元人間のスライムがドラクエの世界で必死に生き抜くそうです (スライムのカケラ)
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プロローグ

筆者はこれが初作品となるため、文章力が無いです。
もし間違いなどがあった時はコメントとかで教えてくれると幸いです。


「やばい、このままじゃ遅刻しちまう……!」

 

その時俺は全力で走っていた。

今思うと、あの時はもう少し冷静に周りを見て走るべきだと思った。

 

 

「よしっ!この交差点を曲がれば……」

 

 

交差点を曲がろうとした瞬間、トラックが横から突っ込んできた。

俺は走るペースを緩むことが出来ずトラックと衝突してしまった。

 

 

「マジかよ……体……動かねぇ……」

 

 

トラックはそのまま壁に衝突して俺は壁とトラックの間に挟まり死ぬと思った。

その時急にトラックが時間が止まったかのようにピタリと止まった。

俺の体も手足が動かせず、目であの光を見ている状態だった。

 

 

「なんだこれ……時間が止まってる……?」

「と言うかなんだあの光は?天使か?」

 

 

ピタリと時間が止まったトラックの真上辺りには謎の光が怪しく煌めいていた。

その謎の光は煌めいてたかと思うと急に大きくなり始めた。

あっという間にその光はどんどん大きくなりやがて俺を飲み込んでいった。

 

 

どれほどの時間が経っただろうか、俺はやっと目が開くようになり目を開けた。

目の前には「家」が建っていた。

ドアは何故か開きっぱなしだった。

 

 

「何処だよ此処……俺は交差点でトラックに轢かれて死んだハズ……」

「それなのに何故俺は家の前に立っているんだ?」

 

 

家の横には看板があり、そこによると此処は宿屋らしい。

俺も少し疲れていたし、そこで休憩を取ることにした。

 

 

(それにしてもさっきから思うように動かないな……)

俺はまぁすぐに感覚取り戻すだろ、そう考えていた。

 

 

「すみませーん……」

 

 

家の中には誰もいないようだった。

俺はお金だけ取り出してカウンターに置こうと思ったが、手が思うように動かせなかったので後で置くことにした。

 

 

(それにしても腕といい足といい思うように動かないな……)

さっきと同じで俺はすぐに感覚取り戻すだろと思っていた。

 

 

宿屋の二階に上がると、廊下の先には鏡があり、今どんな姿をしているのか気になり寝る前に見ておくことにした。

 

 

(えっ………?)

 

 

鏡をじっと見た。

じっと見たって姿は変わらない。

そこにいたのは人間の姿をした俺ではなく、

「青くて丸っこい生物」が居た。

 

 

「は……?」

俺はこいつを見たことがある、こいつは確か「スライム」っていうやつだ。

え?なんでなんでそいつがこの鏡に映ってるんだ?

 

 

(もしかして……)

もしかして俺は、スライムに転生しちゃったのか……?

 

 

俺の前には、謎の白い枠で囲まれた数字が書かれたものが新しく出来て居た。

 

 

「スライムLv1……ちから4……?」

多分これは俺のパラメータを表してるんだろう。

 

 

取り敢えず、ここから逃げなきゃ。

多分ここが「あの世界」なら多分……

 

 

――勇者が、いるハズだ

 

 

 



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第1章 幻の大地
スライム、大地に立つ


 

速くここから出よう、そう思って思いっきり走った。

思いっきり走ったハズなのに結構遅い……恐らく素早さのパラメータが足りてないのだろう。

 

 

そう考えているうちに宿屋の外に出れた。

すごく走ったわけでもないのに俺は息切れしていた。

 

 

「ハアッ……ハアッ……ハアッ」

少しその場で休もうかと思ったが、勇者が来る事を考えたらそんな事をしている暇はない。

 

 

俺は取り敢えず北の城へ行くことにした、勿論城の中に入るわけではない。

そんな事をしたらお城の兵士に槍で突かれて死んでしまう。

俺は城の周りに他のモンスターもいると考えたから城の周りに行くことにを決めたのだ。

 

 

今度は息切れしないように軽ーく走って行く。

走っている間にこんな事を考えた。

速く走るには「レベル」を上げて素早さを上げなければならない。

でも「レベル」を上げるには経験値を貯めなければならない。

しかし経験値を貯めるにはモンスターや勇者を倒すことが必須だ。

だからいずれは俺も勇者やモンスターと戦うしかない。

 

 

そんな事を考えながら走っていたらいつのまにか城の周りに着いていた。

 

 

「新入りか?」背後から突然肩を叩かれた。

 

「は…はぃぃ…」情けない返事をしてしまった。

 

「新入りはトロルに鍛えてもらうよう言ったハズだったが……まぁいい」

隊長みたいな人は俺の頭をつかんだ。

 

スライムだからかあまり痛くない。

 

「あの~隊長の名前って……」俺はそう言った。

 

「オークのマッドだ」隊長みたいな人はそう答えた。

 

よくいる外国人っぽい名前だな、そう思った。

 

「どこに行くつもりなんです?」一番聞きたかった事を聞いた。

 

「あれだよ、洞窟。新入りに宝箱を全部取ったら帰って来いと言ったハズなんだがな」

 

そこ絶対やばいやつだ。

冒険に行った奴が帰ってこない……大体こう言うのは強敵に食われたりして死んでる。

そんなとこに行けと言うのかこいつは。

 

「いや、俺レベル1のスライムですし……」そう言った。

 

「いやレベル1だから行くんだよ、レベル1の仕事は特攻か荷物運び、だろ?」マッドは笑いながら答えた。

 

マジかよ。

いやでも宝箱が取れるところに行けるんだから強くなれるチャンスだな。

武器を装備すればパラメータも上がるし。

ポジティブに考えないと。

 

そんな事を考えていると洞窟に着いた。

 

「宝箱全部取って来るんだぞ」マッドはそう言い洞窟の奥に俺を投げた」

 

そのまま俺は転がっていき洞窟の奥に行ってしまった……

 

「いてて………何処だよ此処………」

 

周りは水晶のようなもので囲まれており、上には俺が転がって来た道がある。

 

--俺、生きて帰れるのかな……?

そう、思った。



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コウモリもどきの恐怖

スライムだったからか、あんな高いところから落ちたのにあまりダメージは減っていない。

周りを見渡してみる。

周りには結晶のようなものが沢山ある、この世界の人間にとっては多分喉から手が出るほど欲しいものなのだろうが俺はスライム、こんな結晶なんてただ邪魔なだけだ。

俺の後ろには冒険者の遺品だろうか?槍の先っぽの部分だけある物が置いてある。

槍の先っぽなんて怖くて持てないので置いておくことにした。

 

 

「誰かいませんかー?」俺は呼びかけてみた。

 

 

勿論返答は無い。

つまり前マッドが言っていたここに来たレベル1のモンスター達はやられた可能性が高い。

 

 

「先に進むしかないのか……」誰かがいれば2人で行動できるのに、そう思った。

「待ってても何も起きないし先に進むか……」俺は洞窟の先に行くことにした。

俺はこの姿について1つ気づいたことがある、それはこの姿だと腹が空かないと言うことだ。

つまり腹が空かないと言うことは食料を自給自足しないで済むと言うことだ。

この姿になって良かったことの1つだ。

 

 

洞窟の奥をただひたすら歩いていると「何か」の声が聞こえた。

勇者だったら殺されてしまうのですぐに結晶の裏に身を潜める。

 

 

「……ラ!……メ…!……」何かの呪文を唱えてるようだがその「何か」の声がガサガサ過ぎて全然聞き取れない。

 

 

「何か」がその呪文のようなものを唱えるたびにフライパンで目玉焼きを焼いたかのような音がする。

多分、炎で攻撃する呪文なんだろう。

……って冷静になってる場合じゃない!

速く、速くこの場から逃げないと!

恐る恐る結晶の裏から出て、辺りを見渡す。

 

 

--上への階段はあの「何か」の後ろにあることが分かった。

 

 

「やってらんねぇ………」心でそう呟いた。

取り敢えず「何か」が呪文を唱えてるうちに後ろを通って逃げよう、それしか方法は無い。

 

 

にゅ……にゅ……にゅ……

スライムだと一々歩くのに少し音がなって辛い。

 

 

 

 

「何か」の後ろにまわり、階段を上がろうとしたその時だった。

階段を上がった瞬間、「何か」に聞こえてしまった。

にゅ……にゅ……と言う音を。

 

 

俺はすぐさま階段を上がるが、時すでに遅し、階段にはもう火がついていた。

後ろを振り返る、「何か」は攻撃しようとしている。

 

何故か身体が動かなかった、そのまま攻撃に当たる。

その瞬間に前に数字と文字が出る。

「スライムに3のダメージ」と。

そして俺の斜め前に「HP11/14,MP0/0」と。

 

 

え?これやばくね?、俺はそう感じていた。

取り敢えず俺は突進してみることにした。

勿論当たらなかった。

そして突進して振り返った直後に「何か」は攻撃してきた、今回は結晶にぶつかった反動で跳ね返り相手の攻撃をかわすことが出来た。

 

 

「何か」について分かった事がある。

「何か」はコウモリのような姿をしていて俺みたいな目をしている。

「何か」は常ににやけた口をしていて非常にうざい。

俺は「何か」を「コウモリもどき」と呼ぶことにした

 

 

取り敢えずこいつには勝てない。

飛んでる奴に勝てるスライムがいるだろうか?

取り敢えず逃げまくる、階段方向に行くとさっきあった炎で多分死んでしまうので今まで来た道を戻る。

さっきから「しかしまわりこまれた!」と言うメッセージが前に出てくるが気にしない。

 

 

 

 

さっき俺が落ちたところまで来る、これ以上先には壁があるので行けない。

コウモリもどきも後ろから来ている。

 

 

「どうしよう……このままじゃ俺……死ぬ……」コウモリもどきが俺のところまで来た時に俺は思い出した。

ここら辺に槍の先っぽのようなものがあったことを

 

 

コウモリもどきは何やら呪文のようなものを唱えている。

 

 

「あっ!あった!」俺はすぐさまコウモリもどきに自分の体をしねらせ投げる。

 

 

「メラ!」コウモリもどきは呪文を唱え終わったらしい。

炎の火球が飛んでくる、しかし呪文の使い方が下手だったからなのか炎の火球は俺の頭上を通って壁にあたり消えた。

 

 

炎の火球を見送った後振り返る、コウモリもどきは下に落ちている。

どうやら槍の先っぽ攻撃は当たったらしい。

 

 

下に落ちてる間俺は踏みつけまくる。

 

 

「ドラキーに1ダメージ!ドラキーに1ダメージ!……」そう言うメッセージが流れる中で俺はある事に気づく。

 

 

--こいつの名前ドラキーって言うんだ……と

 



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