東方夢眠想 (エステリーゼ)
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プロローグ

現実世界と幻想郷………

 

2つの世界が交わらないように互いに結界が張り巡らしてある

 

その結界の側には2つの世界を守る守り人がいた

 

守り人は現実世界と幻想郷、互いの世界を長い間守っていた。守り人の名はハーティエル・メモリー

 

ハーティエルは光を操る能力があり、その力を使って幻想郷と現実世界2つの世界に忍び寄る敵を排除していた。

 

 

ある時、何処からか巨大な闇が現れた。

巨大な闇は2つの世界を呑み込もうとした。

 

守り人であるハーティエルは光の力を使い、

巨大な闇と戦った

 

 

『………はぁ!!』バシュッ!

 

「ムゥ………!ヤリオルナ………ダガ、ワレヲケスコトハデキヌゾ。ワレハ、ヤミノテイオウ、ネーゲルズ。マモリビトヨ、ケサレタクナクバドクガイイ」

 

『あなたを幻想郷へは行かせません!今すぐ立ち去りなさい!さもなくば、私が消去する!』

 

「ヤレルモノナラ、ヤッテミロ………クラエ、デモンズブラスター!」

 

『ホーリーラプソディ!』

 

 

ハーティエルは光属性の最大魔法を、

ネーゲルズは闇属性の最大魔法を放った。

お互いの魔力がぶつかり周囲は爆発した………

 

 

『きゃっ!!』

 

「グッ………オォ………コノ、ワレガ………マケルトハ………ダガ、ワレヲカンゼンニ……ケスコトハデキナカッタヨウダナ………」

 

『………うぅ……』

 

「オマエモ、チカラヲツカイハタシタヨウダナ……ワレヲキズツケタノダ………ソレソウオウノレイヲシテヤロウ………ウ………オオオオォォォォ!!」

 

『っ!!……あなたを………封印します………光星封印!!』

 

 

ネーゲルズはハーティエルに向かって闇の弾を打った。

 

 

ハーティエルは避けることができず、攻撃を受けてしまった

 

ハーティエルは傷ついたが、巨大な闇、ネーゲルズを最後の力で星の形をした水晶に封印した。

 

 

「……ォ………ォノ………レ」

 

 

封じた星水晶を5つに割り、ハーティエルは欠片を2つの世界へと散らばせた

 

 

『………ぅ………封印………には成功……しました。………』

 

「よくも………よくも、ネーゲルズ様を封印したな!」

 

『………っ!?………あいつの………仲間!?』

 

「許さない!お前の心を壊してやる!喰らえっ!ハートブレイク!!」

 

『ぅ!………きゃあーー!!』

 

 

ハーティエルは、闇の帝王、ネーゲルズの仲間に攻撃され………

意識を失いながら幻想郷へと落ちていった。

 

 

「………忌まわしき守り人は消えた」

 

「ネーゲルズ様………我々が、必ずや、その忌まわしい封印を解いて差し上げます」

 

「………それまで暫し、お待ちを………」



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壱話 巫女と魔法使いと守り人と

 

 

 

幻想郷……………

 

例年より遅い春を迎えていた………

 

 

博麗神社に住む巫女、博麗霊夢は

春雪異変の主犯者である幽々子を倒し、

 

魔理沙と共に花見を満喫していた

 

 

「…………かくて世もこともなし、か………ま、苦労はしたかいがあったってもんだな」

 

「……はぁ……」

 

「?」

 

「だから嫌なのよねー……」

 

「?」

 

「異変解決ってなると、すぐ妖怪どもが集まってきて宴会になるんだから」

 

「楽しいからいいだろ」

 

「主犯も来てるし……」

 

 

 

近くには幽々子と

立派な魚料理を持った妖夢の姿があった

 

 

 

「まぁまぁ、お詫びの印にね」

 

「酒肴もお持ちしました」

 

「おお!」

 

「はぁ………参拝客は逃げるわー……しかもこれ後片付け全部私でしょ?………だから異変解決って嫌なのよねー」

 

「ちょっと待て!!お前まさかそんなつまんない理由で!」

 

「げっ」

 

「おい霊夢、私に言わなきゃいけない事があるよな?」

 

「………………はぁ…………

魔理沙の言う通り異変でしたーw私が悪かったわーwごめんなさいねーwww」

 

「心がこもってないんだよー!」

 

「何よ………………ん?ねぇ魔理沙、あっちに何かあるわよ」

 

「話を変えんな!」

 

「いいから見てみなさい!」

 

「たく、どれどれ……………本当だ」

 

 

霊夢の指差した方向を見ると、誰かが倒れていた。

綺麗なすみれ色の長い髪に桔梗の髪飾りを着け、レースのついた薄い桃色のブラウスにローズカラーのロングスカート、白いブーツを履いた、女の人が倒れていた。

 

 

「…………人間、か?」

 

「妖怪ではないわね………しかもよく見たら傷だらけじゃない」

 

「どうする?霊夢?」

 

「起こすわよ。何でここに倒れてるか聞かなきゃならないし………………異変が原因じゃなきゃいいけど」

 

「じゃ、起こすぜ………………おーい、大丈夫か?」

 

『………………ぅ………ここ、は………』

 

「おっ、気がついたみたいだな。」

 

「あんた、ここで倒れてたのよ。何で倒れてたか教えてくれる?」

 

『……ここは、どこ?私は………誰?………………思い出せない………』

 

「「………え?」」

 

 

倒れてた理由を聞くが、返ってきたのは意外な言葉だった。

 

 

「………なぁ、もしかして………記憶……喪失………か?」

 

「………あなた、名前はわかる?」

 

『………名前………私の名前は………ハーティエル………』

 

「ハーティエルか………あ、あたしは霧雨魔理沙。で、こっちのがめついてそうなのが霊夢」

 

「がめついてそうなって何よ!私は博麗霊夢。博麗の巫女って言われてるわよ」

 

『霊夢さん、魔理沙さん………あの、ここはどこなのでしょうか?』

 

「ここは幻想郷よ」

 

『幻想郷………』

 

「で、ハーティエル………ハーティエルはどこから来たんだ?幻想郷では見ないし………」

 

『………わからない………』

 

「うーん………困ったわね………」

 

「お困りのようね、霊夢」

 

「げっ………この声は………」

 

 

空間が避けた所から、境界を操る程度の能力を持つすきま妖怪・八雲紫が現れた

 

 

「うふふ、そんな嫌そうな声出さないで?私と霊夢の仲じゃない………うふふ」

 

「誤解招くようなこと言うな!何であんたがここに来てるのよ、すきま妖怪!」

 

「………知り合いか?霊夢」

 

「全然」

 

「連れないわねぇ…………貴女達の疑問に答えてあげられるのに………」

 

「疑問?」

 

「貴女達、彼女の事、知りたがってたじゃない………私は知ってるわよ」

 

「それを早く言いなさいよ!ハーティエルは何者なの?」

 

「ハーティエルは………光を操る程度の能力を持つ結界の守り人よ」

 

「結界の………」

 

「守り人……?」

 

「そう、幻想郷と現実世界の結界の守り人………彼女は2つの世界の結界を悪しき力から1人で守ってきたの……何百年と、ね」

 

『………私、が………?』

 

「………でも、記憶を失ってるぜ?」

 

「何かトラブルがあったみたい………それが原因かもしれないわね………ねぇ、霊夢?」

 

「な、何よ……(嫌な予感が)」

 

「貴女と魔理沙とで彼女の記憶を取り戻してあげたらどうかしら?」

 

「な、何でよ…………(やっぱり!)」

 

「彼女が今まで守ってきてくれたから、幻想郷は無事なのよ?このまま放っておくと……………」

 

「わかったわよ…………(はぁ…厄日だわ)」

 

「…異変解決が巫女の仕事でしょ?」

 

「………あはは……霊夢、あたしも手伝うからさ、元気だせ!」

 

「他人事だと思って………」

 

『あの、すみません……』

 

「気にしないで、………で、すきま妖怪さん?手がかりはあるの………って、逃げやがったな………あいつ~!」

 

「とりあえず、紅魔館に行ってみるか。パチュリー辺りに話聞いてみようぜ?」

 

「そうね、………ハーティエル行くわよ」

 

『あ、はい!』

 

 

 

霊夢と魔理沙は、ハーティエルの記憶を取り戻すため………手がかりを探すことになった。

まずは、紅魔館にいるパチュリーに会いに行くことにした



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弐話 スカーレット姉妹

ハーティエルの記憶を取り戻すために手がかりを探す霊夢と魔理沙は、紅魔館を訪れていた

 

 

「………つまり、その守り人の情報がほしいって訳ね?」

 

「まぁ、そういうことだ。パチュリー、頼むよ」

 

「私達、手がかりなんて持ってないの。出来れば教えてほしい………てか教えなさい」

 

「………拒否権はないのね………はぁ、わかった。調べてみるわ。その間、レミィと話して来たら?」

 

「そうするわ………ハーティエル、レミリアに会いに行きましょ」

 

『は、はい』

 

 

紅魔館、レミリアの部屋ーーー

レミリアの部屋に行くと、七色の羽を生やした金髪のサイドアップにして赤いリボンを巻いた白い帽子を被った女の子、フランドール・スカーレットと、同じ帽子を被った水色髪をした女の子、レミリア・スカーレットがいた。側にはアッシュグレーの髪をしたメイドの十六夜咲夜がいた。

 

 

「あら霊夢、魔理沙、いらっしゃい………そちらは?」

 

「この子はハーティエル、幻想郷の外から来たの」

 

「へぇ……貴女もなの。私はレミリア・スカーレット。この紅魔館の主でフランの姉よ」

 

「私は十六夜咲夜、お嬢様方のメイドをしております。」

 

「私はお姉さまの妹のフランドール・スカーレット。仲良くしてね?それにしても、貴女も外から来たの?」

 

『貴女、も?』

 

「ああ、レミリア達は外の世界から来たんだぜ?懐かしいな、紅霧異変」

 

『紅霧異変?』

 

「幻想郷全体を紅い霧で覆ったのよ………あれは…面倒だったわ」

 

「フランはその時、レミリア達に閉じ込められてたんだぜ?外出禁止よ!ってな!」

 

「お嬢様はそのようなことは言っていません!ただ、妹様を大事に思うあまり過保護になっただけで…」

 

「咲夜、それ、フォローになってないわよ」

 

「あっ………すみません、お嬢様……」

 

「………咲夜、貴女の今夜の夕食は白米だけね」

 

「すみません………(……白米だけ…)」

 

 

咲夜はレミリアから珍罰?を受けることになった。

それを見てたハーティエルはクスッと笑った。

 

 

 

『………ふふっ』

 

「???ハーティエル?どうした?」

 

『皆さんを見てたら楽しそうで………仲いいんですね。霊夢さんと魔理沙さんみたい』

 

「「!!!」」

 

「やめてよ、自意識過剰な魔法使いと一緒にしないで」

 

「誰が自意識過剰だ!この賽銭狂巫女!」

 

「何よ!賽銭は大事なのよ!この前だって奉納あったのよ!」

 

「そう言って霊夢、賽銭箱に4銭しか入ってなくて嘆いてたじゃないか」

 

「(ぐさっ)うっ……あ、あれは…たまたま」

 

「4週間連続4銭だったしな」

 

「(ぐさぐさっ)…うっ………」

 

『あの、言い過ぎでは?さすがにそこまで酷くはないんじゃ……』

 

「(ぐさぐさぐさっ)………」

 

「ねぇ、ハーティエル?貴女の一言で霊夢、トドメ、さしちゃったみたいよ」

 

『えっ!?(*゜д゜*)れ、霊夢さん!わ、私そんなつもり………』

 

「ふ、ふふ………ハーティエル、説教してあげる」

 

『ええ!?あ、あの、まさか連続なんてあり得ないかなぁって思っただけで!その…』

 

「よし、1時間追加ね」

 

『そ、そんな~!』

 

 

幻想郷についてレミリア、フラン、咲夜を含め、ハーティエルに教えていたらいつの間にか霊夢の賽銭箱の話になってしまっていた。

 

 

「お待たせ、騒がしいけど何かあったの?」

 

「あらパチェ、調べものは終わったの?」

 

 

調べものを終えたパチュリーが

部屋の中へと入ってきた。

 

 

「ええ、わかる範囲だけどね………霊夢、ハーティエルについてと結界についてはある程度ならわかったわよ。だから、落ち着きなさい」

 

「………え?わかったの?じゃ、教えて」

 

「長くなるけど、この古文書によるとね………1000年前、幻想郷に忍び寄る闇が現れた。闇は世界を覆い、人々は正気を失い、妖怪と人間の争いが起きた。争いは尽きることなく、やがて世界全体で争うようになった。これを、妖人戦争という。争いによって、数えきれぬ犠牲者が出た。だが、1人の者が闇の中の真の光を見つけ、その光で闇を照らし追い払った。闇を追い払った事で、人々は正気を取り戻し、世界全体での争いに終止符を打つことができた。人々は彼の者を神子と呼んだ。神子は闇から世界を守るべく、結界を世界全体に張り巡らした。これを、神光結界という。神子は、結界が壊されぬよう、見守ることにした。………以上よ」

 

「………」

 

「………」

 

『………』

 

 

パチュリーから聞かされた古文書に書かれたことにみんなは無言になった。

 

 

「そんなことが……あったなんて………」

 

「ねぇ、もし、もしもだけど、その闇がまた攻めてきてたら………」

 

「もしかして、ハーティエルは闇と戦ったショックで記憶喪失になっちゃったのかもしれないわね」

 

 

フランとレミリアの意見にみんなは可能性がありそうだと頷いた。

 

 

「………咲夜」

 

「はい、お嬢様」

 

「私とフランもハティの手助けをするわ」

 

「うん、お姉さま、力を合わせて闇を倒そう!」

 

「ありがとうな、レミリア、フラン」

 

「魔理沙、この異変が終わったら弾幕ごっこしようね!」

 

「おーいいぜ?」

 

「記憶喪失なら、やっぱり診察してもらった方がいいんじゃない?」

 

「そうね、ねぇ霊夢?永遠亭に行ってハーティエルを診察してもらわない?」

 

「そうね、じゃ、次は永遠亭ね。永遠亭は竹林を抜けた先にあるわ」

 

「じゃ、行こうぜ!」

 

 

 

パチュリーによって1000年前の出来事、神子についてや結界について、少し知ることができた。

霊夢達は、ハーティエルを1度診察してもらうため、永遠亭を目指すことになった。

レミリアとフランを加え、まずは竹林を抜けることにした。

 



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参話 永遠亭のウサギたち

 

霊夢は魔理沙とレミリア、フラン、ハーティエルを連れて永遠亭を目指していた。

 

現在、竹林のとある場所……

 

 

「…………で、あたしは春雪異変を解決したってわけだ。」

 

「殆ど私が解決してるんだけどね」

 

「…う、うるさいな!あたしだって活躍したぜ?霊夢、お前はいつも美味しいとこばかり持っていきやがって!」

 

『あ、あはは……』

 

「霊夢は異変解決の専門家だから心配しなくても大丈夫よ」

 

「うん、お姉さまの言う通りだよ」

 

『凄いんですね、お2人は』

 

「まぁね」

 

「だろ?」

 

 

ハーティエルは霊夢達をすごいと言った。

霊夢と魔理沙は、当然とばかり返事をした。

 

 

「…………そろそろ竹林の奥よ」

 

「…………あっ、見えてきた。あれが永遠亭だ。永琳ってやつに診察してもらおうぜ」

 

『はい!』

 

 

竹林の奥に辿り着き、

永遠亭の中へと入った。

 

 

「入るわよ(ガチャ)」

 

『あ、あの~声かける前に入ってますよ?』

 

「知らないのか?ハーティエル。ドアは入るためにあるんだぜ?」

 

「あら、霊夢…………と誰?」

 

 

銀色の長い髪をお下げにし、赤と青のコントラストの服を着た女性・八意永琳が現れた。

 

 

『初めまして、ハーティエルと言います』

 

「この子、ハーティエルは記憶を失ってるの。一応、診察してくれない?」

 

「記憶喪失?なら、頭部に異常がないか調べてみましょう。念のため健康診断も済ませましょ…………こっちに来てくれる?」

 

「じゃ、私達は外にいるね。お姉さま、行こう!」

 

「そうね。フラン」

 

 

霊夢達はハーティエルを永琳に預け、

一度外に出た。

 

 

 

永琳side

 

 

「それじゃあ、診察するわね。えーと、頭部は…………傷や打撲は見られないわね。」

 

『はい……頭は痛くありません』

 

「次は血液検査してみるわ。腕を出して?」

 

『はい』←左腕を出す

 

「…………えーと……特に異常は無いみたいね」

 

『そうなんですか?』

 

「じゃ、最後……あなたが覚えていることすべて、話してくれる?」

 

『は、はい…………実は、霊夢さん達と出会う前はこことは別の世界にいたんです。そこで私は…………何かを…………』

 

「?どうしたの?しっかりして!」

 

『…………すみません、何か、思い出せそうなんですが……頭が割れるように痛くなって』

 

「…………精神性記憶喪失のようね。霊夢達を呼んでくるわ。貴女は少し、休んでて」

 

『は、はい……』

 

 

 

 

永琳side END

 

 

 

霊夢side

 

 

「ハーティエル、異常ないといいね」

 

「そうね」

 

「……あら、貴女達どうしたの?」

 

「なんだ、鈴仙か」

 

「なんだとは何よ!私で悪かったわね!」

 

「いや、誰もそこまで言ってないぜ?」

 

「はぁ…………ん?」

 

「どうしたの?…………何、この黒い霧は」

 

 

 

突然、竹林全体に黒い霧が覆われた。

 

 

「…………レミリア、あんたじゃないでしょうね」

 

「ここで異変起こしたら貴女が気づくんじゃないの?私じゃないわよ」

 

「お姉さまは何もしてないよ?」

 

「じゃあ…………」

 

「あたしよ」

 

 

霧の奥から紫の髪をサイドテールにし、黒いキャミソールに紫のプリーツスカート、黒いショートブーツを履いた女の子が現れた。

 

 

「あんた誰?」

 

「ここにかけらあるでしょ?それを取りに来たの」

 

「質問に質問で答えるな!あんたは何者?」

 

「うっさいなぁ…………ここで消えるあんたらに名乗る名なんてないわよ!」

 

「!!………危ないじゃないのよ!」

 

「やるしかないって訳か、行くぜ霊夢!」

 

「私も協力するわ!ここで暴れられても困るし、師匠に怒られるから」

 

「私達も行くわよ、フラン!」

 

「うん、お姉さま…………クランベリートラップ!」

 

「スピア・ザ・グングニル!」

 

「へぇ…………やるじゃない。シャドウクロウ!」

 

「マスター……スパーク!」

 

「夢想封印!」

 

「…………く、少しはやるじゃない。」

 

「はぁ…で、あんたは何者?」

 

「あたしは影の魔女、シャルル・ファンタズマ。偉大なる闇の帝王、ネーゲルズ様に仕える三従士の1人よ。今は魔王様は封印されてるけど、あたし達がかけらを集めて封印を解くんだから!(シュン!)」←消えた

 

 

 

影の魔女、シャルルは姿を消した。

 

 

 

「…………何だったんだ?あいつ」

 

「さぁ?」

 

「かけらがどうとか言ってたわよね」

 

「闇の帝王とか、かけらとか…………異変ね」

 

「恐らく、ハーティエルにも関係してくるんじゃないかな?」

 

「…………ありうるわね」

 

 

 

 

霊夢side END

 

 

 

 

 

「色々と検査したんだけど、特に異常が見られないわ。至って健康よ…………精神性記憶喪失かもしれないわね」

 

「精神的に何かあったのかもしれないってことよね?」

 

「ええ、でもさすがにそこまで詳しくはわからなかったけど…………ところで、外が騒がしかったみたいだけど?」

 

「実は………………………………

……………………というわけなの」

 

「なるほど、かけらねぇ………もしかしてこれじゃないかしら?」

 

 

永琳は戸棚から虹色に光るかけらを取り出した。

 

 

「綺麗……」

 

「売ったら高くつくわ、確実に………」

 

「霊夢、なに考えてんだ」

 

「あの女の言い分によるとこのかけらに闇の帝王が封印されてるのよね」

 

『!!こ、これ、は…………!!』

 

「ハーティエル!?どうしたの?しっかりして!」

 

「…………無理に思い出さなくても良いのよ。精神的なものだから、無理に思い出そうとすると貴女の体が持たないわ」

 

『…………守らなきゃ……』

 

「え?」

 

『守らなきゃ、この世界………幻想郷を……』

 

「ハーティエル、あなた、思い出したの?」

 

『…………だめ、思い出せない……この世界を守らなきゃとは思い出せたのに…………』

 

「それだけでも一歩前進したわ。…………かけらが彼女の記憶を取り戻す可能性があるわね」

 

「じゃあ、他のかけらを探せば思い出すかもしれないわね」

 

「じゃ、他のかけらを探しに行こうぜ?」

 

「…………そうね、今は手がかりがそれしかわからないものね」

 

「他のかけらはどこにあるのかな?」

 

「かけらかはわからないけど、姫様が流れ星をみられたみたいなの。たしか…………守矢神社付近だったはず」

 

「守矢神社ね…………早苗辺りに聞いてみるわ」

 

 

 

霊夢達はかけら集めのため、守矢神社へと目指した。

 



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四話 守矢の巫女と神様と

 

ハーティエルの記憶の手がかりを探すため、守矢神社へと向かっていた霊夢達。

 

 

「早苗がいる守矢神社へ行くにはここ、妖怪の山を越えなきゃ行けないの」

 

『そうなんですか……』

 

「妖怪の山には強力な妖怪がいっぱいいるからハーティエル、気をつけ「あたいと勝負しろ!」……は?」

 

 

霊夢と魔理沙が説明していると、声が聞こえてきた。そこには、水色の髪に青いリボンをつけた女の子と近くには緑髪を黄色いリボンでサイドテールにした女の子がいた。

 

 

『この方が、強力な妖怪……ですか?』

 

「いや、こいつは最弱だ。気にするな」

 

「あたいはサイキョーなんだぞ!」

 

「この山を越えなきゃいけないし、先を急がない?霊夢」

 

「そうね」

 

「こらーー!無視するなーー!」

 

「危ないよ、チルノちゃん!」

 

 

水色の髪の女の子、チルノは地団駄(?)を踏んで無視するな!と騒いでいる。

緑髪の女の子、だいようせいはチルノを抑えている。

 

 

 

「何のようだよ、お前たしか……湖にいたよな?何でここにいんだよ」

 

「あたいはサイキョーだからな!」

 

『サイキョー、なんですか?』

 

「あまり関わらない方がいいわよ。貴女まで⑨になるわ」

 

「そうだよ、あ!私がここ、妖怪の山について教えてあげるね!」

 

『あ、はい!』

 

「だーかーらー!無視するなー!」

 

「ここは妖怪がいっぱいいるから、貴女は私たちから離れちゃダメ。今の貴女は戦闘が出来ないでしょ?戦闘は私たちでやるから」

 

『あ、すみません……』

 

「いいのいいの!ハーティエルに襲い掛かってくる妖怪がいたら、私が壊してあげるから!」

 

「ここを通りたくばあたいと勝負「邪魔」ギャフン!!」

 

「チルノちゃーん!!」

 

「さぁ、登るわよ!」

 

 

チルノは通さないと言わんばかりに道を塞ぐが、霊夢が殴り落とし、それを魔理沙が箒で掃いた。それを一部始終見ていた、だいようせいは叫んだ。

そして、何事もなかったかのように霊夢は登りだした。

 

 

「グルルル……」

 

「〔夢符〕封魔陣!」

 

「グオォォン!!」

 

「シャアァァ…」

 

「〔魔符〕スターダストレヴァリエ!」

 

『霊夢さん、魔理沙さん、すごいです!』

 

「いやいや、大したことないって」

 

「…………」

 

 

ハーティエルと魔理沙が話しているなか、

霊夢は先ほど戦った妖怪に違和感を感じていた。それに気づいたレミリアが霊夢に話しかけた。

 

 

「気づいてる、霊夢?」

 

「レミリア、あんたも気づいてた?」

 

「……ええ」

 

「どうしたんだよ、霊夢?」

 

『???』

 

「魔理沙、さっき倒した妖怪…見たことあった?」

 

「??そういえば……見たことないやつだったな」

 

「見た目は妖怪なのに、何て言うのかしら………禍禍しい何かを感じたわ」

 

「禍禍しい何か、か……早いとこ守矢神社へ行かないとな」

 

『……まだ、あるんですか?』

 

「いいえ、もうすぐよ」

 

 

 

妖怪(?)から感じた違和感について話ながら、一行は守矢神社へと到着した。

 

 

ー守矢神社ー

 

 

境内を掃除している緑髪の巫女がいた。

魔理沙は声をかけた。

 

 

「よっ、早苗!」

 

「?あ、霊夢さんに魔理沙さん、レミリアさんとフランさん。それと………?見ない顔ですね」

 

『あ、初めまして私、ハーティエルといいます。今は霊夢さん達と記憶の手がかりを追ってるんです』

 

「ハーティエルさんですか。記憶がないんですね…………あ、私はここ守矢神社の巫女をしてます、東風谷早苗です。………それにしても皆さん、どうしたんですか?」

 

 

緑髪の巫女・早苗さんは自己紹介を済まし、みんなを見て不思議そうに尋ねた。

それに霊夢が答えた。

 

 

「実は聞きたいことがあって来たの。ここに欠片か何か降ってきてない?」

 

「欠片………そういえば、流れ星が降ってきたって諏訪子様が言ってました!もしかしたら、諏訪子様が拾ってるかもしれません」

 

「本当!なら、諏訪子呼んできてくれない?この子、ハーティエルの記憶の手がかりかもしれないから」

 

「わかりました、呼んでき「何なんだい、あんたは!!」今の声は…神奈子様!?」

 

『何かあったみたいです』

 

「もしかして……あいつ?行くわよ、早苗!」

 

「は、はい!」

 

 

神社へ入った霊夢達、奥へ行ってみると

紫髪に縄と紅葉をつけた女性と目のついた帽子を被った金髪の女の子が誰かと言い合っていた。

 

 

「ですからぁ、ここに欠片が落ちてきたはずなんですぅ……渡してくださいよぉ」

 

「知らないね、そんなもんは。だいたいあんたは何もんだい?」

 

「たとえ知ってても、あんたみたいな怪しいやつには渡さないよ!」

 

「そんなぁ、困りますぅ」

 

「神奈子様、諏訪子様!」

 

「早苗!それにあんたらも!」

 

「この前永遠亭に現れたやつじゃないわね………あんたは誰!?」

 

「ん~?私ぃ?私は心の魔女、ルミエル・ハート!偉大なる闇の帝王ネーゲルズ様に仕える三銃士ぃ!ルミィちゃんって呼んでねぇ☆」

 

 

ベビーピンクの髪を2つに結い、肩だしの黒い服にピンクのスカート、太ももまでの黒い靴下にピンクのショートブーツを履いた女の子、ルミエル。

 

 

「シャルルってやつとはいろんな意味で違うな」

 

「ええ、シャルルの方がまだマシだったかも…」

 

『シャルル?誰ですか?』

 

「永遠亭で貴女が永琳に診察してもらってた時に現れたやつのことよ」

 

「………ん~??あ~~~!!あんたぁ!生きてたのぉ!?うっそぉ~!信じらんな~い!!」

 

『え?』

 

「あいつ、ハーティエルのこと知ってるみたいだよ、お姉様」

 

「みたいね。霊夢」

 

「ええ、ちょっとあんた!ハーティエルのこと何か知ってるみたいね、教えなさい!」

 

「何で何で??私がせっかく心をバラッバラに引き裂いたのに何でまだ生きてるの~!!」

 

 

ルミエルは信じられないものを見るかのようにハーティエルを睨み付けていた。いろいろとしゃべった。

しかも、よからぬカミングアウト付きで

 

 

『心を……引き裂いた?』

 

「…………つまりだ、こいつがハーティエルの心を引き裂いたがためにハーティエルは記憶喪失になっちまったと」

 

「そうみたいね。精神的ではなく、物理的が原因だったわけね」

 

「何だか分かんないが、こいつが諸悪の根元ってわけだね?」

 

「こいつを捕まえちゃえばいいんだよね?」

 

「そうみたいです。神奈子様、諏訪子様、協力してください!」

 

「「いいよ/任せな!」」

 

「私を捕まえるの~?出来るかな~?」

 

「数ではこちらが上です!」

 

「そうだな~………私を捕まえることが出来たら、教えてあげなくもないかなぁ?」

 

「捕まえるわハティは下がってて、行くよフラン!〔紅魔〕スカーレットデビル!」

 

「ええ、お姉様!〔禁忌〕レーヴァテイン!」

 

「あはっ♪すごいねぇ…なら、これはど~お?疑惑のワルツ!」

 

 

レミリアとフランの攻撃を笑いながら軽々とかわすルミエル。

ルミエルは踊り出し、それを見た魔理沙は

 

 

「このっ!〔恋符〕マスタースパーク!」

 

『ま、魔理沙さん?!そっちは……』

 

「わっ!?ちょっ魔理沙!何私に打ってんの!怨みでもあるわけ!」

 

「へ?霊夢?何で?」

 

「ひょっとしたら、さっきの躍りが影響したみたいだね……」

 

「人を惑わす能力ってこと?」

 

「多分…諏訪子」

 

「分かってるよ、神奈子」

 

「ふんふふん♪るんるん♪もう一度狂ってし「なんだ!?あれは!?」……へ?何?」

 

「今です!霊夢さん!」

 

「〔霊符〕夢想封印!」

 

「何もないじゃ…………ないーーー!!!」

 

 

神奈子が叫び、ルミエルはそっちに振り向いた。その隙に霊夢が攻撃をし、倒すことができた。

 

 

「こんな古典的な手に引っ掛かるとはね」

 

「賢くないよね、こいつ」

 

「う~!!!この、この私が~……世界一賢い私が…負けるなんて~!!」

 

「自分で言うか?普通」

 

「さぁ、ハーティエルの事とか話なさい!あと三銃士シャルルってやつとあんたの他は誰なの!答えなさい!てか吐け!」

 

「誰が言うもんか~!!あ~ぁ……またジルティアに叱られるぅ……」

 

「ジルティア?それが3人目の名前ってわけね」

 

「何でおバカそうなあんたが知ってるのぉ!?」

 

「誰がよ!てか、あんたが言ったんでしょーが!!」

 

 

ルミエルが言ったのに対して霊夢が鋭いツッコミを入れた。それらを見ていた魔理沙は…………

 

 

「やっぱ………バカだな、こいつ」

 

「そうみたいですね」

 

『あ、あの……私の心を引き裂いたのは本当、なんですか?』

 

「本当よぉ?偉大なる闇の帝王、ネーゲルズ様をあんたが封印したの~。それで~、疲れきったあんたを私がぁ、攻撃したのぉ!でもぉ、封印した石は~欠片となってあちこちに散っちゃったから~私達が集めて封印を解くの~!じゃ、そゆことで~バイバ~~イ!」

 

「あっ!待ちな…………消えた。」

 

「あいつらは、欠片を集めて封印を解くのか………尚更あいつらに渡すわけにはいかないわね」

 

『あの、すみません』

 

「貴女は謝らなくていいんだよ?」

 

「そうだよ、あんたはその闇の帝王を世界を思って封印したんだ。もっと胸張りな」

 

『あ、ありがとうございます…………えと』

 

「ああ、私は八坂神奈子だ」

 

「私は洩矢諏訪子、貴女は?」

 

『あ、私はハーティエルといいます。その』

 

「そんな緊張しなくてもいいんだよ?」

 

「そうだよ。なんたって神様と話せるんだ。楽しくいこうや」

 

「あのね……」

 

 

紫髪の女性が神奈子さん、帽子を被った女の子が諏訪子さん……とても親しみやすい人達だ。

 

 

「ところで、諏訪子様。流れ星が降ってきた時、欠片を見ませんでしたか?」

 

「欠片?あーあれね。これでしょ?」

 

「そうそう、これこれ!これをあいつらが封印解くために集めてるんなら、こっちが全部集めちまえばいいんじゃね?」

 

「そうね、魔理沙のわりにいい考えしてるわ!」

 

「わりには余計だ!」

 

「…………でも、どこに落ちたかだよね?」

 

『どこに向かえばいいんでしょう?』

 

 

霊夢達が途方に暮れていると、神奈子がそういえば、と言い出した。

 

 

「魔法の森の方角に落ちたのを見たよ。そっちに行ってみたらどうだい?」

 

「それ本当!?」

 

「じゃ、次は魔法の森か。アリスに聞いてみるか」

 

「では、みなさん、頑張ってくださいね」

 

「何言ってるんだい、早苗?あんたも行くんだよ」

 

「え!?いいんですか?」

 

「いいんだよ。早苗、行ってきなよ!」

 

「ああ、あんなやつらギャフンと言わせてきな!」

 

「諏訪子様、神奈子様………ありがとうございます!みなさん、よろしくお願いしますね!」

 

『早苗さん、こちらこそ、よろしくお願いします』

 

「さ、早く行きましょ」

 

「いざ、魔法の森へレッツゴー!」

 

 

 



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伍話 七色の人形使いアリス

 

霊夢達は守矢神社でネーゲルズの三銃士の1人である雑魚(ルミエル)と戦い、加奈子と諏訪子の話により欠片が落ちたであろう魔法の森へと向かった。

そして…アリスの家へと辿り着いた。

 

 

『ここが、アリスさんの家ですか?……ところで、アリスさんってどんな人なんですか?』

 

「ん?アリスか?……あいつは人形使いだ」

 

『人形使い?』

 

「アリスは人形使いとして右に出る者無しって感じですね」

 

「……人形使いとしては、な」

 

『魔理沙、さん?』

 

「ま、とりあえずアリスに話を聞きに行きましょ……アリス~入るわよ~」

 

「イラッシャイナンダゼ」

 

「え?」

 

「??」

 

「ん~?」

 

『魔理沙さんが2人?』

 

 

アリスの家へと入ってみると、そこには魔理沙がいた。

正確には魔理沙そっくりの人形が……

 

 

 

「魔理沙、あんた……双子だったの?」

 

「んなわけあるか!」

 

「あら?お客さん?って霊夢達じゃない。レミリアとフラン、それに早苗まで……どうしたの?ていうより、何で入り口の前で固まって」

 

「あの、さ、アリス。これ、なに?」

 

「フラン?何って、魔理沙よ私と魔理沙による愛の力で生み出されたから名前はマリスね!」

 

「いや、見ればわかるんだけど……」

 

「何で私の人形作ったんだよ!何だよ愛って!マリスってなんだ!」

 

「それは……深刻な理由があったからなの」

 

『深刻な……それは、どんな?死にそうな位ですか?』

 

「ええ……とても……」

 

『大変です!何とかしないと!』

 

「ハーティエル、あんたは落ち着きなさい。大したことないと思うから」

 

「それは…魔理沙成分が足りなくなったからなの!」

 

『魔理沙、成分?』

 

「そうよ!魔理沙、私のところにぜんっぜん来てくれないんだもん!会いに行ってもパチュリーの所に盗みにいってるみたいだし!留守を見計らってカメラと盗聴機設置しても見つかって破壊されちゃって……アリス、さみしい……」

 

「そりゃ毎日常連みたくストーカーされてりゃ警戒するだろ!それに盗みじゃねぇ!死ぬまで借りてるだけだ!カメラと盗聴機15個はやりすぎだろ!」

 

『それって盗みなのでは?』

 

「ハーティエル、あっちに行ってよっか」

 

 

フランはハーティエルの身の危険を感じ、ハーティエルを連れ、アリスの家から離れていった。

その間もアリスの魔理沙について(と言う名の魔理沙への愛)の話を魔理沙と言い合っていた。

 

 

「……で……なとこ……が~!……あと、……かわいい……が……」

 

「だから、……やめろと……言え……わかる……」

 

「ね~魔理沙、まだ~?」

 

「魔理沙さん、アリスさんを大人しくしてくださいよ~」

 

「今はフランがハティを離してくれてるから良いけど、早く本題に」

 

「お前らな!助けろよ!」

 

 

霊夢、レミリア、早苗はお茶を飲んで見ているだけだった。

魔理沙を助ける気は皆、1/100。

 

 

「ぜんっぜん助ける気ねーじゃねぇか!アリス、いい加減話を聞いてくれ!」

 

「……で……あら?話?」

 

「やっと話が進むわ……今ならマジ〇リンの気持ちがわかるわ」

 

「あーあれね、〇〇三人組の」

 

「〇ーパー〇リオですよね!あれ、面白いですから!今4ステージ目ですよ」

 

「うそ!私まだ3ステージ目なのに!」

 

「まだまだね2人とも、この私は7ステージ目よ」

 

「おーい!違うゲームの話するなー!霊夢ー戻ってこーい!お前主人公だろー!」

 

「魔理沙、メタ発言はNGよ」

 

 

落ち着きを取り戻したことで、霊夢達は、アリスにこれまでの経緯を説明した。

 

 

「……つまり、ネーゲルズっていう敵の親玉が欠片となって敵は狙っている……で、霊夢達はハーティエルって子と一緒に欠片をそいつらより先に集めようとしてる……これでいい?」

 

「ええ、そうよ」

 

「なぁ、欠片見なかったか?」

 

「………………知らないわ」

 

「……何だ、今の間は」

 

「アリス、なにか知ってるみたいね」

 

「教えなさい!」

 

「(欠片ってあれよね?マリスに搭載したあれよね?そんなこと言ったらマリスを分解されて……)」

 

「おーい?アリス~?」

 

「ハッ!?え、な、なに?魔理沙?」

 

「いや、だから、お前本当は欠片の事知ってるだろって話をだな」

 

「そ、そそ、そんなことないわよ。ねー、マリス?」

 

「ハイ、ゼンッゼンシラナインダゼ?アタシノナカニトウサイナンテサレテナインダゼ?」

 

「…………あ」

 

「ア~リ~ス~?どういう事かしら?」

 

「懇切丁寧に説明してほしいわね」

 

「う~……じ、じつはね《ドガーンッ》うへっ!?何!?」

 

「魔法の森の奥からだわ、話は後!行くわよ!」

 

 

 

ー魔法の森最奥にてー

 

 

フラン、ハーティエルは、あれから魔法の森を歩いていた。

アリス菌がうつるのを恐れ逃げ出したのだ。

しばらく歩いていると、新たな敵の幹部が現れ、フランがそいつと戦闘していた。

 

 

 

「しつこいですよ、お嬢さん。私はただ、そこの守人に消えてもらいたいだけなのです。」

 

「あんたもしつこいし、しぶといなぁ。いい加減諦めて帰ってよ。ハーティエルは私の友達だから消させないよ?」

 

『フランちゃん……』

 

「ふふ、あなた1人でこの私をどうにかできると?」

 

「1人じゃないわよ、フラン、今来たわよ!」

 

「お姉さま!魔理沙!みんな!」

 

『みなさん、おはなしは?』

 

「そんなの後よ、それより、あんたが三銃士の最後の1人ね?」

 

「ええ、ジルティアよ……三銃士の中でも美しく!可憐で!天才的な!ジルティアよ!ジルお姉さまってお呼び!」

 

 

ジルティアと名乗る者は紺色の髪を一括りにし、黒のタンクトップ、蒼いロングスカート、蒼のハイヒールを履いた姿をしていた。

 

 

『……えーっと』

 

「……紫臭が…」

 

「あー、うん……皆まで言わなくていいわよ、霊夢……」

 

「また、変なのが出たな」

 

「ふふ、私の美しさで声も出ないようね……」

 

「そんなことより、ねぇオバサン」

 

「え?フラン?」

 

「……フ、フフフ…コノワタシニ……ケンカウロウッテノ?……いい度胸してんじゃねぇか?ええ?クソガキャー!相手してやるからさっさと来い!ボケー!」

 

「化けの皮が剥がれたみたいねオバサン!行くよ!禁忌〔フォーオブアカインド〕」

 

「分身!?なら、こっちもやるよ!鏡符〔ミラージュスロット〕」

 

「あっちも分身したぞ!」

 

「……私達、今回出る巻く無さそうね」

 

「……そうね」

 

「これでどう?禁忌〔クランベリートラップ〕」

 

「まだまだぁ!鏡符〔キャンディートラップ〕」

 

「フラン、いつの間に…よくここまでいい子に育ったわね……お姉さん、嬉しいわ」

 

「レミリア、あんたは何言ってるの(-_-;)」

 

「これで、逝っちゃえ!禁弾〔スターボウブレイク〕」

 

「まだ、え!キャーーー!!」

 

『あっ!フランちゃんが勝ちました!』

 

「当たり前よ、何て言っても私の可愛い妹フランだもの。負けるなんてあり得ないわ」

 

「……なんか、すごい戦いだったわね(片方は破壊魔で片方は紫B……お姉さん的なやつ)」

 

「……ぅ…この……私が……あんな、小娘に……負ける、とは……」

 

「何かよくわからないけど、これ捕まえればいいのよね。行け、マリス!あいつを捕まえなさい!」

 

「アイアイサー!」

 

「……何かポ〇〇ンみたいな感じだな。てか、私の姿の人形で何させてんだよ……」

 

 

アリスの作った魔理沙似の人形、マリス。マリスの手によってジルティアを捕まえ、ネーゲルズの目的などを吐かせることにした。

 

 

「吐けー!お前らは何企んでんだ!」

 

『えっと……何なんですか?これは……』

 

「あの雑魚(ルミエル)は吐かなかったから、仕方ないからこの雑魚2(ジルティア)に吐かせるしかないでしょ」

 

「吐かないわ!雑魚2って何よ!ぜっっっったいに吐かないから!!」

 

「困ったわね……どうしても吐かないの?」

 

「当たり前よ、私は何も話さないわ!」

 

「……私に任せて」

 

「アリス?いったい何を……」

 

「注力〔トリップワイヤー〕」

 

「……ギャッ!?う、うご、け、な、い!?」

 

「さぁ、吐きなさい。吐かないと今から文の所に行って幻想卿中貴女の恥ずかしい話題だらけにしてあげる」

 

「……ちょっと、洒落になってないわよ!だいたい今から行っても」

 

「アリスさーん、呼びましたー?」

 

「あ、文。いいところに……実はね……」

 

「言う!言う!言うから何も言わないでー!!」

 

「???」

 

 

アリスの手によってジルティアは洗いざらい話すことになった。

途中逃げようとすればカリスマ吸血鬼によるグングニルで脅され、阻止された。

 

 

 

「……つまり、欠片を全て集めて更にここにいるハーティエルの体を使えばあんたらのボスが復活するってこと?」

 

「そうなると、ハーティエルを器として利用し、ボスを復活させようと……」

 

「逆に全部の欠片があんたらに渡らなけりゃいいってこと?」

 

「ええ、そうよ。だから、そろそろ放してー!」

 

『えっと、私……』

 

「ハーティエル、あんたは私たちが守ってやるから安心していいんだぜ!」

 

『あ、はい、ありがとう。』

 

「欠片集めていた方がいいわね。魔法の森の中には欠片なんてなかったし……」

 

「???えーっと霊夢さんたちって欠片探してるんですよね?」

 

「え?あー、うん。そうだけど、何?」

 

「永遠亭で欠片を見つけたとか……どうとか…」

 

「え!?まじかよ!」

 

「次の行き先は、また永遠亭ね」

 

「アリスさんはどうしますか?」

 

「あ、私はマリスとウハウハライフしたいから❤️パスで!」

 

「…………うん、わかったから…」

 

『永遠亭か……永林さんに手土産持っていきたいです』

 

「なら、これ持っていったらどう?苺大福」

 

『あ、ありがとうございます!』

 

「さ、もう一度永遠亭に行くわよ!」

 

 



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陸話 永遠亭のお姫様 蓬莱山輝夜 前編

アリスの情報で欠片は永遠亭へと落ちたと言う。霊夢達は迷いの竹林を抜け、再び永遠亭へとやって来た。

 

 

 

「欠片か~……それなら姫様が持ってるよ!久しぶりに外に出たら綺麗な物見つけちゃった❤️って言って部屋に戻っていったよ」

 

「輝夜が!?あの輝夜が?!引きこもり兼ニート姫なあの輝夜が?!?!」

 

『あはは……… 』

 

「欠片欲しかったら姫様に会いに行ったら?あっでも今は無理かも。忙しいからな~」

 

「忙しいって何がよ。どうせまたゲームでしょ」

 

「そうそう!だから無理だよ~」

 

「それじゃこっちが困るの。何とかしなさい」

 

「しょ~がないなぁ~。じゃ、鈴仙に頼んでみなよ。なんとかなるかも!」

 

「わかったぜ!…………ところでさ、お前、何やってんだ?」

 

 

そう、霊夢と魔理沙が話していたのは永遠亭に住む兎妖怪の因幡てゐ。

てゐは現在どんな状況かと言うと………

永遠亭の近くの木の枝にくくりつけられている。逆さ吊りで

 

 

「鈴仙にやられたんだよ。酷いと思わない?鈴仙にお弁当届けたらいきなり怒りだしてこうなったって訳。いたいけな兎妖怪をこんなにして「何がいたいけな兎妖怪よ」あっ鈴仙。」

 

「鈴仙。悪いんだけどあんたのとこの姫様に会わせてくれる?欠片持ってるみたいだし」

 

「姫様に?別にいいけど………師匠に声かけてから行きましょ」

 

『ありがとうございます。あの、てゐさんはなぜこんなに?』

 

「これはオシオキ。私のお弁当に毒盛ったのよ。それだけじゃなく、この間人里に薬売りに行ったとき、薬を入れ替えてたのよ。薬と薬を入れ替えなら可愛いもの。でもね、こいつは睡眠薬をキノコに変えてたの!それも魔理沙の所の!」

 

「何ぃ!おいそこのうすらボケ仔兎妖怪!私の所のキノコ盗んでたのはお前か!どうりで数が減ってると思ったぜ!」

 

「だからこいつは今日1日くくりつけの刑って訳」

 

「あっいや~その…………テヘッ⭐️」

 

「おい鈴仙。そのオシオキ、私にもやらせてくれ。ちょうど的を探してたんだ」

 

 

魔理沙は黒い笑みを浮かべながら八卦炉を構えながら言った。それを見ててゐは顔を青ざめた。

 

 

「いいわよ。良かったわね~てゐ?お手伝い出来て」

 

「よくない!的って絶対マスパの的だよね!?嫌だよ!まだ死にたくない!」

 

「大丈夫だ。痛いのは一瞬だ、1回に全力込めてやるからな?安心しろ」

 

「安心できるか!ダメだって!」

 

「さぁ、てゐ。逝こうか」

 

『あの、漢字が違いますよ!?それにマスタースパーク撃ったらてゐさん、消えちゃいますよ!?』

 

「ハーティエル、てゐは…………良い奴だったよ。私達は先に永林に会わなきゃ。てゐの墓は後で作ろう」

 

 

ハーティエルはこの後の展開を予想できてしまい、的になりかけている(逃げようともがいているがプランプラン揺れるだけな)てゐを心配し、魔理沙と鈴仙を止めようとしたが、フランがハーティエルを止めた。

 

 

『フランさん?』

 

「さ、ハティ、フラン。行きましょう。後の事は魔理沙と鈴仙に任せて…………鈴仙、永林に会えば良いのね?」

 

「ええ。師匠にてゐのオシオキをしてますので後から行くって伝えてくれる?」

 

「わかりました、伝えておきます。さぁハーティエルさん、行きましょう!」

 

『え、え?レミリアさん?早苗さん?』

 

 

レミリア、早苗がハーティエルの手を引っ張って永遠亭へと向かった。

霊夢は自業自得よと呆れながら、フランは手を振りながら歩いていった。

 

 

 

「あら、霊夢達。どうしたの?」

 

『こんにちは、永林さん。実はお姫様にお会いしたいのですが……』

 

「ハーティエル。引きこもり兼ニート姫に敬語は不要よ。普通に話しなさい。」

 

「姫様に?…………姫様は現在引きこもっているためお会いできないかと」

 

「そこをなんとか!輝夜が欠片持ってるってさっき兎妖怪が教えてくれたわ。」

 

「そういえば、鈴仙は?もうすぐ薬売りから戻る時間だと「魔理沙と一緒にてゐのオシオキしてるわ」あら、いつもの事ね」

 

『(いつもの事で済まされるんだ………)』

 

「欠片絡みなら仕方ないわね。今から姫様を呼ぶわ。ごめんなさいね霊夢…………スーッ」

 

『???』

 

「いったい何を……てか嫌な予感が」

 

 

永林は息を思いきり吸い込み、そして…………

 

 

 

「姫様ーー!姫様の大事な抹茶タルトーー!霊夢が盗みに来ましたよーーー!!!」

 

「ちょっ?!永林!?何言い出して」

 

 

ドカドカドカッ……バタンッ!

 

 

「こぅら!!博麗の紅白わき巫女!私の大事な抹茶タルトは渡さーーーーん!!!」

 

「こら!!紅白とわきは関係ないでしょ!あと盗もうとしてないから!永林、後で覚えてなさい!」

 

『この人が……輝夜姫さん』

 

 

勢いよくこちらに現れたのは綺麗な黒髪を長く伸ばし、ピンクの上着にリボンを着け、赤いロングのスカートを身につけた女の人、蓬莱山輝夜だった。

 

 

 

「引きこもり兼ニート姫だけどね。」

 

「見た目清楚なお姫様だけど、中身はやる気なしのニート姫だけどね。カリスマを持つ私から見れば、もう少しプライドを持つべきだと思うわ」

 

「……。(お姉様が持ってるのはカリスマじゃなくてカリちゅまでしょ)」

 

「フラン。何か言いたそうだけど……」

 

「ううん。何も」

 

「よく見たら、わき巫女と一緒にいるのは吸血鬼姉妹に……???誰?この子???」

 

『私、ハーティエルと言います。今は訳ありで記憶がなくて……あの、輝夜姫さん。欠片拾いましたよね?すみませんが大事なものなので譲ってくれませんか?』

 

「うーん……良いよ?あっでも待って!決着がついたらで良い?」

 

「決着?何の勝負する気なの?」

 

「忌々しい妹紅とマ〇オカートしてるの。99勝99負だから100勝負目は勝ちたいの!それからなら渡せるから!」

 

『あ……頑張って、下さい……』

 

 

 

輝夜は果たして妹紅に勝てるのか!輝夜の運命はいかに!?

次回に続く……

 

 

 



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