閃の軌跡 ー紅き若獅子達ー (通りすがりのぬこ様)
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第1話 紅い制服の新入生

七耀歴1204年3月31日

 

 

 

エレボニア帝国の帝都ヘイムダルからクロイツェン州の州都バリアハートへ向かうクロイツェン支線。

 

その車内には、この時期ならではの光景が広がっていた。

 

深い緑色の制服を着た、期待や不安をに滲ませた表情を浮かべる若き男女。

 

彼ら彼女らはみな、帝都から列車で30分ほどの場所にある街、トリスタにあるトールズ士官学院へ入学する新入生たちだ。

 

そんな新入生の中に、緋色の制服を着た深い青色の髪の“彼”の姿もあった。

 

 

 

(トールズ士官学院……エレボニア帝国中興の祖、ドライケルス大帝が作った学校か)

 

 

 

250年ほど前、帝国の大地を焼いた内戦を終結させたドライケルス・ライゼ・アルノール。後に獅子心皇帝と呼ばれる彼が皇帝に即位し、約30年後に設立した由緒ある学院だ。

 

他の新入生と同じく彼もまたトールズ士官学院に入学することになったのだが、その胸中には期待や不安ではなく‘疑念’があるようで………

 

 

 

(しかし、特科クラスⅦ組か。あの人から聞いた話では身分で区別されない特別なクラスらしいが、なんか胡散臭いんだよなぁ………)

 

 

 

流れる車窓をぼんやりと眺めながらそんなことを考える‘彼’の脳裏に、数日前の出来事が映し出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー・ーーー・ーーー・ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月28日

 

帝国北東部、オルクスから東に10キロほどの地点。帝国正規軍の拠点の一つ、 ベルタール基地の司令部応接室に彼はいた。

 

テーブルを挟んで反対側の席には黒色の士官服を着た金髪の女性がいる。

 

目の前の女性に司令部まで呼び出された彼は話の流れで女性が発したとある単語が気になり、無意識に聞き返した。

 

 

 

「……はっ?特科クラスⅦ組?」

 

「そう。来年度からトールズ士官学院に新設されるクラスで、貴族・平民問わず優れた人材を育成するための場所。それが特科クラスⅦ組よ」

 

 

 

時折、湯のみに入ったお茶をズズッと飲みつつ、女性は説明した。

 

 

 

「貴族・平民問わずねぇ……それ、完全に貴族たちが言う伝統ってやつを無視してるけど大丈夫なの?」

 

 

 

エレボニア帝国には身分制度が存在する。貴族と平民に分かれ、さらに貴族の中でも爵位によって上と下に分かれる。

 

この身分制度は何百年も前から続いているシステムであり、今の帝国の形を作ったシステムとも言える。

 

トールズ士官学院では所属するクラス・制服の色・生活する寮までも貴族と平民で分けられている。

 

帝国で古くから続く身分制度を分かりやすい形で表しているのだが、女性が言う特科クラスⅦ組はそんな古くから続くシステムに真っ向から喧嘩を売るような形になっているのだが、どうやら問題はないようでーーー

 

 

 

「大丈夫よ。理事会でもすでに承認されてるし理事長の許しも得てるから。もっとも、反対する人もいたけどね」

 

「そりゃそうだ。で、さっきから疑問に思ってるんだけどさ。‘なんで俺にその話をしたの?’」

 

 

 

疑問をストレートにぶつける彼に対し、女性はどこか楽しげな声色で答えた。

 

 

 

「それはもちろん、貴方に入学してほしいからよ。Ⅶ組の生徒としてね♪」

 

「………はっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー・ーーー・ーーー・ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本日はケルディック経由、バリアハート行き旅客列車をご利用いただきありがとうございます。次はトリスタ。トリスタ。1分ほどの停車となりますので、お降りになる方はお忘れ物のないようご注意ください』

 

 

 

ふと気がつくと、車内の女性の声でもうすぐ次の駅に着くという内容のアナウンスが流れていた。

 

 

 

(っといけねぇ。このまま乗り過ごしたらケルディックまで行っちゃうから降りないと)

 

 

 

少しだけ慌ただしくなる車内で彼もまたまた大きめなカバンと 数十センチほどの長さの包みを持って列車の出入り口へ。

 

降りる客の小さな行列に並びながら周りを見渡してふと思う。

 

 

 

(しかし、見事に緑色の制服しかいないな。……まさか俺だけじゃないよな?)

 

 

 

この車両に緋色の制服を着ているのは彼一人だけ。

 

一抹の不安を感じていると、列車がトリスタ駅に滑り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー↓ーーー↓ーーー↓ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郊外都市トリスタ。

 

都会というほどではなく、田舎というほどでもない。

 

駅前の商店街には帝都に本店を持つブティックの支店や参考書の種類が豊富な本屋、学生に優しいお値段の雑貨屋に街の人や学生が集まる宿酒場などがある。

 

落ち着きのある感じてでなんとなく居心地の良さそうな感じの街並みだ。

 

 

 

(なんかいい感じの街だな。帝都ほど雑多な感じもないし、過ごしやすそうだわ)

 

 

 

改札を抜けて北口から街へと出た途端、街並みが目に映る。どうやらパッと見ただけで気に入ったらしい。

 

白いライノの花が駅前を中心に街の各所で咲き誇る中、学院へ向かって歩きながらちらりと駅前の小さな広場に目をやると、緋色の制服を着た三つ編みの女子生徒の姿があった。

 

彼一人ではなかったようでちょっとだけ安堵する。しかし、その女子の動きを目で追った彼は先ほどとは違う種類の不安に襲われた。

 

 

 

(おいおい、あのまま行くと街灯にーーー)

 

 

 

直後、ゴーンという痛々しい音が広場に響いた。

 

彼は額を抑えてうずくまる女子に慌てて駆け寄る。

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

「うぅ〜……はい……なんとか」

 

「うわぁ。額が赤くなってるじゃん。血は出てないようだけど」

 

 

 

そう言いながらチラリと足元を見ると、一冊の本が落ちているのに気づいた。どうやらこれを読みながら歩いていたらしい。

 

 

「ったく、歩く時はちゃんと前見て歩けよ。ほら、立てるか?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

 

差し出された手を握り、少し涙目な女子は額を抑えつつ立ち上がる。

 

 

 

「あとほれ」

 

 

ぶつけた拍子に落ちた本を拾い、女子に差し出した。

 

 

 

「あの、本当にありがとうございます」

 

 

 

二度目のお礼を口にする三つ編みの女子生徒。彼女は本を受け取ろうとするが、彼の方を見た瞬間動きが止まった。

 

 

 

「ん?どうした?」

 

「あっ、いえ。同じ色の制服だと思って」

 

「ああこれか。カッコいい色合いでいい感じだよな」

 

「そうですね。でも、ほとんどの人は緑色の制服なのに、なんで私達だけ赤いんでしょう?」

 

 

 

制服の色に関する疑問を口にする女子。それを聞いた彼はとあることに気づいた。

 

 

 

(これってもしかして、他の生徒に知らされてない感じか)

 

 

 

制服の色からして目の前の女子生徒がⅦ組の生徒なのは間違いないが、どうやら彼以外は新設されたクラスについては知らされていないらしい。

 

 

 

「さてな。とりあえず何かしらの理由はあるだろうが……まぁ追々分かるだろ」

 

「そうですね」

 

 

 

新設されたクラスについて、現時点では伏せられてることを察した彼はとりあえず黙っておくことにした。

 

 

 

「さてと。とりあえず立ち話は程々にして、学院へ行かないとな」

 

「ですね」

 

 

 

その後、二人はなりゆきで一緒に学院へ向かうことにした。

 

 

 

「あっ、自己紹介してませんでしたね。私、エマ・ミルスティンっていいます」

 

「リデル・バートレットだ。よろしくな」

 

 

 

道すがら、互いに自己紹介したあとに二人は先ほどの本について喋り合うのだった。




この間始めた閃の軌跡にハマりすぎてた結果がこれだよ!

というわけで閃の軌跡のSSを書き始めました
主人公のリデル君はⅦ組の中心になっていく予定です
そして、いろんな過去や事情を背負っているⅦ組のメンバーらしくリデル君もいろいろ背負ってます
ていうか、あの面子で一番何もないのってエリオットだけな気がする
ガイウスは故郷絡みでいろいろあるから。うん

しかし、もうすぐ閃の軌跡Ⅲが発売ですな
自分は諸事情で始めるのが少し遅れそうですが、残された謎が粗方明かされそうで今から楽しみです
ていうか、早くⅡを終わらせないと……


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第2話 特別オリエンテーリング

トリスタの北側、駅前から続く道をずっと歩いた先にある坂道の上にあるトールズ士官学院。

 

本校舎の左下にある講堂にて、215回目の入学式が行われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー↓ーーー↓ーーー↓ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは最後に、この言葉を贈らせてもらおう」

 

 

 

壇上に立つ肩幅のある老人、ヴァンダイク学院長が新入生達に向かって言い放つ。

 

 

 

「‘若者よ、世の礎たれ’……これは当学院の創立者であるドライケルス大帝が残した言葉である。世という言葉をどう捉えるか、何をもって礎たる資格を持つのか……これからの2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにしてほしい」

 

 

 

学院長の口から放たれた大帝の言葉。リデルはそれを少し冷ややかな目線で飲み込んでいた。

 

 

 

(‘世の礎たれ’ね……結構難しい事を言い残してくれたなぁ大帝様は。にしても……)

 

 

 

視線を壇上にいる学院長から左側へと大きくずらす。

 

一列で立ち並ぶ教官達。その中にいる赤い髪の女性。彼女に視線を向けると彼女はそれに気付き、視線に対してウインクで返した。

 

 

 

(はぁ……なんで‘あの人’がここにいるんだよ。聞いてないぞ)

 

「……うん?どうかしたんですか?」

 

 

 

小さくため息を吐くと、隣の席に座っているエマが心配そうに声をかけて来た。

 

 

 

「いや何も。しかし、まさか入学式での座席が隣同士だったとは」

 

「本当にすごい偶然ですよね」

 

「制服の色からして同じクラスっぽいしな。これでまた隣同士だったらさすがに作為的な何かを感じるが」

 

「その時はお隣さん同士、よろしくお願いしますね」

 

「ああ。こちらこそ」

 

 

 

 

 

「以上で、トールズ士官学院第215回入学式を終了します」

 

 

 

 

 

小声でしゃべっていると、いつの間にか入学式が終わっていた。

 

その後、新入生のほとんどは教頭の指示に従って講堂を出て行ったが、紅い制服の生徒たちだけは困った顔をして講堂に残っていた。

 

 

 

「入学案内書に従い指定されたクラスに行けって言ってましたけど、送られてきた入学案内書に書かれてましたっけ?」

 

「いや、覚えがないな。書類上の不備……てわけでもないだろうし」

 

「はいはーい。紅い服の子達は注目〜」

 

 

 

なぜ自分達に送られてきた入学案内書にはクラスなどの明記がなかったのか。

 

それについていろいろ考えていると、場の空気を入れ替えるような明るい声で呼ばれた。

 

視線を向けると、入学式の最中にリデルが視線を向けていた赤い髪の女性がいた。

 

 

 

「どうやらクラスが分からなくて戸惑ってるみたいね。それについてだけど、実はちょっと事情があってね……」

 

「事情……ですか?」

 

「ええ。君達にはこれから、特別オリエンテーリングに参加してもらいます」

 

 

 

‘特別オリエンテーリング大会’。

 

その単語を耳にした途端、嫌な予感がしたリデルは手を挙げて訊ねることにした。

 

 

 

「はい質問。具体的には何をやるんですか?」

 

「それは後のお楽しみ♪それじゃぁみんな、あたしについてきて」

 

 

 

リデルの質問を軽く受け流し、女性はスタスタと講堂の入り口へと歩いていく。

 

 

 

「……あのさ、すごくついて行きたくないんだけど、サボっていいと思う?」

 

「気持ちは分かりますけど、サボっちゃダメだと思います」

 

「ですよね〜……はぁ〜」

 

 

 

戸惑いつつもついていく他の生徒と同じように、諦めた様子のリデルもまた女性について行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー↓ーーー↓ーーー↓ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性のあとをついて行き、歩くこと数分。

 

リデル達は学院の裏手にある森の中にある古びた建物へとやってきた。

 

中に入るとそこはロビーのようで、薄暗く少し埃臭い感じ。今は倉庫として使われているのか、大きな木箱やドラム缶が所々に置かれている。

 

 

 

「随分古い感じだな。多分、築何十年どころじゃないぞ……ん?どうした?」

 

 

 

隣を見ると、エマがどこか真剣な眼差しで建物を見つめていた。

 

 

 

「……えっ?あ、いやなんでもありません」

 

「ふーん。まぁとりあえず気をつけた方がいいぞ。絶対面倒なことが起こるから。てか起こすから」

 

「どうして分かるんですか?」

 

「なんとなく」

 

 

 

その面倒なことを誰が起こすのか。リデルはすでに察していた。

 

彼らをここまで連れて来た赤い髪の女性のは一段上がった壇上のような場所に上がり、軽く自己紹介し始めた。

 

 

 

「私はサラ・バレスタイン。今日から君達、Ⅶ組の担任を務めさせてもらうわ」

 

「な、Ⅶ組!?」

 

「それに、君達って……」

 

 

 

サラの口から発せられた言葉に皆が混乱する中、リデルは心の中でため息を吐く。

 

 

 

(よりによってこの人が担任かよ……いや、Ⅶ組の性質を考えると妥当なのか?)

 

「あ、あのサラ教官?この学院の一学年のクラス数は5つだったと記憶していますが。それも各自の身分や出身に応じたクラス分けで……」

 

「おっ!さっすが首席入学式、よく調べてるじゃない。そう、5つのクラスがあって、貴族と平民で区別されるわ。あくまで去年まではの話だけどね」

 

「えっ」

 

「今年から新しいクラスが立ち上げられたのよね。すなわち、君達ーーー身分に関係なく選ばれた特科クラスⅦ組が」

 

 

 

特科クラスⅦ組の極めて簡単な説明を聞いて驚く一同。

 

身分制度が何百年も前から続き、一般常識となっている帝国において身分で区別されないというのは斬新すぎて理解が追いつかないのが普通だ。

 

周りが顔に出るくらい分かりやすく驚いている中、事前に話を聞いていたリデルは違うことに意識を向けていた。

 

 

 

(……やっぱりか)

 

 

 

自分達が立っている床の仕掛けに気付き、今日の何度目かのため息がもれる。

 

ふと視線を動かすと、小柄な銀髪の女子と目があった。その表情は周りと違って無表情だ。

 

 

 

「お前も気づいたか?」

 

 

 

女子に対し、小声で話しかける。

 

 

 

「うん。バレにくいようにうまく作られてるけど、よく見ると床に切れ目がある。これ、絶対動くよね」

 

「絶対動くよなぁこれ」

 

『はぁ〜』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冗談じゃないッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が床の仕掛けに気付き、小さくため息をついていてると、メガネをかけた緑髪の男子が大声で不満を露わにした。

 

 

 

「身分に関係ない?そんな話は聞いてませんよ!」

 

「えっと、君はたしか………」

 

「マキアス、・レーグニッツです!」

 

 

 

レーグニッツ。彼の苗字には聞き覚えがあった。

 

 

 

(レーグニッツ……てことはあのカール・レーグニッツの息子か)

 

 

 

帝国はおろか大陸全体で見ても最大級の規模を誇る巨大都市、帝都ヘイムダル。その帝都の政治を取り仕切る帝都知事、カール・レーグニッツ。

 

どうやらそんな彼の息子らしい。

 

 

 

「それよりサラ教官、自分は納得しかねます。まさか貴族風情と同じクラスでやっていけと言うんですか!!」

 

 

 

マキアスのその発言を聞いてリデルは思う。

 

 

 

(こいつ、完全にこのクラスに不向きじゃん)

 

 

 

何百年もの長きに渡り身分制度が続いている帝国において、平民と貴族の確執は切っても切れない問題だ。

 

貴族の中には平民を見下している者もいれば、貴族というものを毛嫌いしている平民もいる。

 

時にはそれが表面化し、テロなどが起こる時もある。

 

マキアスの場合は行きすぎてる印象もあるが、彼と同じ気持ちを抱いている者も少なくない。

 

 

 

「うーん……そう言われてもねぇ。同じ若者同士なんだから、すぐに仲良くなれるんじゃない?」

 

「そ、そんなわけないでしょう!」

 

 

 

よほど貴族と同じクラスだということが気にくわないのか、なおも食い下がろうとするマキアス。

 

その様子を見て何を思ったのか、隣にいる金髪の男子が鼻で笑った。

 

 

 

「……君、何か文句でもあるのか?」

 

「別に。平民風情が騒がしいと思っただけだ」

 

 

 

金髪の男子の発言に場の空気が一瞬凍った。

 

 

 

「これはこれは。どうやら大貴族のご子息殿が紛れ込んでいたようだな。その尊大な態度……さぞ名のある家柄と見受けるが?」

 

(煽り耐性ないなぁこのメガネ)

 

 

 

売り言葉に買い言葉。乱暴とは言えない口調で殴り合いを始める二人。

 

あっさりと挑発に乗ってしまったマキアスに内心呆れているリデルだったが、金髪の男子の次なる発言で彼は驚かされることになる。

 

 

 

「……ユーシス・アルバレア。貴族風情の名前如き、覚えてもらわなくても構わんが」

 

「なっ!」

 

「し、四大名門………」

 

「東のクロイツェン州を治めるアルバレア公爵家の………」

 

「大貴族の中の大貴族ね」

 

 

 

アルバレア公爵家。

 

帝国の東西南北の広大な地域を治める4つの貴族、四大名門の一角であり、カイエン公爵家とともに最上級の爵位を持つ。

 

貴族制の国である帝国において公爵家が持つ力は絶大であり、平民にとっては雲の上の存在と言える。

 

そんな大貴族の子息であることに皆が驚く中、リデルは違う捉え方をしていた。

 

 

 

(おいおい。なんで革新派と貴族派の中心人物の息子が揃ってここにいるんだよ)

 

 

 

何百年も続いている貴族と平民の確執。

 

中でも近年、大きな問題になりつつあるのが平民出身の宰相や帝都知事を中心とした革新派と貴族の頂点である四大名門を中心とした貴族派の対立だ。

 

互いを牽制し、来るかもしれない戦いに備えて軍備の拡大を続けている両派閥。

 

その存在は帝国とそこに住む人達に緊張と不安を抱かせている。

 

 

 

「だ、だからどうした!その大層な家名に誰もが怯むと思ったら大間違いだぞ!いいか、僕は絶対にーーー」

 

「はいはいそこまで」

 

 

 

相手が帝国屈指の大貴族だと知ってなお噛み付くマキアス。

 

なおも続けようとする彼の言葉をサラはパンパンと手を叩いて止めた。

 

 

 

「色々あるとは思うけど、文句はあとで聞かせてもらうわ。そろそろオリエンテーリングを始めないといけないしね」

 

「ぐっ」

 

 

 

納得いっていないという様子だが、教官であるサラの言葉に従ってマキアスは矛を収めた。

 

 

 

「サラ教官。オリエンテーリングって結局何するんですか?」

 

 

 

何が起こるのかを察しながらもリデルが疑問をぶつけた。しかしーーー

 

 

 

「始まれば分かるわよ」

 

 

 

またもはぐらかされた。

 

 

 

「さてっと、それじゃぁ何をするのか気になってる子もいるし、そろそろ始めましょうか」

 

 

 

そう言うと、サラはステージ後ろにあるオブジェのような物体のそばまで下がり、オブジェの側面にあるボタンを押した。

 

直後、ゴオンッという大きな音が聞こえ、ゆっくりと床が下方向へと傾き始める。

 

 

 

「えっ?」

 

「っ!?」

 

「しまった!」

 

「やっ!」

 

「チッ」

 

 

 

気づいたか時には手遅れ。

 

‘二人を除いた’ほか全員、傾く床に負けて地下へと落ちてしまった。

 

人の気配が少なくなったロビー。その中でそうなった原因を作ったサラは床が傾ききって大穴が開いたステージ前の上の方を見た。

 

 

 

「はぁ〜。やっぱり残ったかあんた達は」

 

 

 

彼女の視線には天井の梁にワイヤーを引っ掛けてぶら下がっている銀髪の少女と別の梁の上に乗ったリデルの姿があった。

 

 

 

「罠だと分かってて引っかかるバカはいないだろ」

 

「同感。それよりサラ、仕込むにしてもさすがに大仕掛けすぎる気がする」

 

「別に仕込んでないわよ。ここに元からあるのを利用しただけだから」

 

「学校の中にこんな罠があるってそれ正直どうなのよ」

 

「はいはい。いいからあんた達もさっさと落ちる。オリエンテーリングにならないでしょう…がっ」

 

 

 

袖から手早く取り出した投げナイフを投げ、ワイヤーを切断。銀髪の少女もまた重力に従って地下へと落ちていった。

 

 

 

「ほら、リデルもさっさと行く!」

 

「分かったから導力銃を抜くなっての!ったく………」

 

 

 

諦めて梁から飛び降りる直前、リデルはサラに向かって言い放つ。

 

 

 

「なんでここで教官なんてやってるのか、あとで喋ってもらうからな‘サラ姉ぇ’!」

 

 

 

そして、リデルもまた後を追うように地下へと降りていった。

 

10人全員が地下へ落ちたのを見届けた後、サラは一瞬だけ懐かしい気持ちになった。

 

 

 

(‘サラ姉ぇ’か。またそう呼んでくれるとはね………)




旧校舎1階のあの仕掛け、劇中ではアンゼリカたちが仕掛けたみたいな感じでしたが、
「あの旧校舎にあんな大掛かりな罠を仕込めるのか?」という疑問が浮かんだ結果ああなりました

また、リデルとサラの間にはとても大きな繋がりがあります
どういった繋がりなのかは追々分かることでしょう


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第3話 最初の試練1

他のみんなから少し遅れて地下へと降りてきたリデル。

 

しかし罠の先は垂直に落ちる感じではなく、とてつもなく急な坂を滑り落ちるような構造になっており、落ちたところで怪我らしい怪我はしない作りだった。

 

それでも何かしらのハプニングはあったようで………

 

地下一階へと降り立ったリデルが見たのは、不機嫌そうな金髪の女子と頬に紅葉が咲いている黒髪の男子。そんな二人の周りで苦笑いしてたり興味なさそうにしている面々だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどなるほど。落ちるあの子を助けようとした拍子にあーだこーだなったと。なるほどなぁ……よし黒髪の、一発殴らせろ」

 

「ちょっと待て!なんでいきなりそうなるんだよ!」

 

「いやなんか帝国男子としていろんな意味で一発ぶちかましておくべきかなと。つーわけで殴っていいよな?」

 

「良くない!!」

 

 

 

黒髪の男子とどこか漫才のようなやり取りをしていると、どこからかピピピッと電子的な音が聞こえてきた。しかも一つではなくいくつも。

 

音のしている方に視線を持って行くと、どうやらズボンのポケットに入ってあるものから発せられてるようだ。

 

取り出してみると、それはメタリックなデザインの懐中時計のようなものだった。

 

 

 

「これは、入学案内書と一緒に送られてきた……」

 

「携帯用の導力機……」

 

(アーツ発動用の小型導力機……戦術オーブメントか)

 

『どうやら全員無事みたいね』

 

 

 

開くとすぐにその物体からサラの声が聞こえきた。

 

 

 

「この機械から?」

 

「つ、通信機能を内蔵しているのか」

 

 

 

「通信機能がある」という部分で何かを察した金髪の女子が驚きの声をあげる

 

 

 

「ま、まさかこれってーーー」

 

『ええ。エプスタイン財団とラインフォルト社が共同開発した次世代型の戦術オーブメントの一つ。第5世代型戦術オーブメント、ARCUSよ』

 

 

 

エプスタイン財団と七耀教会が密かに手を組み、星杯騎士団の騎士達が用いる法術を機械的に再現することで生まれた導力魔法ーーー通称アーツ。

 

そんなアーツを使用する為にエプスタイン財団が開発したのが戦術オーブメントである。

 

戦術オーブメントの分野ではエプスタイン財団がほぼ独占している状況だがラインフォルト社も黙っておらず、財団との共同開発という形だが戦術オーブメントの開発に動き出している。

 

その後、サラから手元にあるARCUSという戦術オーブメントについて簡単な説明を聞いている内に、リデルは特科クラスⅦ組設立の理由を理解した。

 

 

 

(人材育成はあくまで理由の一つ。メインはこいつの試験運用ってわけか。あの人が絡んでるってことはまだ何かしらありそうだが……)

 

 

 

『それじゃぁオリエンテーリングを始める前に……各自、台座にある用意されたクォーツを戦術オーブメントにはめなさい。あと、預かってたものも返すから』

 

 

 

今いる空間を見渡すと、壁際にいくつもの台座があるのに気づく。その上には小さな箱が置いてあり、一緒に大きなバッグだったり布に包まれた物だったりが置かれている。中にはリデルが預けた物もあった。

 

 

(そういえば、校門辺りで先輩らしき人に渡したっけ。隣にちっこいのも居たけど、あの人も多分先輩なんだろうな)

 

 

 

サラの言葉通りに各々、自分の荷物が置かれている台座の前へと向かって行く。

 

 

 

(さて、この中にあるのを填めればいいんだな)

 

 

 

小さな箱を開けると、中に一回り大きいクォーツが入って居た。それを戦術オーブメントの真ん中の窪みに填める。すると、填めたクォーツが少しだけ光った。

 

 

 

『その光は君達とARCUSが共鳴・同期した証拠よ。これでめでたく、アーツが使えるようになったわね』

 

「アーツの使用方法が分からない奴以外はな」

 

 

 

アーツは基本的に剣や銃などの武器と同じく攻撃手段の一つである。

 

軍隊や警察、遊撃士などが使用するが一般市民が使うことはほぼなく、使い方を学ぶ機会もない。

 

今、この場にいる者は身分の差はあれど、半数は使い方を学ばず、使用可能になっても使えない者達だ。

 

 

 

『そこは大丈夫。今の所使えるのは5人ぐらいだし、それ以外の子達も追々勉強してもらうことになるから』

 

「アーツは戦闘において重要な要素だからな。軍人になるかならないかは別として、士官学院生として基礎は学んでおくべきか」

 

『そういうこと。さて、それじゃぁそろそろ始めるとしますか』

 

 

 

サラの言葉に反応するかのように、リデル達が今いる空間から違う空間へと繋がる扉がゴゴゴと音を立てながら開いた。

 

 

 

『そこから先はダンジョン区画になってるわ。割と広めで入り組んでるから少し迷うかもしれないけど、無事に終点までたどり着くことができれば、1階まで戻ってくることができるわ』

 

「‘無事に’ね。てことは、やばいのがいるってことか」

 

『魔獣が少しだけね。でも危険性の高くないのばかりだし、‘君’やフィーがいればまぁ問題ないでしょ』

 

 

 

遠回しにフォローを頼まれた。

 

同じく名指しされた銀髪の少女の方を見る。

 

その見た目からは想像もつかないが、罠の存在に気付き、その罠を難なく回避してみせ、さらにサラから期待されているところをみると、どうやらフィーという少女はある程度の実力を持っているらしい。

 

 

 

『それではこれより、トールズ士官学院特科クラスⅦ組の特別オリエンテーリングを開始する。各自、ダンジョン区画を抜けて1階まで帰ってくること。文句があったら、その後に受け付けて上げる』

 

 

 

『それじゃぁ頑張ってねぇ』という言葉を最後に通信が切られた。

 

残されたのは、今までの流れに流され続けてまったくついていけてない10人の学生だった。

 

 

 

 

 

通信終了から数秒後。リデルの呼び声で一度扉の前で集まることになった。

 

今は全員が何かしらの武器を持っている。

 

リデルが持ってるのは火薬式の炸裂機構が付いた振動剣という剣が二本だ。

 

 

 

「……それで、これからどうするか」

 

「教官はダンジョン区画を抜けて一階まで来いっていってたけど」

 

「どうやら、冗談というわけでもなさそうね」

 

「むしろ冗談であってほしいがな。あの人ぶん殴れば済む話だから」

 

「さすがに教官を殴るのはダメだと思うんですけど……」

 

 

 

ダンジョン区画を抜けて戻ってこいとは言われたが、果たしてどうするべきか………

 

そんな空気が流れる中、付き合ってられないとばかりにユーシスが一人ダンジョン区画へと歩き始める。

 

それに気づいたマキアスが噛み付くかのように呼び止める。

 

 

 

「待ちたまえ。いきなりどこへ……まさか、一人で勝手に行くつもりか?」

 

「馴れ合うつもりがないだけだ。それとも、貴族風情と連れ立って歩きたいのか?」

 

「ぐっ!」

 

(はぁ〜。まーた始めやがったよ)

 

 

 

先ほどと同じように相手を挑発するユーシスとそれに乗ってしまうマキアス。

 

革新派と貴族派、両派閥と縁が深い二人がいがみ合った結果ーーー

 

 

 

「だっ、誰が貴族如きの助けを借りるものか!!」

 

 

 

激昂したマキアスが一人でダンジョン区画へと行ってしまった。少し遅れてユーシスも一人で歩いて行った。

 

 

 

(チッ。あのメガネ、どんだけ沸点低いんだよ……しかし、これは少しまずいな)

 

 

 

先ほどの犬猿コンビを見て何かに気づいたリデルは状況が悪くなる前に手を打たんと策を練り始める。

 

 

 

「……おい、フィーっつったか。あのさーーー」

 

 

 

言いかけた所でリデルは気づく。

 

名前を呼んだフィーの姿がどこにもないことを。

 

 

 

「……なぁ、あの銀髪どこいった?」

 

「あの二人がいがみ合ってる時に一人で歩いて行っちゃったけど」

 

 

 

明るい赤色の髪の男子の一言でリデルのストレスゲージが半分を超えた。

 

 

 

「あんのクソッタレ共……もういい。今いるメンツを2チームに分けるぞ。男子チーム3人と女子チーム3人だ。文句ないな?」

 

 

 

怒りの感情を滲み出しながら仕切り始めるリデル。彼のチーム分けにエマが疑問を投げかけた。

 

 

 

「あの、リデルさんはどうするんですか?」

 

「俺はメガネの後を追う。銀髪と貴族は大丈夫だと思うが、メガネは銃の扱いに不慣れみたいだったからな。魔獣にやられる可能性が一番高いのは多分あいつだ」

 

「なるほど。たしかにあの様子ではいささか心配だ」

 

「ああ。どうやら少し頭に血が上りやすい感じだったな」

 

「それは分かるけど、でも男子と女子に分けると女子の方が危なくないかな?」

 

「それは問題ないだろ」

 

 

 

赤茶色の髪の男子の発言をリデルは大剣を持つ青い髪の女子に目をやりながら否定した。

 

 

 

「そこのポニテのはアルゼイド流の使い手ーーー恐らくあの光の剣匠の娘だろうからな」

 

「むっ。たしかに私の父は光の剣匠と呼ばれるヴィクター・S・アルゼイドだが、よく分かったな」

 

「あんたの父親のことを知ってれば髪色と得物で察しがつく」

 

 

 

アルゼイド流という言葉に黒髪の男子が反応を示した。

 

 

 

「アルゼイド流……ヴァンダール流と並ぶ帝国の武の双璧と呼ばれる流派だな。そして光の剣匠と呼ばれるアルゼイド子爵は帝国最高の剣士として知られる。それほどの剣士を父に持つなら、たしかに女子だけでも問題はなさそうだ」

 

「だろ?それに男子チームにもそこそこ腕の立つのがいるみたいだし、現状ではこの編成が一番ベターだろう」

 

「でも、それだと一人で動くリデルさんが今いる中では一番危なくないですか?」

 

「大丈夫だ。自分で言うのもなんだが、多分これに参加させられてる面子の中で俺が一番強いから」

 

 

 

その自信ありげな発言に青い髪の女子の眉がピクリと動く。

 

 

 

「というわけで先行くから。お前らもやられんように気をつけろよ」

 

「あっ、はい。リデルさんもお気をつけて」

 

 

 

残りの6人に見送られる形でリデルもダンジョン区画に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー↓ーーー↓ーーー↓ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなと別れて数分後。石造りのように見えるダンジョンの中を歩いていると、どこから銃声が聞こえてきた。

 

 

 

(この音……フィーって奴が持ってた双銃剣じゃないな。てことは………)

 

 

 

音の発生源で何が起きているのかを察し、その場所へ向かって走り出す。

 

現場はかなり近くだったためすぐに着いた。

 

銃を撃っていたのはマキアスであり、彼の周りに羽の生えた猫のような魔獣が2匹、いくつもの石で体の周りを固めた魔獣が1匹。状況はかなり悪かった。

 

 

 

(チッ。しゃーねぇ)

 

 

 

腰の両脇にあるホルスターから振動剣を抜き、意識を切り替える。

 

走りながら一瞬だけ足に力を込め、一気に駆け出した。

 

その動きは普通の人の目には追えない速さで、5メートルの距離を一瞬で詰め、剣先で猫のような魔獣の体を切り裂いた。

 

ほぼ同時にもう一本の振動剣を2匹目に向かって投げつけた。

 

 

 

「なっ!?い、いつの間にーーー」

 

「ったく、世話かけさせんじゃねぇぞっと!」

 

 

 

マキアスのことは一旦スルーして、瞬間移動するかのように石で身を固めた丸い魔獣のそばまで来ると、振動剣が体に突き刺さった猫の魔獣めがけて蹴り飛ばす。

 

空中で激突した2匹は床に落ちてそのまま動かなくなった。

 

 

 

「はい終わりっと」

 

 

 

突然現れては一瞬で魔獣を3匹倒し、あっという間に劣勢を覆したリデルを見つめた状態でマキアスは固まっていた。

 

 

 

「うん?どした?」

 

「いや……ていうか、どうしてここに………」

 

「見るからに戦い慣れてなさそうなのが一人で突っ走ったから、そのフォローをしに」

 

「うぐっ」

 

「でもまぁ、怪我する前に合流できてよかった。もっとも、‘いらない心配だった’みたいだけどな」

 

「えっ」

 

 

 

二人がいる広めの空間から三方向に伸びる通路。内の一つ、途中で曲がる通路の先をリデルは見つめていた。

 

マキアスも視線をおって通路の方を見るが、見る限りでは何もいない。

 

 

 

「さて、とりあえずだ。まずは自己紹介というわけで。リデル・バートレットだ。よろしくな」

 

「えっと、もう知ってるとは思うが、マキアス・レーグニッツだ」

 

「よし、済んだところで簡単な説明と提案。今は貴族と銀髪以外は男子チームと女子チームに分かれて動いてる。俺としては一旦男子チームに合流しようと思うんだけど、どうする?」

 

「あ、ああ。異論はなーーー待て。女子チームってことは女子しかいないってことみたいだが、大丈夫なのか?」

 

「ああ。腕の立つのが一人いるから問題ない。というわけで行くぞ」

 

「分かった」

 

 

 

無事に合流したリデルとマキアスは男子チームと落ち合うべく歩いてきた道を戻り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、リデルが見つめた道の先、曲がり角を曲がった所ではーーー

 

 

 

 

 

(どうやら助けに入る必要はなかったみたいね)

 

 

 

 

 

手に短めの槍を持った、色黒の黒いポニーテールの女子が立っていた。先ほどの魔獣に対する一方的な虐殺に等しい現場を見ていたようだ。

 

 

 

(それにしても、気配を消していたはずなのに気付かれるなんて……あの青い髪の子、思っていた以上に出来るみたい。他にも腕の立つ子がいるみたいだし……ふふっ楽しくなりそうね)

 

 

 

小さく微笑んで、彼女は通路の向こうに広がる闇の中へと消えていった。




今回のお話の終盤で出てきたオリキャラ
あのタイミングで旧校舎地下にいるという時点でどんな立場にいるキャラかは分かるでしょう
というか、いくら元猟兵や光の剣匠の娘がいてもフォロー無しっていうのはおかしい気が
まぁゲームという形式上仕方のないことかもですが、物語的には違和感あるので出しました

てか、閃の軌跡のSS書くの楽しすぎて全然Ⅱをやっていない
Ⅲをやる前に二週目して黒の史書に目を通すぐらいはしないと


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