ファイアーエムブレム覚醒~闇の英雄~ (謎多き殺人鬼)
しおりを挟む

目覚め

何となく思い付いた話です。

勢い任せなので期待しないで楽しく読んでください。

なお、Darksideとダークソウルifはちゃんと更新します。

それでは、良ければどうぞ(_ _)




アノール・ロンド。

 

そこは嘗ては神々が治めていた王国であったが、不死と呼ばれる者が現れると、王が火と呼ばれる物の薪となるべく立ち去ってしまいアノール・ロンドは静かに衰退していった

 

長い月日が経ち、アノール・ロンドに一人の不死が現れ、多くの試練を乗り越えてもはや灰となっていた王を倒した

 

だが、不死は火を継がなかった

 

不死は闇撫でのカースの言葉を聞いて不死は闇と人間を支配する闇の王となったのだ

 

闇の王となった不死の治世は神々の干渉する事が出来なくなり、人間は不死は以前として蔓延するものの繁栄の一歩を辿っていった

 

感情の無い虚ろの心を持って

 

だが、闇の王の時代は突然終わりを告げる事となった

 

ある光の心を持った人間が闇の王を倒す為に多くの英雄とも比毛を取らない力を神竜ナーガと呼ばれる存在と接触する事に成功し与えられ、ナーガの牙から闇を打ち砕く神剣を手にすると、闇の王との戦いが始まった

 

もはや神の領域にいる闇の王とその軍勢、光の心を持つ人間とその人間の光の元に集まった軍勢は神々の戦いの如く激しい戦争を繰り広げた

 

そして、激しい戦いの末に闇の王は人間との一騎討ちで神剣の前に倒れ、人間もまた闇の王の魔剣の刃が胸に突き刺さり死んだ

 

闇の王は倒れたが、闇の王は不死である

 

闇の王は当然の様に復活するも、そこで神竜ナーガの力で強力な封印が発動されたのだ

 

闇の王は抗おうと懸命にもがくも、闇の王は深淵の奥底に封じられ、闇の王に従っていた軍勢は闇の王が封じられると同時に起きた光を浴びて壊滅していった

 

闇の時代は終わり、闇の無い人間の本当の時代が始まったのだ

 

一人の英雄の犠牲に多くの者は嘆き、惜しんだりした。

闇の王には惜しむ者はいても、英雄の様な嘆いたりする者は誰一人としていなかった

 

人間の時代は多くの平和と多くの争いの元に発展していき、不死や神々の時代、そして闇の王の事は徐々に忘れられていった・・・

 

そして今、深淵より封印が弱まり闇の王は再び這い出てる時が来たのだ

 

闇の王が復活は何をもたらすのか

 

闇か・・・

 

絶望か・・・

 

それとも・・・

 

これは、後の英雄達と闇の王と呼ばれた闇の英雄の物語である

 

それでは、開幕・・・

 

_______

____

__

 

~深淵~

 

何処もかしこも黒い景色が広がる闇の中、深淵の奥底で一人の男が起き上がった。

男は軽く背伸びをすると、何かを感じる様に闇しか見えない空間の中で、上を見た。

 

「・・・封印が解け掛かっているな。ここまで解け掛けているとは、余程の年月が経ったか・・・あるいは誰かの差し金か?」

 

男は不気味な笑みを浮かべて上を見上げ続けていると、男の隣に不死として支えられてきた篝火が現れた。

篝火は深淵から出る唯一の方法で、転送により他の篝火へ移る事により出る事が出来る。

カースが亡き今、篝火こそが唯一の出入り口なのだ。

 

「ククク・・・この俺にまた何かをやらせたいのか・・・あの忌々しい神竜か・・・それとも別の存在か・・・。まぁ良い、出てみれば良い事だ。さて・・・行くとするか・・・人間の世界へ」

 

男は篝火に手を翳すと、男は消えた。

 

その頃、神竜ナーガの元にとても冷たい何かが背中に過った。

ナーガは少し考えると、力を使って深淵の内部を見てみると、深淵に封じられていた男は何処にもいなかった。

 

「・・・不味いですね」

 

ナーガは男が消えた事で世界にまた暗黒の時代が来ると考えた。

ナーガがそこまで警戒する程の男の正体・・・それは、闇の王ロヴェル。

かつては英雄と呼ばれているも、ダークレイスを率いていた闇撫でのカースに唆され、王を打ち砕き、神々をも殺した凶悪な闇を統べる王だ。

 

ナーガは神々の中では新しく生まれた存在だが、人間の英雄と共にロヴェルを封じ込めて光を取り戻した。

だが、英雄は死に、ナーガはロヴェルを封じる為の戦いで深い傷を負って長い年月を眠りに費やす事になり、今でもその傷は癒えないのだ。

 

「闇の王ロヴェルの目覚め・・・今の私では封じる事が出来ません・・・もし彼が、僅かでも希望の光を宿しているなら・・・彼らと・・・もう、それに賭けるしかないのですね・・・」

 

ナーガは誰もいない深淵を見ながらもうすぐ迫るであろう邪竜ギムレーの復活と復活した闇の王ロヴェルの二つの驚異に神剣を受け継ぐ王子達の事を案じる。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神剣を継ぐ者と闇を統べる者

ロヴェルは篝火を使って深淵から外に出ると、そこは光の溢れる自然豊かな場所だった。

眩しいばかりに耀く太陽にロヴェルは腕で目元を覆いながら辺りを見渡した。

 

「闇が薄いな・・・これはやはり奴等の仕業か?。だとしたら早急に闇を広げ直さなければ・・・」

 

ロヴェルはそんな悪巧みをしていると、遠くから黒い煙が昇っているのが見え、ロヴェルは面倒事かと考えた。

 

「・・・まぁ良い・・・今の俺が何処まで通じるか・・・試してみようか・・・」

 

ロヴェルはそう呟いて何時からか分からない深淵に流れてきた装備、異国の服の装備を纏うと、歩み始めた。

 

_______

_____

___

 

ロヴェルはやって来てみると町が賊に襲われており、悲鳴があちこちから聞こえてくる。

ロヴェルは異国のフードの奥底でニヤケながら見ていた。

 

「懐かしいな・・・かつて、戦で感じた血の臭いだ・・・ククク・・・」

 

ロヴェルは笑っていると賊が三人程、武器を持ってロヴェルに向かって突っ込んできた。

 

「やれやれ・・・雑魚が群がってきたか。こいつら程度なら・・・ロングソードで良いか」

 

ロヴェルはそう呟くとロングソードを取り出して賊に向かって構えた。

賊は油断しきっているのかニヤケ顔でロヴェルに向かっていき、そして三人同時にロヴェルの斬撃に倒れた。

 

「ふん、この程度か・・・」

 

ロヴェルは三人の賊を見下しながらロングソードに付いた血を軽く振って払った。

周りにいた賊達は略奪や殺戮を止めてロヴェルを見ていると、ロヴェルは常人ではあり得ない速さで接近し、賊を次々と切り裂いていく。

 

「な、何なんだこいつは!」

 

「戦えない奴しかいないんじゃなかったのかよ!」

 

「はぁ・・・弱い、弱すぎる・・・俺のいた世界の亡者でもマシな戦いをするのだがな・・・」

 

ロヴェルはそう言いながら賊を切り裂いて行き、逃げようとする賊や戦おうとする賊どちらも容赦無く葬っていきながら進むと、広場で賊が人質を取って救援に来た者達なのか五人の男女が人質を取られた事で手を出せず、賊は興奮状態に陥って叫んでいる。

 

「・・・はぁ」

 

ロヴェルは溜め息をつきながらそっと賊の背後から近づいていく。

五人はロヴェルの存在に気付いたのか視線が来るも、ロヴェルは人差し指を口に当てて制すと、賊の背後に来ると賊をロングソードで突き刺した。

 

「ぐはぁ・・・!」

 

賊は苦しむ様な声で唸ると、ロヴェルは容赦無くロングソード引き抜くと、賊は死に絶えた。

 

「・・・つまらん戦いだったな」

 

「ま、待ってくれ!」

 

ロヴェルは立ち去ろうとした時、男女のメンバーの中でたくましい体つきの青年に呼び止められた。

ロヴェルは振り返ると、少したじろぎながら青年が前に出てきた。

 

「お前・・・この町を助けに来てくれたのか?」

 

「気まぐれだ。此処に血生臭い戦いがあると思ったのだが・・・期待外れだった。助けたのは次いでだ」

 

ロヴェルの言葉に馬に乗った重装備の男と杖らしき物を持った少女に睨まれた。

ロヴェルは何か機嫌を損ねる様な事を言ったのかと、首を傾げている。

 

「それでも助けてくれたのなら礼を言いたい。ありがとう」

 

「・・・ふん」

 

ロヴェルは久しく言われた礼に、そっぽを向いた。

 

「俺はクロム。お前の・・・名前は?」

 

「・・・ロヴェルだ」

 

ロヴェルはそう挨拶した時、ふとクロムの腰にある剣に目に入った。

形は違えど、その刃からの神聖な力を感じ取ったロヴェルはクロムに聞いた。

 

「クロム・・・と、言ったな。その剣は何だ?。とても珍しい形をしているが・・・」

 

「あぁ・・・これはファルシオンと言って俺の先祖が使っていた国宝の剣だが・・・それがどうした?」

 

「・・・いや、気になっただけだ。俺は珍しい武器を集めるのが好きでね・・・国宝と言うのなら手出し出来ないな」

 

ロヴェルはそう言いながら心の中で笑った。

まさか自分を封じた神剣がめのまえにあるとは思わず、更にクロムは腕は良いがまだ未熟であると見抜き、ロヴェルなら何時でも簡単に奪い取れると確信した。 

ロヴェルは素手だけでクロムを殺そうとした瞬間、その考えは打ち消される事になる。

 

「ッ!?。クロムさん・・・!」

 

「ど、どうした。ルフナ?」  

 

ルフナと呼ばれた黒く紫の模様が入ったフード付きの着ている少女が慌てた様な感じで話に入ってきた。

少女は妙に汗だくで、ロヴェルを睨み付けていた。

 

「ルフナ?」

 

「・・・すみません・・・何でもありません・・・」

 

「(こいつ・・・)」

 

ロヴェルはルフナと呼ばれた少女に勘づかれたと考えた。

今で、一度も殺意を勘づかれた事のないロヴェルは動揺しつつもルフナを警戒する。

 

「・・・ロヴェル、一つだけ頼みたい事がある」

 

「何だ?」

 

「俺達の・・・自警団に入らないか?」

 

「「え!?」」

 

「自警団?」

 

クロムの自警団入団の勧誘に、ロヴェルは首を傾げて男と少女は驚きの声を挙げた。

 

「お、お兄ちゃん!?」

 

「その怪しい者を自警団に入れるのですか?」

 

「あぁ・・・。ロヴェルの腕は見た限り、かなりの腕前だ。もし、ロヴェルが良ければ自警団に入って貰いたい」

 

ロヴェルはクロムの言葉に考え込むような仕草を見せつつも内心、自警団に入る事は決めていた。

自警団に入れば今の時代の情報が手に入り、尚且つクロムの側に常に居れるのだ。

勘でロヴェルの殺意を見破ったルフナへの警戒を解かなければ正体も簡単にはばれる事はないだろうと、結論付けてだ。

 

「・・・自警団に入ろう。丁度、退屈していた所だ」

 

「よし、決まりだな。先ずは皆を紹介しよう。このちんまいのは俺の妹のリズ、騎士はフレデリクだ」

 

「ちんまい言うな!。・・・よろしく」

 

「・・・」

 

二人はロヴェルをあまり歓迎出来ないのか納得のいかない表情を出している。

クロムは紹介を続ける。

 

「そして、お前と同じく自警団に入る俺の軍師ルフレとルフナだ」

 

「よろしく。ロヴェル」

 

「・・・よろしくお願いします」

 

ルフレは普通に挨拶し、ルフナは警戒心が解けていないのか何処かぎこちない挨拶をする。

 

「よろしく頼む。・・・やはりこの服装は無理があるな・・・なら」

 

ロヴェルは自身の服装を見ながらそう言った瞬間、青い煙の様な物がロヴェルを包むと、ロヴェルは瞬く間に上級騎士の鎧を着込んでいた。

 

「な!?」

 

「あぁ・・・驚かせてすまない。これは俺の故郷の独特の技でな。着替えるのが面倒な時にこうしている」

 

ロヴェルはそう言うと、左手にカイトシールドを取り出して武装を固めた。

その姿はまるで歴戦の騎士の様で、全員を見惚れさせた。

 

「・・・どうした?」

 

「あ、いや・・・何でもない。取り敢えず、町の皆の安否確認し報告の為に王都に戻ろう」

 

クロムの指示で全員、仕事に行くのを確認するとロヴェルは兜の下で静かに笑うのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

異変

慣れてないせいかカタコトになってしまいました・・・


自警団に入ったロヴェルはクロム一向と共に町の安否を確認確認した後、町を出て出発していた。

だが、出発してから暫くして夜になってしまい、森の中で野営する事になった。

 

「じゃぁ、俺とルフレとロヴェルで食料を調達してくる。フレデリクとルフナとリズは野営の用意をしていてくれ」

 

クロムの指示で其々の担当に当たり、作業を開始した。

ロヴェルは一先ず、クロムに言われた様に食料を探して森を散策するも、一つ問題が発生した。

 

「・・・全く分からん。何が食べられるんだ?」

 

それは長い間、闇の王として人間を止めたロヴェルにとって過酷な試練だった。

長い間、食事なんて物を取らなくても生きていけたロヴェルにとってはどれも同じに見えてしまう。

ロヴェルは途方にくれて戻ろうとした矢先。

 

「ん、何だ・・・この気配は・・・?」

 

ロヴェルは食料探しに手間取っていた時、何か異様な気配を感じ取り空を見上げると、そこには大きな門の様な物が現れていた。

 

「門・・・にしては大きいな・・・」

 

ロヴェルは門を見ていた時、門から数体の亡者の様な兵士がぞろぞろと沸き出してきた。

亡者の様な兵士はロヴェルを見つけるも、ロヴェルを無視して何処かへ向かってしまった。

ロヴェルは唖然としながらその後ろ姿を見送っていると、後ろから殺気を感じ取った。

 

「・・・ッ!?」

 

ロヴェルは咄嗟にロングソードで防ぐと、距離を取って斬り掛かってきた相手を確かめた。

ロヴェルが見た物は黒い鎧兜を纏った黒騎士だった。

黒騎士は剣と盾を構えてロヴェルに再び攻撃を繰り出そうしてきた。

 

「ちッ!」

 

ロヴェルは舌打ちをすると同時にカイトシールドで黒騎士の攻撃を弾き返し、体勢を崩した黒騎士の腹をロングソードで深く突き刺した。

黒騎士は深く突き刺された事で膝から崩れると、ロヴェルは黒騎士を蹴り飛ばすと、黒騎士は消えた。

 

「何なんだ一体・・・」

 

ロヴェルは悪態をつきながらクロム達の元に戻ろうとした時、周りに気配を感じ取った。

 

「・・・囲まれたか」

 

ロヴェルはそう呟くと、周りから黒騎士、銀騎士の集団がロヴェルを囲みながら現れた。

 

「グヴィン王の犬共が・・・意思も無いくせに主を討った俺を殺そうと追い掛けていたのか・・・よくもこの長い年月を・・・」

 

ロヴェルは武器を構えて騎士達を迎え撃とうとした時、騎士達が突然、吹き飛ばされた。

吹き飛ばされた箇所からゆっくりと歩む上級騎士の鎧兜を黒く染めた様な鎧を着た人物が現れた。

 

「・・・誰だ?」

 

異様な鎧兜を身に付けている人物は無言のままその場にいたが、ゆっくりとその場から立ち去ってしまった。

ロヴェルはその人物に見に覚えはないが、鎧兜に見に覚えがあった。

 

その鎧兜とは、ロヴェルが今使っている上級騎士の鎧とは異なる別の上級騎士の鎧が、深淵の闇に染め上げられ黒くなり、深淵の鎧と呼ばれる物になった物だ。

 

深淵の鎧は深淵の力によって大きく強化されているが、変わりに深淵の闇による呪いでロヴェル以外の者が着込むと正気を失う様になったのだ。

 

「正気を失う呪いの鎧を着ていた・・・偶然、似た様な鎧だったのか。それとも・・・」

 

ロヴェルは考えていると、また騎士達がロヴェルを囲もうと迫っていた。

 

「はぁ・・・考えるのは後だな。今は・・・」

 

ロヴェルはそう呟いた瞬間、黒い靄がロヴェルを包みあげロヴェルは上級騎士の鎧から深淵の鎧へと装備を変えた。

 

上級騎士の鎧の黒色で、背中には古いボロボロのマントと言う異様さを出しているのと同時に何処か王者の風格が漂わせる。

 

「グヴィン王の犬共よ・・・お前達のその忠誠心に敬意を表して・・・俺は闇を司る王としてお前達を葬ろう」

 

ロヴェルはそう言うと、一本の剣を取り出した。

その剣はかつて、神剣ファルシオンが現れる前まで誰もが恐れたロヴェルの愛剣・・・深淵の魔剣と呼ばれる物だった。

 

深淵の魔剣はロヴェルが闇の王として即位すると同時に、カアスが送った物で、ロヴェルがこの剣を使い始めてからと言う物のファルシオンで討たれるまで敵無しだったのだ。

 

「さぁ・・・来い」

 

ロヴェルがそう言うと同時に、戦いが始まった。

 

闇の王としての最初の戦闘である。




【深淵シリーズ】※オリジナル

上級騎士が突然、深淵によって変異した装備。 
深淵の力で防御能力は格段に上がっているが、ロヴェル以外が使えば正気を失ってしまう恐れがある。
少し違うとすれマントを羽織ったと言う所である。

【深淵の魔剣】※オリジナル

ロヴェルの愛剣である魔剣。
闇撫でのカアスが王として即位したロヴェルに献上した物であり、強大な闇を纏った神剣ファルシオンと対の剣。

・ロヴェル専用武器


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

疑い

~ルフナside~

 

私はロヴェルさんからとても嫌な予感を感じました。

 

最初こそは変わった人だと感じましたが、クロムさんに近付こうとするロヴェルさんを見て、背中が一気に冷え込む様な嫌な感覚を受け、クロムさんが危険だと考え叫んでいました。

しかし、嫌な予感は外れたのか特に何もしてこないロヴェルさん。

私は安堵と警戒心で包まれながらクロムさん達と一緒に王都まで行く事になったのです・・・ロヴェルさんと一緒に。

 

同行するロヴェルさんに私はどうしてもあの時の嫌な寒気が忘れられず、ずっと警戒したまま歩いていました。

 

そんな時、夕暮れになってしまい森の中で野営する事になったのです。

それぞれ別の担当に就いて作業をしたのですが、何時まで経ってもロヴェルさんが戻ってきませんでした。

 

「・・・遅いな」

 

「何かあったんじゃないのか?」

 

クロムさんとルフレはロヴェルに何かあったのではと考え始めている。

 

「そうだとしたら探した方が良いな」

 

「・・・私が探しに行きます」

 

「ルフナが?」

 

「はい・・・少々、気になる事もあるので」

 

私の案にクロムは考える素振りを見せる。

暫く考えたクロムは顔を上げて私に結論を言う。

 

「なら、俺も行こう。もし、本当に何かあったら一人だけで行動するのは危険だ。フレデリクとリズとルフレは残っていてくれ。もしかしたら戻ってくるかもしれないからな」

 

クロムさんはそう言うと、私と一緒に行動を開始しました。

暗闇の中で、クロムさんと私はロヴェルを探していましたが一向に見つかりません。

 

「はぁ、見つからないな・・・」

 

「一体、何処まで行ったのでしょうか・・・?」

 

私はこう言っていますがロヴェルさんの事はあまり心配していません。

何故なら、やはり何か嫌な雰囲気を感じてしまうのです。

彼から何か心が黒く、闇に染め上げられる様な雰囲気を感じて私はロヴェルさんの事をどうしても好きにはなれません・・・それに強いですし。

私達はその後も探して回りましたが見つからず、お手上げ状態になりました。

 

「一度、フレデリク達の所へ戻ろう。もしかしたら戻っているかもしれない」

 

「はい」

 

クロムさんの提案を聞いた私はフレデリクさん達の元へ戻ろうとした時、突然空に門の様な物が光と共に現れました。

 

「な、何だ・・・!?」

 

クロムさんがそう言った時、門から人の様な化け物が這い出てきて落ちてきました。

私は咄嗟に剣を抜いて身構えていた時、化け物は立ち上がって襲い掛かってきました。

私は化け物の攻撃を反すと、腹の辺りを斬りました。

 

「・・・ッ!?」

 

しかし、腹を斬られた筈の化け物がまた攻撃を仕掛けてきて私は咄嗟の事で何も出来ずにいると、クロムさんがファルシオンで化け物に止めを刺しました。

 

「大丈夫か!」

 

「は、はい・・・!」

 

私はそう言った時、化け物はいつの間にか数を増しており、劣勢に陥っていました。

クロムさんと私は背中を合わせて臨戦体勢に入って敵である化け物に対してどうす戦うかを考えました。

けれど、敵の数は膨れ上がりもはやこの状況をひっくり返えす策が得られませんでした。

 

「(どうすれば・・・!)」

 

私は自分の無力さと悔しさを噛み締めながら化け物達の攻撃を受けた・・・筈だった。

化け物達は首や体等を切り裂かれて次々と倒れていった。

私は唖然として見ていると、向こうに鎧兜を着たロヴェルさんが巨大な黒い剣を持って立っていた。

 

~side終了~

 

ロヴェルは騎士達を圧倒的な戦闘能力で粉砕し、壊滅させた後、上級騎士の鎧に戻してクロム達の元に向かっていた。

その時に、クロムとルフナが戦っている姿が見え、グレートソードを片手に素早い動きで二人を襲っていた化け物を切り裂いた。

 

「・・・大丈夫か?」

 

「あ、あぁ・・・」

 

二人の言葉を聞いてロヴェルは溜め息をつくと、グレートソードを肩に担いだ。

ロヴェルの持つグレートソードに二人は唖然として見ている。

 

「取り敢えず・・・フレデリク達と合流するべきだと俺は思うが、ルフナは軍師としてどう思う?」

 

「・・・私もフレデリクさん達と合流すべきだと思います。この数です・・・もしかしたらフレデリクさん達も襲われているかもしれません」

 

「なら、フレデリク達と合流をしよう・・・なぁ、ロヴェル。そういえばお前は長い間、何処にいたんだ?」

 

クロムの質問にロヴェルは無言のままでいた。

まさか、食糧探しに手間取っていたなんて言えないのだ。

 

「何か言えない事なのか?」

 

「・・・戦闘をしていた」 

 

「戦闘?・・・成る程な。お前も襲われたのか」

 

嘘は言ってない。

ロヴェルは黒騎士と銀騎士を相手に戦闘をしたのだ。

襲われたのも嘘ではないとロヴェルは頭の中で必死に言い訳をする。

 

「そんな感じだ・・・さぁ、行くぞ」

 

ロヴェルはそう言うと、そそくさと歩いて行き、クロムも続いて歩いて行く。

だが、ルフナは歩かずロヴェルの言動に疑問を感じて考え込んでいた。

 

「(おかしい・・・クロムさんの質問に何故、すぐに襲われたのかと言わず、黙っていたのかしら・・・まさかこの騒動の原因は・・・)」

 

「おい」

 

ルフナは声を掛けられて我に帰ると、顔の近くまで迫った兜が見えた。

 

「きゃぁッ!」

 

「何がきゃぁッ!だ。早く行くぞ」

 

ロヴェルはそう言って前に進んでいき、ルフナも今度はちゃんと着いていく。

ロヴェルに対して疑問と疑いを持ちながら。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決着

クロム達がフレデリク達の元に戻ると案の定、フレデリク達も交戦状態にあった。

その中に、女性の騎兵と男のアーチャーも加わって戦っているのだ。

 

「皆、無事か!」

 

「クロム様!ご無事だったのですね!」

 

「あぁ・・・ロヴェルに助けられてな。それよりも今は奴等を倒すぞ!」

 

クロムはそう言ってファルシオンを構えると、向かってきた化け物を斬る。

乱戦になる中で、クロムは化け物に後ろを取られ攻撃を受けようとしていた時、ルフレのサンダーの魔法が化け物当たった。

 

「大丈夫かい?」

 

「すまないルフレ。助かった」

 

クロムがそう言った時、突然地響きと共に煙が舞い上がった。

クロムとルフレは見てみると、そこにはグレートソードとツヴァイヘンダーを片方ずつ持って暴れ回るロヴェルがいた。

グレートソードで凪ぎ払い、ツヴァイヘンダーで叩き潰す・・・その繰り返しを何度もするロヴェルに二人はやはり唖然とする。

 

「何だいあの大きな剣は・・・?あれはどう見ても片手で持てる様な武器じゃないよ・・・」

 

「一本しか持っていなかった筈だがいつの間に・・・」

 

二人が困惑する中、ロヴェルはただひたすらに化け物を狩る快楽に溺れていた。

グレートソードによる斬撃での化け物達の出血、ツヴァイヘンダーによる化け物達の骨が折れる音、全てを楽しみながら二振りの特大剣を振るった。

 

「ふふふ・・・ふっはっはっはっはっは!!!」

 

ロヴェルは笑いが堪えきれず、高らかに笑いながら化け物を蹂躙し続けている。

だが、化け物はどんなにやられてもロヴェルに目もくれない。

無抵抗の化け物を相手に蹂躙するロヴェルの姿は狂気に満ちた虐殺者そのものだった。

 

「な、何ておっかない奴なんだ・・・き、貴族的に近づくなと感じる・・・」

 

「こ、怖いよ・・・」

 

弓を持つ男とリズはロヴェルの狂気的な戦いに恐れを感じ、近づかない様にしようと考えた。

 

それは、懸命であった。

 

今のロヴェルには敵と味方の判別が出来なくなっている。

狂気の中で、ただひたすらに相手を殺す事に快楽を得ているロヴェルは戦いが終わるまで武器を振るい続けるのだ。

暫く両剣を振るって暴れ回るロヴェルはまたグレートソードを振るおうと振り上げた。

 

「はっはっはっはっはっはっはっ!!!」

 

「止めてくださいロヴェルさん!」

 

「はっはっはっはっは・・・ん?」

 

ロヴェルは突然声を掛けられて止まると、そこには血相を変えているルフナがいた。

 

「何だルフナ?俺はまだ戦いたいんだが」

 

「もう戦いはおわっています。回りを見てください」

 

ロヴェルはそう言われて見てみると、そこには化け物の残骸しかなく、今いるのはロヴェルとルフナだけだった。

 

「・・・此処は何処だ?」

 

「クロムさん達から少し離れた場所です。貴方が化け物を殲滅したと思ったら何処かへ走って行くから追い掛けて来たんですよ?」

 

「そうか・・・迷惑を掛けたな、ルフナ」  

 

ロヴェルはそう言って謝ると、ルフナは意外そうな顔でロヴェルを見ている。

 

「どうした?」

 

「いえ、ロヴェルさんはあまり謝る人ではなさそうな感じでしたので・・・」

 

「失敬な。俺だって謝る時があるぞ・・・」

 

「・・・ふふ」

 

ロヴェルはそう言うと、そっぽを向いた。

そんなロヴェルにルフナは少し笑ってしまう。

さっきのロヴェルの行動は恐ろしい物だが、今の意外な一面はルフナにとって、何処か笑えてきてしまうのだ。

 

「笑うなよ・・・」

 

「すみません」  

 

「・・・まぁ、良い。行くぞ」

 

ロヴェルはそう言うと、ルフナを連れてクロム達の元へ戻っていった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

イーリス聖王国

クロム達はあの晩の騒動の後、やっとの思いでイーリスの王都に戻る事ができた。 

王都は人々が活気に満ち、誰もが笑っている・・・ロヴェルは自分の治めていた時代とは全く逆の国に少し戸惑いが出る。

 

「凄い賑わいだな・・・」

 

「当然だよ!お姉ちゃんが治める国だもん」

 

「お姉ちゃん?・・・まさか、この国の王族なのか?」

 

ロヴェルはリズにそう聞いた瞬間、民衆達が騒ぎ始めた。

 

「おぉ・・・エメリナ様じゃ・・・!」

 

ロヴェルは民衆達が見ている方を見ると、そこには先頭に長髪の温厚そうな女性と羽の生やした白い馬に股がる女性の騎士達の集団だった。

 

「あの人は・・・?」

 

ルフレがフレデリクに聞くと、フレデリクはルフレの質問に応えた。

 

「あの方は、イーリス聖王国の聖王エメリナ様であらせられます」

 

「え?王がこんな街中に?」

 

ルフレの言いたい事はロヴェルにも分かった。

王が普通、こんな街中を歩き回りはしない。

誘拐や暗殺があるかもしれない外に王が無闇に出る事は、ロヴェル自身もカアスによく言われていたのだ。

 

「聖王は、この国の平和の象徴なのです。古の時代、世界を破壊せんとした邪竜を神竜の力によって倒した英雄・・・その初代聖王様のお姿を民はエメリナ様に重ねているのでしょう」

 

「今は、ペレジアとの関係も緊張していて皆が不安だからな。あぁやって表に出る事にで、民の心を鎮めてきわるんだ」

 

「そうか・・・良い王がいてくれて、この国の人々は幸せだね」

 

「(・・・ふん、くだらん)」

 

ロヴェルはエメリナの事が気に食わずにいた。

平和の象徴、民を鎮める為に外に出る、何もかもロヴェルは気に食わず、目を濁らせて見ていた。

 

「えへへー!でしょー?でしょーでしょー?だって、私のお姉ちゃんだもんね!」

 

「へぇ・・・リズの・・・ん?え?お姉さん!?って事はクロム達は・・・!」

 

「(王族・・・だな)」  

 

ルフレの言葉に続く様にロヴェルはクロムとリズが王族だと心の中で、言った。

 

「だって二人とも自警団だって!」

 

「王族が自警団をやって悪い法はない」

 

「そ、そうなのか・・・あ、いや。そうなのですか・・・」

 

ルフレがカタコトな敬語で話すと、クロムは笑って制した。

 

「今まで通り、普通に話せば良い。敬語は苦手だ」

 

「あ、フレデリクの口調が丁寧だったのはクロム達が王族だったから?」

 

「いえ。私は誰にでもこの様な感じです」

 

「姉さんが王城へ戻る様だ。俺達も行こう」

 

クロムがそう言って移動しようとした瞬間、遠くから大きな悲鳴が挙がった。

   

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「何だ!?」

 

クロム達は慌てて走って行くと、そこには鎧兜で武装した騎士らしき男が剣で女性騎士の一人を斬った様だ。

ロヴェルはその騎士の装備を見て、騎士の鎧一式だと判断し、顔を見る限り相手はロヴェルのよく知る亡者の様なのだ。

亡者は剣ロングソードとナイトシールドを手にエメリナの方へ突っ込んで行く。

 

「ちッ!」

 

ロヴェルは咄嗟に出した銀騎士の剣を手に走って行くと、切りつけながらエメリナに突っ込んで行く亡者の前に立った。

 

「ぐおぉぉぉぉ!」

 

「・・・消えろ」

 

ロヴェルは両手で銀騎士の現を持って振るうと、亡者は血を大量に噴いて倒れ、消えていった。

無数の帰り血がロヴェルに付着して不気味な姿になっていた。

 

「・・・大丈夫、ですか?」

 

「は、はい・・・」

 

「そうですか・・・しかし、まだ騒動は終わってはいません」

 

ロヴェルがそう言うと、路地から何人かの武装した亡者が現れた。

騎士や戦士、弓に魔法使い等と多彩だ。

 

「さて・・・やるとするか」

 

「ロヴェル!」

 

「クロム殿か。すまない、此方の面倒事が騒動の原因の様だ・・・こいつらの相手は私がする。そこにいるエメリナ殿は任せる」

 

ロヴェルはそう言うと、王国のカイトシールドを左手に持って亡者の群れに向かって行った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

亡者の襲撃

亡者は接近してくるロヴェルを見つけ、弓や魔法で遠距離攻撃を仕掛けてきた。

ロヴェルは紋章の盾に切り替えて魔法や矢を防ぎながら接近すると、亡者の一体に斬り掛かった。

斬った亡者が倒れると、他の亡者は接近戦をする為に剣や斧そして槍等を持ってロヴェルに向かっていく。

 

「ふん!」

 

ロヴェルは銀騎士の剣からクレイモアに取り替えて横に振るって亡者を凪ぎ払う。

血が大量に吹き出す中、ロヴェルは怯まずに右手にクレイモア、左手にエストックを取り持って相手に奮戦する。

クレイモアの強力な斬撃とエストックの突きと斬りつけの攻撃で徐々に亡者の数を減らしていった。

 

「何故、此処に亡者がいるのか分からんが・・・まぁ、後で考えるか」

 

ロヴェルはそう呟いて更に攻撃をしようとした瞬間、ロヴェルの胸にボルトが刺さったのだ。

ロヴェルの胸からゆっくりと血が流れていき、痛々しい物だった。

 

「ロヴェル!」

 

そこにクロムが走ってやって来ると、ロヴェルの胸にボルトが刺さった状態を見てしまった。

 

「ロヴェル・・・!」

 

「きゃぁぁぁぁぁ!」

 

クロムは動揺し、リズは叫び声を挙げた。

胸に刺さった事は即ち死を意味し、誰もがロヴェルは死ぬと考えていた。

だが、ロヴェルは溜め息をついて呆れた。

 

「はぁ・・・落ち着け。全く・・・」

 

ロヴェルはそう言うと、何語とも無かったかの様に胸からボルトを抜いたのだ。

ボルトを抜いた胸から大量に血が流れてクロム達は混乱した。

 

「ロヴェル、何を!」

 

「俺は平気だ。胸にボルトが刺さったくらいで動揺するな」

 

「「「(いや、無理だろ・・・)」」」

 

ロヴェルの非常識な言葉にクロム達は心の中で、ツッコミとロヴェルは平気そうに武器を再び持った。

 

「さて・・・クロム」

 

ロヴェルは面倒くさそうにクレイモアを肩に担ぐと、左手のエストックからアヴェリンを取り出した。

 

「邪魔だから退いててくれ」

 

「なッ!?」

 

「奴等は森で戦った奴等とは少し違う・・・奴等は心を失いながらも戦い方を体で覚えている猛者がいる化け物・・・俺の故郷とも呼べる所では、亡者と呼んでいた」

 

「亡者・・・?」

 

「亡者は本当に厄介でな。殆どが雑魚だが、希に英雄並の強さと装備を持った奴もいる・・・もし、雑魚じゃないそんな奴と当たってみろ。死ぬぞ?」

 

ロヴェルの死ぬぞと言う言葉に寒気を感じたクロム達は固まってしまった。

ロヴェルの言う事は何処か抜けてはいるが、冗談は言わない。

つまり、ロヴェルの言う事は殆どが事実なのだ。

まだ出会って間もないクロム達でもそれがはっきりと分かった。

 

「早く行け。邪魔で戦い辛いからな」

 

ロヴェルはそう言って素早くアヴェリンを構え、ボルトを連続で放った。

ボルトはクロスボウを持っていた亡者に三本が当たって、亡者は倒れた。

 

「・・・ん?どうやらお出ましの様だな。亡者の親玉がな」

 

ロヴェルはそう言った瞬間、道の奥から重装備が特徴的な鋼鉄の鎧兜を身に纏い、メイスとタワーシールドを持った巨漢な亡者が現れた。

 

「はぁ・・・何だバーニスか。」

 

「バーニス?」

 

「バーニス騎士団。あの巨漢通りとてつもないパワータイプ亡者だ。油断するとすぐに潰される。まぁ、動きをちゃんと見て戦かえば動きの遅いバーニスに対抗はできるが、お前達は手を出すな。面倒だからな」

 

ロヴェルはそう言ってクレイモアとアヴェリンから取り替えたカイトシールドを手にしてバーニスに向かって走り出した。

バーニスは大きなメイスを振り上げてロヴェルに向かって振り下ろすと、大きな土煙が舞い散った。

だが、ロヴェルはローリングで避けると、クレイモアでバーニスを斬った。

 

「ぐおぉぉぉぉ!」

 

バーニスは斬られた痛みで叫ぶが、ロヴェルは容赦なくクレイモアを振るう。

バーニスは何度も斬られ、怯みロヴェルはそれを見逃さずに斬ろうとした瞬間、視線の中に子供がいたのだ。

その子供を襲おうとしている亡者がおり、子供は恐怖でなのか動こうとしない。

 

「(見捨てるか・・・)」

 

ロヴェルはそう考えた。

だが、そう考えた筈なのに体が動くのだ。

ロヴェルはいつの間にか攻撃を止めて子供の元に走り、子供を襲おうとしていた亡者を切り裂いた。

 

それが致命的だった。

 

子供は助けられたが、バーニスが攻撃から立ち直ってロヴェルにメイスを振り下ろしたのだ。

ロヴェルは咄嗟に子供を突き飛ばし、ロヴェルはメイスの餌食となった。

 

「ぐはぁッ・・・!」

 

ロヴェルは押し潰され、背中に起きる痛みに襲われた。

ロヴェルは立ち上がろうとすると、痛みが走ってまともに立てない。

 

「(何故だ・・・何故、あんな事を・・・!)」

 

ロヴェルはそう考えていると、倒れている隙をバーニスは見逃さず、再びメイスが振り下ろされようとした時、突然バーニスの背中が燃えたのだ。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

 

そして、誰かの怒号が響き渡りながら激しい金属同士が響いた。

 

「・・・クロム、か?」

 

そこにはバーニスを斬りつけたクロムと魔導書を持ったルフレがいた。

 

「ロヴェルさん!」

 

そこに倒れているロヴェルの元にルフナが走ってやって来た。

 

「馬鹿、共が・・・何、で来たんだ・・・!」

 

「・・・それは、仲間だからですよ」

 

「仲間、だと?」

 

「はい。例えどんなに貴方が嫌みな人でも仲間なら助ける。どんなに危険でも傷ついて倒れているからには支える。それが私の・・・私達の考えです」

 

ルフナの言葉にロヴェルは何処か懐かしい感覚を覚えた。

 

仲間・・・。

 

その言葉にロヴェルは少し微笑むと立ち上がった。

 

「そうか・・・なら、好きにしろ。俺は俺の考えで動くまで」

 

ロヴェルはそうクレイモアを両手で持って、振り向き様にバーニスの首を斬り飛ばした。

バーニスの首が飛び交う中、時が止まった様にも見えた。

そして、バーニスの首が落ちるのと同時にバーニスは倒れて消えた。

 

「ふん・・・一様、礼は言うぞルフナ。・・・ありがとうな」

 

ロヴェルはそう言って辺りを見渡すと、亡者はおらずロヴェルは亡者が全滅したと判断して武器を収めた。

 

その姿を物陰で見ている者がいた。

その者は人ではなく、黒い蛇で瞳が黄色に輝いていた。

 

「ふむ、やはり力は健在であったか・・・流石は我が見込んだ王だ・・・しかし、やはりまだ力の大部分が欠如しておるな・・・」

 

蛇はブツブツと独り言を言いながらロヴェルを見ていると、その後ろから別の人物が現れた。

 

「カアス」

 

「おぉ、我が王よ」

 

カアスと呼ばれた蛇は跪ずく様に頭を下げた。

王と呼ばれた男は物陰から見る様にロヴェルを見た。

 

「・・・ほぉ、懐かしい姿だな」

 

「はい・・・何せ、此処は"過去"の世界ですから」

 

「そうだな・・・カアス。奴等の居場所は?」

 

「はい・・・掴めております。今、ダークレイスの者達に追わせております」

 

「そうか・・・奴等が接触する前に何としても止めろ。それと・・・娘は生きたまま連れて来いよ?」

 

男がそう言うと、カアスは呆れた様にうつ向く。

 

「甘いですぞ。貴方様の娘は我々を裏切ったのですぞ?仮に連れ帰ったとしてもどうするおつもりで?」

 

「・・・別に何とでもなる。俺と・・・あいつで話し合えばな・・・それに、我々の障害になるなら尚更だ」

 

「・・・そうでございますか」

 

カアスは諦めた様にそう言うと、満足そうに男は頷く。

 

「では、もう戻りましょう・・・我が主、ロヴェル王様」

 

「そうだな・・・」

 

ロヴェルはそう言うと、カアスと共に姿を消して行った。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

未来からの使者

亡者の騒動を終え、一通り被害にあった者達に対象し終えたクロム達はエメリナの元へ報告に行ってしまった。

ロヴェルはクロム達から離れると、一人城内に宛がわれた部屋でベットに座り込んでいた。

 

「・・・落ち着かんな」

 

ロヴェルはそう呟きながらベットに横になった時、何者かの気配を感じとりロングソードを手にしてゆっくりと起き上がった。

 

「誰だ?」

 

ロヴェルとそう言うと、部屋の暗闇から一匹の黒蛇が現れた。

特徴的な黄色に光る目に何処か身に覚えがあった。

 

「・・・私だ。フラムトだ」

 

「フラムト?あの、フラムトか?随分と姿を変えたな・・・それに、ため口?」

 

「これは仮初めの姿。今の時代、我々は住みにくいのだ。本当の姿で見つかったら化け物扱い・・・はぁ、嘆かわしい・・・ため口なのはもう、わしがお前に仕えていないからだ」

 

フラムトはそう溜め息を吐きながら言うと、ロヴェルに目線を向けた。

 

「ロヴェルよ・・・何故、わしが此処に来たのかを話そう・・・わしは、この先の未来からやって来た」

 

「未来だと?」

 

ロヴェルの言葉にフラムトはそう呟くと、フラムトは続けて言う。

 

「わしはこの時代では潜伏し、静かに生きてきた・・・じゃが、ある日を境にお主が闇の王としての力を取り戻し、再び台頭してこの城を拠点に闇を広げ始めた」

 

「待て。力をとりもどした?つまり、今の俺には・・・」

 

「お主の不死としての力ぐらいしかない・・・それでも強大なのは変わりないが・・・まぁ、それはさておき。お主は闇を広げるにあたり、問題が起きた」

 

フラムトはそう言うと、突然周りの風景が変わったのだ。

その風景は大地が荒れ、水は枯れ、天は太陽の光すら遠ざける程に雲が覆っていた。

そして、空には巨大な竜がいた。

 

「それは・・・邪竜ギムレーの復活じゃ。お主とギムレーは最初は一人を支配と人の滅亡と言う掲げる野望の違いでぶつかり合おうとしていたが、そこにクロムの娘ルキナがファルシオンを手に対抗する構えを見せたのだ。邪魔をされては堪らないと言う事でお主とギムレーは結託、互いにルキナ達を襲い始めたのだ」

 

ロヴェルはギムレーの目線の先を見ると、そこには青い髪をしてファルシオンを構える少女と仲間なのか数人の少年少女がいた。

ルキナの隣には騎士の鎧とアストラの直剣と竜紋章の盾を構えた少女がいる。

何処かロヴェル自身と似ている感覚を感じたロヴェルは聞かずにはいられなかった。

 

「あいつは?」

 

「・・・お主の娘だ」

 

「娘・・・!?」

 

「お主は結婚してな・・・最初は幸せだったのだろうが、いつしかお主と娘の意見が食い違い・・・敵対したのだ」

 

「俺に・・・娘・・・?」

 

ロヴェルは信じられないとばかりに娘とされる少女に近づいて触れようとしたが、すり抜けてしまった。

 

「無駄じゃ。それは過去の投影・・・今はこの時代にいる筈じゃが今は闇の王としてのお主の追手に追われてきる筈じゃ」

 

「ッ!?・・・殺すつもりなのか?」

 

「いや・・・やはり親子としての情はあるのだろう・・・捕らえるつもりの様だ」

 

ロヴェルはそれを聞いて何処か安心感を覚えた。

 

「わしはお主に仕えたのを止めた・・・じゃが、今はお主の娘に仕えている。ロヴェルよ。我が主の助けとなれ、そして闇の王を打ち砕く為に王の力を取り戻すのだ」

 

「・・・だが、俺ははっきりと決断が出来ていない。見捨てようとした子供をいつの間にか助け、いつの間にか仲間が出来ていた・・・ファルシオンを奪って殺そうとしたのにな」

 

ロヴェルはそう言って迷いを露にすると、フラムトは溜め息をついた。

 

「お主は本当にいったい何処であの異常な程の行動力と正義感を捨てて来たのだ。前のお主だったらすぐにでも旅立って行動していたであろうに・・・」

 

「・・・過去は過去だ。それに、正義を掲げた所で人が変わらなければ何も変わらない・・・」

 

「そうか・・・わしは待っておるぞ。お主が行動をするその時まで。・・・決してカアスに弱味を漬け込まれるなよ?それと、これはもしもお主が闇の王と対峙する決意を固めたならば開け。じゃあの」

 

フラムトはそう言うと、一通の手紙を置いて何処かへ消えてしまった。

一人残されたロヴェルは一人、決断を迫られる事になり悩んだ。

 

「(俺は闇の王だ・・・闇を広げるのが役目・・・だが、その先にいる自身の娘に離反される程までに行動しても良いのか?・・・分からない。どうすれば・・・)」

 

ロヴェルは一人で悩み続けた。

暫く悩み続けたロヴェルは手紙を手に取ると、開いた。

 

~ロヴェルへ~

 

お主がこれを開いたと言う事は決断した様だな。

 

良いか?

 

闇の王の力は強大じゃ・・・そのままの力では負けてしまうであろう。

そこで、お主は先ず王の力を取り戻すのだ。

 

場所の検討はついているが正確な場所までは分からん。

先ず、一つ目は西にある国フェリア、二つ目は東にある国ペレジア、三つ目はお主が今いるイーリス、そして四つ目は北の大陸にあるヴァルム。

 

この四つの国にお前の力がある筈じゃ。

 

良いか?

 

必ず、見つけ出すのだ・・・未来のお主に先を越される前にな。

 

~フラムト~

 

ロヴェルは手紙を読み終えると、手紙をしまいベットから立ち上がった。

 

「・・・信じた訳ではないが・・・フラムト。貴様の言葉に乗ってやろう・・・自身の選択を見つける為にもな」

 

ロヴェルはそう言って窓の外を見た。

暗闇を照らす太陽の僅かな光が差し込んでおり、まるで道標の様であった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自警団

フラムトの一件からロヴェルは先ずは情報を集めるべく行動を開始しようとした・・・が、現在はリズの案内の元にルフレとルフナも加えて自警団のアジトに向かっていた。

 

「(まさか部屋を出た瞬間に出会すとはな・・・)」

 

「はーい!此処が私達、クロム自警団のアジトでーす!ほら、入って入って!」

 

そこは少々埃っぽい場所で、ロヴェルのいたアノールロンドでもよく見かけた部屋だった。

所々にテーブルや椅子に本、武具等が置いてある様で確かに人が使っている雰囲気だった。

ロヴェルは興味津々に回りを見ていると、金髪の縦ロールをした少女が走ってきた。

 

「リズ!無事でしたの?」

 

「あ、マリアベル!」

 

どうやらリズの知り合いの様でマリアベルは心配そうな顔をしていた。

 

「心配しましたわ!リズったら、もう!お怪我はございませんこと?」

 

「あはは!大丈夫だよー!お風呂とかご飯は大変だったけど」

 

「クロムはどうした?俺様のライバルはビビッて腰を抜かしてたんじゃねぇか?」

 

金髪の褐色の肌をした男はそう言うと、リズはクロムの事を伝える。

 

「大丈夫だよ。良かったね!ヴェイクはお兄ちゃん大好きだもんね?」

 

「冗談でもよしてくれ、そういう事いうのは!」

 

ヴェイクは照れ隠しなのかそう言うと、次は鎧を着た女性が話し掛けてきた。

 

「クロム様もご無事・・・良かった・・・」

 

「スミアさんは、クロムさんを心配するあまり毎日花占いをして・・・この部屋を花でいっぱいにしてしまいましたのよ」

 

「えへへ。ありがとうね。スミアさん。お兄ちゃんの事を心配してくれて」

 

「いえ、そんな・・・」

 

リズ達は楽しそうに会話をしている間、ロヴェルは欠伸をしながら会話が終わるのをただひたすらに待っていると、ヴェイクが此方に向いた。

 

「所でよ、この似たような二人と暇そうにしている騎士は誰だい?」

 

「えへへ・・・じゃーん!新しく自警団に入るルフレさんとルフナですっ!あと、ロヴェルさん・・・」

 

リズはあからさまに嫌そうな雰囲気を出して最後にロヴェルを紹介すると、ヴェイクは驚いた様にロヴェルを見た。

 

「こいつは驚いたな・・・まさか噂の狂騎士がうちに来るとはな」

 

「狂騎士?」

 

ロヴェルは疑問に思いながらそう言うと、ヴェイクは続けてロヴェルに言う。

 

「何だ知らないのかい?この数時間であんたの戦いの評判は物凄く広がっている。見たこともない騎士の鎧を着て、多くの武器を扱い、まるで獣の様に戦う・・・まるでバーサーカーが騎士になった様だと言う事から狂騎士って呼ばれてんだぞ」

 

「・・・そうか」

 

ロヴェルは狂騎士の由来に別にどうでもいいと考えていた。

ロヴェルは確かに獣の様に戦う事を自覚しており、それに最初からそう言う戦いをしてきたのだ。

ロヴェルは元は農村生まれの平民出身で、剣処か短剣すら扱った事すらなかった。

初めて武器と言う物を手にして戦った時は、ただがむしゃらに振るったのだ。

そして今は洗練されているとはいえ、無茶な戦いを続けているのだ。

 

「それで?挨拶は終わったんだ・・・もう立ち去って良いか?」

 

「う、うん・・・」

 

ロヴェルはそう言うと、自警団のアジトから立ち去った。

 

~ルフレside~

 

僕は双子の妹のルフナと自分達と同じ日に自警団に入ったロヴェルと一緒にリズの案内で自警団のアジトに来ていたんだ。

自警団の皆は個性的で楽しそうな感じだったんだけど、ロヴェルがつまらなそうにリズに断って立ち去ってしまった。

 

「何なんだあいつ?」

 

「そういえば珍しくリズさんが人を嫌ってましたよね?」

 

「むぅ・・・だって、あの人何だか怖いんだもん・・・」

 

「え?怖いんですか?」

 

「そりゃぁ、狂騎士なんて呼ばれてんだ・・・見てはいねぇがとんでもねぇ奴だって分かるぜ」

 

自警団の皆は口々にロヴェルの事をそう言うけど、僕は何処か人と関わるのを恐れている様に感じた。

何故だが普通にしているのに背中が何処か寂しげで、恐れている様に見えてしょうがないんだ。

 

妹のルフナは逆に狂気と殺意に満ちた何かを感じたと道中で聞いた。

でも、それでも僕は彼から最初に感じた事を信じる。

それが大きな過ちになろうと・・・。

 

~side終了~



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

聖王と闇の王

ロヴェルが自警団から離れた後、一人城内を歩いていた時に一人の女性を見つけた。

 

「ん?あれは・・・エメリナか?」

 

ロヴェルはエメリナを遠くから見ていても分かるぐらいに悩んでいる様な顔をエメリナはしていた。

ロヴェルは別に用はないが何気なく声を掛ける事にした。

 

「どうしました?そんな浮かない顔をして?」

 

「貴方は・・・」

 

「ロヴェルだ。敬語は許してくれ・・・敬語を意識すると余計に失礼になるんだ。何故かな」

 

「ふふ、変わってますね」

 

ロヴェルはそう冗談ぽく言うと、エメリナは微笑む。

 

「・・・エメリナ殿。何故、浮かない顔をしていた?」

 

ロヴェルは冗談なく真剣な声でそう言うと、エメリナも微笑みを無くし暫く考え込むような動作をした後、話始めた。

 

「・・・私は、迷っているのです。貴方は・・・このイーリスの過去をご存知ですか?」

 

「知らないな・・・」

 

「・・・昔、このイーリスと隣国ペレジアで戦が起こったのです。仕掛けたのは私の父・・・父は聖戦と称した戦をペレジアに仕掛けて酷い戦いになったのです。戦いは激しさを増すばかり・・・民達は疲労しきって私達、王族を恨む程でした」

 

「当然だな。民を蔑ろにする事は国を壊す事・・・ただ立場が違うだけで無茶を強いられたりしたら誰だって恨みはする」

 

エメリナの言葉にキツイ言葉を言うロヴェル。

エメリナはそれを聞いて微笑んだ後、話を続ける。

 

「私は戦の途中で亡くなった父の後を継いで聖王になりました。辛い道のりでしたが、やっと今の国に戻せました。しかし・・・ペレジアからの挑発、圧力等の不穏な動き・・・私は万が一、またペレジアとの戦になったら・・・」

 

「戦うべきなのか・・・と、そう考えているのか?」

 

ロヴェルの言葉にエメリナはうつむきながらも頷いた。

ロヴェルはその反応に溜め息をつく。

 

「戦うしかないだろう。相手が襲ってくるなら守る為に戦う。例えまた多くの血が流れようと、今度の戦いは守る為の戦い。誰がそれを責める?誰がお前を非難する?。エメリナ殿のその願いや想いは、ただの一方的な物なのか?」

 

「違います・・・!。一方的な物では・・・」

 

「だったら貫き通せば良い・・・王の目指す物は、それぞれ違う。故に敵対し、争い、殺し会う・・・それは変わらないが思いは違えど、貫こうとする意思だけは同じ・・・例え、酷い想いだとしても貫こうとするなら、その者の正義になる。それがどれだけ血が流れようと、守る為の戦いなら尚更な」

 

「・・・けれど、互いの想いを尊重し、手を取り合う道もある筈です。例え相手が戦いを仕掛けてきても、話し合う事が出来るなら話し合い、争いの根元を断ち切る。例え長い時間が掛かったとしても、きっと解決できる筈です」

 

「話し合う相手がイーリス併合と言う野望を持っていたとしてもか?。平和の為に国を渡してしまうつもりなのか?民を、売り渡すつもりなのか?」

 

「違います。私は」

 

「エメリナ様、此処におられたのですね」

 

エメリナが反論しようとしていた矢先に向こうから髪を後ろに束ね鎧を着た女性がやってきた。

 

「フィレイン」

 

「そろそろ政務の時間になります。もう戻りましょう」

 

「はい。ロヴェルさん。話はまた後日に・・・」

 

「・・・あぁ」

 

ロヴェルは立ち去ろうと歩き出した。

しかし、そこでエメリナに呼び止められた。

 

「・・・待ってください」

 

「何ですか?」

 

「・・・貴方にとって、平和とは何ですか?」

 

「・・・人が心を捨てた時だ。心は、良い意味でも悪い意味でも・・・欲望に忠実だ。だから、争いの根元である・・・心を奪い争いを無くす。それだけだ」

 

ロヴェルはそう言うと、今度こそ立ち去った。

未だに不安そうな表情を浮かべてロヴェルを見つめるエメリナにフィレインは首を傾げるしかなかった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フェリアへの旅立ち

ロヴェルはエメリナとの会話を終えて自分の部屋に戻る為に部屋の前までやって来ていた。

ロヴェルが扉のノブに手を掛けて開けようとした時、向こうから足跡が聞こえてきた。

 

「ロヴェル」

 

「ルフレか。どうした?」

 

「実はアジトの方に一足遅くにクロムが来たんだ。それで、クロムからフェリアへ向かう事になったんだ。イーリスだけではあの化け物や君の知る亡者に対して対処できない。それでフェリアに助力を求めに行くらしいんだけど・・・君も行くかい?志願だから無理に行く事はないけど」

 

ロヴェルはルフレの言葉を聞いて考える。

まだ何も知らない状態でイーリスから離れて旅たつか、それともフェリアに向かって宛もなく王の力に関して探るかを考えた。

ロヴェルは暫く考えた後、決断してルフレに言う。

 

「・・・分かった。俺もフェリアとやらの国に行こう。丁度、少し用事もあるしな」

 

「そうなのかい?。まぁ、行くならクロム達に伝えておくよ」

 

 

ルフレはそう言って立ち去ると、ロヴェルは暫くその場に立ち止まっていたがすぐに部屋へ入って行った。

 

_______

____

__

 

 

翌朝、ロヴェルは何時もの上級騎士一式の装備を纏い銀騎士の剣と竜紋章の盾を装備して集合場所にやって来た。

 

「ロヴェルが来たよ」

 

「よし、これで全員だな。では、出発するぞ」

 

クロムがそう言って出発の号令をした時、向こうから誰かが走ってくる気配をロヴェルは感じた。

 

「ままま、待ってくれーーー!」

 

その叫び声と同時に緑色の鎧を着た青年が息を切らしてやって来た。

 

「ソール?」

 

「つ、ついさっき聞いたんだけど、今からフェリア連合会王国に行くって本当!?」

 

「ええー!情報おそっ!てっきりソールは来ないんだと思ってたよー」

 

リズのその発言にロヴェルは自警団にもう少ししっかりして欲しいと思った。

情報が遅くなると言う事は万が一の場合に情報が停滞し、仲間が危険に去らされ兼ねない状況になるかもしれないのだ。

ロヴェルは少し溜め息をつくが、平和なイーリス特有の現象だと考えて気にしない事にした。

 

「ていうか・・・この言葉をヴェイクが昨日の内に伝えておくって言ってたよね?」

 

「あ・・・。俺様としていた事が忘れていた」

 

ヴェイクはそう言うと、苦虫を噛んだような顔をして頭をかいている。

 

「んもーーーー!もぅ。ヴェイクってば、ほんっと適当!。今日はこの前みたいに武器わすれてない!?」

 

「うっせー!今日はちゃんと持ってるよ!・・・まぁでも、こうして間に合ったんだし、良かったな!ソール!」

 

「全然良くないよ!急いで準備したから髪はボサボサだしお腹はペコペコだよ!」

 

三人のボケとも言える会話にロヴェルは少し笑っていた。

久し振りに感じた仲間内の会話にロヴェルは少しだけ仲間に入るのも悪くないと感じた。

 

「この人も仲間なのか?」

 

ルフレがクロムに言うと、クロムはソールを紹介する。

 

「あぁ、悪かった。こいつはソール。こう見えて、頼りになる騎士だ」

 

「よろしくね、ルフレ、ルフナ、それとロヴェル。君達が入団した事は、ミリエルから聞いてあるよ。あ、因みにミリエルはこの自警団の魔導師なんだ。彼女も後から合流するよ」

 

ソールがそう言い終わった後、ロヴェルは向こうに複数の気配を感じ、その方向に振り向いた。

そこには屍兵が部隊規模で現れたのだ。

 

「こんな所にも屍兵が・・・!?」

 

「屍兵、とは何ですか?」

 

ルフナが屍兵について聞くと、フレデリクが応える。

 

「名前がないとふびんですので、あの異形の化け物に名前を付けた物ですよ」

 

フレデリクが説明を終えると、クロムがファルシオンを抜いて身構えた。

 

「手強いぞ。皆、気を付けろ」

 

「おぅ!任せとけ!俺様の斧の一撃で・・・って、あれ?」

 

ヴェイクが体のあちこちをまさぐって何かを探している。

そして、ヴェイクは両手を頭に乗せて大きく叫んだ。

 

「お、斧がねぇ!どっかにおとした!」

 

ロヴェルはそれを聞いて額に手を当てて呆れ果てた。

武器を落とす様な愚行を起こすとは全く思っておらず、ただ呆れ果てた。

 

「何をやっているんだお前は・・・」

  

「ヤバいぜ!斧がねぇと俺様、戦えねぇ!」

 

「斧だな。待ってろ」

 

「え?」

 

唖然とするヴェイクを他所にソウル内を漁って一つの斧をロヴェルは手にした。

 

「この斧を使え」

 

「おぉ!ありがとな!」

 

ヴェイクが喜んでロヴェルから斧バトルアクスを渡すと、ヴェイクは慣れた手付きでバトルアクスを振るう。

ロヴェルがバトルアクスを手渡した光景を見たクロムは唖然としつつも、ロヴェルに言う。

 

「ロヴェル・・・色々と武器を持っているんだな」

 

「長い事、戦いに身を投じたりしたからな・・・武器を大量に持っていて損はない」

 

ロヴェルのいた世界では旅の途中で常に武器の耐久性を保つのは難しく、万が一に戦闘や酸による攻撃で壊れた場合に備えて予備を幾つも所持している。

例え弱くても折れた武器系よりも遥かにマシだと考えてだ。

 

「さて・・・役者は出揃った。始めるとしようかクロム」

 

ロヴェルはそう言って銀騎士の剣を抜いて屍兵達に向けた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

闇からの刺客

クロム達は屍兵と交戦を開始した。

屍兵は部隊規模ではあるが、統率も無く、ただ突っ込むだけの攻撃にルフレとルフナの軍師としての力を磨く絶好の相手にしかならなかった。

 

「クロムとソールは左翼を!僕はヴェイクと右翼!フレデリクとロヴェルは中央を頼む!」 

 

ルフレは討ち漏らしが無いように布陣させつつ、敵を殲滅していく。

 

「リズさんの援護を忘れてはいけません。私はソワレさんとヴィオールさんで援護をします。前衛は兄さんの指示でお願いします!」

 

ルフナは戦う力の無い回復役のリズを守りつつ、後衛役のヴィオールと前衛役としてルフナとソワレが陣形を突破してきた屍兵を倒していく。

 

「成る程な。確かにあの二人は軍師に向いている・・・だが、戦闘面は土素人丸見えのままだ」

 

ロヴェルはそう呟くと、ファリスの弓を素早く取り出して二発の矢を放った。

矢はルフレやルフナの隙を突いた屍兵の頭に当たり、屍兵は倒れた。

二人は驚いていたが、すぐに戦闘に戻り指揮を続ける。

 

「・・・全く。成長は早いがまだ未熟者だ」

 

ロヴェルはそう言いながら銀騎士の剣で屍兵を次々と凪ぎはらって行き、ゆっくりと奥に進んでいく。

 

「・・・ん?」

 

ロヴェルは歩んでいた時、目の前に黒い靄の様な物が浮かんでいた。

ロヴェルは足を止めて様子を伺っていた時、靄から突然何かが飛び出し、いきなり斬り付けられた。

 

「ちッ!」

 

ロヴェルはローリングで避けて、銀騎士の剣を横凪ぎに振るうと、銀騎士の剣が受け止められた。

ロヴェルは銀騎士の剣の斬撃を止められた事に驚きつつも、相手の様子を伺った。

相手を見たロヴェルは目を見開いて静かに言う。

 

「・・・貴様は、ミルドレッドか」

 

「ふふ、久し振りね~。こう言えば良いかしら?・・・我が主」

 

人喰いミルドレッド。

嘗て、病み村の底で対峙したダークレイスの一人でその通り名の通り食人行為を働く。

巨大な肉断ち包丁は恐ろしく威力が高く、当時のロヴェルは散々苦戦させられたりしたが、闇の王になって以来、配下にしていた。

 

「貴様・・・俺に刃を向けるとは、未来からの刺客か?」

 

「んー、そんな感じかしらね。でも、私の目的はあくまで王女様・・・一様言うけど、貴方の娘ね。あと次いでに王女の回りにいる人間もくれるとも言われたわね~」

 

ミルドレッドは舌なめずりしながらそう言うと、ロヴェルは銀騎士の剣からクレイモアを取り出して構えた。

 

「・・・貴様達のやる事には興味無いが、この俺を斬り付けた代償は払っていけ」

 

「言われなくても・・・でも、ただじゃないわよ?」

 

ミルドレッドも武器を構えると、互いに対峙する。

まるで、過去の戦いを繰り返す様に・・・。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

終結

最初に攻撃を仕掛けたのはロヴェルからだった。

ロヴェルは豪快にクレイモアを振るってミルドレッドに叩き込もうとすると、ミルドレッドは軽く避けて人斬り包丁をロヴェルに叩き込こむ。

 

ロヴェルは肉断ち包丁を竜紋章の盾で防ぐと、ミルドレッドは連続で攻撃を入れてくる。

 

「ほらほらほら!」

 

「ちッ!」

 

ミルドレッドの激しい攻撃を受け、ロヴェルは防戦一方になった。

それを見たミルドレッドは残念そうに見てくる。

 

「な~んだ。やっぱり、この時代の貴方の力が弱まったのは本当の事なのね~」

 

「ふん、今からでも取り戻してやるさ。貴様達が何をしようと本当に関係ない・・・だが、面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。火種は早いうちに消させてもらうぞ・・・」

 

「ふふ、やっぱり貴方は変わらないわね・・・でも、遊びはもう終わりよ。ほら、お仲間もそこまで来てるわよ」

 

ロヴェルは振り向くと、遠くからでもクロム達が接近している事が分かった。

ロヴェルはクロム達を確認した後で前を向いた時には、ミルドレッドはおらず、代わりに数体の呪術師の亡者が一斉に火属性の呪術を放っていた所だった。

ロヴェルは咄嗟に火属性から守る竜紋章の盾で防ぐも、放たれた火が右腕にかすり、クレイモアを落としてしまった。

 

「しまった・・・!?」

 

ロヴェルは咄嗟に竜紋章の盾を捨ててクレイモアを取ろうとしたが、呪術師はその隙すら与えず次の攻撃を仕掛け、今度はまともに攻撃を受けてしまった。

 

「くッ・・・!面倒な事になったな・・・」

 

ロヴェルは左手に持つクレイモアを杖代わりにして立つと、呪術師を睨んだ。

呪術師達は一斉に呪術を発動しようと呪術の火を翳したその時、呪術師の一体が矢で頭を射ぬかれた。

 

~ルフナside~

 

私は軍師の一人として仲間達を指揮していた時、遠くでロヴェルさんが数人の魔術師と思われる敵に追い詰められている所を見つけました。

ロヴェルさんは右腕を負傷しているのか垂れ下がっており、左腕で大剣を持っている状態でした。

 

「いけない・・・!。ヴィオールさん!」

 

「任せたまえ!。貴族的に助けてみせよう!」

 

ヴィオールさんはそう言って弓を引き絞り、矢を放つと魔術師の一人の頭に当たりました。

 

~side終了~

 

ロヴェルは矢を受けて倒れた呪術師が倒れた事で好機と捉えると、直ぐ様クレイモアで呪術師達を振るって倒した。

ロヴェルは傷ついた腕をぶら下げながらクレイモアを肩に担いでルフナの方へ向いた。

ルフナは既にヴィオール、リズと共に駆け付けていた。

 

「助かったぞ・・・ルフナ」

 

ロヴェルは礼を言うと、ルフナは溢れんばかりの怒りのオーラを出し始め、側にいるヴィオールは怯える。

因みにリズはソワレに守られて今はいない。

 

「・・・貴方は、何て無茶をするんですか!」

 

「無茶?」

 

「分からないのですか!下手したら死んでいましたよ!」

 

ルフナの説教にロヴェルは全く聞く気もなく、ルフナの説教が終わるのを平然と待っていた。

一通り説教して落ち着いたのか、ルフナは少し息を切らしながらロヴェルの近くによる。

 

「ほら、傷を見せてください。リズさんを呼びますから」

 

「必要ない」

 

「え?」

 

ロヴェルの言葉にルフナは呆気に取られていると、ロヴェルは何処からともなくビンを取り出すと中身を飲む。

すると、ロヴェルの腕の傷が完治し、何時も通りの動きをしている。

 

「な、何ですか・・・それ?」

 

「見た事もないな・・・回復薬の一種かい?」

 

「これはエスト瓶・・・回復能力は高いが、俺にしか使えない」

 

「何故ですか?」

 

ルフナの質問にロヴェルは黙り込んだ。

 

エスト瓶が使える者・・・それは不死や亡者だけであり、ロヴェルが元々が不死であるからこそ使えるのだ。

不死でも亡者でもない人間が使えばそれは毒となる・・・。

 

エスト瓶がロヴェル以外に扱えない理由をロヴェルはどう話し、自分の正体を隠すかを考えていた時、向こうから数体の敵がやって来るのが見えた。

 

「やれやれ・・・話す暇もないのか・・・さて、行くとするか!」

 

「ロヴェルさん!?」

 

ロヴェルは誤魔化す様に敵の元に走っていってしまい、ルフナとヴィオールだけが取り残された。

 

「はぁ・・・また無茶をしないと良いのですが・・・」

 

ルフナは心配そうな顔でロヴェルの走って行った方向見ており、ヴィオールはルフナのその姿を見て意外そうに言う。

 

「・・・君、意外とロヴェルの事をよく見てるね」

 

「え?そんなに見てませんが・・・」

 

「いや、そうではなくてね・・・まぁ、アレだ。よくロヴェルと話すなぁ・・・なんて」

 

ヴィオールはそう言うと、ルフナは考える様な仕草で自身の行動を振り替える。

ルフナの脳内では確かにロヴェルとよく関わりを持っている事が多く、自身でも何故、一番警戒している相手と過ごしているのか分からずにいた。

ルフナは自分でも気付かない内にロヴェルの事を監視していると言う考えが思いついたが、確証も無いのですぐにその考えを捨てた。

 

「・・・私でも分かりません」

 

「そうなのかい?」

 

「ヴィオールさんに話し掛けられるまで分かりませんでした・・・本当に何故でしょうか・・・」

 

ルフナは戦いの最中だと言う事を忘れて脳内の世界へと入って行った。

そして、ロヴェルの奮戦により戦線を押し上げられ戦いは終結された。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

イーリス・フェリアの国境へ

屍兵達を殲滅したロヴェルはクロムの元に戻ると、クロムに着いてきた自警団メンバーの中に見慣れない魔女の様な服装をした如何にも真面目と言う言葉が似合いそうな女がいた。

 

「クロム」

 

「ロヴェル。丁度良かった。お前に紹介したい奴がいるんだ」

 

クロムはそう言いながら女を紹介した。

女はミリエルと言う自警団の魔導師らしく、魔法に長けているそうだ。

 

「ミリエルです。貴方が自警団に入った事は把握していたわ」

 

ミリエルは素っ気ない挨拶をした後、ロヴェルを見ている。

 

「何だ?」

 

「・・・いえ、その鎧・・・何処かで見たような気がしまして・・・」

 

「ッ!?」

 

ミリエルの言葉にロヴェルは一瞬で警戒体制に入った。

ミリエルがロヴェルの着る上級騎士の鎧を見たと言う可能性が存在する以上、警戒するに越したことはないのだ。

 

「見たって、何処でだよ?」

 

ヴェイクがミリエルにそう聞くと、ミリエルは頭を捻りながら言う。

 

「確か・・・何かの本の描写で見たのですが・・・」

 

ミリエルはそう言うと、ぶつぶつと言いながら自分の世界に入っていってしまった。

 

________

_____

___

 

クロム達、自警団は屍兵やミリエルの一人言に足止めされるもフェリアへの国境付近に辿り着いた。

フェリアの国境は雪が吹き荒れ、寒さが襲い掛かってくる。

 

「う~~寒い・・・寒いよー!フレデリクー!」

 

「はい、リズ様。私を風避けにお使いください」

 

ロヴェルは二人のそんな会話にフレデリクはリズを甘やかし過ぎてないかと、ロヴェルは思った。

旅が厳しいのは当たり前であり、ロヴェルの旅は常に死と隣り合わせの試練の旅・・・そんな旅に比べればフェリアの雪などはどうでも良かった。

 

暫く歩いた後、目の前に巨大な建物が見えた。

 

「あれは・・・砦?」

 

「あれはイーリス王国とフェリア連合王国の国境造られた長城だ」

 

「我々イーリスとフェリアは敵対関係ではありません。ただ、近頃フェリアは他国への警戒を強めているとも聞きます。誤解を生まないよう、慎重な話し合いが必要ですね」

 

「政治や外交は苦手だが・・・そうも言ってられん。今の俺達はイーリス聖王の特使だ。失礼のないようにしなければな」

 

クロム達はそう言って砦に近づこうとした時、フレデリクが異変に気付いた。

ロヴェル自身も砦の様子がおかしい事に気づく。

 

「・・・臨戦態勢、か」

 

砦側は間違いなく臨戦態勢に入っており、今にも戦闘が始まりそうだ。

そして、砦の城壁の上から女性と思われる重装の兵士が現れた。

 

「何者か!?」

 

警戒する様にそう叫ぶと、クロムが前に出た。

 

「フェリアの国境兵だな?俺はイーリス聖王の代理で・・・」

 

クロムが用件を言いながら前に出た時、兵士は叫ぶ。

 

「止まれ!それ以上近付けば敵とみなし、攻撃する!」

 

「お待ちください!私達は敵ではありません!聖王エメリナ様の命を受け、交渉を行う為に参ったのです!」

 

フレデリクが誤解を解こうと用件を言った時、兵士が明らかに殺気を出して更に警戒し始めた。

ロヴェルは直感で戦闘になると予想し、腰に差してある銀騎士の剣を何時でも抜ける様に持つ。

 

「・・・来るぞ」

 

ロヴェルがそう言った瞬間、砦から大量の矢が放たれた。

その大量の矢の数本はクロムに向かっていき、クロムが防御しようとファルシオンを抜き、振るうも間に合わない。

 

"当たる"

 

その言葉が全員の頭に過った瞬間、クロムの姿が消えた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。