ガールズ&パンツァー~とあるお人好しとそれに惹かれる少女たちのお話~ (IKUSA)
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第一章~幸せの時間と伝える気持ち(季節:春)~ プロロ—グ

新作を書かせて頂きました!!興味がある方はよろしくお願い致します!!

※1/25 キャラの名前ミスがあったため、一部修正しました。


プロロ—グ「昔の話~私があの人に出会った日~」

 “―――昔、私がまだ小学生の頃の話です。その頃の私は通っていた小学校のクラスに居たクラスカ—ストのトップに居た生徒たちから良く見られていませんでした。そして、そのせいでよく虐められていました。そして、その日も私は虐めっ子に公園で虐められていました。―――”

「お前!ウザいんだよ!!」

「きゃあ!!」

 虐めを行っている連中の1人から勢いよく押された私は、そのまま地面に倒れてしまいました。すると、そんな私を囲むように他の虐めっ子達が集まり出して、罵声を浴びせ始めました。

 (もうやめて……!!)

「た……、助けて……!」

 様々な罵声を浴びせられながら、私は小さな声で助けを求めていました。それはおそらく無意識だったと思います……。誰でも良いから助けて欲しかった、ただそれだけを思いながら口にしていたと思います。すると、虐めっ子の1人が私のお腹を踏みつけようと足を上げていた子の顔に勢いよく何かが命中していました。

「がぁ!」

 その子はそのまま横に吹き飛んで行って、地面に倒れてしまいました。周りの虐めっ子達や勿論、私自身も一体何が起きているのか分かっていない様な表情をとっていると、今度はその隣に立って居た子のおでこに向かって同じように何かが当たって、短い悲鳴を上げながら地面に倒れました。

「うぐッ!!」

「な、何!?誰なの?!」

 やっと我に返った虐めっ子のボスであり、カ—ストのボスの子が辺りを見渡しながら声を荒げていました。すると、私の事を囲んでいた子達が徐々に私から離れて行きました。その中の1人の子の背後にあった花壇の中から手が出てきて、そのままその子を花壇の中に引きずり込んでいました。引きずり込まれた子は悲鳴を上げる前に口を塞がれて、そのまま姿を眩ましてしまいました。

 (な、何が起きているの……?)

 状況が全く理解できていない私に対して、他の虐めっ子達が次々と何処からかの攻撃によって倒れて行っていました。そしてカ—ストのボスの子が辺りを見渡していると、その子の背後から声が聞こえてきた。

「動くな」

「……!!」

 その子が後ろを振り向こうとすると、背後に居る子はその子の頭に何かを突き付けたまま、更に話しかけた。

「振り向くな。そのまま前を見て居ろ」

「あ、アンタ……!!こんな事をしても良いの……?!アタシに手を出したら―――!!」

「黙れ」

 その子が脅すように背後の子に言おうとしていましたが、それを遮るように背後の子は頭に突き付けていた物をその子から逸らすと、その子の足元にそれを向けるとそのまま何かについている引き金を引きました。そう、その子の頭に突き付けていたのは銃だったんです。引き金を引いた事によって大きな音を上げてその子の立って居る場所の隣に銃弾らしい物が当たりました。

「ひぃ!!」

「もう一度だけ言う。今回は“挨拶”としてこれくらいにしておいてやるが……。もし、次にまた彼女に同じような事をしていたら……次は容赦なく、そして挨拶なくやらせてもらうから。そのつもりでいてくれ」

「は、はいぃぃ!!」

「ならば、振り向かずに走って行け。絶対に振り向くなよ、良いな?」

「はいぃぃぃ!!」

 背後の子がそう言うのを合図に、その子は泣きながら走って何処かに逃げて行ってしまいました。すると、そこには1人の男の子が私の事を見下ろしながら立って居ました。どうしたら良いのか分からずにいた私でしたが、男の子は耳に指を当てて話し出しました。

「あぁ、僕だ。任務は完了した……。あぁ、感謝する……。それじゃあ」

 男の子はそう言って耳元から指を放すと、呆然としていた私に気付いたのでしょうか、私に近づいて来て手を差し出しながら優しく話しかけてきた。

「怪我はないかな?」

「え!?あ、はい!!だ、大丈夫……です……」

 私は差し出された手を握り返して立ち上がると、男の子は私の頭を撫でながら優しく撫でながら話しかけてきました。

「ならば良かった。君が無事で本当に良かった」

「……!!」

 私はその時に見せた、その男の優しい笑顔に一瞬心が時めいたのを感じました。それと同時に、私の顔はだんだん熱くなっていき、真っ赤になってしまっていました。そんな私に気付いた男の子は不思議そうな表情をしていましたが、男の子は一度だけ頷いてからその場を後にしようとしました。

「ま!待って!!」

「うん?」

 私の声に応える様に立ち止まっていた男の子は私の方を向いて来ました。ですが、あの時の私は咄嗟に話しかけてしまったので、何を話そうか考えていませんでした。

 (ど、どうしよう!!咄嗟に話しかけちゃったけれど、何も考えていなかった!!一体何を話せば……!!)

「え~と、何かな?」

「あ、あの!!な、名前を……!!」

「……?あぁ、僕の名前が知りたいのかい?」

「は、はい……」

 私が弱々しく答えると、男の子は少しだけ考えてから静かに頷くと、優しい声で答えてきました。

「そうだったね。僕の名前を教えておこうかな。その前に君の名前を教えてくれないかな?」

「は、はい!!わ、私の名前は“メグミ”……です……!!」

 男の子にお願いされた私は、緊張しながらも自分の名前を男の子に教えると、男の子は優しく微笑みながら頷いてから話し出しました。

「メグミちゃんか……。良い名前だね」

「あ、ありがとうございます!!それで、貴方の名前は……?」

「あぁ、僕の名前は―――」

 ☆

「……うぅん……」

 カ—テンの隙間から朝の光がベッドで眠っている私の顔を照らして、まだ夢の中に居た私の意識を現実へと導いていました。

「……もう朝なの……?」

 ゆっくりと目を覚ました私は、静かに瞼を開くとまだ眠気眼な状態から起きるため、気だるい体をベッドから起き上がらせると、カ—テンを開いて太陽の光を体に受けながら背伸びをしました。

「んん~~!!よし!!」

 私はパジャマから部屋着へと着替えると洗面台へと向かい、顔を洗ってから寝癖がある髪を櫛で整えてから誰も居ないリビングへと足を運びました。

 (あれ?“先輩”まだ起きていないんだ……)

「もぅ、しょうがないですね……♪」

 私は小さく呟くと、私の部屋の隣にあるもう1つの部屋の扉を3回ノックして室内からの反応を待ちました。

 (応答が無いと言う事は……、やっぱりまだ眠っているんですね……)

「失礼しま~す」

 静かに扉を開けながら小声で言って室内に入ると、電源が入ったままなのでしょうか、画面が明るいパソコンが置いてある机に突っ伏している『彼』が居ました。

 (はぁ……。全くもう……)

 心の中で溜息を着いた私は、足音を立てないようにゆっくりと眠っている『彼』の近くに近づくと、肩に手を置いて優しく揺すりながら話しかけました。

「“先輩”、起きて下さい。朝ですよ?」

「……んん?もう朝なのかい?」

「そうですよ。おはようございます、“先輩”」

「……あぁ、おはよう、メグミ」

 私に答える様に、何時もの優しい声と微笑みを向けて来た“先輩”は私の頭を撫でてくれました。その優しい撫で方と微笑み、そして優しい声を聞いた私は心の底から温かい気持ちに包まれたと同時に嬉しくなってしまい、思わず表情が綻んでしまいました。

 ☆

 “―――これは虐められていた私と、それを救ってくれた先輩との物語……、先輩と私の日常を描いた物語。私と先輩の、平和でちょっとだけ『特別』な日常を描いた物語です。―――”



如何だったでしょうか?

今回の話はヒロインであるメグミと主人公との出逢いを書かせて頂きました!!

この作品は、別作品の『戦姫絶唱シンフォギア』の息抜きとして書こうと思い、書かせて頂きました。投稿のタイミングは毎回不定期になると思いますので、よろしくお願い致します。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第二話

第二話です!!今回は短い話となっていますが、興味がある方はよろしくお願い致します!!


第二話「後輩との朝食とお出かけ」

 僕と1歳下の幼馴染であり後輩であり、そして“とある事情”で同居生活を送っている相手である“メグミ”に起こされた僕、“綺堂 巧”は服を着替えてから顔を洗い、髪を整えてからリビングに向かった。すると、丁度コ—ヒ—を淹れたカップをテ—ブルに置いて朝食の用意を済ませていた。

「お、今日はメグミが朝食を作ったのかい?」

「はい!腕に乗りをかけて作ったんですよ?」

「そうなのかい?それは楽しみだ」

「はい!期待して下さい、先輩♪」

 メグミは自信があるのか笑顔で頷いて答えてから少し経つと、メグミが料理を盛った皿をお盆に乗せてこちらに向かって来た。

「おまたせしました!!本日の朝食は目玉焼きとサラダ、そしてト—ストです!!ジャムはこちらのを使って下さいね♪」

「おぉ。ありがとう。メグミ。じゃあ、頂きます」

「はい!召し上がれ♪」

 僕たちは2人で一緒にメグミが作った朝食を食べ始めた。目玉焼きとサラダをそれぞれ食べて、ト—ストにイチゴジャムを塗ってから一口食べた。暫く2人して朝食を食べてからメグミの方を見ると、メグミは目をこちらに向けて何処か期待している目線を僕に向けて来ていた。それに答えるように僕はコ—ヒ—を飲んでから答えた。

「……うん。凄く美味しいよ!メグミ」

「ありがとうございます!!やった!!」

 僕の答えを聞いたメグミは本当に嬉しいのか、両手でガッツポ—ズを取りながら笑顔で喜んでいた。……心なしか頬も少し赤らめている様な気がするが、それはきっと気のせいだろう。

「それにしても、料理が上手くなったね。昔の頃は余りにも危なかったから厨房に立たせられなかったからね」

「酷い!!それは言い過ぎですよ、先輩!!」

「ははは、済まない。ついね」

「むぅ~!!」

 僕の言った事に少し怒ったのか、今度は頬を膨れさせながら怒っていますアピ—ルを見せてきた。僕が謝りながら残りのト—ストを食べ終わしていると、不意にテレビから流れていたある特集が流れていた。

『え~、続いては特集です。今日の特集はあの組織!怪盗団、”ロッソ‣ファンタズム”についてです!!』

「……」

「ん?どうしたんですか、先輩?」

 僕の事を見ていたメグミも気付いたのか、テレビを見ると何処か納得したのか頷きながら話し出した。

「あぁ~、”怪盗団”の話ですね。確か最後に起こした事件って3年前でしたっけ?」

「……あぁ。あの事件を最後に姿を消していたね」

「そでしたね。そうか~、あれからもう3年も経ったんですね。私、当時は”怪盗団”のファンだったんです!!でも、どうして今になって”怪盗団”を取り上げているんですかね?」

「……さてね。それよりも、早く支度しなくて良いのかい?今日はショッピングの日だろう?」

「え?……あぁ~~!!忘れてたぁぁぁぁ!!」

 僕の指摘を受けて思い出したのか、メグミは急いで残りのト—ストや自分の分の目玉焼きを食べ終わすと、それをコ—ヒ—で一気に流し込んでから支度を始めた。僕も少しだけペ—スを速めて朝食を食べ終わして着替えなどの準備を始めた。

 ☆

 先に支度を終えた僕は、メグミより先に外に出ると一緒に住んでいる寮の前にバイクを停めて待っていた。程なくすると、バックを持ったメグミが階段を降りて来た。それを確認した僕は彼女様のヘルメットを渡しながら聞いた。

「忘れ物とかは無いかい?メグミ」

「はい!大丈夫です!!」

「家の鍵は閉めた?」

「閉めました!!」

「よし、じゃあ行こうか」

「はい!」

 返事をしながら僕の後ろに飛び乗ってヘルメットを被ったのを確認すると、僕はアクセルを捻って出発した。暫く運転していると、目的地であるショッピングモ—ルの近くに到着した。すると、ショッピングモ—ルの入り口近くで見覚えのある女性が2人立って居た。それを確認してから2人に見えない位置にバイクを停めた。

「到着したよ」

「ありがとうございます!!」

 メグミはバイクから降りると、被っているヘルメットを外しながらお礼を言ってきた。僕はヘルメットを預かりながら話しかけた。

「メグミ、今日は晩御飯どうなる?」

「そうですね。今日はアズミ達と多分飲むことになると思いますので、今日はもしかしたらいらないかもです」

「分かった。帰りはちゃんと連絡してくれよ?前みたいに“家元さん”から連絡が来るなんて事にはならないでくれよ?」

「うぅ!?ちゅ、注意します……」

 僕の注意に対してメグミは目を逸らしながら、申し訳なさそうに答えてきた。その姿を見た僕は溜息を着いていた。

 (全く……。そう言えば、あの時”家元さん”以外にも誰か居たような気がするんだけれど……。誰だったっけか……)

「……まぁ、反省しているのであれば問題ないかな?」

「は、はい!!ちゃんと連絡します!!」

 思わず敬礼して答えてきたメグミに対して、僕はその姿に対して思わず手を伸ばし、そのままメグミの頭を撫でていた。流石にこれには驚いたのか、目を丸くして驚きながらメグミは話しかけてきた。

「どっ?!どうしたんですか!?い、いきなり頭を撫でてきたりして?!」

「?いや、可愛いなと思って、つい撫でたくなったからだけだけど?」

「……///!!そ、そう言うところが……!!」

「ん?どうかしたか?」

「何でもありません!!それじゃあ、行ってきます!!」

「あぁ、行ってらっしゃい」

「~~~////!!ふん!!」

 僕が手を振りながら見送ると、更に顔を赤くしながら顔を大きく背けて早足で2人の元に向かって行った。その背を見送ってから僕はバイクのアクセルを捻って自分の用事を終わらせるため、サンダ—ス大学へと向かった。



如何だったでしょうか?

今回は朝食とそれぞれのお出かけの話を書かせて頂きました。

え~と……。ラブコメは余り上手く書けない事を承知で書いたのですが……、ブラックコ—ヒ—は必要ですか?もし、下手くそになってしまっていたら、申し訳ございません。

次回は『戦姫絶唱シンフォギア』の方を書こうと思っていますので、少しの間投稿が遅くなってしまうかも知れません。申し訳ございません。

此処で、謝辞を。こんな作品にお気に入り登録の数が10件を超えて、しかも2名の方から評価をして頂けました。こんな駄作に評価をして下さり、感謝の気持ちでいっぱいです!!ありがとうございます!!ただ、評価して頂けるのであれば、できれば一言何か書いて頂ければ嬉しいです。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します。


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第三話

三話目です。下手くそになってしまいましたが、どうかよろしくお願い致します!!


第三話「2人の日常(メグミ編)」

 先輩と別れた私は、ショッピングモ—ルの入り口で待っていたアズミとルミの2人に合流しました。

「あ~!!やっと来た!!」

「時間ギリギリとは、メグミにしては珍しいわね。何かあった?」

「ううん!!ちょっと寝坊しちゃってさ~!ごめん!!」

 怒っている訳ではいなかったけれど、両手を顔の前で合わせながら謝りました。すると、それで許してくれたのか、2人は笑顔で頷いてから私に話しかけた。

「じゃあ、後でランチ奢ってね♪」

「えッ?!ちょっ!?」

「お、良いねぇ!!じゃあ決まりって事で♪」

「ちょっとぉ~!!」

「じゃあ、早速行きましょう!」

「おぉ~~!!」

「もぅ~~!!」

 ルミが買い物を始めようと合図をして、それに賛同する様に手を挙げて答えているアズミに向かって、私は少しだけ怒っている態度を見せてから3人してショッピングモ—ルの中に入って行きました。

 ☆

「それで、今日はどうする?」

 ショッピングモ—ルの中に入った私たちは、ゆっくりと歩いて外からお店を見ながらアズミに聞くと、アズミは唇に人差し指を当てて悩む様な仕草を取りながら答えました。

「ん~……、実は隊長が昨日アタシに相談しに来てねぇ、新しい服が欲しいんだけどどんな服が最近の流行なのか分からないから教えて欲しいって言われたの。そこで今日は隊長にどんな服が似合うかを3人で考えようと思うの」

「なるほど!!確かにアズミだけに決めさせると、色々と“偏った”結果になりそうだしね」

「ちょっとルミ!!それどう言う意味!?」

 ルミの話した言葉の意味をしろうと詰め寄って居るのに対して、私は考えながらアズミに質問をしました。

「隊長はどんな趣向の服が良いとか言っていなかったの?」

「それがねぇ……。『ボコみたいな可愛いのが良い』って言ってたのよ……」

「「……あぁ―――」」

 アズミの話を聞いた私たちはただ唖然としてしまいました。だって、よりにもよってボコですよ?ボコみたいな可愛い服って……。

 (ん……?)

「ねぇ、それって様は可愛い服ならば良いって事よね?」

「え?……あぁ、そう言えばそうなるわね」

 私の指摘を聞いたアズミは、そこで気付いた様な表情をしながら私の方を見ました。何せ、隊長の話の内容を纏めると『ボコみたいな可愛い服』なのだとしたら、『可愛い服ならば良いと言う事になるのではないか?』と考えられたのです。

「『可愛い服で且つ、ボコみたいと隊長が思ってくれればそれで良い』って事ならば、私に良い案があるわ」

「ほう?それは一体どんな物なの?」

 私の話に興味を持ったのでしょうか、ルミが私の方を見つめながら聞いてきました。私は確信を持ちながら話しました。

「それはねぇ……。見た方が早いから売っているお店に行きましょう」

「分かったわ」

「そうね。取り敢えず見てみましょう」

 私の話を聞いた2人は何を見せてもらえるのか気になっているのでしょうか、私の後に続いて歩き出しました。暫く歩いて行くと目的地のお店に到着しました。

「此処って……、確か最近開店した結構有名なゴスロリ専門店じゃない。まさか……」

「あれ?アズミ知っているんだ?」

「そりゃあ、最近有名な大手のお店だからね」

 そう、このお店はゴスロリの専門店であり、その道では大手と言っても過言ではないお店なのです。しかも、その人気はその道の人たちだけではなく、ファッション雑誌にも取り上げられる程の有名店でした。

「まぁ、見てなさいって」

 私はアズミに向かって言うとそのままお店の中に入って行き、中に居た店員さんに話しかけました。

「いらっしゃいませ!!」

「済みません、店長さんは今日こちらに居ますか?」

「店長ですか?少々お待ちください。店長~」

 店員さんは私に向かってそう答えてから、お店の奥の方に入って行きました。すると、店の奥の方から優しそうな中年の男性が出て来ました。

「いらっしゃいませ!お客様、どうかしましたか?……って君、もしかしてメグミちゃん?!」

「はい、ご無沙汰しています、店長♪」

「いやぁ、久し振りだね!!」

 私と店長さんが仲良く話していると、後ろで静かに話を聞いていたアズミとルミが話しかけてきました。

「あの~、状況がさっぱりなんだけれど……、何?メグミはその店長さんと知り合いなの?」

「うん、私の知り合いの人と知り合いなの♪」

 私が答えると、その後に続いて店長さんが2人に頭を下げてからいつもの優しい口調で話し出しました。

「初めまして、メグミちゃんとはこのお店が開店する前に知り合ってね。メグミちゃんには色々とお世話になったからね」

「え!?メグミにお世話になったんですか?!」

「ちょっとルミ!!それってどういう意味よ!!」

 わざとらしく驚いて見せてきたルミに向かって私が怒っていると、店長さんが私に向かって話しかけてきました。

「そう言えば、僕に何か用があったんじゃないのかな?」

「あ、そうでした!実は……」

 私は店長さんに一通りの事情を話すと、店長さんは頷きながら話を聞いてくれていました。

「……と言う訳なんです」

「なるほどねぇ~。その子って話を聞いている限りだとボコ好きなんだよね?」

「はい。それはもうそこらのファンとは別次元と考えても良い程です」

「そ、そうなんだ……。だったら、丁度良いのがあるよ」

 店長さんはそう言うとお店の奥へと入って行ってしまいました。そして、暫くするとお店の方から幾つかの袋の中に入っているゴスロリを持ってきました。

「これはどうかな?」

「「こ、これは……!!」」

 店長さんが笑顔で2着のゴスロリを持ってきました。それを見た2人はその仕様に思わず驚いてから、そのゴスロリの写メを数枚取ってから満足な顔で話してきました。

「ありがとうございます!!これで隊長に良い報告ができそうです!!」

「そう?それは良かった!!もし良かったら、今度その子を連れて来てよ。きっと喜ぶだろうからさ」

「はい!是非ともそうさせて頂きます!!」

 私が店長さんに答えると、店長さんは思い出した風に笑顔で私に話しかけてきました。

「そう言えばメグミちゃん、今度彼も連れて来てくれないかな?コラボイベントについての打ち合わせがしたいからさ」

「あ、はい!分かりました!!先輩に伝えておきますね!!」

「よろしくね~」

 店長と話を終えた私たちはそのまま店を後にしました。しばらく歩いてからアズミが私たちに話しかけてきました。

「ねぇ、お腹もそろそろ空いてきたし、何処かで昼ご飯でも食べない?」

「お、良いねぇ!!アタシはパスタが食べたい!!」

「そうね!どうせメグミの奢りだし」

「えぇ~!!その話まだ残っていたのぉ~!!」

 私が2人に文句を言っていると、不意に私の携帯に着信が入りました。私はバックの中から携帯を取り出して操作してメ—ルの差出人を確認しました。

 (あれ?この子って確か……、先輩の所属しているライフル射撃部の後輩のマネ—ジャ—の子だったはず……。どうしたんだろう?それに添付ファイル?)

 メ—ルの差出人を確認してからメ—ルと一緒についている添付ファイルをタッチして開いて……。

「……………は?」

「ん?どうしたの、メグミ」

「そんな所に立ち止まっていたら邪魔になるでしょ?って、どうしたの?」

 2人が私の元に近付いて来ましたが、私はそれに気付くことはなく、代わりにわなわなと体が震えていました。

「あ……、あぁ……」

「どうかしたの?って、その写メに写っている人って誰?」

「うわ~、これは……」

 2人は写メを見てそれぞれリアクションをとっていましたが、私はその写メに衝撃を受けていました。何せその写メに写っていたのは、先輩が金髪の女の子にキスされている写メだったんです……。

「何でぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 その写メを見つめて、私はその場で大声を上げるしかなかった……。



如何だったでしょうか?

今回はメグミたち三人娘の方を書かせて頂きました。そして、メグミの発狂と主人公が誰かにキスされている所が写メで送られてきたところを書かせて頂きました。

主人公にキスしていた金髪少女とは一体誰なんでしょうね(すっとぼけ)。まぁ、分かる人には分かると思いますから、今は突っ込まないでおこうと思います。

此処で、謝辞を。こんな作品のお気に入り登録がいつの間にか20人を超えていました!!本当にありがとうございます!!これからも頑張って書いていきますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!



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第四話

今回は主人公sideを書かせて頂きました!それではどうぞ!!


第四話「2人の日常(巧編)」

 メグミをショッピングモ—ルへと送り届けた僕は、そのままアクセルを捻ってその場を後にすると、腕時計で時間を確認していた。

 (おっと、そろそろ時間かな……)

 僕は時間を気にしながらバイクのスピ—ドを上げて目的地に向かった。暫くバイクで移動すると、目的地であるサンダ—ス大学に到着した。

 (おや、もう始まっていたのか)

 サンダ—ス大学の校門には、『サンダ—ス大学オ—プンキャンパス』と書かれた掛札が立て掛けられていた。そう、今日は僕が通っている大学、サンダ—ス大学のオ—プンキャンパスの2日目なのである。そして、僕は2日目の生徒代表として登壇して話をして欲しいと頼まれていたのだ。

 (確か、昨日はメグミが代表として登壇して話をしたって話だったけれど……、今日は何人の生徒が見に来ているのかな?)

 内心楽しみにしながら、僕は生徒専用の入り口である裏口の方へと移動して、大学の敷地内に入りバイク専用の駐輪場に停めると、そのまま移動の支度を整えてからスマホを操作して電話を掛けた。

「……もしもし、僕だ。全体説明会は今何処まで進行しているかい?……そうか、じゃあまだ代表生徒の話にまでは進んでいないんだね?……そうか、分かった。ありがとう」

 僕はそれだけ話してから通話を切り、会場である体育館を目指して歩き出した。歩きながら腕時計を確認して時間の確認をした。

 (ふむ、時間にはまだ余裕があるな……。よし、話す内容でも考えながら向かうとしよう)

 僕は静かにそう決めると、その場から歩き出した……。

 ☆

 サンダ—ス大学の体育館では、今回のオ—プンキャンパスに参加している父兄と高校生たちで埋め尽くされていた。そんな生徒の中で一際目立つメンバ—が居た。

「~♪」

「随分ご機嫌ですね。マム」

「え~?!ナオミは楽しみじゃないの?あの人を生で見ることができるのよ?」

「そんな人の事を人気の動物みたいに言うのはどうかと思いますよ?マム」

「動物みたいって……、アンタも大概な事を言っているぞ」

「そう?まぁ、アタシは別に興味無いから良いけれど……」

「もう!!ナオミもアリサもどうしてそんなに興味が無いのよ?!」

「いや……、興味が無いわけでは……」

「と言うか、マムはどうしてそこまで彼に興味を持っているんですか?」

「そ、それはぁ~……」

 ナオミの質問に対してサンダ—ス付属高校の戦車チ—ムの隊長であるケイは、顔を赤らめながら何かを言おうとしていると、司会者の声が聞こえてきた。

『続きまして、生徒代表による学校生活について話してもらいます。今回は生徒代表として全日本ライフル射撃大会優勝者にして日本代表の強化選手にも持っている、我が校の生徒会会長の綺堂 巧さんに来て貰いました!盛大な拍手でお迎えして下さい!!』

 その言葉と共に大きな拍手が会場中に響き渡るなか、1人の男性が入って来た。すると、近くに居た女子生徒から黄色の声が聞こえてきた。それに答える様に男性が手を振ると、ケイの近くに居る女子生徒からも黄色い声を出しながら手を振っていた。そして壇上に登ると、マイクの前まで行って話し出した。

『皆様、本日はサンダ—ス大学へとお越し頂き誠にありがとうございます―――』

 そこから巧はずっとサンダ—ス大学のキャンパスライフについて、自分の視点で話していた。

『……以上がこの大学で私が過ごしているキャンパスライフで感じている事と、キャンパスライフです』

 巧はそう伝えてから一礼すると、盛大な拍手と喝采が会場中に再び響き渡った。そこからの質疑応答にも丁寧に答えていると、終了の時間が近付いたのか司会者が巧に話しかけてきた。

『此処で大変申し訳ございませんが、終了のお時間となりました。巧さん、本日はありがとうございました!!巧さん、最後に一言何かございますか?』

 司会者に促された巧は、少しだけ考えるような仕草を取ってから話し出した。

『え~では……、本日はサンダ—ス大学のオ—プンキャンパスにお越しいただき、誠にありがとうございます。このオ—プンキャンパスを通して今後の進路に行かせて頂けたらと思います。本日は本当にありがとうございました』

 巧はそう言って頭を下げると、再び会場全体から拍手と喝采が響き渡った。それに対して手を振って応えながら壇上を降りて、会場を後にした。

 ☆

「さて……、これからどうしようかな……?」

 会場を後にした僕はこの後の予定をどうするかを考えながら歩いていると、不意に僕を呼ぶ声が聞こえてきた。

「お~い!綺堂!!」

「ん?あぁ、伊藤先輩。こんにちは」

 僕に話しかけてきた人物、伊藤 修先輩はサンダ—ス大学でも有名な人で、バスケットボ—ル部でキャプテンをしている。そして何より何かと僕に絡んでくる人でもある。

「それで、今日はどうかしたんですか?」

「どうかしたって程でもないが……、今この近くのバスケットコ—トで部活をしているんだよ。と言っても、高校生へのアピ—ルみたいな物だけれどね」

「なるほど。確か今年のサンダ—ス付属には有能なバスケ選手が居ると言う話でしたね」

「そうなんだよ!!それで何だけれどさ。悪い!!来週の練習試合に参加してもらえないか?」

「……先輩、またですか?」

「……済まん!!」

 僕がジト目気味で聞くと、伊藤先輩は頭を下げながら頼み込んできました。その姿を見ながら僕は溜息を着きながら呆れてしまった。

「……先輩、確か最近も頼みに来ていませんでした?しかも、その時亜子に怒られていましたよね?」

「……うん。確か1ヶ月前くらいに頼んだね。しかも、その時に亜子ちゃんにこっぴどく叱られながら、冷たい床に正座させられていたね。しかも、2時間弱」

「そしておそらく、次はあれ以上の事が起きるであろう事が想定できるのに頼むのですか?」

「だってさぁ!!今回の練習試合の当日によりにもよってメンバ—の1人が彼女とデ—トがあるって言ってきてさぁ!!俺も注意したんだけど、その子がめっちゃ怖くてさぁ!!しかもその子、バレ—部のスタメンの子だったんだよぉ~~!!」

「……あぁ、“あのバレ—部”ですか……」

 僕はそこで不覚にも納得と先輩に対する憐みを持ってしまった。このサンダ—ス大学は校風も相俟ってか、運動部間での対立と言うのは尋常じゃないくらいえげつなくなっているのである。特に女子バレ—と男子バレ—部の『バレ—部』、男子バスケット部と女子バスケット部の『バスケ部』に関しては、同じ体育館を使用していると言うのもあり、かなり険悪なのだ。しかも、運動部系でのイベントがあれば何かとぶつかっては競い合っている様な部活同士なのである。

「あの……、あまりこう言うのはどうかと思いますが、その部活動同士のいざこざに僕を巻き込むのはどうかと」

「そうは言っても、お前だって女子バレ—部には痛い目を見せられているだろう?!」

「……それは確かに」

 それを言われた僕は遠い目をしながら最近の事を思い出した。それは半年前、男子バレ—部に練習試合の助人として参加した時のこと、結果的にはその時の試合は勝利で終わる事はできたが、その際に男子バレ—部が僕に連絡せずに勝手に報酬を用意していたのだ。その際の内容が当時の女子バレ—部だった亜子が迫って来たのだ。その結果、そのことが問題となり、一時大学内でも取り上げられそうにもなったが、僕の提案を大学側が呑んでくれたことによって、現在では亜子は僕の所属しているライフル射撃部の僕の専属マネ—ジャ—となっている。

「しかし、あれは男子バレ—部の思惑に気付かなかった僕にも非が在りましたし、何より現在それを行った本人である亜子は僕の元に居ますので、今は気にはしていません」

「そ、そうなのか……。それにしても亜子も未だにお前の事を諦めていないとはねぇ~」

「な‣に‣か、問題ありますか?伊藤先輩?」

 そう言って僕の背後から顔を出してきたのは、栗色の髪をした少しだけ幼さが残る少女、井岡 亜子だった。亜子を見た瞬間、伊藤先輩は顔を歪めながら嫌そうな口調で話し出した。

「げッ!?亜子!?」

「何か問題でもありましたか?伊藤先輩?」

「問題大有りだろうが!!お前まだ綺堂のこと諦めて無かったのかよ!!」

「はぁ~?!私が先輩を諦めるとかマジであり得ないんですけどぉ?それとも、伊藤先輩は馬鹿なんですかぁ?」

「な、何だとぉ……!!」

「まぁまぁ2人共落ち着いて。亜子、いきなりどうしたんだい?」

「先輩~♪実は、先輩を探していた子が居たので先輩の所まで案内したんです!!」

「そうだったのか、ありがとう」

 僕がそう言って頭を撫でると、亜子は嬉しいのかそれとも恥ずかしいのか顔を赤らめると共に、何故か顔をトロンとさせながら気持ち良さそうな声を上げていた。それを見つめながら僕は亜子に話しかけた。

「それで亜子、僕を探していた子は何処に居るのかな?」

「……はっ!?す、済みません!!確かアタシの後を追って来ていたはず―――」

 亜子が話していたが、それを遮るように僕に向かって勢いよく抱き着いてきた者がいた。驚いている僕だったが、抱き着かれそうになった際に一瞬だけ見えた金髪に見覚えがあった僕は、自分の胸の中に飛び込んで来た人物に向かって話しかけた。

「やぁ、久し振りだね。ケイ」

「Hi!!久し振りね♪巧!!」

 ケイはそう答えると共に、僕の頬に顔を近づけるとそのまま右頬にキスをしてきたのだった。

 ……尚、その時の光景が亜子に写真を撮り、それをメグミに送った事を僕はまだ知らなかった……。



如何だったでしょうか?

今回の話では主人公が通っているサンダ—ス大学での話を書かせて頂きました!!

相変わらずの駄文であり、しかもオリキャラが何人か出ているうえ、挙句の果てにはケイが主人公にキスしているシ—ンまで書いてしまって申し訳ございません!ケイファンの皆様からは不快感を感じさせてしまうかも知れませんが、どうか許して頂けたらと思っています。

此処で、謝辞を。この作品にもお気に入り登録数が30人を超え、しかも評価の部分に色が付きました!!これも全て皆様のお陰です!!これからも精進して参りますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第五話

新作が完成しました!!駄作になってしまっているかも知れませんが、宜しければ是非よろしくお願い致します!!


第五話「それぞれの予定と思わぬ電話」

 いきなり右頬にキスをされた僕は、キスをしてきた人物であるケイの頭を撫でながら話しかけた。

「全く。いきなりキスをしてきたから誰かと思ったけれど、やっぱり君だったんだね、ケイ?」

「Hi!!久し振り、巧!!」

 ケイは元気に答えながら僕の胸に顔を埋めていた。僕は頭を掻きながらどうしたものかと考えていると、亜子がケイの襟首を掴んで僕から無理矢理引き剥がした。名残惜しそうな表情をしているケイに向かって、鬼の様な形相になっている亜子が話しかけた。

「君ぃ~?いきなりナニをしでかしてくれているのかなぁ~?余り出しゃばった事をされちゃうとぉ、お姉さん、怒っちゃうよぉ~?」

 (……表情と話している事が全然一致していないと言うツッコミは今のところはしない方が良いかな……)

「Why?何で先輩がそんなに怒っているの?私はただ巧に抱き着いて“挨拶(・・)”をしただけだけど?」

「……ふ~ん、そうなんだぁ~。ただの“挨拶(・・)”かぁ~……」

「あ、亜子ちゃん……?ど、どうしたのかな?」

 亜子はそう言うと、怪しく目を光らせながら僕の方を見つめてきた。彼女から発せられる異様な気配と、そこから感じ取れる嫌な予感を察知した僕は徐々に後退りをしながら亜子に聞くと、亜子は息を荒げながら話し出した。

「大丈夫ですよぉ~?先輩は何も心配しなくても大丈夫です!!ただちょ~と、その頬に私の唇を着けるだけですからぁ♪ただ、その時にうっかり標的がそれて先輩の唇に着いてしまったら、ごめんなさいですぅ~♪……ぐふふ」

「いや、それ明らかにキスを狙っているだけ……ぐふぅ!!」

 僕の隣で亜子にツッコミを入れていた伊藤先輩の鳩尾に向かって、高速に近い速さの拳がめり込み、伊藤先輩はその場に崩れ落ちていた。僕が伊藤先輩の方に気を取られていると、亜子が口から涎を垂らして、(何故か分からないけれど)興奮しているのか荒い息をしながら話しかけてきた。

「さぁ!さぁ!!さぁ!!!先輩!!“挨拶(・・)”の!!”挨拶(・・)”のキスをぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「いい加減にしなさい!!」

「ぎゃふん!?」

 僕に向かって飛びつこうとしてきた亜子の背後から、強めな口調と共に勢いよく何かが亜子に向かって振り下ろされて、亜子が勢いよく地面に顔面をぶつけていた。

「痛ったぁぁ~~!!もう一体誰よ!!折角挨拶とこじつけて先輩と合理的にキスができるチャンスを邪魔した不届き者は―――」

 顔を上げた亜子が、キスを邪魔された事に怒っているのか、顔に青筋を浮かべながら、概ね華の女子大学生がしてはいけない様な表情で背後を睨んだが、そこに立って居る人物を見た瞬間言葉を失っていた。何故ならそこに居たのは……仁王立ちをしている修羅だった。

「何をしているのですか?お姉さん……?」

「あ、あれぇ~?“唯乃(いの)”が何で“サンダ—ス大学(ここ)”に居るのかなぁ……?確か今日は学校で授業だったはずぅ~」

「今日はサンダ—ス大学のオ—プンキャンパスがあるから見に行くって伝えておきましたよね。姉さん?」

「あ、あれぇ~?そ、そうだったっけぇ~?」

「姉さん!!」

「ひゃい!!」

 唯乃と呼ばれた女の子の一言に対して、体をビクつかせながら答えている亜子を見つめながら、僕は彼女を宥める様に話しかけた。

「まぁまぁ、そこまでにしてあげてはくれないだろうか?え~と……」

 僕が彼女の名前を呼ぼうとして名前を呼ぼうとしいていると、彼女は僕の方を向いて頭を下げてから自己紹介を始めた。

「初めまして、私はそこで正座しているお姉さん……、井岡 亜子の妹の井岡 唯乃と申します。黒森峰女学院の3年で戦車道に属しています。このような馬鹿な姉ですが、もし綺堂先輩が宜しければ、今後ともどうかこの馬鹿な姉共々よろしくお願い致します」

 彼女、唯乃は僕に優しく微笑んでからもう一度頭を下げてきた。その姿は正直に言うと、姉である亜子とは真逆であり、背丈は姉である亜子と同じで背丈は余り高くはないが、顔は幼さが残っている亜子と比べると凛々しく、体型は姉とは違い、『あの黒森峰の戦車道』に属している割には姉よりも出ている所は出ていて、締まっている所は引き締まっているのだ。何より一番の問題は……。

「……?何か問題がありましたか?綺堂先輩?」

「い、いや!!何でもない」

 彼女は顔を傾けて、分からないと言うような表情をしながら僕に聞いてきた。何とか誤魔化したが、唯乃は今でも分からない様な表情をしているのだ。すると、隣で先程まで倒れていた伊藤先輩が立ち上がり、僕の耳元で話しかけてきた。

「なぁ、綺堂よ。もしかしてなんだが……、あの子はもしかして……」

「……えぇ。おそらく、天然でしょう」

「……やっぱりか」

「はい」

 僕たちが話し終わるまでの間も、唯乃はずっと顔を傾けたままだった。そんな彼女に僕は咳払いを1回してから話を戻した。

「……それで、君のことはこれから何と呼べばいいのかな?」

「……そ、それでは、『唯乃』と呼んで下さい」

「分かった。それで、唯乃ちゃんもオ—プンキャンパスを見に来てくれたのかな?確か黒森峰の戦車道は規律がプラウダよりも厳しくて、休みを取るのも難しいと聞いていたが?」

「はい。本来ならば休みを取るのが難しいのですが、丁度オ—プンキャンパスの時期と練習試合が近かったので、隊長に頼んで1日だけ休みの許可を頂いて来ました」

「なるほど。確かにそれならば問題はないか。でも大丈夫なのかい?練習試合が近いとなると練習も結構詰められているのでは?」

「はい。練習試合の相手は聖グロリア—ナ女学院ですからね。尚更練習に力が入っていますよ」

「え、黒森峰とプラウダって近いうちに試合するの?」

 すると唯乃の後ろに居たケイが話に割り込みながら、僕に抱き着いて来ていた。何故抱き着いてきたのかは良く分からないが、ケイが出てきた事に驚いていたがすぐに答えた。

「これは、サンダ—ス付属のケイ隊長!!はい、予定では3日後に執り行う予定です!」

「へぇ~!そうなんだ!!じゃあさ、今度その試合見に行って良い?」

「そ、それは私の一存では決めかねる事なので……」

「その通りですよ、マム」

 不意にケイに話しかけてきたのは、ケイと同じサンダ—ス付属高校のアリサとナオミの2人だった。2人と合流した僕たちは亜子に伊藤先輩に頼まれていたバスケ部の練習試合の日程を伝えてスケジュ—ルを確認してもらった。亜子たちと一緒にキャンパス内を歩き続けていると、オ—プンキャンパスの終了を知らせる連絡が僕のスマホに連絡が来た。

「さて、オ—プンキャンパスももうそろそろ終わりの時間だけど、ケイたちはこれからどうするのかな?」

「う~ん、そうねぇ。今日はもう時間も時間だし帰ろうかしら!ナオミとアリサはどうする?」

「そうだね。アタシも帰るよ」

「アタシも~」

「ってことだから、私たちはこれから帰るわ。それじゃあ、See You~♪」

 そう言って僕に飛びついてきたケイは、再び僕の頬にキスをしてから走って帰って行った。その後を追う様にナオミとアリサも走って行った。すると、3人を見送っていた唯乃が、何処か楽しそうな口調で話しかけてきた。

「モテモテですね?先輩」

「……そうなのかね?てっきり今時のサンダ—スの生徒の間の挨拶なのではないかなと思ったんだけど?」

「……それは多分違うと思いますよ?現に、ケイ隊長の顔赤くなっていましたし」

「え?!そうなのかい?」

 驚いている僕に対して、やれやれと言いたそうな表情で肩を竦めている唯乃は何かを思い出したのか、僕に話しかけてきた。

「そう言えば、今日の休みをもらった代わりに隊長と家元から伝言を預かって来ていたのを忘れていました」

「家元と隊長って……、もしかして西住家の人からかい?僕にどんな要件かな?」

 黒森峰の戦車道の隊長と家元と言えば、戦車道の戦車道を統べると言われている“西住流”であり、その実力は『西は西住、東は島田』と言われる程有名なのだ。

「先ず、西住隊長からは、『練習試合の前に一度私たちの練習を見て欲しい。後、できればまたチェスもしたい』とのことです」

「……もしかして、それを話していた西住隊長って何処か雰囲気変わっていたかい?」

「はい。まるで背後から炎が立ち込めているかの様な覇気を纏っていました」

「……そ、そうかい。それで、家元の方からは?」

 僕に勝とうと日夜1人でチェスをしているあの子の姿を容易に想像できてしまい、遠い目になりながらも、僕は家元からの伝言を聞こうと唯乃に聞いた。

「家元からは『今度の練習試合の際に、一度顔を出しに来なさい』との事でした。……それと、『“例の件”の返事も聞きたい』との事でした」

「……はぁ。分かった、ありがとう。隊長さんには明日にでも会いに行くと伝えておいてくれ。後、家元には練習試合に会いに行くとも伝えておいてくれないかな?」

「分かりました。それでは、今後ともあの馬鹿姉共々よろしくお願い致しますね」

 唯乃はそう話して頭を下げてから学校を後にした。それを見送った僕はキャンパスの方に戻りながら時間を確認した。

 (……もう夕方か。そろそろメグミから連絡があるかな?)

 僕はスマホを取り出して着信履歴を確認すると、そこには見覚えのある名前からの着信があった。

「……はぁ」

 そこに映し出されていた名前を見た僕は、大きく溜息を着いてからその名前を選択して電話を掛けると、何回かコ—ルすると電話が繋がり、聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

『もしもし?』

 電話越しに聞こえてきた声に、僕の気持ちは更に億劫な気分に染まって行くのを必死に抑えながら、電話相手の名前を口にするのだった。

「もしもし?ご無沙汰しております。……“島田流家元”」



如何だったでしょうか?

今回は巧の方のオ—プンキャンパスの話と、彼のスマホに”島田流家元”からの電話があったところまで書かせて頂きました!!

また、今回もオリキャラが出現させて頂きました。また、これからも何人かのオリキャラとオリジナル展開があると思いますが……、それでもよろしければ、今後ともどうか生暖かい目で見守って下さればと思います!!

此処で、謝辞を。この作品のお気に入り登録数がいつの間にか40を超えていました!!本当にありがとうございます!!まさか、息抜きとして書いていた作品に此処までのお気に入り登録されるとなると、本当に嬉しくて仕方がありません!!これからも駄作も出してしまう時があるかも知れませんが、それでも頑張って行きますので、これからもどうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第六話

新作が完成しました!!興味がある方はで是非読んで見て下さい!!

尚、今回の話にはとあるキャラの名前が出て来ます!!楽しみにしていて下さい!!


第六話「“お母さん”」

 時刻は夜の19時になろうとしている頃、都内にあるとある屋台に到着した僕は、大きく溜息を零してから電話をしてきた人物を探した。

「……あ、見つけた」

 屋台の中で1人晩酌を楽しんでいそうな雰囲気を出している婦人が椅子に座っていた。そしてその近くでは、見覚えのある人たちが顔を赤くして酔い潰れていた。僕は本人に聞こえない様に溜息を零してから話しかけた。

「お待たせしてしまって申し訳ございません。家元」

「……ぷい」

 僕がなるべく丁寧な口調と言葉を選んで話しかけたにも関らず、顔を僕から背けて再び飲み始めた。

 (……と言うか、今「ぷい」って効果音を口で言わなかったか……?)

「……え~と、千代さん?」

「……!……つ、つ—ん!」

 僕の声に一瞬だけ反応した家元だったが、すぐに酒を飲み始めていた。その姿を見ながら、僕はそんな家元の姿を見て手を頭に付けてから、最後の呼び方をした。

「お久し振りです……。お、お母さん……」

「!!あらぁ~!!やっと来たのねぇ!!たっくん♪」

「……ははは……」

 いきなりテンションが上がりながら僕の方を見て笑顔で手を振ってきているのは、島田流の家元であり、“とある事情”から母親代わりとして僕を育ててくれていた千代さんだった。普段は綺麗な方なのだが、いざ酒が入ると、(本当に理由が分からないが)やたらと僕を酒の場に呼んでは一緒に酒を飲めと言い、更にその際は自分の事を“お母さん”と言う様に言って来るのだ。

 (まぁ、確かに昔はお世話にはなっていたけれど、実際の所は1人暮らしをしていた僕の所に顔を出してくれていただけなんだけれど……。後は時々“あの子”を連れて来ては、僕に遊び相手をさせていた事しか覚えていないんだよなぁ……)

「いつまでそこに立って居るの?早くこっちに来なさいよ♪」

「はい。お母さん」

 僕は千代さんの隣に座ると、近くで酔い潰れている眼鏡が割れている役員みたいな人物が見えた。

「あの~、お母さん。そこに潰れている眼鏡を掛けた方はもしかして……」

「何の事かしら?」

「いや、だから「何か問題でも?」いえ、何でもありません……」

 僕の質問を握り潰すように“笑顔”で話しかけてきていたため、僕は沈黙することにした。千代さんが僕に酒を勧めてきたが、僕はメグミの迎えがある事を伝えて断ることにしていた。

「さぁ~たっくん♪たっくんも飲みましょうよ♪」

「い、いや。お母さん、それなんだけれど、僕はこの後メグミを迎えに行かなければいけないから申し訳ないですが一緒に飲むわけには……」

 僕がそう答えると、千代さんは一瞬ポカンとしていたがすぐに笑顔になってから話し出した。

「ならば問題無いわね♪」

「なっ?!問題ないって一体どうして……?」

「せぇ~ん~ぱぁ~いぃ~!!」

 突如聞き覚えのある声が聞こえてきたと同時に、僕の後頭部に柔らかい物が2つ押し付けられてきた。

 (まさか、この柔らかい感触は……!!)

「ちょっ!?やっぱりメグミだったか……って、結構酔っぱらっているじゃないか!!どうして……」

 僕が困惑していると、隣で酒を飲んでいた千代さんが僕に向かって笑顔で話しかけてきた。

「う~ん、たっくん。何か勘違いしているようだけれどぉ、私がたっくんを此処に呼んだのは、他でもなく“彼女(メグミ)”の介護をしてもらおうと思って呼んだのよ?後、ついでに近状報告をしてもらいたいのと、ついでに一緒に呑まない?って言うお誘いを兼ねてね♪」

「……はぁ」

 僕は再び大きく溜息をついてから、僕の体に寄り掛かっているメグミに話しかけた。

「メグミ?他の2人はどうしたのかな?」

「んぁ~?他の2人れぇすかぁ~?それぇならばぁ、そこでぇ伸びていますよぉ?」

「は……?」

 顔が赤くなっているメグミが指差している方向、外に置いてあるテ—ブルの方を見ると、そこには完全に酔い潰れている見覚えのある2人が居た。すると、辛うじて意識が残っていたアズミの目と2人の方を見ていた僕の目が合った。すると、アズミが口を動かして何かを呟いてきた。

『この貸しは大きいですからね……がく』

 そう呟いてから気絶したアズミを見て、後で何かを奢る事を固く誓っていると、メグミが今度は僕の隣に座ると、凭れ掛かってきながら話しかけてきた。

「むふふぅ~♪せぇんぱぁい♪」

「はぁ。そろそろ帰ろうか?メグミ」

「うぅ~!!先輩が苛めるぅ~!!」

「苛めてないよ」

 僕はそう言ってからメグミを連れて帰ろうとした時だった。ふと、何かを思い出した様な口調で千代さんが話しかけてきた。

「そうそう、そう言えば最近、ボコと是非ともコラボしたいって言っていたわね」

「何処の会社ですか?」

「う~ん、会社と言うよりもどちらかと言えば“商店街”と言った方が分かりやすいかも知れないわね~」

「……はい?」

 僕が疑問形で聞き返すと、千代さんはいつもの笑顔で僕の方を見て答えてきた。

「なんでもぉ、“とあるバンドメンバ—”の1人に熊の着ぐるみのキャラが居るらしくて、確か名前は……ミッシェルだったかしらねぇ?とにかく、そのキャラとボコをコラボさせようって話らしいわ。近い内にバンドの子達もこっちに来るらしいから、対応お願いね♪それが大丈夫ならば、今日は帰っても良いわよ?」

「……はい。分かりました。こちらの方で対応させて頂きます。それでは」

「それともう1つ!」

 メグミの手を僕の肩に回してからその場を去ろうとした際、僕の服を掴んで来た千代さんの方を見ると、千代さんが真剣な眼差しで話しかけてきた。

「たっくんが余裕がある時で良いから、あの子に……、愛里寿に会ってあげて」

「………」

 千代さんのその眼差しを正面から見てしまった僕は、答えようとした言葉を出せなかった。その時に見た千代さんの目がとても悲痛な表情をしていたからだ。

「……時間に余裕ができたら、会いに行きますよ。お母さん」

 何とか口から言葉を絞り出して答えてから、僕は自分の財布からお金を出してメグミと共に屋台を後にした……。



如何だったでしょうか?

今回は巧が屋台に向かい、そこでの千代さんとの会話をメインに書かせて頂きました。また、今回の作中にも出て来ましたが、予定では近い話の中で”とあるバント”と謎のクマのマスコット、”ミッシェル”を絡めて行きたいと思いますので、よろしくお願い致します!!

此処で、謝辞を。いつの間にかお気に入り登録数が50人を越えて、しかも6人の方に評価して頂けました!!皆様、本当にありがとうございます!!これからも頑張って行きますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!

P.S.最近バンドリを初めて思った事はハロハピが1番良いと思っています!!特にロミオとシュガソンが1番良い!!


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第七話

第七話目となりました!!興味があればどうぞよろしくお願い致します!!相変わらずの駄作ですが……


第七話「少女の気持ち」

「ただいま」

「たぁ~だぁ~いぃ~まぁ~♪」

 僕と僕の肩に手をまわした状態で玄関に入って来たメグミは、それぞれ返事をしてから互いの靴を脱いでリビングに連れて行き、ソファ—にメグミを寝かせた。

「ありがとうござぁいましゅ。せぇんぱぁい♪」

「全く……、今日はやけに飲んだようだね。なんでそんなに飲んだのさ?」

「……なんで、れすかぁ?」

 僕が理由をきいた瞬間、さっきまでの酔っている雰囲気が一気に消えると、頬を赤くしたままではあるが目つきを鋭くして、むっとした表情で僕に話しかけてきた。

「せぇんぱい、その場に正座して下さい」

「え?正座?どうして僕が「良いから早くせぇいざして下さい!!」あ、はい……」

 かなりの鬼気を籠めた声で僕の話に割り込んで来たので、思わず圧倒されながらその場に正座をした。すると、それを確認したメグミは自分のスマホを操作してから、ある写メを僕に突き付けてきた。

「さぁ先輩!!この写メについての弁解を聞きましょうかぁ!!」

「弁解?なんのこと――ッ!?」

 そこに写し出されていたのは昼間のオ—プンキャンパスでケイにキスされている所の写メだったのだ。

「な、なんでこんなのが……?」

「後輩の娘が送ってきてくれたんれぇすよ!で、なんで先輩はこの子に抱き着かれて、しかも、キ、キキキ、キスなんてされているんですかぁ!!」

 メグミはそう言って僕の両肩を持つと、前後に勢いよくしかも強く振り出した。体を強く揺さぶられながらも、僕はなんとか口を開いて話した。

「いやいやいや!!こ、これには訳があってだね……!!」

「訳ってなんれすかぁ!?そんなに重要な訳だったんれすかぁ!!」

「ほ、ほら!!“サンダ—ス付属高校(あそこ)”って挨拶でもキスしてくるだろう?!今回もきっとそうじゃないかな?うん、きっとそうだ!!」

 僕はそう答えて勝手に納得して終わらせる様に大きく頷いていると、メグミはスマホを降ろして顔を俯かせると、丁度顔が彼女の髪によって見えなくなってしまった。

「あ、あの~……、メグミ?」

「……しょう……」

「ん?」

 不意にメグミが呟いてきたので、僕が顔と体を近づかせて聞き返すと、メグミは僕をそのまま勢いよくその場に押し倒してきたのだ。

「ちょっ?!メグミ!!どうし―――!!」

「……キス、しましょう……?」

「……な!?何を言っているんだ、メグミ?」

 僕が驚きながらメグミの顔を見ると、そこには両目を潤ませながら僕の事を見つめてきたのだ。僕がなにかを話そうとしていると、更に畳み掛ける様に話しかけてきた。

「ねぇ……駄目なの?“お兄ちゃん”……」

「……!!」

 メグミの話した言葉に僕は思わず声が出なくなってしまった。メグミが僕のことを昔から“お兄ちゃん”と呼んでいる。それはメグミを苛めから助けた“あの時”からずっと僕の事を“お兄ちゃん”と言い、ずっと僕の後を付いて来ていたのだ。すると、メグミの両目から大粒の涙を零していた。

「ねぇ!答えてよ、お兄ちゃん!!どうして他の子からはキスとか許して私は駄目なの?!どうしてずっと前から一緒に居る私の気持ちに気付いてくれないの?!私、もう我慢できないの!お兄ちゃん!!」

 メグミは涙を流しながら、僕に馬乗りその上で僕の両手に彼女の手を絡める様に繋いでくると、そのまま僕の唇に自分の唇を近づけてきた。僕は近付いてくるメグミの唇が自分の唇に触れそうになる直後に、静かに話しかけた。

「……あぁ。僕は確かに君の好意に気付いていなかったよ。でもね、僕は正直君を受け入れても大丈夫なのかが分からないんだ……」

「……どうして、そんな風に思うの?」

「僕の事を近くで見てきたメグミならば分かるだろう?僕の『性格と信念』について……」

「……ッ!!」

 僕の言葉を聞いた瞬間、メグミは目を見開いて驚いていた。それを確認した僕は体を起こしてからメグミの顔と目を見つめて話した。

「もし、メグミが僕のそれらを全て受け入れることができるのであれば……、僕はメグミの事を大切にしようと思う……。ただ、この答えを今の君から聞きたくはないから、今日は良く考えてくれ」

「……分かり……ました……」

「ありがとう……。そして、本当にごめん……」

 僕は優しく話しかけながら、メグミの頭を僕の元に寄せて優しく頭を撫でた。すると、メグミの方からすすり泣きが聞こえて来たが、僕はそんなメグミの顔を見ずに優しく撫で続けた……。

 ☆

 メグミに押し倒されてから一夜明け、朝の7時に自室のベッドで目を覚ました僕は、部屋着のままでリビングに出て行くと、そこには既に朝食を作っていたメグミの姿があった。僕に気が付いたメグミはいつもの明るく、そして優しい笑顔で話しかけてきた。

「あ!おはようございます!!お兄ちゃん♪」

「おはよう、メグミ。今日はいつもよりも早いんだね」

「はい!お兄ちゃん、今日は黒森峰の練習を見に行くと言う事だったので、この場所からだと黒森峰の練習場は遠いから、早めに出るかなって思ったんです♪」

「そうだったんだね。ありがとう、メグミ」

 僕が頭を撫でながらお礼を言うと、気持ち良いのか目を細めて顔を赤らめていた。メグミが朝食をテ—ブルに並べて、互いに椅子に座って朝食を食べた後、2人で身支度の準備を整えてから、再び僕は先に外に出てバイクを寮の前に移動させた。そして、外に出てきたメグミにいつもの確認をした。

「忘れ物とかは無いかい?メグミ」

「はい!大丈夫です!!」

「家の鍵は閉めた?」

「閉めました!!」

「じゃあ、行こうか」

「はい♪」

 僕が彼女のヘルメットを渡すと、メグミはヘルメットを被ってから僕に抱き着いてきた。それを確認してからバイクのエンジンを入れてから、アクセルを捻って移動を始めた。移動中、僕に抱き着いているメグミの強さがいつもよりも強くなっているのを感じていた。そして、目的地である大学選抜の練習場の近くに到着した。

「メグミ、到着したよ」

「ありがとうございます!帰りはちゃんと電話しますね♪」

「分かった。それじゃあ」

「待って下さい!!」

 僕は再びアクセルを捻って出発しようとした時に、メグミが僕を呼び止めて来た。僕がメグミの方を見ると、メグミは僕の頬にキスをしてきたのだ。

「め、メグミ……?!」

「えへへ♪行ってきます、お兄ちゃん♪」

 メグミは笑顔で僕に手を振ってから練習場へと入って行った。僕はそれを見送りながら呆然としていたが、すぐに我に返り急いで黒森峰の練習場に向かったのだった。



如何だったでしょうか?

今回は酔っぱらったメグミと一緒に寮に帰ってからの話と、翌日の話についてを書かせて頂きました!!

今回の話は少し無理矢理にそして無理くり展開かも知れませんが、此処まで読んで下さり、ありがとうございます!!次回から一応新章に入る予定となりますので、どうかよろしくお願い致します!!

後、今回の話の方でもし、R-18版の話の方がもし読みたいと言う方が居れば、感想の方に連絡お願いします。そちらの方も書こうと思います。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第八話

遅れてしまって申し訳ございません!!新作が完成しましたので是非読んで見て下さい!!


第八話「堅物少女の優しい微笑み」

 メグミを練習場に連れて行ってから、僕はもう1つの目的地である黒森峰の陸地での演習場に到着した。

「さて……、鬼が出るか蛇が出るか……」

 僕はバイクを指定の位置に停めて軽めの荷物を持ってから、目的の人物に電話を入れた。

「もしもし、まほちゃん?今演習場に到着したんだけど、何処に向かえば良いかな?」

『そうか。では、こちらから迎えを向かわせるから、少し待っていてくれ』

「分かった。ありがとう、まほちゃん」

 それだけ言ってから電話を切って暫く待っていると、見覚えのある衣装を着た銀髪の少女が不機嫌な表情と雰囲気を纏ってこちらに向かって来ているのが見えた。

 (あれ……?あの子ってもしかして……)

「もしかして……、エリカちゃん?」

「……久し振りですね、巧さん。隊長から案内するように言われていますので、ついて来て下さい」

「あぁ。感謝する」

 不機嫌そうに答えて来たのは、黒森峰の副隊長である逸見エリカちゃんだった。エリカちゃんは僕の事を睨み付けながらそう言うと、僕に背を向けて歩き出した。僕はエリカちゃんに礼を言ってから後を追って歩き出した。暫く歩いて行くと、目的地である高台に到着した。するとそこには見覚えのある少女が首に着けているマイクで指示を出していた。

「あぁ。そのままの状態を維持しつつ移動してくれ」

『了解!』

「相変わらず的確な指示だね。まほちゃん」

「……久し振りだな。巧」

 僕の声に気付いた少女、西住まほちゃんは僕を見ると少しだけ微笑みながら頭を少しだけ下げてきた。そして、僕に近づくと何故か僕の右腕に自分の腕を絡めてきたのだ。

「え~と、まほちゃん?何をしているのかな?」

「?何をしているのかと言われれば、腕を絡めているだけだが……、嫌だったか?」

「いや、そうじゃなくて!!いきなりの事で僕も驚いてしまっているし!!ほ、ほら、エリカちゃんだって固まってしまっているよ?」

「……?エリカが固まっている?」

 僕の言葉が理解できていないまほちゃんは、僕の奥に居るエリカちゃんの方を見た。すると、そこにはあんぐりとしているエリカちゃんが立っていた。

「……?どうしたエリカ。そんな所であんぐりしている?早く練習に合流して来るんだ」

「……っは!?す、済みません!!」

 我に返ったエリカちゃんは、慌てながら返事をしてから一度だけ僕の事を強く睨んでから自分の戦車の元に走って行った。それを見送ってからまほちゃんに話しかけた。

「良いのかい?まほちゃんも練習した方が……」

「私は今回、指示をしながら客観的に状況を見て、後で反省点などを言うつもりだ」

「なるほどね……。まほちゃんも“成長した(・・・・)”って事か……」

 僕がそう呟いていると、何故か顔を赤らめて俯くまほちゃんが居た。何故顔を赤らめているのか全く理由が分からない僕が首を傾げていると、不意にポケットの中に入れてあるスマホが振動を始めた。

「……?誰からだろう……」

 スマホを取り出してまほちゃんに出て良いかを確認しようとしたが、まほちゃんが顔を俯けたままになって聞こえてなさそうだったため、僕は勝手にスマホを操作して電話に出た。

「もしもし?」

『あ—、お~っす!元気してるぅ~?“リ—ダ—”?』

「……ちょっ!?今近くに人が居るから、あまりその名前で呼ばないでくれ」

『あ、そうだったの?ごめんね♪』

「……それで、用件は何だい?」

『後で話があるから、“アジト”に来てねぇ~』

「……分かった。それじゃあ後で」

 電話相手にそれだけ伝えて電話を切りまほの方を見ると、そこには顔を赤らめながらも僕の腕に再び彼女の腕を絡めてきたのだ。しかも、先程よりも胸を強く押し付けてきたのだ。

「……え~と、まほちゃん?君はどうしてまた僕の腕に君の腕を絡めているのかな?しかも今度はその……結構強く押し付けているけれど……?」

「……こ、これくらい強くすれば私も“成長(・・)”している事が分かると思ったのだが……駄目か?」

「そ、そうなんだ……。い、いや駄目じゃないけれど……」

「それならば良かった……」

 そう答えながら一緒に練習を見ていた2人は、暫くの間ずっと腕を絡めたまま練習を見つめていた。そして練習が休憩時間になると、何かを思い出した様に僕に話しかけてきた。

「……なぁ、巧」

「ん?何かな?」

「もうすぐ昼休憩になるから、良ければ一緒に昼食を食べに行かないか?」

「うん?あぁ、昼ご飯か……。良いよ、一緒に食べよう」

「そ、そうか!!この近くに私のお勧めのお店があるから、そこで食べないか?」

「あぁ、お願いするよ。バイクがあるからお店までは僕が送って行くよ」

「済まない。では、エリカたちの片付けが済み次第出発しよう。私は全員に練習の反省点を伝えて来る」

「あぁ。分かった」

 まほちゃんは頭を少しだけ下げて謝ってから、エリカちゃん達の元に向かって行った。その時のまほちゃんの顔が心なしか嬉しそうな表情をしていた事に僕は気付かなかった……。

 ☆

 “―――巧が黒森峰での練習をして、昼食を食べに向かおうとしていた頃、メグミ達は……。―――”

「隊長、そろそろ休憩にした方が良いのでは?」

「そうね。皆、休憩に入って」

「「「はい!!!」」」

 隊長の指示によってそれぞれ昼食に入る為の準備に入っている隊員たちを見ている私に、背後からアズミとルミが近付いて来て話しかけてきました。

「メグミ~、この近くに美味しいお店があるらしいけど、食べに行く?」

「良いわね。ちなみにどんなお店なの?」

「どうやら洋食店らしいけれど、そのお店の店長がアンツィオ高校の生徒で料理が美味しいんだってさ」

「へぇ~、それは興味があるわね!!行きましょう!」

 お店の情報を教えてくれたルミに答えていると、丁度近くに隊長が近付いて来ました。

「隊長――!!この近くに美味しい洋食のお店があるらしいので、これから私たちそこに昼食を食べに行こうと思っているんですけれど、隊長もご一緒にどうですか?」

「うん……。行きたい……」

 隊長が何処か嬉しそうな表情で頷いて来ました。それを見ただけで先程までの練習の疲れが一瞬にして吹き飛んで行くぐらい癒されました。それを見ているとルミが手を上げて興奮しながら、力強く話し出しました。

「それじゃあ、車は私が用意しますね!!」

「なっ!?ルミ、抜け駆けは許さないわよ!!」

「はははっ!!早い者勝ちだ!!」

 2人はそう言いながら我先にと歩きながら車に向かって歩いて行くのを、微笑みながら私は隊長と一緒に見送っていました。まさか、そのお店で衝撃的な事を知ることになろうとは、私はまだ知りませんでした……。



如何だったでしょうか?

今回は黒森峰の練習風景とまほとのイチャコラ?を書かせて頂きました。

まぁ、遅れてしまったうえ作品の内容も駄作になってしまったので、何も言えることは無いのですが……。それでもよければ、これからも頑張って行きますので、よろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第九話

年明け前の最後の投稿です!!それではどうぞ!!


第九話「お店でのひと時~平和と戦慄~」

 僕のバイクの後ろに乗ったまほちゃんと一緒に、目的であるお店に向かって出発していた。ちなみに、僕たちの後ろからエリカちゃん達も黒森峰の校章が入った車(確か“エノク”と言ったか)に乗って後を追って来ていた(勿論、武装は全て取り外している)。

「もうすぐ到着するぞ」

「分かった。……あそこかな?」

「あぁ。あそこのお店だ」

「了解」

 僕たちの前方に見えた1件のお店を確認した僕たちは、お店の駐車場に入ってバイクを停めると、後に続く様にエリカちゃん達の乗っている車も近くに停まった。バイクから降りたまほちゃんがヘルメットを外して僕に渡してきた。

「ヘルメットありがとう」

「大丈夫だよ。それに、このヘルメットはお客様用の物だからね」

「そうか……。ならば良かった。だが、どうして巧のバイクにはヘルメットが3つもあるんだ?2つあれば良いのではないか?」

「あぁ……、ちょっと訳ありでね。僕のバイクにはヘルメットを常に3つ用意しておいているんだ」

「そうなのか」

 まほちゃんに向かって頷きながら僕は答えた。そう、本来ならば2つで十分なのだが、昔、急いでいた僕は別の子にメグミ用のヘルメットを使わせてしまったのだ。その結果、そのことがメグミにばれてしまい、一気に不機嫌にさせてしまったのだ。

 (まぁその結果、機嫌を取り直してもらうために謝ってから、後日買い物に付き合う羽目になって、沢山買わされたなぁ……)

「巧?どうした?さっきから遠い目をして」

「ん?いや、気にしなくても大丈夫だよ。さぁ、早くお店に入ろうか」

「?あぁ、そうしよう」

 僕の声に首を傾けながら答えてきたまほちゃんと一緒にお店の中に入って行った。店の中に入ると、既にエリカちゃんが4人席を取っていてくれていた。

「さぁ、隊長!!こちらです!!」

「ありがとう。さぁ、巧もこちらに座ってくれ」

「あぁ。分かった」

 僕はまほちゃんが示した場所……、彼女に向かい合う様に座った。すると何故かまほちゃんが何処か嬉しそうに微笑んできたのだ。それを見ていると、その隣からエリカちゃんが番犬の様に僕の事を睨んできていた。それを見て苦笑していると同じように苦笑をしていた唯乃ちゃんが僕の隣に座って来た。するとそこにお冷とお手拭きを乗せたお盆を持った店長が近付いてきた。

「いらっしゃいまほちゃん!そして黒森峰の皆さん!!おや?今日は見ない顔が居るけれど……もしかしてぇ~?」

「店長、この人は私達のコ—チをしていただいているんです。そのような関係ではございません」

「そうなんですかぁ~。それは残念だなぁ~。まぁ良いや!!それで、本日のご注文は?」

 店長さんは少しだけ残念そうにしてから、僕たちに注文を聞いてきた。すると、まほちゃんはメニュ—を見ると、すぐに注文を始めた。

「私はビ—フカレ—を。エリカたちはどうする?」

「わ、私はチ—ズハンバ—グを!!」

「では私はミ—トパスタを」

「それじゃあ僕は……このミ—トドリアンで」

「ミ—トドリアンが1つとチ—ズハンバ—グが1つとミ—トパスタとビ—フカレ—ですね♪畏まりました!それでは少々お待ちを♪」

 店長は僕たちに笑顔でそう答えると、そのまま僕たちに手を振ってから厨房の方に入って行った。それを見送ると、まほちゃんが待ちわびた様な挑戦的な表情を僕に向けながら話しかけてきた。

「さて、料理が運ばれてくるまでに時間があるのだが……、巧、どうだろう?此処で1局しないか?」

「勝負って……、此処にあるのかい?見るからになさそうだけれど?」

「エリカ、あれを」

「はい!!」

 僕がまほちゃんに聞くと、まほちゃんはエリカちゃんに向けて指示を出した。するとエリカは唯乃ちゃんの方を見て頷いた。すると、唯乃ちゃんも理解したのか2人の背後から1つのバックを取り出して、それを机の上に開いた。その中にはチェスの用意一式が入っていた。それを見て驚いていると、隣に座っている唯乃ちゃんが小声で話しかけてきた。

「隊長はこのお店で良くチェスをしているんです」

「え?それってお店の人から怒られないの?」

「あぁ。この店の店長とはチェス仲間でな。陸地での練習の時は良くこの店に来ては店長と良くチェスをしているのだ」

「そ、そうなんだ……」

 驚いている僕を見ながら、まほちゃんは再び挑戦的な表情を僕に向けてから話しかけてきた。

「それで、どうだ?1局」

 (まぁ……、流石に此処まで用意して貰ったのにやらないわけにはいかないか……)

「良いよ。やろうか」

 僕の答えを聞いたまほちゃんは、嬉しそうに微笑んでから自分の元に黒いチェスの駒を並べ始めた。それを確認してから僕も白のチェスの駒を並べ始めた……。

 ☆

「あッ!見えてきましたよ、隊長!!」

 ルミの運転で無事に目的地であるお店に到着することができました。近くの駐車場に停めて車から降りると、アズミが近くに停めてある車に気が付きました。

「あれ?この車に書いてある校章って……、まさか黒森峰?」

「じゃあ、このお店に黒森峰の生徒が来ているの?」

「確か黒森峰の戦車道が陸地で練習をしているって言っていたわね」

「それじゃあ此処に来ているのって……」

 私たちがそれぞれ話し合っていると、隊長が後ろから私たちを心配そうに見てきている事に気が付いた私たちは、3人して頷いてから隊長に話しかけました。

「た、隊長。実は……ッ!?」

 私は隊長に事態の説明をしようとした瞬間、見えてしまいました。車の影に隠れてその隣に私がいつも乗せて行ってもらっている先輩のバイクが停まっているのを!!

「メグミ……?どうかしたの?」

「いえ、何でもありません。それよりも急いでお店の中に入りましょう!」

「え……?う、うん……」

 私の凄みと勢いに圧倒されているのでしょうか?隊長が少しだけ怯えながら答えてきていました。すると、それを後ろで見ていたアズミとルミが慌てながら私の肩を掴んで隊長から離れさせてから話しかけてきました。

「ちょっと!?何やっているのよ!!」

「何が?私は隊長にお店に入ろうって言っただけだけど?」

「いやいや!!明らかに殺気籠っていたから!!メグミ、取り敢えず冷静になって!!」

「ちょっと何を言っているの?ルミ。私は至って冷静よ?」

「す、既に冷静で無くなっている……だと……?!」

 私が明るい“笑顔(・・)”で答えると、ルミが驚きながら私の方を見ていました。すると、車の隣に停まっているバイクに気が付いたのでしょうか、私に恐る恐る話しかけてきました。

「あのバイクって……。ま、まさか……メグミ、アンタの学校の先輩が此処に来ているの?」

「……ッ!!さ、さぁ隊長!!い、急いで行きましょう!!」

「えっ?!ちょっと!!」

 アズミに図星を突かれた私は、急いで話を逸らすと隊長の手を握って店内に向かって歩き出した。それに続く様に隊長とアズミたちも店内に入って行った。すると、店内には何人かのお客さん(主に女性が多いような……?)が居ました。するとこちらに気が付いた店員さんが話しかけてきました。

「いらっしゃい!!何名様ですか?」

「4人です」

「4名様ですね♪それでは……、あちらの席に座って下さい♪」

 店員さんに案内された席に座る事になった私たちは、後から来たアズミとルミ、そして隊長の3人に先に席に座ってもらいました。ちなみに、私は廊下側の席で隣には隊長が座っています。そして向かい側には何故かアズミが座りました。それを確認してから店内を見渡していると、1ヵ所だけ雰囲気が違う場所が在った。と言うより、店内に居る女性客全員がその席を羨ましそうな視線で見つめていた。私は呼吸を整えながらその席の方向を見ると、そこに居たのは黒森峰のパンツァ—ジャケットを着た生徒3人と先輩が居たのです!!

「なっ……!!」

 目を見開きながらそれを見ていると、先輩が不意に微笑んでから手を動かして駒を動かしていました。そして、その向かい側に居る黒森峰の生徒も何処か嬉しそうな表情で先輩の事を見つめていました。

 (せ、先輩ぃ……!!そ、その子は一体……、誰ですかぁぁぁぁ―――――!!)

 私は歯を食いしばりながら、先輩の目の前に座っている生徒を羨ましそうに見つめながら、拳を握り締める事しかできませんでした……。

 ☆

 (え……)

 メグミが悔しそうに見つめている先を見た私は、メグミが見つめている先を見つめて呆然としていました。何故ならば……。

 (どうして……、“お兄ちゃん”が此処に居るの……?)



如何だったでしょうか?

今回は巧がまほ達と一緒に昼食を食べに行き一緒にチェスしている所をメグミたちに見られたところまで書かせて頂きました。

今回の話で新たなフラグと修羅場らしきフラグが立った(?)様な感じにはなったと思います。

此処で皆様にご報告があります。現在、連載している『引っ込み思案の少女と猫の店』ですが、今一度考えた結果、オリジナル作品として再編集して連載しようと思います。その代わり、バンドリのクロスオ—バ—作品を新たに作成しようと考えています。内容としては、Pastel*Palettesをメインとした内容を考えていますので、ご興味がございましたら、どうかよろしくお願い致します。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第十話

久々の投稿になります!!久々の割には話が余り進んでおりません!!しかも、駄作の可能性があります。それでもよければどうぞ!!


第十話「練習帰りと夕食の風景」

 まほちゃん達とお昼ご飯を食べた後、映秀上に戻った僕は午後の練習も一緒に見て、それから練習終わりまで一緒に居た。そして、僕はまほちゃんとエリカちゃん、そして唯乃ちゃんの3人が見送りに来てくれた。

「わざわざ見送りに来なくても良かったのに」

「いや。巧はちゃんとした客人だ。見送りは当然のことだ」

「明日も来て貰えますか?」

「あぁ。練習試合まではずっと此処に通うつもりだよ」

 僕の話を聞いた唯乃ちゃんは少しだけ嬉しそうに微笑んでから頷いてきた。またその話を聞いていたまほちゃんも嬉しそうに少しだけ微笑んで答えてきた。

「そうか……。それでは巧、明日も頼む」

「あぁ。それじゃあ―――」

 そこを遮るように僕のスマホから聞き覚えのある着信音が聞こえてきた。僕はまほちゃんに手を上げて許可を取ると、まほちゃんも頷いて応えた。僕はスマホの画面を操作して電話に出た。

「もしもし?」

『もしもし?お兄……先輩。今大丈夫ですか?』

「大丈夫だよ、メグミ」

『良かった。そろそろこっちの練習が終わりますので、迎え来て貰えますか?』

「大丈夫だよ。こっちも今終わったから」

『分かりました♪入口近くで待っていますね♪』

「分かった。それじゃあ後で」

 メグミからの電話を切ると、話の途中だった事を思い出してまほちゃん達の方を見ると、エリカちゃんは僕に向かって怒りと殺気を放っていた。それを宥めようと唯乃ちゃんが相変わらずの苦笑いをしていた。そしてまほちゃんはいつの間にかさっきまでの表情から戦車道を行っている時の様な真剣な眼差しになっていた。驚いている僕にまほちゃんは真剣な表情のまま話しかけてきた。

「……巧、今の電話の相手は誰だったんだ?」

「ん?あぁ、幼馴染だよ。近くで練習をしているらしくてね。丁度練習が終わりそうだから迎えに来て欲しいって来たんだ。今から迎えに行こうかなってね」

「……そうか。それでは早く迎えに行ってやると良い」

「……?あぁ。そうするよ、それじゃあ」

「あぁ。また明日」

 僕は手を上げてまほちゃんに答えてから、そのままバイクのアクセルを捻ってその場を後にした。別れ際、ほんの少しだけ見えたまほちゃんの顔が何処か悲しそうな表情をしていたのが少しだけ気掛かりだった……。

 ☆

 暫くバイクを運転すると、大学選抜の練習場の入り口に予定通りの時間に到着した。すると、入り口の所でメグミが待っていた。そして、僕のバイクに気が付いたのか笑顔で僕の方に向かって手を振ってきた。

「済まない。遅れてしまったかな?」

「大丈夫ですよ♪それじゃあ早く帰りましょう♪お兄ちゃん」

「あぁ。それじゃあ帰ろうか?」

「うん♪」

 僕がメグミ用のヘルメットを渡すと、メグミは笑顔で頷きながらヘルメットを被って僕の後ろに跨ると、そのまま僕の背中に体を密着させて僕のお腹に両腕を巻き付けてきた。それを確認してからアクセルを捻って出発した。周りの風景がさっきまでの草原の風景から街並みに代わり、僕たちが住んでいる寮に近づき始めた。その近くの信号で止まったのを機に僕はメグミに話しかけた。

「メグミ、今日の晩御飯はどうしようか?」

「そうですね~。今日は時間がまだありますし、久々に豚カツでも作ろうと思いますので何処かによって買い物に行きたいです」

「分かった。それじゃあ近くのお店にでも寄ろうか?」

「はい!!」

 メグミに頼まれてバイクを近くのス—パ—マ—ケットに寄って買い物を済ませてから、寮に帰って部屋の中に入ると、買い物で買った物をリビングのテ—ブルに置いてから、一旦それぞれの部屋の中に入って部屋着に着替えてから2人して豚カツを作り、そして一緒に夕食を食べ始めた。そして暫く食べながら他愛のない話をしていると、不意にメグミが僕に向かって笑顔で話しかけてきた。

「そう言えば、今日のお昼ご飯を一緒に食べていたあの“可愛い女の子”は一体誰だったんですかぁ?」

「ぶふっ?!」

 いきなりの不意打ちに驚いてしまい、飲んでいたお茶を吹き出しそうになってしまい咽てしまった。その反応を見ていたメグミがジト目で僕の事を見つめながら話し出した。

「随分と楽しそうでしたものね~。チェスしていた時とかかなり楽しそうでしたよねぇ~」

「ま、まさか君もあのお店に来ていたのか……?」

「えぇ。隊長たちと一緒にお昼ご飯を食べに行ったんです。そしたら丁度窓側の席でチェスを楽しそうにやっていたのも、4人で楽しくご飯を食べていたのも全部見ていましたよ♪」

「うぐ……」

 ジト目で見つめながら、追い詰める様に話を斬り込んでくるメグミに対して僕は顔を引きつらせながら声を詰まらせていると、メグミはジト目でもっと顔を近づけてきたので、僕はメグミに向かって話した。

「ちょっと待ってくれ!!メグミは少し勘違いしている!!」

「へぇ~?勘違いって何が勘違いですか?」

「あの子は西住まほちゃんだぞ?」

「西住まほってあの時の試合で大洗連合に居たあの子ですよね?その何処に勘違いの要素があるんですか?私にはさっぱり分かりませんが?」

 メグミが徐々に不機嫌になりつつあるのか、口調や声音が徐々に変わりつつあることに気が付いた。そこで僕は咄嗟にある事を話し出した。

「憶えていないか?小学生の頃に一緒に遊んでいたぞ?」

「……え?そうなんですか?」

 憶えて無いのかメグミは首を傾げていた。しかし、実際は本当に遊んでいた。その事について説明するために僕は一度自分の部屋に入って本棚の中からアルバムを取り出してからリビングに戻ると、ペ—ジを何ペ—ジか捲るとそこに挟まっている写真の中にある1枚の写真をメグミに見せた。

「ほら、この写真を見てよ」

「ん?この写真って……懐かしいなぁ~!!お兄ちゃんと私が小学生の写真だぁ~!!」

 僕がメグミに見せた写真は僕が小学4年の頃……、メグミは小学3年の頃の写真である。それを見つめながら、自分の皿に乗っている豚カツを食べてから話した。

「確か……、僕が小学4年でメグミが小学3年の時に、僕の家の縁側で2人してのんびり中庭で寝転がっていた猫たちを見てのんびりしていた時に、西住流の家元……、しほさんが家に来て、近くに仕事が在ったから寄ったって言ってからしほさんがまほちゃんたちを連れて来て、『私が迎えに来るまで面倒を見ていて欲しい』って言って2人を僕たちに預けてきたろう?」

「……あぁ~!!そう言えばそうだった!!」

 僕の話を聞いて思い出したのか、メグミは懐かしそうな表情で話し出した。

「そうだった~!確かあの時はまほちゃんとみほちゃんの2人と一緒に遊んだね~♪」

「そうそう、確かあの時僕がチェスをまほちゃんに教えて挙げてから、僕と会ったら必ずチェスで勝負していたからね」

 僕が何処か楽しく話していると、むっとした顔をしたメグミが僕の方を見つめながら、最後の一切れを食べてから話した。

「ふ~ん。お兄ちゃんはチェスができるああ言う子が良いんだぁ~?」

「え?いや、そう言うわけじゃなくて!!」

「ふ~んだ!!大体、チェスは私だってできるのに!何で私とはやってくれないんですか?!」

「そ、それはぁ~」

 メグミから視線を逸らして話す言葉を考えた。別にメグミとチェスをやるのが嫌いと言うわけではない。むしろできるのであれば毎日やりたいところだ……。しかし、メグミは自分が負けそうになると一気に機嫌が悪くなり、僕が勝ってしまうと暫くの間口をきいてくれなくなってしまうのだ。

 (全く……。どう答えよう……)

 僕が悩んでいると、不意に僕のスマホから聞き覚えのある着信音が聞こえてきた。僕がスマホに出ると、そこから聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

「もしもし?」

『もしもし?巧君?私だけど、今大丈夫かしら?』

「はい、大丈夫ですよ。伏美さん」

 “伏美さん”にそう話しながらメグミに頭を下げてからリビングから自室の方に歩いて行った。

 ☆

 (もう、後少しだったのになぁ……)

「もう、タイミング悪すぎですよ。伏美さん……」

 お兄ちゃんに電話して来た人……、お兄ちゃんが伏美さんと言う事は確かお兄ちゃんの仕事関係の人だったはずと私は思い出しながら、残念な気持ちでサラダを食べました。

「それにしても……、このままだとまほちゃんも……」

 そこで私はさっきまでの話を思い出していました。……小学生の頃に遊んだことがあったことはさっきの話で思い出すことができたけれど、あの時のまほちゃんの表情を見ていた私は何処かまだ気掛かりなところがありました。

 (あの表情は明らかに恋している女性の顔だったんだよなぁ~)

 あの時のまほちゃんは明らかにお兄ちゃんに向かって熱い視線を向けていたし、話していた時も時々顔を綻ばせていたけれど、あれは明らかに恋しているそれだった。

 (このままだとお兄ちゃんが……)

「ダメダメダメぇ~~!!このビジョンは絶対に駄目ぇ~~!!」

 私の脳内ではお兄ちゃんがまほちゃんと結婚式を行っているビジョンが浮かび上がってしまい、声を出しながら首を勢いよく横に振ってしまいました。そして、気持ちを落ち着かせながら静かに呟きました。

 (こ、こうなったら……“あれ”を使うしかないわね……!!)

「ふふふ……、これで問題無いわ……!!」

 私は小さく呟いてからお兄ちゃんが戻って来る間、ずっと不気味に笑っていました……。



如何だったでしょうか?

今回はメグミとの夕食を食べながらの話を書かせて頂きました。

久々に書きますので、内容が少ししか進んでいなかったような気がしますが……。それでも良ければこれからもお付き合いの方よろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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エピローグ

遅れてしまい申し訳ございません!!新作が完成しましたので投稿します!!

※注意、今回の話はエロい部分がございます。場合によってはR-18になってしまう可能性があります。そう言うのが苦手な方は気を付けて下さい。


エピロ—グ「電話とお風呂と彼女の『初めて』」

 伏美さんからの電話に出た僕は、メグミに手を立てて謝ってから自室に入って再度電話に出た。

「済みません、お待たせしてしまいましたか?伏美さん?」

『いいえ、気にしなくても大丈夫よ。それで電話した内容なんだけれど』

「はい。何でしょうか?……もしかしてまずい事でもありましたか?」

『うん?そんな事は無いわよ。今日は例のボコとミッシェルのコラボ企画についての連絡をしようと思って報告しようと思ったのよ』

「コラボ企画……。あぁ、あの企画ですね。何かあったんですか?」

 『ミッシェルとボコのコラボ企画』とは以前から度々上がっていた企画の1つであり、最近になって有名になって来ているマスコットキャラとコラボしたグッズやイベントに参加すると言った物で、最近になって巷で有名になって来ているバンドメンバ—にマスコットキャラが居ると言う事で、今回の企画が実行されたのだ。そして、伏美さんはこの企画の担当責任者となっているのだ。

『それがなんだけれどね……。今回のコラボ企画でコラボする予定となっている“ミッシェル”が所属しているバンドメンバ—のリ—ダ—が一度巧さんと合って話がしたいって言っていてね。何時頃ならば予定が空きます?』

「空いている日付ですか?ちょっと待って下さい」

 僕はそう言うと、バックの中から手帳を取り出して確認しながら、もう1つのスマホを取り出して亜子に部活等の日程を確認して欲しいとメッセ—ジを送ると、すぐに既読がついて此処一週間のスケジュ—ルが送られてきた。メッセ—ジの内容と手帳の方のスケジュ—ルを確認した。

 (部活の方は3日後ならば空いているけれど、その日は……。待てよ……?)

「そうだ……」

『?どうかしたの?』

 僕の呟きが聞こえたのか伏美さんが僕に話しかけてきたので、僕は2つのスケジュ—ルを確認してから答えた。

「もしあちらの都合がよろしければ3日後に僕の指定する場所に連れて来てもらえないでしょうか?」

『3日後なのは分かったけれど、指定する場所について確認しても良いかな?』

「勿論。場所は―――」

 僕はそこでその日にその場所で何が行われるのかを簡単に話し、さっき閃いたプランについて話した。それを静かに聞いていた伏美さんは頷きながらメモを取っている様な音が聞こえてきた。

「……こう言うプランで行こうと思うけれど、大丈夫でしょうか?」

『流石巧君ね!!確かに、そのプランならばあちらの人たちも楽しみながら話をすることができるわ!』

「えぇ。一応昼食等についても僕に案があるから明日にでも電話でアポを取ってみますので、伏美さんはあちらの都合等の確認してもらえますか?」

『任せて!!それじゃあ、明日』

「えぇ。おやすみなさい」

 伏美さんとの電話を切った僕は、一呼吸着いてからリビングに戻ってメグミと一緒にご飯を食べ終わらせた。そして、一緒にソファ—に座ってメグミが用意してくれたコ—ヒ—を飲みながら2人でテレビを見ていた。テレビでは丁度小さな子供が1人で買い物をして来る番組だった。それを見ながらメグミが僕の肩に顔を乗せて話し出した。

「……ねぇ、お兄ちゃん」

「何?」

「……もしもさ、お兄ちゃんと私の間に……こ、子供ができたらさ……、どっちに似るかな?」

「……いきなり何を言っているんだい?メグミ」

「もしもの話だよ!!“IF”の話なのに何でそんな可哀想な目で見て来るのぉ?!もぉ—――!!」

 頬を赤く染めながらポカポカと僕の肩を叩いて来ていた。そんなメグミの姿を見ていると、年相応とは思えない可愛さと同時にこの笑顔を護りたいと言う気持ちも込み上げてきた。僕はそんなメグミの頭に手を乗せて優しく撫でると、最初は驚いていたメグミは次第に気持ちよくなってきたのか、目を細めて猫の様に嬉しがっていた。そして暫くすると、笑顔でメグミが話しかけてきた。

「お兄ちゃん!!そろそろお風呂に入ろうよ♪」

「お風呂か……。そう言えば今日だったっけ?」

「そうだよ♪ほらほら、早く行こう♪」

「分かったよ」

 僕はメグミにそう答えると、お互いに自室に入って下着などを用意してからお風呂に向かって行った……。

 ☆

 このサンダ—ス大学の寮の中には設備の1つとして各自の部屋に風呂場が1つずつ備え付けてある。基本、僕とメグミはそれぞれ別々に入るのだが……、週に1日だけ一緒に風呂に入っている。僕がそんな事をしていると聞けば、普通の男性たちは嫉妬や怒りの眼差しを向けて来るだろう。しかも、相手があのメグミの裸となれば興奮してしまうのも無理は無いと思う。だが……。

 (僕の場合は興奮しないんだよなぁ……)

 僕が先に風呂場に入り、体を軽く流して湯船に浸かってから頭を洗い始めた。すると、脱衣所の方からメグミの声が聞こえて体にタオルを巻いたメグミが入って来て、シャワ—を浴び始めた。その姿は本当に美しく、全ての男性が羨むシチュエ—ションだと改めて僕は思った。そう、この習慣に“慣れてさえいなければ(・・・・・・・・・・)”……。

「お兄ちゃん!体を洗ってあげる♪」

「あぁ。ありがとう」

 頭をシャワ—で洗い流してからボディ—シャンプ—を渡すと、メグミはそれを受け取ってタオルに出して泡立たせてから僕の背中を洗い始めた。

「お兄ちゃん?痒いところは無い?」

「あぁ、気持ち良いよ。相変わらず体を洗うのが上手いね。メグミ」

「えへへ……///そんなことないよ?私はいつもお兄ちゃんの背中を洗っているからね♪」

 僕の前にある壁に取り付けている鏡を見ると、メグミが頬を赤くしながら答えて来た。この習慣は元々家が隣同士で僕とメグミの両親の仲が良かったことも影響して、メグミが小学生の時からずっと2人でお風呂に入っているのだ。ただ、僕が海外に留学していた頃を除くとほぼ毎日入っていたのだ。

 (最近は戦車道の練習や僕の仕事とかの兼ね合いがあるから、週1になっているけれど……。今のこの状況って本当に幸せなんだな……)

 僕がそんなことを考えていると、僕の背中を洗い終えたメグミが話しかけてきたので、僕も急いで前を洗ってからシャワ—で泡を流した。

「ありがとうメグミ。今度は僕がメグミの背中を流すよ」

「それじゃあ、お兄ちゃん。よろしくね♪」

 メグミからタオルをもらうと、タオルにボディ—シャンプ—を出して泡立ててから、メグミの背中を洗い始めた。

「痒いところは無いかい?」

「はい。丁度良いです♪お兄ちゃんも背中を洗うのが上手いね?」

「ははは。そりゃあもう何年もやっているからね。得意にもなるさ」

「うんうん!!やっぱりそうだよね♪」

 そんな話をメグミとしながら僕たちは背中合わせに湯船に浸かった。暫く他愛のない話をしていると、不意に僕の背中に柔らかい物が2つ押し付けられてきた。

「え……?!メグミ?」

「……さっきの話の続きだけどさ……、子供ができたとしたらお兄ちゃんと私……、どっちに似るかな?」

「そうだね……。一体どっちに似るだろうね……」

 込み上げてくる性欲を理性で必死に抑え込みながら答える僕に対して、メグミは更に胸を押し付けると同時に、僕の肩を包み込むように両腕が巻き付けて話し始めた。

「お兄ちゃん……。私……もう……我慢できないよ……」

「……本当に、僕で良いの?他に好きな人ができるかも知れないだろう?」

 僕がメグミの方に向き直ると、メグミが顔を赤くしながらも答える代わりに僕の唇にキスをしてきた。突然の事で驚いている僕にメグミは答えた。

「私はお兄ちゃんしか好きにならないよ……だから……良いよ」

「……!!メグミ……」

 僕は思わずメグミに抱き着くと、そのままメグミの唇にキスをした。それに答える様にメグミは僕の口の中に舌を入れてきた。僕も舌を入れてキスをしていると、お風呂場にはキスの音が響き渡った。

「はぁ……!」

 僕がメグミの唇から離れると、メグミは顔を赤らめて何処か残念そうに両目を潤ませながら、妖艶な表情で僕を見つめていた。その姿に興奮してしまった僕はメグミの頬を優しく撫でながら優しく話しかけた。

「此処だとのぼせちゃうから、もし続きがしたいならば僕の部屋に来て。良いね?」

 僕の言葉に対して、声を出さない代わりに顔を俯かせてから静かに頷いてきた。それを確認してから先にあがるねと言って風呂場から出て行った。

 ☆

 (さてと……)

 お風呂から出た僕は体をタオルで拭いてドライヤ—で頭を乾かしてから、リビングに向かい冷蔵庫から牛乳を出してコップに注いで飲んだ。そして、自室に戻ってからベッドに座ってスマホを操作してある人に向かって1通のメ—ルを送った。すると、ゆっくりと僕の部屋の扉が開いて、タオルを巻いたメグミが入って来た。メグミは頬を赤らめながらも、意を決した様な表情で僕の隣に座って来た。メグミの頬を触れてから僕はメグミに話しかけた。

「……後悔は無いんだね?」

「……うん。お兄ちゃん……。よろしく……ね……?」

「分かった……。優しくしてみる……」

「ありがとう……」

 僕はメグミにそう答えてから、メグミを胸に抱き寄せてから顎を上げさせてから、ゆっくりと口づけをしながら、メグミのタオルを手で落としながらベッドへと倒れた……。



如何だったでしょうか?

今回の話はメグミとの関係が一気に変わった話です。そして、今回の話で第一章のエピロ—グとなります。

え~と、今回の話を読んで下さった方ならばお分かりになると思いますが……、今回の話でメグミさんは『初めて』を経験しました。『初めて』の内容に関しては今回は書いていませんが、もし興味がある方がいらっしゃいましたら感想の方にご記入お願い致します。

今回の話にはきっと賛否が分かれてしまうと思います……。ガルパンのキャラがそんな事を……と感じている方も居るかと思います……。それに関しては謝ることしか出来ません。申し訳ございません……。ですが、それでも大丈夫と言う方はこれからもよろしくお願い致します。

此処で、謝辞を。いつの間にかお気に入り登録数が100を超えていました。皆様のお陰です!!本当にありがとうございます!!これからも頑張って行きますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第二章~恋人関係(?)になった2人の日常と動き出した少女たち(季節:春~夏)~ プロロ—グ

今回から新章の開幕となります。今回はそのプロロ—グとなりますので、どうか楽しく読んで下さい!!それではどうぞ!!


プロロ—グ「関係が変わった(?)2人の新しい日常」

 カ—テンの隙間から春の朝日の零れ日が私の顔を照らしてきました。眩しくて思わず寝返りを打った私の頭を、不意に誰かの手が優しく撫でてきました。その撫で方がおってもくすぐったくて、そして気持ち良さにまだ完全に覚醒していない私は思わず頬を緩めていました。すると、今度はベッドに腰かけてから耳元で優しく囁きかけてきました。

「……メグミ。そろそろ朝だよ」

「……ん、んん……」

 耳元で聞こえてきた声に私はゆっくりと、目を覚ました私の顔の前に居たのはいつもの優しい表情をしたお兄ちゃんでした。私が起きた事に気が付いたお兄ちゃんは、優しく微笑みながら話しかけてきました。

「おはよう。メグミ」

「……おはよう。お兄ちゃん……」

 お兄ちゃんに挨拶をしてから起き上がろうとすると、腰に痛みが走りそのままベッドに崩れ落ちてしまいました。それを見ていたお兄ちゃんは苦笑しながら私の頭を撫でてきました。

「あはは、余り無理しなくても良いよ。昨日はあんな事をしたばかりだから」

「……お兄ちゃんのバカ、エッチ、ケダモノ」

「えぇ?!何でそうなるの?!」

「……初めてだって言ったのに、途中から完全に激しくしてきたのは何処の誰でしたっけ~?」

「うぅ……!!ご、ごめんなさい……」

「うふふ……♪」

 私の指摘をくらって謝って来たお兄ちゃんを見て少しだけ笑っていると、そこで私は1つの事に気が付きました。否、気付いてしまいました。

 “―――昨日の晩はお兄ちゃんとずっとS〇Xをしていた……。シャワ—を浴びに部屋から出たけれど、それ以外はずっとお兄ちゃんの部屋で絡み合っていた……。そして、そのまま朝まで寝てしまっていた……。つまり今の私の状況は……。―――”

「……ねぇ、お兄ちゃん……」

「何だい?」

「……昨日お兄ちゃんとシてからずっとお兄ちゃんのベッドで寝ていたよね?」

「まぁそうだね」

「終わった後にシャワ—を浴びに行った時も何も着ていなかったよね?」

「そうだね……あ……」

 そこで何かを察してくれたお兄ちゃんは、ベッドに潜っている私を見てから顔を赤らめて話し出した。

「……そう言えば、まだ昨日の洗濯物が残っていた!そう言う事だから、僕はこれから脱衣所に行って来るね」

「……う、うん……。分かった……」

 お兄ちゃんに顔を赤らめながら答えると、お兄ちゃんは一度頷いてから部屋を出て行きました。私は少し経ってからベッドの毛布を纏ってからお兄ちゃんの部屋を出ました。まだ痛む腰を我慢しながら、自室に戻って私服や下着を着てからリビングに出ると、お兄ちゃんが朝食を用意してくれていました。

「あ、朝食を用意してくれていたんだ」

「あぁ。昨夜あんなことをしていたから、メグミは結構疲れているだろうと思ってね。僕が作っておいたよ」

「ありがとう。ただ。女の子的にはその前の発言はいらなかったかなぁ~?」

「う、ご、ごめん……」

「ふふふ♪良いよ、許してあげる♪」

 笑顔で話しかけた私は自分の椅子に座ると、お兄ちゃんも自分の分の朝食を私の向かい側に置いてから椅子に座ってきました。それを確認してから2人してご飯を食べ始めました。

「「いただきます」」

 2人してご飯を食べていると、リビングに置いてあるテレビの方からニュ—ス番組の司会者の声が聞こえてきました。

『時刻はもうすぐ9時になります。続いてのコ—ナ—は―――』

 (……へ?)

「まさか……!!」

 私は焦りながらスマホを取り出して画面をつけると、画面には『9:00』と表示されていました。それを見た瞬間、私の気持ちは一気に絶望と恐怖に染め上がりました。

「ち、遅刻だぁぁぁぁぁ―――――!!!!」

 戦車道の練習開始時間になっていた事に気が付いて焦っていた私でしたが、そんな私にお兄ちゃんが優しく話しかけてきました。

「落ち着いて、メグミ。さっきアズミちゃんから電話が在って、『隊長が熱を出してしまったから、今日は急遽自主練に変更』だって」

「隊長が熱を出した?!それって一大事じゃないですか!!と言うかお兄ちゃん、いつの間にアズミと連絡しているのかな?」

「え?!そ、それはぁ~……」

 私が茶碗を置いてからお兄ちゃんに問い質すと、お兄ちゃんはオロオロしながら必死に答えようとしているのを見て、少しだけ吹き出してしまう私がいました……。

 ☆

 “―――お兄ちゃんと結ばれた事によって、私はお兄ちゃんとの関係は変わったと思っていました。しかし、この後あんな事態が待ち受けていようとは……、この時の私はまだ知る由もありませんでした……。―――”



如何だったでしょうか?

今回の話は、前回の話の翌日の朝の話となっています。そして新たな物語の始まりとなる物語となります。

次回の話から巧を巡って様々な女の子が暗躍したり、勝負を仕掛けてきたりするかも知れませんが、それでもよろしければこれからもどうかよろしくお願い致します!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第二話

遅れてしまい申し訳ございません!!新作が完成しましたので、是非とも読んで見て下さい!!


第二話「日常と新たに来た少女」

 笑顔のメグミからの追求を受けながら朝食を食べた僕は、いつもの様に自室に入って出掛けの準備をしていつもの確認をしてから寮を出発し、昨日と同じように大学選抜チ—ムの練習が行われている練習場の近くに到着した。

「今日はどれくらいで終わるのかな?」

「う~ん……、今日は隊長が居ないからそんなに長くはやらないと思う」

「それじゃあ、終わったら連絡を入れてくれ」

「分かった♪それじゃあ……」

 メグミはそう言うと同時に僕の口にキスをしてきた。しかも、僕の口の中にメグミの舌が入って来たのだ。つまり、ディ—プキスである。

「……んっ……んっ……」

「んっ……?!ちょっ……!?」

 驚いている僕を無視してメグミの舌は、彼女が満足するまで僕の口内を蹂躙してからゆっくりと離れて行った。すると、僕の舌とメグミの舌の間で互いの唾によってできた銀色の橋ができた。そして僕の方を見て微笑えみながら手を振って練習場に向かって行った。

「……まさかディ—プキスをされるなんてね……」

 その背を見送った僕は、呆然としながら僕は静かに一言だけ呟いてからバイクを出発させた。……余談だが、メグミが僕にキスしている場面を見たメグミが乗っているM26パ—シングのメンバ—がアズミを筆頭に尋問レベルで問い質されていた事に関しては僕が知る由も無かった……。

 ☆

 メグミを大学選抜の練習場に送ってから、僕は目的地である黒森峰の練習場に到着した。すると、練習場の入り口で見覚えのある子が立っていた。

 (あれ……?あの子ってもしかして……)

「まほちゃん?」

「……!!巧!!」

 僕に気が付いたまほちゃんは今にも泣き出しそうな表情で僕の胸に飛び込むと、そのまま強く僕を抱き締めてきたのだ。

「え……?ま、まほちゃん……?」

「……やっと、来てくれた……」

「え……?」

「……ずっと待っていても来なかったから……、心配していたんだぞ……?」

「済まない……。でも、一応遅れることを連絡送っておいたはずだけど?」

「え……?」

 僕は謝りつつも連絡を送ったことを伝えると、まほちゃんは呆然としてから急いで携帯を開いてメ—ル画面を開いてから、暫くすると顔を赤らめてから僕から離れて下を向いていた。

「え~と……、まほちゃん?だ、大丈夫?」

「……れろ」

「ん?何?」

「……今在ったことを全て忘れてくれ……。恥ずかしくて死んでしまう……!!」

 小声で話してきたまほちゃんの顔はさっき以上に赤くなっていて、それを見た僕はその姿に見とれてしまっていた。すると、入り口の方からエリカちゃんと唯乃ちゃんが出て来て僕たちの方を見て来た。そして、エリカちゃんがまほちゃんを見て驚愕の表情をしながら話し出した。

「隊長此処に居たんですか……って?!た、隊長!?どどど、どうなさったのですかぁ!?」

「副隊長どうかしましたか?……って、これは……」

 2人はまほちゃんを見て驚いていると、近くに居る僕に気が付いたのか、エリカちゃんが背中から何か分からない“危険なオ—ラ”を出しながら近付いて来て、いつも以上にきつい目つきと怒りが籠もった口調で話しかけてきた。

「ちょっとアンタ!!一体これはどう言う事よ!!どうして隊長が……あ、あんな……可愛い表情になっているのよ?!」

「そ、それは……!!」

 僕が言い淀んでいると、更にエリカちゃんが追撃をするかの如く早口で畳み掛けてきた。僕がまほちゃんに助けを求めたが、まほちゃんは頬を染めたままそっぽを向いて来たのだ。

 (えぇ~~!?まほちゃ~ん!?)

 僕が内心叫んでいる事を知ってか知らずか、まほちゃんは一度だけ僕の顔を見ると、少しだけわざとらしく小さく笑ってから、顔をわざとらしく背けてきたのだ。僕が内心でまほちゃんの事を叫んでいると、更に目くじらを立てたエリカちゃんが僕に詰め寄って来ていた。そんな僕たちの風景を見ていた唯乃ちゃんは何処か楽しそうに微笑みながら見つめていた……。

 ☆

 “―――巧とメグミがそれぞれの場所で問い詰められている頃、某券にある空港では……。―――”

「此処が日本……」

 飛行機から降りて空港のロビ—へと移動した私が呟いていると、私の後を付いて来た女性が私に向かって話しかけてきました。

「どうかしたか?」

「いいえ、少しだけ興奮しているだけです」

「まぁ、初めて日本に来たんだもの。興奮はするわよね~」

「はい!!何せ“あの人の息子さん”が居る日本ですから♪」

 私が何処か楽しそうに答えると、隣に居た女性も嬉しそうにしている私を見て微笑んでから話した。

「本当に“あの子”に会うのが楽しみなのね。シェリ—?」

「はい!!だって“あの人の息子さん”が住んでいる場所ですから!!楽しみで仕方がありません!!」

 私が目を輝かせながら彼女に答えると、彼女も嬉しそうに頷いてから私の手を取って歩き出しました。

「それじゃあ、早く“あの子”の居るサンダ—ス大学に行きましょうか!」

「はい!!行きましょう!!」

 彼女の後を追う様に歩き出した私、“燐堂シェリ—”は目的地であるサンダ—ス大学に向かう為、ロビ—から歩き出した。

 (待っていて下さい……。巧さん……)

 私は心の中で出会いに行く人物の名前を心の中で呟きながら……。





如何だったでしょうか?

今回は遅れて練習場に到着したメグミと巧の身に起きた事と、その頃の空港に降りた謎の人物についての話を書かせて頂きました。

この”燐堂シェリ—”がこれからの物語にどのように関わって行くのかを是非とも楽しんで見て行ってください!!

そして、此処で謝辞を。こんな小説ですがいよいよお気に入り登録数が110に達成しました!!これも全て読者の皆様のお陰です!!これからも頑張って行きますので、是非とも応援よろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第三話

最新話です!!駄作かも知れませんがどうかよろしくお願い致します!!


第三話「堅物少女との約束と恐怖の淑女からの質問」

 まほちゃんの助けによって、エリカちゃんからの追及を何とか退くことができた僕は、昨日と同じ様に黒森峰の戦車道の練習の指導を行った。その際も何故か僕の隣でまほちゃんが一緒に居た。しかも、何故か腕を僕の右腕に絡めてきているのだ。

「……ねぇ、まほちゃん?」

「何だ?」

「何で僕の腕にまほちゃんの腕が絡めて来ているのでしょうか……?」

「駄目だったか……?」

 僕が困りながら聞くと、まほちゃんが僕の顔を下から見上げるような上目遣いで聴いてきたのだ。しかも、いつものまほちゃんの口調からは到底考えられない弱々しく聞いてきた事に驚いた僕は、そんなまほちゃんを見て小さく溜息をついてから答えた。

「……別に、駄目じゃないよ?」

「……そうか。分かった……良かった……」

「ん?何か言ったかな?」

「いや、何も」

「?そう?」

 首を傾げながら答える僕に対して、まほちゃんは何故か顔を赤らめていた。それを不思議に思っていたが、それよりも先に“ある事”を思い出していた。

「そう言えば、まほちゃん。少し頼みを聞いて欲しいんだけれど、良いかな?」

「私ができることならば協力しよう」

 まほちゃんからの許可を聞いた僕は、早速“ある事”について話し出した。

「実はね、まほちゃんたちの試合の時に僕の仕事の相手が試合を見に来ることになったんだけれど……。良いかな?」

 僕がまほちゃんに聞くと、まほちゃんは最初は呆気に取られているかの様な表情をしたかと思うと、急に噴き出して笑い出したのだ。その光景を見ていたエリカちゃんは再び驚いていた。

「た、隊長が笑っている?!しかも噴き出して笑うなんて!!」

「そ、そんなに珍しい事なの?」

 僕がエリカちゃん達に聞くと、隣に居た唯乃ちゃんが冷静な口調で僕の質問に答えてくれた。

「普段の隊長は余り笑う事はありません。しかも、あんなにも噴き出して笑うだなんてことは滅多にありません。つまりはレア中のレアです」

「そ、そうなんだ……」

 唯乃ちゃんの説明を聞いていると、少し落ち着いたのかまほちゃんがいつもの口調で話し出した。

「はぁ……はぁ……はぁ……。いや、済まない。どんな事を言われるのか身構えていたのだが、内容がまさか試合の観戦の許可だったとは思わなかったのでな……。つい拍子抜けしたと同時に思わず笑ってしまった」

「いや、気にしなくても良いけれど……。それで結果的にはどうかな?」

「あぁ、勿論大丈夫だ」

「良かった。それじゃあ相手の方に連絡を入れておくから。ありがとう」

「あぁ。後、そんなに気にしなくても良い」

「ならば良かった。それで悪いんだけど、午後からちょっと用事が入っているから午後には此処を出なければ行けないんだ……。済まない」

「そうか……。いや、用事ならば仕方ない。だが―――」

 まほちゃんはそこで話を切ると、再び僕の腕に腕を巻き付けてきて真剣な眼差しを向けて話し出してきた。

「……もし良ければ、次の試合で私たちが勝ったら、何でも1つ言う事を聞いてくれないか?」

「?それで良いならば別に構わないけれど?」

「……!!その言葉、忘れるなよ?」

「あぁ。分かった。それじゃあね」

「あぁ。また」

 僕とまほちゃんはそう言って互いに手を振ってから、バイクが停めてある駐車場へ向かった。その途中でスマホを操作して伏美さんへ連絡を取った。

「もしもし伏美さん?巧です。黒森峰からの許可を取ることができました。そっちはどうですか?」

『流石!行動が早いわね!!こっちは聖グロからの許可を得たところよ♪それと、相手側の子にも伝えておいたから結果待ちよ』

「流石伏美さんですね。いつも感謝しています」

『ふふふ。嬉しい事を言ってくれるわね?まぁ、私にはこれぐらいしかできないから。これ以外の事は任せたわよ?』

「はい。任せて下さい。それでは」

 僕はそこで電話を切ると、そのままバイクのエンジンを入れて次の目的地に向かって移動を開始した。

 ☆

 お兄ちゃんと別れた後、練習の準備を始めようとしていた私の背後から私と一緒に戦車に乗っているメンバ—の装填手と操縦手の子に両腕を捕まれて、そのまま昨日の喫茶店に連行されて行きました。すると、そこには両腕を組んで私たちが来るのを待っていた人が2人居ました。

「来たわね」

「待っていたわ!」

「げっ!?ルミ!アズミ!」

 そこで待っていたのはアズミとルミでした。その2人を見た瞬間、私の頭の中で警告が鳴り響き始めました。何せ、そこで待っていた2人が“笑顔”で待っていたのです。しかも、“満面な笑み”だったのです。アズミは目の前の席を私に勧めてきました。断ろうとした私でしたが、断れない雰囲気を出して来ていたので、おそるおそる席に座りました。私が席に着いたのを確認してから、アズミが先手を切って話し出した。

「それじゃあ早速聞くけれど……。メグミ、単刀直入に聞くわ」

「な、何を?」

「メグミ。練習前にアンタがキスしていたあの男は一体誰で一体どんな関係なの?」

「そうだ!そもそもあの男っていつも飲みに行った時に、メグミを迎えに来てくれている人だよねぇ!?い、一体いつの間にそう言う関係になっていたの!?」

「そ、それはぁ~……」

 私が言い淀んでいると、他のメンバ—も私とお兄ちゃんの関係を聞こうと様々な方向から質問の声が上がって来た。私がどの質問に答えようか考えていると、不意に背後から声が聞こえてきました。

「あらあら。私もその男性との関係を詳しく聞きたいわねぇ?」

「「……!!」」

 アズミ達が声の主を見た瞬間、2人の顔が一瞬にして蒼白しました。またそれだけではなく、さっきまで五月蠅い程の質問の嵐も一瞬にして収まってしまいました。

 (この声……何より目の前のアズミ達の反応からして……も、もしかして……!)

 私がおそるおそる背後を見ると、そこには“満面の笑顔”を浮かべた島田流家元がいつもの様に、扇子で口を隠す様に構えた状態で立っていました。その姿を見た瞬間、私の顔からは冷や汗が一気に噴き出しました。

「い、い、家元……!!」

「うふふふ……。何を怯えているのかしら?メグミ?」

「イ!イイエ!!ナンデモアリマセン!!」

 私が冷汗を流しながら答えると、家元はうふふと笑いながら席に座って静かな口調で話し出しました。

「それじゃあ、早速質問コ—ナ—と行きましょうか♪」

「は、はい……」

 (た、助けてお兄ちゃ~~~ん!!!)

 心の中でお兄ちゃんへSOSを送りながら、家元からの質問に答えるのでした……。



如何だったでしょうか?

久々の投稿になりましたが、皆様の期待に応えられるような作品が作れていることを祈っています。また、次回の作品にはまたオリキャラが出てきますが、それでもよろしければ次回もよろしくお願い致します!!

此処で、謝辞を。気が付けばお気に入り登録数が110を超えました!!これも皆様のお陰です!!これからも精進していきますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第四話

今回はメグミと家元の2人がメインの話となります。それではどうぞ。

※今回の話は短くなっています。


第四話「真剣な話」

「さて、何処から話を聞きましょうか?」

 家元は私にそう言うと、私の正面に座っているアズミの方を見て微笑みました。すると、何かを察した(おそらく命の危機的な何か……)アズミは急いで席を家元に譲って私の隣の席に座りました。一体何を聞かれてその後どうなってしまうのかと言う今後の展開を考えながら、私の顔は冷や汗と共に顔色も蒼くなっていました。そして、席に座った家元は私を真っ直ぐ見て1つだけ聞いて来ました。

「それじゃあ1つ。メグミ、さっきからアズミ達が言っている『キスしていた相手』は一体誰かしら?……あ、コ—ヒ—1つ下さい」

「そ、それは……!!」

 私は家元から顔を逸らしながら時々家元の方を見ると、家元の顔は相変わらずの笑顔のままでしたが、顔には“相手は知っているぞ”とはっきりと書かれていました。私は小さく溜息を着いてから答えました。

……同じ大学の先輩です……

「ん~?何かしらぁ?良く聞こえなかったわねぇ?もう一度言ってくれないかしら?」

 (えぇぇぇぇぇ―――――!!!?今の明らかに聞こえていましたよねぇ?!)

 私が答えたのに対して、耳を私の方に向けて聞こえていなかったとアピ—ルしてきました。内心で悪態を付きながら、もう一度答えました。

「だから!……大学の先輩ですよ……!

「んん~?」

だから、大学の先輩だってさっきから答えているじゃないですかぁ!!

 思わず立ち上がって大声で答えてしまった私は、自分に他のお客様の視線が集まっている事に気が付いて、急に恥ずかしくなった私は顔を赤くしながら席に座りました。対する家元は注文していたコ—ヒ—を飲みながら答えた。

「そうそう、『大学の先輩』だったわねぇ」

「って、完全に最初ので聞こえていましたよねぇ!?その反応!!」

 私が顔を赤くしながら家元に言うと、家元はいつもの様に口元を扇子で隠して笑っていました。そしてさっきの答えで何かを察したのか、目を細めてからアズミ達に話しかけました。

「……アズミ、ルミ。そして皆。これからちょっとメグミと2人で“大事な話”があるから、ちょっと席を外して貰えないかしら?このお店のお金は私が払っておくから」

「「「「「わ、分かりました!!」」」」」

 家元の言う通りに私を除いた全員が、荷物を纏めてそそくさとお店を出て行ってしまいました。そんな皆を横目に私は早速家元による質問と言う名前の尋問が始まりました。

 ☆

「先ず、たっくんとキスをしたのは事実ね?」

「……はい。しました」

「それは“子供の方(フレンチ)”のキス?それとも“大人の方(ディ—プ)”のキスかしら?」

「……お、大人の方です……」

 私が恥ずかしがりながら答えると、家元は少しだけ考える様な仕草をすると、辺りを見渡してから顔を近づける様に手で指示を出してきました。気持ちを落ち着かせるために、飲み物を飲んでいた私は、家元の言う通りに耳を近づけると家元が小さく話してきました。

「……もしかして、『夜の営み』もしたのかしら?」

「ぶっ!?」

 家元のとんでもない発言に、飲んでいた飲み物を思わず吹き出しそうになってしまいました。咳き込んでいる私を見て家元は思わず笑っていました。

「ふふふ……。その動揺を見る限りだとたっくんとやったのね?」

「……はい……。しました……」

「……そう……」

 家元は静かにコ—ヒ—を一口飲んでから、静かに私の方を見て話し始めました。

「……メグミ、これから話すことを真剣に聞いて。良いわね?」

「……!わ、分かりました……」

 家元の周りの雰囲気が一気に変わった事に驚いた私が頷きながら答えると、家元は静かに話し出しました。

「……実は今日、有希さんから電話が在ったの」

「えっ!?有希さんからですか!?」

 有希さん……、綺堂有希さんはお兄ちゃんのお母さんで今は仕事の関係で海外に単身赴任しているとは聞いていたけれど……、有希さんが家元に連絡って一体何だろう……?

「そ、それで有希さんから何と?」

「それがねぇ……」

 家元はそこで言い淀んでいましたが、一度だけ私を見てから意を決した風に話し出しました。

「実はねぇ、今月に2人の女性が日本に入国したんだけれど……。その女性たちが問題なのよ」

「?一体どの様な問題があるのですか?」

 私が聞き返すと、家元は私の目を見て静かに答えました。

「彼女たちが日本に来た理由が、たっくんと結婚するためよ」

「……え?」

 家元の一言を聞いた瞬間、私は手に持っていたカップを思わず落としそうになってしまいました。カップをゆっくりとソ—サ—に置いてから、家元に震えている手をテ—ブルの下で強く握りながら家元に聞くと、家元は扇子を畳んでテ—ブルの上に置いてから、静かに話し出してくれました。

「正確に言うならば……、結婚すると言うよりも『挨拶に来る』って話だったわね。そして有希さんの話だと2人とも戦車道の選手で2人共、各国の代表選手なのよ」

「せ、戦車道のだ、代表選手……?!」

「そうよ、それに2人の内のどちらかが――――」

 そこで家元が話した何気ない一言が、壊れそうになっていた私の心に、止めの一撃となりました。

「たっくんの“初恋の人”なのよねぇ~」



如何だったでしょうか?

今回はメグミと家元の会話がメインとなる話でした。そして、オリジナルキャラを出す予定でしたが、出すことができませんでした。申し訳ございません!!

代わりに次回は今回登場させる予定だったオリキャラに、スポットライトを当てた番外編を投稿しようと思いますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第五話

今回はオリジナルキャラが大量に出て来ますが、詳しいキャラ説明に関しては次に挙げる作品にでも説明を入れようと思いますので、よろしくお願い致します。それではどうぞ!!


第五話「懐かしい店と仲間との再会」

 “―――メグミが家元と話している頃、巧はバイクを運転して次なる目的地に向かっていた……。―――”

 黒森峰の練習場を後にした僕は、バイクで近くのコンビニまで移動してからスマホを取り出して、次の場所に連絡した。

『ん?もしもし?』

「もしもし?そちらは安斎千代美『アンチョビ!!』……さんの電話で合っていたね」

『毎度毎度言っているが、私の事はアンチョビかドゥ—チェと呼べと言っているだろう!!って、その声はもしかして巧か?!』

「そうだよ。全く、そんなに本名を呼ばれるのが嫌いなのかい?安『アンチョビ!!』……アンチョビさん」

『それはだな、私がドゥ—チェだからだ!!』

「……はぁ」

 電話越しから聞こえてきた話を聞いて、大きく溜息をついた僕は相手である安斎千恵美こと、アンチョビは電話越しでも分かるように興奮しているのが分かっていた。それを感じながらアンチョビに電話をした。

「今日電話した内容なんだけれど……、昨日のうちに“アンツィオ(そっち)”の校長に話を通してあるんだけど、今度の練習試合に君たちに昼食を作って貰いたいんだ」

『料理を作って欲しいのか?それならばお安い御用だぞ!!それで、何処に向かえば良いんだ?』

「それについては後ほどメ—ルで送るけれど、それとは別に君に頼みたいことがあるんだ」

『ん?私に頼みたいこと?それも料理についてなのか?』

「あぁ。それは―――」

 僕は予めコンビニで買っておいた缶コ—ヒ—を飲みながら、アンチョビにして欲しい事を伝えた。僕が話し終わるとアンチョビは電話越しで頷くような声を出してから答えてきた。

『うぅ~……、分かった!!やってやろうじゃないか!!でも、約束は守ってくれよ?』

「勿論、ありがとう。アンチョビ」

『分かった!!それじゃあ当日楽しみにしていてくれ!!』

「あぁ。それじゃあ」

 アンチョビにそう言って電話を切った僕は、残りの缶コ—ヒ—を飲み干してゴミ箱に缶を捨ててから、スマホに入っている黒猫のマ—クが描かれているアプリを起動した。そして、そこで文章を打ち込んで送信を押した。すると、一斉に全員から了解と言う返信を確認してからアプリを閉じた。

 (それにしても……、相変わらずこのアプリは使えるな……)

 そう思いながら黒猫のマ—クのアプリ、『BCR(BLACK CAT ROOM)』は僕の“仲間たち”の1人、“志乃”が作った『仲間のみに与えられるアプリ』である。これには普通に配信されているアプリにはない、“様々な機能”が付いているのだが、これに関してはまた別の機会に話すことにする。

「じゃあ、行きますか」

 僕はスマホを腰に付けているホルダ—の中に入れてから、仲間達との集合場所である店に向かってバイクを出発させた。

 ☆

「此処の商店街も久々に来たな」

 仲間達との集合場所の店がある商店街に到着した僕は、バイクを押しながら商店街の中を進んで行き、目的地の喫茶店に到着した。

「……この店も本当に懐かしいな……」

 その店はいつも仲間達と集まっていた喫茶店、『羽沢珈琲店』だ。僕は昔の様にバイクを珈琲店の裏に停めると、表に戻って来てそのまま扉を開けて店内に入った。

「いらっしゃいませ……って、もしかして巧さん……?」

 店内の入り口に出迎えに来たエプロン姿の女の子が、僕を見るなり僕を指差して僕の名前を口にして来た。僕はその女の子の頭に手を置いて優しく撫でながら話しかけた。

「そうだよ。久し振りだね、つぐみちゃん」

「やっぱり巧さんだ!!お久し振りです!!」

 つぐみちゃんはそう言うと、笑顔で僕に話しかけてきました。しかし、そこで僕は彼女の話し方に違和感が在ったが、その違和感の原因にすぐに気が付いた。

「あれ?つぐみちゃん、僕の呼び方変わってない?前は『巧お兄ちゃん』って言っていたはず……」

「わあぁぁぁぁぁ――――!!」

 顔を赤くしたつぐみちゃんが急に話を被せて来たことに驚いていると、つぐみちゃんが僕に顔を近づかせて小声で話しかけてきた。

「い、今は知り合いが来ているから呼ばないだけです!!そ、それよりも皆さんもう来ていますよ!!」

「な、なるほどね……。って、皆もう着いていたのか。じゃあ、皆が居る席まで案内してくれいかな?」

「勿論です!!それではこちらへどうぞ!!」

 つぐみちゃんは笑顔で僕に答えると、皆が待っている奥の席に案内してもらった。そして、奥の席に到着するとそこには僕の仲間達が席に座って待っていた。そして、その中の1人、金髪の男性が僕に気が付いて手を振りながら僕を呼んで来た。

「おっ!!やっと来たか、遅せ—ぞ!!巧!!」

「あぁ。ごめんな、雄二」

 そう言って僕が謝った人物、“櫟木 雄二(いちのき ゆうじ)”は僕の男の幼馴染であり、この集まりが始まった時から一緒に居た古参メンバ—の1人である。雄二は僕と握手をしてから、隣の席に座るように促してきた。僕が席に座ると向かい側に座っているブロンズヘア—の女性が嬉しそうに話しかけてきた。

「巧~!!久し振りだね!!」

「あぁ。久し振り、奈央」

 彼女、“佐々美 奈央”はこの集まりに参加している女性メンバ—の中では古参となる人物であり、今を輝く現役アイドル兼女優である。僕と奈央が話していると、奈央の隣の席に黒髪の男性が1人座ってから話しかけてきた。

「ふっ、久しいな。巧」

「君は相変わらずの風格だな、猛」

 僕がそう言って握手を交わした人物、“獅子堂 猛”は澄まし顔ではあるが、何処か嬉しそうな雰囲気を出しながら僕の手を握っている手をより強く握って来た。猛から手を放すと猛の隣に居た眼鏡を掛けた赤髪の女の子が話しかけてきた。

「よっ!お久だな、リ—ダ—♪」

「あぁ。久し振り……と言っても、昨日電話したばかりだけれどね。志乃」

「だなぁ~」

 そう言って明るい笑顔を僕に向けてきたのは、僕たちのスマホに入っているアプリ、『BCR』を作った本人の“西戸 志乃”である。彼女は僕たちよりも歳下で、まだ高校3年である。すると、隣に座っている雄二が何かを思い出した様な口調で、志乃に向かって話しかけてきた。

「そう言えば、志乃ってまだ現役のJKなんだよなぁ……。何処の高校に行っているんだっけ?」

「羽丘女子学園だよ~」

「は、羽丘女子学園!?と、と言う事は……可愛いJKとお友達になっているのでは!?」

「あぁ~。それは無いな。仮に友達を知っていても雄二には絶対に教えねぇ、目線がいやらしいから」

「が、が~~ん!!」

 ショックを受けている雄二を見て僕たちは全員で笑ってから、近くを通ったつぐみちゃんを呼んで注文をした。

「つぐみちゃん。マスタ—に“黒猫”を人数分って伝えてくれないかな?」

「―――!!うん!!お父さんに伝えて来るね!!」

 僕が“黒猫”を注文した瞬間、つぐみちゃんは両目を輝かせながら嬉しそうに答えて、マスタ—が居る厨房の方に向かって行った。それを見送ってから、僕は4人に向かって話しかけた。

「それじゃあ早速、『黒猫』の定例会議を始めようか」

「「「「おう‣えぇ‣あぁ‣うん!!!!」」」」

 僕の合図に答える様に、全員が頷いて答えてきたのを確認してから会議は始まった。



如何だったでしょうか?

今回は主人公をメインとした話を書かせて頂きました。また、今回の話では主人公の周りに居るオリジナルキャラの一部を出させて頂きましたが、おそらく話の内容を理解するのが難しかったと思いますので、次回の話でちゃんと1人ずつ詳しく説明させて頂こうと思いますので、宜しければそちらもよろしくお願い致します!

此処で補足をさせて頂きますと、断章の方でセルベリアが『羽沢珈琲店』に来店していましたが、主人公が来店した時は既に店を後にしています。入れ違いになっていると考えて貰えたらと思います。分からないところが在れば感想欄に質問を記入して下さい。きちんと、答えさせて頂きます。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第六話

今回は前回の続きを書かせて頂いています。また、基本はオリキャラとの会話が中心となっていますので、ガルバンのキャラは出て来ません。また相変わらずの駄文ですので、それでもよければよろしくお願い致します!


第六話「『黒猫』の集会」

「それでは、これより『黒猫』の定例会議を始める」

 僕の言葉を合図に、その場に居る全員が僕の方を見て頷いて来た。それを確認してから会議の内容を簡単に話した。

「会議と言っても、昔やっていた作戦会議と何も変わらないから。そんなに真面目にやらなくても大丈夫だけれどね」

「おいおい!それを言っちゃうのかよ!!」

 雄二が僕の言葉に突っ込みを入れていると、僕たちのテ—ブルにつぐみちゃんが僕が注文した『黒猫』をトレイに乗せて持って来た。

「お待たせしました!!『黒猫』5つです!!」

「おぉぉ~!!久し振りに見たぜ!!『黒猫』!!」

「アタシも!!これ好きだったから本当に懐かしいなぁ~~!!」

「あぁ。この香りと味は今も昔と変わらぬ味だな」

「本当に旨いよなぁ~~」

「あぁ。本当に美味しいな。この“黒猫(ケ—キ)”は」

 僕たちがそれぞれ嬉しそうに話しながら食べ始めた“黒猫”と言うのは、その名の通り黒猫をイメ—ジに作られたチョコレ—トケ—キである。しかもただのチョコケ—キではなく、様々なチョコを合わせた“特別なチョコレ—トケ—キ”なのだ。早速皆して一口食べてそれぞれ感想を言ってから、再び会議を続行した。

「……さて、今日の内容は久々に皆集まったことだから、一度それぞれの現状の報告をしようと思う。その後に今後の活動方針や方法について話し合おうと思う。皆、異論はあるかい?」

「「「「ねぇぜ‣良いわ‣うむ‣問題無~い!!!!」」」」

「分かった。それじゃあ、先ずは……雄二から報告頼む」

 皆が答えて来たのを確認してから雄二に話を振った。すると、雄二は驚いていたが言われた通りに話し出した。

「おう!じゃあ始めるぜ!!……と言っても、俺は精々今までの勘が鈍らねぇ様に毎日走り込みとかを行っていただけだけどな!!あ、後は巧のバイクを新しく造ったってところだな!!」

「あぁ。あのバイクには毎日世話になっているよ。雄二、本当にありがとう」

「良いって事よ♪」

 雄二はそう言って笑顔で僕に親指を立ててきた。普段の言動が残念な部分があるが、実は雄二は機械いじりが得意なのである。ちなみに、いつも僕がメグミを乗せて行っているあのバイクも雄二が造った物なのだ。しかも、あのバイクには様々な機能を搭載されているのだ。

 (本当、その才能を活かした職についたら絶対に開花すると思うけれど……)

「まぁ、俺の現状はそんなところだな!!じゃあ、次は順番的には奈央だな!!」

「おっけ~」

 僕がそんなことを考えていると、奈央がいつも以上に明るい口調で話し出した。

「え~とね、アタシはアイドルとして芸能人の生活を送っているけれど、“黒猫”の噂はまだ残っているね。まぁ、本当に噂話程度だけどね♪以上!!」

「おい、状況報告になっていないぞ?」

 奈央の報告に対して猛が突っ込みを入れて来た。すると、奈央は頬を膨らませて、怒っているアピ—ルを取りながら答えた。

「違いますぅ~!!アタシの場合は報告する必要が無いからですぅ~~!!何だったら、テレビを見れば一発で分かるでしょ?!」

「言われてみればそうだな」

 雄二が呑気に答えると、奈央は大きく頷きながら肯定して来ていた。それを猛は確認した猛は大きく溜息を着いてから話し出した。

「……俺の方は警察と裏社会の動きを見ていたぞ。現状としては、警察の方は俺たちの事も、そして“黒猫”に関しても既に追ってはいないとの事だ」

 猛はそう言って“黒猫”を再び一口食べた。実は猛は現在の警視庁局長、“獅子堂 功”の息子なのだ。そのお陰で僕たちの活動が警察内部でどの様になっているのかを確認できていたのだ。猛はそこで更に話を続けた。

「後、古藤さんの話だと裏社会の方ではまだ『黒猫』の噂は残っているらしい。後、古藤さんも“黒猫”が再開されることを聞いて喜んでいたぞ。また色々と協力して欲しいとの事だ」

「古藤さんかぁ!!懐かしいなぁ!!」

 雄二はそう言いながら“黒猫”を食べていた。古藤さんは僕たちが『黒猫』の活動していた頃、警察の方で対処することが難しい事件や『厄介事』を解決して欲しいと言って依頼してきていた。その代わりとして僕たちの活動に目を瞑っていてくれていた……、そのお陰で僕たちは自由に活動できたのだ。

「―――とまぁ、俺の方からの報告は以上だ」

「そんじゃあ、次は私だな!!」

 猛の報告が終わると同時に、志乃が両手を上げながら自分の報告を始めた。

「私は、さっきも言った通り羽丘女子学園に入学したよ~♪でも、高校内では余り『黒猫(私たち)』の話は余り出て無いねぇ。すっかり時代から消えた様だね。あ、ちなみに私とつぐみちゃんは同じ学校だったよぉ~」

「な、なにぃぃぃ―――!!つ、つぐみちゃんと一緒だとぉぉぉ――――!!」

 志乃の報告に驚いている雄二に対して、志乃と奈央の2人がジト目で見つめていた。そんな雄二をスル—した猛は志乃に向かって質問をした。

「そう言えば、『あちらの方』での噂はどうなっているんだ?」

「あぁ~、アッチでの『黒猫』の噂は昔に比べれば余り流れていないよぉ~。って言っている隙にそこのストロベリ—チョコも~らい!!」

「あぁぁ――――!!!俺が残しておいたチョコがぁぁぁ―――――!!!!?」

 志乃に残されていたチョコを盗られた雄二が声を上げたが、志乃は満面な笑みを雄二に見せながらチョコを頬張っていた。そんな志乃を見つめながら、僕は志乃の頭を優しく撫でながら話しかけた。

「流石、僕たちの参謀だね」

「むふふぅ~~♪」

 僕に撫でられて嬉しいのか、顔を綻ばせながら志乃は喜んでいた。志乃は見た目だけだと普通の女子高生だが、そのパソコン関係の腕がかなり立つ、所謂、凄腕ハッカ—なのである。そんな彼女を見ていた猛は小さく鼻で笑ってから話しかけた。

「ふっ……。こんなお前を見ていると、ブラックリストに載っている“ブラック‣キャット‣フェアリ—”とは思えないな」

「んん~~?それはどう言う事かなぁ~?」

 志乃は顔をにやにやさせながら猛に聞くと、猛は肩を竦めてから最後の一口を食べた。『ブラック‣キャット‣フェアリ—』と言うのは志乃のハッカ—としてのあだ名で、僕たちが使っている志乃の自作のアプリ『BCR』の“BC”と言うのは彼女のあだ名の一部をそのまま使っているのだ。

「とまぁ、以上が私の報告だねぇ~」

「そうか。……それで、さっきからこっちをそわそわしながら見ているのはどうかしたのかな?つぐみちゃん」

 僕がそう言って視線を向けると、そこには厨房に注文を済ませてこっちを見ているつぐみちゃんがいた。僕は少しだけ考えてから、つぐみちゃんに話しかけた。

「つぐみちゃん。もしかして、僕たちの仲間になりたいの?」

「えぇ!?そ、そんなことないよぉ?!わ、私なんかが巧さんたちの仲間になろうだなんて……!!」

「つぐみちゃん」

 僕は必死に反論しているつぐみちゃんに近づくと、彼女の肩に手を置いて静かにそして優しく話しかけた。

「君は自分の事を卑下しすぎだ。君の努力の領域は既に普通の人よりも上をいっている。そこを素直に認めた方が良いよ」

「巧さん……」

 僕の言葉に目を少しだけ潤ませているつぐみちゃんの頭を優しく撫でた。すると、僕の背後から雄二たちもつぐみちゃんの近くに近づいて来て優しい言葉を掛けながら接した。暫くすると、泣きそうだったつぐみちゃんが落ち着いたのを確認してから、僕は志乃の方を見て話しかけた。

「志乃。つぐみちゃんに“例のアレ”を」

「ん、おk。つぐちゃ~ん。ちょっとスマホ貸して~」

「え?う、うん。良いですよ」

 志乃に言われるがまま、つぐみちゃんは志乃に自分のスマホを渡した。すると志乃は自分のスマホを少し操作してからつぐみちゃんに返した。

「あんがと—、返すよ」

「え?あ、あの……。一体何をしたんですか……?」

「ん~?それはねぇ……。画面をよく見てご覧よ?」

「“画面を見れば”って……あ!!」

 そこで何をしたのかに気が付いたのか、つぐみちゃんは画面を見つめながら目を大きく見開きながら見つめていた。その画面の中心には僕たちのスマホに入っているアプリ、『BCR』だったのだ。驚いているつぐみちゃんに向かって僕は笑顔で話しかけた。

「つぐみちゃん。君のその“折れない意志の強さ”を見込んで、僕たち『黒猫』の正式メンバ—として歓迎するよ」

「え……?えぇぇ!?」

 僕の一言に驚きながらも瞳に涙を浮かべているつぐみちゃんだったが、腕で涙を拭ってから力強く頷いてから答えた。

「私の力が……、巧お兄ちゃんたちにどれくらい役に立つかは分からないけれど……、そんな私で良ければ、どうかよろしくお願いします!!」

 頭を下げて来たつぐみちゃんを見て僕が微笑んでいると、雄二が大きく手を叩いてから明るい声で話しかけてきた。

「そんじゃあ!新しい仲間が加わったわけだし、今後の事について話し合いましょうか!!」

「「「「「あぁ‣オッケ—‣ほ~い‣うむ‣は、はい!!!!!」」」」」

 こうして新たに仲間を加えた僕たち『黒猫』の今後の活動についての話し合いを行ってから、僕はメグミを迎えにバイクを走らせた。

 “―――この時の僕は、メグミと一緒に『あの子』も待っているとは考えてもいなかった……。―――”



如何だったでしょうか?

今回はオリキャラと主人公を中心とした話となっています。また、今回はつぐみと主人公との関係を書くことができませんでしたので、後の話で書いていこうと思います。

此処で、オリキャラたちについてと文章中に出ている『黒猫』について簡単に書かせて頂きます。

櫟木 雄二:巧の2人目の幼馴染。巧とは別の大学に通っている。機械弄りが好きで物を造るのが得意。巧が乗っているバイクや『黒猫』の活動時に使っている装備も巧が雄二に説明し、それを元に造っている。

佐々美 奈央:巧たちと一緒に『黒猫』の活動を行っている。現在は有名アイドルとしてライブ等を積極的に行い、バラエティ—等にも参加している。また、芸能界内で『黒猫』の噂が広がっているのは彼女のお陰でもある。

獅子堂 猛:巧たちと一緒に『黒猫』の活動を行っている。警察庁の長官の息子で警察内での情報を巧に教えていた。また、ベテラン刑事の古藤からの情報が得られているのも彼のお陰である。

西戸 志乃:巧たちと一緒に『黒猫』の活動を行っている。女子高生ではあるが凄腕ハッカ—である。その腕は警察の機密情報を手に入れる程である。それによって”ブラック‣キャット‣フェアリ—”と言うあだ名が付けられている。『黒猫』の活動においては巧たちのサポ—ト役を行っている。

黒猫:巧たちが”ある時”から活動しているチ—ムの名前である。その実態は警察にも掴まれていない

これくらいで大丈夫でしょうか?また、黒猫に関しては後の話でも詳しく出て来ますので、その時に詳しく書いて行こうと思います。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します。


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第七話

今回は主人公とメグミの2つの視点で分けて書かせて頂きます。最初は主人公視点で書かせて頂きます。それではどうぞ!!


第七話「愛里寿(義妹)、襲来(前編)」

 (こ……これは……一体……)

 僕は今、目の前で起きている事態に混乱していた。普段の僕ならばこの見慣れた自室で混乱する事態になんてなる事は無いのだが……、今の僕は自分の自室で起きている事に混乱を余儀なくされていた。何故なら……。

「ふふふ……♪」

「何でさ……」

 自分のいつも眠っているベッドに笑顔で寝転がっている、ボコのパジャマを着てボコのぬいぐるみを持っている、見た目が幼女の様な少女であり、僕の妹の様な存在である島田愛里寿を見つめながら静かに呟いた……。

 (本当、どうしてこうなった……?!)

 ☆

 “―――時は遡り、雄二たちと別れてからメグミを迎えに演習場に向かい、到着したところまで戻る……。―――”

 (そろそろ到着だな……)

 バイクの速度を上げてメグミを送って行ったいつもの演習場の入口に向かっていた。そして、いつも通りの場所にバイクを停めていると丁度外に出て来たメグミが僕に気が付いて小走りで近付いてきた。

「お兄ちゃん♪」

「メグミ、お待たせ。丁度良いタイミングだったかな?」

「うん♪それじゃあ、帰ろうか♪」

「そうだね。今日は帰りに買い物もしないといけないから。少し急がないとね」

「買い物って何か買うの?」

「今晩のおかずが無いからね。メグミは何が食べたい?」

「ん~、お肉が良いかなぁ~」

「了解。それじゃあ行こうか」

「うん♪」

 そんな話をしながら僕はメグミ専用のヘルメットを渡して、メグミが被るのを確認してからバイクのエンジンを入れて、買い物をするためにいつものス—パ—に向かってバイクを走らせようとした時だった。

 (ん……?)

 不意にサイドミラ—に小さな人影が見えて、一度立ち止まって背後を振り向いた僕を不思議に思ったのか、メグミがキョトンとした顔で僕に話しかけてきた。

「どうしたの?お兄ちゃん」

「……いいや、何でもない」

「ふ~ん……、ねぇ、早く行こう♪」

「あぁ。そうだね」

 メグミにそう答えてから、僕は再びアクセルを捻ってバイクを走らせた……。

 ☆

 買い物を済ませ、バイクを寮の駐輪場に停めて買い物袋を僕が持ち、自分の戦車道の荷物を持ったメグミと一緒に部屋に帰って来た。

「今日は色々買ったね。お兄ちゃん」

「あぁ。これならば明後日の祝日は家でのんびりできるからね♪」

「それじゃあ、明後日は久々にお家で一緒にのんびりしよう♪」

 一緒にそう言う話をしながら部屋に戻り、荷物を冷蔵庫に入れてからそれぞれの自室に戻って部屋着に着替えてからリビングに出ると、先にリビングに出ていたメグミがエプロンを着て準備を始めていた。

「今日はメグミが作ってくれるのかい?」

「うん♪お兄ちゃんが買い物してくれたから、夕食は私が作るよ♪」

「それじゃあ、お願いするよ」

「任せて!!」

 そんな会話をしながらも、メグミはさっき買って来た材料で何を作ろうか考え始めた。それを横目に僕はテレビをつけて番組を見ながら、自室から持って来た大き目のスクラップブックを開いてイラストを描き始めた。すると、何を作るかを決めたメグミが僕の方を見て不思議そうに話しかけてきた。

「今度は何の絵を描いているの?お兄ちゃん」

「ん~?例のゴスロリとボコのコラボ衣装のイラストを描いている所だよ」

「あぁ。あのボコのゴスロリだね。でもあれってもう2着くらい色違いであったはずだけど?」

「あれ以外でもう何着か欲しいとの事でね。今描こうと思って―――」

 僕とメグミの話を遮るように、僕のスマホが通話の連絡がきた。液晶を確認してそこに表示されていた名前を呼んだ。

「え?家元?」

「家元から?何だろう?」

 メグミが疑問を浮かべているのを他所に、僕は通話ボタンを押して家元の電話に出た。

「もしもし?お母さん?」

『もしもし?たっくん?今大丈夫かしら?』

「えぇ、大丈夫ですよ。何かありましたか?」

 僕が家元に聞くと、家元は一度小さく咳き込むと何処か楽しそうな声音で話し出してきた。

『実はねぇ……、今愛里寿がたっくんの部屋に向かっているのよ♪多分もうすぐ到着すると思うから、上がらせてあげてね♪』

「はぁぁぁ?!な、ななな、何を言っているんですかぁ?!」

『だってぇ~、愛里寿が「たっくんの所に行きたい」って言って聞かなかったのよぉ。だから、仕方なかったからたっくんの寮に連れて行ってあげたのよ』

「何を勝手に連れて来ちゃっているんですか!?大体、この寮はサンダ—ス大学の寮ですよ?勝手に―――」

 僕が家元と電話していると、玄関の方からインタ—フォンの音が聞こえてきた。私が出ると答えたメグミが玄関の方へと向かって行って玄関を開けた。

「は~い?……って隊長!?」

「メグミ……。何で貴女が此処に居るの……?」

「そ、それはぁ~……」

 玄関先でいきなり愛里寿に問い質されているメグミの後姿を見た僕は、急いでメグミの元に向かって行って、今にも怒りそうになっている愛里寿に話しかけた。

「そこまでにしてあげてくれないかな?愛里寿」

「巧お兄ちゃん……!!」

 愛里寿は僕を見た瞬間、さっきまで背後まで出していた怒気が一気に無くなり、その代わりに靴を脱いでそのまま僕の胸に飛び込んで来た。そんな愛里寿の頭を撫でつつ優しく話しかけた。

「久し振り、前に逢った時よりも少し身長伸びたんじゃない?」

「うん!前よりも5cm背伸びたよ!!」

「おぉ!!凄いじゃないか!!」

「ふふふ~♪」

 愛里寿は嬉しそうに笑いながら僕のお腹に顔を押し付けて来た。そんな愛里寿の頭を撫でていると、頬を膨らませているメグミが見えたので咳払いをしてから愛里寿に話しかけた。

「愛里寿、今からメグミに晩御飯作ってもらっているところだったんだけれど……、一緒に食べるかい?」

「お兄ちゃんと一緒にご飯……!!」

「いや、私も居ますよ~?」

 メグミが軽く突っ込みを入れてから、再び台所に戻って晩御飯の準備を再開し始めた。その姿を見て、僕と愛里寿は互いに微笑んでから部屋の中に戻って行った……。



如何だったでしょうか?

今回は主人公視点の話を書かせて頂きました。次回は今回の話の続きをメグミ視点で書いて行こうと思いますので、よろしくお願い致します!!

此処で、謝辞を。この作品もいよいよお気に入り登録数が130を超えました!これも皆様のお陰です!!これからも頑張って行きますので、これからもよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第八話

今回はメグミ視点での話となりますが、相変わらずの駄文+進展しない話です。それでもよければどうぞ!!


第八話「“愛里寿(義妹)”、襲来(後編)」

 私とお兄ちゃんの住んでいる寮に突然来た隊長は、お兄ちゃんと一緒にリビングに入って来てから、私は複雑な気持ちで晩御飯を作っています。何故ならば……

 (何でお兄ちゃんの足の上に座っているのぉぉぉ―――――!!!!)

 そう、現在隊長は胡坐をかいているお兄ちゃんの足の上に座って、お兄ちゃんが絵を描いているのを見ている状況なのです。

 (隊長めぇぇぇ~~~!!なんて羨ましい事をぉぉぉ~~~!!)

 料理をしながら羨ましそうに隊長を見つめていると、それに気が付いた隊長が私に向かって何処か勝気な表情を見せつけてきていました。

「なっ……!!」

「メグミ?どうかしたのか?」

「!!ううん!!何でもないよ!!」

「そうかい?ならば良いけれど」

 声を出して驚いてしまった事によって、心配そうにこちらを見て来たお兄ちゃんに向かって答えると、お兄ちゃんは再び衣装の絵を描き始めました。私が悔しそうに料理をしていると、隊長が再び私の方を見て今度は勝ち誇った表情をしながら口パクで何かを放してきました。それを確認すると……。

 (『羨ましいでしょう?』ですってぇ~~~!!べ、別に!!う、ううう、羨ましくなんて……!!)

 私が自分に強く言い聞かせて、料理の仕上げに取り掛かり始めました。そうしていると、不意に隊長がお兄ちゃんに話しかけてきました。

「ねぇ、お兄ちゃん」

「ん?何かな?」

「……お、お兄ちゃんには……そ、その……す、好きな人は居るの……?」

「……ッ!?」

 隊長の質問に対して、思わず均等に切っていたニンジンが思わず大きく切ってしまいました。それに気付いていないお兄ちゃんは少しだけ考えてから答えました。

「そうだね……。好きな人は居るかな……」

「「……!!」」

 お兄ちゃんの答えに聞き耳を立てていた私も、思わず息を呑みました。驚いている私たちに気付いていないお兄ちゃんはそのまま話の続きを話しました。

「まぁ、まだ本人にはちゃんと伝えていないんだけどね……」

「……そ、そうなの……?」

「うん。いつかちゃんと気持ちを伝えられたら良いなと思っているよ」

「……そう……なんだ……」

 何処か落ち込んでいる風に呟いた隊長に対して、お兄ちゃんは優しく隊長の頭を撫でながら話しかけた。

「安心して。僕は愛里寿の事も大好きだから」

「うん……!私も……!!」

「…………」

 嬉しがっている隊長の姿を見つめていた私は、心が徐々に苦しくなっていくのを我慢しながら、料理を完成させてリビングに持って行った。

「さぁ!!晩御飯が完成しましたよ!!早く食べましょう!!」

「そうだね。じゃあ早速食べようか」

「うん……!」

 お兄ちゃんに答える様にお兄ちゃんの隣の席に隊長が座ってきました。それを確認しながら料理の載った皿を並べた私も、いつもの席に座りました。それを確認してからお兄ちゃんは明るい声で話しました。

「それじゃあ、頂きます」

「「頂きます!!」」

 お兄ちゃんの返事に続いて隊長と一緒に返事をしてから、3人一緒に晩御飯を食べ始めました。

 ☆

 “―――お兄ちゃんと隊長、島田愛里寿の関係を知ったのは私が高校を卒業した後でした……。―――”

「紹介するよ、この子は島田愛里寿ちゃん。僕の育ての親である千代さんの娘さんで僕の義妹になる子だよ」

 そう言ってお兄ちゃんが私に紹介してきた女の子が、島田愛里寿隊長でした。隊長はお兄ちゃんの後ろに隠れていた隊長の頭を撫でながら優しく話しかけていました。

「愛里寿、この子はメグミと言って僕の1歳年下の幼馴染だよ。僕と同じサンダ—ス大学に入学することになっているんだ。そして、大学選抜にも参加する事が決まっているから、仲良くしてあげてね」

「……うん、分かった」

 隊長はそう答えると、お兄ちゃんの後ろから姿を出して私の方に近づいて来てから話し出しました。

「……島田愛里寿、です……。大学選抜の隊長でお兄ちゃんの義妹です。よろしくお願いします」

「メグミです!これからよろしくお願いします、隊長!!」

 私はそう言って私が手を差し出すと、オドオドしながらも恥ずかしがりながら手を握って来てくれました。

 愛里寿隊長とお兄ちゃんの関係を平たく言えば、お兄ちゃんが子供の頃、お兄ちゃんのお母さんである有希さんが仕事の関係で海外に行かなければならないと言う事で、昔から仲が良かった島田流の家元である千代さんにお兄ちゃんの面倒を見て欲しいと頼んだそうで、その際にまだ幼かった隊長と出会ったとの事。最初は打ち解けるのに時間は掛かったらしいけれど、昔に起きた“事件”がきっかけでお兄ちゃんに懐いたとの事でした。その“事件”の内容を聞いてもお兄ちゃんは決して教えてはくれなかったけれど……。

 (それにお兄ちゃんは気付いていないけれど……、隊長、明らかに好意を持っているんだよなぁ~)

 そう、私にとっての一番の問題……、それは隊長がお兄ちゃんの事が“異性として好き”だと言う事です。

 (戦車道では私と隊長は上下関係があるし……、正直恋のライバルになっちゃったら色々と面倒な事になる気がするんだよなぁ……)

 隊長はまだ13歳……、しかもおそらく初恋であるだろうその恋を私が失恋に変える事になってしまうとなると考えると……。

「はぁ……」

「メグミ、どうかした?」

「いえ!!何でもありません!!」

「そう?」

「はい!!」

 私の返事を聞いた隊長はそのまま私が作ったハンバ—グを食べながらお兄ちゃんとの会話に戻りました。それを見つめながら、私は内心で大きく溜息をつきながらハンバ—グを食べるのでした……。



如何だったでしょうか?

今回はメグミ視点での話であり、愛里寿が巧に好意を寄せている事についてを書かせて頂きました。

相変わらずの駄作でしかも話も進んでいませんでしたが、読んで下さりありがとうございます!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第九話

遅くなってしまって申し訳ございません!!新作が完成しましたので、是非読んで見て下さい!!但し、駄文ですのでご了承ください。


第九話「一緒に寝よう?」

 晩御飯を食べ終えた僕たちは、3人共少しだけ休んでからお風呂に入ることにした。すると、待っていたかの様に愛里寿が僕の腕に抱き着いて頬を赤くしながら話しかけてきた。

「……お兄ちゃん……、久し振りに……い、一緒に……お風呂入ろう……?」

「「へ……?」」

 愛里寿の発言に驚いたのは僕だけではなく、近くで一緒にコ—ヒ—を飲みながら雑誌(ファッション雑誌らしい)を読んでいたメグミも思わず素っ頓狂な声を出していた。

「あ、愛里寿?一緒にお風呂に入ろうって言ったのかい……?」

 僕が聞き返すと、愛里寿は頷いて応えて来た。それを見ていたメグミは冷静を装いながら話しかけた。

「た、隊長?流石にそれは難しいのではありませんか?一応隊長も歳ですし……」

「だから何?」

「で、ですから!隊長の体も成長していることですし、それに男の人と一緒にお風呂に入るというのは……」

「……メグミ、お兄ちゃんと一緒にお風呂入っているでしょ」

「は、はぃ?!」

 愛里寿の放った言葉に思わずさっき以上に素っ頓狂な声を出してしまったメグミに対し、愛里寿はジト目でメグミに詰め寄りながら更に話しかけ始めた。

「……いつから一緒にお風呂に入っているの?」

「そ、それはぁ~……」

 ジト目になりながら、徐々にゆっくりとメグミに詰め寄って行く愛里寿を見ていた僕は、小さく溜息をついてから愛里寿の頭に軽くチョップをしながら止めた。

「はい。ストップ」

「いてっ」

「愛里寿、少し落ち着いて。全くいつもの事だけど君は暴走すると周りが見えなくなるんだから」

「……ごめんなさい……」

 僕が注意すると、愛里寿は反省している様な表情でメグミに謝ってきた。メグミも愛里寿に優しく微笑みながら話しかけていた。そんな愛里寿の頭を見て少しだけ考えてから、愛里寿と同じ目線になるように片膝を着いて愛里寿の顔を微笑みながら、そして優しく頭を撫でながら話しかけた。

「お風呂には一緒に入れないけれど……、代わりに今日は一緒に僕の部屋で寝るのだったらどうかな?」

「「……!!」」

 僕の一言を聞いた2人の顔は、先程の愛里寿のお風呂発言以上の衝撃を受けている顔つきになっていた。そんな2人に気付いていない僕は再び愛里寿に問い掛けた。

「愛里寿、どうする?」

 ☆

 (……とまぁ、軽はずみで言っちゃったわけだけど……)

「まさか、こうなるとは……」

「ふふふ……♪」

 僕が呟いている事に気付かない位にまで嬉しいのか、それともベッドの上に置いてあるボコのぬいぐるみ(非売品)を見て目を輝かせながら、自分で持って来たボコのぬいぐるみと並べて遊んでいるからだろうか?

 (まぁ、楽しそうならばそれで良いんだけれど……)

 僕はそう思ってから、パソコンを起動させてメ—ルが来ていないかを確認した。すると、仕事の依頼やその他にも様々な内容のメ—ルが送られてきていた。

「え~と……。この会社への返事は火曜日に送るとして、このメ—ルは―――」

 僕がメ—ルの山を捌いていると、不意に僕の隣からボコが僕を見つめて来ていた。

「おおっと!!……ってボコ?」

「……何しているの……?」

 愛里寿がボコを抱えながら不思議そうに聞いて来た。僕は体ごと椅子を愛里寿の方に向けて両腕を広げた。それの意味に気が付いた愛里寿は目を先程以上に輝かせ、笑顔で僕の体に背中を預ける様に椅子に座って来た。僕は愛里寿の頭を優しく撫でながらパソコンの方を見せながら話した。

「今はね、僕に来ている仕事の内容を確認しているところだよ」

「……お兄ちゃんは今、仕事しているの……?もしかして邪魔しちゃった……?」

「いいや、邪魔になんてならないよ。だからそんな暗い顔しないで?」

「……分かった……」

 僕が優しく頭を撫でながら話しかけると、さっきまで落ち込んでいた愛里寿の顔が、今度は顔を赤くしながら嬉しそうに頷いて応えて来た。その姿を見て少しだけ微笑んでいた僕だったが、不意にスマホから猫の鳴き声が聞こえてきた。

「猫……?近くに居るの……?」

「あぁ。僕のスマホからだね」

「スマホ……?お兄ちゃん、スマホ持っているんだ……」

「愛里寿は持っていないの?スマホ」

「うん……。お母様が『愛里寿にはまだ早い』って……」

「そ、そうなんだ……」

 (千代さん……。子供思いなのは良い事だけど……、限度って物があるでしょうに……)

 家元と愛里寿の会話の風景が容易にイメ—ジできてしまい、苦笑しながらスマホを操作して連絡を確認した。

 (“BCR”の方か……)

 “BCR”をクリックして開くと、そこには仲間の1人である“フェアリ—”からの連絡だった。ちなみに、“フェアリ—”と言うのは志乃のコ—ドネ—ムである。

「え~と……、『早速依頼が来たぞ~』か。そうか……。依頼内容を送ってもらうか」

 僕は志乃に依頼の内容を送る様に送ってからスマホをしまうと、膝の上に乗っている愛里寿と一緒にメ—ルを見た。暫くすると、愛里寿の頭が小さく前後に揺れ始め、舟を漕ぎ始めていた。僕は愛里寿の頭を撫でながら話しかけた。

「愛里寿、そろそろ寝ようか?」

「うん……」

「ちゃんと歯磨きはした?」

「うん……」

「それじゃあ寝ようか?明日も早いし」

「うん……」

 目を擦りながら頷いて来た愛里寿を抱き上げ(俗に言う“お姫様抱っこ”である)て、ベッドまで連れて行ってゆっくりと降ろしてから、僕も愛里寿の隣に腰かけて優しく頭を撫でてから、布団を手に取ってゆっくりと横になった。

「おやすみ。愛里寿」

「……うん……、おやすみ……」

 僕が小さく話しかけると、愛里寿も小さく答えてきた。それを確認してから僕もゆっくりと眠りに就いた……。



如何だったでしょうか?

今回は愛里寿と巧が一緒にベッドで眠る話を書かせて頂きました。別にエロい意味は一切ございませんので、えぇ、一応……。

次回の話は予定ではこの続きか、或いは愛里寿視点の特別編を書こうと思っています。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します。

また、此処で1つご報告させて頂きます。現在新たな小説を作成中です。予定では明日辺りにでも投稿しようと思っています。内容と致しましては、”プリキュアシリ—ズ”書かせて頂こう思います。また、メインヒロインとしては”ドキドキプリキュア”の”キュアソ—ド”にしようかと考えています。但し、内容は完全なオリジナルであり、オリキャラやオリジナル展開もございますので、ご興味がある方は、是非とも読んで見て下さい!!


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第十話

今回は試合会場に行こうとしている風景を書かせて頂いています。

注意!!駄文であり後半は若干の無理矢理、そして短いです。それでも良いと言う方ばどうぞ!!


第十話「集う者たちと動き出す運命」

 翌日、僕はいつもよりも少しだけ早めに起きると、隣で幸せそうに眠っている愛里寿を起こさない様にベッドから出ると、音を立てない様に歩いて部屋から出た。すると、リビングにはメグミが朝食の準備を始めていた。

「あれ?おはよう、お兄ちゃん。愛里寿隊長は?」

「おはようメグミ。愛里寿はまだ寝ているよ。悪いけれど先に電話するところがあるから、ちょっとベランダに出るね」

「うん、分かった。じゃあ先にご飯の用意しておくね」

「ありがとう」

 僕はメグミにそう言うと、スマホを取り出してベランダに出た。そしてスマホを操作して“BCR”を開くと、雄二に電話を入れた。少し待っていると雄二が眠そうな口調で出た。

『もしもし~?どうしたリ—ダ—?こんな朝早くに』

「起こしてしまい済まない。実は今日、僕は黒森峰の練習試合に監督として参加しなければならなくなってね。最初の予定だとメグミと一緒に行く予定だったんだけど、もう1人お客さんが増えてしまってね……。悪いんだけどサイドカ—を持って来て貰えるか?」

『おう!そんな事ならばお安い御用だぜ!そんじゃあそうだなぁ……。準備とかあるから1時間後に到着するようにするわ』

「ありがとう。それじゃあ、1時間後に」

 そう言って電話を切った僕は、ひと息着いてからベランダから部屋の中に戻って、顔を洗ってから自室に入ると、丁度目を覚ました愛里寿がベッドから体を起こしてきた。

「んん……、おにぃ……ちゃん……?」

「おはよう、愛里寿。起きれるかい?」

「……うん……」

 僕にそう答えた愛里寿だったが、まだ眠気が抜けていないのか眠気眼の愛里寿は目を擦りながらベッドを出た。そんな愛里寿の頭を優しく撫でながら僕は話しかけた。

「うん。良く起きれたね、偉いよ」

「……こ、子供扱い……しないで……///」

 頭を撫でられたことが恥ずかしかったのか、愛里寿は顔を赤らめながら顔を少し伏せて小声で答えて来た。僕は少しだけ微笑んでから愛里寿の着替えを出してあげてから部屋を出た。暫くすると、部屋の中から出て来た愛里寿はメグミに挨拶をしてから、愛里寿は顔を洗ったり等を済ませて、リビングにある僕の椅子の隣に座って来た。暫くすると、メグミが朝食を持って来て並べてから自分の席に着いた。

「それじゃあ、頂きます!」

「「頂きます!!」」

 僕の言葉を合図に2人も一緒に朝食を食べ始めた。暫く朝食を食べてから、僕はメグミと愛里寿に話しかけた。

「今日の予定だけど……、僕は今日行われる“黒森峰と聖グロリア—ナ”の練習試合に黒森峰の監督役として参加しなくてはいけなくて、メグミと一緒に行く予定なんだけれど……、愛里寿はどうする?」

「……黒森峰と聖グロリア—ナの試合……、観に行きたい……」

 愛里寿は僕の方を見て答えて来た。僕はそんな愛里寿の頭を優しく撫でてから、メグミに話しかけた。

「……とまぁそう言う事だから。メグミ、悪いけれど……」

「大丈夫ですよ。それに先輩も仕事がありますし、その時は隊長と一緒に居ますから」

「……うん。そうする」

「ありがとう。メグミ、愛里寿」

 その後も話をしながら朝食を食べ終わすと、3人して歯磨きを行ってからそれぞれの出掛ける準備を始めた。3人が出掛ける準備ができた頃、僕のスマホの方に連絡が入った。

「もしもし、雄二か?」

『おう!サイドカ—持って来たぜ!!ついでに付けておいたから、そのまま乗っても大丈夫だぞ!!』

「まさかそこまでしてくれるとは……、ありがとう。雄二」

『良いって事よ!!それと、さっき奈央から連絡が在って俺たち以外のメンバ—は現地入りしたってさ』

「分かった。それじゃあ、僕たちも行くよ」

『あいよ!!そんじゃあ』

「あぁ。現地で落ち合おう」

 僕はそう言って電話を切ると、僕は部屋を出てリビングで先に出掛ける準備ができた2人が待っていた。

「それじゃあ、行こうか」

「はい!」

「……うん!」

 僕の言葉に2人が笑顔で答えてきたのを確認してから、僕たちは部屋を出た。寮を出た僕は最後に出て来たメグミにいつもの様に確認をしてから、メグミ専用のヘルメットを渡してからバイクに跨った。

「あれ?!バイクにいつの間にかサイドカ—が付いてる!?」

「あぁ。さっき雄二に来てもらってサイドカ—を持ってきてもらったんだ。そして、ついでに付けてもらった」

「雄二さん、来てたんだね。挨拶していけば良かったのに」

「……来ていたんだ。雄二」

「あれ?隊長、雄二さんの事知っているんですか?」

「うん。前に一度会った事がある」

「そうだったんですね!」

「2人共、早く乗って。それとこれ、愛里寿用のヘルメット」

「ボ、ボコだぁぁ!!」

 僕が渡した愛里寿専用のヘルメット(勿論ボコ仕様だ)を見て嬉しそうにしている愛里寿を見ながら、メグミに愛里寿がヘルメットを被るのを手伝ってあげる様に伝えると、メグミは一度頷いてから愛里寿のヘルメットを被るのを手伝ってあげた。そしてメグミが僕の後ろに、愛里寿がサイドカ—に乗ったのを確認してからエンジンを蒸かしてから話しかけた。

「それじゃあ、行くぞ!!」

「「うん!!」」

 2人の声を聞いてから、アクセルを捻って寮を出発した……。

 黒森峰と聖グロリア—ナの練習試合……、練習試合を行う事が余りないこの2校の試合を、是非とも観たいと思い様々な人たちが試合現場に集まっていた。その中には、偵察を兼ねて観に来る他校の生徒や2校を含めた元戦車道の受講者、そして各々の“”があり集まった5つのバンドチ—ムの生徒たち……。そして『黒猫』のメンバ—と“ある目的”で訪れる人物たち……。

 この戦車道の練習試合が、これからの巧たちの、そして『黒猫』の運命を動かすことになるとは、この時はまだ知らなかった……。



如何だったでしょうか?

今回は試合会場に向かうまでの風景を書かせて頂きました。

また、次回辺りで黒森峰と聖グロの試合風景を描かせて頂こうと思いますので、もし興味がございましたら、是非とも読んで見て下さい!!

相変わらずの駄文で申し訳ございません!!しかも短くなってしまい、本当に済みません!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十一話

今回は話が非常に長くなってしまったので、前後編に分ける事とします。ですが、この話では、主に4つのバンドチ—ムの話となりますので、あるバンドについては書いておりませんのであしからず。

また、いつもの通りの駄文ですので、そこら辺もご了承下さい。それではどうぞ!!



第十一話「何故、彼女たちが戦車道の試合を観に来たのか(前編)」

 “―――巧たちが試合会場に向かっている頃、会場では5つのバンドチ—ムがそれぞれ到着していた……。―――”

 ☆

「へぇ~!!此処が戦車道の試合会場か~!!」

「思っていた以上に広いね~!」

 そう言って戦車道の試合が行われる会場に到着したのは、最近結成されたバンドチ—ム“Poppin’Party”、通称『ポピパ』と呼ばれているバンドチ—ムである。そのメンバ—のリ—ダ—の戸山香澄と、リ—ドギタ—を担当している花園たえの2人が会場を見るなり目を輝かせながら声を出していた。すると、そんな2人に向かって後ろから大声で注意してくる声が聞こえた。

「お前らぁぁぁ―――!!恥ずかしいからはしゃぐんじゃねぇぇぇ!!」

 2人に注意しているのはキ—ボ—ド等を担当している市ヶ谷有咲を見ながら、その3人を見て微笑んでいる2人が居た。

「全く、あの3人は相変わらず元気だなぁ~」

「あはは……。でも、沙綾ちゃん大丈夫?お母さんたちと一緒に居なくて?」

「うん、少し経ったらお母さんたちと合流するつもりだよ。それに、そんな事を言ったら有咲もお祖母ちゃんが気になるんじゃない?」

 ドラム担当の山吹沙綾と同じくベ—ス担当である牛込りみの2人が話していた。すると、香澄とたえを注意していた有咲が紗綾とりみの方を見て答えた。

「……お祖母ちゃんとはこの後合流する。それに、おばあちゃんはこの試合をとても楽しみにしていたからな。一緒に見たいしな……」

 そう言って何処か恥ずかしそうに答えている有咲を見て優しく見守っていた。そう、彼女たちが戦車道の会場に来た理由は有咲と紗綾の2人だった……。

 ☆

 本来ならば今日は練習の予定だったが、香澄とたえとりみの3人が有咲の家に向かうと、有咲のお祖母ちゃんと一緒に戦車道の試合を観に行くところに出くわしたのだ。その時に丁度紗綾の方からも連絡が来て、『お母さんたちと一緒に戦車道の試合を観に行くから練習を休む』との連絡が来ていたのだ。それを聞いた香澄が閃いた表情で全員に提案したのだ。

「ねぇ!!今日は練習なしにして、皆で戦車道の試合を観に行かない?!」

 ☆

 その結果『ポピパ』の5人は一緒に戦車道の試合を観に来たのだ。その事を思い出していると、香澄がいつの間にか紗綾たちの元に戻って来て紗綾に話しかけてきた。

「ねぇねぇ!紗綾のお母さんって戦車道が好きなの?」

「あぁ~、お母さんは高校生の頃に戦車道を受講していたんだって。今日はその学校が試合をするから、是非とも観に行きたいって言ったの」

「えぇ!?紗綾のお母さんって戦車道をしていたの!?」

「うん。と言っても、お母さんは昔から体が弱かったから、そんなに体力を使う様な事はしなかったらしいけれど……」

「ふ~ん、そうなのか……。なぁ、紗綾のお母さんって何処の高校の出身なんだ?」

 紗綾の話に興味を持ったのか、有咲が紗綾に質問してきた。紗綾は思い出すように考えると、思い出した様な口調で答えた。

「え~と……、確か……、そう!“黒森峰女学園”って言ってた!!」

「そうか~。黒森峰かぁ~。……って」

「「ええええぇぇぇぇ―――――!!?」」

 紗綾の答えを聞いた有咲と2人の話を聞いていたりみは、その答えに驚きの余り思わず声を上げてしまったのだった……。

 ☆

 “―――『Poppin’Party』が戦車道の試合会場に着いた頃、他の場所でも、もう1組のバンドチ—ムが到着していた……。―――”

「此処が戦車道の試合会場か―――!!」

「おぉ~、広~い~!」

「やっぱり人が多いね♪」

 そう言っている3人とその後を追う様に2人が歩いていた。この5人は元々幼馴染であり、“Afterglow”、通称『アフグロ』と呼ばれているバンドを組んでいる。その中で青葉モカと上原ひまり、そして『黒猫』のメンバ—である羽沢つぐみの3人が前を歩いているのに対し、その後ろを追っている宇田川巴がつぐみに話しかけた。

「ん?つぐみは戦車道の試合を観に来た事があるのか?」

「うん!前にお兄……、巧さん達と一緒に観に行った事があるから、この風景にはもう慣れているんだ~♪」

 つぐみが楽しく答えると、それを聞いていたモカが何処か面白そうな表情で話しかけてきた。

「ふ~ん?“巧さん”ねぇ~?」

「ど、どうしたの?モカちゃん?何か嫌な予感がするんだけど……?」

「ん~?いやぁ~。つぐにもいよいよ“春”が来たと思いまして~」

「は、“春”が来た……って!!」

 モカの言葉の意味を理解したのか、顔を赤くしながら両手を前に出して必死に否定し始めた。すると、それに反応したのかひまりも楽しそうな表情でつぐみの元に駆け寄って来た。

「なになに♪つぐみにいよいよ恋の予感が来たの!?」

「ちょっと!!ひまりちゃんも何を言っているの!?違うって言ってるじゃん!!」

 ひまりとモカから弄られて顔を更に赤くして否定をしていたが、そろそろ泣きそうになりそうになってきたので巴が止めに入った。

「おいモカもひまりもそこまでにしておけよ。このままだとつぐみが泣き出すぞ?」

「つぐ、ごめ~ん。ひまりがもっと弄れって指示して来たからつい~」

「ちょっと!?何で私のせいになっているの!?私そんな事言ってないよ!?」

「ぐすん……。分かった。モカちゃんは許す」

「やったぁ~」

「ちょっとつぐ!!私は?!」

「ひまりちゃんは……うん……」

「何か言ってよぉぉぉ―――!!」

 ひまりがつぐみの方を見て謝っていると、不意にひまりの背中に誰かがぶつかった。相手は倒れなかったが、ひまりは突然の事でその場に思わず尻餅を着いてしまった。

「いたたた……!!」

「おっと!!ソ—リ—!!大丈夫?!」

「はい!!こちらこそ余所見をしていたので、こちらも―――」

 手を差し出してきた相手に謝りながら手を差し出しながら相手を見た瞬間、ひまりはそのまま固まってしまった。無理もない、そこに立って居たのがあのサンダ—ス大学付属高校のケイだったのだ。ケイのボディ—ラインやウェ—ブの掛かった金髪を見たひまりは、口が開きっぱなしになりながら、頭の中で混乱しながら叫んでいた。

 (な、ななな、なに!?この人!?金髪?!しかもウェ—ブかかっていて綺麗!!それに何!?あの体型!!あの締まるところは締まっていて、出ている所は出ているあの超理想的な体型は!!ま、まさか……!あれが噂に聞く、『ボン、キュッ、ボン』って奴ですかぁぁぁ!?)

「?どうかした?」

「……はっ!?い、いいえ!!な、何でもございません!!」

「?まぁ、良いか!!」

 ケイはそう言うと、いつもの明るい表情でひまりに近づいて来て、ひまりに手を差し出して話しかけた。

「私はサンダ—ス大学付属高校のケイよ!!よろしくね♪」

「え、え~と!!羽丘女子学園の上原ひまりです!!よろしくお願いします!!」

「オ—ケ—!ひまり!!そんなに畏まらなくても良いって!リラックス、リラックス!!」

「は、はい!」

 ケイがひまりの肩をもみながらそう言っていると、ケイの背後からケイと同じジャケットを着た女子が2人歩いて来た。すると2人のうちの1人、アリサが切羽詰まった風にケイに話しかけてきた。

「此処に居たんですか!!隊長!!早く戻らないと試合が始まってしまいます!!」

「オゥ!!もうそんな時間なのね!!それじゃあひまり、またね!!」

「はい!!」

「ナオミ、アリサ!行くわよ!!」

「「イエス、マム!!」」

 ケイの言葉に続いてアリサともう1人、ナオミがそれぞれ答えてからその場を後にした。それを呆然と見送っているひまりの元につぐみ達が近付いてきた。

「ひまりちゃん!!凄いよ、さっきの人ってサンダ—スのケイさんだよ!!」

「え!?そんなに凄い人なの?!」

「凄いも何もサンダ—ス大学付属は高校の戦車道でも、4強と言われている学校の1つだよ!!」

「そ、そうなの!?」

 驚いているつぐみ達だったが、そんなやりとりをただ1人静かに見つけている人物が居た。その人物こそが、“Afterglow”のリ—ダ—である美竹 蘭である。蘭はずっと辺りを見渡しながら誰かを探していた。すると、それに気が付いた巴が蘭に話しかけた。

「蘭。見つからないのか?」

「……うん。でも、必ず此処に来ていると思う」

「……そうか。それじゃあ、アタシ達も探すか!!」

「「「うん‣お~う‣勿論!!!」」」

 巴の言葉に賛同するように、つぐみ達が答えて来た。それを聞いていた蘭は目を見開いてから、小さく微笑んでから答えた。

「……皆、ありがとう……」

「よし!!じゃあ探そうか!!えいえいお—!!」

「「「「…………」」」」

「何で皆やってくれないのぉ~~!!」」」」

 1人で騒いでいるひまりを見ながら、蘭は何処か決心したような目つきで静かに呟いた。

「来ていますよね……?“五十鈴さん”……!!」

 蘭は辺りを見渡しながら、自分が探している人物である五十鈴華の名前を呟いた……。



如何だったでしょうか?

今回の話、前編では『ポピパ』と『アフグロ』の2つのバンドにスポットを当てて書いてみました。2組のバンドが何故試合会場に来たのかの理由もこれで分かって頂けたと思います。

此処で、今回の話におけるバンドリの原作との相違(オリジナル設定)についてを少し書かせて頂きます。

先ず、『ポピパ』の方ですが、基本的に原作寄りとなっています。オリジナルの設定が入って居る部分は以下の部分となっています。

1.紗綾のお母さんが戦車道受講者、しかも黒森峰出身(⇐ここ重要)
2.有咲やりみ、紗綾は戦車道に興味がある(特に紗綾と有咲)

以上の2つです。次に『アフグロ』の方ですが、こちらも『ポピパ』と同じく原作寄りです。オリジナルの設定はこの2つとなっています。

1.つぐみは戦車道の試合を何度か観戦していて、戦車や戦車道に興味を持っている。
2.蘭と五十鈴華の間に何かしらの関係がある。

この2つです。次回の話の方でも相違点を書いて行こうと思いますので、どうかよろしくお願い致します!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十二話

今回の話は前回の後編となっております。そして、あるキャラが異常にキャラ崩壊しております!駄文の上にその様な事態となっておりますので、それでも良ければどうぞ!!


第十二話「何故、彼女たちが戦車道の試合を観に来たのか(後編)」

 “―――2組のバンドが試合会場に到着した頃、観客席にある巨大なスクリ—ンを1組のアイドルたちが見つめていた……。―――”

「うっわぁぁぁ!!すっごい大きなスクリ—ンだよ!!」

「じ、自分、今までこんなに大きなスクリ—ン、見た事ないっす!!」

「私も今とても“るんっ♪”ってしているよ♪」

 3人の少女たちが興奮気味に話していると、不意に3人の背後から殺気に近いオ—ラを感じ取ったのか3人の体中の毛が逆立った。恐る恐る後ろを振り返ると、そこには“満面の笑顔”で3人を見つめている人物が居た。

「彩ちゃん、麻耶ちゃん、日菜ちゃん。3人共、少しは落ち着いてもらえないかしら?此処には私たち以外にも沢山の人が居るから静かにしてね?分かった?」

「「「……は、はい……」」」

 1人の少女の一言によって、3人は一瞬にして静かになった。それを見ていたもう1人の子も苦笑いしていた。この5人はテレビで活躍している人気アイドルバンド、“Pastel*Palettes”、通称『パスパレ』の5人である。3人の内の1人、大和麻耶が同じバンドのメンバ—である若宮イヴに話しかけた。

「あれ?イヴさんは驚かないんですね?」

「はい。私の暮らしていたフィンランドでも戦車道は盛んでしたので、この巨大スクリ—ンもそこまで珍しくないんです♪」

「そうなのね。でも、やっぱり実際に戦車道の試合を観るのも悪くは無いわね」

 イヴの話を聞いてそう答えたのは、同じく『パスパレ』のメンバ—である白鷺千聖である。そして、彼女こそが『パスパレ』のメンバ—全員で戦車道の試合会場に来た理由である。

 ☆

 時間は遡り1ヶ月前、『パスパレ』はこの日もいつも通りの練習を終えて、それぞれの楽器のか片付けを行っていた。そんな矢先、彼女のマネ—ジャ—がスタジオの中に入って来た。ただ、彼は息を切らしながら呼吸を整えていた。それを見ていた千聖が少しだけ呆れながら話しかけた。

「どうしたの、マネ—ジャ—?かなり息が上がっているけれど?」

「す、済みません……!!実は、千聖さんに次回のドラマのメインヒロイン役のオファ—が来ました!!」

「「「「ええええぇぇぇぇ!!!!????」」」」

 マネ—ジャ—の話に驚いている4人に対し、千聖は目を見開いて驚きながらも冷静な口調で話しかけた。

「それで、どうしてそんなに慌てているんですか?」

「そ、それがですね……。ヒロインの設定に問題がありまして……」

「設定?どのような物なの?」

「まだ、全部ではないですが……。ヒロインは戦車道を行っているとの事です!」

「戦車道……?」

 マネ—ジャ—の話を聞いた千聖はその設定の意味する事が、この時はまだ知る由も無かった……。

 ☆

 (最初はその設定だけで、どうしてあんなに慌てて居たのかさっぱり分からなかったけれど、今ならばそれが痛い程分かるわ……)

「はぁ……」

 千聖は巨大なスクリ—ンを見つめながら、小さく溜息を着いた。ドラマの件を聞いたあの日は嬉しさと、どうしてあそこまで困っていたのか分からないと言う困惑しかなかったが、その理由はすぐに理解できた。後日、事務所に送られてきたドラマに関する書類の登場人物欄に書かれていた役者の中で、ヒロインの母親役と教師役の女優が戦車道経験者であると同時に、プライベ—トでも戦車道を行っている程なのだ。そんな人たちの前で戦車道を知らない千聖が演技をしたら果たしてどうなるのか……。

 “―――明らかに反感を買ってしまうだけじゃない……。その他にも様々な問題が起きる……。―――”

 それを未然に防ぐために、今回は『パスパレ』全員で戦車道の試合を観に来たのだ(余談だが、この試合の観戦の為に支払われる費用は全て会社持ちである)。つまりは、この試合観戦は千聖の『役作り』を行う為なのである。

 (ちゃんと録画の準備もできたし、この機会を最大限に活かして見せる!!)

 強く意気込みながら、千聖は試合が始まるのをスクリ—ンを見つめながら見守っていた。……しかしこの時、自分以上にスクリ—ンに表示されている2校の名前と戦車の種類を真剣な眼差しで見つめている『パスパレ』のメンバ—が居たことを、この時の千聖は知る由も無かった……。

 ☆

 “―――時を同じくして黒森峰女学園側の観客席では……。―――”

「い、いよいよですね……」

 そこには先程の観客席に居た人物、氷川日菜と同じ色の髪をした女子が席を陣取って、まだかまだかと待ちわびていた。彼女の名前は氷川紗夜。日菜の姉であり真面目な性格であり、何より彼女が所属している本格派バンド“Roseila”のメンバ—の中でも1位、2位を競う程のストイックさを持つ女子である。そんな彼女には誰にも話していない密かな“趣味”があった……。

「こ、これは……夢でしょうか……!!」

 いつもの様なク—ルな面影はそこにはなく、興奮によって顔が少しだけ赤くなっている彼女が居た。その姿は全国戦車道大会優勝校である“大洗女子”の隊長車の装填手並みに興奮していて、もし彼女に犬の尻尾が付いていれば、はち切れる程振り回しているだろう、と言う状態だった。

 そう……、彼女、氷川紗夜の密かな趣味、それは“戦車道”なのである。“戦車道”が趣味と言う人物はそんなに珍しい訳ではないが、彼女の場合は“戦車道そのもの”に興味がある訳ではなく、1人の選手の活躍を見て応援することが好きなのだ。その人物の名前は……。

 (ついに……西住さんの試合が生で観られる……!!しかも、西住さんの所属している“あの黒森峰女学園”の観客席の特等席で……!!しかも、西住さんから直々に招待されて……!!)

 信じられるだろうか?あの氷川紗夜が好きになった選手は、黒森峰女学園の隊長であり、“西住流の体現者”とまで言われている“あの西住まほ”なのだ。しかも、その好きの度合いはあの黒森峰の副隊長とも引けを取らないとの事(本人談)。

 (今日は“Roseila”の練習も休みですし、おそらく“Roseila”のメンバ—は戦車道に興味はないはず……。つまりバンドメンバ—の目を気にしないで応援できると言う事!!これほどの幸福はあったでしょうか!!)

「うふふ………!!」

 彼女の脳内では歓喜の歌声が響き渡っていた。そして、早く黒森峰の試合と尊敬する西住まほの雄姿をカメラに収めようとカメラを片手に試合開始を待ち望んでいた。……しかし、その数分前にそんな紗夜の姿を同じバンドメンバ—の宇田川あこ、今川リサ、そして白金燐子の3人が目撃していて、3人して見なかった事にしてゆっくりと反対側の聖グロリア—ナ女学院の観客席側に移動して行った事には気付いていなかった……。



如何だったでしょうか?

今回の話では、前回の話では書いていなかった、『パスパレ』と『ロゼリア』の2つのバンドにスポットを当てて話を書かせて頂きましたが……、何と言うか、本当に申し訳ございませんでした!!自分でも書いている最中に、「あれぇ?紗夜さん、かなりキャラ崩壊してね?マジヤバくね?」と思ったのですが、いざ完成したら、思った以上に自分の中では面白かったので、そのまま出させて頂きました。もし、これで不快に思った紗夜ファンの方々には、この場を借りて謝罪させて頂きます。申し訳ございません!!

此処で、前回と同じようにバンドリの原作との相違点(オリジナル設定)についてを書かせて頂きます。

先ず、『パスパレ』ですが、実は相違点が余り多くないかもしれません。その”相違点”と言うのが、こちらです。

1.『パスパレ』のメンバ—は戦車道について興味はあるが詳しく知っている人物が少ない。しかし、メンバ—の1人が過去に戦車道と何かしらの関係が在った可能性がある。

これだけになります。もしかしたら、今後の話の展開では増えていくと思いますが、今の時点では、この1つとなります。さて、次はいよいよ『ロゼリア』の方ですが……。『ロゼリア』の相違点はこちらです。

1.紗夜が大の戦車道好きであり、誰にも話していない趣味の1つに『戦車道』がある(バンド練習の休みの日などに近くで試合があれば、1人で観に行く程)。

2.特に黒森峰のファンであると同時に、西住まほのファンである。

3.まほに対する尊敬と愛は天元突破しており、実の妹よりも好きな可能性がある(黒森峰の副隊長と『まほについて』と言うお題が出ても、対等に会話ができるレベル)。

以上の3つです。はい、完全に紗夜さんのみです。えぇ、そうですとも!!紗夜さんのキャラが完全に崩壊しましたとも!!そりゃもう、ヘヴァンドロゴンを出撃させるかどうかのレベルで崩壊しましたとも!!……それで、どうかな?ヘヴァ、出撃させる?それとも、待機させる?どっちが良いかな?

そして、これでお分かりになったと思いますが、今回の話で書かないバンドは『ハロハピ!』でした。しかし、ご心配召されるな。『ハロハピ』は次の話でちゃんとスト—リ—に絡ませようと思いますので、どうか楽しみに待っていて下さい!!

此処で、謝辞を。このような小説に、お気に入り登録数がいよいよ160を超えました!!本当にありがとうございました!!lこれからも精進して参りますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十三話

今回の話で前回と前々回とで行われていたバンドリの全てのバンドチ—ムの話が終わります!!ですが、この話は今後の話にも関わって来るので、どうか駄文ではありますが、よろしくお願い致します。


第十三話「コラボ企画と始まりのアナウンス」

 それぞれの場所に4組のバンドが集まっていた事、巧たちは既に試合会場を歩きながら目的地に向かっていた。

「今日の練習試合、2人はどちらの学校が勝つと思う?」

「そうですね……。私は黒森峰ではないかと思います。黒森峰の装甲圧と重火力を誇る戦車が揃っているのに対して聖グロの戦車は、装甲は有っても火力と速度に問題がありますから」

「でも、その速度はあくまで整地の場合の話。不整地になった場合はグロリア—ナの戦車の機動性が発揮される。今回のエリアは不整地もある。不整地に黒森峰を引き寄せれば体勢が変わるかもしれない」

「これに関しては、愛里寿の言う事にも一理あるね。そして、その事は勿論まほちゃんも知っているだろうから、そこが見どころだろうね。さて、そうこう言っている間に目的地に到着したね」

「……“まほちゃん(・・・・・)”……?お兄ちゃん、どうして黒森峰の隊長の事を名前で、しかも、ちゃん付けで呼んでいるの……?理由を教えて……」

 僕の話した言葉の一部が癇に障ったのか、目からハイライトが消えている愛里寿が徐々に近づいて来たが、僕はそれを軽くスル—する事に徹した。……気のせいか、命の危機を感じたからである。すると、目的地にはカジュアルな服を着た見覚えのある女性が立っていた。

「済みません、伏美さん。待たせてしまいましたか?」

「大丈夫よ。久し振りね、メグミちゃん。それとご無沙汰しております。愛里寿様」

「お久し振りです!伏美さん!!」

「……お久し振りです。伏美さん」

 先に来ていた伏美さんに挨拶をしていると、同じ彼女の部下がこちらに向かって歩いて来た。伏美さんは部下の話を聞いてから一度頷いてから、伏美さんは僕たちに話しかけてきた。

「相手の子達がそろそろ到着するから、私たちも行きましょう」

「そうだね。それじゃあメグミ、愛里寿と一緒に居てあげてもらえないかな?」

「分かった!それじゃあ隊長行きましょう。どうやら、もうすぐ試合も始まりそうですし」

「……分かった。それじゃあ、お兄ちゃん。また後で」

 愛里寿の言葉を聞いてから、メグミは愛里寿と共に会場の観客席の方へと向かって行った。それを見送っていると、遠くから元気な少女の声が聞こえてきた。

「凄く広い場所ね~!!」

「こんな場所でソフトボ—ルできたらきっと気持ち良いんだろうなぁ~!!」

「透き通る空……!!そして広大な草原……!!あぁ、儚い……!!」

「す、凄い数の人だね……」

「まぁ、きっと何かのイベントがあるんでしょう。そうじゃなきゃ、こんな場所にこんなに大勢の人が来るなんて事は無いでしょうから」

 そう言って僕の元に5人の女の子が近付いてきた。それを見た僕はその5人に向かって軽く頭を下げてから話しかけた。

「皆様、本日はお忙しいところお越し頂き、ありがとうございます。席を用意しておりますので、そちらで話をしましょう」

「良いわよ♪」

 5人の中のリ—ダ—である女子、弦巻こころが明るい口調で答えてきた。それに続く様に残りの4人も頷いて来た。それを確認した巧は5人に向かって笑顔で話しかけた。

「本日は宜しくお願い致します。『ハロ—、ハッピ—ワ—ルド!』の皆さん」

 ☆

「―――さて、それでは会議を始めましょうか。先ずは改めて、本日はお時間を取って頂き、ありがとうございます。『ハロ—、ハッピ—ワ—ルド!』の皆さん」

 僕が予め用意させていたVIP席に『ハロハピ!』のメンバ—を招待し、5人が座ったのを確認してから僕は本題を切り出した。

「今回、皆さんにこのような場を設けて貰ったのは、以前から話が出ていた『ボコられクマのボコの特別企画』についてです」

「……あの~、それに関して聞きたい事があるんですけれど、良いですか?」

「どうぞ」

 そう言って手を上げてきたのは、『ハロハピ!』のメンバ—の1人、奥沢美咲である。彼女の方を見て僕が答えると、美咲は少し考えてから話し出した。

「え~と……、今回のこの『特別企画』と私たちと何か関係があるのですか?」

「えぇ。皆は知っていると思いますが、『ボコられクマのボコ』は若者世代……、主に20代付近の方にも人気が出ていますが、本来は“子供向け”となっています。そこで、特に子供に人気がある貴女方を選ばせてもらいました」

「な……何か恥ずかしいです……」

 そう言って顔を赤くしているのは同じく『ハロハピ!』のメンバ—、松原花音である。すると、バンドのリ—ダ—である弦巻こころは明るい口調で話しかけてきた。

「それで、私たちは何をすればいいのかしら?」

「はい、皆さんには今回の企画の1つ、『ボコられクマのボコ』の新しいテ—マ曲の作詞、作曲。そして是非とも歌って欲しいんです」

「えぇぇぇ~~~~~!!?」

「それって……私たちとコラボするって事ですか……?!」

「何それ!!面白そう!!」

「コラボ……!あぁ、儚い……!」

「コラボ!凄く良いわ!!」

 『ハロハピ!』のメンバ—全員がそれぞれの反応をしているのを見てから、僕は詳しい事を話した。

「喜んでもらえて嬉しいです。今回のコラボに関してですが、先ず作詞と作曲の方をそちらの方で行って貰います。完成したその曲を皆さんともう1人のアイドルと一緒に歌って頂きます。その後は、病院や公園、ショッピングモ—ル等でのライブを行って貰えればと思っています」

「後半は私達の活動そのものですね……。まぁ、その前にやる事が凄いですけれど……」

「……あ、あの!そのアイドルって一体誰ですか……?」

 美咲はまだ疑っているのか、疑いの目を向けながら呟いているが、僕に花音がおどおどしながら話しかけてきた。

「今回、皆さんに作詞、作曲して頂いた曲を歌って頂くアイドルは、佐々美 奈央と一緒に歌って頂きます」

「ふ、ふぇぇぇ~~~!?あ、あの佐々美 奈央さんとぉぉぉ!?」

「佐々美 奈央って……、もしかしてあのナオリン!?」

 (……そんなに驚かれるくらい凄いんだな。奈央って……)

 奈央の名前を聞いた途端の、花音と同じメンバ—の北沢はぐみの2人が驚きと歓喜の声を上げていた。それを確認してから最後の確認をした。

「それで、どうですか皆さん。今回のコラボ企画を受けて貰えますか?」

「勿論よ!!是非とも受けさせてもらうわ!!」

「プリンセスこころが受けるのであれば、私も共にいくさ!」

「うん!私もやりたい!!」

「わ、私も!や、やって……みたい……!」

「あ~。まぁ、こうなるとは思っていましたけれど……」

「それでは皆さん、よろしくお願いします」

「「「「「えぇ‣あぁ‣うん‣は、はい‣はい!!!!」」」」」

 『ハロハピ!』メンバ—全員の返事を聞いてから僕は手を差し出した。それに答える様に『ハロハピ!』のメンバ—も手を差し出してきて、全員で固く握手を交わした。

 ☆

「……さて、此処からは仕事は関係無いから、僕もいつもの話し方をさせてもらうけれど……、皆、お腹は空いていないかい?」

「そう言えばそろそろ昼食の時間だね!」

 僕の言葉に答えてきたのははぐみだった。それを確認した僕はこころに“ある提案”を持ち掛けた。

「どうかな?弦巻さん。僕の方でとびっきり美味しい昼食を用意したんだけれど、食べて行くかい?」

「勿論よ!!後、私の事は“こころ”って呼んで欲しいわ!!」

「い、いや、それは……弦巻さ「こころ!!」……はぁ、分かったよ。“こころちゃん”」

「……!えぇ!それで良いわ!!」

 僕が彼女の事を名前で言うと、何故か彼女は顔を赤らめながら嬉しそうに頷いて来た。それを確認してから、僕は手を叩いて“あるチ—ム”を呼んだ。

「それじゃあ、昼食にしようか……。さぁ、出番だよ!君たちの腕を是非彼女たちに見せてくれ!!」

「おぅ!任せておけ!!そら、行くぞ!ペパロニ、カルパッチョ!」

「おぅ!ドゥ—チェ!!」

「はい!ドゥ—チェ!!」

 すると、『ハロハピ!』メンバ—の後ろから『アンツィオ高校』の戦車道チ—ムの3人、アンチョビ、ペパロニ、カルパッチョの3人が鉄板に盛られたナポリタンを6人分持って歩いて来た。『パスパレ』メンバ—と僕の前にナポリタンを置いてからアンチョビが話し出した。

「さぁ!!是非食べてくれ!!」

「それじゃあ、頂きます!」

「「「「「頂くわ‣では、頂こう‣頂きま—す‣い、頂きます……‣頂きます!!!!」」」」」

 彼女たちは同時にフォ—ク持ってパスタを巻くとそのまま口の中に運び込み、何回か噛んでから飲み込んだ。すると、次の瞬間、彼女たちは一斉に感想を述べた。

「お、美味しいわ!!」

「あぁ!!何と美味しいのだろう!!」

「うん!!と—――っても美味しいよ!!」

「お、美味しい……!!」

「確かに美味しい……、もしかしたら、そこら辺にあるお店で出る奴よりも美味しいかも」

「だろう?ウチの鉄板ナポリタンはオススメだからな!」

「そうだぞ!ペパロニの鉄板ナポリタンは本当に旨いからな!」

「そんなに褒められたら照れるっすよぉ~!アンチョビ姐さん~♪」

 ペパロニはそう言いながら照れていると、美咲が不思議そうな表情で手を上げながらアンチョビに話しかけた。

「あの~、さっきから“アンチョビ”とか“ペパロニ”とか言っていますが……、何で具材の名前なんですか?」

「はいは~い!!“ドゥ—チェ”って何ですか?」

 美咲の質問に付け加えるように、はぐみも手を上げて質問をして来た。それを聞いたカルパッチョが優しい口調で答えた。

「私たち『アンツィオ高校』では、生徒の名前に具材の名前を付ける風習があるんです。後、ドゥ—チェと言うのは、ラテン語で『統帥』と言う意味ですよ」

「あ……、アンツィオ高校……だと!?」

 カルパッチョの話を聞いて驚いている『ハロハピ!』のメンバ—、瀬田薫は驚きを隠せていなかった。それを見ていた僕はその理由を何となく察していた。『アンツィオ高校』と言えばイタリアの国風をイメ—ジした学校である。舞台を行っている薫にも『アンツィオ高校』の噂は聞いていたのだろう。そんな風景を見ていると、不意に近くに設置されていたスピ—カ—からアナウンスが聞こえてきた。

『皆様、大変長らくお待たせ致しました!これより、黒森峰女学園と聖グロリア—ナ女学院との練習試合を開始致します!!』

 (いよいよだな……)

「頑張れ、まほちゃん……」

 僕は静かに呟きながら、巨大スクリ—ンに映し出されたまほの姿を見詰めた……。



如何だったでしょうか?

今回の話で試合前の話が終わり、次回からは本格的に試合風景を書いて行こうと思います。流れとしては、次回が試合進行の流れを2校の視点から、その次辺りにそれを第三者である観客席から見ていた5つのバンドチ—ムそれぞれの視点。そしてその2つを書き終えた後にメグミたちを書かせて頂こうと考えています。

此処で、謝辞を。こんな作品ですが、皆様の応援のお陰でお気に入り登録数が160を超えました!!本当にありがとうございました!!これからも頑張りますので、どうか応援よろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十四話

今回は選手視点、主にまほを中心とした視点の話です。詳しい内容に関しては次の観客席の視点での話で紹介します。それではどうぞ!!


第十四話「決戦、黒森峰VS聖グロリア—ナ(選手視点)」

『まもなく、試合が開始されます。各校の選手は並んで下さい」

 試合開始のアナウンスが聞こえてきた。私は各自休憩をしているエリカたちに向かって話しかけた。

「皆、行くぞ」

「「「「「はい!!!!!」」」」」

 私の声に全員が答えたのを確認してから、私たちはそれぞれの戦車に乗車して集合地点に移動を開始した。暫く移動すると、前方に今回の試合の相手である聖グロリア—ナ女学院の戦車と選手たちが見えてきた。

「パンツァ—‣ハルト!」

 私の掛け声に従う様に私の乗車している戦車、“ティ—ガ—Ⅰ”は停車した。それに続く様にエリカたちの乗車している戦車も各自停車し、中からそれぞれの車長が出てきた。そして我が校の代表である私、西住まほと副隊長であるエリカと共に並んだ。向かい側には今回の試合の練習相手である聖グロの隊長のダ—ジリンが待っていた。

「まほさん。本日は練習試合を受けて下さり、ありがとうございます」

「あぁ。私は勝者である以上、挑戦者であるお前たちの挑戦を断る事は決してない」

「あら、それは嬉しい事を言ってくれますわね。でも、勝負は時の運とも言うわ」

「はっ、よくそんな事が言えるわね?貴女たちの戦車では私たちの戦車に傷1つ付けられないのに」

「エリカ、余り相手を悪く言ってはいけない」

「は!す、済みません……」

 私の注意を聞いたエリカは、まるで飼い主に怒られた犬の様に落ち込んでいた。それを一度睨み付けてからダ—ジリンに話しかけた。

「済まない。だが、今回は確かにエリカの言葉も1つある。そこはどうするつもりだ?ダ—ジリン」

「ふふふ……、そこを簡単に言うと思うかしら?まほさん」

「ふっ……。では試合で見せてもらうとしよう。楽しみにしている」

「えぇ。是非とも楽しみにしていて下さい。今度こそ、勝たせて頂きますわ」

 ダ—ジリンが強気な表情を私に向けてそう答えてから、審判員の1人である蝶野さんが話し出した。

「これより、黒森峰女学園と聖グロリア—ナによる練習試合を行います!一同、礼!!」

「「よろしくお願いします!!」」

 全員が挨拶をしてから、私たちはそれぞれの戦車に乗り込んで移動を開始した。互いに距離を取ったのを確認してから、蝶野さんのアナウンスが聞こえてきた。

『ル—ルは“フラッグ戦”!先に相手の学校のフラッグ車を倒した方の勝ちね!!それでは、試合開始!!』

 蝶野さんの合図と共に、上空に試合開始を告げる様に花火が上がった。上空を見上げながらそれを確認した私は、首に着けている通信機に触れて話した。

「……さて、楽しもうか」

『はい!!!』

 全員が私の言葉に返事をして来たのを確認した私は、小さく息を吐いてから真剣な眼差しを前方に向けて大きな声で話した。

「全車、パンツァ—‣フォ—!!」

 ☆

 “―――まほがチ—ム全体に指示を出していた頃、ダ—ジリンたち聖グロリア—ナ女学院の陣営では……。―――”

「試合が開始しましたね。ダ—ジリン様」

「えぇ。そうね」

「それではこちらも動きますか?ダ—ジリン」

「勿論よ、アッサム。……全車前進」

 私の指示と同時に私たちが乗車している戦車、“チャ—チル”とその隣を“マチルダⅡ”が移動を開始しました。そして、“聖グロリア—ナ(私たち)”のいつもの戦闘スタイルである“浸透強襲戦術”を始めました。暫く移動をしてから通信機を使って“あの子”に連絡を送りました。

『クルセイダ—部隊は先行して敵の偵察を行いなさい。但し、見つかった場合は反撃をしつつ距離を取って撤退しなさい』

『『『了解』』』

『ロ—ズヒップ、くれぐれもスピ—ドを出すことだけに気を取られて、本来の目的を忘れないように』

『分かりましたわ!!』

 そう答えてきたロ—ズヒップはそのまま通信を切ると、そのまま先行するように私たちの前を5台の“クルセイダ—”が速度を上げて進んで行きました。それを見送りながらアッサムは溜息を着いて呟きました。

「全くあの子は……、言った傍からすぐにスピ—ドを出して……」

「うふふ。まぁ、そこがあの子の良いところではあるけれど……」

「はぁ……」

 私の話にアッサムは溜息をついているのを見て、思わず吹き出しそうになってしまいました。それをジト目で見て来ているアッサムに気が付いて、1回喉を鳴らしてからアッサムとオレンジペコに話しかけました。

「この試合……、私たちが勝つわよ」

「「はい」」

 (そう……、今度こそ勝たせて貰いますわ……、まほさん)

 そう強く答えて来た2人を見つめながら、私は静かに拳を握って心の中で呟きました。

 ☆

 “―――ダ—ジリンたちがクルセイダ—を偵察で出撃させた頃、まほたちは……―――”

『現在、敵影無し』

『こちらも敵影無し』

『同じく』

「分かった。引き続き周囲の警戒を怠るな」

『『『了解!!!』』』

 私は周囲を警戒させている隊員に促してから通信を切った。すると、隣を並走している“ティ—ガ—Ⅱ”からエリカが顔を出して話しかけてきた。

「敵が見当たりませんね……」

「あぁ。だが、周囲の警戒を怠るな」

「了解!」

 エリカとそんな話をしていると、前方で周囲を警戒していた“パンタ—G”の車長である小梅から通信が入った。

『隊長!前方から敵戦車が接近して来ます!!』

「敵の戦車の種類は?」

『クルセイダ—です!』

 (クルセイダ—か……)

 小梅からの通信を聞いた私は、そこでダ—ジリンが何故クルセイダ—をこちらに放って来たのかを瞬時に考えてから、小梅に通信で話しかけた。

「小梅、おそらくそれは私達への偵察だろう。小梅、お前の近くに居る“パンタ—G”と“ヤ—クトティ—ガ—”の3両で応戦してくれ。おそらく、クルセイダ—達はそのまま逃げるだろうから、追撃するように見せかけて市街地へと誘導。市街地に誘導が完了次第、作戦の状況を開始しろ」

『りょ、了解!』

「小梅。自信を持て。お前ならばできると期待している」

『……!!は、はい!!』

 小梅は強く答えて通信を切ると、前方を走行していた小梅の“パンタ—G”とその近くの“パンタ—G”、そして“ヤ—クトティ—ガ—”の3両が移動を開始した。そして少し経つと数発の砲撃音が響き渡った。

「……始まりましたね」

「あぁ」

「小梅、上手くできるでしょうか……?」

「小梅を信じよう」

「はい」

「……では、全車、パンツァ—‣フォ—」

 私はエリカにそう話しかけてから再び進行を開始した。そして少しすると、私の元に通信が入った。私が通信機を押すと、小梅がいつもよりも明るい声で話してきた。

『こ、こちら小梅!作戦通り相手の“クルセイダ—”を市街地に誘導しました!』

「……そうか」

 小梅の報告に思わず頬を緩めてしまった私だったが、小梅に次の指示を送った。

「小梅、そちらの部隊は作戦を続行してくれ」

『了解!!』

 小梅はそれだけ言って通話を切った。それを確認してから、私は全戦車に通信で話しかけた。

「さぁ、状況を開始しよう」



如何だったでしょうか?

相変わらずの駄文のせいで、話が余り進んでいませんがご安心を。この試合は次の観客席視点の話で一応は終了させる予定となっています。また、試合の詳しい内容や戦車の台数、試合展開等に関しても詳しく書かせて頂こうと思っています。

此処で、謝辞を。いよいよこの小説もお気に入り登録数が165を超えました!!これからも頑張ります!!応援、よろしくお願い致します!!

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第十五話

今回は観客席側の話です。ですが、話の中で出て来るのは2組だけになっています。それでも良ければどうぞ!!


第十五話「決戦、黒森峰VS聖グロリア—ナ(観客席視点)」

 “―――2つの高校の試合展開を観客席で観戦している5つのバンドチ—ム達はそれぞれの場所で話し合っていた……。―――”

 聖グロリア—ナの観客席で試合を観ていた燐子たちは、聖グロの生徒から紅茶(ちなみに種類はダ—ジリンの様だ)を貰い、それを飲みながら試合を観戦していた。

「……中々……面白い試合展開……ですね……」

「ん~。あのさ、アタシ良く戦車道のこと分からないんだけどさ……、この『フラッグ戦』ってどんなル—ルなの?」

 リサが静かに興奮している燐子に向かって紅茶を飲みながら聞くと、燐子も紅茶を一度だけ飲んでからリサに答えるように話し出した、

「……先ず、戦車道の試合ル—ルは2つに分けられます。1つは“フラッグ戦”。もう1つは“殲滅戦”です……」

「ふむふむ。それでその2つはどう違うの?」

「……“フラッグ戦”はそれぞれのチ—ムの中から隊長車を1台選択して、それに隊長車の目印である“フラッグ”を付けます……。“フラッグ”を付けた戦車の事を“フラッグ車”と言います……。“フラッグ戦”は先に相手の“フラッグ車”を倒した学校の勝ちとなります……」

「なるほどねぇ~。それで、次の“殲滅戦”って言うのはどう言うル—ルなの?」

 燐子の説明を聞いて理解したのか、頷きながら答えてきたリサはもう1つの試合ル—ルについて聞くと、燐子はそれに答える様に話し出した。

「……“殲滅戦”は言葉の通り、相手の戦車を全て倒した方の勝ちとなる、極めて単純な形式です……」

「た、確かに単純なル—ルだね」

「でもさリンリン、その“フラッグ戦”ってさ、敵の“フラッグ車”を倒せば良いんだから、いっその事、全員してその“フラッグ車”だけを狙えば良いじゃん!」

「あ~、それアタシも思った! “フラッグ車”を倒せば勝利になるんだったら、皆で一斉にその“フラッグ車”を攻撃すれば良いのに、何でそれをしないの?」

 あことリサが2人して燐子に聞くと、燐子は聖グロの生徒から渡された紅茶を一口飲んでから静かに口を開いた。

「……確かに、あこちゃんや今井さんの言う通り、全員で“フラッグ車”を狙えば決着を着けることは簡単です……。でも、そうはさせないように各校が様々な作戦や戦術を使って相手を倒して行く……、それが戦車道の深い所です……」

 燐子はそう言って、再び紅茶を飲みながらスクリ—ンに映し出される試合の状況を見ていた……。

 ☆

 “―――聖グロの観客席で試合を観ている3人とは別の場所では、『パスパレ』のメンバ—が試合を観戦していた……。―――”

「凄いね!!戦車道の試合って!!」

「うん!!何か試合を観ていると“るんっ♪”って気がする!!」

「しかも、あんなにも大きなスクリ—ンで試合を観られるなんて……!!迫力が全然違いますねぇ!!」

「3人共……」

 スクリ—ンに映し出されている試合を観て、かなり盛り上がっている3人の背後から声が聞こえてきた。3人はその声に大きく肩をビクつかせてから、恐る恐る後ろを振り向くとそこには、満面の笑顔を浮かべた千聖が居た。

「「「ち、千聖ちゃん……!!!」」」

「3人共、今は試合を観戦している所よね?他の人たちも居るんだから、少しは落ち着いて……ね?」

「「「……ご、ごめんなさい……」」」

 千聖の笑顔を見た3人は、体を震わせながら謝り始めた。それを見た千聖は溜息をつきながら試合の展開を予想していた。……この日の為に、戦車道を粗方だが千聖は勉強していた。そのため、代表的な学校の戦略もどの様な物なのかも調べているのだ。

 (この試合で対戦している黒森峰の次の手は、一体なにをしようとしているのかしら……?)

「ところで千聖ちゃん、この2校ってどんな戦い方をするの?」

「ふぇ?」

「ぷっ!!」

 2校の戦略について考えている千聖に向かって彩が質問をして来た。不意に質問された千聖は思わず変な声を出してしまった。それを聞いた日菜が噴き出して笑い出した。笑っている日菜に再び笑顔で近づいた千聖は、笑顔のまま日菜の両頬を摘まみ勢いよく引っ張った。

「あぁぁ――――!!いふぁいいふぁい!!」

「ひ~な~ちゃ~ん~!!」

「こ、こふぇんなふぁ~い!!」

 両頬を引っ張られながら謝っている日菜を見て、溜息をついてから両頬を解放した。頬を擦っている日菜を他所に千聖は彩に向かって話し出した。

「え~と、確か聖グロは浸透強襲戦術、黒森峰は電撃戦と言う戦い方をするの」

「し、浸透強襲戦術……?で、電撃戦……?」

 いきなり言われた言葉が理解できていないのであろう、彩とそれを聞いていた日菜と麻弥の2人も頭を傾けていた。それを見た千聖は一度咳払いをしてから説明を始めた。

「先ず浸透強襲戦術に関してだけど、簡単に説明すると正面から攻撃して突破するのではなく、各部隊に別れて敵の弱い場所を攻撃して、そこから攻めて行く戦術の事よ。電撃戦は圧倒的な火力と機動力で相手に真正面から迎え撃って、防衛線を突き破ってそのまま蹂躙して行く戦術の事よ」

「なるほどね~。でも、どうして聖グロはあの速い戦車を先に行かせたの?」

「それはおそらく偵察だと思うけれど……」

「千聖さん、それは少し違います」

 質問して来た日菜に千聖が答えていると、それを聞いていたイヴが冷静な口調で話した。その話し方に驚きながら千聖はイヴに質問をした。

「そ、それは……、どう言う意味かしら?イヴちゃん」

「先ず、黒森峰の戦力を考えた場合、あのクルセイダ—の火力では倒す事はできません。おそらく、あのクルセイダ—部隊は偵察と同時に黒森峰の“手薄の部分”を調べるために送ったと考えるべきです。次に黒森峰の戦略の見方は電撃戦のそれですが、西住流の戦術を元にしていますので、『黒森峰の戦略が電撃戦』と言うよりは『西住流の影響を受けて、更に強くなった電撃戦が黒森峰の戦略』です」

「そ、そうなの?」

 イヴの話を聞いた千聖は自分よりも知識があるイヴに対しても驚いていたが、それ以上にイヴのその冷静過ぎる口調に驚いていた。

 (前にイヴちゃんのモデルの仕事を見た事があるけれど……、モデルの時とは別な雰囲気……。イヴちゃん、もしかして貴女は……)

 千聖がイヴに懐疑的な視線を向けているのに対して、イヴはスクリ—ンを見ながらいつの間に取り出したのかノ—トとペンを手に取って何かを書いていた。気になったのか、彩たち3人がノ—トを覗き込むと、そこには黒く塗り潰されている四角と青で塗り潰されている四角がそれぞれ書かれていて、数個の四角には矢印が書かれていた。そしてその隣のペ—ジには、現在までの試合の展開が文字で書かれていた。そして一通り書き終わると、イヴは静かに呟き始めた。

……今回の試合で使用されている戦車の数は互いに10両、試合のエリアは不整地と草原、そして近くにある市街地と広範囲、そして試合形式は“フラッグ戦”……。この条件のこの状況でクルセイダ—を出した事により、黒森峰の戦車部隊から4両減らす事ができている……。これによって聖グロは得意の浸透強襲戦術を繰り出しやすくなった……。でも、黒森峰はクルセイダ—部隊を“パンタ—G”を3両と“ヤ—クトティ—ガ—”1両の4両で追撃させている。本来ならばクルセイダ—の火力では黒森峰の戦車の装甲に致命的なダメ—ジを与える事は難しい……。ならば何故、黒森峰はあの性能の良い4両を追撃させたのか……

「な、何かイヴちゃん……凄い……!」

「……何かいつものイヴちゃんと違う」

「す、凄い気迫っす……!!」

 イヴの姿を見て3人が思わず少しだけ後退りしながら呟いていると、“ある事”に気が付いたのか、閃いた様な表情でペンを動かし始めた。

 (もしかして……、黒森峰が追撃を出した目的はクルセイダ—を市街地へ誘導して聖グロの部隊から隔離する事……?だとしたら、この状況はむしろ黒森峰の計画通りになっている……!!)

「……西住まほさん。貴女はかなりの策士ですね……!!」

 イヴはそう呟きながら、まるで新しい玩具を貰えた子供の様な笑顔でスクリ—ンを見つめていた……。



如何だったでしょうか?

今回は内容としては戦車道初心者であるリサと『パスパレ』の3人に向かっての説明と、1人の人物の戦車道に関する関りについての話です。

この試合に関しては、次回の話で決着を着けようと考えています。また、もしかしたら次回の話に出てくるキャラの人数は、過去最低人数になるかも知れません……。本当に申し訳ございません!!

此処で、謝辞を。いよいよこの小説のお気に入り登録数が170を超えました!!本当にありがとうございました!!この駄文に此処までお気に入りになってもらえてありがとうございます!!これからも頑張りますので、どうか応援の方、よろしくお願い致します!!

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第十六話

今回で聖グロと黒森峰の試合が終わります!長々と申し訳ございませんでした!!またかなりの駄文となります!それでも良ければ、よろしくお願い致します!!


第十六話「決着、黒森峰VS聖グロリア—ナ」

 “―――黒森峰と聖グロの試合が中盤に差し掛かった頃、黒森峰の観客席で試合を観戦している紗夜は1興奮していた。―――”

 (聖グロのクルセイダ—を追撃しながら、市街地に向けて誘導していたとは……!まほさんはやはり凄いです!!)

「済みません、隣の席に座っても宜しいでしょうか?」

「えっ?!あ、はい!!どうぞ!!」

 心の中で興奮している紗夜は、不意に隣から話しかけられて驚いてしまった。急いで話しかけてきた人の方を見て頷きながら答えると、そこには先程まで巧と一緒に居たメグミが立っていた。紗夜の返事を聞いたメグミはお礼を言ってから後に続いて来たもう1人に話しかけた。

「隊長。こちらの席に座れますので、どうぞこちらに」

「うん。分かった」

 メグミに呼ばれた少女、愛里寿は頷いて答えるとそのまま座った。それを確認してからメグミは紗夜に会釈をしてから愛里寿の隣に座った。そして試合を見つめながらメグミは愛里寿に話しかけた。

 (隊長……?まさか、こんな小さな女の子が……?見た目では“Roselia(うち)”のあこよりも幼い様ですが……、一体何の隊長なのでしょう……?)

「隊長。この黒森峰の試合運び、どう思われますか?」

「……聖グロのクルセイダ—を市街地に誘導して、聖グロの本陣と引き剥がしたのは得策。あの機動力が聖グロの本陣に戻れば、おそらくそのまま戦場の撹乱を行い、黒森峰の本陣が混乱している所を主力である“チャ—チル”と“マチルダⅡ”で攻撃して行くつもりだったはず」

「なるほど……。ですが、そうなると何故黒森峰はクルセイダ—を引きはがす為に5両も出したのでしょうか?しかも、その戦車の種類も主力に近い“パンタ—G”と“ヤ—クトティ—ガ—”を向かわせるとは……」

「……おそらく、『市街地まで追い込みそこで倒す』と言った算段だろう。それに“3号J型”で追撃させるよりは“パンタ—G”と“ヤ—クトティ—ガ—”を向かわせるのは考え方としては正しい」

 (あの子、何て状況把握能力なの?!あのスクリ—ンに映し出されている映像だけでそこまで考え着くとは……!!)

「4両で誘導をさせたのは、既に黒森峰の戦車が1両潜伏しているからとも考えられますね」

「その通りだ。現に黒森峰の戦車の数は本陣に5両、市街地に向けての誘導で4両、この時点で9両は把握されている。しかし、残りの1両がまだ把握されていないのを考えると、おそらく後の1両は既に市街地に潜伏している事になる。同時に市街地に潜伏している戦車は、おそらく黒森峰の中でもかなりの火力を持っている代わりに不整地で動かすのが不利な戦車……」

「まさか、市街地に潜伏している戦車は―――!!」

 メグミと愛里寿の頭の中である結論が出たと同時に、巨大なスピ—カ—からアナウンスが流れ出した。

『”クルセイダ—”2両、行動不能!!』

「「「―――!!!」」」

 突然流れたアナウンスに驚いた3人だったが、同時に市街地の映像が映し出された。それを見た紗夜は思わず驚きの声を上げてしまった。

「なッ!?そ、そんな!!」

「ま……、まさか、あの戦車を練習試合に投入したって言うのですか!?」

「……正直、私も信じられない。でも、実際に見てしまった以上受け入れるしかない」

 紗夜達が驚きながら見つめるスクリ—ンに映し出されているのは、市街地にある楽器店に横転した状態で突っ込んでいるクルセイダ—と、同じように道に横転しているクルセイダ—、そして黒森峰の切り札、超重量戦車“マウス”だった。

 ☆

 “―――市街地でマウス部隊によるクルセイダ—狩りが始まった頃、黒森峰の本陣では……。―――”

『こちら小梅。作戦通り敵クルセイダ—を市街地に追い込み、完了しました』

「分かった。小梅はそのままクルセイダ—を市街地に釘着けにしておいてくれ」

『了解!』

 小梅からの通信を切ったまほに隣を並走している“ティ—ガ—Ⅱ”から顔を出したエリカが心配そうにまほに話しかけた。

「大丈夫だと思うけれど……、小梅大丈夫かしら……?」

「何だ?エリカは小梅の事が信用できないのか?」

「そ、そんな事ではありません!!ただ……」

 まほの問いに対し、何かを言おうとして言えなくなっているエリカを見たまほは、静かに頷きながらエリカに話しかけた。

「エリカ、確かに小梅に不安を持つのは分かる……。だが、仲間のことを信じてやることも重要だと私は考えている」

「隊長……!!」

「それに、もしもの事態を想定して、あの部隊には唯乃も居る。もしもの事が在ったとしても、唯乃が小梅のサポ—トをするだろう」

「え!?い、唯乃さんが!?」

 まほの答えに思わず驚いたエリカに対して、まほは真剣なまま答え始めた、

「……唯乃は私の知っている選手の中で一番状況把握能力に優れている。小梅が指揮に戸惑った際に的確な指示を出すだろう」

「た、確かにそうですね……。唯乃さんの状況把握能力と状況掌握能力、そしてそこからなされる臨機応変の作戦展開はおそらく隊長を除くと随一ですからね」

「あぁ」

『”クルセイダ—”、行動不能!』

 2人が話しながら前進していると、再びアナウンスから撃破情報が流れ、聖グロのクルセイダ—が1両倒された事を確認した。

「……流石だな……」

「隊長……?」

 アナウンスを聞いたまほが、何処か感心した様な口調で呟いたのを聞いて不思議そうにしているエリカだったが、それを遮るように前方を警戒していた“ヤ—クトパンタ—”の車長からまほに向けて通信が入った。

『こちら“ヤ—クトパンタ—”!!前方に敵影を発見!!数は5両!おそらく敵の本陣と思われます!!』

「了解した。……エリカ、聞こえていたな?」

「はい!!」

「……行くぞ、パンツァ—‣フォ—!!」

「「「「了解!!!」」」」

 まほの指示にエリカたちは答えると、まほの“ティ—ガ—Ⅰ”の前に出るようにエリカの“ティ—ガⅡ”、“Ⅲ号J型”、“ヤ—クトパンタ—”、そして“Ⅳ号/70ラング”の4両が動いて、そのまま聖グロの本陣に向かって行った。そして、聖グロの方も気付いたのか“マチルダⅡ”と“チャ—チル”がそれぞれ動き出そうとしていた。

「全員散開!!」

 それを確認したエリカは通信機を使って、3両に通信を取った。するとエリカを中心として4両は一気に左右に向かって広がって行った。いきなりの事態に対しても対応しようとしているのか、“マチルダⅡ”が対応しようと“チャ—チル”の前に出るように前進していた。

「今よ!!」

 エリカが合図をすると、エリカの“ティ—ガ—Ⅱ”を含めた4両がそれぞれの場で同時にドラフトを決めたのだ。そしてそのまま正面に居る“マチルダⅡ”を横から砲撃したのだ。そこまで予想できていなかった“マチルダⅡ”の部隊は、側面からの攻撃を避けることができずにそのまま被弾、横転してしまう物もあった。そして、何両かの“マチルダⅡ”から白い旗が上がった。

『“マチルダⅡ“2両、行動不能!!』

 (良し!!これで後は―――!!)

 アナウンスを聞いたエリカが残り“マチルダⅡ”を確認してから、敵の“フラッグ車”である“チャ—チル”の方を見ると、そこでは既にまほの“ティ—ガ—Ⅰ”とダ—ジリンの“チャ—チル”による一騎打ちが始まっていた……。

 ☆

 “―――エリカたちが”マチルダⅡ“を撃破している頃、まほの”ティ—ガ—Ⅰ“はダ—ジリンの”チャ—チル“との一騎打ちを始めようとしていた……。―――”

 (流石だな。このような状況になってもまだ諦めていないとは……)

 まほは目の前に広がっている戦況を確認しながら、操縦手に指示を出した。

「チャ—チルの動きに最大限に注意を払いつつ接近してくれ」

「了解!」

「弾薬も装填しておいてくれ。同時に撃てる様にしておいてくれ」

「「了解!!」」

「ふぅ……。では、パンツァ—‣フォ—!!」

 まほの掛け声と共に、“ティ—ガ—Ⅰ”はスピ—ドを上げて“チャ—チル”の元に向かって走り出した。対する“チャ—チル”は砲台を“ティ—ガ—Ⅰ”に向けてきた。

「隊長!敵の砲台がこちらに向いています!!」

「慌てるな、敵は私達が接近して来るまで撃ってこない。この距離での砲撃では、“チャ—チル”の火力では“ティ—ガ—Ⅰ”の装甲にダメ—ジを与えることはできない」

「はい!」

 まほの話を聞いて安心したのか、操縦手の女子は落ち着きながら操縦を続けていた。操縦手にそう答えたまほは前方の“チャ—チル”を見つめながら、“ある事”を考えていた。

 (おそらく、ダ—ジリンは私達が近距離に接近してから砲撃をするつもりなのは考えられる……。だが、ただの砲撃だろうか……?)

「……もしや……」

「「「「????」」」」

 まほの呟きに全員が彼女の方を見ると、まほは4人に“ある指示”を出した。それを聞いた4人は静かに頷いて答えた。それを確認してからまほは砲手へ指示を出した。

「撃て!!」

 まほの指示と共に放たれた砲弾は真っ直ぐ“チャ—チル”に向かって飛んで行き、そのまま“チャ—チル”の正面から少し逸れた装甲に命中した。それを確認したまほは即座に砲手と装填手に次弾装填の指示を出した。すると、“チャ—チル”から砲弾が発射されて、“ティ—ガ—Ⅰ”の横装甲に被弾した。その威力と衝撃に対して、装填手の女子が慌てながらまほに話しかけた。

「今の砲弾はもしかして……、“APBC弾”ですか!?」

「あぁ。だがそれも“想定の範囲内(・・・・・・)”だ。次弾の装填準備は?」

「装填済みです!!」

「2弾目、撃て!!」

 まほの指示通りに放たれた砲弾は、再び“チャ—チル”の正面に命中した。それを確認したまほは、再び装填手と砲手に指示を出した。

「次弾装填」

「了解!……ですが、こちらも敵の“APBC弾”を1発でも被弾したら……」

「大丈夫だ。その前に倒す……。次弾の準備は?」

「次弾、装填完了しました!!」

「分かった」

 まほはそこで首に着けている通信機に指を付けて静かに指示を出した。

「“3発目(・・・)”、撃て!」

 まほの指示と共に、“チャ—チル”に向かって””が“チャ—チル”に同時に命中し白旗が上がった。そして、それを確認した審判員からアナウンスが流れた。

『“チャ—チル”、行動不能!よって勝者、黒森峰女学園!!』

 勝敗を決めたアナウンスが会場中に流れ、会場中から黒森峰への喝采と声援が響き渡った……。



如何だったでしょうか?

今回で黒森峰と聖グロとの試合がやっと終わりました!本当に長くなってしまった……!!しかも駄文になってしまい、読者の皆様には大変見苦しい話が多くなってしまっていたと思います。此処で謝罪させて頂きます。申し訳ございません!!

次回からの内容ですが……、次の話で様々な人物たちの物語が動くかもしれません……。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十七話

今回は試合後の話となります。そして、話の後半では次の章に繋がるプロロ—グの一部となります。駄文ですが、どうかよろしくお願い致します!


第十七話「祭りの後~嵐の前触れ~」

 試合が終了した後、回収車によって互いの戦車を各校の陣営に戦車が運ばれて行くのを見つめているまほに、ティ—カップを片手に近づいて話しかけた。

「また負けてしまいましたわね」

「あぁ、今回も勝たせてもらったぞ。ダ—ジリン」

「えぇ……。それにしても、最後のあの攻撃には驚かされましたわ。あの最後の砲撃、一体あの1発は誰が放ったのでしょうか?」

「あぁ。あれは―――」

「隊長、此処に居られましたか。少し話が—――」

 まほが話そうとしている所に遮る様に彼女に話しかけて来る声が聞こえてきた。まほが声の方を振り向くと、そこには先程の“ヤ—クトティ—ガ—”に乗っていた人物、井岡 唯乃だった。唯乃はまほとその隣に居るダ—ジリンを見て察したのか、頭を下げて謝った。

「申し訳ございません。どうやらお邪魔をしてしまった様ですね」

「いや、丁度良かった。丁度お前の話をしていた所だ。……ダ—ジリン、彼女があの作戦を立案しあの時の砲撃を出した人物、“井岡 唯乃”だ。唯乃、聖グロリア—ナの戦車道の隊長、ダ—ジリンだ」

「お初にお目にかかります、ダ—ジリン隊長。黒森峰女学園3年、戦車道所属の井岡 唯乃と申します。唯乃とお呼び下さい」

「貴女があの作戦を考えた方なのですね……。にしても、貴女の作戦は随分と“変わった”事をするのですね……。宜しければ、貴女が考えた作戦の内容を教えて下さらない?」

「そ、それは……」

 ダ—ジリンが唯乃に向かってそう言うと、唯乃はまほの方を心配そうな目戦で見つめてきた。まほは優しく頷いて答えた。それを確認した唯乃は静かに答えた。

「畏まりました。それでは説明させて頂きます」

 ☆

「―――それでは僭越ながら……。今回、私の考えた作戦のメインはただ1つ、『どうやってクルセイダ—を足止め、ないし撃破できるか』でした。そこで私が着目したのは『相手のクルセイダ—部隊の特徴』と『クルセイダ—を足止めするのに適した地形を持った場所』にしました。―――」

「―――そこで、先ず私は“聖グロのクルセイダ—部隊の戦歴”を調べました。戦歴を調べながらクルセイダ—の試合映像、そしてそれぞれのクルセイダ—に乗車している車長のプロフィ—ル等を調べました。そこから、クルセイダ—部隊の弱点を見抜きました。―――」

「―――え?『よろしければクルセイダ—部隊の弱点を教えて欲しい?』ですか?申し訳ございませんが、それはご自分で調べた方が宜しいかと……。大丈夫です、多分お気付きだと思いますから……。―――」

「―――ん、んん!!話を戻させて貰いますが、『クルセイダ—部隊の特徴』が分かったので、後は『足止めに適した地形を持った場所』に関してですが……、これには隊長に協力してもらって、実際に市街地を歩きながら道幅の狭い場所などを確認してもらいました。その際に注意してもらったのが『砲撃禁止エリアの確認』です。そして、その感想や写真を確認してから作戦を組み立てました。まぁ、今回はその結果が実を結びました。―――」

「―――以上の2つを含めた作戦ですが……、『先にクルセイダ—を2両以上撃破してから、私の乗車していた“ヤ—クトティ—ガ—”は、市街地を脱出して山道を通りながら森の中を突っ切って行き、隊長たちが戦闘を行っているところから『最低でも半径1km以内』に移動してから、そこから遠距離砲撃を行い撃破する』と言う作戦にしました。―――」

 ☆

「……とまぁ以上が、今回私が立てた作戦ですが……って、どうかしましたか?」

 唯乃が作戦の説明を終えると、それを聞いていたダ—ジリンはティ—カップを持ったまま呆然とした表情で唯乃の方を見つめ、まほは何故か少しだけドヤ顔になりながら話を聞いていた。そして、唯乃に話しかけられたことで我に返ったダ—ジリンは、彼女にしては珍しく少しだけ慌てながら答えてきた。

「い、いいえ!!何でもないわ。と、ところで唯乃さんはまほさんに何か用事が在ったのではなくて?」

「そ、そうでした!!隊長、家元から伝言です。『至急、黒森峰の応援席に来るように』との事です」

「分かった。遅れた事に関しては私から説明しておくから気にしなくても良いぞ」

「ありがとうございます。それでは、私は戦車のメンテの方を行います」

「あぁ。頼んだ」

 まほの言葉に頭を下げて応えた唯乃は、そのまま2人に背を向けて歩き出した。その後姿を見送りながら、ダ—ジリンはまほに真面目な口調で話しかけた。

「……まほさん。唯乃さんはいつから戦車道に参加していらっしゃるの?」

「唯乃は私と同じ、1年の頃から戦車道を受講していた」

「……となると、もしかして補欠選手だったのですか?あんな逸材を?」

 ダ—ジリンが驚きながらまほに聞くと、まほは暗い表情で顔を少しだけ背けて答えた。

「……いや、違う。むしろ逆だ。あいつは1年の時から選手として活躍していた……。有望な選手だった……」

「では何故?」

 ダ—ジリンが真意を聞こうと強めに問い詰めると、まほは悔しそうな表情で答えた。

「あいつの体は虚弱で黒森峰の戦車道の訓練に体がついて行けなかったこともある。だがそれ以前にあいつは試合に出ることができなかった理由がもう1つある」

「それは?」

 ダ—ジリンの質問に対して、まほは真剣な眼差しを去って行く唯乃の背中を見つめながら、静かに答えた。

「唯乃は……、“マイスタ—(・・・・・)”だ」

「ま、“マイスタ—(・・・・・)”ですって……!?」

 まほの発言を聞いたダ—ジリンは、その衝撃に思わず手に持っていたティ—カップを地面に落としてしまっていた……。

 ☆

 “―――まほとダ—ジリンが話している頃、ある場所で嵐の前触れの様な出来事が起きようとしていた……。―――”

「いや~!戦車道の試合って凄いんだね~!!」

「あこも初めて会場で見たけれど、こんなに凄いなんて思わなかったよ!!」

「……私は久々に試合を観たけれど……、やっぱり会場は活気がありますね……!」

 “Roselia”のメンバ—であるリサとあこ、そして燐子の3人は一緒に今回の試合の感想を話しながら会場を後にしようとしていると、不意に前方に見覚えのある背中が見えてきた。

「あ!紗夜さんだ!!お~い、紗夜さ~ん!!」

 あこが紗夜の方に向かって走って行ってそのまま勢いよく抱き着いた。いきなり抱き着かれた紗夜は驚いてから、すぐにあこを怒り始めた。

「あこさん!!貴女、いきなり人に抱き着いて来るのは危ないでしょ!!」

「ご、ごめんなさい!!でも、紗夜さんが居たからつい……」

「ついって……、あこさん、大体貴女は―――」

「まぁまぁ、そこまでにしておきなって紗夜」

「今井さん!!貴女と言う人は……!!」

 リサに宥められていると、紗夜は大きく溜息を着いてから4人で一緒に歩き出した。そんな4人を遠くから見つめている人物が居た。その人物は紗夜たちと一緒に笑いながら帰ろうとしているあこを睨み付けている少女が3人居た。

「ねぇ、あいつ……。名前なんって言うんだっけ?」

「あん?あぁ、あの紫髪のチビの事?」

「あぁ」

「確か……、“宇田川あこ”って名前だったっけ~」

「宇田川あこ……ねぇ……」

 3人の中心である少女は、あこの後姿を見つめながら2人に話した。

「あいつ……、目障りだな……」

 その言葉を聞いた2人と口にした本人は、獲物を見つけた獣の様な目つきで静かに笑っていた……。

「―――!!」

 3人の視線に気が付いたのか、あこは勢い良く背後を見て辺りを見渡した。しかし、そこには3人の姿は既に無かった。

「あこちゃん……?どうかしたの……?」

「ううん!!何でもない!!」

 (気のせいかな……?さっき誰かに見られた様な気がしたんだけど……)

「……まぁ。良いか!!」

 あこはそう言ってから燐子たちの元に向かって走って行った……。

 “―――この一瞬の出来事が、あこ自身や“Roselia”のメンバ—、そして彼女の姉の巴や様々な人を巻き込んだ事件が起きようとは、まだあこ自身は知らなかった……。―――“



如何だったでしょうか?

今回は試合後の話をメインとして書かせて頂きました。そして、いよいよ話が進んで行きます。そして、内容的には徐々にシリアスに、同時に一部のキャラが残酷な目に遭う可能性がありますので、予め注意として書かせて頂きます。

また、マイスタ—と言う物に関しても後に明かして行こうとも思いますので、楽しみに強いていて下さい。

ですが、次回の話は久々にメグミと巧のイチャラブを書こうと思いますので、その次の話からがシリアスになって行きます。頑張って行きますのでどうかご期待下さい!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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エピローグ

今回は第二章のエピロ—グとなっています。駄文になっていますが、それでも良ければどうぞ!!

※注意!!後半からかなり際どいエロさになっています!!もしかしたらR指定になってしまうかもしれません!本当に申し訳ございません!!それでも良ければどうぞ!!

※5/1 最後の一文を修正しました。


エピロ—グ「メグミとのひと時~桜の木の下で……~」

「今日は忙しい所、来てくれて本当にありがとう」

「こちらこそ!今日は本当に楽しかったわ!!ありがとう!!」

 『ハロハピ』と共に戦車道の試合を観戦しながら昼食を取った僕は、『ハロハピ』のリ—ダ—である、こころが楽しそうに頷きながら答えてきた。それを確認していると、不意に近くでアンツィオ高校のカルパッチョからお土産のケ—キを貰って入る美咲に話しかけた。

「これからも頑張ってね。“ミッシェル”?」

「……ッ!?いつから気付いていたんですか?」

 僕の一言を聞いて驚いていた美咲に対して、僕は美咲の頭を撫でながら話した。

「ミッシェルはあの性格や口調から、ミッシェルの中に入って居る人は全体を見る“目”を持っている人物、そしてかなり面倒見が良い人物……。それを考えると、消去法で君か2年生の花音さんの場合も考えたけれど、彼女のあの状態を見た時点で君しかいないと確信したよ。まぁ、考える程でもなかったけれどね」

「……まぁ、それを言われちゃあ言い返す言葉はありませんけれど……。と言うかその事、絶対にこころ達に言わないで下さい。3人共、私がミッシェルだって事気付いていないので」

「だろうね。あれは全然気付いていない様だしね……」

 僕はそう言いながらずっと頭を撫でで居た。すると、不意に顔を伏せてきた。どうしたのかと顔を覗き込もうとすると、今度は顔を背けて話してきた。

「あ、あの……。あまり頭を撫でられるのは……は、恥ずかしいので止めてもらえないですか……?」

「あ、ごめん。つい癖で……。機嫌を損ねちゃったかな?」

「い、いや……!!べ、別に……!!……むしろもっとして欲しいし……」

「なんか言ったかい?」

「な、何でもありません!!それじゃあ!!」

 美咲は顔を赤くしながら答えると、そのままこころ達の元に走って行き、そのままこちらを見ずに帰って行った。それを見送っていると、アンツィオの3人娘が近付いてきた。

「いやぁ~!今日は儲かった、儲かった!!」

「本当っすね!!それにしてもさっきの5人、かなり良い食べっぷりだったっすね!!それに作った料理も様々なジャンルでしたし!!」

「あぁ!!まぁ、和食に洋食、挙句の果てにはデザ—トまで作ったからな。そう思ってしまうのも無理ないさ」

 アンチョビとペパロニがそれぞれ嬉しそうに話しているのを横目に、僕はカルパッチョに話しかけた。

「全員にそれぞれ渡してくれたかな?」

「はい。皆さん喜ばれていました♪特に紫の長髪の彼女、確か薫さんでしたっけ?彼女、表情には出さないようにしていましたけど、目がとても輝いていました♪」

「それぐらい嬉しかったんだろうね」

 僕がアンツィオに用意させて置いた“お土産”があり、それを帰り際に渡しておくように頼んでおいたのだ。すると、カルパッチョも笑顔で頷きながら答えた。

「はい♪こころさんにはアイスセット、薫さんには彼女の好物である雑煮、はぐみさんにも彼女の好物であるコロッケ、花音さんにも彼女の好物のクラゲをイメ—ジしたケ—キセット、そして美咲さんには妹さん用のケ—キセットと美咲さん様のケ—キセットをお渡ししました」

「それは良かった。これで皆喜んでくれれば良いけれど」

「喜びになっていましたよ?特に薫さんに関しては、表情に出さないようにしていましたけれど、完全に目が輝いていました」

「そうか、それは良かった」

「ふふふ……♪」

 カルパッチョと2人で微笑みながら話していると、不意に背後から凄まじい殺気と怒気が流れてきた。鳥肌と悪寒を感じた僕がおそるおそる背後を見ると、そこには笑顔でこちらを見ている“修羅(メグミ)”が立っていた。

「め、メグミ……?!」

「ふふふ、随分と仲が良いようですねぇ、先輩?」

「い、いや。そうじゃなくて!!」

 僕がメグミの怒りを鎮めようとしていたが、メグミの怒りと殺気は収まらず、むしろどんどん増幅している様にも見えてきた。メグミはそのまま僕の方に近づいて来ると、僕の手を取り、強めの口調で話し出してきた。

「済みませんけれど、これから先輩は大事な用事が在りますので、これにて失礼させてもらうわ。それじゃあね」

「え!?いや、まだ彼女たちとの話が―――!!」

「い‣き‣ま‣す‣よ‣!!」

 僕がメグミに反論を言おうとしたが、それを遮る様に一言ずつ強く言い放ってから僕の腕を掴んで、そのままその場を後にした。背後からアンチョビの叫び声が聞こえてきた。

 ☆

「ちょっと、メグミ!!どうしたの?!さっきと言い今と言い、かなり強引だけど!?」

 アンツィオの3人と若干無理矢理気味に別れた僕は、僕の腕を掴んで連れ出した張本人であるメグミは僕の方を見ずに、ただ無言で前を歩いていた。そして暫く歩くと、人気の無い見晴らしの良い野原に出た。そこには満開の桜の木が1本立っていた。

 (こんな所に桜が在ったのか……)

 僕が驚いていると、その真下まで僕を歩くとメグミはそこで立ち止まって手を放してきた。掴まれていた腕を擦ってから僕はメグミにできるだけ優しく話しかけた。

「メグミ……、一体どうしたの?さっきはいくらなんでも強引だったし……」

「お兄ちゃん」

 僕が話しかけると、メグミが静かに僕の事を呼んできた。そして意を決したのか深呼吸をしてから僕の方を振り向いて話しかけてきた。

「お兄ちゃんはああ言う子がタイプなの?」

「はいッ?!」

「だ、だってあのアンツィオの3人!!特にあの黄色の長髪の子とかなり良い雰囲気だったじゃん!!そ、それに!!最近は私と一緒にで、デ—トもしてくれないじゃん!!それに……!!」

 メグミがそこで話を一回切ると、先程までの怒りや嫉妬に満ちた表情から何処か寂しさを混ぜた表情で話してきた。

「それに……、いくら幼馴染でもこんなに放って置かれて他の子と仲良くされているのを見せられるのは……、辛いし寂しいよ……!」

「メグミ……」

 泣きながら話しているのか、言葉が少しだけ震えているのに気が付いた僕は自分の考えの甘さを思い知らされた。ずっと前から知っている仲だったからこそ、僕はメグミの気持ちに甘えていたのだ。僕はメグミの元にゆっくりと近づくと両腕を伸ばして、メグミの肩を優しく掴むと、そのまま僕の方に引き寄せた。そしていつもの様に優しく頭を撫でながら話した。

「ごめん。メグミならば分かってくれるって勝手に思っていた……。でも、まさかここまでメグミの事を心配させていたなんて思わなかったんだ……。本当に、ごめん」

「お、お兄ちゃん……」

 僕が心から謝ると、メグミは何処か嬉しそうな表情で僕の名前を呟いた。暫くの間ずっと頭を撫でていると、ゆっくりと僕の胸から顔を上げたメグミが背伸びをしながらゆっくりと顔を近づけてきた。そのメグミを見た僕は即座に周囲を確認してからメグミに答える様に、ゆっくりと顔を近づかせて互いの唇をゆっくりと付けた。

「ん……」

 メグミの口から零れた吐息を聞きながら、僕はずっとメグミと長い間キスを続けていた。暫くの間キスをしてから唇を放すと、互いの口から透明な糸がゆっくりと伸びていた。そして互いの目を見ると、メグミの目は既にトロンとしていて“あの日”……、メグミを初めて抱いたあの時と同じ表情になっていた。それを見た僕の理性は決壊しそうになっていた。

 (だ、駄目だ!!いくらメグミを抱きたいとしても……!!此処は外だし、何より愛里寿も近くに居るかもしれないと言うのに……!!)

「お兄ちゃん……?“シない”の……?」

「で、でも……!!こ、此処は外だぞ……?見られるかもしれないし、何より愛里寿が此処を見つけたら―――ッ!?」

 僕がメグミを落ち着かせようと言い訳を話していると、それを遮るようにメグミがもう一度キスをして黙らせる様に、僕の口の中に舌を入れてきた。そして僕の唇から彼女の唇を放すと、いたずらを成功させた様な子供の様な表情で話し出した。

「此処には誰も来ませんよ。それに、隊長に関しては問題ないと思いますよ?」

「何でそんなことが—――」

 僕の言葉を遮るように今度はスマホの着信音が鳴り響いた。スマホを取り出して確認すると、“BCR”からの着信音だった。僕はアプリを起動させて着信の内容を確認すると、連絡を送って来たのは“パンサ—”と“フェアリ—”、奈央と志乃だった。

 (奈央と志乃……?一体なんの―――)

 2人からの着信内容を簡単に要約すると……。

『メグミが寂しそうにしていたから、今日の残りの時間は全部一緒に居なさい。愛里寿に関しては私達の方で面倒を見ておくし、家にもちゃんと送っておくから。後、バイクのサイドカ—も外しておいたから~~。でも羽目を外しすぎて“アレ”を着け忘れない様にねぇ~♪』

 (あ、あいつらぁぁぁ~~~~!!!!!)

 僕が4人に向かって内心で叫んでいたが、メグミの視線に気が付いて彼女の方を見た。すると、そこには正しく『女の顔』になっているメグミがいつもとは違った声音で話しかけてきた。

「お兄ちゃん……。私、もう我慢できないよ……」

「―――ッ!!メグミ!!」

 僕はそのままメグミを桜の木に背中を着かせて強く、そして短めのキスをしてから顔をメグミの耳元に近づかせて優しく話しかけた。

「……もう、歯止めは効かないぞ……。良いのか?」

「……うん。良いよ……。きて……お兄ちゃん……」

 メグミのその一言を最後に僕たちの間には言葉が無くなり、ただ静かに時だけが流れていった……。



如何だったでしょうか?

今回で第二章は終わりとなります。そして次回から第三章……、かなりシリアスとなる章となります!!と言うより、次回の章からの法則ですが……、基本バンドリのキャラがメインとなる章にはシリアスと物語と深く関わりのある、俗に言うグッとエンド、逆にガルパンのキャラがメインとなる章には主にラブコメ等が中心となり結構ハッピ—エンドを中心に書いて行こうとも思っています。それは決してバンドリに対してアンチであると言うわけではございません。むしろ大好きです。そこの辺りはできれば承知して頂ければと思います。

それと今回の話の内容に関してですが……、イチャラブを書くと言ったな。あれは嘘だ……。と言うより、完全にイチャラブを突き抜けて完全にエロ寸前になってしまいましたね。申し訳ございません!!いつもの様に書いていた結果、気が付いたらこんな状態になってしまいました……。最初はヤバいと思いましたが……、まぁ、大丈夫だよね?引っ掛からないよね?そうだよね……。と思い、そのまま上げさせて頂きました。

まぁ……、この内容でメグミファンの皆様がお怒りになるかもしれませんが……。その際は心の中で土下座をしようと思いますので、どうかお許し下さい!!何でもはしません!!

此処で、謝辞を。この作品にいよいよお気に入り数が180を超えました!!本当にありがとうございます!!これからも頑張って書いて行きますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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断章~彼女たちの日常(季節:四季) 第二話

今回は愛里寿視点の物語です。次回の話にも一部繋がりますので是非とも読んで見て下さい!!

注意、駄文となっています。申し訳ございません!!


断章~第二話~「愛里寿の出会いと初恋」

 “―――私がお兄ちゃんと初めて出会ったのは、今から5年前……。私の誕生日の時だった……。―――”

「お誕生日おめでとう、愛里寿」

「おめでとう、愛里寿」

「ありがとうございます。お父様、お母様」

 お母様とお父様からお祝いの言葉を言われた私は、2人に微笑んで答えると、それを聞いたお母様が嬉しそうな表情で話しかけてきた。

「……それでね、いきなり何だけれど、今日は愛里寿に紹介したい人が居るんだけど、明日大丈夫かしら?」

「え……?」

 お母様が話してきた事に、かなりの衝撃を受けた私は口に入れようとしていたイチゴを思わず落としそうになってしまった(まぁ、落とさずに済んだが)。

「そ、そうなのですか……?わ、私は何も聞いていなかったのですが……?」

「そりゃあ勿論言っていなかったから」

「な、何で教えてくれなかったのですか?!」

「だって愛里寿、この事を言ったら逃げちゃうでしょ?」

「うぅ……」

 お母様の適切な一言に言葉を詰まらせた私に対して、お父様は笑いながら私の頭を撫でて来た。

「ははは、相変わらず愛里寿は人見知りだね」

「うぅ……」

 お父様が優しく話しかけてきたが、その言葉は私の心に物凄く突き刺さった。それを見ていたお母様は苦笑しながら話しかけてきた。

「大丈夫よ。きっと愛里寿も気にいると思うから♪とりあえず、明日会いに行きましょう」

「は、はい……」

 お母様の提案に当時の私は、ただただ憂鬱になりながらも、頷いて答えることしかできませんでした……。

 ☆

 私の誕生日の翌日、私はお母様と一緒に目的地に向かって移動していた。流れていく風景を見つめながら、ボコのぬいぐるみを持っている私はお母様に話しかけた。

「……何処に行こうとしているのですか?」

「これから向かう場所は、“サンダ—ス大学付属”の学園艦よ」

「サンダ—ス大学付属……?確か高校ですよね?そこに居るのですか?」

「えぇ。それに今日ならばあの子も帰って来ているはずだから……っと、そんな事を言っているうちに到着したようね」

 お母様がそう言うと車が港で停まった。お母様と一緒に降りると学園艦の前に1人の男性が待っていて、私とお母様を見ると男性は明るい口調で話しかけてきた。

「お待ちしておりました。島田様」

「こちらこそ、お待たせさせてしまいましたわね。学園長」

「いえいえ、それであの子は帰っていますか?」

「はい、今は学園艦の方で次の大会の為に練習をしていると聞いています」

「そう。それじゃあ案内してもらえるかしら?」

「畏まりました。それでは行きましょう!」

 お母様と明るく話している中年の男性(おそらくサンダ—ス付属高校の学園長だと思う)が歩き始めた。私も後を追って歩いて巨大なエレベ—タ—に乗って学園艦の中に入ると、サンダ—ス大学付属の校舎近くに設置されている設備に向かっていた。私たちが珍しいのか、さっきから生徒たちからの注目を浴びていた。

「………!!」

「あらあら。この子ったら、恥ずかしくなっちゃったのかしら?」

「HAHAHA!!可愛いお嬢さんだね!!」

 突如大きな声と共に私たちの前に現れたのは、金髪のまるで熊の様に大きな男の人だった。

「……………」

 その姿を見た瞬間、私は言葉を失ってその場で呆然としていた。それに気が付いたお母様が私の頭を撫でながら話しかけてきた。

「あらまぁ。この子、完全に固まっちゃっているわねぇ~」

「Ou!!それは悪いことをしてしまったねぇ~!!Sorry、お嬢ちゃん」

「……い、いいえ……!!」

 私がお母様の背後に隠れてから顔を出して答えると、男の人は優しく微笑んできた。すると、お母様は私の頭を撫で始めると共に男の人に話しかけた。

「それで、あの子は今も練習中ですか?」

「えぇ、勿論!……と言いたいところですが、今丁度練習を終えて調整を行っている所です」

「あら、そうだったのですか。まぁ、でもこの子に紹介するだけだから問題は無いわね。……申し訳ないですが案内してもらえますか?」

「えぇ!勿論です!!着いて来て下さい!!」

 私たちは男の人の後を着いて行き建物の中に入ると、そこに広がっていたのは巨大な射的場だった。

「此処って……」

「うふふ、愛里寿はこう言う所に来るのは初めてだったわね。此処はライフル射撃の訓練場よ。これから愛里寿に会ってもらう子はこのスポ—ツで凄い成績を出している子なの」

「……そう……なんだ……」

 お母様の話に呟く様に答えていると、男の人が指を指しながら私たちに話しかけてきました。

「居ました!お~い、巧!!」

 “巧”と呼ばれた人は私達の方を見ると、手に持っていた物を机にゆっくりと置いてから、私たちの元に近付いて来ました。その男の人はサンダ—スの制服を着ていて、何より雰囲気が優しそうに感じられた。その男の人は私達に優しい口調で話しかけてきました。

「こんにちは、家元」

「ん、ん、んん~?」

 男の人がお母様に話しかけると、お母様は何故か笑顔で耳を男の人に傾けて聞き返していた。すると、男の人は小さく溜息をついてから口を開いた。

「……こんにちは、“お母さん”」

「うん!!久し振りね!!たっくん!!」

 男の人がお母様の事を“お母さん”と呼び直すと、お母様は頷きながら男の人、“たっくん”と呼ばれた彼は苦笑いをしながらお母様に答えていた。

「聞いたわよ、今回の大会も優勝したんですって?」

「はい。皆様のお陰で優勝できました。ありがとうございます」

「そんな、私たちは何もしていないわ!!私たちはただ施設や用具の手配をしただけよ」

「それでも、ですよ」

 お母様と男の人が暫く話していると、不意に男の人が私に気が付いたのか、私の方を見てからお母様に話しかけてきた。

「それでお母さん、そこに居る子が?」

「えぇ、そうよ。愛里寿、紹介するわ。この子は綺堂 巧君、私は『たっくん』と呼んでいるわ。この子は私がお世話になった人の子供で、その人が海外に行く事になったから暫くの間、彼の面倒を見ているのよ」

「……そ、そうだったんですか……」

 私が驚きながら答えていると、巧さんが私の元に近づいて来てきた。私は咄嗟にお母様の後ろに隠れてしまった。

「あらあら、この子ったら……。ごめんなさいね、たっくん。この子人見知りだから……」

 お母様が巧さんに苦笑しながら謝っていると、巧さんは私と同じ目線になるようにしゃがみ込むと、ポケットの中に手を入れてチョコを1つ取り出して私に見せて来た。私がチョコの方を見ていると、チョコを手の中に入れて拳に息を1回掛けてから人差し指と中指を立てると、そこに何とチョコが2つに増えていたのだ。

「え……?」

 驚きに思わず声が出てしまった私に対して、巧さんは少し微笑んでから2つのチョコを再び手の中に戻して数回握ってから息を掛けると、今度は薬指も含めた3本の指を立てた。すると、そこには2つから4つに増えたチョコが在った。

「凄い……!増えてる……!!」

 私が目を見開きながら声を出している私に対して、巧さんは4つのチョコを手の中で握ってからもう一度息を吹きかけてから手を開けた。そしてそこに在った物に私は再び大きな声を上げてしまった。

「あ……!ボコだぁ―――!!」

 手の中に在ったのは、私の大好きなボコの顔の形をしたチョコだった。巧さんは喜んでいる私を見て微笑みながらボコのチョコを差し出してきた。

「はい、どうぞ」

「い、良いの……?」

「勿論」

「あ、ありがとう……!!」

 巧さんからチョコを貰った私は、その嬉しさに笑ってしまっていた。そんな私を見ていた巧さんは笑顔で手を差し出してきた。

「綺堂 巧だよ。これからよろしくね、愛里寿ちゃん」

「よ、よろしくお願いします……!」

 差し出された手を私は笑顔で握り返した……。

 “―――これが私とお兄ちゃんの出会い、そして私の初めての恋の始まりだった……。―――”

 ☆

「う、うぅん……」

 懐かしい夢を見てから、目を覚ました私はまだ部屋の中が暗い事から夜だと気づいた。

 (懐かしい夢だったな……)

「……ん……?」

 懐かしさを感じながら顔を横に向けると、そこには私の“お義兄ちゃん”であり、私の……初恋の人である巧お兄ちゃんが寝息をたてて眠っていた。

「…………!!」

 (か、顔が……!!近い……!!)

 今までお兄ちゃんの顔を見てきた私だったが、寝息が聞こえる程近くにまで顔を近づけた事は無かった。そのせいか、今まで感じた事の無い程、心臓の鼓動が速くなっていた。その速さは私の耳にまで振動の鼓動の音が聞こえてくる程だった。そんなとき、ふと私は“ある事”を閃いた。

 (お兄ちゃんが完全に眠っている今ならば……、でも……!!)

「………」

 閃いた事を考え始めた途端、私の体はみるみるうちに熱くなり出し、まだ春だと言うのに額に汗が出る程にまで熱くなっていた。私が閃いた事……、それは『眠っているお兄ちゃんの唇にキスをする』と言う物だったのだ。いつもの私だと、そんな事は勿論、この気持ちを告白する事すら一生不可能である可能性すら出ている。しかし、眠っているお兄ちゃんにならばもしかしたら……、そう思った私は小さく、お兄ちゃんが起きない様に最善の注意を払いながら深呼吸をして落ち着いてから、ゆっくりとお兄ちゃんの顔に、そして唇に自分の唇を近づけ、そして……。

 (お兄ちゃん……!!大好き……!!)

「ん……!!」

 軽くゆっくりとお兄ちゃんの唇に口づけをした。そしてゆっくりと唇を放すと、お兄ちゃんの胸元に顔を埋めた。私の顔は完全に赤くなっていて、同時に体中が火照っていた。そんな私は眠っているお兄ちゃんを起こさない位に小さな声で呟いた。

 (今はまだできないけれど……いつか必ず……この想いを……)

「お兄ちゃん……、大好き……!!」

 そう言ってから、私はお兄ちゃんの体に抱き着く様にして再び眠りに就いた……。



如何だったでしょうか?

今回は愛里寿と巧の初めての出会いと、愛里寿の初めてのキスを書かせて頂きましたが……、愛里寿らしく書けていたでしょうか?駄文となってしまい、申し訳ございません!!

次回からいよいよ様々な人と絡んで行きますので、是非とも読んで見て下さい!!

此処で、謝辞を。この小説にいよいよお気に入り登録数が145を超えました!!本当にありがとうございます!!これからも頑張りますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第一話

今回は番外編の1話目として、オリジナルヒロインの1人にスポットライトを当てた話になっています。

また、今回の話ではバンドリから2人のキャラが出ていますが、キャラ崩壊しているかも知れませんので、キャラ崩壊していましたら申し訳ございません!!


断章~第一話~「セルベリアの来店」

 “―――メグミが家元と話をしている頃、とある商店街では……。―――”

「ふむ……」

 商店街の中を銀色の髪を靡かせて1人の女性がサングラスをかけてキャリ—バックを引いて颯爽と歩いていた。人の視線を集める髪の色と白い肌に加えて、普通の女性に比べると大きく出ている部分がある彼女とすれ違った男性達は、彼女の美しさと体型を見て思わずその場に立ち止まり、彼女の事を目で追っていた(それが一緒に歩いている彼女や妻にバレて、腹や顔を殴られている人物が続出していた)。そんな彼女の前方には『羽沢珈琲店』と言う名前の喫茶店が見えて来た。

 (ふむ……。小腹も空いてきた事だし、あそこの喫茶店で少し腹ごしらえをしておくか……)

 彼女は喫茶店に入る事を決めると、そこに向かってキャリ—バックを引いて歩き出した。そして喫茶店の扉を開けると、早速彼女を出迎えに店員の女性が出迎えに来た。

「いらっしゃいま……せ……?」

 彼女の前に出迎えに来たエプロン姿の店員の女性(おそらく高校生なのだろう)が、彼女を見るやいなや口を開けたまま呆然としていた。そんな店員に彼女はなるべく優しい口調得で話しかけた。

「……済まない、私が何かしただろうか?」

「……はっ!?す、済みません!!って、外国のお客様だから日本語が分からないよね……!!え~と……!ソ、 Sorry……!」

 店員さんが何か英語で話そうとしているのを見た彼女は、そこで自分が“ある事”を伝え忘れている事に気が付き、少しだけ微笑みながら店員に話しかけた。

「日本語で大丈夫だ。私は前に日本に住んでいた事があるから、日本語は分かるし話すこともできる。現に、さっき話しかけた時も日本語だっただろう?」

「え……?……はっ!!言われてみたらそうでした!!す、済みません!!」

「ははは、いや、気にしなくていい。それよりもこれから私が言う席が空いているかを教えて欲しいのだが……、良いだろうか?」

「はい!どの席でしょうか?」

 彼女の問いに店員はいつも行っている様な笑顔(こう言うのを営業スマイルと言うのだろうか?)を彼女に向けて答えた。彼女はその返答を聞いてから自分の条件を店員に伝えた。

「1人なのだが、禁煙席で窓側のなるべく景色が見える座席と言うのは空いているだろうか?」

「禁煙席で景色が見える窓側の座席ですね!畏まりました!!こちらにどうぞ!!」

「あぁ。ありがとう」

 店員は彼女にそう答えて席の場所へと歩き出した。彼女もそれに続く様にキャリ—バックを引いて歩き出した。案内された席に彼女が座ると、店員は彼女にメニュ—を渡してから笑顔で話しかけた。

「ご注文が決まりましたら、お呼び下さい」

「あぁ。感謝する」

 彼女が少しだけ微笑んで答えると、店員の女性が顔を赤くしながら頭を下げてから、そそくさと別の席に居る客の元に歩いて行った。それを見送った彼女は、メニュ—を開いて中身を確認してから、近くに居たエプロン姿をしたもう1人の店員に話しかけた。

「済まない。オ—ダ—をしたいのだが?」

「はい!何を握りやしょう!!」

「……は?」

 店員が言って来た言葉の意味が理解できずに、思わず声を出してしまった彼女に対して、先程接客をしていた女性が思わず声を上げていた。

「イヴちゃん!!家のお店はお寿司屋じゃなくて喫茶店だってば!!」

「……イヴ、だと?」

「はい?」

 彼女が不意に呟いた言葉に反応した店員、イヴは彼女の方を見て不思議そうな表情で彼女の方を見ていた。そんなイヴに対して彼女は静かな口調でイヴを見上げる様に話しかけた。

「まさかとは思ったが……。相変わらず間違った日本語を使っているな。お前は」

「え~と……、何処かでお会いしましたっけ?」

 未だに彼女が誰なのか分かっていないイヴは顔を傾げながら、彼女と何処で出会ったのかを思い出そうとしていたが、それよりも早く、彼女がサングラスを外して素顔をイヴに見せた。すると、やっと誰だったのか分かったイヴは、彼女を見つめながら体を震わせながら、震える口で彼女に話しかけた。

「あ……、あああ……!!」

「久し振りだな。イヴ」

 彼女が輝かしい“満面の笑顔”をイヴに向けて話しかけると、イヴは顔を更に青くして冷や汗を垂れ流しながら彼女の名前を話した。

「せ、せせせ、セルベリア先輩!!」

 イヴは彼女の名前、セルベリアの名前を口にしてからすぐにその場で土下座をしてきたのだ。

「申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!」

「い、イヴちゃん?!」

 いきなりの土下座に驚いているもう1人の店員に対して、セルベリアは手を出して静止させて話しかけた。

「見苦しい所を見せて申し訳ない。先に注文をしても良いだろうか?」

「はい!ご、ご注文ですね!!お受け致します!!」

「コ—ヒ—とサンドイッチ、それとデザ—トにチ—ズケ—キを頼む」

「か、畏まりました!!」

「それと、君の名前は?」

「わ、私は羽沢つぐみと言います!!」

「うむ……、ではつぐみ。悪いが、イヴを暫く借りて良いだろうか?こいつには少し説教が必要だからな」

「つ、つぐみぃぃ~~……」

 セルベリアに聞かれて急いで自分の名前を言った彼女、つぐみに向かって助けを求めている様に視線で見つめてきたが、同時につぐみの方をセルベリアが1度だけ見てきた。すると、つぐみはセルベリアの方を見て話した。

「え、え~と……、それってどれくらい掛かりますか?」

「ふむ……。小1時間位で済ませよう」

「それだったら、大丈夫です」

「ッ!?つ、つぐみぃぃ~~!!」

「感謝する。注文した物は1時間後に持って来てくれ」

「畏まりました!!イヴちゃん、ごめんね……!!」

 涙目のイヴに向かってつぐみが両手を合わせて謝って来ていた。そして、つぐみはそのまま注文を伝えに厨房の方へとそそくさと向かって行った。それを見送ってからセルベリアはイヴの方を見て冷たい口調で話しかけた。

「……さて、それでは始めようか。なぁ?イヴ」

「お、お手柔らかに……お願いします……」

 セルベリアに向かって怯えながら答えて来たイヴに向かって、セルベリアの説教が始まるのだった……。ちなみにこの説教は丁度1時間で終わり、つぐみがコ—ヒ—とサンドイッチを持って行くと、セルベリアの向かいの席に座っているイヴが灰の様に真っ白になっていたとの事。……ちなみに今回の件でお店に迷惑を掛けたと言う事で、後日つぐみ達に戦車道の試合に招待し、同時にこれから毎日最低1時間以上、イヴに日本語を教える様に言ったのは、また別の話である……。

 ☆

 この人物こそが、巧と結婚するために遥々日本に来た戦車道の代表選手の1人、“セルベリア‣ブロウ”であった……。



如何だったでしょうか?

今回は断章の一話目として書かせて頂きました。

今回のオリキャラとして出させて頂いた”セルベリア‣ブロウ”に関しての詳細デ—タに関してはこの話以降の話で明かして行こうと思いますが、強いて言うならば、オリキャラの元となったのは、おそらく名前で察している方も多いかと思いますが、”戦場のヴァルキュリア”の大佐です。大佐可愛いよ大佐。

また、バンドリの方からはつぐみとイヴを出させて頂きましたが……、キャラ崩壊していましたか?しておりましたら、本当に申し訳ございません!!

此処で、謝辞を。おきにお気に入り登録数が120を超えました!!これからも頑張って行きますので、どうかこれからもよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第三章~とある姉妹の決意と決別(季節:春~夏)~ プロローグ

今回はいよいよ依頼が来ます!駄文ですが、宜しければどうぞ!!


プロロ—グ「舞い込んで来た依頼~始まり~」

 “―――兄弟……。それは親や友よりも近い存在であり、最初に超えようとしようと思う者である……。―――”

 “―――兄が弟を護り、弟はそんな兄の姿を見て憧れを持ち、その姿に近づこうと努力をしていく……。そして、それを見ている兄もいつまでも弟に憧れられている存在であろうと努力をしていく……。―――”

 “―――そして、それは姉妹でも同じ事である……。しかし、その関係は時に絶対に分かりあう事のできない信条が存在し、互いに決別しあってしまう時がある……。―――”

 “―――今回の物語はある1組の姉妹の物語……。姉を自分の『憧れ』としていた妹と、自分に憧れている妹の為に、自分も『憧れ続けてもらえる様』に努力し続けた姉の『決別と決意』の物語である……。―――”

 ☆

 黒森峰と聖グロの練習試合から1ヶ月が過ぎ、僕とメグミはその間に沢山の事をしてきた。メグミは練習試合の日……、『桜の下での件』以降から前よりも更に甘える様になり、同時に僕に近づいてくる女性を追い払う様になり始めていた。また、メグミ自身も僕に前以上に好かれようと化粧やファッション、料理等も更に磨きを掛けていた。そして、極めつけには2人の部屋のベランダに小さな花瓶を置いて、プチガ—デニングを行うまでになっていた。そして、一番変わった事は……。

「う、うぅん……ん?」

 朝になり目を覚ました僕の目に最初に映ったのは、いつも見覚えのある僕の部屋と、何故か癒されている様な表情をしているメグミの姿だった。

「ふふふ……、お兄ちゃぁ~ん……♪」

「……お~い、メグミ……」

「むふふふ……///」

 (あ、確実に起きているな……)

「……今すぐ起きないと、“2人”に報告するよ?」

「おはようお兄ちゃん!!今日も良い天気だね!!」

 僕の言葉を聞いた瞬間、勢い良く目を覚ませて笑顔で答えてきた。それを見た僕は呆れ笑いをしながら答えた。

「ははは……、おはよう、メグミ。取り敢えず着替えたいから部屋から出ていて?」

「えぇ~!!別にこのまま着替えても私は別に『“2人”に言うよ?』分かった!!それじゃあ先に朝食の準備をしとくから!!」

 メグミはそう言って部屋の外に出て行った。それを見送りながら僕は大きく溜息を着いた。

 (全く……。メグミはどうしてこんなにも積極的になったんだ……?でも、もしもの時は“2人”に言えば良いだけの話だし……)

 僕がメグミに行っている“2人”とは大学選抜の2人、つまりはアズミとルミの2人である。どうやら以前僕たちの関係の話を根掘り葉掘り聞かれたらしく、顔を真っ赤にして帰って来た事があったのだ。それ以降、いざという時には“2人”と言う単語を聞くだけで、言う事を全て聞く様になった。

「はぁ……」

 僕は小さく溜息を着いてから、着替えをして自室を後にした。

 ☆

「ほら、着いたよ」

「うん!」

 あの後、メグミといつもの様に朝食を食べてからいつも通りの確認を行ってから、メグミをバイクに乗せて駅に乗せて行った。駅の入り口付近に到着すると、バイクの両側に付けている荷物を解いてからメグミに渡した。メグミは笑顔で荷物を受け取っていた。

「今日からの合同練習、ちゃんと頑張って来るんだよ?」

「分かっているよ、お兄ちゃん!ちゃんと頑張って来るよ!!」

 メグミは笑顔で僕にそう答えてから、荷物を担いで駅の改札口の方に向かって行き、改札を抜けてから再度僕に向けて笑顔で手を振ってきた。僕もそれに答える様に手を振って応えた。それを見て嬉しそうに微笑んでから駅の雑踏の中に入って行った。

「頑張って……、メグミ……」

 僕は雑踏の中に消えて行くメグミを見送りながら、僕は小さく呟いた。今日から一週間、大学選抜チ—ムは複数の社会人チ—ムと他校の大学戦車道チ—ムの人たちと一緒に合同練習会に参加するため、現地まで移動する事になったのである。ちなみに、よっぽど僕の元から離れるのが嫌だったのか、前日の夜までずっと駄々を捏ねていた。

「さて、僕も帰ろうかな……」

 僕はアクセルを捻りバイクを走らせようとすると、不意に懐に入れていたスマホが振動をし始めた。

「ん……?」

 僕は懐からスマホを取り出して確認すると、そこには僕たち『黒猫』のメンバ—のスマホに入っているアプリ“BCR”からの物だった。巧はアプリを起動させて連絡をしてきた人物と内容に内心驚いていた。

 (連絡人は……つぐみから?しかも『黒猫』全体への連絡を送って来るとは……。内容は何だ……?)

『皆、今日の正午暇かな?』

『暇だけどぉ、何かあったのぉ~?』

『実はね……、“黒猫(私たち)”に任務をしたいって人が居るんだけど……。皆大丈夫?』

 (へぇ~、いよいよ依頼が来るようになったか……)

 僕が感心していると、“BCR”内では既に僕以外の全員が返信を送っていた。

『あ~、私は大丈夫だよぉ~』

『俺も行けるぜ!!』

『問題ない』

『おk~』

『僕も問題ないな』

『良かった~!じゃあ正午に私の家に来て』

『『『『『了解』』』』』

 つぐみの返信に全員が答えたのを確認した僕は、スマホを懐に戻してから集合場所であるつぐみの家に向かってバイクを走らせた……。



如何だったでしょうか?

今回の話から第三章になります。同時に次回から徐々にシリアスを増やして行こうと思いますので、どうかよろしくお願いします。

それと、前回の話についての謝罪を。あの話を出した当時、私はこんなノリでも出しても大丈夫だろうと思い、そのまま出してしまっていました。その結果が、皆様にあまり合わなかったのか、あまり好評ありませんでした……。此処にお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした!自分の甘さが原因でした。本当に申し訳ございませんでした!

此処で、謝辞を。この様な小説にもやっとお気に入り登録数が180を超えました。本当にありがとうございます!!これからも頑張りますので、よろしくお願い致します。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第二話

今回でいよいよバンドリのキャラと関わり合って行きます!!そして相変わらず話が進んでいない駄文ですが、それでも宜しければ、どうぞ!!


第二話「依頼者との邂逅」

 “―――巧がバイクを走らせてつぐみの家兼店、『羽沢珈琲店』に向かっている頃、警察署では……。―――”

「う~む……」

「どうかしましたか?古藤さん」

 古藤が唸り声を上げながら資料を見ているのを不思議に思ったのか、彼のデスクに茶飲みを置きながら話しかけてきた。古藤さんはお礼を言ってから置いて来た女性警察の後輩に向けて答えた。

「あぁ、ありがとう。この資料はここ最近起きている女子中学生及び女子高生による事件に関しての資料だよ」

「……それってもしかして“レッドテ—ル”についての資料ですか?!」

「あ、あぁそうだが……、何でそんなに嬉しそうなんだ?」

 古藤が後輩の女性に聞くと、彼女は目を輝かせながら身を乗り出して興奮気味に話し出した。

「当然です!!“赤い尻尾”……、通称“赤い尻尾(レッドテ—ル)”。女子中学生と女子高生を中心としていた所謂“カラ—ギャング”!!私も昔は是非とも入りたいって思って動いた程ですもん!!」

「そ、そうなのか……?と言うか、そんなに有名な組織だったのか?」

「はい!!そりゃあもう!!」

 彼女の言葉の圧に圧倒されている古藤だったが、そこまで聞いてから再び資料に目を通し始めた。そこに書かれていた内容に再び目を通した。そして一通り目を通してから大きな溜息を着いた。

 (この資料の内容……。こりゃあ俺が入るのは難しいな。仕方ねぇ……)

「“黒猫(あいつら)”に頼むか……」

「“あいつら”……って誰ですか?」

「いんや、君が知らなくて良い事だぞ。え~と……」

 古藤が彼女の名前を呼ぼうとした時に、まだ彼女の名前を聞き忘れていた事に気が付き、名前を聞こうとした際、名前の事に気が付いた彼女が明るい声で自己紹介をした。

「あっ!!そう言えばまだ名前を言っていませんでしたね!!私は“五十嵐 加奈”です!!最近になって此処に配属になりました!!よろしくお願いします!!」

「おう、よろしく……って、五十嵐ってもしかして、俺がこれから担当する事になる新人警察って奴?」

「はい!!よろしくお願いします!!先輩♪」

「ま、マジか……」

 彼女、五十嵐は笑顔で古藤に向かって敬礼をしてきた。その可愛らしい姿を見ながら、これから起きる事と“黒猫”のメンバ—に紹介しなければならない事を考えて再び溜息を着くと、椅子から立ち上がりながらお茶を飲み干してから五十嵐に話しかけた。

「そんじゃあ、早速仕事に行きましょうかねぇ」

「はい!!で、何処に向かうんですか?!」

「ん?まぁ、気晴らしにでも『珈琲店』に行こうぜ」

「へ……?『珈琲店』ですか……?」

 古藤の一言に呆然としている五十嵐を置いて、古藤は歩きながらスマホを取り出して1人の連絡先を選択して電話を掛けた。

「もしもし?俺だ。今何処に居る?―――あぁ、頼みたい事があるんだが……」

 ☆

 (何とか間に合ったな)

 駅を後にした僕は、つぐみの家でありお店である『羽沢珈琲店』に到着していた。バイクを近くの駐車場に停めて、ヘルメットを外してバイクに置いてから珈琲店の中に入った。

「いらっしゃい。……おや?いらっしゃい、巧君」

「こんにちは、マスタ—。他の方も既にいつもの席で待機していますよ」

「分かりました。ありがとうございます」

 僕はマスタ—にそう言って、いつもの場所である奥の席に向かうと、そこには既に『黒猫』のメンバ—が席に座って待機していた。

「待たせたかな?」

「いんや。皆、丁度集まったところだぜ!!」

「そうそう♪」

「あぁ。俺もさっき来たばかりだからな」

 雄二を始めとした3人が答えてきたが、そこに居るメンバ—を見た僕はそこで1人居ない事に気が付いた。

「あれ?つぐみちゃんはどうしたの?」

「あぁ~。つぐみならば依頼者と一緒に来るってさ~」

「そうなのか」

 志乃がコ—ヒ—を飲みながら答えてきたのに対して、椅子に座りながらマスタ—にコ—ヒ—を頼んだ。そしてコ—ヒ—が運ばれて来たと同時につぐみちゃんが帰って来た。

「ただいま~って、お兄ちゃんたちもう来ていたの!?」

「あぁ。それで、今回僕たちに依頼をしたいと言っている依頼人は何処に居るのかな?」

「あぁ、それならば一緒に来ていますよ!今呼んで来ますね!!こっちだよ!巴ちゃん!!」

「あぁ、分かった」

 つぐみちゃんにそう言って答えてこちらに来たのは、赤の長髪をした背の高い女子高生だった。その子を見た途端、奈央は真剣な目で僕の耳元で話しかけてきた。

「あの子、かなりの身長あるねぇ~!!あれならばモデルに向いているよ!!」

「……まぁ、確かにあの身長とスタイルならば向いているのは明白だな……」

 僕と奈央がそんな事を話していると、僕たちの前に現れた彼女は僕たちに一礼してから席に座った。それを確認した僕は座って来た彼女に話しかけた。

「……ようこそ、迷える少女よ。僕たちが『黒猫』である」

「……!!」

 僕の言葉を聞いた彼女は目を見開きながら驚いていた。おそらく噂話として聞いていて、実際は信じていなかったのだろう……。そんな彼女を見つめながら僕は静かに尋ねた。

「……それで、君は僕たちに何を頼みに来たのか話してみよ」

「あ、あぁ!!」

 僕に促された彼女は一度咳払いをしてから、静かに僕の目を見据えて答えてきた。

「お願いします、あこの……私の妹の監視と妹に起きている事の調査をして欲しい」



如何だったでしょうか?

今回は第二章のエピロ—グから一ヶ月後となっております。そして、今回の話からバンドリのキャラと関わることになりました!!次回の話からもっと多くのキャラと関わって行きますので、どうか温かい目で見守って下さい。

此処で、謝辞を。この小説にもいよいよお気に入り登録数が185人を超えました!!本当にありがとうございます!!これからも頑張って行きますので、どうかよろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第三話

今回の話は黒猫への巴の依頼内容についての話です。ですので、話自体はもしかしたら余り進んでいないかもしれませんが、それでも良ければどうぞ!!


第三話「依頼内容(巴Side)」

「私の名前は宇田川 巴です。”Afterglow“と言うバンドを行っていて、担当はドラムをしています」

「“Afterglow”……、確かつぐみちゃんと同じバンドだったよな?」

「うん!巴ちゃんのドラムの腕は凄いんだよ!!」

「私なんてまだまだですよ」

 雄二の質問につぐみちゃんが若干自慢気味に答えると、彼女……巴ちゃんは首を横に振りながら答えてきた。そんな彼女の反応を見つつ志乃の方を見ると、いつの間に取り出したのかノ—トパソコンを取り出して何かを打ち込んでいた。それを横目に僕は彼女に再び質問を投げかけた。

「それで、依頼の内容について詳しく教えて貰えないかな?」

「はい……。私にはあこって名前の妹が居て、ずっと前から私を見つけると嬉しそうな表情で良く私に抱き着いて来ているんです。でも……、1ヶ月ほど前から急にそれをしなくなって、しかも私ともあまり口を利く回数が徐々に減ってしまったんです……。それに、今まではしていた事なんですけど、妹が私に抱き着いて来た時に頭を撫ででやっていたんです。妹もそれが好きで、いつも私が頭を撫ででやると嬉しそうな、気持ち良さそうな表情で笑っていたです……。でも、最近じゃあ頭を撫でる処か私に抱き着いて来る事さえ無くなってしまったんです……」

「ふ~ん。それって俗に言う反抗期とかに起きるとかの奴じゃねぇの?」

 雄二が呑気に彼女に質問したが、彼女はそれに対して何処か暗い表情で、首を横に振りながら答えてきた。

「私も最初はそうじゃないかと思いました……。でも、それが違う事に気が付いた出来事があって……」

「差し支えなければその出来事を教えてくれないか?」

 僕が彼女に優しく聞くと、彼女は目を伏せながら静かにできるだけ冷静な口調で話し出した。

「……あれは妹が私に抱き着いて来なくなってから、1週間位経った頃……。いつもの様に妹がバンドの練習から帰って来た時、妹が私とお母さんたちにいつもの様に今日やった事を話していたんです。それを聞きながら褒めようと思って頭を撫でようとして頭に触れたんですけど、そしたらいきなり手を弾いてきたんです……」

 それを言っていた時の彼女の表情は何処か悲しそうな表情になりながら、拳を握っていた。

「……いきなり弾いて来た事に私も驚きましたが、それを見ていたお母さんも驚いていました。でも……私は……、腕を弾かれた事よりあの時の妹の顔が、今でも忘れられないんです……!!あの、何かに怖がっている様な表情が今でも頭から離れないんです!!」

 それを言った途端、彼女は更に強く握り締めた拳を勢いよくテ—ブルに振り下ろした。いきなりの事につぐみちゃんや雄二は驚いていたが、静かに見つめていた僕や猛は彼女の……、悔しさと悲しさを混ぜ合わせた様な表情をしている彼女を、僕たちはただ静かに見ていた。すると、つぐみちゃんが彼女の背中を優しく撫でながら話しかけた。

「巴ちゃん……。大丈夫?」

「……大丈夫だ。ありがとう、つぐ」

 つぐみちゃんに対して、何とか気持ちを落ち着かせながら答える彼女は、深呼吸をしてから話し出した。

「……ごめんなさい、取り乱しました」

「いや、気にすることはないよ。……それで、その後はどうなったのかな?」

「……それ以降、妹は私と余り話さなくなりました。ですが、何かを隠している事は確かなんです……!でも……、私が無理矢理聞こうとしたりしたら、それこそ妹は何も言わなくなってしまいます……。だから―――」

 彼女はそこで僕たちを一度見渡してから、僕の方を真っ直ぐ見つめて強い口調で話してきた。

「……だから、黒猫の皆さんにお願いします!妹に何が起きているのかを調査して欲しいんです!!やり方は皆さんにお任せしますので、どうか、よろしくお願いします!!」

 そう言ってから彼女は頭を下げてきた。それを見ていた僕たちは互いにアイコンタクトで確認を取ってから、代表として僕が彼女に話しかけた。

「……僕たちは依頼とならば、“如何なる方法(・・・・・・)”を用いてでも確実に完遂する。それが例え、『本人が望んでいない手段や方法』を使ったとしても……。そして、その結果が『本人が望んでいた結果』にならなかったとしても……。それでも、君は“黒猫(僕たち)”に依頼をするかい?」

「……それで、妹に起きている事が分かるのであれば……。お願いします……!!」

 僕の“最後の問い掛け”に彼女は再び強く答えてから、静かに頭を下げてきた。その覚悟と強い意志を見極めた僕は、小さく鼻を鳴らしてから皆の方を見た。すると、全員僕の方を見て頷いて応えてきた。それに僕も頷いてから、つぐみちゃんの方を見て話しかけた。

「……そう言うわけだから、後の判断はつぐみちゃんが決めてくれ」

「……へ!?な、何で!?」

 いきなりの指名に驚いているつぐみちゃんだったが、その驚き方を見ていた奈央が笑いながら答えてきた。

「あははは!!そうか、つぐみちゃんは知らないんだっけ?『黒猫(私たち)』のル—ルでね、『依頼者の依頼の受託は依頼者から依頼を受けた人物が決める』ってね♪」

「そ、そんな事「つぐ!!」……巴……ちゃん……?」

 つぐみちゃんが反論を言うのを防ぐように、割り込んで話しかけてきた彼女は自分の事をつぐみちゃんが見ているのを確認してから、懇願するようにつぐみちゃんに話しかけた。

「頼む!つぐ……!!」

「巴ちゃん……」

 つぐみちゃんに向かって頭を下げてまでしてきた。そんな彼女を見たつぐみちゃんは静かに歩み寄ると、未だに頭を下げている彼女の肩に優しく手を置いて話しかけた。

「巴ちゃんは私の幼馴染だよ!!そんな巴ちゃんが困っているのを放っておくなんて事、私は絶対にできない!だから、巴ちゃんからのこの依頼、是非とも受けさせて!!」

「つぐ……!!ありがとう!!」

 つぐみちゃんの手を両手で握りながら、感謝をしている巴ちゃんを見つめながら、僕たちは彼女に向かって話しかけた。

「では、巴さん。君からの依頼は僕たちが責任を持って必ず遂行しよう」

「あ、ありがとうございます!よろしくお願いします!!」

 彼女はそう言いながら、僕たちに頭を下げてきた。こうして僕たち『黒猫』に新たな依頼が舞い込んできたのだった……。



如何だったでしょうか?

今回の話では、巴から黒猫に対する依頼内容の詳細についてと、つぐみが依頼を受けるかどうかの有無を決めるまでの話とさせて頂きました。正直、あまり上手く書けているとは思いませんが、皆様が満足して頂ければと思っています!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第四話

今回は前回の話の黒猫側の話になります。それではどうぞ!!


第四話「依頼の内容(黒猫Side)」

 巴が帰った後、それを見送った僕たちはさっきの巴の話について話し合いを始めた。

「……さて、先程の彼女の依頼についてもう一度確認しようか。志乃」

「は~い」

 僕の言葉にいつもの口調で答えてきた志乃は、テ—ブルに小型のデバイスを置いて電源を入れると、そこに志乃のパソコンの画面が表示された。それに対して素直に驚いているつぐみちゃんを他所に志乃は話始めた。

「え~と、さっきの話を纏めると、あの依頼者の名前は宇田川 巴。私と同じ羽丘女子学園の高校1年生。4月15日生まれの牡牛座で血液型はO型。好きな物は豚骨醤油ラ—メンで、趣味はファッションと和太鼓。ちなみにクラスは私達と同じB組で身長や体重、スリ—サイズとかは伏せるね~」

「さっきと言ったけれど、巴ちゃんは私と同じ“Afterglow”でドラムをやっているよ!!」

 志乃の説明に追加するように、つぐみちゃんも巴ちゃんについて話してくれた。それを聞いてから、志乃はパソコンを操作して次の資料を表示した。

「そして、この子が巴ちゃんの妹であり対象になる人物、宇田川 あこちゃん。お姉ちゃんである巴ちゃんの通っている羽丘女子学園の中等部に通っている中学3年生。7月3日生まれの蟹座で血液型はB型。好きな物はポテトチップスとジェリ—ビ—ンズ。趣味はカッコイイこと研究。ダンス部に所属していて、姉と同じように他のバンドに所属しているね」

「対象が所属しているバンド名は?」

 猛が志乃に確認すると、志乃はパソコンを操作して写真を投影しながら話し出した。

「この写真にも写っているけれど、彼女は“Roselia”って名前のバンドに所属しているね~」

「へぇ~、ドラムか!!どんだけお姉ちゃんの事が好きなんかねぇ~」

「それぐらい尊敬していた……と言う事だろうな」

 あこについての資料を見つつ、雄二と猛の話を聞きながら奈央が僕に質問を投げかけた。

「はいは~い!質問!質問!!この情報だと、あこちゃんの情報を手に入れるのならばやっぱり学園で集めるの?」

 奈央の質問に対して、僕は資料に目を通しながら自分の考えを話した。

「……現状を考えると、今1番有力なのはやはり学園での情報収集だけど……、それ以外でも集める必要もありそうだね……。志乃、対象者の所属している“Roselia”のメンバ—を教えてくれ」

「はいよ~」

 志乃はパソコンを操作して“Roselia”に関する多くの情報をスクリ—ンに展開して、それぞれの人物の写真を表示してから話し出した。

「え~と……、先ずは“Roselia”のギタ—担当の人物からだけど、ギタ—担当は氷川 紗夜。花咲川女子学園の高校2年生。3月20日生まれの魚座で血液型はAB型。好きな物はジャンクフ—ドとガム、そしてキャンディ—で趣味はなし。ちなみに学園では風紀委員をやっているってさ~」

「うわ~。如何にも真面目系女子って奴だね~。こりゃあ将来絶対三十路まで独身貫くねぇ、可哀想~」

「え~と、次がベ—ス担当の今井 リサ。羽丘女子学園の2年生。8月25日生まれの乙女座で血液型はO型。好きな物は筑前煮と酢の物、趣味は編み物。後、あこと同じく高等部のダンス部に所属しているね」

「見た目が完全にギャルだな、こりゃ」

「でも、1番対象と会っているのはこいつだな。話を聞くならばこいつだな」

「次にキ—ボ—ド担当の白金 燐子。花咲川女子学園の高校2年生。10月17日生まれの天秤座で血液型はO型。好きな物はホットミルク、趣味はオンラインゲ—ムとクロスワ—ドだってさ。ちなみに対象は彼女とは友人関係らしいけれど、どんな形での友人関係なのかは、まだ分からないけれどね~」

「ふむ……。対象との関係性を洗う必要があるかも知れんな」

「そして、この子が“Roselia”のリ—ダ—にしてボ—カル担当の湊 友希那ちゃん。羽丘女子学園の高校2年生。10月26日生まれの蠍座で血液型はA型。好きな物はハチミツティ—で趣味はなし。そして今井 リサとは幼馴染だそうだよ。そして、以上の4人が対象者の所属している“Roselia”のメンバ—だよ~」

 志乃の話が終わると、4人の資料とあこの情報を相互に確認してから、今後の行動について話し出した。

「それでは明日からの行動についてだが「ちょっと良いか?」……どうした?猛」

 僕の話を遮るように猛が手を上げてきた。僕が猛に話しかけると、猛はバツが悪そうな表情で話し出した。

「……実はさっき古藤さんから連絡があって、これから会えないかって言われてな……。おそらく“あちら側からの依頼”だと思う」

「……となると、猛はそっちの依頼に集中してもらった方が良いか」

「あぁ。俺は古藤さんの依頼を遂行する。だが、場合によっては要請を出すかもしれないが……、それでも良いか?」

「まぁ、それは仕方ないか。それじゃあ猛を除いた残りの4人についてだけれど、先ず志乃とつぐみちゃんの2人には学園の方で情報を集めてくれ。奈央と雄二には“Roselia”側で情報を集めてもらう。これで良いかい?」

「「「「おう‣うん‣は~い‣りょ!!!!」」」」

「それじゃあ、解散」

 僕の言葉を合図に、背伸び等をしてから今回は解散となる……、はずだった。

「そう言えば!巧今日から1週間どうするんだ?」

「?どうするって何が?」

「何って、今日から1週間メグミちゃんが留守だろ?晩飯とかどうするんだ?」

「—――!!」

 雄二の一言に何故か近くに居たつぐみちゃんがビクついていた。そんなつぐみちゃんに気付かずに僕は率直に答えた。

「どうするって、普通に寮だけど?飯とかは自分でも作れるし」

「いやいやそうじゃなくて、たまには他の所に泊まったりとかしないのか?メグミちゃんも居ないことだし、たまには羽を広げても良いんじゃねぇの?」

「と言ってもそんな簡単に泊まれる所なんてないだろう?」

 僕がそう言うと雄二は困った風な表情になっていると、それとは別に何か閃いたのか企んでいる顔で志乃が僕に話しかけた。

「それじゃあさぁ~、いっその事つぐみの家にお泊りしちゃえば~♪?」

「は?」

「えぇぇぇぇぇ――――!!?」

 志乃の突然の提案に呆気に取られている僕よりも、いきなり言われたつぐみちゃんが大声で驚いていた……。



如何だったでしょうか?

今回は”Roselia”のメンバ—のプロフィ—ルとあこの関係についてを書かせて頂きました。相変わらず話が余り進んでいませんが、それでも読んで下さった事に感謝です。

次回の内容はどちらかと言えばラブコメになると思います。予定ではその次の話辺りから一気にシリアスと暴力シ—ン、そして胸糞シ—ンが豊富になって行きます。ですので、ラブコメが好きな方は次回の話でラブコメ成分を多く吸収して行って下さい!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第五話

今回はつぐみの話となっております。また、今回はかなりの駄文となってしまいました。申し訳ございません!!それでも宜しければどうぞ!!


第五話「つぐみちゃんの“失恋(はつこい)”」

 志乃ちゃんが急にお兄ちゃんに提案した事、何とそれはお兄ちゃんに私の家に泊まると言う物でした!!

「ちょっ!?志乃ちゃん!!い、いきなり何を言っているの?!」

「そうだぞ?僕はともかく、つぐみちゃんに迷惑だろう?」

 突然のことで私は思わず驚いてしまったけれど、何とか志乃ちゃんに話しかけている私と一緒に、巧お兄ちゃんいつもの様に冷静に志乃ちゃんに話しかけていました。

「……わ、私は別に……迷惑……じゃないけれど……」

「ん?何か言ったかな?つぐみちゃん」

「ううん!!何にも言ってないよ?!」

「それならば良いけれど……。まぁ、後はマスタ—が何と言うかだからな」

 お兄ちゃんがそう言ってお父さんの方を見ました。お父さんはお兄ちゃんにコ—ヒ—を出してから答えました。

「巧さんにはいつもつぐみがお世話になっていますし、『黒猫』の集まりとして私たちのお店を使ってくれているのも大変嬉しい事です。私たちの家で宜しければ是非とも泊って下さい」

「ありがとうございます、マスタ—。それではお言葉に甘えさせて頂きますね」

 お兄ちゃんは優しく微笑みながらお父さんに答えて、目の前に出されたコ—ヒ—を飲み始めました。

 (やった……!!お兄ちゃんが泊まってくれる!!)

 私は皆にバレない様に小さくガッツポ—ズを取って喜んでいると、近くに居た志乃ちゃんが私に小さい声で話しかけてきました。

「つぐ~、頑張りなよ~。この1週間の間にリ—ダ—の心を射止めちゃえ~♪」

「—――ッ!?し、志乃ちゃん!!」

 突然の言葉に顔を赤くしながら、茶化してくる志乃ちゃんを追っかけ回してしまいました……。

 ☆

「それじゃあ、後でまた来るね」

「うん!!」

 お兄ちゃんはそう言ってからバイクを走らせて行った。お兄ちゃんの姿が見えなくなるまで見送ってからお店の中に戻ると、にやけ顔で私の方を見ている志乃ちゃんが私に話しかけてきました。

「ねぇねぇ!どうだった?私の名案は♪やっぱり私って天才?♪」

 笑顔で自画自賛している志乃ちゃんの元に近づいて行くと、笑顔を向けたまま志乃ちゃんに話しかけました。

「志乃ちゃ~ん?私に何か言う事ないかな?」

「ん~……。あ!分かった!!」

 志乃ちゃんは最高に明るい笑顔を私に向けると同時に、両手を顔に近づけて応援するような動作を取りながら私に話しかけてきました。

「つぐみちゃん!ファイトだよ!!」

「もぉぉぉ―――――!!!!志乃ちゃぁぁぁぁぁん!!」

「えええぇぇぇぇ!?何でぇぇぇぇぇ!?」

 志乃ちゃんの話を聞いた私は、顔を赤くして大声を出しながら志乃ちゃんの背中を叩いていました。それに対して志乃ちゃんは驚いていたけれど、その表情は明らかに楽しんでいる表情でした。それを見た私は更に頬を膨らませながら、志乃ちゃんの背中をたたき続けました。暫くの間私が志乃ちゃんの背中を叩いていると、志乃ちゃんが笑顔のまま私に向けて謝りながら話しかけてきました。

「まぁまぁ!!悪かったって!!許してよぉ~!!」

「もぉ~……、今日だけだよ?」

「ありがとうつぐ~~!!愛してるよぉ~~!!」

「……もぅ!!」

 志乃ちゃんの言葉に恥ずかしくなってしまった私は、顔を赤くしながら下を向いてしまいました。それを確認していた志乃ちゃんはそんな私の顔を下から覗き込むように顔を近づけながら話しかけてきました。

「で、つぐはいつからリ—ダ—の事が好きになったの?」

「……ふぇ!?」

 突然の事に何の事か頭が理解できませんでしたが、志乃ちゃんの言葉が頭の中でリプレイの様に聞こえてきた途端、私の顔は一気に熱くなっていくと同時に変な声を上げてしまいました。その声を聞いた志乃ちゃんは何処か納得した様な表情で話してきました。

「うむうむ、その反応を見る限りだと……、図星の様だねぇ?やっぱり私の思った通りだよ!!志乃ちゃん大勝利!!」

「ちょっ!!ちょっと待って!!な、何で知っているの?!」

「おいおいつぐみさんや、それを私に聞いてしまいますかい?むしろ、今までずっと隠し通せていたと本気で思っていたの?」

「え!?そ、それは……はぅ……」

 志乃ちゃんの指摘に更に顔を赤くなっていくのを感じた私は、今までの自分の努力が全て徒労だった事を悟って、更に私が必死に隠していた事……お兄ちゃんの事が好きだと言う気持ちが周りにばれていた事の恥ずかしさに耐えきれなくなって、そのまま志乃ちゃんと向かい合う様に椅子にへたり込んで、そのままテ—ブルに突っ伏してしまいました。肌に感じるテ—ブルの冷たさが、熱くなっている頬を冷ましてくれている様な気持ち良さを感じながら、私はゆっくりと口を開きました。

「……い、いつから気付いていたの……?」

「ん~、私の場合は半年程前かな~」

「は、半年も……前から……!!」

「後、おそらく“Afterglow”の4人は多分蘭ちゃんを除いた全員がとっくの昔から気付いていたんじゃない?まぁ、その事を敢えて触れなかったのは3人なりの優しさだと思うけれどね~」

「ぅぅぅ~~~、皆に顔が合わせられない~~」

 私は“Afterglow”の皆にばれていた事に1番ショックを受けていました。まさか、皆にばれていたなんて……!!もう、これからどんな顔して皆と会えば良いんだろう……?

 (……で、でも、蘭ちゃんは気付いていないはず……!!蘭ちゃん、ああ見えてかなりの奥手だし!何より“恋愛系(そっち系)”には全然免疫なさそうだし……!!まだ可能性はあるかも……!!)

「あ、ちなみに蘭ちゃんば気付いていないと思うよ~」

「ほ……」

 志乃ちゃんからの情報を聞いて安心した私に対して、志乃ちゃんはそんな私に更に追い打ちをする様に話し出しました。

「でもね~。つぐみちゃんには最大の天敵がいるんだよね~」

「て、天敵……?それって何の?」

「何のってそんなの、“恋敵”に決まっているじゃ~ん♪」

「こ!恋敵……!?」

 志乃ちゃんの突然の発言に驚いてしまいました。“恋敵”……、私は息を呑んでから志乃ちゃんに話しかけました。

「そ、その人って一体誰……?」

「その人の名前はねメグミさんって言ってね……リ—ダ—と一緒に住んでいる人だよ」

「え……?」

 志乃ちゃんの衝撃な一言に、私の目の前が真っ暗になってしまいました。何せお兄ちゃんには既に同棲している女性が居ると言う事はつまり……、その人と付き合っていると言う事なのだから……。

 (お兄ちゃんが……女性と一緒に住んでいるの……?そ、それってもしかして……ど、同棲しているの……!?それって私の恋は……)

「……最初から……終わっているの……?」

 いきなり突き付けられた現実に、私は立ち直ることができずに、言葉を零す様に自分の失恋と言う事実を口にしていると、志乃ちゃんはそんな私を見ながら、いつの間にかお父さんに頼んでいたコ—ヒ—を飲みながら話していた。

「ん~、まだ終わったわけじゃないと思うんだけどね~」

「……どう言う事?だって、同棲している人が—――」

「そんなの、横取りしちゃえば良い話でしょ?」

「……え?えぇぇぇぇ―――――!!?」

 志乃ちゃんの突然の提案に、沈んでいた気持ちと顔を勢いよく上げて叫び声を上げてしまいました。

「な、ななな、何を言っているのか分かっているの!?志乃ちゃん!?」

「だって~、こうでもしないとつぐみちゃんの恋が実らないじゃん?」

「いやいやいや!!だってそれって―――と言うか、もしかしてお兄ちゃんを泊めようって提案したのってもしかして……!!」

「さぁさぁ!!そんな事を言っているうちに私も明日からの準備があるから、じゃ~ねぇ~♪」

「えっ?!ちょっ!!志乃ちゃん!?」

 焦っている私を無視して、志乃ちゃんは手を振りながらお店を後にしてしまいました。

「えぇぇぇ――――!!」

 志乃ちゃんに置いて行かれた私は、これからどうしたら良いのか分からずに、私はただ大声を上げるしかありませんでした……。



如何だったでしょうか?

今回はつぐみと志乃の2人の話をメインとして書かせて頂きました!前回の後書きで書かせて予定していたラブコメにする予定でした……。ですが、つぐみと主人公のラブコメを書く前に先に主人公に好意を持っている事が皆にばれている事と、メグミの存在を知る事を先に書こうと思い書きました。ご期待していた読者の皆様、誠に申し訳ございませんでした!!

そして、次回からは予定通りシリアスとなって行く予定となっています。それでも宜しければ、これからもよろしくお願い致します。

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第六話

今回から物語が進んで行きます!今回は話が長くなってしまいましたので、2つに分けようと思います。今回はその1つ目になります!相変わらずの駄文ですが、それでも良ければどうぞ!


第六話「調査開始~学校側(調査初日Ⅰ)~」

 つぐの家にリ—ダ—が泊まった翌日、私はつぐの家の前に到着した。

 (さてさて~、どうなったかなぁ~?もしかして昨日の間に愛を育んだかな~、それとも女にしてもらったかな~♪)

 つぐとリ—ダ—の関係がどれくらい進んだかを楽しみにしながら、インタ—フォンを押してからいつもの口調で扉に向かって話しかけた。

「つぐみ~ん!!学校行こうよぉ~!!はぁ~やぁ~くぅ~!!」

「志乃ちゃん!!」

 勢いよく扉を開けて出てきたつぐは、制服姿で髪型もちゃんと整っていたけれど、何故か顔を赤らめながら、私に向かって話しかけてきました。

「お兄ちゃん、学校に行って来るね!……さぁ、志乃ちゃん?早く学校に行こう!さっさと行こう!!とっとと行こう!!!」

「行こ~う♪」

 私の返事を聞いたつぐは、急いで私の手を掴むと走り出した。そして学校への通学路に出ると、つぐは私に向いて来て両手を腰に付けて“怒っています”と言っている様な姿をしていた。そして、つぐは私に向かって頬を膨らませてから話しかけてきた。

「志乃ちゃん?私、怒っているんだけど、理由分かるかな?」

「え?何で怒っているの!?」

「お兄ちゃんが家に泊まる事!!私ビックリした!!お兄ちゃんが一週間泊まる事!!私聞いてなかった!!しかも、お父さん達お兄ちゃんが泊まる事最初から知ってた!!私知らなかった!!」

「すっご~い!!つぐ、倒置法を使いこなせている~、これで今日の国語の小テストは満点間違いないね~!!」

「そう言う問題じゃないよぉ~!!……って、ちょっと待って。志乃ちゃん、さっき聞き捨てならない言葉が無かった?国語の小テストって今日だっけ?!」

「さぁ~?」

「もぉぉぉぉ――――!!志乃ちゃん!!」

 いつも通りのマイペ—スな話し方に、つぐは頬を膨らませながら“ぽかぽか”と言う効果音が聞こえるくらい私の背中を叩いて来た。私は笑いながら謝るとつぐは頬を膨らませていたままだったが、諦めたのか大きく溜息を着いてからジト目で見ながら話してきた。

「……じゃあ、今度ケ—キバイキング奢ってね」

「うぐっ!!……わ、分かったよぉ~」

「……ふふふ、ならば良いよ♪」

 つぐが微笑みながら私の隣に来てそう話してきた。それを見た私も笑い返してから通学路を歩いていた。そして、暫く歩いてから私はつぐに“依頼”の話を持ち出した。

「それでさ~、つぐにお願いがあるんだけどね~」

「ん~?何?」

「今日から巴ちゃんの依頼を開始するからさ、私が呼んだら一緒に動いてくれないかな~?ほら、私中等部についてあまり知らないからさ~」

「そっか。志乃ちゃんは高等部には内部進学じゃなくて、入試で入ったんだったね」

「そう言う事~♪……ん?」

「?どうしたの?」

 つぐと喋っていた私は、つぐの背後から見覚えのある4人の人影と足音がこちらに向かって歩いて来ているのが見えたのだ。それに気付いた私はつぐに小声で話しかけた。

「悪いけれど、私先に行くから。後で連絡するからよろしく~♪」

「え!?ちょっと!?志乃ちゃん!?」

 私はつぐにそれだけ伝えると、そのまま後ろを振り返らずに学校に向かって走って行った。すると、つぐの背後から聞き覚えのある伸びのある声が聞こえてきた。

「つぐ~~おはよ~~」

「おはよう、つぐ」

「おっはよ~~♪つぐ」

「……おはよう、つぐみ」

「皆、おはよう!!」

 つぐがいつもの面子に挨拶をしているのを背に、私は一足先に学校へと向かって行った。

 ☆

 志乃ちゃんと別れた私は、背後から聞こえてきた皆の声に振り向いてから答えました。私の近くに集まって来た4人の幼馴染……。蘭ちゃんと巴ちゃん、モカちゃんとひまりちゃんの四人でした。この4人の幼馴染と私は“Afterglow”と言うバンドを組んでいます。4人が私の所に来るとひまりちゃんが私に話しかけてきました。私たちはいつもの様に他愛のない会話をしながら学園の校門を通った時に、何かを思い出したのかひまりちゃんが話し出してきました。

「そう言えば、つぐさっきまで誰かと居た風に見えたけど、誰と一緒に居たの?はっ!!も、もしかして、男の人?!」

「ち、違うよ!ひまりちゃん!!さっきまで志乃ちゃんと一緒に登校してたの!」

「—――“志乃”……?つぐみ!まさかその『志乃』って『西戸 志乃』の事!?」

 私が志乃ちゃんの名前を口にした瞬間、蘭ちゃんが目を見開いて私に詰め寄りながら聞いて来ました。その時の蘭ちゃんから発せられ気迫に私は若干驚きながら答えました。

「え!?そ、そうだよ?志乃ちゃんは、『西戸 志乃』って名前だけど……?」

「……やっぱりあいつだったんだ……!!」

「ちょっと蘭!!つぐが怖がってるってば!!」

「蘭、お前“西戸”と一体何があったんだよ?」

 若干怯えてしまった私に代わって、ひまりちゃんと巴ちゃんが蘭ちゃんに質問をしていました。その質問を聞いた私も、正直どうして蘭ちゃんが志乃ちゃんの事を知っているのかを知りたいとも思っていたので、2人の質問に対する蘭ちゃんの答えを聞きたくて頷きながら蘭ちゃんの方を見ました。すると、蘭ちゃんは溜息を着いてから答えました。

「実は―――イタッ!!」

 蘭ちゃんが何かを言おうとした直後、蘭ちゃんの眉間の中心に何かが命中しました。そしてそれがとても痛かったのか、蘭ちゃんはそのままその場にしゃがみ込んで悶絶し始めました。それを見た巴ちゃんたちが心配そうに話しかけました。

「おい、どうした蘭―――イッツ?!」

「何かあったの—――アウッ!!」

「どうしたの?皆—――イッタ~イ!!」

「え!?皆どうしたの!?」

 いきなり自分のおでこを摩りながら、痛がっている蘭ちゃん姿に驚いている私でしたが、そんな私の前に1匹の黒猫が歩いて来ました。

「ニャ~オ」

「あ、“クロちゃん”。どうかしたの?」

「にゃ~お」

 クロちゃんと私が呼んだ黒猫は、自分の名前が呼ばれたからか一度鳴いてから私の元に近づいて来た。私はしゃがんでクロちゃんの頭を撫でていると、クロちゃんは気持ち良さそうに目を細めていましたが、不意にクロちゃんの体が小刻みに振動を始めました。

「え?クロちゃん、体震えてない?」

「うみゃ~おぉ~」

 振動のせいか、クロちゃんの声も間延びしている様な気もしたけれど、その理由はすぐに分かりました。クロちゃんは顔を上げると口に咥えている物を私に渡そうとしていたのです。

「クロちゃん、何を咥えているの?」

「みゃ~あ~」

「え?私に?」

「にゃあ」

 クロちゃんは私に受け取ってくれと言わんばかりに顔を上げてきたので、私はクロちゃんが咥えている物を手に取りました。クロちゃんが咥えていたのは小型の通信機みたいな物で、私はそれを耳に近づけてみると、そこから聞き憶えのある声が聞こえてきました。

『いえ~い、4人抜き成功~!!』

 通信機から流れてきた声を聞いた瞬間、蘭ちゃんたちに起きた謎の出来事の黒幕に気付いて全てを察した私は、大きく息を吸ってから通信機に向かって叫びました。

「何やっているの!!志乃ちゃん!!」

『え!?まさかのマジ怒り!?ちょっと落ち着いてよ、つぐ~』

 通信越しから聞こえてくる志乃ちゃんの謝罪の声を無視して、私はそのまま少しの間、志乃ちゃんにお説教を始めました。

「振動している黒猫……!!か、可愛い……!!」

 余談ですが、私たちのやり取りを見ていた2年生の某歌姫さんが振動していたクロちゃんを、遠くから見ながら目を輝かせていた事には私は気付いていませんでした……。



如何だったでしょうか?

今回は学校側からの調査を書いて行こうと思い、書かせて頂きましたが相変わらずの駄文と進展の無さに、若干頭を抱えています……。次回の話では一気に進んで行きますので、皆様、どうかご期待していて下さい!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第七話

今回は前回の話の続きとなります。そして今回で学校側は一度終わります。後、今回の話の一部分にエロイ部分がございます。もしかしたら気分を害する方もあるかもしれませんので、ご了承ください。よろしくお願い致します。


第七話「調査開始~学校側(調査初日Ⅱ)~」

 志乃ちゃんによる射撃(と言う名の悪ふざけ)が終わり、私は志乃ちゃんに来るように言われた教室に到着しました。

 (空き教室……?こんなに所に空き教室なんて在ったっけ?それに、この教室の隣って生徒会室だよね?生徒会室の近くに空き教室は無かったはずだけれど……)

「し、失礼します……」

 私がおそるおそる空き教室のなかに入ると、そこには漫画やアニメ等で良く見る、所謂“文科系の部活の部室”でした。そして、そんな部屋の奥に私を呼び出した本人が本を読んでいました。

「こんな所に居た……」

「お?やっほ~♪つぐ~」

 志乃ちゃんは本から顔を上げて私の方を見ると、いつもの口調で話しかけてきた志乃ちゃんに対して、私は一息置いてから“笑顔”で話しかけました。

「……志乃ちゃん、ちょっとそこに土下座しようか?」

「え~?つぐ、何でいきなり土下座しないといけない「早く土下座しようか?」……わ、分かった……」

 いつもの口調で罪悪感が一切ない口調で文句を言おうとしていたので、それに割り込むように私が話すと、その口調と声音で本気で怒っていると察してくれたのか、志乃ちゃんは恐る恐る了承してから地面に土下座しました。それを確認してから私は志乃ちゃんの前に仁王立ちで立って話しかけました。

「さて志乃ちゃん、何でこんな状態になっているのか、分かるかな?」

「え~と、さっぱり分かりません」

「本当に?」

「う~ん……、あ!分かった!!」

「分かったようだね」

 思い出した風な声を出した志乃ちゃんを見て安堵していた私でしたが、志乃ちゃんが口にした一言は予想外な物でした。

「一昨日の夜につぐがつぐの部屋のベッドで“ナニ(・・)”をして、達したと思ったらそのままの姿で寝ちゃったやつ?」

「……え?何、その“ナニ(・・)”って?」

 その一言が最初は理解できなかった私は、思わずその意味が分からずに思わず聞き返してしまいました。……そしてそれを一番後悔する言葉で答えてきました。

「“ナニ”って、つぐがリ—ダ—の写メを見ながら“オ〇ニ—(・・・・)”していた事だよ?」

「ふ~ん……。へっ///!?」

 その言葉を聞いた途端、私の顔は一気に赤くなっていき、熱くなっていきました。それと同時に私の脳裏には一昨日の夜の事が鮮明に蘇りました。

「な、ななな、なななななななななな////////////!!!!!!!」

 どんどん熱くなっていく顔と、徐々に鮮明さを帯びて行く記憶、そして友人に自分の行為を見られていたと言う羞恥と何故友人が知っているのかと言う謎が頭の中で膨れ上がり混ざり合っていきました。そして全部が混ざり切った私は、さっきまで志乃ちゃんが読んでいた本を手に取って叫び声を上げながら、志乃ちゃんの頭を本で勢いよく叩きました。

「何で知っているのぉぉぉぉぉぉぉ―――――――///////////!!!???」

「いったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!!!!!!」

 空き教室の中に私の絶叫と志乃ちゃん痛みを籠めた叫び声、そして志乃ちゃんの頭を勢いよく叩いた本の音の3つが響き渡りました。

 ☆

「も~、悪かったから許してよ~、つぐ~」

「………」

 私の頭を本で勢いよく叩いてから数分後、最初は顔を赤くして本でずっと私を叩いていたが、次第に落ち着いてきたのか本で叩くのを止めてくれた。その代わりに今度は頬を膨らませてそっぽを向き、完全に怒っている事を前面に出してきた。それを見つつ何度も謝ってみてはいるが……。

 (全然口も聞いてくれないな~)

「ねぇ~、ごめんってば~。そりゃあ、言わなかったのは悪かったけれどさぁ……」

「……後で何でも言う事聞いてくれる?」

「うん!聞く聞く!!」

「……じゃあ後で絶対に言う事聞いてね!」

「分かった!!ありがとう!!愛しているよ~♪つぐ~!!」

「ちょっと!!危ないってばぁ~!!もう、仕方ないな~」

 私はつぐへの愛を叫びながら抱き着いた。つぐも最初は注意したけれど途中から頭を撫で始めた。暫くの間撫ででもらっていると、つぐが思い出したのか撫でるのを止めて話しかけてきた。

「そう言えば、結局何で私を呼んだの?」

「え~とね、今日から対象の調査を開始するから。その事について話そうと思ってねぇ~」

「―――!!い、一体何を調べるの?!」

  私の一言に緊張している表情に変わったつぐが、驚きと緊張を籠めた口調で私に話しかけてきた。私は準備していた荷物を床に置いて近くの椅子を陣取っている黒猫のクロを撫でながら話した。

「最初に調べる場所だけど、中等部を中心に調査を開始するよ。と言っても、今回は校舎内を探索するって形かな~」

「なるほど……。それじゃあ、でも何時中等部に行くの?」

「え?何言っているの?そんなの、今からに決まってるでしょ~♪」

「なるほど、今からね……。って!!今からぁ!?」

 つぐが驚いているのを他所に、私は荷物の中から必要な物を幾つか選んで、腰に巻き付けておいた小型のポ—チの中に入れてから、つぐに話しかけた。

「何やっているの、つぐ?早く案内してよぉ~?」

「え!?私が案内するの?!」

「当たり前でしょ?私、この学校の中等部の生徒じゃなかったし」

「あ、そう言えばそうだったね……。で、でも!!今は授業中だよ?」

「んぁ?」

 つぐの指摘を受けて、私はスマホの画面を起動して時間を確認した。そこには確かに2時間目の開始時刻丁度となっていた。それを確認した私はつぐの肩に手を置いて、優しく微笑みかけながら答えた。

「授業……。それは本当に出なければいけない事なのかな?」

「いやいや、出なきゃ駄目でしょ!?」

「それに、もう既に私達サボり確定しているわけだし~、今更つぐが教室に戻っても先生からのお怒りをくらうだけだよ?」

「うッ!?そ、それは……」

 つぐが狼狽えながら考え始めたのを見た私は、一気に畳みかけるため急かす様な口調で問い掛けた。

「ふふふ、さぁ!どうするつぐ~?先生に怒られるか、それとも私と一緒に授業をサボるのか……。二択だよ?」

「うぅぅぅ~……!!きょ、今日だけだからね!!」

「さっすがつぐ~!話が分かるぅ~!!」

「ははは……、はぁ……」

 私はそう言ってつぐに抱き着くと、つぐは若干の諦めが籠もった風に溜息を着きながら小声で呟いた。それを確認してから、私たちは中等部に向けて出発した……。

 ☆

「此処が中等部だよ」

「へぇ~、此処が中等部かぁ~。何か高等部とあまり変わりないなぁ~」

「それはそうでしょ。この中等部は高等部の系列校な訳だし……」

「所謂、“マンモス校”って奴ですね、良く分かります」

 つぐに案内してもらい、高等部の校舎のすぐ隣にある中等部の校舎に到着した私は率直な感想をつぐに話してから、2人で校舎の中に入って行った。下駄箱で靴を脱いで客人用のスリッパに履き替えが終わると、つぐが私に話しかけてきた。

「それで、志乃ちゃん。最初は何処から見て回りたいの?」

「そうだねぇ……。それじゃあ、無難に3階から順に見て回ろうかなぁ~」

「分かった。ついて来て」

「はいよ~」

 私の間延びした返答を聞いて少しだけ笑ったつぐの後をついて行き階段を上がって行き、3階の踊り場に到着した。

「此処が3階だよ」

「ふむふむ……」

 つぐの言葉を聞いた私は、踊り場全体を見渡して、少しだけ考えてからポ—チの中に手を入れ、中からピンポン玉くらいの大きさをした小型の球体を2個取り出した。それを見ていたつぐが不思議そうな表情で話しかけてきた。

「志乃ちゃん、それは何?」

「これ?これはね、私が作った小型のドロ—ンだよ?」

「ど、ドロ—ン!?ドロ—ンってあの4つのプロペラが付いている大きい奴だよね?でもこれって、かなり小さいよね?」

 私の答えを聞いて驚いているつぐに対して、私は手に持っていた2個のドロ—ンを起動させて上空へ浮上させた。

「このドロ—ンはね、私と“雄二(バカ)”、そしてリ—ダ—の3人で話し合って作った新型のドロ—ンでねぇ~。こんなに小さくても、機能はかなり凄いよぉ~♪」

「そ、そうなの?」

「まぁまぁ、見てなさいって」

 私がそう言っていると、2個のドロ—ンが所定の配置場所に移動すると、その場で浮遊しながら姿が消えた。

「え!?き、消えちゃったよ!?」

「そう!あのドロ—ンには光学迷彩システムを搭載しているのだ~!!凄いでしょ?最高でしょ?天才でしょ~?!」

「凄い!凄いよ!!」

 私が自慢げに言うと、つぐも興奮気味に答えて来た。それを見て私もテンションが上がり、互いに盛り上がってから私はつぐに話しかけた。

「それじゃあ、この調子でドロ—ンを設置して行こうか!!」

「うん!!」

 互いに頷きあいながら、私は中等部の校舎内をつぐの案内を受けて、所々にドロ—ンを配置しながら探索を続けて行った……。



如何だったでしょうか?

今回の話で、一度学園側の話は終わります。次回からは”Roselia”側の話を書こうと思っています。

また、今回の話の中でつぐみのキャラがからりキャラ崩壊が発生している部分がございました。もし、皆様が不快だと思われましたならば、感想欄に記入して下さい。その部分を修正を行いますので。

此処で、謝辞を。こんな小説にいよいよお気に入り登録数が190を超えました。本当にありがとうございました!!これからも頑張って行きますので、どうか、よろしくお願い致します!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第八話

だいぶ遅くなってしまい申し訳ございません!!第八話です!!それではどうぞ!!


第八話「調査開始~“Roselia”側(邂逅)~」

 “―――つぐみと志乃が中等部にドロ—ンを配置してから少し時間が経過した頃、奈央たちは……。―――”

「此処が“Roselia”が日頃使っているスタジオか~」

 目的地であるスタジオが入って居る建物、“CiRCLE”に到着したアタシは、大きな欠伸を零してから変装用のため、予め持ってきていたサングラスを掛けてスタジオの中に入った。

「な~んか、イメ—ジとちょっと違うなぁ~。“Roselia”って確か、ビジュアル系の女子バンドだから、てっきりもっとこう……、カッコいい感じのスタジオを予想していたんだけど……」

「あの~?」

「はい?」

 店内を見渡しながら、率直な感想を呟いているアタシの背後から女性の声が聞こえてきた。アタシが答えながら振り返ると、そこには黒髪の女性が立っていた。雰囲気からしておそらくこのスタジオのスタッフなのだろう。そのスタッフは若干怒っているのか、強めな口調でアタシに話しかけてきた。

「え~と……、な、何でしょうか?」

「先程から随分と辛辣な事を話していたので、このスタジオに何か不満でもございましたでしょうか?」

「え……?あぁ!!そんな事はございません!!ただ、ちょっと思っていたイメ—ジとずれていただけですから!!それがちょっと口に出てしまっただけなので!!あ、あと自己紹介が遅れてしまいました!!私、こう言う者です」

 アタシは畳み掛ける様に話してから、予め用意していたもう1つの変装道具である名刺ケ—スの中から1枚の名刺を取り出してから彼女に渡した。彼女は怪しがりながらもそれを受け取ると、そこに書かれている文字を読み上げていた。

「“月刊CamCan 専属モデル 佐々美 奈央”……って!?あ、あの!!“CamCn”ってもしかして……、あの有名ファッション雑誌の!?」

「そうですよ?」

 アタシの名刺を見て目を見開きながら驚いている彼女を見て、アタシは込み上げてくる嬉しさを表情に出さない様に微笑んで見せた。アタシは今を時めくアイドルでありながら、人気ファッション雑誌、“CamCan”の専属モデルでもあるのだ。そんなアタシを前にした彼女は興奮しながら話しかけてきた。

「も、もしかして!!先月号の表紙を飾っていたのって……!!」

「ん?あぁ、あの号はアタシだったね♪」

「やっぱり!!私、先月号の“CamCan”の特集を読んで、このファッションにしたんです!!」

「やっぱり?そのファッションを見てそんな気がしてたんだ~♪結構似合っているね♪」

「あ、ありがとうございます!!」

 喜んでいる彼女を見ながら、アタシは本題に入るため彼女に向かって若干真面目な口調で話しかけた。

「それで頼みがあるんだけどさ、今回の記事の内容が『今をときめく人気女子バンド』って奴でね~♪そこでアタシは歌唱力だけじゃなくてビジュアル面でもイケてるバンド、“Roselia”の取材も兼ねて1回見てみようと思ったんだけど、今日は来ている?」

「“Roselia”ですか?今日のスタジオ使用の予約は確か、無かったはずです」

「そうか~、あ~あ!無駄足かぁ~」

 彼女の話を聞いたアタシは無駄足を踏んだと思って残念がっていると、不意に背後から透き通った凛とした声が彼女に話しかけてきた。

「済みません、次のスタジオの予約をしたいのですが……」

「は~い!」

 受付の方に向かって走って行った彼女の方を見ると、そこには凛としている女子高生が立っていた。その姿を見た瞬間、アタシはある事に気が付いた。

 (あ、あの子って確か“Roselia”のメインボ—カルの湊 友希那!)

「ラッキ—♪ツイてる!!」

 アタシは小さく呟いてから受付に居る少女、“湊 友希那(タ—ゲット)”の元に近づいて話しかけた。

「あの~」

「?何でしょうか?」

「“Roselia”のボ—カルの湊 友希那さんですよね?」

「そうですけれど……、何か?」

 アタシが急に話しかけた事に不審がられたのか、友希那ちゃんは警戒心をアタシに向けながら答えてきた。すると、さっきまで話していた店員さんが彼女に話しかけてきた。

「湊さん、この人は“佐々美 奈央”さん!!有名なファッション雑誌のモデルさんで、“Roselia”に是非とも取材したいんだって!!」

「取材ですか?」

「そう!『今をときめく人気女子バンド』って内容の記事なんだけど、アタシはその中でも1番本格派のビジュアル系女子バンドである“Roselia”に注目したってわけ!!」

「それは……、ありがとうございます」

 アタシの話に対して友希那ちゃんは表情には出していないが、その瞳には『戸惑い』と『困惑』が入り混じった色を見せていた。それを見たアタシは心の中でガッツポ—ズを取った。

 (そうそう、その調子だよぉ~)

「それでさ、もし良ければ一度“Roselia”の取材をさせて貰いたいなぁ~って思っているんだけど、どうかな?」

 アタシの話を聞き終わると、友希那ちゃんは少しだけ考える様な仕草をとってから返事を返してきた。

「……私たちは頂点のその先を目指しています。ですので、取材を受けている暇はございません。それでは私はこれで」

 友希那ちゃんはそう言ってスタジオを立ち去ろうとしていた。それを見たアタシは一言だけ口にした。

「そっかぁ~、それは残念だなぁ~。それじゃあ1つ“予言”をしてあげよう♪」

「……“予言”ですって……?」

 アタシの一言に立ち去ろうとしていた湊ちゃんは、その場に立ち止まって聞き返してきた。それを狙っていたアタシは口角を上げながら歩き出し、友希那ちゃんの隣を通って出口に向かった。

 (さぁ、最後のダメ押しっと♪)

「それはねぇ~、『次に“Roselia”の練習をした時、君のバンドは崩壊を起こす』だよ♪」

「ろ、『“Roselia”の崩壊』ですって……?!それはどう言う―――!!」

 (はい、『釣れた』)

「それじゃあ、アタシはこれから次の予定があるから、これで失礼するね~、ばいば~い♪」

「なっ!?待ちなさい……!!」

 友希那ちゃんがアタシを止めようとしていたが、アタシはそれを無視してスタジオを後にした。

 ☆

 スタジオを後にしたアタシは、後ろから友希那ちゃんが追って来ていないことを確認してから、近くの公園に入ってからスマホを取り出した。そして“BCR”を起動して“(リ—ダ—)”に電話を掛けた。

「もしもし、“(リ—ダ—)”?―――うん。予定通り“第一目標(ファ—スト‣タ—ゲット)”に遭遇したよ。―――うん、大丈夫。いつも通りの方法を使ったよ。―――結果?勿論『釣れた』よ。―――うん、引き続き残りの“目標(タ—ゲット)”達も『釣ってみる』よ。―――うん、―――了解!―――それじゃあね~♪」

 電話を切ったアタシは勝気な笑みを浮かべて気合を入れた。

「よ~し、残りも頑張って『釣る』ぞ~!!」

 アタシは気合と共に声を出してから、次の“目標(タ—ゲット)”に向けて歩き出した。



如何だったでしょうか?

次回は残りのメンバ—に奈央が遭遇していく内容となっています。そして、いよいよ”Roselia”の崩壊が始まって行きます。”Roselia”ファンの皆様には大変申し訳ない内容になってしまうと思いますが、

此処で謝辞を。いよいよお気に入り登録数が195を超えました!!本当にありがとうございます!!これからも頑張って行きますので、どうかよろしくお願い致します!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第九話

今回の話は残りの4人に奈央が接触します。それではどうぞ!!

注意、相変わらずの駄文です。


第九話「調査開始~“Roselia”側(予言)~」

 友希那ちゃんと出会ったアタシは、そのままの足で残りの“目標(ターゲット)”の人物を探していた。

「それにしても、何処に行けば出会えるかなぁ~」

「ウニャア~」

「こ、この独特の猫撫で声は!!」

 アタシは声の聞こえた方、すぐ隣の家の塀を見上げるとそこには細い目をした三毛猫がアタシを見下ろしていた。それを見た途端、アタシは両手を広げて話しかけた。

「やっぱり!!ミケ様だぁ~!!」

「イニャア~」

「うんうん!いつも通りのやる気のない声だね♪さぁ!おいで、ミケ様!!」

「ウニャア~!」

 三毛猫の“ミケ様”は塀から飛び降りて、アタシの元に飛び込んで来た。アタシは“ミケ様”を受け止めると、そのまま頭を撫でながら話しかけた。

「ミケ様~、今最初の“目標(ターゲット)”を『釣る』事ができたんだけどさぁ~、残りの3人が何処に居るのか分からないんだよぉ~!」

「ニャア~」

「そうなんだよぉ~!それでさ、もし良ければ残りの“目標(ターゲット)”の場所まで案内してもらえないかな?ミケ様、その為にアタシの所に来てくれたんでしょ?」

「……ニャア?」

「……あれ?もしかして、関係なしなの?ただ近くを通ったから寄っただけ~みたいな感じなの?!」

 アタシが若干焦りながら抱き締めている“ミケ様”に聞くと、“ミケ様”は顔を横に向けて小さく鳴いた。それを聞いたアタシは大きな溜息を着いてから口を開いた。

「マジかぁ~……。まぁ、仕方ない!!こうなったら手当たり次第探すしかないね!!」

「ニャア~!」

「うん!そうだよね、ミケ様!!それじゃあ、そうと決まったら早速―――」

 アタシが気合を入れ直していた矢先、前方を黒髪の長髪をした女子高生と同じく水色の長髪の女子高生が歩いていた。それに気付いたアタシは、物陰に隠れて2人の後姿を確認した。

 (あの2人は確か、“Roselia”のギタ—担当の“氷川 紗夜”とキ—ボ—ド担当の“白金 燐子”!まさか、“目標(ターゲット)”2人とこんな偶然的に出会えるとは……!!)

「やっぱり、ミケ様パワ—のお陰かな♪」

「……ニャ!」

「それじゃあ、頼むよ!ミケ様♪」

「ニャン」

 アタシの考えの意図を察したのか、ミケ様は一度だけ鳴いて答えてからアタシの腕から出て塀を登ると、そのままの足取りで前方を歩いている2人の前まで行くと、そのまま2人の前に飛び降りた。

「あら?猫ですね」

「……どうかしたのでしょうか……?……ずっと見つめて来ていますね……」

「す、すみませ~ん!!」

 2人がミケ様に気を取られている隙に、ミケ様を追い掛けて来たかの様に息を切らしながら2人に話しかけた。2人がアタシの方を向いて来たので、そこで2人が“Roselia”のメンバ—の2人であることを確認してから話しかけた。

「す、済みません……!!はぁ……はぁ……!この辺で……三毛猫を……見ませんでしたか……!?」

「三毛猫ならば、今私たちの目の前に居ますが?」

「本当ですか!?」

 紗夜ちゃんの指摘によってミケ様が居ることに気付いた振りをしてから、ミケ様の元に駆け寄って抱き上げた。

「もう!駄目じゃない!勝手にどっかに行かないでと言っているじゃないですか!!」

「……ウニャ~」

 アタシに注意されて反省している風な仕草と鳴き声で答えてきた。それを確認してからアタシはそこで2人の顔を見て、驚いた風に話しかけた。

「あ、あの……!!もしかして、お2人は“Roselia”のギタ—担当の氷川 紗夜さんとキ—ボ—ド担当の白金 燐子さんですか?!」

「そ、そうですけれど?」

「……な、何か……?」

 突然の質問に戸惑いながら答えてきた2人に向けて、アタシは興奮を抑えてから話した。

「あ、自己紹介がまだでしたね!済みません!!アタシ、こう言う者です!!」

 アタシはそう言って2人に名刺を渡した。2人はアタシの名刺を受け取ってそこに書かれているのを読んだ燐子ちゃんがアタシの方を見て話しかけてきた。

「“月刊CamCan 専属モデル 佐々美 奈央”……。確か、有名なファッション雑誌ですよね……?」

「お!アタシの知っているんだ♪それはとても嬉しいなぁ~♪それと―――」

 アタシはそこで話を切ってから、紗夜ちゃんの方を見た。紗夜ちゃんがアタシに警戒の目を向けているのを確認してから、アタシは目を輝かせながら話しかけた。

「アタシ、実はずっと前から紗夜ちゃんの大ファンだったんだ~♪後、氷川 日菜ちゃんには大変、”ご迷惑をかけさせられています(・・・・・・・・・・・・・・)”♪」

「えっ!?そ、それは……、あ、ありがとうございます……?それと、日菜が何かしたのでしょうか?」

 アタシの突然の告白で困惑と謝ってきているた紗夜ちゃんと、それを見てオドオドしている燐子ちゃんの2人を見てから、アタシは深呼吸をしてから意識を変えた。

 (さて……、『釣るかな』……♪)

「―――でも残念だな~。こんなに素晴らしいバンドが……、もうすぐ『崩壊』してしまうなんてね」

「え……?」

「な、何を言っているんですか?“Roselia”が『崩壊』するってどう言う事ですか!?」

 2人がアタシの話した意味について聞いて来た。アタシは2人が『釣れた』事を確認してから、アタシはいつも通りの話をした。

「おっと!申し訳ないけれど、アタシこれから用事があるから!これで失礼するね♪それじゃあ、バイバイ♪」

「ちょっと!待ちなさい!!」

 アタシは2人にそれだけ伝えると、そのまま走ってその場を後にした。背後から紗夜ちゃんの声が聞こえてきたが、それには応答せずにそのままその場を去った。

 ☆

「さ~てと、これで3人『釣った』わけだし、後は今井リサ1人だね♪ミケ様~」

「ニャ」

 2人と別れた後、アタシは最後の“目標(タ—ゲット)”である今井リサを探しながら、隣の塀の上をアタシと並行して歩いているミケ様に話しかけながら歩いていた。暫く歩きながらミケ様と話していたアタシだったが、そろそろ時間も押し始めていた。

「あらら。結構時間来ているけれど、ミケ様も一緒に帰る?」

「ニャア……、ニャオ?」

 アタシの質問に鳴き声で答えようとしていたミケ様は、不意に鳴くのを止めてその場で立ち止まると、ただ静かに前方を見つめ始めた。

「ん~?どうしたの……っと?」

 不意に立ち止まったミケ様に話しかけようとしたアタシだったけれど、ミケ様と同じように前方を見たアタシは、そこに居た人物を見て目を細めた。

「……へぇ~。これは中々面白そうだねぇ……♪」

 アタシはバックの中から小型カメラを取り出して、数枚写真を撮ってから何食わぬ顔でその場を素通りしながら、バックの中からスマホを取り出して“BCR”を起動してから志乃へ連絡を送った。

「もしもし、志乃ちゃん?うん、ちょ~っと『調べて欲しい事』があるんだけれど~、良いかな?」

 アタシは志乃に伝えたい事を伝えてから電話を切ると、今度は巧に連絡をした。

「もしもし、“(リ—ダ—)”?―――うん、現在3人は『釣れた』よ。―――それでね、残りの1人だけどね、―――うん、『釣らない』事にしたから。―――え?何で?それはねぇ……♪―――」

 そこで、アタシはさっき見た光景を話したのだった……。



如何だったでしょうか?

今回の話は奈央が”Roselia”のメンバ—に接触する部分を書かせて頂きました。そして、友希那に言った事を同じように話して行きました。そして、次回でいよいよ”Roselia”の『崩壊』が始まります!そして、残酷な現実も明らかになって行きます。おそらく、皆様が不快になる可能性もあるかも知れませんが、それでも良ければどうか、よろしくお願い致します!!

此処で、謝辞を。こんな作品にもいよいよお気に入り登録数が200人を超えました!!本当にありがとうございます!!皆様のお気に入り登録数が私の力と励みになって行きますので、これからもよろしくお願い致します!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!


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第十話

遅れてしまい申し訳ございません!!今回はいよいよ”Roselia”の『崩壊』についての話です!!それではどうぞ!!

※注意、駄文です。それでも良ければどうぞ!!


第十話「的中~逃走と移動~」

 “―――奈央が4人に『予言』をした日から2日が経った……。―――”

 志乃ちゃんと中等部を周ってから2日が経った放課後、私はいつもの様に志乃ちゃんが居る教室(後から確認したら、文芸部の部室だった)に居ました。

「つぐ~、つぐが作ったコ—ヒ—が飲みたいよ~」

「もう少し我慢してね?それと—――」

 いつもの様にマイペ—スな口調で私に駄々を捏ねている志乃ちゃんに向かって、私は若干頭に手を当てて話をしました。

「いい加減、蘭ちゃんを狙撃するの『よっしゃヒットォォォォォ!!』
……はぁ……」

 ……そう、マイペ—スな口調で駄々を捏ねているのに、志乃ちゃんはいつもの様に教室の窓を開けて、そこから志乃ちゃんが愛用している狙撃銃(名前は忘れちゃったけれど、確か“ゴリ‣ララァ(?)”と言うあだ名のアニメのキャラが使っていた銃との事)の銃口を外に向けて引き金を引いているのです。そして、さっきの叫びを聞く限りだと……。

「……まさか、またぁ……?」

「うん♪また♪」

「……はぁ」

 私は溜息をついてから窓の方に行くと、志乃ちゃんが私に双眼鏡を渡してきました。私は渡された双眼鏡を手に取って双眼鏡を覗き込むと、そこには頭を摩りながら涙目で周りを見渡している蘭ちゃんが居ました。

「……もう、また蘭ちゃん涙目になってるじゃん!」

「まぁまぁ落ち着いて。後、あまり大声は出さない方が良いよ~」

「……え?」

 志乃ちゃんはそう言って外の方を指差して来ました。私はもう一度双眼鏡を覗き込むと、そこには涙を溜めたままのジト目でこっちを睨んできていました。

「あれ?蘭ちゃんがこっちを睨んでいるけれど……、もしかして……」

「まぁ、見事にバレたね。しかもつぐも一緒に怒られそうだね」

「そ、そんなぁ~!!」

 外からこの部屋に向かおうとしている蘭ちゃんの姿を見て、私はこの後起きる出来事がイメ—ジできてしまいげんなりしていると、狙撃銃を壁に立てかけてから机に置いてあるノ—トパソコンを操作し始めました。

「……おぉ~、撮れてる撮れてるぅ~♪」

「何が撮れているの?」

「ん?ほら、前に中等部にドロ—ンを設置しに行ったじゃん?」

「うん。そう言えばそうだったね」

「それでね~、今そのドロ—ンが撮影した映像を全て確認していたんだけど、そうしたらさ、結構面白い映像が撮れたよ~♪」

「?面白いもの?」

 志乃ちゃんはそう言うと、私にパソコンの画面を見せて来ました。私は志乃ちゃんが見せてきた画面を見ると、そこに映し出されていた映像に目を疑った。

「え……?な、何これ……!?」

「ねぇ?ある意味面白いでしょ?」

「お、面白いって……?!こ、こんなのが……!?」

 映し出されている動画を見て驚きながら呟くと、一緒に見ている志乃ちゃんは口調を変えずに話し出してきました。

「まぁ、“こう言うのが好きな人(・・・・・・・・・・)”にとっては、面白いんじゃない?」

「そ、そんな……!!」

 志乃ちゃんの話を聞いた私は、再び画面に映し出されている映像を見つめながら唖然としてしまいました。それと同時に私は改めて志乃ちゃんの“異常性”を実感していました。

 (こんな映像を見ても、口調も表情も変えずに話せるなんて……。志乃ちゃん、貴女は……)

 私が志乃ちゃんの横顔を見つめていると、不意に私の意識を現実に戻す様に志乃ちゃんのスマホに電話がかかってきました。

「あ、ちょっと待ってねぇ~」

 志乃ちゃんは私にそう伝えながら片手で映像を止めて、電話に出て相手と話し始めました。暫くすると、電話を終えた志乃ちゃんがノ—トパソコンを閉じてバックの中に入れながら、何処か分が悪そうな声音で話しかけてきました。

「あ~、つぐ。今からつぐの家に行こう。なるべく早くさ」

「え?それは構わないけれど……、何かあったの?もしかして、蘭ちゃんがもうすぐ来るとか?」

 いつもと違う話し方をしてきた志乃ちゃんに、若干の不安を感じた私が志乃ちゃんに聞き返すと、志乃ちゃんは少しだけ考えてから答えてくれました。

「え~とね、驚かないでね?……“Roselia”が『崩壊』したってさ」

「………え?」

 ☆

「ろ、“Roselia”が『崩壊』したってどう言う事?!」

 部室を後にした私たちは、蘭ちゃんに見つからない様に廊下や階段を移動しながら聞くと、志乃ちゃんは腰に付けているホルスタ—から拳銃を手に持って移動しながら答えてきました。と言うよりも……。

 (……何で銃なんて取り出しているんだろう……?)

私は何故志乃ちゃんが銃を取り出して構えて居るのかが、不思議でしょうがありませんでしたが、そんな私の事を無視してしののちゃんがは話始めてくれました。

「正確に言うと、『内部分裂による崩壊』って言った方が良いかなぁ~。さっきスタジオに待機させておいた“協力者(小猫ちゃん)”からの電話でね?『スタジオで練習を開始していた“Roselia”のメンバ—の1人、宇田川あこがスタジオ内で錯乱。その後、そのままスタジオから飛び出して行った』って情報が入ったのさ」

「『入ったのさ』って、その後はどうなったの?!」

「見つけたぁぁぁぁ!!!」

「そ、その声は……!!」

 私が志乃ちゃんに話しかけていると、不意に私たちの背後から聞き覚えのある叫び声が聞こえてきました。おそるおそる私が振り向くと、そこには息を切らしながらも背後に怒りのオ—ラを放っていました。

「ら、蘭ちゃん……?一旦、落ち着こう?!落ち着いて話し合えば、きっと丸く収まるから!!私からも志乃ちゃんにちゃんとちゅういしておくからさ!?ね?」

「つぐみ……」

 私の声に気が付いてくれた蘭ちゃんが背中から出していたオ—ラが飛散していくのが見えた……様な気がしました。すると、私の先を歩いていた志乃ちゃんが静かに話し出しました。

「そうだね……。確かにつぐの言う通りだね」

「―――!!志乃ちゃん……!!分かってくれたんだね……!!」

 志乃ちゃんの言葉を聞いた私は、歓喜の余り泣きそうになってしまっていた私でしたが、それを壊すような一言を志乃ちゃんは話しました。

「でも、今はそれどころじゃないから♪こうするね!」

 そう言って、志乃ちゃんは近くにあった火災報知器のスイッチに拳銃の銃口を向けると、そのまま迷いなく引き金を引きました。小さな発砲音と共に放たれた弾丸は、そのまま志乃ちゃんが狙った場所に直線的に向かって行って、そしてスイッチを押してしまいました。

「……はっ!?」

「……え!?」

「さぁ!逃げるぞぉ~♪つぐ~」

 猛々しい警報音を鳴らしている火災報知器を放置して、志乃ちゃんは私の手を掴んで、そのまま一気に階段を降りて行きました。その背後で先生の怒声と蘭ちゃんの叫び声が聞こえてきたけれど、私は聞かなかった事にしました……。だって、絶対後で蘭ちゃんに怒られる未来が決まったのだから……。

「蘭ちゃん……。本当にごめん!!」

「さぁ、急いでつぐのお店に行くよ~?」

「え!?う、うん!!」

 私と志乃ちゃんは一緒に急いで校舎を後にしました。校庭に出た私たちはそのまま校門を出ようとすると、1台のバイクが私たちの前で停まりました。驚いている私に対して、志乃ちゃんがバイクの運転手に話しかけていました。

「おっす~リ—ダ—♪予定通りだね」

「あぁ、連絡が来たからね。2人共早く乗って、急いでお店に連れて行こう。奈央が“例の子達”を連れて来ているから、急いで行こう」

「お、お兄ちゃん!?」

 バイクに乗っていたのがお兄ちゃんだった事に驚いている私だったけれど、そんな私に志乃ちゃんがヘルメットを投げて来ました。私は驚きながらもヘルメットを落とさずに受け取ると、それを被ってからバイクに付いているサイドカ—に乗りました。それを確認してから、お兄ちゃんはバイクのアクセルを捻りました。

「それじゃあ、行こうか」

「「うん‣ほい!!」」

 私たちの返事を聞いてから、お兄ちゃんは私の家であるお店に向かってバイクを走らせました……。



如何だったでしょうか?

今回の話は次回に繋げるための話となっているため、次回の話で”Roselia”のキャラたちが『黒猫』たちとがっつり係わり合っていきますので、どうか楽しみに待っていて下さい!よろしくお願い致します!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十一話

遅れてしまって申し訳ございません!!今回は”Roselia”側の話となります!!相変わらずの進展の無さと駄文ですが、それでも良ければどうぞ!!


第十一話「的中~訪れた崩壊と選択肢~」

 “―――巧がつぐみと志乃をバイクに乗せて移動を開始した頃、ライブスタジオ“CiRCLE”では……。―――“

「あこ……、一体どうしたんだろう……?」

「……あの取り乱し方は尋常ではありませんでした。おそらく、何かが起きていたのは間違いないですね……。ですが、あそこまで取り乱すなんて……」

 スタジオの中でさっき起こった出来事を思い出しながら、リサと紗夜の2人が困惑していると、静かにしていた友希那が荷物を纏め始めた。それに気が付いたリサは友希那に話しかけた。

「……な、何しているの?友希那」

「……もう今日は練習できないから、今日は解散よ」

「えっ!?そんな急に「確かにそうですね」って紗夜まで!!」

 友希那に反論していたリサの言葉を遮るように、紗夜が友希那の意見に賛同するように答えてきたことに驚いているリサだったが、それを背に聞きながら友希那はスタジオを後にした。友希那がスタジオから出た友希那に話しかけて来る声があった。

「ほ~ら、だから忠告してあげたじゃん。次に“Roselia”の練習をしたらバンドが『崩壊』するって」

「……!!あ、貴女は……!!」

 友希那に話しかけてきたのは、友希那に“Roselia”が『崩壊』することを予言した人物、佐々美 奈央だった。友希那は奈央を睨み付けながら、敵意を籠めた口調で話しかけた。

「……何の用かしら?今の私たちは貴女に構っている暇はないわ」

「そうかな?アタシからしたら今から帰ろうとしている風にしか見えないけれど?」

 挑発をしてきている奈央に苛立ちが強くなり出した友希那は、構っていられないと思ったのだろう、話すことを切り上げてその場を後にしようとした。しかし、それを阻むように奈央が立ちはだかった。

「……どいてくれないかしら?」

「どいたらどうするの?」

「貴女には関係ないわ」

「探しに行くつもりでしょ?宇田川あこちゃんのこと」

「……貴女には関係ないと言っているでしょ!!」

 思わず感情的に叫んだ友希那の声がスタジオの中にも聞こえたのか、スタジオの中からリサと紗夜の2人が驚いた風な表情でドアを開けて出てきた。

「どうしたの友希那?!」

「湊さん、何かありましたか……って、貴女は!!」

「やぁ、紗夜ちゃん♪一昨日ぶりだね、元気してた~?」

 苛立ちを見せている友希那を無視して、紗夜の方を見るなり手を振りながら話しかけてきた。いきなり話しかけられてきた事に驚いていると、奈央の前に立っていた友希那が話しかけてきた。

「いい加減、どいてくれないかしら?私には時間がないの」

「ん~?でも、友希那ちゃんたちはどうするつもりなの?」

「そ、それは……」

 奈央の指摘に対して、友希那はさっきまでの怒りが籠もった口調が少しだけ弱くなった。それを感じ取ったのか、奈央は更に畳み掛けるように話し出した。

「それにさ、今から友希那ちゃんたちが動いたとして、友希那ちゃんたちがあこちゃんに起きている事態を解決するよりも先にあこちゃんの方が限界を超えると思うよ?」

「ちょっと待ってよ!!『あこに起きている事』って、あこに何か起きているの?!」

 奈央の話に反応したリサが、友希那の隣に近づきながら奈央に問いただそうとすると、奈央はリサに向かって手を出して静止させてから話し出した。

「おっとリサちゃん!これ以上はアタシの口からは教えられないな~」

「な、何で!?あこはアタシたちの「アタシたちの大切な仲間って言いたいのかな?」……そ、そうだよ!!悪い!?」

 奈央の指摘にほぼ自棄になって答えてきたリサを見た奈央は、何処か楽しそうな瞳で見つめながら言葉を紡ぐように話し出した。

「ううん、全然!!むしろ素晴らしいと思うくらいだよ?でもね……」

 そこで一度話を切った奈央は、今度は真剣な眼差しと口調でリサに向かって話した。

「こんな状態になるまで、何も気付くことができなかった君たちに言われたくないなぁ!!」

「「「―――!!?」」」

 その一言は3人の心に深く突き刺さった。現に、友希那と紗夜はこんな状態になるなで気は着いてはいたが、それを聞くより先に今回の事態が起こってしまったのだ。それを言えずにいる友希那だったが、紗夜が食いつく様に話し出した。

「では貴女は何が起きているのか知っているのですか!!」

「うん、知っているよ?むしろ、知っているから皆に会いに来たんだよ?」

「「「え……?」」」

 奈央の一言に友希那たちは一瞬だけ言葉を失った……。それと同時に友希那たちは目の前にいる人物……、奈央と言う人物の計画性に驚きと恐れを抱いた……。何故なら、奈央はこの展開になることも全て想定していたのだ。そして、それを踏まえて奈央が言おうとしている事も、友希那たちには嫌でも理解できてしまった。

「さ~て、此処で3人に選択肢だよ~?」

「せ、選択肢……ですか?」

「そう、選択肢♪」

 紗夜がおそるおそる聞き返してきた紗夜に対して、奈央は指を立てながら笑顔で答えてきた。

「1.このまま何もしないで、事の流れを見守っていく。
 2.自分たちで必死にあこちゃんに起きている事を調べる。
 3.私に協力して行動する。
……この三択だけど、1と2を選んだ場合、どちらも結果的にあこちゃんを救う事はできないね。でも、3つ目の選択肢ならば確実にあこちゃんに起きている情報を得ることもできるし、そのうえでどうするかも決めることもできる……。さぁ、友希那ちゃんたちはどの選択を選ぶのかなぁ?」

 奈央が3人に向かって笑顔で聞くと、3人は悔しそうな表情をしながら、声を振り絞るように答えた。

「……貴女に……協力するわ……。2人もそれで良いわね?」

「「……はい‣うん……」」

 友希那の意見に賛同するように、リサと紗夜も悔しそうに答えてきた。それを確認した奈央は何処か嬉しそうな表情で3人に手を差し伸べながら答えた。

「了解♪此処からは私とその仲間たち、『黒猫』にお任せあれ♪」

 奈央はそう答えてから3人を『黒猫』の活動拠点である『羽沢珈琲店』に案内するのであった……。



如何だったでしょうか?

今回は”Roselia”側の話を書かせて頂きました。果たして”Roselia”はどうなって行くのか?あこに一体何が起きているのか……?全ての真実が次の話で明かされます!!

感想やコメント、誤字‣脱字等の報告等よろしくお願い致します!!


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第十二話

今回は前後編に分けてあります。同時に読みずらい駄文になっている可能性がありますが、それでも良ければどうぞ!!


第十二話「依頼と報告(前編)」

「2人共、着いたよ」

 つぐみちゃんと志乃をバイクに乗せて集合場所である『羽沢珈琲店』に到着した僕たちは、つぐみちゃんと志乃を先に店内に入っておくように言うと、バイクを店の裏に停めてエンジンを切り、鍵を取ってから店内に入った。店内には猛と雄二が既に到着していて、2人揃ってコ—ヒ—を飲んでいた。

「やぁ、2人共相変わらず早いな」

「おっ!!来たか!!俺もさっき来たばかりだぜ?」

「あぁ、俺も頼まれていた依頼の状況整理をしてからきたから、そんなに早く来てはいない」

「そうか……。もうすぐ奈央が“Roselia”のメンバ—を連れて来る。出来る限り阻喪はしない様に頼む」

「「分かった‣あいよ」」

 雄二と猛が頷いて答えていると、お店のドアが開いて中に奈央が店内に入って来るといつもの口調で僕に話しかけてきた。

「やっほ~、リ—ダ—。新しい依頼人連れて来たよ~」

「あぁ。それじゃあ、依頼人を中に通してあげてくれないかな?」

「了解~」

 そう答えた奈央は一度お店の外に出て行った。おそらく“Roselia”のメンバ—を外で待機させているのだろうと考えた僕は、つぐみちゃんにコ—ヒ—を頼んでからいつもの席に座った。すると、店内に奈央とその後ろから“Roselia”のメンバ—が入って来た。その3人を見た僕は3人に向けて優しくも、威厳のある声で話しかけた。

「”Roselia”の皆さん、ようこそ『黒猫』へ」

 ☆

「まぁ、先ずは椅子に座って話そうか?」

「……え、えぇ。そうさせて貰うわ」

 『黒猫』のリ—ダ—であるお兄ちゃんに言われた友希那先輩たちは、少し驚きながらもお兄ちゃんたちと向き合うように席に座ってきました。それを確認してから私たちも椅子に座ってから話しかけました。

「それじゃあ先ずは、君たち3人の名前を教えてくれないかな?」

 いつもの様にお兄ちゃんが友希那先輩たちの名前を聞きました。友希那先輩たちは自分の名前を話し出しました。

「先ずは私からですね。私は氷川 紗夜と申します。花咲川女子学園の2年生です。“Roselia”ではギタ—を担当しています」

「次はアタシだね。今井 リサだよ!友希那と同じ羽丘女子学園の2年生で、“Roselia”のベ—ス担当だよ♪」

「最後は私ね。湊 友希那よ。羽丘女子学園の2年生、“Roselia”のボ—カル担当であり、リ—ダ—をしているわ……。これで自己紹介は終わりよ」

「……そのようだね。ありがとう」

 友希那先輩にお礼を言ったお兄ちゃんはそのまま友希那先輩たちに頭を下げた。その時さり気なくお兄ちゃんが志乃ちゃんの方を見たのを、私は見逃しませんでした。それに気付いていない3人はお兄ちゃんに真剣な眼差しを向けたまま話しかけました。

「……それで、貴方たちは何を知っているの?」

「……ふむ。やはり君たちは宇田川あこに起きている事を何も知らないようだね……。いや、むしろその方が……

「……それはどう言うことかしら?」

 お兄ちゃんの言葉に反応した友希那先輩が、真剣な眼差しを向けながら話しかけると、お兄ちゃんも真剣な眼差しを向けて応えました。

「いや、済まない。こっちの話だよ」

 お兄ちゃんが友希那先輩にそう答えていると、痺れを切らした雄二さんが若干苛立ちを籠めた口調で友希那先輩たちに話しかけました。

「それで?アンタらの依頼って何だ?こっちも結構忙しいんだけどぉ?」

「落ち着け雄二。依頼者が怯えてしまうだろう」

「……ッ、わ—ったよ!!」

 猛さんに注意された雄二さんは、若干苛立ちを抱えながらも猛さんに答えました。それを見ていたお兄ちゃんが友希那先輩に改めて依頼の確認を行いました。

「それでは改めて……。君たちの依頼を聞きたいんだけど、君たちの依頼は何かな?」

 お兄ちゃんにそう聞かれた友希那先輩たちは、互いに顔を見合ってからお兄ちゃん達に話しました。

「……私たちのバンド、“Roselia”のメンバ—である宇田川あこに起きている事を教えてもらえないかしら?」

 友希那先輩の話に続く様に、リサ先輩と紗夜さんが頷いて来ました。それを確認したお兄ちゃんは何かを悟った様に目を閉じて深呼吸をしてから、志乃ちゃんに話しかけてきました。

「……志乃、“例の映像”を見せてやってくれ」

「はいよ~」

 お兄ちゃんからの指示を受けた志乃ちゃんは、タブレッド端末を操作してから友希那先輩たちに差し出しました。友希那先輩たちはタブレッド端末の画面をタッチしました。再生が始まった映像を見たリサ先輩がある事に気が付きました。

「あれ?この映し出されているのって、もしかしてアタシたちの学校の中等部じゃない?」

「おっ♪流石今井先輩!よく気付いたね!!そう、この動画に映し出されている場所は羽丘女子学園の中等部だよ~♪」

「……確かあこさんは湊さんたちと同じ羽丘女子学園の中等部でしたね……。ですが、何故その映像を持っているのですか?」

「うん?それはね、3日前くらいにつぐに案内してもらいながら中等部を見て回った際に、数ヶ所に配置型の小型ドロ—ンを幾つか設置しておいたのさ!!」

「それって犯罪ではないですか!!」

 志乃ちゃんの話に速攻で突っ込みを入れていた紗夜さんの意見に内心賛成していました。そんな紗夜さんの正当な突っ込みを志乃ちゃんは軽くスル—して話し始めました。

「それでね~、これはその設置したドロ—ンからこっちに送られてくる映像の1つでね、これからそんな映像のうちの幾つかを3人に見せるよ~」

 志乃ちゃんの説明をしていると、映像に目的の人物が映りました。その映像を自分のノ—トパソコンで見ている志乃ちゃんが映像の状況を教えてくれました。

「この映像はドロ—ンを設置した当日の昼休み、場所は2階の女子トイレ前の映像だよ」

「あ!あこだ!!」

 映像のあこちゃんが女子トイレの中に入ると、その後に3人の女子生徒が女子トイレに入って行きました。そして数分後、最初に出てきたのは後に入った3人でした。そして、そこから数分経ってから、あこちゃんがトイレから出て来ました。……ずぶ濡れの姿で。

「なっ!?何であこがずぶ濡れになっているの!?」

「トイレの中で何が起きたんですか!!」

 リサ先輩と紗夜さんが驚いていると、同じように映像を見ていたお兄ちゃんが猛さんの方を見ると、猛さんが友希那先輩たちに話しかけました。

「この濡れ方を見る限り、宇田川あこは頭上から水を浴びせられたと見るべきだな」

「そ、それじゃあ!あこさんは個室の中に居る時に頭上から水を浴びせられたと言う事ですか!!」

「そうなるな」

「そんな……!!」

「……」

 猛さんの冷静な話を聞いて声を出している紗夜さんと、声には出していないけれど悔しそうな表情で見つめていました。そして、次の映像に切り替わって、今度は空き教室の映像に映り変わりました。

「次の映像はその日の放課後、3階の空き教室だね」

「この空き教室って確か……、普段は余り使われていない教室だったよね?」

「え、えぇ……」

 リサ先輩の質問に戸惑いながらも答えた友希那先輩でしたが、その時に映し出された映像に3人は目を見開きながら驚いていました。何故なら映し出されていた映像は、あこが数人の女子生徒に殴られたり蹴られたりされている映像だったのです。その映像を見て耐え切れなくなった私は、思わず目を背けてしまうと、お兄ちゃんが私の頭を優しく撫でてきました。

「お、お兄ちゃん……?」

 私が話しかけましたが、お兄ちゃんはただ静かに私の頭を撫でながら映像を見つめていました。そして、映像を見ていた紗夜さんとリサ先輩が声を荒げながら立ち上がりました。

「な、何これ!?」

「これは幾ら何でもやりすぎです!!どうしてこのような!!」

「2人共、落ち着いて!!」

 声を荒げているリサ先輩と紗夜さんに向かって、友希那先輩が声を大きくして注意していました。2人は友希那先輩の方を見てから静かに席に座りました。そして2人が落ち着いたのを確認してから、友希那先輩が代表でお兄ちゃんに話しかけてきました。

「……この映像を見たうえで、改めて聞かせてもらうわ。あこに一体何が起きているの?」

 友希那先輩の質問を聞いたお兄ちゃんは、3人の方を見て真面目な口調で答えました。

「……宇田川あこは虐めを受けている。おそらく、主犯はこの映像とその前の映像を見た限り、あの3人組の真ん中の女子生徒に間違いないだろうね」

「……!!そう……、分かったわ……。情報、ありがとうございました……。2人共……、帰るわよ……」

 お兄ちゃんの一言を聞いた友希那先輩は、一度だけ目を見開いてからいつもの冷静な表情に戻ってから、リサ先輩と紗夜さんにそれだけ言って席を立ってそのまま店を後にしました。

「ちょっと友希那!?あっ!!あこの情報、ありがとうございました!!」

「あ、紗夜ちゃんはちょっと残ってね~。”妹さん(・・・)”について話したいことがあるから、ちょっと残ってねぇ~」

 帰ろうとしていた2人に向けて、不意にいつもの口調で話しかけた奈央さんの言葉に一度驚きながらこちらを振り向いて来た紗夜さんは、奈央さんとお兄ちゃんを交互に見て、何かを察したのかリサ先輩に話しかけました。

「……分かりました。今井さん、湊さんのことよろしくお願いします」

「え!?わ、分かった!!ちょっと待ってよ、友希那!!」

 リサ先輩は紗夜さんにそう答えてから、友希那先輩を追って店を出て行きました。そして、その背を見送ってから、紗夜さんはお兄ちゃんの方を向いて話しかけました。

「……それで?わざわざ“(日菜)”の名前を使って私を呼び止めてまで、話したい事とは何でしょうか?」

「“Roselia”の中でも、物事を冷静に判断できる君には話しておこうと思ってね。今回のこの虐めの……『本当の真相』について」

「—――!?」

 お兄ちゃんの一言に、紗夜さんは驚きを隠せていませんでした。そして、そんな紗夜さんを他所に、お兄ちゃんは静かにそして真剣な眼差しを紗夜さんに向けたまま、この虐めの『真相』について語り出しました……。



如何だったでしょうか?

今回は”Roselia”の3人が『黒猫』に接触し、あこの情報を聞き出すところまで書かせて頂きました。それと同時に、あこが虐められていると言う所まで書かせて頂きました。

次回の話ではこの話の後編を書かせて頂こうと思いますので、どうか首を洗ってお待ちして下さい。

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