曜の恋物語 (★星夜☆)
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第1話 「5年ぶりのただいま」
~3月31日 午後8時~
俺は耳にイヤホンをかけながら家のベランダに出た。
「綺麗な空だなぁ...」
1人でそんなことを呟いていると誰かが俺の方を叩いた。
「暖人、ちょっと話あるんだけどいい?」
母さんから僕に話って珍しいな。
そう思いながら家の中に入った。
「それで話って何?」
俺は母さんに聞いた。
「あなたには、しばらく沼津に住んでほしいの。」
「え、どうしたの母さん?急に...」
母さんの顔を見ると表情が暗かった。
「とにかくあなたは明日から沼津に引っ越して。もう高校2年生だから大丈夫よね?」
「か、母さん、何があったの?」
「それは教えられないわ。」
「で、でも、母さんも沼津に住むんだよね?」
「いいえ、あなた1人よ。私はここの残るわ。」
「そっか...」
「必ず迎えに行くからね。」
「うん...」
そして僕は5年ぶりに沼津に住むことになった。
実は5年前まで俺は沼津に住んでいた。
しかし母さんの事情で引っ越さなければならなくなった。
そうして幼馴染の友達には何も言わずに沼津を出て行ってしまった。
好きだったあの子はどんな姿になってるんだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんなこと考えながら沼津に着いた。
そして向かったのは内浦の海だった。
「久しぶりだな。昔と全然変わってないや。」
この潮の香り。懐かしく感じる。
「さて、そろそろ家に向かうか。」
俺は振り返り、歩き始めた。
そのとき1人の女子が歩いていた。
アッシュグレーのショートヘア。
「あれって...曜...だよな?」
そう、そこにいたのは幼馴染の渡辺曜だった。
すると曜と俺は目があった。
「曜~!久しぶり~!」
すると、曜は近寄ってきた。
「はるくん?」
「そうだよ。ただいま。曜。」
「はる...くん...」
曜は急に俺に抱きついてきた。
「急にいなくなったから、ずっと心配してたんだよ~!」
曜は泣いていた。
そして俺はそっと曜の頭を撫でた。
「ごめんな、何の連絡もしないで出て行っちゃって。」
しばらく曜は泣き続けていた。
数分後、曜は泣き止んだ。
「でも、どうしてこっちに戻ってきたの?」
曜は涙目で俺に聞いてきた。
「母さんがこっちに住んでほしいって言われて来たんだけど、その理由が何なのかは教えてくれなかったんだよね。」
「そうなんだ~...あ!」
曜の大きな声に少しびっくりした。
「なんだよ急に」
「終バス...終わった...」
「え...どうする...の?」
「歩いて帰るしかない...」
「確か曜の家ってここから結構あるよな...」
「うん...」
俺はどうすればいいか考えた。
「なら俺ん家に泊まってく?引っ越してきたばかりでダンボールだらけだけど」
「え、いいの?」
「うん。そこまで遠くはないし、疲れてると思うから」
「ありがとう!」
2人で俺の家に向かった。
「そういえばどこの学校通ってるの?」
「浦の星女学院だよ~ いっつも千歌ちゃんと行ってるんだ~」
「そっか。相変わらず仲良いな、千歌と曜は。」
「そりゃあ、幼馴染だからね!」
「おいおい、俺も一応幼馴染なんだから忘れないでくれよ?」
「忘れるわけがないよ!はるくんは私にとって大切な人なんだから...」
「そうか、そうか。なら良かったよ」
俺は笑いながら言った。
そんな他愛もない話をしている間に俺の家に着いた。
「おじゃましま~す!」
曜は急いで靴を脱いで中へ入って行った。
「ほんとにダンボールだらけだね...」
「そりゃ引っ越ししてきたばかりだからな」
すると曜は制服の袖を捲り始めた。
「まさか...片づけるなんて『片づけるよ!』」
曜は張り切って片づけ始めた。
「いや、疲れてるんだから休んでろって...」
「大丈夫、大丈夫!」
俺には曜が無理しているように見えた。
「倒れちゃったら俺も困るから...」
「大丈夫!」
こうなったら無理やりでも休ませるしかない。
俺は曜のことをお姫様抱っこをしてソファに運んだ。
「はる...くん...///」
「ちょっとは休んでろ。さすがに疲れてるのに、ここまでやられると心配だ」
「うん...///ごめん...」
そして俺はダンボールの片づけをやり始めた。
数時間後、ダンボールの片づけが一通り終わり、曜のほうを見てみると寝ていた。
「やっぱり疲れてんじゃん...」
俺は独り言を呟いた。
「さて夜ご飯食べ...って夜ご飯どうしよう。」
そう。俺は自炊ができない。
そして曜に作らせるわけにはいかない。
1人で考えながら部屋を歩いていた。
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第2話 「二人の時間」
「ん...はる...くん...」
俺が部屋を歩き回っていると曜が起きた。
「あ...起こしちゃった?」
「ううん、ちょうど目覚めたところ」
「そっか...」
「どうしたの?さっきから歩き回って」
「あ~、夜ご飯どうしようかな~って思ってて」
「まさか自炊できないのに1人暮らししようとしてるの?」
痛い。とても痛い言葉が飛んできた。
「べ、別に好きで1人暮らし始めたわけじゃねぇーよ!」
「ふ~ん?」
曜はジト目で俺の方を見てきた。
「そんな目で見んな!」
すると曜は立ち上がった。
「しょうがないな~!はるくんには私がごちそうしてあげよう!」
「いや、疲れてるんだからいいよ!」
「さっき寝たから、もう大丈夫だよ!」
そう言って曜はキッチンへ向かい冷蔵庫を開けた。
「このくらいあれば十分かな~」
「俺もできることあれば手伝うぞ」
「はるくんには泊めてもらうんだからソファーにでも座って待ってて!」
「おう。んじゃ、お言葉に甘えさせてもらうぞ」
俺はソファーに寝転んだ。
~数十分後~
「お~い!夜ご飯出来たよ~!」
「ん...あれ....寝ちゃってた?」
「うん、熟睡してたよ」
「マジか」
俺は立ち上がってテーブルを見てみた。
そこには美味しそうなハンバーグと野菜がきれいに盛り付けされていた。
「今日は曜ちゃんの手作りハンバーグだよ!いっぱい食べてね!」
「このハンバーグ手作りか。曜って料理できるんだな。」
曜はドヤ顔をしながら立っていた。
「俺も腹減ったし早く食べようぜ」
「うん!」
俺と曜は椅子に座った。
「「いただきまーす!」」
俺は曜の手作りハンバーグを口に入れた。
「うまっ!」
「ほんと!?よかった~!」
「もう一つもらうぞ!」
「いいよ~!たくさん作ったからたくさん食べてね!」
「「ごちそうさまでした~!」」
「いや~曜の手作りハンバーグ美味かったな~」
「喜んでくれてうれしいよ!」
「これから毎日作ってほしいくらいだよ」
「え!?...///」
曜の顔を見ると赤くなっていた。
「ん?どうした?顔真っ赤だけど大丈夫か?」
「う...うん...大丈夫だよ!」
「そっか。よし!曜は料理作ってくれたから皿洗いは俺の仕事だな!」
「皿洗いも私やるよ!」
「いやいや、料理作ってくれたんだし、お礼くらいはしないと」
「いや、でも私は泊めてもらう側だから、このくらいは私がやるよ!」
「いや、でも...」
「じゃあ、一緒に皿洗いしよ?」
「その手があった」
結局二人で皿洗いをすることになった。
「ふぅ~疲れた~」
「はるくんお疲れ様~!」
俺はソファーに座りこんだ。
曜は相変わらず元気そうだ。
「さすが曜だな。まだそんな体力があるなんてね。」
「そりゃ、水泳部もやってるしスクールアイドルもやってるし!」
「そうだよな。水泳部もやってるしスクールアイドル...え?」
確かに曜が水泳部に入ったってのは聞いてたけど、まさかスクールアイドルをやっているとは。
「スクールアイドルもやってたの?」
「うん!千歌ちゃんたちと一緒にね!」
「そっか。まぁ頑張れよ」
「うん!ありがと!」
「んじゃ、風呂入れてくるわ」
「は~い!」
俺はソファーから立ち上がって風呂場へ向かった。
「風呂出来たら先に入ってきていいぞ~」
「先に入っていいの?」
「うん、だってさすがに俺の後に入るのは嫌だろ?」
「え...いや...別に...嫌では...」
曜が下を向いて言う。
「なら一緒に入るか?」
「ん...うるさい!...///」
少しからかうように言ったら拗ねながら風呂場へ行ってしまった。
~曜side~
(まさか、はるくんがこっちに戻ってくるなんて思ってもいなかったな...)
私は少し熱いシャワーを浴びながらそんなことを考えていた。
何年ぶりだろう。
はるくんの家に泊まるなんて。
ただの幼馴染なのになぜか緊張する。
なんだろう。このドキドキ...
~sideout~
「はるく~ん!」
風呂場から曜の声が聞こえた。
「どうかしたか~?」
大きい声で風呂場に向かって言った。
「服がな~い!」
そうか。曜は制服で家に来たから他にないのだ。
俺は服の入ったダンボールから服を取り出した。
「俺のだから少し大きいし、嫌かもしれないけど今日はこれで我慢してくれ」
俺は洗面所のドアを開けてパーカーを渡した。
...やってしまった...
そこには下着姿の曜がいた。
いくら幼馴染とはいえ、もう高校生。
これは終わった...。
「あ、いや、これは、その...」
俺は動揺して言葉が出なかった。
「この...変態!!」
俺は思いっきりバスタオルで殴られた。
曜に服を渡して俺は殴られた頬も抑えながら自分の部屋に戻った。
~数分後~
トントン
ノックの音が鳴り響いた。
「いいよ~」
ドアが開いた先には曜が立っていた。
髪が濡れていて、少し色気が出ていた。
「ど、どうした?」
「あの...さっきバスタオルで殴っちゃってごめん...」
「謝るのは俺の方だよ。元はと言えば俺が悪いんだからな。さっきはごめん。」
数秒間、沈黙が続いた。
「あ、あの...」
「ん?どうした?」
「一緒に寝たいなって思って...」
「...いいぞ」
「...ありがとう...///」
「でも、それは俺が風呂入ってからな。」
「うん!」
そういって俺は風呂場へ向かった。
風呂から上がって自分の部屋に戻ると曜は机の上にあったアルバムを見ていた。
「それ見てたんだ」
「うん♪なんか懐かしいなって思ってさ~♪」
曜が開いていたページには俺と曜のツーショットの写真があった。
「こうしてみると、俺たち随分成長したんだな」
「そうだね...」
曜は少し眠そうにしていた。
「そろそろ寝ようぜ」
「うん...」
俺がベッドの中に入ると、曜も入ってきた。
「ちょっ!曜!」
「だって一緒に寝るって言ったもん♪」
まあ、今日くらいはいいかな。
そう思いながら俺は目を瞑った。
すると曜は俺に抱きついてきた。
「...っ!」
曜はぐっすり寝てしまった。
曜の寝顔も5年ぶりに見た。
何かものすごく安心する。
今日はぐっすり眠れそうだ。
「おやすみ。曜。」
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第3話 「日常」
~土曜日の朝~
「起きろー!」
「痛っ!」
曜は俺の耳元で叫んできた。
「って朝からうるせーよ!」
「だっていくら声かけても起きないんだも~ん♪」
「ったく...」
俺はそういって時計を見た。
時計の短い針は6時を指していた。
「おい、曜。今何時か分かるか?」
「6時でしょ?」
「6時でしょ?じゃねーよ」
「まあまあ♪今日は休みなんだからいいじゃん♪」
「逆に休みなんだからもう少し寝かせてくれ」
「なんで~!せっかくの休みなんだから、どこか行こうよ~!」
「こんな早い時間から行っても、どこも空いてねぇーだろ」
「家来てよ~!」
「え、曜の家?」
「え、あ、うん...お礼というか何というか...///」
曜の家に行くのも久しぶりだから行ってみるか。
「んじゃ行くわ」
「え、本当に来るの?///」
「あ、ダメならいいけど」
「いや、全然いいよ!...///」
「んじゃ早速着替えて行くか」
「うん!」
危ない危ない。
曜がいるところで着替えるところだった。
だけど、曜が動かない。
「あのー...」
「どうしたの?」
「俺の着替え見たいの?」
「え!何で急に...///」
「だって着替えようとしても動かないんだもん」
俺が曜にそう言うと顔を赤く染めて俺の部屋を出て行った。
着替え終わって、リビングに行くとテーブルには朝ごはんが並んでいた。
そしてキッチンには曜が立っていた。
「これ曜が作ってくれたのか?」
「そうだよ♪でも冷蔵庫にあったもの全部使っちゃった...ごめんね...泊まらせてもらってるのに自分勝手にしちゃって...」
「気にするな。今日買ってくるから。」
「ありがとう...」
「よし!曜の家に行く前に朝ごはん食べて元気になってから行くぞ~」
「うん!」
「「いただきまーす!」」
食べ終わって二人で皿洗いをした。
「よし!皿洗いも終わったから、そろそろ行くか!」
「よし!じゃあ私の家まで全速全身?」
「よ、よーそろー...」
「元気がない!もう一回!」
「恥ずかしいんだよ...」
「いいから!全速全身?」
「よ、ヨーソロー!」
俺は顔を赤く染ながら言った。
「曜の家行くの久しぶりだな~」
「ホントだね~♪」
するとしばらく無言の時間が続いた。
「ねぇ...はるくん?」
「ん?どうした?」
「...向こうでは好きな人とかいたの?」
「ま、まあ...」
「そっか...」
曜の表情がいつもより暗くなっていた。
『一番近くて遠い存在』
俺の好きな人はそんな存在だった。
「着いた!」
いろいろ話していたからあっという間着いた。
「なんか懐かしいな」
「いいから早く入ろ!」
俺は曜の後ろについて家の中に入った。
「ただいま~♪」
「おじゃましま~す」
「飲み物持ってくるから私の部屋で待ってて♪」
「お、おう。サンキュ。」
曜の部屋の場所は覚えていたから迷わずに辿りつくことができた。
女子の部屋に入ったことなんて曜の部屋しかないからな。
「おじゃましま~す...」
俺はゆっくり曜の部屋に入った。
一番最初に目に入ったのはコルクボードだった。
「なつかしいな~...」
そこには俺と曜と千歌の3人でとった写真や俺と曜のツーショットなどもあった。
「お待たせ~!」
「お、サンキューな」
そして俺は曜が持ってきてくれたジュースを飲んだ。
「...ねぇ、はるくん」
「ん?どうした?」
「もし、よかったら明日一緒に出掛けたりしない...?」
「...」
しばらく俺はドキッとして返事をすることができなかった。
そりゃ女子にそんなこと誘われたことがないからな。
「ダメ...かな...?」
「あ!いや、俺も空いてるし行こーぜ」
「ほんと!?やった~!」
曜はうれしそうに笑った。
「ふぁ~...」
曜は大きなあくびをして目をこすっていた。
「眠いのか?」
「うん...ちょっとね...」
「まぁ朝早かったからな。少し寝な。」
「うん...」
曜はベッドの中に入った。
「ねぇ、はるくん?」
「ん?」
「寝るまで手繋いでてほしいな...///」
「お、おう。」
俺は曜の手を優しく握った。
曜は恥ずかしそうに顔を赤くしながらも、少し微笑みながら眠った。
来年から自分は受験生になるので、来年からは完全に投稿できなくなります!
でも受験が終わったら必ず戻ってきます!
それまで応援していただけると嬉しいです!
P.S.
今年はあと1話か2話くらいしか投稿できないと思います!
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特別編 「聖なる夜に」
今日は12月25日。
特に予定が無いから家でゆっくりしている予定だった。
「プルル」
「ん?電話か?」
俺はスマホ見た。
画面には『渡辺曜』という文字が書いてあった。
「もしもし?」
「あ、はるくん?」
「どうした?」
「あの...今日って空いてる?」
「まあ特に予定は無いかな」
「じゃあさ...イルミネーション見に行かない?」
「...」
女子からこんなお誘いが来るなんて初めてだったから、どう返事すればいいのか分からなかった。
「や、やっぱり今のは無しで!」
「あ、ちょっと...」
電話切られた。
「もう一回かけるか」
俺はそういって曜に電話をかけた。
「プルル」
なかなか電話に出ない。
こうなったら曜の家に行って直接謝るしかない。
「行くか...」
俺は着替えて曜の家に向かった。
~曜side~
「せっかく誘ったのに...そうだよね。私より千歌ちゃんとかの方が可愛いし、きっと他の人と見に行くんだよね...」
「ピンポーン」
そんなことを考えているとインターホンが鳴った。
時計の針は午後3時を指していた。
「こんな時間に誰だろう」
そう思いながらドアを開けた。
「は、はるくん!?」
そこにいたのは、はるくんだった。
「ど、どうして!?」
「どうしてって電話しても出ないから来た」
「あ、ご、ごめん...」
「いや、謝るのは俺の方だよ。すぐ返事してやればよかったな。」
「いや、いいよ!それに今日は千歌ちゃんたちとイルミネーション見に行くんでしょ!ほら、家帰って準備しないと!」
私はドアを閉めようとした。
すると、はるくんは閉めさせないようにドアノブを掴んできた。
「もう準備はできてる。」
「じゃあ何で家にいるの?早く千歌ちゃんたちのところに行ってあげないと!」
「何で家にいるのって俺は曜とイルミネーションを見に行きたいからだよ」
「...え?」
「そうじゃなきゃ曜に何回も電話したりしないよ」
「それじゃあ...最初から私と行こうとしてたの?」
「そうだよ。急に電話切っちゃうんだもん。」
私は涙を流した。
「...バカだ...バカ曜だ...」
「いや、すぐ返事しなかった俺がバカだったよ。ごめんな。」
曜は俺に抱きついてきた。
「ううん...こっちこそごめんね?」
「大丈夫。気にすんな。」
俺はそっと曜の頭を撫でた。
「まだ3時だし、少し曜の家でゆっくりしていってもいい?」
「うん!」
そして俺と曜は曜の部屋で喋ったり、寝たりして気付けば午後7時になっていた。
「そろそろ行こ♪はるくん♪」
「よし、行くか」
「でも、はるくん。どこのイルミネーション見に行くの?」
「それはお楽しみ」
「え~」
そういって俺は曜の手を握って、そこへ向かった。
「着いたぞ。俺が曜と来たかったのはここだ。」
「うぁ~!綺麗!」
目の前には、とても綺麗な景色が広がっていた。
「はるくん。ここって人来ないの?私とはるくんしかいないよ?」
「だから来たかったの。ここはあまり人来ないんだよ。まあ隠れスポットってやつ?」
「そうなんだ...///」
「久しぶりだな。こうやって二人だけで見るなんて。」
「うん。私もここ来てよかった。ほんとに綺麗だね。」
「だな。」
「また来年も一緒に来ようね。」
「ああ。約束するよ。」
そして曜は俺に寄り添ってきた。
「しばらくこのままがいいな...///」
「分かった。」
俺と曜は二人きりで寄り添いながら暗闇の中の綺麗な光に包まれていた。
今年最後の投稿でした!
前回の後書きで書いた通り、来年は投稿することができません!
受験が終わったら必ず戻ってきます!!
それでは、また会う時まで!
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第4話 「距離」
時計の針が午後6時を指した頃、曜が目を覚ました。
「お、やっと起きたか」
「あ、もしかして私ずいぶん長い時間寝てた?」
「まぁ、長い時間寝てたな」
曜はスマホの画面で時計を見た。
「もう6時!夕飯の準備しないと!」
曜は慌ててベッドから起き上がり、キッチンへ向かおうとしていた。
「なぁ、曜...」
「どうしたの、暖人?」」
曜は不思議そうに首を傾げてこちらを見ている。
「せっかくだから、どこか食べに...行かない?...」
「...」
数秒間、沈黙が続いた。
「もしかして...嫌だった...?」
「本当!?行きたい!」
「そっか...良かった...」
「何で?もしかして断られると思ってた?」
曜はニヤケながら俺をからかう様に聞いてきた。
「しばらく返事しなかったから...正直な...」
「そんなわけないじゃん!暖人と一緒にいれるんだもん!」
「///...その言い方誤解を招くから、やめてくれよ...」
「...顔赤くなってる~!照れちゃって~!」ツンツン
曜は俺の頬を軽く突いてきた。
「ほら、行くぞ...///」
「うん!」
そして俺らは準備した。
~曜side~
「そんなわけないじゃん!暖人と一緒にいれるんだもん!」
(あわわ...言っちゃった!これって好きって言ってるようなもんだよね?...)
「///...その言い方誤解を招くから、やめてくれよ...」
(...やっぱり暖人は気づかないんだね...)
少し落ち込みながらも暖人をからかう様に頬を突いた。
~sideout~
俺と曜は家を出て駅に向かった。
(...近い...近すぎる...もう、くっついてるんですけど...)
俺は恥ずかしがりながらも、そのまま歩いた。
そして駅に乗って店まで着いた。
「なんか高そうなお店だね~」
「まぁ、とりあえず入ろう」
~数十分後~
俺と曜の前にチーズinハンバーグが出された。
「わぁ~!おいしそう!いただきま~す!」
「いただきます」
「おいし~!」
曜は笑顔でそう言った。
「曜のその笑顔が見れて俺は幸せだよ」
「もぉ~///すぐそういうこと言う...///」
「だって本当なんだもん」
俺は少し笑いながら言った。
そして思った。
こうやって2人でいられる時間がとても楽しく、幸せだということを。
そして二人は食べ終わって、店を出た。
「いや~おいしかった~!」
「この店選んで正解だったわ」
「暖人、センスがありますな~」
「やっぱり?」
「次も楽しみにしてるのであります」ビシッ
曜は敬礼しながらそう言った。
2人は笑いながら話して帰った。
距離なんか気にせずに。
受験が終わって、やっと投稿できました!
これからもよろしくお願いします!
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