マタ・ハリさんの誘惑 (sakae999999999)
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マタ・ハリさんがハロウィンイベ(2016)で敵だったら

ハロウィン。それは一年に一度の祭典。

楽しい楽しいお祭。

そんな中で、特異点に(むりやり)レイシフトさせられた、

マスターの立香とサーヴァントのマシュ。

チェイテ城にどーん!と突き刺さったピラミッドの情報を得るべく、

酒場を訪れた。

 

「いらっしゃ~い♪」

 

酒場の店主である女性が柔らかな笑顔で出迎えてくれる。

 

「……あの。」

 

「あらあら若いわね。マタ・ハリの酒場へようこそ。

ここは甘酸っぱい出会いと別れを司る、そんな酒場よ。

仲間が欲しいのかしら?」

 

「え、仲間ですか?いえ、大丈夫です。」

 

「あら、そうなの~。それじゃ、

そこの可愛い僕ちゃんは素敵な出会いを求めてきたのかしら……?

うふふ、私でよければお相手しますけどーーー」

 

美しい、店主。

 

たおやかな黒髪は腰元まで降り、整った容姿、

美しい肢体は酒場の誰もが横目でちらちらと盗み見るほどだ。

ひらひらふわふわとした薄くて軽い生地でできた蜜柑色の踊り子服を身にまとっており、

布の量自体は決して少なくてはないが、

その殆どは身体を隠すためには使われていない。

ひらりひらりと、身体の動きに合わせて揺れる衣服は、

男を惑わす踊り子服特有のそれだ。

ところどころ透けた布地は肩やふとももをより蠱惑的に見せており、

反面、露出度の高いそれからのぞく肌はやわらかそうで、はりがあり、

肉感的で健康的な美しさを露わにしている。

ふとももから足元にかけては踊り子らしく程よく引き締まり、

お尻は小ぶりでまろみを帯びた美しい線を描き、

腰元はきゅっと括れ、まんまるで豊満なバストラインを際立たせている。

たゆん、たゆんと揺れる胸元を、申し訳程度に隠す衣装も相まって、

目を釘付けにして離さない。

顔立ちも美しく整っているのだが、

完成された身体と比べてどこか童顔なせいか、

不可侵の美でなく、親しみやすそうで温和な可愛らしい笑顔が眩しい。

その中で何よりも特筆すべきは空色の瞳。

まるで全てを見通すかのような、澄み切った碧眼。

吸いこまれてしまいそうなそれは、妖しいまでの美しさを兼ね備え、

異性、同性問わず、魅了して、離さない―――

 

「いいえ、結構です!ね、先輩!ね!?」

 

「は、はい」

 

どこか矢継ぎ早なマシュの声のおかげで現実に戻ってくる。

どうやらマタ・ハリの美しさにあてられてしまっていたようだ。

 

「残念ねぇ。」

 

「それより、あのピラミッドについてお伺いしたいのですが……。」

 

「そうそう、ピラミッド。ある日突然、本当に唐突に落っこちてきたの。

ピラミッドには女王様と、それに仕える騎士たちがいてね……。

ハロウィンを禁止しちゃったのよ。困るわよね―。」

 

「ハロウィンを……禁止ですか!?」

 

「それで、女王様からお触れがあってね。

『妾の政治に不服がある者、

あるいは一攫千金を夢見る無謀かつ野蛮な者よ、

このピラミッドに挑むが良い』

……っていうお触れが出たの。なので、

この街はあのチェイテピラミッドに挑もうとする勇者を募集中なのよ。」

 

ハロウィン禁止を憂う者としての困り顔。

お触れを出した女王然とした凛々しい顔。

賑わいのある店内を喜ぶやわらかな笑顔。

ころころと、猫のように目まぐるしく変わっていく表情。

ぴょんぴょんと、兎のような機敏さで店内を跳ね回る身体。

その一つ一つの相貌から、その一つ一つのから所作から、目が離せない。

 

「ね、二人に提案があるのだけれど。」

 

「なんでしょうか?」

 

「あと少しでお店を閉めるから、中で待っていてくれないかしら?

少し気になることがあってね……。ね?いいでしょう?」

 

立香を見やりながら、マタ・ハリ。

 

「は、はい。」

 

てれてれと、照れ顔で六香が返す。

 

「やったー。ありがとう!」

 

むにゅんむにゅんっ、と柔らかな胸が立香の顔を覆う。

露出の高い胸元は遮るものもほぼなく、

素肌の柔らかさと温かな体温が立香を惑わす。

 

「先輩っ!」

 

「あなたもいっしょに、ね?」

 

「え、あの……は、はい……。」

 

マシュもまた顔を赤くする。

 

「うふふ。ありがとう。」

 

「あっ……。」

 

片腕で立香を掻き抱き、もう片方ではなでなでとマシュの頭を撫でる。

二人はマタ・ハリのことを疑うということを思いつかないまま、

いや、『思いつけないまま』、マタ・ハリのお願いを受け入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだか……流されるまま……待つことになっちゃいましたね、先輩。」

 

「……そうだね。」

 

用意された部屋で待つ。

それほど広い部屋ではなく、

木製の椅子と机の上にはチョコレート等のお菓子が置かれている。

自由に食べてもいいということで、

少しの間遠慮していたが、

一時間もした頃からはさすがに口元が寂しくなり、

マシュと共に幾つかを食べた。

チョコレートはウイスキーボンボンが混じっていたようで、

洋酒と砂糖とチョコレートの柔らかさと、

とろりとした甘い食感が口にとける。

 

「気になることってなんでしょうね……先輩?」

 

とろん、と眠そう目でマシュ。

 

「マシュ、とっても眠そうだよ。」

 

「あ、あの……大丈夫、です……ふわぁぁ。」

 

あくびをしつつ、マシュ。

 

「あ、あの、すみません。」

 

「いいよ、マシュ。しばらく眠るといいよ。」

 

「そ、そういう、わけには……ふぁああ……。

……あ、あの、せんぱい、なら少しだけ……。」

 

「うん、おやすみ。」

 

「はい、せんぱい……。」

 

座ったまま、眠るマシュ。

 

「これじゃマシュの疲れが取れないな……。そうだ。

ベッドをちょっと借りようか。マタ・ハリさんにはあとで謝っておこう……。」

 

そう思い、マシュを抱える。

 

(や、やわらか……。)

 

マシュの肢体。

華奢で、でもでるところはしっかりと出ている女の子の身体。

そして、かわいらしく一定のリズムで繰り返される呼吸。

その寝顔はいつまでも見つめて抱えていたい衝動に駆られる。

 

「だ、だめだだめだっ!

マシュは俺を信じて眠ってるんだからっ!」

 

言いつつ、マシュのやわらかな感触を少しだけ長く堪能する。

が、少しの寂しさを感じつつもマタ・ハリのベッドにマシュを寝かせる。

と、がたんっ、とクローゼットから音がなる。

 

「?」

 

物でも崩れたのだろうか、と不審に思う。が。

 

がたがたっ!と再度音がなる。

 

「なんだ……?」

 

一抹の不安を覚えつつ、マタ・ハリの部屋のクローゼットを開く。

そこには。

 

「んーっ!!」

 

そこには、後ろ手で縛られた、

80年台くらいの勇者姿(?)のエリザベート・バートリーがいた。

口元には猿ぐつわが噛まされ、話せないようだ。

その布を解く。

 

「ど、どうしたの、エリちゃん!?」

 

「ぷはっ!逃げなさい!仔イヌっ!いますぐーーー」

 

「あらあら、もう起きちゃったの。」

 

甘い声が、響く。

 

「あ、ああ………!!」

 

エリザベート・バートリーが、震える。

その先には。

 

「ふふふ。もう少し寝ていてくれると良かったのだけれど……

ごめんなさいね、お店を閉めるのにちょっと手間取っちゃって。」

 

てへぺろ、と可愛らしくおどけたマタ・ハリがいた。

 

「あなたが、彼女を?」

 

「そうよ。」

 

にっこりと、彼女。

 

「なにが目的でーーー」

 

「んー♪」

 

「んぅっ!?」

 

唇を、いとも簡単に奪われてしまう。

 

「なにをっ、かんがえーーー」

 

「んー♪」

 

「ぷはぅ、ちょっーーー」

 

「んー♪」

 

「や、やめっ……」

 

「んー♪」

 

「ぁっ、ぁぁっ……」

 

「んーー♪んっ♪」

 

何度も何度も逃げても、何度も何度も追い回される。

逃げること無駄なことだと、身体で教え込むように。

抵抗の意思を失った立香はただただ抱きつかれる。

 

「………せん、ぱい。がんばって……。」

 

ぽつり、とマシュの声が響く。

 

「ぷはっあっ!」

 

と堕ちかけていた身体を、意識を再度集中させる。

そして、肩を掴み、キスのできない位置まで離す。

どうやらマシュの言葉は単なる寝言だったようだが、

そのおかげで正気に戻ることができた。

 

「?……あらあら。ふふふ。」

 

ちらりと、こちらを見、

ついで、マシュが眠るベッドの方へと目を向けるマタ・ハリ。

 

「誘惑はお嫌いかしら?」

 

「あ、あなたは……一体何をしようとしてるんです……っ!?」

 

ぴりりっ、と少し体がしびれる。

 

「『フェロモン』を使わせてもらいました♪

動けないまでいかなくとも、身体がうまくはうごかせないでしょう?」

 

「くっ……!」

 

「仔イヌっ!ーーーひっ!」

 

「あらあら。ちょっとお薬が弱かったのかしら。

さすがはサーヴァント。人間とは違って強く出来てるのね。

心も、身体も……♪」

 

「あ、あんた!あの女王の手先ねっ!」

 

「ご明察。お利口な勇者様にはご褒美をあげるわね……♪」

 

「んんっ!?んっ!」

 

「ん~~~♪」

 

マタ・ハリが、エリにご褒美を捧げる。

それは、甘い口づけ。

猿ぐつわを外されただけで、

手も足も縛られたエリは抵抗できるはずもなく、

その甘美なご褒美を享受することしかできない。

 

「んっ!!んっ!!!」」

 

じたばたっ、と抵抗するエリ。

だが。

 

「ん~~~~♪」

 

「んぅっ!んぅぅっ!!んんぅぅ…っ!」

 

じたじた、と抵抗が弱くなっていく。

当然だ。

エリには接吻を回避できず、

ましてや攻撃などできるはずもない。

 

「ん~~~~~♪」

 

エリにできることはただ一つ。耐えるだけ。

甘くてとろけるやわらかなご褒美に耐える。

マタ・ハリが飽きるなり、疲れるなりして、

エリを開放した時こそ勝利が訪れる。

そして、その勝利を日々繰り返すことだけが希望なのだ。

いつの日かエリを助けてくれる者が現れるその日まで。

 

「んっ……ぅ……んっっぅぅ………んぅ……。」

 

踊りを見に来た観客たちを誑かし、

酸いも甘いも知ったる数多の軍将校を惑わし、

果ては英霊として名を馳せたサーヴァントすらも拐かしてきた、

マタ・ハリの誘惑に耐え続けることが、

エリに課せられた勇者としての責務なのだ。

 

「んぅ………。んぅ………ん………ぅ。」

 

「ふふふ。いいお顔♪とろけちゃったのね。」

 

くるんっ、とマタ・ハリはエリの背後に回る。

そして。

 

「ぁっ……ぁぁっ……。」

 

エリの肢体を、撫でるように触り始める。

 

「ふふっ、マスターさん?」

 

「!」

 

「まだ私の魅了が抜けきっていないその身体で、

よく見ておいてね。」

 

「な、なにっ、をっ……!」

 

起き上がる体力はあるはずなのだ。

助けに行くだけの体力も。

だが、彼女の命令には逆らえない。

彼女への好意が、彼女への敵対行動を起こす意思を妨げてしまう。

 

「むか~しむかしあるところに、

とてもかわいらしい勇者さまがおりました。」

 

「っ。」

 

「その勇者さまは、わる~い女王様の部下である踊り子に騙され、

負けてしまいます。」

 

「にゃ、にゃにいってんの……私はーーー!」

 

「その勇者さんは、ちくびをこねこねされて、」

 

「ひぅっ!」

 

「おまんこをいじいじされて、」

 

「あ、あひぅ!?」

 

「耳をはむっ、ぺろれろれろれろ♪」

 

「ぁあひっ!?はひゅっぁぁあ!?ひゃっひぃうゅいううう!??」

 

耳をなめられ、おまんことちくびを手で弄ばれる。

三点を同時に責められたエリは為す術もなく、

快感に突き動かされるままに踊り狂う。

 

「はい♪完全に落ちちゃいます。」

 

ぱっと手を離す。

 

「ぁっ…!くぅっ…!んんっ……!!」

 

ふとももをすりすり寄せ合わせ、もじもじと恥じらうエリ。

しかし。

 

「ぁっ…!ぁぁっ…!」

 

小さく、か細い声で必死に堪える、が。

 

「ぴゅーっ、と勇者さまはかわいらしく気持ちよくなってしまうのでした♪」

 

「ぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁ!!」

 

声はか細いまま、必死にがまんして、がまんしたエリのおまんこから、

愛液がぴゅぴゅっ、と弱い力でじわじわと服に染み出してしまう。

 

「ぁっ…ぁっ…ぁっ…」

 

ぴゅっ…ぴゅっ…ぴゅっ…。

甘くて柔らかなテンポでゆっくりとイかされていくエリ。

もはや触られることもなく、身体を気持ちよさでゆっくりと犯されていく。

服装としてはそれほど乱れていないのに、

身体に刻まれた快楽に悶えて喜ばされている。

そんな状態のエリを見て、立香は言い知れない劣情をもよおしていた。

 

「ぁっ…こ、…こい…ぬ…みない…で、みないでっ…こんなっ…。」

 

「ふふふ。勇者さまは花も恥じらうような可愛さで、

マスターくんに懇願します。どうかみないでくださいと。

ですが、マスターくんは目を離すことができません。」

 

「なんっ…でっ…みてるの…やだ、やだぁ……。」

 

「ふふふ。マスターくんの様子を見た悪い踊り子さんは♪」

 

ぷつんっ、とエリの足首と、手首を縛るロープを切る。

と同時に、くたぁっ、とエリの脚が腕が、地に落ちる。

 

「とっても悪いことを思いついてしまうのでした♪」

 

「ぁぁぁぁぁあっぁっ!?」

 

「くちゅくちゅーっ、と勇者さまの愛液を指に絡め、」

 

「やぁっ……ぁぁっ……!?」

 

「内太ももに愛液をたっぷりと塗りたくってから、

悪い踊り子は四つん這いになって、

勇者様の真正面からゆっくりと近づいていきます。」

 

「ひっ…!?」

 

ふとももを閉じておまんこに近づけさせまいとするエリ。

しかし。

 

「愛液で濡れ、にゅるり、にゅるりとしたふともも。

その合間に、悪い踊り子の手が滑っていきます。」

 

「ぁっ!やだぁっ………!!」

 

「ああ、ぜったいぜつめいっ♪

勇者さまはぱかっ、とふとももを開かされてしまいます。

そして、とろけきってぬれぬれになってしまった

とろとろおまんこに悪い踊り子の顔が近づいていきます♪」

 

「やだぁ!やだぁぁぁっぁっ!!」

 

「もともと布面積の小さな勇者さまの服。

それをすこしだけずらされて…ちゅっ♪」

 

「あひっ!?」

 

電流が走ったように、エリがびくんっ!と身体を震わす。

 

「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♪」

 

「あひゃっ、あひっ、ひゃぅんっ!」

 

「ちゅうううううっちゅるるるうるんるん♪」

 

「りゃぁぁっ、りゃぁぁめぇえぇえぇぇぇぇぇぇっっ!!」

 

大量の潮を撒き散らしつつ、エリの身体は快楽に悶え苦しむ。

それらを、顔で受け止め、あるいは舐め取る。

マタ・ハリはエリの全てのがまんの意思を完全に奪い取ってしまった。

 

「はひぃっ…はひっ…」

 

息も絶え絶えに、エリ。

そんな様子を見せられた立香の股間は、

固く熱く、勃起しつつあった。

 

「おお、勇者エリよ!まけてしまうとは情けない♪

……さて、じゃあ、次にいきましょうか♪」

 

びくんっ、びくんっ、と

口をあけ、よだれと愛液を垂れ流しながら快楽に悶え震えるエリを残し、

マタ・ハリが立香へと歩を進める。

 

「悪い踊り子は、次のターゲットに狙いを定めます。」

 

にっこりと笑いつつ、マタ・ハリ。

すぅっ、と手を立香の頬にふれる。

邪な期待で、股間がどんどん膨れていく。

しかし。

すっ、と立香の頬から手を離し、お菓子に手を伸ばす。

包装の紙を取り、ウイスキー瓶の形をした小さなチョコを、

ぱくんっ、とほおばる。

 

「うんっ♪あま~い♪」

 

頬に手をあて、ころころとチョコレートの食感を味わうマタ・ハリ。

その笑顔は少女らしい可愛らしさに満ちていた。

 

(か、可愛いすぎる……!)

 

そのまま、ベッドで眠っているマシュの方へと向かっていく。

 

「マ、マシュっ…!」

 

(う、うごけっ、頼むっ…!)

 

魅了された身体は、マシュを助けるために動けない。

マタ・ハリに敵対することが、できない。

くるり、とこちらを振り向いたが、

立香がなにもできないことを確認したマタ・ハリは、

ベッドの上に四つん這いとなる。

マシュを、ちょうど組み敷くような形で。

そうして、こちらにちらりと目線をやってから、

ゆっくりと、マシュへと身体をおろしていく。

 

「っ!マシュっ!」

 

この叫びもマタ・ハリへの敵対行動の一つと言えた。

しかし、マシュへの思いのおかげで、なんとか絞り出せた奇跡の声だった。

 

「んっ…せんぱ……い……?」

 

その声が、マシュに届く。しかし、

 

「ちゅっ。」

 

「んっぅ!?」

 

「んー♪」

 

遅かった。

マタ・ハリの柔らかな唇が、マシュの唇にそっと口付ける。

まだ目覚めて間もないマシュ。

しかもその中で。

 

「んんっ!??んっ…!?」

 

ウイスキー入りのチョコレートボンボンが、

マタ・ハリからマシュへと口移しで流されていく。

 

「ほゎ…ぁぁっ………。」

 

マシュの声が、とろける。

 

「マ、マシュに、なにをっ…!?」

 

「ただのウイスキーボンボンよ。まだ、ね♪

でも、この子とってもお酒に弱いみたいね。

呑める年になってもほどほどにしとくように伝えておいてね♪」

 

マタ・ハリは、胸元に手を伸ばし、錠剤を口に含む。

ついで、マシュの、柔らかな頬をふにゅり、とマタ・ハリの手がふれる。

 

「ふふふ。やわらか~い。」

 

「………ふぇ?」

 

ふわふわとした寝ぼけ眼のマシュに優しく微笑むマタ・ハリ。

そして。

 

「ちゅう。」」

 

「ん…ぅ………?」

 

「んー♪」

 

寝ぼけた瞳。マシュのその瞳はとろんとして今にも眠りそうだ。

その中に、自然な形で、ゆるやかに、

気持ちよさが加えられていくのがみてとれた。

まっしろな頬が、少しずつ赤くなっていく。

ゆるやかな呼吸が、少しだけテンポをあげていく。

明らかにマシュの身体には異変が起こっている。

それと悟らせないのは、

マタ・ハリの魅力と呼んでいい、A++の諜報スキル。

 

(うん。チョコレートボンボンと、

えっちなおくすりと眠~くなっちゃうおくすりで、と~ろとろ♪

あとは優し~くキスして、

た~くさん気持ちよくさせちゃおっか♪)

 

「これで、君のサーヴァントは無力だね♪」

 

「な、なにを…したんだ。」

 

「おくすりでちょっとねむってもらっただけ♪」

 

「そんな、はずない。

マシュはデミサーヴァントなんだ。そんなのが効くはずない!」

 

「効くはずないか。ね。それって、なんで?」

 

「なんでって、デミサーヴァントはあらゆる部分が人間より強化されてるから」

 

「ふむふむ、そっかぁ。」

 

腕を組みながら、うんうん、と納得しつつ、彼女。

 

「でも、不思議に思わない?

サーヴァントでもスキルで弱体化させられること、あるよね?」

 

手を可愛らしく頬に当てつつ、不思議そうに彼女。

 

「それを受けても人間と同等までは。」

 

「何度も何度も重ねてデバフされても?」

 

「そ、それは…」

 

「IC50って知ってるかな?」

 

「あいしーふぃふてぃー??」

 

「お薬を使ったときに、半分が阻害されちゃう濃度のこと。

えーとぉ、はーふまきしゃる・いんひびとりー・こんせんとれーしょん?

だったかなぁ?よくおぼえてないや♪」

 

てへぺろ、と彼女。

 

「簡単に言うとね?

私の使ったお薬は、ねむくなっちゃうの。

細胞の半分がぁ、」

 

彼女がこちらへと近づき、

耳元で囁く。

 

「『だめぇ…うごかないよぉ…』ってなっちゃう濃度のこと。

もちろん、お薬を増やせば半分どころじゃなくなっちゃう。」

 

「あっ…ぁっ…」

 

びくんっ、びくんっ、

と鈴の音色のような声を聞いただけなのに、

立香の身体は熱くなる。

ほろ酔いで寝ぼけた状態にあったとは言え、

デミサーヴァントであるマシュが抗えなかった色香が立香を襲う。

 

「そうだね、君には、『だめぇ…さからえないよぉ…』

ってなってもらおっかな♪」

 

甘い囁き。

立香はもう既に魅了されていた。

同性でデミサーヴァントのマシュが魅了されるのだ。

異性で人間の立香が勝てるはずなど、ありはしない。

 

「じゃあまずは、あっちにいこうか♪」

 

「!!なっ、なんでっ…!」

 

マタ・ハリに手をつながれた身体がひとりでに動く。

マタ・ハリは、ベッドの上のマシュのスカートを捲り上げ、

すぅっ、とパンツの位置をずらす。

おまんこがちょうど見えるような形で。

 

「それでね、サーヴァント…んーん。マシュちゃんの上で四つん這いになろっか。」

 

「や、やめっ…マシュ、にげてっ…!」

 

「このまま、おっきくおっきくしよっか♪」

 

「はぁぁうっ!!」

 

彼女のほっそりとして繊細な手は固くそりたった立香の股間のそれを、

外へと引っ張り出し、包み込んでしまう。

 

「あああああああ!??」

 

「竿をしこしこ~♪亀さんをなでなで~♪」

 

「ぁっぁっぁつ!!」

 

「あなをくりくりっ、かりさんをしゅっ、しゅっ。」

 

「ぁぁぁぁっ!!」

 

気持ちよさに固く固く反り返っていく立香のおちんちん。

 

「せん…ぱい……。」

 

下には薬のせいか、赤くなっているマシュが呆けていた。

 

「ま、マシュ。ましゅ。おねがい、にげっ…てぇっ…!」

 

「しゅるしゅるしゅるしゅる~♪

はい。おちんちんはできあがりね♪つぎは♪」

 

「ひ…っ…ぅっ!?せん…ぱい?」

 

「マシュちゃんの綺麗なおまんこをさわさわ♪

クリちゃんの皮を向いてぇ、しゅりしゅりしゅり~」

 

「しぇ、しぇんぱぃ…しぇんぱい………!!」

 

マタ・ハリに魅了された立香とマシュ。

二人がマタ・ハリの意のままに動かされていく。

 

「うん、こんなものかしら?」

 

おちんちんと、おまんこと。

立香とマシュを同時に責めつつ、マタ・ハリ。

 

「あっ、やめっ、ましゅっ、にげっ…にげてっ…。」

 

「あっ、らめっ、しぇんぱいっ…しぇんぱ…ぃ…。」

 

とマシュに対して四つん這いとなった立香の更に上に、

とすんっ、とマタ・ハリがのしかかる。

やわらかな胸。艶かしい肢体が絡みつき、

 

「さ、ゆっくりと腰を下ろそっか。」

 

「や、やめ…!」

 

魅了の効果のせいで、身体の自由は効かない。

このままでは、マシュのおまんこに。

 

「だ、だめだ、それだけはっ…!」

 

「しぇん…ぱい…っ」

 

薬のせいかアルコールのせいか、

マシュは今の状況もしっかりと把握できていないようだった。

このままでは、マシュのおまんこに、

立夏のおちんちんが入ってしまう。

マシュの、大切な、処女をこんな形で奪うなんてっ!

 

「だめっ、なんっ、だっ…。」

 

(そうっ、だ。)

 

「マ…シュ…令呪を……持って……命じ…る。ここから、にげーーー」

 

そこまでだった。

 

「んっ。」

 

少し不機嫌そうな声が響き、

手ずから首を横に振り向かせた立香の唇を、

のしかかっているマタ・ハリが無理やり奪う。

キスをされたと同時に、立香の力が抜ける。

「んん…しぇん…っ!…ぱ…い…ぃっ!」

 

その結果は、ちゅぽん、という小気味良い音と共に、

マシュのおまんこに立香のおちんちんが突き入れられてしまう、

というものだった。

 

「もうっ、逆らわなかったら、

こんな味気ないえっちさせなかったのにぃ。」

 

「ぁぁっ…ましゅ…ごめん…。」

 

「ぁぁ、しぇんぱい…大丈夫です…。」

 

血が、流れる。マシュの初めてを奪った、血が。

 

「…わたしは…しぇんぱいが…はじめてで…よか…っ…た。」

 

意識を朦朧とさせながらもマシュ。

柔らかなマシュの中。

とても、優しい、包み込むような気持ちよさ。

 

「さあ、二人とも腰を振りなさい♪」

 

「ましゅ、ましゅ……ぁぁぁっ!!」

 

「しぇんぱぃ、しぇんぱい……!!」

 

マシュのおまんこの気持ちよさにすっかりとろけさせられた立香と、

ろれつの回らないマシュが、腰を振り合う。

そして、程なくして、さんざん焦らし尽くされた二人の身体が絶頂を迎える。

 

「ぁぁっ、ましゅ…ごめん…でも、きもち…よかった…。」

 

「しぇんぱい…わたしも…気持ちよかった…です…。」

 

元々マスターとサーヴァントとしての相性も良かった二人。

今、身も心も完全に一つになる気持ちよさと心地よい脱力感でまどろむ。

しかし。

 

「さて、次は私の番ね♪」

 

くるり、と立香の身体が反転させられる。

 

「さてさて、私があなた達の仲を、

サーヴァントとマスターの仲をめちゃくちゃにしてあげるわね♪」

 

ふふっ、と柔らかな笑顔を浮かべつつも不穏当な言葉で告げる。

 

じゅぽん、っとマタ・ハリのおまんこが、

いわゆる騎乗位の体型で立香のおちんちんをくわえ込む。

マシュにつき入れて射精した半立おちんちん。

役目を終えて萎え気味だったおちんちんは。

 

「んぁぁっぁぁっ!??」

 

「ふふふ。ねぇねぇ、どっちがきもちいいのかしら?」

 

一瞬で硬さを取り戻す。

マシュのようなやわらかな包み込みではない。

言うなれば、捕食。

マシュのおまんこがおちんちんをふわりとして、

ふにっとした優しい快感で迎え入れてくれたのに対し、

マタ・ハリのおまんこはむゅぎゅんっ、とくわえ込み、

一つの動きを行うたびに、おちんちんにむにむにとした快楽を刻み込む。

それでも。

 

「ま、ましゅ、だ…ましゅのほうが、きもちいいに、きまってる。」

 

「しぇ、しぇん…ぱい…。」

 

マシュの、安堵した声が響く。

 

「ふふっ、そうなの。」

 

対してマタ・ハリは一向に気にした様子もなく、

おちんちんをおまんこへとずにゅずにゅとつき入れていく。

 

「んあっ、ああっ!ぁぁぁあっ!」

 

マタ・ハリのおまんこに翻弄され、

快楽の極みへと急速に引き上げられてしまう。

 

「……しぇん…ぱい…?」

 

自分のときよりも大きな声が響いたことに、

とろけた声が響いたことに、

マシュが戸惑いを感じ始めている。

マタ・ハリによっていじられてしまった、

ふわふわとした意識であっても本能的に、

マシュが感じ取りつつあるようだった。

 

「ふふふ。突き入れるのはこの辺にしておこうかしら。

このままじゃ、気持ちよすぎるでしょう?」

 

「そんな、ことっ…ないっ…!

俺には、マシュの、マシュのほうがっーーーんんっ!?」

 

マタ・ハリが、立香の口をふさぐ。

そしてぴとっ、と彼女の身体を擦り付けてくる。

 

「んんっ!?んんんっ…!!」

 

「ん~♪」

 

負けない、絶対に。

その強い意志で、マタ・ハリの力をはねのける。

しかし、そんな中で、マタ・ハリの目が悪戯な輝きを見せたことに、

立香は気づかない。

マタ・ハリは、キスをやめる。

 

「ねえ、せ~んぱい♪」

 

耳元でささやかれる。

 

「私の中に、精液をたくさんだしてもらえませんか?」

 

かろやかな声。

その声は。

 

「や、やめろ…っ。」

 

「やめろ、だなんて先輩ひどいです。私の初めてをうばったのに♪」

 

「お、お前は、マシュじゃないっ。」

 

マタ・ハリがマシュの声真似をする。

ただそれが、マシュの口調で、マシュの声音でささやかれてしまうだけで、

本当にマシュが喋っているかのような錯覚に陥ってしまう。

 

「しぇ、ん…ぱい…まけない…で。」

 

「マシュ…あり…がとう…俺は…まけ、ない。」

 

「ふふふ、先輩だめですよ。私が、先輩を負けさせます♪」

 

元々の声質が似ているのか、

マタ・ハリの声真似はすこし明るすぎるきらいはありつつも、

いつものマシュのそれにとても近い。

しかし、今上にいる女の子は、マシュじゃない。

マシュは、いま下にいるのだから。

 

「せ~んぱい♪ほんとに私じゃないって言い切れますか?」

 

「な、なにを…」

 

「私の胸。柔らかいですよね?」

 

「…っ…!」

 

「ふともも、おなか、うで、おっぱい。柔らかいですよね?」

 

「…っ……。」

 

「しぇ…ん…ぱ…い。」

 

下から、マシュの声が響く。

 

「ふふふ。先輩?実はわたしは分身のスキルを覚えたんですよ。

だから、下にいる私も、上にいる私も、両方共私、マシュなんです♪」

 

「そんなことっ…!」

 

あるわけない。論理が破綻しすぎている。

 

「ふたりの、おふとんマシュ。いかがですか?」

 

「そんなの、顔を見たらすぐに偽物かどうか分かるっ…!」

 

耳元で囁いているため、顔をしっかりと見れない。

 

(ちょっと首を動かせば…!)

 

「もう、せんぱいっ。せんぱいのおちんちん入れられちゃって、

気持ちよくなってる顔なんて、見せられないですよ♪」

 

「ぁぅぅぅぅっ!?」

 

おまんこが一気に締め付けられる。

加えて、下からマシュの手が伸びてくる。立香の、乳首に。

 

「んんんんんんっ!?」

 

「ふふふ。ね、いったでしょ先輩?

上も下もマシュじゃないと、二人で責めるなんてありえないですよね?」

 

「そんなのっ、魅了で、あやつってるだけっ…!」

 

「ふふふっ、せ~いかい♪」

 

顔を耳元から離し目の前で、マタ・ハリ。

 

「ではでは、ご褒美ですよ。せ~んぱい♪」

 

「んぅ!?」

 

甘いキス。

 

「ん~♪」

 

「んぅっ!?んぅぅっ!?」

 

身体を擦り付けて、ただただぴとっとくっつかれているだけ。

それなのに、おまんこの中がうねうねとうごめく。

 

「ん~~♪♪」

 

「んっ!んっ!んぅぅっ!!」

 

おちんちんは、おまんこの中で悶えつつもいかないように耐える。

くりくりっ、とマシュの手が、乳首をいじめる。

 

「んっ!?んっっぅ!?んんんっ!」

 

「…はみゅ…れろれろ。」

 

マシュの唇が、立香の耳たぶを弱々しくも甘噛し、舐めあげる。

 

「んっ!?んぅぅっ!!!」

 

マシュの意思じゃない、こんなのでいくわけにはーーー

 

「れろれろれろ………♪」

 

「んんっ!????んんんんっ!!」

 

おちんちんの玉袋が、舐めあげられる。

予想外の責めに、立香は混乱する。

それもそのはずだった。

これはマシュでも、マタ・ハリでもない。

先ほどまでえっちな手管でイカされきっていた、

エリのお口だったのだ。

体が動くようになったものの、

エリの身体はマタ・ハリによって完全に魅了されている、

あやつり人形状態だった。

しかしマタ・ハリにキスをされ、

そちらに目をやることもできない立香には、

どうなっているのかわからないままだ。

 

(なんっ、どうなって、だめっだ…)

 

「んんんんんんんんんんん!!!?」

 

どぴゅるるるるるるっ!!

と、快楽で立夏の頭の中は塗りつぶされていった。

その間も、マシュに責められ、エリに責められ、マタ・ハリに責められ。

逃げることはできない至高の快楽を与え続けられながら、

おもちゃとされてしまったのだった。

 

「ふふふ。ざんねん♪

きみたちの冒険は、ここで終わってしまったーーー。」

 

マタ・ハリの楽しそうな声。

目の前が真っ白になり、気が遠くなっていく中で、

立香にとってはそれだけが、なぜかよく聞こえた。

 

 

 

 

 

その後、立香、マシュ、エリは、マタ・ハリの虜となってしまい、

強烈なまでに心地よい快楽を味わい続けた。

当然、問題など解決できず、

ただ一体の敵を倒すことすらできなかった。

だが、この特異点は、

程なくして消え去ってしまう一過性のものであったようで、

人類滅亡まで関わるものではなかったようだ。

しかし、立香とマシュにとっては、

色んな意味で忘れられない記憶が刻まれてしまった。

 

 



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マタ・ハリさんがクリスマスイベ(2016)でちょっぴり本気なら

クリスマスイベ(2016)の復刻にマタ・ハリさんが出てたので書いてみました。
ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィが、
マタ・ハリさんに、ふにゃふにゃにとろけさせられちゃうお話です。


「はぁ、はぁ、はぁ……。か、勝ちました!」

 

荊軻、牛若丸、マルタ、マタ・ハリという、

へべれけ残念女子回メンバーを倒した、

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。

 

「偉いぞ。サンタさん。」

 

立香が、ジャンヌちゃんを褒め称える。

 

「はい、きちんとサンタできました!」

 

満面の笑みを浮かべる、ジャンヌちゃん。

 

「いやー、負けた負けた!やっぱり寄ってると負けても楽しいな―!」

 

ふらっふらの状態で、荊軻。

 

「はあ、酔い覚ましになってない……。」

 

とは、マルタ。

 

「さあ、という訳で貴方たちへのプレゼントはこちらです!」

 

ぱんぱかぱーん!

と出てきたのは、愛の妙薬…のようなボトルに詰められた液体。

見るからに。

 

(怪しい…。)

 

と、立夏は思った。

 

「あはははは、何これー?(ごきゅごきゅ)」

 

と、何の疑問も持たず、一気に煽る荊軻。

 

「新しいお酒ですか?(ごきゅごきゅ)」

 

と、牛若丸。

 

「変わったお味ねえ。(ごくごく)」

 

と、マタ・ハリ。

 

「断酒薬です。」

 

「「「え。」」」

 

薬を飲んだ三人の声が重なる。

 

「そもそも、サーヴァントなのにアルコールを飲んで酔っ払うなど、

何事ですか。

いついかなるときでも、サーヴァントとしての自覚を持つ……

そのための断酒薬です。

あ、気をつけてください。

その状態でアルコールを飲むと、ダメージを受けます。」

 

どやぁ、という表情ででジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。

 

「そ、そんなー!お酒が飲めないなんて、

我が人生、死んだも同然じゃないか!」

 

荊軻が、嘆く。

 

「あちゃー……。

そっかー、そういう方向性かー……。」

 

とは、マルタ。

 

「はあ、クリスマスらしい良いプレゼントを

あげられました……。」

 

さらなる磨きをかけたドヤ顔で、ジャンヌちゃん。

 

「ううむ、これから祝い事でてんやわんやだと言うのに、

常に素面なのは辛いですね。」

 

とは牛若丸。

 

「困ったわねぇ。酔った勢いを利用して、

既成事実が作れなくなっちゃうわ……。」

 

いいつつ、チラッ、と立夏の方を見やるマタ・ハリ。

 

「!?」

 

「どうしました、トナカイさん?顔が赤いんですが……。」

 

「どうしましたマスター。

何かあったのですかマスター。

マタ・ハリさんと見つめ合う必要はあるのですかマスター!」

 

読点をすっ飛ばして、カルデアにいるマシュのホログラムが、

早口でまくし立てる。

 

「うふふふふ。」

 

「えーっと、サンタちゃん。

この断酒薬って、あなたが作った訳じゃない……わよね?」

 

「はい、私の手には余るのでキャスターに作って貰いましたが。

えっと、名前はわからないんですけど白い服を来たーーー」

 

「髪が長い奴?髪が長い奴だよね?

ふふふふふ、よし刺そう、刺しに行こう。」

 

「地獄の果てまでお供します。

ふふ、ふふふ、ふふふふふ……!」

 

「それでは、私もついでに一緒に行きましょうか……。

後は任せますよ、マタ・ハリ。」

 

荊軻、牛若丸、マルタが全ての元凶である、Pを倒すために団結する。

 

「私?まあいいけれどーーー」

 

「では、次に向かいましょうトナカイさん!

ここはお酒臭くて、頭がクラクラしますし……。」

 

「はいはい、ちょっとまってね。」

 

むにっ、とジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィの柔らかなほおを、

マタ・ハリの手が捉える。

 

「な、何ですか何ですか!私はサンタです、忙しいんです!

プレゼントを配り終えた人に、用はありません!」

 

「あなたにちょっとお話があるの。」

 

ふふふ、と柔らかい笑みを浮かべながら、マタ・ハリ。

 

「あ、あなたではありません…サンタと、呼んでください……。」

 

マタ・ハリの微笑みをみて、何故か胸が高鳴る。

 

「ええ。……ねえ。サンタちゃん。

あのプレゼント、どういう意図で選んだの?」

 

「どういう意図と言われても……

あの人たちの為になるプレゼントを選んだつもりですけど……。」

 

「うーん……クリスマスプレゼントは、

実用性よりも喜びの方が大事じゃないかしら?

贈り物が良いかではなくて、

喜びを与えられるかどうかが重要……そう思わない?」

 

「お、思いません……。

クリスマスは祝福の日。

ならば、有用な贈り物が正しいはずです。

……確かに、皆さんには喜ばれていないかもしれませんが……。

役に立つのなら、喜びはむしろ不要ではないかと。

私はそう思うのです。」

 

「……うーん、そっか。

そうよね、そういう考え方はーーー

きっと、ありなのよね。

でも……。」

 

困り顔で、マタ・ハリ。しばしして。

 

「……そうだ♪」

 

マタ・ハリの顔が、サンタちゃんに近づいていく。

 

「えっ…ちっ…ちかいっーーーんんっ!?」

 

「ちゅっ。」

 

やわらかな、口づけ。

 

「な、なにをしてーーーんんんっ!??」

 

「んんー♪」

 

「や、やめっ…だめっ…です…こんなっ……ーーーんんっ!?」

 

「んんんー♪」

 

「んんぅ!?んんっ!んんんぅっ!!んんんんんぅぅ!!」

 

サンタちゃんが逃げようとしても、

マタ・ハリはそれを許さない。

やわらかく、温かな唇。その気持ちよさに、

サンタちゃんの小さな身体が、ふるえる。

 

「ふふっ、魅了できてるかしら?」

 

「にゃ、にゃんて、ことをっ、しゅるんでしゅか…あにゃたは……っ!」

 

「あら?まだ魅了がたりない?」

 

ろれつがまわらないほどに身体は快感を受けているようだが、

まだ心が、理性がまるで堕ちていない。

 

「とうぜんでしゅ…わらひはしゃんた…にゃんでしゅから…。」

 

「ん~そっかぁ。そうなのね。なら♪」

 

マタ・ハリは、そこかしこに大量に散乱しているお酒のうち、

手近な白ワインを拾い上げて口に含む。

そして、再度、サンタちゃんの可愛らしいお口にキスをする。

 

「ん~♪」

 

そして、無理やり舌でサンタちゃんのお口をこじ開ける。

 

「んんぅ!?」

 

白ワインが、サンタちゃんのお口の中に流し込まれる。

 

「んんぅぅ!!」

 

口の中に白ワインを含まされてしまったものの、

飲まないように気をつけるサンタちゃん。

しかし、マタ・ハリのキスは終わらない。

 

「ん~♪」

 

「んくっ、んくぅっ!!」

 

「ん♪」

 

「んくぅぅっぅぅ!!」

 

お口という名の出口を、マタ・ハリのやわらかな唇で

完全に塞がれてしまったサンタちゃん。

お酒を口の中から出そうと奮闘するが、

マタ・ハリはその試みの悉くを抑え、キスし続ける。

 

「んんっ♪」

 

「んくっ!んくぅっ!んくぅぅっ!!」

 

マタ・ハリに蓋をされてしまったお口。

懸命にお酒を飲まないようにするサンタちゃん。

 

(そろそろ、頃合いかしら♪)

 

お口の蓋を緩める。

キスはしたままではあるが、サンタちゃんのお口からお酒が漏れる。

 

「んぅ………」

 

どやっ、と誇らしい表情でサンタちゃん。

お酒を飲ませ、へろへろふらふらにしようとした、

マタ・ハリの思惑を見事打ち破ったのだ!

…しかし、それが仕組まれた勝利であることに、

サンタちゃんは気づかない。

マタ・ハリは、お口を少し開く。

すると、サンタちゃんのお口は更に開く。

それはお酒を口の中から逃がすために仕方のないこと。

マタ・ハリのお口と、サンタちゃんのお口、

それが合わさらないところからお酒は漏れる。

それは、マタ・ハリがお口を開けば、

それ以上にサンタちゃんはお口を開かなくてはいけないということ。

更に、マタ・ハリがお口を開く。

サンタちゃんのお口は更に開く。

小さく、でも確実に、ゆっくりとサンタちゃんはお口を広げていってしまう。

やがて、お酒が全て漏れたところで、

れろん、とマタ・ハリの舌が、

サンタちゃんのお口に入り込む。

 

「んっぅ………?」

 

『何をいまさら?あなたの思惑はやぶれたんですっ!』

 

と言わんばかりの表情で、サンタちゃん。

分かりやすいほど、純粋で誇らしげな笑顔。

それを交わった瞳で確認しながら、

マタ・ハリは自身の舌で、サンタちゃんの舌を、からめた。

 

「んんっぅ!?」

 

ねっとり、とろとろとした舌が、

サンタちゃんの舌を襲う。

 

「♪」

 

「んぅっ!んっぅ!んぅっ!」

 

舌で押し返そうと、サンタちゃんはマタ・ハリの舌に戦いを挑む。

しかし、サンタちゃんの舌はことごとく躱されていく。

そして、

 

「んんんっぅ!?」

 

歯、歯肉、ほっぺの内側、硬口蓋、軟口蓋………

お口のなかのありとあらゆる部分を、舐め取られていく。

ひらりひらりと躱すだけでなく、一箇所一箇所を、

艶めかしく、舐めまわしていく。

 

(このっ、このっ!なんでっ、なんでっ、追い出せないんですか!?)

 

半ば涙目になりながら、サンタちゃんは必死で抵抗する。

しかし、マタ・ハリのキスのテクニックに比べればその必死の抵抗は、児戯。

ただのおままごとに過ぎなかった。

サンタちゃんの敗因、

それはマタ・ハリの舌の侵入をお口の中に許してしまったことだった。

徐々に気持ちよくさせられていく事を認めたくないサンタちゃんは、

必死に抵抗を続ける。

が、それはただただサンタちゃんの精神と体力の消耗を早めるだけだった。

 

「んぅっ!んぅっ!!んんぅっっ!!」

 

気持ちよくさせられながら、決死の思いでこれを否定する。

しかし、我慢しても、我慢しても、快感の波は押し寄せる。

マタ・ハリの舌が、抗いようのない快感の波を次々に生み出してくる。

…やがて、疲れからサンタちゃんは抵抗を緩めてしまう。

 

「♪」

 

その抵抗を諦めたサンタちゃんの舌に、マタ・ハリの舌がからみつく。

 

「んぅぅ………。」

 

マタ・ハリの舌という甘美な牢獄から抜け出そうともがくサンタちゃん。

しかし、先の無謀な抵抗のせいで、

舌を動かすこともままならない。

 

「んぅ……んぅぅ…。」

 

逃げられぬまま、

サンタちゃんは快楽を受け入れざるを得なかった。

しばらく、マタ・ハリは彼女を気持ちよくした後、

 

「………ぷっ、はぁ………。」

 

開放する。

 

「うふふ。」

 

そのまま、すたすたと何処かへと歩いていく。

 

「はい、そこまでよ。」

 

「!?トナカイ…さん!」

 

声のした方向を見ると、トナカイさんがマタ・ハリに捕まっていた。

 

(…しまった!ト…トナカイさんが…狙われるなんて!)

 

「さあ、おとなしくしてもらおうかしら。えっと…?」

 

頭が、先のキスでとろとろする。

しかし、サンタの意地に賭けて、負けるわけにはいかなかった。

 

「…私の名前は、

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ・ランサー・サンタ!

…です!」

 

「えぇ…っと………………………ジャンヌちゃん。」

 

「…いまさらっと諦めましたね!?」

 

「そ、そんなことはないわよ。」

 

あはははは、と明後日の方向を向きながら、乾いた笑いを響かせる。

 

「まあ、そんなことは良いの。

ジャンヌちゃん。あなたの大切なトナカイさんは今、私の腕の中。」

 

マタ・ハリに背後から抱きしめられ、身動きが取れないトナカイさん。

 

「………ごめん、オルタちゃん………!」

 

「ト、トナカイさんっ………!私が、必ず、助けますっ……!

あとオルタちゃんはやめてくださいっ、私は、サンタ、ですっ………!」

 

よろよろとよろけつつも、ジャンヌちゃんが毅然と言い放つ。

 

「みんなにっ…プレゼントを…届けるまで…負けるわけには…いかないん、ですっ!」

 

「うふふ。大したものだわ。でもね、ジャンヌちゃん。

あなたのトナカイさんは、もう私の虜。

メロメロにとろけてしまっているの。」

 

「………え?」

 

とは、トナカイさん。

マタ・ハリはトナカイさんの耳元で何かを囁いた。

その内容までは聞き取れなかった。

しかし。

 

「あ、あああ、めろめろ~。」

 

「ト、トナカイ、さんっ…!」

 

「ああっ、マスターっ!」

 

どうやら、めろめろに誘惑されてしまっているようだ。

だって本人がめろめろ言っているのだから。

なんだか棒読みのように抑揚のない声なのも、

きっと誘惑されてしまって身体がいつものように、

言うことをきいてくれないとかそういうことなのだろう。

そんなトナカイさんを案じて、

ジャンヌちゃんとホログラムのマシュが声をあげる。

 

「………。」

 

そんな中、笑顔ではあるけれど、

どこか呆れたような表情で、マタ・ハリ。

 

「………はい、トナカイさん。

じゃあ、まずマシュちゃんの音声を聞こえないようにしてね。」

 

「ああ~、手がかってに~。」

 

「マスター!マスター!だめですっ、正気にーーー」

 

そこまでで、音声が消えてしまう。

ホログラム自体は消えていないため、

見ることはできているようだが。

不安そうな瞳で、マシュ。ホログラムで見る限り、

必死にマスターへと叫んでいるようだった。

 

「ああぁ、ごめん。マシュ、でも俺は今操られているから~。」

 

「………マ、マスター。よく出来ました。

では、ご褒美です♪」

 

「えっ…!?なっーーー」

 

ぱふんっ、とマタ・ハリの豊満な胸が立夏の顔を覆う。

 

「ーーー!ーーー!」

 

声にならない声でもがく、立夏。

その頭に、ぽそり、とマタ・ハリが再び、何かを囁く。

すると、トナカイさんが抵抗を止め、

おとなしくなってしまう。

 

「トナカイさんっ!」

 

槍を構え、

駈けようとする、が。

 

「あらあら、だめよ。

いま、あなたが何かをすれば、

あなたの大事なトナカイさんがどうなるか…♪」

 

「そんなっ………!!」

 

「ねぇ、ジャンヌちゃん。提案があるのだけれど。」

 

「………なんですか!」

 

ぎろり、とその愛らしい顔に似つかわしくない鋭い瞳で、

ジャンヌちゃん。

幼くて可愛らしい、こどもが精一杯強がるような微笑ましい表情。

が、その力を軽んじることはできない。

とくにマタ・ハリのような弱小のサーヴァントにとっては。

それを悟られぬよう、笑みを浮かべる。

 

「温かいミルクはお嫌いかしら?」

 

トナカイさんの顔を胸に埋めるのを止めたかと思うと、

自身の胸を、はらりと、肌けさせる。

 

「なっ、ななっ…!!」

 

「ほ~ら、マスター。

お口で私のおっぱいをちゅーちゅーしましょうね♪」

 

「は、はい~。」

 

やはりどこか、棒な声音でトナカイさんが、

マタ・ハリの乳首に吸い寄せられていく。

 

「なっ、これっ…!ま、まってっ!マタ・ハーーー」

 

その一瞬、マタ・ハリのおっぱいに吸い付く寸前だけ、

平坦な口調でなく、トナカイさんの必死な声音が響いた。

 

「うふふ、この通り。

君のトナカイさんは、私の思うがまま♪

たとえば、私がまちがって自害なんて命じればーーー」

 

「なっ!だめっ!だめですっ!

なぜあなたはそんなことをっ!

トナカイさんは、

あなたにとっても大事な人じゃないんですか!?」

 

「なぜ?女が男を自由に操るのに理由がいるのかしら?」

 

「そんなことっ…ぜったいさせませんっ!」

 

ばばっ!と槍を構える。

 

「いいのかしら?

貴方がその槍で私を突き刺して、私を無力化するまで数秒。

それだけあれば、

私の唇は数回マスターを天国へ逝かせることができるわね♪」

 

「………!!」

 

ちらり、とホログラムのマシュをみる。

マシュもまたこちらを見返している。

そして、ふるふると首を横に振る。

そして、こちらを見つめてくる。

その憂いを持ってはいるものの真っ直ぐな瞳が、訴える。

 

『どうか、マスターを助けてください。』

 

こくり、とジャンヌちゃんはマシュに頷く。

すると、マシュはぐっ!と拳を握った。

 

『がんばってくださいっ!』

 

音声を出せずとも、彼女の表情が、その所作が、その気持ちを伝えてくれる。

マシュのまっすぐな思いを、大切な願いを、確かに受け取る。

 

(こんなにまっすぐな女の子の願いっ!

叶えられずに、なにがサンタですかっ!)

 

めらめらと燃えたぎるような瞳で、ジャンヌちゃん。

その瞳に気圧されつつも、マタ・ハリが笑顔で返す。

 

「ジャンヌちゃん。私と勝負をしましょう。」

 

「望む、ところですっ!」

 

切っ先を寸分違わず、マタ・ハリの頭部に向ける。

トナカイさんを操る時間など微塵も与えずに無力化するために。

ただただ、意識を鋭く尖らせ、鋭敏に研ぎ澄ます。

 

「ま、まってまって。

勝負とはいっても、物理的な戦いではないわ。

ついさっきの戦いで、勝てないことはよく分かっているもの。」

 

「………?」

 

「あなたはマスターを護りたい。そうよね?

でも私と戦ったら、私は勝てないけれど、

マスターを道連れにします。」

 

「そうは、させませんっ!」

 

「まって。話を聞いて。」

 

「?」

 

「まともに戦えば、私は倒されてしまいます。

それは私が望む形ではないの。」

 

「………。」

 

「だから、私はあなたを誘惑しようと思うの♪」

 

「???」

 

マシュの方を見る。すると、マシュの方も疑問符をあげている。

 

「十分間、あなたもマスターと同じように、

私のおっぱいを吸い続けてほしいの。

誘惑に耐えられれば、貴方の勝ち。

私はマスターにも貴方にも危害を加えない。

私を好きにしてもいい。」

 

「………。」

 

「でも、貴方が負ければ、

あなたは私の思うがままのお人形さんになってしまう。

どうかしら?これならマスターには一切危険はないけれど?」

 

「………。」

 

マシュの方を眺める。

マシュは心配そうにこちらを見つめ返している。

笑顔で、マシュに返す。

 

「大丈夫ですよ。ぜったいに、トナカイさんは連れ戻します。

それに、私も誘惑なんかに負けませんっ!」

 

「うふふ、さっきまでとろとろになっていたことをお忘れかしら?」

 

「あれは、不覚を取ったに過ぎません。

本来、私は弱体耐性をもつサーヴァントです!

貴方の誘惑なんて、はねのけてみせますっ!

トナカイさんのためにも、マシュさんのためにもっ!」

 

構えていた槍を霧散させる。

 

(ぜったいにっ、負けませんっ!)

 

ジャンヌちゃんが、マタ・ハリへと近づく。

マタ・ハリはしゃがみ、

おっぱいを、そのきれいな乳首を、

ジャンヌちゃんの前へと差し出す。

 

「はむっ。」

 

「んっ♪」

 

マタ・ハリの乳首を咥える。

なんだか、甘い匂いが辺りを包み込んでいるように感じる。

 

「ふふふ。

寒い夜に、ほおを寄せ合ってミルクを飲む…。

とても微笑ましいと思わない?」

 

「??」

 

「ほぉら、こんな風に………。」

 

なでなでと、二人の頭を撫でつつ、マタ・ハリ。

トナカイさんの頭を撫でていた手を、

トナカイさんの咥えているおっぱいへあてがう。

そして、ふにゅん、ふにゅんっ、ともみこむ。

 

「んんっ…こくんっ、こくんっ…」

 

と、トナカイさんが喉を鳴らす。

 

(この甘い匂い………もしかして………!?)

 

今度は、手をジャンヌちゃんの咥えるおっぱいへとあてがう。

そして、おなじようにふにゅりと揉む。

とろり、と、甘い味が、ジャンヌちゃんのお口に入り込むーーー

 

「ぷはっ!!」

 

寸前、口を離す。

マタ・ハリのおっぱいから、とろり、と甘いミルクが滴る。

 

(こ、これは…母乳!?こんなの、聞いてないっ…!)

 

二人の乳飲み子たちに、とろけるように甘やかで、

心地よくなるほどあたたかなミルクをプレゼントするマタ・ハリ。

すんでのところでジャンヌちゃんは回避したが、

これを飲み込んでは、トナカイさんは………。

 

「んぅ………。」

 

「こんなのっ…だめです…。

き、きいて、ないっ………!

むこう…無効ですっ!こんなの、こんなのっ…!」

 

ジャンヌちゃんが抗議する。

こんなの、聞いていない。

こんなに、甘くて、暖かくて、

とろとろなものを飲ませるなんて、聞いていない。

 

「あらあら。抵抗できるの?

そんながんばりやさんにはご褒美ね♪」

 

「あ、やめっ…そんな…あまいミルクがでる乳首を…

…すりつけちゃ…だめっ…」

 

雪原のように真っ白で美しいおっぱいの中で、

ひらひらと舞う桜色の乳首が、

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィを誘惑する。

しかし、マタ・ハリの甘やかな誘惑に負けまいと、

乳首からお口を離すジャンヌちゃん。

 

「わたしは、サンタ…なんです…

サンタが召喚された以上…みんな、メリクリ…なんです…!」

 

きっ!とにらみつつ、ジャンヌちゃん。

 

「あらあら、凛々しいお顔。とっても素敵だわ♪

じゃあ、わたしがサンタさんをめりくり(?)にしてあげるわね。」

 

「な、なに…をっ…!あ、あっ…あっ…!」

 

ぽふんっ、と柔らかなマタ・ハリの手が、

ジャンヌちゃんの後頭部へと回される。

そして、くいっ、と力がこめられていく。

 

「や、やめなさいっ…ゃ…ゃめっ…!!」

 

真っ白ふわふわなましゅまろおっぱいが近づき、

視界いっぱいに広がっていく。

桃色の乳首から香るあまあまでとろとろで花の蜜のように、

甘い香りがジャンヌちゃんの鼻孔を満たしていく。

ふにゅり。

あったかくてやわらかなおっぱいに顔をむりやりうずめられる。

 

(だ、だめですっ!)

 

やわらかさに溺れる前に、

触れないぎりぎりまで、なんとか頭を後退させるジャンヌちゃん。

 

「うふふ。ねえ、サンタさん?あなたは今、

私のおっぱいの香りを感じるかしら?」

 

感じる、甘い香り。

 

(あったかくて…やわらかくて…おいしそうで…

とろとろしてて…とろけてて…ふにふに、してて…)

 

おっぱいとちくびとみるくと。

全ての魅力がないまぜになってジャンヌちゃんの脳を、

快楽でとろかしていく。

マタ・ハリの身体は、

無垢なジャンヌちゃんにとって脅威そのものだった。

聖女(のような存在)として、

人ならざる力を持つジャンヌちゃんにとっては、

ある意味宝具以上の脅威。

 

「そ、それが、なんだというのです…!」

 

気丈にふるまう、ジャンヌちゃん。

それを見て、マタ・ハリがくすりと笑う。

 

「…もう、勝ったつもりで…いるのですかっ…!

まだまだ…こんな誘惑…わたしはっ…!」

 

「ふふっ、残念だけど、私はもう勝ってるの。」

 

「…そんなこと、ないです…!私は負けてなんて…!」

 

「サンタさん、香りを感じるってどういうことか知ってるかしら?」

 

「え…?」

 

「あなたのそのかわいらしくて小さなおはな、

そのなかにもね、もう私のミルクが入り込んでいるのよ。」

 

「…な、なにを言ってるんです…?そんなの…どこにも…?」

 

「おはなにはね、受容体とよばれるものがあるの。」

 

「…じゅようたい…?」

 

「そう。受容体はね、はいってきたものが、くっついたときに活性化するの。

それでね、脳の中までこんな匂いがするよっておしえてあげるのよ。」

 

「…くっついて…て、そんな…!」

 

「あなたは、お口で飲み込まなければ、母乳には触れてない、

誘惑も受けてないって思ってたのよね?

でも残念。あなたのおはなは、もう私のミルクに誘惑されているの♪」

 

「ぁっ…ぁぁっ…!」

 

ジャンヌちゃんは、絶望した。

 

 

 

 

 

正直なところ、母乳の匂いをかいだところで、誘惑効果などさほどない。

受容体は分子レベルでも感じ取る。

そんな少量が身体に入り込んだところで、

誘惑がかかるほどの量となる閾値は満たさない。

しかし、言葉によって自分がいかに堕ちているのかを過度に自覚させ、

もうがまんをしても仕方がない、という状態まで追い込む。

そうすれば。

 

「ぁっ……だ、だめっ…。」

 

おっぱいへとお顔をいざない、乳首へとお口を誘導する。

 

「がまんしても意味がないことはわかったでしょう?」

 

「それはっ…!それ…は…っ…。」

 

言葉が尻すぼみに弱くなっていく。

誘惑に負けても仕方がないと諦めかけている証拠だ。

…しかし、安心はできない。

彼女は強力な弱体耐性を持つ油断できない相手。

その証拠に、フェロモンを使っているというのに、

とろとろにとろけきっておっぱいを吸い続けているマスターと異なり、

彼女は理性を保っている。

そこらの英霊であれば、誘惑はできる。

男性なら言わずもがな、女性であっても。

しかし、相手が聖女となれば話は変わる。

彼女は聖女のありえたかもしれない姿。

神に認められた、伝説の少女に極めて近い存在。

ある意味、神託を受けるという事実から逆行した彼女のほうが、

少ない確率であろうが神託を受けない未来があるはずの本来の彼女よりも、

厄介と言えるかもしれない。

本来であれば、マタ・ハリに勝利できるはずがない。

その中にあって幸運であったのは、

ジャンヌちゃんの精神が幼かったことだ。

 

「ふふっ、トナカイさんは素直だから、

たくさんプレゼントを受け取ることができるのよ。

サンタさんも素直になれば、

たくさんプレゼントがもらえるのよ?」

 

「そ、そんなのっ…!」

 

ごくり、とジャンヌがなまつばごっくんするのが見て取れた。

 

「ねえ、トナカイさん。おっぱいみるくはおいしいでちゅか?」

 

「うん。ママ………。」

 

もごもごと、乳首を咥えたまま、トナカイさん。

目の中にはハートが浮かんでいる。

とろんとろんにとろけて、ふやけて、ふぬけて、惚けて、堕落している、

完全な誘惑の状態。

 

「ふふっ。」

 

先のハロウィンでは、加減をしたとはいえ、

堕ちまいと奮闘した立夏。

しかし、今回は、おっぱいを吸わせて一瞬でとろけさせた。

 

(まあ、今回は味方だったのもあるけれど。

………演技があまりにもひどかったから、ほんとに誘惑したけれど。

………彼女に望みを持ってもらうこと、霊気を安定させること、

それは守ってあげるから心配しないでね、マスター。

こんなにも可愛い子が存在も許されないなんて、私も嫌だから。)

 

諜報、フェロモンの各スキルを使ったのは依然と変わらずだが、

今回の母乳を使った誘惑は初めてだった。

 

(それにしても、母乳が出るなんて、サーヴァントの身体って不思議ね。

…といっても、生きてた時には娘もいたし、

案外よくあることなのかしら?)

 

「…まま…」

 

ぽろっと、意図せず漏れたジャンヌの言葉。

それをマタ・ハリは聞き逃さなかった。

 

「………♪」

 

その寂寥の瞳、寂寞の声音。

その姿は。

 

「ジャンヌちゃん。」

 

「!」

 

「ジャンヌちゃん、あまえていいのよ?」

 

「な、なにを…」

 

「ママがあなたを幸せにしてあげる。」

 

「な、なにを…いって!」

 

「あなたは、寂しかったのかしら。

親も兄弟もお友達も、まだいないものね。」

 

「そ、そんな、そんなことは…」

 

「私があなたのママになってあげる。」

 

「え………?…そ、それは………。」

 

「ママが教えてあげます、たくさんの愛を。」

 

(それと甘い甘い誘惑の味も、ね♪)

 

「う…うぅ………。」

 

「ほら?ジャンヌちゃん。ママって呼んでみて?」

 

「あ、あぅ………ま、ママ………。」

 

「ふふっ。えらいえらい♪よくできました♪」

 

なでなで、とジャンヌちゃんの頭を撫でる。

 

「あ…え、えへへ………。」

 

ジャンヌちゃんが、笑う。

満たされない思い、欠けているもの。

誰もが持っている弱み。

満たされない思いを満たし、

欠けているものを補充する。

相手を幸せにする、それこそがマタ・ハリの誘惑だった。

ぽふっ、ジャンヌちゃんをおっぱいにおしつける。

あまやかに、とろとろに、ジャンヌちゃんを快楽へといざなう。

ママの愛情をもって。

優しく、やさしく、丁寧に、ていねいに。

あまくとろとろに、親子愛という愛情に、

誘惑の味をまぜこんで、教えこんでいく。

 

「ママ………ままぁ………。

っ…!わ、わはひは、ほははひはんを…!」

 

あたまの中をとろとろにさせられつつも、

誘惑でおっぱいを咥えさせられても、

トナカイさんを助けるという、

使命をはたそうとするジャンヌちゃん。

しかし、

 

「トナカイさんなら、貴方の隣で幸せになっているわよ。

ジャンヌちゃん。」

 

ちらり、とお口でおっぱいをくわえ込んだまま、

ジャンヌちゃんがマスターをみやる。

 

「ぁぁ、ほんほはぁ……ひ…ひはふ、ひはふ、ひはふっ…!

ほんはほ………っ!」

 

「うん?ちがうって言いたいのかしら?

ちがわないわ。あなたでしょうめいしてあげる。

さあ、貴方のお手てで、私のおっぱいを、つかんで。」

 

「んっ…んんぅ………。」

 

特に抵抗も出来ぬまま、ジャンヌちゃんの手がおっぱいへと伸びる。

 

「さ、た~くさんおっぱいを絞り出して。

あまいあまい、蜜の味を味わって、

それでも幸せじゃないって言い切れるかテストしてあげます。」

 

「んんんっ…こくんっ、こくんっ、んんんっ……!!」

 

抵抗など許さない。

マタ・ハリは弱体耐性のある彼女から弱体状態で有る誘惑が剥がれないよう、

何度も何度も重ねて誘惑をし続ける。

フェロモンを使い、ダブル・クロスを使い、陽の目を使い、

そして、母乳を使って。

もじもじと、ジャンヌちゃんがふとももをこする。

それは無意識かもしれないし、意識しているのかもしれない。

いずれにしても関係がない。

マタ・ハリは、ジャンヌちゃんの下着の中に、

そのぬれぬれにとろけたおまんこに、指を這わせる。

 

「んんっ!!」

 

驚き、ママを見つめるジャンヌちゃん。

しかし、手も、口も、おっぱいから、乳首から離れない。

ミルクを吸う所作も、飲み干したいと思う願望も、抑制できない。

これからどうなるのか分からない不安な瞳が、マタ・ハリをみつめる。

 

「大丈夫。ジャンヌちゃん、信じてね。

私は貴方を気持ちよくするだけ。」

 

「んぅ、んっ!んぅっ!!」

 

ぬれぬれとろとろのおまんこを、せめあげる。

くちゅくちゅとえっちな水音が響く。

その気持ちよさに、ジャンヌちゃんの意識は快楽へと漬け込まれ、

理性が押し流されていく。

 

「信じて。だって、わたしはあなたの、ママなんですもの。」

 

笑顔で、マタ・ハリはジャンヌちゃんに快楽の絶頂を味わわせる。

 

「んんんんんんっ!!!!」

 

ぷしゅっ、とジャンヌちゃんのおまんこが弾ける。

 

「まだまだ、もっと、気持ちよくなろうね?」

 

「んんっ!?んんんっ!?んんんんんっ!!!」

 

マタ・ハリの指は、絶頂の中にいるジャンヌちゃんを更に攻め上げていく。

ぷしゅしゅっ!ぷしゃっ!ぷしゃぷしゃああああっ!!

と、おまんこが快楽に弾けている間に重ねて更に絶頂の快楽を弾けさせられる。

身を捩り、耐えられないほどの快楽を一身に刻み込まれていくジャンヌちゃん。

 

「んんっ!んんっ!んんんっ!!」

 

涙目で、首を横に振るジャンヌちゃん。

しかし、マタ・ハリの誘惑は凄まじく、

おっぱいから口を離すことは絶対にできなかった。

それどころかおっぱいを吸い上げるのを留めることも出来ない。

おっぱいを飲み込むことを、止めることもできない。

 

「それ♪それ♪それっ♪」

 

「んんんんんんんんんんんんんんんんんぅ!!!!」

 

ぷしゃぷしゃぷしゃぷしゃぷしゃしゃしゃしゃあああああああっっっ!!

おまんこから、愛液が弾けてはまた弾ける。何度も何度も。

ジャンヌちゃんの小さな身体は、

誘惑のせいで動きを制限されているものの、

快楽のままに踊り狂い、よがり狂う。

与えられた快感を逃がすことも許されず、

体が許容できる快感を振り切ってしまったジャンヌちゃんは、

意識を閉ざしてしまうのだった。

 

 

 

 

 

こうして、ジャンヌちゃんのクリスマスは終わりを迎えてしまう。

プレゼントは、みんなに渡せなかった。

しかし、彼女は自分の願望を持った。

それは、ママや、トナカイさん、マシュさんたちと一緒にいたいという願望。

それ故に、クリスマスを終えてもなお、

彼女はカルデアに存在することができた。

 

 

 

 

 

あの戦いの日からしばらく後、ジャンヌちゃんは、

マタ・ハリの部屋を訪れた。

 

「あ、あのっ………おかあ、さん………。」

 

こわごわと、ジャンヌちゃんが口を開く。

拒絶されたらどうしよう。

あのときのことは、誘惑していただけで、

私のおかあさんになってくれる話なんて、すっかり忘れていたらどうしよう。

そんな不安が脳裏をかすめる。

でも、そんな思いはすぐに晴れた。

 

「ええ。なにかしら、ジャンヌちゃん。」

 

温かい笑顔で、マタ・ハリが、おかあさんが、迎えてくれる。

 

「えへへっ。おかあさんっ!」

 

「うふふっ、ママでもいいのよ、ジャンヌちゃん。」

 

「そ、それはちょっと恥ずかしい…です………。」

 

「なんにも恥ずかしがることなんてないのよ?

うふふ。でも、あなたがそれでいいなら、

そうしましょうか。」

 

「うんっ!」

 

こうして、彼女は誰かと一緒にいたいという願望を得た。

自身のその願望を知った時、

彼女はその願いを叶え続けたいと願った。

その願いは、彼女をこの世界に繋ぐ楔となってくれたのだった。

 

 

 

 

 

「せんぱいっ!初めから騙してましたねっ!」

 

「ご、誤解だっ!マシュっ!

いや、途中まではほんとにごめんだけどっ!

さ、最後の方はマタ・ハリがやったことでっ!」

 

「ほんとに心配したんですからっ!先輩っ!!」

 

「ちょ、ちょっと!!ねぇ、話しあおう!マシュっ!

た、たてっ、たてだけは置いて!ねっ!」

 

「駄目です許しませんみねうちですっ!

あんしんしてくださいみねうちですからっ!」

 

「う、うわあああああああああ!!!」

 

立香が逃げ出す。

 

「あっ!マスターっ!逃げたら罰はひどくなるんですよっ!

こらああああああああああああっ!!!」

 

それをマシュが追いかけていく。

 

 

 

 

 

そんな賑やかな日常を送りつつ、

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィは幸せな日々を神に感謝し、

そして、これからもこんな日々が続きますようにと祈ったのだった。

 



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マタ・ハリさんと、ティテュバの誘惑!

やっとセイレム終わったぁっ!
まだまだ続くと思ってたら最後えらい急展開で終わってびっくりしました。
それにしてもマタ・ハリさんとミドラーシュのキャスター可愛すぎますね、やばすぎますね!
二人が会話してるシーンめっちゃ豊満すぎてすごく眼福でした!アビーも可愛いし!

と、いうわけで、マタ・ハリさんとミドラーシュのキャスターが、
アビゲイルにお仕置きをしちゃうお話書いてみました。

セイレム終盤の、とある子がその場にいなかったら、というIFなので、
セイレムのネタバレあります。ご注意。

また、ふたなり要素あるのでそちらもご注意。
(なぜか最初にアビーを男の娘と思っていたので、そういう話を書きたかったんですよね。)




「………………ああ……あああぁ……

戻って、戻ってぇ……」

 

魔女アビゲイルを倒した立香たち。

漆黒の闇の力、絶望的なまでの強大な力。

アビゲイルの魔女の力が、抜ける。

呪いに満ちた黒の衣が消え、

愛らしい金髪碧眼の少女、アビーの姿に戻る。

 

「神様が……私の中から…………消えて……しまう……

ああ……ぁぁ……

お願い……誰か……私を……

ここから……連れだして……誰……か……。」

 

「もう、終わりよ。アビー。」

 

「……マタ・ハリさん……。」

 

「もう、いいのよ。あなたは、もう。」

 

「……だめ……。それはだめだわ。

私が、赦してあげないといけない。この、セイレムで……!

あなた達を!」

 

邪悪な力が、再度アビゲイルから放たれる。

 

「………お嬢様……。」

 

「ぁぁ……な、なんで……」

 

が、その力を扱うアビゲイル自身が力を消耗しているためか、

うまく力がコントロールできないようだった。

そのためか、体の変化も完全とはならなかった。

先までの白髪にもなりきれず、碧眼の瞳が紅く輝くこともない。

 

「たりない……これじゃ……なんで……!」

 

「……マスター。ここは私に任せてもらえないかしら?」

 

「……わかった。」

 

「ありがとう。あと、少し席を外してもらってもいいかしら?」

 

「……でも。」

 

「大丈夫。信じて?他のみんなも……ね?」

 

「……。」

 

こくん、と立花は頷き、サーヴァントたちとともに外へ出る。

 

「申し訳ありませんが、私には見届ける義務があります。

お金を頂いてご奉仕させていただいた立場ですから♪」

 

しかしその中で、褐色の美女、ミドラーシュのキャスターだけが残る。

 

「マタ・ハリさん……!ティテュバ……!

あなたたちは、あなたたち程度なら、わたしは……!」

 

先の戦闘での力量差は歴然だった。

もともと、マタ・ハリの戦闘能力は高くない。

そして、ティテュバもまた、アビゲイルの力を抑えるための結界を張った代償として、

見方によっては、戦闘に参加したサーヴァント以上のダメージを負っている。

二人の力を重ねても、先までのアビゲイルの力には遠く及ばない。

力を取り戻しきれていない今のアビゲイルの力でさえも、勝ち目は薄い。

 

「それはどうかしら。」

 

ふふっ、と可愛らしい笑顔で、マタ・ハリが笑う。

 

「…シバの……いいえ。ティテュバ…すこしお耳を。」

 

ぽそっ、とマタ・ハリがティテュバに耳打ちする。

 

「ああ♪なるほどなるほどぉ…それならぁ……♪」

 

ぽそっ、と今度はティテュバがマタ・ハリに耳打ちする。

 

「あらあら、そんなことができるの。」

 

ふふふ、と笑うマタ・ハリ。

 

「えぇ。えぇ。協力、お願いできます?」

 

ふふふ、と笑うティテュバ。

 

「もちろん♪だって、私はーーー

いいえ。私も、アビーが大好きだもの♪」

 

二人は内緒話もそこそこに、アビゲイルと対峙する。

 

 

 

 

 

(………なにかを、隠しているの?)

 

二人は力を使い果たしている。

今のアビゲイル・ウィリアムズなら、負ける要素は無い…はず。

湧き上がる力の奔流。

座長さんや他のサーヴァントに退けられた力ではあるが、

この二人相手なら負けることはないといいきれる。

 

(………赦しを、与えてあげる。

マタ・ハリさん、ティテュバ。それが私にできる、唯一の救いだから………!)

 

力を再開放する。

先までの半分以下の力も出ていないかもしれない。

しかしこの二人を相手にするには過ぎた力だ。

 

「マタ・ハリさん、ティテュバ……。

子ども一人くらいなら、負けるはずない。そう思っているの?」

 

「いいえ。あなたはとっても強いわ。アビー。

きっと私達では敵わない。」

 

穏やかな笑みで、マタ・ハリ。

 

「そうですねぇ。きっと今のお嬢様の力は私の魔法では足元にも及ばないはずです。」

 

「それがわかっていて………?」

 

困惑する。

 

(二人は負けることを、わかっている?)

 

「ふ、ふたりとも、なんで……?」

 

「ふふっ。アビー。

大人はね、子どもが悪いことをしたらを叱ってあげないといけないの。」

 

「………!あなたたちは私をいじめるのね……!」

 

「それは違います。お嬢様。」

 

「ティテュバ…!」

 

「私も、マタ・ハリさんも、あなたのことを大事に思うから、

あなたのことがとても好きだから、叱るのですよ。」

 

「でも、あなたは、今まで私を叱ったりなんてしなかった!」

 

「そうですね。私は使用人でしたから。

でも、いまなら、使用人のときと違った愛し方が出来ます。」

 

「愛……?」

 

「ふふっ。」

 

マタ・ハリとティテュバが、歩いてくる。

ゆっくりとしていて、とても今から戦う気があるようには思えない。

 

「ち、ちかよらないでっ!」

 

アビゲイルは、その二人にどこかこわさを感じてしまう。

力では勝っているはずなのに、一瞬で二人を消し飛ばせるくらいの力があるはずなのに。

力が出せない。力を使いたいと思えない。

二人は、アビゲイルに触れられる位置まで近づいてきた。

 

「「さあ、おしおきの時間です♪」」

 

マタ・ハリとティテュバの豊満な身体が、小さなアビゲイルの身体を包みこむ。

二人のハリのある太ももが、アビーの小さな脚にからみつく。

 

「ぁっ……!?」

 

動きを封じられたアビーの身体に、更に彼女らの柔らかな肢体が絡みつく。

 

「わぷっ……んっ……!?」

 

左右から、マタ・ハリの真っ白な胸が、ティテュバの褐色の胸が、

アビーの顔を柔らかく押しつぶす。

 

「んんっ……!んんんっっ……!!ぷはっ……ぁあっ……わうっ………」

 

なんとかおっぱいの圧迫から逃れようとする、アビー。

しかし、おっぱいは形を変えて、アビーの可愛らしいお顔を襲い続ける。

 

「わぷっ……んぁ……はぷっ……ぅぅ……!」

 

二人のやわらかな双丘は彼女のお顔を挟んで密着しては離れない。

柔らかな心地よさが、気持ちよさが、

アビーの心や身体を、快楽で塗りつぶしていく。

 

「!?わぷっ!?は…ぅ…!?んっ…!?あぁっっっ…ぷふっ!?」

 

マタ・ハリとティテュバの手が、小さなアビーの身体を襲う。

やさしく、つまむように二人の手がアビーの乳首をこしこしとなであげる。

ただでさえ満足に息継ぎできないほど苦しいのに、

二人の乳首へのなで上げによって、更に苦しさが加速されていく。

息継ぎもままならない、苦痛。

逃げることのできない、恐怖。

それなのに、頭の中は真っ白な快楽で染め上げられていく。

 

「んんっ!」

 

アビーは、その小さな手で、乳首を襲う彼女らの手を捕まえる。

乳首への責めは止んだ。しかし、彼女らは面白がるように、

こんどはおしりとおまんこに手をのばす。

そして。

 

「んんっ!!???んんんんん!!!!??」

 

アビーが掴んだ手は責めをやめてくれる。

しかし、掴んでいない手は、アビーを責め立てる。

アビーは自分の乳首か、おまんこか、おしりか、2つの責めを止めることができる。

が、逆を言えば、2つの責めは止めることができない。

 

「んんんんんっ!!んんんんんんんん!!!!!!?」

 

おまんこが、おしりが、ちくびが、おしりが、ちくびが、おまんこが、

代わる代わるに責め立てられていく。

 

「ふふっ、アビーは、乳首を気持ちよくされたいの?」

 

マタ・ハリの甘い言葉が、アビーを責める。

 

「おやぁ?お嬢様は、おまんこをなであげられたいのですか?」

 

ティテュバの甘い言葉が、アビーを責める。

 

「ちがっ、んんんっ!?んんんっ!!ち、んんんっ!!ちがっ……っぅぅうんんん!!」

 

ちがう、ちがう!と首を振りたい、声に出したい。

でも、それすら満足にさせてはもらえない。

アビーの身体は二人にいいように弄ばれ、どうしようもなく昂ぶらされていく。

 

責められる場所を選び続けるという残酷な選択をさせられ続けるアビー。

 

「んんんんんん!??」

 

やがて、とろとろっ、とアビーのおまんこからあたたかな液体があふれる。

 

「んんんんんっ!んんんんんっ!!」

 

とろけるおまんこを守ろうと必死に手を伸ばすアビー。

しかし、その手はいとも簡単に二人に掴まれてしまう。

そして、二人はアビーのとろとろおまんこを華奢な手で蹂躙していく。

 

「んんんんんんんんんんんんんんんんんっ!!」

 

ぷしゃああああっ、とアビーのきれいなおまんこから暖かな液体が弾ける。

 

「んんっ………んんぅ………」

 

くたぁ、とアビーの身体から力が抜ける。

頭を、身体を、電撃が駆け抜け、あたたかい気持ちよさが、

アビーの身体に心地よい余韻をのこす。

 

「んんんっ!?」

 

が。二人はくすくすとわらいながら、

更に体を寄せてくる。

 

「んっ!?んんっ!?んんんんぅっ!??」

 

そして、再度おまんこが責め上げられていく。

気持ちよさでふわふわしているところに、更なる追い打ち。

アビーの幼い身体が連続絶頂という地獄のような快楽に耐えられるはずもない。

必死に抵抗するアビー。

しかし、完全に二人に抑え込まれているアビーの身体は動かない。

彼女の抵抗の全ては、

柔らかなマタ・ハリとティテュバのおっぱいを揺らすか、

ハリのある太ももに押し戻されるくらいのかわいらしいもの。

二人にとって、責めを止められる理由になるはずもない。

 

「んんんんっ!んんんんっ!んんんんっ!!」

 

ぷしゃああっ!ぷしゃああっ!ぷしゃああっ!!

と、連続で弾けさせられてしまうアビー。

必死で止めようともがくのに、二人を止めることができない。

アビーは褐色とまっしろなおっぱいの中で、

その意識を閉ざしてしまうのだった。

 

 

 

 

 

「んんぅ……ここ、は……?」

 

真っ白な世界。なにもない世界。

なのだが。

 

「ようこそ、お嬢様♪ティテュバの夢の中へ♪」

 

そこに現れたのは、恭しく傅くティテュバだった。

 

「ゆめのなか……?」

 

「えぇ。これは私の魔法♪

とはいってもとても弱い幻のような魔法です♪

お嬢様が眠っている間だけの魔法ですよ♪」

 

「こんなものっ……!」

 

力を集中させる。が。

 

「力が、でない?」

 

「この世界は私の夢ですから♪全ては私の思うまま…♪」

 

「……!」

 

思わず後ずさる、アビゲイル。

その頭に、ふにっとした柔らかなものがあたる。

 

「ふふ。だめでしょ、アビー♪

おしおきから逃げちゃだめよ?」

 

「マ、マタ・ハリさん……!」

 

前へと飛び跳ね、後ろを振り向く。

 

「い、いやっ……!」

 

二人の間に挟まれたアビーは明後日の方向へと逃げ出す。

 

「おやおやぁ、だめですよぉお嬢様♪そぉれふわふわ~♪」

 

ふわっ、とアビゲイルの身体が宙に浮かぶ。

 

「あっ、ああっ!!」

 

腕を、脚を、バタバタと動かし、懸命に逃げようともがく。

が、宙空に浮かび上がった小さな体は地面にも壁にも天井にも触れることはない。

てくてくと、そこへと歩いていく二人。

 

「つかまえましたよぉ♪お嬢様♪」

 

「つかまえたわよ♪アビー♪」

 

「おしおきがこわくて逃げ出しちゃったの?いけない子……♪」

 

「そんな悪い子には、とってもひどいおしおきですよぉ……♪」

 

「ひっ……!」

 

二人のきれいな手が、アビゲイルのおまんこへとのびる。

 

「あうぅ……!」

 

そして、くちゅくちゅっ、といじられてしまう。

なでるように、慈しむように、なでなで、なでなでと撫でられる。

そして。

 

「つかまえたぁ~♪」

 

「ひぅっ!?」

 

アビゲイルのおまんこの大事なところが、二人の手におちる。

 

「この可愛らしいクリちゃんにひどいこと、しちゃいますね……♪」

 

「い、いやぁ……!!」

 

必死に股を閉じようとするアビー。それをマタ・ハリが手で阻む。

 

「では、おしおき、で~す♪しゃららら~ん♪」

 

ティテュバの手が、輝く。

それと同時に、アビゲイルのおまんこが、熱くなる。

 

「あ、ぁぁっ、あつい…なに…これ…!」

 

「ふふっ、おっきくなぁれ、おっきくなぁれぇ♪」

 

「あっ…!ああっ!?」

 

アビゲイルが驚く。

 

「なに…これ…!?」

 

「はぁい。クリちゃんをおっきくしちゃいましたぁ♪

ふふっ♪ぴくんぴくんっってして可愛い~♪ふぅ♪」

 

「やぁっ…ぁぁっ…!!」

 

「まぁ♪すごいわねぇ、ティテュバ♪」

 

「ふふっ♪マタ・ハリさんでもできますよぉ♪

この世界は私の夢の世界♪

マタ・ハリさんにもなんでも思い通りにできるようにしてますからぁ♪」

 

「あら?そうなの?ふふふ。ならあとで試してみようかしら…♪

でも、いまは……♪」

 

「っ……!」

 

「このおっきくなった、アビーのくりおちんちんを気持ちよくしてあげるわね…♪」

 

「や、やめて…!さわら、ないでっ……!!」

 

ぺろん♪と、マタ・ハリがアビーのくりおちんちんをなめあげる。

 

「ふふっ。こんなにあつい…♪冷ましてあげないといけないわね……♪はぁむっ♪」

 

「ああっ!?マ、マタ・ハリさん!?なにをっ……!?」

 

「ふふっ♪くりおちんちん、くわえこまれていますね♪

マタ・ハリさんのお口はそんなに気持ちが良いのですね♪お嬢様?

とろっとろのとろけがお、とても素敵ですよぉ♪」

 

「て、てぃてゅば……やめ…やめさせ……!てぃてゅ!?っ!ぁぁっ!ぁあああああ!」

 

「マタ・ハリさん♪そろそろ、ね♪」

 

「はぁっ…はぁっ…はぁ…あううっ!!?」

 

ぱくんっ♪と、こんどはティテュバがアビーのくりおちんちんをくわえこむ。

 

「ふふっ、くりおちんちんとっても気持ちいいのね?アビー?」

 

「マタ・ハリ…さんっ、も、やめさせ…とめ…とめてぇっ……!!」

 

「とろっとろのふにゃふにゃね♪そのまま、おかしくなりましょうね、アビー♪」

 

「やらっ、やらあっ……!あっ!?っううう!あひっ、あああああああ!」

 

 

 

 

 

(あっ、な、何も見えない…おかおが柔らかい…おっぱいで包まれて…っ!)

 

「ぷはっ!あああっ!!ぷはあああうぷっ…んんんん!!!」

 

目が覚める。

現実の世界ではマタ・ハリとティテュバのおっぱいに顔を埋められている。

 

おまんこからはおちんちんが生えてはいないが、とろとろにとろけてしまったおまんこからぷしゃぷしゃと愛液が弾けてしまう。

 

「ぷはっ、ぁっっぁ!!あああぅぷふっううう!!ぷはぅ…ぷひゃあ、ひぃぅぷっ!!」

 

「あらあら、アビーおはよう♪じゃあ、ぷしゃぷしゃぷしゃああああ♪」

 

「ふふっ、お嬢様ったらはしたないですよぉ♪えいっえいっ♪」

 

二人のお手手がアビーのおまんこを極限まで蹂躙する。

おしおきいじめで興奮させられ、おまんこが何度も何度も弾ける。

快楽と酸欠で身体をひくつかせながら、アビゲイルの意識が奪われてしまう。

 

 

 

 

 

「あっ、やだっ、そんなやわらかおっぱいで、くりおちんちんを、

はさんじゃやだあああああああああああ!!!」

 

ずりゅりゅりゅん♪と褐色とまっしろのおっきなおっぱいがアビゲイルのくりおちんちんを責め立てる。

ティテュバの魔法による、夢の中での世界。

マタ・ハリの意思も介在しているこの世界では、

おまんこにおちんちんを生やされてしまったアビゲイルが、

男の娘の喜びを存分に味わわされてしまう。

 

「「♪」」

 

マタ・ハリとティテュバ。

豊満な二人のおっぱいで左右から挟み込まれたアビゲイルのくりおちんちん。

豊かなおっぱいの谷間から、とくとくとおちんちんミルクが溢れ出す。

 

「あっ…ぁっ…こ、こんなの…うそ…!こんなの、まちがってるわっ…!ひぅっ!」

 

ぺろんっ、と谷間に溢れる白い水たまりを二人がなめあげていく。

その中にそそりたつアビゲイルのくりおちんちんも、

たっぷりとなめなめされてしまう。

 

「ぁぁっ、ぁぁぁあああっ!!そ、そんにゃ……あ、あたまの…にゃか…

ちょくせつ……きもちいいのが……ち、ちが……これ……ゆめ…まぼろし……

ただのげんかく…まほう……ただのちいさな……っ!まほう…にゃのに……!?」

 

「かぷ、ちゅるっ♪じゅるるるるるるっるるるる!!!!」

 

「ああっ!おと、たてないで、しゅいあげ、にゃいでえええええ!!」

 

ちゅぽん♪と小気味良い音とともに、マタ・ハリがおちんちんから口を離す。

 

「ああ……あっ!ああっ!!ら、らめぇっ!」

 

ぱくんっ♪と今度はティテュバがアビーのくりおちんちんをほおばる。

 

「ちゅうううう♪ちゅうううううううううううううっ♪」

 

「まぼっ、まぼろしっ…!ただの…っま、まぼ…あ、ひぃっ!き、きもち、いっ…

こ、こんにゃ、まぼろしっ…にゃんでっ、にゃんっ、でえええええっ!!?」

 

ストローがわりにおちんちんミルクを吸い上げられてしまうアビー。

それを見て気を良くしたティテュバがことさら吸い上げを強めていく。

 

「んんんっ!あああああっ!あぅんっ!っぅうっ!あっ、あっぁっ……!んんんんっ!!」

 

これは幻。

頭の中に直接働きかける幻術の一種。

しかも夢の中という限定的な世界でしか干渉できないほどの弱い魔法。

それなのに、マタ・ハリの、ティテュバのやわらかおっぱいは、

アビーのくりおちんちんを4つのおっぱいでやさしく挟み込み、

ありえないほどの快楽を与えながら、おちんちんみるくを搾り取っていく。

 

 

 

 

 

そして、夢の世界から目が覚める。

そこはおっぱいという柔らかな牢獄におかおが捉えられてしまった世界。

おまんこも、あなるも、マタ・ハリとティテュバの指先でとろとろにとろかされ、ふやかされ、くちゅくちゅっと音を立てながら、愛液を弾けさせられる。

 

 

 

 

 

どちらの世界でもえっちに誘惑され、身体の自由が完全に奪われ、

ぷしゃああっと愛液を、どぴゅどぴゅっと精液を奪われてしまう。

奪われていくたびに、身体も心もおかしくされてしまう。

 

 

 

 

 

やがて、セイレムを、世界を赦すための魔力が、制御できなくなっていく。

離れていってしまう。

快楽に溺れたアビゲイルでは、その力を取り戻すことはできなかった。

このあとも念入りに快楽漬けにされ、

アビーは心身ともマタ・ハリとティテュバの虜となってしまうのだった。

 

 

 

 

 

その後、紆余曲折ありながらも、カルデアで暮らすこととなったアビー。

そちらの世界でも度々おしおきで二人に気持ちよくされてしまうのだが、

それはまた別のお話。

 



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異世界のマタ・ハリさんがマンガで分かる合衆国開拓史で本気なら

マタ・ハリさんの逆寝取られが見たい、というリクエストを頂きまして、書いてみました。
逆寝取られ、ということで快楽で骨抜きにされた挙げ句に、完全に奪われちゃう感じのお話です。
苦手な方はご注意下さい。

ちなみに、イベント『オール・ザ・ステイツメン! ~マンガで分かる合衆国開拓史~』のマタ・ハリさんなので、
名も無きマスターのカルデアのマタ・ハリさんです。
愛知らぬ哀しき娘状態なので、いつも書いてるマタ・ハリさんよりちょっぴりすれてます。
(どう考えても☆1は冷遇されてると思うので…。)

それにしてもマンガで分かるのお話は癖がすごいですねぇ。
てか、マタ・ハリさんのセリフメタすぎませんかねw
そういうとこも好きですけどw

時間軸は、とりあえず人理修復後ですね。


カルデアの対外観測員たちが働きたくないといいだしたり、

立香が宝具スキップ機能を無性に実装してほしくなったり、

ダ・ヴィンチちゃんがダメ人間としての自分を自覚しそうになったすんでのところで、

仕事できるからダメ人間じゃないというダメ人間のようでいてやっぱり天才な言い訳をしたり、

と、なんやかんやとみんながだめになってしまうおそろしい(?)現象が起こる。

新たに現れた特異点にそれらの原因があると判断した立香たちは、

とりあえずイベントの解決を試みる。

レイシフト先で、進撃する巨人、バニヤンと出会った立香たち。

バニヤンを召喚した人物こそが聖杯持ちで特異点を作ったんだろうという、

エジソンの推理のもと、ロンドンみたいだけどシカゴな街を探索していると、

オカルト趣味の好事家が集まるという『クラブ・ハイソサエティ』なる店の噂を聞く。

魔術師が絡んでいるかもしれないと思い、

立香たちはその怪しげな店を探索をすることにした。

 

 

 

 

 

店の中は、綺羅びやかな光に包まれ、豪奢な装飾品がそこかしこに設えられている。

その中にあって、一際目を引く美しい女性がいた。

その所作、その仕草は優雅なのだが、どこか、妖しいまでの妖艶さを醸していた。

 

「綺麗な……人……?」

 

ポール・バニヤンが呟く。

その人は、その場にいる誰よりも美しかった。

透き通る空色の瞳、どこか童顔ではありつつも、整った相貌。

豊満な双丘、くびれた腰つき、ハリのある美しいおしりは見るもの全てを魅了してしまうほど魅惑的で、

程よい肉付きでありながら引き締まったふとももや腕は健康的な美を感じさせる。

栗色の長く嫋やかな髪は腰まで降り、

彼女の橙色の踊り子服特有のひらひらとしたと薄布とともに、ゆらゆらゆれる。

それは彼女の宝具と共に繰り出される妖艶な踊りと相まってしまえば、

たゆたゆと柔らかにゆれるバストや、

突き出されるヒップとともに見るもの全てを誘惑する、ある種で凶悪な武器となる。

それを、よく知っている。

立香は、身をもってそれを受けたことがあるのだから。

 

「マタ・ハリーー!」

 

「気をつけて下さい。

あの人は、私達の知るマタ・ハリさんではありません。」

 

マシュが警告する。

 

「うん。カルデアのあの人とは、別の英霊だ」

 

「うふふ。ようこそ、『クラブ・ハイソサエティ』へ。

初めまして。私はマタ・ハリ。このクラブのミストレス。」

 

いつもと変わらない、笑顔。

見目麗しい相貌、豊満な身体。

現世のものとは思えない絶世の美。

それでいて、彼女には近寄りがたさがまるでない。

彼女の温かな笑顔が、心地よい声が、人懐っこい仕草が、

人当たりの柔らかさが、彼女と相対する全ての人を虜としてしまうからだ。

 

「いつぶりかしら?

本当の魔術師がここにやってくるのは。」

 

しかし、思う。

いつもの自分が知る彼女とは決定的に違う。

それは、親しさ。

今までの思い出や、過ごした時間が完全に抜け落ちている。

それが今の彼女が、自分の知る彼女とは違うことを示している。

 

「そしてーーさようなら。」

 

彼女が別れを告げる。

 

(意識がーー!)

 

「何ーーこれ?頭に、もやが……!」

 

バニヤンが、呻く。

 

「先輩!?」

 

(所長ーープロレスごっこーー魔術回路!)

 

「先輩、今、何を考えてるんですか!?」

 

「おいでーー僕のなすびちゃんーー!」

 

「せ、先輩!?な、何を!?なすびちゃんって、どういう意味ですか!?

やめて、やめてください!

いけません、いけません、やめてはいけません!」

 

「うふふ……そう……溺れなさい……。私は、陽の眼を持つ女……!

この眩惑の光から逃れることはできないわ。

さようなら。異界の魔術師さん。」

 

視界が、真っ白に、塗りつぶされる。

 

「そうはいかない。」

 

パリン、と硝子が割れるような音が聞こえる。

 

「あ……!?ここはーー!」

 

「そんな!?あなたたちは、私の宝具にかかって……!」

 

「あいにくだったな。私とミスター・ジェロニモが、

何も備えをしないでここに来ると思ったのかね?」

 

「このクラブの周囲には、我々が陣地を構築している。」

 

「異常な反応があれば対処するよう、ナーサリー・ライム嬢に依頼してね。」

 

「キャスターを3人相手にして、アサシンの魔力が通じるとは思わないことだーー!」

 

巨大な獅子と、屈強なインディアンが、助けに現れる。

エジソンとジェロニモだった。

常々思うが、どうみてもキャスタークラスには見えない。

が、とりあえず今はおいておこう。

 

「成る程。やっぱりこうなるのね。

いいでしょう。男たちの流儀は好きではないけれど。

みなさん、お願いします。」

 

「困りますなあ、お客さん。」

 

ぞろぞろと、サングラスに黒スーツという屈強なそっち系の方々が湧いてくる。

 

「この『クラブ・ハイソサエティ』は私の城。

生きて出られるとは思わないことねーー!」

 

「みんな!数が多くて個別に指示を出せる余裕が無い!それぞれ戦ってくれ!」

 

数十人もの黒スーツ相手に、全員がそれぞれ戦う。

黒スーツの一人一人の力はそれほど強くはない。

が、幾分数が多い。

戦闘能力があるわけでもないので、

戦いに巻き込まれないよう、立香は少し離れた位置まで移動する。

 

「みんな!宝具だと建物が壊れて下敷きになるかもしれない!

互いに後ろを取られないように味方同士でカバーしながら、

宝具無しで戦うんだ!」

 

「そうね、後ろを取られないようにすることはとっても大事ね……♪」

 

「!?ーーっ!?」

 

ふにゅり、と柔らかな身体が背後に押し付けられる。

同時に、両手が彼を抱きしめる。

 

「これでもう、指示は出せないわね」

 

「なっ…!?なに…をっ…!?」

 

マタ・ハリの拘束という名の抱擁から逃れようとする。

が。

 

「『フェロモン』と『ダブルクロス』を使わせてもらったわ…♪

身体が思うように動かないでしょう?

それに、ふふっ…スキルも、使えない。」

 

マタ・ハリの言うとおりだった。

身体がふらついて力が入らず、

マスタースキルを使おうにもうまく集中できない。

 

「ふふふっ。これで、あなた達の負け。

意外とあっけなかったわね?

ふふっ。さあ、みんなおとなしくしてね。

マスターが、たいせつなら、ね。」

 

その甘やかな声に、その甘やかな肢体に、身体がぴくんと、ふるえてしまう。

 

「さ、あなた達を私のお部屋に案内してあげる……♪

魔術師さんも、ね?」

 

「ぁ…ぁ……!」

 

朦朧とした意識の中で、

言われるがまま、マタ・ハリに立香は連れて行かれてしまった。

 

 

 

 

 

「……!?せん…ぱい…?」

 

「ここ…は?」

 

「うふふ。目が覚めたみたいね。」

 

マシュの声と、立香の声が響く。

そこはベッドルームで、マシュと立夏は二人とも同じベッドに眠らされていた。

清潔なシーツを取り付けられた、豪華な装飾品のついたごてごてとしたベッド。

部屋の中には高価そうな調度品が並んでいる。

 

「ようこそ、私のお部屋へ。

歓迎いたします。異世界の魔術師さんとマシュ。」

 

部屋の主が笑顔で恭しく、傅く。

 

「マタ・ハリ!」

 

「マタ・ハリさん!他の人達はどうしたんですか!?」

 

「ふふっ。心配しないで、マシュ。みんな無事です。

今は違う部屋でおとなしくしてもらっています。

そうそう。お外にいた可愛らしいお友達も、ね♪

まったく、あの子達にも困ったものだわ……。」

 

少しの呆れ顔で、マタ・ハリ。

 

「………そうですか。」

 

ほっ、とマシュが胸をなでおろす。

 

「あらあら?私を信じてくれるの?」

 

「はい。マタ・ハリさんはひどい嘘をつく人じゃないですから。」

 

「ふふっ…そう。甘いのね、マシュ?」

 

「そうでしょうか?」

 

純真なマシュが首をかしげる。

それが、その純真さが、少し、マタ・ハリの気に障る。

 

「そうよ。あなた達の世界の私がどうかは知らないけれど、

私は、とってもひどい女よ?」

 

「そんなことないです。

マタ・ハリさんはとっても優しい人です。きっと、どんな世界でも。」

 

「………。」

 

ぎりっ、とマタ・ハリが歯噛みする。

なんてお花畑な頭をしているのだろう。

なんて、甘いのだろう。

なんて、『幸せそう』なのだろう。

 

「………決めました。私は、あなた達にとってもひどいことをします♪」

 

言って、彼女は妖艶に踊り出す。

 

「『むすび、ひらき、私という女に溺れてちょうだい?』」

 

「なっ……!!」

 

「か、からだが………!?」

 

立香の手が、マシュの手が、互いに服を脱がせ合う。

マタ・ハリの妖艶な舞いが二人の身体の自由を奪っていく。

 

「裸になった男女が二人………♪

なら、するべきことはひとつだけ………♪」

 

立香の背後に身体を押し付け、抱きしめるマタ・ハリ。

 

「あらあら?まだ準備ができていないの?」

 

いいつつ、おちんちんを手のひらに包み込む。

 

「ふにふに、ふにふに。ふふっ………固くなってきた竿を、こしこし。

おちんちんのかめさんをぐりぐり、ぐりぐり………♪」

 

「ひっぁ………!」

 

強めの刺激に、思わず嬌声を上げてしまう立香。

程なくして、完全に勃起したとろとろおちんちんが出来上がってしまう。

 

「ふふっ。元気ね、魔術師さん………♪」

 

すぅっ、とシルクのハンカチを衣服から取り出す。

 

「マシュ。あなたを少し、いじめてあげる♪

世の中には、とってもこわいお姉さんがいるってことを教えてあげるわね♪」

 

つるつるすべすべとした、柔らかな絹の繊維がおちんちんをすべる。

その得にも言われぬ心地よさにおちんちんが震える。

 

「ふふっ、魔術師さん、いいおかお………♪」

 

「や、やめて下さい!マタ・ハリさん!マスターにひどいことをしないで下さいっ!」

 

マシュが叫ぶ。が、マタ・ハリは無視する。

彼女はおちんちんに、特にその先端に、シルクのハンカチを滑らせる。

少し念入りに下拵えされたおちんちんが出来上がる。

 

「ふふっ…これで、完成………♪」

 

そこにあるのは、勃起させられたおちんちん。

先程よりも少しは大きくなっているかもしれないが、

大きさはそれほど変わってはいない。

熱く、固く、脈動するおちんちんが、震える。

 

「先輩っ!大丈夫ですか!?」

 

「だ、だいじょうぶだ。」

 

与えられた快感は、強烈ではあったが、射精するほどのものでもなく、

我慢出来ないものでもなかった。

 

「ええ。大丈夫よ。

だって、大丈夫じゃなくなるのは、あなただもの。マシュ♪」

 

くすくすと、マタ・ハリが嗤う。

 

「え………?」

 

マシュが、よくわからない、といった困惑の表情を浮かべる。

 

「さ、魔術師さん♪そのまま、マシュのおまんこを、一気に責めなさい♪」

 

「あっ…くっ…か、からだが…かってに…!!」

 

「あっ…だ、だめですっ…せんぱい……」

 

立香も、マシュも、抗おうとはするものの、二人はその気持ちよさも知っている。

マタ・ハリの宝具のせいで、えっちな気分にさせられてしまった二人は、

その誘惑に心底からは抗えないでいた。

 

「マシュ、ちょっぴりおかおがとろけてるわよ?

ふふっ。魔術師さんとのえっち、大好きなのね?」

 

「あ、い、いや、そんな………」

 

顔を赤らめながら、マシュ。そんなマシュの背後に回り、彼女を抱きしめる。

絶対に、動けないように。

 

「ふふっ、あなたの大好きな魔術師さんのおちんちんよ。マシュ?

おまんこに、キスしてるわね?」

 

マシュのおまんこに、立香のおちんちんが触れる。

 

「ぁっ……あっ……♪」

 

マシュの声が、悦楽の声音を含んだ声に変わる。

マタ・ハリは、そんな彼女の声を聞きながら、昏く、くすっ、と嘲笑った。

 

「あっ!?」

 

ずんっ!と立香のおちんちんがマシュのおまんこを串刺す。

 

「どうしたの、マシュ?」

 

くすくすと、マタ・ハリ。

 

「そ、そんな…?なんで、…えうっ!?」

 

ずんっ!と再び力強く立香のおちんちんがマシュを貫く

 

「あっ、や、やめ、せんぱい…つ、突かないで、ついちゃ、やです………!

ああああっ!?」

 

ずんっ!!と更に強く、立香のおちんちんがマシュを突く。

 

「な、なんでっ…こ、こんなの、ちがう……。」

 

「さ、魔術師さん。欲望のまま、マシュを貫きなさい♪連続で、ね♪」

 

「えっ、ぁっ、せんぱっ、あああっ!あああああああああああああっ!!!」

 

何度も何度も貫かれるマシュ。

痛みが、その度にマシュのおまんこを襲う。

やがて、どぴゅどぴゅと立香が精液を吐き出すまで、

一気に串刺す激しい抽送は続いた。

 

 

 

 

 

「あ、ああっ……なん…で…」

 

だんだんと、痛みは薄くなったが、

最初の痛みは軽いトラウマになるほどだった。

 

「どうかしら、マシュのおまんこのお味は……?」

 

「あっ…ぁっ…!」

 

「ふわふわ、しててっ…ふにふに、しててっ…き、きもち、い……い。」

 

「ふふ。微笑ましいわね♪

恋する男女の愛にあふれるこいびとえっち♪」

 

「あっ…あっ…ああぁっ」

 

快楽に酔いしれる。

頭が真っ白になる。

立香が、幸せなとろとろの疲労感に包まれる。

 

「さてと、じゃあ立香くん、また、激しくマシュを愛してあげてね?

ふふっ、でも、その前に………♪」

 

すぅっ、と、マタ・ハリがだしたのは、先と同様のシルクのハンカチだった。

そして、立香のとろとろおちんちんを優しく撫でるように拭いていく。

 

「ぁっ………!?あっ………!」

 

(ふふっ、気づいたかしら?)

 

「マタ・ハリさん…!あなたは………!?」

 

「はい。マシュは自分でしてね?私は魔術師さんにしてあげないと………♪」

 

言って、シルクのハンカチを渡される。

渡された手は、ひとりでに動き、おまんこを拭き取り始める。

さらさらつるつるの肌触りで、少しひんやりとした感触は心地いい。

心地よいのだが、これが、罠であることに、マシュは気づいていた。

おまんこを、入念に、拭き取る。マシュ自身の意思とはまるで関係なく。

そして、とろとろのおまんこから、水分が奪われる。

 

「こ、これは…こんなっ…!!」

 

痛かった理由。

それは、全ての水分を奪われていたこと、だった。

いつもはすぐにとろとろになる立香のおちんちん。

滑りもよく、とても気持ちよく快楽をおまんこに流し込んでくれる。

しかし、それを彼女は拭き取ってしまった。

全ての先走りは拭き取られ、そして、マシュが感じたことでとろけた愛液も、

立香が出してくれた精液も、身体を操られ、全て拭き取らされてしまう。

 

「んああああっ♪」

 

だが、立香はマタ・ハリの手管によって快楽を与えられ、それに気づく様子もない。

本来なら立香も痛みを感じてもおかしくない。

しかし、彼女のテクニックが、立香のおちんちんを限界以上に勃起させ、

どんな刺激も快楽に変えてしまうように、興奮させられきっている。

そして、もう一つ。

 

(…痛いって、言えなくされてる……!)

 

言葉が、制限されている。

身体の自由を奪われているのだから、むしろ言葉の制限のほうが簡単なのだろう。

しかし、この言葉の枷は、強力だった。

立香は、マシュが感じていると思い込んでいる。

実際その面もある。しかし、それだけではない。それ以上に、痛い。

せっくすをしていても、やがてはとろとろになるのだが、

マタ・ハリの命令で、おまんこを一気に突く立香のおちんちんは、

マシュにとって恐怖の対象となりつつあった。

 

「あっ…くっ…こ、こんなに…して、どうするつもりなんだ…?」

 

立香にとっては、ただ気持ちいいだけ。

だから、何がマシュに起こっているのか、分からない。

 

「ふふっ。ただのサービスですよ?魔術師さんにとっての、サービスタイムです♪

そう、魔術師さんにとっての、ね♪」

 

にこやかに、マタ・ハリ。

そして。

 

「さ、マシュ。次に、いってみましょうか?」

 

ふにゅり、とマシュの身体を背後から抱きしめ、動きを制限する。

 

「あっ……あぁっ……だ、だめ………!」

 

マシュが、呻く。動けないマシュの身体。

痛みを感じ、彼女の魅了が一瞬解けたとしても、

彼女の身体によって、動きは完全にとどめられてしまう。

そして、操られた立香の身体。

快楽に突き動かされるまま、

再度、マシュのふわふわおまんこにおちんちんがキスをする。

乾ききったガチガチのおちんちんと、やわらかなおまんこ。

この先にどうなってしまうのかは、もうすでに知っていた。

 

「あ、あああああああああああああああああああああ!!」

 

マシュの、嬌声が、悲鳴が、響いた。

 

 

 

 

 

しばらくして。

 

「マシュ♪満足したかしら?」

 

「は、はい……。」

 

マタ・ハリの宝具にかかったマシュが、答える。

 

「じゃあ、交代ね♪」

 

「え、そ、そんなっ…」

 

「だって、ずっと私も待ってたのよ?

それって、ひどくないかしら?」

 

「あっ…ぅ…それは……それはぁっ……!!」

 

何かがおかしい、それを認識しつつも、つよくは反駁できない。

それほどにはマシュの心は操られつつあった。

 

「もう、マシュったら。

私だって、あなたと魔術師さんのえっちをず~っと見てたのよ?」

 

「そ…それは……っ!」

 

「もう、聞き分けのない子。反省してないわね?

そんな悪い子には…おしおき、しないとね…♪」

 

「お、おしおき……?」

 

「マシュ、あなたへとってもつら~いおしおきをしてあげます。」

 

「こ、これ以上になにかをするっていうんですか………!?」

 

「魔術師さんのこと、信頼してるのね?」

 

「…当たり、前です………」

 

そっと、マシュにだけ聞こえるように、マタ・ハリが耳打ちする。

 

「あなたの痛みに、何も気づいてくれていない鈍感さんなのに、随分と健気ね♪」

 

くすくすと、小さく笑いながら、マタ・ハリ。

 

「あなたには、分かりませんっ………!

せんぱいは、いつだって、私を、みんなを想ってくれてますっ………!」

 

 

 

 

 

「マシュ……!」

 

マシュの言葉に勇気をもらう。

 

(そうだ、こんなところで、こんな誘惑に負けられないっ…!)

 

「………ふふっ。二人ともとっても素敵。

お互いがお互いを思いやって……とっても……きれい、ね。」

 

一瞬、どこか悲しんでいるように見えたのは気の所為だったのだろうか。

 

「なら、どんなおしおきでも耐えられるわよね。マシュ?」

 

「……どんなことだって…耐えて、みせますっ…!

マタ・ハリさんには、負けられませんっ!」

 

「じゃあ、あなたへのおしおきは、『魔術師さんをみること。』」

 

「………え?」

 

そんなこと?と、きょとんとしているマシュ。

 

「ふふっ。これだけじゃ軽すぎるかしら?

じゃあ、もう一つ。『魔術師さんのことを話すこと。』

一つ一つ、細やかに、丁寧に、話してね?」

 

柔らかな笑みを崩さず、マタ・ハリ。

それが、逆にマシュにとっては恐ろしかった。

 

「な、なんですか…一体、なにを、考えているんですか…っ!?」

 

「すぐに分かるわ。ふふっ。じゃあ魔術師さん。次は私で、ね?」

 

ふわり、とマタ・ハリがマシュの横で仰向けになる。

そのやわらかそうな肢体に、立香はごっくんと生唾を飲み込む。

 

「も、もう、むり……!や、やすませっ……っうう!?」

 

マシュの愛液と、立香の精液でぐちゅぐちゅにぬれたおちんちんに、

マタ・ハリの手がからみつく。

 

「あっ…あっ…ああっ…ああああっ…!!」

 

「くちゅくちゅ♪くちゅくちゅ♪こしこし♪こしこし♪」

 

「あああああああああっ!!!」

 

圧倒的な快楽が、立香のおちんちんを襲う。

マタ・ハリのおててのなかにすっぽりと収まっていたしなびたおちんちんは、

その絡みついた手が離れると、

まるで手品のように、固く、大きくそそり立っていた。

 

「せ、せんぱい……っ!」

 

マシュは、気づいた。

今回、彼女はハンカチを、使っていない。

 

「ふふふっ、やさしくしてね?異界の魔術師さん♪」

 

立香の身体が、ひとりでにマタ・ハリへと、おりていく。

マタ・ハリは、艶めかしい所作で、スカートをたくし上げ、ショーツをずりさげる。

 

「ふふっ。あらあら。私のおまんこと、魔術師さんのおちんちんがキスしちゃった♪」

 

「ぅ、うう……!」

 

ぬるぬるとしたおちんちんが、マタ・ハリのおまんこのわれめをなで上げる。

それだけで、おちんちんがぴくんぴくん、と悲鳴をあげる。

とろとろのおちんちん。

それは、立香自身の先走りと、マシュのおまんこで気持ちよくなって出した精液。

そして、立香のおちんちんで気持ちよくなったマシュのおまんこの愛液が、

とろとろにまざりあっているものだった。

そして、マタ・ハリ自身も興奮していたのか、

おちんちんとキスをしているマタ・ハリのおまんこもまた、

とろっとろにとろけている。

マシュを利用するだけ利用し、えっちのときには激しい痛みを与え、

快楽に蕩かされた後に敏感になった立香のおちんちんを使って、

マタ・ハリ自身はこれから至上の快楽を貪ろうとしている。

 

「こ、こんなの、ひどい……。」

 

隣りにいたマシュが、目をそらす。

 

「ふふ。あらあらマシュ、だめよ。目をそらしちゃ、だ~め♪」

 

「ああっ……!?」

 

顔が、背けられない。

立香の方をむき、そして、目が、開かれる。

 

「それと、私がいったこと覚えているかしら?マシュ♪」

 

「…?」

 

「マスターのこと、一つ一つ、話してね…♪」

 

「!!そ、そういう…っ……『せんぱいが身体で息を、しています。』」

 

「ふふっ。そうそう。その調子。」

 

「『せんぱいのおちんちんが、マタ・ハリさんのおまんこ、なで上げてます。

ぬるぬる滑って、とっても、なめらかに、うごいて、ます……。』」

 

「ま、マシュ、やめて…!」

 

「っ……!」

 

口を塞ごうとしているのだと思う、が。

 

「マシュ?」

 

マタ・ハリの青い目が、マシュを射抜く。

 

「『せ、せんぱいの…おちんちん、ちゅ、ちゅぷちゅぷっ…て、

マタ・ハリさんの中へ入っていきます。』」

 

「え…?」

 

それは、立香自身も自覚できていなかった。

だがゆっくり、ゆっくりと、身体はマタ・ハリへと降りていき、

おちんちんは亀頭の半分程度まで彼女のおまんこへと沈んでいった。

 

「『せんぱいが、それに気づいたみたいです。

はっとした表情です。抗おうとしています。』」

 

「んくっ…!っうっ!」

 

「『でも、まだ魅了されているせいか、身体が言うことを聞いていないみたいです。』」

 

「ふふっ。そうなのね。がんばりやさんは好きよ。」

 

「『おまんこに、ゆっくりゆっくり、おちんちんが飲み込まれていっています…っ。

お、おちんちんがひくひくって、ふるえて…っ…で、でも、もう、それも、見えなくなってきました。

お、おちんちんが…お、おまんこに、は、はいっちゃって、ます。』」

 

「ぐううううっ!!」

 

「『せ、せんぱいの表情、がまん、してます…。』」

 

「ふふっ、そうなの?魔術師さん?」

 

「ち、ちがう…そんな、ことはっ…!ぁああっ!」

 

「『急に、気持ちよく、なっちゃったみたい、です。』」

 

「ふふっ。そうね。私がおまんこでおちんちんをよしよししちゃったから♪」

 

「ううっ…『と、とっても、気持ち、よさそう、で、

耐えられなくなっちゃうって、かお、です。』」

 

「そうね。ふふっ。おちんちんが甘やかに、とろけちゃったかしら?

まだ入れただけなのに、ね。ふふっ……♪」

 

入れただけ、それなのに、立香は必死だった。

おちんちんをぺろぺろと舐め回すように触れる柔らかな責め、

かと思えばぎゅむんぎゅむん、とおちんちんを追い詰める魔性の責め。

 

「っ……っぅ……!」

 

負けない、負けられない。快楽に押し流されては、いけない。

しかしーー

 

「っ……ぁっ……ぁぁっ……!!」

 

「『絶対負けない、そう考えているのに、感じちゃう。…そんな、表情、です。』」

 

「ふふっ。マシュ。いいものを見せてあげましょうか?」

 

「いい、もの?」

 

「ええ♪このままいき続けて、狂っちゃうくらいきもちよくなっちゃう魔術師さん♪

みたいでしょう?」

 

「っあああああっ!?」

 

マタ・ハリのおまんこが、おちんちんを咀嚼するかのようにうごめく。

とろとろおまんこととろとろおちんちん。

先のマシュとのえっちで与えたまやかしの快感ではなく、

マタ・ハリのおまんこでの純粋な快楽をおちんちんに流し込む。

 

「い、いやです…!そ、そんなの、みたく…ない…です…!」

 

「ぁくっ、あぁっ、あっ、くぁああっ!?」

 

マタ・ハリのおまんこに過剰なまでの快楽を与えられ、踊り狂う立香。

 

「ほら、まーしゅ♪ちゃんと魔術師さんのこと、話そうね?」

 

「い、いや…やだ…こんな、こんな……のっ…

『せ、せん…ぱいは、もう、逃げられないって、どこかで分かっちゃってます。

負けちゃダメ、そう言い聞かせてるのに、

もう勝てないって、どこかで分かっちゃってます。』」

 

「ふふっ。そうなんだ♪頑張れ、頑張れ、魔術師さん♪」

 

「ああっ!?ああっ!?あああああっ!!ぁっあっあっっああっ!?」

 

マタ・ハリは、やわらかおまんこで、軽々と立香のおちんちんを蹂躙する。

立香は我慢しているつもりなのかもしれないが、マタ・ハリにとってはたんなる児戯。

射精をがまんできるぎりぎりの快楽を与えているに過ぎない。

しかし、それももう終わり。

ふとももを優しく腰にからめただいしゅきほーるどで、

おちんちんをおまんこの一番奥へと誘導する。

ずずずっ、とおまんこに押し付けられるおちんちんが、

マタ・ハリの愛液に絡められながら、震える。

 

「さあ、たくさんの魔力を私に注いでくださいね♪魔術師さん♪」

 

「!!…ぁっ、ぁひっ、んんくっぅあっ!」

 

「『ひくひくって、身体がもう言うことを聞いてくれてないみたいです。

快感にふるえて、マタ・ハリさんの中に、出しちゃうのは、

もう……か、かくじつ、です……。』」

 

涙を流しながら、マシュ。

 

「ふふっ♪ごめんなさいね、マシュ?

マスターを寝取られちゃうのは、とってもつらいわよね?」

 

「う、うぅ…。ぅぅぅっ……。」

 

「でも、ちゃんと見ててね。あなたのマスターが、私に堕とされちゃうところ…♪」

 

「いや、いやです…やだぁ……!」

 

「さ♪いっちゃえ♪」

 

「あっ、あっ、ああああっああああああああああああああああああああああああ!!」

 

どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅっっ!!

やわらかおまんこによる、捕食えっち。

立香のおちんちんは、為す術もなく、いかされてしまう。

がくがくとふるえ悶え、逃げようともがく立香。

しかし、優しく絡めれたハリのあるふとももが立香の腰を放さない。

おまんこの奥の奥で悶え苦しみながら、おちんちんから精液が、魔力が、奪われる。

 

「ふふっ、じゃあ、こしをふりふりしましょうね♪」

 

「あっ、ぁっ!い、いやだや、やめっ、あひっ、あひっ、ああひぅああああ!!!

あああああぁあああああ!!」

 

「ううっ……『マタ・ハリさんのお、おまんこに、精液吐き出しながら、

先輩が…っ…腰を振り始めちゃってます。おちんちんから、ぅ…ぅっ…ずっと、

絶え間なく…ひっぅ…精液がびゅるびゅるでちゃってます。

とっても、ひっく、つらそう、ひっく、なのに…とっても、

ひっく…きもち、よさそうです……』」

 

泣きながら、それでも魔術師さんの説明を止めることができないマシュ。

 

「ふふふ。とってもいい気持ち……♪

マスターの魔力が私に流れ込んでる………♪」

 

 

 

 

 

「ぁっ…ぁっ……ぁひっ……」

 

しばらくのえっちの後、ぴくん、ぴくんっ…と力なくふるえながら、立香が呻く。

マシュは、目を開き、立香を見てはいるものの、

いつもの明朗な瞳からは輝きは失われ、

濁りきった目が、立香を映しているにすぎず、

もはや認識すら出来ているのかも分からない程に衰弱していた。

 

「ねぇ、魔術師さん♪私に聖杯をいただけないかしら?」

 

耳元で、優しく、ささやく。

 

「ぁっ…ぁひっ……」

 

「ね?おねがい♪」

 

「む、むり…だ……」

 

「えいっ♪」

 

おまんこで、精液をしぼりきった後のびんかんおちんちんをいじめる。

 

「ぁひぃぅぅ…!」

 

「えいっ♪えいっ♪えいっ♪」

 

「ぁぁぅっぁぁぁぅぃぃうぅあぁ………!」

 

くすくすと笑いながら、

何度も何度も、快楽で、おちんちんをいじめあげるマタ・ハリ。

 

「ね?」

 

「ぁひっ…そ、そんな…そんなの…」

 

「ふふっ、また、おちんちんをいじめてほしいってことかしら?」

 

「あっ…ああっ……くっ…ぅう…っ…わ、わかった……。」

 

可愛らしい笑みに、屈服してしまう、立香。

 

「うふふ♪ありがと、マスター♪」

 

優しく人懐っこい笑みの中にも、

どこか嗜虐的な色を混ぜた暗い笑みを浮かつつ、マタ・ハリ。

 

「で、でも、ひとつだけ…言うことを…きいてほしい……!」

 

「ふふっ。いいわ。でもそれは聖杯を私に使った後で、ね?」

 

「っ………わ…かった。」

 

言って、立香は聖杯を出現させ、マタ・ハリに、捧げる。

 

「これが…♪ふふっ、ふふふ♪ありがと、マスター♪」

 

にこにこと、満足げな笑みを浮かべつつ、マタ・ハリが返す。

マタ・ハリは早速、自身に聖杯を取り込んだ。

 

「ああっ………!!感じる………感じるわ………っ!

力が溢れてくる………!さっき搾り取った魔力の比じゃないわ!

ふふっ、これなら誰にも、負けない。負けるはずない!」

 

興奮気味に、マタ・ハリ。

それを、どこか悲しい目でみやりながら、朦朧とした意識の中で立香が話しかける。

 

「………お、俺の、約束は……ましゅ…ましゅ…を…か……かい………」

 

そこで、立香は気を失ってしまう。

マタ・ハリの上で、おちんちんをマタ・ハリの中に囚われたまま。

マタ・ハリにとっては、おまんこの快楽でおちんちんをいじめあげ、

むりやりに立香を起こすことも出来る。

が、仮にも聖杯を捧げた恩人に、そんなことをするのは気が引ける

ーーーこともないのだが、そんな些事はどうでもいい。

今は聖杯を使わせた、勝利の余韻を味わいたかった。

 

「ふふっ。とっても気持ちよさそうにとろけちゃってる♪

ねえ、マシュ?こんな魔術師さん、初めて見るんじゃない?」

 

全ての魔力を搾り取り、聖杯を得たマタ・ハリが、

いたずらな笑みを浮かべる。

 

「『………いえ、私は、見たことが、あります。』」

 

マシュは、泣きつかれてしまったのか、感情を閉ざしてしまったのか、

無機質に、対応するだけだった。

聖杯を得て宝具威力があがったのか、マシュは一切の抵抗をせず、

言うことをただただおとなしく聞くようになっていた。

それは隷属させられた奴隷の反応としては極めて良好であり、

魔力や宝具威力の上昇が為せることだった。

それ自体は、弱小サーヴァントである自身にとっては感極まるものだった。

が、マシュからでた言葉自体が、彼女の歓喜に水を差す。

 

「………あら?そうなの?それは、あなたとのえっちの時に?」

 

予想外の返答に、少し憮然とした態度で、マタ・ハリ。

 

「『………いえ、ちがい、ます。

………それは、あなたのとき、です。』」

 

「?………わたし?」

 

「『はい。2016年のハロウィンに、私達は、チェイテ・ピラミッド側のサーヴァント

として呼ばれたマタ・ハリさんと戦ったことがあります。』」

 

「そう、なの?」

 

「『その時に、私達はマタ・ハリさんに負けてしまいました。

私も、エリザベートさんも、先輩も、

みんな、マタ・ハリさんに誘惑されてしまい、特異点は未解決となりました。』」

 

「へぇ…♪それで、その後はどうなったの?」

 

愉悦の笑みを浮かべつつ、マタ・ハリ。

 

「『マタ・ハリさんは、私達に謝ってくれました。

敵対していた側に召喚されたとは言え、

マスターである先輩と戦ってしまってごめんなさい、と。』」

 

「ふぅん…。」

 

「『先輩は、すぐに許しました。私達もですが。

あの特異点は、すぐに消失する程の微細で不安定なものでしたし、

それをマタ・ハリさん自身も分かっておられたんだと思います。

それに…マタ・ハリさんは私達に一切危害を加えませんでした。』」

 

「………。」

 

「『誘惑で、魅了状態にはされましたが、

ただの一度も、私達に怪我をさせるような攻撃をしませんでした。』」

 

「………そうなの……。」

 

「『そんな心優しいマタ・ハリさんだからでしょうか。

先輩は、聖杯を使う相手にマタ・ハリさんを選びました。』」

 

「………!?」

 

口に手を当て、信じられないといった表情でマタ・ハリ。

 

「『先輩はマタ・ハリさんをーーー』」

 

今まで、本当の愛を受けられなかった人生。

そして、またも愛を受けられなかったカルデアでの第二の人生。

戦闘能力が低く、特別な能力といえば相手を誘惑することだけ。

合理性を鑑みれば、育てる価値の低いサーヴァント。

それを、自分自身でもよく理解していた。

 

「『きっと、マタ・ハリさんも、先輩のことをーーー』」

 

でも、人は、愛を求めずには、いられない。

すくなくとも、私はーーー

 

「………もう、いいわ。ありがとう。マシュ。

すこし、眠ったほうがいいわ。」

 

「………。」

 

マシュは何も言わず、眠りに落ちた。

先までのえっちが、マシュの精神にも身体にも酷いダメージになっていたはずだし、

意識を保っていられたのは、マタ・ハリの宝具の影響だった。

それを解いたことで意識を閉ざす事ができたようだった。

悲しい嗚咽を漏らしながらも、マシュは眠る。

 

「………ごめんなさいね、マシュ………。」

 

言いつつ、マシュのさらさらの髪を梳く。

 

「………うぅ………。」

 

マシュが、呻く。

 

「せんぱい………ごめんなさい………。

まもって、あげられなくて………ごめん、なさい………。」

 

「………。」

 

憐憫の表情で、マシュと立香をみやりながら、

彼女は少し、物思いにふけった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………さあ、みなさんついてきてね。抵抗なんてしないように。」

 

マタ・ハリに連れられる立香たち。

聖杯を得たマタ・ハリの前ではクラス差による影響など微々たるもので、

クラス優位性をもっていないバニヤン、マシュ、ジャックはもとより、

キャスタークラスであるエジソンやジェロニモ、ナーサリー・ライムまでもが、

彼女の蠱惑的な踊りに酔いしれ、意識を混濁させられ、

夢現の世界へといざなわれていた。

彼女に抵抗できる者は、もう誰もいなかった。

 

マタ・ハリが連れてきた場所は、不思議な場所だった。

世界コロンビア博覧会。万国博覧会とも呼ばれるその中心には風変わりな建物があり、

日本人の立夏からみると、それは戦国か江戸くらいのお城や日本庭園のように見えた。

そこをさらに進むと、ハリボテの城があった。

そこには、二頭身ほどの、なにかがいた。

 

「ん!?勝ったの!?マタ・ハリ!

へー。☆1サーヴァントでも役に立つときあるんだ!

いや、敵が弱かっただけか。」

 

名も無きマスターが、心無い言葉をマタ・ハリへと投げかける。

その声を聞きつつ、傅くマタ・ハリ。

 

「まーなんにせよ、邪魔者がいなくなってよかったよかった。

んじゃ、またサーヴァント作らないと!

聖杯に今度は何混ぜようか……。」

 

「あの、マスター…。」

 

「ん?なに?まだいたの?

また変なやつが来るかもしれないから、さっさと持ち場に戻ってよ。

そいつらはテキトーに処分しちゃっていいからさ。」

 

ひらひらと気のない手を振りながら、名も無きマスターが吐き捨てる。

 

「………はい。分かりました。マスター。」

 

ちらり、と彼女の手の甲をみやる。

令呪は、三画。

 

「ああ。そういえば、マスター。

すこし、お耳に挟んでおきたいことが。」

 

マタ・ハリの美しい空色の眼が、怪しく輝く。

 

「うん?なにーーーぷふっ!?」

 

マタ・ハリの豊満な胸に、名もなきマスターの顔がうずめられる。

 

「『結び、開き、私という女にーーー』」

 

囁いて、おっぱいからマスターの顔を開放する。

激高したマスターが叫ぶ。

 

「ぷはっ!『令呪をもって命じるーーー!」

 

怒りに滾るマスターの眼を、

静かな怒りを湛えた、美しい青の瞳が射抜く。

 

「『溺れて、頂戴。』」

 

鈴のように美しい声が、冷たく響いた。

その瞳は、その声は、

男も女も、魅了する魔性の声音をはらんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………?」

 

朦朧とした意識の中、目覚める立香。

はりがあって、それでいてあたたかでやわらかな感触を後頭部に感じる。

 

「ふふっ。目が覚めましたか?魔術師さん?」

 

みると、そこには笑顔の美女がいた。

 

「マタ・ハリ…!」

 

ぎりっ、と歯噛みする立香。

 

「あらあら、こわいお顔だわ。……無理も無いわね。

それくらいのことは、したものね。」

 

「………?」

 

「ねえ、異界の魔術師さん。気持ちいいかしら?」

 

「………え。」

 

言われて、今の状況を確認する。

どうやら、マタ・ハリのやわらかなふともものうえで、

膝枕をされたまま眠っていたようだった。

 

「えっ!?ええっ!?」

 

困惑する、立香。

 

「ふふ。良いお顔だわ。とっても…。」

 

やさしく、立香の頭を撫でるマタ・ハリ。

とても、やわらかくて、心地いいーーー

 

「そうそう。これ、ね。」

 

すっと、彼女が何かを差し出す。

それはーーー

 

「聖杯!?」

 

「ええ。あなたに、お返しします。

ーーーといっても、あの聖杯は使ってしまったから、もう戻らないのだけれど。」

 

「???」

 

「………これは、私達のカルデアの聖杯。

あなたたちとは異なる世界。異なるカルデアの、ね。」

 

「マタ・ハリ………?」

 

「ねえ、異界の魔術師さん。」

 

「?」

 

「私のこと、好き?」

 

「!?な、何を言って…!?」

 

「ふふっ、いいえ。私、ではないわね。

あなたの世界の、私のこと、あなたはどう思っているのかしら?」

 

「えっ、ええっ!?い、いや、その…えっと…」

 

くすくす、とマタ・ハリが笑う。

 

「やっぱりいいわ。ありがとう。

…ひどいことして、ごめんなさいね。魔術師さん。

………あと、マシュにも、ごめんなさいと、伝えておいてほしいの。」

 

何かを悔いているのか、悲しそうな表情でマタ・ハリ。

 

「………。」

 

「………叶うなら、私もあなたのようなマスターのいるカルデアに……

いいえ。これは詮無いこと……。」

 

金色の粒子へと彼女がその姿を変えていく。

 

「………そちらの世界の私を、どうか大切にしてあげてね。」

 

彼女が、立夏に口づける。

そうして、彼女は、消えた。

 

 

 

 

 

ーーー程なくして、彼女の宝具の効果は消え、

そこらで眠っていたサーヴァント達が目を覚ました。

名も無きマスターのサーヴァントは、ポール・バニヤンを除いて、

彼女を含め、もうすでに誰もいなかった。

 

ただ、彼女が返してくれた聖杯だけがそこに残っていた。

 



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