タマミツネinこのすば (アルタイル白野威)
しおりを挟む

1話+2話

初めまして、アルタイル白野威と申します。はじめて書いたので色々と抜けてたりするかもしれませんが、許してください。


 皆さんは転生というものを知っているだろうか。

よくある神様転生や死んだと思っていたら赤ん坊になったりしている奴だ。

私はこれを体験したのだろう、気づいたらちっさい体になっていたのだ。しばらくの間固まってしまった。

 

わけのわからないまま生活していたらある時にきづいた、これタマミツネじゃね?と。

気付いた後は泡をどう使うべきかとかどうやったら食事をおいしくできるかなどを考えていた。

そんなことを考えながら成長していたら、そこそこの強さにはなれた。

 

 

なぜこんな事を考えているかというと現実逃避しているからである。

今私の視線の先にいるのは、神と呼ばれるモンスター、ミラルーツがいるからだ。

渓流にミラルーツがいるってどうなんだよ、私はまだ死にたくはないぞ。いや案外私のような一般竜には目もくれないかもしれない。あっこっち向いた。

 

がっつり見られてますね、はい。やめろォ私はまだ死にたくないぞォ。なんか雷が走ってる門みたいなの作ってるし。

あっファンゴが吸い込まれていった。吸い込まれたらどうなるんだ?丸焦げか?丸焦げなのか!?

うわっ 吸い込まれはじめた、私みたいなのを吸い込んでも何にもないぞォ!

あっ泡で足が滑るぅ。もう一メートルくらいしかない。ああ良い竜生だった....。

 

 

 

 

 

 

 

知らない青空だ。どうやら死んではないみたいだ。

周りは...草原か?どこかにとばされたのか?

周りの草原は全く知らないし、私がいた世界にもこんなところはなかったはずだが....?

なんかデカいカエルもいるし、あれか?異世界転移というやつか?異世界転生から異世界転移とかふざけてるな。ルーツもなぜこんなことをしたのか。

 

まぁそれは置いといて渓流に近い環境はどこかにないだろうか、とりあえず水場が欲しい。

カエルがいるということは近くに池かなんかがあるはずだ、なかったら詰むな。

ここ等一帯で一番高いところはっと...。あそこだな、結構遠いがまぁいいか。

それにしてもあのデカいカエルは何だったのか。新しいモンスターか?それにしては弱そうだったが。

採れる素材は何になるんだろうな、肉や舌か?まぁなんにせよ戦ってみなければわからないか。

着いたか。周りはっと、あれは都市か?ハンターみたいなのがいたら嫌だな。ほかにはほぼほぼ何もないな。

まぁ望んでいた水場もあるしいいか。イビルジョーみたいなバケモノがいないとも限らないし、慎重に行くか。

あそこの川は森から流れてきているな、あそこを目指そう。命大事にだ。

 

 

 

 

 

歩き続けて(途中泡で滑ったりしながら)川に到着した。川はどうやら森の奥から流れてきているみたいだ。

さて魚はいるかな。おおいたいた、鮭のような魚からサシミウオみたいな魚までいる。

問題の味はどうなんだろう。.....うん、普通においしい。だがなんか変な顔した魚、

てめーはだめだ。鱗の食感がなんかアルミみたいだし、何より味がまずい。

 

まぁそれは置いておいて、ちょっと深いところがあるからそこで水浴びをしよう。

タマミツネになった私にとって水浴びは、風呂のようなものだ。

ああ気持ちいい。やっぱり風呂はよいものだ。...なんか草原の方から叫び声が聞こえる。

風呂に入っている時に騒がれたらイラつかない?私はイラつく。

というわけでちょっと見に行こう。川にそってな

 

うん、なんか仲間をカエルに食われたのか知らないけどカエルに向かって剣を持ちながら突撃する人がいる。

ハンターか?ハンターにしては装備があれだしなぁ。というかあの人ジャージ着てない?

おおカエルの頭を砕いた。なかなか力があるのかな?なんか引きこもりぽっいけど。

とりあえずあのカエルは弱いんだな。簡単に倒されたし。

近くで爆発でもおこされたら、水流ブレスブッパしたあとシャボンランチャーするけど。

 

そういえば私より先に吸い込まれたファンゴはどうなったのだろうか。カエルに食われたか?遥か上空から落ちても傷一つつかないハンターをぶっ飛ばす奴らだ、そう簡単に死にはしないだろう。

おお噂をすればなんとやらだ、カエルを倒した人に突進している。

ん?あれはカエルに食われてた人か、なんか腕光ってるしファンゴを殴ろうとしている。

あっカエルの人もろとも吹っ飛ばされた。なんで食われた人はピンピンしてんだ。

カエルの人を担いで逃げてった。ファンゴより早くないか、あれ。

 

ファンゴが都市に行ってもいいがここで仕留めておくか。

食らえ!水流ブレスッ!相手は死ぬッ!

うん頭を貫通したな。まぁそうなるな。

さて、川に戻るか。川をたどっていけば良くて湖あたりを見つけられるだろう。

歩くの面倒だし、泡で滑っていくか。

 

泡で滑ってきたからか、さっきよりも早くこれたな。どうでもいいことは置いておいて、森の奥へ行こう。

 

 

結構奥まで来たが特に何にもないな。しょうがない、草原と森の境を縄張りにしてそこでしばらく生活しよう。

だがここまで来たのに何もしないで帰るのは嫌だし、探索してから帰るか。

目印はどうするべきか、爪で傷をつけていくか?泡は消えてしまうし...。

やはり爪で木に傷をつけていこう。

 

 

木に傷をつけながら探索していたら道に出た。なんかすごい場所に城がある。

よくある三角みたいになってるがけっぽいところだ。

よくあんな場所に建てたな。ボロボロだし廃城か?

なかなかスゴイモノを見れたし今日は戻ろう。

帰り道はこっちか、滑って帰ろう。

 

 

無事戻ってこれたし寝床を作ろう。木々をなぎ倒してスペースをとって葉っぱとかを敷き詰めればいいか。

簡単にできた。これで寝れる。ミラルーツのせいでこんなところに来てしまったからな。まったく何がしたかったんだか。

疲れてきたしもう寝よう。おやすみ....。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

誤字、脱字があった場合はお知らせください。


 おはよう。さて、今日はこの世界をいろいろ調べたいと思う。

今分かっていることはここら一帯に草原と森があり、草原の奥に都市があることだ。

昨日目撃した人達を基準にするとハンターのような人間を超越したなにかはいないだろう。

いないよね?いたら泣くぞ私。

 

それは置いておいて、草原の方で身を潜めながら観察か何かをしてみよう。

昨日の人達がいればいいのだが...。

いた。昨日の人たちに加え、魔法使いのような恰好をした少女がいる。

...何かを言っているようだが聞こえない。気づかれないように近づくか。

音をたてないようにそーっとそーっと...。

 

良しっだんだん聞こえるようになってきた。何々?...女神?アークプリースト?

うーん..。聞き終える前に昨日の人達の食われてた方がカエルに突っ込んでいった。

 

大丈夫かあれ、大丈夫じゃないな、また食われたし。

魔法使いの方はなんか杖を掲げて魔法を発動させようとしている。

おお、杖の先が光った。結構眩しいな。どんな魔法なんだ?とても気になる。

 

 

 

         「『エクスプロージョン』ッ!」

 

 

ドゴォォォォオオオオオオッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

.......なんだあの威力。カエルが消し飛んだうえにクレーターまでできたぞ。

あんなの食らったら良くて重症...最悪で即死だな。

あの青い人はどうなった?カエルに食われてたよな。

 

うわ....黒焦げになっただけで生きてやがる。私たちよりモンスターじゃないか?あの人。

ジャージの人は....うん、純粋にすごいって顔してるな。

魔法使いは......なんで倒れてんの?なんで満足そうな顔してんの?

青い人は..起き上がってこっちを見ている......あれ?ばれた?うわっこっち向かってきた。

なんか叫んでる!やめろぉ!こっちへくるなあああ!

 

「そこのあんたぁ!あんたよあんた!狐っぽい紫色のあんた!」

 

ええ...?なんでよびかけてくんの...?ジャージの人も魔法使い担ぎながらこっち来てるし!

普通モンスターに近づくとか考えないだろう!?何考えてんだコイツ!?

 

「おいアクアァ!何考えてんだぁ!?なんでそんな強そうな奴に向かってくんだよ!?」

 

ジャージの人、それが普通の考えだ。この水色頭おかしいんじゃなかろうか。

というかコイツアクアっていうのか。確かになんか水をイメージさせる色してるが。

おっと、そんなこと考えてる場合じゃなかった!戦わざるをえないか!?面倒くさい!

よし!逃げようッ!それしかない!

 

「ハアッハアッ..逃げようとしないでよー!止まって、止まって!」

 

うげっ。追いつかれてしまった。潰すか?潰すしかないか?

ああっなぜこんな目に合うんだっ!私が何をしたというのか。

ファンゴか?ファンゴを倒したのがだめだったのか?

 

「ふう..うん..やっぱりあなた..同僚に頼んだ私への助っ人ね!」

 

ナニイッテンダコイツ。私が助っ人?ありえん、そんなこと託された覚えはないぞ!

というかコイツの同僚ってなんだ?そんな存在に合った覚えもない。

 

「お..おいアクア助っ人てなんだ?いつ頼んだ?それらしい行動は見てないぞ?」

 

「ふふん。それはね。カズマに連れ去られる前にメッセージをばら撒いておいたのよ!」

 

「おい。連れ去ったとか、人聞きの悪いこと言うな」

 

.......何が何だかさっぱりわからない。

つまりあれか?そのばら撒いたメッセージとやらを同僚が拾い、助っ人に私が選ばれたと?

何故私が選ばれたし、私は何の変哲もないタマミツネだぞ?人の知能がある以外は。

 

「ふーん。あなたタマミツネっていうのね。変な生物ね」

 

変とかいうなし。...あれ?なぜこいつは私の種族名が分かった?心が読めるというのか?

なんにせよあまり関わりたくはないな。

 

「タマミツネ?なんかモンハンに出てきそうだな」

 

「カズマ。モンハンとはなんですか?」

 

「ああ。何ていうか...こいつみたいなモンスター達を倒していく物語?みたいなもん」

 

「何ですかそれはっ!?かっこいいじゃないですか!」

 

マテ、イマコイツラハナントイッタ?モンハン?そういったのか?

モンハンのことは知っているくせに私のことは知らない?何故だ?

パッケージモンスターだから名前くらいは知っていてもおかしくはないはずだ。

そもそもなぜモンハンを知っている?この世界の人間じゃないのか?

うむ..こんがらがってきた。

 

「なんでモンハンを知ってるか。聞いてるわよカズマ」

 

「なんで俺に振るんだよ。お前が言えばいいだろ。たっくしょうがねえな。何で知ってるかだっけ?俺の故郷にあるからだよ」

 

故郷にある?ということはコイツ日本人か。カズマ...そういえば名前も日本人ぽいな。

カズマが日本人だということは分かった。だが....アクアはなんだ?

髪の色からして日本人ではないし、同僚が助っ人を送れる理由にもならない。

本当に神だとでもいうのか?アクアは。

 

「そうよ!私こそはアクシズ教団の崇める神、女神アクアよ!」

 

......もうツッコム気力すら湧かない。本当にどうしてこうなった。

ミラルーツに異世界に送られるわ、自称女神に合うわ、ここ最近は不幸だ。

 

 




傍目から見たら大きな狐の前でのんきに喋ってるように見えますよね、きっと。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

アクア様は水に住んでる生物や水を利用する生命体には、会話できる設定です


 ここ最近は不幸だ。なぜこうなる?そしてアクアその..なんだ、その本当に神なのか?中二病ならよそでやってくれるとありがたい。

人に見つかった以上、、追い掛け回されたり、宝玉寄越せ!とか言いながら襲い掛かってくるやつがいないとは限らない。

ハンターはいないとわかってはいるが....あれによって刻み込まれた恐怖は、たとえ神であろうと拭い去ることはできない。

カズマ少年。ハンターに似た生命体はあの都市にいるか?

 

「なんかタマちゃんが、アクセルにハンターに似たなにかはいるか?って聞いてるわよ」

 

「タマちゃん?なにその呼び方。まぁいいや。それでハンターに似たなにかだっけ?いるわけないだろあんな人間やめた究極生命体。いたら魔王軍は滅んでるわ」

 

よかった。本当に良かった。これで一番の危機は去ったッ!カズマ少年、ありがとう、本当にありがとう。

だがタマちゃんはやめてくれ。それだけは本当に嫌だ。どれくらいか嫌かというとこやし玉を十個口の中にぶつけられるくらい嫌だ。

 

「なんでよー!いいじゃないタマちゃん!いい名前でしょ?カズマ」

 

「嫌だ。俺だったら断固拒否するぞ」

 

「私もその名前だけは嫌です。なんですかその名前、センスのかけらもないですよ」

 

「めぐみんまでぇぇぇぇ!」

 

「さて、そこの駄女神は放っておいて、タマミツネ。これからどうするんだ?」

 

これからどうするか?....何も考えていないな、そういえば、。

とりあえず昨日は川で過ごしたが、これからもあそこで過ごすと思うとすごく退屈だ。

渓流にはいろいろな生物がいたし、強者も存在した。

だがここにはいない。死の危険性がないといえばそうなるが、寿命まで過ごすとなるとどれ程退屈なのだろうか。

本当にどうしようか。.....ん?なんだこれ?手紙?なぜこんなところに?

 

「ん?どこみてるんだ?なんかあるのか?」

 

手紙があると言いたいが、生憎この口は人の言葉を話せない。ジェスチャーで示すか?

だがそれで分かってくれるか?ううむ...どうするべきか。

 

「おっ?なんだそれ、手紙?」

 

おお気付いてくれたか。必要なかったな、ジェスチャー。

 

「何々?....タマミツネ君へ?おまえ宛だぞ、これ」

 

なに?私宛だと?だれが書いたんだ?読んでくれないか?

 

「ああ。おまえ読めないか。読もうか?」

 

ああ。読んでくれるとありがたい。首を縦に振ってお願いする。

 

「わかった。えーと?タマミツネ君へ。突然送っちゃってごめんね?面白そうなのが君しかいなかったんだ。お詫びとして神をおど....げふん、交渉して手に入れた大きさを変えられる、神器?とやらをこの手紙に同封しておいたよ。異世界ライフを楽しんでね!byミラルーツ」

 

......あの野郎もし今度会ったら全身泡まみれにしたうえでハンター押し付けてやる。

...ふう....まぁ大きさを変えられる神器?とやらを送ってくれたことには感謝する。

だがそれ以外は許さん。絶対にだ!

 

「...すごいのに送られてきたんだな...おまえ...」

 

「ええとカズマ?みらるーつとは何ですか?」

 

「モンスターの祖。神と呼ばれる存在だな」

 

「ほえー」

 

「ミラルーツ?そんな神私はしらないわよ?」

 

そんなことはどうでもいい。神器とやらは何処だ?

 

「これだな。...宝玉みたいだな。ほらよ」

 

ありがとう。どう使うんだ?ん?光って....?

あっ 私に取り込まれていった。これで使えるようになったのか?

泡で試してみよう。シャボンッ!

 

「おお!泡が出た!それがお前の能力なのか」

 

「泡を使うのねあなた。神秘的な見た目といい泡といい..ねえ、あなたアクシズ教団のマスコットにならない?」

 

「泡..ですか。あんまり強そうではありませんね」

 

なにか各々で言っているが無視だ無視。うーん、こうすればいいのか?

これをこうして...こうだッ!...大きくなったな。これは使えそうだ。

 

「なぁ。それ、おまえ自身にはつかえないのか?使えたならいろいろできると思うんだよ」

 

ふむ。試してみよう。キィェェェェエエエ!!

おお小さくなれた。カズマ少年の肩に乗れるくらいの大きさだ。体は小さくなったものの身体能力や視力などは低下してはいないようだ。なかなか使えるな。

 

「それくらいの大きさなら俺たちと来ることもできるんじゃないか?必要になったら大きくなる感じで。どうだ?」

 

「いいアイデアじゃない!カズマ!一緒に行きましょ!」

 

「小動物一匹増えたところでみんな気にしませんしね」

 

ふむ。それはなかなかいい案ではないだろうか。私は暇を潰せる。

カズマ少年はそこそこの戦力を手に入れる。win-winの関係だ。

メリットはあってもデメリットはないのではなかろうか。

うん。決まりだ、よろしく頼むぞカズマ少年。

 

「よっしゃあ!」

 

「よくやったわ。カズマ」

 

「よろしくお願いしますよ、タマミツネ」

 

うむ。ところで今日のところはどうするんだ?私は君たちについていきたいが。

 

「そうだな。今日は収穫もあったしアクセルへ戻ろう。それでいいか?アクア。めぐみん」

 

「ええかまわないわ」

 

「はい」

 

「決まりだ。アクセルに戻る。お前はついてくるんだよな?」

 

ああ。できればどこかに乗せてもらいたいが。

 

「私が運ぶわ!」

 

アクアが運んでくれるようだ。では遠慮なく頭に飛び乗らせてもらおう。

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

此処がアクセルか。なかなか発展しているな。

 

「途中でカエルを二匹仕留めれたからクエストは達成だな」

 

「タマミツネのブレスで真っ二つになってしまいましたけどね」

 

「ははっ。ついた着いたここが冒険者ギルドだ」

 

ふむ。ここがか。ハンターズギルドを私は思い浮かべていたがそれよりはちいさいか?

とりあえず入ろうじゃないか。

 

「ルナさーん。クエスト終わりましたー」

 

「はい、わかりまし...」

 

視線を感じる。そこの金髪巨乳の人からか。カズマ少年はルナと呼んでいたな。

どれだけ見つめるのだろうか。既に十秒たっているぞ。

 

「おーい、ルナさーん?」

 

「ハッ!ええとあの...アクアさん?その...頭にのせているのは何ですか?」

 

「この子?この子はタマミツネよ。草原で拾ったの」

 

拾ったて。犬を拾ったみたいに言わないでほしい。私はどちらかというと狐だ。

同じイヌ科だが。

 

「そんなことよりクエスト終わらせましたよ。五匹」

 

「あっはい。..あの..カズマさん?三匹なんですが」

 

「ああ。タマミツネがやっちゃったんだよ。こう...ビーって感じで」

 

「そうですかぁ..って信じられますかぁ!どうやったらあんな小さい体でジャイアントトードを仕留められますか!」

 

「そうはいってもなぁ。本当のことだからなぁ」

 

カズマ少年とルナ嬢が何か言っているがどうでもいいな。

 

 

この後さらに言い合いがあったがカット

 

 

 

「いやぁ、何とかokもらえてよかったな」

 

「後半はカズマが反論させる暇もないまま喋ってませんでしたか?」

 

「気のせいだ、気のせい」

 

なにをしてるんだ。カズマ少年は。

 

「......すまない、ちょっといいだろうか......?」

 

なんだ?声の主はこの女性か?なんだろう。この女性なら例えスーパーノヴァを食らっても死なないと思えるのは。

横を見ればカズマ少年が絶句してるのが見える。

何やらまたひと悶着起きそうだ。

 

「あ、えーっと、何でしょうか?」

 

声が上擦っているな。緊張しているのか。

 

「うむ......。この募集は、あなたのパーティーの募集だろう?もう人の募集はしていないのだろうか」

 

募集していたのか。このパーティー。

 

「あー、まだ募集はしてますよ....。」

 

「ぜひ私を!ぜひ、このパーティーに!」

 

食いつきぶりが半端ではないな。

そこまで興奮するものがあるのか?

 

「そこまで入りたいんですか?あの..理由を教えてください」

 

「一つはそこの動物に興味があるからだな。二つ目はこのパーティーに入れば私の欲望をかなえられそうだからだ!」

 

私に興味がある?生物学者ではないよな。鎧をきているし。

欲望をみたせそう?面倒ごとじゃないといいな。

カズマ少年、私は眠くなってきたので寝るとする。

おやすみ。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

 ...おはよう。今、起きたのだが、なぜ私はアクアに抱き着かれているんだ?

私を抱き枕にして大丈夫だっただろうか。無意識に泡液を分泌していなかっただろうか。

濡れていないところを見るに大丈夫だったみたいだが。

ところで今はどれぐらいの時刻だろうか。夜か?

そもそも此処は何処だ?アクアが寝ているから安全だとはわかるが。

窓は..ないな。カズマ少年は...うむ..寝ているな。

足元は藁か?部屋ですらないのか?なぜこんなところで寝ているんだ。

 

「うう~ん..おはようアクア、タマミツネ」

 

おお、起きたかカズマ少年。ここはどこか教えてくれないか?

 

「ここが何処かって?馬小屋だよ。宿が取れない奴らはここで寝るんだ」

 

馬小屋?そんなとこで寝ていたのか。それほどまでにゼニーがないのか....。

泡液でも瓶詰にして売るか?そこそこのゼニーにはなるだろう。

というかこの世界の通貨はなんだ?ゼニーか?円か?ユーロ?ドル?

それとも私の知らない通貨だろうか。

それを聞きたいが喋れないからな、私は。鳴き声をあげることしかできない。

 

「おい、なにエリスがないやつを見る目で見てるんだ。そこそこはあるからな」

 

おや、そんな目で見てしまっただろうか。ところでエリスとは通貨かなにか?

ここではエリスという通貨なのか?

 

「ん?何が気になるんだ?」

 

カズマ少年がさっき言ったエリスとやらだ。ところでアクアはいつ起きるんだ?

 

「エリス?この世界の通貨で女神さまの名前だ。アクアは俺が起こさない限り起きないぞ」

 

......そういえばなぜ会話できるのだろうか。心がよめるのか?

そういう神器でも見つけたのだろうか。それともそういう能力を持っているのか?

 

「いや持ってないからな。ちょっと予測してみただけだ」

 

なに簡単にできるように言ってくれてるんだ?できるわけないだろう。

何気に優秀じゃないか?カズマ少年。

 

「なぁに話してるの..かずま..たまみつね」

 

アクアが起きたようだ。起きないんじゃなかったのか?

まぁどうでもいいか。

 

「起きたか。ギルドに行くぞ」

 

「ええ~~めんどくさーい」

 

「いいから行くぞ」

 

 

~~~~~~

 

 

 

 

「なぁ。スキルってどう習得できるんだ?」

 

スキル?そういうものもこの世界にはあるのか。

面白そうだな。私も使えたらいいが。

 

「スキル?それはカードに出てる、習得可能なスキルっていうところから取れますよ」

 

「そんなのないぞ」

 

「あれ?..ああ。カズマは冒険者でしたね。冒険者は誰かにスキルを教えてもらわないと覚えられないんですよ。まず目でみて、使用方法を教えてもらうとポイントを使って習得できるのです」

 

「なるほど。ということはいろいろできるのか。アクア、何か俺が使えそうなスキルはないか?できればあまりポイント使わない奴で」

 

「しょうがないわねー。特別に教えてあげるわ。とっておきのやつをね!」

 

そういえばそのスキル?とやらは一回しか見てないな。あの爆発がスキルだろうし。

アクアはどんなスキルを持っているのだろうか。

 

「~~あら不思議!コップの水を吸い上げた種は....」

 

考えている間に見逃してしまったようだ。どんなスキルだったのだろうか....。

おや、カズマ少年が怒鳴っている。お気に召さないスキルだったようだ。

 

「あっはっは!面白いね君!君がダクネスの入りたがっているパーティーの人?有用なスキルが欲しいんでしょ?盗賊スキルなんてどう?」

 

誰だろう。まったく聞き覚えのない声と名前だ。ダクネス?誰だそいつは。

昨日の女性か?だとしたら声の主は誰だ?

...銀髪の少女か。隣にいるのは昨日の女性だな。だとしたら彼女がダクネスか。

 

「盗賊スキルってのはね。罠を解除したり敵を感知したり、そういうのがあるんだよ。持ってるだけでも徳があるスキルでいっぱいだよ?かかるポイントも少ないしおすすめだよ?クリゾンビア一杯で教えてあげる」

 

「お願いします!すいませーん、こっちの人に冷えたクリムゾンビア一つ!」

 

私も見てみたいな。ついていくか。

 

~~~~

 

 

 

そこそこ移動したな。ここでするのか?

 

「まずは自己紹介といこうか。あたしはクリス。盗賊だね。こっちのがダクネス。昨日ちょっと話したんでしょ?ダクネスはクルセイダーだから君に有用そうなスキルはないと思うよ」

 

「ウス!俺はカズマって言います。こいつはタマミツネです。クリスさん、よろしくお願いします!」

 

「へぇぇー見たことない生き物だね。どこらへんで見つけたの?」

 

「ジャイアントトードがいる草原です」

 

「ふーん?そうなんだ。まぁそれは置いておいて、まずは敵感知と潜伏をいってみようか。罠解除とかは、こんな街中に罠なんてないからまた今度ね。じゃあ...ダクネス、ちょっと向こうに向いてて?」

 

「分かった」

 

言われた通り反対を向いたな。ここからどうするのか。

...樽に入っていったな。...あれが潜伏なのか?なんというか....想像していたのと違うな。

ああ...。頭に石を当てられて怒ったダクネスによってクリス入りの樽が転がっていく.....。

 

 

 

「さ、さて次はあたしの一押しスキル、窃盗をやってみようか。これは、対象の持ち物を何でも一つ奪い取るスキルで、しっかり握っている武器だろうが、ポケットに隠してるエリスだろうが、何でも一つランダムで奪い取る。スキルの成功率はステータスの幸運値に依存するんだ。いろいろと使い勝手があるいいスキルだよ」

 

幸運に依存するのか。私には使えないから関係はないが。

 

「じゃあ、君に使ってみるね?行ってみよう!『スティール』ッ!」

 

「あっ!俺のサイフ!」

 

サイフを取られるとは運がないな、カズマ少年。まぁドンマイと言っておこう。

 

「ねぇ、このサイフを使って勝負しようよ、窃盗スキルを使って。あたしのサイフがとられるか、君がサイフを取り返すか。もしくは別の高価なものを奪うか。どう?勝負しない?」

 

おや?何やら勝負をするようだ。別にデメリットはないだろう。受ければいいんじゃないか。

 

「...よし。その勝負乗った!何盗られても泣くなよ?」

 

「いいね君!ノリのいいひとは好きだよ!さぁ、何が盗れるかな?サイフか、四十万エリスはくだらないナイフか、それともさっき拾ったそこら辺の石か!」

 

「汚いぞ!そんなのありかよっ!ああ畜生!やってやるよ!『スティール』ッ!」

 

おお。成功したようだな。何を盗ったんだ?

 

「...なんだこれ?」

 

.....寄りにもよってそれか。確かに装備品も奪えるのだろうが、それはなぁ。うむ。ご愁傷様、クリス。

 

「ヒャッハー!当たりも当たり、大当たりだあああああ!」

 

「いやあああああああ!ぱ、ぱんつ返してえええええええ!」

 

おめでとう。カズマ少年は冒険者から変態に進化した!

 

~~~~

 

 

 

私たちがギルドに戻ると、アクアを中心に大きな騒ぎになっていた。

どうやらアクアが芸を披露していたようだ。

 

「ねぇカズマ。その人どうしたの?すごく落ち込んでるけど」

 

「うむ。クリスは、カズマにぱんつを剥がれた上に有り金むしられて落ち込んでいるだけだ」

 

「おいあんたなに口走ってんだ!まて、待てよ。間違ってないけど、ほんとマテ」

 

やっていることは、完全に犯罪である。

 

「公の場でいきなりぱんつ脱がされたって、いつまでもめそめそしてちゃだめだね!ダクネス。あたし、悪いけど臨時で稼ぎのいいダンジョン探索に参加してくるよ!有り金うしなっちゃったしね」

 

ものすごい勢いでカズマ少年に向けられる女性陣の視線が冷たくなっていく。

これはもう手遅れじゃないだろうか。とりあえず私は避難させてもらおう。

テーブルに乗ってと。....あ。誰かに持ち上げられた。

 

「あの...昨日から思ってたんですが、アクアさんたちが連れているこの生き物。なんですか?」

 

カズマ少年に集まっていた視線がこちらに向けられる。それよりも私を持ち上げているのは誰だ?

...知らない女性だ。逃げたりしないから下ろしてはもらえないだろうか。足が浮いて落ち着かない。

 

「確かにそんな形の生き物、見たことも聞いたこともないですね」

 

それはどうでもいいから下ろすか、なんかしてくれ。視線と相まってさらに落ち着かない。

 

「タマミツネという種族だそうですよ。カズマの故郷にある物語に出てくるモンスターらしいです」

 

「タマミツネ?聞いたこともないな。なぁみんな」

 

「ああ(ええ)」

 

「そんなことはどうで『緊急クエスト!緊急クエスト!街にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!繰り返します。街にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』...」

 

緊急クエスト?古龍でも攻めてきたのか?なんにせよ、何かあることは確実だな。

ここ最近は騒がしい。静かだが豊かな竜生を送るつもりだったのにな..。

面倒くさい、非常に面倒くさいが頑張るとするか。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話

今回は戦闘?します。


 本当に何なのだろう、ラオおじいちゃんでも来たのか?

もしそうなら私は逃げるぞ。あんなのに私のようなザコが勝てる訳わけがない。

で、何が起こった?

 

「おい。何が起きたんだ?緊急クエストってなんだ?モンスターでも来たのか?」

 

「..ん、たぶんキャベツの収穫だろう。そろそろ収穫の時期だからな」

 

キャべ...ツ?キャベツ?Cabbage?あの緑の?みじん切りにしたくなる、あの野菜?

いやいやそんなわけがない。そういう名前のモンスターなのだろう。

もし本当にキャベツなら地面ごと根こそぎ収穫してやるわ。

 

「キャベツ?あの緑で丸いやつの?」

 

「そう、あの緑で丸いやつの」

 

....なん....だと....?そんなことでぎゃあぎゃあ騒いでいるのか?

ええ....。やる気が削げた。私の主食は魚だからな。食べることもない。面倒くさい。

丸投げしてはだめだろうか。

 

「....ここのギルドの連中は、冒険者に農家の手伝いをさせるのか?」

 

「あー....。カズマは知らなかったわね...。この世界のキャベツは...」

 

「皆さん、突然のお呼び出しすいません!気づいてる方もいるとは思いますが、キャベツです!キャベツ収穫の時期がやってきました!今年は出来が良く、一玉の収穫につき一万エリスです!では皆さん、できるだけ多く捕まえて、ここに納めてください!くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしないようにしてください!なお、人数が人数、額が額なので、報酬は後日まとめてとなります!」

 

怪我..?キャベツに逆襲されて... ?動くとでもいうのか、この世界のcabbageは?

 

「飛ぶのよ。この世界のキャベツは。食われてたまるかというように。海を越え大陸を渡り、最後には秘境でひっそりと息を引き取るそうよ。それなら私たちで捕まえておいしく食べてあげようってことよ」

 

「もうかえってもいいかな、おれ」

 

気持ちはわかるが帰してくれる雰囲気ではないぞ。皆やる気あふれている。

ここで帰るなどと言ったらすでに冷たい視線がさらにひどいことになる。

....頑張るか....。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

フハハハハ!どうしたキャベツども、それで本気か?

そんな力で私の泡から逃れられるとでも思っているのか!

ほーれほれほれ。さらに泡を追加してくれるッ!

食らえッ!シャボン...ランチャー!パパウ、パウパウ。

 

「もうやめてやれよ、見てるこっちがかわいそうだ。あとなんで元の大きさに戻った。言え」

 

断る!なぜこんなストレス発散になることをやめなければないのか!

戻った理由は泡を飛ばすのに大きい方が都合がいいからだ。

 

「それはいいけど赤い泡や、緑の泡飛ばすのやめてくれよ!当たったやつが急に力強くなったり、回復したりするんだから!」

 

そうはいっても自分の意思でその泡を飛ばしてないから無理だ。あきらめろ。

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”どうしてこうなるんだ!唯一の常識人?が消えた!」

 

ヒャッハー!

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

「カ、カズマ、いいではないですか。たくさん稼げたんですから。あっ来ましたよ、キャベツ炒めです」

 

「なぜたかがキャベツの野菜炒めがこんなにうまいんだ。納得いかんぞ、俺は」

 

ふう......ついはっちゃけてしまった。普段はああではないのだが....。

...やはりストレスが溜まっていたらしい。全部ミラルーツのせいだ。そうに違いない。

 

「それにしてもタマミツネ、あなた大活躍だったわね!さすが私の神獣だわ!」

 

誰がいつ神獣になった、誰が。

ところでダクネスはあの時何していたのだろうか。

 

「うむ。すごかったな。私は何にもできなかったが。それにしてもあの泡はとても気持ち.....」

 

...きもち?いまなんと言いかけたのだろうか。

 

「私、出番すらなかったんですが」

 

「その点、カズマは回収に回ってた分活躍したわね!私の名においてあなたに【キャベツ回収業者】の称号を授けてあげるわ」

 

「やかましいわ!そんな称号いるわけねぇだろ!ひっぱたくぞ!」

 

「話を変えてしまうのだがいいだろうか。私の名前はダクネスあなたたちのパーティーに入ることを希望するものだ。職業はクルセイダー。盾にしかなれないがどうだろうか」

 

「まぁ、いいんじゃないか?壁役がいなかったし」

 

「そうね、いんじゃないかしら」

 

「私も賛成です」

 

「じゃあ、これからよろしく頼む。...ところで先ほどの泡を私にぶつけてはくれないだろうか」

 

えっ..何言ってんの、この人。

 

「え..ええと、もう一回いってくれないか?なんて言ったか理解できなかった」

 

「キャベツにぶつけていた泡をぶつけてはくれないか....と」

 

「クッソが!なんでおれの周りには変なのしかいないんだ!」

 

おい、私をこいつらと一緒にするな。先ほどははっちゃけただけだ。

いつもはあんなんじゃない。

 

「それで..ぶつけてくれないか?とてもヌルヌルで...」

 

だめだこいつ。ただドMなだけか?それとも頭がおかしいのか?

できればちかづきたくない。カズマ少年の肩に避難さてもらおう。

 

「おお..?タマミツネ、俺の味方はお前だけだよ」

 

先ほど私をあいつらと一緒にしていなかっただろうか。

まぁいいが、これからどうするんだ?

 

「とりあえず、俺の装備を整えようと思う」

 

装備?...ああ。そういえばジャージのままだったな。

お金が無くなろうとも私の泡液を売ればいいしな。

 

「じゃあ、明日俺はタマミツネと行ってくる」

 

いつの間にか、一緒に行くことになっているがまぁいいか。

 

 

~~~~~

次の日

 

「と、いうわけで揃えてきた」

 

特に何もなかったな。しいて言うならカズマ少年の前を黒猫が横切ったくらいしか。

 

「装備もそろえたし、クエストにいかないか?」

 

「ふむ。それならアクアのレベル上げができるクエストがいいな」

 

「おっ。これなんていいんじゃないか?」

 

「そうだな。これでいいだろう」

 

「何々~?何するの~?」

 

「爆裂魔法は撃てますか?」

 

「爆裂魔法は無理だな、やるのはアンデットの浄化だ」

 

 

~~~~

 

 

 

時刻は夕方。

いるのは丘の上の共同墓地。

ここにアンデットが湧くらしい。

現在はキャンプを作り、夜を待っている。

カズマ少年が水を出す魔法を覚えたおかげで定期的に水に浸かれる。

極楽 極楽。ところでこの桶は何処から持ってきたのだろうか。

 

「すっごく気持ちよさそうだな。それに泡もたってるし」

 

シャンプーにでもしてみるか?よく泡だつだろう。

抜けた毛を使ったブラシかなにか付きで売り出したらどのくらい売れるだろうな。

 

「おおっ..。寒くなってきたな。『ティンダー』」

 

ふぁぁ..。眠くなってきた。深夜になったら起こしてくれ。おやすみ。

 

 

~~~~~

 

 

 

 

....んぅ。ゆすられた。深夜になったということだろうか。

 

「おう。起きろ、そろそろ行くぞ」

 

「ねぇ、なにか大きなアンデットが出そうな予感がビンビンするんだけど」

 

何やら不吉なことを言っている。

 

「いいですね。私の爆裂魔法の餌食にしてあげましょう」

 

「そ..そんなアンデッドならばさぞかし攻撃も気持ちいいだろうな」

 

「もうヤダこのパーティー。俺とタマミツネ以外変なのしかいない」

 

...このパーティー。イビルジョーとあっても撤退しなさそうだな。

おや?墓地に人影が見える。何をしているのだろう。

魔法陣が足元にあるように見えるが。

カズマ少年たちは気がついていないのか?

いないっぽいな。私の視力だから気が付いたのか?

 

「?..どうした?そんな先を見つめて。まさかいたのか?」

 

「アンデッド?私の出番ね!....っていないじゃない」

 

「なにかありましたか?」

 

「いやぁ?特になんもないよ」

 

..見えないのか。面倒ごとではないといいんだがな。

最近は、特にカズマ少年についていったあたりから面倒ごとが多いからな。

今回も、どうせ面倒ごとだろう。

できる限り頑張るか。

 

 

 

 

 

 




ザコ(G級入りかけ)
はい。今回はここで終わりです。戦闘シーン..っていえませんよね、あれ。
まだ一巻すら終わってない。うえぇ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話

タマミツネシャンプー、どんな匂いだったんでしょうね。買えてないからわかりません。
そのシャンプーをただで手に入れられるカズマ達...羨ましいッ!


 本当にあの人影や、魔法陣が見えないのだろうか。

あれだけ大きい光を放っているのだから、嫌でも気づきそうなものだが。

私にしか見えないとでもいうのか?

 

「ん?うおっ。なんかでっかい光が見えるぞ!」

 

ここまできて気付いたか。かなり近づいているぞ。はっきりと人が見えるくらいには。

 

「...カズマ。あれは何でしょうか」

 

「俺だって聞きたい。なぁアクア何か知らないか?」

 

「あーーーーーっ!」

 

「おいっ、いきなり突っ込むなよ!」

 

アクアが人に向かって突っ込んでいく。あの人がアンデットだとでもいうのか?

それともクエストを横取りされたことを怒っているのか?

 

「リッチーがのこのここんなところに現れるとは!浄化してあげるわっ!」

 

リッチ?金持ちかなんかだろうか。

 

「や、やめ、やめてえええええ!誰、誰なの!?いきなり現れて、なんで私の魔法陣を壊そうとしてるの!?やめて!やめてくださいお願いします!」

 

「うっさいわよ、このアンデットが!どうせ怪しいことしてたんでしょ!死者をよみがえらせてアクセルを襲わせたりとか考えてたんでしょ!こんなもの壊してやるわ!」

 

金持ちはアンデッドなのか。悪い人には見えないが。

というかチンピラに絡まれてるようにしか見えん。

 

「やめてー!やめて!この魔法陣は、いまだ成仏できていない魂たちを、天に還してあげるためのものなんです!ほ、ほら!たくさんの魂たちが天に昇っていくでしょう!?」

 

確かに昇っているな。私が入ったらどうなるのだろう、すごく興味が湧く。

とりあえず魔法陣を壊そうとしているアクアを拘束するか、それっ。

 

「ああっ、何すんのよタマミツネ!動きづらくなっちゃったじゃない!こんなもの、私が力をだせば...!あっ。あああぁぁぁぁ....ぼぐぇ!」

 

...全身泡だらけで片足持ち上げれば滑ることはわかるだろうに。

滑って墓石に頭をぶつけてしまった。

 

「....とりあえず大丈夫か?アクアはリッチーっていってたけどそれであってるか?」

 

「だ、大丈夫です..。。えっえっと、助けていただきありがとうございます。おっしゃる通り、リッチーです。ウィズと申します」

 

「言っちゃあぁ悪いがここで何してたんだ?アクアが言ってたみたいにアクセルを襲おうとしてるのか?」

 

「いっいえ!そんなことは微塵も考えていません!私がしていたのは葬式すらしてもらえず、天に還ることができなかった魂たちを送り出すことです」

 

普通にいい人じゃないか。

 

「それはいいことなんだが、プリーストに任せておけばいいんじゃないか?」

 

「その..街のプリ-ストの皆さんは...お金がない人は後回しにするので...」

 

「この街のプリーストは、お金がないやつらが埋葬されているこの共同墓地には寄り付きもしないのか?」

 

「はい....。そうです」

 

金がないのはわかるがそれはひど過ぎではなかろうか。プリースト仕事しろ。

 

「そうか。それならせめてゾンビを起こすのをどうにかしてくれないか?俺たちがここに来た理由は、ゾンビを呼び起こすアンデッドを退治してくれってクエストを受けたからなんだが」

 

「あの...ですね、呼び起こしているわけではなく、私の魔力に反応して勝手に起きちゃうんです。私としては埋葬されている方々が、迷わず天に還ってくれればここに来る理由もなくなるんですが。..どうしましょうか」

 

その場の全員の視線が、いつの間にか起きていたアクアに向けられる。

 

「...わかったわよ。やればいいんでしょ。やれば」

 

 

 

~~~~~~

次の日

 

 

 

私は、ギルドの酒場で駄弁っている、カズマ少年の頭の上にいた。

なんでも少し遠くの丘にある古城を、魔王軍が乗っ取ったらしい。

それは私がこの世界に来て初日に見た、あの廃城だろうか。

というか魔王軍なんていたのか。そういえばカズマ少年がそういう話をしていた気もする。

 

「魔王軍幹部ねぇ、物騒な話だけど、こんな初心者の街にいる俺達には、縁のない話だよな」

 

「ああ、違えねえ。なんにせよ、廃城には近づかない方がいい。なんでこんなところに幹部様がやってきたのかわからないが、幹部は強者ぞろい。俺たちじゃあった瞬間殺されるようなバケモノが住んでるのは間違いない。あそこ近くのクエストは、しばらく避けた方が無難だな」

 

情報ありがとう。名も知らない冒険者。お礼にこれをやろう。泡液の瓶詰だ。

 

「あんだそれ?飲み物か?」

 

「それを風呂で使えばすぐに汚れが落ちて、なおかついい匂いが付くぞ」

 

「へぇ。まぁあんがとよ」

 

さよならだ。気に入ったなら、千エリスくらいで売ってやろう。

 

「..どうした?俺をそんな目で見て?」

 

「べっつにー?カズマとタマミツネが別のパーティーに入ったりしないか心配なんてしてないし」

 

「..情報収集は基本だろ?」

 

「その割には楽しそうでしたよね。楽しそうでしたよねぇーカズマ?」

 

「この新感覚はなんだ?これが寝取られとかいうやつか...?」

 

ダクネスは何処でそんな言葉を知った?

 

「そんなことよりお前らに聞きたいことがあんだよ。次はどんなスキルを覚えようかかと思ってな。俺が穴を埋めていく感じでいきたいんだ」

 

「別にいいんじゃないか?壁は私が務まるし、攻撃はめぐみん、回復はアクア。お前は指示か何か出していればいいだろう」

 

私はまぁでればここら一帯のモンスターは楽に狩れるだろうし。

見ているだけの方がいいか。強敵が出たときのみ戦いに参加しよう。

 

 

 

~~~~~

また次の日

 

 

キャベツの報酬が出たらしい。私はカズマ少年と協力していたため、私が捕まえた分はカズマ少年の分になる。

私が金なんぞをもらっても使い道はないからな。魚を買うくらいしか。

 

「カズマ、こいつを見てくれ。どう思う?」

 

「すごく...成金です..」

 

「少しは褒めてくれたっていいじゃないか。私だって褒めてもらい時もあるんだぞ」

 

「今はお前よりひどいのがいるからな。かまってやれる余裕はない。」

 

「ハァ...ハァ...。たまらない、たまらないです!この色!この艶!ハァ...ハァ..」

 

ついに狂ってしまったか。もとから残念な頭が、さらにだめになってしまった。

 

「なぁんでよおおおおお!?何でなのよ!」

 

アクアがルナ嬢胸ぐらをつかんでいる。何とは言わないがこぼれそうだ、何とは言わないが。

だが興奮なんてものはしない。誰が虫と虫の交尾をエロいと思うだろうか。私にとってはそれぐらいしにしか感じられない。

 

「なんで五万ぽっちなの!?かなりの量捕まえたのよ!?十や二十じゃないはずよ!」

 

「も、申し上げにくいのですが....アクアさんが捕まえてきたのが、ほとんどレタスで..」

 

「..なんでレタスが混じってんのよー!」

 

「私に言われましてもっ!」

 

どこまで運がないのだろうか。アクアは。

 

「カ、カズマさん?今回の報酬はおいくらで?」

 

「三百万ちょい」

 

「「「さんびゃく!?」」」

 

私が捕らえ、カズマ少年が回収、それを繰り返したのだ。そこそこの額になると思っていたが三百を超えていたとは。

事前にすべて譲ると言ったから、あれはすべてカズマ少年のものだ。

私の食費やらなんやらを払う代わりに。

 

「カズマさん!いやっカズマ様!お金を貸してくださいっ。お願いします!」

 

「やだ。使い道は決めてるし、ほとんどタマミツネが稼いだものだからな、譲ってもらったが」

 

「かじゅまさああああん!私、有り金、使い切っちゃったんですけど!十万ちかいツケまであるんですけど!」

 

「知☆る☆か」

 

「そんなこと言わないで!ツケ払う分でいいから!夜ごそごそしてるの知ってるから、早くプライベートが欲しいのもわかるけど!お願いよお!」

 

「分かった!分かったから黙ろうか!」

 

「カズマっ!クエストです!早速クエストに行きましょう!」

 

私はここで待っててもいいだろうか。...ダメか、そうか。

 

「掲示板の依頼を見てからにしよう.....物の見事に高難度の依頼しかないな」

 

別にクエスト行かなくても私の泡液を売ればいいと思うんだがなぁ。

十万はさすがに稼げないが。

 

「申し訳ございません。魔王軍幹部が近くに引っ越してきたため、弱いモンスターが隠れてしまい、仕事が激減しております。こればっかりはどうしようもございません」

 

うわぁ..。タイミングがひどすぎる。かわいそうに。

 

 

~~~~~

 

 

 

最近カズマ少年と中二病(めぐみん)が何処かへ通い始めたようだ。

私といえばダクネスといる。たまに泡を出してくれと言われること以外は不自由ない。

私と遊んでくれるし、私の主食が魚だということを知ったからか、魚を持ってきてくれる。

たまに高級魚っぽいのが混じっていたが、別に大丈夫だろう。

私に魚をくれるときは、すごい楽しそうだし。

 

「おお、よく食べるな。どこにそんな入るんだ?」

 

胃ですが?

 

「カズマ達は何処へ行ったのだろうな」

 

さぁ?めぐみんは爆裂魔法をぶっぱなしに、カズマ少年は風俗にでも行ってるんじゃないか?

アクアは....知らん。どこかでバイトでもしているのだろう。

 

「まったく。何をしてるんだか」

 

退屈はしてないしいいんじゃないか。

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!』

 

.....またか。退屈は嫌いだが、騒がしすぎるのも考え物だな。

 

「何があったんだろうな」

 

またキャベツか何かだろう。大穴で魔王軍幹部とかけてみるか?

まぁこんな駆け出しの街に来ることはないだろうが。

 

「さて、いくか、おまえも来るだろう?」

 

行かなきゃ文句言われそうだしな。

いざ!正門へ!

 

 

 

 




小さくなっている時のタマミツネはデフォルメされています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話

この小説を書き始めてから、夢の中に古龍説のあるとろでさーもんな方が出てくるようになりました。


 今度は何が来たのだろうか、キャべツ?ラオおじいちゃん?それともクシャル?もしくはアトラル・カ?

どれが来てもいいがキャベツ以外は対処できんぞ。

正門が見えてきた。カズマ少年もそこにいる。

さて、来たのは何だ?姿が見えないからラオおじいちゃんやアトラル・カではないな。

..首がとれた騎士モドキ?何だろう。前世ではそんなのがいたような気もするが。

名前は何だったか、デュ、デュアル?思いだせないな。まぁ騎士モドキでいいだろう。

 

「..俺はつい先日、この近くの城に越してきた魔王軍幹部の者だが...」

 

あれが魔王軍幹部なのか。ハンターの方がよっぽど強いんじゃないか。

あんなハンマーの溜め食らったら一撃で昇天しそうな強さで魔王軍幹部か。

 

「ままま、毎日毎日毎日ッッ!!おお、俺の城に、毎日欠かさず爆裂魔法撃ち込んででく頭のおかしい大馬鹿は、誰だああああああー!!」

 

...爆裂魔法?それを放てるのはめぐみんしか私は知らないが.....。

 

「爆裂魔法?」

 

「爆裂魔法つかえる奴っつったら...」

 

「爆裂魔法って言ったら....」

 

めぐみんへ視線が集まっていく。

..隣の子視に視線移しよった...。

 

「ええっ!?あ、あたしっ!?なんであたしが見られてんのっ!?爆裂魔法なんて使えないよっ!」

 

..かわいそうに。濡れ衣着せられて。

それはそうとなぜめぐみんとカズマ少年が冷や汗を垂らしている?

...あいつらか。撃ち込んでいたのは。

めぐみんがいやそうな顔しながら前へ出る。嫌そうな顔すんなや、めぐみんが招いたことだろうに。

 

「お前が....!お前が、毎日毎日俺の城に爆裂魔法ぶち込んでいく大馬鹿者か!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売っているなら、正々堂々城に攻め込んで来い!その気がないなら、街で震えているがいい!なぜこんな陰湿な嫌がらせをする!?この街に低レベルの冒険者しかいない事は知っている!どうせザコしかいない街だと放置しておれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポン撃ち込みにきおって.....っ!頭おかしいんじゃないのか、貴様っ!」

 

.....大分ため込んでいたようだな。まぁ毎日撃ち込まれればそうなるか。

苦労人っぽそうだ。

....何をやっている?めぐみんは?

 

「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、爆裂魔法を操るもの...!」

 

「......めぐみんってなんだ。バカにしてんのか?」

 

「ちっ、違わい!」

 

それはキレてもいい。完全にバカにしてるようにしか聞こえない。

 

「我は紅魔族のものにして、この街随一の魔法使い。我が爆裂魔法を放ち続けていたのは、魔王軍幹部のあなたをおびき出すための作戦なのです!こうしてまんまとこの街に、一人で出てきたのが運の尽きです!」

 

随一の魔法使いとか、作戦とか。ツッコミどころが多すぎる。

 

「....おい、あいつあんな事言ってるぞ。毎日爆裂魔法撃たなきゃ死ぬとか駄々こねてたから、仕方なくあの城の近くに連れてってやったのに。いつの間にか作戦になってるし」

 

「....うむ、しかもさらっと、この街随一の魔法使いとか言い張っているな」

 

「しーっ!そこは黙っといてあげなさいよ!今日はまだ爆裂魔法使ってないし、後ろにたくさんの冒険者が控えてるから強気なのよ!このまま見守るわよ!」

 

いつの間にか合流していたカズマ少年たちが突っ込んでくれた。

というかそんなことしてたのか、カズマ少年。

 

「.....ほう、紅魔族か。なるほど、なるほど。そのいかれた名前は、別に俺をバカにしていた訳ではなかったのだな」

 

「おい、両親からもらった私の名に文句があるなら聞こうじゃないか」

 

文句しかない。何なんだその子供みたいなネーミングセンス。

 

「....フン、まぁいい。俺はお前らザコにちょっかいかけにこの地に来たわけではない。この地には、ある調査に来たのだ。しばらくはあの城に滞在することになるだろうが、これからは爆裂魔法は使うな。いいな?」

 

「それは私に死ねといっているも同然なのですが。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を打たないと死ぬんです」

 

「ならば勝手に死ぬがいい、どうせ嘘だろうがな」

 

だろうな。そんな種族があるはずない。

 

「どうあっても、爆裂魔法を撃つのを止める気はないというか。弱者を刈り取る趣味はないが、これ以上あの城の近辺で迷惑行為をするなら、こちらにも考えがあるぞ?」

 

ヤッチマエー、モトキシノダンナー、ブットバセー、ブッコロセー。

 

「余裕ぶってられるのも今のうちです!こちらには対アンデットのスペシャリストがいるのですから!先生、お願いします!」

 

「しょうがないわねー!魔王軍の幹部だか何だか知らないけど、あんたのせいでまともなクエストが受けられないのよ!覚悟はいい!?」

 

おおめぐみんよ、他力本願とは情けない!

アクアもノリノリで行くんじゃない。

 

「ほう、アークプリーストか?俺は仮にも魔王軍幹部の一人!低レベルのアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいないし、アークプリースト対策はできているが、どうしてくれようか。.....ここはひとつ、紅魔族の娘を苦しませてやろう!」

 

「汝に死の宣告を!お前は一週間後に死ぬだろう!!」

 

ダクネスの身代わり!ダクネスは呪いを受けた!

 

「ちょ、おい、ダクネス!?」

 

「ダクネス、大丈夫か!?痛いところとかないか?」

 

「.....ふむ、何ともないのだが」

 

不発か?

 

「その呪いは今は何ともない。だが一週間後に必ず死ぬ。そういう呪いなのだ、それは。紅魔族の娘よ、自分の行いを悔いるのだな。お前のせいでそこのクルセイダーは死ぬ。素直に俺の言うことをおけばよかったのにな!」

 

「なんてことだ!つまり貴様は、この私に死の呪いをかけ、呪いを解いてほしくば俺の言うことを聞けと!つまりはそういうことなのか!」

 

 

「えっ」

 

 

えっ。なんだって?頭が理解したくないと拒否してくる。

 

「見ろカズマ!あのデュラハンの兜の下のいやらしい目を!あれは私をこのまま城へ連れ帰り、ハードコアなプレイを要求する変質者の目だっ!」

 

「......えっ」

 

かわいそうに。あられもないことを言われて。

 

「ああカズマっ!想像しただけでも燃えるシチュエーションだっ!仕方がないから言ってくル!タマミツネ!おまえも来い!」

 

 

いやあああああ!?何でそうなる!?どうして私を連れて行こうとする!?

止めろおおおお!放せえええええええ!

 

「ファ!?」

 

「待て!行くな!デュラハンの人困ってるから!」

 

「と、とにかく、爆裂魔法を撃つのはやめろ!そして紅魔族の娘よ!呪いを解いてほしくば俺の城へこい!俺のいる最上階まで来れたら呪いを解いてやろう!果たしてひよっこのお前にたどり着けるかな?クククククッ!クハハハハッ!」

 

消えた!消えたから私を下ろせ!いつまでつかんでいるんだ!

金の卵ぶつけんぞ!

 

 

~~~

 

 

 

「おい、どこへ行く気だ?何しようってんだ、めぐみん」

 

「ちょっと城へ行くだけですよ。ちゃっちゃと呪いを解かせてきます」

 

「俺も行くにきまってるだろうが。お前ひとりじゃどうしようもねぇだろ。そもそも俺もお前と行ってたんだから」

 

ええい、いつまでつかんでいる!下ろせっつてんだろうがぁ!

ぐえっ!握力が強くなった..だと?

カズマ少年がなんか言ってるが聞こえん!

おいアクア助けてくれ、部位破壊されそうだ。

 

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』ッ」

 

「ふふん!どうよ!この私にかかればデュラハンの呪いの解除なんて楽勝よ!どう?どう?私だって、たまにはプリーストっぽいでしょう?」

 

「「.....えっ」」

 

 

 

~~~~

 

 

 

あれから一週間がたった。

 

爪と背中が部位破壊されていて歩きづらいわ、背中痛いわで散々だった。

罰として一番恥ずかしい秘密をみんなの前で暴露させたがな!

 

「クエストよ!きつくてもいいから、クエストを請けましょう!」

 

どうした?いきなり。

 

「私はかまわないが...火力が足りないだろう」

 

ダクネスがちらちらカズマ少年とめぐみんを見ている。

 

「やりたくねぇんだがなぁー。しょーがねなー」

 

ほんとダルそうだな。怪我一つしていないのに。

何を請けるんだか。

 

 

「アホか!」

 

またやらかしたか。いい加減にしてほしい。

 

「これよ!これをやりましょう!」

 

「湖の浄化?お前浄化なんてできんのか」

 

「あたりまえでしょう?私が何を司るのか忘れたの?」

 

「宴会の神様だっけ?」

 

「違うわよ!」

 

どうでもいいので早くしてほしい。

 

 

~~~

 

 

湖の浄化をここでやるらしい。

私だったら絶対に住みたくないほど汚れている。

ほんとの浄化できるのか?

 

「...ねぇ。本当にやるの?」

 

「私、今から売られていく、捕まった希少なモンスターの気分なんですけど」

 

檻に入ってるからな。

運んだのは私なんだぞ。

アクア改めティーバッグ。

 

 

 

すでに二時間たったが何もないな。

おかげで昼寝ができる。

平和だなぁー。ワニのモンスターも出てないし。

 

「カズマー!なんか来た!ねぇなんかいっぱい来たんだけど!?」

 

平和だぁ。日光が心地よい。

 

「カズマ!?檻がなっちゃいけない音出してるんだけど!?メキッて、メキッて!」

 

頑張れという意味を込めて尻尾を左右にふる。

 

「タマミツネ!?それどういう意味!?」

 

ん?ワニが数体こっち来てるな。

水流ブレス!ついでにシャボンランチャー!

 

「ひぃ!余波で檻が少し歪んだんだけど!?」

 

後は頑張れー。

 

 

 

七時間きっかりで終わった。

 

今街の前まで来ているが、後ろのオーラがひどい。

まるで囚人を護送しているみたいだからやめてほしい。

ん?なんか来た。

 

「め、女神様ッ!?女神様じゃないですかっ!何をしているんですか、そんなところで!」

 

この少年の仲間?と思しき少女二名が私を見ておびえているのだが、私はどうすればいいんだ?

 

「おい、私の仲間に来やすく触れるな。貴様、何者だ?知り合いにしては、アクアが反応していないが」

 

いかにも、自分は厄介ごとに巻き込まれたくはないのだけど仕方がない、といった感じで、ため息をつきながら首を振る。

こいつ潰してもいいだろうか、久々に苛立った。

 

「...おい、あれお前の知り合いなんだろ?女神様とか言ってたし。何とかしてくれよ」

 

「...ああっ!女神!そう、そうよ、女神よ私は。それで?女神の私にこの状況をどうにかして欲しいわけね?しょがないわね!」

 

やっと檻から出たか。負のオーラもまき散らしてないし。

 

「....あんた誰?」

 

ええ...。

 

「何言ってるんですか女神様!僕です、御剣響夜ですよ!あなたに、魔剣グラムを頂いた!!」

 

「......?」

 

漫画の主人公みたいだな、こいつ。今これほど人型でないことを悔やんだことはない。もし人型であればコイツの股間に蹴りを入れたやったのに。

 

「ああっ!いたわね、そんな人も!ごめんね、すっかり忘れてたわ。だって結構な数の人送ったし、忘れてもしょうがないわよね!」

 

顔が引きつってるぞ、ええと乙るぎだったか?

 

「ええっと、お久ぶりですアクア様。あなたに選ばれた勇者として、日々頑張っていますよ。職業はソードマスター。レベルは37にまで上がりました。...ところでなぜここに?どうして檻に閉じ込められてたんですか?」

 

カズマ少年と私をちらちら見てくる。なんだ、そんなBC送りにされたいか、乙るぎ。

 

カズマ少年が説明しているな。理解できるか?

 

「....バカな。ありえないそんな事!君は一体何考えてるんですか!?女神様をこの世界に引き込んで!?しかも、今回のクエストではオリに閉じ込めて湖につけた!?」

 

「ちょちょ、ちょっと!?いや別に私としては結構楽しい毎日送ってるし、魔王を倒せば帰れるのよ?今回だって怖かったけど誰も怪我せず無事完了できたし、しかも今回の報酬全部くれるのよ!」

 

「アクア様、この男にどう丸め込まれたのか知りませんが、今のあなたの扱いは不当ですよ。ところで、今は何処に寝泊まりしているんです?」

 

「えっと、みんなといっしょに、馬小屋で寝泊まりしてるけど.....」

 

「は!?」

 

「おい、いい加減その手を放せ。お前はさっきから何なのだ。カズマとは初対面のようだが、礼儀知らずにもほどがあるだろう」

 

おいまて、めぐみんこんな街中で爆裂魔法を撃とうとするんじゃない!

 

「...クルセイダーにアークウィザード?それに綺麗で大きなモンスター、随分とパーティーメンバーに恵まれてるんだね?それなら尚更こんな優秀そうな人たちを馬小屋に寝泊まりさせて恥ずかしいと思わないのか?」

 

話だけなら優秀そうだが、中身は皆イロモノぞろいだ。

残念だったな、カズマ少年並みの指揮能力がなくては話にならない。

 

「君たち、今まで苦労したみたいだね。これからは僕と一緒に来るといい。パーティーの構成的にもバランスが取れていいじゃないか。完璧なパーティーになれるよ!」

 

うわぁ。気持ち悪いわぁ。まだハンターに捕獲される方が私はいい。いやそれも嫌だな。

みればアクアたちも引いている。

 

「ねぇカズマ。もうギルドにいこう?私が魔剣あげといてなんだけど、あの人には関わらない方がいい気がするわ」

 

「えーと。俺の仲間は満場一致であなたのパーティーには行きたくないみたいです。俺たちはクエストの完了報告があるからこれで」

 

「にがさなっぷげぇ!?」

 

おや、いきなり進路上に出るから思いっきり轢いてしまった。

私は悪くない。いきなり進路上に出てきた乙るぎくんが悪い。

 

「うぐぅ、しょ、勝負をしないか?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ、僕が負けたら何でも言うことをひとつ聞こう」

 

「よし乗った!じゃあ行くぞ!」

 

「えっ!?ちょっ!待っ....!?」

 

「『スティール』ッッッ!」

 

「んなっ!?!コンナハズジャナイノニィ!」

 

ヒャッハー!お前の負けだ、乙るぎ!

 

 

「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者-っ!」

 

「あんた最低!最低よ、この卑怯者!正々堂々と勝負しなさいよ!」

 

「なにが正々堂々だ!高レベルの魔剣持ちが、低レベルの冒険者に勝負挑むんじゃねぇ!」

 

「とりあえずこの魔剣は貰ってきますね。いうこときくっつってたし」

 

「はん!その魔剣はキョウヤにしか使いこなせないわ!」

 

「そうなの?アクア」

 

「本当です。あの痛い人専用よ。カズマが使ったって普通の剣よ」

 

「まぁいいか。起きたら恨みっこ無しだって言っといてくれ、じゃあな」

 

「待ちなさいよ!こんな勝負私達は認めないわ!」

 

ほう、ならば私と勝負しようじゃないか。この世界の高レベル冒険者の仲間の強さを見てみたいからな。

ユクゾ、カカッテクルガイイ。

 

「ひっ....」

 

弱いな、ジャギィ三匹分か。

所詮は取り巻きよ。

 

「お、おう、行くか」

 

「そうですね」

 

面倒ごとがあちこちからくるな、全く。

ギルドが遠く感じる.....。

 

 

 

 

 




かつらぎ説得するときのアクア様マジ女神。マジヒロイン。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話

スキルを考えてるとどうしても頭にキノコ大好きが...。


 報告を完了したが、檻の弁償代でほぼほぼ報酬を差し引かれたようだ。

今回は何もやってないし完全に被害者だな。ほれ、もふもふしてやろう。

 

「うう...。あの男今度会ったら絶対にゴッドブローを食らわせてやるわ!そして檻の弁償払わせてやる!...もふもふぅ」

 

そのいきだ。

 

「ここにいたのかっ!探したぞ、佐藤和真!」

 

ストーカー!変質者!自分を勇者だと思ってる一般人!

 

「佐藤和真!君の事は、ある盗賊の女の子に聞いたらすぐに教えてくれたよ。ぱんつ脱がせ魔だってね。他にも、自分の従魔を泡まみれにしたりとか。いろいろな噂になってるよ、鬼畜のカズマだってね」

 

「おいマテ、誰がそれ広めてたのか」

 

誰が従魔だ、誰が。あとカズマ少年の事はほぼほぼ間違ってない。

 

「....アクア様。僕はこの男から魔剣を取り返し、必ず魔おとぅば!?」

 

アクアの、ゴッドブロー!こうかはバツグンだ!

 

「ちょっとあんたオリ壊したお金払いなさいよ!おかげで私が弁償することになったじゃない!三十万よ三十万!ほら、とっとと払いなさい!」

 

アクアにだけは潔いのな。三十万しっかり払ってるし。

あ、起き上がった。

 

「....あんなやり方でも、僕の負けは負けだ。そして何でも言うことを聞くといった手前こんなことを頼むのは虫がいいのも理解している。..だが頼む!魔剣を返してはくれないか?君が使ってもそこらの剣よりは斬れるくらいくらいにしかならない。..返してくれ..」

 

..残念だったな、既にあれはここにはない。

まぁ私が何を思っても聞こえないから意味はないが。

 

「まずこの男が既に魔剣を持ってない件について」

 

「!?」

 

「ふっ。あれなら既にこれに代わっている」

 

そういってカズマ少年は金の入った袋を掲げる。

 

「ちくしょおおおおおお!」

 

あららー、大丈夫かね、あれ。

 

 

「何だったのだ?あいつは。.....ところで、先ほどからアクアが女神と呼ばれているが、一体何の話だ?」

 

きにするな、ただのちゅうにびょうだ。

 

「そうか、そういう設定か」

 

「違うわよっ!」

 

『緊急!緊急!冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっ!』

 

ま た か !

多過ぎるぞいくら何でも!

またあの騎士モドキか!?

 

「またかよ..?最近多いな、緊急呼び出し」

 

『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください!....特に、冒険者サトウカズマさんとその一行は、大至急でお願いします!』

 

....絶対騎士モドキだろうな。呪いの件じゃないのか?

先に行ってるぞ。

 

「あっ、おい!」

 

 

~~~

 

 

予想的中やはりあの騎士モドキか。

大量のモンスターを連れているな。

強烈な腐臭もする。あれはアンデッドか。

 

「..追いついた!速すぎるぞ...!」

 

先に行ったのにもう追いついたのか。

ダクネスは?....まだ走ってるか、そうか。

 

「おお、やっぱりあいつか」

 

「見つけたぞォ!なぜ城に来ないィ!この人でなしどもがああああ!!」

 

人じゃありませんしお寿司。泡弧竜です。よって問題ない。

 

「えっと、なぜ城に来ないって、なんで行かなきゃいけないんだよ?もう爆裂魔法も撃ち込んでないぞ?」

 

カズマ少年、呪いが解かれたとしらない人から見れば、その発言はクズそのものだぞ。

見捨てたと解釈できる。

 

「爆裂魔法を撃ちこんでない?撃ち込んでないだと!?何を抜かすか白々しいっ!そこの頭のおかしい紅魔の娘が、あれから毎日欠かさず通っておるわ!」

 

.....まだ行ってたのか。

 

「......お前、行ったのか。もう行くなって言ったのに、あれからまた行ったのか!」

 

「ひたたたたた、いた、痛いです!違うのです、聞いてくださいカズマ、これには理由が.....」

 

「なんだ?くだらない理由じゃないよな?」

 

「それが...城に向かって放つのに魅力を覚えてしまって...大きくてかたいものじゃないと我慢できないのです...!」

 

何を我慢するというのか。

 

「ええい!大体お前ひとりじゃ動けないだろ!?共犯者がいるはずだ!いったい誰と...」

 

アクア....。お前か....。

 

「お前かああああ!」

 

「ごめんなさあああい!だってだって、あのデュラハンのせいでろくなクエスト受けられないんだもの!腹いせがしたかったのよおおおお!」

 

「俺が本当に頭に来たのはそれだけではない!貴様らには仲間を助けようという気は無いのか?不当な理由で処刑され、モンスター化する前は、真っ当な騎士のつもりだった。その俺からすれば、仲間を庇って呪いを受けた、騎士の鑑のようなあのクルセイダーを見捨てるなど.......!」

 

騎士の鑑(私欲丸濡れ)

ちょうどご本人が来たようだ。

 

「...や、やぁ.....」

 

「.....え?...あ、あれぇーーーーーーっ!?」

 

残念だったな、そこまでだ。

 

「残念でしたー!呪いは私が解いちゃいましたー!プークスクス!」

 

「おい貴様。俺がその気になれば、この場の全員を一人残らず斬り捨て、街の住民を皆殺しにすることだってできるのだぞ?いつまでも見逃して貰えると思うなよ?俺のこの体にお前らでは傷一つつけられんわ!」

 

ならば私が相手になろう、元の大きさでな。

 

「ぬおっ!何処から出てきた!?」

 

人込みから。では、行くぞォ!

 

「うおっ。なに、何をする!」

 

尻尾で薙ぎ払っただけですが?次はシャボンランチャー!

 

「隙間だらけだわ!ふん!」

 

ところがどっこい、いきなり大きくなったりします。

 

「ぬわっ!?何だ!?巨大化したぞ!?」

 

かかったなッアホがッ!ローリングアタック!

 

「うげぇ!どばぁ!お、おいお前たち代わりにあいてしてや....!?」

 

「残念だったわね!既に私が浄化してやったわ!」

 

そういうことだ。諦めろ。諦めて私の糧となれ。

水流ブレス!

 

「これ位なら避けられるわっ!」

 

続いて薙ぎ払い、ついでの背面プレスだッ!

 

「.....ドウシテコウナッタ。こいつら強すぎだろっ!?」

 

「おのれぇ....!」

 

「ターンアンデッド!ターンアンデッド!」

 

「お前らを末代まで呪ってやる!特にそこの狐だか何だか分からない生物!」

 

そこそこの硬さ、硬さだけなら上級ハンター以上、G級ハンター未満ってところか。

結構強かったな。来世は私の世界に生れ落ちるといい。

その強さを生かせるだろう。

 

「おい、水はやめろ!さっきの水のブレスはやめろ!」

 

断る。死ねぇいッ!デュラハンッ!

 

「ゴフッ。わが生涯にたくさんの悔いあり......」

 

アッケナイモノヨ。

 

「おお....!勝ったぞ!あの竜?とカズマ達の勝利だ!」

 

「「「「「やったああああああ!!!」」」」

 

貴方たちは何してたんですかね。いや、出番を私が食ってしまったのか。

なんにせよ、勝ちは勝ちだ。

 

 

 

~~~~

翌日

 

 

ギルドではどんちゃん騒ぎだ。

酒飲みまくっている。非常に臭い。

カズマ少年は、大金貰って調子乗って、今日は奢りだなんて言っていた。

まぁそのおかげでうまい魚が食えるので別にいいが。

 

「おーう、たまみつねぇぇ、のんでるぅう?」

 

飲んでない。というか飲めるのかすら解らない。

アクアは飲み過ぎだ。嗅覚がマヒしそうなくらい酒臭い。

......持ち上げられた。これは....ダクネスか。どうした?

おい、そっちは一番盛り上がっていて、一番臭いとこじゃないか!

臭いがヤバいから私は近づかなかったんだぞ!

......嗅覚が死んだ。もう何も感じない。

 

「連れてきたぞー!」

 

「来たなー!おらのめよー。のめー」

 

うわまて、何をする気だ!飲ませる気か!?分解できるかわからないんだぞ!

やめろ!何?飲ませない?ぶっかけるだけ?それもやめ...うえぇ。

ほんとにぶっかけるとは......。

 

「どんどん追加しろー!」

 

まて、これ以上はほんと待て、お願いだから、やめてくれたなら恩返しするから!

なに?女の子になってかって?なれる訳ないだろう。なんだとおもって....!?

 

 

 

 

その後、ギルドのテーブルの上で、酒まみれになって気絶するタマミツネの姿が見れたという。

 

 

 

~~~~

 

 

昨日の記憶がない。

思い出そうとすると背筋が冷たくなる。

それはそうと、カズマ少年が曰くつきで、悪霊が出るという、屋敷を買い取ったようだ。

もっとも、アクアが悪霊は払ってしまったそうなので、今はもう出ないそうだが。

そしてカズマ少年、擬人化できるようになる魔道具とか買ってこなくていいから。

私に使おうとしないでいいから。

 

「どう使うんだ?ほんとに。見た目はただの首輪だしなぁ、タマミツネにつけてみても効果なかったし、外れなくなっちゃったけど」

 

私をペット扱いしようものなら泡だらけにしたうえで縄で縛ってやる。

とりあえずはこの首輪を何とかしてほしい。

 

「うん、今度ウィズに聞いてくるわ」

 

そうしろ、最悪見えなくするだけでいいから。

ああ、眠くなってきた。夜におこしてくれ.... 。

おやすみ。

 

 

 




ベルディアさんは、装備がモンハン仕様になればG級のモンスターをソロで討伐できます。
要は、装備が悪い。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話

 ......ふぁぁ....。

おはよう...まだ夜ではないか..。夕方か?

首輪は...外れてないな。カズマ少年はまだ帰ってないか。

確かウィズの店に説明を聞きに行くとか言っていたな。

そこまで時間がかかるのか?外すのにクッソめんどい事しなきゃいけないとかじゃないよな。

 

 

「おう、ただいま」

 

帰ってきたか。....何故にやけている?何故そんな笑顔でこっちを見る?

 

「その魔道具だが、魔力が溜まったら発動するらしい。もっとも、数時間しか持たないらしいが」

 

そうか、良かった。で、外すにはどうするんだ?

 

「なんか、一回擬人化する必要があるらしい。そのあと持ち主が外すかを選べるらしい。ちなみに持ち主は俺に設定されてるそうだ」

 

カズマ少年に決定権があるのか....。外してくれるよな?

 

「モチロン、タクサンオセワニナッタシネ」

 

何故片言なんだ?外してくれるよな?外してくれるよな!?おい!なんか言え!

 

「ダイジョウブ、ダイジョウブ。アンシンシテネ」

 

全く安心できんわ!!...こいつ..!?私を見る目が性的になっている..!?

本当はケモナーだとでもいうのか!?

 

「とまぁ、冗談は置いておいて、今夜の晩御飯は何だ?」

 

冗談じゃなかっただろ!...それは私も知らない。匂いからして、カニかなんかじゃないのか?

 

「あっ!帰って来たのねカズマ!今夜はカニよ!!引っ越し祝いに、ダクネスの実家から来たんだって!高級品の霜降り赤ガニよ!高級酒までついて!」

 

いつになくハイテンションだな。それほどなのか?そのカニは。

 

「冒険者稼業を生業にしておきながら、霜降り赤ガニをお目にかかれる日が来るとは....!」

 

「そんなに高級なカニなのか?」

 

「当たり前なのです!これを食べる代わりに爆裂魔法を我慢しろと言われたら、喜んで我慢して、食べた後にぶっ放すくらいには!」

 

それ結局我慢して無いだろう。カニなら食べたことはあるが、そのあと凄くひどい目にあったから不安だ。

まぁ、この世界ならイビルジョーに会ったり、イビルを追ってきたG級ハンターに会うこともないだろう。

 

「そりゃすご....おい、最後なんて言った?」

 

ふむ。その霜降り赤ガニとやらがこれか。..どう取り出そうか...。

前の時は時は殻ごといったからな...。

 

「ほら、出してやったぞ。これで食えるだろ」

 

おお、ありがとう。カズマ少年。先ほどの不穏な言動は見逃そう。

....うん。うまいんじゃないか?私にはトロサシミウオの方が美味く感じる。

やはり私には魚だな。

皆黙々と食べているな。あと二本くらいで私は満足だが。

 

「カズマカズマ、ちょっとここにティンダーちょうだい。私が今からこのお酒の美味しい飲み方を教えてあげるわ」

 

へぇー。そういう飲み方もできるのか。

飲まないし関係ないが。おさけこわい。

 

「確かにこれはいけるな、美味い!」

 

カズマ少年がなんか我慢しているように見えるな。

 

「お、おう。残念だけど俺は昼間飲んじまったから明日にするな」

 

「明日残ってるとおもうの~~?私が全部飲んじゃうわよー?」

 

「クッ!」

 

「ちょっと早いが俺はもう寝るとするよ!ダクネス、ご馳走さん、おまえら、おやすみ!」

 

 

 

 

 

 

行ってしまった。...この残したカニをどうするか。

..ん?何だ?首輪が光って....?うわっ!?

 

「何だ!?何が起こっ...!?」

 

人の腕...だと?

 

「ええと?どちら様?タマミツネは何処に?」

 

「私がそうだが.....。何が起こったというんだ?」

 

「首輪のせいじゃないか?擬人化する魔道具とか言ってたろう」

 

....今魔力が溜まったとでもいうのか?

..げ。なんか色変わってる、何で白からピンクになるんだ。

うぐぐぐ..。やっぱり外せないか...。

 

「...やっぱりメスだったのね。」

 

「何?私はオスのはずだが?」

 

「じゃあ、何でそのモノがついてるの?」

 

なん....だと.....?

ほんとについていやがる!私はオスだ!断じてメスではない!

 

「ふむ。確かに女だな。なかなかの体つきをしている」

 

「やめろォ!ドウシテコウナッタ!?」

 

ア”ア”ア”ア”やっぱりカニは私を不幸にする!

 

「なんかヌルヌルしてますね」

 

してちゃ悪いか!そういう特性は変わらんのか!作った奴は誰だ!

見つけ出して八つ裂きにしてくれる!

 

「とりあえず風呂へ行ってはどうだろう」

 

......そうしなくてはダメか。

 

「物凄く歩きずらい.....。四足歩行したい...」

 

「そんなことをしてはダメだ。ちゃんと歩こう」

 

今まで私は四足歩行だったんじゃボケェ!

そう簡単に二足歩行出来るかッ!

 

「くそう、なぜ私がこんな目に....!」

 

「日頃の行いがわるいからじゃない?」

 

「そんなわけあるかボケェ!」

 

うがあああ!おのれぇ....!

 

 

 

~~~

 

やっとついた...!

 

「結構かかってしまったな」

 

「仕方ないだろ...両足で立つの難しいんだから....」

 

明かりがついている?誰かいるのか?いるとしたらカズマ少年か?

 

「どうした?何かあったか?」

 

「何でもない...」

 

まぁ、大丈夫だろう。

 

 

おお、前見た時とは視点が違うからか、違って見える。あとカズマ少年がいる。

カズマ少年がなんか驚いているが、どうでもいいか。

 

 

「んん?なにかい...」

 

ん?気づいたか。

 

「どうした、こっち来いよ。ダクネスと....タマミツネか?」

 

正解だ。では、そっちへ行こう。

 

「タ、タマミツネ!?どうしてそんな躊躇なく行けるんだ!?」

 

?別にみても興奮なぞしないし、見られてもどうでもいいし。

いや、まぁブツを見るのは嫌だが。

 

「背中を流してくれないか?ほら、ダクネスもそんなところでボケっとしてないで、こっち来いよ」

 

ぬ、人間の手だからやりづらい.....。

いっそ体全体でやってもいいが、何か調子乗りそうだしやめておこう。

 

「ほら、タマミツネはやってくれてるぞ?」

 

「ええっ!わ、私がおかしいのか?そ、そんなことをしなきゃダメなのか!?」

 

「違うが?」

 

「」

 

固まってしまった。

ぬぅ、この体滑りやすすぎじゃないか?

今も滑りそうになる。ちょっとした衝撃を受けたらすぐさますっ転んでしまいそうだ。

 

「ふふ、おっと手が滑ってしまった」

 

ふえっ!?何をするだぁー!うおっ。

 

「ふぐっ!」

 

「うわっなんだ!?どうした!?」

 

おい、どこをつかんでいる?どうしてそんな態勢になっている?

痛いからやめてほしい。

 

「...デュフフフ」

 

うわっ、気持ち悪い。

 

「ダクネスー助けてくれー」

 

「落ち着き過ぎだろう!?」

 

触られても、何にも思わないからな。そこらへんが人間とは違う。

 

 

「曲者ー!出会え出会え!皆、この屋敷に曲者よー!」

 

「....いいところだったのに....!!」

 

おお、すごい勢いで出て行った。

ん?首輪がまた光って?まだ一時間ぐらいしかたってないぞ?

あ、完全に戻った。

 

 

「かかってこいやぁーー!!」

 

何やら意気込んでるな。何を相手してるんだ?

...やっぱり首輪は外れないのか。

 

「何だったんだ....さっきのは」

 

私が知るか。

とりあえずもう私は出て、リビングで寝させてもらうぞー。

じゃあおやすみだ、ダクネス。

支えてくれてありがたかったぞ。

 

「あっおい、待ってくれ!」

 

断る。やっぱり四足歩行が一番だ。楽に歩いて行ける。

あんな長く感じた廊下がこんな短時間で行ける!

やっぱり私は、この姿じゃないとな。

 

さて、おやすみ。

 

 

 




お風呂のシーンクッソ書きづらい。何を書けばいいかわからなくなる。
あと、擬人化タマミツネは巨乳です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話

デストロイヤー編はちょっと待っていただけると助かります。
今回オリキャラが出ます。


 ...朝から騒がしいな。おかげで目が覚めた。

何を騒いでいるんだ?何かあったのか?

 

「...だから!近くに本屋ができたんだって!何で信じねぇんだよこいつら!」

 

本屋だと?本屋ができたのか。人間だったころは、本が好きだったな。

擬人化すれば読めるだろう。これに関してはカズマ少年に感謝しなくてはならないな。

擬人化して何かすればカズマ少年も満足するだろう。

 

「品ぞろいも多いし、何でも綺麗な絵とかもあるらしいぞ」

 

何で絵?ホントは別の何かだったていうオチじゃないよな。

 

「へぇそう。なら確かめてきてあげるわ!」

 

早っ!ありえんぞ何だあの速度!?ええい待て!私も行く!

 

 

~~~

 

 

「ほう、ここがそうか」

 

「ダクネス、何かっこつけてんの?」

 

ふむ。確かに大きいな。期待できそうだ。

お邪魔しまーす。

 

「いらっしゃーい。テキトーに見てってねー」

 

やる気がないのか?めっちゃぐでっとしてるな。

だが、確かに品物は多いな。なんかどっかで見たものが多いが。

 

「え~おススメは~そこらへんにあるもので~す」

 

ここらへん?.....エロ本じゃないか。モンハンの。

もんはんの〇ろほん、ラ〇×と〇あめ、何でこんなのしかないんだ。

薄い本しかないのか!ていうかR_18コーナーあるじゃないか!

ソッチ置け!

 

「(´・д・`)ヤダ!」

 

うぜぇ。....まともなものも置いてあるようだが、やはりここら辺のインパクトが強い。

というか何処でこんなに手に入れた?

 

「神器でコピーしたものだよ。記憶にあるものをコピーして現実にする能力の神器をもらったんだよ、おかげでこの世界でも本を読める」

 

そんな効果の神器もあるのか。いいなぁ、私のなんて大きさを変えるだけだぞ。

まぁそれがなければ屋敷に入れないから別にいいが。あるだけマシだ。

 

「いやー初めてタマミツネをこの目で見たよ。この神器、生き物はコピーできないみたいだからね。君はタマミツネにしてもらったのかい?」

 

望んですらないが?気づいたらなってただけだ。

 

「まぁいいや。今後もこの店においでよ。これあげるからさ」

 

何だ?...さっきの本たちじゃないか!?いらねぇよ!そんなもの!

ああ、でもちゃんとした本もあるんだな。大体ラノベだが。

今後もお邪魔させてもらうとしよう。欲しいものがある可能性もあるからな。

..そういえば、アクアたちは何をしているのだろうか。

私より先に入ってったが。

 

「あの人達かい?男の子はそっちにいったよ」

 

......R_18コーナーか。

 

「そして女の子たちはあっち」

 

あそこは漫画があるみたいだな。少女漫画でもあるのか?

 

ところで、絵などもあると聞いたのだが。

それはどこら辺にあるんだ?

 

「ちょうど君の後らへんだね。まぁ、本に比べれば少ないよ」

 

それでもざっと見ただけで百以上あるんだが?

....あのどうあがいてもバッドエンドしかなさそうな、緑の服を着た金髪の女の子の絵は?

 

「ああ、あれ?最近夢に出てくる女の子についていったら見つけたものだよ。残念だけど、非売品だよ。そういう約束をしたからね」

 

なるほど。じゃああの青い騎士と仮面をかぶった人と灰色の狼の絵は?

 

「題名は『遠き過去の思い出』僕が書いたものだよ。こうあればいいなと思って書いていたら、これができた」

 

へぇ、いい絵だな。

 

「ほう、そんな絵なのか。これは売り物か?売り物なら買い取らせていただきたい」

 

ダクネス、漫画漁ってたんじゃないのか。何でここにいる。

 

「売り物だよ、値段は二十万エリス」

 

「買った。これに二十万入っている、受け取ってくれ」

 

買うのか。というか、安くないか?

 

「まいどアリー」

 

...皆ここに集まったが、どれだけ買う気なのだろうか。

アクアなんて顔がほぼほぼ見えないじゃないか。

カズマ少年....R_18コーナーに行ってたのは私と店主しか知らないから。そんな挙動不審にならなくていいから。怪しいだけだから。

めぐみんは....なんだその本?堕天使の詩?なのになんで見た目は大学ノート何だ?

 

「あー、それ全部お買い上げでいいですか?」

 

一斉に頷いたな。アクアは見えてないが。

どのくらいの値段になるのだろうか。

.....全部合わせて三十万?絵も入れたら五十万?今日でどれだけ使うんだか。

まぁデュラハンの賞金が有り余っているんだろうな。

早々使いつぶせるわけもないしな。

 

「ありがとうございましたー」

 

 

 

 

 

体に括りつけられた本たちが重い。私が自分のを小さくすれば私のも、俺のも言いやがって。

何が楽でいいわね、だ。私はきついぞ。主に量が。

屋敷についたらずっと小さいままにしてやろうか。

あとちょっとで屋敷につく。この重りからも解放される。

 

「あっ」

 

何だ?何かあったのか?

あれは....前にカズマ少年とパーティー交換した人か。

たしか.... 名前はごみだったか?それともダストだったか?

まぁどちらでもいい。今はこの重みから解放されたい。

 

「何で後ろのやつはそんなに荷物もってんだ?」

 

こいつらのせいに決まってるだろう!

 

「ああ、タマミツネが荷物持ちを引き受けてくれたんだ」

 

引き受けてねーよ!勝手に渡してきたんじゃねーか!

ああもう、私は先に帰るぞ!付き合ってられるか!

 

「あぁ、おい待てよ!...いっちまった」

 

 

 

ヒャッハー!到着だぁー!

後は縛っているひもを切って.....自由だぁー!

本はリビングに置いとけばいいだろう。絵はしらん。

後は擬人化できるかどうかなんだが...。..まだ無理っぽいな。すぐ読みたかったが仕方ないな。

薄い本はカズマ少年のに入れておこう。私は読まないのでな。読んでも何もないし。

 

さて....魔力はどうやったらたまるのだろうか?

自動的にたまるのはわかるが、手動でためる方法はないのだろうか。

....どうしようも無いか。諦めてたまるのを待とう。

 

 

 

~~~

 

 

「いやー、話してたら遅くなっちゃったわね!」

 

「お前がたかってたからだろ」

 

「どうでもいいので入りましょう」

 

「そうだな。入って買ってきた漫画?とやらを読もう」

 

ん?帰ってきたか。

体感的には三十分ほどか。何を話してたんだか。

 

「ただいまー.......おお、綺麗に分けられてるな。..ん?何か俺の量増えてね?」

 

「気のせいよ、気のせい」

 

「...カズマ。一番上に乗ってるそれは何だ?」

 

「えっ?....エロ本だな..」

 

ふっ、私に持たせた罰だ。大きさは元に戻したから安心しろ。

カズマ少年のエロ本だけ更に大きくしたがな。

それより魔力を魔道具にためたいのだがどうすればいい?

 

「..擬人化したいのか?okok俺のスキルで魔力を送ってやるよ」

 

よろしく頼む。....あとちょっとだな。

 

「これでたまったんじゃないか?」

 

うむ。完全にたまったようだ。いざ、擬人化!

 

「...服、着てるんだな」

 

「着てないと思ったか?残念、甲殻や鱗が服になるのだ」

 

「ちっ....」

 

「残念だったわねー!カズマ!」

 

さて、本を読むか。何年ぶりの本だろうか。

中の文字は....日本語だ。これなら読める。難しい言葉は少し忘れてしまったが、まぁラノベなら大丈夫だろう。

喧嘩しているアクア達など無視だ。

 

「ほうほうこれは....!中々いいじゃないですかこのノート!作者は....漆黒の堕天使?名前といい、センスといい侮れませんね...!」

 

アカン奴だそれ。絶対作った奴の黒歴史になっただろうな。

何よりめぐみんのセンスに引っかかるのがひどい。

万年中二病の奴らに評価されるノート.....。何故そんなものを売ったのか...。

喧嘩してたアクア達も引いている。どれ程痛いノートなのか逆に気になる。

 

「ううむ、この絵は何処に飾った方が映えるだろうな」

 

知らない。何処おいてもいいんじゃないか?

どうでもいいから静かにしてくれ。私は本が読みたい。

 

「俺は部屋にこもる!この本たちを持ってな!」

 

いきなりどうした。死亡フラグか?

 

「そうよ!閉じこもってなさい!」

 

何があったんだか。

とにかく私は静かに読みたいんだ!この場所はうるさくてかなわん!

何処に行くべきか.....。

空き部屋があったはずだからそこへ行こう。

 

「む、どこへ行くんだ?」

 

「空き部屋に行く。うるさくて静かに読めないからな」

 

「そうか、空き部屋は一番左だ」

 

「ありがとう、ダクネス」

 

一番左か.....。まぁいい。

 

 

 

 

 

 

その後一日、本を読んで(途中で魔力を補給しながら)すごした。

 

 




本屋の人は、その気になればロト一式取り出したり、爆弾を出せたりします。
まだまだ未熟ですが、今後もよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話

オリジナル回です。
面白くかけているでしょうか?


 最近カズマ少年からの視線がひどい。

私を、正確には魔道具である首輪を手をワキワキさせながら見てくる。

その顔は完全に犯罪者のそれだ。特に性犯罪者の。

どうにかならないか?店主。

 

「僕にそんなこと言われてもね~。どうしょうもないよ。大人しく擬人化したら?」

 

嫌だ。誰が好き好んで馴れない人の、しかもメスの体になぞなるか。

 

「諦めてご主人様とか言っておきなよ、メイド服とか和服着て。それで満足するんじゃない?」

 

気持ち悪ッ!絶対嫌だ!絶対嫌だそんなの!

カズマ少年をご主人様と呼べと?それはどんな処刑なんだ?

ご主人様など、誰に対しても使いたくないわ。

 

「いいじゃん、いいじゃん。すぐさま用意できるよ?記憶にあるからね」

 

お前、前世何してたんだ?オタクだったのか?

 

「何してたっけねー、本をたくさん読んでたことだけは覚えてるんだけどねー」

 

お前の神器、記憶を必要とする奴だろ。大丈夫なのか?そんな忘れっぽくて。

 

「忘れるのは自分の事だけだよー、この前来た男の子が何買ってたかも覚えてるし」

 

何故自分の事は覚えてられないのか....。

 

「それより何か面白いものない?」

 

面白いもの?この世界に来る前に、宝玉を手に入れて喜んでるのか喜んでないのか、どっちか分からない顔した人と、その人をみて、崩れ落ちる人なら見かけたが。

 

「物欲センサーに引っかかったんだね、ご愁傷様」

 

他には何もないな。女ハンターがコンガにドナドナされてたことなんて知らない。

 

「ふーん。あれ、お客さんが来たみたい」

 

行って来いよ、店主だろうお前。

めんどくさがるなよ?

 

「ええ~。君も道連れにしてやる」

 

....どんだけやりたくないんだよ。

わかったわかった。一緒に行ってやるよ。

 

「おっ、素直だね、明日はやりが降るのかな?」

 

おい、ふざけたこと言ってないでサッサとカウンターに行け。

 

「はいはい。い~らっしゃいませ~~。当店では他の店で扱ってない品がありますよ~」

 

入ってきた客は....。あいつだ、あいつ。茶髪でイケメンで、戦闘力スリージャギィの取り巻き連れてたやつ。

えーと、確かミツ.....乙るぎ君だったかな?

 

「すみませ.....!?」

 

おい、何こっち見てる? 何でここにいるの!?とか言いそうな顔するんじゃない。

 

「何でここに.....!?」

 

言いやがったこいつ。

 

「この子?僕の店のマスコットだよ」

 

いつマスコットになった?

まぁなってもいいが。

 

「あっはい。...ここには素敵な絵があると聞いてきたのですが....」

 

....残念だったな。大半がみんなのトラウマだ。

そうだな、乙るぎ君にはこの、髪がぼさぼさで赤い目をした、青い肌の人形の絵がいいんじゃないか?今は小さいが、本当はもっと大きいからな。

もしくは、森にポツンとある洋館の絵とか。これには特殊な仕掛けがあるから、夜中になったらいきなり曲が鳴り始めるから注意しろ。朝まで鳴りやまないから。

 

「じゃあ、これでいいよね?」

 

そういって渡すのは、教室の絵。何処もおかしいところはない。

ただ一つ、他の人はグループを作っているのに、茶髪の少年が一人でいること以外は。

言ってしまえば、ボッチである。こいつはそんな経験ないだろうが。

 

「....別のでお願いします....」

 

おや?妙に顔が暗い。どうしたのだろうか。

まぁいいや。次へいこう。

 

「じゃぁこれ」

 

今度は....。白い、肩と頭が一体化してる、人型の怪獣のようなものが、のたうち回り、泥にまみれながら苦しんでいる絵である。

これも特殊な仕掛けがあり、水をかけたりすると赤ん坊のような、悲痛な叫び声が聞こえるというものである。なお、絵本体は防水済みである。

 

 

「いえ...かわ「買わないの?」...買います.....」

 

なんて苦渋の判断だろうか。

顔が物語っている。いいじゃないか。この世に一枚しかないんだぞ?

 

 

「ありがとうございました......」

 

「ああ、待って。おまけでこれ、あげるから」

 

今度はちゃんとした絵である。たぶん日本の絵。

高層ビルやらがある。

 

「ありがとうございます、では」

 

また来るといい。今度はちゃんとした絵を買わせてくれるだろう。

 

「ああ、あれ結構自信作だったんだよね。仕掛けとか」

 

ちゃんとした絵をかけ。トラウマじゃなくて、ちゃんとした絵を。

 

「断る。転生者に見せるのが楽しいんだよ、何であるの!?みたいな表情を見るのがいいんだ」

 

なんて趣味が悪いんだ。コノチクショウメー。

 

「誉め言葉だよ。そうそう、この絵たちはいるかい?」

 

教室の方だけ貰っていこう。カズマ少年の部屋の前に飾ってやるから。

 

「まいどアリー。これおまけねー」

 

おい、ウス=異本をおまけとして渡してくんのやめろ。

 

 

 

 

~~~~

 

 

「お帰り-。どこ行ってたんだ?」

 

例の本屋へ。

 

「.....その絵は?」

 

貰った。カズマ少年の部屋の前に飾る予定だ。

 

「やめろ!やめてください死んでしまいます」

 

ヘーキヘーキ、ソノクライデシニハシナイダロウ?

 

「待って!ほんとにやめて!最近じろじろ見てたの謝るから!」

 

これは決定事項だ、異論は認めん。

 

「お帰りです。...何ですかその絵は?ゆんゆんの絵ですか?」

 

違う。というかゆんゆんとは誰だ?

まぁいい。これをカズマ少年の部屋の前に飾るのを手伝ってくれないか?

 

「いいでしょう。面白そうですしね」

 

「やめろおおおお!」

 

フハハハハ!止まるかぁ!

ずっとジロジロ見られてたからな!ストレスもたまるというものだ!

これでしばらくは懲りるだろう。

 

~~

 

設置完了!

いやーいい仕事したぜ!

 

.....どんだけ嫌なのだろうか。

うずくまって泣くほどとは。そんなに悲惨な学校生活だったのか?

もうほとんど思い出せないが、私はそこそこ楽しめていたと思うが。

ネタは思い出せるのにな...。

 

「ア”ア”ア”二人組をつくれ.....」

 

「これは、ゆんゆん症候群ですね、まちがいない」

 

ゆんゆんてなんだ、さっきから。

 

「.....何してるんだ?カズマは」

 

ダクネスか、何、嫌なことを思い出してるだけだ。

友達はいなかったのだろうか、私は数人だがいたぞ?

 

「.....嫌なことを思い出す絵だな....」

 

....ダクネスもあるのか....。

この調子だとアクアもありそうだな....。

 

「あっ、なーにその絵?カズマさんの絵なの?そっくりね!」

 

「グハァッ!ゴフッ!」

 

カズマ少年に 痛恨の一撃! カズマ少年は 700のダメージを受けた!

致命傷だ、安心しろ。

ほら、新しいウス=異本だ。これで回復できるだろ......

一瞬で....ひったくっていっただと?

部屋に閉じこもってしまった。

そんな精神的ダメージを与えてしまったか?

 

「しくしくしくしく」

 

ああうん、やり過ぎてしまったか?

だがまぁ、自業自得だと思ってくれ。何時間も見られ続けたんだからな、私は。

 

「な、泣いてしまいましたね」

 

「ああ、泣いてしまったな」

 

「このくらいで泣いちゃうの?女神の私にはわからないわー」

 

お互い後で謝るとしよう.....

 

 

 

 

~~~

 

 

 

「ハァ....買っちゃったこの絵....どうしよう...押されたとはいえ、何で買っちゃたかなぁ。二人に見つかったらなんて言われるだろう.....」

 

何してるんだろうか。というか買った後そこらをうろうろしていたのだろうか。

散歩に出ていたら乙るぎ君に会うとは。

 

「....うげっ!?今日はよく会うね....」

 

そうだな、その嫌そうな反応されたのも二度目だな。

で?何してるんだ?

 

「...君たちに買わされたこの絵をどうするかだよ」

 

買わされた?何を言うか、あれも商売だ。というか私は買わせてない。

 

「もうお金がないよ....彼女たちになんていえば....」

 

仕方がない、これをやるからさっさと帰れ。

 

「..これは何だい?」

 

シャンプー。女性なら喜ぶんじゃないか?

さぁ、さっさと帰ってご機嫌取りしてこい。じゃぁな。

 

「あ、ありがとう?」

 

今度こそさよならだ。

 

 




今回出た絵は、ジャミラ、もりのようかん、ibの青い人形、ボッチの絵です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話

ラオおじいちゃん並みのタマミツネを撃退するクエストを書けって友人に言われました。
アの巨体で滑ってくる....悪夢やな。
関係ありませんが、夢の中で神器種とかいうのを狩って、タマミツネと食べる夢を見ました。


 『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!機動要塞デストロイヤーが、現在この街に接近中です!冒険者の皆様は、装備を整えて冒険者ギルドへ!そして、街の住民の皆様は、直ちに避難してくださーいっ!!』

 

 

 

 

「逃げるのよ!遠くへ、遠くへ逃げるの!」

 

「今更ジタバタしたって無駄ですよ、住む場所も何もかも失うなら、もういっそ魔王の城にカチコミにでも行きましょうかね」

 

阿鼻叫喚だな、そこまで慌てることなのか?

 

「どうしたんだよ?さっさとギルド行こうぜ」

 

「カズマさんったら何言ってるの?もしかして機動要塞デストロイヤーと戦う気?無謀よ無謀、ウルトラマンでも連れてきなさいな。私達じゃどうあがいてもプチっと潰されるだけよ」

 

潰されるだけ、つまり巨大なのか?

 

「カズマ。今この街には、それが通った後にはアクシズ教徒以外、草も残らないとまで言われる、最悪の大物賞金首、機動要塞デストロイヤーが迫って来ています。これと戦うのは、無謀を通り越した何かです」

 

「ねぇ、私の可愛い信者たちが何故そんなバケモノみたいに言われてるの?ウィズも言ってたけど、どうしてうちの子達ってそんなに怯えられてるのかしら。みんな普通のいい子なのに」

 

草。アクシズ教徒はバケモノか?

 

「爆裂魔法じゃだめなのか?遠くから狙えるだろうし、あの威力なら粉々にできるだろ?」

 

「デストロイヤーには、魔力結界が張ってあって、爆裂魔法を一発二発放ったくらいではその結界を壊せません。物理的に壊そうにも、かなりの巨体にありえない素早さ、それらが加わって破壊不可能です」

 

へぇ~~、ラオおじいちゃんよりも弱そう。要は魔法に強いだけだな。

モンスターである私には関係ない。

 

「すまない...遅れた。...ん?カズマ早くしたくして来い、ギルドへ行くのだろう?」

 

重装備だな。まぁハンターの防具を見てからだと見た目防具にしか見えないが。

キメラにして来い。

 

 

「おい、お前らこいつを見習えよ!大金はたいてかった屋敷と住んできた街を守る気は無いのか!?」

 

「そりゃ守りたいけど....やっぱり命が惜しいわ!」

 

「いいから行くぞ!」

 

 

 

~~~~~

 

 

「きたなカズマ!来ると思ってたぜ!」

 

ダ、ダスト?という人と乙るぎ君、大量の男性冒険者。

多いな、こんなにいたのか。

 

「お集りの皆さん!本日は、緊急の呼び出しに応えて下さりありがとうございます!只今より、対機動要塞デストロイヤー討伐の、緊急クエストを行います。このクエストには、レベルも職業も関係なく、全員参加でお願いします。無理と判断した場合には、街を捨て、全員で逃げることになります。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか、よろしくお願いします!」

 

緊急クエストか、ダレンモーランとかラオおじいちゃんとかよりは、弱そうだな。

魔法が効かないんだったか?使えないので関係なし!

 

「それではお集りの皆さん、只今より緊急の作戦会議を行います。どうか、各自席に着いてください!」

 

作戦会議には参加しなくていいだろう。カズマ少年達みたいに意思疎通できるわけでもないし。

まぁ、話は聞くが。

 

 

「まず知ってはいると思いますが、機動要塞デストロイヤーの説明をさせていただきます。機動要塞デストロイヤーは、元々は対魔王軍用の兵器として、魔道技術大国ノイズで造られた、超大型ゴーレムの事です。国家予算から巨額を投じて作られたこの巨大ゴーレムは、外観はクモの様な形状をしております。小さい城ぐらいの大きさを誇っており、魔法金属がふんだんに使われ、外観に似合わない軽めの重量で、八本の巨大な脚で、馬をも超える速度が出せます」

 

そんな速度はラオおじいちゃんには出せないな。

ダレンなら砂上で出せるのだろうが、歩きになると遅くなるからな。

 

「特筆するのは、その巨体と進攻速度です。凄まじい速度で動く、その八本の脚で踏まれれば、大型のモンスターとてひき肉にされます。 そしてその体には、ノイズ国の魔道技術の粋により、じょうじ、強力な魔力結界が張られています。これにより、まず魔法攻撃は意味をなしません」

 

ひき肉にされる?大型モンスターが?....どんだけだよ。

 

「魔法が効かないため、物理攻撃しかない訳ですが......。接近すると轢き潰されます。なので、弓や投石などの遠距離攻撃しか無い訳ですが....。元が魔法金属製のゴーレムのため、弓はまずはじかれ、攻城用の投石器も、機動要塞の速度からして、運用が難しいと思われます。それに、このゴーレムの胴体部分には、空からのモンスターの攻撃に備えるため、自立型の中型ゴーレムが、飛来する物体を備えつけの小型バリスタ等で撃ち落とし、なおかつ、戦闘用のゴーレムが胴体部分の上に配備されております」

 

作った奴はおかしいんじゃないのか?頭が。私の世界でもこんなんはなかったぞ!

 

「そして、なぜ暴れているのか、ですが..。研究開発を担った責任者が、この機動要塞を乗っ取ったといわれています。そして、今も機動要塞の中枢部にその研究者がおり、ゴーレムに指示出しているとか...。速度が速度ですので、この大陸において、既に荒されていない地はほとんど無く、クモのような脚で、どれ程の悪路だろうと踏破します。現在、人類、モンスター合わせ、平等に蹂躙していく機動要塞、それがデストロイヤーです。これが接近してきた場合は、街を捨て、通り過ぎるのを待ち、そして再び街を立て直すしか方法が無いとされています。」

 

その研究者まだ生きてるのか?餓死してそうだが。

 

「現在、機動要塞デストロイヤーは、この街の北西方向からこちらに向けて真っ直ぐ侵攻中です。...では、意見をどうぞ!」

 

意見もなんもないと思われます。質が悪すぎる。

 

「....あの、その魔道技術大国ノイズって国はどうなったんです?そいつを作った国なら、それに匹敵する何かを創るなりなんなりできなかったんですか?あとは弱点を知ってたりとか...」

 

「滅びました。デストロイヤーの暴走で、真っ先に滅ぼされました」

 

デストロイヤーの討伐、場所は魔道技術大国ノイズ跡。そんなクエストが頭に浮かんだ。

 

「...他に、ありませんか?」

 

誰も手をあげない。負け犬ムードッ!

 

 

~~~

 

 

速くしてくれませんかね、あーだこうだ言ってないで。

 

「いやーここがギルドなんだねー。始めてきたよー」

 

「えっ、き、来たことないんですか!?なんでそれで行こうとするんですか!?」

 

声の主二人は....。本屋の店主と..リッチのウィズだったか?

それと何で店主は兜以外、ロト装備を身に着けている?そしてその手に持ってるロケランっぽいものは何だ。

 

「おお!貧乏店主さんだ!....もう一人はだれ?」

 

「貧乏店主さんが来た!...確かにあの鎧のひと誰だろ?」

 

「...げっ。本屋の人...!」

 

安心しろ乙るぎ君。今この場でいじられることはない。今ギルドにボッチの絵(量産品)を飾っているが大丈夫だ。

 

「なぁ、何でウィズがあんな有名なんだ?ていうか貧乏店主はやめてやれ」

 

「知らないのか?ウィズさんは、元は高名な魔法使いだったんだ。凄腕アークウィザードとして名を馳せたけど、やがて引退し、しばらく姿を現さなかったかと思うと、突然この街に店を出したんだよ。売ってるものは高価だけどな、俺たちは皆こっそり店を見に行ってるんだよ。俺としては隣の人の方が何でウィズさんといるのかがわからないだけど」

 

「.....あの人はな、例えるなら人間のなかの悪魔だ」

 

 

「やぁやぁ、あの時の少年。何を話してるのかな?」

 

「うわっ!?いつの間に!?」

 

さっきからいたぞ。よう、昨日ぶりだな。で、その手に持ってるものは何だ。

 

「分かってるよね?ロケランだよ、デストロイヤーって魔法効かないんでしょ?なら物理で行こうってね」

 

危ないこと考えてるな。まぁ別にいいが。

 

「えっと、貴方は誰ですか?冒険者ではありませんよね?」

 

こんなのが冒険者できる訳ないだろう、ギルド職員。

 

「僕?僕はただの本屋の店主さ。ただデストロイヤーを破壊できる兵器を持った一般人のね」

 

お前は一般人ではない、逸般人だ。

 

「破壊できる...!?」

 

「おいあんたぁ!何持ち込んでくれてんの!?しかもそれ一発限りだろ!?」

 

「玉は無限にあるし、連射機能付いてるからヘーキヘーキ」

 

何ということをしてくれたのでしょう、本来一発ずつしか打てないロケランが、連射可能になったではありませんか。

 

「ほら、少年。これをあげるよ」

 

「おいっ!..これ手榴弾じゃねぇか!」

 

そんな事より準備だ。さっさと破壊するぞ。

 

「えっ、おい!待てよ!」

 

 

~~~~~

 

 

 

おお、見えてきた、見えてきた。

準備はいいか?命乞いは無しだ、ぶっ潰せ!

 

「はいはーい。それじゃ、行きますねー」

 

やる気はないが破壊力は十分だ。

私の背に乗せ、カズマ少年と乙るぎ君もついでに乗せて、三人でロケランを構えている。

(二人分すぐさま店主出してくれました)

 

「...大丈夫だよな?大丈夫だといいなぁ」

 

「...アクア様、頑張らせていただきます....」

 

「発射ー、撃て撃て~~」

 

すぐさま発射できるわけじゃないのか。一発撃ち終わって反動が戻った後装填無く撃てるだけか。

 

 

「何であんたはそんな余裕そうなんだ!こっちクッソきついのに!」

 

「ああ!狙いがぶれる!初心者に扱えるわけないよこんなもの!」

 

....これ大分強化されているな。三発で脚二本が壊れたぞ。

一発外したから三発なだけで、脚一本につき一発で大丈夫みたいだが。

 

「見ろ!デストロイヤーがごみのようだ!」

 

「佐藤和真!?どうした!しっかりしろ!?」

 

これはもう後ろの冒険者の出番はないだろうな。

 

「.....何ですか、あれは。炸裂魔法と同じぐらいの強さで、放つのも早いとかはんそくですよ.....」

 

「...うむ、私たちの出番がないな....」

 

「あの人何者なんだよ....!?カズマの従魔と仲良さそうだったし、見たこともない鎧着てたし。何よりあんな威力の何かをすぐ用意できるとか何なんだよ!?」

 

「自称本屋の店主です。私から見れば爆裂魔法の必要性を失わせる悪魔ですが」

 

「....確かに最近本屋ができたとは聞いてたけど、あんなんが店主なのか!?」

 

そうだ、人の不幸で飯が美味い人でなしが店主だ。今度店に行くといい、おまえのトラウマにあった絵や、本を売ってくれるだろう。

 

「はいシューりょー。後は中枢をぶっ壊すだけだねー」

 

終わったな。弾丸を大きくしてやろう。

 

「あそーれ、消えちゃーえ」

 

PON☆ほぼほぼ消し飛びましたとさ。嫌がらせで泡を纏わせてやろう、てい。

 

 

 

「...なぁ、大陸を蹂躙した兵器があんな無残な姿になって、さらに泡まで纏わりつくとかかわいそうになってきたんだけど」

 

敵に憐れとか、そんな感情必要か?命をめぐる戦いに情けは無用である。

 

 

 

「私が来た意味っていったい.....」

 

何にもないよ?士気をあげるのには役立ったんだろうけど。

 

これで終わり、めでたしめでたし。

さて、帰ろうか。

.......なんか転がってきた。赤い光を放ちながら。

 

「....おい、あれは何だ?なんかヤバそうなんだけど」

 

「何でしょうあれ、デストロイヤーの動力源か何かでしょうか?」

 

「と、とりあえず壊すか、どこかにとばそうぜ!責任は俺がとるし!」

 

言ってしまったな、カズマ少年。どうなっても知らないぞ。

 

「テ、テレポートしましょうか?ランダムテレポートというものがあるので、どこかにとばすことはできるのですが...人のいる場所に送られるかもしれなくて...これが危ないものだった場合大変な事が.....!」

 

「責任は俺と、この店主さんがとるから大丈夫だ!やってしまえ!」

 

「しれっと巻き込んでくれたね、別にいいけど」

 

「わ、わかりました!『テレポート』ッ!」

 

 

今度こそ終わったな。めでたしめでたし。

まぁ絶対後日あたりに何かありそうだがな。

面倒ごとを運んでくる疫病神がいるんじゃないか?このパーティー。

 

 

「お、終わったのか?」

 

「おう!終わったぞ!皆ー!」

 

「「「「やったぜーーーー!!!」」」」

 

君たち何もできなかったけどな。

さて、私と店主は一緒に本屋に戻ろうかね。

 

 

「そうだね。帰って新しい絵でも描こうか。gif再現できないかな?そしたら延々こちらに青鬼が向かってくる絵なんかがけケルンだけどなぁ」

 

やはりトラウマしかかかんのな。

それより今回のデストロイヤーそれよりの無残な姿を描いて配ったらどうだ?

 

「僕の趣味じゃないけどま、いいか。量産して配ろう」

 

手伝ってやろう、面白い方可笑しく捏造するぞ。

 

「そうそう、最近音楽も売ろうかなと思ってるんだよね、売れるのはまだもりのようかんとかシオンタウンとかクリスマスソングしかないけど」

 

なぜそれを先に作った。それを売るならゲームを売れ。

青鬼とかシザーマンとかそこら辺を。

カズマ少年が泣いて喜ぶだろうし、街の人も興味を持つだろうからな。

 

「そうだね、それもいいかな。トラウマボスだけのボスラッシュとかもいいかな」

 

トラウマから離れろ。そこまでこだわるな、普通の奴でもいいだろ。

青鬼とか出した私もあれだが、トラウマばっか出してると飽きられるからな。

 

「ゼンショスルヨ、キタイシテテネ」

 

ダメな奴だこれ。

 

「あっおい、タマミツネと店主!皆で宴会するんだ!来ないか?」

 

「あ~うん、遠慮しとくよ。僕はお店で商品を追加してるから」

 

私も行かない、絶対に行かない。酒がある場所にはいかない。おさけやだ

 

「あーそうか、仕方ないな。じゃ不参加って伝えてくるよ」

 

そうしてくれ、行ったらぶっかけられそうだからな。

 

「で、何を出す?僕はトラウマ以外でも出していいんだけど、反応薄そうだからね~」

 

悲しいものでも出してろ。

さて、ちょっと眠くなってしまったから、寝させろ。

 

「いいよ~店についたら起こすね~」

 

任せた。じゃあ、おやすみ。

 

「おやすみ」

 

 

 

 

 




最近カジートをこのすばにぶっこんだらという妄想がら頭に浮かびます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話





 「冒険者、サトウカズマと本屋の店主!貴様らには現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!自分とともに来てもらおうか!」

 

そんな事を言っているのは、二人の騎士を従えた黒髪の女。

....どうしてこうなった?カズマ少年と店主が何したというのか。

カズマ少年がわいせつ罪などで逮捕されるのはわかるが、店主?店主は何もしてないだろう。

やったことといえば、転生者のトラウマが描いてある絵を売ったり、ギルドに飾ったりしただけだ。

無害だろう(精神的な害は含まない)

最近は近所に人気になっているんだぞ?紳士的で優しい変わった物を扱っている人だとな。

 

「ど、どちら様ですか?ていうか、国家転覆罪って何?俺、賞金受け取りに来ただけなんですけど」

 

「そうだよー?賞金受け取りに来ただけだし、そもそも国なんて転覆させてどうするのさ?僕にとっては便所の隅のネズミの糞にも劣るよ?意味ないし、面倒だし」

 

「ネ、ネズミの糞....! ゴホン、き、貴様らには現在、テロリストもしくは、魔王軍の手の者ではないかとの疑いが掛けられている」

 

魔王軍の手の者?そんなんだったら魔王軍全員重火器やらなんやら持ってくると思うんだが。

というか魔王軍全体がトラウマ持ちになる気がする。

 

「ええっ!?カズマさんまた何かやらかしたの!?私が見てないところで、何をしたのどんな犯罪をしたの!?ほら謝って!私も一緒にごめんなさいしてあげるから、ほら早く、誤って!」

 

「このあほ!俺がそんな犯罪犯すわけないだろ!大体、普段ほとんど一緒にいるだろーが、俺が何もしてないのはお前がよく知ってるだろ!」

 

「そうだねー、和真君はともかく、僕だったら犯罪を犯す前に望んだことできるからねー。メリットがないよ」

 

だろうな、お前物に関してなら願望器レベルだしな。

記憶にあるなら架空の物だって出せるし。

 

「お前たちの指示で転送された、機動要塞デストロイヤーの核であったコロナタイトと思われる鉱石。それが、この地を治める領主殿の屋敷に転送されました」

 

死んだか、その領主とやら。

 

「なんてこった、俺のせいで領主が爆死しちまったのか....!」

 

「死んでいない!勝手に殺すな!...使用人は出払っていた上に、領主殿は地下室におられたとのことで、怪我人も出ていない。屋敷は吹っ飛んでしまったがな」

 

「なんだ、屋敷が吹っ飛んだだけ?ならいいじゃない死んでないだけマシでしょ。世の中には死んだ方がマシな人もいるんだから」

 

「良くない!貴様ら、状況が分かっているのか?領主殿の屋敷に爆発物を送り、屋敷を吹き飛ばしたのだ。先程も言ったが、今の貴様らにはテロリストか魔王軍の手の物ではないかとの嫌疑が掛かっている。それに本屋の店主は見たこともない爆発物を使ったといわれているしな、どこで手に入れたか、どこにあるのか、はいてもらうぞ」

 

それお前たちが欲しいだけじゃないのか?ロケランを。

それにあれはもうありません。既に解体済みです。

 

「なーにを言うかと思えば..。カズマ達は、デストロイヤー戦の功労者ですよ?確かに転送を命じたのはカズマ達ですが....あれだって緊急の措置ということで仕方なくやったんですよ?何が起こる前に手をうった、それだけです。褒められはしても、非難されるいわれはありません。何もできなかった貴方たちには特に」

 

何もしてないくせに偉そうに言われると、殺したくなってくるな。

何かしてたか?こいつら。

 

「黙れ!..ちなみに。国家転覆罪は、犯行を行った主犯以外の者にも適用される場合がある。裁判が終わる前にまでは、言動に注意した方がいいぞ。こいつらとともに牢獄に入りたいなら止めはしないが」

 

おもっきし権力を行使してるな。

だが、私のような人間いがいの生物にそれは適用されない。

なので、おもいっきし鼻で笑ってやる。

 

「...サトウカズマ。従魔のしつけがなってないぞ?」

 

「従魔じゃねえし、しつけできる立場じゃないし」

 

ハッ!私に人間が作った法律は適用されん!なぜ人間なんぞが作った法律なぞに我々が縛られねばならんのか!野蛮とでも呼ぶがいい!所詮それは貴様らが作っただけだからな!

 

「この子は、何で私が人間の法律に縛られたりしないといけない?といってるよ~。そうだよね~人間の法律なんて関係ないもんね~」

 

GJ店主。従魔でも何でもないからな、私は。縛られなんぞしない。

 

「...野蛮な...」

 

「ま、それより今ここで僕の無実を晴らしてあげるよ。これ、なーんだ?」

 

「えっ?そ、それは嘘を看破する魔道具?何で持っているの!?」

 

「さぁ?何ででしょう?....さて、じゃあ言ってあげるよ。僕はテロリストでもないし、魔王軍の手の者でもない。」

 

魔道具はならない。当たり前である。

 

「な、なんで?....そうですか。あなたは違うんですね。これまでの態度を謝罪いたします」

 

「そういうのどうでもいいんだよね~、どうせ本心からいってないだろうし。じゃっ、もういいよね?」

 

「待ってください。あの爆発物の詳細だけ...」

 

「企業秘密なんで、じゃあ今度こそ帰らせてもらうよ、タマミツネと一緒にね」

 

「えっ、ちょっ!待っ!」

 

あーれー。まぁカズマ少年の弁護人にも、証言を述べることもできないしな。

擬人化?論外。今回は力になれないからな、私は避難させてもらう。

 

「この裏切り者ォ!裏切んのかよー!」

 

裏切りではない、今回のような事は私にはどうにもできないからな。

 

「マジか..マジなのか..」

 

「と、とりあえずサトウカズマ!お前を逮捕する!」

 

「アッハイ」

 

 

~~~

 

 

三日たったが、裁判は延期?されたらしい。

ダクネスが交渉したらしい。

ちなみにその間私は店主の世話になっていた。お昼に寿司を食べたりトカナ。

 

話を戻すが、二つ課題が課せられたそうだ。

魔王の手の者ではないと証明することと、領主の屋敷の弁償らしい。

お金が少し足りないため、ウィズの店に何か売るらしい。

ライターとか、私の滑液をシャンプーとして店においてもらうらしい。

裏切りの罰だ!とか言われて、強制的に擬人化させられ、裸にむかれ、かなり絞られてしまった。

もうお婿に行けない。

 

今はカズマ少年の屋敷にいる、ダクネスはいないが。

 

「ねーカズマさん。ダクネスはー?まだ帰ってこないの?」

 

知らん、ほんとどうしたんだ?

 

「...あああああああーっ!」

 

「きゃー!?なに!?ちょっとどうしたのよ、いきなり頭抱えて叫ばないでよ!カズマさんがおかしいのはいつもの事だけど、今日は特に色々おかしいわよ!?」

 

突然発狂したりするしな。...それよりも、めぐみんが抱きかかえている、そのナマモノはなんだ?

鳴き声はアイルーに近いのだろうが、見た目は全く違う。

それに見ているとなんというか...物凄く殴りたくなる。

サンドスターぶつけてやろうか。

 

「....そいつ飼いたいのか?でもタマミツネいるしなぁ...」

 

嫌なら出ていくぞ?その時は店主の世話になるだけだ。

 

「ま、いいか。喧嘩なんてしないだろうし、何より人懐っこいし」

 

それは私が人懐っこくないといいたいのか?

私にとって人は、理不尽の象徴であるハンターを生み出すバケモノという認識だが。

この世界は違うから警戒してないだけで。

 

「あいたっ!?何でこの子私にだけ爪を立てるの!?何てことかしら、この漆黒の毛皮といい、ふてぶてしい態度といい....。この子からは、何か邪悪なオーラを感じるわね!」

 

ラージャンとかアウトじゃないだろうか、その条件。

 

「なぁめぐみん、なんていうんだ?この子」

 

「ちょむすけです」

 

....なんて?ちょむ、ちょのすけ?

 

「....今、この猫の名前なんて言った?」

 

「ちょむすけです」

 

うわぁ、アクアも大概だが、めぐみんもひどい。

どこかの骨だけの至高のお方ににたネーミングセンスだ。

私がそんな名前つけられるくらいなら、擬人化してオークに捕まった方がマシな気がする。

 

「...この子、メスじゃないの?女の子にそれはどうかと思うのよね、めぐみん」

 

「だめです。あの子はちょむすけです」

 

可愛そうにそんな名前をつけられて....。

..なんか火を吐いて魚を炙ったように見えたが無視だ。というか生で丸のみするのがいいんじゃないか。なんで焼いたし。

 

「...なぁアクア、この辺のネコって火を吐くんだな」

 

「何言ってるの?吐くわけないじゃない、大丈夫?」

 

「...忘れてくれ、なんでもない」

 

「きっと疲れが出たんでしょう。ここ最近色々ありましたしね」

 

「そうよ。カズマ、あなた、憑かれてるのよ」

 

大丈夫?元気ドリンコ飲む?

 

 

 

「サトウカズマ!サトウカズマはいるかぁああ!」

 

 

ここには誰もいませんよ。まったく近所迷惑な、対セールスマン対策、ジャミラ装置作動!

相手はトラウマを創る!

 

「!?何ですかこの声!?何で絵画が動いてるんですか!?」

 

細工をしたのだよ、あとそれスクリーンに変わったから。

 

「ひィ!?こっち見ないで!?」

 

追撃の青い人形、プラスBETA。どうだ?このコンボ、実験は成功か?

 

「もうやだぁ、なんでこうなるのぉ?」

 

おや、泣いてしまったか、撮影されて店主の店に映しだされているとは言わない方がいいだろう。

愉悦、愉悦言ってそうだ。

 

「え、ええ?何が起こったんだ?声が聞こえたと持ったら、すすり泣きにかわって..!?」

 

こちらが映像になります。

 

「......そりゃ泣くわ。困難泣くしかねーだろ。こんなのいつ設置したんだよ..」

 

昨日、店主が三十秒でやってくれました。

 

「と、とにかく行こうぜ、あのままにしてられない」

 

 

「ぐす...サトウカズマァ!よくもこんな目に!」

 

「俺じゃない!俺じゃない!俺がやったわけじゃないって!」

 

さて、どうしようか?このカオス?

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話

かなり空いてしまいましたが、私は元気です。
ただちょっと体調を崩したり、ラピュタ見てただけですので。

それと店主のレギュラー入りが確定しました(白目)
使い捨てキャラだったはずなのに...。


 「おのれぇ....!やはり貴様は魔王軍の手の者だろう...!こんな邪悪な罠を仕掛けるなど....思い出しただけでも寒気がっ!?」

 

まぁ、邪悪だろうな。相手の心に傷をつけるんだから。

というか、何しに来た?大分怒っていたが。

 

「だからやったのは俺じゃないって..!それはともかく、何しに来たんだ?まだ時間はあるはずだろ?」

 

「カエルだっ!街周辺に冬眠中だったカエルが這い出している!」

 

「それが俺たちにどう関係すると....?」

 

「しらばっくれるな!カエル達は怯える様に地中から出てきたという。.....最近、街のすぐそばで爆裂魔法を連発して、住民を脅かした魔法使いがいたと思いましてね」

 

めぐみんはとアクアは にげだした! しかし まわりこまれてしまった!

 

「逃げようとスンナ!後始末に行くぞ!」

 

私関係ないよな?行くけど。

 

 

 

~~~

 

 

 

もう雪以外は目に入らないほど真っ白になっている街の外。

 

「いやああ!もういやあああ!カエルに食べられるのは、もういやあああああ!!」

 

追われているのはアクアである。まるでチャッピーに追われるピクミンみたいだ。

頑張れ、青ピクミン。水に入っても溺れないんだから大丈夫だろう?

 

「しかし、ここのカエルはこの寒さの中でも動きが鈍くならないんだなあ。普段と変わらない速さで活動してやがる。このあたりの連中は、生き物といい野菜といい、どいつもこいつも逞し過ぎやしないか」

 

それうちの世界で言えんの?生物かどうかも怪しい連中いるんだぞ?古龍とかハンターとか。

生物と認めたくない奴らしかいないぞ?

 

「過酷な世界だからこそ、生き物は皆、その時その時を精一杯に生きるのです。私達も負けてはいられませんよ。もっともっと強くなって、過酷なこの世界を生き抜くの出す」

 

かっこいい事言ってるが、肩から下、カエルに呑み込まれてる状態だからな。

カズマ少年はアクアを助けてやってくれ。

 

「わかったよ」

 

元の大きさに戻る!やっぱりこちらの方がいいな。ずっと小さいままだとだストレスがたまる。

めぐみんを呑み込んでいるカエルの腹に爪でアタック!

更に跳んで後ろに回り込みたい当たり!ついでの泡攻撃。

 

「ふべっ!」

 

めぐみんは吐き出されたようだ。

では容赦なく、食いちぎってやろう。

 

 

「あ、あなたは、仲間がカエルに追われているのに随分冷静ですね(もう一匹のカエルの惨状から目そらし)」

 

「そんなこと言われてもいつもの事だしなぁ。ンソォゲキッ」

 

こちらのカエルは完全に力尽きたな、見せられないよ!状態だが。

 

「あ、あなた方は、いつもこんな戦いをしているのですか..?..こ、こんな人たちが、本当に魔王軍の関係者..?」

 

「あっ、カ、カエルが...」

 

新手か、一掃してやろう。水ブレス!

 

「.....なっ!?なんて威力!?三匹いたカエルが真っ二つに....!」

 

あんな、ファンゴと同じレベルの相手を倒すのは簡単だ。

それよりそこにいる、黒いローブに身を包んだ奴は誰だ?

 

「ひっ!」

 

おや、怖がらせてしまったか、私は後ろに下がろう。

 

「...大丈夫かな?..めぐみん!久しぶりね!今こそあの時の約束を果たすときよ!今日こそは、長きにわたった決着をつけるわよ!」

 

めぐみんの知り合いか。

 

「....どちら様でしょうか?」

 

「ええっ!?」

 

知り合いではなかったらしい。

 

「わ、私よ私!ほら、紅魔の里の学園で同期だった!めぐみんが一番で、私が二番で!それで、私は上級魔法を使えるようになるまで修行してくるって.....!」

 

「.....お前が学園で一番?最下位の間違いじゃないのか?」

 

「失礼な!私はちゃんと一番です!最初に言ったではないですか!紅魔族随一の魔法の使い手と。今なら信じれるでしょう?」

 

「今のカエルの粘液まみれのお前を見て、信じられるって言うやつの顔が見たい」

 

「な、なにおう!」

 

何やらめんどくさそうだ、私は先に帰らせてもらおう。

サラダバー!

 

「....何処へ行くの?..あっ!ギルドに報告しに行くのね!わたしも行くわ!」

 

え?そんなつもりじゃないが?

 

「カズマ、私達はギルドに行くわ。カエル肉が傷んじゃいそうなんだもの、良いわよね?」

 

「....そうだな、じゃあ行ってきてくれ。うまくやってくれよ」

 

「まっかせっなさい!」

 

ダメじゃないか?それ?不安しかないぞ?

 

「....何か話があるようですね。では、私も今日のところはこれで。....私は、まだあなたを信用してませんから」

 

信用ないな。まぁ性犯罪をいつか犯しそうなカズマ少年だものな。仕方ない。

 

 

「さぁ、行くわよタマミツネ!カエルを倒したことを報告するのよ!」

 

そんな事は知っている!とりあえず放せ、私の滑液がすべて浄化されかけてるから!それ私の武器だから!なくなったから危ないやつだから!

 

「むぅ。分かったわよ。かわりに私達を乗せてよ、大きくなって」

 

それ、更に滑液が浄化されそうなんだが大丈夫か?乗せるけどさぁ...。

 

「ええ、それでいいわ。乗り心地はあまり良くないけど」

 

そんなのはネコタクか、アプトノスにでも言っておけ。私は本来乗せるモンスターではないからな。

ところで、そこの検察官は乗らないのか?乗らないなら置いていくが。

 

「あんた、乗ってくの?それとも乗らない?乗らないなら置いてくわよ」

 

「...えっ。の、乗らせてもらえるのですか?」

 

「だからそういってるじゃない。それで、乗るの?乗らないの?」

 

「で、では、乗らせていただきます....」

 

アクアの後あたりの乗れ。落ちるかもしれないからな。

 

「の、乗りずらいですね....」

 

「仕方ないじゃない、元々乗るための動物じゃないんだから」

 

「そうなのですか?」

 

「ええ、ただちょっと知能が他の生物より高い、人を超越した存在と戦うことができる生命体よ」

 

おい、知能は人の物だぞ、そしてなんかその言い方は私が強そうに聞こえるからやめろ。

私は弱いぞ、一回下位装備でぼっこぼこにされたんだからな、武器はG級だったが。

 

「そんな存在なのですか!なんという...」

 

違います。そんな存在じゃありません。ザコです。元の世界じゃザコです。

ところで、今かなりのスピードを出しているんだが、良くしゃべれるな。

 

「ふふん!そんな存在が私こと女神アクアの神獣よ!すごいでしょう?そんな存在を神獣にした私はすごいでしょう?褒め称えなさい!」

 

「す、スゴイデスネ....」

 

私は神獣になどなってないし、私はたぶんお前に勝てるぞ、二分の一くらいの確率で。

っと、あともう少しで到着だ。しっかりつかんでないと吹っ飛ぶぞ。

 

「ふっふ~ん、そうでしょそうd!?」

 

言わんこっちゃない。見事に吹っ飛んでいったな。あっちはギルドの方向だから手間が省けたが。

 

「..だ、大丈夫でしょうか?かなりのスピードでしたが..」

 

安心しろ、あのくらいでは死なないし、ダメージを負ったとしても自分で回復できる。

それはおいておいて、降りろ、もう着いたし、私は街にいる間は小さくならなくてはいけない。

 

「あっ!ちょっ!ゆ、揺らさないでください!お、降りろってことですか!?」

 

そうだ、降りろ。カズマ少年達ならすぐ理解してくれるんだがなぁ、経験の差か。

 

「ふっ!....ありがとうございました」

 

私は本屋に行くか。アクア?自分で何とかできるだろう。

 

「では、また会いましょう」

 

カズマ少年達の近くにいれば会えるだろうな。トラブルを起こして。

ではな、会わないことを祈っている。

 

 

 

~~~

 

 

残念ながら本屋は閉まっていた。残念だ。

とりあえず屋敷に戻ってきたがどうしようか。ジャミラ装置を更に改造しようかな?

ねないこだれだとか、シオンタウンのBGMを追加するとか...。

...何だろう、最近どうすれば人のトラウマを作ったり抉ったりできるか考えている気がする。

 

まぁいいや。そんなことはどうでもいい。今が楽しければな!

更に装置を作ろうそうしよう。何がいいだろうか?

ハリガネムシとか、蓮コラ、ミイラ人間。たくさんあるな!

 

ホラーゲームもいいな。侵入者が来たら拘束して口を塞ぎ、延々ホラーゲームや、ホラー映画を見せよう。

いやぁ、ここに店主もいれば更にアイデアも出たし、早速実践できたんだろうなぁ。

そういえば本屋の奥からラピュタ..ロボット...とか、聞こえてきたが何してたんだろうか。

もしラピュタ関係ならぜひ私も参加させてほしいな。

ラピュタは私の好きな映画ランキング一位だ。二位はゴジラ。

 

とりあえず、案は出るが、実行には移せないな。擬人化したとしても、長年の四足歩行生活に慣れてしまってうまく精密に手を動かせない。

案を出すことと間違いを指摘することしかできないな、私。

まぁそれでいいが。

 

さぁ、更に計画を練るとしよう。

 

 

 

 

 

 




ラピュタのロボット兵ってかっこいいですよね!思わずフィギュアを買うくらいには!
あのフォルムや蛇腹状の手足がたまらないですよね!
あのレーザーを放つための二つの穴とか!壊れててもいいから欲しい。殺されてもいいから!

                  (◦:◎)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話

ロボット兵の小説を書きたいんですが、かまいませんね!


 「た、ただいまー。うわっ、すごいㇴメル!?」

 

おお、帰ってきたのか。....確かカズマ少年はカエルに呑み込まれてないから、ヌメルはずがないと思うんだが。

 

「...クソォ、こんな嬉しくない抱擁は初めてだぞ」

 

「もっと喜んでもいいんですよ。ヌルヌルの女の子に抱きつかれるなんて、場合によってはお金を払う人だっていますよ」

 

「いやタマミツネに擬人化してもらえば何時でも体験できるし、あいつの液体ヌルヌルだけど気持ち悪くならないからちょうどいいし」

 

カズマ少年は何を言っているんだ?自分に纏わせるものを気持ち悪くしてどうする?

というか抱き着かれたのか、それならめぐみんに付着した粘液がついても仕方ないな。

 

「俺が先に入るからめぐみんは後に入ってくれ、お前じゃお湯湧かせないだろ?」

 

「レディーファーストという言葉を知らないんですか?こういう場面では女性に先に譲るのが常識でしょう?」

 

「俺は真の男女平等を願う存在。都合のいい時だけ女の権利を主張し、都合の悪い時は男のくせにとか言っちゃう輩は許さない人間だ。それにさっきも言ったがここの風呂は魔力を使って沸かすんだぞ?今のお前の魔力じゃ、せいぜいぬるま湯を作るくらいしかできまい。それになレディーとして扱われたいなら擬人化してるタマミツネみたいにボンッキュッボンッになってこい!」

 

「こ、こいつ...!私を子ども扱いしましたね!歳だって三つしかないのに!それになんですかボンッキュッボンッて!それならいつか私も....!!」

 

「いつかはいつかだ、俺は今を生きる男。俺の目には、今のお前はただの子供にしか見えん!無駄だ!」

 

 

話が長いし何処で口論してる。さっさと風呂に池。

邪魔だぞ、というか汚れる。

 

「そういう訳だ、一番風呂は貰ったぞ!んん!フゥーハハハ!!」

 

「あっ!待ってください!」

 

うわ、まき散らしてやがる。これは掃除させるしかないな。

カーペット、椅子、ドア、その他。かなり多く汚れたな。もう捨てるしかないんじゃなかろうか。

 

「フハハ!待たぬ!引かぬ!媚びぬぅ!これから先は有料だ」

 

「ほんとに脱ぐとか頭おかしいんですか!....そこまで私を女としてみていないということですか。なら一緒に入ってもいいですよね?」

 

「そうだな、そうすれば解決だな。何でこんなこの思いつかなかったんだろうな」

 

「あれっ!?」

 

いい加減静かにしてくれないだろうか。こちとら馴れない人間体になってまで汚れ落としてるんだから。

これが終わったら絞ってやろう。干からびるくらいに。金を。

 

それにしても汚れがひどい。落とそうとしても落ちないし。名前を呼んではいけない黒い虫くらいしぶとい。コックローッチ!

もうこれやっぱ買い替えるしかないんじゃないだろうか。

あっという間にシミになってしまった。

 

「ふ、ふつうこういう時の流れって、『バ、バカッ、そんなことできるかっ!俺は部屋に戻るぞっ!』とか言って照れて、渋々私に順番を譲るものではないのでしょうか」

 

「なんで俺がありきたりな流れに乗らなきゃならないの?バカなの?爆裂狂なの?というか死亡フラグみたいのたててんじゃねぇよ。俺はそんなお約束に惑わされたりしねぇからな」

 

「そ、そうですか。私の知識が間違っていたのでしょうか?....いや、この男が特殊なだけですね」

 

「俺は特殊でも何でもない、そこら辺にいる普通の男だよ。ところで、なんで脱衣所から出ていこうとすんの?まさか怖気づいたのか?根性なしめ。そんなんだから子供扱いされんだよ」

 

そんなこと言ってないでとっとと入れよ。犠牲になってた洗濯物あったんだから。

....もういいや、突入しようそうしよう。

 

「うおっ!?....なんだ、タマミツネか。どうしたんだ?」

 

「見てわからんのか、洗濯物に決まってるだろ。なんで私がカズマ少年とめぐみんが汚した物を洗わねばならないんだ」

 

「えっ、もしかして...まき散らしてた?」

 

「そうだ、その通りだとも、まだまだあるぞ」

 

カーペットやら椅子やらな!もうだめだろうあれ。

 

「何というか....すまん」

 

「す、すみませんでした」

 

「大丈夫だ問題ない、あとでたっぷり搾り取るだけだからな」

 

自腹で買ってもらわないとな。何かを勘違いしてるしてるのか、カズマ少年が顔を赤くしてるが無視だ無視。

というか...

 

「とっとと入ってその汚れを落としてこい。邪魔だ」

 

「「了解しました!」」

 

汚しに汚しおってからに....。

 

 

 

~~~

 

 

 

何とか終わった。椅子とかは無理だったがな!

アクアがいれば綺麗にできそうだがな。

 

「ただいまー、タマミツネェーどこー?あの時のお返しあるんだけどー」

 

あの時?....ああ、あの吹っ飛んでいったときか。自業自得ではなかろうか。

しっかり摑まっておけば吹っ飛ばなかったんだから。

 

「あっ、見つけたわよー。グフフ、ちょうどいい時に擬人化してるじゃない。ほれほれっ!」

 

何だ?それ。ピンクの...ガチでなんだそれ。

 

「フフフ、あのクソリッチーのところまで言った甲斐があったわ。これ、何だと思う?....正解はね、貴族がメイドに(性的な)罰を与えるときに使う道具らしいわよ?最初に作ったのは黒髪黒目の食べ物のこと以外では怒らない平凡な青年だとか」

 

明らかに日本人だろそれ。アカン予感しかしない。逃げよう。

 

「逃げられると思った?残念だけどね、既に結界を張ったのよ!あなたは一応モンスターだから逃げれないわ!」

 

アクアが有能....だと...?天変地異じゃ!天変地異が起こるぞ!

擬人化してるとアウト?ならばスイッチをオフにすればいいだけだ。

 

「ええーー!?何で今戻っちゃうのよーー!?理不尽!理不尽だわ!」

 

残念だったな、そこまでだ。スイッチをオンオフすることくらいはできるわ。

 

「キィー!ナンデヨー!」

 

運の差。私はそこそこの運を持っていると思うぞ。なんせ今日まで生き残ってきたんだからな。

 

「....また今度擬人化してるときに後ろから突っ込んでやるわ!ところでカズマは?」

 

風呂だ。めぐみんと一緒にな。

 

「へぇ!カズマさんはロリコンになったのね!」

 

「ちょっとまぁてぇぇぇぇ!誰がロリコンだ!?」

 

おう、びっしょびっしょで飛び込んでくるなよ。汚れんだろ。

 

「誰って、カズマ=サンしかいないじゃない、他に誰がいるのよ?」

 

「ほかにもいるだろ!ダストとか!」

 

「今ここにはって話よ?カズマさんしかいないじゃない」

 

それより拭けよ。濡れまくってんじゃねーかよ床。

ていうかまず体を拭け、水を切ってこい。

 

「とにかく!俺はロリコンじゃねぇ!ロリコンはダストだ!」

 

ロリコンなのか?あの名前がごみの人。

 

「カズマ、貴方にはロリニートの称号を与えましょう!」

 

「話をキケェ!」

 

 体を拭けぇ!

 

 

 

~~~

 

 次 の 日

 

 

アクアの魔法で椅子は綺礼になったので、カズマ少年がマネーを出す必要は無くなった。

むかついたから夜の間ずっとホラー映画見せ続けたけど。

ちなみに昨日もダクネスは帰ってこなかった。

 

今は不本意だがカズマ少年と一緒に街をぶらついている。

 

「なぁ、あの子、何してると思う?」

 

何?....何してるんだろうな。露店をじっと見つめて。

あっ、買ってった。

 

「なぁ、最近この街の近くに妙なモンスターが出るらしいぞ。何でも、強さ自体はそれほどでもないらしいんだが....」

 

「ああ、それ、俺も聞いたぜ。変わった姿をしていて、動くものを見かけるとくっついてステラアアアァァッ!する奴だろ?」

 

「何だよそのステラって」

 

「自爆だよ自爆」

 

 

自爆....お供.....イビルジョー....うっ頭が...。

 

「....妙なモンスターって何だろうな。爆発するらしいし」

 

しるか。爆弾岩でも出たんだろ。

 

「分かんないよなぁ....おっ、射的だ」

 

射的?高台からファンゴやブナハブラ、イビルジョーを狙い撃つのか?

 

「いや違うから、そんなことしないから」

 

違うのか。

 

「..またあの子を見つけたな。射的にゃカップルが多いのに良くいったな」

 

確かにカップルが多いな。まぁ私のようなモンスターには関係ない。

というか私はもうあきらめている。

 

 

「よう」

 

「...?あっ!あの、カズマさん、こんにちは...」

 

いつの間に近づいて声をかけた?

というか何をする気だ?

 

「ンソゲキッ」

 

おい、狙撃スキルはお断りって書いてあるぞ。

 

「ほら、これが欲しかったんだろ?」

 

「あ......ありがとうございま....!」

 

「駄目ですよぉお客さん。アーチャーと狙撃スキル持ちはお断りって看板に書いてあるじゃないですかぁー!景品はあげますけど、料金は倍払ってくださいよ...?」

 

だから言ったのに(言ってない)言わんこっちゃない。

 

「じゃ、じゃあ俺はウチのパーティーの連中探しているから。またな」

 

「ふ、ふぎゅ将軍ありがとうございました!」

 

噛んだな。ふぎゅってなんぞ?

 

「お、おう」

 

 

~~~

 

 

 

何でこんな見つからないんだ?あの青髪と帽子は目立ちそうなものだが。

 

「さぁ、次の挑戦者はー!次の挑戦者はいませんかー?」

 

何だ?何をやってるんだ?

 

「さぁ?聞いただけじゃわかんないな」

 

「おし!次はおれが行ってやる!」

 

ん~?ああ、ハンマーで何かを壊すのか、壊せなかったらやってみてもいいかな?

 

「えっ、やりたいのか?でも大丈夫か?」

 

安心しろ、最近モンスターの部分を残したまま擬人化できるようになったからな。

 

「チートやチーターやろそんなん!」

 

なんとでも言え。どうやら無理だったようだぞ。やらせてもらおう。

 

「今回のお兄さんでも無理でした!さぁ、次の賞金は一二万五千エリス!参加費は一万エリスだよ!お客さんが一人失敗するごとに、五千エリスが賞金に上乗せされます!腕力自慢はいませんか?魔法を使っても結構ですよ!これが破壊できるものは、一流冒険者を名乗ってもいいと言われるアダマンタイト!さぁ、ご自分の腕を試してみたいと思いませんか!?」

 

どんどん冒険者が壊せず散っていくな。壊し甲斐がありそうじゃないか。

 

「さあさぁ現在の賞金は二十万エリス!この街にはデストロイヤーを破壊した冒険者がいると聞いてやってきたのですが!?このまま誰にも破壊できないのでしょうか!?」

 

頃合いか?行こう。

 

「おーっと!次の挑戦者は!女性です!しかもかなりの美女です!果たして破壊できるのでしょうか!?」

 

.....ハンマー軽っ。軽すぎないか?

 

「なんと!そこそこの重さがあるハンマーを、軽々持ち上げてしまった!」

 

お前は実況兼店主なのか?うるさいんだが。

まぁいい。ハンマーを振り下ろすだけだ。

 

「フンッ!」

 

「たべぇ!?」

 

他愛なし。ハンターよりは柔らかい。

 

「は?はぁ?ええええええええ!?」

 

「さて、破壊したぞ?賞金は二十万エリスだったか?」

 

「は、はい!そうです!どうぞ持ってってくださひ!」

 

「そうか、では貰っていこう」

 

ハンターより柔い鉱石なぞ存在価値がないわ!

 

「容赦してやれよ、かわいそうだろ」

 

「このタマレイツォ!容赦せん!...それより二十万エリスを手に入れたぞ、喜べ」

 

「ああうん、嬉しいんだけどさぁ、後ろ見てみろよ」

 

後ろ?何かあるのか?

 

「カズマんとこにあんな人いたか?」

 

「いやいるはずがない。カズマんとこはポンコツだけだろ?あんなしっかりしてそうな人がいる訳ない」

 

「そうだよな、あんな美人いる訳ないよな」

 

「おい、いくら温厚なカズマさんでもキレるときはキレるぞ」

 

温厚?というか事実しか言ってないだろう。

そんなくだらないことは置いておいて行こう。

 

「あっ待ってくれよ!」

 

待たない、私達の街探索はこれからだ!

 

 

 

 

 

 




いきなり終わりましたが許してください、何でもしませんから!

最近涙腺が緩くなってるんですよね。誰かバルブを閉めてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話







 予想以上に脆かったな、アダマンタイト。

せめて渓流にある建物くらい耐えてくれると思っていたのに。

がっかりしたよ、ハンターなら拳で破壊できそうだ。

 

「イイ破壊っぷりでしたね、爆裂魔法には及びませんが」

 

ん?いたのかめぐみん。気づかんかった。

 

「おお、いたのか。どこいってたんだ?」

 

「ちょっとそこまで」

 

「何処だよ」

 

あそこにある爆裂屋とかいう露店じゃないか?

店主っぽい人が崩れ落ちてるし。

何をやっていたのか凄く気になるな。

 

「そんなことよりどこ行くんですか?私も同行したのですが」

 

「何処にも行く予定はないけど....とりあえずアクアを探してる」

 

「アクアですか?行きたい所があるそうですよ」

 

アクアが行きたいところ?カジノでもやってるのか?

絶対ボロ負けすると思うが。

 

「行きたいところ?どんなとこだ?」

 

「すみませんが私も聞いてませんでした」

 

何だろうな、アクアが行きたい所って。

 

「....話は変わるが、あの妙に人が集まってる露店はなんだ?」

 

「あの露店ですか?本やら絵画やら売ってるとこです。今はサービスでラプタ?だかラピュタ?という名前の物語をTV?とやらで流してるとこです」

 

絶対本屋の店主が出してる露店だろそれ。

それにしてもラピュタか。どのくらい見てなかっただろうか。少なくとも10年は見てないな。

久々に見たいし、店主に頼んでみるか。

 

「ラピュタ?よし....」

 

.....手を放してくれないか?ひっぱらないでくれないか?

 

「あっ待ってください!」

 

「久しぶりにラピュタが見れそうなんだぞ!立ち止まれるか!」

 

見たい気持ちはわかるが落ち着けよ!私も見たいが!

 

 

『とーさーんがー~~~~』

 

 

.....エンディング入ってやがる。これはもう店主に見せてもらうしかないな。

最悪体使ってでも。それ程価値があるのだよ!体使うほどな!

 

「はいはーいもう終わりだよ~~~~。これ以上はもう流せないよー。見たいなら買ってってね~」

 

単体で買っても意味がないだろうに.....。

とりあえずカズマ少年を正気に戻さなければ。真っ白に燃え尽きてるよ。

 

「うふふふふふふふふふふふふ。うへへへへへぇぇ」

 

ダメだこれ。完全にぶっ壊れてやがる。どうすれば治るんだこれ?

 

「ちくしょお。タイミングがァ......おっぱい」

 

もうどうしようもないな。見せるまでこの調子なんじゃなかろうか。

 

「追いつきましたよ!.......カズマはどうしたのですか?ハッキリ言って気持ち悪いのですが」

 

見逃して狂っただけだ。気持ち悪いのは同意する。目がイッちゃってる。

あのカズマ少年がこうなるとは......。中毒性ヤバいな。

 

「皆さんあの飛行石欲しくはありませんか?機能は再現できていませんが、ここにありますよ。一つ六千エリスです。どうですか?」

 

「「「「買わせてくださいッッ!!!」」」」

 

すげぇ勢いだな。いや欲しくなる気持ちもわかるが。

 

「おおおおお!俺も買うぞッ!」

 

....これで復活するのか。胸とか揉ませてたらどうなってたんだろうか。

 

「落ち込んだり発狂したり真っ白に燃え尽きたり.....忙しいですね....」

 

ほんそれ。最近可笑しいよ。

 

「押さないでくださーい。ちゃんと並ばねぇと売らねぇぞ(小声)」

 

「「「「ハイッ!!」」」」

 

もうゴールしてもいいよね....。

 

 

 

 

~~~~

 

 

というわけなんだが。

 

「はははっ。僕と君の仲じゃないか、もちろん無料であげるよ。今から行く?」

 

私としては行きたいが.....。

 

「行きたい....っ!行かせてください....っ!」

 

「もらえるなら後で見れるでしょう?今は街を回りましょう」

 

「嫌だあああああっ!クソッ!魔法職のくせに筋力も高いのかよ....っ!」

 

大丈夫だろうか。あんな調子で。

.....私が楽しめる露店はなさそうだから店主についていくか....。

 

「裏切り者おおおおおぉぉぉ」

 

何か聞こえたような気がするが気にしない、気にしない。

 

「ほかにも作ったよ。それに、ロボット兵再現できたんだ。おかげで最近寝てないよ」

 

何してんだ。寝ろよ。いや再現できたのは凄いけどさ。よく仕事できるな。

 

「ところでイイ絵の題材無い?もう本より絵を作ろうと思うんだ」

 

本は神器でコピーすればいいだけだろう。お前の神器ほぼほぼチートだろ?記憶さえあればいいんだからな。

 

「生命体もコピーできればいいんだけどね。そしたらタマミツネやカジートとかのハーレムを.....」

 

何考えてやがるし、ハーレムて、ハーレムて!

というかタマミツネはオスしか出てないから無理だろ。

 

「素材が近くにいるじゃないか。擬人化してればメスだし」

 

それ私の同一タマミツネ物ができるのだが。

それとメスじゃない、オスだ。断じてメスではない。

なんで擬人化するとメスになるんだ。可笑しいやろこんなん。

 

「ぅぉぉ」

 

ん?何か聞こえたような?

泡でも捲いておくか?でも迷惑になるしな.....。

 

「ぅぉぉぉおお」

 

完全に聞こえた。ていうかカズマ少年の声じゃないか?

何してるんだ?めぐみんに連れてかれたよな?

 

「うおおおおおおお!見せろおおおおおお!」

 

もうキャラ崩壊ってレベルじゃないよな。誰だお前。

顔が完全に人じゃなくなってるぞ、例えるなら竜だ。

 

「.....どうしてああなったんだい?あんな顔になるくらいジブリに飢えてたの?彼は」

 

いやどうなんだろ?ここ来る前は引きこもりみたいだったからなぁ。ゲームやテレビに飢えてたのかもしれんな。

引きこもりにネットは必要不可欠だと私は思うからな。

 

「ええ....」

 

店主が引くレベルでひどいのか。あの他人の不幸で飯がうめぇ!な店主が。

 

「待ってください!待ちなさい!」

 

めぐみんのステータスを上回るテレビやゲームへの欲望。

 

「待たない!待てない!街なんかよりジブリだ!ゲームだ!せっk「それ以上はいけない」」

 

薬でもやってるかのような錯乱ぶりだ。これはもう見せるしか治らないな。ダクネスのことでイラついてたしな。

 

「...ハァ、もういいです。分かりました。私も見ますから」

 

「えっ何で?」

 

「あなたは.....!!」

 

一人で行くのは誰でも嫌だろ。

 

「僕の家で見るけど、少し狭いから気を付けてね?」

 

嘘をつくな。あれ完全に外見と中身が合ってないだろ。

何で一軒家くらいの外見なのに、中は豪邸顔負けの広さなんだよ。どうやったんだよ。

店主の神器でもどうにもできないだろ。

 

「見れる、見れるぞ...!伝承の通りだ....!」

 

「伝承って何ですか」

 

見るまで治らない病にかかってしまっているだけだから安心しろ。

 

「ジブリ全部出そうか。あとゲームも」

 

「ヒャッハーッ!!」

 

世紀末かよ。

 

「どうしてこうなったんですか.....」

 

私も知らん。

 

 

 

 

 

このあと皆で仲良く(アクアはいない)見ました。

 

 

 




ネタが思いつかなくなってきた....アカン。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話

ダスティネス家訪問は次話にさせてください。
それはそうとネタが少なくなってきたのでアトラル・カに八つ当たりしてきます。

もうタマミツネっていう設定いらないんじゃないかな、要素が少なすぎる。


 

 「もうね、本屋を辞めようと思うんだ」

 

いきなりどうした?それに本屋を止められると私が困るんだが。

店主が辞めたらどこで地球の本を手に入れられるというのか。

 

「いや本と絵を売るのをやめる訳じゃないんだよ。昨日ラピュタを流してたりしてたでしょ?それで、本以外も売ろうかなぁと」

 

それならいいんじゃないか?繁盛するだろう。

 

「でね、何を売ろうか迷ってるんだ。記憶さえあれば架空の物でも出せるからね」

 

もうウィズの店を潰しにかかってるよな。

記憶さえあればいい訳だから、安く提供できるし、量産できるからな。

もう潰れるんじゃないか?ウィズの店。

 

「食材売ってもいいし、宝石を売ってもいい。武器や防具もあるしねぇ....」

 

とりあえずで武器防具売ったらどうだ?ダメだったら別のに切り替えればいい訳だし。

 

「そうだね。じゃあ武器はエクスカリバーとかレイピア、カトラス、刀、マスターソード、スキアヴォーナ、三日月刀、アルタイルの剣...は売らない、ピストルソード、特別に天叢雲剣(大神)、そこら辺をおこうか、で防具はどうする?」

 

防具?無難に騎士甲冑とかでいいんじゃないか?

 

「騎士甲冑?それもいいけどなぁ...。うーん、はがねのよろい、古強者のよろい、げんまのよろい、さびついたシリーズ、エルフ装備、古代ノルド、ミラルーツ一式、ミサグリア家一式、板金の一式、ローマ一式、一番いい装備を頼む、そこらへんでいいかなぁ」

 

 

防具は多いからな、迷うのもわかる。ていうかアサクリ多いな。

かっこいいのが多いけどさ。アサブレとかエデンは?

 

「アルタイル一式とエデン、アサブレは僕か、君にしかあげないよ。もったいない。」

 

信頼されているようでうれしい。擬人化してるときはアサブレをずっとつけよう。

むしろ、付けるためにずっと擬人化してるのもありか。

 

「まぁそこらへんでいいね、じゃあちょっと出すから離れててね」

 

了解した、少佐殿。

 

「ふぅぅ....ぬわーーっっ!!」

 

何だその掛け声、どこのぬわスの断末魔だ?

それにいつの間にか周りに出してるし。

 

「終わった終わった、後は倉庫に運ぶだけだよ。手伝ってくれない?」

 

OKOK、喜んで手伝おうではないか!

その前に魔力を注いでくれないか?魔力で擬人化してるから....。

 

「はい、魔力タンク、これで擬人化してね」

 

ありがとう、店主。

 

 

 

~~~

 

大体三時間後

 

 

オオ...腰が痛い、あの程度の重さなど重く感じすらしないのに.....何故だ....。

持ち辛かったがそれは関係ないだろうしな....。

 

「お疲れ様、全部持たせてごめんね、僕は筋力のステータスは低いんだ。代わりに知力とか器用さとか幸運はカンストしてるけど」

 

偏ってるな....どうやったカンストさせたんだ?

 

「いやほら、ドラクエに種があったよね?あれとポケモンのやつとかをたくさん....」

 

よく実行しようと思ったな、種はまだわかるがポケモンの奴は人間用じゃないだろうに。

 

「おかげで今ならISでも作れそうだよ」

 

やめろ、作んなバランスが崩れる。いろんな意味で。

いやまぁ生物以外いくらでもコピーできる時点でバランスブレイカーだけども。

 

「ついでにオバキュームとかも作ってみた」

 

既に作ってやがってた、ていうかオバキュームとかゴースト系には大ダメージになるだろ。

 

「オバキュームは便利だよ、ネズミやクモが出ても吸い込んで消滅できるからね」

 

消滅するのか....それ...小動物にも天敵じゃないか....。

というか構造どうなってるんだよ、おかしいだろ。

 

「そんなことは置いといて、値段をどうしようか、全部5万エリスでいいかなめんどくさいし」

 

そこらへんでいいんじゃないか?私は相場とか知らないしな。

 

 

「おっじゃましまーす」

 

ん?..ああ、カズマ少年か。

 

「おお、店の内装が変わってる、本コーナーは何処だ?」

 

「あそこの角を四回曲がった先だよ、いってらっしゃい」

 

「そっすか、ありがとうございます」

 

どうせエが付くほんを買いに来たんだろうな。

いや?もしかしたらライターとか文明の利器の作り方が載ってる本を探しに来た可能性も?

まぁ関係はないか。

 

「そういえばあのクルセイダーの子、最近見ないね。どうしたの?」

 

法廷でペンダントを出して判決を延期にしたとかなんとか。それで領主のところに行ったとか。

後は知らん。

 

「へぇー、ペンダントで判決を延期かぁー、貴族だったのかな?」

 

じゃないのか?私は見てないからわからんが。

 

「ふぅーん、まぁ僕には関係ないか」

 

そうだな

パーティー組んでいるわけでもないしな。ただ知り合いなだけだし。

入ってくれるなら大歓迎するが。

 

「入ろうか?僕としては入ってもいいけど」

 

入ってくれるなら入ってくれ。負担を減らせるし、話相手が増える。

私達にはメリットがあるが店主にはデメリットしかないがな。

 

「まぁデメリットがあった方が面白そうだしね」

 

そんなゲームみたいに言うなし。一応現実だぞ、此処は。

 

「それは知ってるけどね~~こんなファンタジー溢れる世界が現実っていうのがねぇ」

 

いや結構ファンタジーだけども、私の世界の方があれだぞ?

 

「モンハン世界は物理法則その他諸々が仕事してないからNG」

 

確かに仕事してないな。何で隕石食らって五体満足でいられんの?

ハンターは体可笑しいよ。呑み込まれても無事だし。

 

「ダクネスもそれくらいの耐久力はあるんじゃない?少なくとも呑み込まれても大丈夫そうだし」

 

ダクネスでもあの耐久力はないだろう。ラオおじいちゃんのボディタックル食らっても生き延びそうだが。

シェンガオレンとかそのくらい巨大な生物の力のこもった攻撃食らって耐えれるって地球上の生命体じゃありえないよな。

 

「サイヤ人とかなら耐えれるんじゃない?」

 

あんな星破壊できるようなバケモンと比べんな。

あんなのと戦うくらいならラージャンと戦う方を選ぶわ!

 

「モンスターからすると小さいうえに素早いからねぇ、クソゲー以下なんじゃない?」

 

クソゲー以下だろうな、アリを数百メートル先から撃てって言ってるようなもんだ。ゴルゴとかならできそうだが。

 

「あ~ゴルゴならできそうだねぇ僕あんまり知らないけど」

 

私もあんまり知らない。

 

「それにしても誰もこないね、やっぱ宣伝した方がいいのかな?」

 

本屋から雑貨屋に変えたことは伝えておいた方がいいぞ、ていうか伝えてすらいなかったのか?

 

「忘れてたよ、じゃあ今からばら撒いてくる、 小型ロボット兵が」

 

お前じゃないんか、とゆうか小型ロボット兵ってなんぞ?

ロボット兵を小さくしたのか?

 

「そうそう、縮めて脚をキャタピラにしたんだよ。耐久性は本家と同様だよ」

 

量産はしてないだろうな?してたらもうアクセルが滅ぶぞ?

 

「残念ながら生命体扱いでコピーできなかったよ。量産したかったな~。出来たらラピュタを作ろうと思ってたのに」

 

魔改造されそうだからやめろ。材質がオリハルコンでできたロボット兵とか作りそうだからな。

やめろよ?やめろよ?オリハルコンで作った○○とかできてそうで怖いわ!

 

「おお、それイイね。採用しよう。オリハルコンで作った弾丸とミニガンとかどう?あとはコーティングしたアサブレとか」

 

やめろ!....銃はやめろ、アサブレはいいと思うよ?でも銃はやめろ。盾とか鎧とか余裕で貫通するだろうからやめろ!

 

「いい案だと思うけどなぁ。デストロイヤーとか余裕で蜂の巣にできると思うよ?魔法じゃないし」

 

デストロイヤーを爆砕したのは誰だ?お前だよなぁ?あとカズマ少年とかもいたけど。

 

「僕だったらデストロイヤーを再現できるから問題ない。コロナタイトもコピーできるし、材料を変えて魔法も物理も効かない、空を飛ぶ、ぼくのかんがえたさいきょうのですとろいやーを作れるよ?」

 

やっぱお前チートだな、そのうちACやらIS、IM、ガンダム作っても私は驚かないぞ。

 

「それほどでもないよ、今僕が作れるのはISかIMだよ。ガンダムとかは作れない。作る気ないけど」

 

作る気ないのか。まぁファンタジーにSF入れるのはなぁ。私としては余り好きではないな。

何というか、ファンタジーはファンタジーで、sfはSFでやれって感じがしてなぁ。

 

「僕はどっちでもいいね。まぁ、混ぜるだけ混ぜた駄作は好きじゃないけど、むしろ消滅してほしいね」

 

そこは私も同意だな。要素が多過ぎるのは好きじゃない。かといって少なすぎてもなぁ。

.....あれ、何の話を最初にしていたんだっけ?貴族?

 

「ダクネスって子の耐久性の話」

 

そうだっけ?ダクネスはあってると思うが.....まぁいいか。

耐久性は人間の中ではピカ一だろう。

 

「じゃあロト一式着せたらどうなるかな?」

 

モンスターにとっての悪夢が始まるだろうなぁ。

幾ら攻撃しても傷つかないで逆にこちらが傷つくことになるというひどさ。

絶対戦いたくないな。私は泡とカニまみれさせて逃げれるが。

 

「僕だったら拘束して二十四時間ホラー映画鑑賞、ホラーゲームプレイかな」

 

身体的ではなく精神的に追い詰めていくのは常套手段。

 

「それ以外にもあるよ?例えば――――」

 

 

 

 

この後滅茶苦茶おしゃべりした。

 

 




混ぜ合わせるのとこで書いててダメージを受けた。
私もタマミツネぶち込んだけどうまくできて泣くね?と。

ところでバルバトスって聞いたら皆さん何思い浮かべます?
私は素材に飢えたラフム達が頭に浮かびます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話

遅くなってしまい、本当に申し訳ない。
色々と忙しかったんです。許してください1


 

 昨日のおしゃべりの後、無限アイテムボックスとかいうのを貰った。

手のひらサイズで見た目は宝箱っぽい。

手のひらサイズなのにそれより大きい鎧とか武器がいくらでも入る。

どうなってるんだよ。いやモンハンでもアイテムボックスに入りきらねぇだろってのはあったが。

あれとおなじ構造でもしてんのか?だとしたらどう作ったんだか。

 

それはさておき、今私は擬人化している。昨日貰った武器や、アサブレを装着してみるためだ。

作中ではサクッとつけたりしてたが、私にはちょっと難しくて、少し時間がかかる。ちなみにエツィオの方。

 

逆に防具はあっという間につけ終わったが。何だこの差は、そうたいして差はないはずなのに。

まぁいいか。

 

あとボックスと武器防具以外にも色々貰った。

マナタイトとか等身大エリス様人形(キャストオフ可能)、オリハルコン塊、何か願いを叶えてくれる大彗星を呼び出せそうな星たち、青いオカリナ、ワー〇スター、??でできた頭蓋骨。

そんな感じのもの。何故こんな統一性が無いのか。

ちなみにエリス様人形はカズマ少年に、マナタイトはめぐみんにあげた、いらないし。

 

エリス様人形を貰ったカズマ少年の顔はヤバかったな。直視できないくらい。

どうするのか聞いたら、部屋に飾っておくそうだ。あと絶対に売らないとも。

 

「 それを うるなんて とんでもない!! 」

 

そんな事言い出しそうだった。まぁ今にも動き出しそうなくらいの完成度だったしな。惜しむのもわかる。

だがギルドに自慢しに行こうとするんじゃない。部屋に飾っておくんじゃなかったのか。

 

これで昨日の事は終わりだ。

何故こんなことを言っているかというと.......。

 

ダクネス似の美女がカズマ少年らと何かを話し合っているからだ。

仮にあれをダクネスとすると素材の良さがわかるな、性格で台無しだが。

 

 

「だくねす....、お前、よほど良い仕事してきたんだな....。苦労を...かけたなぁ...」

 

「何を勘違いしてるんだお前たちは!?私は領主に変なことはされてないし、このドレスも自前だ!もしかして領主に弄ばれてるとでも思っていたのか!?」

 

「そうだよ、今頃エ口同人みたいに!されてると思ってたよ。.....で、そのドレスが自前?貰いものじゃなくて?いかにも高いですって言ってるようなドレスを買ったのか?お前が? コスプレか?新しいジャンルでも開拓するつもりなのか?お前は何処に行こうとしてるんだ」

 

「違うっ!!コスプレじゃないッ!それと何処にも行こうとしてないッ!..心配をかけたのは悪かった、あの領主にも、私相手にそこまで言う度胸はない、あるのはカズマだけだ。....それよりも、まずはこれを見てくれ!」

 

サラッとカズマ少年が度胸あるように言ったが、ただ周囲とズレてるだけだぞ。

後なんだそれは、写真か?写真なんてあるのか?.....店主が売ってそうだ..。

 

「...何だこれ?おお?何だこの爽やかそうなイケメンは?ムカツクぜ」

 

びり....

 

「ああ!?見合い写真に何をするだぁー!そんな事したら、見合いを断ることができなくなるだろうがっ!」

 

「おお?すまん、つい、手が滑った。なぜだろう、自分でも手が無意識に....。ん?お見合い写真?」

 

へぇー、見合いねぇ?クッソつまらないだろうな。

少なくとも私は見合いなんぞしたくない。

 

「そうだ!アルダープめ、小賢しい手を使ってきた!言うことを聞くとは言ったものの、無体な要求をしてきた場合には、我が父に即座に話を蹴られるだろう。それを分かっていたからこそ、私はああいったのだが.....」

 

「ちょ、ま、待てよ、ちゃんと説明しろよ。このイケメンは誰なんだよ?ていうか、望まない相手との結婚だって十分に無体な要求じゃないのか?そもそも、あのぶt....領主と、見合い写真のイケメンにどんな関係があるんだよ。ていうか嫌なら、その、ダクネスの父ちゃんに断ってもらえばいいだろ?見合い写真は今なおスカラ。アクア、悪いんだけどご飯粒持つて来てくれないか?」

 

「はいはーい」

 

「まぁ、なんだ?その、座れ」

 

私も参加した方がいいのだろうか?だが人間じゃないしな。擬人化はできるが。

 

「ああ.....。あの見合い写真に写っているのはアルダープの息子だ。アルダープめ、自らが私との結婚を申し出ても話を蹴られることは分かっていたのだろう。だが、私の父はアルダープの息子の事だけは高く評価しているのだ。それで、その、今回の結婚に一番乗り気なのが父なのだ。オンドゥルルラギッタンディスカー!....ゴホン、アルダープが、なぜ自分の息子と私を結婚させたがるのかが理解できないのだが.....」

 

さぁな、毎日視姦できるとでも考えてるんじゃないか?クズで狡賢いデブのモスなのだろう?そのアルダープとやら。

もしくは、何か意識とか何かを取り換える魔道具でも持っているかだろう。

 

「....まぁ取り合えず座れよ。そこにソファーがあるから」

 

「う、うむ....ん?これは何だ?設計図か何かか?」

 

「そうだよ、お前がいない間に色々金策を練っていてな。これは魔力が無いやつでもティンダーを使えるようになる便利アイテムの設計図だ」

 

「ほう?そういえばカズマは幸運値が高かったな。確かに、商売をするには向いているかもしれないな」

 

「俺の運がいいなら何で借金とか負うんだろうな。それにもっと役に立つ仲間に恵まれるはずだし、揉め事にも巻き込まれないはずだよな?甚だ疑問だよ」

 

そうだな、幸運が高ければもっとお金も稼げているだろうし、今目を逸らしている奴らにも会わなかっただろうな。

あと私にも。

 

「い、今こうして、私が見合い話に悩まされているのは、実はカズマを庇ったことが原因な訳で!いやもちろん、それで恩に着せる気は無い!なにせ、仲間というのは助け合いが大事だからな!普段迷惑掛けている分、こうして私が助けることも当然だと思うのだ!」

 

助け合う?そうか?私がとあるパーティーに遭遇した時には、二人くらいハチミツ取りに行ってたり、関係ないところでハンマーをグルグル回してたり、はちみつください、粉塵使え、とか言ってたぞ。

全く助け合いなどしていなかったぞ。

 

「わ、私はこれからゆんゆんとの約束があるのですよ!カズマの疑いを晴らすためにですね!ゆんゆんと共に知恵を絞ろうかと!ええ!」

 

目が逸れまくってるし泳ぎまくってる。クロだな。

出掛ける用意をしてるのは逃げるためか?

 

「なんか、カズマへの疑いは二人がどうにかしちゃいそうだから、私はトイレ掃除でもしてこようかしら!特に思うところはないのだけど、なんだかトイレが気になるからね!水回りの事は私に任せて頂戴!」

 

トイレ?水の女神を辞めてトイレの神様にでもなるのか?

 

「ふ~ん?タマミツネは?何かあるのか?」

 

何もないが?私に伝などないし、出来ることといえば店主との仲介か、何かを狩ってくるくらいしかない。

転生前こそヒトであったが、そのころの感覚などはとうに消え失せている。私に期待するだけ無駄だ。

 

 

「.....ごめん、何考えてるか分かんないわ。というか擬人化してるんだから喋れよ」

 

喋るのがめんどくさい。それに普段から私の考えてることわかってるみたいな言動してるから喋らんでもいいと思ったのだが。...まぁいい。

 

「私に期待するだけ無駄、といっておこう。ヒトではない獣だからな、やれることは少ない」

 

「そうか?店主とかのコネを使って何かできそうな気もするけど」

 

残念ながらコネなどないのです。コネなんてなくとも生きていけるし、その気になれば世界中のエリスを牛耳ることもできるからな。ていうかこの街以外つながり無いぞ、店主。

 

「...そうか」

 

やっぱり読心でも持ってんのか?それとも顔に出ていただけか?

私のプライバシーを侵害していくスタイル。人間じゃないから憲法とか法律とか適応されないけどな!

 

「そ、その、話を変えてしまうのだが...。私がここのところ帰って来なかったのは、どんどん進められる見合いを、どうにか阻止しようと頑張っていたからなのだ。...今日私がここにきたのも..。み、見合いが今日のお昼からなんだ。もう本当に時間がない。本当に申し訳ない、が誰か一緒に来て、父を説得してくれないか?」

 

ええ~~~?よし、頑張れ、応援しているぞ。私は役立たずな獣だからな、行かなくてもいいだろう。

貴族の家に獣の居場所はない。まさにのけもの。

とにかく私はいかんぞ。これは絶対だ。

 

 




すまない、内容が薄くてすまない。切るところが可笑しくてすまない。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話

諸君、私はモンハンが好きだ。
諸君、私はモンハンが好きだ。
諸君、私はモンハンが大好きだ。
この後に続く文を誰か書いてくれませんかね。

何でもないのですが、ちょっと部屋を漁ってたら、クリーパーのXboxコントローラー出てきました。




          【きちくおう からは にげられない!】

 

これが先ほど私が学んだことだ。逃げようとしたら逃げるコマンドを潰してきやがった。

攻撃はできず、防御と回避しかできない。勝てる訳ないだろこんなクソゲー!

更に何を言ったかは知らないが、アクアを味方につけやがっておりましたよ。

 

勝てる訳も無く、現在私はカズマ少年によって連行されている最中だ。

しかも擬人化するための魔道具である首輪に鎖を繋いで。

鎖でつながれてるので逃げることもできず、引っ張られていくのみ。

子供には変な目で見られるし(カズマ少年にはまたか、というような視線を向けていた)冒険者達には特殊なナニカでもしてるのかというような視線が飛んでくる(カズマ少年にry)

気分はまさに売られゆく奴隷だ。いや、従魔か?

ドナドナドーナー..。

 

ついでだが、店主も同行している。本人曰く、香辛料臭い目が死んでる神父のようなラーメン屋の店主が教えてくれたらしい。あとマーボーを奢られたとも。ラーメンじゃねぇのかよ。

 

「此処だ。此処が私の実家だ」

 

そんなことを思ってるうちに着いたらしい。

うん、デカいし豪華。こういう建物を見るたびラオおじいちゃんやらクシャルやら蟷螂が襲っている姿を想像してしまう。

 

「おお..デカいな」

 

「大きいねぇ、リフォーム(爆破)したいねよ」

 

何か副音声で別の事いったような...緑色の奇怪な生命体が駆け付けてきそうだ。

 

「ぼさっとしてないで入ってくれ」

 

「お?おおそうか。お邪魔しまーす」

 

「お邪魔させていただこう」

 

うむ、中に入ったが、やはり豪華だ。だがどっかで見たことがある絵やら本、PLUCKという文字が彫ってある剣がある。

首のない黒いマネキンがあるし、壁に半分白で半分赤色の追いかけてきそうな仮面と、血をかけると骨針が出てきて吸血鬼になりそうな石性の仮面が飾ってある。

どう考えても店主の店にありそうな品ばかりです。本当にありがとうございました。

 

「あ~あの執事っぽかった人、此処の人だったんだね。何で無個性買ってたのかは分からないけど」

 

「やはりあなたの店の品だったか。ある日突然執事が迷走を始めてな。本人曰く、神秘を感じたとか」

 

狂ってないか?その執事。何だ、神話生物にでもあったのか?それとも頭くるくるぱー(紅魔族)にでもなったのか?

どちらにせよ、アレなことに変わりはないが。

 

「なんだそれ?神秘?」

 

「きっとその人は悪魔に憑りつかれているのよ!待ってなさい!私がすぐ浄化してあげるわ!」

 

「それはない。お前はじっとしてるだけでいい、余計なことをしないでくれ」

 

「頭が可笑しくても、お得意様になるかもしれないからそのままにしておいて欲しいけどね。僕にとっては」

 

悪魔はないだろう。貴族の使用人だ、念入りに検査とかされてるだろうさ。

 

「それは置いておいてだ、これから我が父に会う。粗相をしないようにしてくれ」

 

「おk」

 

「了解よ」

 

「はいは~い」

 

「本当に分かっているのだろうな!?」

 

「分かってる分かってる。親父さんを説得すればいいんだろ?俺達に任せとけって」

 

「頼むぞ、本当に..」

 

 

 

~~~

 

 

あの後面会し、何故か臨時の使用人として働くことになった。

他の面々は執事服やらメイド服なのに私は和服である。一人くらい和服がいたっていいじゃない!とかカズマ少年が言ったせいだ。

良くねぇんだよ、こっちの気持ちも考えろや。浮いてんだよ周囲から。

※因みに着物は店主が一秒で用意してくれました。ついでに鎖もまだついてます。

 

現在は屋敷玄関の前に並んでいる。

見合い相手を出迎えるためだそうだ。めんどくさい。しかも時たま通る黒髪黒目学生服の連中にギョッとした目で見られる。

洋服着てる奴らの中に一人だけ和服いたら驚くわな。しかも鎖付きの首輪付き。

驚かない方がおかしい。

 

「でも似合ってるよねぇ」

 

だまらっしゃい店主。首輪が似合ってるとか言われて嬉しい訳ないだろ!いい加減にしろ!ていうか執事似合い過ぎだろう!?

 

「しかし...お前が...」

 

ダクネス達が何か話してるが無視だ、聞く必要もない。

話を戻すが首輪が似合ってるなんぞ言われても私は嬉しくはない。

それで喜ぶ強者(ドM)もいるのだろうがな。

首輪って拘束するためとかその辺のものだろう。私はそんなことされたくないのでな。残念なことにつけられてしまっているが。

 

おや?ようやっと見合い相手が来たようだ。

周りに護衛か何かを連れて。

 

「貴様がこの私の見合い相手か!我が名はダスティネス・フォード・ララティーナ!私の事はダスティネス様と呼」「おっとアブナイお嬢様っ!頭の後ろにさす虫が止まっておりますっ!!」

 

べしっ!

 

「ぬ!?」

 

....何をしてるんだか。

 

 

~~~

 

 

カズマ少年がダクネスの頭をひっぱたき、奥に引っ込んだ後、私と店主はお茶を出したりしていた。

紅茶と緑茶、どっちも出しましたとも。毒入れてないか疑われたけどな!

※因みに店主がry

 

緑茶無いんだな、この世界。私が住んでいた渓流にはお茶かなんかを携帯していた奴もいたぞ(防具無し凄くさびた片手剣)そいつがどうなったかは知らんが。

 

..話が逸れたな。お茶を出した後、特に何もせず後ろに控えている。

だってやることがないんだもの。他の使用人たちが仕事をすべてやっているからな。

 

....寝てしまうか?目を開けたまま寝ればばれないだろう。

店主も何やら小さな機械をいじくっているしな。

よし、寝てしまおう。無礼に値するんだろうけどね!

じゃあおやすみ。

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

「....バルター殿、こちらへ。客間に行きましょう」

 

ハッ! .....移動するのか。これは私と店主も移動しなくてはいけないパターンか?

...ああ

うん、そのパターンだ。先程からカズマ少年が視線で訴えてきている。

ぶっちゃけ四人もいらないと思うのだよ。私は。店主は知らん。

 

「あの、そちらのお二人はどうなさるのですか?先程からピクリとも動いていませんが」

 

ん?ああ。安心なされよバルター殿!我々はここで待っているので!

ていうかここにいさせてくださいお願いします。

 

「む?そうだな。..では二人にもついてきてもらうとするかね」

 

そんな殺生な!...むぅ、命令には逆らえないよなぁ。

嫌だがついていこう、本当に嫌だが。

ここまで来て言うのもあれだが、家に居たかった...。

 

 

 




久々に大神やったんですが、涙が止まりませんでした。
アマ公オオオォォォッ!!小さき太陽伝?知りません、存じません。ウシワカは月に帰れ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話

石仮面の骨針、ダクネスに当たったらボキリと折れそうですよね。

私は人間を辞めれなかったぞッ!アクアッ!

ネタとか思いつかなくて波紋失踪しそうです。


 「お強いですね!ではもう少し強くいかせてもらいましょう!」

 

 ドウシテコウナッタ。私は後ろに控えてただけなのに!

何故この貴族のお坊ちゃんと木刀で勝負する羽目になっているのだ!

ええい!これも全部後ろで笑っている奴らのせいだァ!

 

 

ここまでの流れを説明すると→ダクネスが我慢しきれなくなる→木刀での訓練を申し込む→カズマ少年が便乗して私を先に戦わせようとする→そこに店主も便乗→バルター承諾。

といった流れだ。

 

私を倒せば次はダクネスが直々にやるとかなんとか。

最初から自分でやれよ、私巻き込むなよ。そして店主、時のオカリナっぽいやつ出して何をするつもりだ。

...嵐の歌とかサリアの歌演奏してんじゃねぇよ。てゆうかうめぇなこの野郎。

 

閑話休題

 

バルターとかいうコイツ、何気強い。ハンターよりは弱いが。

擬人化してる私は筋力とか、動体視力とかが落ちるので少し押されている。

筋力が足りないから受け流すことしかできない。一回攻撃したけどカウンターくらいかけたし。スキルって良いよなァ!一瞬で技術習得できるんだもんなァ!

ダクネスと違って擬人化してる私は耐久が低いんだよ!一発貰ったらアウトなんだよ!

 

この状態でハンターから攻撃食らったら尻尾の如く斬れて吹っ飛んでいくのは間違いない。

そのくらい脆い。石ころ投げられて全部位破壊されるくらい脆い(ハンターの筋力で投げられた場合のみ)

 

それにしても速いなコイツ。速度のみハンターを上回っているんじゃないか?

突進してくるドスファンゴ並みの速度と追尾性だ。

そのまま壁にぶつかってバルターハート落とせばいいのに。

...ダメか、Uターンしてきやがった。もうこいつがドスファンゴでいいよ。

 

うん、もう目の前に居やがる。あっ、木刀撥ね上げられた。これはもう無理ですな。

ウウェーイ。 たわらばっ!ぷげぇ!こ、こいつッ容赦なく顔をッ...!

 

「あっ...も、申し訳ございません!女性の顔を傷つけてしまうなどっ!」

 

....絶対元に戻ったら頭部位破壊されてるだろうな。痛い。やっぱ脆すぎんだろ。

着物でそこそこ動けたからまぁいいか。対人戦の練習になったし。

 

「本当に申し訳ございません!責任を取らせていただきたい!」

 

「....いらない、全く持っていらない」

 

「え”」

 

「店主、回復薬か何かを作ってくれ」

 

「はいよ~」

 

「バルターm...バルター殿もダクネスとの訓練があるのですから休憩なされたらどうです?」

 

「え...あっはい?」

 

責任を取ろうとしてるのはわかるがいらない、全くもっていらぬ。貴族が責任を取るってなんか嫌な気がするからな。

そんなことよりダクネスに精神をぼっこぼこにされて来い!

女性を傷つける事が嫌ならダクネスは天敵だろう。恨みはないがぼこぼこにされて来い、精神を。恨みはないがな!

 

 

 

~~~

 

 

ダクネスと訓練して惚れたとかなんとか。

何があった。私は回復薬とか秘薬とかがぶ飲み&ぶっかけられてたから訳が分からんぞ!

部位破壊されてたのが治ったからまぁいいよ?でもアオキノコとマンドラゴラ飲ませようとするな。

キノコ大好きスキルなんてついてねぇんだから回復できるわけないだろ!

 

現在はカズマ少年とダクネスがなんかしてる。

組み合ってる、といっていいのだろうか。あれ。スキルか何かを使っているのはわかるんだけどなぁ。

そういえば木刀での訓練だったhas.なぜスキルを使っているのだろうか。ステータスが低いからか?

あっ崩れ落ちた。服はボロボロあざだらけ、びしょ濡れで座っている状態だから事情を知らない人に見られたら終わるな。

 

「修錬場にいると聞いて、ちょっとした飲み物の差し入れを....」

 

終わったな(確信)

現に飲み物が入った籠を落としてるし。使用人達はぽかんとしてるし。

 

カズマ少年達とは離れてるし荷物持ちしてるから巻き込まれないだろう.....だからそんな視線を向けないでくださいお願いします。

アクア先生!なんか言ってやってくださいよォ!

 

「....あいつらがやりました」

 

そういって男三人衆を指さす。

店主関係なくね?見てただけじゃね?見ていただけだったからアウト?アッハイ。

 

「よし、こいつらを処刑しろ」

 

「「違うんです、誤解です!」」

 

 

 

~~~

 

 

バルター殿とカズマ少年は必死に説得して、事情を説明して事なきを得たらしい。

店主?論破してました。反論を一切許さずに。

ついでに自己紹介のようなものをした。バルター殿はカズマ少年とアクアが使用人ではないことに気付いていたらしい。

店主と私には気づいていなかったらしいが。店主はともかく私は違うって明らかに分かるだろうに。

違和感しかないだろ、一人だけ和服だぞ。メイドの中に和服が混ざってるって違和感しかねぇだろォ。節穴か?目。

 

そんなことは置いといてだ。肝心のダクネスだが、カズマ少年が訓練の最中ナニカしたので眠っている。

で、私達は応接間に通されてダクネスの寝顔を見ている。

 

「娘は元々人付き合いが苦手な方でなぁ...。それは、身内に対してもそうだった。カズマ君、君は娘と同じパーティーなんだろう?娘はあまり、自分の事をはなさなかったんじゃないか?」

 

コミュ障ですねわかります。私も前世はコミュ障だった記憶があるからな!同類だ!異性は無理、話しかけられん。

というか何を話せばいいのか分かんなくなっちゃうよね。あと声も小さくなる。

今世では治ったけどな!寧ろ悪化するはずなのにな!

 

「娘は、クルセイダーになっても一人きりでなぁ...。毎日毎日、エリス様の教会に通い詰め。冒険者仲間ができますようにと、エリス様にお願いしていたのだよ。そんなある日、教会からの帰りに娘が、初めて仲間ができた、友達ができた、盗賊の女の子と仲間になったと喜んで...」

 

ドMさえ隠せば仲間ぐらいできそうなものだったがな。素材は良いんだし。

初めての友達なんて思い出せそうに無いな。何年前だろうか。

自分は友達だと思ってても相手はそう思ってないていう事があるよね!

 

「うちは、家内を早くに亡くしてなぁ...。それから、新しい妻も娶らず男手で、甘やかしながらとにかく自由に育ててきた。...それが、悪かったんだろうなぁ...」

 

自由に育ってきて、良く異世界ファンタジーにいる貴族の坊ちゃんみたいに傲慢にならないよなぁ。

普通は傲慢でクソみたいな性格になると思うんだがなぁ。

某わがままのお姫様みたいに。ラージャン狩ってこいとか言ってくるあの第三王女みたいに!

何度それで私が狙われたことか!ちょっと傷ついてた旅人に薬草エキス入りの泡をぶつけただけだろ。

何で珍しいタマミツネがいるとかになるんだよちくょうめぇ!

 

..ふぅ......。

 

「ララティーナ様は、男勝りですが素晴らしい女性だと思いますよ?カズマ君がいなければ、僕は本気でララティーナ様を妻に貰いたいと思っています」

 

頑張り給え、私は応援しているぞ。カズマ少年は喜んで君()譲る(生贄にする)だろう。

ダクネスのストライクゾーンに入るどころか逆方向に向いてるけどな。

 

「すいません、ちょっとなにいってるかわかんないです」

 

「いいんだ。君の方が、ララティーナ様を幸せにできるだろう。君たちの信頼関係はしっかりと見させてもらった。君たちは、お互いに愛し合っているんだろう?」

「よし、おまえちょっと表出ろ、領主の息子だろうがなんだろうが関係あるか、ブットバシティアル!」

 

「カズマさん止めて!やるなら私がいないところで!私まで一緒に処刑されちゃうから!」

 

アクアの羽交い締め!カズマは一ターンうごけない!

 

「ふふ、はははっ!」

 

おおう、いきなりどうした?大丈夫?ダクネス殴る?

 

「よし分かった!バルター殿。娘がもし、行き遅れた時はもらってやってはくれないか」

 

中世くらいならもう行き遅れの部類に入りそうなんですが。

中世は12歳ぐらいで結婚したりするんですが。この世界の文化はどうなってるんだっけ?

 

「い、いえ....私はそれは、勿論構いませんが、しかし...」

 

「そしてカズマ君」

 

「ほっ!?へい、な、何でしょうか?」

 

ほっ!?って、ほっ!?って!なんだその驚き方は、もっと普通の驚き方をしろよ。

 

「娘をよろしく頼むよ。コレがバカなことをしでかさない様、見張ってくれ。たのむ」

 

だとよ、信用されてるじゃないか。喜べよ。

私は頼まれてないから知らぬ。

 

「それと...店主さん、うちの執事に変なものを売るのはやめていただきたい」

 

「彼が望んだから売っただけだよ。望まなくなったならやめるよ」

 

安定の店主。彼はこれからも変な物を買ってくるでしょう。主に転生者のトラウマとか。赤石とか。

この部屋にも矢とか、星マークが入ったオレンジの玉とか黄金の桃が置いてあるしな。

 

 

 

~~~

 

 

あの後は特に何事もなく、今は帰宅している。

決して店主がドラゴ〇ボ〇ル全部あげたとか、唯我独尊の数珠をあげたとかはない。

決してない。ないったらない。

 

おっといつの間にか屋敷についていたようだ。

考え事をし過ぎて周りが見えなくなるな、最近。

 

「うっ.......!ぐずっ.....!あ、あんまりよおおおお!めぐみんってば、あんまりよおおおおおっ!」

 

「いい加減に泣き止んでください!そろそろカズマ達が帰って来る頃です、こんなタイミングで帰ってこられた日には、どう見ても私が悪者に....あっ」

 

カズマ少年が無言でドアを閉める。

また何かあったのか.....。退屈はしないが出来事が多過ぎるだろう...。

 

「ちょっ!見なかったことにしないでください!ちゃんと説明しますから!」

 

「説明を聞けばいいのか?」

 

「そうです!説明を聞いてください!」

 

「だが断る」

 

「へっ!?」

 

「そんなわけだからじゃぁな」

 

「そんなわけって何ですか!ていうか大変なんですよ!例の検察官が!今度こそカズマを逮捕するとか言ってたんですよ!」

 

「なに?」

 

一難去ってまた一難。

カズマ少年に安息は来るのか!?次回をお楽しみに!

 




この世界で回復薬を例えるならエリクサー。
書いてて自分にダメージが来る不思議。私には友達がたくさんいるはず...あれ?
最後のは出来心なんです!

作業用bgmとして、太陽は昇る、Reset聞いてたらやる気に充ち溢れました。


                 (ー人ー)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話

私の名前のもとはアサシンクリードと大神です。


 

「例の検察官が!今度こそカズマを逮捕するって言ってたんですよ!」

 

「なに?」

 

ダクネスの時間稼ぎが意味なくなったな。

何をやらかした?それとも魔王軍がカズマ少年はこちら側だ!とでもいったのか?

後者はありえないから前者だな。何をしたんだ?

サッサと白状しろよ、白状したならば楽になれる。

 

「いやなんもしてねぇよ!」

 

だとしたら何故逮捕を踏み切る?どうせセクハラでもしたんだろう。

 

「してないって!」

 

罪を認めたくない気持ちはわからない、魔王軍幹部罪は違うがセクハラとかは自らが犯したのだから....。

 

「違うつってんだろ揉むぞこの野郎!」

 

本気で身に覚えがないのか、ならすまない...ありもしないことを疑ってすまない....。

などというつもりはない!

 

「キャラどうなってんだよちくしょうめぇ!」

 

ブレっブレですが?私に定まったキャラなどない!すべては(作者)によって決まるのだ!この後の展開も、カズマ少年の運命も!

 

「もうどうにでもなれ.....」

 

「サトウカズマ!サトウカズマはいるかああああ!」

 

おう、検察官殿が到着されたようだぞ、歓迎して差し上げろ。日本人形でな!

 

「要件は何でしょうか検察官殿、こちらは余り暇ではないのです。簡潔に言うならとっとと言えやこのアマァ!です」

 

「なっ...まぁいい、それよりもだ!貴様!ダンジョンに何をした!街の近くのキールのダンジョン!あそこで謎のモンスターが大量に湧き出しているそうだ!」

 

へぇー、で、それが?

というかキールのダンジョンってどこだよ、聞いたことないが?

それは私の情報が少ないだけか?それと顔真っ赤だな、ポスト化?

 

 

「謎のモンスター?たぶんそれ、俺達と関係ないぞ?確かに一回潜ったけどさ、何でもかんでも俺たちのせいにしないでくれ。俺達が全部やってるわけじゃないんだから」

 

ええー?ほんとにござるかぁ?

結構アクアやらめぐみんが原因でこの街の事件は起こっている気がするが。

お前らだよ、うんうん頷いてるお前ら。

 

「そうはいっても、最後にあのダンジョンへ潜ったのはあなた方だという話なのですが。今までの例から言って、あなた達以外がやったとはとても考えれないのですが....ところでその妙に怖い人形を大量に抱えた女性は誰でしょうか」

 

信用ないね、インガオホー。

ハハッ!怖いかそうかそうか、ぶっちゃけ私も怖い。

 

「そんな理不尽なこと言われてもなぁ、今回は本当に心当たりがない。だよな?な?お前ら、今回こそは大丈夫だよな?」

 

フラグが立ちましたー。十分以内に回収しなさい。

コクコク頷いてるからね、フラグ製造メーカー三人組の頷きだよ。これは立つ以外ないでしょう。

 

「しかし、そうなると困りましたね....。てっきりあなた達がまた何かやらかしたかと思っていたもので。となると、誰かを雇って調査をしなくてはならないのですが....」

 

セナは チラチラこちらを見ている 雇われますか?

 

Yes or はい

 

「おやおやぁー?ひょーっとして検察官殿は、疑いを掛けた相手に調査の協力を持ち掛けたりなどはしませんよなぁぁ?なぁにせ我々は、自らの疑いを晴らすために忙しい身です氏ねぇぇぇ?」

 

うっざ、なにこれうっざ!さすがはカズマ少年だ!何かを言おうとしていためぐみんを抑え、こんなムカツク事を言えるなど!

 

「...もちろん、そんなことなど思っておりませんよ?ですが、もし気がかわった場合は協力をお願いいたします」

 

そういって屋敷から出ていく。よし、私の周りにいるからくり日本人形の諸君、出て行った女性を追いかけるのだ。もちろん、気づかれないようにな。

.....送った私が言うのもなんだが、日本人形が一列で行進していく様は怖いな。

 

「....おい、あれ大丈夫だろうな?近所の人とか見かけた人失神しないよな?」

 

.....大丈夫だろう、私のイヤ-が悲鳴を聞いてしまったが大丈夫だ。茶髪で店経営してて商才が無くて貧乏で魔法使いで巨乳なリッチーのような声だったから大丈夫だ。

 

「全然大丈夫じゃないのは分かった。とりあえず今度ウィズに謝ってこい。嫌なら拘束してダストに差し出すからな」

 

今日も鬼畜ですな。謝るよ?謝るからその縄とか鎖とか仕舞ってくれ。後ろの狂性堕ーが興奮してるから。

あの、ほんとに仕舞ってくださいお願いします。あ、涙出てきた。

 

「....普段男勝りだったり、強気なキャラの涙目って、良いよな。じゅるり」

 

私はそんなキャラではありません。繰り返します。私はそんなキャラではありません。

 

「んんっ!...そんなうらやまsじゃない、セナが言っていた謎のモンスターについてだが...皆何か知っているか?」

 

「少なくとも俺は知らん。というか、皆知らんと思うぞ。お前の事で忙しかったんだから」

 

「そ、そうか。う、うむ。それはすまなかったな」

 

「良いのよ良いのよ!だってパーティーじゃない!助け合った方がいいでしょ?」

 

珍しく良いことを言ったな、アクア。普段からそんな風にしていればいいものを。

 

「でも....なんであのダンジョンから出てきたのかしら。私の魔法陣で魔の者は入れないはずなのに」

 

「あ”?てめぇ今なんつった?」

 

「え?だからあのダンジョンには私の魔法陣があるから邪悪な存在は入れないって...」

 

「やっぱりお前かこの駄女神がァァアアアッ!!!」

 

「なぁんでよおおおおおお!!今回は免罪よおおおおお!?」

 

フラグ回収乙。やっぱり原因はこのパーティーにあった。

私は冒険者じゃないしまず人間じゃないのでセーフ。ペット枠。

一回しか問題起こしてないしな!

 

 

~~~

 

 

 

雪で歩きにくい道をカズマ少年達は踏みしめてダンジョンに向かっている。

先頭をカズマ少年、その後ろにアクア、めぐみん、ダクネスの順で続いている。

私は魔力切れで擬人化が解けたのでカズマ少年の肩にいる。

 

道中は特に何もなく、すぐにダンジョンの前に到着した。

で、例のモンスターを見たのだが....。うん、仮面の憑いた人形が二足歩行で歩いている。そしてなぜか日本人形と戦闘している。

あるぇ?私そんな命令出してないぞ?追跡だけだぞ?誰も戦闘しろなんて言ってないぞ。というか追跡任務はどうした。しかもキャハハハとか笑ってるし。

 

「サトウさん.....!こんなところでどうしたんです?もしや、モンスターの調査に協力してくれる気になったのですか?」

 

お?おお、私達の方が速かったのか。ところでそのお札は何だ?

 

「よくよく考えたら、謎のモンスターが発生しているというのは俺達にとっても他人事じゃないと気付きましてね。それに、モンスターから街の人を守るのは冒険者の義務ですからね」

 

「これほどまでに、この場に嘘を見抜く魔道具があればと思ったことはありませんよ。.....でも、そうですか。ご協力に素直に感謝いたします」

 

そういって深々と頭を下げる。

そしてカズマ少年が苦虫を嚙み潰したような顔をしている。

 

「あの、ところで、モンスターの種類が増えているのですが。報告にあったのは仮面をつけた人形のようなモンスターで、あのような髪が長い不気味な人形は報告にありません。何か知りませんか?」

 

「あーっとですね。あれはモンスターの戦力を測るために我々が放った使い魔のような物でして。貴方達に危害は与えないので安心して頂きたい」

 

「そ、そうですか。どちらかといえばあの人形の方がモンスターに見えるのですが.....」

 

まぁホバー移動してる上に笑い声あげて髪が不自然に蠢いてるしねぇ。

パッと見あっちが完全にモンスターだな。どう考えてもホラーゲームとかに出てくる奴だよ。夜廻りとか。

 

「あっサトウさん、ダンジョンはいられるのでしたらこれをどうぞ。モンスターが発生している原因はまだつかめていないのですが、何者かがモンスターを召喚しているという線が一番濃厚です。もしそうならば、召喚者を倒し、召喚の魔法陣にこれを貼ってください」

 

そういいながら手に持っていた奇怪な札をカズマ少年に渡す

 

「...これは?」

 

「強力な封印が込められた札です。それを貼り付ければ、どんなに強力な魔法陣でも即座に使えなくなるでしょう。モンスター召喚の魔法陣の中には、術者倒してもモンスターを呼び続けるがありますので、ぜひこれを持って行ってきださい。お願いします。.....ダンジョンは壊さないにしてくださいね?」

 

「い、嫌だなぁ。そんな事考えてもないし、や、やりませんよ?」

 

なら何故どもるのか。冷や汗だらだらだし目が泳ぎまくってるしで怪しさしかないぞ。

 

「あの人形は動いているモノに取り付き、自爆するという習性を持っています。なので、気を付けてください」

 

「ほう?自爆?ならば私が出よう。安心してくれ、必ず帰って来よう」

 

しれっとフラグ立ててますね?ダクネスさん?それアカンフラグですよ?

いやまぁダクネスなら自爆されても耐えそうだが。

 

ダクネス選手!躊躇いもせず突っ込んでいきました!人形が次々と貼りついていきますが気にもしません!

一体が爆発してそれから連鎖爆発していきますがダクネス選手には効いてすらいません!寧ろ気持ちよさそうにしています!

 

「フハハハ!この程度か!者ども!私の後についてこい!露払いは私が引き受けよう!」

 

なんとも男前なことを言ってくれてますね。

よし、じゃあ私はここで待って居よう。中じゃ私は活動できないからな。

 

「そうか。じゃっ、行ってくるよ」

 

逝ってらっしゃい。後ろに日本人形を追従させとくよ。

私は本来のサイズで昼寝してるから。

 

「では皆さん!ご武運を!」

 

検察官殿、いきなり大きい声を出さないでいただきたい。

では、おやすみィ。

 

 

 




思いついたぞッ!常闇ノ皇の力を持った転生者をISにぶち込むのだッ!!!


.......何を考えてるんだろう...そうか、憑かれてるんだ、私。こんな時はアマ公に癒されなきゃ.....レッツロックベィビィ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話

遅くなって申し訳ありませぬ。テストとか大神とか色々あったのじゃ....。



 「~~~~~~!~~~ハハハハハ!フハハハハハハハ!」

 

.......騒がしい、何があった?寝ている間に何があったというのだ?

あれか?山賊が攻めてきて冒険者が最高にハイになったのか?

ともかく、目視しない事には始まらない。

 

目を開け辺りを見渡してみると、変な仮面をつけて笑いながら地面に片膝をつけたダクネスがいた。

何だあれは?遂に頭が逝ってしまわれたか?それとも反抗期と紅魔族(中二病)に同時に掛かってしまったのか?

どちらにせよ直さないといけないな。斜め四十五度から叩いたら直るだろうか?

 

「おいゴルゥアァ!ダクネスにいきなり魔法ぶちかますな!心臓に悪いだろ!」

 

どうやら片膝をつけてるのはアクアが魔法をぶちかましたからのようだ。

でもアクアの魔法は補助だったりアンデッドを浄化したりする魔法だった気がするが?

 

「安心なさい!今の魔法は人間には害はないわ!なんか邪悪な気配突っ込んできたから何となくで撃ち込んでみたんだけど.....」

 

邪悪?ダクネスは邪悪ではないからあの仮面が呪われてるなりなんなりしてるのだろう。

個人的にあの仮面のデザインは好きなのでもし残せる場合は譲って貰おう。

 

「そうなのか...ってそういってる場合じゃねぇ!おいアクア!ダクネスは今、魔王軍幹部に体を乗っ取られかけている!相手の正体は悪魔だそうだ!お前の得意分野の相手だろ!?」

 

「ま、魔王軍幹部!?」

 

セナさんや、大声出さないでくれやしませんかね。いや気持ちはわかるけどさ。

ところでその魔王軍幹部は何処に?まさかあの仮面か?

 

「そう!そのまさかよ!我が名はバニル!地獄の公爵にして魔王軍幹部が一人。大悪魔、バニルである!」

 

....その大悪魔様は何故足元の石ころを蹴飛ばしたりしているのですかねぇ?

口だけ?口だけ乗っ取ったの?それ意味なくね?

 

「フハハ!聞かれたならば答えねばなるまい!ただ名乗りを上げるために一旦口だけを優先的に乗っ取っただけよ!」

 

あ、そう。それで?

 

「いや、何も無いが?」

 

......なんだコイツ。

 

「何だとは失礼だな人の魂を持つ獣よ、もう少し礼儀を知ったらどうだ?」

 

悪魔に向ける礼儀はねぇ!天使に向ける礼儀もねぇ!一神教に向ける礼儀もねぇ!

 

「...ふむ、その体になった貴様に欲情していた小僧はなかなかいい悪感情を出してくれたのだがな...」

 

生憎ともう一人愉悦部がいるのでそのような挑発は効きませぬ。というかカズマ少年ェ..。

 

「よ、欲情なんてしてねぇし!?ちょーっと視線が行っちゃっただけだし!?」

 

カズマ少年が叫ぶ。が、周りからは冷たい視線しか来ない。だろうな。

 

「てか馬鹿やってる場合じゃないぞ!さっさとムッコロしてダクネスを解放しないと!」

 

「そうね!あのとっても臭い悪魔を滅却しないと!悪魔滅ぶべし!イヤー!」

 

悪魔って臭いのか。ミラボレアスとかも臭いのだろうか?

 

「フハハハハ!やれるものならやってみるがいい!簡単に倒せるとは思わぬようにな!」

 

「いいでしょう!いいでしょう!その言葉、忘れないでくださいね!」

 

「おい待てめぐみん!当たる確率が低いうえにダクネスが犠牲になるからやめろ!」

 

当たる確率は確かに低いだろうな。詠唱中に攻撃してくるだろうし。ダクネス?無視安定。

実際食らっても効かないだろう。むしろ回復しそうだ。

 

「いいえッ!もう限界ですッ!放ちッ「やめろつってんだろこのバカ!」んんー!」

 

めぐみんの ばくれつまほう! しかし かずましょうねんにとりおさえられてしまった!ばにるにとどかない!

 

「フハハ!吾輩を前に仲間割れか?よかろう。纏めて倒してくれる!」

 

「そんな事はさせねぇよ!」

 

背後に控えていた冒険者(空気)達が突っ込んでいく.....が。

 

「フンッ!」「トゥ!」

 

「ハッ!」「トゥ!」

 

「フハッ!」「ヘヤー!」

 

「フハハ!」「モウヤメルンダ!」

 

アスランでもしているのか、あっけなく瞬殺された。

まるでハゲの髪のように、無双ゲーのモブのように、ハンターの周りを鬱陶しく飛んでいるランゴスタのように、一航戦の口の中に消えていく食べ物のように、SDXのデータのように、彼岸島のレジスタンスのように、カズマ少年のように、それはそれはあっけなく散った。

 

 

「さぁどうした?まだ胴体が斬られただけだぞ かかってこい!魔法を出せ!!体を回復させろ!!胴を再生させて立ち上がれ!!剣をひろって反撃しろ!!さぁ戦いはこれからだ!!お楽しみはこれからだ!!ハリー!!ハリーハリー!!ハリーハリーハリー!!(cvジョージ)」

 

あかん、吸血鬼でもチートなお方が憑依されておられる。勝ち目が全くなくなる。

というかおんし悪魔じゃろ!何で吸血鬼になっとるんじゃ!ヘルシング卿ぶつけんぞ!

 

「もうやめて!冒険者たちのライフはゼロよ!(なお、後で蘇生する模様)」

 

ここでカズマ少年もネタに走る。ドウシテコウナッタ.......。

 

~~~~♪~~~~~~~~~~♪

 

そして鳴る場違いな笛の音。誰だふざけた奴は!

 

天呼(てんよ)ぶ 地呼(ち よ)ぶ (うみ)()ぶ… (もの)() (たお)せと (われ)()ぶ!」

 

月へ帰r....!?

声をした方を向き、姿を確認すると...そこには大木の枝の上に乗り、ウシワカの恰好をした店主が!

 

本屋(ほんや)店主(てんしゅ) ??? イズ ヒア!」

 

おや、名前のところにノイズが掛かって全く聞こえなかったな。まぁいい。

 

「ぬ!?いきなり何だ!?」

 

「何でもないとも。ただユーの命を貰いに来ただけさ」

 

「フハハ!そう来るか!よかろう。かかってくるがいい」

 

「グッド!そうこなくっちゃ… では我が愛刀 ピロウトーク の調べを――――――――

 

 

――――思う存分 聴かせて あげようか!」

 

 

....コピーしたのか、ピロウトーク。あれ地味にカッコいいけどさ。

そもそも何しに来たし。賞金首狩りにでも転職したのか?店主が金に困るわけないだろ!偽造できるし。

ということはあれか、暇つぶしか。暇つぶしに魔王軍幹部の首を取りに来る本屋ってなんだろう。

 

 

「レッツ ロック ベィビィ!」

 

 

言ってくれました、例のセリフ。とことんノリノリだな。

そんでもって突撃していく。

 

「フハハハ!」

 

「フフフ」

 

なにわろてんねん。展開が意味不明だよ、どうにかしてるよ。頭が。

 

「....どっから可笑しくなったんだろうなぁ..」

 

バニルがダンジョンから出てきた所だろうよ、カズマ少年。

諦めるのだ、理不尽は対抗出来ないからこそ理不尽なんだ。一般人が逸般人に勝てる訳がないのだ。カズマ少年もそこそこ逸般人に近いと思う。鬼畜度が。

 

とゆうかほんとどうしようか、そこでライトセーバーモドキと直剣でせりあってる奴ら。

そもそもどうしてここに来たんだっけ?......まぁいいや。

 

「もう俺達いらなくね?帰ってもいいよな。魔法陣も消したし、魔王軍幹部もどうにかなりそうだし」

 

カズマ少年が目を鮮度の低い魚のようにしながらつぶやいた。

簡単に言えば目が死んでる。

 

「そうですね、爆裂魔法を撃っても何故か弾かれそうな予感がしますし、完全に要らない子です。私達」

 

めぐみんもまた、目を腐らせながらそう言った。

 

「何言ってるのよ!ダクネスがクソの中のクソである悪魔に憑りつかれているのよ!?仲間の私達が助けてあげなきゃ!」

 

「...そう言われてもなぁ、クッソ弱い俺にあれの中に参加しろと?めぐみんも爆裂魔法しかできないしアクアだってサポート要員だろ?大悪魔と逸般人の戦闘に入れる奴なんて俺たちのパーティーの中じゃ...」

 

そこで区切ってこちらを見てくる。こっちみんな。

 

「..タマミツネならいけるか?俺達とは違って強いだろうし..」

 

野生で生きてきた感を舐めるな、あの戦闘に関わったら少なくとも瀕死になると私の感が言っている。

要約すればやめてくださいしんでしまいます、だ。

 

「うむむむむ....あっ。そういえば人間は殺さないとかどうとか言ってたような気がするな。それを利用すれば倒せるか?」

 

人間は殺さない=人間以外は殺す=私と自称神のアクアは殺される。

神は言っている―――ここで死ぬ定めではないと..。

 

というわけでカズマ少年とめぐみん、頼んだ。私では無理なのでな。

 

「ええ...どうしろってんだよ。いっそダメもとで爆裂魔法をぶち込んで見るか?」

 

「撃ち込むならあの魔道具を持っている人には退いて貰いませんとね。巻き込んでしまいます」

 

「よし、それでいこう。.....おーい!ライトセーバー持ってる人!爆裂魔法撃ち込むから退いてくれ!」

 

 

その声に反応して、店主が一瞬で姿を消す。木の葉一枚を残して。

 

「フハ!?何処へ行った!?ッといかん。爆裂魔法はさすがの吾輩でもまずい、撤退せねばっ!」

 

「逃がさないわ!『セイクリッド・エクソシズム』!これでも食らってなさい!」

 

アクアの魔法を食らってバニルはよろける。

 

「いいところを貰っていけるなんて最高です!行きますよ!『エクスプローーージョン』ッッ!!」

 

「クッしまった!ぬわーーーーー!!」

 

爆裂魔法に包まれ、後にはクレーターと、ヤムチャしやがって...なポーズのダクネスが残った。

 

 

~~~

 

大体一週間後

 

 

 

バニルを倒したことでカズマ少年は表彰され、嫌疑は晴れたらしい。

今頃ギルドはお祭り騒ぎだろう。凄く嫌な予感がして私は行かなかったがな!

後は、コスプレした店主の事がばれてなくて、謎の賞金狩りとして噂されてるとかなんとか。

 

そうそう、ウィズの店と店長の万屋が手を組むとかなんとか。

ウィズの店に新しく入った店員の提案だとか。

あと物凄く店長とその店員は気が合うそうだ。この作品は愉悦れる、この作品は愉悦れないそんなことを話しているそうだ。そのうち香辛料くさい目が死んだ神父のようなラーメン屋が追加されそうなメンバーだな。

 

話が逸れたが、その店員は大柄で、変な仮面を付けていて、一人称が吾輩だそうだ。

特定余裕過ぎやしませんかねぇ。仮面と吾輩で特定するの容易すぎるだろ。何でしれっと復活してるんだよ。

そら愉悦仲間にもなるわな!人間の悪感情が食べ物ですもんねぇ!

 

ふぅ...もういいや、寝よ。( ˘ω˘)スヤァ

 

 

 




後悔も反省もしていない。そして全くと言っていいほどないタマミツネ要素。

ネタをぶち込み過ぎて今後どうするべきか分からなくなってきた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話

あけましておめでとうございます&遅れて申し訳ありません。
ナメクジにすら劣る更新速度でも見てくれる読者様には頭があがりません。


 

 カズマ少年がギルド+ウィズの店から帰って来て、すぐに行ったことは何かの設計図を作ることだった。

テーブルの下に熱を発する石を取り付け、その上に布を被せ最後に板を置くというものだ。

 

どう考えてもこたつですありがとうございました。日本人としてこたつを欲しがることはわかる。だが春だぞ?

だんだん暖かくなっていく花粉症達の天敵の季節。

そんな季節でなぜこたつを作ろうと思った。面倒臭がりのカズマ少年を以っても作ろうと思わざるしかないほど炬燵は中毒性があるのだろうか。いやあるな。

 

そのこたつをスキルを駆使して約三十分ぐらいで作り上げ、速攻でもぐりこんだカズマ少年を見ればわかる。そもそも店長に譲って貰うか売ってもらうとかすればいいのではないのだろうか?

あの店長の事だし普通に売ってそうなんだが。

 

「ああ、こたつは最高だ..このクソ寒い異世界に舞い降りた神様だ...」

 

カズマ少年が顔すら出さずにこたつの中で呟く。

何を言っているか私には理解できんな。舞い降りたじゃなくて舞い降りさせたの間違いだろう。

というかダクネスとめぐみんが養豚場の豚を見る目をしていることに気づけ。

ああいやこたつに潜ってるから見えないのか。

 

「アクア、カズマ、そろそろクエストに行かないか?もう春だ。それに他の冒険者達も活動を始めるだろうしな」

 

ダクネスがそういいながらこたつむりと化したカズマ少年に近づいていく。が変わらずその目は養豚場のらんらんを見る目だ。

 

「嫌よ、だってまだ寒いじゃない。それにまだお金も残ってるから働かなくても大丈夫よ」

 

「ああそうだな。金も残ってるし働かない方が楽でいい」

 

アクアが寒いという理由で却下し、こたつから顔だけ出したカズマ少年がそれに乗っかる。

 

「....ハァ」

 

「このぶっころりー共は....」

 

「おいちょっと待て、ぶっころりーって何だよブロッコリーか何か?それとも紅魔族に伝わる諺か?」

 

紅魔族の人名だと思うが。センスの逝かれた部族だ、そんな名前をつけていてもおかしくはない。

現にそこにイカレた名前を持った紅魔族がいるじゃないか。

 

「タマミツネ?今何を考えました?当ててあげましょうか?」

 

めぐみんが世紀末の世界の主人公みたいな表情になりながら問い詰めてくる。ヒエッ。

何も考えていませんよ?ええ、何も考えていませんとも。

 

「ぶっころりーが何かは今はどうでもいい。クエストなんかダクネスとめぐみんの二人で行けばいいだろ?わざわざ最弱の俺が行く必要ないしな。何よりメンドイ!寒い!やってられるか!俺はこたつに籠るぞ!」

 

そんなコナンで殺害されるキャラが言ってそうな事言わなくても..。

というかカズマ少年のレベルいくつよ?こん中で一番低いんじゃない?私はレベルなんてないし。

 

「そうか。なら仕方がない」

 

「おお、わかってくr「無理やり引きずり出すだけだぁ」わかってねぇ!?」

 

ダクネスがズンズンとか擬音が出そうな歩き方でこたつに近寄り、こたつの天板を投げ飛ばす。

 

「さぁ、破壊されたく無くば出てこい」

 

そう脅迫し、手を差し出す。

 

「いやあああ!俺の!俺のユートピアが!理想郷が!この野郎!『フリーズ』!」

 

「私は野郎じゃ..ああっ!?」

 

差し出した手全体に霜が付き、ダクネスが悶えながら絨毯の上を転がる。

 

「フハハ、神々の遺物であるこたつを破壊するからそうなるんだ!」

 

神々の遺物て...いや確かに日本の色々と残念な神様達なら作ってたりしそうだけども!

 

「ちょっと!私達はそんなの作ってないわよ!暖かそうだな~とか思ったりすることもあるけどそんな落ちぶれてはいないわ!分かった?分かったなら訂正して頂戴!」

 

そこまで否定するとは余程このコタツムリと化したカズマ少年と一緒にされたくないんだな。

アクアは一回こたつ入ったら堕落しそうな性格してるし。

 

「はいはい、そんなこと言ってほんとははいりた....!」

 

どうした?いきなり黙って?トイレにでも行きたくなったか?

 

「マズイ!とんでもなくトイレに行きたくなってきた。おいダクネス、休戦だ。休戦しよう」

 

「そうか。ならとっととそのこたつとやらから出てトイレに行け」

 

「そこで提案なんだが、ダクネスとタマミツネがこたつをトイレの前に運んでくれないか?」

 

断る。私を巻き込むんじゃぁない。関係なかっただろう。

 

「.....」

 

ダクネスがめぐみんと顔を合わせこたつに近寄っていき、その端を持ちあげ、窓の近くに運ぶ。

 

「あのーダクネスさん?めぐみん?運んでくれるのはありがたいけどそっちはトイレじゃ...」

 

「アクア!窓を開けろ!こたつごと外に捨ててくれる!」

 

「イエスマム!」

 

ダクネスのマイ例を聞いたアクアが無駄に高いステータスを使い瞬時に窓を開ける。

 

「やめろおおお!待て!危ない!ほんとに危ないから!冗談だよな?冗談だろ?」

 

「行くぞめぐみん!力を籠めろ!」

 

「はい!」

 

「待って!待って!お願い!待って!」

 

カズマ少年のお願い虚しくブンブンと勢いがつけられていき、投げられる直前といったところで。

 

「サトウさん!サトウさんはいらしゃ...キャアアア!?」

 

玄関に置いておいた例の絵画トラップに引っかかった憐れな犠牲者(セ ナ)の声が響いた。

 

 

 

~~~

 

 

 

「うううぅぅ....」

 

何とかトラップに耐えられたのか?ここまで来るとは。貞子みたいになってるけど。

 

「おおう...鬼畜の称号はタマミツネに渡したほうがいいんじゃねぇかなぁ...」

 

「安心なさい。普段過ごしてる分にはタマミツネの方が無害だから」

 

「おい、それは俺が無害じゃないって事か?」

 

何かカズマ少年とアクアが漫才してる。

 

「八ッ!サ、サトウさん!大変なんですリザードランナーが大量発生しているんです!」

 

リザードランナー?何だそれは?

 

「ああそう。で、何で俺んとこ来たの?」

 

「いえ、ですからリザードランナーが大量発生致しましたので貴方方にも駆除を手伝って頂こうと...」

 

「そんなのいらな「よし行こう!丁度いい機会だ!」ちょっおいダクネス、俺の言葉に被せるなよ」

 

「おお!ありがとうございます!」

 

「いやだから「行くぞカズマ!引きこもりは卒業だ!」いだだだだ!?分かった!分かったから引きずるな!」

 

「漫才してないで行きますよー」

 

いやめぐみんも杖持って来いよ。人の事言えないと思うぞ。それともあれか?爆裂魔法を放つまでも無いのか?

 

「ったく乱暴なこって。悪いけど少し遅れるぞ。鍛冶屋に依頼した装備を取りに行くから」

 

「大丈夫です。問題ありません。...ところで、玄関を抜けるの手伝ってくれませんか?」

 

「さーてちゃーんとできてるかなぁ?」

 

「無視しないでいただけませんか!?」

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

「ここだここ。ちーす!おっちゃーん、例の奴出来たー?」

 

そう言いながら入ってゆくは何かニヤニヤしてるカズマ少年。

そのニヤニヤは例えるなら男のロマンを見ている少年の顔といったところ。

 

「らっしゃい...、なんやお前か。そうそう教えてもらったKATANAととかいった剣だが、一応できたぞ」

 

鍛冶屋の店主は鞘に入った刀っぽい剣を持ってきてカズマ少年の前に置いた。

 

「カズマカズマ、何です?それは?店主はKATANAとか呼んでましたが」

 

「フッフ、めぐみんこれはな、俺の故郷に伝わる聖剣や魔剣、名剣の形状を真似て作った物だ。鋭さに優れ、何でも切り捨てるんだ。まぁ打撃に弱くて鍔迫り合いとかはできないんだけどな」

 

「ほぉー、なかなか紅魔族の心を刺激するではありませんか。カズマ、これください」

 

「駄目、俺が頼んで作ってもらったんだから。お前も依頼すればいいじゃないか」

 

「そのKATANAに銘をつけてやりな。この魔法の札に銘を書いて剣の柄に張ればいい」

 

渡されたのは白い紙。

 

「おお!銘、銘かぁ。何がいいかな?村正とかはかぶるしなぁ。んー」

 

鬼畜刀でいいんじゃないか?読みはきちくがたなで。あと何でこっちを見てる?

 

「暁ノ空とかもいいかもしれない...よし!暁ノ空に決定だ!....あれ、紙はどこ行った?」

 

周りを見渡すと紙を持って何かを書き込んでいるめぐみんの姿が。

 

「中々決まらないみたいなので私が書いてあげました。ちゅんちゅん丸です」

 

「おいいいいい!?何してくれてんの!?何勝手に書いてんだ!?」

 

人の物に勝手に名前を付けるか?普通かかないかかないだろ?頼まれても無いのに。

 

「いやいやあり得ねぇよその名前は!おーいオヤジ!もう一枚くれ!」

 

「させません!そいや!」

 

べたりと柄にちゅんちゅん丸とかふざけた名前が書かれた紙が押し付けられる。

 

「あ”--------!!!あああぁぁ...」

 

「お、おいどうした?何があった?」

 

鍛冶屋の店主が慌てているが問題ない。クッソダサい名前を刀に押し付けられて凹んでいるだけだ。

 

「もうやる気が失せた....リザードランナーなんて知るか....」

 

「ほんとに大丈夫か....ほれ、おめぇさんが持ってきた鱗と毛で作った胸当てと脛当てと籠手だ。そこらの金属よりも硬いぞその鱗。何から採ってきたんだ?」

 

差し出されたのはどう見てもミツネ装備の腕と足、それに鱗で覆われた胸当て。

私の抜け落ちた鱗や毛を使ったんだろうな。私は上位には絶対なっているからそこそこの防御力はあるだろう。

 

「おお、これはカッコいい...心が救われるようだ...」

 

そこまででは無いだろうに。

 

「中々いいデザインですね。私が名前つけてあげましょう」

 

「ああー嬢ちゃん、残念ながら防具に名前はつけれねぇんだ。すまんな」

 

 

「カズマさん完全復活!おやじ!ありがとな!じゃっ!一狩り行ってくる!ひゃっほう!」

 

....出てった。アクアとダクネスに合流するのを忘れてるのか?

あの喜び様じゃ忘れてるんだろうけども。

 

「ありがとうございました。私はカズマを追いかけますので」

 

「おう、また来いよ」

 

たぶん私は来ないと思う。

さて、三人と合流してトカゲ狩りに行こうか。

走ることしか能のないトカゲだ。楽に終わるだろう。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話

三ヶ月以上待たせてしまい、申し訳ありませんでした。
出来も悪く更新も遅いですが、今後も見てくださるとありがたいです。


 

 鍛冶屋で武器防具を新調してはしゃいで先に行ってしまったカズマ少年を追いかけて街の外壁付近まできたのだが、そのカズマ少年が止まるんじゃねぇぞ...とか言いそうなポーズで倒れている光景を目撃してしまった。

どう反応すればいいんだろうか。死ん..でる..とか何やってんだよ団長ォ!とかキボウノハナ~とか言えばいいのだろうか。

というか何があった。通り魔に襲われでもしたか?

とりあえず近寄らないとな。

 

「うう...やめろアクア...それ以上賭博しないでくれ...有り金が...有り金が...!」

 

夢の中でもアクアはカジノに行っているらしい。

そして有り金全部溶かしたようだ。至って平常運転である。

 

「...何があったんですか?」

 

ただカズマ少年がキボウノハナ~しているだけだ。

何故そうなったのかは知らんが。

 

 

「やめろォ!...ハッ」

 

どうやら起きたようだ。話は本人から聞けばいいだろう。

 

「あれ?俺は確か興奮してカエルに突っ込んだはずじゃ...?」

 

特攻したのか、カエルに。あれは水流ブレス一発で沈むし苦戦はしないはずだが。

ハンター達なら石ころか蹴りとかその辺でも倒せるぞ。そのくらいの雑魚のはずなんだがなぁ。

そもそも討伐しに行くのはトカゲのはずじゃなかったのか?

 

「でも怪我はないな。新しいこの装備の防御力が高いのか俺の悪運が強いのか..ああそういや俺幸運値高かったわ」

 

アクアが近くにいるせいで帳消しなんだろうな、その幸運値。

なぜあんなにも不幸を呼び寄せるのだろうか。不幸だわ..とか言ってる人の方がまだ運がいいだろう。

 

「で、置いていったことはどうお思いですか?カズマ」

 

「あっ..すまん、興奮して忘れてたわ。でも仕方ないだろ?俺だって男だし、かっこいいもん貰ったらすぐ使いたくなっちまうんだよ」

 

それは分かる。それがロマン武器だったりすればなお良し。性能はしょぼくても愛でカバーすればいいのだ!

....私は誰に向かって言っているのだろうか..。

 

「んじゃあ合流したしカエル討伐に行くか!」

 

「討伐しに行くのはカエルじゃありません!リザードランナーです!間違えないでください!」

 

カエルは何時でも狩れるだろう。めぐみんの爆裂魔法で誘い出したら私が水流ブレスで薙ぎ払え!すればいいんだし。私がいなければアクアでも食わせとけば時間稼ぎできるだろう。

 

「あれ?そうだったか?まぁいいや。リザードだか何だか知んないがタマミツネがいれば蹂躙できるだろ!待ってろ愛しのこたつ!」

 

こたつだけは覚えてるのか...何だそのこたつに対する執念は?

あと私にやらせようとするな。カズマ少年のレベルを上げれる機会だからな。

手助けはするが直接は殺らん。

 

「カズマ、ダクネス達と合流することを忘れてませんか?いつも通り四人と一匹で行く予定じゃないですか」

 

「あれ?そうだったか?う~んどうも記憶が...」

 

「そう言って逃げる気じゃありませんよね?逃がしませんよ?」

 

「いやそんなことは欠片も考えてなかったぞ」

 

どうでもいいからはよ、合流はよ。いつまでもここでたむろしてても時間の無駄だろう。

 

「よし行くか。合流場所はどこだっけ?」

 

「リザードランナーが蔓延っている平原です」

 

実際どのくらいいるんだろうな。黒光りする羽をもった虫くらい?

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

ダクネス達と合流し、リザードランナーの群れの一つをターゲットとして定めた。

群れの大きさはせいぜいドスジャギィのいない中くらいのジャギィの群れくらいだ。

あれくらいの数なら脅威でも何でもない。

まぁほぼ同じ大きさの群れが三つ四つあるようだし、大量発生といってもいいくらいにはいるんじゃないだろうか。

まぁよく大量発生しては周りをぶんぶん飛び回るランゴスタやブナハブラに比べればまだマシだ。

それに他の冒険者達も戦ってるみたいだし。

 

「いいか?作戦はこうだ。まず俺が弓でトカゲ共の進路をこっちに変える。そしたらタマミツネが泡で転ばせる。纏まって転んだらめぐみんの爆裂魔法で爆殺する。バラバラに転んだら各自で仕留める。もし泡を避けたらダクネスが『デコイ』を使って囮になってダクネスに群がったところをダクネスごと爆破する。以上だ、分かったか?」

 

「ああ」「はい」

 

「よし、皆位置につけ。始めるぞ」

 

木の上に上り、刀を腰に差し弓を構えたカズマ少年が皆に命令する。

 

「ああ、分かった。んんッこれ程私に得しかないクエストがあっただろうか!」

 

当たらない大剣を地面に突き刺し、柄頭に両手を重ねて置きながらダクネスが答える。

ところでダクネスの剣って種類は何なんだ?クレイモアか?バスタードソードか?それともただのロンソ?

 

「走るだけしか能のないトカゲなんぞ我が爆裂魔法をもって消し飛ばしてくれましょう」

 

ジョジョ立ちのような謎のポーズをとりながらめぐみんが返事をする。

 

「ねぇねぇ、いいこと思い付いちゃったわ。やっちゃてもいいわよね?」

 

「やめろっ!ろくなことにならない気がするからやめろっ!」

 

アクアがフラグを立てカズマ少年が折ろうとする、が。

 

「いいや、限界よ!放つね!『フォルスファイア』!」

 

カズマ少年の阻止も空しくフラグは回収される。

 

アクアが魔法を唱えるとアクアの手から青白い炎が放たれる。

なぜだかその炎を見ると無性にアクアをタックルでぶっ飛ばしたい衝動に駆られる。

リザードランナー達も炎を見たらしく、進路を変え奇声を上げながらアクア目がけ走りだした。

 

「あ”あ”あ”ぁ”ぁ”--!おいアクア!どうしてくれるこの状況!早速作戦が狂ったぞ!なんで俺の作戦通りに動かないんだ!?どうして我慢できないんだ!?」

 

「だって私の出番がないじゃない!わ”た”し”た”っ”て”か”つ”や”く”し”た”い”の”よ”-”!?」

 

「じゃあお得意のゴッドレクイエムでもぶちかましてこい!」

 

作戦は崩れ去るもの。とりあえず滑液まき散らして泡立てておきますねー。

 

 

..リザードランナーェ。一匹残らず泡に掛かってるよ。マジで走ることしか能のない生物だったよ。

モンハン世界でももっとましな生物達しかいないよ。ああでもバゼルギウスとかいうクソを落として場を乱すことしかできない燃えないゴミ未満がいましたねぇ...。

 

「おお、纏まって転んでやがる!やれめぐみん!木端微塵に粉砕してやれ!」

 

「既に詠唱は終わってます!『エクスプロージョン』ッ!!」

 

 

ドッガアアアアアアアア!!

 

 

なんか音がしょぼい。まぁリザードランナー達は欠片も残ってないから別にいいネ!

 

「よし、クエスト完了だ。とっとと帰ろう」

 

いつの間にか私の横にいたカズマ少年がそう言う。

ところでアクアがいないのだが。

 

「アクア?アクアならそこで黒焦げになってるだろ?」

 

ん?...ああ、本当に黒焦げになってクレーターでぴくぴくしてる。

ギャグ補正がなければ即死だった。

神殺しは紅魔族としてはどうなんだろうか。

邪神封印してるとか言ってたしアリなんだろう。多分恐らく。

 

「報酬はどんくらいでるんだろうなぁ。最低でも十万エリスあればいいなぁ」

 

それはどうだろうな。まぁカエルでも一万エリスぐらいにはなるのだからそこそこの金額にはなるんじゃないか?

 

「皆帰りの準備は整ったか?忘れ物はないな?ないならよし!帰るぞ!」

 

 

~~~

 

街につき、カズマ少年とめぐみんが冒険者ギルドに報告に向かい、

私はダクネスと一緒に黒焦げで白目をむき、口から黒煙を出し始めたアクアを引きずって屋敷に帰った。

アクアを水風呂にぶち込み、自室に戻ってグデェッとだらけている。

 

疲れたわけではないが偶にだらけたくなる。ムービーでも寝てたし別にいいよネ!

この後に面倒ごとはないだろうし、またゆっくりできるな。

まぁカズマ少年をこたつから発掘する作業があったりしそうだが。

 

む、窓からウキウキで手をつなぎながらスキップしているカズマ少年とめぐみんの姿が見える。

何をしているんだ?...人の頭くらいの大きさの袋、それが二つ。大分稼げたようだ。

それが群れ一個分ならば二つ潰しただけで数ヶ月は何もせず生きていけるんじゃなかろうか。

 

嗚呼、今でもそこそこの貯蓄があるのに更に増えたらカズマ少年が本当に働かなくなるな。

屁理屈と口撃で皆が撃破されていく姿が目に浮かぶ。

でも店主ならカウンターで致命傷いれそうだ。

 

「ただいま〜。これでもう働かなくてもいいぜグエヘヘ」

 

うん、 もうだめだな。堂々と働かない宣言してやがる。これからも家でゴロゴロしていることでしょう。

 

「カズマカズマ、活躍したのでスキルポイントが手に入る食材を買ってください。爆裂魔法を強化するので」

 

「ああ、分かった。お前のおかげで一掃できたからな。後でタマミツネにもなんかやらなきゃな」

 

「ダクネスとアクアはいいでしょう。ダクネスは何もしていませんし、アクアは結果こそどうにかなりましたが作戦が崩れましたし」

 

「そうだな。アクアにゃ何もやらん。活躍したいなら場を弁えてくれよな。ダクネスはうん、出番潰れちまったしシュワシュワ五杯ぐらい奢ってやるか」

 

私は何もいらないのだが。アクアは自業自得だが少しかわいそうだな。飲み物ぐらい奢ってやろうかな。

 

「む、カズマか。帰ってきてたのか。その上機嫌な顔を見る限り、満足できる額を貰えたようだな?」

 

「ああ、貯蓄と合わせればしばらく働かなくても過ごせるくらいにはな」

 

「..そうか。だが、屋敷の中だけでも働け。でないと貯蓄もそのエリスも没収だ」

 

「おいダクネス!そりゃねぇよ!いやだぞ!いやだからな!俺は部屋で一日中ゴロゴロするんだ!それを邪魔するならもう許してくださいと泣き叫ぶ目に合わせてやるぞ!」

 

「なにそれkws...んんっ!わ、私の決心は固いぞ!そのうらや..キツイ仕置きを受けようと!ギルドで縛られたまま放置されようと!カズマの黒歴史ノートが放送されようと!私の決意は揺らがない!さぁ、やるがいい!」

 

「お前...もうちょっとカッコいいこと言おうぜ...。ああわかったよ!働くよ!働きゃいいんだろ!」

 

「ああ、分かってくれたか。今日はもうクエストにいったからな、明日から働こう。もちろん監視するからな」

 

「ああクソ...そういや、アクアはどこ行ったんだ?結構騒いだし聞こえてると思うんだが」

 

「ああ、アクアならタマミツネが水風呂に叩き込んだぞ」

 

自称水の女神だし水に浸かったら回復しないかな、と思って入れた。反省も後悔もしていない。

....むぅ、ねむくなってきてしまった。まぁいい。夕食くらいにはダクネスあたりが起こしてくれるだろう。

昼寝といこうじゃないか。では、おやすみぃ。

 

 

 




お久しぶりです。ホントに。
最近fgo始めたんですがガチャの魅力やばいですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。