無職転生ネタ集 (おうどん食べたい)
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もしアクア・ハーティアがしゃべったら…

 俺は朝起きたら、シルフィとロキシーとエリスに挨拶して、鍛えに行くのが日課になっていた。

 その日も、いつも通り支度をして、鍛えに行こうとしていたけれど、ふと部屋の隅を見ると、使わないでしばらく放置していた傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)が目に留まった。俺は久しぶりに使ってみるか、と思い傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)を持っていつも鍛えるのに使っている近くの空き地に向かった。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 空き地に向かう途中、何処からか

「……イレット……ス・グレイラット……ルーデウス・グレイラット」

 と、俺を呼ぶ男の声が聞こえた。立ち止まって周りを見渡してみたが、誰もいない。するとまた、

「…おい、まさか20年前から使っている相棒の事忘れるなんて事無いよな?」

 と、さっきより大きな声が聞こえた。俺はまた周りを見渡してみたが、やっぱり誰もいない。

「今まで散々鈍感なところ見てきたが、さすがにこれほど鈍感とは思ってなかったぜ。正解は俺だぜ。今お前が手に持っている杖、傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)だ。」

 俺は耳を疑った。突然傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)が喋り出したのだ。そういえば、長い間使われた道具には“つくも”が宿るというお伽噺を前世で聞いた。

かなり今までのイメージと違うし、だいたいこの杖だって使いはじめて、約20年だ。お伽噺で出てきたのは、100年以上使われた道具だ。だが、あくまでそれは日本での話だ。ここは異世界。それもかなりファンタジーな世界だ。それにこいつが“つくも”じゃないかもしれない。とりあえず、こいつについては、現状維持でおいておこう。俺はまた歩き出した。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 いつもの空き地についた。いつも通り筋トレしたあと、魔術の訓練をした。とりあえず岩砲弾を一発放ってみる。あまり魔力を込めてないのに、かなりの威力だった。もしかして、と思い傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)の“つくも”(?)に聞いてみた。

「ああ、それは多分俺がこの杖に宿ってる副効果だと思うぜ。恩恵って奴だろうな。今までと同じ威力にすると、魔力消費が減り、今までと同じ魔力を込めると、威力が増すって感じだろうな。他の道具に俺みたいなやつを宿らせるには、この杖と同じくらいの価値の道具ならすぐに宿るだろうな。初心者用とかだと50年は掛かるんじゃないか?」

 マジか。この“つくも”もどきにそんな力があったなんて。

 なんだかんだ、訓練して帰路についた。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 シルフィ達にこの事を話すと、

「そっか。じゃあボクの杖にはまだ宿らないか。まぁ、ルディよかったじゃん。ヒトガミの使徒と戦うことになってもこれなら有利だしね。」

「うぅ私の杖は使いはじめて40年以上なのにどうして宿らないのでしょうか…。」

「ルディ、それは杖だけなの?私の魔剣にもさっさと宿りなさいよ‼」

 と、個々の反応だった。これから戦闘しやすくなったしひとまずはこいつと仲良くなんないとなぁと思った。

 




後日談的なやつ
シルフィ「ボクの杖も喋りだしたよ‼じゃなくて、宿ったよ‼」
ロキシー「私の杖はまだみたいですね。」
エリス「さっさと宿りなさいよ‼このポンコツ魔剣‼」


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もしルディが転生者だと主要キャラがわかったら…

 ある日、シルフィにこんなことを聞かれた。

「ルディ、ナナホシさんと同郷っていってたけど、ブエナ村にそんな人いなかったよね?それにボクが知らない言葉で喋ってたし。ルディのほんとの生まれたところってどこなの?」

 俺は、転生者だということをシルフィ達に話すかどうか迷った。話してみんなが出ていってしまうかもしれないけれど、隠し事はあまりしたくない。うーむ。やっぱり話そう。

「シルフィ、ロキシーとエリスとリーリャと母様とアイシャを呼んできてくれない?」

「うん。わかった。」

少しすると、みんなが集まった。

「今からする話は、とても大事な話だ。ノルンと子供たちにはあとで教えていいけど、それ以外の人には教えちゃダメだ。」

「うん。」←シルフィ

「分かりました。」←ロキシー

「了解したわ。」←エリス

「かしこまりました。旦那様。」←リーリャ

「兄さんわかったよ。」←アイシャ

「………」←ゼニス

「実は俺はここと違う世界で30歳位まで生きていた記憶がある。いわゆる転生者ってヤツだ。俺はその世界で死んで、気がついたらここにいた。ナナホシは俺が死ぬ直前、助けた人で、そのあとここに来たらしい。だから小さい頃色々知ってたんだ。」

「兄さん、ということは私と兄さんは兄妹じゃないの?」

「そうじゃなくて、あくまで俺の前世が違う世界に住んでいただけで、俺はその人の生まれ変わりなんだ。簡単に言うと、俺は30歳位まで生きた記憶があるってこと。」

「そうゆうことか。何でだろって思ってたけどルディのお陰でわかったよ。ありがと。」

「別に、そうゆうことは気にしないから大丈夫ですよ。」

「もー。心配したじゃない!深刻そうな顔して。あんまり大したことなかったじゃない。」

「兄さんは兄さんで変わんないから。」

「旦那様そんなに気にすることではございませんよ。」

「………」

 ゼニスはにっこり笑っていた。

 ともあれこれでもう隠し事もなくなったし、よかった。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 数日後、ノルンが帰ってきたあと、この事を話した。ノルンは

「別に気にするようなことじゃないよ。」

 と、いってくれた。そのあとの家族団らんの時は俺の前世の日本の事の話題で持ちきりだった。車や機械の事を話すと

「すごい!」

「どんななんだろう?」

「フィギュアを作る感じで作ってみようか?」

「そんなこともできるんだ!」

 そのあと俺は、車やらパソコンやらスマホを土魔法で作ってみた。今度、事情を伝えずに、ザノバとジュリに売ってもらえるようにしようか。そしたらノルンに俺の前世のことを物語にしてもらってセットで売れば…。

 そんな感じで特になにも起こらず、俺達の絆は深まった。




後日談的なやつ
ノルン「物語かぁ…兄さんできなかったらごめんなさいだけど頑張ってみるね。」
ザノバ「し、師匠この人形のようなものは何ですか?」
ジュリ「ぐらんどますた、私もつくる、です。」


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