MH外伝(ハンター物語) (サクトン)
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現地 マクリナ村
狩1 新人ハンター誕生!


♪OP♪


    ~マクリナ村 ハンターの家~

 

 

マオ「よし!ギルド登録も先程終わりましたし、今日から私も一人前のハンターですね……!」ビシッ

 

 

部屋の片隅に置いてある等身大の鏡に向かってビシッと敬礼する。今年から14歳になった私はギルドへ申請し、正式にこの村のハンターになることが出来てやる気充分です。本来はこの歳からじゃなくてもハンターになることは出来ますが、14歳以降からじゃないとギルドは許してくれないんです。それだけ厳しいと言うことですね。でも私は早くハンターになりたかった理由がありました。

 

 

マオ「これで……あのハンターさんとも対等の場所に立つことが。」グッ

 

 

今は至って平和なマクリナ村ですが、私がまだ幼い頃に大型モンスターが襲撃してきたことがありました。村の家は無惨に破壊され木々もなぎ倒される状況で、私の父と母はこの村のハンターだったので果敢に挑みましたが返り討ちに遭い、私が襲われそうになった時に助けてくれたのが、昔も今も憧れているハンターさんなんです。顔や姿は余り覚えていませんが、ハンターさんが振るっていた武器は微かに覚えています。あれは、そう……青く透き通ったような光を帯びていて……。

 

そしてそのハンターさんが、マクリナ村からモンスターを撃退してくれました。村の被害はとても大きかったですけど、幸い私の父と母以外の人は無事だったようです。私は震えて竦み上がっていたために、助けてもらったハンターさんにお礼も言えず、いつの間にかその人は幻だったかのようにいなくなっていました。

 

後から村の人に聞いてみてもそんな人は知らないとの事で、本当に幻だったのかとさえ思ってしまいます。ですがあれは幻なんかじゃない……私はこの目であの人が救ってくれたのを間近で見たから。父と母を亡くしてからの私は村長の家に居候になり、以後我が子のように育てられてきました。それ以来私は、あの人のように強くなりたいと思い、ハンターになる道を決めたんです。これ以上私のように大切な人を奪われることが無いよう……私があの人のように助ける側になりたいと。

 

 

マオ「あっ……そういえば、まだ新米ハンターの一式装備を貰っていませんでした……クエストへ行く前に村長さんを訪ねてみましょう。」

 

 

村長さんから間借りした家で鏡を見ていたが、肝心な装備が無いと思い部屋から出る。いくらハンターになったとは言え、外に出ればモンスターと生死を懸けた闘いになる。装備が無ければモンスターの攻撃を受けた際ひとたまりもない。そういえば村長はこの時間、村の広場にいたような……そう思って私は、部屋を出てすぐにある広場へと向かった。

 

 

      ~マクリナ村 中央広場~

 

 

スタスタ マオ「あ、村長さ~ん!」ノシ

 

村長「ん?おぉ、マオじゃないか。そういえば今日から、お前さんも晴れてハンターだったかの?」

 

マオ「はい!」

 

村長「そうか……あれからもうそんなに経ってしまったのだな。今思えば、このマクリナ村も良くここまで復興したものだ。」

 

マオ「そうですね……あの時の私は身寄りがなくて、村長さんの家に居候する形になってしまいましたから。本当にご迷惑をおかけしました……。」

 

村長「いや、君が謝ることではない……お前さんは何も悪くないのじゃからな。」

 

マオ「……。」

 

村長「おっといかんいかん。こんな辛気臭い話をしては、マオがこれから受けるクエストに差し支えるな……そういえばマオ、お前さん身体に装備を着けていないではないか。」

 

マオ「あ、えと……その事で村長さんに会いに来たのですけど、私の一式装備は村長さんが持ってると思いまして。」

 

村長「あー……すまんの。つい昔の事を思い出してしまって、てっきりギルドから預かっていたお前さんの装備の事忘れてたわい。今から持ってくるから、少しその辺で待っとれ。」スタスタ

 

マオ「あ、はい。」

 

 

そう言って村長さんは自分の家へと歩いていった。私はその間改めてこの村を見渡し、昔モンスターに破壊されたとは思えない景色に圧倒され、その余韻に浸っていた。小さかった木々は大きく成長し枯れ葉をちらつかせ、村の皆も自信の仕事に専念し、笑顔で話などしながら暮らしている。この村が復興したのも、皆の努力があってこそだと、私は確信した。

 

 

観光客(男)「ここの村って、確か昔モンスターの襲撃があったんだよな?」スタスタ

 

観光客(女)「そうみたいね。でもとっても強いハンター達が、そのモンスターを追い払ったって言う噂だよ?」スタスタ

 

観光客(男)「はー……そんな奴もいるんだなぁ……。お!これがそのハンター像か!でっけぇなぁ……。」

 

 

観光へ来た人達の話し声が聞こえます。ここマクリナ村は基本的に自然の景色や毎年豊作により、いつもこの地方まで観光へ来る人達がいるけれど、最近はこの村を救ったと言うマクリナ村の中央広場に造られ、武器を掲げた2人のハンター銅像を見に来る人も多くなりました。ちなみにその2人は私の父と母の像ですね。私にとっては父と母も勿論英雄に変わりはないですが、やはりあの時私の目の前で助けてくれたあのハンターさんも英雄になります。

 

 

売店おばちゃん「マオちゃぁん!おはよう!今日も元気だねぇ!」

 

マオ「あ、おばさん!おはようございます。」

 

売店おばちゃん「聞いたよ?今日から正式にこの村のハンターになったんだって?」

 

マオ「はい!今村長さんが、私の装備を持ってきてくれる所なんです。」

 

売店おばちゃん「そうかいそうかい、マオちゃんも今では立派なハンターさんかい。」

 

マオ「あはは……まだ1回もクエストに行ってませんけれど。」(汗)

 

売店おばちゃん「まぁゆっくり慣らしていけば良いよ!焦りは禁物だからねぇ。あ、そうだ!マオちゃん、おばちゃんからハンター記念祝いだよ。」スッ

 

マオ「え!?そんな、悪いですよ!」

 

売店おばちゃん「気にするこたないさね!マオちゃんのご両親には、本当にお世話になってたから……マオちゃんはこの村の英雄の一人娘なんだし、これは私からのほんのお礼さ。」

 

マオ「ど……どうもすみません。」スッ

 

 

テュリテュリン アイテムポーチ を 受け取った。

 

 

薬草×10

毒消し草×10

ホットドリンク×5

クーラードリンク×5

砥石×20

肉焼き器×1

5000G を 貰った。

 

 

マオ「こ、こんなに良いんですか?」

 

売店おばちゃん「良いの良いの!これはおばちゃんからのお礼なんだから!だけど気を付けなよ?外に出たらそこはもうサバンナ……食うか食われるかの世界だ、絶対に無理だけはするんじゃないよ?」

 

マオ「はい……ありがとうございます。」ペコッ

 

村長「おーいマオー、クエスト用の装備を持ってきたぞー。」トテトテ

 

マオ「あっ!今いきまーす!じゃあおばさん、色々ありがとうございました!」タタタタ

 

売店おばちゃん「あぁ!がんばっといでね!」ノシ

 

 

タタタタ マオ「すみません村長さん。」

 

村長「うむ。マオよ、これがギルドから渡されたお主の装備一式じゃ。」ゴトリ

 

マオ「うわぁ……これがハンター1式装備ですか。……この重たい甲羅……やっぱり本格的ですね。」スッ

 

村長「そりゃそうじゃ、凶暴なモンスターやとても大きいモンスター達を相手にするのだからのう。生半可な装備では只の重荷になってしまうしな。」

 

マオ「折角なので、すぐに着替えてきても良いですか!?」

 

村長「うむ、それが良いじゃろう。その服だとその……周りの目があるからのう?」

 

マオ「そ、それもそうですね……では一旦失礼します!」タタタタ

 

 

        ~マオの自室~

 

 

マオ「ふぅ……重たい……まさかこんなに装備が重たいなんて。」ゴトリ

 

 

装備一式が入った紙袋を両腕で抱え、自室の床に売店のおばさんから貰ったポーチと一緒にそろりと置く。これからこの重たい装備を着けてクエストへ行かなければならないのかと思うと、少し気が滅入る自分がいました。

 

 

マオ「いけないいけない……こんな事で参っていては、この先が思いやられてしまいますね。この日の為に今まで特訓してきたのに、それを無駄にするわけにはいきません……。」スッ

 

 

自分の頬を両手でパンパンと叩いて気合いを入れ直し、装備を紙袋から取り出す。そして1つ1つ品定めをしながら、等身大の鏡で確認しつつ着々と腕や足にはめる。最後におばさんから貰ったポーチを腰に付け、全ての防具を装着した自分を、鏡で確認することに。

 

 

マオ「こ、これが私……?本当にハンターそのものですね。」

 

 

そこには先ほどまであった少女の姿はなく、いつも憧れていたハンター装備の、自分の姿があった。どっしりとした重りや装飾品を身に纏い、それっぽいポーズをするとすぐにでも出発できる身なりだ。私は少し興奮もしたが、それと同時に不安も頭の中に過る。

 

 

マオ「これから、本当の狩りが……。」ブルッ

 

 

自分は本当に狩りが出来るのか?本当にあの大きなモンスターを狩れるのか?あの憧れの人のようになれるのか?色々な不安が頭の中をグルグルと過るが、今さら考えていても仕方ありません。私は立派なハンターだ……そう自身に言い聞かせることが精一杯でした。

 

 

マオ「……行こう、未知なる世界へ。」スッ

 

 

そして私は自室を後にし、冒険の第一歩を踏み出した。そこにはとんでもない大冒険や出会いが待っていたのだった。




新しく書かせて頂きました、モンハンの小説?SSになります。

基本的な設定は決まってるんですが、かなりガバガバになりそうなので、苦手な方はご注意です……。コメントや誤字脱字報告も受け付けてますので、どうぞご気軽に言ってください!お読みいただき、ありがとうございました!


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狩2 初心者クエストへ!

あらすじ「遠く離れた地、ベルローナ地方のマクリナ村にて一人の新人ハンターが生まれた。その名はマオ、14歳のまだまだヒヨッコ新米ハンターだ。」

あらすじ「前回マクリナ村の村長からハンター装備一式を貰い部屋で装着し、いざ冒険の地へ繰り出す筈だったのだが……?」

♪OP♪


   ~マクリナ村 クエスト受付前~

 

 

マオ「えぇ……!私はまだ、大型モンスターの狩猟は出来ないのですか!?」

 

受付嬢「いやーすみませんねぇ、規則は規則なものですから。」

 

マオ「ですが……私も一応今日から晴れてハンターなんですよ?ハンターと言うのは、基本的にモンスターを狩るからハンターでは……?」

 

 

今私は、マクリナ村のクエストを受注する受付前に来ています。ここはマクリナ村のハンター達は勿論、他地方からやって来たハンターの方でもクエストを受注出来るのですが、何故か私は大型モンスターの討伐クエストがまだ出来ない状態です。

 

 

受付嬢「村長さんからの伝言なんですよー。マオさんはぺ~ぺ~の新米ハンターなものですから、まずはモンスターを狩りに行く前に、ハンターとしての基礎を覚えられるようなクエストじゃないと駄目だって。」

 

マオ「うぅ……そういう事ですか。」

 

受付嬢「まぁまぁそう言わずに!パパ~っとやって、パパ~っと終わらせれば良いじゃないですかぁ!初期のクエストですから、そこまで難しい事じゃありませんよ!」

 

マオ「わ、解りました……じゃあとりあえず、そのクエストを見せていただけますか?」

 

受付嬢「よしきた!それじゃあどれにします?特産キノコ採取にハチミツ採取……あ、これなんかどうです?ジャギィ5匹討伐!これは討伐クエストですから、やりがいあるんじゃないですか?」ピラッ

 

 

受付嬢の方はそう言って、クエストの紙が沢山入っている大きな茶色の鞄から1枚の紙を取り出し、私にパラリと見せる。受付嬢さんの片手にも4枚ほど紙が握られていて、そちらの方にも目をやると、初心者クエストと言う文字だけが見えました。

 

 

マオ「でも……その反対側の手に持っていらっしゃる他のリストも全部クリアしないと、大型モンスターのクエストは駄目なんですよね?」

 

受付嬢「そうですねー☆」

 

マオ「んー……まぁ、見たところそこまで苦にはならなそうなクエストですし、これぐらいなら案外早く終わるかもしれませんね。」

 

受付嬢「そうそう!何でも前向きに考えましょ?こんなの全部クリアするのに一時間もかかりませんよー。」

 

マオ「……そういうものですか?」

 

受付嬢「そういうものです☆」

 

マオ「……解りました。ではまず、そのキノコ採取クエストをさせてください。」

 

受付嬢「りょーかい!じゃあ軽くリストだけ確認していただけますかー?これをしないと、私もギルドから怒られちゃいますから!」ピラッ

 

マオ「はい。」スッ

 

 

………………………………………………………………………………………

 

○初心者クエスト その1

 

○特産キノコを10個納品

 

○場所 山林 ~昼~

 

○依頼者 マクリナ村村長

 

うむ、ついに初クエストだのう!しかしいくら英雄の子供だからと言って、基礎を抜きに討伐は無理がある。まずは採取などをしてハンターとしての基礎を学ぶのだ!一見地味なクエストだが、自然の恵みを重宝させるのも、立派なベテランハンターへの道じゃぞ!

 

………………………………………………………………………………………

 

 

マオ「村長さん……。」

 

受付嬢「村長さん、マオさんの事ちゃんと考えてくれてますね!じゃあ早速行っちゃいますか!?」

 

マオ「はい、お願いします。」

 

 

ドドン 『クエストを受注しました。受付の隣にある道から、クエストへ向かってください。』

 

 

受付嬢「では受注が完了しましたので、準備が出来次第クエストへ向かってください!」

 

マオ「解りました。えーと……ポーチにはおばさんから貰ったアイテムもありますし、これだけあれば特に問題はないですね。」スタスタ

 

受付嬢「ちょっ!ちょいと!マオちゃんストーップ!!」バッ

 

マオ「うわわっ!?な、なんですかいきなり……。」

 

受付嬢「アイテムポーチの確認もそうだけど!クエストへ行く前にご飯は食べましたかっ!?」

 

マオ「えっ……ご飯ですか?特にいらないと思って食べてないですけど……。」

 

受付嬢「駄目ですよっ!!働かざる者食うべからずってことわざがあるの知らないんですかっ!?」

 

マオ「いや……知ってはいますけど、意味がちょっと違うような……。」

 

受付嬢「とにかくですね!ハンターたるもの、クエスト前には食事を取るって言う、黙認のルールがあるんですっ!今のマオさんの体力とスタミナを見てくださいっ!100しか無いじゃないですか!それにスキルもハンター一式装備のスキルしか付いていませんし!」

 

マオ「え……スキルは良くわかりませんが、体力などは100が当たり前では無いのですか?」

 

受付嬢「違いますっ!あーもう……説明するのが面倒なんで、とりあえずキッチンへレッツラゴーです!とりあえずクエストは一旦受注解除で!」ビシッ

 

マオ「は、はぁ……。」

 

 

    ~マクリナ村 熱血キッチン~

 

 

スタスタ マオ「えっと……ここで確か食事をとれると受付嬢さんが言ってたような……。」

 

スタスタ マオ「昔からこの村に住んでますけど、こんな建物最近ありましたっけ……?」

 

???「ようこそぉ!ミーのファイヤーキッチンへぇ!!」

 

ビクッ マオ「うわわっ!?」

 

???「んー?君、もしかしてマオちゃぁん!?」

 

マオ「あ、はい。そうですが……貴方は?」

 

店長「ムフフ……ミーの名は企業秘密だよ?だから店長と呼んでくれたまえ!私はこの熱血キッチンの店長と言うものだっ!!」

 

マオ「そうですか……。」(何かクエストへ行く前に疲れそうですね……。)

 

店長「君の事は村長から聞いてるよ、このマクリナ村の期待のハンターってねぇ!つまりミーの予想では、クエスト前にお腹が鳴ってここへ寄った……そうでしょう!?」シュバ

 

マオ「あはは……。」(だいたい合ってるような、間違ってるような……。)

 

店長「フッ、図星のようだね。では早速メニューから選ぶがよろし!」

 

 

○店長の熱血フライドチキン 500G

○ガーグァの熱血目玉焼き  550G

○ジャギィの熱血こんがり肉 800G

 

 

マオ「えーと……それじゃあ……このフライドチキンでお願いします。」

 

店長「りょーかい!ちょっと10分程待っててくれぃ!」タッタッタ

 

マオ「は、はぁ……。」

 

 

(=゚ω゚=)キュ キュ キュ ニャー♪

10分後

(=゚ω゚=)キュ キュ キュ ニャー♪

 

 

店長「へいお待ち!沢山食ってくれよな!」ゴトッ

 

マオ「うわぁ……おいしそう……!頂きまーす!」バッ

 

ガツガツ ムシャムシャ ガツガツ ムシャムシャ

 

マオ「ふぅ……ご馳走さまでした。」スッ

 

 

テュキーン 体力が20上がった

   スタミナが20上がった

   猫の早研ぎ術を身に付けた

 

 

マオ「こ、これは一体……。」

 

店長「ミーの店で出す料理は、ただ腹を膨らませるだけじゃない。今のマオちゃんのように、クエストへ行く際表示される体力やスタミナの最大値の底上げ、そしておまけにスキルも付ける事だって出来るのさ!」

 

マオ「へぇ……凄いですね!こんな事が可能だなんて……。」

 

店長「フッフッフ。またクエストへ行く前に、ここの熱血料理を食べにきてくれたまえ!ちなみにマオちゃんはここが初めてみたいだから、今回のお代はチャラで良いぜ!そしてこのお食事券もプレゼントしよう!このお食事券一枚で、どのメニューでもお代はタダだ!これを使わないときは、次回からはちゃんとお代は頂くぜ?」

 

マオ「はい、どうもありがとうございました。」ペコッ

 

店長「良いってことよ!」

 

マオ「あ、1つ気になったんですが……ここって店長さん一人だけですか?」

 

店長「……ほっとけ。」

 

 

    ~マクリナ村 クエスト受付前~

 

 

マオ「ふぅ……これで準備万端でしょうか。ご飯も食べてスキルも付いたし、これで思う存分あの初心者クエストに行けますね。」スタスタ

 

受付嬢「あっ!マオさんー。どうやら食事を済ませて来たようですね!じゃあ早速初心者クエストへ行っちゃいますか?」

 

マオ「はい!よろしくお願いします!」

 

受付嬢「解りましたぁ!私の方でクエスト受注をしておきましたので、どうぞ行ってらっしゃいませ!」バッ

 

マオ「行ってきます!」スッ

 

マオ(ここから、私のハンターへの第一歩が始まるんだ……!)グッ

 

 

        ~5時間後~

 

 

受付嬢「あっマオさん!随分てこずったみたいですねー。」

 

マオ「は、はい……。特産キノコ納品などは早めに終わったんですが、ジャギイ討伐の方が少し時間がかかってしまいまして……。」フラー

 

受付嬢「あー解りますよー。ジャギイは中々賢いですからね、集団で来られると結構めんどくさいので。」

 

マオ「そうですね……おかげでかなり被弾してしまいました。」

 

受付嬢「あらら……クエストも立て続けに行ったせいで、装備の方も傷と泥だらけですね。とりあえず初心者クエストはこれで終了しましたので、次からは通常クエストに行けますよ。なので今日は一旦帰って休んだ方が良いんじゃないですか?」

 

マオ「もう夜で真っ暗ですから、そうさせてもらいます……。」スタスタ

 

受付嬢「お疲れさまでしたー。」ノシ

 

 

     ~マクリナ村 マオの自室~

 

 

マオ「うーん……初心者クエストとはいえ、油断してジャギイにかなり被弾してしまって、かなりのダメージを負ってしまいました……。強化すれば済む話ですけど、やはりハンター一式装備ではこの先が思いやられてしまいますね。」

 

マオ「!……そう言えば、このマクリナ村は他地方のハンターや村出身の人達が集まる、集会所と言う所があったような……一度見に行くだけでもした方が良いかも知れません。」




これで2話は終了になります。

相変わらず自分の文才がなさすぎて泣きたい……でも書きたい……自分なりのストーリーを書きたいんです!!この欲は抑えられないんです……誰かに見ていただけたら幸いです!

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩3 ベテランハンター ロウ登場

あらすじ「ここはベルローナ地方に位置する、マクリナ村と呼ばれる小さな村。ここで若くしてハンターとなった新人の女の子マオは、憧れのハンターに近づくために初心者クエストを終える。」

あらすじ「しかしマオは初心者クエストの1つであるジャギイ討伐で苦戦を強いられ、今の装備でこの先は厳しいと判断し、村の外れに位置する、他地方のハンターや村出身のハンターが集まる集会所と呼ばれる場所へと足を運ぶのであった。」

♪OP♪


     ~マクリナ村の外れ 集会所~

 

 

ガヤガヤ ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ

 

ジャギイ装備ハンター「おう!お前今回はどうだった?」

 

マッカォ装備ハンター「いやー全然駄目だわ、さすがに二人で狩りじゃ限界があるな。」

 

 

ミツネ装備ハンター「次のクエストで、そろそろレア素材手に入りそうなんだけど……一緒に行かない?」

 

レウス装備はハンター「おう!俺に任せとけっ!」

 

ゼクス装備ハンター「じゃあ俺その間、お守り掘りにでも行くわw」

 

ディノ装備ハンター「おまwただの寄生じゃねーか!」

 

 

ガムート装備ハンター「おう姉ちゃん、回復薬10個な!」

 

雑貨屋「はーい、ありがとうございます!」

 

 

ガヤガヤ ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ

 

 

スタスタ マオ「ここが集会所……村は比較的落ち着いてましたけど、ここではこんなに賑やかなんですね……。」

 

スタスタ マオ(ほとんど観光で来る人ばかりかと思ってましたが、クエスト目的で来る人もいたとは思いませんでした。)

 

ドンッ マオ「あっ、すみません!少し考え事をしてまして!」バッ

 

ゴア装備ハンター「あーん?何だてめぇ。」

 

シャガ装備ハンター「余所見してんじゃねーよバーカ!」

 

マオ「ご、ごめんなさい……。」

 

ゴア装備ハンター「ん……?ブフォw見ろよこいつww初期装備のハンター一式だぜ!?」

 

シャガ装備ハンター「うわぁ……完全地雷だな、絶対一緒に狩りしたくねーわ。第一こんなとこ来るんじゃねーよ○ね。」

 

マオ「ごめんなさい……」ウルウル

 

ゴア装備ハンター「うわこいつ泣いてやんのww」

 

シャガ装備ハンター「大人しく村クエでもやってろ、行こうぜ。」スタスタ

 

ゴア装備ハンター「またのwww雑魚www」スタスタ

 

マオ「うぅ……。」ウルウル

 

マオ(見ず知らずの人にここまで言われるなんて……私がここへ来たのは、どうやら間違いだったようですね……。)

 

マオ「村に帰ろう……。」スタスタ

 

???「ん、どうしたお嬢ちゃん?」スッ

 

マオ「え……あ……ええと……。」グシグシ

 

???「もしかして……泣いてたのか?」

 

マオ「ぐすっ……いえ!私も立派なハンターの一員ですから、泣いたりなんかしません!」

 

???「そうか……ところでお前さん、今一人かい?」

 

マオ「あ、はい。マクリナ村出身なんですけど、ここの集会所に来るのは初めてで……。」(汗)

 

???「なぁーるほど、どおりで名前の横にランクが無いと思った。」

 

マオ「え……名前の横?一体どういう意味ですか?」

 

???「ほら。今丁度お嬢ちゃんの真上に、自分の名前が見えるだろ?」スッ

 

マオ「真上……」チラッ

 

マオ「あっ、本当ですね。何故ですか?」

 

???「んーそこまでは俺にも解らんな。まぁ雑貨屋や他の場所に居る奴等の上に名前が無いところを見ると、どうやらハンターにだけ適用されるようだぞ。」

 

マオ「成る程……良く見たら他のハンターさん達の上にも名前がありますね。珍しい装備を着ている人ばかりでしたから、全然気づきませんでした。」

 

???「で、だ。さっき俺が言ったのは、その名前の横にある数字の事さ。」

 

マオ「数字ですか……あ、確かにありますね。あの人が80で、こっちの人は55です。」

 

???「ハンターランクって言ってな。その数字は俺たちハンターの強さを示してるのさ。数字が高ければ高いほど、そいつはなんでもこなすベテランのハンターって訳だ。」

 

マオ「へぇー……そういう事だったんですね。じゃあ私は。」チラッ

 

マオ「あれっ?私のは数字すらありませんよ?どうしてですか!?」

 

???「さっきお嬢ちゃん、ここへ来たのは初めてだって言ったろ?ここを仕切っているギルドマスターってのがいるんだが、そこでお前さんの事を登録しねぇとハンターランクが表示されねぇんだよ。」

 

マオ「最初のハンター登録とはまた違うんですね。」

 

???「あぁ、そうしてここのクエストを受けれる。」 スッ

 

マオ「え?」チラッ

 

 

ゴア装備ハンター「受付嬢さん今日も可愛いこぽぉw」

 

受付嬢「はいはいありがとねー。」(棒)

 

ゴア装備ハンター「ツンデレktkr ww」

 

シャガ装備ハンター「下らんこといってねぇで、さっさとキリン狩りに行くぞ。テメェがキリン素材欲しいって言ったんだろうがボケ。」

 

ゴア装備ハンター「スマソwじゃあ俺どっかで採取してるンゴw」

 

シャガ装備ハンター「俺の場所と獲物に手を出したら○す。」

 

ゴア装備ハンター「おkおk wwんじゃ行くンゴww」

 

パープー 受付嬢「いってらっしゃいー。」ノシ

 

 

マオ「……あの人達、さっきの。」

 

???「ん?知り合いか?」

 

マオ「いえ……私が考え事をしてる時に、ちょっとぶつかってしまって……。」

 

???「あぁ……アイツ等はいつもの事さ。ゴア装備を着けていた奴はふざけてばかりで、もう一人いたシャガ装備を着けていた野郎は自称プロハンの阿呆だから、いちいち気にする事は無いぞ。」

 

マオ「は、はぁ……。」

 

ロウ「そういや自己紹介が遅れちまったな。俺の名前はロウ、シナト村からやって来たそこそこ出来るハンターだ。宜しくな!」スッ✋

 

マオ「あ、マクリナ村のマオです。」スッ✋

 

ロウ「マオ…そういや聞きたかったんだが、お前さんどうしてこの集会所へ来たんだ?見た感じ、何か訳ありかい?」

 

マオ「えっと、ちょっと顔を出しに来ただけでして……ここでもクエストが受けられるのかなと思ってたんですが、私にはまだ無理そうです。」

 

ロウ「ん?何故そう思うんだ?」

 

マオ「他のハンターさんを見てて思いましたが、中々難しそうなクエストばっかり見たいですし、ハンターになったばかりの私じゃ無理だと。」

 

ロウ「何だそんな事か。」

 

ムッ マオ「そ、そんな事って何ですか!」

 

ロウ「まぁまぁそう怒るなって、俺はそういう意味で言ったんじゃねぇよ。」

 

マオ「じゃあどういう意味で言ったんですか!」

 

ロウ「あー……今見たとは思うが、さっきゴアシャガ装備の奴等、2人で狩りに行ってただろ?この集会所のクエストは1人で行く村のクエストとは違って、最大4人で一緒のクエストを受注出来るのさ。」

 

マオ「え……じゃあ4人でモンスター討伐や、色んな事が出来るってことですか!?」

 

ロウ「あぁ。ただここの大型モンスターの討伐になってくるとこっちの人数が多い分、村で依頼されるモンスターとは比べ物にならない程強い個体だがな。」

 

マオ「強い個体……ですか……。」チラッ

 

 

アシラ装備ハンター「次のクエストも難しそうだが、気楽に行こうぜ!」

 

ガレオス装備ハンター「まぁ楽勝っしょ!」

 

 

マオ「……。」

 

マオ(私なんてここの人達から見たら、本当に弱い人にしか見えないんですね。)

 

………………………………………………………………………………………

~過去の記憶 マクリナ村~

 

???「君、大丈夫?」

 

マオ「は……はい……。」

 

???「良かった。ここでじっとしてるんだよ!」バッ

 

マオ「……。」

………………………………………………………………………………………

 

マオ(でも私は決めました……!幻だったかもしれないけど、憧れだったあの人のように私は強くなるって……!)

 

ロウ「まぁお嬢ちゃんと会ったのもなにかの縁だ、せっかくだからここでの狩りが出来るよう、色々と俺が手伝ってやるよ。」

 

マオ「……。」

 

ロウ「お、おい……お嬢ちゃん聞いてるか?」

 

マオ「あ、はい!すみません、何でしたっけ?」

 

ロウ「だから、せっかく集会所へ来たんだし、ここでの狩りが出来るように登録とか、俺が色々手伝ってやるって言ったの。」

 

マオ「ほ、本当ですかっ!?是非お願いしますっ!」パァ

 

ビクッ ロウ「お、おう……。」(何だ?いきなりテンション上がって……変なお嬢ちゃんだな。)

 

 

    ~集会所 ギルドマスターの屋敷~

 

 

スタスタ マオ「長い廊下……この屋敷に、集会所クエストを取り仕切ってるギルドマスターがいるんですか?」

 

スタスタ ロウ「あぁ。お嬢ちゃんも知ってるとは思うが、ここのギルドマスターは集会所はもちろん、マクリナ村で依頼されるクエストも全て取り仕切ってるんだ。結構俺も集会所には出入りしてっから、他のハンターにもそこそこ顔は知られてるぜ?」

 

スタスタ マオ「そうなんですか……私なんかのために、本当にすいません。」

 

スタスタ ロウ「気にすんな、俺が好きでやってることだからよ。一見いかつい感じに見えるが、こう見えても俺は世話好きでね、困ってる奴がいると助けてやりたくなる性分なんだ。」

 

スタスタ マオ「だから、ロウさんはこのハンター稼業を?」

 

スタスタ ロウ「普通の奴ならそうかも知れんが、俺の場合はちょっと特殊でな……まぁ簡単に言えば、俺の罪滅ぼしみたいなもんだ。」

 

スタスタ マオ「罪滅ぼし……?」

 

スタスタ ロウ「まぁ俺の話はさておき、お嬢ちゃんはd」

 

スタスタ マオ「マオです!お嬢ちゃんはやめてください!」

 

スタスタ ロウ「あ…あぁすまん。マオはそんなに若いのにどうしてハンターをやってるんだ?見たところ最年少の14歳だろ?」

 

スタスタ マオ「私はすぐにハンターになりたかったんです、あの人のようになりたかったから。」

 

スタスタ ロウ「あの人?」




これにて3話は終わりです。

相変わらず中途半端な所で終わってるのは、ご了承をお願いします。ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩4 ギルドマスターとマオ

あらすじ「ベルローナ地方マクリナ村出身の新米ハンターであるマオは、マクリナ村の外れに位置する集会所へと足を運ぶが、他地方からやって来たハンター達に圧倒され、村へと帰ろうとする。」

あらすじ「だがそこへ、シナト村からやって来たハンターのロウと出会い、ロウの元、マオが集会所クエストに挑戦する許可を得に、全てのクエストを管理しているギルドマスターの元へ赴くのだった。」


♪OP♪


   ~マクリナ村 集会所 GMの屋敷~

 

 

スタスタ ロウ「なるほどな……マオはその憧れの人とやらに会う為、ハンターになったのか。」

 

スタスタ マオ「はい……もう一度あの人に直接会って、昔言えなかったありがとうを言いたいんです。」

 

スタスタ ロウ「と言うかさっきも聞いたが、そいつの顔も名前も解らないんだろ?せめて出身の村とか解れば何とかなったかも知れんが、それは流石にどうしようもないんじゃないのか?」

 

スタスタ マオ「そっ、そんな事ありません!!後ろ姿はちゃんと見てました!あ、でも逆光になってたので良く見えなかったですけど……それにもう10年以上も前になりますし……そうだ!声はちゃんと覚えてますよっ!声を聞けば絶対に解る自信はあります!」

 

スタスタ ロウ「声は覚えてるって言われてもなぁ……第一どこにいるかも解らんだろ。それにハンターと言ってもこの地方だけじゃない、全世界に何千何万といるんだ、その中から一人だけを探すってのは……さすがに無理があるぞ。」

 

スタスタ マオ「でも私は会ってお礼を言いたいんです、絶対に!私はあの人に命を救われて、その命で今はあの人と同じハンターの道を歩いていますから!それで今度は私がその人の立場になって、世界から悪いモンスターを倒したいんですっ!」グッ

 

スタスタ ロウ「……なるほどな。だからその為に、今は少しでも早く強くなりたいって訳か。」

 

スタスタ マオ「はい!」

 

スタスタ ロウ「ふっ……マオみたいな奴、俺は嫌いじゃないぜ?」

 

スタスタ マオ「あ、ありがとうございます。///」

 

スッ ロウ「さぁ着いたぞ……ここがGMの居る大部屋だ。」

 

マオ「ゴクリ……とても大きな扉ですね、高さは私の身長の3倍ぐらいでしょうか……。」

 

ロウ「何だ怖じ気づいたのか?この扉でそんなになってたら、GMを見たときはその場で気絶しちまうぞ?まっ、とにかく入んな。」ガチャリ

 

マオ「はい……。」スッ

 

 

ギィィィィィィィィ……

 

 

GM「……ん。」

 

ロウ「ようマスター、久しぶりだな。」スタスタ

 

マオ「お、お邪魔します……」スッ

 

GM「…………ロウか。」スッ

 

マオ(こ、この人がギルドマスター……?何でしょうこの感じ……なんだかとっても……。)

 

マオ(背小っさ!!私の膝ぐらいまでしかないですよっ!?)

 

ロウ「あぁ。悪かったな……近頃色んな村から依頼があったもんでよ。こっちの村に来たのは2日ほど前だ。」

 

GM「…………そっちの者は?」チラッ

 

ロウ「こいつは昨日、マクリナ村で新しくハンターになったばかりのマオだ。今日からこっちの集会所で世話になるから、とりあえず登録だけ頼む。」

 

マオ「お、お願いしますっ!」ペコッ

 

GM「ん…………こっちこっち。」ヒョイヒョイ

 

ロウ「ほら。登録してくれるからってマスターが呼んでんぞ?」

 

マオ「あ……はい。」スタスタ

 

GM「……。」ジー

 

マオ「……。」(汗)

 

マオ「あ、あの……さっきからじっと見てますけど……何か付いてますでしょうか?」

 

GM「名前。」

 

マオ「え……?」

 

GM「名前。」

 

マオ「あ、はいっ!マオ……です。」

 

GM「性別。」

 

マオ「女です……。」

 

GM「趣味、特技。」

 

マオ「え、えっと……趣味はハンター教本を読むことと、特技は特にありません。」

 

GM「……おっけ。」スタスタ

 

マオ「おっけ……?」

 

ロウ「良かったなマオ。これでお前も集会所のクエストを受注出来るようになったぞ!」

 

マオ「えっ!あれだけで終わりですかっ!?てっきり私は精密な審査とか色々すると思ってたんですけど……!」

 

ロウ「はっは、そんな事やってたら時間がいくらあっても足りねぇよ。ハンターはいくらでも湧いて出てくるもんだからな。」

 

マオ「虫みたいに言わないでくださいよ……私もロウさんもその中に入ってるんですから。」

 

ロウ「悪い悪い。 それによ?ギルドマスターに認められたその証拠に、マオの真上に出てる名前の横にちゃんと数字が付いただろ?」スッ

 

チラッ マオ「……あっ、本当に数字の1と付いてます。」

 

ロウ「ランクが付いたことによってこれからクエストをクリアする度に、クエスト報酬とはまた別にハンターランクポイントってのが入るようになっから、まぁ精々頑張れや。」

 

マオ「はい!」

 

ロウ「それじゃあマスターからの許可も下りたことだし、早速集会所に戻ってクエストに行ってみたらどうだ?」

 

マオ「はい。ちなみに……ロウさんはこれからどうするんですか?」

 

ロウ「俺か?そうだな……まぁ適当にモンスターを狩って素材集めでもするさ。」

 

マオ「素材……?素材ってなんですか?」

 

ロウ「はぁ!?マオ……お前素材も知らんのか!?趣味でハンター教本を読んでるって言ってたじゃねぇか!」

 

マオ「書いてたのは書いてたんですけど……当たり前のように文面に載ってましたから。素材とはどういったものかまでは書いてなかったので……。」

 

ロウ「やれやれ……仕方ねぇな、ここを出たらまた色々教えてやるよ。」

 

マオ「ありがとうございます!」パァ

 

ロウ「はぁーあ……俺の世話好きも少し考えなきゃいけねぇなぁ。」スタスタ

 

 

マオ「あ。そう言えばロウさんのハンターランクって4なんですね?」スタスタ

 

ロウ「気にしてるから言うな……。」スタスタ

 

 

GM「……。」

 

ボソッ GM「……英雄の子か、大きくなったな……。」

 

 

    ~マクリナ村 集会所 食堂~

 

 

ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ ガヤガヤ

 

 

ファンゴ装備ハンター「盆踊り盆踊りぃー!」フラフラ

 

コンガ装備ハンター「俺も俺も!!」フラフラ

 

ハンター達「お前ら自重しろwwww」

 

ガハハハハ ワハハハハ モットヤレー イイカゲンニシロッ!

 

 

フムフム マオ「なるほど……素材とはモンスターの体から剥ぎ取った物の事なんですね……。」

 

ロウ「あぁそうだ。それを使って身に付ける防具やモンスターを狩る武器を作り上げるのさ。武具屋で買い揃えても良いが、性能の差が月とスッポンレベルで違うからやめた方が良い。この肉まんお前も食うか?バルバレって街の名物みたいだぞ。」スッ

 

マオ「あ、ありがとうございます。」スッ パクリ

 

マオ「んっ……美味しい……!」

 

ロウ「だろ?俺のお勧めだからな。こっちのタンジアビールも飲め……って、マオはまだ20歳未満だったか。」

 

マオ「はい……ここってジュースとか無いんですかね……?」キョロキョロ

 

ロウ「基本的に俺みたいなおっさん連中が出入りしてるからな、マオみたいな若い奴は珍しいぐらいだぞ?」

 

モグモグ マオ「そうですか?あまり気になりませんでしたけど……。」

 

ロウ「そうか……ところでマオ、お前さんどのクエストに行くかもう決めてるのか?」

 

モグモグ マオ「特には決めていませんが、とにかく大型モンスターを狩って早く強くなりたいです!」

 

ロウ「マオ、言って悪いが物事には順序ってもんがある。まず最初は採取などをしてアイテムポーチを万全に整えてからだn」

 

ダ ン ッ マオ「嫌ですっ!私は早く強くなりたいんですっ!!!」

 

 

ザワザワ ナンダドーシタァ? ザワザワ アノコガテーブルタタイタミタイヨ? ザワザワ ウルセェナァ… ザワザワ ナンノサワギダヨ? ザワザワ

 

 

ロウ「おっおいっ……!解ったから!解ったから騒ぐなよっ……!」(汗)

 

マオ「むー……!」

 

ロウ「はぁ……しゃあねぇな……。」ポリポリ

 

ロウ「解った。じゃあこれ食ったらマオを大型モンスタークエに連れてってやるよ。」

 

マオ「ありがとうございますっ!」キラキラ

 

ロウ(何か俺、妙にこの子に振り回されてるような気がするんだが……気のせいか?)

 

 

    ~マクリナ村 集会所 受付前~

 

 

ロウ「で……来たのは良いが、とりあえず大型モンスターなら何でも良いのか?」

 

マオ「お願いします!!」

 

ロウ「はいよ、んー……じゃあとりあえず軽くコイツでも狩るか。」ビリッ

 

マオ「これは……アオアシラ?」

 

ロウ「青熊獣アオアシラだ。マオ、お前コイツと1回やりあってみろ。」

 

マオ「えぇ!わ、私がやるんですか!?」

 

ロウ「当たり前だろ。俺が討伐してやっても良いが、それじゃあお前さんの為にならないからな。早く強くなってあの人に会いたいんだろ?」

 

マオ「うぅ……でもこのモンスター図鑑を見たら、アオアシラってかなり凶暴そうですよ?ほ、他のにしませんか?」

 

ロウ「は?大型モンスターを狩りたいって言ったのはマオだろうが。」

 

マオ「い、いざとなったら……ちょっと緊張してしまうと言いますか……。」ガクガク

 

ハァ ロウ「やれやれ……狩り人である俺達ハンターが怯えてどうすんだ。そんじゃ辞めるか?」

 

マオ「う……。」ガクガク

 

ロウ「まっ、マオが行かないって言うなら別に止めないがな。俺は俺で、適当に他のクエストに行くだけだし。それじゃーなー。」スタスタ

 

マオ「ま、待ってください!!」

 

ロウ「……?」チラッ

 

マオ「行きます……行かせてくださいっ……!」

 

ニッ ロウ「そうこなくちゃな……。」




これで3話は終わりになります。

ある程度は書き溜めしてるので、更新は早いです……それもあんまりですけど。こんな感じでよろしければ、随時更新していきますので、暖かい目で見守ってくだされば幸いです。

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩5 青熊獣 アオアシラ

         ~渓流 昼~ 

 

ロウ「で、一応俺達はクエストに行くわけになったんだが……集会所で呼び掛けたのに誰一人見向きもしなかったな。」 

 

マオ「ロウさんが必死にアクションで手を振るや掛け声で頑張ってたのに……。」

 

ロウ「まぁこのクエスト自体が下位のキークエストだからか……ほとんどの奴等が時間の無駄だと思ったんだろう。」

 

マオ「うぅ……なんか悲しいです。」

 

ロウ「誰だって最初はそんなもんだよ、特にパーティやギルドなんかでつるんでる奴はな。俺みたいに野良でやってるハンターは、下位クエは暇潰しがてら丁度良いんだ。」

 

マオ「そうですか……。」

 

ロウ「ほら、いつまで落ち込んでてもクエストは待っちゃくれねぇぞ?大抵のクエスト制限時間は50分で限られてるんだからよ。ちゃんと支給品ボックスに入ってる支給品は、しっかり取ったろうな?」

 

マオ「あ、はい!それは大丈夫です!」

 

ロウ「というか……マオは片手剣を使うのか?」

 

チャキン マオ「私の憧れのハンターさんが使ってたから、私もこれを使ってみようと思いまして……ダメですか?」

 

ロウ「まぁ王道っちゃ王道だが……まぁ良いか。」チャキン

 

マオ「ロウさんの持っている武器は……確か太刀というものですよね?」

 

ロウ「あぁ……俺は根っからの太刀使いだ。こいつで色んなモンスターを狩ってきた、今じゃ俺の相棒だ。」

 

マオ「そういうのって何か良いですよね、自分だけのマイ装備って感じで。」

 

ロウ「まぁな。さて……それじゃぼちぼち狩りに行くとするか。」ゴクッ

 

ロウ「うん、旨い!」ガッツポーズ

 

マオ「ロウさん、今飲んだのは何ですか?応急薬とも違う感じでしたし……。」

 

ロウ「ん……お前千里眼の薬も知らんのか?こいつを飲むと体中の神経が研ぎ澄まされ、どこに大型モンスターがいるのか大体解るようになるんだ。」

 

マオ「へぇ……そういう物もあるんですねぇ。」

 

ロウ「よけりゃ残りの2つやるよ。俺はもう解ってっから、後は現場でそいつにペイント玉をぶつけりゃいいだけだから。」スッ ピコーンピコーン

 

マオ「良いんですか!?ありがとうございます!」スッ

 

 

コトン 千里眼の薬 を 受け取った

 

 

ロウ「じゃあそろそろ行くぞ、この千里眼もあんまり長くは持たねぇ。効果が切れる前に大型のとこへ行かねぇと、最悪このマップ全域をぐるぐる回っちまうことになるからよ。そんな事になったら制限時間の関係で、クエスト成功率が大幅にダウンするしな。」スタスタ

 

マオ「了解です……!」スタスタ

 

 

      ~渓流 昼 大型エリア~

 

 

ザッ ロウ「!……マオ止まれ。」

 

ザッ マオ「はい。」

 

コソコソ コソコソ ロウ「……」

 

マオ「……どうしたんですかロウさん、何か物凄く怪しい人に見えますよ?」

 

ロウ「ばか野郎……!あそこにいるモンスターが見えねぇのか?」スッ 

 

マオ「あそこ……?」チラッ

 

 

静かで綺麗な川が流れているその中央に、青色の体毛に覆われた熊がノシノシと四つん這いで歩いていた。他の小型モンスターのジャギイもいるが、そのモンスターに怯えているのか、距離を空けて様子を見ている状態だ。

 

 

マオ「あれは……。」

 

ロウ「あれが青熊獣アオアシラだ……どうだ?ほぼ初めて大型モンスターを見た感想は。」

 

マオ「私、あれと戦うんですか……?」

 

ロウ「あぁそうだ。まだ俺達の気配には気づいていないが……遅かれ早かれアイツと真っ正面からやりあうことになる。今回は仕方ねぇから俺が先導してやる、だからお前も後に続けよ?」

 

マオ「わ、解りました……。」

 

ロウ「よしっ……行くぞぉ!」バッ

 

ピクッ アオアシラ「!!」

 

ロウ「まずはペイント玉っ!」ブンッ

 

 

ロウが物陰から勢い良く飛び出し、ポーチからペイント玉を思いっきりアオアシラへ投げつけた。ペイント玉はアオアシラの顔に命中し、異物感を感じたアオアシラは2本の前足を横へ広げ、戦闘体勢をとる。

 

 

アオアシラ「グォォォォォン!」

 

ロウ「はっ……下位モンスターの癖に一丁前に吠えやがる。行くぞマオ!」ダンッ

 

マオ「はい!」ダッ

 

アオアシラ「グァァァ!」バッ

 

 

アオアシラは後ろ足を踏ん張り一直線に向かってくる2人に対し突進を仕掛ける。ロウとマオはアオアシラの予備動作をしっかりと見ていたため、お互い横に反対側へと避けた。ロウは起き上がってすぐに体勢を整えると、両手に持っていた太刀で素早くモンスターに斬りつけた。アオアシラの背中からは斬られた際の血が飛び交い、ロウは一歩も引かずに尚も斬り続けていく。

 

 

ロウ「おらぁぁぁ!!」ババババ

 

アオアシラ「グァウ!!」ブンッ

 

ロウ「よっと!」バッ

 

 

ロウに斬られていたアオアシラだったが、血が吹き出しているにも関わらず大して効いていないようで、その場でノソッと立ち上がると、ロウにすかさず大きな前足のうち片足を使って凪ぎ払った。基本的にアオアシラの行動は大振りな為、それを見切っていたロウは瞬時にかわし、少し距離をとる。

 

 

ロウ「へっ……もう少しで太刀ゲージが貯まるところだったんだがな。」スッ

 

アオアシラ「グォォォォン!」

 

 

アオアシラの口からは白い息が吹き出し、どうやら体力が減って怒り状態となったようだ。この状態になったモンスターは通常時より攻撃スピードなどが早くなり、その分攻撃力も上昇する。上位に入っているロウならばその程度大したことは無いだろうが、下位ハンターかつ初期装備のマオからすればかなりの驚異になるだろう。そしてあろうことか怒り状態になったアオアシラは、果敢に挑んできたロウから棒立ちで様子を見ていたマオへと標的を変え、マオに突進してきたのだ。

 

 

ロウ「ちっ……マオ避けろ!」

 

マオ「うわぁ!」バッ

 

ズザザザ アオアシラ「グルルル。」

 

 

間一髪でアオアシラの突進をかわしたマオ。だが怒り状態であるアオアシラの攻撃は止まらない。アオアシラは2本の前足を使って連続の大振り裂きを繰り出した。壁端に追い詰められたマオは逃げ切れないと判断し、危機感から右腕に着けていた盾で防ごうと構えた。

 

 

アオアシラ「ガァァッ!」ブォォン

 

ガキンッ マオ「うわっ!?」

 

 

盾で防いだがあまりの衝撃に、マオは盾を弾かれながらも体勢を整えつつ後ずさりする。その衝撃からか、マオの体力には少しダメージを負っていた。

 

 

ロウ「おらぁ!」ズバッ

 

アオアシラ「グォォン……!」ズザザザ

 

 

後ろからアオアシラを追いかけてきたロウがすかさず斬りつけ、不意を突かれたアオアシラは僅かに怯んだ。ロウはその隙にマオを連れてアオアシラから距離を取り、真っ向から迎え撃つ体勢をとる。

 

 

ロウ「マオ、大丈夫か?」

 

マオ「な、なんとか大丈夫です。ギリギリ盾で防ぎましたけど、かなりの衝撃が襲ってきて……。」

 

チラッ ロウ「……まぁその装備じゃ無理もねえな……仕方ねぇ。じゃあ俺が奴の隙を作ってやるから、マオはそこを狙え。」

 

マオ「はい……でもどうやって隙を?」

 

ロウ「お前も戦ってさすがに気づいていると思うが、奴の攻撃は基本的に大振りだ。奴から攻撃を仕掛けさせて俺が大技を放つ……そして奴が倒れた隙にマオが止めを刺すんだ。奴もモンスターとは言え生き物……学習能力があるから何度も同じ手は使えん……良いな!」チャキ

 

マオ「はい!」チャキ

 

アオアシラ「ガァァァァァ!」ダッ

 

 

再びアオアシラはロウ達に向かって突進を繰り出す。だが同じ行動パターンでロウとマオは見切っており、マオは盾を構えてロウはさける体勢をとる。アオアシラの体が触れる瞬間、ロウは素早くさけてモンスターの背後を取ると、大技の構えを取り一気に仕掛けていった。

 

 

バッ ロウ「狩技発動っ! 桜花気刃斬っ!!」

 

マオ「 桜花気刃斬……?」チラッ

 

 

盾で防いだマオをよそに、ロウはバックステップでアオアシラとの距離を計算して太刀に力を込め、再びアオアシラへ距離を縮めていく。その瞬間に太刀を用いて舞のような斬擊をお見舞いしそのままアオアシラの正面で太刀を納めた。一瞬の出来事で解らなかったアオアシラは、真正面にロウがいたため攻撃を仕掛けようとする……が。

 

 

ズババババ アオアシラ「グォア!?」

 

ロウ「甘いんだよ。」

 

 

突如アオアシラの体中を謎の斬擊が襲い、完全に油断していたアオアシラはその場で大きく転倒してしまった。その様子を見ていたマオは、何が起こったのか全く解らないような顔をしていた。

 

 

マオ(何故いきなりアオアシラの体が斬られて……まさかロウさんのさっきの技?)

 

ロウ「今だマオっ!」

 

マオ「!……はいっ!」ダッ

 

 

ロウが声を荒げてマオに指示し、マオはすかさず転倒しているアオアシラへ走って距離を詰めた。一方アオアシラは体が重いのか、4本の足をジタバタさせて思うように起き上がることは出来ない。

 

 

マオ「はぁぁぁぁ!!」カッ

 

ロウ「!」

 

 

マオの体からオレンジ色の光が迸りすかさず左手の剣でアオアシラの顔を斬りつけると、マオはその場で深く腰を落とし、右手に持っていた盾をアオアシラの顔目掛けて一気に突き上げた。

 

 

ズガァァァァ マオ「 昇竜撃ぃぃぃっ!」

 

アオアシラ「グォァァァ……!」グラッ

 

 

マオの放った狩技がアオアシラの顎を捕らえてクリーンヒットし、マオは突き上げたと同時に空へ舞う。小さな少女からは想像できないそのとてつもない力に、さすがの弱ったアオアシラもダウンから2本足で立った状態となり、顔は空を向けて白目を向いていた。そして……

 

 

スタッ マオ「わっとと……!」トットッ

 

ドザァァ アオアシラ「…。」

 

 

      目的 を 達成しました

 

 

ロウ「おぉ……綺麗に決まったな……。」

 

マオ「はぁ……はぁ……狩った!」

 

 

    あと 60秒 で 集会所に戻ります

 

 

マオ「よしっ!」グッ




これで5話は終わりになります。

グダグタと言いますか展開早いと言いますか……文才無くて申し訳ないです。今回はクエスト絡みの為あらすじはありません……。

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩6 獣人族の子 登場

あらすじ「彼女の名前はマオ、今年14歳になったまだまだ新米のモンスターハンターだ。以前集会所の野良ハンターであるロウと共にGMに会い、集会所のハンター登録を済ませた。」

あらすじ「そして集会所の下位ランクでキークエストのアオアシラ討伐を受注し、見事ロウとの連携でクエスト成功へと導いたのだった。」


マオ「よしっ!」グッ


♪OP♪


    ~マクリナ村 集会所 受付前~

 

 

ロウ「おい……なんでそんな滅茶苦茶疲れた顔してんだよ?」スタスタ

 

マオ「大丈夫です……ちょっと目眩がしただけですから。」スタスタ

 

ロウ「たかだか下位のキークエスト1つ終わらせたぐらいで疲れてたら、この先体がいくらあってもたんねぇぞ?さっきのアオアシラ討伐の勢いは何処へ行っちまったんだ?」スタスタ

 

マオ「あれはその雰囲気に流されたと言いますか、必死だったと言いますか……。」スタスタ

 

ロウ「ほーん。そういやマオ、お前狩技使ってアオアシラを狩ったよな?確か…… 昇竜撃とかなんとか言ったっけ?俺は片手剣使った事ねぇがすげぇ攻撃だったな。」スタスタ

 

マオ「あ、あれが狩技だったんですか。何となくロウさんの真似してやってみたら出た感じなんですけど……ハンター教本で読んでみても良く解らなかったから、ずっと放置してたんですよ。」スタスタ

 

ロウ「あのなぁ、読んでも実施しなきゃ意味ねーだろ!ったく、マオはそういう所いい加減だな……。」スタスタ

 

マオ「だって一人で読んでも解らないものは解らないんですから、仕方ないじゃないですか。あ、ロウさんもさっきのクエストで狩技使ってましたよね?えっと……技の名前は……。」スタスタ

 

ロウ「桜花気刃斬な?俺は元から太刀だから、いつもあれ使ってて使いどころは何となく解ってるんだ。それに俺のスタイルにもピッタリだしな。」

 

マオ「スタイル……?」キョトン

 

ロウ「お前……まさかスタイルも知らないって言うんじゃないだろうな?」(汗)

 

マオ「?……知りませんけど?」 

 

ロウ「狩技知っててスタイル知らんのか……はぁ。しゃあねぇ、飯を食いに行くがてらそれの説明もしてやるよ。」スタスタ

 

 

    ~マクリナ村 集会所 食堂~

 

 

ロウ「……って事だ。」モグモグ

 

マオ「ふむふむ……つまり自分に合うスタイルと言うものを選択して、それに合わせて狩技を選ぶと言うことでふか。」モグモグ

 

ロウ「まぁそういう事だ。と言うことはさっきの狩りでマオが昇竜撃使ったのは、故意ではなくたまたまだったって事になるのか?」モグモグ

 

マオ「そういう事になりますね。」モグモグ

 

ロウ「やれやれ……そういや1つ気になったんだが、集会所に戻って来てから誰にも会ってねぇな。ここの食堂にも俺達以外誰もいねぇし……。」モグモグ

 

マオ「そういえばそうですね……何かあったんでしょうか?」モグモグ

 

銅羅娘「あれぇ?あなた達知らないんですかぁ?今マクリナ村の方でぇ、何だか獣人族の子供が来てるみたいなんですよぉ。」

 

マオ「獣人族?」モグモグ

 

ロウ「この大陸にあるホロラ村って所に、獣人族って奴等が住んでるんだ。俺もクエスト依頼で何回か行ったことはあるが……また何でこんな遠いマクリナ村にその子供が?」モグモグ

 

銅羅娘「さぁ……私もそこまで詳しい話は聞いていないのでぇ。丁度集会所に居たハンターさん達もぉ、その子供の件で様子を見に行ってるみたいですねぇ。」

 

ロウ「なるほどねぇ……まぁ大方珍しいもの見たさで行ってる奴ばっかだろうな。どうするマオ、俺達も様子見に行ってm」

 

バッ マオ「是非行きましょう!!」←可愛い物好き

 

ロウ「……だろうと思った。」f(^_^;

 

 

    ~マクリナ村 中央広場~

 

 

ザワザワ  ヘンナヤツダナー ザワザワ  コイツモモンスターカ イヤジュウジンコラシイゼ? ザワザワ  ナンデコンナトコニインダロナ ザワザワ エイユウノドウゾウヲミテタヨナ ザワザワ

 

 

マオ「うわぁ……やっぱり人だかりが凄いことになってますね。」

 

ロウ「みたいだな。」

 

???「だぁーかぁーらぁぁ!!僕はママを探しに来たんだって言ってんだろうがぁ!」

 

ロウ「おっ……あの広場で怒鳴り散らしてる奴が、その獣人族の子供みたいだな。」スタスタ

 

マオ「あっ、村長さんだ!村長さーん!」タッタッタ

 

村長「ん?おぉ、マオではないか。集会所の方へ行っておったのか?」

 

マオ「はい。この騒ぎはもしかして……。」

 

村長「うむ、どうやらマオも知っておるようじゃな?例のホロラ村から来た子供じゃ。先程からその子に詳しい話を聞こうとは思っとるんじゃが、ママを探しに来たの一点張りで話を聞こうともしないのじゃ。」

 

マオ「ママですか……?」

 

ロウ「なるほどな……大方この近辺で迷子になって、そのママとやらの情報集めでマクリナ村にやって来たってとこか。」

 

村長「おお、誰かと思えばロウではないか。いつこっちに来たんじゃ?」

 

ロウ「つい2日程前にね……相変わらず元気にしてるみたいだな村長。」

 

マオ「村長さん、ロウさんと知り合いなんですか?」

 

村長「うむ。」

 

ロウ「俺がこの村に来た際に村長がクエスト依頼をしててな……それで俺が引き受けた時からの仲だよ。」

 

マオ「そうだったんですか……。ちなみに村長さんはその時、何のクエスト依頼を出してたんですか?」

 

村長「んーなんじゃったかな……随分昔の事じゃったから忘れてもうたわい。」

 

ロウ「まぁ他愛もない依頼だ。マオ、お前には関係のないことだよ。」

 

マオ「そうは言ったって……村長さんは滅多な事でクエスト依頼なんかしませんし、この流れからして凄く気になるじゃないですか。」

 

ロウ「そんなもん知らん。」

 

マオ「うぅ……。」

 

???「ママに会わせろぉぉぉ!!!」

 

ロウ「……そんなくだらん事より、ホロラ村の子供の様子を見に行った方が良いんじゃないのか?お前その為にこっちに来たんだろ?」

 

マオ「あっ……そういえばそうでした。じゃあすみませんが村長さん、失礼します!」タッタッタ

 

村長「うむ。」

 

ロウ「じゃあ村長、俺も失礼します。」スッ

 

村長「解った。」

 

ロウ「あ、村長。村長が出したクエスト内容……まだアイツには話していません。」

 

村長「……そうか。まぁその方が良いじゃろう……※10年前にこの村を襲ったモンスターを討伐してくれと言う依頼※など、あの子にとってはトラウマものじゃろうしな。」

 

ロウ「……やはり※あの子が英雄の子※でしたか……顔と名前ですぐ解りましたよ。」

 

村長「あぁ……じゃからワシがずっとあの子を支えてきたのじゃ。あの時の償いをかねて、な。」

 

ロウ「そんな……あれは村長のせいじゃありませんよ!俺があいつの両親を守れなかったのが悪いんです。」

 

村長「ロウよ、決してお前のせいではない。ワシももうもう少し若ければ、ハンターとなりあのような惨劇にはならんかった筈じゃ……悲しいものだな、ワシもハンターをやっていた頃は敵無しじゃったのに、歳にはもがいても足掻いてもどうしようもない。」

 

ロウ「村長……。」

 

村長「ロウ……これからマオの事、宜しく頼んだぞ。」

 

ロウ「はい……。」

 

 

ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ

 

 

???「お前らどけよっ!僕は見世物じゃねーんだよ!!」

 

ティガ装備ハンター「だからといって、お前を一人にすることはできないんだよ。」

 

ジン装備ハンター「君、パパとママはどうしたの?一人かい?」

 

???「うるせーなぁ!僕はママを探しに来たっていってんだろ!いい加減にどけよっ!」

 

ゼクス装備ハンター「そうは言ってもね!ホロラ村から来たからって、君を一人にするわけには行かないの!何度言ったら解るのよ!」

 

???「うっせーよブス!!お前になんか言ってねぇっつーの!」

 

ピキッ ゼクス装備ハンター「ブッ……ブスですってぇ!?このっ……!」

 

???「おっ、殴るのかよ?別にホントの事言ったまでだろーが!」

 

ボソッ ガンキン装備ハンター「まぁ確かにこいつはブスだな……。」

 

ナルガ装備ハンター「まぁね。いつも討伐クエで1乙するし……。」

 

クワッ ゼクス装備ハンター「聞こえてるわよそこぉっ!!」

 

???「ふふーんだ!ざまぁみろ!」

 

ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ ガヤガヤ ザワザワ

 

マオ「あ、すみません……通してください。」スッ

 

???「ん……?」チラッ

 

ヒョコ マオ「……」(あの真ん中にいる子が、ホロラ村から来た獣人族の子供かな……?)

 

???「あっ!ママ!!」バッ

 

マオ「え……?」

 

ドサッ マオ「痛っ!」

 

???「ママ!ママ!会いたかったよママァ!!」スリスリ

 

マオ「え……え……?」( ゚д゚)ポカーン

 

 

全員「エェェェェェェェェェェェー!!?」

 

 

     ~マクリナ村 中央広場~

 

 

受付嬢「いやーマオさん助かりましたよー。集会所にいらしてたハンターさん達が一気に村に集まって来たもんですから、さすがの私でもどうする事が出来なかったもんでー。」

 

マオ「は、はぁ……。」

 

受付嬢「それにしても……。」チラッ

 

???「ママ!ママ!」スリスリ

 

受付嬢「マオさんが、その子のお母さんだったなんてねぇー?」ニヤニヤ

 

マオ「違いますからっ!!どう考えても違いますから!!私まだ14歳だし結婚とかしてませんし、ましてや子供もいませんからぁっ!?」

 

受付嬢「でも他のハンターさん達は、色々納得されたようで帰られましたし……俗に言う結果オーライって奴じゃないですか?」

 

マオ「いやいや……現にこの子が私の足にしがみついて離れませんし、全然結果オーライしてませんからね!?」

 

???「ママー!」スリスリ




これで6話は終わりになります。

中途半端で区切ってしまって申し訳ありません。すいません許してください!何でもしますから!

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩7 賢狼族 ホロの嘆き

あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となった新人の駆け出しモンスターハンターだ。集会所で野良ハンターのロウと出会い、下位のキークエストであるアオアシラを見事討伐する。」

あらすじ「無事クエストを終えて集会所へ帰ってきたロウとマオは集会所の食堂で、マクリナ村にホロラ村からやって来た獣人族の子供が迷い込んできたと聞き、興味本意で彼女達は村へと赴いたのだが……?」

???「ママー!」

マオ「一体全体、どういう経緯で私がママ……?」


♪OP♪


     ~マクリナ村 中央広場~

 

???「ママー!会いたかったよー!」スリスリ

 

マオ「……。」

 

ロウ「そいつが例の獣人族のガキか……?にしてもマオ、お前獣人族の奴と子供を作ってたとはな……。」

 

マオ「断じてあ・り・ま・せ・ん!!!」

 

???「そんな……ママ僕の事嫌い?」(;_;)

 

ザクッ マオ「ぐっ!」(物凄いうるうる上目遣いっ……!)←可愛い物好き

 

マオ「き、嫌いも何も……私達さっき初めて会ったばかりじゃないですか?」

 

???「ママ!もしかして僕の事忘れちゃったの!?」

 

マオ「だ、だから……。」(汗)

 

ロウ「にしてもよ……何故こんな獣人族のガキが、マオの事をママって言うんだ?」

 

村長「ふぅむ……ひょっとすると、その子の母親とマオの容姿が似ているのかもしれんの。」

 

受付嬢「なるほどぉ!だからこの子は勘違いを起こして、マオさんの事をお母さんだと思ってるんですね!」

 

???「違うもん!この人は僕のママだもん!ママー!このおっさんとジジイとオバサンが虐めるよぉー!」

 

村長「ジジイじゃとっ!?ワシはまだ40代じゃぞ!それに白髪もまだ生えとらん!」

 

受付嬢「オバッ!?私はまだ10代だよっ!?こんな可愛い私をオバサン扱いしないでくださいぃ!」

 

ロウ「……まぁ俺はおっさんだから否定はしないが。」

 

マオ「あははは……。」

 

ロウ「おいガキ、名前は?」

 

???「言わない。」

 

ロウ「はぁ?お前ふざけてんじゃねーぞ!それとも名前がねぇのかよ!」

 

マオ「ロウさん!あんまり子供に怒鳴らないでください!可哀想じゃないですか!!」

 

受付嬢「そうですよっ!泣いちゃうでしょ!」

 

村長「ロウよ、今の言葉は控えるべきじゃぞ。」

 

ロウ「何で俺が悪者みたいになってんだよ……。」

 

ロウ「……君、名前は?」

 

???「言わない。」

 

イラッ ロウ「ぐぬぅぅ……!」

 

マオ「ねぇ、僕のお名前は何て言うのかな?」

 

ホロ「ホロ!賢狼族のホロだよママ!忘れちゃったの?」

 

マオ「えっとホロくんね?ちなみに賢狼族って……?」

 

村長「賢狼族……?はて、何処かで聞いたことがあるような……。」

 

ロウ「賢狼族って言えば、ホロラ村の長に当たる奴等の事だ。と言うことはお前、ホロラ村村長の息子か?」

 

ホロ「言わないよ。」

 

受付嬢「ダメだよホロ君、質問にはちゃんと答えようね?」

 

ホロ「黙れオバサン。」

 

受付嬢「……」

 

受付嬢「うえぇぇぇん……またオバサンって言われた……。」

 

マオ「ホロ君、あんまり悪口を言って困らせちゃ悪い子になりますよ?」

 

ホロ「うん!解ったよママ!!」スリスリ

 

ロウ「人によってコロコロ態度変えるのが上手いガキだな……。」

 

村長「ふうむ……それなら1度ホロラ村の村長に連絡を取って、もし必要であればこの子を迎えに来てもらった方が良いかもしれんの。」

 

受付嬢「その方が良さそうですねー。」

 

ロウ「じゃあその間、このガキはどうするんだ?俺的には村長が預かってくれたら色々楽だと思うがな。」

 

村長「そうした方が良いじゃろう。ホロラ村の長と連絡を取り合うにも都合が良いと思うしのう。じゃあホロ君や、ワシの家でゆっくりs」

 

ホロ「やだ!僕ママと一緒が良い!!」ガシッ

 

マオ「えっ……。」

 

ロウ「おいガキ、お前のワガママなんざ聞いてねぇんだよ……大人しく村長の家にいろ。」

 

ホロ「やだっ!!」ギュー

 

ロウ「チッ……世話の焼けるガキだ。いい加減にしとかねぇとコイツでたたっ斬るぞ?」チャキ

 

ホロ「っ!」ギュー

 

マオ「ロウさんっ!貴方がいい加減にしてください!この子怯えてるじゃないですか!」

 

ホロ「ぐすっ……。」

 

ロウ「……わあったよ。」スッ

 

マオ「ホロ君……もし村長さんの家が嫌なら、両親の方が来る間私の家に来ませんか?少し汚いですけど、もう一人ぐらいは十分空きが有りますんで。」

 

ホロ「ホントッ!?」

 

マオ「はい。」

 

村長「それじゃあホロラ村から何か連絡が来れば、ワシが直接伝えるようにしよう。マオの家はワシの家からも近いし、それにマオに偉く懐いておるようじゃからな……そっちの方がええじゃろう。」

 

受付嬢「また私の家にも遊びに来てね、ホロ君!」

 

ホロ「やだ。」

 

受付嬢「ガーン……。」

 

ロウ「おい……本気でそのガキ預かるつもりかよ?ホントに大丈夫か?」

 

マオ「大丈夫ですよ。預かってる間に、きっとこの子も落ち着くと思いますから。」

 

ロウ「俺が言ってるのはそういう事じゃないんだが……まぁ気を付けろよ。」

 

マオ「? どういう事ですか?」

 

ロウ「なんでもねぇよ。とりあえずマオがそのガキを預かるなら、しばらくクエストの方は無理そうだな。」

 

ホロ「ママー!早くお家案内して?」

 

マオ「あー……そうなりますね。」

 

ロウ「んじゃ、俺は集会所へ戻って適当に狩りでもして帰るわ……こんな面白くねぇとこに居たら時間の無駄だからよ。」スタスタ

 

村長「そうか……あまり無理はするでないぞ、ロウよ。」

 

ロウ「解ってるよ、村長。」スタスタ

 

村長「ではワシも騒動が治まった事じゃし、一旦うちに戻ることにしよう、もうこんな時間じゃしな。」

 

受付嬢「お気をつけて~。」ノシ

 

マオ「……じゃあ、私達も帰りましょうか?」

 

ホロ「うん!ママの家楽しみだなー!」

 

マオ「あの……そろそろ私の事、ママって言うの止めていただきたいんですが……。」

 

ホロ「えっ!そんなっ……ママはママだよ!何でやめてって言うの!?嫌だよ!ママはママだもん!!」ウルウル

 

グサッ マオ「あぐっ!」←可愛い物好き

 

マオ「あー……もう……解りましたよ。私の事はママで良いです、だからもう泣かないでください。」

 

ホロ「わーい!ママ大好きー!!」スリスリ

 

マオ「うー……。」

 

マオ(まぁ……少しの間だけなら良いですよね。)

 

受付嬢「お疲れさまでした~。」ノシ

 

 

     ~マクリナ村 マオの家~

 

 

スタスタ マオ「ふぅ……何か色々疲れました。あ、寝る前にアイテムポーチの整理をしないと……。」スッ

 

スタスタ ホロ「わー!ここがママの家かー!!」

 

マオ「はい。私一人で住んでますんで、適当にくつろいでもらって構いませんよ。えーと……今日アオアシラから剥ぎ取った素材はこっちにしまって……。」ガサゴソ

 

ホロ「ねーママ、お腹空いた。」

 

マオ「あ……じゃあ生肉を焼きますんで、少し待っててくれますか?」

 

ホロ「ありがとう!僕こんがり肉とか大好き!!」

 

マオ「フフッ、ではすぐに支度しますね。」

 

………………………………………………………………………………………

 

ホロ「はぁー美味しかったぁ!もうお腹一杯だよ!」

 

マオ「それなら良かったです、私も頑張って焼いた甲斐がありました。」

 

マオ(肉を焼いたのは初めてだったので、コゲ肉が何個か出来ちゃいましたけど……。)

 

ホロ「ママ……僕ね、何でこの村に来たと思う?」

 

マオ「さぁ……どうしてですか?」

 

ホロ「僕ね、このマクリナ村に英雄さんがいるって聞いたから、その英雄さんを探しに来たんだ。」

 

マオ「英雄さん……?もしかして、村の中央にあった銅像の人を探しに、この村まで来たんですか?」

 

ホロ「うん……最近僕の村の近辺にね、あるモンスターが徘徊するようになったんだ。」

 

マオ「モンスターがっ……!?」

 

ホロ「そうなんだ……だから村の皆は怖くて村を出たくないって。そのせいで大人の人が近くの街まで買い出しとかにも行けなくて、僕みたいな子供の遊び場も無くなって……。」

 

ホロ「だから僕は家にあった地図を持って夜中に村を抜け出して、今の今までずっと歩いて来たんだ。この村にいる英雄さんに、そのモンスターを討伐してもらおうと思って。」

 

マオ「そうでしたか……でもどうしてこの村に着いた時、ママを探してるって言ってたんですか?」

 

ホロ「僕ね、自分の村ではパパとママと3人で暮らしていたんだ。それでモンスターが徘徊するようになった時から、突然ママがいなくなって……パパに聞いても教えてくれなくて。村で大人の人達がコソコソ話してるのを聞いたんだ……僕のママはそのモンスターに食べられたって。」

 

マオ「そ、そんな……!」

 

ホロ「だから僕は、ママはホントは食べられたんじゃなくて、そのモンスターを倒して欲しいって他の村か町に助けを呼びに行ったんじゃないかなって思って……この英雄さんがいた村にいるんじゃないかって思って……ひぐっ……うぅ……。」

 

マオ「だからホロは、この村でママと呼んでたんですね……。ですが、どうして私の事をママと?」

 

ホロ「顔と雰囲気がとっても似てたから……だからお姉ちゃんを見たとき、ママだって思ったんだ。でも違ったけど……僕を助けてくれるって思って。」

 

マオ「ホロ君……。」

 

ホロ「でも……僕もう泣かないんだ!だってこの村には、あの銅像になってる英雄のハンターさんがいるって聞いたから!頑張ってここまで歩いたけど、これで村の周りで徘徊してるモンスターも退治してくれるし……これぐらい大丈夫だよ!ありがとね、お姉ちゃん!」(^-^)

 

マオ「い、いえ……。」

 

ホロ「あ、そう言えばお姉ちゃんもここのハンターなんだよね?だったら英雄さんの住んでる家って解る!?」

 

マオ「ホロ君……その事なんですが……。」




これで7話は終わりになります。

書き貯め分が少なくなってきちゃいました……更新スペースが落ちてしまう。待っていただいている皆様には大変申し訳ありません……ですが精一杯書かせていただきます!(駄文だけど……。)

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩8 ホロラ村へ向けて

あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となった新人の駆け出しモンスターハンターだ。下位クエストのアオアシラを討伐した後、マクリナ村に突如ホロラ村からやって来た、賢狼族のホロと出会う。」

あらすじ「マオは仕方なく賢狼族のホロを自宅に泊まらせ、なぜマクリナ村へやって来たのかを聞くと、そこには思いがけない理由があったのだった。」


ホロ「僕の村の近辺に……大型のモンスターが徘徊するようになったんです。」

マオ「モンスターが……!?」


♪OP♪


     ~マクリナ村 マオの家~

 

 

マオ「ホロ君……その事なんですが……。」

 

ホロ「?」

 

マオ「その英雄さんと言うのは実は……私の父と母なんです。」

 

ホロ「えっ?そうなの!?じゃあすぐに会わせて!僕の村近くにいるモンスターを討伐してって言うからさ!」

 

マオ「それが……もういないんです。」

 

ホロ「ど……どういう事?」

 

マオ「今は傷跡がほとんど残っていませんが、十年前にこのマクリナ村はモンスターの襲撃にあってしまい、そのモンスターの討伐に出ていた私の父と母は……死んでしまったんです。」

 

ホロ「う、嘘だ!そんなでたらめな事、僕は信じないぞ!ひどいよお姉ちゃん!僕にそんな嘘を言うn」

 

マオ「嘘じゃありません!!」

 

ビクッ ホロ「!」

 

マオ「全部……本当の事です。そしてその時取り残されてまだ小さかった私を保護してくれたのは、他の誰でもないマクリナ村の村長さんなんです……。」

 

ホロ「じゃ!じゃあ!あの広場に立ってた銅像はっ!?」

 

マオ「あれは父と母が生きていた証として建てられたものです……この村を救った英雄として、あの中央広場に建てられました。」

 

ホロ「そ……そうだったんだ。じゃあ僕は……一体何のためにこの村へ……。」ペタッ

 

マオ「ホロ君……。」

 

ホロ「僕はどうすれば良いの……?このままじゃあ……あのモンスターを倒さないと……僕の村は……。」

 

マオ「……ホロ君!!」バッ

 

ホロ「えっ……な……なに?」

 

マオ「私もモンスターを狩りするハンターの一人です……!だから私が、そのホロラ村に徘徊してるモンスターを倒してみせます!」

 

ホロ「えぇっ!?む、無理だよ!!いくらお姉ちゃんがハンターって言ってもそんな弱そうな装備じゃ、絶対あのモンスターに勝てっこないよ!」

 

マオ「大丈夫です!私これでも、今日も軽く1つのクエストをクリアしたんですから!」

 

ホロ「お、お姉ちゃんそんなに強いのっ!?」

 

マオ「も、もちろん!!」(汗)

 

マオ(うぅ……自分から撒いた種とはいえ、集会所でロウさんと下位のクエストをやったとはとても言えそうにない……。)

 

ホロ「そっか……そうだよね!英雄ハンターさんの子供のお姉ちゃんなら、絶対強いに決まってるよね!!だったらあのティガレックスも倒せるよね!」

 

マオ「そうですよ!きっと大丈夫……今、何て言いました?」

 

ホロ「え?ティガレックスを倒せるよねって……。」

 

マオ「ティガレックスって……あの凶暴って噂の?」

 

ホロ「うん、そうだよ?」

 

マオ「そ、そうですか……でも大丈夫ですよ!!ホロ君やホロラ村の皆さんの為にも、絶対に倒して見せますから!!」

 

ホロ「わーい!ありがとうお姉ちゃん!!これで村の皆もきっと喜ぶよ!!」

 

マオ「えぇ!どうぞ大船に乗った気分でいてください!!」

 

ホロ「うん!!……ふわぁーあ……何か安心したら眠くなってきちゃった……お姉ちゃん、ベッド借りても良い?」

 

マオ「あ、はい……良いですよ。」

 

ホロ「じゃあ僕先に寝るね……おやすみなさい、お姉ちゃん。」ポフッ

 

マオ「おやすみなさい、ホロ君。」

 

ホロ「うん……zzz」

 

マオ「……さてと、ロウさんにティガレックスの事を詳しく聞きに行きますか。」スッ

 

 

スタスタ ロウ「話は全部聞いた……。」

 

 

マオ「うわぁっ!……ロウさん、いつから私の家の玄関に?」

 

ロウ「ん……マオが肉を一生懸命焼いて焦がしまくってる所からだな。」

 

マオ「……それ前回の話の真ん中ぐらいですよね?」

 

ロウ「そうなるな……で、俺にティガレックスの事を聞くんだろ?」

 

マオ「はい、是非お願いします……この子の為にも。」

 

ロウ「全く……実力もほとんど無い癖に面倒なクエストを引き受けやがって。お前のその非力な装備で勝てるほど、奴は甘くないんだぞ?」

 

マオ「でも……私も立派なハンターの一人ですし、それにこの子の話を聞いてて……居ても立ってもいられなくなってしまって。」

 

ロウ「まぁそのガキが自分の村の為にここまでするとあっちゃ、俺等も手伝ってやらなきゃ流石に気の毒だろうからな。」

 

マオ「え……ロウさん、俺等もって……?」

 

ロウ「俺も手伝ってやるって言ってんだよ。今回ばかりはお前一人じゃ、奴相手には流石に無理がある。」

 

マオ「本当ですかっ!?ありがとうございます!」

 

ロウ「気にすんな。俺も乗り掛かった船だ、暇潰しがてら付き合ってやるから、今すぐに支度しろ。」

 

マオ「え?今からホロラ村へ行くんですか?」

 

ロウ「ちげーよ、集会所だ。流石に俺が上位に行ってるとはいえ、マオにも頑張ってもらわねぇと奴相手には厳しい……だから俺とマオの装備と武器を強化する必要があるんだよ。それともそのままの装備で行って、奴に無様にいたぶられたいか?」

 

マオ「……解りました、すぐに準備します!ロウさんは先に集会所で待っていてくれませんか?」

 

ロウ「へいへい、じゃあ先に行って待ってるぜ。」スタスタ

 

マオ「あ、ロウさん。」

 

ロウ「ん……なんだよ?」

 

マオ「さっき私の玄関前にずっと居たって言ってましたけど……さすがに身の危険を感じますのでやめてくれませんか?」

 

ロウ「………………努力する。」

 

 

    ~マクリナ村 集会所 受付前~

 

 

ロウ「……おっ、やっと来たか。」

 

タッタッタ マオ「すいません!遅くなってしまいました!」

 

ロウ「ちゃんとアイテムポーチの中はバッチリだろうな?」

 

マオ「大丈夫です!……それにしても、やっぱりこの時間は他のハンターさんはいないようですね。」

 

ロウ「良し、じゃあさっさとクエストに行くぞ。もう俺が受注をしているから、マオは受付横にあるクエスト板で参加するんだ。流石にそれぐらいは解るだろ?」

 

マオ「了解です!……ちなみに何のクエストを受注したんですか?」

 

ロウ「それは見てからのお楽しみだ。」

 

マオ「はぁ……。」

 

 

タッタッタ マオ「ろ、ロウさん!!」

 

ロウ「おっ、どうやら参加してきたようだな。」

 

マオ「こ、これっ!一体どういう事ですか!?」ピラッ

 

………………………………………………………………………

 

○題名 火山で咆哮!ティガレックス!!

 

○目的 ティガレックスの討伐

 

○場所 火山 ~昼~

 

○依頼者 炭鉱夫の一人

 

 

俺はいつものように鉱石を掘っていたんだ。そしたらとんでもねぇ化け物が現れやがったんだ!やべぇよやべぇよ……あんなの絶対俺じゃ勝てるわけ無いってはっきりわかんだね。じゃあ依頼するから、ハイヨロシクゥ!

……………………………………………………………………

 

ロウ「どうだ?本番前の肩慣らしにとても良いクエストだろ。俺が教えるより実際にぶつかった方が早いと思ってな。」

 

マオ「それはそうですけど……これ下位クエストは下位クエストなんですが、高難度って書いてるんでかなり難しいクエストじゃ……?」

 

ロウ「マオ一人だけならそりゃ無理だろうが、上位の俺がいるから大丈夫だよ。なぁに、今回の討伐では見てるだけで良い……さすがに初期装備じゃ1発食らうだけでお陀仏だろうからな、ついでに俺の実力もちゃんと再確認しとけ。」

 

マオ「は、はぁ……。」

 

ロウ「それじゃ早速行くとするか。あのガキをホロラ村まで護衛しに行くまで、あまり時間がねぇからよ。」スタスタ

 

マオ「はい。」スタスタ

 

マオ(私も立派なハンター……いつかは一人でも狩れるように今は力を付けないと。せめてこのロウさんが付いている間は……。)

 

マオ(そして……あの人のように……!)グッ

 

受付嬢「いってらー。」ノシ

 

 

 パープー ~火山で咆哮!ティガレックス!!~

 

 

     ークエスト を 開始しますー

 

 

     =地底火山 ベースキャンプ=

 

 

スタスタ マオ「ここが……地底火山ですか。」

 

スタスタ ロウ「あぁ。目の前に馬鹿デカイ大穴が開いてるだろ?その崖から飛び込んでティガレックスの居る場所まで行くんだ。」

 

ビクッ マオ「えっ!?この穴に飛び込むんですかっ!?無理です!!絶対無理です!!」

 

ロウ「無理って言っても、俺や他のハンターの奴等は何の躊躇もなく普通に飛び降りるぞ?それに安心しろ、俺達ハンターはどんなに高いところから飛び降りようが無傷だからな。」

 

マオ「じゃあ私も……?」

 

ロウ「そうなるな……基本的にそういう体の造りになってる。」

 

マオ「それはそれで……私達もモンスターに劣らないほど、充分化け物みたいですね。」

 

ロウ「まぁそんな話はどうでも良い。とにかくこの火山の奥にいるティガレックスを狩らねぇと、クエストクリアにならないんだからな。ちゃんと支給品は持ったな?」

 

マオ「バッチリです。」

 

ロウ「良し、じゃあ早速お前から飛び降りろ……見ててやるからさ。」

 

マオ「わ、私からですか……?それはちょっと心の準備がいると言うか少し待ってt」

 

ロウ「早く行かんかい!!」ガッ

 

フワッ マオ「ちょっ……!?」

 

ヒューン マオ「キャァァァァァァァァ…ァァァ………!!」

 

ロウ「……」

 

マオ「……」スタッ

 

ボソッ ロウ「着地したな……。」

 

マオ「……ァ、ロウサン!ロウサンノイッタトオリ、ゼンゼンヘッチャラデス!オリテキテクダサイー!」

 

ロウ「世話の焼ける奴だ……。」




これで8話は終わりになります!

無理な展開があったかなぁ……敢えて気にしないことにしよう……!

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩9 轟竜 ティガレックス

あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となったマクリナ村出身の駆け出しモンスターハンターだ。マクリナ村に突如やって来たホロラ村の獣人族のホロは、マオに連れられて彼女の家に赴く。」

あらすじ「マオは獣人族のホロから、なぜマクリナ村へ来たのか事情を聞くと、今ホロラ村周辺で大型モンスターのティガレックスが徘徊し、村の皆は村を出ることすら出来ない状況との事。そしてマクリナ村に居る英雄のハンターにモンスターを狩ってもらうため、わざわざここまで来たと話す。」

あらすじ「マオは居ても立ってもいられなくなり、英雄ハンター代わりに自分がティガレックスを討伐するとホロと約束を交わし、野良ハンターのロウと共に、集会所にて特訓を始めるのだった。」



       =火山 地下エリア=

 

 

マオ「あ……暑いです……モンスターを狩る前に、こっちが暑さで力尽きそうです……。」

 

ロウ「マオ……お前クーラードリンクは持ってきてないのか?もし持ってきてなかったとしても、ちゃんと支給品ボックスに入ってあっただろ?」

 

マオ「いえ……飲んだのは飲んだんですが……暑いものは暑いんです!!」

 

ロウ「叫ぶぐらいの元気があるなら我慢しろ。ほら、とっとと行くからな。」スタスタ

 

マオ「あっ!ちょっと待ってくださいよー!」タッタッタ

 

 

      =地底火山 地下エリア1=

 

 

マオ「暑い……火山って何でこんなに暑いんですかぁ……?」フラフラ

 

ロウ「火山に聞け。それよりマオ、ちゃんとその辺りに採取できるポイントがあるから、少しでも採取しとけよ?装備の強化で使ったりするものがあるから、しといて損は無い。」スタスタ

 

キョロキョロ マオ「んー……?あ、これですか?何かここだけ青色に光ってる石がありますよ?」

 

ロウ「それだ。ちなみにそいつはピッケルが無いと掘れねぇから、もし採取目的でこの火山へ来る時は忘れずに持ってこい。」

 

マオ「大丈夫です、ここへ来るときは寒くて凍え死にそうな時だけですから。」スタスタ

 

ロウ「やれやれ……で、ちゃんと持ってるか?ピッケル。」

 

ゴソゴソ マオ「ありますよっと……!」スッ

 

ロウ「ふむ……それは支給品にあった普通のボロピッケルか。マオは普段持ち歩いていないのか?ピッケル。」

 

マオ「だって私ハンターですからね、こういう採掘や採取は割に合わないと思ってますんで。」スッ

 

ロウ「ふぅ……そのハンターの先輩として言うが、お前……後で絶対に後悔するタイプだな。今は俺がいるから構わんが、後々防具や武器を強化するのに、最終的に鉱石や素材が足りないってなるぞ?」

 

マオ「ま……まぁその時はその時って事で!よっと!!」カ ン ッ

 

 

   テロリン 石ころ を 入手しました

 

 

マオ「なんだ石ころですか……これは使うこと無さそうですし、捨てても大丈夫そうですね。」スッ

 

バッ ロウ「待て待て待て待て!石ころを捨てるだとぉ!?お前は馬鹿か!!」

 

マオ「え?」

 

ロウ「石ころはこう見えてもな、俺が持ってるペイントボールや素材玉を作るのに滅茶苦茶貴重なんだぞっ!?捨てるなど邪道だ!」

 

マオ「あ……そうなんですね。レア度も1ですしてっきりハズレ素材なのかと思っちゃいましたから……じゃあ取り敢えず持っておくことにします。」ゴソゴソ

 

ロウ「素材や鉱石は基本的にハズレなんかねーよ。ハズレ素材やゴミ素材ってのは、お前が家で焼いたコゲ肉みてぇな使い物にならんものを言うんだ。」

 

マオ「もー!それはもう言わないでください……よっ!」カンッ

 

 

  テロリン マカライト鉱石 を 入手しました

 

 

マオ「あっ、何かレアそうなのをゲットしました!」

 

ロウ「マカライト鉱石だな……武器強化や防具作成で使うことが多いから持ってて損はねぇ。マオが一人でクエストへ行くときは、モンスター討伐だろうがただの納品だろうが、必ず採取ポイントは回っとけ。良いな?」

 

マオ「りょーかい……しましたぁ!」カンッ

 

 

     テロリン 鎧玉 を 入手しました

 

 

     =地底火山 地下エリア2=

 

 

スタスタ ロウ「さて……そろそろティガレックスの場所まで近いだろうし、念のために千里眼を飲んでおくか。このクエストだけに時間かける訳にはいかんからな。」ゴクッ ガッツポーズ

 

スタスタ マオ「え?どうしてですか?」

 

スタスタ ロウ「マオも言ってただろ、朝になったらあのガキをホロラ村まで護衛するってな。今は真夜中にこのクエストを受けてんだ、時間の許す限りこのクエストで素材を出来るだけ集めて、マオの装備強化と俺の装備も強化しねぇと厳しいんだよ。」

 

マオ「えぇっ!このクエスト何回もやるんですかぁ!?」

 

スタスタ ロウ「ティガレックスの事を知りたいって言ったのはマオだろうが。それにマオもずっと初期装備のままじゃあ、いつまで経っても他のハンターにヒヨッ子扱いされるぞ?まぁ最近、俺もティガレックスの素材が欲しいと思ってたから丁度良かったがな。」

 

スタスタ マオ「うー……解りました。」

 

スタスタ ロウ「で、ここのエリアの採取はもう済んだのか?」

 

スタスタ マオ「はい、無事に何とか終わりましたぁ……コロコロ転がってくる小型モンスターに、何度か体当たりされましたけど。」

 

スタスタ ロウ「なるほど……だから体力が削られていたのか。しかしマオ……ティガレックスは基本俺が相手をするが同じエリアにいる以上、いつお前にも攻撃が飛んでくるか解らん。一応応急薬を飲んで体力を満タンにしておけ。あとスタミナやクーラードリンクの残にも気を付けろよ?」

 

スタスタ マオ「了解です。……そろそろティガレックスの居る場所に着きますか?」

 

スタスタ ロウ「あぁ……このエリアを抜けたすぐ先に奴が居る。前のアオアシラのように不意討ちできるとは限らんから、いつでも良いように準備しとくんだぞ?」

 

スタスタ マオ「はい!」

 

ロウ「良い目だ……じゃあ行くぞ!」バッ

 

 

    =地底火山 大型モンスターエリア=

 

 

ピクッ ティガ「!!」

 

ビクッ マオ「ひっ!?」

 

 

ティガレックスのいるエリアに入った瞬間、マオ達とティガレックスはお互い正面を見合わせていた。ロウは慌てる様子がなかったが、間近でティガレックスを見たマオは、アオアシラとは違う荒々しいモンスターの獲物を見つけた眼光に、一瞬だけ怯んでしまった。

 

 

ロウ「チッ……よりにもよって真っ正面で鉢合わせか!とりあえずペイント玉だっ!」ブンッ

 

 

ロウはすかさずアイテムポーチからペイント玉を投げつけ、ティガレックスの顔に見事命中させる。ペイントボールが当たった衝撃により、ティガレックスも2人を獲物と判断したようで、食す為に弱らせようと2本の前足を地面にガッチリと固定し戦闘体勢へと入った。

 

 

ティガ「グルルル……!」

 

ロウ「奴の咆哮が来る……!マオ!急いで離れろ!!」ダッ

 

マオ「大丈夫です!私には盾がありますから!」バッ

 

タッタッタ ロウ「バカ野郎!奴の咆哮は他のモンスターとは違っ……!!」

 

ティガ「「ガァァァァァァァァァ!!」」

 

 

大きな体から発せられたティガレックスの咆哮が、火山エリア全体に大きく轟いた。ロウは咆哮の衝撃に備え緊急回避でかわしたが、ティガレックスのすぐ傍に居たマオはしっかり盾を構えていたにも関わらず、体力ゲージをごっそり削られつつ一気に吹き飛ばされてしまった。

 

 

マオ「キャァ!!」ズザザザ

 

ロウ「マオッ!!くそっ……マオの奴1発もらっちまったか。」ダンッ

 

スッ マオ「いったぁ……盾でガードしたのに、何でまともに……!」チャキ

 

ティガ「グァァァ!」ガッガッガッガ

 

マオ「くっ!」(避ける隙間が無い!)バッ

 

 

ティガレックスの咆哮により吹き飛ばされたマオは壁端に追い詰められており、ティガレックスは攻撃を仕掛けにいくロウをよそに、2本の前足を巧みに使い瞬く間にマオとの距離を詰めていった。素早いスピードで迫ってくるティガレックスを見て避けられないと判断したマオは、瞬時に右手の盾を構え防御体勢に入る。

 

 

ティガ「ガァァ!!」グワッ

 

ガキィィン マオ「うぐっ!!」(何て力っ……!)

 

ロウ「ぬぉらぁ!」ズバババ

 

 

背後から迫ったロウが愛用の太刀を用い、ティガレックスの尻尾を切り裂いた。マオは盾で攻撃を防いだ反動でまだ体勢を整える事が出来ず、ティガレックスはマオから自身を攻撃するロウにターゲットを変え、振り向き様に彼を睨み付けた。それを見ていたロウも眼光に気づき、挑発するかのような気迫で睨み返す。

 

 

ティガ「グァァァン!」ガッガッガッガ

 

バッ ロウ「へっ……!やっとこっちに注目してくれたかっ!」ブンッ

 

 

ロウは先読みしてティガレックスの突進を回避すると、すれ違い様に太刀の連撃を綺麗に当てていく。一方ティガレックスはロウの斬撃をものともせず、そのままエリアの端から端まで突進していった。その頃ようやく体勢を整えたマオが彼の元へ近づき、ロウと同じくティガレックスを見据え片手剣を構える。

 

 

ロウ「マオ、今の内に回復しておけ……奴は見かけより素早く攻撃範囲もかなり広いからな。」

 

マオ「はい……あのティガレックスが最初にした咆哮ですが、私が盾を構えたのに何故か無効化されました……あれは一体どうしてですか!?」

 

ロウ「奴は通称轟竜……他のモンスターと違い、奴の咆哮には衝撃波が生じる。近くにいれば普通の盾では防ぐことは出来ん……ある程度離れていたならガードは可能だがな。」

 

マオ「そういう事でしたか……ガード判定無視されたのかと思ってビックリしちゃいました……。」

 

ロウ「奴は俺の獲物だ、マオがやる事はとにかく逃げ回って奴のタゲ取りだけに専念しろ。その間に俺が始末する……!」チャキン

 

マオ「…………嫌です!」チャキ

 

ロウ「はぁ!?」




これで9話は終わりになります。

ティガの判定あってたかな……間違ってたらその仕様と言う事で(汗)

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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狩10 マオの決意と意思

あらすじ「彼女の名前はマオ。今年で14歳となったマクリナ村出身の駆け出しモンスターハンターだ。マクリナ村に突如やって来たホロラ村のホロの悩みを聞いたマオは、野良ハンターのロウと共に、村まで護衛に行く朝までの時間制限の中、集会所のクエストで特訓をすることにした。」

あらすじ「二人は火山の奥にいた轟竜、ティガレックスとあいまみえるが、ティガレックスの猛攻によりマオは苦戦を強いられる。それを見かねたロウは当初の作戦通り、マオには逃げていれば良いと伝えるが……。」

マオ「…………嫌です!」チャキ

ロウ「はぁ!?」


    =地底火山 大型モンスターエリア=

 

 

ロウ「おい!最初に俺が言ってた事を忘れたのか!?お前はただ奴のタゲ取りをして、こん中を逃げ回ってりゃ良いって言っただろ!」

 

ティガ「グルルル……!」

 

ロウ「それにさっきも言ったが、奴は俺の獲物だ!お前が下手に手を出したら巻き沿いを食らって、今度こそ力尽きちまうぞ……!」

 

マオ「確かに……私がここをグルグル逃げ回って、その隙をロウさんが突いていって倒すのが一番手っ取り早い方法かも知れません……ですが。」

 

ティガ「ゴァァッ!」ブンッ

 

ロウ「!?……しまっ……!」

 

マオ「!」バッ

 

 

ティガレックスはマオ達の反対側である壁端から、右前足を地面に突き刺しながら抉りつつ、マオ達に向けて溶岩の瓦礫を勢い良く発射した。ロウはマオの方を見ていた為一瞬油断が生じ、迫ってくる溶岩の瓦礫に反応が遅れてしまった。だが……

 

 

         ガ キ ィィィィン

 

 

ティガ「……?」

 

ロウ「ま、マオ……お前っ!」

 

 

瓦礫に直撃するかに思えたロウの前に立っていたのは、何と盾を構えて自信あり気に微笑む新人ハンターのマオだった。ロウがティガレックスの飛ばした溶岩の瓦礫に当たる直前、マオが素早く動き自身の盾でそれを弾いたのである。

 

 

スッ マオ「私も……ロウさんと同じモンスターハンターの一人なんですっ!私だけ呑気に逃げる訳には行きません!!」

 

ロウ「!!」

 

 

バッ

………………………………………………………………………………………

 

ロウ「くっ……!?」スッ

 

???「ロウさん!私も貴方と同じハンターの一人なんですから……自分は弱いと気にして、全部一人で背負い込まないでください。」

 

………………………………………………………………………………………

バッ

 

 

ロウ(あの時と同じ……。)

 

マオ「それにハンターになった時から……私は早く強くならなきゃダメだって決めてたんです。小さかった頃の私を助けてくれた……あのハンターさんのように強くなるって!」ダッ

 

ティガ「ガァァァァ!!」ガッガッガッガ

 

 

マオはそう言いながら剣と盾を構えると、果敢にもティガレックスへと走りだした。それに釣られるかのようにティガレックスも鋭い牙が生えた口を大きく開け、マオに向かって勢い良く突進していく。

 

 

ロウ「マオよせっ!今のお前じゃ、奴に勝てるわけないだろ!!」ダッ

 

 

マオのまさかの行動に呆気にとられていたロウも、マオに再び逃げるよう説得する為彼女を追いかける。だがロウが追い付く前に、先に走り出したマオとティガの方が明らかに早かった。

 

 

タッタッタ マオ「……」

 

ティガ「ガァァ!!」ガッガッガッガ

 

タッタッタ ロウ「犬死にする気かぁっ!?マオ逃げろぉっ!!」

 

 

ロウの叫びも虚しく、マオの体とティガレックスの頭部は接触する間近だったが、マオは一向に引く気配は無い。そしてついにマオの体がティガレックスの攻撃範囲に入った……次の瞬間。

 

 

マオ「逃げたりしませんっ!!」ダンッ

 

ティガ「!!」ズザザザ

 

 

何故か完全にティガレックスの攻撃が当たったにも関わらず、マオは全くの無傷であった。それもその筈、彼女はティガレックスの突進を完全に見切り、かつ完璧にかわしていたのである。

 

 

ザザザザ マオ「……」ダンッ

 

ロウ「なっ……あれはまさかっ……!?」

 

ロウ(ブシドースタイル……!?前のアオアシラとやった時はスタイル自体知らなかったから、初期装備のギルドスタイルだった筈……!)

 

ロウ(この短期間で……あの※伝説のハンター※と同じスタイルを極めたと言うのか!?)

 

ティガ「グァァァァ!!」ガッガッガッガ

 

 

流石のティガレックスもマオの意外な行動に一瞬戸惑い、自身の背後に避けたマオを追撃するため、Uターンで再び彼女に突進を仕掛けようとするが、先に動いていたのはマオの方であった。マオが避けてティガレックスが背を向けた僅かな時間の際にその場ジャンプしつつ、左手の片手剣でモンスターの背中を斬った後だった。そして彼女は空中から下に落ちる力を利用し、再びティガレックスへ剣を振り下ろす。

 

 

マオ「はぁぁ!!」ブンッ

 

ズダァン ティガ「ギヤァッ!」

 

 

マオが片手剣で再度ティガレックスの背中に斬撃を入れると、あの大きな体格のティガレックスが、その場で身体全体に重りを付けられたように地面へと叩きつけられ、周りにドシンと言う衝撃が発生した。マオのまさかの行動に、一緒に闘っていたロウも驚いた表情をし、自身の動揺を隠す事が出来なかった。

 

 

ザッ ロウ「あれは……乗り攻撃!まさか初期装備の武器で、あのティガレックスをダウンさせるとはっ……!」

 

マオ「それに私は……やられたら倍返しでやり返す方針で行ってますっ!」ダンッ

 

 

見事乗り攻撃を当てティガレックスをダウンさせると、すかさずマオは空高くジャンプしてモンスターの背中に張り付いた。マオが背中へ張り付いた違和感からティガレックスはその場で咆哮や走り回ったりと急激に暴れだし、マオは必死に振り落とされまいとしがみきながら剥ぎ取りナイフを取りだして、そのままモンスターの背中に斬撃を当てていく。

 

 

ティガレックス「ガァァァ!!」ジタバタ

 

ズバズバッ マオ「こんのぉ……!大人しくしなさいっ……!!」ザクッ

 

ロウ「やるな……!振り落とされるなよマオ!俺も加勢するっ!」ブンッ

 

 

マオが背中に乗っている間、暴れているティガレックスの行動を読み、ロウは少しずつだが確実に剣撃を当てていく。マオはティガレックスの行動が止まった隙を見ながら、剥ぎ取りナイフでモンスターの背中を、力任せに突き刺していく。

 

 

マオ「これで……終わりですっ!!」ザスッ

 

グラッ ティガ「グギャァァ……!」ズズゥゥン

 

ロウ「へっ、やるじゃねぇか……!」

 

 

マオの渾身の一撃が突き刺さった瞬間、さっきまで暴れていたティガレックスは大きく地面へ転倒した。マオはすぐさまモンスターの背中から飛び降りると、片手剣を引き抜きすぐにティガレックスへと斬りかかる。

 

 

ロウ「くらぇ! 桜花気刃斬!!」ダンッ

 

 

ロウはティガレックスが倒れた隙を突き、自身の狩技である桜花気刃斬を解き放った。その技をロウは一気にティガレックスの頭部へ叩き込み、ティガレックスの血で染み付いた太刀で最後の一撃をうち当てると、間髪入れずに斬撃が襲いかかる。

 

 

バキバキ ティガ「グギャァァ……!!」

 

ロウ「効くだろ……さっきまで好き勝手やった礼だ!」チャキン

 

マオ「だぁぁぁ!!」バッ

 

 

先程までティガレックスの尻尾を攻撃していたマオだが、瞬時に後方へバックステップし、彼女も狩技を発動する体勢に入った。

 

 

ダッ マオ「 昇竜撃っ!」グアッ

 

ガキィィン ティガレックス「ギャァァ…!」

 

 

最初に左手に持っている片手剣で軽く斬り込みを入れ、次に右手で持っている盾で自身の身体が空に舞うほどの力を込め、相手の弱点に叩き込む昇竜撃。しかしマオの力の影響なのか、彼女が盾でティガレックスの尻尾に攻撃した瞬間、ティガレックスの尻尾からブチッ!と言う生々しい音と共に勢い良く弾き飛ばされ、本体をも大きく吹き飛ばした。

 

 

ドザァァァ ティガ「ギャース……!」

 

スタッ マオ「最初のお返しですっ!」キ ッ

 

ロウ(最初の斬撃で切れ目を入れ、盾の摩擦で千切りやがったのか……!どんだけ馬鹿力してやがんだよ!)

 

ティガ「グルルル……!」ガガッ

 

 

乗りからの畳み掛け攻撃で、頭と尻尾の部位破壊をされたティガレックスは、すぐに体勢を整えると共に、自身の黄色の肌から多々ある血管を不気味に表皮へ浮き上がらせると、口から白い息を吐きながら再び臨戦体勢を取り始めた。

 

 

ティガ「「ガァァァァァァァァァ!!」」

 

ゴゴゴゴ マオ「くっ……ティガレックスの皮膚が赤くっ……!?」

 

ゴゴゴゴ ロウ「最初は只の餌だと思って俺達を襲ったつもりだったんだろうが……あの咆哮で奴もその気になったって事だ。」

 

 

火山全体に威嚇するかのように、尚も自身の咆哮を轟かせるティガレックス。マオにはまるで「ここは俺の縄張りだ!」と聞いて取れるように感じたのも束の間、ティガレックスは予備動作も無しにその場で高くジャンプし、マオ達に向かって口を大きく開けつつ、急降下しながら一気に襲いかかってきた。

 

 

ロウ「あの野郎……避けろマオっ!」バッ

 

マオ「うわわわっ!!」バッ

 

    ズ ダ ァ ァァァァァァァァン

 

 

二人は何とかティガレックスの飛び掛かりを回避すると、武器を再び握り締めて立ち上がり、ティガを真横から挟み撃ちするかのように攻撃を仕掛けた。

 

 

ダッ ロウ「ぬぉぉぉぉぁぁぁ!!」

 

ダッ マオ「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ギロッ ティガ「……」グググッ

 

 

マオとロウが向かってくるのを横目でギロリと見ていたティガレックスは、二人を待っていたかの如く瞬時に身体を捻り始めた。

 

 

ビクッ ロウ「!」(奴のこの体勢はっ……!)




これで10話は終わりになります。

書き溜めしてる分が無くなってしまったので、これから地道に書いていきます……時間がかかるとは思いますが、どうかご了承くださいませ。

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!


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