比企谷八幡とトリニティセブン (Oceans)
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設定集
第00話 設定


俺ガイルとトリニティセブンの
クロスオーバーをやろうと思います。
こちらの作品は不定期更新になります。
基本、原作通りに進めていきます。
多少変えるかもしれません
エロ要素は原作ほどはありません
むしろ少ないかもです。八幡なので
まずは設定です。



〜 俺ガイル サイド 〜

 

 

・比企谷八幡 (本作の主人公)

学校 総武高校→王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 17歳

両親は不慮の事故でいない。

親の貯金等で暮らしている

書庫 傲慢(スペルビア)

テーマ 支配(インペル)

魔道書は「アスティルの写本」と

のちに「イーリアス断章」を持つ

自分が引き起こした崩壊現象で

妹の小町が消えてしまった。(本当の妹ではない)

助けられると分かり、魔道士になって本当の妹ではないと知っても一緒に暮らしていた小町を助けたいと思いビブリア学園に編入を決意

 

 

・比企谷小町

学校 総武高校→王立リベル学園

学年 1年

年齢 15歳

福音探求会のメンバーの1人。

書庫 憤怒(イラ)

テーマ 崩壊(ルイーナ)創造(パルタム)

分解(アナリシス)

「アスティルの写本」と「イーリアス断章」

の所持者でもある。

両親が病気で他界したため、八幡の妹という

名目で彼の家で生活していた。

八幡には記憶操作で自分の妹として認識させていた。

崩壊現象で無の世界に飛ばされる前、八幡に伝説の魔道書「アスティルの写本」を手渡した。あと八幡が奉仕部のことで悩んでいたことに気づいてあげられなかったことに後悔している。

学年は八幡の一個下にしています。

 

 

他の俺ガイルキャラは原作通り(最初しか出ない)

 

 

〜 トリニティセブンサイド 〜

 

 

・浅見リリス

学校 王立ビブリア学園

八幡のクラスの担任

年齢 17歳

書庫 色欲(ルクスリア)

テーマ 生命(アビエス)

所持している魔道書は「ヘルメス外典」

八幡と同じ年ながら教授職に就く

スタイルは抜群で容姿端麗な女の子

巨乳で赤毛のロングヘアに右片方のみをお下げの

ヘアスタイルで、ベレー帽を着用している

専門術式は錬金術(アウター・アルケミック)

戦闘時は、錬金術によって自身の魔道書を

さまざまな銃に変化させて戦う戦闘スタイルを持ち

援護射撃に回ることが多い

八幡とは今はまだ教師と生徒の関係

 

 

・神無月アリン

学校 王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 16歳

書庫 憤怒(イラ)

テーマ 崩壊(ルイーナ)

専門術式は聖儀術(カオシック・ルーン)

所持している魔道書は『黄昏の真説(ラグナ・ユグドラシル)』

所持している武装は「魔槍ゲイボルグ」

八幡との出会いは男子の大浴場

容姿が小町に似ている女の子

魔王候補の八幡をだんな様と呼んでいる

八幡のことに興味がある (学園長の影響で)

 

・風間レヴィ

学校 王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 17歳

書庫 嫉妬(インウィディア)

テーマ 期待(エクスペクト)

専門術式は忍法術(シャーマニック・スペル)

秘奥義は混沌渦界(リヴァイア・サン)

殺人術から房中術に至るまでさまざまな術を使う

忍者の女の子

その実力は世界トップクラスで

戦闘能力に限定すれば5本の指に入るほどである

手裏剣をかたどった髪留めでポニーテールの

ヘアスタイルで、左目部分は髪で隠れている

単独行動を主とする忍者なので、誰かに期待することはない

八幡との仲はいいほう。

 

 

・山奈ミラ

学校 王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 16歳

書庫 傲慢(スペルビア)

テーマ 正義(ユースティティア)

王立図書館検閲官首席である

あらゆる魔力を反射させる

水晶「鏡の国の書」を所持

専門術式は映晶術(ゲヘナ・スコープ)

先輩の不動アキオといつも一緒にいる

八幡のことは最初、不浄な男と

言って敵対視していた

主に目が原因。しかし共に過ごしていくうちに

関係は改善へと向かう

 

 

・不動アキオ

学校 王立ビブリア学園

学年 3年

年齢 18歳

書庫 暴食(グラ)

テーマ 信仰(フィデス)

王立図書館検閲官第3席

専門術式は真言術(マントラ・エンチャント)

制服はワイシャツと丈の長いスカートを

着こなしている

大雑把で豪快な性格で、足蹴りが得意

床や壁を破壊する威力を持つ

後輩のミラと行動を共にしている

八幡のことは敵対視していない

 

 

・倉田ユイ

学校 王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 14歳

書庫 強欲(アワリティア)

テーマ 友情(アミキティア)

所持している魔道書は「アレイストの魔譜」

専門術式は重唱術(アーク・シンフォニー)

長い間、夢の世界で過ごしていた魔道士の女の子

学園長に次ぐほどの魔力を持っている

そのため、それを抑えるために

地下迷宮で眠っていた

現実世界と夢世界とで容姿が異なる

八幡とは最初、夢世界で出会う

のちに八幡達に助けてもらった

その後、ビブリア学園に通い

八幡のことをお兄ちゃんと呼び、甘えている

八幡もそれを受け入れている

 

 

・リーゼロッテ=シャルロック

学校 王立ビブリア学園 (休学のちに復学)

学年 2年

年齢 17歳

書庫 怠惰(アケディア)

テーマ 停滞(スタグナ)

専門術式は数秘術(ロゴス・アート)

秘奥義は時空裂界(バアル・ペオル)

セリナの双子の姉で、元王立図書館検閲官次席の

女の子

元福音探求会のメンバー

服装は露出の多いコスチュームを着用

自分から魔王候補になりトリニティセブンの魔力を

奪おうとしたが八幡達に阻まれた

その後、八幡達の助けにより

ビブリア学園に復学した。

八幡には感謝している

 

・セリナ=シャルロック

学校 王立ビブリア学園

学年 2年

年齢 17歳

書庫 怠惰(アケディア)

テーマ 束縛(リガーレ)

所持している魔道書は「アルキタスの複写本」

専門術式は姉と同じ数秘術

リーゼロッテの双子の妹。

カチューシャの代わりに眼鏡を付けている。

髪型はツインテール。新聞部に所属しており

カメラを片手にスクープを求めて

取材活動をしている

八幡のことは魔王候補なだけあって興味がある

 

 

・学園長 (名前は誰にも明かしていない)

学校 王立ビブリア学園 学園長

年齢 30歳くらい

書庫 憤怒(イラ)

テーマ 調和(コンコルディア)

長身で、後ろにまとめた銀色の長髪に銀縁メガネをしている

所持している魔道書は「王の門(ソロモンズ・ゲート)」

一定量以上の魔力が無いと見ることができず、

高位の魔道士でも長く見すぎると

発狂するほどの魔道書

黒いスーツに襟元を大きく開けたYシャツを着用

魔力は世界トップクラス

魔道を極める「大魔公(パラディン)」の1人

世界で5番以内に入る強さを兼ね備えている

が、変態な学園長である。

八幡とは少しながら話す機会がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このような設定でいきたいと思います。
と言っても基本原作通りです。
少し変更するかもしれません。
暖かい目で見てください。
時系列としては高2の修学旅行が
終わったあたりで崩壊現象が起きる。
王立ビブリア学園編入時は時空間移動するため
高2の4月から新たな学校生活を送る予定にします。
崩壊現象を起こした原因など
詳しくは1話で書きます。
ヒロインはまだ決めてないので要望などがあれば
感想欄に書いていただけると助かります。


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本編
第01話 奉仕部との決別とビブリア学園編入


感想・お気に入りありがとうございます。
八幡はアラタみたいな性格ではないので
原作を多少改変して進めていきたいと思います。
最初は長くなりますが俺ガイル原作から入ります。
その後、トリニティセブン原作へ入っていきます。

それでは今回もよろしくお願いします。


修学旅行明けの翌日の朝、俺は学校にはあまり行きたくない気分だった。なぜなら修学旅行前の奉仕部の依頼にあった。

 

〜 回想 〜

 

それは修学旅行前の話

部室で本を読んでる時だった。葉山と同じグループ内の戸部が部室に来て依頼を持ってきた。内容は同じグループ内の海老名という人に修学旅行中に告白がしたいので協力してほしいとのことだった。俺はあまり恋愛関係の話には関わりたくなかったが同じ部員の由比ヶ浜がノリで引き受けようとした。部長の雪ノ下も由比ヶ浜から手伝ってあげようよとせがまれ俺に意見を求めてきた。そして部室内にいる全員からの視線が俺に集まった。断れる雰囲気ではなかったので依頼を受けることにした。依頼主たちが部室を出た後、どうやってこの依頼を達成させるか話し合ってる時に、1人の女子がノックして部室に入ってきた。その人こそ最初の依頼主の告白相手の海老名さんだった。

とりあえずその海老名さんから話を聞くと最近、同じグループ内が変わってきた気がする。それは嫌かな、このままの関係でいたいと言った。

そして立ち上がって部室を出ようとした時に修学旅行でも美味しいの期待してるからと俺に向かって言って出ていった。雪ノ下と由比ヶ浜はポカンとしていたが俺にはわかってしまった。遠回しに告白の依頼を断ってほしいと依頼してきたことを。

そして、修学旅行がやってきた。が目立った進展はなく、むしろ妨害されているような気が俺にはしていた。

2日目の夕方、河原に俺は葉山に呼び出されていた。俺としては好都合だった。聞きたいことがこいつにあったからな

 

「葉山、俺に何の用だ?」

 

「用というより君と話がしたかったんだよ」

 

「で、話は?と言っても、どうせ戸部の依頼

関連の話だとは思うが。…あと、その事に関して

だが…お前のあの態度はなんなんだ?戸部の依頼に

非協力的な感じがものすごくしたんだが、その理由

も聞かせろ」

 

「ああ、わかった。俺は別にそんなつもりはなかったんだ。今の関係がいいんだよ。みんなで笑って楽しく過ごす、そういう関係が続けばいいと思ってるんだ。だから俺は…」

 

「そんなんで壊れる関係なら、その程度の関係なんだろ」

 

「そうかもしれない。けど、失ったものは戻らない」

 

「そんな上っ面だけの関係で楽しくやろうって思うお前の方がおかしいと俺は思うけどな」

 

「そうかな。俺はそうは思わない。今の俺にはこの関係が全てだよ」

 

「いや、上っ面だな。じゃあ戸部はどうなる。あいつは真剣に考えてるんだぞ。あいつの気持ちは考えないのかよ」

 

「何度か戸部には諦めるようにいったんだ。姫菜が心を開くとは思えないから。でも先のことは分からない。だから戸部には結論を急いで欲しくなかったんだ」

 

「勝手ないい分だな。それはお前の都合でしかないぞ」

 

「なら!君ならどうするんだ?」

 

「俺にそんなことを聞くな。どうでもいいことだ。それは置いといて…だ。つまりお前は何も変えたくないんだな」

 

「ああ、そうだ。でも君の言う通りこれは俺のわがままだ」

 

「葉山、俺をあまり見くびるなよ。俺は人の言うことは簡単に信じたりはしない。お前の言う、わがままってこともな」

 

「比企谷。…やっぱり君には頼りたくなかったんだがな」

 

「だったら自分で解決しろ。まぁいい、俺がどうにかしてやるよ」

 

「すまないが頼むよ」

 

そう言って俺と葉山はお互い別方向へ歩き出した。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

そして戸部が海老名さんに告白する時がきた。俺は戸部が海老名さんに告白する前に一言、声をかけた。

 

「おい、戸部」

 

「ヒ、ヒキタニくん。やっベーわ。今俺、かなりキテるわ」

 

「なぁ、お前は海老名さんに振られたらどうすんだ?」

 

「それ、聞いちゃう?」

 

「いいから答えろ。早くしないと来るぞ」

 

「そりゃ、諦めらんないしょ! 俺さ適当な性格じゃん?だから今まで適当に付き合ってきたけど今回は結構マジなんだわ」

 

八幡 「そうか。じゃあ、戸部…頑張れよ」

 

「やっぱりヒキタニくんはいい奴しょ!」

 

「そんなんじゃねーよ」

 

俺はそう言って、雪ノ下達がいるとこへ戻った

 

「ヒッキー、いいとこあるじゃん」

 

「どういう風の吹き回しかしら?」

 

「そんなんじゃねーよ。このままだと戸部は振られる。だが、丸く収める方法はある」

 

「そう。まぁ、あなたに任せるわ」

 

「そうだね」

 

そして俺達は、戸部の告白を見守った。

 

「海老名さん。俺さ、その」

 

「うん」

 

「あ、あのさ」

 

そう戸部が言った時、俺は走って戸部のとなりに立ち、正面に立つ彼女にこう言った

 

「ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください」

 

そう、俺は嘘告白をした。2つの依頼を成立させるにはこれが最善策だと思ったから。

 

「ごめんなさい。今は誰とも付き合う気はないの。私は帰るから」

 

海老名さんは俺の告白を断り、走って帰っていった。

 

「だってよ。戸部」

 

「ヒキタニくん、そりゃ、ないっしょ。振られる前にわかったからよかったけどよー」

 

そう戸部が言うと、葉山がこちらに来て

 

「まだ時期じゃないってことだろ。今はこの関係で楽しんでおくのもいいんじゃないか」

 

「それなー。ゆーても、今はって言ってたし? ヒキタニくん、わりぃけど俺、負けないから」

 

「そうか」

 

そう言って俺は雪ノ下達のとこへ向かった。俺は途中、葉山とすれ違いざまに

 

「すまない」

 

と謝られた。謝るぐらいなら自分で何とかしろよ。

 

「葉山、謝るな。あれが最善策だ」

 

「君がそういうやり方しか、知らないんだとわかっていたのに。…すまない」

 

そして俺は雪ノ下達のいるとこに着くと

 

「うまく言えないけど、あなたのやり方は嫌いだわ」

 

俺は雪ノ下にやり方を否定された。そして雪ノ下は1人先に戻ってしました。

 

「あのやり方はダメだよ!もっと人の気持ちを考えてよ!」

 

そう言って由比ヶ浜も俺のやり方を否定して、涙目になりながら走って戻っていった。

 

俺は1人取り残され考えていた。

 

何で俺は否定されたんだ、お前らは俺に任せたはずだ。それなのに…しかもあいつらは何もしてない、そんなやつに言われたくないと思ってしまった。そうか上っ面だけの関係だったのは俺たちだった方だったのか、俺はそう思い、あの場所には決して戻らない、とそう決めた。

 

 

〜回想終了〜

 

回想が長くなったがそんなことがあり、学校には行きたくないと思いつつも、学校へ行く準備をする。下に降りると

 

「お兄ちゃん。朝ごはんできてるよ」

 

「おう、今いくわ」

 

そう言って椅子に座って

 

「「いただきます」」

 

俺が飯を食っていると

 

「どうしたの?何かあった?」

 

「なんでだ?」

 

「お兄ちゃんの目がいつもより腐ってるから」

 

「寝起きだからだろ。気にしなくていいぞ、目が腐ってるのはいつものことだからな」

 

「でも何かあったらいつでも小町を頼ってね!あ、今の小町的に超ポイント高い‼︎」

 

「ああ、そうだな」

 

そう会話しながら朝食を食べる。そして、朝食を食べ終わる。小町とは一緒に学校へ行くので小町を呼ぶ。

 

「小町、そろそろ学校行くぞ」

 

「あいあいさー」

 

小町を後ろに乗せて俺は自転車を漕いだ。

 

そして学校に着く直前、前に赤い髪の女の子が立っていた。

 

俺は自転車で女の子とすれ違った時に

 

「早く目覚めなさい、比企谷八幡。…そうでなければ殺さなくてはならなくなります」

 

そう言われた。俺は振り向いて女の子がいたであろう場所を見るともう女の子はいなくなっていた。

 

「なぁ、さっき誰かいなかったか?」

 

俺は不思議に思ったので小町に聞いてみた

 

「誰もいなかったよ。お兄ちゃんは何か見えたの?」

 

「いや、勘違いかもしれない。忘れてくれ」

 

俺はそう言った。そして学校に着いたので小町を下ろして先に行かせて俺は駐輪場に自転車を停め、教室へ向かった。俺が教室に入るとクラスの奴らがヒソヒソと話し始めていた。「あいつが告白邪魔したやつだ」「最低」「学校来んなよ」など俺への悪口を言っていた。あの件がもう噂として出回っていた。葉山は苦い表情をしていた。俺は気にせず、うつ伏せになって授業が始まるまでイヤホンをはめて音楽を聴いていた。そして授業が始まったがあのことが気になって授業に集中できなかった。そして昼休みになり俺はベストプレイスに行って小町の作った弁当を食べた。

 

「朝のアレはなんだったんだろうな」

 

誰もいない場所で俺はそんなことを口にしていた。

 

この時まだ八幡は太陽が黒いことに気づいていなかった。

 

そして放課後になった。俺は小町に「帰るから駐輪場で待っててくれ」とメールを送ってから教室を出た。そして昇降口へ向かおうとすると

 

「ヒッキー。部活行かないの?」

 

もう関わりたくないと思っていた由比ヶ浜に声をかけられた。

 

「ああ、行かない。じゃあな」

 

そう言って歩き出す。由比ヶ浜は何か言ってたみたいだが、俺は無視した。そして駐輪場に着き小町と合流した

 

「小町、帰るぞ」

 

「え、奉仕部の方はいいの?行かなくて」

 

「ああ、もう行かないことにした」

 

「そうなんだ。家に帰ったら理由教えてね」

 

「ああ」

 

そう言って俺と小町は家に帰った。そして家に着き

 

「じゃあ、お兄ちゃん。奉仕部に行かない理由教えて」

 

「話が長くなると思うがいいか?」

 

「うん!」

 

俺は小町に修学旅行の時に起きたことを話した。小町はそれを聞いて

 

「そんなことがあったんだね。お兄ちゃん、もう奉仕部行かなくていいよ。小町も雪乃さんと結衣さんとはもう連絡取らないから」

 

俺が奉仕部のことを話したら、小町は怒りながらそう言った。

 

「そうか」

 

俺はそう言って自分の部屋に戻った。

 

☆☆☆

 

 

そして5日ぐらい経った。その間、まだ俺のあの噂は流れたままだった。奉仕部の方も行っていない。平塚先生にも強制的に行かされそうになったがなんとか振り切っていた。正直、もうイライラが限界に達していた。でも学校には行かないと小町が心配するので準備をする。すると一枚の絵が描いてある紙が落ちていた。俺はそれを拾い見てみると小さい頃小町が描いたと思われる、俺と小町の似顔絵と大きく赤い太陽、そして「お兄ちゃん大好き」と文字も書いてあった。その絵と文字を見て懐かしく感じ、さっきまでのイライラしてた気持ちが少しは紛れ、俺は笑っていた。そして、その紙を持って下に降りた。

 

「お兄ちゃん、朝ごはん用意出来たよ。なんか嬉しそうだね!何かいいことあったの?」

 

「ん?ああ、これをちょっと見ててな」

 

そう言って、俺は小町にあの絵を見せた

 

「お兄ちゃん!恥ずかしいからそれ返して‼︎」

 

小町は言って俺から紙を取った。

 

「もう!恥ずかしいんだからね‼︎」

 

「悪い。おっと、もうこんな時間だ。小町、学校行くぞ」

 

小町 「ちょっと待ってよ!お兄ちゃん。その前に朝ごはんを食べないと」

 

そう言って俺と小町は急いで飯を食べて学校に向かった

 

そして昼休みになり弁当を持ってベストプレイスへ行こうとしたが

 

「あ、やべ弁当持って来んの忘れた」

 

急いでいて弁当を持ってきていなかったなと思っていると

 

「八幡!小町ちゃんが呼んでるよ」

 

戸塚からそう声をかけられた

 

「わかったすぐ行く」

 

俺はそう言って後ろの扉の方まで行った

 

「小町、どうした?」

 

「お兄ちゃん。弁当持ってくの忘れてたでしょ。だから届けに来たの。あ、今の小町的にポイント高い‼︎」

 

「ここでそういうこと言うのはやめてくれ」

 

「気をつけるね!でさ、お兄ちゃん。一緒にお昼食べない?」

 

「別にいいけど、どこで食べるんだ?」

 

「それじゃあ、屋上で食べない?」

 

「いいぞ、じゃあ行くか」

 

俺がそう言って教室を出ようとしたが

 

「ヒッキー、私も行っていい?」

 

となぜか由比ヶ浜がそんなことを言い出した。

 

「いや、断る。お前とは別に食いたくないしな」

 

俺がそう言うと

 

「ちょ!ヒキオなんでそんなこと言うし!」

 

「そうだぞ、ヒキタニ君。さすがに酷くないかその言い方は」

 

三浦と葉山は怒りながら、そう言った。

 

「別にお前らには関係ないだろ。俺は本当のことを言っただけだ。行くぞ小町」

 

俺はそう言って小町を連れて廊下に出た

 

「待つし!」

 

葉山・三浦達は俺を追いかけてきた。

 

「小町、少し走るがいいか?」

 

「うん」

 

そう言って俺と小町は走って屋上に向かった。

 

すると向かい側から、今俺が会いたくないと思っている雪ノ下と平塚先生がいた。

 

「あら、逃げ谷君。何してるのかしら、ここは走ってはいけないと思うのだけれどそれすらわからないのかしら?」

 

「比企谷!今日はちゃんと奉仕部に行けよ」

 

そう2人に言われたが

 

「そんなものは知らん。あと奉仕部には絶対に行かない」

 

俺はそう言って屋上へ続く階段を登った。

 

「待ちなさい!」

 

「待て!比企谷」

 

そう言い、雪ノ下達も俺たちを追いかけてきた。そして俺達は、何と屋上についた。

 

「まぁとりあえず鍵も閉めたし大丈夫だろう。小町ごめんな、変なのに付き合わせちまって」

 

「ううん、別にいいよ。気にしてないから」

 

「そうか、ありがとな」

 

俺がそう言った時、5日ほど前に会った赤い髪の女の子が俺の方を向き正面に立っていた。

 

「お兄ちゃんの知り合い?」

 

「いや、5日前に見ただけだ。初対面になると思う」

 

「それで、あなたは誰ですか?」

 

そして、俺は5日前に会った。赤みがかった女の子にそう聞いた。

 

「リリス、浅見リリスです。それよりこの黒い太陽の世界を早く消してくださいね」

 

彼女はそう言った

 

「…なんのことだ。太陽が黒いわけが…」

 

俺はそう言って太陽を見る。すると

 

「太陽が黒い…どういうことなんだ!太陽が黒いわけがない。なぁ小町、太陽は黒じゃないよな?」

 

「何言ってるのお兄ちゃん。太陽は前から黒だよ」

 

「それは、嘘だ」

 

「嘘じゃないよ。だってこれはお兄ちゃんが望んだことなんだから」

 

「俺が望んだ?」

 

「そうだよ。別に太陽が黒くても問題はないよ、お兄ちゃん」

 

そう小町は言った、笑顔で。するとなぜか、どこからか『私のことを忘れないでね。お兄ちゃん』と言われた気がした。

 

「…あ」

 

「どうかしたのお兄ちゃん?」

 

「なぁ、お前本当に小町か?」

 

俺はそう小町に聞いた。

 

「何を言ってるのお兄ちゃん」

 

「いやなんか違和感があってな」

 

「そんなことないよ!」

 

「じゃあなんで太陽は黒って言った?」

 

「だってもともと太陽は黒…」

 

そう言いかけた時俺は被せるように

 

「それだよ小町。朝、小町に見せたよな?あの絵。あの絵には太陽は赤く描いてあった。なのに、小町は黒だと言った。そう…小町は嘘をついたことになるんだよ。本当の小町なら俺には嘘をつかない。本当の小町はどこにいるんだ?そして、お前は誰なんだ?」

 

そう俺は言った。

 

「はっはっは‼︎こりゃ、やられたな」

 

そう言って小町の偽物は笑った。そのときこの会話を聞いていた、赤い髪の女の子が銃弾みたいなのを小町の偽物に放った。小町の偽物はそれをバリアかなんかで弾き飛ばした。俺は呆然としていた

 

「おいおい、いきなりだな魔道士‼︎」

 

「やっと正体を現しましたね。クラッカー」

 

「リリスさんでしたっけ?その格好はなんなんですか?」

 

「リリスでいいですよ。それと、これは見ての通り魔道士の戦闘スタイルですが」

 

「え?戦闘スタイル?よく意味がわからないんだが」

 

「本当にわかんないのか?薄々気づいていると思ったんだがな」

 

「そんなわけないだろ。気付かねーよ普通」

 

俺が小町の偽物にそう言った途端に、校舎のドアが壊れた。

 

「今度はなんだ」

 

「見つけたわよ、逃げヶ谷君」

 

「ヒッキー、やっと見つけた」

 

「見つけたぞ比企谷!奉仕部へ戻って来い」

 

「ヒキオ!やっと見つけたし!」

 

「ヒキタニ君!」

 

となんとさっき俺を追いかけてきたやつがドアを突き破り屋上まで来た。しつこい奴らだと思ってると

 

「誰ですか!こんな時に」

 

リリスはそう言った。

 

「あん時のあいつらか、まぁいい、話を戻すがいいものを見せてやるよ」

 

そう言って、小町の偽物は指をパチンと鳴らした。すると辺り一面ガレキの山と化していた。俺とリリスと小町の偽物以外は

 

「何が起きた⁉︎」

 

と驚いていた。そして呆然と立ち尽くしていた。

 

「な、なんだよこれは」

 

「5日ほど前でしょうか。この地域で大規模な重力振動が観測されました。原因はわかりませんがこれを我々は"崩壊現象"と呼んでいます。わかっていることは1つ、一夜にしてこの街が飲み込まれたということです」

 

そうリリスに説明を受けると俺は頭に衝撃が走った。

 

「うっ‼︎」

 

「どうだ?思い出したか?」

 

「そうだ。俺は修学旅行のあとイライラしていてそれが爆発してこの世界があの黒い太陽に飲み込まれてなにもかもなくなった。その時小町が何か俺に渡して『私のことを忘れないでね。お兄ちゃん』って言って消えて、俺は「元の世界に戻せ。小町と一緒に暮らしてたあの日常に」って言ったんだっけか」

 

「そうだ。その願いを叶えた。魔術を使ってな。だがなぜかその絵と、あそこにいるお前を裏切った奴や在校生、教師達は生き残ってだがな。理由は知らないが、まぁ…まだ殺すなってことなんだろうな」

 

「ええ、私もさすがに驚きました。この崩壊現象を調査するために学園から派遣されたのに来てみれば何もないはずの街があったのですから」

 

「はっ!それくらい朝飯前だぜ」

 

「やっぱり貴女は、危険な魔道書。失敗すればさらに崩壊現象が広がったかもしれない。それに新たな世界を作ってしまう…これはおかしい。そんなのは並の魔道書では到底不可能です」

 

そう言って、リリスは俺に銃口を向けた。

 

「選択しなさい、比企谷八幡。1つはこの作られた世界を今すぐ魔道書に解除させること。そうすれば平和に生きれるようにしてあげます。ただし魔道書はこちらで処分し比企谷小町らの記憶を消します。そしてもう1つ、魔道書を渡さないのであればここで死んでもらう。何よりこの世界を創ったのがあなたなのだから」

 

「なんだよそれ。生きたいなら、なにもかも忘れろってか。戸塚とか小町も…っ!そうだ!なぁリリス、小町は生きてるのか⁉︎」

 

「それは…」

 

俺はリリスにそう聞いたが、中々...答えが返ってこなかった。すると、小町の偽物が俺の問いに答える。

 

「生きてるぜ」

 

「本当か!」

 

「ああ、この姿はあの娘の影の投影だからな。どこかで生きてるのは確かだぜ」

 

「そうか。なら、俺がやることは1つだけだ」

 

「そう。では決断を」

 

「ああ、決めたよ。魔道書は渡さない」

 

「えっ…あなた…」

 

「だけど俺も死なない。第3の選択肢、俺は魔道士になることにするわ」

 

「それは、本気で言ってるんですか⁉︎」

 

「そうだ。魔道士ってのは魔道書を持ってるんだろ。だったら俺もなれると思ってな」

 

「そうかも知れませんが、そんなのは聞いたことありません。ですが確かにいいきれませんね。こんな世界を創ってしまうんですから」

 

「なら、俺はやる。可能性が低くても、妹の小町にまた会いたいしな」

 

俺がそういうと

 

「ああ、そうだ。小町って言ったか、あの娘は厳密にいうとお前さんの妹じゃないぜ」

 

小町の偽物は俺にそう告げる。小町が俺の妹じゃ…ない?

 

「どういうことだ」

 

「あいつはお前さんに記憶操作してな、妹ということにして一緒に住んでただけだ。理由は本人に直接聞いてくれよ」

 

「理由は直接聞くが、それでも俺は小町を助ける。本当の妹じゃなくても俺は妹だと思ってる。あと一緒に住んでた唯一の家族だ。助けないわけにはいかないからな」

 

「そうか」

 

小町の偽物はそう答えた

 

「で、これからどうすればいいんだ?リリス」

 

俺はそうリリスに聞いた

 

「そうですね。あなたにはビブリア学園に来てもらいます。後は学園に着いたら説明します」

 

「そうか、わかった」

 

「じゃあそれでは…」

 

リリスがそう言いかけた時

 

「待ちなさい」

 

とさっきまで立ち尽くしていた雪ノ下がそう言った。他の奴らも正気に戻っていた。

 

「なんだよ。雪ノ下」

 

「まだ話は終わっていないわ」

 

「俺は話すことはなにもないんだが、あと俺は行くとこあるから早くしてほしいんだが」

 

「比企谷。行かせないぞ」

 

「先生に決められることではありません」

 

「なら実力行使でいかせてもらう」

 

平塚先生はそう言って、俺にファーストブリッドをかまそうとするがそれは出来ず、リリスの銃弾が先生の顔の横を掠った、平塚先生は驚き、その場で気を失った。

 

「リリス、やめろ」

 

「ですが…」

 

「これは俺たちの問題だ。リリスは見てるだけにしてくれないか?俺があいつらを片付けるから」

 

「わかりました。あなたがそういうのなら…」

 

「ああ、ありがとう。リリス」

 

俺はそう言って雪ノ下達の方へ視線を移した

 

「で、雪ノ下。話はなんだ?」

 

「話は修学旅行の件よ、なぜあんな事をしたのかしら。しかも私たちに相談せずにね。謝ってもらえるかしら私と由比ヶ浜さんに」

 

「あれが最善策だからだ。相談したとしてもお前らからはいい案は出せないと思ったしな。あとなぜお前らに謝らないといけない。むしろお前らが謝れよ。なにもしてないくせに俺のやり方を否定しておいて…ほんと、お前ら自分勝手だな、反吐が出るからとっとと、この場から失せろ。顔も見たくない」

 

「「うっ‼︎」」

 

雪ノ下と由比ヶ浜はその場に泣きながらうずくまった。後は葉山と三浦だけだな…

 

「比企谷、言い過ぎだ。もっといいやり方があったはずだ」

 

「だったらその方法を教えてくれよ。修学旅行の時に出来なかった奴が偉そうに言うな。葉山グループの奴の告白を阻止して関係を保った俺に感謝の気持ちとかないのか葉山。ほんと恩知らずの屑野郎だな」

 

俺は三浦に聞こえるように言った。

 

「ヒキタニ君!それは、今話すことじゃないだろ!」

 

「隼人。どういうことだし!あーし、知らないんだけど」

 

「それは…」

 

「三浦、俺が教えてやる。修学旅行で戸部が海老名さんだっけか、その人に告白したいらしくて奉仕部に依頼が来た。そのあと、海老名さんが今の関係がいい。だからその告白を断ってほしいと遠回しに依頼されて俺が嘘告白をして戸部の告白を阻止した。まぁその結果葉山グループは今も保ててるって訳だ。でもこれは元々葉山に依頼したものだが奉仕部に丸投げの形で依頼してきたんだ葉山は。まぁ、お前には何も言ってないみたいだがな」

 

「隼人。なんで私に相談してくれなかったし!」

 

「それは…」

 

「そっか。あーしは信用されてなかったって事ね。隼人、あーしアンタとは縁切るし」

 

「待ってくれ優美子!」

 

葉山と三浦は口論しているが、俺は今の状況をみて言うことかと思った。なぜなら今のこの世界は俺が起こした崩壊現象でほとんどなにも残っていなく崩壊は着実と進んでいる。無意味な言い合いなのだ。俺は気づかれないようにその場を去り、リリスの方へ向かう。

 

「リリス、悪いな。こんな変なもの見せて」

 

「いえ、問題ありません。でもこうなった理由をいつか教えてくださいね」

 

「まぁ、そのうちにな」

 

俺はそう言って、リリスとビブリア学園へと向かった。小町の偽物は、とっくにどっかに行ってしまった。その後、俺たちがいた世界は跡形もなく悲鳴と共に滅んでいったのだった。

 

 

☆☆☆

 

 

 

ビブリア学園へ移動中にて

 

「なぁ、リリス。俺はまた1年生からやり直しなのか?」

 

「いえ、2年生の4月から始めてもらいます。制服もこちらで用意してあります」

 

リリスがそう言って、魔法で制服を俺に着せた。

 

「わかった。制服はこんな感じか。いろいろとありがとな、これから…よろしく頼む」

 

「ええ」

 

そう言葉を交わして俺たちは無事ビブリア学園に到着した。

 

☆☆☆

 

俺はビブリア学園に着き、リリスと一緒に歩いていると

 

「号外ですよ!なんとこの学園に転入生がやってきます。噂だと魔王レベルに匹敵するらしいですよ!」

 

とそんな声が聞こえた。まぁ、俺の事だろうと思いつつ、横を通り過ぎるとその子に声をかけられた。

 

「あのーこれどうぞ」

 

そう言われたので俺は

 

八 「ああ、どうも」

 

そう言い号外を受け取った。ってかステルスヒッキーが効いてない!効かないのかなこの世界では…と俺が思っていると

 

「あれ?もしかして転校生の方ですか?」

 

「俺は…」

 

俺は質問に答えようとしたが

 

「八幡。なにをしているのですか?早く行きますよ」

 

リリスが遮った。さりげなく下の名前で呼ばれた気がしたが、俺は気にせず

 

「ああ、わかった。すまんが俺はもう行くわ」

 

「えー!話が聞きたかったのに」

 

彼女はそう言って、残念そうにしていた。そして、俺はリリスの後ろを付いていった。しばらく歩き、教室前に着いた。

 

「では八幡には早速、教室に入って自己紹介をしてもらいます」

 

「自己紹介とかしたくないんだけど、しないといけないのか?」

 

「当たり前です‼︎」

 

「目立ちたくないなぁ」

 

俺はそう言ってリリスと一緒に教室に入った。教室に入ると中が騒がしくなった。

 

「みなさん、静かにしてください。転校生を紹介します」

 

「えー、比企谷八幡です…ってリリスは先生なのか?」

 

「はい。でも、一応同い年です。それより自己紹介はそれだけですか?」

 

「他に言うことないしな」

 

「そうですか。では、みなさんからなにか質問とかありますか?」

 

リリスがそんな事を言い出した。すると、さっき号外をくれた女の子が

 

「はーい。質問ですっ‼︎」

 

「はい、セリナさん。どうぞ」

 

ふーん、セリナっていう名前なのかと俺が思っていると

 

「好みの女性を教えてください」

 

セリナが俺に質問してきた。

 

「養ってくれる人だな」

 

俺はそう答えた。

 

「なんか、期待してたのと違う」

 

「すまんな。俺にあまり期待はしない方がいい」

 

「そうですか」

 

「気が済みましたか?それでは…」

 

「じゃあ!魔王クラスにしか出来ない"世界構築"をしたのは本当なんですか?」

 

セリナはリリスの話を遮り、また質問した。リリスはその質問に驚いてはいたが俺は

 

「ん?ああ、あれか。まぁ一応したみたいだがみんなもできるんじゃないのか?」

 

とそう答えた。すると

 

「ちょっ…八幡!」

 

「「おー!本物だー!魔王候補キター!」」

 

とクラスメイトは騒ぎ、リリスは困惑していた。俺も変に目立ってしまった。結局、この話で授業が丸々潰れた。そして授業後、俺とリリスは学園長室に向かった。

 

ーto be continuedー

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。



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第02話 超秘密組織王立ビブリア学園の内情

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ありがとうございます。
今回は学園長との対面回です。

それでは、今回もよろしくお願いします。


俺とリリスは学園長室に着き、中に入った。リリスがさっきの授業での事を学園長に報告していた。

 

「あはははっ!いきなり初日から魔王候補呼ばわりとはね」

 

学園長は笑いながらそう言っていた。

 

「笑い事じゃありません、学園長‼︎今日は授業にならなかったんですから」

 

「授業どころじゃなかったな。ずっと俺の方ばっかり見てくるしあの視線はやめてほしい。ぼっちにはきつかったわ」

 

「自業自得です‼︎」

 

「はっはっは!」

 

学園長はずっと笑っていた。

 

「あー、面白かった‼︎さて…はじめまして比企谷八幡君!学園を代表して君を歓迎するよ」

 

「そりゃどうも」

 

「ここ王立ビブリア学園はご存知の通り魔道士を育成する超秘密組織だ」

 

「ご存知の通りって言われても初耳なんですが…」

 

「ここは秘密組織の学園ですから」

 

「それでは話を続けるよ。この学園は各国政府からの資金援助を受け、極秘に様々な未解決事件や魔道的と思われる不可思議な事件を調査・解決するのが魔道士、別名"メイガス"というわけさ」

 

「なんか凄そうだな。まぁ、だいたいはわかった。それになれば小町を助けられるって事だよな?」

 

「さぁ、どうだろうね。私からは断言はできない」

 

「どういう事だ?」

 

「魔道はすべての可能性を否定しない。つまりできるかできないかは、キミ次第で決まるのさ」

 

「そういうことか。じゃあ、近道とかないのか?」

 

「どんなことにも近道なんてものはありませんっ!日々の努力と鍛錬が道を作るのです。わかりましたか八幡」

 

「でも、学園長が言ったようにすべての可能性を否定しないんなら近道ぐらいあるんじゃないのか?」

 

「そっ…それは…」

 

「はっはっは!うん、確かにその通りだね」

 

「学園長!面白がらないでください!」

 

「まぁまぁ、いいじゃないか。彼の言う通り間違ってはいないわけだし。まぁ、近道とまではいかないがこの学園には7人のボスキャラみたいな子達がいてね」

 

「そんなのがいるんですか?」

 

「ああ、いるとも。トリニティセブン。そう呼ばれる各分野での頂点を極める7人の魔道士の女の子達さ。ちなみにリリスちゃんもその1人だよ」

 

「まぁ、同い年で教師やってるぐらいだから当然か」

 

「そんなわけでそのトリニティセブンの娘達と知り合い、戦ったり手篭めにしたりすれば魔道士のなんたるかが手っ取り早くわかるかもしれないね」

 

「手篭めっ!?」

 

「まぁ、会ってみないことには始まらないな」

 

「そうですね…」

 

「というわけで八幡君!リリスちゃんの事よろしく頼むよ。他のトリニティセブンの娘達もね」

 

そう、学園長は俺に言った。

 

「ええ、わかりました。学園長の期待に添えられるか分かりませんができる限りのことはやるつもりです」

 

俺がそう言うと、リリスはなぜか顔を赤くしていた。

 

「期待しているよ」

 

「それでは、失礼しました」

 

「失礼しました」

 

そう言って俺とリリスは学園長室を出た。

 

ーto be continuedー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。


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第03話 忍者の女の子とお風呂の女の子

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ありがとうございます。
予告通り、2名の新キャラが登場します。

それでは、今回もよろしくお願いします。


学園長室から出たところでリリスが

 

「それでは、今から寮の部屋へ案内します」

 

そう言った。

 

「ああ。でも俺、服とか持ってきてないんだが」

 

「心配しなくても大丈夫てす。必要最低限の物はもう置いてありますから。足りないものがあれば街にお店もあるのでそこで買えるかと思います」

 

「ああ、わかった。それより上からの視線が気になるな」

 

俺がそう言うと天井にいた女の子が

 

「よっと」

 

と言って、俺の目の前に着地した。

 

「よく気づいたっスね」

 

「ぼっちは視線に敏感なんだよ」

 

「そうっスか。はじめまして比企谷八幡さん。忍者をやってる風間レヴィっスよ」

 

「ああ、よろしく。ってか、魔道士じゃないのか?」

 

俺がそう質問すると

 

「この学園は様々な魔術を学べる環境がありますから」

 

リリスが俺の質問に答えてくれた。

 

「忍術も占星術もオーラ診断も房中術もみんな魔術っスよ?」

 

「ぼっ……」

 

「房中術か」

 

俺は最初は何なのか、分からなかったがリリスの表情を見たらなんとなくわかってしまった。

 

「くっくっく…。相変わらずリリス先生は純情っスね」

 

「とっ…とにかくっ…八幡。この方が先ほど学園長が言っていたトリニティセブンのお1人です」

 

「ふーん。この子がボスキャラねぇ。そんな風には見えないんだが」

 

「まぁ転入したばかりだから当然っスよね」

 

「でも学園長が言うには頂点を極めてるんだろ?」

 

「そうっスね。暗殺からエロイ忍法までなんだってこなすっスよ」

 

「へぇー」

 

「コラーっ‼︎八幡も何感心してるんですかっ!」

 

「いや、なんか凄そうだなって」

 

「まっ、冗談っス。なかなか面白い人っスね」

 

「俺がか?」

 

「そうっスよ」

 

「まぁ、それはいいとして他のトリニティセブンの5人はどんな人なんだ?レヴィとリリスはなんとなくわかったが他がよく分からないんだが」

 

「んー。自分とリリスさん以外だと…ああ!あの人たちっスね」

 

レヴィはそう言って窓から中庭の方を指差した。

 

「今からちょうど検閲任務に向かうみたいっスよ」

 

「あの人がそうなのか」

 

「そうっスよ。背の小さい方から説明するっスね。純粋に能力だけならリリスさん以上の山奈ミラさん」

 

「リリス以上か。なんか超やばそうだな」

 

「ん?どういう意味ですか八幡?」

 

なぜかリリスに睨まれた。

 

「いや、すまん。なんでもない。忘れてくれ」

 

「続きを話すっスよ。背の大きい人は純粋に攻撃力だけなら他の追随を許さない不動アキオさんです」

 

「ほんとなんかバトル漫画並みにやばそうだ」

 

「いつでもテコ入れの準備ができているっていう方向っスね」

 

「にしてもこの学園は女ばっかりだな」

 

「魔道は精神的、感情的なものの研究っスからね。男性には論理的、理屈的な思考が得意なせいか、なかなか魔道に精通しないんっスよ」

 

「感情的な方がいいのか?それとも欲望に忠実になった方がいいとか?」

 

「いっ…いけませんっ!そういうのは節度を持ってですね…」

 

「ほら、リリス先生が真っ赤になってるの可愛くないっスか?」

 

「まぁ、言われてみればそうかもな。昔の俺なら告って振られてるまであるな」

 

そう俺が言うと

 

「っ‼︎もう知りません‼︎」

 

リリスは顔を赤くしながらどっか行ってしまった。あれ寮の部屋に案内するんじゃないの?と俺が思っていると

 

「いやーあんな嬉しそうなリリス先生はある意味で初めて見るっスね」

 

「え、そうなのか?」

 

「もっと"氷の女"って感じの人っスからね。リリス先生は」

 

「そんな感じだったか?そういう風には見えなかったが…」

 

「そうじゃなかったらきっと、あなたが特別なのかもしれないっスよ?」

 

「どうだろうな」

 

まぁ、でもリリスと一緒にいる時は別に嫌な気持ちとかには別にならない。奉仕部の奴らとは違う感じだし、なんだろうなこの感情は…

まぁ考えるだけ無駄だと思いそれ以上は思考を放棄した。その後、俺はなんとか自分の寮の部屋に着き、ベッドでくつろいでいた。

 

「ふぅ、なんか疲れたな。ここにもMAXコーヒーがあればいいんだが。そういえば魔道書は何処だ?」

 

「私ならここにいるぜ」

 

そう言って、魔道書は俺の胸元に浮かび上がる。

 

「そんなとこにいたのか」

 

「なんだ、驚かないのか?」

 

「俺はそんなことでは驚かないぞ」

 

「そうか。それより疲れてるんだろ?風呂に行こうぜ」

 

「それもそうだな。行くか」

 

俺はそう言って部屋に置いてあった替えの制服をもって男湯に向かった。

 

「ここみたいだぜ」

 

「にしてもデカイな。学園には男子は少なかったみたいだから小さいイメージがあったんだが」

 

「無駄に金かけてるんだろうな…ってことは、女湯はもっと豪華かもしれないぜ」

 

「だろうな。人数とか多いしな」

 

「どんな感じなのか私がみてきてやろうか?」

 

「いや、やめとけ。面倒な事になりそうだ」

 

そう言って俺は更衣室で服を脱いで魔道書を置いて大浴場に入ろうとしたところ、もう先客がいた。しかし先客は女の子だった。

 

「どうも、こんばんは」

 

「こんばんは」

 

俺はそう言って浴場から出た。まさか女湯と間違えたかと思い外に出て男湯かを確認した。

 

「やっぱりここは男湯だよな。じゃあなんであの子…」

 

そう呟いていたらリリスがちょうど、通りかかった

 

「リリスか、ちょうどよかった」

 

「どうしたんですか八幡……。ってそれより服を着てください‼︎」

 

「タオル巻いてるから別にいいだろ。ってそんなことよりこの風呂は男湯だよな?」

 

「ええ、そうですが。どうかしましたか?」

 

「いや、男湯に女子がいたから」

 

「まさか…」

 

そう言ってリリスは男湯の更衣室へ向かった。俺も後に続いて入った。すると中にいた女の子は牛乳を飲んでいた

 

「アリンさんっ‼︎ここは男性用ですよ⁉︎」

 

リリスはそう言っていたが

 

「誰もいなかったからいいと思って」

 

アリンっていう女の子はそう答えた。

 

「これからは誰かいるんですっ‼︎」

 

「別に私は気にしない」

 

「気にしてください‼︎」

 

そう2人がやりとりしていると俺とアリンは目が合って

 

「すぅ……。きゃーー」

 

小さな声で叫んでいた。

 

「タイミングが違いますっ‼︎」

 

「棒読みかよ…」

 

「……難しいのね」

 

そう言ってアリンはリリスに連れられ男湯から出て行った。

俺は魔道書を持って改めて風呂場に向かった

 

「ふぅ」

 

そして、俺はお湯に浸かる。

 

「それにしてもさっきは驚いたな」

 

「ああ、そうだな」

 

「なんとなくだがあのアリンって子、お前さんの妹に似ていたぜ」

 

「ああ、俺もそれは少し感じてた。アリンって子は多分、小町に繋がっている気がするんだよな」

 

俺はそう言ってしばらくの間、その事を考えながら風呂に入っていた。

 

 

ーto be continuedー

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第04話 夜の特別授業と空間閉鎖

感想・評価・お気に入りありがとうございます。
感想で指摘があったセリフに関してですが
「」に統一して修正しておきました。

それでは、今回もよろしくお願いします。


風呂から上がって替えの制服に着替えて

自分の部屋に戻った。するとなぜかレヴィとセリナとリリスが俺の部屋にいた。

 

「おい、なんでお前らが俺の部屋にいるんだ?」

 

「八幡さんの取材です‼︎」

 

「セリナさんに同じく取材っス」

 

「わっ…私はこんな時間に女子が男子の部屋にというのが教師として許せなかったので…」

 

「いや、リリスも俺と同い年だろ…」

 

「ですが…立場は教師ですからっ!」

 

「まぁいいか。それでセリナ達は…」

 

「取材です‼︎」

 

「それで、何を取材するんだ?」

 

「好きな食べ物とかありますか?」

 

「ラーメンとかだな」

 

「だそうですよ!リリス先生‼︎」

 

「なぜ私に振るんですか?」

 

「じゃあ、八幡さん。惚れ薬入りのラーメン食べてみるっスか?」

 

「じゃあ今度頼むわ」

 

「惚れ薬入りでもいいんですか?」

 

「俺は一応魔王候補なんだろ。惚れ薬ぐらい無効化出来るかと思ってな」

 

「そういうものですかね」

 

「そういうもんだろ。あ、それよりリリス。魔道について教えてくれないか?まだわからないことばっかりだし」

 

「え?あ…はい。それなら…」

 

俺がリリスに魔道について、教えてもらおうとした時

 

「リリス先生は根っからの教師ですからね」

 

「ああやってうまく勉強に持っていかれると弱いわけっスね。ゆくゆくは2人でイチャイチャして…大人の階段を…」

 

とセリナとレヴィはそんなことを言っていた。

 

「そんなことにはなりません‼︎」

 

リリスはそう言って、ちゃんと否定していた。

 

「リリス先生、いじり可愛いです」

 

「萌えリリスっスね!」

 

「あ…あなたたちは…」

 

「セリナ、レヴィ。そのくらいにしておけよ。それよりこれはそもそも一体なんなんだ?」

 

俺はリリスがこれ以上いじられないよう、セリナとレヴィにひとこと言って魔道書の話へと変えた。するとリリスが

 

「…アスティルの写本です」

 

と答えた。

 

「アスティルの写本‼︎それって本当なんですか⁉︎」

 

セリナはそう言って驚いていた。レヴィも声はあげなかったが驚いている様子だった。

 

「ええ、あくまでも学園長が言うには…ですよ?」

 

そう言って続けて

 

「伝説の魔道書として有名であり、異世界の知識が宿ると言われています」

 

と、そう言った。

 

「へぇー、そんなに凄いのかこれ?ってか魔道書は寝てるし」

 

写本、俺が学園に来るきっかけであり、消えた小町を探すための唯一の手がかりでもある。と俺が思っているとリリスが

 

「その写本については本当に詳しいことはわかっていません。何せ存在自体伝説のようなものでしたから。そもそも魔道士には"テーマ"という研究概念が必要なわけですが、魔道書はその"テーマ"について記されていて…」

 

そう、リリスが説明していたが途中に部屋全体が地震みたいに揺れ暗くなった。

 

「うわわわっ‼︎一体なんですか⁉︎」

 

「地震と停電みたいっスね」

 

「何が起きたんだ?」

 

俺がそう言うと、さっきまで寝ていた魔道書が

 

「どうやら結界に閉じ込めたっぽいな。チッ…しょうがねぇ」

 

とそう言って光った。とりあえず部屋全体が明るくなったので俺は

 

「ドアは開かないみたいだな」

 

そう言ってドアノブを回していた。

 

「窓も開かないっス」

 

「それより結界ってなんだ?」

 

俺は魔道書に質問した。

 

「お前さんが以前作った世界のかなりスモール版みたいな感じだな」

 

「そうか」

 

「随分とあっさりと凄いこと言ってますね…」

 

「まぁ、よくわからん以上動揺しても意味ないだろ」

 

「ホント、冷静っスね。八幡さん」

 

「何事も冷静な判断が大事だからな」

 

「結界で空間が断絶されているとかでしょうか。長年通っていますがこんな事は初めてです」

 

リリスはそう言った。

 

「まっ、その辺りを考えて脱出するのが今回のゲームなんだろうな」

 

「ゲームって、まさかお前は脱出方法を知ってるんじゃないのか?魔導書」

 

「ああ、知ってるぜ。調べればすぐわかるレベルのものだな。だから答えが出てクリアできたら呼んでくれ。また寝るから」

 

そう言って魔道書は光りながら寝た。

 

「仕方ない、俺たちでやるしかないか。でもなんでこんな事をしたんだ?」

 

「多分、八幡さんが原因だと思うっスよ」

 

「俺が?何で?」

 

「おそらく魔王候補でもある八幡さんの力を試しているっス」

 

「おおーっ‼︎カッコいいですねっ‼︎」

 

「俺にはそんな力はないぞ」

 

「うわー、カッコ悪いですね」

 

「しょうがないだろ、本当のことなんだから。まぁ多少は足掻いてはみるけど」

 

そう言って部屋内を探してみたが何もなかった。

 

「もう諦めるか」

 

「ダメですよ!それじゃあ部屋から出られないじゃないですか!」

 

俺とセリナが話していた時、なぜがその横でリリスがモジモジしていた。それを不審に思ったのかレヴィがリリスに聞いていた。

 

「リリス先生。どうかしたっスか?」

 

「え⁉︎あっ…いえなんでも…」

 

「まさか…トイレに行きたいとか?」

 

「あ…いえ…その…」

 

「時は一刻を争いますよ‼︎八幡さん‼︎」

 

「そうだな。この部屋が臭くなるのは嫌だしな」

 

「八幡さん。私からもお知らせっス」

 

「レヴィ、まさかお前もトイレに行きたいとか言うんじゃないだろうな?」

 

「そのまさかっスよ。八幡さん」

 

「おいおい」

 

「2人しておしっこ系ヒロインを狙うつもりですか⁉︎」

 

「さあ、セリナさんもこっちに来るっスよ」

 

レヴィはそう言って糸に垂らした5円玉を揺らしてセリナにそれを見せていた。こんなのに今どき引っかからないだろうと俺は思ったが

 

「やめてぇぇー」

 

と言って見事に引っかかっていた。そして3人は固まって震えていた

 

「さすがにこの状況はヤバイな」

 

なんとか魔道書に答えを言わせるように仕向けないとな、よしこの案でいくか。俺はそう思い、魔道書が寝ていることを確認してリリス達に魔道書に答えを言わせる案を話した。

 

「その案でいきましょう」

 

リリスのこの一言で俺の考えた案を実行に移した。

 

「これが答えか!簡単だったな」

 

「わー!簡単でしたねー‼︎」

 

「忍者的にもバッチリっスよ!」

 

「だから魔道書。お前の力がなくても答えが出たぞ」

 

俺が最後にそう言うとシーンとなった。

 

「さ…さすがにそんな手で伝説の魔道書には通じたりなんて…」

 

リリスがそう言った後に

 

「ん?あ、なんだ?ベッドの下が怪しいってもうわかったのか?」

 

魔道書はそう言って答えをいった。

 

「「「「通じた‼︎」」」」

 

「よし。ベッドの下だ!あとはよろしく」

 

俺はそう言った。

 

「忍法ちゃぶ台返し‼︎ベッドバージョン‼︎」

 

そう言ってレヴィはベッドを浮かせ

 

「魔力サーチ!魔法基点発見‼︎」

 

とセリナはそう言ってカメラでベッドを撮って魔力を探知し浮かび上がらせ

 

「結界…破壊…‼︎」

 

リリスが銃を使って浮かび上がったところを撃ち、そしてベッドを破壊し、結界も壊した。ベッドが…とも思ったが、俺はドアを蹴り

 

「よし!これでドアが開いた。早くトイレに行ってこい」

 

そう言って3人にトイレに行くように言った。3人がトイレに向かった後、俺は魔導書を話をしていた。

 

「はっはっは‼︎お前さん、いいセンスしてるよ。まさか魔道書である私を騙すとはな」

 

「まぁな、一刻を争ってたしな」

 

「お前さんの研究する"テーマ"がなんなのか楽しみでならないぜ!」

 

「"テーマ"ねぇ」

 

と俺はそうつぶやき、壊れたベッドをどうしようか悩むのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

一方そのころ

 

「……‼︎あっ…」

 

「どうだい?彼は悪の魔道士になれそうかい?」

 

「難しいのね…」

 

「そうか、結界は破られたか」

 

「凄く適当な方法だったわ」

 

「そんな方法で結界を破るとはさすがだね、彼は。ふふ…楽しみだねアリン君。果たして八幡君がアリン君のつがいになる魔王候補なのかどうか」

 

「……」

 

そう言って、この一件の首謀者である学園長とアリンは比企谷八幡の方を興味深く見ながら話をしていたのだった。

 

 

ーto be continuedー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第05話 王立図書館検閲官トップとサード

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ありがとうございます。
お気に入りが100件を突破しました。
感謝、感謝、感謝デス!
これからも頑張っていきます。

それでは、今回もよろしくお願いします。


あの一件の後、なんとか替えのベッドをもらって無事寝ることができた。そして次の日、普通に授業を受けようと教室に入った。しかし、それはできなかった。なぜなら

 

「………」ジー

 

そうアリンが俺のことを見てくるのだ。

 

「なぁ、リリス。これはどういうことだ?」

 

俺はリリスに理由を聞いたが

 

「さぁ?どうなんでしょうか?」

 

とリリスも理由までは知らなかった。そして、廊下の移動や食堂へ向かう時もそれ以外でも、ずっとアリンは俺の後をついて来て、飯を食う時もジーと見られ、さらにはトイレの時もついてきた。

 

「いやいやいや、男子トイレはさすがにマズイだろ」

 

「私は気にしない」

 

「いや俺が気にするから、超気にするから」

 

「……難しいのね…」

 

「お前は、アリンだったよな」

 

「そう。私は神無月アリン」

 

「アリンちゃんだな」

 

と、そう親しげに魔道書は言った。

 

「魔道書?」

 

「はじめましてだな、私は"アスティルの写本"だ」

 

「ちょっと見せて」

 

「ああ」

 

そう言って俺はアリンに魔導書を見せた。やっぱりどこか小町に似てるんだよなぁ。俺の気のせいかもしれないが。とアリンを見ながらそう思ってると

 

「私の主が鼻の下を伸ばしてるぜ」

 

「えっちいの?」

 

「そうだろうな」

 

と、魔道書とアリンが話をしていたので

 

「違うわ!」

 

俺は否定した。断じて、そんな目では見てない。本当だよ?

 

「それは置いといてだな。なんで今日ずっと俺に付きまとってんだよ」

 

「付きまとう?」

 

「ああ、俺のことをずっと見てただろ」

 

「……自意識過剰?」

 

アリンそう言って真面目な顔で聞いてきた。

 

「それは違う。あれが自意識過剰だったら俺はもう一回小学校から国語の授業を受けなおすわ」

 

「ジョーク…嫌い?」

 

「嫌いとかではないがそんなことを言ってもらえる友達がいなくてな。ぼっちだったし」

 

「ぼっち?」

 

「いや、それは気にしなくていい」

 

「難しいのね」

 

アリンはそう言って間を取り、今度は冷たい声で

 

「魔王候補……を見ていたの」

 

アリンはそう言った。急に冷たい声で言ってきたので俺は少し冷や汗をかいて

 

「そ、そうか…。それより、ちょくちょく聞くが魔王候補ってのはなんなんだ?アリン、教えてくれないか?」

 

「…悪い奴の親玉?」

 

「まぁ、魔王候補って言われるくらいだからなぁ」

 

「そしてそれがあなた」

 

「で、なんで魔王候補が俺なの?」

 

「その説明は先生の担当」

 

とアリンは言った。先生というのは多分リリスのことなんだろうと俺が思っているとアリンが

 

「私は魔王の伴侶になるらしいから」

 

と、アリンはとんでもないことを口にした。

 

八幡 「は?伴侶?」

 

俺はびっくりして思わずそう聞き返してしまった。

 

「奥さん、新妻、若妻、幼妻どれがいい?」

 

「どれもよくない。ってかなんでそんなことになるんだ?」

 

「学園長が言ってたから」

 

「学園長が?」

 

俺がそう言って疑問に思っていると

 

「呼ばれて飛び出たー‼︎」

 

と窓ガラスから出てきて壁に激突していた。いやここ2階だろと俺は思ったが、もうこれ以上関わると面倒になると思い、この出来事を無かったことにしようとして

 

「詳しい話はリリスを見つけてから聞くとして、まずはリリスを探すか」

 

とアリンに提案した。

 

「そうね」

 

そう言って、アリンは俺の後についてきた。

 

「あれ⁉︎スルー⁉︎八幡君!せめて、声かけてよ‼︎」

 

と学園長は何か言っていたが俺は無視してアリンと一緒にリリス先生を探した。

 

☆☆☆

 

なんとか、リリスを見つけて近くにあった保健室で話を聞くことにした

 

「で、さっそくだが話をするか」

 

「婚前交渉?」

 

「なんでそうなるんだよ。そうじゃない。アリン、リリスにいろいろと説明してくれ」

 

と俺はアリンに説明するよう言ったが

 

「あなたたちを閉じ込めたこと?」

 

俺が説明してほしい事とは違うことを口にした。

 

「えーー‼︎あれはアリンさんだったんですか⁉︎」

 

アリンが聞いてもいない昨日の一件の事を話し、しかも自分が犯人ともとれる発言をしたのでリリスは驚きながらそう言っていた

 

「アリン。なんでそんな事したんだ?」

 

俺はそうアリンに聞いた

 

「学園長に「君の番だよ」って言われたから」

 

アリンはこう答えた

 

「あいつめ…‼︎」

 

リリスは普段口にしない事を言っていた

 

「それで普通あんなことするかよ。で、他には?」

 

「裸を見られたのはあなただけ」

 

「八幡?」

 

リリスは俺を睨んでいた。

 

「あの風呂の件は事故だ。リリスも現場にいただろ」

 

「そ…そうでしたね。でもこないだのアレはアリンさんが犯人だったなんて…」

 

「あれは、結構やばかったな。なんたってリリスたちが…」

 

俺がそう言いかけたとき

 

「八幡!あれは忘れてください‼︎」

 

と俺に強い口調でそう言った。

 

「あ、ああ…わかった。だから、リリス。ちょっと落ち着け」

 

と俺はリリスに言った。なんとかリリスも落ち着き、その様子をみてアリンが

 

「あそこに他の人がいたのは事故よ?でも待つのが面倒だったからつい…」

 

と、そう言った

 

「つい……であんな目にあったのですね……」

 

「窮地に立たせれば魔王候補が崩壊現象を起こすんじゃないかって学園長が言ってたから…」

 

「また学園長絡みか。なぁリリス、どうにかならないのか?」

 

「ご心配なく、学園長はうるさかったので縛って焼却炉に捨てて起きました」

 

そこまでするのかと俺が思っているとリリスが

 

「しかしなんで崩壊現象なんて…」

 

と呟く。

 

「多分、こういうことだと思う」

 

アリンはそう言って、左手を広げ、

 

「右手を出して」

 

と俺に、そう言った

 

「あ、ああ」

 

俺もアリンの言われた通り右手を出した。アリンは自分の左手と俺の右手とを重ねた。するとアリンの指輪が光り文字が浮かんでいた。

 

「うおっ⁉︎なんだ⁉︎」

 

「なっ…アリンさん‼︎」

 

そう言って俺とリリスは驚いた。

 

「"憤怒"(イラ)の"書庫"(アーカイブ)に接続、"テーマ"を実行するわ」

 

とアリンが言うと指輪がさらに光って、服がローブに変わった。そして辞書のようなものを出てきた。

 

「"憤怒"(イラ)のアーカイブ…‼︎メイガスモードに⁉︎」

 

リリスはそう言っていたが俺はよくわからなかった。それよりやばいな、この感じは。と俺は心の中で思っていた。

 

「私のテーマは"崩壊" だから…ほら」

 

とアリンがそう言うとリリスが俺の方をみて

 

「八幡‼︎」

 

と叫んでいた。

 

「アリン‼︎何をした⁉︎」

 

俺は苦しいのをこらえながらアリンに聞いた。

 

「あなたの魔力を抑えている魔道書の制御を崩壊させたわ」

 

「なん…だと…」

 

「おいおい、ここでコイツの魔力を暴走させる気かよ⁉︎」

 

「‼︎そんな事をしたらこの学園が…‼︎」

 

「そう、崩壊現象に包まれる」

 

「崩壊現象…だと⁉︎」

 

俺がそう言うとさらに体に衝撃が走った

 

「ぐあああ⁉︎」

 

さすがにこれ以上は魔力を制御できなくなり俺はそう叫んでいた。すると物が粒子へと変わっていった

 

「このままでは…危険すぎます、アリンさんっ‼︎」

 

「そうね。でも私のテーマ"崩壊"に最も近しい存在。どんなに人の道を外れていてもそれを研究するのが魔道士…でしょ?先生」

 

アリンがそう言ってリリスに問いかけていた

 

「そうですが…それにしても…これほどとは…」

 

リリスはそう言った。

 

その一方で

 

「あわわ、何事です⁉︎」

 

「崩壊現象が発生してるみたいっスね」

 

「ええーっ‼︎」

 

「ほら外に」

 

「黒い太陽…」

 

レヴィとセリナはそう会話していた。そして焼却炉にいたはずの学園長はというと

 

「ふー、やれやれ。いやはや…これはまた…アリンちゃん、派手にやるねぇー。このまま学園崩壊‼︎ っというのも燃える展開だけど、そうもいかないかな?」

 

とそんな事を呟いていた。

 

そして、崩壊現象を起こしている八幡はというと魔力を最大に放出していた

 

「うおおおっ‼︎」

 

と俺は叫んでいた。かなりやばい、背中に翼も生えた感触もあるな。と俺が思っていると

 

「八幡‼︎ っく…魔王候補の力がここまでとは」

 

リリスは俺の姿を見て驚いていた。アリンもここまでとは思っていなくて、リリス同様に驚きを隠せないでいた

 

「こうなったら…」

 

と、リリスは俺に銃口を向けた。俺を殺すという選択に出たのだ。しかしアリンが俺の横に立ちそれを阻止していた。

 

「なっ⁉︎ どきなさい‼︎」

 

とリリスはそう言うが

 

「させないわ先生、彼は私の旦那様よ?」

 

とアリンはそう言って拒否していた

 

「ですが、八幡を止めないと学園もあなたも…」

 

「私はこの崩壊の先に何があるのか知りたい。それが魔道を追求するということでしょう?」

 

とアリンがリリスに問いかけたとき

 

「なーるほど、そいつを止めればいいだけなのか」

 

と聞いたこともない声が聞こえた。その直後に壁に亀裂が入り粉砕して知らない2人が入ってきた。

 

「こりゃ、ビックリだな‼︎崩壊現象を止めて帰ってきたら、学園でも崩壊現象が起きてるなんてな」

 

「そんな…確か検閲任務中のあなた方が何故ここに⁉︎」

 

「そんなもん、瞬殺で帰ってきたよ」

 

と言って保健室に入ってきたところで、俺は知らない2人と目があった。前にレヴィに紹介された不動アキオと山奈ミラの2人だったと思い出した。そして

 

「⁉︎崩壊が停止させられてる…」

 

アリンが今の状況に気付き、そう言った

 

「私の魔術で同等の崩壊の力をぶつけて中和させています」

 

「っ⁉︎」

 

「私の"傲慢"(スペルビア)のアーカイブに属するテーマ"正義"の名の下に私の前で一切の不浄は許しません‼︎」

 

ミラはそう言った。俺はその会話を呼吸を整えながら聞いていた。すると

 

「…アキオ、彼を殺してください。この男が崩壊現象の原因であり起点です」

 

ミラはアキオにそう言い、俺を殺すように指示を出した

 

「あっさり言ってくれるぜ。まったく」

 

とアキオはそう言っていた

 

「いけません、アキオさん‼︎」

 

とリリスは青ざめた表情で言った。

 

「…っ⁉︎身体が動かないわ…⁉︎」

 

アリンは八幡の前に立ち阻止しようとしていたができなかった。

 

「悪く思わないでくれよ。お前に恨みはないが…魔を討つのが私の役目なんでね⁉︎」

 

そう言って俺を蹴ろうと俺に近づき、蹴飛ばした。その時、俺は小町を助けられなかった、この状況ですら、自分自身で解決すらできない事を悔やみながら俺は意識を手放した。

 

 

ーto be continuedー

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
今回は最後の方だけでしたが山奈ミラと
不動アキオが登場しました。
でついに八幡が…どうなったかは
次回の話でわかると思います。
次回は崩壊現象を止めるお話、そして
できたら水着回へと入っていきたいと思います。
原作とは違う展開にするかもしれないです。
後、この話で原作1巻は終了です。
次は、ブレンドSの方を投稿すると思うので
トリニティセブンの方の更新は早くて
1週間後ぐらいになりそうです。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第06話 夢の中の少女

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ありがとうございます。
UAが10000突破しました。
みなさん本当にありがとうございます。
あとがきでは早くて1週間後に更新と
言ってましたが、筆が進んだので思った
より早く投稿できました。
あと、第05話のあとがきで第06話では
水着回までやると言っていましたが次回に
見送る形にしました。すみません。
なので今回は崩壊現象を止める
ところまでの話です。

それでは、今回もよろしくお願いします。


ー トリニティセブン side ー

 

八幡がアキオに蹴られた後

 

「八幡‼︎」

 

とリリスは叫んでいたが八幡の姿はない。

 

「ありがとうございます。アキオ」

 

「やれやれ…これで終わりっと…」

 

「彼の魔力が消えたわ」

 

「そんな…」

 

そう言ってリリスは床に座り込んでしまった。

 

「…さて、仕事は片付きました。帰りましょうかアキオ」

 

とミラが言った直後、ゴゴゴと音を立て、また崩壊現象が始まった

 

「崩壊現象が終わらない⁉︎」

 

「どういうことだ大将‼︎アイツが崩壊現象の基点じゃないのか⁉︎」

 

「間違いないはずなのですが…、ですが考えられる最もシンプルな答えは一つ…」

 

とミラがそう言い

 

「まさか…八幡‼︎」

 

リリスはそう叫んでいた。

 

ー side out ー

 

 

ー 八幡 side ー

 

俺はもう死んだ。と思っていたのだが、

なぜか暗い闇の中に俺はいた。

 

「どこだここは?俺は、確かアキオの蹴りで吹き飛んで死んだと思っていたんだが」

 

と俺はそう言って辺りを見回す。何もない。しかも、魔道書もどっかにいってしまっている。もうダメなのかと思っていると、どこからかヴァイオリンの音がしていた。俺はその音がする方へ行った。すると目の前にドアがあった

 

「よし、入るか」

 

と俺は覚悟を決めてドアを開け部屋の中へ入った。すると見る限り、女の子といった部屋だった。そこに1人の女の子がヴァイオリンを弾いていた。そして俺と目が合うと、ヴァイオリンを弾くのをやめて

 

「ようこそ"ユイの部屋"へ」

 

女の子がそう言った。が、俺はユイという言葉を聞き、思わず顔を顰めてしまった

 

「大丈夫?八幡お兄さん」

 

と女の子はそう言った。

 

「ああ、ちょっとユイって言葉が聞こえたもんでな。俺が前の世界にいたときにもユイっていう縁を切ったやつがいてな、それを思い出してちょっと変な気分になっただけだ。気にしなくていい。もう大丈夫だ、落ち着いた。それよりお前はユイって名前でいいんだよな、なんで俺のことお兄さんって言ったんだ?」

 

「うん!倉田ユイだよ。んー、それはなんか、年上っぽかったからかな」

 

「そうか。で、ここはどこだ?天国ってわけではなさそうだが」

 

「お兄さんは必殺のアキオちゃんキック‼︎で木っ端微塵になりそうだったからね。ギリギリのところで引っ張りこんだんだけどおかげで外も大変みたい」

 

そう言ってユイは俺に学園の様子をみせた。学園が粒子となって消えているところだった

 

「おいおいマジかよ…」

 

俺がそう言うと

 

「マジだよ。このままじゃ学園崩壊だね」

 

とユイは落ち着いた様子でそう言った。その後に

 

「そうか。どう止めるかだな…」

 

と俺がそう呟くと

 

「自分で止めようとするんだね」

 

とユイは俺に言った。

 

 

「まぁ、俺が原因でこうなったからな」

 

「でも崩壊現象の止める方法は知ってるの?」

 

「それは知らないが、でも俺がどうかしないといけないんだ」

 

「ふーん。でも意外だなぁ。お兄さんがそんなに熱くなるなんて」

 

「ああ。でも、もうこれ以上あれに巻き込まれる人を見たくないんだ。もう…失いたくないんだよ」

 

「そう。じゃあ、コントロールすることを考えなきゃね」

 

「そんなことができるのか?」

 

「うん、できるよ。お兄さん自身が自分の「テーマ」を見つけて、ちゃんと魔力であの力を支配するの」

 

「また、テーマか…」

 

俺はそう呟く

 

「そうっ!魔道を目指すなら研究テーマが必要なの。全てはそこから始まりそこに帰結するものなの」

 

「傲慢(スペルビア)、憤怒(イラ)、怠惰(アケディア)、嫉妬(インウィディア)、強欲(アワリティア)、暴食(グラ)、色欲(ルクスリア)、この七つの大罪を書庫(アーカイブ)としてその中からそれにちなんだテーマを探す。それがお兄さんがあれをコントロールをする一番の近道かな」

 

とユイが丁寧に説明してくれた。

 

「そうか、大体わかった。今の説明聞いて、テーマも決めれたし俺はもう行くわ」

 

と俺が言うと

 

「もう行っちゃうの?」

 

とユイが聞いてきた

 

「ああ、アレをなんとかしないといけないし、どうにかしないとここも危なくなるだろ?」

 

「まあね。もう行けそう?」

 

「ああ、いろいろとありがとな。じゃあ行ってくるわ」

 

と俺はそう言ってユイの頭を撫でた。

 

「うん!またね!」

 

とユイと言葉を交わして俺は崩壊現象を止めるべく学園へと戻った。その後ユイはというと

 

「もっと頭撫でてほしかったなぁ。また会えるといいね。お兄ちゃん」

 

と呟いていた。そしてお兄ちゃん呼びに変わったのを八幡が知るのはだいぶ後のことである。

 

ー side out ー

 

学園にて

 

「いよいよこのままだとジリ貧ですね…アキオ、いっそこの辺りの空間ごと消し飛ばしてしまいましょう」

 

とミラはすごいことをさらっと言っていた。

 

「はぁ⁉︎ …ったく、無茶いうよな大将は」

 

とアキオが慌てながらそう言った後、床に亀裂がはいる。

 

「ん?」

 

アキオはそれに気づき床を見た

 

「うぉっ‼︎」

 

そして、俺は床から学園に戻ってきた。なんか変な感じだと思っていると

 

「なっ!」

 

「えっ…」

 

とミラとリリスは俺の変わった登場の仕方に驚いていた

 

「なんとか…戻ってこれた」

 

「八幡!生きていたのですか⁉︎」

 

とリリスは驚きながら俺の方を見てそう言った

 

「ああ、心配かけたな。俺は大丈夫だ。ユイに助けられたからな」

 

と俺が砂を払いながらそう言うと

 

「アキオ…どうやらあなたは失敗していたのですね…」

 

とミラは冷たい視線でアキオにそう言った

 

「しっ…仕方ないだろ⁉︎ユイが庇うなんて思わないしっ⁉︎」

 

とアキオは子どものような反論をミラにしていた

 

「ではもう一度、今度は確実に仕留めてください」

 

とミラはまたアキオにそう命じた

 

「ちぇっ…ホント人使いが荒いぜ…」

 

と文句を言って俺の方に近づいた

 

「ちょっと待ってくれ。俺がこの崩壊現象をどうにかする。そうすれば、俺を殺す必要はなくなるよな?」

 

と俺は言ってアキオを静止させ、ミラ達に問いかけた

 

「何を言い出すかと思えば…」

 

ミラは呆れながらそう言った

 

「そうですよ八幡‼︎崩壊現象をどうにかするなんてさすがにできません‼︎」

 

「いや、学園長曰く「魔道はすべての可能性を否定しない」んだろ。だからやってみないとわからないだろ?」

 

「はぁ、あなたみたいな目の腐った人に崩壊現象をどうにかできるはずはありません」

 

とミラが苛立ちながらそう言った

 

「まぁいいじゃないかミラ。出来たらOKで出来なきゃ殺せばいいんだし」

 

とアキオが助け船をだし、そう言った

 

「はぁ、わかりました。仕方ありません、いいでしょう。…ただ、少しでも失敗したら本当に容赦なく消滅させますからね」

 

とため息を吐きながらミラはそう言った

 

「ああ、それで構わない」

 

と俺が言うとリリスが

 

「………」

 

無言のまま俺の方を見ていた

 

「おい、魔道書」

 

俺は魔道書に声をかけた

 

「あん?テーマは決まったのか?」

 

と魔道書はそう答えて、俺にテーマについて聞いてきた

 

「ああ、決まった。だから、気に入ったテーマならちゃんと俺に力を貸してくれよ」

 

と俺が言うと

 

「いいぜ。気に入ったら契約を結んでやるぜ」

 

と魔道書は言ったので

 

「ああ、俺のテーマは…"傲慢"(スペルビア)の書庫(アーカイブ)"支配"(インペル)だ」

 

と俺は決めたテーマの名を言った

 

「はっはっは‼︎確かにお前さんに合ってるな。いいぜ、今ここにアスティルの写本は"傲慢"(スペルビア)の書庫(アーカイブ)に属する"支配"(インペル)をテーマにするマスターと契約することを誓うぜ‼︎」

 

魔道書は気に入ったようで俺との契約を誓った

 

「じゃあ、いくぞ。"傲慢"(スペルビア)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行する‼︎」

 

俺がそう言うと制服から真っ黒な服になり黒いマントもはためいた

 

「そんな‼︎八幡のメイガスモード…」

 

リリスは俺が変身したのを見て驚いていた

 

「もうこれ以上俺以外の奴に迷惑をかけるな。崩壊現象で溢れている魔力、ここに集まれ」

 

と俺が手を前に出してそう言うと、手の周りから光が溢れて、崩壊現象を包み込むほどの光が放出した。その光が消えると、崩壊現象が消え、元の王立ビブリア学園に戻っていた

 

「成功したか…」

 

俺は周りを確認してそう呟いた

 

「そのようですね」

 

とミラは不満そうにそう言っていた

 

「じゃあ、これで俺は殺す必要はないよな」

 

「ええ。崩壊現象も止まっていますし、不本意ながら退くしかありません。…ただ、次は容赦しませんから」

 

「ああ、わかった」

 

俺がそういうと、ミラはどっかに行ってしまった

 

「はぁ、疲れた」

 

ミラが部屋を出た後、俺はそう呟いた

 

「大丈夫ですか?」

 

と、リリスは覗き込むように俺の方を見てそう言った

 

「ああ。リリスか、なんとか大丈夫だ。俺はもう疲れたから部屋に戻るわ」

 

俺は崩壊現象を無事止めることができ、リリスたちにそう言って、自分の部屋に戻った。

 

 

 

ーto be continuedー

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
今回は崩壊現象解決編でした。
新たにユイちゃんが登場しました。
それと原作通りに八幡は
傲慢の支配がテーマです。
しかし、アラタのような女の子が
スッポンポンという姿にはならないと思います。
そして次回はちゃんと水着回に入ります。
早めの更新を心がけて頑張ります。

それでは、次回もよろしくお願いします。




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第07話 夏だ!海だ!水着だ!バイトだ…

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いつもありがとうございます。
風邪をひいてしまい治すのに時間がかかり
更新が遅れました。すいません。
今回は予告通り夏のイベント、水着回です。
原作改変と飛ばした話、シーンなどが
かなりあると思います。
大目に見てくれるとありがたいです。

それでは、今回もよろしくお願いします。



崩壊現象の一件が過ぎ、もう気づけば夏になっていた。別に夏はそんなに嫌いではない。なぜなら学生には嬉しい、夏休みがあるからだ。俺も正直嬉しいがこの状況ではまだそうは思えなかった。なぜなら

 

「何で俺がバイトなんか…」

 

そう俺は呟いていた。なぜなら俺は今

南の島でバイトをしている。前まで、働いたら負け

とまでいったこの俺がバイトをしている。

なぜこんなことになったのかは前回の話を読んでいれば分かると思うが崩壊現象を俺の意思ではないが、起こしてしまい校舎を壊してしまった。その罰としてバイトという労働を課せられたのだ。

だるいなぁ。俺も海で1人、浮き輪でぷかぷか浮いてのんびりしたいなぁと思っていると

 

「焼きそば2つください」

 

と客からのオーダーがはいった

 

「はい。2人前ですね」

 

「コーラ3つください!」

 

「はい」

 

「ホットドッグ1つ!」

 

「はい。少々お待ちください」

 

と俺はお客さんの注文を聞き迅速に対応する。

その後にさっきの俺の呟きを聞いていたのか

リリスが俺のところに来て

 

「自業自得です‼︎…そもそもあなたたちが学園の校舎を壊したからですよ!」

 

とそう言った。

 

「そうは言ってもだな」

 

「そうよ…だんな様のせいだもの。しょうがないわ」

 

アリンも俺のところに来てそう言った。

 

「ちょっと待て、俺も確かに悪いがほとんどアリンのせいだろ」

 

「つまり夫婦の共同作業?」

 

「夫婦で学園は壊さないと思うが…。ってか俺たちは夫婦じゃないだろ」

 

「難しいのね…」

 

「いや…難しくないだろ」

 

そう俺らが会話していると

 

「と、とにかくっ‼︎今後、校舎を破壊するような真似は一切禁止ですからね‼︎」

 

とリリスは強い口調でそう言った。

 

「はい。すみません」

 

「…難しいのね」

 

と俺は謝り、アリンはいつもの口癖を言っていた

 

「しかし、罰でバイトならまだわかるが、なんで南の島でなんだ?」

 

俺は疑問に思っていた事をリリスに聞いた

 

「ああ、それはですね…学園長の希望で南の島で修学旅行が計画されていたんです。なので校舎が使えない今に実行してしまおうとのことです」

 

とリリスは答えた

 

「なるほどな。でも本当の目的はただ遊びたかっただけだろうな。で、その企画した学園長は今どこにいるんだ?」

 

「学園に残って校舎を直しています」

 

「へぇ…。やっぱり学園長は凄いんだな」

 

と俺がそう言った後にレヴィとセリナがやってきて

 

「あれでも学園長はこの世界で5本の指に入る大魔道士ですから」

 

とレヴィがそう言った

 

「お前らも来てたのか」

 

「それはペタ属性のみなさんを悩殺するためっス」

 

「ってそんなに私はペタじゃないですよ⁉︎」

 

「ペタ娘はステキですてモテモテですてマジMMですてね?八幡さん?」

 

「俺に振らないでくれ」

 

と俺はそう言った。ってかレヴィのやつ変な喋り方になってないかと俺がそう思っていると

 

「まぁ、胸といえば…」

 

とセリナはそう言ってリリスの羽織っていたパーカーを剥ぎ取った。すると赤いビキニが見えた。リリスは俺と目が合い、とっさに隠そうと胸元を押さえようとしていたがあまり意味がなかった

 

「ビキニって凄いですね…」

 

とセリナはそう言って頰を赤くしてリリスを見ていた

 

「そりゃほら、八幡さんを悩殺してメロメロにするために決まってるっス」

 

とセリナの後にそう言って、俺をからかいながら俺を見てきた。リリスも俺の方を見てきて何か言って欲しそうな目で見てきたので

 

「あー、その…なんだ。リリスの水着は似合ってると…思うぞ」

 

と俺はそうリリスに言った。

 

「あ、ありがとうございます」

 

リリスがそうお礼を言った。その後に

 

「よかったっスね。八幡さんに褒めてもらえて。それも八幡さんが崩壊現象を止めてくれたおかげっスね」

 

とレヴィはそう言った

 

「そ、それは本当ですか!」

 

そのレヴィの発言にセリナが反応してそう俺に聞いてきた。

 

「あ、ああ。メイガスモードってやつになって止めたと思う」

 

と俺はそう答えた

 

「おおおー‼︎ついに魔道士デビューですねっ!それと八幡さんのはどんな能力なんですか?」

 

セリナは興奮し俺に近づきながらそう聞いてきた。

 

「えっと…どんな能力だっけな。アリンはわかるか?」

 

俺はセリナとの距離を取りながら、自分もよくわからないのでアリンに聞いた

 

「ええ。わかるわよ、だんな様。その場にある魔力を集めたり、前にはやってなかったけど魔力を打ち消す事もできるのよ」

 

アリンはそう説明してくれた

 

「そうなのか。説明ありがとなアリン」

 

俺はそう言ってアリンの頭を撫でた。アリンはなぜか頰を赤くして俯いていた

 

「へぇ〜〜‼︎凄いです‼︎じゃあ、今ここでメイガスモードになる事もできますか?」

 

セリナはまた興奮しながら俺にそう聞いた

 

「それは分からん。リリスにでも聞いてくれ」

 

と俺はリリスに聞くように言った

 

「リリスさん!どうなんですか?」

 

「出来ると思いますが、ほいほい見せていいものではないので……」

 

リリスがそう言った後に

 

「…なるほど‼︎」

 

「リリス先生の胸みたいなもんっスね」

 

とレヴィはそう言って、リリスの胸を掴んだ

 

「ひっ‼︎ひぃあああ‼︎」

 

リリスは突然、胸を掴まれたので悲鳴をあげていた

 

「こっ…これは凄いっス…‼︎」

 

レヴィは興奮しながらさらに揉んでいた。リリスは普段は出さない甘い声を出していた。どんな甘い声を出していたのかはエロすぎるのでご想像にお任せするとして

 

「おい、レヴィ。その辺にしといた方がいいぞ。周りとリリスを見てみろ」

 

と俺はさすがにこの状況はやばいとそう思い、レヴィにそう言った

 

「え?」

 

レヴィは俺の言葉を聞き、周囲を見渡し、リリスの方を見た

 

「レヴィさん!いい加減にしてください!」

 

リリスは顔を赤くしながらレヴィにそう言ってレヴィに説教をしていた

 

「うう…足が痛いっス」

 

とレヴィは言ってこちらに戻ってきた。まぁ長いこと正座させられて説教受けてたから無理もないが。でも、これはレヴィが悪い。

 

「まぁレヴィの自業自得だな。それよりリリスをどうするかだろ?」

 

俺はそう言った

 

「そうっスね。さすがにやりすぎたっス」

 

とレヴィはそう言って反省していた。リリスの方はというと

 

「もう、お嫁に行けないです…」

 

さっきの胸を揉まれたのを思い出したのか下を向いて座り、そう呟いていた。

 

「まぁ、そう落ち込むな。リリス」

 

俺はそうリリスに声をかけた。その後に

 

「そうっスよ。リリス先生、八幡さんがお嫁さんに貰ってくれるっスよ」

 

レヴィがそんなことを言っていた

 

「え?」

 

リリスも驚きながらこっちを見た

 

「ちょっと待て、なんでそうなるんだ」

 

「いいじゃないっスか!リリス先生みたいな可愛い人はあまりいないっスよ。八幡さん」

 

レヴィはそう俺に聞いていた

 

「それはそうだが、俺じゃなくてもいい男はたくさんいると思うが…」

 

一応肯定はしたが、まぁリリスは俺とは釣り合わない。もっといい人がきっといるはずだ。そんな事を思いながらそう答えた

 

「そうっスかね?」

 

レヴィはそう聞いていたので

 

「ああ、そうだろ」

 

俺はそう答え、続けて

 

「そんな事より気分転換に海で遊ばないか?」

 

とさっきの話を打ち切って、こう提案した

 

「まぁ、それもそうっスね」

 

レヴィはさっきのことはもう聞かず、俺の提案に賛成し、そう言った

 

「はい!是非、行きましょう!」

 

とセリナも賛成しそう言っていた

 

「みんなもこう言ってるし、リリスも行くか?」

 

俺はそう言い、リリスに聞いた

 

「は、はい」

 

リリスはそう小さい声で言った

 

「ほれ」

 

と俺はそう言って手を差し伸べた

 

「あ、ありがとうございます」

 

とリリスは俺の手を取り、立ち上がってそう言った。

そのあと、みんなでビーチバレーや海に入ったりなど楽しいひと時を過ごした。そして夕方になりみんなが旅館に戻りはじめた。俺もたまにはこういうのもいいかもなと思いつつ俺も旅館へと戻った

 

 

ーto be continuedー

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
今回は前書きでも言ったように水着回でした。
トリニティセブンのアニメ
水着回をまた観ました。
やっぱりいいですね。スタイルがいい!
誰がとはいいませんが。正直
アラタが羨ましいと思ってしまった。
それと今回は短くてすみません。
次回は夜の旅館編です。
ちゃんと書けるように頑張ります。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第08話 露天風呂と錬金術師

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ありがとうございます。

それでは、今回もよろしくお願いします。



俺は部屋に戻り、ベッドに寝っ転がった

 

「あー、疲れた」

 

「お疲れだな。マスター」

 

「なんだ魔道書か。ってかなんだマスターって?」

 

俺は魔道書にそう聞いた

 

「ん?ああ、契約者の事をそう呼んでるだけだぜ」

 

「ああ、そういうこと」

 

俺は魔道書の言葉を聞いて納得した

 

「それより、疲れてるんだろ。風呂には行かないのか?」

 

と魔道書は俺に聞いた

 

「そうだな。露天風呂もあるみたいだし、そうするわ」

 

「そんじゃあ、行こうぜマスター」

 

俺と魔道書がそう言った後、扉をノックする音がした

 

「どちら様で…ってお前らか。どうしたんだ」

 

俺はそう言って扉を開けた。するとそこにはリリスとレヴィとセリナがいた

 

「八幡さん。風呂に行かないっスか?」

 

「私もそんな感じですよ!」

 

レヴィとセリナはそう言っていたが

 

「ちょっと待て。風呂は男湯と女湯しかないんだから、女同士で入ってこいよ」

 

俺はそう言ったが

 

「いえいえ、八幡さん。ここの旅館には混浴があるっス。だから一緒に行くっスよ」

 

レヴィはそう言って俺の腕を引っ張ってきた。

 

「いや、余計に一緒に行きたくないわ。ってかリリスも教師なんだから止めてくれよ」

 

俺はレヴィの手を優しくはらいのけて、そう言った

 

「私も止めたのですが、言うことを聞かなくてですね…」

 

「混浴ぐらいいいじゃないか、マスター。行こうぜ」

 

「魔道書もこう言ってるので行くっスよ」

 

「はぁ、わかったよ。行けばいいんだろ」

 

俺はそう言ってレヴィたちと風呂に向かった。その道中に

 

「そういえば、八幡さんに聞きたいことがあるですけど、なんで魔道士になったんですか?」

 

とセリナはそんなことを聞いてきた

 

「えっ?そ…それは…」

 

なぜかセリナの質問にリリスが反応し、そう言って俺の方をチラッと見てきた。

 

「それはだな…崩壊現象で消えた妹を取り戻すために俺は魔道士になったんだ」

 

俺は簡単にセリナ達に説明した。

 

「そんな理由があったんスね」

 

「私も八幡が魔道士になるって言った時はびっくりしました」

 

「まぁ兄として妹を助けるのは当然のことだからな」

 

と俺が言うと

 

「さすが、だんな様ね」

 

アリンがどこからか出てきて

 

「うおっ!アリンいつの間に…」

 

俺は一歩後ずさりしながら言った

 

「さっきよ。風呂に行くって聞こえてきたから付いてきたの」

 

とアリンは言ったが今はアリンのことは置いといて俺はリリスに

 

「そうか。それより、崩壊現象に飲み込まれた人を助けたことってあるのか?」

 

そう俺はリリスに聞いた

 

「ないわけではないでしょうが、そんな事例は今時点ではないですね」

 

リリスはそう答えた

 

「でも学園長はなんか知ってそうだよな。確かトリニティセブンを手篭めにしたり仲間にしたりすればなんとかなる的な事を言ってた気が…」

 

俺がそう言うと

 

「てっ…手篭め‼︎」

 

セリナはそう言って頰を赤くしていた

 

リリス 「そんなことはしなくてもいいですからね。八幡‼︎」

 

リリスはそう言い俺の方を見た

 

「いや、別に俺はそんなことしないんだが…そういえばトリニティセブンって全員揃ったんだっけ?」

 

と俺はそう答えて話を強引に変え、そう質問した

 

「まだ揃っていないっスね」

 

レヴィがそう俺の質問に答えた

 

「えっと、確か…リリスとレヴィとセリナとアリンと…」

 

「後は、ミラさんとアキオさんですね」

 

「あれ?それだと足りなくないか。7人いるんだろ、後の2人は?」

 

と俺が聞くと

 

「1人はユイさん…って方がいるんですがほとんど学園では見かけないんです…」

 

セリナがそう言った

 

「ん?ユイなら1回だけだが会ったことあるぞ」

 

と俺がそう言うと

 

「ええーっ‼︎そうなんですか?」

 

セリナは驚きながらそう言った

 

「そんな驚く事か?」

 

「そりゃ驚きますよ!ユイさんは特殊な魔道士なので夢の中でしかお話できないんですよ」

 

セリナはそう言った

 

「そうだったのか。じゃあ後の1人は?」

 

俺がもう1人を聞くとセリナは黙ってしまったが、リリスが答える。

 

「八幡が来る前に失踪したまま行方不明です」

 

セリナのかわりにこう答えた

 

「そうか、まだ全員とは会えないって事か」

 

「まぁ、今はとりあえず会える人から会ってみるのはどうっスかね?」

 

「それもそうだな。いずれ会えると思うし、焦っても意味ないからな。っと風呂についたみたいだな」

 

と俺が言うと

 

「じゃあみんなで混浴に入るっスよ!」

 

レヴィはテンションを上げて更衣室の中に入っていきリリスとセリナも続いて入っていった。

 

「ったく何で混浴に入るだけであんなにテンションが高いんだよ」

 

俺はそう言いながら外でしばらく待っていた。なぜと思うかもしれないが女の子と一緒に着替えるのはさすがにまずいので時間を空けて入る為だ。俺がさっき言っていた言葉を聞いていたのか魔道書は

 

「いいじゃないか、お誘いなんだろ。それと女の子と一緒に風呂に入れるんだから楽しもうぜマスター」

 

とこう言っていた

 

「俺にはハードルが高いんだよ。男湯の方がいいんだが」

 

と俺と魔道書が話をしていると

 

「やはりあなたは不浄ですね」

 

俺と目が合いミラはそう俺に言った

 

「ミラ達も混浴に来てたのか。あと話聞いてた?それと俺のどこが不浄なんだよ」

 

と俺はミラにそう言ったが

 

「あなたと初めて会った時から不浄と認定しています。では私たちは失礼します。行きますよアキオ」

 

とミラは言い混浴に行こうとしていたが女湯に変えていた。まぁ俺といるのが嫌なんだろう。

 

「ったく何でこんなに俺は嫌われてんのかね…まぁいいや。風呂に行って、ゆっくり浸かろう」

 

と俺はそう呟き、更衣室で急いで服を脱ぎ、風呂へと向かった。そして、扉を開けると

 

「八幡さん遅いっすよ」

 

と水着姿のレヴィにそう言われた。後のみんなも水着だった。

 

「わるいな。さっきミラ達とちょっと話してたから、少し遅れた」

 

俺はそう遅れた理由を言いながら身体を洗った

 

「え?そうだったんですか。ではミラさん達は今どこに?」

 

俺の言った言葉にリリスが反応し、俺にそう聞いてきた。なので俺は

 

「ああ、女湯の方に行ったぞ。俺がいるから混浴はやめたんだと思う」

 

とリリスにこう言った

 

「そうですか…」

 

リリスは納得した感じにそう言った

 

「それより、露天風呂は最高だ。はぁー生き返る」

 

「ほんとっスね」

 

「一生こうしていたいんだがな」

 

俺がそう言うと

 

「それはダメですからね!」

 

リリスに怒られてしまった

 

「リリス、今のは冗談だから。っとそうだ!リリスに質問したいことがあるんだが」

 

と俺はそう言い、怒るリリスに謝り、質問していいかと聞いた

 

「いいですよ。なんでしょうか?」

 

「ふと思ったんだが、リリス達の魔術とかも俺が使えるのかと思ってな」

 

と俺はリリスに聞いた

 

「無理だと思います」

 

俺の質問にリリスは即答してそう言った

 

「じゃあ例えば俺がリリスの真似をして俺の魔術で同じものを作り出すって方法でもダメなのか?」

 

もう1つ質問をしてみたが

 

「うーん…それも無理だと思います。私と八幡では書庫(アーカイブ)もテーマも魔術式も違いますから」

 

とリリスは言った。

 

「基本的に書庫(アーカイブ)がテーマが同じでもない限り他人の魔術のコピーは不可能っス」

 

リリスの後にレヴィも続けて言った

 

「そうなのか」

 

「魔術のコピーは無理だと思いますがそれでもトリニティセブンに会うだけでも意義はあるかもしれません。そこでそれぞれの得意な魔術を見せてもらうんです」

 

セリナもレヴィの後に発言し、ある提案をしてくれた

 

「…ああ、それはいいかもしれないっスね。八幡さんは魔王候補見習いみたいなもんですし」

 

レヴィもセリナの提案に賛成しそう言った

 

「そうか。じゃあリリス。リリスの得意魔術を見せてくれないか」

 

なので俺はセリナの提案を利用し、リリスに魔術を見せてくれないかと頼んだが

 

「ま…魔術というのはですね…そう簡単に見せてはいけないものなんです…っ」

 

リリスはそう言って拒否をしたが俺も後には引けないので

 

「頼む、リリス。見せてほしい、俺はこんなところで立ち止まるわけにはいかない。こうしてるあいだにも小町がどうにかなっているかもしれない。リリス達にも何かしら被害を受ける可能性だってあるかもしれない。そんなのはゴメンだ。もう俺は大切な人を失いたくないし傷つけたりしたくないんだ。だから頼む」

 

と俺はそう言い、頭を下げてリリスにお願いした

 

「…しょうがないですね。これは借りですからね。八幡」

 

リリスは俺が頭を下げてお願いしているのをみて渋々ではあったが見せてくれることになった。貸し付きだったが

 

「ああ、なんでも1つリリスの願いをきいてやるよ」

 

俺はそれぐらい安いもんだと思い、こう答えた

 

「それでいいですよ。それじゃあ、やりますよ」

 

リリスはそう言ってアーカイブを開き、銃を作り出した

 

「これがリリスの魔術か」

 

俺がそう言うと

 

「そうです。これが私の魔術"錬金術"(アウター・アルケミック)です。物質交換が基盤なので使いこなせるようになればこのような金属の生成変換は得意とするところです。それと………」

 

とリリスが説明している最中に

 

「おい魔道書」

 

「ん?なんだマスター」

 

「さっきのリリスの話は聞いていただろ。俺の魔術とかでなんとか銃を生成できないか?」

 

俺と魔道書はこんな会話をしていた

 

「って八幡!私の話を聞いてましたか⁉︎」

 

リリスも途中から俺が説明を聞いていないのに気づき、そう俺に言った

 

「途中までな。それでどうなんだ魔道書」

 

俺はリリスにそう答えた後に、魔道書にできるかどうか聞いた

 

「できるぜ。どれ…ちょいとやってみるかな」

 

と魔道書は言って術式を展開しようとしていた

 

「だから、さっきは無理だと…え?」

 

リリスは何かいいかけた後、魔道書の方を見ていた

 

「おっ」ゴッ

 

「プロセス1クリア、プロセス2クリア、プロセス3クリア」

 

と魔道書はそう言い、俺の胸のあたりで生成を初めて見事にリリスと同じ銃を作ってみせた

 

「おー!これがリリスの魔術か」

 

俺がそう言うと

 

「え?そ…そんな…バカな⁉︎こんなに簡単に錬金術式が使えるわけがありません‼︎」

 

リリスは驚きながらそう言い、俺の手から魔道書が生成した銃を取って見ていた

 

「そりゃ、カンペキにってわけじゃないさ」

 

とリリスの発言の後に魔道書はそう言った

 

「えっ?」

 

「私は「お前さんの魔術」をマスター用にアレンジしてパクっただけだからな」

 

と魔道書はどう作ったのかを説明していた

 

「そ…それって…」

 

「だんな様は…」

 

「他の魔道士の魔術すら使いこなせるかもしれない…」

 

「「「ってことですか…?」」」

 

セリナとアリン、リリスはそう言っていた

 

「まぁそういうことだろうさ」

 

魔道書はその3人の発言を肯定した

 

「そうかやっぱり俺にはすでにマジカルなカがあったわけだ。よし魔道書、元の姿に戻ってくれ」

 

俺はよく分かってはいなかったが凄いことはできたんだろうと思い、魔道書に元の姿に戻るようそう言った

 

「了解したぜ。マスター」

 

と魔道書は言って元の姿に戻った

 

「というわけでなんとかなりそうだな。本当にリリスありがとな」

 

と俺はそう言い、リリスにお礼を言った

 

「え…ええ。役に立ったのなら私は嬉しいです…」

 

リリスも素直にお礼を受け取った

 

「じゃあ俺はもう風呂から出て先に部屋に戻るわ」

 

「ええ、わかりました。それと明日は早く起きてくださいね。午前中にはここを出発して学園に帰りますから」

 

「ああ、わかった」

 

そう俺はリリスとそう言葉を交わし、風呂を出て更衣室で着替え、夕食をとりそのあとすぐに部屋に戻り、明日に備えて早めに寝た

 

 

ーto be continuedー

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第09話 新たな崩壊現象

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ありがとうございます。

それでは、今回もよろしくお願いします。



次の日の朝、俺は朝食を取ってから部屋に荷物を取りに行き、学園へと戻った。学園に戻るとまだ直している最中だった。しかし午後から授業を再開するようでそれまでは寮で待機するようにリリスに言われたので午前中は寮でくつろいでいた。そして午後になったので教室へ向かう。その道中俺は魔術のコピー能力か、これなら小町も助けられるかもしれないとそう自分の能力のことを思い出し今後の事を考えながら向かっていた。途中、リリスと合流し教室へと入った。すると

 

「ん?なんだ、みんな寝てるな。おーいセリナ起きろ」

 

と俺はそう言いセリナを起こしてみるが起きなかった

 

「起きないな。これなら午後からの授業もなくなるな。よし俺ももうひと眠りするか」

 

と俺がそう言うと

 

「八幡は寝なくてもいいですっ‼︎」

 

とリリスに怒られてしまった

 

「まぁ冗談だ。それより寝た奴らはどうすんだ?」

 

と俺はそう言った

 

「八幡さん。これは寝てるとかじゃないっスよ」

 

いつもどおりに突然現れてレヴィは俺の発言の後にそう言った

 

「そうなのか?とりあえず、この事を学園長に伝えないとな」

 

と俺が言うと

 

「そうっスね。リリス先生も行くっスよ」

 

「もちろん、そのつもりです」

 

レヴィとリリスもそう言って俺と共に学園長室に向かった

 

 

☆☆☆

 

そして、学園長室に入った。そこにはミラとアキオもいた

 

「彼女達のことは別に気にしなくていい。何か言うことがあるんじゃないのかい?八幡君」

 

と学園長に言われたので、俺とリリスで学園長に教室で起こったことを説明した。すると学園長は

 

「これは崩壊現象だね。強い魔力を持つ子…つまりキミら以外の生徒はみな寝てしまった。そういう事だろうね」

 

とそう学園長は言った

 

「また崩壊現象か…」

 

と俺が言うと

 

「…というわけで…だ」

 

学園長は俺らを見渡しながら溜めてそう言った。

リリス達は学園長が次に何を言うのか緊張しながら学園長の方を見ていた。学園長はその視線を受けてから、立ち上がって扉を開けて

 

「よし、早速眠っているカワイコちゃん達にイタズラしに行こうっ‼︎行くよ八幡君」

 

と学園長は嬉しそうにそう言った

 

「いえ学園長。俺は遠慮しておきます」

 

俺がそう言った後、リリスは鬼気とした表情で学園長の頰をパンッとビンタをした。その後、学園長はというと

 

「…なにも殴らなくてもいいと思うんだよリリスちゃん」

 

と頰をさすりながらそう言っていた

 

「ふざけるのもいい加減にしてください‼︎」

 

とリリスは強い口調で学園長に言っていた

 

「まったく、バカバカしい。行きますよアキオ。これ以上の話は時間の無駄です。とっととその崩壊現象を消滅させればいいのでしょう?」

 

とミラはそう言って学園長に聞いていた

 

「そうそう‼︎ここはみんなで力を合わせて謎の事件に挑む…‼︎まさに王道な魔道学園マンガではないかなぁと…ね‼︎」

 

と学園長がうんうん頷きながらそう言うと

 

「いえ、私たち以外は必要ありません。正直足手まといです。それでは」

 

ミラはそう言ってアキオと共に学園長室を後にした

 

「ここまで嫌われているとはな。それは慣れてるからいいとして…だ。学園長に聞きたいことがある」

 

と俺はそう言った

 

「なんだね。八幡君」

 

「本当にこれは崩壊現象なのか?」

 

と俺が学園長に聞くと

 

「私も八幡の意見と同じです。どうなんですか学園長」

 

リリスも俺の言ったことに同意し学園長に聞いていた

 

「ああ、本当だ。学園の地下から膨大な魔力が溢れ出していてね」

 

と学園長はこう答えた。すると

 

「地下ってまさかユイさんっスか?」

 

レヴィが驚きながらそう言った

 

「ああ、あのヴァイオリンの女の子か」

 

俺もユイの特徴をあげ、そう言った

 

「ご明察のとおりだネ。この現象は彼女の魔力が大暴走して起きている。それと彼女は学園の地下にあるダンジョンに住んでいてね」

 

と学園長はそう言った

 

「ダンジョンなんてあるのか?」

 

と俺は学園長に聞いた

 

「ここは魔道学園だからねっ‼︎それで君達にはそこに行ってきてほしいんだ」

 

学園長はそう言ったが

 

「しっ…しかしですね。いくら魔力が高いからといって…まだ見習いである八幡を連れて行くのはどうかと思います」

 

リリスはそう言って反対していた

 

「え?俺って見習いの扱いなのか?」

 

と俺は見習いとは知らなかったのでそう聞いた

 

「そうです!まだちゃんと自分の魔術を使いこなせないでしょう!だからまだ見習いなんです」

 

リリスは強い口調でそう言い、俺に詰め寄った

 

「そ、そうか」

 

俺は一歩下がりそう言った後に

 

「だけど八幡君は他人の魔術式を外部起動(マルチブート)できたんだろう?」

 

と学園長はリリスに聞いていた

 

「うっ…それはそうですが…」

 

リリスも学園長の言うことを肯定した

 

「理論上出来ないことを可能にした魔王候補……とても興味深いじゃないか。ぜひ行ってきたまえ。それに八幡君には崩壊現象を打ち消す能力も持っているようだしね」

 

と学園長は言った。そして俺たちで学園の地下のダンジョン探索をし崩壊現象をどうにかすることとなった

 

☆☆☆

 

そして俺達は学園の地下へと踏み入れた

 

「なんか変な空間だな。ここ」

 

と俺は率直な感想を言った

 

「普段はすごく普通の巨大迷宮なのですが…」

 

「いや、普通の巨大迷宮ってなんだよ」

 

俺はそう口にした。普通はないんだよこういうのはと俺が思っていると

 

「…魔道士はよく巨大迷宮に住むのよ」

 

アリンがそう言った

 

「まじかよ。ユイは一体何者なんだ」

 

「ユイさんは世界の裏側…夢の世界で過ごす魔道士っス。そしてそれこそが彼女のテーマといっても過言ではないってことっスよ」

 

レヴィがそう答える

 

「寝続けることがテーマの研究なのか?」

 

「ええ、だからこそ封印されてるっス」

 

「封印?なんでそんな事するんだ?」

 

「彼女は枢機(カルディナリス)クラスの魔力を持ってるっスよ」

 

「カルディナリス?」

 

と俺は知らない単語が出てきたのでそう聞いた

 

「わからなくてもいいっスよ。まぁ、学園だと学園長の次のレベルっスよ」

 

レヴィはそう言った

 

「マジかよ。それはやばそうだな」

 

「そうなんです。抑えが効かない彼女はその魔力で危険を引き起こすんです」

 

リリスはそう言った

 

「危険なのか?みんな寝ちゃうのがか?」

 

 

「…彼女の魔力はやがて世界すらも眠りにつかせるわ」

 

俺の問いにアリンがそう答える。

 

「世界が寝たらどうなるんだ?」

 

と俺がまた聞くと

 

「…世界の消滅っス」

 

レヴィがそう答える

 

「マジか」

 

「八幡に出会ってしまったから…魔王の力の影響を受けてしまったからという可能性が高いでしょうね」

 

とリリスは言って、崩壊現象の原因をそう推察していた

 

「じゃあ、俺のせいでこんなことになったって事なのか?」

 

「いずれ7人のトリニティセブンに会うことになるってことはわかってたっスから、このようになるのは時間の問題だったっス。だから八幡さんは気にしなくてもいいっスよ。それよりミラさんに先を越されないようにとっととユイさんを探すっスよ」

 

「そう言ってもらえると助かる。それよりなんでミラより早く見つけないといけないんだ?」

 

「ミラさんとアキオさんは見つけ次第ユイさんを消し飛ばすに違いないっス」

 

「消し飛ばすってミラたちはそんな物騒なことをやってんのかよ」

 

と俺が聞くと

 

「はい。彼女たち王立図書館検閲官(グリモワールセキュリティ)は崩壊現象の完全除去(リ・フォーマット)が任務の1つですから…」

 

とリリスは答える

 

「…全ての不浄を消し去る。そのための団体…」

 

リリスの言った後に、アリンがそう付け加えて言った

 

「つまり、こういうことか。ユイが原因だからユイを消すということか?」

 

俺がそう聞くと

 

「そうっス。だからあの2人よりも先にユイさんを見つける必要があるんスよ」

 

とレヴィは言った

 

「なるほどな」

 

「八幡さん、この先は危険なのでメイガスモードでお願いするっス」

 

とレヴィはそう言ったので

 

「あ、ああ…」

 

俺はそう言い、メイガスモードになった

 

「じゃあ、行くっスよ」

 

「…おや、迎えが出てきたっスよ」

 

「ああ。なんか影っぽいのが動いてんな」

 

「魔物ね」

 

アリンが影のことについてそう言っていた

 

「あれがか?」

 

と俺が魔物の方を指差して、聞くと

 

「はい。崩壊現象や魔力が乱れた場に現れる異世界の存在です」

 

リリスがそう答える。その後に

 

「彼らは魔力とその持ち主を食べに来るのよ」

 

アリンが魔物の性質について述べていた

 

「じゃあ、俺がなんとかすればいいのか?」

 

「いえ、八幡さんは何もしなくていいっスよ」

 

「え?でもいいのか?」

 

と俺はそれでいいのかと聞くと

 

「じゃあ八幡さんはリリスさんの錬金術を今ここで使えるっスか?」

 

とレヴィが俺に問いかけた

 

「たぶん使えると思うが失敗する可能性が高いな。前はたまたま出来た感じがあったし…」

 

と俺は答えた

 

「なら後でまたレクチャーするので、八幡さんは体力を温存することをおすすめするっスよ。ここは私達に任せるっス」

 

とレヴィはそう言った

 

「すまないが、そうさせてもらうわ」

 

俺がそう言うとレヴィが先導して魔物を倒し俺達はダンジョンの最深部へと進む。その道中、

 

「レヴィって凄いんだな」

 

と俺はレヴィの姿を見ながらそう言った

 

「えっ?…ああ、そうですね。レヴィさんの実力は学園…いや世界的に見てもトップクラスと言えます。戦闘能力に限れば恐らく5本の指には入るかと」

 

リリスが俺の言葉を聞いてそう言った

 

「それは凄いな」

 

「でも今回はちょっと違う…」

 

「たしかにいつもは飄々としているのに…」

 

とアリンとリリスはいつものレヴィではないと感じてそう言っていた

 

「ユイに特別な意識でもあるんじゃないか」

 

と俺はアリンとリリスに言った

 

「そろそろ足元に気をつけて下さいっス。この先から至る所に罠が……」

 

と広い場所に着いてレヴィがそう言ったが

 

「なんか言ったか?」ガコッ

 

俺は聞き取れなくてそう聞き直していた。その時、何かを踏んでしまった

 

「もう、遅かったっスね」

 

とレヴィは俺に向かってそう言った

 

「え?なんか俺、やらかした?」

 

そう言って、俺は今の状況が分からずにいた

 

「ええ、もうすぐ罠が発動すると思うっス」

 

レヴィはそう言った。その後に大きな球体みたいなのが転がってきて俺達はそれから逃げていた

 

「おい。これコテコテ過ぎるだろ⁉︎」

 

と俺が言うと

 

「迷宮にある罠の基本っスね」

 

とレヴィはそう言った

 

「おい。この先、行き止まりだぞ」

 

そしてこの先、道が無いのを確認し俺はそう言った

 

「…アリンさん‼︎」

 

とリリスはアリンを呼んでいた。その後に

 

「魔道書「黄昏の真説(ラグナ・ユグドラシル)」に記載した術式(マクロ)を実行…"テイワズ"(勝利)…」

 

アリンが術式を発動して球体を壊した

 

「助かった…」

 

「じゃあさらに奥に進むっスよ」

 

「あ、ああ」

 

そう言って俺達はさらに奥へと進む

 

「だいぶ暗くなってきたな」

 

「そうっスね」

 

と俺とレヴィが会話していると

 

「ひゃああ‼︎」

 

突然、リリスが悲鳴をあげた

 

「リリス!どうかしたのか?」

 

と俺はリリスに聞くと

 

「何かがいるんです」

 

とリリスが答える

 

「何かってなんだよ。…別になんもないけど、気のせいなんじゃないか?」

 

俺は暗い空間を見渡しながらそう言った

 

「いえ…そんなはずは…」

 

「暗くてよく分からんからな。明るくなれば原因とかわかると思うが…」

 

と俺が言うと、辺りが明るくなった

 

「リリスが言ってたのは、多分この魔物の仕業だな」

 

俺は影の魔物を見ながらそう言った

 

「はい。そのようですね」

 

リリスも魔物を見てそう言った

 

「それよりなんで明るくなったんだ?」

 

と俺が疑問に思いそう聞くと

 

「私の魔術で明るくしたのよ。だんな様」

 

とアリンが答えた

 

「そりゃ凄いな。他にも指や書いたり唱えたりとかで出来ることってあるのか?」

 

と俺がアリンに聞くと

 

「魔道書に書いておいた術だけ…術式として登録してあるから…」

 

とアリンが答えた

 

「なるほど…ん?」

 

「"エイワズ"(防御)」

 

とアリンは呟く。するとアリンは俺の胸元に魔術の術式を発動させていた

 

「アリン、これはなんだ?」

 

俺はこの魔術の術式が何なのかを聞いた

 

「これは、防御の術…だんな様が影にイタズラされるのは嫌だから…」

 

アリンはこう答えて術式を発動した理由を教えてくれた

 

「そうか…ありがとなアリン」

 

と俺は感謝の気持ちも込めてアリンの頭を撫でながらそう言った

 

「…うん」

 

アリンは撫でられたのが嬉しかったのか、笑顔でそう言った。そして俺達はまた奥へと進む

 

「ともあれ、やはり原因は、術式と詠唱…この2つを八幡は覚えないといけないですね」

 

と奥に進んでいるときにリリスはそう言った

 

「どう覚えるんだ?」

 

俺がそう聞くと

 

「まず、魔道書に術式ってのを登録しておくんスよ」

 

レヴィがこう答えた

 

「その上で詠唱を唱えると登録しておいた魔術が発動するのよ」

 

とアリンがレヴィの後にそう付け加えてそう言った

 

「なるほど」

 

「これをできるだけ早くマスターしてくれるとありがたいっスね。なぜならユイさんを助けるには崩壊現象を消すことができる八幡さんの力が不可欠っスから」

 

「ああ、俺も助けられてばっかりは嫌だからな」

 

「ちなみに自分はテーマが"期待"っスから、期待してるっスよ魔王候補さん?」

 

とレヴィは俺の方を向きそう言ったので

 

「まぁやれるだけやってみるが、あんまし期待はするなよ」

 

俺はレヴィにそう言った

 

☆☆☆

 

「さて…そろそろ最深部っスね」

 

と最深部の一歩手前のところでレヴィはそう言った

 

「結構歩いた感じはあったが、レヴィのおかげで楽に進めたな」

 

と俺がそう言うと

 

「あの程度の影では束になってもレヴィさんには到底、敵いませんね」

 

リリスもこう言っていた

 

「そうね。敵になるとしたら…」

 

アリンがそう言った後に、横の壁が突然破壊された

 

「うおっ‼︎なんだ?」

 

と俺がびっくりしていると前からミラとアキオの姿が見えた

 

「ん?何でまっすぐ来たのに、なんで先を越されてんだ?」

 

アキオは俺達が先にここにいたのが不思議だったのかそう言っていた

 

「レヴィさんはこの迷宮に何度も足を踏み入れているからでしょう」

 

アキオの疑問にミラがそう答えていた

 

「ってか、まっすぐってどういう意味だ?」

 

俺はまっすぐの意味をアキオに聞いていた

 

「ん?ああ、まずは床を破壊してだな…後は一直線に壁を破壊だ‼︎」

 

とアキオは俺の質問に答えた

 

「なんか凄いな。ってかよく俺はその蹴りを受けて生きてられたな」

 

とアキオの答えに俺がそう口にすると

 

「本当だぜ。まったく」

 

とアキオはそう言った

 

「さて、行きますよ。アキオ」

 

「ん?」

 

「レヴィさんが、ここにいることがこの先にユイさんがいる何よりの証明です」

 

「いやいや、ちょっと待てって‼︎行ってユイを殺すんだよな⁉︎」

 

とアキオは慌てながらミラに聞いていた

 

「はい、消滅させるつもりです。崩壊現象の原因ですから」

 

とミラはそう言い、ユイの方へ行こうとしていたが

 

「そんなことはさせないぞ」

 

と俺はそう言いミラの行く手を阻んでいた

 

「私達の邪魔をするなら、まずあなたから消滅させてあげます。力の差を見せてあげましょう」

 

とミラは言った

 

「なんか、やばそうな雰囲気しかしないな…」

 

俺はミラの様子を見て、そう言った

 

「しょうがないっスね。八幡さんはまだ銃も使えるかわからない素人状態っスからね」

 

とレヴィはそう言って、俺の前に立った

 

「お、おい。レヴィ?」

 

「へぇ…もしかしてレヴィが相手してくれんのかい?」

 

とアキオが聞くと

 

「こういう熱い展開もちょっと面白いっスよ」

 

とレヴィは答える

 

「確かに‼︎私もレヴィと一度本気でやってみたかったんだよな‼︎」

 

アキオは嬉しそうにそう言い、闘いの態勢に入ろうとしていた

 

「アキオ‼︎そんな時間は…」

 

ミラはそう言ったが

 

「どの道ここでレヴィ達に邪魔されちゃあ進めないだろ?やるしかないって‼︎」

 

アキオはそう答えてミラにレヴィと闘っていいかを聞いていた

 

「ふう…わかりました。なるべく早く済ませて下さいね」

 

ミラは溜め息をついて、そうアキオに言った

 

「おうっ任せとけ‼︎」

 

アキオは笑顔でそう言った

 

「ここは自分が引き受けるんでリリス先生達は先に行ってくださいっス。ユイさんを助けられるのは八幡さんだけっスからね」

 

レヴィはアキオとミラが会話している時に俺達にそう言った

 

「…了解しました」

 

「わかったわ…」

 

とリリスとアリンは言った

 

「すまんがレヴィ、頼むわ」

 

俺もレヴィに謝ってこの場を託した。そして

 

「"嫉妬"(インウィディア)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行するっス…‼︎"神風招来"」ゴオッ

 

レヴィはメイガスモードになり闘う態勢へと入った。その際、強い風が発生した

 

「きゃっ…⁉︎」

 

とそうリリスは声をあげて、スカートを抑えていた

 

「うおっ‼︎なんて風だ」

 

と俺もそう言い、その風に耐えていた。すると視界にパンツのようなものが見え

 

「…ん?これはウサギの…パンツ…?」

 

と俺はそう口にしていた。そして誰なのか見るために上を見た、ミラだった。そして俺とミラは目が合い

 

「っ‼︎アキオ‼︎早く終わらせてこの不浄な男の腐った眼球を潰してください」

 

とミラは頰を赤くして、そうアキオに命令した

 

「いや、ちょっと待て‼︎俺は悪くない‼︎勝手に視界に入ってきただけだ」

 

と俺はミラに言ったが

 

「そんな言い訳はいりません‼︎アキオ‼︎」

 

とミラは言った

 

「…大将は純情だなぁ」

 

アキオは俺たちの会話を聞いていたのか、ミラに対してそう言っていた

 

「いいから早くっ‼︎」

 

とミラはアキオにそう言っていた

 

「八幡…‼︎今のうちに行きましょう」

 

とリリスはそう言ってユイの方へ行こうと俺に提案した

 

「ああ、そうだな。早く行った方が身のためだな」

 

俺はリリスの提案に乗り、即時この場を離れた。そしてユイの部屋の前に着いた。

 

「ここがユイさんの部屋です」

 

「…なんだこの看板」

 

と俺が言った。それもそのはず。普通の部屋なはずなのに営業時間なども書かれているのだ。こんなのいるのかと俺が思っていると

 

「…迷宮の奥にいる邪悪な魔道士のお約束よ」

 

とアリンは答えた

 

「書いたのは学園長かレヴィさんでしょうね。それでは開けますよ」

 

リリスはそう言い、ユイの部屋の扉を開けた。すると何かが溢れ出てきた

 

「なんだこれ?」

 

俺はそう言い、溢れ出てきたものを見ていた

 

「…凄い瘴気」

 

リリスの方もそう呟いて、俺と同じで溢れ出てきたものを見ていた

 

「…おいおい、なんだあれは」

 

と俺は辺りを見渡しながらそう言った。その直後

 

「ユイさんっ‼︎」

 

そうリリスがユイの名前を呼んだ。俺もユイの方を見る。すると影の竜と一緒にいる裸の姿のユイが

そこにあった

 

 

ーto be continuedー

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第10話 魔術起動と一撃必殺技

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ありがとうございます。

それでは、今回もよろしくお願いします。


「ユイさん‼︎」

 

とリリスはまたユイの名前を叫んでいた

 

「え?あれがユイなのか?でも夢の中で会った時とはなんか違うような…」

 

「夢の中では姿が違うのよ。あれはユイの理想の姿」

 

と俺の呟きにアリンはそう答える

 

「そうなのか…それより裸の姿はやばいだろ」

 

俺はユイの裸姿を見てそう言った

 

「八幡は見てはいけません‼︎」

 

とリリスは言ったが

 

「そうは言ってもな…それよりあの竜はなんだ?ボスキャラみたいなやつか?」

 

俺はそう言って、ユイの方を見ないようにしてリリスに竜の事を聞いた

 

「…はい。あれは、崩壊現象の際に現れる魔物の上位種で…」

 

とリリスが説明していると竜が俺の方を見て目を光らせた。俺も竜と目があった。その時、身体に違和感を感じその後、すぐに体中に激痛が走った

 

「うっ‼︎」

 

俺はその激痛に耐えきれず膝をついてしまう

 

「八幡⁉︎」

 

「だんな様⁉︎」

 

リリスとアリンはそう言って俺の方に駆け寄り心配そうにしていた

 

「なんとなくだが、この感じはヤバい気しかしないな…」

 

と俺が言った後、背中からまた前の崩壊現象のように羽が生えてきた

 

「多分、だんな様とあの竜の魔力が共鳴し合っているからだと思うわ…」

 

とアリンはそう言って、俺の羽が生えている原因をそう推察していた

 

「そんな…では八幡は…」

 

とリリスが言った後に竜が俺に向かって攻撃をしてきた

 

「…つ‼︎」

 

アリンは俺の前に立ち攻撃を受けた

 

「アリン‼︎大丈夫か⁉︎」

 

と俺はアリンに声をかけたが

 

「いけません‼︎八幡‼︎」

 

とリリスがそう言った後、また竜が攻撃を放つ

 

「『認識顕現』(リアライズ)"バスターモード"‼︎」

 

とリリスは言って竜が放った攻撃を自分の銃弾で跳ね返した

 

「…倒せたのか…?」

 

と俺は聞いたが

 

「まだよ。相手の魔力は全く弱まっていないわ」

 

アリンはそう答える。その後

 

「おー‼︎やってるやってる‼︎邪魔するぜぃ」

 

とアキオは言ってユイの部屋へと入った

 

「"Dの幻魔"(コードD)…やはり顕現していましたか…」

 

とアキオの後にミラはそう言ってユイの部屋へと入った

 

「"Dの幻魔"(コードD)…幻想が実体化した存在……か」

 

「…お前ら、なんでここに…」

 

俺はミラ達にそう言った後

 

「それより、レヴィはどうした?」

 

レヴィがこの場にいないのに気づき、俺は続けて、ミラ達にそう聞いていた

 

「確かにそうですね…」

 

リリスも俺と同じ事を思ったのかそう言っていた

 

「2人がここにいるってことは…」

 

「まさか…レヴィさんは…」

 

とリリスが心配そうに言った後

 

「呼ばれて飛び出たっス」モミモミ

 

とレヴィがリリスの背後から現れ、リリスの胸を揉んでいた

 

「…っ‼︎ひゃあああ‼︎」

 

リリスは急に胸を揉まれて悲鳴をあげていた

 

「そうだった…レヴィはいつもこんな登場だったな…レヴィは死ぬわけないよな…」

 

と俺が呟いている一方で

 

「一時休戦?」

 

「まぁ、あんなのが現れちゃ悠長に遊んでらんないわなー」

 

「幻想種の中で最強と謳われるドラゴンの形態をした幻魔…アキオ1人では手に負えない可能性もありますからね」

 

「まぁ、ちょっくらやってみっけど!…それじゃあ、いくぜっ‼︎」

 

と俺らとはちょっと離れたところで、アリンとアキオとミラはそう会話していた

 

「援護します」

 

リリスもアキオ達が攻撃を仕掛けるのを見て、加勢し竜退治へと向かった。俺はと言うと

 

「…にしてもこの痛みはなんとかならねーかな。さすがに限界がきそうだな」

 

まだ痛みがあり膝を床につけている状態でそう呟いていた

 

「大丈夫っスか?八幡さん」

 

とレヴィは俺にそう聞いてきたので

 

「かなりやばい」

 

と俺はこう答えた

 

「じゃあ、呼吸を整えて魔道書に意識を集中させるっすよ。そうすれば、かなり楽になると思うっス」

 

とレヴィは楽になる方法を教えてくれた

 

「ふぅ…」

 

と俺は深呼吸をしながら魔道書に意識を集中させた

 

 

「どうっスか?」

 

「だいぶ楽になった。…にしても竜と戦うとかバトルアニメみたいだな…」

 

と俺がそういうと

 

「八幡さんも混ざりたいっスか?」

 

とレヴィは俺にそう聞いてきた

 

「どうだろうな…それよりレヴィはどうするんだ?」

 

と俺はレヴィに戦いに加わるか聞いた

 

「もちろん行くっスよ。ただ…自分は八幡さんにも戦いに参加してほしいので」

 

レヴィは加わる意思を示し、そう言った

 

「あの大バトルにか?」

 

「ええ…崩壊現象を消す魔道士のバトル…妹さんを探すならいずれ八幡さんも頑張らなきゃいけないそんなバトルっスよ」

 

とレヴィは俺にそう言った

 

「そうか…なら俺も参加しないとな。なぁレヴィ。俺に戦うための方法を教えてくれないか?」

 

俺も覚悟を決めらレヴィに戦い方を教えてもらえるよう頼んだ

 

「もちろん、いいっスよ。さっきレクチャーするって言ったっスから…そしてそれがユイさんを救う1番の近道でもあると思うっスから」

 

とレヴィはこう答えた

 

「レヴィとユイは…本当に仲良しなんだな」

 

と俺はレヴィに言った

 

「いえ…自分は他人に"期待"しない、ユイさんは誰かと"友情"を育んだりしない…そういう似た者同士のマブダチみたいなもんっスよ」

 

「そうか……でもレヴィは期待してないのか?」

 

と俺がそう聞くと

 

「魔道のテーマというのは自分から1番遠く離れたもの…というのが定番っスから。だから期待できない私は期待しまくってるっスよ」

 

レヴィは笑顔で俺にそう言った

 

「そうか。なら俺がその期待に応えてやる。もう覚悟は決まった」

 

俺もそんなレヴィの笑顔を見てこう答えた

 

「そうっスか。…それと八幡さんは支配しまくりたいと思うっスか?」

 

とレヴィは俺に聞いてきたので

 

「ああ、こんな理不尽なことは2度とゴメンだ。だからこの『崩壊現象』を支配してやりたいんだ」

 

と俺は拳を握り、そうレヴィの質問に答えた

 

「…OKっス。リリス先生‼︎」

 

そう言い、レヴィはリリスを呼んだ

 

「はいっ⁉︎」

 

リリスも急に名前を呼ばれたので驚きながらも返事をする

 

「八幡さんに魔術のレクチャーをお願いするっス」

 

とレヴィはリリスに言っていた

 

「はい、了解しました。ミラさん、しばらくお願いします」

 

とリリスはミラに言って、俺の方へと向かう

 

「……」

 

ミラは無言でこちらをみていた

 

「いいですか八幡。まずはさっき、私が唱えたみたいに詠唱を決めてください」

 

とリリスは俺にレクチャーを始めた

 

「詠唱…」

 

と俺が呟くと

 

「そうだな…それが決まれば私もやりやすいよ」

 

魔道書はそう言った

 

「そうか。なら…リリスのと同じでもいいのか?」

 

と俺は魔道書に聞いた

 

「問題ないぜ。やるのは錬金術だろうから、むしろ被せるのはアリだろうな」

 

と魔道書は賛成した

 

「なら、それで…」

 

俺は魔道書の言った後にそう言うと

 

「おっと…しかし注意しろよ。マスター」

 

と魔道書は俺に注意を促した

 

「何をだ?」

 

俺は何に対してかを聞いた

 

「マスターは魔道を短い期間で結構使ってるからな」

 

と魔道書は答える

 

「なんかまずいのか?」

 

俺は魔道書にそう聞いた

 

「ああ、ほいほい使ってるといつか"魔"に喰われるぜ?」

 

と魔道書はさっきとは違い、低い口調に変えてそう言った

 

「魔に喰われる?どういうことだ。リリスは何か知ってるか?」

 

俺はふと疑問に思い、リリスに知ってるか聞いた

 

「…錬金術というのは物質交換の定理に縛られています。魔道士の場合、魔力や精神そのものを対価として錬金精製をするということです。多用しすぎた結果、魔物そのものに成り果てる魔道士も少なくありません…」

 

とリリスは答える

 

「じゃあ、今までの魔物の正体は…魔道士ってことか」

 

リリスがそう説明した後、俺はこう言って推察した

 

「ご明察の通り、アイツらは別の世界で"魔"に喰われた成れの果てさ。ちょいと魔術に失敗したり暴走させたりしたらお前さんも魔に落ちるかも知れないぜ。特にお前さんの場合、魔王クラスだからな。あのドラゴンよりも厄介な化け物になるだろうさ」

 

と魔道書は俺の推察を肯定し、その後、俺も魔に喰われる可能性があり、それもかなりの化け物に変わる可能性があると言った

 

「俺が?あれに…?」

 

と俺が呟くと

 

「八幡…」

 

とリリスは心配そうに俺の方を見ていた

 

「どうしたマスター?さすがにブルったかい?」

 

と魔道書は俺にそう聞いていた

 

「…そんなわけないだろ。そんな事はわかってたことだ。上等だ、やってやる。こんなところで負けてはいられないからな。俺の精神だろうが魔力だろうがなんでも持っていけ魔道書!そんなのは小町やユイを助けるためならそんなものはくれてやる覚悟だ」

 

俺は魔道書の言ったことを否定し、戦う覚悟を決めてそう言った

 

「八幡…」

 

リリスも俺の言ったことに驚きながら俺の名前を呟いていた

 

「だが、俺は負けない。全て、俺の手でそれすら支配してやる」

 

と俺はリリスの後に続けてそう言った

 

「ははは!いいぜマスター‼︎お前の魔力、才能、可能性を全て私にぶつけてきやがれ」

 

魔道書は俺の言葉を聞き、笑いながらそう言った

 

「よく言ったっス。八幡さん」

 

と魔道書の後に俺の名前を呼んでから

 

「自分からの最後のレクチャーっスよ。コツは「魔道書が銃になる」そのプロセスを頭でイメージすることっスよ」

 

とそう言った

 

「なるほどな…」

 

「銃にはグリップがあって、銃身がありトリガーがある」

 

そして俺の右手を取って、銃の型を作った

 

「形になってるな…」

 

俺がそう呟いた後

 

「…そして」

 

「ここに自分の魔力も乗せたっス。これで指先から魔力の弾を発射する…そういうイメージでやるっスよ」

 

とレヴィがそう言って俺の人差し指を口で咥えて自分の魔力を乗せた

 

「ああ、そうだな。指先に魔力を銃になるようにイメージして」ボソッ

 

と俺はそのレヴィがした行為に恥ずかしくなりながらもそう言って、レヴィから受け取った魔力を使い

 

「いくぞ魔道書‼︎『認識顕現』(リアライズ)‼︎」

 

リリスがいつも使っている詠唱を唱えた

 

「OK、マスター‼︎術式を実行するぜ‼︎」バッ

 

魔道書も俺の言葉を聞き、術式を発動させた。

そして、見事に銃を具現化させた

 

「できたか…」

 

と俺は具現化した銃を見て呟く

 

「⁉︎」

 

「何…っ⁉︎この物凄い不浄な魔力⁉︎」

 

アキオとミラは俺が銃を具現化させていたのを見て驚いていた

 

「悪いがみんな、どいてくれ」

 

と俺はそう言い、竜から離れるように言った。その後に

 

「なぁマスター。なんかカッチョイイ必殺技名でぶちかましてくれよ‼︎」

 

魔道書が俺が放つ魔術に名前をつけるように言った

 

「俺にそういうのを求めんな。…まぁそうだな。これでいくか」

 

と俺は言った後

 

「崩壊現象は消えろ。メテオパニッシャー‼︎」

 

俺はそう言って竜に銃弾をぶちかました。ああ、なんて変な必殺技名をつけたのだろうと思っていると竜と崩壊現象は消えていった。なんとかユイを助けることができた。そして俺はユイに俺の上着を着せ、みんなでユイが目覚めるのを待っていた。すると

 

「…んっ…レヴィさん…?」

 

ユイが目を覚まし、レヴィと目が合ってそう呟いた

 

「おっ、気がついたみたいっスね」

 

レヴィは目覚めたユイを見ながらそう言った

 

「そうみたいだな。ユイ、大丈夫か?」

 

と俺はレヴィの後にそう言い、ユイに聞いた

 

「あっ、お兄ちゃん‼︎」

 

ユイは俺を見て、笑顔でそう言った

 

「は?俺が?」

 

もちろん俺はユイのお兄ちゃんではないので俺のことなのかを聞いた

 

「うん‼︎お兄ちゃんが助けてくれたんだね‼︎大好きっ‼︎」

 

とユイはそう言って裸で俺に抱きついた

 

「ちょっと待て‼︎まず服を着てくれ」

 

と俺はユイに言った後

 

「ユイさんっ‼︎八幡から離れてください‼︎八幡もユイさんから離れてくださいっ‼︎」

 

リリスが俺とユイに対して強い口調でそう言った

 

「そう怒るな、とりあえず落ち着けリリス。俺だってそうしたいが、ユイが離れてくれないんだよ」

 

と俺は言って、リリスを落ち着かせようとしたが

 

「ユイはお兄ちゃんから一生離れないから」

 

とユイがまたそんなことを言った

 

「ユイさん⁉︎」

 

リリスはそれに反応し、ユイとまた言い合っていた

 

「はぁ、もうやだ。もうなんとかならないのか、この状況…」

リリスとユイが言い合っているのを見ながら俺はそう言って頭を抱えた

 

一方、レヴィの方はというと

 

「「期待」に答えて"Dの幻魔"(コードD)を一撃で消し去る魔王候補の八幡さんは本当に面白い人っスね」

 

と離れたところで八幡とリリス、ユイが会話しているのをみながら笑顔でそう呟いていた

 

ーto be continuedー

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第11話 体育授業と夢世界

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ありがとうございます。

それでは、今回もよろしくお願いします。



あの地下での崩壊現象を止め、ユイを助け出した後、俺はすぐ部屋に戻り、そのあとは風呂や飯を済ませて、自室に戻りすぐに寝た。

そして、朝になったので起きた。なぜか狭いと感じたので両隣を見たらなんとユイとアリンが寝ていた。まだそれならいいんだが、なぜか2人は服を着ていない。いわゆる裸姿で寝ている。これはまずい状況だ。2人がここにいるということはドアは開いているはず。誰かが入ってきてこんなところを見られたら、俺の人生は終わってしまう。そんなことを考えていると

 

「八幡‼︎起きてください。もうすぐ授業が始まるんですから…」

 

と扉を開け、リリスがそう言った。すると

 

「あ…」

 

リリスと俺は目が合い

 

「…っ⁉︎な…なっ」

 

リリスは俺とユイ、アリンが一緒に寝ている所を見て、顔を真っ赤にさせていた

 

「リリス、これには深い訳があってだな…」

 

と俺は言ってとりあえずリリスにこの状況を説明しようとしたが

 

「八幡〜‼︎」

 

リリスはそう言って俺の方へ来た

 

「あっ…終わったかも俺の人生…」

 

と俺はそう呟いた。その後、アリンとユイは起こされ、俺と一緒にリリスに説教を受けた

 

 

☆☆☆

 

 

そして時間は過ぎて今は体育の授業を受けている。もちろん俺はサボっている。なぜなら授業内容がグランドをひたすら走ることだからだ。そんな面倒なことはしたくない。そう思ってると

 

「えいっ」

 

とユイが俺に抱きついてきた。

 

「おい、いきなり抱きつくなよ。ユイ」

 

俺はそう言ってユイを引き離そうとしたが

 

「いきなりじゃなかったらいいんだね。お兄ちゃん」

 

ユイは笑顔でそう言ったので

 

「もういいや。好きにしてくれ」

 

俺はそう言って引き離すのをやめ、抱きつくのを許した。押してダメなら諦めろだからな…

 

「うんっ‼︎」

 

ユイは嬉しいそうにそう言った

 

「…えいっ」

 

アリンはユイが俺に抱きついてるのを見て真似してきた

 

「アリンもかよ」

 

と俺はアリンに言った。その後

 

「だんな様、嬉しい?」

 

アリンは俺にそう聞いてきたので

 

「嬉しくないこともないが…」

 

「素直じゃないのね。だんな様」

 

「ほっとけ、それが俺だ。それよりここにも体育の授業があるとはな…」

 

と俺はアリンにそう言ってから続けて

 

「それよりリリスのやつは真面目だな。まぁ先生だからだとは思うが…」

 

と俺はリリスの方を見ながらそう言った。俺がそう言った後アリンはグランドの方に行ったがユイは俺から離れて

 

「むっ〜」

 

と頰を膨らませてそう言っていた。その仕草にちょっと可愛いと思ってしまった。それはさておき

 

「ん?どうしたユイ?」

 

俺はユイが少し機嫌が悪そうだったのでどうしたのかを聞いた

 

「お兄ちゃん、さっきからリリス先生のことジッと見てるから…」

 

とユイは俺の質問に俯きながら、そう答えた

 

「そんな見てたか俺?」

 

「うん…」

 

とさっきより小さな声でユイはそう言った

 

「まぁ、その…なんだ。ユイのこともちゃんと見てるから、そう落ち込むな」

 

と落ち込んでいるユイに俺はそう声をかけた

 

「ほんと?」

 

ユイは俺の方を見てそう聞いた

 

「ああ、だから元気出してくれ」

 

そう言ってユイの頭を撫でた

 

「うん‼︎」

 

そう言って今度は正面から俺に抱きついた

 

「お、おい。こんなとこ誰かに見られたら…」

 

俺がそう言った後、後ろから変な視線を感じたので振り返ると

 

「……」

 

ミラが無言で俺の方を睨んでいた

 

「あ…」

 

「…アキオ、この不浄なゴミを消しとばしてください」

 

と俺と目が合った瞬間、そう言った

 

「よしきた大将っ‼︎」

 

とアキオはそう言って攻撃する準備をし始めた

 

「ちょっと待ってくれ‼︎」

 

俺はそう言って、アキオを止めにかかった。すると

 

「あれ?皆さん集まって何をしているんですか?」

 

リリスが俺達の方に来てそう聞いた

 

「いや、アキオ達が俺を消しとばそうとしてたんだよ」

 

と俺はリリスに言った

 

「あっはっは‼︎」

 

「笑い事じゃないんだが…」

 

「それより、私の名前を知っているとはな」

 

とアキオは俺にそう言った

 

「前にレヴィに教えてもらったからな。っとアキオは俺の名前は知らないんだったな。俺は比企谷八幡だ。好きなように呼んでもらって構わない」

 

と俺はアキオにそう言った

 

「じゃあ八幡って呼ばせてもらうぜ」

 

「ああ、これからよろしく頼むわ」

 

俺とアキオはそう言って握手を交わした。そして、一方では

 

「ユイさん」

 

「んにゃ?」

 

「この前はなんとかなりましたがあなたとそこの男は依然として危険な存在であることは確かです。また何かあれば"王立図書館検閲官"(グリモワールセキュリティ)の名において処分しますので、心してください。いいですね⁉︎」

 

「はーい」

 

とミラとユイはそう会話していた。セリナはというと

 

「なんということでしょうか…魔道士の頂点であるトリニティセブンの面々が一堂に集結…」

 

「こ…これは…トリニティセブンによる八幡さん争奪戦が始まるのでは⁉︎」

 

と興奮気味にそう言っていた

 

「そんなんあるわけないだろ…」

 

「八幡の言う通りです。もう…一体、何を言ってるんだか…」

 

リリスも俺の後にそう言ったが

 

「…なるほど、ここで決着をつけるのもいいっスね…」

 

「えっ⁉︎」

 

「そうだな‼︎この前は途中で邪魔が入っちまったからなっ‼︎」

 

レヴィとアキオはそんなことを言っていた

 

「ちょ…えっ」

 

リリスはレヴィとアキオの会話を聞いて動揺していた

 

「"嫉妬"(インウィディア)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行するっス‼︎神風招来」

 

「"暴食"(グラ)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行するぜ‼︎」

 

レヴィとアキオはこの前の勝負の続きをしようとメイガスモードになった

 

「私も…本妻の意地を見せないと…!」

 

となぜかアリンもそう言って参戦しようとしていた

 

「えっ⁉︎あっ…アリンさん⁉︎」

 

リリスもそう言って驚いている

 

「"憤怒"(イラ)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行するわ」

 

とアリンは言ってメイガスモードになった

 

「アキオ‼︎遊んでる場合では…」

 

ミラはそう言いアキオを止めようとした

 

「皆さんも⁉︎勝手に魔術をこんなところで…」

 

リリスもミラの後にそう言っていた

 

「すごいですっ‼︎レヴィさんの忍法術(シャーマニック・スペル)、アキオさんの真言術(マントラ・エンチャント)、アリンさんの聖儀術(カオシック・ルーン)‼︎」

 

「こんな凄いのが同時に見られるなんて、超大スクープです‼︎」カシャ

 

とセリナはそう言ってトリニティセブンのメイガスモード姿を見て興奮しカメラでその様子を撮っていた

 

「ふふ…お兄ちゃん争奪戦と聞いたら黙ってられないねっ。"強欲"(アワリティア)の書庫(アーカイブ)に接続…テーマを実行するよん!」

 

ユイもセリナの発言の後にメイガスモードになった

 

「出ました‼︎学園でも誰も見たことのなかったユイさんのメイガスモード‼︎しかもユイさんの「重唱術」(アーク・シンフォニー)も見ることができるなんて‼︎」

 

セリナはユイのメイガスモードを見てさらに興奮し、そう言った

 

「そんなに凄いのか?ユイの魔術は」

 

俺はリリスに聞いた

 

「はい。ユイさんの魔力は枢機クラスですからこんな所で発動したら…」

 

とリリスが答えている時に

 

「「星降る夜の小夜曲」(スターリーナイト・セレナーデ)‼︎みんなでユイの世界にご招待だよっ‼︎」

 

ユイがそう言って魔術を発動させた。そして大きな光を放った

 

「ん?なんだ…眩しい」

 

と俺は眩しさのあまり目を瞑り、そう呟いていた。そして光が消え目を開けると

 

「…ここは?」

 

「いらっしゃい、お兄ちゃん。ようこそユイの世界へ」

 

ユイはそう言った。どうやら俺は、またユイの夢世界に来たらしい

 

「ああ、夢の中のユイか」

 

と俺はユイにそう言った

 

「そうっ、夢の中のユイだよ。お兄ちゃんはこっちの方が好き?」

 

とユイは俺に聞いてきたので

 

「俺は好きか嫌いかは言わない主義なんだ。まぁでも夢の中のユイもいいとは思うぞ」

 

「お兄ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいな」

 

「それは良かった。でリリス達は?」

 

俺がそう言った後、リリス達がどこにいるかをユイに聞いた

 

「ちょっと別の夢を見てもらってるの。ほらっ」

 

ユイはそう言いリリス達の方を見た。俺もユイの視線の先を見て

 

「本当だ。みんな気持ちよく寝てるな…」

 

と俺が辺りを見渡しながら言っていると

 

「全くどういうつもりですか‼︎」

 

とミラが強い口調でそう言っていた

 

「あれ?なんでミラは寝てないんだ?」

 

俺はミラが寝ていないのを疑問に思い、ミラに聞いた

 

「私は直前で私の映晶術(ゲヘナ・スコープ)で術を反射させて防ぎましたから」

 

とミラは俺の質問にそう答える

 

「ミラちゃんは、ほとんどの術を反射させることができるんだよ!」

 

ユイがミラの後にそう言った

 

「へぇ、凄いな」

 

と俺が呟いた後

 

「私はここに長居するわけにはいきませんから。それでは失礼します」

 

ミラはそう言って消えていった

 

「消えた。ってことは起きてるのは俺とユイだけか…」

 

「そうだね。起きてるのはユイとお兄ちゃんの2人だけだよ。だから…」

 

とユイはそう言って顔を俺の顔へと近づけ、キスしようとしたので

 

「ダメだぞ」

 

俺はそう言って、キスする直前で阻止した

 

「あ〜んっそんなぁーっ⁉︎」

 

とユイはそう言っていたが

 

「いいか。そういうのは本当に好きな人にするもんだぞ」

 

と俺はユイにそう言った

 

「ユイはお兄ちゃんのこと本当に好きだよ‼︎」

 

とユイは真剣な顔で言った

 

「ありがとな。でも今はダメだ。もっとお互いのことを知ってからじゃないとな。まずはそうだな…友達から始めないか?ユイ」

 

俺はユイにそう言って、友達から始めようと提案した

 

「うんっ!わーいっ‼︎お兄ちゃんと友達‼︎」

 

ユイはそう言って、俺と友達になったのが嬉しいのかはしゃいでいた。

 

「それより早く学園に戻らないか?」

 

と俺はユイに学園に戻るように提案した

 

「そうだね…でもその前に…」チュッ

 

と俺は提案に賛成した後に、俺の頰にキスをした

 

「っ‼︎」

 

俺はユイに急にキスをされたので驚いてしまった

 

「これぐらいはいいよねっ!お兄ちゃん。本当に助けてくれてありがとっ」

 

「まぁこれぐらいはな」

 

と俺達はそう言って現実へと戻った

 

一方でリリス達は、八幡とユイより先に現実へと戻っていた

 

「八幡とユイさんはまだ寝ていますね」

 

俺とユイが保健室で寝ている姿を見て、そう言っていた

 

「だんな様の寝顔は可愛いわね」

 

とアリンは俺の寝顔を見てそう言っていた

 

「そうっスね。リリス先生とセリナさんもそう思うっスよね?」

 

「そうですね。いつもの八幡ではないみたいです…」

 

「ですねーっ。ユイさんもすごく幸せそうです」

 

「これで、だんな様が出会ったトリニティセブンは6人目…」

 

「そうっスね。まぁ最後の1人は…」

 

「行方不明になっている…」チラッ

 

リリスはそう言って、セリナの方をチラッと見た。

 

「ですね…でもユイさんを助けることができた八幡さんなら…もしかしたら…」

 

俺とユイがまだ現実へと戻ってくる間に彼女達はそう会話していたのだった

 

 

ーto be continuedー

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
なぜ八幡とユイが保健室で寝ているのかというと
夢世界から現実へと戻る際、保健室に転送する
ように設定してあったからです。
ちなみにリリス達も現実へと戻ってきた際
保健室に転送されています。
次回はついに最後のトリニティセブンが
登場します。
ミラとアキオの百合回は飛ばします。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第12話 永劫図書館とクライマー

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ありがとうございます。
それと、更新が遅れてすみません。

それでは、今回もよろしくお願いします。


体育の授業があった翌日、外は珍しく雨だった

 

「久しぶりの雨だが、結構降ってるな…」

 

俺は制服に着替えながらそう呟く。すると

 

「八幡、ちょっといいですか?」

 

リリスはノックをして俺にそう聞いた

 

「リリスか、俺になんか用か?」

 

「実はちょっとした事件が学園内で発生しまして…」

 

「こんな朝早くにか?」

 

「はい」

 

「で、その現場に来てほしいって事か?」

 

「はい。その通りです」

 

「じゃあ、行くか」

 

そして、俺とリリスは事件現場へと向かった。そして、事件現場に着くとガラスが散乱し酷い状況だった。

 

「ここが現場か。ガラスなどが散乱してるな…」

 

「どうやら昨晩に何かあったみたいなんです」

 

「何か…?」

 

「はい、おそらくは…」

 

リリスがそう言いかけた時に

 

「崩壊現象の痕跡を感じます」

 

ミラがこちらに来て、そう言った。そして、俺の方を睨む。

 

「な…なんだよ」

 

「え、えっとですね…。崩壊現象の痕跡から今、1番犯人と疑われているのが八幡とユイさんでして…」

 

「ふーん」

 

俺が、そう頷いていると

 

「ほんとだ。凄い魔力残滓だね」ヒョイ

 

ユイが俺の背中から顔を覗かせた。

 

「ちょっ…ちょっとユイさんっ‼︎八幡と顔が近いですよ‼︎」

 

「ん?そうかな?」

 

「そうですっ‼︎」

 

「むふふ…」チュッ

 

そう言って、ユイは俺の頰にキスをした。めっちゃ恥ずかしい

 

「な…⁉︎…女の子が公衆の面前でキッキキキッ…」

 

リリスは顔を赤くしていた。やはりこういう光景に慣れていないらしい

 

「にゃはは…リリス先生は可愛いにゃ…」

 

「ユイ、その辺にしといてくれ。また、後々面倒なことになるから」

 

「はーい」

 

「そうだ、ユイ。ここで、崩壊現象の気配があったらしいぞ。またなんかやったのか?」

 

「お兄ちゃん、ひどーい。ユイじゃないよ!だってユイの魔力が暴走してこの学園がダンジョン化してるはずだもん!」

 

「ふむ…俺の魔力が暴走して黒い太陽が現れるみたいなやつか」

 

「そうそうっ‼︎」

 

「残念ですが、確かにこの魔力は貴方達のものではないようです。とても残念ですが」

 

「残念なのかよ」

 

「そんなことより、リリスさん」

 

そんなことで済まされちゃったよ…

 

「はい。なんでしょう?」

 

「今回の魔力…"あの図書館"と同じ気配を感じます」

 

「あの図書館…⁉︎…そうですか。やはり…」

 

「……」

 

☆☆☆

 

俺はあの後、教室に戻った

 

「おーい。アリン」

 

「だんな様が私を呼ぶなんて珍しいわね」

 

「そうっスね」

 

「ちょっと聞きたいことがあってな。レヴィ達も聞いてくれないか」

 

「いいわよ。だんな様」

 

「自分もいいっスよ」

 

「図書館についてなんだが、なんか知らないか?」

 

「図書館?」

 

「ああ、なんかミラとリリスがシリアスそうにそう言ってたから、気になってな…」

 

「図書館かぁ…。よくわからないなぁ」

 

「…ユイは眠ってたから知らないのも無理ないと思う」

 

「そっかぁ」

 

「そのことなら知ってるっスよ。…お化けが出たんっスよ」

 

「ひゃわっ⁉︎」

 

「ユイはお化けが苦手みたいだな」

 

「あれ?八幡さんはお化けとか平気っスか?」

 

「ん?ああ…魔物とかこの前みたいなドラゴンと似たようなもんだし俺は平気だ」

 

「それは、ち…違うよっ‼︎魔物は可愛いけどゆーれいは怖いもん‼︎」

 

「そ、そうか…。でも、幽霊でもなんでも襲われないんなら問題ないんじゃないのか?」

 

「ところが、実は被害が出ているっスよ」

 

「幽霊事件でか?」

 

「…そう。あの日も昨日みたいに強い雨の日だったわ…」

 

そう言って、アリンが話してくれた。短くまとめると、双子の姉妹が図書館で居残り研究をしていて、その時に事件が起きて雷と同時に図書館中の窓ガラスが割れて、本棚も倒れてきたりなんかして気がついてみれば姉妹の姉だけがいなくなっていたということだった

 

「それで、今も行方不明ってことか」

 

「そうっス。八幡さんがこの学園に来る半年ぐらい前から行方不明っスね」

 

「それで、どの辺が幽霊なんだ?」

 

「今でも、時折こんな雨の日にはいなくなった少女の人影が目撃されるとか…」

 

「ふぇぇーっ」

 

「なるほど…じゃあ、調査してみるか。気味が悪いしな」

 

「そうっスね」

 

そして、俺達は調査をすることにした

 

☆☆☆

 

「というわけで、図書館に来たわけだが…」

 

「あれ…八幡?」

 

「リリスか。幽霊事件について気になったから、ちょっと調べに来た」

 

「邪魔をしに来たなら即刻、消し飛んでもらいますよ?」

 

ミラは相変わらず俺に対して冷たい

 

「邪魔をしに来たわけじゃねーよ。それに、この事件に崩壊現象らしき魔力があったなら俺がいた方がいいかもしれないだろ」

 

「ああ…‼︎なるほど、八幡は2度も崩壊現象を消していますしね」

 

「そういうことだ。……ん?」

 

「セリナ、どうかしたのか?」

 

「あ、八幡さん…」

 

「どうしたんだ?元気が無いみたいだが…」

 

「その…実はですね…」ドォーン

 

「な、なんだ⁉︎」

 

「きゃわ⁉︎」

 

大きな音がした後に、俺らはなぜか図書館とは違う別の場所にいた

 

「俺は確か、図書館にいたはずだが…」

 

「ここは、"永劫図書館"」

 

「そんなっ…あの図書館に強制接続させられたとでもいうのですか⁉︎」

 

「ふわぁーあ。ちょっと寝てる間に面白くなってるじゃねーか。お前らは固まって端にいた方がいいぞ」

 

「わかった。…って、なんだこの黒い物体は」

 

「八幡!」

 

そうリリスが俺に叫んだ後に、俺はセリナに押されて壁まで飛ばされた

 

「痛ってー。なんだよセリナいきなり…危ないだろ」

 

俺はそう言って、立ち上がって前を見た。すると知らない女の子が正面に立っていた

 

「アンタが魔王候補?」

 

「は?誰だこいつ?」

 

「リーゼさん…」

 

「は?リーゼ?」

 

「そんな…貴方…なぜ…」

 

「センセにセンパイ、久しぶり。そのついでに…魔力を貰っていくわよ」スッ

 

そう言って、リーゼという女の子はリリスとミラの間にいて魔力を奪う態勢になっていた

 

「「!!」」

 

「いただき」ズシャッ

 

そう言って、リーゼという女の子が魔力を奪おうとしていたが

 

「おおーっと‼︎」

 

「まだこっちにも、あいさつが来てないっスよ」

 

アキオとレヴィが止めに入った

 

「アキオにニンジャじゃないっ!元気にしてたみたいね」

 

「まぁな。そっちはなかなか悪の魔道士っぽくなったじゃねーか」

 

そうアキオ達が話をしてる一方で、セリナは俺の方に来ていた

 

「八幡さん!大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だ。それよりこれはどういうことだ?」

 

そう言って、俺はリリス達の方を見た

 

「はい…あの人は私の双子の姉です」

 

「双子の姉。まさか、さっきの幽霊の話で行方不明になった姉がコイツってことか…」

 

俺がそう呟くと

 

「幽霊?…ふーん。なるほどね…あたしの実験はそういうコトになったんだ」

 

そうセリナの双子の姉であるリーゼが言った

 

「実験?」

 

「はい。彼女は…禁忌とされていた"永劫図書館"への接続実験を強行した罪人で…」

 

「元王立図書館検閲官次席…」

 

「"怠惰"(アケディア)のトリニティセブン、リーゼロッテ=シャルロックです」

 

俺がそう聞くと、リリスとミラとセリナがそう答える。

 

「コイツが、最後のトリニティセブンか…」

 

「まさか、全員揃った上に魔王候補までいるなんて。せっかくだから皆の魔力をあたしが全部もらってあげるわね」

 

「そんな事、俺がさせないし許さない」

 

俺はそう低い声でいい、リーゼの正面に立った

 

 

 

ーto be continuedー

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
ついに、トリニティセブンが全員登場しました。
次回はリーゼとのバトル直前回です。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第13話 リーゼロッテ=シャルロック

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ありがとうございます。
UAが3万を超えました。
皆さん本当にありがとうございます。
約1か月ぶりの更新です。
遅れてすみません。

それでは、今回もよろしくお願いします。


「へぇ。魔王候補くんが、あたしに何かするの?」

 

「お前の行動次第だな」

 

「ふーん。そう…」

 

「お姉ちゃん‼︎どうしてこんな…」

 

「どうしてって…悪の魔道士っぽくて

かっこいいでしょ?」

 

「何故、我々の元を去り禁忌を犯したのですか?」

 

「あー…それはほら…私、魔道士だから魔導の研究のためよ」ピッ

そう言ってリーゼはタブレットのようなものを操作し、続けて

 

「王立図書館検閲官(グリモワールセキュリティ)になったのだって、崩壊現象をいっぱい経験できるからだしね…」シュツ

 

そう言って、リーゼは姿を消す。

 

「消えた…」

 

「あぶないっ‼︎」

 

「うおっ‼︎」

 

そして、リーゼは俺の方に向かって何かしようとしていたがセリナに助けてもらい、なんとか防げた。

 

「お…バレちゃった」

 

「私だって数秘術(ロゴス・アート)の使い手です‼︎ お姉ちゃんの出現ポイントぐらい算出できるんですから‼︎」

 

「…さすが、私の愛しい双子の妹‼︎ちゃーんと研究して魔力も高めてるのね…」

 

リーゼは低い口調でセリナにそう言っていた。

 

「」ゾクッ

 

セリナはリーゼの言葉に肩を震わせていた。

 

「ちょっと、オイタが過ぎないかい?」ゴッ

 

そう言ってアキオは、リーゼに蹴りをいれたが防がれてしまう。

 

「何⁉︎」

 

「あぶないじゃない...アキオは相変わらず、バトルマニアね」

 

「そういう研究テーマなんでね」

 

「今回は加勢するッスよ」

 

「…私も教え子の不良化は止めないといけませんっ‼︎」

 

「うーん…さすがにアキオにニンジャさらにセンセまで相手にするには分が悪いわね…」

 

「だったら、とっとと引きあげてくれないか」

 

「それはできない相談ね」

 

「そうか…っと、その前に、お前に聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

「どうぞ。魔王候補くん」

 

「お前は、こいつらから離れて悪の魔道士サイドにいった。つまり、お前は敵ってことでいいんだな?」

 

「そうよ」

 

「そうか…ならお前をここで倒さないといけないな」

 

「八幡‼︎本気ですか⁉︎」

 

リリスは俺の言ったことに過剰に反応し、そう言った。

 

「当たり前だ。元は仲間だったとしても今は敵だ。野放しにしておくわけにはいかない」

 

「それはそうですが…」

 

「と言っても、俺だけの判断では決めれない」

 

「セリナ‼︎」

 

俺はそう言ってセリナの名を呼んだ。

 

「はい!」

 

「お前がどうしたいか決めろ」

 

「それはどういうことですか?」

 

「あの姉を倒すか姉の考えを改めさせて、こっちに戻ってきてもらうかをセリナに聞いているんだ」

 

「私はまたお姉ちゃんと一緒にいたい...こっちに戻ってきてほしいです‼︎」

 

「そうか…じゃあ、セリナ。あとは俺に任せてくれ」

 

「はい!」

 

「というわけで、お前らは極力手を出すなよ」

 

「それはあなたが1人でやるということですか?」

 

「まぁ、そういうことだ」

 

「そうですか…ではあなたの力を見せてもらいますから」

 

「やけに素直だな…明日は嵐が来そうだ」

 

「消し飛ばしますよ?」

 

「それは勘弁だ」

 

「まぁまぁ、大将落ち着けって。それと八幡、頑張れよ」

 

「八幡さん。頑張ってくださいッス」

 

「だんな様、がんばって」

 

「お兄ちゃん、頑張ってね‼︎」

 

「ああ、頑張ってくるわ」

 

俺はユイ達の応援を受け、リーゼのとこに向かった。

しかし、その途中にリリスと目が合い

 

「八幡…生きて帰ってきてくださいね…」

 

リリスは心配そうに俺に言った。

 

「当たり前だ。ここで死ぬわけにはいかないからな」

 

「だから心配しなくていい。リリスは近くで見守ってくれ。俺は勝ってくるから」ポン

 

俺はリリスの頭に手を置き、心配させないようにそう言った。

 

「っ‼︎…はい!」

 

リリスは俺の言葉を聞いて笑顔で、そう言った。

 

「待たせたな...それじゃあ、いくぞ」

 

「私を楽しませてちょうだいね、魔王候補くん」

 

そして俺とリーゼのバトルが開始された。

 

 

ーto be continuedー

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
原作改変でお送りしました。
次回は八幡とリーゼのバトル回です。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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第14話 バトルのゆくえ

更新が遅れて申し訳ないです。

前回の更新から9か月以上も経っているとは....


今回も多少の原作改変と安定のご都合主義でお送り致します。

それと本作品と他作品に関しての活動報告がありますので目を通して頂けると幸いです。

それでは、今回もよろしくお願いします。



「ハァハァ」

 

リーゼとのバトルが開始して、15分ほどたった。状況は俺の方が押されている。

 

 

「ふふっ。魔王候補クンも大したことないわね」

 

 

「.......」

 

なぜ押されているかというと...バトル開始直後に遡る。簡単に説明すると...

 

俺がメイガスモードになる→それを見たリーゼが戦力を高めるために魔力を妹のセリナの首から奪い魔力をUP→そして、バトルがスタート→俺が押され劣勢に立たさせている。

 

......とまぁ、こんな感じである。

 

啖呵切ってこのザマとはなんとも不甲斐ない。やはり俺の力不足なのだろう。何とか、劣勢から優勢に持っていきたいが中々、突破口が見つからない。どうしたもんか...

 

「人の魔力奪ってんだから、お前の方が強いのは当たり前だろ」

 

「それもそうね」

 

「それよりも、なんで妹の魔力を奪ってまで魔王候補?になりたいんだよ」

 

「そりゃあ、魔道士だもん。魔道士の究極の悲願である魔王の候補者になりたいと思うのは当たり前じゃない?」

 

「そういうもんか?」

 

「魔王候補くんもすぐ魔王になってみたいと思わないの?」

 

「まぁ、なったみたいとは思うが...すぐにはなりたいとは思わない。力をつけてからなるもんだろ」

 

「八幡の言う通りです。研究と研鑽を重ねてのち到達するものですよ」

 

「嫌よ、そんなの。私は一足飛びでいきたいの!過程をすっ飛ばして結果に辿り着く、それが私のテーマでもあるし」

 

「そんな付け焼き刃で魔王になれるとは思わないがな。たとえ魔王になったとしても1日天下で終わるぞ。力が伴っていなければな」

 

「......言ってくれるじゃない」

 

「それに、妹を犠牲にしてる奴を魔王にするわけにはいかない。それにセリナにもお前を改心させてこちら側に戻らせるって約束したしな」

 

「......魔王候補くんをこちら側に引き抜こうと思ったけど無理そうね」

 

「そんなのは、こっちから願い下げだ」

 

「そっか。こちら側に来てくれるなら魔王候補くんの妹の小町ちゃんの情報をあげようと思ってたのになぁ...」

 

「なんだと?何でお前が小町のことを知ってる?」

 

「知りたいならこちら側に来ることね、比企谷八幡くん」

 

そう言って、リーゼは俺の目の前にやってきた。俺は一歩下がる。

 

「今です、アキオ。彼ごとやりなさい」

 

「了解」

 

「レヴィさん、お願いします。出来れば八幡には攻撃しないように」

 

「分かってるっスよ」

 

手を出すなと言っておいたのにな。まぁ、あいつらが俺の言うことを守るとは思ってはいなかったので、こうなるとは予想していた。

 

アキオとレヴィはリーゼに向かって攻撃を仕掛ける。しかし...

 

「「っ!!」」

 

「効かないわよ。そんな攻撃」

 

リーゼは自分の魔力を纏った闇の翼で攻撃を躱す。

 

「レヴィさん!」

 

「アキオ、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫っス」

 

「なんとかな...」

 

レヴィとアキオはリーゼとの距離を取る。

 

「さーて。魔王候補くんの魔力を頂こうかしら」

 

「何する気だ?」

 

「いただきまーす」

 

リーゼは俺の問いに答えることなく、俺の唇を奪ってきた。

 

「「「「「「!!!!!!」」」」」」

 

「お兄ちゃんは私のものなのに!ユイもお兄ちゃんとキスしたい!」

 

「ユイさん、今はそんな事言ってる場合ではありませんよ」

 

「んっ....」

 

「..........」(すごい変な感じがする。力が徐々に抜けていく感じだ...)

 

それよりも、舌を絡ませるのはやめていただきたい。力がより一層抜けるから...

 

「んっ...こんなに強い魔力チカラ、初めて...」ビクビク

 

リーゼは俺から離れる。

 

「くっ、やはり俺の魔力を奪ったのか」

 

「ご名答よ、魔王候補くん」

 

「くっ...」

 

「大丈夫ですか、八幡」

 

「やばい、魔力が吸い取られて力が出ない」

 

脱力感が凄い。立ち上がるのもやっとの状況だ。

 

「ありがとね。男の子とはファーストキスだったけど、堪能させてもらったわ」

 

「リーゼちゃん、ズルイ!ユイもしたい!」

 

「ユイさん、落ち着くっス」

 

「だってぇ!」

 

「こりゃ、ヤバイな。マスターの魔力はほぼゼロに近いな」

 

魔道書は俺の身体を確認し、そう呟く。

 

「せっかく、魔王候補くんの魔力を奪ったことだし....ちょっと試しに魔力を使ってみようかしら」パチン

 

「「!?」」

 

そう言って、リーゼは指を鳴らした。すると、女性陣の服がはだけた。変な魔力の使い方をするなぁ。もっと、いい使い方があるだろうに......

 

「オイタが過ぎますよ、リーゼ」

 

「やっぱり、先輩は跳ね返したみたいね」

 

「自分もいるっスよ」

 

「ニンジャまで、跳ね返すとは...さすが魔道士最高のトリックスターの異名は伊達じゃないのね」

 

「せっかくだから、本気を出すっスよ」

 

「首席検閲官の名にかけてリーゼロッテ=シャルロックを排除します」

 

「いいわ。相手をしてあげる」

 

 

 

 

「やっぱり、レヴィ達の力を借りないといけないのか」

 

「後悔は後です。八幡は安静にしていてください。ここはレヴィさん達に任せましょう」

 

「...そうだな」

 

俺は自分の弱さを再確認しつつ、レヴィ達の戦いを見守ることにした。

 

「ミラさん。アキオさんの代わりを自分が務めるっス」

 

「はい。私は彼女の魔力をスキャンします。その間の時間稼ぎをお願いします」

 

「了解っス」

 

レヴィはリーゼにクナイを使い攻撃をするが、リーゼが放つ魔力で無効化される。レヴィはリーゼとの間合いを取り、次の攻撃に備える。

 

「相変わらず速いわね...」

 

「リーゼさんも中々凄いっスよ。アレを躱すのはほぼ不可能っスから。それに自分の体に傷をつける人はほとんどいないっスから...」

 

「本当は束縛しようと思ってたんだけど、無理そうね。それじゃあ、次の攻撃に行くわよ♪」シュッ

 

「!」(消えた)

 

「解析...」スッ

 

レヴィの左腕に魔術が展開され束縛される。

 

「本当にリーゼさんは弱点を突いて攻撃してくるっスね。いやらしいっス」

 

「褒め言葉として受け取っておくわね」

 

「でも、これぐらいならなんとかなりそうっス」グッ

 

レヴィは空中を飛び、左腕に施されている魔術、束縛を力づくで解除する。

 

「ニンジャって凄いわね」

 

「まぁ、リーゼさん程ではないっスよ。自分のの力ではリーゼさんには勝てないっスから」

 

「そうね」

 

「でも、ミラさん相手ではどうかは分からないっスけど」

 

「!?」

 

「レヴィさん、時間稼ぎありがとうございます。読み取り完了です。怠惰(アケディア)書庫(アーカイブ)から停滞(スタグナ)のテーマを抽出」

 

「なんかやばそうなんだけど...」

 

「正真正銘、ヤバイっスよ。これで効かないならこちらはお手上げっス」

 

「私の力でアレを受け止めれるかな?」

 

「その慢心、正義の担い手たる私に見せたことを後悔しなさい....白き時 冬の世界(ホワイト ユニバース)」ドッ

 

ミラの魔術がリーゼに放たれる。

 

「本当にやばそうね」

 

 

そして、魔術が放たれた後...ミラの周りの床は凹んでいた。かなりの威力だったと思わざるを得ない。

 

「倒せたっスかね?」

 

「いいえ、彼女を倒せてないのは明白です」バチッ

 

ミラはそう言って、水晶を後方から伸びるリーゼの手に触れさせた。

 

「痛っ!魔王候補くんの魔力が無かったらヤバかったかも....」

 

「いつも、私の邪魔するのは彼なのですね...忌々しい」

 

「落ち着くっス。いつものことっスから」

 

別に俺は悪くないと思うんだが...それよりも、この状況はマズイよな。

 

「ふぅ...リーゼは強敵だな」

 

「はい。リーゼさんは八幡と同様に魔王候補化していますから」

 

「俺も鍛錬を重ねれば、リーゼ並みに強くなれるって事か?」

 

「その認識で大丈夫ですよ。八幡も魔力を高めれば強くなります」

 

「そうか...それよりリリス。魔力ってどんなものなんだ?」

 

「魔力というのはその人の持つ「存在するための力」です。魔道士は世界の法から逸脱した力を研究したり行使したりします。そして、その存在するための力がないと死を迎えたり、消えたり、暴走したりします」

 

「ということは、魔力を奪われたセリナは....」

 

「そうよ、だんな様。早く回復させないとセリナは死んでしまうか、消えるか、暴走してしまうわ」

 

「マジか。また俺のせいで....でも、俺もセリナ同様に魔力を奪われたが大丈夫なんだが...それはどうしてなんだ?」

 

「お兄ちゃんが大丈夫なのはね...魔道書のおかげなんだよ」

 

俺の問いにユイが答える。

 

「だからマスターは私に感謝しまくってくれていいんだせ?感謝ついでに私は早くここからトンズラすることを提案するぜ」

 

「それが出来たら苦労はしないぞ、魔道書。あいつ、かなり強いし」

 

「当たり前だぜ、マスター。お前さんの力が含まれているからな」

 

「それでよく、トンズラの案を思いついたな。無理ゲーだろ」

 

「逃げるというなら私の魔術でこの世界を崩壊させてあげるわ」

 

「そのリスクは?」

 

「魔力が不安定だから皆もろとも消えるリスクがあるわ、だんな様」

 

「その案は却下だ。リスクが大きすぎる。他の案はあるか?」

 

「もちろんあるぜ!」

 

「その案は?」

 

「私が空間をぶち壊すって案だ!」

 

「はい!お兄ちゃん!」

 

「ユイも何か案があるのか?」

 

「ユイの夢の中にご招待する案だよ!」

 

「一応、そのリスクを聞こうか」

 

嫌な予感はするけど...

 

「空間ごと、ぶち壊われてみんなが助からないリスクがあるぞ!」

 

「二度と夢から醒めないかもしれない!けど、お兄ちゃんの為だから頑張る!」

 

「いや、その2つの案も却下だ。リスクがでかい」

 

「そんなぁ!」

 

ユイは意義を唱えるが、やはり一番安全な方法が好ましい。

 

「やっぱり、リーゼを倒して逃げるのが手っ取り早いかもな」

 

「私も八幡の意見に同意です」

 

「それが一番かもな!」

 

リリスの後にアキオを同意する。やはり打倒リーゼになりそうだ。

 

「ふぅーん。魔王候補くんは逃げちゃうんだ?」

 

「この状況を見ればな」

 

「じゃあ、小町ちゃんのことはどうでもいいって事かな?」

 

「あ?」

 

どうでもいいだと?んなわけあるか、俺にとって小町はかけがえのない家族であり妹だ。助けるに決まっている。

 

 

ドクン....

 

 

「っ!」(何?この感覚は...)

 

 

八幡がそう思うのと同時にこの空間が少し揺れ、八幡の表情が険しくなる。トリニティセブンの面々はその異常を感知する。一瞬であるが、八幡に対しての恐れの感情が湧いていた。

 

「どうでもいいわけないだろ。小町は俺の家族であり、妹だ。今回は戦略的撤退するが、近いうちに必ず小町は俺達の手で助ける」

 

「私が易々と魔王候補くん達を見逃すと思う?」

 

「いや、思わない」

 

「じゃあ、ここは自分の出番っスね」

 

「レヴィ...」

 

「八幡さん、ここは自分に任せるっス」

 

「すまんが、よろしく頼むわ」

 

俺がそう言うと、レヴィは高速でリーゼの元に向かい攻撃を仕掛ける。

 

「残念だけど、止まって見えるわよ。その動き」

 

「そうっスか?」シュッ

 

「き、消えた!?」

 

リーゼは魔術を発動し、対応しようとするが後手に回っている。

 

「後ろっスよ」

 

「っ!」バシュッ

 

レヴィはリーゼの魔力で纏う翼をクナイを使って切った。そしてリーゼは瞬間移動を使い、避けようとするがレヴィも負けじと後を追う。

 

「瞬間移動について来られるなんて、どんだけチートなのよ!」ザッ

 

リーゼはレヴィに向かって攻撃をするがレヴィは変わり身の術を使い攻撃を躱し、リーゼの背後を取る。

 

「自分はニンジャっスから、これぐらいなんてことないっスよ」ザシュッ

 

そして、リーゼの翼を再度切る。すると、リーゼの翼はだんだんと消えていく。

 

「それに翼なんて生やしたこと一度もないみたいっスから、動きが前よりかなり鈍ってる感じがしたっス」

 

「なるほど、翼を纏っている分だけ動きが遅れていると言うわけですね」

 

「大体合ってるっすよ、ミラさん」

 

「まさか、さっきの異変で気付かれてたとは...」

 

「弱点を突く戦法を教えたのは私ですよ、リーゼ。そして貴方の魔力は最高位のものですが、それを使いこなせていないなら三流魔道士と同じですよ」

 

「あはは...これは私の方が分が悪いわね。私の魔力が落ち着いた頃にまた招待することにするわね。それと、魔王候補くん」

 

「なんだ?」

 

「また、魔王候補くんの魔力を奪いに来るからね!」

 

「それは勘弁してくれ」

 

「むぅ.....」

 

「じゃあ、またね!」スッ

 

リーゼは俺にそう言い残し、消えた。

 

そして、リーゼが消えた後......俺達は図書館へと戻っていた。

 

「戻ってこれたみたいだな...」

 

「まぁ、今回は痛み分けってとこっスかね」

 

「いや、俺の負けだな。今回は運が良かっただけだ」

 

「そうっスね。八幡さんはこれからどうするっスか?」

 

「そりゃ、もちろん。次の戦いに備えて鍛錬を重ねるつもりだ。小町のためにも、セリナのためにも」

 

「そうっスか。頑張ってくださいっス」

 

「ああ。それと、今回はありがとな。レヴィのおかげで今回の危機を無事、脱せた」ポン

 

俺はレヴィの頭に手を乗せ、感謝の意を伝えた。

 

「どうもっス」(八幡さんの手は温かいっスね)

 

「それで、早速ですが不浄な魔王候補を次の戦いに備えてアキオと特訓をしたいと思います。いいですね」

 

「よし!来た!」

 

「それは構わないんだが......とりあえず、ミラは服を着てくれると助かる。目のやり場がない」

 

今になってミラの服が破け、ヤバイ状態になっている。

 

「え?....っ!」バッ

 

ミラは俺の指摘に気付き、慌てて隠す。

 

「お兄ちゃん!そんな目でミラちゃんを見ちゃダメ!」

 

「そんな目ってなんだよ?」

 

「えっちぃ目だよ!そんなに見たいならユイのを見て!お兄ちゃんにならいつでも見せてあげるから!」

 

そう言って、ユイは服を脱ごうとする。

 

「バカ、やめろ。リリス、ユイのやつを止めてくれ」

 

「分かりました。ユイさん、ここで服を脱ぐのはやめてください」

 

俺とリリスはユイの暴走を止めるのに必死だった。

 

こうして....波乱続きではあるが、俺はミラとアキオの指導のもと、リーゼとの再戦に向けて特訓を開始することになったのだった。

 

 

...続く

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。

本編の更新を待っててくれている人がいたかどうか分かりませんが、なんとか書けて良かったです。遅れて本当に申し訳ない。

次回もまた、だいぶ先の更新かもしれませんが気長にお待ち頂けると幸いです。

次回はリーゼとの再戦と学園長VSリーゼのところまではいきたいですね。何気に作者は学園長が好きなので早く戦闘シーンまで書きたいと思ってたりしてます。

それでは、次回もよろしくお願いします。


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