やはり俺とこのダンジョンは間違っている (ばーたるゃん)
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やはり俺とこのダンジョンは間違っている
ハチマンと異世界


 処女作ということもあって誤字脱字もあると思いますが、生暖かい目で見てやってください。



 この俺、比企谷八幡は今、二つの問題を背負っていた。

 一つ目は雪ノ下達、奉仕部についてだ、告白の件以降全くうまくいかないという状況だ。まぁこっちはもうどうしようもない。

 二つ目は、今の俺のおかれている状況だ、今、俺は見たこともないなぞの場所にいる、そして目の前には、ケモ耳の幼女がいた。

 ん?いやまて何かおかしい...落ち着いて考えてみよう、素数を数えろ、1、2、3、4、あ、これは自然数ですね。仕方ないよね、いきなりだし。死んで?目が覚めたら俺の目の前に幼女がいる、ラノベかな?

「大丈夫ですか?」

「...は?」

「ベル様、お気づきになられましたよ。」

 幼女がそういうとなにやら暗闇から白髪、赤目のひょろっとした少年が歩いてきた

「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

いきなりのこと過ぎて、何も言えずにいると幼女が話しかけてきた

「こんなところでなにを... 武器も防具もなしに」

「こんなところ...?ここは、どこなんでしゅか」

 噛んだ、引かれてないよね?

「ダンジョンって言うんですけど...一旦、ダンジョンからでましょうか、それから詳しく話します、ここは危険なので。」

「そうですね、今日はもう結構稼げましたし良いでしょう」

「じゃあ、とりあえずここから出ましょう、あなたの名前は?」

「比企谷八幡だ」

「ハチマンさん、ですか、珍しい名前ですね、僕はベル・クラネルっていいます、えーと...、っ、下がって!」

前に、何かが...

「ゴブリン...?」

 

 とりあえず、外に出るまでの間にいろいろなことを聞けた、ここはダンジョンの中で、ベルは冒険者、リリルカはサポーターという職業らしい。

 

 それと、こいつらはファミリアというものに入っていて、ベルはヘスティア、リリルカはソーマというところに属しているらしい。

 

 え?思いっきり異世界じゃん、小町、戸塚、助けてぇ...

 

 

「ハチマン様はどこのファミリアなんですか?」

「俺はそのファミリアとやらにはいってないんだよ」

「ファミリアに入ってない!?つまり冒険者でもないのにダンジョンにいたんですか!?」

「ああ、というかファミリアっていうのを詳しく知らないんだ」

「...ハチマン様、出身はどちらですか?」

こういう時って極東とか言っといたほうがいいよな、ソースはラノベ

「極東にある国だ」

「極東...でも、極東でもさすがにファミリアという単語を知らないのはおかしいです!ベル様!この男怪しいですよ!」

「え?そ、そうかなぁ、そんなことないと思うけど」

「この目が証拠です!犯罪者の目ですよ!これは!」

 わるかったなこんな目で...

「リ、リリ!」

「もう!リリは知りませんからね!」

「あ、あの...」

「いやいい、慣れてる。」

 異世界かー......悪者扱いより衝撃的だ。

 

 ようやくダンジョンから出ると異国情緒あふれる町並みだった

 周りを見渡すと、人、いや、おそらく冒険者たちがいた。

「ハチマンさん、今日はもう遅いからうちのホームに来ませんか?」

 いったい何が起こっているのかさっぱりわからない状況だ、一人になったら何もできないということは分かる、この提案はありがたい

「ああ、助かる、行かせてもらう」

「...ではリリはここで、また明日、ベル様」

「うん!リリ、また明日!それじゃあ、いきましょうか!ハチマンさん!」

 



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ハチマンとファミリア

夏休みのおかげで書く時間が取れます、やったね!
今回はヘスティア様が出ます

書き直します。



 

 

「僕の所属してるファミリアは、今は僕と神様だけで、まだまだ弱小なんだ。」

 

 

なんか戸塚に似たかんじがしたのでタメ口で良いとした。

 

 

「ほー。」

 

「よし、到着だよ、ハチマン!」

 

「お...こk「おぉ!おかえり!ベル君!...と誰だい?」

 

 なんだこのロリ巨乳、あ、なるほど、こいつがベルが言ってた神ヘスティアか、俺のセリフと重ねないでほしい

 

「あ、神様、この人はハチマンといって、ダンジョンの中で気絶していたんです」

 

「へぇ、でもダンジョンにいたにしては防具も何もつけてないようだけど?

 

「あぁ、それは...彼、ファミリアに入ってないらしいんですよ」

 

「えぇ!?...本当かい?君」

 

「え!?あ、ひゃい!」

 しまった!ハチマンはかんでしまった!

「君、いったいどこの誰だい?」

「極東から来ました 比企谷八幡です!」

「本当かい?」

「へ?」

「本当に極東出身かい?」

「女神に嘘をつくことはできないんだよ、ハチマン君」

 嘘はつけない...か、なるほどいい世界ですね!葉山あたりとあわせてみたいな!

「...そうですか」

本当のこといっても大丈夫かな?というかいわなきゃだめです

 

「千葉というところから来ました。」

「チバ...?聞いたこと無い地名だね、でも、嘘はついてないし...君はファミリアに入ってないんだよな?」

「えぇ、入ってません」

「......そうだな...よし!ハチマン君!ボクのファミリアに入ってみる気は無いかい? それで今日の宿泊を許可しよう!」

「えぇっ!?神様!?」

「なんだい?不満でもあるのかい?」

「いえ、ハチマンに選択肢が無くなっちゃうんじゃないかと...」

「本人に聞いてみればいい、どうだい?」

「ないっすね、鬼畜ですか。」

「...」

 こえーよ、にらみつけるなよ、守備力下がっちゃうだろ!

 てかまじ恐ろしいわぁ。何ココ、何、あ、異世界だね。うんそうだね。

「......入ります、入りますよ。他に行くあてもないですしそう言ってくれるんなら。」

 どのみち、お先は真っ暗なのだ。ならば、自分がここで取れる行動なんてそう多くはない。わかりきっていることだ。

「ええっ!本当にいいの!?ハチマン!」

「あ、あぁ...」

 入ると言った際のくいつきはつよく、もう撤回することはできないものとなってしまった。ならば、まぁそれはそれでよし。そう考えておくとしよう。

「よし、決まりだね! では...ようこそヒキガヤハチマン君!僕たちのファミリアへ!」

 こうして、ヘスティア・ファミリアに受け入れられた。

 




次はまたそのうち(書く気力のあるうち)



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比企谷八幡とパーティ

今回からハチマンはヘスティアファミリアです


今のとこ投稿がつづいているのは現実逃避からです


「ようこそヒキガヤハチマン君!ボクたちのファミリアへ!」

 

 

「よろしくね、ハチマン!」

 

 

ベルとヘスティアさんは俺を歓迎してくれるらしい、まぁ、このふたりしかいないけどね!

 

 

「あ、あぁ、よ、よろしく?」

 

 

「何で疑問形なんだい?」

 

 

 え?だめなの?

 

 

「まぁまぁいいじゃないですか神様」

 

 

「そうだね!ベル君、きょうは豊饒の女主人でぱっーーーといこうか!」

 

 

 な、なんかヘスティアさんが喜んでらっしゃる、そんなに入団希望者来ないのか...実は人望がないのか?

 

 

「ハチマン君、なにか失礼なこと考えなかった?」

 

 

 ちくしょう!何でわかるんだ!心読めてるな!?女神だからっていい気になるなよ!いい気になってましたすいません許してください。

 

 

「い、いえ考えてましぇんよ?」

 

 

 うん、噛んだ!

 

 

「嘘だよね?まぁいいや今回は許してあげる!今はそんなことよりも豊饒の女主人だ!行こう、ベル君、ハチマン君!」

 

 

 そうして俺たちは豊饒の女主人という店に行った、店の名前なのね、い、いや知ってましたよ?

 

 

「いらっしゃいませ!あら、ベルさん来てくれたんですね!ヘスティア様も」

 

 

「こんにちは、シルさん、今日は僕たちのファミリアに新しく入団してくれた人がいてね!紹介するよ、ハチマンって言うんだ!」

 

 

 お、おいベル、やめろよ、会話したくねぇよ...まぁ、いってしまったからにはしょうがないな!きちんと自己紹介してやるぜ!

 

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 

 きちんと自己紹介?知らない子ですねぇ

 

 

「よろしくお願いしますね!」

 

 

 俺たち三人は席に案内された、そしてヘスティアが今日はお祝いだ!じゃんじゃん持ってきてくれ!というとすぐに料理が来た、多くないですかね...そう思ってベルを見るとベルも顔が引きつっていた。

 

 

「ハチマン君入団にかんぱーい!」

 

 

「かんぱーい!」「かんぱーい」

 

 

「しかし、なんか君はあれだな!目が死んでいるな!何かあったのかい?」

 

 

「ち、ちょっと神様!」

 

 

「この目は元からですよ、ほっといてください」

 

 

「すまないすまない、でももし何かあったら話してくれよ!これから君は僕たちの家族同然の存在になるんだ、悩みは僕たちが何でも聞くよ!こっちも聞いてもらうかも知れないけどね!」

 

 

こんなことをいわれたのは小町にいわれて以来だ、あぁ会いたい 戸塚と小町に 会いたいな、そんなことより今は目の前のことだ

 

 

「お、おいベル、ヘスティアさんよってないか?」

 

 

「よってますね...」

 

 

しかも今さっきまで話してたのにもう寝かけてるよ、寝付きよすぎ

 

 

「今大声上げてたのにもう寝そうだぞ」

 

 

「帰りますか...」

 

 

「そうだな、帰るか...」

 

 

そして、ベルが勘定を済ませてから俺たちは店を出た、なお、ヘスティアはベルに背負わせている

 

 

帰る途中ベルが話しかけてきた

「ハチマンは明日どうするの?」

 

 

「ん、あぁ、俺はこの町を回ってみようと思ってる」

 

 

「なら、リリに案内してもらいなよ、明日は休みにしてもらうから、何もしらないまま回っても迷うだけだよ」

 

 

リリルカにか、まぁ一人で回るよりましか

 

 

「わかった、お前はどうするんだ?」

 

 

「僕は神様の看病をしてるよ」

 

 

「そうか、その、あれだな、大変だな...」

 

 

「まぁね、あはは...」

 

 

そうこうしているうちにホームへついた、しかし俺は気づいてしまったのだ、ねる場所がない、ということを




今回は八幡とベルたちの仲を良くしていくきっかけのための回でした


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ハチマンと話を聞かない神

今回は、まぁ...見てください


 くっそ、むちゃくちゃ体がいてぇ、ヘスティアがベッド、ベルがソファ、俺が床に毛布という形で寝た、ベルとソファの譲り合いになったが俺が論破した、ホントウダヨ!

 

 

「あれ?ハチマン様?」

 

 

「うす」

 

 

「ベルなんd「ベル様はどうしたんですか?」

 

 

こいつ...

 

 

「ベルならホームにいるぞ、ヘスティアさんの看病中だ」

 

 

「看病?かぜでもひいたんですか?」

 

 

「二日酔いだ」

 

 

あの人、異常に飲んでたからな、いや、普通なのか?

 

 

「何で知ってるんですか?」

 

 

なんかあやしまれてますね、仕方ないね

 

 

「俺、昨日ヘスティアファミリアに入団したんだよ」

 

 

「やっぱりそうでしたか、そうなると思ってましたよ、ベル様のことですから」

 

 

 あれ?わかってたみたいな言い方だなぁ、まぁあいつ人助けとかよくしそうだしな

 

 

「それと、今日はダンジョンにもぐらない、いや、潜れないから、ほら、ベルいないし」

 

 

「仕方ないですね。」

 

 

「このままじゃ帰ってしまう、このまま帰ったら笑いもんだよ... 仕方ない。

 

 

「な、なぁ俺、この町のことあんまり知らないからおしえてもらえないか?」

 

 

「それはベル様からの提案ですよね?」

 

 

「ん、あぁそうだ、俺がこんなこと考えるはずもないからな」

 

 

 こんなこと俺が考えたっていったら引かれるまである、だから考えない

 

 

「そうですか...まぁわかりました、この町を案内しますね、とりあえずこの荷物を置いてきます、すぐ戻ってきますから」

 

 

ベンチに座って十数分、リリルカの姿が見えた、見つけられるかな!俺にはステルスヒッキーがある!

 

 

「何笑ってるんですか?ハチマン様?」

 

 

 あ、普通に見つけられてしまった、ちゃんと機能してよ!もう!

 

 

「いや、なんでもない、大丈夫だ、それよりもリリルカ「町案内ですね」

 

 

「そ、そうだ、よろしく頼む」

 

 

 リリルカは歩き始めた、7歩送れて俺はついていく

 

 

「何でそんな遠いんですか、説明ができませんよ」

 

 

「お、おう、すまん」

 

 

「まず、どこからでも見えてるあのタワーからですね

 

 

「あれはバベルといって、全部で50階あります、中は20階までは公共施設や換金所、各ファミリアの商業施設が軒を構えてます」

 

 

「その上はどうなんだ?」

 

 

「神以外には関係ないですよ」

 

 

つまり、神の領域ってことか、え、なにそれ厨二心が反応してる

 

 

「ところで、ハチマン様は、これからどうするんですか?」

 

 

「ん?なにがだ?」

 

 

「ハチマン様は冒険者になられるんですか?」

 

 

冒険者って昨日のダンジョンの中に潜るんだよな、聞くだけならやってみたいと思うがな...

 

 

「なられるつもりなら、ギルドにいって冒険者登録しなきゃなりません」

 

 

えぇ...めんどくさいな、もしかして人と話さなきゃいけないんですかね...

 

 

「で、どうするんですか?」

 

 

どうするか...か、まぁ、今すぐ決める必要もないだろう

 

 

「まぁ、そこらへんは自分で決めてください、リリには関係ないので」

 

 

まぁ、帰ってからでも考えてみるか

 

 

その後も案内してもらって大方教えてもらったからいいと言って帰ってきた

 

 

「おじゃましまーす」

 

 

「あ、おかえりハチマン、もう良かったの?」

 

 

「あ、あぁ、大体のことはわかったしな」

 

 

「んで...ヘスティア様は?まだ寝てるのか?」

 

 

「一回起きてきたけどまた寝ちゃったよ」

 

 

「本当に神様か?この人...」

 

 

「それは間違いないよ、僕も神様のファルナを受けてるし」

 

 

「ふぁるな?なんだそれ」

 

 

「ハチマンも一応受けているはずだよ、まだ、実感はできていないだろうけどね」

 

 

ほう?興味あるな、続けろ。

 

 

「具体的にいうとね、エクセリアを、あ、エクセリアは...経験?みたいなもので、その、エクセリアを得ると能力が上がったり、新しい能力を発現したりするんだよ」

 

 

つまり経験値だな、まるで、ゲームの世界みたいだな、つまり、俺はやばいよな、経験値0、レベル1、という状態のはずだ、あれ?別によくないか?ダンジョンに潜らなければいいだけだな。大丈夫だ

 

 

「ハチマンは冒険者にならないの?」

 

 

「あぁ、ベルすまn「おや、ハチマン君も冒険者になるのかい?」

 

 

あんた寝てたはずだろ!しかも何回目だ、割り込んでくるなよ

 

 

「あ、いや、おれは...「それならベル君!今からでもギルドに連れてってやりなよ!」

 

 

あ、これはまずい、このながれは...

 

 

「い、いいの?ハチマン」

 

 

「ハチマン君!がんばれよ!」

 

 

 この流れでは断れるわけがない、ベルも期待した目で見てるし

 

 

「わかりましたよ、ヘスティア様」

 

 

「ハチマン!本当にいいの?」

 

 

「あぁ、そういうわけだから、その、なんだ、よろしく頼む」

 

 

 そんなこんなで俺は冒険者になることになったのであった...




今回はどこで終わらせようかと思って悩みました、まぁどちらにせよ短いんですけどね


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比企谷八幡と異世界文字

今回はハチマンはずっとギルド内です


 そんなこんなで俺は冒険者になることになったのであった...

 

 

 そう、俺は冒険者になる羽目になってしまった、なぜだろう なぜかしら...

 

 

「ハチマン、ここがギルドだよ、まぁ知ってるか」

 

 

「あぁ、知ってるっていっても知ったのはついさっきだがな」

 

 

そう、午前中リリルカに大体のことは教えてもらったのだ、施設だけだけどね

 

 

「それじゃあ行こうか、ハチマン!」

 

 

「中は...意外と混んでないんだな」

 

 

「この時間帯だと、大体の冒険者は潜ってる最中だからね」

 

 

「ふーん、なぁべr「おや?この時間に珍しいね、ベル君」

 

 

「あ、エイナさん!今日はちょっと諸事情で...」

 

 

「そっかぁー、で、君は何用かな?」

 

 

「へ?あ、ひゃい!じ、実は冒険者になりたいと思って...」

 

 

「そういうことか、それじゃこっちへ来て!」

 

 

「それじゃ、ハチマン、僕はここで待ってるから」

 

 

 えぇ!?ついてきてくれないの?なんていいだせるはずもなく、そのままこの女性についていく、すると、むこうから話しかけてきた

 

 

「えぇっと...君、名前は?」

 

 

「比企谷八幡です」

 

 

「ハチマン君か、珍しい名前だね」

 

 

 やっぱり俺の名前はこの世界ではおかしいのか...?あっ、むこうでもそうでしたね、材...なんとかくんもやばそうですね

 

 

「それじゃ、この書類に...ってどうしたの?そんなに汗かいて...大丈夫?」

 

 

 まずい、俺、こっちの世界の文字読めないじゃん、いままで他人任せだったから読み書きできないゾイ☆

 

 

「いえ、あ、はい、ちょっと調子が悪いかなー、っと思います」

 

 

「...目が泳いでるよ?」

 

 

 どうにかせねば...

 

 

「もしかして字がかけないの?」

 

 

「い、いえそんなことない......そうです...」

 

 

「そうかぁ、じゃあ今は質問に答えてくれるだけでいいよ」

 

 

 たすかった、よな...?恥ずかしい!字がかけないなんて!...帰ったらベルにでも頼むか...

 

 

 

~数分後~

 

 

「よし!登録に必要な書類はできたよ!」

 

 

 やっと終わったか...異様に長い気がした数分間だったな...

 

 

「あ、ハチマン、もう終わったの?」

 

 

 ベルが駆け寄ってきた、うん、こいつは性格、見た目からして、兎みたいなやつだな

 

 

「あぁ、それじゃ帰るk「ハチマン君、君は帰れないよ?」

 

 

「え?な、なんでですか?」

 

 

「君には簡単な文字の読み書きくらいはできるようにならないとね」

 

 

 俺は知っていた...呼び止められた時点でな...しかし脱出できなかった... やれやれだぜ...

 

 

「えぇっ!?ハチマン文字読めなかったの!?ごめん、気づかなくて...」

 

 

「いや、ベル、これは俺の落ち度だ、気にするな」

 

 

「そういうわけにはいかないよ、一緒にいたのに気づけなかったのは僕のせいだし...」

 

 

 こいつはとことん『優しい』やつだな...でも、すまんな、ベル

 

 

「今日は帰っててくれ、俺は後で帰るから、ほら、神様も待ってるだろ」

 

 

「そっか...わかったよ、先に帰ってるね。」

 

 

「あぁ、じゃあな」

 

 

 これから学習タイムなんだろうな... 国語テスト3位の俺にはなんてことない! そんなわけないけどな

 

 

「それじゃあハチマン君、こっち来ようか」

 

 

「はい...」

 

 

 こうして俺の異世界文字の勉強タイムが始まったのであった...




今回も見ていただき誠にありがとうございました。
 一通だけですが感想もらえてうれしかったです、感想をいただけるとモチベーションがあがるので、応援お願いします!
 ほかにも誤字脱字やおかしい点があれば指摘してください!


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ハチマンとベル

 こんにちは!
 いつも見てくださってありがとうございます!
 今回も短いですがよろしくお願いします


 エイナさんの監督のもと、文字の勉強をしていたが、大体は覚えられてきた、いや、だってこれから必須でしょうから、必死にがんばりましたよ

 

 

「今日は帰ってもいいよ、ハチマン君、大体覚えられてきたし、多分、これから混んでくるから」

 

 

「そうっすか、では帰りますね」

 

 

「ところで、明日は君は暇かな?」

 

 

「え?あぁ、まぁ」

 

 

「それじゃあ明日は君の防具を買いに行こうか、どうせまだ明日は君、活動できないし。一応ベル君たちにも話しておきなよ、心配させると悪いし」

 

 

 防具か...確かに必要だろうな、ベルたちにさらに貸しを作るのには気が引けるが、頼んでみるしかないだろう

 

 

「それじゃあ明日、朝10時に、噴水前ね。」

 

 

「わかりました、それじゃ。」

 

 

 

~ホーム~

 

 

 

「ただいまー」

 

 

「おかえりハチマン君!君、今まで勉強してたんだろ!どうだったんだい?」

 

 

 ヘスティア様だ、もう二日酔いは治ったみたいですね

 

 

「まぁまぁですかね」

 

 

 嘘はついてない、というかまぁまぁにもいろいろあると思うんだ

 

 

「明日はどうするんだい?まだ明日はダンジョンに潜れないんだろ?」

 

 

「あぁ、そのことなんですが明日は防具を見に行くことになって」

 

 

 そう、金を貸してもらわなければいけないのだ

 

 

「金が必要なんだろ?」

 

 

「お見通しですか、そうなんです、いつか返すんで貸していただけないでしょうか」

 

 

「返すなんていいよ、僕のファミリアのための投資なんだからね」

 

 

 感謝しかでないな、この人には

 

 

「ありがとうございます、ところでベルはどこですか?」

 

 

「あぁ、帰ってからすぐに、お金もって出かけちゃって」

 

 

「まぁ、すぐにかえってくるよ、あ、そうだ、かえってくるまでに君のステイタスを出してあげるよ、ついておいで!」

 

 

 ステイタス...もう本当にちがうせかいだなぁ...

 

 

「そこのベッドにうつぶせになりたまえ」

 

 

「は、はい」

 

 

 うつ伏せになるとヘスティアさんが腰の上に載ってきた、え、何、緊張しちゃう

 

 

 うつぶせだから何をしているかは良くわからないが背中にへんな感覚がする

 

 

「おぉ!君は魔力が最初からあるんだね!良かったよ...」

 

 

「魔力?何ですかそれ、やっぱり魔法とか使えたりしますかね!」

 

 

「残念だけど魔法はまだ発現してないね」

 

 

 なんだ...まぁ!期待してなかったけどね!

 

 

「はい!これが君のステイタスだよ!」

 

 

 

 

HIKIGAYA HACHIMAN

Lv

 

力  I 10→I 10

耐久 I 10→I 10

器用 I 10→I 10

俊敏 I 10→I 10

魔力 I 10→I 10

 

MAGIC:

 

SKILL:

 

 

...全部10か...低い...のか?、いや、これも期待はしてなかったけどね!

 

 

「ベルのはどのくらいなんですか?」

 

 

「ベル君かい?...そうだね、ベル君はアビr「ただいまもどりましたー!」

 

 

「あぁ、帰ってきたみたいだね、出迎えに行かなきゃ」

 

 

\オカエリー!ベルクーン!オヤ?ナンダイ?ソレ/

 

 

...なんなんだ、いったい、いや、今はいいか、また後で聞いてみればいい話だ、そんなことよりもベルがなんか買ってきたみたいだな

 

 

「ただいま、ハチマン」

 

 

「おぉ、おかえ...お前、ソレって...」

 

 

「布団だよ、さすがにベッドは高くて...でもこれで床に直にねなくてすむよ!ハチマン」

 

 

 こいつ、まさか俺のためにか...?

 

 

「ま、まさかそれって俺のために...?」

 

 

「うん!もちろん!どこに敷こうか!」

 

 

 

~夕食後~

 

 

 まぁ、あの後飯も食って、暇になったから、外でもぶらついているとベルがやってきた

 

 

「ハチマン、話したいことがあってきたんだ」

 

 

「おぉ、わかった、なんだ?」

 

 

「ここじゃ何だから、ついてきてよ」

 

 

 そういってベルが歩き始める、俺は黙ってついていった、しばらく歩くと少し広い丘のようなところに来た

 

 

「ハチマン」

 

 

 ベルが口を開いた、俺も覚悟して聞く

 

 

「僕がやっていることってハチマンにとっては迷惑じゃないかな?」

 

 

「め、迷惑?」

 

 

 俺は予想外の質問に驚いてしまった

 

 

「どうかな?」

 

 

 どうって、迷惑に思うことなんか一度もなかったし、むしろ感謝してるまである

 

 

「そうだな、俺はお前にあえて、助かったよ、命の恩人だ、迷惑とはおもわねぇよ」

 

 

「本当?...実は僕、君にいやな思いさせてないかずっと心配で」

 

 

 あぁ、だからか、夕食のときも何か悩んでいたみたいだしな

 

 

「本当だ、じゃなきゃ俺は今頃ここで話してない」

 

 

「そっか、ハチマンは優しいね」

 

 

「ほら、だから戻ろうぜ、神様も待ってるぞ」

 

 

「うん!ありがとう、ハチマン!」

 

 

 こう感謝を言われるとむずかゆいな、いままで感謝されたことなかったし

 

 

「よし、かえろっか」

 

        ・・・・

「あぁ、帰ろう、俺たちのホームへ」




 今回はベルとハチマンの関係を深くしようとした結果です
 次回はエイナさん回です


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比企谷八幡とエイナさん

 突然ですが、今日はドラクエ11の発売日なんですよね、ドラクエをやってこっちをおろそかにすることは無いようにします。


 今回はバベルでの買い物前編といったところでしょうか


 あぁぁあぁあーーー!バッカじゃねぇの!?バーカ!バーカ!なにが俺たちのホームだ!

 

 

「...もうやだ、死にたい...」

 

 

「さっきから何をもだえてるんだ、君は」

 

 

「...あぁ、ヘスティア様ですか...」

 

 

 まぁ、それ以外ありえないんですけどね...

 

 

「今日は買い物に行くんだろ?」

 

 

 そういえばそうだった、今何時だ?

 

 

「今何時ですか?」

 

 

「今は...8時だね、もうベル君たちはダンジョンにいっちゃったよ」

 

 

 はやいな、もしかしてあしたから俺もその時間に起きなきゃいけない?

 

 

「ほら、ボクはバイト行かなきゃ行けないから金だけ渡しておくよ、言っておくけど無駄使いは厳禁だよ」

 

 

 神様がバイトか...

 

 

「へスティア様はどこでバイトしてるんですか?」

 

 

「多分、今日君が行くところだよ...」

 

 

「そ、そうですか...」

 

 

「まぁ、その、お金ありがとうございます、いつか返すんで」

 

 

「期待してるぜ、今日はがんばってきなよ!」(ここでハチマン君とあのアドバイザー君をくっつければ、僕のライバルは減る!期待してるぜ!ハチマン君)

 

 

...がんばっていきなよって言うのは何か思惑を感じるな、まぁ、その思惑もわかってるんですけどね

 

 

「じゃあ、行ってくるね!」

 

 

 一日中バイトか...いつもお疲れ様です、ヘスティア様

 

 

 そういえば今日、どこいくか教えられてないな...まぁ、どうせわかることか

 

 

 さてと...まだ時間があるな...一眠りするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー、今何時だ?......9時50分...

 

 

 やばい、殺される...! そう直感的に感じた俺は走って集合場所に向かった

 

 

 夢中になって走っていると噴水がみえてきた、あの人は...よかった!まだ来てないみたいだ。

 

 

 噴水まで来て息を整えようと止まった瞬間

 

 

「おぉ~、ぴったり10時だね、でも、こういうときは男性が先に来るものじゃないかなぁ?」

 

 

 この声は...いや、見なくてもわかる、エイナさんだ。

 

 

「こんにちは...」

 

 

「君、走ってきたよねぇ、もしかして、忘れてた?もしそうなら、お姉さん泣いちゃうぞー?」

 

 

 どこかで聞いたようなフレーズは無視する

 

 

「いやだなぁ、忘れるわけないじゃないですか」

 

 

「じゃあ何で走ってきたの?」

 

 

「あ、いや、アレがアレでして」

 

 

「んん?」

 

 

「すいません、寝てました」

 

 

 怖っ!このひと怖っ!

 

 

「そっかー、寝てたのか~、まぁいいや、ソレよりも今日の私のこの格好を見て何か言うことはなぁ~い?」

 

 

「あ、あぁ、その、なんというか、わかわかしいですね」

 

 

「君もそんなこといっちゃうかぁ...」

 

 

「ハチマン君、私はいつも老けて見えるの?」

 

 

 上目遣いはやめてください反則です

 

 

「そんなことないです、いつもよりも若々しいってことですよ」

 

 

「本当?」

 

 

「え、えぇ、」

 

 

「そっか、まぁ今はいいや、それよりも今日の目的を果たしに行こう!」

 

 

 吹っ切れたのかなんか知らんが、さっきみたいなめんどくさいのよりはいいか、しかし...

 

 

「あ、あの...行くってどこに...」

 

 

「バベルだよ!付いてきたまえ!ハチマン君!」

 

 

 こっちはこっちでめんどくさそうだな...

 

 

 そんなことを思いながらついていくと

 

 

「よし、到着~、さ、ハチマン君ついてきて」

 

 

 うわっ、高すぎだろ...今借りてるこれ全部使っても買えねぇ...

 

 

「いらっしゃいませ!お探しのものはなんでしょうか!」

 

 

...は?いや、確かに今日俺が行くとこっていてたな...なるほど、こういうことか

 

 

「ヘスティア様、ここでしたか、バイト先」

 

 

「うん、知ってたよ、会うと思ってたよ、ハチマン君」

 

 

 知ってた?未来予知でもでもできるんですかね

 

 

「まぁ、買い物を楽しんできたまえ、ボクは戻るから」

 

 

「は、はい...」

 

 

「...行こうか、ハチマン君!」

 

 

「あんまり驚いてなさそうですね、エイナさん」

 

 

「そりゃあ二回目だしね、ベル君と買い物に来たときにも会ったんだよ」

 

 

 なるほど、だからさっきヘスティアさんも知ってたなんて言ったんですね、未来予知なんてなかった

 

 

「へぇ...そうなんですか」

 

 

「とりあえず今は君の防具だよ」

 

 

 そう言われて、ついていくとなんか新米の作品が集まるという場所へつれてこられた

 

 

「ここで君の武器と防具を探すよ、さぁ、行こうか」

 

 

 

 

 

「...探すって結構はじのほうなんですね」

 

 

「いいものは自分から姿を見せないんだよ」

 

 

 全身よろいとかもあるのか、重そうだな...出来れば身軽なほうがいいんだが、なにかないだろうか

 

 

 そんなことをかんがえてたなを見ていくと、足に木箱がぶつかって確認のために下を見下ろした

 

 

 そして、見つけたのだ、俺の理想の防具を、偶然だけど

 




 指摘を受けて、セリフをかぶせないようにしました、まだまだはじめたばっかりなので、見る側の考慮が出来てないかも知れません、見にくい点をご指摘くださるとうれしいです。
 それではまた


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ハチマンとエイナさん

 こんにちは、やまモンです、アニメのダンまちしか見てなかったので原作買い始めました
アニメにない回も出来るよう読んで行きたいとおもいます


 そう、見つけたのだ、大きさ、形的に理想の防具を。

 

 

 早速エイナさんに見せようと思って振り向いたら、すぐそばにいた、俺のステルスヒッキーを使っただと...?

 

 

「ハチマン君、決めたの?」

 

 

「はい、これなんですけど」

 

 

 そういって見つけた防具を渡すと

 

 

「君とベル君は似ている箇所が多いねぇ...」

 

 

「どういうことですか?」

 

 

「これも、ベル君のも、このヴェルフ・クロッゾという人がつくった防具なんだよ」

 

 

 単なる偶然...にしてはおかしいと思ったが、後でベルと話してみようと考えて、その思考を止めた

 

 

「それじゃ、防具はこれでよしとして、つぎは武器だね、どんなのを使いたいんだい?」

 

 

 どんなのって...よくみるのは、片手直剣とかだよな

 

 

「片手直剣とかですかね」

 

 

「片手直剣か、まぁいままで武器をもったことがないならそれがいいよ!探しに行こう!」

 

 

 やはりこれが一般的みたいだな、ゲームでもデフォ武器だったりするし、こういうところがゲームみたいだと感じてしまう理由なのだろう

 

 

「この防具で半分くらい使ったから、これと同じぐらいの値段じゃないと買えませんよ」

 

 

「武器は防具よりも作っている人が多いから結構安く買えると思うよ」

 

 

 確かにそうかもな、ほかのとこより安いほうが売れるだろうしな、多分

 

 

「ほら、これなんかどう?」

 

 

 そういって差し出してきたのは、刀身50cmくらいの剣だ、手にとってみる。想像以上に重い、振ることぐらいはできそうな重さだ

 

 

「...エイナさん、重さって大体どのくらいのものが使いやすいですか?」

 

 

「今のハチマン君なら振れたらいいぐらいかな」

 

 

 一般的にはこれがベストってことか、どうすっかな、値段は...まぁ、そこそこだな

 

 

「まだハチマン君は冒険者なりたてだし、これから自分に合うのを探していけばいいよ」

 

 

「そうですか、じゃあこれにします」

 

 

「そっか、重さは大丈夫なの?」

 

 

「はい、じゃ、買ってくるんで、こんなとこから出ましょう」

 

 

 ここ鉄くさいんだよな...ほら、なんかいやじゃん。このにおい、俺はいやだ

 

 

~バベル前~

 

 

「エイナさん、今日はありがとうございました、それじゃ、俺は帰るんで」

 

 

「うん、それじゃあまた今度ね、一応今日からダンジョンは潜れるんだよ、君」

 

 

「そうなんですか?じゃあこれからいってみますかね」

 

 

「そっか、がんばりなよ!あ、でも三階層よりは絶対降りちゃだめだよ」

 

 

「忠告ありがとうございます、でも、もともとそんなに降りる気ないですよ」

 

 

 そういうと俺はダンジョンの入り口へと歩いた、期待と恐怖を感じて...




 次回からようやく戦闘シーンを入れていきます


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比企谷八幡とダンジョン

 九話にしてメインであるダンジョンです、おそかったですね←書いてるやつ


 今回初めて潜るが、聞いた話どおりならけっこう余裕だろう、とりあえず3000ヴァリスぐらいは稼ぎたいな

 

 

~30分後~

 

 

 ダンジョンにもぐって30分がたった今、俺はダンジョンの中で逃げ回っていた...ゴブリン相手に。

 

 

 なぜこうなっているかというとぼっちのモンスターを倒そうとさがしていたら、いきなり6体のゴブリンが追いかけてきたからである。1体6は反則だろ!...でもいつまでも逃げられるわけじゃない、現にもう、足が疲れてきた。

 

 

...!行き止まりだ、こうなりゃ倒すしか道は無い!そう思って振り向くと6体のはずが3体に減っている、他の獲物を見つけたのだろう

 

 

 俺の作戦はまず、落ちていた石を適当に投げて、そっちを向いたやつを切る!漫画なら完璧だ!

 

 

「やるしかねぇよな...!」

 

 

 俺は壁に向かって石をなげた

 

 

 うまくいった!3体とも石のほうを向いた、その隙に1体の首をきって倒した

 

 

 2、3体目がおそいかかってきた、しかし2体目の首も冷静に切る、しかし3体目が体当たりしてきた、よけきれずあたってしまう。

 

 

 いてぇ、が痛いだけだ、どうにか剣でさすことができて、霧になって消えた、どうなってんだろうな

 

 

...とりあえず今俺を追っていたやつらは倒した、しっかりと魔石も回収する。

 

 

 今のが最弱モンスターか...束になるなんて聞いてない...しかしモンスターでもぼっちはそうそういないんだな...

 

 

 まったく、最初からこんな目にあうとは...ん?あれは...?

 

 

...魔石が入った袋だ、結構入ってるな、いや、中はみてないですよ?

 

 

 ま、とりあえず持っておこう、いや、ネコババとかじゃなくて。...誰に言い訳してるんだ...

 

 

 後でエイナさんにでも渡しときゃいいだろ、とりあえずモンスターでも探すか...

 

 

\ドコカコノアタリナンダヨ!/

 

 

...ん?声が聞こえるな、なんか叫んでるみたいだな...

 

 

\オレノマセキ!ウリアゲ!/

 

 

...もしかして、いや、もしかしなくてもこの魔石が入った袋のことだろう、どうやって返すか...

 

 

 よし、近くに置いとこう、俺が持ってたっていったら犯罪者扱いされるからな

 

 

「なぁ、そこのあんた、ちょっといいか?」

 

 

...話しかけられた、おそらくこれの持ち主だろう、ならばここでかえしてしまったほうが楽だ

 

 

「俺の連れ...向こうからきこえる声の主がこのあたりに魔石が入った袋を置いてきてしまったらしいんだが、しらないか?」

 

 

「これか?」

 

 

 そういうと俺はその袋を差し出す

 

 

「おぉ、それだ、ありがとう!これでホームに戻れるよ!このお礼はいつか必ずするから!あんた名前は?」

 

 

「比企谷です、別に礼とかいいんで...」

 

 

「ヒキガヤか!礼はいいって...なら!せめてこれをもらってくれ!」

 

 

 そういって差し出されたのは魔石だった

 

 

「たぶん1500ヴァリスくらいにはなるから!じゃあな!」

 

 

...これひとつで1500か...俺の今日の目標の半分がこれひとつか...

 

 

 まぁ、借りた金を早く返せるに越したことはないし問題ないか。

 

 

 よし、下に下りるのは明日にして、今日はこの層でねばるか...




 次回は未定です(内容から)


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ハチマンと防具名

 メッセージはでないはずだよ


 こんにちは、いつも閲覧ありがとうございます、こんな自己満足作品が100件お気に入り登録されててびっくりでした。


 あの魔石袋の件から約二時間、結構な数を倒せた、もちろん後ろから切る→隠れるのくりかえしで、おそらく今日の目標には届くだろう。

 

 

 朝から潜ってるベルたちに比べたら短い時間だろうがさすがに疲れるな...

 

 

「...帰るか」

 

 

 まだ3層目ということもあって地上にでるのには時間はかからなかった

 

 

...ギルドにこの魔石もって行くんだったな、確か

 

 

 

~ギルド~

 

 

 

 今日の目標3000に対して今回の収入は6000を超えた、もらった魔石が聞いてたより高かったのだ、下層に行けば一個こんくらいがふつうになるのか?

 

 

「あれ?ハチマン様?」

 

 

 この声はリリルカか、ということはベルもいるな

 

 

「よぉ、なんだ」

 

 

「ハチマン、今日からダンジョンに潜れたの?てっきり明日からだと思ってたのに」

 

 

「まぁ一層目だがな、お前らは何層くらいに行ってるんだよ」

 

 

「僕らは10層目ぐらいにいたよ、でも本調子じゃなくてね...」

 

 

...10層目のモンスターの強さがいまいちわかんねぇな、まぁそのうちいけるだろ

 

 

「ハチマン様ははじめて冒険者としてダンジョンに潜ったんですよね?いくらぐらい稼がれたんですか?」

 

 

「...大体6000くらいだ」

 

 

「そんなに稼いだんですか?一層目にいたわりには結構稼げてるじゃないですか」

 

 

「まぁな、早いとこ借金は返したいしな、じゃあこのまま俺は帰るわ、疲れた」

 

 

「そっか、じゃあちょっとまってて換金してくるから」

 

 

...一人で帰る感じで話してたよね?まぁいいけど

 

 

 しかしリリルカが異常なほど魔石が入った袋をもってたな、あの量で本調子じゃないのか

 

 

 え、ベル化け物すぎねぇか?

 

 

\ソレデハベルサマ、マタアシタ/

 

 

「お待たせハチマン!それじゃ帰ろうか」

 

 

「あぁ、ところでベル、おまえの防具ってどのくらいの値段だった?」

 

 

「この防具?これは9900ヴァリスだったと思うけど...なんで?」

 

 

「あ、いやこの防具が6000ヴァリスしたから、ぼったくられてないかなと」

 

 

「へぇ~、ちなみにその防具の名前は?」

 

 

「名前?」

 

 

「うん、僕のはちょっとアレだったからハチマンのはどうかなって思って」

 

 

 防具に名前なんかついてんのか、ベルのはよほどひどいんだろうな...

 

 

「防具名ってこれか?...」

 

 

...猫鎧〈ニャンタロ〉...ぎりぎりセーフか?いや、アウトだな、人に言えたモンじゃない

 

 

「どうだった?名前」

 

 

「ふ、普通だ...!うん、大丈夫だ問題ない、そう、まったくない!」

 

 

「そ、そっかー、なら良かった...」

 

 

 俺の必死さに何か気づいたらしくそれ以上は詮索してこなかった...よかった

 

 

「あ、ごめん!ハチマン!僕はちょっとよるところがあるから先に帰ってていいよ!」

 

 

「おぉ、わかった、じゃあまた後でな」

 

 

 そういうとベルは確か豊饒の女主人とかいう店があるほうへ行った

 

 

 

~15分後~

 

 

 あれから家に帰って、ぼーっとしているとヘスティアさんが帰ってきた

 

 

「ただいま!ハチマン君!」

 

 

「...うす」

 

 

「まったく...君は無愛想だなぁ、お帰りくらい行ってくれてもいいだろう?」

 

 

「そうですかね」

 

 

「そうだとも。ところで、今日はどうだったんだい?」

 

 

...そうだった、この人はベルを取り合うライバルを減らそうとしてたな

 

 

「なにがですか...あ、借りてた12000ヴァリスはまたすぐ返しますよ、とりあえず半分の6000ヴァリスかえしますね」

 

 

「半分しか使わなかったのかい?」

 

 

「いや、全部つかいましたよ」

 

 

「...盗みでもしたのかい?」

 

 

 失礼な!

 

 

「そんなことしませんよ、今日のダンジョンの収入です」

 

 

「12時から行ったとしても...今日はじめてダンジョンに潜った君がこんなにも?」

 

 

「はい、大変でしたよ」

 

 

 追いかけられたり他人と会話したり...

 

 

「いったい何層まで降りたんだい?」

 

 

「いや、三層目ですけど...」

 

 

「三層目でこの金額か...嘘もついてないし...」

 

 

 え、なに?おかしいことなの?あ、そういえばいい忘れてたことがありましたね、まぁ言うのもめんどくさいしいいか

 

 

「ただいまかえりましたー」

 

 

「おかえり!ベル君!」

 

 

「よぉ、おかえり」

 

 

「よぉし!ベル君も帰ってきたし!夕飯にしようか!」




 次回、比企谷八幡は平穏に暮らしたい(大嘘)


 気になる点があれば指摘お願いします、その他、感想等をいただけたらうれしいです


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比企谷八幡と後悔

 今回も閲覧ありがとうございます


 夕食をたべた後はいつもどおりぼーっとしていた、暇過ぎる...何か趣味さがすか...

 

 

「ハチマン、明日もダンジョンに潜るんだよね?」

 

 

「あぁ、お前もだろ?」

 

 

「うん、そのことなんだけどね、明日一緒にダンジョンに潜らない?」

 

 

「は?」

 

 

 こいつはなにを言ってるんだ、もぐる階層がぜんぜん違うだろ...

 

 

「いや、ハチマンの実力が知りたくて、どう?」

 

 

「だめだ、お前と俺じゃもぐる階層が違いすぎる」

 

 

「大丈夫だよ!僕がハチマンのほうにあわせるから!」

 

 

「いや、いいから、それにリリルカもいるだろ、あいつには相談しなくていいのか?」

 

 

「それがリリにも一緒に行かないって聞いたんだけどいいって言われてね」

 

 

 俺嫌われすぎだろ...知ってましたけどね!というか、リリルカには俺についてくる前提で聞いたのか

 

 

「...良い?」

 

 

「ほら、明日はアレがアレでな...」

 

 

 やばい、ヘスティアさんがこっち見てる...!

 

 

「アレ?なにかあるの?」

 

 

「まぁな、というわけですまんな」

 

 

 知ってたよ!さっきからにらまれてましたし...仕方ないか...

 

 

「...分かったよ、ベル、明日な」

 

 

「うん!」

 

 

 ...もしかして、ベルはヘスティア様がこう言うことを知ってたのか?事前に考えていたのか...?ベル、恐ろしい子...!

 

 

 まぁ、決まったことは仕方ない、今日はもう寝るか...

 

 

「じゃあ俺は寝るわ、おやすみ」

 

 

「おやすみ、ハチマン」

 

 

 

~早朝~

 

 

 

「――きて、おきて」

 

 

...小町か、もう少し寝かせ――

 

 

「ハチマン、朝だよ」

 

 

...こま、ベルか...そう...だったな...

 

 

「おはよう、ハチマン!」

 

 

「あぁ...」

 

 

「!ハチマン...なんでそんなに泣いてるの?」

 

 

...は? 頬に触れてみると水がながれていた、無意識のうちに涙って出るもんなんだな

 

 

「...ハチマン?」

 

 

「いや、あくびだ、気にすんな、それよりもダンジョン行くんだろ、準備するぞ」

 

 

「うん、そうだね、じゃあ先に朝食だね、用意してくるよ」

 

 

「あぁ、すまん」

 

 

 いままで詳しくは思い出そうとしなかったが、小町、戸塚、そして奉仕部の二人、雪ノ下と由比ヶ浜...あいつらともう一度、話をしたかった、修学旅行の件、あれは俺のやり方が間違っていたとは思っていない、だが、あの後一回でも話せたなら、なにかかわっていただろうか...

 

 

 それよりも今はベルが待ってるはずだ、行くか。

 

 

「おはよう!今日は早いからつらいだろうハチマン君」

 

 

「うす、そうっすね」

 

 

「よし!じゃあ朝ごはんだ!」

 

 

...俺からしたら早い、起きてすぐの朝食を食べた。

 

 

 

~数分後~

 

 

 

「よし!行こうかハチマン!」

 

 

 こうして、俺とベル二人でダンジョンにもぐることになったのだった...




 次回、またダンジョンです


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ハチマンとキラーアント

 しばし間が開いてごめんなさい


 ハチマンがハチマンじゃない


...まぁ一緒にいくことになったのはわかる、ただ、肝心のベルはどこ行ったんだよ...

 

 

 そう、俺はベルといつの間にかはぐれてしまっていた...ぼっちの神でも憑いてるのか...?いや、もとからでした、てへぺろ☆

 

 

...自分でやってて吐き気がする...これ以上はやめよう...

 

 

 よし、帰り道もわかんねぇし隠れてベルが来るのを待とう、ちなみに今は4階層だ

 

 

\イマ、ナニカイタゾ!コッチダ!/

 

 

 やばい、気づかれたか!...やばいどころか助かりますよね

 

 

「いたぞ!...ってヒキガヤか?」

 

 

「は?...誰ですか?」

 

 

「俺だよ俺!この前の魔石袋の!」

 

 

 俺だよとか言われてもなまえしらねぇし...

 

 

「一人でこの階層に来たのか?」

 

 

「いや、もう一人居たんだが、見てないか?」

 

 

「みてないな、階段のとこに行きゃあ会えるんじゃないか?」

 

 

「そうか、助かった、じゃあな」

 

 

 そういって俺は颯爽とその場から走り去るはずだったのだが、腕をつかまれて逃げれない...離せよ

 

 

「待て、ヒキガヤ、一人で階段のところまで行けるのか?」

 

 

「あぁ、行ける」

 

 

 まぁ、見つからなければいい話だろう

 

 

「そうか?それならいいんだが」

 

 

「じゃあな...えっと?」

 

 

 名前知らなかったわ、この人の

 

 

「あ、俺の名前はヨシテルっつうんだ、ロキファミリアに所属してる」

 

 

 ヨシテル...なんか嫌な名前だ...まぁ、こっちは中二病ではなさそうだしいいか

 

 

「ロキファミリアってあのでっかいとこか?」

 

 

「あぁ、ハチマンはどこに?」

 

 

「俺はヘスティアファミリアって言うところに...」

 

 

「ヘスティアファミリアか!あのアイズさんが一目置いてるやつがいるって言う...!」

 

 

 うん、これはベルのことだな、後で聞いてみよう

 

 

「あ、急ぐんだったな、すまん、引き止めて...」

 

 

「あ、あぁ、じゃあな!材木座!」

 

 

 間違えた、逃げよう!

 

 

「材木座!?俺か?おい!ヒキガヤ!」

 

 

 何も聞こえないから逃げよう、大丈夫だ、安心しろ...

 

 

 

 

 

 ...よし,こんなけ離れたらいいだろう。ベルを探そう......今、白髪の少年が見えた気がする...

 

 

 あの防具... 絶対ベルだ、よし、行くか

 

 

 そう、近くにベルがいるという安堵から俺は安心しきっていた、俺はいつの間にかモンスターに囲まれてしまっていた、しかも、なんかでっかいアリに...

 

 

「ベル!助けてくれ!」

 

 

 聞こえてるといいが...いや、その心配はなさそうだ、こっちに向かってきている

 

 

「ハチマン!待ってて!」

 

 

 これだけの数をベルはどうする気だ...

 

 

「ハチマン!伏せて!」

 

 

「ファイアボルト!」

 

 

 なるへそ、魔法なら早くカタがつきそうだ...ソレよりもこんなに使って大丈夫なのか?

 

 

「ファイア...ボル...!」

 

 

 ベルが倒れた、残りは3体...俺ひとりでやれるのか...?

 

 

 さっき攻撃していたベルに矛先が向いているな...狙うなら今だ!

 

 

 あくまで静かに、気づかれず、弱点を見極めて倒す。このアリならおそらく頭と胴体の付け根、できるか?いや、やらないとベルも俺も死ぬ...!

 

 

「...っ喰らえ!」

 

 

 一匹目はうまくしとめた、次だ!

 

 

 付け根に...!すこし刺さったが折れてしまった、ダメージはあまり入ってないだろう...なら!

 

 

「ベル!ナイフを借りるぞ!」

 

 

 この階層にもぐるまでに見た感じからするにこのナイフはかなりの強度を持つはず!これなら...!

 

 

 さっき剣を刺した場所にこのナイフを!突き刺...!

 

 

「ぐぁっ!」

 

 

 もう一匹のほうに背中をえぐられた!死ぬほど痛い...!がここで俺が死ねばベルも死ぬ...!

 

 

 それだけは避けなければいけない...!

 

 

 俺はさっきの一匹にナイフを突き刺し霧になったことを確認して、もう一匹に視線を向けた、敵はまっすぐ牙を向け跳んできていた、なら、まっすぐナイフを向ければ必ず刺さる、いや、このナイフなら貫通する!

 

 

 

 

...予想通り、ナイフはアリを貫通した。

 

 

「とりあえず命の危機はまぬがれたな...」

 

 

 早いとこベルをどうにかして上に連れてかねば...

 

 

 ベルを担ぐか...というかソレしかないよな...

 

 

 そう考えた俺はどうにか地上までベルを連れていった、途中から足引きずってたけど、

 

 

...あとはホームまで行けば大丈夫か

 

 

 

 

~ホーム~

 

 

 ベル重ぇよ...ベッドに寝かしときゃいいよな。

 

 

...疲れた、俺も少し寝るか、風呂はその後でいっか...




 いつものように問題点が多そうなので指摘おねがいします


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比企谷八幡と剣姫

タイトルどおり剣姫でます、まぁちょっとですけどね


...今何時だ...外の感じからしてまだ夕方くらいか。

 

 

「あ、起きたかい、ハチマン君」

 

 

「うす」

 

 

「一体なにがあったんだい?僕が帰ってきたら君は傷だらけで寝てるんだし、ベル君は全く起きないし」

 

 

...そういえば背中をやられたんだよな...

 

 

「...っ!」

 

 

 傷が無くなっている...?

 

 

「驚いたかい?傷が治ってて。ポーションを使ったことはないだろうから変な感覚だろう」

 

 

「はい...そっすね、変な感覚です」

 

 

「話を聞くと君は結構ベル君に頼りきっていたようだね...」

 

 

 痛いところをついてくる...このロリ神...

 

 

「...ハチマン君?」

 

 

「は、はい、なんでしゅか?」

 

 

「君、今失礼なこと考えたろ」

 

 

「い、いえ、そんなまさか...ははは...」

 

 

「目が泳いでるよ?」

 

 

「そ、そんなことないですよ」

 

 

「...念のためいっておくけど女神には嘘はつけないんだよ、そんなことより...」

 

 

「ベル君がここ最近あのヴァレン某と一緒に特訓してるらしいんだけど...明日は君もついていってくれないかい?」

 

 

 ヴァレン某...?だれだそりゃ...まぁいいか、ばっくれれば

 

 

「ベル君はもうすぐおきると思うからヴァレン某についてはベル君に聞けばいいよ」

 

 

「...行く前提で話し進めてるとこすみませんが、行かなくていいですか?」

 

 

「だめだ。」

 

 

 なんか強い意志を感じる...だが断る

 

 

「すいません、ちょっと明日は用事で」

 

 

「嘘だね」

 

 

...行くのか...いやだなぁ、なにがって訓練って響きが

 

 

 

~約一時間後~

 

 

 

「ん...あ...ハチマン!ここど...あれ?」

 

 

「おちつけ、ここはホームだ」

 

 

「...魔法使いすぎちゃったんだな...」

 

 

「あぁ、そうらしい、ところでベル、お前毎朝ヴァレン某って奴と訓練してるだろ?明日おれもそれ行くことになったからよろしく、じゃ、おやすみ」

 

 

「え?何で知ってるの...?ねぇ!ハチマン!」

 

 

 すごく聞かれてるが、めんどくさいから寝よう

 

 

 

~翌朝~

 

 

 

「ハチマン、行くよ」

 

 

「おう」

 

 

 ちゃんとベルに起こされ、なんだったか...そう、ヴァレン某って人を見るだけ見ようとおもって準備した

 

 

「じゃあ、アイズさんのことを説明しながら行こうか、」

 

 

「アイズ・ヴァレンシュタイン、僕の憧れの人で、剣姫って巷ではよばれてるんだ、それでね!」

 

 

~数分後~

 

 

「と、まぁここで修行をつけてもらってるんだ!」

 

 

 ようするに、ベルはここで命の恩人に修行をつけてもらってると

 

 

「おはようございます!アイズさん!」

 

 

「おはよう、ベル...と誰?」

 

 

「あぁ、この人はハチマンって言って、僕と一緒に修行をつけてほしいらしいんです」

 

 

「いや、無理にとはいわんぞ、ベル」

 

 

 俺は見学したいだけなんだからな、っておい聞けよ

 

 

「だめですか...?」

 

 

「......いいよ、どうせ今日で最後だし」

 

 

「いいんですか!やったねハチマン!」

 

 

 ...断ってくれよ...剣姫さま...

 

 

「それじゃあ、剣を抜いて」

 

 

 剣を抜いて...ってまさか修行って組み手みたいな感じか...?

 

 

「どこからでもかかってきて」

 

 

...いいのか?まぁ、仮にも剣姫って呼ばれてるなら大丈夫なんだろう

 

 

 むしろ俺がどうなるんだ...

 

 

 

~数秒後~

 

 

 

 結論は吹っ飛ばされる、と、結構吹っ飛ぶな...

 

 

「ぐえっ!」

 

 

 いってぇ...

 

 

「大丈夫?ハチマン」

 

 

「大丈夫だと思うよ、いままでのベルもこんな感じだったし」

 

 

...ベルでもこうなるってことはこの人、化け物すぎんだろ...

 

 

「ほら、たって、もう一度」

 

 

 その後もなんどもやられまくってベルの番が来た

 

 

「お疲れハチマン、僕が終わったらもうホームに戻るだろうから、アイズさんの動きちゃんとみててよ」

 

 

「あぁ...」

 

 

 ベルはこれをここ最近やってたんだよな、だとしたら本気を出せばいったいどんなものに...

 

 

 

~30分後~

 

 

 

 朝早くからこんな動いたせいで疲れたということもあって寝ていたみたいだ、ベルが起こしてきたころには剣姫の姿は無く、体の痛みだけが残っている

 

 

「ハチマン、ホームに戻ろうか」

 

 

「あぁ、ところでお前はこんなのをやってたのか...」

 

 

「うん、ハチマンが来るちょっと前からね。でも今日で終わりなんだ」

 

 

「あぁ、言ってたな、何でだ?」

 

 

「ロキファミリアが遠征に行くまでっていう約束だったからね」

 

 

 ロキファミリアか...どこかで聞いたような...いや、今はじめて聞いたな!

 

 

「今日はリリも来るだろうしこれからダンジョン行こうか、ハチマン」

 

 

「あぁ、わかった」 




 次回、ベルの冒険、デュエルスタンバイ!


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ハチマンとお覚悟を

 いや、課題に追われてましてね


 今、一人でリリルカを待っている...

 

 なぜならベルが用事があるから先に行っててといったからだ、そのときは別になんとも思ってなかったが、今、リリルカが来ると気まずい

 

「はぁ...」

 

「ため息をつくほどいやなら帰ってくださってもいいんですよハチマン様」

 

「...」

 

 リリルカがきてしまった...ベル!早く戻ってきて!...いや、別にいいか

 

「...あぁ、じゃあ帰るわ」

 

 そう、帰ればいいのだ、理由は精神的ダメージで

 

「お待たせハチマン!あ、リリももう来てたんだね、おはよう」

 

「おはようございます、ベル様」

 

...ベル、お前ちょっと遠くから見てただろ、このタイミングは

 

「よし!それじゃあ行こう!」

 

 

~ダンジョン内~

 

 

「ハチマン、僕たちは10層目に行くからここで別れちゃうんだけど大丈夫?」

 

「あぁ、そんなことより自分の心配をしとけよ」

 

「大丈夫だよ!それじゃまたね!」

 

...行ったか、さて、狩って行きますかね。一狩行こうぜ!ってな  やめよう、予想以上につまらん

 

 まぁ、奥に進んできゃいるだろ、というより今見つかったな、絶対。

 

 ゴブリン安定だな、一匹だから何とかなるか

 

「...どういうことだ」

 

...一撃か、おかしい、いや、もしかしたら弱っていたのかもしれん、次だ、次

 

 どう考えてもおかしい、一撃だぞ、一撃、弱点を突いたってわけでもないのに

 

 もしかすると強くなってるんじゃないか?いや、まさかな...奥に進んでみよう

 

 勝てる!オオカミもゴブリンもヤモリも一撃...

 

 これなら一層位下降りても何とかなるだろ...

 

 

~五層目~

 

 

 まずはボッチモンスター探しだな。いや、誰か来たな...

 

「ふむ?ハチマンじゃないか」

 

 どうでもいいが最近ステルスヒッキーが機能してないな...

 

「何でここにいるんだ...テルヨシ」

 

「いちゃだめか、ハチマン、そうだ、昨日は何で逃げたんだ、それになんだ材木座って」

 

「一気に聞くな、昨日は逃げたわけじゃない、人探しをしていたと言っただろう」

 

「...いや、俺のことを材木座と呼んだとたんに顔がしまったという感じになってただろう」

 

 鋭いやつだな、あの中二病とは違って

 

「...あぁそうだよ、だからなんだ」

 

「いや、その材木座とやらのことが気になってな、まぁ、また今度地上で聞くとするよ、仲間が待ってるしな、じゃあな!」

 

 地上で会うことはないだろう、あの人ごみの中じゃあな

 

 俺はボッチ探しをするかな

 

「よし、邪魔ものは去ったな、行くか」

 

 さっそくモンスターを発見、と流石に一層違うだけじゃ変わらないか、まぁいい、やることは変わらん

 

 お覚悟を。なんつってな




次回は早めに出せるようにがんばります
それと、正直この回見なくて良かったです


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比企谷八幡とベルの怒り

ウィィィィィィィィス!どーも、やまもんでスゥゥゥゥゥゥ

いや、テストでね


 昨日、あの後何もなく帰りステイタスを更新した、今日はベルたちについてってみたいと思う、だって技もいるとか何とか言われたし...あの剣姫さんの動き見えなかったし、収穫はゼロだったからな

 

「え”、今日はハチマン様もついてくるんですか?」

 

「うん、いいかな?」

 

「正直足手まといかと思います」

 

 はっきり行ってくれたなおい、ひっどいわぁ...

 

「まぁ、いいでしょう、そのかわりリリの手伝いをしてもらいますからね」

 

「あぁ、まかせとけ、戦いなんか参加したくねぇからな」

 

...正直

 

「ほら、ハチマン様、置いていきますよ」

 

「あ、あぁ、すまん」

 

 

~で~

 

 

「そういやロキファミリアは遠征に行くとか言ってたよな」

 

「うん、今日出発だからね」

 

「なら会うかも知れねぇな、そいつらに」

 

 もしそうなったら逃げるね、だってめんどくさそうなやつにあいそうだし、特に材木座的なアレ

 

「うーん、どうだろうね」

 

 会わなくてすむならそれでいいんだがな

 

「というか少なくねぇか?モンスター」

 

「確かに、気持ち悪いほどいませんね」

 

「...行こう。10階層に」

 

『―――ヴ――ォ』

 

「おい、べ...」

 

 なんて顔してやがんだ、こいつ

 

 ベルがぎこちない動きで振り向いた先にいたのは―――

 

「――ぇ?」

 

 ミノタウロスだ、ベルから話は聞いている、が、なんでこの層にいるんだ

 

『......ヴゥゥ。ヴォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

「おい!ベル!逃げるぞ!おいベル!」

 

 ミノタウロスが一瞬でベルに近づき大剣を振り下ろした

 

 次の瞬間、隣にいたリリルカの姿はなく、ベルもいた場所から投げ出されていた するとベルが急に立ち上がりリリルカをこっちに投げてきた、受け止めて離れた場所まで運んでいく

 

 ここで俺ができることはせいぜいあの牛の気をこっちにそらすぐらいだ、倒せなくていい、逃げ切る、それが一番リスクが少ない策だ

 

「この牛がぁッ!こっちを向けッ!」

 

 そういって俺は片手剣をミノタウロスに投げた...どうやらうまくいったようだ、あとは逃げきれば、剣姫のような冒険者が、倒してくれるはずだ――

 

「逃げろッ!ベル!今のうちに!」

 

 正直な気持ち、ここで死ぬんだろうな、と考えていた、対峙するとわかる、殺意が自分に向けられているということが

 

『ファイアボルト!』

 

「ハチマン!だめなんだ、ハチマンはリリをつれて逃げて!」

 

「逃げるのはお前だ!ベル!俺だけでいい、俺が死んだぐらいでは何も変わらない!だけどお前は違うだろ!」

 

「駄目なんだよ!僕が逃げちゃ!早く行ってくれよ!」

 

『ヴォォォォォォォォォォォォ!!』

 

 ミノタウロスは俺たちの会話を強制終了させ、ベルに突っ込んで行った

 

「早くッ!いけぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 ここまで怒ることはなかったベルの怒号、俺は歯をかみ締め、リリルカのもとに行き担いだ

 

「ベル...様ぁ...!」

 

 リリルカが目覚めたようだ、だが、問答無用でつれて逃げねば、ベルのためにも

 

「リリルカ、良く聞け、俺たちは助けを呼ぶんだ、俺らがこのまま行ったところで、足手まといになる、わかったな」

 

 ロキファミリアが遠征でダンジョンにもぐってきているはず、なら!それにすがるしかない!

 

俺は一心不乱に走る、そうするうち前から異様な速さで走ってきた数名とであった

 

 ロキファミリアだろうか、いや、そんなことはどうでもいい、今はベルのもとへこの人たちを連れて行かねば

 

「ベル様を!助けてください!」

 

 俺が声を出すより早く、リリルカが助けを求めた

 

「ベル...様を...」

 

 しかしまた気絶してしまった、俺も正直パニックになっている、だが、一秒でも早く

 

「この奥で!仲間がミノタウロスと戦っているんだ!助けてやってくれ!」

 

そこから俺は今いた道を引き返して、ベルのもとへ冒険者を連れて行った、そしてそこで気づいた、俺が助けを求めたのはアイズ・ヴァレンシュタインたちだった

 

 

...そこからのことは、もうあまり覚えていないが、ベルがミノタウロスの上半身を吹き飛ばしたところと、アイズさんが「ベルクラネル」といったことだけははっきりしている

 

 その後、リリルカは起きたのでベルを担ぎ上まで戻りはじめたとき、後ろから声をかけられた

 

「ハチマン、上までついていってやろう、今、道中で襲われたら死ぬだろう?」

 

「テルヨシか...すまないが今は頼む」

 

 遠征中だよな、こいつ、まぁいいか

 

 俺はホームへと足をすすめた




次こそは!次こそは!早くあげたいです


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ハチマンとリトル・ルーキー

出す出す詐欺かな?


 

レベル2、ねぇ...

 

 この間の件でベルのレベルが上がった

 

ミノタウロスを倒してから3日がたっている、ベルは昨日目覚めたばかりだ

 

今日は朝からリリルカとヘスティアさんがベルに説教をしていた...半日も、何故か俺もヘスティアさんに怒られた、悪くないだろ?

 

そして昼すぎ、ヘスティアさんがどこかへ出かけるようだ、なんでもベルの二つ名を決めるらしい

 

ベルは中二病なのか...? 【ダークエンジェル】とかそういうのがカッコイイと言い始めた、俺は死んでもお断わりだ、黒歴史が増えてしまう

 

生暖かい目でベルを見ている...俺もこうした目を向けられて...もっと酷かったか、蔑むような目だったな

 

「下界の者にはまだ早すぎる...」

 

まさかこういう名前がカッコイイとみんな思ってるのか...?

 

「あぁ、ボクは泥水をすすることになっても、必ず無難な二つ名を勝ち取ってくるよ...!」

 

ヘスティアさんの後ろ姿からは必死さがにじみ出ていた、

 

 無難な...そこを強調していうてことは何か理由があるんだろうな

 

そこから俺達はホームでボーッと過ごしていた、するとベルがいきなり話しかけてきた

 

「そうだ、今日は豊穣の女主人でお祝いをしてくれるんだけど、良かったらハチマンもきてよ!」

 

えぇ...あそこうるさいしなぁ...

 

「どうかな?」

 

いや、大丈夫か、どうせヘスティアさんと俺とベルだけだろう、また

 

「分かった、大丈夫だ、行けるぞ」

 

「本当!?ありがとう!」

 

しばらくして、ヘスティアさんが帰ってきた...さてさて、ベルの二つ名は?

 

「やったぞベル君、無難だ!」

 

 

 

 

リトルルーキー、こんなもんだな、ベル、なんでそんな顔してんだよ、良かったじゃねぇか、無難で

 

「まぁ、マシな方だったんじゃねぇか?」

 

「う...うん、そうだよね、不満なんてないよ...不満なんて」

 

バリバリ不満に感じてるだろ、その落ち込みようは

 

「ほら、行くんだろ?お祝い、もういい時間だぞ」

 

「あ、ボクはいけないけど楽しんできてくれよ!」

 

ってことは2人だけか?

 

「はい!神様!それじゃシルさん達も待ってるだろうし行こう、ハチマン!」

 

え?3人だけじゃないの?というかシルさんって誰だよ

 

~豊饒の女主人付近~

 

途中でベルが神様達に詰め寄せてられていたが、そこで一つ思った、こいつらは本当に神なのかと

 

「ご、ごめんね...一人で先に走っていっちゃって」

 

「あぁ、本当だ、おかげで帰ろうと思ったぞ」

 

豊饒の女主人が見えてくるここで待っててくれたのはありがたいが...だって、先に店の中にいたら入れなかったしな

 

「本当にごめん...」

 

「あー、なんだ、もう忘れろ、飯食うんだろ?」

 

「ありがとう...それじゃ店入ろうか」




クオリティ低いのはごめんなさい

またそのうち出します


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比企谷八幡と鍛冶師

 まぁ、自分の好きなものかいてるだけなんで、なぁなぁな文章です


なにか猫みたいなやつにベルが小言を言われて中に入った、するとベルの名をよぶ声が聞こえた、そちらへ目を向けるとリリルカがいる、え?今日お祝いするの知らなかったのは俺だけ?

 

ベルは投げかけられる声にうろたえながらも席についた、俺の席ねぇじゃん、なに?お前の席ねぇから!ってか?

 

やっぱり帰ろうと思いベルに話しかけようとしたら落ち着いた声のエルフが話しかけてきた

 

「おや、ヒキガヤさん」

 

「...?」

誰だ...?見覚えはあるんだがな

 

「私はリューと申します、」

 

「そ、そうでしたね、すいません」

 

全く覚えていないな、

 

「今、席を用意します、少し待っていてください」

 

ここにいるのはリリルカと確か前に来た時ベルと話していて怒られていた人だ、この人がシルか

 

「ヒキガヤさん、こちらにきてください、椅子を持ってきました」

 

「あなたは見た限り人を避けようとしているようだ、端の方が良かったとお見受けしました」

 

端にしてくれたのはありがたいが、どうせならベルの隣の方が楽だったが

 

「しかし、すみませんでした、クラネルさんの隣に貴方が行くとそこの2人のどちらかが可哀想なので」

 

なるほど、そういう事か、ベルは気づいて無さそうだが

 

「さぁ、早く座るといい、せめてものお詫びとしてお酒を注ぐぐらいはしましょう」

 

~暫くして~

 

「そうだ、ハチマン、リリ、明日は防具を買いにバベルに行きたいと思うんだけど一緒に来てくれない?」

 

...バベルか、人多いしめんどくさいしな...まぁ、武器を新調してもいいかもしれん、結構金はたまったし

 

「すみません、ベル様、リリは下宿先の仕事が急遽立て込んで...」

 

リリルカは行かないのか

 

「俺は大丈夫だ、明日な」

 

 今持ってる分なら前のより結構いいのが買えそうだな

 

~次の日バベル~

 

 昨日の酒場ではあのあと色々あったが店員が異様に強いのはわかったといっておこう

 

「そうだ、ハチマンの防具の製作者って誰?」

 

「あ?なんでだよ」

 

 面倒だったからちゃんと読まなかったな...なんだったか、確か...ヴェ...ヴェ...わからん、でも姓はクロッゾだったな

 

「作る人によってサイズとか軽さは結構違うから、また同じ人に作ってもらったほうがいいんだよ」

 

「なんとかクロッゾってやつだった...はずだ」

 

「クロッゾ...もしかしてヴェルフクロッゾじゃなかった?」

 

 確か、そんな名前だったか、でもなんでこいつが...もしかするとこいつの防具もやばい名前の...?

 

「僕もそのクロッゾさんの防具使ってたんだ」

 

 あの変な名前の防具か...作者の気が知れねぇな、いい防具そうなのに、名前が残念すぎる

 

 すると、奥でもめてる人を見つけた、こういうのはスルーにかぎる、まぁ、むこうから声もかからないんですけどね

 

「ちょっと僕はヴェルフ・クロッゾさんの作品がないか聞いてくるよ」

 

「俺はここにいるから、分かったら呼んでくれ」

 

「うん、じゃあ、ちょっと待ってて」

 

...ん?なんか空気が固まってるな、なにか...

 

突然ベルの近くにいた赤髪の男が笑いだした、まさか、あの赤髪が...

 

「...ちょっと確認しに行ってみるか」

 

「ハ、ハチマン!この人がヴェルフさんだよ!」

 

「おう、俺こそがヴェルフ・クロッゾだ、お前もサインいるか?」

 

いきなりサインいるかとまで言われ、とりあえずこっちに来い、と休息所まで連れていかれた

 

「じゃあ、お前はリトル・ルーキー!あの世界最速兎で、そっちのお前はハチマンって言うんだな?」

 

「こ、声大きいですっ!」

 

話を聞くに今まで3回しかこの人の作品は購入されず、そのうちの2回を買い、なおかつ自分の作品を探していた俺たちに興味を持ったと...

 

「ベルが二つ下でハチマンが同じ年齢か...お互い、年下にLv.越されちまったな」

 

「まぁ、そうですね...クロッゾさんが同い年には見えませんがね」

 

「おい、やめろ、その敬語を、あと俺のことはヴェルフと呼んでくれ、家名は嫌いなんだ」

 

「そうか、ならヴェルフでいいのか?」

 

「あぁ、そうしてくれ」

 

話を聞いていた限り普通そうなんだがな...ネーミングセンスだけがおかしいのか

 

「ところで、だ、ここからが本題だ」

 

「俺と直接契約しないか、ベル、ハチマン」

「あぁ、いきなり言われても分かんねぇよな、詳しく説明するぞ...」

 

なるほど、ドロップアイテムを持って来ればそれで武具を作るし、防具の手入れもしてくれるのか

 

「実のところ言うとハチマンはオマケだ、本命はお前だ、ベル」

 

「えぇ!?僕ですか?」

 

まぁ、そうだろうな、Lv.2になった奴を選ぶのは当然だ、ヴェルフの方も願ったり叶ったりだろう

 

「そうだ、ここにいる鍛冶師みんな狙ってるんだ、お前だけじゃない、Lv.2に上がったやつはみんな目をつけられるんだ、そんなお前と契約できるなら俺も嬉しい限りだ」

 

「ほ、本当ですか...?なら、宜しくお願いします、ヴェルフさん」

 

「おいおい、さん付けか?まぁ断られなかっただけありがたいがな!」

「ハチマンも契約してくれるよな?断る理由もないだろ?お前は」

 

勝手に決めつけんな...契約するつもりだったけど

 

「よろしくな、ベル、ハチマン」

 

「で、早速なんだが...俺のわがままを聞いてくれ、勿論見返りはする、お前らの装備をタダで新調してやる」

 

装備をタダで新調してくれるってなると相当な要求をしてくるかもな...

 

「俺をお前らのパーティに入れてくれ」

 

 鍛冶師がダンジョンもぐるのか...?ま、俺が決めることじゃねぇな、ベルに任せとくか

 




パソコンのワイファイがおかしくなかったらそのうちだします、多分


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ハチマンと11階層

 はい、やまモンです、今回の話は原作四巻ヴェルフがくわわっての戦闘です


 

~次の日ダンジョン11階層~

 

「やって来たぜ!11階層!」

 

俺は結構な武器をもらい、今ここにいる、勿論リリルカもいる、今はヴェルフの事を伝えたベルにリリルカの皮肉が鎧を貫通して突き刺さっている

 

「ハチマン様も一緒なら騙されにくいと思って大丈夫だと思って送り出したのに!役立たず!」

 

俺にも飛んできた、しかしその程度では苦痛にも思わないぞ、まだまだだな

 

「メリットの方が多いんだ、いいように利用されてるかもしれんが、その分働いてもらえばいい」

 

「そうだとしてもリリに相談ぐらいしてください!」

 

「ごめん...リリ」

 

 いや、こっちを見るなリリルカ、すみませんでした!

 

「俺はいらなかったか?」

 

 ところでヴェルフと俺の区別がしづらいとおもうんだが

 

「まぁ、仕方ないのでしっかり働いて貰いますよ!」

 

...4人パーティか...あれ?俺いらなく無い?

 

「えーと、リリ、いまさらだけど紹介するね、この人はヘファイストス・ファミリアの鍛冶師のヴェルフ・クロッゾさんって言うんだ、」

 

「クロッゾっ?」

 

~~~~~~

 

要約すると、クロッゾという家系は魔剣を作れることで有名だったが、ある日を境に作れなくなり堕落した...と、家名を嫌がってたのはこういう事か

 

「ま、今はダンジョンの中なんだ、そんなこと気にしてるわけにも行かないだろ、な?ハチマン」

 

「まぁ、そうだな」

 

 ダンジョン...しかも中層は油断できねぇしな...

 

 そう思った次の瞬間、壁から聞き慣れてきたビキリ、という音が部屋中の壁から聞こえてくる、さて、ようやく仕事か

 

「うわ...」

 

「『オーク』ですね」

 

他にはインプが多いな...めんどくさい奴だったはず、だが今までの積み重ねってのは大きい、結構戦えるはずだ

 

「左側のインプは俺がやる、他は任せた」

 

「よし、それなら俺がオークをやろう」

 

そうヴェルフが言うとベルは驚いてたが、まぁ、本人がそういうなら任せるのが一番だろう

 

「んじゃ、死ぬ前に助けてくれよ」

 

「そろそろ行くぞ、インプが群れて、面倒くさくなる前にな」

 

ヴェルフの言う通りにインプは群れると、めんどくさい、数でゴリ押しみたいな戦法だから

 

「油断すんなよ!ベル、ハチマン」

 

それぞれ、武器を携え準備をする

 

 誰よりも早くベルが飛び出し五体のインプ、いや、それ以上を一瞬で蹴散らした、Lv.2はここまで違うのか

 

「マジかよっ...!」

 

 こちら側にインプが増えてきた

 

 だが俺もベルほどではないにしろ倒せている、8匹はもう倒せた、ステータスと武器が違うだけで凄く変わるな、次のやつでこっちは最後か

 

「...ふぅ」

 

 よし、こっちはおわりだ

 

 周りを見るとベルのほうに巨大ダンゴムシが2体突撃していることが確認できた

 

『ロオオオオオォッ!』

 

手を出す気は無い、邪魔になるだけだからな、ベルには魔法があるしな

 

「ファイア・ボルト!」

 

 そう、あの詠唱なしの魔法だ

 

...うまく行き過ぎている、俺の考えすぎかもしれないが、一ヶ月半でレベルアップ、たまたま読んだ魔導書のおかげで魔法を手に入れる、因縁のミノタウロスに遭遇する、ベルは誰かの策略でここまで成長しているんじゃ...?いや、考えすぎか、まぁ、何も無いということは無いだろうが

 

「おい、ハチマン、どうした!」

 

「あ?あ、いや、何でもねぇよ」

 

「ボーッしてるなよ!こっちを手伝え!」

 

いつの間にかヴェルフもオークを倒していたらしい、うっかり考えすぎたか

 

「っ...クロッゾ様!ハチマン様!」

 

「その名前で呼ぶなっ...て、げっ」

 

シルバーバック、ベルはLv.1のときに倒したと聞いたが、ベルが戦闘中の今、俺たちではとても相手にならないだろう、逃げるしかない...いや、逃げ出せるか?

 

思考を巡らせているうちにも俺たちを囲う輪は小さくなっている...!

 

 




はい、次回もうすぐ出します


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比企谷八幡と訳ありのあいつ

 原作7巻まで買いました、これからも集めて、書いていきたいと思います


「───せぇーのッ!!」

 

凄まじい横槍が入った、ベルが槍のごとく片方のシルバーバックへ飛び蹴りをかましたのだ

 

「ヴェルフさん!」

 

...そこからは早かった、こいつらはあっという間に二匹のシルバーバックを倒してしまった

 

 

 

 

...今はリリルカが魔石を集めているのを手伝っている、ベルとヴェルフには休めって言ってたのになんで俺だけ...

 

「おい、リリルカ、これはお前の仕事じゃないのか?」

 

「何言ってるんですか?ハチマン様はあまり働いてないじゃないですか」

 

「いや、俺も結構倒してたぞ、10匹ぐらいな」

 

「はいはい、分かりました、早く集めてください」

 

 こいつ...全然わかってねぇな、くっそ...しかしほかの連中も増えてきたな、取られる前にさっさと集めるか

 

『──────オオオオオオオオオオオッ!!』

 

なんだっ!?咆哮!?

 

「『インファイト・ドラゴン』...?」

 

近くの誰かの声がたまたま聞こえてきた、咆哮が聞こえた方に目を向けてみると近くにいたエルフが壁へ叩きつけられていた、えぇ...こっわ

 

「リリスケ!逃げろっ!!」

 

 次の瞬間には竜はリリルカに標準を定め突撃していた

 

「──ッ!」

 

俺はリリルカをつきとばし、突進してくる竜を見据えた

 

『―――ッグ、オオオオオオオォッ!』

 

「...っ!」

 

「【ファイア・ボルト】!」

 

次の瞬間、閃光が竜を撃ち抜き、壁をも粉砕した

 

「......」

 

ルームの中の視線は一人の冒険者に注目していた

 

~ホーム~

 

「...ふぅ」

 

「ベル君、疲れているならボクとハチマン君で夕飯の支度をするよ?」

 

「それじゃあお言葉に甘えて...お願いします」

 

「ハチマン君、最近、ベル君に変な様子は無かったかい?」

 

「...ひとつ、気になることがあるんですが」

 

 これは気のせいかもしれないが、一応話しておこう

 

「ベルには悪いんですけどうまく行き過ぎていると思うんです」

 

「うまく行き過ぎてる...どんなふうにだい?」

 

「この間のミノタウロスや酒場に置いてあったという魔導書、一ヶ月半でレベルアップ...そんなところですかね」

 

「...そ、そうか!ミノタウロスや魔導書は運が良かったんだと思うぜ!うん!」

 

「...レベルアップはどうなんですかね」

 

「...っ」

 

レベルアップについては何かを知っている感じだな

 

「まぁ良いですよ、話せないなら話せないで、無理には聞きません」

 

 だって、ねぇ?

 

「あ、あぁ、ありがとう、ハチマン君」

 

「へぇ、その鍛冶師君はいい子そうじゃないか」

 

「はい!これで武具の心配は無くなりました!」

 

「まぁ、そんなに人が良くて男だったら何も問題は無い!ボクも大歓迎だ!ベル君、ハチマン君、その子を逃すんじゃないぜ?」

 

「あー、はいそうですね、ところでヘスティア様、ひとついいですか?」

 

「ん?なんだい?」

 

「今話したヴェルフの『クロッゾ』という家名について、何かわかることは無いですかね」

 

「『クロッゾの魔剣』か、そのくらいの話なら分かるけど君たちと同じくらいの知識しかないと思うぜ?」

 

「そうですか、ならいいんです」

 

「いや、ヴェルフ君個人の情報なら少しは分かるよ」

 

 そうか、確かヘスティアさんはヘファイストス・ファミリアで働いているんだったか

 

 話はこうだ、ヴェルフは魔剣が打てるが頑なに打たないという事だった、やっぱり訳ありかよ...あいつ

 

 




次回、ハチマンと鍛冶師の事情


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ハチマンと鍛冶師の事情

出せるうちに出しちゃいます


 

~次の日、早朝~

 

 

「お、ハチマンじゃねぇか、ベルはどうした」

 

「いや、知らん、先に行っててとしか言われなかった」

 

「そうか、俺はリリスケに伝言頼まれたんでな」

 

リリルカが直接話せないってことは相当なことってことか

 

「ベルが来たら聞いてみるんだが」

「良かったら今日1日俺に時間を貸して欲しいんだ」

 

「別にベルは頼めば大丈夫だろ、何するんだ?」

 

「ほら、言ったろう?お前らの防具を新調してやるって」

「お、ベルも来たな、どうだ?ベル」

 

「え?何の話ですか?」

 

「今日一日俺に時間をくれ」

 

~ヴェルフの工房~

 

「悪いな、汚い場所で、少し我慢してくれ」

 

「まぁ、このぐらいなら大丈夫だ」

 

 うるさいことを除けばここはいいな、個別ってとこが

 

「とりあえず採寸するぞ、まずベルからだ」

 

 採寸か...まぁ、オーダーメイドみたいなものだしな

 

「そうだ、お前ら、装備品にこだわりはあるか?あるならなんでも言ってくれ」

 

こだわりねぇ...そんなものは無いけどな...お、太刀だ、店で見た時気になってたんだよな、この際頼んでみるか

 

「こだわりは無いがこれも売れ残りか?」

 

「...そうだよ、あの野郎共のせいでな!」

 

「お、おぅ、そうか」

 

「で?なんだ?侮辱したいだけか?」

 

「い、いや、これ、売ってくれねぇか?」

 

「別にんなモン、タダでやるが...」

 

 タダかよ、裏があるか...?壊れやすいとか何か...

 

 いや、どーせタダだもらって帰ろう

 

「あ、あのっ!ヴェルフさん、これはいいですか?」

 

「おいおいベル、お前もか」

 

「二人とも...か」

 

 二人とも?なにがd...

「...お前らも魔剣の話は聞いただろう?欲しがらないのか?」

 

なるほど魔剣、ね、別にほしくはないんだよなぁ、怖いし、値段が

 

「いや、別に作れとは思わないが」

 

「...そうか、女神様になんて聞いたんだ?俺のこと」

 

~~~~~~~~~

 

「お前らが俺のことを知って態度を変えるか気になったんだ、すまなかった」

 

 まぁ、魔剣っていう位だから、そりゃ、それ目当てに来るやつも多いよな

 

「あー、脱線したな、お前ら、それ以外に欲しいものはないのか?」

 

 

~作業中~

 

 

 今、ヴェルフは、ベルの持っていたミノタウロスの角を加工して武器を作っている

 

「ベル、俺はちょっと外出てるわ」

 

 ベル...お前が言い出したんだからな...くそ熱いとこに残るって

 

 あぁ、外がこんなに涼しいと感じるのは久しぶりだな...

 

 

~数時間後~

 

 

...あの後、中から聞こえてきたヴェルフの話を聞いて、ヴェルフが魔剣を打たない理由はわかった

 

 聴いた上でひとつ思ったことがある

 

 宝の持ち腐れなんてことは無いな...多分

 

 外はもう宵闇の色に染まり始めていて、作業の音もやんでいた

 

「...出来たのか?」

 

「あぁ、渾身の出来だ、名前はどうするか牛若丸...いや、牛短刀...」

 

あぁ、ネーミングセンスが絶望的だったんだよな...

 

 

 

結局、武器の名前は牛若丸に決まった、ヴェルフは残念そうだったが

 

 

 

 




 気になるところがあればご指摘お願いします!


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比企谷八幡と魔法

この話は中層に行くまでの間の話です


~ホーム~

 

 

「ハチマン君。ステイタスの更新だ!楽しみだろう?」

 

「あー、そうっすね」

 

「あー!でも期待はしないでくれよ?まだ君は冒険者になったばかりなんだからな」

 

「いや、期待なんてしてないですよ」

 

 ほんとだよ?

 

―――――

 

Lv:1

 

力  E 460

耐久 B 798

器用 C 680

俊敏 B 780

魔力 I 60

 

 

MAGIC:[インガーンノ]

・速攻魔法

・一日一度使用可能

・30秒間、自身の能力を大幅に上昇

 

SKILL:

 

 

 

 

 

―――――

 

「魔法...!」

 

「ハチマン君、いっておくが、その魔法は必ず秘密にしておくんだ」

 

「え?あ、はい...?」

 

「君のスキルはかなり希少なものだ、それこそ、このオラリオに何人かいるかぐらいのね」

「そのスキルが知られたら君は今までのように自由な行動がしにくくなるだろう」

 

...なるほど、まぁ口外しないというか、できないんだがな、する相手がいないから

 

 ステイタスは...思った以上にあがってるな、まだ15日ぐらい...いや、もう15日もたってたのか

 

 まぁ、ほかのやつのステイタスは知らんがベルが一ヵ月半でレベルアップするんだ、いまさら俺のステイタスを気にするやつもいねぇだろ

 

 

 

〔ヘスティア視点〕

 

 

 ハチマン君...実は君にスキルが発現しているんだ...君にはいえないけどね

 

 ベル君と同じ系統のこのスキルも他神に知られてはいけないな...

 

「ヘスティア様?どうしたんですか?」

 

「あ、いや!なんでもないよ!ちょっとかんがえごとがあってね!」

 

 

 

~次の日~

 

 あぁ...疲れた

 

 今日、俺がダンジョンにもぐってから8時間がたった

 

 今日はベルたちとは別でダンジョンに来ている

 ベルに頼りっぱなしはいけないからな、ちなみに今は8階層にいる

 おっと、早速モンスターが来たみたいだな

 

...アレはキラーアントか、まぁ、この太刀があれば苦戦はしねぇだろ

 

 

「おっ...らぁ!」

 

 一撃、やっぱりあの鈍らとは違うな、キラーアントを一撃で倒せるなら結構行けんじゃねぇか?

 

「...まぁ、もう一層降りても大丈夫か」

 

 

というわけで9層、ルームに来た

 

...壁からひび割れの音がしている、しかもルーム全体の壁から...ひびの大きさから見ておそらくゴブリンだが...やべぇな

 

「他のグループはいない、まぁ、ゴブリンならなんとかいけるだろうが...」

 

 ひびから完全に出たゴブリン共がこっちにむかってきた、魔法は...使わなくていいな

 

 飛び掛ってきたゴブリンどもに一閃

 

「はぁぁっ!」

 

 いける...!今の一撃で3体!残るはざっと20体!

 

 

 

「はぁ...はぁ...」

 

 さ...流石にあの量はキツイかったな...腕の筋肉が張ってるんだが...絶対明日は筋肉痛だな

 

「...ふぅ、とりあえず魔石回収するか...」

 




今回は八幡の魔法を追加しました、ちなみに[インガーンノ]はイタリア語で欺瞞という意味です


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ハチマンと襲撃

 どーも、早いとこ英雄賛歌まで行きたいんですが、どうも書く時間がね...



 ベルたちは11階層、俺は9階...か

...なんだ?さっきから視線を感じる、ステイタスがあがったから感覚が鋭くなってるのか?

 

「...だれだ」

 

 俺がそういうと3人のヒューマンがでてきた

 

「...あぁ?気づいてたのか?」 

「気づいててにげねぇとは、よっぽど自信があるんだなぁ?」

「...」

 

 おい最後、なんか話せ...俺みたいで悲しくなる

 

「なにか用か?」

 

「あのリトルルーキーと同じファミリアなんだろ?オマエ」

 

「そうだったら何だ?」

 

...なるほど、ベルと同じファミリアの俺に用がある...と、絡まれてるね、俺

 

「ちょっとオマエにあのガキを呼び出す囮になってもらおうと思ってな!」

 

 なるほど...要するにベルには勝てないようなやつらね

 

「...?」

 

 なんだ?体が軽く...いや、今はそんな事どうでもいいか

 ...スキルを使うのは...まだだ、相手のステイタスもわからねぇしな

 

「行け!お前ら!死んでもかまわねぇ!」

「抵抗しねぇんなら痛くしねぇからよ!」

「...」

 

 リーダーとその他二人か

 

 ここで太刀は手数がたりねぇな...ここはナイフ二刀流だ

 

 俺は自分の太刀を壁に突き刺しナイフを取り出した

 

「ハハッ!冒険者なり立てが俺らに勝てるわけねぇだろ!」

 

 男二人が切りかかってきた、リーダーの男は少し離れてこっちを見てやがる

 

「オラァ!」

「...!」

 

 大丈夫だ、見切れる!

 

「...ハッ!」

 

 俺は敵二人の剣をはじいて、そのまま二人の足にナイフを突き刺した

 これでこの二人は無力化できた、問題はあのリーダーか

 

「やっぱりな、あいつらはまだレベル1だからなぁ、だが俺はレベル2だ、オマエらとは格がちがうんだよ」

 

 レベル2!?嘘だろ...

 

「行くぞぉ!オラァ!」

 

「...っ!!」

 

 速いっ!

 

『ガキィィン!』

 

 俺と敵の武器がぶつかり合う

 

「オマエ...良く見切れたなァ!」

 

 正直、見てはじくのが限界なスピードだ

 

 

 その後も何度も繰り出される攻撃をなんとかはじいていたが、それすらも困難になってきた

 俺をいたぶり続けるためか攻撃は致命傷までにはいってないが、間違いなく死へ一歩ずつ近づいている

 

「なんだぁ!?動きが鈍くなってきたぞぉ!」

 

 今は明らかに俺が劣勢だ、

...こうなったら!使うしかねぇ!

 

「...インガーンノ」

 

 自信のステータスを上げるこの魔法、効果は30秒だ、即効で終わらす!

 

「これで終わりだァ!小僧!」

 

 見切った...!

 

 俺は振り下ろされた剣を避け、相手のあごにナイフの柄をぶちかました

 

「...ガッ!なに...が...」

 

 レベル2が一撃...この魔法凶悪だな...

 

...とりあえず、こいつがやられて出てこないってことはもう仲間はいないってことだよな

 

「...ギルドに突き出しときゃいいか?」

 

 俺は太刀を回収して、リーダー格の男を引きずって上へ向かった、残りの二人?しらねぇな、気づいたらいねぇんだもん

 

 

~ギルド~

 

 

「なにかな?これは?」

 

 俺はギルドで取調べをされていた

 

「あー、ですから、襲われたんですって、俺」

 

「うん、それで、君は応戦して倒した、と」

 

「はい」

 

「そのうちの一人はレベル2だよ?どう考えても君じゃ無理なはずなんだけどなぁ?」

 

「まぁ、偶然ですよ、それよりも今日は疲れたんで早く帰りたいんですけど」

 

「...分かったよ、また今度、詳しく聞かせてね?」

 

「...はい」

 

...魔石換金して帰るか、もうそろそろベルたちも帰ってくるころだろうし

 

 俺は、広間にいってベルたちを待っていた、いや、正確にはリリルカを待っていた

 

 

~十数分後~

 

 

「おぉ、ベル、やっと出てきたか」

 

「ハチマン?どうしたの?先にホームに帰っててもよかったのに」

 

「いや、リリルカに話があるから待ってたんだ」

 

「リリにですか?」

 

 いやそうな顔すんなよ...いや、その気持ちは分かるけど。いや、分かっちゃうんだ。

 

「それじゃあ、リリスケ、魔石は俺らに渡せ、換金しておく」

 

「分かりました、お願いします」

 

 ベルとヴェルフがバベルに入っていった

 

「...行ったか、とりあえずここは人通りが多いから、ついてきてくれ」

 

「...はい」

 

 少し離れた人通りのないところに来た

 

「実はな、リリルカ、今日、俺は襲われた」

 

「...はい?」

 

「まぁ、そいつらは俺をダシにしてベルを呼び出そうってのだったんだが」

 

「...!それでハチマン様はどうしたんですか?」

 

「今回は撃退できたが、今後はどうなるか分からん」

「もし、俺が捕まってしまったらあのお人よしのベルは俺を助けるためにわざわざ危険を冒すだろう」

 

「...えぇ、そうでしょうね」

 

「もし、そうなってもベルには俺のもとへ来させないようにしてくれ」

 

「!...ハチマン様は...」

 

「俺は俺でどうにかする、だから、ベルには来させるな」

 

「...はい、分かりました...」

 

「話は以上だ、じゃあな」

 

 これで俺に万が一のことが起こっても大丈夫だな

 

「ハァ...帰るか」




 誤字等ありましたら注意お願いします


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比企谷八幡と小竜

 10巻を読み終わりました、他にもやること多くてなかなか投稿できません


 

~ホーム~

 

「お帰りハチマン君、今日はどうだったんだい」

 

「いやぁ、まぁまぁですね、そろそろベルも帰ってきますよ」

 

「なんだい、一緒に帰って来ればよかったのに」

 

「ちょっと事情がありましてね」

 

 今日あったことは...まぁいいか

 

「ふーん、そうか、疲れただろう、夕飯は準備しておくからシャワー浴びてきなよ」

 

「はい、すみません」

 

~風呂内~

 

...魔法は一日一回、もし今日みたいな格上と立て続けに合えば必ず負ける。

 レベルを上げねぇと今後、どうなるか分からん

 

「明日は11階層にいくか...」

 

 もちろんあいつらには内緒だな、オークぐらいは余裕だからな...何体もいりゃどうかはわからねぇが...

 だが、レベルは上げなきゃいけねぇ、苦戦上等だ

 

\オカエリベルクーン!/

 

「ベルも帰ってきたな...んじゃ、さっさと戻るか」

 

 

~夕飯後~

 

 

「なぁベル、明日は何層まで行くつもりだ?」

 

「うーん、まぁ、12階層までかなー」

 

「そうか...なるほどな」

 

「そうだけど...なんで?」

 

「まぁ気になっただけだから気にすんな」

 

 もうダルいとかは言ってらんねぇな...

 

「あのさ、もしよかったらなんでも相談してよ、僕たちは仲間だろ?」

 

「あぁ...」

 

 

~次の日~ 

 

 

「行って来ます神様!」

 

「んじゃ、俺も行きますんで」

 

「あぁ!行ってらっしゃい!二人とも!」

 

 

~ダンジョン10階層~

 

「ハ、ハチマン、本当にこの階でいいの?」

 

「あぁ、何かあったらすぐ逃げるから大丈夫だ」

 

「...一人ってのがお前らしいな、ハチマン」

 

...ほっとけ俺はこれでいいんだ

 

「ではリリたちは12階層に行きますよ!」

 

「じゃあまたね、ハチマン、何かあったら絶対に逃げてよ!」

 

「分かった分かった、じゃあな」

 

 

 

...行ったか、まぁ、昼前ぐらいに下降りるか。それまではここで戦闘だな

 

 早速オークが生まれてきた、この前の戦闘で分かったが、ナイフのほうが使いやすかったので、今日はナイフ二対だけだ

 

『ォオオオオオオ!』

 

...こっちに走ってきた、とりあえずバックパックはここに置いとくか、よし、行くかっ

 

「ハァッ!」

 

 まず片足を切り落とした、次に腕、最後に胴体にナイフを突き刺し1体のオークの動きを止めた

 止めを刺した次の瞬間次のオークがやってきた、数は3

 

「...三体か」 

 

  ハチマンはそう呟くと一瞬で敵の背後に回り魔石ごと貫いていった

 

...昼前までこのまま狩りまくるか

 

 

~昼前、11階層~ 

 

 

 一人でここは初めてだな...というか騒がしいな

 

\逃げろー!インファイトドラゴンだ!/

 

...!あいつはこの前にもいたモンスターだな、確かレアだったはず

 

  ハチマンはほかの冒険者が逃げていく方向と逆方向へ走りだした

「オイ!アンタ死ぬ気か!?」

 

...死ぬ気じゃねぇ...『殺す気』だ

 

 

『―オオオオォォォォォッ!』

 

  向かってくるハチマンを敵と認識したのか咆哮をあげ、竜も少年へと突撃した

 

「――オラァッ!」

 

  ハチマンの二振りのナイフと竜の尾がぶつかる

 

「―――ッッ!」

 

  次の瞬間、ハチマンは壁に飛ばされた

 

「グハァッ!?」

 

...やっぱ、強いよなぁ...!ここで魔法を使えばすぐ終わるがそれじゃ意味はねぇ

...スキルは使わずに自身の限界を超えるッ!

 

  ハチマンは周りの冒険者には見えない速度で竜に突進した

 

「ウラァッ!」

 

  ハチマンはさらに加速して跳び、竜の喉元、ちょうど逆鱗と鱗の間にナイフを突き刺した

 

『グギャァァァァァァ!!』

 

  怒り狂った竜はハチマンを踏み潰すため前足を大きく上げた、狙われるも退かず、もう一度跳び、喉元のナイフをさらに奥まで差し込んだ

 

『―――ガッ――ア――』

 

  ドォン、と地響きにも似た音を立て竜は倒れた

 

「...やった...か」

 

...さて...と、魔石を回収してしまわないと...

 

\ウオォォォォォォォォ!/

 

...!?な、なんだ!?

 

 周りから冒険者たちの歓声が聞こえてきた

 

「アンタすげぇな!最初は死ぬ気かと思ったが、まさか倒しちまうなんて!」

「レベルはいくつなんだ!?」

「なぁ!俺らとパーティくんでくれねぇか!?」

 

...うわぁ...めんどくさいことに...

 

「す、すいません、魔石だけとってしまいたいので...」

 

...さっさととって...ん?魔石だけじゃなくて皮も残ってるな、ドロップアイテムか、さしずめ小竜の皮ってとこだな

 

「よし、バックパックに...あれ?どこ置いてきたか...あ、10階層か」

 

「なぁ、アンタ、もしかしてこれか?」

 

 名前も知らない冒険者が差し出してきたのは黒いバックパック、俺のものだ

 

「あぁ、それだ」

 

「ほら、かえすよ」

 

 俺はバックパックを受けとり、小竜の皮(仮)を入れた、もうパンパンだ、重さは...ステイタスのおかげか、さほど重くは感じないな

 

...よし、こんなとこいるのも面倒だしベルたちのとこ行くか、リリルカにバックパックを預かっておいてもらおう

 

 




ミスとか、あれ?ッて思ったことがあれば言ってください、なるべく早い段階で修正します


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ハチマンとフラグ

 


 

 

~12階層~

 

 

〔ベル視点〕

 

「ふぅ...そろそろ休憩にしようか、ヴェルフ、リリ」

 

「そうですね、では、リリは魔石を回収してきますので、ベル様達はそこで先に休んでてください」

 

「うん、ありがとう」

 

 リリは相変わらず手伝おうとすると拒否するので、魔石のことは全部リリに任せている

 

「おい、ベル、あれってまさか...」

 

「うん?なにが...って、えぇっ!?ハチマン!?」

 

「よぉ、ベル、それにヴェルフ」

 

「おいおい、一人でここに来るとか、お前もとんだ化け物だな」

 

 "も"ってことは僕も化け物認定か...

 

「あ、ベル、もう一人はお前だ」

 

「ははは...」

「あ、バックパックおろしなよ、僕たちこれからお昼にするんだけど、一緒にどうかな?」

 

「あぁ、そうするわ」

 

 

〔ハチマン視点〕

 

「あーあ、だっりぃ...」

 

 さっきの戦いはダメージが大きかったな...っと、ッッ!!いってぇ...

 

「ハチマン、すごい傷だね...やっぱりまだあの階層はきつかったんじゃ...」

 

「まぁ、ちょっと油断しただけだ」

 

「...そう?...そっか、じゃあ午後はどうするの?」

 

...午後...か、まぁこの階にいようかな

 

「この階層にいることにする、お前らもいるしな」

 

「じゃあ僕たちと一緒に行動しない?」

 

「いや、いい」

 

「即答ッ!?」

 

「なにを話しているんですかベルさ...なんでここにいるんですか、ハチマン様」

 

「ようリリルカ...あ、忘れるところだったわ」

 

 俺はパンパンになったバックパックから魔石とドロップアイテムを取り出した

 

「リリルカ、これあずかっといてくんねぇか?」

 

「はいは...って、えぇ!?この上の階層でこんなでかい魔石を!?ハチマン様...?」

 

 いや、盗んではないですよ、だからそんな目で見ないでッ

 

 

...なんだ?この違和感、いつもと違うとこなんてないのに...

 

 

~昼食後~

 

 

「よっ...こらせっと」

「俺はこの階層にいるから帰るときは呼んでくれ」

 

 置いてけぼりとかはひどいですよ?まぁベルがいるから大丈夫だと思うが

 

「うん、また後でね」

 

「間違っても死ぬなよ、ハチマン」

 

「モンスターに間違えて切られないでくださいね?」

 

..ふぇぇ...辛辣だよぉ...

 

...まぁ、冗談はここまでにして行くか

 

「確かこの階層は...上と同じだったよな」

 

「ま、あいつを倒せたんだからここではもう苦戦することはないだろ」

 

 

~5時間後~

 

 

 盛大にフラグをたてたな...

 

「もうすぐ帰ろうって頃に...!」

 

...シルバーバックに囲まれるってなにこれ

 

『『『『ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...』』』』

 

...とりあえずどいつか一体でも...ッ!

 

「グァッ!」

 

...ぐッ...うまく動けねぇ...

 

『ガァァァァァ!』

 

...!あっぶねぇ!もうちょっとで踏みつぶされる!

 

...だがうまくいけば一撃...!

 

「ハァッ!」

 

...よしッ!脳天!まず一匹、残りは5体、どうする、もう魔法を使ってしまうか?

...使わずにやられるよりはマシか

 

「...【インガーンノ】」

 

...おぉ...やっぱこれってけっこうあがってんのかな...まぁ、まずはこいつらだ、パパッとやっちまうか

 

「...フッ!」

 

  その後ハチマンはこの階層にいるのは場違いなほど圧倒的な力で強敵、シルバーバックを蹂躙した

 

「終了っと、そろそろベルたちを探すか」

 




 サブタイトルがその内変わっていきます、そのうち


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ハチマンと視線

 


~地上~

 

 

 あの後まさか疲労で倒れるとは思ってなかったな...

 

「重い...もうだめだ、ベル」

 

「や、やっぱり持つよ、ハチマン」

 

「駄目です、ベル様、それではハチマン様のためになりませんよ?」

 

 ぐっ...く...っそ!

 

「行くぞぉぉ!」

 

 今、俺は試練を課せられている、リリルカから。こんな疲れているのに

 

「さぁさぁハチマン様、明日は休みですよ!がんばってください!」

 

 ドロップアイテムを換金してほしくなかったらこのバックパックを持って行けというものだった。元は俺のだよね?

 

「はい、換金所到着です、お疲れ様でした」

 

 やっとか...このドロップアイテムはヴェルフに加工してもらう手はずになっているのでヴェルフに渡しておく

 

「結構上質だぞ、しかも竜のだからな、炎は結構防いでくれるだろうな」

 

「マジかよ...まぁいいや、頼んだ、じゃあな」

 

「あぁ、あと忘れてないと思うが明日は休みだぞ、分かったな」

 

 明日はリリルカの用事で休みになったのだ、俺も一応

 

「じゃあ帰ろうか、ハチマン」

 

 その後一度倒れた俺はベルに背負われて帰った

 

 

~ホーム~

 

 

「お帰りー!ってハチマン君!?大丈夫かい!?」

 

「おろしてくれ、ベル、もう大丈夫だ」

 

「うん、ちょっと横になってなよ」

 

「あ、あぁ...」

 

「ハチマン君、大丈夫かい?」

 

「まぁ、こんなの寝れば治りますよ...ただの疲れですし」

 

「確かに大きな傷はないからな...」

 

「シャワー浴びて飯食ってすぐ寝ますよ」

 

「うん、そうするといい、キミは休んでてくれ、僕らが夕飯を用意するよ」

 

「えぇ、すいません」

 

 

~夕飯後~

 

 

「ちょっと外いってきますね」

 

「あれ?寝ないのかい?」

 

「ちょっと食ってすぐはあれなんで...」

 

「そうか、それじゃすぐ帰ってくるんだぜ?」

 

 あぁーあ、外は涼しいねぇ...っと

 

「明日は休み...魔法を試してみたい...が、あ、いい相手がいたじゃないか」

 

 ベル、あいつなら分かりやすい

 

 

~次の日、昼~

 

 

「なぁ、ベル、このあとどうせ暇だろ?」

 

「え?う、うん、一応何もないけど...」

 

「俺と組み手しようぜ、模擬戦用のナイフ買ってきたから」

 

 準備周到な俺!そこにしびれるあこがれるぅ!

 

「でも、どこで?」

 

「そりゃあ、決まってんだろ?ダンジョンだよ」

 

 そう、ダンジョンだ、まぁ、3層目くらいで広い部屋を探せばいいだろ

 

...しかし...いつもどおりのはずなのに違和感がすげぇな、なんでだ?

 

 

~ダンジョン~

 

 

というわけでダンジョン、3層目だ

 

「ベル、準備はいいか?」

 

「あぁ!いつでもいいよ」

 

 あくまで魔法による差を調べるためだ、だが、油断禁物だ

 

「3、2、1...ハァッ!」

 

 ガッ、と音をたてて模擬ナイフが重なる

 

「はやいね、かなり、でもまだまだだよっ!」

 

 蹴りが来た、早ッ―――――あたってない...?寸止めしたか

 

「おい、ベル、別に寸止めはしなくてもいい」

 

「え、でも...」

 

「大丈夫だ、ほんじゃいくぞ」

 

 俺が動いた瞬間にベルも動きはじめ俺たちの間合いは一瞬でなくなった

 

 またもガッ、という音を立てて模擬ナイフがぶつかる

 

...ぎりぎり...っだな!

 

「おい、ベル、これから30秒間、注意しろよ」

 

「えっ?」

 

『インガーンノ』

 

 次の瞬間俺はベルの後ろに回り...込んだと思ったが、この動きにギリギリついてきてるな、なら、もっと早く!

 

「ベル、残念だがここで終わりだ」

 

 約20秒間ベルを翻弄する形で動き回ってベルの脚をはらいナイフを突きつけた

 

「チェックメイトだ、ベル」

 

「...え、えぇっ!?今、一体なにが...」

 

「だから言ったろ、注意しろって」

 

「僕スピードには自身あったんだけどな...まったく見えなかった」

 

 ということはベルを超えてるという認識でいいんだな、なるほど

 

「あのさ...今のは?」

 

「さぁな、なんだろうな」

 

 いまのステイタスは...っと、昨日寝てる間にだが更新してくれていたらしく今日の朝、紙を渡されたのだ

 

――――――――

 

Lv:1

 

力  E 460→SS 1064

耐久 B 798→SSS 1700

器用 C 680→S 970

俊敏 B 780→SSS 1204

魔力 I 60 →F 300

 

 

MAGIC:[インガーンノ]

・速攻魔法

・一日一度使用可能

・30秒間、自身の能力を大幅に上昇

 

SKILL:

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

...なんで朝気づかなかったんだ俺、SSSってなんだよ...

 

「よし、ベル、模擬戦の続きしようぜ」

 

「うん」

 

 

~一時間後~

 

 

「よし、次俺が気絶したら終わろう」

 

 俺は4度目の気絶から復活し、ベルと向かい合っていた

 

「まるで僕を見てるみたいで悲しくなるんだけどな...」

 

「最後の一回だ、本気で行くぞ?」

 

 なんちゃって、ずっと本気でした

 

 

 その後、俺は本日5度目の気絶を迎えた

 

 

「ハチマン、あの...大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だ...あ、ちょっと目眩が...」

 

「え、あ、どうしよう!」

 

「なんてな、冗談だ」

 

 その後はホームへ戻り、シャワー浴びて、飯食って、寝た、我ながらなんて完璧なんだ

 

 

~深夜~

 

 

 ふと目がさめた俺は誰かに見られているような気がして外へ出た

 

「視線は...バベルの方角からか?」

 

 周りからの視線に慣れていることとステイタスによる知覚上昇で大体どこから見られているかすぐ分かるようにまでになっていた、

 

 

~バベル前~

 

 

 これはバベルの中からだな...だが、推測するに最上階からなぞの視線を感じる

 

 ん?感じなくなった...?いったいなんだったんだ...

 

「ん?ハチマンか?」

 

「...ヴェルフか?なにしてんだこんな時間に」

 

「俺はようやく暇ができたからな、寝る前にもういちど風呂でも、と思ってきたんだ、どうだ?一緒に行くか?」

 

「いや、いい、それより今日一日なにしてたんだ?」

 

「お前はもう忘れたのか?」

 

「...?あ、あぁ!あれかぁ!」

 

 忘れてたな...ま、こんど受け取る手はずになってるから俺が覚えてようがいまいが関係なかったんだけどな

 

「それなりのものにはなったぞ、次もぐるとき、もって来てやる」

 

「おぉ、頼むわ、じゃあな」

 

 




 次回『悪辣なる怠惰』

嘘です






 次回は『ハチマンと13階層』


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ハチマンと13階層

昨日はぴょんぴょんの日でしたね、え?えぇ、見にいけてませんよ


 

~朝~

 

 

 あー眠い、今日は何をするか

 ...昨日は、たしかヴェルフとあったんだっけか

 今日はもうめんどくさいし寝よう、どうせ休みだ

 

 

~夕飯後~

 

 

「ちょっと買い物に行って来ます」

 明日のため、ポーションをかいにでも行くか

 

「あぁ、あ、まて、ボクも行こう、ベル君、留守番を頼むよ」

 

「わかりました、いってらっしゃい」

 

 ヘスティアさんも来るのは予想外だったがいいか

 

 

「...ハチマン君」

 

「はい、なんですか?」

 

「キミは...ここに、いや、オラリオに来たときのことを覚えてるかい?」

 

「...たしか、2週間前に来た...はずですけど」

 

「そうだ、じゃあ、その前のことは分かるかい?」

 

...その前、俺は...確か、極東にいて...いたときは...?

 

「思い出せたかい?いや、無理だろう」

 

「...ッ!なにか知ってるような口ぶりですね...」

 

「いや、何も分かってない。でも...キミは来る前のことを忘れている、そうだろう?」

 

「...はい」

 

「...恐らく、最初に会ったときのキミの反応からもキミは...異世界から来た人間だ、まぁ、異世界での記憶も無いのに言われても信用できないと思うが」

「...悪いが、記憶に関してはどうすればいいか分からない、いや、もしかしたら...この世界の不具合の修正なのかもしれない」

 

「...そうですか...」

 

...記憶が...消える...

 

「...僕も手は尽くすが...」

 

「そうですか...ありがとうございます」

 

 

~次の日~

 

 

...さて、ベルよりも先に来たが...お、もういるのか

 

「よぉ、いつもより早く来たのにもういるんだな、お前ら」

 

「いつもこのぐらいだ、それよりもハチマン、待望の防具だ」

 

「おぉ...これが...なんというか黒いな」

 

 渡されたのはローブだ、色は赤と黒の二色

 

「まぁ、素材が素材だからな、ほれ、着てみろよ」

 

「あぁ...おい、ヴェルフ、ちなみに、名前は?」

 

「いや、俺は一から自分で打ったやつにしか名前はつけねぇ」

 

「そうか...よかった...」

 

 変な名前にならなくて良かった...

 

「おまたせ!行こうか!」

 

...ちょうど良くベルも来たか

 

 

~12階層~

 

 

...ベルたちとここで別れて...今日は下へいってみるか

 

  ハチマンの前には13階層への入り口がある

 

...何のために、それはただの興味本位...ではなくモンスターの違いだ、ここまでのモンスターと違って中距離攻撃も使ってくるというから、それの確認だ

 

「1体のやつだけを狙う、深追いはしない...だな」

 

 

~13階層~

 

 

...ここが...13階層...最初の死線...

 

  降りた先は13階層、霧はなく天井が高い以外は普通のダンジョンだった

 

...さて...モンスターが出るまで散策してみるか。もちろん道は覚えやすいように

 

 

  ハチマンがしばらく散策していると一匹のヘルハウンドと遭遇した

 

...正しい迎撃方法は炎を食らう前に倒す、だったな

 

「...フッ!」

 

  ハチマンはヘルハウンドとの間を一瞬でつめ霧へと変えるためナイフを突き出した

 

『ガルルァ!』

 

  しかし、その攻撃はかわされ、無防備なハチマンに炎が浴びせられた

 

 

「―――ッ!う、お、ぉ!?」

 

  ハチマンは炎に焼かれていた、が被害は少ない

 

「ローブ...!」

 

...ローブのおかげでかなりの炎は防げたが、このままでは危ない

 

  そう考えハチマンはその場からすばやく離脱した

 

「―――助かったか...」

 

...こんなとこにいたら死ぬな...早く戻...

 

「...どこだ、ここ...」

 




今回は変なところか多いかもしれません




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ハチマンと強化種

 これは原作で言うところの4巻と5巻の間くらいです。


 

「...どこだ、ここ...」

 

  闇雲に走って逃げた結果、ハチマンは道に迷っていた

 

...落ち着け俺、こういうときこそ冷静な判断が必要だ

 

  そして、迷ってから1時間もたっていた

 

...さっきからかなり遭遇するな...

 

...向こうに誰か...ッ!

 

「誰かッ!助けてくれ!強化―――」

 

「逃げるぞぉッ!強化種だぁ!」

 

...ほかの冒険者か、強化種...ここにいるのはまずいな

 

「12階層へ直行だ、道は分かってる!」

 

...運がよかったな、着いていくか

 

  ハチマンはそのグループの少し後ろについていった

 

「...だれだ!?...いや、それよりも今は逃げなきゃやばい!」

 

...12人...3パーティぐらいか?いや、サポーターが二人だから2パーティか

 

  しばらく走っていくと前方に階段が見えてきた

 

「もうすこしだ、犠牲にしたあいつのおかげだな、あの愚図も最後は役に立ったもんだ!ハッハッ―――」

 

  そう男が笑うと後ろから何かが跳び、その男を吹き飛ばした

 

「――――」

 

...アルミラージッ!?

 

  ハチマンと周りの冒険者は後ろから跳んできたモンスター。アルミラージから離れ、武器を構えた

 

...コイツが強化種か...間合いをッ―――

 

  ハチマンが間合いを取ろうと足に力を入れた瞬間アルミラージが跳び、ハチマンへ跳んできた

 

...避けきれなッ

 

「グッ!?」

 

  ハチマンはアルミラージの攻撃で後方へ飛ばされた

 

「ローブは邪魔だ...」

 

...速さで勝負だ、強化種...!

 

...俺の最大を見せてやろう...!

 

  ハチマンの現在のステイタスはLv.2相当

 

  その強化種はそのLv.2相当であるはずのハチマンを翻弄し、じわじわといたぶるようにハチマンへダメージを与えていった

 

「...が...ッ...!」

 

...隙を...!

 

「ぐ...アァッ!」

 

「...ッ!」

 

  ハチマンは次々に体に傷を増やし、死へと歩みを進めさせられていた

 

「...【インガーンノ】」

 

...これで...どうだぁっ!!

 

  その強化種はハチマンの魔法に気づいたのかさっきの動きよりも速く、重い攻撃を繰り出してきた

 

...見える...

 

「ハァッ!」

 

『キュゥゥゥゥイ!!』

 

「悪いな、俺の勝ちだ」

 

  ハチマンのナイフはアルミラージの頭を貫いた

 

...俺の勝ちだ...ん?右腕に違和感が...?

 

  ハチマンの右腕は霧になったアルミラージの持っていた斧で切断されていた

 

「...は?」

 

...腕...腕ッ...が...

 

  切れた腕の断面からは血が流れ続けていた

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

...まて、まて、止血を...ポーションを...

 

「ハチマンッ!!」

 

...ベルッ!?なんでここに...

 

「ハチマン...!?腕がッ...!ポーションを...」

 

「...ふぅ、いや、大丈夫...」

「...もうかけたし血も止まった...」

 

「ッ...でも!」

 

「いいんだ、それよりそこの魔石拾ってくれ、あと、ナイフも」

 

「...ッ!...うん...」

 

...痛みはない...問題は片腕がないということだよな

 

「ベル...この片腕...どうにか治したりできないか?」

 

「...残念だけど...」

 

「そうか...」

 

...義手...金をためねぇといけねぇのか...

 

「はぁ...俺は帰る」

 

「え、えぇっ!?だ、大丈夫なの...?」

 

「余裕だ、俺のことをかまう必要はない」

「それよりも、だ、さっさと上に行こうぜ」

 

「...う、うんッ!そうだね」

 

 

~12階層~

 

 

「ハチマン...いいの?」

 

 

「...あぁ、先に帰ったとでも伝えといてくれ」

 

...まぁ、恐らく無駄だと思うが...

 

...痛みはない...が、違和感がな...

 

 

~ホーム~

 

 

...昼過ぎか...ま、いいや、風呂はいって寝るか...

 

「腕以外には傷はない...か」

 

...とばされたとき岩が結構刺さった気がするんだがな...あと、あいつの攻撃の打撲やら

 

 




ミスというか、話が破綻しそうな気がしてます、でも、見てくれてる人のため、書き上げたいと思います、受験勉強に差支えがない程度にはあげますので


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ハチマンとレベルアップ

テストがありまして投稿が遅れました。すいません


~2時間後~

 

 

「...はぁ」

 腕が無いという違和感になるべく意識をむけず、寝ようとしていたが、眠れないまま時間だけが過ぎていった

「...片腕が無いんだよな」

...痛みが無い分変な感覚だな...いや、正直俺も腕を無くすとは考えてなかったが

...ちょっと出かけるか

「うおっ!?」

 起き上がるため、腕で床を押そうとして倒れた

「...不便だ」

...義手はいくらするんだ?いや、安くはないと思うよ。うん...覚悟するか。

「...ハァ...」

...ステイタスを更新してもらうか

 

「ステイタスの更新は...ヘスティアさんが帰ってくるのは6時間後くらい...だな」

 

 

 

~6時間後~

 

 

「ふぅ...疲れたー!って、えぇっ!?ハ、ハチマン君!?なんでもうホームに...いつもならもう一時間かかるはず...」

 

「あー、まぁ...少し、いえ、かなりやばいことがですね...」

 

「...なにがあったんだい?」

 

「...まぁどこか違和感を感じません?」

 

 

「...!?ちょ、ちょっと待ってくれ、キミ、腕が無いように見えるんだけど」

 

「まぁ、見てのとおりです」

 

「...どうしてそんなことになったんだい?それを聞かせてくれ」

 

「実は―――

 

 

―――という事が起こりまして...」

 

「ふむふむなるほど...って、おい!全体的にキミが悪いじゃないか!」

 

「まぁ、そうなんですけど、それで、自分の義手の金ぐらいはどうにかしますんで」

「だから、ステイタスの更新をお願いしたいんですけど」

 

「...あ、あぁ」

 

 

―――――

 

 

Lv:2

 

 

力  I 0

耐久 I 0

器用 I 0

俊敏 I 0

魔力 I 0

 

 

MAGIC:

[インガーンノ]

・速攻魔法

・一日一度使用可能

・30秒間、自身の能力を大幅に上昇

 

SKILL:

[自

 

―――――

 

...Lv.2か、あれが偉業だとは思わないが、魔法も使ったし

 

「俺、あれが偉業だったとは思わないんですが...」

 

「まぁ、偉業だって認められたんだから、キミが倒さなかったらもっと被害が出ていただろうし」

 

...まぁ、Lv.2になれたしいいか...あ、スキルの欄、なにか...

 

「あの、スキルの欄に...」

 

「ミスだ、ミスミス」

 

...ミス、か?あーはいミスですね

 

「発展アビリティはどうする?」

 

「あー、なにがあるんですか?」

 

「耐異常と狩人だ、どっちにするか考えておいてくれよ?」

 

 

「考えるまでもなく耐異常っすね」

 

〔ヘスティア視点〕

 

 

 うーん、この子はベル君とはちがって隠し事とかもできそうだし...

 

 このスキル、教えていいかな...?

 

 

―――――

 

 

[自己犠牲]

セルフ・サークリフェンス

・早熟する

・誰かを助けるという行動をしているとき、効果は増幅する

 

 

―――――

 

 

「ねぇ、ハチマン君、キミ、自分のステイタスの上がり方が異常だって分かってるかい?」

 

「...そうなんですか?比較対象がベルだけなんでなんとも...」

 

「ちなみに、ヴァレン某がレベルアップした一年が今までで最速だった、それをベル君が塗り替えて一ヶ月半が最速となったが」

 

「今、さらに更新された...所要時間は20日だ」

 

「あ、じゃあしばらくギルドには伝えない方がいいですよね」

 

「いいのかい?世界最速の称号は」

 

「いいです、まぁ2ヵ月後にでも」

 

「そうか...よし、分かったよ」

 

...ヘルメスと同じこと使用としてるのは...少し気がひけるな...

 

「...それと、さっき聞いたその腕...義手がいることになりそうだ」

 

「...ですよね」

 

...ナァーザ君も確か義手だったよな...

 

 

〔ハチマン視点〕

 

 

...よし、後は...明日でいいか

 

 

~次の日ギルド~

 

 

...俺らの担当の...なんだったか...そう、エイナさんはどこか...

 

「おや...君は確か...ちょっと待ってて、エイナでしょ」

 

「え、いや、あー、はい」

 

「エイナー!!」

 

 

「あれ?ハチマン君?どうしてこんな時間...えーと、まってね、君...いままで義手だったっけ」

 

「いや、まぁ、これから必要になりますかね」

 

「...どうしてそうなったか理由を聞こうか、着いてきて」

 

  ハチマンはエイナにつれられて小部屋に入っていった

 

「...さぁ、話してもらおうか」

 

「あー、まぁ―――

 

 

 

―――と、まぁこんな感じですかね」

 

「強化種かぁ...」

 

「...そして、これから話すことが本題なんですけど」

 

「あぁ、うん」

 

「13階層へ行く許可を下さい」

 

「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?バッカじゃないのぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

...ちょっとー?そんなに?そうですよね、知ってた

 

「あ...ごめん、じゃなくてね!?君、既にそこで片腕失ってるんだよ!?分かってるよね!?」

 

「いや、分かってますけど...ほら、俺一人じゃなくてあいつらとですよ」

 

「ベル君と...うーん...それなら...いや、でも...」

 

...おや?駄目もとだったんだが...

 

「...君達なら...水準は超えてるんだけど...うーん...」

 

「...はぁ、良しとしましょう。でも...」

 

「でも...?」

 

「片腕で戦えるの?」

 

「...まぁ、慣れていきますよ」

「...それじゃ、用事は済んだんで帰ります」

 

「あ、ここでちょっと待ってて」

 

  そういうとそのアドバイザーは急ぎ足で何かを取りにいった

 

...帰りにバベルでも寄るか...

 




今回も誤字、脱字等ありましたらお知らせください


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ハチマンと右腕①

 はい、遅くなってすいません、いろいろ追い込まれてまして...


 

  その後五分ほどしてアドバイザーは戻ってきた

 

「おまたせ、ハチマン君、はいこれ、クーポン」

 

「クーポン...サラマンダーウール?」

 

「うん、中層にいくならサラマンダーウールは必須だよ?あ、そうだ、ここで中層についてしっかりと勉強しようか、今から」

 

「え...ほら、いや、今日はアレがアレでして...」

 

「うん?この後予定があるの?」

 

「...いえ、何も」

 

...怖いよこの人...

 

 

~2時間後~

 

 

 やっと開放されて今はホームにいる、サラマンダーウール?見に行きましたよ。俺の手持ちじゃ自分の分しか買えなかったけど

 だから俺は、今もっているありったけの金を渡し、任せておくことにした

 まぁ、帰ってくるまで時間があるからな...よし、特技、ボーっとするを発動!ターンエンド!なんだよもう相手のターン来ちゃうのかよ

 

 

~3時間後~

 

 

 さて、あっという間に時間は過ぎてもうそろそろベルたちが帰ってくるころだ

 もう今日からローブを着てすごすことにした、だって知り合いにうでのことばれるの嫌じゃん、知り合いすらまともにいないけど

 

 俺はローブを羽織り、外へ飛び出した、俺たちの冒険はこれからだ!

 

 

~中央広場~

 

 

 ...さて、来るまで待つか

 と思ったが、もう出てきたみたいだな

 

「よぉ、お疲れしゃん」

 あ、噛んだ、かっこつけようとしたばかりに、やだっ、恥ずかしい!

 リリルカが冷めた目でこちらを見ている、ヴェルフは笑いをこらえて、ベルは一人、心配そうにこちらの右腕に眼をやる、いや、ローブ越しにあるはずの場所をだが。やめろよばれちゃうだろうが

 

「何のようだハチマン、わざわざここに来て」

 

「あー、ほれ、これを見てくれ」

 俺は持ってきたクーポンを3人に渡した、いや、説明がめんどくさくて渡したわけじゃないよ?

 

「サラマンダーウール...っていうことはまさか!」

 

 勘がいいのはヴェルフだ

 

「中層へ下りる許可が出た、まぁ、いけるのはもうしばらくあとだが」

 

「そうか...で、これを買っておけってことだな」

 

「ま、そういうことだ、結構高いぞ、まじ、それだけで防具一式そろえれるレベル」

 まぁ、Lv.1には十分すぎるほどのをそろえれるか

「じゃあな、俺は先に帰っとくわ、ベル」

 

「あ、うん、僕もすぐ戻るから!」

 

 

 

 

 夕食の準備は終わり...恐らくヘスティアさんもそろそろ帰ってくるだろうという時間になった

 

 あ、せっかく一日に一回使えるんだから【インガーンノ】使っておくか

 

「【インガーンノ】」

 

 Lv.3同等のステイタス...ってところか...ん?なんだ?右腕(断面)がなにか...

 

 袖をまくり腕を見てみると断面が動いていた

...は?...ちょっとまて、なんだ?気持ち悪い...いや、良く見るとこれは...少し腕が治ってる?

 

 よくよく見ると先ほどから約1センチほど腕の長さがもどっていた

 

 ...まさか...再生...?いや、まさか...でも...そうだよな、そうとしかとらえられない

 

  ハチマンが試しに再生に意識を向けると尋常じゃないほどの速さで腕が再生していった

 

「...これは...!...あぁ、もう終わりか」

 

  ハチマンの腕は二の腕の半ばまで再生していた

 

 ...インガーンノ...再生能力もある...もしかして能力ってステイタスだけじゃないのか

 俺の理解力Sという隠しアビリティが働いて理解したことにしておこう

 

「ただいまー...」

 

 しばらく考え事をして五分ほどたち、ヘスティアさんが帰ってきた

 

「お疲れ様です!」

 

 しまった、さっきの腕が治るかもしれないという喜びではしゃいでいたからテンションが高いままだった

 

「なんかキミ...元気だね...」

 

「そ、そうですかね...そろそろベルも...帰ってきましたね」

 

「帰りました神様ー!」

 

「お帰りー!お疲れー!ってなんだい?それ」

 

 ベルが帰ってきたとたん元気に...

 

「あぁ、これは―――

 

―――というもので」

 

「なるほど...中層進出かー」

 

「まだしばらくは無理ですけどね」

 

 この右腕が治るまではいけないしな

 

「そうだ、ハチマン君、発展アビリティは決めたのかい?」

 

「あー、はい、決めましたよ」

 

「ハチマンもレベルアップしたんだ!早いなぁ...」

 

 ...お前が言っちゃダメだろ、俺もだけど

 

「...で、決めたのかい?」

 

「狩人で、これ、今回だけらしいですし」

 

「よし分かった、ちゃちゃっと習得させよう」

 

 

 

...というわけで発展アビリティ、狩人を取得した

 




 次回も結構後になると思います、時間がかかっても原作がある限り続けますので、どうか、これからもお願いします。

 次回「ハチマンと右腕②」この次もサービスサービスゥ!...まぁ、サービスって言うほどのことはしてないと思いますが


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ハチマンと右腕②

書きだめがあったんであげます、結構遅くなるといったのにすぐでしたね


~次の日~

 

 

「【インガーンノ】」

 

...今日は30秒間全力だ

 

...腕、再生、腕、再生、腕、再生、腕、再生、腕、再生...

 

 

  そして30秒たったときには手首の辺りまで腕が生えていた

 

 おそロシア...インガーンノ、これなら明後日には準備万端な状態でダンジョンにいけるな

 正直、腕以外はぜんぜん大丈夫なんだが、というか腕が生えてくるって、俺はモンスターか何かか?軽く...いや、かなり引くぞ...

 今は2時、今日、明日とやることは無いし暇だ、暇すぎて死ぬレベル

 

 

~0時過ぎ~

 

 

 あの後、食う寝る食うの3連コンボを10時間かけてすごした、ちなみに寝る、が8時間、飯を食うのが2時間、ちんたら食ってたら結構時間がかかってた

 さて、そんなことはどうでもいいとして、本日も君たちにインガーンノによる回復をお見せしよう

 誰も見てないよな...?

 ちなみに今は教会の中にいる、寝室じゃないよ?この教会にはふた部屋あってだな、下の寝室兼キッチンと、ここの教会っぽい場所の二つ、いやぁ、ボロいね!

 ま、誰もいないっぽいから使おう

「【インガーンノ】」

 そういうと同時に腕に意識を向け、集中する

 

~30秒後~

 

 よし...無くなった右腕、完全復活、もうマジでモンスターだな

 というか、前々回なくなって今回元通りって何?ギャグ漫画?

 ...さて、元に戻った、だが、力がちゃんと前のとおりとは限らない

 と、いうわけでダンジョンへ行こう、防具は...別にいいか、そんなに潜るつもりは無いし  

 んじゃ、武器だが...取りに戻るか

 俺は寝ている二人に気づかれないように息を潜め、足音を消しナイフを手に取った

 

 よし、回収完了、行くか

 

 

~ダンジョン2層~

 

 

 ...んー、まぁ7層目くらいまでは無傷でいけるだろ

「さっそくモンスター発見、だが、こんなとこじゃ力を出せないからスルーで」

 

 

~7層~

 

 

 ...待てよ、Lv.2になったんだよな、それならもう少し下もいいだろ、狩りながら進むか

 

 

~12階層~

 

 

 ...12階層についてしまった...防具なしでも余裕ですね、当たらなければなんとも無い、裸縛りかな?やだ、なんか卑猥

 よし、シルバーバックにだけ気をつけて狩ろう

「散ッ!」

 いってみたかった言葉100位ぐらいの言葉を発し、俺は走り始めた

 ちなみにこんなことがいえるのは他の冒険者が誰もいないからだ

 

「だっ、誰かいるのか!助けてくれ!」

 

 居た、居るなら居るって言ってよ!恥ずかしい

 とりあえず声がしたほうへ向かう

 そこに居たのは見覚えのある顔の男だった、しかも血まみれの

 たしかあれは俺を襲ってきたやつ(22話参照)だったはず...

 うへぇ...という顔をしてその男を見ると目が合った

 

「たッ、助けてくれッ!アイツが来ッ...!」

 

 その声の主は後ろから来た何者かによって遮られた、ノックアウトされたのだ

 俺の目と鼻の先に巨大なモンスターが居る、そいつは俺に気づいた瞬間、飛び出してきた

 

『グオオオォォォォッ!!』

 

 そのモンスターはミノタウロス、今の俺ならば倒せるのかもしれないが、今、ギリギリの戦いをするのは嫌だな

 以前見たミノタウロスのイメージが強く残っている、あのときはベルが倒したが、今の俺にそれができるとは思わない、防具もなし、武器もこんなのでは

 ...いや、力を試すいい機会だ

 俺はくるりと180度振り返り、ミノタウロスへ突進した

 迫ってきたミノタウロスを間一髪でかわし、すれ違いざまにナイフで切りつける

 

『ガァァァァァァッ!!』

 

 ミノタウロスはまたすぐに攻撃をしてきた

 だが、避けれる、反撃もできる

 俺はナイフを閃かせ、腕を切りつけた、あまり効いてないみたいだが

 次々と繰り出してくる攻撃をすべて避けつつ、少しづつ反撃する、それを10分ほど続けたとき、少し変化が見えてきた

 ミノタウロスの動きが鈍くなってきた、もちろん俺も疲れてないといえば嘘になるが、全力攻撃を続けるミノタウロスのほうが疲労は大きいようだ

 そろそろ止めを刺すか...といっても止めをさせる一手を持ってないんだが

 目をつぶして少し距離をとるか

 繰り出してきた攻撃を避け、ミノタウロスの左目にナイフを突き刺した

 

『グアァァァッ!!』

 

 今日だけで何度も聞いたミノタウロスの叫びを聞き、俺はミノタウロスの左側へ回り込んだ

 ...さて、これでもう勝ちは確定したが止めがさせない、このナイフもボロボロだ

 胸を突き刺そうにも、皮膚が硬いのか突き刺さらない、まぁ、大事なところだもんね、硬いよね

 ...いや、なんかもう可哀相になってきた、自分でやっといてなんだが、腕、足は傷だらけ片目が無い...

 お願いだから止めを刺す方法をください!

 ...何か...ないか

 よし、しかたない、あきらめるか

 ここまでやったが、まぁ、押して駄目ならあきらめろ、ってやつだ

 せめて13階層に戻そう

 俺は13階層への階段の前へ行き大きな音を立てた

 その音に反応してミノタウロスは突進してくる

 ...よし、ここで回避

 ミノタウロスは階段を転げ落ちていった

 よし、これで解決、後のことは知らん、誰かがやってくれるだろ

 とりあえず今のミノタウロスのおかげで本気は試せた

 ...で、気になるのはあの死人だよな

 いや、まだ息はあるみたいだが...まぁ、ついでだ

 俺はその男を背負い、地上へと歩み始めた

 

 




 あくまで書きだめをちょこちょこ修正したものですので、誤字脱字が見つかるかもしれません。もし、発見したら報告してくださると嬉しいです

...これを見てくださっている方々、2017年はありがとうございました。2018年もどうかよろしくお願い申し上げます


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ハチマンと13階層 再び

 13階層再びです、今回は話が飛びますので、ご注意を。といっても中層域から出ませんが


 

 

 

~1階層~

 

 

 ...ここにほっときゃ良いだろ、あ、魔石はもらっとこう、ポーション一本だけ飲ませといてやったんだしいいよね

 まぁ、ポーション一本に釣り合わないほど魔石を持ってたんだけど命が買えたと思えば安い安い

「さて、換金だ換金」

 

 

 

 7万...やべぇな、罪悪感が...少し、ほんの少し芽生えてきた

 いやでもな、前、襲ってきたやつだから

 その後、俺は一階層へ戻り、あの男にポーションをもう一本飲ませて帰った

 

 

~ホーム~

 

 

 ホームまで歩いていくと中からベルとヘスティアさんの声が聞こえてくる、その声はどこか慌てているようで...

 扉を開けようとドアノブへ手を伸ばすと中からベルが飛び出してきて、ぶつかった

 

―――――

 

「そう...か。なんて納得できるわけ無いだろう!?」

 

 ベルはダンジョンへと向かい、ヘスティアさんと一対一で話をしている

「いや、できるわけ無いって言われましてもねぇ...」

 俺は腕を話したわけだが、なかなか納得してもらえない

 

「...まぁいい、この話は今度だ。ボクももう行くよ」

 

「うす、行ってらっしゃい」

 よし、シャワーでも浴びるか

 

 

―――――

 

 

「...じゃが丸君...小豆クリームで」

 今、俺は空腹感を感じ、買い物に来ていた。

 じゃが丸くんは意外と何味でも美味しいらしいので、今日は挑戦だ

 小豆クリーム味、どんな味なのか...

 今日の夜はじゃが丸パラダイスだ(毎週3日はそう)

 

―――――

 

 その日は特に何も起こらず、平穏な日常を過ごせた

 まぁ、武器買ったりしたぐらいだ、5万使って

 

 

~明後日~

 

 

 さてさて、今日は中層進出の日。俺も完璧に回復したし準備万全だ

 昨日、ベルに中層進出のことを伝えるよう言っておき、今日を迎えた

 今は中央広場からヘスティアさんに見送られてダンジョンへもぐるところだ

 装備している剣は昨日買ったものだ、なかなか丈夫で、使い勝手もいい

 さて、ダンジョン、再びだ、昨日の男は回収されたかどうかしてもう居なくなっていた

 

 

~12階層~

 

 

 俺たち4人は難なくここへたどり着き、作戦会議をしていた

 

「ヘルハウンドがでたら、真っ先にたたけばいいんだな?」

 

「はい、サラマンダーウールがあったとしてもあの炎は十分脅威です」

 

 前衛は俺とヴェルフ、中衛はベル、後衛はリリルカ、後衛に魔法使い的な人がほしいがな...

「俺が知ってる情報はあらかじめいっといたし、もう伝えとくことはないか?リリルカ」

 

「そうですね...あぁ、殺されないでくださいね」

 

「たぶんだが、ここのモンスターならギリギリ―――」

 

「いえ、他の冒険者にです」

 

「俺はモンスターか何かか?」

 ...その気持ちは分かるけどね...分かっちゃうんだ

「...っおい、他には」

 

「特に無いです、では、ベル様、行きましょう!」

 

 

―――――

 

 

 

 13階層再びだ、そういえばこの間ミノタウロスをつきおとしたが...まぁ、誰かが倒しただろ

 ここについてしばらくたち、モンスターを見てリリルカが言葉を発した

 

「...あれは、最初に言ってたアレってもしかして...」

 

「あぁ、あいつだろうな、ベルが相手とはきついな」

 

「ヴェルフッ!?」

 

「ほんとにな、始めて見たときは驚いた、まさかのベルだ」

 

「ハチマンもやめてよっ!?」

 

 ...さて...と、ほんとにやる気にならねぇとな、相手は4体か

 

「はぁ...倒すのをためらうのは初めてです...あんなに可愛いのに」

 

『キャウッ!』『キィ、キュイ!』

 

 もうアレ、強化種のせいで俺に躊躇いは一切ない。あ、やっぱ嘘、少しはある、ベルみたいだから

 

 

~数十分後~

 

 

「おいおい!この数は嘘だろ!?」

 

「無駄口たたかないでくださいッ!」

 

 今は四方八方から襲い掛かってくる一角獣たちを相手に戦っている、人が多いとこに集まるのか、この前一人で降りたときよりも多い

 ...ん?なんだ?冒険者達が近づいてきているような...うん、来てるねあれ。

 その冒険者たちは俺たちの戦域をかすめて過ぎていった

 ...なんだ、いや、まさか...

 

「――!?いけません、押し付けられました!」

「退却しますッ!」

 

 だよねっ、押し付けられたよね。

 

「先行って!」

「【ファイアボルト】!」

 

 ...通路が炎で埋め尽くされるってはじめて見た

 っとそんなこと言ってる場合じゃねぇ

 

『オオオオオオォォォォ!』

 

 炎の中から飛び出してきた狼二匹を倒し、すぐまた戦闘体勢をとる

 

「皆!大丈夫!?」

 

「心配してる暇はねぇぞ」

 ...流石に多いな、階段に向かって一直線に...

 

――ビキリ。

 

 何だこの音...

 

「次は何処だッ!?」

 

「分かるかよッ...!いや、上だ!」

 

『キィァァァァァァ!!』

 

  モンスターの発生とともに天井は崩落した

 

「「「「―――ッ!」」」」

 

  落石がハチマンたちを埋め尽くしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにが...起こった...」

 かすかにしか出せない声でつぶやいた

「ぐっ...」

 頭が痛い、体も、どうやら落石でダメージをおったようだ

 だがこれならポーションで...は?

 ポーチに入れてあった試験管は全て割れていた、じゃあ仕方ない...

「【インガーンノ】...」

 回復に意識をまわし魔法を発動させた、すると10秒ほどで体の痛みは消え、うけた傷もふさがっていった

 後20秒、ベル達は...居た、重症だな...

 俺は岩の瓦礫の下から3人を引きずりだした、そして、剣で壁に大きな傷をつけた、ダンジョンは回復を優先するのでこうするとモンスターが一定時間生まれないのだ

  その三人を床に寝かせて自分と仲間の状況を確認した

 ベルは落ちてきたばっかりの俺と同じ状態、ヴェルフは片足負傷、リリルカは目立った外傷はなし、ポーションが4、解毒薬2...か

 

―――――

 

「...起きたか、ベル、リリルカ」

  二人が起き、何が起こったか確認しようとしている

 ここにモンスターが沸くまでまだ時間はある、今後どうするか考える暇ぐらいはある、まぁ多少は来るんだけど、全部撃退してやりましたよ

 しかも、来たモンスターで15階層だということが分かった、俺有能すぎない?

「ヴェルフも起きたようだな」

「...さて、何があったのか理解できたか?」

「今、俺らは15階層にいるんだが、このままここにいれば全員終わりだろう、ということで1階層へ戻る必要がある」

「...それか18階層だ」

 

「18階層...おい、なんでだ、ハチマン」

 

「もう一個の道だ。どうだ、リリルカ」

 

「...えぇ、そう、かも知れません」

 

「おい、俺にはお前らが何を言ってるか分からん、下に下りる?正気か?」

 

「お前知らねぇの?18階層は安全地帯で...」

 

「いや、それは知ってる、下に下りる、ってことだ、これ以上下の階層になんて...」

 

「縦穴を利用すりゃ良い、正攻法で降りる必要なんざ無いんだ」

 

「じ、じゃあ階層主は?」

 

 ヴェルフの問いにリリルカが答えた

 

「ロキファミリアが遠征でほぼ確実に討伐したはずです、そして今ならギリギリ復活の前につけるはず」

 

「...というわけだ」

「...ベル、どうする、下を目指すか、上を目指すか、全滅の可能性はどちらにもある」

 俺のこの言葉を聴いてベルが発した言葉は一言

 

「進もう」

 

 

――――

 

 

 ...はは、ひっどい状況

 今、俺は最悪の状況に現実逃避をせざるを得なかった

 何が起こったか、そうだな、要約しよう

 まず、マインドダウンでヴェルフ、そして先程リリルカが気絶。ベルもかなり消耗している

 ベルにはもう下がっててもらおう

「おい、ベル、リリルカを担いでついて来い」

 俺は、体力を温存...していたわけではないが、残っている、15階層までのダメージ、疲労が消えたんだからそりゃそうか

 

「でも、ハチマン、僕は...」

 

「お前に倒れられても困るんだよ、俺のためにそうしてくれ」

 

「...あぁ、ごめん、そうさせてもらうよ」

 

 俺はベルがリリルカを担いだことを確認して、先へ足を進めた

 

 

―――――

 

 

「べル、ここ、降りるぞ」

 縦穴発見だ、ここを降りれば17階層、目的地まであと少しだ

 ベルが縦穴に飛び降りるたのを確認して、俺も縦穴に飛び込んだ

 疲労が無い、とはいえない、結構疲れている、言うなら普通にダンジョンもぐったときの帰り。

 そのぐらいには疲れがたまってきているということだ

 さて、17...階層だ

 

 

―――――

 

 

 この階層についてからどれくらい経っただろうか、3時間...いや1時間かも知れない

「...はは...」

 自分がまるでテンプレのような事を考えてることに笑いが出る

 受けた傷からは血が流れ、視界が赤くなっている、もう体力は0に等しい、ベルはもう、ついてくるだけでもつらいだろう、ましてや人を一人背負ってだ

 俺がリリルカを持って行くことも提案したが、却下された、何度も。ヴェルフが起きてくれれば少しは楽になると思うんだがな...それは望めないだろう

 何のヒントもなく、いつ敵が出てくるか分からない道を歩く

 っと。...なんだここ

 俺たちは広いルーム、おそらく本来、階層主がいる場所にでた、奥には下に続く洞窟が見える、それだけなら不審に思わないのだ、だがこんなに静かなもんなのか?

 ...いや、それならそれでいい、18階層への階段はもう見えているんだ、もう少し...

  そのとき

 

  バキリ、と

 

「―――――バキリ...?」

 俺は見た、大壁に亀裂ができたのを、モンスター発生の亀裂だ

 不味い、これは...

 

『オォォォォォオオオオ!!』

 

「ベルッ、走れッ!」

 

「あっ、あぁっ!!」

 

 階層主、ゴライアスが出てきて、標準を俺たちに向け。腕を振り下ろした

 間に合うか、いや、このままでは全員は絶対に間に合わない

 俺は先に見える洞窟にヴェルフを投げ飛ばした

 そして、少し前で驚くベルを前へ全力で突き飛ばした

 これでいい、ぎりぎりセーフだ

 

「ハチマンッ!!」

 

 ベルが洞窟へ吹き飛びながら俺へ手を伸ばした、その手を取ろうにも、ここからでは間に合わない

 ...魔法がもう一度使えれば...いや、まさか

「...【インガーンノ】!」

 駄目か、まぁそうだよな。そう上手くいくわけがない、人生ってのはそういうもんだ、まだ4分の1くらいしか生きてないが

 もともと俺はここの住人ではないしここで生きる目的も無い

 ...終わりだ、ここまでに後悔は...ある、が、どうしようもないものだ

 俺はここまでつなぎとめていた意識を手放した

 

 




 次は3月中盤...ぐらいになると思います。むしろ今の時期に出したことが異常なんですがね...あ、遅かった言い訳とかじゃないです。



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到達 18階層

 2ヶ月ぶりの投稿です、いろいろありましてね。
 受験とか、フェイタルバレットとか、入院したりもしました
 ダンまちは13巻も出てしまい、3回読んでしまいました
 さてさて、2ヶ月ぶりでいつもどおりキレの無い文章をご覧ください



 

 

 

「ハチマンッ!!」

 突き飛ばしてきた彼に手を伸ばす

(そん―――な――。)

 突如、体に衝撃が走った、肺の中の空気が押し出され、小人族の少女を離してしまう

 そのままベルは、天井に、壁に、地面に玉のように叩きつけられながら衝突を繰り返した

 投げ込まれたヴェルフも、ベルが離してしまったリリと同じように、転がりながら落ちていく

 あらゆる角度から来る衝撃と、打ち据えられる痛みに頭が朦朧とする中、緩やかにベルの体は下方に引かれていき、やがて―――。

「ぅ――!?」

 ずしゃあ、という音をたて、地面を削り、止まった。

 横に、仲間たちが転がり落ちてくる

 

 ベルは朦朧とする中、体を動かす

「――――」

 体に限界が来ているのは誰よりも自分が分かっている、だが仲間を、自分を犠牲にして僕たちを救ってくれた仲間を救いに行かなければ。

 傷だらけの体を動かし、17階層へと向かう、視界は赤く、ほぼ何も見えない、体もあちこちが痛い、あまりの辛さに意識が吹き飛びそうになる

 しかし、無理やり体を起き上がらせ、17階層への洞窟へと戻る

 

「―――ベル?」

 

 聞き覚えのある声だ、そして安心する声。だが、今は構っていられない

 一歩、そしてまた一歩、洞窟へと進む。その足取りは少しずつ早くなり、次第に走りへと変わった

 洞窟の中を駆け上っていく、何度もよろめきながら、こけそうなら手を使い、前へと、上へと

 そんな僕を、後ろから来た誰かが追い越していく、通りすがりに一言

 

「―――がんばったね」

 

 そういい残し、上へと消えていった。その声に安堵し、一瞬、意識を手放しかけたが、進む速度を上げ、岩壁を蹴り、進んでいく

 仲間を見捨てるなんて選択肢は無い。きっと彼もそうだったのだろう、だから自分を犠牲にして僕たちを救ったのだ

(なら。僕は―――)

 

 

『オォォォォォォォォッ!!』

 

 階層主の声が聞こえる、すぐそこだ。

 17階層へ、ついたと同時、彼を探す

(何処に、何処に―――。)

 しかし、見当たらない

(まさか。そんなわけ―――)

 死を知らぬ少年は信じられない、とても――

 そのとき。ゴォン、と音を立て、巨人が崩れた

 

 

「大...丈夫?」

 

 情景を焦がしてきた少女を前にする。心臓がバクバクと音を立てなっている。いつもなら緊張してなのだろう、だが、今はちがう要因でだった

(僕を助けるために、人が、仲間が―――。)

 どこにも彼の姿は無い、だが、彼の血塗れた防具と武器が落ちている

「そう――だ、僕が、もっとッ!!」

「――ぅ――ぐぅっ...僕が...!」

 憧憬の剣士に見守られる中、ベルは一人、嗚咽した

 

 

―――――

 

 

「恩恵が...ひとつ...消えた...」

 

「――ッ。ということは...」

 

「...あぁ、どちらかが...」

 そう、恩恵が片方消えたということはどちらかが死んだということだ。

 歩く足を止めそうになる、だが

 

「神ヘスティア、先を急ぎましょう、もう片方、いえ、これ以上彼等死なすわけには行かないでしょう」

 

「...っ。あぁ、そのとおりだ、進もう、一刻も早く彼らを」

 

 




 今回、ハチマン君は出なかったですね、まぁ、そんな5巻中盤の内容でした


 次回、『復活の【H】』
 なんかハチマンが八幡じゃない気がする...修正がんばります(今後)


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比企谷八幡と3度目

 彼は、死んだ。


「...ここは...」

 見慣れた部屋、見慣れた景色。

「あら、ようやく目が覚めたのね、居眠り谷君。」

「ん...は?」

「...どうしたのかしら? その目は。」

「......あ、いや、何でも。」

 久しぶりな気がする。おかしい。ここに来るのは1日ぶりの筈なのだが、どういうわけか――懐かしい。

「――なんだっけ。」

「...」

「...」

「......俺は...」

「...気づいてないのかしら?」

「? 何にだ。」

「...さぁ? それなら、いいわ。」

「...?」

 何だ。雪ノ下が無意味にこんな言葉をかけてくることはありえないはず...で、あれば...

 ...俺が知るもの、そして、雪ノ下が知るもの。

「...」

 俺が部室で居眠りをする...まぁ可能性としてはありえるが、雪ノ下がソレを許すか...というか、その隙を許すか。

「...雪ノ下。」

「何? まだ目が覚めて居ないのかしら、その目は。」

「...あぁ。どうもそうらしい...が、一つ、聞きたいことがある。 ......俺と、友達に――」

「ごめんなさい、ソレは無理。」

「...」

 決まりだ。

 あの時と、全く同じ構図、由比ガ浜も居ない。

「――」

 俺は、確実にここには居なかった。 どこか、別の――

「...ッ!?」

 背中に、熱が。

「......そうだ。」

 俺は、ここじゃない場所へ居た。それは確実だ。そして――

「戻る場所は――そっちか。」

 もとの世界に未練は無い...と、言えるほどではないが...オレは、こちらへ。

 迷宮都市、オラリオへ戻らなければいけない。

 ...無駄に、こういう感情がわいてしまったのだ。

 

 

「――」

 時間が戻っていく。 そして、ソレは...階層主に殺される寸前へと。

「【インガーンノ】」

 魔法が、発動した。

 もう、死ねない。

 自己犠牲――上等だ。しかし、死ぬことは、許されない。

 俺は、この世界で生きる。 二度目の生――いや、3度目の生を、無駄にはしない。

 できる限りを、最善を。

 俺にできうる、最善を。

「――、っ、あああああっ!!」

 階層主の攻撃を、回避して、おくの通路へ。

「――...っ。」

 魔法は一瞬、回復する暇さえなかった。いや、リソースが全て力へまわされた。

 しかし、そこで既に俺の勝利は決定したのだ、何が在ろうと、それは、オレの勝利である。

 逃げるが勝ち、その言葉通り――

 

 

 

「...っ。」

 激しい頭痛で目を覚ました。

「...?」

「ようやく、目が覚めたか。」

「......ヴェルフ...か。」

 焦点が合わない。声も、無数に反響している。

「まぁ、まだ寝てろ。 俺はお前とは違ったからな。 ......助かった、ありがとう。」

「...」

 感謝...向こうでは、素直に言われることはほぼ無かった。 いや、むしろ文句ばかりだったなあいつら...

 ま、今となってはどうでもいいがな。

「......」

 耳鳴りと、頭痛と、めまいと。

「...」

 今は、回復に努めるべき、か。




 1年ぶりでした。


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比企谷八幡と安全階層

 いやー、投稿したらUAが100倍になりまちた。びっくりです。
 と、いうわけで「その1」です。他にも書いてるものがあるんで投稿は遅くなるか先になるかすぐにでも出るか、どうなるのか私自身にもさっぱりです。


 

 

「...」

 一人、残されたテントの中で、思案する。

 身体の調子は回復した。だが...さて、ここを出れば、何が在るのやら。

 話はある程度聞いて、ここがロキ・ファミリアの仮休息所、ということは分かっている。しかし、だ。

 助かったのは事実だが...さて、この後どうすればいいのか。

 俺ができることといえば全力で土下座とかそういうのだけなのだが...

「おい、もって来たぞ。」

「ん、あぁすまん。」

 外では宴をやっているらしいが、まぁそこは俺、参加せずにテントの中に引きこもっていた。

「で、どうだった。」

「ベルが女性に囲まれていやがった...! クソっ...!!」

「うわ...」

 欲全開じゃねぇかコイツ...

「...俺が聞きたいのはそういうことじゃなくてだな...」

「分かってる、ロキ・ファミリアの現状についてだろ?」

「ああ。 俺がいっても多分聞き出せないというか、そもそも俺が近づくこと自体が駄目だろってな。」

「卑屈すぎねぇか、お前...」

「謙虚といってくれ。で、どうなんだよ。」

「あぁ、ここを出るのは早くて2日後らしい。ベルの奴が剣姫と知り合いだったおかげだな。...後で話は聞くが。」

「それじゃあ、戻るときは着いていかせてもらえる...と、考えていいな。 それなら楽でいい。」

「......すまなかった。ハチマン。」

「あ? 何が。」

「二人に負担を殆ど背負わせた。」

「...なら、ベルに言ってやれ。アイツがいたからこそのこの結果だ。」

 感謝はいいが、謝罪はお門違いだ。

「...ま、アイツがいなけりゃそもそも俺達はここに居ないだろうが。」

「ああ、全くだ。...さて、やるべきことをやる――」

 そのときだった。

 聞きなれはじめた声が――というより悲鳴が、聞こえてきたのは。

「―――は?」

 ここで聞こえてくるはずの無い声だ。

「...幻聴...幻聴...」

 迷宮に神は入れない。いや、入るには入れるらしいが...以前、ベルからサポーターの真似事をしてくれたとかの話を聞いたし。...それでも...

「...」

 寝るか、うん。 疲れたし是非もないよネ!

「コレで寝ようとするのはどうかと思うぞ...」

「...ハァ。」

 ここは出るか、流石に。身体を動かすのも含めて。

「んじゃ、行って来るわ。」

 疲労が溜まったままの身体を起こし、多少髪を整えながら外へ。

 

 

「...何してンすか、ヘスティアさん。」

「あっ、ハチマンく――ん?」

「...? 何すか?」

「いや...何か、違うなって...? でも何処が...」

 どこか変わったか。 ...俺は、以前俺のままなハズだが...

「...ん?」

 上から、人が。

 おそらく...この人を、ここまで護衛してきた――

「――。」

 豊穣の女主人で見たか、あの女性は...その隣は知らない、その隣の...あれは、神か。

 そして、次に降りてきた奴らに、警戒することとなる。

「...おい。」

「...分かってる。」

 ヴェルフが話しかけてきた理由も、奴らだ。

 俺達にモンスターを押し付け、間接的に俺達を壊滅状態へ追いやった冒険者。

 まぁ、迷宮という死を身近に感じるこの場では、ああいうことも理解は示さねばならない。

「...」

 だが、今回は事例が事例、お人よしのベルがどういう反応をとろうが、この二人は納得しないだろう。

 まぁ、この後にはおそらく謝罪だ。で、あれば俺はそこに居る必要は無い。何故か、それは俺が謝罪を受け取るつもりが無いからである。

 謝罪をする、ソレは一種の自己満足に他ならない。俺だけなら、まぁ、いいだろう。だが俺以外を含めた時点で俺は奴らのそんな自己満足をかなえる気は無くなった。

 ...と、言うことを建前にして面倒ごとを避けよう。うん。いやほら、めんどくさいよ色々と? ベルに全部任せてしまおう。

「あっ、おい、何処行くんだ。」

「先に戻ってる。」

 




 解釈違い等ございましたら、どうぞ。


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極彩色

 投稿はしていませんが、別でダンまちSS、オリキャラ主役の作品があるんです。いやー、そっちでは14巻まで内容が進んだんですがね、いやー、こちらで続けれるかどうか。


「...」

 比較的安全そうな丘の上に、剣を持ち、やってきた。

 たそがれる...というのは間違いだな。確か、意味が違ったはずだ。

 面倒ごとに巻き込まれる前に退散だ。俺の武器が無いことにすぐ気づくだろうし、心配はかけないだろう。

 もしかけるとしても、アレは受け取ろうとは思えない。

 ベルがあそこで絶対許そうとする、だから俺はその逆をするのだ。

 ベルができないことを俺がする。至極当然のことだ。他人ができないことを自身がして何が悪い?

 断固拒否だ。 ――まぁ、こちらが助けられるということがあれば、ソレを解くのも容易だが。

「――で、何ですかね。」

「おおっと、気づかれてたとは。」

「そりゃまぁ。一人で居るところに何かが来たなら分かりますよ。」

「......ハチマン君。皆、テントに居るけど?」

 この神は...なんとなく、嫌な予感がする。

「おやおや、そんなに警戒しないでほしいなぁ。」

「いや、しないほうが無理でしょう。 ...それで、わざわざこんなところへ、何を?」

「そりゃあ勿論、君に会いに来たんだよ。」

「...何故?」

「いやいや、君が居なかったものだからさ。」

「......それじゃあ、俺は戻る気は無いんで。 あのファミリアが居ないと気に言ってくれますか?」

「彼らもこの迷宮へは、志願してきたんだ。僕らが命令したわけでもないし、強要したわけでもない。ソレを分かってあげてほしい。」

「...まぁ、はい。」

「それじゃ、俺は行くよっ、気が向いたら戻ってきてくれよっ」

「はい。」

 ま、行かないけど。神には分かってるんだろうなぁ、嘘が。

 

 

「...ん、朝か...」

 明るくなっていた。特に寒くも無いこの気温では、外でも楽に寝られる。 ...モンスターに襲われることも無かったようだ。

 まぁ、この階層のモンスターなら、来れば気づく。ステイタスが強化され、そういうことに敏感になっているのだ。

 しかしまぁ...アレから誰もこなかったと考えると、いい場所なのかもしれない。

「...。モンスター...」

 バグベアー。知識はある、ミノタウロスよりも高い俊敏なので、もし、遭遇すれば用心は必須...

「...」

 階層主の際に、回復などを度外視した魔法の行使が行われた。それも、一瞬のみに期間を限定し、その分効果を増した。

 それが、できるか。

 イメージしろ、常に最強の自分を。――と、いうのは、大事なことだったはずだ。

 イメージの力こそが、魔法の能力を左右する。

「...いや、今は使えないか。」

 もしものときの為に、残しておこう。

 

 

 

 

「...確か、拠点が向こうだったな...」

 そろそろ戻るとしよう。

 

 

「...って、思ってたんだがなぁ...」

 そこはやはり初めての階層か。 まぁ、安全階層でよかったというべきだが。

 真逆だ、これは。

「...ハァ。」

 ステイタスのおかげで、精神的な疲労のみですんでいるが...これが、何も無いころだったと思うとゾッとする。

「森の中――」

 そのとき、地面がパックリと、まるで、罠のように、落とし穴のように。

「――ッ!?」

 なんとか両足で着地し、下にあった液体溜りについたせいで、飛沫が――

「熱っ...!?」

 足が、ブーツごと少しずつ、溶かされていく。

「...っ、酸...――なッ!?」

 痛み、熱を忘れるほどの衝撃――骸骨と防具、武具の群れに、思考が止まる。

「――。」

 ポタリ、と肩に酸が。――そして、上を見て、再度。

「――モンスター...?」

 冷静さを保て、理不尽に身をゆだねるな。今だ、今こそ、冷静になるべきときだ、未知の相手には、冷静に対処するしかないのだ。それが、命を――

「はっ...はっ...はっはっ...はは...っ」

 俺には、理不尽がよく降りかかるな。

 ゴライアスの件についてもそうだ。あんなもの、俺が――

「...っ。」

 思考を、諦めるな。こういった熱いのは俺の性分ではない、だが、そんなことも言ってられない。余裕は無い。

 考えろ比企谷八幡、ここは、斜め上も斜め下も必要ない。――考えることは、シンプルだ。

 コイツを倒して、外へ出る。

「ッ!!」

 しなる鞭、敵の肩口から射出されたそれを何とか回避する――が、足元に広がる酸が飛び散ってくる。さらには、今の風圧からして――

 普通の状態でまともに喰らえば即死、だ。

 幾らここにある盾を持ち、構え受けたとしても、腕が粉砕されるだろう。

「ッ!」

 再び紙一重。骸骨が粉砕され、骨と装備の破片があたりに広がる。

「――。」

 使って、出るしかない。

 だが、使いどころを間違えてはいけない。アレは、格上だ。それも、俺が今まで遭遇したモンスター内最高レベルで。

 敵の腹の中、というのもかなり大きい。

 倒すためには――奥の手を。

 骸骨達のもとへ、たどりつくことが最優先。武器だ、武器が居る。

 俺の武器では、あの本体はおろか、この壁すら、傷つければそれで融解していくだろう。

 骸骨の群れの中から、一つの柄を取る。

 あの攻撃を喰らって、無事な武器――つまり。

 それだけの強度、それだけの武器ということだ。

「――っぜああああああぁぁぁっ!!」

 少しでも強く、少しでも早く。

 斧で鞭の一撃をはじく。だが、こちらも大きく後ろへはじかれる。

「ッ、はぁッ!」

 そのまま後ろへ攻撃対象を向け、壁へそのまま埋め込む。

「――ッ!」

 斧を手放し、回避する。

 痛みで冷静に。肉の溶ける悪臭にも、足の状態にも、対処はまだ可能だ。

 機会は回避。次の回避だ。

 鞭がしなる。その、瞬間。

「【インガーンノ】」

 集中する。

 床を踏み込み、真上に居る――

 そのとき。冠型の器官が発光し――

『アァァアァァァ――――――――!!!』

「~~~~~~~~~~~ッッ!?」

 その、怪音波に飲まれる。ステイタスを幾ら強化しようが届く音波。それに、平衡感覚を失わされた。

 そして、隙ができた身体に、鞭が迫った。

 絶体絶命の一撃、Lv.2ではとても対処できるものではない。

「がっっ!?」

 壁へたたきつけられる。しかし、それだけで終わらず、足に鞭が絡められる。

 そして、そのまま真上、真下、真横へ。酸が出る壁へたたきつけられながら、その身体を溶かしながら、その体を崩していった。

 魔法を使用して、これか。

 痛み、今の状況とは裏腹に、冷静だった。

 たたきつけられながらも、思考は別のばしょへ。

 なぜか、それは――

 魔法を再燃させる。

 発動はした、だが、超微力に。ならば。

 やはり、時間もそれに対応して伸びていた。

 壁にたたきつけられた瞬間に、差し込まれた斧の柄ををとる。

「――っ、はあああああああぁぁっっ!!」

 それを真下に押し込み、自身の体を真上、モンスター本体のいるもとへ。

 そして、剣がモンスターの胸に――突き刺さることは、なかった。

 跳んだ勢いのまま、突き刺すように砕けていく。そして、鍔までその刀身が砕け、モンスターの間近に。

「――。」

 目が、あった――そんな気がした。

 そして。

『アァァァ―――――――――ッッ!!!』

 先ほどの怪音波が、この近距離で放たれる。

「――――ぁ、があああああああああああっっっっ!??? ああっ、ああああああッッ!?」

 自分の声が聞こえない。そのまま、床へ落下した。

 気が狂うような音波、それをあの距離で。

「ひッ、ひぃぃぃっ!!」

 わからない。なにが、どうなって――

 視界にあるものをとらえられない、なんだ、なんだ。

 鞭が体へ。

「――ごっっ...!?」

 魔法も切れた。

 ヒキガヤハチマンには何ができた? 比企谷八幡には何が出来る?

 3度目の生を、こんなところで無駄に終わらせるのか? 諦めるのか、疲れたのか?

「...~~...ぎ...ッ!?」

 そこへ、何度も鞭が。

 2、3、4、5、6、7――

 背中に、熱が。

 その熱は、体を伝導していった。

 ――8。

 体を大きく縮こませ、鞭を回避――そして、下におしこみ、抜けかけていた斧の柄を、再度握る。

「――あああああああっっ!!」

 背後へ迫っていた鞭を切断する。

『――』

「――はっ。」

 足が灼ける。構わず、駆ける。

 見知らぬドワーフの斧を担ぎ、第二陣、鞭を再び切断する。

 そして、目的の場所へたどり着いた。

 骸骨の群れ、その中に一本の異質な光。それは――

 白銀の、短剣。

 斧で迫った鞭をいなし、遠心力を利用して、投げつける。

 背中の熱は、火を噴くように。

 灼ける足で、床を踏みしめる。

 そして、跳んだ。

 斧がはじかれた。だが、それで、鞭の俺に対する対応は遅れた。

『――。』

 目があった。気がした、ではなく、今度は確実に。

「どけ。」

 短剣を、敵の胸へ。

「――、っ!」

 モンスターは塵へ、その体を変質させ始めた。

 落ちる前に、逆さまの上半身をどうにか上にのぼり、天井にナイフを突き刺す。...どうやら、この肉の壁が蓋になっているようだ。、

 まぁ、そうでなければ、上に戻れないんだが、俺...

 モンスターが消える前に、縦に蓋を切り開く。

「――。はッ...!」

 切り込みを無理やり切り開いて、地上へ。

 しばらく待っていれば消えていたのだろうが、これ以上あの酸に足をさらしたくはなかった。...それよりも、今、重要なのは...

 上半身裸、靴全損、ズボンも多少...足は肉が剥き出しに、手も、焼け爛れている。

「...は...ぁ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~っ!」

 生きている。

 倒れる。

「...ベルみたいな、魔法の一つでもあれば違ったか。」

 

 




 どうか、成長できますように...文才がつきますように...


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骸と剣とハチマンと

 おそらくちょっと更新してきます。


「......っ...ここは.........」

 あぁ、迷宮か。

 どうやら死なずに済んだようだ。

「...【インガーンノ】」

 発動した。

「......酸のおかげか。」

 解けた面が固まって、血があまり出なかったようだ。痛みはおかしすぎてわからないのか、感じていない。

 魔法で、体が元に戻っていく。

「......~~~~がぁっ...!!」

 治す途中で激痛を伴った。

「......っ...っぅ...」

 その痛みもすぐ終わったが、問題は、まだ解決していない。

「元の場所に戻んなきゃいけねぇよな......」

 今の今までモンスターに目をつけられていなかったということは幸運だが、ここからそうとは限らない。

「...確か......いや、その前に。」

 後ろのほうでぽっかりと空いた穴を見下ろす。

 酸が出る壁は無くなった...酸自体もどうやら蒸発したようである。

 穴の中へ降りて、骸骨を見る。

 あの時は必死だったので何とも思わなかったが、これがあったおかげで、今、俺は生きている。

「...? あぁ、コレか...」

 何かぶつかったと思って足元を見ると、とどめを刺した短剣が下に。ってかあぶねぇ、すこし向きが違ったら切れてた...

 あの酸の中で、全く溶けずに残っている。

「...」

 抜き身の状態で、拾う。

「流石に鞘はないか。」

 この短剣だけでも、持ち帰らせてもらおう。

 迷宮とは、常に死と隣り合わせの空間である。そんな場所で、俺のように弱い者が生き抜くためには、死を乗り越えなければならない。

 他人の死をも、だ。

 銘が入っていた。名は...

「【バル】......か。」

 文字が見えるほど、ということから全く溶けていないということがわかる。

「......」

 上を見る。映るのは、穴の淵、木々、水晶。

 ベル達が、俺を探してないといいが。

 

 

「...どんだけ続くんだよ...」

 森の中を歩いていく。道しるべがないとキツイとも聞くし、正直空腹だ。それがネック。

「......何が食えるかとか、知らねぇし...」

 そもそも食えるものがあるのかということも知らない。

「ハァ......」

 

 

 かなり歩いて、少しひらけた場所へ。

「...着いたか。」

 久しぶりに人がいる場所へ来た気がする。

「......偶に見せる豪運ってやつか...俺の今後の運、全部使い果たしただろ、コレ。」

 気に寄り掛かって近くに座り込む。

 ロキ・ファミリアに関してはもうテントをたたんでいる、この場を後にするのだろう。

 ......そりゃ、まずくないか?

 ベルはどこだ。居ない...しまった、俺のせいか...?

「...ハァ。クソっ。」

 疲労はしているが、そうも言ってられない。

 俺を置いていくことは、あの神的にありえない、だからこの階層には居るはずだ。

 まずは...

「...リヴェラの街、か...」

 人が集まる場所へ行けば、多少なりとも聞けるはずだ。この目でも、こちらが最低な話しかけ方でも、まぁ応じる。そこはいい点だ。

 

「......すまないが、一つ聞いていいか。」

 ここでの必要なことは、下手に出すぎないことだ。

「ん? ってうおっ!? なんだお前...」

「何って、冒険者だが...」

「おい、金は持ってるか、持ってるならある程度融通してやるぞ。」

「無い。」

「ケッ、じゃあ無しだ。情報もただじゃねぇ。」

「...そうか。」

 それが聞けて良かった。 ここでは、もう情報を得られそうにないということだ。

「! もしかして、ハチマン殿、でしょうかッ!」

「あァ...? ...げ。」

 しまった。こいつらがいるんだった...

「大丈夫ですかッ!?」

「あぁ、近づくな。大丈夫だ。それよりもベルはどこだ。」

「し、しかしそんな状態では...っ。」

「知らねぇならいい。俺のことは気にするな。」

「...ですが...っ!」

 言葉を最後まで聞かず、街を出る。いつもならそんなことしないだろうが、今は、時間が惜しい。

 答えられそうにないというのも含め、一人で探したほうがいい。 となると、まずは...高いところにあがったほうがいいか...

 駆けて行く。いつの間にか先ほどのは振り切った。

「...流石に裸足はなかったか。」

 ステイタスで強化されたとはいえ、痛いものは痛い。

 まぁ、この服装についてはあの人たちと合流してから考えればいいことだ。

 俺がここまで熱くなれるのは、命を懸けた空間にいるからかもしれない、いつ死ぬかわからないということを、実感したからかもしれない。

 俺は、ここで新たな人生を迎えた。俺という人間の根底は一切変わらないが、ここでは...

 馬鹿をするのも、いいかもしれない。黒歴史がいくら増えようが、生きてさえいれば、ここでは――勝利だ。

 

 

「...ッ!? なんだ...あれ...」

 何かが落ちてきた。黒い――

「......ッ、階層主......?」

 18階層...安全階層に? ロキ・ファミリアは、もういないのに?

 ...い、いや大丈夫だ...階層主なら、この階層にいる奴らが倒せるはずだ。

「ふぅ......」

 と、落ち着こうとして――

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!』

「ッ...!?」

 身の毛がよだつ、おぞましい巨大な咆哮が、体を撫でていった。

「...っ...」

 戦慄が走る。というと正しく伝わるか。

 普通ならば、あそこへ向かうはずがない...だが。

 あそこへ落ちたということは、あそこに何かがあるということ。人がいるところで、異常事態は起こる。

「......ってことは...」

 ベルは、あそこにいるということだろう。

「......断食とかそういうのを考えると、今がベストコンディションってやつかもな。」

 今の自分を確認する。 上半身裸、裸足、抜き身の短剣を一本。ってか筋肉ついたわ...だからと言ってこの服装がおかしくないという理由にはならないが。

「...まぁ、いいか。」

 それについては今はどうしようもできない。悩むだけ無駄というものだ。

「......さて。」




 さぁさあぁ久しぶりの更新となったわけですが、文才などはつかなかったようです。
 どこまで更新が続くのでしょうか。


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極光

 

「さて。」

 今からやるべきことは......階層主のところへ行くことだ。

 この世界で、いや。この迷宮で迷うことは死に直結する。なら、ここでは最善の方法を取るべきだ。

 飽くまで、生きるのに最善の方法だ。ここまで積極的に生きようなどとは、昔なら思えるはずもなかった。

 ともかく、今は情報が必要だ。ならば...現地に赴くほかない。

 

「......」

 周りに集まったモンスターから隠れつつ、木々の合間を縫い、階層主の下へ。

「ひっ...ひぃぃっ!?」

「ッ...」

 闇の中から出て一撃。再び闇の中へ。

 潜むように消えるのは、俺の得意技のうちの一つだ。 ステルスヒッキー、実用性高い!...とか冗談を言っている暇はない。

 少し開けた場所に出る。

「...っ。」

 この、威圧感は――間違いない、階層主だ。

「! ハチマン様! 一体どこへ行っていたんですか!!」

「...すまんリリルカ。」

 どういう状況かは...把握済み、なはずだ。

「それで、俺にできることはなんだ。お前の意見を聞きたい。」

「では、雑魚の処理を! リリも手伝います!」

「分かった。」

 弾かれるように跳び、近くのモンスターへ後ろからとびかかる。

「フっ!!」

 短剣を縦に振り抜き、脳天から裂く。

 死にかける度に戦闘能力を増していく。ハチマンマジサイヤ。

 事実、動きが鮮明に見える。体が軽い。

 モンスターの体が灰になるより前に蹴り、木の枝の上へ。

「――。」

 ヒットアンドアウェイで次々に倒していく。

 震えるぞハート、燃え尽きるほどニート!

「はぁぁッ!!」

 とどめを刺す。

「...」

 狭い範囲の雑魚モンスターを一掃した。

「...ハチマン様、本当にいったい何をなさっていたんですか?」

「フッ、男には語れぬ事情ってのが――...話してる場合じゃねぇな。」

 揺れが起こる――だけではない。木々が折れて、こちらに何かが飛んでくる。

「リリルカっ!」

 手を引いて、ソレをかわす。

「――、ベル様ッ!?」

「何ッ!?」

 今、飛んで行ったのはベル、なのか?

 確認はできなかった、だが、ベルだというなら。

「...あの、怪物がやったのか。」

 ベルが吹き飛ばされたことによりできた道の先、巨人がいた。

「......」

 アレが、階層主か。

「ベル様ッ!」

「...っ、ベル...」

 ベルだけではなく、助けに来ていた男もいた。

「ベル様っ、ベル様ッ!」

「桜花ッ!!」

「...」

 魔法は使えない。...

「ハチマン君!」

「! ヘスティアさん...」

「時間を、稼いでくれ! ベル君は必ず立ち上がる!」

「...分かりました。」

 あの怪物は確かに、こちらを狙っている。 ...ベルが、よほど気に障ったようだ。

 

 歩いて向かう。時間を稼ぐなら、急ぐ必要はなさそうだ。

 前方で、様々な攻撃を受けて、動きが止まっている。

「火月ィィィィィィィッッ!!!」

 ヴェルフの声が。それと同時に灼熱が怪物を襲う。

「――、ハァァァッ!!」

 落ちていた剣を投擲する。

『オオオオオオオオッッ!!』

「こっちを見ろ、化け物。」

『オオ...ッ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!』

 咆哮がこちらへ放たれる。

 回避、回避、回避回避回避回避回避。

「ッ、ッ!?」

 巨腕の叩きつけを紙一重で回避し、その腕を切りつける。

『オオオッ!!』

 そこへ咆哮が。これも再び紙一重で回避する。

「...っ、ハッ! どうした、一発もあてっられないのかよ、ウスノロ!!」

 言葉が通じるとは思わないが――

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!』

 撤回、案外伝わるのかもしれない。

 挑発にかかった巨人が、今までにないほどの咆哮を放とうと、反る。

 ふと気づくと、大鐘楼の音が。

「――。」

 大きく、いや、近づいてくる。

「――――行け...ベル・クラネル!!」

「はぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!』

 極光が、その場を支配した。

 

「......消し、飛ばした...ってのか?」

 そこには、上半身を失った巨人がたたずんでいた。

「おい、ベル!」

 倒れる前に支える。

「......」

 気絶している。それも当然か。

 歓声が湧き上がってきた。

 異常事態を、切り抜けた。

 

 



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帰路

 1、2話を多少書き直しました。


 

「...ようやく時間が...」

 拘束時間が長すぎる......

 ようやく服装もまともなものを入手した。

 街は騒々しいので、ドロップアイテム等を回収されつくした、階層主との戦場へ来ていた。

「安全な場所に行きたいが、騒々しい場所にもいたくない。優先するなら後者が上。ぼっちの習性...」

 抜き身であった短剣も、簡易的にだが鞘に収めることができた。今ももちろん携帯している。

 迷宮に、こんな場所があったとは。 ...今更ながら、驚きだ。

「......ロキ・ファミリアも地上へ引き返したし、帰りは俺等だけ、か。」

 戻れるかどうか......まぁ、明日になるんだ。保険もできる。十分可能だろう。というか、ここまでこれたんだから、帰れる。

 おそらくLv.2より上が二人はいると見た。

「...で、なんすか?」

「いやぁ、君とは是非話してみたいと思ってさ。」

「俺なんかと話してもつまらないですよ。」

「まぁまぁ、俺もあそこにいづらかったんだ、ご一緒させてくれよ。」

「......」

 ここを譲る...というのもできないだろう。

「分かりました。」

 ...そうだな。

「君は、まだ許せないかい?」

「許せないなんて言ってたこと、忘れましたね。どうでもよくなりましたよ、そんなこと。」

 ベルを守ったあいつを見て...

「.........まぁ、相容れることはないでしょうがね。」

「フム...そうかい。」

 俺のような人間とは相いれない存在、そう思うね。

「よし...聞きたいことも聞けたし戻るかな。そっちから聞きたいことはないかい?」

「......じゃあ。 ......ベルに、何を求めてるんですか?」

「...英雄、かな?」

「......そうすか。」

 英雄ねぇ...

「あぁ、そういえば。 俺の名はヘルメス。誓約に関しては、俺の領分でね。」

「貸し借りもそのうちに入る、って感じですか。」

「そうだね。じゃあ。」

 ヘルメス...聞いたことはあるが、なるほど。

 そうしてしばらく...

「ハチマン様。街へ戻られてはどうですか? 多少は落ち着きましたよ。」

「そうか。んじゃ......おい、お前ひとりでここへ?」

「まさか。ハチマン様のために私がそんな危険を冒すとお思いですか?」

「...お前か。」

「あぁ。」

 ヴェルフを護衛として連れてきていたようだ。ま、そりゃそうだよな...

「ここで何してたんだ。」

「何、いろいろ考え事をしてただけだ。」

 立ち上がる。

「ところで、その武器はどうしたんだ?」

「報酬ってとこだな。」

 あの怪物のから開放した報酬? ...ま、こういっておけばいいよな。

「いろいろあったんだよ。」

 

 

 翌日。

「それじゃ、コレから地上へ向かうけど、ベル君、桜花君。体は大丈夫だね?」

「「はい!」」

 ベルが大丈夫そうなら、何も言うまい。まぁ、俺は特に何もしてないしな。

「...」

 それはそれとして。先ほどから視線がいたい。何? 俺のこと好きなの? まぁそれはないとして...マジ気になる。

 しかしまぁ、スルースキルもこの際身につけよう。それがいい。

 迷宮へ進んでいく。

 

 

「...」

 今日に限らず思うことだが、遠距離への攻撃ができると便利だな。そういった魔法が発現すればいいんだが...

 ...まぁ、言ってても仕方がない。

 中衛を務めているが、全くと言っていいほど出番はない。

「ハチマン様!」

「へいへい。」

 時折上などから出てきたモンスターや、倒し洩らしのとどめを刺す程度だ。武器の性能に助けられている。

 中層のモンスターとはいえ、冷静に対処すれば、一体一体は大した敵じゃない。俺にも対処可能だ。

「...」

 常に周りを警戒しつつ、ついていっている。

「...あ?」

 前方で何かあったようだ。

 

 

「......温泉じゃねぇか。」

 そういやそんなところ、もうずっと行っていない。家族旅行ぐらいでしか行かない。...それも最後に行ったのはいつだったか...

「おお、スゲェもんだな...少し行ってみようぜ、ハチマン。」

 こういう洞窟温泉ってのは、まぁ、すごいいいと思いますね。ロマンがあるというか、ね?

「おおっと、それなら――、みんなの分の、水着があるぜ!」

 ...このヘルメスという神は、未来予知でもできるんだろうか。

 

 

「あー...」

 端っこのほうでくつろぐ。ぼっちにはここらがお似合いだ。

 あいつらにもここなら見つからないだろう。それで探される羽目になったらもはやお笑いだな。そういえばかくれんぼってさ、見つかってないのにいつのまにか終わってたこと、あるよね。僕は一回だけありました。その後は誘ってすらもらえなかったです。

 ...風呂好きがいたようだし、10分程度はここに居られる。そう考えると疲れを取るには十分だ。

「...」

 

「か、神様ー!?」

 聞こえてきた声に、温泉から出る。

「ヘスティアさんっ!? ......っ!」

 お湯が、変色していった。

「......罠?」

 いや、冷静に考えればそうだ。冒険者だけに得な場所などありえず、こんな場所が、見つかってないわけがなかった。

 先ほどの声がどこから聞こえたのか、反響でわかりづらい。

「...」

 しかし、ひとついえることは...あいつは、問題の中心によく居る。だから、この変色が始まってきたほうに居るはずだ。

 変色した湯に入る――が、特に異常はない。それならば問題ない。

 足首までしかつからないので、気にすることもないだろう。毒ならばわかりやすく効き目があるはずだ。色で現れるならそのはずだ。多分そう。部分的にそう。

「うおっ...? おいベル、退け!」

「ハチマンっ!?」

「らぁッ!!」

 奥にいた巨大なアンコウのような敵の脳天に、短剣を突き刺す。

「......チッ。」

 倒せてない。

 引き抜き、ベルの隣へ。

「...おい、ベ――」

 ベルのとなりに、ほぼ裸の――

「何も見てません、おいベルチャージしろ。」

『グガァァアアアアアアアアアアアアッ!!』

 俺の魔法ではなく、ベルの魔法でとどめを刺したほうがいい。俺の魔法を使ってしまうのは、危険だ。

「ヘスティアさんを連れて後ろへ引け! 時間を――、がぁっ!?」

 触手に足を取られた。

「ハチマンっ!」

 引き寄せられ、口の中へ。

「...っ、溜めてろ!」

 口が閉じられ、暗闇に。

「...っ、はぁッ!!」

 喉の奥から伸びてくる触手を切りつけ、そのまま口内にナイフを突き刺す。体に触手がまとわりついてくる。

「......ッ...!」

 無視して、口を上下に押し広げていく。

「.........ッ、ベル―ッ!!」

 名前を呼ぶと同時に口を開けさせる。

「――【ファイアボルト】!!」

 炎雷が、すぐ横をかすめて口の中へ。

 背後からの爆発で、外へ。

「がぁッ! ...っ。」

 酸の中へ飛ばされたが、すぐさま体勢を立て直す。

「やったか!?」

 ...あ、それ言ったらダメな奴だろヘスティアさん。

 モンスターは...生きていた。

「ベルッ、ハチマン!」

「! ヴェルフ!」

「これを使えッ!」

 そういって飛んできたのは大剣だ。すぐ隣に突き刺さる。こっわ。

「俺に、かよッ!!」

 短剣を鞘にしまい、大剣の柄を取る。

 モンスターが、口を広げてこちらへ突進してきた。

「......っ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」

 あと数Mというところで、踏み込み、飛びあがった。

「っしゃあああッ!!」

 真上から、脳天の傷に大剣を差し込む。

『――――。』

 弾けるように、塵になった。

「ッ、とうぉッ!?」

 突き刺した大剣と共に落下し、水しぶきを上げ水の中へ。

「大丈夫か、お前ら!」

「...はぁ、何とか...な。」

「おいハチマン、早くこれ着ろ、あいつらが来ちまう...ッて、ヘスティア様!?」

「ベル、これをヘスティアさんに。」

 着換えを受け取って、俺は奥へ。

 

「......ハァ、お前が気づいててくれて、助かった。」

「まぁ、ホントはベルにお前のを渡そうと思ってたんだがな。お前はここにいねぇと思ったから。」

「...ひでぇなおい。」

「仕方ねぇだろ、お前のやつがつかみやすい場所にあったんだ。」

「...まぁ、結果としちゃ正解だ。とっととこの場所から離れるぞ。」

 

 

「申し訳ございませんッ、私が言い出したせいで...っ!」

「別に損だけじゃなかった。なぁ? ハチマン?」

「...まぁな。」

 べ、別に裸見れちゃったとかそういう得じゃなくてね? うん。ハチマン幼女趣味ナイ。

「まぁ、みんなこう言ってることだしさ。この後の帰路で頑張ってくれれば皆それで十分だろう。」

「あぁ、気に病むことはないよ、命君。」

「ハイッ、奮闘したいと思います!」

 



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帰還とその後

 

「...」

 体の疲労が取れた気がする。案外効果はあった...ってことだな。温泉ってスゲー。

 本来ならこんな早く効果は出ないんだろうが、ここは迷宮。何があってもおかしくない。...おかしくないのは困るわー。

 中層ももうすぐ終わる。

「18階層......そんな深くまで行ってたんだな。」

 ヴェルフが話しかけてきた。

「なんだ藪から棒に。」

「ヤブカラボウニ? なんだそれ。」

「あー...極東のことわざだ。いきなりって意味だな。 で、何だよ。」

「いや、ただ単に、次の目標ができたなって話だ。」

「......まさか。」

「あぁ。次は...18階層まで、俺等の力だけでたどり着いて帰ってくるってことだ。」

「...ハぁ、馬鹿も休み休み言え。普通にあの階層へなんていく訳ねぇだろ。メンドクセェ。」

 十分な金さえ稼げればいいんだ。なら、中層程度で十分稼げる。

「おいおいそういうなよ。」

「行く必要がない。」

 自分から進んでいくとか、マジありえないから。

「ゆっくりステイタスを上げて、暇な時間を作ってな。」

「...夢がねぇな、お前。」

「あるだろ、ニートという夢が。」

「ニート? あぁ、仕事もせず努力もせず...お前、屑かよ。」

「ああそうだ。」

 この世界に来て、人付き合い無しで稼げるものができた。だから自分で稼ぐが...

「ん? ...ならいいのか。」

 人付き合いがないなら、いいかもしれん。

「でかいファミリアになるのは願い下げだな...」

 

 

「ついたぞハチマン君!」

「はぁ、そっすね。」

「もっとテンション上げようぜ!?」

「いやっすよ、ヘスティアさんも無理しなくていいんで。」

「...ハチマン殿。」

「...なんだ。」

 タケミカヅチ・ファミリアの面々がやってきて、頭を下げてきた。

「申し訳ありませんでした。...怪物贈呈も、ここまで、謝罪できなかったことも。」

「...」

 謝罪、ね。いい思い出がないが...

「これからはやめてくれ、そんだけだ。」

 昔からある答え、これからはやめてね、を使えばいいんじゃないのか、いつも通りだ。

 二度目はないということだ、うん。そういうのってあるんだよなぁ、二度目。

 ベル達が許したならもういい、そういうことにしよう。

 俺の意見は、ここじゃどうでもいい。

 

 

「.........なんすか。」

「なんすか、じゃないよね。」

「...昨日ベルが、来たはずですけど。」

「うん、確かに来たよ。それで? 18階層へ?」

「...はい。」

「な~にやってるのかな君達は~~~~ッ!?」

 

 

「...ハァ。」

「やっぱり、怒られちゃった?」

「あぁ。お前の言ってた通りだった。 ......」

 冒険者は、次々下を目指していくものらしい。あのひとには、さらに下について教えると言われた。

「...目標、か。」

 話の中にあったのはそれだ。目標がなければ無理をする必要はない、と。...そのとおりだ。俺には、目標がない。

 ...ともかく迷宮に行くにしても、療養が先だ。体にできた傷などは魔法で完全に治っているが、精神的疲労は癒えない。

 本を積む。この世界にはアニメはないのでこういう本を暇つぶしがてら読むのだ。文字も次第に分かってきた。

 

 

「...んが?」

 目を覚ましたのは深夜。都合上部屋の隅、布団で寝ており、一切邪魔にはならない。

 起こされなかったか。 まぁ、起こされても困るんだが。

「...」

 二度寝するか。

 本を退け、目を閉じる。

 明日はいいことあるといいね、ハチ太郎。 ...へけ!

「ハチマン君、起きてるのかい?」

「...」

 面倒だな、寝てることにしよう。うん。

「起きてるだろ。」

「...っす。」

「ちょっと付き合ってくれ。」

 

 

「...なんすか。」

 上の廃教会に連れてこられた。

「ステイタスの更新をしてあげよう。」

 ...まぁ、ベルを起こすのは忍びないしな。

「でもなんでいきなり。」

「いやぁ、目がさえちゃっててね。そんなところでキミが起きたってわけさ。」

「...ハァ。」

「日中はできなさそうだしね。ほら、背中を出しな。」

 背をむけて座る。

 そういえば、最後は...18階層へ行く前だったな。

 

 

Lv:2

 

 

力  I 0→E 401

耐久 I 0→F 387

器用 I 0→G 202

俊敏 I 0→H 165

魔力 I 0→H 111

耐異常 I

 

MAGIC:

[インガーンノ]

・速攻魔法

・一日一度使用可能

・30秒間、自身の能力を大幅に上昇

 

SKILL:

 

 

 

[瀕死経験]

・瀕死になるごとに能力が飛躍的に上昇する

・瀕死時、全能力に超補正

 

 

「...さて、と。 ......まぁ夜も遅いし? 大声を出したりはしないさ。」

「あー...いや、このスキルは多分、二度ほど死にかけたんで...」

「...瀕死経験。 つまりはそういう窮地に陥ったってことだ。それも、一度ならず二度までも。...いや、それ以上か?」

「...どうでしょう。」

「ハァ。 ま、いいか。君といいベル君といい......」

「死にかけただけはあるんじゃないすか?」

 と、いうか...フリーザ編のベジータみたいに自分で傷ついて、回復してってできるんじゃね?

「また何か変なこと考えてるなぁ?」

「えっ、いやそんなことないっすよ。」

 今のは、変じゃない。当然だ。

「...そうかい。 うん、ついでだ。ちょっと外に行ってみないかい?」

「...」

 いやだなぁ。

「そんな嫌そうな顔しなくてもいいだろ。ボクのこと嫌いなのかい?」

「いや、ンなことないっすけど...」

 そんなこといわないでもらえますかねぇ!? キュンときちゃいそうじゃん! ...いや、ロリに興味はないですよ、ロリコンじゃないです。

 

「...ふぅ、良い眺めだろう?」

 そこからは、数多の明かりに照らされる大通りが見えた。

「...まぁ。」

「んー...ベル君は喜んでくれたんだが。」

「うわー、すごいデスね、神様! ...ってなもんですかね。」

「ですをカタカナにしないでくれ、何か不愉快だ...」

「?」

「あぁ、分からないだろうとも、ボクもわからない...っと、そうじゃなくて...キミをここまで連れてきたのには理由がある。」

「まぁ、そうでしょうね。理由もなしにこんなとこまで連れ出されてたらキレてましたよ。」

 いや多分キレないけど。これでキレられてたらこんな性格してねぇし。

「できないことをあまり言うもんじゃないよ。」

「...うス。」

「で、理由だ。 ......キミの世界との扉が、迷宮内のどこかにある。」

「...向こうとの...ですか...?」

「あぁ。どうやら、この世界に数人ほどいたみたいでね。それどれもが迷宮からだという。」

「...迷宮...」

「実際にはもっと多くの人が来ていたんだろうけど...おそらく...」

「......なるほど。」

 そのうち調べてみようと思ってたが...居たのか。

「ヒューマンだけじゃなかったみたいだけどね。」

「...」

 別の世界からも来る...そりゃそうか...異世界転生が一つの世界からなんて法則はない...だろうしね。

「...さて、これで、目標は見つかったかい?」

「...知ってたんすか?」

「まぁ、寝ちゃうほどには気にしてなかったみたいだけど。」

 ...説教っていまいち心に響かないよねぇ...しばらくは悩むんだけど。

「元の世界に戻る...これが、目標だと...」

「あぁ。うってつけじゃないかい?」

「............確かに。」

 戻れるのなら...

「ボクはキミが戻れるよう全力でサポートしよう。」

 ......しかし、俺は一度...向こうよりもこちらを選んだ。

「...何、君が納得してからでいいさ。いや......見つけた時に決めてもいい。 そのときにこそ、答えを決めれるだろう。」

「...」

「さぁ、戻ろうかっ。」

 

 




 第5巻、アニメ一期終了。


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『やさしさ』と『自己愛』

「...」

 迷宮のどこにあるかは知らないが...確か、このあたりだったはずだ。

「...信じていいんだろうな...」

 リリルカから預かった地図には、ルートが書かれている。そしてベルからも。

「...さて、と。」

 確かにここは、見覚えがない気もしないでもないというかなんというか

「...いや、わかんねぇな...」

 異世界転生だとかなんだかんだ...神田ぁ! ...と、まぁご機嫌な蝶になるのはさておき。調べるとしよう。

 

 

「神様、そろそろ夕食の準備をしようと思うんですけど、八幡を知りませんか?」

「あー、多分今日は遅くなるんじゃないかな。」

「そうですか。どこに行って――...まさか、ダンジョンですか?」

「ん、あぁ。まぁ、上層だっていうし、戦闘はしないって約束したからね。行くのはやめた方がいいんじゃないかな。すれちがいになるよ。」

「...そうですか。」

「あぁ。帰ってきたら話を聞けばいいじゃないか。」

「......はい。 そうですね!」

 

 

 ここまで働くとかないわー、マジないわー...などと愚痴を言いながら帰路へ。

 簡単に言ってしまえば何も成果を残せなかった。ただいたずらに疲労するのみだ。

「...ハァ。」

 異世界で、チートをもらって...無双かぁ...三国志張りに無双したい。レベルを無視して戦うとかそういう、ないですかね。いやあっても困るんだが。

 ...そんなことを思う理由は一つ。このオラリオでは立場が上がる...上級の冒険者になるほど、そういった秘匿された情報も得れる...だろうと、聞いたからだ。少なくとも深層などについてはある程度の力が必須である。それこそ、ベルのあこがれる『剣姫』ヴァレンシュタインのような。

 そう考えると一番の近道は冒険者として格を上げること...だが。一番面倒なものでもあるだろう。

 ...仕事、と言って差し支えない冒険者業。誰かに養ってもらいたいというのは今でも変わらないが、それはもはや...いや、わかりきっていたことだが、不可能だ。

 ――さて、すべきことは分かったのだ。原作最終巻がでたし、今の俺も逃げられない状態だ。 ――いや。

 逃げようと思えば、どこへなりと逃げられるだろう。今の俺は普通の人間より強い力そしてスタミナがある。問題はコミュニケーションだが...必要最低限あれば、この世界ならば、どうにかなるだろう。

 ある程度の金さえあれば、現在のアビリティを活用して何でもできる。外に存在するモンスターの駆除だとか、まぁ...なんだとしても。そういうことをすれば、生きていけるはずだ。

 それは逃亡だ。現在、俺を取り巻くすべてからの。

 それは裏切だ。現在、俺を取り巻くすべてへの。

 その選択をした場合、生きる限り、その逃亡と裏切の証拠は俺の背から離れることはないだろう。

「悩み事かい。」

「...なんでここに。」

「いやぁ、なんとなくね。」

 考えながら俺が向かった先には、女神がいた。...先日にも話をした場所だ。

「ベルが心配しますよ。」

「それについては、君はボクに強く出れないはずだけど?」

「......あぁ、そうっすね。」

「君なりのやさしさは、『秘密』か。」

「...そんな。 やさしさなんてもんじゃ。」

「いいや。やさしさだよ。それは。」

「...神には、嘘がわかる。 それなら、その答えはおかしいでしょう。」

「ああ、おかしいんだろうね。キミがそれをやさしさだと思わないことぐらい、ボクだって知ってる。」

「なら。」

「だからこそ、それはやさしさなんだよ。」

 だからこそ。...いいや違う。あれは本当に、やさしさなんかではない。

「ただの自己愛ですよ。ほら、俺は顔だけ見ればイケメンですから。」

 俺のことは、俺が一番わかってる。これは、そう。ベルに最後まで協力してもらうための、俺のための行動なのだ。

「あはは、ひねくれてるなぁ。ま、でも...それがキミらしい。...だけど、ね。 言葉にしてようやく、君のその『自己愛(やさしさ)』ってやつは届くんだぜ?」

 ...言葉にして、初めて。そんなことは当然だ、空気を読んだり、言ってないことを察したり。そんなものは無駄でしかない。

「それともなんだ。キミは、ベル君が君の『やさしさ(自己愛)』を、理解できないように映るのかい?」

「......それは、なんともまぁ...」

 

 

 ――卑怯な女神(ひと)だ。

 

 

 

 

 

 

 




 俺ガイルも、最終巻...とはいえ、後日談とかいろいろ出すみたいですけどね。
 私も楽しみに待つ一人なのですが、そうですね...ほんと、ありがとうしか言う言葉が見つかりませんでした。9年間。 ...私の人生を大きく変えてくれた作品です。
 この場で言うのも何なので、本人に伝えるとします。
 ではまた次回、お楽しみに!


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焔蜂亭

「...」

 言うか。言うしかない。今夜だな。全員が集まるタイミングはその時しかない。......そして、言うために...逃げ道は、つぶしておこう。

「ベル。」

「んっ、あ、ど、どうしたの八幡?」

「お前らに話すことがある、今日のアイツの祝いで話すから、覚えといてくれ。」

 ...覚悟を決めろ、比企谷八幡。

「...ま、そんな重く考えんな。 んじゃ、ちょっと行ってくる。」

 それ以上その場にいたくなくて、その場を離れた。

 

 

「...ハァ。 ...よし。」

 その店に入る。

「いらっしゃいませ、お一人様でしょうか。」

「ぁ、あ、いや...」

「お、八幡! こっちだ!」

 そうヴェルフがこちらに声をかけた。ナイスだ。

 店員が納得したように下がったので、そちらのテーブルへ。

「おまたせ、待っ...てないな。」

「乾杯はまだですから。...にしても、何をしているのですか?」

「...あー、そうだな。」

 ...ここで、言わなければ。

「...異世界ってモンを、信じるか?」

「異世界、ですか?」

「あぁ。」

「異世界...まぁ、わかるにはわかるな。」

「......俺が、その異世界人だっていえば...どう思う。」

「「......は?」」

 ベルは、知っていたことだ。

「証拠は、今までの俺の態度で十分じゃねぇか?」

 言ってて悲しくなる...常識知らずってことだしな。

「...まぁ、確かにおかしいところもありましたし...ですが、本当ですか?」

「信じられないだろうが、いったん飲み込んで聞いてほしい。」

「俺は、信じるぜ。 このことについてお前が俺たちをだます理由がない。」

「...そうか、で、お前は。」

「......まぁ、いったんは。」

「助かる。 ......それで、だ。 ......俺は、向こうの世界へ帰る方法を探している。」

「「「――。」」」

「......お前ら二人は、知ってるだろ。俺が最初、どこにいたか。」

「迷宮の、中...」

「...なるほど、それについての調査をしていた、ということですか。」

「あぁ。」

「その顔からするに、大した成果はなかったようですけど。 ......まぁ、とにかくわかりました。それで、どうしてほしいんですか。」

 聞いてきた、よし、言いだしやすい空気を作ってくれたことには感謝しよう。

「俺の、向こうへ帰る方法の探索には...力が必要だ。もっと多くの情報を集める必要もある。.........俺に、協力してくれ。」

「...強くなって、情報を集める。そういうわけですね。なるほど、確かに、等級が低いところに回ってくる情報は、多くはありませんから。」

「......力を、これからも貸してほしい。もちろんただでとは言わん。だが――」

「なぁ、八幡。」

「......なん、だよ。」

「なんで、向こうに戻る方法を探すんだ。それだけ教えてくれ。」

「......うん、僕も、聞きたい。」

「確かに。理由もなしに手伝うわけにもいきませんしね。」

「.........最悪な終わりだった。忘れることもできねぇぐらい、最悪な。そして、それは俺が引き起こしたことだ。 ...戻って、けりをつける。」

「......そう、か。 ...わかった! じゃあ俺は協力するぜ、八幡!」

「うん、僕も、できることなら。」

「仕方ありませんね、どうせ、リリ達以外に頼る宛もないんでしょう?」

「......あぁ、......助かる。  あ、あと最愛の妹が悲しんでるだろうからな。戸塚にも会いたい。あ、戸塚っていうのはだな――」

 正面切って感謝するのは慣れない、だからすぐ話題を切り替える。

「ハァ、あ、そういえば...八幡、お前に頼まれてたやつだが、できたぞ。」

「あ、お、おう。」

 たしか...槍だ。この間手に入れた短剣とはまた別で、メインウェポンとなる。

 気恥ずかしさを忘れるためにも手元の酒をあおる。

「それじゃ、これからもよろしく、八幡!」

「あぁ。 ......まぁ、煩わしかったら――」「なんだなんだァ? こんなところで集まって飲んで、立派に冒険者気取りかよ、嘘とインチキ、期待の新人様はよぉ!」

 そんな声が響いた。魔法を発動し、近くにあった豆をはじく。――そしてそれは、誰の目にも映ることなく、その男の額へ。そして男は倒れた。

「...おーおー、酒に飲まれるのはこえぇな。いきなり大声出したかと思えば、卒倒なんて。」

「――、――貴様、何をしたッ!!」

 突如、同じくその場で飲んでいたのであろう冒険者が声を荒げた。

「いやいや、そちらのその人は酔いつぶれたんでしょう? 冒険者が、酒場で。よくある話じゃありませんか?」

 黒歴史を作ればいい、だから、矢面に立つ。

「...っ、だが、あんな勢いで倒れるのはおかしいだろう! 何をした!」

「言いがかりはやめてほしいものですね。我々は何もしていませんよ。」

 後ろからリリルカの援護が入る。

「うぐ...っ。」

「...で、どうする。」

 狼のような鋭い視線が、俺に刺さる。......あぁ、いやなんだがなぁ、ホントは。

 と、すぐそばの席から、お仲間と思われる一人の男が立ち上がった。

「ッ、ヒュアキントス様!」

「確か、比企谷八幡だったな。 こちらの団員が迷惑をかけた。 この件は、そうだな...私がそちらの代金を払うことでチャラにはできないか。」

 ...謝罪の意なんて一切こもっていない謝罪だ。...思惑が外れたような。

「......あぁ、じゃあそれで手を打とう。」

 見返りをもらわないのは、可笑しいだろうな。罵倒されて難癖付けられて...

「...では、別の場所で飲みなおしましょうか。」

「あぁ、そうだな。ほれ行くぞ、ベル。」

「あ、う、うん。」

「...んじゃ。」

 その店を出て、歩いていく。

 



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酔いと神の宴

 

「へぇ、そんなことが...主神はともかく子供はまともみたいだね、アポロンのところは。」

 ベルと帰り際にギルドへ寄って、ヒュアキントスという名を調べてもらった。アポロンファミリア団長、Lv.3の第二級冒険者。

「知ってるん...あぁ。」

 確かオリュンポス12神とかいったか、それに入っていたはずだ。さすがにそれ以上は知らないが。

「...なんかあったんすか。」

「あぁいや、実は昔求婚されたりして...もちろん断ってやったけどね!」

「...ほー...」

 向こうとこちらの神話は共通している。例えば美の女神がイシュタルだったり。となると向こうでもそうなのだろう...と考えるとすげぇなこの人...

「...な、なんだい?」

 じろじろ見てると引かれた。いやん、八幡傷つくわぁ...。 まぁ、たいてい女子のほうが傷ついてて俺のほうが悪いまである。俺が気になってたのは紐のことで、べ、別に胸に目なんていってないんだからね!

「...いや、別に。なんもないっすけど。」

 甘ったるいコーヒーをすする。

「そうだ、明日も調査へ行くんだろう?」

「あ、じゃあ僕も行くよ、八幡。」

「...んー、いや、あんなこと言ったばっかなんだが......しばらく、一人でできるとこまではやりきる。とりあえず明日はいいわ。」

「...わかった、じゃあ、必要なら。」

「あぁ、声は、かける。」

 ......さて、寝るか。

 

 

 

「...。...?」

 足音が、まっすぐこちらへ向かってくる。

「...」

 息をひそめ、角へ。

「このあたりにいるって話だけど。いねぇ...」

「...大方、誤情報をつかまされたか。」

 ...ヒュアキントス? ...第二級が、なぜ...

「あの腐れ目玉どこにいやがる...っ!」

 ...俺か。...何故探す?

 ここにいるという情報自体は下級冒険者なら知っていることである。だから...確実に、探してきた。

「...」

 自分を探す2人にすべての集中を向ける。それがまずかった。

「――っ。」

 背後から迫るその一撃によって、俺の意識は闇の中へ落ちた。

 

 

 目を覚ますと、どこかの牢獄だった。

「...目が覚めたか。」

「......誰だ。」

 アポロンファミリア...では、なさそうだ。盃...?

「...口の利き方に気をつけろよ、ガキ。」

「――っ、ガッ...は...!」

「さぁ、飲め。」

「――。」

 口を開けさせられ、中に何か。

「...ッ! ――――――――。」

 意識が、はじけた。

「...ぁ......」

 どういうことか、わからない。何を何がいかにどうしてなにゆえに――、何が、わからない。

「............」

「これが、神の酒だ。」

「......」

「いいか、お前は――。」

 

 

 

「...ッ、俺は、何、を――。」

 そこには、ボコボコになった...小人族の男が。

「...貴様、よくも...ッ!」

 ヒュアキントスが、鬼のような形相で剣をこちらに向けた。

「――、ち、ちがうッ...!」

「よくもそれが言えたものだなッ!」

 やってない、やってない、ハズだ! だから、手に何かを殴ったときの痛みや、血がついていたりなんてするはずがない。

 逃げた。逃げた、逃げた。――その先は、ホームではない、でもなぜか、そこへ行かなければいけないのだ。

「ちがう、違う、違う!」

 あぁ、ありえない! それをする必要がない!

 その思考こそが間違いだと気づけずに、俺は――。

 

 

 

「...確かに、八幡君の字だけど。」

「...神の宴、ですか。」

 招待状が、ギルドに向かった僕らのもとに差し出された。

 そこには、八幡の書いた字でアポロンファミリアにいるという旨の手紙と明日の夜開かれるという神の宴への招待状がついていた。

「...行かない訳には、行かないな。 ま、八幡君がこう書くなら大丈夫だろう。 ...皆で行こうか!」

 

 

 

「...」

 なぜ、ここにいたのか...思い出せない。

「...」

 コイツから、逃げていたはずだ。だというのに、なぜ今は、何もしない。

 夢の中にいるような感覚だ。おかしいことには気づいているのに...それを、突き通す。

「...」

 気づけ、気づけ、気づけ。狂うな。

 

 

「うわぁ...!」

「よう、来たか。」

「! 八幡!」

「おう。 ...まず、謝っておく必要があります、ヘスティアさん。」

「――。なんだい。」

「...俺のせいで、まずいことになりました。」

「まずい...?」

「来たかヘスティア! 早く! 大変なことになってる!」

「っ、ヘルメス!?」

「事情は入ればわかる! ベル君、八幡君も」

「ッ、はい!」

「...」

 まずいこと? 何が、起こって――

 扉を開けた先には、神が。道を開けていた。

「来たかヘスティア! それじゃあ諸君! 事の成り行きを説明しよう!」

 すでに、沸き立っていたはずの会場に、静けさが広まる。

「ヘスティアの眷属、比企谷八幡が俺のかわいい子供たちを傷つけた! ...証人は。ほかでもない――その容疑者だ!」

「......はち、まん...?」

 会場にできた空間の中へ、彼が。

「......すみません。」

 そう、ぽつりと言った一言は、どこか、空虚で。

「神よ! 確かに俺は――、アポロンファミリアの団員を個人的な感情から、叩きのめした!」

 彼に、そんな大きな声で話せたのかという驚きと、その、言った言葉への困惑の波が襲い掛かってきた。

「......八幡、君...」

 神様が、悔しそうに目を伏せる。

「俺個人にいくら罰を与えてもかまわない! だから、二人には!」

「――、そういうわけには、いかないな。 ...ヘスティア、戦争遊戯だ。賭けるのは――。 そうだな。 こちらが勝ったなら、ベル・クラネルを我がファミリアへ改宗させろ。」

「――、なん...だって...!?」

「...なんだその目は、ヘスティア。 まさか、自分の子に優劣をつける気か?」

「――ッ、そんなわけないッ! 八幡君がそんなことをするはずがないッ!」

「証拠は。」

「...ぐっ。」

「そもそも、本人が嘘をついてない時点で気づいてるんだろう、なら、飲み込むよりほかにないだろう。」

「.........神、様。」

「......ベル君。」

「...僕も、八幡はそんなことをするような人じゃないって、思います! ...証明、したいです!」

「よし、じゃあ決まりだな。 ――じゃあ、俺からは。 ...もしヘスティア、君が勝ったら君のすべての望みを受け入れよう!」

 二つの視線が、交差した。

「「戦争遊戯だ。」」

 

 

 




 次回は明日、19:00。
   『準備期間①』













 ...感想とかくれると嬉しいゾ☆


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準備期間①

「「戦争遊戯だ。」」

 

 その声と同時に、会場が沸き上がった。

「...」

 絶望に目の色を変える八幡が、そこで立ち尽くしている。

「八幡。」

「......ベル。」

「必ず、勝つ。」

「...ハ、ハハ。無理言うなよ、おい。 中堅と弱小だぞ! ファミリアで最強のお前がまず、あの男に及ばない! 俺を、犠牲に......して、くれれば............いや、そうだよな、お前らには、無理な話だ。」

 若干つかみかかりそうになったその手を落とし、崩れる。

「......いいのか、ベル。」

「あぁ。それに、僕の今後もかかってるし。」

「......そうか、それを言われたら...俺も、やるしかねぇ。 自分のやったことだ。」

「最後まで付き合うよ。」

「...おう。」

 ――と。体が、床に。

「......八幡?」

 八幡が、倒れた。

「...ッ、八幡ッ!!」

「ベル君!こっちだ!」

「! はいッ!」

 その力の抜けた体を背負って、ヘルメス様のほうへついていく。

「はぁっ、はぁっ...! ...いやー、大変なことになったもんだ。」

「...はい。」

「ベル君、少なくとも僕にもわかる。八幡君は、いつもと――」

「はい、違います。」

 様子が明らかにおかしかった、と、いうことは...

「多分、操られてる。 そういう魔法は...ないことにもないだろうけど...これは多分...酔わされている。」

「...お酒、ですか?」

「俺はその酒を探る。アスフィ。」

「はい。」

 と、アスフィさんが神様を会場から連れ出してきていた。

「っ、八幡君は!?」

「操られてたんだろう。八幡君本人が、事件を起こしたと思い込まされている。」

「...やっぱりそうか、ありえないと思ったんだ。 ...だけど、もう決まった。」

「あぁ。もう変えようはない。」

「覚悟は、決めた。ベル君。」

「...はい。僕もです。」

 

 

 

「二人とも。」

「...あぁ。俺もヘルメス様からアイツの状況は聞いた。今は?」

「まだ。」

「そうか。」

「......嵌められましたね。八幡様を狙ったのは...あの厄介さに気付いている証拠です。」

「...となると、限られてくるな。」

「えぇ。...少し場所を移して話しましょう。」

 

 

「......どう、なって......。 ...あ? なんでお前ら...」

「おい、何があったか覚えてるか、特に昨日。」

「...昨日だ? ...確か......迷宮で......そうだ、ザニスとかいう男に...いや、それはもう少し――。」

「ここか? リリルカ・アーデ。」

「...ッ!!」

「来ると思ってたぞ。」

 その男は――、ザニス。あの、ファミリアの団長だ。

「ッ...ザニス...様...」

「おおっと、抵抗するな。 ...それはお門違いだろう? 大事な仲間だろう?」

「――ッ。」

「まぁ、その仲間がお前のことを教えてくれたんだがな。」

「...何の、つもりですか。」

「戻って来い、アーデ。そうすれば俺たちはこれ以上の関与はしない。」

 神ヘスティア、愛しの少年、鍛冶師。そして...後ろで、ザニスをにらむ、腐れ目の男を見て――。逆らうことは、できなかった。

「...わかりました。」

 この男のことだ、逆らえば、確実につぶしに来るだろう。

 一度、振り返る。...そこでは、腐れ目が、3人を手で制し、こちらを見据えていた。

「...」

「行くぞ。」

「...はい。」

 

 

「――八幡ッ!」

「...今のは、見逃すべきだった。」

「ッ、お前...!」

 胸ぐらを、つかまれる。

 意識がはっきりしてきて、何があったのかも思い出した。

「...戦争遊戯......だろ。...奴らのでっち上げに嵌められた。 ......おい、離せ。 話すのもだりぃ。」

「...お、おう。」

「...悪い。俺の不注意と不手際だ。付け入るスキを与えた。」

「そんな、八幡のせいじゃ――」

「...神酒を使われた。もともとこの件に、ソーマファミリアも絡んでた...と、見ていいはずだ。」

 酔わされていた、ということだろう。...今は、なんともないが...その酒を、目の当たりにしたときどうなるかはわからない。

「計画されてたことだ。おそらく最初はあの酒場で。失敗して、行方が分かりやすい俺を狙ったんだろう。」

 今回の条件の、ベルの改宗...これが一貫した目的だ。では、そうさせないためには...まぁ、勝てばいいわけだ。

「...ベル、ロキファミリアへ行け。これ以上言わなくても、わかるな? ...あぁ、あとそれと。そのナイフ、貸してくれ。」

「わかった。」

 ベルが、飛び出していった。これで...断られるようなら、また別の手を探すしかないが。

「...んで、お前は魔剣だ。」

 こちらの都合を押し付ける。この場にいる時点で、それを引き受けないのは...まず、ありえない。

「あぁ、だろうとは思ったが。」

「作れるだけ作ってくれ、リリルカの件は、俺と、ヘスティアさんで何とかする。」

「...あぁ、任せたからな? この魔剣代はツケにしといてやる。」

「はっはっは、...まけてくれ。」

 ヴェルフが出ていく。

「...ふぅ。」

 とっさに出たのはこの二つだ。あの二人の力を活用するならば、この二つが絶対に、役に立つ。

「ヘスティアさん、この状況で協力してくれそうなところに心当たりは。」

「タケのところにミアハ...ヘファイストスは...難しいか...」

「じゃあ、依頼をお願いします。目的は――」

 

 

「俺達の仲だろう、ヘスティア。」

「そのとおりだ。俺もできる限りの協力をしよう。それで...作戦は。」

 ミアハとタケに協力を頼んで、まず、第一段階は成功した。

「ありがとう! 戦力はできるだけ多い方がいい。作戦だけど、説明はウチでするよ。八幡君が練ってくれている。」

 

 

「作戦決行は明日、協力してもらってる身で悪いが、粉骨砕身手伝ってもらう。断ってもらって構わない。その分全体に仕事が増えるが。」

 無かった手札を無理やりとってきて増やし、使用する。

「場所は、ソーマファミリアの酒蔵だ。調べた結果、そこにアイツはいる。」

 アイツの力が必要だ。それがなければ、この戦争遊戯に勝利することはかなわない。

「お前らには正面から攻めてもらう。...アフターケア、その後のソーマファミリアとのわだかまりは完全に解消する。」

 主神は、男神ソーマ。...直接、交渉する。そのためにも俺は...勝たなければならない。 あの誘惑に。そして、アフターケアについては、必ず行うことになるだろう。

「...」

 そればっかりは、アドリブだが。

「...頼む。」

 土下座する。極東の奴らならば、このすさまじさがわかるだろう。俺の、この、ポーズの。

 ...ただのポーズだ。これで何か変わるなら、躊躇はいらない。

 ヘスティアファミリアの勝利、それが...俺の勝利だ。

「...わかった。だが比企谷。...戦争遊戯、勝率はあるんだろうな。」

「あぁ。それについては...まだ、やれることがある。」

 

【挿絵表示】

 

 




 次回、明日19:00
    『準備期間②』


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準備期間②

 

 

「...」

 作戦が始まった。

「......よし。」

 裏手から、ヘスティアさんを背負って侵入する。

「...」

 別に、やましいことなど考えてない。考えてない...考えない、よし。

 落ち着いて、目的の場所へ。

 格子がはめ込まれた穴を見つけた。

「んじゃ、頼みます。」

「あぁ。 ――サポーター君!」

「! ヘ、ヘスティア...様...?」

 ここで当たりだったようだ。

「僕らには、君が必要だ! だから!」

 その声に、誰かが駆けつけるより先に、地面を踏みぬいた。

「――、...?」

 落ちた先に、団員は...当たり前だが、そこにいた。

「...離れた隙に逃げられたみたいだな。」

「!」

 魔法の効果中にリリルカを回収し、ヘスティアさんの元へ戻り、小脇に抱える。

「――、ッ!」

 地面を蹴って、塔の窓へ。

「ッ、がぁ...っ!?」

 届かない、あと...数M...!

 とっさの判断で、二人を投げ込んだ。...後は信じるしかない。ザニスさえ抑えれば、問題ないだろう。

「―――――――――。」

 ...まぁ、そもそも、だ。神に手出しできる者はいない。なら、そちらは任せていい。 俺の直接交渉すら、必要なくなった。 あいつが、自力で行う。

 そう信じて、地面へ視線を向けた。

 

 

「...ッ!」

 女神とともに、階段を駆け上がる。

 必要だと、この神に言われた。そして――。

『裏切るなよ。』

 信頼、されたのだ。だからこそ、その言葉だ。裏切られてきた、裏切ってきた自分に、それは突き刺さる。突き刺してきた。

 背中を押すのに使う言葉がそれだとは、なんともまぁ、彼らしいじゃないか。あとで笑い飛ばしてやろう。自分のこれまでとともに。

 

 

「ッ、貴様...!」

「あきらめたとでも、思ったのかよ。」

 嫌われることに関しては誰よりも得意だという自信がある、だから、目いっぱい言葉を発する。

「酒の飲みすぎで頭も発行してんじゃねぇのか? あぁいや、聞いてもわからねぇよな。」

 剣を取り出し、襲い掛かってきた。

「ッ!」

 回避する。そして、その匂いが鼻孔に届いた。

「――ぁ、ぐ...っ!」

 距離をとる。

「クッ...ハッハッハハッハハハハハ!」

「はッ...はぁっ...!」

 一瞬、その匂いを嗅いだだけでもすさまじい効力だ。だが――。

「...ふぅ。」

 踏み込む。

「な――、馬鹿、なッ!?」

 神酒をちらつかせ、勝利を確信していたその男、ザニスに驚愕が走る。

 ――対策に、俺は...常に黒歴史を思い出している。嫌な思い出というものは忘れないもので、まぁ、これが聞いた。

 高揚感は無かった。それに気づいて、もう効かないと確信した。

 寸前にまで迫った敵の足を払う。 以前...人を相手にしたときは、この世界の生について、今いち理解ができてなかったが、今ならわかる。

 払って浮いた体を一振りで吹き飛ばす。

「......」

 終わった。 ...追いかけて、上に行くとしよう。

 

 

「...おお。」

 その状況と、外の喧騒が止んだのを聞いて、状況は大体理解した。

「八幡様。」

「...なんだよ。」

「カッコつけて言った言葉がアレとは...やっぱり、素直じゃありませんね! ええ! 絶対に! 裏切りませんよ!」

 飛び切りの笑顔で、俺にそう言った。――そして、しまった、と。

 急いでいると、そんなことを口走ってしまう......いや、マジやめて、ニマニマしないで!

「...お、おう...」

 達成感よりも、羞恥心が強くてたまらなかった。

 ...ミスった...

 




 次回、明日19:00
   『準備期間③』


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準備期間③

 

 

 

「それじゃ、行こうか。」

「...うす。」

 ルールを決めに行く。俺は、そこまでついていった後、使える人材を利用して、必要なものを買い集める。

 注目されないように、多くの店で、少しずつ。ちなみに自腹だ。

 

 指示を出せば俺の仕事は終わりだ。これ自身が行動するのはまずい。 とはいえ、何もしない訳ではない。

「はぁッ!!」

「...っ。」

 真正面からの戦闘で同じ程度の力量ならば、こちらに勝ち目はない。そうならないようにするのが常だが...

 相対するのはタケミカヅチファミリア団長、桜花。

「はっ...ふんッ!!」

 鋭い斬りかえしを柄ではじく。

 新しい装備の槍を使用した戦い方だ。なーに、容量は分かるとも。なぜなら男子は長い棒を振り回したりして妄想するのが好きだからね!

 そういった武器の戦い方調べて試してみちゃうまである。ちょっと男子、モップ振り回さないで!

 ――槍は、比較的使いやすい武器と言われている。習得までの時間がかなり短い、握力、腕力はアビリティにて強化されるので問題もない。

「ふんッ!!」

 真上からのたたきつけを横へ。そして――

「止め!」

「――。」

 その声をかけたのは、男神タケミカヅチだ。日本ならば、一度は皆聞いたことがあるであろうその神は、そのファミリア全員に武道を教えているという。先ほどまでいなかったはずだが...

「八幡君。」

 その男神の隣にいたのはヘスティアさんだった。

「...決まりましたか。」

「......あぁ。」

 うわー、聞きたくねー...その顔から悪い結果だったということだけはもう分かった、

「攻城戦...助っ人は、都市外の派閥より一人。」

「...うっわ。」

 考えうる限り最悪...

「すまない、八幡君!」

 タケミカヅチ様の後ろから出てきたのは神ヘルメス。

「俺もできる限りのことはしたんだが...!」

「......攻城戦、規模は分かりますか。それと、都市外の派閥に、何か。」

 こういう時役に立つのが神ヘルメスだ。誰よりも情報を手にしている。

「あ、あぁ。攻城戦の舞台ならおそらくシュリームにある城だろう。規模なんかは追々アスフィに伝えさせる。 で、都市外の派閥か......んー、よし。それもこちらで何とかする。」

「助かります。」

 手際がいい、やはり、見透かされてるのだろうか。

「...」

 まぁ、どうにしろ仕事が早いことはいいことだ。あえて突っ込む必要もない。

 ベルに伝えに行くべきか...いや、それはいらないと見ていいだろう。と、来ると...

「先に帰っててください。寄り道して帰るんで。」

 帰る前に、進行具合を確認しておくことと、今、決まったことの報告だ。

「ん、あぁ、わかった。」

 すでに、リリルカ・アーデについてはこちらに引き入れたということは、現在、神のナイフがないことが証明済みだ。これを見越したというわけじゃないが、それをかけて引き入れておくだけの価値はあった。

 

 

「...」

 情報を探るだけだったが、これならば。アレも気づいているだろう。

「わりぃ、ちょっと出かけてくる。」

 事前に決めておいた時刻、場所にアレはいるはずだ。普段出歩かないだろうに、なぜああいう場所を知っているのか。

 そんな疑問を浮かべつつ、目的地へ。

「また随分と酷い顔ですね。」

 情報をまとめたメモを投げつける。そこにいるのは比企谷八幡だ。普段よりも目つきが悪化している。

「顔というな目と言え俺のかーちゃんに失礼だろ。親父に関してはいいけど。」

 調査したものを確認しつつ、軽口を返してくる。

「いいんですか...」

「俺は顔つきには自信がある、目と性格と挙動さえ気にしなけりゃいい男だろ。」

「いい男の必須条件が抜けてますが。」

「ばっかお前ちょっと抜けてるところがチャームポイントってもんだろ。」

「ちょっとどころでないから今があると思うんですが...。 それで、今後はどうしますか?」

「...ひとまず、情報の確認だ。戦争遊戯について何を知ってる。」

「攻城戦、相手の助っ人は都市外の派閥の一人に限定する、と。」

「『ヘスティアファミリア』なら、助っ人としてでなく参加ができる、攻城戦の舞台はおそらくシュリームの城で、これが地図だ。」

 地図を受け取る。...こんな面倒なことを率先してやってのけているあたり、普段の怠け具合がよくわかる。

「助っ人に関しても...多分大丈夫だ。 ...じゃ、今後だが...戦争遊戯が始まった後だ、お前の仕事は。」

「なるほど、攻城戦...まともに攻め入るとなると確かに...では、裏から手引きですね。 でしたら...この裏の南東勝手口がよさそうですね。」

「あぁ。 ...そして、誤情報を飛び交わせて、まず最初にこの助っ人へ戦力を集中させろ。クロッゾの魔剣をもつ単独をしとめるには...50程度か、その中にエルフもいればなおよしだ。」

「外道じゃありませんか。...まぁ、おそらくリリもそうするでしょうけど。」

「ま、その程度だな。」

「いえ、八幡様。肝心の八幡様がどうするか、出されていませんけど。」

「...チッ、あぁ、忘れてた忘れてた、やだ俺ったら謙虚。 俺は最初の誘導と、助っ人の補助に回る。ほら、サポーターって大事だろ。」

「......まぁ、そうですね。」

 そう言われては、サポーターである自分は強く出られない。ましてや、助けられた身では。

「あとは...俺が、つかまったままってことにしといてくれ。以上だ。」

「...はい。では戻りますね。」

「っと、んじゃ、これ。」

「...?」

「出かけたことをいちいちごまかす必要もないだろ。」

「別に、自分で買っていきましたけど。」

「別に俺もいらねんだよ...もってけ。」

「らしくないですね。」

 出会って、そう長くないが、これでもこの世界では五本の指に入るほどに彼は知っているはずだ。そもそもの母数がすくないからそれは確実か。

「...まぁな。」

 そう言って、こちらから視線を外した。

「...では、もらっていきますね。」

「おう。」

 次に会うのは七日後、戦争遊戯、開始後だ。

 

 




 次回、明日19:00
   『準備期間終了』


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準備期間終了

 

「...はぁ、はぁ...っ。」

 タケミカヅチファミリアのLv.2を相手に、素手で応対する。

「むんッ!!」

「ぐ...っ!」

 柔道で戦って惨敗した過去を持つ俺には、当然ながらこういった武道の心得はない。ましてや、健全な精神などはぐくめるはずもない。

「――おおおおッ!!」

 足と地面が別れを告げる。そして次にであったのは背中。肺の中の空気が押し出される。

「――、はぁッ...はぁ...ッ...」

 地面にモロにたたき付けられ、天を仰ぐ。

「比企谷。」

「...ンだよ。」

 圧倒的技能の差で俺を打ちのめしてくる大男、カシマ・桜花に、悪態をつく。

「今日はもう終わりだ。風呂に行こう。」

「...後で入る、もう少しこうさせろ。」

 夕方。ここ2日間、このタケミカヅチファミリアにて『技能』を身につけるべくやってきていた。と、いうかそこで過ごしていた。早朝から取っ組み合いがある。

「...八幡殿。」

「ん...あぁ...」

 俺のタケミカヅチファミリアに対しての悪感情は今回、協力してくれたことで帳消しにした...つもりだが、言った方がいいのだろうか、そういうのは。

 訪ねてきたのはヤマト・命。おそらく、まだ俺に対して申し訳ないなどといった感情が残っている。 ......流石に、まずいか。

 体を起こし、声を発する。

「別に、前のことを引きずるつもりはない。気にすんな。」

「...ですが...まだ、私は、恩を返せていません。」

「あれは別に、個人の責任じゃねぇだろ、どっちかっつーとあの野郎に謝らせたいところだな。」

「...」

 あっれー!? ...思ったより空気が...つっらー...

「八幡殿。」

「ん...?」

「今回の戦争遊戯...私にも、協力させてください!」

 協力...?

「いや、もうしてもらってるから...」

「いえ、私個人としてはまだ、何も。」

「...そもそも、協力するってことは、これ以上だと...」

「はい、改宗します。」

「――。」

 ダメだ、と言いたい感情と、戦力が増えることに対する期待が起こる。

「どうか、お願いします!」

「......」

 断る...それは...

「今、ヘスティアファミリアは圧倒的不利な状態にある。推薦はできない。」

「だとしても、です。」

「じゃあ、タケミカヅチ様はどうだ。許可するのか? 自分の娘も同然のお前を、危険な場にさらすことを良しとするのか。」

「...だとしても。」

「.........」

 なるほど。

「...あぁ。」

 もし、ベルが居なければ...こんなことはあり得なかっただろう。 俺が、認めるなど。

「わかった。」

「――、話がまとまったようでよかったよかった。」

「...見てたんすか。」

「あぁ、俺としても...ヘスティア、並びにヘスティアファミリアに協力したい。 八幡君、頼む。」

「...別に、俺に決定権はありませんよ、納得したってだけで。 ...あぁ、あとそれと。明後日の、出発前でいいすか。」

「む? あぁ。」

 できるだけ悟られないように、行かねばならないのだ。敵には、俺達をできるだけ弱く表さなければいけないのだ。

「じゃあ、風呂、借りるんで。」

 明後日の夕方に出発し、丸一日かけて移動する。ベルには【大双刃】を通じて連絡した。 あれほど大量の荷物を買い込む姿とロキ・ファミリアに行ったということを知っていれば、容易に把握できた。

 どうにしろこの後、いったんホームへ戻らねばなるまい。

 風呂場へ。

「...」

 サウナ入りてぇなぁ...

 

 

 

「って、訳なんで。」

「あぁ、わかった。 これは感謝してもしきれないな...」

「えぇ。」

「...ともかく、明後日の夕方、二人を改宗させて、その翌日、報告する、と。」

「えぇ。頼みます。」

 ギリギリになって、こちらの手札を見せる。これで――、確実に相手は、切り札だと認識する。もしくは悪あがきか。勝負ごとは、瀬戸際を攻めるほど強い。

「...で、勝った際の条件はどうしますか。」

「もちろん、全財産没収、そしてオラリオ追放さあの野郎!」

「...じゃあ、そこにファミリア解散も含めといてください。」

 これで、とりあえずは良し。

「んじゃ、戻るんで。」

「あぁ、がんばっておいで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、世話になりました。」

「あぁ、勝ってこい、八幡君、命。」

「はい!」「うす。」

「おい、比企谷。」

「あ? ンだよ...」

「勝ったら、鍛錬の続きだ。」

「絶対嫌なんだが。なんでテメェと。」

「俺だって、性根の曲がった奴と鍛錬するのはごめんだ。」

「なら、終わらせればちょうどいい。」

「だがな、お前ほど性根の曲がった奴がのさばっているのはさらに耐えられん。」

「あぁそうかい。で?」

「武というものをたたきこむ。」

「おお、それはいい。ぜひ来るといい、八幡君。」

「......あぁ、んじゃまぁ、前向きに検討します。」

「よし、行ってきたまえ!」

 

 

「...」

 馬車へ乗り込んだそこには、ヘスティアファミリアの3人、そして助っ人の仮面のエルフが一人。

「...」

 こちらの世界の馬車は、というか元の世界の馬車がどうなのかは知らないが、結構腰に来そうだ。

 このメンツなら、別に会話に気を配る必要もなさそうだと思いませんか? まぁ、僕は思いませんけど。

「...」

 妙に視線が集まるから、居心地が悪い。

「なぁ、八幡。今回の作戦、確認しとかねぇか?」

「...あ、あー、そうだな。 ...今回の戦いで、時間はかけられない。短期決戦に出る。」

 魔石灯を引っ張ってきて、手元を照らす。

「攻め入るのはベルとヴェルフの二人、リリルカにはその手引きをさせる。...リューさん、にはそれへの注意を引き受けてもらいます。」

 名前をどう呼べばいいか知らねぇよ...まぁ、一時の恥ずかしさなら後でいくらでも後悔できる。これで通そう。

「...で、ヤマトは北から中庭へ侵入して...魔法の発動だ。」

 これは暗に、自分ごと魔法の中へ行って足止めしろ、ということでもある。既に土下座して許可をとっているだけあり、話はそのまま進む。

「魔剣は全部で3つ、...リューさんに2つ、俺に一つだ。」

 俺がやることはいくつかあるが、まず一つ目、かく乱。そのために買い集めさせたのが火炎石、俺が持つ魔剣の属性は炎、まぁ、爆弾を持つのと変わらない。

 少量で火力を爆発的に高めるそれを詰め込んだ袋が今回の俺の武器となる。このために準備できたのは4個。

 二つ目、不具合の埋め合わせ。 作戦が完全に実行できるように起こりうる事象を限定させる。つまりはイレギュラーの排除だ。一人の行動により形勢は立て直される可能性がいつだってある。なにせこちらはたった数人なのだ。

 三つ目、ベルの援護。敵はLv.3だが、そんなLv差を埋める秘策が俺にはある。魔法もその一つだ。

 いくつか、といってもこの三つだ。これを、目立たないようにやってのける必要がある。ボマーでアサシンで腐れ目で、属性もりもりで行きたいと思いますってね。

「俺は全体のサポートに回る。」

 いわゆるサポーターだ。それが、俺の役回り。

「...と、まぁこんなとこだが。」

「リリ殿にこの情報は?」

「大方は伝えてある。変更についてはこちらから話を通しておくから心配はいらない。」

 向こうについてからはこの地図との実物との照らし合わせだ。少しぐらいなら見れるだろう。

「...もう他にはないな?」

 地図をたたむ。

「...じゃあ、つくまでは自由で。」

 とはいえ馬車の中だ、できることなどそうない。俺の場合は寝る。

 

 

「...来たぞ。」

「あぁ。」

「――、お待たせ。」

 そこには、4人の冒険者が。

「これで全員そろった。いよいよ明日だ。」

「あぁ。 ...ベル、勝利のカギは、お前だ。」

 この戦いは、もうかなり前から始まっている。

 

 

「ヒュアキントス! ヘ、ヘスティアファミリアに改宗したやつが居る!」

「改宗...フン、第一級冒険者でも用意したのか?」

「い、いや...3人いるけど、うち二人はLv.2、もう一人はLv.1だって...」

「なら、大きく選挙区は変わらないだろう。」

「あ、助っ人のほうも。オイラも聞いた話なんだけど、酒場の店員だってさ。」

「...クッ、アッハッハッハッハッハ! 愚かだな! 実に愚かだ! あの男がいればそうはならなかったろうに!」

 そう、あの男はソーマファミリアの手によっていまだ監禁されている。ここでそれを確認しておこう。

「あの男は、アイツはどうなった。」

「都市で見かけたって情報もないし、ここにも来てないよ。あの腐れ目野郎には妥当さ。」

「やはり、つまらない戦いになりそうだな。」

「あぁ、でもヒュアキントス、油断はしないほうが...」

「案ずるなルアン、たかが数人に何ができる。 ヒュアキントス様も気が知れんな...こんな有利な戦いの場まで設けるとは。」

 案外、すぐに白旗を上げて降参してくるかもしれない。むしろしてこないのは、戦力を読む力もないということ。

「...にしても、なぜあんな木っ端ごときを...」

 

 




 次回
   『戦争遊戯』


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戦争遊戯

 短期決戦


 

 

 

 

 

「...時間だ。」

 武器を手に取る。

 攻城戦に与えられた時間は三日、相手はこの戦力差から、3日目に最終的な攻撃を行ってくるとみているだろう。

 故に、最初からクライマックスだ。

 銅鑼の音が鳴り響く。その瞬間に全員が移動を開始した。

 

 

「――、あれは...?」

 奇怪な格好をした人物が、歩いてくる。とても静かに。

「...――!」

 そして、100Mで加速し、二振りの剣をあらわにした。

「は?」

 次に、こちらが行動を起こす前に、砲撃が城壁へとさく裂した。

 

 

「せ、攻めてきやがったッ!?」

 破られた城壁の一部が、状況をありありと伝える、襲撃あり、と。

「敵は!?」

「ひ、一人ッ、で、でもあれは――、クロッゾの魔剣だ! あいつら、伝説の魔剣で城ごと吹き飛ばす気だ!?」

 ルアンがおびえたように城内へ滑稽に逃げていく。

「ッ! がっぁぁっ!?」

 砲撃は連続で城壁を遅い、破壊していく。

 

 

 城壁の中では怒号と悲鳴が鳴りやまず続き、異常事態を広めていた。

 そこへ、城内から飛び出てきたルアンが叫ぶ。

「ヒュアキントスの命令だ! 50人でアレを倒しに行け!!」

「ご、五十だと!?ふざけるな!」

「半端な数じゃただ潰されるだけだ! 敵は一人、さっさと倒して戻ってくればいい話だろ!!」

「ッ。」

 正論に、誰もが口を紡いだ。 そう言っている間にも壁が崩れ落ちていく。

「うひゃあッ!? っ、は、早くいけよぉ!!」

「っ...やむをえまい、出るぞ!!」

 50の人員をかき集め、魔剣の人物を撃ちに出た。

 ルアンは被害を避けるかのように城内へ再び慌てて戻っていく。

 

 

「...」

 砲声が鳴るのを確認しつつ、城の東の壁へ。

「ッ、敵しゅ――がぁぁッ!?」

 その声よりも先に、爆音が鳴り響き、城壁に大きく穴が開く。

「ふッ!」

 すぐ近くにいたヤマトが、爆破された城壁の黒煙へ飛び込む。俺も少し遅れてそこへ。

「ッ――!」

 気づかれるのとほぼ同時に、爆発が起きる。

「...」

 一度、侵入してしまえばかなり楽だろう。

「こっちだ!」

 後ろから足音と怒声が。

「――。」

 3つ目の袋の中身をぶちまけ、駆ける。

 背中で爆音を感じながら、中庭へ追いつめていく。

「中庭だッ! 行け!!」

 と、外へ出た瞬間に、重力の檻に閉じ込められる。

 さて、もうじきベル達は上へ向かい始めたところだろう。

「腐れ目!」

「――、っと、そうだったな...」

「もう下に戦力は残ってない、あとは上だけだ!」

「そうか。じゃあ...」

 確か、と思い出すより早く手を引かれる。

「馬鹿かお前は! いや馬鹿だったな! というかお前がめちゃくちゃしてくれたせいでこっちも危なかったんだぞ馬鹿!」

「馬鹿って言った方が馬鹿なんですー、つまりお前のほうが馬鹿だ、はいQ.E.D.」

「意味わかんねーこと言うなよ、で、こっから一人で20人以上相手するのか?」

「まさか。お前に騙してもらってたことを存分に活用させに行くだけだ。」

 ベルとヒュアキントスが戦っているところへ俺が現れただけで、必ず隙ができる。理由は明白、そう仕向けさせたからだ。

 ルアン...リリルカに、俺のやってきたこと(嘘)を流させた、その結果、相手の俺に対する評価も高まり、居ては面倒になると再認識させた。

「【インガーンノ】」

 使うつもりはなかった魔法を使用して、階段を跳ねるように上っていく。

 そして空中廊下にたどり着く。戦闘を繰り広げる二人の上を通過し、その先、崩れた玉座の塔へ。

 戦闘にかける時間は10分に満たない。それほどの速度でこの場までたどり着いた。

「ふッ――。」

 火炎石のつまったその袋を投げ、魔剣を振った。 ――そして、玉座の間の在ったであろう空間に、爆撃が。

 

 

「――っ、なッ!?」

「...っ。」

 事前に話していた通りの爆撃を、少し余裕をもって回避する。相手がその爆風を身に受けつつも回避したのを見て、爆風の向こうに掻き消える。

 そして、蓄積を、始めた。

「――、貴様、貴様はぁッ!!」

 波状剣が、爆風の空けたそこにいる彼に向かうが、短剣が、それをはじいた。

 

 

 

「久しぶりだな。」

 剣をはじいてがら空きになった体にけりを入れる。

 槍の戦い方を練習していたことすらも保険に過ぎなかったのだが、それすら見破れなかった敵には、それ相応の結末が待つ。

「ベル。」

 魔法が切れた俺のそばを、ベルが疾駆し、ゼロ距離。

「――【ファイアボルト】!!!!」

 炎雷が、敵主将をそのまま、瓦礫へと吹き飛ばした。

「.........」

 上空を見上げる。ちょうど、雲一つない下だ。

「...時間だ。」

 初期予定時間を超えない、その程度には、予定通り進んだ。

 

 いわゆる完全試合(パーフェクトゲーム)が、そこに為された。




 次回、明日19:00
   『ヘスティアファミリア』


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束の間の休息を

「うわぁ...」

 ヘスティア・ファミリアがアポロン・ファミリアを壊滅させて久しい...というほどに時間がたったわけでもなく、崩壊した元ホーム。教会を見る。

「......」

 ベルはアレ以降ここに来るヒマもなく、ヘスティアさんは時間稼ぎと来た。どうやら、ここに居たわけではないらしいことは分かる。

 荷物という荷物があるわけではないが、やはり、考え深い。

 異世界転生だ。そもそもどういう原理かよくわからない上に転生じゃなくて転移だろという声は多い。実際に転生した例もあるが、そのどれもがチート能力か追放だ。追放というと俺にぴったりだからそっちに送ってほしかった。もともとボッチだから、結果としてチート能力がもらえるだけだ。

 そも、チート能力ならもらっているに等しい。いやまぁ普通の人間からすればどんなものでも、例えば、ステイタス、アビリティもすさまじい能力だ。以前、自分の身長から割り出して、50mを測って走ってみた。まさに一瞬と言ってもいいだろう、距離は距離とも感じない。息切れもしない。一息のうちに駆け抜けられる距離になったのだ、小中高と無駄に走らされた50mが。

 嫌な思い出--ですらない。周りが何秒だった? 俺7秒だったぜとか言ってても俺は関係なかった、親すらも聞いてくれなかった。

「お」

 わざわざ廃墟になったところに来た理由は、荷物の回収を命じられていたから。地上の瓦礫を退けると、地下への階段が。埋まってはなかったようだ。埋まっていた場合掘り起こす必要があったと考えると背筋が凍る。

 アポロン・ファミリアにつぶされて以来、手付かずだった。魔法の痕跡も残っている。

「......」

 痕跡というと、右腕だ。再生して以降は問題ないが、つまり、つまり、だ。初期の状態で腕が治るのだったら、レベルが上がれば...いや、魔力のアビリティが上がれば、どうなる?

 攻撃魔法は威力が上がり、回復魔法は回復量が増すという。

「......」

 毎日30秒限りの発動。それで上昇するステイタスなどたかが知れている。魔法の発現が、魔導書以外条件がわからないことを考えると、新しい魔法も難しそうだ。どうせならチート能力みたいなの欲しいよね、アメコミみたいな。

 そんなことをテキトーに考えながら、目当てのものを見つける。

「服と...本、金...食器。」

 貧しかったということもあり、ボロともいえるがやはり、思い出が詰まっているとかそういう奴だろう。

「こんなもんか。」

 集めきったので、ベッドにあおむけで倒れこむ。上のガレキに手間取ったとでも言おう。館の改築には時間がかかる。

 そう、つい先日のこと、館があまりにも悪趣味ということ、金をむしり取ったということ、それら二つが重なって改築が決定したのだ。

「よくよくかんがえるとひでぇ...」

 家を追い出してそこに住む。いや、そもそも今の人数だけで住むとは限らない...?

 そうだ、ヘスティア・ファミリアはかなり人気を集めた。アポロン・ファミリアにも改宗を考える者が居るだろう。ベルの活躍は甚だしいものだった。中継されていたこともある。どれだけの人が増えるだろうか。増えたら居づらいなぁと思う反面、増えると喜ぶベルの姿も想像がつく。屈託のない笑みというのが、つくづく嫌になる。

 大切に思う? それはそうだろう、自分の命の恩人で、なにより戸塚に若干似ていなくもない。いや、似てない...? たぶん似てない。けどまぁ良い奴なんだろうな、とはわかる。14歳、中学生だ。別に嫌う理由がなく、なついてくれるというのならば、それでいい。裏があるようには思えない。 ...いや、御託を並べているが...結局は、よりどころが必要だ。

 理由なのだろう。意味も分からない世界で最初に見つけた寄りかかるもの。 ベルを助ける。これが崩れれば、何が目的と言えようか。

 目的を達成するには手段が必要だ。その手段は? この世界ではステイタス、アビリティと言われるソレ。

 さて真剣な話となると飄々と躱していきたい。この手段がなくとも俺にできることは? ...ないなりにできることは。

 傍にいることなんて考えるだけで産毛が逆立つようなことは選択肢の中にもない。

「......はぁ。」

 考えをこねくり回してもおそらく何も出ない。ひらめくまで待つのが一番、果報は寝て待てともいう。

「......」

 文字通り寝て待とう、多少のサボりは許されるだろう。ここ最近は忙しかったのだから――――

 




設定忘れました。書き直しを考えています。


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休暇終了

「――きろ。」

「...」

「おきろーッ!!」

「――っ!?」

「...まったく。夕方になっても帰ってこないと思ったら。」

「...............あぁ。」

 気づくのに遅れた。

 ...夕方。 ここに来たのは朝だったはず。

「...」

 なるほど、と。体力の限界がきて眠れなくなることがあるが、体力がついて眠ることが出来るようになった...ステイタスも捨てたものじゃない。

「うん。...おつかれ。」

「......ナンスか、気持ち悪い。」

「きもッ...いやまぁいいさ。照れ隠しってことは分かってるんだぜぇ?」

「......いやそんな訳。」

 よしここから退散するとしよう。嘘は見抜かれる...いや待て、気持ち悪いってのはマジだったはずだが。

「嘘探知レーダー壊れてません...?」

「残念完璧さ。まぁ、サボってたことについては何も言わないよ。僕もよくサボるし...それに、頑張ってくれたしね。」

「......アイツらがやったことでしょう。スパイに魔剣に助っ人に足止めまで。」

 俺が出来たことと言えば、テロ行為。あの戦力差でなければ批判の的だったろう。

「ま、君がそう思ってそういうなら、そういうことにしておこう。それでも、ありがとう。...ボクたちの居場所を守ってくれて。」

「...」

 ありがとう、か。

「......感謝ってのは、俺以外の奴にくれてやってください。」

「感謝は嫌いかい?」

「......まぁ。あ。感謝じゃなく、お疲れって言葉なら。」

 いつでもどこでも使える言葉だと思う。例えば、何かを代わりにしてもらった時...いやそんなときないけど、まぁ、ありがとうでもお疲れ様でも通じる。

「? そうかい、それじゃあ、お疲れ様。」

「......」

 こう、正面から言われますとあれですね...恥ずかしい。イヤホント自分から提案しておいてなんですけどね。 でもまぁ、これで若干緩和された気がする。うん、気休め。余計なことはいうもんじゃない。

 けぷけぷと咳払いをし、立ち上がる。

「んじゃ、荷物持って戻るんで。」

「あぁ、そうしよう!」

 ......そりゃそうか。

「あ、いえ、ちょっと寄り道していくんで。」

「それじゃあボクも付き合うよ。」

 さぁ、どう撒くか。嘘をついても意味がない。なら...

「このあと、用事があるんで。」

 用事は、荷物を置きに行くこと。嘘は言ってない、どうだ。

「ん...そうなのかい? ......いや待て、それじゃあ聞くけど、ボクが起こさなかったらどうするつもりだったんだい、その用事。」

「...」

「さぁ観念しろ。何、とって食うわけじゃないんだ。」

「......うす。」

 嘘が通じないとは、これ誠か。嘘を嘘と見抜いたうえで押さえつける。

 ステイタスを使えばそれは振り切れるが、そんなことは、中学生が考えるここでコイツをぶん殴ってやればなー程度の浅知恵と変わりない。実行できないことは考えるモノじゃありません。いや、一杯考えるけどね。教室にテロリストが現れたらとか。...まぁ、その妄想でも僕は端っこに居たんですけど。

「いいかい、八幡君。」

「?」

「何か悩みがあるなら、相談してくれていいんだぜ。...なんたって神様なんだからね! お、ジャガ丸くんだ、買ってこうぜ!」

「ん、うす。」

 カバンの中から金を取り出して、屋台に走っていく。

「......」

 そうして、声を賭けられている姿が見える。

「よう! ヘスティア・ファミリア! あの戦争遊戯、面白かったぜ!」

「...っす。」

「これ持ってけ!」

「期待してるぜ!」

 と、俺にも声をかける人が多い。獣人とかも多いので、目が腐っていることはあまり気にされていないのかもしれない、というよりも、ここには俺の悪行が伝わっていないこと、悪いうわさがないことが原因か。

「...おや。いろいろ荷物が増えたみたいじゃないか。」

 腕にいっぱい持たされたのは果物や野菜、パンもある。

 ここ最近、そんな人気を受けてしまうので大通りは通らないようにしていた。無論普段からしているが。

「さ、帰ろうじゃないか。」

 帰り道にも、多くのものが。応援していたというより、やはり面白かったから、と。

「ただいまー。」

 館は改築中なので、今は仮住まい。一時的とはいえそこそこいいところで暮らしている。

「......」

 果報は結局、寝ていても来ていない。なら、着実に力をつけるしかない。ここまで、短期間でステイタスをあげてこられたのは、死ぬほどの経験を経たからだろう。だが、本当は嫌だ。

 腕も実は超痛かったし、幻肢痛みたいなものも感じていた。あんなのはもう嫌だ。激痛に耐える度胸はもうない。

「おかえり、八幡!」

「ん、お、おう。」

 ...まぁ、これからファミリアに人が増えるのなら、一人で行動することも増える。

「...あ。」

 なるほど。 違う目的を見出せば、俺は力をつけなくてもいい。別に俺がやる必要はないんだ。

 だが、目的。それこそが支えになっていた。

「...?どうかした?」

「あぁ、いや。」

 手段のために目的を変える。

 

「――はっ?」

 そんな風に考えていた時期が、私にもありました。

 見える限りの冒険者たちが、前庭から出ていく姿が見える。

「......」

 一体何が、とは思いつつ、サボタージュをかます。

 騒ぎになってはいるが、人手が足りない訳じゃない。 そう思いつつ去っていく人々を見てみると、こちらを見つけたのか見つけていたのかキッ、と睨まれる。 ......確か、アポロン・ファミリアの連中だ。

 いそいそと相手の視界から外れ、荷物を持ち上げる。

 すべての財産を差し押さえたので、団員の私物...まぁ、本当に必要なものを除いて、すべて残っている。故にそれの持ち出しをさせられている。

「ふぅ。」

 いい汗かいてるなー、と思いつつ、いろいろとものを見ていく。ヒトの私物をあさるようで気分はよくないが、必要なものはやはり見つかる。バックパックだったり魔石灯、ドロップアイテムも見つかる。武器防具に用いようとしてため込んでいたりしたのだろうか。

 ある程度区切りがついたところで、一階に不要なものをまとめて降ろす。階段のすぐそばに降ろし、働いてますよ、とアピールだけして上へ戻る。見張りが来ないので存分にサボタージュを堪能しよう。

「八幡殿!」

「うお...っ。」

「こんなところにいらしたのですね。夕餉の時間ですよ。」

「夕餉て...」

「それと...お話しすることが。」

 

 

「...借金。」

「えぇ、それも2億ヴァリスです。...だというのに。」

「...」

 神ヘファイストスへの借金だという。

「......」

 2億かぁ、と実感がわかない数値に恐れおののいていると。

「お前は知ってたのか?」

「まさか。――で、どうする、経済顧問。」

 小人族の少女へ目線をちらと向けてそっと外す。

「えぇ...今日のことで新しい団員も無し、ましてや、支払いを考えてのことを考えると...」

「迷宮か。」

「はい。...それに、ファミリアの等級の件もあります。」

 等級、というと...まぁ、何かしらあるのだろう。ギルド、すなわち政府に属する機関である以上、何らかの働きが期待されている。当然のことだ。

「あ、あの~......な、なんだい? その、等級って。」

「.........は?」

 は? はないでしょう?

「......はぁ。この際です。いろいろと説明しましょう。まずは...そうですね、今話題になった、等級について。」

 別に口をはさむ理由もないので聞いていた。簡単に言えば、上がれば上がるほど、治める税も増える。

「へぇ。...え。マジかい?」

「えぇ、マジです。」

 マジらしい。負担が増えると思うとイヤになる。

 話の最中に少しずつ移動して端へ、そしてそのままその場から去ろうとする。話に夢中で気づいていない..ということを望むが、無論不可能だ。ヴェルフがこちらを見ている。

「悪い、ちょっと席を外す。」

 そう言ってこっちに来る。いや来るなよ...席を外すな、聞け、話を。

 できるだけ音を立てずに2階へ移動する。すると、やはりといってもいいだろう、後ろから赤髪の青年が。

「お前、今暇か? 暇だろ?」

「いいや、やることいっぱいだぜ、忙しすぎて手が回らないね。だから抜けて来た。............で、なんだ。」

 このまま聞かずに逃げるつもりだったが、ついてくるので振り切れず、おとなしく話を聞く。

「いやまぁ、武器だ。お前、今回の戦争遊戯じゃまともに武器を使わなかっただろ。」

「ん、あぁ。」

 真っ向勝負なんてやってられない。

「剣だナイフだと手を変えてきても、しっくりこない。」

 そりゃそうだ。そんなもの、触れる機会はなかった。

「だろうな。...刃物に恐れを感じているフシがある。心当たりは。」

「ある。」

 実のところ向けるのも向けられるのも、扱うのすら怖い。それでよく今までやってこれたものだ。

「で、まぁ俺も考えたんだが...こう、手元が狂うのが嫌なら、槍だ。」

「槍?」

 もちろんだがまともに使ったことはない。

「そうだ。お前は根本から俺やベルたちとは違う。本来、冒険者なんてやるタチじゃないんじゃないか? どっちかというと......そうだな、ギルドで働いてるほうが多分あってる。」

「ギルドか...」

 公務員に近い、というかまさしくそうだろう。

「そうだな。事務仕事の方が性に合ってる。なんなら合いすぎて逆にやらないレベル。」

「案外、まともに働くんじゃねぇか。...と。そう、話は戻すが槍だ。」

「槍っつっても、俺は素人だ。ペーペーだ。青二才でなんなら子供のほうがうまく扱える。」

「その通りだ。だが、そうやって先延ばしにしても意味ねぇだろ? やるなら早いうちだ。」

 槍というからには、突き刺す、というが...

「まともに当てられる気はしないけどな。」

「...ハハッ、勘違いしてるな? 槍と言っても、突き刺すだけじゃない。要するに柄の長い剣だ。斬ることもできれば叩くこともできる。むしろ、使い方としてはこちらが主だ。槍の形にもいろいろあってな――」

「あぁ、もういい。わかった。形になったらくれ。」

「よし、それじゃあ俺の工房に行くぞ。それかどうする? 今からさっきのとこに戻って話を聞くか?」

 天秤にかけて、これからの重要な案件を考える。

「よしわかった、武器だ。」

 わざわざあの場を離れたのだ。気づかれていないわけは無いが、追ってこないなら戻ることもしない。

 残念かな、もう、戦わないという手段はとれなくなってしまった。

 




 次回。「歓楽街」


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