東方神帝録 (ガルシオン)
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幻想入り─それは新たな物語の始まりを意味する
幻想の故郷(?)へお引越し!?


お待たせいたしました!ガルシオンことガルさんです。
正直、あのまま書くのは無理だった(オイ
ってことで幻想入りしてからのストーリーを本編とさせていただきます。

今まで読んでくださっていた方々!申し訳ございませんが、お許しください!

では本編の第一話のスタートです!たのしんでいただけたら嬉しい限りでございます。


とある呪われた館から、

どうにか脱出できた僕達は今、帰宅しようとしいてた。

しかしそのとき、いきなり僕の意識が遠退いて、

 

気がついたら、意味不明な社の目の前に移動していた。

 

一歩進むと目の前の視界は歪み、社が見えなくなったと同時に足元からガシャリと生々しい音がした。

気になって足元を見たら、

数えきれない程の数の人の骨だったと思われる骨達が落ちていた。

辺りを見回すと、小さなものから大きなものまで色々と転がってり、墓石も数多く陳列していた。

人の骨や墓石を強調するかのように

無数の赤い彼岸花と黒い彼岸花が咲いていた

風は冷たく、地面からは血液のような鉄分の臭いが漂っていた。

 

でも不思議な事に吐き気すらしなかった。

 

僕は、かつて生きていたであろう者達が僕になにかを訴えようとしているようにすら感じ取れたんだ。

 

なんでかはわからないけど、どの骨が同じ人の骨かっていうのがはっきりとわかったから、整えてあげた。

 

全て整え終えたら、途端に皆が宙に浮かびはじめて

家族の者同士なのか親友同士なのかは、分からないけど、嬉しそうに動きはじめた。

 

最初は少し驚いたけど、恐怖はしなかった。

それどころか、なにか温かいものを感じた。

きっとその温もりは人がより人らしく生きるために必要な物なんだと直感でわかるような、そんな大切な温もりだとわかった。

 

そして、直後強い冷たい風が僕に向かって吹いてきたんだ。

咄嗟のことだったからめをつぶってしまった。

目を開けたら、

 

目の前にフィレーネが心配そうに覗きこんでいた。

びっくりはしたけど、それだけだった。

彼女は、呪われた館で僕を何度も救ってくれた恩人のような存在。

 

 

周りが気になって、見回したら、

先程までの風景ではなくなっていた。

 

さっきの風景はなんだったのかはわからないけど、

今、僕の目の前の(再び見えるようになった)社を訪ねることにしたんだけど……………

 

 

(妙だ。生活感が全くといって良いほどに感じられない…)

 

そしたら、背後からとてもデカい気配を感じた。

直感が危険信号を放っていたけど、そんな危険信号を無視して、背後を振り向いたら、

とても綺麗な銀色の鱗をした巨大な龍(ドラゴン)がいた。

 

思わず見とれてしまった。

 

龍が若干驚いたように見えたが、顎に手を当てて、なんかよく分からない事を淡々と呟いた後、

思い切り視界が光に包まれたんだ。

 

そして、視界が戻ったら、妙な遺跡に立っていた。

近くにはフィレーネはいなかった。

 

近くにあったのは少し派手な大剣などの武器達だった。

直後、光の粒子になって僕の方に向かって来た。

けど、僕は体に少しも力が入らない状況だった。

粒子は、僕の体に纏わり付くと、

僕の体に浸透していった。

 

そして突然、左眼が熱くなった。

視力を失った方の左眼がなんで熱くなったのかわからないけど、かなりの知識が脳に叩き込まれたのがわかった。

 

いつの間に来たのかは分からないけど目の前に先程の龍がいた。

 

そして、今度は龍の咆哮で意識が刈り取られた。

 

少したってから、意識は戻った。

意識は戻ったが全身に重量感のある重みを感じた。

起き上がれないでもないから上半身だけ起き上がってみた。

……けど目眩がするわ、腹も減ってるわでヘトヘトだった。

深呼吸したら喉はとうに枯れており、空気が冷たくて美味しく感じた。

背伸びをしたら体の節々がメリメリとなった。

 

そんなこんなで、どうにか立ち上がり、歩くことには成功した。

だが走ることはできそうもなかった。

 

とりあえずあのよく分からない神社の中でぶっ倒れてたのは理解できた。

 

起きてみたらフィレーネが全力で心配してきた。

僕の体のありとあらゆる所をペタペタしてきた。

話してみたら"体の部位を見てみなさい"と言われたので

見てみたら

やたら質量感のある籠手が装着されていた。

よく分からないけど、邪魔だなぁと思ってたら、あら不思議!粒子みたいなのを放ちながら消えていった。

少し面白くなって、出したり消したりしてたら、

籠手から念通力なのかわからないけど、無視して繰り返してたら、

『だからっ!ヤァァァ!メェ!ロォォ!つってんだろがぁぁ‼(╬ಠ益ಠ)』

という、とてもお怒りな声が響いた。

 

そして、階段が見えたので降りようとしたら、

一瞬で一番下までたどり着いた。

鳥居を潜ったら……………

「ま!た!か!(=*Δ*=)」

今回は、先程の社とは違い生活感がわずかに感じられる神社にたどり着いた。

そして、後ろを振り向いたら、

たいそう驚きなご様子である巫女様と

警戒心バリバリなご様子である空間の裂け目から上半身だけ現れている怪しい(妖しい)女性がそこにいた。

夜椿崎魄颯sideEND

 

 

巫女side

 

な、なんなのよこいつ。

龍夜が言った直後に来たけど。

 

こいついったい何者なのかしらね

怪女「ねぇ?龍夜が帰ってきたらこいつと戦わせるのはどう?」

巫女「いいわね、それ。」

 

巫女sideEND

 

 

夜椿崎 魄颯side

 

うっわ~なんか、よくわからん展開だ。

うん、軽く鬱になるわこれ。

展開の流れが極端に早いんだ、無理ないよ。

 

まぁとりあえず、賽銭箱にお金でも入れるか。

取り敢えず…

夜椿崎「(フィレーネお金を元のサイズに戻してくれなる?)」

 

フィレーネ『わかったわ』

 

フィレーネと思念通話した後、

ドサッと沢山の金が出た。

 

巫女と怪女「!!!??」

 

夜椿崎「(ちょっ!出し過ぎ!!)」

フィレーネ『量を指定されなかったし』

夜椿崎「(諭吉さんの札束×25と金貨×25でお願い)」

フィレーネ『わかったけど金貨は難しいわよ』

夜椿崎「(ごめんね)」

フィレーネ『り、了解』

夜椿崎「よし!これをこう!」

こうして、たくさんの金をこの神社に捧げたわけだが

二礼二拍一礼をしっかりおこなってやったよ(ドヤァ

夜椿崎「(うーん…これからどうしようかな………)

あっそうだ!他の神社にもおなじ事をすればいいか!そんでもってついでにであった人達によろしくって挨拶しとけば顔も知ってもらえるかも!」

 

夜椿崎sideEND

 

巫女side

 

…(ど…どうしよう、めちゃくちゃ気不味い)。

???「あ、あの~~」

巫女「うっひゃあ!?」

???「すみません!!?」

巫女「い、いや…」

???「脅しちゃって御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ(ry」

巫女「ちょっ!とまって!!」

???「……??」

巫女「私にはなしかけてきたのあなたじゃないの、で?なによ。」

???「あっ!そうでした!ここはなんてとこですか??」

巫女「博麗神社よ」

???「え!?あの山もあの森も全部含めて博麗神社!?」

巫女「あー違う違う!幻想郷っていうところよ。」

???「ムム…ややこしいのデス」

怪女「あらあら、霊夢。あなたがしっかり説明しないでどうするのよ?」

巫女「あ~ってるわよ!!てか紫!あんたが説明すれば…ってもういないし……ごめんね?」

???「クスクス……いいですよ。なんとなく把握しましたし。」

巫女「そう?ならここは?」

???「幻想郷の中に存在する博麗神社で素敵な巫女様がいる神社……ですよね。」

巫女「そうよ、あってるわ。でもね私からも質問いい?」

???「ええ。どうぞ」

巫女「“素敵な巫女”ってだれのこと?」

???「あなたです」

巫女「もっかいお願い」

???「あなたです」

巫女「……どこで知ったの。」

???「知ったのって、はぁ。」

巫女「…?」

???「……少しは自身の容姿に自身を持っても良いと思いますよ?」

巫女「!?!?!?」

???「ん?おかしなこと言いましたか?」

巫女「い、いいえ、言ってないわ。(な、なんだってのよ)」

???「良かった。…いろいろ教えてくださりありがとうございました───"幻想郷の素敵な巫女"さん?」

巫女「っ!?!?ちょっと待ちなさい!!……いない。全く何なのよあの子。はぁ…紫じゃないんだから勝手に消えないでよね。あ、あの子の名前聞き忘れた。ってか、こんな大金どうしろってのよ」

 

巫女sideEND

 

 

夜椿崎side

 

……さて、どうしたものか。

取り敢えず、幻想郷というところには里があることがわかった。

あと、森がかなりある。山からもただならぬ気配を感じる。

しかし、いずれもかなり距離がある。

 

う~ん、どうしよう。

龍『ここは、情報収集も兼ねて無難に里にでも向かってみてはどうだ?』

夜椿崎「ありがとうそうすることにするよ。……あっΣ(・□・;)」

フィレーネ『どうかしたの?』

夜椿崎「あの巫女さんの名前聞いてないなぁ~っておもって」

龍『私の名より巫女の名を優先したか………ちょっと萎えたぞ。ちょっとだけどな。』

夜椿崎「よろしくたのむよ?龍さん、いや銀龍さん」

龍「ああ、頼まれてやろう。吾が名はカラミティウスだ。あと、私は神だ。神龍でも、龍神でもある。因みに格は神帝だ。」

夜椿崎&フィレーネ「『えぇぇぇ!?』」

龍『(うぉぉぉぉい!!?)』

夜椿崎「えーっと面倒だから銀龍神帝王カラミティウスで。」

カラミティウス「まぁ、妥当だな。(少しは敬って欲しいものだが)カラミティウスとでも呼ぶといい。」

 

こうして里へと向かうことに決めた一行は数分後に軽く後悔するのだった。

夜椿崎「あのさ、さっきの巫女に道を聞けば早かったんじゃない?」

カラミティウス&フィレーネ『『…………』』

夜椿崎「はぁぁぁぁぁぁ(溜め息)」

カラミティウス『なんか…スマン』

フィレーネ『まったくよ』

カラミティウス『何故貴様がそれを言うのだ』

フィレーネ『なんとなくよ。』

カラミティウス『もう何も言うまい』

夜椿崎「(やれやれ。これから先、僕はやっていけるのだろうか。)」

 

結局その日のうちに里につくことはできなかった。

里に着いたのは実にその翌日の半日過ぎた頃であった。

 

【TO BE CONTINUED】




どうだったでしょうか!!

正直自身がない。今までの作風がかなりアレでしたし。(汗)

楽しんでいただけたら幸いです、いやマジで。

次回作もお楽しみに!


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人里に到着しました。

《前回までのあらすじ》
巫女達と出会い、会話し人里に訪れることに決めた一行。
1日半かけ、ようやく人里に着くことができたのであった。


僕らはあの後、約一日半くらいで人里についたのだった。

 

早速だが、視線がつらい

 

僕「……(キョロ)」

村人A「・・・(ジトー)」

 

といった具合である。

き、気まずい。

 

…そう思っていた時の事だった。

 

「おや?見ない顔だねぇ。新人かい?」

 

「う~ん新人なのかはわかりませんがきっとそうです。」

 

「まぁ何はともあれ自己紹介からにしよっか。あたしは、小野塚小町っていうんだよろしくな。」

 

「ぼ、ぼくは夜椿崎魄颯といいます。よろしくでs(グ~~)……あ、あのすみません///」

 

「いいよいいよ。別に恥ずかしいもんじゃ(キュルルルル~~)……ないからさ」

 

「あの、むりしなくていいですよ。」

 

「…ゴメン。正直めっちゃくちゃ恥ずかしかったわw。あ、そうそう。」

 

「なんでしょうか?」

 

「あそこの団子屋で一緒に食べて行かないかい?あそこの団子は絶品なんだよ。」

 

「団子屋…ですか。」

 

「おやぁ??これは信じられないようだなぁ?んじゃあさっそくいってみよ~!」

 

「えっ!ちょっ!?」

 

こうして僕は鎌を片手に持つ女性に連れられて団子屋にお世話になることになりました。

 

僕は、団子よりも大福派なんだよなぁ。

 

数分後、数分前の自分を恨めしく感じた。

そう、とってもうまいのだ。たかがみたらし団子だというのに、今まで食べたことがないくらいにおいしかったのだ。

 

「どうだい、きにいったかい?」

 

「…(ふんふん)!……モグモグ…モグモグ」

 

「(この子、ほんっとに幸せそうに食べるよなぁ。正直見てて和んじゃうよ。)」

 

「……ゴックン!こ、小町さん!」

 

「うひゃあ!な、なんだい?」

 

「この団子めっちゃくちゃうまいです!!」

 

「そうかいそうかい。そりゃあよかった。」

 

「あなたは全く良くないですけどね。」

 

「……?あなたは?」

 

「あ、どうも私の部下が世話になりました。私の名前は四季映姫と言います。」

 

「あ、あの部下ってどういう…」

 

「ええと、四季様。これはあたしから説明してもよろしいでしょうか?」

 

「ふむ、別に良いでしょう。」

 

「四季様は私の上司に当たるお方で、ヤマザナドゥという役職についてるのさ。

あたしはそんな四季様の部下なんだ。」

 

「!?!?」

 

「……?どうしました?はぁ、いいでしょう。ついてきなさい小町。あなたには説教が待ってまs「待ってください!」…なんですか?」

 

「小町さんにご迷惑をかけてしまったの僕なんです。今回は明らかに僕に非があります!説教なら僕が受けるべきかと。」

 

「…フム、なら仕方ありませんね、今回だけは"特別に"見逃します小町、次は容赦しませんからね。」

 

「(いつも容赦ないような気がしますが)アイアイサ―!」

 

「(あっ、これ絶対またやるやつや。とりあえず、四季さん乙!)」

 

色々あったが、小町さんに一つ感謝の意味を込めて。

 

団子を二パック分買って、手渡ししておいた。

 

さらに(この団子で四季様と仲良くいただいてくださいね)とこそっと耳打ちもしておいた。

 

何故か、小町さんの耳が赤かったけど何かあったのかな?

 

別れを告げて僕は団子をほおばりならトコトコあるいてたら、なんか元気な声が聞こえてきた。

 

「あたいったら最強ね!!」

 

「(う~ん。どこから聞こえてきたんだろう…まぁいいや。ん?あの建物は何だろう。」

 

近寄ってみることにした。

近寄ったはいいけど、子供の多いこと多いこと。

もうね、いまここから遠目で見ても、よく見える。

 

いやぁ、すっごいねぇ。まぁ素通りするんだけどさ。

 

う~ん。どうしよう。もう人里抜けちゃいそうだぞ。

 

「~~~!~~、~~~!」

 

なんか女性が必死に訴えかけているんだが………。なぜ人里のやつらは無視するんだろう。

 

「ねえ君、どうかしたの?」

 

「っ!?」

 

「いや身構えないでよって言っても無理か。しかし、あんなに大きな声で何か訴えていたらふつうは気になるはずなんだけど。いったい何だったの?」

 

「友達と…はぐれちゃったんだ。」

 

「へぇ友達とはぐれちゃったのか。とりあえず君の名前を教えてくれると呼びやすいんだが。」

 

「えっとね私の名前は優子、優子っていうの。」

 

「優子ちゃんていうんだね?よろしく。友達とどこではぐれたのかわかるかい

?」

 

「うん、ついてきて。」

 

数分後…

 

「ここは…洞窟なのか?」

 

「うん。ここは最近私の友達が見つけた洞窟なんだ。この中ではぐれて迷子になっちゃって、探してるうちに出口にたどり着いちゃって………」

「そうか。ちょっと待っててね(フィレーネ)」

『なに?』

「(ここの過去の時間を少し早送りで二週間くらい見せてくれる?)」

『はいは~い。』

「(あれ、今目の前に見えるこの風景とこの二人はひょっとして…)」

『ひょっとしなくても、片方は今、あなたの隣にいるこの子よね』

「(それじゃあ、もう片方の子の居場所の特定と道案内よろしく頼むね!)」

 

旅を初めて早々、心身ともに疲労しきる予感しかできない事に聞こえない程度に小さく溜め息をついてしまう一行なのであった。

 

【TO BE CONTINUED】




旅を初めて早々この始末、
はてさてこの先(彼等の胃袋は)どうなりますことやら。


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僕、少女の友達を救出します!!

《前回までのあらすじ》
人里で大きな鎌を携える女性、小野塚小町と出会い、彼女とともに団子屋に行くことになった。
別れた後、夜椿崎達は、人里を見てまわる事にした。
少女がなにか訴えているような場面に遭遇。
どうやら友達と離ればなれになってしまったらしい。
無視できず自身も探索に協力することに…
果たして彼女の友達を見つけることが出きるのだろうか。


協力することになったものの、洞窟の構造が意外と複雑であることが、フィレーネの協力により知ることがてきた。

過去を(断片的にではあるが)見たことで、彼女の友達がどんな容姿なのか、おぼろげにではあるがわかった。

そして、彼女はどうやらこの洞窟のかなり奥にいるらしく、しかも衰弱しきっているとのことである。

夜椿崎は焦りを感じたが、ここは冷静に彼女に待って貰いフィレーネに頼ることにした。

「(とりあえず、彼女の回りに人外がいるかどうかを調べてくれる?)」

『もうとっくにわかってるわよ?いまのところはいないわね。』

「(いまのところ?)」

『数体の妖怪が彼女の元に近づいて来てるのよ』

「(なら、今すぐにいこう!道案内頼むよ!)」

『お断りよ』

「(なんで!?)」

『だって、あなた死んででも助けるつもりでしょ?』

「(当然!)」

『だからよ』

「(え?)」

『いい?私はあなたに死んでほしくないの。』

「(なるほどね。なら、変えるよ。死ぬ程本気で彼女を救って皆で帰ってみせるってね!)」

『ふふ、一丁前なこと言うじゃない。いいわ、のってあげる。でもね、命を投げ出そうとしたら承知しないわよ?』

「(うん、わかったよ)…おわったよ。じゃいこうか、優子ちゃん?」

『連れてくの?』

「(考えがあるんだ。といっても、僕の勘が外れたら元も子もないけどね。)」

『わかった信じてあげる』

─────────────────────────

(数分後)

─────────────────────────

「なんなんだろうね、何かさっきから同じところを通ってる気がするんだ。」

「そう…ですね………あの……なんか私、頭がすごくクラクラします…」

「大丈夫か?……⁉すごい熱じゃないか!!どうして言わなかったんだ!」

「だって、これ以上迷惑はかけれませんし。」

「(フィレーネ、こんな時も済まない頼めるか?)」

『まったく、しかたないわねぇ。』

「すごい…!クラクラしなくなった!ありがとう!」

『ねぇ、気付いてるかもしれないけど私たち同じところしか行き来してないわ』

「(解ってるけどどうしたらいいのかなぁ)」

『結界未来なものが張られてるんじゃないかなぁ?でも私では目視できないわ』

『…………この私の右眼を使うといい。』

「(カラミティウス!おはよう!)」

『いや、起きてたからな!?』

「(そ、そう)」

『取り敢えず、左目をつぶり、右目の眼帯をはずしてみろ。そうすれば見えないものも見えるはずさ。』

「(カラミティウス…わかった、やってみる!………っ!!?フィレーネなんか変な赤い壁みたいなのが見えたよ!)」

『そういわれても私には見えないのよねぇ。』

『仕方あるまい。今回のみ私が直々に貴様らの視界を共有させてやろう。』

『…!見えたわ!!いける!っっ!はぁぁぁぁあ!』

 

パリン

 

小さな音を立てて結界が崩れ去った。

 

奥に進めると安堵したその時、すぐに魔獣特有の"赤い目"が数えきれないほどに輝いた。

 

「(カラミティウス!これどうしよう!)」

『……スピー。』

「(ちょ、寝ないでよ!?………いや、これくらい僕だけでどうにかしないといけないんだ!)」

そして僕は左目も開けることにした。

直後、強烈な頭痛が僕を襲ってきた。でも、死ぬくらいならと自信を奮い立たせ、

籠手の装備された両腕を構えた。

球体上に超圧縮したエネルギーを、思いっきりぶっ放すようなイメージで拳を突き出したら、超極太のレーザーが放出された。

『……はっくん?この力は何?今までだましてたの?ねぇ!!』

「(いや、僕でも何が何だかよくわからないんだ。これは、なんなの?カラミティウス。)」

『これはお前が自らやったことだ。私は知らん。(本当は力を引き出しやすくはしてやってたが、やはりこの程度(・・)か)』

 

「あっ!あそこに私の友達が!」

彼女の友達は(破壊したことで見えるようになった範囲の)最奥にある池の中心の面積の少ない地面の上で怯えていた。

「あの子で間違いないんだね?優子ちゃん?」

「うん!」

「よっしゃ、いっちょ救いに行きますか!」

『『ええ!(ああ!)』』

シュォォォン!!

「え!!これは!?この槍は!?」

『『なんかしってるの(か)』』

「(さっぱりわからん)」

『『オイ!』』

「(いや、解ることが一つある)」

『『なによ?(なんだ?)』』

「(こいつが今頼れる唯一の希望ってことさ!)」

そして敵を倒そうと敵のもとに走ろうとしたら、一秒も経たずにあの女の子の友達の目の前に移動していた。

さらに、その女の子を抱きかかえ。速刻その場を離脱した。

優子ちゃんの目の前についたとき。

優子ちゃんとそのお友達さんが抱き合って喜んでいた。

良かったと安堵しつつも、彼女ら二人を抱え即刻、その洞窟を離脱し、入り口付近からは猛ダッシュだった。え?なんで槍を使わないのかって?洞窟を脱出したら、何故か消えてたんだもん、しかたないじゃん?

なんやかんやで、人里に到着したんだけど。

さっきから「二人がありがとうございます」しか言ってないんだ。

しかもペコペコお辞儀までして、だ。

さすがに気が引けるのでやめさせた。しかしあんな所にいたのに傷一つないことに違和感を覚え、聞いてみたところ、彼女らは二人とも妖怪であることがわかった。

うん、正直びっくりした。だって、どっからどう見ても人間だったんだもん。

"驚き桃の木山椒の木"ってこのことをいうのかな?

とにかく腰が抜けそうになるくらいに驚いた。

だって優子ちゃんが濡れ女って、いやいや、全く予想できなかった。

でも彼女は後天性の妖怪というものらしい。めんどくさかったので、

妖怪の姿になったとき人間の原型があるのが後天性だとして記憶しておいた。

しかも、その一方、優子ちゃんのお友達のほうは狐妖怪でしかも、先天性という、根っからの妖怪らしいのだ。

 

予想外にもほどがあった。

 

こうして彼女らと別れを告げたのだが、分かれる前に彼女らの勧めで

「"妖怪の山"に向かってみてはどうでしょう」

と言われたのでそこに向かうことに決めた。

 

…が、白髪の獣人の女性に断られたので、仕方なくあきらめることにした。

 

【TO BE CONTINUED】




こんなにも早く投稿できるとは思ってもなかったよ!(歓喜)


ようやく彼らも帰る気になったようです。

彼らは自重と疲労を知らないのだろうか。

あ、あと人里についた時点でいつの間にか右眼のところには眼帯が装備されていたそうです。


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魔法使いに遭遇しました。

《前回までのあらすじ》

無事、優子ちゃんの友達を助けることに成功した夜椿崎達。

彼女らに薦められ、妖怪の山へと向かうが、白髪の門番に止められ、渋々諦めることに。

彼等は再び博麗神社へ向かうことにしたのであった。



実はいま僕たち、森の中で絶賛迷子中でございます。

そして妙に薄暗い山道という、この気味悪さがたまんないねぇ。

 

……行くときはあんまり気にならなかったけど、妙に肌にピリピリ来る。

何でなんだろう。

あとこの森、やたらキノコが多いな。

 

『~♪~♪~♪~~♪』

 

「(ん?あの人は...。)」

 

『『なんかしってるの(か)?』』

 

「(いや、さっぱりわからん)」

 

『『またか!!(またなの!?)』』

 

「(だって初めて見たし?)」

 

『『お、おう、そうだな。(え、ええ、そうね。)』』

 

「(どうしてこういうときだけはもるんだろう。)( ,,`・ω・´)ンンン?あの穴の開いた白いキノコってなんだろう?」

 

『キノコの化石ね。発見することすら難しいって有名なのよ?「(それってこんな感じ?)」うん、そんな感じ……って!ええええ!?どうやって見つけたの!!?』

 

「(いや、ここに普通に生えてた。サンゴの化石のような綺麗な白色だな―って思ってついとっちゃった。)」

 

『そ、そう。(………とっちゃったって(汗) )』

 

「ポキポキッ、ガサガサ」

 

「(!?なんか近づいてきた)」

 

キノコの化石に意識しすぎて油断してしまった!

 

『魄颯よ、せめて拳だけでも構えておけ』

 

「(うん!)」

 

そして、声の主が近づいてきたのだが、現れたのは………

 

『キノコ~♪キノコ~♪大きなキノコ~♪おいしいキノコ~~♪』

 

魔女の衣装を着でいる金髪のコスプレイヤーだった。

(何だろう…。)

 

「おっ!見ない顔だな!!どうした?私の顔に何かついてるのか?」

 

「(何だろう、なんともいいがたいこの感じは。風呂敷さえなければ完璧なのに、風呂敷のせいでせっかくの可愛い顔が台無しになっちゃってるよ、この子)」

 

「──!─い!おーい!」

 

「( ,,`・ω・´)ンンン?」

 

「ンンン?じゃねーだろ、さっきから私をじろじろ見やがって!いったい何のつもりなんだぜ!!?」

 

「何でもないよ~( `-ω-´)キリッ!(語尾に"ぜ"か。これはこれで、ありだな!!)」

 

『『ありなの(か)!?』』

 

「何だろう。今、すっごい馬鹿にされた気が。」

 

「ええっと、魔女っ子さん、魔女っ子さん!」

 

「ええい!魔女っ子いうな!魔法使いだけどさ!!私には魔理沙って名前があるんだ!!」

 

「あっ、はい。わかりました魔梨沙さん」

 

「私に名乗らせたんだから自分も名乗れよ。」

 

「僕の名前は…ふぇ!」

 

「ふぇ?」

 

「フェックション!!」

 

「くしゃみなんかー―――い!!」

 

「はくしょん大魔王はでてこないからね?」

 

「(古いなオイ!)で肝心の名前は?」

 

「あっ、なんか槍が出てきた!」

 

「おおう、なんなんだよその槍は。」

 

「よし!にーげるんだよぉぉぉうww」

 

「ちょ!おま!まてやこらぁ!!ってふろしきかえせやこらぁ!!?」

 

「え~~~?」

 

「え~じゃねぇよ!ほっ!ふっ!はっ!」

 

《ただ今逃走中!》

 

「いい加減返せぇ!こうなったら!」

 

──魔梨沙さんは箒にスケボーのように乗り、空に浮かんで追いかける方法に変えてきたわけで、僕はというと……

 

「おお!すっげぇ!んじゃあ僕も♪シュォォン!!」

 

そう、槍での超加速である。

 

しかも真上に、である。

 

「ちょっ!?真上だとぉ!?」

 

しかし、彼女も負けじと真上に追っかけてきた。

 

だから僕は急に減速して自分を軸に風呂敷をボール投げのようにして、魔梨沙さんめがけて分投げてみた。

 

「!?!?」

 

風呂敷は魔梨沙さんにジャストヒットしたのはいいが、バランス崩したのか、箒から手を放し、そのまま落下してしまっていた。

 

まあ悪いのは僕だから、魔梨沙さんを抱いて箒と風呂敷を片手に

 

地面に着陸した。

 

雲の上から落下してよくぼくいきてたなぁ。あ~w死ぬかと思ったww

 

「……。」

 

「あ、魔梨沙さん気絶してる。無事だから、まぁいいか(ボソ)」

 

そしてこそ~っと逃げようとしたら、足を何かにつかまれた。

 

「捕まえたぜ!!」

 

「あ、おはようございます魔梨沙さん!……生きてたんですね(ボソッ)」

 

「おおう!おはよう!……勝手に殺すなよww」

 

「聞こえてたんですねwww」

 

「ばっちりな。」

 

「それにしてもなんで、僕な名前如き聞くためにあんなにしつこく追いかけるんです?諦めればいいじゃないですか!」

 

「名前聞きたくて自分から名乗っちゃダメなのか?」

 

「いやそれ、逃げられたら損するだけですやん」

 

「今回みたいにか?」

 

「うん(ニコ―)。それにしても早いですねぇ魔理沙さんって。」

 

「まぁ速さには自信があるからな。」

 

「さて、僕はそろそろ。」

 

「いや、名乗らねぇのかよ!?」

 

「──魄颯、それが僕の名前だよ。魔梨沙さん。」

 

「あーー。魄颯君よぉ。私を散々な目に合わせたんだ。このかりはどうしたらいいと思う?」

 

「ええと。このキノコの化石一つじゃあだめかなぁ?」

 

「(ほしい!超ほしい!…けど)遠慮しとこう。そのかわり……」

 

「そのかわり?」

 

「そのぉ…私ン家まで…おぶってくれだぜ!」

 

「あぁ。なるほどね。でも、荷物とかも持ってかないとだから。とりあえずおぶるのは

無理そうだね」

 

「んじゃあ…「いや、大丈夫だよ。」ちょっ!おまえぇ!?」

 

風呂敷は泥棒がやってる感じで縛って背負うことにした。

 

因みに箒は魔梨沙さんにもっててもらってる。

 

そして、僕は魔梨沙さんを…俗にいうお姫様抱っこで彼女の自宅まで送ることにしたのだった。

 

いやぁ、面白かったよ。だって魔梨沙さんの顔が見る見るうちにリンゴのように真っ赤っかになったんだもん。見てて面白かったよホントに。

 

彼女の自宅についたときに赤い顔のまま思いっきりぶん殴られたけどねwww

 

その時ついでに、博麗神社までの行き方を聞いたのだが、どうやら近いようだ。

 

だが、ここで問題が発生したのだ。

 

彼女、魔梨沙さんから、

 

『なぁ魄颯。その、今日は暗いし泊まってくか?』

 

まさかのお泊りのお誘いをいただいたのでした…が。

 

「断わっときます。反撃としてボコされても困りますし。」

 

「いや、やんねぇよ!わたしはそんなに荒っぽくないんだぜ!」

 

「ほんとかなぁ??」

 

からかうことにしたのであった。

 

「ホントだぜ!」

 

「それでは遠慮せずに、泊まらせていただきます。よろしくです、魔梨沙さん」

 

「……(ニヤリ)」

 

【TO BE CONTINUED】



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僕、魔法使いの家に泊まります。

《前回までのあらすじ》

僕達はもともといた社へ帰るため、博麗神社のもとに戻る事になった。
人里へ向かうときにも通ったはず道のりのはずなのになぜか気が付いたら気味の悪い森の中に!
取り敢えず歩いていたら、魔女コスの人もとい魔理沙さんに遭遇する。
彼女をからかったりしていたら、日が暮れてしまった。
彼女に博麗神社までの道のりを聞き、向かおうとしたまさにその時、
彼女から、お泊りの御誘いをもらったのであった。



あのやり取りの後、少しだけ後悔することになった。

なんせあの魔法使い、

「私はいつもハンモックで寝ている。泊まるんだから、ついでに床においてある道具とかも片付けてくれよ?(ニヤニヤ)」

とかいってくる始末だ。

 

もう、ね?なんかのゲージが限界に達しそうだった。

 

だからフィレーネにとりあえず、簡単に片づけるための魔法あるいは魔術はないかと尋ねることにした。

そしたら。

『あるにはあるわよ。でも私は扱えないわ。』

とのことであった。

なので「(知識だけでいいから教えてくれないかな?)」

と尋ねたところ、ありがたいことにご教授してくださった。

でも、割と単純だった為か、割とすぐに習得で来たのだった。

 

おかげで、魔理沙さんの家は、殆ど綺麗に片付いた。

新しい配置ではなく、あるべき配置に従って、だ。

よって、魔理沙さんに、わかりやすい配置で片付いたというわけだ。

 

おかげで、床でよく眠れたよ。ええ、良く寝られました。

 

その次の日は、やたら早く起きてしまい、魔理沙さんよりも早めに起きてしまった。

 

なので、彼女に内緒でこっそり抜け出し、フィレーネに聞きながら、"食べれるキノコ"を少量だけど、収穫してきた。

勿論、それ以外の野菜もあれば採るといった感じだ。

少し物足りなさもあったのだが、妥協した。

野菜炒めもどきと味噌汁をふるまっておいた。

(味噌とその他の足りない野菜の調達元は秘密だよ!)

まあ、冷めないように工夫はしておいた。

どうやってって?フィレーネを頼ってだよ。

 

あと、無茶苦茶気になってたけど敢えて無視していたのは、この雪のことだ。

今は、もう春だろう?(魔理沙宅のカレンダーを見たため知っている。)

しかもだよ?もうそろそろ、初夏のはずでしょ!?どう考えてもこの雪はおかしいんじゃないかな!?

 

う~~~ん・・・・・・・よし!取り敢えずは無視だ無視無視!

『いや、無視するなよ!?』

 

あ、おはよ!カラミっちゃん!起きるの早いね!

 

『ああ、私は起きるのが早いんだ。ってちがぁぁーーう!』

 

「(あ、やっぱり?)」

 

まぁ、いいか、取り敢えず、

 

『なぁに、ダーウィン♪』

 

「(察しがいいね、さすがフィレーネ。...ってちがぁぁーーう!僕はいつの間にダーウィンになったんだよぉ!)」

 

『で?今度は何をご所望なわけ?ダーリン?』

 

「((なんか今日のフィレーネはやたら、積極的だなぁ。)空を飛べるようになりたいんだ)」

 

『なら私が「(それじゃあだめなんだ。)」え?』

 

「(自分の力で空を飛びたいんだ。槍で超加速して空に一時的とはいえ飛んだけどさ、あれじゃあ、納得がいかないんだ、魔理沙さんみたいに自由自在に空を飛びたいんだ。)」

 

『そう、なら貴方に私の魔術の知識をある程度の制限をかけて授けることにするわ。

あなた、"自分の力で"といったからには死ぬ気で覚えるくらいの覚悟は、あるんでしょうね?』

 

「(わかったよ。でも死ぬ気にはなれない)」

 

『え?ちょっと?』

 

「(だって、僕は死にたくないもん!それに堅苦しいのはごめんだよ!)」

 

『ほんッとあなたって人は...(うっひゃあ!久々にはっくんの可愛い表情を拝むことができたわぁぁwww脳内保存しとこうっと!)………でも、それなりに苦労すると思うわ。わかった?』

 

「(うん!(´▽`)アリガト!)」

 

『それじゃあ、あなたの脳内に直接送って記憶させるから。』

 

直後脳内に激痛が走る

 

「(!?……?いったい!痛い痛い痛い!いた…あれ?そんなにいたくないぞ?)」

 

『そりゃ。私も助力していたからなぁ』

 

「(そう…ありがとう!カラミティウス!)」

 

『ウ…ウム』

 

そして過ぎること30分

 

「予想以上に習得に時間がかかったなぁ」

 

『そうでもないわよ?』

 

「(そ、そうかな。何はともあれ、飛べるようになって良かったぁ!)よし飛ぼう、今すぐ飛ぼう!」

 

そして、運がいいことにこれは無詠唱でも可能な魔術であり、

詠唱してもしなくても、全く同じ効果の魔術だった。

 

だから、僕はとりあえず、いったん博麗神社のほうに向かって飛び、最初にいたあの社に戻ることにした。

 

【TO BE CONTINUED】



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到着、博麗神社!新たな決意

《前回までのあらすじ》

魔理沙宅に多少の食事をふるまい、こそっとおいとましたのだった。

後にフィレーネに複数の魔法,魔術を教えてもらい、浮遊魔法を習得する。

そして、さっそく覚えた浮遊魔法で、最初にいた例の神社へ向かう為、博麗神社へと向かうのだった。

(補足)
"例の神社"とか"最初にいた神社"と言われているその神社は、幻想入りする直前までいた神社の事です。


あれから数分後、彼らは博麗神社に着いた。

 

前回の例もあって、またしても賽銭箱の中身が空っぽなのではないだろうか。

 

いやいや、そんなこと考えてる場合じゃないな。

 

取りも敢えずもない…な、うん。

 

「(カラミティ…カラミっちゃん)」

『おい?何故あっているのに直した?』

「(なんとなくだね、それにしても遅い目覚めだね。バカラミティウス)」

『おい!?いい加減キレるぞ!!?』

「(アハハハ!!)」

『(いったい何だというのだ)』

「(あ、そうそうカラミっちゃん、僕ね?もっと強くなりたいんだぁ)」

『なんだ唐突に』

「(僕は…弱い、いざって時に震えが止まらないんだ。それに、何かに頼らないと戦えない。だから…お願いだ。頼むよ、あいb…カラミっちゃん)」

『(だから!"カラミっちゃん"って!何なんだよ!?しまいにゃ泣くぞ!?)わかった、具体的にどう強くなりたい。』

「(え?)」

『付き合ってやるからには、どう強くなりたいのかイメージを知りたい』

「(そうだね、近距離戦が多かったら持久戦に持ち込むしか勝ち目がない僕からしたら、あの槍は優れものさ。でも、今まで、槍らしく使ってやれなかったからさ、せめて武器らしく使ってやりたいんだよ。それに、遠距離戦で、あのレーザーだけじゃあ見切られるのも時間の問題だしさ、もっと攻撃手段が欲しいんだ。)」

『一つ質問いいか?』

「(…どうぞ。)」

──あれれ?カラミっちゃんがガチボイスなんだけど…

『おまえ…ホントに本物の魄颯なのか?』

「(今更ァァァ!?……てか本物じゃなかったらこうして念話もできんだろうに)」

『いや、そうなんだがなぁ。いつもの魄颯とギャップがあって、僅かではあるが動揺しそうになってしまった』

「(いや、ばりばり動揺されてましたよカラみん?)」

『(一体何だというのだ!その呼び名は!)どうでもいいだろそんなこと…』

「(へ~。まぁわかったよ。取り敢えず、近接攻撃を得意とする相手にどう戦えばいいのか知りたいな。)」

『しかたない。わかった、どうにかしてやろう。私はフィレーネが魔法を教えた時の様に易しくないぞ?』

「(うん、大丈夫。)」

『どっちにせよ取りせずは、あの社に戻ろうか。』

「(うん、でも、どうやって。)」

『私が教えた方法をもう忘れたか。』

「(うんっ!)」

『『嘘だろ(よね)。』』

「(うん、嘘。)」

 

≪少年&霊体&神龍移動中≫

 

──そして数分後、彼らは目的の場所へ到着したのだった。

今、彼らは修行を始めようとしていた。

 

『おい、どうした。ボケっとして。』

「(何でもないよ。…………僕は武器が無いと戦えない。でも、まとも武器を扱えていない。だから、人並みには扱えるようになりたい。だから、改めて頼む。どうか、僕を鍛えてください。)」

『いいだろう、鍛えてやる。それにしても、なんだ?改まって意思表示か?』

「まぁね。雰囲気出したくてさ。」

『お前ってやつは…』

『ねぇねぇ、修行も何もカラミっちゃんが籠手の中にいるんじゃどうしようもないんじゃないの?』

「………」

『………』

「ヤバイ、何にも考えてなかった。(震声)」

『いや、あるぞ?私が念話で指摘しながら、魄颯に武器の構え方など実践させてゆけばいいのさ。』

「『成る程ね。』」

 

『さぁ、さっそく始めようか。』

 

【TO BE CONTINUED】



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僕、修行します!

《前回までのあらすじ》

やっとの思いで博麗神社に到着!

さらに、(幻想入り前までいた)例の神社に戻り、修行をすることになった。

こうして、夜椿崎 魄颯はカラミティウスに指摘を受けながら修行をしてゆく方針になったのだった……



決意したあの日からかなりの時間が流れ今、魄颯は第二ラウンド直前へと迫っていた。

 

『そうではない!中腰の構えで…そうだ!突けぇ!!』

「でぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

数秒間、透明な斬撃が真っ直線に飛んで行った

 

『ふむぅ。斬撃が真っ直線に飛んで行ったのはいいが。狙いが甘いのか、貫通性が最初のころと比べ、かなり落ちたな。それに肩に力を入れ過ぎだ。』

 

「そんなぁぁ!」

『しかたないわよ。初めの頃は、狙いも定めずに、槍に宿っている力を使って加速したり、それを流用して突撃技をくらわせていただけだったんだし。』

『それはそうだが。ひどいものだ。まさかこれほどまでとはな。』

「うぅっ!…うぐっ!ひぐっ!何もそこまで言わなくたってぇ!」

『あ~あ。泣かせちゃった。カラミっちゃんってば意地悪なんだから』

『意地悪と言われてもな…なんかスマン言い過ぎた。だから泣き止んでくれ……』

「え?泣いてないよ?」

『え?ほんとに?』

「うん!ほんと。」

『(だ、騙されたァ……!)』

「(……案外ちょろいかも)……とは言われたものの、水平に突いたり、的確に的を撃つにはどうしたらいいんだろう。」

 

『(本当に切り替え早いな此奴)まぁ最初は貫通性を持った斬撃をだな…』

 

ここで僕はカラミっちゃんにダメ出しをいくつかされた。

 

「(気を付けるべきなのは"利き手は後手"、"右利きの場合は左腕に力を入れ過ぎないこと"、"狙いを定めるときに直ぐに定まらないときも冷静でいること"、"精神統一をして意識を一点に集中させること"、"おもに力を入れるのは左肩と右腕?")」

「(ひょっとしたら、ひょっとする?)すぅぅ、はぁ。……。………。…!……ふっっ!」

 

数秒後斬撃は出なかったが、シュオォォォンという静かな音が出た。

 

『おい、魄颯。』

 

「なんだいカラミティウス」

 

『何でそれができるのに今までしなかった?』

 

「いや、今まではできなかったけど、今やっとって感じだよ。」

 

『その割には、かなりいい感じだったんじゃない?』

 

「そ…そうかな」

 

『まぁ、そこそこだろう。今やった事をもう一度できるか?』

 

「うん、試してみる」

 

「…。」

 

『……。』

 

『「………。」』

 

『 ナ ゼ デ キ ナ イ ! 』

 

『「フィレーネェ、何故お前がそれを言う……」』

 

「カラミティウス………どうしよう。」

 

『どうした?』

 

「お腹が減って力がでにゃいの~」

 

『子供かお前はぁ!?』

 

「まぁ何はともあれ、もう一回やってみる(#・З=)/ 」

 

『ふん。やってみろ』

 

(呼吸を整えて……精神統一…利き手は後手…………今だ!)

 

シュオォォン

 

「できた?」

 

『出来たには出来たが、前よりも音が早く消失してるぞ?そもそも斬擊が出てなかったぞ?なにより、動きも若干鈍っていたな。』

 

「ふぇ?」

 

『疲労のせいもあるんじゃない?』

 

『さて…な?まぁ、まだ人並み程度にしかまだ扱えないがな。』

 

そう………なのか。

 

「ねぇ、カラミティウス。槍しかないから槍だけやってたけど、剣とかもしてみたいな…」

 

『…槍も人並み程度にしか扱えないのにか?』

 

「どちらも使えたら、それこそ望ましいことないじゃん?」

 

『むぅ………、ならばやってみるか。槍と違い根っからの近接武器だしな。まずは素振りからだな。』

 

「っていうか剣ってどこかにあったっけ?」

 

『『ないな。(ないわね)』』

 

「どうしろってのさ。」

 

『しかたない。お前を精神世界に潜ってもらう、いいな?』

 

『私も連れてってもらえるかしら?』

 

『いいだろう。一人はさみしいだろうからな』

 

『ええ。ありがと、恩にきるわ。』

 

『(本音は?)』

 

『(魄颯はわたしのもの。貴方に奪われるわけにはいかないのよ)』

 

『(私はオスだ!奪うわけも無かろうが!!)』

 

『(ホモかもしれないじゃない。)』

 

『(お前はどこまで疑り深いんだ………)』

 

 

≪少年&霊体移動中≫

 

 

《精神世界》

 

『さぁ着いたぞ』

 

「あれ?こんなに綺麗なところだったっけ?」

 

『お前が、まぁ何がとまではいわんが、やってくれたおかげさ。』

 

『なんのことよ?』

 

「なるほどね」

 

『???何なのよぉ~!!』

 

「あははは!」

 

『は、はっくんもなの!?……( ^ω^)…いいかげん泣くわよ?』

 

「あんま触れられたくない話題だからさ。」

 

『っ!?…そう、だったの。ごめんなさい。』

 

「んで?剣は?」

 

『あいよ。(ポイッ』

 

「ちょっ!なんで投げるのさ!危ないじゃないか!」

 

『精神世界だから問題ない』

 

「『そういう問題じゃない気がするんだけどなぁ』」

 

『大丈夫だ、問題ない』

 

『(全然安心できないんだけど!?)』

 

「ならいいか。(シャリリン)へぇ鞘に鈴がついてるんだ…いい音がするね。」

 

『はやく剣を抜け、これが修行だということを忘れるな。』

 

「うんわかった。」

 

「(シャキーン)…え?木刀とかからじゃなくていきなり本物!?」

 

『まぁな。良し、その刀で素振りしてみろ。』

 

「……っ!」

 

『『………』』

 

『魄颯お前、過去に剣を扱ったことあったか』

 

「何でそんなこと聞くの?まぁ、あるけど。」

 

『そうだったか。ならば基礎的なことは、今更教えなくとも良いというわけだな。』

 

「へ~。無駄足だったのかな?」

 

『そうでもない。』

 

『どういうことよカラミンちゃん?』

 

『その呼び方はやめんか!』

 

『(´・д・`)ヤダ』

 

『NA!ZE!DA!ナゼダ!!』

 

『それは…なんとなくよ!』

 

「それで?無駄足じゃないならなんなのさ?何か収穫あったのかい?」

 

『ああ。その話だがな?私はこの精神世界でなら、本来の姿で現れることができるのだ。』

 

「…つまり?」

 

『私のブレスをその剣で防げる程度になるまで鍛えてやることも可能というわけさ』

 

『(やっぱり!油断も隙も無いじゃない!自分の嘔吐物をはっくんにぶっかけるというの!?』

 

『「………。」』

 

「(フィレーネ…そんなに僕のことを心配してくれてたんだ……)」

『フィレーネ…ブレスを嘔吐物などと、言ってくれるじゃないか……それじゃあ私がまるで汚らしい龍の様じゃないか……』

 

『あら、声に出ていたのかしら…ごめんなさいねwついww』

 

『(こ…こやつめぇ!)それはそうと、魄颯?』

 

「ん?(´Д⊂グスン」

 

『『ええ!?なんで泣いてるの!?』』

 

「フィレーネのやさしさが…心にしみて…泣いちゃったんだ(グスン」

 

『(はっくん!可愛い!!)』

 

『そ、そうか。(あ、あれ?こいつホントに男…だよな…?)と、取り敢えず頭突きをするわけにもいかんからな…仕方なく、ブレスにしたわけだ。悪く思うなよ?』

 

「隕石のように衝突するってイメージであってる?」

 

『ウム。その通りだな。しかしその方が酷だろう?』

 

「そ、そだね。ブレスをよろしくたのむ。」

 

『(ああ、はっくんが、はっくんが汚れてしまう………!)』

 

『ふむ、だが忘れてないか?』

 

「なにを?」

 

『ただの剣でブレスが切り裂けるとでも?』

 

「あ。」

 

『とりあえず、剣ではなく籠手で、ブレスを防いでみろ。』

 

───そして、カラミティウスの口から虹色のブレスが放たれたのであった。

 

「(思い出んだ、あの頃の感覚を)──ツラヌケェェェェ!」

 

『(……やはり、やはり変わらんか。ふん、その程度では──ほぅ?)』

 

そうなのだ。僕の放ったレーザーとカラミティウスの放ったブレスは相殺したのだ。

 

「(ふふ、驚いてる驚いてる♪前に放った時と違って、魔力の使い方をだてに学んでた訳じゃないんだ!前とは違うのさ!前とは!!)」

 

『ふむ。まぁ、そこそこだろう。』

 

『カラミーン?やけに素直じゃない、どうかしたの?』

 

『フィレーネ、君は私をなんだと思っておるというのだ。あとその呼び方も、だ』

 

『変態で外見の割に腹黒で下品で野蛮なドラゴン(笑)よ!呼び方?なんとなくよ!』

 

『そんな…ばかな……この私が野蛮……だと………』

 

『(言い過ぎかしら?…コレでも自重した方なのに………)』

 

「それにしても相殺か。」

 

『まだまだ負けてやれんよ』

 

「あれ、カラミティウス?泣いてるの?」

 

『これは、心の涙さ。気にするな。』

 

『(カラミーn…ティウス……案外復活早いのね……)』

 

「っと、そんなことしてる場合じゃないんだった」

 

『おっと、危ない。随分と話が脱線してしまっていたな』

 

『確かにそうね。』

 

『では魄颯よ、次はそれを武器から放つようにしてみようか。』

 

「イメージ的には?」

 

『カラミっちゃんさん?極太レーザーを刃先から出すということでOK?』

 

『うむ、その通りだ。』

 

『なら、いい例があるわよ。』

 

『む、なんだそれは?』

 

「……?」

 

『○町な○はのス○ー○イトブ○イカーよ!』

 

「成る程ねえ。やってみる!」

 

『いいか?大切なのは十分にためた魔力を拳から槍に注ぎ込むイメージだ』

 

「…注ぎ込むイメージ……」

 

言われるままにやってはみたが、やれてしまったことに内心驚いていた。

 

『よし、次はその注いだ魔力を槍の先端に集めろ』

 

これも、同じく難なくこなすことができた。

 

「か、カラミティウス!これでいいの!?」

 

『あぁ。これでいい。』

 

そして先端に集めた魔力は球状の魔力玉のようなものになった。

 

『よし、あとは、打つだけだ。』

 

「う、うん!」

 

このとき、魄颯は方法を多少誤ってしまった

 

『魄颯なにをしている?』

 

「魔力の圧縮」

 

『……は?』

 

そう、魔力を圧縮してしまったのだ

 

「よしそこそこに圧縮できたから打つね!」

 

『ま、待て、魄颯!』

 

その直後──

 

──超圧縮された極太の熱線が放たれたであった

 

『『「…………。」』』

 

『魄颯…』

 

「カラミティウス…」

 

『……次は圧縮するなよ?』

 

「ぅ、うん。」

 

『まぁ、できたのだから許してやろう。』

 

『はっくん!!あんなことこできるようになったんだから、指先からも放てるんじゃない?』

 

『(な!?あのバカ!余計なことを!)』

 

「うん!やってみる!」

 

『おいバカやめろ!』

 

そして、またしても放たれてしまったのであった

 

「指先からも放てるとは思わなかったなぁ。」

 

『……………(゚Д゚ |||)』

 

「今度は十本でやってみるか」

 

『させるかァァァァ!!!』

 

こうして放たれた極太レーザー×10は、カラミティウスに炸裂した(止められた)のであった。

 

『オイ(威圧)』

 

「な、何でしょうか( ;∀;)」

 

『ワタシハ、ヤメロトイッタヨナァ?』

 

「はい」

 

『何故ヤメナカッタ?』

 

『「楽しくて、つい。」』

 

『(コノ野郎!)はぁ…わかった次はないぞ?(威圧)』

 

「う、うん!」

 

『さて、次は剣でだ。』

 

「うーん同じ要領?」

 

『少し違う。刀や剣の場合は刀身に、とはいいきれないからだ──(以下略)』

 

 

──この後、魄颯は刀から斬擊を飛ばせるようになった。

 

しかしそれでも、魄颯は鍛え続けた。

 

そして、無事に全ての段階を終えた魄颯とフィレーネのは共に精神世界から戻っていったのだった。

 

 

 

── 一方その頃、精神世界にのこったカラミティウスは

 

『GYEEEYAAAAAAaaaaaaaaaaEEEEEEEEYYAAAAAAAAAAA!!!!(~~!クソッタレメェェ!!)』

 

── とても御冠なのであった。

 

 

……… 何故って?それはそうだろう。

時々入るフィレーネからの介入により、厳しく当たることができず、また応用技術の特訓が曖昧になってしまったからである。

 




話が進むたびに、カラミティウスのストレスは貯まっていく…………いつか、か発散させてあげたいな…………………
いや、爆☆発させるのm…あ、やめて、からみっs(ピチューン)

因みに、槍はあの後人並み以上には扱えるレベルになれました。

人並み・・・能力や行為などが、多くの人たちと同程度であること。(goo辞書より抜粋)

もしこれでも人並み程度には扱えるレベルだとしたら
多くの人達が的に正確に斬擊飛ばせるとか、なにその超人類………


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人形師と遭遇しました。

《前回までのあらすじ》
夜椿崎 魄颯は武器の扱い方を向上させる為に槍、剣、体術等の修行をすることにした。
あれからかなりの時を経て、ついに修行を終えた魄颯は、フィレーネと共に精神世界から戻っていくのであった。


魄颯達一行は精神世界から戻た後、これからの予定について考えようとしていた。

 

 

魄颯「やった!無事に戻ってこれた!!」

 

カラミティウス『──ところで魄颯よ。お前はこれからどうするつもりなのだ?』

魄颯「……二つ…気になっていたことを確かめる。」

カラミティウス『気になっていたことだと?なんだそれは?』

魄颯「この雪のことさ。季節外れにも程があるでしょ。普通なら今頃春になってるはずだよ?フィレーネ、僕ひょっとして間違ってる?」

フィレーネ『いいえ、あってると思うわ。暦の上では春のはずよ。』

魄颯「なぜこの時期になっても春が訪れず、そしてこんなに雪が降ってるのか。これが、僕が気になっていたことさ。」

フィレーネ『なら、調査も兼ねて空でも飛んでみたらどうかしら?』

カラミティウス『ふん。フィレーネも時にはまともなことを言うではないか。』

フィレーネ『いいえ、私は常にまともよ。』

カラミティウス『(どこがだ!?)』

魄颯「う~ん。でもその前に、もう一つ妙に気になる事があるんだよね。」

カラミティウス『なんなのだ?それは。』

魄颯「うん…それがね───」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

カラミティウス『ほう……』

フィレーネ『それは気になるわね…調べてみましょう』

魄颯「うん、よろしく頼むよ」

カラミティウス『しかし、どちらを調べるにしても、何処を調べるのだ?』 

 

……全く考えてなかったなぁ……

う~ん…… 

 

フィレーネ『魔理沙とであったあの森とかはどう?あそこは魔力が濃くて感知があまり出来なそうだったから、どのみち足で調べなきゃいけないだろうし』

魄颯「なるほどね。じゃあそこにしよう」

カラミティウス『……やはり貴様、今日はやけにまともだな……』

フィレーネ『だから、私は常にまともよ!』

カラミティウス『(だからどこがだ!?)』

 

~少年霊体移動中~

 

というわけで、森の中を探索していたら、

 

魄颯「……ん?」

?「シャンハーイ」

 

突然、目の前に何かが飛び出してきた。

 

よく見るとそれは、きれいな少女の人形だった。

そして、中に桜の花弁が入った瓶を持っている。

 

フィレーネ『はっくん、あの花弁、ただの花弁じゃない……まるで、春そのもののような、変な感じ……』

魄颯「春そのもの…?じゃあ、あれが春が来ない原因かな?」

人形「シャンハーイ(トコトコ)」

魄颯「あっ、待って!」

 

そうこう考えてるうちに、人形が逃げていったので、見失わないように必死で追いかけることになったのだった。

 

~少年霊体追跡中~

 

 

人形を追いかけていると、一件の家にたどり着いた。

魔理沙のものではなく、それより少し大きめで、かなり綺麗なお屋敷だ。

 

?「お帰り、上海。」

人形「シャンハーイ!」

 

そして、そこには青い目の金髪の少女がいた。

強い魔力を感じるので、多分魔法使い…いや魔女だろう。

そして、上海、と呼んだ人形を操ってあの花弁を集めているということは、彼女が春を奪った犯人かな?

 

?「………誰?あなた。」

魄颯「ああ、僕は夜椿崎 魄颯。君は?」

?「アリス・マーガトロイド。ところで、こんな辺境の森の、さらに辺境にある私の家に、一体何の用かしら?」

魄颯「その人形の持ってるものが気になって、ね。」

 

それを聞いた彼女…アリスの目が鋭くなる。

 

アリス「……そう。これを追ってきたって事は、あなたが春を奪った犯人なのね。」

魄颯「……え?ちょっと待っt」

アリス「問答無用よ」

 

……変な誤解をされちゃったなぁ

戦いを避ける事は出来なさそうだし…

 

 

─────これは長い戦いになりそうだ。

 

【TO BE CONTINUED】




はい!いかがだったでしょうか!
現在8話目になりますが…ひとこと言わせてください。
長い間、投稿できなくて本ッ当にすみませんでした!!
しばらくの間スランプに陥ってしまってました。
とはいえ、現在も尚、若干スランプ気味で解消しきれておりません。
なので、どうかうちの子を私共々温かく見守っていただけたらと思っております。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
───して、本編の事について触れていきますが、
ようやくアリスさんと合わせることができました。
今回登場した人形が持っていたものは一体何なのか。
詳しいことは次回の内容に深くかかわるので控えさせていただきます。

そして何より、戦闘描写を期待されている方には先に謝ります。
ごめんなさい!アリスさんとの戦闘は割と短めに、というより殆ど省略してしまう可能性があります(全部とは言っていない)。
なので、ご承知いただけると幸いです。

そして、ここまでお読みくださった皆様、本当にありがとうございます。

それでは次回予告をば、、、、

──アリスとの遭遇
───終わりの見えない激闘
─────その激闘の先にあるものとは一体

次回「僕、人形師と戦います。あと会話します。」

それでは、次回もお楽しみに!


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手掛かり ー奪われた春と雪の謎ー

魄颯はある事を確認する為、魔理沙と出会ったあの森へ戻る事にした。
目的地へ向かう途中、偶然にも妖しい瓶を持った人形と遭遇する。
予定を変更し人形を追うことに。
すると、とある一軒の家に辿り着く。
その家に住む人形使いの少女アリス・マーガトロイドと対面する。
魄颯は人形の持つ瓶の中身の事を質問するが、彼女に春を奪った犯人だと誤解されてしまう。
その直後、彼女から魔法が放たれる。
やむを得ず魄颯は彼女との戦闘に応じてゆくのであった。


アリスが魄颯を春を奪った犯人と勘違いし、戦闘を始めてから既にしばらくの時が流れた。

そして───魄颯の身に限界が訪れようとしていた......

 

アリス「はぁっはぁっ...全くしつこいわね......」

魄颯「そ、そちらこそ...!」

アリス「よく言うわよ!その変な腕で防ぎきっている人間に言われても、嫌味でしかないわよ!でも...そうね、これならどう?

紅符「紅毛の和蘭人形」

白符「白亜の露西亜人形」

さぁ、これでもまだ平然としていられるのかしら…?」

 

そして放たれた人形は、 炸 裂 し た 。

 

魄颯「そんな!?人形が炸裂してくるなんて!?」

アリス「フフフ、驚いたかしら?」

魄颯「...うん。だけどそんな技を使うなんて......嫌な趣味してるよ。」

 

言い切るのと同時に、何時かの様に槍がどこからともなく現れた。

そして、何事もないかのように、アリスに向かってその槍を構えたのだった。

しかし、魄颯はただ構えたまま微動だにすらしなかった。

 

アリス「(......っ。)そう?でも、あまり甘く見ていると...

    ──痛い目見るわよ 

    蒼符「博愛の仏蘭西(オルレアン)人形」」

 

そして僕は、敢えて槍の構えをとき、アリスさんの攻撃を全てこの身に食らったのだった。

 

魄颯「ふぐぅ─────っっ!......ははは!ったく...敵じゃないってのにさ.........(ドサッ」

 

全く...今日はなんて厄日だよ.........。

 

そして魄颯の意識はそこで途切れてしまった。

 

魄颯side out

 

アリスside in

もうなんなのよ!こいつ!

 

私の放つ弾幕やスペルをことごとくかわしたり防いだりしてる癖に、全く攻めてこないじゃないの!!

何よ、舐めてるわけ?

この私を?

冗談じゃないわ!

こんな、こんな人間に簡単にやられてたまるものですか!

 

そう思って、この男と戦闘を繰り広げたのは良いとして、まさか最後の最後であんな行動に出るとは思いもしなかったわ。

「まさか、攻撃の構えを解いて敢えて私の攻撃を受けるだなんて.........」

そこで、訳がわからなくなった。

文字通り、頭が真っ白になったわ。

 

たかが人間.........なはずなのに突然よくわからない槍を出してきたり、攻撃の構えをとったかと思えばその構えをといたり......もう、ほんとになんなのよ。

 

それに、あの最後の一言.........

『......ははは!ったく...敵じゃないってのにさ』

"敵じゃない"ってなんなのよ?

なに?純粋に興味本意で聞いてきたって訳?

そんなこと有り得ないわ。

そもそも人間が魔法の森に来ること自体がおかしいのよ…?

 

「まぁ、放っておく程、私も無慈悲な女じゃないわよ。」

 

さて、拘束のひとつでもして、色々と調べましょうか?

 

アリスside out

 

魄颯side in

 

あの気絶してからしばらく時が経過し、 

今や、意識は完全に戻ってきていた。

.........戻ってはきたのだが、

魄颯「知らない天井だ.........」

アリス「なにワケわからないことを呟いてるのかしら?」

魄颯「えと、すみません。ここどこですか?」

アリス「はぁ。私の家よ。」

魄颯「───よかった。てっきり誘拐して拉致されたのかと」

アリス「────されたい?」

魄颯「されたくないです。ごめんなさい。真面目に勘弁してくださいアリシュさん......すみません噛みました」

アリス「......わざとらしい。」

魄颯「すみません噛みまみた。」

アリス「解体されたい?」

魄颯「調子に乗ってすみませんでしたっ!」

アリス「はぁ、もういいわよ。色々と疲れてしまったわ。」

魄颯「あの.........「何?」肩でも揉みますか?」

アリス「結構よ(威圧)」

魄颯「アッハイ」

アリス「まぁ、あんたに敵意が無いことは認めてあげる。でも、あんまり調子にのらないでよ?」

魄颯「ワカリマシタ(棒)」

アリス「............。」

魄颯「いや、ホントにすまんかったって。」

アリス「全く...。どっちが素なのよ。」

魄颯「全て...?」

アリス「いやどの口がそれ言うのよ?」

魄颯「で?あの瓶の中身はなんなの?」

アリス「春度よ。あれが沢山ないと春が来ないのよ...って」

魄颯「教えてくださりありがとうございましたっ!」

アリス「あ!待ちなさいよ!今動いたら、体が.........」

魄颯「あれ?体がうまく...動かな......い。」

アリス「ほら、言わんこっちゃないわ.........。」

魄颯「もう、ほんとなんか色々とすみませんね、マーガトロイドさん。」

アリス「いや、さっきのようにアリスって呼びなさいよ。堅苦し「やです」…なんで?」

魄颯「また噛むかもしれませんし?」

アリス「いや、どんだけ滑舌悪いのよ。(普通は逆よね!?)」

 

とまぁ、こんな他愛もない会話をして、互いの緊張を解いた魄颯は、

あの瓶の中にあった花弁......春度の事を知ったのだった。

とはいっても、春度についてこと細かく教えて貰った訳ではなかったのだが。

 

魄颯「要するに、春度で満たされれば春が訪れるんですね?」

アリス「ええ、その通りよ。」

魄颯「ところで、人形作りは趣味なのですか?」

アリス「ええ、そうよ。貴方もしてみる?」

魄颯「是非とも、と言いたいところだけどそろそろ行かせてもらいますよ。」

アリス「あら?もうなの?」

魄颯「どこぞの白黒の魔法使いの様に雑用係を任されても困るんでね。」

アリス「ふふっ。そう、わかったわ。」

魄颯「では、アリスさん。色々と教えてくださり有り難うございました。」 

 

こうしてアリスさんの家を出て空を飛ぶことにしたのだが.........

 

???「おいお前!あたいと勝負しろ!」

────どうして毎度こうなるの!?

魄颯「えぇ?やだよ。」

体がもたないからね。

???「お前にせんたくきはない!」

・・・は?

魄颯「洗濯機?......あ~、選択肢ね。はぁしかたないか。いいよ?でも、後回しにしたいんだ。」

???「やだ!」

魄颯「~~!もう、キミ!」

???「な、なによ?」

魄颯「左手だして!」

???「こ、こう?」

魄颯「そうだよ。さぁ握手だ。」

???「いいけど、なんのつも............なにこれ?」

二人の左手の甲には一つの模様がうかんでいた。

図で言うとΦみたいな形の模様。

これは魄颯が編み出した紋章術というもので、"魔法と魔術の中間みたいなもの"である。

互いに紋章を刻み約束することで、約束を破った対象には自分が一つ絶対命令を下すことができるようにすることもできる。

絶対命令の内容は予め決めておく必要はない。

 

とりあえず、分かりやすい説明をしてあげたのだが......

 

???「へぇ、よくわかんないけど、わかった。まぁ、兄さんは嘘をついてなさそうだし、信じてあげる!」

魄颯「ふふ、ありがとう。ところで君の名前は?」

???「あ、それ!確か聞いた方が先に名乗るのがおや.........おやく..................えっと」

魄颯「お約束?「それだ!」アハハ......わかったよ。

僕の名前は魄颯って言うんだ、よろしく。」

???「は、はく......「はくりゅう、ね」はくりゅう!よし覚えた!...次はあたしの番だね!あたしはチルノって言うんだ、よろしく!」

魄颯「よろしく、チルノちゃん。それじゃあ僕は先を急ぐから!」

チルノ「うん!わかった!」

魄颯「それじゃまたね」

チルノ「じゃ~な~!」

 

 

そして、チルノと別れた直後、しばらくして見えたソレにに思わず目が点になった。

魄颯「はぁ!?なにあれ!!?何であんなに春度が大量に吸収されていってるの!?」

フィレーネ『全く、ちょっとは落ち着きなさいよ。』

魄颯「フィレーネェェ.........」

フィレーネ『な、なによ...』

魄颯「すっごく遅い目覚めだね!」

フィレーネ『いや最初から起きてたわよ!!?』

魄颯「そう.........」

カラミティウス『おい、魄颯よ。』

魄颯「なに?カラミっちゃ......カラミティウス」

カラミティウス『うむ、どうやらあの黒い穴の先には、全く別の空間が広がってるみたいでな。行ってみる価値はありそうだぞ?』

魄颯「成る程ねぇ。」

フィレーネ『でも、あそこの三人の妖怪が、通路を塞いでいるみたいよ?』

魄颯「なにか手はないかなぁ.........」

 

呟いてたららデデ~ン!という効果音が似合いそうなくらい勢いよく槍が出てきた。

 

魄颯「や、槍?............そうか!その方法があった!」

カラミティウス『なんだその方法とは。む......そうか、クク.........アレを使うのだな?』

フィレーネ『だから!なにをするよ!?』

カラミティウス『フィレーネよ、よく思い出すのだ。魄颯がこの槍を初めて出した時のことをな。』

フィレーネ『............!!そうね!それをやるのね!』

魄颯「うん。それじゃ.........いくよ!」

 

 

そして、槍を強く握り超加速し、三人の妖怪を華麗にスルーして、黒い穴に突っ込んでいったのだった。

 

 



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冥界に突入! 剣豪少女現る!?

《ここまでのあらすじ》
アリス・マーガトロイドとの戦闘が終わり、気絶してしまった魄颯は彼女に家でお世話になった。
会話の中で、訪れない春の事と瓶の中身、春度の事について知る。

春度を集めるため
そして、この異常現象を終わらせるため
魄颯は異空間へ繋がる穴へ入ったのであった


魄颯「あの黒い空間の穴に入って抜けたはいいんだけど……なにこの階段の長さ」

フィレーネ「そんなの私が聞きたいわよ…。……っ!」

魄颯「どうしたの?フィレーネ」

フィレーネ『何かしら、とても善くない気配(・・・・・・)を感じたものだから、気になったのよ』

魄颯「ふ~ん」

そして、えらく長い階段を登っていた時だった。

フィレーネ『ねぇ、あそこに誰かいない?』

魄颯「あ、ホントだ。」

よく見たらなんか白いのを撫でている……いいなぁ羨ましい…………

??「ここは冥界、亡霊たちの住まうところ

   命ある人間よ、()くお前たちの顕界(けんかい)

   引き返すがよい」

魄颯「そういうわけにもいかないんだ。なんせ此処に負けない位寒いからね。」

??「……退く気がないなら、望みどおり此処の住人にしてあげます。…白玉楼庭師・魂魄妖夢、参る!」

 

そして、ほぼ同時に走りだしそこからは剣と拳の打ち合いだった。

 

そして、彼女の刀が振り下ろされた。

僕には、抵抗する武器は持ってはいなかった。

なので即座に籠手を惑い腕を交差する形で防いだ。

魄颯「(流石は刀の使い手だけあって、一撃が重い……けど!!)」

妖夢「………!成る程、それなりに戦えると言うわけですか………!!」

 

 

それから、暫く同じ状況が続いていた

 

魄颯「魂魄さん、君は確かに強い。けど…君の剣には足りないものがある」

妖夢「…私は確かに半人前ですが、貴方ごときに負けるような腕ではありません!」

 

いきなり何を言うんだ、という顔をしながら、妖夢は斬りかかってくる。

それを避けながら、僕はさらに言葉を紡ぐ。

多少とは言え、剣の心得がある僕にとっては、絶対にそのままに出来ない問題だから。

 

魄颯「……君は、『剣を振るい人を殺す』ことに、一度でも『恐怖』を覚えたことはあるかい?」

妖夢「そんな剣を鈍らせる感情、敵に感じるわけがないでしょう」

 

そう平然と言い放ち剣を振るう妖夢を見て、僕の考えは確信に、そして怒りへと変わった。

 

妖夢「きゃっ!?」

 

そのまま彼女の剣を避け、足元を払い転ばせ、その首に魔力の刀を突き付ける。

 

魄颯「だったら……君は僕に勝てない」

妖夢「ぐっ……」

魄颯「いいかい?剣は『凶器』で、剣術は『殺人術』なんだ。君は、誰かを守るという大義名分に隠れて、死から目を背けているだけ。それは剣士じゃない、只の殺人鬼だ」

妖夢「何を…「少し黙れよ」みょんっ!?」

魄颯「いいか、死から目を背けるな。前を見ろ。君が誰かを守るために殺した人、守りきれなくて殺してしまった人の顔を正面から見ろ。そしてその顔と、

その時感じた『殺す恐怖』を忘れるな。殺された人も決して君を忘れない」

妖夢「う…うるさい!」ドカッ!

 

妖夢は半霊を僕の刀にぶつけて払い飛ばし、渾身の一撃を僕に叩きつける。

 

魄颯「ぐああぁぁぁぁぁぁッ!」

 

その一撃は、僕の左腕を切断し、それを見た彼女の顔から血の気が引く。

 

魄颯「そう……それが『人を斬る恐怖』…君が見て見ぬふりをしてきた感情だ。剣士でいたいなら…それを忘れるな……!」

妖夢「……黙れ黙れ黙れェェ! !」

 

この時、魄颯はここが階段であった事を忘れており、踏み外してしまった。

 

ザシュ!

 

魄颯「…っ!」

何とか立てたと同時に、そして彼女の次の攻撃が今まさに決まろうとしていた。

 

その時だった。まさしく一瞬とも言える僅かな間なのだろう。

時の流れが不自然なまでに遅くなり、それまで見えていた世界が白と黒の色で染まったモノクロの世界になった。

そして────意識が刈り取られた

 

──────ハズだった

 

「(──────あれ?意識が、ある?なんで?)」

 

『──ィ!───おィ!いい加減立ちやがれ!この間抜け野郎が…!』

 

魄颯「ガッ!?誰が間抜けだ!?ってここは?僕は確か……」

 

『あン?あぁ、そうだよ…お前は斬られたんだ。情けねェな、それでも俺の来世かよ。

オメェはまだ、死ぬにはちったぁ早過ぎる。』

 

魄颯「あなたは…一体?」

 

『取り敢えずオメェの前世だとでも言っておくさ。』

 

魄颯「そう、僕は『夜椿崎 魄颯だろ?』…知ってたんですね。」

 

『そりゃあ“見てた”しな。……さていきなりでワリィがよ…』

 

魄颯「……?」

 

『魄颯!歯ァくいしばれぇぇぇっ!!』

 

魄颯「っ!?」

 

『お前は何のために生き残った?何のために強くなった!死にてぇのかオメェ!!』

 

魄颯「それはっ!...でも僕にはもう、生き残るための手段がない。君も見てたんでしょ」

 

『魄颯…お前、自分をなんだと思っていやがる?』

 

魄颯「え?」

 

『いいか。ヒトってもんはな、自分が信じれなくなった時点で全てがお終いなんだよ』

 

魄颯「………」

 

『……だんまりってか。決めたぜ、奪ってやンよ、あの精霊も含めたお前の全てをな』

 

魄颯「…い。『きこえねぇな』させないっつってんだァァ!!」

とっさに、失われたはずの拳を突き上げながら立つようなイメージが脳裏をよぎった。

 

『ふっ。漸くか、来世野郎』

 

魄颯「ふぇ?」

 

『取り敢えずだ、オメェは信じろ。 オメェの中の

   ───可能性って奴を』

 

(行けよ来世……この死合はまだ始まったばかりなんだからよ……)

 

ここで魄颯の意識は戻ったのだった。

 

この後、魄颯は体をひねり、間一髪で避けることに成功したが、胸に薄く切り傷は付いてしまう。

服が裂けてしまった為、破り捨てた。

 

 

そして、何故か左腕が再生してるという状況に気付いた。ここで、奴らが脳内会話を試みる。

 

カラミティウス『魄颯よ…』

 

魄颯「(カラミティウス、何の用?)」

 

カラミティウス『お前の腕を貰ったぞ』

 

『はン、そういうフェチなんだとよ?』

 

あれ?この声……さっきの───

 

カラミティウス『断じて違うわ!それより切り落とされた腕だが、腐って価値がなくなる前に喰らっておいたのだ。』

魄颯「…つまり?」

カラミティウス『喰らった腕を代償にドラゴンの腕をお前の肉体に与えたのだ。ついでだ、右腕も同じ様にドラゴンの腕にしてやってもよいのだが、どうだ?』

 

 

妖夢「いい加減にあきらめて斬られて下さい!」

魄颯「お断りだァァ!(……あ)」

 

魄颯はカラミティウスに対して答えたつもりだったが、絶妙にタイミングよく妖夢との会話が成立してしまった魄颯の姿がそこにあった。

 

 

妖夢「どうせ無駄!何も変わるわけ……!?なぜ腕が再生して!?」

 

ここで妖夢は、魄颯の腕が再生していることに気づく。

 

妖夢(いったい何故!?…いや、それだけじゃない…うっすらとだけど…腕が“六本”に……!?)

 

死合の最中に考え事とは………

 

魄颯「さぁ、なんでだろうね?」

 

そして籠手を腕に纏い、鳩尾をブン殴って気絶させた。

 

妖夢「───っっ!!!ただの人間のくせにどこから、こんな力が…すみません………幽々子様」

魄颯「──はン、何を勘違いしてる?人間だからこんな力が出せんだよ…人間なめンなよ?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

フィレーネ『凄いじゃない魄颯!流石ね!』

魄颯「………。(…あんまり褒められるもんじゃないんだけどなぁ)」

『おい、いつまでつったってんだ?』

魄颯「(そうだね、確かにじっとなんてしてられない…けど)」

フィレーネ『けど?』

魄颯「(ちょっと確かめておきたいことがあるんだ。カラミティウス…)」

カラミティウス『なんだ?』

魄颯「(さっき、だれの言葉に“断じて違うわ”って言ったの?)」

カラミティウス『………』

魄颯「(………)」

カラミティウス『……。はぁ、しかたあるまい。私は──『俺に対して返したのさ』……。』

『しかたもクソもありゃしねぇっての。んで?来世野郎もとい魄颯…俺に何か様か』

魄颯「(いや、ね?こっちの名前知られているのに、僕は前世である君の名前を知らないってな思ってさ)」

『はン!ったくいちいち几帳面なこった。俺の名は煉……煉兜だ。いいか?すぐに忘れろ。』

魄颯「(ヤダね断る)」

『はン、勝手にしやがれ!』

魄颯「(わかったよ煉兜 勝手にするね煉兜 これからよろしくね煉兜)」

『……………(ケッ、イカれやがる)』

カラミティウス『急ぐ所すまないが………魄颯よ、お前に一つ渡しておきたい物がある』

魄颯「(………何の?)」

カラミティウス『先程の女は見てくれからしても剣士だった。今後、同じ状況になる可能性がある。そうなると武器の一つもほしいところだ。』

魄颯「(確かに………)」

カラミティウス『今回限りだが、私が刀を一振りお前の為に用意してやった。いいな?折れても次はないぞ…』

魄颯「(わかった!ありがとう!!)」

カラミティウスから刀を貰い、残りの階段を上りきった。

 

そして、その先に待ち受けていた光景に魄颯は思わず絶句してしまうのであった。

 

 

???「フフフ……。

 

  ───亡郷「亡我郷 ‐宿罪‐」」

 

【To be continued】




《補足説明》
因みに、意識は失ったが、精神世界に行ったので、
腕が再生して復活するまで一秒程しか経ってない。
────────────────────
長い間待たせてしまい申し訳ありませんでした。

それでは次回もお楽しみに!


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