この素晴らしいカズマさんにも祝福を (しょうぷー。)
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アイリスは可愛い妹のターン
この日常に祝福を!
ロリコン、俺はその言葉を忌み嫌っていた。
アイリスやこめっこらと仲良くするだけでロリコン呼ばわりされ最近ではロリマなんてあだ名がつけられているらしい。
俺はそう言われるたびに反論してきた。「俺はロリコンじゃない!」「たんに子供が好きなだけだ」
俺はいつだって自分がロリコンじゃないと信じロリコンにはならないと決意し16年間生きてきたわけだが
「おはようございますお兄様、ご飯の用意ができまし…どうしてニヤニヤされてるんですか?」
最近ではそんな決意が少し揺らいできた。
どうして俺とアイリスが1つ屋根の下で暮らしているのか、それを短く伝えるなら、俺がアイリスをさらった。
といえばいいだろうか。
これだけみれば俺は国家反逆罪に捕らえられてもおかしくないのだがこれにはちゃんとわけがある。
それは今からちょうど1週間前……
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「いいかアクア、勝負は一回きりの泣き言なしだからな」
俺は一枚のエリス硬貨を握りながらアクアにルールの確認をする。
「望むところよ!あんたの方こそ負けてから謝っても許してあげないんだからね!」
アクアが息巻いてる間に俺はエリス硬貨を上に打ち上げた。そしてそれをキャッチしアクアにエリス硬貨が入っている手を向ける。
「ちょっと待ちなさいよクソニート!私今の全然見てなかったんですけど!もう一回やりなさいよ!」
「嫌だよ、だってお前の場合宴会芸スキルとかで表か裏か分かるかもしれないだろ。これは単純に運の勝負なんだよさぁ表か裏、どっちだと思う?」
「そうねぇ〜……」
アクアが悩んでいると階段の方から足音が聞こえてきた。誰かとおもい視線を移すと、
「おはようございます2人とも、朝から何をしてるんです?」
パジャマ姿のめぐみんが手であくびを隠しながら挨拶してくる。
「おはようめぐみん、何をしているかだがそれは今から見れば分かる!さぁアクアどっちだ?」
「決めたわ!表よおもて!私の曇りなき眼にはあんたの手の中にある表のエリス硬貨が見えるもの!」
それが事実なら反則なわけだが…
俺はゆっくり手を開いていく結果は、
「裏だな」
「なんでよー!!!!」
どうやらこいつの曇りなき眼でも俺の運にはかなわなかったらしい
「ほら俺が勝ったぞ、約束通りそれ貸してくれよ」
「10分だけだからねそれ以上すぎたら財布の中身全部1エリスに変える罰を与えるからね!」
「その罰地味にえげつないな、大丈夫だってすぐに終わるから」
そうやって俺が貰おうとすると今まで蚊帳の外だっためぐみんが
「で?2人とも結局何をかけていたのですか?見れば分かると言われて見ていたのですか紅魔族随一の知能を使ってもそれがなんなのか分からないのですが?」
めぐみんは俺が持っている筒を指差しながら不思議そうに見ている。
「確かにめぐみんにはあまり顔なじみないかもしれないな、これは吹き矢っていうものなんだがまぁせつめいするより見た方がはやいな」
俺は先ほどのエリス硬貨を筒の中に入れて、開いてる窓に狙いを定めおもいっきり筒の中に息を吹いた。エリス硬貨はそのまま外に飛んでいった。
「なんですか、吹き矢っていうから矢を飛ばすかと思ったのに飛ばすのはエリス硬貨なんですか」
俺は何も言わず窓を指差し見てみろよと合図を送る。
めぐみんはどこか不満顔だが先ほどのエリス硬貨をみるとさらに不機嫌になったようだ。
「なんですかあれ」
「やったぁぁ!!こんなところに1エリス落ちてるなんて今日はついてるぜぇぇぇぇぇ!!!!」
めぐみんが見る方には先ほどのエリス硬貨を拾って喜んでいる1人の男の姿が、
「この吹き矢って魔道具は今すぐ1エリス硬貨が欲しいと望んでいる人のところまでエリス硬貨を飛ばすんだよ。そしてそれを拾っているやつを見て『ふっ、あんなしけた金で喜びやがって』なんて言って優越感に浸るものなん」
「なんですかそのゲスい遊びは!朝からなんて遊びをしてるんですか!……ちょっと待ってくださいさっき私に、あまり顔なじみないかもしれない、て言ってましたよね。それってまさか私が1エリス恵まれる側だからじゃ」
「ち、違うよ!実はこの魔道具一般人じゃまず払えないほどの金がかかるんだよ」
「へぇいくらだったんですか?」
俺は少しめぐみんから目をそらし、
「…500万エリス」
めぐみんは顔を引きつらせたまま動かなくなった。
その後、起きてきたダクネスが凍りついためぐみんを不思議に思いわけを話すと没収され2度とあの魔道具を見ることはなかった。
「うわああああああーん!私まだ遊んでないのに!!10分で交代だって言ったのに!!!うわあああああーん!!」
ダクネスに没収され粉々に壊された魔道具を見てアクアが泣き叫ぶ。そんなアクアを見てオロオロしているダクネスとまだ凍りついためぐみん。
今ならちょっとイタズラしてもバレないんじゃないんだろうか…
「悪かったアクア、まさかお前まであんな悪趣味な遊びをしているとは思わなくて、ほらこれをやるから機嫌を直してくれないか?」
ダクネスはそういうとポケットから財布を取り出した。
あいつ金で解決するのか…なんだかだんだんこの世界の貴族ぽくなってきたなあいつ。
と思ったらダクネスは財布の中から1枚の紙切れを取り出した。
「グスン、何それ?」
「これは近所のキャベツ屋の割引け
アクアは最後まで聞くことなく思いっきり割引券をはたいた。
「もしかしてダクネスって私のことバカにしてるの?昔の私なら喜んだでしょうけど今の私はお金持ちなのよ、今はそんなものじゃ満足できないわ。そうねぇ、近所のキャベツ屋の権利書ぐらい持ってきてくれなきゃ私の怒りはおさまらないわ!」
ほとんどの金をひよこに貢いだ自称金持ちが何か言っているが俺はそれを聞かなかったことにして朝飯の準備へと向かった。
朝ごはんも食べ終わりそうすると次の飯までやることがなくなる。めぐみんはゆんゆんのところに行ったしダクネスは実家に帰ってしまった。そうするとここにいるのは俺とアクアになるのだが、
俺はアクアの方を見る。そこにはダクネスから10枚ほどの割引券をもらいご満悦のアクアがいるのだが、
「はぁ」
「ちょっとなんで私の顔を見てため息するのよ、知ってるカズマ?ため息すると運が減るのよ。数少ないあんたの取り柄の運がなくなったらあんたなんてもうただの動かないニートなのよ、分かったなら喉が渇いたから飲み物とってきて」
はやくいけと目配せを送るアクアに従って俺は台所に向かう。
そして適当に飲み物を注いで入れてアクアに差し出す。
「ほい」
「ありがと」
アクアはすぐには飲まずゼル帝を撫でていた。
そうして少し談笑し昼ご飯の時間がやってきた。
「アクア、何か食べたいものあるか?」
「別に、カズマと同じものでいいわよ」
そうかと頷き俺は適当に飯を作り食べた。
そしてその後もアクアとなんのこともないことを喋り夕飯の時間が迫ろうとしていた。確か今日の当番はめぐみんだったはず、そうするとドアが開く音がした。丁度めぐみんが帰ってきたのだろう。
「ただいまかえりましたって今日も2人ともずっと家にいたのですか?」
「そうね」「そうだな」
アクアと俺の声が重なる。
「ちょっと待ってください、2人とも昨日は何してたか覚えてますか?」
何やら困惑した様子でめぐみんが問いかけてくる。
それにしても昨日か、昨日は何をしてたっけ?
「昨日も1日中家にいたわよ」
「あーそうだったな昨日も家にずっといたな」
確か昨日も特に何もすることなくアクアと1日中家にいた気がする。
「そうですね、じゃあ一昨日は何してたか覚えてますか?」
一昨日か一昨日は確か…
「家にいたな」「家にいたわね」
また俺とアクアの声が重なる。
「ですね、では1週間前は何をしてましたか?」
「さすがに1週間前のことはおぼえ」
「家にいましたよ!ここ最近2人とも怠けすぎです!クエストにも行かないですし家から一歩も出ませんしいい加減外に出たらどうですか?」
俺の言葉を遮ってめぐみんが声を荒げる。
何か訴えてきているが不思議と今の俺の心に響かない、それはアクアも同じだったらしく、何いってんだこいつ、と言いたそうな顔をしている。
「ちょっと2人してなんですかその顔は!?なんで私がおかしなことを言っているみたいになってるんですか!」
なんと俺もアクアと同じような顔をしていたらしい、なんか今はこいつと気があう気がする。
「ねぇカズマ、めぐみんもこんだけ言ってるんだし少し付き合ってあげなさいよ」
「どいうことですかアクア!?どうして私がワガママを言ってるみたいになってるんですか!」
それからあーだこーだ言っている最中に今度はいきよいよくドアが開けられ急ぎ足でこちらに向かってくる足音が聞こえた。
「カ、カズマ大変だ!」
そこには、ハァハァと息を荒げ少し汗もかいてありそしてちょっと着崩れた鎧姿、このことから推理するに、
「お前ついに野外プレイに目覚めたのか」
「ち、ち、違う!どう考えても急いで来たからに決まっているだろ!それよりも大変なんだ!」
また何か面倒ごとを持って来たらしい、はっきり言って今の俺には働く気なんてないし大抵のことは金で解決できるしそもそも外にでたくな
「アイリス様がアイリス様が!」
「なにっ!アイリスが!」
「この男先ほどまで全く立ち上がらなかったくせにアイリスのこととなるとすぐに立ち上がりました!というかなんですかその顔は!なんで少しキメ顔になってるんですか!気持ち悪いのでやめてください!」
さすがに顔のことを言われるときづつくんだが、
「…なるほど」
「望む所です!さぁ今すぐ行きましょう!我が爆裂魔法で粉々にしてやるのです!」
「何を粉々にするんだよ」
危ないことを言い出しためぐみんに俺は注意を呼びかける。
にしても正直今回の話はどうしようもないだって、
「原因が俺だからな」
「そうだぞ!元はといえばお前がアイリス様に対してちょっかいをかけるからこんなことになったんだぞ!」
責めるダクネスに俺は何も言い返せせないが腹がたつので明日冒険者ギルドにいってララティーナお嬢様呼びを流行らそうと決意する。
「でも本当にどうしようか?」
ダクネスの話をまとめるに、
アイリスはどうやら俺のことをうっかりアイリスのお父さんもとい王様に話してしまったらしい。当初は喜んでいたらしいがすぐに俺の噂が王様の耳に届き…
「なぁ俺ってどうなるの?」
「おそらく当分アイリス様に会えなくなるだろうな」
「え!?」
「まぁ我慢するんだな、どうしてもというのなら10年に1度くらいは手紙を出せるようにしてやるから余計なことはするんじゃないぞ」
ダクネスはさらっと俺の横を抜け振り返り満面の笑みで言ってきた。
「それじゃあ旅行の準備を始めるか!」
今からアイリスが待つ王城へ行く準備が始まる!
俺はアイリスのところに行くかと思ったのだがどうやら違うらしい
「どうして今からアイリス様のところへ行くのだ、今から行くのは『リオリ』という小さな村だ」
「リオリ?聞いたことない村だな」
「私も聞いたことわねそんな村、ってことはその村はよっぽど田舎ってことになるわね」
「そうなのか?」
「いや、リオリというのはそこそこ有名な村だぞ」
俺はアクアの方を向くとアクアはさっと視線をめぐみんの方へとながした。
アクアの視野の広さはこのさい置いとこう。
そんなことより今はアイリスと会えないことになることが心配だ。
俺はまだ耐えれるがきっとお兄ちゃん大好きっ子のアイリスのことだ最悪なことになってしまう場合もある、そうなる前になんとかしなければ…
「あの…こんな時にわるい悪いのですが実は明日ゆんゆんと遊びに行かなければならないので今回の旅行は遠慮したいのですが」
めぐみんは申し訳なさそうに言ってきた。
「そうなのか」
「はい、断ってもいいんですけどきっとあの子は一生根に持ちそうなので断るのも少し怖いのです」
そうか、めぐみんは居ないのか。めぐみんがいない…めぐみんがいない…それって何か困るのか?
「おい、私が居ないことに対して何か言いたいことがあるなら聞こうじゃないか」
めぐみんは紅魔族特有の紅い目を光らせ俺に言いよってくる。
俺はそれを適当に流しことの本題にはいる。
「というかなんでリオル村なんてとこに行くんだ?」
ダクネスはそれもそうだったなとつぶやくと事細かく説明してくれた。
「今回リオル村に行く目的はお前のそのひん曲がった性格を治すためだ!!」
嘘です。全然事細かくなく大雑把に説明してきた。
『吹き矢』は1エリスに対して喜びが数倍上がる効果もあります。
本来はお金のありがたみを知る道具なんですがデブであくどい貴族がこのような遊び方を発見しました。
あと自分は『爆焔を』などスピンオフを読んでおりません。なのでその辺で設定の誤差があるとおもいますが勘弁してください。
あとタイトルもかわるとおもいます。これより良いの思いついたらですが。
週一で投稿できればいいなー
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