妖精魔導師~僕は赤龍帝の弟です~ (ドルキ)
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第0章 原作前のビギニング
プロローグ


お久しぶりの投稿と新作です。

他の作品は、時間がないのとネタに詰まっているのです。


「あなたは不幸なことにお亡くなりになりました。ですので、これらの力を授けましょう」

 

この夢を見て一体どのくらいの時間が経っただろう。

 

僕の名前は兵藤竜二。小学生です。

 

僕はいつ見たかはもう記憶に無いけれどこの夢を見た記憶だけは残っています。

 

僕が死んだ?

いえ、いえ。こうして生きていますよ。

 

まぁ、その事は置いて置きましょう。

 

僕は他の子には出来ないことができます。

魔法です。

 

頭がおかしいとかではなくて本当に使えます。

 

例えば、竜の体に己の体質を近づける竜迎撃用の魔法、滅竜魔法などです。

火竜の滅竜魔法なら体のあちこちから火を出すことができます。そうすることにより、パンチなどの威力を上げることができます。火を食べることによって体力や魔力の回復、上昇などをすることもできます。

この滅竜魔法も種類がたくさんあり、火や鉄などがあります。

他にもたくさんの魔法を使うことが出来ますが、モノにもよりますが使用する魔力量が足らなくて使えない魔法もたくさんあります。

あと、滅竜魔法を習得していると極端に乗り物に弱くなります。

僕は遠足なのでバスに乗る時は苦労しました。出来るだけ、乗り物には乗りたくないですね。

 

一応、この事は秘密にしています。

理由は簡単、目立つからです。この事を知れば、僕のことを利用する人がいるかもしれません。

 

なので、鍛えています。

魔法を使えるからか一般の子達より、いや、その辺りの大人よりも運動能力は高いです。

 

この間、人の気がない所で五十メートル走を測って見たら、五秒程でした。

小学生ですよ。速いです。

筋力等もかなり高くて、逆立ちなんて当たり前。そのまま、腕立て伏せだってこなせます。

普段は、まわりの友達に合わしています。

 

「リュウ、遊びに行こうぜ!」

 

今、遊びの誘いをしてきたのは兄の兵藤一誠です。まわりの友達や両親はイッセーと呼んでいます。

ちなみに、僕はリュウと呼ばれることが多いです。

 

兄と行っても同じ歳です。双子です。ただ、産まれた日は跨いだので誕生日は違います。

 

兄さんや両親も僕の魔法のことは知りません。でも、いつかは話したいですね。

 

「はい。兄さん、遊びましょうか」

 

僕は魔法を使えます。きっと、この世界には魔法を使える人達はたくさんいると思います。

 

僕は、家族が、兄さんが、友達が、とても大切で大好きです。

 

きっと、この力は皆さんを守るために神様が授けてくれた力だと思うのです。

 

なので、何があっても、必ず兄さん達を守って見せます。

 

 

 

 



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第1話 黒猫と出会いました

「火竜の鉄拳!!」

 

炎を纏った右拳で空中を殴る。

 

「火竜の鉤爪!!」

 

拳を振るった流れのまま、炎を纏った足で回し蹴りをする。

 

 

僕はある山奥の森で修行をしています。

あと、中学生になりました。

 

ここは、自宅からは少し遠いです。歩くだけなら往復するだけで半日掛かるでしょう。

それで修行する時間を取れるようにするために魔法を使って移動します。

瞬間移動(ダイレクトライン)という魔法です。

簡単にいうと瞬間移動する魔法です。使い勝手は良いのですが、それほど遠くに移動することは出来ません。なので、何度も使用することによって今いる山奥にやって来ては、修行をしています。

 

日に日に強くなっていると思います。しかし、組み手の相手は欲しい所ですね。

 

「ふぅ、さて、帰りますか。おや・・・」

 

修行を終えて帰ろうとしていると、茂みから黒猫がヨロヨロと歩いて出てきた。

 

一応、生物が近くにいないか確認してから修行を初めていましたが、少し熱が入り過ぎたようですね。

 

「修行に巻き込まなくて良かったです。おや、ケガをしていますね」

 

黒猫は全身傷だらけで、息も絶え絶えになっていました。

 

僕は天空の滅竜魔法が使えるので、回復魔法が使えます。少し、使うのは苦手ですが。

 

「黒猫さん。ケガを治療しますから動かないでくださいね」

 

治療をしようと近くと黒猫はこちらを警戒するように身構える。

 

「そんなに警戒しないでください。僕は君を助けたいのです」

 

僕の言葉を理解したのか黒猫は徐々に警戒を解いてくれました。

猫相手に何で話しかけてしまうのでしょうか。まぁ、警戒を解いてくれたのなら治療を始めましょう。

 

「では、失礼して」

 

黒猫に回復魔法を掛けようとしたとき、体中に悪寒が走った。これは第六感でしょう。

僕は黒猫を素早く抱き抱える。

 

神速(ハイスピード)!」

 

魔法による高速移動でその場を離れた。そして、離れた数秒後にその場が爆発した。

 

「これは、どういうことでしょうか」

 

回避し、爆発跡を見て僕は呟いた。

煙が晴れてくると、3人の男の姿があった。

 

「いきなり攻撃してくるなんて、どうかしているのではないのですか?」

 

僕の問いかけに向こうの方が答えてくれました。

 

「黙れ人間。寧ろ、助けてやろうと思ったのだぞ」

 

「助ける?殺そうとしたの間違いでは?」

 

僕の言葉に機嫌を悪くしたのか、男達の額には青筋が立っています。

 

「小僧、貴様は魔法使いの様だからわかるであろう。そいつははぐれ悪魔。しかも飛びきり上玉のな」

 

悪魔。はて、何のことでしょうか?

 

「すみません。確かに僕は魔法が使えますが悪魔なんて知りません。どういうことですか?」

 

「なんだ、まだひよっこか。俺達の攻撃を察知し、回避したのでよほどの手立てかとおもったが。まぁ、良い。その黒猫は主の悪魔を殺して逃げたはぐれ悪魔で罪人だ。よって駆除しなくてはならない。わかったならそいつを寄越して帰ることだな。寄越なければ貴様を共に葬ってでも攻撃を開始する」

 

なるほど。悪魔についてはわかりませんが魔法が存在するのですから悪魔位いるのでしょう。そして、この黒猫は罪人だと。

 

「黒猫さん。君は本当に罪人なのですか?」

 

腕で抱える黒猫に僕は問いかけた。すると、僕の腕の中から飛び出て地面に着地する。

そして、黒猫は一瞬光に包まれたと思うと黒髪で頭から猫耳を生やした着物を着た美少女になった。

 

「・・・私は黒歌。はぐれ悪魔で罪人よ」

 

少し悲しげな表情を浮かべて黒歌は答えた。

 

「君は逃げなさい。どうせこいつらは君を逃がすつもりもないでしょうから」

 

黒歌はそう言って3人の悪魔達の方を見る。

 

「この子は関係ないでしょ。相手になってあげるからかかって来なさい」

 

黒歌は戦闘の構えを取った。

しかし、黒歌はボロボロ。さすがに3人の相手は厳しいのではないでしょうか。

 

「小僧、さっさと行け。ここからは悪魔の問題だ」

 

そう言って3人の悪魔達も構えを取った。

 

しかし、逃げてもいいのでしょうか。黒歌は罪人だとしても、先程の悲しげな表情は気になります。

 

仕方がないです。魔法を使いますか。

 

「黒歌さんといいましたね。あなたはなぜその主の悪魔とやらを殺したのですか?」

 

「・・・それは私が悪魔になって強くなったから・・・あいつが邪魔だったから」

 

黒歌はそういうが僕の魔法で黒歌の心の声を聞いています。

 

『あいつが白音に手を出そうとしたから・・・白音を傷付けようとしたから』

 

僕の耳に黒歌の心の声が届きます。

 

「なるほど、白音さんという方を守るために主の悪魔を殺したとそう言う訳ですね」

 

「なぜ、その事を!」

 

黒歌が驚愕の声をあげた。

 

「魔法です。黒歌さんの心の声を聞かせてもらいました。この魔法はプライバシーに関わるため普段は使わないのですが黒歌さんのことが少々気になったもので使わせてもらいました。申し訳ありません」

 

僕は頭を下げた。

顔をあげると黒歌はばつの悪そうな表情を浮かべていた。

 

「白音は私の妹。私は元妖怪の転生悪魔で転生してから物凄く能力が上がったわ。そして、あいつはまだ体の出来ていない白音にも無茶をして利用しようとした。だから、私は白音を守るためにあいつを殺した」

 

黒歌が口を開いて発した真実に僕は黒歌を守ろうと思った。

 

「あなた方、今の言葉を聞いたでしょう。これは正当防衛です。黒歌さんを捕まえるのはやめてもらえませんか?」

 

僕の言葉に悪魔達はクククっ、と笑い始めた。

 

「クククっ、そんなのはどうでも良い。こいつを捕まえれば報償金がたんまりと入るからな」

 

悪魔達はさらに、笑い出す。

 

なるほど、わかりました。

この方々はただの糞ですね。

 

「黒歌さん、疲れているでしょう。下がっていてください。お守りいたします」

 

僕は黒歌を庇うようにして悪魔達に戦闘の構えを取る。

 

「何をしているの!速く逃げるにゃ!」

 

黒歌が声をあげる。

 

「黒歌さん、僕には兄がいるのですよ」

 

「?」

 

黒歌が不思議そうな顔をする。

それはそうですね。

いきなり、関係のない兄さんの話を始めたのですから。

 

「少しスケベでまわりに迷惑をよく掛ける兄です。しかし、僕のことや家族のこと、友達のことを何よりも大切にしてくれる優しくて自慢の兄です。黒歌さんは兄と同じです。妹さんのことを大切にしている立派なお姉さんということがわかります。そんな方を放って置くことなど出来ませんよ」

 

僕は黒歌の方を見て心配ないと微笑む。

 

「本当に戦うのかにゃ?」

 

「はい。お守り致しますよ。なので、お下がりになってください」

 

僕がそう言うと信じてくれたのか黒歌は頷き後ろへ下がる。そして、あれは防御の魔法でしょうか?魔法陣を展開した。

 

「さて、悪魔さん方、始めましょうか」

 

僕は再び戦闘の構えを取った。

すると、悪魔達は爆笑を始めた。

 

「ギャハハッ!人間の子供風情が俺達と戦うだと!」

 

「小僧、舐めてもらっては痛い目を見るぞ」

 

悪魔達は完全に舐めていますね。

しかし、3対1です。

本気でいきましょう。

 

「行きます。リキッドグラウンド!」

 

僕は地面を柔らかくして操る魔法、リキッドグラウンドを放つ。

地面が波打ち、悪魔達を飲み込む。

 

「な、なんだこれ!」

 

「小癪な!」

 

リキッドグラウンドに巻き込まれた悪魔達は翼を羽ばたかせて脱出する。

なるほど、悪魔は翼があって飛べるのですか。

 

「うぉぉぉお!!」

 

1人の悪魔が西洋風の剣を構え、突っ込んできた。

 

速いですね。まぁ、見えないことはないですが。

 

僕は腕をクロスさせて防御の構えを取る。悪魔の口角がつり上がったのが見えた。

僕を仕留めることが出来ると思ったのでしょう。

 

ガキンッ!!!

 

「何!」

 

悪魔が驚愕の声をあげた。

何故なら、僕を斬りに掛かった剣の方が折れたからだ。

 

「鉄竜の剛拳!」

 

「ぐはっ!」

 

斬りかかってきた悪魔は声をあげて吹き飛んだ。

 

「貴様、その姿は何だ!」

 

別の悪魔が僕の姿を見て驚愕する。

 

そう、今の僕の姿は全身が鉄の鱗で覆われているからだ。これは鉄の滅竜魔法です。

 

「敵には答えませんよ。さてと・・」

 

僕は先程の折れた剣の先を拾う。

 

「さて、いただきます」

 

ガジガジガジ

 

僕は剣の先を食べた。

 

「ごちそうさまでした」

 

僕の奇怪な行動に悪魔達、そして黒歌も驚きと驚愕の声をあげた。

 

「鉄を食っただと!」

 

「ば、化物!」

 

化物ですか。

まぁ、魔法を使える子供で、鉄の鱗に覆われていますから間違いではないですね。

 

「さて、決着をつけましょうか。食べたら力が湧いてきました。滅竜奥義!業魔・鉄神剣!!」

 

両手を合わせ巨大な鉄の剣を悪魔達に振り抜く。

 

ズガァァァァァッ!!!!!

 

「「「ぐあぁぁぁぁ!!!」」」

 

衝撃で悪魔達3人は吹き飛んだ。

3人とも余程ダメージを受けたのか動かなくなった。

一応、手加減をしましたので。

 

何はともあれ、何とか勝てました。

 

 

 

 



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