香風智乃の弟 (A.K@OMG)
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第1羽

ごちうさ好きなんで書いてみました!
ではどぞ( 'ω')


私は香風智乃と言います。

今は14歳の中学二年生です。そしてラビットハウスと言う喫茶店のマスターの孫です。ラビットハウスでの仕事はそこそこ順調で、学校でも友人と楽しく生活出来ているのでとても充実しています。

 

 

そして、私には、2歳下の自慢の弟がいます。

私と似ている性格で大人しく、とても優しい弟です。

そんな可愛い私の弟にはちょっと変わった才能があります。

 

それは、弟が7歳の頃、算数の勉強をしている時でした。弟は理系で算数がとても得意でした。父がちょっとした嫌がらせで難関大学の過去問を弟にやらせた時でした。なんと弟は私も全然わからなかった過去問の問題を全て解答出来ていました。しかも全て正解らしいです…

私はあまりの驚きに弟にどうやって解いたのか尋ねてみると本人曰く ″勘″ らしい。

 

私の弟はとんでもない天才でした。

それに喋り方も思考も大人びいているのでこの世は理不尽だと思い知りました。

 

でも、そんな弟が私は好きです。

 

 

 

弟の名前はヒロ。

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ…」

 

目を覚ますと空は明るく、朝になっていた。時計を見ると今は5時半ごろだった。

 

「すぅ…すぅ…」

隣では弟のヒロが眠っている。

…ふふっ、寝顔が可愛いです。

もう少し寝顔を堪能したい所ですが、そろそろ起きないといけない時間なので身体を揺する。

 

「ヒロ、起きてー朝だよ。」

 

「…んぅ…おはよ、お姉ちゃん。」

 

「おはよう。」

 

目を擦りながら眠たそうにヒロは起き上がる。

 

「さっ、早く朝ごはん食べよ?」

 

「うんっ」

 

私がそう言うとヒロは微笑んで答えてくる。

…そんなに可愛い顔されると抱きしめたくなるがここは我慢した。

 

 

朝食は厨房に食事用のテーブルがあるのでいつもそこで食べている。

ヒロを連れて厨房へ向かうと父のタカヒロが皿を並べて朝食の準備をしていた。

 

「おはよう。チノ。ヒロ。」

 

「おはようございます。お父さん。」

 

「おはよーお父さん。」

 

「さっ、早く朝食を食べよう。席に着いて待ってなさい。」

 

「「はい。」」

 

私とヒロは父に言われた通り、席に着いた。

その後、父が朝食の準備を終え、

 

「よし、じゃあ食べようか。」

 

「「「いただきます。」」」

 

みんなで手を合わせ朝食を食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は6時45分、開店は7時半。この時間はコーヒー豆の在庫の確認や座席の掃除などをしている。

 

「ヒロ、掃除は終わった?」

 

「もうちょいかな。」

 

テーブルを拭いていた私がヒロに尋ねるとヒロはそう答えた。

 

「お姉ちゃん、掃除終わったからコーヒー豆の在庫の確認してくるね。」

 

「あ、うん。ありがとう。」

 

どうやら掃除を終えたらしいヒロはコーヒー豆の在庫の確認をしに行ってくれたようだ。

……そろそろ開店の時間ですね。

私がそう思っていると、

 

ガチャ。

 

 

扉が開く音がした。扉の方を見ると、

 

「よう、チノ。おはよう。」

 

「リゼさん、おはようございます。」

 

リゼさんでした。リゼさんはここ、ラビットハウスのバイトをしている方だ。

 

「あれ?ヒロはどうしたんだ?」

 

「ヒロはコーヒー豆の在庫の確認をしてもらっています。」

 

「そっか。そう言えば今年でヒロは小6になって、チノは中学二年になるんだよな?」

 

「はい。時の流れは早いです…。」

 

「全くだ。」

 

私たちがそんな雑談をしているとヒロがトコトコ足音を立てて戻ってきた。

 

「お姉ちゃん、コーヒー豆の在庫は大丈夫だよ…?あ、リゼさん。おはようございます。」

 

「おう。おはようヒロ。」

 

そう言ってリゼさんはヒロの頭を撫でた。ヒロは満更でもなさそうな顔をしていた。

……私も撫でたいですが、そろそろ開店時間なので扉に掛かっていたCLOSEの看板をOPENに変えた。

 

 

しばらくしてお客さんが入ってきてその相手をリゼさんとヒロでしていて、私はコーヒー作りをしています。

 

「ふぅ…」

 

今日は春休み最終日と言うこともあったのかなかなか来客が多い。今はお客さんはいないので、みんなでコーヒーを飲んで一息ついているところだ。

 

「今日で春休みも終わりだな。」

 

「ですね。明日から学校ですね。」

 

「宿題早く終わらせなきゃ!」

 

ヒロは宿題を取りに部屋へ走っていった。そう言えば私も宿題が終わってなかったですね…。あとでやらないといけませんね。

 

 

 

 

 

しばらくリゼさんと雑談しているとヒロが宿題を持って帰ってきた。そして、宿題に取り掛かった。

この子は天才なので教える必要は無い。しかし、これでは姉としていい所を見せられない。

 

「ひ、ヒロ?分からない問題があったr「大丈夫だよ。」……。」

 

即答されてしまった。どうしよう…これでは姉としての活躍どころが…

私がおろおろしていると、

 

 

ガチャ。

 

 

扉が開く音がした。桃髪の私より年上のお客さんだった。

「うっさぎ、うっさぎ〜♪」

 

「うさぎがいない…?」

 

「うさぎがいない!?」

 

 

……なんだこの客。

 

 

 

 

 




香風翔梠(カフウヒロ)

12歳 小6

A型

身長はチノより少し小さい位

髪の毛はチノと同じ薄水色

目の色は青と赤のオッドアイ

趣味 ボトルシップ パズル

好きなもの 甘いもの コーヒー パン

嫌いなもの 野菜


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第2羽

ーーヒロsideーー

 

 

 

 

「どうぞ、こちらの席へ。」

 

うさぎを探していた変わったお客さんは僕が相手をしていた。

 

「もじゃもじゃ…?」

 

「ティッピーです。うさぎです。」

 

「うさぎ!?」

 

おじいちゃんであるティッピーをもじゃもじゃと言っていたのでうさぎと答えると、お客さんはとてもテンションが上がっていた。

 

「あ、えっと、ご注文は…」

 

「そのうさぎさん!!」

 

「…非売品です。」

 

「…うぅ、せ、せめてモフモフさせて!」

 

何を言ってるんだろうこの人は。こんな変わったお客さんは初めてかもしれない…

 

「じゃあ、コーヒー1杯で1回です。」

 

「じゃあ、3杯!」

 

…そんなにモフモフしたいのだろうか。

その後、お姉ちゃんにコーヒーを作ってもらい、お客さんに3杯のコーヒーを渡した。

 

「お待たせしたました。」

 

約束通り、お客さんにティッピーを渡したら凄く気持ちよさそうにモフモフしていた。

若干おじいちゃんが苦しそうにも見える…そう思っていると、

 

「ノォォオオ!」

 

おじいちゃんがいきなり叫びだした。

 

「わっ!?今ダンディーな声が聞こえた気が…」

 

「き、気のせいですよ… 」

 

おじいちゃん、あまり声を出さないで…フォローが難しい。

 

「ふへへぇ…この感触…たまらないなぁ…!」

 

「ええぃ離せこの小娘が!!」

 

ついにおじいちゃんは耐えきれなくなり僕の方へ飛んできた。

 

「…!やっぱり、ダンディーな声が…」

 

「い、いや…それはですね…」

 

どう言おうと迷っていると、

 

「私の腹話術です。」

 

といつの間にか隣に来ていたお姉ちゃんがそういった。

 

「お、お姉ちゃん。流石にその誤魔化し方は…」

 

「し、しかたないでしょ…。こうするしか…」

 

2人でこそこそ話しているとお客さんが、

 

「へぇー!店員さん腹話術上手だね!!」

 

「「え?」」

 

何故か誤魔化せたみたい…

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

変わったお客さんの相手をしていたヒロに変わって私が相手しようと思います。

 

「ヒロ、後はお姉ちゃんに任せて。」

 

「うんっ、分かった。」

 

ヒロの頭を撫でるとヒロはそう答え、厨房に戻って行った。

ヒロを見送っていると、

 

「私、この街で下宿先を探していたんだけど道が分からなくて…」

 

とお客さんはそう言う。

 

「なんて名前の下宿ですか?」

 

「えっと、たしか香風さんって所だったよ!」

 

「香風はうちですよ。」

 

「ほんと!?凄い!これは運命だよー!」

 

そう言って私の手を握ってくる。自己紹介しとかなきゃですね。

 

「私はチノです。マスターの孫です。そしてさっきの男の子は私の弟のヒロです。」

 

「私はココアだよ!よろしくね!」

 

「はい。」

 

そう言って握手を交わす。

 

「そう言えば、マスターさんに挨拶したいんだけど、今は留守かな?」

 

「…祖父は去年…」

 

「!…そっか。いまは1人で頑張っているんだね…」

 

「いえ、私だけでなく弟もいるので人手が足りてますし、あとバイトの子が1人いr「私を姉だと思って何でも言って!!」…!?」

 

いきなり抱きしめられてしまいました。…こういう時どうしたら良いでしょうか。いろいろと困っている私に

 

「だから、お姉ちゃんって呼んで?」

 

…ただそう言ってほしいだけなのでは…

 

「じゃあ、ココアさん…。」

 

「お姉ちゃんって呼んで?」

 

「ココアさん。」

 

「お姉ちゃんって呼んで!」

 

「ココアさん、早速働いてください」

 

「任せて!」

 

そんなに姉と呼ばれたいのだろうか。

取り敢えずココアさんを更衣室に連れていき、制服を持ってくるので待っていてくださいと伝えておいた。

 

「きゃぁ!?下着強盗!!」

 

いきなりココアさんの叫び声が聞こえた。

何事だと思い、更衣室に向かう。

 

「ココアさん、どうかしましたか? 」

 

「ち、チノちゃん!強盗だよ!」

 

「ち、違う!て言うかほんとにお前は誰だ!」

 

下着強盗とはリゼさんのことだった。

その後、ちゃんと事情を説明してふたりはしっかり和解し合った。

 

 

 

 

 

「ココア、ちゃんとメニュー覚えておけよ。」

 

リゼさんがココアさんにメニューを渡している。

 

「…うぅ、覚えにくいのばかり…」

 

「頑張れよ、ちなみに私とヒロはひと目で覚えたぞ」

 

「二人共すごい!!特にヒロくんなんてまだ小さいのにすごい暗記力だね!」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

フレンドリーな人とあまり接さないため、ココアさんの行動にヒロが戸惑っている。

その後ココアさんは才能が欲しいと呟いていたけど私が宿題をしている時に、ココアさんは異常なほどの暗算能力を持っていたことにびっくりしました。それもうちの弟に負けないくらいの。

 

 

 

 

 

 

「あ、いらっしゃいませ!」

 

お客さんが来た所でココアさんが初めて接客に入る。

 

「あら?新人さん?」

 

「はい!今日からここで働かせていただくココアって言います!」

 

「よろしくね。それじゃあキリマンジャロお願いできるかしら?」

 

「畏まりました!」

 

どうやら接客は問題ないようですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ!」

 

「お疲れリゼちゃん!」

 

「お疲れ様ですリゼさん。」

 

「お疲れ様です。」

 

 

 

 

 

今日の仕事が終わり、リゼさんが帰ったころです。

 

「今日はシチューでいいですか?」

 

私はココアさんに尋ねてみる。

 

「うん!野菜切るの任せて!」

 

「いえ、料理は私とヒロでやるので大丈夫です。」

 

「えぇー…」

 

 

 

 

 

 

「チーノちゃんっ!」

 

「はいっ…?」

 

シチューを作っているとココアさんに声をかけられた。

 

「ジャジャーン!どう!?」

 

「私たち…?」

 

「そうだよ!ヒロくん!どうかな!?」

 

と、ココアさんは私たち4人の似顔絵が描かれたラテアートの写真をヒロに見せる。

ヒロは一瞬、ビクッとしたが、

 

「いいと思いますよ。」

 

と微笑んだ。

 

「ほんと!?やったー!リゼちゃんにも送信しよっと!」

 

ココアさんは賑やかですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろかな?」

 

「もう少しです。」

 

もう少しでシチューが完成します。

 

「ねえヒロくん、こうしていると私たち姉弟みたいだね!」

 

「えっ?」

 

…今なんて?ヒロとココアさんが姉弟…?

私がちょっと嫉妬していると、ヒロが

 

「こ、ココアお姉ちゃんですね……」

 

「…!?」

 

「うおおおおーー!」

 

ヒロはそう言った。お、お姉ちゃんってココアお姉ちゃんって……わ、私がお姉ちゃんなのに…。

 

「ありがとうヒロくん!!」

 

「ふぇ?」

 

「!?!?」

 

するとココアさんはヒロに抱きついた。ヒロはすっとぼけた顔をしている。

 

 

 

 

 

 

私は我慢の限界だった。

 

 

 

 

 

「だ、ダメですココアさん!!」

 

私はココアさんとヒロを引き剥がした。

そして、ヒロを抱きしめてこう言う。

 

「お姉ちゃんは私です!ココアさんはお姉ちゃんじゃないのでヒロに抱きついたらダメです!!」

 

「そ、そんなー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、夕食を済ませた私たちはお風呂に入ることに。ヒロはそろそろ1人で入りたいらしいが今はココアさんがいるので私と入ることに。私としては別にどっちでもよかったのです。別にヒロと入りたいだなんて思ってません。

 

 

 

 

 

風呂から上がって私たちは今日はみんなで寝ることに。

 

「ねぇ、チノちゃん!ヒロくん!」

 

「はい?」

 

「この街、とても素敵な所だね!」

 

「そうですか?」

 

「私!チノちゃん達に出会えて良かった!これから頑張るね!」

 

ココアさんはほんとに明るい人ですね。

 

「ココアさんこれからよろしくお願いします。」

 

「よろしくお願いしますココアさん。」

 

ヒロも後に続く。

 

「ふふん、2人のお姉ちゃんとして頑張るね!」

 

「いや、ちょっと待ってください。」

 

「えー、今日はみんなと一緒にねーる♪」

 

「…うぅ」

 

 

 

 

その翌日、ココアさんがヒロに抱きついて寝ていました。

 

………全然怒ってませんよ。嫉妬なんかする訳ないじゃないですか。

ヒロに抱きつきたいとか全然思ってませんから。




3000文字でも疲れます(; ・`д・´


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第3羽

安定して3000文字越えれるようになりたい…










ーーチノsideーー

 

 

 

 

春休みが終わり、いよいよ今日から学校です。知り合いがいるクラスになるといいですね。

 

「ココアさん、ヒロ、もう行きますよ。」

 

「「ま、待って〜。」」

 

昨日、ココアさんがうちに下宿したのですがココアさんがフレンドリーな性格なため、内気な性格のヒロとすぐに仲良くなっていました。

 

「それじゃあお父さん、行ってきます。」

 

「行ってきます!」

 

「行ってきます。」

 

「ああ、行ってらっしゃい。気をつけて。」

 

私たちは登校した。

 

「3人とも道が同じなんてラッキーだね!」

 

「そうですね、これからは一緒に行けますね。」

 

しかし、私はすぐに道を曲がらないと行けない。ここからヒロとは別の道になるのだ。…もっと一緒に居たいですが仕方ないです。帰ったらいっぱい甘やかすつもりです。

 

「…じゃあ、ヒロ、またあとd「うぇええ!?もう道が別れるの!?」…!?」

 

私は驚きました、驚いているのはココアさんの発言ではなく、通学路。私″だけ″ここで別れるのだ。つまり、ココアさんとヒロの2人きりで登校することになる。ヒロに抱きついたりしないでしょうか…。

 

「で、では私はここで。」

 

若干顔を引きつらせつつ、私は歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると、

 

「おっ!おはよーチノー!」

 

「チノちゃんおはよー。」

 

「おはようございます。」

 

マヤさんとメグさんと合流しました。

 

「久しぶりだなー!チノと会うのは!」

 

「そうですね、春休み前の終業式以来ですかね。」

 

「春休みもあっという間だったよねー。」

 

メグさんの言う通り、ラビットハウスで働いていたせいなのかは分からないが春休みは結構短く感じた。春休みの思い出とかあっただろうか。元々春休みは短い方なので思い出とか作る暇はあまり無いかもしれない。

 

そんな事を考えているといつの間にか学校に着いていた。

春休み明け恒例のクラス替え発表だ。これから一年間一緒に生活を送っていく仲間になるので誰と同じなのか凄く緊張してしまいます。

 

「おっ!チノ!メグ!一緒のクラスだぞ!」

 

「ほんとですかっ!」

 

運がいい事にマヤさんとメグさんと同じクラスに慣れました。知り合いが居なかったらどうしようと思いましたがこの2人が居るなら安心ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

今はクラス替え発表の一覧表を見ている。

どうやら僕はB組らしい。去年もBだったのでなかなかクラス替えした感がない。と言うか1年生の頃からB組率が高かったんだよねー。

僕はB組の教室へ入り、自分の座席に座った。

 

「おおーヒロだー。」

 

「また同じクラスだなー!」

 

景色を眺めてると声をかけられた。

 

「あ、凜空(りく)と泰介(たいすけ)じゃんか。」

 

よく同じクラスになる友人の凜空と泰介だった。2人とは昔からよく遊んでおり、クラスも3回くらい一緒になった事がある。

 

「そういえばさー、昨日は学校が楽しみで眠れなかったんだよねー」

 

凜空が語り出す。

 

「分かる!俺も全然寝れないからミルクココア飲んでたわ!」

 

泰介が答える。いや、寝れない時にミルクココア飲んでも逆に目が覚めちゃうのでは?

 

「……あ。」

 

「「?」」

 

「あ、ごめん。何でもない。」

 

ミルクココアで思い出したけど…ココアさん、大丈夫だろうか。上手く学校に着いてると良いんだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー数十分前ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えへへー。2人きりになったねヒロくん。」

 

「そうですね。」

 

お姉ちゃんは通学路が別なので、ココアさんと通うことになった。…変なことされないだろうか。

 

「ねぇヒロくん!」

 

「はいっ?」

 

「モフモフしていい!?」

 

やっぱり。両手をワキワキさせながら目を輝かせるココアさん。

 

「ダメですよ。て言うか昨日、お姉ちゃんに抱きついたらダメだって言われてたじゃないですか。」

 

「うぇえ……だってー…。」

 

僕がそう答えると、さっきまで目を輝かせてたココアさんは一瞬で涙目に。忙しい人だな。

 

それからしばらく雑談しながら歩いていた…っとここでお別れですね。

 

「では、ココアさん。僕はこっちなので」

 

「あ、うん!またねヒロくん!」

 

僕たちは別々の道に別れた。

 

 

 

 

 

 

 

「んっ?…あれは…」

 

しばらく歩いていると、

紫髪のツインテールでブレザーを着ている女性がいた。

……リゼさんだろうか。

 

「どうしたんですかリゼさん。」

 

「ひ、ヒロ!?良かった!てっきり異次元に迷い込んだかと……。」

 

「い、異次元?」

 

この人は何を言っているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーリゼsideーー

 

 

 

 

 

 

 

「ん?あれはココア?」

 

「あ、リゼちゃん!ブレザーかっこいいね!交換してみない!?」

 

ココアだったようだ。制服を交換って……っとそれどころでは無かった。

 

「ココア、そんな事より早く行かないと遅刻するぞ。」

 

「ああ!そうだった!じゃあまたねリゼちゃん!」

 

ココアはそう言うと歩き出して行った。

しばらく歩いていると、

 

「あ、リゼちゃん!また会ったね!」

 

「おう。遅刻しないようにな。」

 

「分かってるってー!じゃあまたね!」

 

ーー数分後ーー

 

「わー!また会ったね!リゼちゃん!」

 

「お、おう。」

 

「じゃあねー♪」

 

ーー1分後ーー

 

「あれあれ?また会ったね!」

 

「ええ!?」

 

「リゼちゃんも遅刻しないようにね!」

 

ーー数十秒後ーー

 

「すごーい!!まただー!!」

 

「!?!?」

 

「またねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私は異次元に迷い込んだのか!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

 

 

「…て訳なんだ。」

 

「は、はぁ…。」

 

何してるんだココアさん…。

 

「でもそれって単にココアさんが迷子になっただけですよね?」

 

「そ、そうだよな!異次元なんて無いよな!!」

 

「はい。それにしてもココアさん、無事に学校に着いてたら良いのですが。」

 

「…だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、あの人なら大丈夫だろう。大丈夫…だよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

今日は始業式だったので、昼前に学校は終わりました。

 

ガチャ。

 

「あ、おかえりチノちゃん!」

 

ココアさんが先に帰っていた様だ。

 

「ただいまです。ココアさん、高校の方はどうでしたか?」

 

私が尋ねるとココアさんはビクッと肩を震わしました。……何かあったんでしょうか。

 

「い、いやぁそういえばこの街ってほんと素敵だよね〜。」

 

明らかに何か隠していることが見え見えだ。

 

「そうですか、高校の方はどうでしたか?」

 

「うさぎさんとか可愛い動物もたくさんいるし…。」

 

「高校の方は……」

 

「聞かないで!!」

 

いきなり叫びだした。やっぱり何か訳ありみたいですね。

 

ガチャ。

 

そう考えているとヒロが帰ってきた。

 

「ただいまー。」

 

「あ、おかえりヒロくん!」

 

「ヒロ、おかえり。」

 

ヒロはココアに気づくと汗を垂らしながらこう言った。

 

「あ、ココアさん!登校中大丈夫でしたか!?異次元に行ってませんよね!?」

 

「「??」」

 

私とココアさんは首を傾げ、頭の上に?を浮かべた。

その後、ヒロとココアさんに問いつめると、ココアさんは登校中に何度もリゼさんと出会い、おかしいと思ったリゼさんは異次元に迷い込んだと勘違いしてたらしい。当の本人であるココアさんも自分が迷子になっていた自覚は無かったらしい。そしてココアさんはその後、たまたま同じ学校の人と出会い、今日は学校は休みと言う事実を知らされた為、今日は早く帰っていたらしい。……そんな事より

 

「ココアさん、登校中にヒロに何もしてませんよね?」

 

私はヒロを抱きしめ、ジト目でココアさんを睨む。

 

「モフモフしていい?って聞いたら断られちゃったんだー…。私の事嫌いなのかな…。」

 

ナイスですヒロ!モフモフを断るのはいいことです。あれは私だけの特権なのですから!

私が興奮しているとヒロは申し訳なさそうに、

 

「あの、ココアさん…モフモフされるのはちょっと嫌ですけど、別にココアさんが嫌いな訳では無いですよ?」

 

「ほんと!?」

 

「はい。」

 

「ありがとうヒロくん!!」

 

「「!?」」

 

そう言ってココアさんは私ごとヒロに抱きついた。

 

「こ、ココアさん!ヒロに抱きついたらダメと言ったではずです!」

 

「えー、今日はいいじゃーん♪」

 

「だ、ダメです!!んぅ…は、離してください!」

 

「やだー♪」

 

「えっと…」オロオロ

 

今日のラビットハウスはとてもカオスな状況になりました。

 

 






読んでくれてありがとうございます!
第1羽の後書きのヒロのプロフィールにちょこちょこ付け足しとかしてるので良かったら見てくれると幸いです。


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第4羽

ーーチノsideーー

 

 

 

 

「あ、パン屋さんだ!」

 

学校から下校している時にそうココアさんが言った。

 

「確かに、いい匂いですね。」

 

ヒロがそう答える。

 

「だね♪久しぶりにパン作りたくなったなー!」

 

「ココアさんパン作るんですか?」

 

私は気になりそう尋ねた。

 

「うん!実は私の実家がパン屋さんで、私もよくパンを作ってたんだー!」

 

「そうだったんですね。」

 

「ああそうだ!今度の日曜日みんなでパン作ろうよ!」

 

「パン作りですか?」

 

私たちは喫茶店に戻ってもパンの話題で盛り上がっていた。

 

「パン作りかー。今後のメニューの参考にする為に作ってみようよお姉ちゃん!」

 

いつもよりテンションの高いヒロがそう言った。そういえばこの子はパンが好きでしたね…。

なるほど、確かにパンをメニューに追加するのはいい考えだと思うのだが…

 

「それはいい考えだと思うけど…お父さんはなんて言うでしょうか。」

 

「チノ、問題ないよ。日曜日は閉めておくしみんなと楽しみなさい。」

 

と父は私に答える。どうやらOKみたいですね。

 

「ありがとうございますお父さん。」

 

「ああ、じゃあ俺はこれで。」

 

お父さんは部屋に戻っていきました。わざわざ返事するために部屋を出てくれたのでしょうか。そんなことを考えていると、

 

「「やったー!」」

 

ヒロとココアさんの喜ぶ声が聞こえた。

 

「やったねヒロくん!タカヒロさんから許可もらえたよ!」

 

「ですね。」

 

ふたりは仲良くハイタッチしている。……いつの間にそんなに仲良くなったのでしょうか。

 

「ヒロ。」

 

「?」

 

「ちょっとおいで。」

 

そう言って私が手招きするとヒロはトコトコこっちに歩いてきた。

 

ギュッ

 

「!?」

 

何故、ココアさんとそんなに仲が良いのか問い詰めようとしたがヒロが可愛いかったのでつい、抱きしめてしまいました。でも、離す気はそんなにありません

 

「お、お姉ちゃん、いきなりどうしたの…?」

 

「別に?ただこうしたかっただけ。ダメだった?」

 

「いや、別に…。」

 

ふふっ、やっぱり弟はかわいいです。弟が嫌いな姉とかいるのでしょうか。私はヒロを嫌うなんてことありませんが。

私がヒロの温もりを堪能しているとココアさんが羨ましそうにこちらを見ていることに気がついた。

 

「…何ですかココアさん。前にも言いましたがヒロに抱きついたらダメですよ。」

 

「うぅ…分かってるよぉ…。」

 

頬を膨らましながらココアさんはそう答える。

 

ガチャ

 

「!?」

 

お客さんかと思い、恥ずかしくなって私はヒロを離した。

 

「ようみんな! 」

 

「こんにちはリゼちゃん!」

 

「こんにちはリゼさん。」

 

「こ、こんにちはリゼさん。」

 

リゼさんだった。もうすぐ開店なのに何恥ずかしいことしてたんでしょうか。私が顔を真っ赤にしていると、ココアさんが目をキラリと光らせ、

 

「チノちゃんモフモフ〜♪」

 

「ふぇ!?」

 

思わず変な声を出してしまった。

 

「こ、ココアさん!離してください!」

 

「ヒロくんは抱きしめてないから良いでしょー♪それに妹成分を補給しないと生きていけないよー。」

 

「そ、それとこれとは話が違います!」

 

妹成分補給しないと生きていけないのはわかる気がする。私もヒロの弟成分を蓄えないと生きていけない……いや、何でもないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、みんな揃ったね!」

 

今日は日曜日。今日はココアさんの言っていた通り、みんなでパンを作る日だ。

厨房でパン作りをするらしい。

 

「みんなに紹介するね!こっちが最近友達になった千夜ちゃんだよ!」

 

「今日はよろしくね。」

 

「チノです。よろしくお願いします。」

 

「リゼだ。よろしくな。」

 

「よろしくお願いします。ヒロです。」

 

私達はそれぞれ自己紹介をした。

 

「あら、そのワンちゃんは…」

 

千夜さんは私の頭の上に乗っているティッピーをワンちゃんと呼びました。…うさぎです。

 

「ワンちゃんじゃないです、ティッピーです。」

 

「モフモフしてるわねー。」

 

「分かる!私もモフモフしたい!」

 

いきなりココアさんと千夜さんがティッピーをモフモフし出す。

…パン作りはどうしたのだろうか。

 

「お前ら、パン作りはどうした。」

 

リゼさんがそう言う。

 

「あら、そうだったわね。」

 

「そうだったそうだった!」

 

助かりましたリゼさん。2人は元の場所に戻りました。すると、ココアさんが

 

「みんな!パン作りを甘く見ちゃいけないよ!!ちょっとしたミスが命取りになるんだよ!!」

 

命取りって、大袈裟ではないのでは…。いつも以上に燃えているココアさんを見てリゼさんが、

 

「おお!ココアがいつも以上に燃えている!!今日はお前に教官を任せた!!」

 

「サー、イェッサー!!」

 

「わ、私も仲間にー!」

 

「あ、暑苦しいです。」

 

「…。」

 

本当に暑苦しいです。

 

「さぁみんな!持ってきた材料を提供!!私は焼きそばパンならぬうどんパンにするよ!」

 

「私は栗羊羹と魚を持ってきたわ。」

 

「私も魚です。あと冷蔵庫に納豆なども入っていたので持ってきました。」

 

「僕は練乳を持ってきました。」

 

「私はイチゴジャムだが…これってパン作りだよな…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!パンをこねるよー!」

 

次はパンを作る過程らしい。リゼさんと千夜さんとココアさんが、がやがやとパンについて語り合っている。…こ、攻歩菌!?そんなものパンにいれるのですか!?

 

「そ、そんな危ないものヒロに食べさせるなら、パサパサで我慢します!!」

 

私は思わず叫んでいた。語り合っていっていた3人は酵母菌の何が危険なんだろうと頭の上に?を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これからパンを焼くよ!」

 

「チノ、それは誰の顔なんだ?」

 

「これはおじいちゃんです。昔良くお世話になったので。」

 

私のパンの形についてリゼさんが聞いてきたのでそう答える。

 

「では、これからおじいちゃんを焼きます。」

 

「さらっと、えげつないことを言ったな。」

 

そしてみんなのパンを業務用の大きいオーブンに入れ焼き始めた。焼いている時間が経つにつれ、パンが大きくなっていく様子が面白かったので、ヒロと一緒にずっと覗いている。

 

「みんなのパンが大きくなっていってます。…リゼさんのパンだけ遅れています。もっと頑張ってください。」

 

「それ、私のせいなのか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー数十分後ーー

 

 

 

 

 

 

 

チンッ

 

パンが焼けた音が音がなり、いつの間にか私達は寝ていました。

 

「ジャジャーン!パンが焼けたー!」

 

とココアさんがみんなの焼けたパンを持ってくる。

 

「焼けたてなので早く食べましょう。」

 

「そうだね!それじゃあみんな!」

 

「「「「「いただきまーす」」」」」

 

「うん、美味しい!」

 

「ほんとっ、作った甲斐があったわね。」

 

「ですね。」

 

みんなと感想を言い合っていると、

ココアさんがなにやら別のパンを持ってきた。

 

「ココアちゃん、それは?」

 

千夜さんがそう尋ねる。

 

「ふっふっふっ…ジャーン!!ティッピーパン!」

 

「「「「おおー」」」」

 

ココアさんはデザインがティッピーのパンを私たちに見せました。触り心地がとてもモフモフしています。

 

「あら、美味しい。」

 

「モチモチしてますね。」

 

確かに美味しい。……のだが、

 

「美味しいが…ちょっとえぐいな。」

 

リゼさんの言う通り、ティッピーから出てきたイチゴジャムが若干えぐさを表していた。

 

 



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第5羽

今回はオリ話です。
なのでちょっと短いです。


ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

 

僕は今、学校で算数の授業をしている。どっちかといえば理系なので国語よりも得意だ。

 

「よし、じゃあヒロこの問題を解いてくれ。」

 

と先生は僕を指名する。この問題はなかなかの発展問題でみんな険しい顔をして悩んでいる。…というか、

そのまま口でいえばいいのに何故わざわざ黒板に書かせるのだろうか。めんどくさがりながら僕は席を立ち黒板に向かう。そして、この問題の解答をかいた。

 

「よし、正解だ。」

 

どうやら正解だったらしい。普段は授業などまともに聞かず、外の景色を眺めているのだが何故か出来てしまう。確かお姉ちゃんにも天才?とか言われていた覚えがある。

 

「相変わらずスゲーなお前…。」

 

凜空が苦笑いでそう言う。

 

「どーも。」

 

「どうやったらそんなに頭が良くなるんだよー。」

 

「んー、復習したりしたら何とかなるんじゃないかな?それか誰かに教えてもらうとか。」

 

僕は取り敢えず先生が言いそうなアドバイスを言ってみる。人に教えてもらうのは結構勉強になると思う。僕はお姉ちゃんに教えてもらったことはあるにはあるのだが……あれは無理矢理だった。

ある日、いきなりお姉ちゃんが勉強を教えてあげると言い出した。特にわからない問題は無く断ったのだが、お姉ちゃんが それだとお姉ちゃんとしての活躍どころが… などよく分からないことを呟きながら僕に簡単な問題を無理矢理教えてもらっていた。教えてもらった後、とりあえずお姉ちゃんにありがとうと伝えるととても嬉しそうな顔をしていたのを覚えている。……ちょっと可愛いかった。

 

「よし、今日はここまでだ!そして次の時間は前にも言っていた″家族への感謝文″を書いてもらうからなー。」

 

思い出に浸ってると気がつけば授業が終わっていた。…家族への感謝文…か。とりあえずお姉ちゃんに書こうかな。お姉ちゃんには数え切れないほど感謝してる。未だにお風呂を1人で入らしてくれなかったり、父から許可をもらっているのだが、お姉ちゃんに空き部屋が余っているのに何故か部屋を分けさせてくれなかったり、ちょっと女の子と喋っているだけでめっちゃ睨んで誰と何をしていたのかとか問い詰められたりと多少変な部分はあるのだが、何だかんだいいお姉ちゃんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあこれから家族への感謝文を書いてもらう。家族の中から1人、感謝したい人を選んで書いてくれ。」

 

と先生が語りながら紙を配布する。うん、お姉ちゃんに感謝文を書くことにしよう。

 

「なぁヒロ!誰に感謝文書くんだ?」

 

と泰介が尋ねてくる。

 

「ん?あー、お姉ちゃんだよ。」

 

「へぇー?お姉ちゃん好きなの?シスコン?」

 

「いや、お姉ちゃんよりは姉弟好きじゃないから。」

 

そう、これだけはハッキリと言える。

 

「お姉ちゃんブラコンなんだー。」

 

と凜空が答えてくる。

ええ、そりゃもう凄いですよ。

 

「よーし、じゃあ配られた人から名前書いて書き始めてくれ!」

 

と先生が言ったので僕はペンを手に持って感謝文を書き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食を終えたあと、ヒロが渡したい物があるので部屋で待っててと言われ、部屋で待機中です。

なにを渡されるんでしょうか…。私が素直に気になっていると、

 

「お待たせ、お姉ちゃん。」

 

と風呂から上がったヒロが部屋に戻ってきた。

 

「うん、ところで渡したいものって?」

 

と私が尋ねると何故かヒロは照れくさそうにしている。……ま、まさか!告白ですか!?ラブレターですか!?…い、いやいや弟なんですから…ええ、有り得ませんよ。

 

「あの、お姉ちゃん。渡したいものってそういう物じゃないからね。」

 

と私の考えていることを見透かしたようにジト目でヒロがこちらを見てくる。可愛い。

ラブレターじゃないと分かり、少しだけ残念だと思っている私に

 

「お姉ちゃん。はい、これ。」

 

とヒロがプリントを渡してきた。

 

「えっと、それはね。学校で家族への感謝文という物を書いていたんだ。家族の誰か1人に感謝文を書くんだ。それでお姉ちゃんに書くことにした。」

 

とヒロは照れくさそうに言ってくる。…え?私に、ですか?それだけでも、ちょっと泣きそうなのだがそこは堪えてその感謝文に目を通した。

 

 

 

『お姉ちゃんへ、お姉ちゃんに日頃の感謝の気持ちを書くことにしたのですが、正直なんて書けば良いのか分からなかったので取り敢えず今思っている気持ちを書こうと思います。いつも僕の世話をしてくれたり、困っている時はいつも初めに助けてくれるのはお姉ちゃんなので、とても頼りな姉だと思いました。時には僕にずっとくっついたり、お風呂を未だに一緒に入ったり、未だに一緒に寝たりと14歳にもなって、まだ弟離れしない変わった姉ですが、それでも僕はあなたがお姉ちゃんで嬉しかったです。これからもずっと僕の大好きなお姉ちゃんでいて下さい。 香風翔絽』

 

 

 

 

 

「「……」」

 

 

 

ギュッ

 

 

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

 

 

 

 

 

もうヒロにはいたずらします。お風呂もずっと一緒に入るし、部屋だって分けてやりません。ヒロがなんて言おうが知りません。もう…知りま…せん。

 

私は気がつけばヒロを思い切り抱きしめていた。

 

「お、お姉ちゃん…ちょっと落ち着いてー…。」

 

ヒロが何か言っていますがそんなの知りません。今は離れたくありません。涙なんて弟に見せられません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう、ヒロ。

 

 

 





読んでくれてありがとうございます!
今回はオリ話 姉への感謝という話でしたがどうでしたか?
ちょっと下手だったかも(´・ω・`)


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第6羽




やっば、投稿めっちゃ遅れた(;´・ω・)

っとその前に小説情報確認しとくか。



UA 3105

お気に入り 67件






………(°д°)


ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

 

 

『パン作りのお礼に今度うちの店にいらっしゃい。』

 

 

 

前にみんなでパンを作った時に千夜さんが言っていた事を思い出す。

 

「あの、皆さん今度の日曜日に千夜さんのお店行きませんか?」

 

という訳で僕はみんなに提案してみる。

ココアさんは″いいよー!!″とリゼさんは″分かった″と返事してくれた。お姉ちゃんはどうなんだろうと思い、お姉ちゃんの方を見るとお姉ちゃんはいきなり顔を赤くして目をそらして″いいよ。″と返事してくれた。

なんだろう。もしかしてまだ感謝文のこと考えているのだろうか。

僕は12歳なのでそろそろお風呂とかも1人で入りたかったのだが、あの感謝文以来、僕がこっそり1人でお風呂に入ろうとすると、待っていたのかのようにお姉ちゃんが脱衣場にいるので結局一緒に入るハメになる。

寝る時だっていつもよりくっつかれている。

あの感謝文は逆に弟離れしてもらえなくなったかもしれない。でも、僕に限ってとても甘えてくるところにちょっと可愛いなと感じて許してしまう自分もいる。

 

「分かりました。では日曜日にみんなで行きましょう。」

 

僕はにへらとみんなに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

ーー日曜日ーー

 

 

私達は今、千夜さんの喫茶店へ行くためにラビットハウスを出て、メールで千夜さんの喫茶店の場所を教えてもらったココアさんに道を案内してもらっています。

 

「あ、ここみたいだよ!……おれ…うさぎ…あまい?」

 

「ココアさん、甘兎庵です。右から読むんですよ。」

 

とヒロがフォローする。

 

 

ガラッ

 

 

「あら?いらっしゃい。来てくれたのねみんな。」

 

「やっほー千夜ちゃん!」

 

「こんにちは、千夜さん。」

 

「こんにちは。」

 

「こんにちは、千夜。」

 

千夜さんが迎えてくれました。

そしてすぐに、

 

「ささ、みんな座って♪」

 

と慣れた接客をする。流石千夜さんです。

 

「はい、これメニューよ。」

 

「「「……??」」」

 

必殺技が書いてあるみたいで、正直何が書いてあるのかよく分からなかった。

どう読むんだろうと悩んでいるとココアさんが

 

「どうしよっかなー♪抹茶アイスもいいしー…大福もいいなぁ…」

 

「「「読める(んですか)のか!?」」」

 

 

ココアさんの良く分からない特技を知りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、お待たせ。」

 

それぞれみんなが頼んだ品が送られてくる。

ココアさんはたい焼きが入ったパフェ。リゼさんは抹茶アイス。私とヒロはイチゴ大福でした。

 

「「「「いただきます」」」」

 

「んー!美味しい。」

 

「ほんとだ。旨い!」

 

「美味しいです。」

 

みんなの言う通り、とても美味しい。…和風の食べ物も悪くないですね。私がそんなことを考えていると、

 

「ヒロくん!食べあいっこしよ!」

 

「…え?」

 

「!?」

 

といきなりココアさんがヒロにそう言い出した。

 

 

「えっと…」

 

ヒロがオロオロしながらチラッと私の方を見てくる。たぶん助けて欲しいのだろう。私はコホンっと咳払いをして、

 

「ココアさん、ヒロが困ってるので変な事言わないでください。」

 

「えぇ~…じゃ、じゃチノちゃん!食べあいっ…」

 

「しません」

 

「ヴぇぇぇぇ…」

 

これでココアさんも懲りるだろうと思っていた矢先、ヒロが大福を切って分けている。

 

「あの、ココアさん。僕ので良かったら食べますか?」

 

「ほんと!? 」

 

嫌な予感はしていたがやはりにココアさんに分けるつもりでしたか…。ヒロは人一倍優しい性格をしているので落ち込んでいる人が目の前にいると弱ってしまう。以前、昼時にヒロと早めの夕食の買い出しに向かっている時に6歳くらいの子が迷子になって泣いているところをヒロが見て、その子を慰め一緒に親を探してあげていたのを覚えている。そのこの親を探す時にヒロとその子が手を繋いでいたところを見てちょっと羨まし…いえ、なんでもありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー、美味しかったね〜♪」

 

「私、抹茶が好きになったかもしれないな!」

 

「確かに美味しかったですね。」

 

それぞれの品を食べた私達は感想を語っていた。うん、確かに美味しかった。ここがそこそこ人気な喫茶店なのも納得がいく。

 

「それじゃあそろそろ帰ろっか!」

 

「ええ。みんな、またいつでもいらっしゃい♪」

 

私達は店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「千夜ちゃんのお店いいところだったね!」

 

「そうですね、機会があればまた行ってみたいです。」

 

ココアさんと喋っているとヒロとリゼさんが「なぜ気づいていない」的な目をこちらに向けている。

どうしたのだろうと私が首をかしげているとヒロが、

 

「お、お姉ちゃん。頭…」

 

「頭……?……あ」

 

頭がどうしたのだろうと私が上を見るとそこにはティッピーではなく、甘兎庵の看板うさぎである あんこが私の頭の上に乗っていた。

 

「て、ティッピーは!?」

 

ココアさんもティッピーの存在に気づき慌て出す。

 

「あ、いたぞティッピー。」

 

とリゼさんが指を指す。その方向へ向くと、涙目で悔しそうな顔をしたティッピーがこちらを見ていた。

 

「チノ…わしよりそんなうさぎの方が良かったのか…(泣)」

 

「す、すいませんおじいちゃん。」

 

私は小声でそう言ってティッピーを抱きかかえた。さて、あんこを返しに行きますか。私がそう思っているとその考えを見透かしたのようにヒロが、

 

「お姉ちゃん、僕が返してくるよ。」

 

「ヒロが?じゃあお願いできる?」

 

「任せてよ!あ、皆さん先に帰っていて下さい。」

 

ヒロはそう言ってあんこを抱え、甘兎庵の所に向かって行った。

 

「じゃあ先に私達は帰ろっか!」

 

ココアさんがそう言って歩き出す。私とリゼさんもそれに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーヒロsideーー

 

 

 

 

甘兎庵はこっちだっけ……。あ、あったあった。

 

ガラッ

 

「千夜さん、あんこを返しに来ました。」

 

「あら、ヒロくん。ありがとね。またカラスに持っていかれたかと思ったわ♪」

 

「えっ?か、カラス?」

 

あんこってよくカラスにさらわれるんだ…。それをまたとか言って放置して大丈夫なのか千夜さん。

 

「じゃあ僕はこれで。」

 

「ええ。ありがとね。」

 

「はい!では。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

「いやぁぁああ!!こっち来ないで!こっち来たら舌噛むから!! 」

 

甘兎庵からの帰りの時に路地の隅に金髪のお姉さんがなにか叫んでいた。

何かあったのだろうか…。そう思い覗いてみると、そこにはうさぎが座っておりそれに対して金髪のお姉さんが怯えている。なんだこの状況。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「あああのうさぎを何処かやって!」

 

「え、あ、はい。ほら、お姉さんが迷惑してるでしょ。」

 

金髪のお姉さんに言われた通りうさぎを抱きかかえてどかせた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ、助かったわ…。えっと…」

 

「あ、ヒロと言います。」

 

「そう、ありがとねヒロくん。私はシャロよ。」

 

「シャロさんですか、いえいえどういたしまして。」

 

「本当にありがとうね。じゃ、またね。」

 

「はい。」

 

僕は再びラビットハウスに向かった。




読んでくれてありがとうございます!

投稿めっちゃ遅れました!待ってくれていた方、本当にすいません(´;ω;`)

小説情報確認したらお気に入り件数が67になっててびびった( º_º )

ではまた|・x・)ノシ


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第7羽

最近、UAとお気に入り件数が増えてきてめっちゃびっくりしているんだが。











ーーヒロsideーー

 

 

 

 

「よし!ラビットハウスに相応しいコーヒーカップを見つけるよ!!」

 

何かとテンションが高いココアさんが元気よく言う。

 

「テンション上げすぎだココア落ち着け、周りの人らがこっちを見てるぞ。」

 

リゼさんがココアさんを落ち着かせる。

 

「なんか周りの店が前と全然違う…。」

 

「ヒロ、今度からはボトルシップ自重してね。」

 

お姉ちゃんが分かりきったことを言ってくる。

 

「わかってるよ…。」

 

そう、僕達は今、新しいコーヒーカップを買うために食器店へ向かっている。前までボトルシップやパズルをかなりやっていたので学校やラビットハウスの仕事、夕食の買い出しなど以外は基本的に部屋にいた。そのせいもあり、街に新しいお店が出来たとか何処かの店が潰れたとかの情報が入ってこないので、今向かっている食器店が建てられていることも知らなかった。

そもそも何故僕達は食器店に向かっているのか、それは先日に遡る…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー先日ーー

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスの仕事終わり、僕は今テーブルを拭いているところだ。今日もお客さん来てくれたなー。明日は休みだから来週からまた頑張らないと!

1人でそんなことを考えているとカウンターの方から、

 

「なんか、ラビットハウスってシンプルな感じだよねー。もうちょっとお洒落にしようよ!」

 

ココアさんがいきなりそんなことを言ってくる。

「いいです。シンプルイズベストっです。」

 

お姉ちゃんがそう答える。

 

「えー!ねぇ、リゼちゃんもお洒落な方がいいよね!?」

 

「んー、私としてはどっちでもいいんだが…確かにお洒落にするのもありかもな。」

 

「だよね!」

 

2人のやり取りに少々戸惑うお姉ちゃん。

 

「というか何処がシンプル感を出しているんでしょうか?」

 

疑問に思ったので僕が尋ねるとココアさんは、

 

「そーだねー。あ、例えばこのコーヒーカップとか!」

 

と、ココアさんは僕達にコーヒーカップを見せてくる。

確かにそのコーヒーカップは白一色というシンプルなカップだった。

 

「なるほど……。そういう事ならお洒落なコーヒーカップに変えるのもいいんじゃない?」

 

と、僕はお姉ちゃんに尋ねる。

 

「うん、…そーだね。……じゃあ、明日みんなで買いに行きますか?」

 

「ほんと!?やったーー!!ありがとチノちゃん!」

 

お姉ちゃんの許可により、明日に新しいコーヒーカップを買いに行くことになった。…ってちょっと待って、

 

「え?この辺りって洋食器店あったっけ?」

 

僕が疑問に思ったのでそう言う。するとみんなはびっくりした表情で、

 

「「「知らないの!?」」」

 

「…えっ?」

 

「最近この街に来た私ですら知っているのに!?」

 

「ヒロ…部屋でボトルシップやりすぎるから…。」

 

ココアさんとお姉ちゃんがそう言ってくる。

え?どういうこと?

食器店なんて出来てたっけ…?前までボトルシップにハマりすぎてたから部屋には基本的にはいたから街の様子なんてよく聞いてないからなのだろうか。今度からは外で遊ぼうかな。

 

「そ、そうなんだ。今度、ちゃんと街を見回っておきます。」

 

「ま、まぁ!明日は可愛いコーヒーカップを選ぼうね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー現在ーー

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至るわけだ。

ていうか、あの文房具店は本屋になってるし、あそこの洋食レストランも和食レストランに変わっている。

街ってそんなにすぐに変わっちゃうものなのだろうか。

 

「そう言えば、食器店はどこ辺りにあるんですか?」

 

僕が質問すると、

 

「どこって、甘兎庵の所から真っ直ぐ進めばあるよ?」

 

と、ココアさんが答える。

 

「え、そんなに近くにあったんですか!?」

 

マジか…。ハマりすぎには注意しよう。

そんなことを考えているといつの間にか目的の食器店に着いていた。…こんなにも近かったとは…。

 

「ついたねー!」

 

「じゃあ入りましょうか。」

 

お姉ちゃんがお店に入り、後に僕達も続いた。

 

 

ガラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ…食器店につきましたね。

距離はそんなに遠くなかったけど、私は運動が苦手なのでちょっと疲れている。

 

「わー!!凄い!可愛いデザインの物がいっぱい!!」

 

店に入ってからココアさんはこの調子だ。うさぎの様に目を輝かせ、ぴょこぴょこして食器を見回っている。あんなにウロウロして大丈夫だろうか。そう思った時、

 

「わ!わぁ!?」

 

 

ガシャン!

 

 

「「「危ない!」」」

 

ココアさんが食器が並べられている棚にぶつかり、棚にあった食器が落ちてきたが、なんとか私達でフォローした。

 

「はぁ…ココアさん?気をつけてください。」

 

「えへへー…ごめんね。」

 

ヒロがココアさんをジト目で睨む。

全くココアさんはしょうがないココアさんです。

それからしばらく店内を見回っていると、

 

「あれって、シャロじゃないか?」

 

リゼさんがそう言い出す。シャロさんとはだれだと思いリゼさんが見ている方を見ると、金髪のふわっとしたカールがかかったココアさんと同じくらいの綺麗な人がいた。あ、こっちに気づいたみたいです。

 

「り、リゼ先輩!?それにヒロくんも!?」

 

「おう、久しぶりシャロ。」

 

「こんにちはシャロさん。」

 

と2人はシャロという方に挨拶した。……ていうか、いつの間に私の知らない女友達が出来てたんですかヒロ…。も、もしかして彼女だったり…!?い、いやいやヒロはまだ12歳ですし…でも、可能性はゼロではない訳で…。

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「…なに?」

 

「なんで抱きしめているの…?」

 

「え?」

 

いつの間にか私はヒロを抱きしめていたみたいだ。ヒロに彼女が出来ていて欲しくないと願っていたら体が勝手に動いていたようだ。でもヒロは温かいしこのままでいいかな。

 

「…別にいいでしょ。」

 

「暑いよお姉ちゃん…。」

 

ヒロにそう言われ、振りほどかれる。

……ひ、ヒロがいつもより冷たい…!?やっぱり、彼女が出来たりすると姉とかどうでも良くなってくるのでしょうか…。いや、ないですよね?私が内心焦っていると

 

「シャロさんも買い物ですか?」

 

「え?ええそうよ。」

 

シャロさんとヒロが楽しそうに会話している。いつもヒロは人と話す時は笑顔で話しているのだが、何故かこの時は話し相手がシャロさんだったのか笑顔がとても輝かしく思えた。……もう、お姉ちゃんはいらないんでしょうか。

「ヒロくんは元気ね…。」

 

「…!?」

 

シャロさんはいきなりヒロの頭を撫でた。や、やっぱり彼女さん…!?というか、ナデナデするのちょっと長くないですか…?あれは私の特権…。

 

ナデナデ

 

……。

 

 

ナデナデ

 

………。

 

 

ナデナデ

 

………!!

 

我慢の限界だった。

 

 

 

「や、やめてください!!」

 

「「「「!!?」」」」

 

私は大声を出した。そのせいでみんながビックリしている。私はそんなことは気にせず、

 

「シャロさん!ヒロの彼女さんなのはいいんですが自重していただけますか!?ナデナデしすぎです!あれは私の特権なんです!!それにヒロはまだ12歳だからあなたを彼女にするのは姉である私が許しませんよ!!!」

 

などと、途中から自分でも良く分からない発言をしていた。

 

「お、お姉ちゃん…?」

 

「えっ?ど、どういうこと!?私が彼女…!?」

 

当の2人は戸惑っているが私はそんなこと気にしません。ヒロのお姉ちゃんは私なんです。彼女なんて許せません。まだ12歳なんですよ…姉離れなんて出来ていないはずです。だから面倒は私が見るんです。

 

「ではシャロさん、私達はこれで。」

 

私はヒロの手を引いて店を出た。

 

 

後に店に残っていたココアさんとリゼさんがお洒落なコーヒーカップを買ってくれたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

お姉ちゃんの良く分からない行動に戸惑いながらも僕達はラビットハウスに戻った。シャロさんが僕の彼女だとかなんでそう捉えてしまったのだろうか。聞いている僕が恥ずかしかった。お姉ちゃんはいつも冷静なのだが焦っている時は周りが見えなくなり、すぐ行動に出てしまうので困ったものだと思う。……あ、ていうかお姉ちゃんの誤解を解かないと…。

 

 

 

僕はその夜、お姉ちゃんにシャロさんとは前に知り合っただけで、彼女なんかじゃないよ? と伝えるとお姉ちゃんはこれ以上にないほど、顔を真っ赤にしてベッドに潜り込んで唸っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

…全くしょうがないお姉ちゃんだ。



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第8羽

UA 5374

お気に入り件数 101







……ふぁぁあああ!?





お気に入り100件越えました!本当にありがとうございます(´;ω;`)


今回はオリ話寄りなのでちょっと内容下手かも(´・ω・`)



ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

 

 

「コーヒー占い?」

 

「そうです。コーヒー占いですっ」

 

頭に?を浮かべるココアさんにお姉ちゃんがそう言う。

 

「はい!はい!チノちゃん!コーヒー占いってどうやるの!?」

 

ココアさんがお姉ちゃんに尋ねる。

 

「やり方はですね、まずコーヒーを飲み干します。次にカップを逆さにしてソーサーにかぶせます。そして、カップの底にできたコーヒーの模様で運勢を占うんですよ。この占いのことをカフェドマンシーといいます。ちなみにおじいちゃんのカフェドマンシーは当たりすぎて怖いと有名でした。わたしはカプチーノしか当たりませんが。」

 

「へぇー!」

 

お姉ちゃんの説明にココアさんが感心する。そう、僕達は今コーヒー占いで盛り上がっている。何故、この話で盛り上がっているのかと言うと、早朝にみんなで朝ごはんを食べていた時に、テレビでお天気予報が始まって今日の天気を確認していた時にココアさんが″私、お天気占い結構当たるんだよ!″と自慢げに話していると何が琴線に触れたのかお姉ちゃんが食いつく様に″私もコーヒー占い出来ますよ…!″と、何故か張り合っていた。お姉ちゃん、もっとクールな感じな気がしたんだけどココアさんの影響だろうか…。

 

「…ティッピーもコーヒー占いしてみたいそうです。」

 

とそんな事を考えているとお姉ちゃんがそう言い出した。…そりゃカフェドマンシーのプロらしいですからね。という訳で僕達はティッピーに占って貰うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの占いが終わった。簡易に説明すると、

 

 

ココアさん

悪い、外に出ない方がいい。うさぎが降ってくる。

 

 

 

リゼさん

普通、ただし余計な行動はあまりしない方がいい。

 

 

 

お姉ちゃん

良い、全体的に今日は調子がいい日。

 

 

 

未だ不明。ただし、体には気をつけること。

 

 

 

ということだ。

なんで僕だけ不明なんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー学校ーー

 

 

 

 

 

「じゃあ三時間目の授業はここまでだ!日直!」

 

 

起立!礼!

 

 

 

ありがとうございましたー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー…」

 

あー、終わった終わった。個人的には3時間目が一番だるい気がする。この時間辺りから、お腹が減ってきてお腹鳴ったらどうしようと言う恐怖感に耐えながら4時間目に挑まなければならない。

 

「あれ?」

 

「どした?ヒロ」

 

「いや、泰介僕のペン知らない?」

 

「知らないけど…家に置いてきたのか?」

 

「うーん…」

 

今日は運が悪い気がする。運気不明だったけど悪かったのかなー…なんか体もだるいしなぁ…。

 

「ヒロー、顔赤いよ?熱?」

 

「えっ?顔赤いかな…?」

 

凜空が僕の顔を見て、心配している。

 

「熱かもな!よし、保健室行くぞヒロ!」

 

「えっ?ちょ……」

 

泰介に無理やり保健室に連れて行かされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー保健室ーー

 

 

 

 

 

「38.1℃……。」

 

「熱ね。」

 

「はい…。」

 

「とりあえず親に連絡して、迎えに来てもらいましょうか?」

 

「いえ、自分で帰れます。」

 

流石にお父さんには迷惑は掛けられない。

 

「じゃあ気をつけて帰ってね。」

 

「はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじいちゃんのコーヒー占いが当たってしまった。まさか本当に体に気をつけないといけなかったのか…。おじいちゃんのカフェドマンシーはよく当たるとお姉ちゃんに昔から言われてたのだが、その当時は僕も物心付いていたかどうか…。そんなこともあり、正直おじいちゃんのコーヒー占いは半信半疑だった。

 

「お、ヒロ!帰る準備ってことは熱だったんだな!」

 

「お大事にー。」

 

泰介と凜空が僕にそう言う。

 

「うん、またね。」

 

「「ばいばーい!」」

 

今度おじいちゃんにコーヒー占いしてもらった時はちゃんと信じよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、今日も疲れたねー!」

 

「そうだねー。」

 

マヤさんとメグさんが雑談しています。

しかし、私はそんなこと気にしてません。ヒロに会いたいです。半日も離れ離れになったんですから…ヒロだって寂しいに決まってます。私は早く帰ってヒロに…

 

「チノー?そんなに早く帰りたいのかー?」

 

「えっ?いえ、別に…。」

 

どうやら体が動いていたようだ。危ないです。

すると、何かを察したかのようにメグさんが、

 

「あ!もしかしてまたヒロくんのこと考えてた?」

 

「…!?そ、そそそんな訳ないじゃないですか!?」

 

「あははは!チノってほんと、ブラコンだよなー!」

 

「ブラコンじゃないです。他の人たちが兄弟に冷たすぎるんです。」

 

これは言えてると思う。私がブラコンだとかそんな訳ないじゃないですかっ。と言うか、もっと他の人たちは弟を大切にするべきだと思う。弟って可愛いし、優しいし以外な所で頼りになるんですよ?あ、これは絶対誰もが思っているはずです。私だけが思っていて、重度なブラコンだとかそんなことは絶対にありません。

 

「あ、それじゃあ私はこれで。」

 

「ばいばーい!」

 

「チノちゃん、また明日ねー。」

 

それにしても、確かに今日は疲れました。でも、運気はおじいちゃんの占い通り良かったと思います。体育の授業で私は運動嫌でしたのでやりたくなかったのですが、強制的にバレーボールをしました。迷惑を掛けたくなかったので、コートの端っこに居ると近くにボールが飛んできたのでパニックになってしまい、ボールを弾き飛ばしてしまったのだが、運良くそれは相手のコートに入って、しかも相手からすると結構取りにくい場所にボールがいったらしく、そのままだれも取れずに私のチームに点数が入り、勝利となった。その後何故か凄く褒められました。

そして、小テストもトップだったので満足です。

 

と、そんなことを考えているとラビットハウスに到着してました。

 

ガラッ

 

「ち、チノちゃん!!」

 

中に入ると、ココアさんが焦った様子でこちらに駆け寄ってきた。

 

「ど、どうしたんですかココアさん。」

 

「ヒロくんが熱を出したって…!!」

 

「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わず声を上げてしまった。

 

 

 



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第9羽

今回はオリ話なので結構短いかも。


ーーヒロsideーー

 

 

 

 

ケホッゲホッ

 

 

 

あぁー…頭が痛い…。

なんで熱出ちゃったんだろ…。

 

「「わぁぁああああ!!!」」

 

なんか下から叫び声が聞こえる。声からするに恐らくお姉ちゃんとココアさんだろうか。そんなことを思っていると、ドタドタと足音を立てながら2階へ上ってくる音が聞こえる。僕が休んでいる部屋に向かっているのだろう。

 

バン!

 

「「ヒロ(くん)大丈夫!?」」

 

「そんなに叫ばないでください。頭に響きます。」

 

「ええああ、ええっと!ええっと!…」

 

「おおお落ち着いてチノちゃん!?」

 

なんかすごいカオスな状況になっている。

 

「えっと、2人とも。僕は大丈夫ですから心配しないでください。」

 

「「……はい。」」

 

「というか、ただの熱ですよ?何でそんなに焦るんですか?」

 

「だ、だってヒロは熱出したことなかったから…どうしたらいいのか…。」

 

「え!ヒロくん12歳で初めて熱でたの!?すごーい!」

 

「い、いや喜ばれても…。」

 

そう、お姉ちゃんの言う通り僕は今、人生で初の発熱なのだ。とても辛い。熱ってこんなにしんどいのか…。

 

「ヒロ大丈夫!?」

 

「大丈夫だよ。」

 

どうやら辛さが顔に出ていたらしく、お姉ちゃんが僕を心配する。こういう時ってやっぱり寝たりした方がいいんだっけ、薬もしっかり飲んでおくべきかな。

 

「お姉ちゃん…薬ってどこだっけ?」

 

「薬………あ!そうでした!ココアさん探すの手伝ってくれますか!?」

 

「う、うん!分かった!」

 

2人がそう言うとまたドタドタと部屋を出て走っていった。

 

忙しい人たちだなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーその日の夜ーー

 

 

 

 

 

 

 

「無理しないでねヒロ。」

 

あれからお姉ちゃんは僕に付きっきりで看病してくれている。ちなみにココアさんは風呂掃除をしているそうだ。

お姉ちゃん曰くココアさんも看病したかったらしいのだが、お姉ちゃんがココアさんに上目遣いで″お願いします…お姉ちゃん。″と頼んだら″……!!お姉ちゃんにまっかせなさーい!!″と即答してくれたそうだ。

 

「全く熱出しただけでこんなに弱々しくなるなんて…お姉ちゃんがいないとダメだねヒロは。」

 

「いやそんなことなi」

 

「あるよね?」

 

「う、うん。」

 

こんな時にもまた変な考えことをしているのだろうか。本当にしょうがないお姉ちゃんだ。でも、そんな変なお姉ちゃんでも、やっぱりこういう時には頼りになる。

 

「お姉ちゃん。」

 

「?」

 

「ありがとね。」

 

「……!」

 

あれ?意外と反応薄い…?

 

「か、かかからかわないでよ…。」

 

どうやら相当照れているらしい。顔真っ赤だし。

 

「……。」

 

「……。」

 

なんか気まずい雰囲気に。

い、息苦しい…。

 

バァン!

 

「チノちゃんお風呂沸いたよー!!」

 

「「!?」」

 

びっくりした……ココアさんか。

でも気まずかったから助かったと言うべきか。

 

「は、はい。じゃあヒロ、私お風呂に行ってくるから。」

 

「うん、いってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーチノsideーー

 

 

 

「無理しないでねヒロ。」

 

あぁ、ヒロが可愛い…。顔が赤いからちょっとエッチな感じがしますけどそれがいい!

 

「全く熱出しただけでこんなに弱々しくなるなんて…お姉ちゃんがいないとダメだねヒロは。」

 

「いやそんなことなi」

 

「あるよね?」

 

「う、うん。」

 

絶対ヒロは私を必要としているはずです。だって12歳ですよ?私がそんなことを考えていると

 

「お姉ちゃん。」

 

「?」

 

「ありがとね。」

 

「……!」

 

や、やばいです!私を萌え死にさせる気ですか!?うぅ…録音しておけば…。もっ、もっかい言わせようかな…?それにしても…ありがとう…か。……うぇへへ…おっとヨダレが。

 

「か、かかからかわないでよ…。」

 

誤魔化す勢いで言ってしまいましたがちょっと言った自分が恥ずかしくなってきました。

 

「……。」

 

「……。」

 

ど、どうしましょう…。もうこのまま勢いに任せて抱きついたりもう1回ありがとうって言わせたりしましょうかね。後は………お、落ち着け私…。私はお姉ちゃん。私はお姉ちゃん。……よし、もっかい言わせましょう。ここで引くわけにはいきません。

 

 

スゥ-…

 

 

バァン!

 

「チノちゃんお風呂沸いたよー!!」

 

「「!?」」

 

(何してくれてるんですかココアさーーん!!?)

 

せ、せっかくのチャンスが………。

 

「は、はい。じゃあヒロ、私お風呂に行ってくるから。」

 

「うん、いってらっしゃい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーお風呂ーー

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

「わぁぁあああああ!!!!」

 

 

さっきの事をとても後悔しました。

 

 

 

 

 

 

 

数日後、ヒロの看病で私に風邪が移り、ヒロが看病してくれたのは別の話です。

 

 

 



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第10羽

ーーチノsideーー

 

 

「そういえば、もうすぐ球技大会だねー!」

 

「私達はバトミントンだねー。」

 

マヤさんとメグさんが球技大会について話し合っている。そう、もうすぐ球技大会があります。運動苦手な私にとっては全然嬉しくありませんが、クラスの人たちはみんなやる気だった。ちなみにココアさん達も球技大会の日程が同じらしい。

ココアさんと千夜さんとリゼさんとシャロさんはバレーボールをするらしい。ヒロはバスケットボールだそうだ。

 

「球技大会…ですか…。」

 

「チノは運動苦手だもんなー!」

 

私のつぶやきにマヤさんがヘラヘラしながら答えてくる。

 

「そうだ!今度みんなでバトミントン練習しようよ!」

 

メグさんがそう提案する。確かにいいかもしれない、練習しておけば本番は恥をかくことはないだろう。

 

「良いですね、今度練習しましょうか。」

 

「じゃあなー!チノー!」

 

「チノちゃん、またねー。」

 

二人の挨拶に私は手を振って応える。

 

「さて、今からヒロのところに行きますか。」

 

ヒロは学校が振り替え休日ということで今、誰でも使用可能な体育館で友達とバスケットボールの練習しているらしく″お姉ちゃんの学校が終わったら一緒に帰らない?僕の所に来てくれるとありがたいけど…″とのことでした。お姉ちゃんとして弟の頼み事は断るわけにはいきません。……別に元々一緒に帰りたかったとかそういう訳ではありません。

 

それにしても、やっぱり球技大会は好きにはなれません。去年の球技大会の時だ。去年はバレーボールをやったのだが、試合終盤で私がミスをおかしてチームは負けとなった。

負けた後のチームの落ち込む様子を見て胸が痛んだ。あの罪悪感はとてつもなく苦しかったです。さっきは運動苦手とかそんなことを理由にしていたが本当はチームのみんなに迷惑をかけてしまうから好きになれないのではないかと思ってしまう時がよくある。

今年のバトミントンは三人チームの団体戦だ。

そして、一番心配なこと。私のチームがあまり話したことのない顔見知りの二人のクラスメイトと同じチームだ。マヤさんとメグさんと組めれば良かったのですが、そこは運が悪かったようです。

 

「と、いつの間にか着いてましたね。」

 

目的地の体育館に着いた。中に入ると体育館でよく臭う汗臭い匂いが漂ってきた。…えっと、ヒロは…

あ、いましt

 

ガコォン

 

「ナイスシューヒロー!」

 

「うん。」

 

「…。」

 

やっぱりヒロは凄いです。勉強もできて、ボトルシップのクオリティも私より凄い、更にはスポーツも万能ときた。完全に私の上位互換とも言える存在だ。姉としては悔しいのだが、ヒロは元々天才なので仕方がないのだろうが、やっぱり羨ましいという気持ちはある。あの時、私もバレーボールが上手だったらあんな暗い空気にはならなかったはずです……。

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

とヒロがこっちに駆け寄ってくる。

 

「帰ろうか、ヒロ。」

 

「うん!…あ、凜空、泰介!またね!」

 

「「ばいばーい!」」

 

私達はラビットハウスに向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに向かう途中。私は、

 

「ねぇ、ヒロ。」

 

「どうしたの?」

 

「私…運動苦手でしょ?それで今度の球技大会のチームがあまり関わったことない人たちなんだけど、私、バトミントンも下手だからもし…失敗したらみんなに迷惑かけそうで凄い怖い……。」

 

私はヒロに心の悩みを伝える。話している時、ヒロはいつもとは違い真剣な表情で話を聞いてくれた。

 

「……。」

 

私は不安で言葉が出なくなっていた。

 

「お姉ちゃん。」

 

「…?」

 

「バトミントンが上手いとか下手だとか関係なく、とにかく一生懸命頑張ればいいと思うよ。」

 

「一生懸命…頑張る? 」

 

「うん!」

 

とヒロは笑顔になる。

 

 

 

 

……一生懸命頑張る……か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー数日後ーー

 

 

 

 

 

「よーし!みんなで頑張ろー!」

 

とココアさんが言う。

今日はみんなで球技大会の練習をする日です。

 

「ほら、チノちゃん!えい!」

 

「!?ちょっと待ってくだ…ひゃ!」

 

いきなりココアさんにボールを投げられ、焦ってしまい変な方向にボールを跳ね返してしまいました。

 

「こ、ココアさんいきなりなにするんですか!」

 

「えへへーごめんね?」

 

「とりあえず各自練習しようか。」

 

とリゼさんの言う通り、私はマヤさんとメグさんと一緒にバトミントンの練習を始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チノ!」

 

「はい!…あた。」

 

また失敗しました。

やはり私には運動の才能が無いみたいです。

 

「大丈夫かチノー?」

 

「はい、すみません。」

 

「気にしないでー、さっ、続きやろ。」

 

とマヤさんが心配して、メグさんが励ましてくれました。

 

「チノ!」

 

「リゼさん…?」

 

気がつけばリゼさんがドヤ顔で私の目の前に立っていた。

 

「今から私が必殺技を教えてやろう!」

 

「必殺技!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リゼさん、必殺技というのは?」

 

「あぁ、まずはこの技をマスターしてもらう!」

 

どんな技だろうと思っているとリゼさんからいきなり凄いオーラが出ていた。

 

「いくぞ!パトリオットサーブ!!」

 

リゼさんがそう言ってサーブを打つと凄まじい衝撃波が空を切った。

 

「………。」

 

私は思わず固まっていた。誰か殺害するのだろうか。

そんなことを考えているとリゼさんがドヤ顔で、

 

「よし、チノ!これをやってみろ!」

 

いや無理ですよ。あんな技出来るならむしろやってみたいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、練習を終えてみんなの所に戻るとマヤさんとメグさんは帰っていたらしいのだが、ココアさんと千夜さんが倒れているのを発見しました。

2人が起きたあと、シャロさんも合流して、何故か私もバレーボールの練習をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー球技大会 当日ーー

 

 

 

 

 

 

 

ついに本番が来てしまいました。

 

「えっと、香風さん。今日はよろしくね?」

 

「よろしく香風さん。」

 

「梨奈さん、玲さんよろしくお願いします。」

 

とりあえず、チームである2人と顔合わせをする。

 

「いよいよ本番だね!」

 

「はー、緊張してきた。」

 

2人が今の心境を語っている。

 

「香風さん大丈夫?もしかして緊張してる?」

 

「…はい。」

 

「あはは!みんなで頑張ろ!」

 

梨奈さんは元気でいいです。私は緊張し過ぎて心臓が破裂しそうです。でもそれ以上にみんなに迷惑をかけそうでそれが怖い。

 

「あ、そろそろ始まるよ2人とも。」

 

玲さんがそう言う。

 

「はい。」

 

「頑張ろー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー試合終盤ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今の状況は一勝一敗。

つまり、今試合をしている私によって勝敗が決まるということだ。そして、今は相手がマッチポイント。私がもう1点取れればデュースに持っていける状況だ。

 

「このサーブを使うしか……!」

 

「か、香風さんが凄いオーラを!」

 

「な、何が起こるの…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パトリオットサーブ!!」

 

私はフルスイングでサーブを打った………はずだった。

サーブを打った時にラケットの先の部分に当たってしまい、玉がふわっと弧を描いてゆっくりと相手コートに向かう。やばいです!あんなのスマッシュとか打たれたら終わりです!私は負けを決心した。

 

しかし、相手はこんな状況になるとは思わなかったらしく不意をつかれ、玉を返せず私に点数が入り、同点になった。

 

助かったとも言うべきなのだが、私にとっては不利でしかなかった。明らかに相手の方がバトミントンが上手いので負けたのも同然だ。同点にまで上り詰めれたのは相手がミスを連発したおかげだ。ただの運でしかなかった。

 

 

 

もう、終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バトミントンが上手いとか下手だとか関係なく、とにかく一生懸命頑張ればいいと思うよ。』

 

 

 

「……!」

 

 

 

 

私はヒロが言った言葉を思い出す。そうです。下手でもいいから一生懸命頑張らないと余計にチームに迷惑です!

 

私は全力で試合に集中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー試合後ーー

 

 

 

 

 

 

 

「梨奈さん、玲さんすみませんでした。」

 

私のチームは負けてしまった。

 

「うん、負けちゃったね…。」

 

「……っ」

 

梨奈さんの言葉で胸がとても苦しくなる。

 

「でも、楽しかったね!」

 

「…!」

 

「香風さんすごいよー!あそこまで相手を追い詰めるなんて!負けちゃったけど、とても熱くなれたしとても楽しかった!」

 

「私も楽しかった。」

 

梨奈さんと玲さんがそう言って私を励ましてくれる。

一生懸命頑張ったからでしょうか……?

 

「わ、」

 

「「?」」

 

「私も…楽しかったです!」

 

ちょっとだけ、球技大会は嫌いではなくなりました。

 

 

 

 

 

その後。

 

 

 

 

「チノー!」

 

「マヤさん、メグさん。」

 

「チノちゃん、どうだったー?」

 

「負けちゃいました。」

 

と私は苦笑いで答える。

 

「そっかー。あ!そうだ!チノ!勝利した時のポーズ考えたんだけど一緒にやろうよ!」

 

とマヤさんが提案する。

 

「え、いや、私負けたんですよ?」

 

「大丈夫だよチノちゃん。私達も負けたからー。」

 

「負けたのにやるんですか!?」

 

 

 

せーの、

 

 

 

 

「「「勝利のポーズ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、楽しかった!」

 

今はヒロとラビットハウスに帰ってるところです。

 

「そうなんだ。ヒロはどうだったの?」

 

「ふっふっふっ、優勝しました。」

 

とヒロはドヤ顔で答える。なにこの可愛い生き物。

 

 

 

 

 

 

「……ヒロ。」

 

「なに?」

 

「……ありがとうね。」

 

「え?何が…?」

 

「ふふっ、なんでもないよ。」

 

 

 

今日は気分がいいです。



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第11羽

皆さん、明けましておめでとうございます!
そして投稿遅れて本当に申し訳ないです(´;ω;`)


UAが10000を超えていましたね!
たくさんの閲覧ありがとうございます(`・ω・´)
そして、お気に入りも171件…!ありがとうございます!




今回はヒロsideのみです。





ーーヒロsideーー

 

 

 

 

 

はぁ…今日も疲れたなぁ。

今は学校から帰宅しているところだ。気温も少し肌寒い季節に近づいてきたせいか、学校で厚着をしている人が増えていっている気がする。こういう光景を見ているともう冬に近づいて来たんだなと実感する。…と着いた。

 

ガチャ

 

 

「ただいまです。」

 

「あ、ヒロくんおかえり~。」

 

「久しぶりだねヒロー!」

 

「えっ…?」

 

あれ、なんでメグさんとマヤさんが居るんだろう。

僕の考えを察したのか、お姉ちゃんが

 

「今、ココアさんとリゼさんは出掛けているので代わりに働いて貰っているんだよ。」

 

「あー…そうなんだ。よし、僕も準備してきます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー更衣室ーー

 

 

 

 

そういえば、ココアさんとリゼさんが出掛けていると言っていたけど2人は何をしているんだろう?在庫にあるコーヒー豆の不足しているから買い出しに行っているとかだろうか?

 

「よし。」

 

着替えが終わり、下の階に戻ろうとした時

 

 

 

『うぇぇ!!?私とリゼちゃん、もしかしてリストラ!?』

 

 

 

!?

下の階からココアさんの聞き捨てならない発言が聞こえた。僕は急いで下の階に降り、みんなの様子を見に行くと

 

 

 

「いや、ですからココアさん…」

 

「その子達が私とリゼちゃんの代わりに働いてくれるんだね…2人とも…チノちゃんの事よろしくね…。」

 

「いやココア、チノの話をちゃんと聞けよ。」

 

 

なんか話が噛み合ってない…。

 

「えっと、ココアさんとリゼさんラビットハウス辞めちゃうんですか?」

 

「ち、違うよヒロ…これは「そーなんだよヒロくん!」

 

僕が質問すると、答えようとしていたお姉ちゃんの言葉を遮るようにココアさんが声を上げた。

 

「私とリゼちゃんがコーヒー豆を買いに行っててそれでラビットハウスに帰ってきたらいきなりこの子達が私とリゼちゃんの仕事用の服を着て働いてたの!これはもうリストラとしか……」

 

「こ、ココアさん!だから違うんです!これは────」

 

青ざめるココアさんにオロオロしながらお姉ちゃんが何か説明しようとしている。一体どうしたものか…。

ん?……リゼさんがこっちに手招きしてる。

 

僕がリゼさんに寄るとリゼさんは小声で

 

「実はな……」

 

 

 

リゼさんから教えてもらったことを説明するとこうだ。

 

まず、お姉ちゃんは在庫の確認をしている時にコーヒー豆が不足していることに気づき、ココアさんにコーヒー豆を買ってもらうようにお願いしようとしたのだが不足しているコーヒー豆の量が多く、ココアさん1人では持ち切れないだろうと判断したお姉ちゃんはリゼさんと2人で買って来て貰うようにお願いしたらしい。

その時に、お姉ちゃんは『2人に買って来て貰う間、人手が足りないので友人に手伝って貰うようにお願いしているんですけど大丈夫ですよね?』とココアさんとリゼさんにちゃんと説明していたらしい。リゼさんはその説明をしっかり聞いていたので問題無かったのだが、ココアさんは全く話を聞いていなかったらしく『お姉ちゃんにまっかせなさーい!!』と自分の世界に入っていたらしい。

そのせいでココアさんは今……

 

「チノちゃん!どうして…どうしてリストラなんか……」

 

「だ、だから話を聞いてくださいココアさん!」

 

「「…。」」

 

リゼさんと2人の方を見てみるとまだ話が続いているようだ。

 

「はぁ……なぁココア。」

 

ため息混じりにリゼさんがココアさんを呼ぶ。

 

「何リゼちゃん…?」

 

「あのな────」

 

リゼさんはさっき僕にしてくれた話をココアさんに説明した。すると、ココアさんの顔がみるみる赤くなっていき…

 

「ち、ちちちチノちゃんごめんなさい!!」

 

顔を手で隠しながらココアさんは謝る。

 

全くしょうがないココアさんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっとココアちゃんだっけ…?ごめんね勝手に服を着て働いちゃって…。」

 

メグさんがココアさんに謝る。それに続くように

 

「私もごめん…」

 

マヤさんも謝る。

 

「……。」

 

?ココアさんがぷるぷる震えている。怒っているのだろうか。

 

「「えっと…」」

 

怒っているかもしれないと気づき出したマヤさんとメグさんも困惑し出す。ココアさんは今だ震え続けている。

 

「……ココアさん?」

 

「……。」

 

お姉ちゃんが心配そうに尋ねるも返事はない。そして、ココアさんが動き出したと思えば、

 

 

「大丈夫だよー!私の可愛い妹達ーー!!」

 

「「妹!?」」

 

とココアさんは2人に抱きついていた。

 

まぁ…これで解決?なのだろう。

 

そう思っているといつの間にかココアさんから抜け出していたマヤさんとメグさんがこっちに来て

 

「それにしても久しぶりだねヒロー!」

 

「そうだねー。大きくなったなぁ。」

 

と2人は僕に頭を撫でる。

 

 

 

バッ

 

 

「ち、チノちゃん…?」

 

「…。」

 

2人が僕の頭を撫でているといきなりお姉ちゃんが2人から奪うように僕を引っ張り抱きしめた。そして頬を膨らまして2人を睨んでいる。…なにをそんなに不機嫌になっているんだろうか。

 

不機嫌になった理由が分かったのかマヤさんとメグさんが

 

「ああ…そういう事…。」

 

「ご、ごめんねチノちゃん。」

 

2人がいきなりお姉ちゃんに謝りだした。

一体どういう事なんだ…。

と、お姉ちゃんの方を見ると優しく微笑んできた。…本当に何なんだ一体…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー後日ーー

 

 

 

 

 

「今日は野菜が安くてラッキーでしたね。」

 

今は、スーパーに来週分の食料を買ってラビットハウスに帰っている途中だ。よく僕達は定期的にその日の来週分の食料を買いだめするのだ。ちなみに凜空の所はその日必要な時にしか物は買わないらしい。やっぱり家庭によって色々な過ごし方があるのだろう。同じ人種なのに考えは全く違う。人間を改めて凄い生物だと思えた。

 

なんて、とてもどうでもいい事を考えていると

 

「あ!す、すいません!」

 

ココアさんが見知らぬお姉さんとぶつかってしまってらしい。

 

「あ、い、い、いえ、こちらこそすいません…。」

 

…ん?リゼさん?髪を下ろしたり、服装もいつもと違う格好をしている。

 

「お、お姉さん!名前はなんと言うんですか?」

 

僕がリゼさんなのか疑っている時、お姉ちゃんがどこに対して琴線に触れたのか分からないが目を輝かせながら、お姉さんに名前を聞いている。

 

 

「……私の名前はロゼと言います。」

 

ロゼ…さん…?リゼさんでは無かったのか。でも、そのわりには似すぎって言うか…なにか怪しい。

 

「ロゼちゃん!とっても綺麗だね!憧れるなぁ…。」

 

「そ、そうですか…?」

 

お姉ちゃんだけでなく、ココアさんまでロゼさんに憧れの眼差しを向けていた。

 

「あ、あの私!ラビットハウスという店で働いているんですけど、もしいつか暇があったら来てくれますか!?」

 

「え、ええ…是非。」

 

「!…ありがとうございます!」

 

あんなに嬉しそうなお姉ちゃんは久しぶりに見た気がする。

 

 

「では私はこれで…。」

 

「うん、またねロゼちゃん!」

 

「「さようなら。」」

 

 

……んー。

リゼさんじゃないのかな…。なにか引っかかるんだけど、ココアさんとお姉ちゃんの様子を見る感じ2人はリゼさんだとは思っていない感じだったしもしかしたら本当に別人…?いや、でもただただ2人は気づいていないって言う可能性もゼロじゃないし────

 

「ヒロくーん!早く行こ!」

 

気がつくとココアさんとお姉ちゃんは遠くに歩き出していた。

 

「ご、ごめんなさい!今行きます!」

 

…最近熱も出たから疲れているんだろう。うん。今日は早く寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

ーー数日後ーー

 

 

 

 

 

「はぁ……。」

 

「……?」

 

どうしたんだろう…?お姉ちゃんに元気がない。何かあったのかな……。

 

 

ココアさんにでも聞いてみよう。そう思った瞬間、

 

 

「私、姉失格だぁぁぁあああ!!!」

 

「お、おいココア!」

 

いきなりココアさんが半泣きになりながら店を飛び出して言った。

 

「り、リゼさん一体どうしたんですか?」

 

「あぁ、ヒロ。実はな…ココアのやつ、チノが楽しみにしていたパズルを残りのピースをハメてほぼ完成させてしまったんだよ…。しかも1ピース足りないらしい。」

 

「……。」

 

これは困った。だからお姉ちゃんは不機嫌だったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは更に困った……。ココアさんが帰ってこない。

 

「お、お姉ちゃん…。ココアさんも悪気があった訳じゃないから仲直りしようよ。」

 

「で、でもこんな状況になってしまって今更謝るのはちょっと恥ずかしいと言うか…。」

 

(リゼさん、どうしましょう…?)

 

(どうしようか……。)

 

バァン

 

「チノちゃん!」

 

どうしようか迷っていたらココアさんが何かを持って帰ってきた。

 

「新しいパズル買ってきたから許してぇ!」

 

「ココアさん……。は、8000ピース!?」

 

いきなりお姉ちゃんが驚愕の声を上げた。

 

「と、とりあえず皆でやろうか…。」

 

リゼさんがそう提案し、お姉ちゃんの部屋で皆でパズルを完成させることになった。その時にココアさんは流石に四人じゃ8000ピースのパズルは終わらないと判断したのか電話で千夜さんとシャロさんを呼んでいた。

 

「なに手伝ってくれって来てみれば……」

 

「これはパズルかしら…?」

 

「お願い千夜ちゃんシャロちゃん!手伝ってぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーAM 0:22ーー

 

 

 

 

 

お、終わらない…。

そして睡魔がやばい。6人がかりでもやはり8000ピースは多かったのかまだ3分の1ぐらいしか完成していない。周りを見てみるとみんなも限界らしくうとうとしている。

 

「終わらないよぉー!」

 

半泣き状態のココアさんが言う。ならどうして8000ピースのでかいパズルを買ってしまったんだココアさん…。

 

「も、もう無理なんじゃない…?」

 

シャロさんがほぼ諦めかけている。

 

「……コーヒー入れてきます。」

 

お姉ちゃんがみんなの眠気を抑えるためかコーヒーを入れに行った。となりを見ると半分寝ていたココアさんは少しでも脳を起こさせるためか近くに置いてあった知恵の輪を解き始めた。

 

「皆さん、もう少し頑張りましょう。」

 

僕はみんなに励ましの言葉をかけた。

 

「そうね…もう少し頑張りましょう。」

 

千夜さんもみんなを励まし始めた。それに続くようにみんながみんなを励ましの言葉を掛け合いながら睡魔と戦っていた。

 

「コーヒー入れて来ました。」

 

と、お姉ちゃんが戻ってきた。

 

「あ、おかえりお姉ちゃ「あ!!」

 

「ど、どうしたシャロ!?」

 

リゼさんがシャロさんに尋ねる。

 

「リゼ先輩…これって…。」

 

「!!」

 

それはお姉ちゃんが楽しみにしていたパズルの残り1ピースだった。どうやら見つかったらしい。

 

「良かったねチノちゃん!」

 

ココアさんはそう言いながら知恵の輪を弄っている。

 

「はい。それとココアさん…さっきはあんな態度をとってすiカチャン」

 

……?

 

「あ…」

 

「「「「あ…」」」」

 

お姉ちゃんが謝ろうとしていた時、ココアさんが弄っていた知恵の輪が解けた。

……僕は恐る恐るお姉ちゃんの方を見た。

 

「……。」

 

そこには頬を膨らました、ご立腹なお姉ちゃんが居た。

 

「ココアさん!!!」

 

 

「ご、ごめんなさーーい!!」

 

 

全く本当にしょうがないココアさんだ。

 

 

 



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