愉快人は何処へゆく (黒アオ)
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プロローグ

今回、処女作です!拙い文章ですが、温かい目でお読みください。

~お願いごと~

作者はメンタル弱いので、ディスるのだけはお止めください。そんなことされたら、どうなっちゃうか分かりませんよ(私が)。





 

 

20XX年、月下 涙は超能力者として生まれてきた。

 

子供が超能力者だったら親はどこかの施設に入れるとか、実験体として研究施設に引き渡すとか普通はするだろう。

 

だけど私の親は案外普通ではなかった。

 

2人とも性格が能天気でのほほんとしてたのだ。そして、親ばか。

だから、宙に浮いても「すごいね〜、流石わが子!」と言われるだけだった。それでいいのか、おい。

 

 

まぁ、そんな親だからこそ家族が大好きなのだが。

 

そうして私は温かい親の元ですくすくと育ち、超能力を隠しながら生きてきた、が、高校卒業後なぜか超能力者だとバレてしまう。

政府に目をつけられ、捕ま・・・りはしなかったが、親の所に留まるわけにも行かず、大学も泣く泣く諦め、政府の目から逃げながら、世界を旅してた。

 

 

旅では辛いことは、何度もあった。

 

「化け物っ!」って言われながら石を投げられたり、マッドサイエンティストという変態に狙われたり、檻に入れられたり、どっかの民族に食料として追われたり、一斉に銃に撃たれて無傷でいると、やっぱり「化け物っ!」て言われたり。

あれ、「化け物」言われすぎじゃない?いっその事「化け物」に改名しちゃおうか・・・

 

それでも、人を助けたら感謝されたり、友達とまずい飯を笑いながら食べあったり(この後めちゃくちゃトイレにこもった)、辛いことばかりでは無かった。

 

私は、たとえ世界中の人に嫌われたって、片手で足りるほどの友達と温かい家族が私のことを好きでいてくれればそれでいいのだ。

 

 

そんな私もとうとう21歳。

 

ある時、私の数少ない友達の1人、ツンデレのツンツンが〇△国の紛争に巻き込まれてることを超能力《遠視》で知って、すぐさま《瞬間移動》で駆けつけた。

 

ツンツンは驚いたが、私だと知ると安心したようにほっと息を吐く。

 

そして、事情を聞き私も紛争に参加することになった。

その時、すぐさまツンツンに反対されたが「参加させないと、ツンツンの恥ずかしい写真をばらまくぞ♡」って言ったら、ため息をついた後、一発殴られた。解せぬ。そして、仕方ないと了承してくれた。わーい。

 

 

そして、私は紛争でツンツンを庇って死んだ。

 

え、なんで超能力があるのに死んじゃうのだって?

そりゃ超能力を取ったらただの人だからだよ。私だって撃たれれば死ぬよ。

 

それに超能力だって万能じゃない。重複して使えないのだ。

 

 

戦場に使った能力《物操り》で何本の銃と剣を操り戦場を血で染まらせてた。

 

 

それでも、自分の身は自分で守れるし、弾丸くらい避けれるし、愛用の逆刃刀と拳銃も持ってるしと余裕ぶってたら、隅でツンツンが敵に銃で狙われてるのが目に入った。

 

やばい、今こっから銃で敵を撃っても間に合わない、敵が銃の引き金を引く方が速い。そっからは無意識だった。

 

 

すぐさま、ツンツンの元へ全速力で走り、そのままツンツンをつき飛ばした。バーンと音が鳴ったのと同時に腹に何かが通り抜けるのを感じ痛み通り越してマグマのように熱かった。

 

 

あー、腹撃たれたな

 

そう思いながらも、どこか他人事のように感じた。

 

 

はっと我に返り、ツンツンは無事か!?と振り向いた。

 

そして、こちらを呆然と見つめて絶望した様なツンツンに「いや、これどんな海外ドラマの名シーン?」ってふざけてたら、ツンツンはすぐに泣きそうな顔から真っ赤な般若の顔に一転させた。

 

うん、あんな顔よりはマシだな。

 

 

それを見て、おー怖怖と苦笑しながら私は地面に倒れた。

あー、自分からどんどん気が抜けてくるのを感じる。瞼も段々とさがってきた。ツンツンは慌てて私に駆け寄り、急いで止血しようとするが、多分もう間に合わないだろう。

 

ツンツンは「なんで勝手に庇って死のうとしてんのよ!私の心を傷つけたんだから、さっさと起きて慰謝料ぐらい払いなさいよ!!」と泣きながら、叫んでいる。無理言わないでくださいよ。

 

私はツンデレだなぁと思いながら、最期の力を振り絞り、手で涙を拭ってあげ「ばーか」と呟いて笑い、とうとう逝ってしまった。

 

 

きっと、私の葬式では「あいつは、ふざけた野郎でしたが、最期までムカつく野郎でした 」って言うんだろうな。

あれ、なんかディスられてる?

 

なにはともあれ、いやはや素晴らしい友達をもったよ。

・・・そろそろ現実逃避をするのはやめようかな。

 

 

しつこいようだが死んだはずなのだ。

 

なのに、生きている。

服はボロボロの血まみれだが、特に怪我はなく、拳銃も逆刃刀も持っている。

 

ここまではいい。いや、良くないが。まぁ、奇跡がおきて生き返ったとしよう。

 

問題は、なぜか死体が蔓延る戦地ではなく、林にいる事だ。

 

ココドコ?

 

 

私はここにいても仕方ないと思い、全身を《浄化》で綺麗にし、とりあえず木の棒を探し見つけた。それを立ててみて倒れた方向に進んでみた。この時《幸運》を使った。

30分後、ようやく複数の気配を感じた。がやがやと賑わってる。

 

あと、50歩、40歩、、15歩、5歩、、「3、2ー1!やっと、林ぬけたーーーーーはえっ?」

 

 

抜けた先に見えたのは、まるで江戸時代のような古びた町並み。そして、お空には子供が喜びそうな空飛ぶ舟、っていうより宇宙船に近いかも。1番驚愕したのは異型な生物が二足歩行で歩いてる事だ。顔が犬とか虎とかすげえシュール。

 

 

そして、何よりその風景を私は見たことがある。そう、漫画でだ。

ほっぺをつねってみる。痛い。ということは夢ではない。

 

 

「ふっ、ふーふっふふふふふいヤッホーいーーーー!!!銀魂の世界にトリップしたぜぇーーー!」

 

 

つい、大声量で叫んでしまった。咄嗟に《防音》使ってよかったわ。喜びのポーズもとっているし、完全に不審者扱いされちゃうからね。

 

銀魂の世界だったら、面白い展開が期待できそう。

 

そう、私は面白いことが大好きだ。

友達に「アンタって欲望に忠実のまま生きているよね。餌を求める獣みたいに貪欲にギラギラと、それじゃまるで狂人みたい」って言われたことがある。その通りだと思った。

私の身体はほぼ愉快なことを求めるように出来ているといっても過言ではない。

だって、その為にだったら何だって出来るのだから。

 

やはり、私はどこか欠けているのだろう。だからって、治そうとは思ったことは無いが。

 

 

よし、この世界での立ち位置は“モブ”ではなく“メインキャラ”と関わる謎キャラとして活躍しよう。

 

方針を決めてしまえば、この後の行動は早かった。すぐ質屋でピアスやネックレスなど金なるようなものを売り、狐の仮面とマント、そして紙とペンを買った。

そう、私は誰かの下で働くつもりは1ミリもない。けれど、金は必要。だったら、自営業しちゃえという作戦でいこうと思ってる。紙とペンはそのチラシ作りという事だ。

 

「うーん。内容はどうしよっかなー」

 

あれから喫茶店に入ってかれこれ30分は経っている。いやー、なんの仕事内容にしようか悩みますなー。

 

なんでも屋にしちゃうと万事屋と被ったちゃうし、かといって殺し屋とか嫌だ。あと何でもかんでも依頼を受けたくないしー、けどお金は必要。

 

、、、、、

 

「よしっ決めた!」

 

 

チラシをが書き終わって、早速《瞬間移動》で街中の至る所に貼った。

 

 

少し挑戦的に書いてしまったが、この方が好奇心が湧くだろう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

貴方にお困り事などございませんか?

 

 

この狐めが華麗に解決してみせます。

 

 

ーーただし狐は気まぐれで悪意にはとても敏感です。牙を剥かれないようにご注意ください。

 

 

 

電話番号

 

080-XXXX-XXXX

 

 

お電話お待ちしております☆

 

 

気まぐれ屋

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

気まぐれ屋は万事屋と似ているようで違う。

私は気まぐれで“何でも”やるからさ。もちろん暗殺とかもね。

報酬はお金や食べ物、お菓子、宝物とかでいっか。

 

 

ふふっ、これからどんな物語が始まるのだろうか。

 

とてもとても面白そう。

 

 

狐のお面とマントを羽織った女は、口元を歪めながら町の中に溶け込んだ。

 

 

 




次作から本格的に銀魂の世界に入ります。短くてスマン


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1話 お菓子の恨みってつい我を忘れるよね





 

「コンさーん、またよろしくね!」

 

「あー、ハイハイ。またのご依頼お待ちしておりますよっと。次はインコ逃がさないようにして下さいねー」

 

 

あれから1ヶ月。最初の頃はからかい目的で偽の依頼とかされたが、すぐ《真偽》で見破ってパンチをお見舞いした。それ以来、偽の依頼が来なくなりました。わーパチパチ。

 

 

ぼちぼち依頼がきて落ち着いてきたのがつい最近のこと。

 

 

私の普段の格好は狐のお面にマント、そして銀魂の世界ではなかなか見られない洋服。身長は170cm位に、声はテノール。

 

お面して顔を隠しているが、決して不細工だからという理由ではない。むしろ美人・・・いや、中性的な顔だから美形って言う方が近いかな。

声は女とも男とも捉えられるから、性別不詳の不気味な人と認識され、すれ違った人にじろじろ見られる。

 

けれど、無償で困っている人を助けたりしたら、いつの間にか不気味な人から優しい人に変換された。

 

 

あははー、これ親切心とかじゃなくて、下心があるから助けてるんだよねー。

 

 

最後に「気まぐれ屋」の名刺を渡して宣伝してもらったり、人脈を作ったり、広い繋がりを持っていると、後々いいことが起きるんだよね。

 

例えば

 

「あーいたいた!コンさん。」

 

「おーどーしたの?花さん。そんなに急いで」

 

「これ、うちで採れた野菜ね!この前のお礼。荷物一緒に運んでくれてありがとう」

 

「イエイエーどうも。大事に食べますねー、ありがとうございまっす」

 

とか

 

「おー、コンさんコンさん。この魚新鮮で美味しいよ。この前、壊れた舟の修理手伝ってくれたから半額にしてやんよ。買うかい?」

 

「まじかー、じゃあ一匹買おうかな。ありがとう親っさん」

 

とか、このようにいい事が起きます。

 

 

特にここ江戸の町は、人情味あふれてるからね。親切あげたら返してくれる。いえい。

 

んで、このように過ごしてたら、いつの間にか歩いただけで声かけられる有名人になりましたとさ。

 

性格悪い?知ってます。私に深く関わった人は皆そう言う。

 

 

とにかく、こんな感じに銀魂の世界をエンジョイしてる。ちなみに、まだ主要キャラと接触してない。

 

 

「よーし。今日の依頼はしゅーりょー。早く帰ってだらだらしよー」

 

 

手はお菓子でいっぱいだからねー。さっき、この前ナンパから助けたお姉さんにお菓子たくさん貰っちゃった。保存しないといけない物もあるから、急いで帰らないと。

 

私の家はかぶき町にあるボロアパートだ。家賃が安かったんだよな。大家さんとは仲良くしてもらっている。よくお土産貰うしね。

 

 

よし、あそこの角曲がればもう家だ

帰ればお菓子パラダイスが待っているーグフフ

 

そう、油断しているのが間違いだった。

 

 

「ちょっそこの人どいてー!!」

 

「はっ?」

 

 

キキードカッグシャズサードサッ

 

 

説明しよう

キキーはブレーキ、ドカッは衝突、グシャは何かが潰れた音。ズサーはスクーターが倒れて擦れた音。ドサッはスクーターに乗ってた人が宙に放り出され、地面とお友達になった音。

 

 

要するに、スクーターに衝突してしまったのだ。

 

 

自分は咄嗟に《硬化》を使ったから怪我はないが、貰ったお菓子は潰れてしまった。

 

 

「おーい、お兄さん。大丈夫ですかー」

 

 

私は一応スクーターの人が死んでないか安否を確認するため、近くに行き声をかけてみる。決して心配だからではない。死んでいたら、警察が来て、事情聴取が面倒なことになりそうだからだ。

 

 

それにしても、この白い天然パーマどっかで見たことあるんだよな。どこだっけ?

 

 

「いててて、もう何なんだよ。今日はついてねーなァ」

 

「!?!?」

 

 

おっどろいたー。アレだ。主人公だ。白夜叉だ。万事屋の銀ちゃんの坂田銀時だ。マダオだ。ダメ人間No.1だ。

 

私は有名人にでも会ったような感覚に陥った。

 

銀時は頭を掻きながら目の前にいる私に疑問符を頭に浮かべる。

 

 

「???お前・・・どちら様で?」

 

 

ハテナじゃねーだろうがーーー!!!

こいつ、さっきの事故忘れたのか?それとも、頭が残念だから理解が追いついてないのかなー

 

 

私は呆れながらも壊れて煙をモクモクとたてているスクーターに指さした。

 

銀時の視線はスクーターに移り、やっと状況を理解したのか、顔を青くさせながら素早く土下座した。

 

 

「すっいませーん!!!慰謝料は勘弁してください!うちはどっかの大食らいがいるんで、もう家計がキツキツなんです!!」

 

 

私はニッコリ笑いながら(お面で見えないけど)、銀時の肩を軽く叩いた。許されたのかと思ったのか銀さんは安堵した様子で顔を上げる。

 

 

許すわけねーだろこの野郎

 

 

銀時の青い目には殴ろうとしている私が写る。

 

あーあ、また顔が青くなっちゃった。けど、仕方ないよねー

 

 

「歯くいしばれーい!クソがー!!」

 

 

甘党の大事なお菓子を駄目にしちゃったんだから。

 

 

甘党をなめたらあかん

 

 

「グハッ」

 

 

ドサッ

 

 

また気絶しちゃった。

主人公だし、放っておいても大丈夫だよね。腫れた頬を冷やすための湿布位は傍に置いといてやろう。《巻き戻し》で無事な状態に戻したお菓子を早く冷やさなきゃ。

 

 

こうして、私はこの場を去った。

 

 

 

やれやれ、お菓子の恨みってつい我を忘れるよね

 




次こそはっ次こそはもうちょっと文章長くするから!見捨てないで下さいorz


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2話 この世界ってほんとに騒がしい

、、、翌日。

 

 

「んハー!いい天気デスなー!さて、何をしようか」

 

 

今日は依頼が何も来てないので暇である。そろそろ原作がどこまで進んでるのか確認しようかなー。暇だし(2回目)

 

 

朝飯をちゃちゃっと作り、とっとと食べる。うん、美味しい。そうやって自分の料理に自画自賛しながら、飯を食べ終え、歯をしっかり磨く。

そしてシャツとジーパンに着替えパーカーを羽織る。キャップをかぶってハイおしまい。

女子として終わっているが、どうせ中性的な顔だからな。男だと勘違いされるだろう。しかもこんな貧乳じゃ。ハハハ。言ってて悲しくなってきた。

 

お面とコートは鍵付きタンスにしまっている。お仕事の時だけしか使わないからね。見られたら困るし。

 

 

「よし!あとは“ワタシ”にやらしておくか」

 

 

私は《分身》を使い、命令した。

 

 

「自分が帰ってくるまで家事をやってといてー。電話がきたら、思考だけは繋いでおくから、受け答えだけはしっかりね。よろしく“ワタシ”」

 

『ハイハイ。分かってるよー“私”。たっく人使いが荒いんだからー』

 

 

ほんっとに能力って便利だなー。

 

 

「じゃあ、いってきまーす!」

 

 

『いってらっしゃーい。気をつけてねー』

 

 

こうして私は“ワタシ”に任せて家を出た。これ、ややこしいな。

 

 

私は今歌舞伎町ぶらぶらしてるよー

片手には団子が1つ。さっき団子屋で買ったものだ。やっぱり歩き食い良いよね。気ままに食えるし。

人にぶつからないように避けながら綺麗に食べている。これ、自分の特技のひとつっていえるかもしれない!!と新たな自分を発見しつつも周りに視線を巡らせる。

うーん。やはり洋服は珍しいみたいだ。さっき程からジロジロと視線を感じる。気にはならないけど。

 

それよりも、この辺りは万事屋に近い。私は何か事件でも起きないかと、とても期待している訳だよ。ワトソン君。

・・・やめよう。ひとり芝居はなんとも虚しい。

 

頭の中でバカやってる時、視界の端で“ソレ”を見た。

 

 

考えるよりも先に行動にうつした。

 

 

狙うはあの走るスクーターの後ろ。よし、ロックオン。《瞬跳》で名のとおり“跳んだ”。

 

 

ドサッ

 

 

「!?!?」

 

「やっほろー」

 

 

うん。当然乗ってた人はビックリするよね。いきなり、後ろに人が乗ってるんだもん。それより・・・やっぱり!!手紙をいっぱい持ってるということは、こいつは飛脚だ。ということは原作はまだ“あの回”だ。

 

 

「あんた誰だよ!?なんで、乗ってんだよ!つか、どうやって乗ったの!?」

 

「まあまあ、細かいことは気になさんな。それよりも前見た方がいいよー」

 

 

「へっ?前って・・・ぎゃあああああああ」

 

 

ふー。飛脚がちゃんとしないから、人にぶつかりそうだったよ。危ない危ない。

 

「気をつけてね。ベイビー」

 

「何なんだあんたは!疫病神か!もういいから、さっさと降りてくれよ!お願いします!!」

 

 

あらま、涙目だ。大の大人が情けない。

 

けどさ

 

「ねえねえ、もう1度言うけど前見ないでいいの?」

 

「えっ」

 

 

ドカン

 

 

ほら、言わんこっちゃない。

 

 

学習能力の無い飛脚なんて知らん。怪我をしているが無視しよう。ちなみに私は事故が起きる前に、しれっと避難しましたが何か?降りろってうるさかったのそっちだしね。

 

 

それよりも私はとても緊張してる。もう飛脚の事なんて頭に入ってない。

 

 

ドクン ドクン ドクン ドクン

 

 

飛脚が突っ込んだのは“スナックお登勢”。そして、その上には“万事屋銀ちゃん”。

 

 

目の前には、お登勢さん、神楽ちゃん、新八くん、銀時、そして飛脚。

 

 

さあ、これでこの回の最初のキャストは揃った!どんな面白いことになるだろう!私は脇でコソコソしていよう。

お面をつけてる気まぐれ屋バージョンならどんどん巻き込まれておっけーなんだけど、普段の私でだったら巻き込まれたくないし。

 

と、余裕ぶっこいていた頃がありましたよ。ハイ。

 

 

今現在、あのお登勢さんに胸ぐら掴まれています。めちゃくちゃ怖い。

 

 

「くらあああああ!!われえええええ!!責任とれやああああ!!」

 

 

私がぼーっと傍観してる間、何がどうしてこうなった。

 

 

「は?あ、え?なんで自分が?」

 

 

「しらばっくれるつもりかあああ!!」

 

 

「お登勢さん!落ち着いて下さい!」

「そうヨ!血圧上がるネ!」

 

バーサーカー状態のお登勢さんを新八くんと神楽ちゃんが宥める。二人に言われて、ようやく落ち着いたみたいで腕組みしてる。まだ顔は怖い。

 

 

「あのー、さっきの飛脚はどうなったですかね?そして、何で自分こんなに怒られてんすか?怖いんだけど。このオバハン」

 

 

年上には一応敬語使わないとね。慣れてないから変な風になってるけど。

私の質問はさっきから空気な銀時が答えてくれた。

 

 

 

「安心しな。飛脚は救急車に運ばれたよ。そんでな、運ばれる前に飛脚はこう言ったんだ。『俺が事故ったのは全部パーカー野郎のせいです。そして、これ俺の代わりに届けてください・・・さっきのパーカー野郎と一緒に。なんか大事な届け物らしくって。届け損なったら俺・・・クビになっちゃうかも。お願いしまっ・・・ガク』だそうだ。つーわけで行くぞ」

 

 

「えっ?お店はどうすれば!?つーか、あの飛脚め!余計なことを!!」

 

 

確かに私も0.1%は悪いかもしれないけど、無駄にうるさかった飛脚のせいだよね。

 

「あんた、届け終わったらうちに来な。責任もって直してもらうよ。銀時、逃げないように見張ってるんだよ」

 

 

「分かってるって。ほら、パーカー野郎。もたもたすんじゃねぇよ」

「早く行くネ!」「行きましょう!」

 

 

「何この展開。早すぎてついていけないんだけど。つーかそこの天パ!いつまで手を繋いでるの!?逃げないから離せ!天パがうつる!」

 

 

本当離してくれないかな!なんかボロが出そうで怖いんだよ。

 

 

銀ちゃんは私が拒否してると分かると更にギュッと握ってきた。

って、なんでじゃあああああ!!

 

 

「天パはうつんねーよ!それにそう言って離したらすぐ逃げるつもりだろ。銀さん分かってるんだからな」

 

「逃げないからさっさと離せええええ!」

 

 

怒りで爆発しそうだったから無理やりほどいた。

 

 

「何やってんですかあんた達。もう着きましたよ」

 

「えっ?」

 

 

確かに前を見てみると立派な建物が。あれ?いつの間に。

 

 

「ここであってんだよな」

 

「うん」

 

「大使館・・・これ戌威星の大使館ですよ。戌威族っていったら地球に最初に来た天人ですよね」

 

「ああ、江戸城に大砲ブチ込んで無理矢理開国しちまったおっかねー奴らだよ。嫌なトコ来ちゃったなオイ」

 

そう言った銀時の顔はあんまし変わってない。

 

「オイ」

 

 

後方から野太い声が聞こえる。全員振り返ってみるとこちらを警戒している犬の顔したでかい天人。

あれ?犬ってもっと可愛いような。犬なのに厳つい顔してる。犬よりも熊の方が似ているかも。

 

「こんな所で何やってんだてめーら。食われてーのかああ?」

 

 

「いや・・・僕ら届けもの頼まれただけで」

「オラ、神楽早く渡・・・」

 

「チッチッチッおいでワンちゃん酢昆布あげるヨ」

「自分は死体自分は死体。美味しくないよー。とてもまずいヨー」

 

 

スパーンスパーン

 

「いってー!!」

 

 

いてて。銀時に叩かれた。何なんだよ。熊に出会ったらまず死んだフリをするんじゃないの?私の常識間違ってるの?

 

そして神楽ちゃん痛くなかったの?結構な強さで叩かれたのに全然動じてない。さすが夜兎族ですね。分かります。

 

「届け物がくるなんて話きいてねーな。最近はただてさえ爆弾テロ警戒して厳戒態勢なんだ帰れ」

 

「ドックフードかもしんねーぞ。貰っとけ」

 

「そんなもん食うか」

 

「あ」「あーあ」

 

銀時は届け物を渡そうとするが、天人にはたかれ、届け物は大使館の敷地内に入った瞬間

 

ドカン

 

バラバラ ガラガラ ガシャーン

 

 

爆発。もう全てがボロボロ。

 

自分の顔が引き攣ってるのが分かる。

新八くんは眼鏡ズレてるし、銀時は相変わらず死んだ目してる。

神楽ちゃん、なんでおお!スゲーっていうような顔してるの?

今危機的状況なんだけど。

 

「・・・なんかよくわかんねーけど、するべきことはよくわかるよ。逃げろォォ!!」

 

皆で勢いよく走る。私は一足先に早かったのか神楽ちゃんの前にいる。逃げ足だけは私速いからね。

 

 

「待てェェテロリストォォ!!」

「!!」

 

 

新八くんが手を掴まれた。新八くんは咄嗟に反対の手で銀時の手を掴み、銀時は神楽ちゃんを掴み、神楽ちゃんは私の手を掴んだ・・・ってワタシィィ!

 

 

「新八ィィィ!!てめっどーゆーつもりだ離しやがれっ」

 

「嫌だ!!一人で捕まるのは!!」

 

「俺のことは構わず行け・・・とか言えねーのかお前!」

 

「私に構わず逝って二人とも!」

 

「ふざけんなお前も道連れだ!!」

 

「手を離してぇぇぇ!痛い痛いいたい!」

 

何この子!本当に馬鹿力!ほら私の手、青くなってきてる!ああもう詰んだ。

 

「ぬわあああ!!ワン公が一杯来たアア!!」

 

 

新八くんの焦った声が。振り返るとうげっ本当に来てる。うじゃうじゃ出てきてまるでゴキブリみたい。

ゴキブリって1匹でたら100匹いると思えって言うよね。最悪。

 

そろそろ本格的に逃げる手段を考えてる内に、奥の方から天人の頭を土台に足で蹴りながらこっちに来ている人影が見えた。これはまさか!?

 

 

「逃げるぞ銀時」

 

 

キタァァァァァ!!さらさらの長髪にキリッとした目。間違いなくあの変人の桂小太郎だ!

 

「おまっ・・・ヅラ小太郎か!?」

 

 

「ヅラじゃない桂だアア!!」

「ぶふォ!!」

 

 

「てっ・・・てめっ久しぶりに会ったのにアッパーカットはないんじゃないの!?」

「そのニックネームで呼ぶのは止めろと何度も言ったはずだ!!」

 

はぁ、こんな時に何このくだらない言い合い。新八くんは呆れてるし、神楽ちゃんはこんな大人になりたくないって目が語っている。

 

「つーかお前なんでこんな所に・・・」

 

 

げっ天人が一気に来た。空気読めや天人ども。

 

 

「!!話は後だ銀時、行くぞ!!」

「チッ」

 

 

銀時舌打ちしてるし。ガラ悪いなぁ。

 

 

「何ぼーっとしてんだよ!行くぞ!!」

 

「は?あ、えちょっと!離せ!!」

 

 

ぎゃあああ!また手掴まれてる!もう嫌だあああああ!

 

 

 

 

この世界ってほんとに騒がしい。




よしっ!これで文字数はいいだろう!!と思うけど読者の皆様方はどうですかね?


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3話 人は何かを守る為に戦うんだよ

 

あれから逃げた先はHOTEL IKEDAYA。

 

私達は桂さんに用意された部屋でのんびりTVを見ていた。あんだけ危機に晒されたのに、緊張感がまるで無い。

TVではテロリストとして私達の姿がバッチリ映ってる。

 

新八くんは「どーしよ姉上に殺される」と青い顔で呟いてる。彼だけだよ常識人は。そして神楽ちゃん「テレビ出演、実家に電話しなきゃ」って言ってるけど、どうしてそんなに余裕なの?お姉さんに分けて欲しいわ。

 

そして私は(何勝手に撮ってんだよ!金とるぞゴラ)って心の中でテレビに向かって罵っている。実際は銀時たちと離れた壁の隅っこで体育座りをして微動だにしてないがな。仮面をかぶっていない私は人見知りなのです。

 

「そういえばパーカーさんの名前って知りませんよね」

「お互いに自己紹介もしてねぇな」

「暇だし今やるね!」

 

 

「「「じゃあ、お先にどうぞ」」」

 

 

こ、こいつら勝手すぎる。私にも心準備というものがあるのに。ヒッヒッフー・・・よし!落ち着いた。

 

 

「えーと自分の名前は月下 涙。歳は20。趣味は拷問器具を調べること。特技は人を追い詰めることかな。一応よろしく!」

 

「オイオイオイ!こいつ大丈夫なの!?怖いんですけど!?」

「銀さん!この人絶対に鬼畜野郎ですよ!なんか危ないことやってそう」

 

 

「そんな褒めないでよ。照れる」

 

 

「褒めてないですよ!?」

 

 

えっ鬼畜野郎って褒め言葉じゃないの?悪口?よく友達に言われる度に私喜んでたよ。これじゃただのドMじゃん。

 

「そうネ!それにフードもかぶってて怪しいアル。ボスならぬ裏ボス感を感じるネ!」

 

 

「そんなことないけどなー」

 

 

神楽ちゃんに言われて流石にフードかぶったままは失礼かなと思いフードをとった。

 

 

パサっ

 

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

 

えっ何この沈黙。さっきまで騒いでのが嘘みたいに静まり返った。顔をじーっと無言で凝視されてる。新手のいじめかこれ。耐えられないので何か喋ろうとしたが、先に沈黙を破ったのは神楽ちゃんだった。

 

 

「お前綺麗アルな」

 

 

ああ、“またか”。

 

 

「ありがとー」

 

 

私は褒められて嬉しそうな笑みを作った。頬を少し赤らめて、口角を少しあげて・・・はいできた。もう何年もやってるから自分を作ることは慣れたもんだ。

 

自分の顔は結構な美形だと自覚してる。それを有効活用しているのだ。誰もが騙されてくれる。

ほら、神楽ちゃんは私の作った笑顔を見て少し頬を赤らめてる。

 

 

騙している事について罪悪感は感じないしむしろホッとしてる。友達は「あんたは頭のネジが1本はずれてる」って言われたがその通りだと思った。

 

 

私は私の輪の中に入った人にしか信用しない。それは好きな漫画の主要キャラだとしてもだ。

いくら漫画の世界でもここの住人は生身の人間だ。自分の意思で動いてる。原作なんて私がいる時点で参考にならない。だから怖い。まだ凶暴な獣が沢山いる島で1人で暮らしている方がマシ。

 

それに私はトリップして、元の世界に帰れないとなぜか確信していて、ここでずっと過ごしていくのだなと切り替えは既に出来ている。

 

ただ問題なのは、ここでは誰も輪の中に入ってる人がいない事だ。

それは酷く不安にさせる。私はしょうもない構ってちゃんで拠り所がないと弱ってしまう脆いうさぎなのだ。

 

もし、いつまでも拠り所ができなかったらこの世界を壊してしまうかもしれない。だから早く大切な人を作らなければ。

 

けれど、そんなのこの世界で出来るだろうか?

今まで騙し騙されの生活をしてたからか簡単に人を信じられなくなってしまった。

 

だから、とりあえず笑顔で予防線をはらせてもらおう。

君達が本当に信用できる人なのか、大切な人になり得る存在なのか・・・疑い、探り、見極めさせてもらわなければ。

 

 

神楽ちゃんが喋り出したのをきっかけに、やっと銀時と新八くんの硬直が解けた。

 

 

「なんですかぁフードをかぶってたのは不細工なツラを隠してたわけじゃないんですねぇはいはいイケメン・・・爆発しろや!」

 

 

 

「はいはい銀さんうるさいですよ。自己紹介の続きしましょう。先ほどは失礼なこと言ってしまってすいません。僕、志村新八です」

 

「ワタシは神楽ヨ!よろしくネ!こいつはただのメガネだからメガネって呼べばいいネ!」

 

「僕の扱い酷いんですけどぉぉぉ!!」

 

 

 

「あははーメガっ間違えたぱっつんにかぐちゃんヨロシクね」

 

「今言いかけましたよね絶対に。あとなんですかそのあだ名」

 

「嫌だった?」

 

「いや、別に嫌ではないですけど・・・慣れてないだけで」

 

「そっかー良かった!かぐちゃんもこのあだ名で呼んでいい?」

 

「好きにするヨロシ」

 

 

信用できたら名前で呼ぶよ。頭の中ではちゃっかり呼んでるけどね。

 

 

「オイオイ俺は無視ですかぁ?何3人で仲良くなっちゃってんの」

 

 

「「「あっ」」」

 

 

「あって何!あって!!本当に忘れてたの!?銀さん泣くぞ泣いちゃうぞ!」

 

 

すっかり忘れてた。ほかの2人もそうみたいで、お前いたのかよって顔してる。銀時ってこの中で1番年上だけどこの子達に敬われてないよね。今もこいつうぜーって顔してるし。

 

 

「そ、そういえば銀さん!さっき会った桂さん、こんな状態の僕らをかくまってくれるなんて・・・銀さんの知り合いですよね?一体どーゆー人なんですか?」

 

 

新八くん、銀時が面倒くさくて話そらしたな。銀時は泣き真似をやめて新八くんの質問に答えた。

 

 

「んーーテロリスト」

 

「はィ!?」

 

おい、けろっと重要なこと言うなしこの天パ。新八くんの顔が引きつっている。まあ、分かってたけどね。

そしてここで・・・

 

 

「そんな言い方は止せ」

 

 

桂さんの登場だーー!いやーやっぱりさをさらさらロングのイケメンいいねぇ!どこかの天パとは大違いだ!

 

「この国を汚す害虫“天人”討ち払いもう一度侍の国を立て直す。我々が行うは国を護るがための攘夷だ。卑劣なテロなどと一緒にするな」

 

 

部屋に入りこんだのは桂さんと攘夷志士の方々。なるほど、確かに気迫がそこら辺の矮小な奴らとは違う。信念を持っている目をしてる。

 

「攘夷志士だって!?」

 

「なんじゃそらヨ」バリバリ

 

「攘夷とは二十年前の天人襲来の時に起きた外来人を排そうとする思想で高圧的に高圧的に開国を迫ってきた天人に危機感を感じ「あっ、かぐちゃん煎餅一枚頂戴」」

 

「ほらヨ」「ありがとう」

 

「お前らぁぁ人の話聞けやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「「えーだって話長いんだもん」」

 

 

「だもんじゃねぇぇぇ!!何可愛い子ぶってんですか!?可愛くないですから!むしろムカつきますから!」

 

 

「ぱっつん・・・そんなに叫んで喉潰れない?」

 

「誰のせいだぁぁぁぁぁ!!」

 

 

新八くんは叫んでむせた。それを哀れだと思ったのか銀時は新八くんの背中をさすってる。

 

 

目の前に攘夷志士がいる緊迫した状況の中、何処か間抜けなのは私のせいではないはずだ。うん。

 

 

誤魔化すために口笛を吹きながら、前に対峙してる攘夷志士を見やる。すると気まづそうに頭をかいてる男がいた。

 

 

「あれって・・・飛脚じゃないかな?」

 

銀時たちの視線が一斉に私の指さした方向に向いた。

 

「あっほんとネ!!あのゲジゲジ眉デジャヴ」

「ちょっ・・・どーゆー事ッスかゲジゲジさん!!」

 

「全部てめーの仕業か、桂」

 

 

「飛脚ーー!覚悟ーーー!!」

 

 

私はポケットから愛用の刀を出し、飛脚に切りかかる。

 

 

「ちょっとぉぉぉ!!何してんですかぁぁ!あんたは!とゆーか刀どっから出したの!?」

「涙!落ち着けヨ!!」

 

 

「離せーー!!こいつだけは我慢ならない!人を巻き込みやがって!3枚におろしてやる!!」

 

2人が暴れる私を拘束する。

くっそー2人とも力が強いからなかなか離れない。

 

 

「・・・銀時この腐った国を立て直すため再び俺と共に剣をとらんか。白夜叉と恐れられたお前の力、再び貸してくれ」

 

 

騒いでたらいつの間にか話が進んでたよおい。

桂さんは真剣な顔で銀時を見つめる。

対して銀時は面倒くさそうな顔してるけど。あっ、耳ほじってる。

 

 

そこから桂さんの熱弁は始まった。

 

ーー銀時がこの国を救おうとして戦った攘夷志士出会ったこと。

ーー白夜叉と敵だけでなく味方にも恐れられたこと。

 

新八くんは自分の上司の過去に驚いていたが、それと同時に納得してた。前々から銀時の強さに疑問を持っていたのだろう。

 

「・・・銀さんアンタ攘夷戦争に参加してたんですか」

 

「戦が終わると共に姿を消したがな」

 

沈黙している銀時の代わりに桂さんが答える。

 

 

「俺ァ派手な喧嘩は好きだが、テロだのなんだの陰気くせーのは嫌いなの・・・俺達の戦はもう終わったんだよヅラ」

 

 

「ヅラじゃない桂だァァ!!それに俺達の戦はまだ終わってなどいない」

 

 

桂さんはそう言って刀を銀時の前に突き出す。銀時がイラッ立っているのが分かる。それにしつこいからね。

 

 

「貴様の中にとてまだ残っていよう銀時・・・国を憂い共に戦った同志達の命を奪っていった幕「ネチネチとうるさいなー。お前は女か」っ!!なんだお前は」

 

 

突然会話に入った私に驚いたのか全員の視線が一斉に集まる。いやん、恥ずかしい!っじゃなくて!!

 

「こんにちはー桂さん。自分は月下 涙。この騒動に巻き込まれた哀れな一般人でーす」

 

 

桂さん、私は少し怒っているんですよね。

 

 

「さっきの話聞いてたら随分と身勝手な言い分じゃないかなー?そこの天パに自分の思想や理想押し付けてない?」

 

 

「何っ!貴様には関係なかろう」

 

 

「えー今ここにいる時点で関係あるよ!それにどうでもいいけどさー。こうやって国に住まう市民を巻き込んどいて攘夷もクソも無いよね。それに腐った国って言ってる時点で切り捨ててる事と同じだし。自分が国を立て直すってどんだけ偉いんですかー?何様のつもりですかー?あっそうかヅラ様か!お見逸れしましたー!」

 

私はわざとらしく相手を敬う動作をした。

アハハ、怒ってる怒ってる。私、人を煽るの上手いんだよね。

 

 

「貴様ぁぁぁ!我らを愚弄するつもりか!そこへなおれぇぇぇ!!」

 

 

「べー、やだよ!」

 

 

桂さんが剣に手を携えている。私を切る気満々だ。やれやれこれだから短気は。私は桂さんに近づいて耳元に口を寄せる。

 

 

「国なんてどうでもいい・・・大事な人を守れればそれで良いでしょ?」

 

 

桂さんは息をのんだ。

 

 

「貴様は一体・・・」

 

「まあ、自分の思想ですけどねー」

 

 

 

人は何かを守る為に戦うんだよ




次にとうとう真選組の登場です!!


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