夢を見る少年の願い (仮面の人)
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第一夢

最近書きたい物のアイデアがバンバン出て来ます。その内また、新しいのを上げます。


夢を見ている。幼い頃から見ている夢を。僕にはこの夢が何なのかは、まだ分からない。でも何となくだけどもうすぐ分かる気かがするんだ。彼等は何時も仲間と共に過ごしてる。欲しいなぁ〜僕も彼等の様に死に立ち向かう勇気を持った仲間が。誰にも見せたくない自分の影を知られても変わらず接してくれる仲間が。夢が霞み始める。あぁ目が醒めるのか、また見たいな。彼等の嘘みたいな一年間を。

 

「朝か……ご飯作って着替えて学校行かないとね」

 

僕の名前は宇佐美 心。名前の読み方は こころ じゃなくて しん だから間違えないでね。

 

「心 朝ごはん 我 お腹すいた」

 

「分かってるよ、少し待ってて。ちゃちゃっとご飯作るから」

 

彼女の名前はオーフィス。二年くらい前に突然僕の前に現れて「我 その力 知らない グレートレッド倒せる力かも 我に力を貸して」何て訳のわからない事を言い出したんだ。その後曹操って名前の人が助けてくれたんだ。曹操さんと一緒に家に来てもらって詳しく説明してくれてその時曹操さんに失礼な事言っちゃったんだけど曹操さん「気にしてない。むしろ感謝する、俺たちは酷い勘違いをしていたみたいだ。君のお陰で気づけた」何て言われたから気にしてないけどね。結局、オーフィスは居候として家に残る事になったんだ。

 

「はい、ご飯出来たから座って食べてね」

 

「頂きます」

 

オーフィスは無表情に見えるけど二年も一緒にいる僕には分かる。今は凄く嬉しそうにご飯を食べてるってね。さて僕も食べないと遅刻しちゃう。

 

「学校行って来るから、留守番お願いね。オーフィス」

 

「我 留守番得意 心のベットで寝てる」

 

「あはは……構わないけどね。じゃ、行って来ます」

 

「行ってらっしゃい」

 

僕が通う高校は駒王学園。二年前から共学に変わった高校で男子は女子と仲良くしたいからって受験する人が多かったらしい。その代わり倍率が凄く高かったんだ。僕?僕はただ家からの距離が近かったからかな。

 

「おはようございます、心ちゃん。今日も頑張りましょうね」

 

「姫島先輩。何度言えば分かるんですか?僕の名前は こころ じゃなくて しん です」

 

「でしたら私の事も姫島ではなく朱乃と呼んで下さい。呼んでくれるまで心ちゃんと呼びます」

 

「お断りします」

 

彼女は三年生の姫島朱乃先輩。駒王学園では二大お姉様の一人。一つ上の幼馴染なんだ。

 

「あら?朱乃如何したの?」

 

「リアス。いえ、心ちゃんが私の事を名前で呼んでくれないんです」

 

「グレモリー先輩、僕の名前は しん です」

 

彼女はリアス・グレモリー。二大お姉様のもう一人。当然三年生で僕の一つ上の先輩さ。

 

「グレモリー先輩、今日は日直なので先急ぎます。学校でまた会いましょう」

 

僕は少し嘘を付いて学校に急いだ。

 

 

 

学校に着いた僕は迷わず自分のクラスに辿り着く。

 

「おはよー」

 

「おはよー、心くん」

 

「オッス、宇佐美」

 

「心くん、登校してすぐなんだけどあの3人どうにかしてくれない?」

 

「はぁーまた?」

 

「う、うん」

 

「仕方ない、僕が如何にかするよ」

 

「ありがとね」

 

「おい見ろよ一誠!このねーちゃんの胸!凄いだろ!」

 

「うおおおお!!まさに爆乳!最高だぞ元浜!」

 

「まだまだだな。俺が持って来たお宝を刮目せよ!!!」

 

「「ナァニィィィ!!!褐色爆乳ねーちゃんのAVだとぉぉ!!」」

 

「ナニヲシテイルノカナ?」

 

「「「ゲッ!!!心!!!」」」

 

彼等は駒王学園で悪い意味で有名な3人組。セクハラパパラッチとエロ坊主の異名を持つ松田。エロメガネやスリーサイズカウンターの異名を持つ元浜。おっぱい魔神の異名を持つ兵藤 一誠。彼等は学校に不適切な本やDVDを持って来たり、覗きを働いたりする女性の天敵だ。僕は彼等を許せなくて去年からずっとお仕置きして来たんだけど流石に堪忍袋の尾が切れたね。

 

「モウイチドダケ、キクヨ?ナニヲシテイルノカナ?」

 

「し、心だって男なら分かるだろ!俺たちは女体の神秘に付いて熱く語り合ってるだけだ!」

 

「そ、そうだ!自らの内から溢れる情熱に従ってるだけだ!」

 

「それの何がいけないんだ!!」

 

「……………」

 

「何か言ってくれよ!無言が一番怖いんだよ!」

 

「自らの行動で何を知れた?何をしても満たない己の欲望か?愚か者が 首を出せ」

 

「「「怖すぎだろそれ!!!!」」」

 

僕の発言で3人組は両手で首を押さえてる。クラスメイトも女子は数人泣いてるし、男子はタケシみたく教室の隅でマナーモードになってる。一部のクラスメイトは恍惚とした表情で座り込んでる。…………もうダメだろこの学校。

 

「そ、それなら心だってアレ持って来てるじゃないか!」

 

「僕は学校側に許可貰ってるから校則違反にはならないんだよ」

 

僕は鞄からある物を取り出す。それはオモチャの拳銃。だけどこの拳銃の名前は召喚器。僕の見ている夢で出てくる物だ。

 

「何でオモチャが許されて俺らのお宝が許されないんだよ」

 

元浜が不満気に呟くのが聞こえたから理由を説明しなくちゃね。

 

「コレは両親の形見なんだよ」

 

「あ、その、わ、悪りぃ」

 

「うんうん。別に良いよ?僕だって両親が死んだ時の記憶、無いんだ。違うね、正確には断片的にしか記憶が無いかな?」

 

そう、本当に断片的にしか憶えてないんだ。轟々と燃えるバス、焼け爛れた人らしきモノ、何者かに殺された両親。意識がハッキリした時には既に病院のベットの上、二週間寝たきりだったらしい。その後警察に事情聴取を受け、その時召喚器を受け取った。救急車に搬送される時には既に持ってたらしい。僕には覚えが無いんだけどね。

 

「さて、朝から重い話を聞かせちゃったね。此処は変態3人組が一発芸をお詫びとしてやってくれるって」

 

「「「やらねよ!!」」」

 

そんな感じで今日も平和に学校生活が送れそうです。



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第ニ夢

最近、ペルソナ5を買いました。ペルソナ5のペルソナも作品に登場させる予定です。


あれ?何この部屋。僕は確か、疲れたから寝た筈なのに。真っ青で何も見えない。

 

「おやおや?これはこれは珍しい。貴方様が此処にいらっしゃるなど、大変珍しいですねぇ」

 

声の主はこの不思議な空間の奥に居た。目が慣れる。其処は青い、いや真っ青なリビングだった。声の主はおじさんだった。鼻が異常に長いおじさんだった。

 

「ようこそ、ベルベットルームへ。私共は貴方様を心からお待ちしておりました。貴方様が初めて此処を訪れた事は昨日の様に思い出せます」

 

ベルベットルーム?僕は此処を一度訪れた事があるのか?でも記憶に無いぞ。

 

「えぇ、記憶に無いのは仕方ありません。貴方様が初めて此処を訪れた時はご両親がお亡くなりになられた時ですから」

 

「ッ⁉︎知ってるの⁉︎教えて!」

 

おじさんは首を横に振る。

 

「申し訳御座いませんが、それは出来ません。私共が手助け出来るのは貴方様にこれから訪れるであろう様々な困難に対する手助けだけです」

 

困難?まさか曹操さんが言ってた裏の事情に巻き込まれるとか?

 

「それは判りませんが、何かしらの非現実的な事に巻き込まれるかと」

 

非現実的。彼等みたいな感じかな?

 

「あの御三方の事ですか?」

 

「え?彼等を知ってるの?って三方?」

 

「彼等。では無く、ワイルドの御三方は過去に此処を訪れて居ます」

 

ワイルド?最後の一人はまだ夢に出て来ないな。

 

「えぇ、ワイルドとは、複数のペルソナを所持出来る。何事にも囚われない存在。カードゲームのワイルドカードの様な物です。勿論貴方様もワイルドで御座います」

 

ワイルド、僕もワイルド。少しだけ嬉しいな。

 

「さて、そろそろお別れのお時間になります。今は夢の中で御座います。次、ベルベットルームを訪れる時はこちらをお使い下さい」

 

おじさんから青い鍵を貰った。

 

「それは契約者の鍵。ベルベットルームに自由に訪れる事が出来る様になります」

 

そうなんだ、これは良いものを貰ったね。さて、これだけは口にしないと。

 

「ありがとう。鼻の長いおじさん」

 

「私の名前を言い忘れてました、私の名前はイゴールです。それでは、またのお越しをお待ちしています」

 

 

 

 

 

「心、起きて、遅刻するぞ?」

 

「オーフィス、だったらどいて。お腹の上に乗ってたら起きたくても起きれないんだけど」

 

「ん、おはよう、心」

 

「おはよ、オーフィス。………で、一体何時、降りてくれるの?」

 

オーフィスは渋々降りてくれた。さて、今日も元気に学校生活を楽しもう!でも、困難か、一様オーフィスに伝えといた方が良いかな?

 

「オーフィス、もしかしたら今日、遅くなるかも。いや、これから遅くなるかも?」

 

「何故?」

 

「夢でね。鼻の長いおじさん、イゴールさんからこう言われたんだ。貴方様はこれから何かしらの形で困難に巻き込まれる運命にあります。気を付けて下さいってね。嘘臭いけど、あり得ないなんてあり得ない。何処かのホムンクルスの言葉道理だよ。この世界には悪魔も天使も堕天使も、ましてや神龍だって居るんだから。一様伝えたよ。行って来ます。オーフィス」

 

「うん、分かった、曹操達に伝えとく、行ってらっしゃい、心」

 

 

 

 

「あら?貴方は確か、そう!心だったかしら?」

 

登校途中にグレモリー先輩と一誠に出会った。???何で一誠がグレモリー先輩と一緒に登校してるんだ?

 

「一誠、一誠。何で一誠みたいなもはや救いようの無い屑で馬鹿で阿保で取り返しの付かない程の前歴がある変態がグレモリー先輩と一緒に登校してるの?」

 

あれ?一誠が吐血した。何で?しかも周りはドン引きしてるか、ガッツポーズしながらよく言った!とか叫んだり、私も罵って下さい!とか訳わからない。後、最後の子僕はそんな趣味無いからね?

 

「えっと、ほら、急がないと遅刻するわよ?」

 

「そうですね。一誠如きに時間を取られて遅刻したなんてそんな事態になるならいっそ、学校サボりますよ、僕は。では、お先に失礼します」

 

グレモリー先輩にそう告げた僕は学校に向かってダッシュ!後ろで一誠か死に掛けてて、グレモリー先輩がパニックになってるのは気にしないキニシナイ。

 

 

 

 

放課後になって、一誠が木場君に呼ばれて、腐女子が喜んでだけど僕には関係無いね!…………僕を題材にした薄い本があったら全力で辞めさせてやる。

 

「よ!心ちゃん」

 

「何?桐生さん。僕に何の用?あ、ノートなら貸さないからね」

 

彼女は桐生愛華。どんな人にも平等に接してくれる人。クラスには必ずいるムードメーカー的存在だ。

 

「いやいや、私は自分でノート取ってるし。今回はちょっとした噂話だよ」

 

「噂話?」

 

「そ、噂話。学校から南西方向にある工場跡地に化け物が出るって噂」

 

「へー、で、そんな話を僕にして何の得になるの?」

 

「あれ?こうゆう話苦手じゃなかったけ?」

 

「僕が苦手なのは化け物じゃ無くて、幽霊だよ。忘れないでね。てか、僕に幽霊関連の話を振った瞬間、折るよ?」

 

「は、はい!てか、何処を!何処を折るの!!」

 

「さて、何処だろうね?」

 

その後も色んな話で盛り上がった。

 

話し込み過ぎて夕方になっちゃったよ。でも、化け物の噂話か。気になる。確認しに行くか。

 

 



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第三夢

「部長、本当にこんな所にはぐれ悪魔がいるんですか?」

 

「えぇ、大公からの依頼が間違ってなければだけどね」

 

「大丈夫だよ、兵藤くん。僕の使い魔で先に確認しといたから」

 

「流石、祐斗先輩です。何処かの変態とは大違いです」

 

「あらあら、小猫ちゃん。余りいじめてはいけませんよ?」

 

日の暮れた時間帯。工場跡地にて、リアス・グレモリー眷属がはぐれ悪魔を狩るために集まっていた。悪魔、この世界には悪魔、堕天使、天使、龍、神といった神話上の存在が確かに存在する。此処にいるリアス・グレモリーは悪魔の駒(イーヴィルピース)を使い、眷属を増やしている。悪魔の駒。悪魔が自らの種を繁栄させる為に使っている駒。他の種族を強制的に悪魔に変える代物。元はアジュカ・ベルゼブブが一人の女性と愛し合う為に造られた物。これを貴族が勝手に普及させ、悪魔は眷属探しに躍起になっている。他にも人間が眷属探しの標的になっている原因があるがこの説明まだしなくても良いだろう。今、リアス・グレモリーの眷属は以下のメンバーである。女王の姫島 朱乃。騎士の木場 祐斗。戦車の塔城 小猫。兵士の兵藤 一誠。後、この場に居ないがもう一人僧侶の駒を使って転生した者がいるがこの場に居ないので説明は省かせて貰おう。

 

「さて、皆。気を引き締めて。此処にはぐれ悪魔がいるわ」

 

「は、はい!」

 

「落ち着いて兵藤くん。今回、君はまだ、戦わないんだから」

 

「そうよイッセー。貴方は私達の戦いを見学するのが今回の任務なんだから」

 

「わ、分かりました」

 

一誠が深呼吸をしている間、小猫は鼻を効かせていた。

 

「………ッ⁉︎部長、中に悪魔以外の匂いがあります。これは……宇佐美先輩?」

 

「ッ⁉︎小猫、それは本当?」

 

「は、はい。私が宇佐美先輩の匂いを間違える筈がありません」

 

「小猫ちゃん、この際何で心ちゃんと知り合ったかは問い質さないとして、本当に心ちゃんなの?」

 

「絶対です」

 

「リアス、直ぐに行きましょう。心ちゃんを助けに」

 

オカルト研究部のメンバー達は工場跡地に向け走り、入り口を蹴り飛ばし侵入。入り口からさらなる奥へ進み、広い空間に出る。そこで見たのは下半身が鰐の様な物になっている上半身裸の女性と自らの側頭部に銃口を当てている宇佐美の姿だった。

 

 

時は遡りオカルト研究部の面々が先程の場面を目撃する少し前。

 

う、うぅ。せ、背中が痛い。猛烈に痛い。何が起こったんだっけ?確か…………そうだ、桐生さんの話を信じて工場跡地に来たんだった。そこで何かを見て、いっ⁉︎これ、骨折れてるね。

 

「へぇ、まだ生きてたのかい?人間の癖に随分と頑丈だねぇ。ま、その方が食べ応えがあるってもんだよ」

 

「化け物?」

 

「違うね、アタシは悪魔だよ。ただし、はぐれだけどねぇ」

 

「悪魔、悪魔ね」

 

顔を起こし、声のする方に目を向けるとそこにいたのは化け物、いや、彼女の言葉道理ならはぐれ悪魔がいた。

 

「さて、もう少し楽しみたかったんだけどね。派手に暴れ過ぎたみたいだよ。後、10分後位に討伐隊が来る筈だから、その前にアンタを食べてズラかるとしますか」

 

「食べる?」

 

食べられる?僕が?この悪魔に?嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!まだ死にたくない。僕は両親の仇を取らなきゃいけないんだ(・・・・・・・・・・・・・・・・・)!痛む身体を無理矢理動かして逃げようとする。だけど身体は上手く動かない。ふと、身体を動かした拍子に手に召喚器が当たる。その瞬間、頭に声が響く。

 

 

 

さぁ、覚悟を決めて

 

 

 

今、この瞬間

 

 

 

君の運命は変わる

 

 

 

そして君は君の両親の事も、君の失われた記憶も

 

 

 

そして、この世界の真実さえも君は暴く事になるだろう

 

 

 

さぁ、世界を切り開け!

 

 

 

僕はその声を聞き、冷静になる。そして、先程までの痛みが嘘の様に立ち上がり、側頭部に召喚器の銃口を押し当てる。多分、今の僕の表情は嗤っている。不敵に、そして狂った様に嗤っている。大きな音が聞こえたので多分誰かがこの場所に入って来たみたい。それでも止まらない。僕はそのまま、あの、彼等が呟くある言葉を紡ぐ。

 

 

 

ーーーーーぺ

 

辞めろ!心!

 

一誠の声が聞こえる。

 

 

ーーーーール

 

止まりなさい!心!

 

グレモリー先輩の声が聞こえる。

 

 

ーーーーーソ

 

早まるな!宇佐美くん!

 

木場くんの声が聞こえる。

 

 

ーーーーーナ!

 

辞めて下さい宇佐美先輩!

 

小猫ちゃんの声が聞こえる。

 

 

 

最後の掛け声と共に引き金を引く。

 

 

辞めて、私を置いてかないで、心ちゃん!

 

姫島先輩の声が聞こえる。

 

 

甲高い音が鳴り響き、僕の周りに青いガラスの破片が舞い散る。そのガラス破片は徐々に舞い上がり、人の形を模る。

 

 

 

我は汝 汝は我

 

 

我 汝の心の海より出でし者

 

 

幽玄の奏者 オルフェウスなり

 

 



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第四夢

「な、何だよ。アレ。アレも神器(セイクリッド・ギア)何のか?」

 

「た、多分だけど。そうじゃないかな?」

 

「見た事の無い神器ね。是非とも眷属にしたいわ」

 

神器(セイクリッド・ギア)。聖書の神が創った物。神が人々に与えた力。人類史上、様々な偉人や英雄は神器を宿していたとされている。神器には様々な力があり、その中には神が自らの力で封印した者達の魂が込められた物がある。これを神滅具(ロンギヌス)と言い、13あるとされている。先程、人間が悪魔に狙われている理由にこの神器が大半の理由を締めている。

 

「召喚系の神器ですか、でも、召喚の仕方が個人的に嫌ですね」

 

「そうね、私も嫌よ。それにしても……心ちゃんにこんな力があったなんて……でも、何故かしら?私はこれを子供の時に見た記憶が……っ⁉︎」

 

突如、頭を抑えてふらつく姫島。

 

「大丈夫?朱乃」

 

「え、えぇ。平気よ、少し頭が痛いだけだから」

 

「へ!何だい!そんな力、所詮虚仮威しさ!」

 

はぐれ悪魔は宇佐美に突撃をしようとして気付く、宇佐美が頭を抑えて何かに耐えているのに。

 

「あぁぁぁぁぁ!!!!がぁぁぁぁぁ!!!」

 

宇佐美の叫びと同時に、オルフェウスの内部から黒いナニかが這い出て来る。

 

ガァァァァァアア!!

 

 

オルフェウスの内部から出て来たのは死神。黒の軍服に白の手袋。顔は何かの生物の骨。腰には軍刀らしき刀。そして背後に浮かぶ、鎖で繋がれた複数の棺桶。その、死神は濃密な死の気配を撒き散らしながらはぐれ悪魔に意識を向ける。

 

「ヒッ⁉︎」

 

それが、はぐれ悪魔の最後の言葉だった。

 

オルフェウスから出て来た死神は、はぐれ悪魔の顔を鷲掴みし、地面に叩きつける。何度も、何度も、何度も。漸く叩きつけるのをやめた時には元の顔が分からない程、ぐちゃぐちゃになっていた。

 

死神ははぐれ悪魔の口だった部分に両手を突っ込み、力を入れ始める。

 

肉の裂ける音、裂けた肉の落ちる音、血が噴き出す音。最後に大きく物の落ちる音が響く。

 

そこには有ったのは無理矢理縦に裂かれたはぐれ悪魔の成れの果てだった。

 

 

ガァァァァァアア!!

 

敵が居ないのを確認する様に叫び、気付いたら再びオルフェウスに戻っていた。

 

宇佐美は地面に倒れ、気絶していた。

 

「心!」

 

「心ちゃん!大丈夫⁉︎」

 

 

 

 

 

また、夢を見ている。今度は彼等の物語では無く、犯罪者のレッテルを貼られた青年が仲間達と怪盗として世直しする物語だ。僕も怪盗団の様に戦えるだろうか?やって見ないと分からないかな?あぁ、誰かに呼ばれてる。目を覚まさなきゃ。

 

「うぅ、眩しい」

 

「目を覚ましましたか?心ちゃん」

 

夢から覚めて目を開けると僕を膝枕しながら頭を撫ででくる姫島先輩が居た。

 

「何で膝枕してるんですか?」

 

「あら、嫌でした?」

 

「嫌とは言って無いです。ただ、疑問に思っただけですので」

 

「私がしたかったからですわ」

 

「そうですか。姫島先輩、僕は何時間程寝ていましたか?」

 

「一日半程ですわ。もう少ししたらリアス達も戻って来るから、その時に昨日の事を聞かせてちょうだいね?心ちゃん」

 

「出来る限りは、説明します」

 

姫島先輩は頷いてくれた。今の内にペルソナに付いて改めて考えてみよう。ペルソナ。それは心の力。死を体験する事でも、自分自身の影を認めてあげる事でも、世の中に対して叛逆の意志を示す事でも発現する力。ペルソナは基本的に一体しか召喚出来ない、だけど彼等や僕みたいに稀にワイルドの力を持つペルソナ使いが現れる。ワイルドのペルソナ使いは全員、何かしらの使命や役割を果たしている。僕にも何か使命や役割があるのかな?まだ分からない。これから探して行こう。自らの役割を。

 

「朱乃?彼は起きたかしら?」

 

「先程起きましたよ。今は私の膝の上で横になってますわ」

 

「あら?朱乃にしては珍しいじゃない。男の子を膝の上に乗せるなんて」

 

扉から入って来たのはリアス・グレモリーさんと木場悠斗と塔城小猫ちゃん。そして、兵藤一誠(性犯罪者)だった。

 

「宇佐美心くん、シンと呼ばせて貰っても良いかしら?」

 

「はい、そこの変態以外は良いですよ」

 

「何で俺はダメなんだよ!」

 

「警察に通報するよ?変態」

 

「まぁまぁ、宇佐美くん落ち着いて落ち着いて」

 

「自業自得ですね」

 

「落ち着きなさい!さて、シン。貴方の力は神器なの?」

 

「いいえ、神器ではありません」

 

「なら、どんな力なの?」

 

「この力はペルソナと言います。ペルソナは心の力。発現する方法は死を体験する事。自分の影を認める事。叛逆の意志を掲げる事で発現します。今回は死を体験する方法で発現させました」

 

「そう……ペルソナは私達でも発現するかしら?」

 

「分かりません。先程も言いましたがペルソナは心の力。予測出来ません」

 

「そう……ねぇシン?貴方、私の眷属にならない?」



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