絶縁のルームシェア (猫ウザキ)
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1話

私、風見琉生は憧れの東京の大学に合格して地元を離れ1人暮らしをはじめたのだけど

1人暮らしが予想していたよりもずっとお金がかかり

偶然にもルームシェア募集してる人たちがいたので

応募したら

メールで直接来てくれと言われたので

顔も声も知らない、名前だけしか知らないルームシェア先へ

 

ルームシェア先の人の名前は不破真広と滝川吉野という二人

同じ大学の1年生なんだけど

学部が違うために面識がない

 

どんな子たちなんだろう?

 

そんなことを考えながらルームシェア先に着き

 

ドアが半開きになってる

ベルを鳴らしてみた

ピンポーン!

……

反応がない

 

「こんにちは~~不破真広さんに滝川吉野さんいらっしゃいますか~~」

 

半開きの隙間から家の中に聞こえるように言ったが返事はない

 

ドアが半開きなのに

う~ん

ひょっとしたら何かよくないことがあったかも知れない

私は部屋に入り

 

「失礼します」

 

足音に物音がする

誰かいるのかな

足音は二人分聞こえ、こちらに近づいているようだ

 

「誰なんだ、ったく」

 

男の声だ

??

 

声の主が姿を現すと

 

「……なっ……」

 

私は思わず言葉をなくし、後ろに身をひいてしまった

なんと二人はお風呂上がりなのか、身体から蒸気を出し、タオルを首にかけ上半身裸だった

 

「君どうしたの?」

 

二人いる内の、茶色髪のエメナルドグリーンの目をした優しそうな男の子がそう言い近づいてきた

 

「オレらの家に勝手に上がって来ておまえ何者だ?」

 

もう1人の金髪で赤く鋭い目をした男の子も私に迫ってくる

逃げ出そうとも考えたけど

 

「私は風見琉生です、ルームシェア希望で来たのですがお二人は、どちら様ですか?」

私が声を絞らせて言うと

納得し安堵の表情と変わる

 

「風見琉生って男って言ってなかったっけ真広」

 

真広??

ルームシェア先の名前なんだけど

 

「あっ~~名前だけで判断してた、人脈広げるのに男も女も関係ないだろ吉野」

 

真広と呼ばれて口を開いたのは金髪の方だ

 

「おいおい一緒に住むんだから少しは意識しろよな」

 

吉野は真広に肘を入れる

 

「アハハ」

もう笑うしかない

私は苦笑いを浮かべると姿勢を崩してしまい倒れかかってしまう

 

「危ない」

二人は私の手を片方ずつ掴み抱き上げる

 

……二人ともキレイな身体……なのにしっかりしてる

ボディシャンプーの香りがする

男の子の身体なんだ

……

って

「えっ~~えっ」

って私、半裸の二人に抱きしめられている??

 

「おいっどうした顔赤いぞ」

 

先に声をかけたのは真広

 

「とりあえず服を、服を着てください」

 

私がそう言うと二人は自分たちがまだ半裸だと言う事に気づいたようで

 

「それもそうだな」

とだけ言い

2人は服を着て

部屋へと案内してくれた

 

話すこと数分

二人は私が名前だけで女子だと思っていた二人だった

 

二人も私のことを名前だけで男だと思っていたみたい

 

お互い誤解が解けたのだけど

もう……ルームシェアは無理だわ

はぁ~~っとため息をつく

「鍵付きで1人部屋なんだけど、風見さんはどうかな?僕は風見さんさえ良ければ別に構わないけど、ねぇ真広は構わないよね?」

 

「オレは最初に言った通り、人脈作るのに男も女も関係ねぇ、アンタが住みたいなら住めば良い」

 

二人はそう言ってくれた

 

 

「私も二人さえ良ければ良いと思っていたので、よろしくお願いします不破さんに、滝川さん」

 

私はにこりと微笑みそう言った

 

「そうかオレ琉生とは気が合いそうだって直感でわかったんだ!あとオレのことは真広な」

 

「僕も吉野で良いよ琉生ちゃん、敬語もなしで」

 

なんだか私のことを受け入れてくれそう

 

「わかったわ!改めてよろしくね真広くんに吉野くん」

 

こうして私たち3人のルームシェアがはじまった

 

 

つづく

 



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