五十嵐くんのIS転生life(仮)←適当 (甘々胡麻ざらし)
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おもちゃ買えたら真っ白な空間にいた-え?俺死んだの?-

一部変更しました。あとこの主人公かなりサバサバしてます。


「うーん…。なかなかパラドクスの小説伸びないな…。」

 

五十嵐 航(いがらし わたる)18歳は悩んでいた。ハーメルンという小説投稿サイトに投稿している自分のある作品があまりにも低評価が多くついていることに。

 

「リメイク版出したのは良いけど前の方が良かったのかなぁ?あっちは低評価あんまりついてなかったし…。」

 

そう、彼は約二週間前に投稿した小説のリメイク版を書いたのだが、逆にコレがかなりの酷評を受けていてメンタルがボロボロになっていた。

 

「はぁ…。悩んでいても仕方ないか…。いざとなればまたリメイク版出せばいいし、それがまた酷評なら更なるリメイクをって、それじゃ無限ループじゃねーかよ。ってやべ!もうこんな時間かよ!早く行かなきゃプロトマイティアクションXガシャットオリジンのプレミアム前売り券が売り切れる!」

 

彼は急いで自転車に乗り、猛スピードで映画館へ向かった。

 

-二時間後-

 

「いやぁ~無事に並んでゲット!さてと、友達にLINEで報告しよう~。」

 

お目当ての物を手に入れ、嬉しさのあまり…

 

キキィィィィィ!

 

「え?」

 

ガシャァァァァァァン!

 

信号を曲がってきた車に気付かず彼は轢かれた。

 

-???-

 

「うん…。あれ?ここどこだ?」

 

そこはどこぞの格闘漫画の精神と時のなんちゃらみたいに、どこまでも真っ白な世界が広がっていた。

 

「確か俺は…あっ車に轢かれて…。」

 

「そして死にました。」

 

「…!」

 

突然背後から声が聞こえ慌てて振り替えるとそこには天使を思わせる"幼女"がいた。

 

「どうしたの?お嬢ちゃん迷子?」

 

「誰がお嬢ちゃんですか!私は転生の女神です!」

 

「またまた冗談を。」

 

「嘘じゃないです!」

 

ムキーっと怒りをあらわにし、地団駄を踏む姿はとても愛らしく、無性に撫でたくなる感情を航は押さえた。

 

「あ、そうだ。俺が死んだって言ってたけど死因は?」

 

「トラックに轢かれてそのまま全身を強打して死にました。あと一応私は年上です。」

 

「あ、すみません。それで即死だったのですか?」

 

「いいえ。良かったら痛みの記憶呼び覚ましましょうか?」

 

「いや…。遠慮しておきます…。で、俺はなんでここに?」

 

「何か随分と落ち着いていませんか?自分が死んだのですよ?」

 

「だって人はいつかは死にますよ?それが遅かれ早かれ。だから死んだらそのときです。」

 

「随分と変な考えの人ですね。」

 

「はは、よく言われます。」

 

ヘラヘラと笑うが航も後悔はしていた。自分が浮かれていなければ死ぬことはなかったと。この先の人生を見てみたかったと。だが、航はこうして死ぬことが自分の人生であり、運命であったと腹をくくっていた。

 

「とにかく、あなたは選ばれたのです!」

 

「選ばれた?」

 

「実は今ある小説の世界が混沌を迎えようとしているのです。」

 

「混沌…?」

 

「今から約1年前。ある男が今年死んだ10万人目に選ばれあるラノベの世界に転生したんですよ。」

 

「それどこのVシネのバスターですか?」

 

「と、とにかく!その男はとても歪んだ欲望の持ち主で、転生先で好き放題する前に止めてほしいのです! つまり、あなたはその世界を救うヒーローに選ばれたのです!」

 

世界を救う。それだけ聞けば特撮好きの航にとっては心が踊るような言葉だが。

 

「それ俺じゃないとダメなんですか?」

 

「え?」

 

「つーかなんで俺なんですか?あなたたち神が勝手にしたことでしょ?そんな理由で俺を巻き込まないくださいよ。

大人しく天国にでも地獄にでも連れていってくださいよ。」

 

事故で死んであの世にいくならまだしも、他人の起こしたミスを自分が何とかしなければならないなど理不尽だ。

 

「…そうですよね。私たちが招いたことだからあなたには関係ないですね…。」

 

女神が持っていた杖を空に掲げると大きな門が出現し、そこから光が溢れる。

 

「この門をくぐれば天国に行けます。」

 

「はーい。」

 

航はそのまま天国行きの門へ行こうとしたが、その前で足を止めた。

 

「…女神様。」

 

「…はい?」

 

「本当に俺はヒーローになれますか?戦隊や仮面ライダーのように誰かの笑顔を守れるのですか?」

 

「…それはあなたの行動次第です。でもあなたにはヒーローとしての資格があります。」

 

航は悩んだ。自分は過去に特撮ヒーローに憧れていたが、今までの人生で人助けなどなにもしてこなかった。だからこそ。

 

「女神様。断っといてすみませんけど、やっぱり俺ヒーローになります。その世界を救います。」

 

「ほ、ほんとですか!」

 

「はい。」

 

「で、ではあなたを転生させます!」

 

女神は再び杖を空に掲げると今度は航の体が光消えかけ始めた。

 

「では!世界をお願いします!」

 

「はい!」

 

航は消えかける体のまま空を見上げた。

 

「父さん。母さん。ごめんな。そしていままでありがとう。俺、世界を救ってくるよ!」

 

こうして航の第二の人生がスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ、転生先と転生者倒したらどうなるのか聞くの忘れてた。」




続くのか?


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女神様、これは転生というより転送なのでは?-いきなり18歳からスタートだってさ-

続いちゃったよ…。
ここからは設定を更に練り込むので投稿遅くなります。


「うん?ここは…?」

 

航が目を覚ますと自分はベンチに寝ていて、体を起こすとそこは自分がいた世界とよく似ている風景があった。そして枕の替わりにしていたトランクケースに目が行き、それを開けると。

 

『コレの手紙を読んでいるということは、どうやら無事に転生したようですね。ここはインフィニット・ストラトスの世界です。この世界のあなたは孤児ということにしています。それと、あなたが倒すべき転生者は今のところ誰かはわかっていません。お役に立てなくてすみません。もしかしたらこの世界に存在しない人物、はたまた誰かに憑依転生している可能性があります。そして、転生者特典として専用機と"人を洗脳する能力"を持っています。』

 

「いや、それ俺も洗脳されたら終わりじゃね?」

 

航はツッコミを入れてしまったが手紙には続きがありそれを読む。

 

『大丈夫です。洗脳と言っても制限があってある一定以上の信頼関係がなかったら洗脳されることはありません。』

 

「おいこら、予知するなよ。」

 

『続けますね。』

 

「続けるのかよ!」

 

『そしてあなたの特典として専用機を与えます。』

 

「専用機?」

 

航は手紙と一緒に入っていた物を手に取る。

 

「これは…、カードデッキとスキャナーか?」

 

そこにはカードデッキが入っていて、中には何も描かれていないカードが数枚あり、他にもカードを読み込ませるであろう銀色のスキャナーがあった。そしてそれと一緒に説明書のようなのが付属していた。

 

『それはISの力を秘めたインフィニットカードとそれを読み込むストラトスキャナーです。使い方はストラトスキャナーを腕に巻き付け、インフィニットカードを二枚スラッシュスキャンし、ストラトスキャナーに手をかざすとあなたの専用機が現れます。つまりオーブやジードみたいに二つのISの力を合わせて戦うのです!』

 

「へぇ~。なんか格好いいな。」

 

そういい航は早速ストラトスキャナーを腕に当てると、自動的にベルトが射出され、腕巻き付き固定された。

 

「要するに転生者が親密度を上げて洗脳する前に、学園の全員と友達になれってことだな。なんかハーレム作るみたいで嫌だけど…。あ、あとその他の使い道とかは。」

 

ドォォォォォン!

 

突然近くで爆発音が鳴り一瞬ふらつく。

 

「な、何が起きたんだ!?」

 

航はトランクケースに手紙とカードデッキを仕舞い爆発音のしたところにいった。そこには…。

 

「あはははははは!男なんて死ねばいいのよ!」

 

ISを纏った女が銃を乱射していた。恐らく近くにあった展示品でも触れたのだろう。

 

「うわぁ!」

 

慌てて航も近くの物陰に逃げたが、手を見るとブルブルと震えていた。それもそうだ。元々航は戦争など無関係の一般市民。突然銃を乱射されたら逃げるし怖い。

 

「(くそっ!いきなりこんなのってありかよ!ヒーローの資格があるとか言ってたけどこんなの無理だろ!)」

 

航はこっそり逃げようとしたが、その足を止めた。

 

「ヒック!グスッ!」

 

「僕どうしたんだ?」

 

「お父さんとはぐれちゃったの…。僕怖いよ…。」

 

「…。(そうだ。俺は何をしているんだよ。俺がこの世界に来たのは逃げるためじゃない。この子のような人たちの笑顔を守るためだろ!)大丈夫だよ、僕。必ずヒーローはやって来る。あんな悪いやつ倒しちゃうよ!」

 

「ほんと?」

 

「ああ!俺がお前のヒーローになる!」

 

航はトランクケースからカードデッキを取りだし、腰に付けてISを纏った女の前に出た。

 

「これ以上罪もない人を傷つけるな!」

 

「はぁ?男の癖に偉そうにいうんじゃないよ!」

 

バン!と発砲音したが弾丸が届くことはなかった。恐る恐る見ると二枚のカードがバリアを張るように空中に浮かんでいた。

 

「これは…。うわっ!」

 

突然カードが光り、目を開けると神秘的な空間が漂っていた。

 

《覚悟の意思を確認。汝に訪う。汝は何ゆえヒーローになる?》

 

「俺は…俺は目の前で傷つく人を見たくない!これから先も手の届く限り誰かの笑顔を守る!立ち止まってる場合じゃない!"ストップするなら止まらず進む!"」

 

《良かろう。汝を我主君とする。コードはストラトスだ。》

 

再びカードが光り、目を開けると先ほどまで真っ黒だったカードが機械の絵柄が描かれたカードに変化し、それを受け取る。

 

「な、なにが起きたの?」

 

ISを纏った女はあまりの光景に後ずさりする。

 

「へっ!見せてやるよ!俺流のヒーローを!」

 

そういい航はインフィニットカードとストラトスキャナーを構える。

 

「打鉄!」

 

《打鉄!》

 

「リヴァイブ!」

 

《ラファール・リヴァイブ!》

 

二枚のカードをスキャンするとカードに描かれた打鉄とラファール・リヴァイブが出現する。

 

「ライド・オン・ストラトス!」

 

《ミキシストラトス!》

 

ストラトスキャナーに手をかざすと二機のISが粒子となり航の全身を覆い、特撮ヒーローを彷彿とさせる姿になった。

 

《ライド・オン・マドラクション!》

 

「お、男がISを装着した…?」

 

またしても女は驚きの声をあげる。

 

「さぁ!いくぜ!」




なんだこのウルトラマン感は…。


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変身!そして入学までの道のり-いろんな意味で疲れるよ…-

「はぁっ!」

 

ISを纏った航は地面を蹴り拳を喰らわそうとしたが。

 

「うわっ!ぶへっ!」

 

何故か20メートルほど飛び上がってしまい地面に顔をぶつけた。

 

「いてて…。なんだこれ?体がビックリするぐらい軽いぞ?」

 

《主君よ。主君の体は今このISによって身体能力が大きく向上している。よって加減をしなければ先ほどのように怪我をするぞ。》

 

「スキャナーが喋った!?ってその声…。」

 

スキャナーから声が聞こえて思わず驚きの声をあげたが、それは先ほどの航があの神秘的な空間で聴いた小江であった。

 

《我は主君のパートナーであり、このストラトスキャナーのAIでもある。今は女神からの手紙を読む暇がないから我が主君をサポートしよう。》

 

「そっか。頼むぜ相棒!」

 

「何をごちゃごちゃ言ってるのよ!」

 

女はこの光景にイラつき銃を撃つが。

 

「無駄無駄!」

 

「がっ!」

 

先ほどとは違い右肩に拳を喰らった。

 

《今は我が主君の動力をサポートしている。主君は思いきり戦うといい!》

 

「ああ!こい、葵!」

 

航は自分がスキャンした打鉄の刀型近接ブレード《葵》を展開させ斬りかかるが、女は持っていた銃(アサルトライフル)で接近する航を撃つ。しかし航は強化された動体視力で弾丸を全て切り、一撃、二撃と攻撃を喰らわせる。

 

「こんなの…ありえない!男に負けるなんて!」

 

「へっ!せいぜい刑務所で喚いてな!」

 

《マドラクション・インパクト!》

 

ストラトスキャナーに再び手をかざすと電子音声が鳴り響き葵の刀身が緑色に発光する。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そしてそのまま降り下ろし、女のISのSEを0にした。ISを解除された女は必殺技の威力が強すぎたのかそのまま気絶した。

 

「ふぃ~。」

 

《初戦にしてはなかなかだったぞ。》

 

「いや、お前のサポートとこいつの力さ。」

 

《確かにそれもあるが主君の覚悟も力に影響している。先ほどの少年に言った言葉は中々良かったぞ。》

 

「止めてくれ…。あれ結構恥ずかしかったから…。」

 

航が照れてISを解除したとき。

 

「動くな!両手を挙げて大人しくしろ!」

 

「え?」

 

何故か三機のISに囲まれそのまま連行された。

 

-取調室-

 

「で、なんであんたみたいな男がISを持っていて、しかも操縦できるのよ!」

 

「いや…なんでと言われましても…。」

 

航は取り調べを受けていた。しかも色々と聴かれるが答えようにも答えられないため戸惑っていた。するとドアがノックされスーツ姿の女性が入ってきた。

 

「失礼する。」

 

「お、織斑千冬さま!?どのようなご用件で?」

 

「(へぇ。この人が織斑千冬か。この世界の主人公 織斑一夏の姉であり、世界最強のIS操縦者。そんな人が何故ここに?)」

 

「彼の取り調べは私がしてもいいか?」

 

「は、はい!どうぞ!」

 

そういい取り調べをしていた女は部屋を出ていき、部屋には航と千冬のみとなった。

 

「あ、あの~。」

 

「先ほどは同僚がすまなかったな。あんな高圧な態度では話すことも話せない。」

 

「は、はぁ…。(いい人だな。)」

 

「それで単刀直入に聴くが、あのISはどこで手に入れた?」

 

「そ、それは…。(どうする?女神から貰いましたなんて信じてもらえるわけない…。それに下手に正体がバレるのも困る…。)」

 

「どうした?答えられないのか?」

 

「実は…、俺記憶が無いんです…。」

 

航は咄嗟の嘘で誤魔化すことにした。が、あながち嘘ではない。航はこの世界の住人ではないためこの世界の記憶が無いのは当然だ。知っていたとしてもそれは今ではなくこれから先の未来だけだ。

 

「記憶がないだと?」

 

「はい。分かっているのは自分に関することだけで、両親の顔や友達、何故自分がISを所持していたのかなど全くわからないんです…。」

 

「そうか。辛いことを聴いてしまったな。」

 

「いえ、本当にすみません…。(嘘をついて…。)」

 

「だが君にISの適正があるということはISが記憶の鍵を握っている可能性が高い。君がもし言いというのならば、IS学園に来る気はないか?」

 

「IS学園?」

 

「IS学園はIS操縦者を育てる学校だ。本来ISは女にしか動かせないが君はそれを動かした。ああ、記憶が無いんだったな。ISというのは君が戦ったあの機械のことだ。そして、私の弟達もISを動かしてしまってな。丁度入学するのだよ。だから君も学園に入れようと思う。」

 

「可能なのですか?」

 

「学園長に頼めば許可してくだろう。それか君はこのまま何故男がISを動かせるかの人体実験にでもなるか?」

 

「じ、人体実験…。(この人いきなり怖いよ!)」

 

「ふふ、冗談だ。君はなんとしてでもIS学園で保護するように努力するよ。」

 

「冗談キツいですよ…。」

 

「ああ、それとこれは君に返す。」

 

そう言って千冬が航に渡したのは、取り調べのとき没収カードデッキとストラトスキャナーだった。

 

「これを解析してみたが厳重なロックが掛かっていて調べれなかったため返すことにした。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「では入学に関しては私が何とかする。君は政府が護衛するホテルで入学まで大人しくしてもらうぞ。」

 

「はい。色々とありがとうございます。」

 

「ではな。」

 

その後千冬は去り、航は黒スーツを来た男達に連れられ高そうなホテルに入学までの間ISについて勉強した。だが、航は千冬のある一言がずっと気になっていた。

 

「弟"達"ってどういうことだよ…。まさかどっちかが転生者なのか…?」

 

航はその疑問を抱えたまま入学式を迎えた。



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祝、入学!-なんか留年した気分だな-

いよいよ原作スタート!


「では、ここで待っていてくれ。」

 

「はい。」

 

航は今IS学園の一年一組の教室の前で待たされていた。本来なら入学式にも参加する予定だったのだが、手続きの際に色々ゴタゴタしていたため朝のSHRで紹介することになった。

 

「でも高1からなんてなんか留年した気分だよ…。」

 

本来なら年齢に合わせて三年生の教室になるはずだったが、ISについては知らないことも多く、何より記憶喪失(航の嘘)なので三年間じっくり思い出させるという意図もあり一年の教室になった。

 

「キャァァァァァァァ!」

 

「うおっ!教室の壁を抜けて聴こえるとか、この世界の女子はどんだけ声量があるんだよ。」

 

「すまない。入ってくれ。」

 

「あ、はい。」

 

扉を開けた千冬に言われ教室に入ると"二人の男子"とその他大勢の女子がいた。

 

「では自己紹介を。」

 

「はい。俺の名前は五十嵐航。ISを動かした男としてこの学園に入学することになりました。一年の学級にいますけど歳は皆さんより二つ上の17歳です。実は自分のこととIS以外の一般知識以外は記憶喪失になっているので、ISについても今の世の中についても全くわかりません。なので、皆さんと一緒に学んでいくつもりです。年上だからと緊張せずいつでも気楽に話しかけてください。(ふぅ。こんな感じかな?)」

 

「き、」

 

「き?」

 

「キャァァァァァァァ!」

 

「うわっ!」

 

「三人目の男!」

 

「しかも年上!」

 

「さらに高身長!」

 

「記憶喪失っていうところもそそられる!」

 

「実は私あなたの恋人なの!」

 

「あ、抜け駆けはズルいわよ!」

 

突然女子からの黄色い声援に思わず顔をひきつってしまうが。

 

「静かにしろ!」

 

千冬の声で一瞬で静かになった。

 

「五十嵐は空いている席に座ってくれ。それと五十嵐は同じクラスメイトだが年上だと言うことを忘れるなよ。では授業を始める。」

 

そして一時間目の休み時間。

 

「よっ、俺織斑一夏!同じ男同士これからよろしくな!」

 

「あ、ああ。よろしく…。織斑くん。(え?年上にいきなりタメ口?)」

 

「おいおい。航が緊張してどうするんだよ。それに一夏でいいぜ。」

 

「あ、うん。(しかも呼び捨て!?年上には敬語を使えって習わなかったのか?つーか俺が言ったのは"気楽"であって"気軽"とは一言もいってないぞ!?)」

 

航があまりにも常識外れな接し方に悩ましていると。

 

「一夏。」

 

「あれ、もしかして箒か?」

 

「…。(この子が篠ノ之箒か。)」

 

「ああ、少し話がしたい。すみませんが少し一夏を借りてもいいですか?」

 

「あ、うん、いいよ。(よかった。この子は大丈夫っぽい。)」

 

「廊下でいいか?」

 

「おう。じゃあまたあとでな航。」

 

そのまま箒は一夏を連れて教室の外に行った。

 

「はぁ…。(あいつが転生者なのか?それならゲス系転生者で見下しているで納得できるけど、緊張していて名前だけしか聴いていなかった可能性もあるしなぁ。)」

 

「あの…。」

 

「うん?」

 

航が机に突っ伏して悩んでいると声をかけられ、顔を上げると一夏と顔がそっくりな眼鏡をかけた少年がいた。

 

「君は?」

 

「あのバカの双子の弟。織斑秋十(おりむら あきと)です。さっきは兄が無礼を働いてすみませんでした。」

 

「別に君が謝ることじゃないよ。」

 

「いえ、あのバカはいつもああなんです。自分の解釈でやりたい放題やって、しかも後処理や文句は毎回俺に任されて…。お陰でどんだけ大変だったか…。」

 

「大変だね君。」

 

「嫌ですけど慣れましたからね。」

 

「ははは…。」

 

「あの、失礼なのは承知ですけどIS以外の知識がないというのはどのくらいまでなのですか?」

「あー、えーっと…。(どうする?もしかしたらこいつが転生者の可能性もある。でも仮に一夏が転生者ならこいつは踏み台オリキャラになる。さっきの話から感じると仮に転生者だとしてもわざわざ苦労する方を選ぶのは変だよな?ここは一応違うと認識して接するか。)学校の授業で受ける内容なら頭に入ってるよ。でもIS関連のことについては全く…。」

 

「そうですか。大変失礼しました。」

 

「ううん。IS以外の勉強なら教えてあげるしいつでも言ってくれ。」

 

「でも。」

 

「話していたら何かの拍子に記憶が戻ることもあるかもしれないしね。」

 

「わかりました。これからよろしくお願いします。五十嵐先輩。」

 

「え?先輩?」

 

「同じ学年でも年上ですし。あと俺のことは秋十で構いませんよ。」

 

「あ、うん。じゃあよろしくね秋十くん。」

 

こうして航はこの世界で初めての友達を手に入れた。そして授業のチャイムが鳴り、授業が始まったとき誰かが航を見てニヤリと笑みを浮かべたのを航は気づかなかった…。




分かりにくいので説明
気楽…緊張しないで
気軽…遠慮しないで


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波乱万丈な休み時間-結構大変だよ?-

二時間目の授業が終わり航は暇なので何も描かれていないインフィニットカードを眺めていると。

 

「すみませんでした!五十嵐先輩!」

 

「うん?」

 

突然一夏が頭を下げてきて訳がわからず頭に"?"を浮かべていると秋十が呆れた顔でやってきた。

 

「さっきこのアホに確認したら名前しか聴いていなかったそうなんですよ。で、年上だって教えたら真っ先に謝りたかったそうです。」

 

「ああ、そうなんだ。」

 

「俺、同じ男が来て驚いて話全然入ってませんでした…。ほんとうにすみませんでした。」

 

「まぁ、人間誰しも失敗はあるからね。次からは気を付けてね。」

 

「はい!あの…それでもしよかったら俺と友達になってくれませんか?」

 

「うん。俺は構わないよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「で、五十嵐先輩は何を見てるんですか?」

 

「カード…ですか?」

 

「ああ、これは…。」

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「「「え?」」」

 

航がインフィニットカードについて話そうかと思ったとき不意に声をかけられ振り向くとそこには金髪の白人の美女がいた。

 

「聴いてますの?お返事は?」

 

「えーっと誰?」

 

「まぁなんですのそのお返事は!このわたくしに話しかけられているのだからそれ相応の態度がありまして?」

 

「いや…。俺君のこと知らないし。秋十は?」

 

「彼女の自己紹介はまだ聴いてなかったから知らないよ。」

 

「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットさんだよ。」

 

「「知ってるんですか、五十嵐先輩?」」

 

「あー、うん。ホテルにいたときに色々と調べてたんだ。」

 

「あら、そちらの殿方は少しは知的さがありますのね?」

 

「あのー、五十嵐先輩。」

 

「なに?一夏くん。」

 

「代表候補生ってなんですか?」

 

「えっ…。(そういえば一夏は知らないんだよな。)」

 

「あ、あなた本気で仰ってますの!?」

 

「おう知らん。」

 

「そんな堂々と言うなよアホ…。」

 

航は驚き、セシリアはあり得ないとブツブツ言い、秋十は呆れていた。

 

「イギリスのIS国家代表の候補生だよ。読んで字のごとくだけどわかる?」

 

「つまり凄いってことですよね?」

 

「そう!エリートなのですわ!本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡…幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

「「そうか。それはラッキーだな。」」

 

「馬鹿にしてますの?」

 

「「そっちが言ったんだろ?」」

 

一夏と秋十の抜群すぎるコンビネーションにセシリアは顔を真っ赤にし、航は「やっぱり双子だなぁ」と思っていた。ちなみに航はもうめんどくさくなったのか何も描かれていないインフィニットカード(航はブランクカードと呼んでいる)を眺めた。

 

「で、あなたは人が話しているのに何を勝手に見ていますの!」

 

「あ、ちょっと!」

 

「なんですの?この真っ黒なカードは?日本人はこんなのを好みますの?」

 

セシリアは航の態度が気に入らなかったのかカードを一枚取り上げるが、何も描かれておらず航に投げて返した。

 

「人のものは投げないの。」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「ふん、また来ますわ!逃げないでくださいね。」

 

「あいつ…。」

 

「ああ…。」

 

「「すげぇ腹立つな。」」

 

こうして一波乱あった休み時間を終え、三時間目。

 

「では授業を…、その前にクラス代表を決めなければならなかったな。クラス代表というのはクラス代表戦や委員会、まぁ学級委員だと思ってくれればいい。一年間は変更が効かないからそのつもりでな。自薦他薦は問わない。」

 

「はい!織斑一夏くんを推薦します!」

 

「えー、私は秋十くんのほうかな。」

 

「わ、わたしは、五十嵐先輩を…。」

 

「残念だが五十嵐は参加できない。」

 

クラス中からええーっという声があがるが

 

「五十嵐は記憶喪失のためあまり変に刺激を与えないよう、学園で指示があった。よって五十嵐は参加不可という結論になったのだ。」

 

千冬の言葉にはクラスの人は渋々納得した。

 

「では織斑兄弟のどちらかで…。」

 

「お待ちください!そんなの納得しませんわ!」

 

バンと机を叩きセシリアは高らかに演説を始めた。

 

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくては言えないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で」

 

「イギリスだって大した国自慢ないだろ。飯マズで何年世界覇者だよ。」

 

だんだんクラスの顔が険しくなりこれは不味いと航が止めようとしたとき、一夏が言い返してしまいセシリアの顔が真っ赤になる。

 

「な、あなたわたくしの国を侮辱しますの!」

 

「先に侮辱したのはそっちだろ!」

 

ピリピリした空気が流れる中パンパンと手を叩く音が聞こえクラスの全員が注目すると航が席を立っていた。

 

「急に出てきてなんですの?」

 

「まぁまぁ二人とも落ち着いて。先ずは周りを見ようか。」

 

一夏とセシリアが周りを見るとクラスの大半の日本人がセシリアを睨んでいた。

 

「ね?せっかくのクラスメイトなんだからさ。オルコットさんももう少し発言を気を付けて。それと一夏くんも売り言葉に買い言葉があるでしょ?自分の国を馬鹿にされて腹が立っても言い返さないの。」

 

「はい、すみませんでした…。」

 

「うん。よろしい。オルコットさんもほら。」

 

「け、決闘ですわ!よくもわたくしに恥をかかせてくれましたわね!」

 

「…丁重に断らせてもらうよ。」

 

「あら?逃げますの?」

 

「日本では決闘は犯罪に含まれているんだよ?だから俺はしない。」

 

「くっ!」

 

「でも模擬戦ならしてもいいよ。俺も代表候補生と戦ってみたいし。」

 

「おい待て五十嵐。お前は記憶喪失なのだぞ?あまりにも危険すぎる。」

 

「心配してくれてありがとうございます。このままのんびり記憶を取り戻すのもいいですけど、この模擬戦で何かヒントが得られるかもしれません。今動かないと後悔するかもしれない。"ストップするなら止まらず進む!"そう決めてるんです。だからお願いします。」

 

「わかった…。では一週間後にクラス代表決定戦を行う。四人でトーナメント形式で闘い、一番上がクラス代表だ。各自準備を怠るなよ。」

 

「わかりました。」

 

「はい。」

 

「「え…俺たちも?」」

 

こうして一週間後にクラス代表決定戦が開催されることとなった。




オリジナルの展開を入れてるのでタグにも追加しておきます。


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