私のヒロインアカデミア + 短編的なアレ (魔剣姫の従僕)
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短編的まとめ
予告編(続かない…?)


書きたいところだけ書いた後悔はしてない


夢を見ていた、いつか見たあの日の光景

私の目の前で血を流し倒れている、大切な人(いもうと)

傷口を塞ごうとしても幼い私の手では塞げず

助けを呼んでも周りには誰もいない

 

私の持つ個性、それを狙うヴィラン、助けにこないヒーロー

全てが嫌いになったあの日

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「僕は、どんな困っている人も救えるヒーローになりたい!」

彼は私に向かって自分のなりたい姿を叫んだ

その姿が、どうしようもないくらいにあの子に似ていた

 

『私は、みんなを笑顔にするヒーローになりたい』

『その、引き裂く個性で?どうやって?』

『まだわかんないけど………』

『そっか』

『うん』

『じゃあ、応援するね』

『ありがとう!お姉ちゃん』

 

「……ちゃん、寧ちゃん?」

唐突に現実に戻される

「大丈夫?」

「ええ、何でもないわ」

私はあの子の影をなんで出久に……

 

「なれると……いいわね」

ヒーローという存在に絶望したはずの私

だけど今出た言葉は本心だった

 

ーーーーーーーーーーー---

「大丈夫?出久」

「ははは、平気だよ」

わかってる無理してることも、個性がないことを気にしてるのも

 

だけど私は同情はしない

私に残っているのは………ッ!?!?

 

「Mサイズの…隠れミノ2つ…」

 

とっさに躱した私とは違い、出久は取り込まれた

掴もうとする手がもがく

 

私が出来ることは……

 

「もう大丈夫だ少年!!」

 

「私が来た!」

 

その声に憎悪抱き逃げたした

嫌いなヒーローにも、ヴィランにも

私は関わりたくなかった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

商店街の傍を通ったとき悲鳴と人だかりがあった

ヒーローは手を出せず(助けない)

ヴィランは暴れ続ける(欲望を振るう)

 

飲み込まれているのは爆豪勝己みたい

それに対しても私は何も思わない

 

ふと風が駆け抜けた

目の前に走り出したのは

(出久?どうしてあんなにも馬鹿にされてたのに)

 

出久は走り爆豪の元へ向かう

そして

 

「君が救けを求める顔してた」

あ、そっか

何で出久があの子に似てると思ったのか、ちょっとわかった気がした。

 

「おい、君も止まれ!」

(だって二人とも)

血から何かが抜けるような錯覚を起こす

(何かのためにって言った時の顔が)

それは錯覚から目に見える現象となり

「もう少しなんだからじゃまするなあ!!!」

光の花びらが宙を舞い手に集まる

「あんたこそ、出久の邪魔をするな!」

光の花びらがさらに輝き

 

血中霊子解放(サクリファイス)!!!」

彼等の体からヴィランを吹き飛ばした

(そっくりだったから)

 

個性の使いすぎで倒れる私

ふと出久達の方を見れば

 

オールマイトがとどめを刺していた

 

(久しぶりに全力を出したら疲れちゃったな)

 

そして私は、意識を手放した。

 

 

 

 




とりあえずの主人公の個性

個性名・霊子純血
前例のない個性ではあるが、木住の家系においては体質として昔から存在している。

寧の場合、体質と個性の両面を持つため歴代で最も血にある霊力(現代科学においても説明できない力)が濃くなっている。

個性としては、その血にある霊力を行使する力であり
霊力の塊を発射
霊力による共振を用いた幻覚
霊力を浄化に使い治療
などといった幅広い行為に使える

弱点としては、個性使用で血中霊力を消費するため
使えば使うほど自分が不利になり
霊力には限界値と回復量が決まっているため
消耗戦や短期決戦にも向いていない

個性としての力は以上です



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ifネタ もしも出久が出会ったのがヒーローではなく総統だったら 

もともとは、予告編だったから
短編置いてもいいじゃない理論

よくある出久くんのヴィラン堕ち作品
違うのが出久くんのままヴィランに堕ちること

よく分からない?
答えは後書きで


「パーティー♪パーティー♪楽しみだね、出久」

「……多分総統が思ってるパーティーじゃないと思うんだけどなぁ」

 

片や、緑髪でパーカーとジーンズの冴えなさそうな少年

片や、愛らしい風貌と似合わぬ軍服を着た少女

 

「だって招待状も届いたんだよ?」

ほら、と言って掲げるその紙は

無地の紙に、時間と場所が書かれているだけだった

 

(たしかここって雄英の……)

 

ヒーローになると思っていただけのあの時に入ろうとした高校

恐らくいる幼馴染みに会うのも億劫に感じつつ

警備の目を避けてたどり着いた

その扉を開けると

総統が脇をすり抜け

 

「遅くなっちゃった!パーティーまだ終わってないよね?」

 

ヒーローとヴィランが作っていた均衡が崩れた

 

「「「「はあ?」」」」

「ってあれ、総統じゃね?」

「あの軍服少女、間違いなく総統だよな!」

 

(さすが総統、軍費をネットアイドルの広告料で稼いでるだけはあるよね)

 

「おい、クソデク!」

「あ、やっぱりいた」

「なんだとゴラァ」

 

幼馴染みをさらっと流して

「で、ヴィラン連合さん何のようですか」

「あぁ、貴方たちがあの……」

「おい……黒霧、コイツらなんなんだ?」

「新進気鋭のヴィランコンビですよ」

「はっ、弱そうな野郎に脆そうな女じゃないか」

「……総統、帰りませんか?」

「ん?なんで?」

「ハァ」

 

((あの緑髪のこ苦労してるなぁ))

 

「そうか、じゃあ」

 

一緒にオールマイトを殺そうぜ

その問いに総統は

 

「え?なんで殺すの?」

 

「「はぁ?」」

 

「え、ヒーローのみんな交えてのパーティーじゃなかったの?」

「なわけあるか」

「じゃ、じゃあこの御菓子持ってきたのは……」

「無駄だったな」

「……ふぇぇん、出久ぅ」

 

総統が泣きながら抱きついてくる

よしよしと頭を撫でつつ

 

「僕達と君達の望みは交わらないみたいだ」

「お前らの望みだぁ?」

 

総統に目配せして、離れる

総統は胸元のジッパーを降ろし

素肌が現れる

そこから柄が現れる

 

それを握り引き抜く

白く光る刃が抜ける

 

それを右手に構え

左手で崩れ落ちる総統を抱き止める

 

「僕等の望みは世界征服」

「争いのない世界」

「子どもに大人が笑って暮らせる世界」

「それを成し遂げるためにヴィランになったんだ!」

 

総統も応えるように刃が更に輝く

 

たまった光を解き放つ様に刃を振り下ろす

 

閃光と衝撃が走る

 

大半の人が吹き飛ばされ意識を失う

残っている人に呼びかけるように言った

 

「ここでこれ以上争うのなら何度でも刃を振るいます」

 

だから

 

「この場は両者とも引いてください!」

 

 

こうして、平和系ヴィランとして有名となる彼等の最初の伝説が綴られた




答え
鷹の爪的なヴィランなら出久のままでなれそう

因みに総統ちゃんの個性は『心剣生成』
自分の心を刃として形成する個性
ただし、自分では刃を振るえず
相手への信頼度でなまくらにも、名刀にもなる使い勝手の難しい個性

出久への好感度はカンスト気味なので本来なら凄まじい切れ味があるが、人を傷つけたくない思いから生きているモノ以外を何でも切れる様になっている

出久くん?無個性のままだよ!


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if2 出久君、林檎に弟子入りする

ゼットンと似たような奴を
三ターンで倒す
ヤベェ奴


「師匠!今日もお願いします!」

木剣を握り、師匠と相対する

「いつでもいいぞ」

師匠は静かに木剣を構えた

 

「せいッ!」

「ヤァッ!」

 

時には力強く、時には手数を増やし

出久が攻める

剣同士がぶつかり手に痺れがくる

 

「どうした出久、それで終わりか?」

静かに、しかし熱を持った声に頷くように

つばぜり合いを凌ぐ

 

(師匠には、足でッ!)

現在自分が師匠と肩を並べられるものは脚力しかない

それを分かっているからこそ、師匠の動きを見据え隙を突く

 

(成長したな……だがッ!)

師匠が構えを変え、こちらの剣先に合わせ剣を振る

 

剣を弾き飛ばされ剣先を向けられる

「成長したな出久」

「ありがとうございますッ!師匠!」

「…………そろそろ師匠はやめてくれないか?」

師匠はあきれるようにそう言った

 

 

 

 

 

「無事か?出久」

「師匠!?どうしてここに?」

突然のヴィランの襲撃

一人だけ別のところに飛ばされ

三人のヴィランが襲いかかってきた

それを一撃で吹き飛ばし

僕の目の前に立ったのは

紛れもなく今朝会った師匠だった

「話しは後だ、突破するぞッ!」

「はいッ!」

師匠と共に駆けだし

ヴィランの群れを突破した

 

 

「やれ!脳無」

広場では、今にも大男がみんなに襲いかかろうとしていた

師匠が飛び込み、剣で吹き飛ばす

「これで終わりか?」

「そ、そんなわけないだろ、脳無!その女をぶっ潰せ!」

大男が指示に従い

師匠に腕を振るう

「後の先にて迎え撃つッ!」

それに合わせ剣を振り

その腕を切り飛ばす

「なんだあの女……木で腕を斬りやがった」

「はやくて、見えなかったわ……」

さすが師匠!

「動きは流水の如く、絶え間なく……」

2擊目、3擊目……

再生スピードを超えるように切り刻む

「出久!決めるぞッ!」

「任せてください!」

師匠が振りかぶる剣に合わせ跳び

足裏に剣を感じる

「いってこい!」

「たぁッ!」

僕の突きで相手が後ろの奴らも巻き込んで吹っ飛ぶ

そして彼等は撤退した

 

「で、なんで師匠はこんなところに?」

「近くの森に散策に来てみたら、騒々しい物音が聞こえたから寄ってみただけだ」

先生方が会話している僕達に寄ってきて

「あんたは、何者だ?それに、さっきの戦いで個性」

「師匠は僕の剣の師匠で、僕と同じ無個性ですよ!」

「「「無個性!?!?」」」

「何を驚いているんだ?」

師匠は真面目に不思議そうな顔をして言った

「ただ力で制しただけだ、誇るようなことではない」

「それであんたの名は?」

 

「ラクウェル、ラクウェル=アップルゲイトだ」

「いろいろ訳ありで出久の剣をみている」

 

リボンの女剣士が木刀を携え、そう言った




あのセリフが使ってみたかっただけ


病人系 トキ科の少女
ラクウェル=アップルゲイトさんでした!

シリーズ最強の女剣士と呼ばれる人

シリーズ最強の剣士は多分ラスニール様(作中で一切剣を使ってない)


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私のヒロインアカデミア 連載版
0話 ノコッタモノ


続いたようで続くかは未定のままのお話

用語解説

木住家
平安時代以前より続く神職の家系
他の家とは違い、政治などに関わらず
ひたすらに神に対する奉納を行ってきた

その実態は《??》に《???》る、《???》として存在する一族
《??》の力を大地に《??????》でもある
転じて《????》にも力を《???》ため
その存在を隠してきた

現在では、血が薄れ
《???》としての役目を果たせる人間は少なく
その中で寧は、歴代の巫女を凌駕する才能がある

?はひらがなです


暗闇

四方に燭台があるとはいえ

それだけでは照らしきれない空間

少女が一人部屋の中心にいた

おそらくは巫女服と呼べる代物をまとい

祈りを捧げる

静寂がこの空間を満たしている

 

 

不意に燭台の1つの火が強くなる

天井を焦がすように強くなり

そして何事もなかったかのように火は元に戻った

 

「で、今日のは終わったのか?」

部屋の入り口から声がした

少女は礼をした後

「はい、入ってもよろしいですよ」

その声とともに障子が動いた

 

そこから現れたのはおそらく三十代の女性

ダークグレーのスーツを纏い

面倒くさいからと自分でバッサリ切った髪

何というか中途半端と思うような体型

その女性は少女に向かって

 

「飯、さっさと作れ」

「いつも思いますけど、梨夢さんが作ればいいんじゃないですか」

ハァとため息をついた女性は

「私は、朝は味噌汁とご飯って決めてんだよ」

「それに朝からこった料理作んのは面倒くせぇ」

「毎日作る私の身にもなってくださいよ」

「よかったじゃねーか、花嫁修業になって」

「私としては、お婿さんに来て欲しいですけどね」

そんな軽口を交えつつ少女は立ち上がる

 

「では準備をします。鮭とお漬物でよろしいですか?」

「ああ、頼んだ」

少女が部屋の外に出て行った

 

「全く、あんたらも大変だな」

「まぁでも、頼んだよあの娘のこと」

 

なにせあいつらの忘れ形見なんだ

そうつぶやきその場を去って行った

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、では少女のことを語ろうと思う

 

木住寧 

それが少女の名前だ

歳は15

中学三年生

 

容姿はまぁ我からみても合格点だろうな

黒髪を頭の上で束ね

顔はそこそこと言ったところか

ただあの瞳は最高だといえる

闇夜を写した中で光る星の輝き

体つきは少し幼い気がするがこれからだろう

我としてはもうちょっと肉がついても良さそうだがなぁ!

全体的に華奢で守りたくなるとでも言えば分かるか?

 

家は神社

そして少女はこの神社の巫女をしておる

毎朝の祈祷と毎晩の神楽を忘れず奉納するいい娘じゃ

 

おい爺、今は俺が話してんだろ!

うるさいわ小童、大体なんじゃ

やれ肉付きがたらんじゃの、やれ幼いだの

この変態め!

てめぇに言われたかねぇよこのロリコン爺

ロ、ロリコンじゃと!?!?

……おい爺、何うわずった声出してやがる

わしゃぁ、ロリコンじゃない

ただ、小さい娘を孫だと思って接してるだけじゃ

……余計タチが悪いわボケェッ!!

 

二人とも

(ビクッ

少し黙って、黙れ、そのまま生き止めて

(生き止めて?!?!)

 

なぜヒーローではなくヒロインなのか

 

 

その答えは多分続けば明かされる!

(多分かよ!)

 

 

 

 

 



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1話 進路選択

簡単に話を進めようとしていくつかおかしくなっていますが気にしないでいただけるとありがたい




「で、お前は本当にこれでいいんだな?」

 

担任の先生に呼び出された私は職員室にいた

彼の手にはこの間書いた進路志望の紙

 

「はい、かまいません」

「……」

「……」

「……そうか分かった。だが、まだ時間はある」

「はい?」

「変えたくなったらいつでも言いに来い」

「……どうして、私にそんな甘いのですか?」

「教え子には甘くなるものさ」

 

そう言って彼は飲んでいた紙コップを握りつぶし

 

「じゃあ、さっさと帰れよ。受験生」

「失礼しました」

 

 

「……ハァ、俺も野暮だな」

「らしくないですね、先輩」

「ん、お前か」

「さっきのは……木住さんでしたか」

「他の先生がた曰く、学校(ウチ)始まって以来の才女だとよ」

「ここのレベルが低いってのもありますけどね」

「十中八九そうだろ、」

「うわぁ、ぶっちゃけますね」

「それはいい、こいつを見てみろ」

「進路選択用紙……ええっと……」

木住寧 第一志望 国立雄英高等学校 普通科

「これ本気ですか!?!?」

「ああ」

「たしかに、学力的には問題ないですけど……」

(俺が言いたいのはそういうことじゃないんだがな)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帰宅した私は服を着替え

境内の掃除に取りかかる

 

ある程度掃除を終えると

買い物に出かける

町に出て歩いていると

後ろから声が聞こえた

 

「寧ちゃんこんにちは」

「こんにちは出久」

 

彼は緑谷出久

少し前からウチの神社に参拝に来るようになった

学校は違うけれど、歳は同じ

そして

 

「今日も何かあったんですね」

「……やっぱり分かっちゃうんだね」

「数少ない特技ですから」

 

今日あったことを聞いた

そうして浮かぶのは

 

職業(ヒーロー)というモノに対する嫌悪

 

そんなときだった

 

私たちの下から

這いずり回るような

悪意

 

そして、背後より現れる

 

(ヴィラン)の魔の手

 

瞬間的に体が動く

封鎖結界(ケージ)

霊力を使い、相手を閉じ込める檻を作り出す

 

流体状の相手は何が何だか分からないまま

私の檻の中でもがき続ける

檻の表面に少しヒビが入る

 

(思ったより、力が強い……)

 

更に、ケージを外側に作り出そうとすると

 

「もう大丈夫だ、少年少女!」

 

声を上げて、現れた人影は

私が閉じ込めた(ヴィラン)を私の檻ごと

 

「TEXAS SMASH!!」

 

殴り飛ばした

 

そして人影の姿

 

そこに存在していたのは

 

私にとって

 

一番嫌いな(惨めになる)ヒーロー

 

オールマイトがいた

 

そして私は

 

その場を離れ、逃げ出していた

 

 

「寧ちゃん!?」

 

(寧?……どこかで聞き覚えが……いやそんなことよりもまずこいつを警察に届けなくては)

 

 




寧ちゃんが技に名をつけているのは
イメージを固定化するためです
霊力の使用は本人のイメージに左右されるため
本文中のように咄嗟に使うときなどは言わないですが
本来は作り上げる形を思い浮かべながら使用するために技名を言います

用語解説
封鎖結界《ケージ》
相手を封じ込める檻を形成
形・強度は込めた霊力によって調整可能
作った檻を圧縮することが出来る

弱点として檻に霊力を追加することが出来ず
作った檻の強度を相手が上回れば破壊することが可能
中からの攻撃には強いが外からの攻撃には脆い
等がある


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2話 受け継ぐ夢

立ち直るというか
変な方に転がる
そんなお話


オールマイトから逃げて数分

とある公園にたどり着いた

かすかに想い出に残るそこは

 

(おねぇちゃん)

 

失ったモノは、カエラナイ

あの日知ったことで私は理解した

私が願ったこと(あの子の夢)

私が見ていたかったもの(あの子の笑顔)

私が伝えたかったこと(あの子への想い)

体が、鉛のように重く

されど、心は風に流されていく

 

(ねぇ、次はおねぇちゃんの番だよ)

 

記憶にある、あなたはあの日の様に幼いまま

しかし、最期に見たように儚く、消えそうで

 

(いつかわたしはーーーーー)

もう、思い出せない

 

再び歩き出した

幻聴が私を縛り付けようとする

だけど

そこには、もう私の居場所はないのだから

斬り捨てる様に逃げた

 

 

 

商店街まで歩いてくると

何故か騒がしい

近くにいた男性に声をかける

「何かあったんですか?」

「どうやらヴィランが暴れてるらしいぞ」

 

人混みの先を見る

あの時、私や出久を襲ったヴィラン

アイツが別の人間を乗っ取ろうとしていた

 

(……ここがダメならスーパーにでも……)

そう思い踵を返す

 

「馬鹿ヤロー!止まれ!!」

声を聞いて、振り返る

出久だ

彼がアイツに向かっていき

取り込まれた人を救おうとして

 

「君が救けを求める顔してた」

 

 

【私は誰もを救える(ヒーロー)になりたい】

 

少し前からどこかあの子()に似ていると思っていた

外見でなく、考え方でもなく

多分、きっと

想い()が似ていた

そう感じられた

 

「もう少しなんだから、邪魔するな!!!」

 

邪魔?

ああ、そっか

徹底的にヤッテヤル

人垣を超える

人に止められるのを無視し

更に加速する

 

体に残った霊力を確認する

足りない

なら、

 

(霊子転換(サクリファイス))

 

血液を霊力に転換し

アイツに近寄る

 

「!寧ちゃん……?」

「伏せて!」

 

炸衝撃砲(ブラスター)!」

左手で中に取り込まれていた少年の腕を取りつつ

右手の平を相手に向ける

 

咆哮

 

拡散する衝撃が少年を引き剥がしつつ

アイツを建物に叩きつける

液体状の体が振動によって固定化される

 

それを見届けて

二人の手を離し

 

空間跳躍(ジャンプ)

上に跳びつつ逃げる

着地をした

そこは、私の神社(居場所)

 

「寧!お前……」

梨夢さんが駆け寄ってくる

サクリファイスを使ったせいで

立っているのもやっとな状態だった私

それでも

 

「梨夢さん、私は……」

 

あの子の夢を継ぎたい

 

伝えたかったことを伝え

倒れた

 

「……そうかい」

 

ならせいぜい頑張りな

 

そう聞こえた気がする

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「なぁ深夜」

「ーーー」

「もし、寧のそばにいるのなら」

「ーーー」

「頼みを聞いててくれ」

「ーーー」

「お姉ちゃんを助けるのはお前の役目だろ?」

 

一陣の風が私の頬を切り裂くようにふいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




寧ちゃんが雄英(ヒーロー科)
でやっていくためにに必要なモノ
1 霊力最大値上昇
2 入るための理由
これで2番は満たせたね!
学力は、十分あるから……

用語解説2
空間跳躍《ジャンプ》
跳躍したときの着地地点を動かし
転移に近い高速移動を行う

着地地点が霊脈でなければ使えない
大量の霊力を消費する
(この時点での寧の全霊力の3分の2を使う)
等といった条件を満たす必要性が有るため
戦術として導入するのはまず不可能


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3話 入試

前回から今回のお話の間の出来事

梨夢さんに個性の稽古を付けて貰ったよ!
(燃費の良い技の作成・使い方を覚えた)
先生に進路予定変更伝えたよ!
(おう、頑張れよby先生)
祈祷と神楽の時間増やしたよ!
(体力・精神力上昇!)
???の練習もしたよ
(今回出てくるよ)

結果
最大霊力10%ほど上昇




(吐き気がする)

 

雄英のヒーロー科を受験すると決めたあの日から

訓練はやってきた

勉強も復習をしてきた

 

だけども、

(ヒーローの像を見てるだけで吐きそうになる)

ヒーローに対する思いはこれっぽっちも変わってない

 

(我慢しなきゃ あの子の夢を叶えるためだから)

雄英の門をくぐった

 

 

耳障りな音(ヒーローの声)を聞いた後やってきた演習会場

 

持ってきた木刀を軽く振る

手に馴染ませたそれは

あの日を最後に握られなくなった

あの子の愛剣

 

(借りるね、深夜)

霊力を体に巡らせ

微々たる強化を行う

 

スタートの合図

それと共に地面を踏み込む

加速

通り過ぎざまに見つけた1Pを2体切り捨てる

 

通った道に霊力の糸を通す

(アンタのそれは基本万能系の個性)

目の前にいた3Pの敵を叩き斬る

(だから、個性頼みになりがちだ)

他の受験者に襲いかかる2Pを高速の突きで抉る

(忘れるな、霊力が切れるとき)

糸に反応があった

(()()()()()()()()()()()()()()()()())

(わかってるよ、梨夢さん)

時間が刻々と過ぎていく

突然地響きが鳴り、影が現れる

大きさから考えて0P

誰も狙わないそれこそ

(()()()()()()()()()()()()()()()())

両手で持ち、八相で構え

剣に込められた記憶をなぞる

 

(あの子の十八番)

何回も見せてくれた技

 

 

「秘剣・大雪惨」

 

相手の頭上を取り

兜割りを行う

本来なら斬られた場所から入るはずの亀裂が

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そして巨大な敵は小さな破片となり崩れ去る

 

参加者に当たりそうな破片を見つけ

落下しつつ剣を平突きで構え

 

「秘剣・裂点突破」

 

当たらないであろう距離から

突きを放つ

 

破片が中心から裂ける

更に細かくなり、人がケガをすることはなくなった

 

なんとかうまく着地し、付近を見渡す

ケガをして動けない人がいた

 

(ここで助けなきゃ、誰も助けられないよ!)

(そうだね、深夜)

頭に聞こえた幻聴にうなずき

霊力でケガ人の治療を行う

 

「終了~」

 

実技試験が終わった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

「敵P45 救助P52文句なしに入試一位だ!」

一週間たったある日のこと

合格通知が届いた

結果としては一位合格

それでも、あの子の技の再現率は40%も満たない

(現に、大雪惨はあんなに破片が出るような技じゃない)

圧倒的に体に馴染んでいなかった

あの子の夢を叶えるためにはまだ届かない

 

「そんな顔をすんじゃねぇ」

「……梨夢さん」

「不合格の奴らや合格した奴に対しても失礼だよ」

「だけど……」

「アンタが何をやろうか、理解はしてる」

だけどと言葉を続け

「でも、まずは一歩前進したんだ、喜びな」

「……はい」

「そんじゃ、メシにすっぞ」

 

ごめんなさい、梨夢さん

やっぱり喜べない

私じゃまだ、深夜に遠く及ばない

 

 

 

 

 




妹ちゃん(深夜)の個性
「断裂」
断裂を引き起こす個性
妹ちゃんは、個性に関する天性の才能があったため
いろいろな派生を作成、使用をしていた
弱点としては殺傷性能が高すぎるため(寧ちゃんが使う分には)加減が効かない
接触して普通に使うと自身に対しても断裂が起こる(寧ちゃんがry)
等と寧ちゃんが使うには使い勝手が悪すぎる個性




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4話 個性把握テスト

個性把握テスト

わりかし寧ちゃんと相性の悪いお話


「ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」

 

(うるさい)

目の前にいる先生(ヒーロー)の言葉を聞きつつ

何が出来るかを考えた

答えは出ない

 

第1種目50m走

(少しは鍛えたから、速くはなってる……か)

それでも、他に個性を使えるメンツから見れば遅い

出久も私より速かったし

 

第2種目 握力

剣を持つようになったからこそ上がったものの

一般的な範囲内を出ることが出来ない結果

 

第3種目 立ち幅跳び

第4種目 反復横跳び

 

どちらも何も出来ずに終わった

 

第5種目 ボール投げ

(そろそろやらなきゃ……か)

「先生?」

「なんだ」

「円からでなければいいんですよね」

「そうだ」

なら

霊力で手を守り

上にボールを投げる

 

「秘剣・大灼廻天」

 

ボールを手刀で打つ

瞬間

凄まじい勢いでボールが加速

天へと昇っていった

 

「記録ゼロだがお前も無限でいい」

「えっ?」

「計測時間中に計測範囲外にいった」

 

はぁ?と言った声が後ろから聞こえる

 

「あれ、大気圏突入しただろ」

「そうでしょうね」

 

二度目の驚きの声が上がった

 

そして出久の番

(多分後がないのは出久も一緒)

無個性と言っていた彼が個性を発現させたことには驚いたが

「先生」

「どうした木住」

「私の気分が悪いので緑谷さんのケガを治させて下さい」

「……ハァ、好きにしろ」

「出久、指出して」

「う、うん」

 

その他の種目は普通の記録で終わった

 

「じゃあ、結果発表といくか」

「ちなみに、除籍は嘘な」

 

嘘じゃなかったことは知っている

恐らく、お眼鏡に叶わない奴は無条件で落とす奴だ

顔と言葉を見ていれば分かる

 

 

帰宅時、前方に出久を含め3人を見つけた

「私も混ぜてくれる?」

「あ、寧ちゃん!二人ともいいかな?」

「私はいいよ!」

「構わないよ」

 

明日からもっと忙しくなるだろう

(もっと使えるようにならないと)

ーーーーーーーーーーー

「相沢君、そういえば木住君の個性についてなんだが」

「断裂と本人は申告していましたが」

「断裂?しかし彼女は緑谷君の指を治していたが」

「本人曰く、そういう使い方も出来ると言っていた」

「そうか……」

「どうかしたんですか?」

「いや、木住と言う名に聞き覚えがあるような、無いような」

 

「あんたら、知りたいか?」

「「!!」」

二人で話していた場所に現れた女性

二人が一瞬で警戒するが、入校許可書みせると警戒を解いた

 

「あなたは一体」

「まぁ、アイツの保護者みたいなもんさ」

「保護者……?」

 

「あぁ、探偵ヒーローなんてやってるただの女」

ダークグレーのスーツを纏った女性は

 

 

 

 

「貝念梨夢それがアタシの名さ」

そう名乗った

 

 




秘剣・大灼廻天
点から重力・大気を引き裂き高熱を発生させるも、モノを燃やさない状態にする

今回は抵抗、重力を無くしてボールを飛ばすために選択した

手は霊力で防護していたがその上から少し火傷していた


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