超高校級の暗殺教室 (宗谷)
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暗殺の時間

今回の作品に関して、原作ダンガンロンパシリーズにおける日向をベースに、そこから多少改変、追加設定をしています。
大前提として
「胸を張れる自分になりたい」
「少なくとも家の収入は一般以上」
と考えています。
また、クラス名簿が
原作20番 原
     日向
原作21番 不破
なので、不破以降の出席番号が1下がります。




…廊下から音が聞こえる。『奴』の足音だ。

クラスに緊張が走るのが分かる。俺だってそうだ。

 

「HRを始めます。日直の人は号令を!」

『奴』が来た。大丈夫、今日こそ……殺す!

 

「…起立!」

一斉に銃を構える。

クラス全員、総勢27人での一斉射撃だ。

 

「気をつけ!」

狙いを合わせる。……よし!

 

 

 

 

「礼!」

合図とともに全員の銃から弾丸が飛ぶ。

だが、『奴』は分身ができるほどの速度で回避する。

 

「おはようございます。発砲したままで結構ですので、出欠を取ります。磯貝君」

「…!」

「すいませんが、銃声の中なので、もっと大きな声で」

「はい!!」

俺達は……殺し屋。

 

 

 

「…日向君」

「……はい!!」

 

 

 

標的(ターゲット)は……先生。

 

「今日も命中ゼロですねぇ」

「クラス全員での一斉射撃でもダメなのかよ!」

「数に頼ってはいけません。視線、銃口、一人一人が単調です。もっと工夫しないと、最高時速『マッハ20』の先生は殺せませんよ?」

 

結局、今回もダメだった。

残像が見えるほどの高速移動で、弾を全部避けたのだから。

 

「クソっ!」

「殺せるといいですねぇ……卒業までに」

 

椚ヶ丘中学3-Eは『暗殺教室』。

やることは…『卒業までに担任を殺すこと』。

始業のベルが、今日も鳴る。

 

 

 

3月の始め、俺たちは、2つの事件に出会った。

一つは、月が突然7割ほど消滅して、永遠の三日月になったこと。

もう一つは……

 

「初めまして、私が月の事件の犯人です。来年には地球も爆破する予定です。皆さんの担任になりましたので、どうぞよろしく」

「「「「「…………は?」」」」」」

 

月の事件の犯人…黄色いタコみたいなのが担任の教師になったことだ。

その後、防衛省の烏間という人から説明があった。

曰く、月を破壊した犯人である。

曰く、来年三月には地球も破壊する。

なので、こいつを殺してほしい。

成功報酬は……100億円。

 

 

 

「さて、この場合、仲間外れはどれでしょうか、日向君?」

「えっと……青?」

「正解!青の例文のWhoだけが関係詞になります」

 

ところがこの担任、普通にやって殺すのはほぼ不可能だ。

マッハで動くし、不意打ちでも無理。

そんな奴、どうやって殺せばいいんだ…?

 

キーン、コーン

「おや、もう時間ですか。では、午前の授業はここまで、先生はちょっと四川省まで、麻婆豆腐を食べに行ってきます」

 

そういって、先生は窓から飛び出していった。

とんでもない奴だ。銃弾はよけるし、教えるのもうまい。

きっと……才能に恵まれているんだろう。

 

「ええっと、マッハ20だから……?」

「四川省まで10分くらい…」

 

昼休みになり、クラスメイトはそれぞれ自由に行動し始めた。

おれも、弁当と取り出すと、クラスメイトの一人、『千葉龍之介』が話しかけてきた。

 

「日向、飯にしないか?」

「あ、ああ。」

 

……正直、殺せる気がしない。

だって、俺は『殺し屋の才能』はないんだから……。

 

 

国語の時間……

 

 

「では今回は、お題に沿って短歌を作ってみましょう。ラスト七文字を『触手なりけり』で締めてください。」

触手なりけりって……。

 

「かけた人は先生のところに持ってきなさい。チャックする点は文法の正しさ、触手を美しく表現できたかどうかの二点です。例えば『花さそふ 嵐の庭の 雪ならで はえゆくものは 触手なりけり』です。できた者から今日は帰ってよし!」

「先生、しつもーん」

「? なんですか? 茅野さん」

「今さらなんだけど、先生の名前って何て言うの? 他の先生と区別するのに不便だし」

 

…別にその必要はない。

椚ヶ丘中学校3年E組。通称、『エンドのE組』。

成績、生活態度などが悪いと判断されると、基本的にここに落とされる。

校舎は離れた山の中だし、本校舎からは差別の対象だ。

『E組のようにはなりたくない』。『E組と違って自分たちは優れている』。

そんな危機感や優越感を抱かせるための、言ってしまえばみせしめだ。

教師も、基本的に一人だけだ。

落ちこぼれにかける価値はないてことなんだろう。

先生は言う。

 

「そうですね、名乗るような名前はありませんね? 皆さんが自由につけてください。でも、今は授業に集中してください」

 

少しして、一人が立ち上がる。

『潮田渚』だ。

 

 

 

「おや、もうできましたか、渚君」

 

ゆっくりと先生に近づいていく。短歌用の紙には対先生ナイフが隠してあった。

 

「…………ッ!」

 

潮田がナイフを振り抜く。

でも、先生は余裕で回避した。

 

「……言ったでしょう?もっと工夫しなさいと…」

 

さらに潮田は先生に抱き着く。

その時、俺は尋常じゃない寒気がして、とっさに叫んでいた。

 

 

 

 

「全員伏せろっっ!!」

次の瞬間、

 

 

 

 

 

 

先生と潮田が爆発した。

 

「ッしゃあ、やったぜ!」

「百億いただきィ!!」

 

俺の右、寺坂がはしゃぐ。

間違いない、この暗殺方法に関係している!

 

「寺坂、お前何したんだ!」

「渚に何持たせたのよ!」

「オモチャの手榴弾だよ。火薬使って威力上げてるけどな」

「なっ!?」

「人間が死ぬ威力じゃねえよ。治療費くらいは払って……」

 

寺坂の様子がおかしい。

見ると、潮田に何か薄い膜の様なものが被さっていた。

 

 

 

 

「実は先生…月に一度ほど脱皮をします。脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺した。」

どこからか声が響く。

「ど、どこから!?」

「っ!上だ!」

 

真上を見ると先生が天上に張り付いていた。

 

「月一で使える奥の手です………寺坂…吉田…村松…首謀者は君たちだな?」

 

先生は気分や行動で色が変わる。例えば、問題に正解したら明るい朱色、間違っていたら暗い紫。

そして今は……黒。誰が見てもわかる。怒っていると。

そして、先生は一瞬消える。

数秒後に戻ってきたとき、その手には

 

 

『寺坂』『吉田』『村松』

 

 

三人の家の表札が握られていた。ほかにも表札らしきものを複数握っている。

クラス全員の家の表札を取って回ったと言うことだろう。たぶん、俺のも……。

「政府との契約ですから、先生は君たちには手を出さない。だがまた今と同じ手で殺しに来たら、君たち以外には何をするかわかりませんよ?」

 

この時、俺は、俺達は改めて理解した。この怪物から逃げることは、不可能だと。

自由になるには、殺すしかないのだと。

 

「なんなんだよ!地球破壊とか、暗殺とか!

 

迷惑なんだよ!迷惑な奴を迷惑な方法で殺してなにが悪いんだよ!」

 

「迷惑? とんでもない、君たちのアイデアは実に素晴らしい。特に渚君、君の肉薄までの自然な体運びは百点です。」

 

確かに、潮田は今回、先生をかなり追い詰めていた。

脱皮がなかったら、もしかしたら殺していたかもしれない。

 

「そして、危険性を判断してとっさに支持をした日向君もいい行動です。下手をしたら目に当たって失明していた可能性もゼロではありませんからね」

 

褒められた。でも、俺は喜ぶことはできなかった。だって…俺には、そんな才能は……。

 

「でも、寺坂君は渚君を、渚君は自分自身を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺をする資格はありません」

「笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たちはそれをなせる力を秘めている。さて渚君、先生は殺される気など毛頭ない。来年の三月まで君たちとエンジョイして地球を破壊します。どうしますか?」

「先生を……殺します。卒業までに」

 

潮田は、笑顔でそう言った。

 

「ヌフフフフ、そう来なくては……では、今日はみんな殺せ次第帰ってよし!」

「「「「「ええっ!?」」」」」」

 

無理だ!どうやっても殺せるとは思えない。

 

「殺せない・・・先生、あっ!名前『殺せんせー』は?」

 

茅野のその発言がきっかけで、今日から先生の名前は『殺せんせー』になった。

 

 

 

 

 

…ちなみに、結局誰も殺せず、夜の8時まで暗殺は続いた。




生徒名簿 日向 創
出席番号 21番
コードネーム:未定
誕生日:1月1日
身長:179cm
体重:67kg
血液型:A型
好きな教科:国語・数学
嫌いな教科:理科・英語
趣味・特技:???(未定です。結構思いつくかも?)
所属部活(過去):剣道部
宝物:入学時に買ってもらった剣道用具一式
好きな食べ物:草餅
弁当派or買い食い派:自炊お弁当
選挙ポスター:その言葉、斬らせてもらう!

ヒロインは、一応アンケートを設置します。
活動報告で行っています。


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ツウシンボ シオタ ナギサ 1

ダンガンロンパおなじみの通信簿イベント、渚編一回目です。
できれば全員分やりたいなぁ……




潮田の自爆による暗殺未遂があった日の放課後……

 

「なあ、潮田」

「あれ、日向君?」

 

俺は、どうしても潮田の事が気になり、話しに行くことにした。

いくら殺せんせーが脱皮して防いだといっても、やっぱり目の前で大爆発なんて見たら、本当に怪我がなかったのか不安になる。

 

「その、ホントに大丈夫か?」

「うん、やけどひとつ無いよ。心配してくれてありがとう」

 

そういう潮田の顔には、一切偽りがなかった。

一応様子を見ると、顔や手などどころか、制服にも焦げ跡もないほどきれいだった。

 

「そっか、ならよかった。痕とか残ったら、大変だもんな女子ならなおさら」

顔に火傷の跡が残るとか、やっぱり、気にする奴もいるからな…。

「……」

 

あれ?潮田の様子が…?

 

「どうしたんだ?」

「日向君…僕、男だよ…?」

……………………

 

 

 

 

 

「………え?」

「だから、僕、男だよ?」

 

……確かに、制服は男子のものだ。

でも、自分を男だという潮田は、嘘を言っているようには思えない。

 

「わ、悪い!その、なんというか…」

「あはは…いいよ。慣れてるから」

 

そういった潮田は、何かをあきらめたような眼をしていた…。

き、気まずい…………。

そのあと、何とか話題を探して話をした…。

 

 

 

 

 

「でも、正直驚いたよ」

「なにが?」

「潮田が、あんな方法で暗殺しようとするなんてさ。てっきり、寺坂に脅されたのかと思ってた」

「まあ、殺せんせーのことを観察するように言われたのは事実だけど、『認めさせたい』っていうのもおおきかったかな。」

「認めさせたい?」

「うん。僕たちのことを、『やればできるんだ』って、殺せんせーに認めさせたかったんだ。」

 

そう話す潮田の目には、強い決意があった。

 

「そうなのか……すごいな、潮田は。」

「そうかな…でも、それに気づいた日向君も、僕はすごいと思うけどな」

「…気づいた訳じゃない。ただなんとなく、嫌な予感がしただけだ」

「あはは…。あと、日向君。僕のことは、渚って呼んでくれないかな?」

「え?いや、構わないけど…よろしくな、な…渚」

「ありがとう。じゃあ、これからよろしくね、日向君!」

 

そういって、渚は帰った。

『認めさせたい』か……。

…俺にも、そう考えることができるんだろうか……

 

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました。

 

シオタ ナギサ 1

女っぽい外見だが、正真正銘男子。おとなしい外見とは裏腹に、時折大胆な行動をすることもある。

苗字ではなく名前で呼んでほしいとのことなので、渚と呼ぶことにした。

手榴弾での暗殺によるケガはないようだ。




というわけでツウシンボでした。
あと、前回書いてなかった日向君の設定ですが、原作において
・モノクマが登場する前から警戒していた(本編)
・閃きアナグラム、ロジカルダイブなど
から、『勘の鋭いタイプである』。
・幼いころから希望ヶ峰学園に憧れていた(本編)
このことから、自分の才能を探すためにいろいろやっていた可能性が高く、
そのことから『色々と多才である』。
と、考えています(自炊お弁当派なのもこれが理由)


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体育の時間

あれから数日、俺達は、あの手この手で殺せんせーの暗殺を試みたが、尽く失敗した。

 

「「「「「1、2、3、4!」」」」」

それで今、体育の時間。

 

「八方向からナイフを正しく振れるように!どんな体勢でもバランスを崩すな!」

 

俺達は、教師となった防衛省の烏間さん…もとい、烏間先生の下、ナイフ術の訓練をしていた。

殺せんせーに唯一ダメージを与えられる『対先生ナイフ』の練習だ。

 

「日向君、振りが甘い!」

「はいっ!」

 

俺もナイフを片手に練習している。

しているんだが…

 

「しく…しく…」

 

…砂場で泣きながら何かを作っている殺せんせーが気になってしょうがない。

あと…

 

「もう少し長い…竹刀くらいのもののほうが慣れてるんだよな…」

 

ナイフを眺める。

今まで日常的に手にしていたものと比べると、はるかに短い。

 

「どしたの日向?」

「ん?ああ、中村か」

「さっきからナイフ片手に首傾げて、なんかあったの?」

クラスの中でも目立つ女子、『中村莉桜』が訪ねてきた。

「いや、なんというか、リーチになれないというか…」

「そっか、日向って確か…」

「ああ、元剣道部だ」

 

去年までは…な。

E組は『学業に集中する』という名目で、部活動への所属が禁止されている。

俺も、去年までは剣道部に所属していた。

一応、竹刀を振ることだけはやめてはいないが、おそらく、卒業まで剣道をすることはないだろう。

高校に行ったら…やめるだろうな。

俺には剣道の才能はない。この2年でそれを実感した。

それでも竹刀を振るの惰性か、諦めか…どっちだろうな。

 

「いっそ烏間先生に頼んでみたら?刀サイズの武器」

「ああ、それがいいかもな」

 

あとで烏間先生に頼んでみようか。

 

「でも烏間先生、こんな訓練意味あんスか?しかも当の本人の目の前でさ」

「そうか……では磯貝君、前原君。そのナイフを俺に当ててみろ。かすりでもすれば今日の授業は終わりでいい」

「いいんですか?しかも、2人がかりで?」

「そのナイフなら当たってもけがは無い。遠慮なくかかってこい」

 

いくらベテランだからって、2対1ではさすがに少し難しいんじゃないか?

そう思ったがそれはすぐに覆された。

E組でも運動神経はそこそこあるであろう、2人のナイフを、軽々とかわし続ける烏間先生がいたから。

挙句、そのまま二人を軽々と地面に投げ倒してしまった。

 

「このように、多少の心得があれば、素人のナイフくらい俺でも捌ける」

「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当てるなど不可能だ。見ろ!今の攻防の間に奴は……!」

 

バッ!と全員が殺せんせーのいる砂場に注意を向ける。

そこには…………

 

 

 

 

 

 

 

 

超精密な砂の城の横で、何やら和装に着替えて湯呑を持ち、にやにやとこちらを見ている殺せんせーの姿があった。

 

「砂場に大阪城を作った上に、着替えて茶まで立てている!!」

「「「「腹立つわぁ~……」」」」

 

…本当に腹が立つ。特にあの笑みが。

「当てれるといいですねぇ」とでも言いたげな表情が、その行動をより一層苛立たせていた。

 

「クラス全員が俺に当てられるようになれば、少なくとも成功率は格段に上がる。今後は、体育の時間を使ってナイフ、射撃などの暗殺の基礎を教えさせてもらう!」

 

現役の戦闘のプロ直々の訓練…。

きっと、殺せんせーを殺すことができるだろう。

 

 

 

 

 

 

「あッれェ、せんせーひょっとしてチョロい人?」

 

今俺は、嫌、俺たちは…全員が同じことを考えているだろう。

『殺せんせーにダメージを与えるなんて』と。

そして、その視線は目の前の男子生徒に集まる。

『赤羽業』。今日から停学明けらしいが、正直不気味なほどだ。

相手をおちょくるような言動と、今の不意打ち。

間違いなく、このクラスにおいて最強と考えられる一人だ。

 

 

着替えて席に戻ると、隣に赤羽が座った。

 

「や、日向、今日から隣だけど、よろしく」

「あ、ああ。よろしくな、赤羽」

 

赤羽は、どうやら俺の隣の席だったらしい。

さっきと変わらない笑みを向けてくる。

その眼には、何となく不気味さと同時に虚無を感じた。

そして6時間目、小テストの時間。

殺せんせーはひたすら壁に自分の触手をぶつけていた。

だが、威力がないのか、それとも触手自体のせいなのか、ブニョンブニョンという音だけが響く。

 

「ブニョンブニョンうるさいよ殺せんせー!小テスト中なんだから!」

「こ、これは失礼!」

 

…本当に、殺せんせーにとってはショックだったんだろうな。赤羽にしてやられたことが。

その赤羽は、また殺せんせーを挑発し、ダメージを与えて、さっさと行ってしまった。

 

翌日…

 

 

 

「おはようございます。……ん?どうしましたか、皆さん」

 

朝、殺せんせーが教室に入ってきたが、俺達の意識は、教卓におかれたタコに集まっていた。

 

「あ、ごめんごめん!殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持ってきてよ」

 

赤羽が不敵に挑発する。

隣にいる俺にはその右手に隠した対先生ナイフがはっきりと見えた。

 

「…わかりました」

 

ゆっくりと先生が歩いてくる。でも、昨日の件でまたひっかるのか……?

次の瞬間、

 

 

殺せんせーはどこからかミサイルを持ち出し、前肢の触手をドリルのように変形させた。

 

「見せてあげましょうカルマ君。このドリル触手の威力と、自衛隊から奪ってきたミサイルの火力を」

 

ミサイルに火が付き、恐ろしい勢いで何かが作られていく。

気が付くと、ソースの匂い。

そして赤羽の口にはたった今できたばかりであろう湯気の立ったたこ焼きがあった。

 

「先生は、暗殺者を決して無事では帰さない。その代わりに手入れをするのです。錆びて鈍ったその刃を。その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでたこ焼きを作りました」

 

「今日1日、本気で殺しに来るがいい。そのたびに君を手入れしましょう。」

 

そういって先生はニヤリと笑みを浮かべる。

誰が見ても、間違いなくこれは……

 

「放課後までに…君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」

 

先生から赤羽への、宣戦布告だった。

 

 

 




閲覧ありがとうございます。
活動報告の調査においていくつかリクエストがあったのと、質問があったのでここでも説明します。
Q:ヒロインって一人?
A:正直最初はハーレムも考えましたが、ヒロインの偏り&日向君への認識から無いと考え、没にしました。
調査の方では律、中村にリクエストがありました。正直、だれがヒロインになってもメリットとデメリットがあるんですよね。当たり前ですが。
一応、今回リクエストのあったヒロインのメリット、デメリットをまとめると

律:モバイル律の存在により、話しに全体的に絡ませやすいが、カップル成立後の個別エピソードに苦労する

中村:原作において天才なので、それをネタに日向とかかわれるが、チョロイン化の危険性がある

となっています。ほかのヒロイン候補は、投票があったら説明しようかと思います。


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ツウシンボ アカバネ カルマ 1

1時間目 数学……

「……というわけで、どう計算してもこの数字が余ってしまう!そんな、割り切れないお悩みを持つあなた!!」

 

殺せんせーは、まるでテレビの通販番組のような文句で授業を進める。

せんせーの授業は下手な塾よりもはるかにわかりやすい。面白いくらいに問題が理解できる。

 

「でも大丈夫、ぴったりの方法を用意しました。それがこの特殊解です。これを使用して、次の問題を皆で一緒に解いてみましょう」

 

ちらりと赤羽を見る。

イスに寄りかかって隙を窺ってるみたいだ。

赤羽に時折注意を向けながら、問題に手を付ける。

えっと、この特殊解を使って……割り切れない数を処理して…

 

「……と、なって、簡単に解くことができます。ああ、カルマ君。銃を抜いて撃つまでが遅すぎますねぇ。暇だったのでネイルアートを入れておきました」

「……!!」

 

いつの間にか、赤羽の手には銃。

でも、その銃は殺せんせーによって完全に抑え込まれ、挙句ネイルアートまで施されていた。

 

 

4時間目、家庭科……

今日は調理実習で、班でスープを作るものになっている。

 

「不破さんの班はできましたか?」

 

殺せんせーは、それぞれの班を見回りながら、調理のアドバイスをしている。

俺たちの班はすでに完成しているから、あまり来ない。

 

「うーん、どうだろ…なんか味がトゲトゲしてんだよねぇ…」

「どれどれ」

「へぇ、じゃあ作り直したら?一回捨ててさ!」

 

赤羽が近づいて……鍋をひっくり返した!?

そのまま殺せんせーにナイフを向け……

 

 

 

 

 

 

「エプロンを忘れてますよカルマ君」

 

一瞬で、赤羽は花柄のかわいらしいエプロンとバンダナを着けさせられていた。

それだけでなく、赤羽がぶちまけたスープも殺せんせーの手元の鍋に収まっている。

 

「スープの方もご心配なく。全部空中でスポイトで吸って回収しておきました。ついでに砂糖も加えてね」

「あ、マイルドになってる!!」

 

赤羽の攻撃は、完全に失敗だった。

少なくとも、相手がマッハ20のトンデモ生物でなければ、問題はなかったかもしれない。

でも、殺せんせーは赤羽の奇襲に完全に対応してのけた。

 

 

 

 

 

 

5時間目、国語……

 

今日の内容は『赤蛙』。

話自体は好きじゃないが、授業なのだから仕方ない。

 

「私がそんなことを考えている間にも……」

 

赤羽は、はたから見るとおとなしく授業を聞いているようには見える。

…教科書は開いておらず、目には明らかにいら立ちが見えるが。

 

 

 

 

 

「……赤蛙はまたも失敗して戻って来た。私はそろそろ退屈しはじめていた」

 

赤羽が袖に隠したナイフを出すよりも早く、殺せんせーは完全に赤羽の動きを止めていた。

 

「私は道路から幾つかの石を拾って来て……」

 

 

結局、赤羽は、殺せんせーに尽く返り討ちにされた。

 

 

 

 

 

 

 

翌日……

 

 

「14、15、16、17…」

 

俺は、登校時間よりだいぶ早くに来て、竹刀を振っている。

昨日の放課後、授業が終わったと同時に赤羽はどこかに行ってしまった。

渚が追いかけて行ったが……大丈夫だろうか?

あの二人は、中1からの友人同士らしい。

何が原因で仲良くなったのかは知らないけど、俺は、何となく大丈夫だろうと思っていた。

今日、赤羽は登校するのだろうか……

っと、いけないいけない。

 

「25、26、27、28…」

 

俺はまた素振りを続ける。

昨日の放課後、対先生用の刀を烏間先生に頼んだ。

最初は少し渋っていたが、最終的には了承してくれた。

でも、完成までは数日かかるそうだ。

 

 

 

 

「あれ、日向じゃん」

 

ふと、声がした。

声がしたほうを向くと……

 

 

「赤羽?」

 

赤羽がいた。着崩した制服にパックのジュースを持って、いかにも「たった今登校してきました」という装いだ。まだほかの生徒が登校するには早い時間のはずだが……?

 

「なになに、こんな朝早くから竹刀片手に登校してきて。朝練?」

「昨日、烏間先生に対先生用の刀を頼んだんだよ。それで、いつも家でやってる朝練をこっちでしようと思ったんだ」

「真面目だねぇ、日向は」

「そう言うお前こそ、こんな朝早くからどうしたんだ?」

「いやね、あのタコ用の罠でも仕掛けようかと思ってさ」

 

そう言って赤羽は、ポケットから小さなボールのようなものを出した。

 

「ほらこれ。おもちゃの煙玉だけど、中に対先生BB弾を粉末にして混ぜてんだ~。これをせんせーが入ってきた瞬間にボンッ!てね」

「そうか…」

 

いたずらなのか本気の暗殺なのかイマイチわからない。

 

「せっかくだし、俺にも見せてよ。」

 

そう言って赤羽は、近くの木に寄りかかった。

 

 

 

 

 

 

「なあ、赤羽」

 

ある程度時間がたった頃。

ふと、気になったことがあり、素振りを止めて赤羽を見る。

赤羽は、のんきに木に寄りかかってあくびをしていた。

 

「あっれぇ、素振り止めちゃってもいいの?」

「ほっとけ」

 

一応、いつものノルマはこなしているし、こっちの疑問を解消するほうが個人的に重要だ。

 

 

「昨日…、あの後何があったんだ?」

「何がって?」

「昨日丸一日殺せんせーを殺そうとして、放課後すくにどこかに行ったじゃないか。その時のことだ」

 

赤羽は飄々とした態度を崩さずに答えた。

 

「いやぁ、昨日崖から飛び降りたら捕まっちゃって」

「が、崖!?」

 

あっけらかんとした赤羽の言葉に驚いた。

E組の校舎は山の中だ。崖も探せばあるが、そこから飛び降りるなんて……

 

「そうしたらさぁ、あのタコ『安心して飛び降りてください』だってさ。ほんと……馬鹿にしてるよねぇ」

 

そういう赤羽の顔は、なぜか晴れやかだった。

 

「じゃ、俺は罠仕掛けに行ってくるよ。あと日向。俺のことはカルマでよろしく」

 

そう言って、赤羽…カルマはさっさと行ってしまった。つかみどころのない奴だ……。

 

 

 

 

ちなみに、しかけた罠はものの見事にかわされた。

まさか、破裂する前に回収するなんて……

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました。

 

アカバネ カルマ 1

飄々とした態度と、不敵な表情を崩さない少年。殺せんせーにダメージを与えるなど、意表を突いた行動はE組でも群を抜いている。

今回の一件で、少なくとも殺せんせーへの不信感はなくなったようだ。

 




感想、ヒロインアンケート、ありましたらお願いします。


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ツウシンボ オクダ マナミ 1

通信簿、奥田さん一回目です。
……正直、5回×28人とか結構なやむんですよね・・・・・


放課後……

 

「失礼します」

 

俺は、職員室を訪れていた。

 

「おや、日向君。どうしましたか?」

「この問題なんですけど……」

 

今日の授業で返却された、前回の小テスト。もう一度解きなおしてみたのだが、何度やっても数学のとある1問が解らず、先生に聞きに来た

 

「ヌルフフフ、やっぱり聞きに来ましたか。君は基礎に関しては非常にしっかりとしているが、応用になると途端にミスが多くなる。この問題もそうです。」

 

応用か…。

確かに、俺は応用問題があまり得意ではない。

ほとんどテスト中には解らず、後で解きなおして後悔する。

 

「まずは、問題の要点を分解することから始めましょう。まず…」

「暗殺ですよね。じゃ、死んでください」

「ニュヤッ!?」

 

物は試しと袖口に隠していた対先生ナイフで切りつけるが、超反応で回避された。

 

「ヌルフフ……。日向君も本格的に不意打ちを狙ってきましたね。今までは真正面からくることが多かったのですが…」

 

結構焦ったのか、顔には汗か粘液かわからないが、液体が浮かんでいた。

俺の暗殺方法は、基本的には奇襲からナイフに持ち込もうとする。

…まあ、毎回毎回ヌルリとよけられるのだが…。

 

「さて、それじゃあ、改めて解き方を教えましょう。まず、問題のこの文ですが……」

 

再び、殺せんせーは俺のテストプリントに目を落とす。

さすがに警戒されてしまっただろう。おとなしく授業を受けることにした。

 

 

「……となりますから、答えはx=√a+7ということになります」

「なるほど……」

 

数十分後、ようやく解法が判明し、正解にたどり着くことができた。

不思議なことに、小テスト中では何が何だかさっぱりだった問題が、スラスラと分解して考えることができた。

 

「応用問題と聞けば難しいように感じられますが、細かく分解してしまえば基礎の組み合わせです。日向君が今までしっかりと積み上げてきた基礎力ならば、慌てずに考えれば問題無く解けますよ」

 

そういう殺せんせーは、顔に〇を浮かべながら言った。

 

「そういえば日向君。どうやら、烏間先生に何やら面白いものを注文したようですねぇ」

 

「なっ!?」

 

俺が対先生素材の刀を頼んだことは、俺と烏間先生、赤羽くらいしか知らないはずだ。

どこで知ったんだこのタコ……。

 

「確か日向君は元剣道部だそうですね。生徒のプロフィールは簡易的ですが伝えられています」

 

「…………」

 

 

「以前のナイフ訓練での君の様子。中村さんとの会話。それに朝の素振り。そこから推測すれば、そこまで難しいものでもありませんよ。ヌルフフフフ……」

 

殺せんせーは緑の縞模様……嘗めているときの顔になって笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……よし、殺そう

 

「っそうっ!ですっ!かっ!」

 

両手にナイフを持って休む暇なく切りかかる。

回避され続けているが、いつかは疲れて動きが鈍るはず!!

 

「甘いですねぇ。」

「なっ!?」

 

いつの間にか、どこから取り出したかわからない紙にナイフが挟まれ、先生の手元に。

一方の俺の手には、これまたどこから持ってきたかわからない花の球根があった。

 

「以前植えなおしたものの残りです。殺せるといいですねぇ、来年にその球根が咲くためにも」

 

こちらを煽るような、でもどこか憎めないような顔で殺せんせーは笑う。

だったら、俺の言う言葉も一つだ。

 

「きっと…殺しますよ。それじゃあまた明日、殺せんせー」

 

「ええ、また明日。ああ、そうそう。明日の理科の実験用にお菓子を持って来てくださいね」

 

職員室を出る。

まさか、個人で頼んだものまで把握してるなんて……。

そう考えながら理科室の前を通った時、

 

「あれ?」

 

理科室に人影があった。

時間はもう授業が終わってからそこそこ経っている。

そんな時間の理科室に……誰かいる?

 

「だれか……いるのか?」

 

恐る恐る扉を開ける。

そこにいたのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……奥田?」

「ひゃあっ!?ひ、日向君……」

 

俺の前の席の女子『奥田愛美』だった。

 

「何してるんだ?」

 

「あ…その、暗殺のために毒を作ろうかと思って……」

「毒殺か…」

 

毒。確かに、銃弾をやすやす回避する殺せんせーには有効かもしれない。

飲ませられれば……の話だが。

それにしても、自力で毒薬を作れるなんて…

 

 

「好きなのか?理科」

「っ!はい!大好きです!」

 

急に言葉が強くなり、食いつかんばかりの速度で奥田は答えた。

いつものややおどおどした雰囲気と違う、とても生き生きとした話し方だった。

 

「あっ!?ご、ごごごごめんなさい!!」

「い、いや。ちょっと驚いただけだ」

 

正気に戻った瞬間に慌て始める。

あまり、人付き合いが得意なタイプではみたいだな。

 

「私、あまり不意打ちとか得意じゃないし…。でも、化学だけなら私、得意なんです!」

「確かに…奥田って理科が得意ってよく聞いたな。去年の定期試験とか」

 

そうだ。たしか、学年順位の上位のほうに奥田の名前があった。

A組にも匹敵するんじゃないか?

 

「でも…それ以外がさっぱりで……特に…国語が」

「国語か…」

「言葉の良し悪しとか、感情表現とか…何が正解かわからなくて」 

 

確かに…。

国語はそこそこ得意だと思っている俺でも、悩むことは多い。

前に聞いた話では、国語には、単純な知識だけではなく読解力、文章の背後を読むことを必要としているとか。

 

「でも、それで構いません」

「数学や化学式は絶対に正解が決まってる。私には気の利いた言葉遊びも、細かい心情を考えることも必要ないんです」

 

そういう奥田には、どこか諦めたような、それでいて納得しているような、そんな感じがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、奥田。一体どんな毒を作ったんだ?」

 

ふと、気になったので尋ねる。

毒薬といえば、動物、植物が持つものや、有名どころだと青酸カリくらいしか知らない。

まあ、それも別のクラスメイトに借りた漫画で知ったのだが……。

 

「あ…えっと、これが水酸化ナトリウム、こっちが酢酸タリウムで、今作ったのが王水です」

「おっ……王水!?」

 

王水って、確か劇薬じゃなかったか!?

 

「はっ、はい!」

 

笑顔で答える奥田。

いや、笑顔で劇物作る中学生女子っておい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました

 

オクダ マナミ 1

1:非常に豊富な化学知識知識を持ち、劇薬すらも作成してしまう。自己の主張が少なく、「化学式が友達」というほど。

自分には相手の気持ちを考えたり、表現することは不要だというが……

 




と、いうわけで毒の時間前日のようなものでした。
感想、ヒロイン調査も、お気軽にお願いします。
一応、個人的にも書きやすいのは中村さんですかね…。
持ちろん、他のヒロインでも大丈夫です。
さすがに原や狭間は難易度高いですが……。


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毒の時間

というわけで奥田さん回です。
この話って、原作においても結構重要な伏線なんですよね…。


理科の時間……

 

 

今日は、お菓子から着色料を取り出す実験だ。

昨日言われたとおりに、学校に来る前に適当なお菓子を買っておいた。

「……では、お菓子から着色料を取り出す実験はこれで終了!余ったお菓子は……」

 

一瞬で全員の席、全員の班からお菓子が消える。

こんなことができるのは一人しかいない……!

 

「先生が回収しておきます!」

 

やっぱり殺せんせーだった。

給料日前だからか、授業を利用しておやつを調達しているようだ。

というか、なんで地球を破壊するはずの超生物が給料で暮らしてるんだよ…。

それ以前に給料出るのかよ……。

まあ、取られてしまったものは仕方ないので、片づけを始めようとしたときに、ガタッと誰かが椅子を立った。

音がした方向を見ると、昨日毒を作っていた奥田が、先生のもとへ行っていた。

 

「あ…あの、先生…」

 

どんな毒でも飲ませなければ意味がない。

奥田はそれをどうやって飲ませ……

 

「毒です!!飲んでください!!」

 

 

 

 

 

…………っておい!

俺は思わず崩れ落ちかけた。

いくら何でも真正面から「毒です!」って……。

 

「……奥田さん、これはまた真正面から正直な暗殺ですねぇ…」

 

うわぁ…さすがの殺せんせーも戸惑ってる…。

 

「わ……私、みんなみたいな不意打ちとかうまくできくて…」

「でも、化学なら得意なんで、真心こめて作ったんです!」

 

いやいやいや、奥田。さすがにそれで「はいそうですか」と飲むやつは……

 

「それはそれは、ではいただきます」

 

……いた。

殺せんせーは、奥田が持っていた試験管の薬品の1本を一気に流し込んだ。

あれは……確か水酸化ナトリウムだったはずだが……?

 

「ウグッ!…こ……これは……」

 

殺せんせーが痙攣を始めた!?

まさか……効いてる?

そして、次の瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

角が生えた。

殺せるどころか、なんか変化したぞ!?

 

「この味は水酸化ナトリウムですね。人体には有害ですが、先生には効きませんねぇ」

「…………そうですか」

 

しかも毒の名前までばれてるし!

 

「あと2本あるんですね」

「は、はい!」

「それでは、こっちから……」

 

2本目を飲む。あれは…酢酸タリウムだったか?

また同じように痙攣を始め……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽が生えた。頭から。

 

「酢酸タリウムですね。では、最後の1本」

 

最後の1本、あれは王水だ。

いくらなんでも劇薬なら多少はダメージに……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思っていた時間が俺にもあった。

先生は…なんと言うか…真顔になっている。

それこそ一切の感情をどこかに投げ捨てたかのような感じだ。

 

「王水ですねぇ。どれも先生の表情を変化させる程度のものです」

 

いやいや、劇物飲んでその反応って、一体全体どういう身体してるんだ?

 

「先生のことは嫌いでも、暗殺のことは嫌いにならないでください」

 

一体全体どうした突然!?

 

「それと奥田さん。生徒一人で毒を作るのは安全管理上見過ごせません。特に王水は劇薬。下手をすれば違法になりますしね」

「…はい、すみませんでした…」

 

…まあ、そうなるよな。

いくら才能があっても、何も考えづに使うことは認められない。

でも、才能があるだけでも…俺には、奥田がうらやましかった。

 

「放課後に時間があるのなら、一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう」

「…!はっ、はい!」

 

……っておい!

暗殺対象が自分を殺す毒薬作ってるんじゃない!!

そして結局、奥田は放課後、殺せんせーと一緒に毒薬の研究をすることになった。

 

 

 

 

翌日……

 

「……で、その毒薬をもって来いって言われたのか」

「はい!!理論上では、これが一番効果があるって!!」

 

次の日、昨日の放課後にあった毒薬作成教室のことを奥田に聞いた。

なんでも、宿題として毒薬を作ってくるように言われたらしい。

笑顔で話す奥田の手には、何かの薬品であろう液体が入った容器が大事そうに抱えられていた。

 

「毒物の正しい保管法まで漫画にしてある…」

「手厚いな…一体何考えてるんだ、あのタコ教師」

 

渚が手にしているのは、数ページ程度の小さな紙束。

毒の保管方法が漫画になっており、非常に細かい注意点までしっかりと説明されている。

というか、毒の保管っていつ役立つんだ?

あって警察くらいだろ。

 

「きっと、私を応援してくれてるんです。『国語なんてわからなくても長所を伸ばせばいい』って」

 

…やっぱり、殺せんせーもそう思っているのだろうか。

『才能があればそれでいい』と…。

そう考えている間に殺せんせーが来た。

奥田は、笑顔で毒を渡しに行く。

 

「先生、これ……」

「さすがです…では、早速いただきます」

 

一瞬、殺せんせーがニヤリと笑ったように見えた。

まるで、何かの計画を成功させたかのような…。

そしてせんせーは奥田の作った毒を飲む。

 

「……ヌルフフフフフ。ありがとう、奥田さん」

 

毒を飲んだ殺せんせーが言う。

そして、気づいた。

殺せんせーは、何かをするために奥田を利用したのだと。

 

「君の薬のおかげで…先生は新たなステージへと進めそうです」

「…えっ?」

 

もう遅い。

すでに毒薬…ではなく、おそらく殺せんせーにとって有益なものだろうそれは、殺せんせーが飲んでしまった。

 

「それってどういう……」

 

その疑問の答えですというかのように先生の体が光る。

強い光に目がくらみ、次に先生を見たとき、先生は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふう」

 

溶けた。

それ以外に言いようのないほどに溶けた。どろりと。

メタリックな色、溶けた体。まるで、あのゲームのはぐれた経験値の塊みたいな姿だった。

 

「君に作ってもらったのはね、先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬です」

 

一瞬ではぐれ先生が消える。

かろうじて残っていた残像を追うと、どうやらクラスの最前列、片岡の席にいるようだ。

 

「液状なので、どんな隙間でも自由に入り込むことができる……。しかも、スピードはそのままに!!」

 

「さあ、殺ってみなさい!さあ、さあ、さあ!!」

 

そういって高速で動き回り始める殺せんせー。

クラス全員で狙おうとするが、狙えないし当たらない。

机の中、天上の隙間、床板の隙間、ありとあらゆる場所に一瞬で移動し、そこを狙う頃にはもう別の場所にいる。

 

「だっ……騙したんですか、殺せんせー!?」

 

奥田はここに来てやっと、自分が騙されたことに気づいたようだ。

まあもう遅いが。

 

「…奥田さん。暗殺には人を騙す国語力も必要ですよ」

「えっ…?」

 

その言葉で俺は確信した。

殺せんせーは『長所を伸ばせばいい』と言いたいのではなく、『長所を活かすために短所を補え』と言いたかったのだと。

 

「どんなに優れた毒を作れても、、今回のようにバカ正直に渡したのでは、暗殺対象(ターゲット)に利用されるだけ利用されておしまいです」

 

……確かにその通りだ。

『正直者はバカを見る』なんて言うように、何でもかんでもまっすぐにやっている奴は、いいように利用される。

 

「渚君、君だったら先生に毒を盛るためにどうしますか?」

「…えっと、先生の好きな甘いジュースとかで毒を割って、特性ジュースだと言って渡す…とかかな」

 

なるほど。

甘いものが好きな殺せんせーに毒を渡すなら、甘いものに混ぜればいけるかもしれない。

 

「そう、人を騙すには、相手の気持ちを知る必要が、言葉を工夫する必要がある。逆もまた然り。騙されないようにするためにも、そういうものは必要です。上手な毒の盛り方、それに必要なのが『国語』です」

 

時間切れなのか、はぐれせんせーは元の姿に戻る。

 

「君の理科の才能は、将来皆の役に立てる。それを多くの人に分かりやすく伝えるためにも、毒を渡すための国語力も鍛えてください。」

「は……はい!!」

 

カルマが、皆暗殺以前の問題だなんて言っているが、まったくその通りかもしれないな。

 殺せんせーにかかれば毒薬を作成できる子供ですらもただの生徒になってしまうのだから。

暗殺期限まで1年、まだまだこの先生の命には遠いと実感した。

 




第6話(ツウシンボを除けばまだ3話目)、いかがだったでしょうか?
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

また、今後の展開ですが、基本的には通信簿イベントが多くなると思います。
少なくとも修学旅行までにはヒロイン候補(律以外)の一回目はやる予定です。
具体的には原、狭間以外の女子ですね。
もしも「このキャラとのツウシンボが見たい」っていうのがあれば、っ感想にお願いします。優先して考えます。

実は、正直ヒロイン関係で非常に悩んでおります。
一人選んで、本編終了後に番外として他のヒロインをやるか、だれもヒロインにならず、本編後にすべて持ってくるかという感じです。
ヒロイン調査は変わらず受け付けているので、お気軽に投票ください。



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ツウシンボ オカノ ヒナタ 1

いつものツウシンボ、岡野一回目です。
が、その前にちょっとした注意が。
岡野さん他、原作で岡野のことを名前で呼んでいるキャラ(矢田、倉橋など)は、日向のことを創と呼びます。
理由は単純に『ヒナタ』だとどっちの事かわかりにくいということでお許しください。
基本的には
岡野→ひなた、ひなたちゃん
日向→創、創君
などという感じで呼ばれます。



4月の後半、そろそろ桜が散り始めるような、そんな日。

 

「失礼します」

 

今日も俺は、職員室を訪れていた。

でも、今回は殺せんせーに用事はない。

烏間先生から、ついに以前頼んでいたものが完成したと聞いたのだ。

 

「来たか、日向」

「はい」

 

正直、ワクワクが止まらない。

俺が中学からとはいえ、2年近く、一日も休むことなく続けていた剣道。

超中学級の剣道家の才能があるは思えないけど、それでも、暗殺の成功のための足掛かりにはなるはずだ。

 

「数日前に君が頼んでいたものが完成した」

 

そういって、烏間先生は足元のケースを開ける。

その中には一本の鞘に納まった刀。

 

「当然素材は対超生物用のナイフと同じものだ。ナイフよりもリーチが長いから、以前よりも取り回しも難しくなるぞ」

 

確かに、普通はナイフの方が使いやすいだろう。

でも、俺みたいに、それ以上の長さのものに慣れているなら、そっちの方が使いやすい。

 

「ありがとうございます」

「それと、これもだ」

「え?」

 

烏間先生は、無造作に何かを投げてきた。

とっさにそれをキャッチしてみると、小さな刀…いわゆる小太刀だった。

 

「烏間先生、この2本目の小太刀は一体……」

「それは俺が独断で追加したものだ。」

 

俺が頼んだものは刀1つ。

なんで烏間先生は独断で……?

 

「実践も交えて説明しよう。ついて来なさい」

「あ、はい!」

 

俺は、烏間先生に言われるがままに、外へ向かった。

 

 

 

 

 

 

グラウンド……

 

「では、日向!これより特別訓練を始める!」

「はい!」

 

グラウンドについてすぐに、烏間先生の指導は始まった。

 

「日向、かかってこい!」

 

烏間先生は対先生ナイフを片手に言う。

俺も、もらったばかりの対先生刀を構える。

すでにグラウンドに生徒はおらず、俺達だけが向き合う

 

「……」

「……」

 

烏間先生は強い。

間違いなく、今の俺では歯が立たないだろう。

だけど、こっちだって只やられるわけじゃない。

全力で……

 

「行きますっ!!」

 

勝ちに行く!!

 

「やああっ!」

 

正面から横に薙ぐ。

防具もなしに竹刀なら危険だが、この武器ならそれも可能だ。

 

「̪シッ!!」

 

烏間先生は、大きくバックステップでかわす。

 

「もらった!!」

 

上段から振り下ろす。

 

「甘い!!」

 

烏間先生は、刀身にナイフを添え……

 

 

 

 

 

 

 

「勝負ありだ」

「……はい」

 

そのまま懐に入られて、勝負ありとなった。

 

「このように、リーチの長い武器は一転して、懐に入られる危険性がある」

 

確かに。

殺せんせーも、刀を使った時に懐に入ってくる可能性はある。

 

「そのための小太刀…ですか」

「そうだ。仮に懐に入られても、小太刀で応戦することができれば、奴の不意もつけるだろう。」

 

渚が言ってたっけ。

殺せんせーは、意外と油断することが多い。

以前職員室で不意打ちをした時も、かわされたとはいえ殺せんせーは慌てていた。

 

「万が一の際にも自身を守るための2つ目の武器があるから、安心して刀を使うことができる」

 

第二の武器。

万が一の保険であり、伏兵。

殺せんせーのスキを突くにはぴったりだ。

 

「では、改めて訓練を再開する!懐に入られても、小太刀を抜けるようにしろ!」

「はい!」

 

烏間先生の厚意を蔑ろにはできない。

俺は、改めて刀を構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間先生との訓練が終わり、帰り支度のために教室に戻ると、教室の一番前で力なく机に伏せている奴がいた。

そいつは、普段ならまずそうなることはない生徒だった。

俺は、そんな彼女が気になって、声をかけた。

「どうかしたのか?岡野」

「……あれ、創?」

 

『岡野ひなた』。

E組の女子の中で最も活発な少女が、珍しいことに沈み切っていた。

 

「どうしたんだ?お前がそんな風になるなんて」

「あはは…ちょっと、英語の補習がね」

「ああ…放課後の補習教室か」

 

殺せんせーが先週から始めた放課後の特別授業、『放課後ヌルヌル補習教室』。

小テストの成績が悪いと強制参加になるが、殺せんせーの授業はかなりわかりやすい。

多分、塾の特別講習とこっちとだと、こっちのほうがいいんじゃないだろうか?

 

「うん…内容はすごく解りやすいんだけど…」

 

「もともと英語は苦手だったんだけど……なんかもう、頭のなかがアルファベットでいっぱい……」

「英語か…俺も苦手だな」

 

俺も英語は得意ではない。

単純な単語やら文法だけならどうにかなるんだけど、長文になったり、複数の文法が組み合わさったりしていると全然わからなくなる。

 

「それで、やけになって暗殺しようとしたら、速攻でナイフ取られた上に『補習中の暗殺は禁止です!バツとしてもっと深く勉強しましょう!』って……」

 

うわぁ…。

確かに、岡野にとってはある意味罰かもしれない。

 

「私、昔から考えるよりも動くほうが好きだし、難しいこと考えると頭がごちゃごちゃしちゃって…」

 

岡野は確かに、殺せんせーの暗殺には積極的だ。

身のこなしも軽く、暗殺に積極的な女子の中ではやっぱり、岡野の姿をよく見る。

 

「もう…いっそ体育だけでいいのに……」

「いや、さすがにそれはダメだろ…」

 

活発な岡野にとって、机で座って行うものは相性が悪いらしい。

 

「でも、成績上げないと補習も続くし…ううぅ~……」

 

岡野はまた頭を抱えてうなり始めた。

 

「っっぁああぁ~っもう!考えるのはやめ!!」

バンッ!!と机をたたき岡野は叫んだ。

 

「こういう時は体を動かすに限る!!創も行くよ!!」

そう言って、岡野はカバンを引っ掴むと駆け出して行った。

って、俺も!?

 

「創、遅い!早く!!」

 

……今の岡野には逆らえる気がしない。

補習でだいぶイライラしてるみたいだったしな。

 

「ああ、今行く!!」

 

烏間先生の訓練で少し疲れているが、少し動く程度なら十分だろう。

俺もカバンを取り、ここ最近持ってきている竹刀袋に対先生刀と小太刀を入れ、岡野の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!とりあえずナイフ使う!創!相手よろしく!」

「あ、ああ!」

「殺せんせーにできなかった分も動くから、しっかり付き合ってよね!!」

 

……俺、明日筋肉痛になるんじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました。

 

オカノ ヒナタ 1

非常に活発で、考えるよりまず行動!な女子。殺せんせーの暗殺にも積極的で、女子の中では切り込み隊長的な存在。

その分考えることは苦手な様で、放課後はよく補修を受けているようだ。

 




感想・ヒロインアンケートお気軽に投稿ください。
新しく、矢田さんをリクエストする声がありました。回答ありがとうございます。
今後の予定(変更するかも)としては
中村 ツウシンボ→ビッチ先生回→矢田 ツウシンボ→中間テスト→不破 ツウシンボ→修学旅行(神崎さん ツウシンボ)
くらいに考えています。
倉橋と速水のツウシンボどこに入れよう……。


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ツウシンボ ナカムラ リオ 1

難産でした……。
というわけで、中村一回目です。


そろそろ4月も終わり。

殺せんせーの暗殺期限まで…あと11ヶ月。

一向に暗殺成功の糸口は見つからないが、今は冷静になろう。

大丈夫だ、あと半年以上ある。

今はしっかりとベースを作って…必ず殺す。

 

「それでは、今日の授業はここまで。また明日」

 

殺せんせーはいつものように教室を出ていく。

俺も荷物をまとめて帰る準備をしていた時、

 

「ぃよっ、ひ~なたっ!!」

「うわっ!?ってなんだ、中村か」

「ちょっと、なんだって何さ」

 

はたから見れば外国人とも思えるほどの容姿。

鮮やかな金髪と碧眼。

『中村莉桜』。

以前、俺に刀の注文を提案してきた女子が、そこには立っていた。

 

「で、何か用か?」

「日向この後暇?ちょっち付き合ってほしいんだけど」

 

この後…。特に予定はない。

暗殺を試そうかとも考えたが、今はまだ研究を続けてもいいだろう。

 

「何かあったのか?」

「殺せんせー殺すために作戦でも立てようかと思ってさ。学校だと、聞かれるかもしんないし、別のところで……ね」

 

なるほど。そういうことか。

 

「ああ、それなら構わないぞ」

「んじゃ、よろしく!」

 

中村は暗殺では何でもこなす。

奇襲、戦略、射撃にナイフ。

多分、器用さではクラストップクラスだろう。

そんな中村の作戦……今度こそ殺せんせーに届くのだろうか……。

 

 

 

 

放課後……

 

「なあ、中村……」

「ん?どーしたん?このお店、合わない?」

 

中村に案内さえるがままに来たのは、駅近くの喫茶店。

席について早々に注文をして、目の前にはグラスが2つ。

作戦会議とはいったい……。

 

「いや、結構おしゃれだし、いいと思うけど……」

 

周りに本校舎の生徒の姿は見えないが、どこから聞かれているとも限らないんじゃ……

 

「なら、いーじゃん」

 

そんなことを話していると、店員さんが何やらデザートを出してきた。

頼んでなかったはずだが……?

 

「アハハハ、実はここ、今日男女のペアで入るとスペシャルデザートついてくるんだよね~」

 

「おまえ、まさかこのために……」

「それもそーだけど、作戦も本当」

 

そう言って中村は、カバンの中から紙束を出す。

内容は、中村が考えたであろう暗殺計画がいくつかまとめてあった。

 

「うちらで唯一特殊なカードの日向は、使いどころも重要だからね。まず、この作戦なんだけど……」

 

その後しばらく、中村と暗殺計画について議論した……。

 

 

 

 

 

 

 

「そういや、日向」

「なんだよ」

 

計画もあらかたまとめ終え、そろそろ解散しようかという話になってきた頃、突如中村が訪ねてきた。

 

「『それ』。どんな感じ?」

 

そう言って、俺の竹刀袋を指さす。

 

「ん?ああ、これか」

 

竹刀袋を持ち上げ、軽く振る。

さすがにこんな場所でとりだすわけにはいかない。

 

「結構馴染んでるよ。ナイフよりもなんかしっくりくるし」

「にしし、あたしの意見は間違ってなかったってことだよね~」

 

本当に、中村には感謝だな。

中村と話をしなければ、『刀』なんて発想は生まれなかった。

 

「前に岡野とナイフ訓練したんだけど、その時にこれ使ったらナイフよりもやりやすかったな」

「へぇ~。そうだ、岡野ちゃんって結構ナイフうまいでしょ?」

「あ、ああ…」

「あの子、元々体操部でさ、どっちかっていうとああいう、近寄ってどうこうってのが性に合ってるんだって」

 

…正直、意外だ。

結構お茶らけているところがあるし、そこまで真面目に人を見ているとは…。

 

「中村だって、女子の中では結構体力あるだろ?」

「まあね~。でもさ、積極的に仕掛ける奴って、作戦とかあんまり立てないっしょ?」

「だから、あたしは前衛指揮官!自分も前に出るし、日向のこともこき使ったげる!」

 

口調は軽く、どこか生意気なようにも聞こえるが、中村がそういうやつではないはよく知っている。

 

「殺せんせーもさ、多分、コロコロ状況変えれば、動揺くらいはするだろうし、いっそ大きく状況を変えるとかね。そういうのは、最前線でしっかり判断しなきゃ」

 

「中村って、結構真面目なんだな」

 

「あたしはもともとクソ真面目よ。賞金も作戦も、ビッグに行かなきゃね!」

 

いつもの軽い口調で中村は笑う。

結構適当なイメージがあったけど、今回の件で中村の意外な一面が知れた気がした。

結構、真面目な女子なんだな……

 

 

 

 

 

 

 

「でも、どうせなら別のものも大きく……」

「おい!?」

「にしししし。冗談冗談」

女子……だよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました。

ナカムラ リオ 1

 

E組のムードメーカー。気さくな性格で、男子とも積極的に関わってくる。

ギャルのような見た目だが、クラスメイトのこともしっかり見ているようだ。

時折見せる男子顔負けの下ネタなど、若干おやじ臭いところも……。

 




感想、誤字報告などあったらお願いします。


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大人の時間

日向君&律さん、お誕生日おめでとう!!!!
そして、あけましておめでとうございます!

本年も、『超高校級の暗殺教室』をよろしくお願いします。



「今日から来た外国語の教師を紹介する」

「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!!」

 

五月一日。

新しく、E組に教師が赴任してきた。

してきた……のだが……。

 

「…そいつは若干特殊な体つきだが、気にしないでやってくれ」

「ヅラです」

「構いません!!」

 

その先生、イリーナ先生はさっきから我らが人外担任、殺せんせーにべったりだ。

 

「本格的な外国語に触れさせたいとの『学校の意向』だ。英語の授業の半分は彼女の受け持ちで文句はないな?」

「……仕方ありませんねぇ」

「…へぇ、面白そうな先生じゃん。ねえ、日向」

 

「ああ…見れば見るほど素敵ですわぁ…。その正露丸みたいなつぶらな瞳、あいまいな関節…」

「いやぁお恥ずかしい」

 

俺たちはそこまで鈍くはない。

この時期にこの教室やってくる人間は……結構な確率で、普通の人ではない。

あの人は…イリーナ・イェラビッチは、間違いなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺し屋関係の人間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

一瞬、イリーナ先生と目が合った。

 

「………ッ!?」

 

その瞬間、俺は、なんというか、不気味な感覚に襲われた。

イリーナ先生の目から伝わってきた『何か』。

それは、すごく混ざり合っていて、すべて理解することはできなかった。

うっすらと理解できたのは…『無関心』。

あくまで、彼女は『英語の教師』ではなく、『100億円の賞金首を狙う殺し屋』だ。

イリーナ先生自身もそう考えているはず。ということは、考え方は暗殺が最優先、生徒のことは関係ない。授業をする気も、元からほとんどないのだろう。

少なくとも俺には……そう思えた。

 

 

 

 

 

 

 

「ヘイ、パス!!」

「ヘイ、暗殺!!」

 

昼休みのグラウンドに声が響く。

殺せんせー立案の『暗殺サッカー』だ。

やってることは単純で、殺せんせーにボールをパスし、暗殺する。

…まあ、毎度毎度回避されているんだが。

 

「日向君、ヘイ、パス!」

「ヘイ、暗殺!」

 

ボールを蹴り飛ばし、そのまま一気に近寄って小太刀で切りかかる。

先生は、軽く体をひねって回避してしまった。

クソッ、次のチャンスを……!

 

「殺せんせー!こ~ろせ~んせ~!」

 

…イリーナ先生がやってきた。

 

「烏間先生から聞きましたわ、すっごく足がお速いんですって?」

「…いやぁ、それほどでもないですねぇ…」

 

朝からの殺せんせーへの態度や言動。

あからさますぎるとも思えるほどの色仕掛け。

おそらく、イリーナ先生は、『そういう技術』をメインで扱うタイプなのだろう。

そんなことを考えていると、突如、殺せんせーがどこかに飛び去って行った。

『コーヒー』、『ベトナム』という単語から。おそらくはベトナムまでコーヒーを買いに行ったのだろう。

 

「…で、えーと…イリーナ…先生?次、英語の授業なんで……」

 

クラス委員の磯貝が話しかける。だが……

 

「…授業? ああ、適当に自習でもしてなさい。」

 

そう言って、イリーナ先生は煙草に火を付けた。

……ああ、やっぱりそうだった。

彼女にとって、生徒など只の『殺せんせーを留めておくための楔』程度の認識なんだ。

だから、授業なんてしない。俺たちに、その意味がないと考えているから。

 

「それと、気安くファーストネームで呼ぶのやめてくれる?あのタコの前以外で先生演じるつもりないし。『イェラビッチお姉さま』と呼びなさい」

「…で、どーすんの?『ビッチ姉さん』」

「略すな!!」

 

……なんというか、さすがカルマ。

プロの殺し屋相手でも全く怖気づくことなくからかっている。

それにしても「ビッチ」って……。

確かに、服装はそんな感じだ。

男を悩殺するための、露出の多い服。

さっき、E組一のエロ男子こと岡島が、鼻血を吹いていたのを覚えている。

 

「大人にはね、大人のやり方があるのよ。潮田渚ってあんたよね?」

 

そう言ってイリーナ先生は渚に近づいて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唇を重ねた。

 

「「「「なっ……!?」」」」

 

あっという間に渚は骨抜きになり、イリーナ先生が雇った人たちと一緒に連れていかれた。

確か、渚は殺せんせーの特徴や弱点をメモしていた。

ということは間違いなくそれが目当てなのだろう。

 

「少しでも私の仕事の邪魔したら……殺すわよ」

 

渚を骨抜きにするキス、従えている男たち、『殺す』という言葉の重み…

改めて、彼女が殺し屋であるということを、俺たちは実感した。

でも、同時に俺たちはこう感じた。

この先生は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

5時間目、英語の授業……

 

そんなこんなで始まった午後の英語の授業。

イリーナ先生初の授業だが……黒板には大きく『自習』の二文字。

肝心の教師はといえば、生徒そっちのけで何やらタブレットとプリントを交互に見ている。

おそらく、暗殺計画と、渚が持っていた弱点を整理して、計画の手直しをしてるのだろう。

 

「なービッチねえさん。授業してくれよ」

「そーだよビッチねえさん」

「一応ここじゃ先生なんだろビッチねえさん」

「あーー!!ビッチビッチうるさいわね!!」

 

……もはや完全にビッチで固定されてしまったらしい。

そのビッチこと担任は教師の仕事をせず、自習という名の時間潰しと化している……。

……なんだこの授業。

結局、その日の授業は自習だけで終わってしまった。

 

 

翌日……

 

烏間先生による射撃練習の最中、イリーナ先生と殺せんせーが一緒に倉庫へ向かっているのを見た。

 

「…おいおいマジか。二人で倉庫にしけこんでくぜ」

「…なーんかガッカリだな殺せんせー。あんな見え見えの女に引っかかって」

 

……本当にそうだろうか。

確かに、昨日の殺せんせーの反応から、『そういうもの』に結構弱いという事はわかった。

でも、さすがにあんなあからさまな行動、いくら殺せんせーでも気づいてもおかしくはない。

そして、以前先生が赤羽に言った言葉。

 

『先生は、暗殺者を決して無事では帰さない。その代わりに手入れをするのです』

 

……もしかしたら、先生はもう気付いている……?

 

「ねぇ、日向」

「なんだよ、カルマ」

 

 

 

「日向はさ、ビッチねえさんの暗殺、成功すると思う?」

 

…カルマの目には、確信のようなものが見えた。

だから、俺は…答える。

 

「俺は……正直、成功するとは思えない」

 

クラスメイトの視線が集まる。

 

「俺たちに対する態度から、俺達を見下している、もしくは、あまり重要に考えていないと思う」

 

間違いなく、イリーナ先生は俺達を重要視していない。

渚の弱点情報も、保険程度のものだろう。

 

「ってことは多分、『普段通りの方法』で暗殺しようとするはずだ……多分、武器も」

 

昨日連れていた男たち。

間違いなく、彼らも殺し屋だ。

そして、自分が一番信用っできるもの…普通の銃弾を使うだろう。

でも……

 

「『対殺せんせー用』なんてものがあるってことは、多分既存の武器は効かない」

 

そう言い終わった突如…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倉庫から銃声が響いた。

 

「な、なんだ!?」

「銃声!?」

 

突然の銃声に、全員が倉庫のほうを向く。

さらに……

 

 

「いやあああああ!!!」

 

イリーナ先生の悲鳴が響いた。

 

「こ、今度は悲鳴とヌルヌル音!?」

「一体、中でなにが起こってるんだ……!?」

 

流石に俺達も気になってきた。

全員で倉庫へと走る。

倉庫についた直後に、殺せんせーが倉庫から出てきた。

顔をピンク色にして、ずいぶんと満足げだ。

 

「殺せんせー!!」

「おっぱいは!?」

「いやぁ…もう少し楽しみたかったですが…」

 

倉庫からフラフラとした足取りで出てくるイリーナ先生。

ただ、その服装は一変していた。

露出全開のお色気ファッションとは打って変わった、体操服にブルマ。

頭には鉢巻き。

体操服の名札にはご丁寧に【イリーナ】と記載されている。

 

「まさか…たった1分であんなことを……」

 

……一体何したんだ、殺せんせー……?

 

 

 

 

 

英語の授業……

 

イリーナ先生…が返り討ちにされた次の英語の授業。

相変わらず黒板には『自習』の二文字。

先生の方は、完全にいらいらしながらタブレットをいじっている。

 

「必至だね、ビッチねえさん。あんな事されちゃプライドズタズタだろうね~~」

 

相変わらずカルマは余裕の表情だ。

 

「先生、授業してくれないなら殺せんせーと後退してくれませんか?一応、俺ら今年受験なんで……」

 

とうとうクラス委員の磯貝が意見した。

当たり前だ。

椚ヶ丘中学校は中高一貫。

だが、3年の2学期期末テストまでにE組にいる生徒は、内部進学の権利が取り消される。

つまり、高校受験の必要性が出てくる。

そんな中で、授業が全く行われないというのは、はっきり言って不満でしかない。

 

「地球の危機と受験を比べられるなんて…ガキは平和でいいわね〜。それに、あんた達ってこの学校の落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今更しても意味ないでしょ。」

 

そしてイリーナ先生……いや、ビッチねえさんは、ついに俺達の逆鱗に触れた。

 

「そうだ!私が暗殺に成功したら一人五百万分けたげる。無駄な勉強するよりずっと有益でしょ?だから黙って私に従い…」

 

それ以上の言葉は、投げつけられた消しゴムで打ち消された。

 

「…出てけよ」

 

そういったのは誰だったのか。

 

「出てけクソビッチ!」

「殺せんせーと代わってよ!」

 

それをきっかけにして、クラスの不満は一斉に0爆発した。

次々に投げつけられる文房具、怒号。

完全に学級崩壊だった。

……『巨乳なんていらない』と聞こえたような気がするが、多分気のせいだろう

 

「なっ……何よあんた達その態度っ、殺すわよ!?」

「上等だよやってみろコラァ!!」

 

ビッチねえさんの脅しも、もう通用しない。

この授業は、ビッチねえさんが教室から逃げ出し、烏間先生が仲裁に入ることで何とか収まった。

 

 

 

 

翌日……

 

クラスで学級崩壊が起こった翌日。

突如、昨日の元凶…ビッチねえさんがクラスに入ってきた。

俺たちの視線など目もくれず、黒板に何かを書いていく。

英語の分の様だけど……

 

「You're incredible in bed!Repeat!!」

「「「「「「ユ、ユーアーインクレディブル、インベッド…」」」」」」

 

とっさに復唱しろと言われ、戸惑いながらも読む。

ってか、この文章って……。

 

「アメリカでとあるvipに暗殺を仕掛けたとき、まずそのボディガードに接近したわ。

それはそのときに言われた言葉よ。意味は『ベッドでの君は……凄いよ』」

 

おい!中学生になんて文読ませるんだ!?

 

「外国語を短い時間で習得するにはその国の恋人を作るのが手っ取り早いとよく言われるわ。相手の気持ちをよく知りたいから、必死で言葉を理解しようとするのね」

 

ビッチねえさんは、しっかりとした態度と言葉で話す。

見た目はともかく、その振る舞いは『教師』だった。

 

「私は仕事上必要な時、その方法で新たな言語を身につけてきた。だから、私からは外国人の口説き方を教えてあげる。プロの暗殺者直伝の、仲良くなるための会話のコツ。身に着ければ、実際に外国人と会った時に必ず役に立つわ」

 

…なるほど、と思った。

ビッチねえさんは、教科書よりも、実践的な英語……いや、外国語の能力がある。

実際に殺し屋としてのスキル以外でも、その語学力はかなりのもののはずだ。

 

「受験に必要な勉強はタコに教わりなさい。私が教えられるのは実践的な会話術だけ。もし、それで先生だと認められないなら、その時はこの教室を出ていく。…それなら問題ないでしょ」

 

そういって、少しぶっきらぼうな謝罪をする。

俺たちの答えは……

 

   

 

 

 

 

 

「「「あははは!!」」」

 

笑うことで返した。

 

「何ビクビクしてんだよ、さっきまで殺すとか言ってたくせに」

「なーんか普通に先生になっちゃったな」

 

昨日まで俺達を完全に見下していた人が、まっすぐに俺達と向き合ってくる。

これも、殺せんせーによる『手入れ』名の顔知れない。

 

「もうビッチ姉さんなんて呼べないね」

「考えてみりゃ先生に失礼な呼び方だったよね」

「んじゃ、これからは普通に読んであげないとね」

「あんた達…分かってくれたのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、ビッチ先生で」

 

イリーナ先生が固まった。

 

「えっと、折角だからビッチから離れてみない?ほら、ファーストネームで呼ぶとか……」

 

ひきつった笑顔で説得しようとするが……

 

「えーもうビッチで固定されてるし。」

「イリーナ先生よりビッチ先生のほうがしっくりくるし」

「そんなわけでよろしく、ビッチ先生!」

「授業始めようぜビッチ先生!」

 

もはやE組においては『ビッチ』で定着してしまっている。

今更変えることはできないだろう。

 

「キーッ!!やっぱりきらいよあんた達!!」

 

こうして、俺達E組の英語の先生としてイリーナ先生…改め『ビッチ先生』がやってきた。

これからの暗殺も、いろいろと進展するかもしれない。

 

 




感想、アドバイスありましたらよろしくお願いします。
……男子の通信簿が書けない……。


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ツウシンボ ヤダ トウカ 1

遅くなって申し訳ありません。
難産&リアルの都合で後進に時間がかかってしまいました本当。
本当に、少し書かなくなると一気にだれちゃいますね。
ともあれ、ツウシンボ 矢田さん一回目です。

また、今後の更新方法に関して、ちょっと考えていることを圧が気で話します。


ビッチ先生が本格的に授業を行うようになって数日。

E組は以前よりも活気が出てきた。

ビッチ先生の授業は教科書のような文法や構成方法ではなく、先生の仕事の時の体験談やコミュニケーションみたいな、『直接話す英語』が中心だ。

他にも、英語原書の本を日本語版と比較して、口語体の翻訳なども教えてくれる。

ほんの数日で、彼女は『殺し屋』であると同時に『先生』になった。

そんなある日、俺は奇妙な姿を見た。

廊下にある洗面所、そこにある鏡の前で、何やら複雑な表情で百面相している人物を見かけたからだ。

その人物は……

 

「……矢田?」

「ひゃあっ!?」

 

ポニーテールが特徴のクラスメイト、『矢田 桃花』だった。

 

「は、創君!?」

「何してるんだ?」

 

見られたからか、矢田は真っ赤になって慌てている。

なにやら申し訳ないような気もするが、何かしら理由があるのだろう。

 

「笑顔のね……練習をしてたんだ」

「……笑顔?」

 

正直、訳が分からない。

矢田は、クラスでも話に0なることは多い。

男子からの評価は『かわいい』とか『明るい』とか、プラスのものが多い。

『笑顔』もあったはずだ

……エロ担当こと岡島が『胸が大きい』とか言ってたが、今は忘れよう。

そんな矢田が笑顔で悩むなんてあるのだろうか……。

 

「前にね、殺せんせーのハンディキャップ暗殺があったでしょ?」

「あ、ああ。なんでか知らないけど、宙づりでよく躱せたよな」

 

4月の頭頃、突然開かれたハンディキャップ暗殺。

殺せんせーがなぜか宙づりになって全員で攻撃するというものだったが、なぜか躱され、あげく宿題を二倍にされた事件だ。

 

「それね、その前に殺せんせーが花壇のチューリップを全部引っこ抜いちゃったからなんだ」

「何やってんだよ、せんせー……」

 

 

「それでね、その時に言われたんだ。「笑顔が固いですねぇ」って」

「笑顔が……?」

 

殺せんせーは、アドバイスに関しては真面目だ。

暗殺の失敗でナメているようなときや、以前の真っ黒な時もあるが、それでも生徒を真剣に評価してくれる。

そんな殺せんせーが、『笑顔が固い』というからには、おそらくそうなのだろう。

 

 

「私、あんまり暴力とかそういうの好きじゃないし…でも、暗殺は成功させたいから、できるだけ争わないようにしたいなって」

「……そうなのか」

 

暗殺…というよりも『殺す』という文字から受けるイメージとしては、やっぱり血生臭いものが多い。

実際、俺達の暗殺に使うものは対先生用という特殊なナイフや銃、俺の刀みたいな『凶器』だ。

『毒殺』という手段も以前はあったが、奥田の一件で基本的に毒は効かないことが証明されてしまった。

そもそも毒に気づかれてしまうが。

そうなると、似たような手段としては対先生物質を飲み物などで直接体内に入れさせることだが、あの殺せんせー相手には至難の業だろう。

 

「その…厳しいこと言うかもしれないけど、難しいんじゃないか?」

「うん。それは知ってる」

 

恐る恐る口に出した言葉は、矢田の声に切り捨てられた

 

「難しいかもしれないけど、『絶対できない』ってわけじゃないでしょ?」

 

そういう矢田は満面の笑みというわけではないが、少しだけ微笑んだ。

優しさと強さ。

彼女が目指しているものは、その両立じゃないかと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ツウシンボが更新されました。

ヤダ トウカ 1

E組一のプロポーションをほこる女子。本人は気にしているが、男子の注目はよく集まる。

あまり血生臭いことや暴力を好まない優しい性格で、以前殺せんせーに言われた「笑顔の硬さ」改善し、極力争わないような暗殺がしたいとのことだ。




今後の更新ですが、その前にちょっと本作での考えを。
日向君には、暗殺教室卒業までに全員のツウシンボを埋めてもらう予定です。
一人5回×28人なので、合計140話分ですね。
ただ、どうしてもオリジナルがメインになってしまうので、執筆に時間がかかります。
なので、今後の更新としては

1 今まで通り か
2 本編を中心にして、通信簿を後から挿入する
香のどちらかだと思っています。
次回は、本編なら中間テスト、ツウシンボなら多分倉橋さんになると思います。
それでは、また次回…。


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