インフィニットストラトス return of calamity リメイク版 (アルバロス)
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プロローグ

プロローグはリメイク前のをちょっといじくっただけのものになります


三日前くらいに世界初の男性操縦者である織斑一夏が発見されて、世界各地で二人目以降の男性操縦者がいないかの捜索が行われていた。そこに俺は暇だからという理由で試験場へ向かったんだが、見事にそこでISを動かしてしまったのである。

動かしたとき、黒服のやつらが保護名目でかは知らんがこっちに向かってきたので普通に逃げて撒いた

 

「ふぅ……びっくりびっくり」

「どうしたんだ?終夜」

「ああ、ISを動かせちまった」

「は?お前がか」

「ああ。いやー、しっかし警備がスカスカで助かったわ。撒くのが簡単簡単」

「はぁ……また面倒ごとが来るんですね」

 

俺が一緒に住んでるやつらの反応は普段通りだった。一名は悩みの種が増えると言わんばかりにため息をついていたが

それから数日後に終夜の家へある二人がやってくる

 

ピンポーン

「はーい」

ガチャ

「どちら様ですか?」

「IS学園のものだ。零童終夜はいるな?」

「シュウですか?ちょっと待ってて下さいね………シュウ〜お客さん!……おーい、シュウ!!」

「あ、木綿季。終夜のやつ、三十分前に寝たばっかりだから、起こしてやって」

「わかった。錬くん、玄関で待たせてる人の対応をお願い」

 

木綿季は終夜を起こしに二階の寝室へ向かい、玄関にいる二人は錬が相手をすることになった

 

「どうぞ、上がって待ってください」

「すまない。邪魔をする」

「お邪魔します」

「そういえばあなた方は?」

「IS学園のものだ。私が織斑千冬でこちらが」

「山田真耶です」

「私の名前は、羽衣錬といいます。お見知りおきを」

 

互いに自己紹介が終わり、錬がコーヒーを二人に淹れたくらいに終夜は寝室からユウキに連れられて降りてきた

 

「んで……その客ってのは?……ふぁあ」

「こちらのお二方です。こちらが織斑千冬さん。そしてこちらが山田真耶さん」

「いきなりすまない。君が零童終夜でいいな?」

「ああ、そうだが何のようだ?」

「国から、IS学園に通うよう通達が来たのでそれを伝えに来た。ちなみに私が担当するクラスに来て貰うことになる」

「行くにしても一つ条件があります」

「なんだ」

「木綿季を一緒に入学させて、同じクラスに隣の席にすること。それだけです」

「わかった。国に掛け合ってみよう。他になにかあるか?」

「いや、特に無いですね」

「それでは、山田先生。学園の説明を」

 

学園の説明を聞いたが意外と凄い場所が多い。食堂は、フランス料理や中華料理があるとかどんな高性能だよ!

勉強については大丈夫だな。木綿季は俺が見ればいいし……え?電話帳みたいなこれが参考書?……前言撤回。俺も頑張らないとダメだな

 

 

説明も終わり二人が帰ったので精一杯木綿季とイチャイチャした




リメイク版のプロローグはちょっと触っただけで、次の話からリメイクされていきます。
ここで変わっているのが木綿季が学園に一緒にいくことになっています。というか、そこしか変わってません
では次の話に


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学園生活は初日から大波乱!?

「はぁ……木綿季〜」

「ちょっと!いきなりボクに抱きつかないでよ、恥ずかしいでしょ」

「でも……癒しが欲しい」

 

俺が教室についてまず思ったのは、周りからの視線がキツすぎる……木綿季がいなかったらかなりグロッキーになってたかも知れん。女性からの視線は慣れてない。慣れる気もしないんだが……

 

ガチャ

「えーと、全員揃ってますねー。それではSHRを始めます。まず最初に、皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします!」

「お願いしゃーす」

「「「「……………」」」」

 

ちょうど甘え始めた頃に、教室に山田…先生が入ってきた。最初はお馴染みの黒板に自分の名前を書いて、クラス全体へ挨拶をしたが、クラスの女子たちは話題の男性操縦者が気になってそちらに集中しているらしく、挨拶をしたのは軽い形の俺と元気よく挨拶した木綿季だけだった

 

「零童君、紺野さん。ありがとうございます……それでは名前の順で自己紹介をお願いします……」

 

反応が少なかったことに山田先生は、涙目で狼狽えながら自己紹介に入るように言っていたんだが……それでいいのか、先生ぃ!

とまぁ、順調に進んで次は『お』の行で、一人目の織斑一夏が自己紹介をするはずなのだが、考え事をしているのか自分の番だということに全く気付いておらず、何回も山田先生が呼びかけていた

 

「織斑くん。織斑一夏君!」

「は、はいっ!」

 

山田先生が大きな声の呼び掛けでようやく気付いて返事をしたが、声が裏返ってたから、クラス内からクスクスとした笑い声が少し聞こえてきた

 

「えーっと…織斑一夏です……………」

「「「「「…………………」」」」」

 

クラスの俺を除く全員が次の言葉を待っていたのだが、次に出た言葉は全員の期待を裏切るものだった

 

「以上です!」

 

ズガガガッ

名前だけの自己紹介にクラスの数人がずっこけた。

 

スパァン

「いっ!?……げっ、孔明!?」

「誰が天才軍師だ馬鹿者!」

パァン

 

今、織斑を叩いたのは俺たちの担任である織斑千冬先生。そのあと、山田先生に声を掛けると、山田先生の涙目が熱っぽい視線へと変わっていった。やはりブリュンヒルデと言うべきかな?あのときはそんな顔をしていなかった気がするけど

 

「諸君、私が織斑千冬だ。お前らを一年で使い物になる操縦者に育て上げるのが私の仕事だ。私の言うことはよく聞きよく理解しろ。出来ないものは出来るまで指導してやる。逆らってもいいが私の言うことは聞け。いいな?」

 

んーと、学校でこんな暴論を出してもいいのだろうか……生徒がついていく筈が

 

「キャアアア、本物の千冬様よ!」

「私、ずっとファンでした!」

「私、千冬様に憧れて北海道からはるばる来ました!」

「どうか私のことを奴隷に!」

 

ナニコレコンナノシラナイ……まさかあんな暴論が通るのか!?こんなの初めてみるぞ。普通一人か二人は反対側がいるはずだろ

 

「で、お前は挨拶すらできんのか?」

「でも千冬姉…「織斑先生だ!」痛ッ!」

 

まぁ、名字から予想はしてたがやはり姉弟か……

 

「はぁ……お前のせいで時間も少ない……零童、お前だけでも挨拶をしておけ」

「わかりました」

 

さて……自己紹介は何を言おうか……

 

「零童終夜です。んーと……年齢は君らより上だが別に敬語は使わなくてもいい。まぁ、さっきのを見ればわかると思うけど彼女は既にいるから諦めてくれ」

「織斑、こういうのが挨拶というものだ。それと、次の時間から早速授業に入る。しっかり準備をしておけ」

 

俺の挨拶が終わると、次の授業の準備をして待つようにと指示をだされ、先生は二人とも教室を出ていった。

俺も授業の準備をして、木綿季に甘えることにした。周りも気をつかっているのか話しかけてくるのは誰もいなかった

 

 

「なので、ISの基本的な運用は現時点では国家の認証なしでは出来ず、また枠内を逸脱した運用をした場合は刑法によって罰せられます」

 

IS学園での初めての授業…最初は参考書に載ってあるのを復習する感じなので、俺は特に問題ないが、隣の木綿季は少々キツい様子で所々「むむう……」と唸っていた。かわいい

 

「織斑くん、なにかわからないところがありますか?」

 

山田先生がそういったので織斑の方をみようと思うが一番前だったのを思いだし、木綿季に助け舟を出すことに決めた

 

「木綿季、大丈夫か?」

「うぅ〜終夜ぁ、わかんないよ〜」

「どこがわかんないんだ?」

「ここ……」

「ああ、ここは……」

 

隣の木綿季に解説してあげてると、近くから「うらやましい……」とか「いいなぁ……」との声が聞こえてきたが、君らだったら今のところは余裕だろといってやりたい

何か織斑の方でも色々あったようだが、何かと決まったようで、山田先生は授業を進行しなおしていった

 

 

「終夜、頼む!俺に勉強を教えてくれ!」

「却下だ。まだ俺も余裕がない」

「そんなこと言わないでくれよ……俺たち友達だろ?」

 

友達だったらなんでもしてくれると思ってるのか?こいつは。

 

「あのなぁ……」

「ちょっとよろしくて?」

「ん?」

「あ?」

 

俺が織斑に一言いってやろうとしたら、隣から金髪縦ロールの女子が話しかけてきた。

 

「まぁ!なんですのその返事は。このセシリア・オルコットに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度があるはずではないのかしら?」

 

この女子はそういう類いのものだとすぐにわかった。ISが登場し、現行兵器を軽く上回るそれを操れるのが女性しかいないというだけで、なぜか操縦者だけじゃやく女性全体を優先したためにでてきた風潮である女尊男卑に染まった女だと

 

「悪いな、俺は君が誰だか知らないし」

「わたくしを知らない?イギリス代表候補生であるこのセシリア・オルコットを?」

「どっかの誰かさんのせいで『お』までしか行ってない状況でわからないのは普通だと思うんだが?」

「ですが!」

「あの、ちょっといいか?代表候補生って……なんだ?」

「「は?」」

 

織斑の衝撃発言に俺とオルコットの声が被った。周りでも自己紹介のときみたいにずっこける女子が数人いた

 

「あなた、それ本気でおっしゃってますの!?」

「おう、知らん!…終夜、教えてくれないか?」

「はぁ……字の如く国家代表の候補の一人だ。まぁ、候補止まりになるときもあるが、全員が優秀なエリートだ」

「そう、エリートなのですわ!あなた……ISのことを知らずによく入学できましたわね」

 

俺の席の前で織斑とオルコットが言い争って、止まらなさそうだったからほっといて木綿季の方を優先してたら、次の時間近くになり、両方とも自分の席に戻っていった。オルコットが捨て台詞を吐いていったが

 

 

次の授業は山田先生ではなく、織斑先生の授業ということもあり、全員山田先生のときより真剣になっていた。で、なぜか山田先生もメモを取り出して聞く準備に入ってた。……先生だよね?

 

「この時間は実践で使用する各種装備の特性を解説する予定だが、それの前に再来週行われるクラス代表戦に出るクラス代表を決めたいと思う。クラス代表とは、対抗戦だけでなく生徒会の開く会議や委員会への出席……まぁ、委員長と同じだな。自薦他薦を問わない。誰かいないか?」

「はいっ!私は織斑君がいいと思います」

「あ、私も私も!」

「私は零童君を推薦します!」

「うんうん!」

 

まぁ、予想通りだな。面倒事は嫌いだから織斑になるようにするか

 

「お、俺!?…俺はそんなのやらないぞ!」

「自薦他薦を問わないといった。他薦されたものはそれに答える義務がある。故に拒否権などない。他にはいないか?」

「いや、でも」

「納得がいきませんわ!そのような選出は認められません。大体男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ。このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか?大体、文化が後進的な国で暮らさないといけないことは私にとっては耐え難い苦痛で」

「イギリスだって大したお国自慢なんてないだろ。世界一マズイ料理で何年覇者だよ。」

 

いきなりオルコットが甲高い声で自論をスラスラといい並べたが、それに対して織斑も言い返し喧嘩が始まった。内容としては、どうでもいいので木綿季の髪を触ってたが、まだまだ終わりそうにない

 

「あなた!私の祖国を侮辱しますの!?」

「先に侮辱したのはそっちだろ」

「決闘ですわ!」

「ああ、そっちの方がわかりやすい」

「わざと負けたりしたら小間使い……いえ、奴隷にしますわよ!」

「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど馬鹿じゃない。それで、ハンデはどのくらいつける?」

「あら、さっそくお願いですの?」

「いや……俺がどのくらいつけたらいいのかなって」

 

織斑の自分がどれくらいハンデをつければいい?との話でクラス中から笑い声が起こった。今の時代では男が弱者になっているからだ

 

「織斑くん、それ本気で言ってるの?」

「男が女より強かったのは昔の話だよ?」

「織斑くんはISが使えるかもしれないけど、それはさすがに言い過ぎだよ」

「……じゃあ、ハンデはいい」

 

ハンデを取り消した織斑にオルコットは嘲笑の笑みを浮かべていた

 

「それと、一切喋らなかったあなた。一言くらいいったらどうですの?」

「木綿季は可愛いな〜」

「ふざけてますの?」

「一言くらい喋れったのはお前だろ?」

「はぁ、織斑さんとは違ってクズみたいな人ですね。あなたは」

「終夜はクズなんかじゃない!」

 

俺は何とも思ってないが、カチンときたのか木綿季が立ち上がって言い返した。

 

「あら、一言も言い返さずに何も言わなかった臆病者をクズと呼んで悪いですの?」

「んの……「いいよ、木綿季」終夜………織斑先生!」

「なんだ?」

「ボクも自薦します!」

「え?」

 

まさかの行動に俺は驚いたが、以前木綿季が言っていた言葉を思い出した

『ぶつからなきゃわからないことだってあるよ』

まさに今がそれだろう。まぁ、本気で怒っているのもある。効果音とかがあれば、『フンス』とか『プンプン』とかが確実に付く感じだしな

 

「話はまとまったな?では一週間後に織斑、オルコット、零童、紺野の四名による代表決定戦を行う。各自準備をするように!」

「オルコットさん。ボクが勝って終夜へ謝ってもらうからね」

「それは、あり得ませんわ。せいぜい期待しておきますわ」

 

織斑先生が最後に締めて、この話は終わったが木綿季とオルコットに確執が生まれたな、これは。

今は始まった授業に集中して、休み時間に色々考えるとしますか




ということで、本格的に始まりましたが、サブタイトルが思い付かないという問題が起こり、ちょっと困っております。毎度毎度考えれる他の作者さんを尊敬したいですね。
それでは、また次回……といっても今日中に投稿すると思います



あー、原作の使用でのロックの範囲がよく分からないから少々ビビりながらこの話を書きました(笑)


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クラス代表決定戦までの一週間何しよう?

楯無の祖父の名前は適当ですのであしからず


「一週間か……さて、何をするか」

「あ、零童君、紺野さん。ここにいたんですね」

「どうかしたんですか?」

「その、寮の鍵を届けにきました。事前の条件の時に寮のことはなかったのですが、同じ部屋にしておきました」

「わざわざ配慮してもらい、ありがとうございます」

「ありがとうございます!山田先生」

 

寮の鍵を届けにきた山田先生から鍵をもらい、食堂の時間や門限などを聞いてからこれからのことを決めるため寮の部屋に向かった。隣の木綿季は同じ部屋だから、とっても嬉しそうな顔をしながら歩いていた

 

 

「ここか」

「荷物は錬くんが届けてくれたっていうし、大丈夫だね」

ガチャ

「ご飯にします?お風呂にします?それとも…わ・た・し?」

「四番の木綿季で」

「ちょっと終夜!!」

 

部屋に入ると、何故か裸……じゃなくて水着エプロンの見知らぬ女子が玄関に入ったときに有名?なセリフを言ったので冷静に木綿季だと返した。木綿季は恥ずかしいのか、軽く嗜めてきた

 

「で、誰だあんたは」

「私は更識楯無。この学園の生徒会長よ」

「更識………聞くが、源二郎は元気か?」

「ええ、あまり大きい病気にもかからずにね……って、なんで祖父の名前を知ってるのよ!」

「知り合いさ、ちょっとしたな。んで、人の部屋に水着エプロンでくるとはいい度胸だな」

「あら、興奮した?」

「木綿季の裸エプロンなら鼻血出血大サービスなんだがな」

「コラ、終夜!!」

「んで、何のようだ。日本政府直属対暗部用暗部更識家当主、更識楯無」

「そこまで知ってるとはね……お姉さん大誤算」

 

手に持っていた扇子を開くとビックリ!の文字が。

 

「どんな人か見てみたいってのはあったけど、これからは要注意かも」

「用が終わったなら盗聴機を外して帰ってくんね?夜の営みを聞きたいなら話は別だけど」

「な…なんでバレて」

「あ、ホントに仕掛けてたんだ」

 

扇子を開いて……ガ〜ンか。文字にする必要ある?

 

「鎌をかけられたのね……修行が足りないわ」

「ま、暗部が顔を見に来るだけってのもおかしいが、俺が更識のことを知っていたからわかっただけで、別に大丈夫だとは思うがな。んで、どうするんだ?」

「ちゃんと外すわよ」

 

言葉通り盗聴機を全て外して風呂場で制服に着替えで部屋を出ていった。逆にいなかったら夜のを聞かれてた可能性もあるのか………居てよかったな

楯無が帰ったので、一週間何をするか話すことにした

 

「セシリア・オルコット……イギリスの代表候補生でBT適性値が高く、BT試験機であるブルー・ティアーズを所持している……か」

「ボクたちは専用機がないから訓練機だよね……今さらだけど勝てるかな……」

「あ、言ってなかったな。木綿季の専用機、あるよ」

「ホント!?」

「ああ、この土日に戻って訓練しよっか」

「うん!」

 

土日にISの訓練はできるとのことなので、普段は体力を付けるとかの、肉体面の強化をすることに決めたので学園内を散歩することにした

 

「終夜。あそこ、人だかりが出来てるよ」

「剣道場か……行ってみるか」

「そうだね。晩ごはんまで時間あるし」

 

二人で近くまでいくと、なぜか道を開けてくれたので中を見ると織斑と確か同じクラスの女子がいた。

剣道をしていたが、織斑の圧倒的な弱さに俺は驚いた

 

「弱くないか?」

「うん……直葉ちゃんと比べたらとっても弱いよね……」

「時間が時間だし、食堂にいくか」

「うん」

 

あんまり見ることもないから、食堂に向かって晩御飯を食べ、部屋に戻って一緒のベッドで寝た

 

 

 

 

「起きて、終夜起きて!「後五分……」もう、いつも朝は弱いんだから」

「んー……」

「起きた?食堂へ朝ごはん食べに行こ?」

「んー」

 

眠いなか、着替えて食堂に向かう。眠いから、メニューは木綿季に選んでもらった

 

「ね〜隣いい〜?」

「いいよ。えーと、確か同じクラスだよな?」

「うん、布仏本音だよ〜。皆からはのほほんさんって呼ばれてるよ」

「じゃあ俺もそう呼ぶか、よろしくな、のほほんさん」

「よろしくね、のほほんさん」

「うん、よろしくね。しゅうやんにゆうちゃん」

 

のほほんさんと一緒に食べ、教室に向かうと、約半分くらいがもう教室に来ていたので、挨拶して自分の席に座った。

 

 

 

 

 

「織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる。予備機がない。なので専用機を学園側が用意するそうだ」

「専用機!?一年のしかもこの時期に!?」

「それって政府からの支援が出るってことだよね?」

「いいなぁ……私も専用機が欲しいなぁ」

 

朝のSHRに織斑に専用機が渡されると言われ、クラスがざわめいたが、渡される本人はどういうことかわからないという顔をしていた。それをみて、何故か俺に説明するようにいってきた

 

「零童、この馬鹿に説明してやれ」

「簡潔にまとめるとISコアが467個しかないので通常は企業代表かオルコットのように、国に所属している一部の操縦者しか所持できないのを特別にお前が持てるということだ」

「なら、ちふ……織斑先生。終夜には渡されないのか?」

「零童は、紺野とともに別で専用機が渡されるそうだ。そのことは聞いているな?」

「ええ。友人の企業なので既に連絡は受けています」

「あの、先生……篠ノ之さんって篠ノ之博士の関係者なんですか?」

「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ」

 

クラスの女子たちがわらわらと集まっていくがあの人は関係ない!と一喝して、教えれることは何もないと言った。まぁ、確かに姉と妹が同じということはないからな

休み時間になると、さっそくオルコットが突っかかってきた

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦するとは思っていなかったでしょうが。まぁ一応勝負は見えていますけどね」

「あ、そう。それだけをわざわざ言ってありがとう」

「ッ……あなたは試合のときに叩き潰してあげますわ!」

 

こういうやつほど倒すのが楽なんだよなぁ……

 

 

 

 

 

「よーし、じゃあ行きますか」

「うん!」

 

あまり変わらない日常を送り、土曜日の朝……錬が社長をしているアウターヘブンに向かっている。なぜこんな名前かというと、わざわざ本人のところにまで許可を取りにいったからだ。ちなみに、IS関係には俺らの専用機開発をもって介入していくという形になっている。

何をしているかというと、まぁ色々だな。

 

 

「ついた……社長じきじきにお出迎えとはな」

「からかわないで下さいよ。全く……専用機はこっちです」

 

錬についていった先には、二機のISが並んでいた

 

「あれ?これって……」

「この機体名は『絶剣』木綿季さんの機体です。ALOと同じように操作できるようにしていますので、あの反応速度を生かせるようになっています。ソードスキルも発動できるようになっています。待機状態は十字架のペンダントにしています」

「わぁ!」

「終夜のは、要望通りにしています。例のものも既に積んでいます。待機状態は腕輪になっています」

「おし、じゃあ初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)をやるか」

 

アリーナへと移動し、俺も木綿季も作業を始めると、約十分ほどで一次移行(ファースト・シフト)が終わり、木綿季のは見知ったALOの装備に。俺は私服のAUO(UBWのギルガメッシュの服)に似た形になった

 

「おし、じゃあ模擬戦を数こなしていこうか」

「ボクは負けないからね!」

「それはこっちのセリフだ!」

 

そのあと二日間で約五十試合ほどしたけど、木綿季の反応速度を越えれることが少なかった……

 

「よし、訓練は終わりにして午後はゆっくりしてこう」

「そうだね……さすがにボクも疲れたよ……」

「じゃあ一つよろしいですか?」

「なんだ?」

「ハロハロ〜篠ノ之束さんだよ〜」

「は?(え?)…………え?」

 

なんでここに?ていうか、服装とかで、二〜三ヶ所ツッコませろ!

 

「機体を作るにあたって技術が足りなかったので、あることを条件に雇いました」

「条件?」

「束さんの元々の目的であるISを宇宙に向かわせることさ!」

 

宇宙か……宇宙……戦艦…ウッ、頭が……

という冗談はおいといて、それでここに来たのか

 

「まぁ、いいんじゃね?」

「軽くありません?アウターヘブンでは立場が逆ですが本来はあなたの方が上ですよ?」

「錬がやったのなら大丈夫だ。あいつらなら心配だが」

「否定はしません…」

 

驚きの事実もあったが、ひさしぶりにゆっくりとした日常を送り、IS学園に帰った……いよいよ明日がクラス代表決定戦だ……木綿季以外に負ける気は毛頭ない

 




えー、ここで一応変更点を書いておきます。
まず、終夜が自分でISを作った→会社で作った
篠ノ之束が同盟関係→敵から主人公の味方に(これはすぐにタグを追加しておきます)
ここで、リメイク前のストーリーと大きく差が出ますが敵にオリジナルのを出して内容を修正する予定です。(もしかしたらストーリーが変わるかもしれません)

それと一つ謝罪させてもらいます。
リメイク前の小説でISコアを(なんでかはわかりませんが)297個としていましたが、本来は467個でした。これは時間があるときに探して修正する予定です。
申し訳ございませんでした。
それではまた次回!


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クラス代表決定戦は意外と楽勝?

サブタイトル……的外れなものにならないといいけど………


「なぁ…箒」

「なんだ、一夏」

「ISのことを教えてくれる話はどうなったんだ?」

「……………(フイッ)」

 

話の内容的に一週間剣道しかしてないな。しかし織斑の機体がまだこない……企業として期限に間に合わないとか普通に駄目だと思うんだが…

 

「零童、紺野。織斑の機体がまだこない状況でオルコットを待たせられない。なのでどちらかに出てもらいたいのだが……」

「ボクが出ます」

「わかった。では、準備をしろ」

 

木綿季はISを展開して、カタパルトの前まで進んだ

 

「じゃあ終夜。いってくるね」

「ああ、勝ったらなんでも言うこと2つ聞いてやる」

「約束だよ!」

「それでは紺野さん。カタパルトに乗って下さい」

「『絶剣』でます!」

 

木綿季がアリーナ内に出ると既にアリーナに来て浮いていたセシリアが木綿季へ軽い挑発を混ぜて話しかけた

 

「あら、あなたが最初ですの。女を先に戦わせるとは、やはり男はクズが多いですわ」

「終夜はクズじゃない!」

『それでは試合を始めます……3・2・1……始め!』

「それでは、お別れですわね!」

 

セシリアは始まった瞬間に木綿季をライフルで撃つが、木綿季はそのビームを切り裂いた

 

「なっ!?でもたまたまですわ!」

 

セシリアはすぐに気持ちを切り替え連続で撃っていくが、その全てを木綿季は切り裂いていく

 

「それだけならボクは当たらないよ?」

「ッ!おいきなさい、ブルー・ティアーズ!」

 

ライフルの一発ずつでは当たらないとわかり、BT兵器を出すが、全て木綿季の反応速度に敵わずかわされたり切り裂かれたりしていた

 

 

 

ピット内では、二人の戦いを見ていた山田先生が驚きながらも誉めていた

 

「凄いですね、紺野さん……凄い反応速度でオルコットさんの攻撃を全てかわしたり切ったり……」

「木綿季の反応速度は凄いですからね。しかも剣の腕も超一流。剣だけなら俺も勝てるかどうか……」

「あ!勝負が動いたみたいですよ」

 

 

 

「くっ……なんで当たらないんですの……」

「じゃあ、いくよ!」

「なっ!はやッ」

「『マザーズ・ロザリオ』やああああ!」

「残念ですがブルー・ティアーズは六機ありましてよ!」

 

足元に隠してある二機のBTからミサイルが発射されるが、木綿季は驚異的な反応速度で回避。そして黒の剣士も閃光も屈したOSSを放ち、セシリアはそれを全て受けてしまいそのまま、敗北した

 

『ブルー・ティアーズ、シールドエネルギーエンプティ。勝者、紺野木綿季』

 

ワアアアア!

観客席から歓声が起こるなか、木綿季は自分のピットへと戻っていく。セシリアも自分のピットへ戻っていくがその足取りは重かった

 

 

「お帰り、木綿季」

「ただいま!どうだった?」

「カッコよかったよ。でも、なんであれを切れたの?」

「あのときキリトが魔法を切り裂いたでしょ?あれを教えてもらったのと、シノンちゃんに手伝ってもらってキリトと同じ事をしたらできたよ」

 

すっげぇわ、この子

 

「零童。五分後にお前とオルコットの試合をする。準備をしておけ」

「わかりました。さて……ふぅ……」

「頑張ってね」

 

集中しているので、木綿季は後ろから抱きついてくるだけだが、それでも充分だ。五分たったので、カタパルトまで移動する

 

「山田先生、これに乗ればいいんですよね?」

「はい。あとは、零童君の好きなタイミングで出撃しますので」

「終夜!」

「ん?なに…「んっ……」……プハッ」

「いってらっしゃい」

「いってくる。『聖杯』でるぞ!」

 

木綿季にキスをされた俺は内心テンションが上がりながらも冷静になるように気持ちを落ち着けていく…

出る前にチラッと見えたのだが、俺らのキスを見て、山田先生が顔を真っ赤にさせていた

 

「先程の戦いは負けてしまいましたが、今度は油断しませんわ!」

「そうか……まぁ俺が勝つが」

『それでは試合を始めます……3・2・1……始め!』

 

オルコットは言葉通り最初からBT兵器を使って攻撃していくが、俺の鎌を突破することができず、膠着状態になっていた。かくいうもどう勝とうか悩んでいるから、BTからのビームを切り裂くだけにしていた。

 

「くっ……なぜ紺野さんもあなたもビームを切り裂く事ができますの!」

「さぁね。考えたことはない」

 

んーと、このまま全身斬るか。気にしないとはいえ、クズ呼ばわりのお返しぐらいいいだろう

 

「じゃあいくぞ」

フッ……ドドドンッ!

「なっ…ブルー・ティアーズが!」

「しかしお前の武装の名前、紛らわしいわ。『災厄の鎮魂曲(ディザス・レクイエム)』」

 

容赦なく全身を切り刻むと、装甲が切れたり割れたりと壊れ、スラスターも一緒に切っていたため、オルコットは墜ちていく。それに気づいたので助けるだけ助けようとしたら横から織斑が飛び出してきた

 

「間に合え!」

「織斑…さん?」

「大丈夫か?セシリア……終夜!もう戦えない相手に追撃することはないだろ!」

「追撃?何のことだ」

「お前……今さっきやろうとしてたじゃねぇか!そんなの男がするようなことじゃない!だから俺が正してやる!」

 

コイツ……ホントに何いってんだ?まだ決着がついていない(まぁほぼついていたが)から念のために武器を持ったまま一応助けようとしただけで、コイツにとっての悪とされた……ざけんじゃねぇ

 

「じゃあ正してみろよ。織斑」

「ああ、やってやるさ!」

 

オルコットをピット近くまで運んだあと、俺と向きあう織斑。さっきの勝負がまだ終わっていないが、乱入したコイツが悪いと割りきり、コイツをぶっ飛ばすことにする。勝手に悪役にされていい気がするわけないからな

 

『それでは……試合開始ぃ!』

 

あの、放送席?さっきと違ってません?どっかの国民的アニメの一家の名字と同じ人が出てくるんだが……

 

「うおおおおお!!」

「お前は猪か」

 

真っ直ぐ突っ込んできたので、軽く横に避けると、こっちにくることなく、通りすぎた

 

「避けるなんて卑怯だぞ!うおおっ!!」

「馬鹿馬鹿しくてついていけん。『絶対なる静寂(アブソリュート・サイレンツ)』」

「うわあああ!」

 

よし……って、一次移行?まさか初期化と最適化が終わってない状態できたのかこいつ

 

「……俺は最高の姉さんをもったよ」

「あ?」

「これからは……俺も俺の家族を守る」

「……零落白夜か」

「いくぞ、終夜!うおおおおお!!」

「何を持っても結局変わらないか……『死が』」

『白式、シールドエネルギーエンプティ。勝者零童終夜』

「え?」

「は?」

 

零落白夜の特性のせいで、なんとも微妙な結果になってしまった

 

「終夜…大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。そういえば、山田先生」

「は、はい!」

「俺とオルコットの勝負はどうなったんですか?」

「あ、それは……」

「零童、お前の勝ちとなっている。それと先程の試合だが…」

「零落白夜が自身のエネルギーも使用することを知らずに使用し、それで俺が勝ったと」

「……その通りだ。それと、お前の機体はダメージを受けていない。なので紺野と今から勝負してもらうがいいな?」

「ええ、いいですよ。じゃあ、木綿季。やろっか」

「今回もボクが勝つからね」

「今回は俺だよ」

 

代表候補生を倒した二人が出てきたことで、アリーナは一番の盛り上がりを見せた。

 

『それでは……試合開始ぃ!!』

 

もうツッコまんからな

 

「いくよ終夜!」

「こい木綿季!」

 

俺と木綿季の試合は、かなり白熱したものとなっていた。俺が木綿季のマザーズ・ロザリオを半分ほど捌き、木綿季も俺の技を返したりと、激しい応酬を繰り広げていた

 

「やっぱ木綿季は強いなっ!」

「ボクも終夜と戦うのが楽しいよ!」

「「だけど次で終わりだ(よ)!」」

「『マザーズ・ロザリオ』!!」

「モード変換『アサシン』」

「えっ、何ソレ!?」

「晩鐘は汝の名を指し示した。『死告天使(アズライール)』」

 

木綿季に隠していた俺の機体の特徴であるモード変換を使って木綿季のシールドエネルギーを削りきり、俺が勝った

 

「あー、負けちゃった〜。終夜そんなの隠してたなんてズルいよ〜」

「ハハハ。既に見せてたら対処されそうだったからね。でも次からはどうなるかわかんないけどね」

「次はボクが勝つからね!」

『イチャイチャするのはいいですけど、場所を考えてくださ〜い』

 

あ、そういやまだアリーナの中だったな……木綿季も恥ずかしいのか顔が真っ赤だ。

いそいそとピットへ戻ると山田先生が迎えてくれた

 

「お二人とも凄いです!まるでモンドグロッソの決勝戦を見ているようでした」

「ありがとうございます」

「はい。あとは、織斑君と紺野さんが戦って終了です。オルコットさんが織斑君との戦いを辞退したので」

「わかりました!」

 

織斑と木綿季の戦いだが、織斑が俺の文句を木綿季に言ったらしく、怒った木綿季が容赦なくソードスキルを使って倒した

 

「むう……」

「ほら、おいで?」

「…………ん♪」

「零童、クラス代表だが…」

「あ、俺と木綿季は辞退します。一緒にいる時間が減るのは嫌ですし」

「そ、そうか……いや、先程他のクラスの先生から二人を出すのは止めてくれと言われてな……」

「そうですか……」

「辞退する旨はわかった。今日はゆっくり休め。それと零童。一夏がすまんな」

「先生から謝られるようなことではありませんよ。それでは、失礼します」

 

かなり疲れたから、部屋に着いたら、着替えもせず二人で一緒に寝てしまい。起きたのが夜の十時位だったので急いで晩ごはんを作って食べて、一緒に風呂に入ってゆっくりテレビを見た




ここでも変更があるので、書いておきます
織斑千冬
弟優先→公私混同はしない常識人
と一応なっております。どこかで忘れてちょろっとやらかすかもしれませんが、その時は指摘してください。

それではまた次の話で!


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クラス代表も決まり無事に終了?

「クラス代表は織斑一夏君に決まりました!一繋がりでいいですね〜」

 

朝のSHRに、クラス代表が発表されたが俺の予想とは違い織斑がクラス代表になった。クラス内は、クラス代表決定戦での俺と木綿季の戦いを見てなぜ俺か木綿季のどちらかがクラス代表に就任していないことに疑問をもったが、それを見た織斑先生が俺たちが就任しない理由を解説してくれた

 

「零童と紺野だが、他クラスから対抗戦で勝負にならないとの申告があり、辞退してもらった。オルコットは……」

「織斑先生。私はそのことで発言したいのですが」

「いいだろう」

「ありがとうございます。まず、日本を侮辱するような発言をしたことをお詫びします。申し訳ありません。それと紺野さん。終夜さんを侮辱する発言をしたことをお許しください」

「……いいよ。それと、ボクのことは木綿季でいいからね」

「はい。わかりましたわ、木綿季さん。それと、クラス代表の件ですが、IS操縦には実践が多い事に欠きませんので一夏さんに譲ることにしましたわ。それとですね、私が一夏さんにIS操縦を教えようかと…」

「あいにくだが一夏の教官は足りている。

私が直接頼まれたからな」

「あら、ランクCの篠ノ之さん…」

 

はぁ……クラス代表についてだったのに今となっては織斑の指導役についての話だよ。正直どうでもいいんだが……

 

結局いつも通りに二人を織斑先生が出席簿で叩き、無礼なことを考えてたらしい織斑を叩いたあと、締めてSHRは終わった。

 

 

 

 

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、零童、紺野。まずはISを展開しろ」

 

今、一組の全員はアリーナでISの実習を行っている。今回は専用機が見本として前に出ている。オルコットは代表候補生ということもあり、既に展開できており、俺と木綿季も既に展開しているが、織斑は展開できていなかった

 

「遅いぞ織斑。熟練したIS操縦者は展開に一秒もかからんぞ」

 

織斑が、右手を出すポーズをし、集中してようやく展開できた

 

「よし、では飛べ!」

 

そう言われ、オルコットと俺と木綿季はすぐに飛べたが織斑は少し遅れて飛ぶが、速度は遅いものだった。後ろを見ると、織斑先生が通信回線を使って織斑に怒っていた。説教を受けたあとに、織斑は少し愚痴を漏らしたが、オルコットがやさしく説明していた

 

「ねぇ、終夜。ALOとは違って現実で空を飛ぶのもいいね♪直葉ちゃんに教えたら喜びそう」

「そうだなぁ。確かに喜びそうだ」

 

俺たちは、二人で仲良く飛んでいたがその時に次の指示が入った

 

『織斑、オルコット、零童、紺野。急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ』

「それでは、お先に失礼しますわ」

 

まずオルコットが最初にいくが、なんなくクリアしていた

 

「じゃあいこっか。木綿季」

「うん!」

「ちょっ!待ってくれよ」

 

織斑が何か言っているが、無視して二人で降りていくが、俺は十五センチ、木綿季は十二センチだった

 

「あー木綿季に負けた〜………ん?」

「あー、皆離れて!」

 

俺と木綿季が織斑の様子を確認したとき、スピードが出過ぎていて、墜落するのは明らかだったので木綿季がみんなに避難するようにいい、避難して少ししたぐらいに織斑が墜落した

「馬鹿者。誰が墜落しろといった。グラウンドに穴を開けてどうする」

「…すいません」

 

織斑に篠ノ之がちゃんと教えただろうと怒っていたが、 前に見たときは擬音だらけの説明で、誰も理解できるとは思わないんだが……

 

「織斑、武装を展開しろ。そのくらいはできるだろう?」

「は、はい!」

 

織斑が武装を展開しているが、遅いと怒られる。次はオルコットだったが、武装の展開時に俺の方に銃口を向ける形で展開されたので、反射で武装の鎌の先を首筋に当ててしまった

 

「ひっ!」

「あ、ワリぃ。」

「オルコット。横に向かってではなく正面に銃口を展開出来るようにしろ」

「で、ですが私のイメージをかためるのに必要な」

「直せ」

「……はい」

 

一睨みで黙らせる。やはり鬼教官だ

 

「零童は良いだろう。では次は紺野だ」

「はい」

「紺野も早いな。だがもう少し早く出来るようにしろ」

「わかりました」

「……もう時間か。今日の授業はここまでだ。織斑はちゃんとグラウンドの穴を埋めておけよ」

 

織斑がこっちに助けを求めてくるが、自業自得なので、無視して更衣室に向かった

 

 

 

 

 

 

「織斑くん、クラス代表決定おめでとー!!」

「「おめでと〜!!」」

 

放課後の食堂では織斑のクラス代表就任を祝うパーティーが行われていたが、あきらかに人数が多い。ほぼ確実に他のクラスのやつもいるだろ……

 

「はいは〜い、新聞部で〜す。話題の新入生の二人に特別インタビューをしに来ましたー」

 

食堂内が盛り上がるが、個人的には嫌だな……

 

「あ、私は二年の黛薫子、よろしくね。ではまず織斑君!クラス代表になった感想をどうぞ!」

「えーと、……頑張ります」

「えー、もうちょっといいコメントないの〜?」

「自分、不器用ですから」

「まぁ、捏造するからいっか……」

 

それでいいのか、新聞部…

 

「じゃあ次は零童君!学園内唯一のカップルだけど、その出会いは?」

「教えるわけないでしょう」

「じゃあ紺野さんに……」

「終夜、帰ろっか」

「そうだな」

「え、ちょっと!」

 

あまり木綿季は過去のことを話したくないから俺に寮に戻ることを提案してきた。そのことを俺はわかっているので、二つ返事で一緒に寮に戻ることにした

 

 

 

 

 

「あ〜もう!この学校広すぎなのよ!」

 

寮に戻る途中で電光掲示板を見ながら困っている子がいた

 

「終夜、迷ってるようだし、案内してあげよっか」

「ん、了解…………どこにいきたいんだ?」

「え?……あ、総合事務受付だけど……」

「あーあそこか。こっちだ」

 

総合事務受付まで案内する間、軽く会話をすることにした

 

「こんなときに来るってことは編入か?」

「そうだけど……ていうか、あんたは」

「零童終夜。二人目の操縦者になっちまったな。隣は彼女の紺野木綿季。君は?」

「凰鈴音。鈴でいいわよ。私も二人のこと名前で呼ぶわよ?堅苦しいのは嫌いだから」

「いいぞ。よろしくな、鈴」

「よろしくね、鈴ちゃん」

 

 

 

このとき三人とも、これから一緒になることは知らずにいた……




すまない……なんか書いてて思ったが繋げる部分に違和感ができてしまった……
というか、ある意味リメイク版の内容で考えるのが一番難しかったのが、ここです……
これ以降はだいたい出来ているので、投稿スピードは上がると思います

友人がfgoでジャックを当てたとの報告で軽くメンタルが傷ついた作者でした(笑)


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転校生は新たな火種になるのか?

今日は、食堂でも教室でも転入生の話題一色だった。ただ、教室では半年のデザートフリーパスの話もあったが。やはり女の子はスイーツに目がないな

 

「ねぇねぇ、転入生って中国の代表候補生なんでしょ?」

「でもクラス代表は決まってるし、専用機持ちは一組と四組だけだから楽勝でしょ!」

「織斑君にはフリーパスを何としてでも取って貰わないとね〜!」

 

「その情報、古いよ。二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

教室の入り口から、知ってる声が聞こえたのでそちらを向くと、昨日に出会った鈴が立っていた

 

「鈴?……お前、鈴か?」

「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たわ」

 

うーん……織斑の関係者か…

 

「終夜…何か嫌そうな顔してるよ」

「ん…昨日みたいなトラブルがまた起こるのかと思うとな」

「あ!終夜もここのクラスだったのね」

「そんなことより、上から来るぞ。気を付けろ」

「え?何」

スパン

「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

 

我らが鬼教官、織斑千冬の登場である。

 

「ち、千冬さん……」

 

織斑の関係者である以上、面識があると思うが思いっきりビビっている。織斑に後で来るといい、自分のクラスへ戻ったが、織斑の方は篠ノ之とオルコットに詰め寄られていた

 

 

 

 

「終夜〜食堂いこー」

「あいよ」

「あ、しゅうやん〜私も一緒にいっていい〜?」

「のほほんさんか。別にいいよ」

 

 

食堂にいくと、織斑が他三人と飯を食べていたが、やはりというか篠ノ之とかと火花を散らしていた

 

「はぁ……予想通りとはいえ…面倒事には巻き込まれたくないんだが」

「あ、終夜!!聞きたいことがあるから来て欲しいんだけど」

 

織斑関係で内心頭を抱えつつ座る席を探していると、鈴から声がかかった。周りに座る席も無いため鈴の場所に向かった

 

「終夜ってかなり強いって聞いたんだけど…本当なの?」

「試合の映像見るか?」

「見ていいなら、見させて貰うわ」

 

別に俺は構わなかったし、木綿季の承諾も得たので、携帯型のディスプレイで見せたんだが、鈴の顔が(゜ロ゜)みたいになってた

 

「え……これ本当の映像なの」

「本物だぞ。加工は一切していない」

「どう考えてもおかしいでしょ!国家代表でもこんな戦いを出来るかどうかわかんないわよ!?」

「山田先生もモンドグロッソの決勝戦を見ているようだとか言ってたな……そういや」

「今度一緒に訓練してくれないかしら?」

「別に俺はいいけど…」

「ボクも別にいいよ」

 

他に色々と話をして教室に戻ったんだが、席に座ってから篠ノ之が俺か木綿季のことを睨んでいた。まぁ何かくるまでは放っておいていいだろう

 

 

 

 

 

 

「今日は休みにしてるけど、どうする?木綿季」

「うーん……どうしよっかなぁ」

prprpr

「ん?」

『終夜。一つご報告が。』

「錬?どうした」

『篠ノ之博士の研究所が襲撃にあい、そこにあったゴーレムが数機持ち去られました』

「ちょっと待て……木綿季。ちょっと人目がつかないとこに移動するぞ」

「どうかしたの?」

「あとで説明する。」

 

一旦移動して、詳しく話を聞くことにした

 

「んで、どういうことだ」

『篠ノ之博士と、終夜は出会っていませんが助手である、クロエさんを迎え入れたあと、博士の研究所であるし、大丈夫だろうと、対応を先送りにしてたんですが、それが裏目に出たのか、無人機であるゴーレムが数機盗まれるということが……』

「そっちで対応は?」

『諜報を出してはいますが、恐らく……』

「成果は出ないか……何かあったら知らせろ」

『了解』

「どうしたの?」

「篠ノ之博士の無人機が盗まれたらしい。相手は不明だがな。警戒しておくか……」

 

 

 

 

「グスッ……ヒック…」

 

その日の夜…ちょうど、部屋のジュースが切れ、買い足すのを忘れていたので、寮の自動販売機に木綿季と飲み物を買いに来たら、鈴が泣いていた

 

「鈴!?」

「鈴ちゃん!?」

「終夜…木綿季……」

 

本来の目的をほっぽって鈴の話を聞くことにしたので、急いで部屋に戻った

 

「鈴……何があったんだ?」

「ちょっと長くなるんだけど……」

 

ポツポツと鈴が話し始めたのを聞いていくが、話が泣く原因になったとき、俺は織斑に口には出していないがキレた

 

「は?約束を奢って貰う形で覚えてて、それをよく覚えてたと自慢げにしてただと……それに、他の子の告白も買い物とかに勘違いしてたと……」

「うん……私が悪かったのかな、直接好きって言ってれば変わってたのかな……」

「終夜……」

 

木綿季が目で訴えてくる。言いたいことはよくわかってるよ

 

「鈴、俺も木綿季も黙っておくし、俺らしかいないんだ。いっぱい泣いていいぞ」

「ありが…とう…グスッ……胸、借りるね…」

 

鈴が泣き始めたとき、俺と木綿季が横に移動して何も言わず、ただただ気が済むまでずっと待っていた。

確かに正直に言わなかった鈴も悪いところはある。だが、直接言えないって子もいるんだ。これは全面的にあのクソ織斑が悪い!

 

 

 

「もういいよ。ごめんね、服…」

「ああ、別に気にしなくていいさ。それで、鈴はどうするんだ?」

「クラス対抗戦で叩き潰す。それで謝らせる」

「わかった。なら明日から俺らが手伝おう」

「うん。鈴ちゃんがこんな思いしてるのに、本人はそんな態度なのを聞いて、ボクも腹がたったよ!」

「いいの?自分のクラスを裏切ることになるのに…」

「今さら気にせんさ。それに、あいつには俺も木綿季もいい気を持ってないから」

「なら、明日からお願いできる?」

「ああ」

「うん!頑張ろうね」

「二人とも……ありがとう。じゃあ今日は部屋に戻るわ。じゃーね」

「おう」

そろそろ時間のこともあるし、目の腫れも少し収まってるので、鈴は自室に戻っていった。

明日から鈴の訓練を手伝って、容赦なくあいつを潰すことにする。決定戦で男がするようなことじゃないと俺を非難しやがったが、あの言葉をそのままあいつに送り返してやりたいわ

木綿季もだいぶん怒っている様子で、プンプンとした顔をしているが、ちょっと可愛い……




今回も無事に終わりました。
けど……サブタイトルが思い付かない、というか作れない……
普通に作れる他の作者さんを尊敬したいです(二度目)

内容よりサブタイトルが問題って……ある意味おかしいよね……

次話は明日……あ、時間でみたら今日か…まぁ、今日に投稿しますので、お楽しみに

もしかしたら、鈴との訓練はピット内の会話だけに出して、戦うってことになるかも……


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乙女の怒りを思いしれ!

クラス対抗戦当日…俺は木綿季と鈴のピットへ応援にきていた。許可を貰って試合の観戦もここで出来るようにしてある。織斑先生はあまりいい顔をしなかったが

 

「鈴。調子はどうだ?」

「大丈夫よ。あんだけ訓練したんだから」

 

鈴の調子はとても良さそうだ。本調子の鈴に織斑が勝てることはないだろう……

木綿季とも色々と話しているが、そろそろ時間らしく、アリーナ内へ来るようアナウンスが聞こえた

 

「それじゃあ行ってくるわね!」

「おう。思う存分殺ってこい」

「終夜、多分字が違うと思うんだけど……」

「あんまり気にするなって。そろそろ始まるぞ」

 

 

アリーナ内で両者が向き合い、試合開始の合図がなると、織斑がいつも通り真っ直ぐ鈴へ突撃しようとしたが、織斑よりも先に武装を展開した鈴が怒涛の勢いで斬りかかり、織斑はなすすべもなくやられ始めていた

 

「……まぁ、予想通りといったら予想通りか。あの二人の訓練があんなんだったらな」

「あんな訓練って?」

 

訓練を見たことがない木綿季に聞かれたので答えたんだが、どんな訓練だったかというと……織斑の気を引くためか、篠ノ之もオルコットもマンツーマンで指導したいが、相手が邪魔なので互いにお前は必要ないと言い合い、仕舞いには織斑をほっぽってどちらがやるか戦いだす始末……俺たちとちゃんと訓練をしてきた鈴が押される理由が一切ない……

だが、あの馬鹿はなぜ教えてもらう相手を変えることをしないんだ……ずっと見ていないからちゃんと訓練してたときもあるんだとは思いたいが今日まで似たような事が続いてたんだったら変えようと思うはずなんだがな…

と、考えていると織斑が鈴の攻撃に対応し始めたのか、鈴もちょくちょくダメージを食らっていた。だが

 

「あ、鈴ちゃんが衝撃砲を使いだしたよ」

「ああ……もう勝負は決まったようなもん」

ズドォン!

「ん………」

 

いきなり、アリーナの真上から何かが降ってきた。その姿は煙が晴れると見えたが…ISだった。しかも、事前の報告を受けていた篠ノ之博士の盗まれたゴーレムだ。

現状理解のため、先生へ連絡を繋げた

 

「山田先生、今の状況は?」

『零童君ですか!?えっと…今の状況は…』

『謎の乱入者が侵入。それとハッキングにより、全ての扉がロックされ、遮断シールドがレベル4に変更されている。織斑と凰の救援に向かえない状況だ』

「わかりました。ならちょうどピットにいるので、俺が向かいます。木綿季は観客席の生徒の避難の手伝いに向かわせます」

『そ、それは危険です!零童く』

ブツッ

 

山田先生の言っていることはわかるが、状況が状況だ。あとで処罰されるかも知れんが……ま、なんとかなるさ

 

「木綿季、観客席の方は頼んだぞ」

「うん。終夜も…気を付けてね」

「ああ、いくぞ。『聖杯』!」




えー、予告していた日より1日遅れたことをお詫びします。前の部分と同じくここもだいぶん悩み、戦闘シーンと分けることでなんとか、解決しました。多分投稿した直後にから戦闘話の作成に入っているので、今日中に二本目も投稿すると思います


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襲撃者に相対するは無銘

アリーナ内では、一夏と鈴がともに謎のISと戦っているが、二人はIS相手に有効なダメージを与えられずに負けかけていた。一夏は攻撃をかわされカウンターでダメージを受ける。鈴は衝撃砲の一撃を叩き落とされ、接近戦でダメージを食らう。両者ともシールドエネルギーが切れかけていた。

 

「ッ……厄介ね。一体どうすれば……」

「鈴、危ない!」

「えっ?」

「クソッ、ダメだ。間に合わない…」

 

鈴がどう攻略するか、考えを巡らせたその一瞬に敵のISは主砲を鈴へ放った。その攻撃は鈴に当たるはずだったのだが、一機のISが間に割って入ったため鈴へ当たることはなかった

 

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』…大丈夫か?鈴」

「終夜!?あんた、なんでここに」

「そんなことより、早くピットに戻れ。織斑、お前もだ」

「な、なんでだよ。三人でやった方が…」

「……戻るわよ、一夏」

「鈴もなんでだよ!」

「あのねぇ!もう私もあんたもエネルギーがほぼ無いの!そんな状況で一緒に戦っても邪魔になるだけよ。それにあんた、一撃でもアレに攻撃を当てれたの!?」

 

鈴からの正論に一夏は何も言えず、二人はピットに戻っていった。戻るときに鈴が不安そうな声と顔で俺を見てきたが、プライベートチャンネルで心配するなと伝えると「ちゃんと戻ってきなさいよ!」と念押しされた。

織斑は少し悔しそうにしていたが、興味はない

 

「さて……じゃあやろうか!」

 

この言葉を皮切りに一対一の闘いが始まった

 

 

 

 

 

「一夏、大丈夫か!」

「一夏さん、大丈夫ですの!?」

 

一夏がピットに戻ると、箒とセシリアの二人から心配する声を掛けられるが、一夏は問題ないと返した。そこに織斑先生が入ってきた。

 

「無事か?織斑、凰」

「織斑先生……私は大丈夫です」

「俺も大丈夫だ、千冬姉。それより、終夜が!」

「織斑先生だ。それと零童だが、大丈夫だろう。あいつには実力がある。それにもうすぐで教員部隊も突入する」

「織斑先生、観客席は……」

「観客席は紺野が扉をこじ開け、全員既に避難している。紺野は今こちらに来るよう指示をだした」

 

ちょうどそのとき、木綿季が全員のいるピット内に入ってきた

 

「織斑先生、皆の避難が終わりました!」

「わかった。それとよくやった、紺野。それと、零童と連絡を取りたいんだが、出来るか?こっちからの呼び掛けに反応しない」

 

事実、終夜が山田先生との通信をぶち切ってから山田先生が何度も繋げようとしているが終夜が繋がないように設定したので繋がらないのだ

 

「ボクのでは多分出来ると思いますけど、終夜は止まらないと思います」

「え、なんで?終夜でも木綿季の言うことは…」

「んーと……終夜って戦いに関してだけは頑固っていうか……他のことは聞いてくれるんだけど…」

 

鈴ちゃんがボクに訓練のときのようにボクの言葉だったら聞くんじゃないの?と聞くが、ボクがそれは多分ないと言ったら鈴ちゃんが驚いていた

織斑先生は頭を抱えるように唸ってしまった。頼みの綱が断たれたからだろうけどね……終夜のことだから簡単に倒して戻ってくるんだろうけど

鈴ちゃんは少し心配そうにモニターを見ていたけど、あの表情は………

 

「ねぇ、鈴ちゃん……」

 

 

 

 

 

「うーん……レーザーはアイアスで防げる。だがカラドボルグはかわされる。遠距離は無理か……接近戦だな」

 

終夜はそう呟くと、使っていた弓矢を量子変換し、白と黒の双剣を出した。干将・莫耶、互いに引き合う性質を持った夫婦剣だ。それで、近づいてとにかく斬る。すると、無人機は俺と大きく距離を置き、近づかせないよう乱射してくる

 

「んのっ……なめんな!」

 

俺はもう一組出し、計四つを無人機にぶん投げる。AIだからかは知らんが、無人機はこの四つを構わず俺へ攻撃してくる。ヤケクソか、ダメージが低いとでも思ったのだろう。だが、それが命取りだ

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズマ)

 

無人機近くまで近づいた四つを爆破。威力もまぁまぁあるので、ダメージ+混乱を狙ったが、狙った通りに無人機はいきなりの爆発に処理が遅れたのか動きが止まった

 

「終わりだ。『偽・螺旋剣(カラドボルグ)』」

 

無人機はカラドボルグを食らい、そのまま機能停止した。自爆機能は無いらしく、完全に沈黙している。と、俺が無人機を観察している最中にようやく教員部隊が突入してきたが、遅いと文句を言ってやりたい。

そのとき、織斑先生から通信が入った

 

『零童、教員部隊が事後処理をする。お前はピットに戻れ』

「わかりました」

 

 

言われた通りにピットへもどると、ホッとした表情の鈴と苦笑いの木綿季が見えた。そして、戻るように伝えた織斑先生は、(パッと見はいつもと同じだが)怒りのオーラを出しながら仁王立ちで俺を待っていた

 

「零童、ISの撃破はよくやった。だが、なぜ通信を切った」

「個人的に戦いの邪魔をされるのが嫌いなのでそれを防ぐためにですね」

「……今回は見逃すが、次からは罰を与える。あとで山田先生に一言いっておけ。山田先生もかなり心配していた」

「わかりました」

 

俺が了承の意を伝えると自分も事後処理に回るためかピットを出ていった。あとで山田先生のところに寄るとして、木綿季たちと戻ろうと体を向けたら鈴が飛び込んできた

 

「うおっ!鈴、いきなり…」

「バカっ!心配したのよ」

「大丈夫って言ったんだけどなぁ……」

 

鈴の頭をあやすように撫でてたら、木綿季が不満そうな顔をしてたので、木綿季も一緒に撫でた

 

 

「それじゃあ戻るか」

「うん!」

「そうね、いきましょっか」

「ん?」

 

そろそろ戻ろうと提案したら、なぜか両腕に二人がくっついてきた。木綿季はわかるんだがなぜ鈴が……まさかとは思うけど……

 

「あのー鈴さん?」

「どうかした?」

「いや、なんでくっついてるのかなと……」

「なんでって……ね〜」

「ね〜」

 

確信犯ですな、これ……

 

「織斑のことはいいのか?」

「うん。なんか、どうでもよくなっちゃった」

 

さっきとはうってかわって乾いた笑みを浮かべながらそう語る鈴に俺は無意識に頭を撫でていた。個人的に女の子のこういう笑みはあまり見たくない

 

「…心配もかけたし、夕食は俺が奢ろう。好きなもの食べていいぞ」

「ホント!?ならあたしは……」

 

いっちゃ悪いがこういうときは物で釣るというか、発散させるのが一番だ。そのおかげか、好きなものを食べれると聞き、嬉しそうな顔で何を食べるか思案し始めた鈴を横目に木綿季が俺にだけ聞こえる声で囁いてきた

 

「ちゃんと鈴ちゃんも愛してよね」

 

木綿季には敵わないな……俺が心配してたことは、既に解決済みらしい。それに、この言葉で鈴が俺を好きになっているのを確信したので、こんな場所で悪いとは思うけど、鈴に意思表示をすることにした

 

「鈴…」

「どうしたの?しゅう」

チュッ

「ふぇ?……」

「さ〜て、俺は肉でも食べようかな〜」

「もう。……鈴ちゃん、大丈夫?」

「…ちょっと待ちなさいよ終夜〜!」

 

鈴が振り向いたところでキスをし、からかうように夕食を何にするかを口に出したら顔を真っ赤にした鈴に軽く殴られた。だが吹っ切れたのか、乾いた笑みが出るような雰囲気ではないので、よかったと思いながら三人で食堂に向かった




えー、まず第一に

投稿が遅れて本当に申し訳ありません!m(__)m

ちょっとここで、あーだこーだ悩み、ならついでにとその後の展開もあーだこーだしてたら時間がかかってしまいました。なんかサクッと終わらした感があったけど、長くすることができなかったし……
感想は見ていますが返信は時間のあるときに一斉に行います。(部活の選手権が近いために時間が取れないため)

多分次話はデート回かな?

簪との絡みをいつにするか考えながらデート回のタイトルを必死に考えてます(笑)

エレシュキガル実装はよ!(唐突なfgo)

それではまた次話でお会いしましょう!


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新たな転校生は何をもたらす?

デート回と言ったな?あれは後回しだ


「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」

「えー、ハヅキ社のってデザインだけって気がするんだけど」

「そのデザインがいいんじゃない!」

「私は性能で見てミューレイのかなぁ。特にスムーズモデルがいい」

「でも、あれ高いじゃん」

 

今日の朝、教室では個人用のISスーツの注文をする日のため、カタログを手に談笑しながらも意見交換をしあっていた。ここで、のほほんさんが既にスーツを持っている木綿季にどこのスーツを使っているのかを聞いてきた

 

「そういえばユウちゃんってどこのISスーツなのぉ?」

「ボク?ボクはアウターヘブン特製のやつだよ」

「あ、アウターヘブン!?」

「あの超大企業の!?」

 

クラスのほぼ全員が木綿季のISスーツを作ったのがアウターヘブンという事実に驚いていた。前に色々やってるとしか言わなかったから説明すると、社長をしている錬の手腕がよく、現在アウターヘブン社のシェアが全体の四割を占めるものが多く存在し、特に軍事関係に関しては六割を越えるものもある。

 

「てことは、零童君もアウターヘブン社製なの!?」

「ああ、そうだが」

「いいなぁ…あの超大企業がバックについているなんて……」

 

こんな会話をしていると、山田先生がISスーツの特性を説明しながら教室に入ってきた。山田先生本人はスーツ申し込み開始日なのでしっかり予習をしてきたと胸をはるが、一組で約八通り程あるあだ名のいくつかで呼ばれていた。先生も呟いてたが、教師を愛称で呼ぶのはちょっと……

 

「諸君、おはよう」

「「「お、おはようございます!」」」

 

だがその空気も担任である織斑先生が教室に入ったとたん、訓練されたが如く、ピシッとした空気に変わった。

 

「今日からは本格的な実践訓練を開始する。訓練機ではあるが危険なのにはかわりないので気を引き締めて臨むように。各自のISスーツが来るまでは学校が貸し出すものを着てもらうが、それを忘れたら学校指定の水着をそれもないものは…まぁ下着でいいだろう」

 

問題大有りだろ!ちなみに学校指定の水着は何故か旧スク水。個人的にはす…ゴホンゴホン

 

「では山田先生、ホームルームを」

「は、はい。……ええとですね、今日は転校生を紹介します。しかも二名です!」

「「えええー!?」」

 

教室中は新たな転校生が来ることでざわついた。わんやわんやとなっている最中に二人の転校生が入ってくるが、織斑先生が入ってきたときとは別の形で教室のざわめきが止まる。そりゃそうだろう……二人のうち、一人が男だったんだから

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不馴れなことが多いですが皆さんよろしくお願いします」

「お、男……?」

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞き本国より転入を…」

「きゃ…きゃあああああああ!!」

 

うるせぇ。ソニックウェーブとまでは言わんが、歓喜の声がとてもデカい。美形!やら地球に生まれて良かったー!などの声があるが……コイツ、本当に男か?

 

「皆さんお静かに!まだ自己紹介が終わっていませんよ〜!」

 

山田先生の言葉でクラスが静かになっていき、完全に声がなくなると、おもむろにもう一人が自己紹介を始めた

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツ軍に所属しており、階級は少佐だ。詳しいことは後程時間のあるときに聞いてくれ」

 

そう言い終わると、一瞬織斑を睨んだあと俺の元へとやってきた。自分の席とは少し離れている俺の元に向かっているため、クラスの半分くらいがこちらに注目していた

 

「貴殿が零童終夜か?」

「ああ、そうだが……」

「シュトロハイム大佐とエディ・ブラヴァツキー特尉からの言伝てを預かっている」

 

ボーデヴィッヒがそういいながら、ポケットから出したのは二つのボイスレコーダーだった。とても嫌な感じがするも、それを受け取り感謝を伝えると敬礼をして、自分の席に戻っていった。……あのバカどもは何をどう吹き込んだんだ?

 

 

「今日は二組と合同訓練を行う。全員着替えて第二グラウンドに集合。それでは、解散!ああ、それと。織斑と零童。デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろう?」

 

面倒をみてやれと言われるが、入学当初の地獄が再来する予感がし、織斑にデュノアのことを任せ、自分は別ルートでいくことにした

 

「織斑、悪いが俺は先にいく。ま、頑張れ」

「お、おい待てよ終夜!って、そっちは窓……ええっ!?」

 

俺は大胆に教室の窓から飛び降りた。そのまま、真っ直ぐ第二アリーナの更衣室に向かう。…彼らは尊い犠牲になったのだ

 

 

 

 

アリーナ内で待っていると、先にホームルームが終わっていたのかISスーツ姿の鈴が後ろから飛び付いてきた。言いにくいんだが、ちょっと色々な場所が当たって少々困る

 

「終夜〜♪」

「鈴……時間と場所的に抱きついてくるのは止めてくれ」

 

本来のことは言わず、表面的なことだけを言って離れて貰った。さすがにこの姿のは……ねぇ

 

一夏とシャルルだが教室から出たときに、女子の集団に追われ、授業の開始時間に遅れて、千冬からの制裁をくらってしまった。

 

 

「では、本日から格闘及び射撃を含む実践訓練を行う」

「「はい!」」

「今日は戦闘を実演してもらおう。ちょうど活力の溢れる十代がおることだしな。そうだな……零童、前に出ろ」

「俺ですか……ちなみに、対戦相手は?他の専用機持ちでは無さそうですが」

「もうすぐ来る」

 

キィィィン

 

空気を裂く音が聞こえたので、上を見上げると、緑色のISがこっちに突っ込む形で飛翔していた。……一旦後ろを確認すると、誰も居ないので俺は受け止めることなく、避けた

 

ドガァン

 

大きい音をさせながら、そのISが落ちたため全員が土煙を見つめると、ISを纏った山田先生が出てきた……てかこの人、色々と不安要素があるんだが……

 

「……零童には山田先生と戦ってもらう。こう見えても山田先生は元代表候補生だ」

「昔の話ですよ。結局候補生止まりでしたし」

 

先生には悪いが、正直信じられない。

 

「山田先生と零童ならいい勝負ができるだろう。では…始め!」

 

その合図とともに、山田先生と俺は空中へ飛翔し、戦闘を始めた

 

 

 

空中で二人が戦っている際も上の戦いを見ながらではあるが千冬からの指示は入る

 

「さて……デュノア。山田先生が使っているISを説明してみせろ」

「あ、はい。…山田先生の使われているISはデュノア社製の『ラファール・リヴァイヴ』です。第二世代最後の開発機ではありますが、初期の第三世代にも劣らないスペックを持っています。安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴です。現在配備されている…」

「そこまででいい。そろそろ勝負が動くぞ」

 

 

 

 

くぅ〜……前言撤回だ。代表候補生?国家代表になってもおかしくないんじゃないのか?てか、マシンガンの雨は正直ウザイ!ただの好みで鎌を入れてたが、剣との二刀流なんざ初めてだぞ。ちょっと舐めてた俺が悪いし、少しスイッチ入れるか

 

「そろそろ終わらせよう…」

「瞬時加速……って、早い!?」

 

最低限の銃弾だけ切り裂き、後は無視しながら山田先生へ突っ込む。山田先生はグレネードを二、三個放ってくるが、それも無視。ほぼ無理やり接近した俺は人体急所を狙い鎌と剣を振るう。山田先生は当然防ごうとするが、二刀流なのを生かし、ほぼ同タイミングでヒットするようにしているので片方の攻撃を食らうことがよくあり、次第にダメージを食らい始めていた

 

『二人とも、そこまでで充分だ。降りてこい』

 

織斑先生がもう充分なので降りてこいとの指示があり、戦闘を終了して、グラウンドに降りた

 

「これで諸君にも学園教員の実力は理解できただろう。以後、敬意を持って接するように。それでは専用機持ちをリーダーに出席番号順で一人ずつ入れ!」

 

そういわれ、バラけて訓練が始まったが、織斑のところがISを立てたまま解除してしまい、織斑がお姫様抱っこでコックピットまで運んだこと以外は何のトラブルもなく終了した

 

 

 

 

 

「ボーデヴィッヒ。あのバカどもから俺のことをどう聞いている?」

 

いつもなら、木綿季と鈴と三人で昼食を取っているのだが、今日はボーデヴィッヒを呼んで、どう吹き込まれているかを聞いている

 

「シュトロハイム大佐は、よき友人の一人であり自分が知るなかで最強だと聞いている。エディ特尉はボイスレコーダーの中に入れてあるから聞きたかったら一緒に聞けと」

「そうか……」

 

シュトロハイムの方は多分大丈夫だろう。…問題はエディだ。面倒になるのは避けたいから、まずシュトロハイムのから再生をする

 

『我がドイツの科学力は世界一ィィィィ!!』

「…………」

「わー!終夜、ストップストップ。まだ始まったばかりだからね?」

 

最初の時点で握り潰そうとしたが、木綿季に止められその先も聞くことにする

 

『声だけだが…久しぶりだな、我が友よ。またそちらへいくので、そのときは存分に語り合おうではないか。我がドイ』

 

よし、次いこう!こうなると、こいつは長い。ぶち切ったこれは置いといて次はエディか

 

『うぃ〜っす。元気?あ、毎夜木綿季ちゃんと元気にイチャ』

「…………チッ」

「終夜、気持ちは分かるけどダメ〜!」

 

あのクソが……次会ったら殺す

 

『まぁ、真面目な話を一つ。俺、結婚したわ。日本のお前らに伝えることを忘れてたから事後報告ということでよろしく!まぁ、お前はできちゃっ』

バキャァ

 

どんな手を使ってでも殺してやろうか……あの野郎

 

そのあと終夜は、木綿季に宥められながら昼食をとり午後の授業に戻っていった




ということで、今回の話でした。

正直最後はネタです(笑)

選手権も終わったので、これからは毎日とは言いませんが、ポンポンと投稿出来ると思います。

では次話もお楽しみに!

あ、感想ですが時間ができるのでちゃんと返信しますので


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ドイツの少女の憎悪の原因は?

今日は、鈴たちと訓練をすることが決まっていたので、三人でいつも通りアリーナへと向かい着替えて、今アリーナ内にいる

 

「今回は何をするんだ?」

「んーとね……」

「あの……終夜さん」

「オルコット?どうかしたか?」

「その…わたくしの訓練に付き合って頂きたいのですが」

「俺は別にいいが……何をすればいいんだ?」

 

オルコットが言うには、一つは、最近の織斑の訓練をデュノアが見ており、自分は一人で訓練することになるのだが、あまりレベルアップを見込めないこと。もう一つはこの前の襲撃のとき織斑先生からお前は連携ができないことを言われたので連携ができるようになるために連携訓練をしたいとのことだった。なのでオルコット、木綿季、鈴vs俺の組み合わせで模擬戦を行うことになり、そのまま数回模擬戦をやった。

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

「改めて思うけど、やっぱり木綿季は凄いわよ。なんであんなに終夜に攻撃を当てれるのよ」

 

模擬戦を終えたとき、セシリアと鈴の二人は大きく肩で息をして、木綿季も少し息を乱していたが終夜はほぼ疲れてないように見える。息が乱れるときもたまにあるがほぼ無いに等しかった

 

「木綿季の場合は俺の癖とかもよくわかってるのが一つあるが、二人が俺に攻撃を少ししか当てれないのはちゃんとした理由がある」

「それは、なんなんですの?」

「オルコットは、射撃の狙いどころだ。確かに正確性で言えばオルコットの技術は一級品だ。だが山田先生の用に誘導するような射撃が無いから好きに動ける。やるなら、BTを全部じゃなくても、せめて一機か二機をライフルと一緒に使えるようにして、山田先生のような射撃を身に付けたらよくなると思うぞ。」

「わ、わかりましたわ」

「終夜、私は?」

「鈴は、龍砲を使うときに狙う場所を必ず見るからな。目線に気を付ければ大体避けれる。だから…全部そうしろとは言わないけど、数発は見なくても当てれるようにしたらどうだ?」

「うん……頑張ってみる」

 

終夜がアドバイスをしたり、改善点をセシリアたち三人で話し合ってたとき、周りにいた訓練機に乗って訓練している生徒たちが、ある客席の場所をみて、ざわつきはじめ、それに気づいた四人もそちらを向くとそこにはISを纏ったラウラがいた

 

「ボーデヴィッヒ?」

 

ラウラは終夜たちの方へは見ておらず、終夜たちの反対側で訓練していた一夏の方を見ていた

 

 

「織斑、今から私と戦え」

「イヤだ。理由がねぇよ」

「貴様になくても私にはある。」

「…また今度な」

「ふん。ならば、戦わざるを得ないようにしてやろう!」

 

ラウラは戦闘状態へとシフトさせた途端、左肩の実弾砲の火を吹かせた

 

ゴガギンッ

 

「こんな密集空間で戦闘を始めようとするなんて、ドイツ人はずいぶんと沸点が低いんだね」

「貴様…」

 

ラウラが放った砲弾は横から一夏を庇うように割り込んだシャルルがシールドで弾き、同時にアサルトカノンを展開する

 

「フランスの第二世代型ごときで私の前に立ちふさがるとはな」

「未だに量産化の目処が立たないドイツの第三世代型よりは動けるだろうからね」

 

二人とも涼しい顔をした睨み合いが続くが、ある一人の男によってそれは終わりをつげる。その男は終夜がある意味苦手な男だった

 

 

「バァァァカモノガァァァァァ。我がドイツの化学力は世界一ィィィィ!!!量産化など簡単にできてしまうわぁぁぁ!!」

「シ、シュトロハイム大佐!?」

「ボーデヴィッヒ少佐よ。少佐の気持ちはわからんでもないが、このようなことをすれば我がドイツ軍人の品格を疑われる。以後は慎むようにしろ」

「も、申し訳ございません。シュトロハイム大佐」

「うむ……それと」

「なんだ、アレの通りに顔を見せにきたか?シュトロハイム」

「クハハハ。それもある」

「それもだと?なら他は」

「終夜!左!」

「うおっ!」

ドガッ

 

終夜に攻撃を食らわせたのは、エディだった。生身でISを蹴り飛ばしたエディを木綿季を除くアリーナ内全員が驚いた顔でエディのことを、そしてこの後の成り行きを見ていた

 

「よう、おひさ」

「いつも軽いんだよ、てめえは」

「んなことは置いといて。いつも通りにさっさと殺ろうぜ」

「なんだ。久しぶりに会ったと思ったらそれか。会うとこ会うとこで血を流したいドMだということがよくわかる」

「あ?」

「あぁ?」

「コラッ。二人ともやめなさい!」

 

終夜とエディの一触即発を嗜めたのは、エディの嫁であるエレナだった

 

「二人の仲はよくわかるけど、場所を考えなさい。それとシュトロハイムも、物騒なものをしまいなさい」

「むう……やはりブラヴァツキー殿には勝てんな」

 

エレナの言葉で終夜とエディは戦闘状態を解除し、シュトロハイムも銃に掛けていた指を離しやれやれと両手をあげる。

 

「終夜。お前に少し話がある。時間はあるか?」

「まぁ、一応訓練も一段落したし……」

「なら来てくれ。色々とある……と、木綿季ではないか!」

「はぁ……挨拶は後にしてくれ。木綿季、鈴、オルコット。悪いけど後は三人でやっていてくれ」

「う、うん。わかった。シュトロハイムさん、挨拶は、その……後で」

「うむ、ではいこうか」

 

終夜はシュトロハイムたちとアリーナの外へ向かう。アリーナ内は、ラウラと一夏の件はラウラがやる気を削がれたのでなかったことに。周りで見ていた者たちは、木綿季の元へ説明してもらおうと殺到していた

 

 

 

 

 

人目がつかない場所に移動した三人(エレナは木綿季の元へ殺到した女子たちの対応をしている)は

 

「んで、話ってのは?」

「ボーデヴィッヒ少佐のことだ。彼女をお前にどうにかしてもらいたくてな」

「ボーデヴィッヒを?」

「ああ。彼女は自身を落ちこぼれから救ってくれた織斑千冬を心酔していてな。最強である彼女の唯一の汚点ともいえるモンドグロッソ不戦敗の大きな理由の織斑一夏を恨んでいる節がある」

「………俺がどうこうできる問題に見えんのだが」

「それと、彼女の力に対する考え方もある」

「まだあんのかい」

「ああ。彼女は力が全てだと思い込んでいてな。ある意味落ちこぼれのときの環境と織斑千冬の影響があるのだろうが……だが彼女の考え方がこのままだとただの暴力に成り下がる。だからその前に力が全てを決めるのではないことを教えてやって欲しいのだ」

 

要するに、織斑への恨みを無くすことと、力がどういうものか教えてやれと……

 

「キツいぞ……色々と」

「無理難題なのは承知している。だが、お前のことだ。結果的にでもなんとかするとわかっているからな」

「はぁ……なんとかしよう」

「助かる。それでは、私達はドイツへ戻る。また、学年別トーナメントのときにな」

「あいよ」

 

そのまま別れ、エディとシュトロハイムはエレナを迎えにいくのと、シュトロハイムは木綿季と会うためアリーナへ向かい、終夜はそのまま寮に戻っていった。

だが終夜の顔はこれからのことで沈んでいた

 




ということで、今回はここで終了です!

えー一週間ほど空いてしまいすいません。でも一つ言わせてください


fgoのイベント事の間隔狭いせいでイベント周回に時間使って小説書く時間がとれない!
沖田さん当たるわマーリン当たるわで色々大変だよ!コンチクショウ。当たったのは嬉しいけど

皆さんって星四交換何にしたんですかね?
作者はアナ(メデューサリリィ)ちゃんです。候補が多すぎて超絶困った……
あと九枚くらいチケットくれてええんやで!(もう遅い)


とまぁ、小説と全く関係ない(fateという点だけ関係あるけど)話で終わってしまいますが、今回はここまでです。

この話の感想から順次返信していきます。そこのとこ、ご了承ください


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決別する男二人

「木綿季〜」

「ひゃっ!ちょっと終夜!どこ触っ…ひうっ」

 

もう食堂で木綿季と鈴と夕食をとり、今は自室で木綿季に甘えている。いつもよりもくっついていると、いきなり織斑がドアを叩きながら俺を呼びに来た。このまま食べる予定だったのに……解せぬ

 

「いきなり何だ。こっちは」

「いいから来てくれ。大事な話があるんだ!」

「お、おい!」

 

文句を言おうと扉を開けると、用があるからと無理やり引っ張られ連れていかれた先は織斑の部屋だった。俺はもうここで半分ほど予想はできてしまっている

 

「あ、零童君……」

 

中には、女子の姿のデュノアがベッドの上に座っていた

 

「頼む終夜。シャルルを助けることに協力してくれ」

「いきなり言われても話が見えん。説明してくれ、デュノア」

「う、うん。まず………」

 

デュノアの話を要点だけ纏めるとしたらこうだ

・自分はデュノア社の社長の子ではあるが、愛人の子である

・デュノア社は現在イグニッション・プランから外され、色々と悲惨な目に遭う

・経営を建て直すため、広告塔としてと俺か織斑の機体データを盗むよう命令されIS学園へと来たとのことだ。だが織斑にバレたため、強制送還の上よくて投獄だという。織斑が助けたいというのは、この部分だろう

 

「こういうことだから、シャルルを助けたいんだ。頼む、終夜」

「断る」

「なんでだ!お前はシャルルのことを可哀想だとは思わないのかよ!」

「ああ。悪いが俺はデュノアよりもひどい境遇を経験した奴等を知っている。国を無くした者、生きるためには犯罪に手を染めなければならない者。他にもいるが、そいつらはどうであれ懸命に生きようとしていた。だがデュノアは違う。俺からすれば私はこんな環境で過ごしてきたんです。誰か同情してください。といっているようにしか聞こえん。そんなやつを助ける道理、俺には一切ない」

「終夜、お前っ……」

「話はそれだけか?なら帰らせて貰うが」

「ふざけるな、お前なんざ男じゃねぇ!」

 

そう叫びながら俺へ殴りかかってきたがカウンターを食らわせ、這いつくばっている織斑を視界の外にデュノアへ個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)を使いデュノアへ自分の意思で今の状況をどうにかしたいなら、明後日の放課後に一人で屋上に来いと伝えそのまま部屋へ戻る。

 

 

 

「終夜、お帰り。何かあったの?」

「また問題が増えただけさ。それと木綿季」

「なぁに?しゅう」

ドサッ

「終夜?」

「悪いけど、今夜は寝かさない」

 

部屋に戻った俺は、帰るのを待っていてくれた木綿季をベッドに問答無用で押し倒し、そのまま長い夜を過ごした

 

 

 

 

 

「おはよう!終夜」

「鈴、おはよう」

「今日の放課後さ、また一緒に訓練しましょ」

「悪い、今日はゆっくりしたいんだ。だから今日は遠慮させてくれ」

「うん……部屋でゆっくりしてるのよね?」

「ああ。そうだが……」

「なら私も部屋にいくわ。一緒に居たいし」

「おう、いいぞ」

 

朝、無事に起きた俺たちは二人で食堂にいき、いつものメンバーと朝食を取り、教室に入ると織斑のやつがこちらを睨み付けてきた。俺に対しての雰囲気も違うので完全に仲違いしたと見ていいだろう。

 

 

 

休み時間、トイレからの帰りに曲がり角の先から知った声が聞こえたので覗き見るとそこには織斑先生とボーデヴィッヒがいた

 

「お願いです教官。我がドイツで再びご指導を。ここではあなたの能力の半分も活かせません」

「ほう……」

「大体この学園の生徒の殆どは教官が教えるほどの人間ではありません」

「なぜだ?」

「意識も甘く、危機感に疎く、ISを兵器ではなくただのファッションにしか思っていない。そのような程度の低いものに時間を割くなど」

「そこまでにしておけよ、小娘。少し見ないうちに随分と偉くなったな。そこまで選ばれた人間気取りとはな」

「わ、私はそのような……」

 

ボーデヴィッヒは持論を織斑先生へぶつけるが、織斑先生の声の凄みと嫌われるかもという恐怖で最後は声が震えていた。それを見て、声色を戻した織斑先生がボーデヴィッヒをせかすと、ボーデヴィッヒは無言でその場を立ち去った

 

「盗み聞きとは感心せんな」

「彼女の上司から一つ依頼を受けましてね。それを達成するための一つのピースになるものでしたので聞かせて貰いましたよ」

「依頼……どのようなものだ」

「彼女の力に対する考え方。それをこのままの状態から変えて欲しいというね」

 

依頼内容を聞くと、ほんの一瞬だが表情を崩した。何故崩したかはわからないが

 

「そうか。それとお前も授業に遅れないようにしろ」

「わかっていますよ。それでは」

 

あの会話を聞いて思う。これは本当にしんどいぞ

 

 

 

 

 

「ん〜♪」

「えへへ〜」

 

……どうしてこうなった?

今自室でテレビを見てるのだが、木綿季と鈴に両サイドから抱きつかれている。それだけなら別に構わないのだが、何故か二人とも薄着なんだ。反応しないようにするだけで、もうテレビの内容は入ってこない。なんだ?誘われてんのか?それともからかってるのか?

 

「あ、そういえば終夜。タッグトーナメントの件だけどどうするの?」

「んー、どうしよっかな」

 

食堂で夕食を食べていると、本音がチラシを持ってきたのだが、そこにはより実践的な模擬戦闘を行うため二人組での参加を必須とすると書かれていた。それと一緒にアリーナでボーデヴィッヒと織斑たちが衝突したことも教えてもらっているが、今の時点でボーデヴィッヒに関してはもう不安しかない

 

「木綿季とは組まないな」

「そうなの?わたしはてっきり木綿季と組むのかと思ったけど。組まれたら勝てないだろうけど」

「組んでもいいんだけど、木綿季に負け越してるから勝負のチャンスを逃すことは出来ないな」

「ボクも前のリベンジがあるからね。負ける訳にはいかないから。だから、鈴ちゃん。ボクと組んでくれない?」

「私?でもなんで」

 

鈴が木綿季に自分と組む理由を聞こうとすると、鈴を連れてピューと風呂場に入ってった

 

「さて……一応ボーデヴィッヒと組んでおくか。そうなれば会話する機会も増えるだろう」

 

 

 

一方風呂場では

 

「木綿季?なんであそこじゃなくて、ここなの?」

「終夜には、聞かれたくないから。それで単刀直入に聞くけど、終夜とHしたい?」

「なっ!何を聞いてるのよ!……そりゃしたいけど」

「終夜って初めては終夜から手を出してこないんだ。こっちが嫌がるのが嫌だからって言ってたの。だからこのトーナメントがいい口実になるかなって思って」

「…………」

 

鈴はこれを聞いて何を想像してるのかコロコロと表情が変わっていき、最終に出した答えは

 

「木綿季、お願いします」

「うん、頑張ろう!目指せ打倒終夜!」

 

タッグを組むことになった二人はこれから訓練を二人だけでか、それとも終夜以外の人とすること、決して終夜とは訓練せずにタッグトーナメントを迎えることを決めて、終夜へのもとへ戻りそのまま仲良く夜を過ごした




あれ……書き進めてるうちに事前に決めていたものと大幅に違ってる

まぁ、いっか。


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シャルロットの決断と新たな問題

次の日の放課後、終夜はシャルロットにスパイの件の答えを聞くため、屋上で待っていた。ちなみにタッグだが、ラウラが先に申し込んできたため、終夜は二つ返事で了承した。そこにドアが開いて、シャルロットが終夜の元へと向かってきたので、終夜は先日の答えを聞き始めた

 

「さて、デュノア。答えを聞こうか……といきたいんだが」

「え?」

「あの馬鹿はあのあと何をしている?お前を助けると豪語してるんだ。普通は何か考えてたりしてるはずだが」

「……何もしてないよ。あの後、俺がなんとかしてやる!っていったけど、何かをしてる様子は一切ないよ。いつも通りに過ごしてるだけ」

「事情の危険さがわかるなら、この二日でも少しは考えるはずなんだが……まあいい、本題に入るか。デュノア、あの問いの答えを聞こう。お前自身は今のこの状況をどうしたい」

「わ、私は……」

 

シャルロットは一瞬言い淀むが、意を決するように強く言い放つ

 

「私は、自由になりたい!もうあの人の言いなりにはなりたくない。もう、嘘をつきたくない!」

 

シャルロットの本心からの叫びを聞いた終夜は何も言わずに携帯を取り出しあるところへと電話をする

 

『おう、お前から電話をかけてくるとは珍しいな』

「いきなり悪いな、ポルナレフ。例の件、準備はどうだ?」

『ああ、あのねーちゃんのお陰もあって、後は情報を回したら終わりだぜ』

「そうか。ならそのまま進めてくれ」

『わかったよ。ああ、それと。その嬢ちゃんにこれを伝えてやってくれ。あんたの父親はまがりなりにも、あんたのことを愛していたとな。詳細はすぐ送る』

「わかった。またそっちに行った時、一緒に飲むか」

『いいねぇ。楽しみにしておくぜ』

「じゃあな」

「……さっきのは?」

「フランスの友人だ。お前があのまま現状を受け入れるなら何もしなかったが、本心がそれだったらと一応根回しをしておいた。」

 

ポロン

シャルロットが電話を終えた終夜に不安そうに何をしていたのか聞き、それを終夜が答えたときに、先ほどの情報の詳細が届いた通知音がなった。終夜はそれをシャルロットにそれを見せながら、頼まれた言伝てをシャルロットに伝える

 

「俺の友人からだ。お前の父親はまがりなりにも、お前を愛していたらしいぞ」

 

携帯に送られた情報を言伝てを伝えながらデュノアに見せると、いきなり泣き始めた……こんなとき、どうすれば、いいんだ?………えーとっ……助けて、えーりん!

(私に言われても困るわよbyえーりん)

 

結局約二分ほどシャルロットは泣き続け、泣き終わると終夜に携帯を返し、感謝を伝えたあと、泣いた後の顔を治すため、トイレに向かった。もう用はないし、俺も時間を適当に潰すか……

 

 

「残るはボーデヴィッヒか……今日はタッグで訓練しないし、木綿季たちの訓練も覗いたら三日ほど口を利かないといわれてるから見れないし……」

「あ、しゅうやん…ちょっといいかな?」

「のほほんさん?どうしたんだ?」

 

特にすることもないため、学校内をぶらついていたら、いつものとは違った表情をしたのほほんさんが声をかけてきた。ついてきて欲しいと言われ、そのままついていくと学園の整備室の一角に着いた。そこには水色の髪の少女が座っており、その後ろには完成していないISが鎮座していた

 

「かんちゃん、来てもらったよ」

「ありがとう、本音。えーと、初めまして。更識簪っていいます」

「しゅうやんにね、かんちゃんの専用機開発を手伝って貰いたいの」

 

のほほんさんから事情を聞くと、この提案は木綿季らしい。少し前にアウターヘブンと関係がある木綿季にのほほんさんがこのことを話したら同じく関係がある俺に言えばなんとかなると言ったらしい。簪(話を聞く途中に名前を聞いた)は一人で作ると言っていたらしい。理由は姉の楯無を越えるため。だけどそれは木綿季によって解決されたらしくギスギスしてた関係が良くなったと喜びながら話していた。木綿季にどんな感じだったか聞いておくか

 

「でもなんで未完成のISなんだ?」

「それはあの織斑一夏のせい。あいつの専用機の開発に人員を取られて私の専用機開発は凍結。再開発される見込みも無いと聞いたから私が引き取ったの」

「それでのほほんさんはアウターヘブンに何とかして欲しいと思ったのか……わかった。掛け合ってみよう」

「ホント!?」

「ああ。関係が戻った姉に手伝って貰わないのは今までとは違った意味で姉を越えたいからだろ?」

「う……うん。」

「なら今度の土曜に向かうから、準備をしておいてくれ。俺が連絡をしておく」

 

そういって、整備室を出ようとすると、後ろから簪の感謝の声が聞こえてきた

 

「あの……終夜さん。ありがとうございます!」

「おう。また土曜日にな〜」

 

さて、スケジュールを取っておくか。

 

 

 

 

その日の夜、俺は簪についてのことを木綿季に聞いていた

 

「木綿季。のほほんさんから楯無と簪が仲が戻ったと聞いたんだが、何があったんだ?」

「えーと、言い争いの姉妹喧嘩らしいよ。ボクは見てないけど色々とぶつけ合ったみたいだよ」

「そうか。ああ、それとこの土曜日に簪とのほほんさんを連れてアウターヘブンに行くんだが、状態をみたいから木綿季も来て下さいってさ。訓練するんだったら鈴も連れていけばいいし」

「わかった!鈴ちゃんにも言っておくね」

 

そのあとは、二人とも適当に話をして一緒に風呂へ向かった。何があったかはご想像におまかせしよう




えー、あとがきをいれずに投稿してた……

ポルナレフは作者が知ってるキャラで皆さんがよくわかるキャラに当てはまっていたので急遽出演が決まりました。
ちなみにスタンド能力は持っていません。それをご了承ください


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簪の専用機開発

「へぇ、ここがアウターヘブンの本社なんだ。やっぱり大きいわね……中国の支部社しか見たことないし」

「ここで…私の専用機が……」

 

土曜日の朝、終夜は木綿季たちと共にアウターヘブンへと来ていた。終夜と木綿季は自分の専用機の調整や点検のため、鈴は木綿季に誘われて、簪は本音とともに自分の専用機開発をお願いをしに来ていた

 

「さて、まずは錬のところだな。こっちだ」

「ちょっと終夜!?受付も通さずに行ったら……」

「あ、終夜さん。お疲れ様です!今回は…」

「錬に用だ。すぐに行くと伝えといてくれ」

「わかりました。ですが、別件で、お客様が来ているので、その後となりますがよろしいですか?」

「ちなみにその客ってのは?」

「倉持技研の方々です」

「ッ………………」

 

鈴は受付もせずに中に入ろうとする終夜に驚くが、受付が先客で倉持技研が来ていると言ったことで、簪は少し不機嫌な様子を見せた。

 

「倉持技研か……わかった。じゃあ鈴と本音は木綿季と別室で待っていてくれ。野暮用がある」

「野暮用って?」

「ちょっとな。行こうか、簪」

「………わかった」

 

簪を連れて終夜が向かったのは応接室。中から女性の怒鳴り声が聞こえたと思うと、勢いよく扉が開き、中から女性がでてくる。この女性は倉持技研の幹部なのだが、終夜と簪に気づかずそのまま怒り心頭といった様子で帰っていった

 

 

 

 

 

 

「ふざけないで下さい!これは私たちの仕事です。なのに何故あなたたちが開発するんですか!」

 

終夜が到着する少し前、倉持技研の幹部が錬の元に来て、今回のことで異議を唱えていた。倉持技研が乗り込んできたのは、簪が専用機開発をアウターヘブンに依頼するとの情報が入ったからだ。

 

「私たちの仕事?あとから来た白式開発に人を全て回して、終わっても開発を再開しようとしなかったあなた方がよく言いますね。まぁ、技術者として、いや会社としてあるまじき行為をしている時点であなたたちへの信頼が無いので開発再開も拒否されるでしょうが」

「くっ…………」

 

錬の正論に倉持技研の幹部は何も言うことができず、歯ぎしりをしていた。そこに、錬へ終夜が来たと連絡が入り、幹部を無理やり帰らせると入れ替わるように、簪を連れた終夜が入ってきた。

 

「話は終わったか?」

「ええ、面倒な相手でした。えー、更識簪さんですね?」

「は、はい」

「私がアウターヘブンの社長をしている羽衣錬と言います。早速ですが、専用機開発についての話をするので、そこにお掛け下さい」

 

簪がソファーに座ると、錬はいくつか資料を出してこれからのことについて説明していく

 

「専用機開発ですが、雑務はこちらが引き受けますので、更識さんがすることはありません。それと、期間ですが、申し訳ありませんがタッグトーナメントには間に合いません。なので、臨海学校の時に届けることになりますがよろしいですか?」

「大丈夫です。タッグトーナメントは元から訓練機で出る予定だったので。……錬さん、よろしくお願いします」

 

無事に専用機開発についての話が終わり、ホッとしたのか、簪は嬉しそうな表情を浮かべていた

 

「あ、そうだ。終夜、ちょっと見てもらいたいものがある」

「ん?俺だけか?」

「ああ。更識さんは、人をつけますので皆と社内を見学でもしていってください」

 

錬に見せたいものがあると言われ、まず木綿季たちと合流し、錬が呼んだ社員に案内をするように言い、今俺は錬の後に続いて、第0整備室に入った

 

 

「おいおい……マジかよ」

 

そこに並んでいたのはメタルギアだった。量産型のRAYが大量に並んでいた

 

「なんでメタルギアを作ってんだよ。作者の悩みの種が増えるぞ」

「これは、篠ノ之博士がいるので改良できないかと試作したものばかりですよ。それより、見せたいのはこれです」

 

錬が指し示すモニターには、二つのシステムが書いてあったのだが……そこには『全て遠き理想郷(アヴァロン)』と『GrandOrder』と書かれていた。

その内容は━━




ということで、今回は専用機開発についてでした。
テスト期間でしたので、土日に投稿できませんでしたが。チマチマ進めていたのをあげました(短いですが)

次回はタッグトーナメントかな。多分


ラストのシステム……内容はできていますが、相談した友人に、良いとは思うが出したらヤバいだろ……と言われてしまいまして、悩んでおります。ホントに強すぎますから……

まぁ、出してしまうとまた機体頼りじゃねぇかよと言われそうですけどね。トホホ……


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タッグトーナメント到来

学年別トーナメント当日。アリーナは満員御礼であり、生徒や各国政府関係者、研究者に企業エージェントなど色々な顔ぶれが並んでいた。その中、俺はタッグを組んだボーデヴィッヒと対戦表が発表されるのを待っていた。普通なら前日には発表されているのだが、急遽タッグへの変更にシステムが機能せず、くじ引きでの決定なので現在急ピッチで作ってるんだろう

 

「終夜殿。全て私がやる。あなたは見ているだけで構わない」

「そうか。ならお言葉に甘えさせてもらうよ……(一度どこかで負けて貰わなければならなさそうだしな)」

「終夜殿、何かいったか?」

「いいや、何も言ってないが」

 

ボーデヴィッヒだが、話し合いをすることが出来ず、未だに彼女はこの大会で織斑を叩き潰し、力が全てだと証明する気でいる。全く、面倒な依頼を請け負ったものだが……まぁ、いい。

 

「フッ」

 

とそんな時にトーナメント表が発表されたのだが、それを見てボーデヴィッヒは軽く笑った。そこには……第一試合。織斑一夏&シャルル・デュノアVS零童終夜&ラウラ・ボーデヴィッヒと書かれていた

 

 

 

 

 

 

「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ。私一人で貴様らを倒す。そして、力が全てだと証明してやる!」

「そうかよ。だけど、倒されるのはお前の方だ!」

『一夏、まずボーデヴィッヒさんから。さっきの言葉だと、零童君と共闘する気はなさそうだし、二人で倒すよ』

『わかったよ、シャルル。頼むぜ!』

 

試合開始直前、このような会話を挟んでいたのだが、カウントダウンが始まると、両者とも真剣な顔つきになり、開始の合図を今か今かと待っている……

 

『試合開始』

「うおおおお!!」

 

始まった直後、織斑がいつも通りの突進をするがボーデヴィッヒはそれをAICで止める。だがそこにデュノアの射撃が入り、ボーデヴィッヒはAICを解除し離れる。いいコンビネーションだが……デュノアの腕がいいからだな。織斑だけだと、既にやられていただろう

 

 

 

 

 

場所は変わり木綿季と鈴がいる別のアリーナでも対戦表が発表された。第一試合は木綿季と鈴VS訓練機の一般生徒二人だった。(不純な動機ではあるが)既にやる気満々の二人は先にアリーナ内でISを展開して、対戦相手を待っていた

 

「終夜とは別のブロックか……」

「うん。じゃあ終夜と戦えるところまで頑張ろっか!」

「そうね、終夜を倒すために訓練してきたんだから、こんなとこで負けてられないわ!でも、目指すは優勝よ!」

 

対戦相手の二人もアリーナへ入り、対戦が始まるが、木綿季と鈴のワンサイドゲームになってしまい、二人ともノーダメージで相手二人を下してしまった

 

 

 

 

 

「くっ、小賢しい真似を!」

 

元に戻って、終夜たちと一夏たちの対戦だが、最初の宣言通りラウラが一夏とシャルルの二人を一人で相手をしていた。最初は織斑にダメージを与えれていたが、デュノアのアシストが上手く、ラウラは自身の武装を破壊されていき、次第にラウラが二人に押される形となっていた

 

「この私が……負けるはずなどっ」

「これで、終わりだあぁぁぁぁぁ!!」

「無駄だ、お前の攻撃などとるに足らん!」

「うん、だけど僕を無視しながらは無理だよね?」

「クソッ」

 

ラウラは一夏の攻撃をAICで止めようとするが、シャルルの攻撃に集中を奪われ、一夏の零落白夜の攻撃を喰らう。その最中、ラウラにどこからともなく謎の声が問いかけてくる

 

『力が欲しいか?全てがひれ伏す圧倒的な力を』

「ああ、だから寄越せ。その力を私に寄越せ!」

 

ラウラがそう望むと、ラウラのISから電子音の音声が流れる

 

 

『VTシステム、起動』

「うわあああああああっ!!」

「今度は何だ……」

 

いきなりボーデヴィッヒが絶叫する。それと同時にボーデヴィッヒがISから出てきた泥のようなものにISごとまとめて包まれ、その姿を変えていく。成形された、その姿は黒い全身装甲のIS。

 

「雪片……」

 

一夏は黒い何かが持つ武装の名前を呟きながら無意識に自身の武装を握りしめ、中段に構える。その瞬間、黒いISは織斑の懐に入り、居合いのごとき一閃。そのまま上段からの切りつけに、織斑はなんとか回避するが、それと同時にISが織斑の体から消える。元々、ラウラからダメージを受け、零落白夜でラウラを攻撃していたためエネルギーがもうなく、当然と言える

 

「それがどうしたぁ!」

「ダメだよ一夏!ISに生身で挑むなんて死ににいくものだよ!」

「離せ!あの野郎、ぶっ飛ばしてやる!」

「馬鹿が。一度冷静になれ」

 

ISが解除はされても、怒鳴りながら無謀にもISに向かう織斑を自分のISを解除したうえで、一発ぶん殴る。それでカッとなっている頭が冷えたのか、大人しくなった。そこで、俺は織斑にキレた理由を聞き出す

 

「織斑、あれのどこが気に入らない」

「あれは千冬姉のデータだ。千冬姉だけのものだ。それをあいつはっ!」

「ということは、これは全盛期の織斑千冬。以前のやつとは似て、攻撃か攻撃の意思に反応して動くか。……デュノア」

「な、何?零童君」

「この馬鹿をピットに運んでこい。これは俺がやる」

「ダメだ終夜。これは俺がやりたいんだ!それに、ここで引いたらもう俺じゃない」

「やりたい?この非常時にやりたいから止めろってか。……クク…アハハハハハ」

「何がおかしグァッ!……ゲホッ…何を」

「デュノア、無理やりにでもこいつを連れて戻れ。そして、乱入しないように見張ってろ」

 

この非常時にあり得ないことを発した織斑を物理的に黙らせ、俺はこのISと向かい合う。

 

「さて……やるか。世界最強の実力、見せてもらおう」

 

そういいつつ、俺は『聖杯』に量子変換で取り出したように偽装しながら、自分の愛刀の一つを取り出し構える。俺の友人である男が打った霊刀その名も……

 

「いくぞ『石蒜禍(せきさんか)』」




今回はここで終了です

サブタイトルの問題が未だに解決しない。他の皆さんはホントにどうやって考えてるんでしょう

次回は、VTSに生身で挑む終夜です。

テスト期間が終了したので、これからはできるだけ早く更新できるようがんばります!


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VTシステムとの決着とセシリアの思い

ガンッ ギィン

 

「これが全盛期?……いや、紛い物だから劣化していると見る方が正しいか。」

 

アリーナでVTシステムと戦っている終夜は、VTシステムに攻撃をすることなく、ただただ受けに回っていた。攻撃している側のVTシステムはその方法しかないのか、多少道筋が違っても最後が同じ決め方をするので、最初は擦る程度に当たっていた攻撃は全て捌ききられていた

 

「劣化版なら仕方がない。我慢するしかないし……もう殺るか」

 

終夜が殺気を出したとき、VTシステムは一瞬止まった。恐怖か、単なるバグか……その一瞬を逃さず、終夜は剣を振るった。

 

バチッバチチッ

 

「あ?核でも斬ったか?」

 

人の体で丁度胸の辺りから縦に一閃。それを受けたVTシステムは全体から電流が弾け、斬った場所からスーツ姿のラウラが出てくる。

 

「よっと」

「何故だ……何故あなたはそれほどまでに強……」

「質問を返す前に気絶したか………目が覚めたら教えてやるよ」

 

ラウラを受け止めたとき、ラウラは終夜にその強さの理由を問いかけた。だがその答えを聞く前に気絶。終夜は少し困った顔をしたあと軽く笑い、ラウラを背負ったままピットへと戻った

 

 

「よくやった、零童。ラウラはこちらで預かろう」

「わかりました。そこに寝かせればいいですよね?山田先生」

「は、はい。私が保健室へと運びますので」

 

ピットに入り、まず出迎えたのは千冬と、台(病院で運ぶときに使うアレ)を用意していた山田先生だった。終夜がラウラを台に乗せると、山田先生は揺らさないよう気を付けながら小走りに運んでいった

 

「それと零童」

「はい?」

「劣化版のアレが不満なら私が直々に相手をしてやろう。全力でな」

「あー、聞こえてたんすね……アハハ。ま、気が向いたときにでも。」

「安心しろ。日時はこちらが決めてやる。ああ、それと。今回のことは機密事項になるので、あまり言いふらさないでくれ。あれの詳しい説明は……」

「そこにいる馬鹿に教えて貰いますよ。ていうか、拒否権無いんですね」

 

そういいつつピットの入り口に目を向ける。そこには、タッグトーナメントでまた会おうと約束したシュトロハイムが立っていた。だがその顔は友人としているのではなく、ドイツ軍人としてここにいる。そう物語っていた

 

「シュトロハイム大佐。お久しぶりです」

「ああ、久しいな。いきなりで悪いのだが、席を外して貰いたい」

「わかりました。それでは、零童。あとでその掠り傷の治療をしておけ。紺野たちが心配する」

「わかりました」

「それでは、失礼します」

 

千冬はシュトロハイムに挨拶をしたあと、ピットを出ていく。ピットのドアが閉まると、シュトロハイムが口を開いた

 

「まず、ラウラ・ボーデヴィッヒの救助、感謝する」

「要点だけでいい。アレはなんだ」

「あれは、ヴァルキリー・トレース・システム。通称VTSと呼ばれるものだ。モンドグロッソ優勝者の動きを再現するものであるが、いくつか欠点があり、現在では開発すら禁止されている代物だ」

「欠点?」

「優勝者の動きを再現する際に問題となる操縦者の安全は考えられておらず、最悪の場合死に至る」

「………早く勝負を決めておけば良かったな」

 

シュトロハイムからの事実にもう少し早く決着するべきだったと少し後悔する終夜だった

 

「しかし、なぜそれがボーデヴィッヒに?」

「それはわからん。誰が組み込んだのか等についてIS委員会からの調査がある。だが……」

「トカゲの尻尾切りか……」

「ああ。そうさせないために急いで向こうに戻らねばならんのでな。ゆっくりとするのは、また今度だな」

「そうか」

 

互いに別れの挨拶を言うと、共にピットを出て、シュトロハイムはドイツへ戻るため、終夜はラウラの元へと最後に拳をぶつけて、別れた。

 

 

 

 

 

「うっ………ここは……」

「気がついたか」

「教…官……私…は」

「全身に無理な負荷がかかったことで筋肉疲労と打撲が多々ある。しばらくは無理をするな。まぁ、動けないだろうがな」

 

天井から降る光でラウラは目を覚ます。そのまま体を起こそうとするが、全身に痛みが走り、おとなしく横になる。そこに、ラウラへと千冬が声をかけていた。ラウラは千冬に何が起きたのか問いただした

 

「一体……何が」

「一応重要案件であり、機密事項だが当事者が知りたいと思うのは無理もないか……VTシステムは分かるな?」

「はい……正式名称はヴァルキリー・トレース・システム。ですが、あれは……」

「そうだ。IS条約でどの国家、組織、企業においても研究、開発、使用の全てが禁止されている。それがお前のISに積まれていた。巧妙に隠されてはいたがな。操縦者の精神状態、機体のダメージ、そして操縦者の……願望が全て揃って発動するようになっていたらしい」

 

ラウラは話が進むにつれ段々と俯いてゆき、最後にかすかに呟いた

 

「私が…望んだからなんですね」

 

千冬はラウラの言いたいことが何も言わずとも伝わっていた。千冬は励ますため、ラウラの名前を呼ぶ

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

「は、はい!」

「お前は誰だ?」

「わ…私は……私……は」

 

いきなり名前を呼ばれ、驚きながら顔をあげるラウラ。そのあとに聞かれた千冬からの問いにラウラは自分はラウラ・ボーデヴィッヒだと言うことができなかった。そのため、どうしても、言葉が詰まり、何も言えないでいた

 

「誰でもないのなら、今からラウラ・ボーデヴィッヒになればいい。時間は山程ある。たっぷり悩めよ」

「え………」

 

ラウラは口をポカンと開けたまま呆けていた。自分を励ましてくれるとは思っていなかったからである。千冬は最後にラウラへ「私にはなれないぞ」と言い放ち、教師としての仕事に戻っていった。それと入れ替わるように終夜が部屋に入ってきた

 

 

「大丈夫そうだな」

「終夜殿か……迷惑をかけたそうだな。申し訳ない」

「気にするな。それと、気絶する前に言った質問を覚えているか?」

「ああ、教官に聞くまでは何が起こっていたのか知らなかったが、そこは覚えている」

「その答えだが……『守るものがあるから強い』」

「守る……もの」

「そうだ。まぁこれは俺の持論であって正解ではない。これに当てはまらない人間を俺は知っているしな。答えは自分で探してみろ。これだと思うものが、お前にとっての強さだ」

 

ラウラは終夜の答えを聞いたあと、少し俯き自分の守るべきものを思い出していった。そのあと……

 

「少し聞いていいだろうか」

「ああ、何だ?」

「『カタスフィア』…これは貴方の名前だろうか?」

 

ラウラの口から出た名前、それは終夜を驚かせることに充分な威力をもつものだった

 

「なぜ、その名を知っている?」

「VTシステムに取り込まれているとき、ある夢を見ていた。それを見ていたときに、そう呼ばれた男が姿を変えたとき、変わった姿が貴方と同じだったからだ。今までの私が理想とした力を持つ貴方がその答えを得た理由を教えてほしい」

「はぁ……俺の正体をこういう形で知られるとはな。まぁいいか。………俺がこの答えを得た理由はやっぱり木綿季のお陰だな。まぁ、詳しくはお前の体調が元に戻ったら教えてやるよ」

 

ガラッ

 

「うおっ、鈴!?」

「…………」

「鈴?どうかし」

「ねぇ、さっきの話ってなんなの?」

「別に隠す気は無かったんだがな……ボーデヴィッヒが回復したら一緒に教えるから、それまで待ってくれ……な?」

「わかった。ちゃんと話なさいよ」

「わかってる」

 

終夜は鈴と約束すると、食堂で待つ木綿季のもとへ手を繋ぎながら歩いていった

 

 

 

 

 

 

「はぁ……わたくしはこのまま一夏さんといていいのでしょうか」

 

この騒動があった日、セシリアは一人浴槽に浸かりながら、自分の揺れている心境に頭を悩ませていた。今のセシリアは、今まで持っていた一夏への思慕はほぼ無いと言っていい。なぜなら、以前は恐れた終夜の強さに今は惹かれているからだ

 

「わたくしはどうすれば良いのでしょう……」

 

これからを決めるかもしれないこの問いに答えるものはおらず、セシリアも一旦区切りをつけるためか、浴槽を出ていった。その顔は思い詰めていたが




ふぅ……今回も終わったぁ!

さて……終夜と千冬の戦闘フラグを建てたけど、どうしよう……いっそのこと飛天御剣流でも使わそうかな……

正直に言うと、次回のことを一切考えてませn(ry

更新を早くすると言った途端のこれ……ホントすいません

明日の台風に皆さん気をつけてくださいね〜


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デュノアの真実と千冬との決闘

えーと、紛らわしくなると思うので事前に…
木綿季の一人称→ボク
シャルロットの一人称→僕
となっています。気をつけてね


タッグトーナメントの騒動から一夜明けた朝、全世界に衝撃の走るニュースが報道された。ラーファル・リヴァイヴで有名なデュノア社の社長夫人と政府関係者の一部による不正及び武器の横流しによる利益着服。このニュースはIS学園でも視聴され、学園にいる生徒のほぼ全てが驚き、ちょっとした騒動になるほどだった。

 

 

「どこいってもデュノア社デュノア社……他に無いのか?」

「仕方ないよ、しゅうやん……このニュースが無かったら別のことで皆意気消沈してたと思うけどさ……」

「別のこと?それってなに?」

「んーと…しゅうやんにはもうゆうちゃんがいるから誰も話さなかったと思うよ〜。このトーナメントで優勝したらいっちーと付き合えるんだってさー」

「一夏と?……だから所々で暗い顔してる子らがいるのね。タッグトーナメントが中止になったから」

「あれのどこがいいのか……よくわからない」

 

真実を知る終夜はどうでもよく、いつもの二人と最近よく一緒にいる簪と本音の計五人で食堂へ朝食を取りに行っていた

 

「辛口だな〜簪は」

「あんなのより……終夜さんの方が断然いい」

「ん?」

「「え?」」

「あ……」

スタスタスタ

 

「ちょっと待ちなさい、簪!」

「どういうことかボクも聞きたいな!」

 

早歩きをしながら終夜から離れていく簪、それを追いかける木綿季と鈴。終夜はそれを苦笑いしながら同じ歩調で三人を追いかける……はずだった

 

「んふふ〜、しゅ〜うや〜ん」

「うおっ!」

ムニュン

 

あの……うん。大きいあれが二つ背中に当たってるんですけど、わざと?

 

「あの、ほん」

「隙を見せたしゅうやんが悪いのだー。だから私を食堂まで運べ〜」

「セリフ読まれた!?」

 

終夜はその後、渋々本音を背負ったまま食堂へと向かい、先に着いていた三人からジト目の攻撃を食らう。が、それを可愛いなぁとしか思わず、それを表情から読み取られ、三人から物理的に殴られたのであった。三人の話は教えて貰えなかったし……

 

 

 

「ムムム……簪に本音ちゃん……またライバルが」

「木綿季?」

「えっ…な、何!?」

「教室に着いたぞって……どうかしたか?」

「ううん、何でもないよ」

 

三人に嫉妬してるなんて言いたくないし……

 

「そっか…でも安心していいぞ。一番は木綿季だからな」

 

バレてるー!……でも終夜からボクが一番ってちゃんと言ってもらえて嬉しいな!エヘヘ

 

「顔にやけてるぞー」

「そ、そんなことないもん!」

「説得力ねぇ……」

 

 

 

 

 

「はい……朝のSHRを始めます……」

 

終夜たちが教室に入り少し後で副担の摩耶が入ってきたのだが、目の下に隈ができていた。二つも仕事が増えたからだろうと終夜は予想し、心のなかで合掌する

 

「まず、転校生を紹介します……といっても既に紹介は済んでるといいますか……その……」

 

この山田先生の説明の『転校生』の部分に反応するクラス。山田先生が入るように促すとスカート姿のシャルルもといシャルロット・デュノアが教室に入ってきた

 

「シャルロット・デュノアです。改めて、皆さんよろしくお願いします」

 

ぺこり、とシャルロットが礼をするが事情を知る終夜以外の全員がポカンとしていた

 

「デュノア君はデュノアさんでした、と言うことです。はぁ……また寮の部屋割りを組み立て直さないと……」

「え……デュノア君って女?」

「美少年じゃなくて美少女だったわけね」

「あれ?昨日って男子が大浴場使ったわよね?」

 

山田先生の呟きそっちのけで各々シャルロットについて話していたが、最後の言葉で全員の視線がクラスにいる二人の男子に向く

 

「俺は入ってないぞ。木綿季が証人だ」

「うん。終夜は部屋のお風呂入ってそのあとずっとボクといたよ」

「えーと、僕も大浴場には入ってないよ」

 

シャルロット本人が大浴場に入ってないと言ったことで、二人への視線も無くなる。そこに千冬が遅れて来た

 

「諸君、おはよう。いきなりだが零童」

「なんでしょうか?」

「明日の放課後、第二アリーナで私との勝負を行う。しっかり準備をしておけ。ISではなく生身でだ。いいな?」

「拒否権がないのはわかってますから受けますよ」

 

千冬の終夜との決闘宣言にクラスは沸き、その日の内に学園全体へと広がった

 

 

 

「どういうことだよ、終夜!」

「何のことだかさっぱりだな?」

 

俺は今、織斑に屋上へ呼び出され詰め寄られている。理由は何となくわかるが、シラをきる

 

「シャルル…じゃなかった。シャルロットのことだよ!」

「ああ、そっちか。ということは……言いたいことはだいたい予想できるから答えてやろう。俺がデュノアを助けたのは、あの後自分の意思を俺にちゃんと伝えてきたからそれに応えただけだ。お前と違ってな」

「俺だってシャルロットを守ろうと…」

「お前が軽々しく守ると口にするな!」

「何だとっ!?」

「お前はただ校則を使って問題を先延ばしにしただけで問題を解決するために動くことをしなかった。そんなやつが守ると口にするなと言ってるんだ」

「そんなの三年もあるんだからすぐにやらなくても」

「チッ……もういい。精々、自分が偽善者だと気づかずに何でも出来る正義のヒーローだという思想に浸ってろ…………そしてそのまま理想を抱いて溺死しな」

 

全く理解出来ていないこいつに何を言っても無駄だと思い、無理やり話を切り上げ織斑を置いて屋上を後にする。今は明日の決闘に意識を向けておくか……

 

 

 

 

「終夜。あんた、明日千冬さんと勝負するんだって?」

「ああ。もう広まってるのか」

「昼休みには皆知ってたわよ」

「私のクラスはどちらが勝つか賭けをする人もいた」

「しゅうやん。どう?勝てそ〜?」

「さぁな。そんときになんないとな」

 

夕食のときいつもの面子でいると、朝の話題について鈴が聞いてきた。って、賭けっておいおい……

夕食は鈴にあとで部屋に来てもらうように伝えてお開きとなった

 

 

「終夜、来たわよー!」

「おう」

「いらっしゃーい」

「それで、何の用事?」

「ああ、ちょっとこっちに来てくれ」

「はいはい。それd」

ボサッ

 

何も知らず部屋に来た鈴を俺はベッドに押し倒し、手を顔の隣に置いて顔を近づける。……壁ドンならぬ床…じゃなくてベッドドン?

 

「ふぇっ?えっと……終夜?」

「木綿季にこのタッグトーナメントを頑張ってた理由を聞いてな」

 

この言葉で鈴は木綿季に視線を向ける。俺もチラリと木綿季を見ると、手を合わせてゴメンと顔で言っていた

 

「終夜?えっと、それじゃあ……」

「夜は長いし、頑張ろうか」

「ちょ、ちょっと!」

 

その日、終夜の部屋から甘い声が長い時間聞こえてたらしい

 

 

 

 

 

放課後の第二アリーナ。観客席は全席が埋まり、全員が終夜と千冬の登場を待っていた。その時、ボディスーツに身を包んだ千冬が六本の刀を持って現れる。その瞬間アリーナ内は黄色い声援で、ガラスの窓が割れんばかりの衝撃だった。そんな中、一夏は終夜が千冬に勝てるはずがないと千冬の勝利を信じていた

そんな中、反対側から終夜がでてくる。最初は歓声があがるが、だんだんとその声も静かになっていく

 

「こちらからいかせてもらうぞ、零童」

「どうぞお好きに。勝つのは俺だがな」

「ほざけっ!」

 

最初は千冬が動く。千冬が繰り出す攻撃を終夜は容易く捌き続ける。

 

「私の攻撃をここまで容易く捌かれるとは……もう少しスピードをあげ…ッ!」

 

千冬は埒があかないとスピード上げようとする。が、その瞬間、危険を勘で察知しその場を離れた。

 

「チッ……これを気づかれるか」

「………(何だ?斬撃が三方向から飛んで来た)」

「なら……」

ゴウッ

「縮地か!」

「…『桜落地(おろち)』」

「くっ……」

 

終夜が神速の殺人剣を攻略するために編み出した秘剣。その連続攻撃をなんとか捌く千冬。劣勢になっていたのは明白だった。だが

 

カラン

「チッ……折れたか」

 

終夜の技に耐えきれず刀が折れる。終夜は石蒜禍を抜こうとするが、それを許す訳もなく次は千冬が攻撃を繰り出す。

 

「させるかっ!」

「だよな……無刀『転空』…ッラァ」

 

終夜はその攻撃の一撃を受けながら千冬を投げる。千冬は受け身を取り、着地する。その間に終夜は石蒜禍を抜き、すでに構えていた

 

「食らいな『燕返し・迅』」

「燕返しっ!?先ほどと同じ」

「だと思ったか?」

 

千冬は技の名を聞き、距離をとろうとするが、先ほどより速く受け止めるしか方法が無かったため二本の刀で防御するが、その攻撃を受けた刀は折れた

 

「まさか……燕返しとはな……」

「なんで反応できるかね……」

「そういうお前もその怪我でよくそこまで動ける」

「あんたもな」

「どういう…グッ」

 

いきなり千冬の腰が切り裂かれる。

 

「『燕返し・地柱』悪いが、同時に放ってんだよ」

「油断したか……」

 

状況は五分五分。まだ続くと思われたが制限時間が来たことを告げるブザーがなり、引き分けとなった

 

 

 

「袈裟斬り一発か……」

「最初から石蒜禍でいけば良かったのによ。しかし、お前の桜落地を捌くとは……本当の桜落地じゃないとダメだな」

「ああ、あれにはびっくりだ。まさか捌かれるとはな……で、神矢。お前は何の用だ?」

「錬から伝言だ。量産型の三世代型ISがあの専用機と同時進行で進められて、恐らく臨海学校のときにはプロトタイプが一機製造できるから、誰かテストパイロットを探しておいてくれだと。」

「わかった。んで、専用機の方は?」

「順調だとよ。じゃあな」

「ああ」

 

試合が終わり、ピットに戻る終夜を迎えたのは終夜の仲間の一人である龍宮神矢だった。二人は先ほどの試合など軽く話し合って別れた

 

 

 

 

 

「千冬姉!」

「織斑先生だ…といいたいが、まぁいいだろう」

「腰の傷は大丈夫か?」

「ああ 。………はぁ」

「どうしたんだ?」

「いや、名目上は引き分けとなっているが、この勝負は私の負けだ」

 

いきなり自ら敗北を認める千冬に一夏は驚愕する

 

「なんでだよ、千冬姉!」

「お前には見せれんが私の胸、ちょうど心臓の部分と私の頸動脈が軽く切られている。軽傷だが、これが殺し合いだと私はもう死んでいる」

 

そう告げると、千冬はいつこの傷をつけられたのか目を閉じて集中し先ほどの戦いを回想してした。故に部屋を出ていった一夏の雰囲気が変わっていたことに気づけれていなかった

 

 

 

「ふぅ……この傷はどうすっかねぇ……」

「終夜ァ!」

「あ?なんだ織斑」

「お前…千冬姉と戦ったとき、ズルをしただろ!」

「誰がするか、そんなもん」

「嘘をつくな!千冬姉が負けるわけないんだ。お前がズルをしたに決まってる」

「負けるわけない……(ああ、あれに気づいたのか)」

「その性根を正して」

「うるせぇんだよ。黙れや」

「………」

 

終夜の殺気に気圧された一夏はその場に倒れこむ。それを一瞥した終夜は興味がないと、無視して歩いていった

 

 

「……くそぉぉぉ!」

 

一夏は殺気に恐れてしまった自分とその後の終夜の態度が悔しく、声を荒らげていた




更新遅れてすいません!

文化祭の用意で時間とられたり、帰ってきても即寝落ちとかがよくあり、書く時間が取れませんでした……
その分長くしたんですが、四千文字……最後の方は余計だったかも。

補足ですが、朝のニュースではどこも不祥事のことを大々的に取り上げておりシャルロットを男として入学させたことは隅に追いやられていました。

あと何を言おうとしてたんだっけな……………

忘れたのでFGOの近況を。イベント攻略サボっててこの土曜日に終わりました……あとは高難易度と周回だけ
それと、最終日に諦めきれず武蔵ちゃんを狙って(え?刑部姫?知りませんな)ガチャを引いたら来てくれました。沖田さんと武蔵ちゃん……天国だぁ!

以上です。(あ、でもなんかボロクソに叩かれる気がしてきたぞ。……ま、いっか)

追記

思い出したので書いておきます。

R-18版ですが、文章力のなさが原因で完成しそうにありません。頑張りますが…できなかったらごめんなさい


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ラウラへの回答

「さ〜て、どこまで話したものか……」

「ねぇ終夜。鈴ちゃんを呼ばなくていいの?」

「ラウラに話すのは過去じゃなくて、あいつに教えたことを再度詳しく説明してやるだけだからな」

 

終夜と木綿季は放課後、ラウラを呼び出す屋上へ先に来ていた。そこに遅れてラウラがやってくる。

 

「遅れてすまない」

「別にいいさ。さて、じゃあ話していこうか。俺の持つ答え、その意味を」

 

終夜はラウラをベンチへ座るよう促し、座ったのを確認して話を始めた

 

「そうだな……ボーデヴィッヒ。以前のお前のように一人で強さを求めた場合どこで止まると思う?」

「どこで?それはどういう……」

「あー。なら例えばもしお前があのまま将来、織斑千冬を越えたとしよう。そのあとの目標はどうする気だった?世界最強を越えた後」

「私が教官を倒したあと?………いざそう言われるとわからない」

「それが一人での限界だ。人ってのは目標を達成した次がなければ必ずそこで停滞する。ましてやそれが大きければなおさらな。だが他人のためになら違う。他人の為……言うのは織斑のように簡単だが、実行するのは難しい。なぜなら、その相手が自分より強いかもしれない。今の自分では絶対に勝てないやつかもしれない。だがそれを理由に逃げることはできない。それをしたら自分は助かっても自分が守るはずの、助けるはずの人が傷ついたりするからだ。だから努力して強くなろうとする。どんな奴が来ても大丈夫なようにな」

「だから『守るものがあるから強い』……私にもあるだろうか」

 

ラウラの問いに終夜は呆れた表情を見せながらそれに答えた

 

「あるだろうが。シュトロハイムから聞いたが部隊長なんだろ?ならその部隊をお前が守らないといけないし、ドイツ軍人ならって言い方は悪いかも知れんがドイツの国民も守るべき対象だ。ほら、今で二つもある。それにこれから増えるかも知れんしな」

「ドイツの国民を守る……シュトロハイム大佐がいつも言っていたのはこのことだったのか……」

 

ラウラは以前によく聞かされたことを思い出し、そのあと決意を決めた顔で終夜へ宣言する

 

「私は、教官を越え軍人として国民を守っていく!」

「その調子なら大丈夫だな」

 

終夜はラウラの決意を聞き、安心した顔をしたが、次の言葉でその表情が消えた

 

「改めてよろしく頼む。終夜殿……いや、お兄様」

「ファッ!?お兄様!?何でだよ!」

「私の副官が日本では尊敬する人物を兄と呼ぶ習慣があると」

「いつの話だよ……でもお兄様は止めてくれ!」

「嫌です!」

 

結局この言い争いは頑固なラウラに終夜は白旗を上げた。ちなみにラウラは木綿季のこともお姉様と言いかけたが、木綿季の要望でお姉ちゃん呼びに変わった。これに終夜はなんで木綿季の要望は通るんだよと凹んだ

 

 

 

「はぁ……ラウラのやつ」

「終夜がお兄様……アハッ!アハハッ!」

「笑ってんじゃない〜!」

「んーふぉふぇんなふぁい〜」

「あ!終夜〜!」

 

ラウラと屋上で別れた終夜が木綿季と学校をぶらついていると部活の途中なのか練習着をきた鈴が見つけた終夜へ声をかけていた。終夜が鈴がいるラクロス部の練習場へと向かう中、他のラクロス部の面々は自分の姿が変じゃないかと慌てて見直していた

 

「どうしたんだ?」

「終夜が見えたから呼んだだけよ」

「そうか………」

「な…何よ」

「いや、部活頑張ってるなと」

「終夜、本音は?」

「ん、スパッツってやっぱりいいn」

「変態!」

「ゴフッ」

 

反射的にラケットに入っていたボールを投げる鈴。それは終夜の顔面にクリーンヒット。綺麗に終夜はぶっ倒れた

 

「まぁ、折角だし見てみれば?」

「じ、じゃあお言葉に甘えて。木綿季もいいよな?」

「別にいいよ」

「じゃああそこに座って見てて」

 

部活終了まで見ていた二人はそのあと、片付けなどを手伝ったあと、鈴を含め三人で夕食を取りにいった

 

 

 




短くなってしまったので、すぐ次の話を出しますので後書きは後程に


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皆でお買い物

「終夜!早く起きないと遅れるよー!」

「ん〜…………」

「もう!ほら起きる!」

 

ある休日、私服に着替えている木綿季は終夜を起こすために頑張っていた。なぜこういうことになったかと言うと、近く臨海学校がありその買い物をするのだが、終夜が木綿季と鈴の三人で行こうとするとそこにラウラが加わり、その流れでセシリア、シャルロット、本音に簪と大所帯になってしまったので先に車などの準備をするためだった

 

「ん……ん〜、ふう。おはよ……」

「おはよう、ほら顔を洗ってきて。朝ごはんを準備しておくから」

 

慣れた様子で木綿季は終夜を顔を洗いに行かせ朝食の準備を始めた

 

「やっぱ木綿季のご飯は旨いな、ごちそうさま。洗い物は俺がさっとやっておくよ」

「えへへ、ありがとう」

 

終夜が洗い物をし、それが終わると荷物を持って駅に向かい先に本州へと向かった

 

 

 

 

 

 

「えーと、ここでいいのよね?」

「多分。終夜さんがいったのはここだと思いますし…」

「零童君って車を運転できたんだね」

「しゅうやんって私たちより年上だよー」

「あ、そうなの!?」

 

終夜と木綿季の二人に遅れて、駅前に着いた鈴たちは待ち合わせた二人を待っていた。少し待つと皆の前に二台のスポーツカーが止まり、そこから終夜と以前学園にチラッと姿を見せたエディが出てきた

 

「皆おはよ〜」

「おはようなのだ〜」

「本音は相変わらず…」

「えーと二つに別れて乗ってくれ。すぐ向かうからな」

 

そう言われジャンケンで乗る方を決め終夜の車には木綿季、鈴、簪、シャルロット。エディの方にラウラ、セシリアと送迎するならついでに買い物をと連れてきていたエレナが乗り、近くにある大型のショッピングモールのレゾナンスに向かった

 

 

 

 

「なら俺はエレナと買い物をしてるから帰るときになったら連絡をくれ」

「あいよ」

 

入ってすぐエディとエレナの二人と別れ全員で臨海学校にいる用品を買いにレゾナンスを回っていった

 

 

「やっぱりまずは水着かな〜」

「そうね。一日目は自由時間だし、皆海で遊ぶでしょうね」

「じゃあしゅうやんに水着選んでもらお〜」

「えっ?」

「いいわね」

「うんうん」

「私もお願いしたいですわ」

「ちょっ」

「終夜、頑張ってね」

「俺の意見は無しかよコンチクショー!」

 

満場一致で終夜に水着を選んでもらうことを決定して水着売り場に向かった一行。IS学園の学生は基本的にレベルが高いこともあり一行がいる水着売り場はちょっとした騒ぎ(男性陣のみ)になり、その中に一人いる終夜へ恨めしい視線が多く向かっていた

 

「しゅうやん〜これどーお?」

「あの……本音?これって……」

「着ぐるみ型の水着なのだ〜」

「暑苦しくならないのか?普通のビキニとか……」

「私はこれでいいのだ!」

「まぁ本音がいいのならいいんじゃないか?」

「終夜〜私のをちょっと見てー!」

「はいはい」

「終夜さん。鈴さんのが終わったら私もお願いしますわ」

「はいはい」

 

そのまま全員分の水着を見繕い、そのまま全員の水着を自分の含め会計をした。流石に全員分はと遠慮したのだが終夜が出したブラックカードに皆驚き、鈴は欲しいものがあるんだけど?と終夜に可愛くおねだりをしていた

 

 

 

「水着は買ったし他に日用品でも買おうかな……」

「ボクもまだ買うものあるね。早めに終わるものだけどね」

「じゃあ木綿季さんのを先に行ってその後にお昼にしましょうか?」

「鈴?鈴じゃねぇか!」

「あれ?弾じゃない、久しぶりね!」

 

皆でこれからの買い物について話していると、伸ばした髪にバンダナを巻いた男が鈴の名前を呼び、鈴もその男を知っているのか互いに近づいて拳を合わせた

 

「日本に戻ってたんだな」

「ええ。今年にね。それにしてもあんたは変わらなさそうね」

「ああ、まぁな」

「鈴、誰だ?」

「あ、紹介するわね。私が中国に戻る前に友達だった五反田弾よ」

「そうか。俺は零童終夜だ」

「え?あの二人目の操縦者!」

「ああ、まぁな」

「なぁ、IS学園ってどんなんだ?」

「本音の方を答えると、女の園だが視線がキツくてグロッキーになるぞ。まぁ、寮では気を抜いているのか、薄着の女子ばかりだな」

 

終夜の言葉に弾は羨ましがるが、隣にいる鈴は少し呆れていた

 

「やっぱりあんたも男なのね」

「あ、そうだ。鈴、一夏はどうしたんだ?」

「一夏?……ダメだったわよ。約束も間違った形で覚えてたし」

「あの馬鹿……全く変わってねぇな。何回も言ってんのに……で、終夜さんと」

「終夜でいいぞ」

「あ、ああ。それで終夜といるのは…」

「ええ、今はもう終夜の彼女だから♪一夏への気持ちはもう無いわ」

「そうか……あ、悪かったな。そっちも色々あるんだろ?」

「まぁ、皆と買い物だけだし、まだ少ししかたってないから大丈夫だ」

「皆と?」

「ん」

 

終夜が顎で木綿季たちを指す。弾はその先にいる美少女たちに心奪われる

 

「終夜が羨ましいよ……ハーレムだなんて」

「彼女は二人しかいないがな」

「それでもあんだけの女の子といれるじゃんかよ。……じゃあな、鈴。また家に来いよ」

「ええ、また終夜と行くわ。おばさんや蘭によろしくね」

「おう」

 

弾と別れ買い物を再開する終夜たち。だが木綿季の買うもののため向かった先は……

 

「木綿季?なんでランジェリーショップに……」

「新しい下着が欲しいから終夜に選んで貰おうかな〜って」

「……私も選んで貰おうかしらね」

「ちょっ、鈴!?」

「シャルロットさん、私たちはお互いにということで」

「そ、そうだね。じゃああとでね。ラウラも一緒にね」

「あ…ああ、わかった。ではお兄様、またあとで」

「本音、いくよ」

「え〜かんちゃんも選んで貰わないの?」

「わ、私はいいの!」

「……しゅうやん、かんちゃんのことよろしくね〜」

「ちょっと本音!?」

 

気を利かせたように木綿季たち三人を残し、中へ入っていったセシリアたち。それを見て、諦めたのか終夜は性癖がバレてもいいと半ばヤケクソだが、きちんと合う下着を木綿季、鈴、簪の三人分選んでこれまた全部まとめて会計をした

 

 

 

「はぁ……お昼はどこがいい?」

「それは終夜さんにお任せしますわ」

「じぁあ適当にそこに入ろうか」

 

近くのイタリアンレストランに入り、昼食をとり、会計が終わると、必要な日用品などを買いにレゾナンスを歩き回った

 

 

 

「もう買うものは終わったね」

「でも会計は全て終夜さんにしてもらって悪い気が」

「ああ、別にいいよ」

「あ!」

「どうしたの?ゆうちゃん」

「そういえば終夜の私服が少なくなってるから買わないといけないんだった」

「またでよくないか?」

「それじゃあ色々と買って貰ったお返しに服を選んで買ってあげましょうか」

「賛成!」

「僕もいいと思うよ」

「……なら任せようか」

 

この後、何着か買ったのだが半ばファッションショーの用になったことを明記しておく

 

 

 

 

 

「いっぱい買ったねー」

「ああ、だけど下着を選ばされるとは……」

「楽しかった?」

「まぁな。大人数だから荷物も大変だったが」

「海かぁ……アスナたちとALOでは行ったことあるけどこっちではまだだから楽しみだよ!」

「そういやそうだったな……存分に楽しまないとな」

「うん!」

 

いつもと同じ夜を過ごす二人だった。




ふぅ、今回はここで終了です。

本当は最後に束のことを書こうとしたんですが箒の描写の少なさ(存在を忘れてる時多数)にまだはっきりと箒の扱いを決めてないために書けず終夜たちだけで終了しました。

箒の扱いはどうしようかな……何かあれば活動報告の意見募集箱にお願いします

R-18版の作成を頑張らないと……楽しみに待ってる人がいるだろうしね……


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来たぞ臨海学校!

「「「海だぁ!!!」」」

 

トンネルを抜けたバスの中から見えた海にクラスの女子たちは嬉しそうな声を上げる。臨海学校初日は、天候に恵まれ雲一つない快晴だった

 

「……こんなテンションの中でいうのもなんだが、普段から見えてるよな、海」

「アハハハ、でも学園からの海は泳げないからね……」

 

この中、終夜は呆れたようにボソッと思っていることを漏らす。それに隣の席のシャルロットがクラスの皆をフォローしていた。なぜ終夜の隣が木綿季ではないのかと言うと、バスの席はくじ引きによって決めることとなり、これに木綿季だけを特別扱いで終夜の隣にはできないということで、終夜含め全員が引いた結果終夜の隣はシャルロットとなった。シャルロットは木綿季に譲ろうとするが、千冬の眼力に負け譲ることができなかった

 

 

 

「いいなぁ……」

「まぁまぁ、ゆうちゃんはしゅうやんと一緒にいることが多いんだから」

「そうだけどさぁ」

 

ちなみに木綿季は、バスに乗ってからずっとむくれていた

 

 

 

 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、ここで働いておられる従業員の方々の仕事を増やすことが無いように気を付けろ」

「「「よろしくお願いしまーす!」」」

「はい、こちらこそ。私はここの女将の清洲景子です。わからないことがあれば遠慮なく……あら、こちらが」

 

自分たちが泊まる旅館に着くとまず、全員が並び挨拶をする。挨拶を受けた女将である清洲景子は丁寧なお辞儀とともに挨拶を返したあと、終夜たちのことを千冬に訪ねる

 

「はい。今年は男子が二人いるせいで浴場分けが難しくなり、申し訳ありません」

「いえいえ、いい男の子ではありませんか。しっかりしてそうな感じですし。それでは皆さん、まずはお部屋に。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますので、そちらをお使いください。場所がわからなければいつでも私たちに聞いてください」

 

「はーい」と返した女子一同は嬉しそうにバタバタと旅館の中へ荷物を置きに向かう。臨海学校初日は一日フリー。誰もが海へ向かうだろう。だが一夏と終夜の二人は事前のしおりに自分の部屋が書かれていないため動いていない

 

「織斑、零童。お前たちはこっちだ」

 

二人は千冬に連れられ、着いたのは教員室の貼り紙が貼られた部屋だった

 

「織斑先生?」

「説明すると、最初は二人一緒か個室という話だったがそれをすれば就寝時間を無視した女子が押しかけるだろうということで織斑は私とだ。先に荷物を置いて遊びにでもいってこい」

「ああ、わかったよ」

 

一夏は終夜の方へ顔を向けることなく千冬に了解の意思を言い、部屋へ入る

 

「零童はこっちだ」

 

終夜が連れていかれたのは千冬の部屋から数えて二つ隣の部屋だった

 

「零童、お前はここの部屋だ。お前は山田先生と一緒だ」

「わかりました」

 

相部屋である先生の名前を聞き、部屋に入ると少し忙しそうに書類を整理してる山田先生が見えた

 

「山田先生?」

「わわっ!……あ、零童君ですか。どうしたんですか?」

「荷物はどこに置けば?」

「そこの窓際に置いて貰えれば。零童君はすぐに海ですか?」

「まぁ、木綿季たちが待ってますし」

「いいですね〜私は学園に報告などでまだ仕事があるのに……」

「まぁまぁ、早めに終わらせれば泳げたり出来るんですから頑張って」

「は、はい。先生、頑張ります!」

 

終夜は元気になった先生へお先にと水着などをもって更衣室へ向かう。途中にある女子更衣室から胸のことやらなんやらと男が聞くには恥ずかしい話題が聞こえてくるのだがスルースキルを発動してその場を通りすぎ、男子更衣室に入る。(適当に選んだ)青に黄色のラインが入った水着を来た終夜は一人、海の方へ歩いていく

 

 

 

 

「あ、零童君だ!」

「え!水着に変なところないよね?」

「わぁ……やっぱりカッコいい」

 

終夜が砂浜に着くと、先に来てビーチバレーで遊んでたり海で泳いでる女子がおり、終夜を見つけた子らは各々終夜へ感嘆の声を上げていた

 

「んーと、木綿季達は……」

「おーい!」

「お、いたいた」

 

その声を聞きながらも木綿季たちを探していると、軽くジャンプをしながら終夜を呼ぶ木綿季を見つけそっちに向かう。そこには、木綿季の他に鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、本音、簪と買い物のときと同じメンバーが纏まっていた

 

「おおー、やっぱり水着はいいもんだな。絶景絶景」

「終夜さん、その…サンオイルを塗っていただけませんか?」

「あ、セシリアずるい!終夜私も塗ってよ!」

「ボクも!」

「……私も」

「おいおい……」

 

セシリアの言葉から大半が私も私もと終夜にねだり、しまいには周りでサンオイルを塗っていた子が海で落とそうとするくらいまで広がった。結局、後で泳ぎサンオイルも落ちる鈴たちを含め十数人の体にサンオイルを塗った終夜だった

 

 

 

「はぁ……なんか複雑だ」

「でも女の子の体を触れたのは役得でしょ?」

「まぁな」

 

今俺は鈴と泳いでプカプカと海に浮かんでいるところだ。人によっては、際どいところまで塗らせようとするから対応に困った……木綿季はむくれるし簪は拗ねるし……

 

「そういや……また簪にも応えないとな…」

「……終夜、また泳ぎましょ。どっちが先に向こうにつくか勝負よ!」

「んあ?ってちょっと待て!」

「や〜だよ!」

 

いきなり泳ぎ始めた鈴に追い付こうとするが、前世で人魚と言っていたのだがあながち間違いがないと思えるほど速い。結局追い付けず、また休日に駅前で何かを奢らないといけなくなった。丁度俺が鈴に追い付いて、砂浜に上がると水着に着替えた織斑先生に山田先生が織斑らとビーチバレーをしていた。見ようとは思ったが進んで織斑と関わろうとは思わないので、そろそろ昼時もあってか、旅館の食堂へ皆で向かった

 

 

 

 

 

昼食をとって午後も遊び、あっという間にきた夕食の時間。大広間三つ分をぶち抜き、そこでIS学園の一年生全員が夕食をとっていた。この旅館の謎の決まり事であるお食事中は浴衣着用のことがあり、全員が浴衣姿で食事している。ちなみに夕食は刺身に小鍋、和え物に味噌汁と旅館だったらどこでも出そうなメニューだが、使われている食材が高級食材ばかりで、皆豪勢なこの食事を楽しんでいた。それを一つピックアップしよう

 

 

「本わさか……」

「本わさ?」

「本物のわさびをすりおろしたものをそういうんだ。学園でだされるあれは練りわさびっていうやつなんだが原料は忘れたな」

「へぇ、そうなんだ。食べてみよ」

「味見なら少量を……」

「んー!!!」

 

終夜の呟きに反応したシャルロット。彼女は以前日本にいた鈴、元々日本人の木綿季、簪、本音を除くセシリア、ラウラの三人の中で一番日本文化に順応していた。セシリアは正座に苦戦していたり刺身に対して生で魚を食べるのが信じれなかったり、ラウラは間違って覚えてる日本文化が多いのが難点だ。

そのシャルロットだが、終夜が味見をするなら少量をと忠告する前にわさびを山の状態で一気に食べてしまい悶絶していた。それを終夜や鈴が大爆笑で悶絶している姿を見ていた

 

 

 

「ッ…………」

「織斑君、どうかした?」

「いや、何でもないさ。それよりおいしいよな、コレ」

「うん、ホントにね!」

「うん、やっぱりIS学園って大盤振る舞いだよねぇ!」

 

一夏は手が進んでいないことで、周りの女子から声をかけられるが、何でもないように装って夕食をとっていく。だが頭の中には終夜への憎悪などが多くを占めていた

 

 

 

 

 

 

「えっと……それで私たちを呼んだのはどういう理由なんでしょうか」

 

シャルロットがおずおずと千冬へと問う。今、一夏がいるはずの部屋に一夏はおらず代わりに木綿季、セシリアなど一夏と終夜とよく関わっている者が集められている

 

「その前に飲み物を奢ってやろう。ほれ、適当に渡すからあとで交換しろ」

 

全員渡された飲み物を交換せず一言いただきますと言い渡された飲み物を飲む。全員の喉が動いたのを千冬は確認する

 

「よし、全員飲んだな?」

「確かに飲みましたが……まさか教官!?」

「心配するな、何も入ってない。ただの口封じだ」

 

そういうと千冬は再度備え付けの冷蔵庫から銀色の缶を二、三本取り出す。千冬はその缶をプシュッといい音を立てながら開けグビッと飲む。いわゆるビールだ。

普段見慣れない千冬のその姿に全員、特にラウラが目をぱちくりさせながらその光景が信じられないと言わんばかりの顔をしていた

 

「どうしたその顔は。私だって人間だ、酒くらい飲む。口止め料も既に払ったしな」

 

この言葉で全員が優しくジュースを渡された理由を理解した

 

「さて、そろそろ真面目な話をするか。それで、お前たちはあいつらのどこがいいんだ?」

 

二本目に入りながら問う千冬。全員があいつらが誰を指すのかはわかっている。一夏と終夜だ。ポツポツと一人ずつ千冬に話していく

 

「わ、私は…ただ以前に比べて腕が落ちていることが腹立たしいだけなので……」

「私は……終夜の、優しいところに惹かれたんだと思います……」

「私は…憧れ……だと思います」

「私は……私の問題を解決してくれたときの、お兄ちゃんっぽさに、鈴と同じで優しいところに」

 

上から箒、鈴、セシリア、簪と続く

 

「そうか、ならそう伝えるか」

「「「「伝えなくて大丈夫です!」」」」

「しかし零童は紺野に凰に更識か……大変だな。まぁ、頑張って女を磨けよ、餓鬼ども」




はい、今回は臨海学校編です。次は福音戦かな
以前でた謎のシステム『GrandOrder』『全て遠き理想郷』のどちらかは出す予定です。
でも…箒に専用機を渡すか渡さないかで悩んでいます。
誰でもいいので意見箱に意見をお願いします。
できるだけ多くの意見が欲しいので、面倒だと思いますがお願いします。よければ理由付きで


話は変わりますが、先日バトスピのメガデッキが発売されました。作者は友人がフラゲ出来る店で買ってくれたので(代金はきちんと払いましたよ!)デッキ作成中です。ちなみに忍風の方を買いましたが、難航中なんですよね〜煌臨天霊に戦姫もやらないといけないし、小説のことも考えないといけない……あ〜頭がパンクしそうなんじゃ〜〜


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臨海学校二日目!

初めの方に終夜の出番がほぼありません(笑)


「それでは各班ごとに振り分けられたISの装備試験を行うように。専用機持ちは専用パーツのテストだ。どちらとも迅速に行うように!」

 

臨海学校二日目は一日目とは違い、一日中ISの実習を行う。専用機は自国から送られてきたパーツのテストをすることになっている

 

 

「よし、専用機持ちは揃ったな?」

「あの……織斑先生?何故箒がここに?」

「それはだ「ちーちゃ~~~~ぁん!!!」はぁ……」

 

集められた専用機持ちの中に専用機を持っていない箒がいることが疑問になったのか千冬に質問をする鈴。それに千冬は答えようとするが、それを遮るように千冬を呼ぶ声が響く

 

「とうっ!」

「……束」

「やぁやぁ、会いたかったよ、ちーちゃん。さあハグハグしよう!愛を確かめグヘッ」

「うるさいぞ、束」

 

斜面を砂煙を上げながら切り立った崖を降り、そこから千冬の元へと飛んだ束を千冬は必殺のアイアンクローで対応する。それを食らった束だがそれをいとも容易く抜け、箒の方を向く

 

「やあ!」

「ど、どうも……」

「えへへ、久しぶりだね。何年ぶりかなぁ。大きくなったね、箒ちゃん」

 

先ほどと同じテンションだが妹と成長を喜ぶいい姉の姿が見える

 

「特におっぱいが」

 

前言撤回、ただの変態だった。(え、すでにそうだって?)……まぁこのセクハラ発言を箒はどこからか取り出した日本刀の鞘でぶっ叩く。鈍い音がなるが、束本人にダメージがあるようには見えない

 

「おい束、自己紹介くらいしろ。うちの生徒が困っている」

「はーい!……ゴホン、どうも初めまして。私はISの開発者で現アウターヘブン社IS開発部門代表の篠ノ之束です」

 

そう言いながらその場でお辞儀をする。その姿に、以前から束のことを知っている千冬、一夏、箒の三人は驚く。今まで他人を道端の石ころ程度にしか思っていなかった束がとても丁寧に挨拶しているからだ

 

「あの……姉さん。頼んでいたものは」

「それは既に準備済みだよ!それの前に…えーと、更識さんって誰?」

「わ、私です」

 

いきなり名前を呼ばれた簪はおずおずと手を挙げながら自分がそうだと伝える

 

「箒ちゃん。私も今は会社の人間だからね。私情より先に会社の仕事をさせてもらうよ。それでは大空をご覧あれ!」

 

空を指差す束にその言葉に従い上を見上げる全員。すると空から突然コンテナが二つ降ってくる。

地上に着いたコンテナの一つが割れ、中から出てきたのは

 

「これが更識さんの専用機、打鉄弐式改め『打鉄零式』だよ!」

「……打鉄零式。これが……私の」

「はい。それじゃあフィッティングとパーソナライズをやるから乗って乗ってー」

 

簪が機体に乗る。それを確認すると、束は複数のディスプレイを空中投影し目にも止まらぬ速さでキーボードを叩く

 

「よし、セッティング終了!じゃあ少し飛んでみて」

「は、はい。わかりました!」

 

簪は少し目を閉じて集中し、飛翔する。適当に飛んだ後束の元へと戻ってきた

 

「どう?違和感とかは」

「いえ、全くありません」

「それは良かった。この機体は箒ちゃんに渡す分も含めて三機目の第四世代型だからね!」

「えっ、第四世代!?」

「うそ……まだ各国が三世代型のプロトタイプを作るのに必死だって言うのに……」

「第四世代?」

 

束の口からでた第四世代という言葉。この言葉にセシリア達専用機持ちはとても驚くが一夏は全く理解できていなかった

 

「ここでいっくんに解説ターイム。まず第一世代というのはISの完成を目標とした機体。次が後付け武装による多様化。そこのフランスの子がいい例だね。そして第三世代は操縦者のイメージ・インターフェイスを利用した特殊兵器の実装。今の専用機持ちが持っているものだね。そしてこの第四世代はパッケージ換装を必要としない万能機という机上空論だったものです。わかったかな?」

「え、えーっと……」

 

一夏はこの説明を一応なんとか理解していた。

 

「おい束。三機目といったが、二機目は篠ノ之のものとして一機目はどこだ」

「それはしゅーくんのものだよ」

「何!?零童のものが?」

「うん。しゅーくんの機体の特性上そうしなければいけなかったっていうのもあるんだけれどね?」

 

この事実には、終夜も驚くしかなかった。まぁ、それほど大きくは驚いていないように見えるが。この空気を作った束だが、雰囲気なんてなんのその。簪へ武装の説明に入っていくところであった

 

「武装は提出してもらったものをそのまま入れてるのと、超電磁砲を積んでるよ。更識さんは空間把握能力が高いって聞いたからオールラウンダーと遠距離専用の二つを切り替えれるようにしているよ。武装についてわからないことがあったり、追加して欲しかったらしゅーくんに伝えてね。しゅーくん経由で教えるし届けるからね!」

「わ、わかりました」

「はいっ、これで更識さんへのは終わり!じゃあ次は箒ちゃんだね」

 

束がスイッチを押すともう一つのコンテナが開く。中からは赤を基調とした機体が出現する

 

「これが箒ちゃんの専用機『紅椿』だよ。現行ISを上回るスペックをもつ束さんお手製だよ!」

 

そう説明すると、セッティングとパーソナライズを始める束。既に大まかにはデータが入っていたらしく一夏のときのように大きく変化することはなく箒のサイズに合うよう微調整されたと言うことが正しい

 

「それじゃあ飛んでみようか」

 

そう言われ集中する箒。次の瞬間、紅椿はもの凄い速度で飛翔する。

 

「どうどう?箒ちゃんの思った以上に動くでしょう?」

「ま、まぁ」

「………………」

 

そのあとも、武装の話をしていく束。そのスペックをみんなが呆然と見ている中、別のことを考えていた終夜の目にはこちらへ慌てて走る山田先生の姿が入る

 

「織斑先生!」

「どうした?」

「こ、これを…」

「……何!?」

 

山田先生から渡された端末を見て織斑先生の表情が大きく変わる

 

「その、ハワイ沖で」

「しっ。機密事項を口にするな。生徒に聞こえる」

「す、すいません。それでは、私は他の先生へ連絡を」

「了解した。……全員注目!現時点よりIS学園教員は特殊任務行動に移る。今日のテストは中止、各班ISを片付けて旅館に戻れ!」

 

いきなりの指示に女子一同は騒がしくなるだけだったが千冬の一喝で全員が慌てて動き始める

 

「専用機持ちは全員集合しろ!織斑、零童、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰、紺野……それと篠ノ之も来い!」

「はい!」

「…………」

 

妙に気合いの入った返事をする箒を見る終夜の目はとても鋭いものだった




束さんが、すんごい真面目な人になっちまった……
ま、まぁ良いよね?会社で治ったとかそんなもんで……

ちなみに、この話、結構書き直したんですが結局あまり治らなかったので作者が半分納得のいかないまま投稿しています。

ここはホントもうちょいいい書き方出来ると思うんだけどなぁ………トホホ


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来たる厄災

「では、現状を説明する」

 

今、旅館の一番奥に設けられている宴会用の大座敷・風花の間に俺たち専用機持ちと教員が集められている。証明を落とした部屋の中に大型の空中投影ディスプレイが浮かんでいる

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働中だったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音』が突如暴走。制御下を離れ監視空域を離脱したとの情報が入った。その後衛星による追跡の結果福音はここから二キロ先の空域を五十分後に通過することが判明。学園上層部からの通達により、ここにいる我々がこの事態に対処することとなる。教員は学園の訓練機を使用しての空域及び海域の封鎖を行う。よって本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

淡々と続ける説明にいきなりのことで理解できていないのかポカンと間抜けな表情を見せた一夏以外は厳しい顔つきになっていた。それもそのはず、今回相手となるのは自分たちと同じ競技用ではなく軍用。厳しい戦いになることがわかっているからだった

 

「それでは作戦会議を始める。何か意見のあるものはいないか?」

「はい。目標の詳細なスペックデータを要求します」

「わかった。ただしこれらは二ヵ国の最重要軍事機密の一つだ。決して口外するな。もし漏洩した場合は査問委員会による裁判と監視か最低でも二年はつけられる」

「了解しました」

 

始めに意見を言ったのはセシリアだった。セシリアの要求通り、スペックが開示されると代表候補生たちと教員はそのデータをもとに相談を始めていく

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型……私のISとおなじくオールレンジ攻撃も可能なようですわね」

「攻撃と機動の二つを特化させた機体ね。しかも私の甲龍よりスペックでは上だから向こうが有利な可能性が高い……」

「それにこの特殊武装ってのが気になるね。ちょうど本国からリヴァイヴの防御パッケージが届いてるけれど場合によっちゃ連続の防御は難しいかも……」

「……教官、偵察は行えないのですか?」

「無理だな。この機体は超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だろう」

「一回きりのチャンス……一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

 

最後の山田先生の言葉で終夜以外の全員が一夏を向く。

 

「え?」

「一夏、あんたの零落白夜で落とすのよ」

「それしか方法は今のところありませんわね……ただ」

「問題はエネルギーだね。向こうに着いたときにエネルギーがありませんじゃあ話にならないから誰かが連れていかないといけないけど誰が連れていくか……」

「目標に追い付ける速度が出せなければダメだ。それに超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

 

周りが先々に話を進めるなか一夏が声を上げる

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺がいくのか!?」

「「「「当然(よ)(ですわ)(だよ)(だ)」」」」

「ククッ、いつも守ると口にしているのに、今回は怖じ気づいたか?」

「そ、そんなわけないだろう!やってやるさ。俺がやってやるよ!」

「よし、それでは具体的な内容に入る。現在、専用機持ちの中で最高速度が出せるのは誰だ」

「それならわたくしのブルー・ティアーズが。ちょうど本国から強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られていますし、超高感度ハイパーセンサーもついています」

「ちなみに木綿季も特殊な形での訓練ですが最高速度はだせます」

「……オルコット、超音速下の訓練は何時間だ」

「二十時間です」

「……ならば適任」

「待った待ったー!その作戦はちょっと待ったなんだよー!」

 

千冬が適任だと言おうとしたとき、明るい声がそれを遮る。その発生源は部屋の天井の真ん中から吊られている束からだった

 

「ちーちゃん!ここは断然、紅椿の出番なんだよー!」

「なに?」

「ああ、そういうことか」

 

束の言葉に驚く千冬だったが終夜は逆に納得した声をだす。わからない木綿季は終夜にどういうことか聞く

 

「ねぇ終夜、どういうこと?」

「第四世代の説明、篠ノ之博士はなんて言った?」

「えーと……確かパッケージ換装を必要としない万能機……」

「そう。パッケージの量子変換などの時間が必要なく調整だけ終われば即時作戦も開始できる。ここで簪のはどうかと言われると、恐らく高機動版はまだなのでは?」

「ほぼほぼしゅーくんに説明取られちゃったよ。束さん、がっかりー……うん、しゅーくんの言うとおり更識さんのはまだ完成していないよ。少しはデータを取らないといけないからね」

「よし、では本作戦は織斑・篠ノ之両名による目標の追撃及び撃墜を目的とする。作戦開始は三十分後。各員、ただちに準備にかかれ!」

 

千冬がぱん、と手を叩くとそれを皮切りに全員が準備を始めていく。そんななか終夜は一人念のための準備をしていた

 

 

 

 

作戦開始時刻、砂浜で一夏と箒は共にISを展開し飛ぶ準備にかかっている。

 

「…………では、始め!」

 

千冬が二人に再度作戦を確認して、作戦開始の合図を出す。箒は一夏を背に乗せたまま加速するが、それを感じさせない速さで目標高度に到着し、目標まで飛び去った

 

 

 

「…………」

「終夜さん……どうかした?」

「いや、ただこの作戦が成功するか失敗するかを考えていただけさ」

 

作戦会議を行った風花の間では、残った専用機持ちと見送った千冬と山田先生が現在の状況を写すディスプレイを見ているところだった

 

「そろそろ接近するぞ!」

 

 

 

 

 

 

「一夏、見えたぞ!」

 

二人のハイパーセンサーには今回の目標である銀の福音の姿が映る。その機体は名前の如く全身が銀色で頭部から一対の巨大な翼を持つ。この翼は大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型システムのものだ

 

「加速するぞ!目標との接触はすぐだ。一夏、集中しろ!」

「ああ!」

 

箒はさらにスピードをあげ福音に接近する。だが触れる直前、一夏の方へ反転、後退の姿をとり身構える。一夏はこの状況で引くことは遅いと判断しケリをつけようとするが、オープン・チャンネルから聞こえたのは福音から発せられた機械音声だった

 

「敵機確認。迎撃モードへ移行。『銀の鐘(シルバー・ベル)』、稼働開始」

 

ここから一夏&箒vs銀の福音の戦いが始まる。一夏は銀の福音へ斬りかかるが紙一重の回避をされる。まるで泳ぐような、踊るような感じであった。その動きに翻弄された一夏は残り時間のこともありなんとか当てようと大振りの攻撃をしてしまう。福音はその隙を見逃さず翼にある砲門から光の弾丸を打ち出す。

 

「箒!左右から同時に攻めるぞ。左は頼んだ!」

「了解した!」

 

一夏と箒の二人は複雑な回避行動を行いながら福音へ二面攻撃を仕掛けるが全て回避されてしまう。

 

「一夏!私が動きを止める!」

 

途中で箒は足止めのために、積まれている特殊兵器と武装を駆使して福音へ攻撃を開始する。この猛攻は回避不可だったのか、防御を使用する福音。その隙を狙おうとする一夏だったがその刹那、福音は全方位への攻撃。箒はその攻撃を回避しながら接近する。だが一夏は真逆の方を進み、一つの光弾をかき消す

 

「な、何をしている!せっかくのチャンスを」

「船がいるんだ!海上は先生が封鎖したはず……くそっ、密漁船か!」

 

その後も一夏は船の方向へくる光弾をかき消していくが、その行動で最大にして唯一のチャンスそして作戦の要を無くした

 

「馬鹿者!犯罪者なぞを庇って……そんなやつら」

「箒!」

「ッ!…………」

「そんな、そんな悲しいこと、いうな。いうなよ。力を手にしたとたん、弱いやつのことが見えなくなるなんて……らしくない。全然らしくないぜ」

「わ、私は……」

 

一夏の言葉で動揺した箒は手に持っている刀を落とす。その刀は空中で光の粒子となって消える。それは具現維持限界……つまりエネルギー切れを意味する。その箒に向かって福音は砲門を向ける。一夏は全力で箒を庇いに割って入ろうとする。間に合い、もう少しで着弾するというところで、二人の姿はその場から消える。福音は突如消えた二人を探すがいないことがわかると、箒の攻撃によって減ったエネルギーを回復するためにその場に立ち止まった

 

 

 

 

 

ドガァン

 

「うっ……ここは……」

「旅館の庭だ」

「しゅう…ぐはっ」

 

終夜は一夏を殴る。一夏のISはエネルギーがないこともありそのまま解除される

 

「終夜てめぇ、いきなり何しやがる!」

「織斑、なぜお前はあそこで船を庇った」

「何故ってそんなの守らないといけなかったからだ!」

「なら密漁船が守れればこの旅館にいるやつらはどうなってもいいと言う気か!」

「ど、どういうことだよ……」

「お前……本当にわからないのか?ISにとって二キロなんて距離はすぐそこだ。そしてそこにはこの旅館がある。この旅館にはIS学園の一年生全員に旅館の従業員の人たちがいる。お前があのまま墜ちていたら、ここにいた俺たちが出撃することになる。だが福音の速度を考えてもこの旅館に近いことは変わりない。もしここにいた全員の避難が遅れたらどうなるかは馬鹿なお前でもわかるだろ」

「あ………」

「チッ……あのときに異議を唱えておくんだった」

 

終夜はもう一度一夏に生身で蹴りを腹に食らわすとそのまま風花の間へ向かった

 

 

「織斑先生、織斑、篠ノ之の両名は無事です」

「そうか。しかしこれからどうすれば……」

「そのことで一つ。俺だけに出撃許可を」

 

出撃許可を貰う言葉にセシリアや鈴たちは大反対する

 

「何言ってるの終夜!」

「そうですわ!終夜さんが行くなら私たちも……」

「邪魔だから来るな」

 

だが怒気を含んだ殺気を当てられ思わず黙ってしまうセシリアたち。その中千冬が問う

 

「零童……いけるんだな?」

「ああ」

「では、作戦を一部変更。織斑、篠ノ之両名から零童へと変更する。頼む、零童」

「ラジャー」

「終夜!」

 

部屋を出て、福音の元へ向かおうとする終夜を呼び止める声がする。その声の主は木綿季だった

 

「………いってらっしゃい」

「ああ、いってくる。……聖杯、モード『英雄王』」

 

金の装甲に身を包んだ終夜は次の瞬間その場から消えた

 

 

 




あれ……キレてる状態でいかせてしまった……
大丈夫かな……福音

次回は終夜と福音の勝負です

『GrandOrder』『全て遠き理想郷』をどちらかをだすのを忘れないようにしないと……


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復活する災厄

「『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』」

「La!?」

 

終夜は福音の元へ跳躍航法をして一瞬で移動すると即座に攻撃。突然現れ、攻撃してきた終夜に福音は対応できずその攻撃を食らうが負けじと一夏の時と同じ光弾をばら蒔く。だが終夜は慌てることもなく王の財宝で全てを打ち落とす。福音は埒があかないと判断し、機動力で上回ろうとする

 

「まぁ確かに速い。だが……遅い!」

 

終夜はこの福音の攻撃を受けることなく反撃する。

 

 

 

 

 

 

「嘘……だろ」

 

モニターの前でこう漏らしたのは終夜に助けられた一夏だった。自分が箒と二人がかりで攻撃を当てれなかった福音を軽くあしらう終夜の姿が信じられない様子がわかる

 

「まさか……これほどとは……」

 

千冬も不安が無かったということはなくもしものために一夏と箒以外の専用機持ち全員にいつでも出撃できるようにしておけと指示を出していた。だが、この光景を見て、自分の認識以上の強さを持っている終夜を素直に称賛する言葉を発した。この呟きを聞いた一夏は顔を歪めてしまう

 

「えっ!?」

「どうした、山田先生」

「零童君の元へ向かうISが数機います!」

「なんだと!?」

 

突然の事態に騒然となる部屋。モニターの一つをそのIS達を写すような切り替えると、そこに簪の見知った女たちがISに搭乗していた

 

「どこの連中だこいつらは!」

「倉持技研……」

「倉持技研だと!?だがなぜわかる」

「真ん中の女性、私の専用機を依頼するときにアウターヘブン社に来ていた倉持技研の幹部です」

「ならこいつらの目的は零童か……くそっ!山田先生、零童へこのことと場合によれば撃破して構わないとの連絡を!」

「は、はい!」

 

急いでコンタクトを始める山田先生を横目にモニターを見つめる千冬。周りで聞いていた木綿季たちも、セシリアたちは慌てたり心配していたりしたが、木綿季だけは慌てもせずいつも通りの雰囲気で終夜が戦っている姿を見ていた

 

 

 

 

 

 

「はぁ……そろそろ終わらせるか『天の鎖(エルキドゥ)』」

 

終夜は決着をつけるため、天の鎖にて福音を捕縛。福音は逃げ出そうともがくが鎖を解くことができない。その姿をよそに終夜は剣と言うにはあまりにも異形の形をもつ剣を手に持つ

 

「……原初を語る。天地は別れ無は開闢を言祝ぐ。世界を割くは我が乖離剣。星々を廻す臼。天上の地獄とは創世前夜の終着よ。死をもって鎮まるがいい『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』」

 

振りかざした剣からでる風圧により、福音はズタボロとなり近くの島の砂浜へと墜ちる。終夜は回収のためその島へ降り、福音の元へ向かう。そのとき、山田先生からの緊急連絡が入る

 

『零童君!』

「いきなりどうしました?福音は撃破しましたが」

『今、倉持技研のISがそっちに向かっています!理由は不明ですが恐らく零童君を狙っています。その場の近くへいるので場合によっては撃破して構いません』

「了解。福音を回収しだいそっちにっ……ぐっ」

 

会話の途中、突如動いた福音によって終夜の脇腹が貫かれ、同時に新たにできたビームサーベルのようなもので終夜の体が切り裂かれる

 

「ちっ!」

 

終夜は上空へ一旦退避。だが間の悪いことに、その場へ倉持技研のISが到着。発見した終夜へ攻撃を開始する

 

「目標発見!なんとしてでも落としなさい!殺してもいいわ!」

「ちっ……次から次へと……」

「ふん。あの暴走機で満身創痍、手こずる相手ではないわ!ちゃっちゃと捕らえて、次はあの娘に渡された専用機にいくわよ!」

「チッ……舐めてんじゃねぇぞゴラァ!聖杯、『GrandOrder』起動!」

 

この現状と先程の言葉、そして織斑への怒りもあってぶちギレた終夜は自身のIS『聖杯』の切り札の一つ、『GrandOrder』の起動を行った。すると、機体は白銀色に変わり胸のところには赤い紋様(fgoの令呪)が浮かび上がる。と、同時に終夜の雰囲気も変わる。先ほどまで黒髪黒目だったはずが、髪に銀色が少し混じり、目も赤く光る

 

「ここが貴様らの死地と知れ!『王の号砲(メラム・ディンギル)』『無限の剣製(アンミリデッド・ブレイド・ワークス)』」

「な、何?…キャアアア」

「La…Lala………」

 

突如福音と倉持技研に降り注ぐ剣と矢。だがそれで収まることはなく、ぶちギレている終夜は殺す気はないが端から見れば殺すと錯覚する勢いで次々と宝具を展開する

 

「『死告天使』『解体聖母』『突き穿つ死翔の槍』『光輝の大複合神殿』『串刺の雷刃』『射殺す百頭』『黒龍双剋勝利剣』『終局的犯罪』」

 

福音と倉持技研はこの展開された宝具を回避しようとするが、圧倒的な物量だったため、倉持技研のISが一機一機と先ほど福音が墜ちた島へ墜ち、残るは福音のみとなった。その福音も第二形態移行(セカンド・シフト)で装甲などのダメージが無くなったはずなのにもう半壊レベルに達していた

 

「貴様も墜ちろ、鬱陶しい。『燕返し・滅』」

 

福音に襲いかかる不可視の斬撃。福音はセンサーに反応した攻撃を回避しようとするが、その量はほぼ無限。当然、回避できず防御もほぼ無意味。倉持技研のISと同じように墜ちていく福音。墜落した福音は完全に停止し、待機状態へ戻り操縦者が気絶している状態で横になっていた。

 

「ヒッ…」

「『天の鎖(エルキドゥ)』」

「な、何をするのよ!」

「黙ってろ!」

 

終夜は倉持技研の幹部らを捕らえると福音の操縦者を担ぎ上げ、旅館へと帰還する。帰還した終夜を待っていたのは鈴たちの涙目と先生二人の心配顔だった

 

 

「おいおい、皆してどうしたんだ」

「だって……終夜の」

「皆終夜さんの傷を心配してますのよ!それなのにどうしてそんなに」

「まぁまぁ、ISの操縦者保護の機能で大体の傷は塞がってるんだから…」

「それでもです!!」

 

こんな空気の中、倉持技研の幹部を終夜から預り、別の先生に一時監視を頼んだ千冬がやってくる

 

「零童、任務については後だ。今は部屋で安静にしておけ。お前たちは紺野を中心に零童の世話をしろ。いいな?」

「いや、こんなにもいらな」

「「「「「「はい!」」」」」」

「ほら、いくわよ終夜」

「ボクたちが面倒を見てあげるから」

「お前ら半分楽しんでるだろ!」

 

半ば強引に連れていかれる終夜を見て、大丈夫だと判断した千冬はあとで山田先生を見に行かせることにして、自分は倉持技研の元へ向かった

 

「クッ…………」

 

その様子を見ていた一夏は血が出そうになるほどの力で手を握りこんでいた




えーと、終わったんですが、保護機能ってISにありましたよね?

宝具のところ……ぶっちゃけルビやるのがめんどくさかったからやってませんがやった方がいいですかね?そこんとこ、またよろしくお願いします

んと…R-18もお願いしますとの意見が多いので早く書きたいんですが納得するもんができねぇ!(血涙)
一人称か三人称かでくそ悩むし……他の方のを見て勉強というか、参考にしなくては……
とこんな状態ですので18禁はまだできそうにありません。まぁ、是非もないヨネ!(使い道間違ってるだろこれ)


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突きつけらる事実

「はい、終夜。あーん♪」

「鈴……その…自分で食べれ」

「ボクのもどーぞ」

「木綿季まで……しかも」

「よしよし(ニコニコ顔)」

「簪は頭を撫でてくるし……」

 

あのまま、部屋へ連行された終夜は強制的に布団に寝かされ、木綿季、鈴、簪の世話を受けていた。セシリア、シャルロット、ラウラの三人は先に昼食を取って、後程世話を交代するため不在だ

 

「……あーん」

 

終夜はもう諦めたのか吹っ切れたのか木綿季と鈴に食べさせて貰った

 

 

 

「大丈夫ですか?終夜さん」

「ああ、特に問題はない。そういや、中止になった武装テストはどうなったんだ?」

「そのまま中止で、自由時間になったよ。海にいったり涼しい旅館の中でゆっくりしたりと人それぞれだね」

「もちろん私たちはお兄様のお世話だ!」

「そうか……」

「終夜〜ただいま!」

「おう、お帰り」

「あのね、終夜。一つ聞きたいことがあるんだけど」

「どうかしたか?」

「終夜が怒ったとき、目とか髪が変わってたけど、あれって前に、私に話すっていったことと関係あるの?」

 

この質問に終夜は答えを出さなかったが、夏休みにきちんと話すと言い、木綿季を残し一旦鈴たち全員を部屋から出した。鈴たちは、言われた通り三十分後にまた部屋へ戻るのだが、そこまでの時間潰しを探しにいった

 

 

「はぁ……キレてたとはいえ無意識に戻ってたか」

「うん、髪はちょっとだけだけどね」

「……俺のことを話すとしたら木綿季のことも話さないといけないがいいよな?」

「うん、いいよ。終夜と出会っていなければ……ボクは死んでいたことをね」

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふふ〜ん♪」

「楽しそうだな、束」

「やあ、ちーちゃん」

 

その日の夜。岬の先で足をぶらぶらさせながら鼻唄を歌っている束の元へ千冬がやってくる。だが、お互いに互いを見ない。

 

「いやー、ちーちゃん。しゅーくんって凄いなぁ」

「ああ、私が負けるのだからな」

「へぇ……ちーちゃんに。……教えてくれない?しゅーくんのこと」

「私に聞くな、馬鹿者」

「ううん、ちーちゃんにじゃないよ。いるんでしょ?れーくん」

「あら、バレてしまいましたか」

 

突然、声がしたと思えば闇から本来いるはずがない錬が姿を現した

 

「お前は……」

「改めて自己紹介を。アウターヘブン社社長の羽衣錬です。それで、終夜のこととは?」

「わかってていってるよね?」

「フフッ。ではその答えをいくつか。まず私含め終夜の関係者は人間ではありません」

「何?ということは紺野も」

「いえ、木綿季さんは人間ですよ。永遠の命を得た。が前に付きますが」

「ふむふむ。で次は?」

「『世界を捨てた者たち』私たちの総称です。今教えれるのはこれだけ。詳しくは学園の夏休みが始まった時に彼女らと共に教えましょう。では、束博士。クロエさんが夕食を作って待ってますよ」

「ホント!?なら早く帰らないとね。じゃぁね、ちーちゃん」

 

錬と共にサッと帰っていく束を見ながらため息をつく千冬。その顔は複雑な表情を見せていた

 

 

 

 

 

 

「俺が皆を守るにはどうすればいいんだ……」

 

千冬と束が岬で話している頃、一夏は旅館を抜け出し夜の海に来ていた。その独白には、ある意味終夜への嫉妬も含まれていた。この独白は誰も聞かず消えるはずだったのだが、それに返答するものがいた

 

「守るものを決めたらじゃないか?」

「誰だ!」

「俺だ、織斑」

 

両手を挙げながら一夏の元へきたのは終夜だった。旅館を抜け出す一夏を見つけ、気になったのでその後をつけていたのだ。一夏は現れたのが終夜だったことに少し不満顔を見せるが、その言葉の意味を問いただす

 

「どういうことだよ。俺はもう守るものは決めている!」

「みんなを守る、だったか?フッ……馬鹿馬鹿しい」

「なんだと!」

「みんなを守る?もう守ることを放棄しているだろ。福音戦のときから」

「俺は守ることを捨ててなんか」

「じゃあ質問だ。守る側の人間は我をだしてはいけない。俺の持論だがなぜだかわかるか?」

「何故?…………」

 

考える一夏だったが、その答えがでることはない。それを解っての質問だったからか、終夜は軽くため息をついたあと、その答えを教える

 

「単純に守れないからだ。思い返してみろ。福音戦のときを。あのとき、お前が本当に守らないといけなかったのは仲間である篠ノ之、旅館にいる俺含めた全員、そして事前にわかっていた福音のパイロットの安全の三つ。まぁ、旅館は俺らがいたから抜きとしても二つはあった。だがお前はどうした?自分の守りたい欲望のまま行動し船を庇った。結果チャンスを潰し篠ノ之を危険にさらした」

「……………」

「誰かを守りたい。その考えを俺は否定しない。だが今一度考え直せ。そうしなければ、お前は誰も守れない」

 

そう切り捨てた終夜はそのまま旅館へと戻っていく。一夏はその姿を見てはいたが、何を考えていたのかは誰もわからない




はい、ということで今回で臨海学校は終了です


最後の一夏と終夜の会話ですがもっと言いたいことがあったのですが長くなるためカットしました。終夜の台詞は作者の考えそのものだと思っていただいて構いません

これについては色々意見があると思います。ですので感想にでも活動報告にでも構いません。自分はこう思うと伝えたい方は書いてください。


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木綿季とデート

夏休み編開始です


「さて、じゃあいくか」

「うん!」

 

全員期末テストを無事に終え、夏休みに入ると、国家代表候補生であるセシリアたちは一旦祖国へと帰国。約一週間後に戻ってくるので、その間、終夜は木綿季と色んな場所へデートをする予定を立てた

 

「さて、まずどこにいこうか?」

「ん〜まずは買い物かなぁ。前はボクたち服と水着だけだったし。そのあと、約束してたプール!」

「おし、じゃあそれでいこう」

 

自身の愛車を走らせる終夜。向かったのは、以前にもきたレゾナンス。車を停め、降りると二人はそのまま仲良く腕を組んで買い物を始めた

 

 

 

「みんな、よく部屋に来るようになったしお皿とか買わないとなぁ」

「じゃあまず食器類からか」

 

「んー、こっちかな……うん、これにしよう!」

「これで最後か?」

「うん。お箸とかはもう選び終わってるからね」

「じゃあ会計をして、昼食べに行くか」

「そうだね」

 

 

 

「どこにする?」

「この前はパスタだったからそれ以外で……あ、ピザ屋にいこ!あそこの!」

「ピザか……おし、いこう。四種のチーズピザみたいなのあるかな」

「それ好きだね〜終夜って」

 

 

「ふぅ、食べた食べた」

「なら早くプールにいこ!」

「元気だなぁ」

「だって、1日終夜と二人でいることって久しぶりなんだもん!」

「フフッ。じゃあプールいくか」

 

 

 

 

 

「わぁ〜。広い!」

「木綿季、まずは浮き輪!」

「あ……はーい」

 

レゾナンスからそのまま都心のプールに向かった二人。二人とも臨海学校のときと同じ水着を着て、まず浮き輪とボールの空気入れを始めた。入れ終わると、そのまま広いプールにてまず空気を入れたボールをトスしあう

 

「ほれ!」

「えーい!」

「危ねっ!そらっ」

「え、ちょちょ。うわぁっ!」

 

ザバァン

 

「大丈夫か?」

「えへへ、大丈夫大丈夫」

『もうすぐ波を起こします。入っている方は……』

 

「お、ちょうどいい時に」

「浮き輪とってこないと!」

 

その後もプールでキャアキャア言いながら楽しむ木綿季とそれを見て笑いながらも自分も楽しむ終夜の姿があったのだが、相手がいない者らがよくコーヒーを頼んだそうな

 

 

 

 

「今日は楽しかったな木綿季………木綿季?」

「すぅ……すぅ……」

「寝てる……まぁ、あんなにはしゃいだらそりゃ寝るか………うりうり」

「んっ……うにゅう……」

「やべぇ、可愛すぎるんですけど」

 

プールで充分楽しんだ二人は夕食を高級レストランにて食べ、次の目的地へ向かっている。信号待ちで木綿季を起こさない程度にからかう終夜だが、信号が青になると、そのまま高速に入り大阪へ向かった

 

 




ということで、短いですが終了です。本来は、夏休み編前に一個挟もうと思ってたのですが、五百文字ほどで詰まってしまい、没となりました

ちなみに二人のデート先を順序で並べると

IS学園→レゾナンス→プール→大阪→京都→名古屋→静岡(少し)→IS学園

という順番です。……IS学園って関東だとは思うけどどこなんだろ。埋め立て地としか書いてないからよくわかんない……

本来は全部書くことにしていたんですが、書き始めたときに、「あ、旅行先考えるのめんどくせぇじゃん」と最初の一日だけになりました。すいません


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木綿季の過去〔ネタ多数〕

先に忠告しておきます。
途中、(ニコ動とかでよく使われる)ネタが流星群のように出てきます。
下ネタも若干アリなのでご注意ください



「ちーちゃーん!!」

「毎度毎度止めないか、束」

「えー、ちーちゃんのいけず……って痛い痛い痛い!謝るからアイアンクローを解いてぇ!」

 

臨海学校のときと似たような展開が起こったのは、終夜の家のリビング。ここには、先程入ってきた束とクロエ、その二人を連れてきた錬に先に来ていた鈴たち一年の専用機持ち(一夏と箒を除く)全員に本音、楯無と付き人の虚に千冬と山田先生がいた

「さて、じゃあそろそろいくか。錬」

「来て早々なのはいいですけど大丈夫なんです?」

「昨日連絡入れておいたし大丈夫だろ」

「えっと、行くってどこに?」

 

勝手に進んでる話に待ったをかけるように鈴が終夜に問う。ここにいる全員、言われた通りに二、三日泊まれるくらいの荷物を用意させられたのだが、行き先がまだわかっていないからである(束とクロエの服等は錬が自社の女性社員に資金を渡し、クロエと買いにいかせてある。この間の束の世話は錬がしていた)

 

「俺たちの本拠地がある異世界」

「「「「異世界ぃ!?」」」」

 

サラッと出された異世界という単語に驚く全員。それを他所に準備をする終夜と錬の二人。準備が終わるとそこには、(青いタヌ……ネコ型ロボットのポッケからでるピンクの)ドアがあった

 

「えっと……終夜くん?」

「ああ、このドアの形なら、全員が抵抗なくいけるかと思ってな。普段はこんな形じゃないし。ほら、行くぞ」

 

スッと一緒に入っていく終夜と木綿季の後に続き、自分の荷物を持った鈴たちはそのドアをくぐる。くぐった先には、デカい屋敷が待ち構えていた

 

「さてここが…」

「フハハハハハ!帰ってきたな!」

 

突然の声に終夜と錬を除く全員が屋根の上を向くと全身にタイツ?スーツ?の男がおり、終夜は舌打ちを、錬はため息をついた

 

「全ての少年少女の夢を砕く男、スパイダーマッ」

テンテテ〜テテ「プゲラッ」……………キラン

 

突然の登場に突然の退場をした姿にあんぐりしていると、屋敷の脇から(皆大好きな)親父ぃが出てきた

 

「パラガスでございます。腐☆腐、息子♂です。なんなりと」

「フンッ!」

「あーう」

「親父ぃ……何をしているんだ?」

 

横で伝統芸が起こっているなかまた別の方からは

 

「終夜のゴール(股)にこいつを……」

「野郎ぶっ殺してやらぁ!」

「やっべぇ気付かれた!!武器武器……あった!」

「おい、そんな装備で大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない。それに、逆に考えるんだ。大丈夫じゃなくても」

「オラァ!」

「うわぁぁ!」

ドゴン

 

他にも色々と騒がしくなり、端から見るともうとんでもないカオスである。これを鈴たちは呆然と見ているだけであった

 

「………こっちです」

 

ツッコミきれないのか、錬は半ば諦めた顔で終夜の変わりに鈴たちを案内し始める

 

 

 

「えっと……さっきのは……」

「全力で忘れてください」

 

こんな会話がされつつ、鈴たちがまず案内されたのは、ここに泊まるための自室になる場所だった

 

「ここの三部屋くらいなら使って構いませんので荷物をおいたら、木綿季の案内に従ってください」

「錬くん。ボクは皆をどこに連れてけばいいの?」

「大広間でお願いします。私は終夜とともにバカ共をシバいてきますので」

 

そういい姿を消す錬を横目に千冬の一喝にてサッと部屋が決まり、荷物をおいた全員は木綿季を先頭に大広間へと向かっていた

 

「なかなか色んな人が要るんだね……アハハ」

「うーんと、多分皆神矢くんに呼ばれたから来てるんだと思うけどね」

「あの……ちなみにここは一体?」

「ごめん、山田先生。ボクにもよくわかってないんだ」

「そうですか」

「あ、着いたよ。ここが大広間!」

 

全員、到着した大広間に腰をおろす。

 

「あの、木綿季さん。終夜さんたちはどのくらい……」

「んーと……かなり時間がかかると思うけど……」

「なら木綿季ちゃんに質問していいかしら?」

「ボクにですか!?」

「うん。だって本人が言えないようなことを聞けるかも知れないし。二人の出会いも聞きたいし」

「あれ?でもそう言えば木綿季さん、お二人の出会いを新聞部が取材しようとしたら拒否されたような……」

「うん。でも皆にはいいかな……ボクね、終夜と出会ってなかったら本当はもう死んでるんだ」

「「「えっ?」」」

 

木綿季の告白に皆が驚く。いつも元気で明るい木綿季がこういうことを話したからだ

 

「ボクが産まれたときに色々あって、ボクの両親にお姉ちゃんとボクの四人ともHIVウイルスにかかったんだ。そして、お父さんもお母さんもお姉ちゃんもボクより先にAIDSで死んじゃったの」

「「「「……………」」」」

「そして、ボクも末期になって最後にボクが生きた証を残そうって決めておんなじ境遇の人たちと集まって作ったパーティーで、あるゲームのボスを倒そうとしたの。でもそのパーティーってお姉ちゃんがリーダーだったんだけどそのときにはもう死んじゃってたから一人足りなくって、それで手伝ってくれる人を探してるときに、終夜と出会ったの。そのときはゲームのデュエルで決めてたんだけど強かったなぁ……」

「で、終夜はそのとき仲間に?」

「ううん、断られちゃった。仲間にはその後で戦った今のボクの親友がなってくれたの。それで、次出会ったのはボス攻略のとき。一回負けちゃって、次挑もうとするときの道中で一人のところに出会って、そのときあることで助けてもらったの。とってもカッコ良かったな」

「ねぇ……あることってどんなことか聞いていい?」

「いいよ。二回目に挑もうとしたとき、大きいギルドにボク部屋の前を占拠されて、ボクたちは戦って抜けようとしたとき、後ろから残りの人たちが来ちゃって…そのとき、ボクの親友の彼氏がその残りの人たちを仲間と足止めしてくれて、ボス部屋にいこうとするとき、終夜が目の前にいる大体二十人くらいの人たちを一人で相手してくれたの」

「二十人ですか!?」

 

その人数に山田先生が驚きの声をあげる。だがその顔は赤くなっていた

 

「ホントに一人で全員倒しちゃって、ボクたちをいかせてくれたの」

「……ヒーローみたい」

「うん。そのあとも色々イベントとか、事件とか起こったんだけどそういうときも終夜は助けてくれた。もうそのときには終夜のこと、好きになってたんだ。そんなとき、ある日の深夜にボクのいた無菌室のガラスを挟んだ向こう側に誰かいたんだ」

「それってもしかして……」

「うん、終夜だったの。他にもエディがいたんだけどボクはそのとき誰だかわかんなかったから黙ってたんだ。それを終夜は寝てると思って、エディと二人でボクの病気を消したらしいの」

「消した!?」

「うん。一緒にボクの仲間もね。で、その日から少したったあとのある事件で終夜の正体がわかったんだ。それで、事件解決したとき、これからの皆みたいに終夜自身のことを説明してもらった。そのときに、ボクたちの病気も消したことを教えてもらった。そのあと、ボクは終夜から告白された。勿論OKしたけどね」

「……凄いね、ゆーちゃんは。私と違って。ごめんね、ちょっと席を外すよ」

「束……すまない、私も少し部屋を出る」

 

 

ここまで聞き終えた束はそう呟き、部屋を出る。その呟きの意味がわかる千冬は束の後を追い、一人で座る束の頭を無言で撫でる。そうすると、束はびっくりした顔をしたあと、ごめんと一言断りを入れて、千冬の胸で泣いた




今回はここで終わりです。

前半のネタは作者がやりたかっただけです(笑)

しかし、そのあとの木綿季の独白……シリアスにちゃんとなってるよね?ネタとか笑い要素入ってないよね?
……大丈夫だと思おう


SAOのスマホアプリの新作とISのアーキタイプブレイカーが配信され、はしゃいでいる作者です。
えー、fgoでは、無事にエレちゃんを引け……ずに爆死したよ!まだチャンスはあるから絶対に当ててやるけどね!

そして、他の作者様もよく悩んでおられますが、この作品も、アーキタイプブレイカーを取り入れるか悩んでおります。新たに意見箱を設置しておくのでまたご意見よろしくお願いします。

最近の悩み……なぜかISの10刊だけがないことですね


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終夜が語る過去

泣き終わった束とそれを黙って待っていた千冬のふたりが部屋に戻った。部屋にいた鈴たちは、目が腫れているのに気づきはしたが、あえて触れようと思うものは誰もいなかった。そうして、今度は他愛ない談笑をしていると(バカ多数を)殺っていた終夜と錬が部屋に入ってきた

 

 

「あークソッ。大分時間かかっちまった。待たせて悪い」

「ううん、大丈夫だよ。待ってる間にボクのことを話してたから」

 

俺はは木綿季の返答に少し驚くが、待たせたこともあり、早速本題に入ることにした

 

「さて、……俺のことだが何から話せばいい?」

「なら……終夜の過去から教えてよ」

 

まず最初の質問は鈴からだ。正直にいうと、その質問は長くなるから困るな

 

「俺の過去か。そうだな………なら過去を話す前に、正体から話した方が早いな。俺は……『災厄の始祖』と呼ばれた魔神だ」

「終夜さんが……魔神?」

「ああ。これの他にも『歩く災厄』やら色々と呼ばれてる」

「ちなみに終夜の強さですが、主神レベルでまぁ苦戦するぐらいですかね。というか、終夜が手こずる相手っていうのが十人弱ほどしかいませんので」

 

終夜の説明に錬のつけたし。だが、この説明に疑問をもったのは簪だった

 

「終夜さん。私、アニメの影響で神のことを調べてた時があるんだけど、そんな魔神はいなかったような……」

「そりゃそうさ。俺は、誰もが知らない神話の存在なんだからな」

「誰も知らない神話……」

「まぁ、それの内容はさておき、過去の話をするんだが、木綿季と出会ったあとは知ってるんだよな?」

「ボクがメディキュボイドにいたときだけだけどね。話したのは」

 

木綿季に話した内容の部分を確認すると終夜はようやく本題の過去を語り始める

 

「さっき言った神話、俺はそこの闇といえるだろう。だが、俺には何にもなくてな。ただ同等以上に戦えるやつを探すため、別世界を転々と回っていった」

「零童、何もないとはどういうことだ」

「終夜には支配欲などの欲求や目的が無かったということですよ、魔神と言う名に似合わずにね。木綿季さんに出会う前は、まさに空っぽでしたし」

「とまぁ色々あって、この組織を作ったわけだが……リーダーが俺の時点で目的が無いっていうな」

(((((それってだめなんじゃ……)))))

 

聞いていた鈴たちの心が一つになった瞬間だった

 

「まぁ、この組織は半ば同盟という形が強いですからね。非常時以外は基本、各々の目的のために動いたりしていますよ」

 

とっさに入る錬からのフォローだが、正直遅いと思う

 

「そして、木綿季と出会って……木綿季のことを気になりだして……告白して……まぁ、今に至ると」

「かなり省略してますけど、その大部分も戦闘だけ………ていうか、なんでそんなに目的とかできないんですか」

「俺が知りてえよ!」

「あ、ちなみにですが。木綿季さんと付き合いたての終夜は、木綿季依存症(勝手に命名)って言われたほどくっついてて当時の悩みは……」

「おいバカやめろ!」

 

無理やり口を塞ぎにかかる終夜をみながら笑いあう鈴たち。だが一部のものはその内心で木綿季から密かに聞き出し弄くるネタにしようと考えていた

 




……あれ?1200文字……最近長い話を書けてない……

しかも、過去の話をしっかりやると言っておきながら簡単な説明に終わってしまった………スランプかな?

もう一話二話書いたあとは皆で夏休みを楽しむのですが、シチュエーションがあまり思い付かないのでまたアドバイスお願いします。

それと、アーキタイプブレイカー導入の可不可も活動報告にてご意見お待ちしております



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キャラ設定

ネタがなかったんです……

2019年6月追記……設定を変更しました。それにより、矛盾点等が以前の内容で発生すると思いますが、できる限り修正する予定です。
FGOの話もありますが、カルデアは本編と少し違うルートを辿っていますが、二部にて完結は本編と同じであり、一応完結している設定です


零童終夜

 

世界二人目のIS操縦者。その正体はどの世界にも属さない世界に居を構える災厄の祖とも呼ばれる魔神である。魔神の際の名はカタスフィア。といってもこの名も数ある名から適当にくっつけただけのもの。数多の世界を渡り歩き何億という長い年月を過ごしている。が、彼女である木綿季たちと出会ったのはまだ三年も経っていない。ちなみにカルデアにも渡っており、フォーリナーとして現界。異分帯においてカルデア側につき、外なる神との戦いで活躍。本気を出したため、ありえないバフ及びスキルと宝具にて、討伐。

以後のカルデアにも、自身の伝手と脅しにてカルデアの自治権も獲得。ジャックからお兄ちゃんと懐かれてる存在

木綿季の他に虹架・七色姉妹とも付き合っている

 

 

専用機・聖杯

 

錬率いるアウターヘブン製作の第四世代型IS

七つのモード+エクストラがあるが、モードを使わない形態もある(ただしその場合の武装は鎌と剣のみ)

今まで使用したモードはアーチャー、アサシン、英雄王の三つ

そしてこの機体に搭載されている最終モードの一つ『GrandOrder』

これは、当てはめられている英霊以外の英霊の力を行使出来るようになるモード。反面、デメリットも凄まじい。

この機体の作成理由として、「やってみたかった」というものと、プリヤのクラスカードについて、マスターの自衛のためにと作成したものをIS用に流用した。

 

 

 

紺野木綿季

 

終夜の彼女。終夜とは、最初辻デュエルをしていたときに出会う。そこから、てんやわんや色々とあるなか、終夜に惹かれていく。ある事件にて終夜の正体を知るも、拒絶することなく受け入れ、共に生きていくことを誓う。普段から甘え、甘えられの甘々カップルであり、コーヒーがバカ売れするのは言うまでもあるまい。

ISでもキリトのように銃弾やセシリアのレーザーを切ったり、接近戦が超絶強いこともあり、鈴たちから一つの目標にされている

 

専用機・絶剣

 

終夜と同じく錬率いるアウターヘブン製作のIS。木綿季専用となり、操作方法もALOに似せてあるため、明確な世代は決められていない。武装は一応銃もつけられてはいるが、基本は剣である(千冬と似ていると言われても否定はできない)

 

 

 

 

羽衣錬

 

アウターヘブンの社長を勤める好青年。その正体は終夜に遣える大妖怪。事業の手腕はとても上手く、アウターヘブンを一年程で世界的な大企業にさせた。その裏で密かに束の頭脳やこの世界の技術も取り入れたメタルギアを作っている。会社自体はホワイトな環境であり、社員からの人望も厚い。

 

 

 

 

エディ・ブラヴァツキー

 

ドイツ軍に所属している青年。その正体は終夜に遣える熾天使。そもそもドイツ軍に所属しているのは、シュトロハイムからの要望によるものであり、本人は終夜と同じく放浪癖がある。以前まではカルデアにいたがエレナと付き合い始め、人理修復を終えた今は一時カルデアを離れている。終夜の軍勢No,2であり実力も高い。

二部にて今までのセイバーでなく、セイヴァーとして現界。最終決戦にて、終夜と同じく頭おかしいバフをつけ勝利。今は基本奥さんであるエレナがいるカルデアに住んでいるが上の件もあり、ゆっくりしてるときはあったりなかったり…………




えー、まず皆さん。

新年、明けましておめでとうございます


それとここまで引っ張っておきながらキャラ設定ということをここで謝罪します。申し訳ございません

ここまで引っ張ってしまった理由としてましては
1 あの終わり方から一夏のことをどう書いていけばいいのかわからなくなった
2アーキタイプブレイカーの時間軸が色々とおかしく、どうするか悩んでいたため
3納得できる小説を書くことが難しくなった(これはただのスランプだと)

の三つです。ですが、読者の方のため、気持ちを入れて頑張っていきたいと思いますので、今年も応援よろしくお願いします。


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ISの特訓

「「「「「錬さん、楯無さん(お姉ちゃん)、よろしくお願いします!」」」」」

 

ISスーツ姿の鈴たちはこう挨拶をする。日が変わり朝早くから一行が今いるのはアウターヘブン内のアリーナ。今から数日間、錬や国家代表の楯無などの指導を受けるのだ。何故こうなったかの経緯を話すと、福音戦の際に終夜から『邪魔』と言われた鈴たちは臨海学校が終わってから終夜とは別で猛特訓を行っていた。(このときの終夜の邪魔というのは、味方もろとも攻撃しそうだから来るなという意味だったのだが、圧倒的言葉不足で鈴たちは自分たちの実力が足りないと思ってしまった。こう捉えるのは、まぁ当然と言えば当然なのだが)

それでも、鈴たちだけでやれるには限界がある。(特にセシリアはBT適正は高いが、セシリアに指導できる人物がおらず、自分で解決する方法しかない)

これを知った終夜は内密に木綿季からお願いしたと偽って訓練をしてやるように頼んだのだ。錬は小言を言うものの快く承諾。今日まで、仕事の合間をぬって準備をしてきた

こうなった原因の終夜だが、錬から「貴方がいたら駄目でしょうが」と言われ、錬が密かに組んでいた終夜とつながりがある国や組織の会合や会食など色々ある超絶ハードスケジュールのため、一人で世界を飛び回っている。休みなどはない

千冬と摩耶の二人は学園に戻っている。まだ仕事などがあるらしい

 

「はい。では早速始めていきます。まず鈴さん」

「はい!」

「木綿季さんと、まず近接武装のみで三十戦。そのあと全武装を使って二十戦の計五十戦をやり、そのうち最低でも二十勝してください」

「え……木綿季を相手に…に、にじゅう?……」

 

学園での模擬戦であまり勝てていない木綿季を相手に達成する勝利条件の難易度の高さに顔をひきつらせる鈴

 

「セシリアさんには、偏向射撃を身につけて貰います。これは段階は踏んでいきますが、まず集中力を鍛えて貰います。そうしないと話にならないので。そのあとは、集中力が切れるまでとにかく打ちまくって貰います」

「は、はい…わかり……ましたわ」

 

まだ鈴よりは簡単であるが、ハードな内容に気持ちが沈むセシリア

 

「シャルロットさんは私と戦って貰います。容赦しませんのであしからず」

「は、はい……」

 

シャルロットは錬の実力が未知数なため不安そうに返事をする

 

「ラウラさんはエディと戦って貰います。」

「ブラヴァツキー特尉とですか?」

「はい。武装は出し惜しみなく使って貰って構いません。(どうせ始めは瞬殺でしょうから。)」

「わかりました。……そういえば特尉の訓練は受けたことなかったな…」

 

しっかりと返事をし、その後ドイツ軍でのエディを思い返すラウラ

 

「簪ちゃんは私と勝負よ。まずはどれだけ出来るか見て上げるわ」

「絶対負けないっ!」

 

超えるべき目標の姉が相手とあって一番やる気をだしている簪

 

だがここにいる全員(一応教える立場であるはずの楯無含め)、このあとに地獄を見ることになった。

 

 

 

ちなみに虚、本音の布仏姉妹は会社の整備担当の技術者から色々と指導を受けていた




久しぶりの投稿です……次回から、キャラ別に訓練内容を書いていく予定ですが……あー、欠点とか探さないとなぁ……トホホ
またなんかあれば活動報告や感想欄にお願いします

FGO皆の方々、福袋の結果はどうだったでしょうか?
私はガチャ自体を引いていなかったホームズ欲しさに三騎士を引くと沖田さん二体目をお迎えする結果となりました。今年はいいガチャ運だといいなぁ(遠い目)


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終夜の仕事風景

すいません、いきなりですがヒロインを追加させてもらいます。詳しくは後書きで


鈴たちがアウターヘブンで訓練をしている最中、俺は錬があらかじめ組んでいたスケジュールに沿って知り合いの元へ転々と動きまくっている。ただ偉い立場の人物との会合やらで色々気を使わないといけないのが連続で少しは休憩したい……

 

「さて、次は………バラライカに張のとこか……今までより随分マシだな」

 

バラライカと張、この二人は犯罪都市ロアナプラに居を置くマフィアであり、個人でも団体でも俺たちと関係の深い奴らだ。

 

「さて、あの二人との話合いがあるならついでにダッチのところに寄ってくか」

 

目的地も決まったことだし、俺は今いる世界からバラライカたちの世界へ道を繋ぎ、そこを渡った

 

 

 

ロアナプラに着いた俺はダッチの元へ向かうのは最後にして最初にバラライカの事務所へ向かった

 

「よう、バラライカ」

「あら、終夜じゃない。どうしたの、いきなり」

「まぁ、色々あってな。んで、バラライカからの用ってのは?」

「ああ、錬の代わりに来たのね」

「本来の立場だと俺が来るのが普通なんだがな。それで用件は?」

「いつも通りって伝えておいて」

「はいよ………んじゃまた来るよ。今度は嫁達を連れてな」

「はいはい………は?あんた嫁出来たの!?しかも達!?」

「いってなかったっけ?」

「聞いて無いわよ!軍曹、お前は聞いていたか!」

「いえ、大尉殿。私も今初めて聞きました」

「あら、そう。んじゃそゆことで、俺は張の所にいってくるよ」

「そゆことでって待ちなさいよ!」

 

バラライカの怒鳴り声と銃撃しようとするバラライカを必死で止めようとする軍曹の声を尻目に張の元へと向かう

 

 

 

 

そのまま、張のいる事務所に向かおうとしたが、昼時なのを思い出し、張が基本、よくいく店に向かったら予想通り、張は数人の部下を連れ食事をとっていた。ので俺は張の反対の席に座る

 

「久しぶりだな、張」

「確かに久しぶりだな、終夜。それで今回は何の用なんだ?」

「それはこっちのセリフだ。バラライカと張から仕事があると言われてここに居るんだからな。まぁ、バラライカのは既に終わってるが」

「錬に?………ああ、あの件か。悪い、終夜にしてもらう仕事はない」

「なんだ?組織潰しかなんかか?」

「まぁな。だがそれも先日終わったところでな」

「そうか、なら俺はダッチのところにでもいこうかな」

「今ダッチなら依頼を受けてていないぞ」

「まじ?んじゃ時間前倒しして次の所にいくか」

 

 

ダッチが居ないことを聞いたので、次の場所を確認すると、ダイシーカフェで商談と書いてあった

 

「エギルのとこ……確か前に錬が食材やらコーヒー豆がなんやらと話し込んでたな……多分それだな。時間は前倒しして余ってるしゆっくりできそうだ」

 

そうして、ここに来たときと同じ手順でエギルたちのいる世界へ渡った

 

 

 

カランカラン

 

「いらっしゃい……って終夜か。いつものアイスコーヒーでいいよな?」

「おう。サンキュー」

「んで、今回はどうしたんだ?」

「錬と前に話していた食材とかの件。色々と目処は付いたってよ。まぁ、この後俺がその相手方に向かわないといけないが」

「そうか、そりゃよかった」

 

ある程度エギルと談笑してから次の仕事へ向かう。スケジュール詰まり過ぎてて辛い……

 

「あ、そうだ。レインから伝言だ」

「なんだ?」

「『またデートに連れてって』だそうだ。」

「覚えとく。商談が終わったら次はセブンのところだし、その次の仕事との合間にでも連れてくよ」

「二人…いや三人の女の子から好かれてるとか、キリトの二の舞にならないように気を付けろよ」

「その三人目ってセブンのことじゃないだろうな?」

「それ以外に誰がいる?」

「はぁ……まぁ、キリトみたいなことはしねぇよ。さらに二人増えたしな」

「おい、ちょっとまて。それはどういうことだ!」

「言葉通りだ」

 

墓穴掘って自滅することは無いはず……だからな。

とにかく、レインをどこへ連れていくか考えながら次の商談先へと向かうのだった




まず4ヶ月も更新せずすいません!
以前に投稿した話から、次の話がどうも上手いこと書けず、そのままズルズルと引っ張ってしまいました。
四月、ゴールデンウィークは部活の試合等でほぼ全てが潰れ書ける時間がなかったこととありますが……
もう部活も終わった身なので、スランプにならないのと、しっかり続くよう頑張っていきたいと思います

で、冒頭のヒロイン追加ですが、SAOからレインを追加します。理由としましては、作者自身がユウキに次いで好きなキャラであること。超ガバガバ状態で次に投稿するかな程度のSAO構想で、あーなんかそっちルートいきそうだなという二つが重なった結果です
文化祭編で少し登場させる予定です

そして、一つの悩みができまして……それはISの最新刊の内容です。ネタバレ等にもなりますので内容は差し控えてもらいますがラストの衝撃的展開に、(作者の)予想斜め上を行かれてしまい、さてどうしようとなってる次第であります。……まぁなんとかしますが

それでは次話をお楽しみに


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終夜の仕事兼デート

申し訳ない……IS要素がなくて本当に申し訳ない
ただ、鈴たちの訓練内容が思いつかないんだ……
許してくれぇぇぇ!次からはちゃんとISの小説を書くからぁぁぁぁ


ダイシーカフェを後にした俺はセブンにそちらに向かう旨を伝え、飛行機に乗ってアメリカに到着したところだ

 

「さて……セブンのとこに寄る前に何か甘いものでも買っておくか。なんかねぇかな」

 

空港近くの店を周り、セブンの好きそうなものをいくつか買ってセブンのいる研究所まで向かう

 

 

 

「久しぶりね、終夜くん!プリヴィエート」

「久しぶり、セブン……じゃなかった。七色」

 

研究所に入ると、待っていたのか白衣姿の七色が声をかけてきた。嬉しそうにこっちへ走ってきたので、そのまま受け止める

 

「最近の研究の調子はどうだ?」

「好調よ。篠ノ之博士が問題点を簡単に解決してくれたおかげでね」

「束が来ていたのか!?」

 

ここにきて衝撃的事実!

 

「そうよ。錬さんに連れられてね。そのときに私たちが悪戦苦闘してた問題をサラッと解決されたのは悔しかったけれど結果的に研究は進んだから良しとしてるわ」

「そうか」

「でも、なんで終夜くんはここに?」

「錬の代わりに来ただけ」

「あら、そうなの?錬さんに渡す資料も出来てるし……この後時間は空いているかしら?」

「まぁ、後の予定も残り少ないし空いていると言えば空いているが?」

「なら買い物に付き合ってくれないかしら」

「まぁ、その程度なら」

「なら着替えてくるから少し待っててねー!」

 

そういいつつ研究所の奥へ消える七色。七色が来るのを待つため、適当に腰掛けようとすると、凄いオーラを出す男に話しかけられる

 

「おい、貴様」

「あん?……ってスメラギか。どうした」

「どうしたもあるまい!貴様、七色とデートだと!」

「いや、デートじゃなくて買いも………端からみたらデートか?」

「どういうことか説明してもらおうか!」

「うっせぇロリコン」

「誰がだ!」

 

スメラギとギャーギャー喧嘩している内に私服に着替えた七色がやってくる

 

「お待たせ、終夜くん!……ってあれ?スメラギ君、どうしたの?」

「いや、七色が終夜と買い物にいくと聞いてな。見送りだ」

「そう。ありがとう、スメラギ君。じゃあいきましょ、終夜くん。スメラギ君にも何か買ってくるからねー!」

「おう(よかったな、七色大好きスメラギさん)」

「ああ、いってらっしゃい(覚えていろよ、貴様)」

 

 

 

スメラギと別れた俺たちはそのまま都心部に向かい、七色がいきたいところを回っている

 

「えーと、次は服かしらね〜新しいのが数着欲しいし」

「………(あれ、こんな流れどっかで……)」

「終夜くんに選んでもらいましょっと」

 

やっぱりかー!!!

 

「ほら、いきましょ!」

「ちょっ、引っ張るなって」

 

七色に手を引かれるまま洋服店に入り、似合いそうな服を数着見繕ってそのまま買う。

 

 

 

 

「色々買ってもらって悪いわね」

「別にいいよ」

 

現在、俺と七色は最近人気だというカフェでゆっくりしていた。なんでも、ここのオリジナルケーキがおいしいらしく、多くの女性が通い始めた店だという。七色はそのオリジナルケーキを俺はアイスコーヒーを頼み、ケーキがくると、年相応の笑顔を見せながら、嬉しそうにケーキを頬張っていた。それを横目に次の仕事の確認をタブレットで行う

 

「ん〜美味しい!」

「そりゃ良かったな」

「終夜くんのそれは、仕事のこと?」

「ああ、相手と何するかとかスケジュールとか色々入ってる」

「ふ〜ん。あ、そうだ!ちょっとこっち来てくれない?写真撮りたいの!」

「別にいいが……」

 

七色の言うとおりに、ケーキの皿を持つと、フォークの先を口に近づけながら、俺と顔の距離がほぼ0になるよう近づけ、その状態で七色は自分のスマホのシャッターを切った

 

「うん、いい絵になった!お姉ちゃんに送ろっと!」

「そっか……ってちょっと待った!」

「え…もう送っちゃったけど……ダメだった?」

「いや、ダメってわけではないんだが……」

 

仕事だったとはいえ、妹の方を優先したって虹架に思われる……あー、怒られる未来が見える……もしくは怒られなくても機嫌は悪くなるかも………

 

「アハハハ。大丈夫よ、終夜くん。お姉ちゃんはその程度で怒ったりしないって」

「俺、声に出してた?」

「うん、思いっきり」

「………七色もそろそろ食べ終わるしそろそろ戻ろうか」

「そうね」

 

最後に、約束のスメラギへの土産(といったらおかしいが)を買って研究所へ戻る。出迎えたスメラギにその土産を渡し、ここで七色と別れる。七色は、笑顔一杯で手を振っていたが、スメラギからはものすごいオーラがでていた。ALOで出会ったらデュエルを問答無用でやらされそうだ……

 

 

 

 

 

 

「遅いよ、終夜くん」

「悪………ごめん、虹架」

 

七色の言う通り、虹架が七色との一件を怒ることはなかった。まぁ、エギルから伝言を聞いておきながら後回しにした罰として一日虹架の言うことを聞くように言われたが、逆にその程度で許して貰えるのが嬉しい

 

「それじゃ、言ってた通りデートに連れてってね!」

「仰せのままに、お嬢様」

 

以前に和人から聞いていたオススメスポットなどを虹架と回っていく。途中、個人的に行きたい店に寄ったり、七色だけでは不公平だと虹架にも服を見繕ったりと充実した日を過ごしている

 

「ふん♪ふふん♪ふ〜ふん♪」

 

虹架もとてもご機嫌な様子でなによりです。さて次はどこにいこうかな………仕事も忘れないようにしないといけないが




…………皆さんの言いたいことはわかります。
作者自身もなぜISの小説なのにSAOを書いているんだと思ってしまいました。
ただ……前書きでも言いましたが……鈴たちの訓練風景が一切書けないんです!むちゃくちゃスパルタなのを伝えたいのにそれが書けないんです!

………(´・ω・`)

次はSAOでなくちゃんとISの小説を書くのでお許しください。出来ぬぅという某伝説の方は容赦なく叩いて頂いて構いません。今回は作者にしか非がありませんから!


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訓練の成果

結局、訓練内容が書けなかったので訓練の成果という形でお送りします。


「さて、そろそろ時間か……」

 

俺はアウターヘブン所有のアリーナの控え室で鈴たちとの模擬戦までの時間を確認する。

なぜこの模擬戦が行われるかについて、少々時間を遡って話をしよう

 

 

 

 

 

 

 

「鈴たちと模擬戦?なんでんなこと…」

 

アウターヘブンの社長室。錬に七色の研究資料を渡すと、錬から鈴たちとの模擬戦をやって欲しいと頼まれる

 

「鈴さんたちは各々違いはありますが、あなたの足手まといにならないため…あなたを越えるため…あなたに頼られるようになるため……そういう想いで訓練してきたんです。その想いを受けとるためにも、そして追い付こうとしているあなたがどれ程遠くにいるのか教える為にもやってあげてください」

「………わかった。で、それはいつだ?三日後?五日後?」

「明日です」

「いや、早すぎるわ!!」

 

 

 

 

ということだ。

 

『終夜。鈴さんたちが準備を終えてアリーナへ出てきてます。早く出撃を』

「了解」

 

 

 

錬が言った通り、木綿季と楯無を除く鈴たち全員が先に集合して待ち構えていた

 

「来たわね、終夜!私が強くなったことを解らせてあげるわ!」

「いいぜ、かかってこい!」

 

試合開始の合図を待たず、まずは鈴が飛び出してくる。他のセシリアたちが動かないところを見ると、まずは一人ずつで来るのだろうと予想し、注意を鈴に向ける

 

「たあああああ!!」

「ハッ……………ごふっ!」

 

鈴は、青竜刀の二刀流で向かってきたので、こちらも刀で対応する。動きは格段に良くなっている……が、それだけか?と疑問を持った瞬間に俺は顔面に見えない一撃を喰らい、吹っ飛ぶ

 

「チッ……衝撃砲か」

「たぁ!」

 

吹っ飛ばされた俺は即座に体勢を立て直すが、鈴は待つことなく俺に攻撃をしかける。しかも、青竜刀だけでなく蹴りなどの格闘術を含めた攻撃を繰り出し、さらに攻撃に意識を向けた瞬間に、別方向から衝撃砲が放たれることもあって、なかなか戦いづらくなっている。……だが

 

「この程度は対応できr『ヒュン』っとぉ!」

「次は私ですわよ!」

 

受け身から一転、攻勢に移ろうとした瞬間、鈴の横から突然、青いレーザーが曲がって来たので、刀で切り裂き、後ろに下がると上からセシリアの声とともに四本のレーザーが降り注いできた

 

「曲がったということは、偏向射撃は習得済み……なら」

 

俺は自分の背中がアリーナの壁に着くぐらいまで後退する。そうすれば、レーザーが飛んでくる範囲が減るので後はレーザーを切り裂きながら動かないセシリアを…………ってセシリア、お前も動けるんかい!

 

「そうなさることは、既に折り込み済みですわ!そして、そこから動かない私に攻撃を当てようとすることもわかってますわよ!」

 

まぁ、錬の入れ知恵だろうが完全に読まれてやがるwww

 

「そして僕もいるよ!」

「それに私も!」

 

不規則に移動するレーザーを切り裂きながら攻撃する俺に次はシャルロットと簪が攻撃してくる。……まずシャルロットの高速切替(ラピッド・スイッチ)の速度と量がえげつない!ISのパワーアシストあっての話だが、マシンガンやらなんやらを両手に一つづつ持ち、撃ち終わると同時に入れ換えて攻撃を持続させている。しかも、両手のタイミングがズレていても全くミスがない。

 

簪もまた、ミサイルの山嵐をやらしい方向に撃ち込んでくる!おかげで盾をはっての防御しかできていない。だってミサイル切って爆発させたら煙で弾が解んなくなるからね。

 

「だが、こうなると……ラウラのレールガンが飛んでくる……『ドンッ』なっ!」

 

予想通り、二人に変わり、ラウラがこの状況を引き継ぐ。今までの傾向からも、おそらくラウラはAICの扱いが上達しているだろう……いや、している前提で、二方面の物理攻撃を放つ……が、見事にAICにて防がれる。

 

「やっぱりな…………ん?動かん………というより、動きずらい……まだAICの範囲外の筈だが……範囲を伸ばしたか」

 

突然、俺のISが動きを鈍らせる。ISの整備不良な筈がないので、原因はラウラのAIC。だが、まだ完全に動きが止まっていないところをみると、拡大した範囲に対してまだ少し着いていけてないのがわかる。

 

 

「フッ………ここまでの成長を見せてくれたんだ、それに俺も応えよう。…………俺の、本気でな」

「「「「ッ!」」」」

 

手加減なしの殺気を鈴たちに向ける。その数分後、試合終了を告げるブザーが鳴った

 

 

 

 

 

「あーもっ!」

「最後、あんなに一瞬で終わるだなんて……」

「流石に心が折れますわ」

「それでも、兄様に強くなったことは示せたからよかったではないか」

「うんうん、終夜も褒めてくれたし!」

 

あの後、ほぼ即座にやられた鈴たちだったが、どんよりとした空気ではなく、明るい空気でさっきの反省点を着替えながら行っていた

 

 

 

 

 

 

「ふぃ…………」

「終夜、お疲れ様!」

「ありがとう、木綿季。……皆、予想以上に強くなってたな」

「そりゃ終夜に追い付こうと必死に頑張ってたもん」

「こりゃ、俺が居ないときでも心配ないな」

「そうだね。………ところで終夜」

「ん?」

「ボクたちが頑張って訓練してた最中に虹架と七色ちゃんとデートしてたのはどういうことかなぁ?」

「……………本当にごめんなさい」

 

一方、終夜側では、修羅場(といっても、そんなに酷くもなく木綿季をデートに連れていくことの約束で終結する程度)が発生していた




ということで、訓練を終えた鈴たちはLv15からLv45まで上がりました!♪〜♪〜(DQレベルアップのBGM)

次は、絡みあ〜うものか、なんか違うものになると思います。はい

先週更新できなかったのは、両方とも検定のための講習があったためです。ごめんなさいm(__)m


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皆で息抜き

「「「プールだぁ!!しかも貸し切り!!」」」

「海いってるのになんでこう喜べるのかね……貸し切りだから?」

 

終夜が鈴たちと模擬戦を行った次の日、終夜たち一行はアウターヘブン経営のプールへと来ていた。なぜ貸し切り状態にあるかというと、点検を含めたリニューアルをするため、シーズンが来るまで閉めていたのだが、もうすぐ開くということで、なかば強引にプールを使用できるようにしたためだった。

 

「束さんもプールにくるのも久しぶりだなぁ。くーちゃんは初めてだよね?」

「はい、束様。一度もプールに入ったことはありません」

「なら楽しい思い出になるようにいっぱい遊ばないとね!」

 

終夜たちの他にも、束を始めとするアウターヘブンの社員もプールにきていた。どういうことかというと、広大なプールを十人にも満たない終夜たちだけに解放するんだったら社員にも解放しようと、錬が全社員に臨時の休日を設け、来るように促したためであった

 

(ちなみに、クロエは原作のような黒の目ではなく通常の人と同じ目をしています)

 

 

「終夜!あれいこ!ウォータースライダー!」

「まずは私よ!あのプールで競争よ!」

「いや、波のプールでの競争はちょっと……」

「じゃあ流れるプールで、だらだら…しよ?」

 

終夜は現在、水着姿の木綿季、鈴、簪から迫られて危機的状況に陥っていた。助けを求めるために目線を向けるも、セシリアたちは、各々遊びたいプールへと向かっており不在。誘ってみたら来た山田先生も仕事を忘れはしゃいでいるので、触れては駄目だろう。最後の頼みである錬の方へ向くと、クロエと遊んでいるはずの束に振り回されている光景が見え……考えるのを、止めた

 

 

 

「キャアアアア!!」

ボシャァン!

 

「……プハッ。やっぱり楽しい!もう一回いこ!」

「そういって何回滑ってるよ……全く」

 

結局順番ということでまず木綿季の希望であるウォータースライダーに来ていた。ここのウォータースライダーは全部で六種類あり、そのうち一つは小さい子向けのものだが、その他の五種類は全てコースが違い、そのうち木綿季が気に入ったコースを何度も滑り落ちているのだ

 

「他のコースにもいかないと飽きるぞ。アレとか」

「怖いからヤダ」

 

終夜が指した先には、国内でトップテンに入る絶叫スライダーがあるのだが、木綿季は許容外だったらしく、即答で却下された

「そうか……ならあっちのやつにするか」

「うん、あれならいいよ!」

 

そのあとも、交代するまで、滑りまくった二人だった

 

 

 

 

「んじゃあ、端までの50mでの自由形の一回勝負。負けた方が勝った方の望みを出来る範囲で聞く。これでいいな?」

「いいわよ。まぁどうせ勝つのは私だけどね」

「ほざけ。前の不意討ちスタートがないんだ。勝つのは俺だ」

「は〜い、そのくらいにして〜…………それじゃあいくよ〜」

 

スタートの合図は本音が勤める。

 

「よ〜い………どぉん!」

バシャン!

 

力の入っていないスタートの合図とともに、同時にプールへ飛び込む二人。もの凄いスピードでゴールまでの距離を短くしていく。……先にゴールについたのは………

 

 

「勝者……零童終夜「っしゃぁ!」ではなく、凰鈴音!」

「って違うんかい!!」

「またまた私の勝ち!残念ね、終夜」

「ちくせう」

 

零童終夜、二連敗。また鈴のお願い事を叶えないといけなくなったのだが、お願い事はすぐにはしないとのこと。期間があるということで、恐怖を感じる終夜だった

 

「女装とかやめてくれよ……お願いだから(切実)」

 

 

 

 

「気持ちいい……」

「簪、泳がなくていいのか?」

「うん。鈴みたいに活発でもないし、こうやってのんびり浮いている方が好き」

「そうか……」

 

流れるプールにて、ぷかぷか浮いている二人の視線は隣のプールでプールで遊ぶボール(スイカとかサッカーボールとかの絵のあれって名前なんなんですかね?)で遊んでる皆がいた。ただ、ボールを飛ばしあっているだけなのだが、セシリアや楯無のようなスタイルのいい女性に加え、本音と山田先生という凶器持ちの人たちが遊んでいるので、必然と周りで遊んでいる男性職員の目を集める結果となってしまう。

 

「やっぱり胸なのかな……」

「そんなことはないと思うけど……なっ!」

「ひゃっ!」

 

簪はそれを恨めしい目で見ていた。(鈴もボール遊びに参加していたが、簪以上の憎悪が篭った目つきでボールをぶっ放していた)

終夜もフォローするがあまり意味を成していなかったので、軽いいたずらを仕掛けたら、いい反応が帰ってきたので満足したのだった

 

「変態」

「何を今さら」

「変態変態変態変態……」

「あの、簪さん。変態コールは流石に心にクるのでやめてください」

「フフン♪」

 

簪の言葉に終夜はどこ吹く風だったが、カウンターの変態コールに屈したのであった

 

 

 

 

 

「錬くん、早く早く!次はあれあれ!(大好きな錬くんと一緒♪大好きな錬くんと一緒♪ウヘヘヘヘ)」

「はぁ……全く。はいはい、いきますよ(表情でバレバレなんですよ……まぁ、嬉しそうだからいいですが)」

 

錬も来ていたのだが、現在あっちこっちに向かう束に振り回されている状況だった。

束としては、恋愛感情がある錬と一緒にいれることも相まってか、非常に高いテンションではしゃいでいる。

錬も束の恋愛感情には気づいているのだが、束が今の関係に満足できなくなるまでは同じ関係を保とうと考えていたのだが過激な水着姿で派手に動くので男性陣の目を引くという穏やかではない状況にとっとと進めて自分のものにしないと危ないのではと危機感を感じる結果だった。

(クロエは空気を読んでボール遊びに加わりました)

 

 

その後も何故か男性職員たちで、謎の戦いが起きたり、お昼に本音の混沌に染まる食材(ねこまんま)が出たりするイベントも起きたが概ね平和な一日となったのであった

 

 




まず、1ヶ月も遅れ、申し訳ありませんでした。
遅れた理由といたしまして、まず学校にて受ける機械製図検定というものの勉強に時間を費やしたのと、一次と二次があるのですが、一次を通ったので(といってもかなり難しいらしい)二次の為の勉強とあまり時間が取れなかったためです。幸い、作者の得意だったもののため、(油断はしていませんが)余裕があったので執筆しました
二つ目の理由として、色々と気が早いのですが、終夜の息子を主人公とした魔法科高校の劣等生の小説を新たに書こうと設定を考えていたためです。両立する予定ですが、この小説のエンディングに持っていくためのストーリーがなかなか考えれてない点も含め、もしかしたら執筆が始まると、こちらが疎かになる可能性が……。
ですが、まだ設定も二割程しか進んでいませんので、これからはバンバン……とはいきませんが、ポン……ポン……と投稿していきますのでこれからも何卒よろしくお願いします
長々と話しましたが、これにて失礼……
(亀更新のタグ増やしたほうがよさそう)


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