特殊艦、出撃する。 (Rimon Nikus)
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【第1章】 特殊艦、参上。
衝突
――もしも艦娘になったら、お前はどうする?
夜が更ける。
装備開発科の1日はとにかく長い。
ここ最近、各鎮守府の開発だけでは装備の支給が間に合わなくなってきた模様で、8年前、将来の優秀な設計者・技師を育てるための工業校や商船学校では、海軍の要請により新たに「装備開発科」という新しい学科が追加された。
どんな学科か簡単に説明すると、この世界で存在が確認されてから今年で20年が経過する『艦娘』と呼ばれる少女達の装備、つまり武器の原型を作るための学科である。原型というのは、そのままでは艦娘が装備しても使用できないので、まず各校の技師によるチェックが行われた後、各鎮守府に注文されたぶんの装備を送り、受け取った側の鎮守府に在籍している『妖精』によるチェックと最適化(人間が開発した装備を艦娘が使用出来るようにすること)が行われて、初めて装備として完成するからである。
つまり装備開発科の生徒は実質、現地で戦闘する艦娘の為に装備を開発しているという、縁の下の力持ちという立場なのだ。
艦娘とは、先程も述べたように今から約20年ほど前に存在が確認された生命体のことで、簡単に言えば、100年以上前に発生した第二次世界大戦期に実在した艦船が少女に擬人化したとされている存在である。現在こそ建造による艦娘の生成は行われているが、登場した『原理』は未だ解明されていない不可思議な生命体である。大国が開発したサイボーグだとか、人体実験によって誕生した人間の少女達だとか言われてしまっているが、各大国は否定しており、詳しいことは未だ不明。現在も調査中である。
艦娘が登場した理由については既にある程度判明している。
艦娘が登場する1ヶ月前にとある事件があった。
シーレーン通行中の貨物船、客船等の民間船が次々と撃沈されるという事件が発生したのである。
生き残りの船員によると「犯人は白い肌で、海面を立っている少女」と申していたため、各国は当初困惑したが、その数日後にパナマ運河がその少女達による爆撃を受けて壊滅したことで各国は米軍を中心とした部隊で立ち向かったのだが全滅寸前にまで追い込まれた。
この時に攻撃した少女は後に深海棲艦と呼ばれる人類に対し敵対している生命体だと判明した。
深海棲艦はシーレーンと海底ケーブルを破壊したことで貿易をストップさせ、ハワイ、フィジー、ミッドウェー、ポリネシアなどの島々を次々と陥落させたことで太平洋を分断し、また空母による空襲を実行し、人類側に大ダメージを与えた。
当然人類側も黙ってはおらず、各国の海軍を出動させたもののほぼ全滅という結果に終わり、人類の存続すら危うい状況となった。
この状況を打破したのがどこからともなく現れた艦娘という存在である。
日本の太平洋側で東京湾を攻撃しようとしていた深海棲艦を、艦娘が撃破したことで一筋の光が差した。
現れた艦娘は、深海棲艦を倒し、人類の平和を守るために戦う存在だと宣言し、人類側の味方に属した…このことが今も続いている戦いの始まりだとされている。
現在も各地域で戦闘は続けられており、むしろ当初よりも戦闘が激化し装備の受注は増える一方で、装備開発科は夜中まで活動することも珍しくない。
未だに海水浴場では立ち入り禁止の柵は撤去されず、強盗は毎晩発生し、治安も日に日に悪くなって行く。
こんな混沌とした世界で、自分達はいつまで装備開発をし続けなければならないのかもわからず、各生徒の間で不安はどんどん増すばかりだ。
不安定な状況は、未だに薄れることなく続く。
かつて犯罪率の低い国という印象は、もう何処にもなかった。
「……なんだそのいきなり唐突な質問」
「いや、もし俺達が艦娘になったのなら俺らってどうすんかなってふと思っただけさ」
装備開発科棟2階食堂。目の前にいる寝癖ボサボサな男が話しかける。
「……軍の命令に従って深海棲艦を殲滅するだけだろう」
「でもさ、ここで散々軍のパシリとして動くよりは随分マシだと思うぜ? 上手く活躍すれば勲章とか貰えそうだし、あと女の子達といろいろ喋れるし、美味しいもの食えそうだし、いろいろ面白そうじゃん!」
今の生活がめっちゃつまんないことには内心こっちも同意するが、動機が下心丸出しである、思わず溜息が出る。
「んな理由で活躍しようとしてもただの駒にされるだけだっつの、せめて大和クラスの強さにならなきゃ勲章云々は無理だろ」
「夢ねぇなぁお前。お前だってもしなったら活躍すんだろうがよ」
「そりゃこんな馬鹿げた戦争さっさと終わらせたいとは思うけどな、でも活躍したってリターンはあんまなさそうだし、それに、」
ボサボサ髪の向かいに座っている14の男がオムライスを食べながら言う。
ちなみに食事はあまり美味しくない。特に卵。爆撃とかのショックで多分鶏がストレス溜めちゃってるからだと思う。
「深海棲艦と真正面でぶつかることになるんだぞ、つまり死ぬリスクがある。お前は敵を前にした時戦えるのか、俺はごめんだ」
「防御して躱して察知して攻撃当てて沈めれば勝てるんじゃね? 問題なしだぜ」
「それ物凄く難易度高いことだと思うんだがな」
「お前も考え方ネガだねぇ。もうちょい気楽に考えようぜ、次の報酬入ったらどっか良い飯屋でも行こうや」
「1人で行ってこい、俺はオプションパーツの費用に当てる、それにあの店タバコの臭いがキツイし行きたくねぇ」
「相変わらずつまんねぇなお前……」
目の前の男は自分に対して呆れの表情を見せる。だがこっちも楽観的な意見に何度も呆れる。なんでこんな時期にヘラヘラ飯屋に行っていられんだ? そもそも艦娘が深海棲艦を簡単に沈められているのなら、すでに戦況はこちらが有利になり、生産数は次第に減っているはずなのだ。しかし現在でもこの学科では受注は止むどころか日に日に増す一方だ。そう考えるとどうしても嫌な考えにたどり着く。
――今この瞬間も、恐らく何処かで誰かが新しく造られて、そして誰かは敵に沈められているんじゃないかっていうことを。
装備開発科設立当時、先輩達は、依頼のペースはまだゆるい方だったと聞いている。
それが今はもう当時の5倍以上だ。笑えねぇよ。
自分達が作った装備を例え誰かが大切に使ってくれたとしても、数で押さなきゃ勝てない敵でも現れてんのか? 脳裏でそんなことを考えたくなる。
8年も装備が作られ続けてんのに未だ戦況の改善の糸口が見えないって、これヤバいんじゃ……?
一瞬頭内で嫌な考えが過ったが、表情には何とか出さずに食い続ける。
時間はまもなく午後8時を差す、そろそろ開発作業を再開しなければならない。
「……そろそろ俺は持ち場に戻る、お前も急いどけよ」
「へいへい、お前ももうちょいポジティブになろうぜ? 張り詰めてるより楽に考えた方がリラックスできるだろ」
「戦争に勝ったとかの吉報が入ってから考える、じゃあな」
そう言ってオムライスを食べ終わってスタスタと戻り、彼は持ち場につくために作業室まで早歩きで移動した。
今日はまだ依頼が数件程残っている。今日中までに終わらせなければ納品書の発行に遅れが出る。そうなった場合色々面倒なことになりかねないのでそれだけは避けたい。作業を急ピッチで再開した。
時計の針が11時を指した頃。
食後から作り続けて3つ目。これが本日最後の製作である。機構はもう組み終えたので、後は製作した者の名前を装備の規定の位置に彫るだけである。
彼はいつものように手慣れた手つきで設計した部品を組み終え、名前を記した。
「……んー……よし、終わった……。……疲れたな……」
ようやく全て組み終えた。後は担当の技師(先生)にチェックしてもらい、鎮守府からやってきた職員や艦娘に装備を受け取って貰えば今日は終わりだ。
彼はようやく終えたので椅子にもたれ体を伸ばす。
「……しかし、なんで開発した装備に対して名前を入れるようになったんだ……?」
身体を伸ばした後の頭で考える。理由はよく分からないが、3年前くらいから開発及び設計した装備に対し、製作した者(生徒)の名前を記入するようになったのだという。
しかし、使用する側から見れば名前を見たって何も言えないだろう。面すら見せたことない相手が作ったって普通に考えれば印象が薄すぎだろうし、それに装備は装備と割り切って使う人が多いはずで、いちいち名前を覚えてもらえる訳がないし、意味がないのではと思うことがある。
それにこちら側には、その作った装備が一体誰にどのように使われるのか、後日の使用情報が一切入ってこないのだ。それでは名前を記入した意味がほとんどないのでは? とどうしても疑問に思ってしまう。
「…さっさとチェック受けに行くか……」
またも考えが逸れかけたがすぐにいつものようにチェックを受けに行った。
今些細なことを気にしている暇はない。装備を作ったのだから鎮守府に納品していただかなければならない。彼は装備を両手に抱えて工場棟に走る。
作業室から工場棟までは3分で着いた。
ここ工場棟では、毎日多くの生徒によって作られた装備のチェックやテスト作業等が行われている。もちろん作業室同様、ここでも装備は開発される。
今も深夜12時を迎えるまで、ギリギリまでテストや納品が行われている。
その工場棟のとある一室で、彼は開発した(というか組み立てた)装備のチェックを技師から受けていた。
「設計…異常無し、接合…異常無し、強度…許容範囲…………よし、全て問題無しだ、遅くまでお疲れ様。納品はもう夜遅いから俺が代理でやっとくよ」
「…夜遅くにすみません、ありがとうございます」
「良いさ、戦時下だから仕方ねぇ……。…しかし、反動を抑えるため着任した艦娘でもすぐ使えるよう打ちやすくしていたり、暴発せず長期的に使えるように組んでいたり、堅実に組んでいるな。お前の作り方は大変すばらしいものがある」
「…武器が欠陥だらけだったらこれから使うであろう方々から苦情がくると思いますので、安定した武器を作って少しでも長く使えるようにする、それだけのことです。特別なことはしてませんよ…。」
「いやいや、面倒で手を抜いちゃう馬鹿よりずっといい作り方してるしてるだろう。もっと誇っとけ。その考えは絶対これからもっと必要になるぞ、大変だろうが大事にしとけ。」
「……恐れ入ります。」
実は彼の仕事が増えている原因はもう一つある。装備を作るのが面倒で手を抜いている生徒がいるためだ。
仮にここの工場でのチェックが通って鎮守府に送られたとしても、妖精の目を欺く事はできない。欠陥が発見された時点で、工場に送り返されてしまう。つまり、作り直しのための依頼も増えてしまっているのだ。
しかも、送り返された際、妖精から『もっと組み方が上手なやつに作らせろ!開発を蔑ろにする馬鹿なんかいらない!』という条件付きで。
つまり、真面目に作っている側の人間は必然的に仕事が増えてしまうわけである。いい迷惑にもほどがある。お前らちゃんと仕事しろや。
「明日は依頼の内容は作業室前に掲示しておく。7時から作業開始だ。明日の作業に備えて早く寝るように」
「はい、失礼します、おやすみなさい」
「お疲れさん、お休み」
ようやく今日1日の作業が全て終了した。
今は作業室に置いてあった少量の荷物と工具箱を持って帰路についているところである。
彼の住む場所は交差点を曲がって本通りを3分程歩いた場所に立っているアパートである。
最近は依頼の件数が多く帰りが12時近くになることも珍しくなくなってきた(勿論作り直し含む)。お陰で眠気は凄まじいことになっている。早くこのオイル臭いニオイを落とすために風呂に入って、さっさと布団に潜りたい。
(風呂で寝落ちして溺れるとかはないと思うけど死にたくはねぇよなぁ……。気を付けるけど)
そう思いながら交差点の本通りに差し掛かったところで、背後から女の子の声が聞こえてきた。
「あうう……鎮守府から抜け出しちゃった……。怖いけど…でも明日雷の誕生日に間に合わせないといけないし、どうしよう……。
あーもう私のばかー!! なんで買い出しを忘れちゃうのよー!!」
……えぇ……(困惑)
彼はその少女に対し、チラ見しつつも内心で呆れる。
買い出しを忘れて慌ててこんな夜中に買いに行くとかどういうことなんですかねぇ……。
というかチラ見した時に分かったのだが、この少女は自分よりも身長が低いようだ。
彼は14になっても、牛乳嫌いを去年克服したにもかかわらず、未だに150cmの高さに到達していないのである。だが相手は自分のそれよりも低い。どうみても子供である。下手したら小学生高学年どころか中学年ぐらいだろうか…? そんな子が夜の街を一人で歩くってどういうことなの…と思う。
今のところ全国各地で治安がよくない現在、美女や幼女等が一人で無防備に外を歩くことはもはや「己の身体を変態さんに捧げます、私をメチャクチャにしてください」と言っているようなものだ。こんな時間に一人で夜の街をあるくとは……。ある意味大した度胸ともいえるが。
「というか今ってスーパーやケーキ屋とか開いてないの……? せめて手作りのための小麦粉とかどこかに売ってないのかな……。
っていうか、この街の店はどこにあるのよ……。」
少女はそう言いながら彼の横を頭を抱えながら通り過ぎる。売ってません。流石にもうスーパーやケーキ屋はこの時間帯には全部閉まってます。
しかもどうやらこの少女は声のトーンからしてこの街の地理にはあまり詳しくない感じが窺える。こうなると家に帰ることすら出来なくなるかもしれない。帰る家が無かったり分からなくなるほど不安なことはない。こっちが見ても不安になるレベルだ。
彼は内心話しかけるのは面倒ごとが起きそうで嫌だとは思ったが、「この本通りの先にある交差点を左に曲がれば目の前にコンビニがある」ということと、「そのコンビニはチョコレートだけでなく、珍しく小麦粉や砂糖などの調味料も取り扱っている。ただし値段がクッソ高い」ということは伝えた方がいいかもしれないかと思った。
しかし、勿論俗にいう『事案』に発展する可能性がある。そうなったら白い目で見られるのは確実だ。でも
おいちょっと待て。なんでこの子とは面識ないくせに何でこんな考えてんだ?
恐らく14年生きてきた彼の人生の中で初めて沸いた感情に、内心動揺する。言動からの勝手な判断だが、なんていうか友達のために何か買ったり作ってあげるような性格ってすごく――とさらに考えが脱線しかけて首を思いっきり横に振った。思わず下を向く。たぶん今自分の顔とんでもないことになってそうだ…。と考えたところで、
――彼は少女の足元、正確には車のライトに照らされて伸びる影を見て、強烈な違和感を感じた。
なぜ自分のいる位置に対して影が垂直に伸びているんだ……?
彼はこの歩道をよく歩いていたため、車のライトの照り方がいつもと違うことに気付いた。本来なら影は車道の方向から少し斜めの角度で照らされるはずだ。
よく見ると自分の影も垂直に伸びているように見えた。このような影の伸び方からして、これではまるで――
――自分たちの真後ろで車が走っているんじゃないか?
このような考えにたどり着いた瞬間、背後からエンジン音が聞こえてきたような気がした。馬鹿な。眠気で聞こえていなかったのか。
それと同時に体が凍えるくらい寒く感じる。背筋が凍る、つめたい、そんな感覚がする。目、いや頭も急激に冴えていく。赤かった頬も急激に白くなっていく気すらする。
身体が動かなくなってしまいそうな感覚に抗いながら、彼は恐る恐る背後に視線を向けた。
最低地上高の高いSUVが歩道の縁石をまたいで、自分たちにハイスピードで迫ってくる光景が見えた。あの速度だとあと数秒で自分たちに追いつかれる。
あの速度でぶつかったら自分たちに待っている運命は――轢死。
死の可能性に至った瞬間、周りの光景全てがゆっくりとスローで見えた感覚がした。
急いで視線を戻して少し先を歩いている少女の方を見た。どうやら気づいていない、車道から自分たちを追い越す車と勘違いしているのだろうか。
彼は、小学校の合唱会の本番の時に出したあの時の大きな歌声よりも、1年の実習訓練の時に出したあの時の厳しい担任の大声よりも、装備を組み立て始めた頃に大失敗して技師にカンカンに怒鳴られたあの時の声よりも――
「逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
今まで出したことのなかった腹の底からたたき出した声で、目の前にいた少女に叫んだ。
声に反応した少女は驚きながらもゆっくり後ろを振り向いた刹那――。
彼が見たのは、手足から力が抜けてカバンを落とし、足が竦み、目をかっ開いて絶望し、絶望する幼気な少女の姿だった。
彼は咄嗟にその少女に走り出す。
腰が抜けたのなら、もう歩道の端に投げ飛ばさないと助からないような気がして、
必死に左手を伸ばす。
――ドォン!!
しかし、それよりも早く、自分の背中がぶっ潰されたような気がして、
いつの間にか視界にとらえていたのは、さっき自分たちが歩いていたアスファルトで――
――ドゴォン!!
ズザアァァァァ……
――
――――――
―――――――――――――――――――――――――――
『――今日未明、SUVの自動車が暴走し、歩行者を次々と負傷させた事故が起きました。この事故で重傷者が多数出ており、14歳の少年と10歳程の少女が意識不明の重体です。また暴走した車はそのまま住宅街のプロパンガスに突っ込んで大破炎上し、運転手は死亡しました。またこの爆発によって火事も発生し、この家に住んでいた後藤ツネさん89歳が焼死体で発見されました。警察は目撃した通行人の証言を基に、詳しい原因を調べています。』
「……物騒な事件が多いね、大淀……。」
「そうですね……提督。最近まで平和だった街も荒れてしまうほどですし、いつかこの街でもよくない事態が起こるかもしれないと覚悟はしてたのですが……。」
早朝5時。提督の朝は早い。
コーヒーを飲んで目を覚ました提督は、同じく目を覚ました秘書艦大淀とともに、朝の書類整理をしていた。
テーブルに置いてあるミニテレビからは大破炎上した車の映像が映っている。運転手が正気だったのかも疑うレベルだ。
「そろそろ街の治安も悪くなってきたし、外出に制限をかけるべきだろうね」
「……あの子たちにはつらい状況になりますね、仕方のないことですが」
「あの子たちが死んでしまったり、いなくなってしまったりするのが辛いだけだよ。ちゃんと話せばわかってくれるさ」
執務室に暗い雰囲気が漂う。しかし大淀は今日のカレンダーを見てあることに気付いた。
「そういえば、今日確か雷ちゃんが建造された日(誕生日)ですよね?」
「そうだよ、だから今日の夜は皆で祝おうと思うんだ。いろいろお菓子とかケーキを厨房で秘密裏に作って…ね」
「ふふっ、提督らしいですね。しかし材料はどこで手に入れたんですか? 今週って遠征や出撃や招集とかでとにかく多忙だったので、買い出しをする日がなかったと思うのですが…特に暁ちゃんが慌てそうですよ?」
「ふっふっふ、実は先週買い出しを二倍分やってたのさ、小麦粉や砂糖とかも今日に合わせて買い込んであるし、管理は鳳翔に頼んであるから心配ないよ。」
「そうだったのですね、よかったです。」
提督が粋な計らいをしていたことに大淀は微笑んだ。提督は細かい配慮が得意な人であり、祝い事に関してもみんなを喜ばせようという気持ちが強い。当然鎮守府内での人気は高く、艦娘同士の間では争奪戦がしばし起こるほどらしい。
大淀は、自分たちを大切にしてくれる提督の隣で、朝早くから秘書艦として仕事ができることに、この上ない幸福を感じていたのだった。
「そろそろ総員起こしの時間だね、大淀、6時に放送よろしく。僕はちょっと今日の準備をしてくるよ。」
「お任せください!」
まもなく6時になる。
今日は折角の週末だ、朝から昼間はたくさんお菓子を作って、夜はたっぷり祝おうではないか。
しかし。
そんな楽しい気分を否定するかのように。
空には、どんより曇った雨雲が鎮守府付近に接近していた。
その空から降る雨には、まるで誰かが亡くなったことを惜しむかの如く、
大粒の雨が降っていた――
最低地上高…地面から車の腹までの高さ…らしい。
第六駆逐隊のファンの皆様へ。なんか申し訳ないです。
どんな結末を迎えても大丈夫な人はどうぞ。
眠いです((
2017/12/17
主人公を描いてみた
凛々しさが足りない
【挿絵表示】
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覚醒
――――
――――――――――――――ん…んん…………
目が覚める。
――ここ……どこだ…………?
周りを見渡す。
だが、何も見えない。
上、下、左、右、後ろ、どこを向いても視界には暗黒しか映らない。
――いや、、上の方向をよく見てみると、色が黒ではなく濃紺になっているように見える。
よく見ると地面はごつごつしており、そこにはなにかカラフルなものが生えている。これは、
「…サンゴ礁……?」
間違いない、これらのカラフルな物体はサンゴだ。理科の生物学分野の教科書に写真が載っていたサンゴという「動物」が、彼の身の回りのそこら中にいた。
今彼がいるこの場所は、恐らく……
「…海の……中……?」
己が海中にいる。
そのことを自覚した瞬間、強烈な違和感に苛まれる。
――なぜ自分は海の中を生きている?
おかしい、何かがおかしい。彼は咄嗟にそう思う。
人間が海中で生きられるわけがない。しかも、暗さから見てかなり深い場所にいるようだ。普通だったら人間は水圧に押しつぶされ、臓器は圧迫されて、身体は耐えられず潰れてしまうはずだ。にもかかわらず、自分はなぜ痛みを感じることなく生きている?
イレギュラーな状況に困惑する。そもそもさっきまで俺は何してた? なんでこんなところにいるんだ? アパートに向かって帰っている途中だったはず……と、過去の記憶を巡らせる。しかし、アパートに向かって帰っているはずの記憶が靄がかかったかの如く、思い出せない。
そもそも何故こんな場所にいるのかがよくわからないのだ、なんで地上から海中にいるのか? 地上から海中にいつの間にかいるって……転移じゃあるまいし。
無駄なことを考え続けて軽くパニックに陥るが、そんなことで事態が軽くなるわけなどない。途中で考えるのをやめる。諦めて状況を判断するしかないだろう。
まず、何か物を持っているか確認してみるため、何か物を探ろうとした……のだが、
「…………なんだコレ……??」
探るよりも早く、自分の異変に気付いてしまった、否、気付かないほうが良かったかもしれない。
自分の手から先が見える、つまり、自分の身体が透き通ったように、半透明になってしまっていることに。
―――――――
このような状況に陥ってから、数分くらい経過した頃……
どうしてこうなってしまったのだろうか? 脳味噌でもぶっ壊れたのだろうか?
身体が透明になる……ネット小説などでは、異世界への転生前に透明になったり、天界に召す際とかに透明になると言った設定はよく聞くが、まさか似たような状況になってしまったとは思っていなかった。
一応、何か持ち物は持ってないか確認はしてみたものの、自分が着ている作業着を含め身につけている分の道具類と、
姿も顔もわからない、自分の母の形見とされている「海軍記章」は持っていたのだが、それ以外には何も持っていなかった。
結局なぜこうなってしまったのか全く不明である。
どうしようもないのでしばらく海底を歩いたり、観察したりするしかなかった。。多分ないだろうが、周りに少しでも手掛かりがあれば何かここを脱出する手段にはなるかもしれない。
しかし、海底はまるでサンゴ礁に覆われているかの如くごつごつしており、手掛かりとなりそうな物は何一つなかった。
「周り……なんにもないし……海底から脱出出来そうな物……もないし……、そもそもこの道具じゃ無理だし……。」
というか、暇だ。
身につけている道具は、ねじ止めしたり分解する為に使用する携帯工具しかない。しかも海水に長く浸かり過ぎていたからか、加工の弱い部分から錆び始めていた。いつも持ち歩いている装備一式や回路を開発するための特殊工具類が入った工具箱はなく、持ち歩いていたカバンも見当たらない。
帰宅途中に持っていた道具は消失したということになる。といってもその道具があるからといって脱出の足掛かりになるのかというと、おそらくはならないだろうが……。
それと一つ気づいたことがある。この身体の特性なのかわからないが、真っ暗なはずの深海でも、少し先ぐらいの距離ならば暗くても何か物を判別できるぐらいには目が見えるのだ。光が届いていない以上、見える距離は地上より限られるが、真っ暗でも自分の手が瞬時に判別できるくらいには何とかなっている。
しかし、なぜ息をせずとも声が出せて、行動が出来るのかはわからない。またどうやら海底を歩くことはできるようだが、残念ながら足をばたつかせて泳ごうとしても水の抵抗を全く感じないため、そのままずっこけてしまう。
泳げないと海面に浮上できないということになる。これでは脱出できないではないか…。
「……島や大陸に続く大陸棚や崖や海底とかがあればいいんだけど……でも最悪上って地上に上がるしかないし、というかもう海中には居たくねぇ……。」
とりあえずまっすぐ海底を歩いているが、周りにはやっぱりサンゴ礁に囲まれた景色が続くのみだ。
いったいこの景色が何分続くのだろうか? そもそもこの海底は何処まで続いているのか?
あんまりにも長い距離をあるいても景色がいつまでも変わらないのなら、流石に発狂してしまいそうだ。
いい加減頭にイライラが募り始めてきた、そういえば腹が減ったような気さえする。最悪もう食糧はその辺を泳いでいる魚にマイナスドライバーをえらにでもぶっ挿して食ってやろうか……? と思考回路がだんだんワイルド…ではなく、狂い始めてきたような気がした……そう思っていた時だった。
「…………ん?」
どこか違和感を感じた……気がした。
正面をじっくり見てみる。よく見てみると、視線の先に佇んでいるサンゴ礁や海藻……ではなく、さらにその奥に大きな物体が横たわっている…ように見えた。
「……なんだあれ……? 岩礁、ではないよな……?」
岩礁にしてはなんだかそのあたりだけ形状が真っすぐ横にのびている気がする。しかもなんだかその部分だけえらい高いような……?
「…とりあえず近づいてみるか、何かわかるかもしれないし…。」
とりあえずその横たわっている大きな物体に向かって走り出す。
――――――
「……どうみても岩礁じゃねぇなこれ、この辺よく見ると赤いし、しかも……高さ10mくらいある」
辿り着いて開口一番、口から出たのはそれだった。
この物体、周りにある岩礁と比べると明らかに「デカすぎる」。
しかもところどころ削れてる?部分はあるものの、赤く塗られているように見える。これを動物に例えるならば、スケールで考えて、まるでクジラのお腹みたいな感じだ。
近づいてみて藻が付きまくっているがその物体をさするように触ってみる。それで自分はこれが岩礁ではないことを確信した。
明らかに金属でできている。
何の金属でできているかは、触っただけではさすがにわからないが、これだけの大きさの物体なのだ、柔い金属ではないはずだ。
では、この物体の正体は何なのだろうか? 赤い物体でデカいもの……と考えてみるが、何か浮かびそうな気がする……。
左端から右端までを見渡してみる。端っこまでは見えにくかったもののこの形状には見覚えがあった。
船底だ。よく見ると喫水線のラインも若干見えた。右端をよく観察してみるとスクリューだったものも確認できる。
しかし、その船底に穴、というよりは爆発で裂けたような跡があったのは気にかかったが。
多分機関部の爆発事故か何かで沈没したタンカーかなと考えながら、船体上部の方向に回ってみることにした。船体の中に何かあるかもしれないので、入口か何かあれば入ってみるか。
しかし――
「…………艦砲…………!?」
船の甲板部には、タンカーには絶対にないはずの物が取り付けられていた。
12.7cm砲である。
吹雪型駆逐艦を筆頭に日本海軍の駆逐艦の多くに採用された、旧日本海軍の小艦艇用艦載砲の実物を搭載しているその船が、この海底で安らかに眠っていたのである。
「……ということは、この船、いや艦は、事故で沈んだわけではなくて、
「戦争で命を散らし、無念にも海底の底に沈んでいった『軍艦』ってことか……?」
船体上部を見てみると、あちこち損傷・被弾している部分が発見できる。この具合からして相当量の砲弾を船体に受けたのだろう。左舷に至っては吹っ飛んだり焼けたような跡まで見受けられることから、集中砲火を食らって沈没したことは容易に想像できた。
他にも何か装備されているか確認してみたところ、確証はないが恐らく61㎝三連装魚雷の発射管とみられる物体や、探照灯と思われる装備も発見できた。
なぜ装備を見てすぐわかるのかというと、実際にこの装備に触ったことがあるわけではないが、装備を開発するための前提知識として様々な知識を頭に叩き込まれている以上、たとえ成績が悪い奴でも、大体の開発科の生徒は大まかに装備を把握するくらいなら可能なはずだからだ。
しかも装備開発は、艦娘が装備可能になるよう、実際に過去に設計された装備の何十分の一の大きさのサイズで設計を行うため(威力は何故か本物と大差ない)、砲塔の形状だけなら今沈んで横たわっているこの装備と外観はほぼ同じなのである。
間違いはないだろう、何故なら艦砲に関しては一度自分でも作ったことがあるほどなのだから。
では、この艦の名前はなんだろうか?
その答えは艦首にかすれた文字で載っている「10」という番号と、右舷に記されている4文字のカタカナの名前が教えてくれた。
その船の名前は――
「吹雪型駆逐艦、いや…、特Ⅲ型駆逐艦1番艦『暁』」
艦……いや、
こんなところで沈むの…いやだよぉ…
「……………………へ?」
素っ頓狂な声が口から漏れた気がする。
だが、俺はそんなことを気にしてなどいなかった。
今、俺の頭の上で、「こんなところで沈むのは嫌だ」と誰かが泣いたような、とても悲しい声が聞こえた……ような気がする。
聞こえた方向に上を――向く。
よく見えないが、自身に向かってゆっくり何か沈んでくる。
目を凝らす。
あのシルエットは――
「…………は?」
背中を何かが覆っている……女の子……?
たっぷり5秒ぐらいは固まっただろうか。
しかし、その間にも自分に向かってその女の子は落ちてくる。
「……ちょ、ちょちょちょちょっと待て、なんでこっちに沈んできてんの!? ってそうじゃねぇ!! 助けなきゃいけん!!」
イレギュラーな出来事の連続に脳味噌がパニックを起こしかけるが、残り高さ15mくらいのところで落ちてきてることにようやく気付いて手を構え、抱き留める体制に入る。
残り5m。
……あれ? この女の子、どこかで見たような……。
残り3m。
確か、帰り道の途中で自分を追い抜いていた子で……。
残り1m。
確か、君の、君の名前は――
――
*
――――――――――――――ん…んん…………
目が覚める。
――………………?
周りを見渡す。
見慣れている自分の部屋ではなかった。
真っ白な天井と壁に囲まれた空間。
左側を見ると、テーブルに置かれているテーブルランプの仄かな光が、その空間を温かみのある色に染めている。
右側を見ると、よく医療ドラマで目にしたことのある機械、つまり心電図モニターが置かれていた。
コードを目で辿っていく。それは自分の胸の方向に伸びているようだ。
モニターの横にはお馴染みの支柱に薬剤や栄養剤が入っているパックがひっかけられていて、そこから管が伸びて自分の腕に刺さっている。点滴台だ。
少しひんやりしたマットレスをカバーが覆っていて、体は掛け布団に覆われていた。
自分はこれらの情報から、恐らく病室であると推測することができた。
しかし、自分がなぜこんなところにいるのだろうか?
おぼろげながら考える。なんだかずっと眠っていたような感覚だ。
頭が思い通りに回ってくれないような感じがするのは気のせいだろうか。
とりあえず、何かほかに目立ったものはないかと、首の向きを変えて見渡そうとした。
だが、少し違和感を感じる。なんだか髪の毛先が自分の二の腕にあたってくすぐったい。
点滴の管が繋がっていない左手をどうにか動かして髪の毛に触れてみた……のだが。
……長い。
自分のいつもの髪型より十数cm長いのである。
これはどういうことだ? いったい俺は何日間寝ていたのか。
明らかな体の変化に戸惑いを隠せない。そもそもこの髪の長さは、男にしては長すぎる。女性の髪のような長さだ。
この変化にとてつもない違和感を感じたが、どうやら女の子になったわけではないらしい。
自分のモノはしっかりとついているということが、血流によって膨らんだモノの先端が下着に当たり、テントを形成している感覚で伝わってきたからだ。この男性特有の生理現象が変わったわけではないということにひとまず安心する。
とりあえず、寝っ転がっているだけではある程度の視界しかわからないので、とにかく起き上がりたい。そう思って思いっきり上半身に力をかけ、起き上がろうとする。しかし、
「―――――――――――――痛ッ……て…………!!?」
胸をつんざくような痛みが襲い、体が起き上がる前に力が抜けてベッドにたたきつけられる。それに合わせて体も数回バウンドした。その反動で頭も急に冴えていく。
今までに経験したことのないような激痛が走る。思わず顔を歪める。いったいこの痛みはなんなんだ。
だが、その痛みを起こした大体の原因が、痛みで冴えていく頭が回転することによってすぐに記憶から引き出され、知覚されていく。
自分が病院にいる理由。彼はようやくそれを思い出す。
自分は事故にあったという事実を。
いつものように帰り道を歩いて帰っていたら女の子の横をを通り過ぎて、その数秒後に車が迫ってきて、その女の子を助けようとしたら2人もろとも吹っ飛ばされて、その後から目覚めるまでの記憶がよくわからなくて、そして今に至るということを。
あまりの出来事に思い出した側はただ何も声が出ない。あの速度でぶつかってよく死ななかったものだ。しかもまさかの五体満足で。
だが、アドレナリンが分泌され続けている頭で考える。
――――あの女の子はどうなった?
自分と一緒に巻き込まれてしまった女の子は、いったいどうなった?
事故の記憶を掘り起こす。よく思い出せない。
だが、もしかしたら自分が助かったのだから、もしかしたら助かってて、もしかしたら自分の隣のベッドで眠っているのかもしれないという期待が募る。それが体を動かすのに必要な動機へと変わる。
寝っ転がっている状態では隣の様子はよくわからない。ならば多少の痛みを我慢してでも起き上がってやる。
自分――いや、俺は胸囲に負担をかけないように左手をうまく使って慎重に上体を起こしていく。
右手は点滴のチューブとか心電図のケーブルとかが繋がっててうまく使えそうにない。
腕腰、腹筋、そして胸筋へと負荷がかかる。痛い。だがそんなの知ったことか。
痛みに耐えながらゆっくり、ゆっくり体を起こす。
そして、ようやく上体を起き上げることに成功した。
思わずふぅーっ……と息を吐き、汗が噴き出して、思わずそれを拭う。体感では何分にも感じた。
この痛みを引き出している原因の傷跡を見てみようかと思ったが、それよりも隣のベッドに寝ているかもしれない女の子をとにかく確認したい。
俺は右側を向いた。
だけど、眠っているであろうその姿は、そのベッドにはいなかった。
「…………いない、か…………。」
思わず口からこぼしてしまった。同時に深いため息もつく。
「……あの置いてあるバッグと帽子は……?」
だけど視界にはあるものをとらえていた。
それは女の子が身に着けていたはずの帽子とバッグだった。
帽子は一部が赤く染まっていて、バッグはもはや袋物の意味を成さないほど裂けてしまっていたが。
状態の酷さに思わず絶句する。
赤く染まっているものの正体は血液だといやでも理解せざるを得なかった。下手したら自分より酷いけがを負っているのではないか? それとも姿がそこにいない理由、それは、
――もしかして既に死んでしまっている?
そう考えかけた。だがその考えにどうにかして待ったをかける。
けがの程度がひどいのでICU(集中治療室)で治療を受けている可能性もある。辛うじてその判断が頭に浮かんだ。まだ生きているかもしれない。ICUでの治療が完了すれは確か元の病棟に戻ってくるはずだ。
その考えが頭を冷静にさせた。
考えてみれば、自分も知らず知らずにICUに入っていた可能性もあるのだ。胸の痛みを感じるのはその治療が成功したが故の代償なのかもしれない。
今会えないのはとても残念だが、まだ治療中であることを信じよう。彼女が持っていたバッグとかもまだ隣に置かれているのだから。
そうポジティブに考えることにした。
とにかく今はこの件については後にしよう。
とりあえず、いい加減俺も目覚めたので自分の持ち物もちゃんとなくなってないか確認しよう。そう思って自分のに視界を合わせようとしたとき、鏡の中の自分と目が合った。
「……………………は?」
自分の目を疑った。
その鏡に映っていたのは、いつも見慣れていた俺の顔ではなかった。
骨格こそほぼ同じだったが、よく見ると髪は藍色に変化し長くなっていて、目の色は、母親譲りの赤色の目から蒼くなっていた。
そして、俺はこの目の色を瞬間的に思い出した。というか、気づいてしまった。
女の子が叫び声に気付いて振り返った時、迫りくる危機に思わずカバンを落とし、足が竦んで目がかっ開き、絶望したあの時の表情。
今の自分の目は、あのときの女の子の目の色と全く同じ色だということに。
医療関係や法律等の知識はあまり詳しくないです。
この作品では現実との相違点等はあくまでフィクションとしてお考え下さい。
なお艦これの話になるまでしばらく話数を使います、ご了承ください。
お詫び
まず、作者多忙及び文章構成力不足等々の投稿遅延により、予告していた1月を超過してしまいました。読者の皆様、誠に申し訳ありませんでした。
今後は大幅な予告の超過が起こらないよう、スケジュールをしっかり組み、ストーリをしっかり練ったうえで予告し、書いていきたいと思います。
今回は不安定かつ拙い文章の出来となってしまいましたが、どうか今後も応援いただければ幸いです。
今後ともこの小説をよろしくお願いいたします。
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