東方魂魄恋愛談 (魂夢)
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プロローグ
第1話 いつもの辛い日常


はじめまして!魂夢(こんむ)です。処女作です。今回は東方要素はありません。これから、頑張っていきます!


ざわざわ、と教室から声が漏れている。

うるさいわけでもなく、かといって静かなわけでもない声が飛び交っている

いつもと変わらない光景

 

ああ今日も暇だな、と思いながら俺、石円流楠(いしまるりく)は自由帳を開いた。

ボロボロになって、ほとんどのページに絵が描かれた、そろそろ買い替え時の自由帳だ

俺は友達があまり、というより一人しかいない。

だからこうやって暇な時は絵でも描くのだ。

絵を描く時間が俺にとって至福の時間だ

 

「なぁ〜サッカーやらね」

 

一見チャラ男に見えるこの男は俺の数少ない大切な友達

新川佑(しんかわたすく)だ。

 

「嫌だ」

「なんで〜」

「つまらないから」

 

気だるそうに言って帰るよう、促す

しかしほんとは帰って欲しくないし、仲間に入れて欲しい。

だが、入れば佑はいじめられる。

 

「わかったよ。」

 

察してくれて、嬉しいようで悲しいような感情が俺の胸の中で渦巻く

 

佑がいなくなると教室はさっきよりも静かになった。

すると、いろんなところでひそひそ話をしているのが見えた。

不自然に思った俺は注意深く聞いてみることにした。

耳をすますと聞こえてきたのが、

 

(あいつなんで学校くんの)

(絵を描くのの何が楽しいの?)

(キモい)

 

 

 

........お分りいただけただろうか。

彼らはよく俺に隠れて陰口するのだ。

ひどい時には石を投げられることだってある。

他人のしたことで関係のない俺が叱られることだってよくあること。

先生に怒られても何も感じなくなっている

でも、人間なんてそんなもの。

もう何年もこんな調子だ。

 

慣れとは怖いものだなと、つくづく思う

 

「石円、先生が「生徒指導室に来い」って言ってるぜ。」

 

こいつの顔をよくみるとかすかな微笑を浮かべていた。

こいつは谷沢星空(たにざわせいあ)だ。

俺が一番嫌いなやつで、おめでたい事に、イジメの最先端を行く男だ。

また濡れ衣でも着せられるのだろう。

何度目になるだろう?

 

 

生徒指導室に行く途中、俺は考えた。

俺はなぜ、こんな目にあうのだろう?

いつも考える。なぜ?、なぜ?、なぜ?

その答えは一生出ないだろう。

そんなことを考えるうちに、生徒指導室に着いた。

さて今日は星空は何をしでかしたのだろう。

 

「石円くん、今日は窓を破ったのか。」

 

ため息をつきながら、先生はそう言った。

もう俺とは関わりたくない、そのような思いが込められた、ため息のようだった。

 

「僕はやってません」

 

一応言ってみる。無駄だと思うが。

 

「でも星空くんが言っていたぞ、彼は嘘はつかない。」

 

何も知らないくせに。今回はボールか何かで、窓を破ったのだろう。

それで俺に責任を押し付けようとしているのか。

 

「嘘です。ほんとは僕がやりました。」

 

頭を深々と下げ、謝る。

 

「いい加減にしたまえ。もう何度目だね。」

 

今日はこれで返してもらえた。親に何と言おう。

もう何度目だね、か..

先生の言葉が頭をよぎる。

 

「何度目だろうね、星空のやつ」

 

皮肉を混ぜた言葉を空に混ぜる

 

正直、辛い。もうこんな日常嫌だ!

ほんとはそう言いたい。だが無理な話だ。

 

 

俺はよっこいしょと言うように席に着いた。

するとちょうと予鈴がなり、皆帰ってきた。

気持ちをリセットし、授業に挑む。

 

俺、石円流楠は今日も同じ、いつもの辛い日常に生きている。




処女作なので、お見苦しい点もございますが、見ていただけると、幸いです。


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第2話 選ばれし英雄

こんにちは魂夢です!第2話、出せましたね〜これで1話で失踪と言うことは無くなりホッとしています。
今回でプロローグが終わります!説明が多いので、ちょっと長いかもです。


授業が終わり、俺は帰りの支度をしながら、今日も嫌な日だったと、自分を振り返っていた。

 

「なぁ〜、今日は一緒に帰ろう!」

 

すると佑が誘ってきた。めずらしい、いつもは、星空と帰るのに。

 

「今日は星空と帰らないのか?」

 

すると佑は小さな声でこう言った。

 

「知ってるだろ、俺も星空は嫌いだ。」

 

いや、初耳なんですけど!と言うツッコミは置いといて、まぁ〜今日ぐらいはいいか!

 

 

 

俺は佑と帰り道を歩いていた。

 

「今気づいたけど、流楠って、結構イケメンだよな」

「急にどした」

 

俺はそんなにイケメンではない、整った顔とは言われる程度である。

まず俺はいじめられてるのだからモテるバズがない。

 

 

「そんなこと言ったら、佑の方がイケメンだと思う。

イケメンで運動できて、頭もそれなりにいいから、絶対佑はモテる。」

 

実際そうだ。彼はモテている、それに気づいていないだけだ。

 

「えへへ、褒めても何も出ないよww」

 

告白されたことないのか?

 

 

しゃべっているうちに家に着いた。

俺と佑は同じマンションに住んでいる。

別れて2分ぐらいで自分の部屋に着く。

 

今日はゆっくりしながらYouTube でもみよう。

 

YouTubeを見るために寝室に足を運ぶ

 

すると、大きな亀裂が突如出現し、俺は落ちてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ.......どこ.....」

たくさんの目がある、きみの悪い空間に落ちたようだ。

「こ...怖い」

 

そりゃそうだ。突然こんなところに落ちたのだから。

辺りをキョロキョロと見ていると、金髪ロングの女性が立っていた。

 

「く、くるな!」

「怖いのもわかるけど、そんなに怖がらなくていいじゃない。」

「急にこんなところに連れて来られたら、誰だって怖がるよ」

「まぁ、普通の反応よね。」

 

とりあえず、帰らせてくれるように頼まないと。

 

「俺を元の場所に戻してください!」

「ダメよ。でも、安心して、事情は説明するから。」

 

安心できるか!

 

「ここはどこですか。」

 

こんなきみの悪い空間、地球上のどこにあるんだよ!

 

「ここは私の能力で作った「スキマ 」の中よ。まぁ、亜空間のようなものと思ってくれればいいわ。」

 

スキマ?亜空間?何を言ってんだ、この人?まぁいいか、他にも聞きたいことあるし。

 

「じゃあ、あんたは誰?何のためにここに落としたの?俺はもう帰れないの?」

「ひとつずつ答えるわね、私は八雲 紫、紫でいいわ、あなたに助けて欲しくてここに落としたの、帰れるわ。」

 

え.........どゆこと?

頭を整理しよう、ここはスキマ、この人は紫、俺に助けて欲しくてここに落とされた、帰れる。

 

俺は何か、大変なことに巻き込まれたみたいだ。




紫様の登場ですね!、ようやく東方要素が出てきました。エピローグはそろそろ終わりにしようと思っています。


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第1章 幻想郷
第3話 幻想郷入り


こんにちは魂夢です。第3話書いてたら、データ消えて萎えてまーす。


「俺は石円流楠、流楠って呼んでください。」

「あら、名前なら知ってるわ、ずっと見ていたし、あと敬語使わなくていいわよ。」

 

知ってるの!ずっと見ていた!驚き桃の木!ずっと見てたってなんか恥ずかしいな

それより、助けて欲しいって言ってたな、何をどう助ければ?

 

「助けて欲しいって何を?」

「流楠に助けて欲しいものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷よ」

 

げ...幻想郷って何だよ

そんなの俺に救えるはずがない!

 

「あの〜俺よりマシな人はいると思うのは俺だけ?」

「私は外の世界、流楠のいた世界をたくさん見て来たけど、流楠以外の適格者はいなかったわ」

 

嘘だ〜俺よりマシな人は絶対いるって〜

 

「俺はなんで選ばれた?」

「流楠にはある能力があるから」

 

能力?とうとうゲームの世界になって来てんじゃん!

 

「その能力とは?」

「ひとつは、無限に想像する程度の能力、もうひとつが、想像を形にする程度の能力」

 

想像を形に?

 

「え、想像を形にするのはしたことないぞ」

「霊力を使えるようになればできるはずよ」

 

まじか、使えるようにってことは練習は必要なのか?

なんか血の滲むような練習になりそうだ

 

「俺は幻想郷で何をすればいいんだ」

「戦って欲しい、闇の力の塊と」

 

.....え

戦う!無理無理!

 

「どうやって!?」

「流楠の作り出す想像は幻の力を持っているわ、その力なら闇の力を打ち消せるの」

 

俺じゃないとダメなのか、初めて俺は必要とされている!

 

「わかった!幻想郷に行って戦う!でも、幻想郷に着いたらどうすればいい?」

「近くの神社の巫女に助けてもらいなさい、事情は説明してるし」

「わかった」

 

すると俺の足元にスキマが開き、俺は落ちてしまった。

 

 

 

 

 

イ...イテェ

足元に開くとか聞いてない!

 

目の前には大きな神社

ここの巫女に助けてもらうのか

 

大きなお賽銭箱だなぁ

「まぁ、助けてもらうんだし、お賽銭でも入れてあげよう」

 

 

 

 

「お賽銭入れてくれるの?」

 

後ろから声がする

振り向くとそこにやけに露出度の高い服を着た女の人が立っていた

 

「はい」

 

俺は持っていた財布から一万円を取り出してお賽銭箱に入れた

 

「い...一万円!」

 

そんなに珍しいのだろうか?顔が真っ赤になっていた

この人ってこの神社の巫女かなぁ

 

「あなたはこの神社の巫女ですか?」

「ええそうよ、この博麗神社の巫女の博麗霊夢よ、霊夢でいいわ、話は聞いてるわ入って」

 

初めて俺は女の人の部屋に入るぞ〜

ワクワク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

居間、ちゃぶ台と座布団

台所、土間

寝室、布団一枚

 

 

...嘘だろ!女の人の家がこんなのなんて、聞いてない!

 

まぁいいか、助けてくれるはずだし

 

「流楠〜」

「はーい」

「宴するわよ」

「えーーーーーーーー!?」

「な、なんで急に!」

「あんたが来たら宴しろって言われてたのよ」

 

まじか、俺まだ幻想郷来て5分も立ってないんだけど

 

これは疲れる事になりそうだな




結構疲れた、ようやっと幻想郷に来ましたね、雑な終わり方だったかな?


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第4話 何を選ぶ?

こんにちは魂夢です。投稿遅くなってすいません。


「そろそろよ」

 

そろそろかぁ

まだ幻想郷に来て1日も経ってないのに、知ってる人も霊夢と紫しか知らないのに

俺大丈夫か?

 

重い腰を上げてステージのようなところに上がる。

気分が乗らない、緊張する。

 

「霊夢俺なんて言えばいい?」

 

子供みたいな事聞いてる、恥ずかしいなぁ〜俺。

 

「まぁ、盛り上げればいいんじゃない?」

 

どうやって!とツッコミたくなる自分を抑えて声を上げる

ありきたりでいいか!

 

「俺のために集まってくれてありがとう、みんな〜盛り上がっていくぞ〜乾杯!!」

「カ〜ン〜パ〜イ」

 

よかった、以外に盛り上がってくれた。

俺もなんか飲もう!

 

「おーい主役、飲んでる〜」

 

霊夢め、嫌味か、嫌味なのか!

 

「うるさいなぁ〜17歳は飲めないんだよ!」

「別にいいんじゃない、うちは紫に言われてもっと若い時に飲んだわよ」

 

知るか!!霊夢が飲めても俺は飲めないんだよ!!

 

隣の人、霊夢となかいいのだろうか

白黒の人、何それコスプレ?

 

「霊夢、その人誰?」

「俺は魔理沙!普通の魔法使いだ!」

 

ま、魔法使い?幻想郷すげー(棒)

 

突然、そこにスキマが開き紫が出て来た。

 

「流楠、幻想郷もう慣れた?」

「慣れるか!まだ1日も経ってないぞ!」

「そうわよねww」

「ところで、武器決めた?」

「武器!?」

「あら、聞いてないの?」

 

聞いてないわ!初耳だわ!

関係ないけど、俺はどちらかというとボケなのに、ツッコミになってんじゃん!

 

「闇と戦う時の武器決めといて」

「待て!候補をくれ!お願いだから!」

 

あ、帰ってしまった。

クソ〜

 

「じゃ〜魔法にすればいいんじゃない?」

 

魔理沙、馴れ馴れしいな、まぁいいけど。

 

「魔法か〜俺はゲームとかだと剣がいいんだよなぁ〜」

「あら、なら妖夢に教えて貰えば?」

「ようむ?」

 

すまん、俺は霊夢と紫とさっき知った魔理沙しか知らないんだよ

 

「誰?」

「冥界に住む庭師よ。」

「庭師!!」

 

俺は庭師に剣を教えてもらうのか〜

しかも冥界て!怖い怖いわ

 

「霊夢、冥界は魂持ってかれたりする?」

「するわよ」

「え〜怖い怖い怖い怖い怖い」

「冗談よ」

 

完全におちょっくてるよな

刀覚えたら切ってやる

 

「じゃあ刀でいいわね」

「いいよ」

「紫〜」

「呼ばれて飛び出てポポポポーン」

 

呼ばれて飛び出るのか、便利だな

 

「流楠、刀にするって」

「待ってて〜」

 

・幽々子視点

 

白玉楼、そこは亡霊が住み着く場所

 

「今日もお菓子が美味しわね〜」

「幽々子様食べ過ぎないでくださいよ」

 

突如スキマが開き、中から紫が出てくる

 

「幽々子頼みがあるの」

「いいわよ」

「えっ私まだ何も言ってないわよ」

「いいのよ、どうせ流楠と闇力関係の頼みなんでしょ」

「そうよ」

 

ですよね

 

「流楠をここに住ませて、刀を教えて欲しいのよ」

「いいわよ」

「.....ありがとう.....」

「いいのよ」

「刀は『あの刀』を使わせたいのよ」

「流楠は『あの刀』使えるの!?」

 

もう誰かが「暴走」しているの、見なくない

 

「大丈夫よ、流楠はすごい力があるもの」

「わかったわ、妖夢〜「あの刀」持って来て」

「幽々子様「幻光刀」ですか」

「そうよ」

「わかりました」

 

大丈夫よ、紫がすごい力があるなんて言うぐらいだもの

 

・流楠視点

 

10分後紫が刀を持ってやって来た。

 

「この刀は昔、幻の力を使った人が使った刀らしいわよ」

 

ヘェ〜と思いつつ俺は刀を取ろうとする

 

「待って!!」

「もうすこし、修行してから、この刀は使ってくれるかしら?」

「いいですけど、どうして?」

「修行してない人が使うと、理性がなくなって、暴走してしまうわ」

「わ...わかりました」

「あと、明日から白玉楼で暮らしてもらうわよ」

「白玉楼?どこですかそこは?」

「さっき言った冥界の大きな屋敷よ」

 

ああ、さっきの冥界、、、

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

俺、冥界で暮らすのか、ちょっと怖いな。

 

そして俺は、こんな刀使いこなせるだろうか?

 




ようやく妖夢の登場ですね。ここから面白くするために頑張ります!!
次回は一旦番外編を挟みます!


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番外編 友達100人できるかな

こんにちは魂夢です。初めて番外編を作ってみました!この番外編は第4話の続きです。
感想、お気に入り登録、よろしくお願いします。


宴か、こうゆう時に友達作っといた方がいいのかな?

初めてだから一人で飲んでる人いないかなー

 

「スミマセ〜ン」

 

上から声が聞こえる。

 

「こんばんは、清く正しい射命丸です!今度の新聞で流楠さんを記事にしたいので取材していいですか?」

「なんの新聞の記事にするんですか?」

「文々。新聞の記事ですよ」

 

あ〜あれか、俺も見たことあったな

 

「いいですよ」

「それでは早速ーーーー」

 

このあと典型的な取材を受けて、最後の質問にすごいことを言われた

 

「それで、もう好きな人はできましたか?」

「好きな人って///まだ幻想郷来て7時間くらいだよ//////」

 

びっくりして俺は逃げ出してしまった

 

 

 

さてと、気を取り直して、一人で飲んでる人っていないかなー?

あっあそこに紫色の髪をした一人で飲んでる女の子がいる!

早速話しかけてみよう、別にロリコンじゃないからね!

 

「こんばんは〜楽しんでるかい?」

「えぇ、おかげさまで。あなた流楠ね、私はレミリア、よろしくね」

「よろしく、レミリアちゃん」

「呼び捨てで構わないわよ、ちゃんはやめて、これでもあなたより年上なのよ」

「まじで!?」

「私は吸血鬼なのよ」

 

!?まじでか!、俺は大丈夫なのか?

吸血鬼ってことは血を吸うんだよな?

 

「私は血は吸わないわよ」

 

えってかなんで俺の思ってること言い当てたの!?

もしかして顔に出てた?恥ずかし〜

 

「なんで?」

「私は血を吸うの下手なの、それにわたし少食だから吸われても貧血になる程度よ。」

「ヘェ〜」

 

まぁそんな凶暴なわけないか、凶暴だったら霊夢に退治されるもんな

 

「咲夜〜」

「はい、お嬢様」

 

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

突然現れただとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

 

「咲夜、紅茶持って来て」

「はい、お嬢様」

「持ってまいりました」

 

注文を受けてから、一瞬で!!嘘だろオイ!

 

「おいレミリア、あれはなんだ」

「私のメイドの咲夜よ、時を操る程度の能力を持っているわ」

 

それチートじゃない?

 

「ちなみに私の能力は運命を操る程度の能力よ」

 

やっぱチートだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

「それチートじゃね?」

「チートじゃないわよ、私はこの能力、使えないもの」

「ナニィィィィィィィィ」

 

ザ・無・意・味

 

「でも、フランなら能力を使えるわよ」

「フランって誰?」

「私の妹よ、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を持っているわ」

「ですよねー姉が姉なら妹も妹か。両方ともチートじゃねーかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「まぁいいけどさ、この宴、楽しんでくれよな」

「ええ、そうするわ、わたし達は紅魔館にいるからまた遊びに来てね」

「おう、いつか遊びに行くよ」

 

 

あ〜あ

叫びすぎて疲れた

 




流楠にはいつか紅魔館に行って欲しいな〜
さっき(お気に入り 五件)て書いてあってイヤッフォーーーーってなりました。
お気に入りに登録していただい方、本当にありがとうございます。
今日中に5話出します。時間は遅くなると思いますけど。


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第5話 幻光刀の謎

こんにちは魂夢です。本日二度目の投稿ですね、楽しんでくれれば幸いです。


幻光刀...か

 

 

 

幻光刀

理性がなくなる

暴走する

 

中々寝付けないな

 

霊夢は、まだ起きてると思うから

強くなる方法を聞きに行こう

 

 

 

 

「霊夢〜」

「なによ、まだ飲むの?」

 

睨みつけながら霊夢が言う

まだ飲むとか言ったらキレそうだな

 

「ちがうちがう、肉体的に強くなるためにはどうすればいいか聞きに来たんだよ」

「肉体的に?やっぱり霊力じゃない?」

「霊力?」

「それ、霊力は人が持つ、エネルギーみたいなものよ」

 

エネルギー?

 

「どうやって出すの?」

「一番はやっぱりイメージね」

 

たしか俺の能力は無限に想像する程度の能力、俺ならきっとできるさ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

2、3時間イメージして見たけど、霊力が出ているのかすらわからない

声が聞こえる、囁いているような

(さ......ちから......はいる..)

 

 

聞き取れなかったため、イメージを続ける。

1時間ぐらい、だろうか?

俺は寝転がり、寝ようとする。

 

 

先程まで囁いていた声が聞こえる。

はっきりと、(触れば力が手に入る)と言っている。

 

声が聞こえる方を向く。

幻光刀が入った木箱を開け、幻光刀を握った。

 

・霊夢視点

 

突然強い霊力を感じる、只者じゃない

この博麗神社からだ

わたしは霊力を感じる方に歩く、流楠のいる部屋からだ

流楠に何かあったのかもしれない

闇の力が流楠の体からでる微弱な幻の力に反応したかもしれない

わたしは急いで流楠のいる部屋に急ぐ

戸を力強く開けると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻光刀を持って、霊力を出し続ける流楠の姿があった。

 

「....り...く..?」

 

目が血走り、唸りながら、幻光刀を持った流楠

 

「ど、どうしたのよ、流楠」

「れ.......い.........む.......?」

「ヴブァァァァァァァ」

 

後ろに跳ぶ、距離を取らないと殺られる。

 

「ヴブァァァァァァ........」

 

唸り声が突然消えた

 

「霊夢、俺、どうなっちゃったんだ?」

 

突然、強い光を出しながら流楠は倒れた

 

「ゆかりー!!!!」

「呼ばれて飛び出て......え?」

「紫、流楠を白玉楼まで運んで!!」

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

どこだろう

真っ暗な空間

 

「おい!」

「おまえ、なぜ耐えられた、それに幻の力を出しながら。」

「わかりません、ただ俺は、」

 

言葉に詰まる、俺はただ幻光刀を無意識のうちに握ってしまっていた。

そこからの記憶が、気がつくと霊夢が戦闘態勢で俺を敵対していて、それで、それで。

 

「おまえに一週間だけ時間をやろう、それまで俺の力を貸してやる、それまでに、闇の力が現れるはずだ」

 

 

 

 

 

俺は気がつくと、知らない部屋で寝ていた。

とりあえず持っていた幻光刀を置く

外に出るため起き上がる

 

戸が開き、霊夢と銀髪の少女が出てきた。

 

「流楠、大丈夫?」

 

霊夢が言う。

 

「俺はとりあえず大丈夫だと思う」

「石円様、おはようございます、わたしは魂魄 妖夢と言います。好きな呼び方でいいですよ。」

「俺は石円流楠、流楠でいいし敬語もいらないよ」

「ごめんなさい、わたしは敬語が普通なので」

 

敬語が普通って、なんか珍しいな

 

「うん、わかった、楽に喋ったらいいからね」

「はい、幽々子様が待っているので来てください。」

 

幽々子の部屋に行く途中、俺は気になった

なんか妖夢の上に浮いてるプニプニって何だろう

思い切って聞いてみるか!!

 

「妖夢、この白いのは何?」

「ああ、これは半霊と言ってわたしの半分なんですよ。わたしは半人半霊ですから」

 

ヘェ〜っと思っていたら幽々子さんのいる部屋に着いた

 

「おはよう、流楠」

「お、おはようございます」

「うふふ、そんなに堅くならなくてもいいのよ」

「私は幽々子、好きな呼び方でどうぞ」

「わかった、幽々子、俺は何でここにいるの?」

「幻光刀、流楠が幻光刀に触ったから」

 

やはりか

 

「それは俺は気づいたら、もう握ってて」

「わかるわよ」

 

へ?

俺の昨日の一件を全て見ていたってのか?

 

「声が聞こえて、気づいたら、でしょ」

「私が聞きたいのは、何で「暴走」した後一瞬意識を取り戻したか」

 

俺が「暴走」?

 

「ああ、もしかして記憶がなくなっていた間、俺は「暴走」していたのか?」

「そうよ」

 

つまりあれか、気づいたら霊夢が戦闘態勢でって言う話か

 

「わからない」

「そう」

 

 

 

「幻光刀は何なんですか?」

「幻光刀は......」

「幻の力を使える人しか使えない刀」

「幻の力を使えないものは暴走を抑えきれず灰になってしまう」

「しかしあなたは、暴走状態を一瞬でも乗り切った」

「これを続ければ「無理です!」え。」

「一週間のうちに闇の力がやってくる、その戦いで俺は死ぬと思う」

 

「「「闇の力がやってくる!?」」」




今回、結構な文字数書いたので、疲れましたww


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第6話 初勝負

こんにちは魂夢です。投稿大幅に遅れてしまって本当に申し訳ありません!!
模試のために勉強をしていて、遅れました。第6話魂魄妖夢は展開が早すぎて、消しました。
勝手に消して申し訳ありません。


俺は妖夢たちに事情を説明した

 

妖夢たちは歯がゆい顔をした

たしかに、一週間以内に強くならならいといけなくなったのだから、当然の反応だ

 

「じゃあ、今すぐにでも修行しないといけませんね」

 

と言うことで修行が開始された

 

〜白玉楼の庭〜

 

まずは俺がどれぐらい強いかを確かめるために

妖夢と戦ってみるらしい

 

俺はまた幻光刀を握らないといけない

 

怖い

 

『安心しろ』

 

そう聞こえた気がした

 

俺は、幻光刀が入った木箱を開け、幻光刀を握った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は辛く無かった

前はもっと辛く、苦しかった

今は、優しく、力がみなぎる

力を感じる

 

「妖夢、いってもいいか」

「ええ、いつでもきてください」

 

俺は脚に霊力をまとい、妖夢のいるとこに、跳んだ

速い!

自分でもびっくりするぐらい速い!

 

「えっ」

 

びっくりしてる妖夢を斬りつける

 

「さ、させません」

 

刀同士が当たり、アニメのような音が鳴る

俺は腕に霊力をまとい、妖夢を飛ばす

妖夢はエネルギー弾のようなもの打ってきた

なら俺も霊力を固めた弾を打つ

 

弾の相殺、さらに妖夢に当てにいく

流石に妖夢は刀で弾く、弾いた弾が俺の身体に当たる

 

 

しかし俺は霊力の壁を作り、周りに爆風が起き、煙が出る

倒したと思ってる妖夢に、高速で近づき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊力で弾き飛ばした

 

妖夢は塀に叩きつけられた

 

・妖夢視点

 

意識が遠くなる

 

流楠君が泣きながら来た

 

「ごめん.....ごめんなさい」

 

聞き取ると、なぜか、私まで涙が出てきた

何でだろう、だけど答えが出る前に私は意識を失った

・流楠視点

 

俺は泣いた

妖夢が死んでしまったかもしれないから

 

「あらら、どうしたの?」

「妖夢が......妖夢が........」

 

幽々子が聞いてきたが、もう言葉にならなかった

涙が....涙が止まらなかった

 

「これくらいなら寝てれば治るわよ」

「へ?」

 

とても安心して、身体中の力が抜けた

 

〜妖夢の部屋〜

 

息をしているから、生きてはいるものの

もう2、3時間眠ったまま

俺はずっと寝ている妖夢の隣で正座しながら待っている

 

「...ん........んぅ...」

 

あ、かわいい

 

「.....う.......うぅ.....」

「お、おはよう」

「....うぅん......お、おはようございますぅ〜って、え!?」

 

あっまずい!このままだと俺は変態確定じゃん

 

「な、なんで私の部屋にいるんですか!?」

「いや、あの、俺は妖夢の看病をしてただけであって、決してやましい気持ちなんか」

「ああ、そうなんですか。ありがとうございます」

「信じてくれてありがとう」

「あたりまえですよ」

 

今思ったんだけど半人半霊って強くね?

傷治ってるし

 

「どうしてですか?」

「へ?」

「二つ聞きたいことがあります」

「ひとつめが、どうして泣いてたんですか?」

「そりゃ、かわいい女の子殺しちゃったと思ったら泣くよ。罪悪感で」

「///か...わ...い...い///」

「ふ、ふたつめは何?」

「ふ、ふたつめは、流楠君は何であんなに強いんですか?」

「わからない」

 

これって能力なのかなぁ〜

たしか俺の能力は創造を形にする程度の能力だったっけ

 

「あ〜俺の能力じゃね」

「あれですか?」

「そう、想像を形にする程度の能力」

「それほど強いなら、闇の力を倒せますよ」

「ありがとう」

 

妖夢かわいいな、なんて思ってしまう俺がいた




実は伏線があるんですよこの回
今回も見てくださってありがとうございます!!


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第7話 戦いへの宣告

こんにちは魂夢です。あの〜アイデアがなくなってきた。
クライマックスのアイデアはあるんですけど、どう持って行こうかわからないんですよね〜
また幻光刀の話です


「それじゃあ私は幽々子様の夕食を作ってきます。」

「待って」

 

妖夢はこちらにふり返り、顔の上にはてなマークを浮かべている

 

「俺はまだ弱い。だから俺に刀を教えて欲しい」

「わかりました。明日の朝、庭で」

 

わかったと言うと妖夢は戸を開けて幽々子の夕食を作りに行った

俺は自室に戻った

 

〜自室〜

 

自室は朝俺が来た時のままなので、布団が敷かれている

俺は寝転んだ

(俺はなんで妖夢に勝てた?)

俺は直感的に動いただけだ

 

「俺が霊力を与えたからだ」

 

俺は敵かと思い、ばっと立ち上がり身構える

 

「はは、見違えるようだな」

 

声のした方向を見ると

 

オレンジ色の髪につり目の男が立っている

 

「あたりまえだろ。幻想郷は何が起きるかわからないんだからさ」

「おまえは誰だ?」

「俺は幻光」

 

幻光?あっ!あの男は、俺の夢に出て来た男か

 

「おまえは!」

 

俺は幻光刀を握り、構えた

 

「まあまあ、俺は幻光刀の魂みたいなものだから」

 

魂...?だから俺の夢に出てこれたのは魂だったからか

 

「なんのために俺に霊力を与えた?」

「おまえが幻力(げんりょく)を使える人間だったからだ」

 

俺の暴走の時の光の正体が幻力だったのかな?

 

「だが、おまえは幻力を使いこなせないようだな。しかし、霊力の扱い方だけはプロ並みだな」

 

霊力はプロ並みか...、なら幻力を重点的に修行しないと

 

「どうやればいい?」

「わからない。前の主も修行で習得したわけではない」

 

なら幻力をどう習得するべきか?

 

「明日だ」

「へ?」

「明日、闇力(あんりょく)を扱える敵が現れる。」

「ダニィ!!」

 

まずい。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい

「そんな無茶な!!」

 

「仕方ない。敵は待ってはくれない。私もおまえと一体化しておくか」

「?」

「俺は幻光刀を使える人間と一体化出来る。俺の意識は無くなるが、おまえが死ねば俺はまた幻光刀に入る」

 

なるほどな

幻力は無理ってことは霊力が強くなるようになるのかな?

 

「それじゃあ俺はおまえと一体化するぞ」

 

そう言って幻光は光になり、俺の胸に入っていった

俺は力がみなぎっていくのを感じたが妖夢の作ってる夕食の匂いを嗅ぎつけ、居間に行った

 

〜居間〜

 

「「「いただきます!」」」

 

〜今日のメニュー〜

白米

お味噌汁

野菜炒め

 

めっちゃうまいな、これ

いたってシンプルな料理ながらしっかりした味付けだなぁ〜

幽々子が飯にがっつく

ごめん。俺ちょっと引くわー

妖夢に小声で聞いてみた

 

「亡霊ってあんなに食うの?」

「いいえ。幽々子様だけ、特別です」

「デスヨネ〜」

 

流石に食い過ぎじゃね

 

〜幽々子のメニュー〜

白米 ×10まだ増える可能性あり

お味噌汁 ×10まだ増える可能性あり

野菜炒め ×10まだ増える可能性あり

 

幽々子怖いです

とても怖いです

 

夕食が終わった時あの話を俺はすることにした

 

「幽々子、妖夢。明日、闇力を使う敵が現れるらしい」

「「え!?」」




幻光の登場シーン少ないんですよね。要望があれば復活させますけどね
次回かその次に闇力との戦闘ですよ〜多分


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第8話 妖夢の過去

こんにちは魂夢です。次回!戦闘シーン多めでお送りします。


俺は妖夢達に事情を説明した

 

「じゃあ霊夢に事情を説明しないとね」

 

なるほど、霊夢を筆頭に闇力を使う敵を倒すのかな?

 

「それじゃあ私はいまから博麗神社に行って来ます」

 

え?いまから?

こんな夜遅くに?

 

「俺も行く」

「危険ですよ」

「こんな夜遅くにこんなかわいい女の子の方が危険だろ」

「///わ、わかりました///」

 

〜白玉楼の門〜

 

「流楠君は空飛べるんですか?」

「やってみるよ」

 

俺はイメージしてみた

俺は身体がふわふわと浮き上がった

 

「出来ましたね。では行きましょう。」

 

俺は妖夢のスピードに合わせて博麗神社に向かった

 

〜博麗神社〜

 

妖夢は神社の前に降り立った

 

「なんなの?こんな夜遅くに」

 

多少苛立ちながら霊夢が出て来た

 

「すみません。こんな夜分に、闇力の話がありまして」

「わかった入って」

 

即答だった

 

〜少女説明中〜

 

「わかった。みんなを明日までに集めとくわ」

 

あれ?意外に冷静だ

 

「流楠君、帰りますよ」

「あ、はい」

 

 

〜少年少女移動中〜

 

「妖夢はなんで、刀の修行をしてるの?」

 

俺は普通に気になった

 

「私はお師匠様に刀を教わったのです」

「ですけど、ですけど、お師匠様は、もう」

「わかった、もうい「お師匠様はもういない!」え?」

 

俺は白玉楼に着いたが

妖夢は泣き崩れた

 

「お師匠様は、お師匠様はどこ!?お師匠様は、妖忌様は!?一体どこに行ったの!?」

 

大声で泣いていた為、幽々子が中から出て来た

 

「あらら、どうしたの?妖夢」

 

俺は幽々子に全てを話した

 

「わかったわ、なるほどね」

 

幽々子は全てを理解したかのように

妖夢を自室にまで連れて行った

 

〜居間〜

 

妖夢は泣き疲れて眠ってしまった

 

「妖夢なら、明日になればきっと治ってるわよ」

「妖夢は一体何があったの?」

 

さっきまで笑っていた幽々子の顔がいっきに真剣になる

 

「妖夢には師匠がいたのよ。『妖忌』と言う名の」

「しかし『妖忌』はある日突然頓悟(とんご)したのよ。妖夢がまだ幼い時に」

「頓悟って?」

「急に悟りを開くことよ」

 

なるほど、幼い妖夢はたった一人でここに取り残されたのか

 

「妖夢のたった一人の家族は、居なくなってしまったのよ」

「妖夢はひどく悲しんだの」

「幽々子じゃあ、代わりは務まらないのか?」

「話し相手くらいにはなれるのだけど、家族の代わりはできないのよ」

 

なるほどな、妖忌のことを思い出させてしまったのか

 

「悪いことしたな」

「いいのよ。もう随分昔の話だし、妖夢も明日になったら忘れてるわよ」

 

大丈夫かな〜

今日は色々酷いことしたな〜

 

「それよりもう寝なさい、体力つけとかないと、死んじゃうわよ」

「あ!そうだった。」

 

俺はおやすみと言って、自室に戻って寝た

 

明日になったら俺はどうなるのだろうか?




次回!進展多し!必見ですな


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第9話 生きるか死ぬか

こんにちは魂夢です。伏線たくさんテンコ盛り


朝です

今日、俺は死ぬかもです

しかし、俺は元の世界に必要とされていない

どうせ死ぬのなら、必要とされている状態で死にたい

また、居間からいい匂いがする

じゃあ、居間に今行く!

ダジャレですよ!

 

〜居間〜

 

「あっおはようございます」

 

妖夢は俺に気付き、ニコっと笑った

か、かわいい

 

「おはよう」

 

恥ずかしいので、そっけなく返す

 

〜今日のメニュー〜

めんどくさいのでなし!!

 

「食べ終わったら、一緒に博麗神社に行きましょう」

 

妖夢に言われたが、テンションが昨日より暗いわけではない

怖くないのか?

 

俺は博麗神社に向かった

 

〜少年少女移動中〜

 

「流楠君、死なないでくださいね」

 

妖夢に突然聞かれた

 

「死なねぇ〜よ」

 

実際はわからなが、心配して欲しくなかったため、こう答える

俺は博麗神社に入った

 

 

〜少女説明中〜

 

話が長かった為、要約すると

 

・防衛班、攻撃班に分けれる

・防衛班には知らない人の名前しかいなかった

・場所は幻想郷の端にある、謎の場所にて行われる

 

「それじゃあ始め!!」

 

霊夢の掛け声が掛かると

攻撃班は謎の場所に

護衛班は人間の里に

それぞれ向かった

 

〜謎の場所〜

 

とても禍々しい

黒い霧のようなものが掛かっている奥に洞窟のような穴が空いている

奥に人影が見える

目を凝らすと

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは浴衣を着たムキムキの男

 

「おまえらが俺を倒してくれるのかぁ」

 

俺は幻光刀を抜き、臨戦態勢だ

妖夢も霊夢も魔理沙も臨戦態勢だ

 

「俺はガイガ!闇力を扱うものだ!!」

「来るならそっちからこいや」

 

これを聞いた霊夢達は弾幕を張り始めた

 

「ムゥダァ、ムゥダァ」

 

闇力?だろうか

紫色のオーラで攻撃を全て防いでいる

遠距離が無理なら近距離で!!

ということで、俺と妖夢は高速でガイガに近づき、斬りかかる

 

「だから無駄だって言ってんだろ」

 

なんと、ガイガは腕で幻光刀と楼観剣を防ぎ

闇力で俺たちを吹き飛ばした

俺は木にぶち当たり、身体の骨が何本か折れた

ここに来て俺は生命の危機にさらされていることに気づいた

やばい俺、死ぬ

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ

怖い、その感情だけが俺の脳を埋め尽くしていた

 

「んじゃ、死んでもらお〜っと」

 

ガイガの手に闇力の塊が現れる

 

「うっ!」

 

キンッ!という音がガイガの背中からする。

妖夢か!!やめろ!来るな!

言いたかったけれど首を絞められていて言葉にならなかった

 

「お前〜俺の身体に傷をつけたな!」

 

ガイガは後ろに腕を振りかざす

妖夢は飛びながら避けるが、空中で闇力でキャッチされる

闇力で圧力をかけられているのか妖夢が苦しがっている

俺の脳には恐怖から救いたい気持ちに変わっていた

幻光刀を持ち、ガイガに突き刺した

 

「ウガァッ!」

 

突き刺されて闇力全てが切れて

妖夢の救出、そして闇力で作られた大きな盾も消滅

みんなの弾幕が全てガイガに当たる

俺は妖夢を担ぎ、みんなの方に高速で移動した

大きな爆発が起き、あたりに炎がメラメラと燃えたぎっている

 

「マジで許さんお前ら、まじでぶっ殺す」

 

ガイガは闇力で爆発を起こし味方のほとんどが戦闘不能

俺と妖夢は霊力で盾を作ったために無事

俺は幻光刀を構えガイガに向かって突進した

しかし、俺は頭を掴まれた

 

「お前にも闇力の素晴らしさを教えてやるよ。身体になぁ!!」

 

頭から闇力が身体中に流れる

俺はその場に倒れこむ

動くことも喋ることもできない、ただ虚ろに妖夢を見ているだけ

ガイガは妖夢に近づく、妖夢は今意識を取り戻したところだ

 

「お前は一瞬で終わらせてやるよ」

 

ガイガは腕でを挙げ振り落とした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと俺はなぜかガイガの腕を自分の腕で守っていた

 

「殺らせない。死ぬのはお前だ」

「何!?」

 

俺はガイガを吹き飛ばした

身体から黄色いオーラが湧き出てくる

 

「なぜだ!?お前はなぜ幻力を使える!?そんなことありえない!?」

「俺がお前の言ったとうり、お前を倒すものだからだ」

 

俺は幻力の塊をガイガに向け、発射した

 

「ウガァァァァァァァ」

 

ガイガは断末魔をあげながら消滅した

俺は幻想郷を救った

そう思うと俺は身体中の力が抜けた




めっちゃくちゃ書いた。ちょーたのしぃ〜


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第2章 白玉楼での暮らし
第10話 謎


こんにちは魂夢です。
今日は2017/09/17なんですけど、今更ながらスパイダーマン・ホームカミングを見に行きました
楽しかったなぁ〜関係ないんだけどさww


俺はまた、自室で寝ていた

いい加減に寝てばっかりだとダメだと思い、俺は急いで居間に向かった

 

〜居間〜

 

居間ではちょうど妖夢が晩御飯の準備を始めたところだった

 

「俺も手伝おうか?」

「いえ、大丈夫です。今日、流楠君は幻想郷を救ったんですよ」

「妖夢にばっかり頼ってばかりだとダメだしさ〜手伝わしてよ〜」

「わかりました。じゃあ野菜切ってください」

「オッケ〜」

 

・??視点

 

この世界はおかしい

流楠が勝つなんて...

僕には負ける未来しか見えなかった

この人里も朝とは違う

動きがおかしい

僕が見てきたのと.....違う

まさかここが?

ありえない.....

ここがそうなら私がきた時に気付くはず

とりあえず様子を見るか

 

・流楠視点

 

俺は黙々と野菜を切っていた

 

「あの時は、ありがとうございます」

「へ?」

「ガイガとの戦闘ですよ」

「ああ!あれか」

「あれは、なんでですか?」

 

なんでですか?どういうこと?

 

「私以外にももっといい人がいたのに」

「俺にも分かんねぇ、俺の頭は妖夢を守るという事しかなかった」

「そうですか。とにかくありがとうございます」

「いいってことよ。俺が幻想郷にきたのは守るためだし」

 

俺には妖夢や、幻想郷の住人を守るしか、取り柄がないのだから

命をかけてでも守り抜かないと

 

喋ってる間に料理が出来上がった

 

「幽々子〜ご飯だぞ〜」

 

〜少年少女食事中〜

 

「あ〜美味しかったわ〜」

「幽々子、やっぱり食い過ぎ」

「そんなことないわよ〜」

 

そんなことあるけどな!

 

今日はもう寝よう

俺は自室へ向かった

 

〜自室〜

 

幻力....俺、使えてたよな

俺はイメージしている

俺の手から黄色いオーラが現れる

 

「まじか...」

 

思わず声に出てしまった

今日は色々あったのでそのまま寝落ちした

 

〜暗闇〜

 

またここか、幻光か?

 

「違うぞ」

 

違ったみたいだ

姿は影でよく見えない

 

「お前はいいのか?」

「なんの話だ?」

「あんな奴を命をかけて守るなんて、どうせ裏切られるのがオチだろうが!」

 

あんな奴?妖夢のこと?

 

「そ、そんなことない!」

「保証はあるのか?」

 

正直、保証はない

ただの予想だ

 

だけど、俺には絶対的な自信があった

何故かはわからない

 

「予想なら、俺は賛成できない。俺ならお前を理解できる、俺はお前を裏切らない!」

「それも、保証はないじゃあないか」

「俺が信用できないか?ならば裏の俺が表のお前になってやる」

「そんなことさせない」

「なら、ねじ伏せてみろ、俺の力をな!」

「お前みたいな奴の中身はただのエゴだ。そんな奴、俺は信用出来ない」

 

ねじ伏せる

俺ならできる。きっとできる

ここで俺は目覚めた




??って誰でしょうね
今回、2個ほど謎を用意してみました


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第11話 デート?

こんにちは魂夢です。最近、前書きと後書きに書くことがなくなってきていてですね
大変です〜


「ふぁ〜」

 

大きな欠伸が出る

昨日は大変だったからな

さてと、今日も妖夢のお手伝いと行きますか

 

〜居間〜

 

あれ?妖夢はまだ寝てる?

なら俺が朝飯を作る、サプライズと行きますか

 

〜30分後〜

「ふぁ〜...え?」

 

ちゃぶ台にはもう朝飯が乗っかっている

「おは妖夢(ようむ)。驚いただろ、早めに起きたから作っといた」

 

俺はちゃんと幽々子のぶんも作っておいた(幽々子の食べる量多いからさ)

 

「あ...ありがとうございます。あとおは妖夢ってなんですか!?」

「ちょっとふざけただけだよ。さて、幽々子起こさないと」

 

〜10分後〜

「「「いただきます」」」

「驚きました、まさか流楠君に仕事を取られるなんて」

「いいじゃない、美味しいんだから〜」

 

やっぱりすごい量食べるわ、たくさん作っといて正解だったな

 

「流楠君はどうして、料理が上手いんですか?」

「ん?一人暮らししてたから、かな?」

「そ、そうなんですか」

 

 

「今日は幻想郷を散歩しませんか?」

 

おっ!女の子からのお誘いを受けたぞ!

 

「おっ!いいね〜それ」

 

あえて普通の反応をする

だって恥ずかしいもん

 

〜白玉楼の門〜

 

「では、いってきます」

「いってらっしゃい〜」

 

俺は妖夢と一瞬に飛び立った

 

〜人間の里〜

 

「ここは人間の里って言うんです。欲しいものなら大体ここで買えますよ」

「ヘェ〜」

 

最初に着いたのは霧雨魔法店

 

「最初はここから行きましょう。魔理沙さんは知っていますか?」

「お、おう」

 

妖夢はドアをノックする

すると中から魔理沙が出てきた

 

「よう!お客さんかっ!て、なんだ妖夢か」

「あと流楠だな、幻想郷を救った英雄さんだろ」

 

英雄なんて、言われたことない

 

 

妖夢が小声で言う

 

「この店は魔理沙が拾ってきた物ばかりなのであまり需要ないんです」

 

なるほど、お客さんかっ!って勢いよく飛び出てきたのは、お客さんがあまり来ないからか

 

「私たち挨拶に来ただけなので、失礼します」

 

俺たちは足早にそこから立ち去った

 

「おーい待てよ〜なんか買っていってもいいんだぜ〜」

 

俺たちは足早に立ち去った

 

 

 

お次は団子屋

今で言うところのオープンテラスのあるところだった

俺はみたらし団子、妖夢は三色の団子を選んだ

 

「あっ、これ美味い」

妖夢に俺の団子をずっと見られている

 

「一口いる?」

「い、いりませんよ。そ、その、女子が男子から団子をもらうなんて」

「はい、あ〜ん」

 

俺は妖夢の近くに団子を持っていった

 

 

パクッ

「はっ!ついうっかり」

「あはははは、かわいいなやっぱり」

「私だけが人様の団子を食べるのは剣士として嫌です。私の団子も食べてください」

 

妖夢が団子を俺の近くに持ってきた

 

「では、遠慮なく」

 

パクッ

あ、確信した。

ここの団子屋、超うめぇ

そして妖夢かわええ。当たり前か

 

「向かいには、蕎麦屋があるんですよ」

「ヘェ〜」

 

あそこの蕎麦屋、繁盛してんなぁ〜

 

 

俺たちは花屋に向かった

 

「花屋にはたまに幽香さんがいるんですよ」

「ふ〜ん幽香って?」

「フラワーマスターと言われる人です。とってもお強いらしいですよ」

「ヘェ〜」

 

花屋に着くとちょうどその幽香と言う人が来ていた

 

「あっ幽香さん、おはようございます」

「あら、おはよう。そっちの子は誰?」

「石円流楠君です。」

「お、おはようございます」

「おはよう、そんなに堅くならなくてもいいのよ。」

「その顔どっかで見たような...あっ文々。新聞に載ってた子よ。」

「嘘!妖夢、どこなら文々。新聞買える?教えてくれ!」

「えっと、あっちです!」

 

〜文々。新聞購入〜

 

え〜と今月号には、こう書いてある

 

石円氏が死亡

 

ふざけんなよ、あのクソ天狗

 

「あやややや、流楠さん生きてたんですか?」

「射命丸、俺を勝手に殺すな!」

「これは逃げた方が良さそうですね」

「逃すか!!」

 

クソ天狗は逃げるが、俺は幻力を使って追いかける

 

「流石に世界最速にはかないませ...あれ?追いついてる?」

「逃がさん」

 

俺はクソ天狗を掴み、そのまま落下した

「あやややややや〜」

 

 

一方その頃妖夢は

「流楠君、速いんですね」

お茶をすすっていた

 




飛んでるから、空中散歩だよね、これ。
本当は紅魔館に連れて行きたかったんですけど、結局行きませんでした。
またの機会に...ってことで!!


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番外編 文々。新聞 《号外》外来人の英雄幻想郷を救う

こんにちは魂夢です。第11話の文々。新聞のfullバージョンです


幻想郷は過去にたくさんの異変に悩まされたことがあるのは周知の事実だ。

その度に博麗霊夢が異変解決を行なっている。

しかし、昨日の戦いでは、博麗霊夢は一人の外来人に頼っていた。

今回はそれから掘り下げて、現在の危機、そして起こりうる恐ろしい未来について考察する。

 

約200年前

ある錬金術師は人間の負のエネルギー、闇力を、霊力などの代用として使用した。

しかし霊力を超越した力を手に入れた錬金術師は、その力で幻想郷を支配しようとした。

それを阻止するため、幻力を作り錬金術師を封印することができた。

昨日の戦いはどう言うわけか現れた闇力の持ち主を倒すための戦いだった。

 

そして、昨日、幻力の持ち主、石円氏が死亡。

今回私が言いたいのは、もう闇力に太刀打ちできないと言う事。

さらに、これから闇力を使う敵は増えていく事だろう。

その理由は簡単に推測できる。

謎の場所の洞窟には、まだ、闇力が辺りに漂っており。

石円氏が死亡したことによって、好機と見て一気にせめこんでくるかもしれない。

石円氏の力がなければ闇力には太刀打ちできないのだ。

博麗霊夢も今回は石円氏に頼りきっていたためこれはもう幻想郷破滅の危機と捉えて良いだろう。

 

そのことについて、同居人の魂魄妖夢氏に取材を申し込んだのだだが、たぶらかされてしまった。

もしかすると、白玉楼に住む住民たちは今回の件の黒幕では無いかと推測する。

一度異変を起こした者が二度目の異変をすると言うのは、非常に察知しづらいのである。

さらに現在、もっと大きな異変が近づいているため、さらに察知しづらいわけである。

白玉楼の住民たちは、闇力をある人物に投与し、一つの異変を起こし、

異変の騒ぎが収まらないうちに幻想郷を破滅させようとしているのでは無いだろうか?

魂魄妖夢氏にその件を言うと「何をいっているのですか!?」と知らんぷり。

やはり、計画は知られたく無いようだ。

 

しかし、幻想郷を破滅の危機に晒す、理由が全くの不明である。

だが、理由はいたって簡単なものだったのだ。

理由は外の世界に行くためのものでは無いだろうか?

その理由は実は簡単で、幽々子氏の能力は死を操る程度の能力だ。

能力を使えば気に入った人間以外を全て排除し、外の世界の技術を手に入れるのことが可能だ。

 

ここで問題になってくるのは、なぜその能力を幻想郷に使わなかったかと言うこと。

これは、黒幕が幽々子氏と言うことを分からないようにするためだろうか。

それとも、不老不死の妖怪が排除出来ないからなのか。

おそらく後者であろう。

なんにせよ、黒幕が白玉楼の住民なのはほぼ確定と言って良いだろう




文の陰謀論者な回答を考えるのは、しんどいですね。
文がこんな言い回しはしないと、思った方は気軽にお申し付けください。


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第12話 妖夢の気持ちと見知らぬ男

こんにちは魂夢です。更新が遅くなってしまってすみません!!


・妖夢視点

今日はもう寝るだけ

私は目をつぶった

 

「はい、あ〜ん」

 

団子の時のことを思い出す

///ああ、なんで私は食べてしまったんだろう?///

でも、ちょっとだけ嬉しかった

顔がカッと熱くなるのを感じた

なんだか寝付けない、流楠君のことを思い出すと、寝れなくなってしまった

ガラガラガラ、、テクテクテク

引き戸があく音と誰かが歩く音がする

幽々子様が夜遅くに外に出る理由もわからないし、流楠君かな?

何をしているのだろう?

私は気づいたら引き戸に向かっていた

 

〜白玉楼の庭〜

 

私は岩の後ろからのぞいた

そこで、流楠君は必死に刀を振っていた

 

「強くっ!..........ならなきゃっ!..........いけないっ!...」

 

呟くように言う

流楠君は私達の為に自分で修行を...

私も頑張らなきゃいけないな

 

 

私はしばらく、流楠君を見ていた

流楠君は身体がビクッとなると、突然こちらに振り返り、弾を撃ってきた

 

「そこに居るのは、わかってる!誰だ!」

「わ、私です」

「あれ?妖夢?こんな夜遅くにどうした?」

「いや、ちょっと寝付けなくてですね」

 

流楠君は少し困ったような顔をした

 

「あの、いつから見てた?」

「さ、最初から全部見てましたけど?」

 

流楠君はびっくりした顔をした後、頬を赤らめた

 

「どうして赤くなってるんですか?」

「だって恥ずかしいもん!自主練見られるなんて!」

 

そう言うものなのかな

 

 

 

「流楠君はスペルカードを持っているんですか?」

「ス、スペルカード?」

 

流楠君はスペルカードの存在を知らないのかな

 

「スペルカードは、えっと、特殊な技が使えるようになる札、みたいな感じです」

「それはどうやったら使えんの?」

「流楠君の部屋のタンスの入っていたと思いますが」

「オッケー」

 

そう言うと流楠君はスペルカードを探しに自室に戻っていった

私はなぜか、寂しい感覚に襲われた

 

・流楠視点

 

タンスの中を探しに探したがどこにもない

 

「探し物は見つかったかい」

 

突如後ろから声がした

妖夢かと思ったが、喋り方と声の高さで知らない人ということがわかった

黒いフードを着ているため顔がよく見えない

 

「お前は誰だ」

 

俺は幻光刀を構え、臨戦態勢になる

 

「名前を言う必要はないし、そんなに警戒しなくてもいいよ、殺すつもりはないから」

 

名前を言う必要はない?なぜだ?

警戒しなくてもいいと言われても、一応警戒はしておく

 

「それより、スペルカードを探しているのだろう。これをあげるよ」

 

そう言うとスペルカードを何枚か俺に渡した

 

「渡すものは渡したよ。それじゃあね」

「待って!何が目的だ」

「それも言う必要はないけど、僕らはまたいつか会うはずだと思うよ」

 

すると、男の体は黒い羽に変わり散っていった

 

「こりゃ掃除が大変だな」

 

スペルカードより、男の方が俺は気になっていた




ちなみに今回現れた男は10話に出てきた??君ですよ


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第13話 妖夢との添い寝

こんにちは魂夢です。うふふな展開になりました


俺は男が何か怪しい者では無いかと気になっていた

 

「とりあえず、掃除するか」

 

俺はスペルカードと一緒に渡されたカードケースにスペルカードを入れた

そして、羽の掃除を始めた

羽を手に取る

 

「うっ!」

 

ズキッと頭に痛みが走った

気が失いかけて、バタッと倒れた

 

 

 

なん分経っただろうか

もしかしたら数十秒も経っていなかったかもしれない

掃除は妖夢にやってもらうしかないな、気が引けるが

しかし、今日はもう遅いから明日やってもらうか

 

・妖夢視点

 

私はまだ眠くなかった

流楠君が居なくなってしまった事でなぜか、寂しくなってしまった

 

「あっ!」

 

流楠君の外の世界の服が岩に掛けてあった

これは渡しに行ったほうがいいよね

私は不思議とニヤニヤしていた

 

〜流楠の部屋〜

 

「り、流楠君〜忘れ物が.....あっ」

流楠君は幸せそ〜に眠っていた

私は気づくと流楠君の布団の中に入ってしまっていた

 

「すごく幸せそうですね。あの時私を守ってくれた時の顔はどこに行ったんですかね」

 

私は突然強い眠気に襲われた

流楠君の温かいぬくもりが眠りを促す

さっきまで全然眠くなかったはずなのに

私はぬくもりに包まれながらコクッと眠ってしまった

 

・流楠視点

 

部屋に朝日が差し込む

俺の瞼に光が当たり、俺は目覚めた

 

「ふぁ〜もう妖夢は起きてい...えっ!?」

 

目の前に妖夢がいる

し・か・も.....顔が近い!!!!!!!!

まずい、これはまずいぞ

これから、俺のすべき行動がわからない!

と.....とりあえず、に.....二度寝だ!!!!

そ.....それが一番いいと思う

お....俺は無意識ですよ〜的な!!

それならいけるか!?

よし!!二度寝だ〜

ZZZZZZZZZZzzzzzzzzzz

 

・妖夢視点

 

「う〜ん....ふぁ〜...ひえっ!」

やってしまった!!!!!

こ...これは...は...どうすれば??

もし、流楠君が起きてしまったら、取り返しがつかない

今が何時なのかは知らないが、恥ずかしいから二度寝です!!

 

・流楠視点

 

「「ふぁ〜...あれ!?」」

 

同時に目覚めてしまった

どう反応をすればいい

これは喋ったほうがいいのか?

体は動いていないが、心の中ですごいオドオドしている

 

自室に重々しい空気が流れる

 

「流楠〜妖夢が部屋に居ないのだけれど、知らな.....あぁ〜そういうことね」

「「いや!違う(んです)」

 

二人とも必死!

 

「いやはや、そういうことならいいのよ。二人で仲良くね〜」

「だから!ちょっと待って〜」

 

この1時間も経った後に、事態は収まった




一種の番外編みたいになっちゃたんだ、ごめん!!
もし妖夢とこんな状況になったらみなさんどうしますか??


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第14話 新たなる刺客

こんにちは魂夢です。新しいオリキャラの登場です!


俺は現在、朝飯を食べている

空気が重々しい

 

「今日もご飯が美味しいわ〜」

 

幽々子が言うが、空気は重々しいままだ

 

ドンドン!!

 

戸が叩かれる音がする

 

「おーい!流楠!居るんだろ!出てこいよ!」

 

俺は急いで入り口に向かった

 

そこにはボロボロになった魔理沙がいた

 

「ど.....どうした?」

「闇力だ、闇力を使う奴が、人里に.....」

 

魔理沙は気を失って、バタッと倒れた

 

「幽々子!、魔理沙を頼んだ!」

 

そう言うと、幽霊が魔理沙を俺の部屋に運んだ

 

「では、行きましょう」

「おう」

 

俺たちは、急いで人里に向かった

 

〜人間の里〜

 

里では霊夢が敵と戦っていた

 

「なかなかやるじゃねぇか」

「博麗の巫女を見くびらないで」

 

敵の方には傷が無かったが霊夢は少し弱っていた

 

「霊符『夢想封印』」

 

霊夢は大量のお札を敵に投げる

しかし、敵はひらりひらりと避ける

 

「まぁ、その程度か。今度はこっちから行くぞ!」

闇符(あんふ)『破壊の衝動』」

 

敵の体から闇力が溢れ出し、瞬間移動

霊夢を蹴り飛ばた

霊夢は民家に突撃し、そのまま気絶してしまった

 

俺は気づいた

明らかにこの前戦った敵より強い

 

「おっと、そこに居るのは、かの有名な英雄さんじゃね〜か」

 

俺は幻光刀を構えるが、突如体の力が抜け、物凄い頭痛に襲われた

その場に倒れこんだ

 

「どうした?俺の殺気で怖気付いちまったか?」

 

奴は俺の目の前にやってきて、手を振り上げた

 

「死ね」

 

ドス黒い声で言い、手を振り下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うがっ!?」

 

俺は死んではいなかった

何かが奴に当たっていたる

しかし、弾幕が当たったわけじゃない

俺の知る限り、この銃声は

俺のいた世界の『フェーズド・プラズマ・ライフルの銃声』だと思われる

 

「おいおい、大丈夫か?」

 

目の前にいたのは

元いた世界の最新ロボットスーツを着た男だった

 

「あとは俺に任せな」

 

男は敵に銃を向けた

 

「さぁ、お仕事開始」

 

男は敵に銃を撃つ

ずぶとい音がなり、弾丸は全弾命中した

銃をバックルにしまい敵に近づき殴った

ドゴォと言う鈍い音がなる

 

「くっ!下がダメなら上だ」

 

敵は上に飛び上がる

しかし、スーツのバックパックによって男も飛び上がる

空の上で取っ組み合いが始まる

 

「うっ!」

 

敵の腹にゼロ距離射撃をすると、敵は墜落した

 

「最新式を使ってみるか」

 

男はバックパックからさっきとは違う銃を取り出した

『SE・03・ライフル』だ

銃を撃つと敵の腕が弾け飛ぶ

そして、敵の腕の再生が終わる前に2発3発と確実に当てて行く

男はバックパックにチューブで繋がっている、謎の銃を取り出した

敵の再生が終わる前にエネルギーを溜め、撃ち放つ

辺りに強い光が現れる

 

 

 

光が消えた時、敵の姿は無くなっていた

代わりに、地面に『メダル』のような物が落ちていた

男はその『メダル』を拾い、懐にしまった

手の甲に付いていたボタンを押すと、ガシャガシャっと変形し

全てバックパックに格納された

 

 

 

男はこちらに向かってきた

 

「あ、ありがとうございます」

「いいよいいよ、俺の仕事だし」

「え?俺が幻想郷を救えって言われたはずなんだけど」

「いや、俺の仕事はこれ」

 

男は俺にメダルを見せた

 

「俺の目的は『コア』を集めること。申し遅れたが俺の名前は西井察都(にしいさつと)だ」

 

西井...か

どこかで聞いたことがあるような

 

「今日からおまえの後方支援をやらせてもらう」

「わかった、一緒に頑張ろうな」

 

俺は西井と右手でハイタッチした

 

この時の俺たちは、西井が『ある過去』を持っているなんて、考えもしなかった




オリキャラ三体目ですね!


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第15話 流楠の死

こんにちは魂夢です。


「ただし、コアは全て渡してもらうぞ」

 

西井は絶対だぞ、とでも言うかのような口ぶりで言った

 

「ああ、構わない」

 

俺は渡さない理由は特になかったので、OKした

 

 

 

俺は西井が持っていた銃が気になった

だって最新式の銃を装備していたし、あの銃はまだ試作段階だったはず

 

「西井の持ってる銃は、その、どこで手に入れたの?」

「これか?これは博士に渡してもらった物なんだよ」

 

博士って誰だ?しかも最新スーツを作るなんて。外の世界の武器を持ってきたのか?

いや、違う。おそらく西井と博士は『外の世界』から来たのだろう

どうやって来たんだろう、紫は知っているのか?

 

「なぁ、その博士に会う事ってできる?」

「多分できると思うけど、今日は無理だと思う」

「まぁ別にいいんだ、会える日に会わしてくれ」

 

西井はオッケーと言うと飛び立ち、帰って行った

 

・妖夢視点

 

西井さんと別れてから、流楠君に元気がない

落ち込んでいると言うより、考え込んでいる感じだった

 

「流楠君、どうしたんですか?」

「いや、なんでもないよ」

 

流楠君は笑った

だけど、私は気づいた

流楠君の笑いはぎこちなかった、明らかに何かを隠そうとしている

 

「なぁ妖夢、あとで俺の部屋を掃除してくんね」

「良いですけど、どうしてですか?」

「なんか、頭痛がするんだよ、触ると」

「いいですよ」

 

私が答えると流楠君はまた考え始めた

流楠君が考えている間に白玉楼に着いた

 

〜少女掃除中〜

 

掃除を終わらせた

私は幽々子様に相談をするために居間行った

幽々子様はいつもより真剣な顔をしていた

それにお菓子にも手をつけていない

 

「幽々子様、流楠君のことでお話があります」

「私も話があるの」

 

私は座った

幽々子様は私が座ると話し始めた

 

「今日、流楠君に何があったの?」

「流楠君には何も、ただ外界の技術を持った男が敵を倒しました」

 

幽々子様は少し考えた顔をした

重々しい空気があたりに流れ始める

 

「流楠君に何があったか分かれば」

「幽々子様、私流楠君に思い切って聞いてみます」

「いいけど、気を付けてね。今の彼、とてもデリケートだから」

「はい」

 

私は流楠君が修行している、庭に向かった

 

・流楠視点

 

〜白玉楼の庭〜

 

幻符(げんふ)『守護の覚悟』」

 

前の敵の技をパクッた物だ

俺の幻力を飛躍的に上昇させることができる

初の試みだったが、成功したようだ

 

「流楠君、少し話があります」

 

妖夢は見たことのない表情を浮かべている

真剣と恐怖が混ざり合ったような表情だ

 

こんな見たことない表情を浮かべているってことは

俺が何か凄いことでもやらかしたのだだろうか

 

「ど...どうした?」

「私に、何を隠しているのですか?」

 

俺は隠している事がバレた

というより、隠すのが下手だったのかもしれない

 

俺のことをよく知らない先生より、俺のことをよく知ってたからだろうか

 

 

「というより、なんで笑っていないのですか?」

「何を言っていっているの?普通に笑ってるよ?」

「あなたの笑い方は乾いています」

 

俺は悩んでいだのだ

確かに笑い方が乾いていた

 

「ああ、確かに。何が言いたい?」

「理由を教えて欲しいのです。」

 

妖夢は真剣な表情で言う

 

「俺は強くならないといけない」

「どうやれば強くなれるかを考えているだけだよ」

「それだけでは無いはずです」

 

言い当てられる

妖夢は非常に冷静に言った

 

 

「ああ、そうだ。俺は価値のある人間になりたい、その事を考えていた」

「どういう意味ですか?価値の話は関係ないと思うのですが?」

「先の戦いで俺は何の役にも立てなかった、このままだったら俺は役立たずになる」

「そんなことないです」

 

何故そう言える?

俺の経験上、このままだと俺の価値がなくなる

前もそうだった

 

 

あたりはとても静かになった、風の音だけが静かにこだまする

 

「私は、役に立たなくても、流楠君に価値はあると思います」

「いや、違うね」

「俺だって昔はそう思っていた」

 

冷静を装っているが、俺の中で少しずつ、怒りが蓄積されている

 

「どうして流楠君の価値がなくなると思うのですか?」

「俺は昔、ある事があって、その時気付いた」

「価値があるのは俺じゃないことが」

 

あの時もそうだった

みんなに言われてやっと気づいたんだ

俺は『無能』だってことに

 

だからあの時、頼られて嬉しかったんだ

期待を裏切ることはできない

 

「価値があるのは俺じゃない、『幻力』なんだ」

「幻力を使えない俺に何の価値がある?幻力を使えないせいで死人が出たらどうする?」

「そんなこと思っていません!全部自分のせいにしくてもいいんです!」

「だから!そんなんじゃダメなんだよ!」

 

『何か』が崩れていく

音を立てて、『脆い絆』ゆっくりと崩れていく

つみあげてきた物が消えていく

 

「自分のせい以外に誰のせいにする?もう、自分のせいで誰かが死ぬのは嫌だ!」

「だから自分のせいじゃないんです。安心してください」

「使命を全うできなかった俺の責任。それ以外の何者でもない」

 

次から次へと妖夢を責める

この時やめればよかったのに

妖夢は必死に俺が間違っている事を教える

俺が冷静だったら意味もわかったのだろう

 

 

俺はこの体験を一度している

助けるために来たのに、助けられなかった

あんなにも心が痛む事を、妖夢にわかるはずない

 

そんな事を考えていた

よく考えればわかるはずなのに

 

「違います。『仕方がない』事だってあるんです」

「.....は?」

 

今になってわかる

世の中にはどうしようもないことがある事を

この時の俺にはわからなかった

 

 

「なるほど、俺は弱いから、人が死んだって『仕方がない』んだな」

「ち.....違う。そういう意味じゃない」

 

妖夢の放った言葉は俺には届かなかった

怒りが俺を支配する

目が紫に変わり始める

 

 

この前と同じようにはいかない

 

「俺は元の世界に帰るよ。俺は弱いから、人を見殺しにしても『仕方ない』からね」

 

仕方ないを強調して言う

『元の世界』に帰ろう。そう思った時だった。

いじめられていた時の記憶が頭よぎった

 

(ああ、もう俺死んじゃおう)

 

俺は長い階段で、後ろ向きになり、斜めになる

ゆっくりと、着実に身体は後ろに傾く

 

妖夢が俺の手を取ろうとする

俺は妖夢の手を振り払い

スペルカード、『守護の盾』を作り妖夢の手を拒む

そして、妖夢には死ぬところを見せないため、強い光を放った

 

・妖夢視点

 

流楠君の強い光が流楠君の体を覆い尽くす

光が収まった時、流楠君の姿はなかった

 

「流楠君.....が.....いない....」

「う....うぁ.....」

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

私は泣いた

大声で泣き叫んだ

 

「妖夢?どうしたの?」

「流楠君がぁ......りく.....くん.....がぁ....」

 

声にならなかった

なぜ泣いていたかは覚えていない

ただ流楠君に会えなくなったことに悲しくなった

 

自分の胸が強く締め付けられる

私は流楠君が悩みを抱えていることにもっと早く気付けば

流楠君が死ぬこともなかったかもしれなかったのに

 

私は自分を責めた

 

すごく流楠君が恋しくなった

この時私はもうすでに、流楠君のことが『好き』だったのかもしれない




疲れすぎて、後書きが思いつきません


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第16話 友情

こんにちは魂夢です。そろそろ東方キャラをじゃんじゃん出していきたい
あと、本当に!本当に!投稿遅くなって申し訳ありません!m(_ _)m

流楠君の立ち絵を友達に書いてもらいました!
ご協力ありがとうございます!

【挿絵表示】



俺は白玉楼、と言うより冥界から落ちていく

風をきる音が心地いい

 

でも、もう少し生きていたかったな

なんて思ってしまう

生きていても良いことなんてないのに

 

曇った雲は、俺の死を演出しているようだった

 

思えば長い人生だったな

生まれてから良いことなんて数えるほどしかなかった

でも幻想郷(ここ)に来てからは良い事が多かった

 

もうすぐ地面だ

 

元の世界そして幻想郷に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さようなら(・・・・・)

 

・幽々子視点

 

妖夢が言っていたことによれば

落下死なはず

だとしたら死体があるはずなのだけれど

 

「妖夢、流楠の死体がないのだけれど」

「えっ!」

 

光の無かった妖夢の目に光が戻る

妖夢はすごいスピードで地上に降りて行った

 

〜地上〜

 

地上の野原に人の形の跡が残っていた

しかし、そこには血痕があるだけで、流楠の死体は無かった

 

つまり、流楠の死体は移動している

流楠は生きているか、誰かが持って行ったはずだ

その事は妖夢も気づいているだろう

 

「幽々子様、永遠亭に行きましょう」

 

永遠亭?確かにあそこには、治療ができる

ここまで血が出ているなら、私も永遠亭に連れていくだろう

 

「そうね妖夢、行きましょう」

 

私達は、永遠亭に向かった

 

・流楠視点

 

あれ?俺は生きている?

しかも丁寧に和風な部屋の布団で寝ている

 

とりあえず身を起こす

 

「痛っ」

 

背中が痛い

当たり前だ、あの高さを背中から落ちたのだから

 

ガラガラ

 

襖が開き、人が入ってくる

 

「あら?もう起きたの?」

 

長い銀髪を三つ編み?にしてる

ナース帽をかぶって、左右で色の分かれる特殊な配色の服を着ている

 

「あ、あなたは?」

「私は永琳、八意永琳よ。普通に永琳って呼んで」

 

八意永琳?

聞いた事がない名前だ

有名なのだろうか?

 

「あなたは.....流楠君よね?」

「あ、はい。石円流楠です」

 

文々。新聞を読んでいたのか、戦いを見ていたか

どっちか知らないが、まぁそんなとこだろう

 

「ちょっと背中見せてくれない?背中にすごい傷ができていたから」

 

俺は背中を見せた

すると永琳は少し驚いたような顔をした

 

「あれ?傷がふさがっているわ?」

「え?」

 

手探りで背中を触ると傷一つなかった

考えてみると、背中の痛みも消えていた

 

「ちょっと待っててね、違う薬待ってくるから」

「あっ待って」

 

永琳はクルッとこちらに向くと、はてなマークを浮かべている

 

「なんで助けてくれるの?俺はこの前の戦いで役に立たなかったのに」

「役に立とうが、立たなろうが、助けるわよ」

 

永琳はそのまま部屋を出て行った

珍しいタイプの人なのか?

佑と同じような

 

役に立たなかったから治療を受けるのはダメだな

 

ずっとここにいて治療を受けるのも迷惑だしこっそり抜け出すことにした

 

・妖夢視点

 

私達はもう永遠亭に到着した

 

「ごめんください!」

「はーい」

 

永琳が出てきたが、手には薬を持っている

 

「流楠君います?」

「あっ流楠君なら治療室にいますよ」

 

私達は治療室に行った

 

 

 

治療室には流楠君の姿は無く、やはり血痕があるだけだった

 

「あれ?流楠君がいないわ、さっきまでいたのに」

「あっ!」

 

血の足跡が妖怪の山まで続いていた

なぜ妖怪の山に行ったのかはわからない

 

「幽々子様!行きますよ!」

「あっ妖夢待って〜」

 

私達は走って妖怪の山に向かった

 

・流楠視点

 

成り行きで妖怪の山に登ったのは良いものの

疲れるなぁ

でもまぁ、山の頂上で自殺もいいものかな

 

 

 

「ギェーーーー」

「うぇ!?」

 

びっくりした!

なんか蜘蛛みたいな妖怪が来た

撃退したいが、生憎、幻光刀を持っていない

とりあえず、幻力で吹き飛ばす

地面に激突した影響で気絶したみたいだ

 

歩いていると気づく

 

風に揺られて鳴る草の音が俺の心を浄化しているようだ

こんな世界にもっと早く気付けば、俺はもっと友達がいたかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空を見上げていた

バサァ

なんかお腹が暖かい、目をお腹に向ける

 

なんと、妖夢が抱きついていた

妖夢の目には涙がうっすらと浮かんでいた

 

「心配したんですから」

「なんでこんなところまで、追いかけてくれたの?」

「私は....流楠...君..に.....死んでほしく.....ない..から...」

 

声が震えている

泣きながら言ってくれたことに俺はバカだなとつくづく後悔した

 

俺は顔を上げた

そこには霊夢や魔理沙や西井がいた

 

「なんで?なんで来てくれたの?」

「私達だって、あんたのこと心配してたんだからね!」

「みんな...」

 

俺は気づいた

俺は佑がいくら役ただずでも、ずっと親友だっただろう

これも同じ事だ

俺がいくら役ただずでも、みんな、俺のことを友達だと思っててくれてたんだ

 

「ごめん...俺が...俺が...間違ってた」

「いいんです、私も悪かっ!?」

 

妖夢は目を見開き、バタッと倒れる

あたりがすっと静かになる

 

「あははははは。感動が一瞬で悲劇に変わる。その顔がたまんね〜ぜ」

「おま...え」

 

みんなが俺を見る

すごい殺気が出ているのが俺でもわかる

 

「あはは...」

「ぐぇぇ!」

「くっ!最終兵器の俺が!」

 

俺は男の顔をぶん殴る

そのまま力を込めて胸を殴った

 

男の胸にパックリと穴が空き

黒い血が吹き出てくる

男が膝から崩れ落ちる

 

「あ...あ...」

「殺ってしまった」

 

西井が俺に駆け寄る

 

「大丈夫だ、あれは偽物だ。負の感情の具現化に過ぎない」

「人は死んでいない」

 

人を殺したより、そんな残酷なことなってしまった俺に絶望しているのだ

 

「俺はいつからこんな残酷に」

「だ、大丈夫だ!あんな奴死んで当然だ!」

 

だよな、俺は大丈夫だよな

安心しろ、戸惑うな。前まで戦えなくて悩んでたじゃないか

 

「う、うぅ」

「あっ妖夢!大丈夫?」

「えぇ、大丈夫です」

「流楠君、死なないでくださいよ」

「ああ、死なないよ」

 

ふと見上げた空、どこまでも続く晴れたての空に、俺はみとれていた




最近の投稿遅い代わりに、文字数が多くなってる気がする


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第3章 三年後
第17話 騒がしい人達


こんにちは魂夢です。
今日も挿絵があるんですけどね
新キャラなんで、あとがきに載せときます。アヤカさんに感謝!


あれから3年

 

いつまで経っても敵が現れないまま、五年も経ってしまったのだ

だが、紫が言うにはまだ出てくるらしいのだが、今のところ出て来ていない

まぁ楽しいから別にいいけど

 

 

 

今日は妖夢とデー..ゲフンゲフン

今日は妖夢と買い物している

俺は今、八百屋に来ている

今日は玉ねぎが安いのだ

北海道から持って来たのだろうか(北海道は玉ねぎの生産No. 1)

あと買うものはにんじんとネギと...その他いろいろかな?

 

〜十分後〜

 

「安かったですね」

 

妖夢はこちらを向き歩きながら言った

58円は安かった

ネギも安いのだ。一本、58円は安いと思う。わかんないけど

 

 

 

「なぁ妖夢、あの赤い建物はなんなの?」

「あ、あれは紅魔館です。レミリアさんが住んでますよ」

 

レミリア?、レミリア?、レミリア?

あっ!あのチート野郎!

今度行ってみるのも、悪くはないな

 

 

 

「オラァァァァァァーー!」

「フェ?」

 

なんか変な女が切りつけてくる

腰から幻光刀を引き抜く

間に合ったようで、変人の刀を弾く

 

時雨(しぐれ)!こいつの弱点は?」

「うーんとね。精神攻撃!」

「できるか!」

 

後ろから新たな変人が!

弱点!?俺の弱点って精神攻撃なの?

 

「おりゃーー」

「ちょ、ちょっと!やめてください!」

 

妖夢が加勢してくれる

俺も精一杯応戦するが、手加減はする

 

「私もやる〜「あっちょっと!時雨!」えへへへ」

 

もう一人も加勢する

これはめんどくさくなって来たぞ

 

人里の中で繰り広げられる小さな激闘

人々が怯え始める

 

さっさと終わらさないと俺は出禁になっちゃうじゃないか!

 

「えい!」

 

もう一人が人差し指をこちらに向ける

途端に体が動けなくなる

サイコキネシスみたいなものを使っているようだ

 

「あーもークソォ!」

 

めんどくさい!幻力使っちゃえ!

 

「幻符『守護のための制止』!」

 

「あれ?力が抜けてくぅ〜」

「ち...力が..抜けて..」

 

バタッと倒れる

よしっ!決まった俺の新技!

新スペカは成功だったらしい。まぁ常人にしか聞かないけど

 

「なぁ妖夢。これどうする?」

白玉楼(うち)に連れて行きましょうか」

「まぁそうするしかないよなぁ」

 

〜白玉楼の空き部屋〜

 

「う...うぅ、はっ!どこだここは」

 

やっと目覚めた

あのスペカは欠陥品か?幾ら何でも目覚めが遅くない?

 

「この悪霊!」

「ちょっと待ってください!流楠君は五年前、幻想郷を救ったんですよ?」

 

妖夢の発言を聞いて、この変人は頭にはてなマークを浮かべ始めた

この人知らないのだろうか?

五年前、文々。新聞にも乗ったのに

 

「えーと、一から説明しますと...」

 

〜少年少女説明中〜

 

「あ〜すみませんでした!!」

 

と、土下座した

 

えっ!土下座!

れ、礼儀正しいというか、なんというか

 

「まぁまぁ顔を上げな、わかったから」

「まさか、えーと「石円流楠だよ、呼び方は適当にやって」あんたが幻想郷を救ってたなんてね」

 

急にあんたになった

適当にやってとは言ったものの、変わりすぎな気がする。まぁいいんだけどね

 

「あっ!私は土方神楽(ひじかたかぐら)って言うんだ。神楽でいい」

「へ〜」

 

起き上がった神楽はあたりをキョロキョロと見渡し始めた

 

 

「あれ?私の刀は?」

「あそこ」

 

俺は顎で壁に立てかけてあった刀を差した

 

「あったあった!よかったぁ〜」

「その刀は何て名前?」

「これは妖刀 紫炎無(しえんむ)って言うんだ」

 

ヘェ〜妖刀紫炎無...妖刀!?

 

「なんで妖刀?」

「わからない、なぜか、うちの道場の家宝として置いてあったの」

「道場?」

「私、道場の師範代やってたのよ。剣術と格闘の」

 

ヘェ〜剣術と格闘ねぇ〜

えっ?両方とも?尊敬するわ〜

 

「し、時雨は!?」

 

目を見開き、すごい勢いで言ってくる

ははぁ〜ん、わかったぞ

神楽はその時雨ちゃんのことを大切に思ってるな

 

「隣の部屋で寝てるはずだけど」

 

またすごい勢いで隣の部屋に向かった

 

〜隣の部屋〜

 

「しっ!時雨っ!」

 

そこにいたのは!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニャーニャーニャー!」

 

猫耳つけながら猫の人形使って遊んでた時雨ちゃんだった

とても楽しそうに遊んでいたので、こちらも和んでしまいそうなほどだ

 

「ニャ?どうしたの神楽ちゃん?」

「い、いや、ちょっと心配したのだけれど、心配して損したわ」

「えへへへ」

 

な、なんか...いろんな意味で不思議な子.....だなぁ〜

まずこの子の第一印象、なんかすごい子

 

「あっ!さっきの変なお兄ちゃんだ〜」

「お前にだけは言われたくない!!!」

 

いきなり切りつけてきたそっちに言われたくない

確実に変なのはお前たちだろう。わかんないけど

 

「時雨、こいつは石円流楠って言うんだぞ。それに幻想郷を救った」

「ヘェ〜流楠すごぉ〜い」

 

決めた!こいつは萌えキャラだな

 

「私は霧町時雨(きりまちしぐれ)!よろしくねっ!」

「俺は石円流楠、適当に呼んで」

 

時雨ねぇ〜霧町なんて名前聞いたことないな

 

「なぁ、あんたの戦いにうちらも参加していい?」

 

神楽が思い立ったように聞いてきた

 

「まぁ別にいいけど」

「じゃこれからよろしく!」

 

と、ウインクした

 

今度は騒がしい人たちが増えたなと思ったおれであった




一気にオリキャラが増えたね
あと予告どーり挿絵です


【挿絵表示】
土方 神楽さん


【挿絵表示】
霧町 時雨さん

なんかライト当てたら変になった
ごめんなさい!!


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第18話 事情聴取

こんにちは魂夢です。
今日は2017/10/09なんですが、模試なので、緊張してます


俺はなぜ切りつけてきたか気になった

突然切りつけてきたのだそりゃ気になるだろう

 

「なぁなんで俺を切りつけてきたの?」

「なんか、修行から帰ってきたら、何か禍々しい何かを感じた」

 

禍々しい...か

やはりまだ何かいるようだな、幻想郷には

 

「あんたがその正体だったんだよ。今も禍々しい何かが湧き出ているが、私の気のせいだろうな」

 

禍々しい正体が俺だったのか...

理由があるのか?

何かわかればいいのだが

 

「そうか...」

 

俺は立ち上がり、部屋を出た

 

「それじゃあゆっくりしていってくださいね。ちょっと流楠君!」

 

〜廊下〜

 

「流楠君どうしたんですか?」

「なぁ妖夢、俺って禍々しい雰囲気かな?」

 

俺は手を広げたようなポーズをとった

 

「いやそんなことないですよ」

「ならいいんだけど」

 

「俺はお茶持ってくるから、妖夢は時雨ちゃんと遊んでやって」

「わかりました」

 

〜十分後〜

 

「おーいお茶持ってきたよ」

戸を開けると目に入ったのは!

 

 

 

「あそこの団子は三色が一番美味しいですよね!」

 

あの〜盛り上がってるとこ悪いけど俺がいること気づいてる?

 

「わかるぅ〜私は三色しか食べたことないだけど、妖夢は食べたことある?」

「私も食べたことないですよ。でも流楠君のみたらし団子を一口もらったことがありますよ」

「ラブラブやの〜本当はあいつの事好きなんやないの〜」

「いやそんなことないですよ〜大切には思ってますけど」

 

なんか傷つくな。普通にそんなことないとか言われたら

て言うか、俺がいること気づいるのまだ気づかないの?

時雨ちゃんはさっき手を振ってくれたからきずいてくれてるけど

 

「あっ!流楠君来てたんですね!」

「あんたくるの遅いわよ」

「いや、お前らが気づくのがおせーんだよ」

「それは、すいません」

 

まぁ謝ってくれるなら別にいいけど

 

「なぁお前ら家はあるんだろ。今日はもう遅いし、帰れば?」

「そうだね、今日はもう帰らせてもらうとしよう。時雨、帰るよ」

「はーい」

 

とりあえず、今日はもう帰ってもらった

じゃあ今日はもうご飯作って、風呂入って寝よう

 

〜少年就寝中〜

 

夢を見た

しかし、いつもの夢とは違う

 

幼い俺がいて、母親のような女性と、父親のような男性がいる

だけど俺知ってる親とは違う

 

「私達が死んでも、流楠は私達の子...だからね」

 

声が震えている

ボロボロの木製の家の中で、声が木霊する

 

「そろそろだ。真由美(まゆみ)、行かないと」

「そうね...健斗(けんと)...行か...ない...と..ね」

 

声の震えが強くなる

 

「嫌だ!ママ、行かないで」

 

扉を開け、出て行く寸前に捨て台詞のように言った

 

「流楠、愛してるわ」

 

外から轟音が聞こえる

閃光が家の中まで入ってくる

何時間だろう。いや30分くらいで霊夢のような女性が出て来た

 

「終わったわよ」

 

幼い俺が外に出ようと立ち上がった

 

「り...ん.....流楠....君....流楠君!」

「はっ!」

 

ここで起きた

 

「酷くうなされてましたよ?」

「あ、ああ。大丈夫だ」

 

あの夢は、やけにリアルだった

 

「朝ごはんは作っておきましたよ」

「す、すまない」

「いえ、いいんです」

 

あの夢は、俺に何を伝えようとしたのだろう?

 

 




ごめんなさい!!結構時間あったのに、1,200文字しか書けませんでした!!
でも、結構だいじな回にしました


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第19話 歴史

こんにちは魂夢です。ようやく紅魔館に行けて、ホッとしております


朝ごはんは食べたが、頭が重い

あの夢は幻力が関係してるんじゃないかと思うんだ

 

何か情報を得られないか?

今までの俺ならどうやって情報を集めてたっけ?

俺なら...ネットだな、多分

うーん。俺は中学校の時も、全校生徒にタブレットが配られてたし

小学校の時は、辞書とか?本とかならあるかな?

 

「なぁ妖夢、本とか読めるとこ無い?」

「なら、紅魔館に行けばいいんじゃ無いですか?」

 

紅魔館か。なんか嫌な予感がするんだが?

まぁ行くしか無いか

 

「ちょっくら行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 

俺は紅魔館に向かった

 

〜紅魔館〜

 

よし!ついた...が

門番が寝ているせいで、不法侵入しか手がないんだけど

 

「ウガァッ」

 

えっ!ナ、ナイフが刺さった

死なないよな、大丈夫だよね?大丈夫だよね?

 

「全く、ちゃんと仕事してよね。流楠様、何か用でしょうか?」

 

まず、二、三点ツッコミたい

仕事してなくてナイフ刺されるとか、鬼畜か!

そして、何故俺の名前を知っている?

まぁ別にいいけど

 

「えーと、レミリアさんに用があって」

「はい、こちらです」

 

これ歓迎されてる?

俺、この後死ぬとかないよね

あっ!死亡フラグだっ!

 

「えっと、お久しぶり、です」

「うぬぬぬぬ、遅〜い!!」

「へ?」

「あの宴後、ずっと待ってたのに、全然来ないと思ったら。五年も経っちゃったじゃない!!」

 

あ〜なんか言ったな。いつか行くって

 

「ごめんなさい!!」

「まぁ謝ってくれるなら、許してあげるわ」

 

さてと、本題に入ろう

 

「なぁレミリア、本貸してくんない?」

「ならパチェに聞いて」

 

パチェ?名前なら聞いたことある、魔理沙から

 

「こっちよ」

 

俺はレミリアについて行った

 

〜図書室〜

 

「パチェ〜流楠に本貸してあげて」

「えっいいけど」

 

見たことはなかったけど、日陰の少女感がすごいな

しかも名前知ってるし、まぁ毎日本読んでたら俺のこと知ってるわな

俺、結構な有名人だし

 

「勝手に探してもいいわよ、流楠」

「なら、お言葉に甘えて」

 

俺は本を探し始めた

 

〜少年探索中〜

 

2時間ぐらい探したが、幻力に直接的な関係は無いが、面白いものを見つけた

幻想郷の歴史人物の辞典のだが、そこに載っていた先代、博麗の巫女が夢の最後に出て来た人と全く一緒だ

 

あれは俺の記憶?いや、十中八九違うだろう

俺は外の世界の出身な、はず

 

しかし絶対にというわけでも無いのだ

何故なら、行ったことのないはずの場所を不思議と知っていたりするのだ

それは気のせいだと思っていたのだが、違うのだろうか?

 

俺は夢に出てきた人を、辞典で探した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【石円 健斗】

【石円 真由美】

 

これは...(そろそろだ。真由美、行かないと)

(そうね...健斗...行か...ない...と..ね)

これだ。俺の夢の記憶で一番記憶に残っている。真由美と健斗と言う男と女。俺と苗字が一緒だ

やはり家族なのか?しかし俺の育て親は違う人だ

 

落ち着く図書室の中で、俺とパチュリーは本を読みふけっていた




2日連続投稿!思うのですが、文字数短めで早めに出したほうがいいか、文字数多めで遅く出るのどっちがいいですか?


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第20話 咲夜の暴走

こんにちは魂夢です。ようやく投稿できました。
叫びたいぐらい嬉しいです!!!!!!!!!!

そういえばもうこの作品を投稿してから1ヶ月経ちましたね
ここまで続けられたのも今まで見てくれていた、皆様のおかげです
これからもご愛読、よろしくお願いします

いつまでも魂夢クオリティでいきますww


・咲夜視点

 

流楠...か

お嬢様が気になっているようなのだが

 

確かに、独特の雰囲気がある

博麗の巫女と似た雰囲気だ

私も正直、気になっている

 

まぁ今は、妹様に昼ご飯を上げる時間だ

余計なことは考えないようにしよう

 

廊下を歩いていると変な男がいるのを発見した

 

「そこのお前!誰だ!」

 

私はナイフを構えながら言った

 

「おっと、君は咲夜ちゃんだね。じゃあ君でいいや」

 

男はメダルの様なものを投げる

おかしな軌道でメダルが飛んできたが、私は油断して、避けようとも思わなかった

しかし、そのメダルは私の体に入り込んでしまった

 

・流楠視点

 

二人解説を見てみると、どうやら幻力をつかえるようだ

どう考えても、俺との関係性が多すぎる

なんだ、なんなんだ。彼らが俺とどう関係しているんだ!?

 

逆に怖い、さっき見たんだが、紫は世界を作った妖怪らしい

何か知っているのだろうか?聞いてみるしかない

 

 

 

突然、窓が割れ、六つの人影が入ってくる

俺はさっと身構えつつ、幻光刀を抜き、構える

 

「ヤッホー流楠!」

 

なんと、入ってきたのは

妖夢と時雨と神楽と西井と霊夢と魔理沙だった

 

多すぎてよくわからないが、西井がスーツを着ているってことは何かある

 

「流楠!紅魔館(ここ)には何かいる!」

 

神楽が叫ぶ

この状況なら、十中八九、闇力だろう

 

「パチュリー、ちょっと外に出ていた方がいいかもしれない」

 

パチュリーが頭にハテナを浮かべながらも、外に出て行った

 

闇力に魔法は使えないのだ

魔理沙は言っても聞かないのだが

 

 

 

コツ、コツ

歩いている足音が聞こえる

音が近づいている。つまり、こっちに向かっている

 

みんな、周りをキョロキョロと見回す

どこだ?どこにいるんだ

 

みんなに緊張が走る

 

急にナイフが飛んできた

一本やニ本じゃなく、大量に

 

神楽と時雨以外は逃げ切れたが、神楽達は逃げ切れなかった

 

「くそっ!」

 

俺は神楽達を庇ったために、腕に3本ほどナイフが刺さる

 

「あら、避けられないんですね」

「何が目的だ」

 

ナイフをゆっくりと抜きながら聞く

暖かな鮮血が滴り落ちる

 

「やっぱりみんな、私を必要としてくれない」

 

理解してくれない...か

誰だかわからないが、わかるような気がする

 

「うっ」

 

またナイフを投げてくる

今度は神楽達も避けきれた

 

「時雨っ!あいつの弱点はっ!?」

「無理...見えないの...彼女の体全体が真っ黒で見えない」

「なにっ!?」

 

こんな会話をしている間に、ナイフが飛んでくる

今度はみんな避けきれた

 

西井はスーツのお陰で無傷だ

 

 

 

影から現れたのは、咲夜だ。多分

黒と灰色のメイド服を着て、片目だけ赤い

しかし妖夢によく似た銀髪など、咲夜の特徴はある程度残っている

 

「ここは新兵器の出番かな?」

 

西井が手の甲のボタンを押す

光の粒子が長いアームを生成する

 

''マジックハンド''だ

聞いた話では、研究室から光の粒子をこちら側に転送し、物体を生成するらしい

 

マジックハンドが咲夜を掴む

一瞬でマジックハンドが壊れて、咲夜が悠々と立っているのとが見える

 

「うっそだろお前!」

 

光の粒子とて、壊れるのだ

特殊なエネルギーでマジックハンドが光の粒子に変わるのであって

あくまで本物なのである

だからマジックハンドの光の粒子が違う物にはならないのである

 

「くそっ!何か手は?」

 

咲夜がこちらに向かって、ゆっくりと、まるで我々に恐怖を植え付けるかのように歩く

 

 

 

ギラッ

咲夜の足が眩しく光る

足には、お札が絡み付いていた

 

「決まった!」

 

霊夢が叫ぶ

まるで妖怪を退治した時のような声だ

それほど霊夢には確信があるんだろう、と俺は思う

 

「なにっ!?」

 

しかし咲夜には効いていない

普通にこちらに向かってくる、何もなかったかのようだ

 

「嘘...」

「必要としてほしい...どうしてわかってくれないの?」

 

うわ言のように繰り返す咲夜に対して、なぜか親近感を覚える

昔の俺のようだからか?今の俺が昔の俺を止めるなら...''あれ''しかない

 

 

 

...効くかはわからないが、やってみる価値はある

 

「みんな...俺にいい考えがある」

「大丈夫なんですか?流楠君は?」

「.....」

「そうですか...頑張ってください」

 

俺は咲夜の前に立ちはだかった

 

「どういう意味だ?俺に教えてくれ」

「どうせ理解できない」

 

諦め切っている咲夜を見ると、親近感がさらに増す

昔の俺だ。そのまんまだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサッ

 

「うっ!」

 

腹にナイフが刺さる

おぞましい量の血が吹き出す

見たことがない量だ

 

咲夜が俺を弾くように、左に押す

俺は動かず、逆に咲夜の手を掴む

 

「いいよ。刺せよ」

「えっ?」

 

咲夜がありえないという顔をし、動きを止めた

 

「必要とされないんだろ、俺は必要とする。信じないなら俺を好きなだけ刺せ」

 

咲夜は飛び上がると、目の前に無数のナイフが、俺に向いた状態で出てくる

俺はとっさに顔を手で隠した

 

「流楠君っ!」

 

グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ

グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ、グザッ

 

「ここまでしてしまえば、みんな結局同じだ。いくら大口叩こうが結局のところ同じ」

「流楠...君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「必要とする」

「「えっ?」」

 

二つのえっ?

意味が違う二つの言葉が同時に繰り出される

 

「咲夜を人として必要とする。咲夜を人として認める。いくら刺されようとこれは変わらない」

「ど、どうせ」

「神に誓う。咲夜がいくらみんなに必要とされなくても、俺だけは必要とする」

 

こう言うと、咲夜の背中からコアが飛び出た

それを見届けた後、俺は貧血で倒れた



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第21話 流楠のトラウマ

こんにちは魂夢です。今回は謎の回収を行います。あと一週間も時間が空いてしまい申し訳ありませんでした!小説のうまい書き方などを勉強したり、つじつま合わせなどを行なっていたため遅くなりましたが、ボリュームは大きいですよ!


俺は病室で目覚めた

3年前と同じようにあの永遠亭で

前とは違ってミイラのように包帯でグルグル巻きだが

血がたくさんついた包帯が気持ち悪い

 

「大丈夫ですか?」

 

隣で見守ってくれていたのだろうか?妖夢が優しく言う

しばらく妖夢に見とれていたが、我に返り返事をする

 

「まぁ、なんとか」

 

出来るだけ安心させるように言う

逆に俺は聞き慣れた妖夢の声に、すごく落ち着く

妖夢の柔らかく、可愛らしい声は俺の心の傷を癒すには十分過ぎる

 

「流楠君はどうして、いつも自分を犠牲にするんですか?」

 

やっぱり気になるよな

俺は毎回異変が起きるたびに、自分を犠牲にしてみんなを守って来た

これには俺の過去が大きく関わっている。本当は最後まで話したくはなかった

けれど、この件を話すことになるのはなんとなく、薄々気づいていた

だからこそ全てを話すことにした

 

「わかった。話すよ、俺の過去を、俺のトラウマを」

 

ー流楠の過去ー

 

これは俺がまだ小学生の頃だ

 

小学生の頃の俺は、自分で言うのもなんだが、人気者だった

登校すればみんなに挨拶され、クラスに入れば俺を中心に輪が出来た

 

その時の俺の不安といえば両親のことしか無かったかな?

 

俺の両親は見た目は普通の夫婦なのだが、いつも兄ばかり優遇していた

おやつも兄の方が多かったし、兄だけ自分の部屋があった

兄は小太りで、わがままで自分の意見がとうらないとキレるような人だ

 

俺は両親も兄も嫌いだった

だから高校生で一人暮らしを始めた

自分だけの部屋を手に入れた時は清々しい気分だったよ

 

俺は小学生の時に受験に成功して、中高一貫校に入学した

だけどこれが間違いだった

中学一年の時、まだ学校が始まったばかりの頃

俺は人助けに興味を持ち、ある国のボランティアに参加してしまった

その国は紛争が絶えない国だったのだが

俺がボランティアに来た時、運悪くそこで戦闘が始まった

 

激しい動きを見せる防弾ジョッキを着た男たち

辺りに銃声や爆発音が鳴り響く

 

俺と他数人は瓦礫の後ろに隠れていた

 

たまたま手榴弾が建物の下に落ち、大きな爆発が起きた

建物が倒壊し、建物の下にいた少女が瓦礫に挟まれる

俺に向けて手を伸ばす少女を見て、俺は助けないといけない使命感に駆られた

 

「この国に来たのは人を助けるためだ!」

 

そう言って自分を奮い立たせ、少女のもとに急ぐ

あと少し、あと少しで辿りこうとした時

''もう一つの手榴弾''が少女の元に落ちた

 

そして手榴弾爆発し、少女の姿は閃光と爆音に包まれた

閃光と爆音が収まった時にはもう、少女の姿は無かった

 

「あ.....あぁ....」

 

目の前の惨劇に絶句する俺

膝から崩れ落ち、その場から動けなくなった

 

「おい!何してるんだ!?死ぬぞ!」

 

同じくボランティアに来ていたガタイのいい男が、俺を瓦礫の裏まで引っ張ってくれた

 

その後のことは、あまり覚えていない

気がついた時には、もうすでに飛行機に乗っていた

 

〜病室〜

 

俺の涙が包帯にポツリ、ポツリと滴り落ちる

涙をぬぐいながら俺は言った

 

「俺は伸ばした手を掴めなかったんだよ。俺はダメなやつさ」

 

妖夢が俺の手をぎゅっと握りながら言った

 

「流楠君はダメなやつではありません。いつも私たちを救ってくれた人を、私はダメな奴だとは思いません」

「...ありがとう...」

 

俺は何とも言えない幸福感に包まれた

 

俺を褒めてくれる人がいる、俺を理解してくれる

それだけで俺はもう何もいらないほど嬉しいのだ

 

ー流楠の生活ー

 

話を戻そう

俺は中学生になり、中学校に行った

いつも通り、席に着いた、人が来たので挨拶でもするのかななんて思っていたのだが

俺は度肝を抜かれた

 

「この人殺し!」

 

俺は予想外の出来事のせいで、一人海放り出されたように唖然としてしまった

そしてなぜかはわからないが、俺のボランティアの件が学校中に広まっていたのだった

 

「死んだ少女が生きた方がよっぽどよかっただろうよ」

 

俺はうつむきながら話を聞いていた

歯を食いしばりながら、じっと耐えた。耐えて耐えて耐え続けた

 

「みんなぁ!コイツは少女を囮にして逃げたんだぜ!人間のクズだよな」

「それは違う!!」

 

みんなの前俺のことをクズと叫んだのは厄介者の谷澤星空だ

俺は否定した

必死になって、違うと言い続けた

 

けれどもいくら言っても意味がなかった

無駄なあがきを続ける俺に対して星空は口元に微かな微笑を浮かべた

 

それを見て俺の中で少しづつ、怒りがたまっていくのがわかった

目が飛び出るほど目を見開きながら、俺は訴えた

 

「俺は助けようとしたっ!」

「人殺しで嘘つきとか、なんで生きてるかすらわからなくなるよなww」

 

そして怒りはいずれ、悲しみえと変わって言った

心がズキズキと痛い、心が苦しい

ナイフで刺されたように痛み、心を直接掴まれたように全身がぎゅっと苦しくなる

 

そこで俺は気付いた

ここは俺が知っているような、楽しい学校じゃない

 

ここは地獄だ。俺は今、地獄にいるのだ

これから爪を剥がされ、手と足を千切られて、身動きが取れないまま、身体中を針で刺されて

苦しみに包まれた状態でゆっくりと存在が消える(死ぬ)のだということを悟った

 

そして、イジメは少しずつ人殺しへの制裁から、ただの理由の無いイジメに変わっていった

更にイジメはだんだんとひどくなっていった

自分のせいだと思っていたのだけど、もう何が何だかわからなくなってしまった

 

耐えきれなくなった俺は自殺しようと、ビルの端にある鉄格子に登った

俺は、怖気付いた?いや、少し違う感情を抱いた

 

【俺が俺で無くなってしまう】

 

これが感情なのか心の声かはわからない

ただ死の恐怖とは違う何かに、俺は使命感を感じた

この気持ちのお陰で俺は麻薬も違法もしなかった

不思議ではあるが、今となってはこの気持ちに感謝している

 

そして俺が俺でいるためには耐えればいいと考えようになった

それから高校2年まで耐えていた

 

〜病室〜

 

「まぁこんな感じかな?長々とごめんね」

 

俯いていた俺は、妖夢の方にふっと振り返った

俺は妖夢の方を向いて、いい意味でびっくりした

 

「流楠君に.....そんなことが...あったんですね」

「流楠は、よく頑張ったと思うぜ」

「アンタも良くやったじゃない」

「そのお気持ち、よくわかります」

 

そこにはみんないた

妖夢の他に、霊夢や魔理沙、咲夜やレミリアまでいた

 

「みんな...ありがとう!」

 

みんな泣いてて、気づくと俺も泣いていて

本当に、本当に良かった

 

幻想郷に来る選択をして、よかった!

 




霊夢達はお見舞いに来た時にたまたま話を聞いていた設定です


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番外編 ハロウィン!!

こんにちは魂夢です。ハロウィンといえばお菓子、ハロウィンにラーメンを貰った私は一体...


「フフフフフ、フハハハハ!」

「どうしたんですか流楠君?」

 

後ろにいた妖夢が聞いてきた

 

「妖夢よ、今日は何日かわかるかい?」

「10/31ですけど、あっ!」

「そう!何を隠そう、今日はハロウィン!今までもらえなかったお菓子を今日こそもらう!」

 

俺は兄のせいでハロウィンでお菓子をもらったことがない、だから今日は何が何でも貰ってやる

 

「流楠君たしかもう大人になってませんでした?」

「ギクッ!」

 

確かに、俺はもう大人だ

だけど、大人でもお菓子が欲しい!

 

「そういえば霊夢さんも似たような事言ってたような気がします」

「よし!一人じゃ心細いから霊夢達と一緒に行こう!妖夢は来る?」

 

俺は首を傾げながら言った

 

「行きませんよ、私は暇じゃ無いんですから」

「じゃあ一人で行ってきま〜す」

 

俺はコスプレの準備に取り掛かった

幻想郷にいない人になりたいからなぁ〜

そんな素材ないし、うーん

 

よしっ!ちょっくら香霖堂行って来るか

 

〜少年買い物中〜

 

やったぜ

ジェイソンっぽい仮装が手に入った

 

香霖堂は使い勝手がいい

この前、魔理沙から教えて貰ったのだが

外の世界の小物が置いてあるから、俺としては重宝している

 

ハロウィンエリアにジェイソンマスクが置いてあった、おもちゃの斧と一緒に

服は自前でいいだろう

 

さっさと着替えて博麗神社に行こう

 

〜少年着替え&移動中〜

 

「お〜流楠も来たのか!」

「ハロウィンだもの、混ぜてもらおうて思ってさ」

 

霊夢は黒猫の仮装で、魔理沙は...いつものと服装の色違い

白の部分が紫になったものだ

 

「ありえない...霊夢がかわいい仮装してる!」

「何よ、私だって乙女よ!」

「それぐらいわかってるよ!」

 

わかってる、逆に可愛くてびっくりしたぐらいだ

あの服妖夢にも着て欲しいな...何を思ってるんだ俺は!?

 

それにしてもやっぱり脇見せるんだな

 

「それじゃあ行こうぜ、まずは紅魔館から」

「「はーい!」」

 

〜紅魔館〜

 

紅魔館もハロウィン仕様にされていた

まぁレミリア自体、吸血鬼だからハロウィンの象徴みたいなものだしなぁ

 

あと何度も思うんだけどさ、門番寝てていいの?

門番いる意味なくない?

 

「ごめん下さ〜い」

 

ほら、こんなに大声出してるのに、一向に起きる気配がない

 

「はーい、なんの御用でしょうか」

「せーの」

 

「「「トリックオアトリート!!」」」

 

合言葉を聴くと咲夜は口元に微笑を浮かべた

 

「やっぱりそうきますよね」

 

そう言うと、咲夜は紅魔館の方向に手を向け言った

 

「どうぞお入りください」

「やったぜ!」

「んじゃ遠慮なく」

「お、お邪魔しまーす」

 

紅魔館に入ると、食堂のようなところに連れてこられた

そこにはレミリアがもう座っていて、お菓子も人数分だけ用意されていた

 

「やっぱり来たのね、用意しておいて正解だったわ」

「あったりまえじゃない、タダで夕食が食える唯一のチャンスよ」

 

霊夢そんなこと思っていたのか、ちょっと引くわ

 

俺たちは席に着き、ナイフとフォークを握って叫んだ

 

「「「「いただきます!!」」」」

 

お皿の上には

タルトとシフォンケーキと小さなパンケーキ

そしてチョコレートフォンデュがっつりあった

 

まずはチョコレートフォンデュをを一口パクっ

 

「ウマっ!」

 

思わず声に出てしまったが、気付いたのはレミリアだけ

他は食べるのに夢中のようだ

 

俺は小声でレミリアに聞いた

 

「これって咲夜が作ったの?」

「ええ、そうよ」

 

咲夜すげ〜

そうとしか言いようがない、レミリアいいなぁ〜毎日これぐらいうまいもん食ってんでしょ

いいなぁ〜

 

そうこうしているうちに、みんな全部食べ終わった

 

「今日はありがとう、またいつかお返しを「いいのよ、今日はハロウィンなんだから」」

「ありがとう」

 

俺はそう言って帰路に着いた

今日は一番いいハロウィンだったな




妖夢が出て来ると思った?残念ながらあまり出て来ませんでした!


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第22話 フラン達と遊ぼう!

こんにちは魂夢です。フランと会った事がなかったので、遊ばせてみました!


額に汗が滴る

俺は相手を睨んだ

 

「ジャンケン...」

 

手を強く握り、前に出した

そして上に振り上げ...

 

「ポンッ!」

 

手を振り下ろしたと同時に手を開い

 

 

「やった〜勝った〜」

「くそっ、負けた!」

 

まぁジャンケンをしてる理由なんだけどさ

レミリアにフランと遊んでくれって頼まれたんだよ

俺はフランに会ったことなかったけど

なんか楽しそうだったから承諾した

 

んで今遊びをジャンケンで決めようしてるところだ

 

「じゃあ何する?」

「うーん?トランプは?」

 

トランプ...かぁ

何だかんだ言ってトランプ5年ぐらいやってないんだよな

まぁルールは覚えてるけどね

 

「いいけど、何するの?」

「ババ抜きは?」

「人数少なくない?」

「じゃあお姉様と咲夜とパチェを呼ばない?」

「オッケー」

 

〜少年幼女呼び出し中〜

 

「よしっ!ルールを説明しよう!今からレミリア→パチュリー→流楠→フラン→咲夜の順でババ抜きを始める。勝った人は負けた人に一つ命令を下せる権利がもらえる。異論はないな?」

「はーい」

「よしじゃあ始め!」

 

一人4枚づつトランプを取った

 

俺の持ち札は問題ない

つまり、俺がジョーカーを引く可能性がある

 

まずは表情を見て、誰が持ってるかわからないか?

うーん咲夜とパチュリーは無表情だし

フランは笑顔で何考えてるか、わからないし

レミリアは不敵に笑ってるだけだし

 

やっぱり表情だけでは誰がジョーカー持ってるかわからない

 

「私はこれにするわ」

 

レミリアはパチュリーからトランプを取った

トランプを舐めるように見た後、レミリアはふふっと笑うとトランプを前に出した

 

レミリアのトランプはもう2枚しかない

まぁ負けなければ何番手でもいいけど

 

「トランプを取ってもいいかしら?」

「お、おう」

 

すごく丁寧に言われたので、少し戸惑う俺を尻目に、パチュリーは俺からトランプを取っていった

 

「むきゅう」

 

困ったようにパチュリーが言った

どうやら揃わなかったらしい

 

おいパチュリー、お前この世界とキャラと会ってないぞ!

俺は何を言っているんだ!?

 

「よし!じゃあ引いていい?」

「いいよぉ〜」

 

ようやく俺の番が来た!

ん?フランの持つトランプが一枚だけすごく高い

 

はは〜ん

フラン、ジョーカー持ってるなぁ〜

なら一番低いトランプを取ってやろう

 

「ギクッ!」

 

ヤベェ...

ジョーカー引いちまった

しかも今の声でみんなこっち向いたし

多分ジョーカー持ってるのバレた

マズイ状況だ

 

「妹様、引いてもらってもよろしいでしょうか」

「あっ!ごめんごめん」

 

俺がジョーカーを引いたことで安心したのか

何も考えずにシュッというようにトランプを取った

 

「やった〜揃った!」

 

クソっ!しかも揃いやがった!

 

揃ってないの俺とパチュリーだけなんだが

咲夜が揃ったらもうほぼ負け確定なんだ

 

ヤベェ...

 

「お嬢様、引いてもよろしいでしょうか」

「ええ、いいわよ」

 

レミリアのトランプを取っていった

 

咲夜は黙ってトランプを前に出した

つまり俺の負け確定

 

4枚にしたのが間違いだったか

時間が遅くなるから4枚にしたんだけど

 

「じゃあパチェ、引くわよ」

「ええ」

 

レミリアはトランプを見た

 

「ふふ、はい!上がり」

 

そして上がった

 

くっ!

上がりやがった

もう一勝ち出来なかった

 

まぁ最下位でなければいい

 

「引くわね」

「よし!引け引け!」

 

さぁジョーカーを引いてくれっ!

 

パチュリーは見切ったようにジョーカーを回避した

うっそだろお前!リアルにヤベェぞ

 

「あっ、揃ったわ」

 

...もう何も思いません

 

「よし、引きまーす」

「いーよー」

 

よし!揃った。ようやく揃った

揃ってから面白くなってくるよね、トランプって

もう終わりかけなんだけどね

 

「よしじゃあ引くね!」

「はい」

 

フランは引いた

 

「やった〜上がりだ〜」

 

もう終わったようなものだ

認めたくないものだな。トランプ4枚にした、自分自身の過ちというものを

 

「ではパチュリー様、引かせていただきます」

 

シュッと引いた

咲夜はトランプを見ると「ふふ」っと笑い

トランプを前に出した

 

「上がりました」

 

チーン

さ、最後に賭ける!

 

「では引くわね」

 

俺の手札は、左、ジョーカー、右は普通

パチュリーはどっちを選ぶのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチュリーは普通に右を取っていった

 

「“あ“ん“ま“り“だ“〜」

「あっ勝てたわ」

 

運なさすぎだろ俺

 

「ちょ、もう一回!今度は全部のトランプ使ってやろう」

「いいわよ」

 

そして時間を忘れ、妖夢に怒られたのは、また別の話




初めての試みだったので手こずりました

受験の関係で投稿が遅くなります
でも一週間に一本は投稿できるよう努めます

あと明日修学旅行なので、投稿が遅くなります


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第23話 妖夢の好き

こんにちは、魂夢です。ようやく、この時が来た!
今回は最初から妖夢視点です


夜の白玉楼の縁側

もう冬だが、暖かいような、寒いような少し変な感じ

 

「好きだよ、妖夢」

 

縁側に座りながら、流楠君は言った

 

「私もですよ、流楠君」

 

私も流楠君に向かって答えた

そして流楠君を見つめ続け、そしてそのまま優しくキスをした

 

「.....ん....んん...」

 

舌が絡まる、熱いキス

全身で幸せを感じる

しかしここで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢から目覚めた

 

「はぁ....」

 

最近よくこの手の夢を見るようになった

何故なのだろうか?

 

時計はカチカチと音を立てて11時を指している

 

マズイ、今日は11時半から神楽さんと約束がある

早くご飯を食べて行かないと

 

〜居間〜

 

「おはよう!遅かったね」

「あっお、おはようございます!」

 

私はお辞儀した

 

「そ、そんな改まらなくても、、」

「あっごめんなさい!」

「お、おう」

 

どうしても意識してしまう

夢の中の出来事なのにどうしても意識してしまう自分が時々嫌になる

礼儀正しいはずだが、なんだか失礼な気がする

 

〜10分後〜

 

「行ってきます!」

「はーい、いってら〜」

 

私は少しぐしゃぐしゃの髪の毛を整え

走りながら靴を直しつつ

足早に目的地に向かった

 

〜待ち合わせ場所〜

 

「やっほ〜妖夢!」

 

神楽さんがぴょんぴょん飛び跳ねながら

手を上げて、横に振りながら言った

 

「おはようございます!神楽さん!」

 

私も手を振りながら言った

 

「んじゃ、早速行っちゃう?」

「行っちゃいましょう」

 

行くというのは団子屋のことだ

ちなみに私と神楽さんは最近よく二人だけで団子屋に行くのだ

そして、女子トークに花を咲かせるのだ

 

〜団子屋〜

 

団子屋の近くで何かやっているらしく、団子屋の近くに人が多い

神楽さんは露骨に嫌な顔をした

 

結局、私達は席に着き、メニューを見る事なく、店員さんを呼んだ

 

「アタシは三色団子一択、妖夢は?」

「うーん、きな粉で」

 

店員さんに言うと、「かしこまりました」と言って人々を手や肘を使い器用に避け

厨房に行った

 

「きな粉かぁ〜でも前まで三色団子が好きって言ってなかったっけ?」

「そうだったんですけど、この前、流楠君の「また流楠!?」えっ?は、はい」

 

神楽さんが大きい声を目を見開いて、口をぽっかり開けて言った

大きい声を聞いた周りの人がこちらを見た

 

「妖夢前もそんなこと言ってたよね!?」

「は、はい」

「やっぱ妖夢、流楠のこと好きっしょ?」

「えっ?そんなことは.....ない....と、思いますけど?」

 

周りの目を気にしつつ神楽さんは言った

 

私が答えたことは本当のことだ

大切な人のは確かだが、恋愛感情は抱いていない、、、、と思う

 

「ただ最近よく流楠君とイチャイチャする夢を見る事がありますが」

「それ心は好きなのに気付いてないだけなんじゃ......」

 

一瞬二人の間に、息が苦しくなるような沈黙が走った

そしてその沈黙を破ったのは神楽さんの方だった

 

「よく考えて?妖夢いつも流楠の話をするよね?」

「いやそんなつもりは「いや絶対そうだって」え、そ、そうですか?」

「いつも流楠のこと考えて、いつも流楠の心配してるじゃん?自覚したほうがいいよ」

「は、はい」

 

ここで定員さんが空気を切り裂くようにやって来て、頼んだ団子がやってきた

二人の前に団子の乗ったお皿を置いて、店員さんは去って行った

 

「まぁ好きかどうかは自分で決めればいいからね、いろいろ言ってごめんね」

「いえ、私は全然気にしてませんから」

 

神楽さんは一瞬暗い顔をした後

一言も喋らないのはまずいと思ったのか、急に顔を明るくして

神楽さんが口を開いた

 

「とりま食べよっ!妖夢のきな粉一口ちょうだい!」

「あっいいですよ!」

 

楽しく女子トークに花を咲かせたものの

私の心の中のどこかに【私は流楠君のこと好きかも】という考えが

生まれていたことに、私はまだ気付かなかった

 

〜夕食後〜

 

夕食を済ませた後はみんな一人一人が自分の好きなことをやり始める時間

みんながゆったりと、気を緩ませる時間だ

 

「なぁ妖夢、風呂入ってきていい?」

 

いいですよと言うと流楠君はテクテクと風呂場に向かった

 

私は流楠君の事を好きなのだろうか?

何故かそんなことを思う自分がいた

確かに流楠君は優しくて強くて、長所が沢山あるけど...

 

そんなことを考えていると

風呂場から声が聞こえた

 

「あ〜いい湯だった!」

 

あれっ?考えを始めた時はまだ夜の8時だったのに

今は8時半だ

私もお風呂に入らなきゃ

 

〜お風呂後、幽々子部屋〜

 

「幽々子様話があります」

「あら〜何かしら?」

 

こっちは真剣に聞いているのに、どこか抜けたような声で答える幽々子様

すぐ言おうと思っていたのだが、なんだか恥ずかしくなって口が篭ってしまった

それでも気持ちを察してくれる幽々子様の優しさが垣間見える

 

「幽々子様、私は流楠君が好き、かもしれません」

「え?好きじゃなかったの?」

「分からないから聞いてるんです!」

 

幽々子様は眉毛を八の字に曲げ一緒に悩んでくれた

 

「好きなんじゃない?三年前も、死んだかも!って泣いてたし」

「そうですか?」

 

うーん考えれば考えるほど分からない

しかも眠くなってきた

続きは明日にしよう

 

〜少女就寝中〜

 

ふぁ〜、ひっ!昼!

も、もう朝を寝過ごしてしまった

昨日の夜考え過ぎたのだろうか

まぁいいや

 

「あれ?流楠君は?」

「さっき出かけたわよ〜」

 

さっき出かけたのか

まぁ私も暇ではない、庭の手入れをしよう

 

〜5時間後〜

 

どうにも捗らない

気持ちが乗らないと言うか、落ち込んでないのに落ち込んでるようだ

 

「ただいま!」

 

落ち込んでいるような気持ちから、光が灯ったように心から暖かくなる

 

「流楠君!」

「ん?何?うおっ!」

 

私は思わず流楠君に抱きついてしまった

何故だか落ち着く、幸せの気分だ

 

私は気付いた、私は流楠君がすきだ



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第24話 再開

こんにちは、魂夢です。昔からやりたかった話なのでウキウキします!


最近、妖夢の様子がなんか変だ

常にニコニコしてると言うか、俺を見てニヤニヤしてたりするし

まぁ笑顔の妖夢はかわいいから別にいいけど

 

「流楠君!おでん食べましょう!」

 

妖夢が戸を開けて、言った

俺は頭の後ろで手を組み、寝転がった状態で聞いていた

 

そういえば時刻は6時を回ったところで、夕食どきには少し早いくらいの時間だった

 

「どうした?そんな突然」

「おでん屋の半額券を手に入れたんです。丁度おでんシーズンですしね!」

「そんなんじゃ幽々子の分まで支払うと言うと、バカにならない額になるぞ?」

「幽々子様は今日は罰として晩御飯抜きです!」

 

俺は心の中で“あ〜“と思う

今日の朝、幽々子(化け物胃袋)がウチの保管庫を全て食いやがったんだ

あれを見た時、俺は悲しみや怒りを通り越してびびった

 

例えるならディズニーランドの場所が次の日見ると更地になってる時....みたいな?

なんかよく分からないけどそんな感じだ

 

しかも明日、大量の買い物をしなければいけなくなってしまった

そう考えるとため息が止まらない

 

「んじゃ行くか?」

 

俺がそう聞くと妖夢は大きく頷いて、クルッと向きを変え玄関の方に歩いて行く

テクテクと歩いて行く妖夢の髪がゆさゆさと揺れ、雰囲気からウキウキしているのが分かる

 

今日はなんだか妖夢のテンションが高い

まぁ何気に初の外食だからなぁ〜

あの3年の間も豪華な食事はしたけど外食はしてなかったし

どうでもいいことなんだけどさ

 

〜少年少女移動中〜

 

おでん屋と称されて連れてこられたのはおでんの屋台

外の世界、少なくとも俺の住んでいた地域では見たことがない

この形なら焼き芋屋さんぐらいなものだ

 

懐かしい木造の屋台の周りを取り巻くおでんの香り

それは俺の食欲をそそり、浅はかながら俺を興奮させた

 

「いらっしゃい!」

 

可愛らしい声が俺と妖夢の鼓膜にガツンと響く

声の主は、チルノレベルの身長を持った少女。いや、幼女の方が正しいかもしれない

 

席に着いた俺はいい雰囲気だなと思っていた

 

「何食べます?」

 

妖夢が品の名前が書かれた木の看板を指差して、俺に聞いてきた

俺は顎に手を当て、う〜んと考えたのちに

よしっと言い、幼女に言った

 

「卵一個と大根一個、あと牛すじ一本とはんぺんと黒烏龍茶一つ!」

「私も同じのをください」

 

幼女は俺たちの注文を繰り返したあと、素早く、そして丁寧に器に移して行く

俺はしばしそれを見つめていた

 

そして俺と妖夢の前におでんの入った容器を置いた

 

「いっただきまーす!」

 

俺たちはそう言い食べ始めた

 

〜少年少女食事中〜

 

「はい、これで丁度ですね」

 

妖夢が幼女に代金を払う

 

俺は真っ暗になり、ほとんど誰もいない里を見回していた

そしてあることに気が付いた、黒い人の影があるのだ

それ自体は普通のことなのだが、その影はどうやら妖怪の山に向かっているようなのだ

 

ーあっちは危ないー

 

俺は妖夢に一声かけ、影もとに向かった

黒い影に近づき、肩をトントンとした

 

「そっちは危ないですよ?」

 

俺はこっそり幻光刀に指を掛けながら言った

そしてその影はこちらに向いた

 

その影の正体は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星空だった

 

「あっ...」

 

俺は消え入るような声で言った

星空も驚いているのか、目を少し開いて口を少し開けている

 

暗かった里が一層暗くなったような気がした

俺のイジメのリーダー格が、幻想郷にやってきたのだ

今までの辛い過去を思い出した

楽しい幻想郷の生活が一瞬で悪夢に変わった気がした

 

そこに怒りや悲しみは無かった

ただただ怖かった

 

「どうしたんですか流楠君?」

 

妖夢の声で一気に現実に引き戻される

その方は?っと妖夢は言った

 

「流楠の“親友“です、どうぞよろしく」

 

....親友?何を言っているんだ?

あんなことしておいて親友だと?

 

星空がこちらをちらっと見た

 

「ああ、そうだ」

 

普段出さないどす黒い声で言った

 

星空はこちらを見るなり狡猾な微笑を浮かべた

俺はありえないほどの殺意を覚えた

 

「俺泊まれるとこねぇんだ、泊めてくれない?」

「いいですよ?」

 

俺が答える前に妖夢が言った

久しぶりに妖夢に対して怒りが湧いてきた

しかし、妖夢は悪くない

気持ちをぐっと抑えて平常心を装う

 

白玉楼に帰る途中俺は思った

どうすればいいのだろうかと

頭に浮かぶ大量のハテナマーク

 

星空を追い出そうか、それとも星空を無視しようか

いやそれは出来ない、星空を怒らせると...

 

そんなことを考えている間に白玉楼まで着いてしまった

 

〜白玉楼〜

 

とりあえず星空を空き部屋に誘導した

俺は少し落ち着きを取り戻した

 

そして座っていた妖夢の前に立ち、言った

 

「妖夢、あいつは星空だ」

「えっ?ご、ごめんなさい」

 

俺の過去の話を思い出したのか、妖夢は俺に謝った

 

「どうしましょう、追い出しましょうか」

「いやそれは出来ない」

 

さらっとすごいことを言う妖夢を気づかないふりをしつつ、俺は言った

 

まぁ流石に幻想郷で俺をいじめるようなことをするのだろうか

多分大丈夫だと思うだが、今日だけは泊めて見るか

 

「まぁ今日だけは泊めて見ないか?」

 

妖夢は「流楠君がそう言うならいいですけど」と言い、承諾した

少し嫌な予感をしたが、仕方がない

 

〜朝〜

 

朝になった

朝日が眩しい晴天だ

 

するとドンドンと言う足音が聞こえてきた

 

「流楠君!私の腕輪知りません!?」

 

へ!?っと聞き返してしまった

 

「流楠まだ寝てたの?だらしない」

「早く起きろよ!もう昼だぜ!」

 

声の主は霊夢と魔理沙

あ〜今日は霊夢と魔理沙が遊びに来るって言ってたな

 

それはそうと、腕輪...か

妖夢のおじいさんから貰った大事な物って事だけは知っている

 

「あのさぁ〜それがなくなったのってこいつのせいじゃね?」

 

いつの間にか現れた星空が突然口を開いた

こいつ、っと言って指を指した先には俺がいた

 

...また....なのか?また俺は、あの嫌な生活が戻ってきてしまうのか?

そう考えるとこわい

 

「いや、そんな事するなんて思えません」

「確かに、流楠はそんなことできそうにないしね」

「あ?」

 

キレ始めているのがよくわかる

 

「逆にお前が一番怪しいぜ?」

「流楠は?」

「だからできそうにないって」

「なんでそんなこいつのことを信用するんだよっ!」

 

自分の予想と同じ行動をしなかった妖夢に腹が立ったのだろう

 

「ここの奴らはバカ野「黙れ」あ?」

 

俺を弁護してくれてた妖夢達をけなそうとしたことには流石に許せなかった

 

「俺とお前は親友だって?俺をバカしたくせに」

 

俺をバカにしたりする、理由がわからなかった

けど今ならわかる、俺はお前にとって都合が良かったんだ

 

「もう二度と俺の人生に関わるな」

「くっ!」

 

彼は血走った目で妖夢達を押し退けて、玄関の方に走って行った

 

「信用してくれてありがとう」

「いいですよ」

 

俺はいい友達を持ったなっと思った

 




後半ちょっと駆け足気味だったような気がする


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第4章 再来
第25話 襲来


こんにちは、魂夢です。本当に申し訳ありませんでした!!ちょっと先週色々ありましてね、遅れてしまいました
その分多く書きましたし、色々凝ってみたものの。文字数が多い分、誤字脱字が多い可能性がありますが、その時は教えて下さい(震え声)
では本編どうぞ!


「あったわよ」

 

霊夢は片方の眉をピクリと上げ言った

良くくびれた腰に手を当て、もう片方の手には腕輪が握られていた

話によると星空の部屋の隅っこに普通に置いてあったらしい

 

と言う事はもう隠すつもりはないみたいだ

俺を確実に犯人に出来るとでも思っていたのだろう

だが結果は言わずもがな、俺の圧勝で終わったわけなんだがな

 

部屋には星空の臭いがかすかに臭っており

すっからかんになった部屋は、俺を清々しい気分にさせた

星空を完全に断ち切ったような気がする

 

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

「う、うん」

 

手を大きく上下にブンブンとやりながら猛烈に感謝する妖夢

おいおい...霊夢が引いてるぞ?

 

自分のたった一人の家族の、あまり良い言い方では無いけど遺品を大切にするのを見て

何故かわからないけど俺の胸を締め付けた

 

家族...か

そういえば外に残してきた人たちはどうしているのだろうか

うちと家族は厄介な奴がいなくなって清々しい気分であろう

星空も何故来たか分からないし、謎は深まるばかりだ

 

「もう昼飯食った?」

 

俺は気持ちをリセットした

昔から気持ちをリセットするには違うことを考えるのが一番だ

 

いいえっと首を振りながら妖夢が言う

 

俺には奴らのことなんてもう関係ない

今の俺には妖夢がいる、仲間がいる、俺を大切に思ってくれる人がいる

それだけで、暗い過去を断ち切るなんて御安い御用だった

 

俺は食欲をそそる匂いに、鼻をひくつかせる

この匂いは...味噌?味噌系の匂いが俺の周りを取り巻いてゆく

え?食べてないんだよね?

 

「もう作りはしたんですけどね」

 

ああ、なるほどそれなら辻褄があう

 

俺はスタタタっと居間まで行き、確認する

確認した理由は特にないのだが、ただすごくお腹が減っていたって言うのはあった

 

俺の分

妖夢の分

霊夢の分

魔理沙の分

 

全員分きちんと並べられてあった

個人的に寝ていた俺の分まであることがすごく嬉しい

外の世界にいた時に昼まで寝てたとあっちゃあ、あんたの分はないってそっけなく返されるのがオチなのだ

 

「流楠君も一緒に食べませんか?」

 

いつの間にか後ろに現れた、妖夢が聞いてくる

口元に浮かべた小さな微笑を見ると、なんだかこっちが恥ずかしくなってくる

でもその微笑にはどこか安堵感を与える

とても、奇妙だ

 

「ああ」

 

同じような微笑を浮かべながら、俺は言い返した

 

いつもとなんら変わらない日常

でも忘れてはいけない、俺が幻想郷に来たのは障害を排除するためである

ここに暮らしに来たことではないと言うことを覚えておこう

そうでもなければ、いざとなった時に、また....

 

「ん?」

 

違和感を覚えた

別に料理が変ってことでもない

後頭部に電撃が走ったような感覚があったのだ

こんな事は初めてだった

 

何処と無く嫌な予感がする

 

「ちょっと行ってくる」

「え?ちょ、ちょっと流楠君っ!」

 

俺は妖夢の制止を無視して白玉楼を飛び出した

 

〜人間の里〜

 

入り口から怯えた人々が大量に逃げている

あっちの方向は人間の里より危険なのにそっちに逃げていくってことはつまり

人間の里が相当危険ってことだ、どこぞの巫女は気づかないのか?

 

俺は走りながらも慎重に奥に進んだ

本当に人っ子一人いない人里はすごく不気味だ

団子屋もなんだかボロボロになっているように俺の目には映った

 

 

 

俺は走った

風を切るように、風を纏ったように

 

奥に行くと小さな人影が見え始めた

そして小さな人影はどんどん大きくなってゆく

全身を見た時、俺は驚愕した

 

彼は人間では無かった、いや、“奴“は人間では無い

身長約3メートル、全身真っ黒で所々白模様がついていた

やけに長く、細く弱々しい手足に合わないがっしりした胴体

そして顔は胴体に埋まる形で渋い顔があった

 

ゆっくり、どしどしと歩いていく

その姿は、まさに“異形“と言う名がふさわしかった

 

「おーい!」

 

俺はその声に反応し、走りながら振り向く

そこにいたのは、スーツを着て、飛びながら来た西井だった

 

ちょっと安心した

正直言って不安であった、今までの奴らより大きいのは流石に怖い

ちょっとだけではあるが

 

「神楽達は!?」

 

俺は走りながら聞いた

 

いつもなら神楽たちは真っ先に気づき、俺たちといる時は無理矢理にでも連れて行く

こんな時に居ないはずがなかった

死んでなければいいのだが

 

「先に行ったが、この調子だとあの狩怪(しゅかい)にやられたか?」

 

狩怪というのは闇力を使える者のことを言う

最近名付けられたばかりだが

個人的にかっこいいと思うのは俺だけか?

 

俺は走りながら周囲をキョロキョロと見回す

倒壊した民家の瓦礫に埋もれている神楽と時雨を見つけた

 

俺の脳裏にトラウマが浮かんだ

くっ...今は狩怪の排除が最優先だ

俺が掴めなかった手は、妖夢が掴んでくれると言ってくれた

神楽達の治療は後回しにしよう、妖夢を信用するんだ

 

すると、ドドドっと銃声が静まり返った里に鳴り響いた

西井が銃を使い、狩怪に撃ち放ったのだ

狩怪の背中に弾丸が当たる

しかし狩怪は気にも止めずに歩き続ける

 

あっちの方向に何があると言うのだ

俺が知っているそっちある物は【博麗神社】しかない

【博麗神社】に何があると言うのだろうか?

 

俺は足を早め、同時に西井も速度を上げた

 

俺たちは狩怪の前に立った

西井は一斉射撃をし、俺は幻力を纏った幻光刀で斬りつける

三年間きちんと修行したおかげで威力も上がった幻光刀は狩怪の手を切り落とした

 

同時に後ろから爆風が上がり、色とりどりの光の玉と、七色の光線が現れる

そして空間が切れたような感覚

間違いない、妖夢たちが来たんだ

 

後ろの爆風に押されたのか、俺ら側に倒れてくる

俺は飛び上がり、後ろに避けた

 

「流楠君!大丈夫ですか!?」

「おうっ!」

 

俺は妖夢にサムズアップしながら元気よく言った

 

「う、うぇ!」

 

千切られた狩怪の手が、ナメクジのようにうねっていた

...気持ち悪い

 

「あっ!.....うっ!」

「くっ!」

「きゃっ!」

「妖夢っ!うぅ!」

「おい!流楠!」

 

突如として狩怪が起き上がるとともに

手で俺たち全員を弾き飛ばした

西井は飛び上がり、無事だったが

 

俺は凄まじい勢いで民家に叩きつけらた

しかし、民家の壁では勢いを殺せず、壁を貫通して暖炉に叩きつけられた

俺は立ち上がろうとすると、俺の体がふわっと浮遊した

 

驚いて前を見る、なんと、狩怪が俺の胴体を鷲掴みにしたのだ

俺は浮いた状態で足元に落ちた幻光刀に手を伸ばした

しかし、ギリギリのところで届かない

 

幻力で浮かそうとした、その瞬間

 

「グァッ!」

 

狩怪の手に力が入り、俺を握りつぶそうとして来たのだ

 

「くそっ!離せっ!離せったらっ!ゔっ!」

 

ボキボキと嫌な音を立てて、骨が折れていった

渋い顔が鋭くニヤリと口元を歪ませた

折れる骨の量も多く、幻力の再生能力では1週間はかかるような傷だ

 

突然俺を地面に叩きつけ、ルートに戻り、歩き始めた

俺を地面に叩きつけた理由はわからないが、とりあえず助かった

 

しかし激痛で歩けず、目がよく見えない

死んだな....

本能的に理解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、目の景色に色がなくなり、全て白黒になった

時間も止まっているようで、一体何が起こったのかわからない

 

「お前は、“圧倒的な力“が欲しいか?」

 

何処からかわからないが、声が聞こえてきた

 

「...力」

 

俺は素直に答えた

 

「そう、力だ。奴を圧倒できる、一方的に殺せる力」

「欲しい....」

 

俺は力が欲しかった

みんなを守れる力が、誰も傷つけさせないための力が

人を傷つけるためのものでは無い力が

 

「よろしい、我の力を貸してやろう」

 

そう言うと、世界に色と時間が戻った

よく見えない目で、俺は自分の手を見た

 

俺の手は変色し、黒っぽく、いや、茶色っぽくなり

身体中から赤黒い気が出ていた

 

「これが....“力“....」

 

消え入るような声で俺は言った

思わず感心してしまうほど、溢れる力

同時に、俺は意識が遠のいて行くのを感じ

 

俺はゆっくりと、瞼を閉じた




はいっ!どうでしたでしょうか?私も伊達に休んでたわけではありません、他のR-15小説を(もちろん普通のやつも)見たんですが...
びっくりでしたね〜「そこまでやっていいのかっ!」感じでしたんで、私の小説も、“そこまで“やってしまいましょう
最後まで見てくださった方、本当にありがとうございました!


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第26話 暴走

こんにちは、魂夢です。あと何話で、このお話は結末を迎えるのだろう...


・妖夢視点

 

私ははっとした

はっきりしなかった意識が、急に現実に引き戻されたのだ

 

目の前の景色に変わりはなかったものの、辺りに漂う物凄い殺気

殺気のせいで私も少しばかりクラクラする

民家から漂う赤黒い霧が不気味に風に揺られていた

 

私は刀を杖のようにして、立ち上がった

お腹に深々と刺さった木の棒を投げ捨てゆっくりと歩いた

追いつけないのはわかっていた、だけど、少しの希望にしがみつき、歩いた

 

すると突然、民家から現れた黒い残像が、狩怪を押し倒した

民家の上に被さるように狩怪は倒れこみ、その上に黒い残像がスゥッと降りた

 

私は少し頑張り近づいた

現場を見た私は思わず、嘔吐を抑えようと口を手で押さえた

 

狩怪にまたがり、一方的に打撃攻撃を加える、赤黒いオーラをまとった男

 

狩怪が反撃しようと伸ばした手を、男は掴み、そして、握りつぶした

グチャッという音と共に、狩怪の黒い血液が周りに散乱する

 

私はあまりに悲惨な光景に思わず眉間にしわを寄せた

 

赤黒いオーラをまとった男はそのまま手を引っ張り、引き千切った

そしてその手を.....喰った

犬のように無心で喰い荒らす姿は見ているこっちをゾッとさせる

一通り喰った後、残った骨をポイっと捨てた

そして腹を引きちぎり、心臓らしきものを取り出した

 

心臓を天に掲げ、口を開き、握りつぶした心臓から滴り落ちる血を、口で受け止めた

 

「血だ....」

 

男は一言そう小さく呟いた

その声は狂気にも、悲しんでいる様にも見えた

私は目をくわっと開き、酸欠の金魚の様に口をパクパクしながらその光景を眺めていた

 

すると突然こちらに振り向き、飛び掛かってきた

カキンッと言う甲高い音を立てて、私は刀で弾いく

そして顔を上げるとそこには、流楠君がいた

 

頭が真っ白になった、流楠君が狩怪を喰った?流楠君が私を殺しにかかってきた?

なぜなぜなぜ、何があった、私が吹き飛ばされ、意識が飛んだ数秒の間で一体何が?

頭にこだまする、疑問

そんな疑問すらも、吹き飛ばされ、地面を転がった痛みによってかき消された

 

「流楠君っ!一体何があったんですかっ!」

「我は目覚めたのだ」

「えっ?」

 

流楠君は仁王立ちをしながら、突き刺す様な視線をこちらに送っている

変わり果てた流楠君、肌の色は褐色になり、黒い目に赤い瞳を持っていた

髪の毛も真っ赤に変色し、赤黒いオーラによって髪がゆらゆら揺れていたのだった

 

その姿はまさに狩怪そのもの

 

「我が名は流楠!真の力に目覚めし者っ!」

 

赤黒いオーラが更に濃くなり始め、どこからともなくゴゴゴという轟音が響く

周りの小石はとうとう重力を無視して浮かび上がった

 

「グゥァア、殺意がオレを高めるっ!」

 

拳を握りしめ、流楠君が叫んだ

 

「切り裂いてみろ!妖夢の刀が本物ならばっ!」

 

握りしめた拳を顔の前で構える戦闘ポーズをとり、私に再度飛び掛かってくる

私は刀で弾く、しかし、反撃もできないし、逃げることも出来ず、弾くだけで精一杯

 

私は必死に対応策を探した

動きが速い、一対一だとどうにも出来ない

どうすれば、弾き飛ばすことも出来そうじゃない、力が強く、動きが物凄く速い

 

「この程度だとはな、失望したぞ!」

「正気に戻ってくださいよっ!」

 

流楠君は口元をぐにゃりと歪め、笑う

 

「待て流楠っ!こっちが相手だ」

 

私でも流楠君でもない声が聞こえてきた

流楠君は私を弾き飛ばし、私はクルッと受け身を取り、着地した

流楠君と戦い始めてから、ここまでの所要時間、およそ5秒

 

ロボットと言われる外の世界の技術で出来た鎧をつけた西井さんが、フワフワと浮いていた

 

「フンッ!機械を使わないと戦えない愚かな人形め!そんな仕掛けでオレに勝てると思うのか?」

「わからない、今のお前の力は未知数だからな」

 

フンッ!ともう一度笑った後、飛び上がり、西井さんと取っ組み合いを始めた

私も行こうとすると、肩に手が置かれ一言

 

「私に任せて」

 

・西井視点

 

「貴様の存在はここで消える、この拳の最初の贄としてな!」

「ごちゃごちゃうるさいっ!」

 

こいつを止めようとは思っていない

ただ時間稼ぎさえできれば良い、そう思っている

 

「フンッ!」

「グゥァァァ」

 

上から飛んできた腹パンによって、地面に叩きつけられた

ドォーンっと言う轟音が響く

流楠が上から降り立ち首を絞め始める

 

「もっと血を!もっと強気相手を!この力が殺戮を求めているのだっ!」

 

俺は流楠の手首を掴みそのまま微弱な静電気を流した

そしてもう片方の手でグレネードの栓を抜き、流楠に向かって投げた

 

「お前が招いた結末だ!おとなしく受け容れるがいい!」

 

流楠がそう言うも、俺の耳には届かない

やがてグレネードは閃光を放ち、もう爆発するといったところで

流楠は手を離そうとした、しかし静電気のせいで、手は離れず

そのままグレネードは爆発し、俺は意識を闇えと手放した




本当はね、流楠君は暴走した時、筋肉マッチョになる予定だったんですよ...
最終的に採用されなかったわけですが、挿絵まで書いたのに...

つぅ〜わけで採用しなかったけど挿絵投下

【挿絵表示】

もう一度言う...採用されてないからね?
採用された方も今度書くよ....多分ボソ

あっ後、今更ながらツイッターを始めました!更新したらツイートしますっ!

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第27話 紫が知っている事

こんにちは、魂夢です。時雨と神楽は生きてますよ?


・妖夢視点

 

爆発に巻き込まれた流楠君は胸に、ひどく大きい火傷の跡が残っていた

胸に手を当て、「ヴヴゥ〜」っと唸っている

 

「この高みから見れば、お前の自爆など、塵と同じだ!うっ」

 

流楠君が少しフラフラと歩き、民家の壁に寄りかかり、はぁはぁと息を荒げていた

そろそろ限界なのだろうか?あれだけの力を常に放出していたらこうなるのは当たり前だ

 

「血が...血がオレを呼んでいる...」

 

歯を食いしばり、強がっているように言う。本当に強がっているのか、わからない

私は計画通り、流楠君の前に立ちはだかった

 

「流楠君、かかって来てください。私があなたを切ります」

 

敢えて切りますを強めに言った

左眉毛をクイっと上げ、目を見開きつつニヤリと口元を歪め流楠君はフンっと嘲笑した

 

「愚かだな、貴様如きがこの力に挑むとはっ!」

 

逆に流楠君は力を強めに言った

今の流楠君の目を見たら普通の人なら腰を抜かしてしまうだろう、それぐらい鋭い目つきをしている

私はあの目は知っている。あの目は“人を殺せる人の目“だ

 

以前、といっても去年だが

流楠君が「奴らを殺してるってことは、俺は殺人してるのか?」と言ってた時があった

そしたら西井さんの師、すなわち博士が「いいや、コアを投入された人の想像が形を作っている、つまり人の形をしただけで、闇力の塊みたいなものだ」と言っていた

「よかったぁ〜」と、どこかマヌケに言っていた流楠君には、殺人なんて到底出来ないはず

 

それが今、殺人鬼の目、いや、“サイコパスの目“だ

殺しを、殺戮を純粋に楽しんでいる、そんな目

 

私が動いていないからか、ニヤリとした顔のまま、こちらに歩く流楠君

正直怖い、だけど計画通りに行けば...

 

「うっ」

 

目を丸くし、そのまま流楠君片膝をついた

計画通りだ、よかった

 

「フンッ!無駄な足掻きをっ!」

 

そう言うと、流楠君は後ろに傾き始めた

始めこそびっくりしたような顔をしていたものの、地面に当たるまでにゆっくりと目を閉じた

 

「ふぅ〜止めるのだけでも一苦労ね」

「止められただけでもマシですよ」

 

はははっと二人の間に愛想笑いが浮かぶ

でも愛想笑いはいつまでも続かない、愛想笑いが終わると険しく、でもどこか悟ったような、神妙な顔を二人ともした

 

・流楠視点

 

力というのはとても便利だ。何にでも使える

人を守るのにも、人を正すためにも、自己満足の為にも

 

そして“殺戮“にも...

 

俺は強くなりたかった

それは決してだけが力が欲しかったわけではない、制御できない力は破滅を招く

そんなことぐらいわかっていた...いや、わかっていたと思っていた

 

俺は救いたかった、それだけだった

呑まれ始めて気がついた、これは闇力だ、と

俺が呑まれていた間の記憶はない。きっと暴走でもしていたんだろう

心が痛い、俺は本当に何にもできない男だと、つくづく思う

 

『どうするのよ』

 

これは、霊夢の声?ぼんやりとした声ではあるが、よくわかる

 

『紫が“封印“を解かなければこんな事には...』

『でも霊夢は狩怪に対して何もできないじゃない』

 

どうやら紫もいるようだ

封印?まさか狩怪の封印を解いたのは紫?

紫は一体何を知っている?紫は幻想郷の一から十まで全てを知ってるはずだ

忘れていた、紫に全てを聞こう、俺の家族のこと、幻光刀のこと、闇力や幻力のこと

 

声もだいぶ鮮明になってきたので、俺は目をゆっくりと開けた

ここは白玉楼の自室だ、ただの俺の部屋で霊夢と紫が立ち話をしている

俺は普段寝る時のように布団をかけられていた

 

俺は起きようと上半身を動かす

 

「ゔっ!」

 

胸の部分に激痛が走る

思い出した、俺は狩怪に肋骨を握りつぶされたんだ

 

俺は激痛で上半身の力を抜いた、そのせいで布団にポンっと落ち、それでまた激痛が走る

もう踏んだり蹴ったりだ

 

でもおかしい、なぜ肋骨は治らない?

普通の幻力は強力な治癒能力がある。今何時か知らないが1週間ぐらいあれば直せるだろう

一体俺の体に何が起こっているんだ?

 

「ようやくお目覚めね」

 

俺はクイっと首だけを動かし、霊夢の方を向いた

 

「お、おはよう...」

 

申し訳なさそうに俺は言った

暴走していたから、ちょっと、いや凄く気まずい

 

「もう!止めるのに苦労したんだから」

「ご、ごめんなさい...」

 

まったくもう、とお祓い棒を肩に担いで霊夢が言う

ああ、マジですまん、反省してる

 

「なぁ紫、聞きたいことがあるんだけど」

「ん?」

 

まるで自分に話しかけられると思ってなかったような顔で紫はそう言った

 

「紫は健斗と真由美について何か知っているか?」

「...知らないわ」

 

俺は紫が一瞬戸惑った顔をしたのを見逃さなかった

何か知っているな、俺はそう確信した

 

「本当に?」

「ええ」

 

何か隠さなければいけない理由があるのだろうか

まぁいずれ、しかるべき時が来ればわかるはずだろう

それより今は他のことについて聞こう

 

「じゃあ幻光刀の前の所持者は?」

「名前は知らないわ」

 

そうか、と俺は小さく呟いた

幻想郷を作った張本人が何にも知らないとか、もう笑うしかない

 

「幻力と闇力について教えてくれ」

 

俺がそう言うと、紫は床に正座し、語り始めた

 

「知ってのとうり、幻力と闇力は対をなしているわ。特殊能力としては、幻力は強力な治癒能力を、闇力は脳内麻薬の分泌と強烈な破壊衝動が現れると聞いているわ」

 

俺はまた、そうか、と呟いた

狩怪ついてや、謎の場所についても聞こうと思ったが、まぁどうせわからないだろう

 

ああそうだ、俺が暴走した時のことを教えてもらおう

 

「俺が暴走した時、俺はどうなった?」

「それはね...」

 

霊夢も床に座り込み全てを話し始めた

狩怪を食べたこと、妖夢を殺そうとしたこと、血を求めていたこと

 

俺は最初うんうん、と聞いていたが、終盤に行くにつれ聞くのが辛くなっていった

そして最後まで聴くと、血の気が引いていくのがわかった




そろそろクリスマスの番外編のシナリオ作らないと...


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第28話 アヴェンズとリーパー

こんにちは、魂夢です。今回は“黒幕“が登場します!あと今回は三人称視点です!


妖怪の山、その麓には、数々のカッパの工場があり、その頂上には守矢神社がある

その中で一つだけ特殊な建物があった。

 

建物内の案内図を見れば一目でその異様さに気がつくことだろう

この建物のみ、通常の工場の3倍の広さを有しているのである

他の工場のほぼ全てが同じぐらいの大きさなのに、その建物だけ特別な造りになっているのだ

何故そうなのか、それを知る者はたった数名しかいない

 

ではその建物を使う組織は如何なる活動を行う組織であるのか

その問いに明確に答える者もまた、数名しかいない

 

活動内容に関する情報は全く流れていない

しかし、組織を激写されることも、存在自体が晒される事も無い

それ故、この組織の存在を知らずして暮らしている妖怪が大半を占めている

 

仮に見たとしても、さして興味を持たない。それを天狗が記事にしないことに関しては、誰も知らない

それこそが全てを隠すよりも一番効果的に物事を秘匿する技法である

そのことを理解し、考慮し、実行しているようであった

 

その建物の扉の鍵を有している、数少ない者たちがいる

“彼ら“の仲間の一人にして頭目である“彼“は大きな建物の扉を開けた

 

そしてゆっくりと、“彼“は建物と中の暗闇の廊下を歩み行く

まったくの闇というわけではなく、窓を通して、微かに月明かりが入ってくる

そのため、一度か二度訪れた者であれば、躓くことも無い

 

“彼“は部屋に入り、机に置いてある、ろうそくに火をつける

それらの光によって広い部屋を縦断するかのように鎮座する大きく長い机が照らし出された

机を囲む10以上の椅子、それはまるで大企業の会議室のようだった

部屋の奥にあるただの壁に貼られた幻想郷の地図と6つの顔写真の前に立った

その部屋はろうそくのおかげで室内は少し明るく、地図と写真はよく見えた

 

「これで、全員か...」

 

“彼“は顔写真を見ながら一人つぶやくと、再び地図に視線を戻す

大きい幻想郷の地図には特定の場所にピンが刺されていた

 

白玉楼、博麗神社、霧雨魔法店、里の民家の4つ

 

“彼“は机の上の小さな棚から1枚の紙を取った

それも地図で、その地図には妖怪の山を境に一本の黒い線があった

妖怪の山は赤、そこから先は青に塗られていた

 

“彼“目を閉じ、ゆっくりと妄想し始める

赤の領土から何本もの赤い矢印が順次、血が流れるように青の領土へ進み、博麗神社を示す黒いピンに達する

その様はまさに、軍隊が敵へ進軍する経路を示したかのような、複雑にして緻密、一切の無駄なきものだった。

 

“彼“はそのことを考えるたびに、なんとも言えない複雑な感情を覚えた

「ようやくここまで来た」という達成感とともに、「酷いものを作り上げてしまった」という後悔

ヴィクター・フランケンシュタイン博士が自らの創造物を見る時もこんな気分だったのかもしれない

 

「幻想郷への侵略作戦.....かつてなき試み、公然の隠密行動、扇動されしセルフの群れ、予定された勝敗、我らの計画...それに抗うのか、セルフAよ」

 

“彼“は歌うように呟きながら地図に背を向け、椅子に腰かける

正面には出入り口がある、そういう配置だ

“彼“は後ろを振り返り、一人の男の顔写真を直視した

その画像の下にはただ、〔石円流楠〕と、あった

 

これまでほぼ予定通り、順調すぎるほどに順調に計画が進んでいた

しかし、やはり物事とは完璧にはいかないものだと“彼“思う

 

「失礼します」

 

目の前の出入り口が開き、眼鏡をかけた青年が書類を片手に持ちながら入って来た

 

「状況を報告しろ」

 

“彼“は、無感情な声で言った

 

「今回の狩怪及びタイタンは幻想郷の主要セルフとの接触は完了。タイタンの行動等も完璧です。.....ただ、問題なのはセルフAがタイタンを喰いました」

「石円流楠、か。だがそれは殺したのではなく、喰ったのか?」

「えぇ、確認しました。予定では博麗神社にて、アレを回収する予定でしたが、人間の里で殺害、のちに喰われました。まぁこれは大した問題では無いのですが...セルフAが闇の波動に目覚めたのは予想外です。さらに、セルフAはセルフBを殺そうとしました。そこまですると、流石にセルフAが動くと思われるのですが...」

「お前達の監視外で動いている可能性は?」

「セルフBをはじめとして、セルフの人間が誰も動いていないことが確認されています。」

「セルフどもは個人主義の傾向が強い。まぁお前達の監視能力は絶対だ。お前達がわからない事なんて、まずありえないか」

 

“彼“が言うことのは確かだ。

先の地図のように色分けをし、意識しているのはここの関係者だけだろう。

“彼“が統括する領域の人間達だ。それ以外のセルフ達は完全に独立している。

自ら組織として行動している人間はいない

セルフ達はよく一緒に行動しているだけである、たまたまなだけだ

 

「ふむ、何か手を打つ必要があるな、少々危険を伴うが、もう最終計画を始動させる方が確実かもしれん」

「それではただの抗争になってしまうのでは?今回は幻想郷の侵略が目的で、戦うのが目的では無いので...」

「そうだ。だが、向こうが手を打つより先にこちらの計画を実行に移す。相手がこちらに気づき、組織立って行動する前に、だ」

「しかしそれでは、こちらの被害が甚大になる恐れがあります」

「こちらのバーサーカーが何人くたばろうと知ったことでは無い。侵略することが目的だ、違うか?」

 

“彼“は下卑た声で笑った

了解とだけ告げ、青年はその部屋を後にした

 

ただ上へ上へと貪欲なまでに上り続けた男

翼がないのにもかかわらず、空を舞う蝶の座を目指した愚かなる男

愚かだった、無様とさえ言っていい。それが“彼“だった

 

“彼“はゆっくりと立ち上がり、もう一度地図と写真を見た

セルフAとセルフBを見る

石円流楠と魂魄妖夢、2人の写真には“要注意“と書いてあった

 

“彼“は微かに動悸を覚える

 

「うっ」

 

ふらふらし始め、机に手をつくことで辛うじて倒れないようにした

“彼“は己の首に手を当て、そのままグッと力を入れた

当然息が荒くなる、体が息を求めて、体が生きようとする

苦しい、やめたい、だけどやめると死んでしまう

それが“彼“の宿命、しかし、苦しんで得られるものはすごく大きいかった

 

“彼“は首から手を離しフッと息を吐き、ろうそくを消す

月明かりだけの暗い部屋で、“彼“の荒い吐息だけが部屋を満たしていた

 

“彼ら“は闇。“彼ら“はただ主に従い、夜を駆け、夜に吠える

“彼“が作った組織に所属せし、名も無き数万名。生き方を制限された、可哀想な人

“彼ら“を人は、《アヴェンズ》と呼び、そのリーダーの“彼“、坂技 柳(さかぎ りゅう)を《リーパー》と呼んだ

 




途中ちょっと会話文が多かった気がする...


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第29話 闇の波動と真実

こんにちは、魂夢です。すみませんが、真実はまだわかりませんよ?


・霊夢視点

 

「はぁ〜」

 

私は大きくため息をついた

あの後、「もういい帰ってくれ」と言われて、部屋を追い出された

まぁ確かに怪物食ったなんて聞かされたら、精神崩壊するわ

 

私は地上に続く階段を見下ろした

長くいつまでも続く階段を見ていると、自分がすごくちっぽけな存在に見えてくる

 

「本当に良かったの?」

 

私はクルッと振り返り、紫に言った

足元を見ながら歩いていた紫は、綺麗な顎をクイっと上げた

 

「ええ、いいのよ。彼にはまだ“真実“を知るには、早すぎるもの」

 

そう、と私は小さく言った

早すぎた、のだろうか。いや、紫は流楠に全てを話す気は無いのだろう

そう考えると、流楠はとことん可哀想な人だと思えてくる

自分が力に堕ちかけて、怪物を喰って、自分を信じていた人を殺しかけるなんてね

 

私はあえて歩いて階段を下り始めた

長くいつまでも続く階段を、私はゆっくりと下りて行った

それは終わりがない階段のように思えた

 

・流楠視点

 

「はい、あ〜ん」

「あ、あ〜ん」

 

俺は今凄い状況に置かれている

満面の笑みを浮かべながらおかゆを乗せたスプーンを俺に向けている

 

凄い状況とはいえ、いい状況かもしれない

いや、普通の紳士からしたら確実にいい状況だろう

 

だって“あ〜ん“だぞ!?男子が一度は望むあの“あ〜ん“だぞ!?

風邪ひいて、可愛らしい女の子からおかゆを“あ〜ん“してもらえるんだぞ!?

ただし俺の場合は、風邪をひいてではなくて肋骨を折って寝込んでいるのだが

少し悲しい...せめて重症じゃなくてノロウイルスぐらいが良かった

 

「ど、どうですか?初めておかゆを作ってみたんですが」

「うん、うまい」

 

おかゆをホフホフとしながらそう答えた

今思えば肋骨折って寝込みますなんてありえないよな

肋骨折ったら外では病院行きだし、もう俺人間じゃないんじゃね?

 

「おーい!」

「お茶」

 

この声は...時雨ちゃんか?

反射的にお茶って言っちゃったんだけど

外の世界で染み付いた癖は拭えないよなぁ〜

 

「肋骨折ったんだってぇぇぇ!」

「ん?うん」

 

ふすまをバンっと勢いよく開け、時雨ちゃんが飛び出てきた

 

何をそんなに驚いているんだろう。たかが肋骨じゃないか

...ごめん、嘘ついた、時雨ちゃんと同じ状況になったら俺もその反応になるわ

うん!時雨ちゃんは何にもおかしくない、大丈夫、大丈夫

 

「ヘェェェ!痛くないの!?」

「めっっっさ痛い」

「あーやっぱり?やっぱり?あははははは!」

 

その、いくつか言っていい?

まず時雨ちゃんも結構所々包帯巻かれてるけど?

子守役(神楽)はどこに行った!?無断で出てきたわけじゃないみたいだけど

正直怖い、怖いよ時雨ちゃんっ!

 

「あ〜ん」

「あ〜ん」

 

また妖夢がおかゆを乗せたスプーンを俺に向ける

 

そろそろ恥ずかしくなくなってきた

うん、俺も1人の男として喜んでこの状況を受け入れよう。やったぜ!

 

マジでこのおかゆ上手いな

このとろとろのお米と卵のハーモニーが絶妙なバランスを作り出している

俺卵好きなんだよなぁ〜

ゆで卵とかもめちゃくちゃ大好きっ!

しかし一番はラーメン、ダントツでラーメン、異論は認めるよ?

 

「なんか夫婦みたいだね?」

「へっ!?」

 

妖夢が頬を赤く染めつつ、目を見開き時雨ちゃんを見る

 

おっ!レアな妖夢の表情ゲット!

白い肌が赤く染まっている妖夢スゲェ、可愛い

本当可愛いなぁ、可愛い

 

「し、仕方ないじゃないですかっ!」

「あははははは!めっちゃ動揺してるぅ〜」

「ぐ、ぐすん」

 

妖夢が目をこしょこしょとした、ちょっと涙目になってるが見えるんだが

そ、そんな嫌だったか?もう、涙目どころか泣いていい?

 

「おいっ!何をしている!」

「へ?」

 

やってきたのは神楽だった

 

「ねぇ、連れてっていい?」

「どうぞどうぞ」

 

「ぶー」と半べそをかきながら引きずられて行った

ははは、邪魔者がいなくなったな!

 

「やぁ、ちょっと失礼するよ」

「あれ?あなたは...」

 

ふすまを開けてやってきたのは、パーカーを着たイケメンの爽やか系男子

年齢的には25〜30ぐらいか...

博士なのはわかるんだが、なんだか雰囲気が....

 

「あっ!白衣じゃないですねっ!」

「ああ、そうなんだ」

 

やべぇ、すげぇイケメンやん...

なんかの読者モデルみたいだ、全人類はもう博士の虜だわ、ホントに

 

ちなみに、俺と博士は外から来た人同士、しかもあっちの方が年上だから俺はきちんと敬語だ()

 

「君のために薬を作ってきたんだ。あと力の正体もね」

「薬ありがとうございます、力の正体ってなんなんですか?」

 

渡された薬は錠剤型の薬だった

俺は片手を皿のような形にし、薬を口に入れた後にお茶の入った湯呑みを使って薬を飲んだ

 

三年ぶりに飲んだわ、錠剤型の薬

永遠亭の薬は粉薬だからな、なんでそうなってるのかは知らない

 

「怪しい男を拷問にかけたんだ。君に宿った力は闇の波動だそうだ。それ以外は知らなかった」

「闇の波動.....ですか...」

 

博士はこっくりと頷いた

 

「その男はどうなったんですか?」

「自ら舌を噛み切って死んでしまったよ」

 

そうですか、と俺は小さく言った

 

「闇の波動を俺から取り出すことはできないのですか?」

「現在研究中だ」

 

俺はまた、そうですか、と言った

 

闇の波動か。闇力とは違った力なのか

確かに、闇力は紫色で闇の波動は赤黒い色をしていたよな...

それが違いということか

 

「おっと、そろそろ時間だ。またね」

 

博士は手首についた腕時計を見る、カッコいい

じゃあね、と言いながら博士は帰って行ったのだった

 

闇の波動を俺が扱えるのか...

扱えなければ俺は、俺は、また妖夢たちを傷つけてしまう。

もしかすれば、いいや確実に...・・・・・・だろう




クリスマスの特別話を出せないかも...
出せたとしてもクリスマス当日には無理ですね....すいません!


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第30話 家出

こんにちは、魂夢です。明けまして、おめでとうございます
まさかここまで小説を続けることが出来るなんて、自分でもびっくりしております
まぁ今年も、相変わらずの魂夢クオリティで行きますけどね!

それでは本編どうぞ!


〜暗闇〜

 

「ククク...フフハハハハハハハッ!!!!」

 

暗闇の中、背を向けた一人の男が大きく叫んだように笑う

その狂気的な笑いは俺に本能的な恐怖を俺に与えた

 

「フフハハハハ...」

 

男がガバッとこちらに振り返り、ものすごい勢いでこちらに向かってくる

俺は思わず逃げようとする、しかし、俺の体は思いに反してピクリとも動かなかった

 

「我は貴様を乗っ取る力を手に入れた。安心しろ、お前の身体は私が使ってやるからな」

 

男はそう言った後、大きく高笑いをする

どこか勝ち誇ったような笑いを浮かべるその男の顔を俺はまじまじと見つめる

その男は俺と同じ身長、同じ体格、そして...同じ顔、その男は他でもない、俺だった...

俺は自分が目の前にいることに恐怖した

顎から一滴の汗の雫がポツリと落ちる

 

男は拳を俺の胸にポンっと当てる

絶対に痛くないはずのその拳は俺に鋭い痛みを与えた

胸から全身にかけてものすごい電流を流されたような痛みが俺を襲う

 

「ア...アガガ...アガ...ガ」

 

壊れたおもちゃのように言葉にならない言葉を俺は発した

 

〜自室〜

 

「ウワァァァァァァ!」

 

俺はガバッと上半身を起こす

目の前に広がる景色はただの自室、朝日が差し込む気持ちのいい朝だ

 

今のは...夢?でも実際に痛みがあるぞ?

ただの夢じゃない気がする、あのオレは俺に対して何かメッセージを送っていたのだろうか

やっぱり決めなければいけない

いつまでもグダグダしてちゃダメだ

俺はいいが妖夢たちに被害がいかないようにしなければ

 

俺はこの日、重大な決断を下した

 

〜妖夢視点〜

 

ザクッザクッ

妙に聴き心地のいい音を包丁が奏でる

ネギを切った時、玉ねぎを切った時、それぞれ違った音色を奏でる

その包丁を自分が使うとすごく楽しい気分になる

 

「おはよう妖夢」

 

聴きなれた声が後ろから聞こえる

流楠君だ、何気ない朝に好きな人の声を聞くと、《今日も一日頑張ろう》って気になれる

恋というのは不思議なものだ

 

「おはようござ...あれっ?」

 

ただし、今回は特殊な事例だ

なんせその好きな人の肋骨が粉々で歩けないような状況だ

その人が流楠君の部屋からだいぶ離れた台所の所にいるのが不思議でならない

恋というのは不思議なものだ(すっとぼけ)

 

「治ったんですか?」

「ん?確かに、昨日もらった薬と幻力がうまく作用したのかも知れない」

 

そうですか、と言いながら、私は流楠君の方に振り向く

流楠君は険しく、どこか焦ったような顔をしていた

 

「ど、どうしたんですか?」

「妖夢、俺は出て行くことにした」

 

へ?ごめん、どういう意味?

出て行く?私のこと嫌いになったの...

 

「それはまた...どうしてですか?」

「このままでは妖夢たちを傷つけてしまうかもしれない、俺が、この波動を使いこなせるようになるまで、一人で修行する」

 

自分の拳をじっと見つめながら、流楠君は言う

そんな中、私は頭が真っ白になった

え〜と闇の波動を使いこなせるようになるまで白玉楼を出るってこと?

 

嫌だ、そんなの、嫌だ

 

「それはいい決断だと思うわ」

 

突然現れた幽々子様がいつもより真面目な表情を浮かべながらそう言う

一方で私はポカーンとしていた

 

「ゆ、幽々子様?それは何故...ですか?」

 

幽々子様は私を横目でチラリと見るだけで、何も言わない

 

「ああ、俺自身もそう思っている」

「それで?いつ白玉楼を出るの」

「今すぐにだ、俺に休んでいる暇はない。いつまた暴走するかも分からないからな」

 

幽々子様が「そう」と言うどこか遠い方をじっと見つめる

その行動にどんな意味があるのか、私には分からない

 

「いつ帰ってくるんですか?」

「それは...わからない。もしかしたらもう帰らないかもしれない。まぁ居場所は教えとくから、会いに来てよ」

 

流楠は、ハハハハハと笑う、私にとっては笑い事にはならない

 

「さてと、そろそろ準備してくるね」

「ち、ちょっと待ってください!」

 

私はそう言う

渡したいものがあった、機会がなければ渡せなかったかもしれない

ある物、私だけしか作れない物、少しでも闇の波動の影響を少しでも少なくできればと心から思う

それを取るために、私は自室に戻った




どうでもいいんですけど、最近ストリートファイターにはまってます
実は敵キャラのセリフを見るとわかることがっ!?


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第31話 旅立ち

こんにちは、魂夢です。今日はいつもより投稿ペースがはやいんですよ!なぜかと言うとね、入院するんです。
1週間くらい時間が空くかも...(いつものことですが)


俺は荷物をまとめている

俺の荷物の中には、今までの思い出がたくさんあった

 

数々の死闘のおかげでズタズタになった服や、紫がふざけて持って来たウエディングドレス様々な品々がタンスからドンドン出てくる

 

それらは見ているだけで俺を笑顔にしてくれる

昔の俺ならそんな感情は抱かなかっただろう

これは、妖夢たちが俺に与えてくれた感情

だからこそ、彼女らに危害を加えられないのだ

 

自分で自分を抑え込めるようにならなければ、いけない

それまで一人で、修行を積んでおくのだ

人があまりいない、もちろん妖怪も。そんなところに行こう

 

俺は荷物をスーツケースのようなものの中に荷物を入れる

結構パンパンにしながら、俺は玄関まで向かった

 

〜玄関〜

 

俺は玄関で息を荒げていた

なぜなら荷物が重いから

 

まぁ十数着の服をパンパンに入れてるからな

なんなら幻光刀より重いよ、これ、まじ

 

どこに行こうか、確か...神楽が修行をしていた場所があったはず

 

「流楠君!」

 

透き通った声が聞こえてくる

妖夢の声だ

 

ドタドタと走ってくる音が聞こえる

 

「り、流楠君、こ、これ」

 

顔を真っ赤にした妖夢が差し出してきたのは、お守り?

少し硬い、小さな木の板でも入っているのか?

きめ細やかに縫われた布には一つ【魂】と縫われていた

 

「これは?」

「お守りです、波動に飲み込まれそうになっても大丈夫なようにと思いまして」

 

肩で息をする妖夢はそう言う

 

飲み込まれないようにの保険か...

個人的にすごく嬉しい、もしかすると生まれて初めてのプレゼントかも...いやそんなことない

 

小学生の時、友達のタクマ君にプレゼントと称して、ゴキブリをもらったことがあったけど

いや〜あれはビビったなぁ〜箱を開けたらガサゴソって言うもんで

今となってはいい思い出だな

 

「これを、どこで?」

「今作ってきたんです。私の霊力を封じ込めたんです、どうでしょうか?」

 

ああ、ありがとう、そう言い渡し、荷物を持つ

やっぱ重いよ

 

「んじゃ、行ってくる。また、どこかで」

「はい、どこかで」

 

俺はそう言う、さよならでは無く、“どこかで“と...

玄関を開けると、強めの日光が顔に当たる

しかし、俺は振り返る

 

笑顔の妖夢がただただ俺を待っていてくれる

(やっぱりやめようかな?)

欲が出てしまう、俺が波動を上手く抑えておけばいい話じゃないか?

 

笑顔の妖夢がいつまでも俺を待っていてくれる

そう考えているとなんだか勇気が出てきた

 

(行こう、俺が決めた“覚悟“を満たすために)

 

俺はよく知る、しかしながら、よく知らない、幻想郷へと旅立った

 




投稿ペースが遅くなるだけなので、コメントの返信は怠りません、ですので、じゃんじゃんコメントしてくださいね!
それではまた!


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第5章 魔法の森
第32話 新居


こんにちは、魂夢です。いやぁ〜ようやく投稿できましたぁ!
やったぜ!


〜人間の里〜

 

「うっわ〜」

 

俺は人々が忙しなく動く中、一人そう言った

 

その人間の里入り口、ガヤガヤと木材を担いだ男たちが動き回っている

なぜなら、前回の戦いで壊れた家を直そうとしているのだ

 

もう完全に俺が悪いな、これ

ごめんね?ごめんね?

 

俺は男たちを丁寧に避けつつ、民家が無傷の場所まで移動する

周りをキョロキョロ見つつ、うろ覚えで、ある人が住む民家を探す

 

あっ!み〜つけたっ!

 

「ごめんくださ〜い」

 

トントンっとドアを叩き、大きく言う

外の世界じゃ行ったことないよ?この「ごめんくださ〜い」なんて

しばらくしてドンドンと大きな足音が聞こえてくる

 

てか、『ド』とか『ト』を書きすぎた気がするんだが

 

「はーい、どちら様ですって、あんたか」

 

出て来たのは案の定、神楽だった

ドアを開けたはじめこそ作り笑顔を浮かべていたものの、俺を確認するなり気だるそうな、いつもの顔に戻した

 

「うん、オレオレ。突然なんだけどさ〜お前らって修行してたんだよな?どっかに小屋建ててさ?」

 

少し前に聞いた話だが、修行が一段落して終わった日、つまり俺と初めて会った日に

小屋を残して実家に帰って来たらしいのだけど、俺にその場所を教えてくれって事と、まぁつまるところ小屋貸してって事を言いにきたのだ

 

「ん?あぁ小屋?別にいいけど、あっ!場所分かる?ちょっと待ってて、地図持ってくるから」

 

な〜んか言うだけ言って行ってしまった

閉まるドアの隙間に見える神楽の背中を見つめながら、小さな期待を一つ胸に抱いていた

 

一人暮らし、聞こえはいいけど実際にはできれば行きたくない

 

昔はもう中一の五月とかに色々と重なって家を飛び出したんだけど

あの時は大変だったなぁ〜なんてったって一日野宿したもん

その後中学休んで持ち金を全部使ってアパートを借りたんだった

一応貯金には五万あったし、そこそこなとこ借りてる

 

っと、そんなこと思ってたら神楽が来たっぽい

 

「ほい、これ地図ね。魔法の森の場所分かるよね?うん、なら良かった。ほいじゃあ」

 

地図をぽいっと投げ渡した後、ドアをバタンと力強く閉めた

ん?何か声が...

 

『誰々?誰と喋ってたの?』

『ん?別に?ただの宗教の勧誘だよ?』

『いや、違うでしょ、絶対。だって流楠の声したよ?』

『いや違うから、はいはい玄関から離れましょうねぇ〜』

 

うん、さりげなく『イギャーーー』って悲痛な叫びが聞こえてくる...

よしっ!聞いてない聞いてない。さっさと魔法の森行こう

 

〜魔法の森〜

 

「んで、なんでお前が?」

「ん?気にしないで」

 

俺は呆れた顔をしながら言った

魔法の森のちょうど入り口、つまり目の前、そこに黒いフードをかぶった男がいたのだ

 

三年程前、俺にスペルカードを渡した男

なんでこいつがいるのかは不明だ

なんだか嫌な予感がする

 

「な、なんで付いてくんだよ」

「ダメかい?」

 

ダメじゃないけど、と俺は返す

ま、まさかこいつっ!“ホモ“なのかっっっ!!

ヤベェ、ヤベェよ。

このままじゃ、部屋に連れ込まれて、犯されて、写真に撮られて、ネットに流される可能性大!!

 

「なぁ流楠、実は俺、流楠君のことがっっっ」

「ヤメロォ」

「もう我慢できないッ!ハァハァ」

「ギャーーー」

 

みたいになるに違いない!

 

「ん?顔に何かついてるか?」

「いいや?別に」

 

そんなことになるわけないか

考えすぎた

 

「おっと。ここかな?」

「そうみたいだね」

 

目の前にあるのはただの家

窓があって屋根があってドアがある、外見からはそれ以外は特に書くことのないただの民家

人間の里にある、それと何ら変わりない

 

「どうしたの?入らないの?」

「い、いや。こんなしっかりした物だと思ってなかったからちょっとびっくりしてるだけ」

 

玄関のドアを開けようと、神楽からもらった鍵を取り出してそのまま開ける

 

「う〜ん。予想通りだ」

 

外見の見た目はいいが、中身は酷い有様だ

ところどころ埃がたまり、紙が散乱していたり、Gっぽいのがカサカサいたり...etc

 

「はぁ〜新居ついて一日目のやることは大掃除ってことかな?お前も手伝えよ、黒フード」

「えっ?どうして?あと黒フードって何?」

「だってお前名前教えてくれないんだもん!」

 

黒フードは“まぁたしかに“と言った後、なんだかんだで手伝おうとしてくれる

この掃除が終わるのはあと何時間後になるだろうか...




遂に一人暮らしが始まりましたね!
魂夢的には、これでちょっと大暴れしても問題なくなったぜ!ってね!


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第33話 リーパーと神楽

こんにちは、魂夢です。今回はTwitterでお伝えした通り神楽が主役です!


やっと、終わった...

長きにわたる時間を掛け、今ここに、激闘が終戦した

 

今回は私の勝ち?いや引き分け?

どちらにせよ、結果オーライという形でいいだろう

 

時雨がようやく諦めたのだ

私の制止を振り切って、家を飛び出したものの

もう流楠は居なくなっててくれた。やったね!

 

時雨はしょんぼりしているものの、こっちとしては『ようやく大人しくなった』である

 

「ふぅ〜」

 

私は腰を下ろし、一息つく

まったく世話の焼けるやつだなっと、私は彼女を見ながらそう思った

しかしながら、あんな時雨でも悲劇のヒロインだ

 

あの時私が時雨を助けださなかったら、一体どうなっていただろう

そんなこと、考えたくもない

 

私はその考えを頭から追い出した

“アイツ“は今、どうなっているのだろう

まだ続けているのだろうか

そんな疑問に答えはやってくるのだろうか

 

いくら狩怪を殺しても、何の情報も得られなかった

博士の言う通り、諦めた方がいいのだろうか

 

“アイツ“、リーパーこと柳は一体どこにいるのだろう

柳が何処にいたのか、その記憶は無かった

おかしな話だ、けどそこに興味が湧く

 

おもしろい、柳がその気なら、こっちもその気でいかせてもらおう

柳にはそれをやって貰わなければいけない

それは何故か....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時雨を殺そうとしたから

 

柳は時雨を殺そうとした

そして同じように私も、殺そうとした

 

理由は柳の『求めているものと違った』らしい

私は奴が憎い、たったそれだけのことで、私を、時雨を...

もう一度会ったら、八つ裂きにしてやる

 

私はそれまでも耐えていたのだ

狭い部屋、低い天井、無機質な壁

その中に一つ、ポツリと置いてある私のベット

そんな中で生活すること自体が既に鬼畜なのに、毎日のように人体実験をやらされる

 

唇を噛み締めながらずっと我慢していた。それなのに

私たちを殺すことになっていたのだ

 

『こいつと時雨って奴が殺処分か..めんどくせいなぁ』

 

私に食事を運んできた二人の男のうちの一人がポツリ、そう呟いた

静かな部屋に響いたその言葉は、私の中にじっくりと染み込んでいった

 

こいつ?つまり私?時雨?あの小さな女の子?殺す?つまり私たち死ぬ?

 

その時の行動は考えるより先に動いたものだった

呟いた男の顔面を殴り倒し、もう一人は私の足を振り上げるような蹴りを一発

それでも気絶しなかったので、上げた足を落とした踵落としをした

 

一般的にガタイの良いと言われるであろう男を一気に二人も倒せた

しかし、そんなことを考える暇などはなく、時雨が監禁されているであろう部屋を探す

 

鉄製のドアに貼られた紙に印刷された番号を目で確認しつつ、男をなぎ倒し、前に進む

私の実験番号はI.D.22201番。時雨はI.D.22286番だったと思う

 

ドアを30個ぐらい見た後、ようやく見つけた

 

《被験体 実験番号I.D.22286》

 

私は紙を見るなり、最初の男が持っていたよくわからない形の鍵を差し込んだ

 

『時雨!』

『...?』

 

ドアを開けた先にいた時雨は、ベットの上で三角座りをしながら光のない目で私をじっと見ていた

時雨は私を見るなり、首をキュるんと傾げるような動作をする

 

『行くよっ!』

『...ぇ?』

 

時雨はものすごく小さな声でそう言っていたのを覚えている

あの時の時雨はすごく小さくて、百cmぐらいしか無かったのを覚えている

 

私は時雨の手をギュッと握る、そして時雨も私の手をギュッと握り返す

時雨の手を引いて駆ける

 

目に入った男はなぎ倒し、出口らしき場所を探す

 

『おい貴様...そこで何をしている...』

 

その人の本能から恐怖に陥れんとする声、それはまさにこの施設の主、坂技 柳だ

私は後ろを確認する為、後ろを見る

黒いマントに身を包み、赤い軍服のような服を身につけ、腕を組みながらゆっくりと近づいてくる柳がいた

柳は何故か瞳がなく、常時白眼のようになっていた

 

『あ痛っ!』

 

柔らかい塊が私に当たった。その塊は肉のようだった

私は慌てて前を見る、やはり目の前には柳の手先の大柄な男

 

『あ..ああ...』

 

終わった、もう逃げられない

これから拷問にかけられた後に、一番苦しい方法で殺されるんだ

 

『何の益にもならん女と思ったが、意外に得るところもあったな。しかしもう用は済んだ、消えるがいい...』

 

柳は手をジャンケンのパーのように開き、その手のひらを私と時雨に向ける

鮮やかな紫色の炎のような気が、柳の手のひらに集まって行く

サッカーボール程の大きさの球体が出来上がった

 

『死ね』

 

球体が打ち出され、私に当たりそうになった瞬間

かまいたちのような風が球体をかき消し、柳と私たちの間に一人の男が突如として現れた

黒いフードを被った男、それが誰なのか今になってもわからなければ、何故助けたかもわからない

 

『これが闇の波動...なるほど、使えそうな力だ。その力をよこせ!』

 

白眼が全て紫色に変色し、身体中が炎の中に入ったように気を纏った

柳は確実に本気だ

 

『生きたいかい?』

 

私は少し戸惑いつつ、こっくりと頷く

黒いフードを被った男は、どこか温かみのある笑みを浮かべた

 

『我から逃げるつもりか?フンッ!愚かだ』

 

首を鳴らす仕草をしながら、柳は言った

逃げるんじゃない、消えるんだ、とフードを被った男は挑発のようなことを言う

 

フードを被った男はゆっくりと目を瞑り、赤黒い気を体に纏う

クワッと目を見開き、気を一気に解き放った

私たちと黒フードを囲うようになった円型の気が、私たちを囲っていた男と柳を吹き飛ばした

 

しかし柳は飛ばされている空中で体勢を立て直し、先ほどより少し離れたところに着地する

 

『行くよ』

 

黒フードは私の手を握り、黒フードは目を瞑った

赤黒い気が私たちを囲って、ボールの中に入っているようになる

 

そしてそのまま赤黒い気は黒い光を強める。光が強くなり、私は目を瞑った

ゆっくりと光が弱くなり、私は目を開ける

 

そこは私が夢見た太陽がきらめく幻想郷の地上だった

 

その後、私は記憶の奥の奥にある記憶から小さな家を探し出し、色々あった後、結局そこに住むことになった

だって誰も住んでなかった空き家だったんだもん

 

「今まで、色々あったなぁ〜」

「何が?」

 

いや、別に?と私はたぶらかす、時雨には思い出して欲しくないからだ

私は時計を見る、現在12:30だ

 

「あ!やっべ!」

 

今日は12:45妖夢とお茶する日だった

 

「おい時雨!私ちょっと行ってくるから、時雨は明日の寺子屋の準備しておけよ〜」

「えー」

「えーじゃない!」

 

私は上着を羽織り、帽子をかぶって家を飛び出た

その時の自分の顔があの時と違い、希望に満ちた笑顔だったのは、言うまでも無い

 




神楽とリーパーの実験台なんですよねぇ〜

どうでもいいんですけど、私は魂音泉が好きなんですよぉ〜
魂音泉とは...ググってください
ちなみに私はQ(あってる?)と言う曲が好きです
知ってる方は何が好きか是非教えてください!


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第34話 龍鬼(りゅうき)

こんにちは、魂夢です。今回初めてタイトルにルビを振ってみたんですよ
初めてなので、出来てなかったら教えてください


・霊夢視点

 

「あったか〜い」

 

やっぱりこたつはいい、すごくあったかい

やっぱ冬といえばこたつよ

あと少しで年越しだけれど、そういえば年越しそばの用意を忘れたなぁ...

 

“ガダガダ“

まただ、また“彼“が何かを伝えている

そのの何かを見分ける方法としてこんな言葉があったっけ

 

聖なる心枯れ果てし時、究極の闇を操りし戦士、雷の如く出で、幻想郷は闇に葬られん

 

ウチの奥深く、幻想郷がもし消えてしまうような事になった時だけ開ける場所にある本に書いてある言葉だ

 

意味としては

優しい心を無くした時、究極の闇を扱う凄まじい戦士が、雷のように現れ、幻想郷を滅ぼす

と言う意味らしいのだけれど...

 

普段あの場所に行くための扉にはお札が貼っており、間違っても力を解放しないようにしている

しかし最近になって、強いて言うなら流楠が闇の波動に目覚めた辺りから

時差、内側から扉をこじ開けようとガダガダと扉が震えることが増えてきた

扉の内側にいる“彼“が何かを察知したと言うの?

 

原因は流楠?それとも他に何かあると言うの?

“彼“は一体なにを私に伝えようとしているのか私にはわからない

ただ一つわかることがあるとすれば、“彼“は何かを察知した、それだけ

 

「そこにいるのはわかってるわ、出てきてちょうだい」

 

目の前の空間に亀裂が現れ、中から紫が出てくる

 

「流石ね」

「当たり前でしょ」

 

短い会話だが、わたしには紫が何を言いたいか大体わかる

“見つけて欲しくなかった“と言いたいのだろう

なんでって?そんなもん勘よ、勘

博麗の巫女の勘なめんなよ

 

「何の用?いまちょっと忙しいのだけれど」

「何を言ってるの?することないくせに」

 

まぁそうなんだけど

今はちょっと一人にして欲しい

理由は...色々と考えたい

流楠の事、闇の波動の事、妖夢の事など色々と

 

「真由美と健斗の件だけど」

「ああ、彼らね。いい奴らだったわね、お賽銭多めにくれたし」

 

そういえば流楠が始めてくれた時も凄い金額くれたっけ

そう言う所は“親子譲り“なのかもね、よくよく考えてみれば

 

「彼らってどうなったか知っている?」

「え?死んだんじゃないの?龍鬼(りゅうき)は封印され、相打ちとなる形で...」

「それが死んでいないのよ。謎の場所で──」

「もう禁忌封印地(きんきふういんち)でよくない?流楠には隠しているけれど」

 

禁忌封印地、龍鬼が石棺封印されているとされる場所のこと

約200年前、闇力を作り出し、それを自らの体内で練り上げ闇の波動を作った張本人

ある意味で龍鬼は本当の黒幕とも言える

 

禁忌封印地は紫の能力を使った結界によって隠されていた

しかし、流楠がやってくる一年前、突如内側から結界が破られたのだ

結界を破られたことを危惧した紫は保険として流楠を呼んだ

その数日後にたまたま狩怪が現れた、と言う流れだ

 

「それもそうね。それで禁忌封印地には計三人の人が封印されているの」

「へぇ、一人は龍鬼、あとは健斗と真由美ってところかしらね」

 

そう、と紫は重々しく頷いた

 

「ほんと、流楠って不幸ね」

 

“ええ、そうよね“そう紫は言う

軽々しく言うな、まったく

両親や友達から酷い扱いを受けてきて、やっと見つけた妖夢という信じることができる友達の元すらも、離れなければいけない状況になってしまった

不幸なんて言葉じゃ足りないぐらい不幸だ。流楠は

 

「それじゃ、私はそろそろ」

「さっさと帰んなさい、私はお昼寝をするんだから」

 

わかった、紫は小さくそう行った後スキマを開き、帰っていった

私はミカンの皮を剥きながら思う

お昼寝できる雰囲気じゃないわよ、まったく




時雨が主人公になる予定だったんですが...
ほら、時雨って何考えてるか作者の私でもわからないので...
いっそのこと、三人称視点でも良いかななんて思ってたりしています


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第35話 輝く箒と掃除

こんにちは、魂夢です。2018/02/01、私は受験当日だったんですが、なんと一発合格しました!
ほんとに泣きそうになりましたよ!と言うより泣きました。ハイ
二年の努力が報われました!受験勉強も終わったので投稿ペースも上がりますよ!(多分)



どうしたもんかなぁ〜

箒が無いんだ、手だけでこの量を掃除するのはちょっと無理がある

そこそこな広さあるぞ、この家

 

「なぁ、箒を買って帰ってくるまで何時間ぐらいかかると思う?」

「いや、配達でいいんじゃ無いの?お金を積めば速達だよ?」

 

いや何それ、Amazonじゃんそれ

幻想郷ヤベ〜。というよりかAmazonがヤベェよ

 

「そう。プライム会員ってところかな」

「なんでそうなる。というか俺の心の中を覗いて突っ込むな、てかどうやってやった!?」

 

“いや別に“、と黒フードは呟く

“別に“じゃねーよ、教えろよ!気になるよ!ふざけんなし!

 

まぁいいや、どうせ教えてくんないし

てかどうしよう、わりとマジで

 

そういえば俺の能力って“想像を形にする程度の能力“だった気がするんだが...

 

「ちょっとやってみる」

 

ん?何を?と言っている黒フードを無視して俺は早速作業に取り掛かる

 

まず俺の手から幻力を出し、箒の骨組みを組み立てる

これだけじゃ触れもしないし、力を抜いたら消えてしまうので、最近幻力に取って代わられて全然使わなくなった霊力でコーティングする...

それを何重にも施しておけば...よしっ!完成!

 

「で〜きた!」

 

俺は黒フードに向かって、下から上に上げるように出来立てホヤホヤの箒を投げる

黒フードはそれをバシッと受け取った

 

「輝く箒、ん?なんだこれ。幻力か?」

「そう。俺がたった今幻力だけで作ったものだ」

 

黒フードが2から3秒くらいポカーンとした後、状況が読み込めてきたのか、クワっと言うように目を見開いて「え〜!!」と大声をあげた

結構うるちゃい

 

「ど、どうやって!?」

「うるせぇよ。んなことより黒フード、俺の能力知ってっか?」

 

俺が“うるせぇよ“をヤンキーのように言ったお陰か、静かに首を横に振った

よく学習できた。黒フード君の得点は100点、よくできましたシールを貼ってあげましょう

 

「一つが“無限に想像する程度の能力“で、もう一つの方は“想像を形にする程度の能力“だったと思う」

 

黒フードがコクコクと頷いてみせる

いや、もう喋ってもいいよ?お、怒りすぎてごめんね?

 

あっ、そういえば俺、妖夢に“場所教える“って言っちゃたなぁ

行くのも時間かかりそうだし、どうしようかな?

 

「なぁ黒フード、妖夢...あ〜、えっと白玉楼に届けて欲しいものがあるんだけど...」

「何?」

 

俺は持っていた紙を黒フードの前に出す

魔法の森からこの場所までの地図だ

これを渡せばここにいることを理解してくれると思う、絶対、いや多分、きっと、やっぱり無理か?

自信がなくなってきた、大丈夫大丈夫、無理じゃないさ!

 

「わかった行ってくる。じゃあ僕がこれ届けている間に掃除しといてね。バイバイ」

 

黒フードは言うだけ言うと、俺に箒を渡し、そそくさと準備をしたあとさっさと行ってしまった

 

あの野郎、自分の嫌な仕事をほっぽり出してどっかに行く気だな!?

逃がさんぞ!

 

俺はドアをバタンと開けるものの、黒フードはもういない

ただ寒い風が強く吹いていただけだった

 

ちくしょう!逃げられた。こうなりゃ後の祭りだ、掃除するしかないな

 

俺はシクシクと一人悲しく掃除を始めた

その後帰ってきた黒フードが夜遅くに帰ってきたのは言うまでもない




長らく忘れていた流楠の能力。こう言うことだったんですよねぇ
最初に紫は“霊力を使えば“って言ってるけれど霊力と幻力の両方じゃね?って思う方がいると思うので補足

霊力だけでもできるが流楠には実力不足ということです

後物語の最初の方は毎日投稿だったんですが、受験が終わっても多分それは無理かと
何故なら書く量が多いから。
あの時のような千文字ぽっちじゃ一話一話のオチが決まりにくいんですよ、わかってくださいお願いします


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第36話 幻光の言葉

こんにちは、魂夢です。
最近ようやくヒーターを出したんですが、使った次の日、唇カッサカサになったんですよ...
萎えると言うよりもう最悪です...


「お願い」

「無理」

「僕も頑張ったよ?」

「普通こんな時間かからないから」

「お願い」

「無理」

 

さっきからずっとこんな調子だ

ちなみに、黒フード、俺、黒フード、俺、黒フード、俺の順である

 

口論の内容は布団で寝かせて、というものだ

黒フードがお使いから帰ってくるのが異様に遅かったため、俺が“床で寝ろ“と言ったのがきっかけ

上に書いたことがずーっとループしてる

俺が“無理“って言った後に“お願い“が入ってってな感じ

 

ていうか頑張ったわけないだろ、何時間かかってるんだよ。5、6時間ぐらいかかってるぞ?

普通ここから白玉楼に行くまでなら往復1時間ぐらいなはずだ、少なくとも

しかもこいつナチュラルに団子を食べて帰ってきてやがる

働かざる者食うべからずって言うし、でも団子食ってきてるから今日床で寝ろよってことだ

 

「無理、無理無理!布団一個(本当は二個ある)しかないし」

「え!?それじゃあ僕が何をしようと床で寝かせる気だったの!?」

「そ、そうではないが...」

「一緒に寝ればいいよ!だからお願い!ね?」

「いやホモかお前は、俺は男と寝る趣味はない」

そんなぁ〜と言ってる黒フードを無視しつつ、俺はたたんである布団を出し、畳に広げる

 

今思ったけど床の上に畳敷いてあるからそんな苦にならんだろ

そう思うが口には出さない、黒フードのことだ、またウダウダ言うだろうし

 

そんなことを考えてる間に、俺は布団の上に枕を置いて掛け布団を上からファサって感じで敷く

よし、これで一夜を過ごせるぞ!

 

「そんじゃ俺は寝るから、おやすみ」

「え?え?本当に寝てる?嘘だよね?ごめんなさい!ごめんなさい!謝るから、謝るから布団貸してくださいぃ!」

「Zzz」

 

暗い空間(夢の中)

 

暗い空間だ、十中八九夢の中なのだろうが、かなり久しぶりに見たな...

 

目の前にいるのは幻光と思われる髪型、髪色をしている人物

今こちらに背を向けているような状態だ

 

「堕ちたな」

 

こちらに背を向けたまま言う

声の色的にやはり幻光で合っていたようだ

 

「どういう事だ」

 

俺は思ったことをそのまま口にした

堕ちる...つまり悪に堕ちたってことか?

意味がわからない、俺が?俺が悪に堕ちたのか?

 

幻光はゆっくりとこちらに振り返る

俺はじっと幻光の目を見た

その目は俺が知っている幻光の目じゃなく、何か(さげす)むような目をしている

 

「お前に幻光刀を使う資格はないっ!」

 

俺の言葉をガン無視してそう言った

幻光はもう用はないと言わんばかりに再度、俺に背を向ける

 

「何故だ!?意味がわからない!説明してくれ!」

 

幻光はこちらに振り返ると言うよりは、首を動かしてこっちを見る

 

「まさか気づいていないのか?」

 

幻光は目を見開き、「嘘だろお前」言わんばかりに驚愕の顔をする

かと思えば、幻光の体の端から真っ暗な闇に合わせるように黒くなっていくのが見えた

 

「待て!待ってくれ!俺に言葉の意味を教えてくれ」

 

俺は幻光のいる場所まで走る

幻光の体全体が真っ黒に染まると、俺が幻光がいる場所までたどり着く

俺は幻光を触ろうとするが、触ろうとした手は空を切った

 

俺は幻光の言葉を理解することができないまま、朝を迎えたのだった




さぁ!幻光が「堕ちたな」と言いましたが、いつどこで堕ちたと思います?
ちなみに幻光が気づいたのは昔です!もっと言うと三年前です!
堕ちていると感じたのが三年前で、行動に起こしたのが今回ですが...
幻光的には「選ばれし者なんだから堕ちず戻ってくるだろう」と思って様子を見ていた設定です!


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第37話 錆び

こんにちは、魂夢です。バレンタインまで間に合うか?(怯え)


ちゅんちゅん、とスズメであろう生き物の声が聞こえる

スズメの声を久しぶり聞いたと思う

なんてったって俺が暮らしてたのって外の世界から見れば死者が暮らす滅茶苦茶怖い所だもん

スズメみたいな鳥なんて全然───いや、一匹もいないからなぁ〜

 

「うぅんんんんんん〜〜」

 

俺は両手をくぅ〜っと上げて唸る伸びをした

そして黒フードの方をチラッと見る

畳、つまり床に横になって心地好さそうに寝ている

 

「おい、起きろよ〜」

「んんん、な、なぁ〜にぃ〜」

 

俺が黒フードの背中の方を足でバシバシと蹴る

そうすると欠伸しながら『なに』って言ってくる

なにが『なぁに』だバカ!さっさと起きろ!居候のくせに...

 

「今日は修行に勤しむ、一人でグースカ寝てるんじゃねぇよ」

「わ、わかったよ。すぐ行く」

 

そう言うと黒フードはヒョイっと起き上がり、フードの位置を調節する

黒フードがフードを調節している間に俺は幻光刀を手に取る

 

あれ、なんかほんのちょっだけ重いぞ?

多分普通の人だったら絶対気づかないぐらい少しだけれど...

 

俺は幻光刀を抜く

 

「‼︎」

「ん?どうし...‼︎」

 

幻光刀が根っこから先まで全て錆びついている

 

まさか、幻光は俺に幻光刀を使う権利を剥奪したのか!?

そんな、そんなことがあり得るのか!?

 

「ねぇ、昨日夢かなにかを見た?」

 

黒フードは穏やかに、まるで声帯を動かしていないかのように囁く

 

「ああ見た。幻光...えっと〜自称幻光刀の魂が現れて俺に『堕ちたな』って言ってきた。で昔自称魂は俺と一体化して俺の霊力増量に一役買ってたんだけど.....ヴッ!」

 

突如として腹部に強い痛みが走る

黒フードを見るとこいつは俺の鳩尾辺りを膝蹴りような攻撃をしていたのだ

 

攻撃によって“く“の字のような体制になってしまった、確実に体制が悪い

俺はとっさに幻光刀───は使えないので幻光刀の鞘を黒フードの鳩尾に突き刺すようにぶつける

 

「ぐっ!」

 

黒フードは後ろに飛び退き、俺と黒フードの間合いは3〜2メートルほどになった

 

俺は黒フードの目を見る

こいつの目は黒光り...いや違う。実際に黒色の光が放たれているのだ

俺はこの目を見たことがない、だが知っているような気がした

 

黒フードが自分のフードに手をかける

そしてそのままフードを...脱いだ

 

何だこいつ、額からこめかみにかけて大きな傷があるじゃないか...

フードのせいでわからなかったし、こいつの顔をよく見たこともなかったから気付かなかった

 

「フフ、まぁいいや。まだ制御できているみたいだし、僕も鬼じゃない。そもそも“この次元“の幻想郷が滅んでしまおうと、次の“英雄“を探すだけだ」

 

黒フードを被っていない黒フードは黒フードを被る。すると同時に光っていた目もなりを潜めた

 

今回もミラクルワードが二つぐらい出てきてるんだが

まぁいいや、めんどくさいし

 

黒フードはおもむろに玄関に向かって歩き出す

何をしているんだ?

 

「幻光刀の代わりの刀のありかを教えてあげるからついてきて」

 

わかった、俺はそう言い玄関を出た



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第38話 夜神刀(やしんとう)

こんにちは、魂夢です。バレンタインは明日です...明日出します(多分)


暖かくなってきたなぁ〜、と思う今日この頃

こんな日はゆったりとお昼寝でもしたいよ...

 

俺は今謎の場所に来ている

なんでかって?黒フードが幻光刀の代わりの刀があるって言ってたからついて来た

ただそれだけのこと

 

「で?どこにあんの?」

「こっちだ、ついて来て」

 

謎の場所は洞窟のようになっていて、入り口が半円型になっているのだが...

中は物凄い霧がかかっていて全然見えなくなっているんだ

それで霧の正体はなんなのって話だけど...

単刀直入に言ってしまうと闇の波動だ

 

ただ、なんで闇の波動があるのかわからない

だって紫教えてくれないんだもん!

 

「ここだ」

「ここって言われても謎の場所の中じゃ...ん?」

 

霧の向こう側、そこに広がる景色はなんとも言えない奇妙な光景だった

『凸』の形のような土台の上に三つの石棺

そして出っ張った土台の上にある石棺大きくて豪華...というかゴツい

そうゴツいのだ、その石棺だけ人一倍大きく掘られた絵や石棺から飛び出た装飾品も多い

 

普通、石棺というのは遺体や遺骨を収めるもので、亡くなった人物が偉大であるほどにそれと比例して石棺も豪華になる

つまり真ん中の人物だけは何か大きな功績を残し、偉大な人物として亡くなったのか?

 

「さてと、見ない方がいいぞ」

「えっなん...わかった」

 

これはやめておこう

黒フードは一番大きな石棺の蓋に手をかけたのだ

まさか蓋を取るのか?いやいやそんなわけないだろ、っと思っていただが『見ない方がいい』とのことなので多分その気なのだろう

 

俺は後ろを向いた

 

ゴゴゴっと石棺の蓋を動かす音が聞こえる

そしてガサゴソ、カサカサと石棺の中を漁っている音が聞こえてくる

死体漁りはよくないぞぉぉ!

誰か覚えてないけど俺知ってる外の世界の偉人が『俺の墓荒らしたら呪ったるでぇぇ!!」

って言ってた人がいたような気がする...

 

「ほれっ」

 

ガサゴソ音が止み、蓋を閉める音が響く

その後、黒フードは『ほれっ』っという言葉を俺に投げかけた

俺は黒フードの方を見る、すると目の前に刀が!!

どうやら黒フードは俺に刀を投げたようだ

俺は刀をバシッと受け取る

 

「なにこれ?」

「それは夜神刀(やしんとう)だ」

 

夜神刀...か

聞いたことがない名だな

幻光刀と夜神刀...対をなしているように見えるのは俺だけか?

まさかまた 夜神(やしん)とかいう魂いたりするんじゃないのか?

そんなことになったらめんどくさいんだけど...

 

「ほぅ...持てるか...」

「?」

「いや、なんでもないよ」

 

持てるか...だと?

まさか常人には持てないとか?まさかそんな!?

なんでもないだと?紫といい黒フードといい、なぜ俺に皆隠し事をするのだ!?

まぁいい、いずれ訊こう。しかるべき時が来た時に...

 

「さぁ帰ろう」

「ああ。いやお前の家じゃねぇ!」

 

そうだねっと黒フードば笑う

その丸い笑顔の裏になにがあるのかは、俺は知らない...




文字数が...少ない...


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第39話 バレンタイン!

こんにちは、魂夢です。お待たせしましたぁぁぁぁぁぁぁ!!
頑張って書いたんで是非!!


今日はいつも通りの何気ない日

ポカポカしていて小春日和とでもいうだろうか

とにかく今の俺には過ごしやすい気候なのである

つまりそれは修行に対しての絶好のチャンス

 

しかし、しかしながら!

なぜ妖夢が来ている?

 

「あの...その...え〜と...その...」

 

そしてなにをもじもじしている?

 

妖夢は両手を後ろに回し、肩を左右ゆさゆさしながら俯いている

なぜ頰が朱色に染まっている!?

不思議なことが多すぎる...

 

「あのです、ね...今日は...バレ──ワット!」

 

妖夢が仕事率、又は電気の単位を叫びながら横にすっ飛んでいく

そしてその裏にいたのであろう魔理沙がとドンッ!と現れる

お前か...妖夢を横に吹っ飛ばし、仕事率と電気の単位を叫ばせたのは!

ちなみに魔理沙と一緒に霊夢もいるようだ。なんでか知らないけど

 

「これっ!やるよ!まぁ出来栄えの方は.....察してくれ!」

「は、はぁ」

 

魔理沙は俺に長方形の箱を渡す

箱はリボンが付いており、やけに小綺麗だった

 

魔理沙はよく『だぜ』だとか言って男っぽい

だがしかし、スペカは愛で星だらけになってたりするし意外に乙女なのかもしれない

 

「ほれ!霊夢も!」

「わぁわぁわぁ!」

 

魔理沙の後ろに隠れていた霊夢が魔理沙の手によって押し出される

 

「いや、あの、その、こ、これ」

 

霊夢は手のひらに正方形の箱を乗せた状態で渡してきた

なんだ?魔理沙といい霊夢といい、らしくないぞ?

 

「ほんじゃあこのあといろいろあるから、バイバイ!」

「ん?うん。なんかよくわからんけどありがとう!バイバイ!」

 

魔理沙は箒に乗って、霊夢はそのまま浮遊して、元いたところに帰っていく

霊夢の顔が真っ赤になっていたが.....俺なんかしたっけ?

俺は若干下を向きながら思い返す

 

「こんにちは、お嬢様からお届け物があります」

「うわっ!」

 

突如俺の視界が女性のふくよかな胸でいっぱいになった

なんだっと俺は顔を上げる、そこに居たのは紅魔館のメイド長の十六夜 咲夜だ

 

「お届け物?」

「ええ。差出人は、お嬢様、妹様、パチュリー様、そして、私。受け取ってください」

「お、おう」

 

やけに大きい紙袋を受け取る

案の定咲夜は一瞬で消え、俺に残ったのは二つの箱とデッケェ紙袋

そして妖夢は気を失った───いや、今起き上がったぞ?

 

「り...流楠君、こっこれ...」

「ん?これは...」

 

妖夢は一つの箱を俺にハート型の箱を手渡す

この形、この大きさ、まさか今日は!!

 

「妖夢、今日は何日だっけ!?」

「2月の14日.....ですけど?」

 

やはりか...

俺はなぜ気がつかなかったんだっ!

何を隠そう、2月14日はバレンタイン!!!!!

女子から男子へ、手作りチョコをプレゼントする聖なる日!

この石円流楠、一生の不覚!!

 

「あ、あとで食べてください...で...では...」

「“.“が多いぞっておい!」

 

妖夢は一人で行ってしまった

まぁいいや、ホワイトデーにお返ししよう

とっておきのを.....

 

「さてと!いただくとするか!」

 

とりま食うか、美味しそうだし

てかこんなにチョコ食ったら鼻血出るよね、板チョコ何枚分だよ。これ

まぁとりあえず開封しま〜す!

 

まず魔理沙から

箱をパコっと開ける、ん?

ただの板チョコ、ただ前面に『弾幕はパワー!』と書いてある

 

いやいやいや、俺弾幕使わんし、刀やし、弾幕勝負とか弾幕ごっこした事ないし

とまぁツッコミどころ満載だがそれは置いといて

最初はとりあえず一口......

 

「パクッ」

 

ん〜っ!!

なんか味が、大雑把!よくわからんけど

こう甘さがドーンっとくる感じ?わかる?アメリカのチョコっぽい感じ

でもね、これうまい

 

では次へ

 

霊夢チョコ

 

魔理沙のと違って正方形なのが気になる...

パカ、あっ!ハート型だ!

なんかこう、ハート柱?三角柱とか円柱って言うんだから多分ハート柱で合ってると思うけど...

 

では早速一口いただこう

 

「うん、しっとり」

 

しっとり系チョコだこれ

うん、美味しい...

 

その後、俺はどんどんとチョコを食べ続けた

ちなみに種類的には

 

-レミリア-

 

吸血鬼にちなんで血入り!って書いてあった

食えるかボケェェェェ!!!!!

まぁ食ったけど...

 

-フラン-

 

砂だよこれ...もうなんかボッコボコになりすぎて粉になっとるわ

本当の意味で粉砕や

まぁ食ったけど...

 

-パチュリー-

 

あっ、なんか大人な味

ブラックチョコだなこれ

コーヒー似合いそう...

 

-咲夜-

 

チョコフィナンシェだ!

美味しそう!はい!それしかいえないで〜す

 

といろいろ紹介したわけであるが...

最後の妖夢には少し期待を抱いている

今までも毎年チョコをもらっていたんだ、妖夢にも

 

しかし今回は大きくなってハート型!

これは期待できる

俺は妖夢チョコの蓋をカパッと開けた

 

紙が入っていた

そこには『修行頑張ってますか?いつか互角に戦えるようになりましょう!』の文字が...

ああ、いつかなってるよ。互角に戦える男に...

 

その日もらったチョコの中で妖夢のものが一番美味しかったのは言うまでもない




みなさん気付きました?ナンバリング、前回のハロウィンと違って番外編じゃないことに...


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第40話 流楠の好き

こんにちは、魂夢です。ようやくです!ようやく目覚めた!!やったぜ


あぁ、寂しい...

今日の修行は終わりを告げ、夕食もすでに食べた

しかし、何かが満たされない

なんだろう、いつもやっている事はすでにやり終えたはずなのに...

 

ひょっとしていつものような白玉楼じゃないからか?

でももうすでに何日かここで過ごしているわけだし、違う気がするんだよなぁ〜

 

俺は畳の上で寝っ転がりながら、みんなからもらったチョコを食べる

なんな中、俺はなぜ満たされないか一つ一つ仮説を立ててはそれを消して行く

 

やっぱり白玉楼が恋しいのだろうか?

せっかく修行と称してやってきたってのに...

 

「はぁ,,,女々しいなぁ。俺」

「ん?どうしたの?」

 

黒フードが俺の隣にやってきてあぐらをかいて座る

 

「いや別にぃ〜。なんか満たされないだけ」

「ふ〜ん。それって恋とかじゃなくて?」

「恋ぃ〜?」

 

えぇ〜みたいな感じで言った

俺が誰と恋をすると言うのか、幽々子か?霊夢か?魔理沙か?それとも、妖夢か?

もし俺が恋の悩みを患っているのならそれにズカズカと入ってくるか!?

小学生の時の友達が言ってた言葉にこんな言葉がある『俺は思うのよ、友達の恋にズカズカと入ってくるやつは大体がクズだ!しかもリア充だ!くそっ!爆発しろ!死ねばいいのに!』である

 

つまり、こいつの言葉を借りるならば、黒フードはリア充で爆発して死ねばいい男である

うん、激しく同意!!

ただこの時の友達が女の子に振られて傷に塩を塗られて放った一言なのがいささか気になるものの、まぁ別いいだろう

 

「リア充めが...」

「うん?なんて言ったの」

「別にぃ〜」

 

しかし友達の言葉と合わないことが一つある

それはここが幻想郷だと言うこと、それが意味することはただ一つ

何か相手を挑発したりすると問答無用で殺される可能性もあるわけだ

 

それはこの黒フードでだって例外ではない

だってこいつ突然俺に膝蹴りをかましてくるやつだ、安心できない

 

「個人的にいえば恋してると思うんだけど」

「そんなわけが...ないわけでもないな...」

 

ないと思った、しかし断言できない

今まで何度も妖夢を守ったりしているがそのほとんどが理由のないものだ

その理由が全て“俺が妖夢に恋していたから“で済ませられるはずが.....なくない

 

た、たしかに妖夢は美人で可愛らしくて...ますます俺が恋してるみたいになってるじゃないか!?

そうかもしれない...

会いたいな...妖夢...最近会ったばっかり何な...

 

はっ!やっぱり俺妖夢が好き!?ゔ〜〜〜

よし!認めよう!俺は妖夢が好きだ!!

もちろん異性として、霊夢や魔理沙も好きだがそれは友達として

 

「そう言うのやめといたほうがいいよ」

「な、何で?」

「さぁ、なんでだろうね」

 

黒フードは口を左右に釣り上げ、『ネチャリ』と笑う

なぜ笑う黒フードよ、なぜたぶらかす黒フードよ

俺にはわからない、黒フード、俺の持つ力、その他全てが...




結構雑っすね...
ごめんなさいm(_ _)m


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第41話 No.3

こんにちは、魂夢です。今回はストーリーがほぼなにも進みません


・坂技視点(三人称)

 

無機質な実験室の中、プクプクプクと水の中にある気泡が音を立てる

それを禍々しい目で見つめる一人の男

 

「ククク、こいつが闇の波動の適合者だったなんて思いもしなかったな...」

 

彼、坂技 柳は斜め上を見上げながら唇を釣り上げ、笑う

その柳の前にあるのは大きなガラスの筒、そこには水がたっぷり詰まっており、成人男性が一人浸かっている

 

中にいる成人男性の名前は無く、《実験番号I.D.30000》ということだけがわかっている

通称No.3、最初期に集められた人間のうちの3人目、事あるごとに改良を加えられ続けられてきた男

I.D.は改良を加えられていくと新規のものになっている

既に記憶は消去済みで、格闘技術と武道全般のことに関しては脳にインプットされている

 

実はこのNo.3は他に比べてすごく特殊で、実験が終わるとすぐに人間を変える柳でさえ、この数年間密かに改良を続けていたくらいだ

No.3は流楠と同じく闇力や闇の波動の完全適合者であったのだ

 

通常、適合者でないものに闇力のコアを投与すると意識を失い、身体が力に耐えきることができずにボロボロになってしまう

もっと悪いものだと、ドロドロになって溶けてしまう可能性も孕んでいるのだ

 

そして、適合者の場合は身体がボロボロにならずある程度の意識を保つことができる

だがしかし、いくら適合者であってもなお、力の反動で身体や身体の一部が変形したりする

そこで登場するのがこの完全適合者である。完全適合者は流楠のように意識を保ち、なんらかの目的も持って行動することができるのである

さらに、身体の変形もなく闇力や闇の波動の破壊衝動すらも抑えることができるのである

 

だだし流楠の場合はその力強大すぎるが故、破壊衝動を抑えられない時も多々ある

しかしそれは闇の波動の密度が桁違いに濃いためである

通常の密度が1だと仮定した時、流楠は10や15ぐらい持っているのである

それで破壊衝動をあそこまで抑えてしまうなど常人にはできない苦難の技であるということを忘れてはならない

 

このNo.3はその完全適合者にあたる人物で闇の波動を意のままに操れるのである

そして、適合者かそうでないかは遺伝子によって決まるのでNo.3のクローンを大量に生産すれば、柳は最強と言える存在に囲まれることとなるのだ

それがなにを意味するのか、それは言わずもがな世界滅亡であろう

 

そして世界滅亡ができる力を持つ者が数千人、幻想郷を襲うこととなる

 

「ん?」

 

柳は眉を八の字に曲げ、何ぞ?という顔をする

それもそのはず、意識がないはずのNo.3が目を開けたのだ

その行動がなにを意味するのか、そしてNo.3を流楠は倒せるのか

真実は黒幕の柳も、流楠も、そしてNo.3でさえ知らないのであった...




次回は戦闘があり、大事な回となる予定です!


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第6章 地獄
第42話 地獄(hell)


こんにちは、魂夢です。
投稿遅くなって申し訳ございません!!
理由はいろいろありましてですね
まず卒業準備で忙しがったがために、執筆の時間がなかったと言うこと
そして今回の話が相当大事な回になるので、今後の東方魂魄恋愛談のストーリーの確認
などで遅れてしまいました
もう罵ってください、いいですよ
後もう一つ、我が家に猫が来ました〜やっぱりかわいいよね
皆さんは猫派?犬派?
とそろそろやばいのでこの辺で
本編どうぞ!


・坂技視点(三人称)

 

バリン!ピキピキ、プシュー

無機質な部屋にガラスにひびが入る音、そしてひびから吹き出す水の音が響く

音の正体は柳の目の前にある

 

「んなバカな...原因を確かめろ!早くっ!」

 

柳は研究員に指令を下すも、無情にもガラスは割れて行く

 

中に居る全裸の男はニヤニヤと笑いを浮かべる

まるで自分を止めることができないという確信を得ているかのように

 

「ふんっ!」

「ぐがぁっ!」

 

大きな音を立ててガラスが爆散し、衝撃によって柳は遠くまで吹き飛ばされた

腹部にダメージを食らったのか、腹を抑えながら四つん這いになる

柳は床を血走った目で見つめながら言葉を紡ぐ

 

「な、なぜだっ!?なぜそれほどまでに意識を取り戻すのが早いっ!?」

 

No.3は勝ち誇ったような笑みを向ける

 

「なにを今更...」

 

No.3が柳を殺そうと、エネルギーの結晶体を柳に投げたその瞬間

 

──カランカラン

 

アルミ缶が転がるような...いや、厳密にはアルミの筒が転がる音が鳴る

 

「くっ!」

 

No.3は腕を顔の前でクロスするように防御をとりつつ、柳と“男“野の脇を抜けて逃げて行った

一方でアルミの筒、もとい手榴弾は爆発せず、プシューと音を立てて煙を出すだけでなにも起こらない

 

「はぁはぁ、助かった。よくやった、“西井“」

「...」

 

柳に西井と呼ばれた男は返事をせず、沈黙を返す

 

「まずいな、このままでは」

 

柳は呟くと、ゆっくりと立ち上がり司令室へと向かう

そして司令室にて全ての兵士にあることを伝える、緊急事態だ、と

 

・流楠視点

 

俺は布団の上にあぐらをかきながら、窓を見ていた

 

今日はいい日だ、月がすごく綺麗に見える

さらに満月ときたもんだ

こんな日には月見団子を食べたいっと思うんだけど

どっかの誰かの黒フードさんが俺の団子を全部食っちゃたんだよね

おのれ黒フード

 

「さぁ、そろそろ寝ようか───」

 

なんだ?この感じ...

俺が暴走する前に感じた感覚と同じだ

俺の勘が正しければまたどこかに狩怪がいるはず...

 

「黒フード、ちょっくら行ってくる」

「いってらっしゃい」

 

屈託の無い笑顔を俺に向けて黒フードは言う

まだ俺はなぜ行くのか、どこに行くのか、何も言っていないのに...

 

こいつに関してはわからないことが多すぎる

年齢、名前、経歴、その他全て、何一つわからない

こいつは...何者だ?

 

いや、今は狩怪を優先しよう

黒フードの話はまた後だ

 

俺は幻光刀─────ではなく、夜神刀を腰につけて玄関を飛び出した

 

〜人間の里 入り口〜

 

な、なんだこれ...

ものすごい気、というより闇の波動が充満している...

さらに密度も濃い、つまり狩怪はものすごく強い

なぜなら自分の体から溢れ出すほどの闇の波動を意のままに操れるからだ

これほどの力の持ち主、俺が倒せるのか?

 

「おーい!!」

 

背後からやけに可愛らしい声が聞こえてくる

たぶん時雨ちゃんだ

時雨ちゃんだとしたら神楽もいるのか?

 

「ん?どうした?」

 

背後から俺の右側にやってきた時雨ちゃんに顔を向けず、霧の奥を見つめたまま言う

 

「うわー、すごい量だね!こりゃ手強いぞぉぉ」

 

俺はなんだか怖くなって、時雨ちゃんを見やる

時雨ちゃんはいたずらっ子がいたずらを自慢するときとような笑顔を浮かべながら俺を上目遣いで見上げていた

 

な...なんだ...この心の奥底からくる異様な恐怖は...

ジェットコースターのような恐怖でもなく、死ぬ間際の時のような恐怖でもない

なんだろう、心が震えるような恐怖...って言ったらわかりやすいだろうか

気味の悪い恐怖というだろうか

とにかく、言葉では表せない恐怖が俺を襲ったのだ

それも時雨に

 

「はぁはぁ、ったく!先に行かないでって言ってるでしょ!」

「あっ!ごめ〜ん」

「まったく...かわいいから許す!」

 

え?待て待て待て、どういうことだ!?

なぜ俺はこんな時に東方M-1ぐらんぷり的茶番を見せられているんだ!?

さっきのシリアス的展開はどこいった!?

 

「フハハハハハハハハハァ」

 

男の笑い声が、夜の静かな里に響き渡る

霧の奥深くから、一人の男がこちらに歩いてくるのが見えた

しかし、霧が濃すぎて男の顔や体が見えない

 

「貴様のような男が、今まで狩怪を退けてきたとは、虫唾が走る」

 

男がそう言った瞬間、霧の中の男の人影も消えた

 

「上かっ!?」

 

俺が最近できるようになったことの一つに、相手の気を見つけ追尾や、場所を把握することができるようになった

今、男が上に行ったことを見つけたのも同じ原理だ

 

男は全身タイツのようなものを着込んでいるが、胸部分に鉄板が貼ってあったり、生地もゴムのような物だから防御力をあげているのが見て取れる

いや待て、今気づいたがあいつ男なのに性器がないぞ!?

ひょっとして人間じゃないのか?

 

男は俺から見て10メートルくらい上方向から俺を見下げていた

俺は男の動きを見ながら男が何をしてきても交わしたり受け流すように神経を研ぎ澄ませる

男は俺に向かって手をかざす、この行動の意味を俺は知っている。弾幕だ

想像どうり、男は弾幕...というより弾幕に使う球を男のいる所と同じ高さに、平行になるように球を空一面に敷き詰める

 

これを一気に落として俺を殺そうって魂胆か?こいつ実は弱いんじゃないか?頭の方が

だがこれは誤算だった

 

男はたくさんの球を右と左、一つに練り固めた

そして二つをさらに合わせてめちゃくちゃ密度の濃いテニスボールほどの球を作り上げる

 

まずい、上空を浮いていた球の数なんて2000個くらいあったのに、それを、それをあんな小さくまとめるなんてこと、できるのか!?

 

「くらえっ!」

「チッ【防符】金剛身っ!!」

 

俺はとっさにスペルカードを唱えた

このスペカの能力は簡単に言えば傷ができなくなるのだ

といっても、痛みそのものは消えなし、流血や脚とか手が切り取られたりはする

だが骨折しない分有利に戦いを進められる

 

俺が今このスペカを発動したのは────

 

「グハッ!!」

 

全身に電流のように痛みが流れる

俺は片膝をつく

しかし、激痛はなおも続く

体が動かない、目の前が真っ白になる

当然だ、あれほどまでのエネルギーの圧縮体をこの身体に叩き込まれたのだから

スペカを発動していなかったら身体が爆散していてもおかしくはなかった

 

「グググ」

 

俺は身体を引きずるようにして立ち上がる

男は俺から見て霧の方向に立っていた

 

「私の名前はヘル、この幻想郷を支配するべき人間だ」

 

ヘル、英語で言うとhellで地獄

自らを地獄と称する男か...

さっきの戦いからヘルは相当強く、そして手練れなことがわかる

 

「No.3!こっちにくるんだ!早く」

 

ヘルではない男のの声が聞こえる

どうやら霧の向こう側から聞こえているようだ

追わなくては、追いつけなくても何か情報を得れればいいのだが

 

「ま、待て!」

 

ヘルが霧の向こうへ歩き始めたので、俺は走って後を追う

 

「く、行け!“西井“!!」

 

に、西井?どう言うことだ

なぜ霧の向こう側の男が西井の名前を?

 

「うおっ!」

 

空から弾丸が降ってきた、いや撃たれた

俺は上を見上げる

な、なんだと?ほ、本当に西井が上から...しかもスーツを着ていやがる

 

ガチャンっと音を立ててスーツを着た西井は俺の真正面に着地した

そのスーツの奥にある顔や目は見れないが、全体的な気から西井が俺に対して殺意の目で見ていると言うことだけがわかる

 

「さぁ。やろうか」

 

俺はあえて西井に笑ってみせ、言った

多分、霧の向こう側にいた男は俺が西井を殺せないということを知った上で行動しているのだろう

だからこそ西井を俺に仕向けてきたのだ

 

いいじゃないか、やってやろう

俺はなぜか西井に不敵な笑みを向けていた




地獄の業火に焼かれて消えろ(ドヤ顔)


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第43話 流楠VS西井

こんにちは、魂夢です。特に言うことはありません


俺はまず、西井に対して抜刀した刀の先を向け

それが戦いの合図となる

 

西井はまずこちらにP(プロジェクト)90(ナインティ)をこちらに撃ってくる

俺は弾を弾きながら、少しずつ距離を縮める

なぜかといえば、夜神刀が使える距離まで行くためだ

あと少し、あと少し、あと──

 

「どりゃ!」

幻力を纏わせた夜神刀で斬りつけ────れないっ!

 

「ウガァ!」

 

斬りつけた夜神刀を振り払われた

なぜ!?なぜだ!?

俺は夜神刀に幻力を纏わせたはずだったが...

 

俺はとりあえず後ろに飛び退き、10〜15メートルほど距離を取る

あっちは大小様々な銃火器と、強化セラミック製だと思われる警棒2本、そして前腕部分から放たれるロケット弾などなど...

どう考えても近距離アタッカーの俺と、中遠距離タイプの西井とじゃ俺の方が不利なのはわかってる

けど俺だって弾丸を弾いたり、避けたりできるし、俺が負けることは無い.....と思う

 

俺は手に幻力を纏わせ、打ち出された弾丸を、手のひらで受け止める

痛たっ!痛い、手のひらにめり込んだ...

これが何を意味するか、わかるだろう──あっぶねっ!

こめかみに当たりそうになった!あぶねーあぶねー

 

んで、これが何を意味するかといえば...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はもう幻力が使えない

これからどうやって狩怪と戦えばいいんだ...

い、今はとりあえず西井を抑えることに集中しよう...

 

「神楽っ!!手伝ってくれっ!!」

「わ、わかった!こんな奴と戦ったことないけど...とりあえず...時雨!弱点!」

「電気!!」

 

電気?そういえば時雨の能力は〔相手の弱点を見る程度の能力〕だったなぁ

つまりあいつには電気系の攻撃をすればいいか...

とはいえ、俺に電気系のスペカを持ってないし、見たことも...いや、見たこというか知ってる技があるけど...ダメ元でやってみるか?

 

「焼却...」

 

左手が赤く発光し始め、手のひらをこちらに向ける

やばいな...あれ食らったらひとたまりもないぞ...

西井の手のひらに空いている穴から、ドォォォォォっと言う音を立ててめちゃんこ熱いビームを放ってくる

よし、好都合だ

俺がビームをかわすと、後ろにあった民家が燃え上がっておこる煙で西井の視界を一時的に遮断できる

そのすきに、あの技を...

 

今だっ!

 

「食らえ!!秘技、ライデイン!!」

 

夜神刀の刃先を西井に向け、俺は叫んだ。ドラクエの技名を

ドォォォンビリビリビリッ

轟音を響かせ、刃先から現れた電撃が西井を襲う

ーほんとにできちゃった...

まぁいい

 

「...システム...シャットダウン...」

 

西井は両膝からガクッと崩れ落ち、完全に動かなくなった

さてと...どうしたもんかな




幻力が使えなくても、金剛身が使えたのは、動力源が霊力だからです


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第44話 丑三つ時の緊急会議

こんにちは、魂夢です。実は現在丑三つ時です(執筆中)


・坂技視点

 

まったく、面倒なことになってしまった

No.3の脱走によって、どれだけ我々の計画が狂ったことか...

まぁいい、今はこいつを我々の手の中に引き込まねば

こいつの進化速度は予想以上に早い、一ヶ月あれば我々を滅ぼせるであろう

 

「俺に何の用だ、柳」

「失礼な、私はお前の父親だぞ?」

「どう言う意味だ、お前が俺を創り出したことを理由に親だと言っているのか?」

「違う、俺はお前の父だ。お前の素体を生み出したな」

 

No.3は少し驚いたような顔をし、何か考えるような仕草をした

何を思い出そうとしているんだ?俺はNo.3の記憶を全て消去したはずだが

まさか、進化の過程で全てを思い出したというのか?

 

「残念ながら俺の記憶にお前はいない」

「そりゃそうだろう、産まれてすぐ培養液の中に入れたからな」

「そうか」

 

なんだかそっけない反応だな、もう少しびっくりするものだと思っていたのだが...

まぁいい、俺がNo.3に対する親としての愛情は変わらない

 

「No.3、お前の望みはなんだ」

「俺をその名で呼ぶな!俺の名はヘル!そう呼べ!」

「なんだその厨二くさい名前は...まぁいいさ。んで、望みは」

「俺の望みは、じ、自由になりたい...宏大なでゆっくり暮らしたい...」

 

おっと、これはこれは好都合な望みだな

この幻想郷を侵略した暁には幻想郷全ての土地を授けよう

 

「ほう、それはそれは」

「それでどうだ?私の計画の手伝いをしてはくれないかな?」

 

No.3は口元を歪め、笑った

 

「いいだろう、従ってやる」

 

よし、交渉成立ってところかな

 

・流楠視点

 

こいつどうするよ...

 

現在、西井をどうするのかを決める緊急会議中である

出席者は、霊夢、魔理沙、妖夢(就寝中)、俺、時雨ちゃん、神楽、の6人だ

 

「みんな、このロボットってやつと、西井どうしたい?」

 

霊夢がどっから持ってきたわからないまん丸の白い机に頬杖をついて言う

どうしたいって言われても...

 

真っ暗博麗神社の中、月明かりだけが俺らを照らす

なんで真っ暗かと言うと、月明かりだけで十分神社内を照らせたのと、なにより灯りになるようなものがないらしい...

さすがは貧乏巫女代表の博麗霊夢だ、記念にその事実を広めてあげよう

 

「zzz」

「そこっ!居眠りしないっ!」

「は、はひっ!」

 

妖夢が怒られている、仕方ないだろ流石に...もう夜中の2:30だぞ?

草木も眠る丑三つ時って言うくらいだし、仕方ないだろう

「霊夢ぅ〜私もう眠いよ〜もういいだろ?今日は終わりってことでさ?」

「ダメよ、これを放っておいたら、博麗の巫女として色々やばいじゃない」

 

そんなことでほぼ何にも進展がない会議に参加させられたのか...かわいそうに...

 

「う、ううう」

「おいみんな!西井が...」

 

俺がそう言うと、みんながみんな壁に縛り付けられている西井の方を向いた

西井が何がどうなってるか、わからなさそうだったので、変な誤解を招かぬよう俺は西井に近づいた

 

「こ、ここは、一体」

「ここは博麗神社だ。安心しろ、害はない」

 

俺は周りに目を向け、西井の拘束を解いていいかアイコンタクトで問う

霊夢や魔理沙、その他すべての人...除く妖夢(寝てるから)が頷きを返したのを確認してから俺は西井の拘束を解いた

 

「なぁ西井、俺らをなんで攻撃したか、洗いざらい教えてくれないか?」

「ああ、どこから話せばいいかわからないけど、すべて話すよ」

 

俺たちはこうして、夜中ずーっと西井の話を聞き続けた結果、みんな目の下にくまを作った(除く妖夢)




柳さんが話の中で「計画が狂った」と言っていますがどこが狂ったかというと
相手に組織だって行動される前に潰す作戦だったのに組織化してしまうという...
え?元から組織だって?しらねぇよ(ごめん)

あと柳さんはヘルのことをマジで愛してますから、息子として


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第45話 西井単体での機能

こんにちは、魂夢です。今回はちょっと難しめの話です


要約するとこうだ

西井はロボットで、完全自律型の“元“人間らしい

というのも、西井は昔、軍人だったそうで、かなり優秀な軍人だった

しかし、ある国の地雷除去作業中に失敗して死んだらしいんだ

しかし、そのことを知ったサイバーインダストリーズCEO坂技 柳って奴が西井を蘇生させたそうだ

ただし、ロボットとして...

 

サイバーインダストリーズってアメリカの大企業だぞ?

しかも最近(といっても3年前だが)人間の代わりを務められるロボットを作ろうとしてたっけ

 

「ああ、それで、ロボットは完成したんだ」

 

そうなんだ〜ってええ!?

やばいやばい

まぁそうか、3年ありゃ作れるか...

 

どうやらロボットと西井を合体させたものが今の西井らしい

西井のスペックを色々聞いたがそりゃもう開いた口がふさがらないのよ

 

まず知覚能力

 

視覚情報をイメージ処理する動作画面は、赤色の濃淡色で西井には見えているそう

知覚系の機能はボディに搭載された各種センサー類が担当しているらしい

また、中枢部を破壊されるなどされると機能を完全に停止し、西井の場合だと永久に直らないらしい

 

お次は出力

 

油圧システムにより供給されるパワーは非常に強力で、大柄の成人男性を片腕で投げ飛ばす、分厚いコンクリートの壁を突き破る、総計600kg近い重さの重火器類をまとめて装備、もしくは一気に持ち上げる、太い金属棒をねじ曲げる等、人間には到底出来ないような荒技を軽々とやってのける

その一方で創傷の縫合や握手、抱擁等、人間の繊細な動作や力加減なども可能らしい

反面、走る速力はそれほど高くはなく、普通の人間と同じ程度かそれよりやや速い速度で走行する

 

その次は内部骨格

 

西井は全身が機械部品のみで構成されているわけではなく、一度死亡した人間の遺体からまだ細胞が死を迎えていない臓器を生体部品として再利用したサイボーグである

法的に人間としては認められていないことから人権も保有しておらず、表向きは西井を製作したサイバーインダストリーズの開発したロボットの新製品として扱われている

特殊なコルタン製の合金と防弾ゴムによって強固な防弾機能を備えた身体は、拳銃の弾丸程度ではほとんどダメージを受けない、痛みはする

西井の説明によれば、動力源である高圧エネルギー電池の寿命は約120年であり、予備電源も内蔵している。

破壊ないし、ダメージを与えるためには対物ライフルやダイナマイトなどの対物用兵器を使用する必要がある

特殊なコルタン製の骨格は耐熱性に優れており、冷却されても作動することができる

西井の元になったロボット異なるところは人間同様に飲食物の摂取が可能である点と、休眠機能を持つ点である

西井は人工的に培養された、人間と同様の生体細胞(筋肉、皮膚、毛髪、血液など)がコルタン合金(特殊合金)の金属骨格を覆っており、生前の西井と見分けがつかなくなっている

 

最後は一番大事な西井に搭載されたコンピューター

 

西井の脳内に埋め込まれたコンピューターチップには、課されたミッションが何であろうと、またどんな命令であろうと必ず遂行するようにプログラムされているらしい

西井には柳の命令に絶対服従で、柳が命令を下すとそれまでは西井の意志で行動できていたのに対し、戦闘モードになると脳に埋め込まれたソフトウェアが勝手に動作して情報処理を担うようになるため、その際の西井は「乗客」と化して攻撃力は大幅に増大するが、冷酷で容赦がなくなってしまう

しかし、プログラムを書き換えることで、機械を排除することもできる

思考様式は極めて論理的で、視覚を含む五感によって周囲の状況を適切に判断する

その思考回路を支える知能回路は極めてコンパクトなモジュールに収められており、並列処理とニュートラルネットワークらによって高い処理能力と学習機能とを兼ね備えた電子回路である

 

とまぁこんな感じである

こっからさらに、ロボットスーツの機能の説明もあるから大変だ~




もしわからないってなったらお気軽にお問い合わせください!


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第46話 ロボットスーツの機能

こんにちは、魂夢です。また取り扱い説明書みたいなやつですww


次に西井が教えてくれたのはスーツについてだ

あのスーツは通称メタルアーマーと言われており、元々は坂技が軍事用に開発したものだが、今は西井専用に作られているらしい

メタルアーマーの動力源は西井と同じの高圧エネルギー電池で、ものにより本数が違う(西井は1本のみ搭載されているが、最新式)

メタルアーマーはことあるごとにバージョンアップされているため、たくさんのバージョンがある

 

タイプ1

 

坂技が最初に開発したメタルアーマー

しかし、機械を纏って闘うとなると明らかに性能的に甘く、メタルアーマー製造の難しさを痛感させる結果となった

 

武装は火炎放射器とロケット弾、脚部に使い捨ての飛行用ロケットを搭載

装甲はアサルトライフルの弾丸を弾く程度

「動きが鈍重」

「制御プログラムを起動するまで時間が掛かる」

「起動するまでの間は身動きが取れない」

「飛行ロケットを作動させた後の姿勢制御は不可」

「活動可能時間は30分(旧型エネルギー電池の性能の問題)」

「肉眼だけなので視界が狭い」

など様々な弱点はあるが、人間を殴り飛ばし鉄製の扉を吹き飛ばせるくらいの馬力を持つ

 

タイプ2

 

坂技が制作した試作型スーツ

カラーリングは素材のままの銀色

活動可能時間は1時間(旧型エネルギー電池を2つ積んでいるため)

エネルギーを空中に発射する機器、エネルギーブラストが両手の平にあり、画期的な機能だと思われていた

両足裏にスラスターと、背部に外付けのスラスターが装備され飛行性能が向上し、自由に飛行できるようになった

しかし一定の高度まで到達すると鉄製の外装が氷結してシステムが一時停止するという問題が発覚したことが、タイプ3への改良の理由となった

 

タイプ3

 

西井が始めて装着したアーマー

タイプ2の欠点だった超高高度での氷結問題を金とチタンの合金を素材にする事で解決した

当初は銀色1色だったが、銀色と黒色をベースとしたものに変更され、以降このカラーリングはメタルアーマーを象徴するものとなった

武装は、タイプ2に搭載されているエネルギーブラスト、右こめかみ部分から放たれる高圧エネルギー電池のエネルギーを直接投射する高出力・ビーム、右腕の前腕部分にロケットミサイル、両肩に標的を複数ロックオン出来る特殊弾、外側広筋部にフレアを装備

戦車砲の弾を受けても装着者を無傷とするほどの耐久性を持ち合わせいる

しかし、旧型エネルギー電池を4つ積んでいるにもかかわらず活動可能時間はたったの1時間である

 

タイプ4

 

着用者の衣服に関わらず装着ができ、ヘルメットの脱着が可能

タイプ3と装備が大幅に変更されており、エネルギーブラスト、高出力・ビームを廃止しているため腕部分がスリムになっている

その代わり、背中部分が大きく膨らんでバックパックのようになっており、そこに銃火器、飛行用ブラストなどを積んでいる

タイプ3のエネルギーブラストは手の平に搭載されているため、熱処理が難しくオーバーヒートしやすい

背中部分が膨らんでいるため熱処理がしやすく、バックパック全体を変形させて大きなエネルギーブラストを作ることができる

さらにエネルギー系統の武器を廃止したため、高圧エネルギー電池の消費を抑えているので、活動可能時間は8時間も確保できた

 

タイプ5

 

スリムを追求したアーマーで、必要最小限の武装を持っている

飛行用ユニットと、太ももから出てくるハンドガンのみ 

 

タイプ6

 

タイプ5を元に武装と防御力を強化したアーマー

伸筋支帯部のレーザーは強力だが、カートリッジ式で1度しか使用できない

ルナ粒子のテストタイプでもあり、武器や、アーマーそのものをルナ粒子に変換して送ることもできる

 

タイプ7

 

マーク6と比べて肩部・胸部・背部がよりマッシヴになった

普段は変形収納した飛行ユニットとなっており、遠隔操作での装着が可能となっている

西井の内部骨格にインプットされた識別信号を認識して装着される

肩と膝(大腿四頭筋部分)のホーミング式小型ミサイル、腕部(総指伸筋部分)のロケットミサイル、アーマーから直接エネルギーを得て複数回の使用が出来るようにしたレーザー、自由度が上がったシステムで戦闘スペックも向上した

 

ちなみに、ルナ粒子は身体に悪影響を及ぼすとして、廃止させたのであった




つ、疲れたぁ~
3日間連続投稿頑張ったよ!


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第7章 時雨の異変
第47話 時雨と遊ぼう!


こんにちは、魂夢です。実は結構大事な回だったりします


・霊夢視点

 

はぁ〜

どうしてこうなってしまったんだろう

 

今、私と魔理沙は博麗神社にいるのに、なぜか時雨の子守りをやらされてる

強制的に...

 

時雨の相手はものすごく疲れるのに、なぜか結構懐かれてる

好きではないけれども仕方がない

まぁ、別に悪い気はしないんだけど...

 

今は魔理沙もいるし、てかほぼ魔理沙が遊んであげてるし

結局のところ私の苦労は何もないんだよね

 

「ほらこっちだよ〜」

「ち、ちょっとまってよ〜」

 

今鬼ごっこやってるみたいんだけど、魔理沙箒に乗ってるからダメだよね?

普通の鬼ごっこって足でやるよね?

私が間違ってるわけじゃないだよね?ね?ね?

 

「霊夢ぅ〜一緒にやろうぜ!」

「いやよ、私走るの遅いし、いつも飛んでるし」

「霊夢お姉ちゃんもやろ?」

 

時雨がこっちを上目遣いでお願いしてくる

ぐっ!ここで断るのは流石に...良心に...響くものが...

 

「わかったわよ、ただし、一回だけね」

「やったー!」

 

いやはや、喜んでくれて何よりだわ

今思ったらこんな小さい子(130cm前後)があんな化け物と健闘してるなんて信じられない

さてと、ちょっくら走りますかな!

 

・魔理沙視点

 

私は時雨とあんまり親しいわけじゃないんだけど...

改めて時雨はいい奴だなと思った

かわいいし、かわいいし、あと、かわいいし

他には、普通にいい子だし、かわいいし‼︎かわいいし‼︎かわいいし‼︎

 

「待ちなさーい!」

「へへっ、捕まえてみなぁ〜」

 

私はいま箒の上に立って、結構なスピードで進んでるんだが、時雨が追いつけてるんだよな

そもそもの話、足ってこんなにスピード出せるもんなのか?

魔法と闘えるとは.....すげぇ足だな!ww

 

「タァ、タァ、タァッッッッッ‼︎‼︎‼︎」

「あっぶね!!させるかっての!」

 

考え事をしてたらタッチされそうになっちまった

まぁさせねぇけどなっ!

 

あれ?時雨〜...どこ行った?

さっきまで隣にいて、いっしょに走ってたのに...

あ.....神社の前に置いてある、なーーーーーんにも入ってないお賽銭箱の上に座り込んでお茶飲んでる

ちなみに霊夢のお茶だと思う...

 

あぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃつぅぅぅぅぅぅ!!

私にタゲを取らせといて、時雨は時雨でお茶を飲んでゆっくり休憩とな!

許さん...許さんぞぉぉぉぉぉ!

絶対に時雨を霊夢にタッチさせてや──────

 

「ターーーーーッチ!!!」

「..........え????」

「魔理沙鬼ね!30秒数えて!よーいどん!」

 

捕まった...

いいだろう、やってやろう

時雨をなんとしてもタッチしてやるっ!!

 

こうして、鬼ごっこは夜遅くまで続いたとさ



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第48話 惨状

こんにちは、魂夢です。今章は時雨が主役なので、今回も時雨要素多目です


チッ、どういうことだ

この気、ヘルの気のようだ

いくらなんでも出現頻度が高すぎじゃないだろうか

 

俺はいま、魔法の森の家で修行をしていたのだ

しかし、ここからすぐそこ、つまり魔法の森からヘルの気が突如として現れたのだ

この気の感じ...近いな...

 

「黒フード、逃げたほうがいい」

「う〜ん、そうかな?この程度なら、別になんの問題もないと思うんだけど」

 

なんの問題もないだと?

こいつは何を言っているんだ

ヘルは俺が微妙なラインだ、そんな奴を、なんの問題もないだと⁇

 

「とにかく、さっさと逃げろ」

「わーったわーった、仰せのままに」

 

あぐらをかいていた黒フードは、よっこらせというように立ち上がり、頭の後ろで手を組みながら玄関に向かって行った

 

ふぅ、さてと

どうしたものか...

とりあえず金剛身を発動しておこう

 

気の感じからして、どうやら妖夢たちもこっちに向かっているようだし

それまで俺が持ちこたえれば、こっちのもんだろう

とりあえず、ヘルの近くに行かなければいけない

 

 

俺の目の前に、ヘルがいる

しかも闇の波動をこれでもかというくらい吹き出している

 

「どうした、俺を切りつけないのか?」

 

あきらかに嘲笑していやがる

そりゃ俺だって斬って終わるならそれでいいよ

だけど俺の今のミッションは時間稼ぎで、お前を倒すことじゃないし

 

「ふんっ、まぁいい。こっちから行かせてもらうっ!!」

 

ヘルは少し屈みながら走ってくる

は、速い‼︎

 

俺は霊力を纏わせた足を使って、上に飛び上がる

危なかった、あれにいくらの金剛身を使っていても当たってたら死んでたな

 

「夢想封印!!」

 

この声...このスペカ...来たな

 

「ヤッホー」

 

時雨ちゃんが手を振りながら言う

 

「遅いぞ、死ぬとこだった」

「これでもちゃんと急いだんだぜ?」

 

これには魔理沙が答える

 

「おしゃべりに夢中か?」

 

ヘルが言う

 

「いや?俺たちはお前を殺すことに夢中だ」

 

俺は若干のドヤ顔で言う

こんだけの人数いるなら勝てるだろ、今俺幻力使えないけど...

 

「言ってくれる、まぁ、俺の目的は達成している。さっさと帰りたいのだが...」

 

ヘルはそう言うと、キリッとこちらを一瞬だけ睨みつけけたと思うと、ヘルの姿が消えた

ど、どこに行った!?

 

「神楽お姉ちゃん!」

「え?」

 

時雨ちゃんが神楽を庇うように前に出ると、神楽は意味がわからず?を浮かべた

実を言うと俺も何が何だかわからない

てゆうか、時雨ちゃん以外誰も何もわからなかった

 

「ほぉ、見えてたか...まぁ、思考能力は変わらないんだな」

 

ヘルが言い終わったと同じか、少し遅めか、時雨の身体中から血がブシャっと吹き出した

俺含め、誰も何が起こったかわからなかった

ただ、時雨ちゃんが死にかかっていることだけが、頭に刻み込まれたのである

 

時雨ちゃんは虚ろな目を閉じて行きながら、自分の血でできた足元の血だまりに倒れた

みんな目の前の惨状に、ただ唖然とするだけしかできなかった

5秒が経ち、10秒が経ち、15秒が経ったか経たなかったぐらいに、みんな頭がようやく理解した

“時雨がやばい“っと

 

「魔理沙!あなたの箒で永遠亭まで連れて行って!!」

「わかった」

 

魔理沙は時雨ちゃんを背負うと、箒に乗って永遠亭に向かって最速で向かう

気づくと、ヘルは消え、静寂が訪れた

俺たちは、ただただ今の惨状に絶望するしかなかった




時雨要素多目ですいませんm(_ _)m


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第49話 大虐殺

こんにちは、魂夢です。特に書くことなし


・神楽視点

 

私は何のために永遠亭(ここ)にいるんだろう...

昔から私は時雨を守ることを考えて暮らしてきた

 

それなのに...それなのに私は...

なんの役にも立たなかった、むしろ時雨を傷ついたのは私のせいだ

私を庇って今こんな瀕死の状態なのだから

 

それに今、時雨のためにできることが何もないことに、無性に腹が立った

 

「そんなに気を落とさないで、時雨ちゃんは“まだ“死んだわけじゃないから」

 

永琳先生が私の背中をさすりながら言う

私は永琳先生が言った“まだ“が引っかかってしょうがなかった

もしかしたらもうすぐ死んでしまうんじゃないか、とか

もう死んでいるけど永琳先生の優しさで言われてないだけかもしれない、とか

 

まぁ後者はありえないけど

だって息してるのが肉眼で容易に確認できているものか

 

「神楽さん、そろそろ寝たほうがよろしいのでは?」

「え?」

 

鈴仙さんが言うので、私は時計を見た

時刻は午前2時を回ったところ

確かに、そろそろ寝たほうがいい時間

 

「よかったら泊まっていきます?部屋的には大丈夫ですし」

「え?そ、そう?ならお言葉に甘えて」

 

鈴仙さんは、ニッコリとした笑顔を私に向けながら、私を部屋に案内してくれた

 

〜少女就寝中〜

 

「...ぐらさん!神楽さん!」

「ふ、ふぁ?」

 

朝、私はなんでか焦っている鈴仙さんに揺すられ、起こされた、

時計は朝の9時を指していた

いつもなら普通なんだけど、昨日は夜更かししたからもう少し寝たかった

だっていつもだったら10時ぐらいになってから寝てるし

 

「神楽さん!早く外に来てくださいっ!」

「え?外?」

 

私は鈴仙さんに連れられ、寝ぼけ眼をこすりながら外に出ると、目に入ったのは人間の里だった

寝ぼけ眼に朝日が眩しい

慣れてきて見えた人間の里は、大変なことになっいて、思わず自分の目を疑った

 

里ではいたるところに、死体や血痕があった

死体は様々な殺され方をしており、腕を引きちぎられたもの、身体を切り刻まれていたもの

みんな何か鋭いもので切られているような傷跡だった

そして皆が虚ろな目で地面に横たわっていて

私は何が起こったかがわからず、ただただ呆然としてしまった

 

「こ、これは...」

 

後ろから声がして、私は振り返る

声の主は流楠、他にも妖夢やメタルアーマーをつけておらずハンドガンのみを携帯している西井もいた

 

「はじめまして」

 

声が私の正面から“聞き慣れた“聞こえて来た

私は振り返ってるためにひねっていた腰を正面に戻し、声の主を見た

 

声の正体は──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正真正銘の時雨本人だった




最近後書き書くことないんだよなぁ〜


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第50話 未知の力

こんにちは、魂夢です。遅れてごめんなさい!


・神楽視点

 

声をかけたのは間違い無く時雨だった

たしかに、顔は時雨だった

しかし綺麗な黒髪のポニーテールは茶色いショートになっていたり、全身が血まみれになっていたりした

 

そして何より、右手に血で真っ赤に染まった短刀を握っていた

 

私は理解できなかった、否、理解したくなかった

これはきっと何かの間違いで、時雨は何もしていないんだ

あの血はたまたま降りかかったものだろう、どっちにしても故意でやったわけじゃないはずだ

 

「時雨、何をしている...」

 

流楠が瞳の奥を真っ黒に染めて言う

あいつは今、怒っているのだろう

でも犯人はきっと...きっと時雨じゃない...きっと...

 

「...遊びさ、とぉーっても楽しいお遊び」

 

ニッコリとした笑顔を向け、さも当然のことのように言った

 

「ほぉ、それは人を殺めるような遊びか?」

「そうだよ?」

 

私の頭は真っ白になった

認めたくなかったものが、強制的に認めざるおえない状況になったからだ

 

私は、どうすればいいか、何が正解か、わからなっていった

 

・流楠視点

 

まずい、色々とやばい。まず一つ、それはこの状況

時雨がやったかどうかは別として、これだけの人数を治療できるのだろうか

まぁそこは永琳に任せるとして、問題は時雨だ

 

服装と声色が同じだが、髪の毛の色とか長さ、瞳の色が違う

 

「時雨、武器を置いて、手を頭の後ろで組んで、こっちに来い」

 

外では警察がよくやっていた方法だ

ここで通用するかどうかは別として、今の俺にはこれくらいしか覚えていない

 

「時雨?あー、言い忘れてたけど私時雨じゃないから」

 

え?さっきも書いたが服装と声色が同じだけど、それ以外が違うから、別人ってこと?

 

「私は(きょう)、霧町 狂」

 

狂...時雨の苗字を名乗ってるってことはやはり時雨本人、いや違うのか?

 

狂は少し前傾姿勢で西井がいる方に走ってきた

そして、西井と狂がすれ違う瞬間

西井の上半身が宙を舞った

 

「んなっ!」

 

思わず目を疑った、それは西井も、他のみんなもそうだろう

前にも言ったが、西井の身体は特殊なコルタン製、相当練度の濃い幻力ないし霊力でも使わないとできない芸当だ

俺ですら“最近まで“出来なかった

断っておくが、俺だってできるからな!?

 

───ガゴンッ

 

西井の上半身が地面に落ちた

既に西井の目には光がなく、死んでいるようだった

 

「あれ?死んだ?なぁーんだ、つまんないの〜」

「おまえは...自分が何をしたか分かってるのか...」

「だから遊んでるだけだって」

 

こいつ、頭が狂っていやがる

 

「ファイナルスパーク!」

 

魔理沙のスペカが発動した

砂が宙を舞い、砂煙が狂を覆い、木々が音を立てて倒れる

魔理沙は、殺った、殺ってやった、そう手応えを持った顔をした

 

『フフフフ...その程度で殺せると思うなんて、よっぽどお気楽に生きてきたんだね』

 

狂の声が耳もとで囁かれるような感じで聞こえてくる

俺たちは絶望し、そして恐怖した

あいつは強い、すごく強い、未知の強さを持っている

俺はあいつを倒せない、幻力だって使えないし、俺はそもそも人なんて殺せない

今の俺はなす術なしだ

 

『君たちの家に招待状を送るよ、日時と時間、そして場所を提示してる。これを贈られた人は、必ず来てね、さもなくば殺す。いいね。あと一人でくることわかったね』

 

狂の殺すがどうも現実味があり、すごく怖い

それはみんな同じなのだろう

 

俺たちの道は、真っ暗な闇に閉ざされた




今日、ツイッターのフォロワー数が32を突破!
今日の朝まで10人だったのに...


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第51話 一人で行く

こんにちは、魂夢です。最近新作のオリジナル小説の制作をまじめに検討しています


あれから1日たった博麗神社、時刻は昼

最近何かと多い博麗大会議の時間です

 

「さぁ、誰に渡されたの?」

「わ、私...」

 

神楽が一通の手紙をテーブルの上に置いた

手紙の差出人は、時雨兼狂

同一人物である彼女らしいかわいい表記だと思う

 

「はぁ、で問題は...あなた一人で行くの...?」

 

霊夢が普段聞かないようなような凄みのある声で言うものの、その目には少しの戸惑いが見て取れる

これがもし俺ならどうするだろう、いつもの時雨なら多分一人で行って勝てると思うんだけど、あの時のような狂の場合は...どうだろうか

俺には勝てないかもしれない、いや、勝とうとしない(・・・・・・・)かもしれない

知っての通り、俺には人を殺せないし、覚悟もない、おまけに幻力も使えないし

それで...それであんな奴と戦うなんて...一切の装備なしで戦争の最前線に行くようなものだ

これに対して、今まで幾度となく幻想郷を救ってきた霊夢の判断はなんなのだろうか

 

「私は...一人で行く...」

 

神楽が俯きつつ、しかししっかりとした芯を持つ声で言う

俺は昔の神楽や時雨に何が会ったのか知らないが、きっと彼女らには何か大きなトラウマを背負っているのだろう

昔背負ったことがあるものとして、何か同じ匂い、というか雰囲気がするのだ、なんでかは...よくわからない

 

「そ、そんなの無茶だぜ!」

 

テーブルに手をバンッ!と叩きながらガバッと立ち上がり魔理沙が叫ぶ

それを見た霊夢はため息を一つ漏らした

今日あいつため息をしすぎじゃね?

 

「落ち着きなさい、魔理沙。これは神楽の生死が関わるの、権利なら彼女にある、私たちには...残念ながらないのよ」

「それにしたって────」

「いいの!私は時雨を守るって決めた、だから!私は一人で時雨の精神を救い出す」

 

神楽はスッと立ち上がると、博麗神社を出て行く

なんだか、昔の自分を見ているような気分だな。昔俺のように、全てを背負っている、いや、背負いすぎているのだ

時には人に頼ることも必要だ、俺はそれを妖夢たちから教わった

なんだか自分と重なるな...

 

「はぁ、魔理沙、あなたが余計なこと言うから出て行ったじゃない」

「わ、私のせいかよ!」

「当たり前よ、他に誰がいるのよ」

「だってあれは神楽のことを思っての行動で────」

 

あー、なんか口喧嘩を始めたな

俺は妖夢の方を向くと、妖夢も俺の方を見ていた

俺たちはこっくりと頷くと、ばれないようにそーーっと博麗神社を出たのだった




多分オリジナル小説ができるのはあと...一二カ月?いや半年?ぐらいかかると思います


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第52話 神楽VS狂

こんにちは、魂夢です。オリジナル小説のプロットが完成しました!近日中に公開予定です!


・神楽視点

 

今日の夜、魔法の森奥深くの午後11時25分。狂が提示してきた日時はこれだった

そして今、私は魔法の森奥深く、すぐそこまで到達していた

足元の雑草の背丈が高くなり、硬くなっている道といえるすらわからない道を歩きながら、私は考えていた

はっきり言って、私が狂を時雨の身体から追い出せる、いい作戦などこれっぽっちも頭になかった

あるとすれば私が狂に出て行くか身を潜めるか言って、それでも抵抗してきた場合は死なない程度に叩きつけるしかないかなぁと思う程度

そもそもの話、私が狂と戦って善戦できるかどうかも微妙なライン(・・・・・・)なのだけど、狂の内側からくるであろう時雨の加護があるなら話は別と言えた

 

「やっと来たんだね。正直言って、遅刻気味だよ?大丈夫?」

 

狂が首を傾げながらそんなことを注意してくる

何が遅刻気味だ、バカ

私は時雨の目(・・・・)をじっと見ながら一人そう思っていた

 

「あのな、時雨、今のままの戦いは相当ひど─────!?」

 

狂が私の首を下から縦に割るように切り上げてくる

なんの予備動作なしにだ、正直、今のは危なかった

これは無理かもしれない。私はきらめく月明かりに照らされながら自信を失った

 

「もう25分になったよ!」

 

逆手持ちの短刀を昇龍拳のように切り上げた手を地面に叩きつけるようにまた斬りつけようとする

私は刀に手を伸ばそうとしたものの、短刀の速度が予想以上に早かったので慌ててバックステップ

反応が遅れたためか、前腕とスネに切り傷ができていた

こりゃ死んだかもしれないと、のんきに考える自分がどうもバカらしくて、私は自嘲するよう笑みを浮かべた

私が笑ったのが狂の気に障ったのか、狂の目(・・・)はさっきより数倍鋭さを増していた

 

ここに来て私はようやく抜刀、私の愛刀、紫炎無(しえんむ)を構える

しかし、構えたと同時に狂が私の不懐に入り込んでしまっていた

まずい、紫炎無ではリーチが長すぎて逆に不利だと言えてしまうだろう

私は狂の横っ腹目当ての突きを身をくねらしてかわす

そして狂のみぞおちあたりに膝蹴りを放つと、私は狂のアゴを突き上げるように掌底を放った

狂の時雨と同じ軽い身体はいとも容易く宙を舞い、5〜8メートルほどの間隔が空いた

 

この距離が今の私にとってはベストポジションだ

念には念をと、私も小さくバックステップ、これなら急に仕掛けられても対処できる

 

「時雨、聞こえているか?どんなに曇った天気だっていずれは晴れるんだ。だから、時雨だって、戻ってこれるはずだろう?」

 

私は狂の目(・・・)をじっと見つめる

狂はゆっくりと目を閉じると、ため息を一つ

 

「ボクとあなたたちに友情なんていらない、それが、私の出した答え。神楽の言葉に戸惑いもなければ響くものもない。君は失敗しているよ」

 

私の中で、ゆっくりと時雨は死んでいくのを、私は確かに感じ取った




ちなみに、オリジナル小説の方は『小説家になろう』の方でも投稿させてもらいます
気が向けばハーメルンオリジナル番外編とか小説家になろうオリジナル番外編とかも作るかもしれません


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第53話 ソウルコア

こんにちは、魂夢です。お久し振りの投稿ですな。、皆さん前の話を見返しておくことをおすすめします(何様)


俺はとある理由からにとりの河童工場に来ていた

にとりとは魔法の森に居たりするので、結構喋ってたりして、そこそこ仲が良い。でもこうして科学者としての彼女を見たことはない

なぜにとり工房に来たかというと、この間狂にやられて上半身と下半身に身体を真っ二つにされた西井のために、自称幻想郷一の科学者。河童のにとりに治療を依頼した訳だ

 

「おっ!やっと来たか!こっちに来い、すごい物を発見したぞ!」

 

俺を見るなり手を引っ張って工場兼研究所の奥に俺を連れて行った

 

奥にあったのは西井の機械部分と人間の部分が分けられて置かれていた

機械部分は隅っこにまとめられて、人間部分、特に脳味噌や心臓は机の上に無造作に置かれていた

 

「おいおい心臓とか机に置くなよ!きちんと然るべきところに置いておけよ」

「それがな、もうこの臓器は死に絶えてるんだ」

 

どういうことだ...?

もう...手遅れ...ということか...?

 

「に...西井は...死んだのか...?」

「んにゃ、死んでなんかいないよ?これを見て」

 

にとりは隅っこにある機械部分から出ている線をたどって、さらに奥の部屋に行き、俺もついて行く

 

「これだよ」

 

彼女は部屋の真ん中にあるのは、手足がなく、顔と胴体だけで置かれている西井だ

その胸のハッチが開き、そこから光り輝く結晶のような物が見える

 

「この結晶みたいなのがこいつの中に入ってたんだ。しかも触ると手が焼けるみたい」

 

俺は結晶を触る。するとどうだ。なにも起きな────うっ!

俺の全ての記憶がフラッシュバックした

生まれたての記憶、小学校の記憶、トラウマ、幻想郷に来たばかりの記憶、戦いの記憶、ついさっきの記憶、そこまで見えて俺は手を離した

 

俺の手を見ると確かに手は赤く焼け爛れていた

 

「わかるか?普通死んだ人をサイボーグにして蘇生するなんて不可能なんだ。でもこれに電気を与えてやると...」

 

そう言ってにとりはスイッチを入れると、結晶に電気が通る、すると...

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!うががががががが!!」

「おい!やめてやれ!」

 

にとりはスイッチをもう一度押すと、電気止まり、西井は再び意識がなくなってしまった

 

「こいつはこの結晶が魂そのものなんだよ。だから私はこれをソウルコアと呼ぶことにした」

 

ソウルコア、コアとはそもそも闇力や幻力の結晶体のような物だ

魂のコア...魂の結晶体?

 

兎に角、このソウルコアにただならぬ力が秘められていることは、まず、間違いないだろう




ソウルコアはめちゃめちゃ大きい伏線であり、今作では解決しません!この恋愛談をシリーズにしたときにようやく判明します(今の予定では恋愛談第5作目です)


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第54話 狂VS霊夢

こんにちは、魂夢です。更新遅くてすいません


博麗神社の昼

 

テーブルに霊夢、魔理沙、妖夢、俺が座っている。神楽の姿は、ここには無い。

 

昨夜の戦いで神楽は死にかけたらしいのだ。霊夢と魔理沙が神楽を回収して永遠亭に連れて行った時には、既に虫の息だったとか

 

なぜか生きていたが、大動脈をやられていて、あと一歩遅れていたら死んでいたと言う

 

俺が西井についてと、ソウルコアについて語ると、本題が始まった

 

「今回は...私に届いたわ」

 

霊夢が持っているのは狂からの手紙。渡された手紙に記された場所に指定された日時に行かなけさればならない。

 

一人で来いと言われているが、みんなで行くことだってできるっちゃできる

 

その場合は問答無用で皆殺しにすると狂から言われているが

 

「私はもちろん一人で行く」

 

前回反論した魔理沙は、俯いたままなにも話さない

 

霊夢が博麗神社を出るので、俺と妖夢もそれについて行った。魔理沙は、席に座り、ただ一人俯いていた

 

一瞬、魔理沙が泣いているように見えたが、実際はどうなのかわからなかった

 

・霊夢視点

 

 

草が生い茂る木々の間を歩いて行く。足が見えないほど地面にも草が生えている。

 

ったく、女性にこんなとこ歩かせるんじゃ無いわよ

 

「やぁ、久しぶり」

 

「私に喧嘩売るとか、後悔するわよ」

 

「これは喧嘩なんて優しいものじゃないよ。これは、一方的な虐殺だよ」

 

狂はそう言うと、私に短刀を突き刺しにくる

 

私はそれをお祓い棒で叩いてかわし、手の平に弾幕の弾を乗せて掌底のような攻撃を放つ

 

「グブッ!」

 

みぞおちに叩き込んだそれは、簡単に彼女の身体を吹っ飛ばし、大木に背中から激突させた

 

狂、俯いていたが顔を上げ、私に迫る

私は横からの斬りをかわし、その腕を掴む

 

「もうやめにしない?こんなことしても何にもならないしさ」

「僕はこのショーが大好きなんだ。楽しいんだ。だから止めたくない、終わらせたくない。終わるとしたら、それは僕が死ぬときだけ」

 

私は彼女の前腕に上からのひじ打ちをして、その骨を砕く

苦痛に顔を歪める狂に蹴りを放ち、距離を取った

 

「神霊〔夢想封印 瞬〕」

 

スペカ発動、間髪入れずに炸裂。辺りを土煙が包み込む

このスペカは通常の夢想封印とは違い、弾が見えない

何故かというと、霊力で速度を上げている。それだけ

しかし霊力を多く使う分疲れるのだ。だからいつもは使わない

 

土煙が邪魔して視界が悪い

狂の場所もわからない

耳を澄ます、聞こえるのは風の音、木々が揺れる音

そして...足音

 

「...そこっ!」

 

弾を発射

爆風と土煙を、突き抜ける人影が一つ。狂だ

 

「大成功」

 

月を背中に狂は血走った赤い目と、それに釣り合わない真っ白な歯を見せびらかすように笑った

 

私は地面に着地した狂を狙って弾を放つ

逃げ切れないと思ったのか、狂は自分の足下に弾を放ち、土煙を作った。私の視界を悪くするつもりだ

 

再度耳を澄ます。足音は...ない

続けて耳を澄ます、何かが落ちたような音、まるで猫が踏み切った時のような───後ろかっ!

 

「グハッ」

「今回の読みは外れたようだね」

 

やられた、右肩から左腰まで深く斬られた

視界を血が埋めていく、意識が遠のく

私は足から崩れ落ち、倒れる

なぜだか、木陰から魔理沙がこっちを見ているような気がした...



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第55話 狂VS魔理沙

こんにちは、魂夢です。遅れました!すいません!あと、実はソウルコアの時みたいな伏線を張っていたり...


本日の博麗神社での会議...と言ってもただ集まっただけである

 

一応魔理沙が手紙を持っていると言ったが、それ以上は何も話してくれない

 

当然だ、彼女にとって一番の親友が瀕死の状態なのだから、俺でもきっとそうなる

俺なら狂を...殺せるだろうか...仇を討てるだろうか。いやでも、約束を破る訳にはいかない

 

あの夜、神楽が瀕死になった夜、彼女は俺の家にやってきていた

自分が死ぬ前に言っておきたいことがあると

 

『時雨を殺さないで』

 

俺の目を見ながら、神楽はそう求めてきた

今で一緒に戦ってきた戦友に、こんなことを言われて、いやだと言え無かった。だから、殺せない

 

......わかってる。きっとこれは言い訳なんだろう、わかってる、知っている

自分に狂を殺せない、能力的に殺せるかわからない、殺す覚悟がない。それに対する言い訳なんだろう

 

「妖夢、もう帰ろうか。それぞれ、やることがあるはずだ」

「...はい、そうですね」

 

妖夢はゆっくり立ち上がり、先頭を歩く俺に続いて博麗神社を後にする

 

俺は多分、いや、きっと逃げたんだろう

魔理沙の気持ちを和らげることもできず、かといって仇を討ってあげることすらも出来ない自分を感じるのがいやで逃げたのだ

俺は情けないくそ野郎だと、今更ながら思った

 

・魔理沙視点

 

昔、パチュリーから借パクした本に書いてあった魔法

それは異次元の自分の力を借りるいう禁忌の魔法

 

大量にある異次元の一番強い自分の力を借りるというこの魔法は、使った代償として、魔法を解除した瞬間身体が大変なことになる

生命力が低下し、内臓がぐちゃぐちゃになり、鬱になるという。

内臓ぐちゃぐちゃなのに生命力が低いとか死ぬと思う。けど、霊夢の仇を打つんだ

 

「我、霧雨魔理沙の名において、汝の力を借りる。汝の名は霧雨魔理沙、その血、その肉、その骨、全てにおいて我と同等なり。等しい力を我によこしたまえ!」

 

地面にオレンジ色の魔方陣が展開、床から風が吹き出て、魔方陣が消える

これだけで、私は力とその使い方を身に付けた

その直後、真横に立っている木の枝に佇む狂が言葉を投げかけてきた

 

「魔法で勝とうなんてだらしないね」

「だらしなくないぜ、魔法も立派な戦術だ」

 

ここからが本番だ

ここまで来てしまえば...もう恐れるものは何もない

 

「お前のその余裕顔ひねりつぶしてやるぜ!」

 

私は立ち乗りした箒を操り狂に接近、接近する間に魔方陣が発動した両手の平を合わせ、そして手を離す

すると左手に魔法でできたオレンジ色の鞭のような物を、狂に叩きつける

 

狂はそれを短刀ではじき、大きく飛翔、下を通り抜けようとした箒に乗るって来る

 

「私がここで食い止めなければ、お前は全てを破壊するつもりだ。だが、この私がさせはしない。私の目的はただひとつ、お前を殺すことだ。さあ、お前の本気を見せてみろ」

 

私の箒の上、綱渡りのような体制で狂が短刀を手の平に現れたオレンジ色の魔方陣の盾で弾く

 

覚悟しろ、私の全てをお前にぶつけてくれる

 

胸の中でそう呟くと、狂の短刀を上に弾き、その隙に足払いを仕掛けて箒から落とす

 

「お前のその希望その理想、私が踏みにじってやるぜ。復讐することでな」

「お喋り野郎は嫌いだよ」

 

狂は焦っているのを隠そうてしているのか、土を落としながらそう言った

私も箒から降りて、箒を手に持つ

 

刀のように箒を持ち、狂と対峙する

 

「自分のその「罪」に 身体を喰われればいい。私はお前に勝つ!!」

「勝てないよ、その状態は自分の命を削って出せる全力でしょ?そんなんじゃ僕には勝てないよ」

 

私は不敵に口を歪め、駆ける

狂の短刀と私の箒が金属音を上げ、打ち付け合う

 

私が覆い被さるように体重をかけ、狂を押す、私は敢えて体重をかけないようにすると、狂は逆に私に覆い被さるように体重をかけた

 

私がニヤリと笑うのがわかった

私は箒から手を離し、半歩程横に動く

狂は顔からずっ転けたときのように前に傾き始めた

狂の胸に膝蹴りを決め、4メートル程浮かすと、私は手を振り上げ、そして...下ろす

 

うつ伏せのままダンゴムシのように丸まった狂を、ぐちゃりと箒が突き刺した

狂の身体は箒の半ば程で止まり、箒が地面に刺さった

 

∩のような体制で血を滴らせる狂

 

「もし何かがここで違ったなら、この運命も変えられたのか?平和な幻想郷で皆と共に...」

 

いや考えるのはもう止めよう

 

この「悲しみ」も この「後悔」も、今狂が死んだ事で幕を閉じた

 

「うっ...」

 

私は後ろに倒れ、空を見上げた

しわ寄せが来たんだ、私がここで倒れていたら誰が永遠亭に運んでくれるだろうか...

 

「フ、フフフッ。アッハハハ!」

 

狂の声が響く

 

「どうした、死にかけで気でも狂ったか」

「僕を殺してこのざまとは、笑わせてくれるね!因みに僕は死なないよ、残念だったね」

 

やっぱり狂ったんだろう、口から血が吹き出てくる

意識が遠くなる、腹が熱くなる

霊夢、仇は討ったぞ...

私は意識を闇に手放した



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第56話 流楠の怒り

こんにちは、魂夢です。大いなる伏線回収…


夕方、俺は永遠亭に来ていた

今までの狂との戦いで重傷を負った、霊夢や魔理沙にお見舞いしに来てたのだ

 

今一番軽症なのは神楽、と言っても骨が14本ほど折れているが

逆に一番重傷なのは魔理沙で、意識不明、内臓ぐちゃぐちゃ、生命力低下などなど...

霊夢も血が足りないし、意識不明だが、このくらいならなんとかなる...らしい

 

まぁもう見舞いも終わったし、後は俺が狂をどうにかするだけ

手紙は今回俺に来たし、今までの感じだと、妖夢には来ないはずだ

 

ただ問題は...

俺が狂をどうやって対処するかどうか。存じてると思うが、俺は人を殺せないのだ。人型であれば無理な事もないが、ただの人間、ましては時雨を殺すのは無理だ

 

色々考えたあげく、やっぱり気絶させて拘束するのが一番いいのかな…

 

そんなことを考えていると、約束の時間はどんどん近づいていた

 

今の時間は6:30、約束の時間は7:00

 

前みたいにライデインを使って痺れさせてから、拘束ってのを試してみるか

 

俺は背の高い草をかき分け、進んでいく

 

ゴソッと何かが脚に当たった。大きくて、そこそこ重い何かだ。不審に思って、地面に目を落とす。

 

そこにあった物は─────

 

「妖……夢…?」

 

紛れもなく妖夢だった。銀色でボブカットの髪に、黒いリボン。

暗い青緑色の瞳には光が無い。

人間に比べて白い肌が、血によって赤く染まっている。

白いシャツに青緑色のベストを着た妖夢の細い体に、大きく風穴があいて、血が垂れ流れているようだ。

胸元の黒い蝶ネクタイは血が染みこんでいる。

 

嘘だ…嘘だこんなこと…

今まで何のために修行を積んできたんだ…大切な人を守るためじゃないのか!

それを殺せないという言い訳で、俺の大事な人が苦しんでいる。許せるわけがない!

 

「流楠……君……」

「妖夢っ!」

 

俺は妖夢を抱きかかえる。血が少ないのか、とても軽い

 

「に…逃げて……ください…………彼女は……勝てる相手じゃ……」

「止めろ喋るな!血が止まらない!」

 

俺はとりあえず傷口を押さえて止血を試みる

とにかく救急車を…!いや、救急車なんて無い。早く…永遠亭に……!!

 

俺は妖夢を抱きかかえたまま、浮き上がり、全速力で永遠亭へ

 

「あやややや?どうしたんですか?そんなに急いで……」

 

丁度いいところに射命丸が!

 

「妖夢を永遠亭まで頼む!」

「わかっています」

 

いつになく真面目でキリリとした表情の射命丸に妖夢を渡す

その時、後ろから短刀が妖夢を狙って投げられてきた

俺はすかさず抜刀、短刀を弾く

 

射命丸はもう永遠亭へ向かっていて、この場には居ない

安心して"こいつを殺せる"

 

俺の心には絶望、憎悪、そして怒りが渦まいていた。

俺は多分、自分が思っている以上に妖夢が好きだったのだろう

だから…こんなにも心が痛むのだ

だから…こんなにも殺意が湧くのだ

 

「あらあら、そんな力を宿らせて。どうしようっていうの?」

 

狂がそんなことを口にする

 

爪が食い込む程に握りしめた拳を見る

そこには赤黒い、波動がモヤモヤと渦巻いている

これが…闇の波動か…

今となってはもうどうでもいい…こいつを殺せるならば……!

 

頭上で、大きな雷が鳴っているのを、俺は如実に感じていた



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第57話 病室での霊夢

こんにちは魂夢です。一応伏線の解説てきな?


・霊夢視点

 

雷の音で目が覚めた。

私はベッドから上半身を起こそうとしたが、背中に激痛が走ったので、諦めた。

 

狂に背中を斬られていたのを忘れていた。

 

横を見ると、魔理沙が外の世界の機械に繋がれている。それほど重症なのだろうか。

 

この永遠亭も凄く変わった。

 

西井とにとりによって外の世界の機器が一部施設に導入されたのだ

 

一応、一般の家庭には機械が導入されていない

 

機械が普及すると、博麗大結界、つまり常識と非常識の関係がぶっ壊れる可能性があり、非常に危険...

 

もし機械が普及したらどうなるかというと、博麗大結界がぶっ壊れる。

もしくは常識と非常識の関係を修正しようとした結界が、結界内の全機械とその記憶を失う。

すなわち西井が死ぬ。

 

そんなことを考えていると、観音開きの扉が勢いよく開けられた

 

扉から現れたのは、妖夢。全身傷だらけで、大きく風穴が開けられていた

 

動くベッドみたいな物に横たわっている妖夢は私の目の前を通って、そのまま手術室に直行した

 

その時、私の脳裏にとある言葉が浮かんだ

 

聖なる心枯れ果てし時、究極の闇を操りし戦士、雷の如く出で、幻想郷は闇に葬られん

 

雷の如く...ね

やっぱり予言は流楠についてだったか...

 

予言の通りならば、流楠は..闇の波動に...呑まれてしまったの...?

闇の波動を制御できなくなってしまって...幻想郷を滅ぼしてしまうのか...?

 

「いったたたたたたたたたた」

 

隣で声が聞こえた

私は魔理沙とは反対の隣にいた、神楽に目を向けた

彼女は上半身を起こして、ベッドかは降りようとしている

なぜそんなことをしなければいけないのだろう、彼女はまだ絶対安静にしていなければいけないはず

 

「どこにいくの?」

 

私は尋ねた

 

「感じるでしょ、闇の波動を...あいつは時雨を殺す気だ...私の約束を破って...」

 

神楽の目には、若干の戸惑いが見てとれる

もうどうしようもないのはわかっているのだろう。それでも...と...

今までたくさんの異変を解決してきた私は...ただ、平和ボケのような考え方だと、バカにしそうになった

もうそろそろ、心を鬼にして、狂を殺すべきだ

いまだに時雨何て言っている間は...

 

「だからさ、私は流楠を止めなきゃならない...あいつは今、妖夢がやられて、周りが見えてないようだから」

 

神楽だって、時雨のせいで、何をしなければいけないか見えてないじゃないか

私はそう思ったが、私も魔理沙が死にかけたら、そうなるだろうと思って、何も言えなかった...



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第58話 殺意に目覚めた流楠

こんにちは、魂夢です。人は自分より大切なものを傷つけられたり、失ったりすると、豹変するということを頭の片隅にいれながら作りました!


外の世界に救いなんて無い。いつだって残酷で、欺瞞が溢れている

 

人を貶め、人の人生を闇に葬る人間が何くわぬ顔で生活している、俺はその事が許せない

 

いくら親友と呼べる人間がいようと、そいつらは自分の立場、命、地位が危うくなると、いとも容易くその親友に牙を突き立てる

 

それに見て見ぬふりをして、常に取り繕い、自分の心に反して首を縦に振り、上っ面だけの友人関係に意味を見出す

 

そんな世界に未練なんて無いし、正直どうだっていい

 

 

 

 

 

だけどこの世界は……

 

 

 

 

 

この世界だけは……

 

 

 

 

 

このちっぽけで使い道の無い自分自身の命を使って守り切れるのなら……

 

 

 

 

 

それで死ぬのは本望だ。自分なんてどうだっていい、どうせいずれ消え失せる命なのだから

 

 

 

 

 

自己犠牲なんかじゃない、自己満足だ

 

 

 

 

 

でも、もしそれで悲しんでくれる人間がいるのなら……

 

 

 

 

 

それが周りの評価を気にした感情じゃないのなら……

 

 

 

 

 

涙じゃないのなら……

 

 

 

 

 

俺は何度でも死地から生き延びよう

 

 

 

 

 

墓場から蘇ってみせよう

 

 

 

 

 

「楽しみにしてたんだ、君と戦うのを」

「あぁ、俺もだ。お前を殺すのを楽しみにしてる」

 

だから俺は────

 

「さぁ……最高のショーを始めようか」

「待ってたぜ」

 

こいつを……狂を殺して、その生首を掲げてやろう

この醜くて、地獄と化した幻想郷を狂を殺すことで救ってやろう

 

 

 

それこそが今の俺がするべき最善の選択だと信じて───

 

 

 

「はぁ……」

 

俺はため息をついて、空を見上げた

 

天気が悪い。まるで俺の心を映しだしたよう。

 

今この場にいるのは狂と俺だけだ。それ以外には、人がいないのはもちろん、鳥や虫さえもいないように感じられる。

 

「今日は天気がクソだな」

 

俺は思った事をそのまま口にした

 

狂は不気味な笑顔を顔に貼り付けたまま、俺の目をじっと見つめている

 

「黒い雲が太陽光を遮り、雷がゴロゴロ鳴って、風がチリを運ぶ」

 

俺は見たことをそのまま口にした

何故かはわからない、ただ勝手に言葉が飛び出した

俺はそれをやめずに、身を委ねることにした

 

「最悪な今日に最悪なお前は──」

 

俺らしくない事を口走ろうとしたが、それを俺はやめようとしなかった

 

「──ここで醜く朽ち果てるべきだ

 

狂は微笑を浮かべる

それは荒野に咲く一輪の花のような儚さを含んでいた

 

「ようやくだね。楽しめそうな獲物と戦うのは」

 

狂は短刀を握りなおす

 

「もうこのショーにも飽きてきた頃だからさぁ」

 

彼女は、さっきの儚げな微笑とはほど遠い、牙を剥き出しにした笑顔を浮かべた

 

だがもう俺にはその笑いに恐怖も、怯えも感じない

 

狂は予備動作無しに駆けだし、俺の喉元目掛けた突きに、上半身を後ろに反らす事で対応する

 

彼女はそのまま俺の顔に回し蹴りを叩き込もうとしたが、寸前で俺は脚を掴んでそのまま投げ飛ばす

 

「……?」

 

俺はこの若干の違和感に気が付いた。この懐かしい感覚、なんだ?

あぁ、そういうことか。闇の波動と幻力の力の使い方が似てるんだ

 

闇の波動に堕ちてしまったが、そんなことこの際もうどうでもいい

 

俺はここに来てようやく抜刀し、構えずに手を下ろした

 

シュっと投げナイフのようなものが飛んでくる、そしてそれを弾く

すると、後ろから鋭い殺気を感じ取る。まったく、殺気の隠し方が下手な奴だ

 

俺は振り向きざまに斬撃を放つ。

 

その斬撃は彼女の上半身と下半身を切り裂くには充分すぎる程の威力を持っていた。まさに一刀両断、血と内臓が視界一杯に広がる

 

ボトリと、テケテケになってしまった狂が地面に落ちる

顔には驚愕の表情を浮かべ、目から光が消えかけている

 

「そ、そんな……」

「……」

 

消え入りそうな声を漏らす狂の頭に、俺は己の武具を突き立てた

 

狂の目から光が完全に消え失せる

 

終わった……何もかも。狂は死んだ、悪霊は除霊された

 

案外呆気ない。俺は猛烈な空虚感に襲われた。

たしかに狂は死んだ、犠牲者は心が安らぐだろう。だが、俺は……

 

これは自分で選んだ自分の選択だ

 

もしかしたら、他にも手があったと言う人もいるかも知れない

その行動をやるべきじゃないと言う人もいるかも知れない

 

誰も俺を肯定してくれないかも知れない

 

だから俺は昔の自分を肯定する。誰も肯定してくれないなら、自分で肯定してやるしかない

それを正しいと考えてやったことだから

 

「……っ」

 

俺は投げナイフを首を反らして躱した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど、そういうことだったか



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第59話 決闘

こんにちは、魂夢です。投稿しておりませんでしたね…
申し訳ありません!
私の祖父が亡くなってちょっと休止しておりました
しかし…私は帰ってきたぁぁぁぁ!!!!


実は薄々わかってたんだ

素の時雨の能力はそこまで強くは無い

 

それなのに神楽や霊夢、魔理沙……そして、妖夢……

 

彼女ら全員を戦闘不能ないしは瀕死の状態まで持って行くのは不可能に近いだろう

 

それなら、時雨には無くて狂にはある能力があるか、もしくは狂になってから開花したと考えるのが妥当だ

 

その全容を解明することはできずとも、推測することぐらいは出来たはず

 

狂の能力は、推測ではあるが、死なない程度の能力であろうか

 

俺は狂の首を切り飛ばす

今ので28回目だ

 

「流石、今まで大量の狩怪を殺しただけはあるね」

 

復活してきた狂を蹴り飛ばし、大木に激突した彼女を串刺しにする。

 

「カハッ、まだ僕を殺すのかい?」

 

吐血しながらも、彼女は続ける

 

「この場所で永遠に殺し続けてやるよ」

 

 

狂の顔を殴ると、顔が吹き飛んだ。

 

ゴロゴロと地面を転がって、光のない瞳が俺を見据えている

 

闇の波動……この力があれば、何だって出来るような気さえしてくる

 

幻力よりも扱いやすい。力の出し方が簡単で、より高火力、より素早く攻撃できる

 

おかげで、あいつを何度も殺せてるしな

 

「懲りねぇ奴だな」

「もちろん」

 

 

狂を目で捉え、剣を振るう

短刀で弾かれても、今の俺なら素手でこいつの内臓をえぐり出せるほどの筋力がある

 

狂の腹に腕をめり込ませ、内臓をズルズルと引きずり出す

 

狂は死んだ

 

手に着いた血を拭き取らずとも、血は勝手にチリのようになって風に流され消え去る

 

飛ばされてきた短刀を弾いて、またしても姿を現した狂に斬りかかる

 

「遅いよ」

 

狂は空中で身を翻し、俺の攻撃を避ける

 

ちっ外したか

 

狂は戦いの中で、俺の動きの癖や、流派を少しずつ理解していってる

その上で、隙を突いて俺を殺す気だ

だが、そうはさせない

 

俺は狂が着地した一瞬の隙を見計らって、足払いをかける

 

転倒した狂の頭に刀を突き立て、引き抜く

 

狂は死んだ

 

流石に体力が切れてきてるな……

動きもさっきより悪い

 

空中に現れた狂が、短刀を振り下ろす

だが俺はそれを躱しきれず、左肩にダメージを負った

 

「ちっ」

「あれれ?どうしたのかな?もう体力切れ?」

 

抜かせ、お前如きに簡単に殺されるような玉じゃない

 

俺は傷口に手を当てる

血はまだ止まっていないようだ

 

なぜだ?

このぐらいの傷ならものの数秒で治癒できるはずなのに

 

俺は、今更ながら闇の波動が傷を癒す能力が無いことを思いだす

くそ、この状態で戦いを続けなければならないのか……

 

だが、まだやれる。まだ、こいつを殺せる

 

俺と狂の戦いはまだ終わりが見えない



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