D.Gray‐man~転生した兄妹の物語 (晴月)
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第一夜 始まりは突然に

目覚めると、そこは見慣れない部屋だった。

 

「ここは一体何処だ?」

 

周りを見回すと目の前には無機質な木で作られた机と背もたれのある椅子。そして、後ろには赤い色の一人用のソファーが一つ ただ、そこに置かれている。そのソファーに一人 銀髪でロングヘアー、そして左目が 例えるならば海のように青いアクアマリン色の瞳をした少女が眠っていた。

 

「この子は誰だ?」

 

目の前の眠っている少女を一瞥し、少し考える。何故俺はこんなところに要るのか? ここは一体何処なのかと俺の頭の中がそのことで埋め尽くされる。その時にズボンの右ポケットに手を突っ込むとなにやら手紙らしものが入っていた。

 

「これは、手紙?」

 

一体誰がこの手紙を入れたか などは頭に無く、もしかしたらこの場所のことが書かれているかもしれないと思い、手紙を見てみることにした。

 

「この手紙を見ているということは無事、転生できた出来たようでなによりじゃ。実はこちらの不手際でおぬしを死なせてしまったのじゃ。流石にそれはあまりにも不憫だと思い、この世界 D.Graymanの世界に転生させたのじゃ。 そこでお主にはその世界でエクソシストとして生きてもらおうと思い、転生特典としてお主の右目に細工をし、その世界で戦えるようにイノセンスとして変えておいた。それだけではなく、お主が今所持している2本の刀も転生特典の一つでイノセンスとして扱えるようにしておいた。それとお主の後ろで寝ている少女はお主と同じで、こちらの不手際で死なせてしまった子なのじゃ。その子にはお主の妹として生きてもらうことにした。その子は見てもらった通り、左目がお主と同じようにイノセンスとして扱えるように変えておいた。ではそろそろここで手紙を終わるとしよう それでは頑張ってな。」

 

手紙にはそう書いてあった。

 

この手紙の内容が本当ならもしかして俺は異世界に転生してしまったのか? だとするとこの子も俺と同じように転生してしまったのだろうか。ん?手紙の後ろに手紙?まだ伝えることがあるのか?見てみるとそこには

 

「イノセンス 名称・能力 過神雷渡 左の刀:火炎 凍華(かえん とうか)刀の刀身から炎、氷を放出し、纏わせることで威力を増す。更に、対象からの炎、氷攻撃を刀で受けることで刀身に纏わせることも可能。 右の刀:飛雷神(ひらいしん) 刀の刀身から雷を放出し、纏わせることで威力を増す。更に、対象からの雷攻撃を刀で受けることで刀身に纏わせることも可能。 右目:断罪の瞳(ブラッディー・クロス)対象を見ると、人間かアクマかを判断する事が可能。また、適合者が武器だと思えるものに能力を付加し擬似イノセンス化する事が可能。 過神 月 右の銃: 粛正の咆哮(デッドリー・ロアー)対象に撃ち込むと内部で炸裂し、体内から破壊する。 左の銃:嘆きの矢(グリーブ・アロー)対象に撃ち込むことで能力を封じ込めることが可能。 左目:聖なる瞳(ホーリー・クロス)対象を見ると、弱点を見抜くことが可能。更に、アクマウイルスに侵された味方からウイルスを除去する事が可能 」と書かれていた。そういえば自分の今の服装は確認してなかったな 鏡、鏡はどこかな?

 

あ、あった。今の自分から見て右側に設置されている。今の俺の姿はどうなんだろうか 確認してみるか。

 

「何だこれ?」

 

見てみるとそこには銀髪に所々赤みがかった頭髪に、右目が赤い青年が佇んでいた。これが今の俺の姿か...

 

じゃあ次は情報を整理してみようか。

 

最初は俺の名前を覚えているか確かめてみよう。

 

俺の名前は

過神 雷渡(かがみ らいと) うん。はっきり思い出せる

 

次に、前にいた世界のことは....

 

ダメだ、全く思い出せない。多分記憶を消されたんだろうな。

 

次は、手紙に書かれていたこの少女についてだな。

 

 

気持ち良さそうに寝ているところ悪いが、起こすか。

 

 

 

「う~ん ここは?」

 

「D.Graymanの世界だとさ」

 

少女を起こすと俺はそう答えた。

 

「D.Grayman!? それって漫画の話じゃないの?」

 

少女は飛び起きた。俺はビックリしながら

 

「そのはずなんだけどなぁ。」

 

と、頭をかきながら答えた。

 

「とりあえず、この手紙読んでくれる?」

 

そう言って俺は少女に手紙を渡す。

 

少女が読み終わるまで数分間待っていると...

 

 

 

 

 

「何これ!? ボクが妹!? 何でそうなるの!?」

 

どうやら読み終わったみたいだ。というかボクっ子だったのかなんか以外だな。

 

「そう言われてもなぁ それ以外なら友人か恋人位しかないぞ。」

 

そう言うと、少女は

 

「こっ...恋人っ //// 」

 

と顔を赤くしながら頭を抱えて左右に降りながら困惑していた。

 

 

「そろそろいいか?」

 

「あ、うん ゴメン 彼氏とかいた記憶がないからつい...」

 

はぁ...と内心ため息をつきながら

 

「手紙は全部読んだな?」

 

「うん。」

 

「2枚目もか?」

 

「うん。」

 

「なら、今俺達がやるべきことは分かるな?」

 

「黒の教団にエクソシストとして入団する事。」

 

「そうだ。現状で俺達が分かっていることはこの世界のこと、そして俺達はイノセンスの適合者であるということだ。」

 

「なら、早く行こうよ。」

 

「その前に2つ程注意してほしいことがある。」

 

「何?注意してほしいことって?」

 

「先ず1つ 原作知識のことは誰にも話さないこと。」

 

「何で? 教えておいた方が便利じゃん。」

 

「もし俺達がノアやこれから襲われるであろうアクマの情報を知っていて、それが教団側にバレたらどうなると思う。」

 

「それは.....」

 

 

 

「最悪の場合、中央庁から千年伯爵の手先だと思われてどんなエグい目にあわせられるか分かったもんじゃないからな。だから、隠しておいた方が身のためだ 分かったな。」

 

「わ...分かった。」

 

「次に、2つ目だが この目のことなんだけどさ。」

 

「うん。」

 

「なるべく隠しておいた方がいいんじゃないのかな?」

 

「.....理由は?」

 

「千年伯爵やノアにバレると先ず真っ先にこの目を抉るか、潰しに来ると思えるからだ。だからこの目のことを教える相手はコムイやヘブラスカなんかの頼めば黙っていてくれそうな相手にしか教えないでおこうと思うんだけど どうだろうか?」

 

「分かったよ。兄貴がそうしたいならそうすればいいさ。

 

「あ..兄貴?」

 

「いやだってボク達兄妹って設定じゃない。だったら呼び方くらい妹らしくしないとと思ってさ。」

 

「でも、兄貴はちょっとなぁ..」

 

「他の呼び方の方が良い? だったら...兄さん、にーに、兄上、兄様...あ! お兄ちゃん 何てどう?」

 

「....えっ//// 」

 

その一瞬、俺は顔が赤くなるのを感じた。

 

「.....今それも良いなって思ったでしょ。 」

 

「べっ 別に...そんな事は無い///」

 

「まったまたぁ~照れちゃってもう~。」

 

俺の義妹がこんなに小悪魔なわけない。

 

「兄さんで頼む。」

 

「はいはい、わかりましたよ 兄さん。」

 

妹はやれやれといった感じで納得してくれた。

 

「それじゃあ」

 

俺は少女に右手を差し出し、

 

「過神 雷渡だ。これからよろしくな。」

 

そう言うと少女も俺の差し出した 右手に触れ、

 

「過神 月《るな》って言います。こちらこそよろしく 兄さん。」

 

そう言い合い、俺達は互いに握手を交わした。

 

「先ずは黒の教団を目指すとしようか。」

 

「そうだね。じゃあ 行こっか 兄さん。」

 

「ああ。」

 

そう言い合い、俺達はこの部屋を後にする。

 

これから先、何が起こるか分からないが それでも二人なら何故か頑張れる気がした。

 

この先にどれだけ過酷な運命が待ち受けているとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初めまして、晴月《はるつき》と言います。今回初めて小説を投稿しましたので 駄文が多いと思いますが、多目に見て下さい。これからどんどん次話を投稿していきたいと考えていますので、どうか応援よろしくお願いいたします。それでは。


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第二夜 教団へ...

今回から吹き出しを分かりやすく区別します。

※雷「」、月「」という風に変えます。


扉を開けたその先には、まさに西洋といった風景が見てとれた。

 

雷「イギリスかな?」

 

月「多分。」

 

ある日目覚めると転生していた兄妹

 

過神 雷渡(かがみ らいと)とその妹過神 月(かがみ るな)は見知らぬ部屋の扉を開け外に出てみると、そこには歴史の教科書に出てきそうな風景が広がっていた。

 

雷「取り敢えず、先ずはこの目を隠さないといけないんだけど。眼帯とか持ってる?」

 

ポケットを探るもあるのは黒革の財布のみ。

 

月「財布しか入ってない。」

 

妹の方も同じようにポケットの中身は財布だけだった。

 

雷「仕方ない。付近で売ってないか探すとしよう。」

 

月「分かった。」

 

雷「さて、幾らくらい入ってるかな。」

 

そう言って財布の中を確認すると、なんとお札がぎっしり

 

雷「......はい?」

 

見間違いかなと思い、一度財布を閉じてもう一度確認する。しかし、どう見てもお札がぎっしりと財布に入っていた。しかもそのお札にはギニーという単位が描かれている。

 

雷「え...何で?」

 

月「どうしたの?」

 

雷「なぁこの世界での通貨の最高価格の単位ってなんだったっけ?」

 

月「えっと、ギニーじゃなかったっけ。それがどうしたの?」

 

雷「これ、見てくれよ。」

 

財布の中を見せると月は驚いた表情に変わった。

 

月「な...何でそんなに?」

 

雷「分からない。もしかしたら転生特典ってやつじゃないかな?...そっちの財布の中は?」

 

そう聞くと、月はすぐに自分の財布の中を確認しだした。

 

月「.....同じように札束がぎっしりと入ってるわ。」

 

雷「...そうか。」

 

この事から財布の中に札束が入っていたのは転生特典だと理解した二人は近くの出店で眼帯を購入。雷渡は黒い逆三角形形の眼帯を、月はピンク色のハート形の眼帯を購入した。

 

雷「さて...次に今の俺達の服装だが、今の時代だとどうだろうか?」

 

月「ちょっと浮いてると思う。」

 

二人がそう言うのも無理はない。今の二人の服装は言ってみれば、現代の服装だからである。

 

ここで二人の服装に触れてみよう。

 

まず、雷渡の服装は、左耳にはロザリオのピアス、上着は黒のライダースジャケット、その下に黒シャツ、茶色のベルトを通した青いデニム、そしてベルトが付いた黒のブーツ。

 

一方...月の服装は、右耳には雷渡と同じロザリオのピアス、上着も同じ黒のライダースジャケット、黒シャツ、デニム生地のホットパンツに黒ストッキング、そしてヒールの少し高いショートブーツ。

 

どう見ても現代の服装である。

 

雷「まぁ...服装に関してはこのままで良いと思うし、これで行こうか。」

 

月「それはそうと兄さん。」

 

雷「何だ?」

 

月「黒の教団が何処にあるか知ってるの?」

 

雷「.....え~っと。」

 

月「知らないんだね。」

 

雷「.......はい。」

 

その後、二人は道行く人に道を聞いて黒の教団の場所を教えてもらった。もちろん、黒の教団の事は伏せて。

 

雷「原作通り、この崖をよじ登らなければ黒の教団本部にはたどり着けないんだったな。」

 

月「でもどうする?兄さんならともかく、ボクはこの崖をよじ登る筋力も握力も無いよ。」

 

雷「...月、俺に掴まれ。」

 

月「...え、何で?」

 

雷「この崖はお前の力じゃ登れないだろ。だから俺におぶさって俺がそのまま崖をよじ登る。それなら二人とも無事にたどり着く。」

 

月「無茶だよ。いくらなんでも人を一人背負いながら崖をよじ登るなんて。」

 

雷「心配するな。女の子一人くらい背負うのは苦じゃない。それに...。」

 

月「それに?」

 

雷「お前は妹なんだ。妹の面倒を見るのは兄として当然のことだからな。」

 

月「////.....ありがと。」

 

雷「良いって。じゃ、登るか。」

 

雷渡が月を背負い、崖をよじ登ろうと手をかけた所で雷渡は気が付いた。

 

月「どうしたの?」

 

雷「いや、崖登るのってこんなに楽に感じるものなのかな。」

 

月「え?どういうこと?」

 

雷「いや...思ってたよりも楽に登れそうな気がする。」

 

雷渡がそう言って崖を楽々と登って行く。

 

雷(もしかして、転生特典で身体能力まで強化されてるのか?...だとしたら、月もなのか?。)

 

そう思いながらも着々と崖をよじ登っていく雷渡。すると目の前には、...

 

雷「着いたぁ~。」

 

月「これが...黒の教団本部。」

 

黒の教団本部が見えていた。

 

雷「想像以上の大きさだな。」

 

見るからに大きな建物が二人の眼前にそびえ立っていた。

 

雷「取り敢えず、行ってみるか。」

 

月「うん。」

 

二人は歩きだし、門の前までやって来た。

 

雷「じゃあ、言うぞ。」

 

月「うん。」

 

二人は意を決して。

 

雷「すいませーん。エクソシスト希望で入団したいんですけどー。」

 

一方、その様子を黒の教団内部で見ていた人物は

 

「おい、どうする?」

 

「どうするって言われてもな...。」

 

「取り敢えず、門番の検査受けてもらってから決めれば良いだろう。」

 

「そうだな。」

 

その人物達の中で、見るからに上の役職の人物が二人に対して、

 

「取り敢えず、門番の検査受けて。」

 

そう言い放ち、結果を待つことにした。

 

一方で、入団しに来た二人は、

 

「取り敢えず、門番の検査受けて。」

 

そう言われ、門番の検査を受けることにした。

 

雷(まぁ、俺達はアレンみたいにアクマに呪われてる訳じゃないから大丈夫だろ。)

 

そう思いながらも検査を受け、門番の次の言葉を二人は待つ。

 

門「異常無~し。開門ー。」

 

雷(さてと、誰が出てくるかな。)

 

門の中へと足を踏み入れると、そこにはツインテールの髪型の少女が待っていた。

 

月「あっ...リn」

 

月がリナリーの名前を呼びそうになり、慌てて雷渡は月の口を塞ぐ。

 

雷(馬鹿!俺らは初対面なんだぞ、お前が名前を知っていたらおかしいだろ。)

 

月(ご..ゴメン、兄さん.....そうだったね。気を付けるよ。)

 

「....?」

 

雷「ああ...何でもないから気にしないで。」

 

「そ、そう?」

 

少女は不思議そうに二人を見ている。

 

雷「所で君は?」

 

リ「あっ、ゴメンなさい。自己紹介がまだだったわね。私はリナリー・リー、エクソシストよ。」

 

雷「過神 雷渡だ。宜しく。」

 

月「過神 月《るな》。宜しく。」

 

リ「へー月《るな》っていうんだ。変わった名前ね。」

 

月「よく言われる。」

 

現代では月と書いてるなと読むのはいわゆるキラキラネームと呼ばれるものなので、現代では恥ずかしい思いをするのだが、この時代ではまだキラキラネームがなかった時代なので月にとっては...まぁ..良いことなんだろう...うん、きっと。

 

雷「それで、リナリーだっけ。何で俺達を出迎えたんだ?もしかして俺達に黒の教団の案内を頼まれてるんじゃないのか?」

 

リ「あっそうだった。じゃあ今から施設の中を案内するね。」

 

雷(やれやれ、やっとか。)

 

はぁ、とため息をつき、リナリーに付いていく雷渡と後ろから付いていく月

 

リ「ここは食堂よ。エクソシストや他の職員達が食事をする場所よ。」

 

雷(...アレンがいたらよく利用してそうだな。そういえば、アレン達は居るのかな....後で聞いてみよう。)

 

リ「次にここは修練場、3階層に渡ってあるのよ。」

 

月(修練場...か。もしかしてだけど狙撃の練習とか出来るのかな。.....もしあればやってみたいな。)

 

リ「それじゃあ、次の場所に行くね。」

 

それからは談話室、療養所等を紹介してもらい雷渡と月はそれぞれの感性で興味を持つのだった。

 

リ「どう。ここまでの感想は?」

 

雷「そうだな。ここで暮らすとなると快適に過ごせそうだな。」

 

リ「月はどう?」

 

月「そうだね。修練場のことなんだけど、ボクのイノセンスは銃だから射撃の練習が出来る場所があれば良いなと思ったかな。」

 

リ「そう。それじゃあ後で科学班の皆にそう伝えておくわ。」

 

雷「もう一つ感想を言うなら、ここは我が家のような安心感かな?」

 

雷渡がそう言うとリナリーがクスッと笑った。

 

リ「あっ、ゴメンなさい。そんな風に言ってくれると思わなくて。」

 

雷「そ...そう。」

 

リ「実はね、本部のことをホームって呼ぶ人もいるのよ。まぁ、出ていったっきり帰ってきてない人もいるけど。」

 

雷、月((絶対クロスのことだ。))

 

初めて二人の思考が一致した瞬間であった。

 

次に案内されたのは扉の一つに赤いバツ印が付いた部屋の前に来ていた。

 

雷「ここは?」

 

リ「ここはいいの。」

 

雷「え?」

 

リ「ここはいいの。」

 

リナリーはそう答えるだけだった。

 

雷、月((ああ。コムイの個人的な実験室か...))

 

それからも教団内部の様々な施設を案内され、遂に室長室へとやって来た。

 

コ「はい、ど~もぉ科学班室長のコムイ・リーです。」

 

雷「過神 雷渡です。」

 

月「過神 月です。」

 

コ「じゃあ、早速で悪いけど付いてきてくれるかい?」

 

・・・・・・

 

 

 

雷「あの....ここは?」

 

コ「すぐに分かるよ。」

 

エレベーターに乗って下へと降りていると何処からか声が聞こえてきた。

 

「それは..."神のイノセンス"...」

 

「全知全能の力なり...」

 

「またひとつ...我らは神を手に入れた...」

 

雷「あの人達は?」

 

コ「僕らのボス、大元帥の方々だよ。」

 

「其方の価値...我らに示してみよ」

 

雷、月「─え?」

 

その瞬間雷渡と月の身体は宙に浮いた。

 

『イ....イノ...イノセンス』

 

雷、月((ヘブラスカ!!))

 

二人は後ろから白い触手のようなものを出してきたヘブラスカと呼ばれた白い巨人?に持ち上げられてしまった。次の瞬間、身体に白い触手のようなものが巻きつき、身体の中を探られる感覚が二人を襲う

 

雷(く...っそ、分かってはいたけどやっぱり気持ち悪い。)

 

二人はヘブラスカのこの行為がイノセンスとのシンクロ率を測るために行っているものだとは理解していた。理解はしていたが、

 

雷、月((でもやっぱり、気持ち悪い!))

 

そろそろ二人の限界が近づいていた。

 

コ「どうかな、ヘブラスカ? 二人は君のお気に召すかな?」

 

ヘブラスカと呼ばれた白い巨人は雷渡の額に自分の額を合わせだした。その瞬間、突如眩い光が輝き始めた。余りの光の眩しさに雷渡は目を瞑る。するとヘブラスカが何かを数えるような声が聞こえてきた。

 

ヘ『5%.....25%.....49%......67%....86%...!』

 

何かの数値を測っている声が突如止まった。

 

ヘ『98%』

 

コ「....!」

 

雷(98%...それが今の俺のシンクロ率...か。)

 

ヘブラスカは次に月の額にも同じように自分の額を近づける。

 

ヘ『6%....35%.....68%.....89%..!』

 

またもやヘブラスカの声が止まった。

 

ヘ『95%』

 

コ「....!」

 

雷(月も俺と似たようなシンクロ率なんだな。)

 

ヘ『今のお前達のイノセンス達とのシンクロ率の最高値は全て90%以上のようだ。』

 

コ「あれ?ヘブラスカ、イノセンス達って?」

 

ヘ『この二人はイノセンスを3つ所持している。そして3つとも二人が適合者だ。』

 

コ「....!!」

 

雷「....そうか。」

 

もしかしてこれも転生特典ってやつなのかと内心思いながらもここまでイノセンスとのシンクロ率が高いとアクマ達との戦いでは楽になりそうだなと思う雷渡

 

コ「すごい、すごいよ二人とも!...イノセンスを3つも所持していて、しかも3つとも二人が適合者なんて珍しいことだよ!。」

 

雷、月「「ああ、はい。」」

 

コ「あれ?なんか二人とも驚いてないね。」

 

雷「驚きすぎて逆に冷静なだけですから。」

 

月「同じく」

 

コ「あ..そ、そう。」

 

雷(もしかしてだけど新入団員はこれを受けなければいけないのか?だとしたら最悪だな。)

 

ヘ『コムイ、そろそろいいか?』

 

コ「あ、ああ ゴメン。続けて。」

 

この後、ヘブラスカから二人に対する予言が言い渡されたのだが、二人はその内容にただ驚愕するばかりだった。

 

ヘ『お前達二人は───』

 

雷、月「「.....!!」」

 

・・・・・

 

雷「はぁ、疲れた。」

 

月「疲れたぁ~。」

 

ヘブラスカの予言のその後 様々な手続きを済ませ、現在二人は食堂の長テーブルで突っ伏していた。

 

雷「でもまぁ、これで俺達も晴れてエクソシストの仲間入りだ。 これから任務をこなして周りのエクソシスト達に認められるように頑張っていこう。」

 

月「うん。そうだね これから頑張っていこう。」

 

おー と二人が意気込んでいると、

 

リ「本当に仲が良いのね。二人とも。」

 

リナリーが話しかけてきた

 

雷「ああ、一応兄妹だからな。」

 

リ「えっ...そうだったっけ?」

 

月「リナリーはボク達をどういう風に見てたの?」

 

リナリーは顔を赤らめながら、手で顔を覆い

 

リ「てっきり....その....恋人とか」

 

月「/////....っはぁ!? ちち違うし、そんなんじゃないから!」

 

雷「俺達が自己紹介した時言わなかったか?兄妹だって。」

 

リ「あれ? そうだったっけ?」

 

はて?と首をかしげるリナリー

 

雷(あれ?もしかしてリナリーって...天然!?)

 

リナリーの意外な一面に驚きながらも話を続けようと雷渡はリナリーの方に向き直るが視界の端に月が顔を赤らめている様が見られる。

 

雷「お~い いつまでそうしてるんだ?」

 

月「いや....だって恋人、恋人って...////」

 

ダメだなこりゃ....はぁ...

 

雷「そういえば、リナリーに聞きたい事があるんだけど。」

 

リ「うん? 何?」

 

雷「いや、大したことじゃないんだけどさ...今いるエクソシストの事を聞きたいんだよ。そうだな...例えばだけど白髪の見た目のエクソシストっている? 」

 

リ「白髪のエクソシスト? 居なかったと思うけど、それがどうかしたの?」

 

雷「ああ、いや 何でもないんだ...ただちょっと気になっただけだから。」

 

リ「そう?役に立てたなら良かった。」

 

雷(やっぱり思ってた通り、アレンが居ない...か。どうやら俺達は原作の話よりも前に教団に来たみたいだな。)

 

雷「さて、と じゃあ何か頼もうか。」

 

せっかく食堂に来ているのだから食事を楽しもう。取り敢えず考えるのはそれからだ。

 

・・・・・

 

所変わって自室。雷渡と月はもちろん別室となった。

 

雷「さてと、先ずはエクソシストになることができた。次は....そうだな、原作で死んだエクソシスト達を死なせないようにしないと。」

 

原作で死んだエクソシストは結構いたはずだ。何人いたかまでは流石に覚えてないけれど、救えるなら救いたい。

 

雷(神田辺りに聞かれたらキレられそうだな...。今日はもう寝よう。)

 

一方、月の方は・・・・

 

月「///....はぁ。」

 

ひとりため息をつきながら今日の事を思い返していた。

 

 

月(リナリーに恋人通しって言われた。.....恋人通しって。/////)

 

リナリーの発言にひとり悶々としていた。

 

月(やっぱり他の人から見たらボク達二人はそう見えちゃうのかな?....とにかく、今日はもう寝よう。)

 

この世界に来てからまだ1日も経っていないのにも関わらずここまで来ることが出来た。だが、これからだ....これからなんだと一人、胸の内で考えながらも雷渡と月は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




転生特典その1:イノセンス3つ

転生特典その2:言語理解と発言(主に英語)

転生特典その3:所持金の増加(現在の所持金5000ギニー)

転生特典その4:身体能力の強化

転生特典その5:シンクロ率90%以上


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第三夜 初任務

明け方、教団内の修練場で一人黙々と居合いの練習を行う青年が一人、彼の名は過神 雷渡《かがみ らいと》このエクソシストの総本部 黒の教団に来てからはや数日たった頃、

今日もまた一人黙々と修行をしている。

 

雷(..........今だ!)

 

スパッ!

次の瞬間、雷渡が刀を鞘から引き抜くと同時に練習用の藁で作られた人形の人形が袈裟斬りになってドサドサと地面に落ちていく。

 

雷(...やっぱりまだまだこんなものか。それにしてもこの刀 飛雷神《ひらいしん》が居合いに適した刀だとは思わなかった。)

 

今は雷渡自身が所持しているイノセンスの一つ 飛雷神の居合い練習を行っていた所であった。このイノセンスの能力は刀身から雷を放出し、刀身に付与することで切れ味を増すようになるというものであるのだが、

 

雷(この刀身から放出される雷が...まさか俺自身の身体にも流せるとはな。)

 

雷渡がこの現象を知ってからは、修練場で誰にも気付かれないように一人で居合いの練習を行っていた。さて、ここで人体構造について一つ語るとしよう。 人間の身体には脳からの指令を電気信号で受信している。雷渡が先程行った居合いは、雷渡のイノセンス 飛雷神の刀身から放出される雷を柄の方に流し、そこから身体全体に雷を行き渡らせることで居合いを可能としている。

 

雷(やっと形になってきた所か....でも、まだ実戦で使うには技術が足りない。)

 

雷渡の居合い練習は日が昇るまで行われた。

 

・・・・・

 

朝8時、食堂にて

 

雷「カレードリア、飲み物は緑茶で。」

 

月「カルボナーラ、飲み物は緑茶、あとデザートにイチゴパフェを。」

 

ジ「は~い。ちょっと待っててね。」

 

今注文を頼んだ人は料理長のジェリーさん。言うのは失礼だが、オカマの人だ。

 

雷「つーか月お前またパフェかよ。」

 

月「いーじゃん、好きなんだから。」

 

雷「どうでもいいけど、あんまり食べると太るぞ。」

 

月「なっ!....失礼だよ!兄さん。レディに対してそんな事言うなんて!」

 

雷「分かった分かった。俺が悪かったって。」

 

月「もー、いっつもそればっか。」

 

月がぷくーと頬を膨らませて文句を言う。二人が近くの長椅子に座りながら料理を待っていると、ツカツカと、神田が近くを通りすぎようとする。

 

雷「よう。神田。」

 

神「チッ。」

 

舌打ちされた。何でだろう?

 

雷「お前は相変わらず無愛想だな。」

 

神「ほっとけ。それより何の用だ。」

 

雷「いや、大したことじゃないんだけどさ...今度俺に稽古つけてくれよ。まだ刀の扱いに慣れてなくてさ、神田は刀を使って戦うだろ、だから教えてもらえないかと...」

 

神「知るか、一人でやってろ。」

 

神田はそう言うとツカツカと歩いて行った。

 

デ「全くあいつは素直じゃないじゃん。」

 

マ「済まないな、雷渡。あいつはいつもああなんだ。」

 

後ろから神田と同じティエドール元帥の弟子であるマリとディシャが話しかけてきた。

 

雷「いや、いいよ。いつもの事だしね。」

 

マ「それにしても意外だな。お前が誰かに教えて貰おうとするなんて。」

 

デ「だな。それもあの神田に。」

 

二人は意外そうに雷渡を見る。

 

雷「いや、今の所エクソシストで刀使って戦うのって神田か俺しかいないじゃんか。だから神田に指導してもらえば自分ではきずかない所とかに気付けるんじゃないかと思ってさ。」

 

マ「そうか。だが、神田とお前では能力が違うんじゃないのか。」

 

あ、そうか。だから神田は俺に教えるのを嫌がったのか。

 

雷「成る程。それは考えてなかったな。だから神田は俺に教えるのを嫌がったのかもな。」

 

デ「多分、それだけじゃない気もするじゃんか。」

 

月(ボク完全に空気だ。)

 

・・・・・

 

二人が朝食を食べ終えた後、室長室にて、

 

コ「今回二人にはフランスに行ってもらう。そこで起きている怪奇現象を探ってくれ。」

 

雷、月「「了解。」」

 

・・・・・

 

所変わってやって来ましたフランス

 

月「ねぇ、兄さん観光しようよ観光!!」

 

月ははしゃいでいる、

 

雷「お前なぁ、俺達は遊びに来てるんじゃないんだぞ。」

 

月「分かってるよ、任務でしょ任務。」

 

全く冗談が通じないんだからーとか月が呟いているが、敢えて無視しておこう。

 

資料にあった怪奇現象がよく起こっている場所に着くとやはりいた、アクマだ。

 

雷「数はレベル1が数体、レベル2が4体...行けるな?月。」

 

月「もちろん。」

 

二人は駆け出し、

 

雷「イノセンス、発動。『火炎凍華』」

 

月「イノセンス、発動。『粛清の咆哮《デッドリー・ロアー》』」

 

互いにイノセンスを発動し、アクマを倒していく。

 

雷「『一の型、炎蛇の舞《えんだのまい》』」

 

雷渡の刀の刀身から炎が渦を巻いて放出され、次第に巨大な蛇の形となった。

 

雷「喰らえ。」

 

雷渡が冷たい瞳でアクマ達を見据える。次の瞬間、炎で作られた蛇がレベル1のアクマ達を呑み込む。

 

雷「摂氏5000℃の熱の中で無事生還出来るかな?」

 

呑み込まれたアクマ達は中でドロドロに溶けていく。

 

雷「伯爵も摂氏5000度の熱に耐えられる様にはアクマボディを作っていなかったか。」

 

アクマ達は断末魔をあげながら溶けていく。徐々に、徐々に。

 

雷「さてと、月の方はどうかな?」

 

・・・・・

 

一方、月は.....

 

月「ふっ、はっ、はっ。」

 

ダン、ダン、ダンとアクマ一体に対して一発だけ撃っていく。

 

アクマ1(以降ア)「俺達アクマに対して一発撃てば死ぬとでも思っているのか、お嬢ちゃん。」

 

ア2「甘いぜ、俺達はレベル1と違って能力があるんだ。そう簡単にはやられねぇーよ。」

 

ギャハハハとレベル2のアクマ達は笑う。

 

月「そっちこそ、今の発言に後悔しないでよ。」

 

ア3「はぁ?何言って......ウグ!?」

 

ア4「な、何だ......この感覚!?」

 

月「ボクがお前らに一発しか撃たなかったのは舐めてたからじゃない、一発で"充分だから"だよ。」

 

ア1「どういう...意味だ?」

 

月「ボクのイノセンス、粛清の咆哮《デッドリー・ロアー》は撃った弾が、内部で爆弾の様に破裂する仕組みになっている。」

 

ア「「「「なっ!」」」」

 

月「じゃあね。ボクの練習に付き合ってくれてありがとう。お礼にあの世へ送ってあげるよ。」

 

ア「「「「こ...こんな小娘に~~~」」」」

 

月「粛清の咆哮《デッドリー・ロアー》桜吹雪。」

 

アクマ達は月が言った通り、バァンと爆弾の様に破裂した。

 

雷「さてと、兄さんと合流して早くイノセンスを回収しなくちゃ。」

 

・・・・・

 

その後二人は合流し、無事イノセンスを回収した。したのだが、

 

雷「まさか、教会の鐘がイノセンスだったとはな。でもまぁ回収したし、良しとするか。」

 

月「でも兄さんどうするの?あの教会、鐘がなくなったら困るんじゃないの?」

 

雷「ああ。それなら大丈夫だ。さっきコムイに連絡して新しい鐘を用意してくれるとさ。」

 

本当、教団に来てからは良いことだらけだな。

 

雷(経費で食事出来るし、電車もタダで乗れる。本当に良いことだらけだな。)

 

雷「さて、帰って報告書出さないとな。」

 

月「じゃあ、兄さん宜しく。」

 

雷「お前なぁ....たまには自分で書けよ。」

 

二人は帰る。帰るべき場所に、これからも、そうでありたいと思いながら。

 

 

 

 

 

 




二人の技を載せておきます。

雷渡:火炎凍華

技:「一の型、炎蛇の舞」アクマを炎で作った蛇の中に閉じ込め、ドロドロに溶かす。

月:粛清の咆哮

技:「桜吹雪」アクマに弾を撃ち込み、アクマの散りゆく様を桜が花びらを散らす様に例えた技。


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第四夜 侵入者?or入団者?

今回から原作の主人公である彼が登場します。


雷渡と月が初任務から帰ってきた数日後。二人は修練場で雷渡は居合いの練習、月は射撃練習を行っていた。

 

雷(........今だ!)

 

スパッ、と練習用の藁を袈裟斬りにする。雷渡はその切れ味に漸く納得していた。

 

雷(よし!これなら実戦で使っても大丈夫だな。....さてと、月の方はどうだろうな?できればあいつとは共闘して戦いたいから息を合わせられるようにしたいんだが。)

 

少し考え、

 

雷「取り敢えず、あいつの練習を見てみようか。共闘の事はそれから考えよう。」

 

・・・・・

 

一方、修練場の射撃訓練施設では...

 

月(.....落ち着いて、的をよく狙って.....今!)

 

ダァン、と的を狙い銃を撃った。しかし、狙い通りには当たらない。

 

月「はぁ、またダメかぁ.....」

 

月自身、この射撃練習は何十回、何百回と繰り返しているのだが中々的には当たらない。

 

月「一体、何が悪いんだろうか?」

 

雷「撃ち方じゃないか?」

 

バッ、と後ろに振り向く。そこには彼女の兄、雷渡が練習を見ていた。

 

月「に、兄さん。...何時から。」

 

雷「そんな事よりもだ。月お前、俺が教えた撃ち方で撃ってないだろ。」

 

月「えっ?」

 

雷「まず、さっきと同じように構えてみろ。」

 

月「えっ...と、こう?」

 

次の瞬間、雷渡は月の後ろから覆い被さる様に月が構えた銃を月の両手ごと握った。

 

月「////....ちょ!?」

 

雷「いいか。両手で撃つときの構えはだな.....」

 

雷渡は月のために拳銃の構えと撃ち方を教えるために月に覆い被さる様にしてレクチャーしているのだが、当の本人はそんな事は考えられないくらいに混乱していた。

 

月(なっ///...ななな何で後ろから抱き締めるような感じで教える必要があるんだよぉ!?....これじゃあ教えてもらっても内容が全然頭に入ってこないよ。どどどどうしよう。)

 

雷「.....だからこの撃ち方なら....おい。」

 

月「へっ?....な、何?」

 

雷「何じゃねえよ。お前、俺が教えてるのにちゃんと聞いてないじゃんか。」

 

月「ご、ごめん。」

 

雷(全く、これじゃ共闘はまだまだ先の話だな。)

 

ハァ、とため息を付き呆れる雷渡、まずい。どうにかしなければと慌てる月

 

月「あっ、そうだ兄さん。」

 

雷「何だ?」

 

月「ボクのもう一つのイノセンスの事なんだけどね....実は、───」

 

その内容に雷渡は驚愕する。

 

雷「それは本当か?」

 

月「うん。初任務の時に気づいたんだけど、この能力を使えば戦闘がいくらか楽になるかなって。」

 

雷渡は少し考える。

 

雷「そうだな。その能力があればいくらか楽にはなるな。....だが、使いどころを間違えると大きな痛手となることは考えておいた方がいい。その事は覚えておけ..いいな?」

 

月「うん。分かった。」

 

雷「じゃあ、そろそろ食堂行くか。腹減ったし、」

 

月「あっ、ボクも行く~。」

 

・・・・・

 

食堂へ行く途中の廊下で神田とすれ違う。

 

雷「よう、神田。これから任務か?」

 

神「チッ。」

 

神田はまるで嫌な物を見るように雷渡を睨み付ける。

 

雷「そんなに嫌そうにしなくてもいいじゃんか。ただこれから任務かどうか聞いただけなんだからさ。」

 

神「うるせぇ。話しかけんじゃねぇ。」

 

雷「全く、相変わらずだな。お前は」

 

やれやれとため息を付くと、神田の後ろにいた探索部隊《ファインダー》の男にふと目が行った。

 

雷「あれ?あんた新人か?」

 

ゴ「はい、はじめまして。ゴズって言います宜しくお願いします。」

 

雷「おう。宜しく。」

 

探索部隊《ファインダー》の男はゴズと名乗った。ん?ちょっと待てよ。確かゴズって.....あっ(察)

 

雷「ゴズ、神田を宜しく頼む。こいつは無愛想で口も悪いが、それでも優しいやつだからさ。だから宜しく頼む。」

 

ゴ「はい!任せて下さい。」

 

神「お前は俺の親か!」

 

雷「お前の親代わりの人ならいるだろ。なぁユー君。」

 

神「なっ!何でお前がそれを知っている。」

 

神田は怒りでワナワナと震えている。

 

雷「この前、マリとディシャに会ってな。その時に聞いた。」

 

神(あいつら......後で殺す。)

 

雷「落ち着けってユー君。(笑)」

 

神「誰がユー君だ!、ブッタ斬る!(怒)」

 

あ、やべ俺死んだかも.....

 

雷渡ダッシュ

 

神「待ちやがれ!」ダッシュ

 

雷「落ち着けって神田。冗談、ほんの冗談じゃんか。」

 

神「うるせぇ!そこに直れ!叩き斬ってやる。」

 

雷「斬られると分かって誰が座るか!」

 

神田は刀を振り回すが、雷渡はそれを次々と避けていく

 

神「このやろう....ちょこまかと動き回りやがって。」

 

雷「なんかこれ、砂浜を走ってる恋人通しみたいだな。」

 

神「何を言ってるんだお前は!......やっぱ斬る!」

 

雷「あははは。捕まえられるものなら捕まえてみなさ~い。」

 

神「コロス(殺)」

 

雷「アレ?神田さん、冗談だからね。ほんの冗談だから.....だから技出すのは止めてくれ!!(焦)」

 

ダダダとどこかへ走っていく二人とそれを見ている二人

 

ゴ「......」

 

月「.......えっと き、気にしないであの二人はいつもああだからさ。」

 

ゴ「あっはい。」

 

月「それで、ゴズって言ったね。」

 

ゴ「はい。どうかしましたか?」

 

月「いや、大したことじゃないんだけどさ....気を付けてね。ボク達エクソシストと違ってあなたは普通の人間だからね。」

 

ゴ「......はい!頑張ります。」

 

月「...よし!それじゃ兄さんと神田止めなきゃね。」

 

ゴ「えっ?いやでもどうやって?」

 

月「簡単だよ。そらっ」

 

月は右脇のホルスターから銃を一挺取り出すとバァン、と天井に向かって撃った。

 

月「うるさい。(怒)」ニコッ

 

雷、神「はい。ごめんなさい。」土下座

 

月「よろしい。」

 

ゴ(怖っ!?)

 

三人はその時月は怒らせないようにしようと心に誓うのだった。

 

・・・・・

 

食堂にて、

 

雷「エビフライ定食とカキフライとシーザーサラダ。飲み物は緑茶で。」

 

月「カルボナーラとシーザーサラダ。飲み物は緑茶、あとデザートに胡麻プリンを。」

 

注文を終えて長椅子に腰かける。

 

雷「全く、神田もあんなに怒ることないのに。」

 

月「あれは兄さんが悪いよ。ちゃんと反省しなさい。」

 

雷「はい。ごめんなさい。」土下座

 

月「よろしい。」

 

ラ「あれ?新入りさ?」

 

後ろを振り向くと右目に丸い黒眼帯、バンダナを着けたエクソシストが近づいて来た。

 

雷「誰だ?」

 

ラ「ラビっす。はじめまして。」

 

雷「はじめまして。」

 

ラビははじめに雷渡をじっと見ている。

 

雷(ブックマン故の観察か....だが俺に警戒されるようならまだまだ未熟だな.....ってブックマンに言われるだろうな。)

 

次に月を見るとK

 

ラ「す」

 

雷、月「「す?」」

 

ラ「ストライク!」

 

ラビは目がハートになっていた。

 

ラ「ねぇ君どこから来たの?名前は?好きな食べ物は?好きな男性のタイプh...」

 

ブ「何をしとるんじゃお主は!」

 

パンダの様なメイクをした老人がラビを蹴飛ばす

 

雷「...はっ、月大丈夫か?何かされなかったか?」

 

肩をがっしりと掴むと雷渡は聞く

 

月「だ、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけだから。....それよりもあの人。」

 

雷「ああ。ブックマンだな。」

 

ブックマン。世界各地で起きた戦争や歴史的に有名な事柄を記録する者の呼称。歴史上の文献の中には必ずと言っていいほどその名前が出てくる。

 

雷「あの、あなたは?」(知ってるけど一応聞いておこう。)

 

ブ「済まない。自己紹介が遅れた。それとウチの馬鹿弟子が失礼した。私の事はブックマンと呼んでくれ。」

 

雷「分かりました。ブックマン。」

 

お互いに握手を交わす。

 

雷「とまぁ、それはそれとして....ラビ。」

 

ラ「な、何さ?」

 

雷「いくら俺の妹が自分のタイプだからってあんな風に迫って、聞き出すのは失礼極まりないだろ。」

 

ラ「う...悪かったさ。」

 

雷「まぁ、話はそれぐらいにして。...ブックマン、ラビの仕置きはあなたにお任せします。」

 

ブ「度々すまんな。それでは我らは自室に戻るとしよう。」

 

ラ「ちょ、じじい 放せって! 引きずってる、引きずってるから!!」

 

ラビがブックマンに何処かへと連れ去られる

 

雷「全く、ラビのストライクゾーンってホント広いな。」ハァ

 

月「それよりも兄さん、ジェリーさん呼んでるよ。」

 

雷「いっけね。料理頼んだのすっかり忘れてた。」

 

月「今日も任務あるみたいだし早く食べないとね。」

 

・・・・・

 

その後二人は任務でノルウェーに来ていた。

 

雷「今回はノルウェーか。....さてと、イノセンスはどこにあるのやら。」

 

月「それよりも兄さん。観光しない?観光。」

 

雷「お前は観光しか頭にないのかよ。....全く、任務で来てるのにお前のせいで嫌になってくるわ。」

 

頭を抱えてハァとため息を付く雷渡

 

月「わ、悪かったわよ。ちゃんとするから許して。」

 

雷「やれやれ、都合が悪くなるといつもそれだな。...とまぁさっさと終わらせて帰るか。」

 

二人は怪奇現象が起きた場所へと向かう。

 

雷「何だ......これ。」

 

月「あ、あり得ない。」

 

二人があまりの驚きにそれ以外の言葉が出て来ない。

それもそのはず。二人の目の前には数えきれない程のアクマがわんさかと湧いているからである。その殆どがレベル1であるが中にはレベル2も幾つかの数がいる。

 

雷「これ、明らかに罠だな。俺達のイノセンスの能力を探ろうとしてるんだろうな。」

 

月「だったらどうするの兄さん?」

 

雷「そんなの決まってる。」

 

雷渡は腰の左脇に装備している刀を抜き、アクマ達に突きつける

 

雷「全部倒す。」

 

月「了解。じゃあどう相手する?」

 

雷渡は抜いた刀を鞘に納めてから少し考え、結論を出す

 

雷「....取り敢えず、俺はレベル2を倒す。月、お前はレベル1を頼む。」

 

月「了解。それじゃあ、初めよっか。」

 

二人は近くの民家の壁を路地裏から屋根へと登り、そこからアクマを倒そうと屋根の上を走り、屋根から屋根へと走りながらアクマ達との距離を詰めていく

 

雷、月「「イノセンス、発動。」」

 

雷『飛雷神《ひらいしん》』

 

月『粛清の咆哮《デッドリー・ロアー》』

 

ア1「来たぞ、エクソシストだ!」

 

ア「殺せ!殺してイノセンスを奪い取れ!」

 

レベル2のアクマ達が雷渡に覆い被さる様にして襲いかかってくる。一方の雷渡は発動した飛雷神を鞘に納めたままアクマ達に向かっていく。

 

雷「飛雷神、奥義其の一」

雷渡はアクマ達を通りすぎていく。その刹那の瞬間、

 

雷『紫電一閃』

 

レベル2のアクマ達は途端に灰と化した

 

雷「俺を殺りたきゃお前らの上司でも連れてこいよ。」

 

???「ふ~~ん、お前 強いんだねぇ。」

 

雷渡は振り向き様に飛雷神を向ける。しかし、そこにいたのはアクマではなく、

 

雷「なっ!」

 

雷渡は再び驚いた。そこには、まだ登場するには早い人物が立っていた。

 

──────

 

一方、月の方は

 

月「くっそ~~~何この数!倒しても倒してもキリがないんだけど。」

 

一人、アクマ達の数の多さに文句を言いながら戦っていた。

 

月「最近、アクマ達の強さって個々の強さじゃなくて数の多さだと思えてきた。」

 

でも何故こんなにアクマ達を配置する必要があったのか?いくらなんでもイノセンス一つにアクマのこの数の多さは明らかに異常だ

 

月(さっき兄さんが言ってたな。ボク達のイノセンスの能力を探ろうとするためだって。...でもいくらなんでもこの数はおかしい。....とするとイノセンス以外に目的がある?)

 

イノセンス以外の目的?一体何があるというのか。月は戦いながら考える。

 

月(あれ?そういえば原作でもこんなことなかったっけ?...あれって確か原作3巻の....ハッ)

 

月は気づいた。このアクマ達の目的がイノセンスではな

く、自分の兄だということに。

 

月(目的は兄さん!?..だとしたらまずい!急いで合流しないと。)

 

月が雷渡と合流しようと引き返そうとすると、

 

ア3「おっと、行かせねぇよ。」

 

ア4「どうしても行きたきゃ俺達を全て倒してから行きな。..まぁ無理だろうがな」

 

アクマ達が月をグルッと周りを囲み、ギャハハハとアクマ達が汚い笑い声を挙げる。

 

月「く、っそ 」

 

こうなってしまった以上後には引けないと理解し、アクマ達に立ち向かう。

 

月(どうする?いっそのこと《あれ》を使う?..でもあれはこいつらにバレるとかなりマズい。...どうすれば?)

 

アクマ達は次々と月に迫ってくる。このピンチを月は乗りきれるか?

 

・・・・・

 

一方、雷渡の方は

 

雷(何でこいつが此処にいる!?こいつはまだ出てこないはずだろ。)

 

雷渡の目の前にはカボチャの頭が先端に付いた傘を持って、ニヤリとこちらを嘲笑うかのように見ている。

 

雷(ノアの一族。長子 ロード・キャメロット)

 

雷渡の目の前に立っていたのはノアの一族の一人、ロード・キャメロットだった。

 

雷「.....何者だお前?タダの人間じゃないな。」

 

???「よく分かったね。僕はノアの一族の一人。ロード・キャメロットだよ。」

 

雷「ノア!?」(知ってるけど、以下略)

 

??「しー!ろーとたま しー!!知らない人にウチのこと喋っちゃダメレロ!!」

 

その時、傘が喋り始めた。あれは伯爵の作ったゴーレムで名前はレロだった筈と雷渡は思った。

 

雷「....それで?そのノアの一族のあんたは俺に何の用だ?」

 

ロ「どうして、そう思うの?」

 

雷「惚けるなよ。このアクマの数、配置、その他にも色々あるが...明らかにおかしいだろ。これで目的がイノセンスじゃなければ残りは俺か妹の方に用がある筈だ。」

 

雷渡は自分の考えをロードにぶつける。

 

「そして、今お前は俺に接触してきた。これでお前の目的は俺のイノセンスか俺自身に用があると見た。」

 

それを聞いたロードは

 

ロ「ぷっ、くく。」

 

レ「ろ、ろーとたま?」

 

ロ「あっははは。....君、面白いな。」

 

ニタァと不気味な笑みを浮かべるロード

 

ロ「君、名前は?」

 

雷渡は敵であるノアに名前を教えてもいいのかと少し悩み、自分の名前を口にする。

 

雷「雷渡。過神 雷渡だ。」

 

ロ「ふ~ん。雷渡か、覚えておくよ。」

 

雷「それで、要件は何だ?」

 

ロ「べっつにぃ~~ただ、ちょっとした暇潰し。」

 

雷(こいつ見た目は子供でもなぁ....。)「.....つーか今日平日だぞ、学校行かなくてもいいのかよ。」

 

ロ「サボったから大丈~夫。」

 

雷、レ「「全然大丈夫じゃねぇ(ないレロ)!!」」

 

ロ(...今何でハモったの?)

 

レ「ろーとたま、また学校サボったレロか! ダメレロ、ちゃんと学校行かないと伯爵タマにペンペンされるレロ。」

 

ロ「千年公は僕にそんな事しないもん。」

 

雷「そろそろ帰ってくれ。俺はお前らの漫才見に来た訳じゃねぇんだよ。」

 

冷たい瞳でロード達を睨み付け、刀を向ける。

 

ロ「いいねぇ、その瞳。....じゃあ僕はもう帰るよ、それじゃあねライト。」

 

何処からか王冠が乗っかったハート型の扉が現れ、その中へとロード達は消えていく。そして扉が姿消したと同時に雷渡の緊張も解けた。

 

雷「ふう。流石に出てくるとは思わなかったからビックリはしたが、それでもいずれは戦うことになるからな...それまでに力を付けないと。」

 

新たに決意を固める雷渡。ここで月のことを思い出した。

 

雷「やっべ!月の事すっかり忘れてた。急いで合流しないと。」

 

月「終わったよ。兄さん。」

 

月のところに急いで向かおうとした雷渡の前に月が疲れた様子で現れた。

 

雷「お、おう。大丈夫だったか?あの数相手に一人はキツかったんじゃないか?」

 

月「あーうん。それはこれでなんとかなった。」

 

月は自分のイノセンス粛清の咆哮《デッドリー・ロアー》を雷渡に見せる。

 

月「ってそんな事より兄さん!アクマ達に何かされなかった?」

 

雷「ああ。実は────」

 

雷渡は月に話した。先程自分のところにノアの一族の一人、ロードが現れたこと。目的があったことを話した。

 

月「やっぱりそうだったんだ。」

 

雷「ああ。」

 

月は後悔した。もし自分がアクマ達の目的さえ直ぐに理解していれば未然に防げたのではないかと。

 

雷「なぁ月」

 

月「何?」

 

雷「今日、俺がノアに会ったことは誰にも話さないでくれ。」

 

月「なっ!何で?..話せば対策とかとれるんじゃないの?」

 

雷「よく考えてみろ。俺達エクソシストの敵が千年伯爵だけでなく、ノアの一族という人間達までもが敵だと知られたらどうなる?」

 

月「それは....」

 

もし、教団に報告すればどうなるか。報告すれば内部で混乱を招き、派閥が別れるかも知れない。月の中では結論は決まっていた。

 

雷「それだけじゃない。もしノアの一族が俺に接触してきたことを中央庁に知られたら、どうなるか分かってるだろ。」

 

ハッ、と月は最悪の未来を浮かべる。もし、中央庁に知られれば兄はノアの一族の関係者として疑われるのではないか。それだけならまだしも最悪の場合、異端の徒として処刑されることになるだろう。

 

自分の兄は常に最悪のケースを考え、行動しているのだとこの時月は悟った。

 

雷「だから月、頼む。この事は黙っててくれ。」

 

月に雷渡が頭を下げる。月は自分の兄がこんなにも弱々しい姿を見せたことに驚きながらも、

 

月「...分かった。それじゃあイノセンスを回収しようか。」

 

雷「ああ。」

 

ノアと接触したことを黙っていようと心に誓うのだった。

 

・・・・・

 

二人がイノセンスを回収し、ヘブラスカにイノセンスを渡した後、

 

雷、月(そういえば、何か忘れてる気が....)

 

二人が思いだそうとしていた次の瞬間。

 

門「こいつ アウトオオ!!」

 

門番のそんな声が聞こえ、思い出した。

 

雷、月「「マズい! 急がないと。」」

 

二人は急いで門へと向かう。

 

・・・・・

 

???side

 

どうしてこうなった。白髪の少年アレン・ウォーカーは考える。

 

僕はただ、エクソシストになるためにこの黒の教団に来ただけなのに、門番にアクマ扱いされるなんて。....そりゃ確かに僕の左目は呪われてるけども、だからって僕がアクマなんていくらなんでも安直過ぎない!?

 

ふと、門番の頭(?)の上を見ると男が一人刀を構えてこちらを睨んでいる。

 

神「一匹で来るとはいー度胸じゃねぇか...」

 

殺気!

 

ア「ち、ちょっと待って!!何か誤解して...!!」

 

背後に殺気を感じた瞬間。左腕を発動し、それを盾として構え、バックステップで間合いを取る。

 

次の瞬間、凄まじい斬撃が左腕に直撃する。

 

ア「なっ...」

 

神「!」

 

神田の斬撃は凄まじく、アレンの左腕に傷を付けるほどの威力を見せた。

 

ア(左腕に傷が!!...アクマの砲弾でもビクともしないのにたった一撃で...!?...まさかあの刀...)

 

神「お前...その腕は何だ?」

 

ア「.....対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです。」

 

神「何?....門番!!!」ギロッ

 

門「いやっでもよ中身がわからないからしょうがねぇじゃん!アクマだったらどーすんの!?」

 

またアクマ呼ばわり!?いい加減にしてくれよホントに。

 

ア「僕は人間です!確かにチョット呪われてますけど立派な人間ですよ!!」

 

門「ギャアアアア触んなボケェ!!」

 

ギャーギャーと門番が僕に文句を言う。

 

神「ふん...まぁいい。中身を見ればわかることだ。」

 

男が間合いを詰め、僕に斬りかかる。

 

マズい!と感じて左腕でガードし目をつぶる。しかし、いくら待っても斬撃は来ない。恐る恐る目を開けて確認すると、そこには

 

雷「落ち着けよ。神田。」

 

神「てめぇ。」

 

神田の刀を鍔の付いた刀でガードしている男が目の前にいた。

 

・・・・・

 

雷渡side

 

間に合ってよかった。なんとか神田を止めることが出来た。でも左腕に傷、付けられたんだな....アレンのトラウマが出来てしまうな。アレン、御愁傷様。

 

神「てめぇ。何故止める!!!」

 

雷「落ち着けって言ってるだろ神田。少し冷静になれ。」

 

ホントこいつは血の気が多いな。話もまともに出来ないのかよ。

 

雷「前にも言っただろ?よく観察して相手を見ろと。...じゃあ質問だ。あいつのペンタクルは何処にある?」

 

神田は少し落ち着いたのか俺の質問に答えてくれた。

 

神「.....左眉の上だ。」

 

雷「アクマは基本的にペンタクルは額に現れるものだ。それはお前も分かってるだろ。」

 

神「新種のアクマかも知れねぇだろ。」

 

雷「それはないな。俺は今までレベル2までのアクマ達と戦った。そのどれもがペンタクルは額に現れていた。」

 

一つ目の証明完了と心の中で呟く。

 

雷「次の質問だ。.....アクマがイノセンスを所持、使用することは可能か?」

 

神「....不可能だ。アクマはイノセンスとは相反する物質ダークマターから造られる。」

 

雷「そうだ。アクマはイノセンスを使用どころか所持することすら出来ない筈だ。...こいつがアクマだと過程したらおかしいだろ。こいつはさっき、見るからに寄生型のイノセンスを使用した。装備型ならまだしも人体の一部と化しているイノセンスをアクマが使用できる筈がない。」

 

ア「寄生型?」

 

二つ目の証明完了。

 

雷「最後の質問だ。...いや、これはお前にだな。」

 

アレンの方に顔を向ける。

 

ア「僕?」

 

雷「ああ。お前、名前は?」

 

ア「アレンです。アレン・ウォーカー。」

 

雷「そうか。...じゃあアレンどうやってここへ来た。それと何故ここの場所を知っている?」

 

ア「...此処には崖を登って来ました。ここの場所を知っていたのは、師匠に教えてもらったからです。」

 

雷「その師匠って誰の事だ?教団の関係者か?名前は?」

 

ア「関係者って言うより、エクソシストですね。僕の師匠の名前はクロス。クロス・マリアン元帥です。」

 

神「元帥....だと!?」

 

雷「聞いたろ、神田。これでアレンがアクマじゃないってことは理解してもらえるな?」

 

神「チッ。」

 

神田は刀を鞘に納める。俺も戻すか。これにてQED《証明完了》っと。

 

雷「それでアレン。」

 

ア「はい。」

 

雷「どうやって幹部に会おうとした?」

 

ア「師匠から紹介状が送られてる筈です。」

 

雷「紹介状?誰に送ったんだ?」

 

ア「コムイって人に送ったと。」

 

やっぱりかー!!!

 

雷「コムイー!!!お前まさか机片付けてないのかよ。あれほど片付けておけって俺言ったよなぁ!!!」

 

コムイのやつ後で一発殴る。

 

コ「あ、あはは。」

 

周りにいたリナリーや科学班全員がジーっとコムイを見る。

 

コ「そこのキミ!」ビシッ

 

「は はい?」

 

コ「ボクの机調べて!」

 

「アレをっスか...」

 

埃にまみれ、クモの巣が張ってあり、山のように手紙が机の上に乗っている。その机を科学班の一人に調べてもらう様に言う。

 

リナ「兄さん....」

 

リーバー「室長...」

 

皆が皆あきれ果てていた。

 

暫くして、

 

門「かっ開門~~~?」

 

ゴゴゴと音を立てて門が開く

 

雷「やれやれやっとか。」

 

ため息を付くと神田がまだ納得がいかない様な顔をしている。

 

雷「おい神田。」

 

神「何だよ?....!!」

 

俺は冷たい瞳を神田に向けて言う。

 

雷「いい加減にしろよ。さっき俺がアレンはアクマじゃないって証明したばかりだろうが、まだ難癖つけるつもりなら...俺と殺るか?ああ?」

 

神「チッ。分かったよ。」

 

神田はそう言うと開いた門の方へと歩いていった。

 

ア「あ、あの?」

 

雷「あー気にすんな。神田はいつもあんな感じなんだよ。」

 

ア「そ、そうですか。」(今のは...殺気!?しかもさっきの神田って人とは比べ物にならない位の強い殺気だった。...この人は怒らせないようにしないと。)

 

雷「ん?...あれは。」

 

門の方から見知った顔が出迎える。

 

雷「良かったなアレン。歓迎してくれてるみたいだぞ。」

 

ア「えっ?」

 

アレンが門の方に振り向くと、そこにはリナリーが二人を待っていた。

 

リナ「雷渡。ありがとう彼がアクマじゃないって証明してくれて。」

 

雷「気にすんなって。ついでだよついで。あっそうだ月見てないか?さっきここに来る途中ではぐれちゃってさ。」

 

リナ「月?いや見てないけど。」

 

雷「そうか。まぁ、今はいいか。それよりも...アレンに教団の案内をしてくれってコムイに頼まれたんだろ。」

 

リナ「うん。そうだけど。」

 

雷「俺も着いていっていいか? ちょうど任務終わって暇してたところなんだ。頼む、邪魔はしないからさ。」

 

リナ「別にいいけど。」

 

雷「本当!?ありがとう。」

 

すかさずリナリーの手を握る。

 

リナ「ち、ちょっと雷渡。」

 

雷(これでコムイは俺を殺しに来る。...そこで返り討ちにしてやる。)

 

この男、目的のためなら手段は選ばないのか?だがまぁこの策略は間違ってはいないのだが....

 

その後アレンはリナリーと雷渡に着いていき、様々な施設の紹介を受ける。

 

そして、室長に紹介となったとき、リナリーが室長のいる部屋の扉に手をかけようとした瞬間

 

雷「二人ともストップ。」

 

ア、リナ「「?」」

 

雷「いや、俺さっきリナリーの手、握っただろ。」

 

リナ「あ~うん。握ったね。」

 

雷「あれはゴメン。理由があってやったことなんだ。」

 

リナ「理由って?」

 

雷「まぁ、これから起こることで分かるから。」

 

ア、リナ「「?」」

 

アレンは終始理解していなかったが、雷渡が部屋の扉を開けると、

 

コ「ラ~イトくうううん。」

 

そこにはチェーンソーやその他諸々の凶器を持ったコムイが立っていた。

 

雷「リナリー。これが理由だよ。」

 

リナ「えっ、でもこれって...。」

 

雷「コムイをわざと怒らせて、返り討ちに合わせるついでにボコる。それが理由だ。」ベキベキと拳を鳴らす。

 

ア、リナ「「うわぁ....」」ドン引き

 

ホントに主人公かこいつは...

 

その後、コムイは本当に返り討ちに合い、雷渡が満足するまでボコられるのだった。

 

コ「歓迎するよアレンくん。いやーさっきは大変だったね。」ボロッ

 

雷「コムイ。まだ殴られ足りないのか。」拳を構える。

 

コ「じ、冗談だから。だから拳を構えるのは止めて、お願い。」

 

雷「ならいい。」

 

コ「ホッ。」

 

ア(あの人っていつもあんな感じ何ですか?)ヒソヒソ

 

リナ(いいえ。普段はもっと優しいんだけど、兄さんに注意してた机を整理してなかったからか機嫌が悪かったみたい。)ヒソヒソ

 

雷「いや、それだけじゃないんだけどな。単に日頃のストレス発散のサンドバッグがわりに殴っただけだよ。いやーストレス発散になった。今度ストレス溜まったらまた殴りにくるわ、その時は宜しく。」ニヤリ

 

コ「ヒッ」

 

リナ、ア(鬼、いやドSだ。)

 

本当に主人公かこいつは...(2回目)

 

その後、雷渡はアレンの左腕の治療からヘブラスカの間まで付き添い。アレンの予言を聞いてから月を探し始めた。

 

ちなみに月は....

 

月「おいし~い。」

 

一人食堂でパフェをパクパクと食べていましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紫電一閃:飛雷神で行う居合いに雷の威力を上乗せし、威力を上げたもの。


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第五夜 黒の教団 壊滅!?そして、デート!?

アレンが入団してから数日後、雷渡と月は修練場で胴着の様な服を着て、修行を行っていた。

 

今、二人が行っているのは組手。相手がアクマや千年伯爵だけでなくノアの一族まで介入してきたのだからイノセンスにばかり頼っていられないと考え、二人はノアと接触した次の日から組手を行っていた。

 

今現在、雷渡が右の正拳を繰り出し、月が左腕でガードしながら右足で雷渡の顔に蹴りを入れる。雷渡はすかさずしゃがみ込み、月に足払いをかける。月は見切ったのかすかさずジャンプして、そのままバク転して間合いを取る。

 

雷「はぁ....はぁ....やるな。」

 

月「そっち.....こそ......」

 

お互い息切れしながらも会話する。

 

雷「次で....決めてやる。」

 

月「それは....こっちのセリフ...よっ!」

 

お互いに拳を構え、床を蹴って、拳を叩き込もうとした瞬間、

 

ピーッピーッと用意していた目覚まし時計から音が鳴った。

 

お互いの顔面に拳を叩き込もうとして、拳を止める。音が鳴らなければ互いの顔面に拳が入っていた距離だった。

 

雷「.....ここまでか。」

 

ドサッと尻餅をつき、天井を見上げる。

 

月「あ~~もう少しで勝てたのに~。」

 

天井を仰ぎ見る様に背中からドサッと床に倒れ込む。

 

雷「....でもまぁ、これで少しは対人戦が出来るようになったんじゃないか?」

 

天井に向けていた顔を月の方に向ける。

 

月「でも、いつまでたってもお互い引き分けって悔しいよ。」

 

雷「そう言うなって、それだけ俺らの対人戦での実力が拮抗してるってことだ。....それよりも、そろそろ着替えて朝食食べないと...今日はリーバー班長達科学班の手伝いをする約束だろ?」

 

月「あーすっかり忘れてた。」

 

右手で顔を抑える。雷渡は立ち上がり、

 

雷「まぁ、手伝いは夜からだからまだいいが...ほら、さっさと起きろ。」

 

右手を月に差し出し、月を起き上がらせる。

 

雷「ほら、まずは自室に戻って着替えてこい。それから食堂で朝食食べに行くぞ。」

 

月「ん。分かった。」

 

その後、二人は着替えてから食堂へと向かうのであった。

 

・・・・・

 

イギリス どこかの町

 

雷「.......遅い。」

 

二人は食堂で朝食を食べた後、教団の外の駅前で待ち合わせすることになったのだが、どうやら月が待ち合わせの時間になっても来ないようだ。

 

雷「俺も待ち合わせの時間よりも一時間早く来て待ってるけど....いくらなんでも遅いだろ。」

 

待ち合わせの時間から一時間が経とうとしていたところ。

 

月「ゴメン。遅れちゃった」

 

月が待ち合わせ場所に走ってきた。

 

雷「遅い、何してたんだ?」

 

月「パフェ食べてました。」

 

キャハ、と笑って謝ってきた。

 

雷「そうか。じゃ、俺一人でいくわ。じゃあな。」

 

月に背を向けて町へ行こうとして、

 

月「待って!!」

 

月に右手を両手で掴まれる。

 

月「ご、ゴメン。パフェ食べ終わった頃に思い出して、そこから急いで走ってきたから....だから許して。」

 

今にも泣きそうな目で雷渡を見る。

 

雷「.......はぁ、分かった。そもそも出掛けたいって言い出したのお前だろ?お前が忘れてどうするんだ。」

 

雷渡は諦めたのかそう言って月と共に町へと歩いていく。

 

月「それで兄さん。今日は何処にいくの?」

 

月は何処へ行くか決めていなかったので雷渡に聞いてみる。

 

雷「ああ。ちょっと見たいものがあってな。」

 

雷渡はそう言うとある店の前で止まった。

 

雷「ここだ。」

 

そこはこの時代なら何処にでもありそうな店だった。

 

月「雑貨屋? 」

 

雷「そうだ、雑貨屋だ。....多分ここなら売ってる筈なんだけどな....。」

 

そう言って雷渡は何かをキョロキョロと探し始める。

 

月(兄さん....一体何を探しているんだろう?)

 

月は訳が分からずに雷渡に付いて店内を歩いている。

すると突然、雷渡が目的の物を見つけたのか。月を呼んで目当ての商品を指差した。

 

雷「これだよ月。これが俺の見たかった物だ。」

 

月は雷渡が指差した方に目を向けると、

 

月「わぁ......綺麗。」

 

そこにはドーム状の置物の中に複数のフィギュアが飾られている置物が展示されていた。

 

雷「これが俺の見たかった物。スノードームだ。」

 

そうこれが雷渡の見たかった物。現代ではスノードームと呼ばれる物である。

 

月「へぇ。この時代でもスノードームが会ったんだね。」

 

雷「ああ。スノードームは1889年にパリ万博で展示されていた物が始まりなんだ。そしてこの時代は19世紀。スノードームが普通に売られていてもおかしくないんじゃないかと思って見てみたかったんだ。」

 

その時の雷渡の表情は屈託の無い笑顔だった。

 

月「ふ~ん。あっ、ねぇ兄さん。」

 

雷「ん?何だ?」

 

月「この中からどれか一つ買ってくれない?」

 

月はスノードームが欲しくなったのか雷渡におねだりし始める。

 

雷「別にいいぞ。というか俺も一つ買うつもりだったし。」

 

そう言って雷渡はドームの中に雪の結晶の形をしたフィギュアが入ったスノードームを商品棚から手に取って月に見せる。

 

雷「俺はこれにするから決まったら持ってこいよ。」

 

月「うん。分かった。」

 

雷渡はまだ見たいものがあるのか店内を散策している。一方、月の方は

 

月「う~ん。どれにしよっかな~.....これもいいし、このデザインも可愛くていいんだよな~。」

 

どれにしようか決めあぐねていた。

 

月「あっ!これいいかも。」

 

そう言って月が手に取ったのはドームの中に白猫と黒猫が身を寄せあっていて、互いの尻尾がハートの形になるように設計されているスノードームだった。

 

月「よし、これにしよう。」

 

月は雷渡を探して店内のあちこちを見て回った。レジの近くを通ろうとした時、そこで雷渡が待っていた。

 

月「兄さん。これ買って。」

 

雷「分かった。ちょっと待ってろ。」

 

雷渡はそう言うと商品の会計を済ませ、月と共に店を出る。

 

雷「さて、これで一件目は終わりっと。」

 

月「え!まだあるの?」

 

雷渡はああ。とだけ答え、次の店に寄る。そこは、

 

月「ここって、アクセサリーショップ?」

 

雷「ああ。ちょうど指輪とか欲しかったし、少し買っていこう。」

 

雷渡はそう言うと店内へと入っていく。

 

月「あっ、兄さんちょっと待っ....」

 

雷渡を追いかけようとして 月は追いかける時にふと店のショーウィンドーを見てみると、

 

月「わぁ....。」

 

そこには見るからに女性物のネックレスが飾られていた。デザインとしてはシルバー一色のハート型のネックレスである。

 

雷「ん? どうした?」

 

月が店に入ってこないのが気になったのか雷渡が店内から出てきた。

 

月「な、何でもないよ。さぁ、早く見よう。」

 

雷「お、おう。」

 

雷渡はふと、月の見ていたショーウィンドーの中を少し除き込み、そのまま店内へと戻った。

 

アクセサリーショップ店内。そこは見るからに指輪や、ネックレス、イヤリング等様々なアクセサリーが展示されている。

 

雷「さてと、指輪は何処のコーナーかな~。」

 

よっぽどここに来たかったのか雷渡は子供のようにはしゃいでいる。

 

月(兄さんも案外可愛い所あるな~。)

 

月は雷渡の行動にホッコリしながら先程見ていたネックレスの事を思い出す。

 

月(いや、ダメだボク! さっき兄さんに買ってもらったばっかりじゃないか。此処でも兄さんに甘える訳にはいかない!自分で買わないと。)

 

月は先程ショーウィンドーに飾られていたネックレスを探すことにした。

 

雷渡side

 

さてと、指輪のコーナーは....っと、あったあった。

それで、値段の方は......おお。思ってたよりも安い。

 

それじゃどれにしようかな.....

 

お?これいいかも。

 

俺の目に止まったのは、真ん中に十字架のマークが入った盾の様なデザインの指輪だった。

 

雷「これの値段は....うん 安い。....よし、まずはこれ。」

 

一つ決まり、次を探していると、

 

雷「ん?なんだこれ?」

 

それは、黒と白のチェック柄のデザインが施された指輪だった。しかも二組ある。

 

雷「これ、月とお揃いに出来るな。....うん。これにしよう。これは後で店員さんにチェーン通してもらおっと。」

 

その時 俺はふと、思った。もし右目でここの指輪達を見たらどんな風に反応するだろうと、

 

雷(試してみよう。)「イノセンス 断罪の瞳《ブラッディー・クロス》発動。」

 

俺は右目に着けていた眼帯を外し、展示されている指輪達を見てみた。

すると、一つだけ"紅く"光を放っている指輪を見つけた。

 

デザインは真ん中に赤い色の宝石の様な物が付いていて、指を嵌める輪の部分には十字架が描かれたデザインの指輪だった。

 

雷(最初にこの世界に来たときに見たあの手紙には、右目で見た物がイノセンスなら"紅く"光を放つと書かれていたから...ビンゴだな。)

 

雷「よし、これも買おう。」(もし、人間に化けたアクマや、ノアに買われたら厄介だからな。)

 

その後、雷渡は店内を見回したがイノセンスの反応は何処にも無かった。

 

雷「さて、月を探すか。」(そういやあいつ、あのネックレス欲しいのかな? だったら買ってやってもいいんだがなぁ。)

 

雷渡は月が居そうなネックレスのコーナーを見てみることにして、月を探すのだった。

 

月side

 

うーん、どうしよう。このネックレス可愛いから欲しいんだけど、.....値段が思ってたよりも高いなぁ。

 

月「どうしよう。」

 

雷「なんなら俺が買ってやろうか?」

 

え?と思い、振り向くと兄さんがボクの後ろに立っていた。

 

月「に、兄さん!?何時からそこに?」

 

雷「つい、さっきだが。.....それよりもそのネックレス、欲しいんだろ?買ってやるよ。」

 

それは嬉しいけど、

 

月「いやでもこのネックレス...高いよ。」

 

そう。思っていたよりも高くてボクも手が出せないんだ。

 

雷「大丈夫だって。俺達の所持金いくらあると思ってるんだよ。」

 

あ~そういえば最初に財布の中を数えた時、結構入ってたな。兄さんもボクも。

 

月「でも、兄さん。いいの?兄さんの財布の中ばかり減ってない?」

 

雷「いいんだよ。俺はお前の兄貴なんだから妹に何かを買ってやるのは兄貴として当然の事だ。」

 

兄さんはそう言って私の持っていたネックレスを持って、レジへと歩いていった。そういえば今気づいたけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何で兄さん"右目"でネックレス見てたんだろうか?

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

二人がアクセサリーショップを出てから数分後、二人は昼食をとろうとして、レストランにやって来ていた。二人は窓辺の席に座り、注文した料理を食べている。ちなみに雷渡はローストビーフとフイッシュ・アンド・チップスを注文。月はサンドイッチとアップルパイを注文している。

 

雷「旨い。....イギリス料理は不味い。なんて現代で生きてた頃はよく聞いたけど、あれガセだな。」

 

月「うん。本当に美味しい。」

 

二人が料理を食べ終わり、雷渡が勘定を払うため、席を経った頃。

 

「この店綺麗だなぁ。」「よし。この店にしようぜ。」

 

「ああ。」

 

見るからに金髪でチャラチャラした男や、厳つい顔をした男達が店に入ってきた。

 

月(何か嫌だなぁ...無視してよ。)

 

月が窓の方を向き、外の風景を見ていると、

 

「おい、あの娘可愛くね。」「いいねぇ。」

 

「ちょっと、話しかけてこようぜ。」

 

月の方は意識して三人を視界に入れないようにしていたが三人の方が月を見つけてしまい、直ぐに月に近づいてきた。

 

「ねぇ。君一人?」「もし良かったら俺達と遊ばない?」「例えばベッドの上でとかな。」

 

ギャハハハと三人は笑い月を見る。

 

月(最...悪。)

 

月としてはこの三人とは関わり会いたくないので無視を決めて元から相手にはしていないのだが男の一人が言い放った最低な下ネタで更に相手にしないようにと思い、無視を続けることにした。

 

「おい、聞いてんのかよ!」「こっちは話しかけてるんだぞ!」「返事位したらどうだ!」

 

男の一人が右手でぐいっと力強く月の左腕を掴む。

 

月「痛い。...止めてください。」

 

月は堪らなくなり、椅子から立ち上がって男達に止める様に言う。

 

「....可愛い。」「おい、この娘持ち帰ろうぜ。」「そうだな。...さぁ俺達と一緒に来い!」

 

男達は月の話を聞かずに月をまるで物の様に扱っている。

 

月「話して!....止めて!」

 

月はそれでも自分の左腕を掴んでいる男に放すように言う。

 

「うるせぇ!いいからさっさと来い!」

 

しかし、男は聞く耳を持たずに月を連れ去ろうとする。

 

月(助けて....兄さん。)

 

月のその祈りが届いたのか、

 

雷「おい。.....てめぇら....何してやがる!」

 

月の左腕を掴んでいた男から月を離し、月を自分の方に抱き寄せ、

 

月「兄さん。」

 

冷たい目で男達を睨み付け、男達の目の前に雷渡が立っていた。

 

「お前、なんなんだよ。」

 

男達は自分の獲物を奪われたとばかりに雷渡に突っかかってくる。

 

雷「俺の彼女に何してんのかって聞いてんだよ。」

 

雷渡は相手の男の声が聞こえていないのか男達に同じ質問を繰り返す。

 

「何って、そりゃあ見てたら分かるだろ。その娘を遊びに誘ってたんだよ。」

 

厳つい顔をした男がそう答える。

 

雷「嫌がってただろ。」

 

「それがどうしたよ。そっちこそ邪魔すんな!」

 

チャラチャラした男が雷渡に右の拳で殴りかかるが雷渡はそれを左手で掴み、力一杯握りしめる。

 

「ギャアアア...は、離せ...離せよ!」

 

今度は左手で拳を作り、雷渡に殴りかかる。

 

すると雷渡は右手を掴んでいた左手を離し、今度は男の左腕を掴み、力一杯逆方向に折り曲げる。

 

「ギャアアアアアア....う、腕が...腕があああ。」

 

男は左腕を右手で抑えている。見るからに男の左腕は折れていた。

 

「おい、てめぇ!なんてことしてくれたんだ!」

 

「そうだ!治療費払え!」

 

雷渡としては折って当然だと思っていたが二人の男がギャーギャー騒いだため、これ以上は店に迷惑が掛かると考えて懐から黒いカードを男達の目の前に投げる。

 

雷「治療費ならそこに請求しろ。好きなだけ持っていけ.....ハイエナども。」

 

雷渡はそう言って背を向けて店を出ようとする。

 

「ふざけんな!女も置いていけ!」「そうだ!それが筋を通すってことじゃないのか!」

 

と訳の分からない戯言を雷渡に言い放った。すると、雷渡は

 

雷「筋を通す?....ふざけるなよ....てめぇらが何者かは知らねぇ。だがな筋を通すっていうのは少なくともお前らのようなゴキブリ以下の奴等に都合のいいように出来ちゃいねぇんだよ!!!」

 

雷渡は顔だけを男達に向け、また睨み付けるように言い放つ。今度は男達は何も言わなかった。

 

雷「さぁ月、もう帰ろう。そろそろ時間だ。」

雷渡は店側にも、迷惑料なら男達に渡したカードの場所に請求して下さい。と言って月を連れて店から出ていった。

 

・・・・・

 

所変わって教団付近の森

 

雷「大丈夫か月?」

 

月「.....」

 

月は何も言わない。

 

雷「済まなかった。お前を一人にするべきじゃ無かったな。」

 

そう言って雷渡は月を抱きしめる。

 

月「う、うわぁぁぁぁん こ、怖かったよおおおおお。」

 

月は我慢の限界だったのか遂に泣き出してしまった。

 

雷「よしよし。もう大丈夫だ。」

 

雷渡は月の頭を撫でながら月をなだめる。

 

月はそのまま雷渡の胸の中に顔を埋めて泣き続けていた。

 

・・・・・

 

暫くして、

 

月「ありがとう。もう大丈夫だから。」

 

雷「....そうか。じゃあ、そろそろ時間だ。行くか。」

 

月「.....うん。」

 

・・・・・

 

科学班研究室

 

雷「お待たせしました。リーバー班長。」

 

リーバー(以降リー)「お~待ってたぜ雷渡、月。じゃあ早速頼まれてくれ。」

 

雷、月「「了解です。」」

 

その後二人の手伝いにより科学班の仕事は順調に進み、残すところあと少しという所まで来ていた。

 

リー「助かった雷渡、月。二人のお陰でなんとか終わりそうだ。」

 

雷「いえいえ。それよりもちゃんと手伝ったんですから、約束は守ってくださいね。」

 

リー「ああ、分かってる。皆に相談してちゃんと作るから。」

 

雷「ならいいです。」

 

雷渡の言う約束とは何か? それはいずれまた話すとしよう。

 

雷「さてと、一段落したところで....リーバー班長。すいませんがちょっとお手洗いに行かせて貰いますね。」

 

月「あっ、ボクも。」

 

リー「おう。扉から出て左側の突き当たりだ。」

 

雷「では、続きは戻ってから手伝います。」

 

月「では。」

 

リー「おう。お疲れ。」

 

リーバー班長は二人に右手を向けて、休んでこいと言わんばかりの仕草を二人に見せる。

 

リー「さて、残りはあと少し...頑張るか。」

 

リーバー班長が仕事を終わらせようと意気込んだ所で

 

リ「コーヒー飲む人ー?」

 

リナリーが科学班の皆を気遣ってかコーヒーを班員全員分を淹れてきてくれた。

 

「「「はーい♥️」」」

 

これには科学班全員が涙を流しながら手を上げる。

 

全員がコーヒーを受け取ったと同時かと思われるその時、

 

コ「おーい 皆起きてるー?」

 

突然科学班室長でありリナリーの兄でもあるコムイが皆の注目を集め出した。

 

コ「見てみて! ジャーン♪我が科学班の救世主こと「コムリンⅡ」でーす!!」

 

何をするかと思えば見るからにデカイロボットを科学班全員に見せた。

 

リー「室長ぉ...何すか そのムダにごっついロボは...」(帽子被ってるよ)

 

コ「だからコムリンだってば。」

 

その後コムイはコムリンについて説明していく。

 

コ「という訳で、このコムリンは簡単に言えば正にもう一人のボク!! これで仕事が楽になるぞー!!!」

 

その一言で科学班全員がコムイに泣きついた。

 

「「「室長ぉ~」」」

 

コ「うんうん。ボクってスゴイよね。」

 

その時、リナリーが持ってきていたコーヒーの残り。即ちコムイの分のコーヒーがコムリンに飲まれてしまった。

 

リ「それ...兄さんのコーヒー....」

 

それと同時か雷渡と月がトイレから戻ってきた。

 

雷「お待たせしましたリーバー班長。さて、手伝いの続きを...って何だ!このロボット!?」

 

月「兄さんどうしたの?....って何これ!?」

 

ちょうどトイレに行っていた二人がタイミングよく戻ってきたと同時に二人の目にコムリンが飛び込んできた。

 

雷(あれ?あのロボット...何か飲んでないか?)「なぁコムイ?....あのロボットって飲み物飲めるのか?」

 

コ「何を言ってるんだい雷渡君。コムリンはいくらボクにそっくりだからってそんな事あるわけないじゃないか。」

 

月「でも今確かに何か飲んでたよ?」

 

コ「え!?.....飲んだの...?」

 

雷渡と月が頷くと同時か突如コムリンからドン、と大きな音がしたかと思うと突然リナリーの首に注射器を刺した。そして、リナリーがドサッ、と倒れる。

 

コ「キャー! リナリー!!!」

 

すると何処からか声が聞こえてきた。

 

『私...は..コム..リン ....エクソシスト....強く...する...この女..はエクソ...シスト....この女をマッチョに改良手術すべし!!』

 

全「な、なにぃー!!!」

 

雷渡と月も思わず叫んでしまった。

 

『ついでにそこの女もマッチョにすべし!!』

 

コムリンは月にもそう言い放つ。

 

月「い、嫌だ!....マッチョは...マッチョは嫌だー!!!」

 

雷「る、月!?」

 

月はいきなり走り出して何処かへ行ってしまった。

 

『優先順位...変更。...過神 雷渡から手術します。』

 

雷「えっ!? 俺!?」

 

リー「逃げろ!!!雷渡、そいつの狙いはエクソシストだ!」

 

雷「ちっくしょう。」

 

雷渡はコムリンによって眠らされたリナリーを背負うと脇目も降らずに出入り口の扉へと走り、そのまま全力疾走でコムリンから逃げる。

 

『逃がさない。過神雷渡.....手術だー!! 』

 

コムリンは逃げた雷渡の後を追うようにそのまま追いかけて行った。

 

残された科学班の面々とこの騒動の元凶は

 

全「ポカーン」

 

未だに唖然としていた。

 

リー「はっ!...ヤバい!急いで雷渡を助けないと。」

 

コ「え~別にいいじゃん。それよりもコムリンが、」

 

リー「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!?早くしないと雷渡とリナリーが、」

 

コ「はっ!そうだ。リナリー....リナリーを助けないと。」

 

リー「あんた本当に妹のことしか頭に無いんだな!!」

 

リーバー班長は見るからにそろそろキレそうになっていた。

 

コ「でもコムリンも大事だし....どうすれば?」

 

リー「いい加減にしろー!!!」

 

・・・・・

 

雷渡side

 

雷「くっそ....まだ追ってくるのかよ。」

 

『待て!過神雷渡!!!手術だー!』

 

雷「誰が受けるか!このポンコツが!!!」

 

こっちは全力疾走なのに未だに撒けない。一体どうなってるんだよ 突然暴走したコムリンに襲われるなんて。

 

アレンやリナリーが狙われるのは分かってた分かってたよ。

 

雷「何で俺を狙うんだよこのポンコツー!!!」

 

仕方ない。何処かにリナリーを置いてきてからこのポンコツの相手をするとしよう。

 

ああ。ホント、割りに合わない。

 

・・・・・

 

雷「よし、ここなら。」

 

所変わってリナリーの自室。コムリンがあの馬鹿と同じ思考回路ならここを破壊することも無いだろう。

 

雷「リナリーには悪いけど、ここで少し寝ててくれ。」

 

リナリーをベッドに寝かせてっと、よし行こう。

 

ガチャ、と部屋の扉を開けてリナリーの部屋から少し離れた場所に移動する。

 

よし、ここならあいつを迎え撃てる。

 

雷「後はやつが来るのを待とう。」

 

アレンside

 

ア「ふあ~あ。だいぶ遅くなっちゃいましたね~~~~」

 

トマ(以降ト)「この嵐で汽車が遅れましたから...」

 

時刻はもう真夜中皆もう寝ちゃってるかな? 何て思ってたら

 

リー「あ、アレン....か?」

 

階段の方から声がしたと思い、振り替えるとそこには左腕を押さえるリーバー班長の姿が!

 

ア「リーバーさん!?」

 

慌てて倒れそうになっているリーバーさんに僕は肩を貸した。

 

ア「その傷...?何が会ったんですか?」

 

何が会ったのか分からないのでリーバーさんに訪ねてみる。

 

リー「に...逃げろ コムリンが来る...」

 

ア「は?」

 

すると階段の左側からドカン、という大きな音がしたかと思うとそこには大きなロボットがこっちを見ていた。

 

リー「来たぁ」

 

え!?何あれ...ロボット?何でこっちを見てるんだ?

 

ア「え!?な、何アレ?何アレ!?」

 

リー「くっそなんて足の速い奴だ...」

 

するとロボットが何か言い出した。

 

『発...見! アレン・ウォーカーエクソシスト一名 発見』

 

えっ!?何 何でこっちを見てるの?

 

リー「逃げろアレン!こいつはエクソシストを狙ってる!!」

 

『手術だー!』

 

ヤバいと思い、階段をかけ上がって逃げる。

 

ア「うわっ、追ってくる!」

 

階段を掛け上がりながらも後ろからロボットが追いかけてくる。

 

ア「リーバーさん!ワケがわかりません!!」

 

リー「ウムあれはだなコムイ室長が造った万能ロボ「コムリン」つって...見ての通り暴走している!」

 

ア「何で!?」

 

・・・・・

 

その後コムリンを撒いてから「コムリン」と呼ばれたロボットが暴走するまでの間、何があったかを聞いた。

 

ア、ト((あ、アホくさ....!!))

 

ア「それで、リナリーは?」

 

リー「今は雷渡が何処か安全な所に連れていってる筈だ。」

 

暫くして、リーバー班長が口を開く。

 

リー「はぁ~~~楽になりたいなんて思ったバチかなぁ。」

 

ア「え?」

 

リー「お前達エクソシストや探索部隊は命懸けで戦場にいるってのにさ、悪いな。...お帰り。」

 

リーバー班長にお帰りと言われた瞬間、アレンはあることを思い出していた。

 

『おかえりアレン』

 

ア(マナ...)

 

リー「アレン?」

 

ア「え...あっはい!」

 

リーバー班長の呼び掛けでアレンはやっと我に帰る。

 

リー「どうした、大丈夫か?」

 

ア「い、いえ大丈夫です。...た、ただいま。」

 

ニコッ、と笑いながらリーバー班長に挨拶を交わす。

 

リー「?....あっ、そういえば仕事。雷渡と月が手伝ってくれたからあと少しで終わる筈だったんだ。...あの巻き毛....絶対殺す。」

 

ゴゴゴ、と凄まじいオーラを発して突如コムイに怒りを露にしだす。すると突然

 

科学班「おおーい無事かー!!」

 

目の前から科学班全員がエレベーターに乗って助けに来た。

 

リー「皆。」

 

ジョニー(以降ジ)「班長ぉ早くこっちへ!」

 

「あ、アレンとトマも帰ってたの?こっち来い早く...」

 

コ「リナリーぃー何処だーい!?」

 

皆慌てているのか軽いパニック状態だった。

 

リー「落ち着けお前ら...」

 

するとアレン達の背後からコムリンがやって来た。

 

ア、ト、リー「来たぁ」

 

コムリンはドガガガと教団内を壊しながらアレン達に迫って来る。

 

するとエレベーターからガシャコンと音がして、砲台が現れる。

 

ジ「科学班《インテリ》をナメんなよぉ!!」

 

科学班一同「壊れー!!」

 

するとジョニーの背後から

 

コ「ボクのコムリンを撃つなぁ!!!」

 

コムイは両腕でジョニーの目を覆って邪魔をする。

その時ジョニーが砲台のスイッチレバーを引っ張ってしまい、

 

ドルルルル、とまるで独楽の様に砲台が回転し始める。

 

ア、ト、リー「どわわわっ」

 

撃たれた方は溜まったもんじゃない。三人は避けるので精一杯だった。

 

リー「何してんだお前ら!!殺す気か!!」

 

流石にリーバーもぶちギレた。

 

科「は、反逆者がいて...」

 

エレベーターに乗っていた科学班はコムイを縛ろうとしている。

 

やっとのことで縛り上げられたコムイはコムリンの目の前に突き出され、

 

コ「コムリン...アレン君の対アクマ武器が損傷してるんだって 治してあげなさい。」

 

ア「え?」

 

するとアレンの右足首にコムリンの腹部の扉から伸びた腕がアレンを引きずり込もうとする。

 

『手術♪手術♪とにかく手術♪』

 

マズイと感じ、アレンは新しく発現した自身のイノセンス(砲台の様な形状)をコムリンに向け、放とうとする。

しかし、

 

ア「ふにゅら しびれるる。」

 

突如何処からか吹き矢がアレンの首筋に飛んできた。

 

リー「アレーン!!」

 

ト「ウォーカー殿ー!!」

 

リーバー班長は見ていたのか、犯人が誰か分かっていた。

 

リー「室長ー!!!」

 

コ「だってだってあんなの撃たれたらコムリンがコムリンが」

 

科「大人になってください室長!!」

 

科学班の面々はコムイの吹き矢を奪おうと必死で押さえる。

 

ア「り、リーバーしゃん。逃げてくらしゃい。」

 

リー「あ、アレン。」

 

ア「ぱやく。」

 

シュー、とコムリンの手術室の扉が閉まり、アレンの手術が始まろうとしたその瞬間、

 

雷「あれ?リーバー班長。何でここに?」

 

突如コムリンの近くの廊下から雷渡が現れた。

 

リー「雷渡!? いやそれよりも早く逃げろ!」

 

雷「うん? ああ。大丈夫ですよ。」

 

雷渡はそう言ってコムリンへと向かっていく。

 

『過神雷渡 手術だー!』

 

コムリンが雷渡に襲いかかろうとしたその時、

 

雷渡が腰の左側に帯刀していた刀を抜き、

 

雷「『飛雷神』発動。」

 

そのままコムリンの横を通りすぎたかに思われたが突如コムリンがギギギ、と音を立てて崩れだした。

 

雷「『疾風迅雷』」雷渡が刀を鞘に納めると同時に言い放ちそのままコムリンは物言わぬ鉄屑へと変貌した。

 

コ「こ、コムリーン!!!」

 

コムイは流石にショックだったのか泣き出してしまった。

 

リー「す、すげぇ。」

 

雷「もういいですか?それじゃ俺明日任務あるんで休みますね。おやすみなさい。」

 

リー「あ、ああ。お休み。」

 

その後、アレンは無事に保護され、アレンが任務で回収したイノセンスは無事にヘブラスカに渡り、科学班の仕事も無事に終わらせることが出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公達の特徴を書くのを忘れていたのでここに書いておきます。

過神 雷渡

見た目:「僕アカ」の轟の痣が無くなった状態の顔。髪色は全体的に黒、所々血のように赤くなっている。

イメージCV:細谷佳正

過神 月

見た目:髪を降ろしたリナリーと同じ顔。髪色は銀色一色。

イメージCV:沢城みゆき

そして皆さん一日遅れてしまいましたがメリークリスマス! 皆さん良いクリスマスを過ごしてください。それでは。


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第六夜~巻き戻しの街 前編

コムリンによる教団壊滅騒動から数日経ったある日の朝。雷渡と月はいつもの様に早朝からのトレーニングを終えて、現在は食堂で朝食を食べていた。するとそこに

 

ラ「おっす、雷渡。」

 

雷「ああ、ラビ。おはよう。」

 

ラビが現れ、雷渡に話しかけてきた。

 

ラ「ん?どしたんさ?何か疲れてるみたいだけど。」

 

雷「ああ。此処のところ毎日任務でね、まともに寝てないんだよ。」

 

その証拠と言わんばかりに雷渡は自分の目の下を指差す。

 

ラ「うわっ酷いクマさ。と言うと月もか?」

 

雷「いや、月は任務の合間を縫って寝かせてるから大丈夫だ。」

 

ラビは雷渡にそう言われて月の方を見てみる。

 

月「zzzz」

 

寝てる。間違いなく寝ている。

 

ラ「.....今月が寝てるのは寝不足って訳じゃないよな?」

 

雷「ああ。そういうのじゃない。今日のトレーニングの疲労が溜まって寝てるだけだろ。」

 

ラ「そ、そうか。」

 

雷「それよりもラビ。何か俺に話があるんじゃないか?だからわざわざ月が寝てる今の時間を狙ったんじゃないか?」

 

雷渡はラビにそう問いかけた。

 

ラ「.....やっぱり雷渡には敵わないさ。」

 

ラビはやれやれといった感じで雷渡を見据える。

 

雷「それで、用件は何だ?」

 

ラ「簡単な話さ、雷渡。お前のイノセンスの能力を教えて欲しいんさ。」

 

ラビの雷渡を見る目は正に真剣だった。

 

雷(....目のことは伏せておくか。)「分かった。その代わりお前のイノセンスの能力も教えろよ。こっちが情報を提供するだけなのは割りに合わないからな。」

 

ラ「...取り引きって訳ね.....分かったさ。」

 

雷「先ず、俺のイノセンスの能力だが、──────」

 

・・・・・

 

雷「という訳だ。」

 

ラ「へぇ、成る程。使い方によっては強い能力さ。」

 

雷「それならお前の"鉄槌"も強いだろ。俺の刀と違って多数の属性を武器に付与させるんだからさ。」

 

雷渡がラビにそう言うと、思い出したかのようにラビに訪ねた。

 

雷「そうだ、ラビ。」

 

ラ「ん?何さ?」

 

雷「ラビのイノセンスの能力は大体分かった。.......だが"木"って何だ?木を操れるとかか?」

 

ラ「あーそんなんじゃないさ。雲や風なんかの自然物を操作できるってだけの技だぜ。」

 

雷「成る程。でもそれも使い方次第では味方のサポートが出来るな。」

 

ラ「?どういうことさ?」

 

雷「例えばだが、もし敵が雲の上から攻撃してきた場合その"木"を使えば直ぐに敵を視認することが出来るだろ。それだけじゃなく味方に有利な状況を作り出すことも可能だろ。」

 

ラビはそう言われて少し考える。

 

ラ(成る程、確かにそういった使い方も出来るな。)

 

雷「話は以上か?ならそろそろ月を起こしてコムイの所に行かないと、今日も任務だしな。」

 

ラ「そうか。引き止めて悪かったさ。じゃあな。」

 

ラビはそう言って別の席に向かって歩いていった。

 

雷「やれやれ、何とか疑われずにすんだな。...さて、いい加減に起きろ月。」

 

雷渡が月の肩を掴み、揺すって起こそうとするも、

 

月「うへへ~もう食べられないよ~。」

 

幸せそうな寝顔で寝言を言うだけだった。

 

雷「はぁ、全く。」

 

・・・・・

 

その後、雷渡は何とか月を起こして室長室へと着いた。

 

コンコン、と部屋の扉をノックしてから

扉のドアノブに手を掛けて、中に入る。

 

雷「よぉ、コムイ入るぞ。....って、おわっ!?」

 

部屋の中は本やその他諸々の資料で埋まっていた。その中にはコムイやジョニーが埋まっているのが見て分かった。

 

雷「何だこの有り様....ってアレン?リナリーも要るのか。」

 

リ「ええ。アレン君と任務に行くことになってね。」

 

ア「そういう雷渡と月は?」

 

雷「俺も月も任務だよ。ってまさか....。」

 

コ「そう。今回は君達四人に行ってもらう。」

 

資料に埋もれていたコムイが此方を向いて話しかけてきた。

 

雷「.....それで、任務の内容は?」

 

雷渡がそう聞くがコムイは聞こえてないのか

 

コ「たぶんね、多分あると思うんだよねイノセンス。」

 

雷「はぁ?」

 

コ「といっても多分だからね 多分期待しないでね多分だから」

 

コムイはそのまま矢継ぎ早に話を進める。

 

コ「絶対じゃなくて多分だからでもまぁ多分あるんじゃないかなーってね多分」

 

ア、雷「「わかりましたよ(分かったから)多分は。」」

 

コ「何て言うかさ、巻き戻ってる街があるみたいなんだよね。」

 

ア「巻き戻る?」

 

雷(遂に来たか。)

 

アレンは分かっていない様子だが雷渡と月は内容を知っているためここから先の説明については聞いていなかった。

 

コ「────という訳でここからはボクらの推測

①もしこれがイノセンスの奇怪なら同じイノセンスを持つエクソシストなら中に入れるかもしれない 。 ②ただし、街が本当に10月9日を保持し続けてるとしたら入れたとしても出てこれないかもしれない。」

 

雷(そうだとしても行かない理由にはならないがな。)

 

コ「そして調べて回収!エクソシスト単独の時間のかかる任務だ。...以上。」

 

アレンとリナリーは納得したのか、

 

ア「分かりました。」

 

リ「分かったわ。」

 

そう言って室長室を後にする。

 

雷「あー、アレンとリナリーは先に行って待ってて。ちょっと話あるから。」

 

ア「? 分かりました。先に行って待ってます。」

 

アレンとリナリーが部屋から出ていき、近くに居ない事を確認すると、

 

雷「さて、コムイ。話がある。」

 

コ「何かな。ボクこれでも忙しいんだけど。」

 

雷「まぁまぁ。直ぐに終わるからさ。....俺の────についてだけど、」

 

コ「!」

 

・・・・・

 

その後、コムイとの話が終わったのか雷渡と月はアレン達と合流し、任務地である通称"巻き戻しの街"へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷「さて、ここが説明されてた通称"巻き戻しの街"だな。」

 

その街は見るからに周りを城門で囲まれていた。

 

月「取り敢えず、入ってみる?何時までもここに要られないしさ。」

 

ア「え、ええ。そうしましょうか。」

 

そう言ってアレン達は次々と城門を潜って街へと入っていく、先ずアレン。次にリナリー。次に月と次々に街へと入って行った。そして残るは雷渡ただ一人となった。

 

雷「.....あいつ、来るよなぁ。」

 

そう言って後ろを振り向き、溜め息を吐く。

 

雷「...仕方ない。行くか。」

 

そう言って雷渡も城門を潜って街へと入って行った。

 

・・・・・

 

全員が街へと入り、これからどうするかを決める。

 

雷「取り敢えず。まずは各自で情報を集めよう。俺は北を回る。」

 

リ「なら私は街から出られるか確かめてみるわ。」

 

ア「なら僕は西と東に行きます。」

 

月「じゃあ、ボクは、」

 

雷「待て月。お前はアレンと一緒に行け。」

 

月、ア「「え、何で?」」

 

雷「アレン。お前初任務で迷子になったんだってな。」

 

ア「ウグッ。」

 

痛いところを突かれたのかアレンはうずくまってorzの形になってしまった。

 

雷「という訳だ、月。アレンが迷子にならないようにお前が付いていってくれ。」

 

月「うーん。あんまり気乗りはしないけど、分かった。そうするよ。」

 

・・・・・

 

アレン達と分かれ、街の北へとやって来た雷渡

 

雷「さてと、先ずは例の話にあった酒屋を探すか。」

 

暫く歩いていると、何やら近くから聞こえてきた。

 

「ミランダ♪ミランダ不幸女ミランダ♪」

 

近くで子供達が誰かを馬鹿にするような歌を歌っている声が聞こえてきた。

 

雷(ミランダ?)

 

雷渡はふと、気になり声が聞こえてきた方向に顔を向けてみた。

 

そこには、アレン達と出会い、エクソシストとなる前のミランダがいた。

 

雷(間違いない。あれはミランダだ。)

 

ミランダは子供達に馬鹿にされ、ミランダが何かを言おうとしたところで逃げてしまい、そのままミランダも何処かへ行ってしまった。

 

雷(どうする?追いかけて話を聞くか?...いや、今は止めておこう。下手に情報を教えても混乱してしまうだけだし何よりも後でロードに拐われてしまうからな。)

 

一度は話を聞こうか考えたがやはり今は関わらない方がいいと考え、そのまま酒屋へと向かうのだった。

 

・・・・・

 

「もしもしベルリーニの酒屋だが明日10日までにロゼワイン10樽頼むよ。」

 

雷渡が酒屋へと向かうとやはり店主は今日も酒屋へと酒を頼んでいた。

 

雷(....やはりミランダ以外は何度も"10月9日"を繰り返していることに気づいていないんだな。)

 

 

そう確信した雷渡は一度リナリーと合流することにした。

 

・・・・・

 

雷「で?どうだった?」

 

雷渡の問いかけにリナリーは首を横に振る。

 

リ「ダメね。何度も壁の何処を壊して街の外に出ようとしても街の中に出てしまうわ。」

 

雷「そうか。やっぱりコムイの読みは当たってたな。」

 

二人は今、雷渡が尋ねた酒屋へと来ていた。

 

雷「ところで雷渡と月は?連絡を取ったのか?」

 

リ「いいえ、まだ取ってないわ。」

 

そうか。と一息置いてから注文したコーヒーを一口飲む。

 

雷「まぁ、月に付いていかせたけどアレンのやつ絶対迷子になってると思う。」

 

雷渡がそう言ってから少し考え、話を切り出す。

 

雷「さて明日からの話なんだが、リナリーはアレンと月と合流してくれ、俺は俺で調べることが出来たから明日からは単独行動をさせてもらう。」

 

リ「その調べたいことって?」

 

雷「それは明日合流してから話す。それと今後合流するときはこの店に集まるように二人に伝えてくれ。特にアレンには道案内を頼む。」

 

リ「分かったわ。それじゃ後でアレン君達に連絡するから。」

 

雷「じゃあ、俺は別で調べることがあるからこれで」

雷渡はそのまま、そそくさと店を出ていくのであった。

 

・・・・・

 

翌日、雷渡はミランダが現れた場所へと来ていた。

 

雷(ここで待ってたら来るかな。)

 

すると、また子供達の歌声が聞こえてきた。

 

雷(あれ?そういえば今日って。)

 

はっ、となり慌てて合流地点へと走っていく。

 

雷(マズイ!今日はミランダがアレン達と出会う日。急がないと。)

 

・・・・・

 

走って酒屋についてから雷渡が息を整え、店に入ると既に三人が集まっていた。アレンはオムライスを、月は巨大なパフェを食べていた。

 

雷「....お前らは何時も何か食ってるな。アレンは兎も角、月。お前は食わなくても大丈夫だろ。」

 

ア、月「「え?」」

 

雷渡に気づいていなかったのか二人は驚いた様に振り返り、雷渡を見た。

 

雷「よぉ。アレン、月。昨日ぶり。」

 

ア「あれ?雷渡 どうしたんですか?調べたいことは?」

 

雷「ちょっと事情が変わってね。リナリー、隣いいか?」

 

リ「ええ。かまわないけど。」

 

リナリーの隣に座り、目の前にアレンが座っている状態となった。

 

雷「それよりもアレン。そっちはどうだった?」

 

ア「ああ。そうでした。昨日こんな人を見かけまして、」

 

そう言ってアレンが雷渡に見せた物は絵だった。

それもただの絵ではなく恐らくだが人物画なのだろう。あまりにも下手くそ過ぎてホントにこんな人が要るのかを疑ってしまうが。

 

雷「何だこの絵?下手くそだな。」

 

ア「酷い!」

 

リ「まぁまぁ雷渡。この人昨日アクマに襲われたらしいのよ。」

 

雷「そうなのか?」

 

アレンに聞いてみる。

 

ア「ええ。アクマを倒してから話を聞こうと思ったんですけどいつの間にか居なくなってて。」

 

雷「で?どうやって見つけたんだ?」

 

ア「それは....。」

 

話を振られるとアレンは急に顔を下に向けて黙り込む。

 

雷「成る程。迷って偶然見つけたんだな。」

 

ア「う.....はい。」

 

雷(やれやれ、そうならないために月を付いていかせたのに。もはや才能なんじゃないのか?)「まぁ、それはそれとして、ア「雷渡、酷い。」うるさい。.......この人なら昨日見かけたぞ。」

 

雷渡のその一言で三人が雷渡の方に顔を一斉に向けた。

 

ア「何処でですか?」

 

雷「いや、この店に来る途中の道で偶然子供達に馬鹿にされてるのをな。....話を戻すぞ。その時この人子供の一人に犬の糞を投げられてたんだがその時奇妙な事を言ってたんだよ。」

 

リ「奇妙な事って?」

 

皆気になったのか雷渡の話を近づいて聞いている。

 

「糞を投げられて避けたあと、"30回も同じタイミングで投げられたら覚える"って言ってたんだよ。」

 

ア、リ、月「「「!!!」」」

 

雷「ここからは俺の仮説なんだけど、この人はイノセンスの影響を受けずに30回以上の"10月9日"を過ごしてたんじゃないか?そして、その影響を受けてないってことは....」

 

ア「イノセンスに接触している人物。」

 

雷「そう言うことだ。でアレン。」

 

ア「はい。」

 

雷渡はアレンの書いた似顔絵を持ってアレンに問いかける。

 

雷「お前はこの人を助けたんだよな?...もし、街中でお前を見かけたら近づいて来るんじゃないか?」

 

ア「いや、まさかそんな...。」

 

雷「いや、俺ならそうするね。...そうでしょ。」

 

雷渡はそう言って後ろを振り向き、

 

雷「ミス・ミランダ?」

 

後ろで話を聞いていたミランダに話を振った。

 

ミ「!?」

 

・・・・・

 

ミ「エクソ...シスト...?」

 

ア「はい。...てか何で逃げるんですか。しかも窓から。」

 

ミ「ご、ごめんなさい。その人が私に気づいたことにびっくりしてつい...」

 

雷「背後から気配がしたからそうだと思っただけですよ。」

 

月「兄さん....それはそれで怖いよ。」

 

・・・・・

 

ミ「わ、私はミランダ・ロットー。嬉しいわこの街の異常に気づいた人に会えるなんて...ところでそこのあなた。」

 

ミランダは雷渡に指差した。

 

雷「何ですか?」

 

ミ「私、あの時まだ名前言ってなかった筈なんだけど何で私の名前知ってたの?」

 

雷「ああ。昨日あなたが子供達に馬鹿にされてるのを見ていて、その時に子供達に名前を呼ばれてたのでてっきりそれが名前だと...。」

 

ミ「そう。....」

 

リ「それでミス・ミランダ。あなたには街が以上になりはじめてからの記憶があるの?」

 

ミ「ええ。街のみんなは昨日の10月9日は忘れてしまうみたいだけど」

 

ミランダはそう言ってから急に暗くなり、

 

ミ「私だけなの...」

 

ガシッとアレンの手を掴み、

 

ミ「ねぇ助けて 助けてよぉ 私このままじゃノイローゼになっちゃうぅ~~~~助けたならもっと助けてよー。」

 

アレンに凄む様に頼んでいた。

 

リ「落ち着いてミス・ミランダ!助けるからみんなで原因を探しましょう。」

 

リナリーがミランダを宥めようとして必死で説得する。

 

ミ「そんな事言っても気づいたらずっと10月9日になってたんだものぉ~~~。」

 

雷(やれやれだな。)

 

その時、雷渡が右目に違和感を感じた。

 

雷(!)「アレン。」

 

ア「ええ。...リナリー、ミランダさんを連れて一瞬で店を出て。」

 

雷「月もリナリーに捕まって店を出ろ。」

 

二人は何かを感じたのか立ち上がり、後ろを振り向く。

 

雷「やっぱり俺の予想は当たってたな。」

 

ア「ええ。ミランダさんがなぜ他の人と違い奇怪の影響を受けないのか...それはきっとミランダさんが原因のイノセンスに接触してる人物だからだ。」

 

ミ「え?」

 

アレンと雷渡はイノセンスを発動したと同時にリナリーがミランダと月を連れて店を出た。

 

それと同時にアクマ達がアレン達の目の前に立ち塞がる。

 

雷「さてと、やりますか。」

 

こうしてまた10月9日が繰り返される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品を心待ちにしている皆さん春月です。明日からいよいよ新年という事で皆さんにまたこの作品を楽しんでもらえたらと思います。それでは皆さん良いお年を。


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