ゲートGTA彼の地にて斯く、混沌せり (コッコ)
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銀座事件

GATEとGTAのクロスオーバーです。


~東京都 銀座~

 

銀座にある中規模の銀行は、何時もの様に平穏に終わる物だと考えられていた。

大した事件も無く、まさか強盗が来る何て事はないと思われていた時、四人のスーツ姿の男二人と女二人が入ってきた。

その顔にはピエロか何かのお面を着けてだ。

 

銀行内の人々は唖然としていた時、一人の男がピストルを上に撃った。

 

「きゃあぁぁぁぁぁッ!」

 

「動くな!大人しくしろ!」

 

「おい、早く銀行員を捕まえて金庫がある部屋の扉を開けさせろ!」

 

男の他に三人はポンプ式のショットガンやアサルトライフル、挙げ句の果てにはマシンガンまで持っている。

強盗の一人が銀行員の元に素早く駆け寄ると、襟元を掴んだ。

 

「金庫前の扉を開けろ!早くしなきとお前の脳ミソを吹っ飛ばすぞ!」

 

「わ、分かりました!」

 

強盗は銀行員を連れて金庫前の扉を開けさせると、銀行員を人質の集められた場所へ放り投げ、仲間の一人と共に侵入する。

 

「早くしろローラ!」

 

「分かってるわよ!」

 

ローラと呼ばれた強盗は急いで何かの機械を金庫を制御する機械に繋げると、作業を開始した。

馴れた手付きで操作していくと、金庫が開き強盗二人は中に入って置いてある金を持てるだけ鞄へ入れていく。

 

「よし、積め込んだ!逃げるぞ!」

 

強盗二人は金庫から出てくるのを確認し、人質を制圧していた二人も見計らって逃げる。

四人の強盗が脱出するのと同時に警鈴が鳴り響き、四人は用意された黒塗りの車に素早く乗り込んで逃げ去った。

 

「イヤッホォ!今回は楽勝だったなラスター!」

 

「まだ油断するなロスト。察がすぐにでばってくるぞ」

 

「でも、動く前に成功させたからすぐには来ないわよ」

 

「それでもだジョバーナ」

 

強盗達が逃走する中、銀座の中心に大きな門らしき物が現れていた。

野次馬が厚真って動画や写真が撮られている中、強盗達もやって来た。

急いで車を運転していた為、運転していた強盗が急ブレーキを掛けて止まった。

 

「何だこの人盛りは?」

 

「不味いわ。この人混みを引いて進むのは流石に抵抗があるし、察もすぐに来るわ」

 

「ねぇ、あれは何?」

 

「何って、門だろ?」

 

強盗達も唖然として門を見る中、突如門から何か飛び出してきた。

それは、ドラゴンだった。

 

「おい、ドラゴンが出てきたぞ!」

 

「それだけじゃなさそうよ・・・」

 

「おいおい、映画の撮影か?」

 

「ローマみたいのが出てきたよ」

 

民間人と強盗達は動揺を走らせていた時、突然角笛らしき音が響き、ローマ兵の様な者達がいきなり大量の矢を放った。

その矢は民間人に襲い掛かり、強盗達が乗る車にも流れ弾為らぬ流れ矢が当たった。

 

「おい、矢は本物だぞ!」

 

「ちッ、逃げるぞ!お前ら、必要なら援護しろよ!」

 

「「「おう!」」」

 

強盗は車を反対の方向へ向けると、急いで走らせ様とした。

だが、車に大きな怪物がやって来て勢いよく吹っ飛ばした。

 

「畜生!」

 

強盗の一人がマイクロを怪物に向けて連射する。

怪物は倒れたが、車は引っくり返っていて走れない。

強盗達は仕方なく車から降りると、フル装備の特殊カービンを構えつつ移動を開始した。

 

「レスター!」

 

『分かっている!まさか日本で非科学的な事が事が起こるなんて予想がつかなかった!今から逃走ルートを伝える。言う通りに動いてくれ!』

 

「分かった!」

 

強盗達はレスターの指示を受けながら進む、多少戦闘はあったが重火器と剣や槍では勝負になる筈もなく、支障もなく進んだ。

 

「あ、あわわ!」

 

強盗達は広い場所に出ると、警官がドラゴンを撃っている。

へっぴり腰で強盗達は当たる筈もないと感じていたが、運良く当たったのかドラゴンは怯んで何かを落とした。

落ちてきたのはあの門から来た兵士で、暫く倒れていたが、すぐに起き上がって剣を片手に警官に襲い掛かった。

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

警官は怯み上がって逃げようとせず、殺されたと思いきや素早い動きで兵士を抑え首を締めた男がいた。

男は首を締めて抑え、兵士の落とした剣を拾って止めを刺した。

 

「あ、あぁ・・・」

 

「大丈夫か!」

 

強盗達は男の手際に素人ではないと感じ、警戒していたとき男の油断を突いた別の兵士が槍を持って、男を突き殺そうとしている。

 

「しまった!」

 

男は死を覚悟したのか目を閉じていたしかし、突然短い音と共に兵士は頭に血を流して倒れた。

 

「大丈夫か?」

 

「あぁ・・・すま」

 

男は唖然とした。

それもそうだ。

日本では銃を持つ事は違法で、男が見た物は特殊カービンを持った四人の強盗だったのだ。

 

「な、何で銃を・・・?」

 

「これか?・・・拾った」

 

「いやいや!銃は日本は扱ってないし!」

 

「まぁ、そんな固い事を言うな。さて、俺達は逃亡させて貰うぞ」

 

強盗達は逃げようとした時、奥の道路から更に敵の大軍がやって来ているのを発見した。

 

「レスター!逃走ルートに多数の敵だ!」

 

『くそ、そうだとしたら残っている安全地帯は皇居しかない!』

 

「皇居?あのJapanesEemperor(ジャパニーズエンペラー)の住むあの皇居か!無理だろ!」

 

「皇居・・・そうか!」

 

男は皇居と聞いて走り出して行った。

強盗達は唖然としていると、レスターの声が入る。

 

『つべこべ言うな!急げ!』

 

レスターはそれを言うと、聞いた強盗は仲間に指示する。

 

「皇居だ!急いで車に行くぞ!」

 

強盗達は走って皇居へ向かう。

 

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強盗達は皇居へ着くと、人で一杯だった。

兵士は着々と接近してくるのに押し問答になっている。

 

「おい、やっぱり失敗じゃねぇのか?」

 

「レスターを信じるしかない・・・」

 

強盗達は不安な中、奥の扉が開かれ人が一斉に飛び込んだ。

強盗達もどさくさに紛れて皇居へ入ると、一息着いた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・何とか逃げ切ったか・・・」

 

「もう、こんなの御免だぞ・・・」

 

「そうね・・・」

 

「私もよ・・・」

 

四人はへばっていると、一斉に銃を向けられた。

銃を向けているのは全員警官で、明らかに強盗犯だと分かっている。

 

「レスター・・・」

 

『すまない。だが、命は助かった』

 

「・・・最悪だ」

 

強盗達は警官に手錠を掛けられて部屋に監禁された。

その後、自衛隊が出動し、兵士は掃討され事件は解決された。

この事件は銀座事件と呼ばれ、強盗があった事件は銀座強盗事件として、二つの事件は大きく新聞やテレビにとりあげられる事になった。



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取引

総理官邸では謎のゲートと強盗団の事を議論している。

何故、ゲートだけでなく強盗団も含まれているのかと言うと、強盗団は全員アメリカ人なのだ。

しかも、アメリカの最も犯罪者が潜むサンアンドレアス州ロスサントスの出身で、アメリカきっての犯罪集団だったのだ。

 

強盗のメンバーの名前はこうだ。

 

ラスター=ジョンソン

 

強盗団のリーダー。

冷静沈着、常に状況を考えて動きパシフィック銀行の強盗等の大きな仕事を成功させている。

過去の経歴は不明。

 

ローラ=メルリア

 

強盗団のメンバー。

機械の天才でどんなセキュリティーも突破する技術を持つハッカー。

元は科学者だったが追い出されて強盗団のハッカーになった。

 

ロスト=ボルソン

 

強盗団のメンバー。

元軍人で銃器の扱いは非常に長けている。

また、戦闘機や戦闘ヘリ、戦車等の軍事車輌も使える。

 

ジョバーナ=サカモト

 

強盗のメンバー。

これと言って特徴はないが、乗り物の操縦技術はプロレーサー扱。

日系アメリカ人。

 

無茶苦茶すぎる物で、政府もどうすれば良いのか頭を悩ませる。

サンアンドレアス州ロスサントスに送り返して裁きを受けさせる、と言う意見もあったが何故かどんなに重い罪でも保釈金を出せば解放される様になっている。

つまり、送り返しても無駄であり肝心のアメリカも動きはなかった。

 

「どうしましょう総理?」

 

「ふむ・・・」

 

「総理。此所は彼等に取引を持ち掛けてみては?」

 

「取引?」

 

「はい。見た所、彼等は報酬さえ払えばどんな仕事も請け負う様です。彼等にゲート内部の特地の調査に協力させ報酬として、釈放と証拠として押収した3億を与えると言うのです。犯罪者ですが彼等の能力は捨て置くには勿体ないです」

 

総理はその言葉に難しい顔で唸る。

 

「だが、世論は許すのか?犯罪者であるのは変わらんのに・・・」

 

「大丈夫です総理。幸いにも彼等は誰も殺していません。何とか言いくるめればなります」

 

「・・・なら、やってみようか」

 

総理の言葉で議員達は拍手した。

提案した議員に不適なニヤつきがある事を気付かず。

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~留置場~

 

ラスターは面会室である人物を待っていた。

一人、差し入れられたトランプを弄りながら待っていたラスターの元に杖を突いた中年の男が入ってきた

 

「やっと来たかレスター」

 

「待たせてすまないな。少し野暮があったんだ」

 

レスターはそう言うと、用意されている椅子に座りラスターと対面する。

 

「・・・で、此所から出る手筈は?」

 

「もうやっておいた。しかも、利益にもなる」

 

「利益?」

 

「政治家の一人に金を掴ませてお前達を雇う様に仕向けた。少し、無理はあったが情報操作ぐらいはこっちの十八番だ」

 

レスターはそう言って笑うと、ラスターも笑う。

 

「それで、雇う内容は?」

 

「ゲートを見ただろ?あの中の特地と呼ばれる場所の調査に協力する事だ」

 

「調査?おいおい、俺達は調査員じゃないぞ」

 

「言っておくぞ。外に出て無理に国外逃亡しようとも無理だ。日本の察は優秀だ・・・それに、利益もなくロスサントスに帰れるとは思うな?」

 

「・・・はぁ、分かったよ。受ければ良いんだろ、受ければ・・・」

 

ラスターは諦めムードでレスターにそう言うと、レスターの後ろの扉が開かれた。

そこから来たのは、スーツの議員風の男だ。

 

「ラスター。紹介しよう、スギオ=ノノムラだ」

 

「野々です」

 

「お前が金を掴んだ議員か?」

 

「何の事やら・・・それで、受けてくれるのですね?」

 

「あぁ・・・もう受けるしかないだろ」

 

「良かった。では、よろしくお願いしますね」

 

こうして、ロスサントスの犯罪集団を雇い入れた政府は特別法案を可決し、特地に自衛隊を送る事になった。



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連合諸王国軍

特地に入った自衛隊はゲートを抜けると同時に、戦闘に入った。

暗闇の奥に見える無数の篝火に自衛隊は怯まず配置に着いて敵が来るのを待ち受けた。

そんな状況の中、ラスター率いる強盗団もいた。

 

「はぁ・・・俺達は傭兵か何かになったのかラスター?」

 

「しょうがないだろ。レスターを敵に回して逃げ切る様な事は出来る筈がない。面倒だが失敗した取り分を取り戻す為にやるとしよう」

 

「もう、しょうがないわね・・・」

 

「ラスターがそう言うなら・・・」

 

ラスター達が話し終えると同時に、敵がゆっくりと押し寄せてくる。

ラスターは持ち込んだベビースナイパーを向けて狙った。

 

「(悪いが死んで貰うぞ・・・)」

 

ラスターはそれだけを思うと、ベビースナイパーの引き金をゆっくりと引いた。

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~帝都ウラ・ビアンカ~

 

ゲートを使い攻め込んだ国、帝国。

文明はローマ帝国の様な物で、元老院と呼ばれる場所で帝国の政治家達が話し合っていた。

 

「大失態でありますな、皇帝陛下。帝国の戦力の何と六割の損失・・・如何、御教示なされるか?」

 

元老議員のカーゼルは帝国の皇帝モルトを非難する様に言うと、モルトは玉座に座って発言する。

 

「カーゼル侯爵。貴殿の心中は察する物である。帝国に服しておる諸国が一斉に反旗を翻し、帝都を何時包囲するのか不安なのであろう・・・痛ましい事である」

 

モルトはカーゼルをからかう様に言うと、更に発言する。

 

「我が帝国は危機に陥る度に皇帝、元老院、国民がひとつとなってきたではないか。戦に百戦百勝はない!故に此度の責任は追求はせん!まさか、他国の軍勢が帝都を包囲するまで裁判ごっこに明け暮れる者はおらぬよな?」

 

「自分の責任を不問に・・・」

 

モルトの上手い責任の避け方にカーゼルは悔しそうに呟く。

そこに、杖を突いた頭に包帯を巻いた男が歩いてきた。

 

「しかし、如何なされますか?敵は丘を奪い、陣を築こうとしているのですよ。無論、我らは丘を奪還しようとしました。しかし、パパパ!と言う音が聞こえる同時に味方の兵は倒れ、わしの隣にいた指揮官が頭を何かに貫かれて死んでいたのです!」

 

男の敵の恐ろしさを語る言葉に元老院は黙っていると、鎧を着た男が立ち上がった。

 

「何を弱気な事を言っている!属国から兵をかき集め、再び門の向こうに攻め混むのだ!」

 

「力ずくで戦ってどうする!」

 

「引っ込め、戦バカ!」

 

「何だと!」

 

元老院は議論と言うより、子供の言い合いに近い物になってしまった。

カーゼルは唖然としていると、モルトは手を少し挙げて制す。

 

「余はこのまま座視する事は望まん・・・ならば、戦うしかあるまい」

 

モルトはそう言うと、立ち上がって宣言した。

 

「他国に使節を派遣せよ。我らは異世界の賊徒を撃退する為に、連合諸王国軍を糾合する!」

 

モルトの言葉に議員達は称賛の声を挙げるが、カーゼルだけは違った。

カーゼルはモルトの前に行くと、モルトに向かって言った。

 

「皇帝陛下。アルヌスの丘は人馬の骸で埋まりましょうぞ・・・」

 

「・・・ふっ」

 

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~アルヌスの丘~

 

連合諸王国軍がアルヌスの自衛隊に向かって行進していた。

連合諸王国軍の参加国の一つ、エルベ藩王国のデュランがアルヌスの丘を見ていた。

 

「陛下!二つ丘の向こうに、斥候らしき者がおります」

 

「ほおっておけ。諸王との会合を急がねば」

 

その夜、諸王達は軍議を始めていたが帝国の司令官が来なかった。

 

「帝国軍の司令官が来ぬだと!」

 

「我が軍は敵と対峙しており、その場を離れる訳にはまいりません」

 

「ぬぅ、解せんな・・・敵は然程いる様には見えなかったが・・・」

 

「デュラン殿。帝国軍は我らの代わりに敵を抑えてくれているのだ」

 

「リィグゥ殿・・・」

 

リィグゥの主張にデュランは不安を覚える。

 

「分かりました。では、我らが先鋒を賜りましょう」

 

「いや、我が軍こそ前衛に!」

 

「お待ちくだされ!此度の先鋒は我々に!」

 

諸王達は手柄を立てんと、先鋒になろうとしたがデュランは先鋒に志願しなかった。

その後、帝国の伝令は帰っていくとテント内では先鋒になった諸王が朝が待ち遠しいと言っている。

 

「此度の先鋒はならなんだか・・・」

 

「異界の敵は少数、此方は号して10万。武功が欲しければ先鋒以外にないとお考えか?」

 

「でしたら何故、先鋒を望まなかった?」

 

「今回の戦はどうも気に食わん・・・」

 

「はは!エルベ藩王国の獅子と吟われたデュラン殿も年波には勝てんと言う事か・・・ははは!」

 

リィグゥは笑うが、デュランは真剣な面持ちで明日を待つ。

翌朝、連合諸王国軍は決められた場所に軍を置くと一斉に進軍を開始した。

 

「そろそろ戦いが始まる頃合いか」

 

「報告!アルグナ、リィグウ公国軍が動き出しましたた!」

 

「帝国軍は?」

 

「それが、帝国軍は一兵もおりません」

 

「何だと!」

 

その頃、リィグゥも帝国軍がいない事に気付き異変を感じた。

 

「どうして帝国軍の姿がない!」

 

「分かりません」

 

「くッ、まさか・・・」

 

リィグゥは嫌な予感を感じ始めた時、突如大爆発が起きリィグゥも巻き込まれる様に爆発に飲まれた。

その光景を遠くなら見たデュランは驚愕した。

 

「まさか、アルヌスの丘が噴火したのか?」

 

デュランは爆発の原因を探るべく進むと、そこには変わり果てた兵士の死体だらけで、思わず吐き気を催す兵士もいた。

 

「アルグナ王は・・・リィグゥ公は何処に!」

 

連合諸王国軍の被害一万以上。

その結果を出していても連合諸王国軍は進もうとしたが、アルヌスの丘に簡易式な陣地を築き、尚且つ現代の兵器を武装した自衛隊には敵わず更に被害を出した。

 

「連合諸王国軍は既に半数歯科存在せん・・・何故、この様な事態に!」

 

「帝国軍は何処で何をしておるのだ!」

 

「いや、帝国軍とて敵う相手ではない。此所はもう退くしかないのでは!」

 

「このまま逃げて帰る訳にはいかん!」

 

「しかしデュラン殿、我々の力では!」

 

「夜襲ならあるいは・・・」

 

その夜、月明かりの無い地を連合諸王国軍は進む。

 

「今夜は新月。この闇夜に乗じ、丘に攻めれば敵陣に迫れる筈」

 

「音を立てるな・・・静かに進め・・・」

 

部隊長がそう指示した時、突如明かりが回りを照らし出した。

 

「何だ、この明るさは!・・・いかん!」

 

デュランは最初は戸惑っていたが、すぐに気付き馬を走らせた。

 

「全軍、馬を駆けさせろ!人は走れ!走れ、走れ!」

 

デュランは馬を掛けて突撃するが、有刺鉄線に馬が引っ掛かりデュランは投げ飛ばされてしまった。

 

「デュラン様!今、お助けします!」

 

「盾を前に!」

 

兵士達はデュランを助け起こすと、デュランはすぐに敵の射程内だと気付いた。

 

「逃げろ!皆、逃げるのだ!」

 

デュランは叫んだが時既に遅く、自衛隊の攻撃が開始された。

次々と凶弾に倒れる兵士を見たデュランは言葉も出ず、落ちていた弓と矢を拾って引いた。

 

「おのれ・・・!」

 

デュランは矢を飛ばすも届く筈もなく、正しく一矢報いただった。

 

「・・・何故、何故こんな事に・・・ふふふ・・・はっはっはっはっは!ふあはっはっはっはっはっ!」

 

デュランは狂った様に笑い出すと、砲弾の流れ弾がデュランの近くに当たり吹き飛んだ。

 



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現地調査

「調査?」

 

「はい。特地の経済と宗教、政治形態等を調べる様に上に言われて、次いでにラスター達も連れて行けと・・・」

 

ラスターは自衛隊駐屯地で武器の手入れをしている時に銀座で兵士から助け、多くの市民を救って銀座の英雄と呼ばれる伊丹洋司に共に調査に赴く様に言われていた。

 

「何で俺達なんだ?確かに仕事は受けているが他にもいるだろ?」

 

「それは、何か面倒見てろと言われて・・・」

 

「(つまり見張り役にされたのか・・・認識あるのか?)」

 

ラスターは何となく察すると、立ち上がった。

 

「分かったよ。だが、そちらの車両を貸して貰うぞ」

 

「えーと・・・何で?」

 

「はぁ・・・俺達は四人。そっちは伊丹を含めて他に隊員がいるだろ?はっきり言うと、定員オーバーを避ける為だ」 

 

「あぁ・・・成る程・・・」

 

ラスターは伊丹の態度に呆れると、準備をする為に仲間達の元に向かっていった。

 

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暫く時間が経った時、伊丹は第三偵察隊を纏めていた所に近づく自衛官がいた。

 

「伊丹隊長」

 

「どうした倉田?」

 

「何で他は三両なのに此所だけ四両なんですか?」

 

「いや、それがね」

 

伊丹は訳を言おうとした時、向こうから四人の黒い軍か特殊部隊の様な服装の人物達が大荷物でやって来た。

 

「はい、退いて退いて!」

 

一人がそう言うと、車両の後ろのドアを開けて次々と荷物を運び込む。

 

「ちょ、誰っすかあんたら!」

 

「今日から同行する犯罪者だが、何か?」

 

一人がそう言うと、最後の荷物をしまって後ろから乗り込んだ。

 

「た、隊長・・・!」

 

「お察しの通りだよ」 

 

倉田が動揺しているのを見て、伊丹は察した通りだと言った。

そう、四人はラスター達で持ち得る弾薬を詰め込んでいたのだ。

 

「隊長、幾らなんでも!」

 

「分かってるよ。でも、心底悪い奴等と言う訳じゃないんだぞ」

 

伊丹は最初こそは戸惑ったが、話してみると以外とノリが良く、日本のアニメ文化がラスター以外のメンバーに開かせた程だ。

 

「伊丹氏!準備出来たよ!」

 

「氏じゃないよ!今は隊長だよ!」

 

「そうですね伊丹氏!」

 

「はぁ・・・もうそれで良いよ」

 

伊丹は諦めたと言わんばかりに溜め息を着くと、倉田は苦笑いするしかなかった。

暫くして、第三偵察隊とラスター達は出発した。

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第三偵察隊とラスター達は出発してから長い時間が経過した。

 

「はぁ、暇だ~」

 

「しょうがないでしょ。此所にテレビやラジオが繋がる様な所じゃないのよ」

 

ロストの愚痴に運転するジョバーナが咎める。

ラスターは本を読み、助手席に座るローラは小型のヘッドフォンを着けて音楽を聞いている・・・と、思ったら寝ている。

 

「其々、好きに過ごせば良い。どちらにしろ殆んどの仕事は調査で終わるんだ」

 

「あぁ~何かトラブルが起きないかな~」

 

ロストが冗談混じりに言うと他のメンバーは、それは勘弁してくれと言わんばかりの表情をしていた。

彼等はロスサントスで様々なトラブルが発生しても対処してきたが、あの銀座事件のトラブルはトラウマだった。

 

「・・・あ、村ですよ」

 

ジョバーナがそう言うと、ラスターは双眼鏡で村を見る。

村は自分達を見つけて警戒したのか、家に入っていく。

 

「あまり歓迎されていないようだ」

 

「そりゃあ、私達は余所者だからね。この時代はローマ帝国が台頭した古代か中世辺り。盗賊の類いと思われてもしょうがないわ」

 

いつの間にか起きていたローラがそう言うと、村から少し遠くに伊丹達の車両は止まって、ラスター達も合わせた。

そして、ラスターは車両の無線を使って伊丹に呼び掛けた。

 

「どうする?」

 

「ん~・・・取り合えず安心させる為に女性人から行かせてみようかと」

 

「奴等が襲ってきたら?」

 

「それは・・・」

 

「撃ち殺しても構わないな?俺は大切な仲間の命は絶対に守る主義なんだ」

 

「「「(嘘つけ!)」」」

 

ラスターの言葉に三人はツッコンだ。

ラスターは確かに仲間を守るが、それは誰かが死ねば作戦は失敗して報酬を得られないからだ。

しかも、自分も危ないと感じれば即逃亡しようとも考える。

そんなラスターに三人が今まで着いてきたのはやはり、ラスターのリーダーシップが本物である証拠であり、今までこの四人で仕事をしてきたと言う、腐れ縁があるからだ。

 

「・・・分かった。襲ってきたら発砲を許可する」

 

伊丹はそれしか選択しは無いと、判断したのか。了承した。

ラスターはそれを聞くと、ローラの方を見る。

 

「行ってこいローラ」

 

「いや、可笑しいだろ!?何で私一人!?」

 

「ジョバーナは運転から外す訳にはいかないし、後に残るのはお前だけだ」

 

「いやいや!ラスターもロストも運転できるじゃん!」

 

ローラは必死に抵抗するが、最終的にロストが助手席の扉を開けて引き摺り落としてローラが中に入れない様に鍵を掛けた。

 

「ちょっと!」

 

「窓を壊すなよ。壊したら全額弁償するのはお前だ」

 

「うッ、分かりましたよ・・・」

 

ローラはそう言って、村の方へ向かう。

ラスターはそれを見送ると、様子を伺う。

 

「・・・自衛隊は黒川と栗林、ローラが行ったな。あ、出てきたぞ」

 

「何とか友好的になれたな・・・車両が動き出した、進め」

 

「了解よ」

 

ラスターの指示にジョバーナは応えると、車両を走らせる。

村に入ったラスター達は、伊丹達が情報収集しているのが終わるのを待った。

 

「喉かですね・・・」

 

「こんなの当たり前だ。ロスサントスに結構あるぞ」

 

「それはほぼ、昔の話でしょうが」

 

「・・・」

 

ラスターを除いた三人で話していると、村の子供が寄って来ていた。

やはり、珍しいのかジロジロ見てくる。

 

「おい、ガキ共。何見てやがる」

 

ロストが突っ掛かろうとした時、ジョバーナの拳骨が飛んだ。

 

「何すんだよ!」

 

「それは此方の台詞よ!子供相手に何、喧嘩腰になってるのよみっともない!」

 

「何だと!」

 

ジョバーナとロストの口喧嘩が始まり、ラスターとローラは呆れてしまった。

その内に子供な一人がラスターの近くにやって来た。

 

「ねぇ、それなぁに?」

 

「ん、これの事?」

 

ローラは手に持つ特殊カービンを見せた。

子供は頷き、興味津々に見てくる。

 

「これは銃と言う武器よ」

 

「銃?」

 

「そう。銃よ」

 

ローラはそれだけを言うと、黙り込む。

子供達はローラになついたのか、回りを囲む様に構ってムードになっている。

 

「ほぉ、子供に好かれる体質なんだな?」

 

「・・・私は子供は嫌いよ。何とかして」

 

「それは無理だ。幾ら悪どい商売をする俺でも、子供に手を挙げる様な事はしない」

 

ラスターは笑いながら言うと、ローラは困った様に未だにしがみついてくる子供を見つめる。

 

「ラスター。そろそろ出発するぞ」

 

「さて・・・ジョバーナ、ロスト!喧嘩は止めて出発するぞ!」

 

「「ちッ!」」

 

二人は舌打ちして、車に戻って行くとローラもそそくさと戻る。

ラスターも乗り込むと村から出発した。

 

「それにしても本当に田舎だな。何処まで走っても家1つありもしない」

 

「しょうがないだろ。文明が低いんだからな」

 

「だからって、これは酷いでしょ!」

 

「うるさい!少しは静かに喋れ!」

 

「お前もな!」

 

運転中のジョバーナとロストが喧嘩し始め、ラスターは額を抑える。

ローラはラスターの心中を察して、同情の念を抱く。

暫く走った後、着けたままだったのか無線から何か歌が聞こえた。

 

「今、すぐ!メイコン、メイコン!」

 

「やふ、やふ!」

 

「何だそりゃ・・・」

 

ローラはそう呟くと、窓の方を見る。

 

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数時間が経過し夕日が沈む中、集落があるとされる場所まで向かっていると、無線が入った。

 

「ラスター。森の手前で夜営をする事になった。森に入るのは明日からだ」

 

「了解」

 

「良いの?」

 

「あぁ、何がいるか分からない森に入っても痛い目に遭うのは分かってるからな」

 

ラスターはそう呟くと、山や海での不運を思い出した。

山では猪が突進してきて吹っ飛ばされたり、海ではサメに食われそうになったりした。

 

車両を走らせ続けていると、急ブレーキがいきなり掛かった。

 

「どうした!」

 

「ラスター、前を見て!」

 

ラスターは前を見てみると、森が燃えていた。

ラスター達は降りると、伊丹達も降りて状況を確認している。

 

「災害か?」

 

「多分・・・大自然の驚異かな?」

 

「と、言うより怪獣映画見たいですよ・・・」

 

偵察隊の一番の年輩である桑原がそう言うと、伊丹は双眼鏡を覗く。

 

「ありゃま!」

 

ラスターも続いて覗くと、そこには巨大なドラゴンが空を飛びながら森を焼いている。

 

「首一本のキングギドラか?」

 

「おやっさん古いね・・・」

 

「どうするつもりだ伊丹?」

 

「そうだな・・・ねぇ、栗林ちゃん。怖いから一緒に着いてきてくれない?」

 

「嫌です」

 

「あ、はい・・・」

 

伊丹は栗林に同行を断られて森を見ると、ドラゴンが飛び去るのと同時に、何かに気づいたのか双眼鏡を素早く覗いて外す。

 

「なぁ・・・ドラゴンて、何もない森を焼き討ちする習性でもあるのかな?」

 

「ドラゴンの生体に興味がおありでしたら、隊長ご自身が追い掛けて見てはいかがですか?」

 

「いや、違う。村長が言ってたよな。彼処に集落があるって」

 

伊丹の言葉に全員が気付いた。

ドラゴンは森ではなく、集落を襲ったのだと。

 

「おやっさん。夜営は後回しかな」

 

「はい。全員、駆け足!」

 

桑原はそう言うと、偵察隊は走り出していく。

ラスター達はどうするか考えていたが、結局着いてきく。

 



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