【仮面ライダーW】はいさ、おまかせっ!ライダーです! (ねぎぼうし)
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【第一話】始まりのR/二人はライダーでチャンピオン

さぁ皆さん多分初対面ですよね!!他作品で休止とか抜かしといてさらっと投稿するバカこと、斜めに構えるです!!
他作品のほうね、もうちょっと待ってね。
バッチリミステリーはつまるんですよ……。
さてさて、今回はラブライブではなく、仮面ライダー!!
書いてみたかったんですよね!!
本編行きましょうか!!


さて、皆さん唐突ですが問題です。

高校生が怪物に出会った場合の最善手は何でしょう?

①逃げる

②諦めて死を覚悟

③大声で助けを呼ぶ

 

………………。

答えは出ました?

では私の回答を。

それは……

 

『ジョーカーッ!』

 

「変身♪」

 

④闘う、でした。

メモリをスロットに入れて、半分に割るッ!

ひとたび唱えればあら不思議。

周りに旋風が起こったかと思うと……

 

「っしゃ、いくぜ!」

 

もう一人の思考と共有される。

すれ違いなんてしない、最初の一言は決まっている。

 

「さぁ、お前の罪を数えろッ!」

 

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「燐ッ!」

「はいさ!おまかせっ!」

 

掛け声と同時、キイイインと、金属音がなる。

その音は勝利の鐘。

二人は顔を見合わせ、

 

「ふぅ、最後の入ってよかったー」

「あれで外したらボコボコにしてたぜ?」

「相棒になに言ってんのさ?」

 

と、敵への握手後に話す。

僕ら、城山(しろやま) (りん)と、須万(すま) 智樹(ともき)は相棒同士。

一心同体のペア。

そう、ダブルスのね。

ダブルスといったらやっぱテニス?

そうおもうよねー!

ところがどっこい、僕らは卓球。

よく知らないけどテニスで金属音はしないだろうし、何人か分かってたかな?

 

『まもなく男子の決勝を始めます。繰り返します、まもなく男子の決勝を始めます』

 

と、アナウンスがかかる。

僕は智樹に会場入りを促す。

 

「だってさ?いくか!」

「今度はミスんなよ!」

「前もミスしてねぇし!」

「嘘つけ!こっちが五点目の時……」

「あれはお前の作戦ミスですぅー!」

「言い訳乙!完っ全にお前のミスだし!」

 

と、軽い言い合い。

一件仲悪い様に見えるだろうね。

僕と智樹は幼なじみというか、腐れ縁だ。

たまたま住む地域が一緒で偶然同じ高校だったから親しいだけだ。

別に一緒に遊びに行ったり、相談に乗るほど信頼はない。

だからこんな感じで言い合いもする。

でもまっ!

 

「優勝かっさらっていきますか!」

「当たり前だな!」

 

そういうことで!

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「優勝、城山燐、須万智樹ペア」

「「はいっ!」」

 

しました。優勝。

地方の大会だから当たり前なんだけど勝ち星が増えるのはいつだって嬉しいものだ。

これでも僕たちは強いのですっ!

きちんとトロフィーを抱え、閉会式を終えると、

 

「優勝おめー!」

 

と、智樹が駆けてくる。

 

「おめおめっ!智樹、晩御飯何がいいー?」

「ん、焼き肉」

「学生の大会に賞金が出るとお思いで?」

「じゃあひじき」

「はいさおまかせっ!」

 

と、いつものように答える。

この「はいさおまかせっ!」ってのは僕の子供の頃からの口癖だ。

なんかこう答えると任された気分になる。頼られてる感じ?とにかく快感。

っと、説明不足か。

僕と智樹は優勝した日には二人で飯を食う。

ただし外食ではなく、僕の手作りを。

ホモっぽいだのなんだの言われそうだがただのお祝いと、そこらの外食より僕の飯のほうが美味しいし、ってやつだ。

 

「ていうかお前ひじきとかチョイスどうなってんのさ?」

「いいだろ別に。なんとなく食べたいしはやく帰ろうぜー♪」

「あ、こら!そんなに走ると」

 

ドーン!

と、忠告の前に智樹が人とぶつかった。

言わんこっちゃない。

 

「す、すいません、大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。でも気を付けてね」

「は、はい」

 

ぶつかった人はその場をすぐに去っていった。

 

「イケメンだったねぇ」

「なに?燐はホモ?」

「ちがうよ。でも警察が何でここに?」

「え?警察?」

「それだよ」

 

と、僕は智樹の足元を指す。

そこには……

 

「警察手帳?」

「だね。名前は白兎(びゃくと) (りょう)。……捜査一課!?」

「な、なに急に?」

「帰ろう智樹。直ちに」

「う、うん。でも焦りすぎじゃない?」

「……捜査一課ってのはな?重要な事件でしか来ないんだよ」

「重要な事件?」

「例えば……殺人」

「っ!?」

 

つまり、この場はそういうことだ。

離れたほうがいいに決まっている。

そしてこういう判断は常に僕任せ。

卓球も指示するのは僕。

僕は頭脳系の読書家。

まぁ世間一般のオタクってやつだからラノベしか読んでないけど。

もちろん、体力はない。

逆に智樹は運動系のスポーツマン。

まぁ頭は普通で判断は僕任せ。

だから僕の指示に智樹が運動神経で猛威をふるう。

それで優勝まで来た。

だからこういうときのセオリーはいつだって

 

「わかった。判断はお前に任せるよ」

 

こうだ。

僕の頭脳を信じてくれるのはありがたい。

僕らは会場を出てしばらく歩いた。

いろんなことを考えた。

なぜ一課があんなところにいたのか?

そのくせあの人、一人だったのには理由があるのか?

 

「うーん……」

「燐?落ち着け。俺らにはどうせ関与出来ないさ」

「まぁそうなんだけどさぁ……」

 

こういうのは好奇心が押さえきれないんだよなー。

……あれ?

 

「なぁ智樹、これ……」

「……窃盗罪?」

「……か、返すの忘れてました」

 

ふと手を突っ込んだポケットにあったのは先ほど鍄刑事が落としていったアレ。

 

「返しに行く?」

「飛んで火に入る夏の虫」

「じゃ、いかない?」

「行かなきゃヤバイ奴だよなぁ……」

「ついて行くから。行くよな?」

「はいさおまかせ……」

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「白兎鍄さーん?どこですかー?」

 

誰もいないが一応大声をあげる。

返事はなく、立ち去ったかとかんがえていると、

 

「少年!」

「ん?あ、鍄刑事」

 

なぜか鍄刑事は物陰に隠れていた。

智樹も後から見つけ、

 

「おーいたな。良かった」

「さっさとそれ渡して帰るんだ」

「ほえ?」

 

いや、言ってることは分かるんだけどあのぶつかった時と雰囲気が違う。

なんというか、焦っている。

ヤバイ現場に来たらしい。

 

「ッ!?危ない!」

 

今度は急に鍄さんに抱きつかれた。

そしてそのまま横に一メートルほど僕らを連れて転がる。

何をしたのかを考える瞬間、次に目に飛び込んできたのは予想外のものだった。

 

ドオオオオオオオンッ!!!!!!

 

なんと、さっきまで僕らのたっていた位置が爆発した。

いや、それはいい。よくないけども。

いま一番の問題は

 

「ば、バケモノ……」

 

智樹の通り、目前の生き物は人間とは程遠い体型で手にはスイッチぽい物がついついる。

 

「退いてなさい、少年」

 

と、僕らを後ろに庇うように鍄刑事が前に出る。

さすが刑事さん、カッコいい!!

でもさっきの爆発くらったらいくらなんでもどっちも死ぬと思うんですが!

 

「刑事さん、死にますよ?」

「君は冷静で冷酷だな。普通はあーだよ

?」

 

と、智樹を指す。

腰を抜かしていてまぁーみっともない。

グローブで現実受け止めな!ミットもないだけに。

あ、スベったとかいいんで。

 

「さて、僕は死なないよ」

「Why?何故?」

「ヒーローだからさっ!」

 

意味不明な宣言をした鍄刑事は何か取り出して腰に……

 

「ベルト?」

「そうだ。変身っ!」

 

『ドライブ、タイプスピード!』

 

鍄刑事は姿を変えて、いや、この場合は武装かな?タイヤぶっ刺さってるし。

 

「ひとっ走りつきあえよ!」

 

と、叫ぶ。

決め台詞かな?

 

『物騒だねー。戦いたくて戦ってるんじゃないんだよ?こっちは。マスカレイドッ!』

 

バケモノの一喝で数体物陰から増える。

てかしゃべった!怪物増えた!

なんかマスカレイド?紳士的なマシなバケモノ来た!

 

「合計20体ぐらいか。おおいな」

 

多いなとか言いながらさらっとマスカレイドを全滅してんのは何故ですかね?

なんかもう半分位床に突っ伏してるんだけどなぁ……。

 

「智樹、逃げるよ」

「で、でもっ!」

「でもじゃない。死なないらしいし大丈夫でしょ。ね?」

「だったらいいなっ!!」

 

と、意外な返事が返ってきた。

さっきまで死なないよとかいってたのに随分弱気だ。

 

「死なないのは相手みたいだよ」

 

その言葉の意味はすぐ理解できた。

それは……

 

「バケモノ復活してるっ!?」

「キリがないっ……!ハンドル剣ッ!!」

 

外から飛んできた剣で応戦するけど倒してもまた復活する。

これ……

 

「どうする燐?」

「……はいさおまかせっ!」

 

普通なら会話が成立していない。

けど、僕らには分かる。

 

『どうする燐?』

『助けるって言いたいの?』

『もちろん。いくぞ』

『はいさおまかせっ!』

 

この会話を短縮させた。

伊達にダブルス優勝していない。

以心伝心だ。

 

「いくぞっ……!1、3、5だ」

「了解っ!」

 

僕の指示と同時に智樹が動く。

指示の意味をお教えしよう。

卓球はサーブを読まれないようにハンドシグナルや、僕らみたいに暗号や数字で伝える。

んで今回の意味は、

1、『右に飛ぶ』横回転

3、『後ろに戻る』バックスピン

5、『前に速い』トップスピン

を指示した。

つまり、右に飛んで一旦下がれ、んで一気に前出て攻めろ。

見事に伝わり、智樹はあっという間に2体倒す。

でももちろん復活してくるわけで。

 

「でええい!なんとか出来ないんですか!?」

「メモリブレイクしかっ!」

「はぁ!?」

 

メモリブレイク?なにそれ?

 

「……くそっ!君達二人はお互いを信じられるか?信じれるならそこにあるアタッシュケースに……」

「「信じられませんっ!」」

 

智樹と、ハモると同時、僕らはアタッシュケースに向かって走っていた。

 

「ば、バカ!ならやめろ!」

「却下!いよっと!…………ベルト?に、なにこれ?USB?」

「今すぐそれを戻せ!」

「却下!ほいさっ!」

 

ベルトを鍄刑事のように腰に巻く。

てか構えるだけでベルト巻けたぞ。すげーなこれ。

 

「て、適合!?」

 

とか鍄刑事が驚いてるけどそれどころじゃないんで。

 

「んーと?これかな?」

 

『ジョーカーッ!』

 

ジョーカー?切り札?道化師?

 

「な、なにこれ!?」

 

と、智樹の驚く声。

見ると同じベルトが巻かれている。

あれ?ひとつしかないよな?

 

「な、なんか出たんだよ!」

 

へぇー。ん?俺声出てた?

 

「少年!その緑をその子に!」

 

緑?あぁこれ?

鳴らして智樹に放る。

 

『サイクロン!』

 

「いよっと!」

「はいはい、っと!これが俺の?」

「そうだ!スロットに刺せ!」

 

スロットね。この2つの穴か。

 

「「変身っ!」」

 

まず智樹がスロットにサイクロンをさす。

するとサイクロンは消えて僕のスロットに移る。

 

「瞬間移動とかいろいろ突っ込みたいけどあとだな。いよっと!」

 

同じくジョーカーをさす。

変身!

 

「…………………あれ?しない?」

「そのスロットを割れ!」

「あぁはいはい。ぃよいしょっ!」

 

『サイクロン!×ジョーカー!』

 

軽快な音楽と共に体が武装される。

風が吹き、頭が不思議な感覚で……

 

「って俺が倒れてるううううっ!?

どうした智樹!?

いや俺はこっち!

こっちって……え?」

 

これって……。

 

「闘え!君達は、二人で一人の、仮面ライダーだっ!」

「……だってさ。

考える前にこいつら倒すか。

はいさおまかせっ!指示するから体任せた!

しっかり指示しろよ!」

 

考えも共有するのか、体が勝手に動かされる変な感覚だ。

だが倒しても二十体。

 

「数が多いな」

「アタッシュケースの中のものを使え!黄色だ!」

「はいはいっ!えっと?」

 

『ルナ!』

 

一旦戻して抜いて、んでさして割るッ!

 

『ルナ!×ジョーカー!』

 

体の半分が黄色に染まっていく。

 

「使い方は感覚でわかるな!?」

「なんとなくですがね!」

 

そのまま手を振り回す。どこぞの海賊のように手が伸びてマスカレイドを一掃する。

「〆だ!智樹、頼むよ!」

 

割ったままジョーカーを引き抜き横のスロットに刺す。

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

体の半分が分身する。

どうやら智樹の領分らしいので任せる。

 

「はあっ!」

 

見事に智樹はマスカレイドをのびーる手で殴っていった。

 

「んじゃ次僕の番ね。ジョーカーストレンジッ!!」

 

僕の方が今度は離れて、次々殴っていく。

メモリブレイク?だっけ。

マスカレイドは爆発四散した。

 

「さぁ次ぃ!ってあれ?」

 

周りを見渡すが僕らを爆発させようとしたあの野郎が見当たらない。

 

「逃げられたみたいだな」

「そうみたいですね。では行きましょうか」

「……?どこに?」

「「えっ?どこにって……」」

 

この人ホントに刑事なのか?

推理力雑魚すぎません?

 

「て、適合!?とか抜かした上にバケモノは逃がして……」

「俺らに戦わせといて、どこに?とかなめてんの?」

「つ、つまり……?」

「「行くぞ、話は署でゆっくり聞こう」」

「そういうことか……」

 

僕らはしっかりトロフィーを抱え、警察署にむかった。

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「で?なんでカフェなんですか?」

「署で話つったろ」

「これは警察柄みじゃないからな」

 

警察を連行するの楽しみだったのに。

まぁケーキ奢ってもらってる身で言えないけど。

 

「つまり個人活動ってことですか?」

「そうだね」

「まぁ色々いいたんですけど、まずなんですか仮面ライダーって?」

「そうだな……変身して戦うヒーロー?かな」

「曖昧ですね。まぁ正義の味方ってことですね?」

「極論そうだな」

「刑事さんも二人で一人?」

「いや、私はドライブといって、ダブルとは違うライダーだ」

「変身の仕組みは私用ですか?」

「ゲームではないんだぞ……。正直、いまだにどうやってかわからない」

「ではどうやって作ったんです?」

「作ったんではない。そうだな、もらったんだ」

「もらった?誰に?」

「名は『シュラウド』、だ」

「外国人?」

「さぁ?顔に包帯を巻いていて素顔を見せず、資格のあるものにベルトを渡す。資格のないものはベルトが使えない。だからこそ、今回は特殊だ」

「あぁ、なるほど。今回は資格の持つ僕らではなく、間接的にベルトを渡した上に、偶然僕らが資格をもって、適合?でしたっけ、したのが奇跡というね。あそこに来たのもシュラウドとかいう人の差し金?」

「そうだな。…………なぁ、さっきから気になってるのだが……」

「はい?なにか?」

「その、智樹?だったか、ずっと寝てるが」

 

あ、やっとツッコんでくれた。

結構序盤から寝てたよ?

 

「難しい話聞けない頭なんでほっといてあげて下さい」

「そうか……」

 

そんな肩落とされても。

正義の味方がこんなんじゃダメですかね?

 

「さぁ、聞きたいことは聞けましたし、これからどうします?」

「私はあいつを追う。君たちはこの一件から手をひけ」

「え?嫌ですよ?あいつらは僕らが」

「遊びじゃないんだぞっ!!」

「おおう♪凄い怒りよう♪」

「なんだその言い方は!?君たち……!私達は命を懸けて戦ってんだぞ!」

「お察ししますね」

「いいか、これは私達大人がやる。子供は引っ込め」

「…………はーい」

 

起こったようにカフェから出ていく鍄刑事。

あ、きっちりお金は払っていった。あざーっす。

さて、

 

「…………おはよ、智樹」

「…………ま、気付いてるわな」

 

当然。

僕らは二人で一人になったからね。

 

「寝てるふりお疲れさま。後は頼むね」

「了解」

 

そそくさと智樹も出ていく。

なんでってそりゃ、あのバケモノを追うためだよ?

え?手をひく?やだよ?

あんなの嘘だし。

それに追うとかの情報収集は智樹の領分。

あいつの人脈はすごいよ?

僕は説明したよね、オタクに人脈があるとお思いで?

あるとしても同類だし、こういうのは智樹任せ。

さて、それじゃあ子供なりに、探偵ごっこといきますか。

僕もね。

 

「お話があるのなら面向かってほしいですがねぇ?」

「…………」

 

僕が呟くと僕の真後ろの席の人が立ち上がる。

 

「……いつから気付いていたの?」

「そっちこそ、いつからいたんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シュラウドさん?」




題名で気づいた人いましたかね?
原作Wなんだから勿論二話に別けるよ!!
次回は探偵するのかな?
お楽しみに



小ネタ
桐山 漣→きりやまれん→しろやまりん→城山燐


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【第二話】始まりのR/二人の流儀

第二話~。
え?挙げるの早すぎ?
まぁいいよね?
冬季休暇待機系暇人こと、斜めにかまえるです。
本編どうぞー


「シュラウドさん?」

 

振り向けばそこにシュラウドさんはいなくなっていた。

なにさ、瞬間移動でもしたの?

あ、ありえるか。メモリが移動してたし。

にしても、

 

「ばれちゃったかぁ……」

(今回は話ではなく、監視が目的だったようだし、どうだろうな?)

 

僕は腰にこっそり巻いたベルトを見る。

これでこっそり意志疎通してたんだけどバレたっぽい。 

一人でなら油断してくれるとおもったんだけどなぁ……

とりあえずトロフィー置きに帰るか。

 

(おまえ俺が汗水たらして事情聴取してるときに……)

 

うるさいな。それにどうせ電話でまわってるんだし汗水たらしてないだろ。

 

(そうなんだがな……)

 

んじゃ情報待ってるねー♪

 

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

プルプル!と、着信音。

てか今時プルプルなる着信音って珍しくない?

 

「はいもしもし?ベルト巻こうか?」

『人前でベルトは恥ずかしいし、電話でいいよ』

「そっか。なんかおもしろいこと聞いた~?」

『いろいろな。まず当たったのがあの会場の運営なんだが、どうやら数日前から告発的な手紙が届いてたという噂があった。内容は、裏で誰が優勝するかで賭けをしているのを知っている、というものだ』

「おお~。一発目からビンゴじゃん!」

『それでその手紙なんだが不思議でいつもテーブルの上に置いてあるんだ』

「普通じゃん。置き手紙でしょ?」

『いや?こっから本番。その手紙をおいてくる奴を捕まえようとある日見張りをしていた。ところが、その手紙は一瞬にして現れたそうだ』

「また瞬間移動かよ……」

 

いい加減飽きてきた。

そんなホイホイ非現実的なことしないでほしい。

 

『それでなにか恨みのある奴を聞いたんだが三名。いずれも選手だ』

「三名?奇数?ダブルス大会だから普通偶数になるだろ」

『三名とも相方がなだめても聞かないほどの個人的な恨みだったみたいだ。まず一人目の烏太さん、これは俺らが入学する前に無双してたやつだが一度、審判の判定で負けになって、優勝を逃したらしい』

 

ってことは僕らが優勝とって無双止めたんだ。

ごめんね?勝負だからね。

 

『二人目は藤堂さん、こっちはどうやら無理矢理棄権をさせられたらしい』

「は?どういうことさ?」

『大会料金が十円足りなくて揉めてたら武力行使するっておどされたんだって』

「それは藤堂とかいうやつが悪くね?」

 

十円で揉めるなよ借りろよ。

 

『三人目、堀口さん。態度が悪いって学校問題にして、出禁。堀口さんに限らず、三人とも優勝候補の強者らしいよ』

「んー、もめる目的は三者三様だな」

『面白いことがもひとつ、それぞれには、決まったルーティンがあるらしい』

「おお!スポーツマンっぽい!」

 

やはり強くなるにはそういうのがいいのだろうか?

僕らの場合、ちょっとした言い合いがルーティンなのかもしれない。

 

『まず烏太、こいつは毎晩夜中にジョギングして寝るらしい。んで朝早く起きて練習だと。会場の近くもジョギングコースに入ってるから目撃者の運営もいる』

「毎晩ジョギングして睡眠とかお疲れなことを」

『藤堂は試合前、必ずトイレに籠るそうだ』

「へぇ、どっから抜け出して机に置く、いや捕まるか……」 

『堀口は必ず会場に選手として一番に入る』

「でも運営はいるよなぁ?」

 

と、考えていると、

 

『んで今凄いところにいるんだけど来てくれない?』

「お?どこ?」

『警察署……。聞き込み途中で鍄さんに捕まって連行中。』

「…………南無阿弥陀仏」

『み、見捨てるな!俺らは二人で一人だろ!?』

「無事な部分は多い方がいい」

『うをおぉい!?この薄情もの!!……あっ、ちょっまっ!…………………おい!私だ!手をひくんじゃないのか!?』

「あ、鍄さんお疲れ様です。なんの話です?」

『いいか!これは大人が』

「僕らの流儀、その1、」

「『ケリは自分たちでつける』」

 

画面越しに智樹の声が聞こえる。

それは僕らの絶対不変の決まり。

 

「その2、」

「『互いを信じない』」

「いいましたよね?君たちはお互いを信じられるか?全部信頼しきるなんてムリですよ」

『だからこそ、味方を信じずに味方の最悪を予想して、動く。これが僕らの強さ』

「だから僕らは以心伝心なんですよ。正義のためだとかそんなの関係なくて、僕らにケンカ売るならケリはつけるぞ。っていうことです」

『後は推理、お前の領分だ。信じない程度に信じるぞ』

「はいさおまかせっ!」

『待っ……!』

 

鍄刑事が言い切る前にきる。

そして一呼吸して言葉を反芻する。

 

「………………………………………」

 

顎に手を添え、椅子に座り、考える人のポーズをとる。

カッコつけてるように見えるが大真面目。

わりとよく考えられるよこのポーズ。

シークタイムはたっぷり20秒。

そして……

 

「わっかんねぇぇぇ!!手紙が……!」

 

あれのタネがわからない……。

怪人の力とか言われたらどうしようもないしな……。

と、苦難していたところにもう一度着信音。

なんだよ?

 

「はい?」

『私だ、白兎だ』

「………………………」

『ま、まて!きるな!』

「なんです?説教なら後で聞きますよ?」

『そうではなく、ヒントだ』

「ヒント?へぇ?どういう心変わり?」

『いや?ケリをつけるのは私もしたいのでね。君達の言葉であいつへのお礼返しを思い出した』

「ははっ!そりゃいいね!しっかりお礼返ししなきゃね!」

 

若干闇堕ちっぽい心変わりだけど。

 

『さて、本題に戻ろう。ドーパントは』

「あ、待ってください?ドーパント?」

『あのバケモノのことだ。それでそのドーパントだが、あいつらもメモリを使って変身する』

「へぇ?てことはあいつもライダー?」

『違う。ライダーは正義の味方って話したよな?というかまず人間ということに驚かないのか』

「え?いまさら?喋ってたしやたら人間味あったしあなたの口調もそれっぽかったし、結構前から知ってましたよ?」

『そ、そうか。それでそのメモリなんだが一つ一つ能力があってそれが頭文字となって書いてある。今回はそれがRだそうだ』

「そうですか。ちなみにだそうだってことは……」

『その通り。シュラウドだ』

 

またぁ?ともあれ、

 

「いい情報をありがとうございます。あ、智樹は煮るなり焼くなりどうぞ」

『うをおおおおぉぉぉぉぃ!!』

 

この断末魔で電話をきる。

さてさて、Rね。

ライト、ランダム、ラブ、あと……

 

「ん、これだな。辻褄があう」

 

さて!それじゃ、お礼参りと行こう!!

 

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

ここはまたまた会場。

トイレで僕らは待機中。

そこへ足音が鳴る。

やったね!

 

「はーい、ストーーーップ!!」

 

僕の大声で足音が止まる。

 

「目的はこれでしょ?」

 

僕は机の上においてある物を持つ。

あ、重い。

片手でもってカッコつけるんじゃなかった。

 

『それを渡せ……』

「そんなほしい?スポーツマンだねぇ」

 

手に持った僕らの所有物、トロフィーを見る。

 

「ま、まずは君を倒してからだね。烏太くん」

『っ!?』

 

名前を呼ばれたドーパントは一瞬動揺をするがすぐ変身を解く。

 

「お?その反応はあたってたみたいだね」

「……なぜ分かった?」

「Rだよ。始めに闘ったとき、闘うために来たんじゃないって言っただろ?」

 

完全な失言だとお察しするよ。

 

「なにか奪いに来たのかな?まぁあの時めぼしいものと言えばベルトとトロフィーぐらいだろ?でも君は変身してるしベルトなんかいらないっしょ」

 

烏太は異様に焦る。

分かりやすい図星だこと。

 

「なんでトロフィーなんか狙うんだろな。どんだけ執着してんだよ。そこで手紙とRだ。まぁ手当たり次第に考えたけど辻褄が合うのが1つ。夜中にジョギングするのがルーティンなんだって?夜中に能力で会場に入る。んで手紙を置いてすぐ手紙を持ち去る。なんてどうよ?ジョギング中に勝者賭博を話している運営でも見たのかな?んで賭博をしって今回の犯行にでた。こんなところかな?答え合わせしようか?」

 

と、語りたいことを語りきったあと、スッと手を「どうぞ」みたいな感じに出す。

烏太は意味を汲み取ったのかメモリを出す。

 

『リセット!』

 

音声が鳴ったあと、首もとにメモリを刺し、姿を変える。

 

「やっぱリセットか」

 

多分元に戻す能力。

一度会場に入れば自分の位置を元に戻して瞬間移動。

一度手紙を置けば、もって帰ったあと、手紙の位置を翌朝リセットすれば、瞬間移動。

よく考えたなこんなの。

 

「さて、僕だけの出番は終わったし、どうぞ」

「あああああっ!待ったよ!推理語るの長いよ!」

 

トイレから智樹と鍄刑事が出てくる。

 

「見せ場ですしいいでしょ?さて、鍄刑事、行きましょうか!!」

「オイ!俺の無視やめろや!」

「ほら!メモリ出す!」

「分かったよ!」

 

『サイクロン!』

『ジョーカー!』

 

「「「変身っ!」」」

 

『サイクロン!×ジョーカー!』

『ドライブ!タイプスピード!』

 

「ひとっ走り付き合えよ!」

「なぁ智樹、僕らはこんなのどうよ?

いいね。これでいこう」

 

一呼吸。そして二人同時に決め台詞。

 

「さぁ!お前の罪を数えろッ!!」

『私は倒せない……』

 

またそんな負けフラグを……。

とか思っていたら手のスイッチっぽいものを押した。

なんと驚き、消えたと思ったら……

 

「っぐぁ!!」

 

後ろに回り込まれていた。

蹴りを後ろから入れられ、床を転がる。

そうしている間に連続で瞬間移動を続ける。

 

「ボタンがリセットの起動装置か。連打とかめんどくさいな」

「いや、思った以上に厄介だ。どうする?」

「さぁ?とりあえず一発ぶちこむ!」

 

『ルナ!』『トリガー!』

 

さして割るッ!!

 

『ルナ!×トリガー』

 

「追尾弾ならあたんだろ!」

 

そう思い打ち込まれた数発はしかし、あたる寸前で瞬間移動され、当たらない。

 

「どうすんだよ!

まぁまて、考えがある」

 

『ヒート!』

 

ルナと入れ変えて、

 

『ヒート!×トリガー!』

 

「大火力一発で決めてやる」

「無理だ!狙いがさだまらない!」

「刑事さんは必殺の準備でもしてな!」

 

僕は3歩下がって銃を正面に構える。

 

『はっ!やけくそか!?』

「さぁな?瞬間移動、こいよ。」

『いいだろうっ!』

 

とたん、ドーパントが視界から消える。

僕は銃を真後ろに向け、

 

「残念♪」

 

発砲。

 

『っぐう!?』

 

ドーパントに当たり、怯んだところで、きっちり追撃で2発。それは決着用ではなく、

 

『わ、私のボタンが!』

「壊れちゃたね♪」

『な、なぜ私が後ろにリセットすると分かった!?』

「最初ルナトリガーで乱射したでしょ?あの時君、滅茶苦茶リセットしてたじゃん。君の能力はあくまでリセット。決めた場所にしか移動出来ないんじゃない?だから君のリセット後の位置を覚えて、僕の後ろにリセットするように誘導した」

 

3歩下がったのはそのため。

決めた場所にしか行けないと踏んだのは、最初のトロフィーで釣ったとき。

どこでも跳べるならトロフィー前に跳んでトロフィーごとリセットすればいい。

でも歩いてきたってことは、セーブ拠点かなにかの指定があるのだろうと思った。

 

「さて、ご説明は終わりました。〆です」

「あ、あぁ。倒そう」

 

メモリを引き抜き、銃に刺す。

鍄さん、この場合はドライブだろうか?

ドライブも手首のレバーを三度倒す。

 

『トリガー!マキシマムドライブ!』

『スピスピスピード!』

 

ドライブが一瞬にしてドーパントとの距離を縮めて北斗百〇拳なみに連打。

あ、あれ蹴りも入って北斗百〇拳なんだってね。

 

「くだらないこと考えるな。いくぞ。

はいはい。いよっと!」

 

殴り終わり、視界からドライブが消えたところで、引き金を引く。

 

「トリガー、エクスプロージョン」

 

吹き出した炎はドーパントを燃やし、すぐに姿が無くなった。

その後には烏太と、

 

「これは回収するよ」

 

リセットメモリがあった。

壊れてたけど。

 

「さて、烏太さんは頼みます」

「頼むってどこかいくのか?」

「はい♪いくよ智樹」

「おう!」

「い、いったいどこへ……?」

 

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「なんだあの二人は……」

「あいつらのせいで私の掛け金が……」

「あ、それって僕ら?」

 

僕の声に四人ほどが一斉に僕らを見る。

 

「どうも~♪賭博お疲れ様。にしても僕らに賭けないとか大丈夫?全員損したね♪」

「まったくだな、俺らが優勝に決まってるだろ」

「……何をしに来た?」

「何をって、不正行為の確認?」

「だな」

「ほぉ?不正行為?」

「あら?知らないふり決め込むの?優勝候補を次々潰しといて不正行為がなかった?うっそでしょ!?普通は賭けた対象が勝つように優勝候補を潰していったとか考えちゃうな?」

「そこで新星の俺らが優勝したと。んー、残念!」

 

場の空気が殺気立つ。

 

「おっと!どうやら怒らせたみたいだな」

「なーにやってんのさ?ただでさえ頭悪いんだからちょっとは優しくしてやれよ」

「貴様ら死にたいようだな?」

「今の会話からどこをどう取れば死にたいって意図を汲み取れるんですかねぇ?」

「やっぱバカだろお前ら。高校生が死にたいとかイジメにでもあってんのか俺らは?」

 

我慢の限界らしく、ポケットからナイフを取り出す。

やっべ、煽りすぎた。

 

「死ねえええええ!」

「「うおっと!?」」

 

ナイフを構え、バカのように突進して殺そうとする。

寸前でかわしたけどガチじゃん。

でも、

 

「正当防衛いただきますね」

「生身相手に使うのは心が痛む……こともないか」

 

僕らはメモリをそれぞれ構え、

 

「「変身っ!」」

 

 

 

 

W~W~W~W~W

 

「で?こいつらは君たちが?」

「「はい」」

「なに勝手に二人だけで危険をおかしている!?」

「「ケリは自分たちでつけるんで」」

「絶対こうなること分かっていただろう!?なぜなら事前に合わせてあったようなハモりをしているからな!」

「「あ、ばれました?」」

「お前ら……」

 

僕らに呆れる鍄刑事。

あのあと、ルナジョーカーで束縛、鍄さんに電話をかけて、連行してもらった。

 

「にしても、ドーパントになってまで欲しいトロフィー。なにがそこまで彼を駆り立てたのだろう?」

「優勝へのこだわりとかそんなんじゃないっすか?スポーツマンの考えることは解らんからな」

「いや?ちがうよ?」

 

二人が僕の方を向く。

僕はトロフィーを出して、底を見せる。

そこには金具に止められた蓋があり、

 

「ま、毎年無双してたらしいし、重いしで、誰もトロフィーの底とか見ねぇわな。いよっと!」

 

蓋をあけ、中に入っていた紙切れをだす。

それを二人に見せる。

 

「な、なにこれ?」

「テスト答案?」

「だね。多分、ここに隠したんだろうな」

「そ、それだけ?」

「そんだけ」

「「くだらねええええええっ!!」」

「ま、犯罪の理由なんて大抵くだらないだろ。スポーツマンはバカだってことだな」

「オイ、俺のことディスった?」

「いや?それより智樹、そろそろ聞かない?」

「あ?あぁ分かった」

「なにをだ?」

 

ずっと気になっていた。

めんどくさくて聞いてなかったけど。

 

「「鍄刑事の組織ってなに?」」

「……は?言ったろ?僕は個人活動だって」

「は?ってなに?こっちがは?ですよ。カフェでの言葉一言一句思いでしてください」

「カフェでって……」

「私『達』は命を懸けて闘ってるんだぞ!?これは私『達』大人がやる。……オイ個人活動」

「うっ!?」

「バリバリ複数形じゃないですか。隠し通す気あります?」

「うぐぅ!?」

「そんなわけで連れてってくれます?仮面ライダーの本拠地」

「き、君達はまだ学生だし」

「その学生に推理を任せて闇堕ち理由で復讐して、挙げ句のはてにトドメすらさせなかった、ポンコツより活躍する自信はあるが」

「ぐはぁ!?」

「早く連れてってくれます?ポンコツ刑事」

「ぐふあぁぁぁ!?」

「あ、倒れた」

 

床に突っ伏して「大人なのに……」とか呟いてるけどポンコツだし。

と、こんな感じで初めてのドーパント退治は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

「仮面ライダーWねぇ。直接ベルトを渡さなかったのはなぜだい?」

「私は傍観者。出会うべき運命が出会わせた」

「んもぉー!答えになってないじゃん!僕怒るよ!?」

「まぁまて、シュラウド。貴様は何者なんだ?」

「…………私はシュラウド。それ以上でも以下でもない」

「カッ!味方にすら正体教えてくれないのか!」

「わたしの正体はシュラウド」

「もういいよ。俺は寝ることにするよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とうとうね……燐」




軽いミステリーだったんでめっちゃ書くの楽しかったです。
もう、話すことはありません。
次回をお楽しみに。

小ネタ
智「なぁ、Rだからリセットなんだよな?」
燐「あぁ、いい推理だろ?さすが名探偵!」
智「RISEで召喚能力だったら?」
燐「あっ……」
智「オイ迷探偵」
燐「あ、あってたからいんだよ!!」


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【第三話】急・速・展・開

どーも、先日このネタを学校で考えていたら友人からゴミを見る目で見られました。斜めにかまえるです。友人いわく、またキモい妄想してると思った、らしいです。殴っていいですかね?
タイトルであれ?と思った人!タイトルの規則性は変わっていきます!
今回は四字熟語!てことはー?本編どうぞっ!



「「「変身っ!」」」

 

と、三人の声がハモる。

二人は僕と智樹。

あと一人は鍄刑事、ではない。

 

「宇宙……キターーー!」

 

この人である。

 

 

 

 

 

W~W~W~W~W~

 

「君達は……なぜそんなに仮面ライダーに関わりたいんだい?」

「若気の至り」

「思い立ったが吉日」

「どういうことなんだ……」

 

鍄刑事が頭を抱えてうなる。「意味解らんわ!」とか叫ばないだけ、僕らに馴れてきたらしい。

 

「拠点に連れてって?お ね が い」

「男の上目遣いは需要ないぞ」

「刑事、僕らは正義のために闘いたいんです!」

「嘘つけ!君この前正義の為とか関係ないって宣言しただろ!」

 

カフェで粘って拠点につれていってもらえるようがんばっているのだが。

さてさて、全っ然連れてってくれる気配がない。どうしよっか?

と、苦難している状況を変えたのは一人の声だった。

 

「あれ!?鍄じゃねぇか!久しぶり!」

「え?……よーし!分かった!まず場所を変えようか二人とも!」

「は、はい」

 

声の主を見たとたん急に血相をかえ、場所を変えようと切り出す鍄刑事。

まぁ連れてってくれるならなんでもいんだけど。

 

「鍄刑事、あの人だれ?」

「もうタメ口なの……?」

「頭は智樹以下なんで脳内年齢はタメです」

「あぁ、そう……」

「で?なにあの人?」

「ただの顔見知りだよ。それもかなりめんどくさい」

 

なにさ面倒な顔見知りって?

まぁこの顔見知りさんがいる限り話してくれなさそうだし…

 

「待てよドライブ!」

 

言葉の意味を考えること0秒。

180度方向転換をして、真っ直ぐ顔見知りさんに近づく。

 

「どうも!燐です!」

「智樹です!」

「あ、こらお前ら!」

「お?鍄、こいつら誰?」

「「仮面ライダーですっ!」」

「おっ!そうか!新入り?」

「ああっ!もうっ!四人になろう!場所を帰るぞ!……あぁ、すいません……」

 

大声を出して、店員さんに平謝りの鍄刑事。

大人は大変です。子供の僕らが介入してはいけない。

あぁ、なんて僕は優しいのでしょう。前の子供は引っ込めの言い付け守って、店員さんを鍄刑事に押し付k……渡してあげました。

 

「あ!オイお前ら!逃げるな!オオオオイ!あ、すいません……」

 

やっぱり大人は大変です。

 

W~W~W~W~W~ 

 

「さて、改めてお前らは?」

「仮面ライダーWの燐です」

「同じく智樹です」

「よろしくな!俺は……」

 

顔見知りさんの言葉を遮るようにちょうど電話がなる。

顔見知りさんは少し怪訝な顔をしたあと、僕らにゴメン、みたいなハンドシグナルを送って電話に出る。

内容はよく聞こえないが顔見知りさんの怪訝な顔がみるみるうちに焦っていったので良いようではないな。

と、考えていると、顔見知りさんの電話が終わる。

 

「すまねぇ!急用が……なぁお前ら仮面ライダーなんだよな?」

「へ?はいそうですけど……?」

「来い!ゾディアーツだ!」

「な、なにそれ!?」

「敵だ!それもけっこう近い!被害が出ないうちに探しだす……必要はなさそうだな」

「え?あぁ、そうみたいですね」

 

なぜかって?

もうわかりきった事だがそこにもういたから。

まるで戦うことが、目的のように、鋏をたずさえて。

そして体にはいくつかの点。おそらく結んでいくと、

 

「かに座。なるほどね、黄道十二星座のゾディアックとかけて、ゾディアーツね。おっしゃれネーミングだこと」

「なに言ってんの?」

「智樹には難しかった?いくよ」

  

ベルトを巻いてメモリを構える。

 

「おお!それがお前らのベルトかぁ!よーし!俺もッ!」

 

顔見知りさんがベルトを巻く。

ま、ライダーだよねー。

鍄さんのことバッチリドライブ呼びしてたし。

顔見知りさんはベルトのスイッチをパチパチ下ろしていく。

 

『スリー・ツー・ワン!』

『サイクロン!』

『ジョーカー!』

 

本日三度めっ!

 

「「「変身っ!」」」

 

『サイクロン!×ジョーカー!』

 

いつも通り、僕の周りに旋風が吹き、変身を……。

 

「どうわぁぁ!?」

 

訂正。いつも通りではなかった。

横からの突風により倒れた智樹の体が凄いことになってる。

なにこの超迷惑な変身?

とまぁ、こんなことを考えていても

、心の声というものはなかなか伝わらないもので何事もなかったかのように続ける顔見知りさん。

いや、そこには顔見知りさんの姿ではなく、既にロケットのような頭の、立派な仮面ライダーがいた。

 

「宇宙……キターーー!」

「き て ね ぇ よ!ガッツリ地球だわ!俺の体どうしてくれんだ!」

「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

「僕らがいるからタイマンじゃないんだよなぁ……。僕らもいくよ。

でも俺の体が!

るせぇ!あとでなんか驕ってやるからいくぞ!

さぁ!お前の罪を数えろッ!!」

 

変身だけで騒がしいなこっちは。

一方カニさんは黙ってる。

正体バレNGですか?

んじゃ、

 

「倒してその面拝んでやるか」

「いくぜー!!」

「ちょお!?」

 

せっかくクールにきめてたのにフォーゼが先行する。

空気を読めや。

 

「オラァ!」

 

と、フォーゼの全力のパンチを正面で受ける。

だが……

 

「…………」

「うめき声一つあげないって余裕ってことすかぁ!?ハァッ!」

 

こちらは蹴り、少しは効いたか!? 

結果、効きました。

 

「痛っつううううう……」

 

こちらにね。

なにあいつ?

固いんですけど?蹴った足がジンジンする……。

 

「メモリ交換だ。

了解、勝手に体動かしといてー。

そんじゃいくぜ!」

 

『ヒート!』『メタル!』

『ヒート!×メタル!』

 

背中に武器がでる。

それをとって、智樹が一言。

 

「よっしゃ!この鉄パイプで……

鉄パイプゆーな!僕らはヤンキーか!

じゃあこれなに?

え?うーん……鉄棒?

遊具か!」

「おまえらなにやってんだよ!やるぞ!」

 

フォーゼも二つのスイッチをいれる。

 

『ロケットON』『ドリルON』

 

フォーゼの足と手にロケットとドリルが出る。

言っちゃなんだけど

(ダッサ!)

あ、先に智樹に言われた。

 

「いくぜえええええええ!」

「ワオ!クレバーだねー!

俺には上空からリンチに見えるが。

残念ながらそのリンチに僕らがくわわるんだよ?」

 

上空から一方的にドリルキックでヒットアンドアウェイするフォーゼ。

まぁかわされまくってヒットすらしてないんだけど。

そこへツッコミ鉄棒を振るう。

二人がかりでリンチに。

さすがに二人がかりは辛いらしく、一発鉄棒が入る。

 

『っぐう……』

「おっ!?声出さなきゃやってらんない?んじゃこれでどう!?」

 

メモリを鉄棒に刺す。

 

『メタル!マキシマムドライブ!』

 

鉄棒の両先端が発火する。

その威力そのままに、カニに走り込む。

そして鉄棒を振り回してカニにぶち当てる。

 

「メタルブランニングッ!!」

『ぐあぁっ!』

 

おもっきし大爆発。

これは四散したね。そう思って振り返ると、

 

『………………』

「うそぉ!?」

 

生きてた。あれぇ?マキシマムドライブ入ったよね?

 

『チッ!』

「あっ!ちょっと待て!」

 

叫び虚しく、カニは舌打ちして逃げ去った。

くっそぉ……次は覚えてろよ……と、心に決めてベルトを戻し、メモリを抜く。

変身が解除されて智樹が起き上がる。

 

「ふぅ……なんであいつ倒れなかったんだ?メモリブレイクするはずだろ」

「それは」

『メモリではないからだ』

 

突如聞こえた後ろからの機械音に思わず振り向く。

そこには、

 

「鍄刑事。あれ?さっきのは腹話術?」

「違う。もうイザとあったなら仕方ない。組織へ迎えよう」

『ようこそ、RCへ。歓迎するよ、燐くん、智樹くん』

「まて、いろいろツッコミが追い付かん」

「順番に話せよ。まずイザって誰だよ?」

「俺だよ。十六夜 龍。鍄にはイザって呼ばれてる」

「顔見知りさんでしたか。想像はつきますけど組織ってのは」

『もちろん、仮面ライダーの本部さ』

「なるほどね。んじゃ、マキシマムブレイクで倒せなかったのは?」

『敵には変身する核がある。ドーパントならメモリ、ゾディアーツならスイッチという風にな。それは対応したライダーしか壊せない。現に、ドーパントはドライブではなく、Wが倒しただろう?』

「そうだ!役に立たなかったんじゃない!たてなかったんだ!」

「じゃあ役立たずにかわりないじゃないですか。少し自覚してください」

「ぐあぁっ!」

 

あ、また倒れた。

まぁそんなことはほっといて、

 

「んじゃ最後だ!」

 

最後に取っておいた究極の謎に智樹が迫る。

 

「「ベルトが喋ってる!?」」

 

瞬間移動。変身。

物質のデータ化、離れたところにデータの再構築。

なるほど、理論は通る。できるとしよう。

ドーパントの肉体変化。

データによる神経や筋肉への刺激で一時的強化。

こちらも無理矢理だがなんとか理論は通る。

だが、

 

「人工知能が!人の域に到達するのは禁忌ではないですか!?」

 

人工知能。

相手の返答に対し、自分で思考し、決められたプログラムを再生する。

理論は通る。

だが問題は今の場合、的確に返答をしていることだ。

それはすなわち、人間と同レベルの知能ということであり、

 

「反乱の意思を持つってことですよね!?」

『まて、一旦落ち着つくのだ。そもそも私は人間だった』

「……だった?」

「あぁー、察しましたよ。要するにまたですか」

『まただ』

「え?なに?わかんないんだけど?」

 

こういう理不尽展開で、それを納得させるものといえば?

 

「シュラウドか……」

「えぇー、また?嘘だろ?」

 

だったらいいのにね。

残念ながらベルトに映ってる顔が(-.-)みたいになってるからそうなんだろうね。

もう何が起こっても「シュラウドか」で解決できるんじゃね?

まさかドーパント産み出してんのもあいつじゃないだろうな?

 

「さて、本部に連れてってくれるのは是非ともないんですが、僕ら三度変身してるんですよ。おかげで……」

『む?あぁ、学生だったな』

 

天を仰ぎ見ると、ベルトさんが苦笑いをこぼす。

すっかり暗くなったんだし、一旦家に帰りたい。明日は学校もある。

 

『鍄、刑事なんだからおくりたまえ』

「そうだな。一人で帰らすのは危険だ」

「仮面ライダーを前に危険とかあるんすか。てか」

 

チラリと横を見て、

 

「「ぼく(俺)ら、同じ家に帰りますんで」」

 

晩御飯ひじきだし。

 

「……ホ」

「モ、ではないですよー?鍄サーン、一回マキシマムドライブ受けます~?」

「す、すまん。一緒の家なら大丈夫か」

 

鍄刑事ではなく、鍄サン。と、メモリを構えたところで割りとマジな殺意を感じとったのか即座に謝る。

 

「明日、7時にまたカフェで」

「その時話は聞く、ということか。構わないが行けるかわからない」

「はい♪いいですよ?私たちはこれで」

 

智樹と一緒に帰るんで。

こうして、なんやかんや凄かった一日をおえた。

あ、ひじきはおいしかったらしいです。

 

W~W~W~W~W~

 

 

 

『サイクロン!サイクロン!』

 

「………」

 

『サイクロン!サイクロン!サイクロン!』

 

「………………………」

 

『サイクロン!サイクロン!サイクロン!サイクロン!』

 

「だあああああああっ!!うるっせぇよ!?誰もいないとはいえメモリ連打すんな!」

「暇だろ!」

 

そうだけだけどもよ!

今、学校の屋上です。

放課後、部活が諸事情で休止になって早めに待ち合わせできる!とおもったら電話番号知らないので二人で屋上にて指定の時間まで待っています。

 

「あー、昨日のゾディアーツでねぇかなぁ?」

「不謹慎だぞ、智樹。いよっと!」

「どこ行くんだ?」

「そこら辺ブラブラしてくる。暇なんでね」

 

屋上の扉を開けて階段を下りる。

にしても、昨日のことが夢だとふと思ってしまう。

だがメモリはあるわけで。

てことは、昨日、爆発で死にかけて、怪物倒して、煽ったらナイフで殺されかけて、警察沙汰になったということだ。

なんなの?昨日僕三回ぐらい死にかけてんじゃん。

学生だぞ僕?

とか考えながら廊下を歩いていると、

 

「あ、先生。こんにちは」

「こんにちは。……君、緑と黒と聞いて何が思い浮かぶ?」

 

……は?

なに言い出してんのこの先生?

とはいえ、先生なので答えることにする。

緑と黒?

 

『サイクロン!×ジョーカー!』

 

うん。これかな。でもさ、ここで「緑と黒?仮面ライダーですかね?」とか言っても分からないしここは妥当に

 

「……スイカ?」

「そうか。おっと、用事があるのでこれで」

 

用事があるなら緑と黒といえば?とか聞くなよ。

そう言いたいが必死にこらえて、先生を見送る。

そして僕はまた廊下を歩き出す。

緑と黒って何が聞きたかったの先生?

もしかしてWを見かけたのかな?

で、何か知ってると思って僕に話を聞いた。

仮面ライダーは秘密だし、あんまり調べてほしくないなぁ。

そんなことを思って歩いていたら数分、一本の電話で事態は急変する。

 

「はい?もしもし?」

『燐、外見てみ……?』

「智樹?いいけ…ど……」

 

言われた通り、窓に目を向けると、

 

『ハハッ、不謹慎だけどさ、フラグってホントにあんのな』

「まったくだ。笑えてくるよクソッタレ……」

『5、7、5?』

「狙ってないからな?冗談言ってる暇ないからな?ヤバくね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、カニのゾディアーツがいた。




智樹と燐の書き分けが苦手です。
読者さん、誰がなに言ってるのか分かってるのかな?
この作品は『 』を多用するんでなかなかなんですが、まぁ感覚でやんわり誰のセリフか察してください。
今回はアニメらしく、次回予告しましょうか。

次回【第四話】本・拠・到・着

お楽しみに!


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【第六話】本当の黒幕は誰なのか?

前回の仮面ライダーは。的におさらい始めたらいいのかな?
カニのゾディアーツを倒したものの中身の志摩は操られていたことを知る。さらにその志摩は神河に脅迫されていると言い出すが、後に燐によってそれすらも操られていると判明する。さてさてどうなる第六話!


「遅くなりました!」

「さっさと行くぞ!」

「黙れポンコツ」 

「えぇ!?」

「さっさといきましょぉ!」

「そうですね♪」

「この差はなんだよ!?」

 

諒さんと窮毘さんとは雲泥の差でございます。

 

「あれ?十六夜さんは?」

「外せない用事とかぁ」

 

それなら仕方ない。ライダーだって人間だ。

 

「神河さんとこ、といっても場所分からなくないっすか?」

「それならぁ」

「シフトカー!」

 

諒さんが叫ぶとミニカーが空飛んでくる。

うん、驚かない。慣れた慣れた。

 

「どうだ?」

 

諒さんがミニカーに喋りかける。

うん、ひかない。慣れた慣れた。

ミニカーもミニカーで反応してるし。

 

「いたみたいだ。連れてってくれ!」

 

ミニカーが飛んでいく。

ついていけばいいのよね?

あ、そうだ!

 

「智樹、分かってるな?」

「もちのろん!」

「なにがですかぁ?」 

「注意ですよ♪」

「注……意……?」

「「さぁ、釣りを始めよう♪」」

 

意気揚々と二人で呟いた。

 

 

 

 

W~W~W~W~W

 

『そこまでだ!』

 

歩いている途中に進路をたつ影。

大体四人ぐらい。

諒さんも声を出して

 

「マスカレイド!?なぜこんなとこr」

「ハッハァー!行くぜー!」

「相変わらず予測は外さないなッ!」

 

『ルナ!』『ジョーカー!』

 

「「変身ッ!!」」

「お、オイ!?」

 

『ルナ!×ジョーカー!』

 

諒さんの叫びを置いていき、突っ込む。

 

「雑魚に用はぁっ!!

 ないんだよ!さがっとけぇ!!」

 

マスカレイドに殴りかかる。

 

「驚いてる時間が無駄ッ!全員まとめてぇ!」

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

「蹴散らしてやんよぉ!!」

 

4体まるごとメモリブレイク。

決着時間、14秒。

平均は14÷4だからええと?

 

「さんてん……ご?まぁまぁか」

「ちょっとぉ、重いんですけどぉ!」

「え?あぁすいません!」

 

窮毘さんが必死に智樹を支えているのをみて、慌ててベルトをもどして意識を戻す。

 

「いやー!完璧だったね!」

「だな。予定通り」

「よ、予定通り?」

 

そう、予定通り。

 

「さて、見事に釣れましたし、帰りましょ」

「おい、神河に脅しを聞くんじゃないのか!?」

「「はぁ!?」」

 

なんかいつも諒さんにむかって僕と智樹は「はぁ!?」って言ってる気がする。

 

「脅しって……あの三人まだ疑ってます?」

「え?」

「あーハイハイ、警察は脅しでも捕まえといてください♪」

「…………あー、なるほどぉ♪それじゃぁ僕らはぁ、帰りましょうかぁ」

「窮毘さんまで!?ちょっと教えてくださいよ!」

「教えてあげませぇん♪」

 

窮毘さんも、ノッてきたみたいだ。

 

「そんなこと言わずに……シフトカー?どうした?」

 

シフトカーが飛んできて手の中でジタバタする。

 

「……ホントに頭いいな。ここまで読まれんのかぁ……」

「まったくですぅ。でも真相は燐さんも読んでましたよねぇ」

 

理解組三人でアイコンタクト。

 

「出てきなよ」

 

僕が呟くと影からまた怪物。

いつも通り諒さんがポカーンからの質問。

 

「君は……」

「志摩さーん♪姿を表したってことは観念、もしくは勝負しにきた?」

「やっぱりバレてましたか……」

「いやぁ、結構いい作戦だったよ?たった一回のミスさえ覗けば」

「ぼ、僕をおいて話を進めないでくれ!」

 

ええー?また説明タイム?仕方ないか……。

 

「今回の事件、一見すると先生が犯人で他の人をあやつっていた。こんなものだが、不自然な点が一つある」

「たった一回のミス。自分で気づかないうちにしてしまったか……」

 

志摩さんが悔しがる。

 

「そう、たった一回だ。ぶっちゃけ、それがなかったら先生が犯人だと思ってた。でもな?志摩さん。いつ誰が僕のことを燐と呼んだよ?」

 

『燐さんでしたか?なんですか?』

 

「あの時、確かにお前は僕を燐と呼んだ。あの場では僕のことは一度も燐と呼ばれなかったのに」

「だがそれだと智樹が実はという可能性も」

「ふまえて、これだ!」

 

諒さんにベルトをみせる。

 

「焦ったぜ。急にベルトがでてきてなんだと思ったら急に(智樹、お前僕の名前、カニに言った?)なんて聞くんだもんなぁ?」

「隠れてベルトを巻いて意志疎通してぇ、あなたを釣ることにしたんですねぇ。脅し、学校からの重加速、全部ミスリードですかぁ?」

「だろうな。一度憑依を見破られる、ってところまでは読んでたな?それで自分で自分を操る刻印を付けた。そうすれば、自分は加害者ではなく、被害者になる。素晴らしいトリックだった。まさか、ロイミュードがゾディアーツだったとはな♪」

 

スタークのヒントは、要約すると、操られている状態でのWは見たが、その正体はカニだった頃のお前でしか知らない、ということだ。

 

「……正解だ。では後始末に入ろう」

 

全員が戦闘体制になる。

そしてベルトを構えるより早く、ロイミュードに変わっていき……

 

「っ!?」

 

どんより。なるほど、体感すると分かる。どんよりだ。

後は戦えないし、重加速に耐えられる組で……。

 

「ってあれ?」

 

普通に動ける?

 

「ポケットだ」

 

諒さんの呟きでポケットをみると、シフトカーが。

 

「それを持ってると重加速に耐えられる。さっきの解説中に忍ばせておいた」

「…………んだよ、たまにはポンコツも役にたつじゃん」

「たまに、は余計だ」

 

これは少し、認識を改めるか。

 

「あらためまして、」 

「さぁ、実験を始めましょうかぁ♪」

 

『サイクロン!』

『メタル!』 

『ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!……………Are you ready?』

 

「「「「変身っ!」」」」

 

『サイクロン!×メタル!』

『輝きのデストロイヤー!G×D(ゴリラモンド)イエーイ!』

『ドライブ!タイプワイルド!』

 

「しゃぁ!決め台詞は略!参る!」

 

ちょっと手抜きで襲いかかる。

前回カニだっただけに、今回全員重武装。

一発がいたそう。とくにゴリラモンド。

そうこうしているとロイミュードがビームを打つ。

 

「あぶなっ!?」

 

それをかわして……。

 

「あっ……」

 

ビームは直線して、僕らの後ろ。マスカレイドにあたる。

マスカレイドが起き上がり構える。

 

「復活しちゃったよ……。マスカレイドは対応の僕らが」

「じゃあロイミュードは対応の僕が!」

 

それぞれ散らばる。

 

「時間は掛けない!」

 

『タイヤコウカーン!ランブルダンプ!』

 

ドリル付きのタイヤが肩にガッチャーン!からの手にドッキーン!

おおスッゲ。タイヤ交換ってあんなのも出来んのか!

応戦中のマスカレイドを蹴飛ばし、いつものごとくベルトから抜いて、

 

「ほいさっ!ドライブの戦いはゆっくり見たいよねー♪」

 

『メタル!マキシマムドライブ!』

 

刺し込む。

 

「メタルツイスター!」

 

鉄棒に

 

(なぁ、もう鉄棒ってやめね?)

 

じゃぁ何にするのさ?

 

(考えてきた!名付けて、メタルシャフトだ!)

 

いいね、採用!

メタルシャフトに風を纏わせ、踊るように叩く、叩く、叩く。

最後に下から振り上げて、

 

「はぁっ!!」

 

爆散ッ!

 

「あいかわらずぅ、必殺技がいちいち痛そうですねぇ。ロケットでぇ!」

 

『Ready Go!ボルテックブレイク!』

 

「パスですぅ!」

「は?ってオオイ!?ツイスター!」

 

ドリルごとマスカレイドをこっち飛ばしてくるので一発メタルツイスターを打ち込み、爆散させる。

 

「パスですぅ!じゃねぇよ!?いま俺らにマスカレイド当たろうとしてたよ!?」

「ビルドではマスカレイドは倒せないのでぇ、しかたないですぅ!」

「ならしかたないね♪とはならねぇよッ!?」

「そこ!二人して揉めてないで助けてッ!?」

「「ドライブは一人でがんばれ!」」

「ちょぉ!?」

 

僕らはちゃんとザコ倒した!

 

『はっ!』

「うおっと!?あっ……」

 

対戦中のドライブがロイミュードのビームを交わして、まぁさっきと同じで当たった先は、

 

「…………始末しますぅ……」

「えええええええ!?どうすんの!?これ僕の領分!?」

「頼んだ!こいつを倒すまでの時間稼ぎだ!」

 

時間が稼ぎって、ライダー相手にするのよ!?

 

「はああっ!!」

「うわああああっ!?ヤバい!ゴリラの腕はアカン!僕の本能がそう言ってる!」

 

ツッコミの間にもビルドは襲いかかってくる。

自我はないのかよ!

 

「はっ!」

 

ビルドの腕をメタルシャフトで受け止め

 

「うをおおおおっ!?」

 

られなかった。あまりの威力に後ろに数メートル吹っ飛ぶ。

 

「かはっ!クソッタレがぁ!あの腕の威力おかしいだろ!

メモリを変えよう!攻撃力では負ける!」

 

『サイクロン!×トリガー!』

 

手数で勝負!

連続してトリガーを引いて狙う。

たがビルドは落ち着き払い、腰のボトルをとり、数回ふって、差し込む

 

『ホーク!ガトリング!ベストマッチ!』

 

ベルトのレバーを回すと管が出てきて銃弾を防ぐ。

さらにビルドはそこから構え、

 

「ビルドアップ……」

 

『天空の暴れん坊ォ!H×G(ホークガトリング)!』

 

以前見たオレンジと灰色になった。

フォームチェンジ、めんどくさいな。

打てども打てどもガトリング銃で弾が相殺される。

このままでは撃ち合ったままだ。

一気に距離を詰める。

 

『ヒート!×メタル!』

『忍びのエンターテイナー!N×C(ニンニンコミック)!』

 

剣でメタルシャフトを受け止められる。

 

『分身の術!』

 

そっからまさかの分身。

科学の力ってスゲー!じゃない!

リンチされる!

 

『ルナ!×メタル!』

 

メタルシャフトを伸ばして、周りを一気に振り払う。

そのままビルドへ一発、こっからは応戦変身の連打。

 

『ぶっ飛びモノトーン!』

『ルナ!×トリガー!』

『レスキュー剣山!』

『ヒート!×トリガー!』

『タテガミサイクロン!』

『ヒート!×ジョーカー!』

『鋼のムーンサルトォ!』

『サイクロン!×ジョーカー!』

『渓谷の反逆者!』

 

「次から次へと対応してきやがってっ……!」

 

飛ぶなら撃ち落とせ、吸い込まれるなら自分から距離を詰めろ。

次々変わるフォームに必死に思考を追い付かせる。

なにか打開策を……

 

(ダメだ!戦い続けたらキリがない!)

 

……ん?そうか!戦わなかったらいいのか!

 

(はぁ!?ちょっ、頭おかしくなったか!?)

 

至って正常ッ!!

応戦を諦め、作戦を変える。

 

『ルナ!×ジョーカー!』

 

戦えないなら、

 

「拘束すればいいじゃないッ!」

 

腕を伸ばし、ビルドを捕まえる。

それをそのまま、

 

「プレゼントッ!!うけとれええええっ!」

 

ロイミュードに、ぶん投げる。

ロイミュードが慌てるがかわせる速度ではなく、ぶつかる。

 

「よくやった!」

 

前もいった通り、ヒーローは一瞬をのがさない。

クソネーミング剣をとりだし、レバーをうんたらかんたら。遠くて見えねぇ。

 

『ヒッサーツ!フルスロットル!』

 

「ダンプ ドリフトスラッシュ!!」

 

なんか意味不明な言葉を叫びながら剣をもってベイブレード。

回りまくってすれ違い様に切る。

軽い通り魔だなあれ。

そうこうしていると数秒後には、そこには『089』という数字が浮かび、爆散する光景があった。倒したっぽいね。

変身をといて、

 

「ふぃー!」

「ふぃー!じゃないですよ。操られて窮毘さん倒れてるじゃないですか。運んでください」

「ぼ、僕!?」

 

諒刑事が声をあげる。

 

「当たり前だろ。諒刑事が倒すの遅いのが悪い」

「や、やつあたり……あれ?今ちゃんと諒刑事って」

 

聞き終わる前に帰る。

これにて、一件落着!

 

「あー眠い……。帰って寝よ」

 

ハイ、今回もクソ面倒な事件解決!

というか十六夜さんとあっただけで面倒な事件にまきこまれたんだが。

今回の感想。

この町はやはり、怪物が人間の姿でヒーローを騙す危険な場所。

だがそんな町が案外好きなので、もう少し、ライダーを続けることにしよう。

それが僕らの落とし前。

この町に喧嘩売るやつは俺らに喧嘩を売るのも同然。

だったらケリは僕らがつけなきゃなぁ?

んでしっかり懺悔させてやる。

 

「お前の罪を、数えろってね♪」

 

今日も僕らは、正義ではなく、自分のエゴで生きていく。こんな風にしめたら少しはかっこいいか?




あんまり書くことないんで次回予告だけしますね。

【第七話】ライダーはGAMER

お楽しみに!


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【第五話】鋏の裏には何がいるのか?

秘密基地にて。

 

「シュラウドにあったぁ!?」

「まぁね。てかそんなに驚くことか?ベルトもらうとき皆会ってるでしょ?」

「逆ですよぉ!ベルト意外の目的でぇ、シュラウドが会いに来るなんて今までなかったですぅ!」

 

窮毘さんが帰ってきたので、さっきまでの報告をしたのだがこの驚きようである。

 

「ああもうなんなんですかぁ!智樹君も燐君も事件体質なんですかぁ!」

「まって?智樹がどうかした?」

 

ゾディアーツの近くにいると言っていた。

もしかしたら、フォーゼが……って可能性もある。

 

「安心してくださいぃ。カニさんはぁ、ちゃーんと倒しましたよぉ?ただ正体がぁ、先生さんではぁ、なかっただけですぅ」

「…………なに?」

 

先生ではない?ではあの会話は偶然?

 

「しかもぉ、面白いことがわかったのですよぉ?ほらこれぇ、あのゾディアーツの中身の首もとですぅ」

 

面白いこと。

そういって窮毘さんは一枚の写真を僕に見せた。

 

「……タトゥー、ですか?」

「いいやぁ?“刻印”ですぅ。被害者の首から離れなかったしぃ、しゃべらなかったんですよねぇ?」

「てことは、遠隔操作、または呪い系統……」

 

智樹とは違い、窮毘さんとはスイスイ話が進む。

さすが科学者、頭いいのね。

 

「手掛かりは他に?」

「ないですぅ……」

「参ったな、これじゃあドーパントかゾディアーツかわからないな」

「ロイミュードだ」

 

後ろから聞こえた声に振り向くと、

 

「僕の範疇。対応ライダーはドライブ。敵はロイミュードだ」

「どこ情報ですか?」

「どんよりの通報があった」

「日本語を話せポンコツ」

「もはや見下し調!?」

 

諒さんには敬語すらもったいない。

人類みな同い年。みんなみんな生きているんだ友達なんだ、ってね。

と、いうかどんよりってなんだよ?

 

「こ、コホン」

「あ、そういうのいいんではよ」

「一息つくのもダメなのかな!?……どんよりっていうのは、ロイミュード独特の重加速反応のことだ。周りのものがゆっくりになる、そう思えばいい」

「ライダーは対象外ですか?」

「いや、対象内だ。対象外なのは、ドライブと、ビルドだけだ」

「ビルド?」

「あーはいはぁい!僕のことですぅ!創る、形成するって意味のぉ、ビルドですぅ!」

 

Wとフォーゼが対象外という厳しい現実。

 

「ドライブは対応ライダーとして、ビルドがどんよらないのは何故?」

「新しい動詞を作らないでくれるかな?……ビルドは、うち唯一の」

「人工ライダーだからですぅ!」

「人工ライダー?」

「ベルトを作ったんですぅ!天才でしょぉ!?最高でしょぉ!?」

「凄い……ってことは、僕らのベルトも改造すれば重加速に」

「耐えきれませぇん。精神を別の体に移すベルトなんか下手に弄れるわけないじゃないですかぁ」

「フォーゼは?」

「あの変身メカニズムは心ですぅ。ゾディアーツも何らかの強い意思で怪人化してますぅ。スイッチは再現できますがぁ、心のメカニズムは科学ではどうしようもないですぅ」

 

天才でもそう簡単にはつくれないと。

 

「量産は?」

「悪用とかのリスクが高すぎですぅ」

「まぁ、妥当な判断ですね」

「その話はあとにしてくれないか?今はロイミュードだ。どんよりの反応はフォーゼの戦いと同時刻、ここで起こった」

 

諒刑事が取り出したスマホには地図が映り、数ヶ所にピンが打ってある。

 

「ほうほう?……えぇ?」

「どうした?」

「どうしたもこうしたも、ここ、僕らの高校なんですけど」

「……ロイミュードは先生で決まりか?」

「決めつけるのはぁ、まだ早いですねぇ」

「状況証拠だけだしね。こんなときはっ!」

 

電話を取り出し、いつもの、

 

「……もしもし?」

『もしもし?』

「今度は先生じゃなくて、カニ野郎のほうを情報収集を」

『スマン、無理!』

「え、なんで!?」

 

特にダメな理由はないと思うんだけど。

智樹の人脈以外に僕頼るとこないんですけど。

 

『カニを倒すとき、顔を見られた。俺は変身できないし、危険すぎる』

「じゃあ僕がついていけば?」

『ついていったところで?重加速に耐えきれないだろ?俺らは。なぶり殺しにされるだけだろ』

「あ、そうか。……いやなんで重加速化しってんの?」

『十六夜さんから聞いた。十六夜さんは諒さんから聞いたんだと』

「妥当な所、不本意ながら……」

『不本意ながら……』

 

ジーーーーーーーー

 

「……………え?なにその視線?僕か?そうかぁ!とうとう刑事が必要かぁ!」

「……なぁ智樹、この事件犯人あてるの無理かもしれない」

『奇遇だな。一字一句違わず燐に同じ事言おうとしてたわ』

「僕に対して二人ともドS過ぎない!?」

「『ポンコツ刑事が解決とかマジ夢のまた夢だと思うんですが』」

「なんでそんな長文ハモるんだよ!こっそりベルトでも巻いてんのか!」

 

巻いてません。

 

「しゃーない。僕らが行きましょ諒さん」

「仕方ないってなんだよ!ああ、僕を置いていくな!」

「あー、僕も行きますぅ!ロイミュードだった場合ぃ、ドライブ一人じゃきついですからぁ」

 

三人でエレベーターへ向かう。

あ、ここにいる三人全員一人称“僕”じゃん!

じゃあ!

 

「僕ライダーズ、出勤!」

「いやそこは出動だろ」

「ツッコむべきはネーミングだと思いますぅ」

 

 

 

 

W~W~W~W~W

 

「この人知ってますぅ?」

「し、知らない!そんなやつ知らない!」

 

一人目、怪しすぎ。

てか関係者あたってるんだからしってんだろ!

 

「この人、知ってますか?」

「………知らん。帰れ」

 

二人目、知ってるなコレ。

 

「この人知らなーい?」

「ふふっ、さぁ?知ってるかも♪」

 

三人目、隠す気あんのかコイツ?

 

「もう、警察の力使えば?」

「警察には秘密の世間のヒーローだからな。それはダメだな」

「もったいないですねぇ。やっぱりポンコツですかぁ?」

「窮毘さんまで!?」

 

『ヨォ!そこのお三方ァ!』

 

響いた声は正面の物陰から。

それは明らかに加工した声で僕らに語りかけた。

 

『随分お楽しみの所悪いんだけど今度は俺とじゃれてくれるかな?』

「ありゃ?僕のセリフ取って、意外と執念深い?」

 

コブラのマークが胸にある、ライダーだった。

 

「敵?ロイミュードってコレ?」

『半分正解だな!俺はブラッドスターク!』

「で?どっちが正解?」

「ロイミュードはアレじゃない。つまり……」

 

諒さんがベルトを構える。

 

「じゃれて貰えるならぜひそうして欲しいですぅ!」

 

同じく新たな窮毘さんもベルトを巻く。

ベルトに引っ掛けてあるボトルを取って、振る。

 

「はいはい!三対一なら参戦しましょう!」

 

僕もベルトを巻いて、

 

(お?敵?)

 

そう敵!行くよ!

 

(えー?俺今、トイレなんだけど?)

 

見つからないしちょうどいいだろ!

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!…………Are you ready?』

 

ああもう遅れてるって!

問答無用!

 

『ジョーカー!』

 

「「「変身っ!」」」

『あぁはいはい変身…』

 

電話越しにやる気の無い変身するの止めてくれませんかねぇ!?

 

『ドライブ!タイプスピード!』

『鋼のムーンサルトォ!R (ラビット)×T(タンク)!イェーイ!』

『サイクロン!×ジョーカー!』

 

「ひとっ走り付き合えよ!」

「勝利の法則は決りましたぁ!」

「さぁ!お前の罪を数えろッ!」

 

決め台詞後に物陰から怪人が二体出てくる。

 

「お?アレがロイミュード?」

「違いますぅ!スマッシュですぅ!」

「対応ライダーは?」

「僕ですぅ!」

「あれ?人工ライダーじゃ?」

「あっちが後から勝手に作っただけですぅ!」

『オイオイ!人聞き悪いなぁ!そのとうりだけど、ネッ!!』

 

『ライフルモード!』

 

うをおおおおおおっ!?

危なーい!

 

「オイオイ!会話中に撃ち抜くのはずるいって!スタークは僕が!ドライブとビルドはっ!」

「スマッシュを!行くよ、ベルトさん!」

 

『OK!スタート、ユア、エンジン!』

 

ベルトさんノリノリィ!

 

「ブラッドスタークさんはー何が目的ー?はっ!」

『うおっとぉ!危ないなぁ。何って、世界を救うことだよ。ふんっ!』

「おっと危ねっ!救う?人を襲っといて?はぁっ!」

『っと!俺は真実しか言ってないよ』

 

蹴り、パンチ、武器、あらゆる手段で攻撃しながら談笑、もとい、戦う。

 

「随分Wは余裕ですねぇ」

「いや?結構ガチで強くて内心焦ってますけど?

ちょっと俺らじゃヤバいかも。らあっ!」

『おっと!それは光栄だが正直君たちも強くて私も焦ってるよ』

「わー嬉し!んじゃ黙って倒されろ!」

『却下!俺はまだ世界を救わなければならないのでね!』

「二人と…いや、三人とも冗談話しながら戦いとかぁ、ホントにどうなってるんですかぁ!」

 

あ、一瞬Wを一人としてカウントしようとしたな?

 

(意外と律儀だな。窮毘さん)

 

だね。

 

『ドライブ!タイプテクニック!』

『天空の暴れん坊ォ!H(ホーク)×G(ガトリング)!』

 

後ろで何かしてるみたいだけど、

 

「振り向く余裕、ないっ!」

 

メモリを抜いて、

 

『ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

「サイクロンジョーカーエクストリーム!」

 

『ボルテックフィニッシュ!』

『ヒッサーツ!フルスロットル!』

 

「「「はあっ!」」」

 

三人同時。

辺りは爆発でしばらく視界が遮られる。

すると、どこからか声が……

 

『っと!俺は一旦退散するよ!』

「っ!?やってなかった!?んにゃろ!」

『待て、ここで一つ、ヒントをやろう』

「……ヒント?」

『お前らの先生は、Wを知っている。だが、お前らが何か知らない。同時に、ロイミュードでもない』

「どういうことだ?」

 

その答えが聞き終わる前に、視界は戻った。

そこにスタークは、いなかった。

 

「一旦、帰ろうか」

「収穫ゼロでしたねぇ」

「え?あ、あぁ。ビルドとドライブか」

「うん?何焦ってるんだ?」

「いや、片っ方赤から緑になってるし、もう一方は赤青からオレンジ灰になってるしでビックリした」

「フォームチェンジはぁ、Wだけじゃないですぅ」

 

でも一瞬はヒビるんだよ!

もう必要ないので、全員変身を解除する。

 

「あ、収穫ゼロでは無いですよ?」

「「え?」」

「あのコブラさんが……♪」

 

 

 

 

W~W~W~W~W

 

「そんなことを……」

「さて、シンキングターイム!と、いきたいけど正直情報が少ないからわかんないかな」

「なんでスタークはぁ、僕らの前に現れたんでしょう?」

「敵なら、見つけたら殲滅あるのみ。僕らと一緒じゃね?」

 

よし、ここは一旦、

 

「情報整理。カニの関係者を改めて考えるか」

「まず一人目ぇ、宮剥武(くうはくたける)。関係は最も仲がいい同僚ぉ。ただ先日ぅ、お金のことでもめたそうですぅ。事件当時のアリバイはぁ、ありませぇん。」

「二人目、神河峰耕(かみかわみねこう)。こちらもアリバイはなし。関係は恨み。先週、飲食店で間違えて飲み物を頭から被ったそうだ。随分執念深く、噂で絡むなと言われている地域もある、いわゆる地域のカシラってところだな。実際、不良グループの頭領らしい」

「三人目、福沢美優(ふくざわみゆ)。アリバイはなーし。関係は不明。職業が占い師とかバリバリ怪しいキャラ。なんかカニの家の周りをうろついてんのをご近所さんが目撃したっぽいよ。以前面識があったかもしれんが残念ながら本人にしかわからん」

「じゃあ本人に聞こうぜ!」

 

ふと聞こえた声に振り向くと、

 

「カニ野郎、意識戻ったぞ」

「智樹!超GJ!で、誰!?あの女!?」

「…………分からない」

「シラきんの?」

「待て!」

「十六夜さん?」

「こいつ、実は操られてて……」

「あ、それならもう三人で推理しました」

「それが……」

「記憶がないんだとよ」

 

十六夜さんの葛藤を遮り、智樹がなんでもないように呟く。

 

「記憶がない、ね。さすが、ホントに足残さないね」

「どうしますかぁ?手掛かり無いですよぉ?」

「あ、いや、少しは覚えています!」

「お、マジ?教えてくれ!」

「実は神河さんに脅されてまして……」

「脅されてた?」

「俺は顔が利くからこの町で生きていくなら金払えって……」

「ふぅーん?とりあえずそいつ当たろっか!行きましょ皆さん!」

 

そう言ってライダーたちは秘密基地を出た。

 

 

 

 

 

W~W~W~W~W

 

全員が立ち去り、一人になった元カニのゾディアーツ。

その部屋の扉はゆっくり開き……

 

「っと!二人になれたね♪カニさん♪」

「……志摩です。燐さんでしたか?なんですか?」

「いや、話してんのは君じゃないない。その奥!」

「……?ここには僕ひと」

「り。だな!確かに!ここにある体は!」

 

僕は志摩を睨む。 

 

「おかしいなー?僕が窮毘さんから聞いた話だと刻印は消えないはずなんだよ。僕らが倒したのは志摩だ。【おまえ】ではない。つまり、刻印はまだ志摩に残ってるはずなんだよ。つまりまだ操られている状態だ。さて、【おまえ】誰だ?」

「……ふん。バレたか」

「そんなのいいから。だぁれ?」

「教えるかよっ!」

 

次の瞬間、志摩さんに憑りついたものが抜けたみたいに床にぶっ倒れる。

 

「……はぁ。なんで皆僕と話すと逃げるんだよ……。嫌われてんの?」

 

シュラウドいい、スタークといいさぁ……。

 

「いよっと!」

 

首もと確認すると、刻印は消えている。

つまり操られていないということだ。

 

「燐さぁん!?置いていきますよぉ!?」

「あーはいはぁい!待ってくださぁい!」

 

僕は外から聞こえた窮毘さんの声に反応し、志摩さんをおいて、そそくさと秘密基地から出ていった。

 

「さぁ、釣り針は仕掛けたぞ。引っ掛かってくれよな……♪」

 

誰にも聞かれず、独り言呟いて。




最後になりました。年末ですね、斜めにかまえるです。
年越すまでにもう一話書けるかな?そんな進行状況でごさいます。
もう謎とか推理とかどうでもいいから殴りあって解決しようぜ!?とか本末転倒なことを最近考えています。そんなことを考えていてもするバカではないので頑張って謎解き続けます。

次回【第六話】本当の黒幕は誰なのか?

お楽しみにっ!


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第2章
【第四話】本・拠・到・着


更新ペースマッハでいつネタが尽きるかが心配な斜めにかまえるです。
ビルドが葛城と、推理通りの展開で盛り上がり始めましたビルド。
今回は文字数がいつもより少ないですがお楽しみください。


『ハハッ、不謹慎だけどさ、フラグってホントにあんのな』

「まったくだ。笑えてくるよクソッタレ……」

『5、7、5?』

「狙ってないからな?冗談言ってる暇ないからな?ヤバくね?」

『とりあえず倒せないにしても、十六夜さんが来るまでの時間稼ぎはするぞ』

「わかってる」

 

ベルトを巻く。

そして、

 

『トリガー!』

 

「変身っ!」

 

次の瞬間、スロットにメモリが現れる。それを刺して、同じく、トリガーメモリも刺して、割る。

 

『ルナ!×トリガー!』

 

「万能、ルナトリガーをプレゼントッ!」

 

引き金をひいて、銃弾をカニに当てる。

でも、やっぱり固い。こっちに気付いただけで、ダメージは通ってないっぽかった。

 

「いよっと!」

 

校舎二階から飛び降りる。

ルナでしっかりベランダに捕まりながら着地。

 

「さぁて!カニさんっ!昨日ぶり!なんでこんなところにいるかは知らんが、しばらく僕とじゃれてもらおうか!」

 

(オイ!僕ら、だろ!)

 

あぁ、ゴメン。でも今回は体ごと、貸してもらうぜ。あと、話すのも禁止。

 

(な、なんで!?)

 

いいから。あとで話すよ。

 

「んじゃ、参る!」

 

乱射、回避、追撃、回避。

激しい戦いでお互い一歩も譲らない。

 

「んにゃろ!」

 

『メタル!』

『ルナ!×メタル!』

 

「鞭でもくらっとけ!」

 

鉄棒を曲げて鞭の様に扱う。

結構痛そうなのに鋏で応戦される。

打撃系は全て効きにくいのか?

だったらさぁ!

 

「えぐれるような攻撃はどうだ!?」

 

『メタル!マキシマムドライブ!』

 

「メタルイリュージョンッ!!」

 

鉄棒を振り回して出来た円盤型の気を飛ばす。

アレだ。気〇斬だ。

 

『ふっ!!』

 

だがしかし、鋏で軌道をずらされる。

 

「もう、しつこい!」

「ああああああああああああああ!」

「え?ちょぉ!?」

 

空から聞こえた叫び声、ふと、見ると、バッチリロケットで飛んでくる。

否、訂正。ロケットで落ちてくるフォーゼがいた。

逃げようとするも第三宇宙速度で落下してくるフォーゼなど、かわしようがなく。

数秒後、いや、また訂正しよう。数瞬後、その場に大きな土煙が起こった。

 

「げほっ!ごほっ!見えねぇよ!」

 

『サイクロン!×メタル!』

 

「らあっ!」

 

その場しのぎの突風で土煙を払う。

だが、

 

「ッ!逃げられた……」

「す、すまねぇ……」

「落下してきた原因しだいでは許します」

「…………操作ミスだ」

「よし、極刑」

「俺年上だよな!?」

 

ミスに年上も年下も関係あるか!そんなホワイトじゃねぇだろ社会!

 

「いよっと!まぁそこまでだ。本部につれてってもらうぜ。十六夜さん」

 

黙って歩き始めた十六夜さんに僕はついていった。

智樹?後からついてくるだろ。

 

 

 

W~W~W~W~W

 

「ここだ」

「ここって……」

 

連れてこられたのは、 

 

「駄菓子屋?」

 

智樹のいうとうり、古今東西、駄菓子屋と呼ばれるものだった。

店員は誰もいなくて商品は少し置いてあるだけの、普通に過ごしていれば目の端にもとめない地味なもの。

 

「知らねぇのか?ヒーローのお約束だろ」

「はい?」

「本部は地下にあるってな♪」

 

駄菓子屋の一角を十六夜が押したかと思うと壁がわれて、

 

「おぉ……すっげ」

 

エレベーターが、出てきた。

 

「ほら、乗れ」

 

十六夜の言葉で搭乗。

次の瞬間、扉がまた開き、

 

「あ、お帰りデース。龍、どうデシタ?」

「だーめだった!あ、こいつら新入りね」

 

降りてもいないのに、新しい部屋になっていた。

もうなんでもありだな。

十六夜さんが僕らを紹介したのは白衣の医者。

金髪片言なので外国人だろうか。

 

「えと、仮面ライダーですか?」

「ん?そうデス。ここにいる人は皆ネ」

 

ここにいる人とは?

問う瞬間、さっきまで乗っていたエレベーターがまた開き、

 

「ただいまー」

「あ、鍄刑事」

「うん?あぁ、とうとう来たのか」

 

よかった。ちゃんと気づいてくれた。

ここのことを聞かなければ……。

 

「あの「くううううううううちゃぁぁぁぁん!」

 

僕の言葉を遮って奥からまた知らない人がでてくる。

人の台詞とるとか一回殴るぞ。

 

「くーちゃんみてよぉ!この発明ぇ!最っ高でしょぉ!?天っ才でしょぉ!?これはぁ、僕が天才という証明にぃ、匹敵するぅ、大発明でしょぉ」

『おお!とうとう完成したのか!』

「え、えぇ……」

 

なにあれぇ……。

同じく白衣だけど、医者っていうより科学者な人がベルトさんに頬擦りしてるんですけど。

科学者って変人です。

 

「くーちゃんって誰ですか」

『私だ』

「ベルトのどこをどうとればくーちゃんになるんだよ!?」

『落ち着きたまえ智樹くん。私のもとの名前がクリム・シュタインベルトだからだ』

「あれ?それじゃあもとのベルトさんをあなたは知ってるんですか?」

「いやぁ?呼びやすいしぃ、親しみをこめてぇ、呼んでるだけだよぉ?」

『研究、発明は私たちが協力してしているのでね』

「研究?」

「そうだよぉ。はいりゅーくんこれぇ」

 

科学者さんが黄色のスイッチをフォーゼに渡す。

 

「おっ、11個目のスイッチ!」

「あれ人工だったんですか」

「最初の4個はシュラウドからだよぉ」

『私がそれを解析、研究し、』

「僕が再現したんだぁ」

 

なにこの天才ども。

 

「さて、色々言いたいんですがあなたは?」 

「僕ですかぁ?科学者ライダーのぉ、遷都(せんと)窮毘(きゅうび)ですぅ」

「医者ライダーの、グラン・クリュ・ヒット。グランとおよびくだくだサイ」

「新入りの須磨智樹と城山燐です」

 

と、軽く自己紹介。

僕ら、鍄刑事、十六夜さん、グランさん、窮毘さん。五人か。

結構いるな。

 

「ここはぁ、RCといってぇ、仮面ライダーのぉ、本拠地ですぅ。表向きはぁ、仮面ライダーはぁ、存在しないのでぇ、ただの変な集まりですぅ」

「変な集まりってなにさ……」

「それでぇ、僕が作った天才的なぁ、発明がぁ、あのランプでぇ、光るとぉ、敵が出たってぇ、ことですぅ」

「なるほど、だからさっきすぐフォーゼ来たのね」

「そういや、あのゾディアーツに心当たりはないのか?」

 

十六夜さんの言葉で智樹を見る。

 

「……人脈が広くてもさすがに無理なものは無理だ」

「だよね。僕もそれらしいのは……」

 

『君、緑と黒と聞いて何が思い浮かぶ?』

 

………………いた。

ええええええ?露骨過ぎない?

これは、

 

「智樹、出番だよ」

「…………誰?」

「先生」

「ばれない?」

「大丈夫。W中(ダブルちゅう)は体も発言も僕だったし。智樹はそこはかとなく聞いてこい」

「あのとき体渡さなかったのそれか。んじゃ、行ってくる」

 

智樹がエレベーターから出ていく。

 

「あ、二人は仮面ライダー何ですか?」

「「秘密」」

「なんでですか?」

「ヒーローは秘密をもってるからぁ、かっこいんですよぉ」

「ジャパニーズの基本デース」

 

この二人はなんかずれてるらしい。

 

「まぁ、智樹が帰るまでなんも言えないんで、休みますね」

 

そういって近くのソファーに腰掛け、眠りにおちた。

 

  

 

 

W~W~W~W~W

 

大きな着信音で目を覚ます。

周りを見渡しても誰もいない。

用事だろうか?

 

「んにゃ……もしもし?」

『はいおはよう。そして残念なお知らせとヤバいお知らせ。どっちから聞きたい?』

「嬉しいお知らせが聞きたかったな。残念な方で」

『残念なお知らせ。収穫ゼロ』

 

はい、つかえねぇ~。

 

「ヤバいお知らせは?」

『目の前にゾディアーツ、なう。隠れてやり過ごしてる』

 

あぁー。なるほどね。どうりで誰もいないんだ。

 

「ま、誰もいないし、フォーゼ行ったと思うよ。僕もいくから待っとけ」

『分かった』

 

 

 

 

W~W~W~W~W

智樹side 

 

ラッキーなのか、最悪なのか……。

偶然見つかるってなんだよ……。

電話をきって、数秒後。

 

「よぉ!カニ野郎!」

 

フォーゼが、来た。

 

「今度こそ!タイマン張らせてもらうぜ!」

 

あ、今回は間違ってない。 

 

「鋏には鋏!」

 

『シザースON』

 

鋏で応戦しあう。

見るようでは少し押されているようだ。

いや、完全に劣勢になる。

 

「ぐふっ!らぁっ!ガッ!!」

 

どんどん鋏を喰らっていき地面を転がる。

やられるのは時間の問題で……。

 

「はぁ……。しゃーねぇ」

 

仕方なく、俺は物陰から飛び出した。

 

「よぉ!カニさぁん!今度は俺とじゃれてくれる!?」

『……?』 

 

俺の大声に一瞬たじろぐゾディアーツ。

だがヒーローは、その一瞬を見逃さないことを、俺は知っている。

素早く右手をゾディアーツの懐に入れ、

 

『ロケットON』

 

発生したロケットでそのまま空へ、フライハイ。

その内完全に見えなくなって……

 

「ロケットドリル宇宙キイイイイイイック!!」

 

あ、帰ってきた。

でもこっからだとだいたい着地点は五百メートル先ぐらいか。

俺は走って着地点まで駆け寄る。

 

「さて、と…………」

「うん?どうした?」

 

言葉を失う俺に問いかける生身の十六夜さん。

その問いに答えるようにゆっくり、呟いた。

 

「先生……じゃない?」

 

 

 

 

 

W~W~W~W~W

燐side

 

「真犯人は別にいる、ね……。あんたはどっちの味方?」

「私は傍観者……」

「今度は、逃げない?」

「……………」

「はぁ、そうかい。なんできたの?」

「あなたを……」

「…………僕をなに?」

 

なにを、とは言わないまま、彼女はまた、立ち去った。




以上、第四話、フォーゼ回でした。
窮毘と、グランについては平成ライダーですよ。
まぁ、「天才でしょぉ!?」とか、「医者ライダー」とか、完全にばらしてますけどね。

【第五話】鋏の裏には何がいるのか?

次回は疑問系。あのライダーです!お楽しみにっ!


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