血界戦線 鏡に映る影 (珈琲店員)
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プロローグ 厄日

始まります、初めての投稿なので誤字脱字がありましたらご報告ください。


 3年前に紐育(ニューヨーク)と呼ばれた大都市はある日突然、謎の霧に包まれて崩落・消失して一夜にて新しい街へと変貌を遂げた。その街の名はヘルサレムズロット。

一夜にして構築された霧烟るこの都市は空想上の産物として描かれてきた「異世界」を現実につなげている街。

 

はっきり言ってこの街は最悪だ。外を出歩けば財布はスられるし、喧嘩や恐喝なんて日常。

 

運が悪いとギャング達の抗争や超魔道的な何かに殺されるのも普通、しかしこんな街にも癒しはある、私メアリー・サンドゥルの場合はコーヒーかな、クラシック音楽を流しながらコーヒーを飲むこれ以上の至福はない出来ればこの一時だけは邪魔されたくない……だがしかしそんな一時を邪魔する者がいる、それは……

 

『エーーックス!!ステーーショーーン!!ダブルエックス!!ダブルエックス!!』

 

お隣さんである。

 

「うるさい……」

 

頼むから静かにしてよ……こっちは三日連続で徹夜してるのに休ませてくれないんですか?だから身長が伸びないってやかましいわ。

 

『うぅ……ゴメンよミシェーラ…仕送り増やさずにこんなもの買っちゃって……でもめっちゃシフト入れたし……血尿でたし……』

 

ちょっとまて。家族より娯楽を優先するな。あと血尿でたのならおとなしく病院へ……あー……でもヘルサレムズ・ロット(ここ)はまともな病院なかっね……それはともかくようやく静かになったからいただこうかな……

 

『それ……では……』

 

え?

 

『食料ヨーシ!!ドリンクヨーシ!!万年床ヨーシ!!熱さまシートヨーシ!!』

 

あ、だめだこれ出かける準備しよう。

 

そう思い髪をとき身だしなみを整え残っていたコーヒーをすべて飲み干しドアノブに手をかけた。

 

「舌……痛い……」

 

火傷した。

 

 

 

場所は変わってここは外。歩く人々は人間もいれば異形の者もいる。当たり前だここはヘルサレムズ・ロットなのだから。

 

「さて、どうしようかな」

 

外に出たがやることがない。そういえばさっき武装した黒服の男性と二、三人すれ違ったけどあれっていったi……

 

ドドドドドドドド!!ドカーーーーーーーン!!

 

「……は?」

 

突然の銃声、その後爆発音。何がおこったのかわからず音のなった方を振り向くと私が住んでいるマンションの隣の部屋から黒煙が上がっていた。

 

「えー……」

 

さすがヘルサレムズ・ロット何がおこってもおかしくない……じゃなくて!え?なんで?イッタイナニガオコッタノ!?いやそんな事より……

 

「し……食器!レコード!!ジュークボックス!!!高かったのにーー!」

 

そんなことを嘆いていると他にも同じ目にあった人が現れた。

 

「お……俺の家……俺の携帯……俺の……エェェェェェックス!!ステェェェェェショォォォォォン!!ダブルエェェェェェックス!!ダァブルエェェェェェックス……」

 

「「え?」」

 

聞き覚えのある単語、そして聞き覚えのある声、私はこの人を知っているというより隣に住んでいる。

 

「君……確か……レオナルド・ウォッチだっけ?」

 

「え?はい、そうですけどあなたは?」

 

「君の部屋……だった所の隣に住んでいたもの」

 

「お隣さんでしたか、その…ごめんなさい」

 

「いや、いい……わけないけど、どうしてこうなったか教えてくれる?」

 

 

「つまり君はこれからそのバカ上司から渡された特使の頭?を届けにいくの?」

 

「はい……」

 

「その……えっと……頑張って、それじゃ」

 

どう考えても怪しいそしてヤバいそれだけはわかる。こういうものには関わらない府がいいと思った矢先。

 

「おい!レオ!!何やってんだそんなデカイ荷物持って女とコソコソと!!!」

 

「「……」」

 

今日は……厄日ですか?

 

「レオナルド」

 

「はい」

 

お互いに目を合わせうなずく、どうやら考えていることは同じようだ。

 

「「逃げろーー!!」」

 

「あ!おい!なんで逃げんだよ!」

 

なんで逃げるかって?当たり前でしょう、だってあんな大声を出せば……周りの魑魅魍魎と連中がきずかないはずがないもの。

 

「イィタゾォォ!!」

 

「20インチ四方のジュラルミンケースが入りそうな鞄を持っていやがる!」

 

「早イ者勝チダ!殺レェ!!」

 

ひいぃぃぃ!!怖い!怖いのよ!あんたらの顔面が!だからこっちこないでぇぇぇ!!

 

「厄日!今日って本当に厄日!あんたってトラブル呼び込む天才なの!?」

 

「これもみんなザップさん(アホ上司)のせいです!」

 

後でその上司殺していい!?

 

「待チヤガレ!チビ共ォォォ!!」

 

「あぁ?」

 

突然足をとめ振り向く。普通に考えたら自殺行為だがキレてしまったのだ。

 

「何やってるんですか死にますよ!?」

 

「行って……」

 

「へ?」

 

「先行って……!!!」

 

その声は怒気を含んだ声ではっきりこう言った。

 

「 ハ ヤ ク イ ケ 」

 

「はいぃ!!」

 

その声に圧倒されたレオナルドは逃げるように走り去った。

 

レオナルドが行ったのを確認するとメアリーは攻撃態勢に入った。

 

「ドケェ!クソアマァ!!」

 

「影血武術110の型……」

 

そう言うとメアリーの影からライオンの形をした獣のようなものが出てきた。

 

「ナ、ナンダァ!?」

 

「『雷獣の鼓動(ライオン・ハート)』!!」

 

技名を叫んで殴るとメアリーの影から出てきた黒いライオンが吠え音の性質を持った雷(・・・・・・・・・)が放たれる。

 

「アババババババババ!?」

 

無論音の性質を持つため反響し他の奴にも当たる。

 

「イビビビビビビ!!」

 

「ボボボボボボボ!!」

 

「ひとつだけ言っておくけど」

 

「な、なんブガァ!?」

 

この私はどうしても我慢ならないことがひとつあるそれは。

 

「好きで小さいわけじゃないから!!」

 

「シ、シル……カ……(ガク」

 

「好きで小さいわけじゃないからーー!!」

 

メアリーの悲痛な叫びが裏路地に木霊した。



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