病弱ナルトの波乱万丈人生 (島崎 冬夜)
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身体が弱いの度を越している

〜人物設定〜

・うずまき ナルト (♀)

・四代目火影波風ミナトとうずまきクシナの娘。生まれてからすぐに九尾の襲撃により九尾を腹の中に封印され、その後両親は他界。二人の子供というのは三代目火影・猿飛ヒルゼンしか知らない。物凄い病弱で、メンタルもほとんど強くないが、頭は良い。しかしアカデミーでは自分が九尾の化け物で、もし頭が良かったら殺されると思っているのでドベを演じている。アカデミーに通う際、マスクと日傘は必ず着用している。ボクっ娘


・うちはサスケ

うちは一族の生き残り。ナルトと同期。同じ班になってからナルトのことを少しずつ意識している。アカデミーでの成績は実技・座学ともにトップ。


・春野サクラ

・ナルトと同期。一般家庭出の忍。初めはナルトのことを毛嫌いしていたが、あることをきっかけに妹のように接するようになる。


「ケホッケホッ…今日はアカデミーの卒業試験…頑張らないと…」

 

金髪で両目が翠色の少女がベッドから降りる。少女の名前は『うずまき ナルト』。木ノ葉隠れの里にある忍者アカデミーに通う生徒だ。しかし彼女にはある事情がある。それは《とても身体が弱く、精神的な面でも弱い》というところだ

 

「ええと…マスクは…あった」

 

ナルトは彼女にとっては必需品であるマスクをつける

 

「忘れ物は…なし。よし、行きますか。」

 

日傘をさし、家を出る。

 

「行ってきます。」

 

 

_____________________________________________

 

 

「今から卒業試験を始める!呼ばれたものは順番に隣の教室に来い!内容は分身の術だ!最低三体は作ってもらう!」

 

アカデミーの教師、『うみの イルカ』が生徒たちに説明をしている。それを聞いた生徒たちは「えーっ」と試験内容に不満を持っていた。イルカは次々と生徒の名前をいい、隣の教室へと連れて行った。そしてついにナルトの番が来た。

 

「…次!うずまき ナルト!」

 

「…はい」

 

ナルトは緊張しながらイルカと一緒に隣の教室へと行く。そしてそこではたくさんの教師がナルトのことを見ていた。その目線はやけに〈冷たかった〉正確にはナルトではなく、腹にいる奴なのだが。ナルトは緊張のおかげかその目線には気づいてはいなかった。

 

「うずまきナルト。はじめなさい。」

 

「はい」

 

ナルトは震える手を頑張って前に出し印を組んだ。そして組み終え、「分身の術!」と言った。するとポンッと軽い音がなり、ナルトの分身が三体現れた。

 

「…っ!うずまきナルト、合格だ!」

 

イルカはナルトが術の成功を見て凄く感激したようだ。声を荒げながらナルトに合格を伝える。

 

「やった…!」

 

「おめでとうナルト。ほら、額当てだ。」

 

「ありがとうございます…!」

 

ナルトは額当てを受け取ると教室を去った。

 

 

_____________________________________________

 

 

ナルトは貰った額当てを見ながら自宅へと帰っていた。その時一人の少女が彼女の前に現れた。

 

「ナルト!なんでドベのあんたが額当て持ってんのよ!」

 

「え…」

 

「ドべが忍になれるわけないでしょ!その額当て貸しなさい!」

 

「やだっ…」

 

少女がナルトの額当てを取ろうとし、ナルトは取られぬよう必死に抵抗する。

 

「貸しなさいっ!」

 

少女がナルトを思いっきり突き飛ばし、額当てを奪い取る。ナルトは《軽く》地面に叩きつけられた。

 

「ふん!ドベのあんたがこんなの持っても意味ないのよ!」

 

少女はそう言い放つが、返事は来ない。目を向けるとナルトは地面に倒れてピクリともしていなかった

 

「ナルト…?」

 

少女は呼びかけるものの、ナルトは起きない。よく見るとナルトの頭から血がドクドクと出ていた。

 

「なっナルト!しっかりして!」

 

少女は自分の行為をひどく後悔した。自分のせいで人が死ぬ、そう思った。

 

「ナルトっ!」

 

少女が泣き叫んでいると、そこに三代目火影・猿飛ヒルゼンが駆けつけていた。

 

「ナルト!しっかりするのじゃ!」

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

泣き続ける少女にヒルゼンは責めることなく、優しく抱きしめた。そしてヒルゼンは暗部を呼び、少女を任せナルトを火影邸に連れていった。

 

 

 

〜火影邸〜

 

「すまんかった…」

 

ヒルゼン治療し終わったナルトの手を優しく握っていた。ナルトがこのように身体が弱いのは、腹に封印されている《九尾》のせいである。本来ナルトは身体が強く生まれてきたのだが、生まれてすぐに九尾を封印された。九尾は生命力が強く、とても巨大なチャクラを持っている。九尾の生命力がナルトの強い生命力と反応し、互いに打ち消しあってしまい、逆に弱い身体になってしまった。なので少しでも頭を打ったりすると大量の血が出てくる。

 

「わしがもっと見ていれば…」

 

「おじいちゃん…」

 

「ナルトっ!」

 

ナルトが目を覚ました。同時にヒルゼンの手を握る力が強くなる。

 

「すまんかったナルト…」

 

「ううん、おじいちゃんのせいじゃないよ…しょうがないんだよ。僕がドベだから…」

 

「ナルト…お前は頭が良いではないか…何故アカデミーで実力を出さん…」

 

そう、ナルトはドベと言われていだが実はとても頭が良い。おそらく奈良一族のご子息よりIQは高い。

 

「だって…僕が一番になるとみんなに怖がられて殺されちゃうでしょ?だからドベを演じるようにしたんだ…」

 

「なっ…!ナルト、いつからそのことを…」

 

「3歳の時だよ…みんな僕を見る目が他の子と違うから理由を調べてみたんだ。そしたら僕に関する記述が書いてある本を見つけて…それで知ったんだよ…」

 

「なんと…」

 

そのときからもう知っていたのか…とヒルゼンは驚愕する。確かあの本は子供では解読できない暗号で書かれていたはず。なのにナルトは自力で解いて事実を知ったのだ。

 

「ナルト…」

 

「なぁに?おじいちゃん」

 

「強く…生きるのじゃ…」

 

「うん、頑張るよ…」

 

 

 

〜続く〜

 

 

 

 



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班決め

こんにちは!島崎 冬夜です!1話だけでお気に入りが10もあってびっくりしました!ありがとうございます!


〜アカデミー〜

 

「今から班の組み分けを始める!」

 

「「「「えーっ!」」」」

 

イルカ先生が組み分けをするみたいだ。他のみんなは不安があるらしい。僕はまぁ、どこでも良いかな。

 

「では一班から発表する!」

 

そこから一班、ニ班と決まっていく。そして…

 

「七班!春野サクラ…うずまきナルト…うちはサスケ…!」

 

七班…僕がここに入るのかぁ…頑張るしかないよね。ちょっと不安だなぁ。ピンクの髪の子は僕を見た瞬間そっぽを向いた。やっぱり嫌われてるよねぇ…黒髪でクールな子は…やっぱりそっぽ向いてる…七班になってごめんなさい…

 

「それじゃあ皆担当の上忍が来るまで待機だ!」

 

待機なの…なんか嫌な予感がする…はぁ…

 

 

_____________________________________________

 

 

「もう!いつになったら来るのかしら!」

 

ピンクの髪の子はイライラしている。それもそのはず、担当上忍がいつまでたっても来ないからだ。

 

「春野さん、少し落ち着いて…」

 

「落ち着けるわけないでしょ!なにやってんのよ本当に!」

 

「…ごめんね。静かにしておくから…」

 

怒鳴られたから大人しくしておこう。下手なことして殺されるのは嫌だ。

 

「…っ!…ごめん、きつく当たっちゃった…」

 

「え…?う、うん…」

 

はじめて謝られた…僕が悪かったのに…

 

「ふん…」

 

うちはくんに関しては僕のことをチラチラ見てる…やっぱりいたらダメなのかな…

 

「そぉだ!」

 

春野さんは何かを思いついたようで、黒板消しを扉の間に挟ませた。

 

「こんなに遅いんだからこんなことしても良いわよね!」

 

春野さん…多分引っかかりませんよ…?

 

「上忍がそんな罠にハマるわけがねぇだろう」

 

ここではじめてうちはくんが口を開いた。

 

「もしかしたらっていうのがあるかもしれないじゃない!」

 

春野さんはうちはくんに片思い(?)中らしい。多分上忍に罠を仕掛けて引っ掛けたというのを見てもらいたいらしい。当たらない気がするなぁ…

 

すると扉の開く音がなり、同時にポフッという音も鳴った。

 

「(引っかかったー!!)」

 

「(マジかよ)」

 

「…っ!」

 

僕は上忍の姿を見て怯えた。何故なら彼の髪が銀色だったから。過去に銀色の髪の人にひどいことをされてから、銀色の髪の人には近づかないようにしているが担当上忍の人が銀色の髪だからどうしようもできない。これからずっとこの人と一緒に行動するなんて…多分耐えられない。

 

「お前らの第一印象は…嫌いだ」

 

「…ですよね…」

 

僕はその言葉に思わず泣いてしまった。僕なんて好かれるわけがない。やっぱりこの人も酷いことをするんだ…と思うと涙が止まらなかった

 

「ちょっ…!」

 

「あー…泣かしたわね…」

 

「お前本当に上忍か…?」

 

「(火影様から聞いてはいたがここまでとは…いろいろ気をつけないと駄目だな…)」

 

「とりあえず泣き止んで?悪かったから…お前らは先に屋上に行ってろ。」

 

「…わかったわ」

 

「ふん…」

 

_____________________________________________

 

 

「どうして泣いたのかな?やっぱりさっきの言葉がいやだった?」

 

俺は彼女を傷つけないようそっと話しかける。ここまでメンタルが弱いとは思わなかった…忍としてやっていけるかどうか不安だね…

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

あらら…これはかなり重症カナ…過去に何かあったんだとおもうが…

 

「過去に君に何が起きたのかは知らないけど、酷いことはしなーいよ?」

 

「…ほんと?」

 

ナルトが涙を浮かばせた目をこちらに向けてくる…正直に言うと可愛い。

 

「ほんとだーよ。だから泣き止んで?ね?」

 

「…うん」

 

ナルトは頷くと涙を拭いて立ち上がった。

 

「それじゃ屋上に行こうか?」

 

「…うん」

 

これは…打ち解けるには時間がかかりそうだ…

 

 

_____________________________________________

 

 

「待たせてごめーんね?」

 

私達の担当上忍がナルトを連れてやってきた。ナルトを泣かせるなんて本当に上忍なのかしら…私が言えたことじゃないけど…

 

「大丈夫?変なことされてない?」

 

「春野さん…大丈夫だよ…」

 

ナルトの目が赤く腫れている。あの上忍…許さないわよ…

 

「さーて、みんなが揃ったところで自己紹介をして貰おうかな。」

 

「自己紹介って…何を言えばいいのよ?」

 

「んー?まぁ好きなものとか趣味とか将来の夢とか…まあ色々だ。」

 

「じゃあ先生からしてよ。見た目もかなり怪しいし。」

 

なんで片目しか出してないのよ。なんでマスクなのよ。怪しさ全開じゃない。

 

「俺か?俺の名前ははたけカカシ。好きなものと嫌いなものはお前らに教えるつもりはない。趣味は…まぁ色々だ。将来の夢はない」

 

「は…?」

 

結局わかったのは名前だけじゃない。ふざけてんのかしら?

 

「じゃあ金髪の子から」

 

「…僕はうずまきナルト。好きなものは野菜とおじいちゃん。嫌いなものは里の大人…趣味はガーデニングと料理、あとお掃除かな…将来の夢は…この里で穏やかに暮らすことかな…」

 

ナルトの自己紹介って…なんか可愛さ半分悲しさ半分ってところね…里の大人が嫌いとか今まで酷いことをされてきたのかしら…

 

「じゃ次、黒髪の子」

 

「俺はうちはサスケ。好きなものも嫌いなものもない。将来の夢は…ある男を殺すことだ。」

 

やっぱりサスケくんはかっこいいわ…でもナルトの方が良いわね。なんか…守ってあげたい。そんな感じがする。決して私はレズじゃないわよ!

 

「最後、ピンクの子。」

 

「私は春野サクラ。好きなものは…ナルトとある男の子!嫌いなものは…不特定多数です。将来の夢は…キャーーー!」

 

私の自己紹介にナルトとサスケくん、そしてカカシ先生も驚いていた。まぁ、そうよね。好きなものにナルトが入っているんだもの。

 

「…それじゃあ明日サバイバル演習をする。」

 

「演習?演習ならアカデミーで散々やってきたわよ?」

 

「この演習はアカデミーの演習とは訳が違う…これを聞いたら絶対皆引くから。」

 

カカシ先生がニコニコと笑顔で言ってくる。なんなのよ?引くほどの演習って…

 

「合格率66%のサバイバル演習だ。」

 

「は…?」

 

「え…?」

 

「…」

 

「ハハハ、ほら引いた。」

 

そりゃ引くわよ!なんで三人中二人しか合格しないのよ!

 

「とりあえず明日それをやるから、この紙に書いてある時間通りに来ること。それと朝飯抜いてこいよ?吐くから♪」

 

カカシ先生はそう言うとドロンと姿を消した。

 

「ふざけんじゃないわよーーーーーー!!!」

 

私の叫びは虚しくも空に消えてしまった…

 

 

 

〜続く〜

 



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サバイバル演習その1

はい、どうも、島崎です。

えっとまず最初に、感想を書いてくださった方、ありがとうございます!これからの励みになります!なるべく感想には返信していきたいと思っています!

お気に入りも20件いったので本当に嬉しいです!


〜演習場〜

 

「春野さん、うちはくん。おはよう」

 

金髪ツインテの少女、うずまきナルトが私達に挨拶する。

 

「えぇ、おはよう」

 

「ふん…」

 

私は彼女に笑顔で答える。するとナルトも笑顔を返してくれる。その笑顔はなんというか…癒されるッ!

 

「ところで先生は?」

 

ナルトはキョロキョロと辺りを見回す。

 

「まだ来てないわよ…ほんと今日も待たせる気かしら…」

 

「春野さん、朝ごはん食べた?」

 

「いや、食べてないわよ?先生が食べるなって言ってたから。」

 

「この調子じゃ多分先生来ないからお腹空くだろうと思って朝ごはん持ってきたんだ。食べる?」

 

するとナルトはカバンから弁当を一つ出してきた。

 

「え…良いの?」

 

「いいよ。春野さんのために作ってきたんだから」

 

にっこりと笑うナルトに思わずどきっとした。あぁ…これが天使なのか…

 

「うちはくんもどう?」

 

「…いらん。」

 

「…そうだよね」

 

シュンとなってしまった…サスケくん、今のはちょっとないわ…

 

「…チッ、仕方ねぇ。食ってやるよ」

 

「ほんと!?」

 

その言葉にナルトはぱぁっと明るくなった。うん、この子天使だわ。あ、サスケくんが真っ赤になってそっぽ向いてる。まさかナルトに気が…ありそうね

 

「じゃあこれ!はい!」

 

「…ありがと」

 

キャーーー!サスケくんのデレよ!メルヘンゲットよーーー!

 

「じゃ、頂くわね」

 

弁当を開けるとそこにはカラフルなおかずがたくさん入っていた。ウインナーはタコの形にしていて可愛い。おにぎりもパンダになっている。女子力が高い…っ!サスケくんも表情に出してないけど感激しているらしい。手がプルプルしているもの。一口食べてみると、

 

「おいしい…え!めちゃくちゃおいしい!」

 

そう、お母さんが作ってくれた弁当よりもナルトが作った弁当が何倍も美味しい。ナルト、あんた忍じゃなくて料理人目指した方がいいんじゃないかしら…サスケくんもなんか黄色いオーラが出てる。あれ絶対喜んでるわよね。

 

「ほんと?良かった…ケホッケホッ」

 

「っ!ナルト、大丈夫?」

 

いきなり咳き込むナルト。少しばかり苦しそうだ。

 

「大丈夫だよ。いつものことだからさ…」

 

「そ、そう…気をつけてね?」

 

「ありがと…」

 

ナルトの背中をさすっていると、ドロンと音がした。音がした方に目を向けると、あの上忍が立っていた。

 

「あーらナルト。美味しそうなの持ってるじゃない。先生にもないの?」

 

「ケホッケホッ…ううん、先生にもありますよ?はいどうぞ」

 

ナルトは先生にも弁当を渡す。

 

「おー、嬉しいね。食べてもいい?」

 

「はい、いいですよ」

 

先生は弁当開け、箸でおかずをつかみ、マスクを…「シュバパク!」…え?

 

「うん、美味しーいよ。ありがとナルト」

 

「へへへ…」

 

ちょっとナルト!あんた喜んでる場合じゃないわよ!今の何よ!マスクを高速で外した後高速で口の中に入れるって!どんな運動神経してんのよ!

 

「ていうか朝ごはん食べたの?吐くって言ったよね?」

 

「だって先生遅かったじゃないですか…」

 

「うっ….」

 

何も言い返せなかったわね…自業自得なのよ

 

「じゃ、気を取り直して演習を始めるとしますか。」

 

先生はタイマーを12時にセットして岩の上に置いた。

 

「これから鈴取り演習をする。俺からこの二つの鈴をとったら合格だ。ただし合格者は二人だけ。残りの一人はアカデミーに逆戻りだ。」

 

「なっ…じゃああの試験はなんだったのよ!」

 

「あぁ、あれか。忍になる才能があるか測る為のものだったからあんまり意味ないよ。」

 

「そんな…」

 

私はナルトともサスケくんとも離れたくない…どうすればいいのよ…

 

「それじゃスタート!」

 

 

_____________________________________________

 

 

「うんうん、みんなよく隠れてるね。」

 

「(しかし…ナルトの気配が全くしない…何故だ?)」

 

この時のカカシは少し焦っていた。それもそのはず、アカデミーのドベと言われていたナルトの気配が一つもしないのはかなりおかしい。

 

「(どういうことだ…?)」

 

カカシは困惑しながらも手元にある本を読んでいた…

 

 

〜一方その頃〜

 

「春野さん、少しいいかな?」

 

「何?ナルト」

 

「僕は体質上激しく動けないから、鈴取りに協力して欲しいんだ。」

 

「…うん、いいわよ」

 

「ありがとう!」

 

正直断られたらどうしようかと思った…とりあえず作戦を立てないと…

 

「ナルト、いい作戦ある?」

 

「ちょっと待ってね、今考えてるから…後5分くらいで完成するよ。その前にうちはくんにも声をかけてみるよ。『影分身の術』!」

 

もう一体の自分を出し、うちはくんのところに行ってもらう。

 

「僕達下忍が上忍相手に勝てるわけがない。だから少しでも協力しないとこの演習はクリアできない。」

 

「でも二人しか合格できないわよ?鈴が二つしかないんだから」

 

「でも先生は鈴一つにつき合格者一人とは言ってないよ?」

 

「あっ…」

 

そう、多分この演習の目的は『チームワーク』だ。それなら班を組んだ理由もわかる。

 

「成る程…だから協力しないと駄目なのね…」

 

「そうなんだ。あっ、影分身が消えたみたい…駄目だ、うちはくんは協力してくれなかった…」

 

「サスケくん…」

 

「仕方がない、二人で頑張るしかないよ。」

 

「そうね」

 

「今から作戦を伝えるから。僕がしっかりサポートするから春野さんは鈴を」

 

「ええ、わかったわ。絶対にとってやるんだから…」

 

_____________________________________________

 

 

ザッ!

 

「あーら、うちはサスケくん。もう出てきたの?」

 

「うるさい、鈴を取らせてもらう」

 

「はいはい、強がってるのも大概にしないとねー」

 

「俺はあいつらとは違う…っ!」

 

「そういうことは鈴を取ってからにしよーね?」

 

「『火遁:豪火球の術』!」

 

俺はカカシに向かって術を放つ。

 

「なっ…下忍が出せるチャクラ量じゃないでしょ…!」

 

カカシは相当焦っているようだ。カカシはジャンプして避ける。俺は追い打ちをかけるようにクナイをカカシに投げる。しかし全部落とされてしまった。

 

「チッ…」

 

「まぁまぁ、そんなんじゃ鈴は取れなーいよ?」

 

「ふざけやがって…!」

 

俺は再び印を組み術を放とうとした。だが、目の前にいたカカシが消えていた。

 

「どこに行きやがった…」

 

辺りを見回していると、いきなり地面から手が飛び出てきて、俺の足を掴んだ。そして俺は腕に引っ張られ地面にめり込んでしまった。

 

「詰めが甘いね、うちはサスケくん?」

 

「クソッ…」

 

「うちはの生き残りも、たいしたことないね」

 

「ふざけるな…っ!」

 

俺の攻撃は、上忍の前では虚しく終わってしまった…

 

 

〜続く〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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サバイバル演習その2

はい、お気に入りが30件を超えているのを見て発狂仕掛けた島崎です。本当にありがとうございます!

もしよろしければ感想など書いていただけると嬉しいです!今後のストーリーの参考になるかもしれません!


ガサッ!

 

「今度はサクラか…」

 

なんか呆れたような顔をされたわね…ムカつく…

 

「『分身の術』!」

 

私はもう一体の自分を出した。そしてその分身を草むらへと移動させた。

 

「その行動…意味あんの?」

 

「多分ないわね。そして通用もしないと思うわ」

 

「へぇ…」

 

でもこれも作戦の一つ。頑張ってひきつけないと…

 

シュババババッ!

 

先生に向かって手裏剣とクナイを投げるが、全部躱されてしまう。

 

「くっ…」

 

「闇雲に投げても当たらないよ?」

 

あぁ…へらへらしたその顔をぶん殴ってやりたいわ…

 

「…しゃーんなろーーー!!!!」

 

私は拳にチャクラを貯め、地面に叩き込む。

 

どがぁぁぁん!!

 

「ちょっ!何それ!?」

 

すると大きな音とともに地面が割れた。抉れた、というほうが正しいのか、とにかく地面が崩れた。そして私はバランスを崩した先生にもう一度クナイと手裏剣を投げる。

 

「ちょっ、待って、危なっ!」

 

ギリギリ避けられている。悔しいがそれでいい。

 

チャリン

 

「…へ?」

 

「鈴、取りましたよ先生。」

 

鈴を取った。でも私じゃない。ナルトが取ったのだ。

 

「ほら春野さん。」

 

ナルトはもう一個の方の鈴を渡してくれた。

 

「ナイスよ、ナルト。」

 

「春野さんこそ、作戦通りだったね。ケホッケホッ」

 

「ほら、無理するから…木陰へ行きましょ?」

 

「うん…」

 

ナルトを木陰へ連れて行き、休ませる。身体が弱いのにあんな動きするから…

 

「…先生まだ状況が掴めてないんですけど?教えてもらえる?」

 

先生は唖然としていた。正直アホヅラをこちらに向けないでほしい。

 

「僕が説明します。まず最初に春野さんが出てきて春野さんに意識を集中させて、僕の気配を感じさせないようにしました。元々僕は気配を消せるけど、念のために。そして春野さんに相手を怯ませるような大きい攻撃をしてもらって、怯んだところに僕が瞬身で鈴を取る、ということです。」

 

「サクラのあの力は…」

 

「春野さんは元々チャクラコントロールが上手いので、もしかしたらと思って。結果的に成功しました。流石だよ、春野さん。」

 

「ううん、あれはナルトがコツを教えてくれたからよ。こちらこそよ」

 

「本当に君たちは下忍なの…?特にナルト、話が全然違うんだけど…まぁ、二人は俺から鈴を取れたから合格だーよ。」

 

「「やった!」」

 

_____________________________________________

 

 

ジリリリリリリリ!

 

「時間切れだよ。ナルト、サクラは合格。サスケ、お前はダメだ。」

 

「クソッ!」

 

うちはくんが怒りに任せて先生に突っ込んでいく。あぁ…そんなんだからダメって言われるんだよ…私が言えたことじゃないと思うけど…

 

「そういうのだからダメなんでしょ?」

 

先生は僕が思っていたのと同じことを言いながらうちはくんを拘束し、その上に乗る。うん、先生ストレートに言ったね。

 

「先生…彼にもう一度…もう一度チャンスをくれませんか?」

 

「…なんで?合格者は決まってるんだよ?」

 

「そうですが…」

 

「…まぁ、いいよ。じゃあ午後からまたやるから。次はさっきよりキツくなるからね。」

 

僕はおもわず笑顔になった。先生がちゃんすをくれた。貰えないかと思ってビクビクしてたよ…

 

「お前ら二人には弁当があるからそれを食べろ。但しサスケには食わすな。いいな?食わせた時点でお前らを不合格にするから。」

 

先生はそう言ってドロンと消えた。うちはくんはすでに丸太に縛られていた。

 

「ごめんねうちはくん…僕のせいでこうなったね…」

 

「…なんでお前が謝る。お前は関係ないだろ。」

 

「…うん、でもね…同じ班の仲間なんだから…仲間ハズレにしちゃったから…謝りたくて…」

 

ダメだ…思い返すと目が潤んでくる…

 

「…お前のせいじゃない…だから泣くな」

 

「うん…ごめんね…」

 

僕は先生に貰った弁当をうちはくんにあげる。

 

「お前…何してんだ?」

 

「何って…うちはくんにお弁当食べさせようと思って…」

 

「お前はアホなのか!?さっきカカシが言ってただろ!」

 

「うん、でもねうちはくん。そういうのはダメだと思うんだ。忍は裏を読まないと。そしてまたその裏を読むことも大事。じゃないと相手を倒せないし、逆に殺されちゃう。」

 

「…そうだな。悪かった」

 

「…ううん、僕もでしゃばってごめんね?」

 

僕は笑って返す。しかしうちはくんは顔をしかめている。

 

「さっきから謝ってばっかだな。」

 

「…」

 

「まぁいい。とりあえず飯をくれ。」

 

「う、うん…はい」

 

「しゃーんなろーーー!私もあげる!」

 

「わわっ、春野さん!?」

 

食べさせようとしたところに春野さんが割り込んでくる。

 

「なーにいい雰囲気出してくれてんのよ。私も混ぜなさい?」

 

「べ、別にそんなつもりは….」

 

僕は思わず顔が赤くなる。

 

「あらナルト、顔真っ赤にして、かーわいー」

 

春野さんが僕の顔を見ながらくすくすと笑う。ほんと恥ずかしいからやめてよ…

 

「…いいからさっさと食わせろ。」

 

なんか不機嫌そうな顔を浮かべたうちはくんがこっちを睨んでた。

 

「あ、ごめんね?ほら、あーん…」

 

「お前らぁぁぁぁぁ!」

 

「きゃぁ!」

 

「きゃっ!」

 

「チッ…」

 

うちはくんにお弁当を食べさせてあげようとしたら先生がいきなり現れた。心臓に悪いから…あ…意識飛びそう…

 

「ごーかくっ♪」

 

「「え?」」

 

「お前らが初めてだよ。こんなことしたのは。他の奴らは俺の言うことを聞くだけのどうしようもない奴らばっかだったが、お前らは違うようだね。いいか?忍びの世界でルールや掟を守れないやつはクズ呼ばわりされる。けどな、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ。」

 

「よかった…」

 

「ふん…」

 

「ナルト!よかったわ…ね…?」

 

サクラがナルトを見ると、ナルトは白目を向いて気絶していた。

 

「きゃぁぁぁ!ナルト!しっかりして!」

 

「え、もしかして俺のせい?」

 

「バカカシが…」

 

こうして、第七班のサバイバル演習は幕を閉じた…

 

〜続く〜

 

 

 

 

 

 

 




次回からタイトルを変えるつもりです。理由はなんかダサいと思ったからです。もし感想などでこのままでいいとか、そういうのがありましたらまぁ、そうなるかもしれません(?)


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出発!

はい、予告通りタイトルを変えました!タイトルが変わってもこの作品をよろしくお願いします!

もしよろしければ感想など書いてくれたら嬉しいです!今後の励みになります!


〜木ノ葉隠れの里〜

 

「よしよし、いい子だね。ケホッケホッ」

 

「大丈夫?ナルト?あとこの猫本当に任務にあった猫なの?」

 

「うん、そうだよ。特徴も合ってるし、この子なんじゃないかな?」

 

ナルト達は任務で猫探しをしていた。そしてやっと目的の猫を見つけたのである。

 

「にゃーにゃー」

 

「ん、どうしたのさ。きゃっ、くすぐったいよ」

 

猫はナルトを気に入ったのかナルトに頬ずりをしている。

 

「ふふっ、きっとナルトを気に入ったのよ。」

 

「そうなの?」

 

「なーん」

 

猫は「そうだよ」といったような鳴き声を発した。

 

「じゃあこの子を依頼主に届けようか。」

 

どこから現れたのかカカシが呼びかける。

 

「チッ…」

 

相変わらずサスケは不機嫌な顔をしている。

 

「そうだね、じゃあ火影邸に行こうか」

 

 

_____________________________________________

 

 

「あらトラちゃん!心配したのよぉぉぉぉぉ!」

 

「に"ゃーーー!!!」

 

届けた猫は主人に抱かれている。しかしとても苦しそうだ。

 

「あ、あれは逃げ出すのも無理ないよ…」

 

「同感だわ…」

 

「よし、皆ご苦労じゃった。あと残っているのは…庭の草抜きと荷物の届け物、それと…」

 

「すみませんが火影様、それ以外の任務はないのですか?」

 

と、ヒルゼンの発言を遮るようにサクラが申し出た。

 

「私たち、もう十分なくらいDランクの任務をやっています。しかも他の班と比べても任務達成時間が短いです。」

 

要するにサクラは「いい加減飽きたんだよ、もっとやりがいのある任務寄越せ」と言っているのである。

 

「ふん…それには一理ある。」

 

と、珍しく意見があったサスケ。

 

「僕は…地味な任務の方がいいかな…」

 

と、苦笑いしているナルト。

 

「あらナルト、嫌なの?」

 

サクラのその問いにナルトは困った表情を浮かべた。

 

「僕はちょっと行動範囲が決まってるんだよ。この体じゃ激しい動きが出来ないからね…だから…ごめんね?」

 

「ナルトはそのまま中忍や上忍になってもいいの?」

 

「…でも…」

 

「そうじゃのう…一つ余ってたCランクの任務があるのじゃが…やるか?」

 

と、ヒルゼンがナルト達に呼びかけた。

 

「ほ、火影様!?こいつらはまだ新人の忍者ですよ!?」

 

ここで初めてイルカが口を開いた。ナルトの体質上無理だと思っていた彼は黙って見ていたのだが、ヒルゼンの予想外の発言に抗議せざるをえなかった。

 

「しかしのう…実際にこやつらの任務の成績はいいのじゃし、経験を積むのはいいことじゃ。なぁに、心配はいらん。カカシがついておる。」

 

ヒルゼンはカカシに目をやった。

 

「ええ、もちろんです。何かあったら私が全力で対処します。」

 

「うむ、よろしく頼むぞ。では依頼主に出てきてもらうかの。入っても良いぞ。」

 

ヒルゼンが呼びかけると、ドアが開き、その先には酒を飲みながら入室してくる年寄りの男がいた。

 

「あーん?お前らがワシを護衛してくれるやつか?全員頼りないのぉ!そこの一番ちっこい超アホ面!お前それ本当に忍者かぁ!?お前ェ!」

 

「一番背の低い人…?つまり僕?」

 

ナルトは男の言ったことを徐々に理解していき、そして

 

「ごめんね、一番小さくて…僕帰るよ…」

 

泣きながら帰ろうとした。

 

「ちょっ!ナルト!?」

 

サクラは慌てて止める。しかしそれはどんどんエスカレートしていった。

 

「うぅ…グスッ…ごめんなさい…」

 

ついには部屋の隅っこに体育座りをしてどんよりとしてしまった。

 

ヒルゼンを含む、火影室にいたものは冷たい目線を男に向ける。

 

「…超ごめん。」

 

 

_________________________________________

 

 

1時間後、ナルトはようやく落ち着いてくれた。

 

「おじさん、ナルトはかなりメンタルが弱いからあんなこと二度と言わないで!可哀想でしょ!?」

 

「お、おう…ごめん」

 

「分かればいいのよっ!」

 

サクラは大変ご立腹のようだ。それはそうだ。サクラにとってナルトはいわば妹のような存在。つまりサクラは初対面でさらに最初から印象の悪い男に妹を泣かされたのだ。

 

「とりあえず、今から2時間後に『あ・うん』の門の前に集合ね。」

 

と、カカシは言う。

 

「今度は時間通りにくるんでしょうね…」

 

サクラはジト目でカカシを見て、サスケは

 

「信用できねぇな…時間通りに来なかったら置いていくぞ…」

 

と子供が出しちゃいけないオーラを出していた。

 

「ハハハ…善処するよ…」

 

カカシは乾いた笑いしか出ないのであった。

 

「僕、ちょっと準備してくるよ…」

 

「ちょっと待ってナルト!一人じゃ危ないでしょー!」

 

ナルトとサクラは同時に火影室を飛び出した。

 

「ちっ…俺も行ってくるか…」

 

とサスケも火影室を出て行く。

 

「ナルト…すまんのぅ…」

 

ヒルゼンのつぶやきは誰にも届かなかった。

 

 

_________________________________________

 

 

「…ナルト?そこまで重装備なの?それは忍としてどうかと思うんだが…」

 

カカシはナルトの姿を見て唖然としていた。なぜならナルトの格好は顔にはピンクのマスクを着け、手には日傘と日焼け防止の手袋を着けていた。ついでにカバンの中身はというと、兵糧丸はもちろんのこと、日焼けスプレー、虫除けスプレー、そして冷えピタが入っていた。

 

「…これくらいしないと僕倒れちゃうから仕方がないよ。」

 

「あ、そう…」

 

もう何も言うまい、とこの時カカシは思った。

 

「それじゃ出発しますか!」

 

「「「おー!」」」

 

五人は元気よく木ノ葉の里を出発した…

 

 

〜続く〜

 

 

 

 

 

 

 

 



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変な2人組登場

はい、少し投稿が遅くなりました←2日あけてて何が少しだよ

一昨日と昨日見てなかったので、今日お気に入りのところを見たら80件を超えててびっくりしました。うん、みなさんありがとうございます!


〜道中〜

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。わしの名前はタズナ。橋作りの超名人じゃ!」

 

タズナはそう言うとガハハハと豪快に笑った。

 

「俺は、はたけカカシです。」

 

「僕はうずまきナルトだよ」

 

「私は春野サクラ」

 

「…うちはサスケだ。」

 

それぞれ自己紹介をかわしたところで、サクラがタズナに質問をした。

 

「ねぇ、タズナさん」

 

「なんだ?」

 

「タズナさんの国って【波の国】でしょ?」

 

「それがどうした?」

 

本当にそれがどうした?という顔をする人は多分この人だけだろう。

 

「ねぇカカシ先生…その国にも忍者っているの?」

 

と、サクラはカカシに話を振った。

 

「いや、波の国には忍者はいない…がたいていの他の国には文化や風習こそ違うが隠れ里や忍者が存在する。大陸にあるたくさんの国々にとって忍の里の存在っていうのは、国の軍事力にあたるわけ、つまりそれで隣接する他国との関係を保ってるってこと、でも、かといって里は国の支配下にあるもんじゃなくて、あくまで立場は対等だけどネ、波の国のように他国の干渉を受けにくい小さな島国では忍の里が必要でない場合もあるし……それぞれの忍の里の中でもとくに、木の葉・霧・雲・砂・岩の五ヶ国は国土も大きく力も絶大なため忍五大国と呼ばれている、――――で里の長が影の名を語れるのもこの五ヶ国だけで……その火影・水影・雷影・風影・土影のいわゆる五影は全世界各国何万の忍者の頂点に君臨する忍者達だ」

 

それを聞いたサスケとサクラは『嘘くせぇ…』と思ったが、ナルトは『やっぱりおじいちゃんは凄いなぁ…』と思っていた。

 

「…お前ら、今火影様疑ったでしょ?」

 

二人はビクッとしたがナルトはキョトンと首を傾げていた。可愛い

 

「ま……安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんてしやしないよ」

 

それを聞いてサスケとサクラはホッとした。

 

他愛のない話をしていると、突然バシャッと音がなった。そして次の瞬間、カカシは鎖のようなものでグルグル巻きとなった。そして…

 

バシュッ!

 

カカシはバラバラになった。

 

「キャーーー!カカシ先生ーーー!」

 

「か、カカシ先生…?」

 

サクラは大声で叫ぶが、ナルトは状況を飲み込めていないのか、その場で固まっている。

 

「一匹目」

 

サスケは敵の姿を確認した。どうやら他の里の忍のようだ。しかも二人。

 

「くっ…!」

 

サスケは非常に焦っている。サクラとナルトが動けない以上、一人でどうにかするしかない。サスケが行動に移ろうとした次の瞬間…

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

ナルトが泣き始めた。サスケは『こんな状況の中でなんで泣き始めるんだよ!』と思った。しかしそれは奇跡を生んだ。敵二人の動きがピタッと止まった。そして、

 

「「ごめんなさいっ!謝るから泣かないでーー!」」

 

と、ナルトに向かって土下座をした。

 

「…はぁ?」

 

サスケは訳がわからないといった顔をしている。まぁ、無理もない。

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

ナルトはまだ泣き続けている。

 

「あんたら…何してんだ?」

 

サスケはとりあえず二人の話を聞くことにした。

 

「あの子めちゃくちゃ可愛いじゃないか!あんな子を泣かせた俺たちはなんて罪深いんだ!ごめんよそこの君!」

 

「俺も兄者と同じ意見だぜ!ごめんよ!」

 

この二人もおいおいと泣き始めた。サスケはこのとき思った。早く出てこいウスラバカ…と

 

「…なーにやってんの…」

 

と、サスケの願いが届いたのかのそのそとカカシが出てきた。

 

「か、カカシ先生…?」

 

「ごめーんね?ナルト。ちょっとばかりお前らの実力を見ようと思ったんだけど…」

 

カカシはタハハと頭を掻いて笑う。

 

「うぅ…先生のバカァーーー!」

 

ナルトはフルスイングで平手をカカシに繰り出した。それは綺麗に決まり、カカシは吹っ飛ばされた。

 

「「おお!さすが俺たちの天使!攻撃も綺麗だ!」」

 

本当になんなんだこいつらは。

 

「…もう何も言うまい。」

 

突っ込むのが疲れたサスケなのであった。ちなみにサクラはというと…

 

「チーン」

 

気絶していた。

 

 

〜続く〜

 

 



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ナルト、失踪する

はい、お久しぶりでございます。島崎 冬夜です。いろいろあって投稿できませんでした…すいません!


〜道中〜

 

「「姉御!何かあったら俺たちを呼んでくだせぇ!すぐ駆けつけます!」」

 

鬼兄弟はナルトに別れを告げどこかに消えた。

 

「なんだったんだ…?」

 

「「さぁ…?」」

 

やはり状況がつかめなかったカカシたちであった。ちなみにナルトはというと、

 

「ああいう人たちもいるんだね…」

 

と、変に感心していた。

 

「と、とにかく前に進もうか…」

 

カカシはとりあえず前進することに決めた。

 

 

_____________________________________________

 

 

 

「へぇ…霧が深いな…」

 

今俺たちはおっさんの知り合いの船に乗っている。船からだと近道になるとかなんとか。

 

「あまり大きい声を出さないでくれよ?あいつらに見つかっちまう…」

 

と、船頭は怯えた様子で言う。はぁ…。すると、中途半端なところで船が止まった。

 

「タズナ、俺が送れるのはここまでだ。」

 

「あぁ…すまんかったな…」

 

おっさんは申し訳なさそうにする。面倒クセェ…もうちょっと進めただろうがよ…

 

ガサッ!

 

俺が負の考えをしていると草の中から音がした。それを聞いたナルトとは、

 

「ひいっ!…」

 

小さい悲鳴をあげたあと、気絶…って待て待て!よりによってこれで気絶かよ!とりあえずナルトの体を地面に着く前になんとか受け止めた。

 

「チッ、世話の焼ける…俺はこんなことしてる場合じゃねぇのに…」

 

そう、俺はあの男を殺さなければならない…なのにこいつは気絶してばっかで…忍者やめたほうが良いんじゃないか?

 

「…」

 

気絶しているナルトの顔を覗いてみる。綺麗に整った顔つき、サラサラの金髪、ぷっくりとした唇…

 

「…可愛い(ボソッ」

 

って、何言ってんだ俺は!?こいつが可愛いだと!?そんなこと…そんなことあるわけが…そもそも俺は復讐者だぞ!こんなこと考えてる暇なんて無いはずだ…!

 

「チッ、サクラ!」

 

俺はサクラを呼ぶ。こいつを運んでもらわなくては…

 

「何?サスケくん?」

 

「こいつを運んでくれ。」

 

「え?でもサスケくんの方が力があるからそっちのほうがいいんじゃ…」

 

「いいから運べっ!」

 

「は、はい!」

 

チッ、ナルトといたら調子が狂う…なんなんだこの気持ちは…

 

 

 

 

_____________________________________________

 

 

 

 

「…ん、ここは…?」

 

「あらナルト、起きたの?」

 

「う、うん、ところで僕はどうして…?」

 

僕はなんで今ここにいるか全然覚えていない。船から降りたことは覚えているけど…

 

「えっとね、船から降りた時にいきなり物音がして、その音でナルトは気絶しちゃったのよ…」

 

「あ…ごめんなさい…」

 

物音で気絶…忍としてどうかと自分でも思うよ…うちはくんとか絶対思ってるって…

 

「で、私がナルトをおぶって運んでたんだけど、一旦休憩と思ってここで休んでるのよ」

 

「かさねがさねすいません…」

 

一番足を引っ張ってる…下忍になる前にたくさん修行して強くなったと思ったのになぁ…やっぱりメンタルの問題なのかなぁ…こればっかりはどう鍛えるのかどうかわかんないよ…どうせ僕なんてさ…

 

「ナルト…?大丈夫?」

 

「え、あ、うん。大丈夫だよ?」

 

ネガティブ思考をしてたらいつの間にか顔に出てたらしい。春野さんが顔を覗き込んでいた。

 

「チッ、おいナルト」

 

「(ビクッ)」

 

いきなりうちはくんに声をかけられた…あぁ…何か言われるんだろうなぁ…

 

「お前それでも忍か?いい加減にしろよ?やはりドベはドベのまんまか…」

 

やっぱりそう思ってたんだね…しょうがないか…全面的に僕が悪いんだし…

 

「ちょっとサスケくん!その言い方は無いんじゃ無いの!?」

 

「知らん。あのくらいで気絶する奴が悪い…」

 

「だからって…」

 

「…いいんだよ春野さん…」

 

僕は春野さんを落ち着かせようと服をつかむ。

 

「僕が…僕が悪いんだ…みんなの足を引っ張ってるから…僕がいるからダメなんだ…うちはくんにも春野さんにも迷惑がかかるから…ごめんね?」

 

僕はそれだけ言うと草むらの中に走って行った。これ以上その場にいると自分が保てなくなりそうだったから。

 

「ちょっ!ナルト!?」

 

春野さんが何か叫んでいたが、無視をした。

 

 

 

 

〜続く〜

 

 

 

 

 



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ナルトと白

はい、本日2本目の投稿です。お詫びを兼ねて急ピッチで進めました。ので誤字があるかもしれません。ご了承ください。

ところで、この前活動報告をさせてもらいましたが、あまり見てもらえてないようなのでここでも発表したいと思います。

うp主、つまり僕の都合上何日も開けて投稿したりすることが多々あります。そこはもう読者さんの暖かい目で見てください。あと個人的なお願いなのですが、この作品の主人公であるナルトちゃんの絵を誰か描いてくれないでしょうか?理由は、みなさんが想像しているナルトちゃんを見てみたいからです。本当にただの自己満足なので、スルーしてもらっても構いません。しかしもし「全然いいぜ」という方がいましたら是非お願い致します!


長くなりました!すいません!では本編どうぞ!


〜サクラside〜

 

 

「サスケくん!どうすんのよ!」

 

「俺の知ったことじゃない。いつか戻ってくるだろ」

 

「くっ…」

 

サスケくんがいらないこと言うから…元々心が弱いナルトにあんなこと言ったら逃げ出したくもなるわ…

 

「…サスケくんはナルトが心が弱い理由を知らないからそんなことを言えるのよ…」

 

「…何?」

 

私はナルトの秘密を知っている…だから私はナルトを守る…しかし今回はそれができなかった…心にそう決めたのに…

 

「あーれ?ナルトは?」

 

するとカカシ先生が戻ってきた。空気読めよこのマスク野郎

 

「失踪しました」

 

「え?」

 

「失踪しました」

 

「疾走じゃなくて?」

 

「失踪です。」

 

「…あーらら」

 

カカシ先生はあまり心配してないようだ。これだから大人は…

 

「っ!?二人とも伏せろ!」

 

と、その声とともに大きな何かが飛んできた。その何かは木に刺さり止まった。そしてその上には人が乗っていた。

 

「これはこれは、桃地再不斬くんじゃないですか。」

 

「そういうお前はコピー忍者のカカシ先生か…」

 

桃地再不斬…彼の登場で状況は一気に変わった…

 

 

_____________________________________________

 

 

〜ナルトside〜

 

「うぇっ…グスッ…」

 

今は泣きたい。誰にも邪魔をされず、一人でどこかに消えたい…僕は里のみんなに嫌われていて、そして班の人にも嫌われている…僕にはもう…居場所が無い…

 

「僕は…僕は…っ!」

 

このまま恐怖で怯えるなら、いっその事壊れてしまいたい…壊れて、そして死ぬ。それもいいかもしれない…

 

「…ここで何もしているんですか?」

 

「ふぇ…?」

 

いきなり声をかけられた。振り返ると髪の長いお兄さんが立っていた。

 

「君、泣いているようですね…何かあったんですか?」

 

「う、うぅ…うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

お兄さんの優しい声に思わず感情が溢れ出てしまった。僕はお兄さんの胸の中で涙を流した。

 

「つらいことがあったんですね…しばらく僕の胸を貸してあげましょうか…」

 

お兄さんは優しく抱きしめてくれた…今回だけは人に甘えよう…

 

 

_____________________________________________

 

 

 

〜少年side〜

 

 

散歩の途中、誰かの泣き声がしたのでそこに行ってみると、自分より年下っぽい女の子がしゃがんで泣いていた

 

「…ここで何をしているんですか?」

 

警戒されないよう優しく声をかける。

 

「ふぇ…?」

 

すると変な声を出して女の子が振り向いた。僕は思わずドキッとした。彼女の瞳は透き通るような翠色で、ふっくらとした顔つき、そしてさらさらの金髪。それらを見ただけで思った。僕は彼女に一目惚れしたんだと…とりあえず話しかけないと話は進まない。

 

「君、泣いているようですね…何かあったんですか?」

 

さっきと変わらないトーンで話しかける。すると彼女は

 

「う、うぅ…うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

盛大に泣き始めた。少しびっくりしたが、それほどつらいことがあったのだろう。僕は彼女の頭を自分の胸へと当てた。

 

「つらいことがあったんですね…しばらく僕の胸を貸してあげましょうか…」

 

彼女を落ち着かせるよう僕は彼女の背中を撫でた。

 

 

 

 

しばらくすると落ち着いたのか彼女は頭をあげた。

 

「すいません、大泣きしてしまって…」

 

「いいんですよ。つらいことがあったときはお互い様です。」

 

「ありがとうございます…」

 

彼女はぺこりと頭を下げる。うん、可愛い。

 

「ところで…お名前を聞いてもいいですか?」

 

僕は彼女に名前を聞いた。

 

「うずまき ナルトです。」

 

ナルトちゃんか、いい名前だね。

 

「僕は白です。よろしくお願いしますね」

 

「はい、こちらこそ。」

 

お互いに手を握る。手が柔っこい。うん、可愛い…はっ!キャラが!

 

「…なんで泣いていたんですか?」

 

「うっ…それは…」

 

「話しにくいのなら言わなくていいですよ?」

 

「…いえ、白さんには言えそうです…実は…」

 

 

 

僕は彼女から僕とよく似た境遇を聞かされた。周りから迫害され、心がズタズタにされる。支えてくれる人もいない…そんな毎日。それは泣きたくもなる。

 

「…そうなんですか…辛かったですね…」

 

僕は彼女の頭をなでる。しかし一向に彼女の暗い顔が消えない。

 

「…何かあったら僕を頼ってください。力になります。」

 

「本当ですか!?」

 

彼女の目は一瞬でキラキラしたものに変わった。やっと心の拠り所が見つかったのだろう。なら僕は彼女を全力でサポートしないと…

 

「ええ、いつでも声をかけてください。」

 

「ありがとうございます…!」

 

「ところで、これからどうするんですか?」

 

「あ…それは…」

 

ナルトちゃんがもじもじしている。うん、可愛い。っじゃなくて

 

「もし近くにお仲間がいるなら、戻ったほうがいいと僕は思います。」

 

「っ…でも僕のこと嫌ってるみたいだし…さっきもいらないって言われたんです…」

 

「…じゃあこうしましょう。僕のアジトに来るって言うのはどうですか?」

 

するとナルトちゃんの目が点になった。そして次の瞬間一気に目がキラキラしたものになった

 

「いいんですか!!」

 

「うん、ナルトちゃんなら大歓迎だよ。」

 

「やった!ありがとうございます!」

 

こうして僕はアジトにナルトちゃんを連れて行くことになった。決してやましいことなんて考えてないですよ?

 

 

 

〜続く〜

 




はい、いかがでしたか?感想やこういうのがあったらいいなと思ったらぜひ感想をお書きください!


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再不斬とカカシ

はいこんにちはこんばんは、そしておはよう。島崎です。

お気に入りの方を見てたら120件を超えてて目が飛び出そうになりました。本当にありがとうございます!これからも頑張ります!更新速度は遅いですが…

そういえば皆様にご相談なんですが、Twitterの開設をしたいと思うのですが、どうでしょうか?主な内容は投稿日の予定報告と、前回言っていた絵の受け付け、そしてご感想の受け取りですね。もしいいよー!っていう方がいましたら感想でご報告ください。では本編どうぞ!(少し原作よりかもしれません)


〜カカシside〜

 

「コピー忍者ねぇ…久しぶりにその名を聞いたよ…」

 

「その異名を持つお前が子守か…落ちたものだな」

 

再不斬が嘲笑うかのようにフッと鼻を鳴らす。

 

「今の俺にはちょーどいいんだよ。で、何しに来た?」

 

俺は再不斬をキッと睨みつける。

 

「俺はお前らの後ろにいるその爺さんを殺しに来たんだ。」

 

すると再不斬から物凄い殺気が飛び出してきた。後ろの三人はそれにビビって足が震えている。俺は慣れているのでなんともない

 

「やれやれ…これを出さなきゃいけないのか…」

 

俺は左目を覆っている額当てをグイッとあげ、赤い瞳を出した。

 

「ほう…ここで『写輪眼』が見れるとはな…」

 

「『写輪眼』だと…!?」

 

サスケはかなり戸惑っている様子。一方サクラは

 

「シャリンガン?」

 

と頭にハテナを浮かばせていた。

 

「写輪眼とはな…」

 

と、わかっていないサクラにサスケが写輪眼について説明してあげている。いや、後にしてくれよ…

 

「ま、写輪眼も出したことだし、いっちょやりますか…」

 

「ふん…子守が俺に勝てるのか?」

 

「さぁね〜」

 

一見やる気のなさそうに見えると思うが、ちゃんと警戒はしているし、いつでも動けるように準備をしている。

 

「『霧隠れの術』」

 

再不斬が印を組み、術を発動させる。すると濃い霧が出てきた。成る程ね…そういうことか…

 

【8ヶ所】

 

ゾワワッ!

 

「「っ!?」」

 

【咽頭、脊柱、肺、肝臓…頸静脈に鎖骨下動脈…腎臓、心臓…さて…どの急所がいい?ククッ…】

 

サスケ達は術と一緒に出てきた殺気に怯えている。ま、しょーがないか…

 

「大丈夫、俺の仲間は絶対に殺させはしなーいよ。」

 

とりあえずあいつらを安心させる。

 

「それは出来るのか?」

 

しまった!背後を取られたっ…なーんてね?

 

バシャバシャ!

 

「何っ!?」

 

「終わりだ」

 

さっき霧の中でコピーしていた甲斐があったよ…ふぅ…さて、この突きつけたクナイで終わらせましょうかね…

 

「終わりだと…?ククッ…」

 

再不斬が不敵に笑い出す。この状況でまだ何かあるというのか?

 

「分かってねーなぁ…サルマネごときじゃあこの俺様は倒せない。絶対にな。しかしやるじゃねぇか。あの時にすでに俺の『水分身の術』はコピーされてたっていうことか。分身の方にいかにもらしいセリフを喋らせることで…俺の注意を完全にそっちの方に向けさせ、本体は霧隠れで隠れて俺の動きを伺っていたという寸法か…しかしな…」

 

「俺も甘くねーんだよ」

 

俺がクナイを突きつけていた再不斬が消え、俺の背後に本体が現れた。そして大きな刀を振り回した。もちろん俺はしゃがんで避ける。しかしそれが仇となった。再不斬の回し蹴りがクリティカルヒットし、川の方に吹っ飛ばされた。

 

「グッ…クソ!なんだこの水…やけに重いぞ…」

 

しかし俺はそこでやつの罠にかかってしまった。

 

「『水牢の術』」

 

すると俺の周りに水がまとわりつき、身動きが取れなくなってしまった。

 

「ふん、バカが…」

 

油断した…まさか捕まるとは思わなかった…

 

「さて、次はあいつらを始末しようか…」

 

再不斬は水分身を使い、サスケ達の方に向かわせた。

 

「逃げろお前らー!」

 

 

 

〜続く〜

 

 

 

 




はい、いかがでしたでしょうか?多分原作と同じだな…と思った方もいますでしょう。しかし段階的にこうするしかなかたとです…(ヒ○シ風)



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