CRITICALFINISH》

 

「ハァアアアア‼」

 

「タァアアアア‼」

 

コウガネはカッティングブレードを三回倒して、ダーク大橙丸にエネルギーを収束する。

戒斗はドライバーからガシャットを抜きとり、ガシャコンソードに挿入し、刀身に赤と青の炎エネルギーを収束させる。

エネルギーを収束させた戒斗とコウガネは、同時に駆けだし武器と武器をぶつけ合う。

 

「ハァアアアアアアアアアア‼」

 

「くぅうううううううううう‼」

 

凄まじいエネルギー同士がぶつかり合うが、コウガネが段々と戒斗に押され始めた。

そして

 

「セィイイイイイイイイイイ‼」

 

「ガァアアアアアアアア⁉」

 

戒斗はダーク大橙丸を押し退け、コウガネを斬り裂いた。

斬られたコウガネは、ダークネスアームズに亀裂がはいり、仰向けに倒れた。

そして戒斗は、倒れているコウガネにガシャコンソードを向けた。

 

「終わりだ……コウガネ」

 

「くっ‼」

 

戒斗に言われ、悔しがるコウガネ。

そして戒斗は、ライダーになれないようベルトを破壊しようとする。

だがその時

 

「翼さぁぁあああん‼」

 

「ッ⁉」

 

「(今だ‼)フンッ‼」

 

「ぐっ⁉き、貴様⁉」

 

「勝負は預けておく‼」

 

突然、響が翼の名前を叫ぶ。

響に気をとられた戒斗の隙を見て、コウガネは戒斗の腹を蹴り、クラックを出現させ、クラックに入って逃げた。

戒斗はすぐに追いかけようとしたが、響が叫んだ理由の方が気になり、翼と響の方に顔を向ける。

その時、戒斗は翼の状態を見て驚いた。

 

「ッ⁉翼⁉」

 

「かい……と……」

 

そこには、目や口から血を流し、今にも倒れそうな翼が立っていた。

そして戒斗は、ネフシュタインの鎧を纏った少女を探すが、既にその場にはいなかった。

すると、翼が仰向けに倒れだし、戒斗がすぐに駆けよって支えた。

 

「翼……翼‼しっかりしろ‼」

 

「大丈夫……だ…………この程度……で……折れる……剣では……な……い……」

 

「翼‼」

 

「翼‼大丈夫か‼」

 

翼が戒斗にそう言って意識を失うと同時に、二課から車で駆けつけた弦十郎が駆けよってきた。

 

「弦十郎‼今すぐ病院に連絡して、オペの準備をさせろ‼俺がオペをする‼」

 

「お、オペ⁉戒斗くん、君はオペの経験が?」

 

「いいから急げ‼車を出れるようにしろ‼」

 

「わ、分かった‼」

 

「立花‼いつまでも呆けてるつもりだ‼貴様も来い‼」

 

「は、はい‼」

 

戒斗たちは、翼を車に乗せ、病院へと向かった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は、コウガネたちと戦った翌日の話になります。

次回も是非読んでください‼

アンケートも、随時募集中です‼


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Song11:戒斗の過去と滅茶苦茶なアルマ

お待たせいたしました‼

今回は戒斗の過去についての話です。
時系列がおかしい、ブレイブの力が使えた秘密が明らかになります。
そして、アルマが滅茶苦茶なことをします‼

それでは本編スタートです‼


「ん…………ここは……?」

 

病院のとある病室。

ネフシュタインの鎧を纏った少女との戦いで、絶唱を使用してボロボロになった翼は、ベッドの上で目を覚ました。

 

「……そうか……私は絶唱を使用して、病院に運ばれたのか」

 

自分の状況を理解した翼は、体を起こす。

その時、体を起こしたことである人物がいることに気づいた。

 

「スゥ………スゥ……」

 

「か、戒斗?」

 

そこには、いつものコートではなく、いつものベストの上に白衣を着て、背中を壁に預けて眠る、戒斗の姿があった。

すると、病室のドアを開けて、弦十郎が入ってきた。

 

「翼、目を覚ましたか」

 

「叔父様……」

 

「大丈夫か?気分は悪くないか?」

 

「気分は悪くありません。ですが、しばらくは戦えそうにありません」

 

「そうか……だが、すぐに目を覚ましてくれて良かった。これも全部、戒斗くんのおかげだな」

 

「えっ?」

 

「戒斗くんが、お前のオペをしたんだ。閲覧室で見せてもらったが、見事なオペだった」

 

「戒斗が…………私を?」

 

「ああ。…………さて、俺は奏たちに、お前が目が覚めたと伝えてくる。あと、何か欲しい物はあるか?」

 

「いえ、ありません」

 

「そうか、分かった」

 

翼からの返事を聞いた弦十郎は、病室から出ていった。

そして、残された翼は、寝ている戒斗の顔を見つめた。

 

「スゥ…………スゥ…………」

 

「戒斗…………ッ‼///」

 

戒斗の顔を見つめていた翼が、突然顔を赤くし、戒斗から視線を反らした。

 

(な、何故戒斗の顔を見ると、顔が赤くなるんだ⁉//////まさか…………これが奏が言っていた恋なのか⁉//////いや、まだそうと決まった訳じゃない。もう一度)

 

そう思った翼は、再び戒斗の顔を見る。

するとまた、翼は顔を赤くする

 

(だ、ダメだ‼//////どうしても顔が赤くなってしまう‼//////それに胸もドキドキする。やはり……私は……)

 

自分の気持ちに気づいた翼は、更に顔を赤くした。

その時

 

「ん…………翼?」

 

「ッ⁉///か、戒斗⁉///」

 

眠っていた戒斗が目を覚まし、起きていた翼に気がつく。

 

「……どうやら、目を覚ましたようだな」

 

「え、ええ。叔父様から聞いたわ。私のオペをして、助けてくれたと」

 

「……そうか」

 

「ありがとう。助けてくれて」

 

「別に…………俺は俺がしたいようにしただけだ」

 

「そう…………ねぇ、戒斗。貴方はどこで」

 

「翼~‼」

 

「ッ⁉か、奏⁉」

 

翼が戒斗に何かを聞こうとした時、翼の名前を呼びながら、奏が病室に入ってきた。

 

「翼‼大丈夫か⁉」

 

「か、奏、私は大丈夫よ。戒斗のオペのおかげで助かったから」

 

「そっか‼よかった~‼ありがとな戒斗‼」

 

「翼にも言ったが、俺は俺のしたいようにしただけだ」

 

「それでも、お礼を言わせてくれ。あたしの相棒を助けてくれてありがとう‼」

 

そう言って、戒斗にお礼を言う奏。

するとその時、奏がある事に気づいた。

 

「そういえば戒斗、いつから翼の名前を呼び始めたんだ?」

 

「ッ⁉//////」

 

「ん?先日の戦いの際、翼が信頼できる人物だと分かったからな、だから呼んでる」

 

「あ、そうなんだ。ところで翼」

 

「な、なに?///」

 

「なんで顔が赤いんだ?」

 

「ッ⁉//////」

 

奏に言われて、顔を赤くする翼は、戒斗をチラ見する。

その相棒の行動を、奏は見過ごさなかった。

 

「翼…………お前、戒斗のことが好きになったのか?」

 

「…………」

―コクコク―

 

「なに?」

 

奏の問いに、翼は首を縦に振る。

その回答に、内心驚いている戒斗。

すると、顔を赤くしていた翼が口を開いた。

 

「いつから……と聞かれたら分からない。でも、あなたを好きになったのは恐らく、最初、あなたに助けてもらったあの日からだと思う//////」

 

「ライブ会場での戦いか」

 

「うん…………そして、アルマ殿からあなたの過去を聞いて、あなたの心の強さを知り、今回私を助けてくれた」

 

「それをきっかけに、自分が戒斗に恋をしてると気づいたんだな?」

 

「うん///」

 

「………………」

 

奏に言われ、顔を赤くしながら頷く翼。

それを聞いた戒斗は、何も言えなかった。

 

「まさか、翼も戒斗に惚れるなんてな~」

 

「も、って…………まさか奏も?」

 

「ああ。戒斗に助けてもらったあの日からな♪」

 

「そう…………」

 

「でも戒斗は、まだ答えは出せないみたいだぜ?」

 

「えっ?どうして?」

 

「…………それは」

 

翼の疑問に、戒斗が答えようとしたその時

 

「奏、廊下を走るな」

 

「そうですよ、奏さん」

 

「旦那‼それに緒川さん‼」

 

弦十郎と緒川が、袋を片手に病室に戻ってきた。

 

「戒斗くん、少し話を聞きたいことがあるんだが、いいかな?」

 

「なんだ?」

 

「あなたの過去について、聞きたいことがあるんです」

 

「……………………」

 

「君はいったい…………何者なんだ?」

 

「どういう意味だよ旦那」

 

「叔父様、私も奏と同じで意味が分かりません。戒斗は戒斗でしょう?」

 

弦十郎が言っている意味ができない、奏と翼。

 

「お2人とも分かりませんか?以前、アルマさんから戒斗さんの過去を聞きました。話を聞いたかぎり、彼が医者をしていた事があるとは聞いていませんよね?」

 

「た、確かに」

 

「言われてみれば、聞いた戒斗の過去には、医者としての話がなかった」

 

「君のおかげで翼は助かった。そのことに関しては感謝している。だが、君が見よう見真似で翼の体を治療したのならば、叔父としては許せん」

 

「叔父様…………」

 

「……………………」

 

「戒斗くん。我々に話してない事実があるなら聞かせてくれ。姪であり、仲間である翼を救ってくれた君を、疑いたくはない」

 

「…………分かった……話そう」

 

「本当か‼」

 

「ああ。だが、この話はここにいる4人だけの秘密にしてくれ」

 

「分かった」

 

「では語ろう。これは、俺が駆紋 戒斗ではなく、鏡 戒斗として生きていた話だ」

 

そう言った戒斗は、自分の過去について語りだした。

戒斗は、駆紋 戒斗として生きる前、鏡 戒斗という名で転生し、生きていた。

戒斗が鏡 戒斗として生きたのは、アルマに転生する世界を任せていたからである。

戒斗は、その世界で医学について学んでいた。

そして、その世界では【ゲーム病】という、人に感染するようになったコンピューター・ウイルスの病気がはやっていた。

そんな中、自分のせいで大学時代に付き合っていた百瀬 小姫(ももせ さき)がストレスが原因でゲーム病にかかり、原因であるゲーム病から生まれる【バグスター】を、ゲーム病を担当する【電脳救命センター】、通称【CR】のドクターが倒すことができず、『世界一のドクターになって』と言い残して消えてしまった。

それから戒斗は、小姫が言い残した世界一のドクターになるため、勉強を続け、留学し、腕を磨いて日本に帰国した。

そして戒斗は、外科とCRを兼任し、バグスターを倒すため【仮面ライダーブレイブ】として戦い、仲間と共に戦っていた。

だが戒斗は、ある敵を倒した後、ムリを重ねたせいで倒れ、死んでしまった。

それから戒斗は、死んだ後、駆紋 戒斗として生きていたのだ。

 

「これが…………俺が駆紋 戒斗として生きる前の人生だ」

 

「君は…………そんな過去も抱えていたのか」

 

「ああ」

 

「では、先日変わった姿は」

 

「察しの通り、ブレイブの力をバロンに付け加えた姿だ。密かにアルマに頼んで、バロンの力にしてもらえるよう、改造してもらった」

 

「そうだったのか」

 

戒斗の話を聞き、納得する弦十郎と緒川。

すると、奏と翼が戒斗に別な質問をした。

 

「もしかして戒斗…………」

 

「あなたが私たちの告白に答えられないのは、小姫さんを死なせてしまったから、だからなの?」

 

「「告白⁉」」

 

翼の言葉に、弦十郎と緒川が驚く。

 

「こ、告白とはどういうことだ翼⁉」

 

「それに『たち』って、まさか奏さんも⁉」

 

「いいから、今は戒斗の話を聞かせてくれ‼」

 

「「す、すみません」」

 

奏の気迫により、黙ってしまう弦十郎と緒川。

 

「それで戒斗、翼の言うように、小姫さんが原因なのか?」

 

「…………ああ、そうだ。だが小姫だけじゃない。俺が鏡 戒斗として生きる前の世界でも、駆紋 戒斗として生きていた世界でも、俺は愛した女や慕ってくれた女を死なせてしまっている」

 

「もしかして、自分が愛したり自分を愛してくれた女性は、皆死んでしまう。だから、私たちの告白に答えなかったの?」

 

「……そうだ。そうすれば、貴様たちが愛想をつかし、俺を嫌いになると思っていた。俺は…………愛されてはいけない……愛してはいけないんだ。相手を後悔させるだけだからな」

 

「「「「……………………」」」」

 

戒斗が奏と翼の告白に答えない理由を聞いて、黙ってしまった4人。

その時

 

「…………戒斗」

 

「なんd『パァン』ッ⁉」

 

「「「奏(さん)⁉」」」

 

口を開いた奏は、戒斗に近づいて顔を叩いた。

その行動に戒斗はもちろん、見ていた翼たち3人も驚いた。

 

「バカ野郎‼愛されちゃいけねぇ奴なんていねぇ‼」

 

「奏…………」

 

「それにな‼あたしは後悔なんてしない‼愛した奴のために死ねるなら、本望だ‼」

 

「…………奏」

 

「奏のいう通り、私も愛した人のために死ねるなら本望よ。それに、その3人の女性も、貴方を愛したことを後悔してないと思う」

 

「…………翼」

 

「だから、そんな悲しいこと言わないで」

 

「…………分かった」

 

奏と翼に言われ、頷く戒斗。

 

「それじゃあ……」

 

「戒斗…………」

 

「「改めて、私たちと付き合ってください‼」」

 

「…………いいのか?こんな俺だぞ?」

 

「「戒斗がいいんだ(の)」」

 

「分かった…………迷惑をかけるかもしれんが、よろしく頼む」

 

「「うん♪」」

 

こうして、戒斗と奏、翼の3人は付き合うこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、天界では

 

「うぅ~……良かった‼良かったよ戒斗~‼」

 

「ホント、良かったですね~戒斗さん‼」

 

アルマとその部下の女性が、戒斗たちのやり取りを見て涙を流していた。

 

「やっと…………やっと戒斗が幸せになれるよ~‼」

 

「でもアルマ様、法律上、2人を幸せにはできませんが」

 

「そんなもの、僕の力でちょちょいと法律を変えてやる‼」

 

「ダメですよアルマ様‼ただでさえ、先日、下界の人物たちに接触したせいで、厳重注意されたのに、今度違反すれば、半年間減給ですよ⁉」

 

「構うもんか‼おりゃ~‼」

 

そう言ったアルマは、手からビームのような物を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り病室

 

「とりあえず、テレビでもつけるか」

 

そう言った奏は、病室にあるテレビのスイッチを押した。

 

『ここで緊急速報です‼』

 

「ん?」

 

「なんだ?」

 

『今まで議論されていた、重婚制度についてですが、たった今、可決されました‼』

 

「「なっ⁉」」

 

「なに⁉」

 

「マジか⁉」

 

「えぇええ⁉」

 

テレビをつけて放送された緊急速報を見た戒斗たちは、驚いていた。

 

『詳しい内容はまだ決まっておりませんが、とりあえずは、互いの同意がなければいけないということです‼』

 

「ま、まさか、急に法律が変わるとは」

 

「タイミングがいいですね」

 

「タイミングいい?…………まさか」

 

「どうしたんだ戒斗?」

 

「もしかしたら、奴が法律を変えたのかもしれん」

 

「「「「奴?」」」」

 

戒斗のいう、奴とは誰か分からず、頭を傾げる4人。

そして戒斗は、スマホを取り出して、ある人物に電話をかけた。

 

―prrrrrrprrrrrr―

―ガチャ―

 

『もしもし?』

 

「貴様…………いったいなんのつもりで、法律を変えた?」

 

『な、なんのことだい?』

 

「とぼけるな、貴様以外にこんな無茶をする奴はいないだろう…………アルマ」

 

『うぅ……』

 

戒斗が電話をかけた相手、アルマが戒斗に図星をつかれ、何も言えなくなってしまった。

 

「何故こんなことした?」

 

『い、いや…………せっかく戒斗が幸せの第一歩を踏み出したから、邪魔になる法律を変えようと』

 

「待て…………貴様、今までのやり取りを見ていたのか?」

 

『ギクッ⁉』

 

「アルマ…………貴様」

 

『と、とにかくおめでとう‼またね‼』

 

アルマはそう言って、通話を切った。

 

「まったく……今度奴にあったら、屈辱を味あわせなければな」

 

「もしや、アルマさんが法律を?」

 

「らしい」

 

「マジかよ……」

 

「あ、あははははは」

 

「滅茶苦茶だな」

 

戒斗の話を聞いて、苦笑いする4人。

 

「とりあえず、今日は帰るか。翼もいい機会だから、体を休めろ」

 

「分かりました、叔父様」

 

「明日にはまた来ます、翼さん」

 

「分かりました、緒川さん」

 

「またな翼♪」

 

「また来る」

 

「うん♪またね、奏、戒斗」

 

戒斗たちは翼に挨拶し、弦十郎と緒川、奏の3人は二課に戻り、戒斗はローズアタッカーに乗って、家へと帰っていった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は例の物の護衛です。

次回も是非読んでください‼

使ってほしい、出してほしいロックシードなどがあれば、活動報告でアンケート募集してますので、そちらに書いてください。


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Song12:護送と暴走と帝王の力

大変長らくお待たせいたしました‼

今回は戒斗たちが、例の物を護送し、あの人が暴走します‼
そして‼戒斗があのライダーの力を使います‼

それでは本編スタートです‼


翼が入院してから2ヶ月、響は弦十郎の元で修行をつけてもらい、戒斗と奏は翼の見舞いをしながら互いを相手にした対人訓練を行っていた。

同時に、二課の後ろ盾で理解者であった広木防衛大臣が、何者かによって殺害されてしまった。

そんなある日、戒斗たちは弦十郎に呼ばれて司令室に集まっていた。

 

「全員集まったな」

 

「どうかしたのか旦那?」

 

「明日の明朝5時、政府の指示で第五号聖遺物【デュランダル】を永田町最深部にある特別電算室【記憶の遺跡】に移送することとなった」

 

「マジッ⁉」

 

「デュランダルって、何ですか?」

 

「そういえば、響ちゃんと戒斗くんは知らなかったわね。デュランダルは完全聖遺物の1つで、その力は計り知れない物よ」

 

「なるほど~‼……あれ?でも、なんでそんな凄い物を移送するんですか?」

 

響の質問に、全員の視線が弦十郎に集中する。

 

「実は、調査員からの情報で、ある勢力がデュランダルを狙ってると報告があった。それを政府に報告したところ、政府は危険を感じ、特別電算室、記憶の遺跡に移送することが決定した」

 

「なるほど~」

 

「…………しかし、もし狙われているのなら、此方での防御を固めた方が得策ではないのか?」

 

「戒斗くんの言う通り、防御を固めた方が、リスクは減る。だが」

 

「元々デュランダルは、政府から預かってるような物だから、上から一言あれば言うこと聞かざるおえないのよ」

 

「…………そうか」

 

そう言うと戒斗は、1人出口の方へと歩いていく。

 

「か、戒斗くん?」

 

「明日の朝5時に、ここを出発でいいんだな?」

 

「あ、ああ」

 

「分かった。では、俺はこれで失礼する」

 

そう言った戒斗は、1人司令室を出ていった。

 

「戒斗さん、最近早く帰りますよね?」

 

「そうね。もしかしたら、彼女ができたのかもしれないわね♪」

 

「か、かか、彼女⁉そんなまさか、戒斗さんがこんな忙しい時期に彼女を作るだなんて」

 

「いや、当たってるぞ、2人とも」

 

「「えっ?」」

 

弦十郎の言葉を聞いて、響と了子が固まる。

そして数秒してから、まるで壊れた玩具のように『ギギギ』と音をたてながら、弦十郎の顔を見た。

 

「げ、弦十郎くん?それはどういう意味?」

 

「か、戒斗さんが、だ、誰かと付き合ってる…………てことですか?」

 

「その通りだ。彼は現在、奏と翼の2人と恋人関係にある」

 

「「「「えぇえええええええ⁉」」」」

 

弦十郎の言葉に、響と了子だけでなく、オペレーターのあおいと朔也も驚いた。

 

「ほ、ホントなんですか奏さん⁉」

 

「えへへ♪まぁな♪」

 

「そ、そんな⁉ガクッ」

 

「ま、まさか奏さんと戒斗さんが付き合うとは……」

 

「しかも、翼さんもなんて…………」

 

「あらあら♪良かったわね♪」

 

響は何故かショックを受け、あおいと朔也は意外すぎで驚き、了子は奏を祝福した。

 

 

 

 

 

その頃戒斗は

 

「そう、デュランダルを移送するのね」

 

「ああ」

 

翼の病室に見舞いに来ていた。

 

「戒斗、おそらくデュランダルを狙って、あのネフシュタンの鎧を纏った少女が襲撃してくると思うわ」

 

「たぶん、来るだろうな」

 

「戒斗、もしもその時は、私の分まで」

 

「分かっている。お前の分まで、相手する」

 

「頼むわね♪戒斗♪」

 

そう言った翼は、自然と戒斗の手を握りしめた。

数秒後、自分が戒斗の手を握っていることに気がついた翼は、顔を赤くして慌てて手をはなした。

 

「す、すまない‼//////急に手を握ったりして‼//////」

 

「…………翼」

 

「な、なんだ?//////『チュッ』……へっ?」

 

顔を赤くして慌てる翼に声をかけた戒斗は、翼の額にキスをした。

額にキスされた翼、突然のことに固まってしまった。

 

「安静にしていろ…………じゃあな」

 

そう言った戒斗は、病室を後にした。

数分後、翼は顔を真っ赤に染め、頭から煙をあげて気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、リディアン音楽院校門

 

「ではこれより、デュランダル移送任務を開始する‼」

 

『『『『『はっ‼』』』』』

 

「はい‼」

 

「あいよ‼」

 

「………………」

 

デュランダルの護送を行うこととなった、響と奏、戒斗と二課の護衛班が、校門前に集まっていた。

 

「第五号聖遺物デュランダルは、護送車の中に入っている。響くんは、共に行く了子くんの車に乗り、護送車の前を走ってくれ」

 

「はい‼よろしくお願いしますね了子さん‼」

 

「ふふ♪よろしくね響ちゃん♪」

 

「奏と戒斗くんは、各々のバイクに乗って護送車の後ろを走ってくれ」

 

「あいよ‼」

 

「分かった」

 

「他の者は、回りをガードするように走ってくれ」

 

『『『『『了解‼』』』』』

 

「俺は本部から指示を出す。頼んだぞ‼」

 

弦十郎の言葉を合図に、戒斗たちはそれぞれの乗り物に乗り、護送を開始した。

数分後、戒斗たちは何の問題もなくデュランダルを護送していた。

高速に乗り数分経った後、奏が通信機で戒斗に話しかけてきた。

 

『何の問題もなく来たな。この分なら、楽に護送できそうだ♪』

 

「……いや、恐らくそろそろ来る」

 

『えっ?それってどういう……』

 

戒斗の言ってる意味が分からず、奏が聞き返そうとしたその時、道路の一部が崩れ落ちた。

 

『なっ⁉』

 

「やはり、隠れることの出来ない高速で襲いにかかってきたか‼護送車きこえるか⁉護送車はこのまま進め‼」

 

『了解‼』

 

「周りの護衛は、護送車の前に出て、ルートの確保をしろ‼」

 

『『『『『り、了解‼』』』』』

 

「櫻井了子‼聞こえてるか⁉」

 

『聞こえてるわよ♪』

 

「貴様、ドライビングテクニックはいい方か⁉」

 

『ふふふ…………ドラテクで私の右に出る者はいないわ‼』

 

「では貴様は護送車の前に出て、護送車を誘導しろ‼」

 

『ふふ♪任せなさい‼響ちゃん♪ちゃんと掴まっててね‼』

 

『は、はい‼』

 

「奏‼お前は俺と一緒に護送車の後ろを走るぞ‼」

 

『あいよ‼』

 

戒斗の指示に従い、それぞれの役割を果たすメンバーたち。

すると、上空からノイズが現れ、護送車目掛けて攻撃してきた。

 

『戒斗‼ノイズが⁉』

 

「このまま突っ切る‼護衛班‼降りれそうなルートはあるか⁉」

 

『こちらBチーム‼こちらならノイズがいません‼』

 

「了解した‼櫻井了子‼Bチームがいるルートから高速を下りろ‼そこでノイズを巻く‼」

 

『分かったわ‼』

 

戒斗の指示に従い、Bチームがいるルートから高速を下り、市街地へと逃げる了子。

戒斗たちも高速を下り、護送車を追いかけていく。

だが

 

「くっ⁉」

 

「うわっ⁉」

 

市街地にあった歩道橋が、ノイズによって壊され、護送車と了子たちと離されてしまった。

 

「まずいよ戒斗⁉護送車と話された⁉」

 

「櫻井了子‼立花‼聞こえるか⁉」

 

『聞こえるわ‼』

 

『聞こえます‼』

 

「歩道橋が壊され、距離があいてしまった。俺と奏は別のルートから合流する‼」

 

『分かったわ‼』

 

『了解です‼』

 

「奏‼急いで合流するぞ‼」

 

「ああ‼」

 

戒斗はそう言って、奏と共に別のルートから了子たちを追いかけた。

数分後、戒斗と奏が了子たちの元にたどり着くと、響がガングニールを纏って、ネフシュタンの鎧を纏った少女とノイズたちと向かい合っていた。

 

「あいつが報告にあったネフシュタンの⁉」

 

「ああ‼行くぞ奏‼」

 

「おう‼」

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「変身‼」

《バナナ‼》

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

奏は詠唱を唱えてガングニールを纏い、戒斗はバナナロックシードでバロン バナナアームズへと変身した。

そして2人は、響の横にバイクを止めた。

 

「戒斗さん‼奏さん‼」

 

「無事のようだな?立花」

 

「怪我はないか響?」

 

「大丈夫です‼了子さんが守ってくれました‼」

 

「櫻井了子が?」

 

「それで、その了子さんは?」

 

「あそこに」

 

響が指を指す先には、護送車の影に隠れる了子がいた。

 

「3人とも頑張って~‼」

 

「了子さん……こんな状況でもマイペースだな」

 

「とにかく今は、奴等に集中するぞ」

 

「ああ‼」

 

「はい‼」

 

そう言って、戒斗たちは顔をネフシュタンの鎧を纏った少女に向ける。

 

「久しぶりじゃねぇかバロン」

 

「ネフシュタン……今回は邪武はいないようだな」

 

「あいつは用があるみたいでな、今日は休みだ」

 

「……そうか」

 

「お前か‼翼を追い詰めたのは‼」

 

「あん?」

 

今まで戒斗に視線を向けていたネフシュタンの鎧を纏った少女は、話しかけてきた奏に視線を向ける。

 

「お前は…………そうか。あの絶唱女の相方か‼絶唱は驚いたが、それ以外では弱かったぜあいつ‼」

 

「テメェ‼」

 

ネフシュタンの鎧の少女に翼をバカにされたことに怒った奏は、アームドギアを構えて飛びかかろとしたが、戒斗が手で制止させた。

 

「戒斗⁉」

 

「落ちつけ奏。挑発にのったら、奴の思うつぼだ」

 

「でも‼」

 

「気持ちは分かる。だが、今は抑えろ」

 

「……分かった」

 

奏は戒斗の言葉に従い、飛びかかるのをやめた。

 

「ちっ‼やっぱテメェを倒さなきゃいけねぇみたいだな‼」

 

「なら……どうする?」

 

「ぶっ潰す‼」

 

「面白い…………奏、立花、2人はノイズを頼む。ネフシュタンは俺が相手する」

 

「戒斗さん⁉」

 

「戒斗⁉お前大丈夫なのか⁉」

 

「対人戦闘は慣れている。任せろ」

 

「…………分かった。響‼あたしらはノイズを相手するぞ‼」

 

「はい‼」

 

「行くぞ‼」

 

奏と響はノイズに向かっていき、戒斗はバナスピアーを構えて、ネフシュタンの鎧の少女に向かっていった。

 

「ふん‼」

 

「ラァッ‼」

 

―ガンガン―

 

戒斗とネフシュタンの少女は、互いの武器をぶつけ合う。

 

「やっぱ強いなテメェ‼」

 

「貴様もな‼」

 

「はは‼ラァッ‼」

 

「セイッ‼」

―ガンガン―

 

戒斗とネフシュタンの少女は、互いに引くことをせず、武器をぶつけ合う。

 

「何故貴様は戦う⁉その力で何を目指す⁉」

 

「戦争の火種を消すためだ‼」

 

「火種を消す……だと?」

 

「そうだ‼この世から戦う意思と力を持つ者を奪えば、失われる命がなくなるからだ‼そうフィーネが言っていた‼」

 

「フィーネ…………それが貴様のボスか」

 

「さぁ…………な‼」

 

「ぐっ⁉」

 

ネフシュタンの少女は戒斗の腹を蹴り、戒斗との距離を離した。

 

「ハァ……ハァ……貴様、火種を消すと言っていたが、貴様もその火種になりつつあると分かっているのか?」

 

「なに?」

 

「火種の者を消せば、今度はそいつの関係者が、貴様を恨み、襲いに来る。それでは火種は消えん‼」

 

「ッ⁉う、嘘だ‼」

 

「貴様はそいつに、利用されてるにすぎん‼」

 

「黙れ……黙れ‼黙れ‼黙れ‼」

『NIRVANA GEDON』

 

「ちっ‼」

 

そう言ったネフシュタンの少女は、肩部の鞭状突起から放たれている黒い電撃を包み込むように白いエネルギー球を生成し、戒斗に向かって放つ。

戒斗はそれをギリギリで交わす。

 

「くっ‼奴のようにはいかんか。ならばコイツだ」

《マンゴー》

《ロック・オフ ロック・オン》

《カモン‼マンゴーアームズ‼》

《ファイト・オブ・ハンマー‼》

 

戒斗は【マンゴーロックシード】を取り出しスイッチを押した。

それにより、クラックから【マンゴーアームズ】が現れ、戒斗はバナナロックシードを外してマンゴーロックシードをはめ、カッティングブレードを倒す。

するとマンゴーアームズが戒斗に被さり、展開して戒斗の手に専用アームズウェポン【マンゴーパニッシャー】が握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン マンゴーアームズ】へと変わった。

 

「武器が変わったところで‼」

 

ネフシュタンの少女は、戒斗に向かって再びエネルギー球を放つ。

 

「無駄だ‼」

《カモン‼マンゴースカッシュ‼》

 

「セイッ‼」

 

戒斗はカッティングブレードを1回倒し、マンゴーパニッシャーにエネルギーを蓄積させる。

そして戒斗は、エネルギーが蓄積されたマンゴーパニッシャーでエネルギー球を破壊した。

 

「な、なに⁉」

 

「ッ‼」

 

「ッ⁉このっ‼」

 

向かってきた戒斗に、エネルギー球を放つネフシュタンの少女。

だがそのエネルギー球を、戒斗はマンゴーパニッシャーで破壊し、ネフシュタンの少女に段々と迫っていく。

そして

 

「セイッ‼」

 

「がはっ⁉」

 

戒斗はマンゴーパニッシャーでネフシュタンを殴り飛ばす。

殴り飛ばされたネフシュタンの少女は地面を転がる。

 

「まだやるか?」

 

「ハァ……ハァ……クソッ‼まだまだ……ッ⁉ぐわぁあああああ⁉」

 

「ッ⁉な、なんだ⁉」

 

立ち上がろうとしていたネフシュタンの少女だったが、突然苦しみ出した。

何が起きたのか分からなかった戒斗だったが、ネフシュタンの鎧の一部を見て理解した。

ネフシュタンの鎧が砕けた部分から、少女の肌が見え、その肌の血管らしき物が見えると同時に、ネフシュタンの鎧が再生していった。

 

「まさか…………ならば」

《タドルクエスト》

 

「術式レベル2……変身‼」

《ガシャット‼》

《ガッチャーン‼レベルアップ‼》

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼》

 

戒斗は何かに気づき、戦極ドライバーからゲーマドライバーに付け替え、タドルクエストガシャットでゲームエリアを展開し、ドライバーにガシャットを挿入してレバーを引き、仮面ライダーバロン クエストゲーマーレベル2へと変身した。

 

「貴様を無力化する」

《ガシャコンソード》

《コ・チーン》

《ガッシューン ガシャット‼キメワザ‼》

《TADDLE CRITICAR FINISH》

 

「セイッ‼」

 

「なっ⁉」

 

戒斗はガシャコンソードを取り出して氷剣モードにし、ゲーマドライバーからガシャットを抜き取ってガシャコンソードに挿し込む。

それにより、刃身に冷気が纏われ、戒斗はネフシュタンの少女に向かって冷気を放つ。

それによりネフシュタンの少女の体は凍りつき、動けなくなってしまった。

戒斗はネフシュタンの少女が凍るのを確認すると、歩いて近づいていくが、攻撃しようとはしなかった。

 

「何のつもりだ?」

 

「貴様、その鎧に蝕まれているのか?」

 

「ッ⁉なんで分かった⁉」

 

「医者としての勘だ。それと鎧が再生する瞬間を見た。再生すると同時に貴様が悲鳴をあげ、苦しんでいた。これで分からない奴は、相当な鈍感だ」

 

「………………」

 

「ネフシュタン……俺の元に来い」

 

「なっ⁉」

 

戒斗の突然の誘いに、驚くネフシュタンの少女。

 

「今のままでは、貴様は間違った道を進む。俺なら、貴様を導ける」

 

「なんでそんなこと分かるんだよ⁉」

 

「……かつて俺は、誤った道を進み、間違いを起こした」

 

「えっ?」

 

「その間違いで、俺は大切な人を失い、仲間を悲しませ、俺は一度身を滅ぼした。今のままでは、貴様はいずれ身を滅ぼす。過ちを犯した俺だからこそ分かる」

 

「身を滅ぼしたって……テメェはいったい」

 

「俺の元に来いネフシュタン。今ならまだ、誤った道を進まずにすむ。それこそ、貴様が否定する悲劇の道を進まずにすむ」

 

「…………私は」

 

戒斗の言葉に、心を動かすネフシュタンの少女。

だがその時

 

「う゛ぉおおおおおおおお‼」

 

「ッ⁉」

 

「ッ⁉なんだ⁉」

 

突然、何者かの叫び声が響き渡り、驚いた戒斗とネフシュタンの少女。

戒斗が振り向くとそこには、剣を持ち黒く染まった響がいた。

 

「立花……なのか?」

 

「う゛ぉおおおおおおおおおおお‼」

 

響の変わりように戒斗が驚いていると、響が叫びながら剣を振りかざし、エネルギー状の剣を生成した。

 

「まずい⁉」

 

「うわっ⁉」

 

危険を感じた戒斗は、ネフシュタンの少女を凍らせていた氷を砕き、ネフシュタンの少女を抱き抱え(いわゆるお姫さまだっこ)、射線上から離れる。

そして次の瞬間

 

「う゛ぁあああああああ‼」

―ドガァアアアアアン―

 

「うわっ⁉」

 

「くっ⁉」

 

響がエネルギー状の剣を振り下ろしたことにより、戒斗たちの後方にあった工場地帯が爆発した。

その爆発の余波で戒斗たちは吹き飛ばされるが、戒斗はなんとか着地した。

 

「危なかったな…………大丈夫か?」

 

「あ、ああ……////」

 

「……何故顔を赤くしている?」

 

「う、うるせぇ‼////」

 

「戒斗~‼」

 

戒斗とネフシュタンの少女が話してると、響と共に戦っていた奏が走ってきた。

 

「戒斗大丈夫か⁉」

 

「なんとかな。奏、立花はいったいどうしたんだ?

 

「実は、デュランダルが独りでに動き出して、響の前まで行ったんだ。そして響が握ったら、響が黒く染まったんだ」

 

「恐らく、デュランダルから流れるエネルギーを制御できず暴走しているのだろう」

 

「どうする戒斗?」

 

「…………1つ、方法がある」

 

「ッ⁉マジか⁉」

 

「ああ。だが…………」

 

話してる途中、戒斗はネフシュタンの少女に顔を向けた。

 

「ネフシュタン、貴様はこの場から去れ」

 

「ハァッ⁉」

 

「なっ⁉何言ってんだ戒斗⁉正気か⁉コイツ敵だぞ⁉」

 

「分かっている。だが、今は立花をおさえるのが最優先だ」

 

「だったら響おさえて、コイツを倒せば」

 

「二頭追う者は、一頭をも得ず。今立花を止めて、ネフシュタンを撃退するのは無理だ。優先順位を考えれば、やはり立花をおさえるべきだ。それに、ネフシュタンの相手は次回でもできる」

 

「…………分かった。戒斗に従う」

 

「という訳だ。行け、ネフシュタン。貴様も、アレを喰らっては、身がもたんだろ」

 

「…………恩にきる」

 

「気にするな。あと……あの話、考えておけ」

 

「……………………」

 

ネフシュタンの少女は、何も答えずその場を去った。

それを見届けた戒斗は、響の方に顔を向ける。

すると響は、デュランダルを振りかざしエネルギーを生成し始めた。

 

「それで?どうするんだアレ?」

 

「コイツを使う……アルマ、使わせてもらうぞ」

《オーガ》

 

戒斗はアルマから受け取ったライダーの力が入ったロックシード、【レジェンドライダーロックシード】の1つで、アルマが生み出したロックシード【オーガロックシード】のスイッチを押す。

するとクラックから、地の帝王と呼ばれたライダー【仮面ライダーオーガ】の顔をしたアームズ【オーガアームズ】が現れた。

 

「な、なんだぁ⁉デカイ顔⁉」

 

「静かにしてろ……変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼オーガアームズ‼》

《アース・オブ・エンペラー‼》

 

戒斗はドライバーを戦極ドライバーに付け替え、オーガロックシードをドライバーにはめ込みカッティングブレードを倒す。

するとオーガアームズが戒斗の頭に被さって展開し、バロンの目は赤くなり、黒いアーマーが装着し、戒斗の手に専用アームズウェポン【オーガストライザー】が握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン オーガアームズ】へと変わった。

 

「それも同じアームズだったのか⁉」

 

「ああ。奏、俺があのエネルギーを受け止める。その間にお前が、立花にキツい一撃を叩き込め。奴がデュランダルを離すくらいのな」

 

「分かった‼頼んだぜ戒斗‼」

 

「ああ‼」

《カモン‼オーガスパーキング‼》

 

戒斗はカッティングブレードを3回倒し、オーガストライザーにエネルギーを蓄積し、巨大なエネルギーの剣を生成した。

 

「う゛ぁあああああああ‼」

 

「ふん‼」

 

響はエネルギーの剣をバロンに振り下ろしたが、戒斗はオーガストライザーから生成したエネルギーの剣で受け止めた。

 

「う゛ぉおおおおおおおおおお‼」

 

「ぐぅううううううう‼…………奏‼今だ‼」

 

「響‼許せ…………よ‼」

 

「がっ⁉」

 

戒斗に言われた奏は、響に近づき腹をおもいっきり殴った。

その衝撃で響はデュランダルを離したことにより元の姿に戻り、デュランダルは空中を舞った。

 

「ちぃっ‼」

 

戒斗はジャンプして、空中を舞うデュランダルを掴む。

その時

 

「ぐっ⁉がぁああああ⁉」

 

「ッ⁉戒斗⁉」

 

デュランダルを掴んだ戒斗は、デュランダルの膨大のエネルギーにより、響同様、暴走するかのように黒く染まっていく。

だが

 

「ぐっ⁉俺が…………この程度の力に……呑み込まれるものかぁあああああああ‼」

 

戒斗がそう言うと、戒斗の体が光、黒く染まっていた部分がなくなった。

 

「ハァ……ハァ……なんとか、抑え込めたか」

 

「戒斗‼大丈夫か⁉」

 

「なんとかな。立花は?」

 

「エネルギーを使ったせいか、寝ちまってるよ」

 

「まったく……困った奴だ」

 

戒斗はそう言って変身を解き、着ていたコートを響にかけた。

数分後、弦十郎と二課のメンバーが迎えに来て、デュランダルは引き続き、二課で保管することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このころ、とある森では

 

「や、やめてくr――――ぎゃあああああああ‼」

 

「ふふふ…………いいぞ。力が溢れてくる」

 

邪武となったコウガネが、人を襲っていた。

するとそこに、一人女性がやってきた。

 

「コウガネ」

 

「む?フィーネか。どうだった?計画は上手くいったか?」

 

「残念ながら失敗した。だが、おもしろい物が見れた」

 

「ほぅ…………」

 

「貴様はどうだ?上手くいってるか?」

 

「ああ。そういえば、いつまであの娘を側に置いとくつもりだ?」

 

「使えなくなるまでよ」

 

「そうか」

 

コウガネはそう言うと、その場から立ち去り、フィーネと呼ばれた女性も、その場を立ち去った。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は、あの子の正体がバレます。

次回も是非読んでください‼


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Song13:悩む少女と蒼き力 現れし終わりをもたらす者

今回の話では、2人の少女が悩み、戒斗が新たな力を得ます‼

それでは本編スタートです‼


デュランダル護送の任務を終えた翌日、デュランダルを狙ったネフシュタンの少女は、アジトにあるベッドの上で横になり、天井を見つめながら、戒斗に言われた事を思い出していた。

 

『ネフシュタン……俺の元に来い』

 

「なんで……テメェなんかのとこに……」

 

『今のままでは、貴様は間違った道を進む。俺なら、貴様を導ける』

 

「なんで……そう言い切れるんだよ」

 

『……かつて俺は、誤った道を進み、間違いを起こした』

 

「その間違いって……なんだよ」

 

『その間違いで、俺は大切な人を失い、仲間を悲しませ、俺は一度身を滅ぼした。今のままでは、貴様はいずれ身を滅ぼす。過ちを犯した俺だからこそ分かる』

 

「テメェの過ちって…………なんなんだよ……」

 

『俺の元に来いネフシュタン。今ならまだ、誤った道を進まずにすむ。それこそ、貴様が否定する悲劇の道を進まずにすむ』

 

「私は…………どうしたら……」

 

そう言ってネフシュタンの少女は悩む。

その時、ネフシュタンの少女の部屋に、一人の女性―――フィーネが入ってきた。

 

「クリス、仕事よ」

 

「フィーネ…………」

 

「あのデュランダルを使用したガングニールの少女を、ここに連れてきなさい」

 

「分かった」

 

ネフシュタンの少女―――雪音クリス(ゆきね くりす)は、フィーネの指示に従い、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃響はというと、顔を俯かせたながら二課の本部を歩いていた。

 

「は~…………どうしたらいいんだろう……あたし……は~……」

 

響はそう言いながらタメ息をつく。

するとそこに戒斗がやってきた。

 

「なに、道の真ん中でタメ息をついているんだ貴様は?」

 

「ふぇ?か、戒斗さん⁉」

 

「どうかしたのか?」

 

「えっ?い、いや、なんでも」

 

「なんでもない訳ではないだろう。何があった?」

 

「…………えっと………………実は……」

 

戒斗に聞かれた響は、意を決して戒斗に話した。

話の内容は、友人とのことであった。

 

「つまり立花は、ノイズとの戦いが多くなったため、最近ルームメイトと時間を過ごすことができず、力のことを話すこともできず、ルームメイトとギクシャクしていると、いう訳だな?」

 

「はい……すれ違いが多くて、まともに話ができてないんです」

 

「……そうか」

 

「私……どうしたらいいんでしょうか?」

 

そう戒斗にたずねる響。

そして戒斗の答えは

 

「……分からん」

 

「えっ?えぇええええええ⁉」

 

戒斗の答えを聞いた響は驚いていた。

 

「もっと何かないんですか⁉言った方がいいとか⁉言わない方がいいとか⁉年上の人は何かしらの答えを出すものじゃないんですか⁉」

 

「お前は年上をなんだと思ってるんだ?」

 

「だって~」

 

「答えはもう出ているだろ」

 

「ほえっ?」

 

戒斗にそう言われた響は、首をかしげる。

 

「立花、お前はその力で守りたいのだろう?」

 

「はい」

 

「手離したくはないのだろう?」

 

「はい」

 

「その力のことを話したい。だが、狙われるかもしれないから話せない。そうだろう?」

 

「はい」

 

「ならばもう、答えは出ているだろう」

 

「えっ?答えは……出ている?」

 

戒斗にそう言われた響は、腕を組んで考え込む。

しかし分からないのか、顔は段々と難しそうな顔になっていく。

 

「分からないです戒斗さん。なんなんですか?その答えって?」

 

「自分で気づけ」

 

「えぇ~。どうして教えてくれないんですか~‼」

 

「自分で気づかなければ、意味がないからだ」

 

「しょんな~」

 

「……まぁヒントとしては、少し欲望を持て」

 

そう言って戒斗は、響に背を向けてその場を後にした。

そして響は、その場で戒斗が言った意味を考え続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

『なるほどね…………でも、作るのに時間がかかるよ?』

 

「構わん。だが、早めに作り上げてくれ」

 

『分かったよ。それじゃ、楽しみにしててね♪』

 

「ああ。頼んだぞ、アルマ」

 

『まっかせなさ~い‼』

 

二課を出た戒斗は、一人公園に行き、アルマに電話した頼みごとをしていた。

話を終えた戒斗は通話を切り、スマホをしまって歩きだした。

その時

 

「や、やめてください‼」

 

「ん?」

 

突然、女性の嫌がる声が聞こえ、足を止めて、声が聞こえた方に顔を向ける戒斗。

するとそこには、響と同じ制服を着る少女が、チャラそうな男3人に言い寄られていた。

 

「いいじゃん♪いいじゃん♪俺らと一緒に遊ぼうよ♪」

 

「楽しよ~♪」

 

「私、これから行くとこが」

 

「そんなとこに行くより、俺らと違うとこいk「おい、貴様ら」あ?」

 

「えっ?」

 

見兼ねた戒斗は、チャラ男たちを止めるため、声をかけた。

 

「なんだテメェ?」

 

「ただの通りすがりだ。その女に言い寄るのはやめろ」

 

「はっ?なんで?テメェには関係ねぇだろ?」

 

「貴様らの情けない姿が、見るに耐えなくてな」

 

「なんだと?」

 

「大の男3人が、一人の女に寄ってたかって無理矢理口説こうとするのが、あまりにも酷くてな」

 

「んだと?オラッ‼」

 

「ッ⁉危ない‼」

 

戒斗の言葉に怒ったチャラ男の一人が、戒斗に向かって殴りかかる。

少女が危険を感じ、戒斗に叫ぶ。

だが

 

「ふん」

 

「ッ⁉いだだだだだだ⁉」

 

戒斗はチャラ男の拳を簡単に受け止め、強く捻った。

それによりチャラ男は、声を荒げて痛がる。

 

「テメェ⁉」

 

「やりやがったな⁉」

 

他のチャラ男も、戒斗に殴りかかる。

だが

 

「ふん‼」

 

「がっ⁉」

 

「はっ‼」

 

「がはっ⁉」

 

戒斗は足でチャラ男たちを蹴り飛ばした。

 

「なっ⁉お前ら⁉」

 

「すごい……」

 

「……ふん」

 

「うわっ⁉」

 

まさかの事態に驚くチャラ男と少女。

その驚くチャラ男を、戒斗は地面に投げた。

 

「いててて…………」

 

「おい」

 

「は、はい‼」

 

「さっさと失せろ。二度とするな」

 

「す、すみませんでしたぁああああああ‼」

 

チャラ男は、謝りながら他のチャラ男二人を引きずって

逃げていった。

それを見た戒斗はタメ息をつき、歩きだした。

その時

 

「あ、あの‼待ってください‼」

 

「ん?」

 

先程まで言い寄られていた少女が、戒斗に待つよう言い、戒斗はその少女に顔を向けた。

 

「なんだ?」

 

「あの……助けていただいて、ありがとうございます」

 

「気にするな。俺が勝手にしただけだ」

 

「そ、そう……ですか」

 

「……ではな」

 

戒斗はそう言って、その場を後にする。

しかし

 

「ま、待ってください‼」

 

少女が戒斗の手を握って、戒斗がその場から去るのを阻止した。

 

「…………なんだ?」

 

「そ、その…………何かお礼を」

 

「必要ない。先程も言ったが、俺が勝手にしただけだ。気にするな」

 

「じ、じゃあ、お名前だけでも‼」

 

「……駆紋戒斗だ」

 

「駆紋……戒斗さん……ですね。私は小日向未来と言います。助けてくださり、ありがとうございました‼」

 

「気にするな。気をつけて帰れ」

 

「はい♪」

 

少女―――未来は元気良く返事をし、帰っていった。

それをみ届けた戒斗も、自宅に向かって歩きだした。

しかし

 

―pipipipipipi―

 

「…………」

 

突然、二課の通信機から緊急事態のコールが鳴り、戒斗は無言で通信機を手にとった。

 

『戒斗くん⁉聞こえるか⁉』

 

「なんだ弦十郎?ノイズか?」

 

『違う‼ネフシュタンの反応が現れた‼君がいる場所の近くだ‼』

 

「なに?」

 

―ドガァアアアアアン―

 

戒斗が弦十郎と話していると、突然爆発音が鳴り響いた。

 

『戒斗くん‼今、響くんとネフシュタンが交戦を開始した‼援護に向かってくれ‼』

 

「了解した」

 

戒斗はそう言って、爆発音の発生元に向かって走り出す。

爆発音の発生元に着くと、先程戒斗が助けた未来が呆然として立っていた。

 

「何をしている小日向‼」

 

「ッ⁉か、戒斗……さん」

 

「ここは危険だ‼早く―――ちぃっ⁉」

 

「きゃっ⁉」

 

―ドガァアアアアアン―

 

未来に逃げるよう言っていた戒斗だが、殺気を感じ、未来を抱えて飛び避ける。

すると、戒斗と未来がいた場所が爆発した。

 

「やはり攻撃だったか。大丈夫か小日向?」

 

「は、はい」

 

「相変わらず、勘が鋭いな。駆紋戒斗」

 

「……コウガネ」

 

戒斗が振り向くと、仮面ライダー邪武に変身したコウガネがいた。

 

「さぁ、変身しろ駆紋戒斗。貴様を倒してやる」

 

「寝言は寝て言え。小日向、離れていろ」

 

「戒斗……さん?」

 

戒斗は立ち上がりながら未来に言うと、腰に戦極ドライバーを装着した。

 

《バナナ‼》

 

「変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

「えっ?」

 

戒斗はバナナロックシードで仮面ライダーバロンバナナアームズへと変身し、それを見ていた未来は驚いていた。

 

「戒斗さんが……変身……した?」

 

「小日向、どこかに隠れていろ」

 

「は、はい‼」

 

未来は戒斗に言われ、木の裏へと隠れた。

それを確認した戒斗は、コウガネに向けてバナスピアーを構えた。

 

「いくぞ‼」

 

「ふん‼」

 

戒斗とコウガネは同時に駆け出し、武器をぶつけあう。

 

「ッ⁉貴様‼いったい何をした⁉」

 

「気づいたか。私は人間共から生命エネルギーを奪い、力に変える能力を得た」

 

「では、前回戦った時も⁉」

 

「そうだ。人間共から生命エネルギーを得た力だったのだ」

 

「ッ⁉……き~さ~ま~‼」

 

コウガネから力の根元を聞いた戒斗は、怒りを爆発させコウガネを押していく。

 

「許さん‼貴様だけは絶対に許さん‼」

 

「ぐっ‼」

 

戒斗は怒りながら強烈な攻撃を、コウガネに叩き込んでいく。

そして戒斗とコウガネが段々と森の奥へと入っていくと、響とクリスが戦っていた。

その響とクリスは、戒斗とコウガネが来たことに驚く。

 

「ッ⁉戒斗さん⁉」

 

「ッ⁉バロン‼邪武⁉」

 

「ネフシュタン、まだそやつを倒せて「ふん‼」ぐわっ‼」

 

クリスに気をとられていたコウガネに、キツい一撃を喰らわせる戒斗。

喰らったコウガネは、クリスの元まで地面を転がった。

 

「無様だな邪武♪」

 

「黙っていろネフシュタン」

 

「戒斗さん‼」

 

「……なんだ立花?」

 

「えっと、近くに女の子いませんでしたか?」

 

「女の子…………小日向のことか?」

 

「未来を知ってるんですか⁉」

 

「まぁな…………奴は無事だ」

 

「良かった~」

 

戒斗の言葉を聞いて、安心する響。

その響に、戒斗はある疑問を持った。

 

「立花…………貴様まさか、小日向に」

 

「はい……未来の前でシンフォギアを…………」

 

「……そうか」

 

「話は終わったか?ならば消えろ‼」

《ダークネスオーレ‼》

 

―ドガァアアアアアン―

 

コウガネは隙を見せた戒斗たちに、ダーク大橙丸でエネルギーの斬撃を放ち、戒斗たちの元まで行くと爆発した。

爆発の影響で土煙がたち、コウガネは勝ったと思う。

だが

 

「なっ⁉」

 

「盾⁉」

 

「いや、剣だ」

 

「「ッ⁉」」

 

土煙が晴れると、そこには巨大化した剣が地面に突き刺さっており、その上に翼が立っていた。

更に

 

「オラァアアアア⁉」

『LAST∞METEOR』

 

「ちっ‼」

 

「くっ⁉」

 

上空から、奏が『LAST∞METEOR』を放ってきた。

クリスとコウガネは、『LAST∞METEOR』をギリギリで後方に飛んで交わす。

 

「天羽々斬にもう一人のガングニール……」

 

「久しぶりだな、ネフシュタン、邪武」

 

「会いたかったぜ?」

 

「翼さん‼奏さん‼」

 

「翼……奏……」

 

巨大化したアームドギアを元に戻し、地面に着地した翼と上空から降りてきた奏の元に、二人の名を呼びながら響と戒斗が近づく。

 

「翼さん、怪我はもう大丈夫なんですか?」

 

「ああ。問題ない♪」

 

「無理はするな。まだ貴様は病み上がりなのだからな」

 

「分かってる♪危ない時は、戒斗が助けてくれるのだろう♪」

 

「……ふん」

 

「おお‼戒斗が照れてる‼」

 

「照れてなどいない。さっさと構えろ。奴らはまだ動ける」

 

「ああ‼」

 

「あいよ‼」

 

「はい‼」

 

戒斗の言葉に、クリスたちに向かって構える3人。

その時

 

「ッ⁉なんだ⁉」

 

「コイツは⁉」

 

「まさか……」

 

「えぇええ⁉」

 

「なんだありゃ⁉」

 

「あの光はなんだ⁉」

 

突然、翼のアームドギアである剣が光出し、その場にいた全員が驚く。

光はアームドギアの1ヶ所に集中した後に、アームドギアから1つの光となって飛び出し、戒斗の手元にいきロックシードへと変わった。

 

「それは……ロックシード?」

 

「私とアームドギアが描かれている……だと⁉」

 

「あたしの時と同じだな♪」

 

「ああ……試してみるか」

《天羽々斬‼》

 

戒斗は新たなロックシードのスイッチを押す。

だが、奏とのロックシード同様、クラックは出現しなかった。

 

「あれ?丸いファスナーが出てこない?」

 

「クラックだ立花。だが、何故出てこない?」

 

「見てりゃ分かるぜ?なぁ戒斗♪」

 

「ああ。変身‼」

《ロック・オフ ロック・オン》

《カモン‼天羽々斬アームズ‼》

《蒼・翼・の・剣》

 

戒斗はバナナロックシードを取外し、新たなロックシードをはめ込みカッティングブレードを倒す。

すると、奏の時と同様、ロックシードから無数の光が飛び出し、戒斗の体にアーマーとして装着される。

そして、ロックシードから1つの光が飛び出しアームドギアへと変わり、戒斗はアームドギアを手にし、戒斗は【仮面ライダーバロン 天羽々斬アームズ】へと変わった。

 

「あたしと同じアーマーとアームドギア⁉」

 

「ああ……翼、奏、立花、3人はネフシュタンを無力化してくれ。邪武は俺が相手をする」

 

「承知‼」

 

「おう‼」

 

「はい‼」

 

戒斗に言われた3人は、クリスに向かって駆け出した。

戒斗も、コウガネにアームドギアを構えて駆け出す。

 

「ハァッ‼」

 

「くっ‼」

 

戒斗はアームドギアでコウガネに斬りかかり、コウガネはダーク大橙丸でガードする。

 

「ほぅ……新たなロックシードのおかげで、多少はマシになt「ふん‼」がはっ」

 

「話している程、貴様に余裕があるのか?」

 

話すコウガネに、戒斗は容赦なく蹴り飛ばした。

 

「き、貴様……‼ならば‼」

《ダークネススパーキング‼》

 

「ふん‼」

《カモン‼天羽々斬スパーキング‼》

 

コウガネはカッティングブレードを三回倒してダーク大橙丸にエネルギーを蓄積する。

対して、戒斗はカッティングブレードを三回倒した後に、アームドギアを大型化させてエネルギーを蓄積する。

 

「ハッ‼」

 

「セイッ‼」

『蒼ノ一閃』

 

戒斗とコウガネは同時にエネルギーの斬撃を放つ。

両者の放った斬撃が激しくぶつかり合う。

だが、戒斗の放った斬撃がコウガネが放った斬撃を破壊し、コウガネに直撃する。

 

「がぁあああああ⁉」

 

直撃を喰らったコウガネは地面を転がり、仰向けに倒れる。

対して戒斗は、アームドギアを元のサイズに戻して、ゆっくりとコウガネに近づき、アームドギアをコウガネに向けた。

 

「コウガネ、これで貴様も終わりだ」

 

「くっ⁉」

 

「これで、終わり―――ッ⁉ちぃっ‼」

 

コウガネにアームドギアを振り下ろそうとした時、戒斗の左側から無数の光弾のような物が飛来してきた。

戒斗はいち早く気づき、その場から避ける。

 

「今のはいったい⁉」

 

「Killiter Ichaival tron」

 

「ッ⁉コレは⁉」

 

戒斗が先程の光弾がなんなのか驚いていると、翼たちと同じ聖唱が聞こえてきた。

それに驚いた戒斗は、その聖唱が聞こえた方に顔を向ける。

するとそこには、両手にガトリング砲を持ち、ネフシュタンの鎧とは違うアーマーを纏ったクリスがいた。

 

「奴は……ネフシュタンか?」

 

「そうだ。奴は、ネフシュタンの鎧を纏う者であり、聖遺物第二号【イチイバル】の装者だ」

 

「ッ⁉コウガネ⁉」

 

突然喋りだしたコウガネの方に顔を向ける戒斗。

するとコウガネは立ち上がっており、コウガネの背後にクラックが出現していた。

 

「駆紋戒斗、勝負は預ける‼」

 

コウガネはそう言って、クラックに入って逃走した。

 

「逃げられたか…………」

 

「戒斗‼」

 

「ッ⁉」

 

名を呼ばれて戒斗が振り返ると、翼と奏、響とクリスの4人がノイズに襲われていた。

 

「(何故ネフシュタンまで襲われている⁉だが今は)ふん‼」

 

『〒%§¥*℃¢$*#⁉』

 

戒斗はクリスが何故襲われているのか疑問をもったが、考えるのをやめて、ノイズに目掛けてアームドギアを投げ飛ばし撃退した。

 

「翼‼奏‼立花‼ネフシュタン‼背中合わせに円を組め‼」

 

「でもこいつは⁉」

 

「こいつもノイズに狙われている‼今は協力するのが妥当だ‼」

 

「……分かった‼」

 

「ネフシュタン、貴様もいいな?」

 

「ちっ‼仕方ねぇな」

 

戒斗に言われ、円を組んで構える5人。

その時、急にノイズが何かの光に吸収されていった。

 

「な、なんだ⁉」

 

「ノイズが……消えていく?」

 

「ッ⁉あそこ‼誰かいます‼」

 

「奴は……」

 

「ッ⁉フィーネ‼」

 

響が指差す場所には、クリスが以前持っていた杖を持ったフィーネがいた。

フィーネを見たクリス以外のメンバーが、警戒して構える。

 

「そう構えなくていいわよ、シンフォギア装者たち。そしてバロン」

 

「フィーネ…………終わりをもたらす者か」

 

「あんたの目的はなんなんだ⁉」

 

「ふふ♪教えると思うか?」

 

「フィーネ‼なんであたしまで狙った‼」

 

「クリス……あなたはもう利用価値がないの。だから消えてもらおうと思ったのよ」

 

「そ、そんな⁉」

 

フィーネに言われ、絶望するクリス。

するとフィーネの元に、先程戒斗に当たりかけた光弾のような物が集まる。

 

「ネフシュタンの鎧は回収した。もうここには用はない。ではな、シンフォギア装者、バロン」

 

「ま、待ってくれフィーネ‼」

 

フィーネはその場から魔法陣のような物で消え、クリスもその場から消えた。

残された戒斗たちは、変身とシンフォギアを解除し、二課のメンバーが来るのを待った。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は、戒斗が色々と世話をやきます。

次回も是非読んでください‼


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Song14:世話焼きな戒斗と戒斗の力と異世界への扉

今回は長めにできてます。

今回の話では、戒斗がある子たちに世話を焼き、戒斗が隠していた力を解放します。
そして、戒斗と翼、奏の3人が凄いことに

それでは本編スタートです‼


戒斗が新たな力を得て、フィーネと接触したその日の夜、戒斗は一人公園を歩いていた。

 

(フィーネ…………終わりをもたらす者………か)

 

戒斗は歩きながら、接触したフィーネのことを考えていた。

 

(奴は、何が目的でノイズを操り、コウガネと手を組んでいる?)

 

戒斗はフィーネの目的がなんなのか考えるが、いっこうに分からないでいた。

 

「(考えても仕方ないか。何が目的であろうと、俺のやることに変わりはないのだからな)「しつけぇな‼行かねぇって言ってんだろ⁉」ん?」

 

戒斗がフィーネのことについて考えるのをやめると、女性の怒鳴り声が聞こえてきた。

戒斗は気になり、声のした方に顔を向ける。

するとそこには、昼間戒斗に痛い思いをさせられたチャラ男3人が、1人の少女またナンパしていた。

 

「なぁなぁいいじゃん?一緒に食事しようよ?」

 

「うるせぇ‼あたしは行かねぇって言ってんだろ‼」

 

「照れちゃって可愛いね♪」

 

「それじゃあ俺たちと「貴様ら」あ?ッ⁉あ、あんたは⁉」

 

見てられなくなった戒斗が、チャラ男たちに声をかけると、チャラ男たちは驚いた顔をしていた。

 

「貴様ら、昼間言われたのにもかかわらず、まだやってるのか?」

 

「そ、それは…………」

 

「1度しか言わん…………失せろ」

 

「「「は、はいぃいいい‼」」」

 

戒斗に恐れをなしたチャラ男たちは、一目散に逃げていった。

 

「懲りない奴等だ…………大丈夫か?」

 

「……えっ?あ、ああ……大丈夫だ」

 

「ならばいい。しかし、何故追い払わなかった?」

 

「さっきから、何度も行かねぇって言ったよ‼でもあいつら、こっちの話なんて聞きやしねぇ」

 

「そういう意味ではない」

 

「はっ?んじゃどういう意味だよ?」

 

戒斗の言ってる意味が理解できず、頭を傾げる少女。

 

「何故、力でねじ伏せなかったと聞いているだ」

 

「な、なんのことだよ?」

 

「ごまかすな。貴様の力なら、奴等などどうってことないだろ…………ネフシュタン。いや、イチイバルと言った方がいいか?」

 

「ッ⁉」

 

戒斗にそう言われた少女―――クリスは戒斗を警戒して、そのばから飛び退いた。

 

「テメェ何者だ⁉なんであたしがネフシュタンの鎧を使ったり、イチイバルの装者だって知ってやがる⁉」

 

「何故知っていると言われてもな…………何度も戦った相手だからな。纏うオーラで分かる」

 

「何度も戦った相手だぁ?…………ッ⁉まさかテメェ……バロンか⁉」

 

戒斗がバロンだと分かると、クリスは首にぶら下げていたネックレスに手をかけた。

 

「勘違いするな。俺は貴様を捕らえにきた訳でも、貴様と戦いに来た訳でもない」

 

「……じゃあなんで、あたしを助けたりなんかした?フィーネの情報を得るためか?」

 

「それも違う。ただの気まぐれだ」

 

「…………………」

 

戒斗の言葉が信じられないクリスは、戒斗を睨みつける。

その時

 

―ギュルルルルル―

 

「ん?」

 

「ッ⁉////////////」

 

クリスの腹の音が鳴り響き、クリスは顔を赤くした。

 

「貴様、腹が減ってるのか?」

 

「う、うるせぇ⁉////////だったらなんだよ⁉////////」

 

「……………………」

 

戒斗に指摘されたクリスは更に顔を赤くし、戒斗を怒鳴った。

すると戒斗は、クリスに何も言わず背を向け、歩き出した。

 

「お、おい‼どこに行く気d「ついてこい」えっ?」

 

「腹が減ってるのだろう?何か食わせてやる」

 

「ま、待てよ‼」

 

そう言って歩き出す戒斗を、慌てて追いかけるクリス。

すると突然、戒斗が歩くのをやめ、クリスは戒斗の背中にぶつかってしまう。

 

「いって~な~‼急に止まんなよ⁉」

 

「すまんな、1つ聞くのを忘れていた」

 

「なんだよ?」

 

「貴様の名前はなんという?俺は駆紋戒斗だ」

 

「…………雪音クリスだ」

 

「雪音クリスか…………良い名だな」

 

「なっ⁉//////」

 

戒斗に名を誉められ、顔を赤くするクリス。

 

 

数分後、戒斗はクリスを連れてファミレスにやって来ていた。

ファミレスに着いた戒斗は、クリスに食べたい物を頼ませ、好きなだけ食わせていた。

 

「ガツガツガツガツガツガツガツガツ‼」

 

「……そんなに慌てなくとも、飯は逃げたりしないぞ」

 

「ガツガツガツガツ‼……んく‼ぷは~……しょうがねぇだろ?こんなまともな飯食ったの、ガキの頃以来なんだからよ」

 

「ガキの頃?今まで何を食ってきたんだ?」

 

「ん?握り飯とか、サンドイッチとかだよ。あとは……唐揚げとかだな」

 

「……よくそれで生きていられたな、貴様は」

 

「まぁな♪」

 

「誉めていない」

 

そう言って、戒斗はクリスに呆れながらコーヒーを飲む。

その時

 

「戒斗……さん?」

 

「ん?……小日向?」

 

「ん?」

 

ファミレスに来た未来が、戒斗に声をかけてきた。

未来に呼ばれて顔を向ける戒斗につられ、クリスも未来を見る。

 

「どうした小日向?こんな時間に」

 

「えっと…………その……」

 

「……とりあえず、ここに座れ。雪音、すまんが少しつめてくれ」

 

「ん」

 

クリスは戒斗に言われた通りに奥へつめ、未来はあいた席に座った。

 

「それで?どうしたんだ?こんな時間に1人で?立花はどうした?」

 

「……………………」

 

「喧嘩…………というより、不満を爆発させて出てきたと言ったところか?」

 

「はい…………」

 

「とりあえず、何か頼め。奢ってやる」

 

「えっ?いいんですか?」

 

「構わん。コイツのついでだ」

 

「そ、それじゃあ……」

 

未来は戒斗の言葉に甘え、注文することにした。

 

 

 

 

数十分後

 

「いや~食った食った‼」

 

「ご、ごちそうさまです」

 

「…………小日向はともかく、雪音は少し食いすぎではないか?」

 

「好きなだけ頼めって言ったのはテメェだろ?なぁ?」

 

「えっ?う、うん」

 

急にクリスから振られた未来は、気まずそうに頷いた。

 

「まぁ、別に困らんがな。…………ところで貴様ら、この後どうする気だ?」

 

「「この後?」」

 

「寝泊まりする家はどうする気だ?」

 

「「あっ……」」

 

戒斗に言われて、どうするか考えていなかったことを思い出すクリスと未来。

 

「その様子だと、考えていなかったみたいだな」

 

「「うっ‼」」

 

「…………仕方がない。なんとかしてやる」

 

そう言った戒斗は、スマホ取り出し電話をかける。

 

「……もしもし?今、大丈夫か?……実は頼みがある……貴様のところに女を2人泊めてやってくれ…………違う、彼女じゃない…………分かった。今から向かう」

 

話を終えた戒斗は通話を切り、スマホをしまった。

 

「あの、誰に電話したんですか?」

 

「俺の知り合いに、衣服店を経営している女店長がいてな。そいつに頼んで泊めてもらえるよう頼んだ」

 

「いいのかよ?そんないきなりで?」

 

「問題ないそうだ。丁度暇してたらしい」

 

「でも、ホントにいいんですか?」

 

「心配はいらん。独り身で寂しくしてるからな。行くぞ」

 

「は、はい‼」

 

「…………ああ」

 

戒斗は支払いを済ませ、クリスと未来の2人と共に、知り合いの元に向かった。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

道中、3人は何も喋らず歩いており、3人の中で気まずい空気が流れていた。

その時、戒斗が口を開いた。

 

「…………貴様ら」

 

「な、なんですか?」

 

「な、なんだよ?」

 

「1つだけ言っておく…………己の思うがままに動け」

 

「「えっ?」」

 

「それだけだ」

 

そう言った戒斗は、足早に歩いていく。

数分後、戒斗たちは一件の店の前にたどり着いた。

 

「ここが?」

 

「ああ」

 

「えっと…………衣服店【キラブティ】?なんか、変な名前だな?」

 

「キラキラブティックの略称だそうだ…………入るぞ」

 

そう言って、戒斗は中へと入っていき、クリスと未来も慌てて中に入っていく。

中に入ると、1人の女性が本を読んでいた。

 

「来たぞ」

 

「ん?あら戒斗くん♪いらっしゃい♪そちらのお嬢さん方もいらっしゃい♪」

 

「「ど、どうも」」

 

女性はそう言うと、本を閉じて戒斗たちに近寄る。

 

「はじめまして♪衣服店キラブティの店長をしてる美都 和子(みと かずこ)よ♪」

 

「は、はじめまして。小日向 未来です」

 

「雪音……クリスだ」

 

「未来ちゃんにクリスちゃんね。もう、こんなかわいい彼女が2人もいるなんて、悪いわよ戒斗くん♪」

 

そう言いながら戒斗を小突く和子。

 

「彼女じゃない」

 

「あらそうなの?勿体ないわね。こんなにかわいい子、そんなにいないわよ?」

 

「そうかもな。それより、2人を頼んだぞ」

 

「任せなさい♪」

 

「それと、コレを」

 

そう言うと、戒斗は財布から万札を数枚出した。

 

「コレで、2人に服を買ってやってくれ。つりはいらん」

 

「なっ⁉待ってください戒斗さん‼流石にそれはダメですよ‼」

 

「そうだ‼流石にそれは受け取れねぇよ‼」

 

「だが、その服のまま寝るわけにはいかんだろ」

 

「それは……」

 

「そうだけどよ……」

 

「これは俺がやりたくてしているだけだ。気にする必要はない。美都、頼んだぞ」

 

「分かったわ」

 

「ではな、2人とも」

 

戒斗はそう言って、店から出ていった。

残された2人は、美都に服を選んでもらい、美都の店で寝泊まりすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「と、いうことだ。貴様はとりあえず休め」

 

『……はい。分かりました』

 

戒斗が店を出てから数分後、戒斗は響に未来が美都の店で寝泊まりすることを伝えていた。

 

『戒斗さん…………』

 

「なんだ?」

 

『すみません……本当なら、私が未来を見つけて話をしないといけないのに』

 

「……そう思うのなら、早く答えを出すことだ」

 

『答え……』

 

「立花……貴様がどうしたいのか、よく考えろ」

 

『私が……どうしたいのか』

 

「ああ……じゃあ俺は切るぞ」

 

『はい…………おやすみなさい』

 

響はそう言うと、通話を切った。

通話を終えた戒斗はスマホをしまい、自宅のベッドに横になって寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「あの2人…………答えを見つけたのだろうか」

 

未来たちを美都の家に預けた翌日、戒斗は2人がいる美都の家へと向かっていた。

だが

 

―pipipipipipi―

 

「こんな時にノイズか」

 

二課の通信機から緊急の着信音が鳴り響いた。

戒斗は愚痴を言いながら、すぐに通信機に出た。

 

「こちら戒斗」

 

『戒斗くん‼ノイズが現れた‼川の近くだ‼急いで向かってくれ‼』

 

「了解した」

 

戒斗は通信を切り、ローズアタッカーを展開して、川に向かった。

数分後、川に着くとクリスがいた。

 

「雪音‼」

 

「ッ⁉……バロン」

 

「貴様……何をやっている。戦わないのか?」

 

「あたしは…………」

 

戒斗の質問に、何も答えることができないクリス。

そのクリスに、戒斗は何も言わずクリスの前に立つ。

 

「戦わないのなら下がっていろ。コイツらは、俺が倒す」

 

「…………分からねぇんだ」

 

「ん?」

 

「分からねぇんだ。コイツらを倒すのが償いになるのかどうか…………」

 

「…………貴様はどうしたい?」

 

「えっ?」

 

「貴様はどうしたい?償いになるのかどうか関係なく、貴様がどうしたいかだ」

 

「あたしが…………どうしたいか」

 

戒斗に言われ、目を瞑るクリス。

そして目を開けると、クリスの目は、何かを決意した目へと変わっていた。

 

「決めた‼あたしはコイツらを倒す‼償いなるかならないかじゃない…………あたしがやりたいんだ‼」

 

「そうか…………ならばその新たな1歩に、花を添えさせてもらおう」

 

そう言った戒斗は、腰にゲーマドライバーを装着した。

 

「へへ♪頼りにさせてもらうぜ?バロン‼」

 

「…………戒斗だ」

 

「えっ?」

 

「名前で構わん」

 

「んじゃ、あたしのことはクリスでいいぜ?あと…………」

 

「ん?」

 

「責任はとってもらうからな?」

 

「?どういう意味だ?」

 

「えっ?そ、それは…………その……と、とにかく‼////責任をとってもらうからな‼//////」

 

「何故顔を赤くする?…………まさか」

 

「うるせぇ‼//////さっさとノイズを蹴散らすぞ‼//////」

 

顔を赤くしながら言ったクリスは、待機状態のイチイバルを握りしめた。

 

「Killiter Ichaival tron」

 

聖詠を唱え、クリスはイチイバルを纏った。

すると、イチイバルが急に光だした。

そしてイチイバルの1ヶ所に光が集中し、1つの光として飛び出し、ロックシードへと変化して戒斗の手におさまった。

 

「ソイツは⁉」

 

「貴様の力だな…………使わせてもらうぞ」

《イチイバル‼》

《ロック・オン》

 

「変身‼」

《カモン‼イチイバルアームズ‼》

《銃・撃・バン‼バン‼バン‼》

 

戒斗は新たなロックシードをはめてカッティングブレードを倒す。

すると、無数の光がロックシードから放たれ、 戒斗のボディにアーマーとして装着される。

そして戒斗の両手にアームドギアの銃が握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン イチイバルアームズ】へと変身した。

 

「行くぞ‼」

 

「おう‼」

 

戒斗とクリスは同時にかけ出し、ノイズに向かっていった。

 

「オラァアアアアア‼」

 

『『『*℃¢$%∞§∞¥⁉』』』

 

「ハァアアアアア‼」

 

『『『%*℃¢$〒#¥∞⁉』』』

 

クリスと戒斗は銃をガトリング砲に変化させ、ノイズを乱れ撃つ。

 

「戒斗‼ド派手なの行くぞ‼」

 

「いいだろう‼」

《カモン‼イチイバルスカッシュ》

『『MEGA DETH PARTY』』

 

「「喰らえ‼」」

 

『『『『『『〒℃*¢$%“§∞¥〒#⁉』』』』』』

 

戒斗とクリスは、腰部アーマーから、無数の小型ミサイルを発射し、ノイズを撃退した。

 

「よし‼」

 

「このくらいでは、物足りんな」

 

「だな。まぁ、あたしらが強すぎんのかもな♪」

 

「…………ふん」

 

ノイズを撃退し、安心して喋るクリスと戒斗。

その時、戒斗の通信機に緊急通信が入った。

 

『戒斗くん‼』

 

「弦十郎か……どうした?」

 

『そこから数キロ先の川沿いに向かってくれ‼響くんが、民間人を守りながら、邪武と戦っている‼』

 

「なにっ⁉分かった‼すぐに向かう‼」

 

そう言った戒斗は、通信を切り、ゲーマドライバーを取り出して、腰に装着した。

 

「お、おい⁉どうしたんだよ⁉」

 

「立花……デュランダルを使用したガングニールの湊者が、今コウガネと交戦している」

 

「邪武と⁉」

 

「ああ‼俺は立花の元に向かう‼クリス、お前も来てくれ‼」

 

「分かった」

 

クリスに頼んだ戒斗は、タドルクエストガシャットともう1つのガシャット―――【ジェットコンバットガシャット】を手に持ち、スイッチを押す。

 

《タドルクエスト‼》

《ジェットコンバット‼》

 

スイッチを押すと、背後に現れた2つ画面の内1つから、サポートユニット【コンバットゲーマ】が現れ、戒斗の周りを飛び回る。

 

「な、なんだソイツ⁉」

 

「俺のサポートユニットだ……術式レベル3……変身‼」

《ガシャット‼》

《ガッチャーン‼レベルアップ‼》

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼アガッチャ‼ジェット‼ジェット‼イン・ザ・スカイ‼ジェット‼ジェット‼ジェットコンバット‼》

 

戒斗はクリスの疑問に答えると、ガシャットをゲーマドライバーに挿入し、レバーを引く。

すると、戒斗が仮面ライダーバロン クエストゲーマーへと変身したのと同時に、コンバットゲーマが戒斗のボディにアーマーとして合体し、バロンの目にバイザーが装着され、戒斗は【仮面ライダーバロン コンバットクエストゲーマーレベル3】へと変身した。

 

「な、なんだそりゃ⁉」

 

「先に行ってるぞ‼」

 

戒斗は驚くクリスを置いて、背後に装着された飛行ユニットで浮かび、響の元へと向かった。

 

 

 

 

その頃響は

 

「ふん‼」

 

「がはっ⁉」

 

「響⁉」

 

「その程度か?」

 

「くっ‼」

 

響は、未来を守るためコウガネと戦っていたが、コウガネと戦う前に戦ったノイズとの戦闘の影響でまともに戦えていなかった。

 

「少々早い気がするが、貴様には消えてもらおう」

 

「ッ⁉させない‼」

 

「ッ⁉未来⁉」

 

響が危ないと感じた未来は、響を守るために響の前に出て手を大きく広げる。

 

「どけ小娘。貴様には用がない」

 

「どかない‼親友が目の前で辛く苦しんでるのに……逃げるなんてしたくない‼」

 

「未来……」

 

「ならば…………死ね‼」

《ダークネススカッシュ‼》

 

「ハッ‼」

 

「未来っ⁉」

 

「ッ⁉」

 

コウガネはダーク大橙丸にエネルギーを蓄積して、未来に向かって斬撃を放つ。

だが未来は避けることをせず、目を瞑りながらその場を動かないでいた。

するとそのと

 

―ドガァアアアアン―

 

「…………えっ?」

 

「な、なに?」

 

「バカな⁉何故斬撃が⁉」

 

「コウガネー‼」

 

「ッ⁉がぁあああああ⁉」

 

「「か、戒斗さん⁉」」

 

上空から戒斗が二丁の【ガトリングコンバット】で斬撃を破壊し、そのままコウガネを攻撃して響たちの前に着地した。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい‼」

 

「戒斗さん…………ありがとうございます‼」

 

「ふん…………気にするな」

 

「駆紋戒斗~‼」

 

戒斗が響たちと話していると、攻撃を喰らったコウガネが、激情しながら立ち上がった‼️

 

「その姿……また私の知らない力だとでも言うのか⁉」

 

「そうだ。コウガネ……今日こそ決着をつける‼」

 

「戒斗さん‼私も戦います‼」

 

コウガネに向かって構えていた戒斗の隣に、響が並んで構えた。

 

「立花…………どうやら吹っ切れたみたいだな」

 

「はい‼私はこれから、何かあったら未来になんでも話すことにしました‼それで未来が危険な目にあいそうになっても、私がこの手で守り抜いてみせます‼どんなに離れていても、この手を伸ばします‼」

 

「ふ…………いい覚悟だ‼響‼」

 

「戒斗さん…………私の名前を」

 

「貴様の戦士としての覚悟…………信頼に値すると思ってな、名前で呼ばせてもらった。不服か?」

 

「いいえ‼全然‼」

 

響がそう答えると、響の体が光だした。

 

「えっ?…………えぇえええ⁉」

 

「響が……光ってる⁉」

 

「ほぅ……」

 

「ま、まさか⁉」

 

響の体が光だしたことに、それぞれ反応する4人。

すると、響の体の光が1ヶ所に集まって体からほうしゅつされ、ロックシードへと変わって、戒斗の手におさまった。

 

「コレって⁉」

 

「どうやら、貴様の覚悟が新たなロックシードを生み出したみたいだな…………行くぞ響‼」

 

「はい‼」

 

そう言って、コウガネに向かって構える戒斗と響。

 

「ふん‼たった2人で、今の私を倒せるわけが「なら、5人ならどうだ?」ッ⁉なに⁉」

 

「ッ⁉お前たち⁉」

 

コウガネが自信満々に言っているところに、シンフォギアを纏った翼と奏、クリスがアームドギアを構えて立っていた。

 

「翼さん‼奏さん‼クリスちゃん‼」

 

「待たせたな戒斗、立花」

 

「遅れた分はしっかり働かせてもらうよ‼」

 

「雪音クリス‼貴様裏切る気か⁉」

 

「悪いな邪武。あたしは、あたしの心に従ってコッチに着くことにした。誰でもないあたしの意思でな‼」

 

「くっ‼風鳴翼‼天羽奏‼貴様らはそれでいいのか⁉そいつは貴様らの敵だったんだぞ⁉」

 

まさかの事態に驚くコウガネは、仲間割れさせようと翼と奏にいい放つ。

だが

 

「確かに、すぐに仲間と呼べる訳ではない。だが」

 

「気持ちはあたしらと同じ。なら、一緒に戦うまでさ‼」

 

「くっ‼」

 

翼と奏には無意味なことで、コウガネは悔しがった。

 

「それに、クリスも私たちと同じだからな」

 

「どういう意味ですか?」

 

「コイツ、戒斗に惚れてんだよ♪」

 

「なっ⁉//////」

 

「「えぇえええ⁉」」

 

「…………なに?」

 

奏の爆弾発言に、驚くクリスと響、未来と戒斗の4人。

そしてクリスは、顔を赤くしながら奏に掴みかかった。

 

「なに爆弾発言してんだ⁉////今言うことじゃないだろ⁉////」

 

「どうせ、後で言う気だったんだろ?」

 

「そ、それは////…………そうだけどよ////」

 

「そ、そんな…………クリスちゃんも戒斗さんを⁉」

 

「ま、待って響…………まさか響も戒斗さんを?」

 

「え、えへへ//////」

 

「そんな……私だって戒斗さんのことが好きになったのに」

 

「えっ?未来も!」

 

「う、うん////」

 

「……………………」

 

まさかの、クリス以外に響と未来も戒斗に惚れてしまっていることが発覚し、戒斗は無言になってしまった。

 

「貴様ら‼戦闘中に何を喋りあっている‼」

 

「…………小日向……いや、未来。下がっていろ」

 

「は、はい」

 

コウガネの言葉を合図に、戒斗は未来を下がらせた。

すると戒斗は、1つのメダルのような物を取り出した。

 

「戒斗さん、それなんですか?」

 

「エナジーアイテム…………ライダーの力になるパワーアップアイテムだ」

《分身化》

 

戒斗は響に説明すると、取り出したエナジーアイテムを自信の体に押しつけた。

すると戒斗の体が光、光がおさまると、そこには3人の戒斗がいた。

 

「なっ⁉戒斗が⁉」

 

「増えた⁉️」

 

「えぇえええ⁉」

 

「分身って奴かよ⁉」

 

「くっ⁉だがそんな小細工、私には通用せん‼」

 

「「「それはどうかな?」」」

 

そう言った戒斗たちは、1人は色違いのガシャットを取り出し、1人は戦極ドライバーを、もう1人は銀色のベルトを装着した。

すると、銀色のベルトを装着した戒斗の元に、青い機械のようなクワガタ虫が飛んできた。

 

「なっ⁉ま、まさか⁉」

 

「「「見せてやろう‼貴様に今の俺の強さを‼」」」

《ガングニール・響‼》

《ドラゴナイトハンターZ‼》

 

「術式レベル5」

 

「「「変身‼」」」

 

「キャストオフ‼」

 

《カモン‼ガングニール・響アームズ‼》

《繋ぐ拳・オン・エア‼》

 

《アガッチャ‼》

《ド・ド・ドラゴ‼ナナナナーイト‼ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンターZ‼》

 

《HENSIN》

《castoff》

《change stagbeetle》

 

戦極ドライバーを装着した戒斗は、新たなロックシードで、響と同じアーマーを纏い【仮面ライダーバロン ガングニールアームズ拳】へと変身。

ゲーマドライバーを装着した戒斗は、レベル5のガシャット【ドラゴナイトハンターZ】で、画面から出てきた【ハンターゲーマ】と合体して【仮面ライダーバロン ハンタークエストゲーマーレベル5】へと変身。

銀色のベルト―――【ゼクターベルト】に青い機械のようなクワガタ―――【ガタックゼクター】を装着し、角の部分を開く。

すると、バロンの赤の部分が青く染まり、青いアーマーが装着、左右の肩に専用武器【ガタックカリバー】が装備され、頭に青い角が生え、目の色が赤く染まり戒斗は【仮面ライダーバロン ガタックフォルム】へと変身した。

 

「な、なんだその姿は⁉」

 

「すげぇよ戒斗‼」

 

「見たことない姿もある‼」

 

「戒斗さんスゴーい‼」

 

「どんだけ力隠してんだよ⁉」

 

「戒斗さん…………」

 

戒斗の様々な姿を見て、驚くコウガネたち。

その時

 

「はっ‼」

 

「がっ⁉」

 

ガングニールアームズの戒斗が、コウガネを殴り飛ばした。

 

「貴様は今度こそ倒す…………行くぞ‼」

 

「「「「おう(はい)‼」」」」

 

ガングニールアームズの戒斗の掛け声で、他の戒斗と奏たちが一斉に駆け出す。

 

「響‼上空に奴をあげるぞ‼」

 

「はい‼」

 

「「ハァアアアア‼」」

 

「がっ⁉」

 

ガングニールアームズの戒斗と響が、コウガネを上空に殴り飛ばす。

 

「翼‼奏‼合わせろ‼」

 

「ああ‼」

 

「あいよ‼」

 

「「「てりゃぁあああああ‼」」」

 

「ぐぅうううううう⁉」

 

上空に上がったコウガネを、ガタックフォルムの戒斗と翼、奏の3人がそれぞれの武器で切り裂く。

 

「クリス‼ぶちかませ‼」

 

「オラァアアアア‼」

 

「がぁあああああ⁉」

 

「ついでにコレもだ‼」

 

「がはっ⁉」

 

ハンタークエストの戒斗がクリスに指示して、コウガネをガトリング砲で狙い撃ち、怯んだコウガネを装備されたブレードで切り裂く。

それをもろに喰らったコウガネは、地面へと落ちていく。

 

「コイツで終いだ‼」

《バナナ‼》

《ロックオン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

ガングニールアームズを纏っていた戒斗は、バナナアームズへと変わり、コウガネに向かって走り出す。

 

「決めるぞ‼ハンター‼ガタック‼」

《カモン‼バナナスパーキング‼》

 

「ああ‼」

《ガッシューン》

《ガシャット‼キメワザ‼》

《DRAGO KNIGHT CRITICALSTRIKE》

 

「ふん‼」

《1・2・3》

 

「ライダーキック‼」

《riderKick》

 

「「「はっ‼」」」

 

それぞれの戒斗は右足にエネルギーを蓄積すると、上空べとべと跳び。

 

「「「ハァアアアア‼」」」

 

―ドガァアアアアン―

 

コウガネを挟み込むように跳び蹴りを叩き込み、コウガネは爆発した。

跳び蹴りを叩き込んだ戒斗たちは着地し、バナナアームズの戒斗以外が消えた。

その戒斗に翼たちが駆け寄る。

 

「やったな戒斗‼」

 

「流石だ‼」

 

「邪武を倒しちまうなんて、やっぱすげぇな‼」

 

「戒斗さん最高です‼」

 

「カッコ良かったです」

 

「……………………」

 

翼たちは戒斗を褒め称えるが、当の本人は何も喋らなかった。

それを疑問に思った翼が、戒斗に問いかけた。

 

「どうしたんだ戒斗?」

 

「奴を…………コウガネを倒せた気がしない」

 

「えっ?でも、奴は間違いなく」

 

「ああ。手応えはあった。だが、妙だった気がしてな」

 

「妙?」

 

「ああ…………まぁ、この事は後でもいい。それよりも今はクリスのことだ」

 

そう言った戒斗は、クリスに視線を向けた。

 

「クリス、こちら側についてくれたのはありがたいが、住まいはどうするつもりだ?」

 

「そりゃあ…………ってその前に言うことがあるだろう‼」

 

「何をだ?」

 

「あたしらの告白の返事だよ!」

 

「…………今、答えないといけないのか?」

 

「頼む‼」

 

「「私たちも‼」」

 

そう言って、戒斗に詰め寄るクリスと響、未来の3人。

戒斗はどうしたものかと悩み、翼と奏に視線を向けるも

 

「あたしらは、別にいいよ」

 

「だが、ちゃんと愛してくれればだがな」

 

「……はぁ」

 

奏と翼の返答を聞き、タメ息をつく戒斗。

しばし考え、答えようとしたその時

 

「ッ⁉なんだ⁉」

 

突然、上空に巨大な穴が開き、戒斗たちを吸い込みだした。

 

「うわわ⁉」

 

「きゃっ⁉」

 

「な、なんだよアレ⁉」

 

「恐らくワームホールだ‼吸い込まれれば、恐らく別の世界へと飛ばされる‼」

 

「別の世界⁉」

 

「クソッ‼全員何かに掴まれ‼」

 

奏の指示で、周りにあった岩にしがみつく響たち。

だが

 

「きゃっ⁉」

 

「うわっ⁉」

 

「ッ⁉翼‼奏‼」

 

翼と奏がしがみついていた岩が崩れ、2人はワームホールへと吸い込まれていき、戒斗は2人を追ってワームホールへと入っていく。

それと同時に、ワームホールは消滅した。

 

「そ、そんな…………」

 

「戒斗さんたちが…………」

 

「消えちまった…………」

 

to be next song




今回はここまでです‼

戒斗と翼、奏がワームホールに吸い込まれてしまっての続きは、現在コラボしている『武神鎧武』さんの『IS絶唱エグゼイド』をご覧ください‼

次回も是非読んでください‼


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Song15:異世界での説明と増える守るべき者

新年‼明けましておめでとうございます‼

本年も、『戦姫絶唱シンフォギア~歌姫たちと仮面の強者~』を、よろしくお願いいたします‼

今回は、戒斗たちが異世界であったことを説明します‼

それでは本編スタートです‼


戒斗たちが消えた翌日、二課では3人の行方を追っていた。

 

「まだ3人は見つからないか?」

 

「あらゆる場所の監視カメラや、反応を追っていますが、いまだに見つかりません」

 

「そうか……」

 

3人が見つからず、顔を俯かせる弦十郎。

その時

 

「ッ⁉謎のエネルギー反応をキャッチ‼」

 

「なにっ⁉場所は⁉」

 

「場所は……ッ⁉戒斗さんたちが消えた場所です‼」

 

「な、なんだと⁉」

 

戒斗たちが消えた場所に、謎のエネルギー反応が現れたことに驚く弦十郎。

 

「すぐに響くんに連絡を‼俺も現場に向かう‼」

 

弦十郎はそう言って、1人現場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、エネルギー反応が出た場所では

 

「あれ?ここって……」

 

「私たちがワームホールに吸い込まれた場所?」

 

「どうやら、元の世界に帰ってこれたみたいだな」

 

ワームホールに吸い込まれ、別の世界の仮面ライダーエグゼイドである神童クロトと、シンフォギアライダーたちと共闘していた戒斗と奏、翼の3人がいた。

 

「しかし、まさか並行世界に行くとはな」

 

「ビックリだよな?にしてもあいつら、これから大丈夫かな?」

 

「問題ない。奴等は真の強者だ。これから何があっても、どんな壁にぶつかろうとも、クロトたちなら乗り越えるだろう」

 

「そうだな♪」

 

「そうね♪」

 

戒斗の言葉を聞いて、安心する奏と翼。

その時

 

「戒斗~‼」

 

「戒斗さ~ん‼奏さ~ん‼翼さ~ん‼」

 

「「「ん?」」」

 

3人の名前を呼ぶ声が聞こえ、戒斗たちは声がする方へ顔を向ける。

そこには、シンフォギアを纏ったクリスと響が走って来ていた。

そして、その航法から未来と弦十郎が走ってくる。

 

「クリス、響、未来、弦十郎」

 

「戒斗さん‼奏さん‼翼さん‼大丈夫ですか⁉」

 

「心配したんだぞお前ら‼」

 

「良かった~皆無事で」

 

「心配をかけたな」

 

「翼、奏、無事で何よりだ」

 

「叔父様」

 

「心配かけちまったな」

 

「それで、何があったんだ3人とも?」

 

「実は「待て翼」な、何故?」

 

翼が弦十郎の質問に答えようとするのを、戒斗が止めた。

 

「ここで説明するのもあれだ。俺の家で話そう」

 

「戒斗の家で?」

 

「そうだ。弦十郎、車で来ているか?」

 

「あ、ああ」

 

「なら翼たちを乗せて、俺の後に付いてこい」

 

「わ、分かった。だが、全員は乗れんぞ?」

 

「ならば…………クリス」

 

「ん?」

 

「俺の後ろに乗れ」

 

「「なっ⁉」」

 

「「えぇ⁉」」

 

「マジか⁉」

 

戒斗の言葉に、翼たちが驚いた。

 

「ま、待てよ戒斗⁉普通はあたしか翼だろ⁉」

 

「そうなのだが、今まで敵対していた同士が一緒に乗ったんじゃ、空気が重くて嫌だろ?」

 

「そ、それは…………」

 

「奏、ここは戒斗従いましょう?」

 

「翼……」

 

「だけど戒斗‼今度いろいろ付き合ってもらうからな‼」

 

「分かった」

 

翼と奏はなんとか納得し、響と未来と共に弦十郎の車に乗る。

そして戒斗は、ローズアタッカーを展開し、後ろにクリスを乗せて家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「着いたぞ」

 

「こ、ココが戒斗の家か⁉」

 

戒斗は一軒の家の前で止まり、その家を見たクリスが驚く。

すると、後ろからついてきた奏たちも車からおり、戒斗の家を見て目を見開いた。

 

「でっけ~」

 

「ここが…………戒斗の自宅」

 

「すっご~い‼」

 

「敷地広いですね」

 

「………………」

 

おりてきた奏たちも、クリスと同じように驚いていた。

戒斗の家は3階建てとなっており、中庭も広く、ガレージもあった。

戒斗はそんな驚く奏たちを気にすることなく玄関に向かい、鍵をあけてドアを開いた。

 

「ホラ、さっさと入れ」

 

「「「「「「お、おう(は、はい)‼」」」」」」

 

戒斗にそういわれた奏たちは返事をし、駆紋家へと入っていく。

そして奏たちはリビングに案内され、ソファへと座る。

 

「さて、話してくれないか?あの変な穴に吸い込まれて何があったのかを」

 

「分かった」

 

弦十郎に聞かれ、戒斗たちは並行世界での話をした。

並行世界で戦う、仮面ライダーエグゼイドこと神童クロトと出会ったこと、並行世界の翼たちシンフォギアライダーたちと出会ったこと、共闘して超メガヘクスを倒したことを説明した。

 

「これが、俺たちが経験したため並行世界での話だ」

 

「ふへ~、そんなことがあったんですか~」

 

「なんだか信じらんねぇな」

 

「私も戦ってるなんてビックリです」

 

「ノイズがいない世界……か」

 

戒斗たちの話を聞いて、様々な反応を見せる響たち。

 

「信じられないだろうが、全て事実だ」

 

「最初あたしらも信じられなかったよ」

 

「そうか…………とりあえずご苦労だった3人とも。今日はゆっく休んでくれ」

 

「ああ…………ところで弦十郎、1つ聞きたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「クリスのことは、どうするつもりだ?」

 

「「「「ッ⁉」」」」

 

「……………………」

 

戒斗の発言で、奏と翼、響と未来がクリスに視線を向け、クリスは静かに目を閉じた。

 

「心配しなくても、彼女を捕まえるつもりはない」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

「…………大丈夫なのか?」

 

「ああ。だが、今二課に来るのはまずい。だから戒斗くん、彼女のことを任せてもいいか?」

 

「……ああ」

 

「では「ちょっと待った‼」なんだねクリスくん?」

 

「話を終わらせる前に戒斗に聞きたいことがある‼」

 

「なんだ?」

 

「あたしらの告白の答えだよ‼」

 

「そうです‼まだ返事を貰ってません‼」

 

「どうなんですか戒斗さん‼」

 

「……………………」

 

クリスたちにそう言われ、目を閉じる。

しばらくして、戒斗が目を開いた。

 

「答えは決まっている」

 

「なら「だが」えっ?」

 

「今から話す俺の過去を聞いて、もう一度考えてくれ。奏、翼、お前たちも聞いて、考えてくれ。今から話す過去には、まだお前たちに話してない過去だからな」

 

「「分かった(わ)」」

 

「では話そう。駆紋戒斗として、鏡戒斗として、そして、加賀美戒斗として生きていた過去を」

 

そう言った戒斗はクリスと響、未来の3人に、駆紋戒斗と鏡戒斗としての過去の話を聞かせた。

そして、クリスたちと、翼と奏、弦十郎のもう1つの過去、加賀美戒斗として過去の話をした。

 

戒斗は、鏡戒斗として生きる前に、加賀美戒斗として生きていた。

その時の戒斗は、【ZECT】と呼ばれる組織の研究員をしながら地球外生命体【ワーム】と戦っていた。

戒斗は、ワームの巣になっている工場にいた子どもを助けるために、ガタックゼクターの力を手に入れようとするが失敗してしまい、戒斗は生身のままで工場に潜入した。

だが、その子どももワームであり、戒斗は重症を負わされた。しかし、ゼクターベルトのおかげで一命をとりとめ、戒斗の行動を認めたガタックゼクターのおかげで、戒斗は【仮面ライダーガタック】へと変身し、ワームたちを倒した。

その後の戒斗は、友人を失ったり、好きだった女性を拐われたりして精神的に追い込まれていたが、めげることなく戦い続けた。

そして最後の戦い。戒斗は最後の敵を友人である【仮面ライダーカブト】こと天道総司と共に倒し、総司と話をしている際に力つき死んでしまった。

 

「これが俺の過去だ」

 

「「「「「「……………………」」」」」」

 

戒斗の過去を聞いた6人は、何も言えないでいた。

 

「奏、翼、クリス、響、未来…………この話を聞いても、お前たちは俺を好きだと言ってくれるのか?」

 

「当たり前だろ戒斗‼あたしはお前と一緒にいるって決めたんだからな‼」

 

「私もよ戒斗。どんな過去を抱えていても、私は戒斗と共に生きる」

 

「あたしもだ‼過去がなんだ⁉大事なのは今だ‼あたしはそんなんで、この想いを捨てる気はねぇ‼」

 

「私もです戒斗さん‼どんな過去を抱えていても、私は気にしません‼」

 

「私も響と同じです‼戒斗さん‼」

 

「お前たち…………ふっ」

 

奏たちの言葉を聞いて、口もとがユルム戒斗。

 

「では改めて……奏、翼、クリス、響、未来…………これからもよろしく頼む」

 

「「「「「おう(はい)‼」」」」」

 

こうして、5人の少女と付き合うこととなった戒斗。

この後、長話をしてしまったことで外が暗くなってしまったので、奏たちは戒斗の家に泊まることとなり、ゆっくり過ごした。

余談だが、クリスは戒斗と一緒に住むこととなった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗たちが、出かけます‼

次回も是非読んでください‼


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Song16:デートと神と新たな力

お待たせいたしました‼

今回は戒斗がデートし、ある人物と再会して新たな力を手にいれます。

それでは本編スタートです‼


戒斗がクリスと響、未来の3人と恋人関係になった2日後、戒斗はいつものチームバロンのコスチュームではなく、黒いジャケットにグレイの服、ダークブルーのジーンズを着て、公園のベンチに座っていた。

 

「…………そろそろか」

 

戒斗は左腕につけている腕時計をみながらそう言う。

すると、公園の出入り口から、変装した翼と奏、私服姿のクリスと響、未来の5人がやって来て戒斗に近づいていく。

 

「お待たせ戒斗」

 

「問題ない。行くぞ」

 

「「「「「ああ(はい)‼」」」」」

 

そう言った戒斗はベンチから立ちあがり、翼たちと共にモールに向かって歩き出した。

何故こうなったのか、それは響の突然の提案からだった。

戒斗たちが異世界から帰ってきた次の日、戒斗と翼、奏と響は、未来に二課の中を案内していた。

その場に、たまたま居合わせた緒川、あおい、了子の3人を加え雑談や恋バナをし盛り上がった。

その時、突然響が、デートしようと提案してきたのだ。

翼と奏は仕事がなかったため即OKし、未来も恥ずかしながらOKした。クリスについては戒斗が電話をし、OKをもらって、6人でデートをすることになった。

また、その際に奏が戒斗に違う服を見てみたいと提案し、戒斗はチームバロンのコスチュームではない違う服装できていたのだ。

 

「しっかし、こうして大人数で遊びに行くのは始めてで、わくわくするなぁ~♪」

 

「そうね♪」

 

「えっ?そうなんですか?」

 

「ああ。歌手の仕事や、二課の任務で忙しかったからなぁ」

 

「そうだったんですか」

 

「戒斗は、この世界に来る前は、こうやって遊びに行くことはなかったのか?」

 

「俺か?」

 

クリスに聞かれ、過去を思い返す戒斗。

 

「いや、俺もなかったな」

 

「えっ?3つともですか⁉」

 

「ああ。まぁ大人数で何かをしたとしたら、ダンスをしていたくらいだ」

 

「ダンスか~…………なんかイメージありますもんね戒斗さんって」

 

「そうか?」

 

「はい‼」

 

そんな話をしながら、楽しく歩く6人。

しばらくして、6人はモールに着き、ウィンドウショッピング、服屋、昼食、ゲームセンター、カラオケなどを楽しむ。

 

「いや~、まさか翼さんが演歌を歌うなんてビックリしましたよ~」

 

「私的には、立花のゲームセンターでの変わりようの方がビックリだな」

 

「だな♪まさかシンフォギア纏って、ゲーム機壊そうとするとはな」

 

「ホント、恥ずかしかったんだからね?」

 

「いや~…………ハハハ」

 

「しっかし、戒斗の歌、上手すぎだろ」

 

「そこまでの物じゃない。クリスこそ、良い歌だったぞ」

 

「ッ⁉//////あ、ありがとう///」

 

「あ~‼クリスちゃんが戒斗さんに褒められてる‼ずるいよ~‼」

 

「べ、別に良いだろう‼///」

 

そんな会話しながら、楽しく歩く戒斗たち。

するとそこに、1人の人物が近づいてきた。

 

「やぁ戒斗、楽しそうで何よりだよ♪」

 

「ん?」

 

「誰?」

 

「「「あ、アルマさん⁉」」」

 

「アルマ……」

 

やって来たのは、戒斗をこの世界に転生させた神、アルマであった。

 

「どうかしたのかアルマ?」

 

「いや、君に祝福の言葉を送りにきただけだよ♪」

 

「祝福だと?」

 

「うん♪戒斗……やっと幸せを掴めたね……おめでとう戒斗♪」

 

「アルマ……」

 

アルマの言葉に、内心喜ぶ戒斗。

すると未来が、響に質問した。

 

「ねぇ響、この人は?」

 

「えっとアルマさんと言って、戒斗さんをこの世界に転生させた、神様だよ」

 

「か、神様⁉」

 

「コイツが神様⁉」

 

「そうだよ♪僕は神様だよ♪」

 

「公衆の前で、堂々と宣言するな‼」

 

「あだっ⁉」

 

堂々と神様宣言したアルマに、戒斗は拳骨をして黙らせる。

 

「痛いな~。酷いじゃないか戒斗」

 

「貴様が常識外れをするからだ」

 

「僕がいつ常識外れをしたって言うのさ⁉」

 

「今しただろうが‼」

 

「あべしっ⁉」

 

戒斗はアルマの頬を殴り、黙らせた。

 

「酷い‼妹にも殴られたことないのに‼」

 

「妹いたのか?」

 

「うん♪かわいい子だよ♪今度戒斗に紹介しよう…………はっ⁉」

 

妹を紹介しようとしたアルマだったが、背中から殺気を向けられていることに気づき、振り返る。

するとそこには、黒いオーラを出した翼たち5人がいた。

 

「アルマ……さん?」

 

「は、はい‼」

 

「私たちの楽しいデート中に」

 

「戒斗に他の女性を紹介しようとするなんて」

 

「どういう」

 

「つもりだ?」

 

「じ、冗談だよ冗談‼嘘だから‼女の子紹介するの嘘だから‼」

 

「「「「「ホントに?」」」」」

 

「も、もちろん‼あっ‼そうだ戒斗‼君に渡す物があったんだ‼」

 

(逃げたな)

 

アルマは無理矢理話題を変え、懐から小さなケースを取り出した。

 

「コレは?」

 

「君ように新しく作ったロックシードさ」

 

そう言ってアルマはケースを戒斗に渡し、そのケースの中身を確認する戒斗。

するとケースの中には、6個のロックシードとゲネシスコアが入っていた。

 

「コレは⁉」

 

「どうしたんだ戒斗?」

 

「あれ?このロックシード、顔が描かれてますね?」

 

「そんじゃあコレ、前に戒斗が使用したオーガってライダーのと同じか?」

 

「確かそれで、私の暴走を止めてくれたんですよね?」

 

「しかし、このロックシードではないものはなんだ?戦極ドライバーの中心に似ているが」

 

「それはゲネシスコア。戦極ドライバーの強化ドライバー、ゲネシスドライバーについているロックシードをはめる部分なんだ。だけど今、ゲネシスドライバーは調整中でね、とりあえずコアだけを渡しにきたんだ♪」

 

「アルマ……葛葉と同じようにするならば、エナジーロックシードが必要なはずだが?」

 

「そこは大丈夫。普通のロックシードでも使えるから。実際、使っていたライダーもいたから」

 

「そうなのか?しかし、このロックシード、ライダーではないよな?」

 

「えぇえええええ⁉ライダーじゃないんですか⁉」

 

「ああ。コレは「キャァアアアアアアア‼」ッ⁉なんだ⁉」

 

「悲鳴⁉」

 

戒斗がロックシードに描かれている戦士のことを教えようとした時、どこから悲鳴が聞こえた。

戒斗たちは、すぐに悲鳴が聞こえた場所へと向かう。

悲鳴が聞こえた場所に辿り着くと、そこにはノイズではなく怪物が何百匹といた。

 

「な、なんだアイツら⁉」

 

「ノイズではない⁉」

 

「な、なんでしょうあの人たち?」

 

「何故……奴等が……」

 

「戒斗さん?何か知ってるんですか?」

 

「インベス……」

 

「インベスって、前にお前が話した、前の世界で戦った敵か⁉」

 

「ああ……しかし何故奴等が?」

 

「たぶん、自称黄金の果実君の仕業じゃないかな?」

 

「コウガネ…………」

 

そう呟いた戒斗は、戦極ドライバーを腰に装着し、1人でインベスに向かって歩いていく。

 

「待て戒斗‼まさか、1人で戦う気か⁉」

 

「…………ああ」

 

「駄目よ‼戦うなら私たちも「ダメだ‼」ッ⁉なんで⁉」

 

「奴等が人間から変わったインベスだとすれば、倒されたインベスは死ぬ。つまり人間を殺すということだ。貴様らに、人を殺した重荷を背負わせる訳にはいかん」

 

「でもよ「大丈夫だよ戒斗」あ、アルマ?」

 

「…………どういう意味だアルマ?」

 

「見たところ、エネルギーで構築されたインベスみたいだから、倒しても人殺しにはならないよ。ついでに、種を埋め込めないみたいだしね」

 

「なに?」

 

「ホントですかアルマさん⁉」

 

アルマの言葉に、驚く戒斗たち。

 

「うん♪だからおもいっきり戦ってきなさい‼」

 

「「「「はい(おう)‼」」」」

 

アルマの言葉に返事をした翼、奏、クリス、響の4人は、戒斗の隣並んだ。

 

「お前たち」

 

「仲間外れは悲しいぜ戒斗♪」

 

「私たちはどんな時でも一緒よ」

 

「それにせっかくの楽しい時間を邪魔されたんだ。償ってもらわなきゃ困るってもんだ‼」

 

「そうそう‼」

 

「ふっ…………そうだな。アルマ‼未来を頼むぞ‼」

 

「任せといて‼」

 

「皆頑張って‼」

 

アルマに未来を任せた戒斗は、インベスを睨み付ける。

 

「4人とも…………行くぞ‼」

 

「「「「ああ(はい)‼」」」」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Croitzal ronzellgungnir zizzl」

 

「Balwlsyall Nescell gungnir tron」

 

「Killiter Ichaival tron」

 

戒斗の言葉に返事をした翼、奏、クリス、響の4人は、聖詠を歌いシンフォギアを纏った。

 

「アルマ……以前貴様から貰ったロックシードを使わせてもらうぞ」

《イクサ》

 

戒斗は以前アルマから貰ったライダーロックシードの1つ【イクサロックシード】を解錠する。

するとクラックが出現し、中から【仮面ライダーイクサ】の顔が出てきた。

 

「な、なんだアレ⁉」

 

「デカイ……顔⁉」

 

「えぇえええええ⁉」

 

「まぁ最初は誰でも驚くよな?」

 

「気を抜くなお前たち…………変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼イクサアームズ‼》

《ジャッジメント・オブ・ナイトー‼》

 

戒斗は戦極ドライバーにイクサロックシードをはめ込み、カッティングブレードを倒す。

それにより、イクサの顔した【イクサアームズ】が戒斗に被さり展開する。

展開した際に、戒斗の目の部分が赤く染まり、戒斗の手に専用アームズウェポン【イクサカリバー】が握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン イクサアームズ】へと変身した。

変身した戒斗は先陣をきり、インベスに突っ込む。

その戒斗に続いて、翼たちも突っ込む。

 

「フッ‼ハァッ‼タァッ‼」

 

『『『キシャァアアアア⁉』』』

 

「てやぁああああああ‼」

 

『『『キシャァアアアア⁉』』』

 

「くらえぇええええ‼」

 

『『『キシャァアアアア⁉』』』

 

「タァアアアアアア‼」

 

『『『キシャァアアアア⁉』』』

 

「もってけぇえええええ‼」

 

『『『キシャァアアアア⁉』』』

 

戒斗たちはそれぞれの武装で、次々とインベスを撃退していく。

だが、数が減る様子がなく、戒斗たちは囲まれてしまった。

 

「クソッ‼数が多い⁉」

 

「このままでは、数で押されてしまう⁉」

 

「一か八か、最大技で押しきるか?」

 

「それしかありませんよね」

 

「仕方がないか……タイミング合わせるぞ‼」

 

戒斗の言葉を合図に、戒斗たちは必殺技の準備にはいる。

 

「今だ‼」

《カモン‼イクサオーレ‼》

 

「セィイイイイイ‼」

 

「ハァアアアアアアア‼」

『蒼ノ一閃』

 

「いっけぇええええ‼」

『LAST∞METEOR』

 

「くらえぇええええ‼」

『BILLION MAIDEN』

 

「ダァアアアアアアア‼」

 

『『『『『キシャァアアアア⁉』』』』』

―ドガァアアアアアアアン―

 

戒斗たちは、それぞれの必殺技を放ち、取り囲んでいたインベスたちを撃退した。

 

「よし‼倒した‼」

 

「案外……しんどかったな」

 

「でも、これで終わりましたよね」

 

「ああ」

 

「…………いや、まだだ」

 

そう言った戒斗は、ある方向に顔を向ける。

すると、戒斗が見た方向にクラックが出現し、中からセイリュウインベスが出てきた。

 

「まだいやがったか⁉」

 

「なんかアイツだけ、さっきまでと違う気が」

 

「奴は上級インベスだ」

 

「上級インベス?」

 

「奴等はそれぞれの特性を持っている。先程のインベスとは強さが違う。奴は俺に任せろ」

 

「戒斗…………頼んだぞ」

 

「ああ」

 

そう言った戒斗は、翼たちの前に出て、先程アルマから貰ったロックシードを1つ取り出した。

 

「アルマ、さっそく使わせてもらうぞ」

《デカマスター》

 

戒斗は受け取ったロックシード―――【スーパー戦隊ロックシード】の1つ【デカマスターロックシード】を解錠する。

すると、イクサアームズが消えると同時に、戒斗の真上にクラックが現れ、中から【特捜戦隊デカレンジャー】のボス、ドギー・クルーガーが変身する戦士、【デカマスター】の顔が出てきた。

 

「アレは⁉先程アルマさんから受け取ったロックシードか⁉」

 

「いいぞ戒斗‼戦隊の力をおもいっきり使っちゃえ‼」

 

「戦隊?」

 

「あのロックシードに宿っている力は、仮面ライダーとは違う戦士たち、スーパー戦隊の力が宿っているんだ‼」

 

「スーパー……戦隊?」

 

「うん♪さぁ戒斗‼君の力を見せてくれ‼」

 

「いいだろう……変身‼」

《カモン‼デカマスターアームズ‼》

《地獄・の・番・犬》

 

戒斗がデカマスターロックシードをはめ込み、カッティングブレードを倒すと、デカマスターの顔をした【デカマスターアームズ】が戒斗に被さり展開する。

戒斗の目が黒く染まり、胸部のボディに数字の100を模したアーマーが装着され、左腰に専用アームズウェポン【ディーソード・ベガ】を装備される。

そしてバロンの赤い部分が銀色へと変わり、戒斗は【仮面ライダーバロン デカマスターアームズ】へと変わった。

 

「ほう……面白い‼ディーソード・ベガ‼」

 

戒斗がそう言ってディーソード・ベガを引き抜くと、ディーソード・ベガの封印が解除され、戒斗はセイリュウインベスに向かって駆け出す。

それに気づいたセイリュウインベスは、口から炎を放射する。

だが

 

「ハッ…………セイ‼」

 

「ガァッ⁉」

 

戒斗はジャンプして炎をかわし、ディーソード・ベガでセイリュウインベスを斬る。

 

「フッ‼ハァッ‼タァッ‼ラァッ‼」

 

「グゥウウウウウ……‼」

 

「ハァ…………セイ‼」

 

「ガァッ⁉」

 

戒斗は、セイリュウインベスに攻撃する隙を与えないように攻撃をし続け、セイリュウインベスを斬り飛ばす。

斬り飛ばされたセイリュウインベスは、なんとか立ち上がるが、フラフラな状態だった。

 

「コレで決める」

《カモン‼デカマスタースカッシュ‼》

 

「ハァァァ…………ベガスラッシュ‼」

 

「ガァアアアアアア⁉」

―ドガァアアアアアアアン―

 

戒斗はカッティングブレードを一回倒し、ディーソード・ベガを脇に構えて滑るように突進し、セイリュウインベスをすれ違い様に斬りさき、セイリュウインベスは爆発した。

 

「…………どうやら、今ので最後だったみたいだな」

 

「戒斗ー‼」

 

「 ん?」

 

戒斗が、辺りに敵がいないことを確認していると、すでにシンフォギアを解除した翼たちが戒斗に向かって走り、アルマはあるいて近づいてきた。

それを見た戒斗は、辺りを一度見渡した後、変身を解除した。

 

「凄かったな戒斗‼」

 

「あんな流れるような剣技、私でもまだできないよ」

 

「凄かったですよ戒斗さん‼」

 

「正に剣士でしたね♪」

 

「か、カッコ良かったぞ」

 

「あ、ああ……そうか」

 

「おや?戒斗くん照れてます♪」

 

「アルマ……」

 

からかうように聞いてくるアルマに、鋭い視線を向ける戒斗。

 

「ごめんごめん♪…………さて、僕は行くよ」

 

「えっ⁉もう行っちゃうんですか⁉」

 

「もう少し、お話ししてみたかったのに」

 

「あはは♪ごめんよ?まだやらなくちゃいけないことがあってね」

 

「そうですか…………」

 

「大丈夫‼また会えるからさ‼……じゃあまた会おう‼歌姫たち‼そして、幸せになってくれ戒斗‼」

 

そう言ってアルマはその場から消えた。

 

「なんか、騒がしい奴だったな」

 

「まったく…………少しは落ちついてほしいものだな

 

そう言うものの、どこか嬉しそうな戒斗。

そしてこの後、戒斗たちは夕食を外ですませ、家へと帰っていった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は戒斗があの2人を守ります‼

次回も是非読んでください‼


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Song17:双翼を守る強者

お待たせいたしました‼

今回は戒斗があの2人を守るために、更なる力を使います‼

それでは本編スタートです‼


戒斗が新たなロックシードを手にいれてから2週間が経ったある日、仕事を終えた翼と奏が戒斗の家を訪れていた。

 

「どうかしたのか2人とも?」

 

「実は戒斗に話があって来たの」

 

「話?」

 

「大事な話なんだ」

 

「…………聞かせろ」

 

戒斗はそう言って、翼と奏から話を聞いた。

翼と奏は前々から、イギリスのレコード会社『メトロミュージック』のプロデューサー、トニー・グレイザーから翼と奏の歌手としての海外進出展開を持ち掛けられていた。

だが2人は、二課として任務が大事だと思い、それを断るものの、グレイザーは諦めることなく、幾度も話を持ち掛けてきた。

次第に2人も、その提案を考えるようになり、歌手として海外進出をしてみたいと考えるようになった。

しかし、シンフォギア装者としての役目も大事だと思う2人は、戒斗に相談をしにきたのだ。

 

「なるほど……装者として使命を果たすか……歌手としての道を歩むか……どちらが正しいか分からなくて相談しに来たんだな?」

 

「そうだ」

 

「私たち……どうしたらいいのか分からなくて」

 

「だから、私たちより経験をつんでいる戒斗に相談しようと思って来たの」

 

「……………………」

 

奏と翼の話を聞いた戒斗は目を閉じる。

数秒経ち戒斗は目を開いた。

 

「俺から言えることはただ1つ…………自分がとうしたいかだ」

 

「自分がどうしたいか……」

 

「そうだ。あと、お前たちは少し欲望を持った方がいい」

 

「欲望を…………持つ」

 

「そうだ…………とりあえず今日は泊まっていけ。外は暗いからな」

 

そう言った戒斗は、部屋でくつろいでいたクリスを呼び、翼と奏にゲストルームを案内させ、その間に料理を作り、4人で食事をした。

 

 

 

 

それから数週間後、翼と奏は、復帰ライブを行うためにアリーナへと来ていた。

 

「ここに来るのも、久しぶりだな翼?」

 

「そうね奏♪」

 

そう言った奏と翼は、あの日、ライブ会場で起きた事件を思い出す。

するとそこに

 

「どうやら、緊張はしてないようだな」

 

「「戒斗⁉」」

 

いつものチームバロンのコスチュームではなく、スーツ姿の戒斗がいた。

声をかけられた奏と翼は、戒斗のスーツ姿に驚きながら、戒斗に近づく。

 

「どうしたんだよ戒斗⁉」

 

「スーツ姿なんて、どうかしたの?」

 

「2人に聞きたいことがあるからいれてくれと緒川に頼んだら、スーツに着替えるよう言われてな」

 

「そうなのか?」

 

「ああ」

 

「ところで戒斗、私たちに聞きたいことって?」

 

「お前たち…………どうするか決めたのか?」

 

戒斗がそう聞くと、奏と翼は顔を見合わせ、戒斗に笑顔を向ける。

 

「どうやらその顔は、決まったみたいだな」

 

「ああ‼」

 

「私たちは、どちらの道も行く‼」

 

「……過酷な道かもしれんぞ?」

 

「それでも…………あたしらはやりたいんだ‼」

 

「装者として人々の平穏を守り、歌手として世界の人々に笑顔を届けたい‼」

 

「「それが…………あたし(私)の選んだ道‼」」

 

そう戒斗に宣言する奏と翼。

奏と翼の言葉を聞けた戒斗は、2人に笑みを向ける。

 

「そうか…………ならば俺は、2人を応援させてもらう」

 

「ありがとう戒斗♪」

 

「でもな戒斗、あたしらが叶えたいのは、それだけじゃないんだぞ」

 

「ん?」

 

「私たちはいつか…………お、お嫁さんなりたいの////」

 

「その願いを叶えるのに、戒斗には付き合ってもらうからな♪」

 

「…………ふっ」

 

翼と奏から、もう1つのやりたいことを聞いた戒斗は、出入口に向かって歩きだした。

 

「か、戒斗?」

 

「……そのやりたいこと…………いつか叶えさせてもらう」

 

「「ッ⁉ああ(うん)‼」」

 

戒斗の言葉を聞いた翼と奏は、元気よく返事をし、必ずライブを成功させようと誓う。

 

それから数十分後、奏と翼の復帰ライブが開催された。

奏と翼の歌を聞いて、会場内のファンが熱くなっていた。

そして2人の歌を、戒斗は特別席から聞いていた。

 

(やはり、この2人の歌は良いものだな)

 

戒斗は、2人の歌を聞いて、心が安らいでいた。

だがその時

 

―pipipipipipi―

 

「ちっ‼こんな時に」

 

二課の緊急通信がはいり、戒斗はすぐに通信出た。

 

「こちら戒斗」

 

『戒斗くん大変だ‼ノイズとインベスの反応が、アリーナの前に現れた‼』

 

「なにっ⁉」

 

『響くんやクリスくんは、他の場所に現れたノイズを対処していて向かえない‼すまないが、1人で対処を頼む‼』

 

「分かった‼」

 

戒斗は通信を切り、直ぐ様出入口に向かった。

出入口に着くと、大量のノイズとセイリュウインベスがいた。

それを確認した戒斗は、戦極ドライバーを腰に装着する。

 

「悪いが、ここから先は立ち入り禁止だ。行きたいのならば…………俺を倒してからにしてもらおう‼」

《バナナ‼》

 

「変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼バナナアームズ‼》

《ナイト・オブ・スピアー‼》

 

戒斗はバナナロックシードを戦極ドライバーにはめ込み、カッティングブレードを倒して仮面ライダーバロン バナナアームズへと変身した。

 

「貴様らに…………あの2人の邪魔はさせん‼」

 

そう言った戒斗は、バナスピアーを構えてノイズに突っ込んでいった。

 

「フッ‼ハァッ‼タァッ‼テヤッ‼」

 

『『『¥℃¢%$〒β§#⁉』』』

 

「ハァッ‼デヤッ‼ラァッ‼セイッ‼」

 

『『『ガァアアアアアアア⁉』』』

 

戒斗はバナスピアーでノイズとセイリュウインベスを倒していく。

だが

 

「ふん‼」

 

「ッ⁉がっ⁉」

 

ノイズとセイリュウインベスを倒している最中に、何者かに飛び蹴りを叩き込まれてしまう戒斗。

戒斗は一度倒れるが、すぐに体勢を立て直し、誰が蹴ったのか確認した。

 

「コウガネ……」

 

「久しいな、駆紋戒斗」

 

戒斗を蹴ったのは、倒されたと思われていたコウガネであった。

 

「やはり、生きていたか」

 

「なんとかな…………貴様らのせいで、消えかかったが、この力のおかげで生き延びた」

 

そう言ったコウガネの体から、黒いオーラが出る。

それを見た戒斗は、警戒を強めた。

 

「なんだ…………その力は?」

 

「私がこの世界に来た際に手に入れた、闇の力だ‼怒り、憎しみ、嫉妬など、負の感情が力となる」

 

「闇の力…………だと?」

 

「いずれ貴様も、闇の力を使えるようになる」

 

「あいにくと、闇の力などには興味がない」

 

「まぁいい…………では、私も戦うとしよう」

 

そう言ったコウガネは、戦極ドライバーを腰に装着し、ロックシードを取り出した。

だがそのロックシードは、いつも使うダークネスロックシードではなかった。

 

「なんだそのロックシードは?」

 

「このロックシードは、本来の私の姿に近しい姿になれるロックシードだ」

 

「本来の姿……だと?」

 

「さぁ‼見るがいい‼私の力を‼」

《ダークゴールデン‼》

 

「変身」

《ダークゴールデンアームズ‼》

《闇に染まりし・黄金の果実》

 

コウガネが新たなロックシード―――【ダークゴールデンロックシード】を解錠すると、クラックから金と黒で色づけされたリンゴの形をしたアームズが出てきた。

そしてコウガネは、戦極ドライバーにはめ込みカッティングブレードを倒す。

それにより、コウガネの頭にダークゴールデンアームズが被さり展開され、コウガネは【仮面ライダーマルス ダークゴールデンアームズ】へと変身した。

 

「貴様……それが本来に近しい姿か」

 

「そうだ‼今の私はマルス‼さぁ‼インベスにノイズよ‼バロンを消すのだ‼」

 

コウガネの指示に従い、セイリュウインベスとノイズが戒斗に迫っていく。

 

「ちっ‼先ずは奴等を倒すのが優先か‼」

 

そう言った戒斗は戦極ドライバーを取りはずし、ゼクターベルトを腰に装着して、飛んできたガタックゼクターを掴む。

 

「変身‼」

《HENSIN》

《cast off》

《change stagbeetle》

 

戒斗はガタックゼクターを装着し、ガタックフォルムへと変身し、ガタックカリバーを構える。

そして

 

「クロックアップ‼」

《clock up》

 

戒斗はクロックアップを起動し、ノイズを次々と斬りさいていく。

 

《clock OVER》

 

「ふ…………次はコイツだ‼」

《タドルクエスト‼》

《ギリギリチャンバラ‼》

 

「術式レベル3……変身‼」

《ガシャット‼》

《ガッチャーン‼レベルアップ‼》

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼アガッチャ‼ギリ・ギリ・ギリ・ギリ‼チャンバラ‼》

 

戒斗はクロックアップの活動時間を終えると、ゲーマドライバーに付け替え、タドルクエストガシャットとレベル3へアップするためのガシャット【ギリギリチャンバラガシャット】をドライバーに挿入してレバーを引く。

それにより、ギリギリチャンバラのゲーム画面から出てきたサポートユニット【チャンバラゲーマ】が、クエストゲーマーへと替わったバロンと合体し、戒斗は【仮面ライダーバロン チャンバラクエストゲーマーレベル3】へと変身した。

 

《ガシャコンソード》

《ガシューン ガシャット‼キメワザ‼》

《GIRI GIRI CRITICAL FINISH》

 

「ハァアアアアアア‼」

 

『『『『『ガァアアアアアアア⁉』』』』』

―ドガァアアアアアン―

 

戒斗は直ぐ様ガシャコンソードを取り出し、ギリギリチャンバラガシャットを挿入、エネルギーが蓄積されたガシャコンソードでセイリュウインベスたちを斬りさいていき撃退する。

撃退したのを確認した戒斗が、コウガネの方に顔を向けたその時

 

「ふん‼」

 

「ッ⁉くっ⁉」

 

コウガネが専用アームズウェポン【ダークブリンガー】で戒斗に斬りかかり、戒斗はガシャコンソードで防ぐ。

 

「短時間で倒すとは、やはり強いな貴様は‼」

 

「貴様に褒められても……嬉しくなど………ない‼」

 

戒斗はそう言って、コウガネを押し退ける。

しかし

 

「ハッ‼」

 

「なにっ⁉がっ⁉」

 

戒斗はコウガネと離れた瞬間、コウガネから放たれたエネルギー弾を数発、直撃で喰らい地面に倒れてしまう。

 

「ぐっ⁉…………なんて威力だ……⁉」

 

「コレでも喰らっておけ」

《ダークゴールデンスカッシュ‼》

 

「ハァアアアアアア‼」

 

「がぁあああああああ⁉」

 

コウガネはカッティングブレードを倒し、ダークブリンガーにエネルギーを蓄積し戒斗を斬る。

斬られた戒斗はボディが砕け、変身が強制解除されてしまう。

そして戒斗の体がボディごと斬られており、そこから大量の血が出て、戒斗は倒れた。

 

「ふん…………死んだか……さて、会場の奴等から、生命力を奪うとするか」

 

そう言ったコウガネは、ライブ会場に向かって歩き出す。

その時

 

「……ま……て……‼」

 

「ッ⁉なにっ⁉」

 

体から血を出しながら、戒斗が立ち上がった。

それを見たコウガネは、驚きを隠せなかった。

 

「バカな⁉何故生きている⁉」

 

「俺には………やらなくてはならない事がある…………それを成し遂げるまでは…………死ぬわけにはいかん‼」

 

そう言った戒斗は戦極ドライバーを腰に装着し、フェイスプレートを取り外してゲネシスコアを取りつける。

 

「貴様は…………貴様はいったい何者だ‼」

 

「この世界で生きる…………仮面ライダーだ‼」

《バナナ‼マンゴー‼》

《ロック・オン》

 

「変身‼」

《カモン‼バナナアームズ‼ナイト・オブ・スピアー‼》

《マンゴーアームズ‼ファイト・オブ・ハンマー‼》

 

戒斗は戦極ドライバーにバナナロックシードを、ゲネシスコアにマンゴーロックシードをはめ込み、カッティングブレードを倒す。

すると、展開された状態でクラックからバナナアームズとマンゴーアームズが現れ、マンゴーアームズからバロンに装着され、その上にバナナアームズが装着する。

そして戒斗の右手にはバナスピアー、左手にはマンゴーパニッシャーが握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン バナナマンゴーアームズ】へと変身した。

 

「な、なんだそれは⁉」

 

「貴様に教える気は…………ない‼」

 

戒斗はそう言って、バナスピアーをコウガネに振り下ろす。

コウガネは直ぐ様ダークブリンガーで防ぐが、威力が強すぎたため膝をつく。

 

「ぐっ⁉な、なんて力d「ふん‼」がぁっ⁉」

 

コウガネが、戒斗の力に驚いている隙に、戒斗はマンゴーパニッシャーでコウガネを殴り飛ばす。

 

「ぐ……ぐぅう⁉ま、まさか……ここまでの力を「セイッ‼」がっ⁉」

 

「フッ‼ハッ‼タァッ‼ラァッ‼」

 

「がぁあああああああ⁉」

 

戒斗は、コウガネに喋ることを許さず、バナスピアーとマンゴーパニッシャーで攻撃する。

その連続攻撃にコウガネは吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

「ぐ、ぐぅうううううう⁉」

 

「コイツで終いにしてやる」

《カモン‼バナナスパーキング‼マンゴースパーキング‼》

 

「ハッ‼…………ハァアアアアアア‼」

 

「がぁあああああああ⁉」

 

戒斗はカッティングブレードを3回倒してエネルギーを右足に蓄積し、コウガネに飛び蹴りを叩き込んだ。

叩き込まれたコウガネは変身が強制解除され、ところどころに傷ができていた。

 

「ば、バカな⁉前よりも強くなった……この私が……」

 

そう言ってコウガネはなんとか立ちあがり、戒斗を睨み付ける。

 

「駆紋戒斗‼次こそ……次こそ貴様を殺してやる‼必ずだ‼」

 

そう言ったコウガネはクラックを出現させ、クラックを通って逃げていった。

それを確認した戒斗は変身を解除するものの、体からまだ血が出ていた。

 

「はぁ……はぁ……あいつら……の…………ライブ……を……見届けね……ば…………」

 

戒斗は血を流しながら、ライブ会場にゆっくりと歩いていく。

しかし

 

「ぐっ…………」

 

体が限界を迎え、戒斗はその場に倒れ込む。

その時

 

「おっと…………危ないところでしたな」

 

戒斗を1人の男性が支えた。

 

「まったく…………あなたと言うかたは、いつもご無理をなさる。彼女たちには悪くはありますが、一度あなた様を連れて行くことにしましょう」

 

そう言うと、男性は倒れた戒斗と共にその場から消えてしまった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回は響たちが頑張ります‼

次回も是非読んでください‼


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Song18:繋がる装者と急変

大変長らくお待たせいたしました‼

今回の話では、クリスたちが頑張ります‼

それでは本編スタートです‼


―特異災害対策機動部二課―

 

「戒斗が消えた⁉」

 

ライブが終わった翌日、奏、翼、響、未来の4名は、弦十郎に呼び出され、戒斗がいなくなったことを告げられた。

 

「どういうことだよダンナ⁉」

 

「戒斗が消えたって、どういう意味ですか⁉」

 

「そのままの意味だ。先日、ライブ会場付近に現れたノイズとインベスを撃退した後、戒斗くんは消えたんだ」

 

「その時の映像がコレです」

 

そう言って、朔也はライブ会場付近にあった 監視カメラ映像を、モニターに写し出した。

そこには、ノイズとインベスを倒し、突然現れたコウガネと戦い、体から血を流しながらも、新たな姿になってコウガネを撃退しているとこが映し出されていた。

その映像を見た翼と奏は悔しそうな顔をし、響と未来は涙を流していた。

 

「このように、戒斗くんはライブ会場付近にて、ノイズとインベス、そして突然現れたコウガネを、深傷を負いながらも撃退した。だが問題はこの後だ」

 

弦十郎がそう言うと、映像の戒斗はライブ会場の中に行こうとする中、限界を迎えて倒れこんだ。

そしてその戒斗を、1人の男性が抱き止め、その場から消えた。

 

「このように戒斗くんは、突然現れた人物によって、何処かへと消えてしまった」

 

「どこの誰なのか、分からないのですか?」

 

「残念ですけど、データに該当する人物はいなかったわ」

 

「そう…………ですか」

 

あおいの返答を聞いて、顔を暗くする翼たち。

その時、響があることに気がついた。

 

「あの、クリスちゃんは?」

 

「彼女は1人、戒斗くんの捜索に向かった」

 

「1人で⁉」

 

「ああ…………彼女に協力すると言ったのだが、『あたしは1人で探す』と言って断られた。おそらく、今まで敵対していたため、一緒に行動するのに、どうしたらいいのか分からず、戸惑っているのだろう」

 

「クリスちゃん…………」

 

「とりあえず、翼と響くん、未来くんは学校に行って授業を受けてくれ。戒斗くんが見つかり次第、すぐに連絡をする」

 

「了解しました」

 

「「分かりました」」

 

弦十郎に言われた翼と響、未来の3人は、リディアンへと向かった。

 

「行ったな…………奏、すまないが」

 

「分かってるよダンナ。あたしはクリスと一緒に、戒斗を探すよ」

 

「頼む」

 

「任せときなって‼」

 

奏はそう言って、戒斗を探しに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、戒斗を1人で探していたクリスは

 

「ダメだ…………ここの病院にもいねぇ」

 

朝からいろんな病院に行き、戒斗を探していた。

だが、戒斗を見つけることはできず、どうするか考えていた。

 

「もしかしたら…………」

 

クリスは自身の勘を頼りに、戒斗とのファーストコンタクトとも呼べる場所、公園へと足を運んだ。

しかし

 

「チキショウ‼ここにもいやがらねぇのか‼」

 

目当てである戒斗は見つからなかった。

クリスはしばらく探した後、公園での捜索を諦め、別の場所に移動しようと、公園の入口へと向かう。

するとそこに、奏がバイクに乗ってやって来た。

 

「よぉクリス‼」

 

「テメェは⁉なんでいやがる⁉」

 

「なんでって言われてもな、あたしも戒斗を探しに来たんだよ。あたしだってお前と同じ、戒斗の彼女なんだからな?」

 

「そ、そうだよな…………わりぃ」

 

「それで?手がかりあったか?」

 

「朝から色んな病院を回ったが、どの病院にも、戒斗はいなかった。もしかしたらと思って、あいつとあたしが会った公園に来てみたが、いなかった」

 

「そっか…………なら、秘密兵器の出番だな‼」

 

「秘密兵器?」

 

奏の言ったことに、首を傾げるクリス。

そして、奏はある物を取り出した。

 

「コレがあたしの秘密兵器だ‼」

 

「ソレって⁉ガタックゼクターじゃねぇか⁉」

 

奏が取り出したのは、首輪を巻き付けられ、リードが繋がったガタックゼクターであった。

 

「なんで首輪つけてんだよ⁉犬じゃねぇんだぞ⁉」

 

「んなもん分かってるよ。だけどコイツは、戒斗が呼ぶと駆けつけるって、戒斗から聞いたからさ、呼ばれなくても、戒斗の場所が分かるはずなんだよ」

 

「だからって、首輪を付ける必要ねぇだろ⁉」

 

「いや~、コイツ速いから、首輪でも付けてないと、見失うと思ってな」

 

「あのな~」

 

奏の話を聞いて、呆れるクリス。

 

「そんじゃ、さっそく試すか‼ガタックゼクター‼戒斗を探してくれ‼」

 

『……………………』

 

ガタックゼクターに、戒斗を探すよう頼む奏。

そして、奏に言われたガタックゼクターは

 

『……………………(チラッ)』

 

「「えっ?」」

 

顔の部分を上へと向けた。

奏とクリスもつられて上を見るが、そこには青空しかなかった。

 

「あ~…………ガタックゼクター?怒ってるのか?」

 

『……………………(フリフリ)』

 

奏の質問に答えるように、否定の意味を込めて、ガタックゼクターは角の部分を左右に振った。

 

「じゃあ、戒斗は上の方にいるのか?」

 

『……………………(コクコク)』

 

クリスの質問に、今度は角の部分を上下に振るガタックゼクター。

 

「てことは、戒斗は空か宇宙にいんのか?」

 

『……………………(フリフリ)』

 

今度は、角の部分を左右に振るガタックゼクター。

 

「空や宇宙でないとすると…………まさか⁉」

 

クリスが何かに気づき、ガタックゼクターに聞こうとする。

だがその時

 

―ヴィーヴィー―

 

「ッ⁉緊急通信⁉」

 

「こんな時に⁉」

 

奏とクリスの通信機から、緊急通信を知らせる音がなった。

 

「こちらクリス‼」

 

「こちら奏‼どうしたんだダンナ⁉」

 

『緊急事態だ2人とも‼東京スカイタワー周辺に、大量のノイズが現れた‼今、翼と響くんを向かわせている‼2人も至急向かってくれ‼』

 

「「了解‼」」

 

返事をした奏とクリスは、東京スカイタワーへと向かった。

 

数分後、奏とクリスが東京スカイタワー周辺に着くと、すでに翼と響が、シンフォギアを纏って、ノイズと戦っていた。

 

「少し出遅れたか‼行くぞクリス‼」

 

「おう‼」

 

「Croitzal ronzellgungnir zizzl」

 

「Killiter Ichaival tron」

 

奏とクリスは聖詠を歌い、シンフォギアを身に纏った。

そして奏とクリスは、アームドギアを展開し、ノイズに近づいていった。

 

「ハァアアアアアア‼」

 

『『『∞%〒$¥¥§℃#⁉』』』

 

「テリャアアアアアアア‼」

 

『『『〒§∞%℃§#⁉』』』

 

「ッ⁉今の攻撃は⁉」

 

「奏さん‼クリスちゃん‼」

 

奏とクリスが来たことに、驚きながらも喜ぶ翼と響。

2人は、ノイズへの攻撃を一度やめ、奏とクリスに合流する。

 

「2人とも、戒斗は見つかったのか?」

 

「残念だが、見つかってねぇ」

 

「そう…………なんだ」

 

「立花、悲しむのは後だ‼今はノイズを撃退するぞ‼」

 

「は、はい‼」

 

「あたしらも行くぞ‼クリス‼」

 

「分かってる‼」

 

翼を先頭に、奏たちはノイズに向かっていく。

翼は刀のアームドギアで、響は拳で地上のノイズを撃退していく。

そしてクリスは、上空から攻撃してくるノイズを、ガトリング砲に変化させたアームドギアで撃ち落としていき、奏はクリスが撃ち落とせなかったり、撃ち落としているクリスを狙ったノイズを、槍のアームドギアで撃退していく。

しかし、ノイズの数は減ることなく、増え続けていく。

 

翼たちは、状況は不利だと感じ、一度ノイズから距離を離して合流する。

 

「クソッ‼数が減らねぇ‼」

 

「あの上空にいる、大型ノイズを倒さなくては、ノイズを全滅させられないか」

 

「でも、あそこまでどう行ったら」

 

「ちきしょうが‼」

 

「クリスちゃん⁉」

 

クリスはその場から跳び上がり、上空の大型ノイズに向かって、ガトリング砲を乱射する。

だが、大型ノイズには届かず、周りにいたノイズを撃破するだけだった。

 

「ちきしょう‼もう一度‼」

 

「待ってよクリスちゃん‼ここは皆で協力して」

 

「うるせぇ‼アイツはあたしが1人で」

 

「いい加減にしろ雪音‼」

―パァン―

 

「ッ⁉」

 

1人でノイズを倒そうとするクリスを、翼が平手打ちで黙らせた。

 

「何をそんなに焦ってるんだ?」

 

「…………んだ」

 

「えっ?」

 

「分からねぇんだよ‼どうしたらいいのか⁉」

 

翼の質問に、クリスは不安を撒き散らすように叫んだ。

 

「今までは、戒斗がいたおかげで、テメェらとなんとかやってこれた。だけど、戒斗がいなくなっちまった今、どうしたらいいのか分からねぇんだ‼」

 

「クリスちゃん…………」

 

「それにあたしらは、今まで殺りあってきた敵同士だ。そんな簡単に、仲良く協力するなんて「できるよ‼」えっ?」

 

クリスの言葉を遮り、響がクリスの手を握って声をかけてきた。

 

「こんなふうに手を握って、思いを伝えれば、仲良くできるよ‼」

 

そう言った響は、もう片方の手で翼の手を握る。

翼とクリスは、今まで以上に、自信に満ち溢れた目をして言ってきた響に、言葉がでなかった。

その響を見て、奏は笑みを浮かべて、翼とクリスのあいてる手を握った。

 

「思いを伝えあえれば、私たちは繋がれる。私にアームドギアが出ないのはきっと、こうやって、誰かの手を握るためだって。こうすれば、皆で仲良くなれる…………手を握るのも、力だと思うから」

 

 

響の言葉に、翼とクリス、奏は何も言わずに聞く。

 

「他者と手を繋いで、力を合わせて困難に立ち向かう。それが人間が…………命あるものが生まれてから持っている力で、私の思い描くアームドギア‼」

 

自身満々に宣言する響。

その響を見、響の言葉を聞いた、翼とクリス、奏の3人は笑みを浮かべた。

 

「まぁ、戒斗さんに言ったら、怒られるかもしれませんけど。たぶん『力を持つ者ならば、自身1人で強くなれ‼』って」

 

「ふふ♪そうかもな♪」

 

「アイツなら、きっとそう言うだろうな♪」

 

「でも、あたしらはあたしらなりに強くなればいいさ♪」

 

「はい‼…………さぁ‼終わらせましょう‼」

 

「「「おう‼」」」

 

響の言葉を合図に、構える翼たち。

しかし

 

「ところで、どうやって上空の大型ノイズを倒すのだ?立花?」

 

「あっ‼忘れてた‼」

 

「「「だぁあああああ⁉」」」

 

響が何も考えていなかったのを知った翼たちは、その場で盛大にこけた。

 

「あのな~‼ああいう台詞は、考えついてから言えよ‼」

 

「あははは~ごめんなさい」

 

「たく…………まぁ、あの大型を倒す方法は、あたしに考えがある。あたしでなきゃできないことだ」

 

「どんな方法だ?」

 

「イチイバルの特製は、長射程広域攻撃だ。派手にぶっ放してやる‼」

 

「まさか………絶唱⁉」

 

「バーカ‼あたしの命は安物じゃねぇんだよ‼」

 

「ならば、どうやって?」

 

「ギアの出力を引き上げつつも放出を抑える。行き場が無くなったエネルギーを臨界点まで溜め込み、一気に解き放ってやる‼」

 

「確かに…………そうすれば、あの大型ノイズを撃破できるはずだ」

 

「だろ?」

 

クリスの提案を聞いて関心する翼を見て、胸を張るクリス。

しかし、

 

「だが、チャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手にする状況では、危険すぎる」

 

方法の弱点を指摘し、危険だと忠告する翼。

 

「あぁ…………だから3人にお願いがある。あたしがチャージしてる間、あたしを守ってくれないか?」

 

「任せてクリスちゃん‼」

 

「任せておけ。防人の実力を見せてやる‼」

 

「あたしらに任せてけ‼」

 

「頼んだ‼」

 

そう言ったクリスは、歌を歌い、チャージを開始する。

そのクリスに、ノイズが襲いかかる。

だが

 

「させない‼ハァアアアアアア‼」

 

『『『℃¥〒%∞§#$β⁉』』』

 

「雪音には、指一本触れさせん‼テヤァアアアアアア‼」

 

『『『§β¢℃$¥〒∞%§#⁉』』』

 

「近づきたきゃ‼あたしらを倒してからにしな‼オラァアアアアア‼」

 

『『『〒℃¥$¢β%〒¥§#⁉』』』

 

響、翼、奏の3人が、クリスに襲いかかってきたノイズを、迎撃する。

ノイズは負けじと、3人に向かっていくが、響たちの前では無意味だった。

そしてようやく、クリスはエネルギーが、臨界点に達した。

 

「チャージ完了だ‼」

 

「「「行け‼クリス(ちゃん/雪音)‼」」」

 

「いっけぇええええええ‼」

『MEGA DETH QUARTEL』

 

クリスの腰部から、突出したホーミングミサイル発射砲、両肩から4本の大型ミサイルを展開したクリスは、ガトリング砲を構えた状態で、一気に放出した。

ホーミングミサイルは、小型のノイズを撃破していき、ガトリング砲は、ホーミングミサイルで撃ち漏らしたノイズを撃破し、大型ミサイルは全ての大型ノイズに命中し撃破した。

 

「よし‼」

 

「やったぞ‼」

 

「やったねクリスちゃん‼」

 

「ああ‼」

 

その場にいたノイズを撃破できたことに喜ぶクリスたち。

だがその時

 

「「「キシャァアアアアア‼」」」

 

「「「「なっ⁉」」」」

 

突然、3体のインベスが現れ、クリスに飛びかかる。

 

「まずい‼」

 

「避けろクリス‼」

 

「クリスちゃん⁉」

 

「くっ⁉」

 

奏に言われ、避けようと考えたクリスだったが、避けるのは無理だと考え、ガードの体制に入る。

その時

 

《TADDLE CRITICAL FINISH》

 

「セイー‼」

 

「「「キシャァアアアアア⁉」」」

 

「「「「えっ?」」」」

 

聞き覚えのある音声が鳴ると同時に、何者かが、3体のインベスを斬りさき撃退した。

クリスたちは、音声と掛け声に聞き覚えがあり、インベスを斬りさいた人物を見て、涙を流した。

 

「あ……ああ…………」

 

「やっと…………やっと見つけた……」

 

「良かった…………よがった……‼」

 

「かい……と……」

 

「すまんな、遅くなった」

 

そこにいたのは、重傷を負い、謎の人物と共に消えてしまった、バロン クエストゲーマーへと変身した戒斗であった。

戒斗は変身を解除する。

本人の無事な姿を見た奏たちは、更に涙を流す。

 

「「「「戒斗(さん)‼」」」」

 

奏たちはシンフォギアを解除し、戒斗の名を呼びながら、戒斗へと近づいていく。

だがその時

 

―ピリリリリリリ―

 

「「「「「ッ⁉」」」」」

 

響の通信機から着信音が鳴り響き、響はすぐに出た。

 

「こちら響‼」

 

『響⁉学校が…………リディアンがノイズとインベスに襲われて、メチャクチャに―――(ブツ)』

 

通信の相手である未来の通信は、そこで途切れてしまった。

戒斗たちに、不安がよぎる。

しかしその中で、戒斗は冷静な判断をとった。

 

「呆けてる場合か‼すぐにリディアンに向かうぞ‼」

 

「は、はい‼」

 

「立花は私のバイクに‼」

 

「クリスはあたしの後ろに乗れ‼」

 

「おう‼」

 

奏たちは近くに止めてあったバイクに、戒斗はガタック時に乗っていた、【ガタックエクステンダー】に乗って、リディアンへと向かった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

ルナアタック編も終盤に入りました‼
次回の話では、弦十郎がまさかのことをして、フィーネと戦います‼

次回も是非読んでください‼


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Song19:激突する終末とOTONA

大変長らくお待たせいたしました‼

今回の話では、フィーネと弦十郎が激突します‼
激突する際に、弦十郎があの姿へ、そして最後に現れる人物がまさかの事をします。

それでは本編スタートです‼


―エレベーター内―

 

「大丈夫ですか?未来さん?」

 

「はい。ありがとうございます、緒川さん」

 

通信機で、響に連絡していた未来は、目の前に現れたインベスのせいで、通信機を破壊されてしまい、絶体絶命であったが、緒川に助けられ、なんとか危機を脱し、二課へ繋がるエレベーターに乗って、二課へと向かっていた。

 

「でも、何故リディアンにノイズやインベスが現れたんでしょう?」

 

「恐らくここに、“カ・ディンギル”があるからでしょう」

 

「カ・ディンギル?」

 

緒川が言った、カ・ディンギルという言葉に、何のことか分からず、首を傾げる未来。

その未来に、緒川はカ・ディンギルの事を説明しようとする。

だがその時

 

―ドン―

 

「な、なに⁉」

 

「まさか―――ぐわっ⁉」

 

「緒川さん⁉」

 

突然、エレベーターに何かが落ちてきて、壁から鞭のような物が現れ、緒川を突き飛ばした。

そして、エレベーターの中に、黄金の鎧を纏ったフィーネが現れた。

フィーネは中に入ると、鞭型の武器で、緒川の首を締め付けた。

 

「まさか、そこまで嗅ぎ付けているとは…………驚いたぞ」

 

「ぐっ⁉……フィーネ⁉」

 

「流石の貴様でも、ネフシュタンの鎧を纏った私相手では、太刀打ちできないだろう?」

 

「僕を、甘くみないでくだ……さい‼️」

 

「ぐっ⁉」

 

緒川は、足でフィーネの腕を蹴り、その衝撃でゆるんだ鞭から逃れ、フィーネに銃を向けて乱射する。

だが

 

「ぐっ⁉…………だが、無駄だ‼」

 

「なっ⁉」

 

フィーネの体の傷が、数秒の間に塞がり、フィーネはピンピンしていた。

 

「ま、まさか超再生⁉」

 

「その通りだ…………ふん‼」

 

「がはっ⁉」

 

「緒川さん⁉」

 

緒川はフィーネの攻撃を受けて気絶してしまう。

何とかしようとする未来だったが、フィーネに鞭を向けられ動けなくなる。

 

「動くなよ小娘。死ぬのが早まるだけだ。まぁ、駆紋戒斗に会いたいなら、すぐにでも殺してやるがな」

 

「戒斗さんは死んでなんかいない‼必ず生きてる‼」

 

「黙れ‼」

 

「ぐっ⁉」

 

未来の言葉が気に入らなかったフィーネは、未来の頬を平手で叩いた。

するとエレベーターは二課に着き、フィーネは2人を無視して先に進んだ。

そしてフィーネは、完全聖遺物デュランダルが保管されている部屋【アビス】の前で止まる。

 

「ついに、この時が来たわね」

 

そう言ったフィーネは、扉のロックを解除しようと、持ってきていた端末を、パネルに翳そうとする。

 

しかし、気絶していた緒川が、フィーネの持っていた端末を狙って銃を撃ち、フィーネの手元から端末を弾いた。

 

だがそれにより、弾が無くなってしまい、緒川は銃をしまって拳を構えた。

 

「デュランダルは渡しません‼」

 

そう言った緒川は、いつでも駆け出せるように準備をする。

一緒にいた未来は、緒川の邪魔にならないよう、隠れて2人の様子を見ていた。

対してフィーネは、静かな怒りを抱える。

フィーネが緒川に、鞭で攻撃をしようとしたが、突如床が壊れ、フィーネは攻撃するのをやめた。

そして壊れた床から、アタッシュケースを持った弦十郎が出てきた。

床から出てきた弦十郎は、緒川とフィーネの間に着地する。

 

「それ以上はさせないさ。フィーネ…………いや、了子くん」

 

「その名で呼ぶか…………いつ気づいた?」

 

フィーネこと、櫻井了子は、弦十郎が自身の正体に気づいているのを知っても、動揺することはなかった。

弦十郎も、予想していたのか、了子が動揺してないのを見ても、驚いてはいなかった。

 

「調査部だって無能じゃない。米国政府のご丁寧な道案内で、お前の行動はとっくに気づいていた。あとは、お前が動くのを待つだけだ‼」

 

「ほう…………筋肉だけが取り柄だと思っていたが」

 

「両方鍛えてるんでな…………だからこそ、俺はここに来た。君を止めるために」

 

「私を止めるだと?ただの人間に、完全聖遺物であるネフシュタンの鎧と同化したこの私を、止められると思うのか?」

 

「確かにキツいかもしれんな。だからこそ、コイツを使わせてもらう」

 

そう言った弦十郎は、持っていたアタッシュケースを床に置き、中身を取り出した。

その中身を見て、フィーネはもちろん、緒川は驚いた。

 

「そ、それは⁉」

 

「せ、戦極ドライバー⁉」

 

そう。弦十郎が取り出したのは、戦極ドライバーであった。

 

「な、何故お前がソレを持っている⁉」

 

「アルマさんから貰った」

 

「アルマさんから⁉」

 

「そうだ緒川。アルマさんと会ったあの日、俺はアルマさんから戦極ドライバーを受け取った。戦う時がきたら使ってくれとな」

 

そう言い、弦十郎は戦極ドライバーを腰に装着した。

それにより、フェイスプレートに色がつく。

そして弦十郎は、ロックシードの1つである【レモンロックシード】を取り出し、解錠する。

 

《レモン‼》

 

「変身‼」

《ロック・オン》

《カモン‼レモンアームズ‼》

《インクレディブル・リョーマー‼》

 

弦十郎はカッティングブレードを倒し、解錠したことにより、クラックから現れた【レモンアームズ】が、弦十郎の頭に被さり、弦十郎の体にライダースーツが装着される。

そして、弦十郎に被さったレモンアームズが展開して、鎧として装着した後、弦十郎の手には、専用アームズウェポン【レモンレイピア】が握られ、弦十郎は、かつて戒斗と敵対した仮面ライダー【仮面ライダーデューク レモンアームズ】へと変身した。

 

「まさか……貴様が仮面ライダーになるとはな」

 

「驚いているところすまないが、止めさせてもらうぞ…………フィーネ‼」

 

そう言った弦十郎は、レモンレイピアを投げ捨て、フィーネに向かっていく。

レモンレイピアを投げ捨てた弦十郎に唖然とするフィーネだったが、すぐに正気に戻り、ノイズを生み出す【ソロモンの杖】を取り出し、ノイズを生み出そうとする。

だが

 

「させん‼」

 

「くっ⁉」

 

弦十郎がソロモンの杖を蹴り飛ばし、天井に突き刺した。

そのまま弦十郎は、フィーネへと殴りかかる。

フィーネはすぐに避け、鞭で連続攻撃をする。

弦十郎はその攻撃を数回かわし、鞭を掴んで、自身の元にフィーネごと引きずり込み、フィーネの腹に拳を叩き込んだ。

叩き込まれたフィーネは吹き飛び、地面を転がるが、すぐに起き上がり、殴られた箇所をさする。

 

「ただの拳で、完全聖遺物と渡り歩くとは、貴様本当に人間か⁉」

 

「知らいでか‼飯食って映画見て寝る‼男の鍛練は、そいつで充分よ‼」

 

「いや、その理屈はおかしい」

 

弦十郎の言ったことに、真顔でツッコムフィーネ。

 

「さぁ‼そろそろ決めて、話はベッドで聞かせてもらう‼」

《カモン‼レモンスカッシュ‼》

 

弦十郎はカッティングブレードを倒し、右手にエネルギーを蓄積させる。

そして弦十郎は、フィーネに向かって駆け出す。

だがその時

 

―グサッ―

 

「ごふっ⁉な……なんだ……と⁉」

 

「甘いな…………私がいることを予想しておくべきだったな」

 

「コウガネ」

 

突然と現れたコウガネが、弦十郎の腹にダークブリンガーを突き刺した。

刺された弦十郎の腹からは、大量の血が出てくる。

 

「ふん‼」

 

「がぁっ⁉」

 

「司令‼」

 

コウガネは、ダークブリンガーを引き抜きながら弦十郎を蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされた弦十郎は、地面を転がり変身が解錠される。

そして弦十郎の腹からは、先程よりも血が出て、緒川が駆け寄る。

 

「行けフィーネ。我らの目的を果たせ」

 

「感謝するぞ、コウガネ」

 

そう言ったフィーネは、弾き飛ばされた端末を拾い上げ、最深部へと入っていき、パネルを操作する。

 

「目覚めよ、天を貫く魔塔。彼方から此方へ現れ出でよ‼」

 

フィーネがそう言うと、建物が揺れだし、塔が目覚めだす。

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、東京スカイタワー周辺で戦っていた奏たちは、戒斗と共にリディアンに来ていた。

リディアンに着くと、校舎は破壊されており、人1人いなかった。

 

「未来ーー‼みんなぁーー‼」

 

響は校舎に向かって叫ぶ。

だが、返事はおろか、誰1人出てくることはなかった。

 

するとその時、5人はリディアンの校舎の上に、1人の人物を視線にとらえた。

 

「櫻井女史?」

 

「「了子さん‼」」

 

そこにいたのは、櫻井了子であった。

響は、了子が無事なのを知って喜び、了子に駆け寄ろうとする。

だが

 

「フィーネ‼」

 

「えっ?……フィー…………ネ?」

 

クリスの言葉を聞いた響は、駆け寄るのをやめ、自身の耳を疑った。

 

「了子さんが…………フィーネ?嘘…………だって私を守ってくれた‼」

 

「あれはデュランダルを守るため、ついでにお前を守っただけだ」

 

「それじゃあ、本当の了子さんは⁉」

 

「意識は12年前に死んだ。超先史文明期の巫女“フィーネ”は、遺伝子や魂に己が意識を刻印した。だが本来、輪廻転生をして新しい命に生まれ変わった際、前の記憶や人格はリセットされる。私はそれを防ぐために、自身の血を引く者がアウフヴァッヘン波形に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力が再起動する仕込みを施した。12年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒…………それにより、立ち合っていた私の遺伝子を引き継いでいた櫻井了子の中で、内なる意識が覚醒した」

 

「それが、貴様ということか、フィーネ」

 

「その通りだ、駆紋戒斗。いや、オーバーロード」

 

「そこまで知っているか」

 

櫻井了子―――フィーネにオーバーロードと言われた戒斗は、警戒を強めて拳を構える。

 

「私にとっての誤算は、お前という存在だ。だが、それも、奴の存在がいたことで修正できる」

 

「コウガネのことか」

 

「呼んだか?」

 

戒斗がコウガネの名を言うと、フィーネの隣にコウガネが現れた。

 

「コウガネ‼」

 

「駆紋戒斗、やはり生きていたか」

 

「コウガネ、貴様は何故フィーネに協力する?」

 

「特に意味はない。私は、コイツの計画が面白いと思って協力しているだけだ」

 

「計画だと?」

 

「月を穿つ…………この天にも届く一撃を放つ荷電粒子砲…………カ・ディンギルによってな‼」

 

フィーネがそう言いながら手を広げた瞬間、地響きが起こり、二課本部から塔が突出する。

 

「これが…………カ・ディンギル⁉」

 

「これで月を穿つだと⁉何故そんな事をする⁉」

 

「バラルの呪詛を解くためだ」

 

「バラルの呪詛?」

 

「太古の時代、神と言われる存在がいる所へ届く塔を、シンアルの野に建てようとした。だが神は、人が同じ高みに至る事を赦さなかった。怒った神は、塔を破壊した後に、人々から統一言語を奪った。神の領域に許しなく立ち入ろうとした罰、それが“バラルの呪詛”だ」

 

「その呪いを解く鍵が、月だということか。しかし何故貴様は、バラルの呪詛を…………そういうことか」

 

「戒斗?何か分かったのか?」

 

「フィーネは…………その神に会いたい……そうだろ?」

 

「よく分かったな…………私はあの方に会いたい。愛しいあの方に…………だから月を穿つ‼」

 

「月を穿つ…………その後、この世界はどうなる⁉」

 

「知ったことか…………世界どうなろうと構わない」

 

「ならば貴様は、俺たちの敵だ」

 

フィーネの言葉を聞いた戒斗は、腰にゲーマドライバーを装着した。

 

「戦極ドライバーは使わないのか?」

 

「今、ある奴に調整してもらってるのでな…………この力で戦ってやる」

《タドルクエスト‼》

《ドラゴナイトハンターZ‼》

 

「術式レベル5…………変身‼」

《ガシャット‼》

《ガッチャーン‼レベルアップ‼》

《タドルメグル‼タドルメグル‼タドルクエスト‼アガッチャ‼ド・ド・ドラゴ‼ナナナナーイト‼ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンターZ‼》

 

戒斗は仮面ライダーバロン ハンタークエストゲーマーへと変身する。

奏たち装者も、戒斗に続いて聖詠を歌い、シンフォギアを纏うも

 

「貴様の計画は…………俺たちが潰す」

 

「潰せるものなら、潰してみろ‼」

 

そう言ったフィーネは、ネフシュタンの鎧を身に纏う。

続いてコウガネも、マルスへと変身し、大量のインベスを生み出した。

 

「さぁ‼潰せるものなら、このインベスたちを乗り越え、我々を潰してみろ‼」

 

「ちっ‼ノイズならともかく、インベスは厄介だな‼」

 

「それでも、やるしかなかろう‼」

 

「ならソイツらは、僕に任せてもらおうか」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「ッ⁉アルマ⁉」

 

クリスたちが、インベスが厄介だと思っていると、上空から、アルマが降りてきた。

 

「何をしているアルマ⁉貴様は下界の争いごとに関わることはできないはずだ‼関わったら、処罰を受けることになるのだろう⁉」

 

「僕が関わっていけないのは、元々この世界に関係のある争いとその人物。まぁ人物には話しかけたりしても大丈夫だけどね♪ただし、この世界に元々存在しない人物だったら、話が別さ」

 

そう言ったアルマは、腰にベルト―――【ゴーストドライバー】を出現させた。

 

「そのベルトは⁉」

 

「さぁて‼久々に戦うよ‼」

《ア~イ‼バッチリミトイテー‼バッチリミトイテー‼》

 

「変身‼」

《開眼‼アルマ‼》

《魂の戦士‼魂のゴッド‼》

 

アルマはゴーストドライバーに、自身の魂が籠ったアイテム―――【眼魂】をセットする。

するとドライバーから、パーカーを着たオバケ―――【パーカーゴースト】が出てくる。

そしてアルマがレバーを引くと、アルマの体全体がライダースーツが装着し、パーカーゴーストを羽織って、顔に一本の角と催しが浮かび上がり、アルマは【仮面ライダーアルマ】へと変身した。

(見た目は、仮面ライダーゴーストムゲン魂のオレンジカラー)

 

「インベスとコウガネは、僕が担当するよ。戒斗たちは、フィーネをなんとかして」

 

「よし…………いくぞ‼」

 

「「「「おう(ああ/はい)‼」」」」

 

戒斗の言葉を合図に、奏たちはフィーネに、アルマはインベスに突っこみ、世界の命運をかけた戦いが、切って落とされた。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回はアルマ側と、戒斗側の話になります。

次回も是非読んでください‼


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Song20:激突する力と真の力

お待たせいたしました‼

今回はアルマがコウガネと、戒斗と装者たちはフィーネと戦います。

それではほんぺスタートです‼


アルマside

 

「オリャリャリャリャリャリャー‼」

 

『『『ガァアアアアアアア!?』』』

 

アルマは、専用武器である【ガンガンセイバー】で、次々とインベスを撃破していく。

 

「ハッハッハー‼神様に勝とうなんて1億万年早いのだよ‼喰らえ‼神様ビーム‼」

―ドガァアアアアアアン―

 

『『『ガァアアアアアアア!?』』』

 

豪快に戦うアルマは、手から光線を放ち、インヘスたちを撃破していく。

 

「なはははははは‼僕をなめた罰だよ‼なはははははは‼」

 

そう言って、高笑いするアルマ。

その時

 

「ッ!?よっと‼」

―ガギン―

 

「ちぃっ‼防がれたか‼」

 

コウガネが、ダークブリンガーでアルマに不意打ちを仕掛けるが、アルマはガンガンセイバーで簡単に防いだ。

防がれたコウガネは、アルマとの距離をあける。

 

「貴様、いったい何者だ!?」

 

「僕は神様だよ。神になろうとした、愚か者くん?」

 

「神だと!?神が世界の争いに首を突っ込むというのか!?」

 

「さっき言ったでしょ?僕が関われるのは、本来この世界に関係のない存在にだって。本来君は、この世界に存在しないはずのイレギュラー、そんな君を排除するために、僕は来たんだよ」

 

「ふざけるな‼貴様のような奴に、排除されてたまるか‼」

 

そう言ったコウガネは、再びダークブリンガーで、アルマに斬りかかる。

だが、再びアルマに防がれてしまう。

 

「無駄だよ。君じゃ僕には勝てない」

 

「黙れぇええええええ‼」

 

コウガネは怒りのままに、アルマへと斬りかかり、アルマはその攻撃を、冷静に対応した。

 

アルマsideend

 

 

 

 

 

 

戒斗&装者side

 

「ハァアアアアア‼」

 

「ふん‼」

 

戒斗は、装備されているドラゴンブレードで、フィーネに斬りかかる。

斬りかかられたフィーネは、鞭を使って防御する。

 

「これでも喰らいな‼」

 

「無駄だ‼」

 

鞭で防御していたフィーネに、クリスは無数のミサイルを放つ。

フィーネは戒斗を押し退け、鞭でミサイルを破壊する。

だがそれにより、破壊されたミサイルから大量の煙があがり、フィーネの視界を奪う。

 

「くっ‼煙幕か」

 

「ハァアアアアア‼」

 

「テリャアアアアアア‼」

 

「ッ!?ちぃっ‼」

 

煙幕でフィーネの視界が奪われている隙に、翼と響が左右から攻撃を仕掛ける。

フィーネはすぐに鞭を使って、翼と響の攻撃を防ぐ。

 

「オラァアアアアアア‼」

 

「しつこい‼」

 

翼と響の攻撃を防いで、動けないフィーネに、奏が攻撃を仕掛ける。

フィーネは翼と響をすぐに弾き飛ばし、奏の攻撃を防ぐが、防ぎきれず、片膝をついて怯んでしまう。

そして

 

「ハァアアアアア‼」

 

「なにっ!?―――ぐあっ!?」

 

怯んで動けないフィーネに、戒斗が飛び蹴りを叩き込む。

叩き込まれたフィーネは、地面を転がるものの、すぐに立ちあがり、戒斗たちを睨み付ける。

 

「私の邪魔をするな‼」

 

「邪魔をさせてもらう。貴様が、月を穿つのをやめるまではな」

 

「ふざけるなぁあああああ‼」

 

戒斗の言葉に怒ったフィーネは、その場を駆け出す。

そのスピードは、先程戦っていた時よりも速くなっており、一瞬で戒斗の前に来た。

 

「なにっ!?」

 

「ハッ‼」

 

「がっ!?」

 

「「「「戒斗(さん)!?」」」」

 

戒斗は、フィーネが力を込めて振るった鞭により、崩壊した建物の一部に吹き飛んでしまう。

 

「よくも戒斗を‼」

 

戒斗を吹き飛ばされたことに、怒ったクリスは、ガトリング砲を構える。

だが

 

「ふん‼」

 

「がぁっ!?」

 

「「「クリス(雪音/ちゃん)!?」」」

 

ガトリング砲を放つ前に、フィーネに鞭で吹き飛ばされてしまった。

 

「よくも雪音を‼」

 

「やってくれたな‼」

 

「許さない‼」

 

翼、奏、響の3人は、三方向から同時に、フィーネへ攻撃を仕掛ける。

だが

 

「そう何度も喰らうかぁあああああ‼」

 

「「「がぁあああああ!?」」」

 

フィーネは鞭で、3人を同時に攻撃し、吹き飛ばした。

 

「ぐっ!?」

 

「ち、ちきしょう…………‼」

 

「つ、強い…………!?」

 

「しょせん、駆紋戒斗がいなければ、なにもできんか」

 

そう言ったフィーネは、翼たちに向かって歩きだす。

その時、フィーネの後方からエネルギー弾が飛んできた。

すぐに気づいたフィーネは、鞭で防御し、エネルギー弾が飛んできた方へと顔を向ける。

そこには、先程フィーネに吹き飛ばされ、装着された武装の1つである【ドラゴンガン】を構えた戒斗がいた。

 

「戒斗!?」

 

「ちっ‼やはり、あの程度の攻撃では倒れないか」

 

「あまり俺をなめるなよ?あれしきの攻撃で倒れる程、柔な鍛え方はしていない」

 

「だとしても、今の貴様らでは、私には勝てない」

 

「確かに、“今の”俺たちならな?」

 

「…………何が言いたい?」

 

「こういうことだ」

 

そう言った戒斗は、それぞれ異なる色のガシャットを取り出した。

戒斗はそのガシャットを、翼たちに向かって投げた。

嫌な予感がしたフィーネは、鞭でガシャットを壊そうとするが、戒斗によるドラゴンガンのエネルギー弾で妨害される。

そしてガシャットは翼たちの手に、無事におさまった。

 

「使え4人とも‼人を守るために戦った、戦士たちの力だ‼」

 

「はい‼」

《ゲキトツロボッツ‼》

 

「ああ‼」

《ドレミファビート‼》

 

「承知‼」

《ギリギリチャンバラ‼》

 

「やってやらぁ‼」

《ジェットコンバット‼》

 

響、奏、翼、クリスの順で、それぞれ渡されたガシャットのスイッチを押す。

スイッチを押したことにより、背後にゲーム画面が現れ、響の画面からは【ロボットゲーマ】、奏の画面からは【ビートゲーマ】、翼の画面からは【チャンバラゲーマ】、クリスの画面からは【コンバットゲーマ】が出てきた。

 

「「「「武装‼」」」」

 

そう響たちが叫ぶと、ロボットゲーマたちは響たちの体に、アーマーとして装着する。

響は、赤を主体としたアーマーボディが装着され、額にV字アンテナが装着、左腕に専用武装である【ゲキトツスマッシャー】が装備され、響は【ゲキトツガングニールフォーム】へとなった。

 

奏は、黄色を主体としたアーマーボディが装着され、額にキャップを模したアーマーが装着、左肩にはスピーカーを模したアーマーが、右腕には専用装備である【ドレミファターンテーブル】が装備され、奏は【ドレミファガングニールフォーム】へとなった。

 

翼は、左右の肩と脚に黒を主体としたアーマーが装着し、胸部分にはチャンバラゲーマの顔が装着され、翼は【チャンバラ天羽々斬フォーム】へとなった。

 

クリスは、オレンジを主体としたボディアーマーが装着され、目の部分にはバイザーが装着、背中には二丁の【ガトリングコンバット】が装備され、クリスは【コンバットイチイバルフォーム】へとなった。

 

「な、なんだその姿は!?」

 

「かつて、俺が生きていた世界で、ウィルスから人を守るために使った、強化用ガシャットで装備される強化アーマーだ。いくら貴様でも、これは予想できなかっただろ?」

 

「くっ‼」

 

戒斗に図星をつかれ、戒斗を睨むフィーネ。

その時クリスが、ガトリングコンバットでフィーネを撃つ。

フィーネは直ぐ様鞭で防ぐが、威力が強く、いくらか後方へとさがってしまう。

 

「クリス!?」

 

「悪いなフィーネ‼あいにくと、正々堂々やってられねぇんだよ‼」

 

「そういうことだ‼」

 

クリスに続いて、奏がドレミファターンテーブルを回してから、アームドギアでフィーネに突きかかる。

鞭で初激を防ぐフィーネだが、リズムに乗った奏の連続攻撃で、ダメージを受け、突き飛ばされる。

 

「くっ!?動きが読めん‼」

 

「ハァアアアアア‼」

 

「ッ!?ぐっ!?」

 

奏の動きが読めない攻撃に驚いているフィーネに、響がゲキトツスマッシャーで殴りかかる。

すぐに鞭で防ぐが、殴り飛ばされるフィーネ。

 

「さ、先程よりもパワーが上がっているだと!?」

 

「テリャァアアアアア‼」

 

「ッ!?ぐぅうう!?」

 

響の力が増しているフィーネに斬りかかる翼。

響の時同様、鞭で防ぐフィーネだが、威力が強く、膝をついてしまう。

そして

 

「ハァッ‼」

 

「がぁっ!?」

 

戒斗が脇から、フィーネに飛び蹴りを叩き込み、フィーネを蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされたフィーネは地面を転がり、うつ伏せの状態で止まる。

しかしフィーネは悔しがるところか、笑いだしたのだ。

 

「フフフ…………アハハハハハハハハ‼」

 

「何がおかしい!?」

 

「いやなに、貴様らが私に集中してくれたのが嬉しくてな」

 

「どういう…………ッ!?まさか!?」

 

「気づいたか?貴様らが私に集中してくれたおかげで、カ・ディンギルのエネルギーが溜まったのだ‼」

 

フィーネに言われ、全員の視線がカ・ディンギルに集中する。

すると、カ・ディンギルの銃口に、エネルギーが蓄積されていた状態で、発射準備に入っていた。

 

「ま、不味い!?」

 

「すぐに止めないと!?」

 

「行かせると思うか?」

 

止めに行こうとする響たち装者たちだったが、フィーネが鞭を構えて立ち塞がる。

だが

 

《高速化‼高速化‼高速化‼ジャンプ強化‼ジャンプ強化‼》

 

「ふん‼」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「なにっ!?」

 

戒斗は、所持していた高速化のエナジーアイテムを3枚、ジャンプ強化のエナジーアイテムを2枚使用して、カ・ディンギルの射線上まで高速で跳んだ。

 

《ガッシューン》

《ガシャット‼キメワザ‼》

《DRAGO KNIGHT CRITICAL STRIKE》

《マッスル化‼マッスル化‼マッスル化‼》

 

「はぁぁぁ…………ハァアアアアア‼」

 

戒斗は、ガシャットをキメワザスロットホルダーに装填してボタンを押した後に、所持していたマッスル化のエナジーアイテムを3枚使用して、全武装にエネルギーを蓄積する。

そして戒斗は、カ・ディンギルが発射されたのと同時に、蓄積したエネルギーを一気に放出し、カ・ディンギルが放出したエネルギー砲とぶつける。

 

「ぐぅうううううう!?」

 

「無駄だ‼その程度のエネルギーで、デュランダルから供給したエネルギー砲は止められん‼」

 

「戒斗‼」

 

「逃げろ戒斗‼」

 

「「戒斗(さん)‼」」

 

「俺を…………なめるなぁあああああ‼」

 

そう叫んだ戒斗は、ドラゴンブレードに蓄積された残ったエネルギーを斬撃として放ち、カ・ディンギルに当てるが、カ・ディンギルは多少傾くだけで、破壊することはできなかった。

そして

 

―ドガァアアアアアアン―

 

「戒斗!?」

 

「あ……ああ…………」

 

「かい……と…………」

 

「いや……いやぁあああああ‼」

 

残ったエネルギーでは、カ・ディンギルのエネルギー砲に太刀打ちできず、戒斗はエネルギー砲に呑み込まれ爆発した。

その一部始終を見た奏たちは、涙を流しながら悲鳴をあげ、地面に膝をつき、フィーネは笑みを浮かべていた。

 

「哀れな男だ。無駄だと分かって対抗した上に、エネルギー砲に呑み込まれて死ぬとは。犬死にとはまさにこのことだな」

 

笑いながら言うフィーネ。

フィーネの言葉が聞こえていた奏たちだが、戒斗を失った悲しみで、怒りが沸き上がってこない。

 

「つまらん奴等だ。まぁいい…………これでようやく、バラルの呪詛が解かれ―――なっ!?」

 

自分の勝利を確信しながら空を見上げたフィーネは驚いた。

本来なら破壊されているはずの月が、一部砕けた状態で、存在していたのだ。

 

「バカな!?計算上、カ・ディンギルのエネルギー砲で月は破壊されているはず!?なのになぜ…………まさか!?」

 

原因を考えるフィーネは、戒斗のある行動を思い出した。

それは、戒斗がドラゴンブレードでカ・ディンギルを攻撃したことだ。

 

「まさかあの男、それを計算した上で攻撃を!?」

 

戒斗の狙いが分かったフィーネ。

するとフィーネは、怒りが籠った目で翼たちを睨み付ける。

 

「貴様らさえ…………貴様らさえいなければぁああああ‼」

 

フィーネは怒りながら、鞭を構えて翼たちに突っ込む。

だがその時

 

「ッ!?ちぃっ‼」

 

フィーネに向かう先に、勢いをつけて何かが上空から落ちてきて、地面に突き刺さった。。

フィーネ、突っ込むのをやめて後方に下がり、突き刺さった物を見る。

突き刺さったのは、戒斗が使用していたガシャコンソードだった。

 

「な、何故駆紋戒斗の武器が!?」

 

「俺が投げたからだ‼」

 

「ッ!?なにっ!?」

 

「「「「……えっ?」」」」

 

上空から聞きおぼえのある声が聞こえ、見上げるフィーネとクリスたちシンフォギア装者たち。

するとそこには、服がボロボロになり、口から血を流した戒斗がゆっくりと落ちてきていた。

やがて戒斗は地面へと着地し、フィーネに視線を向ける。

 

「かい……と?」

 

「すまない、心配をかけた」

 

「良かった……無事で……‼」

 

「貴様‼何故生きている!?」

 

「今の俺は、コイツらを残して死ねないからな」

 

「ふ、ふざけるなぁあああああ‼」

 

戒斗の返答に怒ったフィーネが叫ぶと、フィーネの体から黒いオーラを放出し、ネフシュタンの鎧が黒く染まっていく。

 

「な、なんだありゃ!?」

 

「分からん。だが奴の相手は、俺がする」

 

「待って戒斗!?あなたそんなボロボロなのよ!?」

 

「そうです‼ここは皆で‼」

 

「いや、俺も真の力で戦う。その姿での戦いでお前たちを巻き込むのは間違いない。だから俺が1人で戦う」

 

そう言った戒斗は、フィーネに近づいていく。

 

「駆紋戒斗‼貴様は……貴様だけは私が殺す‼」

 

「やれるものなら、やってみろ…………ハァアアアアア‼」

 

「「「「戒斗(さん)!?」」」」

 

戒斗が叫ぶと、戒斗の体から無数の蔦が出てきて戒斗の全身を覆う。

そして蔦が消えると、戒斗の姿は人間の姿ではなかった。

 

「か、戒斗?」

 

「戒斗……なのか?」

 

「き、貴様!?ま、まさかその姿は!?」

 

「そうだ…………この姿こそが俺の真の力…………オーバーロード」

 

戒斗は、再び人を越えた存在、オーバーロードこと【ロードバロン】へとなった。

 

to be next song




今回はここまでです‼

次回はロードバロンとなった戒斗とフィーネが戦います‼

次回も是非読んでください‼


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Song21:オーバーロードと新たな力

大変長らくお待たせいたしました!!

今回はロードバロンになった戒斗がフィーネと戦い、新たな力を得ます!!

それでは本編スタートです!!


「戒斗…………その姿は……!?」

 

「コレが…………俺の真の力だ」

 

ロード・バロンとなった戒斗を見て、翼たちは、ただただ、驚くしかなかった。

戒斗は専用武器である【グロンバリャム】を構える。

 

「お前たちは下がっていろ」

 

「戒斗…………でもよ‼」

 

「ここからは…………化け物同士の戦いだ」

 

そう言った戒斗は、フィーネに向かって駆け出す。

フィーネは近づけまいと、鞭で迎撃するが、戒斗のグロンバリャムによって防がれる。

戒斗はそのまま、グロンバリャムでフィーネに斬りかかる。

だが、今度はフィーネが鞭でグロンバリャムの攻撃を防いだ。

 

「何なのだ貴様は!?貴様の…………貴様らのせいで、私の計画が台無しだ‼」

 

「知ったことか。気にくわなかったからしたまでのこと‼貴様のくだらん考えにな‼」

 

「黙れぇえええええええええ‼」

 

戒斗の言葉に怒ったフィーネは、鞭を出鱈目に振り回す。

だが、全て戒斗に防がれてしまう。

 

「何故関係のない貴様が、この世界のために戦う!?何が貴様を動かすのだ!?」

 

「さぁな……少なくとも今は、あいつらを守るためだ‼」

 

「守るため…………だと!?」

 

「昔の俺では、こんな思いは芽生えなかっただろう。だが、この世界に来て、俺は変わった。奏、翼、響、クリス、未来、二課の連中と出会い、別の世界でクロトたちと出会ったことで、奴の…………葛葉の強さを理解した。奴の守るための強さもな…………だからこそ、この世界を守り抜く‼」

 

「ぐっ!?」

 

戒斗はそう言いながら、グロンバリャムでフィーネを押し返す。

 

「…………いいだろう。貴様がそこまで守ろうというのならば、守ってみせろ‼この私の力からな‼」

 

フィーネはそう言うと、ロックシードを数個取り出した。

 

「何をするつもりだ?」

 

「こうするのさ…………ふん!!」

 

「なに!?」

 

フィーネは取り出したロックシードを、自身の体へ差し込み取り込んだ。

すると、フィーネの体から赤いオーラが放出される。

そしてフィーネは、1つの果実を取り出した。

 

「ッ!?その果実は!?」

 

「そうだ。貴様も知るヘルヘイムの実だ!!コレを食べればどうなるか…………貴様は分かるだろう?」

 

フィーネはそう言うと、ヘルヘイムの実を食べる。

すると、フィーネの目が赤く光だした。

 

 

「フフフフ…………アハハハハハハハ!!溢れる!!力が溢れてくるぞ!!ハァアアアアアア!!」

 

「ぐっ!?」

 

フィーネはヘルヘイムの実を食べたことにより、全体の力が上がり、先程よりも速く、鞭で攻撃する。

なんとか反応した戒斗は、グロンバリャムで防ぐ。

 

「フハハハハハハ!!どうだ駆紋戒斗!?貴様と同等の力を持った私の力は!!」

 

「くだらん!!」

 

そう言い放った戒斗は、手をフィーネへと向ける。

すると、ヘルヘイムの蔦が周りから伸びてきて、フィーネを拘束した。

 

「くっ!?なんだコレは!?」

 

「(どうやら、まだ完全にオーバーロードの力を使うことができないようだな)ならば、仕掛けるなら今だ!!」

 

戒斗はグロンバリャムを構えて、フィーネへと向かっていく。

だが

 

「嘗めるなぁああああ!!」

 

「なにっ!?」

 

フィーネの目が再び赤く光だすと、ヘルヘイムの蔦がフィーネの拘束を解き、逆に戒斗を拘束した。

そしてフィーネは、戒斗に連続で攻撃をする。

 

「フハハハハハハ!!ハァアアアアアア!!」

 

「がぁあああああああ!?」

 

「戒斗さん!?」

 

「フィーネ!!貴様ぁああああ!!」

 

「戒斗を!!」

 

「離せぇえええええええ!!」

 

「邪魔をするな!!」

 

戒斗を攻撃し続けるフィーネに、攻撃を仕掛けるクリスたちだったが、ヘルヘイムの蔦により拘束される。

 

「この!!なんだよこの蔦!?」

 

「そこで大人しく見ていろ…………さて、駆紋戒斗………………貴様のその力は、貴様に相応しくない」

 

「なに?」

 

「だから、私がもらってやろう」

 

「ッ!?がぁああああああああ!?」

 

「「「「戒斗(さん)!?」」」」

 

フィーネは鞭を戒斗に突き刺す。

すると、戒斗の姿がロードバロンから、人間の姿へと戻る。

それを確認したフィーネは鞭を抜き取る。

その鞭の先端には、ロードバロンの顔が描かれたロックシードがあった。

 

「な、なんで戒斗からロックシードが!?」

 

「コレは、駆紋戒斗から取り出したオーバーロードの力を、ロックシードにした物だ」

 

「なんだと!?貴様、まさか!?」

 

「そうだ!!貴様の力を身体に取り込み、今度こそ月を穿つ!!」

 

そう言ったフィーネは、戒斗から奪い取ったロックシードを、体へ差し込もうとする。

だが

 

「ぐっ!?な、なんだ!?」

 

「アイツは!?」

 

「ガタックゼクター!?」

 

ガタックゼクターが、体に近づく一歩手前でロックシードを奪い返した。

フィーネはガタックゼクターへ、攻撃しようと鞭を構えるが、響たちのアーマーとして装着されていたゲーマたちが響たちから離れ、フィーネを妨害する。

 

「くっ!?コイツら!?」

 

「(今だ!!)ふん!!」

 

「ぐっ!?」

 

隙を見つけた戒斗はフィーネを蹴り飛ばし、鞭から脱出する。

するとそこへ、ガタックエクステンダーが、エクスモードになって近づいてきた。

そしてガタックエクステンダーの上には、戦極ドライバーが置かれており、ガタックゼクターが戒斗から取り出されたロックシードを持ってきた。

 

「“アイツ”め……味なマネを…………フィーネ、貴様に感謝する」

 

「なに!?」

 

「これで…………仮面ライダーとしてこの力を使える」

《ロード・バロン》

 

「変身!!」

《ロック・オン》

《カモン!!ロード・バロンアームズ!!》

《ロード・オブ・デビル!!》

 

戒斗はロード・バロンロックシードを戦極ドライバーにはめ込み、カッティングブレードを倒す。

すると、ロックシードから大量のヘルヘイムの蔦が出てきて、戒斗を包み込み鎧となる。

そしてバロンの目は青く光、戒斗の手にはグロンバリャムが握られ、戒斗は【仮面ライダーバロン ロードバロンアームズ】へと変身した。

 

「くっ!?まさか逆に使われるとは!?」

 

「葛葉の言葉を借りるなら…………ここからが俺たちのステージだ」

 

「俺たち?「ハァアアアアアア!!」ぐあっ!?」

 

フィーネが戒斗の言葉に疑問を持っていると、蔦から抜け出した響が、フィーネを殴り飛ばした。

そして奏たちも蔦から抜け出し、戒斗の元に集まる。

 

「おのれ……おのれおのれ!!何故思うようにならんのだ!?」

 

「あんたの想いより、あたしらの想いが強いってことさ!!」

 

「巫山戯るな……巫山戯るなぁああああ!!」

 

奏の言葉に怒りを覚えたフィーネは、攻撃しようと鞭を構える。

だが、戒斗がロード・バロンの能力で自身を霧に変え、フィーネを妨害する。

 

「くっ!?邪魔ばかりを!?」

 

「ハァッ!!」

 

「がっ!?」

 

苛立つフィーネの隙をついて、響がフィーネを殴り飛ばす。

 

「フィーネ、いい加減、月を穿つなどといった下らんことはやめろ」

 

「黙れ!!こうなれば、貴様らまとめて、この星を破壊してやる!!」

 

そう言ったフィーネは空高く舞い上がり、頭上へエネルギーを溜める。

そして

 

「こんどこ…………消えてなくなれぇえええええええ!!」

 

フィーネは、溜めたエネルギーを一気に放つ。

戒斗は1人、その場から駆け出し、カッティングブレードを3回倒す。

 

《カモン!!ロードバロンスパーキング!!》

 

「ハァアアアアアア!!」

 

「「「「戒斗(さん)!?」」」」

 

戒斗はエネルギーを腕へ蓄積し、フィーネが放ったエネルギーを受け止める。

だが、同じオーバーロードの力とはいえ、聖遺物と数個のロックシードの力を身に宿したフィーネのエネルギーに、戒斗は押され始める。

それでも尚、戒斗はエネルギーを受け止め続ける。

 

「何故だ……何故だ駆紋戒斗!?そこまでしてあの娘たちを守りたいならば、あの娘たちを連れて違う世界に行けばいいだろう!?」

 

「確かにそうだ…………だが、俺の愛した女たちは、それを望んでいない……アイツらはこの世界で、やりたい事が、やり残した事が山ほどある……そんな未練を残して生きていくなど、生きた心地がせん」

 

「「「「戒斗(さん)…………」」」」

 

「それに俺自身、尻尾を振って逃げるなど…………性に合ってないんでな!!」

 

「ならば!!そのまま朽ち果てるがいい!!」

 

そう言ってフィーネは、エネルギーを更に増幅し、戒斗を追い込んでいく。

だがその時、響たち4人が戒斗の隣へと移動し、エネルギーを受け止める。

 

「ッ!?お前たち!?」

 

「1人だけにしませんよ!!戒斗さん!!」

 

「あたしらの夢を叶えるためには、戒斗の支えが必要だ!!」

 

「あなたには、私たちの歌を近くで聞いてもらわなきゃ困るわ!!」

 

「それに、責任を取ってもらわねぇと困るんだよ!!」

 

戒斗にそう言いながら、受け止め続ける響たち。

すると突然、歌が聞こえてきた。

 

「この歌は!?」

 

「リディアンの校歌!?」

 

「それにこの歌声……未来!?」

 

「伝わってくる……皆の想いが」

 

「…………いいだろう。この世界を守る理由が1つ増えた!!守るぞ!!この世界を!!!」

 

「「「「おう!!」」」」

 

戒斗の言葉に響たちが返事をした瞬間、戒斗たちの体が光だし、受け止めていたエネルギーをかき消す。

 

「なんだ!?なんだこの光は!?」

 

戒斗たちが光だしたことに驚くフィーネ。

すると戒斗たちの体は更に光、宙へと浮かぶ。

そして

 

《シンフォギアアームズ!!》

《心を繋ぐシンフォニー!!》

 

響たちのシンフォギアは白を主体にした、翼を持った【エクスドライブ】へと、戒斗はロードバロンアームズの黒部分が白く染まり、翼を持った【仮面ライダーバロン シンフォギアアームズ】へと進化した。

 

to be next song




今回はここまでです!!

次回はエクスドライブの力を得た戒斗たちが、フィーネと対決します!!

次回も是非読んでください!!


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