フルーツバスケットの日常 (ハーメルン’s)
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第一話 パンには水を

今話の作者:『no-name』
一言:ヨロシク


とある学校の屋上にて、ベンチで横になっている人影が一つ。

正午の休み時間となるチャイムがウェストミンスターの鐘を流し、直後フェンスの向こうからは生徒たちの騒ぐ声が聞こえる。

その声をBGMに昼寝を楽しむのも中々悪い物じゃなく、雲の一つも無い青空に暖かく眩しい陽光、心地の良いそよ風と組み合わさり寧ろベストマッチングの一つと言っても過言ではないと断言出来る。

そんな事を幸せに感じながら屋上に設けられたベンチに横になって只々読書に勤しむ俺こと、空亡 朧(ソラナキ マボロ)

ベンチの横には数冊の本が積み重ねられている。ただそれら全ての本が既読済みだ。勿論昼休みだけで読み終えたわけじゃないが、"4限目の内容を知らん"で察してくれ。あ、ほぼ答えか。

切りの良いところで気を抜いた途端、腹の虫がグ〜と音を洩らした。そう言えば昼飯がまだだった事を思い出し、パタンとたった今読み終わった本を閉じる。

見れば屋上にも昼飯を食べに来た生徒が少しずつ姿を見せつつある。

 

「〜〜〜ッ………………」

上半身を起こすが、ベンチに片足を乗せた状態で座りベンチの下に置いていた学校鞄を手に取り中を漁る。

こんな事もあろうかと事前に食料は携帯してある。

そうして手に取って鞄から取り出したのはラップに包装された何の変哲無いサンドイッチだ。

正直な話、結構空腹だ。今朝の朝食は軽めだったし、先程までは読書に夢中だった為に空腹は紛れて気付かなかったが、今は限界に近い。だが、サンドイッチ1個で足りるかどうか………。まぁ食えるだけマシだな。

包装を解き、口に含もうとしてある事に気がついた。

 

「飲みもん忘れてた」

 

大した事無いかと思うかもしれないが、いやパン類に飲み物は欠かせない。食後に口の中がずっとパサパサしているのは中々に不快だ。それによりによってサンドイッチの具はツナだ。

そうとなれば行動に移さなければならない。

酷い空腹を今は我慢しつつ、サンドイッチの包装を閉じ直して鞄に戻す。鞄を持ったまま腰を上げて、空いている方の手で積まれた数冊の本を持ち上げ、目的地へ向かう。ついでに、自動販売機の道中で通り掛かる図書室に本を返しに行く事にした。

この学校は少し他の学校と違い、屋上を出るには階段を降りてから扉を開けると4階の廊下に出る。

だがこの仕組みは駄作だろう。危ないったらありゃしない。

 

「キャッ!?」

 

ーーードンッ‼︎

 

ほら、言ってる側から誰かが俺の開いたドアにタイミングよく頭を打ってるぞ。言ってはいないか。だがやっぱ批判あんだろ、大丈夫かよ学園長。

しかしまぁ、一応加害者は俺だし、心配した方が良いかね。

 

「あー、おい。大丈夫か?重度なら保健室連れてってやるが」

 

ぶつかった時に結構大きな音が鳴っていたから、突撃した此奴は走ってでもいたのだろう。其処だけは此奴が悪いな。

両手が塞がっている為に足で扉を閉め、相手に向き直り確認した。

 

「ん?アンタはーーーーーー」




『フルーツバスケットの日常』第1話を閲覧して頂きありがとう御座います。
今話は少し短めでしたが、次回の私の番ではもう少し長く書こうと思います。

誤字脱字、ミスなどあれば気軽に感想欄、又はtwitterの@Aaizayoiにてお声掛けください。
えー、以上『no-name』でした
次話もよろしく


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第二話 山田には一大事

どうも!今回の作者
『sirota』です



山田太郎 (ヤマダタロウ)

よく使われる名前だが、山田太郎という名前の人見たことないなと両親が命名

 

性格…成績は常に平均点、だが友達が多いのが唯一の平凡ではない所

口癖は『そうなんだけどさ…』

よく記名例に自分の名前があるのを嫌がること無く、それを下敷き代わりに綺麗にかけると喜んでる内なる変人

滲み出る変人が友達が多くなる秘密なのかも…

 

そんな彼は今とても困ったことになっている。

 

 

「んー…どうしよう…」

 

学校、お昼=屋上でぼっち飯!という変な固定概念をもっている彼は友達の誘いを振り切ってまで今日も屋上でご飯を食べていた。

そこまではよかったのだが…食べ終わっていざ帰ろうと屋上のドアに向かうとなにやらドアの向こう側で男性と女性が話をしている。

 

これは開けてはいけない雰囲気だと困ってしまったのだ。

 

もともと山田は空気を読むような奴ではないが、さっき聞いた音が今山田の行動を止めている原因だと言える。

 

 

そろそろ教室に戻ろうと考えた時に

DOOOONN!!

という鈍い音がドアの方から聞こえた。

 

多分この2人から出た音だろうと推測できる。

 

ドアの向こう側にいる人間は、男性と女性。

 

ぶつかる、男性と女性=恋という固定概念を持っている山田はこれは邪魔をしてはいけない事件だと理解したのだ。

 

 

だからといってここにずっと立っているのも少し変だ。聞き耳を立てていたなんて思われても嫌だ。

 

 

 

 

 

「お?山田!そこで何してんだ?」

 

 

急に名前を呼ばれて振り向くと知らない人。なぜ名前を知っているのか不思議に思った。

 

 

 

「なんで名前知ってるんですか?」

 

 

「おいおい…同じクラスじゃんかよ…」

 

 

もしかしたら先輩かもしれないと敬語で話しかけてみるとまさかの同い年で同じクラス。呆れてるその人に悪気もなく納得していると段々近づいてくるクラスメイトに危機感を感じた。

 

 

そう、このままだとドアの向こう側の事件にこの人は気づいてしまう。

 

 

 

「止まりなさい!ここから先は関係者以外立ち入り禁止です。はい、下がって!下がって!」

 

 

「え?へ?山田??」

 

 

なんとか下がらしてドアから距離を置くことが出来た。ここは守らねば!という使命感が山田に生まれてしまったみたいだ。

 

 

 

「ん?どうしてここで止まってんだ?」

 

 

「なんか関係者以外立ち入り禁止って言われて止められてさ」

 

 

「ありゃーそりゃしょうがないな山田がいいって言うまでここは通れないな」

 

 

そうやって去っていく2人にホッと息を吐く。

 

本当は意味不明な行動をとる山田を観察するため少し離れた

 

 

なんてことは山田は知らない。

 

 

 

 

 

 

(ここからは読まなくても話は変わりませんが、山田太郎の内なる声を知りたいと興味を持った方良かったら読んでください。⚠内容は変わりません、山田太郎の内なる声が付いただけです)

 

『ど…どうしよう!!!これは事件だ…』

 

山田太郎、僕は人生最中の危機に立っています!

 

屋上=ぼっち飯という青春を噛み締め最高な気分で教室に戻ろうとした今…大きな試練があります!

 

屋上を出るドアの向こう側になにやらいい雰囲気の男女がいるのです。

 

なぜいい雰囲気だとわかるかというと、さっきDOOOONN!!っていう大きな音がした。

 

その方向にこの男女…もう食パンの恋だ!それしかない…

 

こ…これは邪魔しては絶対に恨まれるやつで…誰も触れてはいけないやつなのではないかと!

 

 

「お?山田!そこでなにしてるんだ?」

 

 

え…誰ですかこの人

なんで僕の名前知ってるんだろ?怖っ!僕有名人になった覚えないんですが。

 

 

「なんで名前知ってるんですか?」

 

 

「おいおい…同じクラスじゃんかよ…」

 

 

おお!同じクラスでしたか

ほとんどの人の名前覚えてないから誰だかわからなかったやw

 

 

あれ?この人こっちに近づいて来る?もしかしてこのドアを開けるつもりか?

 

このラブシーンを開けられては食パンが!!

これは僕が止めなければ

 

「止まりなさい!ここから先は関係者以外立ち入り禁止です!はい、下がって!下がって!」

 

 

「え、は?山田??」

 

 

ここは任せてください!ドアの向こう側の食パンの方々

なんとしても死守してみせます!

 

「ん?どうしてここで止まってるんだ?」

 

あ、2人になってしまった!

二手に分かれてしまったらドアを開けられてしまう…どうしよう!

 

 

「ありゃーそれはしょうがないな山田がいいって言うまでここは通れないな」

 

 

 

あれ?良かったこの食パン事件を理解してくれる人がいて

 

去っていく二人を見てホッと息を吐く。

 

 

本当は意味不明な行動をする山田を観察するために少し離れた

 

 

なんてことは山田は知らない。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!

誤字脱字などあればこちらに連絡お願いします
感想などあれば喜んでお受けします
@sirokaname2


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第三話 嫌な奴

おはこんばんにちは
今回の作者『楼玖渡』です!


教室では昼休みに図書室へ行こうとする女の子の前に二人の友達がやって来た。

 

「ねぇ~姫ちゃん、解らない所があるの教えてくれない?」

 

「えっ?」

 

「姫ちゃん頭良いから、お願い!」

 

相生は後ろに下がりながら大声で言った。

 

「ごめんなさい!今日は今から図書室に行きたいので、失礼します!」

 

相生は、急いで教室から飛び出し階段を駆け下り、図書室を目指し一人で歩いていた。

彼女は相生乃唯(アイオノイ)。相生財閥の一人娘で父親と母親は海外の宝石会社で働いている為、一緒には居ない。

勿論、身の回りのお世話はメイドと執事に任せている。

そんな貴族の家に生まれた為、皆からは"姫ちゃん"と呼ばれている。

しかし、彼女はお嬢様である事が嫌だった。

学校では相生は成績優秀なのだが、クラスの中ではいつも二番目。どうしても成績一番の人に勝つ為、どれだけ努力しても全然歯が立たないのだ。

そして相生は図書室に向かいたどり着いた。しかし図書室は騒がしく、相生はそっと覗いて見ると騒いでいる男の子二人組の姿が目に入った。すると同じクラスの一人の男の子が二人組に近づいた。

 

「お前ら騒ぐなら外行け!」

 

「おっ!なんだよ優等生君~」

 

「ここは図書室だ、静かに本を読む場所なんだよ!お前らみたいな奴が居ると気が散る!」

 

と、言い放ち騒いでいる二人組の腕を掴み図書室から摘まみ出した時、男の子の体が相生の肩に当たった。

 

「痛っ!」

 

「くそっ、日高の奴~」

 

そして男の子二人組はイライラしながら何処かに行ってしまった。

 

「やっぱり此処に居た!って、なんて乱暴な…」

 

相生は肩を押さえながら図書室に入ると一人の女の子が日高の元にやって来た。

 

「王子君、追い出してくれてありがとう」

 

「別に、俺も静かに本読みたかっただけだし」

 

この男の子は日高塊飛(ヒダカカイト)。勉強以外でも何でもそつなくこなす秀才を目指し日々頑張っている。

しかし皆からの日高はもう既に何でも出来る人間になっている。だから男の子からは"優等生"女の子からは"王子君"とあだ名を付けられ呼ばれている。最初の頃は流石に嫌だったみたいだが、もう慣れてしまっていた。

そして相生も日高の元に行き後ろから声をかけた。

 

「あの、当たったんですけど…」

 

「はぁ?」

 

日高は振り向き相生を睨み付けた。

 

「あの、だからあの二人を追い出した時肩に…」

 

「知るかよそんな事、お前も大声で騒ぐなら出ていけよ」

 

相生は両手で口を塞ぎ辺りを見回し冷静になった。

そして日高は何事もなかったかのように本を開き読み始めた時、相生は今度は小声で再び話かけた。

 

「謝ってください」

 

「謝れ?」

 

日高は何の事だか解らない表情を浮かべていた。

 

「騒いでいる人達を追い出していた時、貴方が乱暴な事をするから私の体に当たったんです!」

 

「はいはい、俺が悪かったですよ~すいません」

 

「そんな言い方…」

 

「謝ったんだから静かにしろ!」

 

日高は読み終えた本を閉じ立ち上がり元の場所に戻し、次に読む本を選び席に座るとまた相生がやってきたのを横目で見た。

 

「本当はお願いがあって来ました!」

 

「お願い?」

 

「貴方に勉強を教えてもらいたくて!」

 

そう、相生がどれだけ努力しても歯が立たない人は同じクラスの日高塊飛の事だった。

そして日高は早く会話を終わらす為に曖昧な返事をした。

 

「気が向いたり、暇な時間があったらな」

 

「その時は改めてお願いしますので」

 

そして相生は本を選び読み始めた。




ここまで読んで頂きありがとうございます。
漢字、言い回しなどの間違いがありましたらご連絡お願いします。

※初めての投稿なのでキャラの構成を書いております!


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第四話 銃砲黙示録マグナ

おっすオラあきと
今回の作者の「板のゲーム」の中の人です


「時間見てリロードしろぉ…引くこと覚えろカス」

こんなセリフを耳にしたことはあるだろうか?(ない人はFPS名言で調べてみてね)

ここまでだとすごく物騒に聞こえるが「銃」や「FPS」の世界は紳士的なところも多い。

エアガンに関してもその技術を競う大会があるほどだ。

今回私がここに書く物語はその大会で幼いながらも優勝した人のお話じゃ。

 

「あー…もう朝か…」

この物語の主人公 早撃 鮪魚(はやうち まぐな)の一日はこうして始まる。

 

「今日も学校か…ダルい…とは言ったものの、今行ってる学校で入試通ったのも奇跡だし贅沢言えないか」

 

そうこの物語の主人公、全く勉強ができないのである!

しかし、こいつ、エアガンの大会で優勝してるのもあり、集中力は人一倍高い。

が、その集中力を少しでも勉強に活かせと言われるのは慣れたものである。

 

「おーい。鮪魚ぁ 学校行くぞー!」

 

鮪魚はこの声で学校に行く。

ちなみにこの声は幼馴染みのヒロイン。

…というわけでなくこの物語に関係ない単なる友人である。(だから忘れていいよ)

 

鮪魚は学校に着いたらまずはちゃんと教科書が入っているか確認する。

そして大体忘れ物がある。

(家で確認しろよというツッコミは無しで)

そして今日も忘れた。

 

どうする鮪魚!!

HRまで時間はないぞ!

 

鮪魚は考える…

たくさん考える…

それはそれは恐ろしいほど考える…

そして一つの決断を下す!

 

「これは借りるしかない!」

 

しかし同じクラスの奴から借りるわけにもいかない。

つまりほかのクラスに仮に行くしかないのだが、

いかんせん鮪魚はほかのクラスに行くのが得意ではない。

 

しかしここで諦めたら自分の内申にかかわる。

かと云ってHRギリギリにほかのクラスに行くのもアレだし…。

 

 

「やっぱ借りるしかないか…」

 

 

結局鮪魚は借りに行った…。

幸い鮪魚は友達が人並みにいるので借りるのに困ることはなかった。

 

「今度からはちゃんと家で確認しなきゃな」

こんなことを鮪魚はいつも思っている。

 

そしてある日…。

 

「あ、やべ、今日も忘れちまった」

 

鮪魚は懲りずに今日も忘れた…。

 

「まぁ今日も借りればいいか」

 

しかしこの後鮪魚を悲劇が襲う!!

 

「あれ…?今日あいついないのか…」

 

「あいつもいないのか…」

 

「?…なんで知り合いが誰もいない…」

 

そう…!!鮪魚の友人が全員風邪で学校を休んだのだ!

なんという偶然…!圧倒的パンデミック…!!

 

「ま、まじかよ…そんなことあるのかよ…」

 

そんなこと現実ではない!しかしこれは小説!

これは小説なのだ!!!!!!!!




今回が小説初投稿です 
いたらないところがあると思いますがこれからもよろしくお願いします


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【閑話休題】 通話記録 No.1

作者:書いた本人より言われているので名前は伏せさせて頂きます


「藤岡祐樹」

 

 1ヶ月前に、この近辺に引っ越して来た。

あの田舎から、ある程度の都会あたりに暮らす事になって、気分もウキウキしてたよ。

 

 引っ越しも終わって、前々から編入する予定だった学校に行った時の事だ。

その時はまあ、普通の住宅街の中にある普通の高校、だと思ってた。

 

 ・・・・・・普通の高校じゃなかった。そこは。

 

 確かに雰囲気は普通だ。 特に大きい訳でもなく、だからと言って貧乏学校ってわけでもない。 偏差値も特別高い事もないし、ヤンキー校ってことでもない。

 

 簡単に言って仕舞えば、そうだな、

『色々頭のネジが飛んだ問題児高校』ってところだろう。

 

 お前も直で見ればわかるさ、本当に頭がおかしくなりそうだよ。

まずキラキラネームの奴らが多すぎる。

藤崎 布鈴(フジサキ プリン)』とか、『野口 吼武林(ノグチ クー・フーリン)』とかさ、ふざけてるでしょこれ。

山下 主神(ヤマシタ キリスト)』君と『佐々木 唯一神(ササキ アッラー)』君の仲が悪かったりするのはまあ納得できたけど。

 

 それに遅刻や無断欠席、授業をサボったりしてる奴が多すぎる。

問題児が本当に多いんだ、この学校は。

 

 俺のクラスで言えば、『空亡 朧』って言う奴がいる。

こいつも名前聴いた時点で俺はため息ついたけど、そこじゃないんだ。

こいつを端的に表せば『本の虫を拗らせてダニレベルにまで進化した男』だ。

当たり前のように授業に出ない。 出たとしても絶賛1人で読書の内職中か寝てるか、何にしても真面に授業を受けてるところを見たことがない。

顔は悪くないんだけど、何に対しても退屈そうでいかんせん生命力が感じられなくてなんというか、屍が動いてる感じ。

存在感がないからよく班決めとかではクラスメイトに気にも止められず、居てもいなくても変わらないみたいだ。

学校の友達から、クラス変わってしばらくしてもあいつの顔知らないなんて、何度聴いたことか。

まあ、友達はあんまりいなさそうだ。

この前昼休みの時に、思いっきり女の人にドアぶつけてても面倒臭そうにしてた、多分そこだろうな。 問題は。

 

 

 友達で思い出したけど、同じクラスに『山田太郎』って奴がいるんだ。

こいつの名前、親御さんがよく聞くけど実際にはなんか見かけないからって理由だけでつけたらしくてさ。流石にかわいそうじゃないか?それ。

それよりこいつも中々の野郎でさ、なんかこの男、『ぼっち飯』が好きならしいんだ。

・・・・・・意味わからないのはわかる。 俺も最初吹いたもんさ。

こいつには友達が多いんだ。 編入直後の俺にも話しかけてくれて助かったし、感謝してるところもある。・・・・・・なんか俺に友達が少ないみたいな言い方だけどな、まあ事実だけど。

こいつ、昼休みになると1人で弁当持って屋上に向かう階段に直行するんだ。

友達いるならわざわざぼっち飯しなくてもいいだろ・・・・・・、というかまずぼっち飯してるやつにそんな友達出来ないって・・・・・・

なんか他の奴らも、「そういう奴だから」って言ってて、その性格を受け止めてるみたいだ。 何だ、俺がおかしいのか? いやそんなはずは・・・・・・

まあ、変人なのは確かだろう。なんか地味に学校の恋愛事情に詳しいしな、よくわからんやつだよ。

 

 

 変人といえば、そうだな、俺がこの高校に越してきて明らかに身なりが他と違う女の人がいたな。

『相生乃唯』・・・・・・だっけか、確かどこかの御令嬢らしい。

成績優秀、誰であっても敬語使うしちゃんとした道徳観念も持ち合わせてる、物静かで気品が感じられるし、人当たりもすごい良い。

・・・・・・いや、ここに来るような人じゃないでしょ、金持ちのお嬢様なら普通上流階級向けの私立高校に行くもんだろ。 明らかな場違い感。

姫様・・・・・・だっけ、そんな風に呼ばれててちょっとかわいそうだ。

少し親御さんは自分の娘がこんな問題児ばかりの高校で過ごしてるって事に気を配った方がいいんじゃないか?

 

 

 姫様といえば、王子様なんて呼ばれてる奴もいる。

『日高塊飛』とか言う奴だ。塊が飛ぶって何だよ・・・・・・

こいつめちゃくちゃ要領が良くて、勉強も運動も料理も上手で、顔もスタイルも抜群、なんだけどちょっと性格に難ありっていう如何にもよくあるラノベのチート主人公みたいな奴なんだ。俺もまさかそんな奴が現実にいたとは思わなかったけど。

羨ましい・・・・・・とは思わないな、いろんな事こなせるとか、表面は聞こえがいいかもしれんけど、あらゆる所で損するからな。 ソースは俺だよ、わかるだろ?

 

 

 ・・・・・・そういえば今日変なやつに絡まれたんだ、名前は・・・・・・『早撃 鮪魚』だったかな、もう流石にわかりづれえわ。

あんまりパッとしないやつだよ。

こいつ忘れ魔でさ、授業で使う教科書やらノートやら、忘れては直ぐ他の人に借りるやつなんだ。俺も今日頼まれたんだよ。数学一教科全部忘れたからって。 貸したけど。 貸したけど。

前に聞いた話だと、そいつなんかエアガンの大会かなんかで優勝してるらしいんだ。

俺もちょっと齧った事あるだろ、お前も。

だから少し疑問なんだ、日本でそんな大きなゲームあったか・・・・・・?

エアライフルであればオリンピックにも種目があるからわかるんだけど。

海外のゲームかな、多分その線が濃いだろうな。

雰囲気がなんかハードボイルドな洋画に出てくる百発百中かますハゲのおっさんみたいな感じ醸し出してるし、そうだと思う。

 

 

 ・・・・・・少し熱が入りすぎたな。

今日はこのくらいにしておくか、もう日付も変わっちまったし、これでもまだ全員じゃないからな。 変人供は。

俺はこの高校で言えば目立たないモブキャラの立ち位置だし。

まあ色々愚痴ったけど、そいつら遠くから眺めてるのも面白いぞ。

そっち帰った時にも、そいつらの事詳しく話してやるさ。都会暮らしの土産さ。

 

 次話せる時は学校の話でもするさ。 生徒が個性豊か以外でも、わりと面白い学校だし。

 

 じゃあ、また今度な。




この話は作者の感想を小説化したものらしいです
内容が沿っているので許可を頂き、あげさせて頂きました
今後もこの方が今回のように参加する場合があります
因みに、この話の作者はリレーメンバーではありません
以上、説明:『no-name』


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第五話 イケメン追いかけ三千里

どうも、ショタとロリを同時にぶち犯したい今回の作者、うるちと言います。

純粋でピュアです、よろしくお願いします。

大きな白い龍のような雲、

 

 

海より青い空、

 

 

メラメラと照りつける太陽、

 

 

それらは私をいつも見下ろしてる。

 

 

東京だから、めちゃくちゃ空気は相変わらずクソまずい。

 

 

息が苦しい。

 

 

やばいやばいやばいやばい

 

 

 

「ちぃいいいいいこぉおおおおくぅううううっ!!!」

 

 

 

 

 

綺麗な黒髪ロングヘアー、前髪ぱっつん。

 

どこにでもいそうなごく普通の女子高校生……だと思う。

 

 

 

彼女の名は「緑川 聖奈(みどりかわ せいな)」

 

この物語の主役の1人。

 

 

いつも遅刻ばかりするまぬけな女子高校生。

 

 

 

 

 

 

私っていっつもなんでこうなんだろう…!

 

 

なんで私だけ毎回遅刻しちゃうんだろう……

 

 

これ以上遅刻しちゃったら留年待ったなし!!!

 

 

 

 

 

 

 

私は筋肉がほぼついてない文化部譲りの足を必死に走らせる。

 

 

住宅街を走る、走る、

 

 

 

もう遅刻だと分かっていても、もしかしたらギリギリセーフなのでは……!?と変な期待を抱いて走らせる。

 

 

 

 

 

はぁはぁはぁ……

 

 

 

「やっと……ついた……高校……ぜぇ……ぜぇ……」

 

 

 

 

 

 

やっと着いた……!高校……!

 

でも、相変わらず門が閉まってる……

 

 

 

私の目の前に立ちふさがる黒くて大きな門。

 

いつもならよじ登って学校に入るけど…

 

 

私は門を登ろうとした

 

 

が、

 

 

 

「〜っ!ぐぬぬ……」

 

 

 

 

 

 

 

足が、上がらない。

 

頑張れ私……!

 

あと少し足が上がったら学校入れるんだ……!!

 

 

 

だけど、足が上がらなくて、門をよじ登れない。

 

 

 

そ、そんな……!

 

 

なんでこんな時に足が上がらないの……!?

 

 

そうか……!最近、足がむくんできたから……

 

 

ああああああああああああああああああああ

 

 

私の……!馬鹿……!

 

 

もうダメだぁ……お終いだぁ……

 

 

私はそのまま地面に崩れてしまった。

 

 

 

「なにしてんの?一般女子高生」

 

 

 

 

 

透き通った、甘い声。

 

 

そんな魅力的な声が聞こえた。

 

 

振り返ると、そこには……

 

 

 

「ありゃりゃー、門が閉まってる〜僕達、遅刻したんだね〜」

 

 

 

 

 

 

 

熟れた葡萄色の瞳の色をしたネコ目、

 

 

すらっとした高い鼻

 

 

雪のように白い肌

 

 

右側に生えた鋭い八重歯

 

 

黒髪のボブヘアに赤いメッシュというキザな髪型。

 

 

 

 

 

イケメン…!!!!!

 

 

顔面点数100点満点……いや、それ以上……!

 

 

イケメンだわこの子……!!!

 

 

遅刻したけどこんなイケメンが見れて幸せ……

 

 

遅刻して良かったかも……

 

 

でへへ……

 

 

 

「ん?なーに俺のこと、ジロジロ見てんの?」

 

 

はっ!!!

 

そ、そんなに私、ジロジロ見てたかな……!?

 

 

 

「ま、いいけどね〜」

 

 

「俺、2年A組の、一般高校男子、包平 癬丸〜

よろしく、一般女子高生〜」

 

 

癬丸くんがニコニコとした表情で私の方を見る。

 

 

 

や、やめてよおおお!!!

 

キュン死するからぁ!

 

心臓麻痺で死ぬからァ!

 

 

 

「……ん〜…一般女子高生は何組なの?」

 

 

「普通クラスより名前聞かないかな!?」

 

 

私がそう言うと癬丸くんはビクッと反応した。

 

 

「普通……うん、僕は普通だよ〜そこら辺にいる一般男子高校生」

 

「クラス聞くとか名前聞くとか、人それぞれじゃないかな〜?」

 

 

「……!」

 

 

た、確かにそうかもしれない……!!!

 

癬丸くんになんだか申し訳ない……!

 

 

「あ、あっはは〜そうだよねー!」

 

「わ、私は和泉聖奈、2年B組なんだ!と、隣のクラス……だね!」

 

 

「ん」

 

「それよりもさ、ここ、はやく登ろ」

 

 

癬丸くんが門の方を指さす。

 

癬丸くん……

 

 

でもね、私……

 

 

 

足がむくんで門登れないの!!!!

 

 

 

そう思い詰める私を放って置いて、そさくさと1人で門を登る癬丸くん

 

 

「どーしたの?一般女子高生」

 

 

な、名前では呼んでくれないのね……

 

癬丸くん……

 

 

「えっと、足が上がらなくて……登れなくて……あはは〜……」

 

 

「……」

 

 

 

冷めた目で見つめる癬丸くん

 

 

「一般女子高生、だっさ」

 

 

 

 

「あ、あとジロジロ見てきてキモかったからもう二度と僕に関わってこないでね、一般女子高生」

 

 

そう、にこっとした笑顔で捨て台詞を吐いて、癬丸くんは学校の方へ消えてしまった。

 

 

ええええええ!!!

 

 

そ、そんな……

 

 

足が上がらなくてダサいのは認めるけど酷いよ癬丸くん!置いてかないでよ!!!キモい!?私何か悪いことした……!?

 

 

うわああああああああんんんん!!!

 

 

 

 

 

この数時間後、私は先生に見つかって、無事学校に入ることが出来た。

 

 

 

 

【2年B組、教室】

 

 

はぁ……

 

 

癬丸くん……

 

 

不思議な子だったけど……

 

 

 

 

 

 

 

イケメン……!!!!

 

 

 

教室はいつも通り、騒がしい。

 

男子達のふざけ合う光景が嫌でも目に入る。

 

男子達はみーんな凡人顔。

 

凡人顔に興味ないっつーの。

 

 

ああ……癬丸くんがこの教師にいたら……もっと……華があったろうなぁ……

 

 

癬丸くん……

 

 

尊い……

 

 

 

「何、ニヤけてんだ、気色悪い」

 

 

後ろから嫌な声が聞こえてきた。

 

 

「……なーにーよおお…不知火ィ!!!」

 

 

今私の目の前にいる男、不知火 翔。

 

顔面偏差値はかなりいい私の幼なじみ、だが、性格がゴミ!ゴミ!ゴミ!

 

 

「……なに鬼形相になってんだよ……お前……山姥みてぇだな……」

 

「誰が山姥だゴラァ!!!殴るぞ!!!」

 

 

髪の色は生まれつき色素が薄くて白。

 

髪型は韓流風マッシュルームヘアー

 

シャープな何もかもを染めてしまうような漆黒の瞳

 

癬丸くん同様鼻が高くて美肌。

 

 

と、外見の方は完璧なんだけど私のことを昔からおちょくってきたり、意地悪したり、勝手に私の私物(教科書とかシャーペンとか)を盗っていくクソ野郎である。

 

 

サッカー部のエース、勉強はできる。女子からモテる。

 

もう性格以外はマジで完璧人間である。

 

 

 

 

「なぁなぁ、お前さ、知ってっか?」

 

「え?なにがよ」

 

「この街の猫やら犬がめちゃくちゃ殺されてんの」

 

 

最近、この街では小動物が無残に殺されている事件が何度も起きている。

 

そして、殺される小動物は絶対にペット。

野良が殺されることはない。

 

その犯人が誰なのか、まだ見つかってはいない。

 

 

「うん、知ってるけど、いきなり何?」

 

「この学校に、犬猫殺しの犯人がいるって、噂で聞いたんだよな、俺」

 

「ふーん」

 

 

その噂は私も何度か聞いたことがある。

でも根も葉もないただの噂

それに、もしその犯人が見つかっても、私はなんとも思わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

イケメン以外、興味ない、マジで。

 

 

「お前……ほんと興味無さそうだよな……」

 

「知ってるでしょ、私がイケメン以外興味無いの」

 

「いや……知ってるけどな……お前のそのイケメンの追っかけ趣味、流石にキモいからもうやめた方がいいぞ……」

 

「は?なによ?イケメン崇めてなにが悪いのよ!」

 

怒りの衝動に身を任せてバンっと強く自分の机を叩く私。

だが、クラスメイトの騒ぐ声にその音はかき消される。

 

 

「悪いなんて一言も言ってねぇよブス」

 

「じゃあな、そろそろ、チャイム鳴るから」

 

 

不知火はそう言って自分の席に戻った。

 

なんか、不知火の顔はいつも悲しそうに見える。

 

私と接している時は、ニヤニヤと笑う時があるけど、それ以外は、悲しそうな表情をしているように見える。

 

なんでだろう。

 

いやいや!私の、思い違い!

 

んな訳ないよね!うん!

 

ほんと私って気持ち悪っ!

 

 

【昼食時間:食堂】

 

 

私の高校には食堂がある。

 

勿論弁当食ってる奴もいるけど学食の方が弁当作るよりも安い。

 

ちなみに、私はここの学校の学食が大好きだ…!

 

イケメンを崇めるだけでなく、食べることも私の好きなことの一つなのだから!!!

 

 

うーん……今日は何食べようかな……!!!

 

やっぱりカレーうどんだよね!!!

 

うん!!!

 

ここの学食では1番カレーうどんが美味しい!!!

 

よーし!カレーうどん食べよ……!!!

 

 

私はウキウキ気分でカレーうどんの食券を買って、カレーうどんが乗った盆を食堂のオバチャンから受け取る。慎重に、慎重に、落とさないように……落とさないように……

 

 

 

 

だが、ここでも私のドジが発動する。

 

 

 

なにも無いところで、つまづいて、転んでしまった。

 

 

そして、カレーうどんは、つまづいた衝動で宙を舞い、誰かの顔にカレーうどんの器ごとかかった。

 

 

「あああああああああ!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」

 

 

必死に謝る私、よく見ると、カレーうどんをぶっかけてしまった人は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二度と僕とはかかわらないでって言ったよね?」

 

 

「殺すよ?一般女子高生?」

 

 

 

文章力なくてすいません!許してください!何でもしますから!(なんでもするとは言ってない)

 

初の学園モノ、恋愛モノです。

リアリティー皆無の誰得ですがよろしくお願いします

 

鋭く、冷酷な眼差しを突きつけてくる、癬丸くんだった。



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第六話 前方不注意聞き耳注意


どうも、二度目の投稿になります
『no-name』です

では本編をどうぞ


 

「あ?アンタ、どっかで・・・・・・・・・まぁ良いや」

 

 取り敢えずは俺の所為なのかは置いておいて、扉にぶつかったのだろう人物は、目の前で尻餅をついて座り込んでしまっている。

 

「い、痛い・・・・・・です」

 

 彼女は頭を摩りながら空いている右手を右往左往させている。

 あ、そう言うことか。成る程、何やってんのかと思ったら。

 俺の足下に落ちているソレ(・・)を摘み上げ、改めて手に取った。

 

「お前の探し物は此れか?」

「え?あ・・・・・・多分ソレです。ありがとう御座います」

 

 全然見えてないのか、此奴。

 さっきから右手を右往左往させているのは変わりないが、ドンドン見当違い方向に手を伸ばしている。

 確かに、俺が手に持っている眼鏡は、レンズを覗き込む事を憚れる程には向こう側が歪んで見える。

 おうおう、度が高いなぁコレ。

 ・・・・・・・・・・・・ん、眼鏡?あぁ、此奴。

 

「ところでお前、鳴冴 時雨(ナルサエ シグレ)か」

 

 今さっき思い出したんだが、此奴は俺と同じクラスの、陰では『沈黙少女』と呼ばれている存在だ。

 眼鏡掛けてるのと掛けてないので随分と印象変わるな此奴。

 つかそれよりも、今だに手を空を切っているのには流石に苛立ちが募ってきた。

 

「ほらよ」

 

 伸ばしている彼女の手を押さえ、その手に無理矢理眼鏡を押し付けた。

 

「ぁ・・・・・・すいません」

 

 直ぐに眼鏡を掛け、(ようや)く周囲を確認できるようになった鳴冴の瞳は俺を映すも、どうやら俺が誰だかすらも此奴は分からないらしい。

 赤くなっている額を押さえながら、首を少し傾げて無表情の中で少し眉を顰めている。

 ハァ・・・・・・まぁ、認識されなかったとしても悪いのは此奴じゃねぇな。

 

「・・・・・・流石に授業に参加しなさ過ぎたか」

「?・・・・・・あ、空亡 朧、君ですか?忘れていてすいません・・・・・・」

 

 授業不参加で分かったんだろう。

 一体クラスで俺がどんなイメージなのかが気になった来たわ。

 

「あぁ、お前が悪い訳じゃないから謝る必要は無いぞ。気を使わせてちまって悪いな。ところで、額の方は大丈夫なんか?」

 

 先程からやたら痛そうに額を押さえてるから気になってしょうがないわ。

 まぁ、明らかに腫れてるし、コブくらいは出来てるかもしれん。

 

「しょうがない。・・・・・・丁度いいか。おい。さっきからずっと聞き耳立ててる奴、お前も手伝えや」

「??」

 

 そりゃ鳴冴は気付かんよな。

 てか彼奴出て来ないのか。

 

「おい、聞こえてんだろ?山田 太郎君よ」

 

 

 




えー、前回の俺の投稿で『次回はもう少し長く』と言ったな。
アレは嘘だ!はい、すいません。
寧ろ短くなりましたねハイ、理解してます。
次回頑張れたら頑張ります。
それと次回より俺は『名無し』と名乗りますので悪しからず。

誤字脱字、ミスなどあれば気軽に感想欄、又はtwitterの@Aaizayoiにてお声掛けください。
えー、以上『no-name』でした
次話もよろしく


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第七話 読書と独書

どうも、『no-name』です
今回は急参加の方の物語です
では、どうぞ


それはいつもと同じように一人で本を読んでいた時の事だった。

菅井(かんい)さん、その本面白いよな」

そう言われ、一瞬固まっていた私だったが、相手がクラスの中でもよく本を読んでいる空亡君だと分かり、その緊張は過去のものとなっていた。

「そうでもないよ、初めの方から最後が見え見えだわ」

素っ気なく返したが、正直今読んでいた話はいわいるテンプレと言われるものや、お約束と言われるようなものがちりばめられていて、先の先まで、予想出来てしまうのだ。

そんな本であったとしても、面白いと思う人もいるだろうが、私にはお世辞にも面白いとは言えるものではなかったのである。

おっと自己紹介がまだだったね。私は菅井(かんい) 顕紀(けんき)

男のような名前だが、性別は女である。

小さいころから小説を読んで育ってきてそれでも、心から面白いと思える本にたどり着けていない者だ。

最近は自分でも書いていたりもするが、自分で書くのは、今は絶版となり、出回っていないあの本以外では心の書庫を埋めてくれるような作品に出合っていないからである。

話は戻すが、私は空亡君が苦手だ。

しかし、話していても苦ではない。むしろ本の話以外の話を持ち掛けてくる人よりは拒絶しないというだけである。

だからこそ、私は決まっていつも言っていることがある。

「心から面白いと感じ取れる本なんて、簡単に見つかるはずないじゃない」

私はその言葉を残していつも独りでいる。誰かが私を満足できる本を書いてくれるように祈りながら。そしてまだ見ぬ本を探し、本屋や図書館を巡る。その巡った先に新たな作品のネタがあるかもしれないから。

その日から数日彼女は学校に姿を現さなかった。クラスの人はそんな彼女を心配する者はごくわずかな者だけだった。

というよりも、来ていないという事に気づいているのがごくわずかな者しかいなかっただけなのだが…

教員たちは彼女が特別推薦で入学したことを知っているため、何も言わない。彼女は彼女の仕事に詰まっているのだと感じて。

一か月位学校に行かなかった私は編集からせがまれていた本を計10冊分納品し、さらに少し遠出をしてまだ見たことのない本を探して片っ端から読んで行っていた。

そして久しぶりに学校に行くと編集が早く続編をと催促していた本を読んでいる人がそれなりにいた。

そのことにうれしさ半分、恥ずかしさ半分だったが、表情に出すと作者が私だとばれてしまう可能性があり、そうなると静かに読書が出来なくなってしまうと思い、表情には出さないでいた。

その日の昼休み、私は相も変わらず屋上の貯水タンクの上で本を読みながら昼食をとっていたその時だった。

「菅井さん。この小説あんたが書いたものでしょ?」

そう言われて私は思わず読んでいた本を落としてしまっていた。

そのことにより確証を持たれてしまったのか、彼女は続けて言った。

「この本、面白かったわよ」

そう言って彼女は去っていったが、私はしばらく放心状態になっていた。

何故ばれてしまったのか、このことが広まったらどうしようと。

私は放心状態から復帰した後、彼女を探したが、どこのクラスの誰なのかそもそも何年生なのかさえも分かっていなかったため、お礼を言うことも、何故分かったのかを聞くことも出来なかった。

「どうして分かっちゃったんだろう。名前も後書きの話し方から読み取れる性格も全く違う物なのに」

そのつぶやきにこたえる人は誰一人いなかった。

それに、その答えは名も知らぬ彼女しか分からないだろ。

しかし、そのつぶやきに疑問を持つものはいただろう。

その答えは誰も知ることが出来ないのに。

そうして私には一人の学生としての日常が戻ってきた。

今までが非日常だった訳ではないが少なくとも普通の学生としての日常では無かっただろう。

ミステリー、ラノベ、ラブコメ、その他にも手を染めてきた私にとっては小説を書くことが日常となっていたのだろう。それが他の人にとっての非日常だとしても。

私はネタを求め今日も学校へ行く。

まだ見ぬネタを求めて。

私は今日も本を読む。

まだ見ぬ心の書庫を満たしてくれる本を求めて。

その書庫の中で私はまた独書するたった一つしかない本を片手に。

私は探し求める。私の中で独書がいつの日か読書に代わると信じて。




えー、どうでしたでしょうか?
僕は菅井さんがどんな心象で小説を書いて行くのか、次回があれば楽しみです
次回、この方の物語を上げる際は自身で上げる事になると思うので、宜しくお願いします
と、言う訳で、指摘や感想などを是非、我らはお待ちしております
読んで頂きありがとうございました

@Aaizayoi


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第八話 なるようになる!

どうも!今回の担当は『sirota』です!



山田太郎の愛読の題名は「リバーピース」

この本は主人公のモモ・D・ナナが川から流れてきたもも食べてしまって手足がピンク色になってしまう!

モモ・R・ナナはピンク色になった手足を武器に使いながら川族王になる話です。

主人公ナナの口癖は「俺もなるようになる」

 

 

回想

一人ぼっち飯を食べていた山田太郎だったが、昭和話のよつな食パン加えた女子が角を曲がるとイケメン男子とぶつかる乙女話のような場面にに遭遇してしまいなんとか人を近ずけないように警備員になったのであった。

 

 

「おい林、山田はあそこで何を守ってるんだ?」

 

 

「さーなー俺達には理解できないようなものを守ってるんだろうよ」

 

 

山田観察隊隊長の林は山田から離れた後佐藤と共に離れた所から山田を観察していた。

 

 

さっきから何人もが同じように山田に行く道を阻まれ、林の横に集まってきた。

 

そもそもここでご飯を食べてる奴らは山田の行動が面白好きて仲良くなりたい人たちの集まりだ。昼飯も山田と食べたいのに「ぼっち飯をしてこそ男なんだ」なんてよく分からない断り方をされ離れたところで食べてる人がほとんどだ。というよりここにいる人全員クラスメイトだ…。

 

 

「佐藤副隊長!あいつは何をしているんですか!?」

 

 

「いやいやなんでオレが副隊長なんだよ!!入った覚えもないのに」

 

大きな声を出した佐藤に集まったクラス一同が目を向けてうるさいと無言の訴えをする。

 

「お前声でかい、俺といつも一緒にいるからじゃね?」

 

 

「……お前嫌い」

 

 

林は笑っていてまるでダメージがない。諦めて山田の観察を続行した。

 

山田はずっと落ち着がなく、ドアに耳を付けて聞き耳を立てては座ったり踊ったりしている。

 

 

「この行動昼休み前には終わるのかよ?」

 

佐藤が見るのを飽きてしまったころ皆に視線を向けると小動物を動物園に見に来たときのように女子も男子も癒されてるような顔をしている。

 

「……確かに行動は可愛いかもしれないけどそんなに夢中になる事か?」

 

 

「佐藤は分かってないな…母性本能がこうワーッってこないか?」

 

 

「いやお前母性じゃねぇし父性じゃね?」

 

林のよく分からない説明を冷静に突っ込みつつまた山田に視線を向ける。

 

 

「あれ?なんか山田焦ってないか?」

 

「なんかドアノブ触ったり手引っ込めたりしてるな」

 

クラスのやつらがざわついてきた。今までドアを開けないように死守してきたのに開けようか迷ってるようだった。

 

「あんな姿も可愛い!」

 

女子も携帯片手に騒いでいる。

 

「撮影はだめだぞー」

 

「お前ちゃんと隊長なんだな?」

 

「あったりまえでしょー」

 

 

騒ぎ始めたクラスメイトにしっかりと注意する林は隊長をしっかりやっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はなるようになる!!」

 

 

 

 

 

 

山田の大きな声にクラスのざわめきが止み、静けさが通り過ぎた。その後山田はドアの向こうへと走り去って行った…。

 

 

 

「え?どうした??」

 

 

山田の大きな声が聞けて騒いでいるクラスの中佐藤だけが状況が読めずにただ呆然と山田が去ったドアを見ていた…。

 

 

「山田をおいかけろ!」

 

 

林の声がけと共にクラスの奴らが一斉に動き出す。静かに忍び寄るように。ドアまで行くのにそう時間はかかっていない。こんな人数を動かすことが出来る林はすごい。

 

 

「え?え…どうした?」

 

 

ただ1人佐藤だけをおいて…

 

 




拝読ありがとうございました!
誤字脱字ありましたらご連絡ください



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第九話 思い出の一冊

おはこんばんにちは、楼玖渡です!
第二回目の投稿です!


相生は本を開き読み始めた時、ある事を思い出した。

 

(そうだ、昨日最新の本が入る日だったよね)

 

相生は席を立ち、最新の本が並ぶ本棚の前で本を見ていた。そしてお目当ての本を一冊手にして表紙を開いたその時、何かが落ちた。

 

(あっ!)

 

相生が落としたのは貸し出しカードだった。相生は貸し出しカードを拾い上げ、名前の書き込み覧を見た時に大声を出してしまった。

 

「えぇ~嘘でしょう?」

 

そして相生は皆の注目を浴びる。

 

「誰ですか?大声で!」

 

「す、すいません!」

 

「気をつけてください!」

 

相生は深々と頭を下げ、ゆっくりと頭を上げた瞬間に日高と目が合った。その目は確かに睨まれていた。

 

(またあいつか)

 

日高は本に目を向け読み始めた。

相生は再び貸し出しカードを眺めた。そこには日高隗飛と名前が書いてあったのだ。

 

(昨日入った来た本をもう借りて返してるなんて!)

 

日高の借りた本は、実は相生のお気に入りの本だった。

そして"誰でも面白い"と思える一冊としてリクエストしていたものだった。

 

(一番に借りてる)

 

その時、日高は本を閉じ軽く伸びをして立ち上がり相生の後ろを通り過ぎようとした時、小声で話かけた。

 

「お前五月蝿い、騒ぐのいい加減に止めろ!」

 

相生はまた大声で言ってしまった。

 

「貴方のせいでしょう!」

 

日高も吊られ大声で言ってしまった。

 

「俺がお前に何したんだよ!」

 

その時、図書委員の生徒が二人に近づいて来た。

 

「騒ぐなら出ていけ!」

 

その図書委員の顔は満面な笑みだったが声は完璧に怒っている声だった。そして二人は焦りながら謝った。

 

「すいません!」

 

「気を付けます!」

 

図書委員の生徒は黙ったまま戻って行った。そして相生は日高に貸し出しカードを見せ、また小声で話かけた。

 

「借りたんですね」

 

日高は貸し出しカードを受け取り見た。

 

「この本確かに借りたが何だよ?」

 

「1日で読んだんですか?」

 

日高は何も答えずに貸し出しカードを相生に返し、持っていた本を元の場所に返した。

 

「だったら何だよ?」

 

「面白かったですか?」

 

「えっ?」

 

日高は相生の真剣な表情を見て答えた。

 

「どうだろうな」

 

っと、言いながら日高は本を眺めた。適当な回答に相生の顔は険しくなった。しかし日高は本を眺めたまま言った。

 

「何回か読むと面白くなるかもな」

 

そして日高はまた本を選び初めながら、相生の後ろを過ぎた。

 

「それどう言う意味ですか?」

 

相生の言葉に日高は足を止め振り返った。

 

「お前も読めよ、そしたら意味わかるかも」

 

(いや、これ私が…)

 

「その本、結構お勧めだ」

 

「えっ?」

 

その時、相生は日高が薄く微笑んでるように見えた。

 

「そ、そうですか」

 

その言葉を聞いたあと、日高は他の本棚に移動した。

 

(あんな顔、初めて見たかも…)

 

相生は思わぬ一面を見たような気がした。




第二回目、読んで頂きありがとうございます!
今回は二人を会話を少し多めにしました。
そして短め!

誤字・脱字あればご連絡お願いします。



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作者の息抜き、と言う名の舞台説明

 

 

 突然だが、この小説の舞台、『フルーツバスケットの日常』の舞台について説明しよう!・・・・・・・解説しよう!

 

 

 べ、別に次の人が遅いから作った訳じゃ無いんだからねッ!・・・・・・・・・(チラッ

 

 

 コホン、失礼(/////

 

 

 名乗っていなかったな。え?そこじゃない?何でも良いだろ、気にするな!

ハゲるぞ!

 

 私は・・・・・・・・・私?俺?僕?アタシ?オェ・・・・まぁ何でも良いや。

 

 

 取り敢えずはこの作品の作者の1人、『no-name』、通称“名無し”だよ。一応は管理者であり、企画立案者を受け持ってるよ。宜しくね。

 

 

 何でこの話を作ろうかと思ったかと言うと、何となk———冗談ですから冗談、ね?ブラウザバックしないでお願いします。

 

 

 まぁ、本当の理由は単純だけど、内容に舞台説明を入れる事が出来ないんじゃないかなぁ、て思ってな。

 

 

 それに、ここら辺をハッキリさせた方が作者達がやり易いかと思ったからだよ。

 

 

 詰まりは作者側全体への明確な設定説明でもある。

 

 

 正直な話、特別参加枠の人にお話を書いてもらおうかとお願いしようとも思ったけど、ちょっと間を空けすぎて焦ってたんで簡単に早く上げられるならそれに越した事はないと、ね?

 

 

 言葉をそのまま文字にするのって正直大変だけど、本編じゃ碌に文字数稼げてないんです堪忍ください。

 

 

 ついでにウチの主人公の設定も喋っt(ボカッ

 

 

 ・・・・・・・・・流石にメタいよねぇ、ごめんなさい。

 

 

 えー、気を取り直して、えっと何だっけ・・・・・・・・・・・・あれ、何だっけ?

 

 

 ウ・ソ♡

 

 

 殺気を感じたけど気にしないのがmy stance.

 

 

 一応の設定なんだけど、実は明確な地域の指定はしてはいないんだよ。

 

 

 大雑把に、『都会』『東京付近、兼、ほぼ東京』『現在初代校長馬鹿』くらいかな、ハッキリさせてるのは。

 

 

 他に思い付かなかった。

 

 

 最後のもちゃんと関係してるからね?

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・キャラブレッブレだなぁ〜。

 

 

 

                   

 

 

 

 

 先ず『都会』についてだけど、此れは作者側の都合かな田舎にすると話を広げにくいかなって思ったんだ。

 

 

 都会ってさ、なんか楽しそうな物が色々ありそうなイメージあるからね。

 

 

 それに比べて田舎はネタにしにくい部分が多い。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に田舎者じゃないからね?勘繰った人たちに言うけど。

 

 

 でも都会は色々あったり、色々起こったり、なんか事件に巻き込まれるのも一興かな〜とか思ったけど、この小説はタイトルにもある通り『日常』物だからね、無理はできないね。

 

 

 

 

 『都会と田舎の間』まとめ:もっとやれ。

 

 

 

 

                   

 

 

 

 

 次に『東京付近、兼、ほぼ東京』だっけ?うん、此れは『都会』のワードに付随したワードだから言う事は特にはないかな。

 

 

 都会と言えば東京みたいな、簡易的イメージを当て嵌めただけだね。

 

 

 いやね、えと・・・・・・・・・・・・・・・いやごめん。何を言おうとしてたのか忘れた。

 

 

 と、取り敢えずは皆がイメージし易そうな都会の街並みです、はい。

 

 

 

 

 

 『東京付近、兼、ほぼ東京』まとめ:作者様方、これでお願いします。

 

 

 

 次!

 

                   

 

 

 えー、最後のワードだね。

 

 

 『現在初代校長馬鹿』・・・・・・・・・何これ。

 

 

 我ながらもうちょっと良く合う言葉がありそうだと思うよ。

 

 

 まぁ、良いです。

 

 

 これは第1話、つまり“空亡 朧”の最初のストーリーでも説明した、あの不便な屋上出入り口のドアをあんな風に使ったので入れました。はい。

 

 

 いや校長は青春大好き若者のサポートに徹しているんですよ。ウザいまでに。

 

 

 だからそう言うサポートの為なら少しくらい危なくても良いかなとか考えてる校長です。

 

 

 まぁ、いやあのですね、キッカケさえあれば作者様方も良くありがちな事やってくれるかと思ってね。思ってね!?

 

 

 まぁ詰まりはドンドン遣らかしたまえ作者たちよ!、と言う事です。

 

 

 何、単純な話、何かが起きなければ書く側も読む側も詰まらんでしょう?

 

 

 て事で校内自由に設計して良いんで、辻褄さえ合えば、盛り上げてね?

 

 

 という名目で校内構造組み立てて下さい。

 

 

 

 

 『現在初代校長馬鹿』まとめ:学校の構造どうしようかな、と名無しは思考しているよ。

 

 

 

 

                   

 

 

 今回の題目はこんなところかね。

 

 

 書いてて思ったけど、解説あまり出来てないね。まぁ、気にしないけど。

 

 

 すいませんでした。

 

 

 という事で、ちょっと書くの疲れてきたので今回はこの辺で失礼します。

 

 

 今後もこう言うのをストーリーの合間に上げて行くと思う。

 

 

 そん時は読者、作者共々参考にして行けたらと考えておりまする。

 

 

 んではこの辺で、読んで頂きありがとう御座いました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・あとがき要らないよね?

 

 




 あとがき要りました!

 何か指摘、疑問、立案などがありましたら、
感想欄にてもお持ちしてますし、
此方のツイッターアカウントにてもお持ちしております。
此方→ @Aaizayoi 

ありがとう御座いました!


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番外編

どうも、番外編担当のフィラーです。
少し更新間隔があいてしまっていたので別の作品として書き始めたものの没になってしまってそれでも消していなかったものを急遽短編として仕上げました!
良ければ読んでください!


 「間知先生、新作の原稿まだですか~」

 

そう言って次の作品をねだってきたのは私の担当編集である中尾花楓だ。

 

彼女は私がデビューしたときに入社した新人だったのだが、話を聞く限りでは、web小説時代から私の小説を読み続けていてその小説たちを世に出したいと思い、入社したそうだ。

 

「まだ描き上げては無いのですが、もしかしてもう枠を取っていたりします?」

 

私は土日の間に行こうと考えていた取材旅行の準備をしていた手を止め、机の上に置いているパソコンに向かい合って聞いた。

 

「三か月後の枠は取っていますよ~前の作品も重版が決まったらしいですし、早めに出してくれるのに越したことは無いのですよ~」

 

私としてはもう少し余裕をもって枠を取ってほしいものなのだが、そんな思いは担当の彼女には届かず三ヶ月ペースでの出版となってしまっていた。

 

そんな生活をしているせいで学校にも修羅場のせいで行けないことも多いのだと心の中で愚痴りながら私は答えていた。

 

「毎回毎回〆切が早くないですか?私にも少しは休みをくださいよ」

 

そんな私の心からの叫びに対し彼女は追い打ちをかけるようにこう言ってきた。

 

「上からの指示でもあるのですよ...だから頑張ってくださいね!」

 

「え、ちょ、ちょっと~!」

 

担当編集は私の文句なんて知らないとばかりに用件を伝え終わった後私の言葉を待たずに一方的に電話を切った。

 

しかし、文句は言えない。これからどれだけ書き続けられるかは分からないが、今、私にはまだこれしかお金を稼ぐ方法が無いのである。将来の事を考えればどれだけあっても困ることは無い。

 

「さて、少し見切り発車ででも書いていきますか」

 

全くもってネタは上がっていなかったがそう言って机に置いてあるパソコンのキーボードに手をかけ書き綴り始めた。

 

一作目、没

二作目、没

三作目、没

 

所々休憩もはさみながら没作品の山を築き上げていった。そして...

 

「終わった~もうしばらくこんな修羅場には会いたくない!」

 

納得のいく作品が出来、私は脱力していた。いつも〆切ぎりぎりに発注してくる担当に私はこうメールしていた。

 

「今後の依頼はもう少し間隔を上げてくれると助かります。そうじゃないと過労で倒れてしまいますよ… あと、今回の小説ですが没ネームと共に添付フォルダに入れてあります。没をどう使うのかはあなた次第ですが、少しは反省してください」

 

そのメールと共に作った小説を担当に送ると、私はもう土日を通り過ぎて平日になっていたことに驚き、急いで学校へ行く準備をしていたその時、私の担当からの電話がかかってきた。

 

「間知先生、他の先生たちの育成のためにも僚に入ってみませんか?」

 

この誘いは私にとって悪魔の誘いにしか聞こえなかった。なぜならこれまでと同じペースで小説をねだりつつその上後輩の育成までやれと言われているように感じたからだ。しかし、興味はあったので話だけ聞いてみることにした。

 

「中尾さん、話だけ聞かせてもらえますか」

 

私としては後輩が育ってきたら少しは出稿ペースが下がってくれるかと少しばかり期待して後輩の育成だけはやってもいいかなと感じそう言っていた。

 

「えっとですね… あっそうでした。わが社でも新人の育成の為に僚を作り、その中で切磋琢磨してもらおうという物なのですが入りませんか?」

 

この話を聞いて、すでに日常生活に支障をきたしているほどの人にそこに入る意味はあるのだろうかと思い、アドバイスだけする取引を持ち掛けた。

 

「納品の間隔を開けてもらう代わりにそこにビデオアドバイザーとしてならいいですよ」

 

「分かりました… ではその様に先方に伝えておきます」

 

こうして私の中に小さな休暇を手に入れることが出来るようになった。だが、この平凡はとても儚く、そしてとても大事な時となるのだった。




この子の話がもっと読みたいという方がもしいらっしゃいましたらお気軽にツイッターの方(https://twitter.com/fira49081)にお声掛けください。
要望が来ましたら短編集として私個人のアカウントで書かせていただきます。

誤字・脱字あればご連絡お願いします。


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第10話 短い昼休み

どうも、『no-name』こと、名無しです。
やっとストーリーを上げれました。大変申し訳ない。
ですがそれと同時にやっと10話に達しました。

取り敢えず、ご覧下さい。


 

 

 

「なるようになる!」

 

 

 

 

 そう言って唐突に扉を勢いよく開けて突っ込んで来た山田。

 

 

 ・・・・・・・・・何言ってんだこいつ?

 

 

 よく分からん事を叫ぶのは勝手だが、ちゃんと前を見ろや。

 景色の代わりぎわに一瞬だけ目を瞑ってしまうのは人間に良くある性質だが、今回はその性質が不幸を読んだのは一目瞭然。

 完全に瞼を下ろした山田は座り込んで居る鳴冴に向かって突っ込んで行く。

 

 

「え?」

「・・・・・・・・・はぁ」

 

 

 扉と鳴冴の間の距離は3メートル程、鳴冴は扉が勢いよく開いた事に驚き固まっており、山田は目を瞑っていてそれに気付かない。

 後何の集団なのか不明な有象無象が山田の後ろから続くように駆けてくるのは意味が全く分からん。

 

 

 何だ、この状況?

 てか後ろの有象無象に関しては普通に止まれるはずなんだが、何?山田の信者か何かか?

 取り敢えず危ねえから————。

 

 

「よっと」

 

 

 山田の腹に横薙ぎの蹴りを決め込んだ。

 

 

「グエッ!?」

 

 

 おぉ、山田の身体が綺麗にくの字に曲がった。満点。

 そのまま蹴り飛ばして扉の向こうに送り返してやった。

 転がっている様も何処か綺麗だしな。何目指してんだよ此奴。

 そんな俺のどうでも良い心情を他所に、山田は地面を転がり集団の足元に辿り着いた。

 まぁ、駆けてくる集団の足元で寝ていればどうなるかは必然。

 

 

 

「ギャアアアアアアア!」

 

 

 

「「「山田ごめええええええええん!!」」」

 

 

 

 山田に躓き、さらに躓き。

 テッテレー(棒)、山田土台の山完成。

 

 

「そして仕上げ」

 

 

———ギイイィィィイバタン

 

 

 扉に手を添えてゆっくりと閉めた。

 開けたら閉めなきゃいけない、ってよく言うしな。

 それに山田ならきっと大丈夫だろう、山田だし。山田の事ほとんど知らないけど。あ、お互い様か。

 

 

「や、山田君・・・・・・・・・」

 

 

 鳴冴は青褪めた顔で扉の向こうの山田に声を掛けている。聞こえるはずもないけどな。鉄扉と肉壁の向こうだし。

 ま、コイツの怪我も大した事無さそうだし、張本人となってしまったので面倒事が起きる前に退散するとしますか。てか自販機行かねぇと昼飯食えねぇだろうが。

 

 

 気が付けば昼休みの時間は残り10分ほどとなっており、昼食分には十分だが休憩時間が少ない。

 久しぶりに授業に顔を出そうと思ってたんだが、次の授業はなんか学園長が直々に話すらしいしな。

 だがやっぱこの状況じゃ急ぐのも面倒臭いな。

 

 

「こりゃ午後の授業もパスだな」

 

 

 つまりはいつも通り、学校に顔を出して暇を潰して学校終了。

 高校生活、こんな事してる予定じゃ無かったんだがなぁ。

 気付いたら1年終わって2年生。何処で間違えたんだか。

 

 

「・・・・・・・・・取り敢えず自販機行くか」

 

 

 相変わらず扉の向こうはガヤガヤと喧しい。

 鳴冴は混乱中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん、放置。

 そして意味もなく思った。

 

 

「あの集団、2年2組多くね?」

 

 

 クラスの顔の過半数は居たぞ。仲良すぎだろ、

 

 

 

 

 

 

 決して羨ましいなんて思ってないぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

—————————————————————————————

Now loading・・・・・・・Now loading・・・・・・・Now loading・・・。

—————————————————————————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 自販機に来たは良いものの、此処は此処でなんかガヤガヤとしている。

 確かに自販機前にはベンチやらテーブルやらが設置されており、此処で昼食を取るものも少なくはないだろう。

 体育館と校舎、別棟に囲まれていて強風の心配は無いのに陽当たり風当たりも良い。

 屋上とは別で存在する当たり位置なのは確かだ。

 

 

 それなのに俺が此処で飯を食わない理由。

 それはちゃんと存在する。

 

 

 

 

「あいつ、空亡 朧じゃないか?近づかない方が良いぞ。野蛮だって噂だから何されるか分かんねぇよ?」

「あいつこんな所に何の用だよ」

「マジウザいよな。いつもスカしやがって」

「空亡先輩ってあの人?噂通りで不良っぽいね」

 

 

 

 

 理由はこれ。ヒソヒソ周りでしてる周りからの目。

 全く、相変わらず人が集まるところは空気がウザったらしい。野蛮なのは否定しねぇけどな。

 今更気にはしていない。一々反応していたら面倒だし、そんな性格だったら学校なんぞ来ていられないからな。

 しかし、此れが飯食ってる最中もずっと続くのは流石に面倒臭いと言うもの。

 と言う事で、皆の気も休まらねぇみたいだし、邪魔者はさっさと用を済ませて退散するとしよう。

 

 

「にしてもいつも思うが、此処の自販機のラインナップは多過ぎんだろ。随分と用意周到だな」

「そうだろうそうだろう。何たって私が直接管理しているのだからな。基本的に思い付くもの全て揃えておるぞ」

 

 

 此処に来ない理由はもう一つ存在する。

 此処は何故か、異様に大人が集まるのだ。

 教師やら事務員やら、学園長やら。

 

 

「流石だな。じゃあリクエストがあるんだが、おしるこ追加してくんね?偶に飲みたくなるからよ、学園長様や」

「おぉ、失念しておった。分かった、貴様が授業に出るのを条件に追加してやろう。ついでにオニオンスープも仕入れるか」

 

 

 このクソババァ、何かと色んな生徒にお節介を焼いてくるから面倒臭い。だがオニオンスープはナイスだ。

 この自販機を管理しているのは学園長、そして俺はお願いをしている身だ。

 癪にさわるが、まぁしょうがない。

 

 

「そんな事で良いのか。良いぜ、じゃあ頼んだわ。オニオンスープも忘れんなよ〜」

 

 

 俺は午後茶赤と爽健美茶を購入してその場を離れた。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 学園長はキョトンとしてその場で呆けている。

 すんなり承諾すんのがそんなに珍しかったのか。これまた一興だな。

 さて、本校舎の屋上はまだ彼奴らが居るだろうから、俺は別棟の屋上を目的地として足を進めた。

 

 

 

 

 




どうでしたか?
正直、と言うか普通に短くなってしまいました。
やはり計画組んでやった方が良いのでしょうか?

・・・・・・この企画でそんな器用な事無理です、俺には絶対に。

まぁ、こんな事が続くと思いますが、それもご愛嬌と言う事で堪忍して下さい。
と、言うわけで記念すべき第10話、何も出来ずに申し訳ないです。
その辺は次話以降の仲間が如何にかしてくれる筈です!

指摘、感想お待ちしてます。
随分と前に感想を頂いたのですがその事に気付けず、事実上放置、となってしまいました。
感想くれた方、大変申し訳ありません。
以後こう言う事が無いように通知が俺の元に送られるようになりました。

報告は此れくらいですかね。
ありがとう御座いました。
次の作者さん、お願いしますね。


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第11話 山田は行かなければならない!

どうも!今回の担当はsirotaです!
前の話を読み返してから読んだ方が内容が続くかもしれませんね


屋上のドア警備員になった山田だったが、次の授業の準備を手伝ってもらいたいから職員室に来るよう先生に先生に来るように言われていたのを思い出したのだ。

 

今行けば確実に食パン事件の事後を見てしまうことになる。それはプライバシー的に大丈夫なのだろうか、これから始まるかもしれぬ恋シーンを見たくなんか無い。だが、今このドアを開かなければ確実に先生との約束が守ることができない。そう、あたふたとドアを開けようか開けまいか悩んでいたのだった。

 

 

「せっかく先生が使命を下さったのに無下にすることはできないよな…やや!そうなんだけどさ、これから恋が始まるかもしれないところに行って逆恨みなんてされたら怖すぎる!!どうしよ…どうしよ…」

 

 

小言でブツブツ言いながらドアの前をうろちょろドアノブを触ったり引いたり

 

「なんでだよちくしょーさっきまでは楽しかったのに…」

 

 

 

 

数分前

 

ドアの向こう側でどんなラブシーンが繰り広げられているのか聞き耳を立ててみたり座って妄想したりしていたのだ。

 

「ちょっとテンション上がってしまって鳥の求愛ダンスをやってみたりして楽しかったのに…」

 

山田にとって一大イベントに遭遇したことはとても嬉しいようで、それをぶち壊してしまうかもしれないことがとても残念に思っているようだ。

 

それでも時間は刻一刻と迫っていく、授業開始まであと15分ほどしかない。このままだと授業準備はできないだろう。

 

(僕は真面目、一般の普通の平凡で先生に目をつけられてはだめなんだ!もう考えるのを放棄しよう!)

 

 

 

 

「俺はなるようになる!」

 

 

そう言って勢いよく飛び出した。

 

 

が、すぐ近くで起きていると思われた事件は

なかった。

 

(あれ?なんでいないんだ…あ!あんな遠くに…なんでだ?

 

やだなー

 

でも、この廊下通らなきゃ行けない!!)

 

 

少しでも早く通り過ぎるため走り出した山田、だがこの時目をつぶりながら走っていたことがこの後後悔することになる。

 

 

 

「グエッ」

 

痛いってものじゃない、こいつなんの格闘技やってた?北斗○拳ですか?ってぐらいの衝撃と痛みのなか意識を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

一方

 

 

 

山田を追いかけていた山田親衛隊等は屋上を降りるドアへと向かっていたところ転がって来た山田に対処できず山田の上に次々に躓きピラミッドが出来上がっていた。

 

 

 

「え?今叫び声あったけどどう…

 

 

 

 

え、…

 

なんだこれ?」

 

 

遅れて来た佐藤は未だ状況を理解できず、この状況に戸惑っていた。

 

 

「ちょっと早く上おりろよ!」

 

「ごめっ!無理体制が整えられない!」

 

 

「おい!重い、山田が下にいんだぞ!」

 

 

 

観察隊が山の中で言い合っているのを佐藤はしばらく放心状態で見ていたが、チャイムの音で我に帰る。

 

 

「やばいぞ、山田潰されてんじゃん上のやつ退けるぞ!!」

 

 

 

佐藤はピラミッド頂上から次々とどかせていく右へ左へポイポイと…。

 

 

 

「佐藤副隊長!どういうことだ山田の意識がないぞ!」

 

 

 

 

「ハァ…

 

お前等が乗っかってたからじゃないのか?

 

隊長殿」

 

 

「とりあえず皆の衆!山田を保健室に連れて行くぞ!!!」

 

 

「「「「了解!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

その日3限の授業に生徒が全員遅刻したとかしないとか…

 

 

 

 

 

 




次回!山田看病される、山田の兄は…です
拝読頂きありがとうございます!
誤字脱字感想はsirotaまでTwitterよろしくお願いします


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第12話 手紙の落とし物

おはこんばんにちは
今回投稿の楼玖渡です!


もうすぐ昼休みが終わる事を時計で確認した隗飛は本を閉じ立ち上がり図書室を出た時、同じクラスの女の子が何か悩んでいる様子が目に入った。そして女の子は日高に近づき声をかけた。

 

「ねぇ、日高君」

 

「図書室の前で何悩んでるんだよ?」

 

「この手紙拾ったんだけど筆記体の英語で書いてあるから分からなくて、それに海外から来たみたい」

 

日高は手紙を受け取った。確かに海外から日本に出す際に使われる青・赤・白の模様の封筒だった。そして日高は宛名に書かれている筆記体に驚いた。

 

(すげぇ~達筆!)

 

「宛名読める?」

 

「なんとか…」

 

宛名は相生乃唯と書かれてあった。

 

「えっ、姫ちゃん宛て?」

 

「そうらしいな、相生なら図書室に居たぞ、渡せば?」

 

「そうしたいんだけどね…私先生に呼び出されちゃってて、日高君お願いしてもいい?」

 

「えっ、俺?」

 

「ではお願いします!」

 

落とし物を渡して終えるとその女の子は走って行ってしまった。

 

(おいおいマジかよ~)

 

日高は何気なしに差出人の名前を見た時、後ろから声が聞こえた。

 

「ラブレター貰って固まってるの?」

 

相生は後ろからそのやり取りを見ていた。そして日高は振り向き顔が険しくなった。

 

「これのどこがラブレターに見えるんだよ!」

 

日高は相生に手紙を見せた。

 

「これお前の名前が書いてある」

 

「どうして持ってるの?私どこかで…」

 

日高は同じクラスの女の子が拾った事を相生に話した後、手紙を返した。

 

「手紙を落とすとかどんな神経してんだよ」

 

相生はスマホを取り出し、しばらくすると。

 

「人間の神経はこの様になっております」

 

相生は日高にスマホで検索した人間の神経の画像を見せた。

 

「そんなもん検索しなくても知ってる、それに見せるな!」

 

すると相生はスマホをポケットに入れ口を開いた。

 

「別に拾ってくれなくてよかったのに…」

 

「お前な!」

 

その時、相生が持つ手紙を見つめる目が冷たかった。

 

「俺手紙の差出人見たんだけど、お前の親の名前?」

 

「そうだよ、海外で働いてる」

 

「それ封が空いてないけど読まないのか?」

 

「読みたくないって、お前は小さい子供かよ」

 

相生が親からの手紙を読みたくない理由を日高に伝える事にした。それはいつも同じ事しか書いてないからだった。高校の成績・予定通り三年で卒業できるか・卒業後、留学する大学・親の仕事の引き継ぎの話ばかりだった。そしていつしか親からの手紙を読まず返事も書かなくなってしまった。相生の本音はもっと他に聞いて欲しい事があった。家の事・高校生活の事・友達の事だった。

 

「それ手紙に書けば良いだろ?」

 

「何回も書いてるよ!」

 

「はぁ~もうノーコメントだわ」

 

「別に何か言ってもらう為に話したんじゃあないから!」

 

「…」

 

「な、何ですか?」

 

「手紙を書くって事は心配してるからだろ?同じ事だからでも返事くらいは書けよ」

 

日高は笑いながら相生の肩を軽く一回叩き、ゆっくり歩き始めた。そして、相生は日高の感情の急な変化にますます分からなくなった。




読んで頂いてありかとうございます!
今回は少し短く感じるかもしれません。
そして、前回同様会話を多目にしました。


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番外編 空亡 朧の休日

どうも、『no-name』こと名無しです。
この小説番外編ばっかで申し訳ない。
長話はしないので、本編行ってください・・・・・・。


 

 

 ジリリリリリリリリッ!!

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 ジリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ——————————ドゴンッ!!!!

 

 

「お兄ちゃん五月蝿(うるさ)いッ!!」

 

 

 ———リリリリ、カチッ。

 

 

 思い切り扉を蹴り開けた妹の怒号によって起きたけど、やっぱ俺に目覚まし意味無えな。要らね。

 

 たった今目覚ましとしての機能を切り捨てられた目覚まし時計は、見れば朝七時を指している。

 少し高い位置にある窓から、雲の一つも無い快晴の青空が見えた。ワーイイ天気。

 こんな日は二度寝に限る。

 

 

「そうと決まれば行動」

 

 

 再び寝るために俺は空いた目蓋を閉じた。

 まだ寝起きだから寝るのは容易い。

 俺の意識は再度、深く沈んで行k———。

 

 

「何寝ようとしてるのかな、お兄ちゃーん」

 

 

 ————————ボフッ。

 

 

 何か重い物が俺の腹の上に・・・・・・。

 

 

「おりゃ!」

 

 

 ボゴッ!

 

 

 擬音に疑問があるが、少なくても俺にはこんな柔そうな音には聞こえなかったな。

 おりゃとか可愛い声で出す威力じゃない。

 全くこんな風に育ってしまったのは誰の影響なんだかぁ・・・・・・・・・あ、俺自身しか思い浮かばねえや。

 

 

「・・・・・・・・・妹よ」

「ん?どしたのお兄ちゃん?」

「どしたの、じゃねえよ。寝起きの人間の頭に踵落としとかシャレになんねえよ」

「寝起きじゃないよ、寝てる人だよ。それに絶対私の事重いとか考えてたでしょ」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 挙げ足にエスパー、か。

 此奴危ねえな。一般人の枠に入れちゃいけないタイプだと思ってるけど。

 踵落としだって絶対全力で落としてたしな。どのくらいって、殺す気だったのかよ、ってくらい。。

 頭ずらして躱すの遅れたら顔面の骨陥没してたわ。

 

 

「てかまだ七時だろうが。気温が丁度良い休みの日くらい寝かせてくれ」

「学校でも寝てる人が何をほざきますか!それに今日は私とお出掛けする約束してたじゃん!」

 

 

 学校でも寝てるの何でバレてんのかねえ。この子通ってるの中学校の筈なんだけど。

 

 

「第一、こんな朝じゃ何処の店もやってねぇだろうが。せめて後一時間半は寝れる筈だ。て事でおやすみ」

「か〜〜ッ!これだからダメお兄ちゃんは!もう知らないからね!」

 

 

 それだけ言って妹は部屋を出て行った。

 嵐はやっと過ぎ去った。

 これで寝れる。

 おやすみ。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」

 

 

 ったく。

 

 

 

 

 

——————————————————————————————————————————————————————————————————————

 

 

 

 

 コンコン。

 

 

「・・・・・・・・・何?」

 

 

 妹の部屋の扉の向こうから聞こえるのは不貞腐れた不機嫌な声。

 こりゃ相当怒ってらっしゃる。

 まぁ、仕方ねえな。

 

 

「正直言って何をそこまで怒ってんのか分かんねえけど、お前を見てるに俺が悪いんだと思う。どうしたら機嫌を直してくれるか、ダメな兄ちゃんに教えてくんねえか?」

「・・・・・・・・・知らない」

 

 

 やっぱ思春期の女心は難しいなあ。

 何のヒントも無いんじゃ分からんよな。

 アレ見てなかったら分かんなかったわ、マジで。

 

 

「知らんのか、そりゃ参ったな。取り敢えず腹減ったから一緒に朝飯食わねえか?」

「—————ッ」

「一緒に食えば一緒に考えられるし、もしかしたら食ってる最中に忘れられるかもしんねえしよ」

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 中々回答が返ってこない。

 たっぷり五分、扉の前で待ってたら中から妹が覗いてきた。

 

 

「———ッ!」

「おはよう、霞」

「おはよう、お兄ちゃん!」

 

 

 良かった良かった。

 上機嫌な霞の顔を見れて思った。

 リビングの上に用意されていた物を見て、こんなのも分かってやれなかった俺が悪いと呆れて笑ってしまった。

 

 

 今日の約束は妹からお願いされたもの。

 どうせ、今日が楽しみで早く起きてしまい得意な料理でも作ってくれたんだろうな。

 二人暮らしの生活の中で、いつも料理を作ってくれる霞に感謝して、出掛ける約束を受けたんだからな。

 まぁ、初めの一歩はどうあれ助かっているのは事実だ。

 

 

 俺らは一緒に朝食を食べ、霞はスッカリ上機嫌になっていた。

 

 

「ご馳走さん」

「はい、お粗末様でした」

 

 

 時計を見れば時間は八時を回ったところだった。

 大抵の店は十時やら十一時やらに開店だし、今家を出てもショッピングモールまで電車ならそう掛からないから時間が余ってしまう。

 そう言えば、俺は何処に行くかなんて全く考えてないが、計画でもあんのかね。

 

 

「なぁ、妹よ。一応聞いておくが出掛けるっつっても何処に行くのか、とかは決まってんのか?」

 

 

 そう聞くと霞はおもむろに指を口に当て、妖艶な笑みを見せた。

 

 

「ヒ・ミ・ツ、だよ?」

 

 

 この笑みに当てられたら大抵の男はドキッとするんだろうな。

 俺の場合は、大人ぶってる霞は微笑ましいなとかしか思わんがな。

 兄妹なんてそんなもんだろ。

 妹の下着を見たところで只の布としか思わんしな。兄妹ってのは不思議なもんよ。

 まぁ、それは置いておいて。

 なんか碌なことにならねえ気がするのが、気の所為だと良いんだが。

 

 

「大丈夫か?兄ちゃん心配でしょうがないんだけど」

「大丈夫だって、お兄ちゃんは心配性だな〜」

「いや、お前の企みが成功した事無いから言ってるんだがな」

「今回はお兄ちゃんが抵抗さえしなければ全て上手く行くように計画したから大丈夫大丈夫」

「そうか。それは大丈夫だな、お前は。大丈夫じゃ無さそうな俺の身が心配だ」

 

 

 一体何をされると言うんだか。

 着せ替え人形程度の事なら引き受けるつもりだが、他には思い当たらん。

 取り敢えず結果として此奴が楽しめさえすれば良いと考えているだけ。

 とか考えてると、霞が唐突に腰を上げた。

 なんか張り切っているご様子で。

 

 

「さて、そろそろ出ようかお兄ちゃん」

「おい、まだ八時過ぎだぞ?何処の店もまだ開いてない時間帯だ」

「良いの良いの、どうせショッピングモールまで歩くんだから」

 

 

 家を出る準備をしながら軽々しく爆弾を投下した妹を思わずガン見した。

 は?此奴今何て言った?

 歩くっていった?

 確かにショッピングモールまで時間はそう掛からない。電車ならば。

 歩きって最悪一時間くらい歩くんじゃねえか?

 

 

「電車で良いじゃねえか。なんでわざわざ徒歩であんな所まで行くんだ?理由を述べよ」

「ん〜、だって、流石に電車の中だと恥ずかしいかな〜って思って・・・・・・・・・手を繋ぐの」

 

 

 やべぇ・・・・・・妹が何を狙って何をしようとしてるのか全く分からねぇ・・・・・・。ついでに言えば何を言ってんのかも分からん。

 え、まさか俺ってお兄ちゃん失格では?

 自分自身に軽く絶望して、自信を喪失した。

 

 

「おーい、絶望感が顔に出てるぞー。何に絶望してるかは分からないけど、大丈夫だよ!私はお兄ちゃん大好きだから自信持って!」

「はぁ・・・・・・そりゃどうも」

 

 

 今は気力使い果たしちゃ今日保たねえからな。

 霞の言葉は素直に受け入れておこう。

 

 

「そんじゃ、ま。行きますか」

「レッツゴー!」

 

 

 妹と共に玄関の扉を開き、外へと飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後心身共に過労迄する事になるのをこの時の俺はまだ知らなかった。

 

 

 

 




読んで頂きありがとう御座います。
今回もまた番外編なのですが、この小説ストーリー以外が地味に多い。
勿論苦情やら文句やらも受け付けてますよ、Twitterで。
ここの感想欄に悪いこと書いたら運営に勝手に消されるらしいので、
あ、Twitterは此方⇨ @Aaizayoi
当然ながら感想や指摘点、疑問点はここの感想でも大丈夫です。

えー、今回の番外編なのですが、番外編なのに新キャラ出しちゃいましたね。
やらかしたとか思ってないですよ?
ただ後悔してるだけ。
本編の方では区切りが着いたら次の章(予定)にでも出します。

因みに現メンバーは6人です(一人は仮)。
メンバーはいつでも募集中です。

感想、指摘などいつでもお待ちしています。
読んで頂きありがとう御座います。


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番外編 朧の休日・弐

えー、どうも、名無しだ。
二連続番外編、まぁこう言う事もあるだろ。
詳しくはあとがきで。
では本編へどうぞ。


 

 

 

 マジか、本当に歩きで行くのか。明日筋肉痛にならないかが心配だわ。

 こんな事なら日常的に運動しておくべきだった・・・・・・・・・。バイト中の運動だけじゃ足りないみたいだ。

 

 

 家を出て早二十分程経つが、こりゃまだ倍は掛かるぞ?本当に何で徒歩にしたの此奴。

 まぁ、此処まで話しながら楽しそうにしてるから良いけど。

 

 

「お兄ちゃん聴いてる?」

 

 

 うん聴いてる訳無いな。

 

 

「悪いな。お前が余りにも楽しそうに話すもんで見惚れちまってた」

「ありがとう!聴いてなかったんだね?」

「はい、すいません」

 

 

 思うんだが笑いながら威圧するのって結構凄い事だと思うんだよな。

 怖くて霞の顔が見れません。

 尻に敷かれてんなあ、俺。

 

 

「まぁ良いけど。そのお世辞は嬉しいし」

「おい、それだとまるで俺が嘘を吐いてるみたいじゃねえか。俺は事実しか話さんぞ」

「分かったよ。素直に受け取るから攻守交替しないで」

 

 

 そこまでして欲しい主導権って何?

 

 

「んで、何の話してたんだ?」

「うん。今日ってお会計全部お兄ちゃん持ちだよね、って話だよ」

 

 

 おや、まだ怒ってらっしゃる?

 やっぱ此奴結構根に持つタイプだよなあ。

 ところで財布に幾ら入ってたっけ?

 

 

「マジかよ。まぁ別に良いんだけどさ、コンビニ寄らねえか?そこそこ歩いたから喉乾いた」

 

 

 このままだと俺の財布もカラッカラになっちゃうから潤さなきゃ。喉乾いたのも本当だけど。

 

 

「フフッ、冗談だよ。でも私も喉乾いたかな」

「ま、飲み物程度なら買ってやるさ」

「うん、ありがと!」

 

 

 冗談で良かったわあ、いや本当に。

 兎にも角にも、五分も経たずにLAWCONと言うな藍と白の色のコンビニ店に着いた。

 いつもここ来る度に思うんだが、此処良く消されねえな。

 しかもチェーン店じゃないから此処一店しかねえ、つまり本店しか存在しないから簡単に潰れそうだな。

 学校帰りに良く寄るし、意外と品揃えは結構良いから潰れたら困るんだよな。

 そんな心配は他所に霞は店内に入って行く。

 俺も霞の後を追って店内に入ると、丁度いい冷風を全身に浴びた。

 よし決めた。

 

 

 ————————ドンッ。

 

 

「俺は何があってもこの店の味方になるぜ」

「え、は、はぁ、ありがとう御座います・・・・・・・・・」

 

 

 勢い良くレジカウンターに手を着いて俺は店員さんにそう宣言した。

 たった一店のみで他の大企業に挑む心意気に俺は酷く感動した!

 絶対に俺はこの店を裏切らねえぞ!

 勿論店員さんは喜んで俺をくれた。引き気味に。

 

 

「・・・・・・・・・何やってんのさお兄ちゃん。兄がすいませんでした!」

「グエッ」

 

 

 首根っこ掴まれて霞に引っ張られた。

 今のは危なかった。首の骨持ってかれるかと思ったぜ。一瞬だけ意識飛びかけたし。

 

 

「ん〜、どれにしようかなぁ」

 

 

 悪びれねえなぁ、さも当たり前のようだなぁ、慣れてんなぁ。

 俺は自分の分を手に取る。

 

 

「ん?お兄ちゃん、二本も飲むの?」

「此れがあると結構助かるわけよ。逆に此れ飲まねえと持たねえ」

「えぇ・・・・・・・・・なんか最近おじさん臭いよ、お兄ちゃん。年齢詐称してない?」

 

 

 我が妹の中で俺はどう思われてんのか酷く気になる発現だねぇ。

 確かに最近、霞の前ではダラけている事が多いかも知れねえけどな。

 確かに買い物行っては必ずおつまみを買うけれども。あ、酒は飲んでねえよ?

 

 

「言っとくけど、お前の名付け親って俺だからな?」

「知ってるよ、何度も聞いたもん。でもそれ聞く度に思うんだけど、お兄ちゃんって色々規格外だよね。あの二人から産まれたのかが怪しく思っちゃうくらいだし、本当は養子だったりして」

 

 

 此れは本当に酷いな。

 お兄ちゃん否定どころか、まさかの家族否定か。流石に泣きそう。

 俺は必死に涙を堪えました。

 

 

「人を他所者みたいに言うんじゃねえよ、滅多な事言うと首括るぞ?悲し過ぎて泣きそうになったわ」

「で?実の所どうなのさ」

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

「お前、本気で疑ってんのか?」

「・・・・・・・・・」

 

 

 女心は分からねえと最初に言ったが、考えている事くらいは大体の場合顔に書いてある。

 だけど、霞だけは本当に何も読めない。

 今のこの発現だって、どう言う意図なのか、本当に疑っているのか、そして何を思っているのか。

 霞はいつだって俺の想像を超える行動に出る。

 俺は、霞の考えを読めた事は今まで一度も無い。

 だから、どう答えれば正解なのかは分からないんだが、自分の答えを示すのみだ。

 

 

「ああ、正真正銘 “空亡 霧” と “空亡 忍” と血の繋がった息子だよ」

「・・・・・・・・・だよね!」

 

 

 はぁ、結構ドキドキしたぞ。

 なんでコンビニでシリアスしなきゃいけねえんだよ。せめて場所変えろよ。

 

 

「お兄ちゃんってお母さんと性格似てるもんね」

「やめろ。俺は将来お袋みてえな変人にはなりたくねえよ」

 

 

 あの人は色々おかしい。

 規格外ってのはあんな人の事を言うんだ。

 

 

「良し決めたよ!」

「んじゃチャチャッと会計行くぞ」

 

 

 俺たちは会計を済ませてさっさと店を出た。

 さっきみたいな空気がこの後もあるんだったら胃に穴が開きそうだ。

 やっぱ買っておいて良かった。栄養剤。

 俺はその場で飲み切りこの後のショッピングに備えるのであった。




えぇえぇ、名無しです。
今回も読んで頂きありがとう御座います。
いやね、俺も『次の番外編いつだそうかな』って考えてる側から上げることになるとは想定外だよ。
しかもいつ上げようか考えながらこの話書いてたから、急遽上げることになってじみに焦りました。
だからこんな短くなっちまったし、なんか無駄に謎増やした気がする。
まぁ、こんな終わり方したら確実に次があると、と言うか次があるの前提の話になっちゃったよ。
次の作者さんが色々あって今手間取ってるようだから代理で、ぶっちゃけ言うと時間稼ぎで今回俺が上げました。
これ以上色々言うと危ないんでこの辺で。

えー、誤字脱字訂正感想はいつでも受け付けております。
そしてメンバーは常時募集してます!
以上『no-name』でした。


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第13話 僚

フィラーです!
番外編を二つ挟みましたが、本編入れますよ!


「間知先生~例の人達から原稿が上がって来ているようですがどうすればいいですか?と先方から連絡があったのですがどうします?」

私が朝の支度をしている中、私の担当編集の中尾花楓さんから電話があり、応答一番にこう告げられた

「それって今どこにありますかね」

「今日社の方に持っていく予定だったらしく、まだ寮の方にあるみたいですけど~どうします~?」

「それなら学校に登校するときに取に行きますので封筒に入れておくように言っておいてください」

そう言って私は電話を切り、寮の方に行ってから登校するための家を出る時間を逆算しながら朝の支度をしていった。

 

「間知ですが益田さんいらっしゃいますか?」

寮の方についた私はインターホンを押し、そう告げた。

しかし、出て来たのは寮生の二人だった

「先輩、来ていたのですね」

「来なくてよかったのに…」

「なんですって?!」

「そっちこそ!」

そう言っていがみ合っているのは上から岸上香純(きしがみかすみ)赤沢煌星(あかざわきら)で学年は共に一つ下の高校一年生だ。

「あなた達はどうして仲良くできないのやら…」

「貴女がいないときはまだましなのですけどね…で、はいこれ、今回の分の原稿ね」

そう言って原稿を渡してくれたのは寮母である益田永恋(ますだえれん)さんだ。

「いつもすみませんね。」

「いいですよ。ここでの仕事は結構やりがいもありますし、結構楽しいのですが何分あの子たちの小説を誰よりも近くで応援出来るのですから、もしヒットしてくれたりしてくれたらそれ以上の幸せはありませんよ」

その言葉を聞いて私はここで受け取った小説を味わうように読んでいこうと心に決め、これから読む作品に対し、心から楽しみになっていた。

その一方でいつもの二人の様子を思い浮かべつつ、その様を文に綴るのもありなのかもと考え、こう言った。

「益田さん、もしよかったらで良いのですけども、普段の寮の様子を文にしてもらう事ってできますかね?もちろん二人には内緒で」

「別にいいですけども、何に使うのですか?」

「別に深い意味は無いのですが、けんかしている二人しか見ていないので、普段は喧嘩していないと言われてもしっくりこないわけなのですよ…でも、いいなと思う部分がありましたら私の小説に少し流用させてもらうかもしれませんけどね」

「そういう事でしたら、私も昔は小説を書いていた時期もあったので書かせてもらいますよ。でも、クオリティは求めないでくださいね。書いていたといってもwed小説止りなのですから」

「ありがとうございます。では、それも次からは楽しみにしておきますね」

そう言って、益田さんの仕事が増えたわけだが、案外本人も乗り気であり、二人の日常の風景も感じ取れることに感極まりながらも、二人の後輩に悟られぬようにこう言った。

「お二人さん!いがみ合ってないで、もうそろそろ学校行かないと遅刻するよ!なかなか行けなくなったりもするんだから行けるうちは行っておきなさい!」

「「はーい」」

「あらあら、お母さんみたいなことを言うのね…」

「益田さんは茶化さないでくださいよ…では行ってきます」

「「行ってきます!」」

「三人とも、行ってらっしゃい」

そうして私にとっては沙羅場開け一回目の登校であり、初めての寮からの登校となるのであった。

その最中、岸上さんと赤沢さんの言い合いが止まることは無く、私は、こう衝動的に言っていた。

「あなた達、そんな様子だったら今回の原稿読まずにシュレッダーにかけるよ!」

その途端、二人はおとなしくなたが、本当に二人は仲がいのかと、少し心配に思えてきて、益田さんからの文に少しは期待しようと心に決めたのだった。

 




誤字などは@fira49081までお願いします


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第14話 サブミッションの失敗と再受注

どうも名無しです。
今回ですが色々ありまして凄く短いです。
取り敢えずどうぞ。


 

 

 

 

 

「さて、別棟とは言え結局また屋上か」

 

 

 本校舎と少し間はあるものの平行に並んで建てられている別棟。

 その屋上にて俺は立っていた。と言うか立ち尽くしていた。

 昼食を食べる為に飲み物は買った。

 此れで昼食の準備は済んだ。

 後は昼食を食って午後の授業に出れば良いんだが、一つ忘れていた事がある。

 右手で持っている積まれた数冊の本。

 

 

「・・・・・・・・・図書室寄るの忘れてたな」

 

 

 一体俺はどれだけ食欲が酷かったんだ?

 自分で思うにそう急く程腹が減っていたようには感じられなかったんだが、どうやらこの短時間のゴタゴタは俺に空腹を軽く思わせる程の大事だったらしい。

 なんかややこしくなったが要するに、任務と空腹を忘れる大事だった、と。

 ・・・・・・・・・と言うか短時間の中に色々詰め込み過ぎだろ。

 

 

 本校舎の屋上にある大時計を見れば、既に五限目が始まる時間をとっくに超えていた。

 

 

「あー・・・・・・・・・まぁ、良いか」

 

 

 学園長との約束を破ってしまった、とは思っていない。

 理由は単純。学園長は『この後の授業に出れば』みたいな事を言っていたわけだが、そこに何限とは明言されていな。

 あの人は学園長と言う立場にあっても子供のようにはしゃぐ変人だが、頭の回りは常人を超えて早い。

 さしずめ、俺と会った時に鞄の中のサンドイッチが見えたのだろう。そこから俺が昼飯がまだだと考え、俺の性格上の授業よりも食事を優先する事を知っていたのだろう。

 多分こんなところか。だから五限ではなくこの後と言ったんだろう。

 

 

 さて、そんな事はどうでも良い。

 流石に腹が減ったし、これ以上は食事が何よりも優先だ。

 俺は日陰に入っているベンチに座って鞄からサンドイッチと先程買った飲み物を取り出した。

 ついでに一冊の本も一緒に取り出す。

 食事をしながら読書とは良いものだと思うが、借り物を汚すのも忍びない。だから俺は予め鞄に入れておいた自分の所有物である本を用意していた。

 この本を読むのはもう此れで何度目になんのかね。

 まるで古くからあるかのような汚れ方をし、最後のページには栞が挟まっている。

 俺は最初のページを開いて同時にサンドイッチに被り着いた。

 

 

「んっ・・・・・・・・・悪くない」

 

 

 凝った物を作るのが面倒臭くて簡単な物をと用意したが、案外結構いける。

 次々と食は進み気がつけばサンドイッチを全て食べ終えていた。

 本も半分程読み終え丁度良いところで閉じた。

 まだ五限が終わるまでは時間があるが、腹は満足した。

 

 

「・・・・・・ちっとばかし早いがもう行くか」

 

 

 今から向かえば丁度良く五限目が終わるくらいには着くだろう。

 授業間の休憩時間に教室に居れば周りから見られるだろうが、その程度ならば既に慣れたようなものだし、そんな小さい事よりも学園長との約束の方が俺には重要に思えてしょうがない。

 

 

 と、言う訳でサンドイッチを包んでいたラップと空になった一本のペットボトルを鞄に突っ込み、鞄と積まれた本を持って俺は屋上を後にした。

 別棟の屋上の出入り口は本校舎と違う構造で、廊下までちゃんと余裕のある距離感になっている。

 それ以前に別棟には殆ど人が居ないから注意する必要も無いがな。

 

 

「そんじゃ、先ずは図書室に行くとしますかね」

 

 

 











—あとがきー

さて今回短いっすね。
いやぁ、こんな事になるなら番外編じゃなくて本編に力入れておけばよかったな。
急遽書き上げたのですが、焦っていたせいなのか内容が全然思い浮かびませんでした。
それで時間を食ってしまった。
まぁやらかした。
ちょいと幾ら何でも進みが遅すぎると感じる。
と、いう事で俺の番外編は最低でも五話以上は間を空けます。
本編に集中せねば。

えー、誤字脱字訂正感想を感想やらTwitterやらにてお待ちしております。
勿論の事、メンバー募集は常時行なっておりますので宜しければお願いします。
ではまた。


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第15話 山田看病される、山田の兄は…

えー、今話の作者は『sirota』です。
では本編どうぞ。


 

 

 

強力な力を持った食パン事件容疑者が蹴ったことにより山田親衛隊ピラミッドが作られる。しかし、負担は山田に集中され奇跡的に山田のみ負傷…他無傷であった。山田親衛隊は急いで保健室に運ばれ、クラス全員を3限欠席にする力を山田は手に入れたのであった。

 

 

どうも、佐藤です前前話かな?で副隊長とか言われてたやつです覚えてないよな…訳分からんことになっていますが面白いことになってるので隊長の林にくっついて御一行様と一緒にSABORIをしてしまっているわけだが…

 

 

「山田!大丈夫か!!」

 

 

「山田!」

 

 

「起きろ山田!!」

 

 

林…なぜ山田を姫抱きに来て走る?山田は姫か!姫なのか!

 

 

ってか人数がおかしい…皆面白がって集まってるのかと思えば大半はそうじゃない。真剣に山田を心配し起こそうとしている。

 

 

「センッセエエエエエェェェェェェェエエエエエ」

 

 

その抑揚はなんなんだ…

 

 

「先生!山田くんが!」

 

 

「山田が!」

 

 

「目を開けないのです!」

 

 

いや当たり前だろ気を失ってるんだから、お前ら全員上に乗せたら誰でも意識飛ぶって。

 

 

「はいはい、うるさいですよ保健室はお静かに…あら、山田くん?」

 

 

保健室の南先生、みなみちゃんは美人の男性だけどおネエじゃないかと噂されてるほど言葉使いがそっち系だ。だけど美人だからそれもあっている。

 

 

「山田ぁぁぁぁー!!起きろ!起きるんだ!」

 

 

「おいおい!林なんかキャラくっついてんぞそんなキャラじゃねーだろ普段!ってか山田をビンタするな!」

 

 

あまりにも林が山田にビンタするものだから頬が赤くなってしまってる。

 

 

「隊長!何やってるんですか!山田くんに…なんて事を…」

 

 

「寝たら…寝たら最後なんだよ…」

 

 

なんか林の言葉に皆何故か納得したのかしんみりとした雰囲気になってるけどさ。

 

 

「それ冬に遭難した時に言う台詞な??」

 

 

マジで呆れるこの軍団。

 

 

「連絡しといたのでもうそろそろ家族の方が見えますよ」

 

 

みなみちゃんの言葉で皆が一斉に反応し目がキラキラしだしたのがわかった。

 

 

「これから山田くんの家族がみれるの??私嬉しいー」

 

 

キャッキャウフフの女子達、どんな人が現れるのか興味津々の男子達…俺このノリついていけない…。

 

 

そらから30分みなみちゃんに何故こうなったのか説明した。なんせクラスの大半がいるわけで、話したい人が沢山でワチャワチャした状態。

 

 

バシッ

 

 

勢いよくドアが開く音がして見てみると山田とは似つかない高身長顔面偏差値レベル高しが現れた。山田看病される、山田の兄は…

 




どうでしたか?
面白かったですか?
誤字脱字感想はいつでもお待ちしております。
ではまた会いましょう。

以上、代理の名無しでした。


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第16話 性格の変化

おはこんばんにちは 楼玖渡です!
続きを投稿しますよ!


相生は図書室の前で手紙の入った封筒を持ったまま中を見るか見ないかを考えていた。そして決心を固め封筒を開けかける時、一人の女の子が走って駆け寄ってきた。

 

「あっ、姫ちゃん居た!探したよ」

 

相生は手に持っていた手紙をポケットに隠すように押し入れた。

 

「探してた?どう言う意味ですか?」

 

友達は息を切らしながら言った。

 

「日高君と…図書室に居たって…本当…?」

 

「えっと、さっきまで居たけど今はもう居ないですよ」

 

すると突然、相生は友達に肩を捕まれた。

 

「話した?嫌なこと言われたり、されたりしてない?」

 

「別に何も、でもそれはどう言う意味ですか?」

 

その友達から話を聞くと日高は小学生の頃、手がつけられない程の厄介者だったそうだ。

中学になってからも性格は変わらず、教卓ごと担任の先生を蹴飛ばしたことがあったり、喧嘩ばかりしていた。

しかし、二年の半ばになってからは今までのことが嘘のように人が変わり勉強に打ち込むようになった。

 

「昔はそんな性格だったなんて、それ本当ですか?」

 

しかし、相生は喧嘩ばかりしていたっと言う言葉を聞いた時、思い出した。図書室で二人の男子生徒が騒いでいるとに時、追い出した時のことである。その時の日高が異様に強いことをしっかり覚えている。

 

「そんな情報何処から?」

 

「他のクラスの子達が廊下でそう言ってたのが聞こえたから」

 

「で、一緒に図書室で喋っていることを知って何か言われているって思って来てくれたってことですか?」

 

「そんなことろかな…心配だね」

 

その友達は相生に優しく笑って見せた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

今とは全く違う日高の性格の変わりように相生は難しい顔をして考えていた。

 

(もしかして何かあった?)

 

そんな様子を見ていた友達がまた口を開いた。

 

「ただの噂じゃあない?」

 

「えっ?噂なんですか?」

 

友達の発言に相生は再び考えた。そんな厄介者なら先生から厳重注意を受けたりするのだはないのか、喧嘩の件に関してもそうだ。学校から親に連絡が入ったりするものではないのかっと言うことだった。

そしてそんな問題を起こしている人物が受験する高校に

生徒の情報が入っていない訳がない。

それにどんなに二年の半ばから猛勉強しても残りの一年半良い成績を取っていたのだろうか。相生の頭の中に色々な謎や気になることが次々浮かんでくる。

 

「考えるのやめましょう、何故私が彼のこと考えないとけないのか…」

 

「って、言ってるけど本当は気に…」

 

「なってません!」

 

「そうですか?」

 

強がって言ったものの相生は内心、日高の性格を180度も変えた出来事が何なのか気になって仕方なかった。




ここまで読んで頂きありがとうございます。
今回はちょっと謎っぽく書いてみました!



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スランプ

今回はフィラーです!

視点は管井ですので間違えないようにしてくださいね...
そうじゃないと盛大なキャラ崩壊を起こします


一時間目の授業が終わり、次の授業の準備をしていた時に、担当編集の方から一通のメールが私の携帯に届いていることに気づいた。その件名はいつもの原稿催促のものでは無かったのでその場で見ることにした。

 

「貴女とペアを組んでいた、舟橋(ふなはし)さんが先ほど病院に搬送されました。命に別状はないようですが、病状については電話で話させていただきたいです。なので都合が合うときでいいのでこちらに電話してきてください。ただ、間知先生まで倒れられるとこちらとしても大変ですので、お体に気を付けてお過ごしください。」

 

私も何度か私の小説の表紙デザインをしてくれている舟橋彩七(ふなはしあやな)さんの所にはお邪魔させてもらっていたが、私よりも健康な生活をしていた人だった。なので、何故倒れたのかが気になり、彩七の事が気になって集中して受けることの出来ないであろう2時間目の授業を飛ばすのも視野に入れつつ編集に詳細を聞くことにした。

 

まだ午前中だからなのかは分からないが無人の屋上に出て私は担当編集に電話を掛けたら数秒足らずで出てくれたので、つながったとたんに私はこう言った。

 

「彩七は大丈夫なんですか?」

 

すると、担当からは少し諦めの混じった声で言った

 

「今は大丈夫ですよ。でも、スランプが続いていたらしく、まともに飲食もせず、睡眠もとっていなかったそうなので、もう少しこちらが発見するのが遅れていたら栄養疾患で大変なことになっていたかもとのことでした」

 

その報告を聞いて私はそんなにひどかったなら一言言ってくれたらよかったのにと心の中で愚痴っていたが、よくよく考えると彩七は人に相談するのが苦手で、一人でため込みやすい性格なのでスランプに陥ったなんてことになったりしたらばれないように必死になるだろうと自分の中で結論を出していた。

 

「それなら安心しました。病院の方は編集部近くの病院ですよね。」

 

「はい。そこの316号室です」

 

「それなら、帰りにでも寄って少し活を入れてきますよ...」

 

そう言って電話を切り、私も連載決定当時はスケジューリングをミスってよくあの病院に運ばれたっけと昔を思い出して少し懐かしくなりつつも仕事上の関係から親友にまでなった彩七の事を少しでも励ましてあげようと私なりに考えてみることにした。

 

少し昔話をしよう。これは私がネット上で小説を投稿していた時のことだ。

最初の方は自分が書いた小説を見に来てくれる人は少なく、気楽に書いていた。

しかし、だんだんと口コミで広がっていき、私はその小説を気楽に書くことが出来なくなった。

”次は一週間後に上げよう”という思いと、”まだ次の話の骨組みすら出来てないよ...”という不安とが混ざり合い、書いても書いても評価の二文字が頭をよぎって納得のいくものが書き上げることが出来ず、気分転換に別作品をどこにも上げることなく書き続け、最終的にはメインの小説よりも趣味の作品の方が出来がよくなっていた。

そうなってくるとメインで書いていた小説を書くたびに矛盾が出てないか...タイピングミスが無いだろうか...と気になり始め、ついには趣味の方もネットに上げているメインの方も両方とも書けずに筆が完全に止まってしまっていた。

そんな時、一通の応援メールが届く。

 

「いつも楽しみに読ませてもらっています!キャラの絵を非公式ながら書かせていただきました!私生活も大変かと思いますが、更新まっています!sienne.jpeg」

 

このコメントを読んで、言葉だけの私の小説に光が差し込んだ気がしました。

添付されていた絵はその当時書いていた小説のキャラの特徴を見事なほどに表現していつつ、少し荒いところもある絵でした。

その絵を見たとき、私の頬には人知れず一筋の涙が流れていました。

 

”書き続けてて良かった。私はこれからもこの人からもらった勇気を胸に書いて行こう”

 

そう思えるほど私の心に響いたのです。

 

私がスランプになったときに届いた、スランプ脱出するきっかけを作ることが出来るきっかけをくれた一つのファンレターを思い出し、それも彩七が書いてくれたものだったっけと思うと今度は私が励ましてあげる番だと言わんばかりに一つ筆を執り、私もスランプに陥ったことがあり、その時に一通のファンレターから勇気をもらったその時の状況を思い出し、たとえ自分が気にくわなくてもその気にくわないは成長の助けになってくれるということを書いた文章と共に今日の終業のチャイムを待つのだった。




誤字などがあれば@fira49081までお願いします


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