やはり俺が修羅場るのはまちがい? (天・プラ子)
しおりを挟む

告白

は=い。やっとパスワード思い出しました。てなわけで新しいやつです。
もう一つはぼちぼちやっていきます。




恋愛。それは、リア充にとって青春の一ページを彩るスパイスであり、象徴でもあるといえるもの。彼氏彼女が居るものは、どう相手を喜ばせるか悩み、居ないものは相手を作ろうと苦悩する。しかし俺こと比企谷八幡は彼女が欲しいとは思わない。実際彼女が出来れば俺の財布は薄くなり、アニメを見る時間も無くなり、彼女の機嫌をとるために精神力を削られる。そんなものを欲しいとは思わない。

 

 

 

 

 

 

嘘です。彼女欲しいです。

だって仕方ないだろ!アニメやギャルゲに出てくる女の子見てたら誰だってあんな彼女が欲しいって思うだろ!あんな屈託の無い笑顔見せられたら財布も緩くなるし、時間も惜しまないだろう 。機嫌だって喜んでとりに行こう。まぁ、できないけど。

 

まあいい。そんな俺は今なぜか女子と二人きりという状況になっていた。なぜそんな状況となっていたのかというと、帰る前に少しいつものベストプレイスでくつろぐためにそこに向かっていたら知らない女子が話しかけてきたのだ。

見た目は今時珍しい、ファッションなど全く気にしないフレームの大きい古臭い眼鏡をかけ、髪は無造作に一纏めにされていた。

えっ?なにこの状況。もしかして俺告白されちゃうの?なんて勘違いを俺はしない。無駄に経験値溜めてないからな。中学の頃の俺ならすぐに告白して振られていただろう。俺はやっぱり振られるんだな。

「ねぇ八幡君。聞いてる?」

 

はぁ。何でこんな事なってんだろ

 

「.....八幡君に、お願いがあるの」

 

え?八幡君?もしかしてこの人俺の知り合い?まず俺に女子の知り合いなんて居るのか?...いや、いないな...聞いたほうが早いか

 

「あの、俺君の事知らないんだけど、どっかで会ったことある?」

 

「えっ!?星川早少女だよ!同じクラスなんだけど、わたしの事知らない?」

 

「自己紹介の時は寝てたし、休み時間は音楽聴きながら寝たふりしてるからな」

 

「....わたしは.....わたしはずっと知ってたよ。ずっと...見てたから」

 

そう言いながら眼鏡をはずす

えっ?なにこの子。なに言ってんの?ストーカー?誰を?俺を?てか、眼鏡はずしたらめちゃくちゃ美人なんだけど

 

「それで、お願い聞いてくれますか」

 

「き、聞くだけなら」

 

くそ、いつもならすぐ断るのだが、へんな空気のせいで了承しちまった。

 

「わたしの.......彼氏になってください」

 

「………は?」

 

告白された?今まで彼女どころか、友達すらまともに出来たことがない俺が?こんな可愛い子に?正直凄い嬉しい。俺は別に彼女がいらないわけではない。人並に欲はあるし、出来るものなら彼女は欲しい。もし彼女が本当に俺の 事を好いてくれているのなら俺は喜んで彼氏になろう。いや逆にこちらからお願いしたいぐらいだ。もう俺の答えは決まっている。俺のこたえはもちろん....

 

 

 

「ノーだ」

 

あたりまえだ。こんな可愛い奴が俺なんかに告白してくるはずが無い。それに今まで話したことの無いことに加え、俺は休み時間はいつも寝たふりをしていて、誰とも喋っていない。そんな暗い奴を好きになる奴など居ないだろう。寝たふりやめようかな....。

まぁなんにせよ、どうせ罰ゲームでもさせられているのだろう。いちいち相手にするのも馬鹿らしい。

 

「え!?どうして?」

 

どうしてって、なんでオーケーする と思ってんだよ...

 

「どうしても何も、一度も喋ったことのないお前が俺を好きになる道理がないいからな」

 

「それは、一目ぼ...」

 

「もし、一目惚れなんてことを言うならなおさら信じられん。一目惚れなんてものは、ただの一過性に過ぎない。実際に話してみるとこんな人だったんだとかいって相手を拒絶する未来が見えている。そんな関係を作っても後悔するだけだ。俺は後悔したくないんでな、俺の事をよく理解し、その上で俺を養ってくれる人を探す」

 

「はぁ...ほんとは穏便に済ませようと思ってたけど、仕方ないね」

 

え、何言ってんのこの娘

 

「もし、わたしの彼氏になってくれないのなら.....」

 

ピッ

 

え?ピッ?

 

『ほんとあのアラサー教師何?俺に恨みでもあんの?あんな性格だから結婚できねぇんだよ』

 

はぁ!?

 

「これを先生に聞かせるから」ニコ

 

「やめろ、俺が殴られる未来が容易に見える」

 

おいおい。この娘笑顔で人の事脅してきてんだけど。てかさっきと性格全然違ぇんだけど。もう俺この娘苦手だわ。

 

「じゃあ、ボクの彼氏になってくれる?」

 

急にボクっ娘になったよ。どれだけキャラ作れば気が済むんだよ

 

「はぁ、まずなんで俺なんだ」

 

「観察の結果、かな?....去年、同じクラスになってからずっと八幡君を見てたの」

 

まじで?この娘俺の事好きすぎじゃね?

 

「入学式の日、あの日八幡君事故にあったでしょ。あの時、あそこにボクもいたの」

 

「え?」

 

「すごいよね。あの時犬を助けるために道路に飛び出したでしょ。あの姿を見て八幡君に興味を持ったの。それから同じクラスってわかって観察するようになったの」

 

「観察の結果はまぁまぁかな?恋愛にはそこそこ興味あるみたいだし」

 

「...その心は?」

 

『あ~、なんで俺ってモテねぇの?勉強は数学以外できて運動も幼馴染のおかげで人並み以上にはできる顔も目以外はそこそこいけてると思うのに。結構ハイスペックと自負しているがそれをすべて台無しにする俺の目ってある意味凄いと思う。あ~彼女出来ねぇかな』

 

「これかな?」

 

え~、俺あんなこと口走ってんの?この子のせいで俺の黒歴史が増えていくんですけど。……独り言控えよ…

 

「で、本当の目的は何だ?俺みたいな奴を好きになった、なんて馬鹿なことは言わないだろ」

 

「やっぱりばれちゃうか。...ちょっとした事情でね。ボクはどうしても彼氏を作って、恋愛というものがどういうモノなのか、どんな気持ちになるのかを知らなきゃいけないの」

 

そんな事をさっきとは打って変わって真剣な表情で話す

人は基本信用できない。だがこの時の星川の目は誰かを騙したりしようとしているようには見えなかった

だからだろうか、俺が星川に手伝えることがあるのなら、少しぐらいはいいか、と思ってしまったのは。中学の頃は話し相手すら居なかった俺を、初めて頼ってくれた星川に協力してもいい、と思ってしまったのは。

 

「...はぁ。わかった。その代わり、ちゃんとさっきのやつ削除しろよ」

 

捻デレ言うな

 

「ほんと!?ありがと!あれは全部終わったら削除するから。あと、彼氏って言ってもニセだから。そこのところよろしくね♪」

 

ま、そうだろうな。目的のためとは言え、本当の彼氏 彼女になる必要は無いからな。キスしたりなんかもってのほかだろう。べ、べつにキスしたいわけじゃないんだからね!.....キモイな

 

「わかってるよ」

 

「ならよかった。あ、もう4時半か」

 

なっ!

 

「もうそんな時間か!いそがねぇとバイトに遅れちまう」

 

「意外だよね。八幡君がバイトしてるなんて」

 

「俺もそう思う。小町が居なかったら絶対やってない」

 

ほんと、あの時は何やってくれてんだよって思ったよ

 

――――回想――――

 

「お兄ちゃん 知ってる?」

 

「なにをだ?」

 

「お兄ちゃんがいつも行ってた喫茶店のマスターが年のせいでもうすぐやめるんだって!」

 

「マジで?」

 

「それでね、このまま続けるには従業員が足りないんだって」

 

「おい、まさか」

 

「うん!もう電話しちゃった!面接とかはいいから明日から来て欲しいだって」

 

は?

 

「おい。俺の意見は。俺は絶対行かないぞ」

 

「はぁ。まったくこのゴミいちゃんは」

 

「ごみいちゃん言うな。泣くぞ」

 

「お兄ちゃん。学校でも女の子との関わり無いんだから、バイトでもして女の子と仲良くならないと、将来結婚できないよ」

 

「俺は小町さえいれば何もいらないからな」

 

「も、もう!またそんな事言って!」///

 

小町カワイイ。もうまじで小町に養ってもらえばいいんじゃね?

 

「とにかく!お兄ちゃんは明日『純喫茶・甘露』に行ってもらいます!」

 

「え~」

 

「お兄ちゃん。小町欲しいものがあるの」チラチラ

 

「親父に買って貰えばいいだろ」

 

「小町お 兄ちゃんがいいの」ウルウル

 

「待ってろ!お兄ちゃんが金溜めてきてやる」

 

小町可愛すぎ。もうほんと小町以外いらない

 

――――回想終了――――

 

って事があったんだよ。比企谷家は小町にさからえないからな。小町が絶対

 

「いってらっしゃい!明日からよろしくね!」

 

その言葉に軽く手を上げ俺は元純喫茶・甘露に向かった

 




どしどし感想もらえるとうれしいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バイト先の後輩

はい!さっそく2話目を執筆いたしました。
超駄文ですがそれでも良い方はどうぞ!


九比戸市は東京の西の外れで、昔は大名高豪族だかが屋敷を構えて栄えていたそうだ。そのなごりか、駅前はそこそこ賑わっている。

職場は大通りから一本外れた雑居ビルの一階にある喫茶店。厨房担当でもたまにフロアに出るから、店が用意した制服に着替えなければならない。

最初この目でフロアに出たら軽く悲鳴が聞こえてきたので、今では眼鏡をかけながら仕事をしている。

遅刻ギリギリなので店についてからいそいで従業員控室に向かう。

バンッと音お立て施錠されていないドアはスムーズに開いた。

 

「きゃあっ!」

 

えっ?きゃあ?

女の子の悲鳴が聞こえそろそろと視線を悲鳴が聞こえた方に向けると、バイト仲間の天(てん)弓院(きゅういん)真(さ)愛(なえ)が着替えている最中だった。

目に飛び込んできた下着姿の天弓院の姿に思わず顔が赤くなる。

 

「す、すまん!」

 

そう言って視線を扉の方に変え、急いで外に出た。

すると扉越しから天弓院のこえが聞こえた

 

「あ、失礼いたしました。わたくしとした事が大声など出してしまって。いえ、その前にきちんと鍵を掛けておかなかったのがわたくしの過ちで……」

 

「い、いや。俺の方こそノックもせずに入ったからな」

 

走ったせいもあるが、天弓院の刺激的な姿に動悸が激しくなる。小町の下着姿はよく見ているが、他の人となるとやはり見え方が違ってくるもんだな。妹ってだけで気持ちが抑止される。みんなが妹なら性犯罪激減するんじゃないか?うん、意味わからん。みんなが妹ってなんだよ。どっかのエロゲみたいじゃねぇか。

そんな変な考えをしてるとまた扉側から声が聞こえた。

 

「比企谷様。着替えがおわりました。開けてくださいますか?」

 

「ん?あ、ああ。すまん」

 

扉に背を預けていたせいで開けられなかったようだ。さっきよりも幾分落着き、立ち上がり扉を開いた。

 

「どうもお待たせいたしました」

 

出てきた天弓院はこの店の制服である黒いワンピースにフリル付きの白いエプロン。飾りリボンのついた短い手袋。頭にはホワイトプリム。そうメイド服である。なんと俺がバイトしているのはメイドカフェなのであった。……誰に言ってんだよ。

天弓院のイメージは長い黒髪で所謂大和撫子の言葉に尽きるのだが、メイド姿もよく似合っている。

 

「んじゃ、俺も着替えるわ」

 

「はい、では失礼しますね」

 

そういって天弓院は控室をでていった。

女性の服はメイド服だが男が燕尾服かといえばそうではない。白いシャツにベストとスラックスというウェイタースタイルだ。最後にメガネをかけて着替えは終わりだ。

着替えを終え厨房に向かうと天弓院がアイスディスペンサーのボタンを押そうとしていた。

 

「比企谷様、おそらくこちらまで走ってきたのでしょう。疲れているでしょうから、今冷たいお水を用意しますね」

 

え?

 

「ちょ!ま、待ってくれ!」

 

俺の願いもかなわず天弓院の白く細い指が「PUSH」のボタンをおした。その瞬間「氷だけ」のモードにしてあったはずのディスペンサーから猛烈な勢いでクラッシュアイスと水が噴き出てきた。

 

「え?あらあら?」

 

跳ねた水が天弓院を濡らすが本人は暢気である。

 

「すまん」

 

そういって天弓院を押しのけディスペンサーの前に立ち色々なボタンを押すが止まらない。最後の手段電源を引っこ抜きやっと止まった。

 

「大丈夫か、天弓院」

 

「あ、はい。申し訳ありません。比企谷様がお疲れの様でしたので、お水をお出ししようと思ったのですが…」

 

「ああ。気持ちはありがたいが天弓院は機械がだめだからな。これから気を付けてくれ」

 

そう天弓院は機械がダメなのだ。機械音痴とかの問題ではなく使おうとすると何故かほとんど故障するのだ。どっかのハンターやらLEVEL5みたいに電気でも走ってんのか?何それかっこいい。

 

「申し訳ありません。ああ……濡れてしまいましたわ。どうしましょうか」

 

そういった天弓院はびしょ濡れだった。いや、俺もだけどね?しか天弓院の制服が濡れたせいで制服が透け、ブラと天弓院の白い肌が見えていた。

 

「いけませんわ。わたくしとした事が。まず、雑巾をお持ちいたしませんと」

 

本人はそんなことお構いなしに掃除を始めようとしていた。その心意気は確かにいいが今の姿は目に毒すぎる

 

「いや、ここは俺がやっておくから早く着替えてきてくれ、そ、その、目のやり場に困る……」

 

「あ、も、申し訳ありません」

 

天弓院の頬にすこし朱にそまる。

 

「あ、ああ。制服の替えはあるか?」

 

「は、はい。もうしわけございません。すぐに着替えてきます」

 

そういって天弓院はそそくさと去って行った。掃除の前にアイスディスペンサーが動くか確認をする。問題があれば早いうちに対処しないと大変なことになるからな。電源を入れなおすと今度はしっかり氷だけが出てきた。

 

「特に問題なさそうだな」

 

アイスディスペンサーの方が問題なかったので床やらの掃除に入り、それが終わるころに天弓院も戻ってきた。

 

「お待たせしました」

 

「は?」

 

戻ってきた天弓院の姿に唖然とした。着ているのはさっきと違うデザインで、スカートが極端に短く、襟元も広く開いているデザインだった。髪の毛は拭いただけで乾かしていないのかつやつや輝いている

 

「て、天弓院?その服はどうしたんだ?」

 

あまりにも露出が多すぎる。

 

「朋店長のお尋ねしましたら、同じものの替えがないのでこちらを着るようにと」

 

「あの、ロリ店長が…」

 

たぶんこれは夜や休日を担当しているバイト用に用意したものだろう

 

「はぁ、とりあえず天弓院こっちこい」

 

そういって控室とは別の以前のマスターが使っていた部屋に来た

 

「服は後で店長に言うとして、流石に髪は乾かさないと風邪をひく」

 

そういってドライヤーをだし、天弓院を椅子に座らせる。

 

「申し訳ありません。失礼します」

 

天弓院が椅子に座ったところでドライヤーの電源を入れ天弓院の髪を乾かす。天弓院に自分でやらせると壊れるからな。

 

「迷惑ばかり、おかけして申し訳ありません。もう少しうまく立ち回れたらよいのですが…」

 

天弓院が俯きがちに言ってくる。迷惑か…

 

「別に迷惑なんておもってねぇよ。今日だって俺の為に水を入れようとしてくれたんだろ?その気持ちは素直にうれしいぞ。ただな天弓院はもう少し人を頼ったり、思ったことを言ってもいいと思うぞ。」

 

その制服なんて絶対おかしいだろ。確かに似合ってはいるが目のやり場に困る。

 

「ふふ。比企谷様はやはり優しいですね。こうやってわたくしの心配もしてくれて、髪まで乾かしてもらって」

 

そういって天弓院が微笑む。とても綺麗な笑顔に見惚れてしまっていた。

 

「い、いやそんなことないぞ。俺はただ天弓院が風邪を引いて俺の休日がなくなると困るからだ」

 

「そうなんですか?」

 

「あ、ああ」

 

「ふふ。捻くれていますね」

 

そういって天弓院はまた笑った。それからはお互い無言だったが嫌な雰囲気ではなく、とても落ち着いた時間だった。

 

「よし、これでオッケーだな」

 

「はい、ありがとうございます」

 

髪の毛は10分ほどである程度乾いた。

 

「んじゃ、片付けてから行くから天弓院は先にフロアに行っててくれ」

 

そういって露出高めのメイド服を着た天弓院を送りだした。

いきなりだがこの店は最初からメイド喫茶だったわけではない前までは現店長の大船朋のお祖父さんが営む『純喫茶・甘露』だった。

名人技の絶妙なブレンドで常連も多かった。俺もその一人で甘露の落ち着いた雰囲気が好きで毎日のように通ていた。

マスターとも色々な話をしたりもした。豆のひき方を教えてもらったりした。だが人は年には勝てない。マスターが引退するという話になり、それを聞いた小町の策略で俺がバイトをすることになった。

しかし、いくら少し練習したとはいえマスターの足元にも及ばない。それにマスターだから通っていたのにその人が引退すると知ったきり来ない客も多かった。

娘である朋はどうかというと、厨房では全然役に立たない。そこで困り果てた朋店長がやけくそでメイドカフェに模様替えして、味で釣るのではなく女の子で釣る作戦に変更。まさかのこれが大当たり。店は持ち直し。俺もやめるに辞めることが出来ず今に至る。

俺も前の店の雰囲気が好きだたから反対はしたものの背に腹は代えられないということで変更することになり。さらに店を持ち直したことでさらに何も言えなくなった。

一度はやめようと思ったことがあったが厨房で働ける人が全然いないと朋店長に泣きつかれた。泣くなよ…あんた2*歳だろ…

まぁ今は飲食物への要求はそんなにシビアなものでもないし、店長の方針でメニュー数も絞っているので、厨房を任せれた身としても気楽ではある。まぁ働きたくないけど。ここで修行して、いつか立派な専業主婦になるのが俺の目標だ。

 

オーダーに従い注文を作っているとパタパタと足音が聞こえてきた。

 

「ひ、比企谷くぅ~んっ!」

 

泣きそうな顔で走ってくるロリ、もとい朋店長。

どっからどう見ても中学生ぐらいにしか見えない。小柄で童顔、ショートカット。合法ロリって実在したんだ。

 

「あの、あのね。お客さんが……」

 

話し方も子供だ。まじで2*歳に見えない。正確な数字を言うと怒るのではなく泣いてしまうから始末に負えない。

 

朋店長の説明は要領を得ない。思考までもが子供で本当に子供の相手をしている気分になる。そして朋店長がこういった感じで駆け寄ってくる時は碌でもないトラブルが起きているのだ

朋店長がフロアの方を指でさし何かを伝えようとしているので一度フロアに出た。

 

「ねぇ、いいでしょ?メアドとか教えてよ」

 

「あの……失礼ですが、めあど、というのは何の事でしょうか?」

 

「いいねぇ。その反応。本物のお嬢様っぽくて。メールアドレス。ケータイの」

 

「わたくし、携帯電話などは持っておりませんので……」

 

「今どきそれはないでしょ?接客マニュアルで、そう答えるようになってる訳?」

 

そこでは案の定天弓院がめんどくさい客に絡まれていた。

手をつかまれて逃げることもできず、細い眉の間に皺を寄せている

 

「お店以外でも会いたいんだよ。特に今日の大胆コスなんか見ちゃうとさあ」

 

他に客もいないせいか男はかなり馴れ馴れしく大胆に天弓院に話しかけている

 

「はぁ、めんどくせぇ」

 

この店は男手がなく店長は子供(※大人です)なので必然的に俺が動くしかない。まじでめんどくさい。そんなことをボヤキながら俺は天弓院と男性客のもとに歩み寄った

 

「お客さん、困りますね」

 

そういって客の手を天弓院の手から引きはがした。

そしてメガネを外し、軽く睨みながら話す

 

「当店はそういう店じゃないんで。あんましつこいと警察の世話になることになるが?」

 

どうする?という意味を込めて客を見る

 

「ひっ!す、すいません!軽い冗談です!」

 

お客はそのまま急いで会計をして出て行った

 

…悲鳴あげるなよ。確かにビビらそうとはしたけど悲鳴あげるほどなのかよ。軽く傷ついちゃうだろうが。

 

「ありがとうございます。助かりました」

 

男がいなくなって安心したのか、表情を和らげて天弓院が頭を下げる

 

「いや、気にするな。まぁ天弓院もああいうやつにガツンと言えるようにならないとな」

 

「わたくし世間知らずなもので、ああいう殿方を上手くあしらえなくて」

 

まぁ、そりゃそうだな。逆に天弓院が上手くあしらっていたら人間不信になるまである。

 

「俺もボッチだからな、そういうの慣れてるわけではないが、仕事だからな」

 

仕事じゃなければ見て見ぬ振りする自信しかない。

 

「こんなしつこい客も珍しいとは思うがな。今回はその服のせいもあるけど」

 

「やはり比企谷様は頼りになりますね。職場の先輩が比企谷様で本当に幸運でしたわ」

 

「お、おう」

 

不意打ちの裏のない賛辞に顔が赤くなっていく。

 

「ふふ。照れる比企谷様は可愛いですね」

 

「やめてくれ…」

 

そういって俺は逃げるように厨房に戻った

結局そのあとはトラブルもなく、遅番組が出勤してきて八幡達の仕事は終わった

 

「あの……比企谷様」

 

仕事の疲れをコマチエルに癒してもらうため急いで帰る仕度をしていると後ろから声がかかった。

後ろにいたのは学生服を着て、少し申し訳なさそうな顔をした天弓院だった

 

「どした?なんかようか?」

 

「不躾とは思いますが、少々お願いしたい事がございまして。このような事、お願いできるのは比企谷様しか……」

 

「さっきも言ったが、困ったときはお互い様だ。俺ができることなら手伝ってやる」

 

「知り合って日も浅い比企谷様にこのような事をお頼みするのは……その……大変はしたないとは思うのですが……」

 

そういった天弓院はさっきとは打って変わって頬を染めていた。

 

ん?

何故頬を染めるのだろうか

その疑問は天弓院の言葉で解消された

 

「比企谷様。わたくしの、恋人になってくださいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

 




誤字脱字、感想等どしどし送ってくださるとうれしいです!
タイトル変更しました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

これがモテ期というものなのだろうか

ども~。天・プラ子です。

三話目投稿です!
駄文ですが楽しんでください!


「比企谷様。わたくしの、恋人になってくださいっ!」

「へ?」

はい?告白された?誰が?俺が?天弓院に?わからない。確かに一緒に働いているだけあり、さっきの様に助けてあげたこともあるし、いろいろな話もした。それにより俺に好意をよせてくれているというなら、それはとても嬉しい。だが俺みたいな目をした男に行為をよせる事があるかといわれれば、ないと言えるだろう。なにより俺だ。俺が人に好意をよせられる訳がないのだ。勘違いするな。きっとこれは何かの間違いだ。…でも天弓院が嘘をつくのだろうか。天弓院が人を騙す様な事をするのだろうか。俺は信じてもいいのだろうか。

俺は疑いながら、そしてどこか期待しながら聞いた。

「な、なんで、俺なんだ?俺が言うのもなんだが、目は腐ってるし、根性も捻くれている。いいところなんて何もないぞ。」

考えている事を隠すように天弓院に聞いてみた

「いえ。比企谷様はとてもお優しいですよ。あと……誤解させてしまいましたでしょうか。恋人と言っても本当にお付き合いする訳ではありません。あくまで形だけと申しましょうか」

「へ?つまり、偽の恋人ってことか?」

まさかの?

「はい。よんどころない事情がありまして、恋人役を務めてくださる殿方が必要なのです」

は、恥ずかしい!星川の時と違って知らない仲じゃないから期待してしまった。天弓院の性格ならもしかしたらと期待してしまった……………死にたい。

「あの比企谷様?大丈夫ですか?」

「少しそっとしといてくれ。アイデンティティクライシスだから」

「え、えっと……」

天弓院も困った顔をしている。まさかこんなところで黒歴史を増やすとは思わなかった。

「あ、あの!こんな事お願いするのは、大変迷惑なのは承知しています。しかし、わたくし、殿方の知り合いが少なくて、こんな事お願いできる殿方は比企谷様しかいなのです」

絶望している俺の右手をギュッと握りながら頼んでくる。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

「お願いします!」

今度は俺に詰め寄ってきた。さっき人を頼れとか、思ったことは言った方がいいとは言ったが、こんな風に発揮されるとは思ってなかった。

「ま、まて、わかったから!」

「本当ですか!」

更に詰め寄ってくる。ちょっ、いい匂い。じゃなくて、近い近い近い!まじで見た目からこんなぐいぐい来る人とは思わなかった。

「本当だから、とりあえず離れてくれ!近い!」

「ありがとうございます!あ……、わたくしとした事がはしたない真似を……」

今更ながら自分の行動に気付いた天弓院が急いで離れた。

詳細は日を改めてといった彼女は頬を染めたままそそくさと帰って行った。

途中まで送ろうかと聞いたがすぐに迎えが来るそうだ。流石お金持ち。

――――――――――――――――――

 

(まじで今日は厄日か。偽告白なら何度もされたことあるが、偽の恋人になってくれなんて初めてだ。それも二度も。人生何が起こるかわかったもんじゃないな。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもんだ)

そんなことを考えてる間に家についた。

「ただいま~」

そういって玄関を開けると、リビングから天使、いや小町がパタパタと走ってきた。

「おかえり!おに~ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それとも~、こ・ま・ち?あ、これ小町的にポイント高い!」

「あーはいはい。んじゃご飯で」

「えー、お兄ちゃんノリ悪い~」

何のノリだよ。ふっ、仕方いないな

「俺は好きなものは最後まで取っておくタイプなんだよ。だから小町は一番最後だな。お、今の八幡的にポイント高い」

「いや~、流石にシスコン過ぎるよお兄ちゃん」

「まじかよ、小町ちゃん酷い」

「で~も~、そんなお兄ちゃんも小町大好きだよ!これも小町的にポイント高―い!」

「最後のがなければな」

「細かいことは気にしないの。んじゃご飯にするから鷹奈おねぇちゃん呼んできて」

「まだ鷹奈来てなかったのかよ。小町が呼んでると思ってた」

「いや、小町が行くと、殺されちゃうよ……」

「それもそうだな。あいつは色々おかしい」

「お兄ちゃんも人の事言えないよ」

そういいながら小町はため息をついた

「そんな事はない。俺が小町の事を愛しているのは普通の事であり何物にも代えられん」

「ちょっ!何言ってんのさ!もういいから早く呼んできて!」

小町が照れながら家から追い出してくる。

「小町可愛い」

「お兄ちゃん!」

やっぱり小町が可愛すぎるのは間違っていない。  

 

 

―――――――――――――――

鷹奈の家の前まで来た。まあ、隣なんだが。

鷹奈の家のインターホンを押す

ぴんぽーん、とインターホン独特の軽快な音が聞こえるが、誰も出てこない。

はぁ、とため息をつきながら鷹奈家の扉を開ける。扉は抵抗なく開いた。

「ちゃんと鍵閉めろよ…。泥棒が入ったら危ないだろ。主に泥棒の命が」

玄関で靴を脱ぎ、迷いなく進む。幼馴染なだけあり、何度もお邪魔してるからな。

鷹奈の部屋の前まで来た。

コンコン

「おーい、鷹奈。起きてるか?」

返事がない。

入るぞ。そう一言って、扉を開け中を確認すると、案の定布団の中で眠る女の子がいた。

普通なら喜ぶべきシチュエーションなのだろうが、寝ている女の子の恰好がすべてを台無しにしている。その女の子の恰好は中学の頃のダサいジャージを着、口から涎をたらし、髪の毛はぼさぼさで、ぐーすか寝息を立てている。色気のかけらも感じられない。

こいつが俺の幼馴染、氷魚鷹奈ひおたかな。家が隣という事でよく一緒に遊び、同じ道場で格闘技を習っていた。

女の子の幼馴染という事で憧れている人もいるだろうが、実際に目の当りしたら、幻滅するだろう。

例えばこいつ、氷魚鷹奈の部屋の真ん中にはサンドバッグ。ふつう年頃の女の子の部屋にはないものだ。いや、他の女の子の部屋なんて小町の部屋にしか入ったことないけど。ただ小町の部屋にはなかった。

棚に飾ってあるのは、可愛いぬいぐるみなどではなく、空手大会のトロフィーやらカップ。

女の子らしさというものを感じられない。

「おい、鷹奈。起きろ。飯の時間だぞ」

呼びかけても反応しない。

仕方なく鷹奈の寝ている方に近づく。

「……ふな……?」

少女のまぶたが薄く開く。

顔は寝ぼけたまま鷹奈の体が稲妻のような速さで回し蹴りを放ってきた

鷹奈の回し蹴りは、寝ぼけているにもかかわらず俺のこめかみを寸分たがわず狙っていた

俺はそれにあわせて屈んでかわした。

かわされた足は頭上を通り過ぎ俺の横にあるサンドバッグに直撃した。

ドゴォーーン!!

サンドバッグはすさまじい音を出しながら振りあがり天井に当たると、今度は俺のほうに迫ってきた

 

「おわっ!」

 

俺は何とか横にとびそれもかわした。

さすがに毎日これは怖すぎる。

「おい。鷹奈。寝ぼけてないでさっさと起きろ」

「…ん……八幡?」

「そうだから早く起きろ。小町が飯を作って待ってる」

「おはよ~」

「おはよ~、じゃねぇよ。いい加減寝てて誰かが近づくと勝手に技を出す癖を何とかしろ。小町が起しにきたとき危険だ」

「いやぁ、武道家のサガって奴?危険に体が勝手に反応しちゃうんだよねー」

「お前が一番危険だわ。それに小町が危険なわけないだろうが。あの可愛さは確かに危険だが。いつ変な虫がつくか不安だ」

「相変わらずシスコンだね」

 

「シスコンじゃない。妹を愛してるだけだ」

 

「八幡、それはちょっとキモいよ…」

 

「きもい言うなよ…。今日の夜、枕を濡らすことになっちゃうだろうが」

 

「それよりさ、八幡」

 

「スルーですか…。なんだ?」

 

「頼みたい事があるんだけど」

 

……嫌な予感がする。俺の第六感が鷹奈の話を聞いてはいけないと鐘を鳴らしている。

 

「あー、あれだ。俺じゃ役に立てないと思うから。他をあたってくれ。んじゃ、俺は先に家に戻るから」

 

「まぁ、まってよ」

 

そそくさと逃げようとする俺を鷹奈はそう言いながら俺の手をとりとめてくる。

 

う、動かない。知ってはいるがなんて力だよ。ビクともしねぇじゃねぇか。

 

「……はぁ。んで、頼みってなんだよ」

 

世の中諦めが肝心なのだ。

 

「さっすが八幡。聞いてくれると思ってたよ」

 

「無理やりだけどな」

 

「何か言った?」

 

「…なんでも」

 

「そ。それで頼みなんだけど。あたしの彼氏になってほしいんだよね」

 

「は?」

 

「あ、彼氏って言っても本当の彼氏になれっていうんじゃなくて、ニセの恋人になってくれって事」

 

まじかよ。まさか人生一度あるかどうかぐらいの体験を3回も体験するとは。

 

「八幡だし、彼女もいないだろうからいいよね」

 

当たり前のように言ってくる。八幡だしって何だよ。まぁ彼女はいないけど、なぜかニセは2人いる。

だがここは断らせてもらおう。面倒ごとがこれ以上増えるのは勘弁願いたい。

 

「悪いが、ことわ…」

 

「ん?」

 

鷹奈が右こぶしをちらつかせながら笑顔で見てくる。

怖い怖い。もう顔が『断ったら分かってるだろうな」って顔している。

 

「八幡?いいよね?」

 

恐怖で俺はただ頷く事しかできなかった。




誤字脱字報告。
あと感想を書いていただけると私のモチベーションが上がります!
これからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

練習と理由

どうも、天・プラ子です!

書いてて思ったのですが
やっぱりこういうのは書くのが難しいですね。

前置きはおいといて、4話目どうぞ!


昨日あの後、俺達は家に戻ってご飯を食べたが、鷹奈は特に言いふらす気はないらしく、小町に付き合うことは言わなかった。ご飯が食べ終わったあともいつも通りくつろいだ後に帰っていった

てか、色々とめんどくさいことになった。まさかクラスメイトだけに飽き足らず、バイト先の後輩、幼馴染とニセの恋人関係になるとは。まぁ幸いそれぞれの会う場所が違うから鉢合わせすることはないとは思うが、いかんせん不安が拭いきれない。今から学校に行きたくないまである。…それは何時もだな。

 

まあそんなこと考えながらすでに教室の前なんだが…

こんな経験初めてだから、どんな顔で星川と接したらいいかわからねぇよ。

まぁいきなり星川がアクションを起こすことは考えにくい。なら、星川が行動を起こすまでは何もしなくていいか。

そう結論づけて俺は教室の扉を開いた。

教室内にはチャイムギリギリなだけあり、殆どの生徒がいた。その中には星川もいて、クラスメイト達に囲まれていた。

 

「早乙女ちゃんかわいい~!」

 

「イメチェンしたの~?」

 

星川は今までのような地味な格好ではなく。メガネを外し。今まではゴムで結んでいただけだったのが今日は少しアクセサリーを付けて整えられている。制服も普通に着るのではなくおしゃれに着こなしている。

何時もと違う星川に見惚れてしまっていた。その俺の視線に気づいた星川と目が合ってしまった。

 

「あ、八幡、おはよ!」

 

そう言って星川はこちらに駆け寄ってきた。そしてあろう事か俺に抱き着いてきた

 

「は?ちょ、え?星川何して……」

 

「やだ、八幡。そんな他人行儀やめてよ。早乙女って呼ぶって約束したでしょ?」

 

星川が抱き着くのをやめて、首をかしげながら言ってきた。

 

「あ、ああ。さ……早乙女」

 

と軽く朱が差した顔を相手にみられないように顔をそらしながらいった。

 

「ふふ。八幡照れてる」

 

と、星川が笑ったところで周りのやつらが動きだした。

 

「早乙女ちゃん比企谷君と付き合ってるの!?」

 

「えー!?ねぇねぇ、どっちから告ったの?」

 

などなど、女子から質問が来た。

星川はそれに対してちゃんと答えていた。

 

「わ、わたしの方から。ずっと、八幡を見てて、不器用だけどさりげない優しさとか、いざという時の行動力とか……素敵な人だなって思って」

 

よくそんなスラスラ言えるな。勘違いしちゃうだろうが。

 

「おーっ!早乙女ちゃん、意外に大胆☆」

 

「今までは本性隠してたってわけか。早乙女ちゃんは磨けば輝く素材だと思ってたのよ」

 

現在進行形で星川は本性を隠しているが。一人称もわたしではなくボクのはずだし、平気で健全な男子高校生を脅すような奴だからな。

そういう意を込めて星川に視線を送る。

 

「ん?どうしたの八幡?」

 

すごい笑顔のはずなのに冷や汗が流れる。

……うん。皆相手に言えないこともあるよね。

これは戦略的撤退であり、けっして怖かったわけではない。

そんなやり取りをしている間も女子の話しは終わっていなかったようだ。

 

「そうそう!比企谷君ってさりげなく優しいよね!」

 

え?なんで俺を褒める流れになってんの?

 

「それに、入学式の日に犬を助けて事故にあったんだよね。普通そんな事出来ないよ」

 

ちょ、まじで辞めてくれ。慣れてないんだよ…

星川の名前を呼んだ時とは比べ物にならないぐらい顔が赤くなる。

 

「実はあたしたちちょっと心配してたんだよ。比企谷君って優しいけど、何て言うのかな、近づくなって感じのオーラを感じるんだよね。それでみんな近づき辛くなっちゃって。」

 

「うん。何度か遊びに誘ったりもしたけど。比企谷君バイトばっかりだったもんね。」

 

「たぶん比企谷君一人でできるとか考えて、彼女だけじゃなくて、友達とか作り損ねるタイプな気がするし」

 

「それあるー!」

 

何この人たち。めちゃくちゃ気に掛けてくれてるじゃん。まじで泣きそう。

 

「あ、ありがとう…」

 

「ん?なにがー?」

 

「いや、なんでもない」

 

そう言って俺は笑った。

 

「そうそう!そうやって笑ってればいいんだよ!」

 

「お、おお」

 

「それと、早乙女ちゃんを大事にしなきゃだめだよ」

 

「やっと比企谷君にできた彼女なんだからね」

 

「早乙女ちゃんがオシャレしてるのも比企谷君という彼氏ができたからでしょ?」

 

「う、うん、八幡にちゃんと私を見てもらいたいから」

 

「ほらー。彼氏の為に綺麗になりたいとか、健気じゃない。なかなか今どきいないよ?」

 

「それあるー!」

 

「わ、わかった」

 

女子たちがそんな話をしているうちに授業が始まりった。

 

 

 

授業はつつがなく進み昼休み

バイト先で厨房をほとんど一人でこなしているため料理はできるが、朝早起きしてまで弁当を作る気にはなれない俺は何時も購買でパンを買って屋上で一人で食べていた。ちなみに小町の分は母親が作っている。

今日もその限りではなく、立ち上がり購買に行こうとしたら星川に止められた。

 

「ねぇ八幡。お弁当作ってきたの。屋上で食べない?」

 

え?

女子の手作り弁当だと…。

 

「え、えっと、」

 

教室のあちこちからひゅーひゅーとはやす声、口笛が聞こえる。

 

「ダメ!せっかく比企谷君と早乙女ちゃんの愛のランチタイムなんだよっ!」

 

愛のランチタイムってなんだよ…

 

「邪魔しちゃ悪いでしょっ!さ、行って!星川さん」

 

ついてこようとする男子どもを女子が抑制する。

 

「ありがとう。恩に着るわね」

 

クラスメイトにお礼を言った星川は俺の手を取り走り出した。

俺は引っ張られるまま屋上に向かった。

屋上。そこはおれのベストプレイスである。ここは見晴らしはいいが、いかんせん風が強い。なので、わざわざ屋上で来る人はいない

 

「まぁ人目がない分、ボク達としては気楽だね」

 

そういいながら星川はシートを引き腰を下ろした。

 

「俺は一人が好きなんだが」

 

「ほら、そんなこと言ってないで八幡も来たら?」

 

星川はそう言いながらシートの空いているところをポンポンと叩いた。

いつまでもここで突っ立ってるのもつらいので催促されるままに座ることにした。しかし隣というのは難易度が高いのであえてシートの外に座った。

 

「……ちょっと遠くない?」

 

「俺のパーソナルスペースはこんなもんだ。それに他の人がいないのに、彼氏彼女っぽくふるまう必要はないだろ」

 

「別にクラスメイトに見せつけるために偽の恋人をを頼んだわけじゃないよ」

 

「そうなのか?」

 

「そうだよ。言ったでしょ?ボクは恋愛をしたときにどんな気持ちになるのかを知りたいんだよ。」

 

たしかそんなこと言ってたような

 

「はぁ、わかったよ」

 

そう言って俺は重い腰を上げ星川の隣に座った。その時、星川と俺の肘がぶつかった。

 

「あ……っ」

 

星川は小さく叫ぶと身を強張らせた。

軽く死にたくなった。

 

「す、すまん」

 

俺はそう言って、急いで距離を取った。

 

「ごめんね。自分から触るのは大丈夫なんだけど……こういうのはちょっとね。……あ、八幡だからってわけじゃないから、勘違いしないでね」

 

そういった早乙女は真剣な表情だった。

よかった。俺だからじゃないんだな。それにしても、あまりにも過敏だったな。何かトラウマでもあるのか?…ま、今考えてもわかることではないな。何か問題があれば、星川から話してくるだろ。とりあえず、星川と不用意に触れ合うことは避けよう。

そう考え思考をやめた。

 

「はい。お弁当」

 

「ああ。ありがとう」

 

受け取った2個セットになったランチボックスを開く。

片方にはご飯。おかずはウインナーに卵焼きポテトサラダにプチトマト。

……なぜプチトマトが…

 

「いつも購買でパン買ってるから、好きな食べ物とかわからなくて…でも、はいこれ」

 

そう言って星川は黄色に黒文字の缶を手渡してきた。

 

「こ、これはマッカン!なんでこれを?」

 

「好きな食べ物はわからないけど、それはいつも飲んでたからね。好きなんだろうなって思って」

 

「おお!ありがとう!」

 

「でも、流石にお弁当と一緒に飲まないでね?」

 

「ああ。それは大丈夫だ」

 

流石に折角作ってきてくれたものを激甘珈琲で流そうとは思わん。…のだが、

 

「ん?どうしたの?何か嫌いなものあった?」

 

「ん?ああ……トマトがな…」

 

「トマトダメなんだ…。じゃあ残してもいいよ」

 

星川は苦笑しながら言ってくる。

だが、

 

「せっかく作って来て貰ったものを、残したりはしない」

 

「そっか、ありがと。」

 

「んじゃ、早速いただくわ」

 

「召し上がれ」

 

俺は初めに卵焼きを食べた。

 

「うまい」

 

「ほんと?」

 

「ああ、料理に嘘はつかん」

 

「よかった。八幡はそのコーヒーもそうだけど、甘い方がいいのかなと思って、甘めに味付けしたんだ」

 

「なるほど。だから俺好みの味だったのか」

 

ストーカーを疑うレベルで一方的に俺のこと知られているのですが…

 

「好きな男の子の好みを調べて、胸をときめかせながらお弁当を作る気持ちって言うのを経験してみたかったんだ」

 

「そうか。で、どうだったんだ?」

 

「んー。悪くないかも。料理してる時も自分で食べるものを作るより、相手の事を考えるといつもよりやる気が出たし。それにやっぱりおいしいって言ってもらえるのはうれしいね」

 

「そうか。ならよかった」

 

「ニセと言っても形からしっかり入りたかったから、まず教室でアピールしてみんなに僕たちの関係を認識してもらう。それから手作りお弁当は欠かせないでしょ?」

 

「まぁ、弁当はわからんでもないが、教室で抱き着いてきたりするのはやりすぎだろ…。今時そんな事する奴いねぇだろ。余りにもバカップルすぎる」

 

「やりすぎだったかな?」

 

「ああ。恋愛の気持ちが知りたいのはわかったが、俺達はあくまで仮だ。別に教室で抱き着いたりしなくても、もっとほかの行動でも教室のやつらの反応は確認できたはずだしな」

 

「それもそうだね。やっぱり八幡を選んでよかったよ。他の人だとこんなに客観的にみれないと思うし」

 

「そ、そうか。まぁ、星川が―――」

 

「早乙女」

 

「は?」

 

「早乙女って呼んでよ。ボクは「ボク」と「わたし」を使い分けるくらい簡単だけど、八幡はそうじゃないでしょ?二人きりの時も下の名前で呼ぶようにしないと、ぼろが出ちゃうかもしれない」

 

「しかしだな、ほし…」

 

「往生際が悪いよ八幡。八幡には悪いかもしれないけど、これからこの関係が続くんだから」

 

「……そういや、この関係はいつまで続くんだ?」

 

「それはボクが満足するまでだよ」

 

「まじかよ。とんだブラックな仕事だな。まぁ、それはいい。よくないけど。さ、早乙女がどんな恋愛観を持っているのかわからないが、何時も地味目に生活してた早乙女があそこまで豹変するのもやりすぎな感じはしたな。まぁ幸い周りのやつらの反応は悪くないが。だからこそ、今から控えめな感じで行くと逆に怪しまれるからな。正直俺の心臓に悪すぎるが…」

 

「そっか。…不自然だったんだ……。恋する女の子は大胆になるってどこかできいたんだけどな。やっぱりまだまだだね」

 

「それは少女漫画だろ…。まぁ、俺から見たらだからな。ただ周りの奴らはそうじゃないからいいんじゃね?」

 

「んーん。まだまだだよ」

 

そう早乙女は寂しげに言った。

 

「恋愛を知らない俺らが理解できてないのは当たり前だ。んで、みんな最初は手さぐりでやってるんだからおかしな行動の一つや二つあって当然だ。彼氏彼女ができてテンション高くなる奴も当然いたんじゃねぇの?それに、早乙女のやったおかしな行動なんて、俺の黒歴史からしたら小さいもんだ」

 

「ありがと…。八幡って、慰めるの下手だね」

 

そう言って早乙女は笑った

 

「うっせ」

 

まぁ、相手が仮であろうとなかろうと、しけた顔されると、もどかしい気持ちになるからな。それにこれから手伝っていくやつがちょっとしたことで落ち込まれてたらやりづらい。

……そういえば

 

「訊いてもいいか?」

 

「ん?なにかな?」

 

「ニセ彼氏が必要な事情ってなんだ?恋愛する人の気持ちが知りたいのはわかったが、なぜ知りたいのかを聞かせてもらえると、手伝う俺からするとやりやすい。どうしても答えたくないならいいが」

 

「いいよ。話そう。八幡がボクのことを真剣に考えてくれてるみたいだし、僕も八幡の事信頼してるからね。この事を教えないって言うのは不誠実な話だし」

 

食べ終えた弁当箱のふたを閉じ、早乙女が静かに立ち上がった。

ちなみに俺の方はあと、プチトマトが残っている。

 

「ボクはね、プロなんだ」

 

よく通る声で、はっきりと告げた。

 

「プロ?」

 

なんのプロなのか皆目見当もつかない。

 

「うん。役者。ボク、プロの声優なの。週に三本、レギュラー持ってるんだ」

 

まじか。予想外だ。アニメなどをよく見る八幡だが、早乙女の声を聴いたことはないと思うし。星川早乙女という名前も聞いたことがない。

 

「今は芸名使ってるからね。『にこにこ森のぷるる』と『なかよしベイビー』。それから『たのしい大実験』」

 

と、誇らしげに現在出演している作品を、指を一本ずつ立てながら教えてくれた。

 

「それって教育番組じゃねぇの?」

 

「そうそう。よく知ってるね。夕方のファミリー向けと、後の二つは教育番組だよ」

 

「なるほどな。他の作品には出たりしないのか?俺が言うのもなんだが、綺麗な声だと思うし、最近じゃ声優が歌を歌ったりしてるだろ?」

 

「そこなんだよ。今まで幼児番組中心でやってたんだけど、仕事の幅を広げろって言われてるの。顔出し解禁して、年相応のヒロイン役にチャレンジしろって。それなら恋する気持ちとか恋人同士の振る舞い方とか経験した方がいいし、若い男性声優との絡みも増えるでしょ?」

 

「なるほどな、それでこの関係か」

 

「うん。ボクは役者をやめたくない。絶対に、声優を続けていきたい。そのために乗り越えなくちゃいけない壁があるのなら必ず乗り越えてみせる!」

 

早乙女は拳を握りしめながら、高らかにそう告げた。

 

「まぁ、そういう理由なら協力させてもらう。まぁ俺も恋愛初心者だから手伝えることはそうないだろうが」

 

そう言いながら、最後まで残っていたプチトマトを口の中に放り込んだ。

………まずっ…

 

「ごちそうさま。うまかった。トマト以外」

 

「お粗末様。好き嫌いはだめだよ」

 

早乙女は笑いながら言ってくる。

 

「そういやさ。なんで地味なふりをしてたんだ?役者なら人間関係とか多く持ってた方が勉強になるだろ?もし地味なキャラを演じるというのが練習ならいいんだろうが」

 

毎日教室で自分を押し殺すのは辛くないのだろうか。

 

「ボ、ボクの声は商品だからね」

 

今までの芝居がかった態度とは違う。早乙女の声がわずかに強張った

 

「そ、その、つまり……声でギャラをもらってるんだから、そう簡単にタダで人に聞かせる訳にはいかないのさっ!」

 

……これは嘘だ。声が強張っているのもそうだが、表情がさっきと違って、早乙女は笑顔を作っているつもりだろうが、無理しているのが丸わかりだ。

早乙女のような人が無理して地味に見せる必要があるのだろうか。何のために?まぁだいたい予想はつくが。

早乙女は可愛い部類に入るだろうそれのトップレベルの。なら、それに嫉妬してくる奴らも出てくるはずだ。そしてそういう奴らは総じて相手を蹴落としにかかってくる。早乙女もその被害にあったのかもしれない。

 

もう一つは早乙女が役者、もとい声優という点で考えた場合。こちらは可能性は低いがプロというだけあって、俺が知らないだけで結構な人に知られているわけであって。…それに伴いストーカーの被害にあった可能性もある。肘が触れ合ったときのあの反応を鑑みるとこちらの線の方が有力かもしれない。

 

「まぁ、その反応で事情は分かったが…」

 

「え!?」

 

早乙女は俺の言葉が信じれないようだ。

 

「え!?じゃねぇよ。恋愛の勉強もいいが、隠し事の勉強もしないとな…」

 

「本当に分かったの?」

 

「まぁ殆ど勘みたいなものだけどな」

 

「そうなの?」

 

「まぁ、人間観察が趣味みたいなもんだからな。それなりにわかる」

 

「そうなんだ…」

 

「イジメかストーカー被害にでもあったんだろ?」

 

「よくわかったね…そんなところだよ」

 

「まぁ、深くはきかねぇよ。諸々の事情は分かったし、早乙女がラブシーンを問題なくこなせるようになったら俺はお役御免てことでいいんだな」

 

「概ねそんな感じだね」

 

「了解。それまでは手伝う」

 

「助かるよ。八幡も本命の彼女ができた時の練習と思ってくれればいいし。ボクの勉強が済んだら、本当の彼女ができるように協力してあげる」

 

「あ……そういう後始末もあるんだな」

 

そうだった。いくら仮で付き合ってるとはいえ、周りの奴らからしたら本当に付き合っているわけであって…

 

「まぁ、こっちの我儘で付き合ってもらっている訳だし、終わりにするときはボクが貧乏くじ引くよ。っていっても、八幡は自分を犠牲にして終わらせそうだけど…」

 

「俺は効率のいい方を選ぶだけだ。何が起ころうとも、それは俺が選んだことの副産物にすぎん」

 

「八幡って本当に捻くれてるよね」

 

「そんな事実はない」

 

「まぁ本当に終わったときはボクが泥をかぶるよ。これから本気で恋愛する予定ないし、悪女って評判がたっても大丈夫」

 

「いや、仕事にかかわってくるだろ」

 

「まぁそこもなんとかするよ」

 

「そうかい。んじゃ何とかしてくれ」

 

「任せたまえ」

 

そう早乙女は笑顔でいった。

恋人がどうとか、練習がどうとかは置いといて、少し歪だが、こんな青春も悪くはないかもなと、早乙女の笑顔を見ながら思った。

 




読んでくださりありがとうございます!

よろしければ感想、指摘などなどしてもらえると嬉しいです!
宜しくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

帰り道

すべての授業が終わり、放課後になった。

 

「八幡っ、一緒に帰ろ!」

 

「いや、今日はあれがあれなんで…」

 

「ほら八幡早く!」

 

早乙女は強引に俺の腕を取り抱き着いてきた

 

「お、おい」

 

肘には柔らかいものが当たっている

 

「いいから行こうよ」

 

胸の感触にうろたえている俺は早乙女に引っ張られながら教室を出た。

 

 

 

校門をでて少し歩いた道。生徒の数もまばらになっている道を俺は早乙女と腕を組み歩いていた。

 

「はぁ、どうしてあんことしたんだよ…」

 

「だって八幡も言ってたけど朝にああいうことしちゃったでしょ?だから急に路線を変えると変に思われるじゃない」

 

「確かにそうかもしれんが、腕に抱き着かんでもいいだろ」

 

「そう?そっちの方が疑われないかなって思って。まぁしばらくはこれで付き合ってよね。学校から一歩出たら素で他人って訳にもいかないでしょ。友達に見られるかもしれないし」

 

「は、俺には友達はおろか、知り合いと呼べる人すらいないまである」

 

「ふふ。なにそれ。…でも、彼女はいるでしょ?」

 

早乙女は下から覗き込むように微笑みながら言ってくる。八幡の顔がみるみる赤くなっていく。

 

「べ、別に、ただの仮だろ…」

 

「八幡顔真っ赤だよ」

 

ははは、と早乙女は笑っている。

どうやらからかわれたようだ。

 

八幡は少しむすっとした顔で早乙女の腕をほどき前を歩いた。

 

「怒った?」

 

「別に」

 

「怒ってるでしょ」

 

「怒ってない。俺が怒るのは野球中継でアニメの放送が遅れた時だけだ」

 

「何言ってるの。今のやり取りちょっとだけカップルっぽかったね」

 

今度は純粋な笑顔を向けてくる早乙女

俺はそうだなっと言って彼女の歩幅に合わせるように歩くペースを遅めた。

隣の早乙女は嬉しそうに手を握ってきた。それによって八幡の心臓がトクンッとはねる。やはり、まだまだ免疫はできていないようだ。

しかし悪くはないと思っている八幡だった。

 

 

 

談笑しながら歩くこと十数分。

不意に握られていた手が離れた。

 

「じゃ、今日はここまでね。ボク、これから仕事あるし」

 

早乙女の説明によるとどうやらレギュラーで出ている幼児向け人形劇番組の収録があるそうだ。

 

「わかった。まぁ、なんだ。その……頑張れよ」

 

八幡には今まで応援するのは小町か鷹奈しかいなかった。鷹奈に至っては応援の必要なんてないだろって思うレベル。むしろ相手が可愛そうだ。それもあって少し恥ずかしそうに言う八幡。

 

「うんっ!」

 

対照的に早乙女は嬉しそうだ

 

「……そうかぁ……」

 

「ど、どうかしたか?」

 

「彼氏がいて応援してくれるのって、嬉しいって言うか、元気が出るんだなぁって」

 

頬を染めて微笑んでくる早乙女にまた心臓がはねる。

 

「も、もちろん彼氏って言ってもニセだから勘違いしないでよ」

 

「お、おう」

 

小さく言う早乙女に返事をすると改札の方に走って行った。彼女が見えなくなる直前、こちらに振り向いて手を振ってきたので、軽く振りかえすと、早乙女は頷いて人ごみの中に消えて行った

見送り終わった八幡の携帯がポケットの中で震えた。

 

「あ、やべ」

 

着信が来ていたわけでもなく、メールが来ていたわけでもない。設定していたアラームが時刻を告げる

これから天弓院との約束があるのだ。送れるわけにはいかない。

俺は小走りで『スウィート・ドロップ』へ向かった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。