原作未プレイが幻想入り (セメダイン広住)
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プロローグ

 

 

「...はぁ~やっぱり泣けるなぁこの動画」

 

俺の名前は 堂本 実弦(どうもと みつる) しがない普通の高校二年生だ

今俺が見ているのはニコニコ動画にアップされた東方二次創作の涙腺崩壊系の動画だ

ルーミアの過去を描いた作品なのだがとても泣ける

そもそも俺が東方を知ったのは小学生の時で、友人に「東方projectって知ってるか?」と聞かれたのが発端で今では現在に至るまで(七年間)東方にはまりっぱなしだ。

今では東方関連のグッズ(同人誌)で部屋の本棚は埋め尽くされ、暇さえあれば「幻想郷に行きたい」と思っている

これはもはや依存してるとしか思えない。

しかし、そんな東方バカの俺でも一つ?だけやれていない事がある。

 

それは...

 

 

 

「原作のルーミアってどんな感じなんだろ」

 

 

 

 

そう原作未プレイなのである!

 

 

 

 

 

原作未プレイなのである!(大事な事なのでry

 

 

別にpcが無いとか、買うお金が無いとかではない。

pcは昔から古い機種だが持っているし今ではバイトをして原作ゲームくらいすぐに買える

なのに何故やらないのか?

 

それは...

 

 

「俺シューティングゲーム嫌いだからなぁ」

 

 

 

 

そうシューティングゲームが嫌いなのである!

 

 

 

 

シューティングゲームが嫌いなのである!大事なry

 

 

原作プレイ済みの人からすれば「は?」などと言われそうだが俺は単純にシューティングゲームが嫌いで原作に手を出していなかった(格闘ゲームも苦手

しかし決して原作設定が分からないと言うわけでもなく、当時(小学生)はwikiなどで原作設定を学んだ

なので良く東方好きの友人からは「原作未プレイの癖にやけに原作に詳しいな」と皮肉を言われていた

しかし、各キャラクターのスペルカードなどは殆ど知らない ボム?ナニソレオイシイノ?状態だ

まぁ、今後どんな事があろうとも俺が原作をプレイする事は無いだろう

 

「う~ん感動した...これからどうしようか」

動画を観てひとしきり感動した俺はこの後どうするか悩んでいた

 

「別の動画を観るのもなぁ...」

 

「...」

 

「...気晴らしに散歩でもするか、あんな感動した後にギャグ動画なんて観ても何か嫌だしな」

気分転換に散歩をする事にした俺は財布をポケットに入れ、とある場所を目指し歩きだした

 

「散歩って言ったら博麗神社だな」

 

ここで言っている博麗神社は勿論本物の博麗神社ではない。家の近所の林に古びた神社があり、如何にもな雰囲気があるので俺が勝手に博麗神社と呼んでいる

江戸時代終期に建てられたらしくあまり詳しいことも近所の人も分からないらしい。近所の人も 林の神社 と呼んでいる

 

 

「う~...やっぱりこの季節は蚊が多いな」

やはり夏、林に入ると案の定 蚊がわんさかいる

 

「虫除け持ってくれば良かったな...っと神社に着いたな」

鳥居をくぐり俺はそそくさと神社の賽銭箱に足を進める

そして、財布から5円玉を取り出し賽銭箱に投げる

 

5円玉を投げた直後俺はボソッと呟いた

 

 

「...幻想郷に行きたいなぁ」

 

 

そして、5円玉が賽銭箱に落ちるその瞬間、背後から突如声が聞こえた

 

 

 

「その望み,叶えて差し上げますわ」

 

 

 

声が聞こえ反射的に後ろを向く、しかし背後には誰もいない

それどころか後ろにあったはずの神社の鳥居がなく無限続くとも思える森が広がっていた

状況を理解できない俺はすぐに前を向く

 

「神社が...消えてる...」

 

理解出来ない。さっきまで目の前にあったはずの神社が消え、森が広がっている

 

「は?...え?」

 

そのくらいしか声が出せなかった。

頭の中で整理をする

背後の声が聞こえた瞬間に別の場所にワープした...

(は? そんな事ありえないだろ)とも思ったが実際それが起きている

背後から聞こえた声「望みを叶えて差し上げますわ」その意味をそのまま捉えるなら俺が 幻想郷に行きたい と言うことを叶えた...と言うことになるのだが..,

 

「...幻想郷なんて架空の世界だ、そうだどうせ記憶が飛んだだけだ。きっとここは近くの森だ違いない」

 

幻想郷なんて存在しない 当たり前だ。きっとぼーっとし過ぎて記憶が飛んだだけ、そう思うしかなかった

だとすれば背後から聞こえた声は幻聴か?

 

 

「...取りあえず歩くか...」

 

 

立ち止まっても何も進展は無いだろう そう思い俺は、大きな不安と少しばかりの希望を持って 暗い暗い森を進んで行った

 

 




深秘録たのすぃ


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一話 ようこそ幻想郷へ

 

「...ぜぇ...ぜぇ...」

森を歩きだして一時間程経った

大体3、4㌔ほど歩いているはずなのだが...

 

「全く森から出られない...」

ずっと直進しているはずなのに一向に道に出ることすら出来ていない

しかもその森には見たことない植物...特にキノコがわんさか生えている

「薄暗い森...キノコ...フッ」

 

「まるで魔法の森ってか?...ハァ」

 

どうやら俺は大分疲れているようだ。

早くこの森から抜け出さなければ

取りあえず誰かに会えればいいのだが...

 

 

「...ん?...誰かいる?」

自分の進行方向...100m程先に誰かが歩いている

まさかこんな薄暗い森に人が と思ったが恐らく相手も同じ事を思うだろう

取りあえず、あの人に此処が何処か聞くべく俺は走り出した

 

近づくに連れ、その人の容姿が鮮明に見えてくる

女性らしい、金髪だ しかも ショートカット そして服装がある東方キャラのそれ

 

(...アリス?)

 

いやコスプレだ、そうに違いない

最近のコスプレイヤーは雰囲気を出すためにこんな森で撮影をするのか

そうだ、本物のアリス・マーガトロイド だなんて絶対にありえない。創作の人物?だ存在するはずがない

なんて事を考えながら走るうちにそのアリスのコスプレをした人と十分会話が出来る距離に近づいた

 

俺「あの~すみません」

 

俺が声を掛けるとその女性は少々びっくりした様だが俺の方に振り向いて言った

 

???「あら?何かしら?」

 

俺「ここが何処か聞きたいんですが...」

 

 

???「何処って...魔法の森だけど?」

 

 

...一瞬耳を疑った 目の前の女性はあたかも平然に此処を 魔法の森 と言い放った

 

俺「は?...え?魔法の森?」

 

???「そうだけど?...その様子だとあなたもしかして外来人?」

外来人...まさか此処は本当に幻想郷なのか?

いや、ありえない...これは何かのドッキリか?

頭が混乱している まさか本当に幻想入りしてしまったのか?混乱している頭を必死に働かせ、俺は目の前の女性にまた質問をする

 

俺「...魔法の森って事はもしかして此処は幻想郷ですか?」

 

???「あら、外来人のくせに幻想郷を知ってるのね」

 

即答された...確定だ、此処は幻想郷だ

となればこの目の前の女性は...

 

俺「もしかして、アリス・マーガトロイドさん...ですか?」

 

???「...驚いた、何で私の名前を知ってるのよ」

 

感動だ...まさか幻想入りして直ぐにアリスさんに会えるとは

まさか本当に幻想郷が存在するとは...

俺が幻想入りと言う事実に感動していると、アリスさんが質問をしてきた

 

アリス「外来人...なのよね?ちょっと詳しく話を聞かせて欲しいのだけれど」

 

俺「あっ勿論です」

 

アリス「そう、じゃあ歩きながら詳しく聞かせて頂戴」

 

 

そして俺は、アリスさんと歩きながら此処に来た時の事と外の世界に幻想郷の住民を題材にしたゲームがあることなど洗いざらい話した

 

 

アリス「ふーん...東方projectねぇ~」

 

俺「まぁ、すぐに信じて貰えないのはしょうがないですよね、俺も未だに幻想入りしたなんて信じられませんし...」

 

アリス「あ、いや 別に信じて無いわけじゃ無いのよ?現に幻想郷の事や私の名前を知っていたし」

 

俺「幻想郷の事は大体知ってますよ

変な言い方ですけどアリスさんの事も」

 

アリス「ふーん じゃあ試しに私の秘密を言ってみなさいよ」

 

...アリスさんの秘密?

唐突な質問に一瞬戸惑ったが大丈夫だ

約7年間はまり続けた知識は伊達ではない

アリスさんの秘密...旧作か?

旧作...ハッ

 

俺「神綺さん...?とか...ですか?」

その名前を口にした瞬間、アリスさんは まさか此処でその名を聞くとは と驚いた表情をみせた

 

アリス「...そう、何でもお見通しなのね」

 

露骨に声のトーンが下がっている。

地雷を踏んでしまった様だ。

 

俺「あぁ!デリカシーが無かったですよね、すみません」

 

アリス「いや、別に良いのよ 私から振った話題だし」

 

 

やってしまった...初めて会った幻想郷の住民をキズ着けてしまった

アリスファンがもしこれを見ているのなら俺は殺されるだろう

取りあえず話題を変えなければ

 

俺「あの、アリスさんって魔法使い何ですよね?出来れば簡単な魔法で良いので見せて欲しいな...なんて」

 

人(妖怪)の過去を蒸し返した上にあげくの果てに魔法を見せてくれなんて強欲過ぎるぞ俺

 

アリス「んー..そうね興味深い(外の世界)話も聞けたし簡単な魔法くらいならいいわよ」

 

優し過ぎる...事が一段落したら絶対に菓子折りか何かをプレゼントしよう

 

そして、アリスさんは何やら呪文の様なものを唱え、目の前に魔方陣が現れる その魔方陣から見覚えのある2体の人形が出てきた

人形「シャンハーイ!」

人形「ホウラーイ!」

 

アリス「上海!蓬莱!行くわよ!」

 

2体の人形は絶妙なコンビネーションで目の前に大きな弾幕を作り出した

 

そしてその弾幕を近くの木に放った

 

上海「シャンハーイ!」蓬莱「ホウラーイ!」

 

ドォォオオン!

 

地面が震える程の轟音と共に目の前の木々が跡形もなく消えた

 

俺「す、凄い」

 

アリス「ふぅ...まぁ、ざっとこんなものかしらね」

 

スペルカードを使わないでこの威力...

アリスさん...強すぎます

そして、目の前にいるのは本当の アリスさんだと改めて確信し本当に幻想郷に来れたのだと感動して涙が出てきた

 

アリス「っと やっと道に出たわね」

 

先程アリスさんの人形達によって消し飛ばされた木々の向こうには森ではなく道が見えた(勿論コンクリート製ではない)

 

アリス「ほら、もうすぐよ」

 

俺「あ、ハイ」

取りあえず歩いている様に思っていたがちゃんと案内をしてくれていたのか、と思うと本当に優しい人?だと改めて思う

 

アリス「この道を右に真っ直ぐ進めば博麗神社があるからそこに行って霊夢に今後の事とかを話してくるといいわ 私は別の用事があって一緒に行ってあげられないけど頑張ってね」

 

俺「あ、アリスさん...ありがとうございました!」

 

アリス「フフ また今度会ったらまた外の世界の事とか聞かせて頂戴ね」ニコッ

 

俺「も、勿論です!」

天使の様な笑みを浮かべたアリスさんは俺とは別の方向に足を進めて行った

 

そして、アリスさんが見えなくなり一息着いた俺はアリスさんに言われた通り博麗神社を目指し歩きだした

 



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二話(前編) 楽園の素敵な巫女

 

俺「...この石段を登った先に...博麗神社が...」

 

アリスさんと別れた後、言われた道を少し歩くと目の前に長い石段が現れた

恐らく石段を登った先に博麗神社があるのだろう

 

俺「よし!急ぐぞ!霊夢さんに会うために!」

本物の博麗霊夢に会える...

その喜びが今までの疲れを吹き飛ばしていた。

俺は心臓が悲鳴をあげるのを無視し全力で階段を駆け上がった

 

俺「ハァ...ハァ...しかし無駄に長いな...この階段 これじゃあお年寄りとか参拝したくても辛いだろ」

 

参拝客が少ないのは妖怪が集まってる...だけではないのかもしれない

一部の人間や妖怪は大体飛べるのでこんな石段なんか普段使わないのだろう

 

俺「ハァ...やっと着いた...」

 

俺「っと、霊夢さんはいるかな?」

 

周りを見渡すがそれらしき人物はいない

恐らく裏で茶でも啜っているのだろう

 

俺「...となればやる事は一つ」

俺はおもむろにポケットから財布を取り出しながら賽銭箱へと向かった

 

俺「うっ...こんなことならもっと小銭を持ってくれば良かった...」

財布から全ての小銭(398円ほど)を取り出しそれを賽銭箱に投げた。

 

ジャララララーン!!!!

 

空の賽銭箱に小銭がぶつかり合う音が響く

まさか本当に常に空なのだろうか?

 

俺「これで...来るかな?」

良くある二次創作ならここで霊夢さんが満面の笑みで走って来るのだが...

 

ドッドッドッドッ

 

???「 あなたが奉納してくれたのね!」

???「398円!やった!これで半月は贅沢出来るわ!」

 

 

紅白の巫女を身につけた女性...金に強欲...貧乏...間違いない!この人が...

 

 

俺「あ、あなたが 博麗霊夢 さんですか?」

 

???「如何にも!私がこの博麗神社の巫女 博麗霊夢よ!」

 

 

あぁ、なんという事だ...

本当に会ってしまった...霊夢さんに...本当に来てしまった...幻想郷に

 

俺「こ、来れたんだ...幻想郷に」

 

 

霊夢「ん?そう言えばあなた見慣れない服装ね...もしかして外来人?」

 

 

霊夢「って何泣いてるのよ?」

 

涙が止まらなかった

長年に渡り思いつづけた幻想入りをやっと果たせたのだ

存在などしないと思われていた、創作の世界と言われていた幻想郷に俺は今いる

その事実がどんなに嬉しいことか

 

霊夢「ちょ、ちょっと大丈夫?」

 

霊夢さんが心配そうに声をかけてくる

ハッと我に帰った自分は涙てで拭い 霊夢さんに言った

 

 

俺「初めまして!外の世界から来ました!これから宜しくお願いします!」

 

 





今回は短くてすみません
次回は長くしたいです。


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二話(後編) 楽園の素敵な巫女

ゴクゴク...

俺「プハァー...旨い」

やはりあれだけ歩いた後に飲むお茶は最高だ

あの後俺は霊夢さんに案内されて縁側でお茶を飲んでいた

 

霊夢「どう?少しは落ち着いた?」

 

俺「あ、はい もう大丈夫です。すみませんお茶まで頂いて」

 

霊夢「お賽銭くれたし別にいいわよ」

 

お賽銭をあげなかったらお茶すら貰えないのか...

 

 

霊夢「それで、あなたの事なのだけれど...」

 

俺「あぁ、そうですよね 詳しく説明します」

 

~少年説明中~

 

 

俺「...とまぁそんな感じで今ここにいるんですよね」

 

霊夢「話は大体分かったわ」

 

霊夢「にしても東方プロジェクト?だっけ?ただの偶然にしては出来すぎてるわね...」

 

俺「ははは...俺もびっくりですよ まさか幻想郷が存在するなんて」

 

霊夢「幻想郷事態は何百年も前から存在してるわよ 外の人間達が知らないだけで」

 

俺「はぇ~...紫さんが幻想郷を作ったんですよね?」

 

霊夢「まぁ、そんなところかしら それにしても本当に詳しいわね」

 

俺「幻想郷の事は大体知ってますよ」

 

霊夢「説明が楽で助かるわ。で,あなたが幻想入りした原因なんだけど...その様子なら分かってるんでしょ?」

 

俺「まぁ、幻想入りする直前に聞こえた声といい...やっぱり紫さんですかね?」

 

霊夢「でしょうね...全く何をやってるのやら」

 

俺「紫さんはちょくちょく外の人間を幻想入りさせてるんですか?」

 

霊夢「まさか、自殺願望を持った人間が偶然幻想郷に来ることは希にあるけど紫本人が外の人間を招き入れるなんてまずないと思うわ」

 

俺「...じゃあ、何で俺は幻想郷に来れたんでしょう?」

 

霊夢「それは、本人に確認してみるしかないわね」

 

 

霊夢「...いるんでしょ?紫?」

 

俺「!!え?マジですか?何処!」

すると目の前の空間に亀裂が走り穴が開いた

その謎の空間から よく知る女性が出てきた

 

???「はぁーい♪霊夢何かしら?」

 

霊夢「 何かしら? じゃないわよ!勝手に外の人間を幻想郷に誘い込んで!何を考えているの!」

 

紫「まぁ、そんなにカッカしない 最近異変も無くて暇だったでしょ?だから少し刺激を加えようと思って♪」

 

霊夢「......ハァ」

 

紫 チラッ「ところでそこの人間さん?よく無事にここまで来れたわね。誰かに案内でもしてもらったのかしら?」

 

 

俺「...」アングリ

 

紫「人間さん?」

 

霊夢「...ズズ」オチャノミ

 

 

俺「...美しい」

 

紫「⁉️」

 

霊夢「ブフォ!」オチャフキダシー

 

 

美しい...これしか出てこない。先程の会話を聞く限りこの目の前の人物が 八雲 紫 で間違いない無いだろう

それ以前にこんな能力を使えるのはこの人しかありえないのだが...

っとそんな事はどうでもいい

美人過ぎる...よく二次創作でBBAとか言われて遊ばれてるがそんな事を考えた奴は 目の前の本人を目にしても同じ事を言えるのだろうか?

少なくとも俺は言えない 今まで見たどの女性よりも美しい...

ハリ○ッドからオファーが来ることは間違いないだろう

 

 

 

紫「」プルプル

 

 

俺「!?」

震えている!?不味い!何か変なことを言ったか!?

 

 

紫「」プルプル

 

俺「あ、あの...紫さん?」

 

紫「プププ...」

 

俺「?」

 

紫「あはははは!」

 

俺「ビクッ!?」

 

 

紫「私を初めて見た第一声が「美しい」なんて...プププ」プルプル

 

俺「え?...え?」

 

紫「あなた、中々面白いわね」

 

霊夢「そうよぉ~紫なんてもうBBa(ドゴォ!」

紫さんがスキマを使い霊夢さんの腹にパンチを食らわした ...

霊夢さんそれは言っちゃあかんですよ

 

俺「...」

 

俺「...あ、あの紫さん?」

 

紫「何かしら?」

 

俺「話を戻しますけど、俺を幻想入りさせたのは何となくなんですか?」

 

紫「ん~...半分本当で半分違うわね」

 

俺「と言うと?」

 

紫「あなた言ってたじゃない」

 

俺「へ?」

 

紫「忘れたの?私はちゃんと聞いたわよ「幻想郷に行きたい」って」

 

紫「どうせ幻想入りさせるなら無理やりじゃなくて本人の意思も尊重しようかなぁ~って思ってね。嫌だったかしら?」

 

俺「と、とんでもないです!」ウルウル

 

紫「ウフフ♪それは良かった」

 

嗚呼...なんたる偶然だ...たまたま呟いたいつもの言葉を偶然にも紫さんが聞いてて幻想入りするとは...

事実は小説よりも奇なり...かな? (は?

 

 

俺「となれば、住む家はどうしましょう」

 

紫「あぁ確かにそうね、どうしましょう」

問題は家だ、幻想郷に来たのは良いが家がなければそのうち妖怪に食われて終わりだ...肝心な事を忘れていた...どうしようか

 

俺「う~ん...」

 

霊夢「そんなのうちに住めばいいじゃない」イタタ

 

俺「!?」

 

俺「え!良いんですか!」

 

霊夢「だって住む宛あるの?」

 

俺「いや...ないですけど」

 

霊夢「じゃあ別にいいじゃない。その代わり家事とかは手伝ってもらうわよ?」

 

俺「も、勿論です!ありがとうございます!」

やったぜ まさか博麗神社に住める事になるとは...

HAHAHA!友人よ!見ているか!俺はこれからの余生、博麗神社で暮らす事になったぞ!

テンション上がってきた!

 

俺「あ、あの!紫さん一つ聞いても良いですか?」

 

紫「あら、何かしら?」

 

俺「その...俺にも何かしらの能力って身に付いてたりしてませんか?」

 

霊夢「能力の事まで知ってるのね」

 

俺「勿論ですよ 霊夢さんが空を飛ぶ程度の能力、紫さんが境界を操る程度の能力 ですねよ?」

 

霊夢「...本当に何者よあなた」

 

俺「ごく普通の人間ですよHAHAHA」

 

霊夢「そ、そう...(そんなに此処(幻想郷)に来れたのが嬉しいのかしら)」

 

俺「で、どうなんですか?何か能力とか授かってませんか?」

 

 

紫「う~ん...今のところそんな気配は感じられないわね」

 

紫「まぁ、これからの生活の中で身に付くかもしれないし、もしくはもうすでに身に付けてるけど地味すぎて分からないか...」

 

俺「ははは、まぁそんなに都合よくいきませんよね...しかし幻想郷での生活...慣れるまで大変そうですね」

 

紫「まぁ観光でもしながらゆっくり慣れればいいわよ

まずは人里でも見てくれば?現代とは全く違うから見てみるだけで楽しいと思うわよ」

 

俺「人里ですか、じゃあ早速...霊夢さん案内お願いしても良いですか?」キラキラ

 

霊夢「勿論いいわよ。どうせ暇だし」

 

紫「ウフフ♪いってらっしゃい気をつけてね」

 

霊夢「じゃあ案内するから着いてらっしゃい」フワッ

 

俺「あ、あの霊夢さん」

 

霊夢「? どうしたの?早くついてきなs...あ」

 

俺「俺...飛べないです」

 

霊夢「...」

紫「...」

俺「...」

 

 

 

???「おーす!霊夢ー遊びに来たぜー」

 

霊夢「!?」

紫「!?」

俺「!?」

 

そこに突如現れたのは箒に乗った白黒のドレス?を身につけた少女...箒に乗った...と言うことは...

 

霊夢「魔理沙!良いところに来たわ!」

 

魔理沙「ん?なんだ?紫までいて...それにそこに居るのは...服装から察するに外来人か?」

 

霊夢「そう!さっき幻想郷に来たんだけど人里を観光したいらしくてあなたの箒に乗せてって欲しいのよ!」

 

魔理沙「成る程...何だか面白そうだな!いいぜ!ならこの私が案内してやるぜ!」

 

魔理沙「私は 霧雨 魔理沙 普通の魔法使いだ!」

 

俺「初めまして今日幻想郷に来ました 堂本 実弦 です普通の人間です(...魔理沙さん可愛い)」

 

まさか幻想入り初日でこんなにも多くの住人と会えるとは何て俺は運が良いんだろう

神様ありがとう...

神奈子「ベックション!!(...風邪か?)」

 

魔理沙「おう!宜しくな!じゃあ早速案内してやるから私の後ろに乗るんだぜ」

 

俺「あ、はいお願いします」ヨイショ

...嗚呼...いい匂いがする

 

魔理沙「おっと、落ちたら大変だからもっとよく掴まれよ」

 

俺「あ、ハイ」ヨイショ

...近い、凄いドキドキする

本人はいたって気にしてない様子だが...この性格では友達も多い訳だ この何気ない行為によって何人もハートを盗られたんだろうな

 

魔理沙「よし!じゃあ、飛ばすからな!気を付けろよ」

 

俺「あ、あの安全運転で 魔理沙「魔力最大出力だぜ!」ちょ、やめtアアアアアアアア!!!!」キラーン

 

.......

 

 

 

霊夢「さて、私も行きますか...」ヨッコイショ

 

紫「霊夢」

 

霊夢「んー?」

 

紫「今日の夜話があるわ」

 

霊夢「...分かったわ」

 

紫「そう、じゃあいってらっしゃい♪」

 

霊夢「ん、いってきます」フワッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「......」

 

 

 

紫「大丈夫よ...きっと」

 

 

 



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三話 人里観光

 

幻想郷の空にて

 

俺「ま、魔理沙さん!止めて下さいぃぃ!!!!」

 

魔理沙「ははは 何を言ってるんだもっと飛ばすぜ?」

 

俺「や、やめ...ウェッ」

ヤバい...吐きそう

車酔いはまずしない体質だが、これは次元が違う

幻想郷で二番目の最速の名前は伊達ではないと言うことか...ってそんな事を言ってる場合ではない!早く止まってもらわないと本当に吐く!

 

俺「ま、魔理沙さん!何でもしますから止まって下さい!」

 

魔理沙「!?」

 

魔理沙「よし!分かったぜ」

そして、先程とは打って変わって箒はゆっくりなスピードに変わった

 

俺「ハァ...ハァ...と、飛ばしすぎですよ」

 

魔理沙「はは すまないな、何せ人を乗せて飛ぶなんて久しぶりだから張り切りすぎたぜ」

 

魔理沙「...それよりさっきの言葉は本当だよな?」

 

俺「へ?...」

 

魔理沙「何でもするって」ニヤッ

 

俺「ま、まさか...」

 

魔理沙「今度キノコ採集を手伝ってもらうぜ」

 

...やられた まさかここまで魔理沙さんが悪知恵が働くとは

 

俺「で、でもキノコ採集なんていつもしてるじゃないですか 俺なんかいなくても別に大丈夫じゃ...」

 

魔理沙「いや、最近魔法の森の魔力が高まって来たのかキノコが大量発生しててな、私一人じゃ面倒...大変だから手伝って欲しいのぜ」

 

俺「はぁ、キノコ採集ぐらいなら別にいいですよ」

 

魔理沙「ありがとうだせ!っていうか何で私がキノコ採集をしてるのを知ってるのぜ?」

 

俺「あぁ、それは...」

 

少年説明中...

 

 

俺「...と言うわけです」

 

魔理沙「へぇ~!外の世界に私達が出てくるゲームがあるのか」

 

俺「まぁ魔理沙さんの場合は出てくると言うよりも主人公ですしね...あれ?ゲームは知ってるんですか?」

 

魔理沙「あぁ、こーりんが持ってるからな たまにやらせてもらったりするぜ」

 

俺「香霖堂にはゲームもあるんですか」

 

魔理沙「香霖堂には大抵の物が揃ってるぜ...じゃあ、私の事も詳しかったりするのかぜ?」

 

俺「まぁ、それなりには?」

 

魔理沙「ふーん...じゃあ何か私の事で知ってる事言ってみろ」

 

俺「えー...知ってる事ですか?」

 

魔理沙「ああ、何なら私の恥ずかしい事でもいいぜ?勿論知ってるならな」ニヤッ

 

...これは100%信用してないな(当たり前だが

魔理沙さんの恥ずかしい事...って言ったらあれしか無いよなぁ...

 

魔理沙「どうした?やっぱり知らないのz 俺「...ウフフ」 !?」

 

魔理沙「お、おま!なんでそれを!」

 

俺「...うふ、うふ、うふふふふふ」

 

魔理沙「だぁー!分かったから止めろ!」アタフタ

 

二次創作で見た通りの反応だ...見てて面白い(可愛い

ん?二次創作...あれ?

 

魔理沙「はぁ、本当に何でも知ってるんだな」

 

俺「異変に関与した幻想郷の人達の事はある程度知ってますよ...うふふ」

 

魔理沙「うぅ、まるで さとり といるみたいだぜ...あと次うふふって言ったら箒から落とすからな」

 

俺「あ、はい すみませんでした」

...考え過ぎだよな

 

魔理沙「っと、そろそろ人里に着くぜ」

そう言いうと箒の速度は徐々に遅くなっていった

 

 

魔理沙「よし!到着だ!もう降りていいぜ」

 

俺「フゥ、ありがとうございました」ヨイショ

...足がフラフラする

何かジェットコースターを乗った後の気分だ

 

魔理沙「う~ん...そろそろ霊夢が追い付くはずなんだが」

 

霊夢「相変わらず足だけは速いわね」

 

魔理沙「おぉ!早かったな」

 

霊夢「博麗の巫女をなめないで欲しいわね」

 

霊夢「さてと...ここが人里よ」

 

俺「おぉ凄いですね外の世界とは大違いだ」

目の前に広がるのは江戸時代の様な風景だ

今では殆ど見なくなった木造藁屋根の家が並び、人々は皆和服を身につけ、現代の物は全く見受けられない

まるで映画の撮影現場に来た様な気分だ

 

霊夢「外の世界はどんな感じなの?」

 

俺「う~ん...取り敢えずこんな家は殆ど残って無いですね 中途半端に自然が残ってるだけで空気も汚いですし最悪です」

 

魔理沙「あれ?私が行った時にはキラキラ光る塔が沢山あったぞ?」

 

俺「あー...それは都会だけですよ 俺が住んでる所にはそんな建物ないですよ」

オカルト異変の時かな?

 

魔理沙「ふーん そうなのかキラキラしてて綺麗だったのにな」

 

霊夢「え?あんたあの時の話本当なの?」

 

魔理沙「だから本当だって!現に霊夢も外の世界に行って異変を解決したんじゃないか!」

 

霊夢「あはは...ごめんごめん」

 

魔理沙「全く...いつも美味しい所は霊夢が持っていくし たまには私が異変解決したいぜ」

 

霊夢「はいはい 頑張ってね」

 

魔理沙「むーー」ムスッ

 

俺(これが百合か!?)(※違います

 

霊夢「で、実弦 あなたが行きたい所ってある?...って言っても流石に幻想郷の建物までは知らn 俺「鈴奈庵に行きたいです!」...了解」

 

魔理沙「凄いな、幻想郷の建物まで知ってるのか」

 

俺「いや、ほんの一部だけですよ 幻想郷の地形とかは全く知りませんし」

 

霊夢「まぁいいわ じゃあ鈴奈庵に行きましょうか」

 

俺「案内お願いしまーす」(慣れてきた←

 

 

三人が歩くこと数分後...

 

 

霊夢「ほら、着いたわよここが鈴奈庵よ」

 

俺「おぉー!マンガで見た通りの外観だ...」

 

俺が鈴奈庵の前に立っていると中から人が出てきた

 

 

???「あれ?霊夢さんと魔理沙さんじゃないですか それとそちらの方は...」

 

霊夢「あら小鈴ちゃん久しぶりね、こいつは...」

 

俺「数時間前に幻想郷に引っ越してきた 堂本 実弦 です宜しくお願いします本居小鈴さん」

 

小鈴「ふぇ!?な、なんで私の名前を!?しかも幻想郷に引っ越してきたって事は外の人!?」アタフタ

 

俺「小鈴さんの事なら何でも知ってますよぉ~」ニタッ

 

小鈴「えぇ~!?それってどういう!?」アタフタ

 

俺「(可愛い)」

 

霊夢「こら、小鈴ちゃんをいじめない」ペシッ

 

俺「イタッ、あはは...すみません」

 

小鈴「え?え?」

 

霊夢「あぁ、心配しなくてもいいわよ ただ幻想郷に詳しいってだけで全然大したことないから」

 

小鈴「え?そうなんですか?けど外の世界から来たのは本当なんですよね?」

 

霊夢「まぁ...一応は」

 

俺「一応ってなんですか...霊夢さんも一週間くらい外の世界で暮らせば分かりますよ 泣いてでも幻想郷に帰りたいって言いますよ」

 

霊夢「(あんたの生まれた場所でしょうが)」

 

小鈴「あ、あの実弦さん!」

 

俺「あ、あぁ さっきは脅かしてすみません」

 

小鈴「さっきの事は別に良いです!それよりも外の世界について話を聞かせて下さい!」キラキラ

 

俺「外の世界の話ですか?別に良いですよ」

 

小鈴「やった!私前から外の世界に興味があったんです!」

 

俺「でも霊夢さん達は...」(チラッ

 

霊夢「私達は本でも読んでるわよ ねっ魔理沙」

 

魔理沙「おう、そうだな」ニコッ

 

俺(やはり百合...)

 

小鈴「じゃあ、早速中へどうぞ!」

 

 

そして俺は小鈴さんに外の世界の事を色々教えた

 

 

 

小鈴「へぇ~じゃあ壁が崩壊したって言うのは2つに別れてた国が一つに戻った瞬間だったんですねぇ~」

※鈴奈庵2巻参照

 

俺「まぁ、簡単に言えばそう言うことかな?当時の人々にとっては死ぬまで忘れられない瞬間だろうね」

 

小鈴「いやぁ~凄いためになります!まさかあの情報雑誌にそんな貴重な事が書かれていたとは...」

外の世界の事を教えていくうちに小鈴ちゃんの興味はどんどう沸いてきて話すこっちも楽しくなってきた

途中から「実弦さんは年上なんですから敬語なんて使わなくて良いですよ♪」と言われ、何だか親しくなれた気がして嬉しかった

 

 

霊夢「ずいぶん盛り上がってるじゃない」

 

小鈴「あ!霊夢さん!いやぁ凄く興味そそられる話ばかりで話してて飽きないですよ!」キラキラ

 

俺「俺何かの話で喜んでくれるならいつでも外の事を教えてあげるよ」

 

小鈴「本当ですか!ありがとうございます!」

 

霊夢「(実弦に関してはタメ口になってるし凄い打ち解けようね...)」

 

霊夢「...そろそろ次行きましょうか」

 

俺「確かにそうですね、じゃあ小鈴ちゃんまた今度ね」

 

小鈴「いつでも入らして下さいね!」ニッコォ

 

俺「(可愛い...)」

い、いかん!俺はロリコンではない!

 

霊夢「...魔理沙ー!行くわよ~」

 

魔理沙「ん?あぁ、分かったぜ(この本面白いな)」

 

 

...こうして三人は鈴奈庵を後にした...

 

 

霊夢「で次は何処に行きたい?」

 

俺「え、えーとですね...」

 

 

魔理沙「そろそろ昼食とかどうだ?」

 

霊夢「う~ん確かいい時間帯ね」

 

俺「あれ!?もうそんな時間ですか!?小鈴さんと話してて全然気がつかなかった...」

 

魔理沙「近くに旨いうどん屋があるんだ そこでどうだ?」

 

俺「おぉ!いいですね!」

 

霊夢「...お金は?」

 

魔理沙「あっ」

 

俺「お金なら俺が持ってるんで大丈夫ですよ 三人分なら全然あるんで(3万もあれば余裕のよっちゃんよ)」

 

魔理沙「お、そうか!じゃあご馳走になるぜ!」

 

霊夢「遠慮はしないから(3ヶ月振りの外食...)」

 

俺「お、おう(霊夢さんの目が本気だ...)」

 

うどん屋にて

 

 

俺「確かに美味しいですねこのうどん」ズルズル

 

魔理沙「だろぉ?最近人気の店だけはあるよな」

 

俺「霊夢さんはどうですか?このうどn...」

 

霊夢「ズルズル...ズルズル...ズズー」

霊夢「おかわり」

 

俺「あの~霊夢さん?もう5杯目ですよ?」

 

霊夢「」ギロォ

 

俺「!?」ゾクゥ

 

魔理沙「あ~気にしないでくれ、おそらく久しぶりの外食で気合いが入ってるんだ 食べ終わるまで話しかけない方が得策だぞ」

 

俺「は、はぁ...(一体どこまで貧乏なのだろうか?)」

 

 

???「あやや!これはこれは珍しい、霊夢さんが外食ですか!?」

 

ん?...あやや だと?まさか...

 

魔理沙「おー文屋か奇遇だな」

 

???「おや、魔理沙さんまでご一緒とはカツアゲでもされたんですか?」

 

魔理沙「...バカ言え、こいつ(実弦)の奢りだ」

 

???「ん?そう言えば見慣れない顔ですね...どちら様ですか?」

 

俺「はじめまして堂本 実弦 と言います。本日幻想郷に引っ越してきた者ですどうぞよろしくお願いします 射命丸 文さん」

 

文「あやや!?どうして私のフルネームを!?しかも幻想郷に引っ越してきたとは...これは特ダネの予感がします!」

 

魔理沙「文の事まで知ってるとはな、流石だぜ」

 

俺「鴉天狗の妖怪で文々。新聞を発行している。能力は風を操る程度の能力 ですよね?」ドヤァ

 

文「あやや...何処かのさとり妖怪と会話してる気分ですね」

 

文「...で、結局貴方は何者なんですか?」

 

俺「普通の人間ですよ」

 

文「むぅ~」

 

魔理沙「(おぉ文が珍しく押されてるな)」

 

霊夢「ズルズル...ズズー...ズルズル......おかわり」

 

魔理沙「(こいつは全く...)」

 

文「う~んでは取材でも受けてみませんか?そちらが一方的に私の事を知ってるのは不平等ですよ」

 

俺「俺の事なんて知っても特は無いと思いますが...別に良いですよ」

 

文「ありがとうございます。では早速...」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

文「成る程...中々興味深いですね。ゲームですか...」

 

俺「新聞のネタになりましたか?」

 

文「もちろんです!明日の朝刊は決まりですね!」

 

俺「それは良かったです」

 

 

文「タイトルは「平和崩れる!幻想郷を知る謎の男現る!」で、決まりです!」

 

俺「ファッ!?何でそうなるんですか!」

 

文「では早速作業に取りかかるので私はこの辺で失礼します!」バサッ

 

俺「あっ!ちょt」

 

バサバサバサ!!

 

俺「えぇ...早ぇ(流石は幻想郷最速...)」

 

魔理沙「明日の朝刊は大変だな」

 

俺「oh...」

 

霊夢「はぁ~食った×2」

 

 

霊夢「さて、そろそろ出ましょうか」マンゾク

 

俺「あ、ハイ(会計いくらになるんだ?)」

 

 

――――――――

 

 

店員「お会計...1万5000円になります」

 

俺「ファッ⁉」

 

 

 

 

――うどん屋を後にした三人は人里の雑貨屋などを周っていた――

 

 

 

俺「...にしても霊夢さん食べ過ぎですよぉ うどん26杯って(しかも一番高いやつ)」

 

霊夢「ごちそうさま、おいしかったわ」

 

魔理沙「ごちそうさまだぜ」

 

俺「まぁ、別に良いですけど」

 

霊夢「ふふ、優しいのね」ニコッ

 

俺「(あざとい...)」

 

 

魔理沙「で、どうする?そろそろ夕方だが帰るか?」

 

霊夢「そうね、今日は色々買えたし楽しかったわ」

 

 

うどん屋を出てから俺達は雑貨などを見て周った

霊夢さんや魔理沙さんにアクセサリー?を買ってあげたりした

考えてみれば女の子に物を買ってあげるなんて初めての経験だ

霊夢さんと魔理沙さんが喜んでくれて普通に嬉しかった(二人にも女の子らしい所があって安心した

まぁ、そのお陰で財布は空になってしまったが(殆どがお昼代だが

 

 

俺「じゃあ魔理沙さん、また箒で送って下さい」

 

魔理沙「おう、任せとk」

 

女性「キャーーーーーーー!!!!」

 

俺「!?」

霊夢「!?」

魔理沙「!?」

 

男性「妖怪だぁー!!」

 

 

魔理沙「霊夢!」

 

霊夢「分かってる!」

 

俺「!?、えっ何ですか?異変ですか?」

 

魔理沙「実弦はここで待っててくれ!」

 

霊夢「いい?じっとしときなさいよ!」

 

俺「えっちょ」

悲鳴が聞こえた瞬間、二人はそう言って悲鳴が聞こえた方向へと飛び去って行った...

 

俺「...悲鳴...結構近くで聞こえたな...」

 

 

俺「よし!見に行くか!」←バカ

何を血迷ったか俺は悲鳴の聞こえた方向へと走って行った

 

俺「(妖怪退治と言うことは弾幕勝負がみられるのか!?)」

等と安易な考えをしていた

今思えばとても命知らずでバカな行動なのだが、その時の俺は生で弾幕勝負を見られると思いテンションが上がっていた

 

 

俺「ふぅ...あそこかな?」

悲鳴が聞こえた方向へと走ると目の前には人だかりが出来ていた

 

俺「生の弾幕勝負拝見しますよ!」

そう言いながら人混みを掻き分けると目の前には 巫女と魔女が空を飛びながら綺麗な弾幕戦を繰り広げて...

 

 

 

 

 

 

 

 

―いなかった―

 

妖怪「ガギギ...グゲゴゴゴ..ギギ」

 

女性「あ...あぁ」

 

霊夢「ぐっ...」

 

魔理沙「霊夢!っ痛...」

 

 

人混みを掻き分け目に飛び込んで来たのは 悲鳴を上げたと思われる女性を庇い、腕から血を流している霊夢さんと地面に倒れている魔理沙さんの姿だった―

 

 

 

 



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四話 地味な能力

 

妖怪「ガギギ...グゲゴ!!!!」

 

霊夢「くっ...油断した!」

 

 

野次馬「ザワザワ...」

 

 

 

...どういうことだ?

妖怪が人間を襲ってる...それはまだいい、しかしまだ明るい時間帯それも人里のど真ん中で襲うとは...こんな事って...

ってそんな事はどうでもいい!このままでは二人が危ない!

 

 

俺「霊夢さん!魔理沙さん!」

 

妖怪「ギギガギギ...」ギロォッ

 

魔理沙「おい!来るなって言っただろ!」

 

霊夢「くっ...あのバカ...」

 

 

霊夢「これでもくらいなさい!」

そう言って霊夢さんは袖から博麗の文字が入った札を妖怪に向かって投げた...が

 

シュッ バシッバシッ

 

妖怪「ガギギ...ギギガガァ!」

...全く効いてないようだ

札は確かに当たった...が弾き返したと言うのだろうか、札は妖怪の皮膚に刺さることなく地面に落ちた

 

妖怪「ギギ...」

 

霊夢「くっ...どうして札が...」

 

まずい!妖怪が霊夢さんの方を向いた!このままでは女性もろとも殺られてしまう!

かくなる上は...

 

俺「これでもくらえ!」

俺は近くの小石を妖怪に投げつけた

もちろんこれで倒せるとは思ってはいないが時間稼ぎになれば...

 

妖怪「ガガガカ」ギロォ

ダッ!!

 

俺「来たな!モブ妖怪め!」

予想通り、妖怪は俺の方へと向かってきた

直進しては来ず、家々の壁を蹴りながら飛びかかってきた。恐らくスピードを付けて爪で俺の首でも引き裂くつもりなのだろう.,.

 

霊夢「バカ!?何やってるの!?逃げなさい!」

 

逃げる?馬鹿な、もしこれで二人が殺られたら俺はどうやって幻想郷で余生を謳歌すればいいんだ(17歳

それに言って無かったが俺が東方で最も好きなキャラは二人いる...それは...

 

 

霊夢と魔理沙なのだ!!

 

 

だから絶対殺させない!少なくとも俺の前では!

 

 

妖怪「ガギギガガァ!!!!」

 

―来る!―

 

霊夢「逃げて!」

魔理沙「実弦!?」

 

一か八かやるしかない!

力には自信はあるが果たしてどこまで通じるか...

 

妖怪「ガギギガガァ!」

 

俺「オラァァ!!..忿!!」

妖怪「ガガァ!?」

 

見事なまでのストレートパンチ...火事場の馬鹿力と言った所か

俺が全力の拳を食らわせた後、妖怪は壁の方にふっ飛んで行った...

 

俺「無駄にスピードを上げて突っ込んできたのが仇となったようだな!名前は忘れたが何とかの法則って奴だ!...っ痛」

リーチは向こうが少し長かったようだ...妖怪の爪が俺の肩を擦った...結構痛い 多少だが血が出ている

しかしそんな事には構ってられない!妖怪が怯んでいる今がチャンスだ

 

俺「霊夢さん!魔理沙さん!今です!スペルカードを!」

 

霊夢「分かったわ!」

魔理沙「まかせろ!」

 

霊夢「神霊「夢想封印」!!」

魔理沙「恋符「マスタースパーク」!!」

 

二人のスペル宣言後、妖怪に向かって二人の大技が襲いかかる

 

妖怪「ガガァ!ガガガ!アアガガ!?」

何を言ってるか分からないが恐らく苦しんでいる、流石に二人の代表スペルを食らえば、ひとたまりもないだろう

 

妖怪「ガガ!?アァァ...」

やがて妖怪は動かなくなった...

恐らく倒せたのだろう 霊夢さんが庇った女性は無事なようだ

霊夢「...ハァ...ハァ...やっと倒せたのね」

 

魔理沙「だな...手強かったぜ」

 

霊夢「やった...わね...っ痛」

 

魔理沙「霊夢!?大丈夫か!?」

 

霊夢「だ、大丈夫よ これくらい...ッ」

 

大丈夫な訳がない、霊夢さんの腕からは相変わらず血が流れ続けている このままでは出血多量で危ない

 

俺「霊夢さん!取り敢えず止血をするので腕を出して下さい!」

 

霊夢「...っ痛...お願いするわ」

 

俺「では、少し痛いと思いますが我慢してください」

見よう見まねではあるが、ポケットから薄手のハンカチを取り出し、霊夢さんの腕に巻き付けた

 

霊夢「痛ッ!?」

 

俺「フゥ...これで何とか出血は抑えられたかな?」

しかし傷口を塞がないことには安心は出来ない

 

俺「取り敢えず永遠亭に行きましょう。俺がおぶって行くので背中に乗って下さい」

 

霊夢「で、でも あんたも怪我して...」

 

俺「俺なんかの事はどうでもいいです!こんな傷放っておけばすぐに治ります」

 

俺「それより魔理沙さんは怪我は無いですか!?」

 

魔理沙「あ、あぁ 何とかな」

 

俺「良かった...じゃあ、魔理沙さんは紫さんにこの事を報告して来て下さい!俺は永遠亭に行きます!」

 

これは異常事態だ、人里で妖怪が暴れるとは...

しかも、不意討ちながら霊夢さんに深傷を負わせる程の...見た目は雑魚の癖に...

霊夢さんの反応を見る限り妖怪自体がパワーアップでもしているのか?

 

魔理沙「わ、分かったぜ 永遠亭はここを真っ直ぐ行けば迷いの竹林が見える、そこからは兎か不死身野郎に案内をしてもらえ!」

 

俺「分かりました!報告頼みましたよ」

 

魔理沙「おう、霊夢を頼んだぜ!」

 

そして魔理沙さんは箒に乗り、颯爽とその場を後にした

 

 

俺「...よし、霊夢さん揺れますが我慢してて下さい!」

 

霊夢「...分かったわ...すまないわね」

 

俺「そんなの気にしなくて大丈夫ですよ、じゃあ行きますね」

気がつけば野次馬達もその場から消えていた、当たり前か人里で妖怪が暴れたとなれば家に引きこもりたくもなるか...

 

 

 

 

―――走ること数十分後――――

 

 

 

俺「ここが迷いの竹林...」

霊夢さんに気を使いながら無我夢中で魔理沙さんに言われた方向へ走ると、そこには薄暗くとても広い竹林が広がっていた

竹林の入り口には「この先永遠亭」の文字が入った看板が建っていた

 

俺「とりあえず てゐさんか妹紅さんがいれば...」

周りを見渡すが、それらしき人影は見当たらない

 

俺「クソッ!!迷いの竹林なんて一般人が入っても迷うだけだッ!」

 

霊夢「う...うぅ...」

 

俺「霊夢さん!?しっかりしてください!」

あれから数十分...ハンカチごときでは止血は間に合わず また霊夢さんの腕から血が垂れてきた

 

俺「くッ...誰か!誰かいませんか!?」

俺の声が竹林に吸い込まれていく...時刻は夕方ではなく夜に近い。

こんな時間にそもそも永遠亭に行く人など居るとは到底思えない、だがここで立ちすくんでいても事態は変わらない

 

俺「...行くしかないか」

俺は迷うのを覚悟し永遠亭へと足を進めた...その瞬間、奥の方から誰かが歩いてきた

 

 

???「もしかして、永遠亭に用ですか?」

 

その人物の特徴は うさ耳 もうこれだけで俺には誰か分かった。そして同時に自分の強運にも感謝した(外の世界ではそんな事は無かったが

 

俺「鈴仙さん!大至急永遠亭までの案内お願いします!」

 

鈴仙「何故私の名前を...って霊夢さん!?どうしたんですか!?その傷!?」

 

俺「説明は後です!先に永遠亭に!」

 

鈴仙「わ、分かりました!こちらです!」

 

鈴仙さんはあまり状況を理解出来ていないようだ。

まぁ、当然と言えば当然だ 初対面なのに名前を知ってる男が腕から血を流した霊夢さんを担いでいるのだから驚くのも無理はない

 

 

鈴仙「転ばないように気をつけて下さい!」

 

俺「分かっとりますよ!霊夢さんもう少しですから頑張って下さい!」

 

流石は迷いの竹林、どこもかしこも同じ風景が広がっている...もし鈴仙さんに会わなければ絶対に竹林で野垂れ死んでいただろう

 

 

霊夢「うぅ......」

 

不味い!霊夢さんの意識が薄れてきた!早くしないと本当に危ない!クソッ!!こんなことなら医療系の高校に行けば良かった!

 

俺「鈴仙さん!後どのくらいで着きますか!?」

 

鈴仙「あともう少しです!」

 

 

間に合え!頼む!

 

 

鈴仙「見えました!あそこです!」

 

鈴仙さんが指を指す方向には「永遠亭」と書かれた門があり、その向こうには和風の屋敷がそこにあった

 

俺「何とか間に合ったか!?」

そのまま俺は鈴仙さんを追い越して門をくぐり、永遠亭の玄関をぶち壊す勢いで中に入った

 

 

鈴仙「ハァ ハァ...し、師匠ーー!?急患です!」

 

俺「鈴仙さん!永林さんはどの部屋に!?」

 

鈴仙「お、恐らく診察室です 廊下の突き当たりにあります!ハァ...ハァ」

 

俺「分かりました!」

 

俺「ウォォォォォォ!!!!」ドタドタドタ!

 

 

鈴仙「ハァ...ハァ...一体何が...」

 

無駄に長い廊下を全力で駆けると診察室と書かれた扉があった それを俺は...

 

俺「あったぞ!...忿!!!!」

足でぶち破った...この時の俺は頭に血が登ってどうかしていた

まぁ、後で永林さんにこっぴどく怒られたのだが...

 

俺「ハァ...ハァ...永林さん!霊夢さんに手当てをお願いします!」

 

扉の先には 一体何事かと驚いている永林さんの姿があった。一瞬たじろいだ永林さんだが、背負っている霊夢さんの姿を見て察したのか

 

永林「...分かったわ、手当てするから別室に運んで頂戴」

...流石は月の天才である

 

俺「ありがとうございます!お願いします!」

 

永林「優曇華~すぐに準備なさい」

 

鈴仙「ハァ ハァ わ、分かりました」←追い付いた

 

―別室移動中―

 

 

永林「じゃあ、治療を始めるから貴方は待合室で待ってなさい」

 

俺「よ、よろしくお願いします」

 

永林「まかせなさい」

 

バタン

 

俺「......ハァ」

一段落ついた俺はその場に崩れ落ちた

 

俺「大丈夫だ永林さんなら...」

 

月の頭脳を持つ永林さんなら大丈夫だろう

そう安心すると今までの疲れがどっと出てきた

 

俺「ウッ...走りすぎた...気持ちわるッ...」

俺「とりあえず座って落ち着こう...ウエッ」

俺は近くの椅子に寄りかかった...

 

俺「ハァ...霊夢さんの治療が終わったら俺も肩を診てもらおっと...ってあれ?」

人里で妖怪に受けた傷を触ってる...すると

 

俺「傷が...治ってる?」

あり得ない...服は妖怪によって付けられた傷のせいで赤く染まっている

こんな量の出血する傷がこんな直ぐに治るとは思えない...

 

俺「そう言えば竹林に着く頃には痛みは無かったような...治ったのか?こんな直ぐに?」

俺「...まぁいいや 後で永林さんに聞いてみるか、鼻で笑われそうだけど」

もう疲れて難しい事は考えたくない、俺は治療が終わるまで静かに待つことにした...

 

 

 

―約一時間後―

 

バタン

 

俺「!?」

 

永林「終わったわよ」

 

俺「それで!霊夢さんの容態は!?」

 

永林「大丈夫よ命に別状は無いわ、少し深く切っただけだし 明日の朝には帰れるわ...まぁ、出血の量が多かったから輸血はしたけど」

 

俺「よ、良かった...」

俺はそれを聞き腰が抜けた

 

永林「それより、貴方の事を教えて欲しいのだけれど 一体何があったのか詳しく」ジロッ

 

俺「あ、ハイ」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

俺「...と言うわけで妖怪に襲われた霊夢さんを俺が担いで来たというわけです」

 

永林「成る程...事情は理解したわ けど私は貴方の事を教えてくれと言ったのだけど?」

 

俺「へ?」

 

永林「優曇華に聞いたわ 初対面なのに優曇華の名前や永遠亭の事、そして私の事まで知っていたそうじゃない 無論私もあなたとは初対面のはずよ 」

 

俺「あぁ、それはですね」

 

 

 

―少年説明中―(本日5回目

 

 

 

俺「...と言うわけで今日幻想郷に来たんですよ」

 

 

永林「......東方ねぇ 」ジロッ

 

俺「本当です!紫さんに確認してみて下さいよ!」

 

 

永林「...う~ん、とても信じられないわね

ゲームの設定と全く同じ 人物、建物が存在してる...」

 

俺「自分も幻想郷が存在してびっくりですよ」

 

俺「(永林さんて結構頭が固いのかな?)」

 

永林「まぁ、紫を出されちゃ信じるしか無いわね」

 

俺「ホッ...信じて貰えてなによりでs 永林「それより」へ?」

 

永林「診察室の扉」

 

俺「あっ」

 

 

 

―説教タイム―

 

 

 

永林「全く...いくら緊急とは言え病院の扉を蹴破るなんて馬鹿にも程があるわ」

 

俺「うぅ...すみません」

 

永林「止血のやり方も雑で下手くそ よく出血多量にならなかったわね」

 

俺「ゴメンナサイ」

うぅ...止めてくれ俺のライフは等に0だ

 

永林「...まぁ、貴方の霊夢に対する気持ちは伝わったわ」

 

俺「ありがとうございます」

人間の心を落として上げるとは...やりおる

 

永林「で、その服の血はあなたのでしょ?大丈夫なの?元気そうだけど」

 

俺「それが...確かに怪我したはずなんですが いつの間にか治ってた?的な?」

 

永林「治ってた?その出血で?ちょっと見せてもらえるかしら?」

 

俺「あ、分かりました」

俺は上着を脱ぎ、怪我をしていた部分を見せる

 

永林「...怪我をした形跡は無いわね」

 

俺「(うぅ...近い)」

妖艶な良い匂いがする...

 

永林「変なことを考えたら殺すわよ」

 

俺「ひゃ!はい!」

怖い!この人は心を読めるのか!?

 

永林「とりあえず採血でもしましょうか」

 

俺「お手柔らかにお願いします...」

 

永林「やるのは私じゃないわよ 優曇華~」

 

 

鈴仙「はい、何でしょうか?」

 

永林「優曇華、この人の採血をお願い」

 

鈴仙「分かりました、では...」

 

俺「実弦です」

 

鈴仙「では実弦さん こちらに腰かけて下さい」

 

鈴仙さんに言われるまま俺は椅子に座った

 

鈴仙「では採血を始めますね」

 

俺「はい...(やっぱり採血は苦手だ)」

 

永林「大丈夫よ 鈴仙はそこいらの医者よりはずっと上手よ」

 

チクッ

 

俺「オウッ」

少しびびったが確かに普通に上手だと思う 流石は永林さんの弟子なだけあるな(

 

数十秒後―

 

鈴仙「では抜きますよ」ススゥー

針が俺の腕から抜ける直前、永林さんが言った

 

永林「針を抜いたら何もしないで!」

 

鈴仙「え!?あ、はい」

普通は針を抜いたら直ぐにテープ等を貼るはずなのだが...

 

鈴仙「抜きましたけど...」

 

永林「よく見てなさい」

一体永林さんは何をしたいのだろう?

俺としては早く止血の為のテープを貼って欲しいのだが

 

 

鈴仙「師匠?一体何を見るって...!?」

 

永林「...やっぱり」

 

鈴仙「師匠!?これって!」

 

永林「優曇華、確か私の血液のデータが有ったわよね?それとこの人のデータを照合してみて」

 

鈴仙「わ、分かりました!」ダッ

 

俺「?永林さん?どういう事ですか?」

 

永林「あなた...確か自分の能力が分かって無いんだったわよね?」

 

俺「?はい、そうですけど...紫さんには地味な能力かも知れないから期待するなと言われましたけど...」

 

 

永林「...そう」

 

俺「あの~ それがどうかしたんですか?」

 

 

 

永林「...あなたの能力が分かったかもしれないわ」

 

俺「!?本当ですか!?それってどんな能力なんですか!」

 

 

 

永林「あなたの能力...それは...」

 

 

 

 

 

永林「私達と同じ不老不死かもしれないわ」

 

 

 





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五話 地味な能力Ⅱ

 

俺「...不老不死...って事ですか?」

 

永琳「まだ確証はないわ」

 

俺「でも、なんで俺が不老不死だと思うんですか?」

 

永琳「...ん」

永琳さんは俺がさっき採血をされていた腕を指差した

 

 

俺「え?腕がなにか....ッ!」

 

永琳「そういうこと」

 

俺「注射の後が...消えてる!?」

驚くことに先ほど鈴仙さんによって注射が打たれた場所は出血は止まり、刺したであろう痕跡はもう残っていなかった。まだ抜いてから5分も経っていないはずだ

 

俺「で、でも俺 蓬莱の薬なんて飲んでないですよ」

 

永琳「...それが貴方の能力なのよ」

 

俺「へ?」

 

永琳「ハァ...私達三人...私、姫様、藤原妹紅は薬によって不老不死の身となったわ」

 

永琳「薬によって不老不死になった私達は決して不老不死が能力ではない」

 

永琳「貴方...この世界に詳しいのよね? 私の能力は知ってるの?」

 

俺「はい、あらゆる薬を作る程度の能力...ですよね?」

 

永琳「ご名答 後の二人もそれぞれ能力を持っている...不老不死はそのオマケみたいなものよ」

 

永琳「まぁ、あの人間はそのオマケのせいで苦しんでいるみたいだけど」

 

俺「...要するにあれですか?俺は幻想郷に来た影響で能力を授かった、そしてそれが 不老不死である程度の能力 と言いたいんですか?」

 

永琳「あら、頭の回転が早いのね 見た目の割に」

 

永琳「まぁ、確証はさっき言ったみたいにまだないわ 貴方の血液を詳しく検査してみない事には何も分からないわ」

 

俺「不老不死...」

俺が不老不死だと...マジかよ...じゃあ俺は死ねないのか?

 

俺「oh...」

 

永琳「...まぁ、違うかも知れないし そう落ち込むこと無いわ もし不老不死でも私が不老不死の生き方を教えてあげるわよ」ニタァッ

 

こ、この人俺を実験体にでも使う気なのだろうか?

 

永琳「じゃあ 明日また来なさい どうせ霊夢に会いに来るんでしょうし 明日には検査結果が出てるわよ」

 

俺「...分かりました...それで帰りはどうすれば...もう外真っ暗ですし」

 

 

永琳「...紫、送ってあげなさい」

 

紫「むぅ 仕方ないわね」ヌゥ

 

永琳さんが名前を呼ぶと突如目の前に紫さんが現れた

 

永琳「盗み聞きとは良い趣味してるわね」

 

紫「一応ここでは私がこの人(実弦)の保護者ですわ」

 

永琳「ハァ...良いから早く連れて帰りなさい 私はこれから検査で忙しいの」

 

紫「相変わらずつれないわね 今度はゆっくりお茶でも飲みながらお話でもしたいわ」

 

紫「じゃあ実弦さん 私がスキマでお送りしますわ どうぞスキマに入って頂戴」

 

そう言って俺の目の前にスキマが大きく開いた

 

俺「じゃあ、お邪魔します」

初スキマがこんな悶々とした気持ちで体験するとは...

とりあえず俺はスキマの中に入った

 

 

俺「...おぉ、すげぇ」

スキマに入ってたと思った瞬間、目の前には博麗神社が建っていた

 

紫「どう?スキマ 便利でしょ」

 

俺「紫さん!凄いですねこれ 原理が気になります!」

 

紫「フフ そこに注目するとはやっぱり現代人ね」

 

 

紫「それで...今日の事なのだけれど」

 

俺「あ...その...すみません」シュン...

 

紫「何を謝っているの?魔理沙から聞いたわよ 妖怪を拳1発でぶっ飛ばしたって」

 

俺「それは...火事場の馬鹿力みたいな物で...それに俺が人里に行きたいなんて言わなければ霊夢さんだって怪我なんかしなくて済んだのに...」

 

紫「う~ん...現代人は皆ネガティブなのかしら?」

 

俺「?」

 

 

紫「いい?貴方達が偶然あの場にいたから いち早く危険な妖怪を退治出来たのよ?もし博麗神社でお茶でも飲んでいたら退治が遅れて沢山の死者が出ていたかもしれないでしょ?」

 

俺「そう...ですか」

 

紫「そうよ、霊夢もきっと感謝してるわ 霊夢だけじゃあの妖怪は退治出来なかったわよ」

 

俺「そうですよ!なんで霊夢さんがあんな雑魚そうな妖怪に押し負けてたんですか!」

俺がズバリ的確な質問をぶつけると紫さんの顔色が変わった

 

紫「そうね...普通ならあんな雑魚妖怪ごとき霊夢なら瞬殺出来るはずね」

 

俺「じゃ、じゃあ霊夢さんが弱くなったとでも?」

 

紫「まさか、霊夢はいつも通り絶好調よ」

 

俺「...まさかやっぱり」

 

紫「貴方は変なところで勘が効くのね」

 

紫「...そう、あの妖怪を始め幻想郷中の妖怪が強くなってる、博麗の巫女に手傷を負わせるほどに...」

 

俺「それって!もしかして異変じゃ」

紫「おっとストップ それに関しては明日詳しく話すわ。霊夢と魔理沙達と一緒に」

 

俺「...分かりました」

 

紫「ありがとう助かるわ ...じゃあ疲れたし今日はもう休みましょう!先にお風呂にでも入って頂戴」

 

俺「ありがとうございます」

 

紫「気にしなくていいわよ、こちらこそ幻想入り一日目でこんな事になってしまってごめんなさいね」

 

紫「あ、お風呂は向こうにあるわ 着替えも用意しとくわね」

 

そして俺は紫さんに言われた通り風呂に入る事にした

 

―入浴中―

 

俺「...」

 

 

紫「着替えはここに置いとくわね~」

 

俺「あ、ありがとうございます」

 

俺「...」

 

俺「俺の能力...」

永琳さんに言われてからずっと考えていた、自分が不老不死かもしれない その事についてずっと...

 

俺「...」

 

俺「出るか」

考えてもどうしようもならない、明日の検査結果次第だ もし不老不死だったら永琳さんに相談しよう

とりあえず俺は風呂を出て着替える事にした

 

ガラガラ

 

俺「おぉ、和服かやっぱり」

洗面台には紫さんが用意したであろう男性用の和服が置いてあった

 

俺「和服なんて中学校の修学旅行以来だな」

 

 

紫「ご飯出来てるわよぉ~」

 

俺「あ、了解でーす」

 

 

紫「料理なんて久しぶりだから口にあうか分からないけど」

 

俺「!?え、これ紫さんが作ったんですか?」

お茶の間のテーブルの上にはとても豪華な料理が並べてあった

 

紫「勿論よ、昔は霊夢に良く作ってあげたものだわ」

 

紫「ささっ 召し上がれ♪」

 

俺「いただきます!」

 

ガツガツ

 

美味い...妖怪が作ったとは思えない程に美味しい 霊夢さんに作ってあげたと言うことは やっぱり昔から霊夢さんをお世話しているのだろうか?

俺「凄く美味しいです」

 

紫「あら~良かったわ」

 

 

俺「あの紫さん」

 

紫「ん?何かしら?次回の料理へのリクエスト?」

 

俺「...」

 

俺「その、俺の能力ってf」

紫「少なくとも不老不死では無いわ」

 

俺「えっ でも永琳さんは...」

 

紫「それは仮定でしょ?まだ決まって無いわ ただ不死では無いことは確かね...勘だけど」

 

紫「もしかして、それで暗かったの?」

 

俺「...はい」

 

紫「...ハァ 馬鹿ねぇ~人間って」

 

俺「で、でも不老不死ですよ!死ぬことが出来ないんですよ!?」

 

紫「...だから自分だけ取り残されるのは嫌だと?」

 

俺「そうです!」

 

紫「それ、あの人間(妹紅)に言ったらぶん殴られるわね」

 

俺「!?」

 

紫「いい?あの人間は昔、不老不死になってから それはそれは地獄だったわ 親しかった友人は先に老い死んで行く 自分は死にたくても死ねない...周りの人間には化け物と言われる始末 一時期は自暴自棄になって発狂しかけたでしょうね」

 

紫「でも、あの人間はある日を境に変わることが出来たわ」

 

俺「?」

 

紫「幻想郷に来てからあの人間の人生は明るくなった 人間の寿命より遥かに長い生き物が跋扈する世界...」

 

紫「そして、自分と同じ不老不死の力を持つ者に出会えた...そして何より自分を理解してくれる友人に出会えた そして、誰も彼女を化け物とは言わず平然と接してくれる ここにはそんな奴別に珍しく無いからね」

 

紫「...そう 幻想郷は何でも受け入れる」

 

 

 

紫「まぁ、言いたいのは 貴方がもし不老不死でも幻想郷にいる限り一人では無いってことよ」

 

俺「...」

 

紫「う~ん 何かしんみりしちゃったわね もう今日は遅いから寝ましょうか」

 

俺「紫さん...」

 

紫「ん~ 何かしら?」

 

俺「ありがとうございました」

 

紫「私は別にお礼されることは何もしてないわよ?」

 

俺「うぅ...」グスン

 

紫「あらあら 現代人は泣き虫でもあるのかしら」

 

紫「まぁ、布団は押し入れにあるから勝手に敷いて寝ていいわよ 私は朝になったら迎えに来るわ」

 

俺「うぅ...ありがとうございます」

 

紫「はいはい じゃあまた明日ね~お休み~」

そう言って紫さんはスキマの中へと姿を消していった

俺は言われた通りに布団を敷いて床についた

 

俺「...」

まさか紫さんがあそこまで優しいとは思わなかった

俺の為にわざわざ飯まで作ってくれて あげくのはてに俺を少しでも安心させようとあんな話まで...

考えれば紫さんは今まで何代もの博麗の巫女を看取ってるんだよな...

それに比べて俺は確定もしてないことで くよくよして馬鹿だな本当...

 

俺「...寝よ」

 

そして俺は明日に備えて寝た

 

 

 

―翌日―

コケコッコッコー!!

 

俺「ん、朝か...」

昨日は疲れたのかすぐに寝てしまった

今は朝の6時ぐらいだろうか?

 

 

紫「あら、朝早いのね」

 

俺「はい、向こうでは早起きが習慣でしたので」

 

紫「羨ましいわねぇ~ 私には難しいわ」

 

俺「それで永遠亭には何時ほど行くんですか?」

 

紫「朝ご飯を食べたらすぐて良いんじゃない?貴方も気になるでしょ?」

 

俺「あはは...二つの意味で」

 

紫「朝ご飯は出来てるから顔を洗ってすぐに食べちゃいなさい」

 

俺「ありがとうございます」

 

そして、俺はすぐに顔を洗って用意してくれた朝食を食べた

 

俺「ごちそうさまでした」

 

紫「よし、じゃあ行きますか」

 

そして目の前にスキマが現れる

 

紫「ささっ どうぞ」

 

俺「失礼します」

 

俺がスキマに入る すると目の前に永遠亭が建っていた

相変わらず原理はどうなっているのだろう...

 

俺「朝早くすみませ~ん」

俺が玄関に向かって声をかける すると中から誰か出てきた

 

ガラガラ

 

鈴仙「実弦さん 朝早くご苦労様です 師匠は診療室にいますのでどうぞ 紫さんもご一緒に」

 

俺「あ、では失礼します」

 

紫「お邪魔するわね」

永琳さんは俺達が早く来ることを分かっていたのだろうか?やはり天才か

 

 

俺「っと ここですね」コンコン

 

俺「失礼しま~す」

昨日とは違い ゆっくり診療室の扉を開ける

 

永琳「あら、やっぱり早朝に来たわね 準備しておいて良かったわ 扉も壊さず入ってくるし合格ね」

 

俺「あはは、昨日はすみませんでした...で、俺の能力は分かったんですか?」

 

永琳「それについては詳しく話すつもりよ、とりあえず座りなさい 紫も座ってどうぞ」

 

俺「あ、では失礼して」

 

紫「失礼するわね」

 

永琳「...で検査の結果だけど」

 

俺「...」

 

永琳「ごめんなさい」

 

俺「え?」

 

永琳「私の早とちりだったわ、不老不死では無かったわ」

 

紫「ほら、言ったじゃない 違うって」

 

俺「よ、良かったぁ~」

 

俺「?でも じゃあ何で傷が再生したんですか?」

 

永琳「...それはこの検査結果が物語ってるわ これを見て私も最初は驚いたわよ」

 

そう言って永琳さんは紙を渡してきた

 

永琳「これは検査の結果をまとめた紙よ。まずおかしいのが白血球と赤血球に性質の変化が視られるわ この変化のせいで傷の再生が早くなってると思われるわ」

 

俺「...どんな変化ですか?」

 

永琳「分かりやすく説明すると 普通の人間の赤血球(白血球)をaと表す、そして蓬莱の薬の効果が現れた後の赤血球をaBと表す これはもはや別の細胞と化しているわだからもう人間の血液と比べてもどうしようも無いのだけれど 貴方の場合は...」

 

俺「場合は?」

 

永琳「...貴方の場合はaAと表す事が出来るわ これは普通の赤血球や白血球のよりも性能が何百倍も上がっている。この二つだけじゃない 他の人体の再生に関わる細胞すべてが人の枠を外れた物へと変化してた...そして、何より驚くのが」

 

俺「...」

 

 

永琳「私達蓬莱人は死ぬことは勿論 老いる事が出来ない それは細胞の発達によって老いる事を細胞が忘れてしまったから、でも貴方の細胞の場合は検査した限りだとちゃんと老いる事が出来ている そして貴方の再生能力は蓬莱人に匹敵する再生力...」

 

俺「それって...」

 

 

紫「...」

 

 

永琳「貴方の能力に名前を付けるとするなら...」

 

 

 

 

永琳「再生力が高い程度の能力」

 

 

 

 



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六話 異変の陰

 

俺「再生力...」

 

紫「...」

 

永琳「再生力が高いと言っても少し傷の治りが早いとか そんなレベルじゃないわ」

 

永琳「少なくとも私達 蓬莱人に匹敵する再生力を貴方は持っている ここ(幻想郷)に来たときに細胞が突然変異でもしたのかしら...」

 

紫「永琳、その再生力の弱点とかは無いのかしら?」

 

永琳「勿論...っと言って良いのか分からないけど勿論あるわよ」

 

俺「どんな弱点ですか?」

 

永琳「調べてみると この細胞の再生力は外部からの損傷のみ発動するみたいね」

 

俺「...つまり、内部からのダメージ 風邪などのウィルスなどには発動しないってことですか?」

 

永琳「簡単に言えば そう言うことね。他にも薬物にもその能力は効果が出ないみたいね」

 

俺「う~ん なんか微妙じゃないですか?」

 

永琳「は?」

 

俺「え?」

 

永琳「ハァ...肝心な所で頭が回らないのね」

 

永琳「いい?この能力は貴方が今後、病気などに懸からない限り貴方は100%寿命を迎えて死ぬことが出来るのよ?人間としては出来すぎてる能力だわ」

 

俺「そんなに凄いんですか 俺の再生力って」

 

永琳「首をはね飛ばされても、心臓がある体の方から頭が生えてくる程度にはね」

 

俺「はぇ~ 凄いですね これで妖怪とも怪我を気にせず戦えますね」チラッ

 

紫「!?...」

 

俺「他には何かありましたか?」

 

永琳「そうねぇ...血糖値、尿酸値ともに正常だし...あっ」

 

俺「ん?何かありましたか?」

 

永琳「ちょっと気になったのだけれど、貴方って妖怪を拳1発でぶっ飛ばしたのよね?」

 

俺「まぁ、一応 その場のノリでしたけど」

 

永琳「そのあと霊夢を担いで鈴仙を追い越して永遠亭に来たのよね?」

 

俺「その時はもう無我夢中で...」

 

永琳「...昔からそんな事ってあった?」

 

俺「そんな事って...火事場の馬鹿力ってやつですか?」

 

永琳「まぁ そんなところね」

 

俺「う~ん...」

俺は昔の記憶をたどってみる...

確かに運動会の終盤や友人と東方の旧作をどちらが買うかで腕相撲をした時など精神的に追い詰められてる時などに、自分でも驚く位の力が出ることは結構あった(その後は体調を崩しやすかった

 

俺「確かに結構ありましたね...」

 

永琳「...そう となれば これは体質なのかしら」

 

俺「?」

 

永琳「貴方の体は普通の人間よりもアドレナリンを出しやすい体質のようね」

 

俺「アドレナリンですか...」

 

永琳「そう。そして その大量のアドレナリンに対応できる強い体質を持ってる まぁ、ある程度のダメージは受けるみたいたけど...よく力を出した後は体調とか崩さなかった?」

 

紫「Zzz...」

 

俺「崩してましたね...発熱とか」

 

永遠「やっぱりね」

 

俺「やっぱりと言うと?」

 

永遠「率直に言うと貴方は火事場の馬鹿力が他人よりも出やすい体質っぽいわね」

 

俺「なるほど...通りで昔からピンチの時は異常に力が出るわけだ...」

 

永遠「貴方の再生力と良い組み合わせじゃない?」

 

俺「おぉ!確かに考えれば!」

 

永琳「能力はその人に合った物だからね 妥当な能力だと私は思うわよ?」

 

紫「私も思うわ」

 

俺「確かにそうですねぇ 永琳さん色々ありがとうございました」

 

永琳「いえいえ、こちらこそ色々新しい発見があって面白かったわ 今度、実験体として家に来なさいよ 時給いいわよぉ~」ニヤニヤ

 

俺「あはは...遠慮しておきます」

 

コンコン

「師匠~入ってもよろしいですか?」

 

永琳「いいわよ」

 

ガチャ

 

鈴仙「失礼します 霊夢さんが起きたので一応報告に...」

 

永琳「そう じゃあ血圧を測って正常値なら退院させて大丈夫よ もともと深めの切り傷だったし 二人も一緒に案内させてあげなさい」

 

鈴仙「分かりました ではお二方、案内しますのでどうぞこちらに」

 

俺「永琳さんありがとうございました またの機会があればまた」

 

紫「永琳 後で霊夢の治療費持ってくるわねぇ~」

 

永琳「はいはい 霊夢には感謝でもするように言っておきなさい」

 

 

バタン

 

 

 

永琳「...ハァ 眠」

 

 

 

―廊下にて―

 

鈴仙「こちらの部屋が霊夢さんのいる病室になります」

 

俺「案内ありがとうございます」

鈴仙「いえ、仕事なので当然です」

 

俺「では 失礼しま~す」

 

紫「失礼するわ」

 

ガラガラ

 

俺は静かに扉を開ける...

 

霊夢「お、意外と早かったわね」

 

俺「おぉ...霊夢さん無事で何よりです」

 

霊夢「たかが切り傷で何心配しんてのよ、だから大丈夫って言ったでしょ...まぁ、ここまで運んでくれたのは...ありがとう」

 

俺「(ツンデ霊夢ありがとうございます!)」

 

魔理沙「おっと、私もいるぜ?」

 

俺「あ、魔理沙さん 昨日は紫さんに知らせてくれてありがとうございました。しかし、朝早いですね」

 

魔理沙「まぁ、私も何だかんだで霊夢の親友だからなぁ~心配で朝早く来ちゃったぜ」

 

霊夢「...よく言うわよ 昨日の夜中にこっそり来て私の手を握りながら「霊夢~死んじゃやだよ~」とか言って泣いてたくせに」

 

魔理沙「ば、バカやろう!それは言うなって言ったろ!」カァァ

 

霊夢「人がぐっすり寝てるのに手を掴みながら泣いてたからびっくりしたわよ」

 

魔理沙「だぁ~!分かったから止めろ!それぐらい霊夢を心配したんだぞ!」

 

霊夢「はいはい ありがとうね魔理沙」ナデナデ

 

魔理沙「///」カァァ

 

俺「(レイマリは俺のジャスティス...はっきりわかんだね)」

 

紫「(私も霊夢にナデナデされたいわ)」

 

鈴仙「(夜中に勝手に入らないで欲しいなぁ)」

 

 

霊夢「...それで紫 昨日話す予定だった話のことなんだけど」

 

紫「そうね、霊夢にだけ話す予定だったのに こんなに早く公にする事になるとわね...」

 

魔理沙「ん?何の事だぜ?」

 

俺「......」

 

紫「実弦は薄々気づいているようね...鈴仙、少し席を外してくれるかしら?」

 

鈴仙「分かりました 話が終わり次第声を掛けてください。霊夢さんの血圧を測るので」ペコリ

 

ガチャ...バタン

 

 

紫「...ハァ 早速計画が狂ったわね」

 

霊夢「さぁ、話して貰おうかしら」

 

魔理沙「?」

 

紫「いいわ 話しましょう。今幻想郷に過去最大の異変(危機)が訪れている事を」

 

魔理沙「!?なんだって!?」

 

俺「やっぱりですか」

 

魔理沙「実弦!?やっぱりって何か知ってるのかぜ!?」

 

俺「昨日の出来事からして妖怪が人里を襲うなんて明らかにおかしいですよ」

 

紫「そうね、けど問題はそれだけじゃない...」

 

紫「数年前から幻想郷に何者かの妖気が漂っている...最初はとても弱い妖気で私でも見逃す程度の量だったわ、でも最近その妖気の量が徐々に増え始め知能の低い妖怪や妖精がその妖気に当てられて凶暴化しているの」

 

俺「妖気...ですか?」

 

紫「今も幻想郷に漂ってるわ、ただ普通の人間じゃ到底分からない量...」

 

魔理沙「霊夢は分かるのぜ?」

 

霊夢「残念ながら」

 

紫「分からなくても当然よ この事態に気づいているのは私を含め守矢の神などの強力な力を持った人外くらいね」

 

魔理沙「そんで、その妖気に当てられてた妖気が人里で暴れたと」

 

紫「そうよ」

 

魔理沙「だったらその妖気をばら蒔いてる奴を倒せばいいだろ?」

 

紫「出来たらとっくにしてるわよ...誰が流してるのかは勿論 どこからその妖気が出てるのかも分からない...いえ 具体的に言えば染み出ている...かしらね」

 

魔理沙「染み出ている...」

 

紫「森に住んでる貴方なら分かるんじゃない?最近の変化に」

 

魔理沙「変化...あっ!?魔法の森のキノコか!」

 

紫「その通り キノコの異常発生が現状を物語ってる...もともと魔法の森のキノコは魔力を含んでいるからね 妖気なんかを取り込んだから突然変異でも起こしたのでしょうね」

 

紫「このまま行けばどんどん妖気の濃度は上がり、いずれは知能のある力を持った妖怪も妖気に当てられて暴走しかねないわ...実際は洗脳に近いかしら」

 

魔理沙「だったらどうするんだぜ?」

 

紫「恐らく異変の首謀者はそのうち力の強い妖怪にも手を出すわ、だから私は実弦を幻想郷に誘った」

 

俺「...」

 

魔理沙「なんでそこで実弦が出てくるんだ?そんなの私と霊夢で解決すれば...」

 

紫「...魔理沙も昨日戦って分かったはずよ、その妖気の一番恐ろしい効果を」

 

魔理沙「一番恐ろしい効果...?」

 

霊夢「霊力や魔力への耐性...」

 

紫「その通り その妖気に当てられた妖怪は元々幻想郷に存在するあらゆる力...霊力、魔力、妖怪、神力...全ての技に対して耐性を持つ様にパワーアップする 貴方達も戦って分かったでしょう?普通の弾幕では全く歯が立たないって」

 

紫「けど、幻想郷以外の場所の霊力や魔力には一切の耐性を持っていない 場所によって質が違うからね。そして実弦は外の世界の霊力を多少ながら持ってる...」

 

魔理沙「ま、まさか実弦にその異変の手伝いをさせる為に幻想入りさせたってのか!?」

 

紫「...」

 

魔理沙「紫お前!勝手過ぎるぞ!そんな危険な事、実弦が了承するわけ」

俺「いいですよ」カルー

 

魔理沙「!?」

 

紫「ありがとう、恩に着るわ」

 

魔理沙「はぁ!?実弦本気なのか!第一お前スペルカードとか持ってるのかよ!?」

 

紫「それに関しては修行させて会得させるわ、私も全力のサポートをするつもりよ」

 

魔理沙「っ!実弦はそれで良いのかよ!?」

 

俺「...昨日の紫さんの態度を見れば切羽詰まってるのが良く分かりますよ 外来人の俺の為にあそこまでするなんて普通の紫さんではあり得ないと思いましたし(偏見)」

 

俺「それに...」

 

魔理沙「...それに何だよ」

 

 

俺「俺が愛した幻想郷を壊させる訳には行きませんよ」

 

 

魔理沙「はぁ...分かったぜ 紫も承知してるなら私も協力するぜ」

 

俺「魔理沙さん、ありがとうございます」

 

紫「実弦さん改めて宜しくお願いするわ 貴方だけがこの妖気に対抗出来る唯一の存在...本当はもっと間を起きたかったのだけれど 意外にも早く妖気の影響が出てるみたいだからね」

 

俺「全力を尽くしますよ 俺の能力があればそう簡単に死にはしませんし 霊夢さんも改めて宜しくお願いしm」

霊夢「私は反対よ」

 

俺「!?」

 

紫「ハァ...霊夢?さっきの話を聞いてたでしょ?幻想郷出身の貴方じゃこの異変は解決出来ないわ」

 

霊夢「大丈夫よ スペルカードみたいな大技は効くみたいだし」

 

紫「雑魚妖怪に手傷を負わせられたのよ?それがもっと力のある妖怪相手になってみなさい、貴方...死ぬわよ?」

 

霊夢「だからって部外者を異変に巻き込むわけにはいかないわ」

 

俺「霊夢さん...」

 

紫「どうしても?」

 

霊夢「そうね、拳でしか勝負出来ないなんて足手まといよ」

 

紫「...じゃあ 貴方と実弦が勝負をして実弦が勝てたら文句はないでしょ?」

 

俺「!? 勝負!?俺が霊夢さんと!?」

 

霊夢「随分 実弦の事を買ってるのね」

 

紫「どうなの?」

 

霊夢「...良いわ その代わり私が勝ったら実弦は今回の異変には干渉させ無いこと 良いわね?」

 

紫「いいわ 早速始めましょう」

 

俺「えぇ...そんな勝手に」

 

霊夢「私は先に外に出てるわ そうね...中庭で待ってるわ」スタスタ

 

......

 

俺「紫さん!?どうするんですか!?霊夢さん本気でしたよ!勝てるわけないですよ!」

 

紫「そこは貴方の腕の見せ所よ」

 

俺「えぇ...けどなんで霊夢さんあそこまで拒むのかなぁ」

 

魔理沙「それは霊夢なりの優しさだぜ」

 

俺「え?」

 

魔理沙「霊夢は不器用だからな~素直に実弦の事が心配だって言えないんだぜ」

 

魔理沙「人里で悲鳴が聞こえたときに、ここで待ってろって言ったのも幻想郷に来たばかりのお前を危険な事に巻き込まないために言ったのぜ」

 

俺「霊夢さん...」

 

魔理沙「まぁ、勝負は頑張ってくれや 無理だとは思うけど」

 

俺「oh...」

 

紫「さぁ、頑張りましょう」

 

俺「うぅ...」

そして俺は霊夢さんが待っている永遠亭の中庭に向かった

 

 






何か話が分からなくなってきたぞ


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七話 俺のスペルカード

 

―中庭にて―

 

紫「ルールはどちらかが先に降参するか背中を地面に着けた方が負けとするわ」

 

霊夢「分かったわ」

 

俺「...」ガタガタ

...何で霊夢さんと戦う事に...勝てるわけがない

だが適当に戦って負けては紫さんに申し訳ない...ならば

 

霊夢「私も貴方を傷つけたくないわ 手加減してあげるから大人しくやられて今回の異変は私に任せなさい」

 

俺「...生憎 物事を中途半端にするのは出来ない性格でしてね...勝てなくとも全力で戦います」

 

霊夢「そう...大怪我させない程度にやらせてもらうわ」

 

俺「俺に怪我を負わせられますかね?」

 

霊夢「っ!紫に気に入られたからって調子にのるんじゃないわよ!」

 

―来る!?―

 

 

霊夢「破ッ!」

 

霊夢さんの掛け声とともに目の前に複数の弾幕が飛んでくる

 

俺「うぉ!?いきなり多い!?」

予想以上に弾幕の数が多い...いやこの数が普通なのだろうか?原作未プレイがここで響くとは思ってもいなかった とりあえず今は逃げるのが先決だ

 

霊夢「逃げたって無駄よ! 破っ!」

 

シュンシュン!!

 

俺「クソッ!こうなったら!」

空を飛んでいる霊夢さんに対抗出来る唯一の方法はあれしかない

 

霊夢「何をしようと弾幕すら撃てない貴方に勝ち目は無いわ!」

 

俺「全力を尽くすまでだ!」

 

霊夢「無駄な抵抗を...これでも食らいなさい!破ァ!」

そして、先程の弾幕より二周りも大きい弾幕が飛んできた 数はひとつだが速さは断然こっちの方が早い、走って避けても爆風で吹っ飛ばされるだけだ...だが好都合...

 

俺「行くぞ!ハァァァ...忿!!!!」

 

ボンッ!!!!

 

その瞬間辺りは煙で包まれた

 

 

魔理沙「おぉ、弾幕を拳で打ち返すとは...」

 

紫「...良く見てみなさい 確かに弾幕は拳に当たった...でも打ち返せてないわ」

 

魔理沙「ん~?...なっ!?」

 

 

霊夢「...霊力もまともに使えない人間が弾幕に触れたらどうなるか分からないの?」

 

俺「ガハッ...な、なんでッ...」

弾幕を殴った腕は焼けただれていた...殴った弾幕は打ち返せることなく拳に当たった瞬間に爆発した

 

魔理沙「!?なんで...確かに打ち返したと...」

 

紫「...やっぱり まだ霊力をコントロール出来ていないみたいね」

 

魔理沙「霊力って...どういうことだ?」

 

紫「...私達みたいなスペルカードを持つものは霊力や魔力、妖力などの力を使って無意識のうちに体に薄いバリアを張っているわ そのお陰でもろに弾幕を食らっても軽い火傷で済む...でも彼は自分に霊力が有ることに気づいていない,それ以前に彼は持ってる霊力が少ない...」

 

魔理沙「!? じゃあ、このまま実弦が自分の霊力を使うことが出来なければ...」

 

紫「負けるでしょうね...最も霊力の使い方が分かっても持ってる霊力事態が少ないから そこを工夫しないとどっちみち...」

 

霊夢「...分かったでしょ?普通の人間では異変解決処か弾幕勝負すらまともに出来ないのよ。腕は今から永琳にでも診てもらいま...」

 

シュゥゥゥゥ...

 

俺「火傷まで治るとは...自分の能力ながら恐ろしい」

 

霊夢「中々面倒くさい能力ね」

 

俺「それは敵が言う言葉ですよ 俺は霊夢さんと戦いたくありません」

 

霊夢「なら私は貴方を異変に巻き込みたくないわ...」

 

ポォォォォォォ....

 

霊夢「さっさと決着を着けましょう...この技で貴方を地面に這いつくばらせてあげるわ」

 

俺「(...もしかして...スペルカードか?だとすれば夢想封印か?)」

 

霊夢「神技...」

 

紫「!? 不味い!実弦!伏せなさい!」

 

魔理沙「おいおい、こんな病院の中庭でそんな大技大丈夫かよ...」

 

俺「神技だと!?ナニソレ!」

 

 

霊夢「「八方龍殺陣」!!!!」

その瞬間、大量の札と弾幕が辺りを包んだ...

 

 

 

紫「...全く こんな所で神技を使うなんて...」

 

魔理沙「あ~あ、周りの窓が全部割れてやがる...弁償どうすんだ」

 

霊夢「これで流石に倒れたでしょ...!?」

 

俺「...ハァ...ハァ...ハァ」

 

霊夢「驚いた、まさか避けなかったの?」

 

俺「まさかそんなスペルカードがあるなんてびっくりしましたよ...やっぱり原作をプレイしとけば良かったですねぇ」

 

霊夢「...馬鹿ね本当」キュイイイン

 

魔理沙「!? 実弦!またデカイ弾幕が来るぞ!」

 

俺「......」

集中しろ...拳に全エネルギーを集めるんだ 自分を信じろ

 

俺「.......」

 

霊夢「覚悟したかしら?これで終わりよ!」

 

シュゥゥボンッ!

 

俺「...」

集中しろ...

 

魔理沙「実弦!?避けろ」

 

紫「...」

 

俺「!?」

 

俺「今だ!」

 

俺「オラァァァァ!!!!忿!」

ゴォン!

 

霊夢「なに!」

 

魔理沙「う、打ち返した!」

 

紫「土壇場で霊力の使い方を覚えるとは...やっぱり私の見込んだ通りね 少ない霊力を拳の一点に集中するとは...」

 

霊夢「...中々やるわね この短時間で良く成長したわ でも当たらなければ意味がない」

魔理沙「ちっ 避けられたか...」

 

紫「さぁ、1発だけ打ち返しても避けられるわよぉ?どうするのかしら」

 

魔理沙「なんでお前が嬉しそうなんだよ...」

 

 

俺「(今のが霊力...少しだが使い方が分かったぞ)」

 

俺「(これは一か八か...)」

 

俺「霊夢さん」

 

霊夢「何よ、降参でもするの?」

 

 

俺「次はお互いにスペルカードで勝負しませんか?」

 

霊夢「!?」

魔理沙「!?」

紫「!?」

 

霊夢「...貴方、スペルカードを持ってるの?」

 

魔理沙「そ、そうだぜ!弾幕も撃てないのにスペルカードなんて...」

 

俺「今から創りますよ...俺のスペル」

 

霊夢「貴方...何を言って...」

 

紫「面白い」

 

霊夢「!?」

 

紫「ルール変更よ 今からスペルカードを出しあって1発でも被弾したら負け それでいいわね?」

 

俺「良いですよ」

 

霊夢「...別にいいわ」

 

紫「それではお互いにスペルカード発動の準備をして」

 

 

霊夢「スペルカード...」

 

俺「......」

 

魔理沙「...」ゴクッ

 

 

霊夢「霊符!「夢想封印」!!!!」

ゴォォォォ!!!!

 

霊夢さんのスペルカード宣言後 七色に光る弾幕がこちらに向かって降ってきた

昨日は慌てていてあまり見ていなかったが、これが夢想封印...だが今は観賞している暇はない

 

 

俺「...(集中しろ)」

 

魔理沙「おい!」

 

俺「(大丈夫だ己を信じろ)」

ゴォォォォ!!!!!

 

魔理沙「実弦!このままじゃもろに食らうぞ!避けろ!」

 

俺「(...まだだ集中しろ)」

ゴォォォォ!!!!!!

 

魔理沙「実弦!」

 

紫「...」

 

霊夢「どうしたの?やっぱりスペルカードなんてそんなすぐに創れるわけないのよ」

 

俺「...」

ゴォォォォ!!!!!!!!

 

魔理沙「危ない!」

 

紫「今よ!」

俺「!?」

 

俺「行くぞ!」

俺「スペルカード発動!!」

 

霊夢「!?」

 

俺「剛符!「多弾・風神突き」!!!!」

ダンッ!!!!

 

その瞬間、辺りにとんでもない爆風が吹き荒れた

 

魔理沙「何だ!この風!」

 

霊夢「くっ...一体何...ッ!?」

 

霊夢「私の夢想封印を全て打ち返した!?」

 

俺「打ち返したのではない!爆風によって弾き返したんです!」

 

霊夢「けど 自分の技ぐらい避けられるわ!っ 風のせいで上手く飛べない!(少し低く飛んで体制を立て直すか)」フワッ

 

俺「今だ!」ダンッ!

 

紫「おぉ~ 火事場の馬鹿力ねぇ」

 

霊夢「風に乗って高くジャンプした!?クッ 近すぎて弾幕を撃っても私にも飛び火が...」

 

俺「霊夢さんすみません!フン!」

女性を殴るのはかなりの抵抗があったが俺は霊夢さんの腹にパンチを食らわした

 

霊夢「グホォ!?...ガクン」

 

俺「おっと」

気絶した霊夢さんをお姫様抱っこの状態で抱えて地面に着地する

 

 

魔理沙「ま、まさか本当にその場でスペルカードを創るとは...」

 

紫「霊夢が気絶...文句なしで実弦、貴方の勝ちよ」

 

俺「や、やった...」ふらぁ~

 

バタン

 

魔理沙「お、おい!大丈夫か二人とも!?」

 

紫「全く世話の焼ける子たちね...魔理沙 博麗神社に二人を連れていくから布団の用意をして頂戴 実弦に関しては単なる疲れだから大丈夫よ」

 

魔理沙「分かったわぜ...だがこの永遠亭の有り様...どうするんだz」

 

紫「逃げるが勝ちよ」

 

魔理沙「あ、はい」

 

 

鈴仙「こらぁ~(゚Д゚#)誰ですか!病院内で暴れたのは~!」ドタドタドタ

 

紫「ほら早くスキマに入って!」

 

魔理沙「はいはい(後で永琳に絞められる所までは読めた)」

 

 

 

 

こうして初の弾幕?勝負は辛くも俺 堂本 実弦 の勝利で終わった

 

 








所詮は素人が書いた作品よ


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八話 思わぬ客人

 

「...」

 

 

―なぜ...め...だ―

 

 

 

―俺..た..した―

 

 

 

―嫌だ...止め...けて―

 

 

 

―.........―

 

 

 

―許さない―

 

 

 

―いつか必ず―

 

 

 

 

俺「...ハッ」

 

 

俺「...知らない天井...じゃない...夢...か」

目を覚ますと昨日寝ていた博麗神社の天井が目に入った...どうやら気絶したあと紫さんによって神社に運ばれたのだろう

 

俺「...とりあえず起きるか よいしょっt...!?」

 

霊夢「Zzz...」

 

俺が布団から出ようと体勢を変えると そこには同じ布団で横に寝ている霊夢さんの姿が目に入った

 

俺「ちょっ!何で同じく布団で寝てるん!?別の布団あっただろ!」

紫さんがわざと同じ布団に寝かせたのか?だとすれば悪趣味にも程がある この状況を誰かに見られたら誤解されるのは火を見るより明らか

 

霊夢「...ん~Zzz」

 

俺「可愛い...」

 

俺「って!何言ってるんだ!霊夢さんが起きる前に布団から出なければ!」

 

俺が急いで布団から出ようとした瞬間 霊夢さんに腕を捕まれた

 

ガシッ

霊夢「...言うだけ言って逃げないでくれない?」

 

俺「!?れ、霊夢さん!?いつから起きてたんですか!?」

 

霊夢「知らない天井 辺りから」

 

俺「それほぼ最初っからじゃないですか!あぁ...恥ずかしい」

 

霊夢「恥ずかしいのは私の方よ ちょっとからかおうとして寝たふりしてたら急に「かわいい」とか言い出すんだもの」

 

俺「え、えぇ~と...」アタフタ

 

霊夢「...ハァ」

 

 

霊夢「それで 勝負の事だけど...」

 

俺「あ、すみません 殴ってしまって...大丈夫ですか?」

 

霊夢「霊力でガードはしてたし、鬼に比べれば全然余裕よ」

 

俺「...よ、よかったです(鬼とタイマンだと...?)」

 

霊夢「で、勝敗だけど油断したとはいえ完全に私の負けよ あまり乗り気ではないけど異変解決を手伝ってもいいわ」

 

俺「あ、ありがとうございまs」

 

霊夢「そのかわり!危ないと思ったらすぐに逃げて頂戴 死なれでもしたらそのあとの異変解決に支障がでるわ」

 

俺「あはは~大丈夫ですよ 俺の能力で外部からの攻撃では死にませんから」

 

霊夢「...メディスン 幽々子」

 

俺「分かりました 気を付けます」

霊夢さんに言われて気づいたが確かにその辺りの人物には気を付けなければならない メディスンは毒 幽々子さんは命そのものを奪う...俺の能力を無視して攻撃出来る奴は大勢いる...気を付けなければ

 

霊夢「分かればよろしい 改めて宜しく、実弦」

 

俺「こちらこそ宜しくお願いします 霊夢さんの盾となり矛となりましょう!」

 

霊夢「...」

 

 

紫「あらあら♪無事に霊夢と和解出来たようね」

 

俺「あ、紫さん」

 

霊夢「紫...何で私と実弦が同じ布団で寝てるのよ」

 

俺「(あ、やっぱり気になるんだ)」

 

紫「ん~...なんとなく?」

 

霊夢「あんたねぇ...」

 

紫「実弦さんはどう?霊夢の寝顔、可愛かったでしょう?」

 

俺「はい、とっても」即答

 

霊夢「調子に乗らない」ゴンッ

 

俺「あはは~...ところで魔理沙さんは?」イテテ

 

紫「暫く起きなさそうだから図書館に行ってくる~って言って10分前に出てったわよ」

 

俺「(10分前...)」

 

紫「そうそう、マイスペルカードおめでとう 中々強そうな技ね」

 

俺「まさか俺も出来るとは思いませんでしたよ 運が良かっただけです」

 

霊夢「土壇場で良くできたわね 本当びっくりしたわ、私の夢想封印を全て弾き返すなんて」

 

紫「修行すればもっと強いスペルカードを創れるわよ...って事で協力者を呼んでいるわ」

 

霊夢「協力者?」

 

俺「(修行と言えばあの人しか...)」

 

紫「どうぞ~♪」

 

 

そして紫さんに呼ばれやって来たのは...

 

華仙「初めまして、貴方が実弦さんですね。私は茨木華扇 妖怪の山に住んでいる仙人です。今回は紫に頼まれて明日から貴方の修行の手伝いをする事になりました。以後よろしくお願いするわ」

 

霊夢「げげっ よりにもよって仙人...」

 

華仙「霊夢!げげっ とは何ですか!聞きましたよ!昨日幻想郷に来たばかりの人間に負けたと 油断していたとすれば言語道断!日々の修行が足りていない証拠!自分の実力を過信し過ぎているからそうなるのです!」

 

霊夢「ハァ...こうなるから面倒なのよね...」

 

華仙「」クドクド

 

感動だ、まさか華仙さんの生説教を聞けるとは...東方茨歌仙は傑作だったなぁ

 

紫「まぁまぁ華仙、説教もそのぐらいにして実弦に挨拶させてあげないさい」

 

俺「あ、初めまして 堂本実弦 です。お会いできて光栄です!(おっぱいでかい...)」

 

華仙「よろしく 早速だけど貴方の事を色々聞いてもよろしいですか?」

 

俺「全然良いですよ あと敬語なんか使わなくても大丈夫です」

 

華仙「そう、ありがとう 」

 

俺「えーとですね...」

 

 

―少年説明中―

 

俺「てな 感じですかね」

 

華仙「成る程...天狗の新聞も嘘ではなかったのね」

 

俺「新聞?...あっ!?まさか!」

 

華仙「新聞の見出しを貴方が飾ってたわよ?でかでかと「幻想郷を知る謎の男!?」みたいな感じで」

 

俺「えぇ...」

 

霊夢「ん?明日から修行ってもしかして...」

 

紫「そうよ、天狗が面倒な新聞をばら蒔いたせいで貴方に興味を持った妖怪がここ(博麗神社)に殺到するでしょうね、となれば今日は修行どころではないわ。さっきも氷の妖精とその他がやって来たけど寝てるって言ったら大人しく帰って行ったしね」

 

俺「おぉ!じゃあ幻想郷の皆さんに会えるんですね!やったぜ」

 

霊夢「ハァ...」

 

華仙「まぁ、私としては一刻も早く修行の手伝いをしたいのだけれど」

 

コツコツ

 

紫「お、早速誰か来たわよ」

 

神社の階段を上がってくる音が聞こえる、音からして恐らく二人でぐらいだろう

 

霊夢「あ~...足音からしてあいつらね」

 

コツコツ

 

足音は近づき そして足音の主が姿を現した...

現れたのは大きな日傘をさした小学生ほどの羽が生えてる少女とメイド服を着た美しい女性だった...まぁ、ここまで言えば誰が来たのかはすぐにわかる

 

 

霊夢「ハァ~...やっぱりあんたらね」

 

???「久しぶりね霊夢」

 

???「久しぶりですわ」

 

???「...紫と仙人まで居るのね と言うことはそこにいる人間は新聞に載ってた男かしら?」

 

???「恐らくそうですね」

 

???「フフ 幻想郷を知る外来人...なら私の名前も当然知ってるのかしr」

 

俺「レミリア・スカーレットさんですよね 隣にいる方は十六夜咲夜さん 会えて光栄です!」コウフン

 

レミリア「...霊夢?」

 

霊夢「何よ」

 

レミリア「私達の事この男に話したの?」

 

霊夢「何で話す必要があるのよ」

 

レミリア「...天狗の新聞も侮れないわね」

 

俺「いや~ こんなにも早くお二人に会えるなんて幸運です」

 

咲夜「ご存知でしたとは、光栄です」ペコリ

 

俺「いえいえ、外の世界では有名ですから」ペコリ

 

レミリア「ちょっ 咲夜!?なに普通に会話してるの!?普通驚くでしょ?」

 

咲夜「え?新聞通りですよ?」

 

レミリア「...ハァ」

 

霊夢「それで?わざわざ新聞の内容を確かめに来た訳じゃないでしょ?」

 

レミリア「半分そうだけど もう半分は違うわ」

 

霊夢「と言うと?」

 

レミリア「新聞を見た私の親友がこの人間に興味を持ったみたいでね 神社に居たら借りてきてって頼まれたのよ。なんか聞きたい事?があるらしいわ」

 

俺「パチュリーさんが俺に話?はて何でしょう...魔法の研究なんか俺手伝えませんし...!?と言うことは紅魔館に行けるんですね!いや~早く美鈴さんやフランさんに会いたいなぁ」ペラペラ

 

レミリア「...」

 

霊夢「...」

 

レミリア「...霊夢」

 

霊夢「教えて無いわ」

 

レミリア「えぇ...と、取り敢えず!私の屋敷に来てもらうわ!」

 

俺「いいですか?紫さん」

 

紫「別にいいわよ さっきも言った通り今日は修行しないし」

 

レミリア「決まりね!じゃあ早速行くわよ!咲夜、紅魔館に戻るわよ!」

 

咲夜「承知しました。では...」

 

俺「あぁ、実弦です」

 

咲夜「実弦様 今から紅魔館に参りますので付いてきてください」

 

霊夢「...ったく、客人には態度が良いんだから...」

 

咲夜「あら、お嬢様が直々に招待した方ですもの 丁重に扱うのは当然ですわ」

 

レミリア「霊夢も来て良いわよ ちょうど良い茶葉が手に入ったからご馳走するわ」

 

霊夢「お供します」

 

俺「(ぶれないなぁ...)」

 

霊夢「早速行くわよ!」

 

咲夜「霊夢、あんまりはしゃがないでね」

 

霊夢「ちょ、何でレミリア直々に招待されたのに私には普通の態度なのよ!」

 

咲夜「ふふ」ニコッ

 

俺「(美人だなぁ)」ポー

 

霊夢「...」ゲシッ

 

俺「!? 痛ッ えぇ...」

 

紫「フフ 気をつけていってらっしゃい♪」

 

俺「あ、夕方までには帰ります それじゃあ行ってきます」イテテ

 

こうして俺は博麗神社を後にして紅魔館へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「...」

 

華仙「...」

 

華仙「随分あの人間に優しくしますね」

 

紫「...当たり前よ」

 

紫「下手に厳しくして異変解決を放棄でもされたら大変だわ」

 

華仙「今回の異変...やはり初代博麗のm」

 

紫「それ以上は言わなくて結構よ。そのぐらい私も分かってる...いや私が撒いた種よ」

 

華仙「貴方のせいではない。貴方はあの時正しい判断をした...それは幻想郷の皆が思っています」

 

紫「そう言ってくれると助かるわ」

 

紫「あ、そうだ 人里に新しいだんご店が出来たのだけれど今から一緒にどう?」

 

華仙「お、良いですね 早速行きましょう。ちょうど小腹が空いてたんですよ」

 

紫「了解 開店セールで大人気だから無くなる前に早く行きましょうか♪ささっ スキマにどうぞ」ブゥゥン

 

華仙「それは大変ですね では失礼します」ヨッコラセ

 

 

紫「...」

 

 

紫「(頼んだわよ、実弦)」

 

 

 

 

 



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九話 紅い館

 

―道中にて―

 

レミリア「そう言えば、咲夜は外の世界では有名って言ってたけどどういうこと?」

 

俺「あぁ、外の世界に幻想郷が舞台となってるゲームがあるんですよ 勿論レミリアさんも出ますよ」

 

レミリア「ふ~ん 不思議な事もあるものね 勿論私も人気なのでしょう?」

 

俺「とても人気ですよ...そう!カリスマが溢れ出ていて!ハイ」

とても かりすま(笑) とか カリチュマ なんて言えない...

 

レミリア「そうよね!やっぱり外の世界でも私のカリスマは溢れ出ているのね」キラキラ

 

俺「あはは...」

 

 

チョンチョン

 

俺「ん?咲夜さん何ですか?」

 

咲夜「本当は?」(ボソッ

 

俺「うー☆」(ボソッ

 

咲夜「ふふ♪お嬢様には内緒ですよ?」

 

俺「勿論です」

...まさか本当にレミリアさんがカリスマ(笑)だったとは...意外?な事実だ

 

レミリア「ん?何コソコソ話してるのよ。ほら、もうすぐ紅魔館に着くわよ」

 

 

神社を出て数十分 他愛のない話をしながら歩いているとやっと紅魔館が見えてきた

 

霊夢「いつ見てもでっかい屋敷ね~ 掃除が大変そうだわ」

 

咲夜「時を止めればあっという間ですわ」

 

俺「それは咲夜さん以外の人の反応ですよ」

 

レミリア「...その反応から咲夜の能力まで知ってるのね 本当に貴方一体何者よ」

 

俺「ただの人間ですよ」

 

レミリア「とても ただ の人間には見えないけど...ほら門に着いたわ...って」

 

紅魔館の門に着くとそこには二次創作ではお馴染みの寝る門番がそこにはいた

 

???「Zzz...」

 

レミリア「...咲夜」

 

咲夜「分かりました」

 

パチン!

 

咲夜さんが指を鳴らした瞬間、寝ている門番を無数のナイフが襲った

 

ザシュッザシュッ

 

???「痛ッーーーー!?」

 

レミリア「ハァ...全く紅魔館を出る前に起こしたばっかりでしょうに」

 

???「イテテ...すみません」

 

咲夜「やっぱりナイフでは分からないのかしら?次からはもっと痛いのを...」

 

???「い、いえ!大丈夫です!次からは気を付けます!...っと そちらの方は お嬢様が言っていた人ですね」

 

俺「美鈴さんですね?初めまして堂本 実弦と言います」

 

美鈴「はぇ~ 本当に新聞の通りですねぇ その通り!私は 紅 美鈴 紅魔館の門番をやってます!」

 

レミリア「はいはい 眠れる館の門番さん 門を開けてくれるかしら?」

 

美鈴「あはは~すみません 今すぐに開けますね」

 

ギィィィィ...

 

レミリア「さっ 早く図書館に行くわよ」

 

咲夜「美鈴、次は無いわよ」ジロッ

 

美鈴「わ、分かってますよ」アセアセ

 

俺「(サクメイ?)」

 

霊夢「ちゃんと紅茶よこしなさいよ」

 

 

~~~館内~~~

 

俺「いや~ 感動ですよ、まさか本当に紅魔館に来れるなんて...」

 

レミリア「そう?毎日見ればすぐに飽きるわよ」

 

俺「(爆発は...流石にしないか)」

 

俺「パチュリーさんは大図書館にいるんですよね?」

 

レミリア「そうね 普段...いえ、外に出ることは全く無いわね ずっと図書館に居るわ、その内コケでも生えて来そうだわ」

 

咲夜「着きました、この扉の先が大図書館となっています」

 

レミリア「開けて頂戴」

 

咲夜「はい」

 

ギィィィィ

 

扉が開き、目に飛び込んで来たのは予想を遥かに越える本棚の量...

 

俺「お、おぉ...凄い これが大図書館ですか...辺り一面本だらけ...」

 

レミリア「フフ 凄いでしょ? っと パチェー!新聞に載ってた人間を連れて来たわよー!」

 

レミリアさんが声を掛けた方向を見るとそこには、本を眺めている少女の姿があった

そして、レミリアさんの声に気づいた少女がこちらにやって来た

 

 

???「レミィありがとう」

 

レミリア「全く、あまりこき使わないでよ?」

 

???「善処するわ それより...ふ~ん 貴方が新聞に載ってた幻想郷に詳しい外来人ね」

 

俺「いやぁ~新聞何かに載りたくなかったんですけどねぇ」

 

???「ふ~ん...まぁいいわ 私はパチュリー・ノーレッジ 魔女よ」

 

俺「堂本 実弦 です。して、俺に聞きたいこととは?」

 

パチュリー「立ち話もあれだから 取り敢えず座りましょ、貴方の知り合いも来てるわよ」

 

俺「(知り合い?魔理沙さんかな?)」

 

霊夢「紅茶ぁ...」

 

レミリア「そうね 私と霊夢は別室でティータイムにでもしましょうか」

 

咲夜「かしこまりました」

 

レミリア「じゃあ二人とも 少し経ったらここにまた来るわね」

 

パチュリー「分かったわ」

 

俺「了解です」

 

そして霊夢さん達は別室へと歩いて行った...

 

 

パチュリー「さて、そこのテーブルの椅子にでも座ってて頂戴 私は本を持ってくるわ」

 

俺「あ、分かりました」

 

言われた通りテーブルに足を進めるとそこには先客が二名座っていた

 

俺「あっ」

 

 

魔理沙「おー実弦 奇遇だな」

 

アリス「あら、ちゃんと神社にたどり着けたみたいで良かったわ」

 

俺「魔理沙さんにアリスさん!なぜ図書館に?」

 

魔理沙「私は本を借りようとしたら捕まってここに」

 

アリス「私はパチュリーに教えて欲しい魔導書があったから来ただけよ」

 

魔理沙「まぁ、座れよ 話はそれからだぜ」

 

俺「あ、じゃあ 失礼します」ヨイショ

 

魔理沙「実弦はパチュリーに呼ばれたんだろ?」

 

俺「まぁ、詳しく言えばレミリアさんを通じて間接的に呼ばれたんですがね」

 

アリス「パチュリーがわざわざ?そんなに大事な話なのかしら?」

 

俺「さぁ?今本を持ってくる見たいですけど...」

 

魔理沙「外来人は珍しいから実験体にされたりしてなw」

 

アリス「ちょっと魔理沙 そんな事パチュリーがするわけ...あり得なくはないわね」

 

俺「えっ」

 

魔理沙「全身の血液を抜かれ ホルマリン浸けにされたり...魔女なら平気でするぞ...」ニタッ

 

俺「ヒェッ」

そ、そうだ 仮にも悪魔の友人 しかも魔女だその気になればやりかねない...そう言えば俺の能力は大量出血時はどうなるのだろうか...

 

 

パチュリー「ちょっと人を極悪魔女に仕立てあげるのは止めて頂戴」

 

魔理沙「あはは 悪い×2」

 

アリス「実は?」

 

パチュリー「ちょっとやってみたい」

 

俺「ヒェェ」

 

パチュリー「嘘よ嘘、アリスまで調子に乗らないで」

 

アリス「ウフフ♪」

 

パチュリー「ハァ...で実弦と言ったかしら?」

 

俺「は、はい」

 

パチュリー「怯えないでよ...もうそんな事はしないわよ」

 

俺「(過去形...)」

 

パチュリー「まぁいいわ 今回貴方を呼んだのはちゃんと理由があるわ」

 

俺「な、何でしょうか?」

 

魔理沙「♪~♪~」

 

アリス「...」ホンヨミー

 

パチュリー「...簡単に言うと貴方が欲しい」

 

俺「ファッ!?」

魔理沙「ブフォッ!」

アリス「///」

 

パチュリー「あ、間違えた 正しくは貴方の体の一部が欲しい...ね」

 

魔理沙「おいおい...」

 

アリス「///」

 

俺「体の一部?髪の毛とか爪とかですか?」

 

パチュリー「そう言うこと」

 

俺「何故に?実験につかうんですか?」

 

パチュリー「最近変な妖力が幻想郷に溢れ出ているでしょ?」

 

俺「!? 何故それを!?紫さんは一部の妖怪ぐらいしか知らないって...」

 

パチュリー「図書館で本を読んでるだけと思ったら大間違いよ 魔力の研究をしていたら何やら怪しげな妖力を見つけたんでね、その妖力を調べると幻想郷の全ての力に耐性を持ってる...そしてそのタイミングで外来人...恐らくあのスキマ妖怪が貴方に異変解決を懇願でもしたのでしょ?」

 

俺「...凄いですね その通りです」

 

魔理沙「おぉ流石パチュリーだぜ」

 

アリス「ふ~ん 魔法の森が最近おかしいと思ったら そんな事になってたのね」

 

俺「でも何でそれで俺の体の一部が欲しくなるんですか?」

 

パチュリー「まだ出来るか分からないけど貴方の持ってる霊力を研究して今幻想郷に漂ってる妖力の特効薬を作りたいのよ そのためには貴方の体の一部が必要不可欠ってわけ」

 

俺「ほぇ~そんな事も出来るんですねぇ なら別に髪の毛ぐらい別にいいですよ」

 

魔理沙「おっと もし薬が出来たら私にも飲ませろよ」

 

パチュリー「出来たらね」

 

そして俺はパチュリーさんに自分の髪の毛(数本)と爪を切ったのを渡した。量が少ないと思ったがこれで十分らしい

 

パチュリー「ありがとう 助かるわ」

 

アリス「ん~...早苗はダメなの?」

 

パチュリー「守矢の巫女は現人神だし それ以前にあの娘は霊力と言うより神力の方が多く持ってるわ 神力は神の力ゆえ資料も少ないし色々大変なのよ」

 

アリス「ふ~ん 色々難しいのね」

 

パチュリー「貴方も魔女でしょう...」

 

魔理沙「私も知らなかったぜ?いつも魔力の研究しかしてないからなぁ~」

 

パチュリー「ハァ...これで用は済んだのだけれど...どう?紅茶でも飲んでいく?レミィ達もまだ帰ってこないし私も少し外の世界には興味があるのよ」

 

俺「外の話ぐらい全然構いませんよ 紅魔館の紅茶も飲んでみたかったですし」

 

パチュリー「そう」パチン

 

咲夜「お待たせしました」

 

俺「うお!?」

 

魔理沙「お、私の分もあるな!ありがとうだぜ」

 

アリス「頂くわ」

 

パチュリー「ありがとう咲夜 戻っていいわよ」

 

咲夜「分かりました 何かありましたらまたお呼びください」ペコリ

 

パッ

 

俺「き、消えた いや時を止めたのか...」

 

魔理沙「どうだ?生で見ると凄いだろ?」

 

パチュリー「咲夜は貴方の物じゃないわよ」

 

アリス「そうよ 魔理沙は私のものよ」

 

魔理沙「...」

 

 

魔理沙「紅茶...上手いな」

 

パチュリー「そうね」

 

アリス「」

 

パチュリー「実弦、外の世界の話を聞かせて頂戴」

 

俺「あ、はい」

 

 

―そして時は過ぎ夕方に―

 

 

俺「てな感じですね」

 

パチュリー「ふ~ん 外の世界も大分変わったのね」

 

俺「大分変わった?」

 

パチュリー「いや、こっちの話よ」

 

俺「そ、そうですか(パチュリーさん元外の世界出身説が微レ存?)」

 

バンッ!!

 

レミリア「パチェー!話は終わったかしら~?」

 

パチュリー「あら、とっくに終わってるわよ」

 

アリス「随分長かったわね 何話してたの?」

 

レミリア「まぁ色々ね」

 

霊夢「じゃあ そろそろ帰りましょうか 早く帰らないと紫がうるさいし」

 

レミリア「そう、咲夜 霊夢達を門まで案内してあげなさい」

 

咲夜「かしこまりました」

 

魔理沙「よし!私も帰るか!パチュリー紅茶ありがとうな」

 

パチュリー「それは咲夜に言いなさい あと実弦、今日はありがとう」

 

俺「いえ、髪の毛と爪ぐらいでそんな...」

 

アリス「私はもう少しいるわ」

 

咲夜「では実弦様とその他はこちらにどうぞ」

 

霊夢「は?」

魔理沙「あ?」

 

レミリア「咲夜」

 

咲夜「ウフフ♪冗談ですわ」

 

魔理沙「全く...(まぁ本を手に入れたからいいか)」ウシシ

 

パチュリー「魔理沙、本返して頂戴」

 

魔理沙「ファッ!?」

 

 

―帰路にて―

 

魔理沙「はぁ~ せっかく本を借りれると思ったのに...」

 

霊夢「借りるねぇ...」

 

魔理沙「死ぬまでな おっと、私はこの道だからじゃあな」

 

霊夢「はいはい じゃあね」

 

俺「また明日~」

 

魔理沙「おう」

 

 

 

俺「ふぅ~今日は沢山の方に会えて楽しかったです」

 

霊夢「...」

 

俺「? 霊夢さん?」

 

霊夢「...修行...頑張らないとね」

 

俺「え?あ、はい そうですねぇ頑張りますよ」

 

霊夢「レミリアと話してたんだけど...」

 

俺「?」

 

 

霊夢「少し前、フランが今回の異変の妖気に当てられて暴走しかかったらしいわ」

 

俺「!? それ本当ですか!?だとしたら結構不味いですよ!紫が考えている以上に異変の進行が早いってことですよね?」

 

霊夢「そう言うことね まぁその場はパチュリーが魔法で眠らして助かったらしいのだけれど」

 

俺「けど、パチュリーさん そんな事言って無かったような...」

 

霊夢「レミリアがあまり公表しないようにしてるんですって 変な噂が流れたら面倒くさいって」

 

俺「そうですか...(だから今日フランさんに会わなかったのか 恐らく地下室で...)」

 

霊夢「明日からは私も一緒に修行するわ お互い頑張りましょう」

 

俺「勿論です!」

 

 

 

そう言った霊夢さんの額からはうっすら汗が滲んでいた...霊夢さんも相当焦っているのだろう...

果たして飽き性の俺に修行が出来るのか不安になったが、幻想郷のため改めて頑張ろうと決意した

 

 

 

 

 







果たしてこれからどうなるのか...









ドレミー新作登場おめでとう!


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十話 修行1日目

 

 

俺「ハァ...ハァ...ハァ」プルプル

 

華仙「遅い!まだ後60回も残ってますよ!」

 

俺「は、はい...ハァ」プルプル

 

昨日は神社に帰った後 普通に風呂に入り普通に霊夢さんの手作り料理(めちゃうま)を食べて床についた

そして今日 今日は朝から修行をしている。今は腕立て伏せをして体力をつけている...なんか違う

なんかこう...弾幕を撃つために力を集中させる...みたいな修行だと思ったのだが...

 

華仙「あと59回!」

 

俺「あ...ぅ...」プルプル(チラッ

 

霊夢「ハァーー...破ッ!」

 

チュドーン

 

霊夢さんは隣で弾幕を撃つ修行をしている 今さらそんな修行しなくても良いと思うが...

 

俺「あ、あの~華仙さん?」プルプル

 

華仙「何ですか?」

 

俺「俺も弾幕を撃つ練習とかって...」

 

華仙「ばかもの!!!!」

 

俺「!?」

 

華仙「貴方はまだ弾幕を撃つのは早すぎます!まずは体力作りからです!いいですか?霊力と言うものは精神そのものです!貴方は霊力が少なすぎる!そんな者がいきなり弾幕を撃つなど一発打って気絶して終わりです!現に霊夢との勝負でスペルカードを使ったら気絶したでしょう?」クドクド

 

俺「は、はぁ...」プルプル

言ってることは正論だが...うん

 

華仙「分かったら さっさと終わらせる!後50回ですよ」

 

俺「はい...」プルプル

 

 

ブゥゥン

 

紫「あら、朝から頑張るわね」

 

俺「ゆ、ゆかり...さん」ハァ ハァ

 

華仙「ほら!喋らない!」

 

紫「お手柔らかにお願いしますわ」

 

華仙「これでも大分優しくしてますよ」

 

俺「(こ、これで優しいだと!?やはり鬼か!)」

 

紫「ま、霊夢も珍しく修行してるし 良いことね♪」

 

俺「えぇ...」

 

華仙「」ギロッ

 

俺「...」プルプル

 

―――

 

―――――

 

―――――――

 

華仙「よし!午前の修行はこれで終わりです!」

 

俺「...ヒュー...ヒュー...」ピクピツ

 

霊夢「ちょっと大丈夫?」

 

俺「だ、大丈夫...です」

 

紫「お疲れ様~」

 

華仙「取り敢えずお昼にしましょうか 私が用意します 実弦は顔でも洗ってきなさい」スタスタ

 

俺「は、はいぃ」

 

霊夢「...華仙のやつ弟子が出来て嬉しいのよ 別に単に厳しくしてるわけじゃないから安心しなさい」

 

俺「で、弟子では無いんですけどね...じゃあ顔を洗ってきます」スタスタ

 

―昼食―

 

華仙「」モグモグ

 

霊夢「」モグモグ

 

紫「♪」モグモグ

 

俺「...」モグモグ

華仙さんの料理...普通に上手くて何か悔しい

 

紫「で、華仙?午後はどんな修行を?」

 

華仙「う~ん 洞察力と瞬発力を鍛えます 私の撃った弾幕をひたすらに避ける と言う修行ですね」ドヤッ

 

俺「」サーッ

 

霊夢「...」ウマウマ

 

紫「まぁ、頑張って頂戴」

 

俺「が、ガンバリマス」

 

 

 

―修行中―

 

 

華仙「次は右!」

シュッ!

 

俺「はい!」バッ

 

華仙「左!」

 

シュッ!

 

俺「ウォッ!」バッ

 

華仙「」

 

シュッ!

 

俺「え?」

 

ピチューン

 

 

華仙「はぁ...全く、ちゃんと弾幕を見なさい これではいつまでたっても避けれませんよ?」

 

俺「うぅ...すみません」

後悔した...いくら苦手とてちゃんと原作をプレイしていればもう少しましだったのでは?と思う

 

俺「...」シュン

 

華仙「...分かりました 修行内容を変更しましょう」

 

俺「え?」

 

華仙「多少早いですが霊力のコントロールの修行をします 一応明後日ぐらいから始めようと思ったのですがまぁ 良いでしょう」

 

俺「あ、ありがとうございます」

 

華仙「例など要りません さっ始めますよ?霊力の修行は素人はあまり長時間出来ないので良く聞きなさい」

 

俺「承知!」

 

華仙「調子がいいんだから...(まぁこの調子じゃ今日中に弾幕が撃てるかどうか)」

 

 

 

―弾幕修行中―

 

 

 

俺「ハァーー...」

 

シュゥゥー

 

俺「...オラァッ!」

 

ボンッ!!

 

岩(ギャー コナゴナ

 

 

俺「やったぜ」

霊力の修行を初めて2時間 意外にも早くコツが掴め連射は出来ないが弾幕を撃てるようになった

 

俺「どうですか!華仙さん!」

 

華仙「な、中々ですね」

 

紫「おぉ~ 凄い上達ね2時間足らずて弾幕が撃てるようになるなんて しかも凄い威力」

 

俺「よし!このまま連射も出来るようにs」

 

紫「それは無理ね」

 

俺「ファッ!? 何故に!?」

 

紫「前に言ったけど貴方はもってる霊力が少ないのよ その代わり品質はいいのよね...言うなれば貴方は完全にパワー型ね」

 

華仙「そう 単発でしか撃てないのなら一発々のタイミング見切らなければ相手には当たらない...そのために洞察力と瞬発力の修行をしてたのよ」

 

俺「パワー型...」

 

紫「霊力の質はとても良いのよ?修行次第では博麗に匹敵する程になるわ ただ...量がね」

 

華仙「それだけが欠点...」

 

俺「oh...」

宝の持ち腐れ とは良く言ったものである。正しく今がその状況だ

 

紫「でもほら1日で弾幕が撃てるようになったのは凄いわ!鍛えればどんどん強くなるわよ!」アセアセ

 

華仙「そうです 努力しないことには何も始まりません」

 

俺「!? そうだ!」

 

紫「? どうしたの?」

 

俺「武器とか使えばどうでしょう?それを使えば多少は霊力の少なさをカバーできるんじゃ」

我ながらナイスアイデアだと思った 今の俺の攻撃方法は拳か単発の弾幕、それと一回しか使ってないスペルカードのみ しかし武器を使えばもっと霊力の使い方も幅が広がるはずだ

 

紫「武器ねぇ」

 

俺「そうです!魔理沙さんの持ってる八卦炉みたいな一品じゃなくていいんで何か...」

 

紫「う~ん...華仙は何かある?」

 

華仙「あるにはありますが人間には扱えないものばかりですし...」

 

霊夢「あら、あるじゃない神社の蔵に刀が」

 

俺「刀!?」

 

紫「霊夢、それはダメよ6代目博麗の巫女が使ってた大切な遺品よ」

 

霊夢「別にいいじゃない このまま誰にも使われないより誰かに使って貰った方が刀も嬉しいわよ」

 

紫「で、でも...」

 

華仙「一度取り敢えず渡してみては?博麗の力は合う合わないがありますから 一度、実弦に使わせて実弦の霊力がその刀と合えば使わせていいと言うことで」

 

紫「むぅ...分かったわ 博麗の力がただの人間の霊力と合うとは思えないけれど...」ブゥゥン

 

そう言って紫さんはスキマの中から長い木箱を取り出した

 

俺「その箱の中に刀が?」

 

紫「そう、6代目博麗の巫女は巫女の癖に刀を使ってたのよね 対妖怪の刀だから私も素手では触れないわ」

 

そして紫さんがその箱を俺に渡してきた

 

俺「取り敢えず開けますね」

 

紫「そうして頂戴」

 

箱を開けると中には一本の刀が入っていた

これが6代目博麗の巫女の武器...原作では語られなかった裏話みたいでわくわくする

そして俺はその刀を腰にかける

 

俺「おぉ!それっぽいですね」

 

紫「それで?持った感じどう?」

 

俺「どうって言われましても...」

 

霊夢「取り敢えず振ってみれば?」

 

俺「ですね」

俺はゆっくり鞘から刀を抜く...

 

ポゥ...

 

俺「ん?」

今何か感じた様な...

 

華仙「...実弦、刀に霊力を集中させてみなさい」

 

俺「ん、分かりました」

俺は言われた通り刀に力を集中させる...すると

 

ブゥゥン...

 

俺「!? 刀が光った!?」

力を集中させた瞬間 刀は青白く淡く光だした...

 

紫「まさか...」

 

華仙「大当たりと言ったところですね」

 

霊夢「実弦 あんたやるじゃない」

 

俺「え?え?何ですか?」

 

紫「簡単に言うと貴方の霊力と博麗の力が似てるって事よ ハァ...馬鹿馬鹿し とんだ上玉を誘ったものね私も」

 

華仙「これはこれは...後の修行が楽しみです」ニコッ

 

俺「え?うん?」

 

紫「もう夕方だから修行は止めよ止め ご飯の用意をするからお風呂に入って来なさい。刀は貴方にあげるわ」スタスタ

 

霊夢「ふぅ~ 今日は修行で疲れたわ~」スタスタ

 

華仙「明日の修行内容を考え直しますか」スタスタ

 

俺「え?えぇ~」

青白く光る刀を手にしたまま俺はその場に残されたのだった

 

 

 

 

 



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十一話 酒は飲んでも飲まれるな

―その日の夕食にて―

 

俺「」モグモグ

霊夢「」モグモグ

華仙「」モグモグ

紫「」モグモグ

 

 

...気まずい,あれから紫さんは一切言葉を発しないし、華仙さんは妙に嬉しそうだし 霊夢さんは...

 

霊夢「(うめぇ)」モグモグ

いつも通りか...

 

 

紫「...ねぇ、実弦?」カラン

紫さんが箸を置いて言った

良かった、口調から察するに別に怒ってはいないようだ

 

俺「な、何でしょうか?」

 

紫「貴方...ご先祖に博麗の巫女とかいた?」

 

俺「ブフッ!?何を言い出すんですか!?いるわけないでしょう!」

 

紫「そうよねぇ...じゃあ、博麗で無くとも巫女とか霊媒師とかはいなかった?」

 

俺「いえ...家は昔から農家だったって聞いてますけど...遠い親戚は武士だったらしいですが...」

 

紫「ふ~ん...不思議ねぇ 何故貴方の霊力が博麗の霊力と似てるのかしら...」

 

霊夢「偶然でしょ 外の世界には70億人もの人間がいるんでしょ?」モグモグ

 

紫「偶然ねぇ...」

 

華仙「兎も角、明日から霊力の修行を中心に行います。このまま中途半端にしとくのは勿体無い」

 

紫「まぁ、いいわ さっきも言ったけど あの刀は貴方に託すわ。ちゃんと使いこなしなさいよ」

 

俺「全力で頑張ります」

 

霊夢「」モグモグ...

 

霊夢「...ふぅ ごちそうさま」

 

紫「私もごちそうさま じゃあ私はもう帰るわね」

 

俺「あ、今日は色々ありがとうございました ではまた明日」

 

紫「いやぁ~ 礼儀正しくて嬉しいわ~♪誰かにも見習って欲しいわね」チラッ

 

 

霊夢「あ~、食った×2」

 

紫「...」

 

霊夢「何よ」

 

紫「...実弦 じゃあね」スキマオープン

 

俺「お疲れ様です」ペコリ

 

霊夢「?」

 

そして紫さんはスキマの中に消えていった...

 

華仙「では私も失礼します」ヨイショッ

 

俺「皿洗いは俺がやるんで大丈夫です」

 

華仙「では食器を冷やしてから帰りますね」スタスタ

 

霊夢「」ボー

 

俺「...」

 

霊夢「嘘よ嘘、冷やして来るわよ」スタスタ

 

俺「ハァ...k」

紫「かわいいわねぇ(ボソッ」スキマオープン

 

俺「ウォッ!?ゆ、紫さん!?なんで戻ってきたんですか!?」

 

紫「いや、ちょっと気になって?」

 

俺「(神出鬼没とはこの事か)」

 

紫「どう?霊夢と同じ屋根の下での暮らしは?」

 

俺「まぁ、幻想郷に来てまだ3日ですけどね...正直に言うと めちゃくちゃ嬉しいです。長年の夢が叶って」

 

紫「やっぱり変わってるわねぇ~ あんな我儘な娘が好きなんて」

 

俺「そこが良いんですよ 誰に対しても平等な態度...裏表の無い性格...そこに俺は惹かれたんです」

 

紫「ふ~ん ま、仲良くね?」ニヤッ

 

俺「どういう意味の 仲良く 何ですかねぇ」

 

紫「ふふ♪じゃ 今度こそさようなら」スキマオープン

 

俺「はい また明日」

紫さんがスキマに入ると同時に霊夢さんが台所から戻ってきた

 

 

霊夢「ふぅ...冷やしてきたわよ」

戻ってきた霊夢さんを良く見ると霊夢さんは両手に何やら瓶を持っていた

まさか...

 

俺「まさか手に持ってるのって...」

 

霊夢「おぉそのまさかよ お さ け よ♪」ニコッ

 

俺「(可愛い!)じゃなくて!ダメです!俺は未成年ですよ!?」

 

霊夢「あ~...そう言えば外の世界には法律?ってのがあるんだっけ」

 

俺「そうですよ、それに持ってるの日本酒ですよね?俺がいきなりそんなの飲んだら明日ヤバイですよ」

 

霊夢「ここは幻想郷よ?別にいいじゃない それに二日酔いも永琳のお墨付きの薬があるから大丈夫よ」

 

俺「し、しかし...初酒が日本酒ってかなりキツイんじゃ...」

 

霊夢「なに?私のお酒が飲めないって言うの?」ムスッ

 

俺「いや、別にそんなんじゃ...」

 

霊夢「せっかく今日は修行を頑張ったからと思って持ってきたのに...」

 

うぅ...幻想郷では酒は会話と言うし 何より霊夢さんからの誘いだ...

 

俺「わ、分かりましたよ けどあまり飲めませんよ?」

 

霊夢「フフッ そうこなくっちゃ!今日は仙人もいないからどんどん飲むわよ~!」

 

俺「ほどほどにお願いしますよ...」

 

 

―数十分後―

 

 

霊夢「えへへぇ~♪」ベタベタ

 

俺「ちょっ!霊夢がさん近いですって!」

駄目だ...完全に出来上がってしまった

結局俺は初酒と言うこともあって全く飲んでいない

 

霊夢「おら~どうした~ もっと飲みなさいよ~」グリグリ

 

俺「れ、霊夢さん!肘で脇腹をグリグリしないで下さい!」

酒癖が悪い上にザルとは...恐れ入った

 

霊夢「ん~ 何なら私が直接飲ましてあげようか?」ニヤッ

 

俺「ファッ!?」

な、何を言ってるんだこの巫女は!?

 

 

霊夢「ほら~ どうなの~?」フフッ

 

俺「そ、それじゃあお願いしm」

霊夢「嘘よ~ えいっ」ペシッ

 

俺「あうっ...()」

おのれ童貞の心を弄びおって...

 

俺「」

 

霊夢「...」

 

霊夢「嬉しかった」

 

俺「へ?」

 

霊夢「紫との会話...聞こえてたわよ」

 

俺「!?」

 

俺「マジですか...」

 

霊夢「残念ながらマジよ」

 

俺「oh...恥ずかしい」

 

霊夢「...」

 

霊夢「人里の人間は違ったわ...」

 

俺「え?」

 

霊夢「人里の人間は博麗の巫女を恐れていた...妖怪退治が生業と言えど元人間の妖怪を平気で殺す...それが理由で博麗の巫女は感謝もされ忌み嫌われて来たわ...まぁ弾幕ルールが広まってからは多少人里の人間も博麗の巫女に対して理解してきたけど まだまだ...」

 

俺「霊夢さん...」

 

霊夢「だから嬉しかった...まさか会って3日目の人間からあんな言葉が出るなんて思ってもみなかったわ」

 

俺「あはは...お恥ずかしい」

 

霊夢「貴方は凄いわ あんな事を平然と言えるんだもの、私なんかこうしてお酒の力を借りないと こうして感謝の気持ちも言えない...私なんてまだまだ貴方が思ってる以上に弱いわよ」

 

俺「そんな事ないですよ 霊夢さんは十分強いです!十分に幻想郷のために頑張ってますよ!」

 

霊夢「そう...ありがとう...優しいのね」ニコッ

 

俺「いえ、そんな///」

 

 

俺「...って」

霊夢「Zzz...」

 

俺「えぇ、このタイミングで寝るかぁ?普通...」

 

霊夢「Zzz」ムニャムニャ

 

可愛いから許そう

俺「...取り敢えず布団まで運ぶか」ヨイショッ

 

霊夢さんを布団まで運んだ後 俺は皿洗いを済ませて床についた

 

俺「(まぁ 何だかんだで楽しかったな...こんな日々が毎日続けば...)」

俺「止めろ×2フラグ何か建てるな 今日はもう寝るぞ」

 

俺「...」

 

 

俺「......」

 

 

 

 

 

 

―AM2時―

 

俺「ん」バサッ

 

俺「...」

 

俺「飲み過ぎたか...」

時刻は丑三つ時...酒を飲み過ぎたせいかトイレ...廁に行きたくなった

 

俺「...さっさと行くか」ヨイショ

そして俺が用を足しに布団から出た瞬間...不意にも誰かに声をかけられた

 

???「お、やっと起きたね 全く...そろそろ起こそうかと思ったんだがね」

 

俺「!?」

 

 

寝室を出てすぐの縁側に誰かが座っていた,いや誰かは分かった...しかしそれは予想もしていなかった人物?だった

 

俺「な、何で貴方がここに!?」アワワ

 

???「おぉ~ 私の事も知ってるとは恐れ入った まぁ、自己紹介ぐらいさせてくれ」

 

 

そう話すのは緑髪に下半身が幽霊の美しいどこかカリスマを感じる女性...まさかここで出会うなんて...

 

 

 

魅魔「改めて紹介させてもらう!私は 魅魔 この博麗神社に憑く亡霊だ」

 

 














誤字報告ありがとうございます
急いで書いてるので時々(良く)ミスるので暖かい目でみてください


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十二話 亡霊との会話

 

魅魔「この神社に憑く亡霊だ!」

 

俺「」

 

なんと言うことだ...まさかこんなにも早く旧作で最も人気キャラクターと言っても過言ではない 魅魔様に会えるとは...

しかも何やら俺に用があるらしい...こんな夜遅くに訪ねてくるとは一体何の用が...

 

 

俺「う~ん...」

 

魅魔「...」

 

魅魔「なんだい 最近の現代人は自己紹介も出来ないのかい?」ジロッ

 

俺「!?」

蛇に睨まれたカエル...それが今 最も正しい俺の状況だろう

凄いオーラだ...間違いなく逆らったら殺される そんな考えが頭を過った...

 

俺「み、実弦 です...先日幻想郷に来ました」

精一杯の自己紹介...こんなにも怯えながらの自己紹介は初めてだ

 

魅魔「ふむ、ちゃんと挨拶ぐらいは出来るみたいだね」

 

良かった、怒ってはいないようだ...となれば何故ここにいるのか もとい何故俺に会いに来たのかを聞かなければならない

 

俺「あ、あの魅魔s」

魅魔「あの刀はどうだい?」

 

突然 さっき紫さんから譲り受けた刀の話をされて動揺したが俺は精一杯にそれに対する返事を返した

 

俺「え、あぁ まだ実戦には使ってないので何とも...けど何か上手く使えそうな気がします」

 

魅魔「フフ それは良かった 長年研究した甲斐があったよ」

駄目だ...この亡霊が何を言ってるのか全く理解出来ない...研究?何のことだ?しかも刀についてよく知っている様子だし...

 

魅魔「ふむ 訳がわらないと言う顔をしているな...」

 

俺「いや 実際そうですよ 詳しく話を聞かせて下さい」

 

魅魔「まぁ そう慌てるな...そうだな じゃあ、最初は何故お前の霊力と博麗の霊力が似ているかについて話そう」

 

俺「は、はぁ」

 

魅魔「簡単に言えばお前が寝ている間に私お手製の霊力をお前に流し込んだ」

 

俺「そ、そですか...は?」

霊力を流し込んだ?お手製?余計意味が解らない...orz

 

魅魔「いや~ 開発までに何年掛かったことか...魔理沙は元気にしてるかなぁ」シミジミ

 

俺「いや!ちょっと待って下さい!どういう事ですか!?霊力を流し込んだって!?もっと詳しくおs」

 

魅魔「分かったら静かに」ジロッ

 

俺「...はい(怖ぇ)」

 

魅魔「っと その前に一つ」

 

魅魔「...実は今 魔界の方では幻想郷以上に妖力が溢れていてな 結構不味い状況だ。今は魔界神が何とか抑えているが...」

 

俺「!? 魔界が!?でも紫さんはそんな事...」

 

魅魔「つい3日前だ、それまでは多少漏れ出てる程度だったんだがな...」

 

俺「3日前...」

3日前と言えば俺が幻想郷に来た日...何か関係があるのか?

 

魅魔「...霊力の話に戻すぞ 私が博麗の巫女を潰そうとしていたのは知っているか?」

 

俺「はい でも今は神社の守り神的な存在になってると聞きましたが...」

 

魅魔「守り神か...フッ 笑えるな でだ、私は昔博麗の巫女もとい霊夢を倒そうと秘密裏に博麗の力を研究していた」

 

俺「博麗の力...ですか」

 

魅魔「そうだ 霊夢の力の源、博麗の霊力には昔から特別な力を持っている...私はそれに着目し研究を始めた」

 

俺「...」

 

魅魔「まぁ 研究をしているうちに霊夢とも和解をして すっかり神社に通うようになったんだがな だが私は興味本意で研究を続けていた そして先日私は妖力(自分の)と博麗の霊力を掛け合わせたら何かすごい霊力が完成したのよ!」キラキラ

 

俺「...で、それが何で俺に霊力を流し込む事とどう繋がるんですか?」

 

魅魔「いや~ 初めてあんたを見たとき(盗み見)霊力の質は良いんだけど、何か物足りないなぁ って思ってさ そんでこの前完成した使い道の分からなかった霊力を貴方に流し込んだってわけ」

 

俺「は?」

 

魅魔「いやぁ うまい具合に霊力が混ざって良かったわ、下手したら霊力同士が反発して体が腐って死ぬ所だったんだからぁ~」

 

俺「ちょっと!なにしてくれてんですか!もし死んでたらどうするつもりだったんですか!?」

 

魅魔「さぁ?亡霊にでもなれば?」

 

俺「えぇ...って言うかいつ流し込んだんですか?」

 

魅魔「昨日の夜」

 

昨日の夜...確か昨日の夜は変な夢を見た気が...多分霊力を流し込まれたせいか

 

俺「ん?てか 幻想郷で生まれた霊力を流し込んで大丈夫何ですか?」

以前 紫さんは 俺が外の世界の霊力を持っているから今回の異変解決人に選ばれたと言っていたが...

 

魅魔「フフフ それは心配無用 いい具合に混ざってくれたお陰で貴方の霊力は80%が貴方の霊力のまま」

 

俺「80%って...」

 

魅魔「残りの20%が博麗の力よ まぁ、そのお陰であの6代目が使ってた刀を扱えるようになったんだから感謝しなさい」

 

俺「ま、まぁ ありがとうございます?」

 

魅魔「言っておくけど、あの刀を舐めない方がいいわよ?あの刀で殺めた妖怪の数は万を越えるとも言われている...半分妖刀と化しているかもねぇ」

 

俺「妖刀ですか...何か強そうですね」

 

魅魔「まぁ、使い方は貴方次第...その力を殺すも生かすも...」フヒヒ

 

俺「今さら雰囲気を出そうとしても無意味ですよ」

 

魅魔「あらぁ~ ばれちゃった?」

 

俺「俺が想像した魅魔さんとは大分違う性格で少し驚いてますよ」

 

話しているうちに気がついたのだが この亡霊...けっこうフランクに話せる事が分かった

もっとこう...最初みたいにオーラばりばりだと思ったのだが...

 

魅魔「言ったでしょ もう以前みたいに復讐なんてしようと思ってないし」

 

俺「な、なんか複雑な気分ですね でも何で霊夢さんを倒そうと思ってたんですか?」

 

魅魔「あー 幽霊にも色々あるのよ」

 

俺「な、なんかすみません」

 

魅魔「気にしなくていいわ じゃあ私はこれで...」

 

俺「もう行っちゃうんですか?お酒もまだ少し余ってるんでよかったら...」

 

魅魔「すまないねぇ 私はまだやることがあるんでね これで失礼するよ」フワッ←(切り替え

 

俺「そうですか...では、また機会があったら」

 

魅魔「そうだねぇ 次に合うときは異変の真っ最中かも知れないねぇ」

 

俺「そんな不吉な事を...」

 

魅魔「はは 冗談だよ じゃあ今日会った事は他言無用でお願いするよ じゃあまた」

そう言うと魅魔さんは夜の空に飛んでいった...

 

俺「...魅魔さんのくれた博麗の力...上手に使わなければ...」

半分不死の体、質の良い霊力、少しではあるが博麗の霊力を持っている...これはもう全力で異変を解決しなければ...幻想郷の為にも

 

俺「...頑張るか」

 

 

俺「ハッ! そうだ!トイレに行こうとしてたんだ!」

良い雰囲気をぶち壊し俺はトイレへと駆けて行った...

 

 

 


















キャラが全く定まらない魅魔様好き(小声


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十三話 動き出す異変

注意 途中で魔理沙視点になります


 

―その日の朝―

 

チュンチュン

 

霊夢「実弦~ 朝よ~」

 

時刻は朝の6時ぐらいか あの後魅魔さんと話終えて即刻でトイレに駆け込んだ後 俺は二度寝をした、そして今 俺の感情を一言で表すのなら...

 

俺「...気持ち悪ぃ」

改めて分かったのは俺は酒に弱いと言うことだ 激しい頭痛と胃の不快感、そして今にも吐きそうな気持ち悪さ...これは二日酔いの症状以外の何者でもない

 

霊夢「...あんた 昨日はコップ2杯ぐらいしか飲んでなかってしょう?」

 

俺「で、でも 気持ち悪,..ウェッ」

 

霊夢「あ~ 今、水と薬を持ってくるからまだ吐かないで頂戴」

 

俺「は、早くお願いしまs...ウェッ!」

この時思った...俺は今後 宴会の度に死ぬ思いをするんだなぁ と

 

俺「ハァ...ウェッ...ウップ!」

不味い!このままでは吐いてしまう! そう思った俺は戸を開け縁側に出た

 

俺「こ、ここなら吐いても大丈...」

縁側に出てすぐにでも外に吐ける状態にしようとした時、縁側には今一番会いたくない人が立っていた

 

華仙「...何をしているのです?」

 

俺「あ、華仙さん...おはようございます...」サー

 

華仙「貴方まさか...」

 

ドタドタ

 

霊夢「実弦~ 二日酔いの薬持ってきたわよ~これで少しは楽になるわ...あ」

 

 

華仙「」

 

俺「...ニコッ」

 

華仙「 」

 

華仙「バカモーーン!!!!」ドゴォ

 

 

幻想郷に来て四日目、俺は華仙さんに怒鳴られて1日が始まった...

 

 

 

 

 

―事後―

 

 

華仙「全く...いくら幻想郷とは言え現代人である貴方が未成年で飲酒とは...」

 

俺「すみません」ヒリヒリ

あの後 霊夢さんから薬を貰い二日酔いの症状は収まった...流石は永琳さんの薬だ

それと華仙さんに怒鳴られたと同時に俺の頭に鉄拳が落ちてきた...少し経った今でもヒリヒリする

 

霊夢「その~華仙?誘ったのは私だから怒られるのは私...」

 

華仙「霊夢は黙ってて下さい!欲を押さえられなかったこの男に私は用があるのです!」

 

俺「すみません」

 

華仙「全く...で?いくらほど飲んだんですか?」

 

俺「...コップ2杯です」

 

華仙「...」

 

華仙「正直に言わないと貴方の頭蓋が砕けますよ」ジロッ

 

俺「本当ですよ!信じて下さい!」

 

霊夢「それは本当よ 私が保証するわ」

 

華仙「...コップ2杯で二日酔い?そんなのあり得るのかしら」

 

俺「(鬼基準で考えないで下さいよ...)」

 

華仙「ハァ...もういいです過ぎた事にぐちぐち言ってもしょうがありません」

 

俺「あ、ありがとうございます!」

やったぜ 何だかんだ言って許してくれる華仙さん本当好き

 

華仙「その代わり!今日の修行は地獄ですよ?」ニタァ

 

俺「」

 

霊夢「(実弦、応援するわ)」グッ

 

華仙「霊夢、貴方もです」

 

霊夢「」

 

 

 

―――

 

 

 

 

華仙「ほら!まだまだ行きますよ!」ボンッ!

 

俺「オラァッ!」ブンッ!

 

それから数時間、修行は続いていた。

内容は至ってシンプル 華仙さんが撃ってきた弾幕を刀なり拳などで防ぐ事だ 余裕があれば刀で弾幕を切断し至近距離なら拳で弾く...そんな事を数時間やっていた

最初こそは被弾もしたが、何時間もやると流石になれ 被弾する回数も減っていった

 

 

華仙「次は2発同時です!」ボンッ ボンッ!

 

俺「(二つ目の距離からして刀の方が妥当か...)」

そして俺は鞘から刀を抜き霊力を刀に集中させ弾幕を切る

 

俺「オラァッ!」ブン!

チュドーン

(一発目ぇ!)

 

俺「忿!」ブンッ

チュドーン

(やったぜ!)

 

 

華仙「ふむ 大分慣れてきましたね、霊力のコントロールも中々...紫が見込んだだけの事はあります」

 

俺「いやぁ、刀のお陰ですよ~あはは」

 

ボンッ

 

俺「え?」

 

ピチューン

 

 

華仙「ハァ...不意打ちには弱い...まだまだですね」

 

俺「お、おのれ...不意打ちとは卑怯な」←ボケ

 

華仙「あ?」ジロッ

 

俺「ごめんなさい 調子乗りました」

 

華仙「全く...」

 

俺「で、霊夢さんは何の修行を?ずっと石の上で座禅を組んでるんですが」

俺が修行を始めると同時に霊夢さんは境内の端にある大きい岩の上で座禅をさせられていた

 

華仙「瞑想ですよ 欲を捨てる為の修行です。同時に集中力も鍛えられ一石二鳥です」ドヤッ

 

俺「瞑想ですか...意外と辛そうですね」

 

華仙「少しでも動いたら貴方の修行が5倍厳しくなると伝えています」

 

俺「一方的な連帯責任ですね...霊夢さんに申し訳ないです」

 

華仙「申し訳ないと思うのなら修行を頑張りなさい さっきまでは弾幕を防ぐ修行でしたが次は攻撃の修行です」

 

俺「いよいよ攻撃ですか...」

 

華仙「まぁ 昨日も多少やりましたけどね、ふむ そうですね...ではその刀を振り下ろした斬撃で弾幕を撃ってみなさい」

 

俺「斬撃...(妖夢さんみたいにかな?)」

 

華仙「斬撃を弾幕に変えるのはそう簡単ではありません。そうですね試しにあの木を斬撃を弾幕に変化させて斬ってみなさい もし一発で出来たら今日の修行は終わりでいいです」

 

華仙さんが指を指した先には高さ10m程の杉木が立っていた、距離からして今 自分が立っている位置からおよそ30m先にある...それを刀から弾幕を出して斬れと言うことか

 

俺「一発で出来たら修行は終わり ですか...」

 

華仙「本当です まぁ一発で出来るわけないですけどね」

 

俺「...」

一度刀を鞘に戻し俺は霊力を刀に集中させ 抜刀の構えをとる...そして

 

 

俺「忿!」

おもいっきり刀を鞘から抜き、霊力を解放する

 

ビュン!

 

華仙「まぁ 無理ですよ 大丈夫私がちゃんと教えて...え?」

 

 

木「」スパーン

 

俺「やったぜ!」

刀を振ると斬撃は弾幕へと変化し 華仙さんが指示した木を横に真っ二つに切断した

実際やって分かったがやはり霊力の量が足りないのか連続して弾幕を撃つのは無理そうだ

 

華仙「...何故貴方は運動神経は無いのに、難しい霊力のコントロールがピカ一何ですか」

 

俺「えーと それは褒めてるんですか?」

 

華仙「もちろん褒めてます 普通、2日程度の修行で斬撃を弾幕に変化させるなんて出来ませんよ?貴方は霊力を操る才があるみたいね」

 

俺「でも 一発で出来たと言うことは...」

 

華仙「...私から言い出したことです 今日の修行はこれで終わりです」

 

俺「ありがとうございました!」

自分の才にこれ以上感謝した日はない 兎に角 今日の修行はこれにて終了した 訳だ、午後は霊夢さんとゆっくりお茶でも飲んで...

 

「お~い 実弦~!」

 

 

...まぁ、暇じゃないのは人生においては良いことだ

俺「魔理沙さん どうしました?」

 

俺が休憩をしようとした矢先に声をかけてきたのはお馴染みの魔法少女だった

 

魔理沙「お前 幻想郷に来て四日経ったろ?じゃあ そろそろ手伝ってくれよ」

 

俺「ん?手伝う?何をです?」

 

魔理沙「おいおい 忘れるなよ最初に約束しただろ?」

 

最初に約束した...最初? 記憶を辿る...いかんせん色々ありすぎて忘れているだけだろう...

 

俺「う~ん...! もしかして!」

 

魔理沙「そうだ キノコ採集だ!」

 

言われてみれば確かに最初、人里に行くときに約束をした...しかし今のタイミングで...

 

俺「えぇっとですね...実は今さっき修行が終わったばっかりでして...休憩をしたいのでs」

 

魔理沙「...」スチャッ

 

俺が全部言い終わらないと同時に魔理沙さんはミニ八卦炉を構える

 

俺「分かりました やりましょう」

 

魔理沙「分かればよろしい」ニヤッ

 

流石に半分不死とは言え ほぼゼロ距離のマスタースパークは食らいたくない

 

霊夢「あら 魔理沙、昨日は来なかったのね」

 

魔理沙「いやぁ すまない 昨日はアリスの家に行ったりパチュリーの所に行ったりで忙しくてな...」

 

俺「研究のアドバイスでも聞きに?」

 

魔理沙「おぉ~ 良く分かってるな 実はまた魔法の森キノコが大量発生してな 気になって研究をしてるんだ」

 

霊夢「妖力が高まってる証ね、注意しないと」

 

俺「ん?また ってどういうことですか?」

 

魔理沙「ん?あぁ 実は3日前まではキノコの異常増殖はある程度収まってたんだがな 実弦が来た頃かな?またキノコが大量発生してきたんだ」

 

俺「3日前...」

3日前と言えば確か魅魔さんが...

 

(魅魔「...実は今 魔界の方では幻想郷以上に妖力が溢れていてな 結構不味い状況だ。つい3日前だ、それまでは多少漏れ出てる程度だったんだがな...」)

...俺が幻想郷に来たのとほぼ同じタイミング...これは一体

 

魔理沙「まぁ そんな訳でキノコ採集を手伝ってもらうぜ!」

 

俺「...分かりました 俺も気になりますし」

 

霊夢「私はパス 石の上にずっと座ってたから ちょっと休みたいわ」

 

魔理沙「おう!じゃあ 少し実弦を借りてくぜ!」

 

霊夢「はいはい ちゃんと返してね」

 

俺(俺は物か)

 

魔理沙「よし!じゃあ箒に乗ってくれ!」

 

俺「あ、はい」ヨイショッ

促されるまま俺は魔理沙さんの後ろに乗る...まてよ?何かデジャヴが...

 

魔理沙「よし!魔力全開!マッハで行くぜ!」ゴォォ

 

俺「ちょ!安全運転でお願いしまs」

魔理沙「ヒャッホー♪」

 

ビューーーン!!!!

 

俺「ああああああああ!!!!!!」

 

キラーン

 

 

 

 

 

霊夢「...」

 

華仙「...お茶、淹れますね」

 

霊夢「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―魔法の森―

 

 

魔理沙「よし!到着!」スタッ

 

俺「ヴァァ...」ヨロヨロ

 

魔理沙「どうした?マイ◯ラのゾンビみたいな声を出して」

 

俺「...誰のせいだと思ってるんですか...ハァ」

 

魔理沙「まぁまぁ、そんな怒るなって ほれ」

そう言うと魔理沙さんは俺に一枚の紙を渡してきた

 

俺「これは...キノコの写真ですか?」

 

魔理沙「そうだ 文屋にカメラを借りたんだ その写真に写ってるのが今回集めたいキノコだ」

 

俺「なるほど...」

成る程賢い、現代科学を惜しみ無く使うのは研究者の特権と言ったところか

 

魔理沙「まぁ あまり離ればなれになるのも不安だからな ある程度は側に居ろよ?」

 

俺「まぁ、俺も出来れば一人の時に妖怪に襲われたくないですし」

 

魔理沙「うむ じゃあ早速始めるぞ!」

 

俺「了解です」

そして俺と魔理沙さんはキノコ採集を始めた...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―夕方―

 

魔理沙「ふむ 大分集めたな」

 

俺「疲れた...」

キノコ採集を始めて数時間、辺りは薄暗くなり不気味な森はいっそうその怪しさを増す

 

魔理沙「よーし!これだけあればいくら失敗しても大丈夫だな」

 

魔理沙さんに渡された篭には大量のキノコが入っていた、どれもこれも何なら怪しげなオーラを放っている

 

魔理沙「ふむふむ 実弦!今日はありがとうな!もう帰っていいぞ!」ニカッ

 

素直に礼を言われ少し戸惑ったが、やっぱり普通の女の子なんだなと魔理沙さんの笑顔を見て思う

...ん?帰っていいって

 

俺「え?帰り道...分からないんですが...」

 

魔理沙「あぁ、それに関しては大丈夫だ ちょっと待ってろ」

 

そう言うと魔理沙さんは何なら呪文を唱え始めた...

 

魔理沙「う~ん...えい!」

ポンッ!

 

俺「...鬼火?」

目の前に現れたのは中に浮く鬼火 始めて鬼火を見れたことに対して色々思いたいが何故このタイミングで鬼火?

 

魔理沙「その鬼火は霊夢の霊力に反応する用にしてある、この鬼火に着いていけば自ずと霊夢が居るであろう博麗神社にたどり着けるはずだ」

 

俺「はぇ~ 凄いですね、魔法って」

 

魔理沙「こんなのまだまだ初級魔法だぜ 本当はワープ魔法を使ってやりたいんだがまだマスターしてないんでな」

 

俺「いや 別に大丈夫ですよ十分です」

 

魔理沙「そう言ってくれると助かるぜ じゃあまたな今日はありがとうだぜ」

 

俺「こちらこそ中々面白い体験が出来ました」

 

魔理沙「おう!」

 

そして俺は鬼火の進む方向へと進んでいった...

 

 

 

 

――

 

―――

 

――――

 

 

魔理沙「いゃ~大量×2♪ただこの大荷物だと飛んでる最中に落としかねないからな そこが難点だ」スタスタ

今日は私にとって吉日だ 実弦の協力によって一人では到底集められない量のキノコが手に入った

 

魔理沙「...このキノコの妖力を調べて今回の異変の首謀者を突き止めてやるぜ!」

謎の妖力...キノコが直接被害にあっていると言うことは恐らく地中深くにその元凶があるはずだ

まずはそれを調べ、地中のどこら辺から出ているのかを調べなければ...地底かも知れないし、魔界かも知れない はたまた未開の地かも知れない

 

魔理沙「今回は私が異変を解決してやる」

私は単純に悔しかった...いつも霊夢が解決し、私は殆ど活躍など出来ていなかった...

 

魔理沙「いつも霊夢ばっかり解決してるからな 今回は私が解決させて貰うぜ!」

幻想郷出身の者の魔力が効かないと言っても100%ダメージを無効化する訳ではない ならば不意をついてゼロ距離マスパを食らわせれば勝機はある その為には念入りにこの妖力を調べなければ...

 

魔理沙「フフッ 今度は私が異変解決者として新聞に乗るな」

想像しただけで笑みがこぼれる...そしたら親父も私を認めてくれるかもしれない...

 

魔理沙「よし!そうと決まれば早速帰って研究を」

 

ザザッ

 

魔理沙「!? 誰だ!」

どこからか足音が聞こえた...こんな時間に魔法の森の奥深くに入ってくる人間などいないはず

 

......

 

魔理沙「誰だ!出てこい!」スチャッ

私は警戒をして八卦炉を構える...すると

 

ザザッ

 

???「相変わらず気の短い女だ」

魔理沙「...」

姿を現したのはフードを被った...声からして女だ 何やら私の事を知っている様子だが...

 

魔理沙「だ、誰だ!」

 

???「フフッ 動揺しているな いや 結構々々 動揺は冷静な判断を奪う、こちらとしても任務を全うしやすい」

 

魔理沙「...任務?何のことだ」

この女が言っていることは全く分からないが恐らく敵だ 確実に言える

 

???「初代様の命令だ お前を連れてくる様にとの事だ」

 

魔理沙「...悪いが私は今から家に帰って研究をすると言う大事な用があるんだ だからそこをどけ」キッ

 

???「...霊夢に勝ちたいだろう」

 

魔理沙「!?」

 

???「いくら努力しても勝てない...だが霊夢は対して努力もしていないのに自分より遥かに強い 悔しいんだろ?」

 

魔理沙「!? だ、黙れ!」スチャッ

 

???「越えたいが為に他人から本を盗み ひたすら研究の日々 だがその対象は毎日縁側でお茶を飲み修行など全くしない...なのに...なのに...」

 

魔理沙「黙れ!お前に私の何が分かr」

 

???「そのうちその悔しさは憎しみへと変わった!」

 

魔理沙「!?」

 

???「悔しい...悔しい...なんであいつばかり...あいつさえ...あいつさえ居なければ...憎い 憎い 越えられないのならいっそ殺し」

 

魔理沙「黙れ! マスタースパーク!」

 

ゴォォォ!

 

 

 

全力のマスタースパーク 私が霊夢を憎んでる?違う私はただ霊夢に追い付いていつか...いつか 霊夢の隣で一緒に戦えればと思って...ただ強くなりたいそれだけだ ただ...強くなりたい

 

 

 

???「その欲だ」

 

魔理沙「!? な!いつの間に後ろに周って!」

 

???「安心しろ その欲 初代様が叶えて下さる」スッ

 

魔理沙「ぐっ!...やめ...ろ」

女に手をかざされた瞬間 意識がすうっと遠のく...

 

魔理沙「れ、霊夢...たすけ...て」バタッ

 

???「うむ 任務完了だ ようこそ霧雨魔理沙 我々と共に頑張ろうじゃないか」

 

 

 

 

――

 

―――

 

スタスタ

 

俺「そろそろ森の出口だな」

魔理沙さんと別れて数十分...俺は鬼火の後を追い博麗神社を目指した

 

スタスタ

 

俺「お、やっと 出口だ!後は道を辿れば神社に着k」

ボンッ!

 

俺「!? うぉ!鬼火が」

出口を見つけたと思った瞬間俺の前を飛んでいた鬼火が突如爆発した

 

俺「ん~?森を出たらこうなる仕様なのか?」

だが、魔理沙さんは霊夢の霊力を辿って行くと言っていた様な気が...

 

俺「まぁいい ここまで来れば後は道なりに進むのみ!早く帰らなければ怒られてしまう!」ダッ

鬼火に関しては魔理沙さんの手違いだと思った俺は気にせず博麗神社を目指して走るのだった...

 

これが異変の始まりとも知らずに...

 

 

 

 



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十四話 初めてのお使い

チュンチュン

 

―朝7時―

 

俺「ん...朝か...」

昨日 急いで神社に帰ったら案の定霊夢さんに 遅い と注意された 華仙さんが既に帰っていたのがせめてもの救いだろう

 

俺「とりあえず顔を洗うか...」ヨイショッ

 

そして俺は境内にある井戸で顔を洗い 神社の居間に向かった

 

俺「霊夢さん おはようございます...って」

俺が居間への戸を開けるとそこには霊夢さんと何やら神妙な顔をしている紫さんと華仙さんが座っていた

 

霊夢「あら、遅かったわね もう少ししたら叩き起こそうかと思ってたわ」

 

俺「あはは すみません。昨日のキノコ採集で大分疲れてたみたいで...」

 

紫「そう?結構早起きな方だと思うけどねぇ 実弦、おはよう」

 

俺「紫さんと華仙さんもおはようございます で、朝らかどうしました?」

俺が率直な疑問をぶつけると紫さんは真剣な顔になり言った

 

紫「...妖力の動きが活発になってきてね 今から私と霊夢で守矢の神達と相談をしに行こうと思ってたところよ」

 

守矢の神 となれば神奈子さん諏訪子さん そして巫女の早苗さん...これは東方好きとしては会うしかない!

 

俺「じゃあ俺も」

霊夢「悪いけど実弦はお使いを頼まれてくれない?」

 

俺「え?お使いですか?」

 

霊夢「この手紙を人里にある寺子屋の教師に渡して来て欲しいのよ」

そう言うと霊夢さんは俺に手紙が入った封筒を渡してきた

 

俺「寺子屋の教師と言えば...慧音さんですよね?何故に?」

 

紫「手紙には今回の異変の詳細が書かれているわ 慧音ならそれを里の長老と相談をして今後の対策について考えてくれるはずよ」

 

霊夢「そういうこと」

 

俺「成る程...分かりました 喜んで引き受けましょう!」

もう人里に伝えるほど深刻な状態なのか...

 

俺「ん?では 華仙さんは?」

 

華仙「私は神社に誰かが訪ねて来たときのための留守番です 妖怪が暴れてるとなれば一大事ですし私も妖怪退治ぐらいなら出来ますよ」

 

霊夢「そういうこと 一回行ったから大丈夫でしょ?人里へも道なりに進んでいけば大丈夫よ」

 

俺「了解です!」

 

紫「じゃあ 行ってくるわね~♪」フワッ

 

霊夢「華仙、留守番よろしくね」フワッ

 

そして二人は守矢に向かって飛んでいった...

 

俺「ん?そう言えば なんで紫さんのスキマを使わないでわざわざ飛んでいったんですか?」

 

華仙「なんか山の天狗にも話があるらしいですよ?」

 

俺「そうですか...あ、じゃあそろそろ行きますね」

 

華仙「気をつけて」

 

俺「ではお昼までには帰ってきますね」ペコリ

そして俺は人里へと向かった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華仙「...」

 

 

華仙「...」ズズッ

 

 

華仙「...やはりゆっくりお茶を飲むのも良いですね」

 

 

華仙「...」ズズッ

 

 

華仙「...暇になってしまいましたね」

 

ザザッ

華仙「ん?...貴方は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―しばらくして―

 

 

俺「...あぁ やっと着いた...」

神社を出て約一時間、やっと人里の入り口にたどり着いた...確か人里から博麗神社まではピクニック感覚で来れると聞いていたが意外ときつい

いや、俺が運動不足なだけか...

 

 

俺「そんで、寺子屋はいずこに...」

 

俺「...」

 

俺「...何処だ?」

人里に来たのはこれで二回目...まだ殆どどこに何があるのか把握していない

 

俺「oh...どうしよ 誰かに聞くか?いやコミュ症の俺にそんな事...」

 

俺「え~...どうしよ とりあえず歩けば見つかるかなぁ」

 

「あれ?実弦さんじゃないですか」

 

不意に何処からか声がかかる そして俺は声がした方を振り向くとそこには 初日に出会った少女が驚いた表情で立っていた

 

小鈴「やっぱり 実弦さんだ!どうしたんですか?何やら困ってる様ですけど?」

 

俺「おぉ!小鈴ちゃん!良かった助かったぞ!」テッテレー

 

小鈴「ん?」

 

俺「いや~ 実は慧音先生に用があって寺子屋まで行きたいんだけど肝心の寺子屋の場所が分からなくて...」

 

小鈴「!? じゃあ私が案内しますよ!」ニコッ

 

俺「おぉ!ありがとう 助かるよ」

俺がひとしきり状況を説明すると同時に小鈴ちゃんは快く道案内を申し出てくれた

 

小鈴「じゃあ私に着いてきてください!」

 

こうして俺は小鈴ちゃんに案内をして貰うことになった...

 

 

 

小鈴「♪」スタスタ

 

俺「そう言えば小鈴ちゃんは何であそこに?店の用意とかは?」スタスタ

 

小鈴「いやぁ 実はまたまた散歩してただけなんですよ 店は開店時間まで全然ありますし大丈夫です」

 

俺「はぇ~ 凄い偶然もあるもんだねぇ」

 

小鈴「で、ですね///」

 

ん?なぜテレる?

 

小鈴「その~...」

 

俺「ん?」

 

小鈴「この前お客さんから聞いたんですけど 人里で暴れた妖怪を拳一発で退治したとか...」

 

俺「え?あ、あぁ まぁ最終的に倒したのは霊夢さんと魔理沙さんがスペルカードで倒したんだけどね」

 

小鈴「で、でも隙を与えたのは実弦さんだって...」

 

俺「あはは 隙を与えただけだよ」

 

小鈴「それでも凄いです!」

 

俺「そ、そう?」

 

小鈴「そうですよ~ 実弦さんて博学多識でお強いんですね!私憧れます!」キラキラ

 

俺「お、おう」

何かかなり気に入られてる気がする...(嬉しいけど

 

小鈴「おっと あそこですよ!」

 

俺「ん?おぉ それっぽいですね」

案内され歩いているとそれらしき建物が見えてきた

 

小鈴「ここが寺子屋です 今日は寺子屋は休みなので慧音先生は奥の部屋で書類整理でもしてると思いますよ」

 

俺「お、そうか 小鈴ちゃん、ありがとう助かったよ」

 

小鈴「いえ、お役に立てて良かったです!」

 

俺「今度 お礼に団子でも奢ってあげるよ」

調子に乗って今までの俺は絶対に言わなかったであろうキザな台詞を言ってみた

 

小鈴「!? そ、その...ありがとうございます」///

 

俺「(可愛いなぁ...)」

小鈴「そ、それじぁ 私はここで失礼します!」ペコリ

 

俺「ありがとうねぇ~」

 

小鈴ちゃんは足早に去って行った...

 

俺「...」

 

俺「さてと...これからが本題だ」

とりあえずは慧音さんに会わない事には始まらない、俺は早速寺子屋に入って行った...

 

スタスタ

俺「う~ん...何処だろう」

寺子屋は見た目に反して結構広い

 

俺「奥の部屋...ここか」

とりあえず奥に進むと「職員室」と書かれた扉があった

 

俺「兎に角入るか...」コンコン

 

俺「すみませ~ん 霊夢さんのお使いで来ました」

とりあえず怪しまれないように霊夢さんの名前を出す、すると...

 

「ん、入っていいぞ」

 

俺「失礼します」ガラガラ

扉を開けるとそこには 腰まで届こうかというまで長い、青のメッシュが入った銀髪。頭には頂に赤いリボンをつけ、頭には何やら珍妙な形の帽子を乗せている...まぁ ここまで言えば明らかに誰だかは分かるのだが...

 

慧音「ふむ、君が人里で妖怪を蹴散らしたという人間か、私は 上白沢 慧音 まぁ見ての通りこの寺子屋で教師をしている」

 

俺「堂本 実弦 です。よろしくです」

何か妖怪を蹴散らしたとか色々着色されてるんだが...

 

慧音「まぁ そう畏まらないでくれ 人里の代表として礼を言うよ ありがとう」ニコッ

 

俺「い、いえ そんな」///

やべぇ 凄い美人だ...とりあえず手紙を渡さなければ

 

俺「あ、あのこれ手紙です どぞ」

 

慧音「うむ 確かに受けとった して、早速読んでいいか?」

 

俺「勿論です」

 

慧音「では 少し待ってくれ」

そう言うと慧音さんは封筒の封を開け、手紙を読み始めた

 

慧音「...」

 

俺「...」

 

慧音「...」

 

俺「...」

 

 

慧音「ふむ...成る程 早速長老と話をするとしよう」

 

俺「話が早くて助かります(紫さんの言った通りの反応だ)」

 

慧音「やはり妖怪の凶暴化は異変だったか...となれば寺の僧侶も何か関係が...」ブツブツ

 

俺「ん?寺の僧侶?白蓮さんですか?」

人里の寺、もとい命蓮寺の僧侶と言えば聖白蓮さんだ

慧音「ん?いやぁ 実はな、その寺の僧侶が3日ほど前から行方不明らしくてな 他の寺の連中が捜索にあってるんだが全く手がかりがないらしい」

 

俺「行方不明...」

白蓮さんと言えば東方星蓮船のラスボスだ...そんな強い人が行方不明? 慧音さんの言うとおり異変に何らかの関係が...

 

慧音「っと すまない、お茶でも出してやりたいのだが事が事だからな 早速私は長老と話をしてくるよ。霊夢達には 了解した、そちらも異変解決をよろしく頼む と伝えてくれ」

 

俺「了解しました。じゃあ俺も神社に帰りますね」

 

慧音「すまないな すぐ帰らせる事になってしまって」

 

俺「いえいえ、大丈夫ですよ では失礼します」ガラガラ

 

慧音「うむ お使いご苦労様」

 

 

こうして俺のお使い無事に終了した

そして俺は博麗神社に帰るためひとまず寺子屋を後にしたのだった

 

俺「よし!後は帰るだけだ!華仙さんに遅いとか言われる前にさっさと帰ろう!」ダッ

 

 

 

―少年移動中―

 

 

俺「あ~...そうだ...石段があった」

小走りで帰ると行くときは気にならなかった神社の長い階段が見えてきた...

 

俺「飛べないのはやっぱり辛いな...」

以前 霊夢さんに俺は修行次第では飛べるようになるのか?と聞いたことがあるが 霊力が少ないから無理 ときっぱり言われた

 

俺「...まぁ 石段を越えれば後は楽だ...頑張ろう」

そう言い聞かせ俺は石段を登り始めた

 

――

 

―――

 

――――

 

俺「...よし最後の一段だ」ハァ

嫌々ながら登っていてもいつか終わりは来るもので やっと最後の一段にさしかかった、そして俺は最後の一段をおもいっきり踏みしめる

 

ダン!

 

俺「あぁ...やっとついたぁ」

 

 

俺「あー疲れた...っと華仙さ~ん 只今戻りました...!?」

鳥井の真下に立ち、賽銭箱の方を何気なく見るとそこには華仙さんが背を上にして倒れていた

 

ダッ!

俺「華仙さん!?どうしたんですか!?」

俺は華仙さんを抱き上げる、服は所々破れ、皮膚は一部分ただれている...明らかに誰かに襲われたと言うことはすぐに分かった しかし誰が...

 

華仙「う、うぅ...」

 

俺「華仙さん!大丈夫ですか!?」

良かった 生きてるそれだけ確認できれば安心だ

 

華仙「実...に..げな..さい」

 

俺「逃げる? 一体誰にやられたんですか!?」

仙人である華仙さんをここまでボロボロに追い込むと言うことは余程の人だとは思うが一体誰だ?

 

華仙「は...やく」ガクッ

 

俺「華仙さん!」

大丈夫だ恐らく気絶しただけだ とりあえず永遠亭に連れて...

 

ザザッ

「ん?実弦か...霊夢と一緒じゃないのか?」

 

俺「!?」

俺が華仙さんを背負おうとしていると神社の裏から誰かが出てきた

 

「ん~? 何だ、その仙人生きてたのか やっぱり首をはねるべきだったか...」

 

俺「...な、なんで」

 

「よう、昨日ぶりだな 実弦」

 

俺「ま、魔理沙さん...あなたが華仙さんを?」

 

魔理沙?「そうだ 霊夢の居場所を聞こうとしたら教えてくれなかったんでな うざいから殺そうとしたんだ」

 

俺「...あなた...本当に魔理沙さんですか?」

目の前にいる人物は昨日会った魔理沙さんとは少し違う何かを感じた

 

魔理沙?「何を言ってるんだ?私は私だろ?それ以上でも以下でもない私は 霧雨魔理沙 だ ただ、違うとするならば昨日までの私は私ではない初代様によって生まれ変わった...で霊夢はどこだ?」

 

俺「...」

おかしい...昨日までの魔理沙さんとは明らかに様子が違う...初代様?生まれ変わった?一体何のことだ?全く分からない

冷や汗が俺の頬を伝う...

 

俺「...霊夢さんに会ってどうするつもりですか?」

 

魔理沙「殺す」

 

俺「...それ、本気ですか?」

 

魔理沙「本気だ 霊夢を殺せば私の強さがこの幻想郷中に知れ渡る...そうすれば幻想郷の皆は私の強さを認める...素晴らしい計画だろう?」

 

俺「...」

俺は華仙さんを賽銭箱の裏に寝かせ 魔理沙さんを睨む

 

魔理沙「おっと邪魔をするのは構わないが遠慮なく殺すぞ?」

 

今目の前にいる人物が本物の魔理沙さんか何てことはもやはどうでもいい...霊夢さんを殺そうとしている...それだけで目の前の人物を倒す理由は十分だった

 

俺「悪いが、博麗の巫女を殺させる訳にはいかないのでね 全力で阻止させて貰いますよ」

 

魔理沙「ッ!結局お前も私の邪魔をするのか!分かったよ望み通り殺してやる!」フワッ

 

俺「」スッチャ

魔理沙さんが宙に浮いて攻撃体勢に入る...そして俺は刀を構える

 

魔理沙「フフッ 霊夢との一戦の前にはいい小手ならしだ...せいぜい仙人よりは楽しませてくれよ?」

 

俺「...勝ってみせるさ」

 

魔理沙「ちっ!調子に乗るなよ!」

 

―その言葉が言い終わると同時に大量の弾幕が俺をめがけて向かってきた―

 

 



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十五話 vs魔理沙

 

魔理沙「調子に乗るなよ!」

 

俺「...」

大量の弾幕...華仙さんとの修行では2発だったがここで諦めては華仙さんに面子が立たない...大丈夫だ 俺は半分不死身、少しぐらい被弾してもどうってことない

 

俺「オラァァ!」ブンッ

 

俺は刀に霊力を込めて思いっきり抜刀する、すると斬撃は弾幕に変わる

 

ビュン!

 

ボンボン!!!

 

魔理沙「...相変わらず威力だけは高いな」

 

俺「褒めないで下さいよ 照れるじゃないですか」

俺の弾幕は魔理沙さんの放った弾幕に当たり 激しい爆発と共に打ち消しあった...

 

魔理沙「調子に乗るなって言ってるだろ?」

 

俺「怒らないで下さいよ 可愛い顔が台無s」

魔理沙「死ね」ボンッ!

 

俺「うおっ!?あぶねっ...忿!」

不意打ち気味の弾幕は拳で打ち返す...これは修行で学んだことだ

 

魔理沙「...爆発系の弾幕は駄目か...ならば」キュイイン

 

俺「ちょい×2何 人が喋ってるときに攻撃するんですか!」

 

魔理沙「くらえ」ボンッ!

 

俺「ん?何だ?あの色...」

次に魔理沙さんが放った弾幕は先程の弾幕とはうって変わって どす黒い色の弾幕を放ってきた

 

俺「速い弾幕...ならば拳で...」

魔理沙「」ニヤッ

 

俺「忿!」

いつもの様に腕に霊力を集中させ、どす黒い弾幕を殴る、すると...

 

グニャッ

 

俺「!?」

普通の弾幕なら打ち返せるはずのだが,どす黒いは簡単に言うならば 水風船を殴った感覚 に近かった

 

パンッ

 

俺「何!破裂した!?」

 

魔理沙「♪」ニヤニヤ

 

どす黒い弾幕を殴った瞬間それは爆発し、中から謎の液体が飛び出て腕にかかる

 

俺「何だこの液体は...!?」

 

魔理沙「フフッ♪やっぱり単純な戦い方で助かるぜ」

 

俺「う、あああああああああ!!!!う、腕がァ!」

液体が掛かった腕に激痛が走る...熱い,指が動かなくなってくる 俺は即座に腕を見る、すると...

 

俺「う、腕が...腐って...グッ」

 

魔理沙「そうだ 流石は初代様がくれた力...今放った弾幕は毒の弾幕...液体が掛かったらそこから腐りだし全身に回って死ぬ たしかお前毒は普通に効くんだよな?」ニヤニヤ

 

俺「グッ...魔理沙さん...本当に殺そうと...グアッ」

 

魔理沙「言ったろ?邪魔をするやつは殺すって」ニタッ

 

俺「クソッ...腕がどんどん腐って!」

話してる間にもどんどん腕は腐り、手首までだったのがもう肘辺りまで侵食している

 

魔理沙「諦めろ 後数分で全身に回る、そうだ最後に遺言を聞いてやろう。霊夢に伝えてやr」

 

ズシャッ!

 

俺「ぐああああああああ!」

再生力が高い程度の能力、それゆえに使える戦法だ

 

魔理沙「!? お前!腕を自分で」

俺「切り落とした...大丈夫ですよ すぐに生えてきます」

全身が腐る前に患部を切り落とす...中々にイカれた方法だがそれしか回避方法が思い付かない

 

俺「フゥ...フゥ」

驚異的な再生力だ...肩から切り落とした筈の腕は既に肘まで再生している

 

魔理沙「...お前、イカれてるな」

 

俺「お相子ですよ...こんな弾幕...本当にどうしちゃったんですか」

 

魔理沙「私は変わったんだよ 初代様によって」

 

俺「だから初代様って誰ですか...」

 

魔理沙「...生憎無駄話は止める様に言われてるんでな、そろそろ少し本気で行くか」

 

俺「(来る!)」

 

魔理沙「くらえ!」ボンボン

 

俺「!? 不味い!」

先程の毒弾幕を魔理沙さんは再度放った...しかし

 

魔理沙「さっきのは一発だったからな 幕 では無かったな、だが安心しろ今度はちゃんと弾幕だ」

 

軽く見て20発以上の毒弾幕が俺めがけて降ってくる

 

俺「クソッ こんな大量の弾幕 どうすれば...」

恐らく衝撃を加えると爆発して毒を撒き散らすタイプの弾幕だろう...

殴ってもダメ 斬撃でも目の前で爆発してダメ 避けても地面に着弾した時点で地面は毒の海になる...ならば

 

 

俺「スペルカード発動!」

 

魔理沙「来たな!」ニヤッ

 

 

俺「剛符...」

 

俺「多弾・風神突き!」ブンッ

 

ゴォォォ!!!!

 

スペルカード発動後 爆風が吹き荒れ毒弾幕は爆風によって魔理沙さんの方に進行を変える

 

俺「ハァ...ハァ...せいぜい自分の弾幕で自爆するがいい」

先程までの斬撃等に加え、再生したての腕でのスペルカード発動...霊力がそろそろ限界を迎え始めている

 

魔理沙「フフフ 自分の弾幕ぐらい自分で避けられるぜ!オラッ食らえ!」ボンッ!

全ての弾幕を綺麗によけ 新たに新しい毒弾幕を放つ

 

魔理沙「スペルカードを撃ったばかりのお前にこれが防げるかな?」

 

俺「クッ!舐めるな! オラァッ!!!!」ブンッ

精一杯の抜刀...斬撃は弾幕へと変わり 魔理沙さんが撃ったばかりの毒弾幕にクリーンヒットする

 

 

パンッ!

 

魔理沙「クッ!危ねぇ...危うく自分の弾幕で死ぬとこだっただぜ しかしまだ弾幕を撃てるとは...」

 

俺「ハァ...」ガクッ

足元がおぼつく...駄目だ霊力を使いすぎた だが...これで

 

魔理沙「ふぅ そろそろ限界の様だな...これで終わりd」

パンッ!

魔理沙「!?」

 

俺「どうやら俺も運が良い...」

 

パンッ!パンッ!

 

魔理沙「ちっ!何だこの音は!」

 

パンッ!パンッ!パンッ!

 

俺「後ろだ...」

 

魔理沙「後ろだと?...まさか!」

 

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

 

 

俺「そうだ...自分の弾幕を避けるのは結構だが後始末もしなくちゃ駄目ですよ」

先程俺が放った弾幕の破片が魔理沙さんの後ろに漂っていた弾幕の1つに当たり、それが爆発を起こして他の毒弾幕に当たり、連鎖反応を起こし次々と爆発を起こした

そして大量に爆発した毒弾幕は周りに大量の毒を撒き散らす

 

魔理沙「ちっ!小賢しい!こんなの飛んで避ければ」

 

俺「周りに注意しないと危ないですよ」

 

魔理沙「あ? !?」

パンッ!

魔理沙「!? ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

風に煽られた一つの毒弾幕が魔理沙の体に当たり割れた

 

俺「爆風はすぐには治まりませんよ まだ俺のスペルカードは終わってません」

 

魔理沙「ああああああ!!!!」フラッ

 

全身に毒が掛かった魔理沙さんは箒から落ち、地面に落下する

 

ドスッ

魔理沙「あああ!!!!体がぁぁぁぁ!!!!」ジタバタ

 

俺「ハァ...勝った...の...か」

全身に毒が掛かったのだすぐに生き絶えるはずだ...

魔理沙さん...すみません

 

魔理沙「アアアアアアア!!!!...」

 

俺「?」

魔理沙さんの叫び声が消える...死んだのか?

 

 

魔理沙「フフフ」

 

俺「!?」

 

魔理沙「フフフ...ふはははは!!!」

 

俺「...な、何故 確かに全身に毒が掛かった筈...」

 

魔理沙「いやぁ~ やっぱり初代様の力は素晴らしい! 忘れたのか?今回の異変の妖力の効果を」

 

俺「効果だと...まさか!?」

 

魔理沙「あぁ、そうだ その妖力にあてられた者は幻想郷の妖力や魔力に耐性が付く...勿論私の魔力にもなぁ!」

 

俺「...ま、さか」

 

魔理沙「私の毒弾幕の毒も私の魔力から出来ているからな そんなのが私に効くと思うか?」

 

絶望だ...何なんこれ チートだろ

もう霊力も殆ど残っていない...たが相手はほぼ無傷...ここで俺は腐って死ぬのか?

 

 

魔理沙「フフ 腐って死ねると思うなよ お前は私のとっておきの技で跡形も無く消し去ってやる」スチャ

 

俺「八卦炉...」

 

魔理沙「そうだ 私の代表スペルで死ねるんだ 嬉しいだろ?」

 

俺「...クソ 為す術なし...か」

 

魔理沙「あぁ さよならだ。じゃあな」

 

 

俺「嗚呼...」

 

魔理沙「恋符!」

 

 

俺「(霊夢さん...紫さん...すみません 異変...解決出来なくて)」

 

 

魔理沙「マスタースパーーク!!!!」

魔理沙さんが放ったマスタースパークは黄色に光る光線ではなく 所々どす黒く濁っていた、恐らく毒も含まれているんだろう...

 

ゴォォォォォォ!!!!!!!

 

どんどん俺とマスタースパークの先端の距離は縮まる

俺「(まだ幻想郷に来て一週間も経ってないのになぁ)」

 

魔理沙「死ね!実弦!安心しろすぐに霊夢にも会わせてやる!」

 

ゴォォォ!!!!!!!

 

俺「(魅魔さん...博麗の力...生かせなくてすみません)」

 

 

ゴォォォ!!!!

 

 

「全く諦めが早いねぇ これも現代人の悪い癖かい?」

 

俺「!?」

聞き覚えのある声...特徴的な声のトーン...間違いない魅魔さんだ

 

俺「魅魔さん!なんで!」

いつの間に居たのか隣には以前 話をした魅魔さんが余裕な表情で立っていた...

 

魅魔「おっと 私のことはどうでも良い あんたには20%の博麗の霊力があるのをお忘れかい?」

 

俺「博麗の力って言っても...」

 

魅魔「その刀...六代目の博麗の巫女は紫に似た技を使っていたんだよ、空間を操ったりね...」

 

俺「空間を...操る」

 

 

ゴォォォ!!!!

 

魅魔「さ、やってみな」

 

俺「ファッ!? やってみろって突然無理ですよ!」

 

魅魔「やらないとあんたの隣にいる私も死ぬよ」

 

俺「魅魔さんはもう死んでるんですが...」

 

魅魔「いいから ここで魔理沙を止めないと霊夢がどうなるか分かるだろ」

 

魅魔「自分を信じろ 大丈夫だ」

 

俺「...」

 

俺「...分かりました やってやりますよ!」

 

魅魔「よし!霊力を刀に集中させな!博麗の力をイメージしろ!」

 

俺「」

刀を持つ手が震える...大丈夫だ信じろ

博麗の力...博麗の......

 

ポワッ!

 

俺「!? 刀が!」

力を集中させると刀が突如青く光だす

 

魅魔「よし!やっぱり素質あるねぇ このままスペルカードだ!」

 

俺「スペルカード...」

 

ゴォォォ!!!!!!

 

魔理沙「終わりだ!」

 

魅魔「いけ!実弦!」

 

俺「...」カッ!

 

俺「スペルカード発動!」

 

魔理沙「!? 今さらスペルカードだと?だがもう遅い!」

 

 

俺「斬符!」

 

魅魔「...」ニヤニヤ

 

そして俺は思いっきり刀を振り下ろした

 

俺「時 永 斬 !!!!!」

 

その刹那 刀はとてつもない光を放ち自分でもびっくりするほどの現象を起こした

 

魔理沙「!?なんだあれは!」

 

魅魔「フフッ 空間を切った...か」

刀を降った斬撃は目の前の空間に穴を開け、マスタースパークはその開いた空間に飲み込まれていった...

 

 

魔理沙「そ、そんな...私の全力のマスタースパークが...そんな」ガクッ

 

俺「ハァ...ハァ...どうですか魔理沙さん まだやりますか?」←強がり

 

魔理沙「クソッ!まさか空間を切るなんて聞いてないぞ!これは一旦初代様に知らせなければ 霊夢は後だ!」フワッ

 

俺「...」ジロッ

 

魔理沙「クソッ!クソッ! お前もいつか必ず殺してやる!」ビューン

魔理沙さんは捨て台詞を吐き箒に乗って逃げて行った...

 

 

 

 

俺「...」

 

 

俺「ハァ...ハァ...み、魅魔さん 俺...やりましたよ」ガクッ

 

俺「(だめだ意識が遠く...)」

魅魔「よくやったねぇ 今は休みな」

 

俺「あり...がとう..ごさいます」バタッ

俺はここで意識を失った...

 

 

魅魔「...」

 

 

魅魔「...」

 

 

魅魔「...魔理沙...ったく馬鹿弟子が」

 

 



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