特務警察署の日々 (宇垣秀康)
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署員一覧
署員名簿 1


ある程度簡単ではありますが、纏めていきます。
詳しくは…調べてね?


警察庁

 

小野田公顕:警察庁長官官房長→相棒より 偉いけどなかなか常識しらず。 特務警察を纏めあげるため暗躍した人

 

蟻塚 貴男:警視庁監察官室長→逮捕しちゃうぞより 閻魔とも言われている厳しく怖い人。ただし、認めるものには尽力を惜しまない。今までも墨東署の行動を陰ながら援助していたが、小野田長官の申し入れがあり、表立って援助出来る為賛成し、彼の同士となる。

 

大河内春樹:警視庁警務部首席監察官→相棒より 神戸の元上司。ラムネ大好き。今作では小野田の部下的立ち位置。冷めているようだが、実際は熱いものを持った男。

 

室井慎次:警察庁長官官房長補佐官→踊る大捜査線より 原作通り上層部に眼をつけられ飛ばされそうになっているところに、小野田が手を差しのべ自身の部下としてちょっかいが出せないようにする。

今回の署長就任に際し、真下を薦めたのは少し不安になっている。

 

 

 

特務警察署

 

真下正義:署長→踊る大捜査線より 結婚して第一子が生まれる前に署長になることが確定し、幸せ絶頂。

刑事として、他人を頼ることがいかに必要なのか知っている。また下の人たちのやり方は理解しておりどれだけの無茶をやっていいのかの判別がついている為、上層部に怒られはするが、あまり強く出られない。

 

 

特務陸動課

 

杉下右京:課長 警部→相棒より 特命係として名を馳せた人材の墓場

 

神戸尊:警部補→相棒より 特命係に配属され、今回の異動に際し杉下と共に出向してきた

 

安田一平:刑事→俺の空より 金にあかせたやり口が上司に眼をつけられ疎まれ、異動となった。

安田グループの御曹司。こち亀の中川と仲がいい。

 

伊達真:警部補→龍が如くより ある事件に執着するあまり上から睨まれ一度辞めたが、事件解決と共に復帰したが周りと衝突し異動となった。

 

両津勘吉:刑事→こち亀より 名物巡査であったが、この度刑事に復帰。以前の所轄の仲間がちょくちょく遊びにくるのは黙認されている。色んな事件に関わってきた事と自身の器用さが合わさり万能の人。暇になるとなにか作るために交通課にいることもしばしば

 

青島俊作:警部補→踊る大捜査線より あまりにも問題が多いため署長たちが異動に賛成。本人もやり易いためあまり困っていない。

 

矢部謙三:警部補→トリックより 関西弁で灰汁の強いキャラ ある事件の責任を押し付けられたが、周りが栄転だと囃し立てその気になっている。…頭が怪しい

正確にはバレている

 

秋葉原人:刑事→矢部の部下で常に矢部に傾倒する電脳オタク。今回の異動も矢部の異動に際し行動を共にすることを希望し、出向してきた。周りにあまり興味がなかったが、両津がプラモデルを魔改造してるのをみていたり、交通課やサイバー課で手伝いをしていたりしている。基本的に人を蔑むような人が少ないため、男性だけでなく女性ともある程度話が出来るようになってきた。

周りからの印象も黙々と仕事をするので少し身嗜みを整えればいいのにと思っている婦警もいるとか…

 




別の課はまだ後日。
結構いますね…

なぜか秋葉さんが一番いじりやすいんですよね…


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出向とそれに伴う事件たち
出向 泉川署 墨東署 ICPO


これからすこしづつ短編や本編に出てくる人たちの話を出していこうと思います。
名前は出ませんし、ストーリーに出るまでタグの更新もしないようにしたいと思います。
会話劇だけですが、よければ読み進めてください。
ある程度会話で分かるとは思います。


~泉川署~

「課長!何で私が移動なの!」

バァン!!

「はぁ~、君ね分かるでしょ?不審者捕まえるのに無許可でゴム弾の銃、スタンロッドを携行して?挙げ句ボン…ボン……」

「ボン太くんです。課長!」

「…そのボン太君と協力して、確保したって?」

「はい!このボン太くん、なかなかやりまして…恥ずかしながら私もいくらか喰らってしまいました!」

「まぁ、ボン太君はいいとして?不審者とはいえ武器を携行していたってのがよくないよね?今は何かあれば直ぐ叩かれる世の中だ。うちもあんまり問題の多い署員は抱えられなくてね?」

「…それで…特警に?」

「気を病むな、手柄のひとつでも挙げれば直ぐこっちに戻してやるから…」

「…フ、フフフ…(ガシャッ)フフフ

ファファシャッシャッハハハハハハハ!!解りました!手柄挙げりゃーいいんですね!手始めにボン太君捕まえて来ますよ!あいつも同等の武装してたし!待ってろ!げっ歯類!私の為に~!!!」

「ま、待ちたまえ!えぇーい!また暴走した!お前ら!こいつしばって特警まで連れていけ!」

モデルガンを連射し暴れた婦警は同僚たちになんとか眠らされ、車に押し込まれ特警の入り口に置いていかれるのだった。

 

~墨東署~

「は!?私がですか?」

「うむ、蟻塚警視正から連絡があってな、向こうの署でも広域白バイが数人欲しいそうだ。それでお前…どうかと思ってな…」

「し、しかしぃ…俺は今の職場に満足してるし…」

「小早川…待ってるんじゃないかなー?」

「えっ!」

「何せあそこは癖のある奴等の集まりだからなー。小早川の趣味くらいなんとも思っていない奴等も多い。それにある意味プロフェッショナルといってもいいやつらが集まってるんだ…お互い認めあえばその内…というのもない話ではないだろう?」

「えっ…あっ…うぅ…」

「それにこれは(二階堂から)聞いた話何だが…元キャリアのイケメンが近いうち、小早川を誘って食事に行きたいと言っ…」「行きますっ!」

「えっ。」「俺!特警に行きます!」

「お、おう。」「それでは!準備がありますので!」

大柄な男が肩をいからせて課長室から出ていった。

残った課長は外を見ながら呟く。

「あぁ…これで交通課の空気が少しよくなるな…中島のやつ…会いに行った日はいいが暫くすると落ち込むからなぁ……よし、これで賭けは私の有利に進むな…むふふ…」

 

 

~ICPO~

「なぁ~んでわしが異動なのですか!納得がいきませぇーん!」

バァン!!!

「いい加減にしたまえミスター?

君がインターポールに来てから何か手柄を挙げたかね?」

「…これといって…しかし!わしは奴を追っててですね!」

「言い訳は結構!この前の贋札の件で、私達に陰ながら資金提供してくれていた資本家たちも資金を出し渋るようになってしまった!確かに君がしたことは正しい!しかしそれだけでは生きていけないだろう!」

「っ!ならあのままあの伯爵に贋札を作らせ続けていればよかったと仰るんですかー!わしは、わしはそんなの!」

「だからこそだ!今回の出向はあくまで短期のものだ。暫くすればまたインターポールに君を戻す。私たちも君の考えが間違っているとは思っていないが、納得しない者達もいるのだ。その者達からの要求なのだ!…すまない…」

「……そうでしたか…」

「安心してくれ。間違いなく私の命を持って君を戻す。」

「…わかりましたぁ!一度日本に戻ります!」

「すまない」

「なぁに!休暇だと思えば良かったですよ!久しぶりに日本食も食べられますからな!はっはっはっはっ!

 

…しかし課長!奴の情報が入ったら…」

「安心したまえ、すぐに連絡を入れよう。場合によっては出向を切り上げることも命令する。」

「はっ!有難うございます!それではっ!」

綺麗な敬礼をした男は少し寂しそうな背中をして空港に向かうのであった。

 

 

ー?ー

「おい聞いたか?とっつあん日本に帰るんだと?」

「やったじゃないの、これで俺の仕事の邪魔はなくなるわけだ。」

「なんでも前の贋札の件で絞られたらしいぜ?」

「とっつあんも無茶したからなぁ」

「しかしなんか悪いことしたかもな」

「お?何だ?とっつあんの心配してんのか?」

「ちげぇよ」

 

………………

「しかし…しょげてるとっつあんってのも面白そうだな」

「…確かにな…それじゃ次は…」

「日本だな…にーしっしっし!」

 

 

問題は特警の刑事たちと共にやってくる…それはまだ先の話…

 

 

 




とりあえずまだ先の話です。

中島くんは早い段階で出したいと思ってます。


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日常回
報告書 南雲


どうも、ご無沙汰してます。後藤です。
光陰矢のごとしとか月日のたつのも夢のうちとかいいますけど最後の映像作品に登場してからもう何年ぶりになりますか…いやぁなんともはやいもんですな!
私なんかね?役柄忘れちゃうほど暇で暇で仕方ないから
勝手に新しいシリーズ始めちゃいましたよ・・・
…え?実写?私出てないし、皆いない作品の話されてもねぇ?

え?今回これで僕が語ることはない?…もう少しいいじゃないの。
今回新しい所に異動になった私の部下なんかもう手もつけられなくなってしまってね?
一回、外からみた私達の評価って見てみたかったの。
そこでしのぶさんの報告書、持ってきちゃいましたー。
見てみたかったんだよね~
それじゃ見てみましょっか。


ーカチャカチャカチャカチャー

 

 

 

 

 

あらかじめお断りしておかなければなりませんが、

私のこれから語る物語は紛れも無い…事実でありながらどのような公文書にも記載されておりません。特車二課の最重要機密事項であり、映画は勿論あのいい加減なビデオシリーズにおいてすら語られることの無かった隊員たちの公然の秘密…

それを語ることであの愛すべき人々を裏切ることになっても私は語らなければならないのでしょう。

 

以前、特車二課の奇々怪々なる食事情について詳しく語ったことを覚えていらっしゃるでしょうか?

そう、「ハゼの干物」を作り販売することで、特車二課の費用を一部を担うようにしてしまった後藤さんでしたが、今までのつけが回ってきたのでしょう…

上層部が警察内部の使えるが扱いきれない部下達を集めた署へ、特車二課全員と、千葉繁をはじめとした整備はんの半数を追いやることになったのは、自業自得としか言えない所があります。

異動に伴い、熊耳巡査部長には新設される特車部隊の隊長への出世の道がありましたが、またしても断られてしまいました。

とかくあの後藤さんを中心とした元特車2課の面々はいい意味でも悪い意味でも繋がりが強いのでしょう。

 

異動が決まり、特車全体で食事会をした際には、悲喜交々様々な感情が入り交じったカオスたる食事となりました。

 

異動の日、異動先にイングラムの納車をしに行くと、既に泉巡査が喧嘩をしており、太田巡査もクランシー巡査に叱られていました。やはり、何処に行っても彼らはかわりないことを再確認し、諦めに似た感情が湧きましたが、私には関係がなくなると思うと何故か悲しくも思いました。

現地にて、彼らの同僚となるもの達は成る程、等しく警察官にあるまじき行動が目にとまり、私には合わないであろうとおもってしまいました。

しかし、後藤さん達、隊長以上の人間達と言うと、音にも聞こえた傑物があちらこちらにいるのがわかります。

後藤さんもここならやり易いかもしれません。

 

納車も終わり、私の仕事は挨拶周りとなり、各所に連携の為、挨拶をしていた際、墨東署の交通課の花蝶課長や、お台場署の刑事部長、葛飾署の巡査部長など、所謂迷惑警官のお目付け役をしていた方々と仲良くなり、被害者の会というなの協力形体を結ぶことが出来ました。

 

これから彼等をどのような問題が待ち構えているのかを考えると、私も不安になりますが…

あの後藤さんたちがどうにかなるようなイメージも湧かないので痛い目に遭えば!と、すこし思い、この報告書の締めとします。




この作品では、特定のカップルは表面化していない状態です。

ごとしの押しです。


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事件簿
はぐれ者の巣


頑張ります。ある程度書き溜めてから投稿します。


 

何処の警察にもはぐれ者はいる。

 

 

 

しかし、そういう奴に限り、一芸に長けており、発見が早かったり、よく分からない方面から攻め込み、犯人を確保するものだ。辞めさせるにも理由がない。

大抵上層部は扱いきれない彼らを忌み嫌い、端に追い込むが、そこから又抜け出てくるのも常である。

能力は高い。しかし、使いづらい…

そこで上層部は考えた。そして内村完爾のはぐれ者対策として行っている特命係の資料を見て思い付いたのだ。

-はぐれ者ははぐれ者同士集めておけばいいのだー

と。

 

しかし、いかんせん人数が多い。面子を見る限り特車を入れる車庫も必要だ。そこからは押し付けあいが始まる。何せ自身の管轄下におくならばどうしようもなく…問題を起こす。解決しても手柄を横取りされたと感じる署内の雰囲気は最悪となろう。

そして…ならば新しく作られる署をそいつらに自由に使わせればいい。と言う結論に至った。

 

なに、基本は警視庁の特命係と変わらず、警察の雑用だ。そして厄介な奴らは兎に角色々首を突っ込みたがる。ならば取り敢えず広域捜査の許可を出すが、各署との連携も現場の警官たちが嫌がって取りにくいだろう。

これで本当に陸の孤島となりたる警察署が出来上がるのだ。そして、身勝手な者達の集まりだ。なにか問題があれば全体の責任として、叩き潰せばいい。

そうして、上層部の会合が終わる。

無論、反論するものもいた。中でも話の中でも取り立たされた特命係を擁する内村完爾の焦燥っぷりといったらない。なにせ特命係の…いや一人の警部の功績を知っている。そして、上層部にはその功績は伝えていない。なによりこのような流れになると思っていなかったのだ。各署のはぐれ者の愚痴を言い合って終わると思っていたのだ。しかし、話す中で内村は思った…

「あれ?これで面倒な警部がいなくなったら…やり易いだけなのでは?…」と。

面倒は新しい署に手伝わせればいい。なによりそれをあの「小野田長官」と「蟻塚監察官」が言っているのだ。何の問題もないと心が軽くなり、最終的には賛成したのであった。それを見て他の者たちも賛成にまわり、新署舎の建設が進むのだった。

そして会議が終わり、大方の人が浮かれて出ていった。

閑散とした会議室に残っていた数人は暫くして真面目な顔から相貌を崩し、笑っている。一人は大真面目に口を結び、その中の二人を見ている。

「いやぁ、これで色々やりやすくなるねぇ…蟻塚ちゃん?」

「そうですな。なによりこれで肩の荷が降りたってものですよ。小野田長官殿?」

柔和な笑いをしている者とそれに受け答えしながらも自身の閻魔帳に先程までの上層部の醜態の採点をするのを忘れない。

何より残っているのは彼らの派閥の者達のみ…

そう、他の上層部を煽り、焚き付け、彼らの思いを理解できるもの達を集めたのだ。それも反則ギリギリなのだが言い逃れできないくらい合法的に…

 

「これで警察庁の方も問題もないよね?大河内ちゃん?」

「はい。委細問題なく、何より上層部の皆様の信任もありますので…」

名前をあげられた監察官がハキハキと答える。

「それで?一番上は勿論僕と蟻塚ちゃんが押さえるけど彼らのすぐ上に誰がつくのかは決まった?室井ちゃん」

「はい。私の下に暫く着いていた者ですが、彼ならば新しい署で立派に纏めあげられると思います。」

次に呼ばれた髪を撫で付け渋い顔をしている男が答える。

「まだまだ固いなぁ。…そんなんじゃ、本庁の奴らに睨まれちゃってるでしょ?」

「…すみません。気を付けます。」

「まじめだねぇ…そこが気に入ってるんだけどね?」

小野田は笑いながら、室井が更に眉間にシワを寄せたのを見ていた。周りの他の者達も苦笑いをしながら見ている。そして蟻塚監察官と言われた男が

「室井くん、小野田長官は批判してるのではないぞ?君の真面目さ、熱を此処にいるものは皆知っている。だからこそ今回のこの運びに君を誘ったのだ。」とフォローを入れる。

それを見た室井は

「ありがとうございます。」と頭を下げる。

空気が元に戻ったところで、小野田がまた話始める。

「で?結局彼らの新しい巣となる庁舎の名前は?こっちで決めていいってことになってたけど…決まってるの?」

と問うと大河内が答える。

「はい。こうなると思っておりまして、候補がいくつか…この中からどれにしましょう。」

懐から新庁舎の名前が書かれた紙を数枚出し、小野田と蟻塚の前に出す。

「そうだね。これとかどうかな蟻塚ちゃん?」

「そうですな。これなら彼ららしいと思います。異存はありませんな。」

残っているグループの上層二人が決めた名前が正式に通り、建物の建設も進む。その中で人員の移動の決定も進む。あるものは辞令を出す者に食って掛かり、またあるものは嫌らしい笑いをする上司に大人しく従い、またある署では課ごと移動が決まる。

 

 

 

 

「いやぁ、すまんなぁ?なにせ小野田長官直々の考えなのだ。お前には悪いが拒否権はない。相棒も連れていけ。鑑識も数人出向が決まっている。よろしく頼む。くれぐれも使い潰さんようにな?」

「分かりました。それでは角田課長に引き継ぎなどもありますのでこれで失礼します。」

眼鏡をかけた小柄な警部が署長室から出ていく。

 

 

 

バンッ!!

「納得いきません!なぜ私たちが!」

「検挙率もあがってますし、問題行動もなかったとおもいますが?」

婦警が二人署長室に来た鋭い眼光の黒い服を着て、髪を撫で付けている男に噛みついている。既に片方は相手の役職を忘れているのではと思うくらい激昂している。

「…正直に言おう。君たちを疎ましく思っている奴が上にいるのだ。監察官が押さえていてくれたことも槍玉にあげられている。このままでは監察官の立場も悪いのだ。分かってくれ。」

「っ!なんで監察官まで!?私たちの責任なんでしょ!」

「…成る程。私たちは監察官を貶めるのにはちょうどいい火種だってことね。」

「そんなっ!」

婦警は二人とも辛そうに…悔しそうに床を見ている。

それを見ていた男が静かに口を開き、

「安心してくれ。この程度で監察官殿がどうなるわけではない。しかし、新庁舎で君たちに活躍してほしいというのは蟻塚監察官の本心だ。今日も直接話をすると言って聞かなかったのだ。監察官殿に他の仕事もあり私が来たが、今回の異動…君たちに悪い話ではないはずだ、宜しく頼む。」

と深々と頭を下げる。官房長官の補佐官と言う肩書きの男が只の婦警に頭を下げるという珍事の中、真剣な状況を鑑みた二人は出向を決意する。その後自身の課でお別れパーティーを盛大に行われるが、出向後、ちょくちょく遊びに来るので様々な婦警から合コンの開催の依頼を受けているのを白バイから涙ながら不安そうに見ている男の姿も良く見られるようになるのだった。

 

 

また、別の所轄では…

「なんでわしが出向なんですか署長~!」

「いい加減にしないか!両津!…しかし、説明もなく出向というのはどうかと私も思います。署長!」

と、署長につめよる巡査部長と巡査長。困るのは署長である。そこに大河内監察官が現れ、

「ならば、私が説明します。私は警察庁監察官の大河内と申します。」

突然現れたエリートに驚く巡査部長と署長。しかし、当の巡査長は面倒くさそうに

「で?そんなエリート様がわしになんのようだ?」

と鼻をほじりながら署長室のソファーにぞんざいに座り答えただけであった。

しかし彼の対応にも理由がある。今まで刑事や警部といって、一緒に活動してきたのは海パンだったり、変態だったり、変態だったりといいイメージがないのだ。

そしてこの出向命令…今までの経験としていいことがない。いいように使われて終わりだ。だから行く気など更々にない。だからこそ悪態をつき、自分はめんどくさい人間だと思わせる素振りをとったのだ。

しかし、大河内もそんな事歯牙にもかけず向かい合うソファーに腰掛け話を始める。

「まずは謝罪を。特殊刑事課などというお粗末な集団を貴方に押し付けたものが上にいたことによりまともな対応が遅れたことが多々あり、またそのグループのせいであなた方の陳述書などが握りつぶされていました。本当にすみません。その上でお願いします。新しい署に出向をお願いします。」

「嫌だ。」

「そこで貴方に刑事に戻ってほしいのです。」

「なんですと!良かったじゃないか両津!出世するぞ!」

「嫌だ。」

巡査部長の合いの手も受け入れず、大河内の方も見ず断る巡査長…

大河内はそこで更に真面目に問うのであった。

「…南部刑事…」

「!」

「私も昔、話を聞きました。素晴らしい刑事であったと…」

「……い」

「今、彼がいたらあなたを誘ったでしょう。あなたが挙げた手柄は素晴らしい。しかし過去を引きずり…」

「…さい」

「今までも問題を起こしていますが、それすらすくむほどの手柄です。それを否定など出来ない。」

「うるさい!!」

「両津!!」

「部長!署長!!わしは今のままが一番だ!真面目にやれというならこんな遠回しで言わんでもいいでしょう!こんな…!こんなやり方!」

「汚いのはわかっています。しかし私もあなたが出向してほしいと思っている人間の一人です。手柄など本当はどうでもいい。なによりあなたの人間性が素晴らしい。」

「あぁ?お前何言ってるんだ?」

「今出向を求めている新しい署ははぐれ者の集まりだ。警察の体裁や面子など気にしない者達…そのなかで若い者もいますが、若者の気持ちが分かり、上の者とやりあえる者がいるんです。今、私に噛みついている貴方のような…!」

真剣な気持ちが伝わる。巡査長はまっすぐ監察官の眼を見ながら聞く。

「…わしに望むのはそれだけか?ならなぜ刑事に戻らないといかんのだ!南部さんの名前まで出して!」

と、ここが引っ掛かっているのだ。

「…今出向してくるなかでも、小野田長官が眼をかけてる警部どのが…その…特殊な方でして……あまり…その、人との付き合いが上手い方でなく…纏めきれるか不安で…纏まりがつかないのではと思いまして…貴方のような人の繋がりを重要視する人が必要なのです…」

警部どのの話をしだした途端、声色が小さくなっていく監察官を見て巡査長は自分を利用してきた今までの者とは違うと感じた。本当に必要なのだろう…そう思ったときには、顔に少し笑みが出てくる程度にはなった。

しかし、真剣な空気の中、署長と巡査部長は静かに様子を伺っていた。

「…わしはやりたいようにやるぞ。自分の後輩を調査に使うかも知れん…いや使うぞ?」

「構いません。ある程度の広域捜査の許可、所轄への協力依頼は許可されています。」

「関係無くとも別の手伝いをするかもしれんぞ?」

「それも構いません。基本は本庁の雑用と警察のイメージアップが主だった仕事だと思ってください。あと、貴方には技術的な開発も許可がおりるようになっています。今はまだ何時からとは言えませんが特車も入ります。」

「…そうか…

部長…今までありがとうございました!わし、両津勘吉!出向を慎んでお受け致します!」

ここにまた1人刑事に戻る決心をした男が物語に参加したのであった。

 

 

 

 

そして数ヶ月後、晴天。

完成した新庁舎に出勤してくる者達の目には怒り、諦め、希望が見える。

 

そして、新庁舎に新しく署長となった男のスピーチが始まる。掴みは第一子誕生の喜びで集まっている警官たちの中に優しい空気が流れる。笑っているものもいるが、不快になっているようではない。そして最後に

 

「…だからこそ、僕たちは皆さんの平穏を守るために活動するのです。皆さんの力を存分に使ってください!たとえ、管轄外でもどんどん意見してください!皆さんで協力していきましょう!此処にこの言葉を私の初の命令として発令し、私の所信表明とさせていただきます!

 

 

特務警察署

 

 

署長 真下正義 ! 」

 

 

 

 

 

宣言と共に署員全員の敬礼が揃い、心が一つになった気がしたのだ。

 

 

 

 

 

 

これははぐれた者達だと言われた者達の物語である。




相棒のキャラが上層部に多くいます。
小野田さん…好きなんです


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天才と…

頑張ります。評価下さい。



上層部の会議が終わり数日後、警察内に新しい警察署が出来ることとそこに配属される自身の署内の人間の話で持ちきりだった頃…

 

ー官房長室ー

静かで張り詰めた空気のなか対峙している二人の内、椅子に座った方の男がニヤリと笑いながら口を開いた。

「それで?僕に用件って何かな?僕も今忙しくてなかなか時間が取れないからはやくしてね?」

それにもう1人が柔和に笑い答える。

「それでは、端的に。今、官房長官が忙しいのは、今建築されている新しい警察署の件ですね?」

「そうだけど?色々やり易くするのに特別に行動出来る部署を纏めて置いておきたかったんだ。お前も含めてね?」

「なるほど。それで私にお呼びが掛かったというわけですね。しかしそれだけではないでしょう?」

「…何が言いたいのかな?僕はお前ほど賢くないからね。遠回りするならこれで終わってくれる?」

「すみません。貴方は新しい署に所轄や本庁にいるいわゆるはぐれ者を集め、そして雑用をさせ、腐らせ、問題を起こしたらすぐに切れるようにするのが今回の狙いだと。」

「そうだよ?前に会食の時にお前の話をしたらね?あちこちに訳のわからない署員がいるって言うじゃない?だから上の皆が困らないように、僕が責任を持って、問題児を預かろうってこと。まだ選考が進んでないんだ。急がないとね。」

「しかし、それは建前の一つ。」

人差し指を天に刺し、警部は続ける。

「今、あなたが集めている各署の署員は確かに問題を起こす署員だ。間違いない。しかし彼らは…有能だ。

警察というシステムのなかで動くには問題だらけだが、それさえ取り除けばまさに…護国を担う優秀な人材だ。少なくとも貴方はそう思った。そして、そこに…蟻塚監察官が乗ったというところでしょうか?」

自身の推理を一息に言った警部は長官の返事を待つ。

「…まぁ概ねその通りだよ。

悔しいけど、お前は優秀だからね。さっき会食の話をしたでしょう?あの時、他のところの問題児の話を聞いて思ったんだ。何で優秀な奴らをうまく使おうとせずめんどくさがるんだろう…ってね。なら僕がそいつら貰おうって思ったのが最初。蟻塚ちゃんは自分でもう二人ほど抱えてたんだ。だからなら纏めてみようって思ったら上手くいってね…いやぁ話がすぐ進むから良かったよ。脅したりするには骨が折れそうだったし…」

そう言いながら椅子を回し、外を眺める

「それで?異動が嫌なの?駄目だよ?これはちゃんとした辞令なんだから。」

「いえ、あなたが何を思いこのようなことを起こしたのか…きになりましてね?」

「はぁ…あぁあ…またいつもの病気?僕だってね真面目にこの国を思ってだよ…… ねぇ杉下?時代が変わってこの国は昔よりいろんな奴らから狙われるようになったよ?だけどね?この国の上層部は未だに自分の利権を奪い合って潰し合いだ…下らない…

そんな奴らの中に本当に国を思ってる奴らがどれくらいいるのかな?」

「…どうでしょう…少なくはないと思いますが…」

「あれ?全員だ!とかは言わないんだね…そうなんだよ…全員ではないんだよ…だからかな?全力で自分の正義を貫く奴らを集めてみようって思ったんだ。…そんな感じだよ。まぁ、柄にもなく真面目に答えちゃったね。こりゃ君のところにいた亀山くんだっけ?彼の影響かもね?」

「成る程。私の正義は暴走する…でしたか?そんなことも仰っていましたよね?」

「なんだよ。筒抜けじゃないか。別にその通りだろ?」

「今となっては否定も出来ませんがね?」

「もう恥ずかしいからこの話終わりね?所で杉下、君は警部課長になるから。まだ、部署の名前は決まってないけど役職的に上になるからね?今ついてる子だけじゃなくなるからちゃんと面倒みるようにね?」

「分かりました。それでは失礼します。」

「うん。頑張るようにね?」

官房長室から杉下警部が出ていく。

 

 

「…少し話しすぎたかな?でもねお前に期待してるのは本当なんだよ…杉下…」

そしてまた、官房長官は仕事に戻っていく。

 

 

そして初顔合わせの日、オープンセレモニーの1週間前、自分の荷物を持った男が二人、車から降りてきた。

一人は元特命係警部 杉下右京

もう一人は元特命係警部補 元警視 神戸尊

 

これより彼らは新しい勤め先に異動するのだ。

 

「しかしいくつになっても新しい職場というのは緊張するものですねぇ。神戸くん?」

「そうですね。ま、僕としてはここの前のところに異動してきた時が一番驚きましたがね?」

と神戸のすこしとげのある言い方に、含みのある笑いで答える杉下。 神戸にも小野田官房長官の考えを伝えているが、やはり納得しきれていないのだろう。出ていく時に捜査一課の伊丹、芹沢に嫌みを言われ、少しイラついているのだろう。

多くない荷物を抱え、新しい署内の中に入っていく二人。署内は自分達のように自分の荷物を搬入する人たちで溢れている。

「なかなか込み合っていて…進めませんねぇ…」

「そうですね。…なかなかレベルの高い女性もいますね…後で部署聞いとかないと…」

「貴方はすぐ女性ですか…」

足元に荷物を置き、入ってくる同僚を観察しながら神戸に呆れる杉下。

そんな杉下もまた、新しい同僚を見ながら自身の高揚を押さえられずにいたのだった。




取り敢えずこんな感じです。
感想宜しくお願いします。


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垣根のない課

基本、相棒が主体となるかと…
また、あまりにもかけ離れた設定の者は出したくありません…


一息ついた二人は大きく貼られた部署別の案内板を確認し、特務陸動課と書かれた部署に進む。

新しい署内は他の警察署より一回り小さい感じである。なにより窓口が小さく、その代わり倉庫が大きい。どうやら本庁はこの署を倉庫として使えるようにしたいようだ。

そんな中をワクワクしながら進む二人。

「ここですか…」入り口からそこまで進まなくても良いのだがティーセットもあるので割れないようにゆっくり歩いたので少し遠いように感じてしまったのだった。

ドアを開け、部屋に入ると既に神戸の他に5人ほどの荷物の整理をしていた。一人は既に自身の分の整理が終わり神戸の手伝いをし始めていた。もう一人は喫煙スペースを利用し何処かに電話をかけている。そして残りの三人はどうやら此処に異動となった者と手伝いに来た二人組のようだ。

 

「…!左近寺!だからその段ボールが先だと言ってるだろ!ボルボ!頼むから只の梱包にトラップを仕掛けるな!!

まったく…頼んだのはわしだが…こんな苦労するなら1人でするんだった…」

とぶつくさといいながら自分の荷物のトラップを手際よく解除していく。

「すごいですね彼…」

荷物を解きながら神戸が近くによって来て小声で話す。

神戸の荷物ももう少しで終わりそうだ。自身の荷物も早くしなくてはと思いだし、自身の席を探す。

「そう言えば杉下さんの席…あそこだそうですよ?課長?」

どうやら向かい合う机から少し離れたところにある他より少し大きい 他の署員の机の方を向いた机がどうやら杉下の机のようだ。そして、自身の荷物を片付け始める為に机に荷物を置き片付けを始めようとすると、先程まで腕捲りをし、トラップを解除していた男と、神戸の手伝いが済み、掃除をしていた若い男、そして喫煙していた男が机の前に並び敬礼していた。

「…まだそんなことをされるような立場ではないのですがねぇ……」

と杉下は苦笑いを隠せない。

しかしそんなことはないと端の男から挨拶を始めた。

「初めまして、この度こちらに配属になります伊達真警部補です。以前は警視庁組織犯罪対策第四課の警部補でありました。宜しくお願いします。」

伊達真…杉下は脳内に堂島組組長の殺害事件に執着し、真犯人を突き止めた警部補であることを思い出す。

「初めまして、元特命係の杉下右京です。伊達さんの噂はかねがね。これから宜しくお願いしますね。」

と返礼をし次の男に眼を移す。

その男はにっこりと笑い深々と頭を下げる。

「初めまして。安田一平と申します。皆さん知ってると思いますので言ってしまいますが、以前私は正義を行うため、建物ごと証拠を買ったりしました。それで嫌われて此処に来ました!宜しくお願いします!」と勢いよくもう一度頭を下げる。そして杉下をしっかりと見据えている。そんな男の視線に対し、杉下はにこりと笑い

「成る程。それもまた方法の一つですねぇ。なにより隠蔽など出来ない完璧な証拠保全とも言えるでしょう。」と肯定する。

それをみた4人は驚き、一平は笑いだす。神戸と伊達は呆れ顔、もう1人の男は「なんだか中川みたいな奴だな」と小声で呟きながら苦笑している。

そして笑っていた一平は杉下にもう一度頭を下げ

「僕の方法を肯定したのは身内以外であなたが初めてですよ。…ここは面白くなりそうですね。」といって頭をあげ、一歩下がる。

そして杉下も最後の男を見る。

いかにも昔ながらの刑事と言った出で立ちだが、先程まで腕捲りをしていたからか袖だけシワがよっている。

そして敬礼をしながら

「初めまして課長殿。わし…私は葛飾区亀有公園前派出所から出向してきました、両津勘吉です。前は巡査長でした!」と答え、一歩下がる。

両津勘吉…特命係の時によく聞いた名だ。いわく問題を起こす。しかし派出所にきた利用者達からの評価は上々で、彼の発明品は他者が著作権を取ってしまい、利用出来ないのだが、その中には本当に有効に使えるものも多いらしい。先程のトラップの解体を見る限り、この男もまたまともな評価を受けずにいた署員であろうことは想像にかたくない。

全員をもう一度見る杉下…成る程皆いい眼をしている。杉下は一息置いて話始める。

「初めまして。私は杉下右京…以前は特命係をしていました。そこの神戸尊君と共に。これほどの部下がつくのも初めてなものですから、御迷惑をお掛けしないよう尽力を尽くして参りますので宜しくお願いします。最後に神戸君?あなたも」

「はい。えー…今紹介にも出てきました元特命係の神戸尊です。人材の墓場とまで言われた杉下さんの下で働いていたので、これから宜しくお願いします。」

「…君は一言多いですねぇ」

「しかし、事実、でしょう?」

といつもの名コンビがコントを始めた頃には新しく部下に為るもの達の緊張も解れたようだ。

取り敢えず片付けを終わらすことに集中し出すのだ。

…両津が連れてきたボルボと左近寺は異動ではないが、両津のプレミアムフィギュアと美少女ゲームに釣られ手伝わされている。両津の手伝いを終えると、お目当てのものを抱えながらにこにこスキップしながら帰っていく二人の後ろ姿を見て、両津が頭を悩ませていた。




-その頃鑑識-
「お、なかなかいい部屋じゃねえか!」
「倉石さん!取り敢えず荷物をこっちに置いてください!本当に!1人だけ出向なんて上も何考えてるんだか…」
「悪いな手伝わせて!しかし…テレビも大きいし!此れでゲームとかやらして貰えないもんかねぇ?」
スッ
「構いませんが?」
「ウォッ!ん?あんたが同僚?」
「そのようですな。失礼私…米沢と申します。以後宜しくお願いします。」





ある程度片付けが済みます。…タグ付けの変更が面倒ですね…


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車両部

なかなか登場させたい人たちが登場させられない…
コートの人とか…




今居るものある程度片付けが済み、一息いれることとなった。

既にポット、コーヒーメーカーの設置はすんでおり、課長を除き、コーヒーを楽しんでいる。

 

「しかし、あの"人材の墓場"が俺らの上司とはねぇ…俺も嫌われたもんだぜ…」と伊達は愚痴る。

「やはり、あの人は有名ですか…」と達観した感想を呟くのは神戸

「でも、面白そうですよねあの人。」と笑みを絶やさない一平

「そうか?まあやりたいようにやらしてくれればわしはなんも言わんがな」と太い眉をひそめながら愚痴る両津

そんなことを言っている三人を見ながら伊達はため息をつき、

「よく言うぜ全くよ…お前らだって特殊だぜ。

一人は警視までなって警部補まで落とされた男。一人はあの安田グループの御曹司で正義の為なら金ぐらいいくらでも使う男。最後にお前に至っては、あの特殊刑事課から声が掛かってた男と来たもんだ。誰が見たって普通じゃないぜ?」

と呆れ果てる伊達に

「わしをあんな変態どもと一緒にするな!あいつらのせいでどれだけ苦労したか…考えたくもない!」

と、両津は怒りを露にする。しかし神戸と一平は感心したような素振りで両津を見ている。

「しかしな両津?あの課は言ってしまえばSITにも入れるような奴等しかいないんだ。つまり能力は高いってことなんだよ。…変態だが」

「…その最後の一言がおっきいんだろ伊達さん…」

既にある程度打ち解けた彼らは自身の苦労話をしながら仲良くなり始めている…

 

 

 

一方その頃、右京は片付けの後、会議まで署内を歩き回っている最中であった。

特務警察では他の警察内と異なり部署が少ない。なにより"雑用"だけすればよいというのが上の方針なのだから、一課・二課のような分け方はない。何よりそんな区分けをして自分達の領分に手出ししないように上層部が判断した結果であった。しかし雑務部などあまりにもお粗末な区分けは出来なかったため、特務陸動課というありとあらゆる役割を担う部署ができたのである。そのなかで、車両隊や特車隊といった形に落ち着いたのであった。

そして各部屋に挨拶がてら回っている杉下は、車庫の方で大きな声が飛び交っているのを耳にし気の向くまま向かってみるのであった。

 

-車庫-

車庫では交通課であろう婦警が特車の集団にスピーカーで怒鳴り付けていた。

「だーかーらー!特車のメンテナンス用の車庫はあっち!何でもかんでもこっちに置くな!あーっ!!あんたら!そのまま動かしたらこっちの車に傷がつくでしょー!ちょっとは考えて動けー!」

どうやら車庫間違え荷物を置こうとしたことに切れ、おおざっぱそうな女が車に擦りそうなことも考えずレイバーを動かそうとするのに怒っているらしい。

その特車の運転手はと言うと、

「うるさいなぁ!私がアルフォンスに傷なんてつけるわけないでしょうが!そっちこそはやく入口の車両はやく動かしてよね!まだ1台来るんだから!」と婦警に噛みついていた。

その後ろでもう1人の婦警は、

「やっぱりレイバー…かっこいいわね…私の車もいっそもっと改造して…向こうの人にも協力してもらうしかないわね…」とブツブツ呟き、特車に眼を光らせ思考の海に潜っていた。

レイバーの回りには職員達の野次馬が集まっていた。レイバーなど記念式典ぐらいしか表に出てこないため、間近で見ることなど早々にないのだ。

「素晴らしいですね…これが…レイバーですか…」

杉下も動いているレイバーを間近で見るのは初めてであった。さまざまなものに造詣の深い杉下も始めてみる挙動に興奮している。

その後ろに1人の男が寄ってくる。

「どうですか?うちの新人。イングラムっていう機体ですが、いい動きしますよ?」

飄々とした声を聞き、杉下は後ろを振り向き、挨拶をする。

「これはこれは。挨拶をさせてください。私の名前は…」

「あぁ、あぁ、結構結構。杉下警部殿?噂はかねがね。」

言葉を遮った男は目に力をいれ、敬礼をしたと思ったら「私は特車隊、隊長となります。後藤喜一であります。

私以下我が隊が総力を上げて職務に励むものであります!

…とこんな感じでよろしいですかね?まぁ宜しくお願いしますよ。課長どの」

と言うなりまた飄々とした雰囲気に戻った。しかしこちらの値踏みもしているというのをわざと感じさせている辺り流石と言えるのであろう。

やはり"カミソリ後藤"の異名は伊達ではないと思った杉下であった。そして後藤と握手をし、会議についての打ち合わせを少しして離れるのであった。

その際、回りにいた特車のパイロットの泉、交通課の辻本、小早川たちと挨拶をする。三人とも役職は巡査であったが、熱いものを胸に持った婦警であることを感じたが、辻本と泉の仲が悪く、なかなか打ち解けないようだった。

そして杉下は会議の時間が迫ってきているのに気付き会議室に急ぐのであった。

 

 

 

 

 

ーその頃の入り口受付ー

扇子で顔を扇いでる柄の悪そうな刑事が、髪の毛がまとまっていない長髪で少し猫背で二人分の荷物を抱えた男と入ってきた。

「なんやなんや!新しい署っちゅうのは活気があるのぉ!しかしこのわしがついたっちゅうのに荷物は自分で運ばなあかんとは…めんどくさいのぉ…のぉ?秋葉!」

「そうですね矢部さん。早めに持っていっちゃいましょう?」

「おおそうやな!」と大声で笑いながら特務陸動課に向かって進む…

彼らは知らない…今までのような職場環境でないことを

廊下を闊歩し、部屋に入るまでは彼の天下である…

大声で笑いながら関西弁で下品なことを大声で言っている…

…それぐらい今だけは許してやってほしい…

 

 

 

 

ー鑑識ー

「…しかしな米沢?やはりここはダンバインを強化して…」

「倉石さん。ここはそれではこの後イベントがあるボルテスがやられてしまいます。予算は彼の装甲に降るのがいいかと…」

ある程度片付けが済んだ二人は大画面でゲームを始めだした。倉石についてきた女性は呆れ果て既にいないが、それに彼らが気づくのは会議に来ない倉石の行方を米沢に確認する電話が入ってからであった。




登場キャラ 分かりにくい人だけ纏めました。詳しくは調べてください。
小野田、大河内→相棒
蟻塚→逮捕しちゃうぞ
室井、真下→踊る
一平→俺の空
伊達→龍が如く
矢部、秋葉→トリック
倉石→臨場
新庁舎の話がすんだら事件別の短編になると思います。

感想や意見、評価をお待ちしております。
また、短編等登場してほしいキャラ等おりましたら検討致しますので、意見として下さい。宜しくお願いします。


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会議前に…

すみません
ラムネの人の名前を間違えてしまっていました。
重ねて謝罪します。

頑張っていきますので宜しくお願いします。


杉下が会議室についた頃には既に、警察庁の人間も含め数十人の姿が見える。

そして、正面には大河内、室井といった補佐官、監察官の姿が確認できる。

少し姿勢を正し、自分の割り当てられた席に座り、配布されている資料を読み始める。

どうやら、各部署の問題児の簡単なプロフィールが纏めてあるようだ。しかしそれだけなら以前にも上官となる人間に既に配布されているのだが…その中に配布禁止というところに書かれた資料が混ざっていた。

詳しく読み込むと、どうやら署員が出向してくる前の経歴などが上層部の偏見が混じった状態で配布されているようだ。

 

(面白いですねぇ…)

 

それが杉下の感想であった。

例をあげるなら正に自分、「杉下右京」を取り上げてみよう。

以前の資料では

 

杉下右京…素行問題あり。特命係として仕事を受ける場合、些細な仕事であろうと丁寧にこなすが、なにか事件となると、他の課の領分であろうが構わず動く傾向にある。それにより、自身や回りが事件の当事者となることもあった模様。鋭い観察眼には眼を光らせるものがあるが、独断専行する傾向が強い。それによりついていけない人間が次々と辞めた為、一時期、警察の人材の墓場とまで言われた程である。

しかし、近年部下として固定でついた警官がおり、ある程度緩和されてきていると思われる。

 

と、記載されていた…失礼ではあるが、冷静な判断だと思う。大方、大垣内監察官がまとめたものであろうと目星もつけていたし、自身でもいささか謙遜してしまうが納得のいく評価である。

それに対して今回の資料では、

 

杉下右京…素行に問題あり。言われた仕事しかせず、事件となると警察の領分以上であっても着手する。以前より人材の墓場といわれ、その能力は高いが、他者との連携というところに一切重きを置いていない。過度な独断専行をするため、確りと注意が必要である。また、近年自身の思い通りになる部下がつき、独断専行の気が強くなっている。

 

ここまで書かれると笑えるが…嫌われたものだ。しかしこの資料は多分配布されることなく今別室にて待機している集団がぐだぐだと言うための資料だろう。周りからも同じ資料のからくりに気づいた者達が、クスクスと笑ったり、なんとか笑わないように努力しているものも見受けられる。そして、十数分程達、残っていた特車の後藤隊長など、数人が入ってきた。遅れて警察庁の人間と共に今回の新庁舎計画を立ち上げた上層部が、部下を引き連れ数人入ってくる。そこでまだ来ていない者達について言及し始めたので署内アナウンスをかけ呼び出す。

鑑識の倉石がへらへらと笑いながら席に座り、会議の準備は終わった。

 

後は、新署長を待つだけだ。既に数人苛立ち始めているなか特に怖いのは…室井であった。

 

 

 

ー 同時刻 玄関ホーム ー

 

「ヤバイよ、ヤバイよ!もー!

先輩!急いでくださいって言ったじゃないですか!こんなんなら僕1人で来ればよかった!」

一人真新しいスーツに身を包み、慌てている男と、くたびれた何とも言えない青緑っぽい色のコートを着た男が荷物を抱えて入ってきた。

「仕方ないでしょ?明日と勘違いしてて荷造り終わってなかったんだから。いやー!新しい建物っていいね!湾岸署も大分古くなったからなぁ…お!ラーメンの自販機も種類あるし!パンまで!いやぁ真下凄いところに配属になっちゃったね!」とからからと笑いながら周りを見渡している。

「なっちゃったね…じゃないですよ!なんで間違ってたんですか!…あぁもう会議始まっちゃうよ…

先輩!ここで解散です。僕は部署が違うので、荷物はそこの人に手伝ってもらいますんで。先輩はそっちです。それじゃ!

あ!そこの君!今正面の車に荷物が積んであるから……まで届けてもらえる?宜しく!」

と大慌てで受付にいた署員に荷物を頼み、会議に飛んでいった。

一人残された男は寂しそうに

「なんだよ真下の奴…会議なんて一人いなくても大丈夫だろうに…」と呟きながら荷物を抱えて自分の部署に向かって歩きだす。

 

 

 

そして、大慌てだった男は、会議室前まで走ってつくと入る前に深呼吸をし、自分の手帳を開き愛する女性の写真を眺め眼を緩める。そして、彼女と彼女のお腹の中のまだ見ぬ我が子に気合いを分けてもらい気合いを入れ直す。

「よーし!」

 

ドアを開く。

ここから

"署長 真下正義"

のスタートだと強く踏み込んだ。

 

…資料で見た問題児達のこれから抱え込んでくるであろう問題に少し不安で、腰が引けてはいたが…

 

 

 

そして一週間後…物語は冒頭に戻り、歯車は回り始める。




すみません。少ないですが上げました。
エタらないよう頑張ります。


これから事件の方と、出会いのいざこざを書いていけるよう頑張ります。
あれです。手持ちのキャラとガチャで新しく手に入ったキャラでイベント発生!みたいな…
すみません
また、いいキャラいたら教えて下さい。頑張ります


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case.1-1 亀と龍と

取り敢えず最初はここから


特務警察署が稼働してから数ヶ月…

茹だるような熱気を帯び、少し溶けたアスファルトは特有の甘いにおいを発しながら、その上を走る車や人間に更に熱を与えている。

 

そんななか、特警の署員は兎に角雑用に追われていた…

課長である杉下は神戸をつれ警察庁の大河内の元へ出掛けており、矢部は秋葉と痴漢の取り調べで出ており、青島は交通課と署長たちと共に子供の交通安全教室だ。さらに着ぐるみの中は特車の連中が入っているそうだ。

陸動課に残っている三人は別々の仕事をしているが、うち中年の二人は飽きてきているのが目に見えている。

伊達は市民の警察への意見書の誤字脱字の添削、両津は壊れた細かい備品の修理…

これを既に2日はやっているのだ…

「…おい両津、茶をくれ…」

「…伊達さん…あんたの方がポットに近いだろうが…」

と殺伐とした空気が流れる。

壁には"経費削減!!"と書かれたポスターが貼られ、エアコンは止まっており、扇風機が回っている。

そんな中、一番下のはずの一平は足を組み、イヤホンをし、PCをじっと見ている。

違法販売していた裏DVD屋から摘発した作品の中に無理矢理素人が出ていないかの確認である。ある意味本当に根気のいる仕事である。だからこそ二人も一平にお茶を頼まず押し付けあっているのだが…

鬱々とした空気の中で両津がぶちギレる。

「くそー!こんなんならプラモでも持ってくりゃーよかった!こんないつでもいいような仕事をしなきゃ行けないんだ!!課長も矢部も秋葉をいないし!青島は…あんまり羨ましくもないなぁ…くそぅ!」

そう、今両津がやっている仕事は今急ぐ必要はないのだ。年末までにやればいい仕事を本庁の人間が急ぐようにと押し付けてきたからしていたにすぎない。単純すぎて飽きたのだった。

そして両津の叫びはみんなの心の声でもあった。

 

 

 

両津は何より全員と打ち解けるのが早かった刑事だ。

趣味人としての両津はやはり凄かった。杉下や伊達とは昔ながらの上下関係を結び、同期となる矢部とは飲み仲間、後輩となる面子とは、面倒見のいい理解のある先輩として慕われ始めていた。他の課の面子共仲がいい。交通課では、特車のイベント用の装備を婦警二人と組み上げたり、鑑識では自作の電車ジオラマを持ち込み、大絶賛され、何処にいっても「両さん」「両ちゃん」と呼ばれるようになり、名物刑事の一人となっていった。

 

 

対して伊達は、周りから恐れられていた刑事だ。

昔ながらの古くさいやり方の足で稼ぐ刑事であり、ヘビースモーカーで酒豪。なかなか取っつきにくい人間であった。何よりあまり周りの趣味がわからない為不思議そうに見てしまうことがあり、秋葉や、婦警達から評判が良くなかった。(一人「渋くて素敵!」と言っていた者もいたが…)

 

しかし、そんな署内が蒸し暑くギクシャクしていた中日、伊達を訪ねてきたお客がいるらしい…そのお客に会いに行く伊達が部屋を出た瞬間、交通課の二階堂頼子がにやにやしながらこそこそと入ってくる。

「両さん!大変よ!」

「あぁん?なんだ頼子?なんかあったのか?」

「受付の子が言ってたんだけど、今伊達さんに会いに来てる人って小学生の女の子らしいんだけど…伊達さんのこと伊達のおじちゃんって言ってるらしいのよ?」

「あぁん?そんなのふつうじゃねぇか?」

「でも、なんかあやしぃ~のよねぇ…見に行かない?」

とにやにやと笑いながら両津を誘う二階堂。

そんな会話を聞いていた面子が作業のまま、スススッと二階堂に集まりだす。

「なんや伊達のおっさんそんなのが趣味なんか?かぁっー!」

「そ、それでその女の子…ど、どのくらい可愛いのでしょうか…」

「伊達さんに会いに来るなんて…よっぽどなんかあったんですかね神戸さん?」

「なかなか掴みどころもないハードボイルドな刑事に少女が会いに来るとはなかなか絵として面白いですけどね…」

「しかし、彼のお嬢さんはある程度いい年齢のはずです。…興味深いですねぇ…」

「でしょでしょ?なかなか可愛らしい子らしいのよ。これが!課長~見に行きません~?」

と二階堂が悪巧みに誘おうとしているなか、それをすこし遠くから苦笑いながら見ている一平と呆れている両津。

 

そして殆ど仕事が終わっていた陸動課の矢部、秋葉、青島、神戸、一平、そして杉下が二階堂と共に、伊達を追いこっそりと尾行を始めたのであった。

 

 

そんな者達をみて、残った両津は仕事を進めながら一人愚痴る。

「まったく…そんなもんあいつの知り合いに決まっているだろうに…課長まで…うーん…

まったく、以前ならわしがいの一番にサボっているというのに…ここの連中、矢部を除けば仕事が出来る奴等ばっかだからペースが釣られるんだよな…くそぅ…あーもぅ!」

両津は仕事を放り、下駄を履き直し杉下達を追いかけ出す。

「まてぇー!頼子!わしもいくぞー!」

 

 

その前方には伊達と小学生が並んで歩いている。

少女のもう1人のおじさんが待つ公園に…




題名がガメラ対ゴジラみたいになってしまいました…


時系列としては龍が如く2の冒頭、墓参りの前日と仮定しています。
宜しくお願いします。


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case.1-2 亀と龍と

修正が多くすみません。頑張ります。


受付に二階堂が確認すると伊達と少女は既に署内から出ており、少女が近くの公園で別の人間と待ち合わせしていると話していたそうだ。

受付では既に二階堂の噂を聞いて追跡にノリノリになっている交通課の辻本巡査と、頭を押さえている小早川巡査の二人…だけでなく出歯亀をするため集まった各部署の馬鹿どもがにやにやと集まっていた。

 

その様子を見ていた両津は大きな溜め息をする。

「はぁ~…お前ら…全くこの署にまともなのはいないのかー!」

「まぁまぁ両津先輩、落ち着いて。なにか事件かも知れないじゃないっすか?」

「そうですよ。それに何か抱えてるなら俺達に手伝えることがあるかもしれませんしね。」

「青島…一平…お前らまで……うー…なぜここまで当たり前みたいな顔してるんだ、こいつら腹立つ…」

と、呆れる両津と青島、一平が話している間にも、杉下、辻本を中心に公園の監視網が張られようとしている。

「…だからおそらくここ、この茂みからは見付かりませんので、警部殿、神戸さん、両さん。そして2つ離れた所に私と頼子が入ります。

アパートの屋上から監視するグループはカメラを忘れずにね♪」

すぐに辻本が指示をだし、それを嬉々として受ける所員たち。署内に残る連中も、設置されるであろう盗聴器に自分の無線の周波数を合わせ今か今かと待ちながら仕事を続けている。監視班は各々が尾行しているグループに確認を取りながら先回りをし、公園周囲にスタンバイする。そして辻本、二階堂の元に連絡が入る。

「こちら青島。一平ちゃんと位置についた。」

「こちら特車~…言われた通り変装して位置についた。」

「えー…こちら矢部…今から座るであろう一つだけ空いているベンチにマイクを仕掛けたら位置につくからな!」

「こちら神戸、警部、両津さん…位置につきました。」

「…こちら小早川……位置についたわ。

…夏実、頼子、本当にやるの?」

と、総員が位置につく。やべと秋葉は新聞で顔を隠しながら公園の中のベンチに座り、青島、一平はトイレの掃除に来た業者の服装、特車の面々は公園の側の電信柱に点検に来ている電気会社の格好をし、小早川は普通車に乗り、公園に横付けしている。

残る五人も予定通り植え込みの裏に隠れ、息を潜めている。

更に辻本が無線に指示をだす。

「美幸ぃ…もう参加してるんだから文句言わない!

皆ぁ!今回は警部殿もついてるししっかりとみはるわよぉ!」

「「「「「おぉー!」」」」

「…私もこのようことの責任を取ったことはないのですがねぇ…」

と活気付く所員と苦笑する杉下。しかし勢いづいた辻本が笑いながら小声で話す。

「大丈夫ですって警部殿。私達は仲間の心配をしていただけですから!私達のいた署でも似たようなことしましたし!ねぇ~み・ゆ・き~?」

と過去に同僚のデートを署員で監視していたことをばらす。二階堂も思い出し笑いながらどんなことをしたのか盛り上がっている中、車にいる監視されていた小早川は顔を赤くして更に車のシートを深く倒した。

「おや、小早川さんに想い人がいたとは、ディナーに誘おうとしてたのに、残念」

神戸が軽い調子で懐から高級レストランのチケットを見ながら残念がる。

それを見て眼を光らせる二階堂、

「それなら、神戸さん~私を連れてって~!そのチケット!あの新しく出来た美味しいって評判の所の奴ですよね!私行きたかったの~!」

と、少し可愛い子ぶりながら、おねだりするが、神戸は爽やかに笑いながら、

「まぁ、シェフの友人から貰ったものだし、連れていってあげるのはいいけど…今度、墨東署の葵双葉ちゃん…だっけ?紹介してよ?」

後半の台詞は婦警にだけ聞こえるようにこっそりと耳打ちしてきた。以前二階堂達のいる交通課に遊びに来ていた美人との交流を求め、交換条件を出したのだ。また、あまりの美人に少し調べた神戸だったが、女性署員のデータに載っていない為、二階堂たちに渡りをつける機会を狙ってもいたのだ。

それを聞いた二人は固まったかと思えば、二人だけで会話を始める。

「(ねぇ!神戸さん…葵ちゃんを狙ってる!どうしよう!)」

「(落ち着きなさい頼子!神戸さんと言えば一応エリートで私的にはないけどイケメンで、少しキザだけど女の子には優しいって…好条件じゃない!)」

「(…どうする夏実?現実を教える?)」

「…いやぁ…今度、中島くんと美幸のデートの時に、緊張しないようにってダブルデートとして葵ちゃんと二人を引き合わせるってのは!?)」

「(よし!それで!)」

「(バレないようにね頼子!!)」

と何か二人が計画したところで、二階堂は神戸に向かいにこにこと笑いかけながら、

「解りました神戸さん。でも彼女…少し人見知りな所があるから、今度確りとデートのプランたててあげるね!」

と、交渉成立の旨を伝える。

神戸は嬉しそうに、

「それはどーも。このチケット、結構期限短いから気をつけてね?」

と、本気で双葉に当たる為、二階堂とは食事に行かないとの胸も伝え、二人分を渡す。

それを聞き、楽しみが増えたと心のなかでほくそ笑む、元墨東署のメンバーであった。




伊達さん出てこない
すみません。
葵双葉さん…元祖ともいっていい男の娘です


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case.1-3 亀と龍と

すみません。これだけキャラ入れるとなかなか進みません。
しかし、今回はある程度、導入くらいまでは書きます。
イライラしてる方々、すみません。


各班が少しわいわいしているなか、尾行班から連絡が入る。

「こちら中川。伊達さんがもうそろそろそちらに着きそうです。…しかし、青島さん、僕が尾行でいいんですか?」

と、無線機の向こうから不安そうな声が聞こえる。

「大丈夫だって中川ちゃん。なんかあったらこっちのせいにすればいいから。」

と軽い返事を返す青島。

今、伊達を尾行している男は両津の後輩で、受付に両津が派出所に隠していた私物を届けに来ただけで、それを青島が変装させ、つけさせたのだった。

 

そして、暫くして公園に伊達と件の少女が入ってきた。まだ、二人の待ち人は来ていないようだ。二人はマイクの仕掛けられたベンチに座り待ち人を待つ。

周りの署員は前のめりで無線に集中している。

(秋葉の様子が少し怪しくなり、矢部が必死に押さえていることも確認できる。)

 

「…でも、伊達のおじちゃんも仕事場が別のところに変わったならそういってよ!おじさんは近くに来れないから探すのわたしだけなんだから!」

「すまんすまん遥。こっちも忙しくてな?ニューセレナにも暫く行けてないしなぁ。悪かった。」

「もぅ!私もおじさんも心配したんだから!おじさん花屋さんにまで確認しようとしたんだから!…だけど公園にも入れなかったけど…」

「そりゃあ悪かった!(真島の件か…)…それで、どうだった久しぶりの神室町は?」

「楽しかったよ!あのね!おじさんにぬいぐるみとってもらったし、ラーメンも食べたの!あと変なお兄さんたちをおじさんがこう…とりゃー!あたー!って感じで倒してたの!」

「…あいつの絡まれ癖は未だに健在か……後で所轄の連中に連絡しといてやるか…」

と、おじさんの話で盛り上がっている二人の会話を盗聴してる者達は肩透かしに会い、盛り下がっている。

 

「あちゃーこりゃあ警部殿の言うとおりっぽいわねー。」

「なーんだ。こりゃあ解散かねぇ。皆解散!以上!」

と婦警達が飽きて、怪しまれず署に戻り始める一向の中、伊達と同じ課の連中と残っている一部の警官は話の中の「おじさん」に興味を持ち始める。

「右京さん、どう思います?」

と、自分の感じるなにかを杉下に聞く神戸。そして他の者は、杉下のだす答えを聞くため黙り混む。

そして少し考えていた杉下は自身の考えを紡ぎだす。

 

「伊達さんは元々警視庁第四課の刑事です。しかしその前は第一課の刑事でした。花形の一課で彼は活躍していたが、一件の事件により…四課に左遷されたと聞きました。その事件とは…十年前起きた堂島組組長殺害事件…」

 

そこまで一気に話すと、それを無線で聞いていた矢部が、慌てて問いただす。

「十年前言うと、あの東城会傘下の組長が自分の手下に殺されたっちゅうやつですか?しかしあれは、その場にいた組員が捕まったって聞いちょりましたが…」

 

「ええ、しかし伊達さんは違った。警察の判断を否定し捜査する彼は、周りからも疎まれていたことは想像にかたくありません。だからこそ四課にとばされた…しかし、当時の伊達さんには好都合だった何よりこれで堂々と東城会について調べられる。そして、去年あの『100億円事件』が起きた…」

 

「あぁ~!あのやーさんのお金が盗まれたってやつっすね?あのときあちこち本庁のやつが動き回ってて和久さんも菫さんもイラついてたな~」

と、話を聞いていた青島が当時を思い出す。

まだ杉下の推理は終わらない。

 

「当時彼は最初の被害者である世良勝の殺害事件を担当していました。そして…そこから何らかの方法で100億円の行方、そして、犯人を探し当てた…その犯人が100億をマネーロンダリングしていたことも…」

 

「…あの神宮京平の闇金ですね…暫く新聞とかでとりだたされましたよね。うちのグループにも献金の要求が来てたからと取材の要求があったから覚えてますよ。」

不快感を隠さず一平はポツリと呟く。

 

「その件が露見したとき、神宮京平は自身の権力を使い東城会と協力し、目撃者を消そうとした。そのなかには幼い少女もいたが関係無い、なに、関係した者はすべて消せばいい…利用した後で…」

 

「そんな…そんなの酷すぎる…」

「ムカつくわね!そんな男の腐ったみたいな奴!」

「落ち着いて夏実!もう彼は死んでいるわ…しかしあの事件にそんな事が…!」

と嘆く二階堂、憤る辻本、宥めるが自身も少し憤っている小早川

 

杉下の言葉は続く。

「しかし、追い詰められた彼は東城会に何らかの要求をだし、内輪揉めが起きてしまい殺された。そして殺した組員はそんな汚い金と共に爆発…」

 

「あの年末…僕達も駆り出された『ミレニアムタワー爆破事件』ですね。あの時は寒かったなぁ…」

と、神戸は年末の忙しい頃に、爆破現場付近の被害者が入った医院を纏める仕事を押し付けられたことを思い出す。

「あの金が宙を舞ってたって奴か…わしもいけばよかった…」

まだ、少し守銭奴の気をだす両津であった。

 

そして杉下は自身の謎について話す。

「ここまでが、先を越して動いた伊達さんが上層部に嫌われ、特警と言われるここに来た理由です。

 

しかしここで疑問がいくつか…

 

…では、彼はどのように真相にたどり着いたのか?

 

また、彼は最後爆発があることを知らせに当時の部下にヘリを出させています。しかし警察の関係者は誰も動いていません。

つまり、組員や神宮を現場に押さえていなければいけない状態で、誰が彼らの相手をしていたのか?」

 

神戸が閃く。

 

「…そうか。内通者…」

 

「おそらく…」

杉下は神戸の閃きを肯定する。

 

 

この時、公園に残っていた全員は杉下の推理に集中し、公園に近づいてくる男に注意が回らなかった。

 

 

杉下は話を進める。

「つまり伊達さんは、内通者と共に真相に至った。しかしその人は助けを出さず解決しなければならない問題があり、それは神宮たちには不都合があり、向こうから相手にしてくる理由があった…

だからこそ、伊達さんは自身の部下を使ってまで、本庁たちより先に現場に急行した…」

 

 

歩いている男は精悍な体つきをしており、手には菊の花束を持って、パリッとしたグレーのスーツを来ている…

 

 

「先程の爆破現場には、さまざまな重火器や道具を使い争った形跡があったそうです。…では誰と?…」

 

 

伊達と話していた少女が公園に入ってきた男に気付き手を振っている。伊達も椅子から立ち上がり、煙草に火を付け懐かしそうに男を見ている。

 

 

「…伊達さんの執着していた堂島組の殺人事件の犯人が…ちょうど世良勝の事件の前に出所しているんですよ。」

杉下が少し微笑んでいる

 

 

「おじちゃん!」

遥は大きな声で男を呼び、駆けていき、男の膝に飛び付く。

 

 

 

「…その彼は、爆破事件のあと、東城会の会長となるのを拒否し、何処かに逃げました。神宮に狙われた少女と共に…

つまり…彼ですよ?」

と、集中していた皆の意識を伊達に戻させる。

そこでは男と伊達が仲良さそうに挨拶をしていた。

 

 

 

「そう、彼が…東城会元四代目会長…」

「…久しぶりだな…」

 

 

「「桐生 一馬…」」

 

 

男は、その体躯とは真逆の優しい眼をし、

 

「久しぶりだな…伊達さん…」

 

と答え静かに少女の頭を撫でた。

 

 

 

 

 

それを見ていた、聞いていた監視班は、数秒黙ったのち、隠れていることを忘れ大声を挙げてしまい尾行がばれ、伊達が深い深ーい溜め息をつき、天を仰いだ…

ここから今回の事件は始まる…




長くてすみません。
杉下さんの長台詞難しいです。
とりあえず墓参り行きたいです。

気づけばUA1000越え、有難うございます。

評価宜しくお願いします


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case.1-3.5 亀と龍と

ヤスミハウレシイナー

改めて、自宅のじい様の「警察,探偵コレクション」のビデオを見ましたが、西武警察はスゴいですね。
あの人たちこそある意味、ジャスティスリーグですね…

それに比べこの作品は…


公園にて、伊達に説教される二階堂たちと、桐生に挨拶している陸課の面々…

 

~署長室~

一方その頃、いつも満足そうに妻と子供が写った写真を見ながら、買ったばかりのベビーカーの性能を確認しにやにやしていた男は、警視庁から来た電話連絡で飛び上がる。

 

「えぇっ!また本当ですか!…はい!……はい!了解しました!えぇ!」

 

勢いよく電話を切り、一息つくと、深く自慢のチェアに深く体を沈めた。

そして、宙を見ながら一人愚痴る。

 

「はぁ…署長になったけど、これじゃ問題ばっかりだよ…湾岸署にいたときより酷いよ…

先輩も輪をかけて好き勝手やってんだもんなぁ…

一回、室井さんにシめてもらうか…いや、右京さんに効き目なさそうだなぁ…うーん…」

と、既に彼らの後始末で、各所から苦情が来ており、署長として頭を下げさせられている真下はなんとか一度自身の部下を叱りつけようとするが、自分の元先輩たちの性格を思いだしどうするか考えている。

近々、蟻塚警視正が来ることも予定されているため、署内の清掃も指示を出しているが、交通課や特車、そして両津といった特定の課や署員の片付けが進んでおらず、何故か慣れていると言うことで杉下、神戸が中心となり整理整頓が薦められている。そういったことをあり、真下はどうするか考えていると、署長室に交通課特車の後藤隊長が入ってきた。

 

「失礼します。以前の交通課、特車にてありました爆発について報告書、始末書が纏まりましたので、ご確認下さい。」

と、書類を机に乗せる。

真下はすぐに確認を始めるが、数枚読み頭を抱えた。

 

報告書によると、

特車隊と交通課の婦警で、発砲練習でどちらの腕が高いか勝負となった。婦警たちの勝ちとなったが、特車の太田が納得せず、何故かサバイバルゲームで決着を付けることに。(これは真下が訓練として許可した為、覚えている。)

各所に設置されたドラム缶を先に確保し、最後に確保したものが多い方の勝ちというルールの中、用意された一つのドラム缶が別の人間にて改造されていたことが、今回の爆発の原因だったようだ。

 

…少なくとも表に出せる問題ではなかった。

しかし、今回の問題で幸いなのは、被害者や破損物が出ていないため、真下は内々に済ませることにした。

既に現場は証拠隠滅しているため、問題になることはないだろう。

 

後日、警視正にばれ、署員全員正座にて説教されることとなるのだったが…

 

書類を持ってきた後藤が、真下の様子を見て部屋を出ようとすると、

「あ!まって後藤さん!」

と、署長から呼び止められる。

「どうしました署長?」

「うん。今警視庁から連絡が来たんだけど、近く関東で暴力団の大がかりな抗争が有るかも知れないから、有事の際ここのレイバーも動かせるようにしとけってさ。交通課全体にも多分応援要請出ると思うって伝えてくれる?」

「はっ、了解しました。」

 

と今後の活動予定を確認し、部屋を後にする。

部屋に残った真下は、またベビーカーを見て、裏に糸が出ていることに気付き、お店に返品するためあわてて電話を掛けるのであった…




真下は一話で書きました通り、子供が産まれたばかりです。馬鹿になってます。署長室に赤ちゃんの写真を飾ろうとして揉めました。

そんな感じです。

後で短編上げる予定でしたが仕事のため明日になります。宜しくお願いします。申し訳ありません。
では行ってきます。


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case.1-4 亀と龍と

すみません、本編進めます
短編は起きていたら3時ごろとなる予定です。


~公園~

 

「全く警部殿まで…勘弁してくれよ…たくっ…」

「すみませんねぇ…どうも面白そうで…」

「そうよ!私達に内緒でこんな美少女と!」

「二階堂!そもそもお前が!…」

「ごーめーんーなーさーいー!」

頭を抱えた伊達と笑いながら謝罪している杉下、伊達に襟首を捕まれ謝罪している二階堂…

そして少し離れたところにそれを見ながら苦笑いしている桐生と遥と話をしている警の署員たち。

 

「すみません。皆さんにはご迷惑お掛けしました。」

「ごめんなさい。でもおじちゃん悪いことしてないから!」

と頭を下げている桐生とそれをかばう遥。署員たちは既に喧嘩したような話を聞いた気がするが、伊達が既に連絡したようなのでそれについては特に聞かない。

そこで神戸が敵愾心を見せないように笑顔で話を聞こうとする。

 

「しかし、こんなところで天下の東城会の元会長に会うとは…それも、こんなかわいい女の子を連れてるなんて…」

「…昔のことだ。俺ぁ…堅気になったんだ。この子は…俺の娘だ…」

と、少し眼を鋭くし、遥の頭を優しく撫でる。

「なるほど…その名を轟かせた《堂島の龍》も娘には勝てない…ってことですか…」

「すこし失礼ですよ神戸君?…桐生さんは現在孤児院を経営されている立派な方です。

すみません。私の部下が失礼を働き…遥ちゃんもすみませんね?」

と、桐生に負けず訝しげに神戸が桐生を見ていると、杉下が申し訳なさそうに桐生に寄ってきて謝ったのだった。

それを見て、神戸も

「失礼しました。」

と頭を下げ、ばつが悪そうにそっぽを向く。

それを見た署員たちは、それに付け神戸をからかいだす。

 

「そや!お嬢さんもおっさんも気にすんなや。

ん、この神戸って男は少し失礼でしてな?何かあるたびちくちくちくちくと…女の腐ったような奴なんですわ。なあ、青島?」

「言い過ぎっすよ矢部さん。でもあれで結構運転荒いのが怖いんすけどね…」

「えー!あれくらい普通だと思うんだけど?青島くんも一平ちゃんくらい鍛えなきゃ!」

「ちょっと夏実!趣旨変わってるわよ!御免なさいね遥ちゃん。桐生さんも失礼しました。」

「全くこいつらは…済まなかったな。儂らはお前を逮捕する気は今んとこ全くないんだ…こいつらが伊達しんとそこのお嬢ちゃんの関係を邪推してな…」

「あーっ!両さんずるーい!自分だけ助かろうとしてるー!」

「うるさい頼子!」

と、わいわいやってる陸動課を、遠くから見ている特車はと言うと…

 

 

ービルの屋上ー

「隊長。あの人東城会って言いましたよね。」

「どうした篠原?何かあったの?」

「いえ、あの天下の東城会の辞めたとしても元会長さんが子供連れて二人であちこち出て歩いても問題ないんでしょうか?下手したらうちの親父より格が上のお人ですよ?」

「あぁ、そうね。あの人自分の組全部相手取って勝てるくらい強いらしいから。」

篠原の問いに双眼鏡から目も離さず後藤は答える。

それに驚く一同。

一人のみ込めていない泉は篠原に耳打ちをする。

「ねーねーアスマ!東城会って何?」

「なに!お前…警察官なら知ってるだろ、特別指定暴力団体 東城会!」

「んー…知らないよ!分かりやすく教えてよ!」

と少し大きな声になってきたころ、近くにいた熊耳が泉の疑問に答える。

「あのね泉巡査?東城会っていうのは関東全域をシマにしているヤクザよ。以前官僚がヤクザ屋と結託して政治資金の裏金を作ってたのは知ってる?」

「あ、はい。あのビルの屋上で爆発したときのやつですよね?」

「あー…あの時、現場近くに素手で破壊されたレイバーがあるとか言われて出動しましたねー。奴さん壊れてない仲間まで出て来て、太田さんも暴れてひどい目に遭いましたよね。」

「やかましいぞ進士!明らかに違法な武装をしたレイバーだったんだ!銃を撃って何が悪かったんだ!」

「でも、あの時、太田さんが発砲する前に爆発が起こって犯人達もレイバーも怯んで、無傷で捕らえられてよかったですね。」

と、特車の男達が脱線し始めた所を熊耳、クランシーが咳払いで 空気を引き締める。

「その官僚と繋がってたヤクザ屋って言うのが、東城会よ。」

「なるほど…私にはあんまり関係のない人たちみたいだ。」と明るく答える泉にクランシーが、

「あら?そんなことないわよ?」

と、少し含みを持った言い方をする。後藤も頷き、意見に賛同している。

「え?なんで!私達別にそんな付き合いが…」

「きっさまー!篠原!お前まさか親の会社が!」

「ばっ!太田!言っていいことと言っちゃいけないことがあるぞ!確かに親父は金ばかり考えてる阿呆だが!ヤクザと繋がってなんかない!香貫花も!誰だよ繋がりがあるのって!」

と、勘違いした太田に詰め寄られている篠原が憤慨しクランシーに問い詰めると、あっさりと

「野明よ」

と答える。

その場が静かになると、泉は周りを見渡し、自分を指す。

「私?」

その言葉をきっかけに、同僚達に

情けない だの

何したんだ だの

いくらほど借りてるの だの

質問責めにされてる頃、

後藤と、クランシーはそれを面白そうに聞きながら、桐生を見ていた。

 

「どうするのあれ?いつ教えるの?」

「もう少ししたら野明が怒るでしょうし、そこで教えますよ。…私達も本人に会いに行きますか?」

「あのね、おじさんあんな龍みたいな人と会ったら漏らしちゃうって。今日食事に行くし、面倒には参加しないの!」

と、後藤は一人そそくさと現場を立ち去り、しばらくすると、

案の定泉が切れ、なぜ関係するのかクランシーに問い詰める。

「昔、あなたが操作を教えていたジャパニーズマフィアの親玉が東城会なのよ。」

と、言われ、また現場が凍る。

そう、過去にレイバー隊のイメージアップの為、レイバー操作の安全講習を行っていた特車二課はその講習に来ていたヤクザの親分にレイバー操作を教えたことがあるのだ。律儀な親分はお礼を送ってきたり、事件現場で活躍し、賞状ももらったことに快感を覚えて、特車二課の現場に現れ活躍しようとしていたことがあった。

最終的には、別の組との抗争が起きてしまい、持っていたレイバーコレクションは特車に取り上げられたのだが…経緯が経緯な為、上層部が調査した結果、特車二課に沢山の矢のような抗議文が来たのだった。

後藤は皆に知られないところで謝罪や、責任をとりに奔放したのは内緒だったのだ。

 

それらの話をしていたクランシーと、当時まだ、特車にいなかった熊耳から有難いお説教を聞き、

この場の特車の仕事は終わり、先ほど後藤から伝えられた緊急配備のために署へと戻るのであった。




昔、イメージアップのために特車二課が行ったレイバー安全講習に来ていたヤクザ屋が東城会参加という話です

遅くなりすみません。
短編を近いうちにあげます


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case.1-5 亀と龍と

遅くなりすみませんでした。


特車の面々が署へと帰るなか、公園内では、遥と婦警達の華やかな集まりと、陸動課と桐生という暑苦しい集まりとなり、盛り上がっていた。

 

ー公園ー

 

婦警たちは遥と少し離れたところでアイスを食べている。

陸動課は秋葉と青島が人数分ジュースを買ってきて、伊達と桐生に話を聞いている。

 

「しかし、今回はどういったご用件で東京へ?失礼ですが、一線を降りられたあなたが此方に来るとなると余程のことなのかと邪推してしまいまして…」

「課長…どうなんだ一平?お前の方には何か入ってないのか?」

「俺の会社の方にもあまり何か動きがあるとは入ってないですね。」

「右京さん、何でしたら丸暴の方に確認しますか?」

と、右京が発した謎に両津達は動こうとするが、伊達がそれを制する。

「待ってくれ。こいつぁもうカタギの人間だ。そこまでしなくてもいいじゃねぇか。

しかし桐生よ。まだ俺も今回お前さんがこっちに来てるとは聞いてなかったぜ。本当にどうしたんだ?」

と訝しげに桐生に問う。

それに桐生は少し空を見て答える。

 

「…明日は、風間の親っさんの墓参りでな…

俺の親父に、遥と暮らしてる俺を見てほしくてな…

そしたら遥が、伊達さん…あんたに会いたいって言い出してな…しかし、俺も流石に署内に入れるとは思わないから遥一人でいかせてたんだ。すまん。」

 

と、少し悲しげに答えた。

伊達は桐生が、愛する女性だけでなく、無二の友人も失い、残ったのは遥だけであることを思いだし、深く煙草の煙を吸い込んだ。そして桐生に気にするなと伝えた。

その後しばらく、刑事達の桐生への質問会へと変貌し、遥が疲れたというまで続いた。

そして、遥は桐生にかかえられ、刑事達に見送られ予約しているホテルへと向かっていった。

 

そして、刑事達が署へと向かっているとき、伊達が右京に話し掛ける。

「課長…」

「なんでしょう?」

「あいつは…桐生は悪いやつじゃないんだ。」

「そうでしょうね。先程話をして判りました。ある程度力量のある人の一種の驕りのような物腰でしたが、その実しっかりとものを見ていらっしゃる…そういうかたのようですねぇ…」

「そうなんだ…課長…今日話したことは…」

「分かってますよ。ただでさえ警察は東城会と官僚が関係していた事件で対応が遅れたと問題視され、上層部はカンカンになっていました。その事を知った現場の刑事達は関係者全員に強引な調書を取ったことも問題になりましたからねぇ…関係者内に重傷者がいたことも…

察するに彼がその重傷者なのでしょう?」

「…よくわかるな…」

「そして彼は証拠不十分であること、怪我のこともあり

釈放と共に消えた。

その彼が突然また神室町へと現れたとしたら…一課と暴対の刑事達が騒ぎ立て、彼の日常が崩れてしまう…そういうことでしょう?あなたはそれが崩されるのが嫌なのですね?」

「そうだ…だから今日のことはせめて明日、あいつが墓参りを終わらせるまで、本庁に情報あげないでくれないか?

頼む!」

と、伊達が頭を下げる。

 

それを見ていた刑事達は、笑いながら口々に答える。

 

「大丈夫ですよ。私達は伊達さん、あなたの友人と、その娘さんにあっただけですから…」

「課長…」

 

「そうですよ。流石にこんなところにあんな大物がとは思いましたが…本庁に嫌われている僕達が率先して聞かれてもいないこと伝えることが遅れたところで何かありますかね?」

「神戸…」

 

「大丈夫ですよ伊達さん。あんな素直な子育てられる親が悪いわけないじゃないですか!」

「そうよ!今度来たときは遥ちゃんを遊びに連れていってあげるんだから!」

「ちょっと!危ないのはだめよ夏実!この前みたいな太田さんとのサバゲーみたいなのは駄目よ?」

「あーあの後、太田さん本物のライオット・ショットガン持ってきて大騒ぎになっちゃったもんね…」

「青島…辻本…小早川…二階堂…」

 

「…ん?儂らはー…あー…あんまり仲いいやつおらんからのー別にどうでもええわ…なっ秋葉?」

「…あの子は、多分原石…同士に連絡せねば…ブツブツ…」

「あー…大丈夫と言うとる。」

「矢部…秋葉…」

 

「俺もいいですよ。あの人は筋が通らないような生き方をする人じゃないですよ。」

「…儂も親戚に年の近い姪がいるが、そいつの親が姪を見る目とあいつが遥ちゃんを見る目は同じだったよ」

「一平…両津…」

 

肩書きや外見だけでなく、中身をしっかりと判断する仲間を見て伊達は嬉しくなり、涙が出そうになるのをごまかしながらまた深く頭を下げる。

 

 

「皆、有難う…」

 

と、照れ臭いのを隠すため、夕食の驕りを勝手に約束し署に走る婦警達…そして、それをまたかという顔をして笑っている刑事達…まだまだ暑い日中だが、その夜の酒は美味しいだろうと言うことだけは言い切れそうだ。

伊達は嬉しそうに、奢る人数の多さに少し悲しそうにしながら金を下ろしに銀行に向かってから署に戻るのだった。

 

 

 

 

 

しかし物語は始まったばかりであることを忘れてはいけない。

龍はまだ胎動を始めたばかりなのだから…




遅くてすみません


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case 2-1 池袋に集まるは有象無象

お久しぶりです。
車に引かれ、リハビリも終わり一段落しました。
久しぶりなのでがんばります。

今回から別の話になります。正直前回までと中心人物は変わりますが、宜しくお願いします。


ーピピー、ピピー……ー

 

「はーい!お兄さーん、ちょっとこっち来てもらえるかなー?」「君、高校生だよね?こんな時間に何してるのー?」「酔っぱらいが喧嘩ー?よぅし!どこだ!」

「…なーんで俺たちがこんなこと…」「いいからアスマ!手伝ってよー!」「そうよー愚痴いっててもしょうがないわよ!」

残暑残る東京、池袋で取り締まりをしている集団がいる。

特務署の交通課の辻本、小早川と新しく墨東署から配属された中嶋、特車から篠原、泉、熊耳である。

なぜ彼らが池袋で取り締まりなぞしているのか、それはあの東京のヤクザと大阪のヤクザとの抗争による銃撃事件である。

しかも、建設中のビル内で銃撃音だけでなく、爆発音まで鳴っていた為、大事になり本庁、近辺所轄が出払っていたのだ。その為、交通整理を特務に投げたのであった。

特務の中でも刑事課では伊達刑事が中心となって、とある男の取り調べ加わっていた。

その為交通課だけでなく、特車も駆り出されたのであったが、篠原は納得していなかった。

「全く…なーぜ俺がこんな……ブツブツ」

「アスマー?まだグチグチいってるのー?」

「乃明!なぜ俺…いや!俺たちがこんな事せないかんのだ!?レイバーが出たわけでもない!何かレイバーでないとダメな事件があるわけでもない!しかも肝心なレイバーは持ってくるな!なんて特車がやる仕事か!?」

泉に声を荒げながら不満を言う篠原だが、泉はあまり気にしていないようだ。

「うーん……確かにアルフォンスを連れてこれないのは不満だけど、これも大事な仕事でしょ?愚痴ってないで働く働く!」

「そうよ篠原くん。頑張りましょう。」

泉だけでなく、上司である熊耳にも声をかけられ、渋々仕事に戻る篠原であった。

 

それから数時間彼らは交通違反、喧嘩、事故など様々な処理に追われた。そして一段落したのは深夜であった。

そしてご飯を食べながら談笑…もとい情報交換をしていた。

 

「あー!もう疲れたー!」辻本が愚痴っている。

「夏実!でも確かに多いわね…喧嘩がこんなに多いとは思わなかったわ…」

「俺も白バイ仲間から聞いてはいたけどこんなに多いとは思ってなかったぜ…」

「しかし、黄色い布巻いてるの多いわね…泉さんも見たでしょ?」

「あー!私も見た見た!あ、でも池袋で有名なのって[青]じゃなかった?」

「昔はなー…なんでも昔[赤]と抗争だか喧嘩だかしてたんだが、[赤]の裏切り者がヤクザと繋がってたらしくてな?そいつ突き止めて統一してから[赤]のリーダーがいなくなって自然に色なんてなくなったらしいぞ?」

「へぇー…詳しいねアスマ…」

「いや、この前両さんが吉岡とかいう池袋の刑事と話しててな?そん時気になって聞いてみたんだ…しかし、その後、別の[青]が出て来て、お前やら熊耳さんが見た[黄色]に潰されたんだと。吉岡とかっていう刑事さんが言ってたのは昔のカラーギャングより若いからタチが悪いだと。」

「「「「へぇー」」」」

篠原の話に感心する一同であった。それにより気分をよくした篠原であった。

「あ、そういえば聞いた?バイクの話。」

突然辻本が話を変える。

「んー?なんの話辻本さん?」

熊耳は知らないらしいが、他の面子は何やら心当たりがあるようだ。

「あー?黒いバイクの話?なら聞いたよ?スッゴいスピードで走るんでしょ?」泉は今日聞いた噂話を思い出す。

「あー、俺の白バイ仲間が追ってる奴か…何でも無灯火で停止指示も無視するらしいな」中嶋は特務署に近々配属になると噂の仲間の言っていたことを思い出す。

「私も聞いたわ!どんなカスタムしてるのかしら!気になるわー白バイとのチェイス中でも急旋回したらしいし!」小早川は噂の思いだし、バイクの性能に胸を踊らせる。

 

「な、何だかすごいのがいるのね…」と驚愕する熊耳であった。

そんな熊耳に辻本と篠原がにやにやと笑いながら話しかける。

「いやいやー?本当に凄いのは別なんですよー…熊耳さぁん?」

「そうそう…フッフッフッ」

と、何やら嫌な雰囲気になったが休憩所の電気を消し、顔の下からライトをつけ話し出す辻本。

 

「その黒いバイク…黒バイクって呼ばれてるらしいんですがね?運転してるのは体つきから女でフルフェイスのヘルメットを被ってるらしいですがね…そのヘルメットを外したことがないらしいんですよ…」

ゴクリと息を飲む音だけが聴こえる…篠原が続ける

「そんなある日チンピラが歩いてると目の前にその女が乗ってるバイクが停まってたらしいんですよ…んでふざけて乗ってみたら…聞こえたんですよ…馬の鳴き声が…」

名誉のために言わないが、ある二人はこの時点で耳を押さえたり震え出している。もう二人は興味を持ったようだ。今度は辻本が話を続ける。

「怖いなー怖いなー…どこから聞こえたんだろう…と思っていたらヘルメットの女が戻ってきましてね?慌てたのはチンピラ達です…勝手に乗っていたしね?そんで、慌てた仲間が持ってた鉄パイプでヘルメットをおもいっきり…殴り付けた!」

腕を振り下ろしながら説明する辻本…

「そうすると…ヘルメットが、いとも容易く落ちたんですよ…そう無かったんです…その女には……首が!」

「「「キャーーーー!」」」「ギャーーーー!」

と、篠原と辻本がタイミングを合わせ、ライトを消すと共に悲鳴が聞こえた。

四人とも怖かったようだ。

その反応を見て篠原、辻本はハイタッチをし、他の四人は怖がって動けないようだった。

 

「なぁに怖がってんだ乃明!こんなの都市伝説だぞ嘘に決まってるだろw」

と、からかう篠原であったが泉が静かに睨み付けてくるのを見て熊耳さんが怖いもの苦手だということを思いだしフォローを始めていた。

 

「はっはっはー!大丈夫よ美幸!何かあっても相手がバイクなら中嶋君が助けてくれるわよ!ねー?中嶋君?」

「お、おお?おおう!」

こちらは怖がりの小早川を大丈夫だと抱きしめようとしている中嶋に後押ししようとしていた。

 

少しして熊耳も小早川も落ち着き、篠原は泉に怒られ、中嶋は辻本に意気地無しと言われているなか、休憩所から出てきた面々が配置を確認しようとしていたとき、近くの大通りからサイレンの音が聞こえてきた。

ファンファンファンファン…

 

そして目の前を横切る黒いバイク…

「あ、あれって…」

「 ……うーん 」バタンっ!と熊耳と小早川が倒れ慌てているとサイレンを鳴らした白バイが横切ろうとした。

 

「葛原!?」中嶋が驚いて声を張る。

「 ! 中嶋ぁ!手ぇ貸せぇ!」

 

と、大声でスピードも落とさず黒バイクを追う白バイが支援を求めた。

それを聞いた中嶋は支えていた小早川を辻本に預け、自身の白バイに乗った。

「ちょっ!中嶋君!」

「悪い辻本!アイツが俺の白バイ仲間なんだ!」

「えっ!ならあれが!?」

「そうだ!噂の黒バイクだよ!」

 

そう言うと中嶋はサイレンを鳴らし、別の白バイに追い付くためスピードをあげるのだった。

 




お久しぶりです。
自身の怪我と諸々が重なり更新が停まってしまっていました。申し訳ございません。
また、少しずつ戻していこうと思います。

まぁ、舞台が池袋となったため、主体となる2作品は…勘のいい方々は分かると思います。
片方はもう片方に触れていましたが、普通に両立出来る気がしたんですよね…
あとはパトレイバーも逮捕しちゃうぞもホラー回ありましたし…普通に…

では、今回のマイナー警察関係者ですね
吉岡…IWGPで出てくる少年課の刑事。意外なところではこち亀小説版の両さんが同期だと言っている。

こんな感じですかね…ホントにすみません


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case 2-2 池袋に集まるは有象無象

色々分かりにくくてすみません。
頑張っていきますので宜しくお願いします。


ー道路上ー

 

ーファンファンファンファン…

 

黒バイクは慌てている。いつも通り仕事を終え油断していたところ、いつも通り「人間の化け物」の白バイに追われた始めたところまでならまだいつも通りだ。いつも通りなら黒い服装の白バイ仲間が増え、自分はさらにスピードをあげ、なんとか愛する者の元へ逃げ帰るだけだから…

 

しかし!

しかし!

いつも通りでない要素が混ざったのだ!

なんだ!あの青い服の白バイは!

「人間の化け物」の白バイと同等…いやそれ以上じゃないのか?!他と連携してるのもとても迷惑だ!

何故さっきまで後ろにいた奴が真横の路地から出てくる!?

何故このバイクの急旋回に着いてくるんだ!

逃げられない…新羅…

怖い…怖いよー!!

 

 

行き止まりに追い詰められ逃げ場をなくした黒バイクと、不適な笑みを向けながら逃げ場を塞ぐグラサン白バイの二人…端から見れば、どちらが加害者か間違われるだろう。

そのうち、黒い服装の白バイの男がバイクから降り、いつも通り無灯火、停止指示無視について注意しようとしたところ…

 

ワタワタしていた黒バイクは突然バイクのエンジンを吹かした。

「な、なんだ!」

「チィッ!またか!」

慌てふためく青い白バイ隊員とすぐにバイクに乗ろうとする黒い白バイ隊員の前で、黒バイクはそのバイクから影の触手のようなものを出したと思ったら、壁に張り付きそのまま逃げたのだ!

「おいおい…マジかよ…」

呆然とする中嶋に、葛原は直ぐにバイクに乗るように声をかける。

どうやらまだまだ今日のチェイスは続くようだ…

 

 

 

ー近くの八百屋ー

 

平凡そうな少年「うわぁ…セルティさん、又追われてる…

…スピード無視してるからなぁ…」

巨乳眼鏡っ子「木田くんがいたら見に行ってますよね、あれ…」

平凡そうな少年「ホントにそうだね…」

 

付き合ってはいないが、微妙な距離感である二人は、知り合いの家に遊びに行く際の手土産を購入していた。

おしゃれなバケットに果物を詰め合わせたものを店の店主であるであろう正に おふくろ と言われそうなおばちゃんが用意して持ってきた。

 

おばちゃん「お待たせしましたー…竜ちゃん、杏里ちゃん。ごめんねー?今日は私が詰め合わせたから苦手なのあったら変えるから確認してねー?」

少年「いえいえ…いつもありがとうございます。」

少女「いつも美味しいですよ。」

と、篭を受け取り代金を渡す。

 

仕事を終えたおばちゃんは、もどかしい二人を見て愚痴を溢す。

「いいわねぇ二人は…なんかこう…お似合い!って感じで…

うちの息子はいつになったら孫を見せてくれるのかしら…」

それを聞き慌てるのは少年である。

まだ、明確に自分の気持ちを伝えていないのに、いつもからかってきていた親友が言っていたようなことを唐突に言われた為、慌てふためいている。

まぁ、少女はそんな気持ちに薄々気づいてはいるのだが…

 

「…というか、マコトさんは何処に行ったんですか?」

と、いつもめんどくさそうにしているが面倒見のいいおばちゃんの息子を探す少年。

 

「あの子は今日はなんか同級生とご飯だってさ。タカシ君って子となんだけどさ…まぁ昔はヤンチャな子達の顔役やってたんだけどね?今は物腰優しいいい子だよー?」

と、息子の同級生の話で盛り上がり始めたおばちゃんを前にして、

少年、 竜ヶ峰帝人 は、又何か物語の歯車が動き始めたことを感じ、不安と期待が入り交じった感覚が少しずつ…少しずつ広まり始めていた…

 

 

 

ー廃ビル屋上ー

 

?「んじゃ!あとは頼むよ情報屋くん!私達は追われてる身だからね!」

?「課長…それ以上は…」

?「いやいや構いませんよ?僕もプロですからね、必要以上根掘り葉掘り聞いたりしませんって」

?「ほら!大丈夫だよ!この子は僕と同類だよ!」

?「いやいやぁ、あの世界で有名なリチャードさんに言われると光栄ですね。」

ピンッ と針積めた空気が流れる。

?「貴様…」

?「いいからいいから…んじゃ頼むよー?折原くん…ハァーハッハッハッ!」

 

ド派手なアロハシャツのつけ髭の男と神経質そうな男が去ったあと、残った男はフェンスの上を歩きながら独り言を呟く。

「さてさて……面白いことになってきたじゃないか…?

化け物より同類に会えたのは嬉しいなぁ…

まぁこれで池袋は紛争地帯となるねぇ…ククッ…

罪歌の件もあるし…こりゃあ静ちゃんも殺せそうだ…!」

 

嬉しそうに…それはもう心から嬉しそうに月明かりの下、フェンスの上で高笑いをしていたのだった。




うーん、書きたいところが書けない…

修正は後日入ります。
すみません。

リチャード…わかりますよね…
…わかります?


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case 2-3 池袋に集まるは有象無象

相棒新シリーズ一話目…見過ごしました。
更新遅くなりました。すみません。



翌日

 

ー特務署 交通課ー

 

前日の報告書を見ながら眠そうな目をしている男と、机ごしにたっている交通課の面々…

報告書を読み終わった隊長がめんどくさそうに問いだす。

 

後藤 「……なるほど?何やらよく分からん 黒バイク なる都市伝説を見て熊耳は倒れた…と…」

篠原 「はっ!その通りであります隊長!」

熊耳 「面目ありません…」

後藤 「…そんで?中嶋くんが追いかけて?マンションの壁を走って逃げたのね?」

中嶋 「はぁ…現地の白バイの応援要望がありましたので…」

後藤 「…そんで残りの泉達は皆元の仕事をしっかりこなしたのね?」

辻本・泉 「「はいっ!」」

 

後藤が報告書に目を戻し黙り混んだため、空気が張りつめ、隊員達は緊張していた。そして突然、

 

後藤「うん、おっけ~。お疲れさん。」

 

と、にこやかに後藤が書類にサインしたのを見て、隊員達は緊張を解いた。

辻本「ふぃ~怒られるのかと思った~。」

後藤 「心外だなぁ~皆しっかり仕事してたんでしょ?問題ないって。大丈夫、大丈夫。」

篠原「でも隊長、いつも署に戻ってからなのに急ぎで書類作成をさせたんですか?」

 

本来ならば勤務が終了し署に戻ってからやればいいはずであるのに、勤務から戻る途中後藤から連絡が入り、数人は車の中で書類を制作し提出することを求められた。

 

後藤「あぁ…いや、署の方に本庁からクレームが来てね?やれバイクを逃がしただの、責任をーとか言うからさ。現場の皆の意見が聞きたかっただーけ。

中嶋くんのお友達の葛原くん達からの報告書も向こうに行ってる筈だから。こっちに責任とか押し付けようとするならちゃーんと明らかにしないとね?

まっ、これで体裁も整えとけばこれ以上噛みついても来ないでしょ。はいお疲れさん。通常業務に戻ってくれ。」

と、怪しい…というか、妖しい笑いをした後藤を見た元レイバー隊は安心し、墨東署からの面子は少し引いていた。

さらに書類仕事のある熊耳を除き、執務室から出て車両整備に向かう面々は少し落ち着いたのか、池袋の話で盛り上がっている。

 

泉「でもさー池袋ってあんなに怖い場所だったんだね。あのバイク、壁なんかピゅーって走っちゃってさ、驚いたなぁ!」

中嶋「泉…あれは池袋だからとかじゃないぞ…あのバイクがおかしいんだ。」

小早川「でも、あのバイク壁走りするなんめどんなエンジン積んでるのかしら…気になるわ…」

辻本「それよ!あの技術を取り込めば私たちを止める手段なんてなくなるわ!」

と、小早川のすこしマッドな話に乗った辻本は二人で怪しい会話を子声で始めた。

それを見て呆れる篠原は、深いため息をつく。

篠原「はぁー…いいかお二人さん。あんな技術、篠原重工でも聞いたことないんだ。だとすると発表前の技術か、国家プロジェクトレベルの機密だぞ?おいそれと嫌われものの俺たちのとこに許可が降りるとは思えないね。」

泉「そっかぁ…前みたいに軍が関わってると面倒だしね。あーぁ、アルフォンスも壁走りとか出来るかもとか思ったのに!」

篠原「馬鹿者!レイバーほどの質量を持った物体が地面と平行に動けるかよ。ったく乃明はこれだから…」

泉「なんだよ!いいじゃん!夢見るくらい!」

篠原「出来ることと出来ないことくらい区別をつけぃ!」

辻本、小早川たちに言っていたはずなのに、結局泉と喧嘩を始める篠原であった。

と、ここまでの話にのって来ない男を思いだし、篠原は中嶋に問う。

篠原「そういえば、中嶋さんはどう思うんだ?」

小早川「そうね、追ってたのは中嶋くんだもの。」

と、軽い気持ちで聞いた所、下を向いていた中嶋は足を止め、小声で何か言っている。

中嶋「……だよ…」

辻本「へ?何て言った?中嶋くん声小さいよ!」

中嶋「…聞こえたんだよ」

小早川「…なにを?」

中嶋「…馬の嘶きが…あのバイクから!」

篠原「…ぷっ…ふははは!なんだよそれ!」

中嶋「いや!ホントなんだよ!奴を追ってるとき、時々馬の嘶きが聞こえて、壁に飛び付いたときなんて、大きく鳴いたんだ!」

篠原「はははっ!ならあのバイクは馬だってか?!それはさすがに…w」

中嶋「いや、ホントなんだ!信じてくれ!小早川!!」

辻本「あー…ごめん中嶋くん。美幸アウト。」

必死に説明する中嶋だったが、現場では耐えれた小早川も、話として聞いた途端、恐怖が打ち勝ち辻本に向かって倒れていた。

それを後目に篠原は余裕があり、笑っていた。

篠原「はんっ!中嶋さんには悪いけど、こんなに機械が発達した現代社会で、お化けだ都市伝説だなぞ信じられないっての!大方、どっかの企業のプロモを兼ねたテスターだろうな。」

と、自身達にも科学で説明できない現象が過去に起きたことも忘れ、中嶋をからかうように笑っていた。

 

 

一方その頃、執務室では

後藤「しっかし何なんだろうね…あいつらの言ってるバイクって…しのぶさん。なんか心当たりある?」

別件で来ていた元同僚の南雲しのぶ隊長に話しかける。

南雲「さぁ?でも私も壁を走るような技術は話すら聞いたことはないわね。でも、後ろめたいって噂の上層部は慌ててるらしいわね。…ステイツではどうなの?何か動きとかないの?」

更に報告書当日、別の場所を受け持っていた香貫花・クランシーに話をふる。

香貫花「sorry…私も分からないですね。ステイツでも聞いたこともないわ。でも、武緒!?ただの最新式バイクで怖がってちゃ指揮も取れないわよ?」

と、ライバルである香貫花に言われ、少しへこんでいる熊耳であった。

熊耳「そうね。あなたの言うとおりよ。ごめんなさい…

でも、これ見てもらえる?」

と、今まで調べていたというか、過去ログを漁っていたサイトを見るよう勧める。

それを観る為、集まる隊長たち。

後藤「おいおい…一応仕事だからね?変なサイトとか見ないでよ?」

熊耳「大丈夫です。ログを見ているだけですし、怪しいウィルス等は感知されませんでした。よっぽど隊長のパソコンのお気に入りの方が不健全ですが!?」

後藤「えっ!あっ!ちょっ!ち、違うよ?何だろうなーって見ただけだし…!

あれ?しのぶさーん?香貫花ー?隊長無視しないでー?」

腐った生ゴミでも見るような目を向ける女性陣と小さくなっている後藤

香貫花「ま、それはおいといて、武緒?これがなに?」

後藤「置いとかれちゃうのかー…」

熊耳「ここ見て、あのバイク数年前から結構話題になってて…これね。」

 

ーチャット画面ー

甘楽:そういえば見ましたよ例の黒いバイク…

田中太郎:黒いバイク?

セットン:あー…

 

チャットは盛り上がり、やれ人間じゃないだのやれ死神だの…荒唐無稽な話が続く。

怖がりながらも進めていく熊耳

そして、

熊耳「…これです。」

と、会話の中から「甘楽」と言うハンドルネームが言っているログを見せる。

後藤「こりゃ…なんとも…」

南雲「荒唐無稽ね…」

香貫花「ナンセンス…」

 

怖がりながらも見せたログにはこう書いてあったのだ。

 

 

甘楽:首がね…ないの

甘楽:首がきれいに無くなってるのに

甘楽:動いてるんだって…

 

 

ただのチャットのログではあるが、すっかり信じかけている女性陣を後目に、黒バイクについて情報をつかんでいるような「甘楽」に引っ掛かりを覚える後藤であった。

今後起こりうる事件が頭を使ういやーな事件になりそうな予感がした後藤はこそこそと喫煙所へと逃げるのであった…

 

 

後藤「はぁあ…なーんでこう色々重なるかねぇ…」

後藤は喫煙所で一人仲のいい刑事から送られてきた写真を見ていた。

後藤「まぁ…狙ってるんだろうけどね…面倒だなぁ…しのぶさんもいないし…頑張るしかないよねぇ…」

 

と、煙草を吹かしボーッとしている。

その手元の写真には、黒いレイバーの写真が写っていた。




遅くなりました。
もう一話は別面子のほうです。


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case 2-3.5 池袋に集まるは有象無象

遅くなりました。
なかなか纏まらず、すみません。
少しずつですが話は進めます。纏めて投稿も出来そうです
もう少しお待ち下さい。

デュラララはアニメで言うと2期です。
分かりにくくてすみません。
所で、原作についてどこまで説明すればいいんですかね…ちょっとわかんないです。


 

ー明日機組・目出井組系 粟楠会事務所ー

「では、ヘヴンスレイヴの粉についちゃお互いに協力するってことでいいかい?」

「…あぁ…」

ヤクザの事務所内で最近出回ってるヤクについて、協定を結んでいる。

数人後ろに付いている片目大きな刀傷の走っている赤髪の男と、たった一人背の低い黒い手袋をした黒いスーツの男が対面している。話は纏まり、何やら砕けた空気が流れる。

「しっかし、まさか羽沢組の本部長代行様が来るたぁ思ってなかったですよ。」と、赤髪の男は笑いながら話しかける。帰ろうとしていた黒い男も、動きを止め話しかえす。

「うちもオジキが薬嫌いでして…手を出さないよう目ぇ見張ってるんですよ。」

「あぁ、なるほど…」

「もちろん私もですがね…それじゃこれで…いい話し合いが出来て良かったですよ赤林さん…」

と、頭を下げ帰ろうとする黒い男に、

「まてサル…」

と、相手を呼び止める赤林。

すぐに動きを止める黒い男。赤林は周りに残っていた部下を部屋から出るよう指示を出す。

二人だけになった部屋はまるで一騎討ちをする武士の間合いのような緊張感が走っている。

が、赤林は相貌を崩し話かける。

「落ち着けよ。少し聞きてぇことがあるだけだよ…」

「…それは俺にか?それともうちの組にか?」

と敵意を見せるが、赤林は飄々と、

「おめぇにだよ…」

と、軽く答える。サルと呼ばれた男、斉藤富士夫は苦々しげに舌打ちし、めんどくさそうに赤林と向き合う。

「で?」

「いや、なに。タカシ君は元気かい?」

「っ…知らねぇですね。あいつが何か?」

「いやね?正直言うと、ここ最近なーんか池袋がきな臭くてねぇ…

最近は《黄色》やら、その《黄色》に潰された《青》やら…挙げ句は《無色》のチームなんてもんまで聞くが…俺たちにしたらまだまだ甘ぇ…

俺たちは知ってるんだよ。いや、覚えてんだよ…おめぇのお友達の《青》のチームとヤーさんの絡んで潰れた《赤》をな…?」

「…」

サルは黙って赤林を見ている。

「まぁ…《青》は関係ないだろうがね?その動向くらいは聞いとこうかなぁ…ってな?」

と、肩を空かすような思いをした斎藤は、少し落ち着いて答えようとした所、

「あぁ、もう一人いたな。誰だったか…マコト…だったか?」

「っ!」

「あぁ、なんもしねぇよ…ただ、過去に名前知られてる奴らはいつまでたっても、その動きは見られるもんだよ。特に此方側に関わってんだ…気を付けなぁ…」

と、言いたいことだけ言って部屋から立ち去る赤林。

残った斎藤は少し落ち着いてから、それでも乱暴に建物を出た。

友人の名前が知れてるのは知っていたが、このタイミングで出るとは思わなかった。一時期若者の顔役に近い位置にいた友人…更には自身の下らない復讐に手を貸してくれたかけがえのない恩人…

自身の事務所に向かう途中、ふと空を見た斎藤であった。

 

よし、その友人の実家に寄ってフルーツでも買って、ついでにかるーく話でもしてやるか…

 

と、思い立った斎藤は、少し向きを変え、もう一人の同級生、キングに連絡するのだった。勿論、もう一人の友人の為…

斎藤の背中に掘られたの観音の目がちくっと痛んだような気がした。

その観音の目は、掘られてから長い時間が経った今も綺麗な灰色の目をしている…

 

 

 

 

 

 

ー池袋高架下ー

派手な痛コラのされたワゴンの前に数人ほどの姿が見える。

「おい、遊馬崎、狩沢!失礼のないようにな!」

「大丈夫っすよ渡草っち~。あの人こんなので怒らないっすよ。」

「そうそう!もー固いなー渡草っちはー」

「お前らあの人たちはなぁ!」

「落ち着け渡草…」

「門田…」

「確かに緊張するのは分かるが、少し落ち着け。遊馬崎と狩沢も、歳上と会うんだ。前許されたからって初っぱなから全快はやめてくれ。」

「「はーい」っす」

「「はぁ…」」

なんともテンションの高い二人とそいつらが粗相をしないか不安な二人…凸凹だが、信頼しあっているのが見える。

そんなコントのような数人に近づく男が一人…

「おぅ。すまないな…店から抜けて来たはいいが、警察が多くってな。」

と、軽く謝罪をする四人より歳上である男。

「いえっ!大丈夫です!」

「大丈夫ですよ。俺らもそんなに待ってませんし。」

「そっすよー」

「うんうん」

各々独特の返事を返す面々。

 

「なんか悪いな…教えてもらうのはこっちなのに…」

「構いませんよ。」

「今日は俺が奢るから、旨いところ頼むわ。」

「ひゃっほー!さっすが太っ腹っすー!」

「いよっ!さすがー!」

「お前らっ!すいません!ご馳走になります!」

「ありがとうございます。」

「いいっていいって…渡草は固いなぁ。もう少し軽くていいぞ?」

「いえ!先輩達に敬意を持って接してますんで!」

「…いや、何も遊馬崎くらいになれと言ってるんじゃなくてな?門田くらいになってくれと…」

「そっすよー!渡草っちー!固いっすー!」

「固いぞー!」

「だーまーれー!車出すからお前ら二人早く乗れ!」

「やれやれ…」

「すみません…」

「あぁ…いいっていいって。んで?何処行くんだ?」

「はい。露西亜(ロシア)寿司に行こうと…」

「あぁ、あそこ。サイモン元気だったか?最近行けてなくてな…」

「はい。皆なかなか来てくれないって嘆いてましたよ。」

「そっか。なら尚更だな…おっし、今日は食うぞ!」

「やったー!蟹蟹!」

「俺はーやっぱり大とろっすね!」

「「すみません…」」

「いいっていいって」

と、食べたいネタで盛り上がっている二人と運転に集中し出した渡草。

門田と男は今日集まったことについて話始めた。

「ところで、呼び出されたってことはメール来たんですね。」

「あぁ、周りに詳しいのはいるんだけど、色んな奴に話聞いたらお前らが詳しいって聞いてな。」

「なるほど…つまり」

「ああ…これで俺も《ダラーズ》の一員って訳か。」

「そうですね…こんなこと言うのもおかしいんですけど…」

「ん?」

「「「「ようこそダラーズへ!」」」」

四人が声を合わせて歓迎を示す。

男は少し驚いたが、苦笑を見せて

「ありがとな…でも設定とかわかんねぇから頼むわ」

と、なんとも締まらない返事を返す。

車内の雰囲気は混沌としているが明るく、それはこの街、池袋の夜のようだった。

この街のトラブルシューターと呼ばれているマコトは窓から見える月を見上げたのだった。




ーカラーギャングー
-デュラララ-
黄色→黄巾賊
青→ブルースクエア
無色→ダラーズ
-池袋ウエストゲートパーク-
赤→レッドウィングス 京一が作ったカラーギャング
金庫番がヤクザと繋がってて京一を利用してタカシを潰し、ヤクザが動きやすくなるよう動いていた。しかしバレて… 京一の制裁の描写はピカイチです。
ほんとの青→G-boys タカシが作ったカラーギャング。

やっと出せた人とやっと次で出せる人がいて、少しテンション上がりました。
早めに挙げますので、感想等お待ちしてます。


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case 2-4 池袋に集まるは有象無象

リハビリから回復したので投稿しました。

見てくれる人いるかなぁ…
コメント等また宜しくです


今回は警察は出てこないです。


ーマコトがダラーズに加入するより数日前ー

 

 

ーラーメン屋七生ー

 

 

「…はぁぁあ!?」

 

店主である元タカシのボディーガード、ツインタワー1号2号が、大声をあげ、立ち上がったマコトに睨む。

余程大声を上げていたのだろう。終電前の時間でもチラホラといた他の客が此方を凝視している。ばつが悪くなり、少し頭を下げるマコトを見て他の客はまた自分の拉麺に意識を戻していった。

いそいそと席に座り、隣に座って何事もなくラーメンをすすっているタカシを睨むマコト。

「…ったく。急にラーメンがうまく感じなくなったぜ。」

と、ボヤきながらも完食する。

食べ終わると一人前の拉麺を持ち帰りでもらい、店から出た二人はタカシの愛車メルセデスのRVに乗り、とある情報屋のいるファミレスに向かった。

 

24時間営業のファミレスにはいつも同じ席に座り、まるでファミレスの主であるようなハッカーがいる。ガス漏れのような声をし、宇宙からのメッセージをいつでも受け取れるように金属片をインプランティングして(埋め込んで)いる情報屋だ。

見た目はブッ飛んでいるが情報屋としては一流と言ってもいい。

 

マコトとタカシはまるで待ち合わせしていたかのようにそいつの前に座る。そしてマコトはハッカーに拉麺を渡すのだった。

 

「やぁ、マコト。やっぱり君が来たか。タカシには少し驚いたがね…」

と、独特のガス漏れのような声が聞こえる。その声は好きな拉麺が届いたこともあってかすこし浮かれているようにも聞こえる。

「久しぶりだなゼロワン。今日はあー…仲介というか、まぁ本題はタカシから聞いてくれ。」

と、半ば投げ槍な言い分を言うマコトだが、すでにゼロワンは渡された拉麺に手をつけており、聞いているのかどうか怪しい。

「…すまないな、マコトから君が一番当てになると言われてね…

情報屋、俺達はこの街に白い粉ばら蒔きやがった糞野郎を探してる。情報はなにかあるか?」

タカシは静かに、しかしその引き締まった身体に熱を帯びるような声で問いかける。

拉麺に夢中なゼロワンは食べ終わるとまた、話し始める。

「ヘブンスレイヴだな…来良大学の学生サークルらしい、末端と上層部は繋がっていないヤクの渡し役は飛ばしケータイで繋がってるからな。まぁ、トップの名前は…おっと…」

一息で情報をだすゼロワンだったが、肝心な所で止める。

それを聞いていたタカシは懐から厚みのある封筒をゼロワンに渡す。それを受け取りまた話し始める。

「トップの名前は奈倉。こいつが中心となって大学生の時に発足したらしいぞ。んで、本人は飽きたからかサークルからは抜けてるらしいんだがな。

今はこの街で情報屋をやってるな。

ただまぁ、こいつは多分名前使われるだけだろう。

こいつの情報漁っても特定の人と会うのもなかったし、電話も怪しい所はなかった。」

爪楊枝で歯を掃除しながらパソコンを弄るゼロワンはあちこちの監視カメラをハックし、電話のログを漁るなど何でもないのだ。

「…つまり、発足には関係したが今の活動は知らない。と?」

「そういうことだ。」

「つまりはサークルが勝手に一人歩きしてるってことか」

タカシとマコトは情報を元に整理する。

「んじゃあやっぱりサークルに残ってた奴等が好き勝手やってるってことか?」

マコトの閃きにゼロワンは頷く。タカシも静かにそれを聞いている。

 

「まぁ、中でも臭いのは四十万博人(しじまひろと)だ。家は金持ちのボンボンの暇潰しって所だな。」

ゼロワンがこちらに見せたパソコンの画面にはメガネをかけた小賢しそうな学生が映っていた。

マコトは隣のタカシから漏れる氷のような怒りを感じながら、画面に写る学生に哀れみの感情を覚えるのであった。

 

面白そうにしてたゼロワンだったが、マコトとタカシに思い出したように話し始める。

「そういやこのサークル、ヤーさんも目をつけてるから殺るなら急ぐなり協力するなりしとけよ?」

というと、とある公衆トイレでヤクザが学生を殴っている動画を見せてくる。どうやら変態野郎の盗撮カメラをハックしていた動画らしい。

「げっ!よりにもよって目出井組かぁ…」

マコトは片目が潰れている赤髪の男を見て呟く。過去に色々解決してきた中で、関わったことのない組だからだ。ましてや友人が対立している羽沢組にいるからなおのことたちが悪く見えてしまうだろう。

「まぁ、今回の件は羽沢組でも問題視されてるらしいし、この街でオイタしたガキ追い払うのに協力するんじゃねぇのか?」

と、ゼロワンはマコトに気を使ったのか友人に確認するように促すのであった。

一連のデータを貰い一息ついた一同であった。しかし

「情報屋、もうひとつ欲しい情報がある。」

と、タカシが切り出した。

「?おいおい、この話で来たんじゃねぇの?」

と、突然の行動に少し驚いているマコトと静かにコーヒーを飲むゼロワン。

「あぁ…この街の…G-boysの長としての依頼はな…

こっからは俺個人、安藤崇としての依頼だ。」

と、先程感じた怒りより強く感情を出したタカシにゼロワンは

「なんだ?言ってくれ。マコトとの付き合いだ。少しくらいサービスしてやるよ」

と、話を促す。

 

 

「…半年ほど前にあった平和島静雄の襲撃事件について知りたい。」

 

 

場が静まり返る。

半年前、よく聞くようになった平和島静雄の名前を更に広めた事件であり、タカシ達が警察達に更に警戒されるようになった事件である。

とある夜、平和島静雄が公園で襲われた。手に刃物を握った集団に。それも一貫性がないのだ。ギャルやサラリーマン、浮浪者まで手に刃物を持ち、平和島静雄を襲ったのである。

平和島静雄当人は持ち前の喧嘩センスで切り抜けたらしいが、彼の言い分では突然正気に戻ったように相手にならなくなったらしい。そして正気に戻った?とされる彼らは手に持った刃物を手放す。

それはまさに過去にタカシ達の抗争の最後を彷彿とさせたらしい。

それによりタカシもマコトも任意同行され、古馴染みの吉岡に何度も何度も確認されたのだった。

しかし、そこまではタカシにとっても何でもなかったのだ。ガキが俺達の真似をしているのかなぁ位だ。

しかし、静雄を襲ったとされるメンバーの中に思いがけない人物がいたのだ。

過去に兄のため、タカシを刺した女の子が…

彼女がいたことを知ったのは警察の取り調べが終わった後だった。

過去の抗争の後、病室で同室となった彼女の兄からの電話により…

そして彼女は自分のしていたことを思いだし、手に持っている物を見て発狂…

タカシが病院に駆けつけた時には精神を病んでいる可能性があり、自殺の可能性もあるため、手足はベッドに縛られていた。

半年たち、ある程度落ち着いた彼女からなんとか聞き出せたのは

事件の数日前に当時話題になっていた切り裂き魔に斬りつけられたが、血が出る程度だったこと、そして事件の日は誰かに命令されていた気がするということだった。

 

 

病室では静かに話を聞いていたタカシはキレていた。

それこそ何をしようと手を汚そうと…静観していた街の色塗りに参戦することになろうとも…

 

 

ゼロワンからもたらされる情報は

・平和島静雄を襲った奴等は前後の記憶があやふやである。

・周りで見ていたものも襲われ、襲われた人たちも刃物を持ち静雄を襲った。

・襲っていた人たちは目が赤く光っていた。

 

と言うものだった。

マコトもタカシも静かに聞いていたが、どうやら黒幕はわかっていないと言うことだった。

 

コーヒーのマドラーを咥え考えていたマコトは

「わかんねぇなぁ…なぁ、金払ったら黒幕教えてもらえるのか?」

と、ゼロワンに聞くが、ゼロワンは横に首を振る。

「黒幕は分からねぇなすまん。…ただあるサイトのチャットルームに怪しいのはあった。これを見てくれ」

 

ゼロワンはパソコンを弄るととあるサイトのチャットルームのログを見せる。

そこには「罪歌」というアカウントが平和島静雄を愛してる、殺すというログが並んでいた。

 

「これはこのサイトのメンバーにならないと参加できないチャットルームでな?まぁ、ログに関してはオフレコってことで」

ハックしたのであろうが、濁すゼロワン。

「それで、この罪歌(さいか)がバグってる時間が平和島静雄が襲われた時間なんだよ」

と、言われるがマコトはなんとも言えない顔で、タカシは穴が開くように見つめている。

「なぁ、なんかそこからこぅ…相手を特定とか出来ねぇの?」

と、投げやりなマコトはゼロワンに言うが

「ふん、俺は忙しいんだ。それこそいちいちチャットの相手まで探ってる暇はねぇぞ」

と、鼻で笑われてしまう。

 

静かだったタカシが懐から先程渡したものより更に厚い封筒をゼロワンに渡す。

「情報屋、悪いがマコトが言ったように相手を特定してくれ。当座の資金だ。報酬は別で渡す」

と言うとゼロワンも仕事を始める。

それを見て金はあるところにはあるんだなぁと感心していたマコトにタカシが依頼をだす。

「マコト、悪いがお前も協力して欲しい。ヘブンスレイヴは俺たちで何とかする。だが、この《切り裂き魔》の方を頼む」

と、チームのリーダーでもあるタカシは頭を下げる。

それを見てダルそうに

「取り敢えずこの[ダラーズ]?ってのに探り入れてみるわ…」

と、立ち上がりファミレスを出る。

タカシが送るかと聞いてきたが、やはり知っている女の子が被害者であることからマコトも怒っている。

出来ることから始める。どんなこともこつこつと…

何だか学校の目標みたいになったが、そんなことを思うマコトだった。

ポケットから携帯を出し、電話を掛ける。ダラーズについて知ってるであろう後輩に

 

 

 

prrrr…プッ

 

「あ?久しぶり渡草?いやいや、そんな改まんなくていいって…

聞きたいことがあってな?

 

ダラーズって知ってる? 」

 

 

 

 

 

この日、池袋は後輩のために道を譲り、眠っていたトラブルシューターと本当の「青」を起こしたのだった。

 




今回はリハビリも兼ねているのとスマホ壊れてデータ飛んだので更に書き直しました。見辛くてすみません。

あと、この駄作では
池袋ウエストゲートパークは小説順守です。
なのでタカシはキングですが、窪塚洋介ではありません。
漫画版のスルメとか好きなのもいいんですけどね…


池袋ウエストゲートパークアニメですって…テンション上がりますね…
やっぱり骨音とかやって欲しいです。
非正規レジスタンスとかも好きでしたしどこまでやってくれるんですかね…ワクワクですよ


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case 2-5 池袋に集まるは有象無象

リハビリです。
安定して打てるよう努力します。


竜ヶ峰帝人は落ち込んでいた。

それは新しく出来た後輩に池袋を案内しているときだった。

仲の良かった友人との別れ、その時彼とした約束を胸に、豊満な胸を持った好意を寄せている園原杏里との間に突然慕ってくれている後輩が入りそうになっているのだ…。

自分に自信のない彼は、後輩と自分を比べ悩み始めていた。

 

 

「どうしたんですか竜ヶ峰君?」

園原杏里は顔色が悪い竜ヶ峰に声をかける。

「だ、大丈夫だよ、ハハハハ…。」

と誤魔化す帝人。

二人で買い物に出ているのに不安にさせちゃったとまた落ち込むのであった。

 

数日前、帝人を悩ませるきっかけとなった後輩、黒沼青葉を友人たちと池袋を案内した。その時は他県のヤンキーが襲ってきたり、本当のバケモノが出たりとてんやわんやになり考えもしなかったが、日にちが経ち、落ち着くにつれ帝人は焦りと不安に潰されそうになっていた。

 

見かねた杏里は彼をあるイベントに連れ出したのだ。

 

 

 

「あ、帝人君!見えましたよ!ここからでも見えますね!」

正直男の子向けのイベントだとは思っていた杏里だが、間近で見ると気分が高揚した。

それを見てにこやかになった帝人はイベント会場にあるものを見て帝人もまた興奮してきたのだった。

「ほんとだ!やっぱり作業用とは違うね…!

 

 

…あれがパトレイバー…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警察のイメージ向上イベントin池袋西口公園

 

「…暑いのぅ…」

「…暑いですねぇ…」

イベント会場の裏で汗をかきながら風船を膨らましている秋葉とそれを扇子を扇ぎながら見ている矢部。もちろん矢部は手伝う気がない。

端から見たら、酷い上司だが秋葉はそんな自分勝手な矢部を慕っている。

 

「暑ぅて暑ぅてーーーが蒸れるでこれ…」

矢部の一番の秘密であるーーーを外し頭を扇ごうとも秋葉は見ない。笑わない。

 

春にしては気温も高く、二人の作った風船を配っているキグルミの職員も気の毒になっていた。

 

矢部も秋葉も二人しかいない裏で少し気が抜けていた所に

「矢部ー!、秋葉ー!お前らに客が来とるぞー!」

と、両津の通る声がすぐそこで聞こえてきた。

矢部はーーーを外していることに慌てるが被るにも間に合わない!それを察した秋葉が矢部にタオルを差し出し、現れた両津との間に入る!

 

「お?どうした?」怪訝そうに二人を見る両津。

「な、なんでもあらへん!ここが暑うてな!頭にタオル巻いてたの巻き直してたんや!」

なんとか間に合った矢部は見えないようにーーーを隠した。

「しかし客って誰や?ここ裏やで?

…って先生!!」

両津の後ろからぬっと現れたその男を見て矢部は驚き、秋葉は頭を下げた。

「ははは…お久しぶりです矢部さん。そう、上田次郎です。」

誰に言われたわけでもなく自分で名乗る上田次郎は、低い声ながら爽やかに矢部に笑いかけるのだった。

 

 

 

?「おーい!私もいるぞ!矢部!矢部ー!」

矢部「お久し振りです!上田先生!いやぁ、なんやまた一段と大きくなりはりましたか?ははっ!」

上田「いやいや…少し前に体を鍛え直しましてね…」

矢部「やっぱり上田先生は日本一の先生ですなぁ!」

?「矢部ー!無視すんなー!矢部ー!ズレてるー!」

矢部「なにがじゃ!!あーん?なんやこのちんちくりんのやーまだ!まーだ先生の助手続けておれたんかい!」

上田「えぇ、何度も危険だから辞めたほうがいいと伝えたのですが、上田先生のような人の元で働かせて下さい!と研究室で私に迫って来るので仕方なく…」

矢部「やーまだ!先生は己みたいに暇じゃないんじゃ!しっかり役たつよう努力せいや!」

山田「なっ!上田っ!いい加減なこと言うな!今回だってお前が私の部屋まで来て着いてきてくれ!って頭を下げたから!」

上田「ははっ!ユーモアのセンスだけは折り紙つきの助手なんですがねぇ!?(ユー!いい加減大人になれ!矢部さんの協力を得て楽に動くと提案したのは君だろう!?)」

山田「(それでも言っていいことと悪いことがあるだろう!まるで私が上田にせ、迫ったようじゃないか!)」

上田「(はん!ユーに迫られてうろたえる俺じゃない)」

 

上田と山田の話が一段落した矢部が切り出す

「所で上田先生。やーまだ連れてどうしたんです?またなんか事件ですか?」

 

上田は少し改まって、笑いながら

「あぁいや、この助手が勝手に受けた依頼でして、どうしても上田の力が要るからと出てきたんですが、丁度矢部さんを見かけたので挨拶がてら寄っただけなんですよ。」

「はぁそりゃまた…」

と、気のない返事をする矢部。

そんな矢部に上田が本題をようやく切り出す

 

「矢部さん…

 

 

 

 

妖刀に心当たりありません?」

 

 

 

 

春の風が通りすぎる晴天の中、何か異質のものが混ざった気配を山田奈緒子は感じるのだった。




ー空気だった二人ー
両津「三人で漫才してる…」
秋葉「萌え…」





あの漫才のような言い回しは表現しきれなかったので台本調子になりました。
久しぶりの更新で申し訳ないですが、トリックです。
ここからやっとやりたかったこと書けそうです。
コロナ自粛でも仕事なので何とも言えませんが、はやいうちに続き上げます短編も上げます


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extra case1ー1 公開演習を成功されろ(切実)

短編です
続きは後日。
感想にて班分け希望聞きます
アンケートの使い方がようわからんです


ー本庁 会議室ー

 

 

 

「はぁ、つまり負けろと…そうおっしゃってるんですね?」

 

真下正義は幹部会でやり玉に挙げられ、脂ぎった年寄りからの意見を総合して答える。

 

「まぁ、そう言うことだ。」

「いくらSATに勝ったことがある君たちでも大丈夫だとは思うけれども念には念をいれないとね?」

「いやぁこういうときこそ活躍する署なのですから精々派手に散ってくれたまえ!ハーハッハッハ!」

上層部の方々の笑い声が響くなか、数名は苦い顔をしている。

 

真下が会議に参加する前に数週間後行われる新生SAT、SITの公開演習の相手として特務署全職員を起用することが決まっていたのだ。

決まったのは大半が私怨である。

SATを降したことのある湾岸署職員、銀行強盗対処訓練で本庁を手玉にとった墨東署職員。ついでにのらりくらりと嫌われている上司をもつ第2特車…

 

いけすかない署員を集めた署がまともに稼働していることも腹立たしい上層部により痛めつけようと練られた案であった。ただでさえ勝利したことがあるため、室井や蟻塚が反対することは出来なかった…

 

「ではレギュレーションはここに記載のとおり、《場所は都内の廃校、廃病院だ》《君たちは、科学兵器を所有したテロ集団。病院と学校を同時に占領し、金銭の要求。武器はテロ集団のため銃の所有数は少ない。勿論レイバーも持ち出し禁止だ!

此方はSATと現場の署員を含め君たちの活動を鎮圧できるようフル装備だ》

と、言ったところだが…どうだね?」

と、ニヤニヤといやらしい顔をした上層部の一人が真下に問いかける。

「えっと…それだけでしょうか?」と聞き返す真下

「ん?どういう意味かね?」不利な状況を打ち出し慌てる様を見ようとしていた相手の落ち着いた様子を見てカチンと来る上層部

「いえ、私も参加したSATの演習の条件とあまり変わらないので…」と、無理難題を押し付けられた気がしていない真下

「いい加減にしたまえ!それは以前のSATだ!今はレイバー部隊もいるし、身体的にも精神的にも技術的にも以前より何倍も力を擁した部隊だ!」机を乱暴に叩き憤慨しながらたち上がり罵詈雑言を放る上層部たち

見かねた蟻塚たちにより公平性、実戦感を出すため、テロ側は協力者を募っても良いこととし、上層部を宥め真下を叱責する形で場を納めた。

 

 

 

 

 

 

ー特務署 署員集会ー

 

「えー…という事で生け贄となることになりました!」

真下は公開演習の件を伝えると隠し持っていたヘルメットをかぶり机に隠れる。

 

「ふざけんなぁ!」「なんだよそりゃ!」「弱腰署長!」「家族思い!」

などなどヤジと工具などが飛び交う。

「待って!待って!!僕もほんとにふざけるなって思うよ!でもね!上層部がそう言うんだもん!昔みたいに署員全員ペナルティとか嫌でしょ!?先輩も!あの時の悲惨さを話してくださいよ!」

そう、過去に青島、真下たちはSATを打ち破った後、署員全員にペナルティが課せられ、署内で針のむしろ状態であったのだ。

そして、真下から青島に署員の目線が移動した所で青島は前に出ていき話し始める。

 

「どうも!青島です!確かにあの時は真下…署長達と苦しい目に会いました。出前とるにも睨まれ、出先から戻り睨まれ…心は休まらなかったです… しかし、そんな目には二度も会うわけには行けません!さて、私の上司、杉下右京警部がいないことに気づいたのは何人いるでしょうか?全員参加の集会に集まらずいない理由は勿論! ーpipipi.pipipiー 失礼…ーピッーはい青島です。……えぇ… はい はい。 解りました。真下…署長に伝えます。 ーピッー

 

今の電話…件の杉下警部からでした。さて、どういった内容かですが、真下ぁ…伝えてないこといくつかあるよな?」

「はい?」

「公開演習…協力者募ってもいいんだろ?」

「え、ええ。この後話そうと思ってました。」

机からヘルメットだけ出した真下がまだ何か飛んできたりしないか警戒しながら答える。怒られるだけのイベントに何故協力するやつが出るのかと少しざわつく職員。

それを聞いた青島は更にニヤリと笑みを深くした。

「聞いたかぁ?そう、これは特務署の絆を確認するイベントです!更に!杉下警部が確認したところ…これで勝ったとしてもおとがめがあることはないそうです!」

更にざわつく署員たち

「しかしよぅ青島ちゃん。そんなのなーんで警部殿が確認出来て署長が出来てねぇんだ?」

整備部のシバシゲオが疑問を投げる。

答えは簡単である。

個人的にコネのある上層部に確認を取ったから

 

これに真下や年嵩の行った署員は何故か納得しており、若いものたちはまだ少し疑問を残しつつ理解を示し、そのまま数人を演習のリーダーとすることを発表して解散となった。

 

 

ー官房長司令室ー

通話を切る杉下とそれを面白そうに見る小野田、蟻塚

それに気づき少し困ったような顔をする杉下

「しかし、本当によろしいのですか?SATも大事な時期でしょう?」

それを聞いた小野田は少し呆れたような顔をしながら窓に目をやる

「いいんだよ。過去に青島君たちに負けたり、墨東署を襲われたり、警察庁襲われたりしておいて自信に満ち溢れてるとか何なんだろうね?ここいらで一つ強い一撃を喰らっとかなきゃ…死にはしないし納得してもらうよ」

と、昨今のテロに対する力の低さを露呈させておいて自信過剰ともとれる上層部に呆れている小野田であった。

そこでもう一度気を引き閉めるためにも彼らのに期待しているのだった。

「全くあなたは…」

呆れる杉下だったが、気持ちも解るため責めるようなことはしない。

その後少し話をした後、杉下も演習の打ち合わせの為特務署に戻るのであった。

 

 

 

 

 

ー交通課ー

辻本「まぁ私達は学校でも病院でもどっちでもいいわね美幸」

二階堂「えぇ…私は楽できる方がいいから病院で寝てたーい。」

葵「駄目ですよ頼子さん。私は皆さんと同じところがいいですね。美幸さんも忙しいでしょうけど気を付けてくださいね?」

小早川「ええ!うふふ…これから両さんと打合せしなきゃ…」

中嶋「こ、小早川!なにか手伝うことがあるなら言ってくれよ!」

小早川「ありがとう中嶋くん!」

辻本(…中嶋君も大変だぁ…)

 

 

 

ー特車課ー

太田「なーぜこっちはレイバーに乗れんのだ!」

進士「太田さん…そんなんだからですよ…」

太田「なぁにぃ!?」

山崎「まぁまぁ…取り敢えず後藤隊長…どうします?」

後藤「どうするもなにも…やるしかないでしょ?」

篠原「作戦はどうします?」

後藤「まぁ、他の課と打合せして追い追い…ね」

泉 「なんか隊長が乗り気だ…めっずらしぃ…」

香貫花「ほんとね…」

熊耳「隊長、差し出がましいかもしれませんが少し休まれては?」

後藤「なんだなんだ?俺がやる気だとみんな失礼しちゃうんだから…いやぁね?俺は出ないでおこうと思ったよ?でもね?名指しで参加するよう言われちゃってさ…」

篠原「…恨まれてるんだな」

後藤「うーん恨まれるようなことしてないんだけどなぁ…ご丁寧にしのぶさん経由で言われちゃったからなぁ」

一同「あー…なるほど…」

後藤「取り敢えず少し整備部と打合せしてから会議に行くわー

お前らー仕事はしっかりな?熊耳、あと任せたわ」

 

 

ー整備部ー

シバシゲオ「おやっさん!俺らも出来ることは何でもしますよ!」

榊「シゲ!いいから手ぇ動かせ!まだ先の話するよりこっちのネジ絞めやがれ!」

後藤「お疲れ様ですー」

シバシゲオ「あ、後藤さん!どうしました?」

後藤「榊さんいる?」

榊「どしたい?」

後藤「ちとシゲさんも会議に参加させていいですかい?」

榊「?おお、いいぞ?」

シバシゲオ「まじっすか!?いいぜ後藤さん!このシバシゲオ!一世一代の大立ち回り!演じて魅せようじゃ…!」

後藤「違う違う…別で手伝ってほしいのよ」

シバシゲオ「はにゃ?」

 

 

ー陸動課ー

矢部「しっかし難儀やのぉ…こんな時に金持ちの安田は出張の予定やとはのぉ」

安田「面目ありません…」

伊達「安田がワルいんじゃねぇからなぁ。しかし、両津の知り合いの中川と秋本も参加するような大財閥の社交パーティーがある日になんて上層部は狙ったんだろうぜ…」

青島「しょうがないよ一平ちゃん。それより両さん…どうですか?」

両津「駄目だな…爆竜大佐達は国防的な意味合いからダメだった…

特殊刑事課の変態どもも上から参加は出来ないよう通達が出とるそうだ。」

神戸「ある意味安心…ですけどね」

両津「全くだ!…まぁ、わしはわしで動くぞ。色々必要なものもあるからな。会議には後から参加する。すまんが少し出てくる。」

カランコロンと下駄がなる音が遠ざかる…

矢部「さて、どうすんねん青島?この課のリーダーはお前や」

青島「そうですね。まぁ上手く行くとおもいますよ?会議始まるんで取り敢えず皆さんは協力者探しといてください。それじゃ!!」

やれやれと皆が呆れながらも、皆が皆携帯から友人や知人に連絡をし出す。

 

会議に向かう青島も自身の携帯からとある人物に連絡をつける。

自身に刑事のイロハを教えてくれた男、友人の勇退と共に自信も警察から完全に手を引いた男…

 

 

 

「……もしもし、和久さん?

お久しぶりです青島です。ちょっと面白いことがありまして…え?結婚?おれが?違いますよ!いいですから…あとで少し飯、行きましょ?」

 

 

警察官たる警察官は参加するのだろうか…




規約違反になる恐れがあるそうなのでアンケート取ります。
宜しくおねがいします
早めに書きたいと思っておりますので稚拙な作品ですが投票のほど、宜しくおねがいします


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extra case2-a-1 公開演習を成功されろ(切実)

学校…生徒役が本当に何とも…


ー公開演習当日・学校ー

 

 

 

ーAM8:25ー

 

体育館にエキストラとして集められた特務署に関係しない警察官や関係者が学生服を着たり、先生の格好をしていたりする。

 

「ね、ね、ね霧山くん♪どう?似合ってる?」

「いやぁ三日月くん…流石に無理が…」

「あぁ!?」

「いや!お綺麗です…」

「だよねぇ♪もう霧山くんったら照れてたんだなぁ?もう~♪」

「ハハハハ…」

 

「…っおい鬼塚!まじでポリばっかじゃねぇか大丈夫なのかよ!?」

「あぁ?、大丈夫大丈夫。知り合いからの紹介だし、社会貢献だよ社会貢献。それによぉ、経験してみてぇじゃん?学校にテロリストが来るってシチュエーション!?なぁ菊地、吉川?」

「う、うん。まぁ人質側だけど面白そうだしね」

「まぁ、特別な経験だろうな…」

 

等と浮かれる声が聞こえるなか、納得もしていない人達の口も聞こえる…

 

「…何故俺が…」

「土門さん…ジャージ、似合ってるわよ」

「そ、そうか?榊は…白衣着てるから変わらんな…」

「そうね。科捜研の女じゃなくて理科室の女ね♪」

 

…暫くすると壇上の演台の前に人が現れる。それと同時に静かになる館内

その人物は奇しくもジャージを来ている土門と言われた人間と顔は似ているが関係はない。

 

「皆さん、お早う。私は本庁の大岩と言う。本日はSAT,SITの公開演習という事であなた達は被害者役となっている。本番さながらの演習となる為、多少荒事になっても諸君らは被害者として振る舞ってくれ。それではこれよりいつ始まるかは伏せるが諸君らには検討を祈る!」

 

それだけ伝え、頭を下げた男が離れると、各自割り振られた教室に移動し、実際の学園生活のように振る舞い始めた。

中には妙齢を過ぎた生徒もいるので何とも言えない空気は流れているが…

 

 

そして…時間は訪れる…

 

ーAM9:40ー

 

パァン!

 

 

「我々は青いドラネコ!これよりこの建物は我々が占拠した!」

 

 

…ネーミングセンスは置いておきながら手際のよいテロリスト達はバリケードを作り構内をいくつかに分断し、人質達を拘束した。

先生役の数人かは殴られる演技をし倒されたとされるなか、十文字という刑事はテロリスト役の進士に本気で殴りかかりそうになるなか、香貫花がこれをCQCで押さえ込むという一幕もあった。(十文字の同僚の霧山、三日月、又来、サネイエたちは一連の流れを見て拘束されながらも香貫花に拍手を送ったのだった。)

 

一通り工作も終わり、一度集まることになったテロリスト側は興奮している泉と太田が印象的だった。

後藤「はいお疲れさん。取り敢えず初動は成功ってことで」

泉「いやぁ!上手く行ったね!」

太田「ふん!いくら訓練だからと言っても警察官なら十文字のように殴りかかってくるくらいの気概くらいみせんか!全く!」

進士「いや、それはしない約束だったじゃないですか…実際される側はハラハラなんですよ?」

香貫花「そうよ太田。進士は無事だから良かったけども実際私たちが本当のテロリストだったら危険しかないわ。」

太田「わかっとる!しかしそれくらいの気合いをだな!」

篠原「はいはい。お前さんの根性論はいいから」

太田「なにをぉ?!」

篠原「 そんなんだからお前は銃の所有者から外されたんだぞ?そんでこっからは予定通りで

動きますよ?隊長?」

後藤「うん、それでいいと思うよ?。学校の方も順調だとさ。

さて、ここからは我々の声明が警察に流れた為、現場を取り囲み、隙をついてその後部隊が突入…って流れになるからその辺は頭にいれとけよ?」

 

一同「了解!」

 

後藤「そんでもって協力者と新入りさん達も宜しくね」

一同「了解…」

 

 

 

 

ー警視庁 会議室ー

 

上層部達は集まって大型モニターに映る様々なカメラから写し出される対策室の動きを見ながら興奮している。

「やはり迅速に対応できているな。」

「そうですな。これにはあの特務署でもどうにもならんでしょう。」

「官房長官達も我々の力を確り感じてくれればいいのですがね…」

これから彼らの部下達が現場を制圧し、気に入らないやつ達に痛い目を見せ、署内で自身の発言権が高まることに夢をみるのであった。彼らの高笑いはSAT達が出動するまで続いたのであった。

 

 

ーテロ対策本部ー

 

此方は打って変わって正に戦場だ。

情報戦はすでに始まっており、テロリスト側から流されるブラフやハックから身を守りながら相手の情報を抜こうと頑張っている。

更にあちこちから警察を集め情報を精査していた。

過去に杉下達と同じ署にいた伊丹達もこれに参加していた。

 

 

伊丹「…さぁてあの警部どのに一泡ふかせてやろうかね?」

芹沢「先輩っ!…出来ますかねぇ…?」

伊丹「芹沢!やるんだよ!」

 

あちらこちらで特務署に因縁のあるもの達は気炎をあげている。彼らもこれから現場に向かうのだ…様々な感情を持ちながら…

 

 

 

 

松井「俺もこっち側かぁ…まぁ先んじて後藤さんから無茶苦茶な要求受けなかったから良しとするか…」

 

白鳥(待っててください小林先生…皆さんを無事に助けて、その後ディナーに…)

 

 




ーポイント参加ー
時効警察より
霧山
三日月
又来
サネイエ
十文字

科捜研の女より

土門

捜査一課長より
大岩



続きは今日…明日には上げます。
取り敢えず一組目の新入り、それに付随する協力者は出しました。
…もろ分かりですよね…匂わせってのを出来るようになりたい
アンケートは今日の夜まで取りますのでヨロシクです


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