独りぼっちの魔王と任侠ヘルパー (オスロ)
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シケタ出会いに祝砲を淋しい再開に祝杯を
VRNNO-RPG「ユグドラシル」。
北欧神話を題材としたファンタジー系のゲームで、仮想現実空間にダイブして実体験をしているかのようなリアリティととんでもないほどの自由度の高さがウリの大人気オンラインゲームだ。
プレイヤーは人間種(人間、エルフなど)と亜人種(ミノタウロスなど)と異形種(モンスター)の中から選び、その中から種族を選べる。
そして見た目を自由に変えたり、モンスターを討伐したり、未知を既知にする冒険をしたりとプレイヤーたちは各々が自由にゲームを楽しんだ。
そのおかげで、ユグドラシルはオンラインゲームとしては破格の12年もの間サービスが続いた。
だが、始まりがあれば終わりもある。
ユグドラシルは12年の幕を落とすこととなった。
ユグドラシル最終日、とある町中にて…
「安い安い、あれもこれも叩売りだぁなぁ。と、お!こらぁ掘り出しもんかね」
そういってさっき買った小ぶりなトンカチぐらいある虫メガネを覘き雑踏に負けない声で
「おいオッちゃん!こいつはナンボになるね!」
「箱の中のもんはぜーんぶ金貨一枚均一だぜ。それとお兄ちゃんだ!!そんな年じゃねえよ、たく」
「あん?お兄ちゃんなんて呼び方知ってるような奴が若いわけねえだろ!?今の出生率考えろよ」
そういうとドワーフのプレイヤーはたじろぐ様に身じろぎした後、動かない顔の頭上に驚きのエモーション出しながら
「日銭稼ぐのに忙しい底辺が知るわけないだろ!学者かよ!ンで買うんか買わないんか、どっちだ」と開き直った。
「買いたいのは山々なんだが~手持ちがさっきの買い物で危うい!だから、アイテムトレードでどうだい?」
「ものは?って花火かよ。他当たれ!といつもなら追い出すが最後の祭りにならちょうどいいか!よし成立だ。受け取んな、整理はお前の仕事だからな」
「おう、ありがとさん。アイテムボックスにぶっこんで、と。そいじゃ御免よ」
「まい、ど?あれ?もういなくなっちまいやがったよ。スキルかなんかか?こんな街中で?」
と不思議がったドワーフのプレイヤーが疑問に思ったのもつかの間のことですぐ次の客に気を取られて忘れてしまった。
彼の懐が異様に寂しくなっているのに気づくまで残り数秒、小さいギルドの在庫という名の宝物庫がごっそり減ってるのに気づくのにさらに数十分、そして、同じ通りにある店の亭主達が犯人に気づく頃にはゲーム終了間近というところであまりの手際の良さに呆れるやら驚くやらで笑いあうのであった。
その後貰った花火でロッケトマンになった亭主たちは掲示板の祭りスレの一角を飾るのだった
「…ふざけんなよ!!みんなで作りあげたギルドじゃないか!「みんなで作り上げた理想」だ。ここにあるすべてが、全部がみんなの思いそのものじゃないのか!?「みんなの居場所」そう。俺の、俺たちのってギィああああああああ!」
「ほお、思ったよりも早く気づいたじゃないの。モモンガちゃん」
「日暮さん!それガチで心臓に悪いからやめてくださいって何度も言ってるじゃないですか!もう!!」
などといったダレトクモーションで離れる感情豊かな骸骨さんは今のパトロン兼アインズ・ウール・ゴウン略してAOGの元締め(笑)詰まるところ上司?なオーバーロードのモモンガさん。
「そして俺チャンが
「種族特性は知ってますけど、出入りは管理させてくだいよ。ていうか日暮さん誰とはなしてるんです?リアルも独り身なんでしょ?………あ!もしかして、違法ツール使って酒飲みプレイとかしてないでしょうね!いやですよ、最後にアカBANされたせいでこっちまで警告文飛んでくるの」
最近一人で放置すると独り言メーカーと化すからボケてるのにひどい言い草だ。まあ、かわいそうだで言わんとくがね。
「法律は守るさ。
笑顔のエモーションだしながらの「察しがよくて助かるよ」いう態度の溜め息エモーションで返された。
お互い苦笑しながらも悪くない雰囲気だ。ヘロヘロ君が去った後の慟哭はとりあえず収まったらしい。(相も変わらず不器用な人だね。もっと楽に生きれるだろうに)と、マジトーンで内心つぶやく。
「この世はルールを作った奴が勝つんだぜ。この場限りだがアンタだって一応そのポジションにいるんだからさ、御触れの一つでも出してみればいいじゃないの。な、ギルド長様よ」
「……もう、必要ないですよ。それより最後は玉座の間で迎えるんですけどご一緒にどうです?」
そう言ってスッと手を伸ばしてくる。手を取らなきゃ壊れちまいそうなギルド長。
(はなしそらしたな。)内心は思うがお首にも出さずにその見向きもされなかった、無視され続けた手を眺める。
このまま友愛という鎖で縛るはたやすいが、そんなものは俺の趣味じゃない。
何より、筋が通らない。
であるから「オラァ名誉会員みたいなもので正式な加入してないぜ?いや、しちまうか?ギルドへの登録、多数決で即断できるぞ!」
「今更ですか!?今まで何度も拒否ってたじゃないですか!というか多数決にならないし、じゃなくて、どうして今になって?」「案外寂しかったのかもな。俺も」
「終わってしまうことがですか?」そういうモモンガは懐疑的だ。退廃的というかストイックだから信用ないわな。
故に、お骨様を指さしつつ「友達のために、っていうのじゃあだめかね?」
「うわあ、臭すぎですよそのセリフ」
「おいおい、そんなこと言っていいのか?昨今の死因は大概呼吸器系だから今際のセリフなんて言えないんだぞぉ」
「どこの情報ですか!ソース出して下さいよ!」
「十年来の部下、血のあぶくタテながらベットの上でおぼれたよ」
あの時のこと、忘れるものかよ。助かったかもなんて思っちまうからこそ…ナ。
(ん?止まっちまった?げ、エモーションも出ねえか。ちょっとパンチ利かせすぎたかな、反省反省)
「などと言ってみると初心なモモンガ君は止まってしまうのだ。さ、とっととギルドの登録済ませちゃいましょうや、大将」
「あっはい。さっきのっt「知らんほうがいいこともあるってだけだよ」え、あ、ていうか近いですよ!」
「ほら今までだってアクの強いのまとめてたんだろ。がんばれがんばれ」
そうどやしながら手続きながら玉座の前と向かった。であった終わり。
出会いはこの次書くよ。タブンオソラク、maybe
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