しろねこフレンズ (RASN_Pixiv1本になります)
しおりを挟む

序章

ここは飛行島じゃなく島興しやらでガシャドクロやら覆面騒動とかとか色々とあったオバケの島。

 

近頃はどうにか客足が捗り盛況であり、それの一因には飛行島のメンバーが関わっていたのだった。

 

 

そんな島の山の一つにいくつかの人の姿があったのだった。

 

「こういう木漏れ日を浴びながら紋章を描くのも中々良いもんだ…。」

 

「…!」

 

一人は紋章画家のユキムラでありもう一人はRASN(赤髪だけどアデルじゃない方で最初から実は光れたかもっていう主人公君。)であり、両者ともに筆とスケッチブック片手に紋章を描いていた。

 

「そーですね!解放感たっぷりで、しゅどーっと来てますよ!」

 

近くにはユキムラ同様に紋章画家のイロメロもおり彼女は筆は持たずに指で描いていたのだった。

 

「しゅどーっとね…楽しくやってるな。」

 

「……?」

 

「ん?楽しいさ。なんせお絵描きは楽しく、だからな?」

 

「はいっ!そうですよ、シュッと描いてパッと!…びゅおー?」

 

イロメロが丁度一枚描き終えるとその紙がパタパタと揺れる風が吹き抜けた。

 

「あっー!みっけたー!」

 

そして風に乗って声がするとそこには嵐の鳥と奉られていた霊鳥の少女のエクルが草むらを風で押し退けてやって来ていた。

 

「…!」

 

「ぎゅー!ナイスきゃっちー!」

 

そしてRASNはエクルを認識して画材をまとめて置くと飛びかかってきたエクルを受け止めたのだった。

 

「こっちかおー?」

 

「そうみたいで…なっ?!」

 

エクルがやって来ていた方向からはカモメとメグがやって来ており、カモメはギョっと驚いていたのだった。

 

「ん?どうした?」

 

「なっ…なんでもありません!」

 

「お三人方はどうしたんですかー?何か用ですー?」

 

「んっとね、えっーとじゅんびが…なんだっけー?」

 

エクルは口に手を当てて空を仰ぎ見ながら何かを言おうとしたがすぐに首を傾げたのだった。

 

「おいおい…。」

 

「んー…でもけーきが…むきゅ?!」

 

「おっと、こっから先はメグたんにお任せだおー。」

 

するとメグはエクルの口に野菜チップスを一枚詰め込むと三人へと説明を始めた、なおエクルは野菜チップスを満悦な表情でポリポリとしていた。

 

「まだ食材が届いていない感じか、結構描いていたとは思ったんだが…。」

 

「…!」

 

「でももっと沢山描けるってことですね!」

 

三人へと伝えられたのはロッジにへと届けられる食材が未だに着いていないという事であった、ちなみに彼等が山中にて描いていた理由は到着するまでの時間潰しという感じであった。

 

「…?」

 

「到着予定でありますか?キャトラ航海士からはあまり期待しない方がって言われてます…。」

 

「だから他のみんなは釣りとか採集をしてるおー、シャルたんも飛べるのを引き連れて買い出しにいってるおー。」

 

「…!」

 

「あー、それは大丈夫だお。それよりこの山の山頂は眺めが良いから行ってみないかお?」

 

「そうだな、そこなら良いのが描けそうだしな。」

 

「それでは参りましょう!」

 

「…!?」

 

ロッジの方にへと足を向けようとしたRASNにメグは立ち塞がり、カモメはRASNの腕を引っ張ったのだった。

 

 

 

 

 

- 山頂 -

 

「すぅぅ……空気が澄んでますねー?」

 

「あぁ、眺めも良くて筆がよく進むよ。」

 

山頂に着いた一行は島をほぼ見渡せる山頂に着いていた、ユキムラは早速折り畳み椅子に腰を掛けて画材を取り出して二三枚描き上げたのだった。

 

「わー!面白そー!エクルもするー!」

 

「それじゃ!一緒に描きましょう!」

 

「わーい!!」

 

エクルはイロメロと共に指を色付けて紋章を描き始めた。

 

「…?」

 

「メグたんは大丈夫だお、こうやって見るだけでも十分に面白いおー。」

 

「私もですよ。」

 

そして残った三人はそれらを座って眺めていたのだった。

 

「カモメたん的にはRASNたんと一緒だからじゃないお?」

 

「えっ…!?まぁ…そうでもありますけど…。」

 

「……?」

 

「RASN!RASNー!みてみてー!私ももんしょー描けたよ!」

 

するとRASNらの方にへとエクルが紋章が描かれた紙を突き付けてやって来ていたのだった。

 

「……!」

 

「おー…何とも言いがたい感じだおー…。」

 

「でも何かいいですね!」

 

「えへへー、ありがとう!」

 

エクルは誉められてかルンルンと飛び跳ねていたのであった。

 

「エクルちゃんはすごいですよー!お陰様でこんなすごそうなものも描けましたしー!」

 

その後方ではイロメロが大きなキャンパスに文字の様な紋章を描いていたのだった。

 

「へぇー…文字ベースで…しかも一部がアンシンメトリーで…やっぱりすごいな。」

 

「はいっ!よくわかりませんがそんな感じですよ!」

 

「どんな感じかおー?」

 

「エクルも見る見るー!」

 

「…!」

 

「そうですね!見に行きましょう!」

 

そうしてイロメロの元にへと続々と集まっていた。

 

「きゃっ。」

 

だが勢い良く来ていたエクルはイロメロにぶつかってしまい絵の具がほんの少しだけはねてイロメロが描いた紋章の文字の様なところについてしまったのだった。

 

「わぁ!?ごっ…ごめんなさい…。」

 

「大丈夫だよー、それにこう耳がピョコンとした感じで可愛いですよー?」

 

イロメロは申し訳なさそうに謝るエクルににっこりと微笑んでいた。

 

「まぁ…そうだな、…ん?」

 

「んむ?どーしたお、ユキたん?」

 

「いや、あそこの草むらに何か…というかなんだユキたんって?まるで女の子じゃないか…。」

 

「でもユキムラさんは髪が長いですから結んだら面白そうですね!」

 

「髪が長いのは確かだが面白そうとは…って何してるんだ?」

 

「んー、ツインテールも中々だけどお団子も面白そうだおー。」

 

メグはいつの間にかユキムラの背後を取って髪をツインテールにへと結び上げていたのだった。

 

「あははーおもしろそー!」

 

「私もしたいですー!」

 

「やめろォ!人の髪で遊ぶなー!?」 

 

そうしてユキムラは三人に次々と髪を弄くられていたのだった。

 

一方蚊帳の外の二人はユキムラの見ていた草むらの方にへと足を運んでいた。

 

「どうですか?」

 

「…!」

 

「こっちもですねー…気のせいなのでしょうか…?」

 

「…?」

 

二人は首をかしげて只今頭に羽根がちょこんと生えてるような髪型にさせられたユキムラらの所に行っていた。

 

「RASN、どうだった…!?」

 

「…!」

 

「そうか、何もないか…いい加減にしてくれ…!」

 

「むっー…」 

 

「ユキムラさんの髪ってツヤツヤしてますねー。」

 

「道具があればもっと遊べたおー…。」

 

ユキムラはその髪型のまま取り付いていた三人を追い払った。

 

「…ったく…ん?」

 

結ばれた髪をほどこうとしたが途中でその手は止まってしまったのだった。

 

「今度は何だお?」

 

「イロメロ…!お前の持ってる紋章…!」

 

「んんー?わぁー!ぴかぴかです!」

 

イロメロがさっきまで描いた紋章は虹色の光を発しており、みんなはイロメロの方にへと集まっていった。

 

「なんだろなんだろー?!」

 

「…でも綺麗ですね!」

 

「…!」

 

「イロメロ、何かしたのか?」

 

「特にはなにもですけど…どれも楽しそうでバビューンとしてますよー!」

 

「んお?」

 

紋章の光に目を奪われてる中メグはそそり立つ耳をピクンとして、先程ユキムラが見てRASNとカモメが調べに行った草むらの方にへと視線を合わせたのだった。

 

「あれは…星たぬき…じゃないし…なんだお?」

 

そんな視線の先には草むらに紛れて青色の突起物がゆらゆらと揺らいでいたのだった、メグは下唇と少し上げて一歩二歩と歩み寄ろうとしていたが。

 

「んぉ?!」

 

「どうした!?うわっ!?」

 

「なんですかー?うわぁー!」

 

「…!?」

 

「きゃぁ!?」

 

「わーい!」

 

次の瞬間光っていた紋章が辺りを包む様に光輝いた、そしてそれに飲み込まれた六人はその場からいなくなっていたのであった。

 

しかしイロメロの描いた紋章紙のみは残って落ちていったが先程から草むらにいたモノに乗っかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わーい!」

 

「あんまり走ると危ないよ?」

 

夕刻の草原を行く二つの人の姿がり、一つは跳ねていたりしておりもう一つはそれを歩いて追いかけていた。

 

「へーきへーき!それに風が気持ちいいからー!」

 

「あははは…あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「あれ…流れ星かな?」

 

「んー?…あっ!ほんとだー!すごーい!いっぱいだー!」

 

「そうだね、1…2…3……6つもあるね?」

 

そうやって空を見ると6つの流れ星は3組になるようにまとまり散らばったのだった。

 

「あー…消えちゃった…。」

 

「でも綺麗だったね?」

 

「そうだね!きらきらしててサンドスターみたいだったよ!」

 

「うん。それより早く行こっか、そろそろ暗くなってきたし寝床を探さないとね?」

 

「そうだね!かばんちゃん!」

 

そうして二人はまた前へと進み始めた。

 

「マッマママママ…」

 

途中かばんちゃんの腕に付けられていた機械の様なものがピコピコと緑色に光ると少しノイズが走っている電子音が小さく鳴ったのであった。

 

「ロッ…ロロロ…クメイサマ…マッマママママ…ヨッ…ヨヨヨ…ヨウコソ…ジャパリパークヘェ………。」

 

「うみゃ?」

 

「どうしたのサーバルちゃん?」

 

「ううんー、なんでもないよー!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

遭遇

ここはジャパリパーク…そこはとてつもなく巨大規模な動物園であり、園内にはサンドスターと言う謎のエネルギーにより動物らの人化形態とも言えるフレンズ化が行き渡っていた。(しかも女の子となるのである。[恐らく])そんなジャパリパーク内にはいくつものちほーがあるのであった。

 

 

そしてここはみずべちほーであり水が豊かな所でありステージが存在する場所であり、その近くの小屋から五つの人影が続々と出てきたのだった。

 

「ふぃ~今日も疲れたぜー。」

 

「もう辺りが暗いですね。」

 

「おなかすいたー…。」

 

出てきた五人はそれぞれジャージの様なものを羽織ったり着たりしていたりスカートをはいたりはいていなかったり靴の色が違ったりしていた。

 

「お疲れ様!今日は中々良かったじゃない!」

 

「そうだな、だがあの時のジャパリまんを借りる時に比べれば……………。」

 

黒髪で赤色が一筋入った髪をして他と比べハイレグが目に行く格好をしたフレンズのコウテイペンギンは白眼を向いて固まっていたのであった。

 

「って!コウテイまた自分で言って気絶してるじゃねぇか!」

 

そう言って突っ込むのは黒色の髪に黄色く触角の様に上がってるのとツインテールの様にサイドから下がる黄色い髪に、前髪の一部が赤色となっているフレンズのイワトビペンギンもといイワビーであった。

 

「またですか…おや、フルルさん?」

 

そう言うのは黒のロングヘアーで前髪が一部黄色くなった見た目でとても大人しく見えるフレンズのジェンツーペンギンもといジェーンである。

 

そしてジェーンがフルルと呼ぶのはフンボルトペンギンのフレンズであり黒色と前髪の一部がピンク色の髪をしていた、そんなフルルは半開きの口を夜空に傾けていた。

 

「どうしたのフルル?」

 

心配そうに寄ったフレンズは白黒のツインテールに前髪から出てる黄色い触角の様な髪にフルルの様に前髪の一部がピンク色であるロイヤルペンギンもといプリンセスであった。

 

そしてだが彼女ら五人はPPP(ペパプ)と言う名のアイドルユニットなのである。

 

「あれー…。」

 

気が抜けた声でフルルは夜空を指し、コウテイ以外のフレンズはそれにつられて夜空を見た。そこには満天の星が輝いていたのだった。

 

「おっー!すげー!」 

 

「きらきらしてておいしそーだよねー?」

 

「流石に食べることは出来ないわよ…。」

 

「ですけど…綺麗ですね。」

 

各々が反応をする中でキラリと流れ星が四人の目に止まった。

 

「おっ!流れ星だぜ!ロックだぜ!」

 

「ロック…なのでしょうか…?」

 

「ふわぁぁ…。」

 

「…でも何か随分と長く流れるわね…あの星?」

 

「そうですね…それに何か大きく…。」

 

「まさか、落ちては来ねぇよな…まぁ向きは違うけど…なぁ?!」

 

そうするとズドンと響く音と共に流れ星は勢いをつけて落ちてきたのだった。

 

「わぁぁ?!本当に落ちてきたー?!」

 

「……うっ…………」

 

「あぁっ?!コウテイさんが!?」

 

「オイオイ大丈夫か?!ってフルル!?」

 

「私見に行ってくるねー。」

 

そして落ちてきた衝撃のせいか辺りは少し揺れて気絶をしていたコウテイはそのまま倒れてしまい、フルルは落ちていった方にへと走り出したのであった。

 

「あの娘は相変わらず…!ジェーンはコウテイを見てて!私とイワビーでフルルを追うわよ!」

 

「おうっ!」

 

「分かりました!んー…!」

 

そうしてプリンセスはイワビーと共にフルルが走っていった方にへと走り、ジェーンは倒れたコウテイの介抱をしていたのだった。

 

 

 

 

 

 

そしてその頃その流れ星が落ちていた地点は草原と森林地帯の丁度真ん中ぐらいでそこには穴が開いていた、そんな中には誰もおらず穴の側の草の上にRASNは寝そべっていたのだった。

 

「………………………………。」

 

「ここかなー?」

 

ガサガサと草木が靡くとフルルが飛び出してやってきたのであった。

 

「すごい大きな穴ー…!…あっ…。」

 

フルルはまずは目の前の穴に驚いて中を覗こうとしたが穴の側にある影を見てそちらにへと近寄った。

 

「んん?んー…寝ちゃってるのかなー?」

 

フルルは一回辺りを見渡してから膝を抱える体勢でRASNの頬や腹を手で優しく揺すったのだった。

 

「起きないねー…でもそこ気持ちよさそー…ふぁぁ…おやす…。」

 

「おーい!フルルー!」

 

「んぁ?イワビー?」

 

欠伸もしてRASNの横にへと膝をつこうとしたがイワビーが声と共に飛び出てやってきて、後ろからは肩で息をするプリンセスも来ていた。

 

「ようやく見つけたぜ!てかすげー穴だな!」

 

「そうでしょー?これもフルルが見つけたんだー?」

 

そう言ってにっこりと笑いながら寝ているRASNを指差したのだった。

 

「こいつは…?」

 

「んー…分かんないかなー、プリンセスは分かる?」

 

息を調え終わったプリンセスは姿勢を低くしてRASNに触れた、そして頭を少し動かしたり背中の方を見たりのだった。

 

「尻尾は…ないし、フードや羽とかもないし…なんなのかしら…?」

 

「特徴がないって感じか?」

 

「そうね…見えないってこともあるかもしれないけどこれじゃまるで…。」

 

「ねぇねぇ、あれあれー。」

 

「何だ…うぉっセルリアン!?」

 

そうすると彼女らの前には青く丸いブヨブヨとしたモノがおりセルリアンと呼ぶそれには一つの目と耳のような突起物が生えていて、こちらにへと近づいていたのであった。

 

「何時の間に!?」

 

「でも一匹ぐらいなら…!うぉっ?!」

 

イワビーはセルリアンの前に立ち両手を前に構えようとしたがグラッとイワビーは体勢を崩したのだった。

 

「何だ…フルル?!」

 

そしてイワビーの前にはフルルが飛び上がっておりセルリアンの上を取っていた。

 

そんなセルリアンは上のフルルには気付かずにただ前に進んでいたのだった。

 

「えぇーい。」

 

フルルはそのまま落ちながらもセルリアンの後ろにある固い部分を叩き割って着地したのであった、そしてセルリアンはそれにより青く幾つものキューブ状のモノにへとぱっかーんと弾けて変わったのだった。

 

「背中ありがとねー?イワビー。」

 

「別に良いって!それよりスゲーなフルル!」

 

「そんなことないよーやる時にはやるよー?」

 

「出来たらそれをステージで何時でも…。!?みんなまたよ!」

 

プリンセスがそう言うと草木の影からまたセルリアンが飛び出してきた。

 

「また来やがった!今度はアタシが…!」

 

イワビーは目を細めるとまた両手を前に構えた。

 

「えぇ…。」

 

だが直ぐ様その手は奥の方からわらわらのとやって来るセルリアンらを見て下ろしたのだった。

 

「これはヤバイわね…逃げるしかないわよ!」

 

「でもー囲まれてるよー?」

 

「えぇ?!」

 

フルルの言う通りにイワビーの反対側にもセルリアンが沢山いたのであった。

 

「どうしてこんなに…!?」

 

「一対一ならともかくこの数は…!」

 

「うわぁー…来るよー…。」

 

沢山のセルリアンはズイズイと彼女らににじり寄り、緑色の部分もかなり少なくなっていた。

 

「ここまでなの…!?」

 

「くっ…!」

 

「わぁ~…」

 

そして一匹のセルリアンが飛びかかろうとしてきたのだった、だが次の瞬間飛びかかろうとしてきたセルリアンは倒されのであった。

 

「今度は何っ!?」

 

プリンセスが倒されたセルリアンの残骸の先にある人影を見ていた、長い髪とヘラ状に広がった角が特徴的な影であった。

 

「うむ、ハシビロコウここであっているな?」

 

そして影がそう叫ぶと空から灰色の探検服とタイツを身にまとった女の子が降り立った。

 

彼女の髪は灰色の髪で上に何本か立っており左右に翼の様に流してある髪先は黒くなり、灰色の脇に黄色く結った髪が特徴的である。しかしその中でも前髪に少し隠れている目がまるで睨んでいるかのようなのが一番な印象ではあるが。

 

「うん……そうだよ。それにみんなもこっちに向かってるよ。」

 

「そうか、まぁこの数なら私一人でも…」

 

「とりあえず遠いのを誘導してくるね。」

 

「分かったぞ!」

 

そうするとハシビロコウは黒くなってる髪の部分が羽ばたいて空を飛んでいったのだった。

 

「さてと…やぁやぁやぁ!私はヘラジカ!セルリアン共!いざ尋常に勝負っー!」

 

そして自らヘラジカと名乗る女の子は角の様な物と同じ穂先の槍を振り回してセルリアンを倒し始めたのであった。

 

「あれって…ヘラジカさんね…助かったわ…。」

 

「あぁ!取りあえずこの場から離れようぜ!」

 

「あーい。」

 

そうして彼女らは倒れてるRASNを背負ってその場から離れようとしていた、しかしセルリアンもそれを逃がさないのか追っかけようとしていた。

 

「させんぞ!うぉぉぉぉぉ!!」

 

それに対しヘラジカは雄叫びと軽い地響きを起こしながらもRASNらの所へと行くセルリアンを撃退していた、だが全部を倒しきれなかったのか数体がヘラジカに襲いかかろうとしていた。

 

「危ないっ!?」

 

「ふっ、大丈夫だ…。」

 

するとそのセルリアンはぱっかーんと弾けて軽い足音と重々しい足音が響いたのだった。

 

「ヘラジカ様!大丈夫でござるか!」

 

「うむ、大丈夫だぞカメレオンにシロサイ。それによく来てくれた!」

 

足音の方には甲冑を着込んでサイを模したような槍を持ったクリーム色のふんわりとした感じのポニーテールの子と、深緑色でまるで忍者の様な格好のセーラー服の様な服装をしており緑色の垂れているポニーテールと尻尾も特徴的な子が立っていたのだった。

 

「そちらは…ペパプの方々で、そちらは誰ですの?」

 

「まぁ何はともあれまずはここから引くぞ、私が引き付けるからカメレオンにシロサイは彼女らを守ってくれ!」

 

「了解しましたわ!」

 

「御意でござる!」

 

そうしてヘラジカがセルリアンを蹴散らしシロサイとカメレオンは近寄るセルリアンを追い払い空のハシビロコウとも合流を遂げてからみずべちほーにへと退避できたのであった。

 

「中々にしぶとかったですわ…!」

 

「うむ、ここまでしつこくつきまとわれたのは初めてだな…。」

 

ヘラジカやカメレオンらはライブステージにへと腰を掛けており、ジェーンが饅頭のような食べ物であるジャパリまんを幾つか持ってきていたのだった。

 

「大変でしたのね…ジャパリまんをどうぞ。」

 

「かたじけないでござる…はむはむ…。」

 

「ところでどうしますか?ここからへいげんちほーには結構時間がかかりますし…。」

 

「うむ、それだがプリンセスと相談して一晩ここで泊まることにした。」

 

「そうですか、それではゆっくりしていってくださいね。」

 

そうしてジャパリパークの夜は更けていった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪夢とたーのしー!

「うっ…。」

 

ユキムラは目を覚ました、眼前にへと広がるのは星空であったのだった。

 

「ここは…?…みんなもいる……。」

 

そして体を起こして辺りを見渡した、そこは先程まで髪を弄くられていた場所であり髪は元通りになっており回りにはイロメロやRASNやエクル達がうつ伏せになっていた。

 

「もう夜なのか…時間稼ぎのつもりがとんでもない事に…おいっ!みんな起きろ!」

 

ユキムラはうつ伏せとなっている皆を揺すったり声をかけたりしたが皆は起き上がるどころかピクリとも反応が無かったのだった。

 

「ユキムラァーそんなことしても無駄無駄ー。」

 

「…!?その声…!もしかして…アイザック?!」

 

声の方を見ると闇夜から姿を現したのはイロメロ兄でもありユキムラの親友でもあり同じ紋章画家であった男がそこにいたのだった。

 

「そーだ、どうした?そんな驚いた顔をしてよぉ?」

 

「そりゃ…お前は死んだはずじゃ?!」

 

「フッフッー…生き返ったんだよ…お前七夕に俺のことを書いてくれたろ?それが叶ったかもなぁ?」

 

「そっ…そうなのか…?」

 

「あぁ……。って、んなわにゃねーだろー!ばぁか!!俺様がお前ごときのお願いだけで生き返るわきゃねーだろーがよぉ!!?ハッハハハ!!」

 

アイザックはそう高笑いを上げたのであった。

 

「…相変わらずか…でも本当に生き返ったんだな…!」

 

「あぁ…それなんだがな、そりゃ嘘だ。正確には完全には生き返っちゃいねぇんだよなぁ?」

 

キッパリそう言ってアイザックは自身の足元を指した、ユキムラがそこにへと視線を送るとアイザックの体は膝から下が無かったのだった。

 

「それでだユキムラ、親友であるお前に頼みがあるんだ。お前の手伝いがあれば俺は生き返れるんだ…。」

 

「そっ…そうなのか…俺でよかったら手伝うが…。」

 

「お前ならそう言うと思ってたぜ、そんじゃ…お前の目を寄越せ。」

 

「……アイザック…?」

 

そう言われたユキムラは腹に何か重いものを受けた感覚を覚えたのだった。

 

「何、信じらんなーい!って顔してんだ?目を寄越せって言ったんだよ?」

 

「いや、それは聞こえたんだが…何で俺の目なんかを…!?」

 

「んぁ?まぁ完全復活にはどうやら自分の親しい人物の何かを代わりに差し出さないといけなくてな…。」

 

そう言いつつアイザックは一歩一歩とユキムラへと近づいていた。

 

「それで可愛い妹に頼むのは可愛そうでね、それで親友でもあるお前ならとな…。」

 

「…!?」

 

ユキムラはギロッと睨み付けられると腰が抜けたのか尻餅を着いてしまったのだった。

 

「おっ、わざわざ取り易いようにしてくれたのか?ユキムラは相変わらず気が回るよなぁー?」

 

「ちっ違うっ!それにまだ俺は了承はして…んぐっ!?」

 

するとユキムラの背後から手が延びて一本は口に後の二本はユキムラ羽交い締めにしたのだった。

 

「(なんだ…?!…あっ…アイザック?!)」

 

口を封じられたユキムラの視界に入ったのはアイザックだった、しかしその体はイロメロやRASNの体であり顔だけはアイザックなのだった。

 

「んぐぐぐー!?」

 

そうしていると倒れていたメグやエクル等も立ち上がってユキムラの動きを封じに来た、そしてそれらの顔もアイザックなのであった。

 

「(なっ…なんなんだっ!?)」

 

「さぁーて、そろそろ頂くかな?親友よ。」

 

「(やめろォ!!)」

 

「ユキムラァ!お前は俺にとっての…おっとこれ以上はいかんな。」

 

「(うおおおおおあああああああ?!!?)」

 

アイザックはそう言いかけてユキムラの右目にへと指を差し込んだ、ユキムラは必死に暴れて声を上げようとしたがアイザック顔のイロメロらに体も口も封じられているのである。

 

「(ーーーーッ!!ーーー!!)」

 

そして右が黒く見えてしまうようになったユキムラは項垂れ声にならぬ声を上げたかった、だがそれは許されず自分の右手をジッと見つめるアイザックを見させられたのだった。

 

「へぇー…やっぱ綺麗な目だな、ユキムラー?」

 

「……………。」

 

「さてと…もう一個もだな、チクッと痛いかもなー?ハッハハハ!!」

 

そうしてユキムラの左目にも手袋が赤くなっているアイザックの手が延びようとして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉおおおおおお!!!?」

 

するとユキムラは大声を上げて起き上がったのだった。

 

「ハァ…!!ハァ…!?ハァ…!ゆっ…夢か…!?」

 

まずはと汗を垂らす額を拭い去りそのまま下に動かしてあるということをユキムラは確認したのだった。

 

「よかった……。…!?」

 

天を仰ぎ見て日光を目蓋に感じさせたが辺りを見渡し、ユキムラは当惑したのだった。

 

「どういうことだ…、ここは…?」

 

ユキムラの辺りは山頂などではなく木々から蔦が垂れてジメっとした感触が広がるジャングルの様な所であり、ユキムラの下には木の板が敷かれていたのだった。

 

「おっ?声がしたと思ったらお目覚めかい?」

 

「…!?」

 

足音の方を見るとそこにはツリ目で白いワイシャツと豹柄のスカートやニーソックス等を身につけていた女の子がいた、そしてユキムラその子の身格好よりも頭から生えている二対の耳と後ろでチラチラと見える尻尾に目が行っていた。

 

「どうしたんだい、もしかしてまだ具合が悪いとか?」

 

「いや、大丈夫だ。それより君は…?」

 

「私かい?私はジャガーだ、よろしくね。」

 

「あぁ、よろしく…ユキムラだ。」

 

ユキムラはまだ少し落ち着かない素振りでジャガーの差し出していた手を握り返したのだった。

 

「ユキムラ…一体なんのフレンズなんだい?見た感じ羽みたいなのがあるから鳥かな…。」

 

「いや待て…どうして?」

 

「いやだってさ、その頭がさ。」

 

「ん…?………あぁ…?!」

 

ジャガーに言われさわさわと自分の頭を撫でた、そして思い出したかのように叫ぶとわしゃわしゃと髪をとかして元のストレートな感じにへと戻したのだった。

 

「急にどうしたんだ?」

 

「いや…何でもない…何でもないんだ…そういえばここは一体どこなんだ?」

 

「ここかい?ここはじゃんぐるちほーでね、おっとそうだ済まないけど歩き…いや泳ぎながらでいい?」

 

「泳ぐ?」

 

そうしてジャガーに連れていかれユキムラはじゃんぐるちほーの大きい川にへと着いた。

 

「それじゃこれに乗っといてくれよ。よっと。」

 

ジャガーは川へと体を沈めて近くに浮かんでいたイカダの様なものを掴むとユキムラの方にへと寄せたのだった。

 

「大丈夫なのか?」

 

「へーきへーき、これぐらい何時もやってるしあの時に比べれば大丈夫だって。」

 

「…?まぁ、それなら失礼するが。」

 

そうしてユキムラはイカダに座り乗るとジャガーがそれを引いて川を進んでいったのだった。

 

「なぁ、すまないがさっきあの時って言っていたがどんな時だったんだ?」

 

「ん?あぁそれなら昨日の夜に凄い音が川でしてね、それで見に行ったらユキムラが浮かんでいたってわけさ。」

 

「…そうなのかそんな事が、助かったよジャガー。」

 

「礼なんかいいって。」

 

「…そうだ!俺以外にも誰かいなかったか!?こう…ピンク色の髪や赤い髪のとか…!」

 

「まぁまぁ、落ち着いて。赤いのはともかくピンク色の子ならユキムラと一緒に助けたよ、今その子の所に向かってるから大人しく待ってるんだよ。」

 

「わっ…分かった…。」

 

そうしてジャガーは川を上がって行き、着いたのは橋の残骸のような物が川の中にある場所であった。

 

「到着ー、多分この辺りにいるんだろうけど…。」

 

「おーい!イロメロー!」

 

二人は陸地にへと足を付けると辺りを見渡したが人の影すら見当たらないのだった。

 

「あれー?何時もならここで楽しそうに遊んでいるんだけどなー…?」

 

「イロメロー!イロっ…!?」

 

ジャガーが頭を掻きながら更に探しており、ユキムラは川の方に視線を向けて制止してしまったのだった。

 

その先にはアイザック…ではなく崩れた橋の残骸のような影からとんとんと何者かが残骸の天辺にへと歩いていたのだった。

 

「ふぅー!とーちゃーく!はやくはやくー!」

 

「わーい!まってくださーい!」

 

「…!?イロメロ!?」

 

そしてそんな子の隣にはイロメロも笑顔でとんとんと上がってきており何故か水着姿なのだった。

 

「いっせーのせー、でいきましょう!」

 

「わかったー!いっせーの…」

 

「せー!」

 

そうして彼女らは座るとズサーと残骸の斜面を滑り始めたのだった。

 

「わーい!たーのしー!」

 

「たーのしー!ですー!」

 

「…………。」

 

ユキムラはそれを口を半開きで見るしかなかった、そしてザブンと彼女らは川にへと入っていった。

 

「おっ?見つかったかい?」

 

「……………。」

 

「…?おーい?ユキムラー?」

 

ジャガーの問い掛けにユキムラは無反応でまだ残骸の方を見ていた、するとまた上にへとイロメロらがとうちゃくしておりまたすわりすべりはじめたのだった。

 

「わーい!」

 

「たーのしー!」

 

「あはははー…たっ…たーのしー…。」

 

「おっ…おい?!ユキムラ!?」

 

するとユキムラからボソッとかのじょらのいっていた事をつぶやきはじめてジャガーはそんなユキムラのかたをゆさゆさした。

 

「ふぅ!あっ!ジャガーちゃん!おーい!!」

 

「おっ?カワウソ、そんなとこにいたの。」

 

「いたよー!おっ?起きたの?起きたの?!」

 

……ジャガーからカワウソと呼ばれた子は興味深そうにユキムラを見ていた。

 

「あぁ、それでそっちの子に用事があるみたいだよ。」

 

「そーなの?イロメロちゃん、呼ばれてるよー?」

 

「はーいっ!あっ、ジャガーさんお久しぶりで…あっー!ユキムラさん起きたんですねー?」

 

「………………んはっ!?イロメロ!」

 

ユキムラはガクンと体を揺るがして目を見開いたのだった、そしてイロメロとカワウソはバシャバシャとこちらへと泳ぎ上陸したのであった。

 

「ぶるるるぅ!!たのしかったね、イロメロちゃん!」

 

「そうですねー!ぶるるんんん!!とってもたーのしーでしたよー!」

 

カワウソは上がってから体を震わせて体の水を取り払っており、イロメロもそれを真似てか体を震わせていた。

 

「イロメロ…一ついいか?」

 

「なんですか?」

 

「ここはどこだかとか分かるか…?」

 

「分かりますよー!カワウソちゃんと一緒に遊んでいるときに色んな事を色んな人から聞いてきたから安心してください!エッヘン!」

 

胸を張り自信満々なイロメロはユキムラにへと色々なことをユキムラにへと伝えた。

 

「成る程…ジャパリパークと言うのか…聞いたこと無いところだな…。」

 

「私もです!でも色んなところの自然がどばばーんっとあってバショーン!ですよ!」

 

「そっ…そうなのか…ところでジャガーにカワウソ、俺たち以外に他に誰かいなかったりしなかったか?」

 

「うーん…昨日の夜に凄い音がしてから浮かんでいたのは二人だけだったし…。」

 

「昨日の夜っていったら音もすごかったけど空に流れ星がバッーってあっちの方にもしてたねー!」

 

カワウソは楽しそうに言いながら高く高くそびえ立っている山の方にへと指差したのであった。

 

「そういえばそうだったけ、あっちは…みずべちほーの方かな。」

 

「となると、そのみずべちほーに行った方がいいな…戻り方よりまずは合流をしてからだな。」

 

「そーですね!RASNさんのぴっかぴっかーならどうにかなると思いますしね!」 

 

「あの山を越えるのかい?」

 

「あぁ、きっと仲間がそこにいると思うからな。世話になったな。」

 

「仲間が見つかるといいね。」

 

「じゃーねー!」

 

そうしてユキムラとイロメロは二人に別れを告げて山の方にへと向かったのだった。

 

 

 

 

「にしても…似てたな…。」

 

「似てたってもしかしてかばんちゃんにー?」

 

「まぁ…そうかな、でもあのユキムラってのはなんか少し違うような…そうでもないような…全然わからん…。」

 

「うーん…難しいのはよくわかんないし、とりあえず遊ぼー?」

 

「分かった分かったって。」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

PPPと赤髪

一方その頃な同時刻ぐらいの時…。

 

- みずべちほー -

 

「ふぁぁ…おーすっ。」

 

ペチペチと足音を立ててやって来ていたのはイワビーであった。

 

「あっ、やっと来ましたか遅かったですね。」

 

「見た感じだとさっきまで寝ていたのか?」

 

「そうなんだよー…いつもならフルルが起こしてくれんだけどなー、何でか今朝は来てくれなかっ…ふぁぁ…。」

 

「そういえばフルルはまだ来てないわね…てっきりイワビーと一緒に来ると思ったんだけど…。」

 

「そういやいねーなー…むにゃむにゃ…。」

 

「イワビーさん、寝ないで取り合えず探しましょう。」

 

「うぃぃ…。」

 

そうしてペパプの四人は手分けしてフルルを探すこととなったのだった。

 

 

 

 

 

「フルルー!ジャパリまんあげるから出ておいでー!?」

 

プリンセスはジャパリまん片手に周囲を練り歩いて声を上げていた。

 

「ん…、ここってたしか…。」

 

そして彼女はとある扉の前にて足を止めてその前へと立ったのであった。

 

「まさかね…失礼する…わ……。」

 

ガチャリと扉を開いて中に踏み入りポトリとジャパリまんを落としてしまったのであった。

 

「わっ…わわわっ…なっなななな…!?」

 

「…………じっー……。」

 

「くぅ…くぅ…じゃぱりまぁん……もっとぉー…。」

 

「何してんよおぉぉぉぉぉぉ!?」

 

みずべちほーにプリンセスの叫声が響き渡たり、ドタドタと騒がしい音が三つ寄ってきたのであった。

 

「どうしたんだ!?プリンセス!?」

 

「とてもすごい声でしたけど、もしかしてフルルが…。」

 

「私も驚いたぞ!それと道中でこんなものも…。」

 

「………。(白目)」

 

ヘラジカが持ってきたのは気絶していたコウテイなのであった。

 

「…おっ!フルルこんなところにいたのかよー。」

 

「本当ですね、気持ち良さそうに…。」

 

「んん…?どうしたのみんなー?おはよー…。」

 

するとフルルは目を擦りながら生欠伸で皆を見たのであった。

 

「おう!よく寝れたかフルル?」

 

「んぁー…んぉー?」

 

するとプリンセスはズカズカと歩くとフルルの肩を掴むと床にへと正座させたのだった。

 

「フルル…取り合えず寝坊していたことはともかくとして何でこんなところにいたの?自分の部屋があったでしょ?」

 

「んー…暖かいからかなー?」

 

「あっ…暖かいっ!?」

 

「フルルさんは寒いところが少し苦手ですからね、以前寝ている時にも潜り込んで来ましたからね…。」

 

「そうだな!こっちもよくやられてるけど…。」

 

「そうじゃなくて!どうしてここの部屋なのって聞いてるのよー!?それにあなたも何で止めたりしなかったの?!」

 

プリンセスはわーきゃーと椅子に座ってじっーとこちらを見ていているハシビロコウに声をかけたのであった。

 

「………ごめんなさい、少し寝ちゃってて…起きたらこうなってて……起こそうにも機を伺って中々…。」

 

「うっ……分かったわよごめんなさい…って?!フルルー!?」

 

「…んむにゃ…」

 

「…じっー………。」

 

そうしてフルルはまたベッドにへと潜り寝ているRASNの隣に戻ってまたまたみずべちほーにプリンセスの叫声が響き渡ったのだった。

 

そしてまたフルルは起こされて正座させられプリンセスの説教を受けたのであった。

 

「…分かった?」

 

「分かったよぉー…。」

 

「分かればいいのよ!それじゃレッスンをしにいきま…あっ!」

 

今度は指差ししながらプリンセスは叫声ではない声を上げた、指先にはベッドの上で上体を起こし体を伸ばすRASNがいたのであった。

 

「おぉ!ようやく起きてくれたか…!」

 

「…!?…?!」

 

起きたRASNまずは辺りを囲い見てくる六人と白目の一人を見てオロオロとしていたのだった。

 

「どうされましたか?もしやまだ具合が…。」

 

「あんま無理すんじゃねーぞ?それとも腹減ってるのか?」

 

「お腹が空いてるならジャパリまんが…あれ?ない…あっ…。」

 

「あむあむ…ふぉうひひゃのぷりんせふー?」

 

「なんでもないわ…ジャパリまん取ってくるからみんなは先に行っててちょうだい…。」

 

そうしてプリンセスは部屋から出ていった、残された面々はRASNを引き連れてステージの方にへと歩きカメレオンやシロサイらとも合流しコウテイも復活したのであった。

 

暫くして沢山のジャパリまんが入った袋をプリンセスは持ってきたのであった。

 

「はい、お待たせ。ヘラジカさん達もどうぞ?」

 

「忝ないでござるよ。」

 

「頂きますわよ!」

 

「うむ、腹が減っては戦は出来ぬしな…はむ…。」

 

「…がしがじ……じっー…。」

 

ヘラジカの面々もだがペパプの面々もジャパリまんを客席にて食べ始めたのであった。

 

「なぁなぁーこれ食べたらレッスンかー?」

 

「そうですね、その為にもしっかりと食べておきましょう?」

 

「プリンセス、貯蓄は大丈夫なのか?」

 

「大丈夫よ、今のところはフルルにも勘づかれてないからあの日までは大丈夫なはずよ。」

 

「どこにあるのー?」

 

「教えないわよ…あら…?」

 

楽しそうに食べる中RASNは渡されたジャパリまん片手に辺りをキョロキョロとしてジャパリまんはまん丸なままだった。

 

「どうされましたか?もしかしてまだ…。」

 

「…!(ブルブル)」

 

「えーっと…大丈夫ってこと?というか喋ったりは……。」

 

「あぁ、それだけどよ。プリンセスが行ってから色々聞いてみたけど無口なんだよなー。身ぶり手振りとかで伝えてくれっから何となくは分かるけどさー。」

 

「だがフルルは何となく伝えたい事が分かるらしいがな。」

 

「そうなの?」

 

「そうだよー、ねぇねぇ食べないのー?」

 

そう言いつつフルルはRASNの手にあるジャパリまんを掴んだのだった。

 

「……。(汗)」

 

「んー…だったらこうしたらどうかなー?……はい、あーん。」

 

「…!?」

 

するとフルルはジャパリまんを取りパコッと半分に割ると片方をRASNへの口に近づけたのだった。

 

「………、…!!」

 

グイグイと何度も押し付けられ観念したのかRASNは口を開きジャパリまん(ハーフ)を喉にへと通した、そしてRASNの頬は少しだけ上がったのであった。

 

「美味しかった?もう一個もどうかな、あーん?」

 

そうしてRASNはフルルにもう一個のジャパリまん(ハーフ)を口へと運ばされたのであった。

 

「あの二人なんか仲いいなー?」

 

「そうですね、あのフルルさんがこんなにも…プリンセスさん…?!」

 

「えっ…?どうかした?」

 

「…何でもない、それよりやはりあの赤髪は…?」

 

「えぇ、尻尾も羽もないから…きっとかばんちゃんと同じ…。」

 

「でしたら会わせた方が…。」

 

「確かにそれも良いかもしれないけど…今は色んな所に向かっているからな…。」

 

「そうね、前はアリツカゲラさんのところに行くって言ったからね。」

 

「美味しかったー?」

 

「……!」

 

三人が喋りあう中フルルの手元のジャパリまんは無くなっていてにっこりとRASNに微笑んでいた。

 

「それじゃ食べたことだしレッスン行くわよー!」

 

「あいよー!」

「分かりました!」

「分かった。」

「はーい。」

 

「…!?」

 

プリンセスはパチパチと手を叩き皆にへ声を届かせて、他の四人は返事をしてプリンセスについていった。しかしフルルだけは近くにいたRASNと手を繋いで向かっていたのだった。

 

「さて私たちももう少し見回るか。」

 

「そうですわね、何故かセルリアンが多くなられますしね…。」

 

「御意でござる…。」

 

「…うん…。」

 

そうしてヘラジカらもステージから離れて辺りの警戒を再開したのであった。

 

「うぅむ…」

 

 

 

 

 

 

そして暫く経って、ジャパリパークを照らす太陽も高く高くなった頃…。

 

「いやーすげーな!おかげで今日のレッスンは一段と楽しかったぜ!」

 

「……!」

 

「そうだな、指摘も的確でとても助かったな。」

 

「ええ、それにあの時の気遣いもありがとうございますね。」

 

「…!」

 

練習場から出てきたRASNとペパプらは最初とは違って和気藹々と並んでいたのであった。

 

「ホント大助かりだわ…専属のコーチとかに任命したいぐらいよ?」

 

「……!(ブルブル)」

 

「駄目ー?ジャパリまんあげるよー?」

 

「…。(汗)」

 

少しぎこちなさそうにしていたRASNも普通に笑えるようになり、彼女達らからパークの事やセルリアンやフレンズの事も知ったのであった。

 

「おぉ!レッスンとやらは終わったみたいだな?」

 

「えっ?ヘラジカさん?」

 

すると六人の前にはヘラジカが頭に紙風船を付けていて待っていたのだった。

 

「何か用でしょうか?」

 

「うむ、用はあるな。そこの赤髪にな!」

 

「…!?」

 

そしてビシッと紙で丸めたような棒をRASNに向けたのだった。

 

「なっ何だぁ?!」

 

「んー?」

 

「直球に言う。お前…私と戦え!」

 

「えぇっ!?」

 

「…!?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ヘラジカと赤髪

「待ってくださいいきなりなんで!?」

 

「ふむ…理由が必要か?」

 

「そりゃそうだろ!」

 

「そうだな…見てみた時からずっと戦ってみたかった、それではダメか?」

 

「…?!」

 

「何だよその理由はっ!?」

 

「…RASNはどうなの?」

 

「…。」

 

プリンセスに問い掛けられたRASNは困った顔で頭を掻いたのだった。

 

「何、勝っても負けても特には何もしたりされたりすることはない。ただお前と戦ってみたんだ、ダメか?」

 

「………。…!」

 

真摯な視線を向けるヘラジカにRASNはコクりと頷いたのだった。

 

「RASN!?」

 

「その返事を待ってたぞ!それじゃこっちでやるぞ!」

 

そうするとヘラジカはRASNの腕を掴んで引っ張り、PPPもそれに付いていった。そして到着したのはライブステージであった。

 

「カメレオン、準備を。」

 

「了解でござる、RASN殿これと…これを。」

 

「…?」

 

そしてカメレオンはRASNにへとヘラジカが持っている紙を丸めたような棒を渡し、頭にもヘラジカが付けている紙風船を付けたのだった。

 

「何だか面白い格好だよねー?」

 

「そうかもしれないが…大丈夫だろうか?」

 

付いていったPPPらは観客席にへと座って三人を見ており、隣にはハシビロコウやシロサイもいたのだった。

 

「じっー…。」

 

「RASNー!ロックに決めろよなー!」

 

「むっ!ヘラジカ様ファイトですわ!」

 

「うむ!それではこれより始めるぞ、ルールはその頭の風船を割られたら敗けだ!準備はいいか!」

 

「…!」

 

ヘラジカが棒を前に構えるのを見るとRASNは小さく頷いて同じ様に構えた。

 

「良い構えだ…カメレオン、合図を。」

 

「了解でござるよー。」

 

カメレオンは両者の間に立ち片手を上げたのだった。

 

「それでは…始めでござる!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「…!!!」

 

そして下ろされると共にヘラジカはRASNに向かって突進していき、RASNは驚きつつも立ち向かった。

 

「へぇああ!!」

 

「…!」

 

詰め寄せた距離が狭まるとヘラジカはまず棒を降り下ろした、だがRASNはそれを見るとブレーキをかけて止まり棒を横に振り抜こうと構えたのだった。

 

「何っ!?だがっ!」

 

「…!?」

 

しかしヘラジカは頭を捻らせRASNの棒を受け止めて弾いたのだった。

 

「やはり中々にやるなぁ…!それでこそだ!」

 

「…。」

 

「だが…まだ全力ではないだろ?全力で向かって来い!」

 

「………。」

 

ヘラジカにそう言われRASNは唇と棒を握る指を締めたのだった。

 

「遠慮はするな!」

 

「………、…!」

 

するとRASNは両手から片手にへと持ち替えた、そしてぷらんと垂らすとRASNは目を閉じたのだった。

 

「お昼寝ー?」

 

「いやそんな場合じゃないだろっ!?」

 

「精神統一でしょうか…?」

 

「じっー…?」

 

観客席がガヤつく中、RASNの辺りには黒いオーラが巻き上げ始めた。

 

「ほぅ…!」

 

ヘラジカはそのオーラを見るとニヤリと笑った、そしてRASNは赤い髪が黒く染まっていたのだった。

 

「何なの?!」

 

「見た目が変わったでござる…!?」

 

「………、…!!!」

 

皆が驚くなか閉じていた目を開いたRASNは黄色い瞳でヘラジカを見据えたのだった。

 

「…っ!?やるではないか!」

 

「…!!」

 

そしてRASNは眼にも留まらぬ速さでヘラジカにへと近付き頭の風船目掛けて打ち込んだ、しかしヘラジカは頬を広げ腕を震わせながらもそれを受け止めた。

 

「…!!!!」

 

「何っ…!?」

 

だがRASNは巻き上げていたオーラを自身の棒にへと集約させヘラジカの棒を斬り抜き、RASNはヘラジカの頭上を一回転したのだった。

 

「くっ…!」

 

ヘラジカはとっさに腕を前に構えたがRASNはドタンとステージに背を付けたのだった。

 

「おいっ…!?大丈夫かよ!?」

 

するとPPPがステージにへと上がってRASNを囲んだのだった。

 

「…………、…!」

 

「…大丈夫みたいだわ…。」

 

「いたくないー?」

 

「良かったです…。」

 

「…ええっと…済まないな上がってきてしまって。」

 

「いや、いいさ。それよりもう決着は着いたしな。」

 

ヘラジカはコウテイにへと折れた棒を見せたのだった。

 

「まさか負けるとは思わなかったがな、それに思ったほどではなかったしな…。」

 

「…?思ったほど…?」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

料理と再会

そしてそれからヘラジカらはまた辺りのパトロールをして、PPPとステージにて赤髪の回復を待っていた。

 

 

「そろそろお昼かしらね、それじゃちょっと待ってなさいよ。」

 

「えっーまたジャパリまんかよー?」

 

「イワビーさん…それしかないから仕方ないですよ。」

 

「でもよー…あっ!そういや前にサーバルが料理を作りに来た時の材料の余りとかどうなってんだ?」

 

「余り?たしかまだ残ってたような気がするけど…?もしかして…。」

 

「そーだぜ!俺達でも料理を作ろうぜ!六人合わさりゃロックだぜ!」

 

「……。」 

「……。」

「……。」

「…?」

「…?」

 

イワビーが腕を上げてそう言うと三人が思い悩む顔をして残りの二人は首をかしげたのだった。

 

「イワビーさん…流石にやめて大人しくジャパリまんを食べましょう?」

 

「なんでだよー?」

 

「…何も言うな。」

 

「あっ!おいっー!?」

 

するとイワビーはコウテイとジェーンに挟まれて拘束されたのであった。

 

「ははは…まぁRASNも待っててちょうだい、今ジャパリまん取りに行くか…えっ!?」

 

「…!」

 

立ち去ろうとするプリンセスを引き留めるようにその腕をRASNは掴んだのであった。

 

「…?……?」

 

「食材とか?あっちの方にあるけどもしかして……。」

 

「…!」

 

するとRASNはプリンセスの指差す方に歩き始めてプリンセスとフルルはそれについていったのだった。

 

そして三人が到着したのは野外キッチンなのであった。

 

「…!」

 

早速中へと入るとRASNは辺りを物色し始め、フルルとプリンセスも遅れて入ってきたのだった。

 

「…?」

 

「あっ、食材ならそこにしまって置いてあるけどもしかして…?」

 

「…………。」

 

プリンセスの言ってることを聞きつつRASNは食材を吟味し鍋などの調理器具を取りだし並べており、二人はそれを口を開いて見ているだけしかなかったのだった。

 

「ねぇプリンセス、何してるか分かる?」

 

「…あまり分からないけど…料理なのかしら?」

 

そうしてRASNは近くの手頃な石を洗って鋭く磨いで即席の包丁にして食材を切り分けたり、木と木を擦りあわせて火を起こして鍋に火をかけたりとしたのであった。

 

「すごいねー?」

 

「えぇ…こんなにテキパキと…!」

 

二人がそれに見惚れている内に二個の鍋にはシチューが出来上がっており、ふんわりと辺りにいい香りが巡ったのだった。

 

「すごーい!あったかそー…!」

 

「これが料理…!?とても美味しそうね…!」

 

「………!」

 

感心する二人を見てRASNは得意げに笑いながらも出来た鍋に蓋を落としてワゴンの様な物に木の皿等と共に乗せたのだった。

 

「ねぇねぇ、私が押していいかなー?」

 

「…!」

 

RASNは軽く承諾してキュルキュルとフルルがワゴンをステージがある方にへと歩を進め、RASNとプリンセスはその後ろを見つつ歩いていた。

 

「こんなに美味しそうなものまでありがとねRASN?」

 

「…!」

 

「本当、こうなるとここに置いておきたくもあるわね…、…ってどうしたのフルル?」

 

「…ううん…なんでもないよ?」

 

「そう…?」

 

一行は一旦止まってしまったもののまた歩み始めたのであった。

 

だがそんな彼女ら達の後ろの方からガサッと音がして草むらからセルリアンが出てきたのだった。

 

「セルリアン!?どうしてこんなところに…!?」

 

「…!!」

 

RASNは紙を棒状に丸めた物を構えて斬りかかるもののセルリアンは怖じ気ることなく、直撃を受けても弾きながら近づいてきたのだった。

 

「RASNここは一旦引きましょう!もう少しでステージだからそこに行けば…!」

 

「プリンセスー…また囲まれてるよー。」

 

すると進む方からもセルリアンが四・五体が迫ってきており八方塞がりとなっていた。

 

「…!」

 

「駄目よ!そんなことはさせないわよ…!」

 

「…でも何でこんなにセルリアンが来るのー?」

 

「何でだろー…ねっ!」

 

すると前方のセルリアンがぱっかーんと弾けてそこには鬣のように広がるボリュームたっぷりな暗い金色の髪とピョコンと出ている耳や尻尾が特徴の女の子が着地していたのであった。

 

「あなたは…ライオン!?」

 

「…!」

 

「とりあえずまー走っていきなよー、ここはやっとくしさ。」

 

するとその女の子の隣に迷彩模様の服を着て腹部は鍛えられており、湾曲した角を持つ褐色の子が立ちRASNの側にへと寄ったのだった。

 

「そんじゃ頼むよー?こっちも早めに済ますからさー。」

 

「了解っ!それじゃ早いところ行くぜ!」

 

「…!」

 

「分かったわ!」

 

そうしてどうにかRASNらはその場から撤退し、ライオンも程なくしてステージにて合流したのであった。

 

「いやー…ちょっと手間取っちゃったかなー?」

 

「あの、助かりましたありがとうございます。」

 

「いいっていいってー。ところでさ、そこの赤いのってRASNって名前?」

 

「…?!……!(コクリ)」

 

不意にライオンと呼ばれている子から指差されRASNは驚きながらも頷いたのであった。

 

「やっぱかー見つかって良かったよー。おーいオリックスこっちこっちー!」

 

ライオンがそう声を張り上げると白い髪の頂点からチョイチョイと生える角のような触角をしたオリックスと呼ばれる子とその影に隠れてもう一人が近づいていた。

 

「…!」

 

「船長っ…!」

 

するとその一人がオリックスの影から出てRASNに駆け寄ってきており、RASNは驚きながらもカモメを受け止めたのだった。

 

「もしかして…RASNが言っていた仲間?」

 

「そーだね、まぁともかく良かったね…んっ?」

 

ライオンはふとプリンセスの隣にいるフルルを見てキョトンとしたのであった。

 

 

 

 

 

 

少ししてからヘラジカ達やジェーン達も合流したのであった。

 

「おっ?何だかいいにおいだな!」

 

「そうですね、これは…料理ですか?」

 

「美味しそうだなぁ!私達もいいか?」

 

「…!」

 

「忝ないでござる!わぁ…美味しそうでござる…!」

 

そうしてやって来たフレンズ達もよそわれてる皿を取って食べ始めたのであった。

 

「ん?何をしてるんだライオン。」

 

「いやねー、なんか熱そうだから少し冷ましてんのよー。ふっー」

 

「少し持ちにくいですが…これは美味しいですわ!」

 

「それじゃそろそろ私達も食べましょうか?」

 

「…!」

 

各々美味しそうに食べており人数分よそい終えたRASNとカモメもシチューを取って食べ始めた。

 

「それにしても良かったです…こうやって船長と合流できて。」

 

「…!」

 

「えっ…船長もですか?それは…なんと言うか…。」

 

「…?」

 

「あっ!何でもないであります?!それより…ユキムラさんとかエクルちゃんとかは一体何処に…?」

 

「……。(汗)」

 

「そうですよね…でも個人的にはこのまま二人で……わぁ?!」

 

「…?!」

 

徐々に顔を赤らめていたカモメとRASNの間に割って入る様に来たのはフルルであった。

 

「やっほーRASN、食べてる?」

 

「…!?」

 

「おっとと…いきなり誰でありますか?!」

 

「フルルだよー、あれー?あんまり食べてないのー?だったら…はいっ、あーん。」

 

するとフルルはRASNの持つ皿に置かれてるスプーンですくいながら取ってRASNにへとシチューを食べさせようとしていた。

 

「…?!」

 

「ええっ…!?」

 

RASNは勿論それを見せられてるカモメも驚いていたのであった。

 

「食べないのー?」

 

「…。(汗)」

 

「むっー…。だったら…!」

 

カモメは頬を少し膨らませると自分の持つ皿のスプーンを手にしたのであった。

 

「せっ…船長…!…あっ…あーん…です!」

 

「…!?」

 

二つのスプーンに迫られRASNは困惑し身をズズッと退かしていたのであった。

 

そしてそんな様子をヘラジカとライオンは見ていたのであった。

 

「にぎやかでたのしそーだね?」

 

「そうだな、そういえばライオンよ。どうしてここにいたのが分かったんだ?」

 

「ん?ヘラジカのとこのヤマアラシが教えてくれたんだよねー、みすべちほーあたりに行くってさ。」

 

「おっと、そういえばそう言ってたか…。」

 

「それとさヘラジカ、もしかしてあのRASNっての流れ星からやって来てたりしてた?」

 

「そうだったな、真夜中に光ってたから見に行ったが…もしや…。」

 

「そう、あの子も流れ星から。それでだけどさ…セルリアンは?」

 

「あぁ、まるで引き付けられてるかのようだった…特に夜中は…。」

 

「てことは何か特別なのかもねー、ん?」

 

するとライオンは上空を見た、するとそこには三つの影がステージにへと降り立ったのであった。

 

「いいにおいね…。」

 

「とーちゃーく!」

 

三つの影のうち一つは頭から羽のようなものに白と朱鷺色目を引くがの女の子であり、あとの二人はエクルとユキムラであった。

 

「喫茶店だけじゃなくてステージまであるのか…?」

 

「あっ!あそこにRASNとカモメがいるよー!」

 

「そうだな…って何してんだ!?」

 

「たのしそー!」

 

「何やら色々と来て…うぉっ!?」

 

するとヘラジカらの背後から全速力でメグとイロメロが飛び出してきたのであった。

 

「やっぱり先に着いてたおー。」

 

「でもとても楽しかったですよー!」

 

「一気に賑やかだねー?」

 

「そうだな…。」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

先輩と相談

そうしてRASNの方のドタバタも何とか収まりユキムラ達もシチューを食べてから、冒険家は一旦一ヶ所にへと集まり持てる情報を交換したのであった。

 

「……!」

 

「そうか、そっちも…。」

 

「メグたんもそんな感じて山の天辺だったおー、そのお陰でユキたん達に会えたおー。」

 

「……、ともかくまずはここからどうやって戻るかだな…。」

 

「そうですね…早く戻らないと…。」

 

「…?」

 

「そうだお!多分皆が心配早く戻るおー!」

 

「…!」

 

「…そういえばあの時はイロメロが描いたものが光ったからだったな…同じものを描けたり出来ないか?」

 

「んむー…すみませんどうにも思い出せません…。」

 

「そうか…武器もルーンもない以上どうしたものかな…。」

 

「…。(汗)」

 

するとそこにペパプの面々らによく似た格好の女の子がやって来たのであった。

 

「どうしたのー?そんな悩んだ感じになっちゃって。」

 

「君は…?」

 

「アタシかいー?アタシはジャイアントペンギンのジャイアントだよぉーよろしくー。」

 

「…!」

 

ジャイアントはそう言いRASNにへとペンギンの羽のような手を差し出して握手をしたのであった。

 

「んで何か悩み事?私でよかったら乗ってあげるけど?」

 

「…!」

 

そうして冒険家達はジャイアントにへとこれまでの経緯やら現状とかこちらの世界の話をしたのであった。

 

「へぇー、不思議な世界だね?そんなところなら一度は行ってみたいねー。」

 

「それでなんですが何か方法とかあったりするのでしょうか?」

 

「そうだねー、そっちの世界でルーン?ってのが色々と出来るけど無いんだよね…だったらサンドスターとかでならどうかなー?」

 

「サンドスター?」

 

「そっ、あそこの山から降ってくる不思議なものなんだー。」

 

ジャイアントはそう言って手を火口が虹色の結晶に枝状に生えてる山にへと指したのであった。

 

「おっー…前から気になってたおー…。」

 

「あのきらきらしたの全部がサンドスターってのなの?」

 

「そうだよー、んでRASNくんだっけがルーンの光ってので色々できるからルーンの代わりにサンドスターでそれをやってみたらどうかなって話なんだけどどうかなー?」

 

「成る程…良いかもしれないが、そもそもサンドスターというのは一体…?」

 

「まぁ平たく言えば不思議なもの、ジャパリパークに色んな気候があったりするのもアタシがこんな姿になったのもサンドスターのおかげだしね。」

 

ジャイアントはそう言いクルンとその場で一回回り灰色の長い髪を揺らしたのであった。

 

「ということはもしかしてこのパークにいる方々は…。」

 

「そっ。皆サンドスターのお陰でこんな姿なのさ、多分だけどね。んでどうだい?」

 

「そうだな…他に方法も見当たらないしやるしかないな…。」

 

「…!」

 

「そうですね!でも武器も無いからセルリアンに襲われたりでもしたら…。」 

 

「それならねー…おっ、そろそろ来ると思ったよー?」

 

するとジャイアントの所にへとキコキコ音とわっせわっせと言う声を鳴らしながら四輪自転車がやって来ており、中からは二人の女の子が出てきたのであった。

 

「ようやく見つけたのだ!」

 

「いやー疲れたねアライさん?おっと、見かけない顔がいっぱいだねー?」

 

アライさんと呼ばれる見るからに活発そうなで自信満々そうな表情をしな子はジャイアントにへと近付き、もう一方の大きい耳が特徴的な子はそのジト目でRASNらを見ていたのであった。

 

「やっほー、どうだったー?」

 

「そうだねー、私がバナナを食べてる時にアライさんが沼に沈んだりとかワニのフレンズ達に一杯遊ばれてたのさぁ。」

 

「でもまんまるのぴっかぴっかのが見つからなかったのだー!」

 

「ありゃりゃ…そりゃ残念だったねー?」

 

「私は楽しかったけどね、ところでこっちの方々は誰ー?」

 

「そうだそうだ、まぁ今現在困ってる感じでね…。」

 

ジャイアントはやって来た二人に事情を話したのだった。

 

「……てな感じなんだ。」

 

「ははぁーん、アライさんは分かったー?」

 

「お任せなのだ!アライさんはバッチリでぱーふぇくとなのだ!」

 

「ほんとかなー?そうだ、私はフェネックでこっちがアライさんだよーよろしくー。」

 

「……!」

 

そうして冒険家達もアライさんとフェネックに自己紹介をしたのであった。

 

「それで二人に頼みたいことがあるんだけどね、この人らをあの火山まで護衛してほしいんだ。もしかしたら道中でまんまるいのが見つかるかもしれないしね。」

 

「それならば引き受けたのだ!アライさんの背中に着いて行くのだ!ふははは!!」

 

するとアライさんは火山の方ではなく白い雪山の方に走り出したのであった。

 

「ありゃりゃアライさんまたやっちゃってるねー、待ってよーそっちじゃないってばアライさーん。」

 

そしてフェネックは慣れた足取りで全力疾走するアライさんを追いかけていったのであった。

 

「何だったんだ…?」

 

「でもとってもハツラツしてましたね!」

 

「ねぇねぇ、エクルもアライさん追っかけちゃダメ?」

 

「アライさんはフェネたんに任せておくおー。」

 

「そんじゃまぁそんな感じだね、今向かったら夜になりそうだし明朝に出た方がいいかな?」

 

「まぁそうだな、一応山を越えてやって来ていたからな…。」

 

「流石にメグたんもヘトヘトだから今日はゆっくりのんびりだお。」

 

「エクルちゃん!こっちになんか面白そうなのがありますよー?!」

 

「わーい!エクルも見に行くよー!」

 

四人が脱力する中エクルとイロメロは元気よく辺りを探検しようと駆け出した、そして丁度ペパプやヘラジカやライオン達とすれ違い彼女らはこちらへとやって来た。

 

「あっ!ジャイアント先輩!?」

 

「やっほー、そういえば君達って割りと武闘派だったけ?あの二人だけじゃ心配だから頼みがあるんだけどー?」

 

そうしてジャイアントは火山に行くこと等をフレンズ面々に話した。

 

「成る程…それならば途中までの護衛は私達がしよう!」

 

「美味しい料理のお礼もしたいからねーまかせなよー。」

 

ライオンとヘラジカ自信満々と胸を張りそう告げた。

 

「そうなの…良いコーチとしてマーゲイに紹介したかったんだけどね…。」

 

「そうだな…料理も美味しかったから是非とも置いておきたいと思ったが仕方ないか。」

 

「少し寂しくなりますね…。」

 

「そうだなー…」

 

「そうなんだ…。」

 

物悲しい雰囲気のペパプのメンバーの中でフルルだけは頭を項垂らし小石を蹴っていたのであった。

 

「とりあえず出発は明日の朝ってことでねー。」

 

そうして日は沈んでいったのであった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お別れと変化

そして翌朝、みずべちほーの出入り口には冒険家達とヘラジカらが出発する準備を整えていたのであった。

 

「よし、準備は万全か?」

 

「こっち側はおっけーだよヘラジカはー?」

 

「あぁ、万全だぞ。」

 

各々体を動かしたりフレンズ達は持っている武器を確認したりしており、そしてそれをペパプとジャイアントが見ていたのであった。

 

「ごめんねー、アタシらも付き合ってやりたいけどレッスンがあるからねー?」

 

「えぇ……ほんと見送ることしか出来なくてごめんねRASN?」

 

「…!」

 

「そこでだがお土産にこんなのを用意したんだ、受け取ってほしい。」 

 

冒険家らに渡されたのは大きな袋であり中にはジャパりまんが沢山入っていたのであった。

 

「わっー!なにこれおいしそー!」

 

「是非向こうに辿り着いたら他のお仲間さまと食べてくださいね?」

 

「……それじゃ私達はここまでね、頑張ってね!」

 

「…!」

 

そうしてペンギンらに見送られ火山の方にへと歩を進み始めたのであった。

 

「ロックにいけよー!」

 

「無理しない程度に頑張りなよー?」

 

「無事に帰れることを祈りますね。」

 

「元気でなー!」

 

「………、…!」

 

皆が手を振る中フルルは一歩前へと踏み込んでRASNの方にへと走ったのであった。

 

「…!?」

 

「ハァ…ハァ…ごめんね止めたりしちゃって…。」

 

急に来たフルルにRASNは驚き足を止め、他の面々らは丁度曲がり角で見えていなかったのだった。

 

「…?」

 

「あのね…あのね…あげたいものがあるんだ…!」

 

そう言い取り出したのは手のひらに収まる大きさの楕円形な石なのであった。

 

「…………?」

 

「…あの時も一緒に暖めていた大切な物なの…だがらRASN君にあげるね…?」

 

「………、…。」

 

RASNはコクりと頷き差し出された手に手を重ねてその石を引き取ったのであった。

 

「大切にしてね?お願いだよ…?」

 

「…!」

 

そうしてRASNは手を振りながら曲がり角を曲がって姿をくらましたのだった。

 

すると後ろの方からジャイアントがやって来たのであった。

 

「どうだった?」

 

「先輩…渡せたよ…。」

 

「そうかそうかー…よく頑張ったけど…どうだい?」

 

ポンポンとフルルの肩を叩いたがフルルは首を横に振った。

 

「それじゃあ…適当に言い訳しとくから行ってきな?」

 

「…!ありがとう!」

 

そうしてフルルはRASNらを追いかけたのだった。

 

「…フルルも頑張んなよ。」

 

そう呟きジャイアントはフルルを見送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一行はそれからセルリアンとの遭遇を避けながら進んでおり、ようやく火山の麓まで来ていたのだった。

 

「それにしてもやっぱすごいねーお二人は、今日はまだセルリアンの影も見えないよー。」

 

「そんなことはないでござるよ…拙者なんかより飛べるハシビロ殿がすごいでござるよ。」

 

「そんな……照れちゃう………………。」

 

現在は火山の麓にて一時休息中であった。

 

「そんな謙遜しあわないでよー。ん、アライさん?」

 

「ぐぬぬ…アライさんでも停泊というのは出来るのだ!」

 

「偵察ね。」

 

「お前らはここで休んでるのだ!アライさんが見に行ってくるのだー!」

 

そうしてアライさんは立ち上がると駆け出していったのだった。

 

「あー、またかー。」

 

「大丈夫でござるかな…?」

 

「多分大丈夫だよー、お腹空いたら帰ってくるし危ないと思ったら逃げ…ないかーアライさんなら。」

 

「だったら……。」

 

「いやいやーここはアタシに任せなよ、お二人はお疲れだからゆっくり休むといいよー。」

 

そう言いながら立ち上がろうとした二人を制してフェネックはアライさんが走っていった方に向かったのだった。

 

「…………大丈夫かな……?」

 

 

 

 

 

 

そうして暫くするとアライさんとフェネックは戻ってきたのであった。

 

「やぁやぁ、ごめんねーアライさん突っ走りすぎて大きい岩に頭ぶつけてたみたいなんだよねー?」

 

「そうでござったか…。」

 

「…じっー……?」

 

「ふぇっ…?!」

 

ハシビロコウはフェネックの裏にへと隠れているアライさんを不思議そうに見つめており、アライさんはそれに気付くと視線を合わせまいとフェネックの後ろにへと完全に隠れたのだった。

 

「…じぃー…?」

 

「なんだかさっきとは全然違う気がするでござる…?」

 

「あー…それはねー…ほらさっき頭ぶつけて少し性格がおかしくなっちゃったんだよー、ね?アライさん。」

 

「えっ?!あっ…そっ、そうなのだ…!」

 

「…??」

「…??」

 

ハシビロコウとカメレオンはただ首を傾げることしか出来なかった、すると彼女らの所にRASNがやって来たのだった。

 

「…?」

 

「あっ、そろそろ行くでござるか?」

 

「分かった、今行くね…。」

 

「アライさん?」

 

「分かりまし…分かったのだ…!」

 

二人が歩く中アライさんは早歩きにてRASNの前にへとやって来たのだった。

 

「…?」

 

「…………、えいっ!」

 

「…うえっ!?」

 

「…!?」

 

そしてアライさんは何度か悩んでから意を決して一歩踏み込みRASNの手を握ったのだった。

 

「じっー………。」

 

「…………?」

 

「一体なんでござるか?」

 

「…………うっー…。」

 

暫くしんとしてからアライさんの顔が赤くなってくるとフェネックが頭を掻きながら近づいた。

 

「あー、えっとー…たしかキミがあの山頂で不思議なことをするからその間アライさんが直接守る…だっけ、アライさん?」

 

「えっ…うんっ、そう…なのだ。」

 

「というわけでアライさんが守るなら私も一緒に守るのさぁ、そういえば行かなくていいのー?」

 

「……!」

 

「そうでござったー!」

 

フェネックに指摘され準備を終えて手を振る皆がいる所にへと足を急がせたのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

山頂と光

休息が終わり一行は山を登り始めた、先程と同様にカメレオンとハシビロコウが辺りを偵察してヘラジカとライオンらが近辺の警戒を行っていた。しかしアライさんはRASNの腕に組み付きフェネックはそれを側にて見守っていた。

 

「なんだかさっきとは少し違うな…アライさんは。」

 

「そうですねー、何だがしんなりと言うか…しっとりとした感じですね。」

 

「遊ぼーって言ったのにRASNの影に隠れちゃうしねー。」

 

「それに歩き方もズイズイとじゃなくて船長の歩調に合わせてますね…。」

 

「カモメたん…なんか怖いおー?」

 

冒険家らも今のアライさんの変化に眉を細めていた。

 

そしてそろそろ一行は山頂にそろそろたどり着きそうなのであった。

 

「もう少しか…?」

 

「そうだな…ん?どうしたハシビロコウにカメレオン?」

 

「大変なの………!」

 

「そうでござる!いつの間にか大量のセルリアンに囲まれていたでござる!」

 

「何だと?!」

 

「…!?」

 

皆が驚くと同時に四方八方からセルリアンが湧き出るように現れ、前方には一面埋め尽くすかのように現れたのだった。

 

「もしかして待ち伏せですの…!?」

 

「沢山いるわね…これを真正面から向かうのは無謀ね…。」

 

「んー…まぁ大丈夫かなー?」

 

武器を持つフレンズは武器を構えたがフェネックは辺りを見渡して小さく呟いたのだった。

 

「どうしたもんかなー、ヘラジカ?」

 

「こうなればまずはRASNを先に目的の場所に向かわせるしかないな…、道を作るために正面突破だ!」

 

「それならエクルがやるのー!」

 

するとエクルは大きく踏み込み背中の羽を輝かせる、そして地面を蹴り飛び出すと体に風を纏わせて山頂の方に向かった。

 

「ーーー!」

 

セルリアンらはエクルの風に乗せられどんどんと吹き飛んでいき道が出来ていたのであった。

 

「おぉ!中々やるな!」

 

「これなら少しは楽できそうかもね、さぁ早く行きなよ?」

 

「分かった!行こう!」

 

「…!」

 

そうしてセルリアンの海から出来た道をヘラジカとライオンを先頭に冒険家は突き進み始めた。

 

「おっと、やっぱ来るよね!」

 

「おらぁ!どきなー!」

 

「まきびしいっぱいの術ー!」

 

「サイサイサイサーイ!!おどきなさーい!」

 

「…んっ!」

 

そしてシロサイやオーロックスらは冒険家に迫るセルリアンを追い払い、RASNとアライさんにへと向かうセルリアンはフェネックが迎撃していた。

 

「よし、もう少しだな!全員気張れよ!」

 

「…!………?」

 

「うぅ………。」

 

セルリアンの海を抜けるとそのまま全力で駆け抜けて火口のサンドスターの結晶に到達したのだった。

 

「着いたねー、そんじゃよろしくー。」

 

「…!!」

 

「私達はセルリアン近付けないように暴れてくるか!」

 

「そうだねー、やっぱこっちに向かってくる…ねっ!」

 

ライオンは爪を出しヘラジカは武器を回しながら迫るセルリアンを蹴散らしており二人とも目を光らせていたのだった。

 

「RASN!早いところ試そう!」

 

「…!………?」

 

するとRASNの腕からは震えが伝わってきており、アライさんの方を見ると体を震わせたいたのだった。

 

「ふぇっ…?!………。」

 

「…??」

 

そして見られていたのに気付くと顔を赤らめて手で隠したのであった

 

「RASNさん!早くやってみましょうよー!」

 

「…!…………。」

 

「……っ!?…あっ…。」

 

RASNはアライさんの頭に一回手を乗せてからイロメロやユキムラの所へと向かった。

 

「それじゃさっそくおねがいするおー?」

 

「…!」

 

目を閉じて結晶に手を触れてRASNはルーンの光を光らす要領でソウルを流し込んだ。

 

「わー!ぴかぴかー!」

 

「まっ眩しいですね…。」

 

「これで何か起こってくれ…!」

 

「あっー!!」

 

光を浴びたイロメロが急に声を上げて膝を曲げて四つん這いになると紙を一枚取り出したのであった。

 

「どうしたんだ!?」

 

「バビュンと思い出しましたよ!あの時描いていたものが!こーギュルンと巻いてグンッと来まして…、ピョコンピョコンで!出来ました!」

 

そして紙には「の」の字に耳が生えたような紋章が描かれていたのであった。

 

「…そうだ、この紋章だ!これを…うお!?」

 

「こっちも光ってるおー?!」

 

結晶からの光に負けじと紋章が輝き発された光から森林の景色が写し出されていたのだった。

 

「もしかしてこの先が私達の世界でしょうか…?」

 

「分からないな…。」

 

「うーん…エクルにもわかんないやー?」

 

「でしたら行ってみますね!とぉー!」

 

「…!?」

 

イロメロはその光にへと飛び込むと姿を消したのであった。

 

「イロメロー!?」

 

「イロたんが消えたおー?!」

 

「どうしましょう…!」

 

「…?!」

 

皆が慌てふためく中、光が揺らぐとそこからイロメロが帰ってきたのだった。

 

「ただいまですよー!」

 

「無事だったのか?!」

 

「はいっ、それに出てから少し一周しまして見てきましたがちゃんと私達の世界でしたよ!」

 

「そうだったのか…。」

 

「そうだったらエクルは行ってくるねー!」

 

「あっ!待つおー?!」

 

「では私ももう一回…、そうだユキムラさんも一緒にぴぴょーん!!」

 

「んなっ!?うおおぉぉ!?」

 

そうしてRASNとカモメを残して冒険家らは飛び込んでいったのであった。

 

「船長…、私達も…!」

 

「おー、なんか成功したみたいだねー?良かったねぇ。」

 

「……。」

 

するとパチパチと拍手するフェネックと顔を赤らめるアライさんが近づいていたのであった。

 

「…!」

 

「お礼かー。まぁ私がみんなに言っておくけど…おっ?」

 

「フェネックぅーー!!ようやく見つけたのだー!!」

 

「うわっ…!?」

 

すると下の方からアライさんが全力疾走でやって来てアライさんを弾き飛ばしたのだった。

 

「…!……!?」

 

「ええっ…!?」

 

「ありがとうござ…ありがとうなの…だあああっー?!」

 

RASNはそれを受け止めはしたがそれはアライさんではない女の子であり、白と黒のの髪色で目元はどこか頼りなさげな印象の子で胸の前で右手を左手で隠していたのであった。

 

「これは一体…何が…?!」

 

「んん?アライさんがアライさんっぽいのにぶつかった気がしたけど、そいつは誰なのだ?」

 

「アライさん、それはタヌキだよー。なんでも変化か得意なんだってさぁ。」

 

「…すると今まで一緒にいたアライさんは…タヌキちゃんということでありますか?」

 

「そゆことだねー。」

 

「…!?」

 

「ん?んん?どういうことなのだフェネック?」

 

アライさんはあっけらんな顔を右往左往しながら頭に疑問符を並べまくっていたのであった。

 

「まぁ後で説明するよアライさん、それじゃ後は頑張ってねー?」

 

「あっ…!フェネックさん…!?」

 

「待つのだフェネックー!?」

 

そうしてフェネックは手を振りながらセルリアンの所にへと向かいアライさんはそれについていったのだった。

 

「…あのー…あなたはどうしてアライさんの姿に化けていたのでしょうか?」

 

「それは…あの………。」

 

カモメはタヌキにへと問いかけたが、タヌキは指をモジモジとさせていた。

 

「………?」

 

「…その…実はなんと言うか…流れ星から来た時から気になって…それから影で何度も見てて…何でかよく分からないけどあの時頭に手を乗せられたのは暖かくて…心が安らいで…あの…。」

 

そしてタヌキはRASNにへと頭を差し出したのであった。

 

「良かったらまた…手を置いて貰えませんか…?!」

 

「…!?……。」

 

RASNはその頭に手を置くと優しく撫で回したのだった。

 

「あふぅ…これ……とても気持ちいいです……。」

 

「…………。」

 

タヌキは恍惚の表情にてそれを享受しており、カモメはそれを下唇を少し引っ込めて見ていたのであった。

 

ちょっとしてからRASNの手はタヌキの頭から離れたのであった。

 

「あっ…。」

 

「…あっ。」

 

タヌキは少し残念そうな声と顔を上げたのだった。

 

「……?」

 

「あっ!?船長?!」

 

「……!?」

 

すると紋章が放つ光がどんどんと弱くなっていたのであった。

 

「これは急がないと…!ええっ!?」

 

「…!?」

 

そしてカモメはRASNの手を握り引っ張ろうとしたそこにはセルリアンが一体二人に襲いかかってきたのだった。

 

「危ない…!えっ?」

 

タヌキが前に出ようとしたがそれを一つの影が追い越してセルリアンを突き飛ばしたのだった。

 

「…!?」

 

「はぁ…はぁ…追い付いたよ…。」

 

するとそこにはフルルがいたのだった。

 

「どうしてここに…?」

 

「…?」

 

「やっぱり…やっぱり…行っちゃうのは嫌だから一緒に行きたかったけど…。」

 

「…?」

 

「…うん…RASNはカモメに任せるよ…。」

 

「フルルさん…。」

 

「…?」

 

するとカモメは悲しげな目でフルルを見たがRASNは首をかしげたのだった

 

「…では…またいつか会えるといいですね…。」

 

「うん…またね?」

 

「………、…!」

 

そうしてカモメはフルル敬礼をしてらを引っ張り光にへと突っ込んだのだった。

 

「あっ……、…。」

 

フルルも一瞬その光に飛び込もうと近づいたが一歩二歩手前にて足を止めた。

 

「あっ……………。」

 

そしてタヌキの発した空虚な声ともに光は収まってしまったのだった。

 

「……RASN…さん……。」

 

タヌキは撫でられた頭に名残惜しそうに手を当てたのであった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

帰還とお祭り

「……!?」

 

「きゃぁ…!?」

 

RASNとカモメはドタンと尻餅を草原にへと着き、目の前にはユキムラ達が立っていたのであった。

 

「大丈夫か!?」

 

「……!」

 

「私は平気です…ってこっちは夜なんですね…。」

 

そう言って見上げると空には月と星がRASNらを淡く照らしていた、そんな中メグとユキムラはひっそりと話していたのであった。

 

「メグ、日時とかは分かったりできるか?」

 

「んーと…ルーン時計は…まだ大丈夫だお…。」

 

「そうか…それなら大丈夫だな…。みんな!取りあえずは下山してみないか?こんな時間だし多分みんな気にしていると思うしな。」

 

「そうですね!心配させてはいけませんからね!」

 

「メグたんも賛成だおー!」

 

「エクルもー!」

 

「船長は…?」

 

「…!(コクッ)」

 

「よし、それじゃ足元に気を付けていくか…。」

 

一行は手持ち品を確認して無くなっていた武器を装備し直してから下山した、道中は特にモンスターやお化けに襲われることもなくロッジにへと到着したのであった。

 

しかしやって来たロッジは中の明かりも付いておらずで人気も物音もしなかったのだった。

 

「真っ暗ですね…。」

 

「……!」

 

「中には…誰かいるのか?」

 

「おー…暗すぎだおー…。」

 

「わからないですねー、でもゾゾゾーな感じでお城がありそうですねー?」

 

「おしろー?井戸ならあるよー?」

 

エクルが指差す方には井戸がポツンと置かれており、そこには灯りが灯った提灯が置かれていた。

 

「明かりか…そういえば…そうか。」

 

「…?」

 

「RASN、良かったら取ってきてほしいお

 

…そうすれば辺りがよく見えると思うおー?」

 

「…!」

 

RASNは快く頷き井戸の方にへと近付いた、よく見ると井戸の回りには柳が植えられておりその葉は垂れていたのだった

 

「………、……!」

 

異様な雰囲気に震えながらも提灯にへと手を伸ばした、するとズサァと井戸から白い手がRASNの腕を捕まえたのだった。

 

「……!?」

 

「ぎにゃー!?」

 

「……?!」

 

RASNは驚いて尻餅をつくと聞き馴染みのある声と共に井戸からキャトラが発射され、RASNは慌てて飛び出したキャトラを受け止めた。

 

そして腕の中のキャトラは何故か白い着物と三角巾を着けていたのだった。

 

「ふぇー…驚かすと思ったら驚かされたわー…?」

 

「…?」

 

「この格好?まぁお化けの島だから一度やってみたくてねーうらめしやー…カニカマおいてけー。」

 

「……。(汗)」

 

「さてと…そろそろ良いかしらねー?」

 

「…?」

 

そう言ってキャトラは三角巾のみを取り外してからRASNの腕から降り、落ちている提灯を前脚で叩いた。

 

「…?」

 

「何してるかって?…まあ見てなさいよー?」

 

するとその提灯が上へと上っており、いつの間にか辺りにあった垂れ柳も無くなっていたのだった。

 

「…?!」

 

「ライトあっーぷ!」

 

キャトラの号令と共に辺りが明るくなった、そしてその光源は先程キャトラが叩いていた提灯と同様の物がたくさん並びそしてそれらの下には暗幕が被された何か並んでいたのだった。

 

「そんじゃ!やっちゃいなさーい!!」

 

そうして暗幕らは内側から一斉に全部剥がれ、中からは屋台が出てきて中にはRASNの顔馴染みの冒険家達の姿があったのだった。

 

「……!?」

 

「RASN…?」

 

「にーに!」

 

「パパ…!」

 

RASNは名前を呼ばれて振り返るとそこには浴衣姿のアイリスとコヨミとヒナが立っており、アイリスの手には蝋燭が立ったケーキを持っていたのであった。

 

「みんな声張り上げなさーい!せっーの!」

 

「「「「「「誕生日おめでとうー!!」」」」」」

 

そしてアイリスが蝋燭に火を立てるとRASNの方にへと近づけたのだった。

 

「さぁRASN、一気に吹き消してね?」

 

「……………………、……!…!!!」

 

RASNは唖然としたもののアイリスの方にへと近付くと一息にてケーキ上の蝋燭の火を消したのであった。

 

「わっー!!」

 

「きゃー!!」

 

「めでたいわ!踊るっきゃないわ!」

 

「おめでとうございます…!」

 

「うぉぉぉぉ!!ワッショォォィィ!!」

 

「おめでとうね…ケホッ…ケホッ…!」

 

「ケーキ…!じゅる………。」

 

「今日はめいいっぱい誉めてやるよー!でもやっぱ俺も誉めてくれー!」

 

「おめでとねー。」

 

火が消えた後に辺りからは拍手と歓声や汽笛やら竜や獣達の咆哮が鳴り響いたのであった。

 

「……ぎにゃぁぁぁぁ!!?ちょっと開幕式みたいなのやるから少し黙らっしゃぁー!?」

 

キャトラの叫声により辺りは静かとなり、RASNの頭にへとキャトラは移動するとアイリスによってルーンインカムマイクが付けられたのだった。

 

「あーあー、よしっ。それじゃドッキリも一応成功したし…今からRASNの誕生日を祝っちゃう祭りを始めるわよー!飲んで食って騒ぎまくるわよー!ぎにゃー!!」

 

そうしてまた辺りは騒がしくなったのだった。

 

「ふぅー…疲れたわー…。」

 

「お疲れ様キャトラ、はいお茶。RASNもいる?」

 

「ありがとねー、。」 

 

「…!」

 

アイリスは水筒を開きRASNとキャトラにへとにお茶を差し出したのだった。

 

するとRASNらのところにへとユキムラ達がやって来ていたのだった。

 

「おっ、ユキムラ達じゃなーい。お疲れ様ー、でもなんか随分と遅かったわねー?」

 

「あぁ、少しトラブルがな…そうだ、誕生日おめでとうRASN。」

 

「おめでとうございますー!」

 

「おめでとうなのー!」

 

「だおー!」

 

「おめでとうございます!船長!」

 

「…!……?」

 

ジャパリパークを一緒に歩いた皆も浴衣姿であり、彼らからもお祝いの言葉を受け取るとキャトラにこの事を聞こうとしたのであった。

 

「ん?あぁ、そういえばまだ説明してなかったわね。まぁ簡単に言えば盛大な誕生日パーティね、こっそりと盛大にするのにユキムラ達に手伝ってもらったわけよ。」

 

「…?」

 

「あぁ、だがああなるとは全く思いもしなかったがな。」

 

「…!」

 

「…?まぁ詳しいことは後で聞くとして…今はお祭りよー!食べまくりよー!!」

 

「そうですね!楽しんでいきましょー!」

 

「いっぱい遊ぶのー!」

 

そうしてキャトラとイロメロにエクルは元気よく屋台の方にへと突っ込み、三つの溜め息と共に三人がそれらを追いかけたのであった。

 

「にーに!お祭り一緒に回ろうよー!」

 

「ヒナ…パパと一緒がいいな…?」

 

「そうですね、四人で一緒に回りましょうか?」

 

そして残されたコヨミとヒナがそう言ってがそこに連ねるように赤い金魚が散りばめられた白い浴衣なカモメが入ってきた。

 

「…!」

 

もちろんRASNは頷くと四人で一緒に屋台を巡りにいったのだった。

 

 

 

「この林檎飴…中々美味しいですね!」

 

「…!」

 

「あむあむ…綿菓子も美味しいよ!カモメねーね!」

 

「…バナナおおきい…。」

 

祭り囃子が響く中で四人は祭りを満喫していたのであった。

 

だが一旦ベンチにへとカモメとRASNは座ったのであった。

 

「大丈夫…パパ…?」

 

「………!」

 

「少しはしゃぎすぎましたね…二人は気にしないで遊びに行ってくださいね?」

 

「うん、分かったよ!行こ、ヒナちゃん!」

 

「…またね…?」

 

そうしてベンチに二人が残され、二人は深く腰を落ち着けたのであった。

 

「…?」

 

「今日は色々とありましたからね…というかあっちでは三日ぐらいでしたけどこっちは数時間だったんですね。」

 

「…!」 

 

カモメは林檎飴片手に微笑みながらもRASNと話していた、RASNからは多数の提灯からのほのかな灯りがカモメを照らしておりとても綺麗に見えていたのだった。

 

「はい…皆さんとても良い方ばかりでとても良い所でしたね。」

 

「………。」

 

「そうですね機会があったらこちらにへと招きたいですね。」

 

すると祭りの会場に轟音が響き渡り空には花火が咲いたのであった。

 

二人はベンチからその花火を見上げており、花火は丸いの以外にも星形やハートマークやキャトラの顔などが打ち上げられていたのであった。

 

「綺麗ですねー…。」

 

「…!」

 

花火の中に人や大蛇のような影が映し出されたりしたが会場にいた冒険家は特に気にすることも無かったのであった。

 

「……。」

 

「…?」

 

そしてベンチの二人もそんなのを気にすることも無くカモメがRASNの目をじっーと見つめており、そんなRASNは首をかしげていたのであった。

 

「…。」

 

「……。」

 

「………。」

 

「…………。」

 

花火が打ち上がっている音の中、二人は静かに見つめあいお互いの顔には花火からの光が照っていたのであった。

 

「…………。」

 

「………。」

 

「……。」

 

「……うぅ…。」

 

だが先にカモメが顔を赤らめて視線をそらしてしまったのであった。

 

「……?」

 

そしてRASNは心配そうにカモメの方に体を寄せていき距離はもう体が触れ合っている範囲であり、カモメのおでこにへとRASNは手を置いたのであった。

 

「えぇっ!?だっ…大丈夫ですよ…。」

 

「…!?」

 

カモメは置かれた手を驚き更に顔を紅潮とさせたのであった。

 

「…?」

 

「大丈夫ですよぉ…、あっ…でも…。」

 

「…?」

 

「その……多分ですけどキ…キキキ…。」

 

「…???」

 

そしてもじもじと顔の前にて指を擦り付けて言葉を吃らせながらもRASNを見上げて、その赤い顔を近付かせていたのであった。

 

「キ……きっと…頭を撫でてくれたら落ち着く…かもです…。」

 

「……。」

 

そう捻り出した言葉を発し、カモメは頭を下げたのであった。

 

「…!」

 

そしてRASNは迷うこともなくおでこに当てた手を頭にへと乗せると撫で始めたのであった。

 

「あっ……んんっ…!」

 

「……。(汗)」

 

カモメは撫でられるたびに小さく呻き体を縮め込ませており、撫でるRASNは少し困っていたのであった。

 

「…あふぅ…。」

 

「……!」

 

暫く撫でられ少し慣れたのかカモメは肩の力が抜け、紅潮とした顔も引いていたのであった。

 

「…?」

 

「はい、大丈夫です大分落ち着けました…。それにしても…やっぱり私、船長の事…あっ…。」

 

カモメが言い切る前に手は頭から離れてしまい言葉は途切れてしまったのであった。

 

「あ!にーに!ねーね!」

 

そして更にそこにへと星たぬきのお面を頭に着けてかいたコヨミとヒナがやって来たのであった。

 

「…!」

 

「パパ見て…!これ…楽しいよ…!」

 

ヒナは手にしている水ヨーヨーを楽しそうにぽよんぽよんとさせてはしゃいでいたのであった。

 

「あとね!見て見て!コヨミね射的でぬいぐるみさんを落とせたよ!すごいでしょ?」

 

そう言いコヨミはタローからお祭り衣装な星たぬきのぬいぐるみを受け取るとカモメとRASNに見せたのであった。

 

「…!」

 

「はい!こんなに大きいのを落とせるとはすごいであります!」

 

「えへへ…そういえば向こうでみんなが集まってるよ?行ってみようよ!」

 

「一緒に行こ…?」

 

「…?」

 

「そうですね、では…全速前進です♪」

 

そうして四人は手を繋ぎ合うと歩き始めたのだった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。