ビィとスフラマールは魔法のレッスンをしていた。
通りかかったラカムとノアにレッスンについて注意を受けたビィとスフラマールは、必ず魔法を習得すべく、修行に出る。
プロローグ
「次は炎の魔法よ…まずは先生がお手本を見せるわ。タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!!」
長い呪文とともに、極大の炎が上がる。
「す、すげぇな…いようし!オイラも負けてられねーぜ!」
「ええ、ビィさんもやってみて」
「えっと…ファイヤー?タイガー?」
「ビィさん!タイガーからよ」
「タイガー!ファイヤー!ええっと…」
「ビィさん、まずはお勉強が必要ね。呪文を10個覚えて来るのを、宿題にしていたはずよ。補習が必要かしらね。休憩したら、お勉強をしましょう」
「うげ…オイラ勉強は嫌だぜ」
ここはグランサイファー。次の島までは時間があるため、ビィとスフラマール先生は魔法の練習をしていた。
もともと、ビィの魔法が使えるようになるまでレッスンに付き合うと言っていたスフラマールだったが、気付けば一緒に数多くの困難を乗り越えてきた。
「おっと、お前らか。さっき甲板の方ででけえ炎が上がってたようだが…」
「あら、ラカムさん。そうよ、今は魔法のレッスンの時間だわ」
「あのなあ。魔法の練習も大事だが、グランサイファーが壊されたら困るんだ。ちったぁ場所も考えてくれ」
「ごめんなさい…そうよね、申し訳なかったわ」
「お、おう、わかりゃいいんだが…」
ラカムがそそくさと操舵室に戻ろうとすると隣にいたノアが引き止め、発言をする。
「ラカム、グランサイファーはそんなに簡単には壊れないよ。仮に何かあっても、ラカムがなんとかしてくれるからね」
「そ、そんなわけあるか。燃えたら壊れるし、凍ったら木が腐っちまうだろうよ」
「ふふ、ラカムならそんなことさせないと思うけどね…ところで、ビィ」
「なんだ?オイラに用か?」
「ああいや、なんていうか…。魔法の練習頑張っているんだね。すごいことだよ。でも、君には絶対に魔法は使えないと思うんだ。そういう…」
「ちょっとノアさん。そこに正座しなさい!」
「え、ええ?話は最後まで聞いてほ…」
「いいかしら。人間に不可能はないわ。あるとしたら、可能性を知らないだけなの。私がいる限り、絶対にビィさんは魔法を使えるようになるわ!」
「あ、いや、今のはそういう意味ではなく――」
「ラカムさん。あの島にグランサイファーを止めてくださるかしら。あの島から強い霊脈を感じるわ。あそこでならきっと、ビィさんも魔法を使えるはずよ」
「お、おう…わ、わかったぜ」
スフラマールの力強い言葉に、ラカムは蹴落とされてしまう。
「いいかしらビィさん。あの島で絶対に魔法をマスターしましょう!」
「なんだかわかんねえが、いいぜ!やってやらあ!」
こうしてビィの魔法修行が幕を開けた――。
信頼度加入キャラ…SR「熱血教師」スフラマール
奥義…「もっと熱くおなりなさい!」味方全体にランダムで強化効果
1アビ…「レッスン!」味方全体の攻撃力を大幅アップ(2T)する代わりに魔力を5消費する。CT8→7
2アビ…「もっとレッスン!」味方全体のダメージ上限をアップ(1T)する代わりに魔力を2消費する。CT6→5
3アビ…「まだまだレッスン!」味方全体の回復上限UP・弱体耐性UP(2T)。CT8
サポアビ…「もう少しがんばりましょう」魔力をターンごとに1回復。
前の作品がだいぶふざけていたので、今回は真面目に書こうと思ってます。
え、1行目、ディアンサ達のライブで聞いたことがある?気のせいだと思います。
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第一話 森での修行
そして強い霊脈を持つ島へ降り立つ一行。より魔力の高い地点を目指して森を進む。
「というわけで、ノアさんとラカムさんにも来てもらいます!」
「ええ、俺たちもかよ…」
「まぁまぁラカム、いいんじゃないかな。僕たちも森でのんびりする機会なんて――」
「ノアさん!違います!修行に付き合ってもらうのですよ!のんびりはできません。あの森には魔物も生息しているはずです。ノアさんとラカムさんはビィさんの修行に影響が出ないように、魔物退治をしてください」
「ちょ、ちょっとまったぁ…」
「何か文句がありますか?ラカムさん」
「い、いやぁ…別にそういうんじゃねえんだがよ…」
「ノアさんもよろしいですね」
「ああ、久々の運動だ、問題ないよ」
「ではビィさん、行きましょう!」
「お、おう、なんだかわかんねえが頑張るぜ!」
こうして一行は森へ繰り出した。
道中
「なあなあ、せんせい、もうずいぶん歩いたけど、どこまで行くんだ?」
「そうね…ビィさん、なにか感じないかしら?」
「なにかって…あ、おいしそうなりんごの匂いだ!」
「ああ、待ってビィさん!」
駆けだしたビィを追いかけるスフラマール先生。
「ふふ、どうかな、ラカムは分かるかい?」
「ああ、ちょっとだがな。この先から魔力がガンガン出てるぜ」
「そうだね。そこがスフラマール先生の目指している霊脈だろうね。あと10分くらいかな。ビィ君がまっすぐ進んでくれれば」
「全然ちげえ方向に進んでるみてーだな…」
ビィに追いついたのだろう、少し離れたところからスフラマール先生の怒った声がする。
「さて、俺たちも先に進みますか」
「そうだね、でもその前にお掃除をしないといけないみたいだね」
「うわ、いつの間にか魔物に囲まれてやがる」
「ふふ、ラカムのちょっといいとこ見てみたいな」
「へいへい、お前さんも戦っておくれよ」
戦闘
おまけ
「こら、ビィさん!勝手に進んじゃダメでしょう!先生の言うことを聞かない子は、メ、ですよ!」
「ええ、そうなのか…おいら、てっきりこっちだと…」
「もう、ビィさんったら…」
「でもよう、せんせいが何か感じないか?って聞いたからこっちに来たんだぜ?」
「そ、それはそうね。確かに、私にも責任はあるかも…そうよね、事情を聴かずに怒るのは良くないことだったわ」
「へへ、そんなことより見ろよ!このりんご、うまそうだろ」
すでに半分ほどかじったりんごを見せつけるビィ。
「え、ええ、そうね」
「ちょっと待ってろよ。せんせいの分も取ってくるぜ!」
「あ、ありがとう。えらいわ、ビィさん」
そうよね、ビィさんは空を飛べる。決して私たちにはできないことを簡単にやってしまうのだわ。ビィさんにしかできないことがある――などとスフラマール先生は考えていたのだった。
「おいおい、早く進まねえと日が暮れっちまうぞ?」
「まぁまぁ、旅は寄り道も大事だよね」
「あ、ごめんなさい、ノアさんラカムさん。さ、ビィさん、早くいきましょう!」
「待ってくれ、こっちにいいりんごが…」
ビィの修行は、まだ始まったばかりだった。
更新遅くなってごめんなさい。FGOのイベントに全力投球してたわけではないです。
グラブルのストーリーイベントは6箱開けることができました。今日から半額!また更新が遠のく…。
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第一話②
一行は魔物と戦いながら森を進み、ついに霊脈にたどり着いた。
「ふぃー。なぁなぁ、ここが霊脈なのか」
「そうよビィさん。魔力の高まりを感じるでしょう?」
「ん?そうか?オイラにはさっぱりわからねぇぜ」
「いいえ、大丈夫よ!ここでこれからきっちり特訓すれば、必ず分かるようになるわ!」
「へへ、楽しみだぜ!」
「では、早速特訓を始めるわよ。まずは腕立て伏せ100回!」
「ええー!せんせー、そりゃ無理だぜ…オイラ手はあっても…」
「いいえ、ビィさん。あなたなら必ずできるわ。まず地面に立って…」
言われるがままに、なんとか腕立て伏せをする体勢になるビィ。
「こ、これで本当にできるのか?」
「ええ、できるわ。それじゃあ行くわよ。1、2、3…」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!オイラできてるか分かんねぇぜ」
「ラカムさん、どう思ったかしら」
「いきなり振るのか!?」
「で、どうかしら」
「ったく…。ビィは体を上げようとしたときに腕の力ではなく、羽の力で上がってるだろう」
「うん?そうなのか。腕立て伏せって難しいんだな」
「そこで、だ。おいノア」
「僕かな」
「お前しかいねえだろ」
「ふふふ、ちょっと待ってね。ラカムの考えていることは分かるよ。こうすればいいんだろう?」
「うぎゃー!いきなり何するんだよー!」
「あ、ああ。ノア、正解だ。お前が抑えて置いてやってくれ。だが、その前に――」
「さすがラカムさんね。特訓の前に魔物のお出ましだわ」
「ふふふ、ラカムが褒められると僕もうれしいよ」
「ええい、いいからさっさと片づけるぞ」
戦闘
「なぁなぁ、倒してもきりがないみたいだぜ?」
「そう言われるとそうだな…」
「ラカムさん!きっとあそこが魔物の巣になっているのよ」
「おいおい、それじゃあ俺たちの特訓で魔物を起こしちまったってことか」
「ラカム、よそ見してると危ないよ?」
ラカムを襲う魔物を、間一髪のところでノアが払いのける。
「わりぃな…」
「気にしないでよ、ラカム」
「2人は本当に仲良しなのね。さて、このままだと練習にならないから場所を動こうと思うのだけど、いいかしら」
「オイラはせんせーに賛成だぜ。魔物に襲われたら特訓に集中できねえもんな」
「ああ、そうだな。俺も賛成だ」
「ラカムが賛成なら僕も賛成するよ」
「では、向こうの方へ行きましょう。きっと――」
「ぎゃーーー!」
「!?今の声は?」
「向こうからだ。子どもが魔物に襲われてるかもしれねえ、急ぐぞ!」
一行は子どもを助けるために駆け出した。
更新かなりとてもすごく空いてしまってごめんなさい。
FGOのイベントが忙しくて、気付いたら古戦場始まっていて…。
これからもまったり更新します。
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