BLOOD&Magical HELLSING機関異世界放浪記 (鴉@地獄よりの使者)
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人物紹介、用語解説

どーも、鴉です。

HELLSING関連の用語解説等が無いと読みにくいと思いまして微力ながら解説させて頂きます。間違ってたりしてたらごめんね汗

解説が必要と判断した用語等が出た場合追記していきます。


*人物紹介(オリキャラを含む)

 

★ロラン・T・ブルックス……

大英帝国王立国教騎士団保有の吸血鬼事件専門の新米捜査官捜査官。捜査官になる前の3年間は同機関保有の戦闘部隊に所属していた。とある事件で13歳の時に両親を亡くし、他に身寄りが無かったため児童養護施設へと引き取られる。18歳の時に施設を出てヘルシング機関へと入隊した。ちなみに日本人とのハーフで、ミドルネームのTは母の旧姓である高橋を名乗っている。最近になって時々大悟が浮かない顔をしていることに対して少し不安感を持っている。

 

★伏龍大悟(ふくりゅうだいご)

ロランと同じく吸血鬼事件専門の新米捜査官。経歴もロランと同じ道を辿る。少年時代から彼とは交流があり、相棒と呼んでいる。ロランが施設に入ってからも会いに行ったり、騎士団に入ることを相談された時も彼と共に行くことを即決するくらいには信頼しあっている。

 

 

★インテグラ・ヘルシング……

本名「インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング」

ヘルシング一族の現当主であると同時に王立国教騎士団のトップでもある。

褐色の肌に長い金髪、よく葉巻を咥えている。性格は強靭にして冷静沈着。非常な決断も自らが下す芯の強い女性。

 

★セラス・ヴィクトリア………

見た目は20歳前後、短い金髪で胸が大きいのが特徴。

チェダース村という所で起きた吸血鬼事件の解決に派遣された警官隊の1人だった。その際アーカードに血を吸われて吸血鬼化、ヘルシング機関員となる。

元警官であった為あだ名は婦警。アーカードをマスターと呼ぶ。

今作に関しては癒し担当である。

 

*用語解説

 

★ヘルシング機関……

正式名称【大英帝国王立国教騎士団】、大英帝国と英国国教会を反キリストの化け物から守るために組織された組織。代々ヘルシング一族が当主を継いでいることから通称としてヘルシング機関と呼ばれる。

尚現当主であるインテグラ・ヘルシングには後継者が居ないためインテグラの死後は国家組織として組織される予定である。

 

 

★吸血鬼……

文字通り人の血を啜る化け物。銃弾で撃たれても死なない生命力、不老不死の肉体、人間を軽く凌駕する身体能力を有する。弱点として日光が挙げられる。他にも流水には触れられなかったり祝福儀礼を終えた武器や銀製の武器などにも弱い。性別が男性の場合をドラキュラ、女性の場合をドラキュリーナと呼ぶ。尚吸血鬼になる条件として吸われる前に処女、童貞である必要がある。

例外として真祖と呼ばれる吸血鬼の上位種には上記の弱点は決定打になり得ない

 

★食屍鬼(グール)……

吸血鬼に血を吸われた非処女、非童貞の成れの果て。

特徴として人の肉を好んで食し、グールに襲われた者もグールとなる。

(某サバイバルホラーゲームのゾンビを想像するとイメージしやすいと思います)

生身の人間に対しては強いが動きが鈍く知性も低いため吸血鬼程の脅威にはなり得ない。

 

★ハルコンネン……

セラス専用武器。正式名称は「30mm対化物用「砲」ハルコンネン」。

弾は劣化ウラン弾及び爆裂徹鋼焼夷弾を用いる。主力戦車を除く全ての地上・航空兵器を撃破できる。全長は2m以上。人間には扱えない。(完璧にWikipedia先生引用)




Wikipedia先生の解説を自分なりに噛み砕いて作品に合うように変えていたり省いたりしています。
質問等ありましたらいつでもコメントください。


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Prolog

どーも、鴉と申します。
小説初挑戦ということで、自分の好きな作品をクロスオーバーさせてみました。
お見苦しい点は多々あると思いますが生暖かい目で見守ってください。
今回は導入部分となります。
ではどうぞー


「おかえり、伯爵。」

「ただいま、伯爵。」

ここに最強の吸血鬼、アーカードが帰還した。

 

 

それと時を同じくしてHELLSING機関の舞台に入隊した二人の男。ロラン・T・ブルックス、伏龍大悟が起こす戦いの物語が今静かに幕を開ける。

その時から3年の時が流れた。

 

 

 

俺はロラン・T・ブルックス、HELLSING機関の所有する部隊に所属している21歳。

それと兼任して最近、吸血鬼に関する事件の捜査権を取得した新米捜査官でもある。今は俺の初の事件現場であるロンドン郊外のとある屋敷に向けて昼下がりの田舎道を車で進んでいる最中である。

 

「初めての事件かぁ、やり合うのは慣れてるが捜査とかはなんか緊張するなぁ。」

「初っ端から緊張してどうすんだよ。」

 

二言目に話したこいつ、伏龍大悟《ふくりゅうだいご》は同時期に入隊したおれの相棒。実はガキの頃からの付き合いだったりもする。所謂腐れ縁である。

そんな他愛ない話をしている内に現場となった屋敷に到着した。

 

周りにはkeepoutの黄色いテープが貼られ厳戒態勢が敷かれている。俺達ふたりは胸の捜査官のバッチを警官に見せて中へと入る。入った途端目を疑った。そこには俺たちが所属するHELLSING機関のトップであるインテグラ・ヘルシング、その従者である最強の吸血鬼アーカード、その眷属セラス・ヴィクトリアの三名の姿があった。俺たちはすぐさま三人の元へと走っていくのである

 

「遅かったな、新米捜査官殿。」

「マスターを待たせるとはいい度胸だな、小僧共」

「マスター、あんまり新人の子虐めちゃだめですよ。ごめんね、この人すぐこういうこと言っちゃっうから」

インテグラ、アーカード、セラスの順で話してくる。

 

「「とっ、到着が遅くなり、申し訳ありません!!!」」

「自分はロラン・T・ブルックス捜査官であります!」

「同じく捜査官の伏龍大悟であります!」

深々と頭を下げて謝ると敬礼して官姓名を名乗る。

 

…………正直御三方から溢れる威圧感で初っ端からチビりそうですはい。

だって現場に来たらいきなり組織のトップ3人がお出迎えなんて状況になったらこうもなるでしょう。そもそも何で捜査依頼の連絡受けてから速攻で捜査官の詰所から飛び出してきたのになんで詰所より現場が遠いはずの本部にいる御三方が居るんだよ。と、心の中で愚痴を零してみるがそんなことをした所で状況が変わるわけでもないので頭の片隅へと思考を追いやり目の前の事件の操作へと思考を切り替えるのである。

 

「さてと、遅くはなったが捜査官殿も到着した事だし中へ入るぞ。」

「足を引っ張るなよ、ひよっ子。」

「私は外見張ってますね、何かあったら読んで下さい。それとマスター、あんまり新人の子虐めてるといつものやつやったげませんからね。」

「善処しよう。にしても婦警、お前も言うようになったな」

「当然です、マスターが帰ってくるまでの30年、私があなたの代わりやってたんですから。嫌でも自身つきますよ。」

 

 

さらっとこの方爆弾発言してないか?

あの見た目で年齢推定50オーバー?!

吸血鬼ってのはつくづくぶっ飛んでると再認識した瞬間である。ちなみにセラス嬢の見た目は20代前半である。

 

 

そんな事を考えている内にインテグラ、アーカード、大悟は中へと進んでいる。

その後を追うように自分も屋敷の中へと進む。屋敷の大きなエントランスに入ると天井まで吹き抜けており、正面には大きな階段がある。

【バイ〇ハザード1の洋館エントランスのイメージ】

入ると同時にこの1年間で嫌という程嗅いできた血の匂いと無残な姿で徘徊する十数体のグールの姿が目に入る。奴らが俺達4人に気がつくと一斉に襲い掛かってくる。

「やっぱこうなるのかよ……」

「愚痴を吐いてる暇があったら武器を抜かんか馬鹿者が!」

 

インテグラにどやされつつ懐のホルスターから相棒であるデザートイーグルを抜くと向かってくる1匹の頭に向けて発砲、その瞬間頭は弾け飛び脳漿や血が辺りに飛び散りグールは屍へと帰っていく。

4人で掛かった為向かってくるグールを捌くのに30秒も掛からなかった。

流石は

銃声を聞いたセラスが身の丈高くある銃と言ったらいいのか分からない物を担いで中に入ってくる。

流石に外の警備の事が気になったようで大悟が問いかける

「セラスさん、外の警備の方は?」

「後から来た君たちの古巣の人達に任せてきたよ。グールがいるなら吸血鬼がいる可能性が高い。なら戦力は多い方がいいでしょ?」

そう言って人懐っこい笑みを俺達に向けてくる。セラスさん、その笑顔反則です。

 

「まだ吸血鬼がいるかもしれんと言うのに呑気に話をしている場合か。先へ進むぞ。セラス、伏龍は一階を捜索、アルファと呼称。アーカード、ブルックスは私と二階の捜索、こちらをブラボーと呼称。逐一無線で連絡は取り合うこと、いいな?」

「了解した、マイマスター。」

「「「了解しました!!」」」

そう言ってインテグラが指示を飛ばしすぐ行動に移された。

 

 

それから順調に捜索は進み、数回グールの群れと鉢合わせることはあったが危なげなく処理していた。そこにセラスから無線が入る。

 

<こちらセラス。ブラボー応答願います>

「こちらブラボー、ロランです。どうされましたか?」

<一階の食堂にすこし気になる物があってね。こっちに合流できる?>

「インテグラだ、すぐ向かう」

<了解しました、>

 

二階を後にしてセラス達アルファの待つ食堂へと向かう。

一階へと降りるとセラスが部屋の前で待機していた

「インテグラ様、こちらです。中で大悟くんが現場検証に入ってます。」

4人が中に入ると壁には見たこともない文字が羅列されていた。

床には血で書かれた直径3m程の魔法陣の様な模様、その真ん中で大悟は証拠などの捜索を行っていた。インテグラ達も魔方陣の中の大悟の元へと歩み寄る

「インテグラ様。この部屋、どう見られますか?」

「見たところ何かの儀式を行っていた様だな、魔方陣にも壁の文字にも見覚えはない。本部に戻って解析をしなければならんな。1度本部へ戻るぞ。」

そう言ってインテグラが部屋の入口へと1歩進めたところで魔方陣が怪しく光り出し、光の壁が5人を覆う

「何だこれはっ!?」

「こんなもの。こいつでぶっ飛ばしてやりますよ!みんな下がって!」

セラスが肩に担いだキャノン砲、ハルコンネンを壁に向けて発砲する。凄い衝撃と共に壁の中は爆煙に包まれた。しばらくし爆煙が晴れた光景を見た瞬間、皆驚愕の表情を浮かべる。壁は割れる所か傷の一つも入っていないのである。

「どうしてっ!?こいつでもぶち抜けないなんて!」

撃った本人のセラスは驚きを隠せないでいる。すると部屋の入口から初老の男が入ってくる。

 

「こんばんわ、王立国教騎士団の諸君。私の作品は楽しんで貰えているかね?」

「誰だ貴様っ!我らHELLSING機関を敵に回して、タダで済むと思っているのか!」

「籠の中の鳥である君たちになのか出来る?」

 

インテグラが怒りを露わにするが男の言う通りである。

実際ハルコンネンですら割れない壁がある以上現在俺達に取れる手段は無いに等しい。

「それとお役目ご苦労、伏龍大悟。いや、ウォルター・C・ドルネーズ。」

「はい、マスター。誘導するのに苦労しましたよ。」

大悟がそう答えると同時に顔に手をかざす。するとみるみる大悟の顔が別の誰かに変わってゆく。見た目は20代の青年である。

俺を含めインテグラ達も驚愕の表情を浮かべる。

完全に変わりきると同時にいとも簡単に壁からするりと抜け出してしまう。そのままマスターと呼ばれた男の隣に立つ。

「お前、本当にウォルターなのか?」

そう問いかけるインテグラの声はいつもの凛々しいものではなく、まるで怒りを抑え込むような声の震え方をしていた。

「えぇ、お久しぶりでございますインテグラ様。元ヘルシング家執事ウォルター・C・ドルネーズであります。お目にかかるのは33年ぶりですかね。」

「何故だ、お前はあの時、第二時ゼーレヴェ作戦の時に死んだはず!なぜ今になってまた私の前に現れた!?」

「それはいずれ分かることでございます。今お教えする訳には参りません。そろそろ時間でございます。ではインテグラ様、アーカード様、セラス様、そして元相棒のロラン。良い旅を。」

そう言い終えると歪んだ笑みを浮かべて一礼する。

壁と魔法陣が発する光が更につよくなる。

その光の強さに気を失いそうになりながらも壁にすがりつき

「嘘だよな大悟!?お前が裏切ってたなんて!嘘だと言ってくれよ!」

「済まないなロラン、目の前にある事は全て真実だ。お前の親が死んだあの事件も俺が仕組んだことだ。お前との友達ごっこは全て演技だったのさ!じゃあな、哀れなロラン君。」

「待てよっ…!まだ話は……!」

そう言い終える前に一層光が強くなり、気を失った。

最後に見た大悟の。いや、ウォルターの顔に後悔の色が浮かんでいた事は印象に残っていた。




如何だったでしょうか?
少し伏線等は撒いてみたつもりですがやっぱり難しいですね( ̄▽ ̄;)
えっ?なのは要素出てきてねぇじゃねぇかって?
次から出しますので許してつかぁさい( இ﹏இ )
て事で次回から舞台をロンドン郊外からミッドへと移しますのでお楽しみにー。
あとから気づいたのですが用語解説等忘れていたので、解説ページ載せておきます。(間違ってたりしてたらごめんね)
誤字脱字報告、ご意見ご感想は随時承っております。
これから作品完結を目指して精進致しますので宜しくお願い致します。


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接触

どーも、鴉です。

どうも仕事が始まるとやっぱり書けないもんですね( ̄▽ ̄;)
とりあえず今回はロラン達ミッドチルダ上陸です。

今回はアーカード様が大分いい大人やってくれてます。
ではどうぞー


俺、ロランは真っ暗な空間をただひたすらに歩いている。

だがこれが実際の出来事ではなく夢であることは理解している。この8年間見続けた物なのだから。そう考える内、いきなり目の前が明るくなり視界が奪われる。

目を開けると広がるのは燃えた教会の建物、無数の生ける屍の群れとその真ん中で不気味に笑うシスターの姿。群れの中は殆ど見慣れた顔ばかり。腰を抜かした俺は動くことさえ出来ずこちらにゆっくりと近づいてくるグール達の波に飲まれてゆく。四肢を掴まれ蹂躙されようとした瞬間、どこからともなく天から光が漏れ始め辺りを包む。

 

「……ラン……、……ロラン……、ロランっ、しっかりして!」

 

セラスの呼びかけに応えるように目を開ける。目の前には青い空をバックにセラスがこちらの顔を覗き込むのが見える。

後頭部には何やら柔らかい感触、辺りを見回そうと首を左右に動かした時に違和感を感じる。

「ここは…?」

「分からない。本部や君たち捜査官の詰所に通信を試みたけど繋がらないの。おまけにインテグラ様とマスターともはぐれたみたいなんだけど、幸いそっちに関しては通信が繋がったわ。君がこんな状況だから申し訳ないけどこちらに来てもらってるわ。もうすぐ来られるはずよ。」

「大体状況は掴めました。………ですがセラスさん、何故俺は膝枕されているのでしょうか?」

 

大方の現状の説明をセラスから受ける。ただ説明を聞くうちに意識がしっかりと覚醒し、状況が掴めた。後頭部にあたる柔らかいものはセラスの太腿。所謂膝枕の体勢である。

 

「えっ?最初は地面に寝かせてたんだけど流石になんかそのままにしとくのもあれだと思って枕にできるようなもの探したんだけど無くてね。そことりあえず私が膝枕してたってわけ。……いやだった?」

すこししょぼんとした様な表情を向けてくる。だからセラスさん、年頃の男子にそういう表情はNGですって。そんなことを考えていると背後から

 

「随分と楽しげだな、婦警」

「セラス、これはどういうことだ?主である私に歩かせておいて自分は男とイチャイチャとは。随分と偉くなったものだな。」

「まっ、マスター!?!?それにインテグラ様も!!!!これには深い訳が……!!」

「インテグラ様、それにアーカード様。自分が不甲斐ないばかりに、申し訳ありません。」

 

背後から現れたアーカードとインテグラの声を聞いた俺は急いで身を起こして敬礼し、深々と頭を下げる。

 

「ロランと言ったな。まぁ気にするな、セラスをいじって遊ぶのはいつもの事だ。この状況がいつまで続くか分からんし慣れておくといい。それよりも大丈夫なのか?顔色が悪い様だが」

「気を失っている間、夢を見ていました……、あまり思い出したくない夢を。」

インテグラが冗談交じりに話す。体調に関して気にしてくれた時の自分の顔はひどいことになってたと思う。

すると唐突にセラスが思い出したかのように口を開く。

 

「ロラン。あなた子供の頃吸血鬼に関する事件に巻き込まれてない?」

「……?!どうしてそれを……」

「やっぱり………。あなたと大悟、いえ、今はウォルターと言うべきかしらね。とにかく二人を見た時からなんか引っかかってたのよ。8年前、ロンドン郊外の小さな教会を中心に街全体を巻き込んで起きた吸血鬼による事件。覚えてないわけないじゃない、マスターが居なくなってからこの間までの30年の中で私が1番被害を出した事件なんだから。まさかこんな形でその時の生存者と出会うなんてね」

「セラスさん……」

俺はそれ以上言葉を発することが出来なかった。重い空気が流れるのを感じる。

見かねたアーカードが口を開いた。

 

「とりあえず婦警の過去話は後回しだ。まずは状況の整理をするのが妥当だと考えるがどう考えるマスター。」

「確かにそうだな。セラス、気にするなとは言わん。だが場を弁えろ。今はこの状況を打破する事だけ考えろ」

「……了解です、マスター。」

重苦しい空気が残る中情報共有、情報整理が行われた。

 

整理された情報はこうだ。

❶ここがどこかの森林地帯であること。

❷通信機の周波数を合わせてもヘルシング機関本部や捜査官詰所はおろか繋がりのある英国主要機関にも通信できない。おまけにGPSまで使い物にならない。しかし4人が持ち歩いている携帯端末同士なら通信、位置検索は可能。

ただし位置検索に関しては方角と大体の距離が算出されるのみ。

❸先程から何らかの爆発音とヘリの音が聞こえていること。

以上の三つである。

 

❶と❷から考察されることはまだ通信網が構築されていない国に飛ばされたか、そもそも自分達の知る世界では無いのではないかということ。

❸からはどこかで戦闘、または事故災害が起こっている。4人の経験則的に前者であると話が纏まった。

そこからまず俺が口を開いた。

「発言よろしいでしょうか?」

「なんだ、言ってみろ。」

「まず現状として収集できる情報は今出た三つの事柄のみ。一つ目と二つ目に関しては完全に手詰まりの状態です。そこで三つ目の情報に着目しました。現在も爆発音が続いている上に我々の位置から見て4時から3時の方角に移動しています。我々の推理が正しいなら爆発音の位置を辿れば現地人と接触できる可能性があります。そこで俺が爆発音のする位置まで偵察に出てきます。許可を頂けますか?」

 

俺がひと通り喋り終わるとアーカードがこう言い放った

「森の中を無闇に歩いて偵察?考えが甘いな。」

「そう言われるとそうかもしれませんが……」

「だが考え方としては間違ってはいない。要はアプローチの問題だ。何故人間のできる範疇だけで考える?折角吸血鬼が二人もいるんだ。少しは頭を使って考えてみろ。」

そう言われ目を閉じて少し考え込む。

【伝承通りなら吸血鬼とはコウモリや狼、霧に至るまであらゆるものに変身できたはず。それを利用すれば地上から時間をかけて接近せずとも空からタイムラグを少なくして対象に近づける!】

 

考えが纏まるとアーカードにこう返した。

「アーカード様、空を飛べる物に変身して偵察、あわゆくばこちらに現地人を連れて来るまたは合流する手筈を整えていただけますか?その現地人がこの世界の警察機関等だと尚良しですが。」

「合格だ。さて、捜査官殿からの依頼だ、早速出るとしよう。マスター、戦闘行為が必要となった場合の発砲許可を。」

「許可する。ではアーカード、私たちの目的の前に立ち塞がる障害は叩いて潰せ!見 敵 必 殺 !〈サーチアンドデストロイ〉!!見敵必殺〈サーチアンドデストロイ〉!!」

「クククッ、昔のようだな。この感覚は。認識した、マイマスター。」

 

そう言い切るとアーカードはコウモリの群れに変化して爆発音のする方へと飛んで行った。

 

 

─────────────────────────

 

所変わってここはアーカード達が言っていた爆発音のする地点と言うか原因。

空では謎の飛行物体と数人の人間が撃ち合い、山肌に作られた列車の上では謎の機械とこちらも数人の人間が戦闘していた。

この世界、ミッドチルダに本拠を構える時空管理局に新設された部隊。

【古代遺物管理部 機動六課】通称機動六課がレリックと呼ばれるロストロギアを回収するべく出動していた。

上空ではスターズ分隊隊長、高町なのはとライトニング分隊隊長、フェイト・T・ハラオウンが謎の飛行物体ガジェットとの戦闘を繰り広げていた。

「アクセルシューター、シュート!!!」

「フォトン・ランサー、ファイア!!!」

二人の魔法が炸裂し徐々にガジェットの数を減らしている。

「いくら抜かれない自信があるからと言ってこれじゃキリがないね。」

「そうだね、でもフォアード達がレリックを確保するまでだから頑張ろう。」

[ロングアーチよりスターズ1、ライトニング1に通達、八時の方向から高速で向かってくる反応多数!動きのパターンとしてドローンの可能性は低いですが注意してください!]

 

「スターズ1了解!」「ライトニング1、こちらも了解!」

ロングアーチから来た情報を確かめるため二人でその方角を見る。

黒いモヤの様なものが自分たちの方へ向かってくる。

近づいてくるにつれモヤの正体が明らかとなる。ゆうに100を超えるコウモリの群れである。コウモリ達は私たちを無視してガジェットを一機、また一機と撃墜していく。

「フェイトちゃん、このコウモリ達どう思う?」

「少なくとも使い魔や召喚獣ではないと思う。ロングアーチからも近くで召喚魔法を使われたって報告もないし。」

 

そう話しているとコウモリ達はガジェットを撃墜し終えて1箇所に集まっていた。

それは渦を巻き段々と人の形を成していく。集まり終えるとそこには赤いコートを纏い、大きな帽子を被った長身痩せ型の男性が居た。

人の姿を成した途端発せられた威圧感と得体の知れない恐怖に駆られ、なのはとフェイトは反射的にレイジングハートとバルディッシュを構える。

 

「ご機嫌麗しゅう、お嬢さん方。とりあえずこちらに戦闘の意思は無いのでその手に持ったものを降ろしてもらえると助かるのだが。」

「デバイスを下ろせばお話聞かせてもらえますか?」

「もちろん。まずは名乗っておこう。大英帝国王立国教騎士団、通称ヘルシング機関の機関長インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングの従者、アーカード。」

大英帝国という単語を聞いてフェイトがこう返してくる。

 

「大英帝国………、ということはあなた、地球から来たのですか?」

「その言い方だとここはやはり地球ではないのだな?まぁ来たというよりは飛ばされて来たという方が正しいがな。」

「詳しくお話を伺いたい所ですが生憎私達今任務中でして、後程こちらの隊舎でお茶でもしながら伺わせていただいても?」

「了解した。これでとりあえずは目標達成だ。」

「申し遅れました。私は時空管理局、古代遺物管理部 機動六課ライトニング分隊分隊長のフェイト・T・ハラオウン執務官です。」

「おなじくスターズ分隊分隊長、高町なのは一等空尉であります。」

[スターズ1、ライトニング1応答願います。レリックの回収を確認。スターズとリィン曹長で中央のラボまでレリックを護送。ライトニングは現場待機、現地の局員に引き継ぐまで警戒に当たってください。]

 

「スターズ1了解」

「ライトニング1了解。それと八神部隊長に別件で報告があります。詳細は隊舎に戻り次第行います。」

[こちら八神、了解や。]

「おっとお嬢さん、フェイトと言ったかな。ここから移動するならこれを持っていてくれないか。所謂マーカーの様なものだ。こちらも仲間を拾い次第そちらに向かう。」

「了解しました、では後ほど。」

とりあえずの目標は達成された為ここでの会話は終了となった。

 

>───────────────<

 

 

所変わり何処かの研究施設。

[レリック、護送体制に入りました。追撃しますか?]

「いや、追撃は不要だ。彼女達のデータが取れただけでも良しとしよう。それにしてもあのコウモリの群れから現れた男、観察のしがいがありそうだ。おまけに生きたプロジェクトFの残滓を手に入れるチャンスでもあるのだから。慎重に行かねばな。」

モニターに移されるなのは達の映像を見て薄気味悪い笑い声を出す男。この人こそこの事件の首謀者にしてこれからロラン達の前に立ち塞がる壁のひとつであるジェイル・スカリエッティその人である。

 

実際に相見えるのはまだ少し先の話である。




如何だったでしょうか?

最初はStrikerS1話からやりたかったんですが自分の文章力では満足いく内容に書けなかった為、仕方なく初出撃のシーン(しかも焦点フォアードではなく空の隊長陣)から書かせていただきました。
フォアード陣との顔合わせは次回くらいになりそうです。
次はロラン達回収の所からになります。
次回をお楽しみにー


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対談、恐れていた事態

どーも、鴉です。
上手く会話描写が書けませぬ(´・ω・`)

ネガティブな事ばっか言っててとあれなんで早速本編どうぞー


なのは達と接触し、情報交換する約束を取り付けてアーカードが戻ってくる。

戻ってくるなりインテグラが口を開く。

「アーカード、首尾はどうだ?」

「上々だ、向こうの方からお茶会に招待されたよ。とりあえずマーカーを渡しておいたからいつでも合流できるが。どうする、捜査官殿。」

「とりあえず相手方と会ってみないと話が進みませんからね。早速向かいましょう。あと、捜査官殿ってのは出来ればやめて下さい。呼ばれ慣れてなくて背中がムズムズします。」

「これは失礼した。とりあえず移動するとしよう。婦警、ロランを抱えてやれ。俺が先導する。」

「了解です、マスター。それじゃロラン、抱えるから落っことされないようにね。」

「えっ、アーカード様俺のこと今ロランっ、……ってセラスさん!!勝手に抱えないで下さい!てかまず周り囲われてない状態で飛びたくないっ!」

「つべこべ行ってないで行くわよ。」

そう言うとセラスは腰に腕を回して軽々と俺を抱える。さながら親が駄々をこねた子供を親が抱えるように。

「ままま待ってください!!せめて心の準b………」

「よっと。」

ロランの懇願を無視して体勢を低くし、強く地面を踏み込んで飛び上がる。

「嫌ァァァ!!!高いの怖いぃぃぃ!!!!」

非情にもセラスはロランの心からの叫びを無視して空へと舞い上がる。途端にロランの声が聞こえなくなった為様子を見ると泡吹いて気絶していた。余程怖かったようである。

 

>──────────<

ところ変わってなのはとフェイトはと言うと合流地点で待っている機動六課フォアード陣と合流していた。

「なのはさーん、お疲れ様です。これどうぞ。」

「お疲れ様です。タオルいります?」

なのはに青髪ショートと、オレンジ髪ツインテール少女達がドリンクとタオルを持って近づいてくる。

青髪の方はスバル・ナカジマ。オレンジ髪の方はティアナ・ランスター。この三人ともう一人、副隊長のヴィータを合わせた四人がスターズ分隊となる。

 

一方フェイトはと言うと

「フェイトさーん、お疲れ様ですー。私頑張りましたよ、ちゃんとフリードも制御出来ました!」

「お疲れ様ですフェイトさん。今回はキャロに助けれっぱなしでした。」

「きゅくるー」

フェイトに駆け寄ってくるピンク髪の少女と赤毛の少年。

ピンク髪の方がキャロ・ル・ルシエ。赤毛の方はエリオ・モンディアル。そして彼女の連れている龍のフリード。スターズ同様ここにはいないが副隊長のシグナムを合わせてライトニング分隊となる。

 

軽く談笑していたがすぐになのはが周りに対して声をかける。

「みんなー、今日はお疲れ様。とりあえずスターズは通信で指示があったように中央のラボまでレリックを運ぶよ。てことでとりあえずは解散。フェイトちゃん、あとはお願いね。」

「わかった。気をつけてね、またガジェットが寄ってくるかもしれないし。」

「封印処理もしてあるし大丈夫、じゃあそっちも気をつけてね。」

そう言うとスターズの三人はヘリに乗り一足先に現場をあとにした。

 

ヘリが飛び立ってからおよそ5分ほど経つ。

アーカードから預かった端末に通信が入る。

「もしもし」

【こちらアーカードだ。そろそろ目視圏内に入るのでな、一応連絡しておいた。】

「了解しました、お待ちしてます。」

 

その様子を見てエリオとキャロが頭の上にはてなマークを浮かべ、エリオが問い掛けてくる。

「フェイトさん、今の通信は?」

「うん、さっきの戦闘で私となのはを助けてくれた人。少し訳ありっぽかったから一度隊舎に招いてはやてたちと一緒に話を聞くことになってるの。」

「そうなんですか、どんな方なんですか?」

「助けてくれたのは一人でアーカードって人なんだけど、長身長髪で痩せ型の男性。他にもお連れさんが居るらしいけど人数までは聞けてないかな。」

 

そんなことを話しているうちにアーカードを含めた4人がフェイト達に合流する。

気絶しているロラン以外の面識のないもの同士で自己紹介をしている中現地の局員が合流し、フェイトが引き継ぎを済ませる。

そのままヘリに乗り込み機動六課隊舎へと向かう。

 

>─────────<

所変わり機動六課の隊舎管制室。

六課の部隊長八神はやてはその中でフェイトから隊舎に戻ってから説明すると言われた事項についての軽い説明を受けている

「大体の事情は分かったわ。ほんなら第二会議室に通してあげて。私も報告とか終わらせたらすぐそっちに向かうわ。」

【わかった、じゃあ後でね。】

そう言い終えると通信が切れる。

「グリフィス君、これで地球からの次元漂流者って何人目?」

「彼ら四人を合わせるとこれで25人です。」

グリフィスと呼ばれた青年がそう答える。本名グリフィス・ロウラン。機動六課部隊長八神はやての副官である。

「まるで誰かに送り込まれてるみたいやな。何も起こらんとええけど……」

「そうですね、ただでさえレリックの捜索とガジェットの対策。これ以上案件抱えたらパンクしますよ絶対。」

「まぁ愚痴ばっか言ってても始まらんしちゃっちゃと報告書まとめよか。」

軽く伸びをするはやてにグリフィスはこう言う。

「報告書は僕が纏めておきます。部隊長は後でこられる方の面会の準備でもしてて下さい。」

「ほんまに?ならお願いしよかな。」

「分かりました。完成次第デバイスの方に送っておきますね。」

「了解や。ほんならあとお願いね。」

そう言ってはやては管制室を後にし、フェイトに指示しておいた会議室の準備をして待つことにした。

 

>─────────────<

機動六課へと着いたロラン達は早速部隊長と面会する為の場所に案内されていた。

会議室に入ると既にはやてとなのはが座って待っていた。部屋に入ってきたことに気づくと椅子から立ち上がって敬礼してくる。

アーカード以外の3人も敬礼を返し、

「急な訪問に対応頂き感謝する。我ら大英帝国王立国教騎士団、通称ヘルシング機関。その長を務めるインテグラだ。」

「その従者、アーカード」

「同じく従者のセラス・ヴィクトリアです。」

「王立国教騎士団捜査部所属のロラン・T・ブルックスです。」

「ご丁寧にありがとうございます。私は機動六課部隊長の八神はやてです。立ち話も何ですのでどうぞおかけ下さい。」

「では失礼する。」

インテグラの声に合わせて四人は着席する。

 

「早速本題なのですがあなた方が我々機動六課に接触してきた理由を聞かせてもらえますか?」

「その話をする前にまずこちらの組織の簡単な説明とこちらの世界に来る直前に起こったことを説明しよう。ロラン、端的に頼むぞ。」

「分かりました。まず我々ヘルシング機関ですが……」

 

~状況説明中~

 

「……と、以上のことが俺たちの組織の軽い説明とそちらと接触した理由です。」

「まとめるとこういうことになる訳ですね?」

フェイトが聞いたことをさらに簡略化して話し、なのはがホワイトボードにスラスラと確認した事項を箇条書きにしていく。

 

❶ヘルシング機関は対化け物、主に吸血鬼殲滅の特務機関。

❷吸血鬼絡みの事件現場に向かうと魔法陣があった為調査している中、光の壁に閉じ込められ、その時にロランの相棒だった伏龍大悟が裏切る。

❸魔法陣から発せられる光が強くなり、気がついたらあの森の中。

・結論

元の世界へ戻る為の方法を知りたい

「ということであってますか?」

「概ねそれで間違いないです。」

情報整理し終えてふとはやてが呟く。

「やっぱこれまでのパターンと似とるなぁ。」

「これまで?いったいどう言うことだ?」

「いえね。インテグラさんたちがこちらに来る二週間ほど前からなんですけど、三つ目の事項にあることとほぼ同じ方法で、あなた方と同じようにこちらへ飛ばされてくる人達が増えてるんです。」

「………、少し嫌な予感がするな。

「嫌な予感?」

「もし仮に私たちよりも先にこちらに飛ばされた者の中に吸血鬼が紛れていたらどうなる?まぁ他にも不安要素はある。まず……」

そう言いかけた瞬間、隊舎にサイレンが鳴り響く。それと同時にグリフィスが会議室に息も絶え絶えに飛び込んでくる。

「部隊長……!地上本部よりスクランブル要請!B-7地区の繁華街で暴動発生!現場から送られてきた映像出します!」

そう言って会議室のモニターに映像が映し出された。

それはロラン達にとっては見慣れた光景であり、インテグラの悪い予感が的中したことになる。グールが闊歩し、市民を襲っていたのだ。

「なんやこれ……、映画の宣伝とかじゃないんか?」

見慣れていないなのは、フェイト、はやては口を抑えて顔を青くしている。

「やはりこうなったか……。八神部隊長殿、あれは我々で対処する。現場へ運んで貰えるか?」

「えっ、何をしはる気ですか?まさかアレと戦う言わはるんちゃいますよね?!」

そこに俺が口を挟む。

「そのまさかですよ、八神部隊長殿。元よりあれの対処は少なくとも私たちに一日の長があります。と言うよりもあれは俺たちの獲物です。」

暫く沈黙したあとはやてはこう答える。

「………、分かりました。本部に掛け合ってみます。もしダメな場合は現場指揮と軽い戦技指導お願いします。」

「わかった、では私もその交渉に同行しよう。」

「事態は一刻を争うよ!交渉終了次第直ぐに出られるように準備しといてな!今回はフォアード陣は待機。スターズ、ライトニング両隊長と私が出る!グリフィス君は至急地上本部と通信繋いで!私たちが出撃したらロングアーチの指揮と地上本部から送られてくる情報を私たちにリークすること!インテグラさん、管制室に通信繋ぎます。付いてきてください。」

そう言うとはやてとインテグラは会議室をあとにした。

 

「私達はとりあえず屋上のヘリポートに行きましょう。」

そう言ってなのはが会議室の扉を開けて出発を促し、中にいた全員がなのはの先導でヘリポートへと向かった。

その途中ですれ違ったスバルにフォアード待機の伝言を頼む。

2~3分走るとヘリポートへとたどり着く。既にヘリは到着しており、先に搭乗して待つことにした。それから5分ほど経ってインテグラとはやてがやって来る。

 

「ごめんよ、ちょっと交渉に手間取ってな。でもインテグラさんのお陰でなんとか承諾もらえたわ。」

その言葉を聞いたヘルシング機関勢は苦笑いを浮かべていた。

通信相手に怒鳴り散らして押し切ったのが容易に想像できるからである。

 

「話してる暇はないぞ、この間にも被害者は出ている。移動している間に軽く講義をするぞ。」

「「「はいっ!」」」

なのは、フェイト、はやてがインテグラに向けて返事をする。それと同時にヘリの扉が閉じて離陸を始める。

この時ロランは嫌な胸騒ぎを感じていたが雑念を払うようになのは達にグール戦のレクチャーをしていく。

 

この後壮絶な地獄を体験することを、この時はまだ誰も知る由もなかった。




いかがだったでしょうか。
次回から対グールの戦闘+αになります。

次回をお楽しみにー


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機動六課、化け物(フリークス)戦初陣

どーも鴉です。
全くもって筆が乗りませぬㄟ( θ﹏θ)厂
週一を目標にしてたのに早速破る始末。
てことで今回はグールとの戦闘+αです。
どうぞー

あとUA500突破しました。
こんな駄文を読んでいただき感謝します。


機動六課隊舎内に突如響き渡ったアラート。

俺、ロランを始めとしたヘルシング組の4人。そこに六課部隊長八神はやてと実働部隊長の高町なのは、フェイト・T・ハラオウンを乗せたヘリはこの世界の首都クラナガンの繁華街に向けて出撃していた。

 

俺は少ない移動時間の中でフリークス戦が初めての六課組にレクチャーをしていた。

「早速ですが時間がありませんので、グール戦のレクチャーに入ります。と言っても要点は二つしかありません。」

「そんなに少ないんですか?」

なのはがキョトンとした顔でこちらを見てくる。はやて、フェイトも同様だ。

「はい。【撃つなら確実に頭か心臓を狙う事】と、【迷わず撃て】と言うことだけです。おそらくこの世界には祝福儀礼済の銀の弾丸なんて無いでしょうから確実に頭を撃ち抜くのが定石ですね。グールの場合はさほど動きも遅くはないので狙いやすいと思います。あっ、あと一つ言い忘れてましたが絶対に噛まれたりしないようにしてください。危ないと思ったら直ぐに下がってください。そうしないと奴らの仲間入りをすることになるので。」

「説得の余地とかはないんですか?それに仲間入りって……」

はやての質問に対して俺が口を開く前にインテグラが口を開く。

「あれはもうすでに人間ではなく【人間だった者】だ。あれはただ己の腹を満たすために人を喰らう肉袋とかした何かだ。それがただ人の形をとっているだけだと考えろ。せめて苦しまぬよう逝かせてやる為に一撃で仕留めてやれ。それと八神部隊長、上層部のバカが言っていた事は恐らく守れんだろうが気に病むなよ。吸血鬼の事件と関わった時点で無理なことだ。それと仲間入りに関してだが言葉の通りだ。【グールに喰われた者はグールになる】それだけの事だ。」

その会話を聞きセラスがインテグラに質問する。

「そう言えばインテグラ様、八神さんの何をいわれたんですか?何となくは想像できますけどね。」

「【暴徒はすべて捕縛】だそうだ。これが元の世界ならば確実にブチ切れでいたぞ。まぁその指示に対しては既に軽く切れたがな。知らぬ事とはいえ抑えられなかった。」

「まぁやはりそうなっていたか。それでこそ私のマスターという所か。」

従者陣はまぁいつものことだといった感じの対応である。

そんな雰囲気の中なのはが俺達にある質問をしてきた。

「そう言えばロランさん達の武器って何なんですか?」

「俺たちのですか?そうですね、教えておいた方がいいでしょうね。アーカードの旦那、セラスさん。なのはさんがあなた方の得物を確認したいそうです。」

俺が声をかけるとセラスは床に置かれた獲物に手を触れる。俺は1丁の拳銃、アーカードは懐から2丁の銃を取り出す。

「そうね、一緒に戦うならその方がやりやすいかもね。私のはこの子。ハルコンネンって言うキャノン砲。今回は普通の徹甲弾しかないけどね。」

「ロラン、相手の許可なしに呼び方を変えるのは少し驚くぞ。まぁ気にせんがな。私のはこれだ。絶対に私の射線には入るなよ。少なくとも普通の人間に当たれば遺体はバラバラになるほどの威力はあるからな。」

「いきなり俺の呼び方変えた旦那には言われたくないです。俺はこいつとあとは近接用の小太刀が2本。あとは隠し玉が一つかな。」

こんな感じでお互いの得物を確認しているとはやてが口を開く。

 

「みんな、降下ポイントまであと1分ほど。その間に作戦と配置、コールサインの確認するよ。作戦としては東西に別れて挟撃。西側に私、アーカードさん、フェイトちゃん。東側にセラスさん、ロランさん、なのはちゃん。インテグラさんはヘリに残ってロングアーチと地上本部から通信の伝達をお願いします。コールサインに関してはなのはちゃんとフェイトちゃん、私はそのままとします。ヘルシング組をブラッドと呼称、インテグラさんを0、アーカードさんを1、セラスさんを2、ロランさんを3とします。ここまでで何か質問等はありませんか?」

するとアーカードが口を開く

「では私から一つ忠告だ。機動六課のお嬢さん方は戦闘が始まったら決して地面には降りないように。少なくともこれで上から降ってくるグール以外からは攻撃を受けることもないだろう。これから先にも奴らと戦うこともあるかもしれん。その為に対処法を見ておくといい。もっとも参考になるかは分からんがな。では諸君、行くとしようか。」

アーカードが立ち上がって不敵な笑みを浮かべると同時にパイロットのヴァイス陸曹から呼びかけがある。

「八神部隊長、降下ポイントに到着!」

「了解や、ほな行こか!ヴァイス陸曹、インテグラさんのこと頼んだよ!」

「分かってますよ。隊長方、それに客将の兄さん方、ご武運を!死んでもこのヘリは落とさせませんよ!」

インテグラが降下の準備をする全員の方を向いてこう言い放つ。

「これはブラッド、特にアーカードとセラスに対してだ。親玉の吸血鬼を見つけ次第殺れ。ほかの者が見つけたらすぐにアーカードかセラスに連絡するように。いつも通り私のオーダーを完遂して見せろ!」

「認識した、マイマスター。」「了解です、マスター。」

「やっぱりこうなるのかァァァァ!!!!」

そう答えるとアーカードとセラス、前回同様小脇に抱えられ絶叫するロランが降下していく。

「それじゃ私達も行こうか。スターズ1、高町なのは!生きます!」

「ライトニング1、フェイト・T・ハラオウン!行きます!」

「アーチ1、八神はやて!行くで!」

アーカード達が降下したのを皮切りに六課組も降下していった。

 

 

 

 

ところ変わってセラス、ロラン、なのはが受け持つ東側。

眼下には闊歩する大量のグールの群れが見える。進む先には武装隊が張ったであろうバリケードがある。その中から魔導師達が応戦しているが数が多いため捌ききれていない。

「まずは私が切り込んで突破口を開きます!ロランとなのはさんは私が撃ち漏らした奴をお願いします!とりあえずロランは一旦バリケードの中に降ろすよ。」

「「了解です!」」

「さて、久々に暴れるとしますか!」

そう言ってロランを乱暴に降ろすとそのまま上空に飛び上がるとグールの群れに向かっていく。着地するまでの間に左腕を偽装した普通の腕から影に変化させる。

「でぇりゃあぁぁぁあ!!!」

着地と同時に腕の影を鎌のように展開し、的確にグールの首を刎ねる。

そのまま一旦バリケードの近くまで戻ってきて

「ロラン!私とツートップで行くよ!なのはさん、背中は任せました!」

「了解です!」

「分かりました!背中は任せてください!」

俺はバリケードを飛び越えてセラスの右側に周って腰から2本の刀身が黒い小太刀を抜き、セラス方を向く。視線に気が付いたようでセラスがこちらを見てニヤリと笑う。

「じゃあおっ始めますか!神楽、虎徹!久々に暴れようじゃねぇか!」

「そんじゃこっちも負けてらんないわね!」

そう言って自分を奮い立たせるとセラスも乗ってきた。

そのまま二人して群れに向かって突っ込む。俺は小太刀で首を刎ねてセラスは腕の影を自在に変化させ首を刎ねたり心臓を貫いたりして対応していた。その様子を見ていたなのははこう言った。

「何この地獄絵図………、って言ってる場合じゃないね。私も働かないと!アクセルシューター、シュート!」

ロランとセラスの背面と側面にいたグールの心臓を片っ端からアクセルシューターで撃ち抜いて言った。

「スターズ1からブラッド2および3に通達!収束砲で焼き払います。私の後ろまで退避してください!」

「「了解!」」

そう言ってなのははロラン達を戻し、自分は収束に入った。

「なのはさん、退避したわよ!」

「分かりました!行くよ、レイジングハート!」

[了解です、マスター。いつでも撃てます!]

「じゃあいくよ、久しぶりの全力全開!ディバインバスター!!!!!」

なのはがそう叫ぶと手に持った杖の先から桃色の光がグールたちに向かって迫っていく。地面に着弾するとそこに居たグール達は一瞬で蒸発する。そのまま奥に向けて薙ぎ払う。光が通ったあとにはグールは影も形も残ってはいなかった。それに対してロラン達はこう呟いた

「「何このチート……」」

「よし、片付いたことですし西側の援護に向かいましょう!」

「そうだな、とりあえず旦那には通信を……」

【こちらブラッド1アーカード、東側の殲滅は終わったか?こちらは終了したが援護は必要か?】

「こちらスターズ1、高町なのは。こちらの殲滅も終わりました。それと吸血鬼らしきものは見当たりませんでした。とりあえずそちらと合流したいのですがどうしましょうか?」

【残党を狩りつつ降下地点で落ち合おう。】

「了解です。と言う事なので行きましょうか。」

「そうね、とりあえずなのはさんは上空から警戒をお願いします。ロランは後方警戒、私は前方を警戒します。」

それぞれが担当する方向を見ながら合流地点を目指した。

 

 

時間を巻き戻して降下直後の西側。

アーカードは着地すると同時に懐から先程見せた白と黒の銃を取り出してグール達の頭に向けて正確無比な銃撃を浴びせる。両方のワンマガジンを打ち切るまでおよそ5~6秒のことである。すぐさまマガジンをリロードし東側同様に設けられたバリケードに目を向ける。こちらは西側よりも数が多かったのか突破される寸前である。既に殺られた武装隊員がバリケード内に転がっており起き上がるのも時間の問題、事実上バリケードは破られていた。そこでアーカードはフェイトとはやてに指示を出す。

「ライトニング1およびロングアーチ0、バリケードの反対側のグールを頼む。破られた私はバリケードに対応する。なに心配ないさ、ヘリで習ったところを撃ち抜けば良いだけだ。」

「「了解です!」」

そう言ってバリケードに向かっていく。

 

「相手はただの人形……、人の形をしとるだけ……」

「はやて、大丈夫?」

はやては大きく深呼吸して

「うん……、落ち着いた。ほないこか!フェイトちゃんは手前をお願い、あたしは奥を殲滅する!」

「うん!ハーケンセイバー!」

「ディアボリック・エミッション!」

フェイトが放った魔力刃は的確にグールの頭と胴体を泣き別れさせる。一方はやては少し奥に黒い球体を出現させる。それはどんどん広がりグールを灰燼へと変えていく。

「ほう、案外やるものだなあのお嬢さん方。あれなら援護は必要ないみたいだな。」

バリケード内とその付近を一瞬で壊滅させてフェイトとはやてを観察する。

およそ5分後殲滅が終了した。

「なんとか終わったね……」

「いくら人やなくなってるとは言っても精神的に来るなこれ。ましてや子供までおったし……」

はやてとフェイトが殲滅し終えたのを確認するとアーカードは東側に通信を試みた。「こちらブラッド1アーカード、東側の殲滅は終わったか?こちらは終了したが援護は必要か?」

【こちらスターズ1、高町なのは。こちらも殲滅は終わりました。それと吸血鬼らしきものは見当たりませんでした。とりあえずそちらと合流したいのですがどうしましょうか?】

「残党を狩りつつ降下地点で落ち合おう。」

【了解です。】

「さてお嬢さん方、そういう事だから行くぞ。私とロングアーチ0は前方、ライトニング1は後方の警戒を。」

「「了解です。」」

そう言って西側組も移動を開始した。

 

 

 

 

 

しばらくして合流した二組。残党自体はほぼ無く無事に合流することが出来た。

そこでアーカードがセラスに対してこう言う

「セラス、今回出たグール共。何か引っかからんか?」

「えぇ、というかそっちでも出たんですね。〈子供のグール〉。」

「えっ?こんな状況なら子供のグールが出てもおかしくないんやない?」

そう言ってはやてが疑問を投げかける。そこに俺が口を挟んだ。

「大人ならそうなります。吸血鬼になる条件として処女、童貞である必要があります。ですが今回の場合は子供がグール化しています。エリオ君くらいの子供たちが非処女、非童貞である確率はほぼありません。ここまで言えばあとは分かりますね。」

「………!そういうことか。本当なら子供はグールにならないはずなのに今回はそうなってる。そこがおかしいんだね。」

「そしてこの事案は俺達の世界で33年前に多発した事例と酷似しています。」

「まさかまたあいつらの仕業なんじゃ……」

「待ってください、ミレニアムは33年前に壊滅させたはずでしょ?残党にしたて別世界のこの場所にいる訳が……」

「ところが居るんだよ。こんな所に。」

俺が否定しようとしたのを遮るようにとある男の声が聞こえてくる。頭上に目をやるとビルの屋上からこちらを見下ろす小太りの男とレンズの多い眼鏡をかけた痩せ型の男。そしてあの夜、こちらの世界に俺達が飛ばされた夜に裏切った男、ウォルター(大悟)が立っていた。

「何の冗談ですかこれ………、なんでお前が生きている!〈少佐〉!!!!!」

「おいおい、酷いじゃないかセラス・ヴィクトリア。33年ぶりの再会だというのに。インテグラ局長はお元気かね?」

「余計なお世話だ少佐、また額に弾丸を貰いたいようだな。」

いつの間にか反対側のビルの屋上にインテグラが立っていた。

「あれは痛かったよ。でももう貰うことは無い。なぜなら君たちはこの世界と共に滅ぶのだから!あははははっ!」

「少佐殿、笑うのもいいですが目的を忘れないでください。」

メガネの男が少佐と呼ばれた小太りの男を制して

「おっとそうだったなドク。忘れるところだったよ。今日は君たちに挨拶と宣戦布告をしに来たんだ。ヘルシング諸君、並びに機動六課諸君。我らミレニアムは貴君らに対して宣戦布告をする!さぁ、戦争を始めよう。ヘルシング対ミレニアムの第2Rだ!」

「ほざくな!貴様らにどれほどの人々が悲しみを背負ったと思っている!」

「一度滅んでも足りないというなら今すぐ地獄に送り返してやる!」

「そんな事を言っていられるのも今のうちだけさ。だがまだ今はその時ではない。それに言ったはずだ、今日は宣戦布告をしに来ただけだと。ではドク、ウォルター。やることは済んだし帰るとしよう。」

「了解しました、直ぐに転移ポートを……」

そう言ってドクと呼ばれた男は懐からリモコンを取り出して操作する。背後に赤い光の壁が現れ、そこに向けて少佐とドクはポートに入っていく。

「待てっ!」

インテグラが素早く懐から拳銃を抜いて3発発砲する。しかし何も無い空間で弾かれたような火花が上がる。

「ウォルター……、貴様いよいよ本当にあいつらの犬になったようだな。」

「お褒めいただき感謝の極み。」

弾丸が弾かれたのはウォルターのせい。発砲された瞬間に自身の操る目に見えないほど細いワイヤーを幾重にも編み込んで少佐の前に展開し防いだのだ。

インテグラもそれ以上は発砲しなかった。それが分かるとウォルターは俺に向けて何かを投げて寄越しこう言った。投げて寄越されたのは弾丸の込められたマガジンだった。しかも全て銀の弾丸であった。

「ロラン、これで分かったろ。もうお前と俺は仲間じゃない。次会う時は確実に殺してやる。だからお前も殺す気で掛かってこい。」

「………あぁ。分かったよ。これで殺れってことだろ。首を洗って待っていやがれ大悟、いやウォルター!」

ニヤリと歪んだ笑身を浮かべるとウォルターもポートへと入り光の壁は消えた。

 

この状況に着いてこれていない六課隊長陣。

口を開いたのはなのはだった。

「とっ、とりあえず隊舎でお話聞かせてもらえますか?」

そこにインテグラが降りてきて

「あぁ、すべて話そう。奴らミレニアムと我々ヘルシングの因縁を。」

隊舎へ戻るヘリの中でヘルシング組の空気がピリピリしていたのは言うまでもない。




うん、我ながらグール戦雑い。
だけどこいつらで書くなら私の文才ではこれが精一杯ですごめんなさい┏○┓
引っ張っといてこの雑さはヤバい、次から頑張ります。


では次回をお楽しみにー


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過去の因縁、未来の可能性

お久しぶりです、鴉です。
知らぬ間にUAが4ケタ乗っててびっくりしてるこの頃です。

なんでこんなに投稿遅れたかって?
仁王やらEDF5やらやってました、正直に言うとちょっとサボってましたごめんなさい。

てことで前回までの整理回になると思います、ではどうぞ。


六課へと戻ってきた俺たちは出撃前にいた会議室へと戻ってきていた。

 

「ほんなら話して貰えますか?あのミレニアムとかいう連中のことについて。」

席に座るや否やはやてが早速質問を投げかけてくる。そこにインテグラが答える。

 

「その前に質問だ。こちらの世界で起こった第二次世界大戦は分かるか?それによってはそこから説明しなければならん。」

「それについては大丈夫です。私と高町一尉は地球出身、フェイト執務官も幼少期は地球で過ごしてますので知識としてはあります。」

「なら話は早い。簡単に言えば第二次世界大戦戦時下のドイツ軍残党だ。」

 

その言葉を聞いたなのは、フェイト、はやては驚愕の表情を浮かべる。

そのあとなのはが口を開く。

「ドイツ軍って、あのドイツ軍だよね?ヒトラーが率いてたナチス・ドイツの。」

 

「その認識で間違いない。話を続けるぞ。我らとミレニアムは過去に大きく分けて2度交戦している。1度目は1942年ワルシャワ。2度目は1995年ロンドン。ワルシャワに関しては奴らの人造吸血鬼の研究施設を完膚なきまでに破壊。作戦は成功した。だがそれだけでは終わらなかった。50年の歳月を超えて奴らはロンドンへと侵攻した。その際ロンドン市民370万人が犠牲となった。これがヘルシングとミレニアムの因縁だ。」

 

 

「だとしたら分からへんなぁ、なんでまたこっちの世界にわざわざインテグラさんたちを呼び寄せたか。そもそも地球にの技術自体あらへんのに。」

 

「母体の戦力との分断じゃないかな?それと次元移動に関しての可能性としては恐らくこちら側から転移するパターン。狙いは人造吸血鬼の製造技術。それなら説明が着くと思う。」

 

 

各々がそれぞれの見解をのベ合うところにロランはこう発言した。

 

「それなら分からないことが一つ。ミレニアム側からは人造吸血鬼の製造技術の提供。ならその対価です。あいつらも釣り合わない対価で動くほど馬鹿じゃない。」

 

「プロジェクトF………、可能性としてはおそらくこれが高いだろうね」

フェイトが俯きながらそう答える。

その様子を見たアーカードがこう発言する。

 

「その様子だとお前達とは深く関係しそうだな。差し支えなければ教えて欲しい。」

 

「………通称『プロジェクトF.A.T.E』人造魔導師計画と呼ばれるもので、クローンを使って後天的に強い魔力を持った魔導師を生み出そうとするものです。」

フェイトがそう言うとセラスはハッとした表情を浮かべる。その後ロラン達ヘルシング組の顔を見る。全員が渋い顔をしてその話を聞いていた。その後暫くの沈黙が流れる。それを打ち破るように言葉を発したのはインテグラだった。

 

「とりあえず大筋の話としてはこんな所だろう。おそらくこちらの組織がミレニアムに接触。時期的にはワルシャワでの作戦後からゼーレヴェ作戦までの間だろうな。自分達の持つクローン技術の供与を持ちかけ、代わりにミレニアムから人造吸血鬼の製造技術を欲し、そしてその交渉は成立した。そしてミレニアムはその時にこちらへと本拠を移したのだろうな。万が一33年前の事件が失敗した時のことを見据えて。まぁ今となってはあの時の少佐と今日現れた少佐、どちらか本物でクローンかなど分からんがな」

 

セラスが決意した表情で発言する。

「それじゃあ今度こそ止めないといけませんねこの連鎖。でないとあの時死んでいった人達に申し訳ないです。」

そう言い終えると誰かの腹の虫が盛大に声を上げた。

声の主の方へと全員が目を向けると顔を赤くしたロランが居た。

 

「すいません……、朝から何も食べてなくて……」

「ほんなら会議はこの辺にして食事にしましょうか。あんまり根を詰め過ぎてもええ事ありませんし。」

「そのようだな、では食事にしよう。それと八神部隊長、お開きにする前に一ついいか?」

「はい、何でしょうか?」

インテグラが真剣にはやての顔を見つめる。さっきまで微笑んでいたはやても表情を引き締める。

 

「ここを出撃する前に我らの目的は元の世界に帰ることと言っていたがあれを一時撤回する。」

「「「えっ!?」」」

なのは、フェイト、はやては素で驚いていた。しかしヘルシング組は眉一つ動かさなかった。

「現時刻を持って、大英帝国王立国教騎士団は時空管理局機動六課に協力し、憎きナチの亡霊ミレニアムを殲滅することを第一目標とする。諸君、異論はあるか?」

「ございません、マイマスター。」

「俺はお前の従者だ、どこまでもついて行くさ。」

「局長が行かれるならばお供いたします。」

セラス、アーカード、ロランの順で肯定の意を示した。

 

「分かりました。では明日臨時局員雇用の手はずを整えてきます。そのためアーカードさん、セラスさん、ロランさんは食事の後検査室まで来てもらえますか?ちょっと調べたいことがありまして。」

「了解しました。」

と言ったところで会議は終了し、全員で食堂へと向かう。

 

_______________________________

 

 

ところ変わって食堂。

頃合がいいのも相まって食堂はごった返していた。その中でも一際目立つテーブルが一つ。

テーブルの上には山盛りのパスタ。機動六課フォアード陣のテーブルである。

 

「それにしても今日のスクランブルって何だったんだろうね。」

「単に私たちじゃ役不足って判断されたんじゃない?一応まだフォアード内のコンビネーションも完全とは言えないし。というか物食べながら喋るなバカスバル。」

 

そう言ってスバルの頭に軽くツッコミを入れるティアナ。

その様子を苦笑いで見つめるエリオとキャロ。

 

「でも確かにおかしいですよね、出撃どころか現場待機ですらないなんて。」

「きゅくるー」

「ただの暴動なら武装隊か警邏隊だけで対処できたような………」

「なんや、気になるか?」

後ろから声をかけられる。振り返ると会議を終えて来たはやて達が食堂に到着していた。

その姿を見るなり四人は立ち上がり敬礼する。

 

「「「お疲れ様です八神部隊長!!!」」」

「そんな固くならんでええよ。で、今日のスクランブルについて気になるんやったら後で会議室まで来てみ。その代わりちょっと気分悪なるかもしれんから気ぃつけてな。」

 

その言葉を聞いて四人は顔を見合わせて目配せするとはやてに向き直る。

そこでティアナが口を開く。

 

「分かりました。では1時間後に会議室に伺います。」

「了解や。インテグラさん、状況説明とか諸々のことお願いしてもいいですか?」

「了解した。では、一時間後に先程の会議室でことの次第を話すとしよう。その前に名乗っておこう。私達は大英帝国王立国教騎士団、その局長を務めるインテグラだ。」

そう名乗ると俺たちの方に視線を向け、意図を察したアーカードが一番に口を開く。

 

「同じく大英帝国王立国教騎士団所属のアーカードだ。」

「同じくセラス・ヴィクトリアです。」

「同じく大英帝国王立国教騎士団捜査課所属のロラン・T・ブルックスです。」

 

「あなた方がそうでしたか。機動六課スターズ分隊所属、ティアナ・ランスター二等陸士です。」

「同じくスターズ分隊所属、スバル・ナカジマです。」

「改めまして機動六課ライトニング分隊所属、エリオ・モンディアル三等陸士です。」

「同じくライトニング分隊所属、キャロ・ル・ルシエ三等陸士です。」

 

自己紹介を互いに終えると談笑しながら食事に入る。気づけばあっという間に時間は過ぎ、現在の時刻は午後7時半となっていた。

その間に食事を終え、インテグラはフォアード陣への説明の為会議室へと向かっていった。

 

そういう俺たち3人はと言うと八神部隊長から連絡があった通り検査室まで来ていた。ノックすると優しそうな女性の声で返答が来たので中に入る。

そこにはCTスキャンに使用するような機械のセッティングを行う金髪ショートの女性がいた。

 

「あなた達がはやてちゃんの言ってた方達ね。私は機動六課の医務担当のシャマルと言います。」

「ご丁寧にどうも。自分は大英帝国王立国教騎士団捜査部のロランと言います。早速なんですが私たちはここで何をすれば?」

「あなた達を臨時局員として抱えるに当たってそれぞれの魔力量と適性を見ようと言うことになりまして。それでここのスキャナーで検査しようということになったんです。早速なんですがロランさんからやっていきましょうか、準備は整ってますんで。あと機会の中では目を瞑っててくださいね。」

そう言ってロランの手を引くシャマル。抵抗することなく機械の上に寝転がると台座が動きロランを飲み込む。30秒ほどすると再び台座が動きロランが出てくる。その一連の流れをセラスとアーカードも受け、検査は終了する。

 

「お疲れ様でした、検査の結果は私が精査して明日の朝お伝えします。今日のところはこれで終了です。今から寮の空き部屋までこの二人がご案内します。」

 

そう言うとシャマルの後ろの男女二人が敬礼してくる。

 

「機動六課ロングアーチ所属、タツヤ・シノノメ二等陸士です。」

「同じくロングアーチ所属、ミユキ・シノノメ三等陸士です。」

「部屋には必要最低限の日用品は揃えさせていただきましたので自由に使ってください。あと興味がありましたらフォアード達の朝練等の見学も自由にしてもらって構わないとはやてちゃんから聞いてます。じゃあ二人とも、案内宜しくね。」

 

タツヤとミユキはシャマルに了解の意を示すとロラン達を連れて検査室を後にした。残されたシャマルは自身のデバイス、クラールヴィントに送られてくる。

 

「さて、どんな結果にn………、嘘でしょ……!?

全員揃って魔力量オーバーSS、しかもアーカードさんに至ってはSSS?!おまけに全員変換基質持ち?!」

予想をはるかに超える計測値に頭の処理が追いつかず座っていた椅子に全体重を預けて天井を見上げる。

 

「これはとんでもない拾い物しちゃったわね…、戦力強化出来たことには変わりないけど。速攻でリミッター掛けないとほかの部隊から叩かれかねないわね……。ってそんなこと言ってる場合じゃなかった、早くはやてちゃんに報告しないと!」

 

そう言ってシャマルは資料を纏め、部隊長室へと急ぐのであった。




やっぱり自分の文才の無さに腹が立ちますね。

まぁそんな事は置いといて次回からロランたちをビシバシ鍛えていきますよー、お楽しみにー。


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邂逅(シグナム編)

どうも、鴉でございます。

2000字超えたあたりからどうも筆が進まずここまで遅くなってしまいました。申し訳ありません。
あと原作欄をなのはの方に変えた方が良いかなと思い始めたこの頃です。

今回はサブタイプラス次のお話の繋ぎのようなものです。
ではどうぞ。


俺ロランは知らない天井を視界に収めて目が覚めた。

身を起こして周りを見ても自分の見知ったもの、慣れ親しんだものはひとつも無い。

 

「起きたか。なかなか起きないから退屈したぞ。」

キッチンの方へと目を向けると備え付けられたカウンターの椅子に腰を下ろしてワインを煽るアーカードの姿があった。

 

「おはようございます旦那、まさか俺が寝てからずっと飲んでたんですか?」

「当たり前だ、それ以外暇を潰せなかったのでな。にしても別世界のものとは言えいい赤だ。中々に気に入った、お前も飲むか?」

「いいえ、朝からはいいです。それより今は何時ですか?」

「朝の6時だ。そろそろ俺は寝る……、と言いたいところだが棺桶がないな。あれがないと私とセラスは力が弱まる。」

「でしたら後で八神部隊長に会う予定があるので手配して貰えるように頼んでおきますね。では俺は朝のトレーニング行ってきます。」

そう言って用意されていたジャージとスニーカーに身を包み、腰に小太刀2本とポケットに愛用のグローブを入れて周囲の散策がてら日課でやっていたランニングに出かけた。

 

寮を出て30分程適当に走った所で訓練場らしきところに数人の人影を見つける。近づいてみるとこちらに気がついたなのはが声をかけてくる。

 

「おはようございますロランさん、朝早いんですね。」

「おはようございます。捜査官やる前は実働部隊に居たもんでその頃からの癖ですかね。今から朝練かなにかですか?」

「そうですよ、丁度準備運動を終えたところです。良かったら見学してみますか?」

「いいんですか?」

「構いませんよ。あそこに見学用の高台があるので良かったらあそこでどうぞ。」

「ではそうさせてもらいます。」

 

と言って見学したはいいものの内容が自分たちがしてきたもの、また経験したものとは明らかに違う物に驚いていた。

そもそも自分たちがいた世界に魔法なんて代物が無いから当たり前なのだが。

 

今はちょうどホログラムで投影したドローンのようなものを連携して撃破する訓練の様らしい。全体に見ているとみんな筋がいい。スバルさんの突っ込みと重い一撃。周りの状況を瞬時に把握し巧みにフォローと指示を飛ばすティアナさん。スピードを活かした攻撃が持ち味のエリオ君。キャロちゃんはおそらく魔法での強化などが担当なのだろう。魔法の知識が無いためそこまでしか分からない。

「どうですか、うちのフォアード達は。」

 

後ろから声をかけられ振り返る。そこにはピンクの髪のポニーテールの美人が立っていた。少し見惚れてしまうがすぐ意識を引き戻す。

「魔法を絡めた戦闘がどのような物なのかわかってないので上手くは言えませんがいい動きだと思います。少し動きが硬いところもある様ですがそれも時間の問題でしょう。失礼ですがあなたは?」

「申し遅れました、機動六課ライトニング分隊副隊長のシグナム二等空尉です。早速ですが軽く1本模擬戦でも如何かな?腰の刀は飾りではないのでしょう?」

「そこまで言われてしまっては受けないと失礼ですね。フォアード達の朝練が終わり次第訓練場借りましょうか。」

 

その後俺とシグナム副隊長はフォアード達の朝練が終わるまで談笑することにした。その中で簡単にこの世界の魔法について教えて貰っていた。

武道の流派等と同じように魔法にも術式が複数存在するらしい。

大まかには2つ。オールラウンド型のミットチルダ式、近接特化型のベルカ式。その中でもベルカ式にも近代ベルカ式と言うものと古代ベルカ式と言うもの、最近ではミットチルダ式とベルカ式の混合型も存在するらしい。ただその中でも例外は存在するらしい。ちなみにシグナム副隊長は古代ベルカ式の使い手だという。

そうこうしているうちに訓練が終わったらしいそれを見計らって二人で高台から降りていった。

 

 

 

───────

なのはから訓練場の使用許可を取り互いに獲物を構える。

俺は愛用の小太刀である神楽と虎徹。シグナムさんは機動六課の制服からバリアジャケットに装いを変え、剣型のデバイスであるレヴァンティンを構える。

 

見学用の高台に設置されたスピーカーからなのはさんの声が響く

「時間は20分一本勝負。どちらかの降参または戦闘不能により勝敗を決します。それでは始めっ!」

 

互いに地面を蹴り一気に距離を詰める。

上段で振りかぶるシグナム、ロランはそれを神楽で払ってシグナムの向かって左側に回り込む。シグナムもすぐさま体制を立て直してロランを正面に捉える。そのまま目にも止まらぬ打ち合いに移行する。シグナムが打ち込めばロランが受け流し、ロランが打ち込めばシグナムが受け止める。互いにダメージがないまま5分程度その状態が続く。

 

「やるな、私の剣についてこられる剣士に会うのは久しぶりだ。」

「そう言って貰えると剣士冥利につきるってもんですよ!」

 

 

打ち込まれたシグナムの一閃を弾いてバックステップを踏んで大きく距離をとり小太刀を納刀してポケットにしまっていたグローブをはめる。

シグナムはその行動に警戒しているのか、自身のデバイスであるレヴァンティンを構えたまま出方を伺っている。

 

「シグナムさん、ここからは本気で行きます。殺す気で掛かってきてください。」

 

ロランは1度目を閉じて深呼吸し目を見開く。目には殺気が宿りシグナムを威嚇する。その姿にシグナムは口角を釣り上げニタリと笑う

 

「あぁ、そうさせてもらおう。そうでないとあなたに失礼だ。何よりここまでの相手に会うのが久し振りで血が滾る。」

 

次の瞬間互いが踏み込み先程よりも速い速度で打ち合う。

だが少しづつ変化が起き始める。ロランが小太刀を振るうごとにシグナムの動きに少しづつラグのようなものが発生し始め、シグナムの表情にも焦りが出始める。

がしかし激しい打ち合いには変わりはない。

その中で

 

「何のっ、これしきぃぃぃ!!!」

シグナムは上段で振りかぶろうとレヴァンティンを振り上げる。

 

 

それを見てニタリと笑うロラン。そうしてこう言いながら指をパチンと鳴らした。

「チェックだよ。」

───────

 

一方見学していたフォアード陣となのは。

 

「凄いですね、シグナム副隊長と互角に渡り合うなんて。」

 

「魔力強化をしていないとはいえ管理局トップクラスの魔導師相手に互角なんて…、あの人ほんとに何者?」

 

「シャマルさんから聞いた話だと魔力量だけならSSクラスだって。体術とか自体は問題ないからこれは育ったあとが楽しみ♪さっきから片鱗自体は見え隠れはしてるからすぐに開花するかもね。」

驚きの色を隠せないスターズの二人。

それを嬉々とした目で見つめるなのは。

 

「あれだけ早く動いてるのに魔力の強化がないなんて……、僕にもできるようになるかな?」

「エリオ君なら大丈夫だよ。」

年少組はほのぼのした会話を続けた。

 

 

「おぉ、やっとるみたいやね。」

「初見のシグナムとあそこまで打ち合うなんてかなりの腕だね」

「はやてちゃんにフェイトちゃん、おはよう。ちょうど今始まったところだよ。」

『部隊長、フェイト隊長、おはようございます!』

 

全員が挨拶を終えると食い入るようにロランとシグナムの打ち合いを観察した。

 

「それにしてもあんだけ早い打ち合いがよう続くな。」

「相当レベル高いよ。私もあそこまで打ち合えるかどうかわからないかな。でも久し振りにシグナム以外でやりがいのありそうな相手かも。」

そう言ってニコニコとしていたフェイト。

 

「なんでだろう、フェイトちゃんがシグナムさんに感化されて戦闘狂に寄っていってる気がするんだけど。今のフェイトちゃんの表情模擬戦前のシグナムさんとそっくりだもん。」

「そういうなのはちゃんも私らが合流した時も似たような顔しとったで?大方鍛えがいがありそうとか思っとったんやろ?」

「にゃははー、バレた?」

そう言ってペロッと舌を出しておどけて見せるなのは。

それを見て若干呆れるはやて。

 

 

「まぁ無理せん程度にしといてや?一応お客人兼うちの大事な臨時フォアードやねんから。」

「あれ?あの人たちの局員登録って今日じゃなかったっけ?」

「それがダメ元で連絡してみたら担当官がちょうど残業してはったみたいで対応してくれはったわ。とりあえず魔導師ランクの選定は三日後。てことで基本的なところは頼むで、高町教導官殿。」

「もちろん、1日もあれば基本的なところはさらえると思うよ。戦闘技術自体は今見ただけでも申し分ないし少なくとも総合AA位は取れるんじゃないかな?多分セラスさんもその位は。あとはアーカードさんがわからないけど多分前の2人よりも戦闘力なら上っぽいからAAAまでは硬いんじゃないかな。」

「なのはさん、試合が動きそうですよ。」

 

ティアナからの声に体調陣も再び視線を試合に戻すとロランがシグナムから距離を取ってグローブを嵌めているところだった。

 

 

「グローブ?なんでまたこの戦闘中に付けてるんだろ?」

「単に付け忘れただけじゃない?」

「少なくとも僕達よりも戦闘経験あるような人がそんな初歩的なミスするとは思えないんですが…」

「なのはさん、昨日の戦闘でロランさんってあのグローブつかっていましたか?」

キャロ、スバルエリオの順で会話が進む。その横でなのはに質問するティアナ。

 

「うん、たしか使ってたはずだよ。私はその時後方援護だったから詳しくは見れてないけど。」

「てことはどう使うかはまだ誰も知らんわけやね、なんか仕込んであるのは確かやろうけど。あのタイミングで付けるってことは隠し球または必殺の何かに違いないやろうし。」

 

各々が考察している間にシグナムに変化が起こり始めた。

 

「何かシグナムさんの様子おかしくないですか?」

「えっ?あんまり変わらないように思うけど?」

「あんたよくそれでフロントアタッカーやってられるわね……」

 

エリオ、スバル、ティアナの掛け合いの傍らで隊長陣が苦い顔をしている。

それに気がついたのかキャロがフェイトに問いかける。

 

「フェイトさんどうしたんですか?苦虫を噛み潰したような顔になってますよ?」

「私そんな顔になってた?まぁいいか、キャロ、多分この試合ロランさんが勝つよ。」

「なんで分かるんですか?」

「さっきからシグナムの動きがおかしいの。体を動かそうとした瞬間から動き出すまでに一瞬だけどラグみたいなものがあるの。それにたまにロランさんの手が刀を落とさない程度に握られたり開かれたりしてるの。さっきまでそんなことしてなかったのに。」

 

「とここでフォアード皆に問題。今のフェイト隊長の言葉から導き出されることはなんや分かるか?」

「分かりません!」

「少しは頭使いなさい!」パコンッ!!

はやてからの問題に元気よくわからない宣言をしたスバルの頭にティアナのツッコミが入る。すぐさまスバルに対してティアナからの解説が入る。

 

ティアナ「動きにラグがあるってことは何かに邪魔されてるって事。てことはロランさんが何かしらの妨害をしているって事になる。でも目に見える形で怪しいのは手を握ったり開いたりしているだけだから何をしているかまではわからないけど。」

 

エリオ「魔力糸とかですかね?それともバインドの応用?少なくとも現状では何かしらの妨害を受けていると迄しか分からないですね。」

 

スバル「魔力糸とかの線は薄いと思う。さっきなのはさんが言ってたみたいに片鱗が見えているとはいえ魔力糸、しかもシグナム副隊長の動きを制限できるほどの強度が確保できるとは思えない。」

 

キャロ「それに魔力を感じたならシグナム副隊長だったら距離を取るなりして対策を取るはず。でもそれをしなかったってことは魔力が使われたということ自体が否定できるってことですよね?」

 

 

隊長陣はそれを聞いて顔を見合わせる。

その直後シグナムの「貰った!」と言う声が聞こえ全員が試合に目を戻す。

その直後ロランが指を鳴らすとシグナムの動きが止まり、微動だにしなくなった。

─────────

「チェックだよ。」

俺はそう呟くとシグナムの喉元に小太刀の切っ先を向けた

 

シグナムは何が起こっているか分からないようでしばらく呆然としていたが状況が飲み込めると納得したような表情でこう言った。

「参った。久しぶりだよ、こうやって負けを味わうのは。」

「まさか俺もこれを出させられると思いませんでした。」

そう言ってロランはグローブを撫でてから指を鳴らす。するとシグナムの体に自由が戻る。

 

「で、一体私に何をしたんだ?魔力の反応もなかったぞ?」

「簡単な手品ですよ。」

そう言ってグローブをはめた手をひとつの大きな瓦礫に向けるて指を動かし、何かを掴む動作をすると一気に後に引っ張った。

すると瓦礫が粉々に粉砕される。

「見えないワイヤーで拘束させてもらいました。名を『アラクネ』ギリシャ神話に出てくる蜘蛛から取りました。最も命名は俺じゃありませんがね。」

 

「ただの剣士と侮っていた様だな。完敗だ、また良ければ手合わせ願えるか?」

「俺で良ければ何時でも。次は真剣に剣士としてお相手します。」

 

そう言って硬い握手を交わす。

それから少し談笑ているとなのはたちが高台から降りてきた。

そこからいくつかフォアード陣からの質問を受けているとはやてが話しかけてくる。

 

「おはようロランさん。まさかうちのシグナム倒してまうとは思わんかったわ。」

「ありがとうございます八神部隊長。あとあんまり堅苦しいのも嫌なのでさん付けはなしでお願いします。出来れば敬語も。」

「ではこっちも八神ではなくはやてと呼んでな、あとこっちに話す時も敬語はなしで。で、挨拶は置いといてロランに手伝って欲しい事があるんよ。」

「俺に出来ることなら是非とも。で、何をやるんですか?」

「今うちの課で扱っているロストロギア『レリック』の回収任務や。ほんまやったらうちのフォアード陣達に行かせたいところやねんけどちょっとそういう訳にもいかんでな……」

「何か問題が?」

「あまりにもAMFの濃度が濃くてうちの隊長陣でやっとってレベルなんよ。そんなところにフォアード送ったら回収どころか未帰還の可能性まで出てきてしもてな。そこで魔力や魔法に頼らずに戦えるロラン達に出てもらおうと考えたんよ。でもアーカードさん達は得物が得物だけにデバイスが仕上がるまでは前線には出せへん。だから今回は隊長陣2人とロランで行ってもらうわ。ちなみにもうインテグラさんからは許可は貰っとるから。」

「わかった、いつごろ出発になる?」

「今から1時間後に。昨日使ったヘリポートまできてくれる?それか時間までなのはちゃんかフェイトちゃんと居ってくれてもええけど。」

「なのはさんは訓練があるだろうからフェイトさん、同行していて構いませんか?」

「構いませんよ。あと私となのはも敬語なしで結構です。」

「わかりました、これ以降はそうします。という事でフェイト、よろしくな?」

「えぇ、よろしくロラン。」

 

 

この数時間の後ロラン、なのは、フェイトの身にあんなことが起こるとはこの時まだ誰も知らない。




やっぱ自分に文才や構成力が無いのが悔やまれます。
とりあえず死力は尽くして書きますので暖かい目で見守っていただけると幸いです。

心が折れ内程度に感想や評価も受け付けておりますのでよろしければお願い致します。


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覚醒

どうも鴉です。
ついに連休も終わっちゃいますね。
私もそろそ、仕事が始まるのが憂鬱で仕方ないっす。

まぁそんなことは置いといて今回は主人公の大幅な戦力増強回です。



「ヤベェな……、こいつぁ死んだかも……。意識が朦朧としてきやがった……」

「死んじゃダメだよ!シグナムたちが来るまでもうすこしだから!」

「とは言ってもそろそろここも持たないよ!!!」

 

俺ロランはとある遺跡にとある調査に来ていた。

目的ははやてから依頼を受けレリックの捜索、まぁ俺はまだ実物見たことないけど。

で、俺がなぜ死にかけているかと言うと簡単に言えばミレニアム側の吸血鬼の襲撃を受けたわけだ。襲撃してきたのが低級レベルの吸血鬼2人だったためそれ自体は手こずることなく捌けたがそこから先が不味かった。

 

どうやら遺跡の防衛システムを作動させてしまったようで戦闘をした通路の至る所から魔法陣が出現し俺たちに対して砲撃を仕掛けてきた。その上AMFの出力も上がってしまったせいでなのは達の戦力もガタ落ち。そんな中1発のレーザーがフェイトを襲った。それを俺は突き飛ばしてフェイトを庇う。

俺に障壁等で身を守ることなど出来るわけもなく無慈悲にもレーザーは俺の体の心臓近くを貫通した。その上ミレニアム側の吸血鬼の増援10人以上が来てしまった為とりあえず祭壇のようなものが置かれた部屋に籠城することで今は事なきを得ている。

 

がしかし状況は最悪と言ってもいい。AMF環境下で動ける俺は急所を貫通し、まともに動けない上に意識が落ちる寸前。フェイトが必死に回復魔法を掛けてはくれているが気休め程度にしかなっていない。

なのははなのはで出入口に障壁を張ってバリケードを貼ってくれているが吸血鬼10人相手にはあまりにも消耗が激しく、破られる寸前である。旦那とシグナムさんがフォアード陣を連れて到着するまは持ちそうにない。

そんな俺中俺の意識は暗闇へと落ちていく。

──────────────────────

 

 

──目覚めよ……

聞こえてきたのは若い男の声。

聞いた覚えはないはずなのに懐かしく感じる。

俺が目を開けると金色の草原に立っており、目の前には漆黒の毛並を持った狼がこちらを見据えていた。

 

───こんなところでくたばる程お前は弱い男か?

 

「参ったな、死んですぐに幻覚を見てるみてぇだ。狼が目の前で喋ってやがる。その言葉は聞き捨てならんが俺は死んだ身だ。今の俺には何も出来んよ…」

 

───お前、自分が何者か分かっておらぬようだな。

 

「……どういう意味だ?」

 

───知りたければ教えてやる、だが今はそれどころではない。

そこでお前に2つ選択肢をやろう。このまま死んでお主の傍らにおる仲間を見捨てるか、我を纏いそれを救うか。さぁ、選べ!!!!!

 

そう言って狼は俺の事を威嚇する様な目で俺を見てくる。

俺の答えは決まっていた。

 

「んなもん決まってる!俺に出来ることがまだ残っているなら何だってやってやる!だから力を貸せ、狼!」

 

───よくぞ言った、それでこそ我が主だ。

我が名は皇牙(おうが)、お前の一族が守ってきた鎧の化身だ。受け取るがいい!

 

そう言うと狼の体から眩い光が放たれ、俺は目を閉じてしまう。

目を開けるとそこに狼の姿はなく漆黒の鞘に納められた二振りの直剣が宙に浮いていた。俺はそれを迷うことなく腰に差すと頭の中に狼闇の声が響く。

 

───腰の剣を抜き天に向けて2本で円を描け、さすれば我を召喚できる。

初陣と参ろうか、我が主よ。

 

「足引っ張んじゃねぇぞ?」

 

俺は軽く悪態をつくと言われた通り剣を抜き天に円を描く。

すると西洋風の鎧が纏われた。顔の部分は狼のような形をしている。

 

「黒雷騎士皇牙、いざ参る!」

そう名乗ると俺の視界は光に包まれた。

 

────────────────────

 

一方その頃なのは達は窮地に立たされていた。

『あと5分程でそっちに着く!もう少し耐えてくれ!』

シグナムの言葉も虚しくなのはの障壁は限界を迎えようとしていた。

 

「少しくらいなら私だって!なのは、ロランのことお願い。あとは私が…」

そう言ってフェイトは破られ掛けていたなのはの障壁に重ねがけする形で障壁を展開。それと入れ替わるようになのはは俺に対して治癒魔法を掛ける。

 

「もう少しだから頑張って……!」

だが無情にもフェイトの障壁はその後約2分程で破られ、ゾロゾロと吸血鬼が部屋へと入ってくる。

 

 

「やっと追い詰めたぜ、そろそろ俺らの飯になってくれや。」

「こんな美人の血ならさぞ美味いんだろうよぉ。」

「まず犯しに犯した押した後にゆっくりと血を吸ってやろうぜ」

『賛成ー!!』

なのはとフェイトの事を吸血鬼達のいやらしいねっとりとした視線が襲う。

 

「そう簡単にやらせるとお思いですか?」

「これでも修羅場は潜ってきたあと少し持たせればアーカードさんも来てくれる!ロランもきっと助けられる!」

いやらしい視線に嫌悪感を抱きつつも自分のデバイスを構えてロランを守るように立つ2人。

今にも吸血鬼達が襲い掛かろうとした時、ロランの体から眩い閃光があたりを包む。

閃光が収まりロランの方を見ると漆黒の鎧を纏った騎士が立っていた

「遅くなってすまんな。なのは、フェイト、あとは任せろ。」

「「ロラン(さん)!」」

2人の声が重なる。その声はとても信じられないと言った感じであった。それもそのはず、つい数分前まで大量出血で意識が落ちる寸前だった人が今は鎧を纏い目の前に立っているのだから。

その光景に驚いているといきなり吸血鬼2人の頭が胴体から落ちる。

吸血鬼達も何が起きたか分からず狼狽えている。

その直後ロランの足元に跪く赤と白の鎧を纏った騎士が2人いることに気が付いた。

「「ご帰還お待ちしておりました、我が王よ。」」

1人は若い男性、もう1人は若い女性の声である。

「白雷騎士轟牙(ごうが)、参上仕りました。」

「蒼雷騎士蒼牙(そうが)、同じく参上仕りました。」

白い方から男性の声、蒼い方から女性の声が聞こえてくる。それにその声には聞き覚えがあった。

 

「その声まさか…、それに俺が王ってどういう………!」

「王よ、これが終わりましたらお話いたします。先ずはこやつらの始末を。」

「なのは様、フェイト様、ここは我らと王が引き受けます。少し離れていてください。」

 

そう言うと轟牙は肩にがついた大剣、蒼牙は背中に担いだ二本の短槍を持ち吸血鬼達に突っ込んでいく。

「まぁそういうこった。黒雷騎士皇牙の初陣、見ていてくれ。」

「そんな体で行かせられないよ!」「そうです!あたし達でなんとか……」

そう言って轟牙達のあとに続こうとするとなのはとフェイトに引き止められる。

それに少し苦笑いを浮かべてから優しく2人の頭を撫でてこう言った。

「そう思ってくれているだけで嬉しいよ。さっきまで守ってもらったんだ、今度は俺が守る番だ。まぁ帰ってきたら少し甘やかしてくれると嬉しいかな。」

「……わかりました、帰ったら私たち二人と1回ご飯で。」

「美人2人と食事なら絶対帰ってこないとな。じゃあ行ってくる。」

2人の頭から手を離すと腰の剣を抜き轟牙達に続く。

それを見送るなのはとフェイトの頬は薄く赤く染まっていた。

 

 

 

突然現れた鎧の集団に動揺を隠せない吸血鬼達。

それもそのはず、吸血鬼という種族は人の殺気を読み取ることが出来る。がしかし先程首を落とされた吸血鬼達は一切それを察することなく首を落とされたのだ。

しかし腐っても根幹は闘争を好む吸血鬼。怯むことなく手に持ったアサルトライフルで応戦してくる。

それを轟牙は大剣を盾のようにして防いで前に進む。一方の朱羅は二本の槍を器用にまわして弾丸を弾きながら突き進んでくる。

「この程度の飛び道具でッ……!」

「我らに傷を付けられると思うなッ!」

2人は自分の得物で目の前の敵を一人づつ切り伏せる。

 

「何だよあのチート鎧は!」

「あんなのいるなんて聞いてねぇぞ!」

「俺らに喧嘩売ったお前らが悪い!」

天井近くまで跳躍し2人の吸血鬼に対して剣を振り下ろし、縦に真っ二つに斬り捨てる。

残った4人の吸血鬼は撤退を選択。出口へと走り出す。

「逃がすとお思いですか?」

蒼牙の足元にベルカ式の魔法陣が浮かぶと出入口に蒼い雷の柱が遮った。

それに触れた1人が感電し、ボロ炭に変わった。

 

「あとは俺がかたを付ける。轟牙、蒼牙、手を出すなよ。皇牙、力を貸せ!」

「「御意に」」

──いいだろう、だが無理はするなよ。

 

皇牙に呼びかけると同時に俺の足元に黒いベルカの魔法陣が現れ手に持った直剣は独特な形をした大剣に姿を変え、黒い雷を帯びていた。

 

「なんなんだよお前らは!ただの魔導師狩りだと思ったら化け物狩りじゃねぇか!」

「お前らに化け物とは言って欲しくないな!奥義!『皇牙黒雷斬!』」

二本の大剣を振り抜くと斬撃が飛び吸血鬼を絶命させる。

「地獄で悔い改めな。」

そう言うと鎧を解除され亜空間に転送される。その後脱力し倒れそうになったところを蒼牙に支えられる。

「「ロラン(さん)!!」」

それを見たなのはとフェイトがすっ飛んでくる。

 

「大丈夫です、気を失っているだけです。」

蒼牙はなのはの方にロランを預けなのは達から背を向ける。

 

「待って、貴方達は何者?」

フェイトの問いに轟牙が答える。

 

「我が王にお伝えください。事情を知りたいのであれば機動六課所属のタツヤ・シノノメとミユキ・シノノメを訪ねてほしいと。それと祭壇にある黒い箱を王に。あれは王がもつべきものですので。では我々はこれで。」

大剣で地面を突くと白いベルカの魔法陣が現れ、どこかへ転移してしまう。

フェイトにロランを預けなのはが祭壇に置かれた黒い箱を手に取り箱を開ける。

中に入っていたのは黒い髑髏の指輪とデフォルメされた黒い狼のマスコットが寝息を立てていた。

箱が置かれた祭壇の最上部に目をやればレリックの姿も確認できる。

なのははレリックの封印処理をし、箱を手に戻ってくる。

「箱の中身は何だった?それにロランが王ってのも気になるね。」

フェイトに箱の中身を見せる。

「アクセサリーってことは継承の証みたいなものなのかな?そっちのワンちゃんみたいなのはユニゾンデバイスみたいだけど……」

「帰ったらタツヤ君とミユキちゃんに話聞かせて貰わないといけないみたいだね。」

 

それから程なくしてシグナム達が到着しロランは精密検査のためクラナガンの病院へと搬送された。

 

 

──────────

「まさか彼が皇牙の継承者だとはね。想定はしていたが本当になると驚くものだな。」

不気味な笑みを浮かべてどこから撮ったか分からない戦闘の映像を眺めている少佐がいた。

 

「今回もあまり上手くいきませんでしたな。」

レンズの大量に着いたメガネを掛けたブロンドの男ドクが話しかけてくる。

 

「まぁいいさ、あいつらは所詮クローン。いくらでも替えは効く。それよりも例の件の方はどうなった?」

「はい、滞りなく進んでおります。」

「よろしい、では計画を次のステップに進めるとしよう。我が女王達の復活の時だ。そこにあの男の席はない。」

 

少佐の後ろには培養液に満たされたカプセルがあった。その中に浮かんだ金髪と銀髪の2人の少女がこれから波乱を呼ぶことをこの時まだ誰も知らない。




詳しい解説等は次回に回したいと思います。

こんなペースでやってて完結するまで何年かかるのか怖くなりました(笑)
まぁゆっくりのんびり書いて行きますんでお付き合いください。

ではまた~(・ω・)ノシ


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明かされた事実、そして逃走

どーも、鴉です。

牙狼要素入れたものの本家牙狼とは全く異質のものになり果てそうです。
牙狼ファンの皆様の、申し訳ありません。
今回はロランに関してはそんなに動きはないですが他のところで動き出します。


クラナガンのとある病院へと搬送されたロラン。

搬送中に意識は戻り、現在は精密検査を受けている。

 

「にしてもえらい災難やったな。ただの回収任務やったはずがあんな修羅場になるやなんて。」

「うちの隊員であるならあのくらいの修羅場は抜けてもらわなければ困る。」

現在は六課の指揮をグリフィスに預けはやてとインテグラも合流している。

この場にいるのは現場にいたなのはとフェイト、救援に来たシグナムとアーカード、フォアード陣の4人、あとははやてとインテグラである。

なのはとフェイトがはやて達に今回の事の顛末を話していると検査室から担当医が出てくる。その言葉は信じられないものだった。

 

「彼の傷はもう既に完治しています。念の為明日まで入院という形を取りますが明日の朝には退院出来るでしょう。」

 

その場にいた全員が耳を疑った。つい数時間前まで死にかけていた男の傷がもう完治している。いくら凄腕の魔導師が回復に当たったとしても瀕死の傷を完治させることはまず無い。

ましてや明日の朝には退院出来るなんて常識では考えられない。

その場にいた全員が驚愕し顔を見合わせていると検査室から入院着のロランが電動車椅子で出てくる。

「みんな、心配かけたな。」

そう言うとフェイトが真っ先に胸に飛び込んでくる

「どんだけ心配したと思ってるの!ほんとに死んじゃうんじゃないかって……!私……!」

そう言って泣き出してしまった。

 

「淑女を泣かせるとは英国紳士の風上にも置けんな。」

「まったくだ、まぁ生きて帰ってきただけマシだがな。」

「うちのフェイトちゃん泣かせるなんて……」

インテグラ、アーカード、なのはから手厳しいコメントを受けてロランは苦笑いを浮かべながら優しくフェイトの頭を撫でていた。

「ここじゃ邪魔になるから病室で話そか。」

はやてがそう言うと後ろに居た医師が検査室と同じ階の廊下の突き当たりの病室へと案内する。

 

病室へと入った一同、しばらくの間談笑することになるのだがロランのそばにはフェイトがくっついていて『コイツらバカップルかよ』とみんなからツッコまれていた。

そんな中なのはが思い出したかのように遺跡から持ち帰ったデフォルメされた狼と髑髏の指輪が入った箱をロランへと渡し、救援に来た騎士達の伝言を伝える。

 

「じゃあ明日帰ったら1番に会わないとな。なのは、タツヤたちにアポ取っといてくれ。」

「わかりました。さて、そろそろ私たちは帰ろうか。まだ仕事も残ってるしね。」

「じゃあねロラン、明日また迎えに来るから。」

そう言ってなのは達は六課へと帰って行った。

 

全員がいなくなったのを確認するとなのはから貰った黒い箱を開ける。

中に居たのはこちらを見つめる黒いデフォルメされた狼とぱっちりと目らしきものを見開きこちらに視線を送る髑髏の指輪であった。

「……………」

ロランはそっと箱を閉じてベッドの横の小さな机に箱を置いて横になった。

箱の中から

「そっ閉じするでないわ小僧!」

「いきなりひどいぜマスター!」

「そうギャンギャン騒ぎなさんな、ちょっとしたジョークさ。」

 

ベッドに座り直すと棚の上に置いた箱を膝の上に起くと皇牙は箱からで出て膝に乗る。髑髏の指輪は箱から出して手の上に置く。

 

「で、そっちの狼は皇牙ってのは分かるがあんたは?」

「俺は黒雷騎士付きの魔導具、魔導輪のライバだ。よろしく頼むぜマスター。」

「おう、よろしく。俺はロラン・T・ブルックス、長いからロランでいいぜ。改めて皇牙もよろしく。」

そう言ってライバを左中指にはめる。

「うむ、互いに顔合わせも出来たところで本題に入ろう。お前がなぜ皇牙となれたのか。」

 

皇牙のその言葉にロランの表情が真剣になる。

「確かに疑問だったんだ、なんでこっちの世界に来たこともない俺がいきなり適合したのか。まぁ偶然かもしれねぇがな。」

「話としては簡単だ。お前はこの皇牙の鎧を受け継ぐ家系の子孫だからだ。それと同時にお前は人ではない。」

 

その言葉にロランはポカンとしている。

「んな馬鹿な。えっ、俺が人じゃない……?」

「まずは1つ昔話をするとしよう。」

ロランは姿勢を正し話に耳を傾けた。

 

【*次のアスタリスクが来るまではカギ括弧はロラン、何もなしは皇牙のセリフとなります】

時代は遡り数百年前、ベルカ戦乱時代と呼ばれた時代の話だ。

各地で有力者が乱立、各地で戦が起こり血で血を洗う泥沼の時代であった。

 

そこにとある有力者の家があった。『聖王家』だ。

その家臣団の中にお前の祖先の家『サエジマ』の一族が居た。

サエジマの一族にはほかの家臣団には特徴が幾つかあった。

・ほかの魔導師や騎士よりも魔力保有量が多い

・高い身体能力

・血を摂取し自身の身体機能や魔法の威力の強化をすることができる

大まかに言ってこの三つがある。

今言った特徴を発動させるには条件として【人の血を摂取する】というのがある。故にサエジマ一族は影ではこう呼ばれていた。

 

 

【血狼騎士団】と。

なぜ狼と称されたかは分かるな?

 

 

「お前や轟牙、蒼牙達の鎧が狼を模した物だからか」

 

そういうことだ。ちなみに皇牙はサエジマ一族直系の当主が受け継ぐ鎧だ。

故にあの若い騎士達は王と称したのだ。

轟牙達の他にも多く騎士はいたが今でも鎧が受け継がれているか、また家として続いているかどうかは分からないがな。

鎧を纏ったものはまさに一騎当千、伝承では1人で数万の大軍を相手にした事もある。鎧の付随としてまだ力がある上に皇牙にはまだ秘密がある。まぁそれに関してはまた後日話すとしよう。

 

 

そして時は流れ戦乱期の末期に1人の女性の聖王が現れた。

『オリヴィエ・ゼーゲブリヒト』という女性だ。

彼女は戦乱を終わらせるため聖王家が居城としても使っていた戦艦『聖王のゆりかご』の使用を決断する。

ゆりかごは聖王をコアとして起動するのだがオリヴィエはそこに少し細工を施した。もし自分という存在が暴走等してしまう危険を鑑みてもう1人コアとしての役割を家臣のひとりに与えた。それが当時のサエジマ一族の長であった『コウガ・サエジマ』だ。

ゆりかご起動により戦乱を収めることには成功したがそこから先が地獄であった。

戦乱が終わり戦には必要だったサエジマ一族の力、それを抑える聖王家がなくなった為その力を恐れて迫害を受けるようになった。その迫害から逃れるためコウガの妻であったカオルはある決断をする。当時サエジマ一族の臣下に居た研究者、『レオ・フドウ』が研究していた【別次元への移動】を利用して自分たちを別世界へ送り血を残し、時が来ればベルカに帰還するというものだ。

当初の予定ではサエジマ一族全員で転移する予定であったが転送時に事件は起きた。

魔法陣が暴走したのだ。ほとんどの者は魔法陣から脱出出来たがカオルを含めた本家筋の者とその従者十名は逃げ遅れそのまま転送されてしまった。

レオも痕跡を追っていたが亡くなるその時まで見つけることは出来なかった。

これがお前の血族、サエジマ一族の辿った歴史の一部だ。

【*】

「てことは俺が偶然にもこっちの世界に来たのはある意味では運命なのかもな。それと1つ気になったんだが数百年も前に居なくなった人の血筋の人間だってよく分かったな。」

 

そこにライバが割って入ってくる。

 

『そりゃそうだぜ、人には必ず魔力の波長ってもんがある。代を重ねて多少の変動はあるが根幹が変わることはほぼねぇ。だから分かったのさ、コウガの子孫だって。まぁあまりにも異質な波長が混じってたから確信に至るまでだいぶかかったがな。』

「そういうことだ。」

「まぁ何にせよ今は体を休めるとするか。アイツらと戦争おっぱじめたら休める暇なんてねぇだろうし。」

ロランが時計に目をやると22時を回っていた。

「では我も少し休むとしよう、明日から何やら忙しくなる予感がする。」

「俺もそんな気がするぜ。」

そう言って皇牙は自身が収められていた箱の中に入り、1人と1匹と1つは眠りについた。

次第に自体が動いていることを知らずに。

───────────────────────

時は少し遡りロランがクラナガンの病院で検査を受けている頃、とある場所で事態は思わぬ方向へ動いていた。

 

「少佐殿、これはどう言う事か説明してもらいたいのだが?」

「なぁに、簡単なことさ。君の役目は終わったのだよ、ジェイル・スカリエッティ君。君からプロジェクトF関連や戦闘機人の技術もうちの技術者に習得させた。これ以上君に居られて邪魔されるのも癪なのでね。ここで消させてもらうよ。」

 

そう言って指を鳴らすと少佐の後ろに控えていたナチス・ドイツの軍服を着た男が数名が手に持ったアサルトライフルをスカリエッティに向ける。

「なるほど、そんなことだろうと思ったよ。私だってそれを予見d……」

スカリエッティが言い終わる前に男達はライフルを発砲、スカリエッティを蜂の巣へと変化させた。

だらりと椅子に体重を預けることとなったスカリエッティ。死亡確認のため一人の男がライフルの先の銃剣でスカリエッティの遺体を何度かつつく。すると頭がゴロリと床に落ち、そこで死んでいるはずの男の声が響いた。

首の断面からきかいのパーツやコードが見える。

要は身代わりのロボットである。

 

『話は最後まで聞くものだよ少佐殿。すでに私はそこにはいない。こうなることが分かっていて留まるほど私も馬鹿じゃない。せっかく私のことわ理解してくれるかもしれない人と出会えたと思ったのに非常に残念だよ。既に私の研究成果や娘達は回収させてもらった。次会うときは敵同士だ。それではさらばだ、少佐殿。』

 

「してやられたな。まぁいい、研究データさえあればまだどうにでもなr……」

『緊急用自爆装置が作動しました。1分後後に起爆します。早急に脱出してください。繰り返しm…』

「まさかここまでやってるとは、まぁいい。歯車は回り始めた。あとはどう転がるか楽しみだ。あとは頼んだぞ本物のわt………」

轟音と共に少佐とスカリエッティの研究施設は消滅した。

 

 

「ドクター、研究施設の自爆装置の起爆を確認しました。」

「やはり仕掛けてきていたか。ではこちらも急ぐとしよう。あちらの移送と先遣隊の移動状況は?」

「現在移送組は二手に別れ片方はチンクとセインが。もう片方にはウェンディとセッテが付いています。クアットロ達の先遣隊は順調に移動中、まもなくこちらとのランデブーポイントに到達します。」

「宜しい、こちらも急ぐとしよう。目指すは【機動六課】だ。」

 

 




次回はロランから一旦離れて隊舎に戻ったなのは達の話にしたいと思います。


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嵐の前

お久しぶりです、鴉です。


おさぼりしてごめんなさい。

ではどうぞ。


俺ロランは夢を見ていた。

場所に見覚えはない。その点から夢だと分かった。

 

自分は皇牙を纏い手には皇牙双剣(*勝手に命名)を握っていた。

目の前には皇牙とは真反対の色である白の皇牙が同じく二本の大剣を握り対峙していた。

なんの合図があるわけでもなく2人は走り出し握りしめた剣を打ち付けあい、鍔迫り合いになる。

互いに何か叫んでいるはずなのにその言葉は耳に入ってこない。

何か白い皇牙が叫んだかと思うと衝撃波が発生し俺は後ろの壁へと叩きつけられる。

それを好機と見て白い皇牙はすかさず俺との距離を詰め込ん俺に組み付き体を俺の後ろへと回り俺の腰にあるベルトのバックルに強い衝撃を与える。

その後前へと周り自分も鎧を解除する。中身は綺麗な銀髪の美女、その顔には見覚えがある。

そう思ったのも束の間、いきなり俺の首筋へと噛み付いてくる。

絶叫をあげた俺はその瞬間眠りからさめることになる。

 

目を覚ますと心配そうにこちらを見つめるフェイトの姿があった。

「ロラン大丈夫?すごい魘されてたけど……」

「大丈夫、ちょっと嫌な夢を見ただけだよ、心配してくれてありがとう。」

そう言って微笑んでみた。

「ならいいけど…。何かあったら言ってね、話くらいは聞けるから。」

そう言ってフェイトは優しく微笑んだ。

その後思い出したようにこう続けた。

 

「とりあえず戻ったらまずはタツヤ達に話を聴けるようにアポは取ってあるから。」

「ありがとう、じゃあさっさと帰って話聞くか。」

そう言って手早く退院の手続きを済ませて機動六課へと向かうのであった。

 

 

 

一方その頃機動六課隊舎にはとある一団が到着していた。

スカリエッティ一味である。

「そうカリカリしないでもらえると助かるのだが…」

「今まで追っかけてた人目の前にしてはいそうですかって警戒を解くほどうちらは甘くないですよ?」

「部隊長の言う通りです。」

応対に出たなのはとはやてはバリアジャケットを纏い自身のデバイスを構えている。その後ではフォアード達も万が一のために待機している。

そんな中ロランを連れて帰ってきたフェイトが物々しい雰囲気に驚き、2人ともが降りてくる。

フェイトはスカリエッティを見るなりバリアジャケットを纏いバルディッシュのハーケンモードを展開して当人に斬り掛かる。

その間に紫髪のショート女性が割って入りフェイトの斬撃を止める。

「フェイトお嬢様、落ち着いてください。我々はここを攻めに来たわけではございません。むしろ保護を求めに来たのです。」

「保護ですって?そんな都合よくいく訳………」

「フェイト、落ち着け。一旦相手方の話を聞こう。頭ごなしに警戒してちゃお互いの為にならんでしょう。」

「ロランっ、……わかった。」

とりあえずこの場を収めて隊舎の中へと入っていくロラン達。

はやて達はスカリエッティ達から話を聞くとの事なので会議室へと向かっていく。

残された俺とフェイトはアポを取っておいたタツヤ達が仕事をしているデスクへと向かった。しかし席はもぬけの殻で他の隊員に聞くと俺を待つと言ってはやて達とは別の会議室に居ると言うのでそこへと向かう。

中に入るとタツヤとミユキは立ち上がって敬礼すると正面の椅子に座るように促してきた。座るとまずは俺が口を開く、

「済まないな、待たせてしまったようで。」

「構いませんよ。で、要件はなんですか?」

「単刀直入に聞く。昨日の鎧の騎士達は君達だろう?白雷騎士轟牙、蒼雷騎士蒼牙。」

俺がそう言うと2人は顔を見合わせ立ち上がって俺の隣に来て跪いた。

 

「「改めまして、ご帰還おめでとうございます。我が王よ。」」

「いきなり王って言われても実感無いけどね。とりあえずありがとうと言っておくよ。」

「一時的な帰還とはいえ王に拝謁が叶っただけでも私たちは幸運です。出来れば他の者達にも会って頂きたいものです。」

「まぁそろそろ本題に入ろうか、フェイトをこのまま拘束しておくのも悪いしね。」

そう言ってロランは皇牙から聞いた内容をタツヤ達に話す。その内容を聞いてから納得したような表情を見せこう続けた。

 

「では現在の血狼騎士団の状況の説明からで大丈夫そうですね。」

 

【*ここから次のアスタリスクまではタツヤのセリフです。「」がつく場合はその他のキャラとなります。】

 

 

現在血狼騎士団を構成していた主な家系50の内の半数は後継が育たなかったなどの理由で断絶となりました。

残りの半数のうちの私とミユキを含めた10名が管理局の魔道士、残りの15名は聖王教会の騎士をしています。

一応我が王の帰還は全ての騎士に伝わっていますので連絡を入れれば招集をかけるのは可能です。

《ロラン》「じゃあ明日の夜1度招集かけて顔合わせといくか。」

「では手配しておきます、我が王。」ミユキがそう答え1度部屋を後にする。

今日のところはこんなところですね。

【*】

 

話を終えると3人は会議室を後にし、タツヤはオフィスへと戻りロランとフェイトはスカリエッティが事情聴取を受けている会議室へと向かう。

スカリエッティが語ったのは以下の三つ。

①スカリエッティとミレニアムは先日まで協力関係にあった。

②拠点を襲撃され人造魔道士素体の生成ポットを奪取され、自爆させてきた事。

③現在もトレーラー2台で培養中だった最後の素体を戦闘機人4人が護衛しながら六課へと向かっていること。

 

すると黙っていたスカリエッティがこう続けた。

「そしてここからが大事な話だ。その運ばれている最後の素体だが、これが厄介でね。ミレニアム側に渡ったらほぼ確実に次元世界間の戦争にまで発展するだろう。」

 

「何やて!!それどういう意味や!」

はやては狼狽する。

それをロランが落ち着かせるとスカリエッティはさらに続けた。

「素体のベースは聖王陛下、オリヴィエ。もう1人は現代で覇王の血を受け継ぐ少女の遺伝子をベースにした子だ。」

「聖王?聖王って聖王協会に祀られているあの聖王か?」

ロランの問いにスカリエッティは頷く。

その後部屋には沈黙の時間が流れる。

 

1分程その空気が流れその静寂を破るようにスカリエッティの端末からブザーが鳴り響く。

端末を確認するとスカリエッティは驚愕の表情を浮かべこう言った。

 

「素体を乗せたトレーラーが襲撃を受けた!護衛の娘たちでは手に負えんそうだ。座標を送るので救援に出て貰えないだろうか。」

はやて、なのは、フェイトは顔を見合わせ頷く。

 

「スターズ、ライトニング両小隊は直ちに出撃。ブラッドは指示があるまで隊舎で待機!」

指示が飛ばされると同時になのは、フェイトはそれぞれの持ち場へ急行、ロランは装備を整えるために自室へ向かう。

残ったはやては内線で司令室へ指示を飛ばす。

5分後にはスターズ、ライトニング共に出撃、ブラッドも出撃可能な状態となった。

 

─────────────

 

所変わってトレーラー護衛組のチンク、セイン組。

 

「さすがに数が多い…ナイフの本数も心許なくなってきたな。」

ランブルデトネイターで襲撃してくるドローンを迎撃するチンク。

「こっちもそろそろ残弾がきつくなってきた…応援はまだ来ないのか。」

戦闘向きのISでは無いためミレニアムの使用していた銃火器を改造したもので応戦するセイン。

 

空にはまだ50は下らない数が飛行し追跡していた。ドローンからの攻撃でトレーラー自体の耐久度も限界が近くなってきている為最悪はトレーラーを捨てて下水道から脱出するコースを取らねばならない。

オマケに走っているのは高速道路、空と自分たちを遮ってくれるトンネルもマップ上には暫くない。

諦めかけた時進行方向から桃色の砲撃がドローンの大半を撃ち落とし、オープンチャンネルでの通信が飛ぶ。

『こちら時空管理局機動六課スターズ小隊小隊長、高町一等空尉以下二名!応援に来ました!』

─────────────

 

一方もう1台のトレーラーの護衛に回っているセッテ、ウェンディ組。

上空ではウェンディのエリアルレイヴの砲撃、トレーラーのうえにはセッテが控えブーメランブレードでドローンを切り伏せていた。

 

「そろそろエリアルレイヴのエネルギーやばくなってきたっス…、ドクターから返信あったっすか?」

「応援を送るとは言ってるけど誰が来るまでは言ってない。そろそろ来てくれないとこっちもまずい……」

 

少しくらい雰囲気になっている中エリアルレイヴに搭載されたレーダーから敵機の増援を知らせるアラートが鳴る。

 

「これ以上はもう無理っすよ!」

「ここまでなの…?」

諦めかけたその時、後方から未確認の高速移動体が2つと巨大な影が確認できた。

その直後、増援のドローンがどんどん撃墜される。

 

『時空管理局機動六課ライトニング小隊小隊長フェイト・T・ハラオウン執務官以下2名、応援に来ました。』

 

 

両小隊の活躍により無事トレーラーの護衛は成功し隊舎へと到着する事なり、フォアード達の今日の訓練は中止となりその日は穏やかな日が流れた。

 

この日運び込まれた二人の子供が後の嵐となることも知らずに。




何とか今年の下期終わるまでには完結させたいな……


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