ラブライブ!サンシャイン!!〜お嬢様と小さな守り人〜 (佐々坊)
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1話 驚きの内浦

「全く親父も沼津まで船を出してくれよ」

 

 

 そういいながらバスを降りた、俺は今、静岡県の内浦という場所の海岸にいる。理由を説明すれば長くなるが一応説明しよう。

 

 それは俺が今日誕生日だからだ、親族の誕生日は毎年「淡島ホテル」の大ホールで行われる、毎年同じ場所だが料理はうまいし、海はきれいだしパーティーをやるにはもってこいの場所なので俺もあまり意義を唱えない、しかし問題が一つあるそれは所在地の問題だ淡島ホテルは離島の淡島という場所にあり、船じゃないと行けないので定期便を待つか船を呼ぶしかないのだ。

 

 ちなみに現在時刻は夕方4時、次に来る5時の定期便を逃すとおしまいで船を呼ばなくてはいけなくなる、

 

「はぁ~」

 

 めんどくさいことを考えていると溜息が漏れてしまった。

 海岸の岩に座り黄昏ながら夕日を眺めていると、左手の腕時計に目をやったとき

 

「君、どうかした?」

 

 いきなり声をかけられ驚いたがよく見ると普通の少女だった

 

「あ、うん、大丈夫だよ」

 

「そう、ならよかった、でも溜息着くと幸せが逃げちゃうよ」

 

「うん、気を付けるよ」

 

 話しかけてきた少女は人見知りもしないで気軽に話しかけてくる

 

「君内浦の子じゃないよね?」

 

 何なんだ彼女は俺の事を完璧に当ててきている

 

「よくわかったね、僕は東京に住んでるんだ、今日は誕生日パーティーで淡島ホテルに行くんだけどその定期便を待ってるだよ」

 

「そうなんだ~、でもすごいね淡島ホテルでパーティーなんて、因みに誰の誕生日なの?」

 

「恥ずかしながら、僕の誕生日なんだ」

 

「おめでとう、じゃあなんか歌ってあげる」

 

 彼女が歌った曲はHappy Birthday to You学校などでよく歌うやつだ

 

「Happy Birthday dear・・dear・・・名前・・なんていうの?」

 

 やっぱそうだよな、あって初対面で誕生日ソングを歌ってもらったはいいものの、名前を聞かずに歌いだす人を初めて見た。

 

「俺の名前は小原 和沙(なぎさ)今更だけどよろしくね」

 

「こちらこそ、私は高海千歌、そこの十千万ってゆう旅館に住んでるんだけど、今はちょっと抜け出してきてるの」

 

「抜け出してきて大丈夫なの家の人心配してるんじゃないの?」

 

「大丈夫だよ抜け出すのなん日常茶飯事だし」

 

 苦笑いでもしてやればいいのかと思うほどだった、でも見た感じの高校生が家の仕事を手伝っていれば親も少しは楽ができるだろう。

 

「じゃあもう一回歌うね」

 

「Happy Birthday dear~和沙君~お誕生日おめでとう」

 

「ありがとう高海さん」

 

「いいのいいの・・・あれ、あの子何やってるんだろう?」

 

 指をさした方向を見ると、制服姿の女の子が水平線を見つめていた、制服はどこか見覚えがあるような制服、確かあの服は音ノ木坂の制服だったような気がすると思っていると彼女はいきなり制服を脱ぎだした。

 

『脱いだ!?』

 

 思わず声に出てしまった、しかし彼女は水着を着ており裸体が見えることはなかった残念な気も半分安心?したのもつかの間

 

「たああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 なんと海向かって走り始めたのだ、俺らはその子の後を追いかけるように向かっていった

 

「だめだよ、まだこの時期の海は冷たいんだから」

 

「やめて放して、行かなきゃいけないの」

 

「だめだよ死んじゃうよ」

 

 高海さんは海に飛び込もうとしているこの腰あたりを手でがっしりとつかんでいる、今の2人は柔道の足技みたく足が絡み合っている、このままだと

 

『ざっぱーん』

 

 予想的中と言わんばかりに二人は海に落ちて行った、

 

 

「クシュッ!」

 

「大丈夫? 沖縄じゃないんだから」

 

 高海さんがタオルを持ってきてくれた落ちた子と自分の二枚分だった

 俺も羽織っていたジャンパー脱ぎ水着姿で寒そうな彼女にかけてあげた。

 

 3人の間に静寂が生まれる、しかし地元っ子が痺れを切らしたのか静寂を打ち破った。

 

「どうして海に入ろうと思ったの、入りたければダイビングショップとかあるのに」

 

 彼女はやっと重たい口を開いた

 

「海の音が聞きたくて」

 

「海の音?」

 

 確かにそうだ、しかし海の音といっても何を持って海の音とするのかわ人それぞれだから理由が見えてこない

 

「私ねピアノで作曲してるの、でも・・どうしても海の音が作れないの」

 

「だから海に飛び込めばわかるかもってことで海に飛び込んだんだね」

 

 ふと時間が気になり左手の時計に目を向けると4時55分を少し過ぎていた後少しで船が出てしまう。

 

「ごめん定期便出ちゃうから俺はここで」

 

 俺はその場から走って船着き場へ向かった。

 

 

 

 

 



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2話 誕生日パーティにご注意

「どうにか間に合った」

 

そんな安心の溜息と共に定期船に乗り込んだ、淡島までは約10分ぐらいの航海だ夕日が水平線に吸い込まれていくのを見てると船は淡島に着いたとアナウンスした、幻想的な風景に浸っているところをいきなり現実に戻されたような気分になりながらも船を下りた。すると

 

「な~~ぎ~~さ~~~~~ハーーーーーグーーーーー」

 

勢いよく走ってきてハグをしてきたのは淡島に住んでいる松浦果南さん、ダイビングショップをおじいさんと一緒に経営している、さらに俺の姉の一番の親友である、彼女は昔から「ハグ魔」とよばれるほどいろんな人とハグをしている、そう男女問わず

 

「放してくださいよ果南さん」

 

「え~そんなに私のハグが嫌いになっちゃった?」

 

「そうゆうわけじゃないですけどその・・・胸・・・当たってるんですけど」

 

「う~ん色仕掛けで和沙のかっこいい方を登場させてお話したかったのに」

 

かっこいい方とは、俺にはスピリチュアルモード(先輩がつけた)という強化能力みたいなものが備わっている、引き金は女性から何かしらの興奮を与えられると発動する、その時は話し方や口調などが変わりさらになぜだか戦闘力も上がる、それ以外にももう一つ力を持っているがまた時が来たら話そう。

 

「少しは耐性が付きましからね」

 

この力は自分が興奮しなければいいだけなのでつまり脳に指令が送られなければスピリチュアルモードなることはない。

 

「そっか残念だな~、じゃあまた今度見せてね、かっこいい方」

 

「機会があれば・・ですけどね」

 

「あ、そうだみんなからのプレゼントは会場に送ってあるから楽しみしててね」

 

「楽しみにしていってきます」

 

俺は果南さんに手を振って別れた。

 

ホテルに着いた頃にはもう6時を回りかけていた、いくら子供の誕生日パーティだからと言って夜遅くまでやるわけではない毎年8時から9時ぐらいにはお開きになるので急がないと美味しいものが食べれなくなってしまう。

 

タキシードに着替えて会場となっている大ホールへと向かう、通りすがるたちみんなから「和沙君誕生日おめでとう」と言われうれしい気分のまま会場の扉を開ける。

 

「おおよく来たな和沙」

 

と言いながら一番に近づいてきたのは俺の親父だつまり船を沼津まで出してくれなかった張本人だ。

 

「一年ぶりかな?こうして会うのも」

 

「そうだな、それで・・だ、来て早々で悪いんだがちょっと来てくれないか?」

 

そういわれ親父についていくと外に出た海風が酔いを醒ますよな少し肌寒い風だった。

 

「で、なんだよ話って」

 

「ああ、それなんだがお前に浦の星女学院に転校してもらいたい」

 

「え?浦の星?女学院???え?」

だめだはてなが無限にわいてくる、「浦の星女学院」確かお姉ちゃんが行ってる学校とか聞いたことがある、しかしあそこは女子高だこんな一般高校男児が転校なんてしたらというかまず男が女子高に入れるわけないだろ。思考がパンクしそうな頭を親父が直してくれた。

 

「驚く気持ちもわかる、しかしお前にしか頼めない大切なことなんだ」

 

「その前に理由を聞いてもいいか?」

 

「そうだなそうじゃないとお前も納得しないよな」

 

「今社内では内粉じみたことが起きている、私を社長の椅子から降ろそうとしている奴らがいる、しかもそいつらが汚い手段を使うかもしれないそうなった時に狙われるのは私の命かもしくは娘の鞠莉を人質に取り私を引きずり下ろすかのどちらかだと思っている、その時に安心して任せられる人がいてほしいんだ、あと今浦の星女学院は廃坑の危機にある、そこで男女共学にしようと思っているんだが、なにせ長年女しかいなかったわけだからどうしたらいいかわからない、そこでお前に表向きは男女共学の試験生徒として裏は鞠莉の護衛をやってもらいたい」

 

「それは俺に試験生徒(モルモット)になって学校行ってお姉ちゃんの護衛をしろってことか」

 

「まあ、ぶっちゃけて言えばそうなるな」

 

「はぁ、ちなみに俺に拒否権はあるのか?」

 

「あまりない、というかなって欲しい」

 

「わかったよ、その護衛と試験生徒(モルモット)を引き受けてやるよ」

 

「(俺のスピリチュアルモードの耐性をつけることができるかもしれない、行ってみる価値もあるのかな?)」

 

「そういえば、家とかはどうするんだ?野宿生活なんていやだからな」

 

「それなら大丈夫だ、前から駅前で建設してたマンションがようやく完成するからそこに住んでもらいたい」

 

「わかったよ、転入手続きと編入手続きよろしくな」

 

「さ、話は終わりだパーティー楽しんで来い、それと誕生日おめでとう『和沙』」

 

「ありがとう、『親父』任務も頑張るよ」

 

俺は会場に戻り遅れてきたことや、外で親父と話ていたことで会場に顔を出せなかったことをいろいろな人に謝りながら時間は進んでいった、時計を見るともう21時になろうとしている親父に目をやると頷いた、つまりそろそろ終了ということを皆さんに伝えなければならない。

ステージ上に登りマイクをもらった。

 

「皆さん、本日はわたくしの誕生日パーティにご参加いただき誠にありがとうございます、しかし楽しい時間もアッというまです、今回はあまり顔を出せなくて大変申し訳ございません、また来年もこの時期に開催したいと思いますのでその時にはまたのご参加をお待ちしています 本日は、ご多忙中のなか、多数ご参加いただきまことにありがとうございました。これにて解散といたします」

 

会場からは拍手喝采で終わった。俺も少ない荷物をまとめて帰ろうとしたがまだプレゼントをもらっていないことに気づいた、急いで会場に戻るとまだプレゼントたちは移動されてはいなかった、差出人が知り合いの人から開けていった。

 

「ふ~これで全部か」

合計50個ぐらいの包みを開け切ったところで時間は22時を回っていた、親父にプレゼントたちは新居に送っといてくれと言って急い家路につくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。
初めて出てきたスピリチュアルモードですが強化能力と考えてくださると幸いです。


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3話 引っ越しには悲しみと重労働がつきもの

テスト期間のせいで2週間ほど投稿が空きます申し訳ありません。


「帰って・・・これた」

 

家に帰ると時間はもう深夜の1時だ、疲れ切っていた俺は家に帰るなり布団に倒れて寝てしまった。

 

 

 

 

 

「ちゅんちゅん」

 

小鳥のさえずりで目が覚めるとまだ朝の5時、疲れていたはずなのにこんな朝早く目が覚めてしまった。仕方なく布団から出て起きることを選択した。

まずシャワーを浴びて眠気を覚ました、動きやすい服装に着替えて俺は早朝ランニングに出た、いつものランニングコースを走り帰ってくると再度シャワーを浴び、汗を流した。

朝飯のパンが焼けてそのパンをかじろうとしたとき玄関のチャイムが鳴った、俺はかじろうとしていたパンを皿において玄関に向かった。

 

「おはよう、和沙君」

 

「おはようございます、穂乃果先輩」

 

「そういえば君にお客さんだよ」

 

玄関ドアの裏にいた人が出てきた

 

「どうもお久しぶりです、お坊ちゃま」

 

「久しぶりだなじーや!元気か?」

 

「はい、元気に生活しています」

 

「穂むらにきたとき道に迷ってたみたいで連れてきたよ」

 

「それなら電話もらえれば迎えに行ったのに」

 

「それがお電話をかけてもつながならないので右も左もわからないまま道に迷ってしまいましたですがその時にそちらの穂乃果さんに声をかけてもらいこの場所を教えてもらいました」

 

スマホを見ると不在着信が来ていた、ちょうど走っているときの時間だった

 

「そうですかありがとうございます穂乃果先輩。じーやと穂乃果先輩も入っていきますか?お茶ぐらいしか出せませんが」

 

穂乃果先輩は首を縦には振らなかった

 

「穂乃果はいいよそれより」

 

手招きをして口を耳元に近づけてきた

 

「お金貸して」

 

じーやに聞こえないくらいの声で返答する

 

「今度は何に使うんですか?」

 

「希ちゃんと焼き肉でしょ凛ちゃんとRO〇ND2でボーリング対決でしょあとそれから・・・」

 

「わかりました、今回は利息付きで貸しましょうか?前に貸しているお金にも利息付で全額返してくれるならいいですよ」

 

「え~~それは勘弁してよ和沙君」

 

溜息をこぼすと家の中に置いてある財布を取ってきて、樋口を取り出した

 

「俺もさすがに諭吉は出せないので樋口で我慢してください」

 

この人は男の扱い方を知っているのか

 

「ありがとう和沙君」

 

彼女は勢いよく玄関を飛び出しっていった、朝から下級生にお金を借りに来た人は高坂穂乃果さん、昔にスクールアイドルμ'sのリーダーをやっていた人だ。ラブライブという大会で優勝し学校の名が一躍日本中を駆け巡ったほどだった。穂乃果先輩は昔にアイドルをやっていただけあってスタイルは昔を維持しているとかなんとか、ともかくすごい人というのがわかる。

 

家の中に戻るとじーやが立ち尽くしていた

 

「すまない、今座布団出すから」

 

押し入れから客用の座布団を出し床に敷いた。

パンはすでに冷めていたのでラップで包んで冷凍庫に入れたその代わりにソイジョイとコーヒーを入れてじーやの前に持って行った

 

「申し訳ありませんお坊ちゃま、普通はじーやがやる仕事を」

 

「いいんだよ、今回はじーやが客なんだから。で、今日はどうしたんだ?」

 

「旦那様から伝言を預かっています」

 

「親父から?どうせ引っ越し関連の話だろ?」

 

案の定親父からの伝言は引っ越しに関することだった。引っ越し業者がどうたらこうたらという話それと転校の手続きが終わったということだった、そしてこの時期の引っ越しは金がかかるから軽トラに乗せて運ぶらしい、そういうところの金は使わないケチな親父だ、明日には車が来て荷物を全部持っていき沼津の新居に来た時に新居の鍵を渡すらしい、それを伝え終えるとじーや何かまだ用事があるらしく帰ってしまった。

 

「そうすると午後は荷物の片づけで終わりかな」

 

そうつぶやくと小さなものから段ボールに詰め始めた。

 

 

 

 

全体の荷造りが終わったのは夜7時頃だった、夕飯はコンビニで買って簡単に済ませた、後は明日に備えて早く眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

朝日が昇り小鳥が囀り、葉の隙間からこぼれる光が眩しさを感じるほどだった。

今日は引っ越しの日、この土地を離れるのは少し寂しいが沼津に行けばお姉ちゃんを守るという使命が待っている、これは仕方のないことだと自分に言い聞かせトラックが来るのを待った。

そしてトラックが到着すると出てきたのは2人の男だった、一人は親父の知り合いの人だった、そしてもう一人日雇いのバイトで来た人だと言っていた、俺は一緒に荷物の搬入を手伝い少しでも早く終わるようにした、引っ越しはもっと4~5人でやるものではないかと頭の片隅で疑問を抱きながらそのことを考えないようにするために荷物運びに精を出した。

荷物をトラックに積め終わるとトラックは沼津の新たな新居に向けて走り出した。

 

俺は大家に鍵を渡し感謝の言葉を述べて住み慣れた家を後にした。

 

そのあと俺は新幹線と東海道線に乗って沼津へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




3話をご覧いただきありがとうございます。

パーティーの話から始まり引っ越しの話まで3話も使ってしまい申し訳ありません、4話は浦女に入学する予定です(あくまで予定です)

今後もよろしくお願いします


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4話 先輩達との別れ

UA800越え、お気に入り7件本当にありがとうございます。お気に入りが増えるたびに作品のやる気へとつながりますのでよろしくお願いします。



「次は沼津~沼津お出口は右側です」

 

車内アナウンスがなり俺はドアに前に立つ、電車が到着しドアが開くとほんの少し潮のにおいがしてきた。

 

駅前と言われたがどこのにあるのか分からず俺は駅前の建物をしらみつぶしに探し何とか俺の新しい住居を見つけた、そこには俺をこの沼津へと向けた張本人がいた。

 

「よっ親父、パーティー以来だな」

半分怒りを込めつつ言い放った

 

「そんなに東京離れるの嫌なのか?」

 

「そりゃ向こうで築いた交友関係とかあるんだから、と言っても3度目の引っ越しだから慣れてるけど」

 

最初の引っ越しは幼稚園から小学校に上がるときに淡島ホテルを開業してそれと同時に家族全員一緒に引っ越しをした、まだその時は幼稚園生だったこともあり何とも思わなかった、その後沼津の小学校に通い中学はそのまま公立の中学にしようか迷ったが東京の中学にも多少のあこがれがあったので東京でそこそこの私立に進学した。ちなみにその時はまだ中学生だったのでじーやが来てくれて身の回り世話をしてくれた。そして3度目は今に至るというような感じだ。

 

「ほら、鍵お前が開けろ、初めてだろ新居の鍵を開けるのって」

 

俺は鍵をもらいゆっくりと鍵を鍵穴にさし右に回した「ガチャ」という音が鳴り鍵が開いたことを確認した、下にも同じ鍵穴がある2重施錠のシステムなのでもう一度鍵穴にさし再度「ガチャ」という音を聞いて完璧に扉が開いたことを認識した、鍵を引き抜き扉を開けると新居独特のにおいが漂ってきた、すると一本の電話がかかってきた。

 

「はいもしもし小原です」

 

「もしもしこちら園田道場の園田です」

 

「あ、師匠お久しぶりです、すいません練習勝手に休んでしまって」

 

「それについてはまた今度話しましょう、では本題です・・・単刀直入に聞きます、あなた引っ越しましたか?」

 

「・・・はい、すいません何か連絡を入れればよかったと思ったのですが自分に決心が付かないまま日がたってしまい何も連絡を入れないまま引っ越し当日を迎えてしまいました」

 

「そうですか、言い訳はいいです。今すぐこっち(東京)に来なさい、お別れ会をしますから、必ず来てくださいね場所は・・・あそこで、着いたら電話くださいそれまでに全員集めます」

 

「え?そんないきなr」

 

言いかけたところで電話が切れてしまった、

 

「誰からだ今の電話?」

 

「道場の師匠からだよ、俺のお別れ会するから東京に来いってさ、てなわけで急いで段ボール入れて東京に行くから」

 

「そうか、じゃあ俺は鍵を渡したしかえr「もちろん手伝ってくれるよね?」

 

帰ろうとした親父を無理やり引き留めて手伝いをさせた。さすが4人でやれば早いものだわずか20分で荷物を入れ終わった。親父とここまで荷物を運んでくれた人たちにお礼を言い終わると貴重品だけをもって急いで東京へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は東京~東京です」

 

本日2度目の新幹線のアナウンスを聞き新幹線を降りた、自分でもわずか4時間足らずでもう一回来るとは思ってなかった。

 

「(どこかの県の日帰り出張で政務活動を何とかしたみたいな人だな)」

 

自分で自分の考えに自嘲しつつ言われた目的地に急ぐのであった。

 

因みに目的地とは「園田道場」というところだ、海未先輩のおじいさんがやっており約4年間お世話になった、俺に剣道と武術の基本を教えてくれた人だ、さらに俺とμ'sのみんなと知り合った場所でもある、つまるところの思い出の場所みたいな感じだ。そんなことを考えながら歩いているともう園田道場の前についていた。着いたら電話しろと師匠が言っていたので一応電話をしてみた。

 

prrrr   prrrrrr

 

「はい園田です」

 

「もしもし小原です、今道場の前に着いたんですけど、そういえばさっきの電話しろってどうゆう意味なんですか?」

 

「いえいえ、何でもないですみんな待ってますので早く入ってきてください」

 

俺は恐る恐るドアを開け一歩一歩をすり足で歩いた、たいてい集まるときは大抵剣道場を使うがその剣道場に誰もいないということは・・剣道場の扉を開けるとそこには何もなくもぬけの殻状態、すると横からいきなり竹刀をもって襲い掛かってくる2組がいた一人は竹刀を上段からもう一人は下段からこの攻め方は2人同時に攻撃するときの攻め方だ。俺は左右の腰に付けた伸縮警棒を取り出し

 

じゃきっ じゃきっ

 

と素早く警棒を伸ばすそしてそのまま左手の警棒を上から下に右手の警棒は上段からの竹刀を受け止めるために竹刀と垂直に構えた、2人の攻撃は警棒で止められ俺に当たることはなかった反撃に移ろうとしたとき

 

「なぎく~~~~ん」

 

後ろからいきなり抱き着かれ声と背中に当たっている双丘の大きさで誰かわかった

 

「ちょっと希先輩いきなり抱き着かないでください」

 

「え~~でも抱き着こうとしてもなぎ君逃げちゃうでしょ」

 

「そりゃそうでしょ、あなただけには理性が働かないんですもん」

 

やばい確かにこの人の胸はスピリチュアルモードにならない保証がない、どうにかしてハグをほどこうとするが・・・だめだこの血の流れ方は・・・ドクンドクンと血が熱く沸騰するような感覚。畜生なってしまった。

 

スピリチュアルモードに

 

「もう~こんなことするなんよっぽど俺のことが好きなんだね、子猫ちゃん」

 

「和沙君大好き」

 

この状態になると女性に優しい言葉やキザな言葉をかけてしまうさらに泣いている女性にいたってはその人が泣きやむまで優しい言葉をずっとかけ続ける、さらに女性を守るということが前提条件のため反射神経や記憶能力や論理的思考能力が通常の30倍になるというおまけつきだ。

 

希先輩が俺にデレデレしていると

 

「希よくやりました」

 

でてきたのは海未先輩このスピリチュアルモードに気づいた人だ

 

「すごいでしょ~うちのこれ()

 

そういって胸を押し付けてくる、やはり俺の弱点は希先輩と後ろからの攻撃だなこれがいきなり来たら対応が追い付かない

 

「やはり最初は希に頼んでよかったです」

 

「ていうかみんな呼んでるんでしょそれだったら早く呼ばないと」

 

「そうですね、穂乃果達入ってきてください」

 

道場の奥の扉から残った7人がぞろぞろと出てきた

 

「やっほ~久しぶりなぎ君」

 

先陣を切って俺に近づいてきたのは凛先輩だ、とても人懐っこく誰にでも優しいしかしスピリチュアルモードの前だと半分理性が効かなくなってしまう。

 

「も~凛ちゃん和沙君がかわいそうだよ」

 

「やっぱり抱き着くならかよちんの方がいいにゃ」

 

どうにか2回目のハグを乗り切り一息ついたところで大きなちゃぶ台を出てきた。

 

「さあ和沙今日は飲みますよ」

 

出してきたのはフィンタやコラ・コーラなどの炭酸飲料の2L数本それとポテチなどのスナック菓子、よく小一時間足らずで買ってこれたと思うほどたくさんのお菓子やドリンクがちゃぶ台の上に並んだ。

 

「それではこれより、和沙のお別れ会兼新天地での成功を願ってのお別れ会をはじめます、では和沙乾杯の挨拶を」

 

俺は立ち上がり右手にグラスを持ち

 

「このたびは集まっていただき誠にありがとうございます、このたび突然の転校で皆さんにお伝えすることもできず申し訳ございません、しかしこのような会を開いていただき誠に感謝しています今日は本当にありがとうございます」

 

こんなかしこまったことをいってると周りからのヤジみたいに「硬すぎるわよ~和沙、リラックスリラックス」「和沙~後で脳波のCT画像とらせなさい」「そうだよせっかくのお別れ会がもったいないよ」

 

おいヤジの中に一つ私利私欲の言葉が混ざってたぞ、俺はもう一度仕切り直して

 

「それでは乾杯!」

 

「「「『乾杯』」」」

 

俺の乾杯よりお別れ会が始まった

 

雑談に花が咲き30分ぐらいたったここでようやく転校の話題が出てきた

 

「そういえば和沙はどこの学校に引っ越すの?」

 

「ようやくですか、沼津の浦の星女学院ってことです」

 

「え?気のせいですか?私今女学院とかいう和沙には到底いけない言葉が聞こえた気がしたのですが」

 

「いえ本当ですよ、親父がそこに無理やり編入させたんですけどね」

 

「本当なのですか?本当に本当なのですか?」

 

海未先輩が俺の肩をもって前後に揺らしてくる

 

「t、転校のr、理由はもう一つあるんです」

 

激しく揺さぶっていたのがいきなり止まりそのまま前に倒れこんでしまい海未先輩の太ももに顔をうずめてしまった

 

「(ああ、女性の太ももはどうしてここまでいいと思えるのだろう)」

 

女性特有の柔らかさ、そしてほのかに香るバニラのような甘い匂い昔親に膝枕してもらったのと同じ感覚だ

 

「何してるんですかこの変態和沙ー」

 

海未先輩が多少の涙目になりながら俺を起こし平手打ちを食らわせようとしている、しかし海未先輩の太もものおかげで切れかかっていたスピリチュアルモードも回復していまい、平手打ちも難なく受け止め

 

「やっぱりスピリチュアルモードの和沙には敵いません」

 

「それより和沙早く二つ目の理由教えなさいよ」

 

「二つ目の理由はお姉ちゃんの護衛です」

 

「護衛ですか、にしてもなぜ和沙が?

 

俺は親父から言われたことを包み隠さず話した

 

「なるほどそうゆうことですか、表向きは共学化の試験生徒(モルモット)、裏向きはお姉さんの護衛というわけですか、理由はよくわかりましたそれならば頑張ってきてくださいそしてちゃんとお姉さんを守ってあげなさい」

 

「はい」

 

俺は大きな返事をしてこの話は終わったするとそこへことり先輩がやってきて

 

「和沙君はいこれ、ことりからのプレゼント似合うかわからないけど着てみて」

 

「着てみて」の言葉から察するに洋服系なのだろう、箱を開けるとそこに入っていたのは制服だった

 

「この制服は和沙君専用にアレンジした改造制服なのほらここ和沙君の警棒が入るようにうまく設計したのしかも見えにくい位置につけてあるから見つかる心配もないよ」

 

「ありがとうございます。でも制服は学校側から指定が来てて高一の時に来てた制服を使ってくれと言われているんです」

 

「大丈夫それも考慮して作ってあるから問題ないよ、胸元のワッペン見てごらん昔のままでしょ」

 

言われて確認すると確かに前に通ってた学校と同じワッペンだ

 

「この制服は型から作ったんですか?」

 

「ううん、制服の型はどれも同じだからそれ以外の場所を作っただけだよ」

 

「じゃあことり先輩の作った制服を着て浦の星女学院に行けるんですか?」

 

「うん問題ないと思うよ」

 

「ありがとうございます」

 

この制服は沼津に行ったときに東京での思い出の品みたいになるのかな、しかし制服のワッペンなんて自分で作れるのかああいうものは特注だった気がするがそんな小さなことは頭の片隅の片隅に置いていずれ自然消滅するのを待つしかない。

 

そして時間は流れ別れの時

 

「今日はありがとうございます、今日は本当に楽しかったですまた東京に来る時があれば寄りますそれでは」

 

「じゃあね和沙君また今度返すからね」「今度こそ脳波のCT画像取らせなさい」「向こうでも頑張るのよ」「いっぱい友達つくるにゃ」「あなたに元気で暮らせるように」「ご武運を祈っています」「が、頑張ってくださいね」「スピリチュアル出しすぎないようにな~」「制服ちゃんと着てよ」

 

俺はもう一度振り返り大きく手を振ってその場を後にした。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。
そして投稿遅れてすいません。テストが終わった後に部活やらテストの点に絶望したりと私的な理由で遅れてしまいました。
さて第5話ですが今度こそ浦女に入学します、
次もよろしくお願いします




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5話 和沙初登校

皆さんクリスマスをどのように過ごしましたか?私は学校で部活という名の強制登校を強いられています、世間はリア充でたくさんいるんでしょうね

爆ぜろリア充!


「筆箱よし、生徒手帳よし、カバンよし・・・制服よし!」

 

俺はハンガーにかかっていることり先輩に作ってもらった改造制服を取り羽織って家を出た。

 

今日から沼津の浦の星女学院に転校することになり今日が登校日初日だ、女子高とかいう一般男子高校生からするとうらやましがられるほどのものだろうか?俺にとってはいかにスピリチュアルモードにならないように興奮しないことだ、しかし「女」というものはいろいろなところに爆弾(トリガー)を持っている。

 

まず一つ目はスカートの中だ。あそこは強固に守らているように思うが風が強く吹くだけでめくれあがってしまうほど危ない場所だ。

 

そして二つ目は胸だ。個人によって大きさは様々だが希先輩ほどの大きさだと速攻で落ちてしまう。

 

そんな場所に俺はこれから行かなくてはならないそれも2年間、高校生活をドブに突っ込むような感覚だ、しかし俺は女子高に入ってでも守らなくてはいけない人がいるそれは俺の姉である「小原鞠莉」だ、誕生日パーティに行ったときに「会社が内紛じみたことになっており人質に取られるかもしてないから守ってくれ」と親父から言われ拒否権なく渋々受け入れた、あの時俺はもう一つの質問をしていた「俺には守ってくれる人はいないのか」とそしたら親父の回答はこうだった「お前は道場で鍛錬を積んでいると聞いている、そしてお前にはACTの力が眠ってるだろいざという時はその力を最大限活用して鞠莉を守ってくれ」と言われた正直この力は未知数でわからないそれゆえ何が起こるかわからないのが一番の気がかりだと自分の中では思ってる。

 

自宅を出て沼津駅に向かい8番と書かれたバス停に向かう際一人の少女とぶつかった

 

「きゃっ」

 

「あ、ごめんぼーっとしてて怪我とかしてない?」

 

「あ、はい大丈夫です」

 

ぶつかった時の衝撃がすごかったらしく少女の方が地面にM字開脚のように地面に座っていて、そこからは絶対領域が、ん?M字開脚?絶対領域?朝から女の子の絶対領域が見えるってどこの少女漫画だよ!・・・ああだめだこの血が沸騰するような感覚、朝からスピリチュアルモードになってしまった

 

「立てる?」

 

俺は手を伸ばし彼女もそれに応じ俺の手を握って立ち上がった、彼女はセーラー服を着ており胸元には黄色のスカーフがつけられている、髪型は頭の右側にお団子を作っているこの髪型に名前が在ったら知りたいくらいだ、そういえば黄色のスカーフということは浦女の1年生ということか一応聞いてみるか

 

「君浦女の生徒?」

 

「はい、今日から高校生デビューです!」

 

「そうなんだ、」

 

ふと時計を見る時間通りならば7時08分には8番線のバス停に到着しているはずだが腕時計は7時13分を示していた

 

「浦女行きのバスあと2分で出発しちゃうから走るよ」

 

「え?えええええ」

 

半場無理やり彼女の手を掴み8番のバス停に急いで走ったその時掴んだ右手の腹の部分から少し血が出ているのが触感で伝わってきた、朝から女の子とぶつかり怪我をさせてしまったことがなりよりもこの状態(スピリチュアルモード)の俺にとっては死んでもかまわないと思うほどだ、自責の念に駆られながら走りどうにか7時15分発のバスに間に合ったここからは約40分ほどバスに揺られなければならない。

 

「ごめんねいきなり走ったりして」

 

「いえ、そのおかげでどうにか初日から遅刻なんてことがなくなりましたし、そういえばなんで私が浦女の生徒ってわかったんですか?」

 

「知り合いが浦女に通ってて一度制服を見せてもらったことがあるんだよ、もう2年前のことだけど」

 

「そうなんですか、その人は今も浦女にいるんですか?」

 

「今年3年生だからいるよ」

 

それにしてもこのバスに乗っているのが8割が女だ、残りは運転手と俺とスーツを着たおっさん3名ほどこれは少なすぎる女子高行きのバスってここまで女だけで混むのか・・・あ!でも東京に住んでた時に男子校行きのバスに乗った時の逆バージョンみたいな感じか、それからは一向に話が続かずもう目的地についてしまった。

 

「じゃあ俺はここで降りるね、初日から『彼氏と一緒に登校してた』なんて言われたくないでしょ?」

 

「え、ええまあそうですけど」

 

彼女の言葉を聞き終えるとバスから降り伸びをする、俺が降りたのは「伊豆・三津シーパラダイス前」だ、ここならさっき降りた人は三津シーの従業員だと思わせることができる、そして通学路通りに海沿いを通るとたくさんの生徒がいて男が女子校に入るというのがまるわかりになってしまう、そのため俺はわざわざ遠回りをしても人目につかないように学校に入るしかない。時間は7時49分走らなくても間に合うぐらいの時間はあるしかし俺は走ることを選んだ理由は・・・ここ最近運動してないからだ

 

 

歩いて、トンネルくぐって、みかん畑を横切って、坂を上ってさらに坂を上ってようやく到着、しかし正門はやはり女しかいない俺は親父から裏口を聞いていたので裏口から入ることにした、

 

校舎の中は生徒たちのざわめき声がこだまして聞こえてくる、しかしそんなことは気にせず俺は職員室へと向かった、クラスを聞くためだ俺は職員室の扉を叩いた

 

「失礼します、本日付でこちらの高校に転入することになりました小原和沙ですよろしくお願いします」

 

「あら、あなたが和沙君ね私はあなたのクラスの担任の田中沙織(たなかさおり)よ、よろしくねこれからHRだから一緒に行こうか」

 

誰もいない静かな廊下を歩きながら先生は俺の緊張をほどこうとしてくれた

 

「どう?緊張してる」

 

「ええ、とてもしてます」

 

「そうよね、私も男の子を指導することは初めてだから」

 

田中先生と一緒にクラスに向かうときにもう一人新入生がいると言ってそのもう一人の子も連れてきた、見覚えのあるその子たしか内浦の海に飛び込んだあの子だ名前は聞いてないけど

 

「あ、どうもお久しぶりです」

 

「あ、こちらこそ、そういえばあなたの上着持ってるんですけどいつか都合が合うとき取りに来てくださいね」

 

「わかりました」

 

「あなたたちどこかで会ったことあるの?」

 

「ええ、まあ、ちょっと」

 

「まあいいわ、それより着いたわよ、私が先に入るから合図したら入ってきてね」

 

2人は小声で返事をして先生を見届けた。

 

「まさかここで会うなんて思ってなかったわ」

 

「俺もだよ、あの後風邪ひかなった?」

 

「ええ、あなたの貸してくれたジャンパーが結構風よけになってくれたわ」

 

「それはよかった」

 

教室から漏れる声に耳を澄ましていると先生が合図を出したらしい教室がざわついている俺は先に扉を開けて教室の中に入っていった。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

ようやく和沙を入学させることができました、次からは原作通りに進める予定です。ちなみにACTの力の紹介はいずれやります。

年末年始は投稿ができるかわかりませんそのため次は早くて1月第1週、遅くて1月第2~3週ぐらいです、よろしくお願いします。

それでは次に皆様に会うのは新年あけてからだと思うので早いですが『よいお年を』次の6話もよろしくお願いします。


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6話 スクールアイドル始めませんか!?

皆さんあけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。

話しのテンポが遅くてすいません、次回からは早くしてみます。


~千歌side~

朝からいろいろな人に声をかけてみたものの結局入部希望者は0人、誰もスクールアイドルをやりたがらないのかそれとも恥ずかしがっているのか、そんな私の考えを遮るように先生が扉を開けた

「(確か今年も田中先生だったような)」

どうせ去年と同じ先生なら話すことも同じだろうと思いそう思って机に顔を伏せた

 

「今日からこの浦の星女学院に転校生が2人来てくれたわ、紹介するわね小原君、桜内さん」

 

聞き覚えのある名字だと思って顔を上げるとそこには3月にあった2人だ、自己紹介が終わると無意識のうちに2人の前に行っていた。

 

「スクールアイドル始めませんか?」

 

~和沙side~

教室の中に入ると女子たち約20人ほどがいきなりこっちを見てきた、そして「きゃー」「誰あの子?かっこいい」「え?男?」などの賛否両論の声が聞こえてきた、はっきり言ってキャーキャー言われるのは苦手なタイプだ早く席についてゆっくり外を見たい気持ちになってくる、

まずは自己紹介をどうにかして乗り越えなくてはならない、まあ普通に話せば問題ないだろう

 

「じゃあまず小原君からよろしくねそのあと桜内さん」

 

俺は一歩前に出て話し始めた

 

「東京の学校から転校してきました小原和沙ですよろしくお願いします」

 

一礼と簡単な挨拶を終えて俺は一歩後ろに下がった、それと同時に桜内さんが前に出て行った

 

「東京の音ノ木坂というところから転校してきました桜内梨子ですよろしくお願いします」

 

桜内さんも同じく一礼をして後ろに下がって数秒後ろの席の方からガタッと椅子の動く音が聞こえた、本人は立ち上がり俺たちの前に来ていきなり

 

「スクールアイドル始めませんか?」

 

などと言い出したのだ、

もちろんスクールアイドルが何かは知っているなにせあの伝説のアイドルユニットμ’sと知り合いなのだから、しかしあそこに出ているのは全員女子だそんな中に俺が出れるわけではないということは誘っているのは桜内さんの方かどう返答するのか楽しみだ。

 

「ごめんなさい!」

 

おっと返事はNOですか、やったら楽しそうなのになスクールアイドル、そんな考えは届かず俺たちは先生に指示され、窓際の一番日当たりがよさそうな場所に座席をもらったそのあとHRが終了し先生はこれから職員会議だとか言って教室を抜け出したつまり…女子が群がってきても止めてくれる人がいない、高校生活を円滑に始めるためにはスピリチュアルモードにならないことだ意識を集中していれば大丈夫そんなことを考えてると…ほら早速来た

 

「高2で転校って珍しいねどこの学校からきたの?」

「東京のちょっとだけ有名な高校だよ」

「家はどのあたりに住んでるの?」

「沼津の駅前だよ」

「前の学校で彼女とかいた?」

「いや、彼女はいなかったよ(正確には作れなかっただけどね)」

「お母さんは美人?」

「父さんか惚れたから相当の美人だよ」

「どんな女性がタイプ」

「髪が長くて家庭的な人かな」

「好きな食べ物は?」

「卵料理かな」

「じゃあ嫌いな食べ物」

「ないかな基本的になんでも食べれるよ」

「部活は? なにやってたの?」

「バスケを一年だけやってたよ」

「なんでやめちゃったの?」

「仲間とうまくいかなくてね」

「そうなんだ」

 

どうにか質問攻めの波が終わり自由になった俺は普通に帰ろうかと思ったが姉さんに会ってから帰ろうと思い3年の教室に向かうべく階段を上った踊り場付近で誰かにぶつかったもちろんこの学校でぶつかる相手は女しかいない

 

「す、すいませんちょっと急いでいたもので」

 

「いえ、こちらもいそいでいt…あなたもしかして」

 

「もしかしてダイヤ姉?」

 

「和沙さんですか?」

 

そういえばダイヤ姉今は3年生か、ということは先輩少しぐらい敬語つかわないと目をつけらるかもな

 

「お久しぶりです、お元気そうでなり寄りです」

 

「こちらこそお久しぶりです、立ち話でもなんですからちょっと場所を移動しましょう」

 

俺はダイヤ姉に連れられやってきたのは生徒会室だった

 

「え、ここ?」

 

「そうです、わたくし今は生徒会長ですので鍵をもっているのです」

 

「でもこれは職権乱用じゃないの?」

 

「いえ別にそのようなことはしてないと思いますわ、それよりなぜあなたがここにいるかです」

 

ダイヤ姉の顔が一瞬厳しくなったような、気のせいだろうん気のせいだ

 

「なんでここにいるかってダイヤ姉が連れ来たんじゃないですかここに」

 

「私が言ってるのはあなたがなぜ浦女にいるのかですわ」

 

「あ!そっちですか、先生から何も聞いてないんですか?」

 

「一言も聞かされていませんわ」

 

転校の手続きは親父がやってくれているはずしかも今日の朝の先生の対応からしても先生たちまでは話は回っているはず、ということは教員はこの学校に男が来ることを黙っていたということになるなぜか?この学校の生徒が少ないということは親父から聞いてはいる俺が入ったのも共学化のための試験生徒ということ学校の生徒が少ないということは廃校になるかもしれないそのことはやはり生徒には黙っておきたいのだろ、と自己解決した、ダイヤ姉には本当のことを言うと頭がパンクしそうだから言わないことにしとくか

 

「いや~俺も実際親父から『お前は来年の春から浦の星に転校してくれ』と言われなるがままに来たんで本当のことはわからないんです」

 

「そうですか…そういえばあの力は使いこなせていますか?」

 

「まあどうにか自分で耐えれるようになったよ、この間の果南ちゃんの『とびかかりハグからの胸押し当て攻撃』をどうにか乗り切れるくらいにはね」

 

「果南さんまた…私からもやめるように言っておきます」

 

呆れた溜息がこぼれた頃生徒会室の扉が叩かれた、お客さんはなんと高海さんだった

 

「すいません席を外してもらえますか?」

 

俺は逆らう理由もなく生徒会室の外に出て2人が話しているのを聞くことにしたが外には連れっぽい子がいた

 

「ヨーソロー、同じクラスの渡辺曜だよよろしくね、和沙君」

 

ヨーソロー、確か海の言葉で前進の意味だったかな挨拶に使う人を初めてみたしかもそれとなく敬礼のポーズ取ってるし海が好きなのかな、しかも最初から呼び捨てかその方が俺も慣れやすいしいいか

 

「こんにちは渡辺さん、今高海さん何してんの」

 

「私のことは曜でいいからね、で今千歌ちゃんは生徒会長に新しい部活の申請をしてるところだよ」

 

「部活?あ!もしかしてスクールアイドル部?」

 

今の時代どこの学校もスクールアイドル部なるものがあるらしい、優勝すると学校が一躍有名になり生徒数が爆発的に増えるそうだ、まるで甲子園で優勝した高校みたいだな

 

「そう当たり、朝から手当たり次第に声をかけてたんだけど誰も首を縦に振らなくて」

 

「それは大変だね、曜は入らないの?」

 

「私は水泳部があるからちょっとね」

 

話しが終わったらしく生徒会室から出てきた結構怒られたらしくひどく疲れている顔をしていた

 

「ねぇ~曜ちゃん作曲どうしよう」

 

真姫先輩も作曲で少しばかり悩んだことがあるらしい、そんなこと言ってたっけ

 

「う~ん私は音楽とか感性がないからちょっと…あ!そうだ梨子ちゃんに頼んでみれば?あの子ピアノやってたんでしょ」

 

「そうか、梨子ちゃんに頼んでみようとなれば早速明日から勧誘だ!で千歌は今ものすごく気になっているだよそれはなんで生徒会長と一緒いたのか?まさか…鼻の下を伸ばしてたり」

 

「そうゆうのないから、ただの幼馴染なだけだから」

 

なんで初日から鼻の下を伸ばさないといけないんですかねしかも生徒会長に

 

「生徒会長と和沙君が幼馴染…これはなんかありそうだね曜ちゃん」

 

「うん私もそう思う、ものすごく聞いてみたい」

 

「その話はまた今度なじゃまた明日」

 

廊下を数百メートルほど走って見えなくなったことを確認して校舎を出た。

聞かれるとまずいことは何もないがいろいろめんどくさいことがわかってしまう例えば親父があわしまホテルの経営者ってこととか、これがばれるといろんな人からおごることを強制されかねない前の学校でも多少はあったものだ。俺は学校を出た後に気づいた姉さんのこと何も聞いてないしかし時すでに遅しもうバスに乗った後だった。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

年末年始沼津に聖地巡礼に行ってきました、やはり沼津はいいですね~
そして今回は夕方まで粘って「びゅうお」と夕焼けのベストマッチをうまくカメラに収められたことが今年一番よかったかもしれません。

そして今年の目標はこの小説の投稿ペースと文字数を増やすことですかね(それと勉強)

次回の7話もよろしくお願いします。


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7話 幼馴染は突然に

あけまして2本目の投稿です。

早く和沙の戦闘シーンを書きたいです


家に帰ってくるなり俺は二人掛けソファーに寝そべり今日の一日あったことを考えていた、朝ぶつかってしまった頭にお団子を乗っけてた女の子、高味千歌、渡辺曜そして桜内梨子。一日でたくさんの女性にあってしまった、俺はこの先ここでやっていけるのかが心配になった。

 

 

チュン チュン

 

小鳥のさえずりが聞こえる、まだ夜のはずなのにしかし目を開けるとそこには雲一つない真っ青な空、さらに壁掛けの時計は6時を指していたつまり俺は帰ってきてから夕飯も食べずに寝ていたことになる起き上がるとお腹から「ぐぅ~」と音が鳴ってしまい自分で笑ってしまった、朝ごはんを作ろうと思ったが今冷蔵庫はあるが食品が全くと言っていいほど入っていない、仕方なく俺は朝からコンビニに直行し朝飯と昼を一緒に買った。

 

今日から授業ということでかばんに教科書を詰めて玄関を出た、昨日と同じ時間のバスに乗り今日は正門から入ることにした俺だって一応浦女の生徒なわけだし、バスを「浦の星女学院前」で降り驚いたことが一つ、坂の傾斜がやたらすごいこの坂を毎日上っていくのか思うとちょうどいいトレーニングになりそうだと思ってしまった、実際ここ最近海未先輩からもらった練習メニューもこなせてないから体力が落ちてきて来てるのがわかる。

教室に入るとみんなからおはようがかえってきた、その中には千歌と曜がいた

 

「あ、おはよう和沙君」「おはよーそろ和沙君」

 

朝からアホ毛が目立つな千歌はあれが彼女の可愛さなのかもな、曜は朝から元気いっぱいだな凛先輩みたいだな

 

「おはよう曜、千歌」

 

「ねえねえ昨日の生徒会長との話聞かせてよ~」

 

朝から人が話しくないことを突っ込んでくるな

 

「悪いがそれはちょっと無理だ」

 

どうしてと言いたそうに千歌首を傾げた

 

「誰しも触れられたくない過去の一つや二つくらいあるだろそれと一緒だ」

 

「そう…まあわかるよ私もそうゆうのあるもん今後はこのことは一切聞かないよ」

 

「あ、それより今日ね曜ちゃんがスクールアイドル部に入るって言ってくれたんだ」

 

水泳部との掛け持ちかな…改めて考えると結構すごいことだよなどこからそんなすごい体力があるのか

 

「それはよかったな、部員が増えたのはいいが作曲はどうするんだ?」

 

「それなんだけど昨日梨子ちゃんに頼んだんだけど『ごめんなさい』って言われて断られちゃったでも千歌はあきらめないよ絶対梨子ちゃんに作曲してもらう」

 

これだと無理やり作曲をさせそうな気がしてしょうがないと感じるのは俺だけかな、そんな思考を遮るような声が聞こえてきた、声の主はたしか千歌がむっちゃんとか読んで子だ

 

「和沙君にお客さん?だよ、一年生の小さくてかわいい子今教室の外にいるよ」

 

俺宛の客?知り合いが少ないこの学校に俺に会いに来る人なんているのか、昨日のお団子ヘアーのかな?でもそしたら「お団子ヘアーの子」っていうだろうしともかく出ればわかるか俺は教室からでて外を確認するとそこには赤い髪の毛、エメラルドのような澄んだ瞳そして何よりかわいいその容姿

 

「あ!和沙お兄ちゃ~ん」

 

こっちに向かってくる結構な勢いしかも…とんだ!?やってることがまるで果南ちゃんと一緒だぞでもまだあいつは胸がないから平気だけど学校では本当になりたくないあれだけには

 

「うぉっと、久々だなルビィ俺が中1の夏ぐらいだっけ最後にあったのって」

 

「うんそうだよでもほんと大きくなったね和沙お兄ちゃん」

 

「お前は俺の親か?まあいいけどいつまで俺に抱き着いてるんだ少しはTPOわきまえないとダイヤ姉に叱られるぞ」

 

「うゆごめんなさいでも和沙お兄ちゃんに会ったら居ても立っても居られなくなっちゃって」

 

「そうかこのことはダイヤ姉には秘密な、それより俺がここにいるってこともしかしてダイヤ姉から聞いたのか?」

 

「うん昨日帰ってきてルビィに教えてくれたよ」

 

たまにおしゃべりなんだよなダイヤ姉は時頼いらないことまで喋ることもあるし気を付けないと危ないかもな

 

「そろそろHR始まるだろ会いたくなったら休み時間でも放課後でもいつでも来い」

 

「うんじゃあね和沙お兄ちゃん」

 

あいつ結構な人見知りのはずだったのによくここまでこれたな、途中で『ぴぎゃぁぁぁ』とか叫んでそれで余計に人が集まっての悪循環にならなくてよかったそれもあいつが成長したってことか

 

「今の子だれ?」

 

「あいつは黒澤ルビィ生徒会長黒澤ダイヤの妹だ」

 

「えホントなの?生徒会長に妹がいたんだ確かに瞳の色が似てたね」

 

そうあの二人は姉妹だとても仲が良いがたまに怒られてるときもあるけどそれも姉妹の可愛さなのだろう

 

「ほら席に着きなさい」

 

急に入ってきた田中先生の声に驚きクラスの全員が急いで座った、ルビィとの会話に夢中になって桜内さんが来てたことに気付かなかったそして彼女はいつの間にか席に座っていた、先生のそこまで長くない話が終わり1時間目の授業の準備をしてるそんなときも千歌は熱心に桜内さんを勧誘している

 

「だからスクールアイドルってのはねすごいんだよキラ『ごめんなさい』」

 

時間は変わって2時間目

授業は体育、俺にとって一番の危険な時間だ体育着というとっても危険な服を着てる、俺はなるたけ女子たちを見ないようにノルマの5週を走った、校庭は割と広くこれなら走るにはちょうどよさそうだ、それとは一変勧誘のために桜内さんのそばを離れない千歌もすごい忍耐力だと思うそれほど彼女を勧誘したいのだろう、しかしその思いとは裏腹に桜内さんがペースを上げていった桜内さんにおいていかれた千歌は「絶対勧誘してやる」と逆にやる気になっている。

 

それからというもの千歌の勧誘は呆れるほど桜内さんからの『ごめんなさい』という言葉を聞いたことかそして今日も一日平和に?一日が終わった

 

今日は疲れることなく終わったので自分で夕飯を作ることにした、毎日コンビニで買ったごはんというのも悲しいということで駅前のスーパーに寄るとちょうど奥様方が仁義なき戦い(バーゲンセール)を繰り広げていた、俺はその中をわざと逃げてほかの食材を探していた今日は豚肉と生姜を買って簡単な豚丼もどきを作ると決めていた買うものをかごに入れて会計を済ませて袋に詰めていると隣に私服姿の曜がやってきた

 

「久しぶり曜」

 

「あ、和沙君久しぶりと言ってもさっきの学校以来だけどね、ここに来たのはお使いで買い物してるんだけど和沙君は?」

 

「俺は今日の夕飯のためかな、なにせ一人暮らしなもんだから自分で作んなきゃいけないからね」

 

「へぇ~自分で家事をすべてやるんだねかっこいいな、今の時代男も家事ができないと大変だからね」

 

そんな他愛ない会話が弾み気づけばもう家の前だった

 

「あ、俺家ここだからまた明日ね」

 

「うんまた明日」

 

曜と別れ階段を上り自宅の鍵を開けて今日もまたソファーに寝てしまったそして非はまた繰り返す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日も見た同じ光景、小鳥が囀り木々のざわめきで起きるそしてソファーで寝たから体が痛いさらにまた夕飯を作りそして食べ忘れるでもまだ時間はまだ朝の5時忘れかけている日課のランニングをするため練習着に着替えびゅうおの方面に走ることにした。

 

ここ最近スピリチュアルモードのおかげで疲れてまともに風呂に入ってない気がする、これが姉さんに見つかったらなんていわれるかわかったもんじゃない。10分ほど風呂に入り弁当は昨日食えなかった豚丼を昼飯に持っていくことにした。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

今回自分なりに話の速度を上げたつもりですかいかがでしたか?
「もっと早くした方がいい」という方には申し訳ありません、これ以上は自分で書けるかわかりませんが次以降の話でも頑張って話の展開を早くしてみます。

次の8話もよろしくお願いします。


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8話 入部しないかと誘われました

ここ最近英検やら漢検やらに追われなかなか書けない状況でした。


朝学校に着くと千歌と曜が待っていたかのようにこっちにやってきて

 

「和沙君私たちの部活に入らない?マネージャーとして」

 

朝から部活動勧誘ですか、元気のいいことですね

 

「ちなみに今の部員は何人だ?」

 

そういえばこの学校は部の創設に5人以上必要とか生徒手帳に書いてあったような

 

「うん2人だよ。だから入ってほしいのそうすれば規定人数まであと2人になるし何より生徒会長との対話が少しは楽になると思って…あっ!」

 

本音が外に飛び出てしまっている、これじゃあ無理だな

 

「本音は大事な時にしか話しちゃだめだぞ」

 

「ごめんごめん、でも部活に入ってほしいっていうのは変わらないから」

 

俺を部活に入れてなんの特になるのか、こんな女嫌いの俺が入っても役に立てるのかまあ誘われたからには入るか入らないかは決めないとな

 

「今週末には答えを出すよ」

 

それで彼女たちも納得してくれた。

 

しかし今日は水曜日あと2日しかない帰ったら先輩たちに聞いてみるか。

 

授業が終わり学校にいる間の唯一のエネルギー補給の時間、そうお昼だ

 

「和沙君も一緒に食べようお昼」

 

俺はうなずき俺を含め曜、千歌、梨子の4人で昼飯を食べようと思った矢先だった、また俺に客が来た

またルビィか?

教室を出るとそこには生徒会長さん、俺何もやらかしてませんよ

 

「それでご用件は?」

 

「放課後時間ありますか?」

 

「もちろん空いてますよ」

 

「では生徒会室に来てください4時頃、逃げたりしないでくださいねでは」

 

ダイヤ姉何の話だよ、ここでは言えない話とかないないあの人は恋沙汰には興味のない人だろうからな、ダイヤ姉が階段を上って見えなくなったのを確認し教室に戻っていった。帰った時俺の豚丼の肉が少し減っているような気がしたのが気のせいか

 

「千歌お前もしかして俺の肉食ったか?」

 

「え、た食べてないよね、ねー曜ちゃん?」

 

「う、うん千歌ちゃんは和沙君の肉には手を付けてないであります」

 

まあいいや肉の一切れや二切れくれてやる

 

「いやぁ、一人暮らしの割には肉にちゃんと下味ついてるね驚いたよ」

 

自らボロを出すとはとんだ天然さんか

 

「ほほう、やっぱり下味付けて正解だったか、そりゃうまいだろうな」

 

もう怒る気にもなれない、そういや桜内さんの家にジャンパーおいてきたままだったっけ、明日暇だし聞いてみるか

 

「ああの梨子さん明日お時間ありますか、よろしければジャンパーを取りに行きたいのですが」

 

「もう和沙君ようやく私のこと下で呼んでくれた、私のことは梨子って呼んでねそれに敬語も使わなくていいよあと明日時間あるから大丈夫よ」

 

「じゃあ明日取りに行くね」

 

 

昼休みも終わり眠気の誘う5・6時間目を乗り切り放課後、言われた通り生徒会室に向かった。

 

「あら、時間ぴったりですわさすが和沙さんでは立ち話もなんですからどうぞ」

 

俺は初日みたいに部屋に入れられパイプ椅子に座った。

 

「で、話って何ですか?」

 

「あの…そのあの子たちを支えてはくれませんか?」

 

あんなにスクールアイドル嫌ってたのに支えてほしいってどんな風の吹き回しなのか

 

「でも、いきなりですねまあいいですよ俺も部活に入らないかって誘われてるんで。でもどうゆうことなのか教えて欲しいですね」

 

「まあいいですわ教えてあげますわ」

 

それからダイヤ姉は話してくれた昔にスクールアイドルをやっていたこと俺の姉さんの留学の話でグループが解散したこといろいろと俺が東京にいる間にここではいろいろとあったこと、

 

「わかりました、今日のこの会話は他言無用ですよね?」

 

「もちろんそうしてもらわないと困ります、ではまた明日」

 

「また明日…あ!図書室ってどこですか?」

 

「それなら二階の一番奥ですわでもなぜ図書室に?」

 

「居場所がない人にとって図書室は居心地のいい空間ですから、ではあした」

 

「ー?今度こそまた明日」

 

図書室それは居場所のない陰キャや不登校児にとっては誰からも何も言われることもなく過ごせる空間その時は天国だと思えるほどだろう、実際にそうなったことがある人にはよくわかる、とそんな昔の嫌な記憶を少し思い出していたそんななかふと中庭が目に入る放課後で部活のアップをやったり吹奏楽部が楽し気に楽器を吹いていたそんな中に千歌と曜が見えた。

2人はほかの部活がいろいろやっているとこで踊っていたダンス動きから察するに「START:DASH!!」かなダンスは曜の方が上手かな見た感じ、あいつらは本気でスクールアイドルをやりたいんだな俺も本当に答え出さないなあいつらに悪いな。

 

2人を見ながら進んでいたらもう図書室の前についていた、俺は扉を開けて誰もいないことを確認し入った、まさかここに男子がいるとは思ってないだろうからな。

中はとても静かでまるで森林の中にいるようなそんな感覚に陥っている、適当なところから本を取り椅子に座って読んでいた第1章が終わりそろそろ帰ろうかと思ったその時扉の開く音がしたやはり俺はついてないのかな?

 

「あ!お兄ちゃん来てたんだ」

 

「ルビィか!よかった」

 

「なにがよかったの?」

 

「いや何でもない」

 

「ルビィちゃんその人誰?」

 

ルビィの後ろから声が聞こえた黄色のベストを着ていて髪は長くロングヘアー身長はルビィよりちょっと低いくらいそしてなんといっても胸がでかいあの人(希先輩)よりかはほんの少し小さいけど危険人物かでも見た感じ大人しそうだから問題ないかな

 

「この人はルビィのお兄ちゃんじゃなくて小原和沙君、淡島ホテルの社長の息子で淡島ホテルの跡取りさん」

 

「へぇ~跡取りなんてすごいずらね、あ自己紹介してなかったずらおら国木田花丸よろしくずら」

 

自己紹介の後に国木田さんの顔が赤くなっている自分でなにか恥ずかしいこと言っちゃたのかな?

 

「よろしくね国木田さん、あとルビィ俺の跡取りの話は誰にも言わないでくれよ頼むな」

 

「うんわかったそれよりお兄ちゃんここで何してんの?」

 

「なにってそりゃ本読んでたんだよ、図書室だもん今ちょうどきりが良いところで読み終わってそろそろ帰ろうかなって思ってたところ」

 

「だったら借りていきますか?貸出だしもできますよ」

 

「いやいいよ、読みたくなったらまた来るよ」

 

「じゃあルビィ達と一緒に帰ろう?ここに来たのは図書室を閉じるために来たから」

 

「いいのか一緒に帰っても国木田さんに悪いんじゃ」

 

「お、おらいえマルは平気です」

 

「そう?いやだったらいいよ別に一人で帰ることには慣れてるから」

 

「え?お兄ちゃん友達たくさんいるとか言ってなかった?」

 

「友達はいるけどみんな部活とかに入ってたから帰るときは一人が多かったんだよ仕方のないことだけど」

 

「そうなんだじゃあ先バス停で待ってて図書室閉めてから行くから」

 

俺はわかったと言って図書室を後にした、バス停に向かうとそこには千歌と曜がいた、なんかよく会うような気がする。

 

「あ!和沙君いま帰り?」

 

「ああちょっと図書室で本読んでた、そういや中庭でのダンス練習頑張ってたな」

 

「見てたの、どこか直すところとかあった?」

 

よるな、ずいずいよるなお前はよくよってくるな

 

「いや俺も踊ったことがないからわかんないや」

 

そうなんだと言ってしょんぼりしているところに国木田さんがやってきた

 

「あ花丸ちゃーん…それとルビィちゃん!」

 

「あどうもこんにちは」「ぴぎぃぃ」

 

まだルビィの人見知りは治ってなかったんだなでも国木田さんには何もなく接しているということはルビィが心を開いてるんだろうな

 

「ほーれ、ほれ怖くないぞ」

 

千歌の奴ルビィを飴で釣ってるし、でもこれはつられるルビィが悪いのかな。そして車道に出てきたところで千歌が飴を投げ上げそのまま抱き着き「ルビィちゃん捕まえた」

からの「ぴぎゃぁぁ」といいたかったが投げ上げた飴が戻ってきてルビィの口にジャストで入ってきたそれがおしゃぶりの代わりになり大音量の「ぴぎゃぁぁ」を聞かずに済んだ。そこでちょうどバスが来て話はそれからになった。

 

 

「花丸ちゃんはどうスクールアイドルやってみない?」

 

「おらあ、いえマルは図書委員会の仕事があるずら…あるから」

 

「ルビィちゃんはどう?」

 

「ルビィは…その」

 

「生徒会長でしょ?」

 

曜に言われルビィははっとしていた、ルビィにやらせてもいいと思うけどな何がだめなんだろ。

バスはもう長浜に到着していたそこで千歌は降りて行った、残された曜、ルビィ、花丸、俺はそこまで共通の話題がなくそのまま沼津までついてしまった。花丸だけは沼津に住んでいる子にノートを届けるとかいってその子の家に行くらしい、俺が行っても何か助けになるわけではない。今日は大人しく家に帰るとそこにはあの人がやってきていた。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

今日は学校が推薦入試のため平日の休みを満喫していました。


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9話 突然の来客者

早く鞠莉ちゃんを出したい今日この頃。
次回には出てくる予定です。


家に帰ると玄関のカギは開いていた、不審者かと思ったが我が小原家のセキュリティをなめてもらっては困るセキュリティの問題ではないってことは合鍵しかないわけだが一応鍵は師匠に念のためにってことで渡している、じゃ今いるのは師匠と言うことかリビングの扉を開けるとそこには別の人たちがいた。

 

「何してるんすですか」

 

そこにいたのは真姫さん、凛さん、花陽さん「もと1年生ズ」と俺は勝手に読んでいる

 

「海未が『和沙の様子が心配です』とか言って私たちが仕方なく見に来てるの」

 

師匠は時頼過保護なところもあるからなまあ其れは仕方ないとしていきなり来るのはやめてほしい、何も持てなす準備ができてないんだから

 

「で、いつ頃帰るんですか?」

 

「あんたの夕飯食べたらみんな帰えるわよ、その為に今日は花陽がいい米持ってきたから一緒に最高の夕飯を作りなさいよ」

 

真姫さんいつもシェフの作っているのを食べているとか言ってなかったけ?

なんでこんなに注文が多いんでしょうね、まあ別にちょっと食事代が浮いたと思えば安いことなのかなでも確か冷蔵庫の中って…やっぱり何もない仕方ないから買ってくるか。

 

「すいませんちょっと冷蔵庫のなか切らしちゃってて買い物行ってきます」

 

「待って和沙」

 

振り向くとなにも言わずこっちにこいというような手招きをしている、何かあるのかと恐る恐る近づくと

 

「にゃー、ナギ君捕まえたにゃー」

 

と俺の前方からいきなり抱き着いてくる凛さん。

 

「な、和沙君ごめんなさい」

 

と俺の右腕を胸で挟んでくる花陽さん。

 

「最後に私」

 

と同じく俺の左腕を胸で挟んでくる真姫さん。

何なんだこのハーレム的状況いやもうハーレムだろこれ、というかやばいぞなりかけてるぞ耐えろ耐えろと自分に言い聞かすしかしほとんどの方位を胸で押さえられとても幸福に包まれていく。

ああだめだまたなってしまうのかよあの状態に(スピリチュアルモード)

 

「どうしたんだい、今日は一段と甘えん坊さんだねお姉様方」

 

「どう和沙さすがに現役大学生3人の胸には耐えられなかったかしら?」

 

いや実際のところ一番効いたのは花陽さんなんだよなちょうどいい大きさというか俺好みの大きさというと悪いが確かにそうだけれど凛さんは少し小さいし真姫さんもジャストヒットするわけではない。

 

「さてここからが本題よ」

 

多少の微笑みからなぜか心拍数を図るために聴診器を胸にあてられた、この状態じゃあ心拍数もまともに取れないだろうだって今俺は正常じゃないんだから、これは性的興奮が引き金だから血液の動きも活発になるだから心臓もひっきりなしに動くからだ。

 

「さて次の場所の触診よ」

 

そういって人差し指と中指を俺のあばら骨、腹筋、股関節と徐々に下がってきているまずいぞそれより下に行かれると本格的にまずい。

 

「やっぱり男の子ね和沙も」

 

制服のズボンのベルトに手をかけて今にも脱がそうとしている、抵抗したい気持ちもあるがなにせこの状態(スピリチュアルモード)だと何があっても女に逆らえないつまり今俺は命令をされると逆らえないいわば奴隷のような状態にある。

 

「や、やめてあげてよ和沙君かわいそうだよ」

 

この一言で真姫さんはためらいながらも脱がすのをやめてくれた。

どうにか助かったこれ以上進んだらもう戻れなかったかもしれない

 

「じゃ、じゃあ俺は買い物行ってくるんで自由にくつろいでいてください」

 

俺は財布とスマホをもって足早に家を出た。

 

 

駅のスーパーまでは5分ほどで自宅からとても近い、買うものはお米を持ってきた時点で決まっていたおかずを軽く3品ぐらい作れば問題ない買うものを簡単に決めてレジに並んだ会計を済ませて店を出たとき一瞬知り合いが連れていかれるのを見た黄色のカーディガンを来た女の子俺の中で当てはまるのは一人しかいない、俺は連れ行かれた方へ走って物陰から様子をうかがっていた。

 

~side花丸~

みんなと別れた後友達の家にノートを届けるためにその子の家に行っていた、その子との話に夢中になっていたらもう時間が5時半を回っていて家に帰るためのバスがもうすぐ出てしまうことを思い出し急いでその子の家を出て行った結構な速さで走っていてあまり前が見えていなかったそんな時に誰かと当たったような気がした目の前を見ると相当ガラの悪そうな5人組にぶつかっていたのだ。

 

「おいてめぇ誰にぶつかってるのかわかってるか」

 

「すいません、本当にごめんなさい」

 

「ごめんで済んだら警察はいらねーんだよ」

 

「じゃあその謝ってる精神を見せてもらおうじゃないか?こっち来い」

 

指示されるがまま人目に付きにくい裏路地へと連れていかた、こうゆうことは本で読んだことがあるこのような裏路地に連れ行かれるとほとんどの場合変なことをされたりするのが定石らしい。男は顔がニヤリと笑いながらマルの制服のリボンをほどこうとしてきた、そんなとき

 

「おい、あんたらそこで何してんだ?」

 

~side out~

物陰からひっそりとみていたが明らかにやばそうな雰囲気だった男はニヤニヤして制服のリボンに手をかけようとしたり俺はもう我慢ができなかった。

 

「おい、あんたらそこで何してんだ?」

 

国木田さんを含む6人全員がこちらを振り向いた

 

「なんだ学生か今なら見逃してやるから」

 

そういってあっち行けと言うように手を払ってきた

 

「そうゆうわけにもいかないんだよな」

 

「これ以上この場所を見られたらもう覚悟はできてるんだろじゃあさっさと死ね!」

 

覇気のこもった死ね!を言われ殴ってくるしかし今は運悪くスピリチュアルモードの真っ最中しかも制服のままということは姉さんを守る用に買った伸縮警棒が制服の内側に入っている

これでは負ける要素が見つからない。右手に持っていた買い物袋を地面に置いた。

殴ってきてる男は一直線にこっちに向かってきてるしかし一人目は右によけて男はよろけて行った

 

「俺に攻撃を当てようって思うならもう少し変化のある殴り方をしなよ」

 

このの一言で変わったらしく今度は2人同時攻撃に変えてきた、少しは頭を使えるみたいだな

しかし俺は制服の内側から警棒を2本出した、軽く伸ばし両手に装備した。そういえば昔読んだ本に『俺に2本目の剣を握らせたら立っていられる奴はいない』とかゆうかっこいいセリフがあったようなまいいや

 

「さてここまでは前座だここからは本気で行くぜっ」

 

左手を前に出し初手を左からくると思わせて右手からの警棒で突きを食らわせる、スピリチュアルモードのおかげで臓器のおおよその位置がわかる急所を的確に打つこともできるしその逆もしかりだ今回はわざと狙いを外した。

 

「まず一人終わり」

 

「て、てめぇ」

 

男はナイフを取り出してちらつかせてきた

 

「これが何かわかってんだろやられたくなかったらとっとと逃げな」

 

「おじさんナイフは最初に出すものだよ後から出してもびびらないっての」

 

見る限りナイフの刃渡りは10㎝ほどだこんなの日本刀に比べれば小さすぎるぜ

ナイフはまっすぐにこちらに向かってきているしかし行動が見え見え過ぎるから簡単によけることができた、よけた後はナイフを奪い壁にナイフを打ち付けて刃を折ったこうして使えなくした方が後々使われることもない。

 

「おじさんたちやる?逃げてもいいよ別に」

 

その言葉を聞いて残った3人が倒れている2人を担ぎながら逃げて行った。

 

「ごめんね怪我とかしてない?」

 

「え、あ、はい大丈夫です」

 

「よく泣かずに我慢してたね」

 

国木田さんの頭をなでている、国木田さんは顔を赤らめている仕方ないよね頭なでられてるんだもん、その後はバスに乗っていくところまで見送っていった明日会ったらこのことどうやって説明しよう家に帰るまでずっとその考えが頭を巡っていた。

 

「だたいま~」

 

「お帰り、ご飯にするお風呂にするそれともわ・た・し?」

 

「その質問は将来結婚した時に旦那さんにやってください真姫さん」

 

俺は真姫さんの攻撃を受け流しキッチンへ向かった、そこにはもう土鍋でご飯を炊いている花陽さんがいた俺が買い物に行ってる間に作ってしまったらしい。

俺も急いで料理を作り始めたみんなお腹を空かせているからな、

 

簡単におかずになりそうなものを作り皿に盛った。そのあとはみんなで食卓というか小さなテーブルを囲み4人でご飯をたべた1年生ズは食休みして帰っていった。

家が静かになりさらにスピリチュアルモードの副作用の疲れがどっと押し寄せてきてまた俺はソファーで寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は少し早く家を出て学校に行った今日には千歌に入部するって言わないといけないからはやめに行って多少考えとかないと

 

「おはよーそろ和沙君」

 

「おはよう曜」

 

「今日は早いね何かあった?」

 

「いや別に何もないよ」

 

「あ、そうだ数学教えて欲しいんだけどできる?」

 

俺はうなずいた、それを見て曜は鞄から教科書をだして広げた。

 

「ありがとう何とかわかったよありがとう」

 

「わかってくれてよかったよ」

 

朝の勉強会?が終わり少し固まった体を背もたれにかけながら伸ばすと関節からこきっという音が鳴り凝ってることがよくわかった。勉強が終わったところでちょうど千歌と梨子も来た

 

「あ、和沙君おはようどう入部してくれる?」

 

「うん、入部さしてもらうよよろしく」

 

「ありがとう和沙君これでダイヤさんと話すとき少しは楽になりそう」

 

「あ、そうだ日曜日に梨子ちゃんと一緒に海の音を聞きに行くけど一緒に来る?」

 

海の音?梨子のピアノ作曲のためのイメージを掴みに行くのかなだとすると実際に潜るのかな?するとあわしまに行くのかな、あの人がいるけど問題ない

 

千歌に返答したと同時に先生が入ってきて朝のHRが始まった。

 

今日の授業は比較的眠くなりやすい授業ばっかだしかも座席が窓側の一番後ろこれは眠くなること致し方なしだな全く。

 

「じゃあここ和沙君発音してみて?和沙君?ちょっと起こして」

 

「ちょっと和沙君起きて指されてるよ」

 

「あ、わりぃわりぃえーとThis is a book which is interesting です」

 

「あなた発音がいいわねどこか英語塾にでも行ってた?」

 

「いえ独学です」

 

実際のところ英語とロシア語は話すことができる、英語は真姫さんからロシア語は絵里姉からほんとある意味恵まれてたかもな俺って。ちょうど授業が終わり眠気から解放されこれから帰ろうと思った矢先ルビィと国木田さんが来ていたどうせ昨日のあの事についてだろうな。

 

「お兄ちゃん、はなまるちゃんになんてことしたの?」

 

あって早々怒られるってルビィのやつ何か勘違いしてないか

 

「俺は何もやってない逆に俺が助けたんだよ」

 

「そっちじゃないまるちゃん言ってた『この前のお兄さんと雰囲気が違う』ってこれってお兄ちゃんはなまるちゃんに…その…興奮してたんでしょ!」

 

声がでかい誰かに聞かれたらめんどくさくなるだろ

 

「違う昨日は…昨日はそう!東京から中学時代の友達が来てたんだその子たちのいたずらでなっちゃたんだよ」

 

「それ信じていいんだよね?」

 

「ああ嘘はついてない」

 

一応あの人達と知り合ったのは中学生のころだから大丈夫だよな、うんきっと大丈夫

 

「ルビィちゃんいいよ別に昨日は助けてもらっただけでうれしかったから、昨日は本当にありがとうございました」

 

「あ、いや俺もたまたま買い物帰りで通りかけたから」

 

「そういえば昨日警棒持ってましたよね、あれいつも制服に入れてるんですか?」

 

「お兄ちゃんなんてもの持ってきてるの!?」

 

あちゃー口止めしてなかった今回は失敗したな

 

「そんな毎日入れてるわけじゃないよ、昨日のブレザーと今日のブレザーとは少し違うんだ」

 

「今後そんな物騒なもの持たないでね」

 

「わかったわかった、あ!」

 

不意に梨子との約束を思い出し教室の中を見るがそこには梨子の姿はいないもう帰ってしまったってことか、すぐさまスマホで時間を確認すると16時01分バスは15分に出るから今から思いっきり走れば問題ない。

 

「ごめん今日人と会う約束してるからじゃあな」

 

ちょっと強引だがルビィ達のもとを離れバス停に向かったバスはまだ来てないしかも梨子がいてよかった。息が整ったころバスが来て梨子と一緒に降りそしてそのまま梨子の家にお邪魔した。

 

「さ、上がって」

 

「お邪魔します」

 

多少のぎこちなさを出して家に入った

 

「ここが私の部屋だよ、お茶とって来るからゆっくりしてて」

 

「あ、別にお構いなく」

 

梨子の部屋に入るとやはり「女の子の部屋」という感じがあった。女の子らしく部屋はピンク色いやこれはサクラピンク色に統一されていた。しかし今まで女の子家にお邪魔したことはあるが黒澤姉妹の家はザ・日本の家みたいな感じだし、果南ちゃんの家はダイビングショップやってるからいつも潮のにおいがしたし、本当の女の子の部屋はこれが初めてかもな。

周りはとても綺麗に片付いた部屋の真ん中にある小さなテーブルに座り梨子が戻ってくるのを待った、

 

「お待たせ」

 

「あら、あなたが小原和沙君ねあの時は娘に上着ありがとね」

 

「いえ、別にただ困っている人をほっとけない性格なので」

 

「一応クリーニングに出したけどその時こんなのが出てきたけど」

 

小さなUSBメモリ、どこかで無くしたと思っていたものが見つかってよかった。

 

「よかった家中探しても見つかんなくて無くしたとばかり」

 

「そう、じゃ私はここで」

 

「ありがとう、じゃあ俺もここで帰るよ遅くまでいても悪いから」

 

「わかったわ、本当にありがとうね」

 

玄関まで見送られて俺は帰った。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

今後の投稿が2週間に1本に遅れるかもしれません。


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10話 果南ちゃん(ハグ魔)には気を付けて

この小説もとうとう10話を超えました皆さんが見てくれているおかげです
今後もよろしくでよろしくお願いします。




「あ!和沙くんこっちこっち」

 

 千歌に手招きをされてやってきたのは淡島へ行く為の船着場にやってきた「日曜日海の音を聞くから一緒に聞こ?」と誘われ断る理由もなくホイホイと付いて来たしかし淡島にはハグ魔(果南ちゃん)がいる事を忘れてはいけない、あの人の「とびかかりハグからの胸押し当て攻撃」には気をつけないといけないうっかりしてるとなってしまいそうになる。

 

「和沙君、船来たよ早く乗ろう」

 

 船に乗り込むと中は誰もいなく俺らだけだった窓の外を見ようと窓側の席に座ったがあいにくの曇り空、きれいな淡島が見れないと思った俺は仕方なく展望デッキの方に行った、こっちの方が多少は船に乗ってる感があっていいかもしれないがしかし外に出ようとしたときもうすぐ淡島につくというアナウンスが流れた仕方なくあきらめて出口へと向かった。

 

「ここが淡島だよと言っても和沙君は初めてじゃないよね」

 

「ああ、俺は3月にこっちに一度来てるから」

 

「へぇーそうなんだ、なんか用事でもあったの?」

 

「和沙君はねえ淡島で「なぎさ~~~」

 

 千歌の言葉をかき消すように果南ちゃんが走ってきてるまた3月に来た時みたいにまた飛びそうだし、すごく怖いんだけど

 

「なぎさ~ハグしよっ」

 

 また飛んだ、支えるこっちの負担も考えてくれよ。やりたくないけどあれやってみるか

 

「だめでしょいきなり飛びついたりしたら、しかも今日はお客さんが来てるんだからまずはお客さんの相手しないとだめでしょそれが終わってひと段落したらいっぱいお話聞いてあげるから…ね?」

 

「う…うん♡」

 

「すごい恋に鈍感な果南ちゃんをあそこまで落とすなんて和沙君何者」

 

「私にとっては和沙と千歌と同じくらいの幼馴染なんだよ」

 

「そういえばそんなこと言ってたような気がする」

 

「まあでも今日は潜りに来たんでしょ?準備はできてるけど梨子ちゃん?だっけスリーサイズ教えてねウェットスーツのサイズの問題があるから」

 

「えっと上から…って何言わせようとしてるんですか、しかも和沙君もいるし」

 

「大丈夫和沙はそんなことじゃ興奮しないから」

 

「和沙君マニアックプレイが好みなの?」

 

「違う、誤解を生むような発言をしないでよ…あのことはまだ言ってないんだから

 

「ん?なんか言った?」

 

「なんでもないよ、それより早く海の音を聞きに行ったら?」

 

「そうする」

 

果南ちゃんが持っている船の前で待っていた、数分するとみんなウェットスーツに身を包んで出てきた、みんなスタイルはよかった見とれているとまずいので海の上を飛んでいるカモメに目を向けて待っていた。

 

「和沙君は海の音聞かなくていいの?」

 

「ごめん俺ちょっと金づちでさ」

 

金づちというのは真っ赤な嘘だ、一応クロール100Mくらいなら泳げるし水泳は全身の筋肉を鍛えるにも効果最適だということで師匠に真夏の特訓と称して遠泳とかトライアスロンなみのことをさせられた覚えがある。

 

「そっか…じゃあ今度プールとかで練習してみない?」

 

「う、うん時間があったらね」

 

船は出向し水深が少し深いところについたそこで曜、千歌、梨子の3人は海に入っていき俺と果南ちゃんは船の上で待つことにした

 

「和沙はなんで千歌と一緒に海に入らなかったの?」

 

「普通に入らないだろ、もし海の中であれ(スピリチュアルモード)になってみろ面倒なことになるだけだ」

 

「それもそうだよね、でもいつかは言わないと千歌達にばれた時はさらに面倒になるよ」

 

「いいんだよばれたときはまたその時考えればいいと思ってるけどね」

 

「そういやここ最近姉さん見てなんだけどどこにいるか知らない?もうそろそろ帰ってくるとかってゆう話を聞いたんだけど」

 

果南ちゃんの顔が少し険しくなったような気がしたのを俺ははっきりこの目でとらえていた、2年前のことがいろいろ残ってるのかな

 

「う~ん私もここ最近鞠莉と連絡とってないからな、お父さんに聞いてみたら」

 

確かに親父に確認する方が早いかすっかり忘れていた、そんな時水面から3人がいったん上がってきた

 

「どう海の音聞けた?」

 

彼女は首を横に振った、海の音なんてさざ波の音くらいしか思いつかない

 

「海の中何も聞こえなくて…」

 

そんなとき千歌は何かに気づいたらしくもう一回海の中に梨子を誘っていった

 

「まあ海の中じゃあ人間の耳には音は聞こえにくいからね感じるしかないんだよ」

 

「感じる…か」

 

そういえば師匠との練習の時『目で見るのではなく心の目でとらえなさい』とか言われたっけ、おかげで目を瞑っても音だけでわかるようになってきたけどとそんなことを思ってるとみんなが船の上に帰ってきた

 

「どう、海の音聞けた?」

 

「はい、聞けました」

 

「ならよかった」

 

海の音を聞けたことを祝福するかのように今まで雲が出ていた空から光がこぼれてちょうど千歌達を照らしてる、天気までも味方につけれるのかよあいつは。

 

 

 

 

「じゃあね果南ちゃんありがとう」

 

「千歌達もスクールアイドル頑張りなよ」

 

「うん!」

 

これで今日はお開きになった、俺はみんながいなくなったのを確認して電話を掛けた

 

prrrrrr    

 

「ワンコールで出るとはさすが親父、元営業マン」

 

「なんだいきなりかけてお前そんな世間話してていいのか用があってかけてるんだろ」

 

「ああ、姉さんって今どこにいるの?学校で全く合わないんだけど」

 

「今あいつは留学中だ」

 

「は?ふざけんなよ親父!それじゃあこっちに来た意味がなくなるじゃないか、というかそんまま海外にいた方が安全じゃないのかよ」

 

「海外は海外で私の目も届かないし、実際海外の方が持ってる会社が多いからな日本の方が少しは安心して暮らせるんだよ」

 

「で、留学からはいつ帰ってくるんだよ」

 

「今週か来週くらいってあいつは言ってたぞ」

 

「来週か…まあそれまではそれまでは俺も高校生活を楽しもうかな」

 

「まあそうするといい、それで提案なのだが…」

 

 

 

 

 

 

 

「いいぜ乗ったこっちも倒した奴らをどうやって警察に見つからないようにするか困ってたしな」

 

「俺もお前もちょうど利害の一致ってやつだ俺の方は首謀者か聞きださなくてはいけないからな、詳細はファイルの中に送っておくからよろしく頼む」pi

 

親父からの提案は警備会社で極秘チームを作り誰が姉さんの命を狙うかそれをはかせるためのチームらしい、ちなみにこのチームのリーダーは俺になっているつまり俺の指示で動くということだ、会社でいうなら課長にあたるらしい。

 

「高校生が課長か」

 

ちょうどそこにバスが来て俺は家路についたのであった。

 

 

 

 

 

 

次の日学校につくと千歌が

 

「和沙君梨子ちゃんが梨子ちゃんがグループに参加して「勘違いしてない?」

 

「私は歌のメロディーを作るだけよだから歌詞を頂戴」

 

なるほど作詞は千歌に作曲は自分がってことか、いい方法を思いついたな

しかし千歌は詞の意味を理解してないのかクラスの中を回って詞を探していた、

 

「詞ってなに~」

 

「多分歌の歌詞のことだと思う~」

 

とうまくミュージカルぽく曜がまとめてくれた、そのあと放課後に歌詞を作るために千歌の家に向かった

 

まず目の前に入ってきたのは『十千万』という看板だったそういや旅館の娘だとか言ってたっけ隣には俺と同じく驚いてる梨子もいた

 

「ここ旅館だよね?」

 

「そうだよ、ここなら遅くまでいても問題ないし何よりバス停に近いからね」

 

のれんをくくりお邪魔しますと一声かけて旅館の中に入った

 

「あらいらっしゃい、あなたが千歌ちゃんの言ってた和沙君に梨子ちゃんねよろしく」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「やっぱり東京育ちだけあってイケメンね和沙君」

 

「いえいえそんなことありませんよ」

 

俺らは2階にある千歌の部屋で詞を作ることにした

 

「もう~ひどくない志満ねえが東京で買ってきてくれた限定プリン食べるなんて、そう思わない?」

 

するといきなりふすまが開き

 

「いつまでもとってる方が悪いんです~」

 

と千歌が早くだべなかったのを責めるような言い方、それに怒った千歌が手にもっていたエビのぬいぐるみを勢いよく美渡さんに向かって投げたしかしそれは当たらず梨子の顔面に直撃、さらに美渡さんの持っていた浮き輪を投げるもこれも届かず梨子の首に輪投げのようにかかってしまう。

 

「失礼します」

 

そういってふすまをぴしゃんと閉めた、

 

「さ、歌詞作りはじめ「わぁ曜ちゃんスマホ変えた?」

 

「うん!進級祝いにって」

 

完璧梨子のことを無視してやってるし、

 

「始・め・る・わ・よ」

 

多少威圧混じりの言葉でようやく千歌は歌詞を作り始めた

何回か書いてみたもののこれといった歌詞ができずに悩んでいた

 

「う~んできないよ歌詞」

 

「やっぱり最初から難しいんじゃない恋の歌詞」

 

「い~や~だ~作るもんμ'sのスノハレみたいな歌詞」

 

「しかし千歌お前恋したことないだろ?」

 

「どうして決めつけるの?」

 

千歌の問いに対し、俺は少し得意げに聞き返す

 

「じゃあ逆にあるのか?」

 

「ないけど…じゃあそうゆう和沙君はあるの?」

 

「まあ一応告白されたことはあるよ」

 

みんなから驚きの声がこぼれていた

 

「えそうなので付き合ったの?」

 

食い気味に曜が聞いてくる女子ってこんなに恋バナに盛り上がるものなのか

 

「いやその時は断った」

 

「え~もったいない付き合っちゃえばよかったのに」

 

付き合えるはずもないだろ、中学生の時はともかく高校生にもなるとみんな遅かれ早かれ性の知識を得る、仮に付き合ったりしたら早い子だと「夜の大運動会」をやろうとやってくることもある、そんな時スピリチュアルモードになってみろ嫌われるの一択しかないと思うんだが俺は

 

「その時ちょうど受験のころだったからそれで断ったんだよ」

 

こんな簡単な嘘でしかごまかせないのか

 

「でも告白されたんだいいなぁ」

 

やっぱ女子は恋を望むものか

 

「ということはスノハレの歌詞を作ってるときμ'sの誰かが恋をしてたってことじゃない」

 

千歌は机の上に置いてあったノートパソコンもってきてさっきのことを調べ始めた

 

「千歌ちゃんスクールアイドルに恋してるからね」

 

「全くそうよね…ん曜ちゃん!」

 

「今、スクールアイドルに恋してるって言った?」

 

「そうだけど……あっ! それだ!」

 

自分で言って答えを見つけるこれもスクールアイドルらしいな

 

「その思いを歌詞にしてみるんだ」

 

千歌はシャーペンを走らせた、30秒立たずに紙を見せてきた

 

「え?もうできたの」

 

「違うよ、ただこんな歌詞にしたいってゆうこと」

 

「ユメノトビラ」

 

μ'sが第2回のラブライブでA-RISEと一緒に歌った曲だ、確かにあの曲は元気をくれるような曲だな

 

「あ!もうこんな時間和沙君バスなくなっちゃういくよ」

 

「えちょちょ待って~」

 

時計は終バスの時刻の3分前ここなら問題ないが遅れたら面倒ということで少し早めに出てきた

バスには何とか間に合った。

 

「千歌は大丈夫かな、歌詞できるかな?」

 

「大丈夫今の千歌ちゃんならできるよ」

 

バスは沼津駅に到着し家の前で曜と別れた。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

鞠莉ちゃん一応出てきましよ(名前だけど)。はい、すいません。次回は本気で出ますのでよろしくお願いします。

次回の11話もよろしくお願いします。


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11話 ビラ配りは慎重に

遅くなってすいません。学年末試験が近いため次回の投稿も遅れます。


「1、2、3、4、1、2、3、4」

 

曜、千歌、梨子と俺の4人の掛け声に合わせて動いていく、梨子の持ってきた譜面台、曜のスマホのメトロノームアプリ、千歌のスマホのカメラを駆使して自分たちのどこが弱いかを確認している今は砂浜でダンスの練習中だちなみに梨子はあの後千歌に誘われ今回の勧誘に成功したらしいどのような理由で誘ったのかは知らないがこれで合わせて部員は4人になった。

 

「はい、ストップ」

 

曜がみんなをいったん止めたところで録画を確認している

曜は高飛び込みをやっていたらしい。そのため、フォームには厳しいんだとか。

 

「ほらここみんな蹴り上げが弱いかな」

 

「ほんとだ」

 

俺も動画を見ると確かに弱いのがわかる、

 

「どう、和沙君からアドバイスとかある?」

 

「う~ん、俺も踊ったことがないからわかんないけど千歌お前あと1.8秒早く動けないか、それと梨子も千歌ほどではないが1.3秒早く動いてみたらどうかな?」

 

「え!?確かに千歌ちゃん2秒くらい遅れてるし梨子ちゃんも1秒ほど遅れてるのがわかるけどどうしてそんなことがわかるの?」

 

「これは目で見ないで聴覚と伝わってくる風音を感じてるんだよ」

 

実際には集中して意識を一点に向けて読み取る技

ちなみにこれを園田流剣術奥義曹灰眼(そうかいがん)と呼ぶその汎用性人間に限らず動物も可能さらに無機物も可能、この技は使用者が使えば使うほど使用範囲が上がっていく今は100mが限界だがスピリチュアルモードになれば1キロまで延びる

 

「なんかすごい中二チックだけどいいや、再開しようか」

 

その言葉を遮るようにヘリの音が聞こえた、ピンク色で大きく“ホテル小原”と書かれた機体あれに乗れるのは限られた人のはず誰が乗ってるんだか

 

「ねえあのヘリこっちに向かってきてない?」

 

その一言で考えをやめて顔を上に向けるとものすごい勢いでこちらに向かってくる一機のヘリは俺らの真上を通過し30m先の砂浜にホバリングしているするといきなりドアが開き

 

「シャイニ~」

 

「姉さん!?」

 

ヘリの中から現れたのは俺の姉さん小原鞠莉だった。

 

「みんな明日理事長室にきてね」

 

ウィンクをして扉を閉めるとヘリは淡島ホテルに向かって飛んで行った

 

「そういえばさっき出てきた人のこと姉さんって呼んだよね?和沙君」

 

「確かに私も聞いたよ、あの人とどのような関係か詳しく聞かせてもらえるかな」

 

この事情聴取のように聞かれるのは少し苦手なんだよな昔を思い出す

 

「あの人は俺の姉さんだよただの」

 

「それだけ?お姉さんってこと以外で他にないの」

 

「ない!姉さんってだけだ」

 

「まあ明日改めて聞けばいいや、じゃあ練習再開するよ~」

 

そして練習を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、呼ばれた通り理事長室に向かったコンコンと扉を叩き中から声が聞こえたのを確認してドアノブを回した、部屋の中にはダイヤ姉と鞠莉姉がいた姉さんに至っては理事長の椅子に座ってる大丈夫なのかよ。

 

「来たわね、和沙それに和沙のガールフレンドたちも」

 

「それで呼び出した理由は何ですか?」

 

俺が聞きたかったのはこれだいきなり日本に帰ってきて理事長室に呼ばれるこっちのことも考えてくれよと思う

 

「この学校にスクールアイドルができたって聞いたから。ダイヤに邪魔されて困ってるんじゃないかなぁって思って」

 

「え! それじゃあもしかして」

 

「イエス! このマリーが来たからには心配は要りません!」

 

理事長が応援してくれるなら心強いことはない

 

「じゃあ俺から質問いいか姉さん」

 

「ええもちろん」

 

「そこの椅子は親父が座る予定だったはずだがなぜ姉さんが座っている?」

 

「そうですわ、そもそもなぜあなたが理事長の椅子に座っているのですか?」

 

「それについては問題ないわちゃんと私がここの理事長になったから」

 

は?いま姉さんは理事長になるとか言ってないか?高校生理事長って誰も聞いたことないぞ。

そして紙を見せてくる姉さんそこには委任状と書かれた紙があったこれは本当のことらしいってことは姉さんは理事長の仕事をしながら生徒として学ぶってことになるのか

 

「生徒兼理事長って……。そんなのあり?」

 

「まあ、カレー牛丼みたいなものね!」

 

「例えがよく分からない……」

 

これは俺もよくたとえがわからないもっとわかりやすいたとえあったはずだろ

 

「わからないに決まってます!」

 

ダイア姉も痺れを切らして少し怒り目の口調でぐいっと姉さんが反対側に引き寄せれる。

 

「どういうことなのか、説明を」

 

「おー! ダイヤ久しぶりー!」

 

 自分で部屋に呼んでおきながら、理事長はそんなことを言うと生徒会長に抱きついた。そのままあっちを撫でたりこっちを撫でたり。うわぁ、やはり過激なスキンシップ。留学の時に何があったんだか。

 

「随分大きくなってー」

 

「触らないでいただけけます?」

 

「まあまあ。そんなつれないこと言わないでよ、ダイヤ。私とダイヤの仲じゃない」

 

 嫌がられても姉さんはダイヤ姉の体を触り続ける。この二人、昔からの知りといってもし親しき中にも礼儀ありという言葉あるくらいなんだか。

 

「相変わらず、その性格は変わってないようですわね……」

 

ダイヤ姉の言葉に姉さんが顔をしかめる。が、すぐにニタッと笑う。あ、これは何か企んで……

 もにゅっ。

 

「ダイヤも、胸は相変わらずみたいね」

 

 も、揉んだ、見るな、見ちゃいけないああいうのもたまに危なくなるからな

 

「ッ! やかましいっ! ……ですわ」

 

 一瞬だけ生徒会長がひるむ。が、すぐに姉さんに噛みつく。

 

「一年生の時にいなくなったと思ったら……どうしてこんな時に戻ってきたんですの」

 

「シャイニー☆」

 

 は、話聞いてない……。姉さんってこんな性格だったっけ、もしかしてアメリカ仕込みの技か何かかな

 

「人の話を聞かないのも、相変わらずなようですわね……!」

 

「あはは……イッツァジョーク」

 

「ならばどうして戻ってきたのか、聞かせてくださいな」

 

「実は……」

 

「あなたたちに最高のプレゼントを用意してきたはそれは…デビューライブを秋葉ドゥームでやりま~す」

 

本日2度目のは?だ秋葉ドームμ'sが最後のライブをあった場所で最大のキャパシティーの3.5万人を連日収容したすごい場所だそんな場所でデビューライブをやるというのかしかしあそこは1日借りるだけでも相当な額になるはずだがどこからその金が

 

「It's joke」

 

おい嘘かよまあμ'sくらい人気にならないと満員にはできないだろうな

 

「そのためにわざわざ嘘つかないでください」

 

と千歌からの冷たい突っ込みそのほか二人も思わず苦笑い

 

「でもデビューライブはやってもらいま~す」

 

場所を移動して体育館にやってきた

 

「デビューライブはここでやってもらいます、そしてあなたたちは私と勝負をしてもらいます」

 

「あなたたちはここを満員にしてくださいそしたら部として認めてあげます」

 

「もし満員にできなかったらどうなるんですか?」

 

「満員にできなかったらスクールアイドルをやめてもらいます」

 

その言葉に全員が息をのんだ、輝きたいという思いから始めたのにライブを一回やって満員にできなかったらやめてもらうとか結構酷なことをするもんだな、その後姉さんは仕事が残ってるからと言って理事長室に帰っていった。

 

「満員にできなかったらどうしよう」

 

「どうする千歌ちゃんやめる?」

 

「やめない、発想を変えれば満員にすれば部になるんでしょやるっきゃないよ」

 

「でも待って」

 

やる気になった千歌を梨子の一言で止めた

 

「この学校の全校生徒数は何人?」

 

言われてはっと気づくこの学校今は確か100人も満たないとか親父が言っていたような

 

「そっか全校生徒が来ても満員にならない」

 

このどうしようもない事実にがっかりするかと思ったが千歌の「明日から沼津へ宣伝しに行くよ」の一言で曜と梨子もやる気になった

 

 

授業が終わり今日もまた十千万で作戦会議をすることになっている、しかし千歌のやつが一階に行ってから数分が立ったその間残った俺らはステージ衣装をチクチク縫っていた

 

「和沙君手先起用だね、やっぱ一人暮らしすると変わるものかな?」

 

「まあ結構変わるよ、すべて自分でやらないといけないからね」

 

炊事、洗濯、家事、掃除、これを一人でやるのは少しつらいが日にちを分ければ何とか一人でも行けるものだ、料理は忙しい合間を縫ってきてくれたスーパアイドル二コニー(笑)か付きっ切りで料理のイロハを教えてくれたまだ何もわからなかった俺にいろいろなことを教えてくれたのはμ'sのみんなだった。

そんなときに千歌が帰ってきた額に『馬鹿千歌』と書かれながら。

 

「美渡姉ひどくない?私が会社の人200人ぐらいライブに連れてきて頼んだのにコレだよこれ」

 

「いやこれは千歌の方が悪いと思うけど…ね」

 

と俺は曜に目配せをしたすると

 

「私も和沙君の意見に賛成かな」

 

「ええ~曜ちゃんも和沙君もひどくないあれっ梨子ちゃんは?」

 

「さっきお手洗い行くとか言ってたよ」

 

「遅いねちょっと見てくる」

 

千歌がふすまを開けると一瞬制服が見えたような気のせいかな

 

「あれっ何してるの梨子ちゃん?」

 

俺も少し様子が気になり横のふすまを開けると壁を手すりの間で梨子が橋のような形になっているというか手がもうプルプルしてるし結構まずいんじゃと思ったころには遅かった、梨子の手がつるっと滑り寝ているしいたけに向かってぶつかりしいたけは驚いては走ってどこかへ行ってしまった。

 

「いつぐらいからあの状態だった」

 

「千歌ちゃんのひどくないのあたりから」

 

「あ梨子ちゃん明日の放課後から駅前でビラ配りするからね頑張ろうね」

 

「じゃあ私帰るね」

 

「私もそろそろバスきちゃうからじゃあね」

 

みんなが帰るなら俺もそろそろお暇しようかなと思いカバンに手をかけたとき

 

「和沙君ちょっと残ってくれる」

 

なんだろうすごい嫌な予感がするのは俺だけかなそのあとみんなが帰ったことを確認して再度千歌の部屋に戻った。

 

「話ってなんだよ」

 

「ちょっとねえへへ」

 

「なんだよないなら帰るぞ」

 

「ああ待ってちゃんと話すから…その…和沙君の今の家って沼津にあるじゃんでも本当の家はどこなの」

 

「本当の家も何も沼津だよ」

 

「違うのそうゆうことじゃなくてお父さんとかお母さんが住んでる家だよ」

 

「そっちかそりゃもちろん…淡島ホテルだろ」

 

「なんで和沙君は淡島ホテルで一緒に住まないの」

 

「なんでってお前3月初めて会った時のこと忘れたのか」

 

「3月…3月…あ!そっか前は東京に住んでいたんだもんね」

 

「こっちに引っ越してきたのは…俺にもわからないんだ3月にあった後親父に転校してくれって言われてわけもわからず引っ越し手来たわけ」

 

「そうなんだ大変だねでも淡島で住もうとは思わないの」

 

「一人暮らしに慣れちゃったからかな、一人のほうが割と楽だし」

 

「そっかありがとうごめんね時間取っちゃってバスないでしょ美渡姉に車出せるか頼んでみるよ」

 

「大丈夫家の人呼べば車出してくれるから」

 

迎えはもちろんじーやに来てもらい自宅に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

授業も一通り終わり俺は一足先に沼津駅に向かっていた一方千歌達は運悪く掃除に引っかかってしまい多少遅れるらしいといわれ暇をつぶすために先に沼津に来ているのだ。

所詮学生が行くのはゲーセンとか本屋とかそのあたりだろうと思ったが前者は自分があまり行ったことがないから暇のつぶし方がわからないしかし後者はよく本を買っているからついそっちに足が向いてしまう。

本屋で見るものは大抵スクールアイドルの雑誌か面白そうな文庫くらいしか読んでない。

 

本屋は学校帰りの人達で多少の賑わいを見せていた俺はその人混みを避けながらスクールアイドルの雑誌が並んでいるコーナーに行った、つい本屋に行くとみてしまうスクールアイドルのコーナーのμ'sの記事がないかとみてしまうやっぱりμ'sの人達と一緒にいたからかな。俺は今日発売の新刊を見つけ手を伸ばした時にふと手が当たった白くすべすべした肌この手は明らかに女性の手と思って横を見るとそこにはルビィがいた。

 

「あ、お兄ちゃんもこの雑誌買うの?ルビィほしいんだけど…ルビィに譲ってくれない」

 

身長差を利用して上目づかいという女子の得意技を繰り出してきたどこでこんな技覚えたんだよ。

 

「いいよ、別に立ち読みするだけだったからルビィが買ってこい」

 

「ありがとうお兄ちゃんじゃあ買ってくるね」

 

ルビィは今日出た新刊の本をもってレジの方へ少し足早に向かっていった。

 

「ルビィちゃん買う本決まった?」

 

本棚の角からひょっこりと顔を出してきた国木田さんだった、なるほどルビィと一緒に本を買いに来ていたのか。

 

「こんにちは国木田さん、国木田さんも本を買いに来たの?」

 

「あ!お兄さんこんにちは、はいマルも本を買いに来てまして今日はこれくらいの本を買おうと思っています」

 

そういって角にもう一回入り台車を出してくると半分くらいの本が積まれていたこれだけの本んを読むってことかすごいなほんと文学少女みたいだな。

 

「お兄ちゃんただいま花丸ちゃん買う本決まったみたいだね」

 

「じゃあ買ってくるから少し待っててほしいずら」

 

その時携帯が震えたことに気づき手に取ると千歌からたくさんのメッセージが入っていた「遅い」「どこ?」「早く来て」「もう配り始めるよ(怒)」とたくさんの怒りのメッセージ入ってきていた。

 

「そうだ今ライブの宣伝やってるから一緒に行かないか国木田さんも一緒に」

 

「うん、行こ」

 

 

 

宣伝をする予定地につくと俺たちを見つけた千歌が真っ先にこっちにきた

 

「あ、遅いよ和沙君どこで油売ってたの」

 

「わりぃちょっと本屋によってそこでルビィと少し話混んじゃって」

 

「そうだ花丸ちゃんとルビィちゃんはいこれよければ来てね」

 

宣伝用に作っておいたビラを渡した。

 

「あ、あのグループ名はなんですか」

 

そういえば何も決めてなかったっけ、グループ名は結構重要なものなのに全く頭から離れていた、その時

 

 

「「「や、やめてください」」」」

 

いきなり大きな声が聞こえてきた、振り向くと梨子と曜が4人組の男たちに囲まれている。

 

「いいじゃんよぉ~ライブ行ってあげるからさ。俺たちの遊びにも付き合ってよ」

 

「ほらほら、さっきの子たちみたいにお兄さんとも一緒に写真撮ろうよ」

 

完璧にナンパしてるじゃんこれは

 

「曜ちゃん、梨子ちゃん大丈夫」

 

「お、もう一人いるじゃん今回ついてるぜ俺ら」

 

梨子と曜を助けるために一目散に走っていた千歌だったが逆に火に油を注ぐような形になってしまった。

 

「国木田さんはルビィと一緒にどこか安全な建物の中に入ってて」

 

「わかったずら」

 

「お兄ちゃんあれ使うの」

 

「大丈夫あれは使わないから」

 

今の俺にはACTやスピリチュアを使わなくても勝てる程度の力は持っている何せ剣道4段を持つほどの腕を持っているのだから。

とりあえず無関係な人を一応安全なところに移動させておけば一応自由に暴れることができる、ルビィ達が見えなくなったところで俺は千歌達を囲んでいる男たちのところに近づいた。

 

「おじさんたちもうやめときなそのくらいにした方がいいよ」

 

「なんだとてめえ」

 

あって早々にパンチを入れられるのって結構物騒になったもんだな、そんなにナンパ中に話しかけちゃダメか、

パンチは俺の右頬をかすりかけた、まだ人を殴ったことのなさそうな手だった。

 

「おじさん弱いよそんなパンチじゃ俺は到底倒せない」

 

俺はブレザーの袖に忍ばせてある警棒を取り出し伸ばした、こんなゴミどもを潰すのにわざわざ左手を使う必要もない。

 

「じゃあ遠慮なく泣いても知らねえからな」」

 

初手は右ストレート、初速は充分速いがまだ遅い俺は左に避けて警棒の先端を思いっきり相手のみぞおちに打ち込んだ。

 

「う…ぅぅ」

 

男はそのまま地面うつ伏せのまま倒れていった

 

「て、てめえ」

 

やららた仲間の敵討ちに2人同時にかかってくるがわざと手のひらでパンチを受け止めるように見せておいて手を引いた、案の定2人は前傾の状態で1人は転びもう1人はどうにか耐えて反撃仕掛けてきたが攻撃がワンパターンすぎてつまらない、どうせこいつらは殴ることしか頭にないんだから。

 

「じゃあねおじさんもうめんどくさいからいいよね」

 

右手に持っていた警棒を相手の心臓に近い肋骨を的確に狙い打ち込んだ、ぺきっという骨が折れる音を誤魔化すために相手の足を取り転ばした。それを見ていた最後の1人は

 

「お、覚えてろよ」

 

と言ってい逃げていった。後処理は…親父のところに任せておこう。

 

 

「大丈夫怪我とかしてないよね」

 

「う、うん大丈夫ありがとう和沙君かっこよかったよ」

 

「別に人として当たり前のことをしたまでだと思ってるから」

 

「それよりどうするこの後の練習たしかこの後ダンス練習だろ」

 

「う~ん、みんなの気持ちしだいだけどどうする」

 

「私はもちろん行くよ」「私も行く」

 

千歌と梨子も問題なさそうにこの後の練習に参加するらしい、あれだけことがあると結構心に来ているはずなのに強いな彼女たちは。

 

俺らは移動し近くの海岸へと向かった。

 

 

 

まず海岸につくと柔軟から始めた何事にも柔軟は大切だからな

 

「名前どうしようか」

 

議論は千歌のこの一言から始まった、まだ決まってなかったグループ名を早めに決めないとあとあと問題になってくる。

 

「どうしようか…う~ん制服少女隊とかは」

 

「う~んなんかないかな梨子ちゃん」

 

「え!私の無視」

 

制服少女隊はちょっと違う気がするてかそれは曜の趣味前回のグループ名じゃん。

 

「3人海で出会ったからスリーマーメイドはどうかな」

 

「曜ちゃんない」

 

「私のも無視」

 

「和沙君はなんかない」

 

「“チーム幼馴染”とかどうかな」

 

それを言った瞬間3人は腹を抱えて笑いだした

 

「ぷくく、それはないよ和沙君」

 

「そ、そうだよいくら幼馴染でもグループ名にそれは反則だよ」

 

なんだか笑われていることにすごく腹が立っている、そんなに笑う要素もないはずなのにどうしてなのか。

 

「いや~幼馴染っていうネーミングには笑っちゃうね」

 

「そうだよね、ちょっとネーミングセンスの問題がね~」

 

「そこかよ悪かったなネーミングセンスがなくて」

 

「本当にどうしようか」

 

「とりあえず書いてみようか下砂だし」

 

とりあえず俺らはたくさん書いてみたがぱっとするものがなく砂浜の1割をグループ名で埋め尽くしてしまった、

 

「ん、あれなんだろう」

 

千歌に言われて気づくとそこには俺たちと同じように砂浜に文字が書かれていた

 

「えーきゅーあず」

 

「あきゅあ」

 

「アクアじゃないかきっと」

 

「Aqoursかいいね…ねえグループ名これにしない」

 

「そうだねあれこれ言っても決まんないからこれにしよっか、これも何かの運命だよ」

 

「そうかもなじゃあグループ名はAqoursに決定だな」

 

ようやく名前が決まり難関を一つクリアしたところで今日の練習は解散になった。

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

ようやく3話に入ってきました、まだまだ時間と話数はかかりますがよろしくお願いします。


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12話 初恋はレモンの味というけれど…

大変遅れて申し訳ありません、テスト期間全くパソコンを触っておらず今月の10日から急いで書きましたそのため所々誤字脱字などあるかもしれません。


「いきなり呼び出してなんだよ」

 

「ごめんね和沙ちょっと見てもらいたいものがあってね」

 

千歌たちとの練習が終わったところで姉さんから電話が入ってきた。

 

「和沙今から理事長室来てくれないちょっと話したいことがあって…ね」

 

「何、俺は何かやらかしたから理事長室に呼ばれるのか」

 

「non non ただちょっと浦の星にきて欲しいのよそれだけじゃあ来てね〜」

 

と電話で言われて学校にきて理事長室に入るとそこにはダイヤ姉もいた。

ダイヤ姉と姉さんが一緒にいるってどうゆうことだ、それがいまの自分には理解ができなかった。

 

「和沙にはまずこれを見てもらいたいの」

 

そう言ってノートパソコンを見せてきた、そこにはメールの画面が表示されておりメールフォルダの一番上のメールが空いていた、メールの文章が目に入ると俺は驚愕した

 

『今週の日曜に開催される体育館でのライブを中止にしろさもなくば理事長の命もしくはスクールアイドルの命を奪う ringer wood』

 

スクールアイドルの命って絶対千歌たちのことだろ、最初は姉さんだけを守れればいいと思っていたたが千歌たちともなるとそうはいかなくなってくる。

 

「これって完全に脅迫文だろ」

 

「そうよ」

 

姉として冷静にしているのかそれとも理事長として冷静にしているかはわからないが驚かない方がすごい、そしてこの時俺の決意は決まった

 

「大丈夫姉さんの命と千歌たちは俺がみんなを守るから」

 

「大丈夫なのですか4人一気に守るなんてできるんですの」

 

「それなら問題ないよ、東京にいた時園田流剣術の免許皆伝までいったから」

 

気のせいか園田流と聞いただけでダイヤ姉が少しおかしくなったように見えたのは俺だけなのか

 

「もしかしてμ'sの園田海未さんにお会いしたのですか」

 

「もちろんあったよというか俺の師匠だしいろいろ教えてもらったよ」

 

「よろしければ今度メールアドレスを教えてもらってもいいですか」

 

「今度本人に会ったら聞いてみるよ」

 

「それより姉さんそのパソコンちょっと借りていい」

 

「いいけど余計なところに行かないでよ」

 

俺は姉さんから理事長の使っているパソコンを借りて横についてるUSBメモリの差し込み口にUSBを挿した、このUSBは主にメールなど送られ来たもの送り主を逆探知ができるプログラムを組み込んだものだ。理事長の椅子に座りパソコンを打ち始めた、部屋にはキーボードのタイピング音のカタカタという音が鳴り響いた。

 

「和沙何してるの…まさかハッキング」

 

「いや逆探知してるだけ、送られてきた場所さえわかれば少しは対策しやすいでしょ」

 

「そうですが一体どこでそんな技を覚え来たのですか」

 

「自衛のために独学で覚えたんだよ」

 

そんなことをいいながらキーボードを打っていると送らてきた場所が分かった

 

「送信場所は…チッ、ネットカフェかこれじゃあだめか、パソコンありがとう」

 

「それでこの後どうするんですの、殺人予告までされて」

 

「それについては当てがあるから考えてみるよ大丈夫必ず姉さんと千歌達は守るから」

 

「和沙も少しは大人になったのね」

 

“よしよし”といわんばかりに姉さんが頭をなでてくるがつい防衛の癖がでて姉さんの右手をひねって背中にもってきてしまった。

 

「和沙ストップストッーープ」

 

「あ、ごめんつい癖的なものでついやっちゃった」

 

「ごめんじゃないわよ全くどこでこんな技を覚えてくるのかしら」

 

姉さんが肩の周りぐるぐると回しながら怒り込めて言ってきたところで今日は解散になり学校の外に来るとじーやが車を止めて待っていた。

 

「お帰りなさいませお坊ちゃま」

 

「ただいまじーや」

 

じーやは車の後部座席の扉を開けて入れてくれた、車を走らせる先はもちろん沼津にある自宅だ。

乗っている途中俺はじーやに一つ質問した。

 

「じーや人を守るってどんな感じだ」

 

「…そうですね私の場合は頼まれたから守るのであってお坊ちゃまのように善意で守っているわけではありませんので少し違います…ですが根本は同じですその人を守りたい傷つけたくないそのような気持ちをもっていれば問題ないでしょう」

 

「そうかありがとうなじーや」

 

俺は携帯を出しある人に親父に電話を掛けた。

 

「久しぶりだな親父」

 

「どうした和沙なんかようか」

 

「ああ、今姉さんを守るためになんか秘密組織みたいなの作ってるだろその組織の結成を今週の水曜か木曜あたりにできないか」

 

「どうしたそんなに急ぐようなことがあったのか」

 

「姉さんのところに…脅迫メールが送られてきた、内容は『今週の日曜にスクールアイドルのライブを中止にしないと姉さんの命もしくはスクールアイドルの命を奪う』というものだった」

 

「そうゆうことか、わかったお前の希望通り水曜にはできるように手配しておく鞠莉の命頼んだぞ」

 

そこで親父との電話は切れた。

いろいろなところから期待されて嫌になってくるが人の命を守るってこうゆうことなのかなと思っているともう家の前に車はついていた。

 

「ありがとうじーや、じゃあ少し早いけどお休み」

 

「お休みなさいませお坊ちゃま」

 

じーやは再度車に乗って帰っていった昔はじーやと一緒に住んでいたが今はもう一人暮らしでやっているその方が楽だからだ。

自宅の扉を開けて真っ先に汗を流しそのあとパソコンに向かうメールをチェックしレンジでチンしたご飯ができた、ごはんと軽いおかずで夕飯を済ませた。

 

 

 

 

 

俺はいつも通りに学校に来ていたそして俺よりちょっと先に来ていたのは千歌と曜と梨子だった。

 

「おはよう和沙君、昨日あの後どこ行ってたの」

 

「いや姉さんに呼び出されて学校に来ていただけだよ」

 

「一体何のようで呼び出されたの」

 

「スクールアイドルの調子はどうだとかいろいろとね」

 

「そうなんだ…理事長ちゃんと私たちのこと気遣ってくれるんだね」

 

そんなことを言ってると先生がきた、またすべてわかりきっている授業を聞かないといけないのか学校で役に立つのはほかの先生に対する愚痴とか俺の知らない雑学とかしか聞く気がない。せいぜい息を抜くことができるのがお昼と放課後ぐらいかな、心がリラックスできる。

 

「さ、放課後だよ今日も練習たくさんやるよ」

 

授業が終わると息を吹き返したように千歌は元気になる、授業中ちょくちょく寝てるから放課後は体が動くんだろうな。

 

「千歌ちゃん今日も元気一杯だね」

 

いきなり梨子から話かけられた

 

「あ、ああそうだね授業中寝てるからあそこまで元気一杯になるんじゃない」

 

「そうかもね、和沙君よくこの頃よく千歌ちゃんのこと見てるからそうゆうことがよくわかるんじゃないかな」

 

「まあ確かに授業が暇で横向いたりするとよく千歌寝てるからどんな夢見てるんだろうなとかそんなこと考えてるけどね」

 

「それって千歌ちゃんに好意を寄せてるってことじゃないの」

 

「ちょ、それはちがっ」

 

と言いかけて立とうとしたとき千歌がやってきた

 

「なになに二人して私の話題で何盛り上がってるの」

 

「なんでもないわそれより練習行きましょう」

 

「アフターフォローはなしですか」

 

「和沙君行くよ今日は淡島で体力づくりだから船に遅れないでね」

 

そういって二人は言ってしまった俺は教室においていかれた誰もいなくなった教室で試しに曹灰眼を発動してみた、今範囲内にいるのは校庭にいる部活動の生徒を除いで15人。

生徒会室に1人これはダイヤ姉だろう、理事長室には1人これは姉さん確定だな、職員室には10人の先生がデスクワークをしていたあとは1年生の教室に2人確かこの感じはルビィと国木田さんかライブの宣伝がてら寄っていくかバスの時間までまだあるし。

 

俺は階段を下りてルビィ達がいる教室といっても1クラスしかないからすぐにわかるんだけどね。

 

「失礼するよ」

 

「あ、お兄ちゃんどうしたの」

 

「いやライブの宣伝に来ただけあとグループ名も決まったから」

 

「どんなグループ名にしたんですか」

 

「名前は…ごめんいらない紙とペンある?その方がわかりやすいと思うよ」

 

国木田さんから渡された紙にグループ名にAqoursと書いた

 

「えーきゅーあーず?これなんて読むんですか」

 

「グループ名はアクアに決定したからよろしくね」

 

「アクア……お姉ちゃん

 

「ん?ルビィちゃんなんか言った?」

 

「ううんなんでもない」

 

その時のルビィの顔はなんかきらきらとしていた

 

「さてこれから俺は淡島で体力づくりだから行ってくる」

 

「行ってらっしゃいお兄ちゃん」

 

ルビィに言われながら俺は一年の教室を後にし淡島に向かった。

 

 

バスに乗って淡島行きの船着き場に向かうともう3人は集まっていた

 

「もう~遅いよ和沙君どこにいってたの」

 

「ちょっとルビィと国木田さんにライブの宣伝をしててさ」

 

「そう、それならいいけど」

 

ふと千歌の顔を見ると少し顔を赤らめてるような…もしかして梨子が何か吹き込んだか

 

「梨子なんか千歌に話したか」

 

「いや何も話してないわよ」

 

いやおかしい恋にうぶそうな千歌が俺の顔を見るに顔を赤くするなんてぜってたいあの二人がのどちらかが俺が好意を寄せているなんてことを話したんだろう。

 

「それより上りにいくよ梨子ちゃん曜ちゃん…和沙君も遅れないでね」

 

「了解」

 

今思うとこの長いざっと500段くらいありそうな階段を上らなくちゃいけないのか、しかも普通の階段に比べて幅が広いからペース配分を考えないとすぐにばてちゃいそうだ。

 

~千歌視点~

和沙君を教室において先に淡島の船着き場に行ったときに梨子ちゃんから衝撃の事実聞かされた、それは和沙君が私に好意を抱いていることだ。

 

「梨子ちゃんそれ本当!?」

 

「ええさっき和沙君に確認してきたもん、あいまいな返事だったけどあれは間違いなく千歌ちゃんに思いよせているはずよ」

 

「え、ど、どうしよう私告白されたことなんて一度もないからもし言われたらどうしよう」

 

「大丈夫だよ千歌ちゃん千歌ちゃんの素直な気持ちをぶつければいいんだよ」

 

千歌が困ってるときはいつも力になってくれる曜ちゃんがそういうなら本当の気持ち伝えてみようかな。

そうこうしている間に和沙君来ちゃったよどうしよう、ちゃんと和沙君の顔がはっきりと見れないしかも顔が熱くなってきちゃってどうしよう。

 

いいやともかくこの階段を上りきったら本当のこと聞いてみよう

 

「それより上りにいくよ梨子ちゃん曜ちゃん…和沙君も遅れないでね」

 

そういって私は少し足早に階段を上り始めた。

 

~和沙視点~

淡島神社に行く階段の中段あたりに来たところで千歌の息が上がっていることに気づいた前半に結構飛ばしていたからなそれが今に響いてきたか。

 

「千歌息上がってるなら少し休んでいったらどうだ」

 

「はぁはぁ大丈夫はぁ問題ないよ」

 

完璧に息切れてるしこれじゃあ鍛えるもなにもできないじゃないか。

 

「曜、梨子先に行っててくれ俺は千歌の息が戻ったら追いつくから」

 

「わかった和沙君も千歌ちゃんも気を付けてね」

 

曜が見えなくなったところで千歌と一緒に石段のところに座り息を整えていた。

 

「千歌お前今日飛ばしすぎだぞ前半飛ばしていただろあれじゃだめだもうちょっと後半戦のことも考えながら走れよ」

 

そういいながら水分補給用にもってきていた未開封のペットボトルを渡した。

 

「ありがとう和沙君……」

 

ペットボトルを渡すと一気に半分くらいを飲んでしまったよほどのどが渇いていたのはわかるが飲みすぎると上ってる途中にお腹が痛くなってくるんだよな。

 

「じゃあ行こうか和沙君」

 

そういって千歌が立ち上がった時にバランスを崩してしまい一緒に立ち上がりかけていた俺の方に倒れてきた、俺も完璧に立っている状態じゃなかったから千歌と一緒にバランスを崩しとっさに千歌の頭を守るようにして階段を転がり落ちしかし手すりの支柱が等間隔に立っていたためどうにか背中を打つだけで済んだのは不幸中の幸いといえるだろう。

 

「だ、大丈夫か千歌」

 

千歌の安否を真っ先に確認し千歌から「うぅぅ」といううめき声が聞こえてきてどうにか気を失っているだけで問題は無いと思ったがまだ問題が残っている今千歌の胸が俺の胸板当たりにちょうど当たっている、もしこんな状態を見られたりしたらまずい、いやそれよりももっと問題がある千歌の柔らかい胸が当たっているということはだめだスピリチュアルモードになってしまった。

 

まず最初に千歌を顔からどかして石段にいったん寝かせ千歌を起こしてみることにした。

 

「千歌大丈夫か、お~い」

 

気を失っているから時期に目を覚ますとは思うが念のためを考えて下ることにした。

その前に曜に連絡入れとかないと心配かけると悪いと思い電話を掛けた。

 

「和沙君どうしたの」

 

「曜か、今ちょっと千歌がバランス崩して階段を転がっちゃて気を失っててまだ起きないから一応果南ちゃんのところで見てもらうことにするから、2人は自分のペースで降りてきてくれじゃあ」

 

一通りのことを言って電話を切った、いまだ気を失っている千歌をお姫様抱っこして階段を下り始めた。

下っている最中に気を失っていた千歌が目をさました

 

「うぅぅ、和沙君おはようあれ私さっき転んでとっさに和沙君に…」

 

ここまで言ったら自分で理解したらしく急に顔を赤く染めた。

 

「ってなんで和沙君にお姫様抱っこされてるの」

 

「お前が起きなかったから果南ちゃんのところで見てもらおうかと思ったけど起きたから問題ないかな」

 

「もう大丈夫だよ和沙君おろして」

 

「いいよ下まで運んであげるよ」

 

「わざわざそんなことしなくてもいいよほら千歌重たいでしょだから和沙君疲れちゃうからいいよ」

 

「女の子が簡単に自分の体重が重たいなんて言っちゃだめだぞ、自分を卑下するとすべて自分はだめだって思っちゃうから」

 

「和沙君いつもと雰囲気違うけどなんか変わった?」

 

「なにも変わってないさそれよりも千歌が怪我してないか心配だから急いで果南ちゃんのところに行こう」

 

そういって俺は少し足を速めた

 

 

 

「おーい果南ちゃんちょっといい?」

 

「どうしたの和沙…察するところ千歌が怪我したから見てほしいかな」

 

「惜しいな怪我してないか見てほしいんだ」

 

果南ちゃんはうなづいて千歌のいろいろな場所を触ったりした。

 

「大丈夫どこも怪我してないよ…和沙がちゃんと守ってくれたからだね」

 

「俺は人を守るという当然のことをしたまでだよまあでも怪我がなくてよかった」

 

下について10分くらいで曜たちも戻ってきた

 

「千歌ちゃん大丈夫怪我とかしてない?」

 

「大丈夫だよ曜ちゃん和沙君が守ってくれたから」

 

「和沙君ありがとう千歌ちゃんを守ってくれて」

 

さっきと同じ言葉を言ってごまかした。

すると突然千歌が驚いたように飛び跳ねた

 

「ああ、どうしよう今最終便出ちゃったよそうなると今日は果南ちゃんの家でお泊りすることになるのかな」

 

手元の時計を見ると確かに5分前に最終便が出て行ってた

 

「大丈夫だよ私がそっちまで乗っけてあげるから」

 

これで何とか帰ることができる。

果南ちゃんの船のエンジンをかけ俺らは淡島を後にした。

 

「ありがとう果南ちゃん、日曜のライブ絶対来てね」

 

「わかったよそれとちょっと和沙借りていい?」

 

千歌は二つ返事で「OK」をだした

再度船に乗せられ淡島の外側を一周するという珍しい航海が始まった

 

「和沙さっきヒステリアモードになっていたでしょ」

 

やっぱり聞かれたヒステリアモードについて。

スピリチュアルモードは東京にいるとき希先輩が勝手につけた名前であって正式名称はヒステリアサヴァンシンドロームの頭文字をとってHSSと名付けた、この力は俺だけに備わっているわけではない、現在知ってる中では俺のおじいさんがこのHSSの能力保持者であるしかし親父はこの力を持っていないいわゆる隔離遺伝というものが起きたらしい。

俺のおじいさんはHSSを正しく使っていたちゃんと人助けのためだけに使っていた、古い書物にはこの力を悪用して女性を落として奴隷として売りさばいた人がいるらしい。

この力は悪用もできるから取り扱い注意とおじいさんからよく言われていたしかし今回のことについては別件だあれは本当に不可抗力だったんだから。

 

「そうだよ、でもあれは不可抗力だったんだよ」

 

「まあ和沙のことだから千歌を襲うなんてことはないと思うけどね」

 

「じゃあなんで俺を連れてきたの」

 

「ちょっと鞠莉について聞きたくてさ、鞠莉あれから何か言ってなかった?スクールアイドルに戻ってきてほしいとか」

 

「いや何も言ってなかったよ」

 

「そう悪かったね陸に急いで戻るために速度上げるからつかまってな」

 

そういって果南ちゃんはフルスロットルにして10分かけてめぐる場所を4分で帰ってきた、おかげでちょっと気持ち悪い。

 

「じゃあ和沙も頑張ってね」

 

頷くと果南ちゃんは淡島に帰っていった。

俺も千歌との練習場所に向かおうとしたとき電話がかかってきた

 

「和沙か私だ、お前の言っていた極秘チーム明日には全員集まるから顔合わせでもしてこい」

 

「よくこの短期間に人を集めたなどうやったんだ」

 

「奴らは全員鞠莉に借りや助けてもらったりして鞠莉に恩があるやつらだ」

 

「そうなのかそれで集合場所はどこなんだ」

 

「俺が沼津でやってるビルの会議室でやると伝えてあるから4時にはそこに向かってくれ」

 

「了解、ありがとな親父」

 

その一言で電話を切った。

今の時点で心配なのは格闘戦などができるか心配だ、でもそれについては明日あってみてから考えることにした、千歌との約束の場所に向かうことにした。

 

 

「もう和沙君遅いよさっきちょうど練習が終わったところだよ」

 

「ごめんごめん果南ちゃんとの話がちょっと長引いちゃって」

 

実際は親父の方の話について考えていたから遅くなったんだけどね

 

「果南ちゃんどどんな話したの」

 

「それはちょっと言えないかな、個人的な話だったし」

 

「それならしょうがないねじゃあ今日は解散、明日は朝から淡島で体力づくりやるからちゃんと睡眠とって遅れないでね」

 

言ってる張本人が一番遅れてきそうな気がするというのは言わないでおこう。

 

 

 

 

水曜日になりライブまであと当日を除いて練習できるのは3日しかないさらにこのカウントダウンは姉さん襲撃のタイムリミットでもある、それまでに今日の会う人たちをまとめ上げなくちゃいけない。そう考えながらバスの一番後ろに乗ると曜と一緒のバスに乗った。

 

「おはよーそろ和沙君」

 

「おはよう曜今日も元気一杯だね」

 

「うん昨日たくさん寝たから元気一杯だよ」

 

沼津駅から発車したバスは30分かけて淡島の船着き場向かった珍しくバスの中はすいておりサラリーマンの姿もないほどバス車内はすいていた、ちょうどバスが…曜からあの事について聞かれた。

 

「ねえ和沙君は千歌ちゃんのことどう思ってるの?」

 

「もちろん好きだよ友達として」

 

「違うよ恋愛的意味でどう思ってるの」

 

やっぱり聞かれた俺は恋愛なんてしたこともないし中学の時のことを思い出すと気持ち悪くなってくるし、埋め込まれた先入観がどうやってもぬぐい切れない。

 

「恋愛的には…千歌を見てない今は友達として一緒にいるだけだ」

 

「じゃあ梨子ちゃんの勘違いだったのかな」

 

「そうゆうことで片づけてくれ」

 

恋バナに花の一つも咲かないままこの話は終わり気づくとバスはもう淡島の近くまで来ていた急いで降車ボタンを押して曜と一緒にでていった、バスを降りるとそこにはもう千歌と梨子も来ておりまた千歌は顔を赤らめていた。

 

俺らは淡島に渡りまた体力づくりのために階段を上り始めた、いつもはみんなの状況を見るために一番後ろを走るが今日は先頭に来ていた昨日の千歌の走りすぎをストップさせるためだ。

少し早く走りすぎたと思って待っていると上から果南ちゃんが降りてきた。

 

「あれ和沙も早朝トレーニングしにきたの?」

 

「いや今千歌達と一緒に体力づくりって事でこの階段登っているんだけど下でへばっていると思うんだよね」

 

「初心者にはちょっと辛いけど慣れるとそうでもなくなるよねこの階段」

 

よく見ると果南ちゃんは息一つ切れておらず普通に話してるって言っても俺も同じ状態なんだけどね。

ふと時間を見ると時計は7:00だったまだ学校には間に合うがもうそろそろ戻って汗とかを流さないと臭いままじゃ学校にも行けないからな、俺はそのまま果南ちゃんと一緒に階段を下りることにした。

 

 

「千歌そろそろ降り始めないと学校遅刻するぞ」

 

「和沙君に果南ちゃんか…ってまだ7:00じゃん問題ないよ」

 

「お前…汗かいたままでいくつもりか?」

 

「いやいやちゃんと汗ぐらいはながしていくよ」

 

「だったら降り始めないとゆっくりとシャワー浴びれないぞ」

 

「上り切りたかったけど仕方ないか曜ちゃん梨子ちゃん降り始めようか」

 

みんなでゆっくり歩きながら降りていきみんなシャワーを浴びて学校へと向かった。

 

 

 

 

 

また今日もめんどくさい授業が一通り終わりこれから部活と思ったが俺は今日大事な仕事がある、姉さんを守るために作られた極秘チームが今日結成するというか今週のデビューライブで一気に4人も守らなくてはいけないため極秘チームの結成を急がせた。

 

「千歌すまない今日はちょっと用があって部活には出れない」

 

「わかった明日はちゃんと来てよ本番まであんまり日がないんだからね」

 

千歌は二つ返事でOKを出してくれた、しかしその時の千歌の顔は少しどこか切なげな表情をしていた。

HRが終わったところでダッシュでバス停に行き沼津駅に向かった。




お読みいただきありがとうございます。ご指摘、感想をよかったらお願いします。

本当はライブまで書きたかったのですが話が横道にそれたり極秘チームの話を書いたりとしていたらライブまではいけませんでした。
次回はライブ終了まで書いたら投稿します。

あと感想をくださいこの小説をどう思っているかとかここを直した方がいいなどなんでもいいです。

次回もよろしくお願いします。


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13話 ファーストライブ

学校が始まり部活も忙しくなりだすので次回の投稿はいつになることやら


「遅れてすいません」

 

 少し遅れて入ってきた俺は室内をぐるりと見回し全員きていることを確認した。

 

「あんたが俺らのリーダーか?」

 

 少し強面の男が真っ先に話しかけてきた。俺は少しビビりながら右手を前に出した。

 

「小原和沙だよろしく」

 

 ここにいるのは俺を除いて5人ださっきの強面のお兄さんとひょろひょろのお兄さんそれと中肉中背のお兄さんあとはパソコンを使っているお姉さんと妙に喧嘩っ早そうなお姉さんが室内にはいた。

 

「ここに集まってもらった理由はわかってるよな」

 

 俺が話を切り出すとみんなうなづいた。

 

「あんたの姉貴つまり小原鞠莉を守ればいいんだろ」

 

「そうゆうことだ、これからは協力していかないといけないそのためにはお互いを知る必要があると思うだからまず自己紹介からいこうか」

 

 学校のようなえ~という声は全く聞こえず強面のお兄さんから自己紹介が始まった。

 

「え~と私は風間 英幸(かざま ひでゆき)です、こんな怖い顔していますが割と猫が好きです」

 

「皆さんこんにちは私は赤星 龍星(あかほし りゅうせい)といいます、小さいころから剣道をやっており柳生新陰流の免許皆伝まで行ってます鞠莉さんを守るために一生懸命頑張ります、よろしくお願いします」

 

「私の名前は吉田和樹(よしだかずき)といいます、昔アメリカでスナイパーで殺し屋やってましたでも日本じゃ銃が使えないので新しいメインウエポンを探していますよろしく」

 

 男性陣が終わり続いて女性陣へと移った。

 

「皆さんこんにちは私は主に諜報関係のことをやっている榊原桃花(さかきばらももか)です。ハッキングや盗聴などが趣味です。よろしくおねがいします」

 

「私は上沼 悠(かみぬまはるか)っていうんだ、とにかく殴ることが好きだよろしくな」

 

 これで全員の自己紹介が終わり簡単に陣形を考えていた、俺と赤星さんで中衛、上沼さんに前衛、吉田さんと風間さんで後衛そして榊原さんはハッキングなどの力を利用してという陣形が思い浮かんでいたしかしこの陣形はあくまで使わないものだ、この人達には俺が捕まえてきた姉さんを殺そうとするやつらから情報を聞き出すことが目的だからな、今日やることが終わり俺は解散を促した。

 

「今日はこれで終わりだ次回は今週の日曜14時からあるライブの時に集まってくれ、今日は解散」

 

 終わるとみなそれぞれ帰っていった。俺も家路に付き家でテレビを見てると不意に携帯が鳴り確認するとそこには非通知の文字があったともかく電話に出ることにした。

 

「もしもし小原です」

 

「スクールアイドルなんてやめてしまえ」

 

 相手がそれだけ言うと電話は切れた、俺は急いでパソコンにつなぎ発信者の特定を試みたが途中で反応がなくなってしまった。

 いたずら電話にしては手が込んでる、まず俺の携帯の電話番号をどうやって知ったかどこからか流失していたいやそれはないだろうしかし念のためパソコンに向かい穴がないか確かめてみたしかしやはり流失するような場所がない、だとすると一体誰からの電話なのか想像がつかない。

 わからないことはその日のうちに片づけたいがどうしようもないので今日は諦めて次回があれば挑戦してみることにしよう。

 今日は早めにベットで寝た。

 

 殺害予告の期日まで襲撃の日を除けば2日しかない、こんなことは初めてだから自分がどうやって動いたり前日まで準備をしなければいけないのかもわからない。

 毎日学校に行くバスの中で考えてしまう。

 

「大丈夫和沙君顔色悪いけどちゃんと寝た?」

 

 ああ俺は人に心配をかけていたのか、なるべく顔には出さないようにしてたけどやっぱり簡単に出ちゃうものなんだねこれから気を付けよう。

 

「昨日ちょっと夜更かししてアニメ見ちゃって3時くらいまで起きてたけど気にしなくても大丈夫いざとなったら授業中に寝てるから」

 

「だめだよ和沙君ちゃんと授業受けないとだめだよ…でも和沙君勉強できるから1科目くらい寝てても平気じゃない?」

 

 曜から寝てても問題ないというお許し得たし今日はどこかの科目で寝てよう。

 

 

 

 

 今日は3時間目に体育があるからそのあとの4時間目は疲れて寝たってことにしとけばいいかな、着々と睡眠計画を作っていた。

 無事に3時間目に目いっぱい体を動かし4時間目はすごくめんどくさい現国の鈴木先生だった俺は速攻…寝落ち、一度当てられたが曜のフォローでどうにか寝ていることができた、昼休みも机に突っ伏して寝ていたどうにか午後も乗り切り放課後になった。

 

「和沙君部活行くよ遅れないでね」

 

 千歌は元気一杯に俺に話しかけてきたしかし今のあいつからは不安のようなものが漏れてるのかもしれない本番まであと2日しかないのだから不安になるのも仕方ない話かもしれない、今俺がしてやれることは俺が元気にあいつらを励ますことなのかな。

 

「へいへい」

 

 机から立ち上がり練習場所に向かった。

 

 

 

 

 

「1、2、3、4、1、2、3、4千歌あとワンテンポ遅れてる曜はそのままを維持梨子は少し早いから遅く」

 

 曹灰眼を発動していつも練習を見ているおかげで少しは拾える範囲が広がり一石二鳥なのかなと思っていたその時携帯が鳴り画面にはまた非通知の文字俺は恐る恐る電話に出た。

 

「はい小原です」

 

「スクールアイドルなんてやめてしまえ、お前らが目障りなんだよ」

 

 また批判的な言葉を言われた前回と変わらず声は変声機でわからないし今はパソコンもないから逆探知もできないすごくもどかしい気分だ。

 

「和沙君誰からの電話だったの?」

 

 千歌が休憩がてら俺の方に寄ってきた。

 

「いや間違い電話だったよ」

 

「そう…ならいいけど」

 

 千歌の顔がまた少し暗くなったように見えた、こうしてまた嘘が増えていくばれても何も問題は無いと思うが、その考えをかき消すように俺は大きな声を出し練習に戻っていった。

 

 今日の練習をひとまず終えて千歌の家でダンスのフォーメーションの確認を行っていた、俺と曜は衣装を作り千歌と梨子は歌詞にメロディを付けていた。

 

「あ和沙君これオレンジ色の糸で縫っておいてそれとピンクもよろしく」

 

 曜からオレンジとピンクを基調とした衣装を渡され縫っていった、といってもこれはあくまで仮止めで最終的にはミシンで縫っていくそうしないと衣装のつなぎ目が取れてしまうかもしてないからだ、普通に波縫いで仮止めをして曜に渡すそれを曜がミシンで縫っていくという感じになっている一方千歌と梨子はメロディをつけるのに苦労していた、俺も手伝いたかったがあいつら自身でやった方が今後につながるだろうと思い手は出さなかった。

 その時また電話が鳴った、画面には非通知の文字俺はいったん外に出て電話に出た。

 

「お前らなんでまだ続けてるんだよ、これ以上続けるなら本当に殺すからな」

 

 相手が一方的に電話を切り終了した、今回はちゃんとした殺害予告だったしかも今回は何か相手の話し方が違った複数犯いるというのも考えたくはないが考慮しておこう。

 ふすまを開けて千歌の部屋に戻るとちょうど美渡さんが千歌を呼びに来ていた千歌はそのまましたに行った。

 

「和沙君ここ最近間違い電話多いみたいだね」

 

「話聞いてたのかよ」

 

「聞いてないよ…でも戻ってくるのやたら早かったし」

 

「まあ確かにさっきの人は間違い電話だったよ「電話番号間違えました」って言って切られちゃった」

 

「ずいぶん一方的に切ったんだねその人よほど急いでいたんでしょ」

 

 ふすまが開き千歌が帰ってきたその時の彼女の顔はすごく暗い顔をしていた。

 

「千歌ちゃん…お帰り何かあった?」

 

「…ううん何もなかったよ」

 

 はっとしたように顔を明るくして何もなかったように振舞った。しかしこれは一過性の笑顔だった。

 

 もうそろそろ平日の終バスが来てしまうということで今日はもう終わりにしてみんな帰ることにした、片づけをしながら千歌は俺に1枚のメモ用紙を渡してきた「ちょっとトイレ行ってくる」といってその場から抜け出した、人がいないことを確認しメモ用紙を開くと「今日この後時間ある?返答は帰りまでにこの紙を私に渡して」という内容の分が書いてあった一瞬告白かと思ったがファーストライブが控えてるのにこのようなことをしてていいのかということで告白の考えは無くなった、そうなると何のことか思いつかないからとにかく紙にOKと書いてっ戻ってきた。

 

「和沙君遅いよもうそろそろ終バス来ちゃうから早く」

 

「ごめん今日は姉さんからディナーに誘われてごめん」

 

「そっかそれなら仕方ないね、味の感想聞かせてね」

 

 そういって曜はバスに乗っていった、梨子も自宅に戻り再び千歌の部屋に戻ってきた。

 

「で、話はなんだ?」

 

 千歌は伊勢海老のぬいぐるみを抱きながらずっとうつむいたままだった、これは話してくれるまで時間がかかりそうだ。

 

「話したくないなら話さなくてもいいんだけどそれじゃあ俺は何も千歌の力になれない俺はせいぜいみんなを見守ることしかできないだから…何かあったなら話してくれ俺はお前の力になりたいんだ」

 

 すると千歌はゆっくりと口を開いた。

 

「あのねさっき電話があったの…そのね内容がねスクールアイドルなんてやめろっていう内容だったの…自分が「輝きたい」ってμ'sのように輝きたいって理由じゃあだめだったのかなもっとちゃんとした理由がないとだめだったのかな」

 

 千歌は顔を上げたときには涙目になっていたこの時の千歌のセーラー服の胸元が開いており谷間とブラが少し見えていて雰囲気を壊すようだが興奮してしまったそして興奮と共にやってくるのが血液が沸騰したような熱い感覚この状態になるってことは俺は今ヒステリアモードになっていた。

 

「大丈夫だ千歌…俺はいつでもお前の味方だ全世界の人がお前の意見を否定したとしても俺だけはお前の意見を肯定何があってもだ」

 

 そういいながら俺は千歌を抱きしめていた、いつもだったら千歌の方が沸騰してるだろうが今は心の状態が不安定なだけにそのまま素直に体を寄せてきた。

 

「ありがとう和沙君少しは楽になったよ」

 

「そうかよかったつらくなったらいつでも俺を呼べよどこにいてもすぐに来てやるからな……もうちょっとこのままでいるか?」

 

「ううん大丈夫今日はありがとう相談に乗ってくれて下まで送るよ」

 

「大丈夫だよ気持ちだけもらっておくよ」

 

 千歌はそれで納得して下まで送らなかった俺はロビーにつくとフロントに美渡さんがいたので今日のことを聞いてみた

 

「美渡さん今までにあのような電話ってありましたか?」

 

「なんだ和沙君か、うーんまあ確かにこの旅館をあまりよく思わない人からの電話はあったけど今日は千歌を名指しして電話に出さてさそれで電話の内容ってどんなんだった千歌すごく暗い顔して戻っていたから気になってさ」

 

「俺もさっき聞いたんですけど内容はスクールアイドルに対する批判的な言葉でしたね」

 

「そっかであいつは続けるの?スクールアイドル」

 

「ええ続けるらしいですよ輝くために」

 

「じゃあ私も応援しないとね姉貴としてだけど」

 

 美渡さんは笑いながらそのまま立ち去ろうとしていたので本来の目的を忘れるところだった。

 

「あの美渡さん明日この旅館に泊まることできませんか?」

 

 それはあまりにも大胆な質問だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1、2、3、4、1、2、3、4だいぶ良くなってきたから少し休憩入れるよ」

 

 今日は本場1日前でみんな緊張してるだろうからなるべく早く帰れるように練習メニューを軽くしておいた。

 

「そういえば美渡姉から聞いたけど今日うち(とちまん)に泊まるんでしょなんかあるの?」

 

「いや別にただ明日寝坊すると大変だから学校に近い場所に泊まった方がいいかなって思っただけだよ」

 

「いいなぁ和沙君私も千歌ちゃんちに泊まりたいであります」

 

「じゃあ今日私の部屋で合宿のような感じにする?」

 

 この案は満場一致で決まり合宿が決まったしかし俺はすでに部屋をとっているから千歌と一緒の部屋に泊まるわけにはいかないというか3:1という男女比の中で寝たくない。

 

「ふ~疲れた和沙君最終日に詰め込みすぎてない」

 

「そうか全体的に確認して通し練習やってこれぐらい普通じゃないか?」

 

「それは和沙君が思ってるだけでしょ」

 

 ある意味怒られて前日の練習が終わった、俺は旅館に戻りもってきていたパソコンを取り出した、このパソコンは俺用に作り替えたいわゆる改造パソコンだ設定を自分専用にしてあるから他人が使うととても違和感があるものらしい自分が使ってるから違和感はあまりない。

 これを持ってきたのは電話の相手を突き止めるためだそのために旅館に泊まったこれは「千歌の友達がやってる」のではなく「ただの客がやっている」ということにすればあまり波風を立てずに済むかと思った自分なりの考えだ。パソコンを用意してる間に昨日電話がかかってきた時間に近づいていた俺はフロントに向かい美渡さんに許可をもらい電話線を少し細工をさせてもらったパソコンにハッキング用と音声録音用のUSBを挿しいつでもハッキングできる状態にして千歌を呼んだでこれから起きるであろうことを話した。

 

「千歌あいつは今日も電話をかけてくると思うだからその…つらいと思うが今日も電話に出てくれないか」

 

「それはいいけど私が電話に出てなにか変わるの?」

 

「ああもちろん相手の電話番号と発信基地局それに変声期で変えられた声もわかる」

 

「へえ和沙君そんなこともできるんだ」

 

「中学生のころからやってたからなパソコン自体は」

 

 そんな雑談をしていると電話が鳴った最初は美渡さんにでてもらい少しでも時間を稼ぐさらに千歌の方も相手に質問することで相手が電話を切るのを1秒を長くするために千歌に協力してもらう。

 

「はい十千万旅館です」

 

 美渡さんが受話器を取ったところからキーボードを打ち始めたまずは電話番号の特定から始めた今は発信基地局と同時に機械的にやってくれるらしいが俺は自分でやった方が早いと思っているとても偏見だが。

 美渡さんが受話器をいったん放し千歌を呼んだ、ここまでどうにか電話番号の解析が終わった次にやるのは発信基地局の特定だ声の方は録音しておけばいくらでも解析ができる再度キーボードに向かい熱心に打ち込み始めた、一応特定は日本から始めた海外とい可能性も否定できないがまだファーストライブもやってないのに海外からそんな言葉がとんでくるとは思えないということで日本だけの特定にした。最初は東京から始め神奈川、埼玉と波紋のように広げていったそしてヒットしたのはなんと「静岡県」だったしかも基地局は沼津ということは敵は近くにいるということなる。

 千歌の電話も切れて大体のことがわかりなかなかの収穫があった、これからは録音した音声の解析を始めたここは機械に任せて出来上がるのを待った。

 

「どう、なんかわかった?」

 

「うん電話番号と発信基地局はわかったよ場所は…沼津だった」

 

「じゃあこの電話をかけている人は沼津市内にいるってこと?」

 

「そうなるな」

 

 それ以降の言葉は見つからなかった励ましの言葉をかけるのかそれとも明日のライブ頑張れと言うのか今の俺にはそんなことすらできなかった、しかも電話をかけてきていたやつが浦女の先生だったなんてあいつらは知らせたくない。そんなこともあり時間はもう8時頃だった俺は千歌の部屋に戻って明日のために最後の作戦会議をしていた。

 

「ここで曜が前に来ればもうちょっと客にアピールできるんじゃないか?」

 

「う~んでもそうすると梨子ちゃんが隠れちゃうから難しいね」

 

 曜と梨子と俺とでフォーメーションの最終確認を行っていた、結局少しだけ修正をして終わった千歌のやつは床で寝ていたため俺が仕方なくベットにもっていったそのあと俺は部屋に戻り極秘チームのみんなにメールを送っていた。

 

『襲撃者の顔と名前が割れた名前は鈴木俊一。顔写真は添付ファイルにつけてあるからそれを見てくれ、では明日は手筈通りによろしく頼む』

 

 短い文を書き送信した、これでマークする人物が絞られた明日は全員を見ずに対象者だけを見てればいいから問題ない。数分後からはみんな短く『了解』という言葉が返ってきていた5人全員の確認が済んだところで俺は床に就いた。

 

 ~SIDE千歌~

 ライブの前日、朝起きて美渡姉に挨拶すると思い出したようにひょんなことを聞かされたそれは今日うちに和沙君が泊まるということだ、でも一体こんな日に泊まるんだろうと疑問が出てきて準備運動の時に聞いてみた。

 

「そういえば美渡姉から聞いたけど今日うち(十千万)に泊まるんでしょなんかあるの?」

 

「いや別にただ明日寝坊すると大変だから学校に近い場所に泊まった方がいいかなって思っただけだよ」

 

「いいなぁ和沙君私も千歌ちゃんちに泊まりたいであります」

 

「じゃあ今日私の部屋で合宿のような感じにする?」

 

 私がこういうとみんな賛成してくれた、和沙君と一緒の部屋で寝れると思ったけど和沙君はもう自分で部屋をとっていたらしく和沙君は客間の方で寝るらしい。

 それにしても今日は前日なのに和沙君たら結構ハードに練習組んでくれっちゃってさおかげでこっちはヘトヘトだよ、でも和沙君に言わせると『全体的に確認して通し練習やってこれぐらい普通じゃないか?』と言われちゃった。

 

 今日の練習が終わってみんなで夕飯を食べ終わってそのあと最終確認をしている時そこには和沙君の姿はなかったどこに行ったのか曜ちゃんや梨子ちゃんに尋ねてもみんな知らないと言って誰も和沙君の行方を知るものはいなかった、そしてまた電話が鳴りまた今日も呼ばれると思い下に行ったそしてそこにはなんと和沙君がいたどこにもいないと思ったらこんな場所で遊んでたのかな?とりあえず電話が来ていたから電話に出た。

 

「はいもしもし」

 

「明日のライブを中止にしろさもないとお前たちの誰かを殺すぞこれは脅しじゃない本当に殺すからな」

 

「どうしてそんなにスクールアイドルが嫌いなんですか?」

 

「ちっお前にはどうでもいいだろ早くグループ解散しちまえよ」

 

 その一言で電話は切れた、酷いことは言われたけど私絶対にライブを成功させるって決めたから。私が電話に出てる間ずっとパソコンに向かって真剣に打ち込んでた電話に出る前に少し聞いたけどこの機械で相手の電話番号と発信基地局っていうのがわかるらしい。

 

「どう、なんかわかった?」

 

「うん電話番号と発信基地局はわかったよ場所は…沼津だった」

 

「じゃあこの電話をかけている人は沼津市内にいるってこと?」

 

「そうなるな」

 

 そのあと和沙君は何か私に話しかけようとしていたがすごくためらっていたそして何も話しかけてこなかった。そのあとは私の部屋で最後の作戦会議をしていたでも私は疲れてそのまま寝ていたらしい、寝ぼけまなこでふと目を開けるとそこには和沙君がいたしかも下から見上げる感じだった起きようと思ったが背中に来た柔らかい感触に負けてまた寝てしまった。

 

 ~side out~

 寝ている最中何かの物音で少し目が覚めた、スマホを手に取り電源を付けるとスマホのライトが発光し思わず目を細める少しして目が慣れるとようやく時刻が見えてきた時間は3時38分だった起きるには少し早くもう一回目を閉じて寝ようとしたとき背中が急にあったかくなったそして背中に当たる柔らかいものこれは間違いなく双丘だ双丘が俺の背中に当たっている、そう思った瞬間また血液が沸騰し始めたおかげで完璧に目が覚めてしまった。曹灰眼を使って誰がいるのかを調べようと思ったがその矢先に相手が話し始めた。

 

「今日はありがとうね和沙君…ここ2日間どうしようかってずっと悩んでた電話が怖くて布団にこもってた時もあったみんなに相談して…ライブをやめようかとも考えたでも私はやめたくなかった本当一週間だけだったけどとても楽しかったやっぱりやめたくないと思った」

 

「でも殺すぞなんて言われっちゃってずっと怖かった…いつ死ぬのかわからない状況の毎日を送っていたような気がするでも和沙君がやっつけてくれたんでしょ本当にありがとう」

 

 声の主は千歌の声だった、千歌だってか弱い乙女だもんな誰にだって弱い部分はあるから今回はたまたまそこが出ちゃったのだろうな。

 

「大丈夫お前は何があっても守るって言ったろ」

 

「和沙君起きていたんだ」

 

「お前がふすま開けたあたりからな」

 

「なんだ全部聞かれちゃったんだ」

 

「悪かったな盗み聞きするつもりはなかった」

 

「じゃあ私はそろそろ部屋に戻るねおやす…」

 

 お休みの「み」を言い終える前に眠気で倒れた千歌をキャッチして俺のベットに入れたこれはあくまで千歌が寝たから入れてるだけだからな別にこれ以上の発展はないからな。

 時間は4時を指していたでこの後何しようと思ったらちょっと走りに行くしかないと思ったがしかし外はあいにくの雨しかも割と強めでお客もくるのか心配だ結局千歌が起きるまでずっとパソコンをしていた前回の解析したやつを組み込んでさらに学習させていた。時刻は6時を回り美渡さんたちが起きてきたらしく旅館は慌ただしくなってきたそれに気づいた千歌もようやく起きて俺が近くにいることで顔を真っ赤にしていた。

 

「なっ、なんで和沙君が私の部屋にいるの///」

 

「そりゃあここがお前の部屋じゃないから」

 

 千歌は部屋をぐるっと見回すとようやく自分の部屋ではないことを理解して落ち着いた。

 

「なんで私和沙君の部屋というか客間にいるの?」

 

「それすら忘れたのかよ」

 

 でも千歌に深夜のことを言ったらなんて返されるかわかんないしここは寝ぼけてここに来たとでも言っておくか

 

「お前はなんか寝ぼけて勝手にふすま開けて俺の布団に入ってきて、結局俺は床で寝てたんだから」

 

「本当にそれはごめん滅多にこっちに来ることはないのに本当にごめん」

 

「いいよ別に…あとパジャマ…気をつけろよ」

 

 千歌は自分のパジャマを見てまた顔を赤くし服を戻して自分の部屋に戻っていった。

 残された俺は布団をたたんで端っこに寄せておいた、そして制服に着替えて武装のチェックをする左右の袖に入った警棒を出して軽く構えるここで動くと何かに当たりそうなので警棒をしまって次にインカムを耳につけみんなからの朝の連絡を待つすると砂嵐の音が少しずつクリアになっていきみんなの声が聞こえるようになってきた。

 

『おはよう、今日はよろしく頼む』

 

『『了解』』

 

 みんなの応答を聞いて一度インカムを切り旅館の下に向かい待たせておいたじーやに荷物を渡して身軽な状態になった、じーやにはどこか適当な場所で待機するよう言っておいた一応じーやも戦えるが年が年なだけにあまり無茶はできないと思い待機していた方がいいと思い待機してもらうことにした。

 

 フロントでチェックアウトを済ませ一足早く学校に向かった犯人を教員だからこんな朝早く来て何か仕込んでいるかも思い早めに学校に潜入していた方がいいと思って登校した監視カメラや教室など隅々まで確認して千歌達が来るのを待った。

 

 時刻は12時を指し千歌達も到着していた天気は相変わらずの雨だが客が来てくれることを信じて待った。学校についてからは千歌とよいつむトリオに任せて俺は警備に当たった。

 

『こちら風間、黒が職員室からは出ていないこのまま監視を続ける』

 

『こちら小原、了解した引き続き頼む』

 

 定期的に仲間と連絡を取り状況の把握に今は努めている曹灰眼を使いたいがあれを使うと結構疲れが出るから本番の時にしか使わないようにしている、もうそろそろ千歌達のところに戻って最終チェックをしなければならない。

 

「和沙君遅いよこのまま始めちゃうところだったよ」

 

「悪い悪いずっと校内うろついていたからちょっと置くれちゃた」

 

「じゃあみんな右手出して」

 

 千歌に言われた通りに右手を出しそれぞれの手を重ねる」

 

「やっぱり手…つなごうその方が気持ちが伝わる気がする」

 

 みんなで手をつなぐこんなこといつ以来だろうかでも自然と心があったまるような気がした。

 最後に掛け声を合わせてからステージに出ようということになった。

 

『『Aqours~サ~ンシャイン』』

 

 重ねていた右手を天井に向けて高く上げ彼女たちがまだ垂れ幕が下がったステージに上がっていった、俺も裏口から体育館の中を見るとなんときていたのはせいぜい20人ほどこれじゃあ満員にできずこのまま廃部になってしまうこればかりはどうしようもないことなのかと肩を落とすのはまだ早いまだ襲撃がなされてないスクールアイドルを襲うかそれとも理事長を襲うのかわからない状況だった、ブザーが鳴り垂れ幕が上がり千歌達が簡単にこのライブに至ったまでの経緯を話していたそして…ライブが始まった20人ほどの観客のなか。

 

『ライブが始まった総員配置に付け』

 

 インカムを通して全員に連絡をして俺は鈴木のもとへ向かった。

 

 鈴木はいまだ動かない何故だもうライブは始まったというのにすると不意に目に入った紙を見て驚いたなんと職員室の席替えが行われていた、そこに座っていたのは英語の先生だった迂闊だった急いで体育館に向かい状況を確認しようとしたときいきなり照明が落ちたしかし本棟の電気がついてるということは体育館の電気だけが消えているつまり誰かに意図的にやったかもしくは雷が電線に当たり自然に切れたかともかく俺は状況を確認するためインカムで状況を伝えるように言った。

 

『こちら上沼、理事長はさっきから動いていない以上』

 

『こちら風間、スクールアイドルは暗闇で動いていない以上』

 

「こちら赤星、校舎外に出る人影なししかし今たくさんの車と人が入ってきています』

 

「こちら吉田、今黒が移動開始さらに動きがあったら連絡する』

 

「了解」

 

 俺が外に出ようとするとダイヤ姉に引き留められた

 

「ちょうどいいところに発電機の電源を入れてほしいのですがどうもつかなくて」

 

「はいはいやりますよ」

 

 紐を勢いよく2回引っ張ったするとエンジンが復活したらしく「ガガガガ」と音を立てて動き出した。

 

「ありがとうございます、柊人さんは先に戻っていてください私は電気を復旧させます、もし復旧しなかったらもう一回外に来てください」

 

 了解と親指を立てて俺は体育館内に戻ろうとすると中はたくさんの人で埋め尽くされていた、外にはたくさんの車があった雨のせいで渋滞にでもはまっていたかのようにたくさんの車が来ており急遽校庭を駐車場替わりに開放していた。

 

 千歌達はライブを再開しデビューライブは満員御礼で幕を閉じたように思われたが舞台の前のダイヤ姉が立っていた。

 

「このライブは地域の皆さんの協力があってこそライブは成功しました、そのことを忘れずに」

 

 さっきまで発電機を用意したり結構協力的な人は誰だか、なんて言ったら怒られそうな気がしていうのをやめた。

 

 しかし鈴木は姉さんにも千歌達にも誰にも手は出さなかったそれともこれから仕掛けるのかいまだ警戒を続けるしかなかった。とりあえず千歌達のところに行って成功を祝わないとな。

 

「千歌お疲れ様」

 

「あ!和沙君やったよ満員にできたよこれで部活になるよね」

 

 どこかの誰かのようにそのすぐに抱き着く癖をどうにかした方がいいんじゃないかいろんな意味で。

 

「後で姉さんに聞いておくからいったん離れてくれいろいろとあったてるから」

 

 その後着替えて帰ろうとしたときインカムに連絡が入った

 

『こちら榊原、今黒が和沙さんのいる方に向かっています気を付けてください』

 

「大丈夫今みんなと一緒にいるからそれより姉さんは問題ないよな」

 

『はい理事長は今理事長室にいるので問題ありません』

 

「ありがとうそれじゃあ」

 

 こっちに鈴木が来ているということは直接手を下すのかそうなると一般的な武器しか持ってないだろうから問題はないか。

 

「みんな着替え終わったか」

 

「和沙君ちょっと待って…いいよもう大丈夫」

 

 3人とも制服姿に戻りいつでも帰れる状態になっており帰ろうとしたとき出口の扉が開いた、俺は身構えて腰を低くするそして扉から出てきたのは今回の事件の主犯の鈴木(先生)だった、右手には包丁を持っているがその手は震えている。

 

「ここで4人全員殺して俺も死んでやるから待ってろよスクールアイドルども」

 

 インカムで応援を呼ぼうかと思ったが応援を呼ぶよりも自分で手を出した方が早く終わると思ったからだ。そして警棒を出そうとしたとき俺のブレザーの袖をぎゅっとつかむ曜と梨子がいた千歌は俺の背中に隠れているが体が震えているのが背中越しに伝わってくる。

 

「大丈夫だ俺がこんなやつ簡単にやっつけてやるからちょっと下がっててもらえるかな」

 

 3人とも下がってくれて警棒が出せるようになったところで警棒を出し臨戦態勢をとった相手は震える右手を抑えようと左手で手首をつかんでるが一向に震えが止まらないというか本当に殺す決意あるのかこいつ。

 

「おじさん…いや鈴木先生お前は千歌達を怖がらせたその罪は重いそして今からお前を再起不能にしてやる」

 

 俺は鈴木先生に突っ込んだ包丁なんてリーチの短い竹刀と思えば扱いは簡単だ極限まで近づけて左右どちらかによけて包丁を持っている腕を掴んでどこかしらの急所に入れるだけ、すごく簡単なことだ。

 

「これでおしまいごめんな怖い目に合わせて」

 

「大丈夫和沙君強くてかっこよかったよ」

 

 曜からかっこいいなんて少し恥ずかしい思いをしてるなか俺はじーやに連絡をして車を手配してもらった。

 

「それよりこの人どうするの鈴木先生なんでしょ」

 

「それなら大丈夫」

 

 といってインカムに負傷者としての情報を流しスマホで黒消滅あとは任せると文を送りその場を去った、外に出ると降っていた雨が嘘のように晴れていたそのまま校門の方へ向かい3人を送り届けたことを確認して俺も家に帰り明日の授業の支度をして寝た。

 

 

 

 

 

 




どうにかアニメ上の3話が終わり次回からルビィちゃんや花丸ちゃんが少しずづAqoursに参加し始めます。

今後もどうか温かい目で見守ってくれると幸いです


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14話 二人の気持ち

1か月に1話の投稿になりつつある、もう少し更新ペースを上げたいけど部活とか宿題ががが…


ファーストライブが終わり俺は一息ついてメールをまった、鈴木がどのような理由でやったのかそれとも上に指示してるやつがいるのかその報告を待った、11時頃に報告がきて結果は自分の意志でやったといったやつの処分は保留と返信して寝た。

 

 

 

 

 

朝は苦手ださらに週の初めというのも苦手だしかし起きなければいけない今日から普通に学校だしようやく部室がもらえる、定刻発車のバスに乗り浦女に向かうここ最近のお気に入りの座席は後ろの5人掛けの椅子の海が見える方に座ることだ、ここに座るのは外の景色を見てて飽きないし眠いなら寝てもいいとにかく自由な席だと思う。

 

放課後早速部室に行くとそこは汚い物置となっていた、確かに姉さんが「使うのはいいけどちゃんとcleanよろしくね」といっていただけある、新しくもらった部室を開けてまずは掃除に取り掛かった。

ゴミと一緒に本も積まれており裏にバーコードが貼っておりこの学校のものだと判明し部室の掃除がひと段落したら返しに行こうと話していた時窓にツインテールの赤毛が映るのが見えたきっとルビィが見に来たんだろうそう間あげながら作業を再開した

 

 

 

それからたくさんのごみを捨て部室が綺麗になったところで本をもって図書室にもっていった。

 

「こんにちは花丸ちゃんと~~ルビィちゃん!」

 

「こんにちは…どうしたんですかこの本?」

 

「部室片づけてたら出てきてしかもバーコードが浦女のやつだったから図書室のだろうと思って」

 

「あ多分そうですねありがとうございます」

 

俺たちは本を置いて帰ろうとしたとき。

 

「スクールアイドル部入らない?2人がやったらキラキラすると思うよ」

 

しかしルビィは二つ返事はしなかったきっとダイヤ姉のことがあってそうな簡単にスクールアイドルができないのだろう。

 

「いえおら…まるはそうゆうの苦手っていうか…」

 

「そっかじゃあ二人とも気が変わったらいつでもいいからね」

 

そういって千歌達は部室に帰っていった。俺も少し図書室に残った。

 

「やりたいんじゃないの?」

 

「で、でもお姉ちゃんが…」

 

「いちいちダイヤ姉に聞かなくてもいいんだ、ルビィがやりたければやればいい」

 

俺は練習に戻っていった。

 

 

 

 

「どうだったルビィちゃんと花丸ちゃん心変わりした?」

 

「いや~だめだったなまだ入部に必要な材料がそろってないと思う」

 

そんな雑談を入れながら練習していたそして今日はライブ開けということもあり早めに終わらせた。

 

 

 

 

「やばい、まずい遅れる」

 

朝から千歌に呼び出されというか俺が寝坊しかけて淡島に行くバスはとっくに言ってしまい結果走っていく羽目になった。

淡島には全員集合しておりやっぱり一番怒っていたのは千歌だった。

 

「もう、和沙君おそい今度からは15分前には来ててね」

 

息が切れながらも了解という親指を立ててさらに自分の体をいじめるため淡島の階段を上り始めた、そして千歌達は途中で息が切れて階段の踊り場で休憩をしていた。

 

「千歌おはよう」

 

「おはようって果南ちゃんもう上まで登ってきたの?」

 

「そうだよ朝の日課でもあるから」

 

全員朝の日課というところに驚いていた俺らが息を切らしながら走っているのに対し果南ちゃんはこれを毎日走っている驚かないのも無理はない。

 

「それより千歌はなんでここに」

 

「鍛えなくっちゃって…ほらスクールアイドルで」

 

「…そっかそれじゃあ私はもう行くよ店開けなきゃいけないから」

 

走り去っていったあと俺らも頂上を目指し行くことにした

 

「よぉ~し私たちも頑張るぞ」

 

少し覇気のない気の抜けた声だった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――

「ええっ!花丸ちゃんスクールアイドルに?」

 

「うん」

 

「どうして?」

 

「どうしてってやりたいと思ったからじゃダメかな?」

 

「でもなんでいきなりスクールアイドルになりたいと思ったの全然興味とかなさそうだったから」

 

「ルビィちゃんの話とか聞いてるうちにいいなぁって思って…だからルビィちゃんも一緒にやらない?」

 

「でもお姉ちゃんが…」

 

「だったらこうしない…」

 

 

――――――――――――――――――――――

部活で始めようとしたとき部室に客が来ていた。

 

「え!?花丸ちゃんもルビィちゃんも入部してくれるの?」

 

千歌はやったーと言わんばかり外にでて体で喜びを表現していた。

 

「千歌ちゃん話は聞こうね、2人はまだ仮入部だから正式に入ったわけじゃないの」

 

ほえ?と頭にクエスチョンマーク浮かべていた、まだ理解できないのかよ。

と考えていても埒が明かないと思った梨子は話を先に進めていた。

 

「話を聞くよりも実際にやってもらった方がいいと思うのだからコレ」

 

出してきたのは他のスクールアイドルの練習メニューをもとにして作られた円グラフだった。

 

「ちょっと質問いいか?作詞や作曲の時間はどうするんだ?」

 

「それについてはまた別に時間をとってやろうかなって考えてるの」

 

別に時間を…か結構大変になりそうだな

 

「すごい、本物のスクールアイドル…」

 

ルビィの目がものすごくキラキラ輝いてるし花丸ちゃんは別方向に目が向いてる見ているのは…パソコン?そんなに興味があるのか?

 

「これが知識の海につながっているぱそこん、いんたーねっと触ってもいいですか?」

 

いいよ、と千歌がOKを出し花丸の様子を見ていると本当にパソコンに触ったことがないような手つきだった。

 

「なあルビィ花丸ちゃんって電子機器使ったことないのか?」

 

「うんお寺が古くて電化製品が全くないの」

 

「そっか今どきこんな子もいるんだな」

 

そんな時いきなりパソコンが切れた音がした、振り向くとパソコンの電源が切れていてどうしようと言わんばかりにおどおどしてる花丸ちゃんがいた。その様子を見て曜と梨子が走ってパソコンの再起動していた。

 

「どうしよう衣装のデータ保存していたっけ」

 

「私も作曲のデータ入れっぱなしだと思う」

 

花丸ちゃんは何かやらかしてしまったというのが本能的にわかったらしく

 

「まる何かまずいことしました?」

 

振り向きながら千歌の方を見て涙目になりながら心配そうにしていたその時

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

という曜からものすごく女の子らしくない声が聞こえてきた。

 

「どうしよう千歌ちゃん衣装と作曲のデータが全部…消えちゃ…った…どうしよう」

 

「え?それ本当?どうしよう、どうすればいい和沙君」

 

困ったときにはこっちに振るのかよまあいいや。

 

「曜そのパソコン貸せ、データ復旧やるから」

 

そういって制服の内ポケットからUSBの束を取り出しその中の一つを選んで千歌のパソコンに挿した、パソコンにはいくつかのウィンドウが表示されその指示に従ってマウスをクリックしていく、せいぜい今回消えたのは衣装と作曲のデータだけなら5分もしないで終わるだろう。

 

「俺が残りやっとくから千歌達は練習行ってきな、ルビィも早く練習やりたいだろ」

 

コクコクと頷き早速練習に行こうとしたとき梨子が手を挙げていた。

 

「ちょっといいかな…そのできれば練習場所を学校内で確保したいんだけど…毎回海岸まで移動するのは時間がもったいないと思うんだけど」

 

「う~んしかし校庭は体育会系が使ってるし…学校内でってなると」

 

「じゃ、じゃあ屋上がいいと思います、屋上はあのμ'sも練習してたっていう話もありますし」

 

「いいんじゃないか、こっちも終わったから行くか屋上」

 

3階分の階段を上った先にはコンクリで作られた屋上があった、しかしこの場所は熱いまだ4月だからいいものの一番熱い8月なんかは日光の反射と直射日光のダブルでやってくるからすごく熱くなることを覚悟しとかないとな。

 

「う~ん~気持ちいいずら」

 

花丸ちゃんいきなり屋上で寝そべってるしといか仰向けになるとその豊満な胸がすごく協調される…っていうかまずいまずいヒステリアモードになりかけていた。

 

「あれれ~和沙君今どこ見てたのかな~もしかして花丸ちゃんの胸を見てたわけじゃないよね?」

 

くそう千歌のやつこうゆうところの目は早いんだからあいつは。

 

「少しだけな少し」

 

「やっぱり和沙君も大きなのが好きなのか~、やっぱり男子ってそうゆうもの?」

 

「悪かったよ」

 

と謝りながらルビィの方を見ると少し引いてるし、今のでそんなに信用薄れたのかよ今度からはもっと別の場所といってもどこ見ればいいんだろ今度師匠に聞いておこう。

 

「じゃ~今日一日私たち5人分の荷物持ちと5人分の飲み物おごって」

 

5人分の荷物ってどうやって持てばいいんだ俺も荷物持ちはやったけど3人ぐらいが限度だったぞ、それに加え飲み物のおごりかよまあそこまで問題はないからいいか。

 

「わかったよ、しかし今日1日だけだからな」

 

というと「やったー」という声が聞こえてきたのは気にしないことにしよう、いちいち気にしてたら埒が明かない。

そのあとだ千歌達はダンスの練習をしておりその間俺は校内の自販機に行き5人分の飲み物とついでに俺の分も買っていた。

 

「全く今日はついてないな」

 

「あらどうしたの和沙」

 

「なんだ姉さんか…別になんでもないよ部活の話」

 

「はは~んもしかしてじゃんけんに負けてジュース買いにパシリにされてるな」

 

「まあそんなとこだな、そうゆう姉さんはここで何やってるんだ」

 

「珍しく紅茶切らしちゃってこっちに買いに来てたの」

 

「そっかじゃあ俺はそろそろ部活に戻るよ」

 

「そう…和沙…部活は楽しい?」

 

「なんだよ藪から棒に……まあ楽しいよそれなりに、じゃあ俺は部活行くから」

 

屋上に戻ると千歌とルビィでダンス練習をしており終盤の方だった見なくてもわかるが明らかに千歌の方が踊るタイミングを間違えてるまだルビィの方がちゃんと踊れてるぞ。

 

「和沙君お帰りありがとねジュース」

 

「はいはい、それじゃあ千歌はもう一回ルビィと国木田さんはいったん休憩してて、曜と梨子は…千歌と一緒に踊るか?」

 

二人とも頷き3人のフォーメーションで踊りがうまくそろったところで今度は淡島に向かった。

 

 

 

「和沙君遅いよ5分遅刻」

 

「仕方ないだろこの荷物もってるんだから逆に5分しか遅れてないことをいいと思ってくれよ」

 

「じゃあ和沙君も来たことだし上ろうか」

 

 

 

「ええ~本当にこれ上るんですか」

 

「うんそうだよ、でも途中でばてちゃうんだけどね」

 

「それじゃあ行くよよーいドン」

 

その声で全員が一斉に階段を上り始めた、最初はルビィも国木田さんも千歌達についていけてたけど徐々に差が開いていくのが後ろから見てわかった。

 

「なるべく自分のペースで上っていった方がいいからな」

 

と声をかけて少しペースを上げた、頂上には先に走り切っていた3人が待っていた。

 

「和沙君やっぱ早いねさすが男子って感じだよね」

 

そんなことを言っても何も出てこないからなそして数分後ルビィも頂上に上ってきた、走り切ったルビィはすごく息が切れていたが淡島神社からの夕日をみて感動していた、そして俺は4人に見つからないように階段を下ってある人が待っている場所へ向かった。

 

 

 

「遅いですわ、で用はなんですの」

 

「ルビィちゃんの話を聞いてください」

 

それだけ伝えると花丸ちゃんは走って下に行ってしまった、俺は隙を見てあたかも今丁度来たように見せかけた

 

「盗み聞きとは趣味が悪いですね」

 

「花丸ちゃんに呼ばれたんだけど当の本人はいないのか」

 

「先ほど下に下っていきました」

 

「じゃあ俺からも言うことがあるんだ…ルビィをこのAqoursに入れてやってくれないか」

 

「あいつはスクールアイドルとしてのルビィはとても輝いていたあいつのやりたいことをやらしてやるのも姉の務めじゃないのか」

 

「お姉ちゃん!?」

 

丁度言い終えたときにルビィがやってきたそれに3人もいるこれはちょうどいいかもしれない

 

「これはどうゆうことですの」

 

「これは私が誘った「いいんです」

 

ルビィは千歌の言葉を遮りダイヤ姉の前に立った。

 

「お姉ちゃんルビィスクールアイドルやりたい…千歌先輩たちと一緒にスクールアイドルやってみたいの」

 

「そうですか、ですが節度をもって行動してくださいねそれがこちらからの条件です」

 

「わかりましたルビィちゃんの入部を認めてくれるんですね」

 

ダイヤ姉はうなづき階段を下りて行ったそしてルビィは入部できることになった、しかし花丸ちゃんはどこに行ったのかルビィによるとルビィの背中を押してくれたあといなくなったと言っていたまあこれについては明日聞けばいいと思い今日の練習を終わりにした。

 

 

 

放課後になりいつも通り部室に集まってルビィが入部届に名前を書いてる間に曹灰眼を発動し花丸ちゃんの位置を探した…やっぱり彼女は図書室にいた、俺はトイレに行くふりをして図書室に向かった。

 

 

 

図書室の扉を開けてカウンターのところを見るとやはり花丸ちゃんはいた。

 

「今日も委員会?」

 

「ええ、今日はお兄さんも本を読みに来たんですか?」

 

「いやちょっとしたナンパかな」

 

と少し笑いを交えながら話始めた

 

「スクールアイドルやってみない?」

 

「まるには向いてないですよ」

 

「本当か?花丸ちゃん体験入部の時すごく輝いていたとても楽しそうに踊って歌ってたそんなに楽しくやっていたのに向いてないはずがない」

 

珍しく少し強めの口調で説得を試みた

 

「おら体力とかあまりないしそれにたまに『おら』とか言っちゃうし」

 

「わかってないな花丸ちゃん、花丸ちゃんのそうゆうところがかわいいんだよ自らをおらとか呼んだりして無自覚なのも可愛さの一つなんだけどね」

 

「おらがかわいい?」

 

「自分ではわかってないのかもしれないけど周りから見たらみんな花丸ちゃんのことをかわいいって思ってるんだよ」

 

花丸ちゃんは顔を赤く染めていたそしてちょうどいいところでルビィ達がやってきた。

 

「ルビィね花丸ちゃんと一緒にスクールアイドルやりたい」

 

「体力ないし向いてないよ」

 

そこにちらっとμ'sの特集が組まれたページが開かれておりそこに写っていたのは星空凛だった。

 

「そこに写ってる凛ちゃんもね自分はスクールアイドルに向いてないって思っていたんだって、でも凛ちゃんすごく輝いてるよね花丸ちゃんも輝けると思うのだからルビィと一緒にスクールアイドルやってほしい」

 

「俺はたまにこう思うんだ『一番大切なのはできるかどうかじゃない、やりたいかどうか』だと思うんだ」

 

その言葉で花丸ちゃんはスクールアイドルになることを決めたルビィと一緒に入部届をだしそして『ラブライブ』に出るためのエントリーをしたそこには4999位と書かれていたつまり上にあと約5000組のスクールアイドルがいるということになるそんな中をくぐり抜けていくことができるのか?そんな弱気じゃあいけない自分たちが輝くためにスクールアイドルを始めたのだからみんなで約5000組の頂点に向かっていくと決めて今日の練習のために屋上へと駆け出して行った。

 

 




GWあともう1話投稿したいけどできるかな?できなかったら来週の土日には上げたいかな。

次話もよろしくお願いします


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15話 善子(ヨハネ)初登校

1期5話に入りました、今回は前後編に分けてみようと思います後編はテスト週間を挟んで再来週の土日には投稿しようと思います。

それでは第15話どうぞ。


花丸ちゃんとルビィが入部してから1週間がたったラブライブの順位も上がってきてはいるが上位4500組を超えなくてはいけない、そんな事を考えてる矢先、花丸ちゃんはなれない手つきでパソコンをいじっていたパソコンの練習よりダンスとかの練習した方がいいんじゃないかなと思う

 

「お前らそろそろ練習始めなくていいのか?」

 

「もうちょっと待ってほしいずらあと少し」

 

もう少しパソコンをやりたいいや調べ物をしたいらしくさっきからずっと「弘法大使空海の情報が〜」っていう言葉を何回も聴いている。

 

「まあ気の済むまでやってくれ」

 

少し呆れながら外を見ていると屋上に上がる階段のところにだれかいる気配がした、振り向くとそこには浦女制服姿の子がいたが目があった瞬間逃げられてしまった俺は仕方なく立ち上がり追いかけていくことにした。

曹灰眼を発動しながら探していると一年生の教室の前の物置のような場所に隠れているのがわかった、とりあえず扉は開けずに外から話かけてみることにした。

 

「なんでさっき屋上で目があったとき逃げたんですか?」

 

すると中からガコッというなにかものに当たったかのような音が聞こえてきた俺が大丈夫ですかと声をかけると何とか~と声が帰ってきた。

このままだと少し話づらいので出てきてもらうように説得してみたが全くダメだった、とちょうどそこに花丸ちゃんがやってきた。

 

「どうしたんですお兄さん」

 

「いや~今この中の人と話てるんだけどなかなか出てきてくれなくて」

 

「なら開けてしまえばいいずら」

 

というと扉の取っ手に手をかけ左に勢いよく開けたそしてそこにいたのは俺が入学初日に転ばしてしまった子だった。

 

「あ、どうも」

 

と軽い会釈かわした

 

「この間はありがとうございました」

 

「お兄さん善子ちゃんと知り合いなんですか?」

 

「いや知り合いというか入学式の日に…ちょっとね」

 

と少しためらいながら入学式の日のこと思い出していたバスを降りるときに「学校のみんなに彼氏と一緒に登校してたなんて言われたくないでしょ」なんて言ってしまったのだろうか、これはヒステリアモードのせいだから仕方ないと言えば仕方ないが今思い出すととても恥ずかしい。

 

「そういえばずら丸、クラスのみんなは私のことなんて言ってるの?堕天使なんて中二くさい(笑)とかみんな言ってるんでしょ」

 

「みんなそんなこと何んにも言ってないよむしろ何か悪いことをしちゃったんじゃいないかってみんな心配してるよ」

 

「そうよねみんなそんなこと言って…ないの?本当よね天界堕天条例に誓って嘘じゃないわよね」

 

「その天界なんたらとはわからないけど嘘はついてないずら」

 

「私はまだやり直せる、リア充に~~~~私はなる!」

 

とそのまま走って帰って行ってしまった。あとで花丸ちゃんに理由を聞くと入学式初日の自己紹介で思いっきり中二病を発揮してしまい、いまでも笑われてるんじゃいないかと思って学校にいけなかったらしいでも今回の話を聞いて明日から学校に行く決心がついたと言っていた。

 

 

 

そして屋上に戻るとやっぱり千歌から遅いと言われたその返事に生徒会長と話してたと答えたそれで千歌は納得してくれたためこれ以上の嘘を考えなくてもよさそうだった。

そのまま今日の練習を終了しそれぞれバスに乗って家路についた、明日にはあの子…そういえば名前聞き忘れた明日聞こう。

 

 

 

いつも通り学校の通学路を歩いているひと際目立つ子がいた、よく見るとその子は昨日話していた子だ問題なく学校に来れていた一安心して教室へ向かった。

 

6限まで終わり部室に行くと先に一年生が来ていたが一人多かったその正体は今朝の子だったまだ名前を聞いてなかったから今のうちに聞いておくかというか何か聞けそうな状態じゃないんですがそれは…

 

「なんでずら丸止めてくれなかったのあれだけ言ったのに」

 

「仕方ないずら善子ちゃんがまさかろうそくと黒いマントを持ってきてるなんて思いもしなかったずら」

 

「なんでろうそくとか持ってきてるの?」

 

とそこですかさず梨子が突っ込む

 

「これはヨハネの儀式に必要な道具これがなければヨハネはヨハ……」

 

これがいわゆる厨二病というものらしい初めて見た気がするしかしこれは結構重症っぽい

 

「でも今堕天使ヨハネって検索したんですけど検索結果に結構出てきてますよ」

 

そのうちの一つを再生された状態で画面をこっちに見せてきたすると千歌は

 

「かわいい……」

 

「これだ、これだよ!」

 

突然の大声で少し驚いたが千歌には何か思いついたらしい。

 

「津島善子ちゃん!いや堕天使ヨハネちゃん一緒にスクールアイドルやりませんか」

 

あまりにも突然の勧誘だった。




読んでくださりありがとうございます。

次回の第16話もよろしくお願いします


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16話 自分に宿る能力ともう一つの能力

皆さんお久しぶりです。
テストと体育祭に追われなかなか書けない日々でした、この次もいつになるかわかりませんが引き続きよろしくお願いします。


次の日急遽十千万に全員集合させられて見せられたのはゴスロリの衣装だった。

 

「あのね調べたらね堕天使アイドルってまだいないらしいの、だからこのゴスロリ衣装で人気を一気に獲得できればと思ってさ」

 

つまり人気がないから堕天使衣装で目立って人気を少しでも上げようって作戦らしい、果たしてそれがうまくいくのか。

ふと廊下に出るとそこには千歌が飼っている犬のしいたけがいた毛がもふもふしていてとても柔らかいそんなしいたけがこちらを見ているこちら側に何かあるのかと思い振り返るとしいたけと見つめあう梨子がいた、するといきなりしいたけは走りだし梨子のことを一直線に追いかけだした。

家中に梨子の悲鳴が響き渡りいくつものふすまを開けていろいろな部屋を渡っていくそして最後の千歌の部屋のふすまを壊しながら進みたまたま開いてた梨子の部屋に華麗に飛んで行った、周りからは拍手喝采でどうにかしいたけから逃げきれた。

 

そのあとも案を練ったがいい案が出てこなかったため解散になった。

夕方にバスに乗る人はまばらで席はどこも空いていた、沼津まで約50分の道のりをずっと立っているのも辛いので一番後ろの5人掛けの咳に座ることにした。

 

「あの~和沙先輩はなんで浦の星女学院にいるんですか?」

 

善子から先輩と呼ばれるのは少しこそばゆい思いがした、先輩って呼ばれることが何年かぶりだからかもな。

 

「そういやなんでか聞いてないんだよな、3月に親父に浦女に転校してくれって言われてそのまま転校してきちゃったみたいな感じ」

 

「そうなんですか、ありがとうございます」

 

とすごく丁寧にお礼まで言われてうれしい思いがした。

バスは沼津に到着しそれぞれ解散していった。

 

 

 

次の日に屋上でゴスロリ衣装を着ながら動画を撮影それをスクールアイドルのホームページにアップしたところ予想以上の反響でみんなも驚いていたしかし急に放送が入りAqoursが生徒会室に呼ばれた。

 

生徒会室に入るとダイヤ姉と姉さんがパソコンとにらめっこしながら待っていた

 

「Oh~pretty bomber head~」

 

「どこがですの?この破廉恥な衣装」

 

「いや~そういう衣装というかキャラといいますか~」

 

と反論するもその言葉に耳を傾けず再度反論してきた

 

「そもそも私がルビィにスクールアイドル活動を許可したのは節度をもって自分の意志でやりたいそうしたいからといったからですわ、このな恰好をして注目を浴びようなど」

 

「ごめんなさいおねいちゃん」

 

「とにかくキャラが立ってないとか個性がないとで人気が出ないとかそうゆう狙いでこんなことをするのはいただけませんわ」

 

「でも一応順位は上がったわけだし…」

 

「そんなの一瞬に決まってますわ試しに見てみるといいですわ」

 

パソコンを閉じてこちらにスライドさせてきた、スライドしてきたパソコンを曜がどうにかキャッチし画面を見ると明らか順位が下がっていた、確かにダイヤ姉の言っていたことは正しかった。

 

「本気で目指すのならどうしたらいいかもう一度よく考えることですわ」

 

といわれ生徒会室の外にでた、出るときに一通のメールが入ってきておりダイヤ姉からのメールだった

 

『先ほどは言いすぎてしまい申し訳ありません、ですがこれは言っておかないといけないと思い言わせてもらいましたルビィには私がフォローしておきますので和沙さんは他のかたのフォローをしてください特に津島さんにはなるべく厚くお願いします』

というメールが送られてきた、了解と短い返事を送信し海岸にいるみんなのとこへ向かった。

 

 

 

「あーあ生徒会長に怒られちゃった」

 

「ごめんなさい私のせいでみんなに迷惑かけて…でも大丈夫すっきりしたから明日からは普通の高校生に戻れそう…今までありがとね」

 

「スクールアイドルやめちゃうの?」

 

「ごめんなさい」

 

短い言葉を残し善子は去っていった。

その後千歌と話し合って善子をどうするかというのを話し合ったが何も思いつかずに終わった

 

 

明日は久々の休日でゆったりできるかと思ったけど善子のフォローについて考えなくてはと思って少し遅くまで起きていたしかし全く思いつかず明日書店に行ってその手の本を探すことにして寝た。

 

 

~千歌~

和沙君と話し合って善子ちゃんを勧誘しよう作戦を考えていたけど全く思いつかないで終わっちゃった。

家に帰って美渡姉に相談したら「頷くまで粘ってみたら」といわれた確かに拒否されたらすぐにいなくなることが多いからダメだったのかもしれない、だったら今回は善子ちゃんが頷くまで勧誘し続ける作戦をやってみようと思ってみんなに相談したらすぐにみんな了解の返事が来たそのため明日は朝から沼津で善子ちゃんを待つことにした。

 

 

曜ちゃんの調べを頼りに善子ちゃんの自宅前に向かった狩野川近くの大きなマンションだった

少し待つと段ボールをもって善子ちゃんが出てきた。

 

「堕天使ヨハネちゃん!」

 

~善子~

堕天使グッズを段ボールに詰めゴミに出そうとしたとき

 

「津島善子ちゃんいや堕天使ヨハネちゃん!」

 

と大きな声で呼ばれ振り向くと私と同じ衣装を着たAqoursのみんながいた。

 

「スクールアイドルやりませんか?」

 

自分の中でどうしたらいいかわからず咄嗟にその場から逃げ出してしまった、しかしそれを追いかけてくるAqoursのみんなその途中千歌さんはこう言った

 

「好きなものは好きでいいんだよ別に嫌いにならなくていいんだよ」

 

「あとね私考えたのどうしてμ'sが伝説を作れたのかそれは自分の好きを迷わずにステージで魅せることだと思うのだからヨハネちゃんがいても迷惑じゃないんだよむしろ歓迎するよ」

 

堕天使としての私を歓迎してくれる、その言葉にハッと気づかされ気づくとびゅうおの前まで来ていた。

 

「こんな私もスクールアイドルになれるの?」

 

「もちろんなれるよ」

 

「たまに変なこと言ったり儀式とかするかもよ?」

 

「いいよ、でも嫌だったら嫌って言う」

 

みんなもそれに頷いてくれた

 

「じゃあ堕天使の友好の契りをしましょ」

 

そういって手に持っていた黒色の羽を差し出しそれを一緒に握るという即興で考えた友好の証だ。

 

「よろしくね善子ちゃん」

 

「こちらこそよろしくお願いします!」

 

みんなが私を認めてくれたそのことが一番うれしく顔に漏れているかもしれない。

 

「じゃあ私和沙君にメール打っておくね」

 

と曜先輩がメールを打ち終わったところで私の不幸体質が出てしまった。

ドカッと誰かに当たった音がして前を見ると不良の5人組がいた。

 

「ごめんなさい」

 

「いってな~マジで今の痛かったわ~」

 

それを見ていた後ろの1人が囃し立てるように

 

「お、お大丈夫か?骨にひびでも入ってんじゃなね」

 

「結構いて~な~どうしてくれるんだよ」

 

この人達は俗にいう当たりやという奴だろう自分の頭ではっきりわかった

 

「もし骨に言ってたらどうすんだよ」

 

「そんなんで折れるわけないじゃない」

 

「何?ぶつかっていて逆切れ?それに何その衣装何俺たちとやりたいの?」

 

絶対今の一言は火に油を注ぐような行為としか思えなかったと言った後に後悔しても遅いこうなったら私が身代わりになればみんなが助かるそれなら問題ない。

 

「わたしはどうなっても構わないのでみんなには手を出さないでください」

 

「善子ちゃん!」

 

「へえ~君善子っていうんだじゃあその子に免じて今回は見逃して…あーげない」

 

「仲良くみんなで連帯責任ね」

 

話が通じないここはともかく誰かに連絡を…って誰か連絡できる人がいないじゃない

 

「おいてめぇ何してやがる」

 

5人のうちの一人が叫ぶと手にはガラケーを持っていたこの中でガラケーを使っているのはずら丸しかいないつまりずら丸が何かしらの文章を送っていた、男は取り上げたガラケーを再度操作していた宛先をちらっと見たが「和沙」という文字が見えていたから少し耐えれば助けが来てくれるだろう。

 

「よし、こいつらを連れてけ」

 

きっとリーダーの男が指示すると男たちの力に抗えず人の少ないところへと連れていかれた

 

~和沙~

善子をどうやって勧誘するかの作戦を遅くまで考えていたからすごく眠い中携帯の電子音で起こされた。

メールの差出人は花丸ちゃんだったしかしメールの内容は少し違和感を覚えた。

 

『54、71、43、25、13たすけて』

 

というメールが送られてきた、数字の意味が分からず少し悩んだがすぐに思いついたこれは五十音図に数字を映したものつまり

54…ナ行エ段つまり『ぬ』

71…マ行ア段つまり『ま』

43…タ行ウ段つまり『つ』

25…カ行オ段つまり『こ』

13…ア行ウ段つまり『う』

ということになるつまり送られてきた文章は『ぬまつこうたすけて』ということになる、たしか沼津港に人目が少ない場所があったはずそこに花丸ちゃんたちがいるはずだと思い急いで家を飛び出した。

 

沼津港に到着するととりあえず曹灰眼を使って周りの状況を見るすると北東約200メートルぐらいのところに4人とそれを囲むようにまた4人いるつまりそこに行けばみんないるということだ俺はできる限り早く走り目的地に向かった。

 

 

そこにつくと曹灰眼で見た通りの状況になってた、千歌達が真ん中にいてそれを取り囲むように男たちがいる「かごめかごめ」のような状態になっていた、俺はまずその輪を崩すような形で突っ込んでいった。

 

「てめぇらそこをどけ!」

 

「な、なぎさ…君」

 

「助けに…来てくれた」

 

「なんだ貴様こいつらの仲間か?てかこんな場所に一人で来るなんてよほどの馬鹿だな遊んでやるからかかってこい」

 

今自分の中には怒りでいっぱいになっていたこのまま怒りに任せて戦うのは少しまずいこのままだと千歌達を怪我させかねないしかし今にも体を乗っ取られそうだ…

 

「こっちも久々なんだ少しくらい楽しませろよ」

 

そういって向かってくる二人の攻撃を躱し仕込んでいた警棒を出した、そして剣道の構えをとり後ろにいたやつのみぞおちに向かって殴り戦闘不能にした。

 

「つまんねぇなーもっと楽しませろよ」

 

その時の俺は半分狂気に満ちていただろう、

 

「んだと貴様ぁ」

 

またパンチが飛んでくるが弱いそして遅い。

 

「・・・・・ゴガッ!」

 

残り二人こんなの一瞬で蹴散らせる

 

「残り二人早く来いよ腰抜けの弱虫ども」

 

「なんだとじゃあ遠慮なくやってやらぁ」

 

その間に俺は警棒を両手に装備し相手のちょうど肋骨に当たるように合わせてテニスのように警棒を振って相手の肋骨を折った、全員が伸びたところでみんなの安否を確認した。

 

「みんな大丈夫か」

 

「和沙君…きっと来るって信じてたよ」

 

みんなの安心した顔は今の俺にとっては少し不快だがあいつの体を借りている以上は仕方のないことだな。するとルビィが何か言いたげな表情をしてこっちにやってきた

 

「お兄ちゃん…いや和沙の体を乗っ取てるやつ、早くお兄ちゃんの体から出てって」

 

「それはできねぇあいつが俺を受け入れないと俺は消えない」

 

「だったらいいもん今すぐにでも元のお兄ちゃんに戻すんだから」

 

そういってルビィは背伸びをし俺の唇にキスをしてきた、昔は小さくてかわいかったのにいつの間にかこんなこと覚えっちゃって。

 

「ル、ルビィちゃん一体何をしてんの」

 

「仕方ないんです、和沙がああなってしまった以上これしか方法がないんです」

 

ルビィにキスをされて必然的にヒステリアモードになってしまったそして今の状態の俺は誰よりも強い。

 

「およびですかルビィお嬢様」

 

「お兄ちゃん今度黒澤家で精神面の特訓してあげよか?」

 

「それはご遠慮させていただきます、それより皆さまお揃いでわありませんね津島様と国木田様は何処に?」

 

その時千歌がどうにか状況を飲み込んだらしく訴えるように話しかけてきた。

 

「あのね今善子ちゃんと花丸ちゃんは悪い人に連れていかれたのだから…お願い…二人を助けて」

 

「仰せの通りに」

 

それと同時に曹灰眼を発動した今はヒステリアモードだからより広い範囲まで見えるそして目的地に向かった、その間にみんなにはびゅうお前に行ってもらいじーやの車で待機していてもらうことにした。

 

 

走ったとにかく走った一秒でも早く二人の元へ向かいたいという思いから足は思いのほか速く動いた。

 

「善子!花丸!」

 

「なぎ…さ……た……けに」

 

今にも泣きそうな二人を見て一刻も早く目の前の敵を倒さないとと思った今の二人は着ていた衣装を脱がされ下着姿だけというとてもひどい状態だった

 

「二人とも30秒だけ目を瞑っててくれその間にすべてなかったことにするから」

 

といまここで俺は相手に30秒で勝利する宣言っをしてしまったしかし今の俺にとっては容易いことだ。

 

「てめぇいい気になりやがって俺はコレを持ってるんだからな」

 

そういってちらつかせているのはせいぜい刃渡り10cmほどの小型ナイフだった、こっちはもっと長い物持ってるのになぁ

 

「じゃあ早く来いよ、そのナイフで俺を刺してみろよ」

 

「じゃあお望みどおりにしてやるよ」

 

やっぱり素人は右手を単に突き出すだけだからつまんない、こういうやつの対象は結構やったものだ。

 

「おやすみ」

 

そう短く言い残して相手のみぞおちに一発入れて気絶させた。

そして二人の無事を確認するために近寄る

 

「二人とも大丈夫?」

 

「和沙…怖かった…」

 

「お兄さん…ありがとう助けてくれて」

 

花丸が言い終えたところで二人の我慢していた涙のダムは決壊し大粒の涙が俺の両肩を滴る。

 

「もう大丈夫だから、安心していいよ」

 

「和沙あなた怪我とかしてない?相手ナイフ持ってたんでしょ」

 

「怪我なんてしてないから大丈夫、それよりみんなのとこのに帰ろ」

 

2人は頷き立ち上がった時で二人を抱っこしびゅうお前に向かった。

 

 

びゅうおには先に戻っていた千歌達がいた。

 

「二人とも大丈夫?怪我とかしてない?」

 

「大丈夫です、ちょっと怖かったですけど」

 

「おらも大丈夫です」

 

「ま、とりあえず乗ってくれ一応家まで送ってくからさ」

 

 

 

みんな車に乗ったとこで梨子が話しを切ってきた。

 

「ねえあの時の荒々しい和沙君は本当に和沙君なの?」

 

「確かにあそこにいたのは俺だ、だがしかし俺ではない言うなれば多重人格に近い感じだな」

 

「あともう一つ、ルビィちゃんにキスされた後また人が変わったように見えたけどそれもまた和沙君なの?」

 

「そうだすべて俺だ」

 

しばらく沈黙が続く無理もないだろう一番近くで見てきた俺が多重人格みたいな感じになってるんだから。

 

「そういえば荒々しい時の和沙君が言ってたけど『俺を受け入れない限り消えない』って言ってたけどこれはどういうこと?」

 

「それは…」

 

「ごめん今は言えない、でもちゃんと話すからそれまで待っててくれ」

 

「わかった和沙君を信じるよ」

 

そうこうしているうちに一番近い善子の家についていた、一緒に謝りに玄関までいった。そこで保護者に事件の起こった経緯を説明し今後一切ないようにすると説明し善子に今後もスクールアイドルをやらせてほしいとお願いした、終始保護者はうちの善子が悪いですからと言ってくれた。

 

そのあと一軒一軒周り今回起きたことの説明をして回った、なかでも一番大変だったのは黒澤家だったその時親はいなく出てきたのがダイヤ姉だったのだそしてダイヤ姉にも説明をした時より怒っていたがルビィがフォローしてくれたためあまり怒られずに済んだ。

 

全員の家を周り終わったとこで俺も自宅に帰った。

 

家に帰りメールを確認すると極秘チームからと師匠からと果南ちゃんからメールが来ていた、極秘チームからは鈴木から聞き出した情報がまとめらていた、師匠からはいつか休み中に一度東京に来てほしいというものだった、果南ちゃんからは今度の休みにどこかに遊びに行こうという内容だった。

全員に返信をしてパソコンを閉じた

 

 

 




お読みくださいありがとうございます。

次回から2、3話ほどはGWのことを書く予定です、理由としては本編だけを進めるのもつまらないと思い少し息抜きのような話になります。

今日から3rdライブが始まりますね、自分は最終の福岡のLVに参加しようとしましたが1日前に発表された梨子ちゃんのBIRTHDAYプレゼント第2シーズンを衝動買いしてしまいまして財布の中が素寒貧になってしまい泣く泣くLVを諦めることにしました、次回の4thライブにはどこかで必ず行きますそれまでちゃんとお金貯めて待ちます。

次回の投稿も遅いと思いますがよろしくお願いします。


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17話 グループ:Aqours(5)

今回はかなり短いです、その分次回は長くしていきたいと思います。

それではどうぞ


グループ:Aqours(5)

 

chika:みんな大丈夫だった?

 

★YOU★:問題ないであります

 

梨子:うちも問題ないよ

 

Ruby:お姉ちゃんが怒ってたけどどうにかなりました

 

堕天使ヨハネ:今日は皆さんに迷惑をかけて申し訳ありませんでした

 

chika:敬語なんてやめてよ~いつも通りね

 

堕天使ヨハネ:わかったわ、今後よろしく

 

★YOU★:そういえば花丸ちゃんは?

 

Ruby:携帯がこわてちゃったらしくてGW中には新しくスマホにするらしいです

 

梨子:わかったわ

 

chika:ねえねえ昨日の和沙君かっこよくなかった?

 

梨子:どうしたの急に?

 

chika:助けに来てくれた時本当にかっこよかったって思ってさ

 

★YOU★:確かにわかるよ~和沙君かっこいいよね

 

堕天使ヨハネ:しかも運動神経もいいし

 

Ruby:でもやっぱりあのお兄ちゃんには慣れないないですね

 

chika:そういえば言ってたけどあの能力は一体何なの?

 

Ruby:ルビィもわかんないですでも一回だけあの姿を見たことがあります

 

梨子:その時も同じ感じだった?

 

Ruby:いえその時のお兄ちゃんは怒りに身を任せて行動していたような感じでした

 

chika:そうなんだ…じゃあさ明日和沙君の家に行かない?休みだし

 

★YOU★:どうして?

 

chika:あの力について聞くんだよ!

 

梨子:でも和沙君は話すときになったら話すって言ってたし…

 

chika:でも知りたいじゃん

 

梨子:確かに

 

★YOU★:気になる

 

堕天使ヨハネ:私も

 

Ruby:きになる

 

chika:ともかく明日和沙君の家に行ってみない?

 

chika:そうすれば何かわかるかもしれないし

 

梨子:でも明日和沙君に予定とか入っていたらどうするの?

 

chika:じゃあちょっと和沙君に聞いてくる

 

★YOU★:いってらっしゃい

 

chika:ただいま、明日は人と会う予定があるってさ

 

★YOU★:じゃあどうする?

 

chika:こうなったら明日は和沙君の後をつけていくしかないよ、そうすれば何かわかるかも

 

梨子:でも和沙君プライベートで人と会うんでしょ、邪魔したら悪いわよ

 

堕天使ヨハネ:確かにそれもそうね

 

chika:ちゃんと隠れながらやれば大丈夫

 

chika:もし見つかったら遊びに来てたっていうことでいいじゃん

 

なるほどそれなら問題ないね

 

chika:じゃあ明日は9時に駅前集合ね、お休み~

 

★YOU★:おやすみ~

 

梨子:おやすみ

 

Ruby:おやすみなさい

 

堕天使ヨハネ:その変わり身の器をゆっくり休めることねさらば

 

 

 

 




今回はテストが近いのでLINEの文面だけにしました

因みに誰との予定かは前回の話を見るとわかると思います。

テストが終わってからは夏休みも入ってくるので少しは投稿を早められると思います、引き続きよろしくお願いいたします。


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18話 休日の始まり

皆さんお久しぶりです、一か月ほど投稿期間が開いてしまいましたもうそろそろ夏休みに入るのでもうちょっと早く投稿できるかと…(そういってできた試しがない)

今回もよろしくお願いします。

それでは本編どうぞ


当たりや事件から1日がたった、すべての家を周り保護者に謝り姉さん(理事長)に報告していろいろ疲れた。そのため今日はぐっすりと寝ようと思ったがその時スマホが鳴った、画面にはあの人からのメールが届いていた。

 

『今日はよろしくね、あとダイヤに話したらダイヤも行きたいって言ってるからついてきてるけどいいよね?』

 

あの人の自由奔放な振舞いに短い溜息をつきながら布団から出て駅前に向かった。

 

 

駅前につくと待ち合わせ場所の機関車の先頭部分がある場所の前で待った、ここは待ち合わせにはもってこいの場所だ、一応予定時刻より20分早く来てみたけどやっぱり来てないよな、ダイヤ姉なら30分前にはいると思うけど果南姉がいるとだめになるんだよなあの人結構時間にルーズだ。

 

「あ、いたいた和沙~」

 

と不意に呼ばれ声の方を見ると果南姉とダイヤ姉が少し小走りになりながらこちらに向かってきている、果南姉は青色のTシャツにデニム、ダイヤ姉はロングスカートに白のブラウスという服装で来ていた。

 

「以外だな、こんなに早く二人が来るなんて」

 

「もうそれは心外だよ私だって少しは遅れないようにとかって思ってるんだから」

 

少しは遅れていいのね…やっぱり果南姉は少しわからない。

ともあれ予定より少し早く来てくれたため行く場所が少し増えそうだ。

 

「二人は行きたい場所とかないの?」

 

「私はないですわ、果南さんは?」

 

「私も特にはないかな」

 

「じゃあとりあえずどこか大きいところに行こうよ、そのあと中を見ながら探すってことで」

 

「ちょっと待って」

 

と言われ果南姉に呼び止められ振り向くといきなりハグされた、毎度のことだから慣れていたが突然すぎたので対応ができなかったつまりなってしまったヒステリアモードに…

 

果南が離れたときにはすでに変わっていた果南の顔を見ると作戦成功みたいな顔をしてニヤついていた全く世話のかかるお嬢様方だ

 

「さてそれじゃあ行こうか、果南(・・・)ダイヤ(・・・)

 

この口調が変わるのも何とかしてくれないか、俺的には果南姉ダイヤ姉って呼んだ方が楽なんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

この後はショッピングモールに行き中を見てまわった。

さっきから気になってはいたが千歌達がついてきてる、電柱などから顔をひょっこり出してる状態で隠れているつもりだろうがものすごくよく見えていてバレバレだ。

 

「ほら和沙次のお店行くよ」

 

果南は右手で俺の腕、左手でダイヤを引っ張りながらどんどん進んでいく

 

次に連れてこられたのは洋服屋だった、女性の服選びは結構時間かかるって言われてるし仕方ないか。

ダイヤと一緒に店の中に入っていき一緒にあーでもないこーでもないと議論していた、その間に付け回している千歌達をちょっとからかいに行くか。

 

 

 

なるべく自分の気配を消して相手に近づくそして後ろについたところで千歌の肩を叩く。

 

「って和沙君いつの間に!?」

 

「お前らあれで俺が気づいてないつもりだったのか」

 

「うん、ずっとこっち向かなかったから気づいてないのかって思って」

 

十分気づいていましたいつもの俺だったら気づいてないだろうけど果南ちゃんにヒステリアモードにされっちゃったからなそれだからわかったのかもしれない。

 

「それでなんで俺の後をつけてるんだ?」

 

「それは…え~っとねえう~んとね」

 

「わかったよ何も予定はなく面白そうみたいな感じで後を付けてきたんだろ」

 

「そう、そんな感じでみんなついてきたの」

 

「これからどうするんだ、俺にばれっちゃったらもうおしまいだろ」

 

「うーん私たちはこれから私たちだけで遊ぼうかな」

 

それでみんなは納得し千歌達と別れダイヤと果南のところに戻った。

 

「あ、和沙どこ行ってたの」

 

「ちょっと千歌達がいたから挨拶に行ってただけだよ」

 

「そうなんだ、それよりどっちがいいかな?」

 

そういって見せてきた2着の洋服、片方は青色で肩を全体的に出す服もう一つは同じく肩を出す服装だが白色を基調としていて肩から胸にかけてフリルがついている、果南はどちらか選んでほしいって言ってるけどコレ選択誤るとやばいことにはならないよね。

 

「私的にはこちらの方がよいと思うのですが」

 

ダイヤが示したのは青色の服だった、確かにそっちの方が果南にあっている。

 

「俺もそっちがいいかな、果南のイメージによく合うと思うよ」

 

「そうかなじゃお会計してくるね」

 

そういってカウンターに向かっていった、ふと時計を見ると時刻は12時になりかけていた、次いでにお腹もなったのでお昼を食べてから午後のショッピングをすることにした。

 

 

ショッピングモールの中の食堂は昼時もあって満席の状態だったがちょうど果南が座席を見つけてくれたおかげでどうにか座れた。

 

「先に注文してきな俺は後からでいいから」

 

「じゃあお言葉に甘えて先に行きましょう果南さん」

 

待ってる間スマホを眺めていると知らない人に話しかけられた。

 

「ねえ君一人?お姉さんたちと一緒に遊ばない」

 

知らない女性のグループに話しかけられてた、これってつまり逆ナンってやつかな俺自身も初めてだけど。

 

「ごめんなさい今ちょっと人を待ってて」

 

「いいじゃん、こっちに来ればその子達よりもきっと楽しいことが待ってるからね」

 

「いえ、僕はここで人を待ってないといけないので」

 

「なに?うちらが誘ってるのに拒否るの」

 

半分切れ気味になって突っかかってきてる、そんな時思い出してしまった中学時代のことを…

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

「ねえ小原君ちょっと一緒に来てくれる?」

 

同じ学校のやんちゃな女子に呼び出されそのまま人目の付きにくいところに連れていかれた。

 

「ちょっと待っててあのバカ(彼氏)連れてくるから」

 

そういってから何分たっただろうか、いやもしかしたらこれは数十秒の出来事なのかもしれない。

 

「じゃあバカが来る前になっちゃおうかスピリチュアルモード(・・・・・・・・・・)に」

 

そういったその子はワイシャツのボタンを徐々に外していき胸の谷間が露わになってきたそして第3ボタンも外しブラジャーまで見えるところまで開けてきた、まだその時中学生だった俺はすぐに興奮してしまいヒステリアモードになってしまった。

丁度スピリチュアルモードになったときに相手の彼氏がやってきた。

 

「なんだよいきなり話があるって」

 

「あのね私ねあの彼氏にひどいことをね何回もされたのだからねちょっとね懲らしめてほしいのお願い」

 

今の俺はお願いされればその人の願いを叶えようとする状態だ。

 

「こんなかわい子ちゃんを傷つけるなんていけないね、そんな子にはお仕置きしてあげる」

 

こんなことがあってから俺は校内で少しずつ目立つようになっていった、その後も他の女子に呼び出され同じようなことを何回もやった、そのせいで女性恐怖症に近いものになっていた。

高校ではこうゆうことがなかったから治ったと思っていたが今さっき再発してしまった。

 

 

「うちの和沙に何か用ですの」

 

聞きなれた声、黒いロングの髪、えくぼにあるほくろ、助けに来てくれた…ダイヤ姉が来てくれたおかげでさっきまでの怖かった感情は少しずつ安心に代わっていった。

 

「何って今この子に一緒に遊ばないかって声掛けてところですよ、それよりあなたは一体この子のなんですか」

 

「私はこの子の姉ですわ、さっきまでお昼ご飯を買いに行っていたのでこの子に席をとっていてもらいました」

 

しばし沈黙が流れる

 

「ッチ、わかったよコッチが手を引くよここで争うのはまずいからね」

 

「わかりやすくて助かりますではご機嫌用」

 

相手はそのまま去っていった少しして果南姉も戻ってきた。

 

「大丈夫ですか」

 

「大丈夫だよでもちょっと気分悪いから先帰るね、今日は本当にごめんこの分の埋め合わせは必ずするから」

 

「家まで送りましょうか」

 

俺はダイヤ姉に大丈夫と言ってその場を後にした、そのまま沼津駅に直行しバスに乗って淡島の方に向かった今日は学校も休みだから姉さんは淡島の方にいるはずと思ってバスに乗った。

 

『次は淡島~淡島~』

 

バスを降り淡島ホテルに向う、ホテルには顔パスで通り姉さんが住んでいるホテルの最上階に向かった。最上階のスイートルームに泊まっている姉さんの部屋のチャイムを鳴らす中から扉が開く。

 

「あら和沙じゃないどうしたの」

 

「ちょっと邪魔していい」

 

「もちろんいいわよ」

 

姉さんは何かデスクワークの途中だったらしいその証拠に机の上のパソコンが光っていた。姉さんはベッドに座り太ももを軽くたたいた、やっぱり姉さんにはここに来た理由は見破られているのかもしれない。

 

「ほら和沙おいで私に話してみて、少しは力になれるかもしれないから」

 

姉さんの元に近づきそのまま対面座位のように抱き着き泣いた

 

「あなたっていつも何かあると私のところに来てこうやって肩に顎を乗せるわよね」

 

「ごめんなさいお姉ちゃん」

 

「いいのよたまには私に甘えなさい」

 

そのままお姉ちゃんの肩に顔をうずめて泣いた。そのまま寝てしまった

 

~鞠莉視点~

昼頃ダイヤから一通のメールが入っていた、確か今日は和沙と一緒に遊ぶとか言ってた気がする、もしかして和沙が何かやったのかと思い急いでメールを見るすると文面は全く違った。

 

『もしかしたらそっちに和沙さんが行くかもしれません、そのときは優しくしてあげてください、もしかしたら昔のことが関わってくるかもしれませんので」

 

ダイヤが何を言っているのかは大体想像がついた、昔から和沙は何か嫌なことがあると私のところに来てなく私が母親の変わりみたになっている。

30分経ったくらいだろうかドアチャイムが鳴り開けると和沙がいた、私は何事もなかったかのように和沙を部屋に入れ自分はベットに座った。

 

「ほら和沙おいで私に話してみて、少しは力になれるかもしれないから」

 

それを聞いた和沙は私のところにやってきて肩に顎を乗っけるやっぱりいつも和沙は私の肩に乗せる癖は抜けてないのね。

そのまま和沙は泣いて泣いて泣き疲れて寝てしまった、そのすきにダイヤに返事を出しといた。

 

『ありがとうダイヤ、あの子はまだ真相は話してくれなっかたわ私ってまだ信用されてないのかな?』

 

するとすぐに返事が返ってきた。

 

『十分信用されていますわ信用されてなかったら泣き顔なんて見せてくれませんわ』

 

ダイヤの言葉に少し笑みがこぼれた、でも思った以上に深刻なのかもしれない。

 

思ったよりも深刻ね、パパはそこまで心配することはないって言っていたけど…

 

~和沙視点~

ベッドから体を起こすと外は真っ暗になっていた、いつもより柔らかい感触そして目の前にはお姉ちゃんがいる俺にとってはとても安心できる場所だ。

 

「あら和沙起きたのね夕飯どうする」

 

「あるなら食べたいなお昼も食べてないし」

 

「じゃあちょっと待っててシェフに用意させるから、もしかしたら余り物になるかもしれないけどいい」

 

姉さんの電話が終わると今度は俺の方に電話がかかってきた、相手はルビィだった。

 

「もしもし、どうしたルビィいきなり電話してきて」

 

『あお兄ちゃんううん用があるのはルビィじゃなくて花丸ちゃんの方だからちょっと変わるね』

 

『もしもし国木田です』

 

「こんばんわ花丸ちゃん』

 

『明日もし時間があればマルの携帯選ぶのに付き合ってくれませんか』

 

「いいけど家の人はだめなの」

 

『マルの家族はみんな機械が苦手なので毎回頼れる人に頼んでんです』

 

「そっかわかったじゃあ明日何時ごろ行けばいいかな」

 

『えっとじゃあ13時に駅の北口にあ、あと明日ルビィちゃんと善子ちゃんも一緒にいいですか』

 

「もちろんいいよ、ちょっとルビィと代わってくれるかな」

 

『いいですよじゃあ代わりますね』

 

『もしもしお兄ちゃんどうかしたの』

 

「いやちょっとダイヤ姉に代わってくれないか」

 

『ごめん今お姉ちゃんお風呂入っちゃってるからまた後で電話するように言っておくね』

 

「ありがとな、じゃあお休み」

 

『お休みお兄ちゃん』

 

これで明日も予定ができちまった明日もまた今日みたいなことはあってほしくないな




お読みいただきありがとうございます、投稿が遅れたのはちょっとリアルの方で友達と喧嘩をしましてその件を片づけるのに少しかかって遅れました。

さて本編は少し和沙君の過去を出してきました、今自分の頭の中では着々とストーリーは作らていますが塾だったり学校だったりといろいろなことに時間をとられて書けてないのが現状です。
GW編はあと2、3話ほど書く予定ですもう少し和沙とAqoursの休日の日をお楽しみください。

次回もよろしくお願いします。


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19話 初めてのスマートフォン

残暑お見舞い申し上げます
皆様いかがお過ごしですか
前回『もうちょっと早く投稿できるかと…』と言っておきながら結局約1か月後の投稿になりました。
今後も月1投稿になると思いますがよろしくお願いします。

それでは本編どうぞ


姉さんの部屋で夕飯を食べてもう時間も遅かったため今日はお姉ちゃんの部屋で寝ることにした、幸いベットはダブルベットらしく二人一緒に寝ても問題ないくらいの広さだった。

 

「久しぶりねこうやって和沙と一緒に寝るのって」

 

「そうだね、中学入るまではずっとお姉ちゃんに甘えていたっけ」

 

「そうよ外に出てもずっと私にべったり引っ付いていたんだから……」

 

「そんなにべったりしてたの」

 

「そうよ、でもねあなたが辛くなったらいつでも私のところに来なさい、いつでも抱きしめてあげるからね」

 

「ありがとうお姉ちゃん…お休み今日はもう寝るよ」

 

「ゆっくり寝なさい和沙」

 

このままお姉ちゃんの布団で眠りについた。

 

 

~鞠莉視点~

和沙が寝た後、私はパパに電話をした和沙の本当のことを知るために…

「もしもしパパ」

 

『どうした鞠莉こんな時間に』

 

「和沙のことについて教えて」

 

『お前が知ってどうする、あいつのトラウマ(女性恐怖症)を直せるのか』

 

「治せないかもしれない、でも私は和沙の力になりたいそれに今ならダイヤや果南も一緒にいるから治す方法が見つかるかもしれないわ」

 

『わかった、ただし和沙にあまり悟られないようにな』

 

「もちろんよありがとうパパ」

 

『資料はデータで送っとくからそいつを見てくれ』

 

「お休みパパ」

 

『お休み鞠莉』

 

電話を切ってすぐに届いた写真付きメッセージに私は目を通した中にはかなりひどいものもあった、これを和沙は3年間耐えてきたと思うと心が痛くなる。

浦女に通ってる和沙は平気なのか今日のことがきっかけで再発したりしないのかそのことがずっと頭をよぎる、しかし今の和沙なら大丈夫だろうそう思って和沙の寝ている隣で和沙に抱き着くように眠りについた。

 

~和沙視点~

目が覚めると目の前は暗かったそして息もしづらいしかし息を吸うたびに入ってくるのは柑橘系の爽やかな匂いだった、その匂いで目が覚めた俺は取り合えず後ろに下がることにした。

下がって見えてきたのは寝てる間に服がめくれ上がり胸元まで露わになりかけている無防備になっている姉さんがいた。

取り合えず捲れていた服を元に戻し姉さんを起こすことにした。

 

「姉さん起きてもう朝だよ」

 

「ん、うぅぅん…おはよう和沙」

 

「おはよう、やっぱり姉さん朝は弱いんだね」

 

眠い目をこすりながら布団から出てきた姉さんはそのままベランダに出て行った。

 

「やっぱり潮風が気持ちいいわね」

 

そうだねと答えると姉さんは室内に戻っていき3歩歩いたところでくるっと振り向きハグしよと言ってきた。

断る理由もなく俺は姉さんにハグをした。

 

「辛くなったらいつでも私のところに来ていいからね」

 

「ありがと…姉さん」

 

泣きそうになったがぐっとこらえた、こんな場所で泣いていたら姉さんに心配されかねない。

 

「ほら和沙今日はルビィ達とデートでしょ一旦帰ってちゃんと着替えてからルビィ達とのデートに行きなさい」

 

言われて服装を見ると昨日のままだったことに気づき急いで淡島から沼津に戻った。

自宅に急いで戻り着替えてルビィ達との集合場所に向かった。

 

〜花丸視点〜

昨日電話したらお兄さんは快く返事してくれたけどお邪魔になってないかな、昨日ダイヤさんが『大丈夫かしら和沙さん』とか言ってた独り言聴いてしまったからお兄さん迷惑になってないかと思ってしまう、でもルビィちゃんは『和沙お兄ちゃんなら大丈夫』って言ってたから平気かな。

早くお兄さんと善子ちゃん来ないかなちょっと早く着きすぎたおかげで予定よりも10分以上も待つことになっちゃった、そんな時いきなり声をかけられた。

 

「あれ、もしかして国木田さんと黒澤さん…だよね」

 

いきなり話しかけてきたのは中学時代のクラスメイトだった、周りを見ると他にも数人の男子がいた。

 

「国木田さんたちこれから一緒に遊ばない?」

 

「いえ、これから人と会う約束をしているのでごめんなさい」

 

そういうと男は一瞬不機嫌そうになったがすぐにさっきの顔に戻った。

 

「じゃあ仕方ないね」

 

と言いながらおらとルビィちゃんの腕をつかんでいた、男性の力にかなうはずもなくそのまま連れていかれそうになったが

 

「ちょっと放してもらえますか」

 

そこにいたのは眼鏡をかけた人と善子ちゃんだった。

 

~和沙視点~

「ちょっと放してもらえますか」

 

「なんだてめぇ」

 

一向に掴んでいる手を離そうとしない。

 

「そろそろ離してもらえますか」

 

そう言って相手の腕を掴み力を加える

 

「てめえそうやって女の前だからっていきってるんじゃねえよ」

 

「別にいきってなんていませんよ、ただお嬢様が怪我をされますと怒られるのは僕らなので」

 

「何言ってやがるお嬢様っていったい誰だよ」

 

「もちろんルビィお嬢様のことに決まっています」

 

「もしかしてあいつ…おいここは引くぞ」

 

ルビィ達に付きまとっていたやつらは逃げて行った、何を勘違いしたかは知らないけれど。

 

「ありがとうございます、それにしても一体誰ですかルビィの名前を知っているなんて」

 

わかってなかったか、ファッションで伊達メガネをかけてきたけど全くの別人に代わるタイプの人間っぽいな。

眼鏡を外すとルビィもわかってくれたらしくすぐに抱き着いてきた。

 

「お兄ちゃんだったんだね、ルビィ達を助けてくれてありがとう」

 

そういわれて俺の頬にキスをしてきた、普通の人なら「かわいい」ぐらいでしか思わないだろうだか俺にはとてもまずいことである、キスをされたときにルビィの首元から甘いでも爽やかな香水の匂いがしてきた、それと相まってなってしまったヒステリアモードに…

 

「どういたしまして、ルビィお嬢様」

 

とルビィの手を取り手の甲にキスをした、他の二人はなぜか沸騰している善子なら理由はわかってくれそうだけど。

 

「そろそろ行きましょう、時間が無くなってしまいますよ」

 

「そうずらね、善子ちゃんもルビィちゃんも早くいくずら」

 

善子の「ヨハネよ」と突っ込みを聞きつつ少し走りながら、目的地に向かっていった。

 

携帯ショップは何かと空いており客は数えるくらいしかいなかった、店員に促され椅子に座りどのスマホにするか一緒に決めた。

昨日からルビィと一緒に決めていたらしく機種が決まりあとはデータのプランになったがそこまでは話していないらしくどうしようかと悩んでいたがそこは店員さんがおすすめのプランを出してくれてどうにか終わった。

終わって外に出ると時間は4時になっていた、新しいスマホを太陽に反射させて「未来ずら~」と言って楽しんでいた。

 

「それでルビィちゃん宿題終わったずらか」

 

「え、宿題なんてあったっけ」

 

「もしかしてまだ終わらしてないずらか」

 

「どうしよう花丸ちゃん一日で終わるかな」

 

「終わるずら一緒にやればそこまでかからないずら」

 

「じゃあ明日またルビィちゃんの家に行くずら」

 

「善子ちゃんはもちろん終わってるよね」

 

「も、もちろん終わってるわよ、私のリトルデーモンに任せれば半日で仕上げてくれたわ」

 

「そうなんだじゃあおらたち帰るからまた週明けにね、バイバイ善子ちゃん和沙君」

 

二人が見えなくなり俺も帰ろうとしたときに善子が俺の袖を引っ張ってきて何かと思えば宿題を教えてほしいとのことだった。

 

「お前さっき終わったって」

 

「なんかずら丸とルビィの中を裂くようで悪いかなって思っちゃって」

 

「…そっか、わかったよだたし俺がやるのは答えに導くプロセスを教えるだけだからな」

 

「それでこそ私の認めたリトルデーモンね、それじゃあ行きましょう」

 

「えっ今からかよ」

 

「大丈夫よ今日親は帰り遅いから」

 

それだめなやつじゃん、善子がよくても俺がダメなやつだよそれ。

そのあと結局家に連れていかれ宿題を解いて俺が家に帰ったのは夜の8時を回ったころだった。

 




前回は3年生、今回は1年生、そして次回は…というような感じにしていきます。
それではまた次回よろしくお願いします


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20話 男だってもろい時はある

とうとう20話に行きました今後もよろしくお願いします。

そして2か月もお休みしてすいません、一時期怠惰期のようなものになってしまいました、それと時間が取れなかったことが一番の要因だと思います今後も2か月以上投稿がないかもしれませんが引き続きよろしくお願いいたします。

それではどうぞ


 GWも最終日になり多少憂鬱な気持ちでいながら過ごしていた、その気持ちを少しでも紛らわそうと淡島まで走りに行くことにした、そのついでと言っては何だが果南ちゃんに会ってこの前のことを話さないといけない、淡島神社を上って降りてくるときには9時になっていたその時間はちょうどダイビングショップの開店時間でもありいないことの方が多い、それでも今日は時間がたくさんあるから一日待ってて問題は無い。とりあえず店の方に顔を出すとそこにはまだダイビングスーツに着替えてない果南ちゃんがいた。

 

「おはよう果南ちゃん、今日は予約入ってないの?」

 

「あるよ、でもそれも知り合いだけどね…それより和沙、この間は大丈夫だった?」

 

「うん、なんともなかったよ、でも本当は一日遊ぶ予定だったのに半日になっちゃって」

 

「いいんだよ別に和沙とは滅多に遊べないってわけじゃないんだから」

 

「そう…だよね俺がもっと強ければ…迷惑かけずに済んだのに」

 

 その時、目から涙が出ていた自分の弱さに対する涙なのかそれとも果南ちゃんのやさしさへの涙なのか自分にはわからなかった。

 

「和沙……ハグしよ」

 

 泣いていた俺を聖母のように優しく俺を抱きしめてくれた、やっぱり俺って弱い男なのかな昨日言われたように女性の前だからいきってるだけなのかもしれない、そう思うと余計に自分のやってきたことがわからなくなってきた、こんな俺で本当に姉さんを守れるのか自分で不安になってきた。

 

「果南ちゃ~ん遊びに…失礼しましたまた後で来ます」

 

 すごく悪いタイミングで千歌達が来た、この光景だけ見れば俺が果南ちゃんにハグしてるようにしか見えないからそう思っても仕方がない。

 

「待って千歌、曜、和沙とは何もないからただハグしてただけだから」

 

「そうなの?それにしては肩が濡れている事に関して詳しく聞かせて欲しいな」

 

「別に何もないよ、それより早くダイビングスーツに着替えてきな、その間に準備しておくから」

 

 なんとか果南ちゃんが対処してくれたけど明日から何言われるか分かったもんじゃない、3人から責めらるように話すのかな。

 果南ちゃんにお礼を言って今度は一旦松月によって和菓子の詰め合わせを買ってから黒澤家に向かった、今回はダイヤ姉に救われたと言っても過言ではないそのためお礼の気持ちを込めて松月のお菓子を選んでいる。

 黒澤家の門をくぐると広い日本庭園の作りが広がっている、家の創りは知っているのでどこにどこの部屋があるのかも知っている、しかし不審者扱いされるのも面倒なので普通に玄関を開けて入った。

 

「すいませ~ん」

 

 は~いという声と共に出てきたのはダイヤ姉だった、これはある意味以外だった。

 

「あら、どうしたんですか和沙さん」

 

「この前のお礼と謝罪です…本当にごめんなさい」

 

 一礼と共に持ってきていた松月のお菓子を渡した。

 

「なぜ和沙さんが謝るのですか」

 

「だって俺のせいで…一日遊ぶ予定だったのに半日ぐらいになっちゃって…」

 

「半日であっても和沙さんといれた時間はとても楽しかったですわ、だから顔を上げて」

 

 ダイヤ姉に言われて顔を上げると目の前にダイヤ姉がいてハグをした。

 彼女のハグは少し長く感じた、鼻で呼吸をするたびに首元から漂ってくるシトラスのような爽やかな匂いが俺を興奮させる。

 そのままハグを10秒ぐらいしていただろうかいやそれ以上かもしれない。

 

「っ、いきなり何するんだよ」

 

「友達が困っているならばこのようにするといいってか、果南さんが」

 

 やっぱりこういうことをしてくるのは果南ちゃんぐらいしかいないか…

でも誰にでもやっちゃまずいよな。

 その時奥の方から声が聞こえた

 

「お姉ちゃ~んこの問題どうやって…し、失礼しました」

 

と元いた部屋に帰っていった、なにを想像したかは知らないがあらぬ誤解を生まないために一応ルビィに説明しとくか。

 

「ちょっとルビィに状況説明してくるから、上がってもいいよね」

 

「ええもちろん構いませんわ」

 

 ダイヤ姉から許可を得て玄関を上がるそしてさっきルビィが消えていった部屋行くとそこには善子がいて机の上のノートを見て納得した俺はこの状態(ヒステリアモード)だからこそできただろう善子の隣に座って一緒に宿題を見ることにした、宿題を見てる間にいつか出てくるだろう。

 

「わからない場所あったら教えてあげるよ」

 

「今のところは大丈夫よ、それよりさっきルビィが顔を赤くしてたけど何かあったの」

 

「な…何もしてないよちょっとダイヤ姉と話していただけだよ」

 

「あっそう、変なこと聞いたわね」

 

 後ろから何かが来る気配がした、すぐさま後ろを振り向くとルビィと花丸ちゃんがいた、なぜかルビィは木刀を持ってるし俺殺されるのか…

 

「まずいよルビィちゃんもしそれがお兄さんに当たって殺しちゃったらどうするの」

 

「大丈夫だよ花丸ちゃんお兄ちゃんはちゃんと受け止めてくれるかよけるもん」

 

 一瞬目のハイライトを確認したが消えてはいなかった、別の路線になるこはなさそうだ。

 

「それじゃあお兄ちゃん覚悟!」

 

 気迫のこもった声に一瞬驚いたがすぐに振りかざしてきた木刀を真剣白羽取りしてルビィの手から抜き取りルビィを抱き寄せ耳元で

 

「こんなものをもってちゃダメだろ、ルビィは『可愛さ』っていう武器を持ってるんだからそれを生かさなきゃ勿体ないよ」

 

そういうとルビィは顔を赤くして花丸ちゃんの後ろに隠れてしまった。

 

「じゃあ俺はそろそろ帰るから、宿題頑張れよ」

 

 そういって黒澤家を後にして沼津へ戻っていった、これといってやることがなかったため自宅に帰ることにした。

 しかし家に帰ってもやることがない、結局昼寝を使用と思った矢先に玄関のチャイムが鳴った、外に出ると曜と千歌と梨子がいた。

 

「いったい何用で?」

 

「別にこれといった用じゃないんだけど、朝果南ちゃんと何やってたの?それが聞きたくて」

 

 最初は千歌が聞いてきた。

 

「別に何もしてないよだだあっちから『ハグしよ』っていうからしてたんだよ」

 

 今度は曜が質問してくる。

 

「じゃあなんで果南ちゃんの肩が濡れてたの」

 

「そ、それは…」

 

 言葉に詰まってしまった、この状況で千歌達に泣いてたなんて言えるわけがない。

 

「まあ何かあったら相談してね私たちは仲間なんだからね、それよりさこれから一緒に遊びに行かない?」

 

「最近駅前にできたスイーツ屋に行ってみたくてさ、でさらにそこのパフェが有名なんだけどそれがカップル限定なんだってだ・か・ら」

 

「一緒についてきて欲しいってことだろ、わかったよ一緒に行くよ」

 

「やったーありがとう和沙君大好き」

 

 すぐ誰かと一緒で抱き着く癖を無くしてくれ、ある意味命がいくつあっても足りなくなりそうだ。

 駅前のスイーツ屋の前につくとたくさんの人がいたやはりカップルで来ている客が多い、この中を入っていかなくてはいけないのかよ。

 

「そういやその限定パフェを食べるのはカップルじゃなきゃいけないんだろ」

 

「そうだよ」

 

「一体誰が俺の…その…彼女役になるんだ」

 

「あ!決めてなかった」

 

 てへっ、じゃないだろ、てへっじゃあていうかこのままだとなんかギャルゲーぽくなってこないか。

 

「う~んじゃあ梨子ちゃんでいいんじゃない?」

 

 それって同じ東京に住んでたからこういうのとか慣れてそうだからって理由を付けてくるんだろう。

 

「一応聞くけどなんで私と和沙君にしたの?」

 

と梨子が聞く

 

「それは~同じ東京に住んでたからこういうのとか慣れてそうだからだけど」

 

 当たった、当たってしまったとうとう千歌の考えていることがわかってきてしまった。

 

「東京に住んでるだけでこんな感じの店に行き慣れてるっていうのは偏見がありすぎる」

 

「そうよ千歌ちゃん」

 

「えーでも予約は梨子ちゃんと和沙君でしちゃったからよろしくね」

 

 ある意味先に手を打っていたか、一本取られたよ畜生。

 

「わかったよ、店内だけそういう風に振舞ってればいいんだろ」

 

「そうそう、だから梨子ちゃんも頑張ってね」

 

「もう、わかったわよでも今度何かでお返ししてもらうからね」

 

 千歌が「もちろん」と言ったところで店員さんに呼ばれようやく店の中に入ることができた、わかっていたがやっぱりカップルが多くさらには一緒に食べさせあったりしているなんて、この先俺生きていけるかな、そんなことを思ってる間に千歌が注文しておりその中にはカップル限定のやつも入ってたし。

 俺はもう覚悟を決めるしかないのかよ。

 

「この後お料理をお持ちいたしますがその際、カップルでお写真を撮っていただきその写真をSNSに挙げてもらいますがよろしいですか?」

 

「ええ、まあ問題ないですよ」

 

と告げると店員さんは厨房に戻っていった。

 注文したものがくるまで雑談に花が咲いた、やっぱり女子って恋バナを好むのだろうか俺にはわからない世界だ。

 

「ねえ和沙君、和沙君の好きな女性のタイプってどんな人?」

 

「う~ん、わかんないな付き合ったこともないからでもしいて言うなら髪の長い人かな」

 

 髪の長い人というとやっぱり師匠が思い浮かんでくる、そういや連絡するとか言って全くしてないな、それはそれで元気にやっていると思ってくれてるだろう。

 

「じゃあAqours内で付き合うなら花丸ちゃんか梨子ちゃんだね」

 

 思わず飲んでいた水を吹き出しそうになるがさすがにそれは回避した。

 

「なんだよいきなり」

 

「いや~こんな場所に入ったら、本気で和沙君の好きな人が気になってきちゃって」

 

 俺の好きな人なんて一生できるのだろうか、その前にこんな俺を好きになってくれる人がいるかのすらわからない、俺はそうですかと言って軽く流したところで注文していた商品が来た。

 

「こちらカップル限定のパフェと百合の花園(シングルパフェ)になります」

 

 店員さんが商品を置くとスマホを出してきた、そういや写真撮らなきゃいけないんだっけ、最初は俺と梨子の2ショットそのあと千歌と曜を入れて4人で写真を撮ってもらった、その写真はすぐにSNSにアップロードされ俺も自分の端末から見てSNSに上がったのを確認した。

 

 4人で大型のパフェをつつきながらいまだ続く恋バナを聞き流していた。

 

「じゃあさっきの話に戻って和沙君が付き合うなら梨子ちゃんと花丸ちゃんならどっちがいい」

 

 再度投げかけられた質問、さっきはちょうど注文したものが届いて話が終わったがまた掘り返してきたか。

 

「なんでそんなに気になるんだ」

 

「だって面白そうじゃん」

 

「それだけで話さなきゃいけないのかよ」

 

 すると千歌は名一杯『うん』と頷いた。

 そして上目づかいを使って

 

「千歌のお願い聞いてくれない」

 

と言ってきたさすが高海家の末っ子、男を知っているのか、そして体の中心に集まってくるこの感覚やめろこんな場所じゃあだめだ……自分と格闘し何とかならずに済んだが……この後を乗り切るのも重要になってくる。

 

「わかったよで付き合うなら梨子か花丸ちゃんのどちらかってことだろ」

 

「そうそう、和沙君ならどっち」

 

 どちらともおしとやかだしかつインドア系違いがあるとすれば……胸になるのかないやそんなこと言ったら殺されかねない、でもどちらかを答えなくてはいけない、畜生どっちを選べばいいんだ。

 

「俺がもし仮に付き合うなら……梨子かな」

 

「その心は」

 

 なぞかけじゃないんだからそれはいらないだろ。

 

「一応同じ東京にいたし……それに俺の好みに合ってるし……あと何よりか、かわいいからな」

 

 梨子の方は顔を紅くして下を向いている、俺も実際結構恥ずかしいしそれより千歌達は面白い話が聞けて満足な顔をしていた。それに加え曜が質問してきた。

 

「おお~それは告白と受け取ってもいいですか」

 

「そもそもアイドルは恋愛禁止じゃないのか」

 

 それに対し突っ込むと小さいことは気にしちゃいけないと千歌から言われ思わずため息がでてしまった。

 全員のパフェも食べ終わり俺らは会計を済ませ店の外に出た。

 

「今日はありがとうね和沙君彼氏役をやってくれて」

 

 やってくれてじゃなくて俺しかなかったからだろという思いは胸にしまった。

 そのまま3人とは別れて自宅に帰った。




前文でも言いましたが2か月も遅れてすいませんでした。

そして次回からは元に戻り本編を進めていきます。
今後もよろしくお願いします。


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21話 Aqoursとランタン

2か月間休んですいません。

このままだと投稿ペースが2か月に1回という感じになりますが今後もよろしくお願いします。

それではどうぞ


GWも開けてAqoursの活動も徐々に活発になってきたころに、俺の元に姉さんから連絡が入った。

 

『明日の放課後理事長室に来てほしい、待ってるわ』

 

とても短い一言だったが要件は薄々わかっていた。

授業も終わりこれから理事長室へと向かう、その途中でダイヤ姉にもあった同じ理由で呼ばれているらしい。

部屋に入ると姉さんは中庭を見ながら紅茶を飲んでいた。

 

「一体何ですの急に呼び出して」

 

すると理事長の椅子がクルリと周り制服を着た理事長が姿を現した。

 

「急に呼んでごめんなさいでもあなたたちにこれは見ておいてもらいたいから」

 

デスクトップパソコンを見るとそこには沼津の高校との合併についてのメールだった。

 

「姉さんこれって……」

 

「そうよ、沼津の私立学校と合併の通知よ」

 

「それじゃあこの学校はもう……」

 

「安心してダイヤまだ決定じゃない期限をぎりぎりまで延ばしてもらってるから」

 

この期限もいつまでもつのかわからない。

 

「私はこの場所を残すためにもスクールアイドルが必要になってくると思うだから……」

 

何か言おうとしたが姉さんは言わなかった。

 

「でしたら私は私なりにやらせていただきます」

 

そういってダイヤ姉は部屋を後にした。

俺も部屋を出ようとしたとき

 

「和沙は私の味方よね……」

 

『もちろん』と言って部屋を出た、正直今の意味が分からなかったダイヤ姉と対立しているのはわかるがそんなに追いつめられることなのかと思った矢先にメールが入った、久々の極秘チームからだった。

この前捕まえた鈴木がようやく情報をはいたらしく次回は一週間後に襲撃が来るらしい、確かその日は一日姉さんは出張だったはず……なるほど出張で自由になった隙に殺ってしまおうということか。

そんなことは絶対にさせやしない。

俺は急いで部活に向かった。

 

 

 

部室に入ると何やら騒がしかった。

 

「何かあったのか」

 

と問いかけると千歌が

 

「廃校だよ廃校、あのμ'sと同じ状況だよこれで役者はそろったよ」

 

どこからその情報を得てきた。

 

「それじゃあ一体どうやって廃校から救うんだ」

 

「それは今から考えるから……ね」

 

『てへっ』と舌を出してアイデア頂戴みたいにやられても何も出てこないぞ。

 

「じゃ、じゃあPVなんてどうですか、これなら沼津の魅力も伝えられるしネットにもアップできますし」

 

「ルビィちゃんそれ採用、今日はPVの撮影に行くよ2時に沼津集合ね」

 

一旦解散になり自宅に戻り水などの必要なものを肩掛けのカバンに詰め込む、時間を確認し集合場所へ向かった、みんな予定通りについており予定通り撮影を開始した。

まず最初は沼津の商店街で撮影そのあと内浦の方に自転車で行き撮影したが花丸ちゃんとルビィはカメラ慣れをしておらずきょどってしまい司会は諦め千歌や曜に任せることにした、何とか撮影を終えて松月で休憩とることにした、みんな今日の疲れた体を甘いもので癒すかのようにミカンどら焼きを頬張っているそんな中パソコンに強い俺と善子で撮影したしたものを編集するがお世辞にもいいものが取れたとは言えない。

編集作業に気を取られていた俺たちは窓から終バスが来たのを見てダッシュで店を出て何とかバスに乗った。

 

 

 

そのあとも俺が編集を続けたがあまりいいものはできなかった。しかも今日中に姉さんに見せなくてはいけない、仕方なくこれで姉さんのもとに出しに行くことにした。

 

「これで大丈夫かな」

 

「はっきり言って大丈夫じゃない」

 

理事長室の扉を開けて姉さんに作った動画を見せる、3分ほどにまとめた短めのPVの再生が終わり姉さんの反応を見ようとすると姉さんはうとうしていたつまり俺らの作った動画が詰まらなかったということだ。

 

「作るのにどれだけ苦労したことか」

 

と千歌が言うと

 

「努力の量と結果は比例しません」

 

と言い返されてしまった、さらに姉さんは「この学校の魅力教えてあげましょうか」なんて言ってきたしかしこれは聞いてはいけないような気がして断った。

そのあとも千歌の家で作戦会議をするということでバス停で待っていると忘れ物したといって千歌はもう一回学校に戻っていった。

 

 

 

 

「あ~何も浮かばないよ~和沙君」

 

「そうだな、俺も思いつかないな」

 

みんなも同じように案が出ないで頭を悩ませていた時に志満さんがやってきて「明日早いんだからみんな早く寝なさい」と言われた俺にはさっぱりだった。

 

「なあ千歌明日何かあるのか」

 

「あそっか和沙君は知らないのか、明日は海岸の清掃をやるんだよこの近くに住んでいる人や浦女のみんなで砂浜のごみをとって海開きの準備をするの」

 

海沿いならではの行事らしい、今日は早めにお開きにして明日に備えて早めに寝た。

 

 

朝早くに千歌の家の前に集合しみんなでゴミ拾いをした、海開きのために地域の人や学校の生徒が集まってやるなんてことは東京じゃ滅多にない。

 

「なあ千歌、みんなが集まって何かをやるそれこそがここの内浦のいいところじゃないのか」

 

「確かにそうかもしれない、私たちは毎年やってるからわからなかったかもしれない、ありがとう和沙君」

 

こっちを向いてとても綺麗な笑顔を見せてくる、そして千歌は海岸にある少し高い場所に上り町内の人に対してこう言った。

 

「私たちは浦の星女学院スクールアイドルAqoursです、私たちは学校を残すためにここに生徒をたくさん集めるために皆さんに協力してほしいことがあります!みんなの気持ちを形にするために!」

 

そのあとみんなで千歌の部屋に集まりやりたいことを聞いた、この綺麗な海を背景にスカイランタンを飛ばしたいらしいやってみる価値はありそうだな。

 

「でスカイランタンをやるのはいいがそれだけでいいのか?」

 

「それだけってどうゆうこと?」

 

と曜が聞いてくる

 

「スカイランタンを飛ばすだけでもきれいだと思うがそれを背景に歌わなくていいのか、そうすればPVにも使えるし」

 

「やっぱり和沙君頭いいね」

 

「じゃあ今から急いで曲と歌詞と衣装作りだな」

 

千歌の部屋に『おー』という元気な掛け声が響いた。

 

いつもだったら作詞に一週間くらいかかっていたのに今回はわずか二日で完成させてきた、これがずっと続けば作曲をする梨子も少しは楽になるんだろうな、あとは衣装ができれば完成だが……さすがに6着作るのは結構時間がかかってしまうらしい。

 

「大丈夫か曜、ルビィなんか手伝えることあるか」

 

「ああ和沙君ちょうどよかったこの布に波縫いかけておいて後で私とルビィちゃんでやっ痛った」

 

見ると曜の左手親指から血が出ていた、すぐさま曜は血をなめてふき取ったがまだ少し血がでている。

 

「曜ちょっと見せてみろ」

 

そういって俺は曜の左手をつかみハンカチを出して親指についていた唾液をふき取りいつも常備しているポケットサイズの救急箱から絆創膏を取り出し傷口に張った。

 

「これで大丈夫だ」

 

「あ、ありがとう和沙君、ハンカチ貸して私が洗っておくよ唾液とか血とかいろいろついちゃってるから」

 

「別にいいよそれにあのまま放っておいて傷にでもなったら大変だし」

 

なぜか曜は顔を紅くして外にでていった。

 

「なあルビィなんで曜はいきなり外に出て行ったんだ?」

 

「お兄ちゃんはたまに無自覚でやってるけど女の子からしたら結構な一大イベントみたいなのの一つだよ」

 

「たったあれだけのことで?」

 

「そうたったあれだけのことで変わるんだよ」

 

俺からしたら女心はわからない、ましてや善意でやったのに曜からしたら一大イベントらしい、だめだ全くわからん。とりあえず残された俺とルビィは残った衣装をチクチク縫って曜が戻ってくる頃には全体の7割を終わらせていた。

 

そのあと衣装は完成し作曲も終了しあとはダンスの練習だけになった、全体的に激しい動きはなく途中で止まるなんてことはなく振り付けを難なく覚えていった。

 

そして本番当日、夜が明ける前に全員で集合して最終確認を行った。浦の星の校舎で千歌達のダンスの撮影は俺がやり三津浜からのスカイランタンの撮影は志満さんに任せることにした。

 

「みんな着替え終わったか」

 

「うん大丈夫、和沙君一緒にいつものやろうよ」

 

千歌に言われて俺も右手を出し

 

『『Aqoursサ~ンシャイン』』

 

そして彼女たちの歌が始まった。

 

 

 

 

 

 

ダンスも歌も問題ない、撮影の方も何事もなく終了しそのデータをもらって家い帰って編集しようと思った矢先に千歌に呼び止められた

 

「和沙君これから予定ある?」

 

「あると言えばある」

 

「どんな?」

 

「早く家に帰って今日の動画の編集をしてサイトに乗せなくちゃいけない」

 

「え~いいじゃん明日やれば」

 

「明日ねえ……わかったよ、でどうせ打ち上げみたいなのやろうってことだろ」

 

「あったりー後で場所は送るから遅れないでね」

 

そのまま走って行ってしまった、俺もそのままバスに乗りいったん家に帰り編集しながら明日のことを考えていた。明日の理事長会議は「プラザヴェルデ」で行われる予想される場所をあらかじめ出しておいてそこにみんなをあらかじめ配置しておけば不測の事態ということにはならなくて済むとは思う。

そんなとき携帯が震え確認すると千歌からで場所と時間が記されていた、時計と合わせると集合時間まであと10分もなかった、しれっと俺のこと忘れていたなとそんなことを思いつつ急いでしたくをして沼津駅に向かった

 

 

 

 

 

 




どうにか年内に投稿できました。
一向に終わりが見えませんが今後もよろしくお願いします

来年からは受験生になるのでこれ以上の投稿ペースが下がると思いますがどうか末永くお付き合いください。

それでは少し早いですが皆さんよいお年をお迎えください。


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22話 信用されているのかそれとも……

焼き土下座で済むのかわからないくらいの期間が開いてしまいました、でも皆さんの優しい心できっと許してくれると思っています。



 急に呼び出され集合場所に行くとすでにみんなが集合していた。

 

「遅いよ和沙君もうちょっと早く来てよ」

 

「お前が言えたものじゃないだろ、10分前に集合場所送ってくるな」

 

「和沙君の家案外沼津駅に近いじゃんだから大丈夫でしょ」

 

 なんだろうかこのもてあそばれている感覚、昔にもこんなようなことを味わったような、いやそんなことはないだろう千歌と会ってまだ3か月しかたってないんだから。

 

「どうすんだこの後の予定は」

 

「う~ん、とりあえず遊ぶ今日は遊ぶぞ~」

 

 とは言ったもののどこに行くかすら決めてないのに何をして遊ぶって言ったらゲームセンターだよって行く場所はそこしかないのか。

 

「やっぱりげーむせんたーは広いずら~そして未来ずら~」

 

「花丸ちゃんこの前も同じこと言ってたよね」

 

「ねえねえまずみんなであれ撮ろうよ」

 

 と千歌が指を指していたのはプリクラだった、俺も男友達と何回かとったことはあるけど女子となんて初めてだな。

 

「いいんじゃないか、記念に残るしな」

 

「とりあえず中に入ってから決めよう」

 

 千歌に言われて筐体の中に入るとやっぱり狭かった、入れて6人が限度のような感じがしたがそこは何とかして7人がちょっと強引に入った。

 写真を撮りプリクラが出てきて写真を分けていると11時を告げるアナウンスが入っていた。

 

「はい和沙君の分」

 

「ありがとう、でこれからどうすんだみんなどこか行きたいところとかないのか?」

 

「洋服屋」と曜

「本屋」と花丸ちゃん

「アイドルショップ」と千歌とルビィ

「別にどこでも」と善子と梨子

 

 これじゃあ何も決まらないじゃないか。

 

「じゃあとりあえず早いけど昼にするかどうせ混んでちゃ何もできないし、で昼を食べ終わったら行きたい場所に行くってことでどうだ」

 

「うん、まあお昼には早いけど確かにちょうどいいかもね時間的にも」

 

 とりあえずフードコートに行ってそれぞれが食べたいものを買ってきてる間また俺は席の確保をしていた。また席の確保をさせられると思い出す、前回はダイヤ姉がいたから助かったけど今回はあまり頼れる人がいないからこそ自分がちゃんとしなくちゃいけない。

 みんなが徐々にもどってきてそれぞれ思い思いのお昼を買ってきていた、最初に戻ってきた善子と梨子に取り合えず席を任せて俺もお昼を買いに行くことにした。

それにしてもたくさん飲食店があるもんだな、どれにするか迷うくらいあるぞ、しかしみんな行ってる間に決めといて正解だった俺はそのまま某ハンバーガーショップに向かっていった、 あらかじめ決めておいた物を注文し商品を受け取るとみんなの元へ戻っていった。

 

「お帰り和沙君案外早かったね」

 

「待ってる間にあらかじめ決めておいたから、あまり時間かからずに買ってこれたんだよ」

 

 そうなんだと言いながら曜は俺の買ったセットについてくるポテトを一本取っていった、するとそれ千歌が狙ってたやつ~とか言ってるしまあ別にいいんだけど。

 

「この後どうするんだ、さっき行くところの案を出し合ったろ」

 

「とりあえずみんな行きたいところがバラバラだったから二人一組で移動することにしたの、ちなみに千歌とルビィちゃんはアイドルショップ、曜ちゃんと善子ちゃんは洋服屋、花丸ちゃんと梨子ちゃんは本屋って感じに分かれてるよ」

 

「俺はどこに含まれるんだ?」

 

「和沙君はどこでもいいよ、自由に見ててもいいし誰かと一緒についていくのもいいよ」

 

 まただ、このもてあそばれているこの感覚、昔にこんなのを永遠と味わったような気がする。でも俺の記憶の中に一切ないしかし感覚だけがある一体いつ俺はこの感覚を味わったのか。だめだわからない。

 そんな雑念のような部分を頭の中から消した。

 

「じゃあ俺は少し自由に回ってようかな、行きたいところがあるし」

 

「わかった何かあったら連絡してね」

 

 みんなはそれぞれ行きたいところに散らばっていった、そしてさっきから後ろを付けてきているやつがいることに気づき避難階段の方に行った。

 

「さっきからついてきてるけど何が目的だ」

 

そういうと男は不適な笑みを浮かべ

 

「いえ単なる身辺調査ですよ、しかし今後われらに歯向かうのならば……その先はお分かりのはず」

 

「でも逆にそっちから仕掛けるならコッチは正当防衛で返しますからね」

 

 そういうと男は姿を消した。

 さっきの言葉が本当ならば今後は一段と敵に対して注意を払った方がよくなるな。

 そんな思いを持ちながら俺も見せを回って見ていくことにした、さっき行きたいところがあるといったがそれはさっきの奴と話すためであり別にこれといったみたい場所がないのだ。

 ショッピングモールの全体図を見ながらどこに行こうか悩んでると曜が一人でさまよっていた。

 

「どうしたんだ曜、一緒にいた善子はどうした?」

 

「和沙君、善子ちゃん見てない? さっきから行方不明で携帯にかけても繋がらないんだよね」

 

「そうなのか、善子が行きそうなところは行ってみたのか?」

 

「うん、一応全部行って店員さんに聞いてみたけどどのお店も来てないらしいんだよね」

 

 見るからないなら仕方ない、人の多いところでは使いたくないが曹灰眼を発動した。

 人が多いとその分集中して探さないといけない、その分体力や気力が持っていかれる。

 そして何とか人混みの中から善子を見つけ出した、善子は別のグループと一緒に歩いている男女混合で計7人男が5女が2といったどこにでもいそうなグループと一緒にいた。

 

「いたぞ曜、善子は今ここにはいない、あいつは今屋外にいる、なんか別の友達と一緒にいるけど曜は何か知っているか?」

 

「ううん何も聞いてないよ」

 

 すると携帯が震えた確認するとAqoursのグループチャットだった。そこには善子から「いyだ」と送られてきていた。

 スマホになれている善子がタイプミスをするとは思えない、しかもこの文はきっと「いやだ」という言葉を打とうとしたがそんな余裕がない状態でタイプミスが起きたということにる。

 そう考えるとさっき俺が曹灰眼で見たのは誰かに連れていかれる最中ということか。

 

「曜、お前はみんなと合流して早く家に帰れ」

 

「どうして、私も一緒に善子ちゃんのところに行っちゃだめなの」

 

「だめだ、いま善子がいる場所は危なすぎる」

 

「じゃあいま善子ちゃんがいる場所くらいは教えてよ」

 

 俺は仕方なく曜に善子の場所を教えて善子のいる場所に向かって全速力で向かった。

 

~千歌視点~

 善子ちゃんのタイプミスの後に曜ちゃんからラインが来ていたそれはみんなを集めてほしいって書いてあった。

 

「どうしたのいきなりみんなを集めて」

 

「落ち着いて聞いてね……善子ちゃんが誰かに連れてかれた」

 

「一体どこに連れいかれたの」

 

「和沙君はここって言ってたけど」

 

 曜ちゃんのスマホを見るとそこはあまり人が行かなさそうな場所が表示されていた、確かにここなら人を連れて行ってもそこまで怪しまれることなくいろいろなことができるだろう。

 

「で曜ちゃんは何をしたいの?まさかここに行って善子ちゃんを助けるとか言わないよね」

 

 曜ちゃんは何も言わない、図星だったみたい

 

「曜ちゃんが行っても状況が変わるとは思えないし和沙君のことだから「早く家に帰って」とか言ったんじゃない?」

 

「確かにそういってたけどやっぱり私…善子ちゃんのことが……」

 

「大丈夫善子ちゃんは必ず帰ってくるからいまは和沙君に任せて家に帰ろう」

 

「……うん」

 

 みんなそれぞれ家の方向に向かっていったけどやっぱり曜ちゃんのことが気になって曜ちゃんの家に行っちゃった。

 インターホンを鳴らすと曜ちゃんが出てきた。

 

「どうしたの千歌ちゃん」

 

「曜ちゃんはやっぱり善子ちゃんのことが心配なんだよね?」

 

 曜ちゃんがコクリ、頷く。

 

「じゃあ今からでも遅くないよ、善子ちゃんと和沙君のところに行こう」

 

「え?でもさっき私たちが行っても変わらないって」

 

「曜ちゃんは善子ちゃんのことを助けたいんでしょだったら行かなくちゃ」

 

 私は曜ちゃんの手を取って和沙君のいる場所に走り出した。

 

~善子視点~

 曜さんと一緒に洋服を見ている途中で少しトイレに行ってきた、その出口で奴らは待っていた。

 

「あれ?お前善子じゃね?」

 

「お前こんなところで何やってんだ?」

 

「今からちょっと付き合えよ」

 

 寄りにもよって一番会いたくないやつらと出会ってしまった。

 中学のころに散々私の堕天使をバカにして挙句の果てにはカツアゲまでするひどい奴らのせいで私は不登校になってしまった。

 どうせまたお金を取られるのだろう、今日のためにママから1万円貰ったのにこいつらに使われるなんて全くついてないわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~和沙視点~

 曹灰眼を発動しながら走り続けて善子のがいる場所にたどり着いた。

 扉の前に立ち再度曹灰眼を発動し敵の位置と善子の位置を把握する、大体の把握ができたので扉を開けて奴らがいるところに入っていく。

 

「大丈夫か善子」

 

「誰だ貴様」

 

「まず礼儀として自分から名乗るのが正しいんだよ」

 

「誰だか知らねえが邪魔するなら消えてもらうぞ」

 

 そういって相手は殴りかかってきた、部屋の中には約15人ほどいるが問題なく倒せるだろう。途中後ろからつかまれたりもしたが簡単に切り抜けられた。善子の安全を最優先に確保しながら残りの雑魚連中を倒していった。

 あと残り5人くらいになったところでまた人が増えた、しかし、5人の中によく知っている人がいた。

 

「千歌、曜どうしてここに…」

 

早く帰れって言ったのに……やっぱり俺はそんなに信頼のない男だったのか。

 

和沙君は何も悪くない私が曜ちゃんを連れてきたから、だから和沙君は何も悪くないよ

 

 千歌が何か言ってることは気づいたが何を言ってるのかまではわからなった、その時自分の身体が誰かに乗っ取られる感じがした。

 

~千歌視点~

 

 和沙君に声をかけてみたけど何も反応がない、そんな時和沙君が一気に脱力したと思ったら和沙君の気配が一気に変わっていた、黒くて怖いオーラが和沙君からでていた。

 

「ふぃ~久々に出てこれたぜ、この前はルビィに邪魔されちまったからな今回はたっぷり暴れてやるぜ」

 

 ルビィちゃんに邪魔された? もしかしてもう一人の和沙君がでてきたってこと?

 

「たしかお前らは高海と渡辺だったよな?そこを動くなよ動いたら一緒にお前らも殺すからな」

 

 一瞬で背筋が凍りつく感じがした、となりにいた曜ちゃんも微動だに固まっている。

 どんどん和沙君が人を殴っていく、何回か和沙君に助けられたことがあったけどその時は必ず和沙君は峰打ちのような相手を確実に倒そうとしてはいなかったけど今の和沙君は違う、力任せにみぞおちを狙ったり顔面を狙ったりしていていつもより荒々しい。

 周りの敵をあらかたやっつけた和沙君は私たちの方にやってきて後ろにいる私を捕まえていた男を睨みつけて私と曜ちゃんは自由になった。

 

「ありがとう和沙君、でもごめんね『来るな』って言われたのにきて、そのせいで逆に私たちが巻き込まれる形になっちゃって」

 

「気にするなコッチとしてはこっちに出れるのは滅多にないことじゃないから毎日何かやらかしてくれてもいいんだぜ」

 

「どうやって和沙君?はこっちに来たの?」

 

 曜ちゃんも今の和沙君に興味があるみたい。

 

「どうやって…まずは高海が言った『もうちょっと早く来てよ』だな、あとはさっきお前らがきたことで本体の方がダメージを受けたぽくてな、それで弱った心に俺が入ってきたわけ」

 

「じゃあ今は本当の和沙君はどうしてるの?」

 

「今頃あいつは寝てるかもな、俺も出てこない間はそんな感じだったし」

 

「そうなんだ……じゃあこうすれば和沙君は帰ってくるんだよね」

 

 こうなったらこれはほぼ最終手段のような感じだった、しかも千歌はまだファーストキスすらしたことなかったのに和沙君を助けるために千歌のファーストキスあげちゃった。

徐々に和沙君から黒いオーラみたいのが抜けて行って元の和沙君になっていった。

 

「…ごめん千歌、曜、善子……俺のせいで……俺が弱いばっかりに…」

 

「和沙君は何も悪くないよ、悪いのは全部千歌なんだから」

 

「まあまあ、そんな自分を責めてもよくないし、これからのことを考えていこうよ」

 

 こんな時でも曜ちゃんは明るく振舞ってくれている。

 

「そうだな、とりあえずどっか甘いものでも食べるか?」

 

 3人は勢いよく頷いた。




今回の話でいったん小説から離れます
それは自分が受験の方に集中したいからです、当方推薦入試で行こうと考えているので年明け前には再開できるかと思いますが今回のことがある以上次回はいつになるかわかりませんが次回もよろしくお願いいたします。


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23話 TOKYO

無事受験に合格しました!

なんとか年内に投稿は出来ました。まだまだ完結には程遠いです。

それではどうぞ



昨日の事件を部活の朝練で説明し本日の授業を受けて時間は放課後になっていた。

 

「わぁ、すごいですよ、この間撮影した『夜空を夢で照らしたい』の動画が五万再生もいってますよ」

 

今のご時世一万再生行けばいい方なのにそれ以上の五万回も再生されるなんてそれはそれですごいな。

するとルビィが使っていたパソコンに一通のメールが来た。

 

「東京スクールアイドルワールド運営委員会? …東京!?」

 

確か新人のスクールアイドルの発掘を行ってる会社だったかな。しかし、東京か…素直に喜べないな。

 

「じゃあ、今日帰ったらみんな家の人に東京に行ってもいいか聞いてきてね、そのためにもまずは練習だよ」

 

いつも通りの練習が始まった、みんな東京に行きたい思いでいつもより練習に切れがある気がするな。

 

練習を終えてみんなが帰った後に淡島に行き姉さんに許可をもらわないといけないかな。

ホテルの最上階に行ってみるとそこでは何やら話し声がしていた。

 

「いいんですの、東京に今のAqoursを行かせるのがどういうことかわかっているのか?」

 

これはきっとダイヤ姉の声だ

 

「乗り越えられなかった壁を、今のAqoursなら乗り越えてくれると期待しているんじゃない?」

 

越えられなかった? 一体何のことだ、ドアの前にずっといるのもあれなのでとりあえずノックをして中に入ることにした。

 

「姉さん、俺だけど入るよ」

 

部屋の中にはやはりダイヤ姉がいた。何やら険しい顔をしていた。

 

「二人で何の話をしていたの?」

 

「ダイヤがねAqoursを東京に行かせたくないって言ってるのよ」

 

「なんでダイヤ姉は俺らを東京に行かせたくないの?」

 

さっきよりもいっそう顔が険しくなった。

 

「和沙さんは…心配とかはないんですか? 会場の雰囲気に圧倒されて歌えないとかそのようなことを考えたりしないのですか?」

 

「確かにあるかもしれない、でも歌えなかったらその問題を解決するためにまた努力をすればいいと思うけど」

 

「そうですか、確かにそのような考え方もありですわね」

 

「そういえば和沙ここに来たのは何か要件があったからでしょ?」

 

「再来週の東京スクールアイドルワールドの参加を許可してほしくて、交通費なんかは最悪実費で行くから参加の許可をだしてくれないかな」

 

すると姉さんは何も言わず

 

「いいわよ、東京でも頑張ってきなさい」

 

と言ってくれた、早速帰りながらみんなにメッセージを送った。

 

東京で発表するために俺らは頑張って練習を重ねよりよいものを仕上げた、そして東京スクールアイドルワールドの前日から東京に行くことにした。

 

内浦組と沼津組で分かれており、千歌や梨子は十千万のマイクロバスで沼津駅に来るらしい。

その間は曜と俺で沼津駅前で待っていると顔面白色のまさに道化師のような姿をした人がいた、間違いなく善子だろう。

 

「一体何をやってるだ善子」

 

「これは新たなリトルデーモンを待っているのです」

 

「もうそろそろ千歌達が来るからその化粧を落としておけよ」

 

そうしてるうちに千歌達が乗った十千万のバスも到着し、俺を含めた7人が全員沼津駅にそろった。

さらにそこには千歌の友達であるむっちゃん達がいた。

 

「浦女の凄さを魅せてやって!」

 

と言われ、さらに袋一杯に詰め込まれたのっぽパンを渡された。

これはプレッシャーになると思ったがその逆だった。

俺らはそのまま見送られながら沼津駅の中に入っていった。

道中はみんな右往左往しており熱海駅の乗り換えの時も1番ホームに行って伊東方面に行こうとしたりしており、東京に行っても大丈夫か不安になってきた。

かれこれ2時間ほど電車に揺られようやく秋葉原に到着したがみんなどこか田舎者っぽく見えてしまう。

しかも、蜘蛛の子を散らすようにみんなどこかに行ってしまった、大体みんなの行くところの予想はつくが沼津よりも人が多いから変な人に会わなければいいけど…

そして結果的に残ったのは俺と梨子だけだった。

 

「これからどうする? みんなどこかに行っちゃったわけだけど」

 

「そうね…」

 

と悩んでいたんでいた梨子だが何かを見つけどこかへ行ってしまった。

結局一人になった俺は『16時に秋葉原駅前集合』とメッセージを打っておいた。

結局秋葉原の町をぶらぶら歩くことにした。秋葉原は少し歩くだけでいろいろな場所に行けるからそこが都心のいいところだと俺は思っている。

その前に穂むらによってお土産を買っていくことにした。扉を開けると元気のいい「いらっしゃいませ」が聞こえてきた。

 

「あ、お久しぶりです、和沙さん」

 

今日の店番をしていたのは妹の雪穂ちゃんだった。

 

「こんにちは、穂乃果さんいる?」

 

「お姉ちゃんなら3時から店番が入っているからいますよ、お姉ちゃんー和沙さん来てるよ~」

 

雪穂ちゃんが叫ぶとドタドタと階段を階段を下りる音が聞こえてきた。

 

「やっほ~和沙君久しぶり」

 

「久しぶりです、穂乃果さん…さてここからはお金の話をしましょうよ」

 

「ななななんの話かな」

 

ものすごく動揺してるし、自分の借りたお金のことくらい覚えていてほしいものだ。

 

「覚えてますか、俺の引っ越しが近かった時に5000円貸してほしいって言ってきたじゃないですか」

 

「うう、わかったよ今取ってくるからちょっと待っててね」

 

どうにか東京にいる間にはお金に困ることはなさそうだ。

 

「あ、そうだ雪穂ちゃん『穂むらまんじゅう』14個もらえる?」

 

「いいですよ、お土産ですか?」

 

「まあそんな感じかな」

 

そんな話をしながら雪穂ちゃんはケースの中から穂むらまんじゅうを取り出し箱に詰めていってくれた。

お金を払い終わったところで丁度穂乃果さんが降りてきた。

 

「はい、借りてた5000円、ありがとうございました」

 

「確かに受け取りました、だけどまだ借りてた分があることを忘れないでくださいね」

 

ふと時計を見ると集合予定の時間になりかけていた。

 

「じゃあ俺はこれで、まだやることがあるので」

 

「じゃあね、和沙君。今度はちゃんと海未ちゃんのところに行ってあげてね結構心配してるから」

 

俺は手を振ってほむらを出ていった。

何とか秋葉原駅前に到着しみんなを待っていると最初に来たのは一年生たちだった、そのあとに続くように来たのが千歌と曜だった。そして最後に梨子がきて全員集合した。

 

「ねえ今から、明日の成功を祈願しに神田明神にいかない?」

 

みんなまだ体力は残っているらしく元気よく頷いた。

 

秋葉原の駅前から神田明神までは約7分ほど歩くと神田明神名物の男坂が姿を現した。あの伝説のμ'sの練習場でもある。その階段を上がると本殿が見えてくる。上った先に誰か二人組がいた、すごく歌声が綺麗だ。

 

「こんにちはAqoursの皆さんですよね?」

 

「活躍は聞いています、今回のイベント参加されるそうですね、一緒に頑張りましょう」

 

しかし、どこかで見たことがあるような気がするのだけど一体どこであったんだ。

 

去り際に背の小さい女の子がいきなり走ってきて俺たちの手前でアクロバティックな演技を見せてくれた、正直俺もできるかわからないくらいだ。

 

そのあとは宿にチェックインをして夕飯を食べた。さすが老舗の旅館だけあってサービスもよかった。

 

「そういえば、旅館の人に聞いたんだけ、どこの近くに音ノ木坂学院があるんだって、今からでも行ってみない、みんなで!」

 

「私はいいかな…」

 

「俺も梨子と一緒で反対だな、明日だって早いのに早く寝なきゃだめだろ」

 

「やっぱり寝よっか」

 

それからはみんなそれぞれ布団を引いて寝るはずだった…

なぜかみんな俺の隣がいいと言い出し最終的にはじゃんけんで俺の隣を決めることになったらしい。

 

結果、俺は梨子とルビィに挟まれて眠ることになった。そして俺からみて右斜め前が曜、正面

がマル、左斜め前が千歌そして一番遠いのが善子という結果になった。果たして今日は寝られるのか…

 

~梨子~

運よくじゃんけんで和沙君の隣になれた、別になりたくてなったわけじゃないし、ただじゃんけんの運がよかっただけかな。

 

 

深夜3時くらい不意に目が覚めてしまった、もう一回寝ようと目を閉じるが眠気はやってこない、仕方なく起き上がる。ぼやけた視界で月を見ながら周りを起こさないようにそっと動こうとした、そのとき浴衣の足元を捉まれていた、腕の方を見ると和沙君が私の浴衣を引っ張っている、そのため無理に起き上がることもできず座り直し和沙君の横に座った。スヤスヤと眠っているのだろうと思い彼の顔を見ると、彼は(うな)されていた。彼の口からはしきりに「やめて」や「痛い」といった危ない言葉が聞こえてきた、額には汗をかいており目元からは涙が流れており筋を引いて涙が出ていた。また涙が落ちそうだったので、人差し指で拭ってあげようとしたとき彼はいきなり起き上がった。

 

~和沙~

またこの夢だ、しかし今回はまた別みたいだ。どこかのお店だろうか、喫茶店のような雰囲気がある、その片隅で俺は殴られていた。

 

「おらぁ、和沙ぁ早くあの状態になれよ、お前に身の危険が迫ってるんだぞ!!」

 

そういいながら彼女不適な笑みを浮かべながら仕切りに僕を殴ってくる、しかも狙うのは服で隠れる上半身、主に腹部を中心に殴っている、周りにはそれをみて楽しんでいる女子も4人ほどいる、しかしまた別の一人は楽しんではおらず泣いていた。どこか教科書で見たことあるような大正時代の恰好をした同い年くらいの女の子だ、途中殴られるのが終わったと思ったらメンバーチェンジだった。しかもさっき泣いていた子が俺のことを殴っている。しかし彼女はなんども「ごめんなさい、ごめんなさい」と言いながら僕を殴っていた、そして彼女の一発がみぞおちに入りそこで夢は終わった。

 

布団を跳ねのけながら、ガバッと起き上がった、その時「ひゃあ」という声が聞こえた。

周りを見ると梨子が起きていた、眠れなかったのかそれともトイレにも起きたのか真偽は不明だ。

 

「和沙君大丈夫? 相当(うな)されていたけど」

 

「…あ、う、うん大丈夫ちょっとお化けに追いかけられてただけだだから」

 

ありきたりな嘘をついてその場を乗り切った、しかしこれから寝ようにも浴衣は汗でべっとりしており、このまま寝ては風邪をひきそうだと思いカバンの中から半袖と短パンを取り出し着替えた。もう一回布団に入るが眠れる気がしないため、梨子が座っていた出窓の反対側に座った。

 

「和沙君も眠れないの?」

 

「寝たらまたお化けに追いかれらそうだし」

 

「じゃあ私と一緒に寝たらお化けに追いかけられることは無くなるかもよ」

 

今のを解釈すると『一緒に寝よう』ってことになるのでは、もしそうだとしたら梨子が一緒に寝ることの利点はなんだ? いやとりあえず断っておこう。

 

「いや遠慮しておくよ、朝起きたときにみんなに何言われるかわからないからな」

 

それぞれ自分の布団に入って眠った。時間は三時二四分だった。

 

 

 

 

 

朝起きると千歌がいないということで旅館内を探していると走りに行ったという情報をもらった。

俺らも一緒に探しながら朝のランニングをすることにした。神田明神など千歌の行きそうな場所を周りながら最後の場所である秋葉原UTXの巨大モニターの前にいた。

 

「おーい千歌~やっぱりここだったか」

 

「練習行くなら一言声をかけていってよね」

 

するとモニターから大音量の音楽が流れてきた、そしてモニターには

 

LOVE LIVE school idol project

 

と書かれており今年のラブライブのエントリー受付の開始を表していた。

 

「参加するのか?」

 

「もちろん参加して学校の知名度を上げて廃校を阻止するんだよ」

 

千歌が参加を表明したことでこの後のライブのやる気も上がっていった。

一度旅館に戻り荷造りをして千歌達は会場に向かっていった、今回の順位の決定は審査員がいるらしくその人達の持ち点によって決まるらしい。千歌達なら上位に食い込むこともできるだろう。待機部屋まで行こうとしたがさすがにそれはまずいと思ってやめた。

その間俺は師匠のもとに行くことにした。時より連絡が来て返信するようなことはあるが面と向かって話すのは3か月ぶりくらいになりそうだ。

千歌達が会場の中に入っていくのを確認して俺は師匠の元へと向かった。

 




皆さんお久しぶりです、前書きでも書いた通り受験に合格しました。
と言いながらこれでもN大とT大に落ちて、そのあとに指定校推薦をもらってその大学から合格をもらいました。

名前が変わって「佐々坊」になりました。ツイッターと一緒の名前の方がいいだろうと思い名前を変えた次第です。

今回は千歌達が東京に行って惨敗してくるところですね(言い方があれですけど)
話の途中で和沙を殴っていた人は…察しの良い方は気づきましたか?、若干行き当たりばったりで書いているもので最終的にはどうなるか作者自身も不明です。

次回は年末年始のあたりを予定しています。


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24話 東京スクールアイドルワールド

お待たせしました

かれこれ三か月ぶりの投稿です。

それではどうぞ



千歌達と別れて俺は師匠の元へ向かった。

最期にパーティーを開いてもらった以来忙しいのもあったが師匠に会ってない。

師匠の道場は家の庭にあり多くの生徒を抱えている、そのためいろいろな生徒がやってきて師匠から技を教えてもらってる。

道場の前につくとやはり懐かしさを感じるところがある、俺は道場のチャイムを鳴らした。

 

「はい、どちら様でしょうか」

 

「お久しぶりです、和沙です」

 

プツッという音が聞こえるとドタドタという足音が聞こえて目の前のドアが勢いよく開いた。

 

「和沙なのですね、本当に和沙なのですね」

 

「そうですよ師匠、本当にお久しぶりです」

 

「いつ頃まで東京にいる予定ですか?」

 

「14時頃には、東京スクールアイドルワールドが終わるので、それに合わせて千歌達と合流する約束しているのであまりゆっくりはできないですね」

 

「東京スクールアイドルワールド…たしか私たちがやめてからできた団体ですよね」

 

「そうです、今回のスクールアイドルワールドに呼ばれているのでそれにAqoursが参加しているんです」

 

「本人たちの近くにいなくて良いのですか」

 

「流石に控室に入ったら自分はもうだめですから」

 

この一言で師匠は納得してくれた、そのあと道場の方に案内された。

 

「和沙、久々に私と戦いませんか、多少実践を積んだから強くはなっているでしょう」

 

そう言われ渡された竹刀を握った。

竹刀を握り神経を集中させる。そして、自分は右手と右足を前に出し重心を低くする型を取った。言ってしまえば居合と同じ形だ。この型の初撃は斜め下からの攻撃で武器を弾ことが目的だ。一方師匠は何も型を取らない人で最初は棒立ちのことが多い。しかし、隙があるように見えて全く隙が無いのが師匠の型の凄いところだ。自分も一度師匠と同じ型でやってみたがすぐに負けてしまったことがある。

園田流は主に決まった型は無く長年かけて自分に合った型を身に着ける、しかし大体は師匠の型を真似するのが多くなる。他の生徒はそれぞれの師匠の型を真似していく。

 

それぞれ距離を取る。他に見ている人はいないので自分たちで目配せをしながら始める。師匠と目が合って頷いたところで試合を始めた。

 

初撃はやはり左下からの攻撃になる、しかし師匠にはこの手は見極められているからこの攻撃自体はフェイクで前に進みながら左右にステップを踏み右足でステップを踏んだ時に相手の懐に入り、あばら骨の間に沿うように竹刀を入れる、実践とは少し違うからいつものような攻撃をする訳にはいかない。

やはり、一筋縄ではいかず直ぐに止められてしまう。人間は基本的に大きな動作をするときは一度力を貯めなくてはいけないためある程度の動きが予測できたが師匠は予備動作がないからどこから攻撃が飛んでくるかわからない。師匠の初撃は俺の攻撃を見越してか攻撃ではなく防御一択だった。俺の攻撃を的確に予測し竹刀を構えていた。

 

「今度は私から行きますよ」

 

師匠は中段から切り込み一度俺の竹刀を弾いて上段からの打ち込みの攻撃をしてきた、2度3度と何回も攻撃をしてくるため少し体制を崩してしまった、その隙をみて師匠が詰め寄ってきて喉仏に竹刀の先を当てられ降参した。久々に師匠と戦ったのに直ぐに負けてしまった。なんとも言えない感情が自分の胸の中に残った。

 

「最初の判断はよかったですよ、ステップで錯乱するのも手ですが和沙もこの際予備動作なしの攻撃方法を覚えてみてはどうですか」

 

「そうですね、確かに戦略の幅が広がるのでやってみます、最終的にはスピリチュアルモードで何とかしそうですけどね」

 

と談笑交じりに話す、しかし心の中は悔しさとはまた別の感情が残っていた。

ふと時計を見ると14時を指していた。

 

「ごめんなさい師匠、もうそろそろ待ち合わせの時間なのでお暇します」

 

「そうですか、また来てくださいいつでも待ってますよ」

 

千歌達と待ち合わせの場所に指定したのは東京タワーの展望デッキだった、千歌によると『沼津でこんなに高い建物ないし、そういう場所に行ってみたい』ということで集合場所が東京タワーの展望デッキになったのだ。

 

東京タワーに向かう途中の小さな路地に入った、その時目に入ったのは本紫色の髪をサイドテールに結わいた女の子が男たちに脅されているように見えた。どこかで見たことあると思ったら昨日神田明神で出会った子だった。助けない理由はないがどこか引っかかるんだよなこの人、昔に出会っているような気がする。神田明神で出会ったのが初対面だったはずなのに。

何はともあれ助けないといけないよね。

 

「おーい、大丈夫?」

 

声をかけると視線は自分の方に一気に向いてきた。

 

「なんだあてめえは」

 

「僕はそこにいる人の弟です、姉が何かしましたか」

 

そういいながら本紫色の髪色をした姉(仮)に近づいていく。

 

「そうなんだよ、君のお姉さんとぶつかってね骨が折れちゃったみたいなんだよ」

 

また別の男が出てくる。

 

「それでお姉さんから慰謝料貰おうと思ったんだけど持ってないみたいなんだよね」

 

「じゃあ姉さんの分の慰謝料は自分が払いますよ、いくらですか」

 

「う~ん通院代も含めて10万円くらい貰おうかな」

 

知っている、大抵こういう奴らは慰謝料をもらってさらにお金をたかってきたりする連中だということくらい。

しかしながら、現状ではこうやってお金を払うのが得策としか言えない。

俺は財布から10万円を出して相手に見せる。多少驚いた様子を見せながらもリーダー格の男が受け取りにやってくるが同時に周りを取り囲まれた。確かに高校生の財布から10万円が出てくればゆすってもう少し貰おうという考えになるよね。

 

「これで姉のこと許してもらえますか」

 

「そうだね、確かにこれだけあれば問題ないねっ」

 

と言いながら顔面を殴られた。案外強く殴られたみたいで口の中から血の味がする、さっきので口の中を切ったのだろう。

 

「ちょ、ちょっと放して、なんで! あの子はちゃんと言われた通り払ったじゃないですか」

 

「別にお金を払ったからと言って君たちを自由にするとは一言も言ってないよね」

 

どうにか地面から起き上がって周りを確認するとさっきとは違う状況になっており、姉さん(仮)は男たちに捕まっていた。

 

「姉さんを…放してください」

 

「放すかよガキ、こんなに弱い弟でさぞかしお姉さんも残念だろうな、ハハハ。お前たち後はうまくやっとけよ」

 

リーダー格の男が指示をすると自分の周りを囲ってきた。数はおよそ10人。

 

「お前らそこをどけえ」

 

威嚇のように大きな声を出す、それと同時に身体の中心に熱いものが集まってくる感じがした。いつものヒステリアモードとは違う、表現は出来ないが姉さん(仮)を奪ったやつが憎い。そんな中こんな言葉が頭の中を巡っていた。

 

――奪い返せ……!

 

身体の至るところから聞こえてくる。

 

「姉さんを放せ」

 

言葉は発せるが身体がいうことを聞かない、フラフラと歩きながら姉さん(仮)に近づく。その間さっき俺を囲んでいたやつらが殴りにかかってくるが、すぐに返り討ちに合わせている。

フラフラ歩きながら姉さん(仮)の元へ行く、ありがたいことに相手は一歩も動いてはいなかった。

 

「放してもらおうか」

 

「ッ……畜生、これで死ね!」

 

相手が出してきたのは一般的な拳銃だった。セミオートで弾数は七発。安価で入りやすい拳銃らしい。放たれた一発をよけながら相手の懐に潜り込み右手で相手の手首を掴み格闘技の応用で拳銃を自分のものにし左手は首をつかんで地面に倒した。

 

「さあ、どうやって死にたい、眉間か? 脳天か? それとも心臓か? 好きな場所を選ばせてやるぜ」 

 

しかしここで人殺しをすると大変なことになってしまう。仕方なく地面に二発撃って相手が気を失ったことを確認して男の上からどいた。

 

「大丈夫? お姉さん」

 

「私は大丈夫ですがあなたは平気なのですか、口元から少し血が出ていますよ」

 

地面に散らばった一万円札を拾いつつ財布に入れた、口元を手の甲で拭うと血がついてきたがほとんど乾いてきているから問題はない。

 

「心配ありがとうございます、演技上手でしたよ」

 

「咄嗟の演技でしたけど何とかなりましたかね、それにしてもなんてお姉ちゃんと呼んだりしたんですか? あそこで見逃していればあなたは痛い思いをしなくてすんだのに」

 

「なんかあなたを見たときに一瞬自分の姉に見えたんですよ、助けを呼びたいけど自分一人で何とかしないといけないと思い、結局ボロボロになるまで一人でやり続けて、そんな姿を何回も見てきたんです」

 

「とても頑張り屋さんのお姉さんなんですね」

 

「ええ、自慢の姉です!」

 

そんなとき携帯に千歌からのメールが入っていた。

 

『和沙君遅い! 私たち電車に乗って別の場所に行ってるから、また移動するときに連絡してね』

 

まあ確かに時間を守ってないこっちも悪いけどそっちから移動していくかよ。

 

「千歌のやつ無理難題を吹っかけてきやがって」

 

「千歌さん……あなたもしかしてAqoursの関係者の方ですか」

 

「ええ、まあ一応」

 

「じゃあ一応覚悟しておいた方がいいですよ」

 

渡された角二封筒に入った紙を開けて中身を見ると今回出場したグループのリストが載っていた。一枚ずつ捲っていくが一向にAqoursの文字が見えてこない、ようやく三ページ目の最後にAqoursの文字見つけた。同時に投票数も載っていたがAqoursの得票数はゼロだった。

嘘だろ、あれだけ練習してみんなで頑張ってきたのにゼロかよ。

 

「確かにAqoursの歌やダンスはとても素晴らしかったです。しかし今回は観客が得点を入れるシステムです、お客さんが感動しなければ得点は入りません。これは先に千歌さんには言っているのですが……やめるなら今が辞め時ですよ」

 

決定的な一言を言われた、千歌に言ったってことはAqours全員が聞いてるだろう。

 

「ごめんなさい、自分ひとりでは決められないので」

 

そういってその場を後にして千歌達のもとに向かった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

遅れたことに関してはとても申し訳ないです。

しかし、春からは大学生になって大学に通っているはずですが、コロナの影響でGWまで大学がありません。なので、次の話は多少早くなるんじゃないかな?と考えています。

次回も楽しみに待っていてください。


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25話 心の中に溜まっていたもの

当初はGWに投稿できればと思っていましたがそれは無理でした。

先週から授業が始まり忙しい毎日を送っています。
あまり早く出せないですが今回もお楽しみください。


本紫色の髪のお姉さんと別れてすぐに駅へ向かい千歌達と合流した。

 

「もう和沙君どこでなにしてたの、ちゃんと東京タワー集合っていったじゃん」

 

「ごめんな、師匠のところで話してたら時間が過ぎててさ、これでも結構走ってきたんだぞ」

 

千歌が『ええ~そうなの』と笑いながらに聞いてくる、周りのみんなも笑っているがすぐに顔が曇る。

 

ホームに移動しながらタイミングよく来た沼津行の電車に乗り沼津まで帰ることにした。

乗ってる間は誰も話そうとはしなかった、みなそれぞれ本を読んだり、スマホをいじっていたり、外の景色を眺めてるものもいた。しかし、熱海を過ぎてから俺が痺れを切らし沈んでいる空気に針をさした。

 

「そういや今日の結果はどうだったんだ?」

 

結果自体は知っている、しかし本紫色の髪のお姉さんの言ったことが本当ならリーダーとしてどういう道に進んでいくのかを決めるのも必要なことだ。

 

「う、うん一応よかったよ、みんなちゃんと歌って踊れてたしプレッシャーにも勝っていたよ」

 

「そっか、じゃあ得票数はどうだったんだ、あの大会はお客さんが一位を決めるシステムだろ」

 

言ったとたん千歌の顔が曇った

 

「得票数的にはゼロ票だったよ、でも私は良かったと思う。精一杯やったんだもん。努力して頑張って東京に呼ばれたんだよ。それだけで凄いことだと思うだから胸張っていいと思う、今の私たちの精いっぱいができたんだから」

 

「たしかに頑張って一杯練習して東京のイベントまで呼ばれたことは凄いことだと思う。他の人がみても頑張ったと言えると思うだけど千歌は……お前は悔しくないのか」

 

まるで拍子抜かれたような顔をした千歌から答えを聞こうと思った思ったが電車は沼津駅に到着する旨のアナウンスをしたため俺たちは降車の準備を始めた。

改札を抜けるとクラスメイト達が待っていた。

 

「イベントどうだった、本気でラブライブを狙えそうな感じ?」

 

みんなが待っていた中で最下位だったと言えるはずも無く誤魔化そうとしたとき

 

「お帰りなさい」

 

何度も聞いてきた声がした。

声の主はダイヤ姉だった。ダイヤ姉をみて安心したのかルビィはダイヤ姉の抱き着きながら泣いていた、それを見て周りのクラスメイトも察してくれたらしく沼津駅の前はまた閑散とした空気が広がった。

 

「立ち話もあれですから少し移動しますよ」

 

ダイヤ姉に言われ移動する途中すれ違いざまに紙をもらった。見た目でわかったのは男ということくらいだろう。

 

『ここ数日が狙われる山らしい、理事長とよく連絡を取っておいてください』

 

そのまま財布の中に入れて狩野川まで場所を移動した。

 

改めて一息ついたところで話を始めた。

千歌が今回のイベントの結果も洗いざらい話した。

 

「やっぱりそうなってしまいましたか」

 

もしかして、交通費の申請をしに行ったときに話していたこれか。だからダイヤ姉はこうなることを危惧して俺ら行かせたくなかったのか。

 

「あなたたちがダメだったわけではないのです。スクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれる人を楽しませるのに足りるだけのパフォーマンスもしている。でもそれだけではダメなのです。もうそれだけでは……」

 

 

 

「……7236この数字なにを意味するか分かりますか?去年、最終的にラブライブにエントリーしたスクールアイドルの数ですわ。第1回大会の10倍以上。スクールアイドルは確かに以前から人気がありました。しかしラブライブの大会の開催によって、それは爆発的なものになった」

 

爆発的な人気になり今回のような小さい大会なども多く増えたように思える。

 

「今のAqoursが誰にも支持されなかったのも、仕方ないことなのです」

 

確かに7000以上もグループいれば日の目を浴びないアイドルもいるだろう。しかも活動できる期間は約二年半、中にはそのまま本格的なアイドルに転身するひともいるらしいが大抵二年半でやめていくグループが多い。そして、二年半という期間内に成果を出さなければ周りからは「二年間何をやっていたんだ」と怒られても仕方ないように思えてくる、この世は結果主義、努力の部分も見てくれるのは小学校低学年までと誰かが言っていた。

 

「昔、浦女には既に廃校にしようという案がでていました、それを阻止するために私たちはスクールアイドルを始めました。最初は順調でしたそして大きな大会に呼ばれ浮かれていました『ここで優勝すれば浦女の知名度は格段に上がる』と、しかし歌えなかった。会場の空気に圧倒され歌えずに棄権しました。そんな自分たちに比べて歌えただけあなたたちは立派ですわ」

 

「じゃあダイヤさんがスクールアイドルを拒んでいたのってやっぱりさっきのことが関係あるんですか」

 

曜が質問していく。

 

「そうですわ、私たちと同じような結果になるのではないかと思っていましたが少し違ったみたいですね……さ、わたくしから話せることは以上ですわ、早く家に帰って寝ましょう」

 

帰ろうと思ったが最終バスはすでに出発しておりそれぞれの家が車を出すことで帰ることにした。

千歌達のところは黒澤家が車を出し、沼津駅付近はじーやが車をだすことになった。

自分も家に帰ったが眠れない夜を過ごしていた。そこでみんなに一つあることを聞いてみることにした。

 

『あなたは自分で決めてAqoursに入りましたか?』

 

そしたらみんな予想通りの回答が返ってきた。俺も含めたAqoursは全員自分の意志で入ったということが確認された。どうせ千歌のことだから「せっかくスクールアイドルをやってくれたのに……」とか考えてるんだろうな。しかし伝えようにも夜も遅いし……仕方ない直接言って伝えるのが一番か。仕方ないもう一度じーやに車を出してもらうか。

 

『申し訳ないが車を出してくれないか、内浦まで』

 

『家の前でお待ちください、今すぐ向かいます』

 

五分足らずで自宅前に来てくれた。そのまま車の少ない国道414号を南下して十千万旅館まで向かった。車から降りるとそのには何故か梨子がいた。

 

「どうしたんだ梨子何かあったのか」

 

「さっき千歌ちゃんが海の方へ行くのが見えてちょっと気になって外に出てきたの、和沙君はどうしたの?」

 

「夜にメッセージ送っただろ、それの答えを言いに来たんだよ、どうせ千歌のことだから寝てるかなって思ってさ、それより大丈夫なのか千歌は海の方へ入っていたんだろ?」

 

すると血相を変えたように砂浜の方向へ向かって走りだしそのあとを追いかけるようについていった。

 

「千歌ちゃーーーーーん」

 

「どこだーーーー千歌ーーーーー」

 

砂浜に降り呼んでみるが全く返事がない、確かに海の中には音は入りにくいから聞こえてないのか。

舌打ちをしながらも海に飛び込もうとしたその時

 

「ん? 梨子ちゃんに和沙君どうかした?」

 

「全く人騒がせな」

 

「そうよ千歌ちゃん、心配したんだから」

 

「いや~ごめんごめん、海に飛び込んだら何か聞こえてこないかなって思ってさ4月の梨子ちゃんみたいに……でも何も見えなかった、だけど……だからこそ続けてその先を見てみたいと思うの、先にあるものがなんなのか、このまま続けても0なのか1になるのか、10になるのか。ここでやめたら全部わからないままだって」

 

そこで千歌は初めて『悔しい』という言葉を口にした。リーダーが悔しいと口にしたらみんなを悲しませてしまうから自らの口からは言わなかったらしい。

 

「みんなせっかくスクールアイドルをやってくれたのに……」

 

この言葉にはすぐに反応した

 

「千歌それは違うぞみんなお前のためにやってたんじゃない、みんなは自分の意志でAqoursに入ったんだ、梨子も曜も善子も花丸もルビィもその証拠にほら」

 

メッセージの返信を一枚の写真にまとめてスクリーンショットにしたものをみせた。

 

「千歌ちゃ~~ん、梨子ちゃ~~ん、和沙く~~ん」

 

呼ばれた方を見るとなぜかみんなが集まっていた。あとで聞いた話だがあのメッセージを送られてきてみんな居ても立っても居られなくなったみたいで内浦の方まできたらしい。

 

「最初に和沙君から送られてきたときは少し驚いたけど、だからこそ千歌ちゃんが一人で感情を抑えて我慢する必要はないの、感じたことを素直にぶつけて、声に出していいんだよ、だから『みんなで一緒に歩こう』」

 

その言葉を聞くと千歌の目元が少し潤んで、スクールアイドルを始めてからの楽しかったことや大変だったことなんかと一緒溜まっていたものが涙として流れてきたようにも見える。

 

「今から0を100にするのは無理だと思う。でももしかしたら1にすることはできるかも!私も知りたいの」

 

「うん!やろうAqoursはまだまだこれからだよ!」

 

自信と決意に満ち溢れた言葉だった。雲間から覗く太陽の光が新たに出発するAqoursの門出を祝うように降り注いでいる。

 

 

 

 

「ほら千歌ちゃん、和沙君早く早くラブライブで優勝するためにはまずは練習だよ」

 

曜に促されて足を速める、屋上の扉を開けると梅雨も明け本格的な夏の空に近づいてきていることを改めて実感し扉の前で目を細める。

 

「もう~和沙君どいてこれから練習しないといけないんだから」

 

悪い悪いと言いながら道を譲り屋上に出てきた。みんなの顔を見ると自信に満ち溢れた顔になっていた、いろんな困難があったけどそれでも前を向いて立ち向かっていくという思いを改めて感じた。

 

 




お読みいただきありがとうございます。

投稿は遅いですが今後もよろしくお願いします。


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